ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 中央社会保険医療協議会 総会 第336回議事録(2016年9月28日)




2016年9月28日 中央社会保険医療協議会 総会 第336回議事録

○日時

平成28年9月28日(水)10:24~12:01


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

田辺国昭会長 印南一路委員 西村万里子委員 野口晴子委員 松原由美委員 荒井耕委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 花井十伍委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
松本純一委員 中川俊男委員 松原謙二委員 万代恭嗣委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員
安部好弘委員
丹沢秀樹専門委員 横地常広専門委員 菊池令子専門委員
<参考人>
保険医療材料等専門組織 渡辺委員長
<事務局>
鈴木保険局長 谷内審議官 濱谷審議官 迫井医療課長 眞鍋医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器及び臨床検査の保険適用について
○先進医療会議の検討結果の報告について
○診療報酬改定結果検証部会からの報告について
○平成28年度DPCに係る定例報告について
○新たに向精神薬に指定される内服薬の投薬期間について
○医療経済実態調査について
○最近の医療費の動向について

○議事

○田辺会長

 それでは、ただいまより第336回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。

 まず委員の出席状況について御報告します。本日は、榊原委員、岩田専門委員が御欠席でございます。

 それでは、早速、議事に入らせていただきます。

 初めに「○医療機器及び臨床検査の保険適用について」を議題といたします。

 本日は、保険医療材料等専門組織の渡辺委員長にお越しいただいております。渡辺委員長より、御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○渡辺委員長

 それでは、説明いたします。

 中医協総-1-1の資料をごらんください。

 今回の医療機器の保険適用は、C1の1区分、1製品です。

 3ページ目をごらんください。製品名はアドスプレーです。

 5ページ目の製品概要をごらんください。本品は、腹部、または骨盤腔の手術患者に対して、腹部切開創下、腹膜損傷部位に適用し、術後癒着の頻度、範囲、程度を軽減する、癒着防止剤です。専用のスプレーヤーを用いて噴霧し、組織表面でゲル化することにより、凹凸のある形状にも対応が可能となっております。

 3ページにお戻りください。価格につきましては、類似機能区分比較方式の場合、既存品のシート状のものに比べ、これまで適用困難であった凹凸のある分野、腹腔鏡手術において、スプレー状である本品は、より安全、簡易な手技に資するものと、保材専として判断し、改良加算(ホ)5%の評価といたしました。

 この結果、最終的な価格を7,300円といたしました。

 なお、外国平均価格との比はありません。

 続きまして、中医協総-1-2の資料をごらんください。

 今回の臨床検査の保険適用は、E3の1件です。

 3ページ目をごらんください。販売名は、MESACAP anti-MDA5テスト、MESACAP anti-TIF1-γテスト、MESACAP anti-Mi-2テストです。

 測定項目は、抗MDA5抗体、抗TIF1-γ抗体、抗Mi-2抗体です。

 測定方法は、ELISAです。

 5ページ目の製品概要をごらんください。本検査は、皮膚筋炎の診断基準を満たす患者の血清中の抗MDA5抗体、抗TIF1-γ抗体、抗Mi-2抗体を測定し、各抗体陽性皮膚筋炎の臨床的特徴に基づいた治療が可能となるものであります。

 3ページ目にお戻りください。保険点数につきましては、自己抗体検査の26番、抗デスモグレイン3抗体、抗BP180-NC16a抗体の270点を参考点数としています。

 今回、御説明いたします内容は、以上です。

 御審議をよろしくお願いいたします。

○田辺会長

 どうもありがとうございました。

 事務局から補足があれば、よろしくお願いします。企画官、よろしくお願いします。

○眞鍋医療課企画官

 企画官でございます。

 事務局からの補足は、特にございません。

 以上です。

○田辺会長

 それでは、ただいまの説明に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。

 松本委員、お願いします。

○松本委員

 医療機器なのですけれども、腹腔鏡の手術にも使用するという想定で考えてよろしいのですか。

○眞鍋医療課企画官

 はい。

○田辺会長

 どうぞ。

○松本委員

 それで、使用目的の中にあります、術後の癒着の頻度、範囲、程度を軽減した結果、利点はどういうところにあるのでしょうか。

○田辺会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 事務局から回答させていただきます。

 まずは癒着が軽減されるということで、その後の術後の合併症などが軽減されるということで聞いております。

 以上です。

○田辺会長

 松本委員、どうぞ。

○松本委員

 例えば合併症というのは、どういう合併症を想定しているのでしょうか。

○田辺会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 企画官でございます。

 薬事承認上は、特にこういった合併症という特別な指摘はなかったところでございますので、この場でこれと申し上げることは、なかなか困難であります。

○田辺会長

 松本委員、どうぞ。

○松本委員

 開腹の場合に、今までシートを使っていた。内視鏡にはなかなかシートは使いにくい。スプレーというか、ゲル状のものにして、内視鏡も使えるということは、はっきり言って、全例に使用するということにはならないのでしょうか。

○田辺会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 企画官でございます。

 臨床現場で想定をしておりますのは、今、シート状のものでは、なかなか適用が困難であった、凹凸の深いようなところに関しての適用が想定されておりますので、全例ということではないのではないかと思っております。

○田辺会長

 松本委員、どうぞ。

○松本委員

 通常、癒着を軽減すれば、術後の腸閉塞などが軽減できるということを我々も思っておりましたが、どうもそれにはエビデンスがないということが、今、いわれております。その辺のところも、製品として販売するときに、販売する人は、そういうこともちゃんと含めて、言っていただきたいと思います。

○田辺会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 松本委員の御指摘の点でございますけれども、この製品の臨床研究の中では、本品群と無処置群で、イレウス等に関する発生率の違いについては、示されなかったところでございます。

 そういったことに関して、私ども、これは審査の中でも、そういう指摘が現場からあるということは、承知をしておりましたので、製造販売業者にそういう指摘を行いましたところ、この製品の効能・効果について、丁寧に現場で説明をしていく旨の回答を得ているところでございます。

○田辺会長

 よろしゅうございますか。

○松本委員

 はい。

○田辺会長

 ほかにいかがでございましょうか。

 それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということで、よろしゅうございますでしょうか。

(「はい」と声あり)

○田辺会長

 ありがとうございました。

 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。

 それでは、次に「○先進医療会議の検討結果の報告について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。

 企画官、よろしくお願いします。

○眞鍋医療課企画官

 企画官でございます。

 それでは、中医協総-2を用いまして、先進医療会議における先進医療Bの科学的評価結果について、御報告を申し上げます。

 中医協総-2の1ページをごらんください。

 技術名は、微小肺病変に対する切除支援気管支鏡下肺マーキング法でございます。

 申請医療機関は、東京大学医学部附属病院でございまして、こちらにかかる費用は、その表のとおりでございます。

 総評は適という評価を受けてございます。

 技術の概要につきまして、6ページをごらんください。

 こちらで御説明を申し上げたいと思いますけれども、まず対象症例となりますのは、手術中に同定が困難ということが予想されます、切除マージン、変異部確保に注意を要する症例ということでございまして、そういう方々を対象に、気管支鏡下に肺にマーキングを行うという技術でございます。

CT画像をもとに、マーキングを計画いたしまして、術前の2日以内に、局所麻酔・沈静下に気管支鏡を施行し、それによりまして、透視下で経カテーテル的に複数のマーキングを施すというものでございます。

 その下にイメージ図がございます。色素としては、インジゴカルミンを胸膜に噴霧するなどのそういう手段を用いるということでございます。

 そして、そういったマーキングを行った後に、手術を行いまして、術中下で標的病変を切除するというもので、複数のマーキングをガイドに、肺葉切除未満の縮小手術を行うということでございます。

 次のページ、最後のページでございますが、ロードマップがございます。

 こちらの技術でございますが、既に先行研究として、500例ほどの先行研究が行われてございます。今般、この先進医療で10カ月間を目途に、160人を対象といたしまして、さらにエビデンスを積み、ここで有効なエビデンスを得られましたら、学会要望とともに公知申請を検討するということでございます。

 御報告内容は、以上でございます。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑は、このあたりとしたいと存じます。

 次に「○診療報酬改定結果検証部会からの報告について」を議題といたします。

 検証部会の松原部会長より、御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○松原由美委員

 検証部会長の松原です。

 本日、御報告する資料は、平成28年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成28年度調査)の調査票案についてです。

 まずは、本調査票案の作成において、中医協委員の皆様には、短い期間で調査票案を御確認の上、何人かの委員の方々より、コメントを頂戴しましたことを、この場をかりて、厚く御礼を申し上げます。いただきましたコメントにつきましては、できるだけ反映する方向で、検討を重ねて、作成した調査票案を本日、お出ししております。

 本日、御報告するのは、平成28年度に実施する検証調査のうち、夜間の看護要員配置における要件等の見直しの影響及び医療従事者の負担軽減にも資するチーム医療の実施状況調査、かかりつけ医・かかりつけ歯科医に関する評価等の影響及び紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入の実施状況調査、重症度や居住形態に応じた評価の影響調査等を含む在宅医療・訪問看護の実施状況調査、精神疾患患者の地域移行・地域生活支援の推進や適切な向精神薬の使用の推進等を含む精神医療の実施状況調査、後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査の5項目に係る調査票案です。

 今後、スケジュール案に基づき、調査を実施し、それぞれの報告書がまとまり次第、改めて御報告したいと思います。

 それでは、事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。

○田辺会長

 企画調査室長、よろしくお願いいたします。

○矢田貝保険医療企画調査室長

 それでは、お手元の資料の中医協検-1につきまして、簡単に調査票案の概要について、御説明いたします。

 まず3ページでございます。チーム医療、夜間の看護要員配置についての調査票でございます。

 調査目的にございますとおり、28年度改定で、医療事務作業補助者や看護補助者の配置に関する評価、特定集中治療室などにおける薬剤業務に関する評価などの見直しを行われるとともに、看護職員の月平均夜勤時間に係る要件などの見直しや夜間の看護体制の評価などが行われましたので、この影響について、調査するものでございます。

 5ページからが、施設表になってございます。施設の概要です。

 8ページから、今回の改定に関する方の届け出状況等の調査票となってございます。

12ページから、医師の勤務状況、12ページ下段から、看護職員の勤務状況や看護補助者の配置等についての調査となってございます。

14ページからは、医師の負担軽減策についての取り組み状況について、調査をしているものでございます。

17ページからが、医師票となってございます。

18ページは、行っている業務やその負担感についての調査です。

19ページから、他職種の連携などについての調査を行うものでございます。

22ページからが、看護師長票でございます。

23ページから、その病棟における看護職員、看護補助者の勤務状況などにつきまして、調査をしているものでございます。

27年度10月と2810月の状況について、比較調査するとともに、例えば24ページ下段で、夜勤の状況が改定の前後でどうなったかということについても、調査してございます。

25ページでは、看護職員の負担軽減の取り組みについて、調査をしているものでございます。

30ページからが、薬剤部責任者票でございまして、薬剤師の負担軽減に関する取り組みについて、調査を行うものです。

34ページからが、病棟薬剤師票でございまして、病棟における薬剤師の勤務状況などについて、調査をするものでございます。

 2つ目の調査が39ページから、かかりつけ医・かかりつけ歯科医機能大病院受診時の定額負担の調査でございます。28年度改定で、かかりつけ医やかかりつけ歯科医の機能に対する評価の充実が図られるとともに、紹介状なしの大病院受診についての定額負担が導入されておりますので、その状況について、調査するものでございます。

41ページからが、かかりつけ医に対する調査票でございます。

42ページを見ていただきますと、地域包括診療料、地域包括診療加算届け出状況などについて、加算届け出をしていない理由なども含めまして、調査をしているものでございます。

48ページ、49ページでは、地域包括診療料や認知症地域包括診療料を算定する患者様5名につきましての状況についても、調査することとしております。

50ページからが、小児科のかかりつけ医診療料の調査票となってございます。

 こちらにつきましても、54ページ、患者様5名につきましての状況調査も設けているところでございます。

55ページからが、大病院調査票でございまして、定額負担の導入の状況につきまして、56ページ以下、お伺いをしているものでございます。

61ページからの初診時、再診時選定療養費に関する実態調査につきましては、200床以上の病院で、定額負担の義務化になっていないところにつきまして、先ほどの大病院と同じような調査をするものでございます。

67ページからが、かかりつけ歯科医票でございます。

69ページ、外来診療の実施状況です。

70ページ、他施設との連携状況です。

72ページ、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所についてです。

75ページからは、患者2名様につきましての状況について、お伺いするというものでございます。

77ページからは、患者票でございまして、かかりつけ歯科医に対する意見などについて、調査をするものでございます。

81ページからが、3つ目の調査でございます。在宅医療・訪問看護に関する調査でございます。28年度改定で、休日の往診、みとり、重症児に対する医学管理等について、実績を有する医療機関に対する評価、個々の患者の状況や居住場所に応じた診療報酬の見直し、また、在宅医療専門の保険医療機関が設けられたことなどを踏まえまして、調査を行うものでございます。

83ページからが、在宅医療、訪問診療を実施している医療機関に対する調査でございます。

85ページ、在支病・在支診の届け出状況などについて、調査をしています。

87ページ、在宅医療の実施状況などについて、調査をするものでございます。

90ページからは、訪問診療を実施した患者2名についての状況についても、調査するものでございます。

92ページからが、訪問看護ステーションの方に対する訪問看護の調査票でございまして、93ページ下段から、診療報酬の算定状況や利用者の状況などについて、27年9月、289月の比較も含めまして、調査をするものでございます。

98ページからは、訪問看護を行った利用者4名についての調査も、この中で実施するものでございます。

100ページからが、在宅歯科医療票でございます。在宅歯科訪問診療の実施状況などについて、お伺いをするものでございます。

109ページでは、1日の歯科診療の状況であったり、109ページの一番下から、患者2名についての状況などについても、調査をするものでございます。

 4つ目の調査でございますが、112ページから、精神医療に関する調査でございます。28年改定で、長期入院患者の退院と病床数の適正化に取り組む精神病棟の評価、精神科デイ・ケアの適正化などが行われておりますので、その状況について、調査するものでございます。

114ページからが、病院票でございます。

 その施設の概要であったり、また、116ページ以降、その施設の体制です。

117ページからは、地域移行機能強化病棟、28年度改定を踏まえまして、そちらについての取り組み状況について、調査をするものでございます。

120ページ、デイ・ケアの取り組み状況です。

121ページ、精神科訪問看護の状況などについても、調査するものでございます。

126ページからが、診療所票です。病院と同様の調査を行うものでございます。

132ページからが、入院患者票でございまして、入院患者様につきまして、その状況であったり、退院の見通し、退院支援の状況などについて、調査するものでございます。

135ページからが、デイ・ケア等の患者票でございまして、デイ・ケアを利用している頻度や患者の意向の把握などについて、調査するものでございます。

 最後、139ページからが、後発医薬品の調査でございます。毎年、調査を実施しているものでございますが、139ページ中段以降に、保険薬局調査、診療所調査、病院調査、おめくりいただきまして、医師調査、患者調査とございますが、今回の調査から、患者調査につきまして、これまでは保険薬局を経由した郵送調査でございましたが、あわせてインターネットを利用した調査も、患者調査については、実施することとしております。

141ページからが、保険薬局票でございまして、保険薬局における後発医薬品の使用状況などについて、調査するものでございます。

151ページからが、診療所票です。

159ページからが、病院票です。

165ページからが、医師票となっておりまして、それぞれ後発医薬品の使用の状況や考えなどについて、お伺いするものでございます。

170ページからが、患者票になってございまして、調査の日の状況であったり、後発医薬品、ジェネリック医薬品使用に対するこれまでの経験、患者の方の後発医薬品、ジェネリック医薬品の使用に関するお考え、使用促進の取り組みなどについての意識調査を行うものでございます。

 以上が調査票案の概要でございますが、もう一つ、中医協検-2という資料がございますが、調査票とは別に、NDBなどでとれるデータについては、そちらのデータを使って調査することとして、なるべく調査票の調査から、そちらでとれるものは除外するということで、回答率の向上を目指そうということで、中医協検-2の中段以降、それぞれの調査で、NDBを用いて実施するものについて、表としてまとめてございます。

NDBなどからとれたデータと調査票のデータを合わせまして、調査票を作成いたしまして、年明け以降、この場に調査結果について、御報告したいと考えているものでございます。

 以上でございます。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。

 菊池専門委員、どうぞ。

○菊池専門委員

 専門委員の菊池です。

 「夜間の看護要員配置における要件等の見直しの影響及び医療従事者の負担軽減にも資するチーム医療の実施状況調査」について、意見を申し上げます。

 平成28年度の診療報酬改定では、看護職員の月平均夜勤時間数の計算方法の見直しがあり、月平均夜勤時間数が短い者も、計算対象に含めるようになりました。ついては、この見直しによって、看護職の夜勤就業にどのような影響があったのか、病棟の中で、一部の夜勤従事者に夜勤負担の偏りが生じていないかなど、現場への影響を把握していただきたいと考えています。

 今回の調査案では、施設票で、看護職員の夜勤時間数の分布を入れていただいているので、夜勤の実態について、貴重な調査結果が得られるのではないかと期待しています。

 また、看護師長票でも、夜勤等の実態を詳しく把握されようとしていますので、調査終了後、このデータを分析し、勤務負担軽減に向けた具体的な検討につなげていくことが重要だと考えます。

 この検証調査のデータに基づいて、今後の改定内容が検討されていくことになります。この重要な検証調査に、より多くの病院から回答が得られますように、日本看護協会としても、会員等へ向けて、調査協力するように周知を図り、協力をしていく所存でございます。

 以上です。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでございましょうか。松本委員、お願いいたします。

○松本委員

95ページ、訪問看護票のところで、8ですが、2行目の中ほどから、医療処置とリハビリの両方を行った利用者については云々とございますし、それの2)のところの主にリハビリ、3)その他の括弧の中のリハビリ以外とございますが、このリハビリという言葉は、訪問看護7のことですか。この文言は不適当ではないかと思います。

○矢田貝保険医療企画調査室長

 御指摘のとおり、訪問看護で行っているリハビリテーションを示しているものでございます。訪問看護の中では、診療の補助の中の行為といたしまして、リハビリテーションも含まれており、例えば訪問看護の指示書におきましても、リハビリテーションのところに丸をするような項目もございます。

 今回の調査では、リハビリテーションにつきまして、誰が実施しているのかとか、きちっと計画に基づいて実施しているのかとか、例えば医師の指示との関係はどうなっているかとか、そうした訪問看護として行われているリハビリテーションの実施の状況について、把握をいたしまして、データをとりまして、その見直しに資するようなデータをとっていきたいということで、訪問看護でございますが、リハビリという言葉を使いまして、その実態について把握したいということで、調査票案を作成しているというものでございます。

○田辺会長

 松本委員、お願いします。

○松本委員

 ということは、医療機関からの訪問リハビリと区別するために、あえてこのような書き方をして、訪問看護ステーションからの訪問看護7を、あえてこの言葉で書いたということなのでしょうか。

○田辺会長

 事務局、よろしくお願いいたします。

○矢田貝保険医療企画調査室長

 訪問リハビリとの関係ということもございますけれども、実際、訪問看護の中で、リハビリというものが行われたときに、それがどのように行われていることを把握するために、調査票として、リハビリという表現を使うほうがわかりやすいのではないかということで、この表現を使っているものでございますが、もしこうした表現にしたほうがより正確だとか、わかりやすいとか、誤解が生じないという言い方があるようであれば、御意見いただければ、参考にいたしたいと考えております。

○田辺会長

 松本委員、お願いします。

○松本委員

 あえて確認をいたしますが、訪問看護7をあえてリハビリと記載したという理解でよろしいのでしょうか。

 それならば、訪問看護ステーションが訪問リハビリをするという誤解を受けないためにも、訪問看護7と記載するか、あるいはその後に括弧書きで入れるか、そのようにしていただきたいと思います。

○矢田貝保険医療企画調査室長

 表現につきまして、ただいま御意見がございましたので、訪問看護7ということと、リハビリテーションということを併記することも含めまして、検討したいと思います。

○田辺会長

 どうぞ。

○松本委員

 併記ではなくて、あくまでも訪問看護7がリハビリだということですから、括弧の中に入れるとか、併記とはそういう意味でいわれたのだと思いますが、確認だけお願いいたします。

○矢田貝保険医療企画調査室長

 御意見を踏まえて、検討したいと思います。

○田辺会長

 よろしゅうございますか。ほかにいかがでございましょうか。平川委員、お願いいたします。

○平川委員

 要望と質問をさせていただきたいと思います。

 最初に、71ページの「かかりつけ歯科医」の調査票で、介護保険施設などとの連携状況を記入するところで、そのうちの11)と12)の地域包括支援センターからの情報共有やケアマネジャーからの情報共有という項目があります。

72ページ、73ページに「かかりつけ歯科医」が地域の地域包括支援センターとの情報共有、連携などがしっかりと行われているかどうか、要件にはなっていませんが、「かかりつけ歯科医」が介護とどのような形で連携されているか、わかるような形での集計ということもお願いをしておきたいと思います。

77ページからが、患者票になっていますが、これは「かかりつけ歯科医」にかかっている患者さんを対象にしている意識調査という形になっていますが、質問項目はやや定性的な評価が多くて、多分「かかりつけ歯科医」以外にかかっている患者さんとの比較をすればよいのでしょうけれども、そうなっていませんので、どうやって評価を測定していくのということについて、お聞きをしたいと思います。

114ページの精神医療の実施状況調査であります。117ページですが、地域移行機能強化病棟ということでの質問であります。

 今回の地域移行機能強化病棟に関して、様々な要件が明記されておりますが、116ページにも、「3」の「貴施設において特に困難な退院支援業務は何ですか」という設問があります。精神病院の中に、この退院支援業務を積極的に行っている病院も多数あると思いますが、何が困難であるのかということと、地域移行機能強化病棟の届け出を行う意向があるか、ないかに対して、行う意向はないというところの関係性がわかるような形で、集計をお願いしたいと思います。

 要するに、117ページの方が自由記載欄になっておりますので、回答がしづらいのではないかと思います。本来なら選択式がよかったのですが、自由記載欄になっておりますので、それに自由記載欄であっても、集計の際には、回答を類型化をして、どういう困難な課題があるのかということがわかるような方向で、集計をお願いしたいと思います。

 以上です。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 よろしくお願いいたします。

○矢田貝保険医療企画調査室長

 調査室長でございます。

 ただいまの117ページの地域移行機能強化病棟についての御指摘と、先ほどの冒頭の71ページの地域包括支援センターなどとの連携などについてのところは、集計に当たって、わかりやすく集計するようという御意見だと思いますので、御意見を踏まえまして、調査、また、調査票の取りまとめに当たっていきたいと考えてございます。

77ページからの患者票につきましては、今回は、かかりつけ歯科医機能というものを導入したということで、それについて、患者様にも意識調査というものをするものでございます。

 確かにほかの患者様に対する調査との比較ということで、何かあぶり出そうという形式にはなってはございませんが、余り一般の患者の方に対する調査ですので、細かいことをたくさん聞くと、調査で回答しづらいのではないかということもあるものと踏まえて、この調査票案を検討したものでございますが、このかかりつけ歯科医というものについて、ここに書いてある7779ページを通じまして、どのような患者様の意識なのかということについて、調査をして、それを次回の改定の検討に使えればということで考えて、このような調査票案にしているという状況でございます。

○田辺会長

 よろしゅうございますか。吉森委員、お願いいたします。

○吉森委員

 今のかかりつけ歯科医の39ページについて、我々が前回の改定で議論したのは、かかりつけ歯科医機能の評価について議論し、それの影響度を調べるということです。従って、39ページのかかりつけ医・かかりつけ歯科医に関するという部分は「かかりつけ歯科医機能」ではないでしょうか。

 次のページの調査票も、2段目で小児科調査の次に、かかりつけ歯科医機能調査ということになっておりますので、タイトルがこれでいいのかということは、やや誤解を招くような気がしますし、かかりつけ歯科医ということに対しての調査ではなく、機能の調査であると理解をするのが妥当です。

 それと、今、平川委員からも話がありました77ページの歯科医療に関する意識調査ですが、これについては、今、患者さんがかかっているかかりつけの歯科医さんであって、かかりつけ歯科医と決めているわけではないので、かかりつけの歯科医さんではないのでしょうか。

○田辺会長

 お願いします。

○矢田貝保険医療企画調査室長

 御指摘も踏まえまして、個々の調査名のところに、かかりつけ歯科医機能調査という、機能という言葉をなるべく入れるように、事前に各委員から御意見をいただくというプロセスを踏んでいますので、そこでも同様の御意見をいただきましたので、個々の中身のところの表現につきましては、なるべくかかりつけ歯科医機能という、機能という言葉を入れるように修正をしたものでございますが、調査そのもののタイトルにつきましては、これまで中医協の中で、5つの調査をするということを決めたときの名称のままにしているというのが現状でございます。

 もしそれでもタイトルまで直したほうがいいということで、御異論がないようであれば、このタイトルを含めまして、かかりつけ歯科医機能という言葉に置きかえることをすることもよろしいのではないかと思います。それは御意見次第かと思います。

 また、患者票の書き方につきましても、ただいまございましたとおり、かかりつけ歯科医機能ということ、もしくはかかりつけ歯科医という言葉が裸ではないという御指摘だと思いますので、表現ぶりについては、検討したいと思います。

○田辺会長

 吉森委員、お願いします。

○吉森委員

 それでは、80ページの開設者、管理者様宛のカバーレターには、「かかりつけ医/かかりつけ歯科医機能に関する」と、機能という文言が入っています。整合がとれないので、今のお考えも踏まえて、どうしていただくのか、はっきりしていただきたいと思います。

○矢田貝保険医療企画調査室長

 御異論がなければ、直す方向で検討したいと思います。

○田辺会長

 2号側は、それでよろしゅうございますでしょうか。遠藤委員、お願いいたします。

○遠藤委員

 確かに今回の改定で、歯科で導入されたのは、かかりつけ歯科医機能ということで、お認めいただいている部分はあるので、機能という形で調査されることには、特に異議はございません。

 かかりつけの機能につきましては、医科、歯科、調剤、さまざまにあろうと思いますけれども、それぞれの特性がありますので、特性にあったような形の調査でお願いできればと思っております。

○田辺会長

 調査のタイトルは、今、言ったような形でお願いいたします。

 花井委員、お願いいたします。

○花井委員

 今の議論に関連してなのですけれども、79ページの質問で、かかりつけ歯科医としてという質問が11にございます。微妙なのですが、この言葉がなくても、単純にきょうの診療所で継続して受けたいかと聞かれているのと、受けては変わらない印象は持つと思うのですけれども、今の機能という言葉も踏まえると、もしそういうかかりつけ歯科医機能を持った、きょうのような管理を受けたいですかと、つまりそういうことを聞きたいのであれば、順番を入れかえたほうがいいです。

 こういう質問を入れるのであれば、言葉の問題も含めて、テクニカルで細かいのですけれども、かかりつけ歯科医機能について伺って、かかりつけ歯科医機能という言葉をまず記述者がわかった上で、その後に、そういう話がある中で、今回の診療したところで、そういう機能として、継続してほしいかとするためには、11の質問は、最後に持ってこないとまずいのではないかと思います。そういうことも含めて、検討してください。

 聞かれた患者の印象は、今の議論があったので、繰り返しになりますけれども、かかりつけ歯科医と通常思っていたりするわけで、新たにそれが新しい概念として登場しているということを印象づけないと、なかなかそれがわからないと思うので、そこをうまく質問の順番を含めて、検討いただけたらと思います。

 以上です。

○田辺会長

 事務局、よろしくお願いします。

○矢田貝保険医療企画調査室長

 まず表現について、正確を期すということ、それと、調査の回答をいただく患者様にとって、わかりやすくなるように、今の御意見を踏まえて、検討したいと思います。ありがとうございます。

○田辺会長

 ほかにいかがでございましょうか。幸野委員、お願いいたします。

○幸野委員

 ジェネリックの検証について申し上げます。平成30年度の診療報酬改定に向けた調査ですが、ジェネリックに関しては、もう一つ大きな目標がございまして、2015年の骨太の方針で、2017年央に数量シェア70%の目標が掲げられておりますので、まずこの目標をクリアすることが、我々に課せられております。

140ページの調査スケジュールで実施すると、調査結果が示されるのが、平成29年4月あたりと思われますが、例えば医師や薬剤師の半数が後発医薬品に対して不安を持っているなどの結果が示された場合、その半年後には、70%の目標が掲げられている中で、このスケジュールでは遅すぎるのではないかと思います。

 5月の検証部会で同様の意見を申し上げましたが、その時の事務局の回答は、この1つの調査を前倒しで実施できるかどうか、入札等のスケジュールも含めて確認したいとのことでしたが、今回のスケジュール案では反映されておりません。MEDIASの報告によると、平成28年3月時点でのジェネリック数量シェアが、ロードマップの新指標で63.1%と示されており、平成27年4月の58.8%から、4.3ポイント増加しました。平成284月には、診療報酬改定により使用促進に向けた新たなインセンティブがつけられましたが、70%まであと約7%の乖離があります。

 今後、1年弱で目標をクリアしていかなければいけない中で、調査項目にロードマップの目標達成に向けて、「国や地方自治体、製薬会社、医療関係者、国民においてどのような取組を行うことが効果的と考えますか」、という項目もあるので、このような意見を早期に取りまとめて、対応策を検討する必要があると思います。スケジュールを前倒しで行うことについて検討の余地はありますか。

○田辺会長

 調査室長、よろしくお願いします。

○矢田貝保険医療企画調査室長

140ページのスケジュール案を見ていただきますと、調査報告書の取りまとめが1月から3月まで、幅をもって示しております。これをもって、4月とおっしゃられたと思いますけれども、今の御意見も踏まえまして、これは幅をもって、このうちのどこかで報告しようということで書いていたものでございますが、なるべく早く28年度の調査につきましては、調査をこれから実施しまして、なるべく早く、年明け1月、2月に報告できるように努力したいと思います。その上で、対策について、検討していただけるように、データを出していきたいと考えてございます。

○田辺会長

 どうぞ。

○幸野委員

 1月あたりに調査結果を把握し、それぞれの医療機関、薬剤師、保険者、国民が後発医薬品に対してどのような意識を持っているのか。もし、半数が未だ不安を感じているということであれば、改めて対策を打つ必要があると思います。調査結果については、速報値でも構わないので、把握次第、早めに報告いただければと思います。

○田辺会長

 調査室長、よろしくお願いします。

○矢田貝保険医療企画調査室長

 なるべく早く提出できるように、努力したいと思います。

 済みません。もう一点、先ほどのやりとりの中で、リハビリのところの表現方法なのですけれども、訪問看護7という表現で、併記で括弧ということでお話したのですが、今、確認しましたところ、訪問看護7という言い方は、介護保険の訪問看護のときに使う言い方でございまして、今回、医療保険の中の訪問看護についての調査ということになりますので、表現ぶりにつきましては、改めて御相談させていただいて、検討したいと考えてございます。

○田辺会長

 ほかにいかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、ほかに質問等もないようでございますので、本件につきましては、本日の議論を踏まえまして、調査票の一部の修正等を検討した上で進めるということを、中医協として承認するということで、よろしゅうございますでしょうか。

(「はい」と声あり)

○田辺会長

 それでは、説明のあった件につきましては、本日の議論を踏まえて対応した上で、中医協として承認したいと存じます。ありがとうございました。

 次に「○平成28年度DPCに係る定例報告について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明をお願いいたします。企画官、よろしくお願いします。

○眞鍋医療課企画官

 それでは、中医協総-4を用いまして、今年度のDPCに係る定例報告について、お諮りを申し上げたいと思います。

 まずこちらの資料でございますが、先日、9月12日にDPC評価分科会にて、分科会として、案として、取りまとめられたものでございます。本来ならば、基本小委にお諮りするものでございますが、内容に鑑みまして、会長とも相談させていただきまして、本日、直接総会にお諮りするものでございます。

 それでは、内容の御説明に移らせていただきます。

 1ページ上段に解説がございますけれども、平成29年度の地域医療指数等を設定するために、毎年、10月1日における病院の地域医療指数の評価項目への参加、または指定等の状況を把握させていただいてございます。毎年、10月1日の状況を把握させていただいているものでございます。

 2段落目でございますが、平成28年度定例報告におきましては、今年度行いました改定を反映するために、これからお示ししますような対応とさせていただきたいというものでございます。

 ローマ数字1が、地域医療指数関連でございます。真ん中に該当項目とございますけれども、こちらは、B005-2からB005-3-2に至る、この3つの点数でございますが、これは昨年度の定例報告で求めておりましたけれども、今回の改定で削除されております。

 こういうことを受けまして、今年度の定例報告におきましては、それぞれの合計の点数とあります、この下に表がございますけれども、A246B009、こういった診療報酬項目を算定していることかどうかにつきまして、把握をさせていただきたいということで、提案を申し上げるものでございます。

 2ページでございます。こちらも、全て28年度診療報酬改定時に、方針を御決定いただいたものでございます。

 それに対応する方法ということでございますけれども、2.地域間登録、3.新型インフルエンザ等対策にかかる地方公共機関の指定でございますが、これは29年度には、評価を行わないということで、決定されておりますので、それぞれの把握は行わないこととしてはどうかということでございます。

 これと同様に、ローマ数字2でございますけれども、これは保険診療指数に新たな項目として入るものでございますが、これを10月1日の時点での情報の公表につきまして、把握することとしてはどうかということで、御提案するものでございます。

 資料の説明は以上でございます。

○田辺会長

 どうもありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。

 猪口委員、どうぞ。

○猪口委員

 大きい2の病院情報の公表ですけれども、これを公表するようにという通知が出たのは、8月に入ってからで、なかなかどこの病院も整備するのは苦労しているようなのですが、この辺の御配慮をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○田辺会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 こちらの病院情報の公表でございますが、委員、御指摘のとおり、当初7月いっぱいには、お示しする予定で準備しておりましたが、事務局の内部での手続きに時間を要したため、こちらは8月10日のお示しになっておるところでございます。

 そういうことから、病院で準備が整っているのだけれども、例えば今年10月1日は、土曜日でございますので、病院の意思決定自体が間に合わないということでありましたら、そこに関しましては、ある程度柔軟に対応したいと考えております。

○田辺会長

 よろしゅうございますでしょうか。

○猪口委員

 はい。

○田辺会長

 ほかにいかがでございましょうか。よろしゅうございますか。

 それでは、本件につきましては、中医協として承認するということで、よろしゅうございますでしょうか。

(「はい」と声あり)

○田辺会長

 それでは、説明のあった件に関しましては、中医協として承認したいと存じます。

 次に「○新たに向精神薬に指定される内服薬の投薬期間について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明をお願いいたします。医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 お手元の中医協総-5で、御説明をさせていただきたいと思います。

 新たな向精神薬に指定される内服薬の投薬期間ということでございますが、1.現状背景でございます。今回の御提案させていただく背景、向精神薬につきましてですが、神経精神用剤や抗不安剤、これは当然濫用等のおそれもある薬物ということでございまして、ここに記載がございますけれども、麻薬及び向精神薬取締法、これは以下、麻向法と呼びますが、そこで、向精神薬に指定をされていて、取り扱いに関する規定が設けられております。

 今回、取り扱いに関しましては、新たに3物質が向精神薬に指定をされておりまして、そうしますと、薬物に関しまして、薬価収載されているものにつきましては、どのような取り扱いにするのかということを、連動してといいますか、検討する必要がある。こういうことが背景でございまして、3つ目の○にございますけれども、具体的には、この2剤でございます。

 エチゾラム、商品名はデパスでございます。薬効分類としては、精神安定剤です。

 ゾピクロン、商品名はアモバンでございまして、薬効分類としましては、睡眠障害改善剤ということになってございます。

 (2)でございます。それでは、具体的に診療報酬上の取り扱いでございます。

 向精神薬である内服薬、これにつきましては、療担規則、あるいは掲示事項等の告示におきまして、14日、あるいは30日、90日という規定になってございます。

 向精神薬のうち、不安、あるいは睡眠障害等に対しまして、処方する頻度の高いもの、これは上限を30日にするということなのですが、これは6ページをごらんいただきたいと思います。

 6ページに表がございます。上の表と下の表は、それぞれ抗不安薬、下の表が睡眠薬でございますけれども、ここに記載がございます。今、申し上げましたとおり、背景事情で申し上げました、麻向法の取り扱いになっている向精神薬に関しましては、診療報酬の関係上は、14日、30日、90日と大きく3つの対応にしているということでございます。

 抗不安薬の表のその他というところで、下線が引いてございますが、現在、エチゾラムについては上限日数がございません。このエチゾラムに関しまして、上の3つの区分のどれかに該当させる必要があります。

 同様に、睡眠薬は、下半分の表でございます。睡眠薬につきましても、現在、上限日数がございませんけれども、ゾピクロン、このアモバンにつきましては、上の3つのどれかに該当させる必要がある、こういうことでございます。

 もとの1ページ目に戻っていただきまして、(3)でございますけれども、2剤につきまして、今、投与期間の実態はどうなっていますかということでございまして、こちらは私どもで調べております。それから、関係有識者にも意見を聞いております。

 この2剤につきましては、院外処方の85%前後、これが30日以内の投与期間になっているということでございますが、7ページに円グラフが2つございますけれども、それぞれの薬物につきまして、現在の投与期間の実態を調べてございます。短い期間から長い期間まで分類をしておりますが、それぞれの円グラフを見ていただきますと、22日から30日より短い、すなわち30日以内につきましては、それぞれ84%、85%という実態でございます。仮に14日で切りますと、それぞれ30%前後、32%、29%、そんな状況になっているということでございます。

 1ページ目の表に戻っていただきますと、(3)に記載しておりますけれども、今、申し上げましたとおり、30日以内の投与期間というのが、基本的には多くを占める。

 関係有識者、これは9ページでございますけれども、日本精神科病院協会から御意見をいただいておりますが、記載の中の最後の3行目のところにございますが、30日分を限度とした制約まではやむを得ないという、現場の御意見でございます。

 これらをあわせまして、1ページ目でございますが、対応案といたしまして、この2つの薬物につきましては、投薬期間の実態、関係有識者の御意見を踏まえまして、診療報酬上の投薬期間の上限については、30日にしてはどうか。

 イメージとして、2ページ、先ほど申し上げましたとおり、現時点では、エチゾラムとゾピクロンについて投与期間の上限はございませんが、この3つの分類の中でいきますと、真ん中の30日の分類にさせていただいてはどうかと、こういう御提案でございます。

 事務局からは以上でございます。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。

 花井委員、お願いいたします。

○花井委員

 時間をとらせて済みません。これ自体はいいことだと思うのですけれども、一方で、上限日数がない中で、まだこれが残っているのだという印象のあるものも見受けられるのですが、今回、これが検討されたという契機は何ですか。

 次々と日数の上限がないものについても、検討が進んでいて、今回、その検討の中で、これが最優先という話になったのかという、私は素人なのでわからないのですが、薬剤名を眺めると、上限日数なしと30日と90日で、クライテリアが意外にその辺はっきりしていないようにも見え、かつ上限日数がなくていいのかと素人的に見えるのもあって、今回、これが選ばれて、日数を制限したという基準というか、契機というか、そういうことがわかりにくいのですが、その辺はどうなのでしょうか。

○田辺会長

 事務局、よろしくお願いします。

○伊澤医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長

 失礼します。医薬・生活衛生局の監視指導・麻薬対策課長でございます。

 委員の御質問の件に関しましては、当方の法律で、向精神薬指定をさせていただきまして、その関係の跳ね返りといいますか、影響でということでございます。

 指定しました経緯につきましては、全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査ということを、2年前にさせていただいておりまして、この中での1579の症例を調べましたところ、今回、御指定させていただきました、エチゾラムが睡眠薬・抗不安薬の品目の中では、一番多いという実態がまずございました。

 ゾピクロンも既に指定されております、他の向精神薬と同じレベルで症例数が多いということがございましたので、そういった観点から、この2剤を指定させていただいた。その影響で、今回の御提案に至っていると、こういう経緯でございます。

○田辺会長

 よろしゅうございますでしょうか。

○花井委員

 よく使われているものということですか。そういう理解でよろしいですか。

○伊澤医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長

 精神科医療にいらっしゃった、かなり依存状態になっている患者さんがどういった錠剤によって、そういう事態に至っているかという、こういう調査でございます。

○花井委員

 わかりました。

○田辺会長

 よろしゅうございますでしょうか。ほかにいかがでございましょうか。

 それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということで、よろしゅうございますでしょうか。

(「はい」と声あり)

○田辺会長

 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。

 次に「○医療経済実態調査について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。企画調査室長、よろしくお願いします。

○矢田貝保険医療企画調査室長

 お手元の中医協総-6、第21回医療経済実態調査についてに基づきまして、御説明させていただきます。

 本日は、第21回調査の実施に向け、調査設計に係る議論が必要なため、調査実施小委員会を開催すること、そして、平成28年度中に結論を得ることにつきまして、お諮りするものでございます。

 小委員会では、真ん中にございますが、有効回答率の向上策や調査項目の見直しなどについて、御議論をいただき、事務局から実施案などを提示して、議論を進めたいと考えてございます。

 スケジュールといたしましては、中段以降にございますとおり、本日、御了承がいただけましたら、10月から12月、月1回程度、調査実施小委員会を開催させていただきまして、12月か1月の総会で、調査内容をお諮りするということで、考えてございます。

 具体的な調査につきましては、平成29年度に調査いたしまして、11月上旬を目指して、調査結果を報告すると、調査を進めたいということでございまして、本日は、調査実施小委員会を開催して、検討するということについて、お諮りをしたいと考えてございます。よろしくお願いいたします。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。

 荒井委員、どうぞ。

○荒井委員

 ここの段階で言うのがいいのかどうか、必ずしもわからないのですが、調査実施小委員会で回収率の向上といったことが大きな課題だということなのですけれども、そういう観点で考えた場合、既存データを活用するということも重要なのではないかと思います。

 つまり今、サンプルを使って、回答率6割程度と聞いておりますが、既に各法人とも、都道府県に財務諸表類を提出しておりますので、そのデータを使えば、医療機関側にとっては、追加負担ゼロで、限りなく大量のデータをもとに、より財務的根拠が確からしいもので、議論できます。

 ですので、例えば都道府県で受け取るときに、全部それをPDFとして読み込んでおいて、医療課さんに提出するという形にすれば、膨大なデータがありますから、全部をやるのは時間的に間に合わないでしょうけれども、一番焦点となっている、例えば事業利益とか、経常利益という部分だけでも拾い出すということをやれば、かなりサンプル量が多いというか、データ量が多いものに基づいて、議論ができるということでいいのではないかと思っています。

 ただ、法人レベルだという問題はあるのですが、事業報告書というものも提出されておりまして、あわせて病院だけを運営している医療法人だとか、診療所だけを運営している法人、あるいは老健も運営している法人というのが全部わかりますので、幾つかのパターンごとに、事業利益とか、経常利益だけでもピックアップするということをやれば、追加負担は、医療機関側にゼロで、財務的エビデンスがかなり上がります。あわせて調査を小委員会で検討していただければと考えております。今回、無理だとしても、検討には値するのではないかと考えております。よろしくお願いします。

○田辺会長

 調査室長、どうぞ。

○矢田貝保険医療企画調査室長

 これまでの医療経済実態調査につきましては、医療機関に調査票を御記入いただいて、それを集計して、収益の状況などについて、把握するというスタイルでやってきているものでございます。

 ただいまの御提案は、そうではなくて、医療機関が公表なり、提出している財務諸表などをもとに、集計をするという方法がとれないかということの検討をすべきという御指摘だと思います。それで、具体的にこれまでとは大分やり方が異なりますので、それでうまくいくかどうかは、直ちにわからないのですけれども、御指摘も踏まえまして、小委員会の中でも御議論をいただけたらと考えてございます。

○田辺会長

 ほかにいかがでございましょうか。どうぞ。

○荒井委員

 追加で、今提案させていただいた調査方法は、これまでの調査を完全に代替するものだとは考えておりません。ただ、重要な部分に関して、強く補完できる仕組みなのではないかと考えております。

○矢田貝保険医療企画調査室長

 御指摘を踏まえて、検討したいと思います。

○田辺会長

 ほかにいかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、ほかに質問等もないようでございますので、本件につきましては、今、いただいた意見等も含めまして、中医協として承認するということで、よろしゅうございますでしょうか。

(「はい」と声あり)

○田辺会長

 それでは、説明にあった件に関しましては、中医協として承認したいと存じます。

 次に「○最近の医療費の動向について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。調査課長、よろしくお願いいたします。

○山内調査課長

 調査課長です。

 資料の中医協総-7-1と中医協総-7-2と中医協総-7参考という、この資料によりまして、最近の医療費の動向について、御説明をいたします。

 厚生労働省では、毎月の診療報酬請求のデータに基づきまして、国民医療費の約98%に相当する医療費について、その動向を取りまとめて、概算医療費として、公表をしています。

 9月13日に、平成27年度分を公表いたしました。

 まず資料中医協総-7-1のプレスリリースと書いてある、1枚目をごらんいただけますでしょうか。

 下の表をごらんいただければと思います。平成27年度の概算医療費、表の1番上の段の一番右側なのですけれども、41.5兆円ということになっておりまして、概算医療費としては、初めて40兆円台ということになっております。前年に比べて、1.5兆円の増加ということであります。その下の段に、医療費の伸び率と書いてありますけれども、対前年度の伸び率は3.8%ということになっております。

 平成27年度は、平成28年2月が含まれておりまして、うるう年で1日多いのですが、そうした休日等による医療機関の稼働日数の影響を除きましても、3.8の下に括弧書きで3.6と書いておりますが、3.6%ということで、左の横の過去4年分と比較しましても、ここ数年の中では、比較的高い伸び率ということになっております。

 少しめくっていただきまして、ページ番号で3ページをごらんいただけますでしょうか。

 表3-2ということで、下の段の表でございますけれども、診療種別に見た医療費の伸び率ということになっております。一番下の段が平成27年度ということでありますけれども、先ほど申し上げましたとおり、総計で3.8%ということになっておりますが、診療種別の内訳につきましては、入院が1.9%、入院外が3.3%、歯科が1.4%、調剤が9.4%ということになっています。過去の傾向に比べても、調剤医療費の伸び率がかなり高くなっておりまして、入院外の医療費の伸び率がやや高いということがありまして、これらの要因が全体の医療費の伸び率が高目になったということと考えられます。

 続きまして、中医協総-7-2と書いてある資料をごらんいただけますでしょうか。

 先ほど医療費全体のお話をいたしましたが、調剤医療費に関しましては、電算化の普及が比較的早かったので、電算処理分のレセプトについて、詳しく分析して、取りまとめまして、概算医療費と同時に公表しております。

 1枚めくっていただきまして、ページ番号1と書いてあるページがあると思うのですが、表1がありますが、これらが分析対象になっております。実数と書いてある欄の平成27年度の欄にありますとおり、一番上の段が調剤医療費全体なのですけれども、7兆8,746億円ということになっております。その3つ下に、電算処理分の調剤医療費が書いてあると思うのですが、これが7兆8,192億円ということになっておりまして、調剤医療費全体に対して、この調査の分析対象は、大体99.3%ということになっております。

 2ページ目をごらんいただけますでしょうか。下の段に表2-2といたしまして、表題が処方箋1枚当たり調剤医療費の内訳と構成割合になっております。

 処方箋1枚当たりで見た場合なのですけれども、一番上の段に調剤医療費が書いてありますけれども、その一番右が対前年度比ということになっておりますが、対前年度比、平成27年度が7.3%ということになっております。

 これに対して、内訳がどういう伸びを示しているかというのが、その下に書いてあるということになります。技術料に関しては、1.4%ということで、過去数年とそれほど変わらないといいますか、例年並みということなのですけれども、真ん中あたりに薬剤料というものがありまして、これが9.2%ということになっておりまして、平成27年度と同様に、薬価改定のなかった平成23年度でありますとか、平成25年度と比べましても、薬剤料の伸びがかなり高くなっておりまして、これが調剤医療費の高い伸びの主な要因だと考えております。

 薬剤料の伸びに関しては、6ページ目をごらんいただけますでしょうか。6ページ目は、表6-1になっておりますけれども、薬剤料の大部分、8割以上を占めるのですが、内服薬に関しまして、薬効分類別の薬剤料の動向を見たものになります。

 右から3列目、対前年度比の平成27年度という欄があるかと思います。この欄を縦に上からずっと見ていきますと、一番下に抗ウイルス剤というものがありまして、抗ウイルス剤が対前年度比で249.1%の増ということになって、大きく伸びていることがわかるかと思います。

 今度は左のほうに目を移していただきまして、左から2列目と3列目、平成26年度と27年度のそれぞれの薬剤料の総額が表示されていますけれども、抗ウイルス剤は、平成26年度の1,185億円から、平成27年度の4,139億円ということになっておりまして、大体3,000億円程度増加していることがわかります。約40兆円の概算医療費に対しまして、約3,000億円ということでありますので、医療費に対して、おおむね0.70.8%ぐらいに相当することになります。

 平成27年度の概算医療費の伸び率は、先ほど3.8%と申し上げましたが、このうち、おおむね0.70.8%程度は、調剤医療費における、昨年の秋以降、使用がかなりふえたC型肝炎治療薬を含む、抗ウイルス剤の増加の影響によるものと考えております。これが平成27年度の医療費の動向の特徴の1つと言えるのではないかと考えるところであります。

 それから、戻っていただきまして、4ページ目をごらんいただけますでしょうか。4ページ目が後発医薬品の使用状況でございます。

 表4-1の一番上の段、数量ベース(新指標)と書いてありますが、これが調剤医療費で見た場合になりますけれども、今、使われている、後発品の割合の指標でございます。先ほども御紹介がございましたけれども、平成27年4月、一番左端が58.8%であったのに対して、一番右側の平成28年3月には63.1%ということになっておりますので、これまでのところ、後発品の使用割合は確実に増加してきていると、見てよいのではないかと考えているところでございます。

 続きまして、中医協総-7参考という資料をごらんいただけますでしょうか。医療費の伸びの要因分解とタイトルが書いてありますけれども、この資料は9月15日に行われました、経済財政諮問会議の経済・財政一体改革推進委員会の社会保障ワーキング・グループに提出したものであります。その中で、特に人口に関する要因を除いた、いわゆるその他の伸び率について、さまざまな観点から見える化できないだろうかといった議論がありまして、そういう考え方に対応して、作成して、提出したものであります。

 この中で、これまで御説明した、平成27年度の医療費の動向に関連する部分ということで、概算医療費などと同じデータを、やや視点を変えて見た分析ということで、2点、御紹介したいと思います。

 1枚めくっていただきますと、スライドのページ番号で2と書いてあります、1枚目の裏側の上の段、医療費のその他を要因とする伸びというタイトルがあると思うのですが、このページをごらんいただければと思います。一番右側が平成27年度になりますけれども、これは医療費の伸びの要因分析、一般的に診療報酬改定の影響でありますとか、人口増減、人口の高齢化、その他ということで、分析するわけなのですけれども、それを平成27年度について行ったものが、一番右側でございます。

 右の一番上にありますとおり、平成27年度の医療費の伸び率は3.8%ということでありますが、この内訳は、人口増減の影響がマイナス0.1%、人口構成の変化といいますか、人口の高齢化の影響が1.2%ということになっておりまして、そして、これらを3.8%から差し引いた残差として出てくる、その他、医療の高度化などの影響と言っておりますけれども、これが2.7%ということになっておりまして、この部分が過去の傾向から見ると、比較的平成27年度は高かったということがわかるかと思います。

 この資料の3ページ目以降は、その他の2.7%の内訳につきまして、例えば診療種別で見るとか、疾病別に見るという形で、寄与度に分解していっている、2.7%の内訳を分解していっているものです。

 8ページ目をごらんいただけますでしょうか。調剤医療費の部分につきまして、表側に薬効分類が並んでおりますけれども、調剤医療費の部分について、その2.7%の寄与といいますか、寄与の内訳を分解してみたものでございます。

 一番右が平成27年度ということになりまして、一番上の段の薬剤料計の欄に1.40%と書いてありますが、これは医療費全体で見た場合のその他の伸び率、先ほど2.7%と申し上げましたが、2.7%のうち、1.40%程度は、調剤医療費の薬剤料が寄与したと分析できると見ます。

 その欄を縦に見ていただきますと、下から2段目に化学療法剤というものがありまして、先ほどはこの中にもう一つ分類があって、抗ウイルス剤というものが、含まれているわけなのですが、化学療法剤の部分が0.77%と書いてありますので、その他の伸び率2.7%のうち、先ほど調剤医療費のところで御説明した、抗ウイルス剤を含む化学療法剤が0.77%寄与したと、分析できることになります。

 この一連の流れについて、平成27年度の分については、11ページに図としてまとめているところでございます。

 以上、平成27年度の医療費の動向について、御説明いたしました。

 説明の中で、平成27年度は、調剤医療費における抗ウイルス剤の増加の影響が0.70.8%程度あるのではないかと申し上げたところでありますけれども、調剤医療費の部分、つまり院外処方分だけで見た場合ということなので、このほかに、院内で処方される分があることを考えますと、抗ウイルス剤全体の影響は、もう少し大きかったのではないかと考えられます。

 ただ、その一方で、ここに含まれているC型肝炎治療薬に関しましては、平成28年4月の薬価改定で、薬価がかなり大きく引き下げられたことなどもありますので、平成28年度以降の医療費がどのように推移するかについては、引き続き、よく見ていく必要があると考えているところでございます。

 説明は以上でございます。

○田辺会長

 どうもありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。

 中川委員、お願いいたします。

○中川委員

 医療費の伸びの最初の資料です。中医協総7-1の表紙のところに、過去5年間の医療費の伸び率があります。特に診療報酬改定がない年に注目したいのですが、2011年が3.1%、2013年が2.2%、2015年が3.8%となっています。以前、自然増は4%前後あるという厚労省の説明に対して、我々がそんなことはないといった議論は、随分昔のような気がしますが、近年は非常に少なくなってきて、3%前後で落ち着いてきたと、悪い意味で言っていたのですが、今回、2015年度は3.8%の増加です。これについて、どのように思っていますか。突出していると思っていますか。医療課長、どうですか。

○田辺会長

 医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 比較の問題もございますので、この数字をどう見るのかという御指摘なのだろうと思います。5つの年度、特に改定のない年度について、今、数字をいみじくもお示しになりましたので、例えばこの3つの数字についていうと、2.2%と3.8%を比べれば、3.8%は当然2.2%より大きいということでございますので、相対的にでこぼこがありますけれども、この数字自体は、個々に見たところは、先ほど調査課長から、項目の中で、どういう視点でものを言えるのかという話がありましたが、オーバーオールについていうと、私としては、この表にある以上の意味について、相対的な数字として以外には、捉えようがないと考えております。

○田辺会長

 中川委員、お願いします。

○中川委員

 必要な医療費として伸びるというのは、問題ないといいますか、ぜひそうしなければいけないというのが医療だと思います。この内訳は、今、課長からも説明がありましたが、例えば3.8%の伸びのうち、入院外の院外処方分の薬剤料だけでも、日医総研でも、詳しく計算し直してみました。そうすると、1.5%あるのです。院外処方のみです。薬剤料だけです。そして、これに院内処方分を加えると、ほぼ2%近くなるのではないかと思います。3.8%の伸びのうちの2%が薬剤料という状況になっているのです。

 最近の奇数年の薬剤料の比率を見ると、2011年が1.2%、2013年は0.9%にとどまって、急激に薬剤料の比率が伸びている。さらに先ほど0.77%という抗ウイルス剤の比率を言われましたけれども、これを詳しく計算すると、大体1%前後の寄与率だと思います。

 そこで、ちょっと話がそれますが、ソバルディ、ハーボニーがほとんどだと思いますけれども、ソバルディ、ハーボニーの2016年度の四半期、第1四半期、第2四半期の売り上げ状況はどのようになっていますか。

○田辺会長

 薬剤管理官、お願いいたします。

○中山薬剤管理官

 お答えいたします。IMSヘルス社が上位10製品ということで、四半期ごとに、売り上げの高いものの情報を公開してございますけれども、そのデータによりますと、平成27年7月から9月以降のデータからございまして、まずソバルディで申し上げますと、ソバルディは、平成27年7月から9月で433億円、10月から12月で643億円と、ここがピークになっておりまして、その後、ことしの1月から3月で391億円、ことしの4月から6月で246億円ということになっています。

 ハーボニーに関しましては、昨年の10月から12月のデータからございまして、1,101億円、ことしの1月から3月が1,517億円と、ここでピークを迎えておりまして、ことしの4月から6月で698億円というデータとなっている状況でございます。

○田辺会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 それについて、ピークは過ぎたと考えていいのですね。

○田辺会長

 薬剤管理官、どうぞ。

○中山薬剤管理官

 例えばハーボニーについて、ことしの1月から3月が1,500億円程度、4月から6月が700億円程度となっておりますが、薬価の引き下げ、特例再算定におきましては、約32%の引き下げだったということになりますので、それを上回る割合で減っているということなので、ピークについては、過ぎたとは思いますけれども、引き続き、7月以降のデータというのは、注視していかなければいけないと思います。

○田辺会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 両方とも、薬価の31.7%引き下げだと思いますが、その薬価の引き下げ分だけではなくて、数量ベースでも相当下がっていると理解していいですね。

○田辺会長

 薬剤管理官、どうぞ。

○中山薬剤管理官

 ここで四半期ごとのデータを見ますと、数量としても、減っているということは、言えると思います。

○中川委員

 わかりました。

 我々は、前回も高額医薬品が公的医療保険制度を翻弄しているのではないかと申し上げましだか、こういうデータは、リアルタイムに公表して、冷静に把握しなければならない。大変だ、このままでは公的医療保険制度が崩壊するなんていう、拙速な議論に走らないようにやっていきたいと思います。

IMSデータというのは、公表が難しい部分もあると思いますが、極力、事務局は、早急に把握して、中医協の場でリアルタイムに報告してほしいと思います。

 さらに申し上げたいのですが、オプジーボの当初の1兆7,500億円という金額は、いまだにひとり歩きしているのです。事務局から、中医協としてでもいいですが、その数字は過大であるという明確なメッセージを発信してもらえませんか。あのおかげで、議論がおかしな方向にいっているのです。いかがですか。

○田辺会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 御指摘の点は、重大な問題だと思いますので、次回、薬価専門部会の折にでも、1兆7,500億円と試算されたデータと、実際のところ、小野薬品が売り上げ予測として出している金額がどう違うのか、その中身はどうなのかということを、きちっと説明できるようにしたいと考えます。

○田辺会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 話が変わります。後発品の使用促進によって、どのぐらい医療費の伸びを抑えているのかというデータですが、先日、厚生労働省が経済・財政一体改革推進委員会の社会保障ワーキング・グループに提出した資料によると、後発医薬品の使用促進が、医療費の伸びに与えている影響は、マイナス0.20.5%程度としています。それでよろしいですか。

○田辺会長

 事務局、お願いいたします。

○山内調査課長

 御指摘の資料は、本日の中医協総-7参考の12ページの資料だと思います。これでございますけれども、今、言われたとおり、一定の方法で推計をいたしますと、医療費の伸びに対する後発品の使用の促進の影響というのは、おおむね0.20.5%ポイントになっております。

○田辺会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 そうすると、プラス3.8%という、27年度の医療費の伸びは、後発品の使用促進がなければ、4%を優に超えているという理解でいいですか。

○田辺会長

 よろしくお願いします。

○山内調査課長

12ページの資料にありますとおり、これは平成26年度までの分析しか、まだできていませんので、27年度がどの程度になるかということによるかと思います。

○田辺会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 模範的なお答えで恐縮ですが、どう考えても、4%は超えることになります。そこで、後発品の使用促進にかかわる調剤報酬が、現在、年間で計算して、1,000億円ついているのです。8,500億円の金額ベースの後発品の使用に対して、1,000億円の調剤報酬がついている状況は、どうなのでしょうか。管理官、どうですか。

○田辺会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 後発品の使用促進という観点でいえば、調剤報酬について、評価すべきところは、当然あると考えますので、まずはそういったことではないかと考えます。

○田辺会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 それ以上は無理なのでしょうから、あれですけれども、私は何を言いたいかというと、今回の公表というか、きょうの説明でも明らかになったと思いますが、国民医療費の伸びの大半は、薬剤費だということが、明らかになったのではないでしょうか。

 そこで、現在、中医協で最大の懸案といいますか、課題として議論している、薬価の見直し、原価計算方式、類似薬効比較方式、全てを含めて、薬価の決め方の見直しを抜本的に、それも早急にやるべきだと思いますし、その根拠が明らかになったと思います。

 予算編成もだんだん迫ってきていますし、毎年、自然増は5,000億に限られるという限定の中で、ほとんどが薬剤費だということになれば、我々が中医協で何をやるべきかということは、明らかになったのだと思います。ぜひよろしくお願いいたします。

○田辺会長

 安部委員、どうぞ。

○安部委員

 後発医薬品体制加算のことでありますけれども、調剤医療費につきましては、微に入り細に入り分析をしていただいておりますので、私もこのデータを見て、感じることがありましたので、お話をさせていただきたいと思っています。

 中医協総-7-2の調剤医療費の2ページ、表2-1を見ますと、後発医薬品の薬剤料は、約7,200億円が8,500億円、約1,300億円、26年から27年の単年度で使用料がふえているということでございますので、8,500億円後発医薬品を使うと、どのぐらい経済効果があるか、単年度で1,300億後発品をより多く使ったことの経済効果はどのようにあるかということは、28年度調剤報酬改定の折にも、資料が出ましたので、そういった分析をきちんとしていかなければいけないと考えております。

 それから、表2-2を見ていただきますと、技術料のところが、26年度から27年度はプラス1.4%です。これは点数でいえば、1枚当たり3点プラスになっております。伸びているのは、調剤基本料のところだけでございます。基本料の構成は変わっておりませんので、プラス3点というのが、例えば在宅を推進するような、調剤基本料の加算とか、後発医薬品体制加算のところが、大宗を占めているのではないか。その3点の分です。

 一方、1枚当たりの後発医薬品薬剤料を見てみても、1枚当たり895円から1,038円と、百四十数円ふえておりますので、これは点数でいえば、14点、薬剤費を減らしている。この効果と、そういったものを踏まえて、きちんと議論していただきたいと思います。

 これは、27年度の振り返りでございますので、こういったことも踏まえて、28年改定では目標値が設定されておりますので、その結果も踏まえて、後発医薬品については、適正な取り組みをしていかなければいけないと思っています。

 なお、基本料の中の後発医薬品体制加算、どのぐらいの薬局が、どういう状況にあるかということは、4ページの表4-3に示されておりまして、なかなか進まなかった後発医薬品が上ずれしてきて、例えば55%以上のところが少し減って、55%以上のところがふえたとか、65%以上のところがさらにふえているという、上に上ずれしているという傾向が見えますので、その辺もごらんいただきたいと思っております。

○田辺会長

 ほかにいかがでございましょうか。幸野委員、お願いいたします。

○幸野委員

 後発医薬品の話が出ましたので、お聞きします。中医協総-7-2の4ページの表4-1に、調剤ベースでの後発医薬品の割合が63.1%と示されておりますが、院内の処方を入れると、この割合は上振れしますか、それとも下振れしますか。

○田辺会長

 よろしくお願いします。

○山内調査課長

 済みません。その点については、わからないというお答えになります。

○幸野委員

 院内におけるジェネリックの使用についても今後重要になってくると思いますので、調剤ベースの数字のみではなく、院内でどの程度、後発医薬品が使用されているかも確認していく必要があると思います。

○田辺会長

 よろしゅうございますか。ほかにいかがでございましょうか。

 それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと存じます。

 それでは、本日の議題は以上でございます。

 なお、次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の「総会」は、これにて閉会といたします。御参集どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 中央社会保険医療協議会 総会 第336回議事録(2016年9月28日)

ページの先頭へ戻る