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2016年11月18日 第15回厚生科学審議会 再生医療等評価部会 議事録

医政局 研究開発振興課

○日時

平成28年11月18日(金)15:00~17:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省 共用第6会議室(3階)


○出席者

【委員】

福井部会長 荒戸委員 梅澤委員 大澤委員 掛江委員
紀ノ岡委員 木下委員 後藤委員 高橋委員 柘植委員
手良向委員 戸口田委員 中村委員 前川委員 南 委員
山口委員 山中委員 矢守委員

【事務局】

研究開発振興課 森光課長 厚生科学課 下川研究企画官

○議事

○森光課長 それでは、傍聴の皆様方にお知らせいたします。傍聴に当たりましては、既にお配りしております注意事項をお守りくださるようお願いいたします。

 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第15回「厚生科学審議会 再生医療等評価部会」を開催いたします。

 本日は、部会の定数25名に対しまして、現時点で18名の委員の方に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会令第7条に定められております定足数に達していることを御報告申し上げます。

 それでは、本日の会議資料の確認をお願いいたします。お手元にとじております配付資料があると思います。

 資料1「遺伝子治療等臨床研究に関する実施施設からの報告」

 資料2-1「【神戸市立医療センター中央市民病院】第一種再生医療等提供計画」

 資料2-2「特定認定再生医療等委員会意見書」

 資料2-3「事前質問及び回答」

 資料3「【三重大学】再生医療等提供計画中止届」

 資料4-1「届出細胞加工施設への対応について」

 資料4-2「緊急命令についての報道発表資料」

ということになっておりますが、お手元にございますでしょうか。不足がございましたらお知らせください。

 また、委員の皆様におかれましては、御発言の際には、本日、手元のマイクのスイッチをオンにして御発言いただき、終わられましたらオフにしていただきますようお願いいたします。本日のマイクはオン・オフタイプでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、円滑な議事進行のため、撮影、頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○森光課長 よろしいでしょうか。

 以後の進行につきましては、福井部会長にお願いいたします。

○福井部会長 それでは、本日の議事に入らせていただきます。

 議事の1、遺伝子治療等臨床研究に関する実施施設からの報告について。事務局から説明をお願いします。

○下川企画官 資料1をごらんください。千葉大学医学部附属病院からの重大事態等報告の2件について、御説明させていただきます。臨床研究課題名は「切除不能悪性胸膜中皮腫を対象としたNK4遺伝子発現型アデノウイルスベクターによる臨床研究」でございます。

NK4は、がんの浸潤・転移に関与しているHGFのアンタゴニストで、この研究はNK4遺伝子を発現するアデノウイルスベクターを胸腔内に投与し、投与量の増大による有害事象の有無、推奨用量の決定を主目的として行う研究でございます。

 本研究では低用量、中用量、高用量をそれぞれ3例ずつ投与しますが、今回の重大事態等報告は、低用量、高用量を投与されたそれぞれの1名の被験者の死亡についての報告でございます。

 まず、低用量投与の症例について御説明いたします。5ページ「重大事態等の内容及びその原因」の欄をごらんください。患者さんは72歳で、現病歴のところに記載されておりますが、上皮型悪性胸膜中皮腫と診断されまして、化学療法を拒否され、緩和療法への移行検討時に臨床研究を希望し、参加されております。

 5ページの下の部分から6ページの上の部分にかけて遺伝子治療の経過が書かれておりますが、投与当日のみ37℃の発熱と、穿刺部分に軽度の鈍痛があったほかは異常なく、血液、唾液、尿にもアデノウイルスベクター排せつもないことを複数回確認し、投与1週間後に退院されております。

 投与約1カ月後のCTスキャンでSDでしたが、その後、痛みや呼吸困難が徐々に悪化したのですが、家族の希望で化学療法を行わず、投与から7カ月後に亡くなられております。

 次に3ページをごらんください。倫理審査委員会の見解が記載されております。

 投与後、ウイルスの排せつは検出されず、特段の有害事象はなかったことから、今回の死亡については、遺伝子治療との直接の因果関係は認められず、原疾患の進行によるものと判断されております。

 次に、高用量投与の症例について御説明いたします。12ページ「重大事態等の内容及びその原因」欄をごらんください。78歳の肉腫型悪性胸膜中皮腫の患者さんで、手術、化学療法は望まれず、臨床研究を希望され参加されております。

12ページの下から13ページの上の部分にかけて遺伝子治療後の経過が書かれておりますが、投与当日のみ38℃の発熱と、穿刺部分に軽度の鈍痛があったが、ほかは異常なく、血液、唾液、尿にもアデノウイルスベクター排せつもないことを数回確認し、投与1週間後に退院されております。

 投与約1カ月後のCTスキャンでPDと腫瘍の増大を認め、家族の希望もあり、化学療法を行ったのですが、倦怠感、食欲不振のため1コースで終了し、化学療法の効果はなく、その後、緩和療法に切りかえ、病状が悪化し、投与から99日後に亡くなられております。

 次に10ページをごらんください。倫理審査委員会の見解が記載されております。投与後ウイルスの排せつは検出されず、特段の有害事象はなかったことから、今回の死亡については、遺伝子治療との直接の因果関係は認められず、原疾患の進行によるものと判断されております。

 今、御説明いたしました千葉大からの2件の内容につきまして、本部会に御報告する前に、遺伝子治療、臨床研究に関して審査委員会の委員の方々に御確認いただきまして、倫理審査委員会の見解について御了解をいただいております。

 以上でございます。

○福井部会長 ありがとうございます。

 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。掛江委員。

○掛江委員 ちょっと教えていただきたいのですけれども、この倫理委員会の意見の中に、両方のケースで「ウイルスの排出は検出されず」とあるのですが、ウイルスの排出が確認されるという事象は、排出されたら体の中にこのウイルスベクターがとどまっていなくて、機能していなかったということの事実を示しているのですか。排出されていないということと因果関係がないというか、関係が論理的によくわからなかったので、教えていただければと思ったのですが。

○福井部会長 山口委員、どうぞ。

○山口委員 このウイルスベクターそのものは、幾つか増殖性のウイルスも使われているのですけれども、増殖性のウイルスではございません。その設計としては、投与されたがん細胞の中でのみ発現するだろうというふうに想定されているのですけれども、二通りあって、1つは投与部位以外、例えば胸腔内の水のたまっているところに打つのですが、例えば肺胞の中とかに突き抜けてしまったりすると排出が起きる。

 もう一つ懸念としてあるのは、体の中で組みかえが終わって増殖性の組みかえ、アデノウイルスになってしまえば、その場合はまた排出が起きる。そういうことがなかったという意味です。

○掛江委員 ありがとうございます。

○福井部会長 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、倫理審査委員会の意見にございますように、原疾患の進行による死亡という判断を本部会でも御了承いただいたということで進めさせていただきます。ありがとうございます。


(非公開部分の議事概要については以下のとおり)

○議事:第一種再生医療等提供計画の再生医療等提供基準への適合性確認

議事概要:

以下の第一種再生医療等提供計画について、再生医療等提供基準への適合性を次回以降の再生医療等評価部会において再確認することとした。


【再生医療等提供機関】

地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸市立医療センター中央市民病院

【提供しようとする再生医療等の名称】

滲出型加齢黄斑変性(AMD)に対する他家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)細胞懸濁液移植に関する臨床研究


○議事:第一種再生医療等提供計画の実施機関からの届出について

議事概要:

以下の第一種再生医療等提供計画中止届について、事務局より報告がされ、本部会において了解した。


【再生医療等提供機関】

三重大学医学部附属病院

【中止届がされた再生医療等の名称】

MS3-WT1-siTCRベクターを用いたWT1抗原特異的TCR遺伝子導入Tリンパ球輸注による急性骨髄性白血病及び骨髄異形成症候群に対する遺伝子治療臨床研究


○議事:その他

議事概要:

以下の件に関して、事務局より説明がされ、本部会において了解した。


・届出による細胞培養加工施設の構造設備の件


(了)

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