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2016年8月31日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会 議事録

○日時

平成28年8月31日(水)10:00~


○場所

航空会館501+502会議室


○出席者

出席委員(18名)五十音順

◎荒 井 保 明、 石 井 則 久、 井 部 俊 子、 今 村 定 臣、
 内 田 恵理子、 木 下   茂、 釘 宮 豊 城、 倉 根 一 郎、
 佐 藤 景 二、 杉 山   肇、 瀬古口 精 良、 土 屋 文 人、
 那須野 修 一、 西 澤 真理子、 根 本   幾、 配 島 由 二、
 水 上 愛 弓、 横 井 英 人

欠席委員(2名)五十音順

○小 野   稔、 高 谷 節 雄 
(注)◎部会長 ○部会長代理

行政機関出席者

武 田 俊 彦 (医薬・生活衛生局長)
森   和 彦 (大臣官房審議官)
佐 藤 大 作 (安全対策課長)
上 野 清 美 (安全使用推進室長)
宇 津  忍 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

○議事

○安全対策課長 定刻になりましたので、ただいまから「平成28年度第1回薬事・食品衛生審議会医療機器・再生医療等製品安全対策部会」を開催いたします。本日御出席の先生の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございま

す。

 本日の部会は従前の取扱いと同様、公開で行うこととしております。カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、マスコミ関係者の皆様におかれまして

は、御理解と御協力のほどよろしくお願いいたします。また、傍聴の方々におかれましては、静粛を旨とし喧噪にわたる行為をしないこと、部会長及び部会長の命を受けた事務局職員の指示に従うことなど、留意事項の厳守をお願いいたします。

 最初に、本年5月15日に、当部会の委員でございます横浜市立大学大学院医学研究科脳神経外科学教授の川原信隆先生がお亡くなりになられました。この場をお借りしまして御報告を申し上げ、御冥福をお祈りしたいと思います。

 本日は、小野委員、高谷委員より御欠席の御連絡を頂いております。釘宮委員は遅れて御出席とのことと伺っております。定数20名の委員の中で、現在17名の委員の先生方に御出席いただいておりますので、定足数に達していることを初めに御報告いたします。

 次に、本年6月に人事異動で事務局の交代がございましたので御紹介させていただきます。本日、少し遅れているようですが、医薬・生活衛生局長の武田俊彦でございます。私ですが、安全対策課長にまいりました佐藤大作でございます。よろしくお願いいたしま

す。医薬品医療機器総合機構ですが、安全管理監に宇津忍が就任しております。よろしくお願いいたします。

 それでは議事に入らせていただきますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。以後の議事進行は荒井部会長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○荒井部会長 よろしくお願いいたします。それでは早速、議事に入らせていただきま

す。まず、事務局から資料の確認をお願いいたします。

○事務局 資料の確認をさせていただきます。本日の資料といたしまして順に、座席表、委員名簿、議事次第、資料一覧を配布しております。資料一覧に資料番号が振ってございます。順に、資料1-1「平成27年度の安全対策について(まとめ)」、資料1-2Metal-on-Metal人工股関節を構成する医療機器に係る「使用上の注意」の改訂について」、資料1-3「電波環境協議会による「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」について」、資料1-4「クロルヘキシジングルコン酸塩を含有する医療機器に係る「使用上の注意」について」。

 資料2-1「医療機器・再生医療等製品の不具合等報告について(概要)」、資料2-2-1「医療機器不具合等報告」、資料2-2-2「コンビネーション医薬品不具合等報告」、資料2-2-3「再生医療等製品不具合等報告」、資料2-3「外国措置報告」、資料2-4「研究報告」。

 続きまして、資料3-1-1「医療機器感染症定期報告感染症別文献一覧表」、資料3-1-2「再生医療等製品感染症定期報告感染症別文献一覧表」、資料3-2-1「医療機器感染症定期報告の報告状況」、資料3-2-2「再生医療等製品感染症定期報告の報告状況」。

 資料4-1「医療機器・再生医療等製品の回収報告の状況について」、資料4-2「平成27年度医療機器・再生医療等製品自主回収一覧」。

 資料5-1「視力補正用及び非視力補正用コンタクトレンズの添付文書及び表示に関する自主基準の改定について」、資料5-2「モルセレータに係る「使用上の注意」について」、資料5-3「医療機器の不具合報告書等に関する質疑応答集(Q&A)について」。

 当日配布資料としまして、資料0「審議参加に関する確認事項の追加について」、資料5-4「医療機器の添付文書の記載例について(その2)」があります。以上、大変多くて恐縮ですが配布の資料になります。

 資料0について簡単に御説明申し上げます。平成28年3月に開催されました薬事分科会において、審議参加に関する確認事項の追加が了承され、4月から適用されていますの

で、その内容をお示しした資料になっております。簡単ですが、この場で資料0について御説明申し上げます。資料0を御覧ください。

 薬事分科会審議参加規定につきましては、昨年度から委員の先生方から頂きました寄付金・契約金等の受取額の自己申告を企業に確認する仕組みを試行導入していましたが、今年度からこれを本格導入する運びとなりました。具体的には、昨年度から審議対象品目の企業のみに確認しておりましたが、今年度よりその対象を競合企業まで広げることにいたしました。なお、前回及び今回の本部会におきましては報告事項のみであることから、これらの確認は対象外となっております。

 資料は以上です。過不足等がございましたら、事務局までお申し付けください。なお、本日の議題に審議事項はありません。全て報告事項となっておりますので、よろしくお願いいたします。

○荒井部会長 ありがとうございます。資料はよろしいでしょうか。かなり数が多いので、御確認いただければと思います。今、お話がありましたように、本日、審議事項はありませんので報告事項から、全て報告事項ですが、入らせていただきます。よろしければ、はじめに議題1につきまして事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 資料1-1を御覧ください。資料1-1は、平成27年度の安全対策についての概要をお示しした資料です。今回は本年度第1回の部会になりますので、平成27年度の安全対策についてまとめをお示ししています。

 まず、1.は「過去5年間の不具合等の報告数の推移」です。医療機器については()でお示ししておりますが、平成27年度は外国症例も含めて、全部で4万3,997件でした。年々増加しております。平成27年度後期の詳細については議題2で説明いたしますが、この件につきまして特定の製品の不具合件数が増加したということではなくて、全般的な増加が見られております。これは、企業の安全性情報収集体制の見直し等により不具合報告件数が増加していると考えられ、不具合の発生件数自体が増加しているということではないと理解しております。

 続きまして、その表の研究報告が今回、平成26年度から平成27年度において20件から598件と大幅に増えております。これにつきましては、これまで研究報告のうち個別事例に関するものを不具合報告として提出してもらっていたものを、昨年4月より研究報告として提出するように運用の変更を行ったため、数が増えている状況となっております。

()は、コンビネーション医薬品の機器部分における不具合報告についてお示ししております。こちらは平成261125日に施行されました医薬品医療機器法により新たにカテゴライズされ、不具合報告の対象となっております。代表的なコンビネーション医薬品としては、インスリンペン型注入器が挙げられますが、医療機器部分であるペン型注入器に何らかの不具合が生じた場合に不具合報告の対象となります。

 資料には国内及び外国に分けて報告数を示しております。外国の報告とは、国内承認されたコンビネーション医薬品と同一のものについて、外国で発生した不具合の報告件数を示しております。国内・外国のいずれも、国内で承認を受けた製造販売業者からの報告となります。平成27年度の報告件数は、国内症例が38件、外国症例が60件でした。施行時に既に承認を受けているコンビネーション医薬品については適用時期が本年1125日となっており、現在は猶予期間中となっておりますので、本格施行に向けて報告制度の周知を図るとともに、国内外ともに情報収集体制を更に充実していくよう、企業に対して指導していく必要があると考えております。これは適用時期が今年の11月なので、今後、件数が増えることが予想されます。

 続きまして、()再生医療等製品の不具合報告です。これにつきましては、平成27年度の不具合報告の件数は35件でした。平成26年度は11月の施行時からのカウントのため、平成26年度に比べると数は増えております。この内容につきましては、再生医療等製品は承認品目が少ないこともあり、今回、不具合報告で上がってきているのは、表皮由来のシートと軟骨の組織の2品目になります。こちらは、母数を大体把握しております。移植としては800件ぐらいの母数になりますが、これらの製品はテストを行ってから移植をすることになりますので、そのテストの件数を入れると、トータルで1,800件ぐらい、そのうちの35件が報告に来たということになります。

 2ページ、「安全対策上の措置等の推移」です。平成27年度は、使用上の注意の改訂

が、医療機器3件、再生医療等製品0件、医薬品・医療機器等安全性情報への掲載が、医療機器2件、再生医療等製品0件でした。表の下に注1として、平成27年度に発出した使用上の改訂指示通知の名称を記載しています。

 続きまして3ページ、「平成27年度の安全対策について」ということで、医薬品・医療機器等安全性情報と機構の医療安全性情報に掲載した情報をお示ししています。()は医薬品・医療機器等安全性情報についてですが、このうち機器に関するものは322号の1番目です。4月に行った「十二指腸内視鏡による多剤耐性菌伝播防止のための洗浄・消毒方法等の遵守」についてと、号数で言うと、327号の「酵素電極を用いた血糖測定器等の使用について」が掲載した情報となっております。この詳細な内容につきましては、昨年

度、当部会において御報告させていただきました。

 続きまして、()は機構の医療安全性情報に掲載した情報をお示ししております。昨年度は3件、「血液浄化装置使用時の注意点」「薬液投与ルートの取扱いについて」「三方活栓の取扱い時の注意について」がありました。内容につきましては、こちらも昨年度の当部会において御報告させていただきました。資料1-1につきましては以上となります。

 続きまして、資料1-2を御覧ください。資料1-21-31-4は、昨年度下半期に通知を出した内容について御報告させていただきます。

 まず、資料1-2Metal-on-Metal人工股関節を構成する医療機器に係る使用上の注意の改訂について」です。これは、人工股関節の摺動面が両方金属で構成されている、いわゆるMetal-on-Metal人工股関節に関する使用上の注意の改訂指示通知になります。Metal-on-Metalの人工股関節につきましては、2010年辺りから米国やヨーロッパ等で、その摺動面の摩耗粉による疼痛や偽腫瘍等の問題が起こっていたところです。我が国では不具合報告が数件認められたものの、発生状況が不明、かつ不具合が生じた場合の診療方針が定まっていないこともあり、当該事象につきましては、日本人工関節学会とも協議の上、日本における実態を把握するとともに、その対応について厚生労働科学研究で検討していたものです。今般、その結果が取りまとめられまして、その中で日本人工関節学会が診療指針を作成しましたので、使用上の注意の改訂指示を行いました。

 内容としましては、記の1.を御覧ください。添付文書の使用上の注意の重要な基本的注意の項に、日本人工関節学会が作成した診療指針等の最新の情報を参考に行うこと等を追記する改訂となっております。診療指針及び厚生労働科学研究の総括研究報告書も、資料1-2とは別に配布しております。診療指針には、金属摩耗粉により生じる不具合の診断、我が国における発生頻度と機種、術後診療のアルゴリズム、再置換術における考察等が記載されております。資料1-2については以上になります。

 続きまして、資料1-3「電波環境協議会による医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引きについて」です。医療機関における電波利用機器は、近年ますます身近なものとなってございまして、その管理が適切でないと医療電気機器などの機能に支障が生じることがあり、場合によっては事故につながることもあります。そのため、電波環境協議会により「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」が取りまとめられ、医療機関で電波を利用する際の環境整備に必要な情報が提供されましたので、その内容を周知したものです。なお、電波環境協議会は、関係する省庁、業界メーカー、利用者団体等において構成されるものであり、こちらの協議会には当省からも参加し、協議の上、作成されたものになります。

 資料には報告書本体を付けさせていただいておりますが、概要を紹介いたしますと、医療機関で利用される機器として、医用テレメータ、無線LAN、携帯電話等について利用状況や発生し得るリスクと対策を検討し、医療機関における電波を管理する体制整備についても記載しております。トラブルの例としましては、電波が届かない、ほかの機器からの電波干渉等が挙げられます。こうしたトラブルの対策例としましては、適切なチャネルの設定・管理、情報提供、定期的な電波環境調査等が挙げられております。資料1-3につきましては以上となります。

 続きまして、資料1-4「クロルヘキシジングルコン酸塩を含有する医療機器に係る使用上の注意について」です。医療機器関係では、過去、クロルヘキシジンでコーティングした中心静脈カテーテルを使用した患者さんでアナフィラキシーショックが報告され、緊急安全性情報が出されたことがありましたが、今回は化学熱傷の注意喚起です。

 クロルヘキシジングルコン酸塩を含有する外皮用殺菌消毒剤において、皮膚消毒の際に溶液の状態で長時間、皮膚と接触させたことにより化学熱傷が認められた症例が、国内外で報告されました。それに伴い「クロルヘキシジングルコン酸塩を含有する外皮用消毒殺菌剤に係る使用上の注意の改訂について」を通知したところですが、医療機器におきましても、ドレッシング剤など、クロルヘキシジングルコン酸塩を含有するものがあることから、同様に通知したものになります。医療機器のドレッシング剤等は、皮膚に異常が認められた際には使用を中止する等の注意喚起は既にされてはおりますが、今回、特に長時

間、皮膚と接触させて使用される医療機器について注意喚起をしたものです。資料の説明は以上です。

○荒井部会長 ありがとうございました。内容的が多岐にわたっておりますので、順番にご審議頂きたいと思います。まず、平成27年度の安全対策全体についての概要と資料1-1を中心とした御報告につきまして、何か御質問、御意見等はございますでしょうか。いかがですか。特定の項目についての急激な増加とか、いわゆる目に付くものはなかったということです。

 もともとの母数が分からなくて、あくまで出てきた結果だけが集計されたものですの

で、ここで判断するのはなかなか難しいところがございますが、御意見、御質問等はよろしいでしょうか。今年の第1回目ですし、ということですので全体の流れ、昨年との比較といっても、集計の時期等も含めますと判断はなかなか難しいところがございますが、特にございませんか。よろしいでしょうか。それでは、一応前に進めて参りますが、もしも何かお気付きのことがあった場合にはそこのところで議事を戻すということも考慮いたしますので、御発言いただければと思います。

 それでは、資料1-2Metal-on-Metal人工股関節の使用上の注意につきまして、これについては委員から出ました報告も添付されていますが、これにつきましては、御意見、御発言等はいかがでしょうか。

○杉山委員 お聞きしたいことは、この内容を読むとMetal-on-Metalというくくりになっていますが、実際には、中にはTrunnionosisということがかなり、割合からいくと5割を超えているようなところがあるのです。そうすると、Trunnionosisというのは一般的な人工股関節にも影響する話なのですね、Metal-on-Metal。ですから今回、Metal-on-Metalの注意として出された理由というか、その辺はいかがなのでしょうか。

○事務局 Metal-on-Metalにつきましては、先ほど御説明があったとおり、2010年頃から特に米国、欧州の方で特にMetal-on-Metalとして注意喚起がなされたということが発端です。それに合わせて、今回については特段Metal-on-Metalについて日本の方でも状況はどうなのかということを、日本人工関節学会で調べていただいて、今回、通知に至ったということがあります。Metal-on-Metal以外の人工股関節についてももし何かしらそういった動きがありましたら、もちろん対応させていただきたいと考えてはおります。

○杉山委員 問題点としては、Metal-on-Metalというくくりなのですが、台形骨頭という意味合いがあるのですね、骨頭が大きい、それでTrunnionosisという考え方があって。ですからMetal-on-Metalだけに限られたのが、外国でそういう注意喚起があったから、それに合わせて調査をして、今回、Metal-on-Metalのことに関してだけのことを出したということでいいのでしょうか。

○事務局 はい。

○杉山委員 もう一点いいですか。

○安全対策課長 どうぞ。

○杉山委員 この中で実は、これ、我々整形外科が非常に困っている場所なのですが、MRIでとにかくチェックしろと言われているのですが、最近、改訂されたかどうか分かりませんが、MRIの仕様の所に磁性体禁忌というのがあって、確か、人工関節は磁性体の中に含まれるという機構の御意見だったと思いますが、そこのところはどのように解決したらいいのか。実は病院にはいまだに、人工関節が入っていてMRIを撮っていいのか

と。企業に聞けというような回答なのですが、企業に聞いても回答は出てこないのです。そこのところを是非、今後解決していただきたいと思うのですが。

○安全対策課長 大変貴重な御指摘を頂いたと思います。なかなか、禁忌に含まれるか含まれないかの解釈部分につきまして、個別の事例も含めてこの場でどうこうということを申し上げられる立場にはないのですが、現場でそういった混乱があるということは、先生の御指摘からも我々は承知いたしましたので、そういった部分の情報提供のやり方等につきまして、こちらでも検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。

○荒井部会長 よろしいでしょうか。今の2点目の御指摘はとても大事なところと思われます。臨床現場が混乱しますので、いわゆる画像診断、今回の場合はMRIですが、そこに関わる規制の部分と実際の使用現場との関係につきまして、十分なチェックをお願いします。

 また、大型大腿骨頭の話につきましては、あくまで外国の状況に合わせた対応ということで今回は御理解頂くこととし、今後類似した事案が出てくれば、併せて対応を進めていくこととしたいと思います。

 まずは、Metal-on-Metalというところに限定しての話として、特に1-2につきまして、そのほかに御意見はよろしいでしょうか。よろしければ次の1-3につきまして、御説明いただきました医療機関における電波の問題、この手引きについての御意見、御質問等はいかがですか。

○横井委員 香川大学の横井です。よろしくお願いいたします。大変有用な手引きを出していただいたと思うのですが、病院側はこの管理体制をどのように作るかというところ

は、やはりかなり悩みが大きいところだと思っています。この手引きでは61ページ以降でその体制のことに言及していただいて、しかも、なかなか各医療機関、人員等、予算の制約もあるということも御理解いただいた上で書いていただいているのですが、具体的に、本当に多種多様な電波を発生する機器がある中で、どのような体制、特にどのような部門が中心になってうまくいっているというような、そういう事例を少し教えていただければと思います。62ページにありますように、管理主体になり得る部門というのは非常に多岐にわたるのです。医療機器の安全管理部門であるとか医療情報部門、そのほか、通信をメインにやっている部門もあるかと思うのです。そのような中で何かいい事例があったら教えていただきたいのです。

○荒井部会長 横井委員の御指摘はかなり難問かとは思いますが、まずは事務局からいかがでしょうか。

○事務局 すみません、今、手元にはございませんので、こちらで調べさせていただい

て、先生方に情報を提供させていただければと思います。

○横井委員 一つだけコメントさせていただきます。やはり、実は余りに分野が多岐にわたって本当に全体を把握できるような部門は現時点でなかなかない。電波も本当にいろいろ出ていますし。そういう中でどういうやり方がいいかというのは、正直、私自身も関与しながら自分で悩んでいるところなので、また教えていただければと思います。よろしくお願いします。

○荒井部会長 ありがとうございます。実は、先ほどのMRIの件も同様でしぃたが、この部会は、審議事項が少なく報告を伺い承認する案件が多いのが実情です。いわゆる医療現場に一定の網をかぶせるというような作業が多いのですが、網をかぶせるのは簡単ですが、現場でそれを守るのにどうしたらよいかという点については迷うところが少なくないと思います。線を引くのはいいけれど、実際にどうやって対応すれば良いかという点については悩ましいところが多々あると思われます。是非その辺の横のつながりも深めていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 そのほか、1-3で電波についてはよろしいですか。それでは次の1-4に進みます。クロルヘキシジンのことにつきましては、何か御意見等はございますか。よろしいでしょうか。よろしければ、はじめに御説明いただきました市販後の安全対策についての資料の1につきましてはこれで一応終わりとさせていただきますが、もし後で何かお気付きのことがございましたら、遠慮なくおっしゃっていただければと思います。

 それでは、次の議題、不具合等報告につきまして、事務局から説明をお願いいたしま

す。

○事務局 資料2-1から資料2-4について、御説明をさせていただきます。まず資料2-1を御覧ください。こちらは医薬品医療機器法第68条の12の規定に基づく、薬事・食品衛生審議会への不具合・感染症報告についてです。

 まず1ページを御覧ください。1.として、本部会への報告に関する医薬品医療機器法第68条の12の規定を記載しています。本日は、平成27年度の下半期である平成2710月1日から平成28年3月31日までの報告状況について御報告します。

 2ページ以降を御覧ください。医療機器の不具合等報告について、こちらは各項目の報告件数を示しています。1.の()不具合等報告のうち、1)不具合報告の件数については、今回、半年間で2万3,314件。前回の部会で報告しました平成27年度上半期の件数は2万691件でしたので、2,623件の増加となっています。今回の2万3,314件の内訳です

が、こちらは1.から8.まで8つの分類で言いますと、この中で多いのは分類3.処置用・施設医療機器等の8,561件と、分類4.生体機能補助・代行機器の1万2,748件で、この二つで全体の90%以上を占めています。国内報告と外国報告の件数ですが、国内報告が全体で9,480件、外国報告が1万3,834件となっています。

 また、その下のコンビネーション医薬品の医療機器部分における不具合報告は、国内報告が34件、外国報告が56件の計90件ありました。また、再生医療等製品の不具合報告は、国内のみで17件の報告がありました。

 また、その下の2)感染症報告は、医療機器、コンビネーション医薬品、再生医療等製品いずれも0件でした。

 次に()、海外の規制当局や製造元等が行った措置を報告する外国措置報告についてです。医療機器については892件、コンビネーション医薬品、再生医療等製品は0件でし

た。次に3ページの()研究報告については、医療機器について402件、コンビネーション医薬品、再生医療等製品は0件でした。()感染症定期報告は、医療機器について35件、再生医療等製品は7件ありました。感染症定期報告については、次の議題で詳細について御説明させていただきます。

 また、2.医薬関係者からの報告、いわゆる医療機関報告が、医療機器では189件、再生医療等製品では0件ありました。

 3.副作用救済給付又は感染救済給付は、医療機器、再生医療等製品、ともに0件でした。

 次に資料2-2-1を御覧ください。部厚い資料になっていますが、こちらの2-2-1「医療機器不具合等報告」の資料について、ご説明をさせていただきます。まず資料2-2-1の1ページ、表紙の所に注意事項として、この不具合報告リストの見方が記載されています。この報告については、医療機器との因果関係が不明なものも含め、製造販売業者等から報告されたものであること。報告に関する分類は()から()まで、8分類に分類されていて、一覧の掲載順については発生場所で国内と外国を分けています。それぞれで一般的名称の五十音順で事象を掲載しています。件数については、提出された報告書の件数を示したものになっていますので、同一の症例で複数の医療機器が関与しているような場合については、複数の企業からそれぞれ報告されることがありますので、このような場合については、同一の症例を重複してカウントしていることになります。したがって、報告件数がそのまま症例数にはならない場合があります。

 次の表の右端の「対応状況」欄に、対応措置の項目として、原則として平成28年3月31日時点で措置の内容を簡潔に記載しています。対応状況の説明については、表紙の4)の所に記載させていただいておりますが、「回収(改修)」と記載しているのは、製品を医療現場等から引き上げる「回収」をした場合、又は修理や検査の実施等を行った「改修」の措置をとったことを示しています。

 「情報提供」と記載したものは、添付文書の改訂、あるいは書面による注意喚起文書を医療機関等に配布したなどの措置をとったものです。この中には既に添付文書等で、関連する注意喚起の記述がなされているものも含んでいます。「調査中」とありますのは、調査継続中であるものを示しています。

 次に目次が記載されていまして、その次から表の下にページ番号を記して、一覧を記載しています。こちらの資料2-2-1の目次以降については、膨大な資料ですので、申し訳ありませんがもう一度、資料2-1の4ページに戻っていただきまして、概要について御説明をさせていただきます。こちらの詳細については資料2-2-1、資料2-2-2、資料2-2-3。資料2-2-2というのはコンビネーション医薬品、資料2-2-3というのは再生医療等製品の報告をまとめたものですので、こちらも併せて御覧いただければと思います。

 それでは、資料2-1の4ページに戻っていただきまして、まず国内及び外国報告の全体の報告件数の推移です。4ページ及び5ページに、過去3年分の不具合報告件数の推移をグラフ及び表で示しています。全体の報告件数は、徐々に増加する傾向にあります。こちらについては、先ほど御説明しましたとおり、より適切に不具合報告が行われるようになったということが土台にありまして、特に最近では外国報告の件数が増加していますが、企業における外国の情報収集体制が、より充実してきているものと考えています。

 続いて6、7ページを御覧ください。こちらの2.2-1については、各分類における国内の不具合報告件数と、その中でも特に報告件数が多かった品目の一般的名称、その際の主な不具合又は健康被害状況をピックアップして記載しています。表の右側については、基本的に主な不具合事象を記載していますが、製品そのものには不具合がない又は不明な場合については、健康被害状況を記載しています。

 次に分類ごとの御説明を簡単にさせていただきます。分類()画像診断用機器については、報告件数は12件報告されています。分類()として、内視鏡や血液分析装置などの生体監視・臨床検査機器等、こちらについては133件の報告がなされています。分類()として、カテーテルなどの処置用・施設用機器等、こちらについては3,919件の報告がなされています。こちらの一般的名称の一番最初に記載されている中心循環系血管内超音波カテーテル、それから二つ目の血管内光断層撮影用カテーテル、こちらの合計が1,700件ほどで半分弱を占めています。こちらはこれまで同様に、断線、画像消失、画像不良という不具合について報告されているところですが、機器の特性上、避けられないというものでして、各機器の不具合発生頻度も特段の変化というものは見られていません。中心循環系血管内超音波カテーテルの断線については、こちらに示しているように724件もの報告がなされていますが、実際に市場に出ている本数としては、こちらで確認したところ20万本ほど機器が販売されておりますので、単純にそれを割ったとしても、発生率として1%に満たないということになっています。

 分類()として、心臓ペースメーカーや冠動脈ステントなどの生体機能補助・代行機器を記載しています。こちらは4,767件となっています。分類()については、植え込み型除細動器・ペースメーカーリード、大動脈ステントグラフトのようなリスクの高い医療機器が多く分類されているということがありまして、報告件数が多くなっています。

 次に7ページの分類()として、手術用の電気メスやドリルなどの治療・鋼製機器等として、こちらは459件の報告がなされています。分類()の歯科用機器・材料について

は、12件の報告がされています。分類()の眼内レンズやコンタクトレンズなどの眼科用機器については、175件の報告がされています。また、分類()の衛生材料・避妊用具・家庭用機器等は、3件が報告されています。

 次に8ページになります。こちらは、まずコンビネーション医薬品の医療機器部分不具合報告としては、国内報告で34件の報告がされています。こちらについては資料2-2-2「コンビネーション医薬品不具合報告」に対応するものとなっています。この資料の8ページについては、今回、医療機器部分の一般的名称が同一のものということで、件数を集計しています。また、再生医療等製品は全て国内報告で、17件の報告がされています。こちらは資料2-2-3「再生医療等製品不具合報告」に対応するものとなっています。

 続いて9ページになります。平成25年度以降、新医療機器として承認された品目の国内での不具合報告の状況について御紹介します。こちらは、9ページから最後の11ページまでまとめているので御覧ください。平成27年度までに承認され、今回、国内不具合報告があったものは、平成25年度に承認されたものから29品目。10ページ以降になりますが、平成26年度に承認されたものから13品目、平成27年度に承認されたものから3品目となっていますが、いずれも特段対応が必要な不具合の発生というものはありません。引き続き不具合・健康被害の情報を注意深く収集している状況です。資料2-1、また、資料2-2以降の説明については以上です。

 続きまして資料2-3、資料2-4について御説明します。資料2-3は医療機器の「外国措置報告」です。医療機器に関する外国措置報告については、企業が外国でも同一性を有する製品を製造販売している場合について、外国の規制当局などでとられた措置について、日本の行政当局にも報告するというものです。平成27年度下半期では892件の報告が来ています。資料の一番右の列には、国内外での対応状況について記載しています。外国で措置を行った結果について、日本の対象製品がないという場合を除き、おおむね日本においても同様の対応をとっているという状況です。

 続いて資料2-4「研究報告」について御説明します。医療機器の研究報告は、製品の有効性及び安全性に影響する内容の文献報告等があった場合に報告されるものでして、今回は文献数にして402本の報告がありました。今回の報告により、安全対策上の特段の措置が必要になったものはありませんでした。資料2についての説明は以上となります。

○荒井部会長 ありがとうございました。ここも膨大な内容ですが、基本的には2-1の資料がベースになるかと思います。まず、全体を通じての御質問等はありますか。どこの話かと言うと、なかなか分からなくなりますので、御質問頂くときは、どの資料のどこということを明確に御指摘下さるようお願い致します。

 私から一つあるのですが、資料2-3の最後の方で御説明いただいた、海外の措置と日本の措置の整合性についてです。例えば、海外では対応していないが日本ではきちんと対応しているのがいいかと言うと、必ずしもいつもそれが正しいとは言い切れない。逆に、締めすぎているのではないか、という見方もあるかもしれません。あるいは、日本で何もしないで海外で種々の対応がとられているとすると、ここは少し締めなければいけないのではないかとも感じられます。このような措置の内容について、日本と海外の比較というのはやっていただいているのでしょうか。どのぐらい、海外と日本における措置が一致しているかという点については如何でしょうか。

○事務局 個別に対応しているというのが現状でして、海外で流通している製品と、日本で流通している製品が全く同じという場合には、結果的には同じような対応をとっておりますが、細かい部分の違いも考慮して検討することになります。例えば流通の部品が違うとか、日本の方が情報管理体制もきちんと実施されており事前に品質検査もやっているので問題ないとか、そういったことで海外との対応が異なるという場合はあります。

○荒井部会長 ありがとうございます。この辺は「人の振り見て我が振り直せ」というところがあると思うので、参考にすべきではと思い、伺わせていただきました。その他、御質問はいかがでしょうか。

○水上委員 資料2-110ページ、上から二つ目のサピエンについてお伺いします。カテーテルで入れる弁だと思うのですが、損傷が非常に多いように思います。損傷58と書いてあるのですが、この損傷というのは、どういう損傷だったのかというのを教えていただければと思います。

○荒井部会長 損傷58というのは多いのですが、内容的にはどんなものかという御質問です。

○機構 機構から御説明しますが、ただ今、報告書を確認しておりますので、もう少々お待ちください。

○荒井部会長 分かりました。分かったら声を掛けてください。先にそのほかの御質問はいかがですか。

○横井委員 研究報告ですが、最初の御説明で、今まで不具合報告に含めていたところ

を、研究報告の方に含められたというお話で、恐らくいわゆる一例報告はそちらに入っているかと思うのですが、具体的には不具合若しくは健康被害としてカウントすべきものというのは、かなりこの中にあるということでしょうか。研究報告は500数十件とありましたが。

○機構 機構から御説明します。従前は、例えばある病院の先生が、学会等において自施設の患者さんデータ、何十症例、何百症例の集計結果を発表した場合、企業が入手できた情報が抄録程度の内容だけであったとしても、1症例ずつの不具合報告として受けていました。しかし、不具合方向の情報は抄録程度の内容でしかなく、それが例えば30症例起こっていたら同じ内容の不具合報告が30報報告されていました。これは安全対策をとる上で意味のある報告方法ではないと考え、患者ごとの詳細情報が得られない場合は研究報告として報告してもらうことにしました。このため研究報告の数が増えています。

○荒井部会長 今の御説明でよろしいでしょうか。

○横井委員 はい。

○荒井部会長 先ほどのは分かりましたか。

○機構 お答えします。先ほどのサピエンXTの損傷に関してですが、報告書の一部を説明いたします。アクセス血管径は十分であったのですが、患者さんの血管の石灰化や蛇行といった解剖学的な特徴によって、患者さんの血管側を損傷してしまったという事例と、留置部位周辺の解剖学的特徴より医療機器そのものが破損した事例の両方が含まれています。このように手技的要因若しくは患者さん要因で起こった医療機器側及び患者側の損傷が含まれており、多く見えてしまっています。

○荒井部会長 よろしいでしょうか。

○水上委員 はい。

○瀬古口委員 私は歯科医師会ですが、歯科の年間に出てきている件数が12件というの

は、余りにも少ない状況です。恐らく我々歯科の医療機関、そしてまだメーカー等も、なかなか報告ということに対しての意識が非常に低いと改めて感じています。12件ということに関して、我々の一つの診療所でも、やはり年間数件ということがありますので、しっかりメーカー等へも報告するように伝えていきたいと思っています。

○荒井部会長 ありがとうございます。瀬古口委員からの御意見につきまして、事務局での対応よろしくお願いします。そのほか、この2の議題について御質問等はありますか。

○横井委員 個別の症例で申し訳ないのですが、資料2-2-1の4ページです。分類()のカプセル内視鏡ですが、上から5行目のギブンのカプセル内視鏡で、不具合状況が「破損」と健康被害が「滞留」となっているのですが、具体的にどういう状況なのか教えていただければと思います。

○機構 機構から御説明しますが、ただ今、報告書を確認しておりますので、もう少々お待ちください。

○荒井部会長 今、御質問いただいたのは資料2-2-1、部厚い資料の4ページ、上から5行目、40番のカプセル内視鏡の破損の中身についての御質問です。

○横井委員 通常はその上の3738にあるように、ほとんど不明、若しくは不具合なしというのが、今までは多かったかと思っていまして。

○機構 お答えします。こちらの事例については、もともと患者さんがクローン病のために腸管が狭窄していたということで、その患者さんにカプセル内視鏡検査を行ったこと

で、滞留してしまったという事例です。その結果としてカプセルが体内に遺残し、破損したという事例です。

○荒井部会長 停滞が先ですね。

○機構 はい。

○荒井部会長 分かりました、よろしいでしょうか。

○横井委員 はい。

○荒井部会長 そのほか、2について御質問はよろしいでしょうか。

○杉山委員 研究報告の拾い上げ方はどうやっているのでしょうか、企業から来ているということなのか。どこまで研究報告に関して網を掛けているのか、その辺が何かありましたら教えてください。

○荒井部会長 事務局、よろしいですか。研究報告の拾い上げ方です。

○事務局 お答えします。研究報告については、基本的に企業からの報告ということでお受けしているものです。

○安全対策課長 基本的には、製造販売する製品と関連するような変更とか、それに関連するような情報を企業が知った場合には、法律上の義務として報告をしなければならないということになっています。

○杉山委員 そうすると研究会に対して、そういう企業は積極的に情報収集をしなければならないという、通達というか指導をされていると捉えていいのですか。

○安全対策課長 基本的に薬機法上の企業の報告義務の中で、省令に規定してはおりますが、研究報告というのが含まれているので、企業は常にそういった研究報告がないかということに対して、リサーチをしているという状況です。

○杉山委員 そういう指導をしているということで。

○安全対策課長 指導というか、それは企業としての報告義務ですので、常々目を光らせているという状況かと思います。

○荒井部会長 要するに「研究会に出なさい」という露骨な表現はしていないけれど、そういったことに関しては情報収集を怠らず、分かったものについては報告をすることが、薬機法で定められた責務として課しているということでよろしいですね。

○安全対策課長 そういうことです。

○事務局 ちなみに、情報収集に関してはGVP省令の方で、研究等の報告情報については収集するように定められているので、GVPが関わってまいります。

○倉根委員 質問です。資料2-1の1ページに、「薬事・食品衛生審議会に報告し、必要があると認めるときは」と書いてあるのですが、この必要と認めるのは、どこが認めるときになるのですか。例えばこの委員会、あるいは薬事・食品衛生審議会が認めるのです

か。解釈を教えてください。

○事務局 すみません、場所は資料2-2-1の。

○荒井部会長 資料2-1の表紙。

○倉根委員 68条の12の解釈の部分です。

○事務局 これは要するに毎年度、こういった不具合の報告についての状況を、薬事・食品衛生審議会に報告。「必要があると認めるときには」というのは、この必要な措置を講ずるところに関わってまいりますので、何らか報告を頂いたもので、必要な措置を行わなければならないという場合については、審議会の意見を聞いて厚労大臣は必要な措置を講じるということです。この条文の主語は厚生労働大臣ですので。

○倉根委員 分かりました。

○荒井部会長 そのほかはよろしいでしょうか。よろしければ、これで2についての御報告、並びに御質疑を終了させていただいて、次に議題の3、感染症の定期報告に移らせていただきたいと思います。それでは、事務局からまた説明をお願いします。

○事務局 御説明いたします。議題3「医療機器・再生医療等機器製品の感染症定期報告について」御報告します。資料は3-1-1から3-2-2までの四つの資料です。まず感染症定期報告ですが、こちらは医薬品医療機器法に基づき、製造販売業者がその製品そのもの、あるいはその製品の原材料・構成物に関連する感染症の論文等を報告することが義務づけられているという制度です。

 今回は、昨年10月から今年3月末までの報告を取りまとめています。内容は二つありまして、一つは医療機器に関してで、医療機器に関する製造販売業者からの報告が、トータルとしては3-2-1に全報告が一覧として載っています。こちらが35件あります。再生医療等製品については、製造販売業者からの報告一覧が3-2-2です。こちらが7件あります。今の資料はトータルの報告で、重複やこれまでに既に報告されているものを除くと、資料3-1-13-1-2になります。そちらで説明させていただきます。

 資料3-1-1です。こちらは、医療機器製造販売業者から提出された感染症定期報告で

す。内容としては、比較的報告が多かったものとしては、1ページのA型インフルエンザウイルスの関係が4件。1ページから2ページにかけて、口蹄疫の関係が4件。3ページの上の方になりますが、レンサ球菌感染の関係が4件報告されています。

 今回も、事前に国立感染症研究所の倉根委員、石井委員、国立医薬品食品衛生研究所の内田委員には御確認をいただいています。その際、御意見・コメント等がないかを確認しておりますが、今回確認したところ、安全対策措置を講ずるべきとの意見・コメントは頂いていません。議題3に関する報告は以上です。

○荒井部会長 ありがとうございます。既に専門家に確認していただいているということですが、特に御意見はございませんでしょうか。よろしいですか。文献の報告、重複はあるかもしれませんけれども、定期報告として上げられてきたものですけれども、よろしいでしょうか。

 よろしければ議題3についての質疑は終わらせていただき、引き続き、議題4に進ませていただきます。議題4は回収に関する報告ですけれども、事務局から報告をお願いします。

○事務局 それでは事務局より医療機器・再生医療等製品の回収報告について資料4-1、資料4-2に基づいて説明します。

 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器若しくは再生医療等製品の製造販売業者、製造業者等は、製造販売等をしている医薬品・医療機器等を回収するときには、回収に着手した旨、それから回収の状況について厚生労働大臣に報告をしなければならないとされています。こちらは医薬品医療機器法第68条の11です。

 また、医薬品・医療機器等の回収については、平成261121日付け通知により、回収に当たっての基本的な考え方や対象範囲、手続の詳細等について明確化を図っています。製造販売業等から回収着手報告がなされた場合、全ての事例についてインターネット上で公開をしています。これは先ほどと同じ条項になるのですけれども、医薬品医療機器法第68条の12の規定に基づき、不具合等報告、感染症定期報告と並んで回収報告についても、本薬事・食品衛生審議会へ報告を行うものとされています。

 1.ですが、回収件数の年次推移について説明します。平成27年度においては、医薬品122件、医薬部外品9件、化粧品74件、医療機器452件、それから再生医療等製品については1件の回収があり、計658件となっています。平成26年度に比べると、医療機器の回収件数は90件ほど増えていて、全体計も、およそそのぐらい増えているのですけれども、ここ10年間の推移で見ると、回収件数そのものは600件から上下50件程度という形で、おおむね同じ水準で推移しています。

 裏面を御覧ください。平成27年度における医薬品・医療機器等の回収件数、それからクラス分類です。医薬品等については飛ばして、医療機器についてクラスI回収が2件ありました。クラスIIについては427件、大部がこちらのクラスIIに該当するものです。クラスIIIについては23件で、総計452件。再生医療等製品についてはクラスIIが1件、総計1件となっています。

 資料4-2を御覧ください。こちらがそれぞれの回収クラスごとの全自主回収一覧で、クラスIについて簡単に御説明します。資料4-21ページを御覧ください。番号1と2がクラスI回収の2件になります。一つが販売名ロータブレーター、一般的名称がアテローム切除アブレーション式血管形成術用カテーテルということで、製造業者がボストン・サイエンティフィクジャパン株式会社です。

 こちらについては、ロータブレーターの構成品のガイドワイヤに関して、海外の医療施設でコアワイヤが離断するという事象が3件確認されました。うち1件については手技の準備中に発生し、2件が術中に発生した。その離断した先端部分が1件残った事例があります。コアワイヤの離断、それから有害事象の報告については受領していないのですけれども、全ての製品について回収したという事案です。

 2番目は、アローレディガードIABPカテーテルセットで、バルーンポンピング用のカテーテルです。製造業者はテレフレックスメディカルジャパン株式会社です。こちらについても、海外製造元から、当該製品の一部において構成品であるシースイントロデューサーに含まれるシース部分が、使用中にハブから分離するということで、出血リスクが当然発生するという不具合があり、こちらの製品についても全数自主回収を行ったという事案です。資料4-14-2に基づく説明は以上です。

○荒井部会長 ありがとうございました。御質問いかがでしょうか。回収の状況の報告についてですが、御質問ございませんか。26年はクラスIは幾つありましたか。

○事務局 すみません、今手持ちがありません。

○荒井部会長 私も記憶の隅にあるのですけれど、確か同じぐらいの件数だったように思います。

○事務局 それほどは。ほとんどのクラスIが医薬品ですので、それほど数は多くないと思います。

○荒井部会長 御質問は特にございませんか。先ほどの件数が分かったら会議中に教えてください。分からなければ結構です。よろしければ、1から4については審議は終了とします。遡って、前の項目についてもございましたら伺いますが、よろしいですか。

○根本委員 雑駁な質問で申し訳ないのですが。この不具合を見ると、ほとんどがハード的なものだと見えるのですが、中には誤作動だとか装置の不具合というのが、よく意味が分からないけれども、もしかしたらソフトの関係かなということがあります。ソフトウエアの占める比重が非常に多くなっていると思うので、その辺ももう少しつかめるといいのではないかと思ったのですが、その辺はどうなのでしょうか。

○安全対策課長 一般論的なことでお話させていただこうと思うのですけれども、旧薬事法から、一昨年、医薬品医療機器法に変わって、このときに実は医療機器の定義自体を法律上も変えています。これまではいわゆるソフトウエア単体で流通していて、かつ治療とか診断に用いるようなものについては医療機器という扱いではなかったのですが、諸外国はアメリカも含めてそういったソフトウエア、いわゆる形を持たない無体物においても、治療や診断の目的で使うものについては、単体でも医療機器という扱いにしているという現状も鑑みて、医薬品医療機器法上も、そういったソフトウエアも医療機器としての取扱いをするようになっています。

 そういう影響もあり、これからソフトウエア関係での誤作動を含む不具合についても、順次これまでの有体物の医療機器と同じような形で不具合報告等の対象になって、いろいろな網が掛かってくるような形になってきますので、やはりそういう部分の安全対策、安全確保、また情報収集についても、より徹底して対応していきたいと考えています。

○荒井部会長 よろしいでしょうか。今後、機器ではソフトが大変重要な課題となってきますが、今日の資料までに関しては、特別に今までと異なる分け方はしていないと言う理解でよろしいですか。

○安全対策課長 平成27年度までということです。

○荒井部会長 そうですね、ありがとうございます。そのほかよろしいですか。

○内田委員 今の資料4-2なのですけれども、再生医療等製品が1品目とありますが、資料を見ると医療機器にまとめられています。1件だけではあるのですが、ほかの資料では再生医療等製品は(医療機器とは)別の資料にされていますので、1ページだけでも区別しておいたほうがいいのではないかと思いましたがいかがでしょうか。

○安全対策課長 次回以降、資料の編纂の仕方については工夫をしたいと思います。ありがとうございます。

○荒井部会長 ありがとうございます。そのほかよろしいでしょうか。

○事務局 すみません、先ほど御質問いただきました平成26年度のクラスI回収の件数ですが、1件で、植え込み型の除細動器の1件でした。

○荒井部会長 ありがとうございます。そのほか御質問等ございますか、よろしいでしょうか。

○井部委員 今日の議題には含まれていないのですけれども、以前に病院で使っているベッドの柵による事故がたくさん発生しました。その際、病院のベッドが医療機器ではないということで、ここでは審議の対象になりませんでしたが、相変わらずそうでしょうか。

○安全対策課長 御指摘いただきましてありがとうございます。その件については、相変わらず医療機器ではないという扱いです。

○井部委員 それは消費者庁でしたか。

○安全対策課長 基本的に消費者事項であれば、消費者庁ということになります。

○井部委員 そうですか。残念です。

○荒井部会長 ちょっとここは圧力を掛けるとかそういうことではないにしても、ベッドに関して、医療現場でそういうことが起こっているという情報提供はしていただけないものなのですか。個人的なコミュニケーションになってしまうのかもしれませんけれど。

○安全対策課長 実際に、医療機器の安全対策部会の所掌としては、医療機器に関する安全対策ということになっていますので、明確には医療機器以外のものに対してここで報告する行政上の義務はないのですが、先生方の御要望もあるのであれば、我々も考えたいと思います。報告ルートも違う部分もありますので、どういう形でやるのがいいのかということも含めて、こちらの方で持ち帰らせていただければと思います。

○荒井部会長 井部委員、よろしいでしょうか。ルートが異なるという話は以前にもあったと思います。これはこの委員会の対象ではないということになっているのですが、医療現場での危機がらみのトラブルというか、安全上の問題の中で、ベッドというのは決して小さくない。もし仮に消費者庁が管轄しているとしても、そこでそういう認識が全くないとすればこれは問題と思われます。この問題は、本日は持ち帰って検討いただくということで、ここは納めさせていただきます。

 そのほかよろしければ、最後のその他というところに入らせていただきます。何か事務局の方からありますか。

○事務局 それでは議題5「その他」ですけれども、前回部会以降に発出された事務連絡について、資料5-1から当日資料の5-4に沿って、幾つか御紹介します。

 まず資料5-1を御覧ください。こちらは「視力補正用及び非視力補正用コンタクトレンズの添付文書及び表示に関する自主基準の改定について」ということで、一般社団法人日本コンタクトレンズ協会より、添付文書及び表示に関する自主基準が改定されましたの

で、これについて同協会加盟以外の関係製造販売業者においても、この自主基準の浸透を図られるよう周知を図ったものです。自主基準については、5-1の後ろに付けています。

 続いて資料5-2について。「モノセレータに係る使用上の注意について」、こちらは内視鏡使用下において体腔内に挿入し、組織を切除するために用いる内視鏡用能動切除器具であります。モノセレータの使用に当たっては、子宮筋腫がある女性の腹腔鏡下の子宮摘出術や、子宮筋腫核出術にモノセレータを使用した細切除術を実施した場合、想定されなかったがん組織、特に子宮筋腫を腹腔内に播種させるリスクがあるということが、FD

A、米国食品医薬品局により報告されました。

 これを受けて、当省機構及び関係学会で検討を行った結果、今後、新たに承認又は認証されるモノセレータの添付文書における「使用上の注意」を改訂し、「悪性腫瘍又はその疑いがある場合には使用しないこと」などを記載するように通知したものです。なお、現在流通している製品については、既にこれらの必要な注意事項は記載済みとなっていま

す。

 続いて資料5-3、医療機器の不具合報告等に関する質疑応答集について。こちらは一般社団法人日本医療機器産業連合会より、このとおり医療機器の不具合報告書等に関する質疑応答集が作成されましたので、同会加盟以外の製造販売業者においても浸透が図られるよう、周知を図ったものです。Q&A集については、資料5-3の後ろに付けているものです。

 最後に当日資料であります5-4「医療機器の添付文書の記載例について(その2)」についてです。こちらは添付文書をどのように記載するかという記載要領については、平成2610月に既に示しておりましたが、各医療機器について標準的な記載例までは通知の中には含められておりませんでした。そのため、各工業会が任意で、記載要領を元にそれぞれの機器についての雛形となるものが随時作成されています。

 昨年8月に、7種類の機器の雛形について既に発出していましたが、今回、一般社団法人日本不整脈デバイス工業会において、植え込み型心臓ペースメーカー等の品目群の添付文書に関する記載例が作成され、当課宛て報告いただきましたので、同工業会加盟以外のメーカーにおいても浸透が図られるよう、周知を図ったものとなっています。

 今後も、関係工業会からの御協力を頂きながら、より分かりやすい記載方法の標準化を図っていきたいと考えています。資料の御紹介は以上です。

○荒井部会長 ありがとうございます。それではこの資料5、議題5について御質問等いかがでしょうか。よろしいでしょうか。実は昨日たまたまテレビで、コンタクトのコマーシャルがずいぶんと派手にやられているのを見ました。この辺のものは相当きちんとやっていかないと、いろいろなことが起こってくると不安を感じました。

○木下委員 眼科関係ですので、ちょっとお話させていただきたい。前回も言いましたけれども、何よりカラーコンタクトレンズですね。カラーコンタクトレンズが未成年者であって、カラーコンタクトレンズそのものがというのではないのですけれど、結局ケアの問題とか、そこのところを重々周知徹底しないと。毎年毎年のことですけれど、繰り返しになりますけれども、それを周知徹底していかないと、全くいい加減なことをしてということで、感染症が非常に増えてきているということを眼科学会等で懸念していますので、ここでも是非皆さんにそのことを認識していただけると有り難いです。

○荒井部会長 貴重なご意見をありがとうございます。この委員会としてその認識を強く持っておきたいと思います。よろしいでしょうか。そのほか、御質問、御意見あります

か。よろしければ、これで本日予定しておりました報告事項についての審議が全て終了になりますけれども、何か最後に追加等ありますか。よろしいですか。なければ事務局にお返ししますので、連絡等お願いします。

○事務局 ありがとうございました。次回の部会の日程については、例年どおり平成2812月頃を予定しておりますが、別途、部会での審議等が必要な議題が生じた場合には、開催予定が早まることがありますので御承知おき願います。なお日程調整等については、事務局より改めて先生方の御都合を伺って決めさせていただきたいと思います。以上で

す。

○荒井部会長 ありがとうございます。それではこれをもちまして、「平成28年度第1回の医療機器・再生医療等製品安全対策部会」を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

備  考
本部会は、公開で開催された。

連絡先:医薬・生活衛生局 安全対策課安全使用推進室 室長補佐 太田(内線2751)

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