ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 社会保障審議会(介護保険部会) > 第67回社会保障審議会介護保険部会 議事録(2016年10月12日)




2016年10月19日 第67回社会保障審議会介護保険部会 議事録

老健局総務課

○日時

平成28年10月19日(水)14:00〜17:00


○場所

ベルサール半蔵門 ホールA


○出席者

遠藤、石本、伊藤、井上(隆)、井上(由)、岩村、岡、小林、
黒岩(代理:小島参考人)、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐野、鈴木(邦)、鈴木(隆)、
鷲見、陶山、武久、土居、栃本、馬袋、花俣、東、桝田の各委員
(大西、藤原委員は欠席)

○議題

1 利用者負担
2 費用負担

○議事

○尾崎企画官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第67回「社会保障審議会介護保険部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきましてまことにありがとうございます。

 報道関係の方に御連絡をいたします。冒頭のカメラ撮影はここまでとなりますので、御退席をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○尾崎企画官 それでは、以降の議事進行は遠藤部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 皆さん、こんにちは。

 まず、議事に先立ちまして、本日の出欠状況について御報告をいたします。

 本日は、大西委員、黒岩委員、藤原委員が御欠席でございます。

 黒岩委員の代理として小島参考人、神奈川県保健福祉局福祉部長が御出席でございますので、お認めいただければと思います。よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、議事に入ります。

 本日の資料について、事務局より確認をお願いしたいと思います。

○尾崎企画官 それでは資料の確認をお願いいたします。

 お手元に、資料1「利用者負担」、資料2「費用負担(総報酬割)」、それぞれに対応する参考資料ということで、参考資料1「利用者負担」、参考資料2「費用負担(総報酬割)」、この4つの資料をお配りしております。

 また、井上隆委員から提出いただいた資料、さらに、本日御欠席ではございますが、大西委員から提出していただいた資料を配付してございます。

 不備等はございませんでしょうか。

 よろしければ、議事進行をお願いいたします。

○遠藤部会長 それではまず、議題1「利用者負担」について議論を始めたいと思います。資料が出されておりますので、資料1について、事務局から説明をお願いしたいと思います。

○竹林介護保険計画課長 介護保険計画課長でございます。

 お手元の資料1と、後ろのほうに参考資料1があるかと思いますので、こちらに沿って御説明をさせていただきたいと思います。

 まず資料1、1ページ目でございます。「利用者負担割合・高額介護サービス費」ということで、1ページ目では、前回の改正の内容及び現状ということで、8月19日の当部会でも御説明いたしましたが、そこの復習を兼ねて整理をさせていただいております。

 平成26年の前回改正におきましては、一定以上所得のある方について負担割合を2割とする。そして、高額介護サービス費の上限について、現役並み所得に相当する所得のある方については、世帯3万7,200円から世帯4万4,400円に引き上げたところでございます。

 2つ目の○でございますが、制度施行後の実績を見ますと、2割負担に該当する方は、在宅サービス利用者の約1割、特別養護老人ホーム入所者であれば約4%となっております。また、サービスごとの受給者の動向を見ますと、27年8月の施行前後におきまして、対前年同月比の傾向に顕著な差は見られていないところでございます。

 3つ目の○でございますが、介護保険については、高額介護サービス費がございますので、1割負担という時代から、実質的な福祉負担率は10%になっておりませんでした。居住費や食費の整理が現行と同様になっております平成18年度では約7.7%でございましたが、その後、高額医療合算介護サービス費の創設等によりまして、足元では、26年度ごろには約7.2%に低下をしておりましたところ、制度改正後の直近の実質負担率は平均で約7.7%となっております。

 2ページ目は、骨太の方針2015における記載等でございます。

 まず、昨年12月の経済・財政再生アクション・プログラムにおきましては、利用者負担の関係では2点ほど記載されております。1点目は、医療保険における高額療養費制度とともに、介護保険における高額介護サービス費制度についても、関係審議会等において具体的内容を検討して、本年末までに結論を得る。必要に応じて、速やかに必要な措置を講じるとされております。

 その他の介護保険における利用者負担のあり方につきましても、同じく関係審議会等において検討し、本年末までに結論を得るとされております。

 2つ目の○でございますけれども、参考資料1の3ページ目をお開きいただければと思います。こちらの中ほどの表に、医療保険における70歳以上の高齢者の方の患者負担の過去の変遷を書いてございます。現役並み所得者につきましては、平成1410月から2割、1810月から3割となっております。また、それ以外の方につきましても、70歳から74歳の方については、平成26年4月2日以降に70歳の誕生日を迎える方から順次2割負担とされているところでございます。

 また、同じ参考資料1の8ページをお開きいただければと思いますが、こちらは「利用者の自己負担限度額の推移」でございます。制度が創設されたころは、介護保険と医療保険の70歳以上の高齢者が大体そろっておりましたけれども、その後、医療保険につきましては累次の改正が行われております。26年の改正で、先ほど申し上げましたように、介護保険において、現役並み所得者について4万4,400円に引き上げたことによって、上の青い字の「介護保険」と下の赤い字の「医療保険(70歳以上の高齢者)」を比べていただきますと、大体そろってきておりますけれども、2つ目の類型、介護保険で言えば課税世帯、医療保険で言えば一般と書いてあるところが、介護保険が3万7,200円なのに対し、医療保険は4万4,400円となっているところです。

 また、同じ参考資料1の16ページ以降に、今、同時並行で検討が進められております社会保障審議会医療保険部会の9月28日に提出された資料を掲載しております。この中で、例えば18ページをお開きいただきますと、「論点(イメージ)」と書かれておりますが、上に69歳以下の方の自己負担限度額、下に70歳以上の方が書かれています。上の69歳以下の方については、この区分が370万の年収を超える方以上の方についても、770万とか1,160万といった区分がございます。これに対しまして、下の70歳以上につきましては、現役並み所得ということで370万以上の年収の方は一くくりにされている。このあたりについてどう考えるかということが論点になっているものと承知をしております。

 今のところで、資料1の2ページ目の下の3つの○について御説明をいたしました。

 おめくりいただきまして、3ページ目をごらんいただきたいと思います。今度は参考資料1の25ページと26ページをお開きいただければと思いますが、10月4日に開催されました財政制度等審議会財政制度分科会の資料の抜粋を載せております。利用者負担の関係につきましては、25ページの下の赤い枠囲みをごらんいただきたいと思いますが、改革の方向性ということで、軽度者が支払う利用者負担額が、中重度者が支払う利用者負担額と均衡する程度まで、要介護区分ごとに軽度者の利用者負担割を引き上げるべきといった案が示されております。

 また、26ページのほうは、高額介護サービス費制度の見直しの関係でございますけれども、ここも下の赤い枠囲みの中に「【改革の方向性】(案)」とされておりまして、速やかに、高額療養費制度と同水準まで利用者負担の月額上限を引き上げるべきと。また、高額療養費制度について70歳以上の月額上限が見直される場合には、見直し後の水準まで引き上げるべきと、このような案が示されているところでございます。

 本体の資料1に戻っていただきまして、3ページの2つ目の○でございますけれども、8月19日の当部会における主な御意見を4つほどにまとめております。

 1つ目のポツにありますような、負担能力に応じた負担となるようにしていくべきではないか。2つ目のポツにあるような、医療保険制度における患者負担割合や高額療養費との整合性をとるべきではないかと、こういった積極的な御意見もございました。また、サービスの利用控えや家計への負担に配慮しつつ検討していくべきではないか。あるいは、介護サービスの利用が長期間となることを考えると、医療保険制度と並びをとる必要はないのではないかということで、見直しに消極的な御意見も同じくあったところでございます。

 その後、補足給付の関係でございますけれども、平成25年の当部会における宿題事項といたしまして、補足給付への不動産勘案というものがございます。一番下の○でございますけれども、厚生労働省において行った調査研究事業の結果につきまして、8月19日の本部会で御説明させていただきましたが、3つほど課題が指摘されております。1つは、認知症の方を含む高齢者との契約支援の仕組みなどの実務的な課題であります。4ページに移っていただきまして、金融機関にとっての市場規模や費用対効果、あるいは土地の価格分布などの地域格差といった課題が指摘されていたところでございます。

 8月19日の介護保険部会におきましては、この点につきまして、1つには、自治体の事務負担等について、事務的に実施が可能であるかを十分に議論すべきではないかという御意見もありましたし、また、まだ課題が多いものの、今後の導入に向けて、引き続き調査分析・検討を続けていくべきと、このような御意見もいただいたところでございます。

 このほか、8月19日の当部会におきまして、伊藤委員から、今後こういう利用者負担のあり方を検討する際には、家計ベースでの議論が検討できるような資料も必要ではないかという御指摘をいただいたところでございまして、参考資料1の20ページ以降を少しごらんいただきたいと思います。20ページには、高齢者世帯の所得ということで、高齢者世帯の収入の約7割を公的年金等が占めている、このような資料をつけております。

 おめくりいただきまして、21ページ「高齢者の稼働所得の状況」ということで、世帯主の年齢が6569歳の世帯では約7割、70歳以上の世帯でも約4割の世帯で稼働所得があるということがわかっております。

22ページでは「高齢者の貯蓄の状況」などが書いてございまして、平均貯蓄額は約1,3001,400万というところで推移をしておりますけれども、分布においては、貯蓄がない方と高額貯蓄の方に二極化する傾向があるということでございます。

23ページをお開きいただきまして、これは27年の家系調査年報によります高齢者夫婦無職世帯と高齢者単身無職世帯の消費支出の内訳について書かせていただいたものでございます。一番下の※に書いておりますが、実はこの調査の凡例では、介護サービスの自己負担分は「その他の消費支出」というところに含まれるという整理になっているようです。ですから、この「その他の消費支出」は非常にいろいろな性格の支出がごっちゃになっているものだと思われますが、そこに入っているということでございます。

24ページには、同じ家計調査で過去の推移を見ようということで、夫婦無職世帯と単身無職世帯に分けまして、消費支出全体と、保健医療支出と、介護サービス費が入っているその他消費支出の推移を書いておりますが、少し年によってふえたり減ったりというような状況でございまして、一貫した傾向は見て取れないような感じがございます。

 もう一つ、今度は8月31日の当部会におきまして、鈴木委員から、ドイツの介護保険制度における自己負担についても御質問いただいたところでございまして、それにつきましては、参考資料1の27ページに関係の資料を掲載しているところでございます。この中で自己負担の関係につきましては、下から2段目に赤枠で囲った部分がございますけれども、ここで見ていただくとおり、総費用に占める自己負担の割合ということであれば、ドイツは約30.4%、日本は約7.1%となっております。ただ、ドイツの場合は、このほか緩和された資産調査による要件を満たす場合には、社会扶助制度の介護扶助からの給付も受けられるということになっているようでございます。

 このほか、御参考までに申し上げますと、ドイツの介護保険制度における保険料率については賃金の2.35%、子供を持たない23歳以上の被保険者については2.6%とされており、これら保険料率は来年からさらに0.2%引き上げる予定と聞いております。

 それでは、長くなって恐縮ですが、最後に資料1に戻っていただきまして、5ページ目の「論点」というところでございます。

 1つ目の○は総論的なものでございますけれども、高齢化の進展に伴い、2号あるいは1号の保険料水準のさらなる上昇が見込まれる中で、世代間・世代内の公平性を確保しつつ、今後の介護保険制度の持続可能性を高める観点から、利用者負担のあり方についてどう考えるかと。

 それから、利用者負担割合の関係につきましては2つ目の○でございますけれども、先ほど御説明したとおり、前回改正で一定以上所得の方については2割負担を導入したところですが、制度の施行状況や、医療保険における患者負担割合を踏まえ、こうした利用者負担割合のあり方についてどう考えるか。先ほどの財政審のように、要介護認定が軽度である者について利用者負担を引き上げるべきとの指摘がありますが、どのように考えるか。また、8月19日の当部会において、負担能力に応じた負担となるようにしていくべきとの御意見があったが、具体的にどう考えるか。

 それから、高額介護サービス費の関係でございますけれども、こちらも先ほど御説明したとおり、前回の改正で現役並み所得の方について上限の引き上げを行ったところですが、制度の施行状況や、医療保険における自己負担額の上限額を踏まえ、高額介護サービス費のあり方についてどのように考えるか。例えばということで、財政審であったように、医療保険の高額療養費制度を踏まえ、現在の一般区分の負担上限額を3万7,200円から4万4,400円に引き上げるべきとの指摘があるが、どのように考えるか。

 それから、補足給付の関係につきましては、民間金融機関が実施するリバースモーゲージ等における知見の集積、あるいは成年後見制度の普及等の状況を踏まえつつ、将来的な課題として引き続き検討を深めてはどうかということでございます。

 私からの説明は以上でございます。

○遠藤部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、この問題につきまして御意見いただきたいと思いますけれども、2巡目の議論ということでもございますので、論点に沿って簡潔な御発言をいただければと思います。また、多くの委員が発言されますので、要領よく御発言いただけますよう御協力をお願いしたいと思います。それでは、いかがでございましょうか。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木(邦)委員 それでは、5ページの論点に沿ってお話しさせていただきます。2つ目の○の、利用者負担割合からお話しさせていただきたいと思います。

 利用者負担割合については、応能負担を原則としながら、介護保険の特性も踏まえつつ、医療保険との整合性を図る必要があります。介護は長期間の利用に対して、医療は短期間の利用なので、介護の利用者負担をより低く抑えるべきとの考え方もありますが、他方、医療は生命に関するのに対して、介護は生活の質の話なので、医療より利用者負担を多くしてもいいという考え方もあります。実態としては、高齢化に伴って、介護と高齢者医療は一体化していくと考えられますので、介護と医療のサービスの持つ特性を反映させつつ、両者の整合性を図る必要があります。その上で、特に現役世代並みの収入や高額な預貯金のある高齢者の方には、さらに負担をしていただく必要があります。

 軽度者の利用者負担については、要支援が介護保険から切り離されて、地域支援事業に移行しつつあることを考えれば、軽度者のサービスも一定程度効率化した上で、中重度者への重点化により、介護保険制度の持続可能性を担保する必要があります。ただし、具体的には現場の実態も踏まえて一律に軽度者の利用者負担を引き上げるのではなく、エビデンスに基づく一定期間の利用や、一定の限度額までの利用は現行どおりの負担とするなどの柔軟な対応が必要です。

 3つ目の○の、高額介護サービス費については、医療保険との整合性を図る必要性があり、現在の一般区分の負担上限額は3万7,200円から4万4,400円に引き上げる必要があります。その上で、高額な預貯金がある高齢者に対しては、さらに負担限度額を引き上げることも必要だと思います。

 ドイツの介護保険の説明もしていただきましたけれども、参考資料1の27ページを見ると、ドイツの自己負担の割合は3割を超えており、非常に高いことがわかります。それに比べると、我が国の自己負担の割合は、この資料を見ると7%台とのことですが、医療保険はたしか公的給付の割合が8割台ですから、1割以上は自己負担をしていると思いますので、全体としてはもう少し自己負担があってもいいのではないかと考えられます。

 4つ目の補足給付についてですが、補足給付の不動産勘案については、今後、高齢化率が上昇して、高齢者が大幅に増加する大都市部においては、対象者の増加が考えられます。介護保険制度の持続可能性を考えれば、保有資産の勘案は必要であり、リバースモーゲージについては将来的な課題として先送りするのではなく、全国的な制度と考えるべきだと思いますが、実際には、地価が高いと考えられる地域区分の上位地区を対象とするなどして、具体的な検討を開始するべきであると思います。

 リバースモーゲージにより、独居世帯や老老世帯の住宅を子育て世帯が利用できるようになれば、少子化対策にも有効であると考えられます。

 ぜひ、ドイツでの利用者負担における不動産勘案や、金融資産勘案の状況についても、おわかりになれば教えていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 最後は御要望ということでございますね。事務局は御検討をよろしくお願いいたします。

 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、井上隆委員、お願いします。

○井上(隆)委員 ありがとうございます。

 まず冒頭ですけれども、経団連は昨日18日に、医療・介護制度に関する当面の具体的改革項目に対する意見を取りまとめて公表いたしました。参考資料としてお配りしておりますので、後ほど御参照いただきたいと思います。ここにまとめました意見等も踏まえて、きょうは発言をさせていただきたいと思います。

 まず、利用者負担のあり方でございますけれども、今年2月からこの介護保険部会で議論が開始されて、その大きなテーマの一つは、制度の持続性の確保という点だと思います。社会保障制度改革推進法の第2条に掲げられておりますけれども、自助、共助、公助を最も適切に組み合わせること、税や社会保険料を納付する者の立場に立って負担増大を抑制する、そして、持続可能な制度にするということでございまして、これがこの部会に求められている大きなテーマだと理解をしております。

 制度の導入以来15年で、サービス利用者の給付は3倍、今後も急速に75歳以上人口が増大するということですので、現状維持という考え方ではもう制度が破綻しかねないという危機感を皆さんで共有すべきだと思います。まさに船は傾きかけておりまして、これから荒波が来る。そういう状況認識のもとで議論を進めるべきだと思います。

 このような観点からいたしますと、まずは自助に関連するところでございますけれども、利用者負担の見直し及びサービスの重点化、効率化を図っていくことが、現役世代を含めた全体の理解を得るために改革の順序として重要ではないかと思うところでございます。

 そこで、利用者負担割合に関しましては、低所得者層への配慮を十分に行いつつ、経団連といたしましては、原則2割負担へと移行していくということを視野に入れながら検討していくべきだと考えております。

 また、前回の論点でもございましたけれども、軽度者に対する一部のサービスなどにつきましては、給付の適正化、効率化を図っていくべきだと考えております。

 高額介護サービス費につきましても、医療制度改革の動向を踏まえまして、負担上限額を3万7,200円から4万4,400円に引き上げるべきと考えております。

 なお、医療保険部会におきまして、高額療養費の見直しが行われておりますけれども、それが行われる際には、高額介護サービス費についても同様に整合性を踏まえた制度の改革が必要と考えております。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 ほかにいかがでございましょうか。

 それでは、鷲見委員、どうぞ。

○鷲見委員 ありがとうございます。

 2つ目、3つ目につきましては、今までの委員の御指摘があるとおり、慎重にはすべきでありますが、進めていっていただくといいと思っております。

 補足給付についてですが、補足給付のみならず、我々の実感としては、この成年後見人制度は着実に進んできているといいますか、活用している方は多くなっていらっしゃいます。ですが、我々もケアプランに位置付けられる方針や費用負担について、後見人がついていらっしゃる方々のケースになりますと、後見人がサービス担当者会議に出席していただかないと決定できないこともあったりいたします。ですから、ぜひサービス担当者会議等に積極的に参加していただけるようにしていくべきだと思いますし、私たちもそこには取り組みたいと考えているところです。

 以上です。

○遠藤部会長 どうもありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 では、土居委員、お願いいたします。

○土居委員 利用者負担については、支払い能力のある方に御負担をいただくことをまず優先すべきだと思います。第2号被保険者も保険料を負担していることは重い現実でありますから、65歳以上の方が主立って介護サービスを利用される実情からすると、第2号被保険者の保険料を上げることが利用者負担の増なしに行われることは、世代間の負担のバランスからしても望ましくないと思います。

 そういう意味では、まず、高額介護サービス費の上限額を3万7,200円から4万4,400円に引き上げることは、私もこれは行うべきであると思います。それから、利用者負担割合については、軽度の方にだけ利用者負担割合を上げることになりますと、前回の部会でもありましたけれども、より重度の要介護認定を誘発するおそれもあるので、ここは利用者負担割合で差をつけるよりは、区分支給限度額をより標準的なものにする。つまり、ケアマネジメントを標準化するなどの対応をあわせて行うことで、ほとんどの方が区分支給限度額にはひっかかっていないという状況ですから、もう少しリーズナブルな、負担能力のある方には負担していただけるような形で見直すこともあり得るのではないかと思います。

 最後に、補足給付ですけれども、これは不動産の勘案を補足給付で行うための準備として、リバースモーゲージのさらなる研究、普及を進めていただきたいと思います。

 老健局でも、いろいろな形でリバースモーゲージに関連する研究をサポートしておられると思うのです。民間の研究機関が委託されて研究される場合が多いと思いますが、私の印象で言うと、今のままだとリバースモーゲージは難しいというようなトーンがにじみ出る研究報告のような感じがいたしております。そうではなくて、どうすれば民間金融機関がリバースモーゲージにもっと積極的になれるのか、どういう条件を満たせばそれが実現するのかという、その条件を積極的に探索していただくことが必要だと思います。このままだと、民間金融機関ではペイしないからリバースモーゲージはできないということばかり、いつまでも言っていたのでは、これは別に介護保険制度にかぎらず、我が国における金融システムとしても劣ったものに成り下がっているばかりであります。やはり民間金融機関ないしは民間研究機関にも、リバースモーゲージのフロンティアがどこにあるのかを、より積極的に研究していただいて、できるだけ早い時期に介護保険でもリバースモーゲージの恩恵を受けられるような形で、支払い能力のある方には御負担をお願いできるようにする。

 もう一つは、全国的にどこでもリバースモーゲージが利用できるということではないというのは、もう地理的、それから人口分布の関係から、我が国では避けがたいことでありますから、先ほど鈴木委員もおっしゃいましたように、都市部を中心に利用できる地域を見定めながら、その地域ではしっかりと仕組みをつくっていくということが求められると思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 介護事業者の方にお聞きしましょう。馬袋委員、東委員、桝田委員の順番でお願いします。

○馬袋委員 ありがとうございます。

 論点の考え方としては、やはり負担能力に応じて御負担をしていただく方向性で考えるべきだと思います。

 もう一つ、軽度者に対する負担の考え方、上げるということを提示している参考資料1の25ページ、財政制度等審議会の資料について、ここの左のグラフが、要介護・要支援、要介護1からということで、軽度者のところについて、負担が少ないと出ているのですけれども、このグラフに記載がないものがありまして、給付限度額という線を1本入れませんと、要介護1、2の方と3、4、5は当然給付限度額が違うわけですから、その限度額範囲の中での利用率から見れば、例えば要介護4・5の方々が70%ぐらいお使いであって、要介護1・2の方が50%ぐらいしか使っていなかったようなデータがあったと思うのですけれども、そういう観点から見れば、このグラフだけを見て軽度者に負担を求める図として議論するには、余りにも乱暴な表現だと私は思います。

 それから、当然、軽度の方には、今の中で重度にならない努力をしていただくことが一番負担を上げないというか、努力が大切なことをお願いをしていくことです。すなわちケアマネジメントの中で対応できるように実施していくということが、軽度の方々に対する支援というか、お願いをしていくことだと思います。当然、それに対する事業者も重度にならないように支援をしていく、またはサービスを考え提供していくということがサービスのあり方の原点、自立支援の原点だと思います。

 よって、軽度になれば負担が重くなって、重度になれば負担が軽くなるというのは、制度上の組み立てからしてもおかしいのではないかと思います。軽度の部分に負担を求めることについては、要検討ということだと思います。

 補足給付については、確かにリバースモーゲージの件はいろいろあると思うのですけれども、やはり継続的に、できるところからどのように考えるかということの努力は継続してやるべきだと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 それでは、東委員、お願いします。

○東委員 資料1(利用者負担)の各論点に沿って申し上げます。まず利用者負担割合でございますが、この応能負担という考え方は、今後もしっかりとやっていかなければ介護保険制度の持続性はないと思っていますので、賛成でございます。

 ただ、今馬袋委員も御指摘をされましたが、私も前回の介護保険部会でも申し上げましたように、軽度者の負担を増やすことで介護保険の財政がよくなるという保証はないわけです。ですから、軽度であるから負担を上げるという一律の負担上昇には反対であります。やはり自立支援とかリハビリの意欲をそいで、要介護度の悪化を招くような可能性のある負担の増加は戒めるべきだと思いますので、ここは反対をいたします。

 それから、3番目のの高額介護サービス費でございます。これは他の委員の皆さんと同じように、私も応能負担という意味でも4万4,400円に引き上げるべきだと思います。

 最後に、補足給付でございますが、リバースモーゲージ等ばかりが今議論されていますが、私は現場にいまして、世帯分離という問題が大変大きいと思っております。補足給付もやはり応能負担だと考えると、不動産等について応能負担の考えを入れるのも理解できますが、その前に、この世帯分離という問題が抜け落ちているように思います。

 参考資料1(利用者負担)の5ページ(利用者負担割合の判定基準)をご覧いただくとわかるように、同一世帯の1号被保険者の年金収入等で1割負担になったり2割負担になったりするわけでございますが、実はここにも世帯分離を使うことによって、2割負担が1割に負担になっている例がある可能性があると私は考えております。

 補足給付に関しましては、補足給付を使うために多くの頻度で世帯分離行われていると聞いております。といいますか、現場の人間としても感じております。この世帯分離の状況というものを補足給付と利用者負担割合について、それぞれの状況を今後この介護保険部会でお知らせしていただくと助かります。要望でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 最後の御要望につきましては、事務局、対応できる範囲で御検討いただければと思います。

 では、桝田委員、どうぞ。

○桝田委員 まず、介護保険制度自体が世代間及び世代内の公平性という論理の中で、負担能力に応じて保険料も利用者負担金も払うというふうに変わってきた。その中で、今回は制度的に見て、それに応じた改正という部分を議論されていると思うのです。その中で、1つ、軽度者であるがゆえに負担を変えるという一つの意見がございます。その部分は、軽度者だから1割負担の方を2割負担にするというのは完全に給付の抑制につながっていってしまうと思うのです。そこで、もしするのであれば、区分支給限度額の中で標準的なプラン等を示して、標準的なラインまでは1割ですよ、それを超せば2割ですよと。上限を超せば10割、本人が全部払うという形ぐらいでないと、軽度であるとか、重度であるとかいう部分で負担能力を変えることは無理だと思います。ですから、もし行うのであれば、標準的な部分を超したときに2割負担を導入するなりという方法だと思います、

 あと、高額介護サービス費の問題がここに書かれています。以前であれば、高額介護サービス費という問題は医療との整合性の問題で、非常にそのときに応じて違いましたけれども、現在、介護サービス費が高額になる方、在宅の場合は医療もかなり高額になってきます。そこで、高額医療合算の介護サービス費という部分で、かなりの部分が今もう負担能力に応じた範囲におさまるという形はつくられたと思うのです。そうしますと、医療と同じように、一般区分の方、3万7,200円を4万4,400円に変えても、その方の負担能力の中でどうにかカバーできるのではないかと思います。

 最後に、補足給付の問題ですけれども、リバースモーゲージ等、将来的に絶対勘案すべき内容なのですけれども、現状では、市町村負担であったり、把握の状況とか、かなり難しい問題がございます。マイナンバーの活用とか、いろいろな部分を組み込んでいって、最終的にはするのだけれども、時期を、準備段階を置いて導入するという長期的な視野を持ってすべきかと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 では、こちら側に行きましょう。岡委員、小林委員、齋藤訓子委員、陶山委員、お願いいたします。

○岡委員 ありがとうございます。

 まず、利用者負担割合については、低所得者に対する配慮は必要ですが、制度の持続性を高める観点から、負担能力のある方には相応の負担を求めるべきと思います。具体的な方法としては、現在2割負担となっている一定所得以上の基準が適正かどうかという視点で対象範囲を見直してみてはどうかと思います。

 また、一定所得以上には該当しない1割負担者についても、1.2割とか1.5割の負担にするなど、より多段的な負担率設定にすることも検討してみてはどうかと思います。

 また、給付の重点化の観点から、介護サービスメニューごとに負担率を設定していく方法もあるのではないでしょうか。例えば家族の協力などでも補うことができるサービスについては、負担率を引き上げるなどといった方法が考えられます。

 次に、高額介護サービス費ですが、低所得者に対する配慮はしつつ、医療保険の高額療養費制度との整合性の観点からも負担上限額を引き上げるべきと思います。

 最後に、補足給付の不動産勘案については検討を進めていくべきですが、同時に、リバースモーゲージの普及、拡大を進めるなど、環境整備をしていく必要もあると思っております。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、小林委員、どうぞ。

○小林委員 ありがとうございます。

 介護保険制度の利用者負担については、制度創設時は、当時の状況等を踏まえて1割負担とされましたが、その後、制度が定着し、財政規模も大きくなっているといった状況変化を考慮しますと、制度の持続可能性を十分考えなければならない段階に来ていると考えます。このため、多くの委員の皆さんから御意見ありましたように、負担能力に応じた負担という基本的な考え方に立ち戻る必要があり、医療保険であれ、介護保険であれ、基本的には同じ負担能力であれば同じ負担を求めていくべきだと思います。

 こうした観点から、現行の高額介護サービス費における一般区分の負担上限額である3万7,200円については、もともと医療保険の高額療養費制度の多数該当の金額に合わせて設定されたことを踏まえ、高額療養費制度の上限額である4万4,400円に速やかに合わせるべきだと思います。

 また、これは井上委員から御意見がありましたが、現在、医療保険制度部会において高額療養費制度の見直しについて議論されておりますが、仮にその限度額に見直しがあった場合には、高額介護サービス費についても、遅れることなく、今回の議論の中で見直しを決定していくべきだろうと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 齋藤訓子委員、お待たせしました。

○齋藤(訓)委員 応能負担につきましては、原則その方向で行かざるを得ないと思っております。このたび論点で出されました軽度者の自己負担のところですが、財務省のデータでは、軽度者の利用の伸び率が高くなっているということですが、これをどう解釈するかというのも一方であるのかと思っております。やはり大きな費用負担なく軽度のうちにサービスを利用することで、悪化予防であるとか、在宅生活の維持につながっている側面もあると思いますので、今の段階で一律に軽度者の自己負担を上げるという案は、ちょっと拙速ではないかと考えています。

 もし、仮に導入するということであれば、前回、生活支援のところでも議論になりましたけれども、軽度者に提供されているサービスが実際に重度化予防や状態の維持改善に資するものになっているのかどうかをきっちり検証した上で、自立支援に効果のあるサービスに給付を重点化していくということも必要になるのではないかと思っています。

 それから、高額介護サービス費の負担上限引き上げにつきましては、ある程度この方向で進めていくしかないのではないかと思っております。ただ、医療保険との整合性ということも説得力のある説明だとは思いますけれども、やはり介護保険料の上昇であるとか、第2号被保険者の負担もふえていくという、そういった介護保険制度自体の非常に危機的な状況について国民に説明し、理解を得て進めていくということが重要ではないかと思っています。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、陶山委員、佐野委員の順でお願いいたします。

○陶山委員 ありがとうございます。

 資料3ページに、負担能力に応じた負担となるようにしていくべきではないかという意見がございましたが、私ども現場からも、経済力のある高齢者、利用者の方に、負担能力に応じた負担をしていただくことはやむを得ない、こういう意見が過半数に達したという話は以前もさせていただきました。

 一方、財政審のほうからお話のありました、「軽度者の利用者負担額が重度者の負担額と均衡するように要介護区分ごとに割合を引き上げるべき」、こういう御指摘がございました。制度の持続可能性の確保から利用者負担の適正化は大きな課題ではありますが、その方法として、軽度者の負担割合を引き上げるということは、軽度者と重度者の間に大きな負担の壁をつくることになると思います。この負担の壁によって、軽くなったら負担がふえるから軽くなりたくない、そういう利用者や家族の思いが紛れ込むことになったり、加えて、現在でも自治体ごとの認定に差異があることが問題視されていますが、この壁によって要介護認定にかかわる利用者負担の公平性をめぐるトラブルに発展することが強く懸念されるところであります。まずは、要介護認定の基準を今以上に公平公正に行われる仕組みを構築することが先ではないかと思います。

 さらに、現場からの意見ですが、利用者の中には、毎月介護保険で使える費用を先に決めて、その費用の範囲内でケアプランをお願いしている、そういう場合が少なくないということがございますが、この場合、軽度化して負担がふえれば必要なサービスを我慢することになり、結果として、もとに戻ってしまうリスクがあるということを申し上げたいと思います。

 それから、高額サービス費の見直しでございますが、これも以前、医療費と介護保険の前提が違うということをお話し申し上げました。その趣旨は、ほかの委員の方からもお話がありましたが、医療は治癒するものだが、要介護状態は長期にわたって継続する。単純に医療との同列で負担割合を求めるべきではなく、引き続き工夫が必要であるというような意図でご意見申し上げました。つけ加えたいことは、医療にかかわる利用者のリスク対応は、生命保険文化センターの生活保障に関する調査によりますと、「治療や入院に備えて新たに経済的準備を考えている人の割合が70%近くまで高まっている」、そのように分析されているように、私的生命保険特約や医療保険に加入することにより、一定程度担保されていると思いますが、反面、同調査によると、介護に対する私的介護保険、介護特約への加入率は上昇基調であるものの、いまだ10%未満にとどまっている。医療に比べてまだまだリスクへの対応が進んでいないという姿があります。それらの環境要因、それと、医療の高額療養費との連動についても今、話がございますが、高額療養費と同様の基準にすることは慎重であるべきと考えます。

 それから、補足給付でございますが、ここの論点とはちょっと違うのですが、以前、「経過的かつ低所得者対策としての性格を持つ補足給付に対して見直す点はあるか」という論点がございました。この論点について、対象外とされた利用者が急激な負担増加に耐え切れず特養を対処したケースを例に挙げて申し上げましたが、別の委員からも、補足給付から除外された人の追跡調査が必要である旨の提案もあったかと思います。その後、何らかの追跡調査がされているかどうか。また、論点から消えた事情について、何らかの意味、あるいは方向性があるのであれば、お聞かせいただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 では、事務局、よろしいですか。

○竹林介護保険計画課長 御質問いただきありがとうございます。

 2点御質問があったかと思いますけれども、1つは、特養を退所された方の追跡調査を行っているのかという御質問だと思います。その点については、特別な調査というものは行っておりませんで、きょうも御紹介をしているようなマクロ統計の中で、制度導入によってどのような変化があったのかと、そういうものは毎月の数字が更新されるたびにチェックをしておりますけれども、おっしゃっている趣旨が、ミクロの一人一人の利用者の状況を追跡しているのかという御趣旨であれば、そういったことは今できておりません。

 それから、論点から消えた事情ということなのですけれども、そちらも一応、第1ラウンドから第2ラウンドに進んでいく中で、前回余り多くの皆様から御意見が出なかったものについては集約をしてきたというような感じでございます。特に深い意図があったわけではございません。

○遠藤部会長 陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 補足給付を外された利用者が困窮する家庭で、配偶者だけではなくて子供にも負担がかかるということになれば、介護離職ゼロや一億総活躍社会の趣旨にそぐわないこともあると思います。その調査、ミクロという話がございましたが、この前も一定の勘案措置を工夫していただきたいということをお願い申し上げましたが、何らかのそういうことをできればお願いしたいなと、再度お願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 御検討をよろしくお願いします。

 佐野委員、お待たせしました。

○佐野委員 

 まず全体としては、負担アップというのは必要だと考えます。

 自己負担額のアップと、それが保険料にどう影響するのかということをセットで考えることを具体的にやるべきだろうと思っています。要は、ある項目の自己負担額アップをすれば幾らの財源が出て、それを保険料に反映すれば幾らになるのかという部分です。技術的には難しい部分があろうかと思うのですが、これをしてみないと、実際に負担アップしたことがどれだけ保険料にきいてくるのかということの比較もできないと思いますので、ある見方をすると、ある項目の自己負担額をアップしても、その額が小さい場合には保険料への影響も小さいことになりますし、自己負担額が大きい場合には、あえて言えば保険料も大きく引き下げの余地が出るということにもなろうかと思います。そういう面で、具体的に項目を挙げて、その実際の影響はどうなのか、その上でどういう選択肢をとるのかという議論をやっていかないと、なかなか具体的な検討にならないと思いますし、その中でどういう組み合わせをとっていって、どのようにしていくのかということが最後の選択肢になるのではないかという気がいたします。

 また、軽度者負担をアップした場合には、どれだけの財源が出て、これをもし保険料に反映すればどれだけのものになるのかと。多分相当大きなものになるからこそ、検討すべき課題は多いと思うのですが、そういう視点の数字を入れた形でやったほうがいいと思いますので、ぜひ次回以降、それを御検討いただければと思います。

 それから、高額介護サービス費については、皆さんおっしゃっていますように、創設以来のところで見ても介護の伸びというのは医療以上に伸びてきている部分なわけですから、そういう中で、当初、医療と介護を同じ額でスタートしたものが、今や医療のほうが高額になっているという現状を見ても、少なくとも医療に合わせるのはごく自然なことだろうと思います。

 先ほどと同じように、これも4万4,400円に引き上げた場合、幾らの財源になるのかというところも試算をしていただければと思います。

 また、この部分については、現在、医療保険部会のほうで見直しの検討をされていると聞いておりますので、所得区分の設定を含めて、そちらで見直しされた場合には、準じた見直しをお願いできればと思います。 

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 制度選択の議論をするときに財政影響ができる限りわかるようなデータが欲しいという御要望だと理解してよろしゅうございますね。可能な範囲で御対応いただきたいと思います。

 これは利用者負担の話でございますので、利用者の方々の御意見をまとめてお聞きしたいと思います。それでは、花俣委員、齊藤秀樹委員、井上由美子委員の順番でお願いいたします。

○花俣委員 大変ありがとうございます。

 先ほど来、持続可能性を高める観点からということで、応能負担という利用者にとっての大変厳しい議論が続いていますが、負担能力を判断するのには、ぜひ慎重に御検討いただきたいと思いますし、8月31日に私どもが提出いたしました資料、要望書、いま一度心を傾けていただければと思います。

 介護保険の利用者のほとんどは年金生活者と言えますが、総務省の2015年度の家計調査報告では、ひとり暮らし高齢者の場合、家計収支は赤字が約4万円、高齢夫婦で赤字が約6万円と報告されています。多くの人は、赤字部分を預貯金の取り崩しで賄っており、預貯金などの貯蓄を見ても、2,396万円が平均値とされていますが、平均以上の人が34%で、1,200万円未満の人が42%と非常に開きがあります。一方、2014年度の全国消費実態調査では、認定を受けている人の介護保険サービスへの支払いは、ひとり暮らしで1万2,000円程度、2人以上の高齢世帯では月1万円程度とも報告されています。

 認定を受けている高齢者には、収入や貯蓄がたくさんある人もいるでしょうが、生活保護の対象にはならないけれども低所得の人もたくさんおられます。特に介護保険の利用者は75歳以上が中心ですが、高齢になるほど相対的貧困率や長寿の女性の割合が高いという報告もあります。昨年8月に一定以上の所得がある人が2割負担になり、負担が一気に2倍になった人への暮らしへの影響を追跡調査することなく、新たに利用者負担をふやすことには反対したいと思います。

 馬袋委員を初め、ほかの委員の御意見にもございましたように、参考資料1の25ページ「介護保険における利用者負担の在り方」の一番下の段に記載されております「【改革の方向性】(案)」のところ、軽度者が支払う利用者負担額が、中重度者が支払う利用者負担額と均衡する程度まで、要介護区分ごとに、軽度者の利用負担割合を引き上げるべきとありますが、論点でも、要介護度が軽度である者について利用者負担を引き上げる等の指摘については、当事者の立場として、まずその根拠が理解できないこと。それから、介護度別の負担割合の違いがもたらす弊害についても、前回の部会でもさまざまな御意見が出ていたと思います。さらに、要介護2と3のランクにおいては、介護度が行ったり来たりされる方も多くおられます。そのたびに、例えば負担が1割と2割というふうに変わる。そういうこと自体、公的保険制度にあってはならないことだとも考えます。

 部会の議論の中で、常に自立支援のためと言われますが、一生懸命介護して、あるいは御本人も頑張った結果、介護度が改善されたのに負担増ということでは、いささか納得できないと思います。介護保険料を払い、認定を受けても、お金が払えないからサービスを使わないという人が出る見直しは絶対に避けていただきたいと思います。

 もう一点、高額介護サービス費についてですが、先ほども申し上げましたように、介護保険の認定者は、介護も医療も必要とするがゆえに、保険サービス以外にも通院、通所、あるいは日常的な介護や医療の費用を伴う人たちが多くいます。さらに、介護施設や病院では、食費や居住費などの自己負担もあります。医療保険では利用者負担の引き上げ、あるいは高額療養費の引き上げや資産チェックなどの導入が検討されているようですが、これらと同時に高額介護サービス費の上限が引き上げられると、負担はさらにふえることになりますので、ぜひ慎重な検討をお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 では、齊藤秀樹委員、お願いします。

○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。

 8月19日の部会でも申し上げたわけでありますが、介護は長期化また重度化するという特性を持っておりますので、医療と同列で論ずるのは少し無理があるのではないか。慎重な対応が必要だと思います。

 利用者負担割合でありますが、消費増税では数%の上げ幅で国民的コンセンサスを得ようとしているわけでありますが、この医療介護の世界では10%の上げ幅を基本に議論が進められているわけであります。所得がふえない年金生活者の生活実感からは、いささかかけ離れた負担論議ではないかと思いますし、高齢者であっても制度を支える気持ちがそがれるようなことではいけないと思っております。

 軽度者の利用負担でありますけれども、軽度になれば負担がふえるというのは、利用者としては納得できるものではありません。

 また、重度化予防にかかわり、さらに在宅復帰を目指しておられる介護現場の御努力に水を差すことにもなるわけでありまして、これは理解しがたい指摘でございます。負担能力に応じた負担については、私ども、従来からあるべきだということを申し上げております。ただ、負担能力、負担余力というものをどう見るかということが大事なポイントでありまして、消費増税や物価動向を含めた家計全体での負担ということで判断を慎重にしていく必要があるのだろうと思います。

 また、応能負担という考え方は、本来、保険料で求めるべきでありまして、利用段階で同じサービスを受けているにもかかわらず負担に差があるというのは、本来あるべき姿ではない。したがって、できるだけ負担の格差が拡大しない方向を制度としては目指すべきものではないかと考えます。

 それから、高額介護サービス費でありますけれども、先ほど来、申し上げているように、年金所得が下がり、相対的に負担能力が低下しているのにもかかわらず、高額療養費や高額介護サービス費の上限を引き上げるというのは、いささか実態から乖離しているような印象を受けるわけであります。むしろ介護特性から考えますと、医療よりも負担が軽減されているというのはむしろ自然ではないかと考えております。

 補足給付についてでありますけれども、前回の中で調査研究事業で実務的にも、また地域格差もあり、多くの課題があると認識しておりますが、そもそも補足給付をこの制度内で行うことの是非についても、今後、深掘りをしていく必要があるのではないかということは意見として申し上げておきたいと思います。

 以上であります。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 お待たせしました。井上由美子委員、どうぞ。

○井上(由)委員 ありがとうございます。

 もうほとんど意見が出尽くしたところで恥ずかしいのですが、まず、利用者の立場からいいますと、当然ですが、負担は大きくないほうがありがたいです。しかし、現状、制度の持続可能性を考えれば、利用者負担についても検討しなければならないことはやむを得ないと思っております。ただし、負担増大で利用抑制が起こり、家族の介護負担の増大という社会的損失が起こることは避けなければならないと思っています

 そういう意味では、介護や支援が必要になった方全員が、必要かつ適切なサービスを受けられるということを基本に負担のあり方を考えていただきたいと思っております。

 論点2の利用者負担割合ですが、このような視点に立って考えた場合、要介護度を基準とした負担については、皆さんからも出ていますように、利用限度額も設定されておりますので、ちょっと理解できません。反対です。特に軽度者の利用料を高くするというのは、何をどう考えているのか、私には理解不能です。

 なお、応能負担は認めますけれども、負担能力のいかんにかかわらず、必要なサービスを受けられるようにする観点からは、所得の低い方の負担を引き上げることがないようなことをぜひ考えていただきたいと思っています。要するに、応能負担には賛成ですが、低所得者のことはぜひ考えていただきたい。

 それから、1割負担と2割負担の2つが設定されたばかりです。そういうときに、今度、応能負担が重なってくるとどういう制度設計になるのか。ちょっと私は理解できませんので、応能負担には賛成です。1割負担、2割負担のところも一応通ってしまっていますので、その辺の整合性、兼ね合いはどうなるのか。制度設計がもしなされているのであれば、教えていただきたいと思っています。

 それから、論点3の高額介護サービス費について、負担上限額を医療と介護と同じにということですが、保険料もサービスの利用のあり方も違いますので、同じにする必要がなぜあるのか、これはちょっと疑問です。詳しくは花俣委員がこの辺のところはおっしゃってくださいましたので、ありがたいと思います。

 最初、介護保険の導入時には高額医療負担と高額介護負担が同額だったものが変わってきましたね。医療のほうは上がっていき、開いてきた。その辺はやはりこうやっていろいろ介護部会とかそういうところで議論された中で、この差がついているのに、あえてここでまた同額にするというのは、どういう根拠なのか。医療と介護ではもうずっと言われていますように、サービスのありようも、利用者の使い方も違うと思いますので、この辺は慎重に考えていただきたいと思います。医療のほうですごく上がったから、それに合わせて上げるというのは何か根拠があるのか、その辺のところはぜひ明らかにしていただきたいと思っております。

 以上でございます。ありがとうございました。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、伊藤委員、鈴木隆雄委員、石本委員の順でお願いいたします。

○伊藤委員 介護保険制度における利用者負担についての負担能力に応じた負担とすべきという点ですけれども、今日何人かの方から賛成ということもありましたが、私どもとしては反対です。それは、2割負担の拡大や3割負担をつくるとかいうことをよしとすることになりかねない話であり、そういったことは介護離職をなくしていこうという政府の今の姿勢にも逆行しかねないものだと考えていますので、その点は是非、そうはしないということでお願いしたいと思います。

 保険料と利用者負担の両方について所得が多い人に傾斜をかけるということですから、その影響というものは相当慎重に検討すべき。今、既に2割負担になっている利用者の声というのも、恐らく厚労省のほうにはいろいろな形で届いているのではないかとも思いますし、国会に法案として持っていく前に、お忙しいとは思いますけれども、ぜひそういう声にも耳を傾けて検討していく必要があると思います。

 高額介護サービス費ですけれども、これは家計ベースの資料を出していただきまして、ありがとうございました。今日拝見したばかりなので十分精査ができないのですけれども、21ページからざっと見ていきますと、21ページの「高齢者世帯の稼働所得の状況」というのは、あまりこの議論に関係がないのではないかと思います。

22ページの貯蓄の状況については、二極化しているという御説明がありましたけれども、その点は将来不安のために貯めているという面があるようにも理解すべきだと思います。

23ページの消費支出については、「その他の消費支出」の内訳は出せないということで、それは限界だと思いました。

24ページで見ますと、特に気になりますのは、高齢単身無職世帯のほうで、保健医療支出がこの間大きく負担が増加する形で動いているということです。単身化が急速に進んでいる中で、この点については憂慮されます。

 あと、ここにはないですけれども、非消費支出、つまり保険料増加分もありますし、高額介護サービス費は今回の提案だと月7,200円の増加が第4段階に起きるということですので、これが丸々年間かかると8万6,400円、10万円近くの負担増ということで、それがこの第4段階の世帯において無理ない負担なのか、家計への影響については、さらに慎重に検討していく必要があると思います。

 あと、そもそもの話で何人もの方から指摘がありますけれども、医療保険と水準を合わせるということについては、既に言いましたが、給付の性格が違いますので、そのような検討をすること自体が適当ではないと考えます。井上委員からありましたように、この間ずれてきているのは、まさに介護給付については長期化するということの反映だとも考えるべきだと思いますので、この点、特に医療との整合性を理由とした検討については、改めて懸念を示させていただきます。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 それでは、鈴木隆雄委員、お待たせしました。

○鈴木(隆)委員 ありがとうございます。

 私は、この利用者負担の中で特に要介護認定が軽度であるものについて、その利用者負担を引き上げるべきという意見について反対でございますけれども、そのことについて意見を申し上げたいと思います。

 多分問題になるのは、参考資料1の25ページの真ん中にグラフがあって、その左側のグラフ、これが財政審などで論点になったグラフなのかもしれませんけれども、そもそもこういった介護保険のサービスを受けている方で、中重度の方と要支援などの軽度の方では、その背景がまず全く違う方々だということです。要支援などの軽度の方々は、後期高齢になって、特に女性の場合、運動器などが弱ってくると生活機能が衰えてくる。そのために軽度のサービスを必要とする方々です。一方、要介護3以上の中等度の方々は、その背景には必ずと言っていいほど病気が存在しているということです。要するに、代表的なものは脳卒中などですけれども、そういったことによる障害があり、要介護状態になっているという、まずそういう違いがあるということです。

 ですから、このブルーの折れ線で書かれた費用額の伸び率、これが軽度者で伸びているというのですけれども、それは後期高齢者がふえているのだから、ある意味で当然のことです。一方で、中重度者は軽度に比べると伸びていない。これは要するに、疾病の発生率がこの5年、10年程度である程度抑制されてきたか、あるいは介護サービス利用が抑制されたかという違いがあるのだということです。そういうことを考えてみますと、軽度者、特に要支援の方々の利用負担をふやすということ、これはある意味で言うと、長寿はやめなさい、あるいは年をとるなと言っているに等しいと私は思っております。75歳以上の特に女性の方々は、確実に生活機能が衰えていきますし、こういった軽度のサービスはある程度、長寿社会では自然に生ずる必要経費としてある意味で仕方のない部分があるかと思います。

 そういったようなことを考えると、先ほど馬袋委員あるいは東委員などからも御指摘ございましたけれども、要支援の方々は、やはり重度化を予防する。それから、重度化を予防する効果も大きいグループであるということがわかっています。したがって、ケアマネジメントを適正に行い、エビデンスに基づくような重症度、悪化を予防するということが重要なのであって、この方々の負担料をふやすということは、ロジックとして私もちょっと理解ができないと考えております。

 このグラフで言うと、グリーンの線に全部引き上げようということなのですが、何ゆえにこのグリーンの線がこのように並ばなければならないのか、これも全く私には理解ができません。ですから、このグラフはもう少しきちんと背景にあるものを読み込んでいただいて、なぜこうなっていくのかということを考えた上で、本当に軽度者に利用負担をふやすべきかどうかということは慎重に議論すべきだろうと思います。

 以上、私の意見です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 では、石本委員、お待たせしました。

○石本委員 ありがとうございます。

 端的に申し上げます。私たちの立場で発言させていただきますと、今後ますます需要がふえていく中で、安定的に人材を確保していかなければならないという意味合いにおいて、介護保険財政が持続可能で安定していくということが大事であるというのは十分理解しておりますし、それに伴って負担のあり方を見直すというのも当然だろうと思います。

 当然だろうと思うのですが、やはり本筋として、このサービスはそれを本当に必要とする方が、必要とされるタイミングで、その方の暮らしや自立支援のために必要な量を使えるということが大事であろうということを踏まえますと、先般の改正で負担割合が見直されたものから、はじかれた結果、利用できなくなっていった、先ほどの表現で言いますとミクロという部分でありますが、やはりそこをきちんと検証した上で次のステップを踏んでいただきたいというのが私たちからの思いでございます。そこを検証せずして次の負担のあり方をまたさらに上乗せしていくということになりますと、利用者側からすると、一つもいいニュースがないという状況でこのサービス、制度を捉えざるを得ないというのは、どうかと感じるところでございます。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ほかにどなたかございますか。

 武久委員、どうぞ。

○武久委員 どなたかもおっしゃっていましたけれども、高額医療サービスの費用と高額介護サービスの費用が両方ともふえていくと、例えば4万円と5万円だったら9万円になるわけですが、前にも言いましたけれども、医療と介護を両方使っているような場合に、両方ともが高額になる割合はどのぐらいあるのか、わかっているのでしたらお知らせ願いたいと思います。そういった場合には8割ぐらいに減らすとか、何か配慮がないと、実際にお金がない方に払え、払えと言っても、先ほどのリバースモーゲージの件もそうですけれども、地方へ行って、田舎のほうで土地と建物があるから、これは売れるのだからといったって、誰も買う人がいないというときに、市町村もそれを預かっていて結局売れないとなってくると、それを持っているために負担金が上がるということも、よっぽど慎重にしないと、実質手元にお金がない。したがって、サービスを受けられない。そのことによって悪化していくというリバウンドというか、そういう制度を、お金を使わないようにすることによって、かえって期待に反してお金がたくさん要るようになってしまう。こういうことだけは、知識人としては避けたいなと思っております。

 先ほどの質問、もしあれば、お願いします。

○遠藤部会長 事務局、いかがでしょうか。

○竹林介護保険計画課長 御質問ありがとうございました。

 医療と介護が両方高額になる方の、そういう観点でのデータは手元に持ち合わせていないのですけれども、ちょっと御紹介させていただきたいのが、高額医療・高額介護合算療養費制度というのがございまして、医療の世界に高額療養費があり、介護の世界に高額介護サービス費があるだけではなくて、両方の自己負担を足して一定の限度額を超えると、両方の限度額を超えたところからそれぞれの制度から払い戻すという、医療と介護を通じた合算制度というものが実はございまして、例えば75歳以上の方であれば、この前、医療と介護が月4万4,400円でそろった現役並み所得の370万よりも高い方であっても、年間マックスで医療介護を足して56万円というものはあるのです。したがって、医療の世界で月4万4,400円でしたら50万近い額を払い、介護の世界で50万近い額を払うことに、両方フルに使っていた場合、100万になるのではなくて、56万を超えたら、44万円分はまたそれぞれの制度から払い戻す。こういう医療と介護を通じたセーフティーネットのような仕組みは、あわせてありますことを御紹介させていただきます。

 その上で、御指摘のあったような数字がとれるかどうかは、持ち帰って検討したいと思います。

○遠藤部会長 よろしくお願いいたします。

 では、岩村部会長代理、お待たせしました。

○岩村部会長代理 もう大体意見は出尽くしておりますので、簡単に申し上げたいと思いますが、とりわけ第1号被保険者の保険料水準が現在の予測だと8,000円を超えるというような状況の中で、また、当然第2号被保険者にもその影響は及んでいく中で、こういう言い方はよくないのですが、どうやって世代間での負担の公平を考えるかということは、避けて通れない問題だと思います。そうしますと、満遍なく皆さんに高い負担を求めるということにするのか、これは要するに保険料で考えるという話なのか、それとも、保険料はある程度押さえ込んだ上で、給付のところで重点化した形で支給していくのか。そこはやはり考えざるを得ないのかなと思います。

 そういう意味では、利用者負担との関係で言うと、いつのタイミングで上げるかという問題はあるかもしれません。もちろんあると思いますが、やはり応能負担という形で考えていくということは、今後、真剣に検討せざるを得ないかなと思います。

 他方で、要介護認定の軽度者の方については、先ほども御議論がありましたけれども、そこだけ負担割合を変えるとかいうことをすると、これは利用者の行動が完全に変わってしまうということがあって、かえって弊害が生じるおそれがあるので、それは避けるべきだと思っています。むしろここは、必要なサービスがきちんと提供されているか。とりわけ自立に向かっての必要なサービスが提供されているかというケアマネジメントの問題を、よりウエートを置いて検討すべきだろうと思います。

 高額介護サービス費でありますけれども、確かに私も、介護と医療でちょっと性格が違うということは、そうだとは思いますが、やはり医療の高額療養費と介護の高額介護サービス費との間で差があるというのは、性質の差を考えたとしても、ちょっと説明しにくいかなと思っていますので、これはそろえざるを得ないのかなと思います。

 最後、補足給付ですが、リバースモーゲージは多分30年近くずっと議論されてきていて、結局うまくいかないというのがまず第1の問題としてどうしてもあると思います。とりわけ民間の金融機関の側からすると、よほど高額の宅地でないとリバースモーゲージがやれないということと、もう一つ、推定相続人がいますと、その全員の判こがないと民間金融機関は乗り出さないというのと、あと、ここも実証はありませんけれども、どうも我が国の人々にはこのリバースモーゲージは余り感性に合わないのかなという気がしております。そういう意味では、リバースモーゲージの補足給付への導入を検討するというのはあるのでしょうけれども、なかなか日本にこれを持ち込んでいくというのは、そう容易なことではないかなと思います。

 最後に、もし補足給付について不動産を勘案するということになると、これは保険制度には乗らないので、私は制度としては切り離すべきだと思っています。

 以上でございます。

○遠藤部会長 どうもありがとうございます。

 大体御意見は承りましたけれども、よろしゅうございますか。どうもありがとうございました。

 それでは、一番目の議題につきましては、これぐらいにさせていただきたいと思います。

 次に、引き続きまして、議題2「費用負担」についてに入りたいと思います。

 資料2「費用負担」というものが出されておりますので、事務局から説明をお願いしたいと思います。

○竹林介護保険計画課長 それでは、議題2「費用負担」総報酬割についてでございます。介護保険計画課長でございます。

 資料2と参考資料2を使って御説明したいと思いますので、お手元に用意をお願いいたします。

 まず、資料2をおめくりいただきまして、1ページ目でございますが、8月19日の当部会で御説明した内容をさらに要約した内容でございます。

 1つ目の○でございますけれども、御案内のとおり、介護保険制度においては、40歳以上になれば、みずからの介護ニーズの発生の可能性、みずからの親も介護を要する状態になる可能性が高くなることから、社会的扶養あるいは世代間連帯の考え方に立って、40歳から被保険者となっていただいて、40歳以上64歳未満の方については、医療保険のルートに乗って、第2号被保険者として保険料を負担する仕組みとなっております。

 2つ目の○ですが、1号保険料と2号保険料については、両者の1人当たりの負担額がおおむね同水準となるように設定されているところでございます。また、制度創設時の考え方として、この2号保険料については世代間扶養の意味合いを持つということを踏まえまして、各医療保険者の介護納付金の負担につきましては、その加入者数である第2号被保険者数の人数に応じて負担する仕組みとなっているところでございます。

 3つ目の○でございますけれども、主として中小企業の被用者が加入する協会けんぽと、健保組合や共済組合の負担能力、総報酬額の差は拡大してきており、特に年齢層4064歳のところでは、その差が大きくなっております。また、健保組合の中における負担能力の差も拡大しているところでございます。

 1ページ目の4つ目の○でございますが、ここは加入者割と総報酬割の持つ意味につきまして、それぞれ文章で書いたものでございますけれども、これに関連いたしまして、参考資料2の16ページをお開きいただきたいと思います。こちらは8月19日の部会でも御説明した内容になりますけれども、現行の加入者割というものは、それぞれ保険者が違っていても、第2号被保険者1人当たりの負担額が5,125円というところで共通している。しかしながら、各保険者で1人当たりの報酬額が異なることから、報酬額に対して負担している保険料額の比率というところを見ますと、健保組合では平均で1.35%、協会けんぽでは1.95%になるところ、国庫補助を入れて1.63%に軽減している。共済組合では1.11%、健保組合の中でも上位10組合の平均では0.7%、下位10組合の平均では2.28%になっている。こういうものが仮に全面的に総報酬割を導入した場合には、報酬額に対する負担割合が1.54%と割合のほうが共通化する。そのかわり、実際の負担額については、それぞれ保険者間で差が生じるということでございます。

 この資料に関連して、8月19日の当部会におきましては、土居委員から、こういうものを報酬ベースというか家計ベースで見られるようにした資料も必要ではないかという御指摘をいただきましたので、それを踏まえまして、次の17ページと18ページに新しく資料を追加しております。

17ページの資料でございますけれども、こちらはグラフのようなものをつくっておりますが、x軸に加入者1人当たりの報酬額をとり、y軸に総報酬における納付金の割合、保険料率のようなものをとって、それが加入者割と総報酬割を入れていくことでどのように変化をするかというものを整理したものでございます。

 ここで、加入者1人当たり報酬額というのを見るときに、右側に凡例が書いてありますけれども、健保組合の中でも1人当たりの報酬額が一番少ないA保険者、その次が協会けんぽの315万円、加入者1人当たりの報酬額が下から数えて1割のところに当たるB保険者、353万円、加入者割と総報酬割で影響を受けないC保険者、399万円、上位1割のところに当たるD保険者、569万円、最も報酬額が高いE保険者、930万円ということで並べております。

 加入者割の場合は、A保険者の場合は2.6%、E保険者の場合は0.7%ということで、その間につきましては、水色の線に沿って並んでいるということでございます。これが総報酬割を入れるに従って、この傾きが寝てくることになりまして、全面総報酬割になれば1.54%ということで水平になるということでございます。

 下に表の形で、最大と最小のA保険者とE保険者の間でどれぐらいの保険料率の差があるかということを最初の行で書いてございまして、この場合は、現状の加入者割では約4倍の差がございますけれども、これが全面報酬割になれば同じ比率になるということでございます。また、上位1割と下位1割のそれぞれB保険者、D保険者の間の差をとりますと、現行の加入者割では1.6倍、全面総報酬割になると1倍になるということで、おおむね8割の保険者は、ここの範囲におさまっているということだと思います。

18ページでございます。また同じ話を別の見方で書いてございますけれども、右側に、今度は本当に労働者、被保険者ベースでの報酬額をx軸にとり、それぞれの被保険者の負担していただいている保険料の額をy軸にとったものでございます。この場合は、最も報酬が高く、逆に言うと保険料率の低いE保険者の場合は水色の点線のようになり、報酬が低く、逆に保険料率が高いA保険者の場合は赤色の点線になるわけですけれども、上の四角囲いに書いてございますように、同一の被用者保険の保険者、つまり、E保険者の中、あるいはA保険者の中では、それぞれ報酬に比例した保険料の負担をしていただいている。しかし、異なる保険者の間、つまりAとEの間を見ますと、現行の加入者割のもとでは、同じ報酬額に対して保険料の負担額に差が生じている。例えば全健保組合の平均の456万円のところで見ますと、E保険者の加入者の場合は月2,660円で済んでいるのに対して、A保険者のところでは9,880円となっている。全面総報酬割を導入した場合には、これが緑のラインにそろいますので、ここの差がなくなるということでございます。

19ページも前回少し御説明いたしました。マクロで見たときに、現行ではどの保険者が幾らの納付額を納めていただいていて、これが総報酬割を入れるに従って、どのようにこの負担割合が変化していくか。その変化の額については赤字で書いているところでございます。

 また、下に表がございますけれども、総報酬割を導入した場合に負担増・減となる保険者あるいは被保険者の数でございます。健保組合の場合は、保険者数で約7割、被保険者ベースで約8割が負担増となり、それ以外の方が負担減となります。共済の方はほとんどが負担増ということで、逆に協会けんぽは負担減ということで、被保険者数ベースで見ますと、一番右にありますように、約4割強の方が負担増、6割弱の方が負担減ということになるところでございます。

 また資料2に戻っていただきまして、2ページ目でございます。こちらも前回、8月19日の部会でも御説明した内容の要約でございますけれども、1つ目の○にありますように、この話の発端は、平成24年の社会保障・税一体改革の中で検討課題とされたところでございます。直近では、昨年12月の経済・財政再生計画の改革工程表の中でも、社会保障改革プログラム法における検討事項である介護納付金の総報酬割導入について、関係審議会で検討し、本年末までに結論とされているところでございます。

 3つ目の○でございますけれども、負担能力に応じて応分の負担を求めるという、いわゆる応能負担の考え方が現在の社会保障制度改革の基本的な路線となっております。こうしたことを踏まえまして、介護保険の世界の中でも、まず第1号保険料についても応能負担の要素を強めておりまして、保険料の段階を細分化したり、基準額に対する割合の差を広げたりしております。また、1つ目の議題でも御説明したように、前回の改正では利用者負担につきましても2割負担の導入や、高額介護サービス費の上限の引き上げといった改正を行っているところでございます。

 3ページ目でございますが、制度発足時との事情の変化ということの中で、労働力人口が明確に減少に向かっております中で、事業主にとっての介護離職の防止、介護をきっかけとしてお仕事をおやめになる方を防いでいくということの重要性は高まっているのではないか。あるいは政府を挙げて介護離職ゼロのための取り組みを進めているところでもございます。

 次の2つ目の○に関しては、参考資料2の最後の33ページ目をごらんいただきたいと思います。こちらで10月4日の財政制度等審議会財政制度分科会の資料を抜粋しております。一番下の赤い枠囲みのところに「【改革の方向性】(案)」といたしまして、介護納付金については、所得に応じた公平な負担とするため、速やかに総報酬割へ移行すべき、このような提案がされているところでございます。

 資料2に戻っていただきまして、3つ目の○でございますけれども、8月19日の当部会におきましては、ここに掲げてある4つの御意見のように、総報酬割の導入に関して消極的な意見が幾つかございました。網羅的には挙げられておりません。代表的なものを挙げさせていただいておりますけれども、現役世代にとって受益を伴わない負担増であるとか、国庫負担を健保組合につけかえるものではないかとか、まずは給付の重点化、効率化が先ではないかとか、賃上げの努力をしている中でタイミングが悪いのではないか、こういった御意見があったと承知しております。

 一方で、ここにまた4つほど掲げてありますような、代表的なものでございますけれども、積極的な御意見もいただいたところです。平均総報酬額には大きな違いがあるにもかかわらず、同額の負担をする仕組みは不合理ではないかとか、協会けんぽへの国庫補助は、報酬の高い健保組合や共済組合の保険料を抑えることとなっていたのではないかとか、介護納付金の総額は予算ベースで決まるので、賃金が上がったからといって、それに比例してふえるというものではないのではないかとか、介護納付金は逆進性を有しており、負担能力に応じたものに変えていくべきではないかといった御意見でございます。

 これらを踏まえまして、4ページ目でございますけれども、「論点」ということでお示ししております。

 1点目につきましては、そもそもの介護納付金への総報酬割導入そのものについての論点でございますが、高齢化に伴い第2号被保険者の保険料負担が増大していく中で、応能負担という社会保障制度改革における考え方、あるいは制度創設時の考え方、前回の部会における議論の内容、こういったものを踏まえまして、各被用者保険等保険者の負担する介護納付金につきまして応能負担の必要性をどのように考えるか。

 2点目といたしまして、仮に介護納付金に総報酬割を導入する際に、留意する点は何か。このような2点でございます。

 私からの説明は以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ただいま事務局から説明のあった内容につきまして、御意見等を承りたいと思います。

 最初に、資料提供の御要望がありました土居委員から始めさせていただいて、財政的に大きな影響があると思われる健保連の佐野委員、それから鈴木邦彦委員、この順番でいきましょう。

○土居委員 事務局には、資料を提供いただきまして、まことにありがとうございました。

 参考資料2の17ページにあるように、この部会の前のラウンドで総報酬割の議論をさせていただいたときに私が申し上げましたけれども、介護納付金は負担率という言い方で言えば、総報酬に対する納付金の割合がより低所得の保険者のほうが高くて、高所得の保険者のほうが低いという逆進性があるということは、この17ページから見てもわかると思います。

 さらに、18ページ、これは非常にわかりやすいと私は思いますけれども、同じ報酬を受け取っている人でも、働いているところないしは入っている保険者が違うと、自分が負担している保険料が違うということを如実にあらわしていると思います。偶然、A保険者に入るような形で仕事をしている方だと、同じ所得でも、より多く負担しなければならないのに対して、E保険者に入るような形で働いている方は、同じ所得であっても負担額が低くなるということは、現役世代の中でもある種の不公平がここにあるということだと思いますから、そういう不公平をなくすためにも、総報酬割を入れることが妥当ではないかと思います。

 さはさりながら、第2号被保険者の保険料がどしどし上がるということに対しては、私も懸念を持っていて、介護給付の重点化、効率化を一生懸命やっていただかなければいけません。ただ、ここで言っている話は、基本的には第2号被保険者の中でどういう形で保険料を分かち合うかということが一番の重要な論点だと思います。もちろん、協会けんぽに出している国庫補助をどうするのかという問題があり、それらを両者並べて議論してしまうと、どうしても評価の軸がぶれてしまうという残念な部分がありますので、私は、少なくとも4064歳の第2号被保険者の中で介護保険料を負担するならば、どういう形で負担をするのが理にかなっているかという観点からすると、今の加入者割ですと逆進性が強いですので、それを改める。さらに、先ほど申し上げたように、勤めているところによって同じ所得でも負担率が違ってしまうという観点をあわせもって考えれば、総報酬割の導入を進めていくべきではないかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 佐野委員、お待たせしました。

○佐野委員 

 まず、この財政審のペーパー、前回のときに鈴木委員から余りこれに反応してはいけないと言われたのですが、やはりこれから入ってしまうのですけれども、参考資料2の33ページです。改革の方向性を見ますと、たった1行、早くやるべしというだけの中身になっていまして、これまでそんな簡単な話なのかということで、正直怒りを感じる部分でございますけれども、できるだけ冷静かつ簡潔にお話ししたいと思います。

 まず、あくまでも今回、総報酬割というのは負担のでこぼこを直すということでやっておられると思うのですけれども、単純にそれをやるのであれば、普通に考えれば、上がるところと下がるところは半々といいますか、5050になるのが普通ではないかと。それが健保組合を見ますと、70%の健保組合がアップして、下がるのは30%だけだという、これはやはり非常におかしな気がします。しかも、国に入るお金が約1,500億円増えるということになっているわけでして、ある見方をすると、国に入るお金を増やすから70%程度の健保組合の負担が増えるということになっているのではないか。そうなると、今回の改定は一体何のためにやるのかという話になるのではないかという気がします。要は負担のでこぼこを直すためなのか、国の収入を増やすためなのかという部分です。

 財政審の資料を見ますと、協会けんぽさんの人数が大変多いので、全体の人数は負担減の人数が多いとなっているのですけれども、ある面、国に入るお金を増やさなければ、もっと多くの人数を負担減にできるということではないかという気がいたします。

 しかも、今回、負担が増える層はどういう層かといいますと、まさに被用者保険の2号被保険者ですので、ほとんどは40代、50代のサラリーマンと家族。言うまでもありませんけれども、この世代は最も子育てに苦しみ、親の介護にも悩んでいる世代です。国として、少子高齢化の時代の中で支えなければいけない世代に対して負担を強いる話を認めていいのでしょうか。片や一億総活躍ということで支援しようと言いながら、介護保険料をアップするというのは、矛盾する話だと感じます。

 また、財政審のペーパーでは、加入者数による人頭割が採用されていると書かれていますけれども、ここの部分については実際は違っています。先ほども何度か引用がございましたけれども、参考資料2の18ページです。同一被用者保険の保険者内では、報酬に比例した保険料ということですから、先ほどのテーマでも出ていましたけれども、このグラフは各保険者の中で言えば一番きれいな応能負担なわけです。年収300万円の人と600万円の人で見た場合、600万円の人は300万円の人の2倍を負担します。900万円の人は3倍の負担をしています。こういう話ですから、これはまさに応能負担になっている。

 ただ、何度も言われていますように、あえて言いますと、今、土居委員も言われましたけれども、企業間の差があるではないかということが言われている。これは17ページにあるわけですけれども、一番離れたところの端と端を見た場合、3健保組合で言いますと1,400ある中で一番上と一番下を比較したら3.9倍です。ただ、実際には、8割の健保組合は1.6倍のゾーンに入っているわけでして、差があるのは事実ですけれども、果たしてこれが今の時点で何が何でも直さなければいけない倍率なのでしょうか。各保険者のなかで応能負担になっていることを踏まえてもやらなければいけないのかというところがポイントだと思っています。

 さらに見ますと、あくまでも今回の議論の対象は被用者保険だけなわけですけれども、現在報酬割になっていない、こういう体系になっていない国保の被保険者のほうは、もっと負担のでこぼこが多いのではないか。大変細かい部分になりますけれども、国保グループには、自営業だけではなくて、弁護士ですとか、医師なども入っている国保組合というのがあるわけです。こういう中には、全く所得に関係のない、本当の均等割のところもあるわけでして、本当に第2号保険者の保険料の逆進性ということを言うのであれば、そちらのほうが問題ではないかという気がいたします。そういう面では、第2号被保険者の保険料の負担のあり方について、全体を議論する必要があると考えます。

 また、どういうわけか今日の資料には全く入っていないのですけれども、後期高齢者支援金の総報酬割導入について、もともと29年度から医療保険において後期高齢者支援金の全面総報酬割が導入されるということで、現役世代はまさに大幅な負担増になることが決まっております。今回、介護納付金まで総報酬割になるとさらに負担増になります。前回申し上げたのですが、昨年の通常国会において参議院の附帯決議では、後期高齢者の全面総報酬割に当たって、被用者保険の保険財政の影響の評価及び検証を行う旨が決議されております。本日の資料を見ていますと、介護納付金の総報酬割化によって、ダブルで負担増になる現役世代への配慮が全く感じられないなと言う気がいたします。

 そもそも論点の中でも2点目で、介護納付金に総報酬割を導入する際に留意する点は何かというのがさっと書いてあるのですけれども、何を想定しているのかよくわかりません。もちろん、私はあくまでも反対ではあるのですけれども、やはり制度変更するに当たっての論点としては、負担が増える現役世代をどう考えるのかということが入ってもいいのではないでしょうか。

 いずれにしても、税の役割を後退させて、社会保険料負担を増やすというのはおかしいのではないかと思います。結局のところ、最初に申しましたように、何のために今回やるのだろうかという気がいたします。今回提出された納付金の総報酬割というのは、介護保険制度全体においてどういう意味を持っているのか、どういうメリットがあるのか。また、これによって国の財源をどうつくろうとしているのかということも含めて、もう一度明確にしていただきたいと思います。そうしないと、40代、50代のサラリーマン家庭の負担をふやして、国に入るお金がふえるだけということになるように感じます。そういう改定には断固反対でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 では、鈴木邦彦委員、お願いします。

○鈴木(邦)委員 介護納付金については、介護保険制度の持続可能性を高めるだけでなく、所得の少ない現役世代の負担軽減のためにも、総報酬割の導入が必要です。第2号被保険者にとっても、介護保険制度による家族の介護負担の軽減の恩恵を受けている方は多く、決して現役世代にとって無縁の制度ではありません。同じ給料の人はどの健康保険に加入していても同率の負担をするという、ある意味では当たり前のことを、最もアベノミクスの恩恵を受け、内部留保が大幅に増加している大企業の健保組合が反対するということは、多くの国民の理解を得られないのではないかと考えます。現在、さまざまな利用者負担の増加が検討されている以上、健保組合の協力もぜひお願いしたいと思います。

 介護保険制度が介護離職の減少、若年世代の安定した就労、仕事と子育ての両立により少子化対策にも有効であることをぜひとも御理解いただきたいと思います。

 かつて私が、医療保険部会に出させていただいたときに、ちょうど後期高齢者医療制度の後期高齢者支援金の総報酬割の議論に参加したことがありますけれども、そのときに事務局が出してきた資料には、従業員がわずか数名の零細企業の方のほうが数万人の大企業の方よりも実額で負担が多いという非常に理不尽な資料を出されておりました。そういう意味では今回の事務局の資料は少し上品ではないのかという気がいたします。

 2つ目の○でございますが、介護納付金の総報酬割の導入に当たっては、後期高齢者医療制度における後期高齢者支援金の際のように段階的に導入していくとともに、協会けんぽの国庫補助が削減された分は、総報酬割の円滑な導入に向けて一部を健保組合の支援に回すことも検討する必要があると考えます。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員 ありがとうございます。

 以前も申し上げましたが、高齢化に伴い、第2号被保険者の保険料負担は増大している中で、協会けんぽでは医療保険の平均保険料率は既に10%に達しており、今後、介護保険料率が上昇する影響は非常に深刻であると考えております。

 このため、私どもは介護保険制度を初めとする社会保障制度については社会保障制度改革の基本的な考え方である負担能力に応じて応分の負担を求めるということにしていくべきだろうと考えております。

 また、この負担能力に応じた負担という考え方については、世代内における適用だけではなく、世代間でも通用させるべきであり、現役世代全体としての負担上昇を抑えつつ、制度の持続可能性を確保していくためにも、制度全体の適正化、効率化をあわせて検討していくべきだと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 そうしたら、井上隆委員、桝田委員の順でお願いします。

○井上(隆)委員 ありがとうございます。

 佐野委員の意見と若干ダブりますけれども、そもそも加入者割か総報酬割かというのは、2号保険者の中でどのように負担を割り振るかという計算方式の話でございまして、介護保険制度の持続可能性の向上自体とは直接関係がない話だと考えております。にもかかわらず、総報酬割の導入が提案されているのは、まさに協会けんぽに対する国庫補助1,450億円を削減する。その分の負担をほかの2号被保険者につけかえようという理由としか考えられません。

 解決すべきは、1,450億円という補助をせねばならないような給付の膨張でありまして、ほかの誰かに負担をつけかえるということではなくて、給付の適正化とか効率化で対応すべき問題であると考えております。

 今、さまざまな制度改正がなされておりまして、単にこれだけの議論でなかなか企業側は判断できないわけですけれども、例えば先ほどありました後期高齢者支援金の全面報酬割が来年度から導入されます。また、介護人材の待遇改善の財源をどうするかという議論も負担増の話になります。またこれに加えて総報酬割というものが導入されると、現役世代の負担が一層増加するわけでございます。

 一方で、先ほど前半でありましたけれども、利用者負担の見直しであるとか、給付の抑制、効率化に対する改革項目というのは、まだ今のところちょっと不透明な感じがございまして、私どもから見るとバランスを失した議論になっているのではないか、とりやすいところからとるというような議論になっているのではないかということで、納得性が低いと考えております。

 また、介護保険以外にも政府からは来年度の賃上げについて強い要請がございます。タイミングとしては、来年度の企業の収益見通しは非常に厳しいものがございます。この中でどのようにその賃金引き上げのモーメンタムを継続するかということが非常に重要な課題になっているところでございます。むしろ、社会保険料の負担増加を抑制することで、可処分所得を引き上げていくべきというような議論も今しているところでございます。そういうタイミングでございます。

 現役世代は、みずからが要介護状況になるということはさておき、社会保険料の負担が今後どこまで上がっていくのかがわからないということに対して非常に不安を持っております。給付全体の伸びが抑制されない限り、総報酬割に移行したとしてもこの問題は解決できないと考えております。

 最後になりますけれども、現役世代を多く抱える企業サイドといたしまして、まず利用者負担の見直し、給付の適正化、効率化にどこまで踏み込んだ議論が行われるのかということを非常に注視しているところでございます。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 では、桝田委員、お待たせしました。

○桝田委員 この議論だけは、極端に言いますと、委員の皆さんの肩書を見ればマル・バツがわかるという性質のものだと思っています。そういうものからいいますと、私どもの介護保険事業者、協会けんぽが一番大部分だと思います。その中で、前回もお話ししましたけれども、国庫補助金の考え方、これはなくして介護報酬の総報酬割をした場合に、協会けんぽの立場からいうと、そんなに金額は変わらない。ということは、逆に言うと、健保組合は平均すればかなり上がってしまう。この1,450億円を飲み込まなければいけませんので、当然反対というのはわかると思います。

 協会けんぽ側から見ると、それぞれの一人一人の収入に応じた、介護保険の2号保険料の負担というのが企業の規模によって変わるのは少しおかしいのではないですかと。同じ人が、例えば500万の年収であれば、みんな同じ500万に応じた保険料を払うのが支える側としては公平だろうという一つの観点があります。ただ、問題点、この1,450億円の国庫補助金がなくなります。出さなくてもよくなる部分をどうするのかというのが一番の課題で、やはりこの1,450億円、介護保険の中で使っていただかなかったら全く意味がなくなると思います。

 1つは、今、介護人材をどうするかという確保の問題から、処遇改善という部分が最大の課題になっています。保険料を抑える、給付も抑えるということになれば、当然介護報酬はかなり押さえ込まれますから、給与も上げられない。そうなると介護人材は集まらないから、サービスの提供さえできなくなるという可能性も出てきます。そうすると、この1,450億円の財源については、やはり処遇改善のための部分に持っていっていただきたい。それをもって総報酬割という部分で皆さんが納得していただくという形でなければ、単純に1,450億円国庫が要らなくなったでは、誰も納得しないのではないかと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 国保負担の軽減部分をどう使うかと、医療保険でも同じような議論が行われたわけなのですけれども、そういうお話でした。

 それでは、岡委員、どうぞ。

○岡委員 ありがとうございます。

 介護納付金への総報酬割の導入につきましては、現時点においては時期尚早であり、反対であります。高齢世代に対する給付の重点化、効率化や、負担能力に応じた自己負担の見直しがなかなか進んでいない中、反対給付を受けることができない現役世代にだけ一方的な負担を求められており、現役世代の納得は到底得られないと思います。

 また、平成29年度からは後期高齢者支援金の全面総報酬割が決まっており、これが介護保険でも導入されれば、場合によっては短期間で急激な負担増となることからも、少なくとも現時点では総報酬割の導入には反対であります。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ほかに御意見はいかがでしょうか。

 それでは、伊藤委員、それから馬袋委員でお願いします。

○伊藤委員 総報酬割の導入については、8月にも申し上げましたが、後期高齢者支援金の全面総報酬割への移行途中であり、議論すること自体が時期尚早だということで、それは変わりません。きょうの資料の中にもある程度出ていますけれども、2号保険料は特定疾病に対する給付はもちろんですが、世代間扶養、世代間連帯、老親に対する扶養責任、家族介護の社会化による介護負担の軽減というような受益があるということが負担の根拠とされてきていると思います。それを、1人当たり負担額を同一として、医療保険者に請求するということが公平で、納得されるやり方ということで16年間やってきているということだと理解しています。

 こう考えますと、直接被保険者にとっての給付だとか、老親に対する扶養責任とか介護負担の軽減といった受益と、世代間連帯とは若干、保険料の性格が違うのではないかと思いますので、報酬ベースでの負担というような考え方を検討するに当たっては、そういった点を含めて丁寧に検討していただきたいと思っています。

 参考資料2の16ページに、それぞれ上位10組合とか下位10組合ということで2号保険料の負担額の変化が書いてあるわけですが、負担増は5,668円、年間で言うと6万8,000円ぐらい。先ほどから申し上げている後期高齢者支援金の全面加入者割から総報酬割への移行についても、医療保険部会での試算で、多分、報酬ベースが高い保険者についてと思われる部分では6万7,000円の負担増となるということが例示されています。そうすると、合わせると135,000円の増加ということで、13万というのは相当大きいと感じるところもあります。

 社会保障制度改革国民会議で状況を踏まえて検討すべきだとされたことは前回言いましたけれども、参議院での昨年の国会審議での附帯決議では、後期高齢者支援金について、「被用者保険の保険財政への影響の評価及び検証を行う」というのは先ほど紹介があったのですが、「被保険者に十分な説明を行い、その理解と納得を得るよう努めること」が政府に求められているところです。まだ全面移行していないわけですから、その影響評価、検証をやっていただき、保険料がふえることとなる被保険者への理解、納得を得るよう努めていただきたいと思います。

 発言は自由なのですけれども、きょうのお題は総報酬割への移行による応能負担の必要性をどう考えるかというのと、総報酬割を導入する際に留意する点は何かというテーマですので、浮いた金の使い方という話をする場ではないと思っていますので、きょうは制度論をするというように受けとめております。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 では、馬袋委員、お待たせしました。

○馬袋委員 総報酬割については、現役の方々について、所得の応能にて御負担いただくということについては御理解をお願いしていきたいと思います。今回の参考資料でも御提示されておりますように、所得に応じての応能的な負担が公平ということですので、そこについては御理解をいただきたいと思います。また、介護人材の多く職員が全国健康保険協会に入らせていただいているのですけれども、16ページでも、総報酬割をした場合に全国健康保険協会は315万の平均的な報酬額に対して、保険料は4,000円と書かれています。健保組合でも下位、270万のところで1.543,400円ということですので、その面では同じような内容の中の御負担になっていくだろうなということが見えてきます。

 介護保険料は企業の収益によっての負担ではなくて、保険料徴収従業員を多く抱えて、給与をお支払いしている額に対してかかってくる率であります。介護は労働集約的な事業で、多くの介護職員を抱えております。当然そこには人件費率が6070%という事業もあるわけですので、その中で働く介護職員の保険料負担、または事業者も保険料負担をしながら総報酬割の中で支えていきたいと思っておりますので、そのようなことも御理解いただきながら、ぜひ現役の方々に介護サービスの持続性のためにも御理解をいただきながら、総報酬割についての御理解を賜りたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 ほかにございますか。

 それでは、齋藤訓子委員、それから岩村部会長代理の順番でお願いします。齋藤委員、どうぞ。

○齋藤(訓)委員 ありがとうございます。

 大変難しい問題で、確かに現役世代の負担が上がる。しかしながら、本日の資料では、加入組合によって総報酬額の格差が大きいということが如実にあらわれているので、私としては、総報酬割の導入を段階的に進めていくべきではないかと思っております。今の人数割のままでは負担の差が大きくなっていく一方なのかなと思います。

 一方で、各委員が御指摘のように、本当にサービスが適正に無駄なく入っているのか、自立支援に資する内容なのか、予防がきちんとできているのかということについては、別途きちんと検証を行い、サービス提供者の資質向上にも取り組んでいくということを前提とした上で、総報酬割の導入に御理解を賜りたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、岩村委員、お待たせしました。

○岩村部会長代理 私も、先ほどの鈴木委員と同様、後期高齢者支援金の総報酬割の議論で御一緒させていただいて、そのときの議論を思い出しつつ伺っておりました。

 結論から言うと、私は、やはり介護納付金についても全面総報酬割に移行すべきだと考えております。その理由でありますけれども、まず第1は、先ほど土居委員も御指摘されましたように、参考資料2の17ページ、18ページにあるそれぞれのグラフが示すように、もともと今の介護納付金の負担のあり方は逆進性があり、保険者によって負担の比率が違うという問題があること。特に報酬が高くても低い負担で済んでしまう、逆に報酬が低いのに高い負担になってしまうというような現象が起きているというのが、一番の大きな問題だろうと思います。そういう意味では、やはりこれは解消すべきだというのがまず第1点であります。

 それから、先ほどくしくも佐野委員の御発言、あるいは井上委員の御発言にありましたけれども、結局総報酬割に移行すると、国庫補助額が浮く、その結果として健保組合側の保険料が上がるのですが、それはまさしく、この国庫補助というのは、協会けんぽにお金は入っているけれども、実質的には報酬額の高い健保組合のところに入っているということを意味していると思います。それは国庫補助の使い方としてはおかしいと私は思っております。

 もう一つ、確かに給付の面での適正化とかそういったことを不断に考えていくということ自体は必要であると思いますが、それをやったとしても、実は現在の介護保険の納付金の抱えている第2号被保険者の負担の仕方というものが引き起こしている問題が解消されるわけではないので、それはやはり別の問題かと思っています。

 そういったわけで、総報酬割に移行すべきだと思っていますが、もう一点言いますと、総報酬割の問題というのは、第2号被保険者、被用者集団の中での連帯の問題として考えるべきです。きょうの参考資料2の19ページに一応の見込みとして、この総報酬割を導入した場合の負担増と負担減になる被保険者人数が示されています。これを見ますと、実は負担増になる人よりも、負担減になる人のほうが多いわけでありまして、そういった観点から全体的にこの問題を考えるべきだろうと思います。

 そういう意味で、総報酬割に移行すべきだと思いますが、他方でもちろん19ページの先ほどの表で言うと、約1,300万人の人たちにとっては負担増になる話であり、かつ、それを雇用している企業にとっても負担増になる話でありますので、当然そこのところは段階的に行っていく必要があるでしょう。そういう意味での経過措置は当然必要だろうと思います。

 また、同じ19ページの表の中に出てくるように、最終的には国庫補助額が1,450億円減る見通しだということになりますので、やはりこのお金は介護保険の枠の中で有効に活用することを考えるべきだし、一部は激変緩和措置という形で、保険料率が上がる健保組合への支援ということも考えるべきだろうと思っております。

 以上でございます。

○遠藤部会長 どうもありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 東委員、どうぞ。

○東委員 いろいろな委員の御意見を聞いておりまして、かつ、参考資料2(費用負担(総報酬割))の17ページ、18ページ、19ページを見ておりましても、やはり介護保険においても総報酬割に移行しなければいけないのかなと、誰がどう見てもそう思われるのではないでしょうか。

 それから、本日の議題は利用者負担と介護納付金の2つになっているわけですが、どちらに関しても公平な応能負担ということがテーマになっているわけでございます。利用者負担のほうでは公平な応能負担、介護納付金ではそうではないということでは理屈が通らないと思いますので、私は総報酬割に移行するべきだと思います。

○遠藤部会長 ありがとうございます

 ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。

 どうもありがとうございます。

 それでは、非常に多様な御意見もいただきまして、ありがとうございました。

 こちらで用意いたしました議題は以上でございます。

 本日は、大分時間が予定よりも早まっておりまして、珍しいことでありますけれども、議論はこのぐらいにさせていただきたいと思います。

 事務局から、次回の日程等について御連絡をいただければと思います。

○尾崎企画官 次回の日程でございますが、次回の本部会につきましては、追って御連絡をさせていただきます。現在未定でございます。

○遠藤部会長 それでは、本日の部会はこれにて終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 社会保障審議会(介護保険部会) > 第67回社会保障審議会介護保険部会 議事録(2016年10月12日)

ページの先頭へ戻る