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2016年9月30日 第65回社会保障審議会介護保険部会 議事録

老健局総務課

○日時

平成28年9月30日(金)9:00~12:00


○場所

ベルサール半蔵門 ホールA


○出席者

遠藤、石本、伊藤、井上(由)、岩村、大西(代理:田中参考人)、岡、黒岩(代理:小島参考人)、
小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐野、鈴木(邦)、鈴木(隆)、鷲見、陶山(代理:村上参考人)、
武久、土居、栃本、馬袋、花俣、東、藤原(代理:河村参考人)、桝田の各委員
(井上(隆)委員は欠席)

○議題

1 介護予防の推進
2 地域支援事業の推進
3 ニーズに応じたサービス内容の見直し

○議事

○尾崎企画官 失礼をいたします。定刻となりましたので、ただいまから第65回「社会保障審議会介護保険部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきましてまことにありがとうございます。

 報道関係の方に御連絡をいたします。冒頭のカメラ撮影はここまででございますので、御退席をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○尾崎企画官 それでは、以降の議事進行は遠藤部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 皆様、おはようございます。

 本日の出席から申し上げたいと思います。

 まず、井上隆委員、大西委員、黒岩委員、陶山委員、藤原委員が御欠席です。

 また大西委員の代理として田中参考人(高松市健康福祉局長)、黒岩委員の代理として小島参考人(神奈川県保健福祉局福祉部長)、陶山委員の代理として村上参考人(UAゼンセン日本介護クラフトユニオン副事務局長)、藤原委員の代理として河村参考人(奥多摩町町長)が御出席でございますので、お認めいただければと思います。よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは議事に入りたいと思います。

 本日の資料について、まず事務局から資料の確認をお願いしたいと思います。

○尾崎企画官 それでは資料の確認をお願いいたします。

 お手元に

 資料1 介護予防の推進

 資料2 地域支援事業の推進

 資料3 ニーズに応じたサービス内容の見直し

資料1、2、3、それにそれぞれに対応いたします

 参考資料1 介護予防の推進(参考資料)

 参考資料2 地域支援事業の推進(参考資料)

 参考資料3 ニーズに応じたサービス内容の見直し(参考資料)

をお配りしております。

 末尾に、井上由美子委員から提出していただいた資料、桝田委員から提出をいただいた資料、また本日で御欠席でございますが、井上隆委員から提出していただいた資料の配付をしてございます。

 以上、不備等はございませんでしょうか。

○遠藤部会長 よろしゅうございますか。

○尾崎企画官 では、お願いいたします。

○遠藤部会長 それでは、資料1、2につきまして事務局からまとめて御説明をお願いしたいと思います。

○鈴木老人保健課長 老人保健課長です。それでは資料1「介護予防の推進」につきまして御説明させていただきます。

 1ページ目でございます。現状・課題の「介護予防の事業評価と改善」というところでございます。

 介護予防の取組につきましては、ここにありますとおり「一般介護予防事業評価事業」において、定性評価及び定量的指標によりまして事業評価を行っているというところでございます。

 具体的にはこの下の升にありますとおり、中でもプロセス指標、アウトカム指標にわけましてそれぞれ評価を行って今後の事業の改善に活用することとしているところでございます。

 2ページ目の「現状・課題」の「介護予防・自立支援を推進するための都道府県等の支援」というところでございます。

 1つ目の○でございますが、リハビリテーションの効果的な介護予防の取り組みを行うためにはいわゆるリハビリテーションの専門職等の方々が地域ケア会議、住民主体で行っております通いの場への関与等を行うことによりまして、高齢者の自立や社会参加を促進するということが有用となっております。

 しかしながら、従来から介護予防事業におきましては、こういったリハ職の確保ということが不足しているという意見がございました。

 そのために現在ですけれども、介護予防・日常生活支援総合事業におきまして、市町村が地域ケア会議等にリハビリテーション専門職等を派遣するための事業、名称としましては「地域リハビリテーション活動支援事業」というものを新設しまして、これらの専門職の関与を促進することとしております。

 また市町村におきまして、こういったリハ職を確保することが難しいという声も一方でございます。そういった声に対応するべく、県が医療機関等と連携し、市町村にリハビリテーション専門職を派遣するということも行っておりまして、代表的な県ですと熊本県や福島県、埼玉県などがこういった事業を行っているところでございます。

 それに加えて都道府県が市町村に対して、介護予防に関していろいろな情報の提供・助言を行っているという例もございます。

 本来におきましては、こういった介護予防につきましては市町村が実施すべき事業ではございますが、今申しましたリハビリテーション専門職の確保という面におきましては、都道府県による市町村の支援も非常に重要だと考えております。しかしながら、これらにつきましては、制度上都道府県の役割として明示されていないということが現状になっております。

 3ページで今度は「介護予防推進のためのインセンティブ」でございます。

 介護予防、いわゆる要介護認定の方につきましては年々増加しておりまして、特に現在、要支援の方の伸びが非常に大きいという状況になっております。これら要支援の方に対しましては介護予防としていわゆる心身機能の改善だけではなく社会参加を促すことが重要だと考えております。

 しかしながら、過去の調査におきましては、こういった通いの場へ週1回以上参加している方々の割合というのが全国平均で1%を満たないという状況です。これら予防とか通いの場づくりにつきましては、年々市町村の取り組みがふえてきておりまして、徐々に増加している状況ではございますけれども、一方でまだ介護予防に意欲を持って主体的に取り組む住民が増加していないということもありますので、こういったところも対応することも必要であると考えております。

 なお、介護予防の意欲の向上のために、一部の地域におきましては介護予防に関する取り組みへの参加回数に応じて市町村がポイントを付与し、一定のポイント数に応じて特典を得られるインセンティブを与えている事例もございます。

 4ページに論点といたしましては3つ挙げさせていただいております。

 1点目は、介護予防・自立支援の取り組みについては、今現在、地域支援事業において事業評価を行うこととしておりますが、さらに評価を充実させるため、既存の指標に加えて介護予防・自立支援に特化し、その現状を反映するような指標を検討してはどうか。

 2点目が、市町村が行う地域支援事業について、都道府県、医療機関等からの関係者から介護予防・自立支援の推進のために人材派遣や情報提供等の必要な協力を得やすくする必要があるのではないかということでございます。

 3点目が、高齢者がみずからの介護予防活動に取り組むため、個人へのインセンティブを付与する仕組みについて、現在既存事業で実施できる旨を明確化してはどうか。

 以上でございます。

○三浦振興課長 振興課長でございます。それでは続きまして資料2について御説明を申し上げたいと思います。資料2と参考資料2をお手元に御用意賜ればと思います。「地域支援事業の推進」でございます。

 1ページ目は「現状・課題」であります。

 地域支援事業に関しまして、現在このマル1介護予防・日常生活支援総合事業、いわゆる総合事業と、マル2包括的支援事業、マル3任意事業から構成されているものでございます。

 これに関しまして、介護保険法における地域包括支援センターの評価に関する規定と、実施要綱における総合事業の評価に関する規定が設けられております一方で、地域支援事業全体としての評価を行う仕組みがございません。それぞれの事業が効果的に実施されるためには定期的に取り組み評価を行い、その評価に基づく取り組みの改善が行われる必要があるのが現状と考えております。

 その一方で、これまで本部会におきまして保険者などによる地域分析と対応を推進する観点から、地域マネジメントによる地域包括ケアシステムの深化が着実に進むよう保険者の取り組みについてアウトカム評価などを国が設定し、PDCAの一環として市町村及び都道府県が自己評価を行う議論されてきているところでございます。

 2番の総合事業に関してでございます。

 総合事業につきましては、御案内のとおり平成26年の法改正により創設されまして、27年4月に施行されております。市町村は条例に定める場合には総合事業の実施を来年29年4月まで猶予可能という取り扱いとしておるところでございます。

 また地域におけるサービスや担い手の開発などに取り組む生活支援コーディネーターの配置や協議体の設置につきましては、30年4月までが猶予期間となっております。これに関しまして幾つか私どもが調査いたしまして御紹介をしたいと思います。

 まず参考資料を御用意いただければと思います。参考資料2の8ページをごらんいただければと思います。現在の総合事業あるいはその生活支援体制整備事業の実施状況に関する直近の数字でございます。

 本年の7月1日に調査をいたしましたところ、総合事業、27年度あるいは本年の4月にスタートしたところの保険者が516という数字が明らかとなっております。またその一つ右の欄でありますが、「生活支援体制整備事業」はごらんいただいているとおり、1,100程度の保険者が実施をしておる、かような実施状況となっております。

 またその中で特に総合事業について27年4月1日に移行しました78の自治体に調査を行いました。参考資料15ページまで進んでいただければと思います。

 実施状況につきまして幾つか質問いたしまして、そこの確認ができたところを速報値でございますけれども、御紹介をしたいと思います。

 まず15ページがサービス別事業所数の推移でございます。

27年3月、すなわち移行の直前の時点とその1年後の28年4月を比較したものでございまして、左側が訪問サービス、右側が通所サービスとなっております。サービスのA、B、Cという形で書いてございますが、これにつきましては10ページ及び11ページに少し細か目な定義を書いております。

 Aは緩和した基準によるサービス、Bは住民主体の支援、Cが短期集中の予防サービス、Dが移動支援となっております。

 ごらんいただきますと27年3月訪問サービスに比べますと27年3月時点で1,781の事業所であったものが284月には従前相当と言われる平行移動したようなものが1,700弱、1,658であったものに対して新たなサービス、多様なサービスという形で711が創出をされ、その内訳がこの形になっておるところが見てとれようかと思います。

 通所については、右側の数字を御確認いただければと思います。

 そういう意味では多様なサービスが一定割合出現していることが確認できる。その中でも特に緩和した基準によるサービスAという類型がもっとも多いことが確認できたと思います。

16ページにお進みいただければと思います。

 その実施主体、あるいは担い手に関する調査でございます。訪問、通所、生活支援それぞれにつきまして、実施主体、担い手について確認をいたしました。その結果、上の「○」でございますけれども、多様な主体の参画が行われていることを確認できておりますが、訪問・通所につきましては介護サービス事業社が実施主体となっているサービス、また介護専門職が担い手となっているサービスの割合が高い。一方、生活支援サービスにつきましては、一定の多様な担い手主体の参画が認められたということでございます。

17ページ、緩和型サービスの中で運営基準などで定められております主な類型、従事者とか員数、設備・備品といったものが緩和されておるかがこちらでございます。ごらんいただきますと事業者の員数の点を緩和している事業所の割合が多いところでございます。

 4.ボランティアの状況でございます。

 育成の状況、研修の修了者数は27年で22.2人、研修は年間で3.6回程度。日によって研修期間あるいは頻度によってばらつきがあるというのは、A、B、C、D、Eの例でごらんいただければと思います。

 (2)はボランティアの参画などによって事故の発生がふえたかという点を確認いたしました。ボランティアによる事故発生件数1件と御報告がありまして、それはボランティアさん自身の人身事故でございました。また苦情の増減などについて伺いましたところ、「増加した」といった回答はいただかなかったところでございます。

18ページが「要支援者等数の推移」でございます。

 ごらんいただきましたとおり、65歳以上の人口1万人当たりの要支援者数などにつきましては、ほぼ大きな変更はない。

 「6.サービス利用延べ日数の変化」でございますけれども、こちらも大きな変化は見られなかったところでございます。

19ページは「総合事業利用者の状態の変化」でございます。従前相当以外の利用に移行した方について1年間の推移を見ましたところ、大きな状態の悪化をしているといったことは確認できなかったと私どもは思っているところでございます。

20ページ以降が体制整備事業の実施状況でございます。

 こちら78自治体と申し上げましたが、そのうち68の自治体が27年4月に開所したと御報告をいただいております。その中でそれぞれコーディネーターとか協議体、市町村レベル、日常生活圏域レベル、このような活動内容になっておったところでございまして、さらに活発な活動を期待したいところかと思っております。

 「9.地域ケア会議の実施状況」でございます。

 地域ケア会議の個別会議におきましては、事例検討が70程度といった分布になっておるところ、20ページの一番下の表でございます。

21ページの「マル2地域ケア推進会議」は、市町村レベルにおいて地域包括支援センター又は市町村が主催をして地域づくり・資源開発などを行う会議でございます。こちらの中ではネットワーク構築、地域課題の把握、地域課題の検討などが主なところでございまして、施策検討などは比較的低調だということが見てとれようかと思います。

 地域ケア会議の開催の頻度、開催回数は27年度1年間で36回、月に3回程度というところ、あるいは推進会議は5.7回、2カ月に一遍といったところでございました。

 また新たに創出されたサービスにつきましては、生活支援体制整備事業で200弱、地域ケア会議で26、またその他1,483、これは総合事業あるいは体制整備事業などが始まる前からやっていた事業なども含めて、これが大宗を占めておったところでございます。

 こちら資料に戻らせていただきまして1ページの最後のところでございます。

27年4月に総合事業を開始した78市町村に対して、事業の実施状況について確認をいたしましたところ、介護予防、訪問介護、通所介護に相当するサービス以外の多様なサービスが出現していることが確認された一方で、介護サービス事業者や介護労働者以外の多様な主体による取り組みは十分に広まるまでは確認できていなかったところでございます。

 資料2ページは「3.地域包括支援センター」についてでございます。

 高齢者の自立支援・介護予防を推進するためには、地域においてケアマネジメントが適切に機能する必要がございます。地域包括支援センターの業務の一つでありますケアマネジメントの支援が位置づけられているところでございますけれども、実際の支援の中心は介護支援専門員への直接的支援となっております。地域における適切なケアマネジメント環境を整備するためには、ケアマネさん自身のみならず住民やサービス事業者を対象とした取り組みが必要ではないかということでございます。

 また、ケアマネジメント支援の強化に当たっては、地域ケア会議についてさらなる取り組みの促進が必要であろうというところでございます。

 2つ目の○で介護離職防止を図る観点から、働きながら介護に取り組む家族や今後の仕事と介護の両立不安や悩みを持つ就業者に対する相談支援の充実強化がより一層求められております。私どもは平成29年度の概算要求におきまして、介護離職の防止を目的として、地域包括支援センターの土日祝日の開所や電話などによる相談体制の拡充、地域に出向いた相談会の実施などについて、モデル的に実施する事業を盛り込んでいるところでございます。

 また、地域包括システムを構築するためにも、在宅医療と介護の連携が取り組まれているところではございますけれども、退院時の調整など、地域包括支援センターも積極的に役割を果たしていくことが求められております。あわせまして、このような取組強化が求められる中で地域包括支援センター職員の質の向上が課題となっている一方で、保健師、社会福祉士に「準ずる者」が一定数配置されている現状が明らかとなっております。

 参考資料の39ページをごらんいただければと思います。御案内のとおり地域包括支援センターに置かれております3職種の中でそれぞれ「準ずる者」が位置づけられておりますけれども、その配置状況でございます。

 保健師につきましては、「準ずる者」の割合が押しなべて見れば約40%程度でありますけれども、それをまた直営・委託別に見たものが右のパイチャートとなっております。同様に社会福祉士について見たものが下の欄でございまして、社会福祉士の場合で見れば、特に委託の場合には3.6%程度、直営の場合11.3%といったところが見てとれるかと思います。

 資料に戻りまして、地域包括支援センターの評価でございます。

 こちら法律上、努力義務として市町村がそれぞれの方法で実施をしていただいているところでございますけれども、適切な評価を行っていただくためには確立された評価指標により定期的に評価を行っていただくことが重要になってくるかと思います。

 地域包括支援センターの体制につきましては、在宅医療介護連携推進事業とか認知症の総合支援事業などの包括的支援事業の充実や、包括的支援事業の上限額の見直しなどを通じた体制強化を図ってきたところでございますけれども、業務負担が過大になっているという指摘はこの部会でも議論がなされているところかと承知をしております。

 過大となっている具体的な業務といたしましては、指定介護予防支援のほか、総合相談支援や地域のネットワーク構築など、地域包括支援センターごとで異なっている状況も明らかになっております。こちら参考資料の43ページ、あるいは44ページをごらんいただければと思います。

 特に44ページで先ほど御紹介いたしました「業務量が過大」な場合、枠で囲っておりますが、総合相談支援に関わる業務が業務負担、過大だというお答えが69.5%、指定介護予防支援業務に関わる業務が66.8%、地域におけるネットワークの構築に関わる業務が53.9%、このような調査結果となっておるところでございます。

 以上を踏まえまして、論点を3~4ページに記載させていただいているところでございます。

 まず地域支援事業でございます。

 地域支援事業における地域ケア会議の実施状況、生活支援コーディネーターの活動状況、地域包括支援センターにおけるケアマネジメント支援などの実施状況について、評価指標として国が定め、市町村は評価指標に基づく評価を行うこととし、財政面における市町村のインセンティブ付けについて検討する際にこの指標を用いてはどうか。

 このため市町村が地域支援事業などを通じた介護予防などの取組を適切に進めることができるよう、都道府県が市町村の課題に応じた支援を実施することを目的として、国において都道府県職員に対する研修を実施することとしてはどうか。

 評価が効果的な事業実施に結びつくよう、市町村が介護保険事業計画において事業方針や目標を定めることとしてはどうか。

 2点目の総合事業のうち介護予防・生活支援サービス事業及び生活支援体制整備事業についてでございます。

 総合事業の取組が地域に定着をし、地域づくりに対する住民意識が醸成されることによる取り組みの発展的成長を促すため、引き続き、介護予防・生活支援サービス事業及び生活支援体制事業の実施状況について把握・検証を進め、その上で政策の評価を行うことしてはどうか。また、介護予防ケアマネジメントについて、今後実施状況の把握・検証を行いつつ、介護予防支援(予防給付のサービスを利用する者に対するケアマネジメント)との間で円滑な実施が図られるよう、事務手続などの改善を検討することとしてはどうか。

 ここでまた参考資料を出していただきたいのですけれども、先ほど総合事業の実施状況について簡単な御報告を申し上げました。それに引き続く22ページ、23ページをごらんいただければと思います。

 総合事業に関しましては、第6期の中でも28年度末までが経過期間であると御説明申し上げました。29年度からは全自治体が取り組んでいただくことになっております。そこに向けまして私どもでは円滑に移行するための支援をしておりましたけれども、本年度さらに検証手法の開発などを行いまして、第7期、第8期に向けて取り組みに関する定期的な検証の実施あるいはその支援の展開を行うことで、総合事業の成長・発展の支援を行ってまいりたいと思っております。

23ページで、それに向けまして具体的なロードマップといたしまして、27年度、28年度、29年度、特に28年度、29年度をごらんいただければと思いますけれども、下のところでございますが、先行移行自治体の調査までを行ったところでありますけれども、これらを踏まえながら、効果測定指標に関する研究事業を行い、経過措置が終了した後も事業効果に関する研究事業を続けながら、創出された事業の事業所の評価、把握、事業評価の実施などを行いながら、さらに発展を図ってまいりたいと考えておるところでございます。

 資料4ページの論点の「3.地域包括支援センター」でございます。

 5点ほど挙げております。地域包括支援センターが行うケアマネジメント支援について、介護支援専門員個人への支援から地域の住民やサービス事業所等を含めた地域全体をターゲットとする支援へ拡大をするとともに、ケアマネジメント支援の全体像の整理を行い、業務のプロセスや取り組み事項などを具体化・明確化してはどうか。

 また、地域ケア会議の推進のため、地域ケア会議の具体的業務を具体化・明確化してはどうか。

 2つ目で、介護に不安や悩みを抱える家族などの介護離職の防止を目的として、地域包括支援センターの土日祝日の開所や、電話などによる相談体制の拡充、地域に出向いた相談会の実施など、相談支援の強化を図ってはどうか。

 あわせてこれらの取り組みについて円滑な実施を促すための環境整備を進めてはどうか。

 3点目の医療介護連携でございます。

 地域包括支援センターの業務として、例えば介護支援専門員が決まっていない患者さんに対する介護支援専門員の選定の支援とか、予防給付などの利用が見込まれる患者さんに対する退院に向けたサービスの調整などを位置づけてはどうか。

 地域包括支援センターの職員の質の向上のために3職種の配置について定められております「準ずる者」の規定につきまして、職種ごとの特性を踏まえ、将来的に解消することを目指してはどうか。特に、保健師につきましては、先ほどごらんいただきましたとおり、人材確保が困難になっているといった実態もございますので「準ずる者」という規定は残しながら、高齢者の公衆衛生業務に関する業務経験などを追加するといった対応をとってはどうか。

 ケアマネジメント支援などの政策課題について、円滑な実施が図られるよう地域包括支援センター職員に対する研修を実施することとしてはどうか。

 地域包括支援センターの取り組みを適切に評価をするため、国において評価指標を定めるとともに、評価を行うことを市町村及び地域包括支援センターの業務としてはどうか。地域包括支援センターの体制に関する評価の実施を通じて、適切な人員体制の確保を促してはどうか。

 説明は以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 ただいま報告がありました議題の1と2をあわせて議論していきたいと思います。

 御質問、御意見等があれば承りたいと思います。大変発言者の数が多うございますので要領よく御発言いただければと思います。いかがでございましょうか。

 鈴木邦彦委員、どうぞ。

○鈴木(邦)委員 それでは資料1からお話をさせていただきます。

 4ページの論点ですが、「○」が3つあります。1番上の「○」はよろしいと思います。3つ目の「○」もいいと思うのですが、2番目のところです。

 介護予防・自立支援を推進するための人材派遣については、かつて国の事業として行われ、現在も県単独の事業として多くの都道府県で継続されている地域リハビリテーション推進事業というものがあったわけですけれども、その枠組みを活用すべきであると思います。その枠組みがなくなっている都道府県は埼玉県のように同様の仕組みを後から復活させたところもありますので、そうした取り組みを行う必要があると思います。派遣する職種の多くはリハビリ専門職と思われますが、そのほとんどは医療機関に勤務しておりますので、地域リハビリテーション推進事業の枠組みと同様に、派遣を希望する自治体と医療機関が契約をして業務の一環としてきちんと派遣できる体制を整備する必要があると思います。

 一部、リハビリ専門職が休日や仕事がない日に行ったり、プロボノ活動といって、プロとボランティアの中間であると位置づけて行くことを考えている例もあるようですけれども、業務としてそれでは不安定であり、万が一の事故の際などにも責任の体制が不明確となります。

 医療機関としても、職員であるリハビリ専門職がアルバイトをすることは認められないと思います。地域リハビリテーション推進事業が国の事業としては廃止された平成18年当時と比べればリハビリ専門職の数は大幅にふえておりますので、派遣に協力できる医療機関も確保できると思われます。3つ目の○は、いいということです。

 資料2の3ページの論点でございます。1番目の地域支援事業はよろしいと思います。2番目の総合事業等もよろしいと思います。

 4ページの地域包括支援センターでございますけれども、最初の○でございます。ケアマネジメント支援を地域全体の支援に拡大し、業務のプロセスや取り組み事項などを具体化・明確化すること及び地域ケア会議の具体的業務を具体化、明確化することはいいと思いますが、そのためには地域支援包括支援センターの職員の人材育成が必要になります。

 2つ目の○については、土日祝日の開所や相談支援の強化はいいと思いますが、そのためにはやはり職員の増員が必要になることが考えられますので、その分の費用が認められるようにする必要があると思います。

 3つ目の○については、介護支援専門員が決まっていない患者に対する介護支援専門員の選定や、予防給付が見込まれる患者のサービスの調整については、既に行っている場合もあるので、改めて位置づけることもいいと思いますが、これもやはり業務量が増加しますので職員の増員などの対応が必要になると考えられます。

 4つ目の○で「準ずる者」ですが、保健師以外はよろしいと思いますけれども、その場合でも急な退職などもありますので、一時的に「準ずる者」の配置を認める規定は残しておく必要があると思います。

 一方、保健師は行政以外の分野、職場には行きたがらないので撤廃は困難であると思います。保健師に「準ずる者」の追加の要件については現実的な対応可能な内容にする必要があると思います。

 5つ目の○については、国が定めた評価指標により評価を行うことを義務化することはよいと思います。適切な運営が行われないところについては、これは質問ですけれども、例えば委託の場合は委託先の入れかえとか、直営の場合は行政がなかなか対応が困難な場合、意欲のある民間への委託なども想定しているのかどうか、質問をさせていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。では、質問が出ましたので、振興課長、お願いいたします。

○三浦振興課長 振興課長です。どうもありがとうございます。

 今、お尋ねいただきました点は一義的には保険者あるいは設置主体であります市町村で御判断いただくことになろうかと思いますけれども、いずれにせよ議論をするための素材といたしまして評価をしていただくこと、それをよすがといたしまして市町村と会話ができるようになるのではないかと私どもは考えてございます。

○遠藤部会長 よろしいですか。

○鈴木(邦)委員 わかりました。

○遠藤部会長 ほかにございますか。土居委員、どうぞ。

○土居委員 ありがとうございます。

 私は早退をせざるを得ないことになりましたので、少し早目にお話をさせていただきます。

 まず「介護予防の推進」ですけれども、挙げられた論点はそれぞれ重要な論点だと思います。その上でインセンティブづけについては、エビデンスに基づいてこの事業の効果検証をする必要があると思いますので、その今後さらにエビデンスに基づく効果検証を介護予防の分野でもお願いしたいと思います。

 次に地域支援事業の推進です。これも挙げられた論点それぞれ重要なポイントだと思いますけれども、論点の2つ目の総合事業のうち介護予防・生活支援サービス事業及び生活支援体制整備事業についてです。ここで挙げられているように、政策の評価を行うことは重要だと思います。それを踏まえてさらに市町村で総合事業のさらなる深化をしていただきたいと思います。

 参考資料2の22ページに先ほど説明がありましたように、今後、第7期、第8期における展開ということでイメージ図があるわけですけれども、確かに定期的な検証の実施とか成長・発展の支援は大事ですが、検証した後でそれをさらに発展させていくためのPDCAサイクルをしっかり市町村で回していただくことが必要だと思います。PDCAサイクルを回すことは別に大げさな取り組みというわけではなく、いろいろな取り組みで行われていることです。それによって市町村の業務が一段とふえるわけでも必ずしもない話だと思いますから、検証を実施することと成長を発展させていくことを有機的にリンクさせていく上で重要なことだと思います。

 早退するので、まだ事務局からの説明はないのですけれども、もう一つの議題のニーズに応じたサービス内容の見直しに関して2つだけ意見を先に述べさせていただきたいと思います。

 一つは、特別養護老人ホームに関連してであります。やはり特養におけるみとりはこれからさらに重要になってくると思います。今もそれなりの対応はありますけれども、今後さらに一定の要件を満たせば報酬上の加算を含めてみとりを強化することに取り組んでいただきたいと思います。

 もう一点は、有料老人ホームの運営者の健全経営を促す仕組みを制度的に担保する必要が私はあると思います。もちろん自由参入といいましょうか、民間の事業者が自由な発想に基づいて経営をすることはしっかり確保されなければなりません。競争環境をも確保する必要はあると思います。しかし、小規模事業者が乱立して不安定な経営になるとか不健全な経営をすることを助長してはいけませんので、自己資本比率規制など何か健全経営を担保する仕組みを何らかの形で設ける必要があるのではないかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ほかにございますか。井上由美子委員、お願いいたします。

○井上(由)委員 ありがとうございます。

 提出資料を後ろに添付してございますので、これに基づいて私は実践事例について御報告をさせていただきたいと思います。 

 これは住民互助による介護予防・日常生活支援事業(訪問型B)の創出について、下に表記しております高齢者社会をよくする女性の会の理事石田路子氏が中心となって立ち上げたものです。

 この事業は住民の側から声を上げたことが一番の特徴だと思っております。住民みずから声を上げるに至りましたのは、それ以前2008年くらいからの取り組みがきっかけになったのではないかと思います。

 実は石田教授が地域福祉論の講義で時折住民の方々との合同授業を行い、学生に地域課題の学習をさせました。その中で平成30年より新総合事業の件が話題になった際、住民の側からぜひ自分たちでやりたいという声が上がりました。それで私も少しばかり協力させていただき、住民互助による訪問型Bの実現に向かって準備し、実施の運びとなりました。ゼロからのスタートでしたので、実施に至るまで手探りの状態でございました。少し簡単に経緯を述べさせていただきます。

 この枠内にマル1から簡単に抽出いたします。2014年初秋から住民互助による生活支援プログラムの提案を行い、庁内関係職員・社協職員らの勉強会を開始し、講師に厚生労働省老健局振興課の担当者をお招きし、説明を受けるといった諸準備を行いました。

 マル2、住民互助による「介護予防・日常生活支援(訪問型B)」を大網白里市のマスコットキャラクター「マリンちゃん」をネーミングに取り入れた事業としました。

 マル3、2015年4月からは市内において事業の住民説明会を実施。

 マル4、2015年9月より生活支援サポーターを住民から募り、研修を開始いたしました。

 マル5、市の高齢福祉課は総合事業補助金交付要綱を作成してくださいました。また、事業の運営を担当する大網白里市社会福祉協議会では(訪問型サービスB)実施要項を作成して住民に発表したという経緯でございます。

 マル6、2016年6月より生活サポーターの支援を必要とする人の募集を行い、現在実施に至っております。

 この事業は、上から言われて始めたものではなく住民みずからが始めたのですが、これに当たりまして初めに申し上げましたように地域を耕す人材がいたことです。住民が発言する、自分たちでやりたいと言うに至ったのは、地域を耕す人材がいて自発的に生まれたのがこの事業の特徴だろうと思い、報告させていただきました。

 現在、この事業の拡大・発展を目指してPDCAサイクルも念頭に置きながら、調査、評価し、課題を抽出する段階に入っております。

 この経緯などを取り上げてくださった「Better Care」という雑誌のその部分を添付しておりますので、どうぞお読みいただければよりわかりやすくなっていると思います。

 以上でございます。ありがとうございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは東委員、どうぞ。

○東委員 ありがとうございます。

 資料2(地域支援事業の推進)における地域包括支援センターの論点の部分で発言をしたいと思います。

 この地域包括支援センターの論点を見ますと、地域ケア会議の推進、相談体制の拡充、相談支援の強化等々、これまで地域包括支援センターにいろいろな役割が求められていることは皆様も御存じのとおりだと思います。

 地域包括支援センターの議論は、今回で2回目(第2ラウンド)です。前回は平成28年5月25日に開かれた第58回社会保障審議会介護保険部会の場におきまして、地域包括支援センターの議論がありました。そのときに地域包括支援センターの業務から介護予防ケアプランの業務を外してはどうかという発言が複数の委員からありました。まず私が発言しましたのは、要支援者に対するケアマネジメント業務を地域包括支援センターの業務とは切り分けてはどうか。

 2番目、齋藤委員(日本看護協会)からも予防プランはセンター業務から切り離して、センターの中核業務として包括的、継続的なケアマネジメントあるいは連携構築地域づくりにシフトしてはどうか。

 馬袋委員(民間介護事業推進委員会)からも予防プラン業務を主力業務から外すべきだという発言がございました。

 鷲見委員(日本介護支援専門協会)からも、地域包括支援センターの機能を十分に発揮するためには介護予防事業所を明確に分け、原則として3職種は予防支援には従事することなくやってはどうかという御意見が出ました。

 そのほかにも、内田委員(日本介護福祉士会)から配置人数を考えると今後業務の振り分けを考えていく必要があるという御発言があり、齊藤委員(全国老人クラブ連合会)からも業務の見直しは当然出てくるでありましょうし、また業務の切り分けも結果としては出てくるかもしれませんという御意見がありました。

 このように複数の委員から御意見があったにもかかわらず、今回の第2ラウンドの論点にそういうことが一切触れられておりません。この会議は介護保険制度を改革する上で、非常に重要な会議だと思っております。委員の意見がきちんと第1ラウンドから第2ラウンドへと反映される資料づくりを厚生労働省にはお願いをしたいと思います。

 委員長の適切な判断を望みます。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。議事の進め方、あるいはテーマの選択についての御要望、御意見だと思います。何か事務局でコメントはございますか。

○三浦振興課長 ありがとうございます。振興課長でございます。

 今、委員から御指摘いただきました点は踏まえた上でと私は考えておるところでありまして、業務量との兼ね合いなどでケアマネジメントの部分を外してはどうかといった議論に関しましては、先ほど御紹介をいたしましたとおり、センターごとにばらつきもある中で、まずは業務量などをきちんと確認をしていくことを踏まえまして、適切な人員配置も含めた対応をしていただける道筋をつけたいということを今回資料の中に書かせていただいたところでございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。栃本委員、どうぞ。

○栃本委員 今、審議会の進め方についてお話がありました。前回ケアマネジャーについての議論で利用者の負担を求めるかどうかという議論がありましたけれども、これの発端はその前の回の審議会で行われた全体的な第1号被保険者、第2号被保険者、そして利用者に関する負担のところで、ケアマネジャーの自己負担について書いてなかったものだから私は発言したのです。それによって、前回ケアマネジャーについても自己負担についての議論が行われました。

 東委員のおっしゃるようにそういう指摘もよくわかります。その一方でその時々で議題はチョイスして対応してくださっていると私は思います。

 もう一つ、東委員からそのときの審議会の際に一つ一つ委員の名前を挙げられて要支援1、2についてのケアマネジメント業務を外したほうがいいのではないかと非常に多くの委員から御発言があったとの指摘がありました。その一方で、そもそもが地域包括支援センターにこれをつくった際に、ありとあらゆる業務を総花的にそこに入れ込んだ。すると本来、行政が本来直接やらなければいけないことまで私から見ると入れ込んでいるのでこの際切り分けをする必要があるという話をしました。

 もう一つ、要支援1、2についてのケアプランやサービスの利用については要介護1など以上になりますと、個々のケアマネジャーの事業者さんがケアプランを専らつくるということなのですけれども、地域包括支援センターですと複数の人が見て行うという非常にいい特色があります。それについてもその際私は指摘をしました。

 今回、地域包括支援センターについて評価というか、みずから自分たちの行っていることを点検すると同時に外部評価というと何か変なのですけれども、そういう評価を見て、先ほど土居委員からもお話がありましたが、それでPDCAサイクルを回していくということですので、それらを見ながらそれぞれの自治体や地域の中でどういう形にしていくかを考えることが適切だと思います。これは今の東委員のお話があったので付け加えました。

 今2つのことについてお話がありましたので、まず資料1の部分なのですけれども、高齢者がみずから介護予防活動に取り組むために、個人へのインセンティブを付与する仕組みについて既存事業で実施できる旨を明確にしてはどうかということですが、これはやはり政策的判断でやはりもっときちんと明確化すべきだと私は思います。

 その上で説明資料、参考資料1の40ページに、ここでは岡山市の総合トップの事業として書かれていますけれども、要介護の認定者の非該当の方、それともう一つは介護サービスを利用していない要支援1、2であるとか要介護の認定者が取り消し申請をすることによって非該当という、これは手続上それが必要だと思うから、そういうする形で40ページの左側にある民間事業者による運動施設等の利用を図るといった場合にポイント制になる。これは非常にいい仕組みだと思うのです。これは虚弱高齢者とかそういう方々に対してリハビリテーションというか、鈴木先生がおっしゃっている意味でそういうものを促進するとか社会参加を進める意味ではいいことだとは思うのですが、非該当の方にまでこれを適用するというのはどうかと思います。必要ないのではないか。幅広くするのはいいことだとは思いますけれども、むしろ要支援1、2、要介護の1とかそういう方が取り消し申請で非該当にして、その場合こういうものを使った、そういう形で評価するというかポイント制にするというのは非常に重要ですので、それを進めていただきたいということです。

 それとこの対象施設・事業については、岡山市ではこういう形なのですけれども、もう少し幅広にいろいろな形で物事に社会参加することによって、ポイントがつく形にしたほうがよいのではないかと思います。ちょっと細かいことですけれども、ポイントをしたものがどういう形で使えるのかは例示してしまうとそれだけになってしまうことがあるので、幅広く自治体でそれが使えるようにしていただきたい。

 もう一つは、要介護の認定を受けて非該当の手続をとってこういう形でした場合、どういう形でその方々の状態像というか、それが変化したかも、研究といっては何ですが追跡していく、そういうことも必要ではないかと思います。

 長くなりましたが、最後に資料2の2番目の項目なのですけれども、まず分厚い参考資料で15ページの部分です。ここでは、老健局の振興課が独自に行った調査をされています。従来から委託でいろいろな調査を行って、それも重要だと思いますけれども、こういう形でみずから調査することもすごく大切だと思うのです。ぜひ今後も幾つかについてはみずから行っていただくことが私は大切だと思いますのでお願いしたい。

 その上でぜひお願いしたいのは、15ページにあります「介護予防訪問介護・従前相当」というのが1,658あります。そうではない形は711で、内訳がサービスA、B、C、Dと書かれているのです。これは委託事業で今後さらに調査研究でされてもいいと思うのだけれども、この従前事業1,658あるのがA、B、C、Dとか、どういう方に移行したいのか、移行するのかという意向調査もぜひ行っていただきたい。これは振興課の独自調査でタイミングよくされたのはすごく敬意を表しておりますけれども、その上で委託して調査される際に意向を聞いて、あなたはどちらを選びますかという調査をされるべきだと思います。

 最後に19ページに「要介護認定者の6ヶ月後認定状況」というのがあって、要支援2の人については軽度変更が行われています。これは要介護認定を行ったことによる差を見ているわけですね。要支援2については状態判定ではないということとか、認知が入っていないということでかなり幅広いから軽度変更が起きるのはよくわかるのですけれども、一方で要支援1については全く軽度変更が行われていない。要するに非該当にしていない。こういうことが本来あるでしょうか。ここら辺についてやはり前々からお話ししていますように、認定審査会における適切な対応というか、そういうことも細かいことですけれども必要であると思いますのでぜひお願いしたい。

 あとは最後に、地域包括ケアシステムを構築する際に退院時の調整など地域包括支援センターも積極的に役割を果たしていくことが求められるということですので、これはぜひとも必要です。例えば、病院におけるMSWとうまい形で連携するためにもこういうことは明記されることは必要だと思います。

 長くなりました。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

 それでは、馬袋委員、石本委員の順で。

○馬袋委員 ありがとうございます。それでは、資料1、2について「介護予防の推進」の論点のところなのですが、論点の○の2つ目にあります市町村が行う地域支援事業について「都道府県、医療機関等の」というところなのですが、その関係者からという中で、なかなか専門職の内容の支援が難しいというのはよくわかります。そこでリハの専門職の団体が県単位であるわけですので、そういった面では医療機関だけではなくて、ここにはリハ専門職の団体とか介護の団体の中にも予防事業に前向きに取り組んでいるところもありますので、そういったところにもお声かけをしていただきながら、人材の後方支援をしていってはどうか。これは提案でございます。

 それから介護予防の最後のインセンティブのところなのです。個人のインセンティブについてこれは過度にやり過ぎてもいけないと思います。インセンティブの給付を検討する場合は、継続的に自分の予防活動した継続的なデータとして、健康診断を含めて体力測定データだとかいったことを報告していくことを含めてインセンティブとされますと、何をやって効果が、ポイントを給付されることはイコール予防活動をしていることを報告していただくということで、その結果よい意味の予防のPDCAが回る、そういった意味を含めてインセンティブを付与していただくと費用対効果の測定が見られるのではないかと思います。

 次に、資料2地域支援事業についてです。

 これは第58回だったと思うのですけれども、地域の支援事業の移行について今、市町村保険者において移行について著しく低い単価、極端に言えば私たちの介護事業者が本来移行事業を受けていくに当たって、従前よりも相当ひどい単位での移行であり、減額の事例では70%での給付、即ち30%もダウンというような状況が発生しています。東京で1時間で1,000円くらいといった単価の自治体、保険者もあるのも実態でございます。

 今回の参考資料2の16ページになりますけれども、「多様なサービス」の実施主体の状況の移行を見ていただきますと、訪問サービスにおいては74.5%が、担い手も介護専門職が57.1%で、従前既存でやっております内容の事業者がこれを担って、みなしとして移行しております。その面では介護職員の処遇改善等も含めながら実施していく中で、単に単位の切り下げのためにこの事業を移行されないように、そのことには第58回でもお願いしましたけれども、今回いろいろな効果についても評価されるということですので、取り組みと経済的な単価の移行についてもあわせて全国の保険者の内容を調査して公表していただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、石本委員、どうぞ。

○石本委員 ありがとうございます。2点ほど申し上げます。

 まず「介護予防の推進」の部分でございます。これにつきましては、先ほど鈴木委員からもありましたが、論点の2つ目の○ところですが、先ほど事務局の御紹介でもありました地域リハビリテーション等の取り組みで私の地元熊本県の名前も挙がっておりましたけれども、やはり何か新たな仕組みをつくるのではなく既存のフレームであるものを活用し、今のままでなかなか活用が進まないのであれば、そこを後押しする仕組みをしっかり考えていただく必要があるのではないかと思います。

 それと3ページ、現状・課題のところに、通いの場が「1%に満たない」ところがございまして、1%に満たない部分がインセンティブをつけることで効果はあろうかと思いますが、現場の感覚からしますとインセンティブがついたことでこれが急激にどれだけ伸びるのかというのは難しい印象もあります。実際、介護予防に参加しませんかという声かけをしても、反応が悪いのが現場感覚でありまして、そのあたりの発信の方法であったり、「介護予防」という言葉から連想される住民感覚でのイメージに対する配慮や工夫が必要ではないかと思います。

 それと2点目、地域支援事業のところで特に包括の部分のお話が、先ほどから出ております。やはり前回の部会の中でも東委員からお話がありましたが、やはり現場の包括においては相当業務過多で忙殺されている印象でございます。予防プランを外す、もしくはいきなり外すのは難しいのであれば、例えば同じことを何度も何度も書かなければいけないプランの様式を見直す等、何か業務の軽減を図る文言なり視点が、この論点の中にもう少し盛り込まれることを現場としては希望したいと申し上げます。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 しばらくこちら側、左側にいくことになりますので、先ほどお名前も出ました齋藤訓子委員。

○齋藤(訓)委員 ほかの論点については特段異論はないのですが、地域包括支援センターにつきましては、これからますます業務が多様化してくるというのが本日の資料からも推察されるところです。

 当然、この業務への対応につきましては、鈴木委員も御指摘されていましたけれども、人員体制をどうするのかが、市町村にとっては非常に大きな課題になると思います。3職種配置についても、特に保健師についてはなかなか人材確保が難しい状況ですが、市町村の努力義務あるいは委託先の努力に任せるだけで本当に人材が確保できるのかというのを懸念しております。

 事務局からも業務量をよく見ながらということは出ておりましたけれども、センターの業務量と人員体制についてはかなりシビアに見積もった上で、限られた人材で本来地域包括支援センターが中核業務としてやらなければいけないことを、まずはどの市町村でも実施できる体制を念頭に置いた上で業務の効率化、役割分担、事業の切り分けといったことも検討に値するのではないかと思います。

 保健師の確保につきましては、論点に挙がっておりますように、将来的には原則この3職種の配置にしていくという方向性には賛同いたします。

 当面は保健師に「準ずる者」の規定も残しつつ、公衆衛生業務に関わる経験等も要件に加え、かつしっかりとした研修を付加して、質の向上を図っていく必要があります。その上で業務の切り分け等々を検討し、本当に地域包括支援センターが、最低限やらなければいけない業務はしっかりと機能する方向で進めていくべきではないかと思っています。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。それでは、鷲見委員、佐野委員、齊藤秀樹委員の順でまずはお願いしたい。その後は、また。

○鷲見委員 ありがとうございます。

 地域支援事業についてでございます。

 総合事業において利用者にとって多様な支援は非常に歓迎すべきことであると思います。実施する事業と効果について保険者もまだ手探り状態だろうと思っています。

 地域支援センターで予防プランを作成している介護支援専門員からも事業間のすみ分けであるとか、つながりがよくわからないとか、対象者に事業が適切かどうか不安があるとか、または利用者にわかりにくい制度が形になっているなどの意見がございます。ですから事業をスタートさせてからケアマネジメントの成果がどうなのかという議論をするよりは、都道府県と保険者がともに現場を知る努力が必要であり、整備の進捗状況も大事ですが、当事者やかかりつけ医、介護支援専門員などと事業展開する際のコンセプトをしっかり共有し、決定する過程を丁寧に検討して行っていただきたいと思います。

 地域包括支援センターにつきましては、地域ケア会議の開催内容が現在やはり個別事例への支援が多いかと思います。開催に関しては担当者の熱意によるところが大きいとも言われています。地域課題から政策提言に及ぶ過程において、行政が必要なレベルに積極的に関与していかないと進まないことも多く、具現化する努力が市町村にはぜひしていただきたいと思います。全体像の整備、地域ケア会議の内容を明確化することは大事なことだと思います。

 3番目の○につきましては、地域包括支援センターの退院時に関与をするようになっていますが、急な退院に対しては経験のある介護支援専門員でも調整にはほぼ1日かかってしまったり、インテークは非常にその後の支援に大事な影響を与えるプロセスでございます。

 また、現在予防プランの委託が7割という現状の中では地域包括支援センターが、直接一時的な関与を行うよりは公正中立なプランの委託という点を踏まえ居宅支援事業所等との連携強化の視点をより強くしていくほうがよいと考えております。

 4番目の○で現在予防プランは「準ずる者」ということでケアマネジメントの専門職でなくても作成できる現状がございます。「介護支援専門員の資格を有する者」とするべきだと考えています。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。それでは、佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 全体的なところでコメントしたいと思います。

 議題1、2に共通することですけれども、介護予防推進やそのための地域支援事業が中長期的に見て、介護指標の伸び抑制に向けて極めて重要であることは間違いないと思います。特にこの地域支援事業については第2号保険料を含む保険財源が使われていますので、対象事業については本質的な効果を見極めて適切に使うべきというのが基本的な考え方であります。

 一方で効果が出るまでに時間がかかるものも多いと思いますし、費用対効果の定量的把握が難しいものもたくさんあるように思います。場合によってはやってみたけれども効果につながらないケースも起こり得るのではないかという気がいたします。

 そういう前提に立った場合、対応としてはできるだけ多くの市町村が早期に取り組んで、その上で効果のある取り組みなのかそうでないのかという見極めを行う、次の見直しにつなげることがまさにPDCAだと思いますが、重要だと思います。

 国としても、そういう面では多くの、本来全てだと思うのですけれども、市町村が早期に取り組むための評価指標を設定して、これは都道府県と連携してフォローすることが重要だろうと思います。

 その観点でいった場合、先ほど御説明がありましたけれども、今回の参考資料の中の総合事業の、まだ経過期間中とはいえ、わずか78自治体、全体の5%程度について、しかも現状、当初想定された弊害は出ていないけれども、まだ十分な効果も発揮できていない、そういう感じの資料であったのは、私はやや寂しい印象を受けます。そういう面で次の制度改革に向けて、全ての自治体に対して、早期取り組みを促す具体策を検討すべきだろうという気がします。

 その中で出ています市町村に対する財政インセンティブについては、前回の部会でも申し上げましたけれども、やはりより極めて慎重にすべきだろうと思います。介護予防とか地域支援事業はある意味、もちろん介護保険の保険者としての業務もあろうかと思いますが、行政としては本来の業務という部分かと思いますので、そこにインセンティブというのはやや違和感を覚えるものであります。

○遠藤部会長 齊藤秀樹委員、どうぞ。

○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。

 2点申し上げたいと思います。

 まず介護予防に関してでありますけれども、予防事業は参加の頻度と継続性によって効果が期待できるものであろうと思います、最近マスコミでも報道される機会が多いのですが、各地で御当地体操と言われる高齢者向け体操が広がっていると思っております。参加の動機づけだとか継続性を考えますと、先ほどもほかの委員からありましたけれども、なかなか参加しにくいことが現状としてあろうかと思います。誘ったり誘われるという地域での仲間づくりが一つの鍵を握っていると思いますので、個人へのインセンティブということも一つのアイデアではございますけれども、グループ化をしていく、それで継続性を保っていく、また社会参加の動機づけを促していくインセンティブづけも必要ではないかと考えます。

 そこで事務局への質問なのです。参考資料1の38ページ、26年度で約235の自治体でポイント制を実施しているということであります。幾つかの事例紹介がありますが、見ますと、ボランティア型のポイントと非該当を対象にしたポイントと大別されているのです。ボランティア型は今回の話から少し横に置いておいて、いわば軽度の方々に対してどうアプローチするかについて235の自治体でそれをどちらでどういうふうな状態になっているのかも、もしわかればお知らせいただきたい。

 さらに、先ほど栃本委員からありましたように、どこまでの方々を対象にしているのか、これも非常に重要なポイントかと思いますので、わかりましたらこれもお知らせをいただきたいと思います。

 この辺が資料的にミックスになってなんとなくぼんやりとした整理の仕方になっているように思います。効果も大変大事でありますけれども、体力の維持向上だけではなく社会参加という側面も大事だと思います。工夫だとは思いますけれども、やみくもにというのはいかがかなと思います。その点、ちょっと危惧をしながら質問をさせていただいております。

 もう一点は総合事業の関係であります。

 今回、事務局で調査をしていただいて、調査の結果が報告されたわけでありますが、やはり住民の意識の醸成が非常にポイントだと思います。今回の調査を見ましても、拙速に住民の意識醸成は進まないことが出ているのではないかと思います。そのためには引き続き事業の進展のために自治体を支援する意味で、実施状況を把握し、検証し、評価する伴走型の仕組みは非常に大事だと思います。用意ドンでスタートいたしましたから、先行の七十幾つというのは自信を持っておられると思いますが、逆に後発のところは自信をなくされたりしているということでも困りますから、ようやくスタートラインに立ったことでこれから先が大事なのだということで、ぜひ成長期を支える見守り、そういう視点での支援をお願いしたいと思います。

 以上であります。

○遠藤部会長 ありがとうございます。事務局に質問がありましたので、コメントがあればお願いしたいと思います。

○鈴木老人保健課長 済みません。今、手元にデータがございませんので、また調べまして後ほど御回答させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 それでは順番として村上参考人から小林委員、またこちらへ戻ってくるということで。

○村上参考人 私からは資料2の地域支援事業の数字についてでございます。

 まず地域支援事業につきましては、参考資料8ページにございますように、実施状況にもばらつきが出始めております。このままでいきますと自治体での格差が発生してサービス供給にも支障が出て利用者に直結することとなります。したがって国や都道府県の職員に対して研修を行うことはもちろんなのですけれども、現場の話を聞くと実施の方法がわからない自治体もあるようでございます。できる限り早期から取り組めるように援助、指導を行うべきと考えます。

 地域支援包括支援センターにつきまして、土日祝日の開所とかその他相談支援の強化、また在宅医療等介護の連携についても積極的に関与することが求められています。しかし現在、地域包括支援センターでさまざまな課題が挙がっていることは御承知だと思います。委託型センター勤務の私どもの組合員の声を少し紹介したいと思います。

 「行政が丸投げ状態。一緒にやっていくというよりは『はい、よろしく」という感じ。人員を増やしていけるような費用がつくわけでもなく、とても手が回らない。その上、無駄な会議もやたらと多く、時間がとられる。この先、総合事業で包括の役割をふやされることがあっても、対応不可能。」

 また予防プランについては、なかなか受けてくれる居宅介護支援事業所がない。受け手がないので全ての人の支援を行っていくことができない。見捨てていくしかないという状況をわざとつくっていくように仕向けているのではないかと勘ぐりたくなる。という声がございます。

 それから居宅介護支援事業所に勤務の私どもの組合員の声です。

 「予防のプランは報酬が安い上に、手間は要介護1、2と変わらないので、プランを受けずに包括に戻すところが出てきている。包括も自分のところで受けられないから外へ出しているのに戻されるとまた仕事が増えて大変だと思う。」

 という意見がございました。

 先ほどから出ていますけれども、第58回の介護保険部会でも業務量が課題であるという問題提起がなされています。この精査もなされていないまま新たに業務を課すことはどうなのかと思います。

 論点の4つ目ですけれども、職員の質の向上のためというよりは人手不足の解消を少しでも図るため、地域包括支援センターの職員の配置については規制の緩和は必要だと思います。

 また、地域包括支援センターの予算が決まっている中で適切な人員体制の確保は非常に困難です。したがって予算の見直し、財政支援について考える必要があるのではないかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは小林委員、どうぞ。

○小林委員 ありがとうございます。

 介護予防については取り組みの定量的な実績を評価するプロセス指標だけではなく、その結果どのような改善が図られるかを示すアウトカム指標を組み合わせて実施していくことが必要だと思います。

 その際には取り組みの成果が保険者である市町村にとって具体的にわかる形で見える化をすることが必要であり、例えば介護予防によって要介護認定率の上昇が抑えられた場合にそれによって介護給付費がどの程度適正化されたかなどの具体的な数値についても明確化していくべきではないかと思います。

 それから参考資料1の38ページ以下にもあるようなポイント事業などについては、そうした事業を実施したいと思っていても、ノウハウがわからない市町村もあるかと思います。またポイント事業の財源がどのように賄われるのかにも関係しますが、今後の保険料の上昇に対する懸念ということからも単なるばらまきにならないよう、こうした先行事例を踏まえながら効率的、効果的な横展開を図るべきではないかと思います。

 さらにこのことも関係して、地域支援事業については、地域の自主性や独自性をより発揮していく観点から現役世代の負担に依存するのではなく、国や地方自治体の財政負担の比重も増加させていくべきではないかと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ちょっとこちらに行かせていただきます。それでは、花俣委員、桝田委員、伊藤委員。

○花俣委員 ありがとうございます。

 まず質問をさせていただきたいと思いますので、お願いいたします。

 資料1の「介護予防の推進」のところです。参考資料1の7ページ「通いの場がある市町村は増加している」とありますが、参加者人数についても教えていただきたいと思います。これが1つ。

 2つ目、4ページにある論点で地域支援事業において事業評価を行うとあります。対象になるのは認定を受けていない、あるいは認定で非該当とされた高齢者が対象なのかどうか。一般介護予防事業の評価という理解でよろしいのでしょうか。あるいは介護予防日常生活支援総合事業全体を指すのかを教えていただきたいと思います。

 それから1の先ほどから出ております論点の3つ目のところです。個人へのインセンティブというところなのですが、これは現状と課題のところに○2つ目のところ、なかなか参加している人の割合がふえない、あるいは介護予防に意欲を持って主体的に取り組む住民を増加させることも必要であると書いてあります。本当になかなか参加しない人を動員をかけるというのはすごく難しいと思うのです。実はポイント制はいろいろなところでたくさん市町村は取り組んでいるわけですけれども、なかなかその効果が出ていないから1%に満たない結果になっているのではないかと思うので、果たしてこれを明確化してどのくらい効果があるのかと思っています。既に取り組んでいる市町村の例はたくさんあると思うのですけれども、それを改めて明確化してさらに効果が上がればいいのですが、どうかと思います。

 次は地域支援事業の推進です。ここは先ほどから鈴木委員、東委員、齋藤委員、皆さんがおっしゃった御意見に私も賛同いたします。地域包括支援センターの職員の業務量がますます多くなってくる印象があります。資料3の「地域共生社会の実現」でも地域包括支援センターの業務がふえそうなので、ここはやはり職員数をふやす、あるいは業務に応じて給与を引き上げる具体的な対策が同時に必要だと思っています。

 それから資料2の4ページ、論点1つ目の○に「地域ケア会議の具体的業務を具体化・明確化してはどうか」と書いてあります。

 実は地域ケア会議に何度か私も参加しておりまして、いわゆる和光方式で20分でちゃんちゃんとやるものではないのですけれども、物すごく丁寧に時間をかけて行われている会議に出ています。最終的に地域課題の抽出まで順番で流れていくのですけれども、それよりも、例えば参考資料2の14ページ、ここに地域ケア会議のことが書かれていますけれども、ここの一番上に目的「個別ケースの支援内容の検討を通じた地域の介護支援専門員のケアマネジメントの支援」と書かれています。あるいは29ページにも、ケアマネジメント支援の全体像の最後の具体例で「地域ケア会議における多職種連携によるケース検討を実施」と書いてあります。こんなふうに実はケアマネさんの支援は物すごく有効だと実感していますので、地域ケア会議は本来の目的が最終的に地域課題の抽出になっているのでしょうけれども、まだスタートしたばかりなので、ケアマネさんの支援というところは物すごく効果が上がっているのではないかと感じています。

 以上です。

○遠藤部会長 質問がございました。事務局、コメントをお願いいたします。

○鈴木老人保健課長 1点目の参考資料1の7ページで参加人数なのですけれども、ちょっと今手元に数字がなくて別途調査をしておりますので、結果については後日御報告させていただきます。

 もう一点、評価の指標の関係でございます。基本的にはこれは一般介護予防事業についての評価を行うための指標なのですが、中におきましては、介護予防全般についても評価を行う指標ということになりますので、特段そこについては、この指標はこれ、この指標はこれと考えておりませんので、全体的な介護予防に関しての評価、このような指標を今後考えていきたいと思っております。

○遠藤部会長 花俣委員、よろしいですか。

○花俣委員 はい。

○遠藤部会長 それでは桝田委員、お待たせしました。

○桝田委員 まず総合事業です。28年度中に516事業所が移って、大体3分の1ぐらいが総合事業に移行するわけですけれども、少しそこで課題が見えてきました。いろいろなケースが出てきています。

 1つは、介護報酬の部分を総合事業の報酬に変える作業の中で人員等の基準を緩和して、それに見合う報酬に変えるのが本来の姿だと思うのですけれども、基準はそれほど変わっていないのに報酬だけは2割カットになっているケースなどいろいろな形が散見されます。

 もう一つ、一番困っている問題は、介護予防、もちろん介護報酬もですけれども、今、介護人材確保のために介護職員処遇改善加算という形態をとっています。介護職員の人数に応じた比率で給与の上乗せをするための財源を出している。ところが介護予防から総合事業に変わったときに介護職員の処遇改善加算がなくなっているケース、つけないところが非常に出てきています。そうすると今の施策として介護人材確保策として処遇改善加算という形で全体を見ているのに総合事業ではそれを見ない市町村が出てくるのは非常に問題かと思います。報酬のつくり方の一つなのですけれども、加算の部分は面倒くさいから基本報酬的な部分一本でいいだろうと思われて設定されているのかもしれませんが、事業者側にとって同じ報酬をいただいても、職員に対する給与改善の部分はそれで金額が変わってしまいます。市町村によってそこの部分が変わるのはちょっと大きな問題かと思います。

 それともう一つは、地域包括支援センターの問題です。参考資料2ページ右側に地域包括支援センターの予算的な部分、上限額が決められています。それで38ページ、いわゆる地域包括支援センターの計算根拠が見直しということで入っていますけれども、この38ページの分は平成27年度からの分ということでよろしいのでしょうか。

○遠藤部会長 振興課長、お願いします。

○三浦振興課長 振興課長でございます。結構でございます。

○桝田委員 そうしますと27年度から計算根拠が変わって、実際にその枠内で地域包括支援センターが運営可能なのかどうかという問題です。

 もう一つはこの財源をもとに市町村が社会福祉法人なり医療法人なりに委託を出している。その枠と委託の関係という部分、そこらの調査をされているかどうかは、もしありましたら資料を後日でもいいですけれども、提供していただけたらと思います。

 いろいろな形で今地域包括支援センターは非常に重要な役割をどんどんプラスされていっている状況にあります。それほど重要なのだけれども、実は委託費についてはほとんどのところは余り変わっていない実態ではないかと思います。そうすると業務量はふえる、要求する内容も高度なものになっていくけれども、それに見合う費用的な部分が見られないために非常に苦悩しているのが実態ではないかと思います。そこらの部分、委託費がどのような状況かを一度調査していただけたらと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 参考資料2です。今回、総合事業の実施状況について御報告いただけて、非常に興味深い内容になっていますので、後で2点ほど御質問をさせていただきます。

 まずこれを見て、やはり多様な主体の取り組みが十分広がっていない状況が改めて出てきた。これは想像できるところで、地域ごとにやはり人口構成はもちろん、就業構造が大きく違うこともあって、どれだけの担い手が確保できるかは大きく違いがあると思います。

 そのような中で政策評価をこうした事業について行っていくことが提起されていますけれども、サービスA、サービスBの普及を褒める形での政策評価は、やはり慎重に行っていく必要があると思っています。

 それから地域包括支援センターの取り組み評価も提起されていますが、これについては市町村がどれだけ主体的に行うかがポイントだと思っています。委託先に丸投げをして評価をする形にならないやり方をしていく必要があると思います。

 資料1、2両方に通ずること、前回の保険者の取り組みに対する指標とインセンティブの話にも共通して流れてきている話なのですけれども、事業評価とか指標を持って評価していくこと自体は意義もあるし、否定するものではないのですけれども、ややどこを向いている仕事なのかと。やはり介護サービスをいかに必要な人に必要なだけ提供できるシステムをつくっていくかというところで、できる限り生活者、利用者本位の検討をしていきたい。財務省にそういう結果を出していかなくではいけないから、指標とか検証は重要なのかもしれないですけれども、間接業務に負荷がかからないようにやっていければと思います。

 資料2の「地域支援事業の推進」の論点の1つ目の指標評価に合わせて「財政面における市町村インセンティブ付けについて検討する際に、この指標を用いてはどうか」という書きぶりをされています。先ほども御指摘がありましたけれども、このインセンティブについては多様な意見があって、まだこれ自体がふさわしいのか、あるいは財源は何がいいのかとさまざまな意見があったところで、インセンティブを前提にした論立てはまだ早計ではないかと思います。

 あとは地域包括支援センターの体制についても多くの意見がありましたが、全く同感でして、今回、土日開所の提案もあって、これは介護離職をなくしていく観点で非常にありがたいことだと思っていますけれども、こういうことも含めて、地域包括支援センターの体制のためには財源は不可欠ですので、その点については十分対応をしていただきたいと思います。

 あとは個人へのインセンティブ、資料1の最後のポイントです。これについては、紹介があるように、これまで取り組みがあるわけですから、消費者基本計画工程表で取り組むことが求められているわけですけれども、ぜひ横の共有化という形でさらに進む土壌をつくっていくことで対応していけばいいのではないかと思います。

 最後に質問なのですけれども、参考資料2の16ページ「多様なサービス」の主な担い手、訪問サービスと通所サービスの4分の1近い割合で「主な担い手」が不明となっている点について、それぞれどういうものなのかを教えていただきたいと思います。

 それから19ページ、7.のところで「総合事業利用者の状態の変化」ということで、「総合事業への移行を要因とする状態の悪化は見られない」と書いてあるのですが、その下にあるグラフをどう読み解けばいいのかをもう一度教えていただきたいと思います。対象者が違うからエビデンスと言えるかどうかわかりませんが、総合事業に移行していないところとの比較など、どう読めばいいのかもう一回教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○三浦振興課長 振興課長でございます。どうもありがとうございます。

 参考資料2、16ページと19ページに御質問をいただきました。済みません。御説明が舌足らずで申しわけございませんでした。

 まず16ページの下のパイチャートで「不明」が多いのだけれども、これは一体何なのだというお尋ねがございました。

 済みません。それに入ります前にこの調査自体をどのように行ったかを御説明いたします。まず先行自治体78自治体に直接お送りいたしまして、そこから事業所に対してアウトリーチをかけて、例えば16ページで申し上げれば「そこは一体どこですか」といったところまではある程度市町村で把握はできていると思うのですけれども、そこから「その担い手はどこですか」というのは事業所に全て確認をいただいたといった手法を取っております。

 限られた時間の中で私どもできるだけ解明は務めたつもりであります。例えば右側のところにその他には何なのだといった形で、生活支援の中でのその他がパイチャートの中の4割を占めておるといったあたり、追加調査あるいは追加の問い合わせをしながら確認をしてきておったのですけれども、こちらの通所と訪問のその他というもの、「不明」というのは確認ができなかったというのが現状でございます。必要に応じてまた先方に問い合わせなどをしたいと思います。

 それから19ページの見方です。これも済みません。私は舌足らずで申し上げまして、こちらの市町村に対しまして問い合わせをしました。右の欄にございますけれども、一定の抽出方法は「注1」のところにございます形で抽出をして自治体ごとに50件ずつ変化を見させていただいたものでございます。

 見方でありますが、総合事業への移行を考えますと年度で見て要支援の認定の有効期間は1年であります。すなわち隔月ごとに12分の1ずつ移行していくというのが全体的なイメージであります。

 それと下にありますのが要支援の認定者、要支援の中だけで比較しているものですけれども、その認定者の6カ月、要は1年間の12カ月のうちの真ん中のところの状況でどのように変化をしているかを参考までに上と下で比べていただきたく、この形にさせていただきました。さまざまな形があろうかと思いましたので、新規や更新、あるいは区分変更それぞれこのような比率でありました。これは認定業務の関係の資料のときにも御紹介をした数字でありますけれども、それと比較をいたしまして重度化というのは極めて多いという形にならなかったところを捉まえて「状態の悪化は見られない」という見方をさせていただいたところでございます。

 説明は以上です。

○遠藤部会長 伊藤委員、よろしいですか。

○伊藤委員 はい。

○遠藤部会長 それでは先ほど来ちょっとお手を挙げられている順番で、鈴木隆雄委員、小島参考人、田中参考人の順番でとりあえずやらせていただきたいと思います。お願いします。

○鈴木(隆)委員 ありがとうございます。

 私は介護予防の論点について少し意見を述べさせていただきたいと思います。

 最初のマル1です。今、既存の指標に加えて、新しい指標を検討してはどうかということが論点ですけれども、私は指標のことを検討するときに新しい指標とかというよりも、1ページにある点線で囲まれた枠内にたくさんのプロセス指標とアウトカム指標が出ているわけですが、これらを並列に置いてしまうと、どこに力点を置いて介護予防事業を行っていくかに対して非常に分かりにくく目的性が薄れてしまう気がしております。

 私が申し上げたいのは、例えばこういう中で何の指標が一番重要であるのか。私は個人的に見れば要介護認定の数や割合が減るとか、あるいは最終的にはその市町村の介護保険料が減るといったアウトカム評価が介護予防の一番の本質だと思われます。一方、プロセス指標が27年度から急速に「通いの場」とかといったことで取り上げられていて、それ自体は悪いことではありませんけれども、これだけの指標がたくさんあって、新たにまた現状を反映する指標を検討するよりは、むしろこれら指標の中でそれらの重要性とかといったことをしっかりと国が示して、市町村にやはりもっとも重要な指標がよくなることを目的とした形でやるべきではないかと思います。それが1点目です。

 もう一点目は、先ほどから出ているインセンティブの問題です。

 インセンティブというものは原則的には私は決して悪いことではないと思っております。例えば事例として先ほどから少し出ていますけれども、参考資料40ページ、岡山の総合特区事業という中で行っているので、ある意味で特別な枠組みで行っている部分もあるのかもしれないのですが、一つは対象者が非該当、もう一つのサポーター養成講座ですが、サポーターの件は別な話だと私は思っているので、この話は別な機会でお話しできればと思います。少なくとも岡山のケースですとインセンティブをつけられる方々が非該当の方になっております。言ってみれば、これは介護予防事業が2006年にスタートしたときの特定高齢者施策にほかならないと思うのです。結局、要介護認定を申請して非該当、そういう方々を対象として高齢者人口の10%ぐらいの方々に対する特定高齢者施策が行われたわけで、今回それをただインセンティブという一つの模様がえをしたことのようにも見えております。それはそれで多分いいのかもしれないのですけれども、やはり一つは対象者の選定でやる場合に非該当だけでいいのか、という点は考慮すべきと思います。

 もう一つ、話が余り大きくなってもいけないのですが、39ページのポンチ絵を見ますと、例えば非該当の人でこの方々がフィットネスクラブや健康教室へ参加していて、そこでスタンプをもらう方式にしているようですけれども、問題なのはフィットネスクラブや健康教室に行ったことが大事なのではなく、その結果、重度化が防がれたかどうかにやはり評価があるべきだろうと思うのです。

 例えば個人でも努力して、あるいは仲間づくりをしながら頑張っていたけれども、規定のところでスタンプをもらわなければ、個人に対するインセンティブを評価しないのは少し違うのではないかという気がしております。

 いずれにしても、先ほどの指標のきちんとした重要度づけ、インセンティブについては、私としても、地域支援事業枠内で各市町村ができる事業であるならば、やはりある意味、こういった非該当を対象にしてやることは原則賛成ですが、そのときの評価の仕方ももう少し工夫が要るのではないかと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。では、小島参考人、お願いします。

○小島参考人 では、発言をさせていただきます。

 まず介護予防の関係なのです。介護予防については、当然実施する以上、評価をし、それが効果的であるかを検証していかなければ意味がないわけでありますので、冒頭で土居委員が言われていたように、PDCAサイクルを回していくことは重要なことだと思います。

 一方で、従前では介護予防の対象者を選定するのにスクリーニング作業をして高齢者の3%程度を目指し、さらに参加をしていただくやり方をしていた時代も、3%せっかく選定をしても参加者はその1割ですから、全体の高齢者から見れば0.3%の参加率でしかなかった。このようなかなり市町村にとってその作業自体がかなり苦になっていた。PDCAを市町村が導入するのはそんなに大変ではないと土居委員は申していましたけれども、かなりそれに追われてしまうことがありますので、今回の評価指標を取り入れる際も過度な負担にならない対応をしていただきたい。統計学的に参加者を分類したりといった作業だけで終えてしまうのでは何の効果もないのではないかと思いますので、その辺は配慮をお願いしたいと思います。

 また、介護保険分野では介護予防事業で取り組んでいるわけでございますけれども、一方ではかつての老人保健事業にある健康増進の視点から、健康づくり事業も市町村では行っております。その中でもインセンティブをつけるポイント制度なるものも実施している市町村もありますので、先ほど来から出ていますけれども、新たに例えばインセンティブのポイント制度を何か持ち込むのだとすると、既存のものとの整合も考えなければいけないと思います。

 高齢者全体を捉えた場合、健康づくり事業全体からスタートして介護が必要となった人について状態の維持改善を求めていく。こういう全体の流れの一つのパターンが必要ではないかと思っております。

 今その取り組みについては健康づくりと介護予防の分野が各市町村でばらばらでやっているところもありますし、また一体的にやっているところもあるので、その辺がやはり国でも一体化を目指す取り組みを考えていただきたいと思います。

 地域包括支援センターの関係です。これは前からも申し上げているように、やはり今業務が過多になっておりますので、少し業務整理をする必要は確かにあるのだと思います。そうした意味で、地域から求められている地域のケアマネジメント環境を整備する、もっと個別支援ではなく全体的なコーディネーター役に徹することも大事なのだろうと思います。

 そうした意味でちょっと整理していただきたいのは、地域ケア会議と生活支援コーディネーターを養成した後に、一層、二層という重層的な会議体、協議体をつくっていくわけなのですけれども、そこで地域の課題発掘をして、地域が求めている課題に対応したサービスの開発をする。これは両方とも同じことをする意味合いにとられていますので、その辺が最初の地域ケア会議を言われた際には、これはサービス提供調整会議ではないのですと言われて、各自治体は取り組んできているわけでございますので、その辺のところの整理をしていただかないと。どうも混乱している状況があるのかと思っております。

 今、地域包括支援センターはそのように多種多様な業務を任されるところもありまして、正直言って、委託でいいのかということは栃本先生からも言われましたけれども、やはり行政が主体となって取り組む必要があるのではないかということで、今だんだん各自治体でも考えて、地域型は外の事業者に委託する、市役所の中に基幹型をつくって、全体のコーディネートをする市町村も出始めてございます。そういった取り組みを我々県としては助長していきたいと思っております。そういったところに対する国の考え方をもう少し示していただいて、地域包括支援センターを18年につくったときは委託も可というところがあって、従前直営でやっていたところまでがどんどん委託化の方向に動いていた。ですから、逆にやはり行政が主体的に動くのだということを、今、方針なり考え方なり整理をした中で、運営方法についても示すことが位置づけはされましたけれども、それはちょっと後追いの作業だったのかと思います。冒頭から在介支から移転するときに、在介支のいいところは残していただきたかったという思いが強い状況でございます。

 先ほど井上委員から提供いただきましたように、やはり新しいサービスを提供するためには、住民が主体となってつくりあげていくのが大事だと思います。住民をどうやって参加させるのかが新たに出てきた生活支援コーディネーターの役割でもあり、また地域ケア会議の中にもそういった部分を取り入れていく話なのかと思います。上から目線でつくっていってもなかなかうまくはいかないと思います。やはり住民参加によるサービスの開発が大事なのかと思います。

 そういった部分のかなりいいところはあるのですけれども、いいところも我々から見ると小さな自治体で小回りがきく自治体なのかと思っていまして、私たち首都圏に位置する、大都市を抱えるところではなかなかつくりにくいという思いがありますので、自治体規模によって取り組みに差があるのかと。今、私たちに提供されているのは、ほとんどが小さい自治体の参考例が多いのかと思いますので、その辺の先行事例なるものを選定する際にもちょっと考慮をお願いしたいと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは田中参考人、どうぞ。

○田中参考人 ありがとうございます。高松市の市町村の代表いたしまして、一言お話をさせていただきたいと思います。

 地域包括支援センターのマル2のところでございます。土日祝日も含めた開設ということが述べられております。確かにこういうことはニーズとしましては受け手の側からしますと非常に必要なことであると存じておりますけれども、本市におきましては、老人介護支援センターとか介護相談の専用ダイヤルということで36524時間対応している現状もございます。さらには緊急時におきましては包括支援センターの職員は対応していることが事実でございます。

 その上に新たに今回介護予防ケアプランが作成されたことで御議論されているところでございますけれども、一般介護予防とか地域ケア会議とかの日常対応を始め、成年後見制度など、この会におきましてもさまざまな委員から御議論、御指摘がございましたように、非常に大きな負担が地域包括支援センターの職員にはかかっている状況でございます。

 このような中、さらに土日祝日のサービスをすることが必要な場合もあるとは思いますけれども、どれだけ現在サービスが必要になっているかと、ニーズが定量的に示されているのかどうかと、土日祝日に職員が対応するとしますと、よほどの職員がさらに必要になる。どのような人員体制を考えておられるのかが我々としては懸念しているところでございます。

 もう一点が、国の財政支援で、地域支援交付金の上限適用に配慮するということでございますけれども、これがどれだけ実際の職員の増に対して、適正な応分の交付金がされるのかが市町村としましては懸念しているところでございます。

 そういうことも含めまして、今後は地域包括支援センターの人材の育成とか職員増がまずは大事であるということを述べさせていただきたいと思います。

 それとマル5の地域包括支援センターの取り組みの評価でございます。これにつきましては現在は義務づけされておりませんけれども、中には評価をしているところもございます。ですので、義務化まではなかなか検討が今後必要ではないかと考えております。効果的な評価指標の確立とか評価に係る負担の軽減に関する検討も必要ではないかということでございます。

 さらには評価の指標につきましては、センターの適切な人員体制とその労働処遇の改善につながる視点、さらには前回も御議論がありましたけれども、委託型・直営型によりましてそれぞれ体制の特徴がございます。それによってどう評価するのかという点。

 さらに国では「我が事・丸ごと」といった視点で設けておりますので、一律な評価が数値化できにくい総合相談とか権利擁護の観点あるいは高齢者以外からの相談等への対応が公正に評価できる取り組み、考え方をお願いしたいと思います。

 それと地域支援事業のマル1市町村のインセンティブでございます。これにつきましては、取り組み状況を客観的に把握する意味では非常に意味のあることだろうと思いますけれども、その際におきましては市町村の意見を十分踏まえていただきたいということと、市町村によりまして、評価、測定単位が違い、差異があれば、どのようなインセンティブが付与されるのかが異なってきますので、そのあたりの指標の妥当性につきましても御検討いただきたい。

 さらにはインセンティブを付与された市町村とそうでない市町村、インセンティブだけをすることであればいいのですけれども、場合によってはペナルティーがある、一体的にするとなりますと市町村間での格差が生じる可能性がございますので、そのあたりについて国全体の底上げを考える上でどうしたらいいかということも御検討をお願いしたいと思います。

 あとは介護予防の件で2点申し上げます。

 介護予防のマル1でございますが、評価、これにつきましては、非常に意味があると思っております。ただし、これにつきましても、客観性のある事業評価となる指標をお願いしたいということです。

 つまり地域の実情によりまして、例えば高齢者の構成割合とか要介護認定度の違いとかさまざまな違いが自治体によってございます。そのようなことがありますので、一概に比較できるのかどうなのかが一つ問題があると思っております。それと実際にこういう評価をしたときに、特異性がありますので、保険者間による地域特性の差異の影響を受けない公平な評価指標の設定を検討することが必要であると考えております。

 個人のインセンティブにつきましては、我々としても介護予防のインセンティブというのはどうしたらいいのかを検討しているところでございますけれども、介護予防の定義がどこまで入るのかが市町村によってわからないところでございます。つまり健康づくりも当然のことながら市町村は保健センター等々で実施しております。そういう健康づくりと介護予防。介護予防という言葉でひとくくりにされますと、国で一定のこの事業を認めますとされますと市町村がせっかく行っているさまざまな健康づくり事業も含めてそれが対象にならないことも考えられますので、そのあたりにつきましては、市町村の考え方や意見も踏まえて、御検討していただきたいと考えております。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 初めての御発言の方を優先させていただきます。武久委員、お願いします。その次に河村参考人、鈴木委員、東委員という形でお願いします。

○武久委員 委員がたくさんいるのでなかなか回ってこないのであれですけれども、きょうの2つの視点です。ここに書かれている論点という問いかけは今としては当然のことで、全面的に賛成したいと思います。これは私のように20年前も30年前も知っているものにとっては介護保険が始まる前は市町村が独自にサービスをやっていたのです。制度ということで社会福祉協議会とかに委託をして、実質は社協は自分のところのものでしたから、今はその状態に少しずつ戻りつつある感覚を持っているわけです。あのころは自助、共助、互助という形でやっていたのですけれども、介護保険で全部公助でやってあげますといって始めたわけです。私から見ると、あのときは国も皆自信があって、任せておけという感じがあったように思いますけれども、予想に反して要介護者が急増いたしまして予算が膨れ上がったわけです。2008年から日本の人口も減り出しまして、地方に行くととても大変なことになっていきます。

 昔は、互助といって隣同士が助け合ったり、いろいろなことをしていましたけれども、そのころは高齢化率がまだ1桁でした。今、2526%です。これではちょっと無理だなと思います。

 だから、私は前の様に戻そうとするけれども、全く新しいシステムに変えていくことが必要だと思うのです。その意味で、やはりこれを見るとマイケアマネジャー、要するに自分の担当のケアマネジャーを決めておいたほうがむしろスムーズにいくのではないかと思います。地域包括支援センターですけれども、独自に市町村がやっているところもあれば、委託しているところもあります。割合大きなところは独自にやっています。小さい川上村みたいなところは、いいなと言われていますけれども、逆に言うと、キーパーソンにしっかりとした人がいるのです。その人がいなくなったら小さいところは急に厳しいと思うので、やはり大きな市町村はいいですけれども、小さな市町村は県が重層的に支援する形が絶対に必要だと思います。

 私のところも支援センターは委託を受けています。受けたときにやはりうちのスタッフのうちで一番いい人を派遣しました。それはやはりあそこへ委託したけれども、全然だめだったと言われるとプライドがあるので一生懸命やったのですが、確かにやればやるほど忙しいということを言っております。

 こういうこともありますから、私はやはりボランティアとかインセンティブとかいうより、町内会とか老人会とか婦人会、そういう既存の組織をうまく使ってといったら良いかもしれない、協力していただくということが、小さい単位で要支援者をカバーするには一番いいのではないかと思います。本当に昔に返ったつもりでやる。

 この委託利用が、先ほど馬袋さんも30%も安い費用でというと、市町村に力がなければないほど単価が下がりますから、そういう市町村は小さい事業所しかないのです。下げますと、そこが潰れたら何の事業所もないということもあり得るので、そこら辺のところは県が重層的にカバーしていただければと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 河村参考人、お願いします。

○河村参考人 町村の立場から特に介護予防について申し上げます。

 私たち自治体を担う者は、その地域に住む人達が健康で長生きをしてほしいというのが基本的な考え方です。そういう意味では、現在でも健康に関する予算付け、あるいは施策も行っております。しかし、そうであっても、介護を必要とする状態になる方も出てきますので、これからたくさん高齢者が増加するわけですから、介護保険についてもこれからどうしていくのか考えていく必要があります。

 私どもの町は東京都の中でも2番目に高い介護保険料を設定しております。それはなぜかというと、介護給付費分科会でも申し上げてまいりましたけれども、山間部であるために民間の在宅サービスを実施する事業者がほとんど参入しません。したがって施設介護をせざるを得ない状況であり、保険料が高くなる状況が出ております。

 そういう点で、介護予防を推進していく、これは大変重要なことだと思っておりますし、手法等の検討も大変重要であると思っております。

 ただ、中山間地域あるいは島も含めた町村の現状は非常に凹凸がございます。特に介護予防に必要なリハビリを行う場合には専門職が必要であります。私どもの町には町営病院がありますけれども、専門のリハビリを行うにしてもなかなか人材が来てくれません。そういう専門職を確保するのに小規模な町村のでは大変苦労しているのが実態でございますので、人材の確保については、もう少し都道府県あるいは国が支援体制を検討していただきたいと思っているところでございます。

 それから地域支援事業の推進でございます。

 1つ目の論点で、地域ケア会議の実施状況や生活支援コーディネーターの活動状況を国が評価指標として定め、市町村が評価してはどうか、ということが示されております。これはどうも画一的に物を決めるような形でありまして、武久委員がおっしゃったように、地域の実情というのはあちらこちらで違います。小規模町村の場合には、ある意味では隣近所は非常にきずなが強いわけですから、そういうきずなの強さの部分は私どもの強みだと思っております。そういう点で画一的に指標を決めてそれで評価をすることについては、介護保険の中でも私は幾つかの疑問点を今までぶつけてまいりました。画一的に物を決めるという意味では、地域区分の問題があります。隣の市と隣の町、市と市でも加算が違う、こういう加算の仕方が本当にいいのかどうか、介護給付費分科会で議論され、在り方も変わってきておりますけれども、まだ私は納得しておりません。

 隣の施設と隣の施設で給料が3%くらい違うわけですから、そういう部分を一体どうするのかという点で指標をつくる、国が画一的に統一するということについてはそれでいいものとそうではないものとを区別しながら、専門家や自治体の意見を聞きながら議論をして、きちんと整理をしていただきたいと思うところでございます。したがって、ぜひ今回の指標づくりについてはもう少し時間をかけて、専門家や自治体の意見を聞きながら丁寧に進めてほしいと思います。

 もう一点でございますが、都道府県が専門的な研修をする、これは非常にいいことだと思っております。国が都道府県職員に対して研修をしていただいて、研修をまた私ども町村の職員にしていただく。職員がどこの研修に行くかということもなかなか難しい問題でありますので、研修に行ける体制は町村としてもつくっていきますので、この仕組みづくりはぜひお願いしたいと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 鈴木邦彦委員、どうぞ。

○鈴木(邦)委員 介護予防のところですが、何人の委員からもお話がありましたように、介護予防だけで考えるとかえって新たな縦割り、新たな無駄が生じかねないと思います。加齢に伴う機能低下の予防は、何も介護予防だけでなくフレイル、ロコモやサルコペニアの予防、あるいは医療で言えば疾病予防、保健で言う健康寿命の延伸といったいろいろな取り組みが行われています。全体として整合性がとれるように、医療や保健では医師会と行政の連携によって総合的に進めるようにしていますので、ぜひそうした枠組みも活用して新たな縦割り、新たな無駄が生じないようにしていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。東委員、どうぞ。

○東委員 済みません。手短に。

 重要なことなのでもう一度。資料2(地域支援事業の推進)の4ページ(地域包括支援センターの論点)ですけれども、先ほどから何度読み返してもこの中に「地域包括支援センターの業務の内容を検討する」という表現は見当たりません。先ほどからのいろいろな委員の意見の中にも第1ラウンドと同じように、地域包括支援センターの業務は過大である、業務を見直すべきであるという意見が多数出ております。

 この地域包括支援センターの論点の中に「業務内容の検討」を明文化していただくことができるでしょうか。質問でございます。

○遠藤部会長 それでは事務局、答えをお願いします。

○三浦振興課長 きょうの御議論を踏まえて考えたいと思います。

○遠藤部会長 よろしくお願いします。では、栃本委員、どうぞ。

○栃本委員 先ほど小島参考人から鈴木先生のお話、今のお話もありました。ちょっと追加してなのですけれども、今までのポピュレーションアプローチというか、広い意味での健康維持とか、あとは虚弱高齢者をそうではない形にするのはもちろん重要だと思うのですけれども、先ほどのポイント制の部分で申し上げたのは、介護保険制度の枠組みの中で考えるとするならもちろん総合事業としていろいろなものが入り込んでしまったものですからわかりづらいのですけれども、非該当の人まで果たしてこの枠の中でやるべきかどうかが非常に疑問だと申し上げました。

 実は認定審査会をやっているとこういう例があるのですけれども、要支援1とかの方で、月曜日はプール、火曜日はアスレチック、水曜日がお茶の会、金曜日は都内に用事があって行くと。1群はついているのですけれども、5群だけIADLだけはちょっとレ点がつく人たちです。そういう人たちが木曜日にそれでは日にちがあいているからデイサービスを入れましょうかみたいなことをやっていると。

 そういう人たちもいますので、果たして要支援1は本来介護保険でいかがなものかというのは実は個人的にはあるのです。その上で、いわば月火水木で、木曜日だけデイサービスを使うのではなくて、木曜日も自分で自発的にやればいいということです。そういう要支援1とか2の方々が使わない場合にはポイント制は非常に有効ではないかと申し上げました。

 それと小島参考人のお話で、在宅介護支援センターで基幹型をつくったわけでして、その後、今日こういう形でなっているので、前回も馬袋委員からケアマネジャーとケアマネジメントは分けて考えなければいけないというのと、あとは地域マネジメントがいろいろありました。そういう御時世、レベルに来ていますので、やはり地域包括支援センター自身も、層化というと変なのだけれども、役割というかどの部分を特化してやらなければいけないのか、自分たちのところはここだとめり張りをつけるためには、やはり調査を。

 評価というか、チェック項目をつけるのは決して画一化のためではなく自分たちの立ち位置をよく判断する、自分たちの力量とこの範囲内でこれが問題があるかを自己確認するための作業ですので、それを踏まえた上で、先ほど東委員から地域包括支援センターの業務の見直しを入れるべきだがどうかというお話もありましたけれども、そのためにはこういう調査が生きてくる。決してそういう指標とかレ点、チェック項目を入れることが画一化に結びつくとしたら、それは運用レベル、あり方で画一化をもたらせてしまうことですので、むしろ前からお話ししておりますように、一千数百の市町村それぞれ独自の地域包括ケアシステムは多様に花開かなくてはいけないわけですから、決して画一化のためではなくて、自分たちの立ち位置を見るためのものだという視点も重要だと言えます。

 もう一つは、予防の部分とか健康づくりでいうと、今まで8090まで生きると思っていなかった世の中で新たに8090まで生きる生き方を、今、社会が学習中なわけです。その上で、アクティブな高齢者がこれからそういう708090の生活の仕方は、今まで未経験の世界ですから、90まで生きると皆思っていませんから。その新しい時代の中でアクティブな高齢者は自分たちがこう生きていく時代に変化しますので、その中で健康づくりとかというものを考えていく視点も私は大事だと思うのです。今までは、上からというかいろいろな形で。こうしてあげなくてはいけない、ああしてあげなくてはいけないというものがあったかもしれませんけれども、そろそろそういうものから脱することも私は必要ではないかと思いました。

 以上です。

○遠藤部会長 まだ御意見がおありになるかと思いますけれども、もう一つ課題が残っておりまして、こちらの課題は結構中身が濃いですから、残り45分で処理をするのはなかなか難しいかと思います。ぜひ効率的な議事運営に御協力をいただきたいと思います。

 それでは事務局、資料の説明をお願いいたします。

○鈴木老人保健課長 それでは資料3「ニーズに応じたサービス内容の見直し」の中の1番リハビリテーション機能の強化について御説明させていただきます。

 1ページ目になります。現状・課題を挙げさせていただいております。

 これは、前回のときの資料にもつけたものでございますが、高齢者介護・自立支援システム研究会から出されているものでございますけれども、できる限り早い段階から適切なリハビリテーションを提供する必要がある。いわゆるリハビリテーション前置主義というもの、従来の施設や病院における医学的機能回復的なリハビリテーションだけではなく、地域社会のさまざまな活動に積極的に参加できるように、日常生活の中にリハビリテーションの要素を入れていくことが求められているところでございます。

 またその下のところにつきましては、平成27年度の介護報酬改定に関する審議報告の中で通所介護、通所リハビリテーションについて、それぞれのサービスに特徴的な機能の明確化等により、一体的・総合的な機能分類や評価体系となるように引き続き検討するという指摘をいただいているところでございます。

 2ページの1番のところにつきましては、前回御説明しましたが、今、デイケアとデイサービスにつきましては、両サービス間に差異がある一方で両サービスが類似していると結果も出ているところでございます。

 一方で、その下にありますが、リハビリテーション専門職と介護職が連携して訪問系のサービスの提携を行うことが事業所やヘルパー、介護支援専門員、利用者等から良好な評価も得られているところでございます。

 それを踏まえまして、3ページに今回の論点を挙げさせていただいております。

 前回、さまざまなリハビリテーションにつきましては御意見をいただきましたので、それをちょっとまとめたということでこの論点に挙げさせていただきます。

 リハビリテーションについては、以下の観点からの見直しを介護報酬改定にあわせて検討することとしてはどうかということで、1点目が通所リハビリテーションと通所介護の役割分担と機能強化、特に通所リハビリテーションについてリハビリテーション専門職の配置促進や短時間のサービス提供の充実。

 2点目が、通所・訪問リハビリテーションを含めた退院後の早期のリハビリテーションの介入の促進。

 3点目が、職種間や介護事業所間の連携の強化。こういったものを今後の講習会にあわせて検討することとしてはどうかと提案させていただいております。

 以上です。

○三浦振興課長 続きまして、4ページに移らせていただければと思います。

 中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化。こちらもちょうど1カ月前に御議論いただきましたものを踏まえたものでございます。

 2ページ目の○3つくらいまでは定期巡回や小規模多機能が用意されているもののさらなる普及策が必要だということが書いてございます。

 4つ目の○でございます。定期巡回・随時対応型訪問介護看護につきましては、オペレーターが夜間の随時対応訪問介護員を兼務しているといった自治体が7割程度ございます。日中の兼務も可能にしてほしいという要望が多いといった調査結果もございます。

 ただ小規模多機能型居宅介護につきまして、居宅の介護支援専門員が小規模多機能型居宅介護の介護支援専門員を兼務できるようにしてほしいといった要望が、自治体から上がった事実もございます。また、退院の許可が出た75歳以上の入院患者の自宅療養の見通しについてでございますが、「自宅療養できない」と回答した入院患者が約4割、またその条件につきましては「入浴や食事などの介護」といった回答が約4割でございました。これに対応するためには介護サービスと生活を支えるために必要となる配食などが一体となって提供されることが必要である。

 これらを踏まえまして論点でございます。5ページでございます。

 このような生活機能を支えるサービスであります小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの地域密着サービスにつきまして、サービスの提供量をふやす観点、あるいは機能強化・効率化を図る観点から人員要件や利用定員などの見直しを介護報酬改定にあわせて検討することとしてはどうか。

 介護サービスとともに利用者の生活を支えるために必要となる配食などが一体となって提供されるようにするため、国において、事業者の取り組み事例の周知などを行うこととしてはどうか。2番は以上でございます。

 続きまして、6ページに移りたいとい思います。「地域共生社会の実現」でございます。

 「我が事・丸ごと」地域共生社会の実現ということで何点かお示ししたいと思います。

 まず公的な福祉サービスの「丸ごと」への展開についてございます。

 高齢者、障害者などの対象者ごとに充実をさせてきた福祉サービスにつきましては、サービス事業所は各制度に基づいて、都道府県又は市町村の指定などを受けて事業を実施していただいているところでございます。その一方、利用者の利便の観点あるいはサービスの提供に当たる人材の確保などで課題がある中で、同一の事業所で一体的にサービス提供をしやすくなることが必要である。

 先日の議論の中で富山型デイなども御紹介させていただいたところでございます。

 介護保険サービスと障害福祉サービスとでは、制度ごとに固有のサービスもありますけれども、デイサービス、ホームヘルプサービス、ショートステイ等、相互に相当するサービスもございます。例えば「丸ごと」の実践例の富山型デイサービスでは、一つの事業所で介護保険サービスとしてのデイサービスと障害福祉サービスとしてのデイサービスを同時に提供しているところでございます。

 このようなケースでは障害福祉サービス事業所としての指定を受けていない事業所のサービスであっても、介護保険のサービス事業所としての指定を受けていれば、市町村の判断により、障害福祉サービスとして給付を行うことができる障害福祉制度における「基準該当サービス」という仕組みを利用してサービス提供いただいているところでございます。

 一方で、介護保険においては同様の仕組みは存在していない実態になってございまして、必ずしも全ての障害福祉サービス事業所において、介護保険サービスを同時に提供できる仕組みとはなってございません。また「基準該当サービス」自体は市町村に判断というところがありまして、地域によっての取り扱いに差があることになっている実態もございます。

 続いて7ページでございます。

 御案内のとおり「介護保険優先原則」というものがございます。

 下の※に書いてございますが、障害者が高齢になり、お年を召されて介護保険の被保険者となった場合、障害福祉サービスに相当するサービスが介護保険サービスにあれば、介護保険サービスの利用が優先されるルールでございます。

 この下では、障害者がお年を召されて介護保険被保険者となった場合に、その障害者がそれまで利用されてきた障害福祉サービス事業所が介護保険サービスの事業所としての指定をあわせて受けていなければ、継続した利用ができないということになります。

 2つ目の○でございますが、この点に関しまして、障害者の制度の見直しの中での指摘をいただいておるところでございます。

 また、これまで障害福祉サービスを利用してきた障害者が介護保険サービスを利用する場合あるいは両サービスを併給する場合などにおいて、相談支援専門員と介護支援専門員が利用者の状態やサービスの利用状況等について情報共有を図るなど、緊密な連携を行うことが求められるところでございます。

 このような観点を踏まえまして、先ほど申し上げた報告書の中でも「相談支援専門員と介護支援相談員の連携を推進するため、両者の連携が相談支援事業及び居宅介護支援事業を行うべき業務に含まれる旨を明確にする」べきであるといった指摘を頂戴しております。

 続きまして、8ページ(2)でございます。地域力強化の観点でございます。

 介護保険制度におきましては、被保険者の保険医療の向上及び福祉の増進を図るため、地域包括支援センターという枠組みが設けられております。そちらでは総合相談支援業務として各種相談支援が行われております。また高齢者の社会参加の推進及び生活支援体制の充実・強化を図るための枠組みも設けているところでございます。

 このような仕組み、下の※に書いてございますけれども、地域支援事業におきまして1号保険料、国、都道府県・市町村といった財源構成で運営されていることを確認したいと思います。

 法の中では地域包括支援センターの設置者に対しまして、民生委員などの地域の関係者との連携に努めなければならない旨の規定がございます。また総合事業の支援の中でも共生社会の推進の基本的な考え方に関する規定は設けられているところでございます。

 9ページでございます。

 地域共生社会の実現に向けましては、地域包括支援センターなどが対象を高齢者や子供へ拡大した対応が求められると。こうした取り組みの実現に向けましては、地域包括支援センターの業務の状況や人員体制についての留意が必要であるといった意見がございます。

 なお、厚生労働省社会・援護局、私どもの中の内部部局でございますが、こちらでは本年度平成28年度より多機関の協働により、世帯全体の複合化・複雑化した課題に対応することができる総合的な相談支援体制を構築する取り組みをモデル事業として実施しております。また来年度の概算要求に向けまして、小中学校区などの住民の身近な圏域で住民が主体的に地域課題を把握し、解決を試みることができる体制を構築するモデル事業も盛り込んでいるところでございます。

 このような現状・課題を踏まえまして、論点が10ページにございます。

 4つでございます。高齢者、障害者などにとっての利便性の確保及び限られた人材の有効活用の観点から、同一の事業所で一体的に介護保険サービス及び障害福祉サービスを提供することを可能とするため、サービスの質の確保に留意しつつ、介護保険サービスの一類型として新たに共生型サービスというものを位置付け、障害福祉サービス事業所が介護保険事業所の指定を受けやすくするための見直しを行うべきではないか。

 その際、具体的な指定基準などのあり方については、介護報酬改定にあわせて検討することとしてはどうか。あわせて事業所の指定手続につきましては、可能な限り簡素化を図るべきではないか。

 2つ目で、これまで障害福祉サービスを利用してきた障害者が介護保険サービスを利用する場合や障害福祉サービスと介護保険サービスを併給する場合などにおいて、相談支援専門員と介護支援専門員が支援に必要な情報を共有できるよう両者の連携を進めていくべきではないか。

 その際、具体的な居宅介護支援事業所の運営基準のあり方につきましては、介護報酬改定にあわせて検討することとしてはどうか。

 3点目で、地域包括支援センターにおける相談支援や生活支援コ-ディネーターなどの取り組みなどにつきましては、地域共生社会の実現を図る観点から、その理念を明確化してはどうか。

 最後で「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部、これも私どもの内部の組織になりますが、こちらにおける議論や、厚生労働省社会・援護局におけるモデル事業を踏まえまして、地域共生社会の実現に向け、どのような対応が可能か、財源を含め、引き続き検討を行うこととしてはどうか。

 3番は以上でございます。

○佐藤高齢者支援課長 続きまして、4番でございます。

11ページをお願いいたします。

 安心して暮らすための環境の整備でございます。

 (1)、(2)ございまして、まず(1)特別養護老人ホームについてでございます。

 特別老人養護ホームは、要介護者に対して、入浴、排泄、食事等の介護その他日常生活の世話、機能訓練及び療養上の世話を行う生活施設として位置づけられてございます。

 現在、入所者は認知症の方が9割以上でございまして、平均の要介護度は3.87であるなど、重度化が進展しており、また死亡退所も多いということでございます。参考資料3の41ページに死亡退所の状況を書いてございます。

 また低所得の方が多く入所されておられます。3年前に部会の意見をいただきまして、特養の重点化に伴い、今後医療ニーズの高い入所者への対応とともに施設内での「看取り」対応が課題となる。一層強化していくために、機能や体制について検討する必要があると指摘をいただいております。

 これを踏まえまして、昨年の4月より、新規入所者を原則要介護3以上という形で重点化を図りまして、在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える施設としての機能に重点化をするとともに、介護報酬改定においては看取り介護加算の拡充等を行ったところでございます。

12ページをお願いいたします。論点でございます。

 2つございまして、平成27年4月より、原則、新規入所者は要介護3以上の方となり、入所者の重度化が進展していく中で施設内での医療ニーズや看取りにより一層対応ができる仕組みについて介護報酬改定にあわせて検討することとしてはどうか。

 2点目、施設の運営に当たっては、入所者のプライバシーに配慮した上で一人一人のニーズに即したケアを実現する方策を検討してはどうか。

 以上が(1)でございます。

 続きまして13ページをお願いいたします。(2)有料老人ホームでございます。

 有料老人ホームにつきましては、老人を入居させ、食事や介護等をサービス(食事の提供、介護の提供、家事の供与、健康管理のいずれか)を実施している施設は、老人福祉法におきまして有料老人ホームに該当し、都道府県への届け出を義務づけられてございます。

 先般の部会で御質問を頂戴しました健康管理の主体は誰かという話でございますけれども、ここに書いてある4つのサービスいずれも、基本的にはこの老人ホームのスタッフが行うということで、誰がやるかという規定はございません。ただ、特定施設入居者生活介護の指定を受けている場合には、看護職員が配置されていますから、看護職員が健康管理を行うと標榜している老人ホームもあると承知しております。

 近年は届出規定が遵守されていない施設(未届)の増加も課題となっておりまして、国におきましては「有料老人ホームの設置運営基準指導指針」(ガイドライン)の見直しを行うなど、都道府県等と連携して届出促進に取り組んでおりますけれども、なお対策強化が求められております。適正な事業運営が図られていないホームについて改善命令という規定が置かれております。これは未届であっても適用はされる制度にはなっておるということでございます。

 参考資料49ページをごらんいただきますと、9月16日、総務省から行政評価・監視の結果に基づく勧告ということで、3つ言われております。

 1つは、未届施設の把握を一層促進することと、それについては関係機関との連携をしてください。

 2つ目として指導監督の充実・強化により施設入居者の保護を図ってください。

 3点目に情報公開を一層促進するということを言われております。

 本体に戻りまして、恐縮でございます。また有料老人ホームの増加に伴いまして、事業倒産の場合に備えた保護の充実も求められております。入居者保護の充実も求められております。

 その対応として前払金の保全措置を義務づけておりますけれども、現時点では平成18年以前に届け出がなされたホームが適用対象外になっておる状況でございます。有料老人ホームが提供するサービスの多くは契約が基本となることでございますので、できる限り多くの情報が開示されることによって、入居希望者、または入居者への選択なり保護を図っていくことが重要であるということで、今、重要事項の情報開示を義務づけております。有料老人ホームの市場が拡大する中で入居希望者は数多くの施設の中からニーズに応じた施設を選択していくことになるということでございます。

 論点でございます。14ページをお願いいたします。2点ございます。

 1点目が、優良老人ホームの適正な事業運営を推進し、入居者保護の強化を図る観点から前払金の保全措置の対象拡大や事業倒産等の場合の都道府県等によるほかの住まいへの円滑な入居支援の措置などを検討してはどうか。

 2点目、消費者の選択に資するとともに事業者の法令遵守の確保を図る観点から現在都道府県等に作成、公表を求めている有料老人ホームの情報一覧表について公表の充実を図る方策を検討してはどうか。

 以上でございます。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、御意見、御質問を承りますが、何分にも時間が限られておりますので、簡潔な御発言でお願いしたいと思います。それでは、鈴木邦彦委員、どうぞ。

○鈴木(邦)委員 なるべく手短にお話しさせていただきます。

 論点の3ページで、リハビリテーション機能の強化でございます。

 通所リハビリテーションにつきましては、前回もお話しさせていただきましたように、医療機関と老健施設しか開設できませんので通所介護との一体化は困難ですけれども、それぞれの機能、質の評価が必要であると思います。通所リハビリテーションについては、ここにいろいろな検討課題が示されていますのでそれでよろしいと思いますけれども、通所介護につきましても、例えばリハビリ機能強化型ないし生活行為向上型、認知症対応型、重症者対応型の3つに分けるなどして評価することが考えられると思います。

 それから5ページでございます。中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の評価でございますけれども、上の○につきましては、地域密着型のサービスは机上で考えて少数の推進者が取り組んだだけで制度化されたものが多いために、現場の実態と合わないことも多く、いろいろな問題が起きてそのサービスが推進されていないことがありますので、適宜見直しは必要だと思います。例えば、小規模多機能型居宅介護では、通いの定員枠に対して、前回の改定でも何回も質問させていただきましたけれども、合理的な説明がつかない状況でございますので、こうしたものは撤廃すべきだと思います。

 また、今後新たなサービス類型を導入する際には全国展開の前にモデル事業だけでなく、さらにそれを拡大して、推進者だけでなく一般の事業者の取り組みを通じた事前の問題点の改善を図っておく必要があると思います。

 次のところですが、配食との一体的な提供は必要だと思います。ここで質問ですが、介護保険では従来より在宅での混合介護が認められているわけですが、さらに配食は別にしまして、同時一体的提供という、さらに混合介護を進めることは考えていらっしゃるのかどうか、事務局から回答をいただきたいと思います。

 それから論点の10ページの地域共生社会の実現のところでございます。一番上の○につきましては、共生型サービスを位置づけることはよろしいと思いますが、そのサービスの適用範囲に居宅介護支援を含めることを考えているのかどうか、それについてご回答をいただきたいと思います。これは質問です。

 2番目、3番目についてはよろしいと思います。

 4つ目の安心して暮らすための環境の整備です。13ページの論点の上ですが重度介護者の看取りの場となった特養の医療介護体制については、前回の改定でも申し上げておりましたけれども、配置医や外部からの医療提供を含めて検討することが必要であると思います。

 それから下の○につきましては、特養の利用者に低所得者が多いことを考えれば、全個室ユニット化の理念を踏まえつつ現実的に対応する必要があると思います。例えば、準ユニットの人数の緩和や一事業所の中でのユニット型と従来型の混在を認めることなどが考えられると思います。

15ページの有料老人ホームの論点については、それでよろしいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。では、質問がありましたので、事務局、御対応お願いします、振興課長、どうぞ。

○三浦振興課長 振興課長でございます。

 2点ほど頂戴したと思っております。

 まず小規模多機能の関係で配食についてのお尋ねがあったかと思います。これは、先ほど御紹介いたしましたとおり、実際の利用者さんの生活を考えた中で、保健と配食のニーズが高かったところにお答えするという趣旨でありまして、何かしらの積極的な拡大とかという趣旨ではないというのも一つであります。

 それから共生型でケアマネジメントをどうするかという御質問がもう一つあったかと思います。説明の中ではスキップさせていただいたのですが、参考資料の20ページあるいは21ページに少し私どもは共生型という形でこれまで御紹介させていただいた資料を改めて添付させていただいております。現在、想定させていただいておりますのは、このようなデイサービスなどが中心でございまして、今後必要があればまた検討したいと思っております。今のところは念頭には置いていない現状です。

 よろしいですか。

○遠藤部会長 では、桝田委員、どうぞ。

○桝田委員 きょうは特別養護老人ホームがテーマになっておりますので、お手元に全国老人福祉施設協議会としてまとめた意見をお出ししております。結構、長いものですので後でお読みいただけたらと思います。要点だけ少し補足させていただきます。

 きょうの論点になっています入所者のプライバシーに配慮したという問題ですけれども、特別養護老人ホームの多床室とプライバシーの問題があると思います。多床室の必要性云々という部分は、そこに書いてございますので、プライバシーについては今、基金等を使っていわゆる固定式のつい立て等によるプライバシー配慮というのがかなり進んできております。カーテン式ではなく、ちゃんとした区画ですけれども、準個室まではいかなくてもそれなりのプライバシーをちゃんと確保する工夫がそれぞれの施設で行われているというのを御理解いただけたらと思います。

 もう一つは医療ニーズ、看取りの問題です。

 一つは、この前の議論のときに意見として言わせていただきましたけれども、現状の職員でやはり医療ニーズが高くなると非常に看護職員さんの負担が大きくなる。その業務の中でやはり家庭におられる方であれば本人なり家族なりが行っている医療行為がございます。それが業となるとできないということで、介護職のたんの吸引等研修が始まって、介護福祉士もその研修ないし、その部分は必須になって法改正も行われた。今回の試験からはちゃんとその形になりますので、そろそろ次の段階の介護職員が行ってもいい医行為の範囲の検討をしていただけたらと思っています。

 介護職員が医行為をするという行為と、一番重要なのはそのためにいろいろな研修を受け、医療的な知識を身に受けることが、利用者様に対して質の高い介護サービスを提供する源になると思うのです。やはり介護職員に不足しているものは基礎的な医療知識と言われていますので、その分の補強の意味も兼ねた部分が必要かと思っています。

 それと看取りの問題なのですけれども、4ページに書かせていただいています。

 実は、現場で一番苦慮していますのは、看取りの最終段階で亡くなったとき、通常ですと嘱託医の先生、配置医師の先生に死亡診断書を書いていただく。そのときにやはり時間的な問題、曜日の問題等でなかなか配置医師の先生に来ていただけない。医師法上の部分から言いますと、特養の場合、普段診察をしている方が亡くなった場合は診断書を来ていただかなくても書けますけれども、24時間以内しかできません。そうすると通常配置医師は1週間に一回くらいの訪問が一番多い形になっていますので、簡単に死亡診断書を書いてもらえない。書いてもらえないというのは死亡診断のために来ていただかなければいけないということがございます。そこらの部分がこの部会の課題ではないのですけれども、いわゆる死亡診断書、検案書の作成にあたり、特養におられてちゃんと看護職員なり介護職員なりが状態観察をきっちりできている方の死亡診断の方法を何か別の方法といいますか、いわゆる代替手段なり時間の延長なりを御検討願えたら、ここの部分はかなり変わってくると思います。

 補足事項は以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、馬袋委員、栃本委員の順番でお願いします。

○馬袋委員 ありがとうございます。

 私は論点1、リハビリテーション機能の強化について、1点質問をさせていただきます。

 参考資料3、4ページにもあるのですが、訪問リハビリテーション専門職と訪問介護職の連携は非常に効果があったと回答が出ております。

 1点確認なのですが、訪問介護とリハビリテーション専門職を有しています訪問看護のリハビリテーション専門職との連携についての評価についてです。訪問看護ステーションに所属しているリハ専門職の方がかかりつけ医の指示をいただきながら訪問してリハビリテーションをされているサービスがあります。その一方で、医療機関の訪問リハビリテーションのリハ専門職方と訪問介護にはリハ連携加算報酬と評価がつくのですけれども、同じように訪問看護ステーション所属のリハ専門職と介護職との連携には連携加算がつかないのです。

もともとはつかないものなのでしょうか。それとも専門のところについては今後検討されることが可能なのかということを踏まえての質問です。

○遠藤部会長 では事務局、お願いします。

○鈴木老人保健課長 御質問ですが、まず一つは訪問介護の方と訪問看護のリハ職の方との関係といったことに関しての評価を行ったことがあるのかということでございますが、それについての評価を調査したものはございませんで、どちらかというとここでは訪問看護というよりもリハ職と介護職という形での評価を行っているということになっております。それが一般的ということで評価を行っていると御理解いただければと思います。

○馬袋委員 ありがとうございます。

 では、ぜひ訪問介護とリハ専門職と連携は効果的なものですから、これは介護報酬の検討での議論になると思うのですが、リハビリテーション専門職と訪問介護のメンバーが連携する評価加算については、所属機関にかかわらず訪問看護ステーションのリハ専門職と訪問介護の連携評価について積極的に進めるよう検討していただきたいと思います。

それが1点です。

 それから2番目の中重度の論点のところで、小規模多機能、定期巡回等があるのですけれども、どのように推進するかです。私は前職で定期巡回を全国約60カ所で展開をした事業者の責任者でありました。その経験から申しますと、定期巡回は非常にすばらしいサービスだと思っています。意思を持ってやっているからすばらしいと言っているのではなくて、本当に利用者にとっても連携することについてもすばらしいサービスだと思います。

 そこで私がデータ分析をしたことがありまして、訪問介護系のサービスとして定期巡回と一般的な訪問介護の受給者総数を母数として、訪問介護系における定期巡回の受給者の率、その割合について定期巡回を導入している保険者ごとで分析しました。

 その中で見ますと、全国的な平均は1%ですが、市町村保険者で非常に取り組んでいらっしゃるところは全体の中で29%の定期巡回の利用率があります。特に中重度者については約30%以上の定期巡回の利用率があります。

 この分析からいえることは、中重度への対応として地域密着型については事業の発展に課題はありますけれども、しかし市町村の取り組み、保険者の取り組みによって公募した後、その後の支援の対策によってかなり進捗に差がでてきています。ぜひその継続的な支援をお願いしたいと思います。

 特別養護老人ホームの論点なのですけれども、看取りの評価とか医療の評価は確かに評価していくべきだと思うのですが、一方で、特別養護老人ホーム等から在宅へ帰っていく。本来、帰りたい、帰そうということもこれは中にはあっていいと思います。例えば在宅へ復帰されたところの評価もあわせてあっていいのではないでしょうか。これから中重度が中心になる場合、特養においてダウンサイジングをしていくことも想定した地域や在宅への復帰、施設でのケアにて要介護度が軽くなられた方々に対して在宅復帰の支援をしていく評価として、復帰に対する支援、評価もあっていいのではないかと思います。

 以上です

○遠藤部会長 それでは栃本委員、どうぞ。

○栃本委員 資料3の3ページなのですけれども、論点のところで「通所・訪問リハビリテーションを含めた、退院後の早期のリハビリテーションの介入の促進」がうたわれております。

 従来、通所リハに非常に注目が集まっています。ボリュームの大きさというのもあるでしょうし、通所リハと通所デイサービスの役割分担も課題としてあるものだからですけれども、これから重要なのは本当は退院後早期のリハビリテーション、OTPTSTです。そういう人たちの早期リハビリテーションを個別の対応でされるということでいうと、訪問リハビリテーションは極めて重要なのです。今までは大きさが大きくなかったので余り注目を浴びていない。浴びていないというとあれなんだけれども、これからは本当に地域包括ケアシステムの中で自宅で住んでいる人が入院して退院する、最初は医療保険からリハの病院に通ってというのがあるのですが時間もそうですが、やはり通いとか移動とか結構大変なのが現実です。

 そういう意味で本当に現実問題としては訪問リハビリテーションと訪問看護があれば全然違ってくるのです。両者が一体的にというか協力しながら進めていくことが重要だと思います。ぜひ訪問リハビリテーションについても、訪問看護は注目を浴びているかもしれませんけれども、両方をもう少し特出しし、強調していただきたいと思います。

 次の4ページ目なのです。この中で小規模多機能、居宅介護については居宅の介護支援専門員が小規模多機能型居宅介護の介護支援専門員を兼任できるようにしてほしいとの要望があるということですけれども、これは絶対やってはいけない、禁じ手だと思います。

 そもそも参考資料の3ページ目に平成6年の大森委員会の高齢者介護自立支援システム研究会、新たな高齢者介護のシステムの構築を目指してというものの一部が載っていますけれども、デテールで言うと肝心なことが資料に出ていない。この大森委員会の報告書の中で小規模多機能型という形で初めて項目出しがされたのです。その中で3つの機能、デイとショートと訪問、その3つとケアマネジメントを一体的にやる。しかもその中で認知症ケアにとって極めて意味があることが既に大森委員会で書かれています。

 小規模多機能について書くときはぜひ大森先生の関係した部分を引用していただくのも重要です。それを踏まえてですし、老健事業の調査研究であきらかにされているようにその4要素一体の効用があきらかなのであって、そこからいうと小規模多機能と関係ない居宅の介護支援専門員が兼任するといったらそれが崩れてしまうのです。

小規模多機能や定期巡回について経営環境とか事業実施がやりやすくするためには、例えば登録定員が泊まりとかそれぞれについても定員に縛りがあります。こういうものを弾力化するとかということをしなければいけないと思います。

 それともう一つは、前回の議論も関係があるのです。

 例えば、小規模多機能と認知症、グループホームとあわせてやると非常にいい形になるのだけれども、それが認知症グループホームの場合は総量規制が効いてきてしまっていて、なかなかそれをあわせてやるのは非常に難しいことが現実問題としてあります。そういう観点から、いろいろな改善策、規制緩和を推し進めることをしなければいけないと思います。

 定期巡回についてはお話がありましたけれども、これから小規模多機能と定期巡回の拡大と定着化は2025年に向けて極めて大きな重要な戦略です。それにプラス、例えばデイサービスがそれ以外のサービスをくっつけて、いわば小規模多機能に近づいていくのは戦略だと思うのです。そういう観点からもこの2つを軸にしてこれが一つのいいモデルになる形でどんどん展開していかなければいけないので、あるべき規制緩和、先ほどの定員とかそれぞれ泊まりとかそれによって、あとは総定員が幾つだとかありますね。それについては弾力化することを是非していただきたい。定期巡回についても同様です。

 その際に、前回もお話ししましたけれども、小規模多機能についてはケアマネが内包化されています。これは非常に重要なことです。ちなみにこれはケアマネジャーの役割を軽視している意味では全くありませんので、その上で定期巡回がうまく動いていくためにはこれもある意味では内包化する。内包化すると言ったらあれなのだけれども、それは二度手間にならないとか、定期巡回は看護がいますのでこちらの方も外のケアマネにしてもらわなくてよいようにするといったことも検討していただきたい。

 もう一つ、参考資料3の10ページ当たりで地方分権改革に係る提案の部分があります。具体的な支障事例として書かれているのを読みますと、今までのケアマネジャーの議論は何だったのかということです。要するに、自分たちでそれまで信頼関係ができていた居宅介護支援専門員から小規模多機能に属している介護支援センターに変更を余儀なくされて困ると。

 もう一つは、自分たちの居宅介護支援を行っている者が小規模多機能を紹介すると小規模多機能にとられてしまうから困るとか、そういうことを考えてはいけないのではないのですか。これは提案の中でこういう例示が書いてあるので、これはいかがなものかと思います。

 それと資料3、ニーズに応じたサービス内容の見直しの10ページ目について、そもそも知的障害とか身体障害。身体障害に対しては前からかなりいろいろな業務をされているわけですけれども、例えば、知的障害の人に対して3障害一体的にということになっているわけで、その中でケアプランが適切につくられているかどうかということは非常に重要です。

 もう一つは、今までの介護保険制度の中でケアマネジャーの方々がいろいろな経験をされて、いろいろな実績を積んでこられたというのがあります。その後から障害者のケアプランも後から導入されていくわけです。

 もう一つは障害特性とか高齢者、認知症に対するケアプランの作成について双方がお互いに学ぶことが非常に重要だと思うのです。そういう意味でどういう名称にするかどうかは別にして、一体的にというか両方相乗りというか、それをケアプラン、従来の介護支援専門員の知見を活かしながら、双方から学ぶということでも重要だと思います。

○遠藤部会長 栃本委員、まだお話しされていないのですが。

○栃本委員 それと最後にあれです。特別養護老人ホームについては地域ケアシステムの中で特別養護老人ホームをどうしていくかということですので、重装備化することも大切ですけれどもそればかりを目指すのではなく、外づけサービス、外装化も必要だと思います。

 最後に、有料老人ホームについては前もお話ししましたけれども、実際にサービス高齢者住宅であるとか有料老人ホームについてはこれからさまざまな課題が出ると思います。消費者保護の観点からなかなか見えにくくなっている部分がありますので、この中で消費者基本計画工程表は前回も示されましたけれども、それは預かり金とかそれをどういうふうに保全するかが中心になっています。それとは違った形で消費者保護ということをやはりもう少し検討すべきではないかと思います。

 以上です、申しわけありません。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ほかにこちら側から参りましょう。それでは小島参考人、それから、なかなか回ってこないとおっしゃられましたので、武久委員。

○小島参考人 それでは有料老人ホームについて触れさせていただきたいと思います。

 参考資料3の47ページを見ていただきたいのです。今回、前払金の保全措置を課題としているようなのですけれども、ちょっと見ていただくと18年4月に義務づけがされた前と後と比べますと、こういった保全措置がとられることになったときに前払金を受領していない施設がふえている。要は法制化によってやはりコストが負担になるわけです。従前は前払金を事前にいただき、それを家賃相当額ということでいただいた場合には建設コストを早めに返せるということで事業者は参入しやすかったわけです。ところがそれを改めて保全しなければいけないとなると新たなコスト負担が生じてしまうということでこのように前払金自体をもらわない方向へ移っていった。結果はどうなるかというと月々の月額利用料が家賃としては上がるわけです。そういうように誘導してしまったのかという話がありますので、こういった検討をする際にはよく状況を勘案していただきたいと思っています。

 ちょっと質問なのです。この前払金には我々は一時金と称して、一時金の中に権利金、それと前払家賃という意識をしていまして、権利金については入居した段階で即時償却をする事業者が多いわけなのですけれども、即時償却をしている一時金というのは前払金には含んでいるのでしょうか。含んでいないのでしょうか。まず質問なのです。

○遠藤部会長 どなたがお答えになられますか。よろしくお願いします。

○佐藤高齢者支援課長 家賃等の前払いでございまして、ちょっと償却の時期については調べたいと思っています。済みません。今すぐに御回答できません。申しわけありません。

 いずれにしても家賃相当分ですね。わかりました。

○小島参考人 権利金として。

○佐藤高齢者支援課長 現行法律の規定上は具体に償却時期云々について特に記載されたものはございません。

○小島参考人 わかりました。ということは別に権利金として取っている事業者もいるかもしれないということですね。いずれにしても、そういった意味ではそういった事業者がどういう捉え方をしているかは情報を公表なり、情報開示の仕組みを充実することが大事だと思っています。

 今回国からは都道府県に重要事項説明書を公表するようにという指示は飛んできましたけれども、実は神奈川県あたりは10年以上前から県のホームページに全ての事業所の重要事項説明書は公開しております。一時金の金額や月額利用料の金額も公表しておりまして、逆に言えば、探し方によって一時金が高いと月額利用料が安い、逆に月額利用料が高いと一時金が低いとかという有料老人ホームの探し方がわかるようにランキングしたりしてお見せする仕組みを10年以上前からやっております。

 そういった意味では、この前払金の保全措置があるなしというのも利用者にとって有料老人ホームをどこを選択するかの一つの情報になるわけですので、情報開示の内容をきちんと整理していただければいいのかと思います。

 あわせて、これは有料老人ホームにとどまらず、サービス付き高齢者住宅についても同じ仕組みが導入できないか、管轄は国土交通省になりますけれども、そこは調整をしていただいて、同じように高齢者が安心して住まい選びができるということを検討していただければと思います。

 以上です。

○佐藤高齢者支援課長 ちょっと済みません。1点だけ事実関係を。

○遠藤部会長 では、事務局、お願いします。

○佐藤高齢者支援課長 先ほど、権利金云々の受領についてございましたが、老人福祉法の29条の第7項におきまして、要は権利金としては家賃相当分以外のものを受領してはならない、権利金その他の金品を受領してはならないことが6項に書いてございます。いわゆるサービスの対価でないもの、具体的には家賃、敷金、介護等その他の日常生活上必要な便宜の供与の対価として受領する費用を除くほか、権利金その他の金品を受領してはならないとなっております。ので、あくまでも受領するものは権利金は受領してはならないことになってございます。済みません。ちょっとそこだけお願いします。

○小島参考人 今の権利金というのは、ずっと権利として何か財産価値のある権利だとするとそれは有料老人ホームには存在しませんので、それを言っているのだと思うのです。だから、即時償却するものですと、入居の予約をしておいて間違いなく入れますという話だと、事業者によってはそういう設定をしている場合もあると思うのです。ですから、ちょっと名称のいかんを問わず、どういう取り方をするかは民間事業者ですからいろいろな名目をつけて取ろうとしているのだと思いますので、まだそういうところが事業者が何を取っているのか、取っていないのかは情報開示で明らかにしていけば選択できるのかと思っています。

 ちょっと疑問に思ったのは、事業倒産等の場合、都道府県がその後の支援をするという話なのですが、私たちは倒産してから動くことは今までしていません。事業譲渡をするとか経営が悪くなったという情報を察知して、できるだけ事業譲渡の方向で持っていく、入居者をそのまま引き継いでもらう取り組みをしています。入居者が路頭に迷ってから何かほかの施設をあっせんするとかという対応はしたくないと思っていますので、この円滑な入居支援の措置を検討するというものはどういう意味かと思っていたのです。我々としては事後ではなく事前に防止したいと思っていますので、その辺も勘案していただければと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 武久委員、どうぞ。

○武久委員 特養の配置医師をしていました私として意見を述べさせていただきます。

 特養にいる人も在宅にいる人も同じ日本人でありまして、インフルエンザや肺炎にかかったら、要するに治る病気であれば治してあげるというのは当然のことだと皆さんも思うと思いますけれども、実は特養には基本的には100人に3人の看護師がいればいいわけですので、夜はいないです。当直はいない。したがって看護師も誰もいない状況の中で当直の介護職員の人が日ごろの仕事をしながら片手間に亡くなる人の横へ時々行って

いるか、それか介護職員を余分に配置してその人につけている場合もあります。

 感染症というのは抗生物質を時間投与しないといけないので1日に1回投与しておけばいいということにはなっておりません。したがって、治る病気の場合は医療機関に入院をしていただくほうが治る可能性が非常に高いということですので、この辺を皆さんがどう思うか。これが95歳であろうと90歳であろうと治る病気は治してあげたいと思います。

 ただ、特養は入院をするとその間入所者は居室にはいませんけれども、その分いないということで収入が減る制度がございます。したがって、特養サイドとしてはできればここで診ていただきたいという気持ちが起こるのも当然だと思いますけれども、この辺をどうするか。

 というのは、病院へ行ってもある程度の収入を確保できるようにするとか、また特養はずっと言われていますが、ついの住みかという言葉がついて回っておりますが、私はこれがどうかと。先ほどおっしゃいましたけれども、よくなれば帰っていいのではないかと思うのです。ただし、次に入るときに必ずショートからでもいいから必ず入れる約束ができれば、よくなったら一般的なところに出ていくことを許容するというか促進することも非常に必要かと思うのです。

 実は、特養はここ2030年で非常に多くふえました。それまでは一般病床の特定除外とか療養病床等で社会福祉施設のかわりに社会的入院をしていた部分がかなりあります。それが特養が整備された上でこのように変わりましたので、この辺を特養での看取りをどういう定義にして看取るか。御家族も特養でいるほうが経済的にも安定してあちらこちらへ行かれるよりはいいということで、いろいろな意味で治る病気が治らないような状況になる場合もありますので、そこは医師としては内心じくじたる思いもあります。

 それから居宅サービスが小規模にという項目がございましたけれども、これはケアマネジャー、今までの論点、先ほどのことからいいまして、非常にケアマネジメント的なことをするコーディネーターへの必要性がますます増しております。ところが、制度はいろいろ入所、入院すれば、ケアマネジャーの担当がかわってぷつぷつと切れていきます。したがって、継続性というとやはりマイケアマネジャーと施設ケアマネの両方が関わる。しかも医療保険では病院にケアマネジャーが入ったら評価をするとかということが医療と介護の保険の関係の間で進んでおりますから、そういう意味からすると何の見返りもない、ただ親切だけで今までケアマネジャーだったから、先月までそうだったからといって、どんどん病院へ行けと言われましても、なかなか業務が忙しいので行けない。その辺のところは多少安くてもいいからダブルで行ける方向にして、施設のケアマネジャーもまだ専従ではないということですから、専従にして早く帰すという視点をして、特養に入ったらどこへも行かないという発想はそろそろ改めてもいいのではないかという提案でございます。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ほかに、いかがでしょうか。それでは村上参考人、鷲見委員の順番で。

○村上参考人 まずリハビリテーション機能の強化のところなのです。

 この論点の中にリハビリテーション専門職の配置促進とあるのですけれども、人材確保が困難であるという声も上がっています。そうなると人材の育成も視野に入れて考えていかなければならないのではないかと思うのです。質問なのですが、そもそもリハビリテーション専門職、PTOTST、こちらは各都道府県でどのくらいの人数が要るのか、今日でなくてもいいので教えていただきたいと思います。

 それから有料老人ホームの、情報一覧表の公表についてです。これも質問なのですけれども、これは全てのホームを対象にするのか、またはある程度の規模のホームのみを対象とするのか。またどのような公表の仕方を考えているのか、教えていただきたいと思います。

 高齢者が適切なホームを選択するためにも情報一覧表の公表は必須であると考えます。もしインターネットでの開示をお考えなのであれば、介護サービスの情報公表制度でも課題となっているのですけれども、高齢者とかインターネット初心者が利用しやすい、そういうものになるようにお願いしたいと思います。

 また情報開示に当たりましては、ホームの職員の定着率、もしできれば賃金の状況とか定昇の有無、そういうものも開示対象としていただければと思います。

 職員が定着している施設は総じて施設の環境、サービスの質がいいと言えます。したがって、高齢者が施設を選択する一つの指標となることはもちろんなのですけれども、施設にとっても人手不足がありますので、職員の確保にも役立つのではないかと思います。ぜひ検討をお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 御質問は2つありましたけれども、後日で構わないですね。

○村上参考人 はい。

○遠藤部会長 では、事務局よろしくお願いします。

 それでは鷲見委員、どうぞ。

○鷲見委員 よろしくお願いします。先ほどの小規模多機能のサービスについてでございます。小規模多機能の有効性につきましては、介護支援専門員も十分認識しているところでございます。

 独居で認知症のある方々などはやはり柔軟な対応を必要としている人には本当に有効だと思っていますし、

そういう方には位置づけております。アセスメントを行った上での位置づけですので、そこはケアマネジャーを信頼、理解していただきたいと思うところです。前回のケアマネジメントの議論のときも同様でしたが、特定の意見や特定の例を取り上げた議論は控えていただき、フラットな目で見ていただきたいというのを要望したいと思います。

 全体の生活を見ること必要性からケアマネジメントは外づけが基本だと考えているところです。

 また、共生社会の実現に向けてなのですが、資料にもありますが、基準該当や業務の位置づけがそれぞれ違っているのは十分認識しておりますので、そこの整理と対象者の相互理解を深める研修や協議の場をぜひつくっていただきたいと思います。そして介護支援専門員が多分野にわたる支援につきましては、積極的に取り組んでいきたいと考えているところです。

 以上です。

○遠藤部会長 どうもありがとうございます。

 先ほど手をお挙げになった齋藤訓子委員、お願いいたします。

○齋藤(訓)委員 ありがとうございます。手短にお話しさせていただきます。

 中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化については介護報酬改定にあわせて少しいろいろな見直しをする方向性に賛成です。

 地域密着型サービスの人員基準や利用定員は介護保険の枠内で検討可能ですが、医療との連携に関しては、介護保険の中だけではなくほかの制度との整合性を図っていくことが必要になります。30年度のダブル改定に向け、医療とのより一層の連携強化という観点で見直しを行うことについて論点にぜひ入れていただきたいと思います。

 特に看護小規模多機能型居宅介護につきましては、中重度、要介護3以上の方々がかなり多いことと、医療ニーズをあわせもった利用者の割合が非常に高いのですが、現行制度では看護小規模多機能型居宅介護の利用者に対して、必ずしも適時適切な医療提供が可能な仕組みにはなっておりません。例えば、利用者さんには必ずかかりつけ医がいまして、訪問診療も受けておりますが、現行制度では宿泊の利用中には診察できるけれども、通所のときには診察ができないといった制限があり、事業所が苦慮している状況もございますので、ぜひ次回の報酬改定で見直していただきたいと考えております。

 また、特別養護老人ホームの看取り体制や、看護職員配置につきましても、これからますます入所者が重度化していきますので、今の配置基準が妥当なのかどうかは考えていかなくてはいけないと思っております。

 ただ、仮に配置基準を上げたとしても看護職員の確保ができるのかというと相当難しいこともございますので、何人かの委員からも出ましたように、訪問看護等が外づけで入っていく方向をぜひ入れていくべきだと思っております。

 それから看取りのことですが、死亡診断書の取り扱いにつきましては、内閣府の規制改革会議で示された規制緩和の方針の下で、今厚生労働科学研究で受診後24時間過ぎて死亡した場合の取り扱いをどうするかが議論されています。一定の法医学的な知識を研修で付加した看護職員が医師に情報提供する等の要件の下で、規制緩和が実現することにより、最後の最後に救急車で病院に運ばれるとか、あるいは夜間に配置医が診察に来られないので施設で看取れないといった状況が、かなり改善されるのではないかと思っております。

 それから医行為のことですけれども、介護職によるたんの吸引等の実施状況がまだよくわからない中で、安易に対象行為を広げることについては、私どもは現段階では反対です。介護職や看護職の基礎教育全体をどうするかという議論がある中で、その議論を待ってからでも医行為の議論はできるのではないかと思いますが、現時点で拡大を検討すべきかどうかは、実態をよく見てからではないと難しいと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長 おそらく外づけ医療との関連での御発言だと思いますので、2回目になりますが、鈴木邦彦委員、どうぞ。

○鈴木(邦)委員 特養の医療についての話が出ましたが、看取りをどうするかという話だと思いますけれども、特養だけ基準を緩くして対応することを認めるわけにはいかないと思いますので、特養の医療をどうするかは全体の中で議論すべきだと思います。

 配置医の多くはかかりつけ医の先生方だと思いますので、かかりつけ医の在宅医療の一環になると思いますが、かかりつけ医の在宅医療のあり方もいろいろあります。24時間365日対応しますという方もいれば、在支診や在支病と連携して在宅を行っている先生方も多くいらっしゃいますので、かかりつけ医が配置医として勤務している場合、配置医がどのような形で在宅医療をされているのかによって変わってくると思います。この問題は今後通常の医療との整合性をきちんととりながら議論をしていくべきだと思います。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、いかがでしょうか。

 それでは、伊藤委員、花俣委員、栃本委員でお願いします。どうぞ。

○伊藤委員 1点だけです。参考資料3の9ページに定期巡回についてオペレーターの兼務についての要望ということで調査結果が出ているのですが、日中の随時訪問介護員の兼務を緩和してほしいという要望が多いということですけれども、下のグラフで72.5%という青いものが希望ということなのでしょうか。青と赤がそれぞれ何なのかよくわかりませんが、そういう要望があることでの論点として、資料3の5ページに「人員要件や利用定員等の見直しを介護報酬改定にあわせて検討することとしてはどうか」となっています。この点についてはオペレーター業務、訪問介護業務、それぞれに支障がないということが当然前提になると思いますので、ぜひ実態を見ながら検討をしていくようにお願いしたいと思います。

 人員要件と広く書いてありますが、地域密着型サービスは特にスキルが高い職員によって担われるところだと思っておりますので、そういったスキルの高い職員がきちんと配置され、処遇されるという検討を今後していく必要があると思っております。

 以上です。

○遠藤部会長 では、花俣委員、どうぞ。

○花俣委員 ありがとうございます。

 まず質問をさせていただきたいと思います。

 最初に確認しておきたいのですが、「ニーズに応じたサービス内容の見直し」となっていますが、このニーズですが、これは生活者、利用者あるいは認定者のニーズという理解でよろしいのでしょうか。

 もう一点、5ページ目に中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化という論点があります。ここで取り上げられている地域密着型の3つのサービスは、利用者、事業所ともに多いとは言えませんが、利用者家族にとってなぜ利用しづらいのか、あるいは利用できないのかをきちんと調査した上で介護報酬改定の議論をしていただきたいと思います。

 あとは意見です。資料3の3ページ目「リハビリテーション機能の強化」の論点なのですけれども、リハビリテーション専門職の配置促進はいいのですが、医療従事者の受給に関する検討会の資料には理学療法士は約11万人で介護保険サービスに従事するのは25%。作業療法士は約6万人で、介護保険サービスに従事するのはやはり25%というデータがあります。どちらの専門職も都道府県別には関西から西に多く、関東、東北、北海道に少ないことがわかります。部会では地域性や地域分析が語られていますが、リハビリテーション専門職の地域差を解消することも課題とすべきではないでしょうか。

 あと一点、12ページ、特養のところです。認知症ケアにとって多床室がいいか、あるいは新型特養ユニットがいいかという議論はもともとあったわけですけれども、どちらがよい悪いということではなく、御本人の様態に応じてまさに一人一人のニーズに属した対応ができるようであればいい。つまり、認知症があるから重度になったから多床室でいい、軽度だからユニットでいいということでもないと思います。今までの高齢者は何世代も同居している生活形態だったと思うのですけれども、これから2025年に向けては65歳以上の団塊の世代が高齢者になるわけですから、そうすると核家族で暮らしてきた人がメーンなので、ここはプライバシーにこだわる方も多くなるのではないのかと思います。

 また、うんと重度になった方も四六時中誰かと一緒にいることがストレスになることも認知症ケアの場合はあります。若年の認知症を介護している御主人がずっとおうちでつきっきりでやっていたら、奥さんが2時間トイレから出てこなくなってしまった。何でだろう。つまり彼女はほっとしたかった。たった一つ自分一人でほっとできる場所がトイレだったというお話もあります。

 ユニットケア、新型特養、あるいは多床室の使い分けはあくまでも御本人の様態に応じて臨機応変に対応できるようであってほしいと思います。

 ありがとうございました。以上です。

○遠藤部会長 最初に御質問があったようですけれども、これは今でなくてもよろしいですか。

○花俣委員 一番大事なところだけ1点。誰のニーズか。

○遠藤部会長 それでは事務局にコメントを求めます。

○三浦振興課長 振興課長でございます。基本的には利用者のニーズにどうお応えするかが主たる論点だと思っております。

○遠藤部会長 よろしいですか。それではお待たせしました。栃本委員、どうぞ。

○栃本委員 先ほど武久先生から指摘があったのですけれども、特別養護老人ホームに限らずその他の施設や病院、すべからくと言うとあれなのですが、地域包括ケアシステムの中でどういう役割を果たしていくかを双方が入り繰り関係を考えながらやっていくのが地域包括ケアシステムだと思うのです。

 その場合、非常に重要なのは一つ、アウトリーチというものもすると同時に先ほど外づけサービスという話をしましたけれども、あとは外部のサービスも使って、相互に重なり合うというか、入り繰り状態というかそういうものが本当に地域包括ケアシステムをつくる場合にとても重要だと思うのです。そういう意味でそれぞれ施設を抱える課題があろうかと思いますけれども、完結型の特養といいますか、いわゆる自己完結型になってしまうと、どうしても地域包括ケアシステムの中でどういう形で動いていくのかが課題になります。したがって、先ほど申し上げましたように、外づけであるとか外部のサービスを使うということを申し上げました。

 それともう一つは、例えば特別老人ホーム、低所得者の方もということでそういう方々が地域に戻ることを考えますと、今の外づけサービスのことに関連があるのですが、看護も外づけサービスが、例えば特養であるとか、必要かもしれませんけれども、低所得者に対するソーシャルワーク、そういう機能もこれから重要で外づけサービスとしてこれは介護サービス事業者とかサービス高齢者住宅でさえ、そういうソーシャルワーク機能というか、そういうものを外づけサービスで使える形にしないと本当の意味での地域包括ケアはできません。そして高齢者のみならず障害者やホームレス、高齢であって生活を組み立てられない方が地域で、在宅で生活する場合にとても重要ですのでそういう観点がこれから必要だと思います。

 最後に障害者のケアプランであるとか、それは先ほど先輩格である高齢者分野の介護支援専門員の方と、後発と言ったらあれなのだけれども、障害者の特性にあった形でケアプランをつくる。それが相互にというか、いろいろなことを教え合ったり、違いを認識するのがやはり自分たちのサービスの向上といいますか、ケアプランの作成技法を向上させますのでそういう意味ではすごく私は大切だと思うのです。

 それと同時に、やはり障害者も高齢者も前もお話ししましたように、インテグレートケアよりもインクルーシブなケアが重要なわけでして、そういう意味で地域の中で先ほど我が事・丸ごと地域共生社会の実現何とかとありましたけれども、高齢者も障害者も低所得者も地域の中で生活できる組み立てということから言うと、先ほどの障害者施策との連携がその第一歩になると思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 まだお話をされたい方もいらっしゃるかもしれませんが、かなり予定をオーバーしておりますので、もしよろしければこのあたりにさせていただきたいと思います。よろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○遠藤部会長 どうもありがとうございます。

 それでは次回の日程につきましては、事務局からお願いしたいと思います。

○日原総務課長 次回の本部会でございますが、1012日水曜日、1518時でベルサール半蔵門で開催をいたします。

 次々回は、1019日、水曜日を予定しておりますけれども、場所などの詳細につきましては、追って御連絡をさせていただきます。以上でございます。

○遠藤部会長 どうぞよろしくお願いします。

 それでは、本日の部会はこれにて終了させていただきたいと思います。

 長時間どうもありがとうございました。


(了)

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