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2016年8月31日 第62回社会保障審議会介護保険部会 議事録

老健局総務課

○日時

平成28年8月31日(水)14:00〜17:00


○場所

ベルサール九段 ホール(3階)


○出席者

遠藤、石本、伊藤、井上(隆)、井上(由)、岩村、大西、岡、
黒岩(代理:小島参考人)、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐野、鈴木(邦)、鈴木(隆)、
鷲見、陶山、武久、栃本、馬袋、花俣、東、桝田の各委員
(土居、藤原委員は欠席)

○議題

1 その他の課題2(被保険者範囲)
2 ニーズに応じたサービス内容の見直し

○議事

○尾崎企画官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第62回「社会保障審議会介護保険部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 報道関係の方に御連絡いたします。冒頭のカメラ撮影はここまででございますので、退席をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○尾崎企画官 それでは、以降の議事進行は遠藤部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 皆様こんにちは。

 それでは、本日の出欠状況を御報告いたします。本日は、黒岩委員、土居委員、藤原委員が御欠席です。黒岩委員の代理として小島参考人、神奈川県保健福祉局福祉部長が御出席でございますので、お認めいただければと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、議事に移ります。

 本日の資料について、事務局より確認をお願いしたいと思います。

○尾崎企画官 それでは、まず、資料の確認に入ります前に、1点だけ御連絡をさせていただきます。本日、災害の関係で役所側の対応が必要な部分がございまして、議事の途中で役所側の人間が何人か退席させていただきますので、その旨、御承知おきいただければと思います。

 また、その関係で後ほど部会長からもお話いただけると思いますが、議事の順番を多少入れかえたりすることもございますので、その点もあわせて御了解いただければと思っております。

 それでは、資料の確認に入らせていただきたいと思います。

 お手元に、資料1として「被保険者の範囲のあり方」。

 また、資料2−1〜2−4ということで4種類の資料を配ってございます。まず、資料2−1として「自立支援・重度化予防を推進する観点からのリハビリテーション機能の強化」。資料2−2として「中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化」。資料2−3として「安心して暮らすための環境の整備」。資料2−4として「『我が事・丸ごと』地域共生社会の実現」。また、それぞれに対応する参考資料を配付させていただいてございます。

 また、資料3として、委員より提出のお求めのあった資料を配付させていただいてございます。

 以上の資料1〜3までにつきまして事務局から御説明をさせていただきます。

 また、末尾に花俣委員からの提出資料をお配りしております。

 不備等はございませんでしょうか。よろしければ、部会長よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 それでは、ただいま企画官からもお話がありましたように、進行の都合上、資料2「ニーズに応じたサービス内容の見直し」と、資料3「ドイツの介護保険制度における介護手当(現金給付)」の議論からさせていただきたいと思いますので、事務局は説明をお願いしたいと思います。

○鈴木老人保健課長 老人保健課長です。

 それでは、資料2−1「ニーズに応じたサービス内容の見直し(マル1自立支援・重度化予防を推進する観点からのリハビリテーション機能の強化)」について御説明させていただきます。資料につきましては、資料2−1と参考資料2−1になります。

 開けていただきまして1ページ目ですが、リハビリテーションについてでございます。

 マル2にありますように、医療保険のリハビリテーションを受けていた要介護被保険者が介護保険のリハビリテーションサービスを受ける場合、移行先として現在行われております通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション、介護予防通所リハビリテーション、介護予防訪問リハビリテーションが今現在、想定されているところでございます。

 リハビリテーションにつきましては、これまで以下のところが指摘されているところでございまして、平成6年12月、「高齢者介護・自立支援システム研究会」におきましては、いわゆるリハビリテーション前置主義というものが提唱されたことともに、いわゆる医学的、機能回復的なリハビリテーションだけではなく、地域社会のさまざまな活動に積極的に参加できるように、日常生活の中にリハビリテーションの要素を取り入れ推進していくということが指摘されているところでございます。

 また、2ページのマル4平成27年度の介護報酬改定に関する審議報告、これは平成27年1月19日の「介護給付費分科会」で行われました報告でございますが、リハビリテーションにつきましては、これまでリハビリテーションや通所介護について、それぞれのサービスに特徴的な機能、例えば、リハビリテーションから機能訓練、認知症ケアなどの明確化等によって、一体的・総合的な機能分類や評価体系となるように引き続き検討すると。また、その際は、地域単位でのサービス提供の視点も含め、事業所間の連携の進め方、サービスの一体的・総合的な提供のあり方についても検討することが今後の課題であると指摘されているところでございます。

 それを踏まえまして、マル5平成27年度に実施いたしました「リハビリテーションと機能訓練の機能分化とその在り方に関する調査研究事業」の結果におきまして、通所リハビリテーションと通所介護につきましては、いわゆるPTOTSTの人員配置基準ですとか、利用者の基礎疾患、改善目標、日常生活自立度や要介護度の変化などにおいて両サービスの間に差異は見られましたけれども、一方で、利用者の要介護度ですとかケアプランの目標設定、サービスの利用時間、訓練の内容等につきましては、まだ両サービスで類似しているという結果が出ております。

 3ページのマル6、現在リハビリテーション専門職と介護職が連携して訪問系のサービスの提供を行うことにつきましては、参考資料2−1の16ページをごらんいただければと思います。こういった同時に行うことにつきましては、一番左の上にありますが、「サービス提供責任者からの評価」の中の利用者の効果といたしましては、利用者の状態の改善もしくは悪化防止を行うことができた。「ヘルパーへの効果」といたしましては、以前よりも利用者に安全にかかわれるようになった。また「リハ職による介助の仕方や範囲の助言内容に対する評価」とすれば、「非常に良かった」もしくは「やや良かった」というような御回答を大多数いただいているところでございます。

 「ケアマネジャーからの評価」も「利用者からの評価」も、それぞれ連携することによって非常によかったというような評価を得られているという状況でございます。

 本文に戻っていただきまして、また、リハビリテーションマネジメント加算2(ローマ数字の2)が導入されておりますけれども、これにつきましては条件といたしまして、通所リハビリテーションではリハビリテーション会議への医師、介護支援専門員の参加が促進されて、ケアプラン・居宅サービス計画との連動や医師との情報共有等々が促進されているということがありますが、一方で、通所リハビリテーション自体がまだ単独で行われていることが非常に多いということがございますので、介護サービス事業所や地域の連絡会、勉強会等々にはまだまだ参加が少ないという結果も出ているところでございます。

 4ページになりますが、こうしたことを踏まえまして、論点といたしましては2つの事項を挙げさせていただいております。

 まず1つ目は、地域において通所リハビリテーションと通所介護がそれぞれの特徴を踏まえ、利用者の状態に応じて適切なサービスを提供するためには、各サービスがどのような役割分担と機能強化をしていくべきなのかということです。

 2点目が、平成27年度の介護報酬改定において、リハビリテーションマネジメント加算2(ローマ数字の2)が導入されて、通所リハビリテーションでは多職種の連携ですとか、ケアプラン・居宅サービス計画の連動、職種間、介護事業所間での情報共有が促進されているところでございます。これをさらに一層進めるためには、どのような対応が必要なのかということを論点に挙げさせていただいております。

 以上でございます。

○三浦振興課長 続きまして、資料2−2と参考資料2−2をお手元に御用意いただければと思います。「ニーズに応じたサービス内容の見直し(マル2中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化)」について、御議論をお願いできればと思っております。

 資料2−2の1ページをおめくりいただきまして、このテーマに関します現状と課題ということで、累次いろいろな形で御紹介されていることかと思います。日常生活を送る上で介護が必要になった場合には、自宅を希望する方が一定程度いらっしゃる。あるいは最期を迎えたいといお気持ちは強いという一方で、サービスの体制整備ができているかということが論点となっております。

 一番下の○ですが、その現状を考えますれば、介護保険の制度では定期巡回・随時対応型訪問介護看護ですとか、小規模多機能型居宅介護等の単身・重度の要介護者に対応し得るサービスの普及ということが求められる一方で、十分に進んでいないのが現状でございます。

 参考資料2−2の11ページをお開きいただければと思います。こちらは定期巡回・随時対応型訪問介護看護の事業所数あるいは利用者数でございます。制度創設以降このような形で伸びております。平成28年4月時点で事業所が633。右側の棒グラフは、利用者の要介護度別に積み重ねた形の棒グラフとしております。利用者としては1万4,000人弱の形になっております。

 上の箱に書いてございますけれども、利用者数は約1万3,800人で、利用者の50%が要介護度3以上の中重度者であるといった実情にございます。

 同じく16ページが、小規模多機能型居宅介護の事業所数と利用者数でございます。同様に施設数は直近では約5,000、利用者数が8万5,000人というところ。また、利用者の45%が要介護度3以上という形で中重度者の受けとめをしていただいているという状況にございます。

 また、同じ資料の26ページまでお進みいただきますと、こちらは複合型サービスということで看護小規模多機能型居宅介護の事業所数あるいは利用者数が書いてございます。事業所数は274、利用者は約5,000人弱ということでございますけれども、利用者の60%が要介護度3以上という形となっております。まさに中重度の方を受け止めていらっしゃるという実情が見てとれようかと思います。

 その一方、このような数字ということであまり広がっていないというあたり、参考資料の10ページまで戻っていただければと思いますが、どのようなことが求められるかという形で聞いたアンケート結果をまとめさせていただきました。定期巡回・随時対応型訪問介護看護の普及促進に向けて何が必要ですかという問いに関しまして、例えば地域・住民に対する周知不足ですとか、利用者のサービス理解、あるいはケアマネジャーへの周知、あるいは行政の積極的な協力、あるいは連携する訪問看護事業所が少ないといった課題を指摘いただいているところでございます。

 参考資料の18ページ以降に、自治体の中で積極的に地域密着型のサービスを推進しているという先行事例を御紹介しております。石川県加賀市でございます。特に2122ページに利用者像などがまとめられておりますので、ごらんいただければと思います。要介護度の重たい方も含めて小規模多機能型を利用されている実態ですとか、22ページをごらんいただければ、独居の方も一定割合受けとめていらっしゃるといったあたりが見てとれようかと思います。それを受けて市としても、方針を示してサポートしていただいた結果、24ページにあるような事業所数という形で広まっていったという例を御紹介しております。

 また、同じく30ページをごらんいただければと思います。複合型サービスに関しまして、神奈川県横浜市あるいは川崎市あるいは東京都新宿区でさまざまな支援の措置をとっていらっしゃるということで、これらを踏まえて一定の整備がなされているといった状況がごらんいただけると思います。

 続きまして、資料2−2に戻らせていただきます。このような十分に進んでいないという状況ではありますが、2ページ、退院の許可が出た75歳以上の入院患者の自宅療養の見通しについて、自宅で療養できないと御回答をいただいた入院患者は約4割といったような結果がございます。また、その条件といたしまして、入浴ですとか食事などの介護が受けられるサービスという御回答が約4割という調査結果がございます。この結果を踏まえますれば、介護サービスと生活を支えるために必要となる配食などの保険外のサービスが一体となって提供されることが必要だということが見てとれようかと思います。

 3ページですが、地域密着型サービスについてでございます。このあたりはおさらいになりますので、少しかいつまんで御説明申し上げます。

 平成18年度に小規模多機能型居宅介護ですとか、夜間対応型の訪問介護などの地域密着型サービスがつくられております。

 また、平成24年改正におきまして、定期巡回・随時対応型訪問介護看護あるいは複合型サービスなどが導入され、またサテライト型の事業所という形で普及に向けて取り組んできたところです。

 また、平成27年度の介護報酬改定におきましては、総合マネジメント体制強化加算などが新設されております。また、小規模多機能型居宅介護につきましては、人数について25人から29人という形で登録定員の緩和を行っております。その結果、小さい字で※で書いておりますが、3割の事業所が定員の変更を行っているところでございます。

 以上のような状況を踏まえまして、4ページの論点でございますが、3つ挙げさせていただいております。

 1つ目、小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの地域密着型サービスの利用者数あるいは事業所数をふやすなどの充実を図っていくためには、どのような方策が考えられるか。例えば、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の普及に向けて、利用者・ケアマネジャーへの周知や行政の積極的な関与などを求める意見があることについて、どのように考えるか。

 2つ目、小規模多機能型居宅介護等の複合的な機能を担っているサービスについて、中重度者の在宅生活を支える観点から機能強化を図っていくためには、どのような方策が考えられるか。

 3つ目、介護サービスとともに生活を支えるために必要となる配食などの保険外サービスが一体となって提供されるためには、どのような方策が必要になるか。

 以上でございます。

○佐藤高齢者支援課長 続きましてマル3でございます。高齢者支援課長でございます。資料は2−3及び参考資料2−3をお願いいたします。

 まず、「マル3安心して暮らすための環境の整備」の1点目、特別養護老人ホームについてでございます。

 特別養護老人ホームの役割といたしましては、要介護者に対して入浴、排泄、食事などの介護、その他日常生活の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行う生活施設ということでございます。

 実態は、入所者の方は認知症の方が9割以上でございまして、平均の要介護度は3.85であるなど重度化が進展しておりまして、死亡退所も多いということでございます。

 参考資料の8ページになりますけれども、介護老人福祉施設につきましては、平成25年度の調査によりますれば、約7割の方が死亡退所ということでございます。

 また、本体に戻りまして、低所得の方が多く入所しているということでございます。

 3年前のこの部会におきまして御意見をちょうだいしました、特養の重点化に伴い今後、特養においては医療ニーズの高い入所者の方々への対応とともに、施設内でのみとり対応が課題となる。みとり体制を一層強化していくため、特に夜間・緊急時の看護体制などついの住みかの役割を担うための機能や体制などの医療提供のあり方について検討する必要があるということでございます。

 これを受けまして、平成27年4月から新既入所者を原則要介護3以上の高齢者の方々に限定し、在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える施設としての機能に重点化するとともに、報酬改定におきましては、みとり介護の質を向上させるため、みとり介護加算の拡充などを行ったところでございます。

 みとり介護加算については、参考資料の12ページでございますけれども、概要に書いてございますが、みとり介護の体制構築強化をPDCAサイクルにより推進することを要件として、手厚いみとり介護の実施を図ることとしてございます。

 続きまして、2ページでございますけれども、施設の運営に当たりましては、省令の基準におきまして最低基準として、まずは従業員の員数や居室面積、これを従うべき基準として定める一方で、参酌すべき基準として居室の定員などを定めているところでございます。また、入所者の方々のプライバシーを確保し、居宅に近い居住環境及び日常生活の中でケアを行う者については、ユニット型として別に基準を定めているところでございます。

 以上が、特別養護老人ホームでございます。

 2つ目に、有料老人ホームについてでございます。

 老人を入居させ、食事や介護等サービスの事業を実施している施設は、老人福祉法におきまして有料老人ホームということで都道府県への届出が義務づけられてございます。平成18年の法改正におきまして定義の見直しを行いまして、入居定員1名以上であればいいということで要件を廃止するなどを行いました。

 昨今、高齢化に伴うニーズの拡大、多様な事業者による事業参入などを背景といたしまして増加しておりまして、平成27年度には1万件、42万人という状況になっております。特に近年におきましては、届出という規定が遵守されていない施設の増加も課題となっておりまして、国におきましては都道府県が指導する際の標準的なガイドラインである標準指導指針を見直しまして、都道府県等と連携いたしまして届出の促進に取り組んでおります。しかしながら、まだなお対策の強化が求められているということでございます。

 参考資料の20ページをごらんいただきますと、政府において対応すべきとされた消費者基本計画の位置づけが記載されてございます。

 戻りまして3ページでございますけれども、増加に伴いまして事業倒産等の場合に備えた入居者保護の充実も求められております。前払金を受領する場合には、その保全措置を義務づけております。この対象は、平成18年4月以降に届出をされた有料老人ホームでございまして、それ以前の有料老人ホームにつきましては、建設費等の借り入れの返済に充てている場合の経営への影響などを考慮して対象外となっております。

 実態としましては、参考資料の19ページをごらんいただきますと、有料老人ホームにおける前払金の保全措置の状況でございますけれども、現在、平成18年4月以降に設置された、義務づけられているもののうち6%程度がまだ保全措置が講じられていないこととあわせまして、もともと義務づけがない昔設置された施設につきましては、6割程度がまだ保全措置が講じられていないという状況でございます。

 本体に戻りまして、有料老人ホームが提供するサービスの多くは契約に委ねられている部分も多くございまして、そのサービスの内容などについてできるだけ多くの情報が開示されることが重要であると考えております。事業者に対しては、入居希望者または入居者への重要事項などの情報開示を義務づけております。市場が拡大する中で数多くの施設の中からニーズに応じた施設を選択することになります。こういった現状と課題でございます。

 4ページの論点でございます。

 まず、特別養護老人ホームにつきましては、昨年度より原則、新既入所者は要介護3以上となりまして、重度化が進展していく中で今後どのような役割が期待されるかについて御意見をちょうだいしたいと考えております。

 有料老人ホームにつきましては、民間の創意工夫を生かした多様な形態が大幅に増加してきております中で、適正な事業運営や入居者保護の充実が求められております。前払金の保全措置の取り扱いや、未届けへの対策強化を初め、今後どのような実効性のある方策が求められるか。また、入居希望者が入居の判断に必要な施設の情報を容易に入手し、ニーズに応じて選択できるような環境整備のためにどのような方策が考えられるかということでございます。

 以上でございます。よろしくお願いします。

○三浦振興課長 振興課長でございます。

 続きまして、資料2−4と参考資料2−4をお手元に御用意いただけますでしょうか。「ニーズに応じたサービス内容の見直し(マル4『我が事・丸ごと』地域共生社会の実現)」についてでございます。

 1ページおめくりいただきまして、まず、これまでの議論といたしまして、政府の中での動きとなりますが、3点ほど御紹介したいと思います。

 まず、1点目は、新たな時代に対応した福祉の提供ビジョンということで、2つ目の○に書いてございますが、平成27年9月にビジョンを策定しております。背景といたしましては、福祉ニーズが多様化・複雑化している、あるいは複合的な課題を要するケースがふえてきているといったあたりが課題となっているということを受けとめてということでございます。

 その中では、3つ目の○に2つ挙げておりますが、包括的な相談から見立て、支援調整の組み立て、あるいは必要な社会資源の開発を行う包括的な相談支援システムの構築。あるいは高齢、障害、児童等の福祉サービスを総合的に提供できる仕組みの推進といったことの確立を目指していこうということを記載しております。

 2ページ、「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部でございます。

 本年7月、私どもの厚生労働大臣を本部長といたします本部が設置されております。その中では、地域のあらゆる住民が役割を持ち、支え合いながら自分らしく活躍できる地域コミュニティーを育成し、公的な福祉サービスを協働して助け合いながら暮らすことのできる地域共生社会を実現する必要がある。

 具体的には、地域づくりを地域住民が我がこととして主体的に取り組む仕組みをつくっていくとともに、市町村においては地域づくりの取り組みの支援と、公的な福祉サービスへのつなぎを含めた丸ごとの総合相談支援の体制整備を進めていく必要がある。また、公的な福祉サービスも丸ごとへ転換していくために、サービスや福祉人材の養成課程の改革を進めていく必要があるといったようなことが示されております。

 また、並行いたしまして、骨太の方針あるいはニッポン一億総活躍プランにおいても同様の取り組みが取り上げられているところでございます。

 参考資料の6ページをごらんいただければと思います。記載というよりは、具体的にどんなものをイメージしながら議論しているかという実践例を御紹介できればと思います。

 地域の実践例マル1といたしまして、富山型デイサービスを御紹介したいと思います。

 ベースとしましては、介護保険の指定通所介護事業所という形でスタートしておりますが、あわせまして障害者総合支援の就労継続支援B型の事業を同じ場所で行っております。すなわち高齢者の方と障害者の方が同じ場を共有していらっしゃるというものでございます。また、あわせまして高齢者、障害者だけでもなく、子どもなど多様な利用者がともに暮らし、支え合うことで、お互いの暮らしが豊かになるといった効果。あるいは子どもとかかわることで、高齢者のリハビリや障害者の自立・自己実現によい効果を生むといったことが報告されております。

 写真が3枚ほど載っておりますけれども、まさに障害者の方とお年寄りとお子さんが同じ空間を共有していらっしゃる姿を拝見できるかと思います。このようなものをイメージしながら共生社会の議論をさせていただいておりました。

 資料2−4の3ページをお開きいただければと思います。介護保険とこのテーマに関するかかわりを少しまとめさせていただいております。

 介護保険制度におきましては、地域包括支援センターが設けられておりまして、総合相談支援事業として各種の相談支援を行っております。また、高齢者の社会参加の推進及び生活支援体制の充実・強化を図るための生活支援コーディネーターの配置といった事業を行っているところでございます。生活支援コーディネーターにつきましては、平成28年当初の時点で61.9%の保険者が取り組んでいらっしゃる。あるいは平成30年には全保険者で実施いただくといった体制となっております。

 また、あわせまして介護保険法の中では、地域包括支援センターの設置者に対しまして、民生委員などの地域の関係者との連携に努めていただくことを規定しております。また、介護予防・日常生活支援総合事業に係る指針(告示)におきましても、共生社会の推進の基本的な考え方に関する規定、具体的には要支援高齢者以外の高齢者あるいは障害者、児童がともに集える環境づくりを心がけることが重要であるといった形で規定させていただいているところでございます。

 さらに、先進事例といたしましては、地域包括支援センターが高齢者だけではなく、障害者、子育て世代等も対象とした相談を受けつけて、課題の整理あるいは情報提供、相談対応などを行っていただいている事例がございます。これは参考資料の13ページになります。世田谷区さんの例ですけれども、世田谷区さんは地域包括支援センターに「あんしんすこやかセンター」という愛称をつけていらっしゃいまして、このあんしんすこやかセンターの中に独自財源と申しますか、別財源で人を1人手当いたしまして、障害者の方あるいは子育ての家庭などの相談を受けていらっしゃる、あるいはその課題の整理など、その解決に向けた取り組みを同じ場所でやっていただいているといったような先進事例がございます。

 資料2−4に戻りまして、厚生労働省の中の動きですけれども、社会・援護局では本年度より多機関の協働により世帯全体の複合化・複雑化した課題に対応することができる総合的な相談支援体制を構築する取り組みにつきましてモデル事業の形で実施しております。また来年度の予算に向けまして、本日提出いたしております概算要求において、小中学校区等の住民の身近な圏域で住民が主体的に地域課題を把握し、解決を試みることができる体制を構築するといったモデル事業も盛り込めないかということで要求させていただいているという現状がございます。

 4ページ、丸ごとへの転換についてです。

 公的な福祉サービスにつきましては、御案内のとおり高齢者、障害者などの対象者ごとに典型的と考えられるニーズに対して専門的なサービスを提供するということで福祉施策の充実・発展に寄与してまいりました。

 一方で、対象者ごとに縦割りとなっている現在の制度につきましては、利用者の便宜の観点ですとか、サービスの提供に当たる人材の確保の観点で課題があると思います。

 この課題への対応として、厚労省におきましては福祉ビジョンに示しました方針を踏まえて、福祉サービスを総合的に提供する上で現行制度の中で運用上可能な事項を整理したガイドラインを発出させていただいております。

 参考資料の20ページにガイドラインの概要を載せさせていただいておりますが、一例を挙げますれば、例えば、複合型あるいは合築された施設におきまして、兼務が可能な人員はどんな人が必要であるとか、あるいは共用可能な設備としてこういうものがありますといった形で、丸ごとのサービスが提供されることを促進する取り組みを進めているところです。

 資料2−4に戻りまして、介護保険サービスと障害福祉サービス、各制度に固有のサービスがございます。また一方で、デイサービス、ホームヘルプサービス、ショートステイなど相互に相当するサービスをお互い持ち合っているといったものもございます。このようなサービスに関しまして、障害福祉制度におきましては障害福祉サービス事業所としての指定を受けていない事業所のサービスであっても、介護保険サービス事業所としての指定を受けていれば市町村の判断によりまして障害福祉サービスとして給付を行うことができる基準該当サービスという仕組みを設けているところです。例えば、1つの事業所で介護保険サービスとしてのデイサービスと障害福祉サービスとしてのデイサービスを同時に提供するといった形が実現されているところです。

 5ページですが、一方で、介護保険制度においても基準該当というサービスはございますが、中身が少し異なっております。同様の仕組みではございませんで、障害福祉サービス事業所としての指定を受けているだけでは保険給付の対象とすることはできません。したがいまして、必ずしもすべての障害福祉サービス事務所において介護保険サービスを同時に提供できる仕組みとはなっておりません。介護保険制度における基準該当サービスは、下の※に書いてございますけれども、指定要件の一部を満たさないなどの理由によりまして、介護保険での指定を受けていない事業所のうちで、都道府県が条例に定める基準を満たすサービスについて、市町村の判断によりまして保険給付の対象とすることができるという仕組みです。障害とは少し仕組みが異なっているということをお含みおきいただければと思います。

 また、この基準該当サービスはお話を伺っておりますと市町村の判断ということで、地域によって取り扱いに差があるとの実態があるという御指摘をいただいているところでございます。

 参考資料の28ページをお開きいただければと思います。同じ社会保障審議会の「障害者部会」に提出された資料でございますが、先ほど口頭で申し上げましたことを図式化しております。端的に申し上げれば、障害者の方が65歳になりますと、介護保険の優先原則ということで介護保険の被保険者となられます。しかし、それ以前に利用していらした障害者の施設につきまして、自動的に介護保険のサービスを提供する事業所にはならないというために、施設を移らなければいけないといった実態があることについての対応が必要ではないかということが、障害者制度の中でも議論になったということを御紹介しております。

 本体資料の6ページに戻っていただきまして、そのことを文章にしております。仕組みといたしましては、先ほど申し上げましたとおり介護保険優先原則があります。一応御参考までに障害の施設の入所者については、介護保険の被保険者とはしないとなっておりますが、在宅の方について介護保険優先原則があると。そのために、障害者の方が65歳を超えた時点でサービスの事業所を変更することを余儀なくされるケースがあるという点について指摘をいただいているところでございます。

 以上を踏まえまして、7ページの論点でございます。

 地域包括支援センターにおける総合相談支援や生活支援コーディネーターの取り組みなどにつきまして、地域共生社会の実現を目指す観点から、どのような対応が考えられるか。

 2点目、高齢者、障害者などが同一の事業所において介護保険サービス及び障害福祉サービスを利用しやすくすることについて、どのように考えるかということについて御議論をお願いできればと思います。

 説明は以上となります。

○日原総務課長 総務課長でございます。続きまして、お手元の資料3によりまして、ドイツの介護保険制度における介護手当について御説明をさせていただきます。

 最初に、1ページで、まずドイツの制度の概要を簡単にお示ししております。制度の立て方は社会保険方式でございまして、被保険者の方は年齢制限なく公的保険の加入者の方が対象となっておりまして、給付につきましても年齢による限定というのはございません。

 また、要介護区分につきましては、制度改正が行われたことによりまして来年1月から変更が予定されております。

 給付といたしましては、在宅介護、施設介護のほか現金給付として介護手当がございます。また、部分保険の考え方に立っていると言われておりまして、保険給付は定額制でございまして、それを超える部分は自己負担でございます。定率負担はございません。

 また、財源は保険料のみで公費負担は行われておりません。

 2ページにまいりまして、現金給付でありますドイツの介護手当について御説明させていただきます。

 まず、ドイツの介護保険は在宅介護を優先的に支援する仕組みでございます。在宅介護の場合、要介護者の方御本人が現物給付にかえて介護手当を受給することができるという仕組みでございます。現物給付と介護手当の組み合わせも可能でございまして、その割合は自由に設定することが可能となっております。

 お手元の表では、来年1月から施行される制度見直しが行われた後の介護手当の支給限度額を、現物給付の限度額とあわせて掲載いたしております。現物給付と介護手当を組み合わせる際には、支給限度額について調整が行われることになっておりまして、その考え方を表の右側にございます括弧の中でお示しいたしております。

 また、現金給付の限度額につきましては、現物給付の場合よりも低く設定されているということでございます。

その下に在宅介護の場合の給付を掲載してございますけれども、この中でショートステイなどの受給中につきましては、介護手当につきまして額などの調整が行われることになっております。

 また、このほか一定の要件を満たす介護者の方につきましては、社会保険料を負担する仕組みがございます。

 3ページに移りまして、日本の制度における現金給付に関するこれまでの議論についてまとめてございます。

 日本の制度につきましては、制度創設時より現金給付を介護保険給付として制度化するかどうかについて議論が行われてまいりました。制度創設時におきましては、家族介護が固定化する、あるいはサービスの普及を妨げるといったことへの懸念、保険財政が拡大するおそれ、また、介護をされる御家族の方には、まず在宅サービスの普及により介護の負担の軽減を図ることが重要であるといった考え方によりまして、現金給付の導入を行わないこととされたものでございます。

 また、制度施行後、最初の見直しについて議論が行われました平成16年の介護保険部会の意見のとりまとめにおきましては、介護保険の施行後サービスの利用が拡大したことですとか、国民の意識にも変化があったこと、また財政面の懸念などから現金給付に対する消極的な意見が強まっているとされまして、制度化は行われず現在に至っております。

 説明は以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 ただいま御説明がありましたけれども、それぞれテーマが個別のものが多いわけですが、これから皆様方から御意見・御質問をいただこうと思います。特段内容を分けずに、今御説明があったもの全体についてで結構でございますので、御意見・御質問をいただければと思います。いかがでございましょうか。

 では、花俣委員、お願いします。

○花俣委員 たくさんの論点がある中で大変申しわけないのですけれども、きょうお手元にお配りいたしました資料の説明をさせていただきたいと思います。

 本日の部会に先立ちまして、資料の一番最後についておりますが、厚生労働大臣宛てに家族の会より「認知症の人も家族も安心して暮らせるための要望書」を提出してまいりました。説明が長くなるとあれなので、前文を読ませていただきます。

 「認知症の人と家族の会は、2010年6月に発表した提言において、介護保険制度を、今後もさらに充実発展させるべき制度と考え、その進むべき方向を次の通り示しました」ということで4点挙げさせていただいております。

 「しかし、残念ながら介護保険を含む日本の社会保障の歩みは、私たちの願う方向に進んでいるようには思えません。『家族の会』では、2011年4月、厚生労働大臣あてに提出した『認知症の人も家族も安心して暮らせるための要望書』をはじめ、時機をとらえた要望、アピールを出してこの動きに警鐘を鳴らしてきました。特に2015年実施の改定に対しては、『生活が立ちゆかない』との悲痛な声が相次いでいることから、今年の4月に『撤回』を求める要望書を提出したところです」。この根拠になりましたものを、後半に介護者のアンケートの声として、つけさせていただいております。

 「しかしそれにも拘わらず、財務省からはさらなる負担増、給付抑制案が示されており、今、介護保険制度は重大な岐路に立たされています。

 こうした現状に鑑み、2011年4月の要望事項のすべてについて点検し、実現されたものについては国の一定の努力を評価して削除し、今日の状況を踏まえた新たな項目を追加した『認知症の人も家族も安心して暮らせるための要望書(2016年版)』を、ここにあらためて提出するものです」。

 これは、8事項58項目の大変多岐にわたった要望を記載しております。ポイントとしては、介護保険だけではなく、地域支援やまちづくりまで幅広い要望内容といたしました。また、2011年の要望を発展させたものであることと、今回の論点になっている介護保険をさらに後退させる内容を行わないように強く求めております。

 また、諸団体からの要望にも誠意を持って対応すること。つまり、私たちは今回、来年のADIの国際会議を控えて、関連5団体と一緒にプレイベントなどを企画しております。そんなところで、他団体からの要望にもぜひ耳を傾けていただきたいということを、この要望書の中でうたっております。

 また、この要望書はきょう配付させていただいて、細かいところについてはそれぞれの委員さんで、ぜひ御確認いただければと思います。

 以上が、きょうの添付資料の説明になります。時間がないので、これで一旦切ります。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 ほかに御意見・御質問ございますか。鈴木委員どうぞ。

○鈴木(邦)委員 それでは資料2−1からお話しさせていただきます。リハビリテーション機能の強化ですけれども、論点がありますので、それについて話をさせていただきます。

 リハビリテーション機能の強化については、まず、通所リハビリテーションと通所介護の差異がリハビリ専門職の配置の有無によるものであるかどうかを検証する必要があると思います。その上で、通所リハビリテーションは医療機関と老健施設しか開設できないために、通所介護との一体化は困難であると思いますが、それぞれの質の評価は必要だと思います。例えば、通所介護では、リハビリ専門職を含めたアセスメントと評価をして機能訓練を実施しているかどうかで差別化を図ることができます。通所リハビリテーションについては、リハビリマネジメント加算2(ローマ数字の2)の算定とともに、通所介護などの社会参加への移行状況を評価することが有効と思われます。

 次に、資料2−2の中重度者の在宅生活を支えるサービスですが、地域密着型サービスは少数の先進事例をもとに机上で考えられたものであることも多く、まだ現場で使いやすいものとなっていないところがあります。定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、さらなる要件の緩和や採算の向上などが必要です。小規模多機能型居宅介護については、登録制で包括払いであるにもかかわらず、通いや泊まりに上限があるのは不合理ですので、特に通いの上限は撤廃すべきです。

  次に、資料2−3で、安心して暮らすための環境の整備についてです。特養の入所者の重度化や看取りに対応するためには、配置医の業務と報酬の見直し及び外部サービスの関与のあり方の検討が必要です。有料老人ホームについては、サービス付き高齢者向け住宅や未届けの有料老人ホームを含めた計画的な整備と事業者の届け出義務の徹底や悪質な事業者への指導・監査の強化が必要ですが、入居希望者が必要な情報を入手できるように群市区医師会が事業者の評価と紹介に取り組むことなども考えられると思います。

 次に、資料2−4の我が事・丸ごとですが、地域包括支援センターは事実上、高齢者の支援に特化しており、障害者や子育て支援にも取り組むためには、それらに対応するための担当者の配置が必要となります。一方、生活支援コーディネーターについては、まだ役割も明確でないため、役割の1つに地域共生社会に取り組める人材の発掘を加えることが考えられると思います。

 それから、資料2−4に追加させていただきますけれども、介護保険サービス事業者のほうが障害福祉サービス事業者よりも圧倒的に数が多いので、利便性などを考えると障害者が若いうちから介護保険事業所に通えるようにするのがよいと思います。現行でも基準該当サービスとして認められていますが、行政の判断がまちまちで認められていないところのほうが多いと思われます。

 次に、資料3の、ドイツの介護保険制度についてです。現金給付があるということですが、ドイツでは地方分権が進んでおり、平野も多く、また人口も分散しており、東京のような一極集中はなく、多くの国民が職住近接でワーク・ライフ・バランスを実現しています。両親との同居は少ないですが、近距離に居住している割合も多く、現金給付による家族介護が成立しています。

 我が国において現金給付を制度化すれば、介護の社会化の理念が失われるだけでなく、介護負担がさらに重くなる家族がふえて、介護離職の増加などがさらに深刻な社会問題化する可能性があります。

 そこで、質問があります。1つは、先ほど説明がありましたけれども、ドイツの介護保険制度は部分給付であるとのことですが、中低所得者の自己負担についてはどのようになっているのか教えていただきたいと思います。中所得の方は自己負担が重く、自分の財産を提供して低所得者と同じような状況になって初めて公的な支援が受けられるという話を聞いたことがあるのですが、どのようになっているのか。自己負担の部分について教えていただきたい。

 もう一つは、ドイツでは介護保険制度の普遍化が行われているようですけれども、介護保険サービスが中重度者への部分給付に限定されている中で、障害者に対するサービスも一体化されていて、同じサービスを受けているのか、それも確認させていただきたいと思います。

 以上、2点の質問もつけ加えさせていただきます。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 質問が2つ出ましたけれども、今すぐお答えできるものと、できないものがあるかもしれませんが、事務局からコメントをお願いできますか。

○日原総務課長 ドイツの介護保険制度におきます自己負担についてのお尋ねをいただきまして、その点についてお答えさせていただきたいと思います。

 この資料をつくる中で参考にさせていただきました研究の中では、部分保険という考え方に立っていますので、例えば、ニーズのおおむね半分程度をカバーすることを目的としているといったような指摘がございますけれども、実額でどの程度かということはお答えできるデータを持っておりません。

 それから、障害サービスとの関係についてもドイツの制度の状況をお尋ねいただきましたけれども、こちらもお答えできる準備がなくて恐縮でございます。持ち帰りまして検討させていただきたいと思います。

○遠藤部会長 のありがとうございました。

 鈴木委員どうぞ。

○鈴木(邦)委員 ぜひ後で正確に詳しくお答えいただきたいと思うのですが、中低所得者の自己負担がどうなっているのか、負担の問題をぜひ教えていただきたいと思いますので、それもよろしくお願いします。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、先ほど手を挙げられた順番で馬袋委員、栃本委員でお願いします。

○馬袋委員 それでは意見を述べさせていただきたいと思います。

 まず、資料2−1のリハビリテーション機能の強化の論点ですけれども、マル2リハビリテーションマネジメント加算のように、多職種が連携して促進することについては非常に効果があるということが出ています。特に、3ページのマル6にあるようなリハビリテーション専門職と介護職の連携を有効な関係で評価されています。また、参考資料2−1の16ページにもありますように、介護職員とリハビリテーション専門職の連携というのは非常に効果があると言われています。

 そこで、訪問介護における生活機能向上連携加算というリハビリテーション専門職との連携を評価し加算というのがあるのですけれども、リハビリテーション専門職でありますPTOTSTと言われる皆様との連携の中において、特に訪問看護のリハビリテーション専門職との連携においてはこの評価がされていませんので、やはりリハビリテーション専門職との連携の評価というのであれば、訪問看護ステーションに帰属され、かかりつけ医の指示を受けながらリハビリテーションを実施されているリハビリテーション専門職との訪問介護の連携を評価し進めていくことが必要で、ぜひ進めていただきたいというのが1点です。

 それから、特にリハビリテーションの評価のところにもあるのですけれども、特に看護小規模多機能型居宅介護においては、病院から退院された後、継続して医療ニーズの高い利用者に看護サービスを提供しておりますけれども、その場合におけるリハビリテーションの提供ですが、これは自宅での訪問におけるリハビリテーション専門職のリハビリテーションの内容でしか評価がされておりません。せっかく小規模多機能型居宅介護及び看護小規模多機能型居宅介護における施設の機能である、通いの機能の場においてもリハビリテーション専門職が関与し、リハビリテーションなど実施することにより、効果的・効率的なリハビリテーションの提供が可能になるように検討すべきであると思います。

 それから、資料2−2の定期巡回・随時対応型訪問介護看護等の中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化についてです。

 私自身も介護事業において定期巡回・随時対応型訪問介護看護、略して定期巡回について推進しておりました。ただ、事業の普及について誤解があってはいけませんが、定期巡回が中重度者対応のサービスであり全ての利用者へ対応ができないので伸びないと言われることがあるのですが、これは幅広くケアマネジメントの問題であって、軽度者でも認知症の方々には定期巡回・随時対応型訪問介護看護は非常に評価され、生活リズムを戻し、回復されているケースも多くあります。よって、ケアマネジメントをうまく活用しながら定期巡回を推進することが一番重要です。

 そこにおいて定期巡回を推進している市町村においては、こういうケースがございます。地域ケア会議においてさまざまな定期巡回の提供や内容によって効果があったケースなどをケアマネジャーに利用の内容を周知して、そのことによって要介護1以上の訪問介護と定期巡回の訪問介護系全体における定期巡回の入っている比率が、全体の中で2割強も定期巡回が入っているという保険者もございます。すなわち、これは市町村など保険者が意思を持って推進すると、かなり普及するサービスであるということは事実です。

 ただ、経営的な内容からしますと、定期巡回の損益分岐点まで経営的に立ち上がるまでには人員基準の枠があって、そこの投資と利用者の確保のバランスが悪くて、なかなか経済的にも負担が重いので展開しないというところがあるのですが、ぜひそういう面ではオペレーターの配置及びオペレーターの兼務、その兼務も時間帯も緩やかにするべきだろうと思います。今、18時から8時まではケアスタッフと兼務できますけれども、8時以降は別々に配置しないといけないような規定になっています。利用者が1人か2人しかいない場所においてもそれを要求するというのは、事業運営を推進するのに抑制の要件になっている可能性がありますので、ぜひそういった要件緩和はすべきだろうと思っております。ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。

 それから、資料2−3の有料老人ホームですけれども、さまざまな課題が出ていることについては周知しているところですが、この対策として取り組んでいらっしゃる市町村の中で、地域ケア会議に有料老人ホームまたはサービス付き高齢者住宅におけるケアプランの内容について、そこに所属しているケアマネジャーからケアプランを説明してもらい議論しているケースもあります。すなわち、閉鎖的にならないように地域ケア会議等に施設のケアプランから運営状況等について説明する機会を設け、利用者の選択に資する情報を提供するケアマネジャー等が地域の十分な情報を理解する場をつくるというのも、そういった地域ケア会議等の場を使うとことも必要ではないかと思います。

 それから、最後に、資料2−2の在宅生活を支えるサービス強化のところで、論点3つ目の保険外サービスですが、定期巡回と配食や、その他の柔軟な介護サービスを提供している内容が参考資料がありますように、これらが実施できるに至りましては、保険者の制度の柔軟な運用に理解があったと思います。このように保険外サービスを一体的にやるときに、保険者によりさまざまな制限を設けられたり、指導があるためになかなか踏み切れないことがあります。このようなサービス組み合わせを提供した後に指導があって、介護報酬の返還ということがあったりしますので、ここはいかに柔軟にできるかという事例を、より多く国からも提示し、その解釈のあり方についても提示いただくことによって、保険外サービス、保険サービス、地域密着サービスなどの連携は広がるものと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 それでは、お待たせしました、栃本委員どうぞ。

○栃本委員 前半の事務局から説明していただいた項目がすごく多いので、それを一括してお話しするとあれなので、今たまたまドイツについてお話がありましたので、その部分だけお話ししたいと思います。

 総務課長さんが間違えたという意味では全くありませんので誤解のないように。よくドイツは、中重度の要介護3以上の人が給付の対象だというのですが、あれは在宅の介護時間を基本的な設定で始めたということから時間数が長くなって、単純に日本の基準時間と比較して要介護3以上というのは間違った通説的説明です。従来からもっと日本で言うところの要介護度の低い段階から給付が行われています。3段階は介護保険始まる前からです。また、ことし4月から始まるのは5段階になっていますよね。もう少し軽いところから入っています。

 もう一つは、障害者との関係ですけれども、ドイツは介護保険を導入する際に、介護というリスクは社会的リスクだと。人生の中で多くの人が皆ともになるから、それを部分的な形でですが生活保護で対応するのはいかがかということで、社会保険の母国ですから、それで介護というリスクに着目して介護保険をつくったという経緯ですので、医療保険に加入している人は皆、介護保険に加入し、なおかつ短期保険ですから保険料を払ったらリアルタイムで給付は受けるという組み立てになっているわけです。だから若い人も入るわけです。

 部分保険だという言い方が日本でもよく行われますし、ドイツでもそういう言い方をするわけですけれども、介護保険で給付される総額、各給付のそれぞれのグレードごとの給付額が決まっていますので、そこに自己負担が発生することがありますけれども、その場合多くは自動的に社会扶助から充当されます。そういう仕組みですので、それは後日また細かく事務局のほうで説明していただければいいと思います。

 そして、先ほど介護の社会化に反するとか、家族に縛りつけるという議論がありましたけれども、ドイツではそのような議論は一切ありません。むしろ実際に介護する人を社会的に評価しなければいけないではないかということから、2月のときも話しましたけれども、実際に介護をされている方々が、いわゆるアンペイドワークとかシャドーワークという形でそのままでいいのかという議論がありました。それを評価するということでそういう給付の形があるということで、何よりも現金給付とサービス給付、しかも現金給付はお金だけもらうということではなくてサービスを誰がやっても良いのですが、実際に行うということになっているのです。しかも、現金給付と現物給付、および組み合わせのそれぞれが選択できるということですから、市民社会にふさわしい社会保険制度で、はなからこれはいけない、あれはいけないという組み立てはできていないということだと思います。

 それ以外の中重度とかそういうものは別のときにお話しします。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。大西委員どうぞ。

○大西委員 まず、資料2−2の中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化の論点の1つ目です。定期巡回・随時対応型訪問介護看護の普及に向けてどういうことをすればいいかということですが、基本的には事業者の参入を促進する方策といったものを国において講じていただくことが必要であると思っております。この事業につきましては、地域によりましては平成25年4月に開設した小規模多機能型居宅介護等につきまして、利用者等の低迷から採算が確保できずに、この4月から休止しているといった自治体も聞いているところでございます。運営上の問題点として、利用者ニーズに応じて柔軟に対応できる人員体制の確保が必要であるにもかかわらず、サービス内容に照らし合わせて報酬単価が低い等々の難点があるとされております。

 また、小規模多機能型居宅介護を利用する場合には、ケアマネジャーが変更になる場合があり、アセスメント情報等が十分に引き継がれない場合があったため、利用者や家族が抵抗を感じたといったこともあるようでございます。そのようなことから、報酬設定や利用日の見直し、現在のケアマネジャーをかえることなく利用できるようにする等の基準緩和等が必要ではないかと思っております。

 また、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等の新設されたサービスは、利用者やケアマネジャーにサービスの内容等が十分に浸透しているとは言いがたいと思っております。国におきまして、この辺の制度の周知を一層徹底していただきまして、事業者やケアマネジャー等にサービスの内容を正しく理解してもらう必要があると思っております。

 また、論点の3つ目でございます。保険外サービスが一体となって提供されるためにどういう方策が考えられるかということでございますが、ケアマネジャーの質の向上、人材育成によりまして、制度外のサービスをケアプランに取り込んでもらえるように盛り込むような周知を徹底することが必要かと思っております。

 また、居宅を訪問してサービス提供等をするという密室性があるということには十分配慮しながら、サービスの質の確保を図った上で、保険給付と保険外サービスを組み合わせて提供することの自由化といったものも、そういう方向で検討してはどうかと思っております。具体的には、ホームヘルパーが訪問時に弁当などを宅配できるような介護サービス従事者の専従要件の緩和といったことが考えられるのではないかと思います。

 それに関連いたしまして、参考資料2−2におきまして中重度者の在宅サービスを支える機能強化といういろいろな事例が挙げられております。1314ページに、東京都の在宅老人ホームの取り組みの例が見られておりますけれども、この辺は都市部におけます人口密集地域でこういうサービスができようかということでございますが、我が高松市などにおきましても、これから人口減少等々におきまして高齢者が孤立しないように、まちづくり全体としてコンパクトなまちづくりを目指してやっているところでございます。そのコンパクトなまちづくりとあわせてコミュニティーを再生していこうということで、いろいろな施策をやっております。それに、この地域包括ケアシステムの構築というのがきちんと乗っかるというのが非常に重要です。したがいまして、各種施策の関連されたものを総合的に実施しているというのが我々自治体でございますので、その辺の関連施策に対して省庁が違ってくるのかもわかりませんけれども、ぜひとも厚労省さんに働きかけていただいて、連携をしていただいて、このような自治体の行う施策を積極的に支援していただきたいと要望いたします。

 それから、資料2−3の安心して暮らすための環境の整備ということでございますが、1つは、特別養護老人ホームをどうしていくかということでございます。特別養護老人ホームは、ついの住みかとしての役割を期待するということで、重度化に特化したような形で医療的ケアの対応、あるいはみとりといったものも非常に大事になってきます。そういう中で、介護職員の負担軽減を図りながら、離職防止を図り、安定したサービス提供を可能としていく方向で、いろいろ制度を充実していくべきだと思っております。

 ただ一方で、特別養護老人ホームにおきましても機能訓練等によりまして重度化を抑制して、介護度を改善して、できれば在宅復帰といったようなことも進めていくような方向も考えていくべきだと思っております。

 それから、有料老人ホームですけれども、適正な事業運営が必要だということで、定期的な立入検査等による指導のほか、高齢者虐待等が最近多く問題になっておりますけれども、研修の実施による施設職員の意識向上といったことをきちんと図っていく必要があろうかと思っています。

 また、有料老人ホームにつきまして、入居希望者がいろいろな情報、必要な情報を的確に入手できるように、あるいはいろいろなところを比較して最も自分に合ったものを選択できるように、全国の有料老人ホームの検索サイトみたいなものを開設するとか、あるいは一覧表を何らかの形で示すという、事業者団体が主体となって取り組んでいただくべきことかと思っておりますけれども、そのような取り組みも促していく必要があるのではないかと思っているところでございます。

 それから、資料2−4でございますけれども、我が事・丸ごと地域共生社会の実現ということで、地域包括支援センターの相談支援とかその辺を充実していくべきだということでございます。論点としてどのような対応が考えられるかということでございますが、地域包括支援センターや生活支援コーディネーターが中心となって、高齢者だけでなく障害者や子育て世代など多様な主体が参加できるような世代を超えたような形での地域包括ケアシステム構築といったものは、我々としても非常に必要性が高いと考えているところでございます。

 この地域包括支援センターというのが各市町村にそれぞれ置かれているわけでございますが、全国どこでも専門職の関与が得られる重要な機関として位置づけられております。センターにおける高齢者の総合相談支援が多くの問題を抱えた多問題家族等の支援や、あるいは地域づくりのきっかけになったり、そこが中心となって先ほど言いましたような集約型の地域づくりの拠点となるといったことが多いと伺っております。

 ただ、今、高松市の地域包括支援センターを見ておりましても、総合事業への移行などの準備やその辺の手配で手いっぱいでございます。大きな制度変化の途上にあって、毎日の相談業務をこなしながらやっているということでございます。そして、さらに対象者を拡大して総合相談機能を持たせるということは、また新たな専門性を身につけてもらわなければならないということになりますので、今の介護保険制度における人員配置基準や業務との整合性を図る必要があるということでございますけれども、それをさらに付加するということになりますと、なかなかすぐには難しいのではないかというのが実情でございます。したがいまして、地域の実情に配慮しながら慎重にというか、できるだけ手順を踏んでゆっくりと、方向性としては正しいと思っておりますので、進めていっていただきたいと思っております。

 また、その場合に、新たな人材確保の方法、支援策あるいは各市町村が持っています社会福祉協議会との機能分担あるいは連携といったものを、今以上に強化していく必要があるのではないかと思っているところでございます。

 以上でございます。

○遠藤部会長 どうもありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。齋藤委員どうぞ。

○齋藤(訓)委員 リハビリにつきましては、通所リハと通所介護のそれぞれの特徴を踏まえ、どうすべきかという論点が上がっているのですけれども、特に通所介護は事業所数も非常に多く、また、中身としても専門職が関与して通所リハに近い内容のサービスをやっているところから、医療ニーズにも対応できるところ、あるいは主に長時間のお預かり機能といったところと、事業所によってはサービス内容がかなりバラエティーに富んでいるという印象を持っています。この状況では、利用者のほうも通所介護と通所リハの違いをはっきり認識することもなかなか難しいのではないかと思っています。

 もちろん通所介護で得られる効果というのは、社会参加であったり、あるいは参加者との交流、レスパイトといった要素も重要ですけれども、介護保険のサービスである以上、自立支援の理念に基づいて身体機能、生活機能の改善あるいは維持が目的にあって、メニューが組まれるというのがあるべき姿だと思います。このように考えますと、通所リハと通所介護でいま一度役割分担を図るというよりは、通所サービスを統合していくような方向で、リハビリの提供あるいは重度者対応といった機能については介護報酬の中で評価し、専門職の配置について外づけも可能とするような仕組みを検討したほうが現状に適している、かつ、また柔軟なサービスになるのではないかと考えます。

 それから、中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化につきましては、論点で具体的に名前が挙がっております3つのサービスのうち、看護小規模多機能型居宅介護については平成24年のサービス創設以降、私どもの団体でもサービスの周知普及に取り組んでまいりましたけれども、事業者から御相談がいろいろ入ってくる中身として、依然として保険者である市町村の理解に差があることが、事業所数がなかなか伸びない一つの要因だと考えております。

 市町村によっては、地域の事業者向けに説明会を開催したり、開設マニュアルを整備したり、積極的な設置支援をしているところもありますけれども、逆にまだ市内に1カ所も看多機がないというところで申請しても、計画にないからと受け付けてもらえなかったり、あるいは仮に開設しても行政の担当者が運営基準や報酬について理解されておらず、事業者からの質問に答えてくれなかったり、あるいは全く基準にないことで指導を受けるという御相談が私どもには来ております。

 定期巡回も看多機もそうなのですが、行政のかかわりをどうするのかという話は数年前からずっと課題として上がっております。特に行政職員は数年サイクルで異動があって、なかなか制度に習熟した人材確保が難しいという構造的な問題があるにせよ、それが看多機など新しいサービスの設置が進まない一要因になってはいけないと思いますので、国や都道府県からの情報提供をさらにより一層進めていくとともに、もう少し個別の市町村に対応できる仕組みを考えていく必要があるのではないかと思っております。

 例えば、これは一提案でございますけれども、平成30年から全市町村で実施されることになっております地域支援事業の中でも、在宅医療と介護の連携推進事業、ア〜クまで8つのメニューの中で、住民教育やあるいは医療・介護の関係者の研修・教育というのがありますけれども、それにプラスアルファして、行政職員が制度やサービスの理解を深めるための教育や研修も位置づけて実施していくということも一つの方法ではないかと考えています。

 それから、安心して暮らすための環境整備の特別養護老人ホームの論点につきましては、今後、入所者の重度化や療養病床の再編のこともあって、医療ニーズにどう対応していくのかが大きな課題になるだろうと思っております。重度者の割合が高い特別養護老人ホームでは、医療ニーズへの対応をかんがみれば、本来は看護職員もどう配置するのかというのが議題になるのではないかと思います。今でも100人に対して看護職員3人以上という基準で、おおよその特養では平均五・何人というのがたしかデータで出ていて、基準よりは看護職を加配して対応しているという状況かと思いますが、これ以上さらに看護職の配置基準を引き上げるということになりますと、地域や施設規模によってはそういう対応が非常に難しい特養もあろうかと思います。ですので、今後は特別養護老人ホームに訪問看護などの医療系サービスが外から入るという仕組みを検討していくべきではないかと思います。今現在、がんターミナル等の場合は外から訪問看護が入れるようになっておりますけれども、もう少しそういった対象を拡大して、医療提供体制については外づけによる整備も選べるようにして、地域全体で支えていくという方向性を考えていくべきではないかと思います。

 4点目の我が事・丸ごとの2つ目の論点にあります高齢者・障害者等の同一事業所でのサービス利用につきまして、障害福祉サービスのほうでは障害の種別だけではなく、利用者お一人お一人の特性やこだわりに応じたきめ細やかな対応をされていることと思いますが、利用者が介護保険の年齢に達したところでなじみのサービスが利用できなくなるというのは、地域での安定した生活の継続あるいは自立支援を阻害していく要因にもなりかねないと考えております。ですので、サービスの人員や設備の基準等も異なりますので、一律に要件緩和をするのは難しいかと思いますが、一定条件のもとで、高齢になった障害者のサービス継続利用を担保する仕組みというのは検討すべきではないかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。それでは、鷲見委員どうぞ。

○鷲見委員 1つ目のリハビリテーションにつきましては、医師の参加によるリハ会議、担当者会議と有機的に連携できる場が設けられたことで、利用者の状態像に合ったマネジメントが進められてきていると感じています。今後に向けては、リハ会議、担当者会議をより有効な場として、特に利用者の活動から参加の視点を重視した内容にしていくことが重要だと考えています。

 マル4の地域共生社会の実現については、既にケアマネジャーが担当しているケースの中に、障害者が介護保険に移行しているケース、または、両制度を併用しているケースもありますし、御家族で障害者の方がいらっしゃって、今までお世話をしてきた方が要介護認定者になっているというようなケース、現場では障害者に対する支援も進められているのが現状でございます。その中にあって、支援相談員の育成過程、介護支援専門員の育成過程、研修体系の違い、今まで受けてきた支援内容や方法の違いも踏まえて、当事者の支援が損なわれることがないように、支援の視点の共有などを慎重に、かつ前向きに連携・検討していくことが重要だと思っています。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、鈴木隆雄委員、お願いいたします。

○鈴木(隆)委員 私は、資料2−1のニーズに応じた自立支援や重度化予防について、特に通所リハと通所介護の差がよく見えなくなってきているという点について、少しコメントさせていただきたいと思います。

 確かに、通所リハと通所介護というのは、よって立つところが違うというのはわかるのですが、結果的に何となく似ているなというイメージはありました。今回データをたくさん出していただいて少し見せていただいたのですが、通所リハと介護の基礎疾患が脳卒中と認知症という多少の違いはありますけれども、例えば、参考資料2−1の3ページを拝見いたしますと、リハと介護のそれぞれの受給者と費用額が出ておりますが、これは大ざっぱに見ると、リハと介護1人当たりの単価というのは余り大きく異なっていないように思われます。例えば、通所リハですと人数は約400万ちょっとで推移していますし、それに対するサービス費用総額というのがざっと4,000億円。一方で、通所介護のほうは平成26年を見ますと、160万人に対して総費用が1兆4,000億円ということですので、これだけ見ると我々の試算で1人当たりの費用というのはそれほど大きくずれていないと思われます。

 ただ一方で、いろいろ似通った点もあるけれども、私が非常に注目しているのは、その結果がどのように表れたかを見ますと、9〜10ページに日常生活自立度の変化と要介護度の変化で、通所リハではいわゆる日常生活自立度が改善あるいは維持されたものが足し合わせると約80%、通所介護では64%ぐらいと。ただ、不明・無回答がかなり大きい割合を占めていますので、これをそのまま対応していいかどうかわからないけれども、少なくとも通所リハのほうが生活自立度の変化が多分有意に改善されている。その中身を見ますと、脳卒中、認知症いずれももちろん加算も入っていますが、リハのほうが高い改善率を見ているというのは見てとれるかと思います。

 それから、最終的に要介護度の変化も拝見いたしますと、通所リハでは七十数パーセントで、通所介護では60%台ということで、言ってみれば1人当たりの費用総額が余り大きく変わっていないにもかかわらず、生活自立度あるいは要介護の変化については通所リハのほうが改善率が高いのではないかと思っております。

 そういうことから考えますと、通所介護のほうをもう少し、特に生活自立度を改善させる方向で上げていくという方策が多分重要ではないかと。今回のテーマのリハビリテーション機能の論点で、特にマル1について、それぞれの特徴を踏まえてどうすべきかということなのですが、ある面でのコストパフォーマンスを考えますと、通所リハという手厚い人員配置と専門職も医療系ですから配置され、もちろん医療費負担もかさんでくると思われますが、費用が非常に高くなれば別の話かもしれませんけれども、費用が1人当たりの単価としてそれほど大きくないということであれば、こういうところに注目して今後の改善を図っていくべきではないかと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。武久委員どうぞ。

○武久委員 まず、資料2−1ですけれども、要介護度が重いというか動けない人に対して動けるようにするというか、ADLができるようにするというのはOTPTSTの配置人数によって評価してはどうかと思います。全くいないところでは介護者や看護師さんへの協調の指導も十分できないと思うので、たくさんいればよくなるとは思っております。

 それから、資料2−2ですけれども、小規模が伸びないというのは、私はケアマネジャーが従来のケアマネジャーから居宅でいるにもかかわらず変わってしまうということも大きいのではないかと思います。どうしてかというと、実は小規模というのは通所と訪問とショートとあるのですけれども、ショートが地域によっては意外に高いということで、通所・訪問は小規模を使うけれども、ショートはよそのものを使うという場合には、マイケアマネジャーというか、鷲見委員がいつもおっしゃっているケアマネジャー的な方がいないとうまくいかない。3つのサービスを必ずそこの小規模多機能でとらなければいけないとなっていると、ちょっと問題かと思います。

 また、ことしの診療報酬の改定で、ケアマネジャーが病院に行くということを医療保険で評価されておりますし、基本的に介護支援専門員がどのような動きをするかというのは非常に重要かと思っております。

 それから、資料2−3の特養は今後どういう役割が期待されているかというのは非常に大きな論点になっているのですけれども、特養はついの住みかと言われて久しいわけですが、これは住みかなのですか、それとも施設なのですかということをまず問いたいと思いますし、要介護状態を改善する機能があるのかということです。それから、機能はあって特養で要介護度がよくなれば退所するという選択はないのかどうか。それから、一回よくなってもまた悪くなったときには再入所できる保証をつけた上でそういうふうにするとか、特養で感染症になった場合に、もう90歳だからこのままターミナルでというのも本人に失礼で、感染症でちゃんとした治療をすれば治るのであれば、治してあげないといけないと思うんです。安易なターミナルというのは御本人のためにならない場合もありますから、病院に入院したときに特養の部屋はそのままになるんです。そうすると、患者さんは病院にいながら部屋は空いていると。ここの有効利用を考えていかないと、特養を幾らふやしても効率が悪いということにもなりますし、その辺のところで特養に関しては、平成30年の同時改定に向けて少し大きな改革をしていただければと思っております。

 それから、黒田課長のところで療養病床の病床転換特別部会というのがあります。ここは療養病床だけでなく、一般病床からも施設や住居に転換できないかという要望もありまして、介護療養型医療施設や25対1の医療療養が施設や住居になる。これは平成30年が終わって4〜5年のうちには、私の予想では20万床ぐらいの病院内の施設住居ができると想定しております。そうなると、従来の老健や従来の特養との整合性やいろいろなこと、設備計画ということで特養の役割との整合性というのは非常に問われてくるのではないかと思うわけですけれども、これについては質問ではありませんので、私の推測というか将来予想が杞憂に終わらなければいいと思いますが、現実に病院の病床がどんどん福祉施設系に変わっていくということに対して、周辺部の対応が十分なされることが肝要かと思っています。

 ありがとうございました。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、東委員どうぞ。

○東委員 「リハビリテーション機能強化」についてです。参考資料2−1「自立支援・重度化予防を推進する観点からのリハビリテーション機能の強化」に記載されたリハビリテーション関連のグラフ等のデータは、厚労省で実施した介護報酬改定の効果検証調査の結果であることは皆さん御存じだと思います。平成27年度の介護報酬改定では、通所リハビリと通所介護の区別が明確にされたということも皆さん御存じだと思います。

参考資料2−1の7ページ「アセスメントにおけるADL評価指標の活用率」を見ますと、通所リハビリは76.7%、通所介護は27.3%という大きな差が出ております。同じく8ページ、「指示医または医師との連携の有無」もかなり大きな差が出ております。また、9ページを見ていただきますと、ここは鈴木委員も御指摘されましたが、「日常生活自立度の変化」は通所介護に比べて通所リハの方が有意に改善度が高いと思われますし、傷病別に見た認知症におきましても通所リハビリの改善度が大きいことがわかります。さらに10ページの「サービス開始時からの要介護度の変化」を見ましても、「向上」が通所リハビリは有意に高くなっておりますし、「低下」も通所リハビリと通所介護では差があると思います。以上の結果は、平成27年度の介護報酬改定で示された方向に進んでいることが実証されたものだと思います。

 それから、11ページの「通所リハビリテーションと通所介護の比較」をご覧下さい。一番上に「違いがわかりにくくなっているとの指摘がある」とございます。しかし、この表を詳しく見ますと、一番下に「1人当たり平均個別リハビリ(個別機能訓練)時間」では通所介護の方が時間が多くなっております。しかし、通所介護の場合は、約88%がPTOTSTの専門職以外が携わっており、それで個別機能訓練の時間が22.4分となっています。一方、通所リハビリの場合は全てPTOTSTがかかわって、個別リハビリの時間が16.6分ですので、この時間の長短をもって通所リハビリより通所介護の方が手厚くリハビリ的なものが行われると考えるのはおかしいのではないでしょうか。

 以上のことを踏まえまして、資料2−1の2ページ「現状と課題」のマル5に「リハビリテーション・機能訓練による日常生活自立度や要介護度の変化などにおいて、両サービス間に差異があったが、」、「一方で、利用者の要介護度やケアプランの目標設定、サービスの利用時間、リハビリテーション・機能訓練で実施されている訓練の内容等では、両サービスは類似していた」とありますが、どちらかというと後者が強調されています。しかし、これはぜひ逆にしていただきたいと思います。もともと通所リハビリと通所介護は類似していたものが多かったが、平成27年度の介護報酬改定によって、要介護度や日常生活自立度等において両者間に明らかな違いが出たということが大きい事実だと思いますので、ここの表現は訂正していただきたいと思います。

 それから、「中重度者の在宅生活を支えるサービスの強化」についてです。参考資料2−2の11ページ「定期巡回・随時対応型訪問介護看護の事業所数・利用者数等」に利用の実態が非常に大まかに出ております。また、同じく9ページ「24時間の定期巡回・随時対応サービスについて」のポンチ絵の真ん中右に、「夜間・深夜の対応は日中と比べて少なく、利用者からのコールも少ない。(イメージが実態と大きく異なっていることが多い)」との記載がございます が、実際どれくらい夜間・深夜のニーズがあるのかを次の機会でも結構ですので、ぜひ、お示しいただきたいと思います。私は意外に少ないと思っております。

 最後に資料2−4「『我が事・丸ごと』地域共生社会の実現」の7ページの論点に「地域包括支援センターにおける総合相談支援や、生活支援コーディネーターの取組等について」云々の文言がございますが、これは以前の介護保険部会でも申し上げましたが、地域包括支援センターに余りに多くものを求め過ぎではないでしょうか。また、今までも非常に大変な業務を担っているところに、『我が事・丸ごと』の課題を突きつけるのは、私は無理だと思います。やはり地域包括支援センターの業務内容をきちんと整理した上でこういうことを求めるべきだと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長 それでは、桝田委員どうぞ。

○桝田委員 まず、資料2−1の問題ですけれども、参考資料2−1に通所リハビリと通所介護の基本方針が書いてございます。13ページを見ていただきますと、通所介護とリハビリテーションの実施時間があります。通所リハビリテーションというのは、いわゆるリハビリテーション前置主義に基づいた部分ですので、短時間型がもっとあってもいいのではないかと思います。でも、見ますと、6〜8時間が約8割。ということは、通所介護のほうがメーンとしています日常生活の世話という部分が、この時間の中に大部分入ってきていると考えられます。それによって、通所リハビリと通所介護のどちらがどうかというのが非常にわかりにくくなってきています。少しそこの部分が通所リハビリについては問題があるのかなと思います。

 一方、通所介護ですけれども、13ページの表から見ますと時間配分はいろいろな時間帯が結構あります。でも、そこで最近問題になっていますのは、日常生活の世話と機能訓練というのが通所介護の両だてのメーンの基本方針です。でも、お風呂に入ることもなく、食事もとることがなく、機能訓練だけに特化した短時間型のデイサービスが非常に増加しました。機能訓練だけを売りにしていて、食事もないですよ、入浴もないですよと。でも、それであれば、もっと専門職の通所リハビリのほうにお任せしたほうが、医師の指示も全てありますので、一番リハビリテーションに向いているはずなんです。それが通所介護のほうで行われるというのは、内容的にそれだけの内容が備わっているかどうか少し疑問があります。ですから、そこの部分をトータルで、もともとの本旨に基づいた報酬体系等で少し区分けをする必要があるのかと思います。

 資料2−2ですけれども、小規模多機能はなかなか増えていきません。スタートしてもすぐに閉めてしまうところも結構多いです。非常に経営が難しいと。経営が難しい部分の中に、ケアマネさんの問題が一つあります。もう一つは、メーンとなるところに小規模多機能をつけるのが経営的には一番いいはずなのですけれども、特別養護老人ホームへの併設は長く地域密着型特養でないとだめでした。それが広域型の特別養護老人ホームでも小規模多機能を併設してもよろしいということになりました。でも、全く進んでいません。やはりここをもう一度進めるためには、既存の施設、特別養護老人ホーム等に、そこの機能、そこの設備を丸ごと使った類型をつくるのが一番いいのではないかと考えます。特養ですと大部分はデイサービスセンターを持っています。訪問介護も事業として行っています。ですから、そこの中で職員は兼務する、デイサービスセンターもその中で区分けしていって、そんなに建物を整備するのではなくてやっていくことによって、報酬もそれほど高くなくても経営していける可能性があります。

 特に、これから過疎地においては、これから事業縮小が行われる可能性が強い地域が出てきました。利用者が減っていっています。そうなると、利用者サービスをきっちり全ての項目で維持していくという意味からいいますと、小規模多機能は非常に有効なのですけれども、そこをつくれるような形というのを、既存施設を使った形は必要だと思っております。

 資料2−3ですけれども、特別養護老人ホームの問題ですが、先ほど外部からの訪問看護の導入云々というのがありました。確かに、重度者の方がふえて医療ニーズがふえてきています。でも、現場の実態から言いますと、多職種連携体制という面からいうと外部から応援をいただくというだけでは非常に難しい問題があります。それよりもかえって介護職員さんが医行為をどの程度フォローしていけるのか。医行為といっても全ては無理です。日常生活行為に類する、平成24年から痰の吸引等について研修を受けた介護職員、今回は介護福祉士の試験を受ければ痰の吸引等は実務研修をすればできるようになってきました。その痰の吸引であったり経管栄養であったり、次のステップとして、例えばインシュリン等について介護職員でもできるようにできないのかという議論を始めてもいい時期かと思っています。介護福祉を中心とする職員が日常生活に類する行為、いわゆる(医療的ケア)…。

○遠藤部会長 桝田委員、申しわけありません、まだ発言されていない方が十分いて、あと10分で終わるというのが一応の予定ですので、できるだけ簡潔にお願いいたします。

○桝田委員 はい。そういう意味で、インシュリン等の自己注射の検討時期に入ったのかなと思っております。

 では、以上でございます。

○遠藤部会長 失礼しました。

 それでは、伊藤委員、お願いいたします。

○伊藤委員 資料2−2、中重度者についてですけれども、中重度の方にサービスを提供することによって在宅限界を高めるという趣旨であれば、定期巡回・随時対応サービスが中重度の人にどれだけ利用されているのかを把握する必要があると思います。きょうの資料だと参考資料2−2の11ページに、要介護度3以上の人が50%だということだけは出ておりますけれども、そうすると半々ということなのだろうと思うのですが、ビジネスモデルとして軽い人と重い人を両方入れて回していくということにしないとできないということかもしれませんが、オペレーターの配置基準の緩和なども行われたところであり、中重度の人がよりサービスを受けられるようにするということであれば、むしろ人員をふやすという検討も必要ではないかと思います。

 次に、資料2−3の安心して暮らすための環境整備についてですが、有料老人ホームのことで1つお願いをさせていただきたいと思います。入居者にとっては、入居先の有料老人ホームの設置時期というのは余り関係がないと思いますので、設置時期によって前払金の保全義務がかかるか、かからないかが違うということは、やはり望ましくないと思います。そこは区別なく保全されるような措置を願いたいと思います。

 次に、資料2−4の丸ごとについては、福祉サービスの利用者の側から見てワンストップサービスで連携強化していくという意味でメリットがあると思いますし、実態としての地域での担い手の問題などを考えると、一定の理解をするところですが、それによって資格制度や報酬を2020年代初頭にはまとめていくというようなことまで省内の検討がされているようですので、検討にあたっては質の確保については絶対に忘れないでいただきたいと思います。きょうも何人かの方から発言がありましたけれども、地域包括支援センターで対応するという話については、今回のこの場でも3月ごろ地域包括支援センターの議論がありましたけれども、何でもかんでも地域包括支援センターが担うという方向になっており、抜本的な体制強化が必要になってくると思いますので、そういった点からも検討が必要だと思っています。

 また、ここの場は介護ですけれども、障害の側の立場からすれば、障害者総合支援法の一部改正法案が今年の通常国会で成立して、そこで衆・参の附帯決議もついていて、ここでは介護保険優先原則について障害者の介護保険サービス利用の実態を踏まえつつ引き続き検討を行うことと決議されています。こういうことも十分留意しながら検討していく必要があると思います。

 最後に、資料3の現金給付については、連合としては2000年に介護保険制度をつくるべきと強く運動してきた背景に、主に女性が家族介護を担ってきたということを変えていく、介護の社会化のために制度の創設を強く求めてまいりました。今般の政府の最優先の課題が、まさに介護離職の防止と女性活躍推進であり、きょうの資料3ページの平成8年の「老人保健福祉審議会」の消極的な意見にある問題、家族介護が固定化され、特に女性が家族介護に拘束されるおそれがあるという課題については、今般の政府の認識においても引き続きある問題だと思っています。もし、現金給付を行うことによって現物サービスが縮小していくということで、また保険者も安易に現金給付に走るということになっていくと、介護サービスの基盤が崩れていくということになりかねず、介護と仕事の両立が後退するということで非常に問題があると考えております。とはいえ、家族等介護者については非常に多様化していまして、若い20代の人が家族介護をやることになって進学や就職に支障を来したり、晩婚化が進んでいるから子育てと介護を同時にやらなければいけないとか、また健康面や相談体制などいろいろな課題があるとも言われております。ですので、こうした介護者支援については非常に重要なポイントとして検討していく必要があると思っております。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 井上由美子委員どうぞ。

○井上(由)委員 質問が1点、考え方2点を述べさせてください。簡単に申し上げます。

 まず質問ですけれども、資料2−3、有料老人ホームについて幾つかのやらなければいけないことがあり、その中の1つに、健康管理というのがありますが、これはどういう職種の方がどのような健康管理をなさるのかを伺いたいと思います。

 これは先に答えを伺ったほうがよろしいですか。

○遠藤部会長 どちらでもいいですよ。お任せします。

○井上(由)委員 では、続けます。考え方ですけれども、まず簡単なほうから言いますと、現金給付については伊藤委員と同じ理由で私は反対です。まずはサービスの整備をすべきだと思っております。

 それから、資料2−1、リハビリテーションについて簡単に申し上げます。まず、参考資料2−1の17ページ、リハビリテーションのところで図がございます。これは2ページのICFの図をわかりやすくという目的でアレンジされたものと思われますが、これはICFをアレンジしたものとしてはちょっと違うのではないかと疑問を感じております。具体的に言いますと、例えばALSの方の場合、機能回復訓練よりはむしろケアや環境整備のほうが大事だと思います。機能回復訓練で何とかなるものではないと伺っております。

 では、ALS患者の人は放っておいていいのかということになりますが、そういうことではなくて、ケア、環境整備があって、むしろリハビリテーションの目的というのは、17ページにも書いてありますように、その人の参加や活動ということが目的です。この活動・参加というのはあくまでも社会活動、社会参加ということを常に念頭においていただきたいと思います。単に機能回復訓練をしてレクリエーションなど、何かに参加すればいいということではなくて、その人の生きがいをもとにして考える参加であり、活動だと思っております。

 例えば、世界でも有名なホーキンス博士みたいな例もございます。彼は全く動けなくて世界一の宇宙物理学者だと言われております。それから、私どもの周りにも文学やいろいろなことを発表して、ちゃんと収入を得て、税金を払っている人もおります。全く動けず、機能的にはだめでも、環境・機会を整備することによって、発表をなさっている方もいらっしゃいます。人間の尊厳や生きがいを目的に、活動や参加という観点を重視したリハビリテーションがICFの考え方です。ICFの図を基にするのであれば正確に使っていただきたいと思います。

 以上です。○遠藤部会長 ありがとうございます。質問がございましたけれども、よろしいですか。

 それでは、陶山委員、お願いいたします。

○陶山委員 私からは資料2−2の中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化をお話しさせていただきたいと思います。先ほどいろいろ出ておりますが、サービスの普及がなかなか進まないということですけれども、参考資料2−2の10ページに普及の促進に向けて必要な項目が列挙されていますが、私からは人材確保の観点からお話をさせていただきます。

 私どもでも、対象のサービスを行う組合員に話を聞いていますが、特に夜間対応型や定期巡回では、在宅でありながら24時間コールを受けつけ、定期・随時対応を行うために夜勤者の確保が特に困難だということです。具体的には、区域全体を少数のスタッフが車で駆けつけるために、募集をかけても免許の問題や深夜勤務を1人で行うなどの関係で人がなかなか集まらない。さらに、随時対応する夜間対応や定期巡回は、訪問介護のように顔見知りのヘルパーが決まったサービスを行うわけではなく、体調不良や転倒時の介助、排泄の失敗などに対応するために、事前に情報共有してはいるものの即座に臨機応変に、時には各家庭にある物品を利用してサービスを提供するという高度なスキルを必要としています。そのため、さまざまな在宅サービスの経験の豊富な方が必要であり、すぐに一人でケアできるということではないということでございます。ひとり立ちするために時間を要する上に、そもそも変速勤務をやりたいという希望をする方が少ないのが現状でございます。

 8月2日に閣議決定された「未来への投資を実現する経済対策」の中でも、介護人材の処遇改善が喫緊の課題とされていますが、この分野につきましても加算の増額を含め、働き方の改善など、人が集まる職務とするために知恵を出していかなければならないと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 それでは、佐野委員、お願いいたします。

○佐野委員 1点だけ申し上げます。現金給付のところでございますけれども、今までの介護保険制度の流れを見ていても現金給付の必要性はないと考えております。現金給付の制度を入れた場合には、新たな給付増につながることが考えられますし、また、制度の持続性確保の観点から見ても、給付適正化を求める中で、現金給付になりますとどうしても不正受給という懸念もありますので、そういう面では逆方向に働くのではないかと考えますので、現金給付の必要性はないと考えております。

 

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 石本委員どうぞ。

○石本委員 3点申し上げます。

 まず、資料2−1につきましてですが、リハビリ機能を今後さらに強化するということで先ほど来意見が出ておりますが、リハマネ加算2(ローマ数字の2)というのができたことによって非常に強化が進んできているというのは、そのとおりだと思います。ただ、他方で2(ローマ数字の2)をとりたくてもとれていない事業所もありますし、とっている事業所も算定要件を満たすために現場で時間と人が非常に割かれているという現状も否めないのではないかということで、とりたいけれどもとれていないところはなぜとれていないのかということを明らかにすることが、さらに強化を進めていくことつながるのではないかということと、通所介護に関しましても、やはり公的保険から給付するという位置づけにおいては、何を通所介護に求めていくのかというのは今一度検証して明確に打ち出す必要があるのではないかということが1点。

次に、小多機、看多機のところに関しましては、先ほど来出ていますように、内マネ・外マネの問題であったり、経営上の問題というのが進展を妨げているという点は否めないのですが、利用者や現場の感覚からしますと、そもそも「小規模多機能」というネーミングがなかなか定着しづらいというのは本音的にはあります。例えば、グループホームというネーミングは一般化されてきておりますので、このような愛称的な呼び名というアイデアの切り口も一つあってもいいのではないかというのが2点目。

 さいごに、特養に関しましては、今後、中重度者、医療依存度が高い方がますますふえていくであろう中において、当然、介護福祉士をはじめとした人材がそのニーズに応えていくということが求められていくのですが、他方で、医療的ケアの研修会などが今実施されておりますが、なかなか受けたくても受けられない、そういった人材を養成して準備したいけれどもできないという現場の実態がございますので、人材を養成しやすい環境を整えていくことも考えていかなければいけないのではないか、という3点を申し上げさせていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。それでは、2回目になりますが馬袋委員、お願いします。

○馬袋委員 先ほど定期巡回のところで課題として挙がっているところに、1つ追加をしていただきたいのが、定期巡回は中重度対応ということであれば当然、医療依存度なり看護のかかわりが非常に多くなるわけですが、定期巡回の制度上、看護が包括払いということになっている関係で、重度になられて頻度の看護のニーズが高まったときに、医療保険に切りかえられるケースはいいのですが、切りかえられないケースがあった場合は、定額報酬で何度も訪問しないといけないことが訪問看護ステーション側から定期巡回との連携を難しくしている一つの阻害要因であります。ある一定額・回数以上を超え頻回に訪問看護を行う場合の内容について、どのように看護に関わる制度を改善するかについては、中重度に対応するためには必要だと思います。

 それから、先ほど通所リハビリテーションの効果性の件がありましたが、確かに通所リハビリと通所介護については他の委員からも出ておりますように、機能の違いの内容に効果性があり、そこはリハビリテーションの専門職のかかわり度数だと思いますので、例えば、通所介護へのPTOTSTの外からのかかわりも評価しながら、リハビリテーションが広く対応できるような内容も検討すべきではないかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、栃本委員、お願いします。

○栃本委員 まず、資料2−1からですけれども、鈴木委員が話された部分につながることなのですけれども、参考資料2−1の5ページの利用者の傷病ということで、通所リハの場合は脳卒中が43で通所介護が23、その逆が認知症の部分で、通所介護が22で通所リハが13ということになっているわけですけれども、通所介護の場合、脳卒中で23あることはあるのですけれども、その場合は安定していると言うとあれですが、病院から出てすぐというのではなくて、脳卒中をやってから大分たっていますよという人も含まれているわけです。一見すると、通所リハと通所介護の中身というのは一緒になっている部分があるかもしれませんけれども、その場合サービスの利用者という部分と提供者の両方の要素からそういう形になっていて、それをどう変えていくかということも重要なのだけれども、高齢者の方が病院から出て在宅で暮らす場合、最初は医療保険でするということもあると思いますが、その後、適切に介護保険に移行するということで通所リハビリテーション、それと今回は余り資料で出ていませんけれども、訪問リハも極めて重要でして、余り注目されていないのですが、この部分をもう少し強調すべきだと思います。

 先ほど事務局の説明の中で、今回すごくプラスになったのはリハビリマネジメントを導入したというのは非常に大きいと思うのですが、これをさらに進めるということから言うと、訪問リハと通所リハを、もう少しリハビリプランと同時にケアプランというか、そういう中で早期にそういう形で対応していくことがとても大事だと思います。安定した状態というか症状が固定した状態でするリハサービスではなく、早期にOTPTSTがかかわることが重要で、しかも、非常に重要なのは、暮らしている日常の場である自宅に来られると家族の方に対する教育にもなりますし、この場所でどういう形でやったら在宅で過ごせるかという専門的なことも話していただけます。

 次に、中重度の方が在宅で生活する場合に、小規模多機能、定期巡回、看護小規模多機能が非常に重要なポイントになると思います。その際、看護小規模多機能の場合、通いとか泊まりとか3つの機能というか単体ではなくて合わさっているということで、認知症ケアの場合は非常にいい形になります。しかも、ケアマネジャーがその中に入っているという三位一体ではないですけれども、4つが入っていることによって、対象者に対応したケアが非常にうまくできます。その考え方をもう少し広げて、定期巡回はケアマネが外になってしまっているのですが、これらについては二度手間と言うと言い方が変なのですけれども、よりトランザクションコストがかからない形でサービスが提供できて組み合わせができる方が良い。むしろ、看護もいるわけですし、看護と一体になったサービスプランがつくれるわけで定期巡回を軸にして通所等も提案してあげると。また、介護保険外サービスの生活支援サービスもそこで組み合わせるということになると、小規模多機能とは別のタイプのケママネジメントを内包化した定期巡回型ができると思います。

 もう一つは、介護保険外の生活支援サービスは軽度の人を対象としているような通念がありますが、介護保険外の生活支援サービスは中重度の方にも必要です。つまり比較的軽い人に対しても言い方は生活支援サービスという言い方にはなりますが必要ですがむしろ中重度の人にとっては必須なんです。したがって、それをうまくアクセスできるような形にしておくのが、在宅を支える場合に非常に重要であると思います。今のケアマネではそこまでは担いきれません。

 あとは、有料老人ホームの関係がありましたけれども、有料老人ホームの参考資料2−3の19ページに、先ほどの説明だと、前払金の保全措置にフォーカスが当たってしまっているわけですけれども、それはそれでいいのですが、8,738のうち7,454というのは要するに前払金がない施設なわけでして、消費者保護という観点からするとこの部分に大変大きな問題があると思います。

20ページに消費者基本計画工程表というのがありまして、そこにこれからの工程が書いてありますけれども、いわゆる前払金の工程ではなくて、保険外のいろいろなお金を支払わざるを得ないということとか、消費者保護という観点からいうと、7,454の部分こそきちんとした対応をするべきであると思います。

 最後に、資料2−4ですけれども、政府が示しているニーズに応じたサービス内容の見直しということで、我が事・丸ごと地域共生社会というのは、従来のものとは違った形で新しい提案として出てきているわけで、これは非常に重要だと思います。私は前から言っているのですけれども、高齢者をのみ想定した老健局的な地域包括ケアということで済むのかどうか。私はそれで済まないと思います。インテグレートケアと言いますけれども、そうではなくて重要なのはインクルーシブなケアなんです。高齢者、障害者、生活がなかなか困難な人を含めて地域社会の中でインクルーシブなケアをすることが最も重要なことであって、インテグレートケアとかそういうものが目的ではないんです。そういうことからいうと、我が事・丸ごと地域共生社会の実現というのは、介護保険のシステムにとってもプラスになると思いますし、それと同時に、地域で多くの方々が安心して、排除されない形で生活するための仕組みということですからそれがどういう形で実現させるのか、地域包括支援センターは人員の面で非常に難しいとかいろいろありましたよね。しかし、これをやっていくことがとても大事なことだと思います。

 その際に、地域の社協も重要ではあるのですけれども、社協が全部やるとかそういうことではなくて、もう少し全体丸がかりでそういうことが行える。極端に言えば、株式会社というか優良企業でさえそれができるような形の柔軟な対応というものが重要で、在来型のすぐに社協というのではなく、検討していただきたいと思います。

 長くなりましたが、以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。この件につきましては、大体よろしゅうございますか。

 では、花俣委員どうぞ。

○花俣委員 簡単にいきます。資料2−2の4ページの2つ目、「小規模多機能型居宅介護等の複合的な」とあります。ここで「中重度者の在宅生活を支える観点」と書いてあるのですけれども、これがどうも私にはしっくりこなくて、こんな複合的な機能を持っているサービスこそ要介護1とか2と判定された認知症の高齢者にとっては大変重要なサービスだと思いますし、給付の抑制が叫ばれている中で、これが本当に唯一のセーフティーネットかなと思っていますので、これが中重度者の在宅生活を支えるととらえているのに少し違和感があります。

 あと、資料2−3の4ページ、有料老人ホームについては、もちろん事前の払ったお金の保全ということも大事なのでしょうけれども、もう一つ気になっているのが、利用者サイドとしては有料老人ホームの虐待事件という報道が相次いでいる中で、例えば、川崎市のアミーユの事件といったものの抜本的な対策、あるいは職員不足による虐待のリスクの増加をなくすことなどがなければ、安心して有料さんを利用することができないのではないかと思っています。創意工夫といった言葉ではなくて、虐待事件ともう少し真正面から向き合って、介護職員によるそういう事件にももう少し具体的な対応をしていただきたいなと思っています。

 もうあと一点、丸ごとのところです。参考資料2−4の6ページに、富山方式の「このゆびとーまれ」の事例が出ていますが、高齢者も障害者も子どももというのは本当に理想的だと思います。でも、やはりこれは理想なんです。障害者、高齢者、保育それぞれに特性があると思います。全部一緒にまとめてというのは、なかなか困難だと思いますし、「このゆびとーまれ」はベテランの看護師3名が立ち上げた事業だと聞いています。どこでもだれでも形さえ整えれば実現できるというものではないと思いますので、こういったあたりももう少し慎重に検討していただけたらなと思います。

 以上です。ありがとうございました。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、この課題については、これぐらいにさせていただきたいと思います。

 もう一つアジェンダがありますので、それに入らせていただきます。それでは、資料1について事務局から説明をお願いします。

○竹林介護保険計画課長 介護保険計画課長でございます。被保険者の範囲のあり方につきまして、資料1と参考資料1の2つに沿いまして御説明をさせていただきます。

 まず、資料1をおめくりいただきまして、1ページでございます。「現状・課題」というところで、前回の議題であります総報酬割のところでも同様の御説明をいたしましたけれども、1つ目の○で介護保険制度は老化に伴う介護ニーズに適切に応えることを目的とされております。

 こうした考え方を踏まえまして、被保険者は65歳以上の第1号被保険者に加え、40歳以上64歳以下の第2号被保険者から成っております。

 3つ目ですが、第2号被保険者につきましては、1つは、40歳以上になれば御自身の介護ニーズの発生の可能性もあるということ。2つ目に、親の世代の介護という形で、家族としての介護の負担が軽減される等の一定の受益がある。このような考え方から被保険者とされているところでございます。

 4つ目ですが、財源構成における第1号保険料と第2号保険料の負担割合につきましては、両者の負担水準が大体同一となるように、被保険者数に応じて按分されておりまして、現在では第1号保険料が22%、第2号保険料が28%となっております。

 2ページでございます。給付といたしましては、65歳以上の方につきましては原因を問わず要介護・要支援状態であれば給付対象となるのに対しまして、4064歳の第2号被保険者につきましては、老化に伴う介護という観点から、末期がん等の加齢に起因する疾病、16の特定疾病が定められておりますが、これに伴う介護による場合に限定されております。

 「2.被保険者に範囲に関するこれまでの議論」でございます。

 1つ目ですが、法制定時には検討規定のようなものが置かれておりまして、法律の施行後5年を目途として検討が加えられ、必要な見直し等の措置が講ぜられるべきとされております。

 2つ目、これ以降、被保険者の範囲につきましては、2つの大きな座標軸、1つは、要介護となった理由や年齢のいかんにかかわらず、介護を必要とする全ての人にサービスの給付を行う、これに合わせて保険料を負担する層を拡大するという制度の普遍化の考え方。もう一つは、制度創設時の高齢者の介護保険を維持するという考え方、この2つを中心に議論が行われてきております。

 最後の○でございますけれども、平成16年に当部会でとりまとめていただきました意見書によれば、1つは、この制度の変化の方向を目指すべきであるという意見が多数であったとされております。一方で、費用を負担する若者の納得感あるいは若年者は要介護状態になる確率が低く、そういう場合は出生時からであることも多いため、こうした分野の取り組みは税を財源とする福祉によるべきという観点から、極めて慎重に対処すべきとの意見もあったとされております。

 3ページでございますけれども、平成17年の最初の介護保険法改正におきましても、検討規定的なものがございまして、社会保障に関する制度全般についての一体的な見直しとあわせて検討を行い、その結果に基づいて平成21年度を目途として所要の措置を講ずるものとするとされております。

 さらに、平成19年には有識者会議で議論されておりまして、5月の中間報告では下に3つほど挙げておりますけれども、1つは、将来の拡大を視野に入れて、その見直しを検討していくべきというのが有識者会議の到達した基本的な考え方とされております。また、その場合の考え方として、先ほど御紹介したような現行の高齢者の介護保険の枠組みを維持するという考え方、もう一つは、介護保険制度の普遍化を図るという考え方の2つが提示されておりまして、この有識者会議では後者の普遍化の方向性を目指すべきという意見が多数であったとされております。

 一方で、当時の有識者調査の結果などを見ますと、平成19年当時ですけれども、平成18年度に施行されたばかりの障害者自立支援法あるいは改正介護保険法の十分な定着を図る必要がある。あるいは給付の効率化を優先すべきである。若年者の理解が得られずに保険料徴収率が低下する可能性が高い等々を理由といたしまして、将来的にはともかく、この時点においては被保険者等の範囲の拡大には慎重であるべきとの意見も依然として強いという御紹介をされております。また、障害者の団体からも十分な理解が得られていない状況にあるということでございました。

 したがって、制度設計の具体化に向けた検討作業を継続しつつ、国民的合意形成に向けた取り組みに努める必要があるとされております。

 4ページでございます。一方で、平成22年の当部会の意見のとりまとめにおきましては、今後は介護保険制度の骨格を維持した上で、被保険者年齢を引き下げることについて十分な議論を行い、結論を得るべきとされております。

 この背景には、この年の1月の障害者自立支援法違憲訴訟団と国との基本合意におきまして、当時行われておりました正しい障害の制度の立案に当たって、介護保険制度との統合を前提としないという内容が盛り込まれたことも影響しているかと思われます。

 2つ目ですけれども、前回の介護保険部会の意見のとりまとめにおきましては、この被保険者範囲の拡大についても検討を行っていく必要があるという程度の記述になっております。

 最後の○でございますけれども、障害者施策との関係におきましては、先ほど我が事・丸ごとの御説明が振興課長からあったと思いますが、法律上、介護保険が優先となっております。したがいまして、65歳以上の介護を要する方に対する支援は、まず介護保険から支援が行われ、例えば介護保険の支給限度額を超える部分や就労支援のような介護保険にはないサービスについては、障害者総合支援法で支援するという形になっております。

 ※でございますが、本年行われました障害者総合支援法の改正によりまして、65歳に至るまで相当の長期間にわたって障害でのサービスを利用してこられた低所得の障害者につきましては、一旦、介護保険を利用する場合に介護保険の利用者負担を負担していただいた上で、障害福祉制度により償還できる仕組みが設けられているところでございます。

 5ページです。「3.現在の介護保険をとりまく状況」でございます。

 参考資料1の14ページをお開きいただきたいと思いますけれども、高齢化に伴いまして介護保険の費用の総額も上がり、あるいは保険料の金額も上がってきているところでございますが、被保険者の数で見ますと、オレンジの4064歳の方の人口、緑の65歳以上の人口を合わせますと、制度が創設して以来ふえてはきていたものですが、これが5年後の2021年になりますと、そこをピークに減少に転じていくということでございます。支える方もふえる中で、さらにふえていく受給者の問題にどう対応していくかというのがこれまでの流れでしたけれども、あと5年たちますと、支え手が減ってくるという時代になってまいります。

 2つ目ですが、別の見方をしますと、制度創設時にはオレンジの部分、4064歳の人口は4,370万人ということでしたが、2040年ぐらいになってきますと3,300万人と約1,000万人減ってくるということです。下の黄色の3039歳の人口を足して、ようやく制度創設時と同じ約4,400万人ということになります。

 また、上のオレンジと緑の割合を見ていただきましても、制度創設当初はオレンジが約7割近くを占めておりましたけれども、今足元では大体56.5%、2020年ぐらいになってきますと53.6%、これが2035年までいきますとオレンジと緑が逆転して5割を切ることが見込まれております。

 また、本文の5ページの3つ目の○ですが、第1子を出産する年齢が高齢化している関係もありまして、介護保険制度がスタートしたころの状況で言えば、その時点の65.4歳のお母さんから第1子の平均年齢が25.4歳離れていますので40歳ということでございましたけれども、今足もとでは第1子の出産年齢が30.6歳となっておりますので、35年後の姿を想像すると、65.6歳のお母さんの第1子が35歳というのが平均的な姿ということになります。

 6ページでございますけれども、ニッポン一億総活躍プランにおきましても、こちらも先ほど既に議題がありましたが、子ども、高齢者、障害者などの全ての人々が助け合いながら暮らしていけるような地域共生社会の実現に向けた取り組みを進めていくことが重要とされております。また、厚生労働省におきましても、先ほど御説明があったとおり、我が事・丸ごと地域共生社会実現本部が創設されております。この中で縦割りの従来の制度については、人口減少あるいは家族・地域社会の変容などにより課題が生じているといった視点を踏まえて、検討を行っていくこととされております。

 なお、ドイツやオランダといった国では、全年齢を対象とした介護サービスの保険給付が行われていると承知しております。

 7ページ目に論点を整理しております。

 まず最初に、老化に伴う介護のニーズに応えるという制度創設時の考え方、あるいは先ほど御紹介いたしましたが、これまでの議論の経緯、あるいは将来的に給付増と被保険者の減少が見込まれていること、あるいは地域共生社会の実現の推進を踏まえまして、介護保険制度における被保険者の範囲についてどのように考えるか。

 2つ目といたしまして、特に介護保険制度の普遍化を目指すべきなのか、あるいは高齢者の介護保険という考え方を維持したまま、この被保険者の範囲をどう考えていくのか、これについてどのように考えるのか。

 3つ目でございますけれども、見直しに向けた検討を行う場合には、若者の納得感、関係者の合意形成について、どのように進めていくべきかという点でございます。

 私からの説明は以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、ただいま事務局から御報告いただいた内容について、御意見・御質問いただければと思います。岡委員からいきましょうか。

○岡委員 第2号被保険者の範囲の拡大については、これによって保険財政に占める第2号被保険者の負担比率を今以上に高めていくことになるのであれば、これには反対です。

 また、こうした財政上の観点に加え、40歳未満の年代はそもそも子育て等にかかる費用負担が大変重たい状況にあります。さらに、被保険者としての年齢を引き下げるほど、受益と負担との関係性は希薄となってきます。こうした層に新たな負担増を求めても現状では納得を得られるものではないと考えております。

 マクロ政策的な観点からいっても、政府全体としては高齢世代から若年世代の再分配機能を強化しようとしており、人口減少で負担がふえ続ける若年世代に対しては、むしろ支援の拡充や負担の軽減が必要とされており、対象年齢の引き下げはこうした流れに逆行するものです。まずもって給付サービスの重点化や効率化の議論を重点的に進め、自己負担のあり方についても適正に見直すことが先決であり、現時点で第2号被保険者の対象範囲の拡大について結論を出すのは時期尚早であると考えております。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 小林委員、お願いいたします。

○小林委員 前回の部会でも申し上げましたが、高齢者の方が安心して暮らしていける社会をつくっていくためには、社会全体で高齢者を支えていくことが基本的な考え方だと思っております。

 一方で、社会保険制度である以上、介護保険制度においても保険料拠出という負担と、給付という受益との関係性が求められます。こうした考え方に立てば、介護保険制度創設当時に、被保険者の範囲として自らが老化によりサービスを受けることとなる65歳以上の方と、老化により介護ニーズの発生率が高まり、自らの親も介護サービスを利用することにより介護負担が軽減されることとなる40歳以上64歳以下の方と設定したことについては、現在から見ても一定の合理性があるのではないかと思います。このため、制度の持続可能性の観点から、被保険者の範囲を検討する際には、そうした制度の創設時の前提条件に変化があるのかどうか、丁寧に議論していく必要があるのではないかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 では、大西委員どうぞ。

○大西委員 まず、被保険者の範囲のあり方ということで、保険制度における被保険者の範囲について、まずどう考えるかということですが、基本的には市長会あたりでも両論ございます。財政的な面からいって持続可能性を確保するためには、何らかの形で広げざるを得ないのではないかということでございますけれども、制度創設時から議論があるように、今の40歳以下の方にまで保険料負担を求めるというのはなかなか納得が得られるものではないだろうということと、もう一つは、介護保険というのは大きく言ってみれば、税半分、保険料半分で財源が成り立っているわけなので、税のほうをどういうふうに仕組むのか、あるいは税のほうの国民への理解をどうしていくのかというのがセットでないと、保険料だけを範囲を拡大するというのも難しいのではないかということでございます。

 いずれにいたしましても、税も含めて国民的な議論のもとに、国民的なコンセンサス、ある程度の理解が得られないと、そう簡単に被保険者を広げるというのは難しいのではないかと思います。少なくとも持続可能性が非常に厳しくなっているということですので、そういう国民的な議論を今から巻き起こしていく必要があるのではないかと思っているところでございます。

 また、介護保険制度の普遍化ということで障害との整合性を図りながら、両制度を合わせていくという考え方でございますが、基本的に障害者福祉のサービスというのが税を財源としてきておりますので、それと今の介護保険と単純に結びつけるのは難しいだろうと。違憲訴訟等もあったことを踏まえますと、やはり障害のサービスを保険料で賄うことについては慎重な検討が必要ではないかと思っているところでございます。

 一方で、全国市長会でも介護保険制度は今のままではなかなか難しい、保険料ばかりがどんどん上がっていくという懸念を持っております。そのため、普遍化といったこと、保険料を例えば20歳以上からとるようにするのはどうだろうといったような試案みたいなものを今議論しているところでございます。ただ、なかなか市長会の中でも合意の方向性が見出せていないところでございます。いずれにいたしましても、これから議論をきちんと始めないことには間に合わないような状況かと思っておりますので、そういう国民的議論を巻き起こしていただきながら、国民が判断できるようなデータや現状、その辺をもう少し詳しく出していただいて、我々としても真剣に議論していく必要があると考えております。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 では、佐野委員、お願いします。

○佐野委員 何人かの方の意見と一致する部分が多いのですけれども、まず、制度の普遍化もしくは高齢者の介護保険というテーマについては、大変重たい課題だろうと認識しております。ただ、障害者施策については、今、大西委員からも話がありましたけれども、ある面、介護保険の理念の自立支援ですとか要介護度改善という考え方と性格が少し異なる部分があろうと思いますので、現行どおりの税財源をベースにした対応が妥当ではないかと思っております。

 それから、介護保険の対象年齢引き下げでございますけれども、高齢化がどんどん進んで介護費用が大幅にふえているということが明らかな中で対象年齢を引き下げるとなれば、どう見ても2号被保険者への保険料負担シフト、すなわち若手世代、現役世代への負担しわ寄せにしか見えないと思います。親の面倒を見るという視点も薄い世代になりますので、給付なき負担ということになれば保険という制度にはなじまないのではないかということで、健保連としては反対でございます。こういう範囲の見直しの前に、まずは給付の効率化・重点化を行って、利用者負担を見直すということを含めて世代内の負担の公平化を図ることが先決ではないかと思います。その上で、世代間のバランスを考えていくということになろうかと思いますし、その際には1号被保険者の現行65歳以上という基準の引き上げなども検討していいのではないかと思います。

 もう一点、被保険者年齢を引き下げるということを検討するのであれば、検討の場に実際に対象になる39歳以下の方を入れて意見を聞くべきではないかと思います。対象者の意見も聞かずに引き下げを決めるというのは納得を得られないのではないかと考えます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 お待たせしました齊藤秀樹委員、お願いします。

○齊藤(秀)委員 申し上げるまでもないことなのですが、介護ニーズというのは年齢や原因に関係なく生ずる可能性があるわけでして、諸外国におきましても、いわゆる制度の普遍化を前提とした組み立てになっていると理解しております。

 一方、現行制度におきましては第2号被保険者の保険料ですが、支払っているにもかかわらず特定疾病に給付が限定されているという状況で、そのために制度の谷間に陥るという不合理も生じていると理解しております。まず、現行制度上で普遍化を目指す、制度の谷間をつくらないということが現役世代の理解でありますとか、今後仮に被保険者を拡大した場合の若者の納得感にもつながっていくことになるのではないか。まず、現行制度の中で普遍化を目指すという方向は検討すべきものではないかと考えます。

 資料の5ページにもありましたが、出生年齢の変化に伴って親の介護の可能性というのは40代から30代に下がってきているという資料の説明でしたし、また、2号被保険者の減少が見込まれる。これは制度発足時とは異なる状況が生じてきているということだろうと思います。申すまでもなく、保険財政の安定化の上では支え手が拡大することの意味は非常に大きいものがあるわけですが、丁寧な議論を通じて若い世代の理解を広げていくことが課題ではないかということを申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 鈴木邦彦委員どうぞ。

○鈴木(邦)委員 介護保険制度については、高齢化の進行に伴う介護サービスの需要の大幅な増大の一方で、参考資料1の14ページにありますように、2021年をピークに40歳以上の保険料負担者が減少することを考えれば、制度の持続可能性を担保するためには、さまざまな負担増加やサービスの効率化とともに、その中には介護納付金の総報酬割も含まれますけれども、中長期的には被保険者の範囲拡大も避けられないと考えております。ただし、介護保険制度の普遍化を目指すためには、障害者の理解や若者の納得が必要ですが、まだそれらの合意に至っていないと考えられますので、現時点では時期尚早と思われます。

 被保険者の範囲拡大に向けては、障害者については現行の障害者総合支援法との整合性、若者については子育て支援などの充実とともに、負担に見合ったサービスや安心が確保できるかの検討が必要であると考えます。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、齋藤訓子委員、お願いします。

○齋藤(訓)委員 私もこの論点につきましては、非常に議論が難しいと感じております。事務局の資料は、介護保険にかかわる財源が非常に厳しいということが前提で、普遍化の提案がなされているような印象も受けます。財源確保の困難性につきましては一定の理解をしておりますし、非常に緊急の課題だと認識していますが、仮に普遍化あるいは被保険者範囲を広げるということでしたら、制度として何を保障していくのか、何を目指すのかという、具体的なデザインも合わせて出てこないと、なかなか議論は厳しいのかなと思います。参考資料の10ページに、そもそも普遍化とは何かということで平成19年度当時の議論が抜粋されておりますけれども、これを読んでもなかなか具体的なイメージは描けないですし、今回議論するに当たって、この内容が普遍化だという共通認識ができるのかということも、いささか疑問なところがございます。いずれにしても、子育て支援のこと、若者の就業状況等いろいろ課題に上がってくる、議論を要することが限りなくあるという状況かと思いますので、将来的に議論をするという必要性は理解いたしますけれども、今回の導入については、やはりちゅうちょせざるを得ないと感じております。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、武久委員どうぞ。

○武久委員 介護保険は保険制度ですので保険者と被保険者がいまして、介護事故が起こったときに保険給付が行われるということだと思いますけれども、障害者の場合は一部先天性のものがありまして、保険加入時に既に保険事故が起こっていると。ここの問題点をどうするかということが1つと、障害者は知的障害、重度心身障害、精神障害と大きく分けて3つありますけれども、介護保険には知的障害の障害度を認定する部分がございませんし、精神障害についても同様でございます。また、知的障害児及び重度心身児に関しましては、成長過程もございまして、いろいろ適応サービスが介護保険とは全く異なっておりまして、介護保険サービスの通所のところに彼らが行くということは今のところは非常に難しい。このような問題点は多々ありますが、私も将来的に見ると、鈴木委員がおっしゃったように、ある程度のことは統一していかないと仕方がないのではないかと思います。ただ、その場合に、若い人に関しましては保険料を大幅に少なくするというようなことも考えて、今私が言った3つの課題を厚労省の方に、ここ5年か10年かの間に検討していただいて、外国並みの制度に徐々になっていくのはやむを得ないと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 連合は、2000年の介護保険制度の創設時に、年齢も区別なく保険事項についても区別なく普遍的な介護保険制度の創設を求めてきました。しばらくはそういう議論が「介護保険部会」または専門的な検討の場でも進んできたのですが、きょう説明があったように途中で財源論が台頭してきて切りかわってしまった。しかし、介護保険制度の第1号保険料と第2号保険料の計算の仕方というのは、1人当たり保険料を定めて、それを被保険者数にかけるということで、人口動態の変化を見込んで自動調整機能を持たせてあると認識していましたが、それがなぜ今になって財源が必要だからといって、支え手である第2号被保険者の数をふやすために被保険者範囲を見直す必要があるかのような議論をするのかということは全く納得ができないです。もし、被保険者数の問題ではなくて、第1号被保険者が当初とは変わって負担能力が下がってきたから、その辺の負担を変えなくてはいけないということならば、そういう資料があるべきだし、この資料で議論しろというのは到底無理だと思います。

 時期尚早という意見もありましたが、ずっとある課題ですから全然時期尚早だとは思っていません。意見が分かれている中で政府は今回、我が事・丸ごとということで縦割り制度の課題を認識しているのであれば、特定16疾病に限定している保険事故を見直すことを含めて普遍化の検討をしていくべきと考えます。

 ただ、先ほどもドイツのところでお話ししましたけれども、やはり障害者の側から長年課題になっていますが、また障害者権利条約と障害者基本計画にもあるとおり、障害当事者参画による政策決定ということが政府の方針にもあるわけですから、その辺は十分留意して検討していくべきと思います。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 井上隆委員どうぞ。

○井上(隆)委員 世界一のスピードで進む高齢化の中で、国の成長をどうやって維持していくかということが重要でございまして、その観点から考えますと、介護保険制度というものを我が国として大切に育てていかなくてはならないということでございます。そのためには、給付の重点化・効率化を図ることが重要でございます。このため、介護保険制度の普遍化ということではなくて、いかに高齢者社会を支援していくかという形での介護保険に特化していくべきだと思っております。その観点から介護保険の普遍化ということではなくて、現行の枠組みを維持すべきだと思います。普遍化という話であれば、介護保険制度の話に留まらず、社会保障制度の全般の中で高齢者の問題を位置づける必要があります。つまり、そのほかの制度も含めて医療・福祉制度あるいは全体の規模をどうするのか、負担はどうなるのかといった国を挙げての大議論をすべきであって、現時点でこの部会で介護保険制度を普遍化するかしないかという議論ではないのではないかと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、井上由美子委員どうぞ。

○井上(由)委員 私が間違っていたら指摘してください。

 質問なのですけれども、保険料を負担する層を拡大するということで、制度の普遍化を目指す場合、現在、医療保険と年金の場合、第2号被保険者には第3号がくっついていますね、妻がいる場合。そのことはずっといろいろ問題にされてきても、第3号から取ろうという話がなかなか決まらない。それをまた伏せたまま、また取ろうというときになって、第3号はそのままにして進んでいいものかどうか。ずっともめてきている前提のところをクリアーしていただかないと、前提がいびつなままで超高齢社会、女性が物すごく長寿化して介護保険を使うという状況の中で、本当に若いサラリーマン、第2号の医療保険者に負担をかけるというか、妻の分は払っているわけではないので、独身の人とみんなで割勘しているわけですから、第2号被保険者のところをクリアーにしていただかないと、この議論には乗れないなと思っています。まずそこを固めて、先ほども社会保障全体の話だという御意見が出ましたけれども、社会保障の保険のあり方をまずきちんとしていただいて、今まで何年もかかって第3号被保険者の問題がクリアーされていない中での制度の普遍化や制度の公平性ということについて、私は全く議論に入れないと思っています。その辺の前提をまずしっかり、納得していない人が大勢います。 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、桝田委員どうぞ。

○桝田委員 今の介護保険制度というのは、高齢者介護保険制度という形になっています。でも、医療保険と同じように年齢を外した、高齢者限定を外した介護保険制度にかじをとっていってもいいのではないかと思います。そうすると一番の問題は、特定疾病の問題の枠は外さないといけないだろうと考えます。

 もう一つは、保険者の範囲を65歳、40歳という2つの大きな線引きがあって、65歳であっても現役で働いて元気な方もおられます。その方がいわゆる第1号被保険でなくて第2号でいてもいいのではないかと思います。40歳の線の部分も次に若い方をその部分に入れていく、介護保険制度というのは保険制度だけれども、もう一つはみんなで支えるシステムという部分も入れていくとなると、40歳以下の方について保険料負担をお願いするにしても、介護になる可能性が非常に薄いですから、保険料負担というのは同じ金額ではいけないだろうと思います。少し段階を追った金額負担と年齢構成を考えて、みんなが使う可能性のある保険制度に今、変えていってもいいのではないかと思います。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 東委員どうぞ。

○東委員 「介護保険制度の普遍化」の問題と「被保険者の範囲の拡大」の問題は区別して考えるべきかと思います。「介護保険制度の普遍化」は置いておきまして、「被保険者の範囲の拡大」については、先ほどから賛成や反対の両方の意見が出されております。これに関しては、要するに財源の問題だと思います。先ほど井上委員からもお話が出ましたが、私は「被保険者の範囲の拡大」をこの「介護保険部会」の場で議論して、若年層の理解が得られるとは到底思えません。この「介護保険部会」には39歳以下の若年層の委員はいらっしゃいません。私も63歳ですから、私が若年層を代表するわけにはいきませんが、これは社会保障制度の問題だけでもないと思います。例えば、今、高齢者における年金、税制に関しては優遇措置がされております。そういうことも議論をせずに「被保険者の範囲の拡大」をこの場で議論していいのでしょうか。社会保障だけではなくて、どこからお金を持ってくるかを若者と高齢者と等しく負担をするような議論をすべきであって、この場で「被保険者の範囲の拡大」を議論すべきではないと考えています。

○遠藤部会長 ほかにどうぞ。それでは、馬袋委員、お願いします。

○馬袋委員 この議論の中で、被保険者の範囲について年齢の若い人たちへの納得感というのがあるのですが、社会保障については消費税という、一つは国民全体が税という中で参加をしています。その面では、現在でも若者も含め負担している税が入っている制度であるということにおいて、若者に対する介護保険制度の内容や説明、理解というのはどのように進んでいるのかということが、まずは問われているのではないかと思っています。そこはまだまだ進んでいないと私は思います。

 その面では、今、税と一体的な改革も含めての議論をする中で、被保険者の範囲については検討するべきであって、この本部会だけで方向性を出すのはなかなか難しいと思いますけれども、ただ、本部会として、制度の運用のあり方との関係性については議論していく必要はあると思っています。

 以上です。

○遠藤部会長 では、栃本委員どうぞ。

○栃本委員 1つは、私もこういう高齢者の審議に参加させていただいて、介護保険制度そのものを維持存続するので手いっぱいというか、しかも、やらなければいけないことがすごく多くて、それに加えて、この時点でというのはなかなか現実的に非常に難しいのではないかと思います。

 その一方で、従来、介護保険制度がいろいろな検討をされた際に、国民の多くはみんなで負担しようということで、その上で現在の形になっているわけです。当初議論された際に私が記憶している限りでは、65歳以上の人が保険料を払ってなおかつ給付の対象だったと。一方、若い人は保険料を一方的に払って、長期保険の設計みたいな形で議論していましたよね。だけれども、介護保険は短期保険だから、保険料拠出の対応関係ということであれば、医療保険に加入している人が入ったら、障害であれ、要医療、要介護であれすぐ受けられるという組み立てというのは理屈上正しいと思うんです。ですから、当時の審議会の議事録などを見ると、その区別がついていない、出発点の議論は、長期保険と短期保険を混同して議論しているところがおかしかったということが1つあります。

 その上で、冒頭に申し上げましたように、きょうの幾つかのテーマもありましたし、一つ一つをよりいい形で介護保険制度をさらによくしていくというか、第2号被保険者だけとか第1号被保険者だけというのではなくて、利用者負担も含めて応分の負担をしながら支えていくという組み立ての作業をさらに進めなければいけないと思います。

 もう一つ、理屈上、年齢関係なしに介護という社会的リスクに対応するということで、いつまでもこれを先延ばしすることはできないでしょう。今だに措置時代の発想で障害者福祉を見る方がいますが、それは違うのであって措置から契約へという形になって障害者に対するサービスも契約という形になったわけですから、したがって、従来の反射的利益で、税金でサービスを受けるという形ではなくなっているわけなので、そこに負担も考える必要があると思いますし当然のことです。障がい者を弱者ととらえている。契約の一方の主体です。その辺は、先ほど来委員の方々がおっしゃっているように、この部会だけで議論できることではもちろんないけれど、今の時点ではなかなか難しいと思いますけれども、変な話ですけれども、理屈上は介護という社会的リスクに着目した以上その普遍化ということは引き続き検討して実現すべきです。しかも、いつまでも引きずると障害者施策の財源問題もいずれおきるでしょう。今回きちんと議題に挙げていただいたというのは、そういう意味からは非常に大切だったと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ほかにいかがですか。花俣委員どうぞ。

○花俣委員 1点だけ確認したいのですけれども、資料1の4ページの3つ目の○に、「障害者も含めてまず介護保険から支援が行われ、これを超えて必要な分(介護保険制度における支給限度額を超える分や、介護保険には無いサービス)を障害者総合支援法で支援することとなる」とあります。それから、あわせて参考資料1の5ページの障害の部分で、「従来から受けていた支援を原則として継続して受けることができるものとする」となっているのですけれども、実は自治体によって対応がまちまちという声が聞かれています。これに関しては、どうなのでしょう。

○遠藤部会長 事務局よろしいですか。

○竹林介護保険計画課長 なかなかお答えがしづらい質問なのですけれども、もともと障害者として障害のサービスを64歳より前に受けていた方が65歳になったときに、法律の整理としては介護保険が優先であって、それで足りない部分だけを障害者の支援で補充的に受けるという仕組みになっていること自体は間違いないのですけれども、実際に障害を持った方がいろいろなサービスを利用する場面に立ち返りますと、これまでの制度ですと64歳までは障害者のデイサービスを利用してきました。そこで知り合いの方と一緒に、支援員の方もずっとなじみの方がいらっしゃいますと。ところが、その事業所には介護保険のお金を流す仕組みがなかったとします。そして、65歳になったら、あなたは介護保険優先だから隣町で全然知った人もいないサービス事業所に移って、そこで介護保険の給付を受けてくださいということを現場で徹底できているかというお話だと思います。ですから、法律上の介護保険優先だという制度を徹底するためには、逆に今みたいなサービス利用のあり方、あるいはほかにも利用者負担の問題もありますけれども、そういったところで障害のサービスを利用してきた方々が納得感が高い仕組みに切りかえていかないと、現場での法律の原則を徹底することのあつれきというか、そういう問題が顕在化しやすいので、先ほど我が事・丸ごとでも振興課長から御説明されたような、今回の障害者の制度改正でもその辺については課題になってこちらにボールが投げられておりますし、また、このペーパーでも御説明したように、利用者負担についても、これまで65歳になるまで一定期間障害者のサービスを利用してきた方で低所得の障害の方などについては、向こうの制度のほうから利用者負担を一部償還するような仕組みも入れていると。こういうこともセットで、法律上の介護保険優先の原則をしっかり徹底させていくということだと思っております。

○遠藤部会長 よろしいですか。

 それでは、お待たせしました。岩村部会長代理どうぞ。

○岩村部会長代理 この問題については、私は昔から第2号被保険者の範囲は20歳からに広げるほうがいいと考えていましたし、要介護状態というのは全ての人について起こり得ることであるということからすると、高齢者あるいは40歳以上の特定疾病に限らず障害者も含めて、介護保険でカバーできる範囲については介護保険で統合的にやるほうがいいと考えています。そういう意味では、適応の拡大の問題と、給付の範囲の問題はセットで考えていくべきだろうと思っています。

 ただ、先ほど武久委員が御指摘になりましたように、障害者の方の場合には先天性の問題や知的障害者の問題がありますので、保険原理で整理のつかないところがどうしてもございます。そこは現在の総合支援法といった枠組みの中で両者を組み合わせて、最適な組み合わせによって適切な保障がなされるようにするのが最も適当だろうと思っています。

 例えば、障害者の方の場合であれば、保険料負担が発生するとしても、その部分については現在でも生活保護の枠組みで65歳以上の介護扶助については保険料を生活保護で負担していますけれども、そういったやり方を障害者の方についても考えるとか、今御説明がありましたけれども、利用者負担についても所得の状況に応じて応能負担的に考えれば、そこは総合支援法の枠組みの中から税を投入するという形での整理の仕方が可能かなと思っています。

 ただ、いずれにしても、保険料でどこまでやるのか、税でどこまでやるのかという整理の問題があるので、議論の場も含めて検討を要することが必要だと思いますけれども、大きな方向としては一体化する方向で考えていったほうがいいと思っております。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。ほかによろしゅうございますか。

 それでは、予定の時間になりましたので、本日の議論はこれまでにしたいと思います。

 次回の日程について、事務局から連絡をお願いいたします。

○尾崎企画官 次回の日程でございます。次回の本部会は9月7日水曜日、1417時で東海大学交友会館、阿蘇・朝日で開催いたします。またどうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 それでは、本日の部会はこれにて終了したいと思います。長時間どうもありがとうございました。


(了)

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