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2016年11月8日 第8回 特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会

○日時

平成28年11月8日(火)15:00〜17:30


○場所

厚生労働省 3階 共用第6会議室


○議題

 (1)新たに設定が必要な受診勧奨判定値及び保健指導判定値等について
 (2)特定保健指導等について
   ○ 特定保健指導等に係る論点
   ○ 特定保健指導の対象とならない非肥満の危険因子保有者に対する
    保健指導について
 (3)標準的な研修・保健指導プログラムの改訂について

○議事

○青木健康課長補佐 では、時間より少し早いですが、皆さん、おそろいになりましたので、ただいまから第8回「特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会」を開催いたします。

 構成員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただきまして、御礼申し上げます。

 まず、本日の出席状況について御報告いたします。

 本日は、全構成員の出席でございます。

 また、本日の検討に当たりまして、参考人として、独立行政法人労働者健康安全機構福祉労災病院院長の渡辺毅参考人。

 また、国立循環器病研究センター予防健診部部長宮本恵宏参考人に御出席いただいております。

 配付資料につきまして、座席図と構成員名簿のほか、議事次第の裏に配付資料の一覧がございますので、こちらで御確認願います。

 また、構成員の先生方には参考資料として、前回までの検討会資料と標準的な健診・保健指導プログラム【改訂版】をパイプファイルで配付させていただいております。もしお手元に配られていないもの、あるいは落丁等ございましたら、事務局までお申しつけください。

 では、カメラ撮影はここまでとさせていただきます。

(カメラ退出)

○青木健康課長補佐 それでは、以後の進行は永井座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○永井座長 では、よろしくお願いいたします。

 本日の議題に入る前に、検討会の第7回までの議論の整理について事務局より御報告いただき、その後で本日の議題について御検討いただきたいと思います。なお、参考資料2の保険局検討会における議論の整理につきましては、事務局説明者の都合の関係で、議題3の前の報告となります。

 では、本検討会の議論の整理について事務局より説明をお願いいたします。

○青木健康課長補佐 お手元の参考資料1をごらんください。

 こちらは、第7回までの本検討会での検討について論点ごとに整理したものとなります。内容につきましては、検討会構成員の先生方には既に個別に説明させていただきまして御確認いただいたものとなりますので、説明は割愛させていただきます。

 座長の永井先生には、6月17日の第3回健康診査等専門委員会に御報告いただいております。

 以上です。

○永井座長 ありがとうございます。

 何か御質問、御意見ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 御質問なければ、本日の議題に入ります。

 まず、「新たに設定が必要な受診勧奨判定値及び保健指導判定値等について」、今回の論点を事務局から御説明していただきまして、続いて、各構成員及び参考人に御発表いただきます。各論点に沿って議論を進めたいと思います。

 では、事務局から御説明をお願いいたします。

○青木健康課長補佐 資料1について御説明いたします。

 後ほど保険局より、保険局検討会でのこれまでの議論の整理について御説明があります。この保険局検討会での議論の整理の中で、健診項目の見直しに伴い、non-HDLコレステロールの受診勧奨判定値及び保健指導判定値、随時血糖の受診勧奨判定値及び保健指導判定値、随時血糖の除外要件とする「食直後」の定義、血清クレアチニン(eGFR)の受診勧奨判定値及び保健指導判定値につきまして、科学的な知見の整理に基づき決定するとされました。これを受けまして、本日は、non-HDL、随時血糖、eGFRのそれぞれの判定値について御検討いただきたいと思っております。

 以上です。

○永井座長 どうもありがとうございます。

 質疑は、後ほど行います。

 続いて、寺本構成員から資料2について10分程度で発表をお願いいたします。

○寺本構成員 それでは、私のほうから資料2に沿ってお話をさせていただきたいと思います。「non-HDLのカットオフ値について」ということで、これは厚労科研でいろいろとお世話になった案件でございます。

 スライド2をごらんいただきたいと思います。

LDL直接測定法についてということで、特定健診で、基本的にはLDL-Cの直接法が広く用いられてまいりましたが、これは後ほど第2期のプログラムではFriedewaldの式も追記されております。直接法のLDL-Cが用いられてきたことには、問題点が幾つかあります。後ほど触れますが、直接法の測定キットには正確性について疑問点が挙げられています。もう一つは、大規模な住民健診において、国際的に広く測定されている総コレステロール、これはかなり精度も確かなものであるということがわかっておりますけれども、その値が我が国の特定健診の中から消失したという大きな問題点があるということでございます。

 次のスライド3でございますけれども、これは2010年にMillerによって発表されたClinical Chemistryの論文でございます。その中で、我が国で開発された7つのキットを用いて、精度の問題等々ございまして、いろいろ測定を検定されたわけであります。

 それに関しまして、ごらんのとおり、かなりのばらつきが各群に存在する。特に疾患群、一番下のdiseasedを意味するDがついたところで大きなばらつきがあるということで、少なくともアメリカのこのときのデータからすると、直接法に関してはかなり問題があるという議論がされました。

 しかし、それに関しましても我々自身で検討しようということで研究会が立ち上がりまして、スライド4のごとく、我が国の状況について検討させていただきました、その結果、かなりなキットでやはりばらつきはある。Millerらが示したほどではないのですけれども、我が国で正確に、きちんとやると、このような形になるということで、これは2012年に発表させていただいておりますけれども、その後、各キットを提供している企業の方にもお話いたしまして、改善を求めることをしたわけでございます。

 そこに書いてございますように、発売停止になったものとか、改良したものとか、スタンダード値を変えるということがございまして、約2年の間に値が大体収束してきたということで、精度管理に関しては、ある部分を除いてかなりいい精度になってきたということがございます。とはいえ、幾つかの問題点がある。

 もう一つの大きな問題点として、空腹でない場合にFriedewaldの式では計算ができないということがございますので、健診等で食事をした後に測定できるものとして、現在、non-HDLというものがかなり多く使われております。これは、海外でもnon-HDLがかなり広く使われているわけでございますけれども、それに関して検討させていただきました。それが、スライド5でございます。

ApoたんぱくB、ApoBと書いてございますけれども、ApoBというのは広く動脈硬化に関連するリポたんぱくの総体と考えられてよろしいかと思いますけれども、それとnon-HDLコレステロールの関係を見ますと、非常にきれいな相関性を示すということでございますので、non-HDLApoB関連リポたんぱくを表現することが十分できるということがわかりました。

 ただし、スライド6でごらんのとおりでございまして、幾つかの問題点がないことはないわけでございます。non-HDLApoBの関係を中性脂肪の値でプロットしてまいりますと、赤並びに黄色の段階でほぼ正常、ないしは400未満ですから、Friedewaldの計算ではぎりぎりのラインです。そこまではそれなりに直線上に乗っているわけですけれども、それを超えると少しずつずれてまいりまして、600以上になると、これでも十分なものではないということなので、non-HDLにしても、Friedewaldにしても、ここの部分に関して言うとかなり問題があるということは、認識する必要があると述べさせていただきたいと思います。

 一方、今までLDLコレステロールでずっと話を進めてきたわけですけれども、non-HDLが出てくるとなると、これが本当に心血管イベントと関連が深いのかどうかということで、これは岡村構成員も加わっていただいている研究グループのほうで、下の黄色で書いているところ、non-HDLの心血管イベントの予測能がLDLよりすぐれるかどうかということを検討した、海外並びに国内の論文をレビューしていただいたわけであります。それが、non-HDLLDL-C両方が記されているのは1,085件あって、312件が検討に値する文献でしたが、その中で心血管イベントとの関連がきちんと検討されているものが35件ということでございます。

 その中で、non-HDLLDLよりすぐれるという論文が21件、両者の予測能には差がないという文献が14件、LDLコレステロール予測能がnon-HDLよりすぐれるという論文はございませんでした。ということで、どちらかといえばnon-HDLのほうが予測能に関して言うと劣らないと言ったほうがいいかもしれませんけれども、すぐれているということがあったわけでございます。

 次に、我が国のデータでどうかということで、我が国で行われている4つのコホート研究、吹田研究、CIRCS、岩手県北コホート、NIPPONDATA90についてメタアナリシスを行っていただいて、non-HDLLDLについての関連をもう一回見ていただきました。

 その際、スライド9をごらんいただきますと、LDLに関しましても、non-HDLに関しましても、ほぼ同等の有意な予測能があるということがここで示されておりまして、我が国のデータでもそういうことが示されている。

 だとするならば、そのカットオフ値がどうなるかということで、スライド10、カットオフ値について、AIC並びにBICという検証で行っていただきました。今まで動脈硬化学会では、基準値にプラス30という数字が用いられていますが、これは高脂血症の患者さんということが前提になっておりますけれども、住民健診の中でカットオフ値として何が適当かということを見たわけでございます。

 スライド11をごらんいただきますと、赤く示したところでございますけれども、non-HDLに関して言うと、一番リスクとして高く有意を持って表現されるところが190ぐらい。下のほうを見ていただきますと、LDLに関して言うと160ぐらいであるということが、大体これで示されている。これは、あくまでもカットオフというか、有意に冠動脈疾患を予測する値ということでございますので、実際にそれがどのぐらいからカットオフにするかというのは難しい問題です。

 次のスライド12をごらんいただきますと、徐々に180ぐらいから上がってきて、完全に有意に示すのは185以上、190というところがnon-HDLに関して言うと一番いい値ではないかということで、班会議の中での議論としては、次のページにございますけれども、受診していただきたい値というのは190以上ではなかろうか。そうすると、住民健診で言うと20から30の間ぐらいがnon-HDLLDLの差。したがって、カットオフとして160とするのもいいのではないか。こういう議論をさせていただいて、これは一つの提案でございますけれども、こんなことを話させていただいたということで、今回は御報告させていただきました。

 以上でございます。

○永井座長 ありがとうございます。

 続いて、岡村構成員から資料3を用いて御説明をお願いします。

○岡村構成員 それでは、時間が限られておりますので、簡潔にお話ししたいと思います。日本動脈硬化学会のほうでガイドラインの改訂作業中でございます。今、最新が2012年版ということになりますが、2017年版の改訂作業中でございます。学会のほうは、理事長はりんくう医療センター病院長の山下先生でありまして、何回か議論が進んでいるところでございます。素案の公開は来年の1月29日の動脈硬化フォーラムでされることになっておりまして、策定委員の委員長は帝京大学の木下教授を中心としたメンバーで、診断基準の執筆担当は私と、きょう参考人で来られておられます宮本先生と、愛媛大学の斉藤先生というメンバーで策定をしております。

 4の改訂の主な方向性ですけれども、学会のガイドラインで、前から絶対リスクの評価を使っておりますが、死亡ではなく発症を予測するツールを導入しようということと、新規薬物の適用の追加と家族性高脂血症の取り扱いを改訂しようというのが主な点ですが、診断基準につきましては、1010日時点では、そこに示した表のとおりでございまして、これはあくまでもスクリーニング基準です。いつもこれを治療基準と誤解されて困るのですけれども、この学会で示しているのはあくまでもスクリーニングの基準になりますので、LDLからトリグリセライドまでは現行の基準と変わりません。これは、空腹時の採血のときの値です。

 今回、出ていますのが、スクリーニング基準で今までnon-HDLがなかったのを、そこにあるような基準でつけ加えようということになっておりまして、この場合はプラス30という値の設定になっています。これは、学会としてnon-HDLの取り扱いが、LDLの管理目標値を達成した後の2次目標という扱いになっているので、基本的にnon-HDLを使う方はトリグリで150を超えている方が前提になっています。それで、値の差が30ということが設定されております。

 あと、測定の取り扱いですが、スクリーニングに関しては、LDLFriedewald式または直接法ということで、スクリーニングに関しては直接法もいいのではないかという議論になっています。ただ、現行の臨床試験がFriedewaldLDLで出たエビデンスしかありませんので、治療に入ったら、また別なのですけれども、スクリーニングについてはこれでもいいのではないか。またnon-HDLを使う場合、トリグリが400以上とか、先ほど寺本先生の資料だと600ぐらいまでだと思いますけれども、トリグリ400以上や食後採血の場合は、non-HDLを使用することになります。

 ただし、スクリーニングで高TG血症を伴わない場合は、先ほど寺本先生が言われましたように、LDLとの差が30よりは小さくなる。どちらかといえば20に近いぐらいの値になってくることが多いのですけれども、その可能性を念頭に置いてリスク評価をしましょうということを明記させていただいて、一応こんな案になりまして、最終的に1223日の委員会でもう一回議論されることになっております。そうなってくると、先ほどの話とあわせて、この160とか170あたりが基準で、いずれになるかはトリグリの値に依存するので、あとはそれをそろえるか、逆に言うと違うものにするかというのは、今後の運用上の議論の話になるのかなと個人的には考えています。

 以上です。

○永井座長 ありがとうございます。

 続いて、門脇構成員から、資料4で10分程度、御説明をお願いいたします。

○門脇構成員 私は、「保健指導対象者の選定と階層化における随時血糖値の判定基準について」、御報告いたします。

 2ページをごらんください。

 現行の仕組みですけれども、空腹時血糖値とHbA1c値を使いまして、保健指導判定値は、それぞれ空腹時血糖値100A1c5.6であります。また、受診勧奨判定値は、空腹時126HbA1c6.5であります。実際には、HbA1cを測定されない場合があり、また、血糖値の測定も空腹時でなく随時血糖値で行われることが少なくないと伺っています。その場合に、現在、随時血糖値を判定して、保健指導したり、受診勧奨するという判定値がありませんので、実際にはその値によって保健指導対象者を選定・階層化することができないということで、その随時血糖値の判定基準がつくれないかということが今、課題になっています。

 3ページを見ていただきますと、保健指導判定値、空腹時100HbA1c5.6という値の根拠ですが、これは糖尿病学会で空腹時血糖値は110未満が正常になっていますが、100未満を正常域として、100から109は正常高値としています。正常高値は、正常域に比べて糖尿病への進展の割合が、境界域ほどではありませんけれども、有意に高いということから、このような群を設定して、この正常高値のところから保健指導判定値に採用し、また、それに対応するHbA1c5.6を保健指導判定値に採用しています。

 続きまして、4ページをごらんください。

 受診勧奨値の空腹時血糖値126HbA1c6.5は、糖尿病型の診断基準そのものでございます。これに加えて、随時が200以上であると糖尿病型と判定するのが臨床診断では行われているわけであります。

 そこで、5ページ目、随時血糖値に関して検討すべき課題ですけれども、空腹時血糖値100、ないしはHbA1c5.6%に対応する随時血糖値は算出可能かどうか。また、1266.5に対応する随時血糖値は算出可能かどうかということであります。

 6ページ、7ページ、8ページは詳しく御説明いたしませんが、9ページで、この3つの資料に関する小括を行っております。

 空腹時血糖値や75gOGTT2時間血糖値によって、耐糖能は正常高値・正常型・境界型・糖尿病型に分類されていますが、各カテゴリーにおける随時血糖値については、分布の重なりが大変大きいということは一目瞭然でございます。したがいまして、空腹時血糖値の100126、ないしは75gOGTTの2時間値200に対応する随時血糖値を算出した場合に、その解釈そのものは非常に慎重であるべきであるということが議論の前提となります。

 その上で、空腹時血糖値100に対応する随時血糖値を、随時血糖値の分布あるいは血糖値の持続的な推移から推算することを行ってみました。

11ページの資料は、広島の伊藤千賀子先生らの、尿糖陰性の健診受診者多数を集めたデータでありまして、横軸に血糖値のレベル、縦軸に頻度を示しています。

 一番上にトツが出ているのは、空腹時血糖値あるいは6時間以上たった血糖値でありますけれども、それから食後に行くに従いまして、右のほうにシフトしてまいります。一番右にシフトするのは、赤で示してあります食後30分から1時間でありまして、右にシフトするということは、食事30分から1時間が食後血糖値のピークになっているということであります。

 一方、食後3.5時間以降のものは、緑で示しますけれども、空腹時のものに最も近づくということで、3.5時間以降はもとに戻ってくるということでございます。

 それをもう少し具体的な推算をしてみたのが12ページであります。

 この集団では、男性・女性、空腹時血糖値が80台の前半という、比較的血糖値が正常な集団でございますけれども、空腹時血糖値の保健指導値は100でありますので、SDから見て、男性では1.26SD、女性では1.31SD、高い値を推算することになります。そういたしますと、食後のピークに当たります0.5から1時間については、男性は141、女性は137、大体140が空腹時血糖値100の人の食後血糖のピークであることがわかります。

 一方、食後3.5時間を超えますと、それぞれ104101となりまして、ほぼ空腹時の100に戻るということが実際確認されました。

13ページは欧米人のデータですが、欧米人でも、140を超えることは、正常人では時間帯が非常に少ないということと、3時間を超えると空腹時血糖値に大体戻ることが示されています。

 さらに、14ページでありますけれども、ブドウ糖負荷試験で正常型の方をとりますと、食後3.5時間ですと、ほぼ完全に空腹時血糖値に戻るということが示されています。

15ページは、最近のいわゆるCGMを行った持続血糖測定であります。空腹時血糖値が100ぐらいの人の集団ですけれども、食後のピークは120ぐらいで、昼食後3.5から4時間で空腹時に戻る。

16ページは、食後血糖値が最大になるのは、食事が朝食か昼食かによって違いますけれども、実際にこのような健診を受けるのは夕食後ということはありませんので、40から50分ぐらいですね。前値を100とすると、100からの上昇が多くても36.5ぐらい、40未満であることがわかります。

 したがいまして、17ページに書きました、空腹時血糖値100に対する随時血糖値ですけれども、随時血糖値は食後の時間経過とともに変化しますが、空腹時血糖値100に対する随時血糖値は、ピークとなる食後1時間までであれば大体140、食後3〜4時間以上を経過した場合にはほぼ100に戻る。それが目安になるということがわかりました。

 次に、18ページ、いわゆる受診勧奨に当たる空腹時126に対する随時血糖値ということで、考え方−1は1982年の小坂先生がつくられた診断基準のときから、200を超えると糖尿病とみなしていいということで、これは126に対応する値として200を求めたというわけではなくて、それまでのさまざまな観察から、随時が200を超えたものは糖尿病とみなすというところから来ているものでありまして、今回、空腹時126に対する随時血糖値を改めて算出、推算してみました。

 そういたしますと、ページ20をごらんください。

 これは、ブドウ糖負荷試験で2時間値が200を超えている糖尿病型の患者さんの、随時血糖値のピークは1時間なのですけれども、この1時間は180ぐらいということで、2時間血糖値が200という糖尿病型の値は、随時で言うとピーク180ぐらいに対応する。

21ページをごらんください。

75gOGTTにおける糖尿病型と随時血糖値の関連ですが、170を超えると糖尿病型である可能性が90%を超えるということで、特異度から見て受診勧奨としていいかもしれないということです。

2223ページは台湾のデータですけれども、23ページをごらんいただければと思います。

 正常型と境界型と2型糖尿病で、上から5番目のカラムの朝食後血糖値、あるいはその2つ下の昼食後血糖値を見ますと、境界型の場合にはそれぞれ120台から186185ぐらいまで行って、155ぐらいが平均ですけれども、糖尿病の場合には下が183から上が200を大幅に超えて、平均220ぐらい。180ぐらいをとっておくと、このデータから、糖尿病と境界型の境ぐらいになろうかと思います。

 ということで、24ページ、126に対応する随時血糖値はということで、180以上を呈する場合には、糖尿病を積極的に疑ってもよいと考えられます。

25ページは、随時血糖値に関するまとめですけれども、1つは、分布が大きいということ。その上で、文献的に考察した場合に、空腹時血糖値100に対応する随時血糖値は、食後1時間までであれば140、食後3〜4時間以上を経過した場合には100が目安となる。

 随時血糖値200は、これまで糖尿病型として診断基準に採用されていますけれども、今回、改めて126に対応する随時血糖値を求めてみますと、これはブドウ糖負荷試験は非常に強い刺激ですので、ブドウ糖負荷試験で200になるような場合には、通常の食事では180ぐらいが目安と、従来も漠然と考えられてきましたけれども、大体180ということが今回、データとしても確かめられました。

26ページは、結語と私案でございますけれども、特定健診における血糖関連検査では、これまでどおり、空腹での採血を原則とし、またHbA1cも同時に測定するということを原則にしていますが、それを強く推奨したい。しかしながら、やむを得ず、随時の採血となり、HbA1cが測定できない場合に、その血糖の採血が無駄にならないように、以下のことを新たに提案したいと考えます。

 保健指導判定値は、食後4時間以上経過した場合には、空腹時血糖値にほぼ戻りますので、100を基準にして、100を超えたら保健指導ということは、かなり論拠があるのではないかと考えます。

 受診勧奨判定値については、案1と案2がありまして、案1は、これまでどおり、糖尿病を強く疑うのは、糖尿病学会の糖尿病の診断基準から見ても200以上になるということです。今回、限られた検討ではありますけれども、アベイラブルなエビデンスを調べてみると、75gのブドウ糖負荷200に対応して、随時では180になりますので、180以上を呈した場合には糖尿病を積極的に疑い、200以上の場合は強く疑いと書いてありますけれども、受診勧奨判定値を満たすものとする。いずれも、糖尿病精査を目的に医療機関の確実な受診を促すという点で、このような受診勧奨判定値を随時血糖値で定めることも一定の意味を持つのではないかと思います。

 以上です。

○永井座長 ありがとうございました。

 続きまして、渡辺参考人から資料5について10分程度で御説明をお願いいたします。

○渡辺参考人 それでは、お話をさせていただきます。

 2ページでございますけれども、今日の課題は、血清クレアチニンもしくはeGFRに関する基準ということでございましたけれども、尿たんぱくの定性反応に関しましても基準がはっきりしていないことがございまして、しかも、eGFRの基準に大いに関連するということで、その両方についてお話させていただきたいと思います。

2ページにございますのは、現在使用されている日本腎臓学会のCKDガイド2012における尿検査の扱いでございます。

 たんぱく尿に関しては、そこにありますように、マイナスもしくはプラスマイナスは、保健指導・受診勧奨の基準にならないということです。

 ところが、翌2013年に発行されました厚生労働省健康局の尿たんぱくに関するフィードバック文例集改訂版では、そこにありますように、プラスマイナスという概念が出てきておりまして、医療機関を受診して尿の再検査を必要とするということが記載されております。

 そこで、尿たんぱくのプラスマイナスというものの意義を考えるために、御存じのように尿の定性反応は、東アジア、日本でしか一般に行われておりませんので、データが非常に少ないということがございますけれども、日本のコホートにおける尿蛋白定性反応とアルブミン尿の関係については、4ページに示すものがああります。

 真ん中に示す高畠研究という山形県の一般住民の健診でも、右の外来の高血圧患者さん9,000人を調べた我々の研究でも、尿蛋白プラスマイナスの6割以上が微量アルブミン尿もしくは顕性アルブミン尿であるということを示しております。

 次の5ページでございます。

 尿蛋白検査結果とアウトカムの関連でございますけれども、末期腎不全による透析導入に関しましては、沖縄県で井関先生が17年間にわたって追跡した息の長い研究で、ゼロ年の尿検査の結果と17年間の透析導入率を見たものでございます。ごらんになっておわかりのように、プラスマイナスとマイナスはそれほど差がなく、透析導入率は、尿たんぱく1プラス以上で容量依存的に増加していることがわかります。

 6ページです。国際腎臓学会で世界の150万人のデータを解析結果では、左にございますように、アルブミン尿は、微量アルブミン尿、顕性アルブミン尿という領域にかかわらず、尿中排泄量がふえればふえるほど、総死亡もしくは心血管死亡の率が増加するということがわかっておりますし、右の図にありますように、腎機能が低下すれば、アルブミン尿が正常であっても異常であっても、アルブミン尿とは独立してそのリスクは高くなります。アルブミン尿と腎機能低下は相加的にリスクを増加させることがわかります。

 7ページです。

 日本で行われております尿蛋白定性反応での予後の予知はいかがかということでございます。これは我々が厚労科研研究として行った特定健診の全国のコホートのデータでございます。33万人余りの横断解析をいたしまして、心血管イベントの既往は、ごらんになっておわかりのように、尿たんぱくの定性反応に関しましては、プラスとマイナスプラス、2プラス以上と分けていけば、感度は悪いのですが、アルブミン尿の代替になり得るということがわかります。

 次に、我々の研究班のコホートでの尿たんぱく定性反応の年次変化を示します。アルブミン尿やたんぱく尿は、血圧などと同じで、検査そのものの同一検体での再現性は良いのですが、経時的・経年的な変化に関しましては変化することはわかっておりますが、それを実際に示したものであす。

2008年の尿たんぱくがプラスマイナスの方が8.6%いらっしゃいますが、そこの方が1年たった2009年度、プラスマイナスのままの方は約20%、改善する方が約67%で、悪化する方が約11%でありました。これは、1つは、尿検査というのは飲水状態で希釈・濃縮効果があるという問題もありますし、治療や生活習慣改善によって改善していくことも多くの臨床研究でわかっております。

 次の10ページでございますが、尿検査結果の経年的変化がリスクにどう反映するかということです。これは日本のデータではございませんけれども、オランダの一般住民の検討です。ゼロ年でアルブミンの低値と高値に分けまして、ゼロ年と4年後のアルブミンが低値のものを1とした場合の心血管疾患の相対的リスクを見たものですが、4年後に高値になった場合と、高値が持続した場合は、同じ3.6倍程度のリスクを持っておりますが、高値が改善して低値になった場合には、リスクが半減することが示されております。

 それでは、日本のデータで定性反応を用いたものではどうかということで、山形の高畠研究という7年間の前向き追跡研究でございますけれども、左にありますように、アルブミン尿で見た場合は、顕性アルブミン、微量アルブミン尿が正常アルブミン尿に比べましてリスクが高いことがわかります。

 右側には、定性反応で見た場合も、traceというものがプラスマイナスでございますけれども、一見、傾向としては、プラスマイナスはマイナスに比較して、総死亡に関しては差が出ているように見えます。

 それをさらに解析したのが11ページでございますけれども、アルブミン尿に関しましては、いろいろな因子で補正しても、総死亡に関しても、心血管死亡に関しましても有意差が残るということですが、ここの場合、論文ではtrace以上、要するにプラスマイナス以上で解析いたしましても、総死亡に関しては有意差が補正前にはあるのですが、補正いたしますと、その有意差が消えるということでございます。

 それはなぜかということで、この研究の主たる研究者である山形大学の今田先生にもう一度解析を依頼いたしました。その結果、尿たんぱくプラスマイナスでのイベント数は、この3,000人強のコホートでも、7年間でも総死亡7と心血管死亡3と非常に少ないことがわかりました。したがって、プラスマイナスだけで見ますと、有意差が総死亡でも心血管死亡でもつかない結果です。

 そこで、我々の20万人程度の特定健診コホートで、5年間の前向き追跡した結果を見てみますと、ここに示しますように、プラスマイナス以上ではどちらも有意差がつくということです。

 ところが、次の14ページでございますけれども、20万人のデータでも、プラスマイナスでのイベントは、そこに示しますように、総死亡266と心血管死亡35とかなり減りまして、総死亡に関しては調整しても有意差が残りますが、心血管イベントには有意差がないということであります。これ以上の尿蛋白定性反応をもとにしたデータはございませんので、今、我々の研究班では、さらに長期の死亡原因と突合された、規模の大きなデータベースができつつあります。その解析によって結論が出るだろうと期待しております。

 次のページでございます。

 現在、日本腎臓学会に腎臓健診に関する検討委員会を立ち上げていただいておりまして、尿たんぱくの定性反応の取り扱いを含めて腎臓健診の在り方を検討していただいております。スライドは尿蛋白の取り扱いに関する中間的な結論でございます。2018年に予定する改訂版の案ですが、赤のところが2012年版から改訂されたところであります。尿たんぱくプラスマイナスは保健指導の対象、翌年もプラスマイナスの場合は、異常アルブミン尿の可能性がさらに高いということで精密検査を行うということです。

 そこに赤字で記載してあるeGFR45については後で申し上げます。

 フィードバック文例集に関しましては、16ページに書いてありますように、2の尿たんぱくプラスマイナスの場合は、医療機関で精密検査というのが2013年の文例集でございましたけれども、2018年改訂版では「生活習慣の改善を」としています。また、2年連続で尿たんぱくプラスマイナスの場合は、医療機関で定量検査をしていただくと書いています。

 次に、この尿たんぱく陽性、もしくはプラスマイナスが保健指導の対象になるかという点でございます。17ページは、尿たんぱくが10年後に出現することの要因を調べた茨城県の健診データの解析結果でございます。高血圧、糖尿病、脂質異常、肥満、喫煙等と並んで、血尿というものが有意な要因になっておりまして、生活習慣病関連のCKD以外に、腎炎が比較的大きなウエートを占めていることを示しております。

 次の18ページは、外来の高血圧患者さんの横断研究で、異常アルブミン尿を呈する要因を見てみますと、血圧、喫煙、糖尿病、eGFRの低下がありますが、注目していただきたいのは、レニン−アンジオテンシン系抑制薬を使用している方は頻度が低いということです。これは、尿蛋白は治療によって変化する可能性を示唆しているのだと思います。

 次の19ページは、我々の研究班で生活習慣スコアという指標とたんぱく尿の新規発症関連を調べたものであります。すなわち、喫煙、体重管理、飲酒、身体活動、食事に関して、良い生活習慣とされる基準で守っているものをプラス1とします。したがって、5というのが一番いい生活習慣をしている方ということでございます。特に男性で顕著なのですが、図でおわかりのように、いい生活習慣の遵守数とたんぱく尿の新規発症が逆相関することがわかりましたし、それから、矢印示しますが、悪い生活習慣をそのまま維持した人に比べて改善した人、もしくは生活習慣が1つ守られているのですが、悪化した群に比べて改善した群では、明らかに新規のたんぱく尿発症が抑えられるということです。これは尿蛋白異常に対する保健指導の内容になるのではないかと私どもは考えております。

 次に、eGFRの基準についてですが、20ページに示しますように、現在のeGFRによるCKD病期分類の国際基準でありますG3aG3b、すなわちeGFR 45593044とで分けております。一方、日本のCKD診療ガイド2012におきましては、eGFR306010刻みで分けて、しかも年齢別に対応が異なるという非常に複雑な形で書かれております。また、図に黄色で示されている部分が保健指導なのかどうかという明確な記載はございません。

 次の21ページは、現在の厚生労働省の2013年に出されたフィードバック文例集における、eGFRと尿たんぱくを組み合わせたプログラムでございます。eGFR50以下では受診勧奨、eGFR 5060の場合は、尿たんぱくマイナスが生活習慣の改善、プラスマイナスの場合は受診して尿精密検査をすると書いております。

 次の22ページでございますけれども、現在、日本も含めて国際的に、左の欄外に書いてありますように、eGFRによるCKDのステージは、G3aG3bG4という形で分類されておりまして、心血管死亡もしくは末期腎不全のリスクは、そこに色別に別けてあるように、G3aG3bではリスクが異なるとされています。さらに、アルブミン尿の程度は相加的に作用するということがわかっております。

 では、日本のデータではどうかということでございますけれども、23ページは健診データの追跡研究の結果でございます。特定健診の対象年齢である4074歳までを四角で囲ってありますが、特定健診の対象年齢でG3aの場合は、8090歳で透析に入る方は余り多くありません。一部、赤で示している4050歳代 G3aの場合、透析に入る可能性がある方がいらっしゃいますけれども、これを尿たんぱくあり、なしで分けて解析しますと、マイナスの方は腎機能低下のスロープが緩く透析に入りにくいことが判明しています。

 逆に、この年齢層でG3bに関しましては、ごらんになっておわかりのように、透析導入の確率は非常に高いということがございます。

 次の24ページでございます。

 次に、心血管イベントに関してはどうかということでございます。左が男性、右が女性でございますが、eGFR60以上と比較した心血管死亡もしくは総死亡のハザート比は、男性では4069歳という年齢では、eGFR4049になって初めて有意に上昇するということがございます。しかしながら、7080歳という高齢者になりますと、その有意差が特に男性では消えてしまうということがございます。女性では、心血管死亡に関してはその年齢でも有意差が残っております。したがって、年齢別に基準を作成することに意味があるのではないかと考えております。

 次の25ページは、今のCKD診療ガイドでは、eGFR 10ずつ区分していますが、国際的な基準であるeGFR 453aと3bに分けることは妥当かどうかということを調べたものであります。これは、茨城県の健診データの前向き追跡研究でございますけれども、ごらんになるように、eGFR 45493044の群の間には、心血管リスクに有意差があるということがわかると思います。

 次、26ページでございますが、これは私どもの厚労科研研究班の2年間の前向き研究でございますけれども、心血管イベントの新規発症に関しましては、さまざまな高血圧、脂質異常、糖尿病、たばこ、年齢等々のほかに、eGFRの変化が有意であるという結果が出ております。

 次の27ページでございますが、この結果を解析いたしますと、解析1に示すように、尿たんぱくプラスマイナスの心血管イベントの新規発症の調整のハザード比は有意に高いことが判りました。

 解析2では、1年間にeGFR10%減少すると血管イベントの新規発症の調整ハザード比は1.2倍程度、15%以上減少すると2.8倍程度という形で上昇していくことが出ております。

 次、28ページを注目お願いします。

 以上の結果を踏まえまして、新しい2018年の改定を目標にした腎臓学会の検討委員会での現在までの中間まとめでは、保健指導、受診勧奨基準に関する国際基準に準じて、eGFR 45G3aG3bを分けるという結論でございます。尿たんぱくが定性検査にてマイナスでは、すなわちA1でございますけれども、eGFR 4559に関しては、保健指導としています。この場合、保健指導という言葉が正しいのかどうか別として、そのように規定しております。

 微量アルブミン尿の領域、尿たんぱくプラスマイナスの場合は、腎機能が60以上では保健指導としています。ただし、血尿が伴いますと、腎炎で急速に進む場合がございますので、受診勧奨としたいと思っております。

 次、29ページですが、これは保健指導のやり方ということでございます。

 変更した点は、従来の10ずつ区切るのではなくて、eGFR45で2つに分け、尿たんぱくマイナスの場合はG3aでは生活習慣改善とすること、尿蛋白プラスマイナス場合は、以前は点線で囲っておりましたように、eGFR50以上では医療機関で尿たんぱくの確認ととなっていたのを、eGFR 60以上のみ生活習慣の改善と基準を緩和しています。一方、2年連続でプラスマイナスの場合は、医療機関で尿たんぱくの定量検査をしていただくようにと考えております。

 次の30ページは、厚労省から、これらの基準で対象となる患者さんはどのぐらいのポピュレーションがあるのですかという質問に対して、急遽、我々のデータベースを使って解析を行いました結果です。非常にビジーなスライドでわかりにくいと思いますけれども、日本の4565歳、65歳〜74歳の一番新しい人口統計を使いまして、それと各枠の中の割合とを掛け合わせて、受診勧奨も保健指導も100%受けるということを前提にして推計した人口でございます。

 その結果、2018年のガイドラインの我々の改訂案の結果をもとにしますと、受診勧奨の人口は約380万人です。これは、従来の2012年のガイドラインをもとにしたものに比較するとと、約60万人減少するということになります。

 それから、保健指導に関しましては、保健指導区分が以前はなかったということで不明でしたが、基準を明確化したことでと970万人と推計されます。これを仮に特定健診を50%の方が受診されて、保健指導の実施率が20%であれば1桁少ない数字となると解釈していただければいいと思います。

 次の31ページでございます。

 特定健診で評価する糖尿病、脂質異常、高血圧、メタボリックシンドロームなど併存症とeGFRの関連を示しています。

 上の表は、CKDの各病期での併存症の頻度を示しています。一番右は、G3aの方で全くそれらを併存していない頻度が10%、G3bの方では5%ということでございます。下の表は、各併存症を持った方でのeGFRの分布を示しています。一番右の何もリスクを持っていない方、併存していない方では、G3aが約9.6%、それからG3b以上は非常に少なくて0.59%ということになります。

 そこに書いてある人数、77.4万人とか4.7万人というのは、先ほどと同じように、特定健診対象年齢の人口でどのぐらいの方がここに該当するかということを概算したものでございます。受診勧奨に関しては、それほど大きな数字ではないだろうと思っております。

 次の32ページが結論でございます。

 エビデンスに関しましては、今まで申し上げましたとおりでございます。

 提言といたしましては、尿たんぱくプラス以上は医療機関受診勧奨、プラスマイナスは保健指導の対象とする。eGFRに関しましては、受診勧奨算定値は45未満、保健指導の判定値は60未満にするということを提案したいと思っております。

 以上でございます。

○永井座長 ありがとうございました。

 それでは、「新たに設定が必要な受診勧奨判定値及び保健指導判定値等について」、資料1をごらんいただきながら、この論点に基づいて項目ごとに御議論をお願いしたいと思います。

 順番に進めてまいりたいと思いますが、最初にnon-HDLについて御意見いただきたいと思います。いかがでしょうか。

 どうぞ。

○津下構成員 寺本先生の御説明でよくわかったつもりですけれども、確認事項としましては、空腹時採血の場合はLDLの直接法、Friedewald法とnon-HDL、いずれでもよいけれども、随時採血の場合はLDLの直接法かnon-HDLでおこなう。FriedewaldTGが高くなるので、LDLとしては過小評価になるため使わないという結論でいいかと。それを確認させていただきたいのと。

○寺本構成員 はい。

○津下構成員 もう一点は、判定値についてです。non-HDLLDLの両方を算出することが可能です。両者の差がが30mg/dl ならば一致しますが、2025mg/dlくらいの差が想定されるとすると、有所見率に若干差が出るのかなという気がしております。この方式で実施した場合、特定健診受診者において有所見率がどのような状況になっているのかというのを確認した上で、また御検討いただく必要があるのではないかと思いますが。

○寺本構成員 これは、あくまでも正常住民を対象としてやっていくと、LDL160ぐらいだとリスクになることが明らかである。ですから、そこにするのか、実際にどこからしたほうが住民にとっていいのかというあたりは、もうちょっと考えなければいけない。

○永井座長 ほかに。

 岡村構成員。

○岡村構成員 今のと関連してですけれども、動脈学会のガイドラインは、先ほど示した値はあくまでスクリーニング基準だとお話ししましたが、実際の治療のときは管理目標値のところを見て、全くほかのリスクがない人だと、管理目標値はLDLで言いますと160です。ですから、実際のところは矛盾点は余りないのですが、撃ちもらしを減らそうとすると、140で、例えばほかの血圧が高いとか何かあると、そこは治療の対象になってくるので、要するに網かけをするラインがどの辺かという設定になっています。

 ですから、この場合、特定健診はLDLを優先するのか、non-HDLを優先するのか。non-HDLを使う場合はどういうときかを決めておく必要があります。どちらが優先かという議論はもちろんあるのですけれども、どちらかをメインにして、片方じゃないと使えないときはどういう場合かという場合分けをしていくと、多分混乱が少ないだろうと思います。

○永井座長 どうぞ。

○津下構成員 non-HDLLDLの両方とも計算できてしまうわけで、そのときにどちらの値を使って判断するかという問題が現場で出てくると思われます。

○岡村構成員 基本的に、もしFriedewaldLDLが計算できているのであれば、そのFriedewaldLDLを使うのが原則。なぜかというと、全部FriedewaldLDLに基づいて、今までの臨床試験とか治療根拠は全てできていますから、というのが優先順位の設定になるのではないかと思います。

 先生、何か。

○寺本構成員 それは、前から動脈硬化学会で主張してきているのですけれども、問題は、住民健診はどうしても食事をしてきてしまう場合があるので、そのときの代替策として、直接法にするのか、non-HDLにするのかという話になったのです。直接法のLDL-Cが今の段階である程度の精度が担保できるような状態になったので、non-HDLもしくは直接法ということになってきているわけですけれども、恐らく学会の先生方というか、私もそうですけれども、希望としては、総コレステロールを落としたくないので、non-HDLでやっていただいたほうがベター。

 これは、あくまでも実際にやる現場で混乱が起こらないようにということを考えると、今までの直接法のLDL-Cを踏襲することもいいのではないかというだけの話だと思います。できれば総コレステロールをはかっていただくほうがベターだと思います。

○岡村構成員 実際にFriedewaldでちゃんとやっていただくと、総コレをはかるだけで、実はnon-HDLLDLも両方測れることになりますから、1つの検査で2つ測れることにはなるのですけれども、あとは運用面でどうかという話に恐らくなってきます。現場で混乱することは多分誰も望んでいないので、円滑にちゃんとスクリーニングされた方が、必要な医療につながるという視点で、誰も反対されないのではないかと思います。

○永井座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 そうすると、non-HDLについては、受診勧奨190以上。それから、カットオフ値といいますか、保健指導が160ということですね。

○岡村構成員 そこにつきましても、LDLの受診勧奨値と保健指導判定値があるので、そことの整合性を合わせないと恐らく大混乱しますから、この場で即結論がつくかどうかというのは別ですけれども、LDLの受診勧奨判定値とある程度足並みをそろえることが必要になってくるかと思いますので、そこは学会等を含めて、また議論できるのではないかと思います。

○寺本構成員 あくまでも、これは先ほどの図を見ていただいてもおわかりのとおりで、あるところからかなりなだらかな上昇を呈し始めますので、その辺のところは混乱を招かない程度でリスクをうまく拾い上げることになりますので、徐々にいろいろなことを動かすとしても、今までのものをそう大きく変える必要はないだろうということだろうと思います。

○永井座長 両方の数字があったときに、どちらを読むという表をどうつくるか。

○寺本構成員 LDLでやっていくことが基本だろうと思います。ただ、そのときにnon-HDLでなければ算定できない場合もあるわけなので、non-HDLではかることも今回は認めていただきたいというのが我々の主張です。

○永井座長 それは、次回までに何か文書をつくっていただけますか。

○寺本構成員 説明がどうしても必要になると思います。

○永井座長 磯構成員。

○磯構成員 1点確認ですが、動脈硬化ガイドラインでは空腹時が10時間以上という規定があって、今、お話があったFriedewaldの式を使うのは、10時間未満の場合に使うのか、それともトリグリが空腹、非空腹に関係なく400mg/dl以上になったときにnon-HDLを使うのか、そのあたりはいかがですか。

○寺本構成員 それは、空腹時でない場合というのは、そこにどうしてもカイロマイクロンが入ってしまうことがありますので、表現しているものが違ってきてしまうので、10時間というのは一応基本になります。ですから、食後10時間以前であれば、Friedewaldは使えないと決めないといけないのではないかと思います。

○磯構成員 そうなると、ほとんどの住民健診の場合はFriedewaldの式は適用できないということですね。10時間空腹の人は非常に少ないので。

○寺本構成員 原則的に言うと、住民健診はそうなってしまうのですね。だけれども、例えば社保ではほとんど全員が10時間以上の空腹でやっているので、そういう場合は使えるのではないかと思います。

○永井座長 その文書を見た上で、もう一度議論するということになるかと思います。ありがとうございました。

 続いて、随時血糖について御意見いただきたいと思います。

 津下構成員。

○津下構成員 ありがとうございます。

 随時血糖については、食後4時間は見ないということについて確認させてください。、食後時間の測定の仕方ですけれども、伊藤千賀子先生の論文ですと、食事開始から4時間ということで、食べ終わってからの4時間ではないというルールだったかと思います。食事に1時間かかる人は、とくに朝食ではそんなにいないかもしれませんけれども。食事開始後から血糖値が上がり始めるということで、食事開始からの4時間だったと認識しておりますが、それでよろしいでしょうか。

○門脇構成員 そのとおりです。食後という場合は食事開始時間からのデータですので、先生がおっしゃるとおりだと思います。

○津下構成員 はい。

 あと、随時血糖が4時間後から使えるとなると、朝御飯を食べて、午前中、仕事をして、午後からの健診というのが可能になります。労働安全衛生の健診ではこのような形で実施される場合も多く、そういう方々が健診結果を活用できるという点では、実施率の面では非常に貢献するのではないかと思います。4時間以降のデータを活用できることが特定健診受診率上においても進歩になると思います。

次に基準についてですが、先生もおっしゃったとおり、余り緩い基準にしてしまうと見逃し率が高くなります。食事の内容や食後時間などにより血糖上昇の程度や時間に幅ができますので、慎重な判断が必要と思います。す。空腹時血糖やHbA1cより随時血糖のほうが見逃しが多いということにならないことが望ましいかなと思いますので、100という数字は妥当ではないかと感じました。

○門脇構成員 食後3時間半から4時間。実際には4時間であれば、大体空腹時に戻りますので、おおむね空腹時血糖値100に相当する値ではないか。見逃しの多い値にはなっていないと思います。

○津下構成員 あと、受診勧奨判定値の180200、感覚的には200は結構高いのかなと思うのですけれども、180200、どちらをより推されるのでしょうか。

○門脇構成員 180にしたいところではあるのですけれども、学会のほうで今、200としていますので、一つの方策としては、これを契機に学会でも200のところを180にするかどうかの検討をすることを前提に、今回は200を採用することが適切と考えます。今後学会のほうの基準をしっかり検討した上で、将来、180への変更も視野に入れるというのがスムーズかなと、私個人としては思っています。

○永井座長 岡村構成員。

○岡村構成員 今の随時200ですけれども、実際、随時血糖に基づいた前向きCVDのイベントを見た研究というものを私も磯先生のところもやっておられて、カットオフの基準がないので、皆、200を使っていることが多くて、きれいにイベントとしては関連が出ています。180200の比較みたいなことはさすがに誰もやっていないので、今のところは学会の基準も含めて、200のほうが多分きれいに通るのかなという気がいたします。

○永井座長 随時は時間を問わずということですね。食後何時間でもよろしい。

○門脇構成員 はい。

○永井座長 さきほどおっしゃっていた、1時間以内は140がというのは、今回は保健指導には加えないということでしょうか。

○門脇構成員 最初、そこを考えたのですけれども、140で新たな数字が出てくることと、実際、家で食事してきて、健診を受けるタイミングを考えると、随時で健診を受ける人は少ないのではないかということもありまして、先ほど津下先生がおっしゃった4時間以上のほうが、むしろ健診を考えると非常によいので、100という値が空腹時100と一緒ですので、そのことも含めて4時間以上を今回表示するのがいいのではないかと考えました。

○永井座長 いかがでしょうか。4時間というと、午後の方は、朝食べたらお昼は食べないでくれということになりますね。

○門脇構成員 食事は、実際何時ぐらいにするかということで、自宅で食べていらっしゃるでしょうから、そうすると食事開始時間からということを考えると、午前中かあるいはお昼の早い時間で対応できるのではないかと思いますので、現実的に可能なのではないかと考えました。

○永井座長 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 そうしますと、保健指導判定値は食後4時間以上は100以下、受診勧奨は随時で200以上ということでまとめたいと思います。

 続いて、eGFRはいかがでしょか。

 岡村構成員。

○岡村構成員 膨大なデータ、ありがとうございました。

 このデータを見ていて、ちょっと引っ掛かっているところが尿蛋白プラスマイナスの取り扱いでして、プラスマイナスで、ここで扱うほどのエビデンスが現状でどうかというのが、少し気になっています。最初にお示しいただいた透析導入のところで全く差がないというデータが1つあります。

 それから、お示しいただいたデータの心血管死亡への影響の部分ですけれども、14ページ、13ページがそうですけれども、右側のtraceのところで有意差が出ていますけれども、これはAgegenderしかアジャストしていないデータで、ほかの危険因子の調整がされていないというのが1つ。

 それから、また細かくて恐縮ですけれども、26ページの50万人の大きなデータになるのですけれども、27ページのほうで再解析すると、プラスマイナスのところで有意差があったというコメントをされておりますが、この50万人のデータというのは一般集団としてはイベントの発症率が余りにも高く、1,000人年で23件というのは普通の住民健診ベースの集団での発症率ではあり得ないような値です。これは、見ていますと、健診のときの問診でお答えしたものをもってイベントとされているということですね。

 ですから、患者集団の臨床試験のようなイベントの発症率になっていますので、もちろんきちんと答えられてやられていると思うのですけれども、そこの部分の問題があって、このプラスマイナスのところが本当にリスクになっているかどうかというのは、今回、入れるべきなのか、もうちょっとエビデンスが積み重なってから入れるべきかということは、少し検討したほうがいいかなというのが、見ていて一番気になった点でございます。

○永井座長 いかがでしょうか。

○渡辺参考人 おっしゃるとおりで、先ほど最初にもお断りしたように、世界的に見ても、尿たんぱく定性検査結果に基づくの臨床研究、疫学研究はほとんどございませんので、基本的には我々のものを含めた日本の数少ない研究結果を使わざるを得ないということで、先生がおっしゃるような弱点はあると思っております。また、確かに我々の研究班のものに関しましても、問診データに基づいた心血管イベント発症率でありますので、本当にそれが正しいのかと言われると、少し弱いところがあることは認めます。

 したがって、尿蛋白プラスマイナスに関しましては、基本的に受診勧奨基準ということに関してはエビデンス不足という気がしますけれども、合併症の発症予防という観点からの保健指導ということに関しては取り上げていただいてもよろしいのではないかということであります。明らかなエビデンスがあるのであれば、受診して医療レベルで対処いただきたいということだと思いますけれども、あくまで特定健診の目的である発症の予防という観点で我々としては提案したということでございます。

○永井座長 あと、eGFRは全員ではないですね。詳細検診ですね。どういう方が対象になるのか、事務局から説明をお願いします。

○青木健康課長補佐 今回、eGFRですけれども、詳細な検査項目となりますので、血圧もしくは血糖が保健指導判定値を超えた方に対して対象となります。

○永井座長 先ほどのeGFR高値で血糖・血圧が数字を超えている方がどのぐらいになるかわかりますか。

○渡辺参考人 31ページが参考になるだろうと思います。

○永井座長 全員がもし受けたとしたら、何万人になるのでしょうか。

○渡辺参考人 糖尿病、高血圧を持っている方ですか。ちょっと計算していないのですけれどもね。

○永井座長 血圧、糖尿病で、かつeGFRが一定の値を下回る。

○渡辺参考人 これは、31ページの表のパーセンテージから計算可能だと思います。健診受診者538,846人のうち、糖尿病を持った方が44,255人、高血圧の方が2216,639人ですから、各々該当するパーセンテージを出して、各々のCKDG3a以上のパーセンテージと特定健診該当年齢6008万人を掛け合わせていただければわかると思いますけれども、それは計算してございません(注:その後の計算では、保健指導対象と提案しているCKDG3aは糖尿病で67.4万人、高血圧で366.8万人、 受診勧奨のCKDG3b以上が糖尿病で16.7万人、 高血圧で59.9万人と推定されますが、 これらの多くは現在の特定健診でも対象となっていると考えられ、今回提案している基準による増加数は限定的と考えます)。一方、私が強調したかったのは、何も併存症を持っていない方でも無視できない程度のCKDの方がいらっしゃる、言い換えれば、保健指導及び受診勧奨対象になり得る方がいらっしゃることを示したかったのです。これは、具体的な推定人数は、31ページに記載したように、保健指導対象と提案しているCKDG3a77.4万人、受診勧奨のCKDG3b以上が4.7万人と推定され、実際の保健指導実施、受診者数は一桁少ない数と考えられ、医療機関への受診者数の激増はないと考えます。

○永井座長 要するに、健診の現場で対応できる数字なのかどうか。

○渡辺参考人 逆に言えば、糖尿病にしても、脂質異常にしても、高血圧にしても、メタボリックシンドロームにしても、現在の特定健診ではこれだけで多くの方々が保健指導または受診勧奨の対象になっている訳です。したがって、詳細項目としてのeGFRでの基準の設定ではそれほど大きな負担増にはならないのではないかと考えます。医療現場もしくは健診現場でも混乱はないと、私は思っております。

 ただ、腎臓学会の腎臓健診委員会の主張としては、これらの併存症がない方でも、一定程度の保健指導や受診によって、臓器障害やイベントの予防が可能な方々がいらっしゃることを強調して、可能であれば必須項目にして戴きたいと思っております。

○永井座長 それは前に議論しましたけれども、eGFR5060というのは、大変イヌリンクリアランスと相関が悪い領域で、正常者が3割ぐらい入ってくるわけです。イヌリンクリアランス正常、eGFR低下が3割ぐらい以下。ただ、eGFR45以下になると、ほとんどイヌリンクリアランスも低いのですね。そこの境界のところを全部広く網をかけるか、もう少し絞り込むかという問題があります。

○渡辺参考人 先ほど申し上げたのと同じ論理だと思うのですが、医療機関の受診で拾い上げると大変な数になる恐れがあるということで、厚労省の方から特定健診対象年齢でのCKDの各病期の人口を総数及び高血圧・糖尿病などの併存症の頻度と併存症別のCKD病期別の人口も出すように要請があったので、計算した結果は受診勧奨対象の人口は現在の基準を適用するよりむしろ減少します。医療現場に患者さんがキャパシティーを超えて受診されることはないと考えております。逆に、保健指導対象は若干増加すると推察されます。疑わしきを罰するじゃないですけれども、保健指導の対象に関してはその分だけ増加しますが、保健師さんたちに過大な負担にならないと思っております。すなわち、それほど医療現場や保健指導現場の混乱はないのではないかと考えています。

○永井座長 この間の内科学会で松尾理事長が発表しておられましたが、eGFR4560ぐらいで、ほかにリスクがない場合には、10年たっても余り問題ないということでした。そういうデータを参考にして、どこで線を引くのがよいかいろいろな方の御意見が必要だと思います。今回は詳細健診であるということで、プライマリーにピックアップするわけではないので問題は少ないかもしれませんが。

○渡辺参考人 45未満の予後対する影響に関しては、かなりエビデンスは高いと思います。ただ、4560に関しましては、先生がおっしゃったように、eGFRの推算式の精度も多少落ちますし、心血管イベントへの影響に関しても、年齢によって有意差が異なるということがございますので、あくまでこれは4560までを取り上げる場合には、受診勧奨基準とするには無理があるので、予防的な観点から保健指導していただく提案にした訳です。その中には、フォールス・ポジティブは私もあると思います。

 これは、保健指導への考え方の問題だと思いますけれども、特定健診・保健指導は予防に重点に置いていると我々は理解しますので、フォールス・ポジティブがあることはある程度見越して、保健指導のレベルを変えるとか、いろいろなことで対処可能かと考え、提案させていただきました。

○永井座長 はい。

○岡村構成員 eGFRに関しましては、先ほど言ったように、詳細健診ということで、そんなに出てこない。だから、先ほどの尿たんぱくのプラスマイナスのほうが引っかかる人がとても多くなる可能性があるのではないかということが少し気になったので、言わせていただいた側面がございます。

○永井座長 はい。

○津下構成員 その件に関して、例えば糖尿病や高血圧の方における尿たんぱくプラスマイナスの意義というものを出していただくとよいかなと思うのですけれども。

○渡辺参考人 先ほど示しました特定健診受診者では尿蛋白プラスマイナスの頻度が8.6%です。我々の高血圧患者を対象にした論文の中には、異常アルブミン尿の頻度は糖尿病ありで約50%、なしで約40%、かつその方の多くが尿蛋白プラスマイナスに該当する訳です。すなわち、尿蛋白プラスマイナスや異常アルブミン尿は、血管内皮障害を反映し、糖尿病や高血圧は、有力な原因ですが、それらに特異的なものではなく、他の原因も多く、その場合も心血管予後の指標になります。

○永井座長 はい。

○津下構成員 糖尿病性腎症の重症化予防の点から言うと、微量アルブミン尿の時期に生活習慣介入ができるのは望ましいです。顕性たんぱく尿になって腎症が固まってくるよりも、腎症第2期に血糖・血圧管理や生活習慣改善、禁煙とかをやっていただくほうがいいと思っています。糖尿病がある人において尿たんぱくプラスマイナスはどうするのか。ない人では、プラスマイナスはほぼ経過観察でもいいのではないかというような判断はいかがでしょうか。糖尿病のある、なしで対応を変えられるように、ガイドライン的なお勧めにはなると思うのですけれども、そういう書きぶりはいかがでしょうか。尿蛋白だけではなくて、糖尿病と組み合わせて判断する。

○渡辺参考人 私が微量アルブミン尿は糖尿病、高血圧に特異的なものではなくて、さまざまな要因で出てくるということを申し上げたのは、血管内皮障害の反映だと言われているからです。 先生がおっしゃるように、糖尿病では、微量アルブミンの時に介入すると予後を改善するという結果は、ステノ研究も示しています。特に、糖尿病では、フォールス・ポジティブがあったとしても、予防という観点から、保健指導はしていただきたいなと考えます。しかし、アルブミン尿の主な要因は、糖尿病、高血圧の他にも、たばこ、脂質異常、肥満などもあり、さらに、オランダの一般住民を対象にしたコホート研究では、例えば高ホモシスチン血症では、微量アルブミン尿が多い、動脈硬化も多いという結果もあります。我々が調べていない、もしくは未知の要因もあり、その場合も予後を悪化させるということです。

○永井座長 磯先生。

○磯構成員 最後の表の中の尿たんぱくプラスマイナスの保健指導ですが、基本的に今、議論があったように、もし喫煙していたら禁煙を勧める、過体重であれば減量もしくは身体を動かす。食事は、高血圧のコホートですので、減塩が中心になると思いますが、このような健康指導を、CKDにならないように行うという理解でよろしいですか。

○渡辺参考人 その通りです。現在のところ、我々が知り得る生活情報は、ここに挙げた生活習慣しかないわけですから、特定健診での質問項目の中5つをあわせたスコアで評価し、それらを改善するのが保健指導の内容かなと考えております。

○磯構成員 もう一点、8ページの再現性に関する非常にわかりやすい表ですが、3年目はどうなるのかという検討は可能でしょうか。

○渡辺参考人 できます。これは言いわけですが、厚労省の方から、この再現性はどうなのですかという質問があり、一週間程度で解析したものですから、データ量も多いので、お示ししたものしか間に合いませんでした。今後、連続的にやっていくことは可能でございます。

○永井座長 はい。

○門脇構成員 尿たんぱくプラスマイナスについての問題は、津下先生がおしだように、現在、透析予防ということで、国として最も力を入れているところでもありますので、プラスマイナスについては、糖尿病がある場合には少なくとも取り上げて、またそれ以外のリスクファクターがある場合には、それに対する対応を含めて、出来るだけ取り上げるべきではないかと思います。

○永井座長 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。

○磯構成員 今、門脇先生からお話があったように、マトリックスを用いて、生活習慣病の乱れがあったら、そこを指導するが、糖尿病や高血圧等があった場合は、さらに強く生活改善の指導をするという流れでよろしいでしょうか。

○永井座長 ハイリスクの方については、プラスマイナスを重視するということでよろしいでしょうか。そうすると、eGFRは。

 藤内構成員。

○藤内構成員 今の喫煙とか過体重も尿たんぱくプラスマイナスのときにリスクになるということですが、逆に喫煙と尿たんぱくの場合、本当に指導の対象にするのか。さっき磯先生がおっしゃったマトリックスをつくったときに、本当に喫煙、プラス尿たんぱくプラスマイナスだけで指導の対象にするほど、保健指導のキャパシティーがなかなか厳しいのではないかと思います。高血圧や糖尿病と尿たんぱくプラスマイナスであれば、保健指導の対象にするということは皆さんの了解を得られるのですが、喫煙とか過体重だけのときはちょっと厳しいのかなという印象を持ちました。

○永井座長 はい。

○渡辺参考人 今のお答えになるかどうかわかりませんけれども、私の理解では、保健指導にいろいろなレベルが設定可能であると考えております。したがって、基本はフェース・ツー・フェースの面談で時間を一定時間とってというような指針があると聞いておりますが、一方、情報だけ伝えるというものもあると思います。保健指導に状況によって階層をつけていただければ対応できると思っております。私どもと共同研究している保健師の全国的な研究会がございますが、各地の保健師さんの数等々から考えて、尿蛋白プラスマイナスによる保健指導は現状から100万人はふえないと思っていますとその研究会で提示したときに、それならば、それほど混乱するということはないだろうという御意見はいただいています。

○永井座長 事務局、今までのところで何か御意見ありますか。

○青木健康課長補佐 eGFRですけれども、先ほども申し上げましたように、詳細な検査項目になりますので、そもそも血圧もしくは血糖が保健指導判定値の方に対象となるということで、既にリスクがある方に検査するというたてつけになっております。

 加えまして、特定保健指導の階層化、メタボリックシンドロームの階層化判定にはeGFRは使われませんので、特定保健指導の対象者を選別する際にeGFRはかかわってきませんので、eGFRに関して、何か義務づけられた保健指導が別個にあるわけではございません。なので、義務づけられた保健指導に関しては、eGFRの判定値にかかわらずふえるということはないと思います。

○渡辺参考人 よろしいでしょうか。それに関して、実際、今、eGFRは必須項目ではないわけですが、2008年の初期の段階で全国的に自治体の6割以上は実施しております。つい最近の健保組合のデータでは、90%以上がeGFRを自主的に測定しております。だから、詳細項目としてではなくて、そういう実施されている方に関して、我々の基準を適用してほしいと思っています。 青木先生がおっしゃるのは、厚労省の立場で、例えば尿たんぱくは必須、eGFRは詳細であるという立場なのですが、世間一般の実際の現場では、今は、私どもの県でも7〜8割以上の自治体が、実施しているわけです。実施した結果を利用すべきだとというのが、私どもの考えです。

○永井座長 これはいろいろな論点があって、法律に基づいて実施しているのです。法律は、内臓肥満に基づく生活習慣病を対象とするというのがあって、こういう指導もしてほしい、ああいう指導もしてほしいといっても、多分保険局がYesと言わないという問題があります。

○渡辺参考人 そうしますと、腎臓学会がこういう基準で学会としてリコメンドするとかガイドラインを出すということと、少し分けて考えたほうがいいということですね。それでよろしいのでしょうか。

○永井座長 そういうことです。

 ただ、指導するための表を見ないと、まだ腑に落ちないところもあると思いますので、改めてその点について指導表をつくっていただけますでしょうか。

○岡村構成員 1点だけショートで済みません。

 今、市町村の話をされたかと思いますけれども、実は大きい健保もありますけれども、中小企業が入っている協会けんぽなもあります。これらも全部かかわってくるので、今の実施率は全国民で見たときには、多分、そこまで高くないと思うので、義務づけると、全ての人が義務になってしまうので、そこだけは考えなきゃいけない。現実にどこでもできる範囲にどう落とすかという考え方は必要かなと思います。

○永井座長 事務局、何か追加はございますか。

○青木健康課長補佐 本日、御検討いただきました内容をもとにしまして、保険局や労働基準局とも調整させていただきたいので、その調整させていただいた上で、次回の検討会で判定値を御検討いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○永井座長 よろしいでしょうか。非常に厳しい関門がこの後にあります。ここの議論がそのまま通るわけではないということです。

○渡辺参考人 第2期の改定のときも、それは十分経験しています。

○永井座長 よろしいでしょうか。

 続いて、2つ目の議題であります「特定保健指導等について」に移りたいと思います。

 事務局から説明をお願いいたします。

○右田保健指導専門官 それでは、議題2の「特定保健指導等について」の最初の丸にございます「特定保健指導等に係る論点」について説明いたします。資料6をごらんください。健康局及び保険局においてこれまでに開催された特定健診等に関係する検討会の議論を踏まえまして、第3期に向けて、健康局として特定保健指導等について、本検討会で議論する必要があると思われる事項を3点まとめました。

 まず1点目でございますが、現在は特定保健指導の対象とならない非肥満の危険因子保有者に対して、どのような保健指導を行うべきかという論点でございます。

 冒頭説明しました、本検討会で6月に取りまとめました、これまでの議論の整理にもございますとおり、現在は特定保健指導の対象となっていない、肥満でない方で、高血圧や高血糖、脂質異常等のリスクがある方も、特定保健指導の対象者の方と同様に心血管疾患になるリスクが高いことがわかっておりますことから、何らかの対応が必要であることが指摘されてきております。したがいまして、肥満でない方でリスクを有する方に対して、どのような保健指導を行うべきかについて、本検討会で御議論していただきたいと考えております。

 なお、こちらの論点につきましては、後ほど宮本先生から研究結果について御発表いただきますので、御議論していただければと思います。

 おめくりいただきまして、2点目でございます。特定保健指導における支援ポイント数と効果との関係性を踏まえ、より効果が見込める保健指導の実施方法を提示してはどうかという論点でございます。

 特定保健指導におけるポイント数と効果との関係性等を踏まえまして、より効果が見込める保健指導の実施方法について、現在、厚生労働科学研究等で関係するデータなどを分析していただいておりますので、次回以降の検討会で御議論いただきたいと考えております。

 おめくりいただきまして、3点目でございます。繰り返し特定保健指導の対象となる方に対して、どのような保健指導を行うべきかという論点でございます。

 繰り返し特定保健指導の対象となる方に対して、どのような保健指導を行うべきか。保健指導の方法や留意点などにつきまして、こちらにつきましても現在、厚生労働科学研究等で関係するデータ分析等を行っておりますので、次回以降の検討会で御議論いただきたいと考えております。

 これらの3つの論点につきましては、本検討会で御議論いただきました結果を踏まえまして、標準的な健診・保健指導プログラムに反映させたいと考えてございます。

 以上、第3期に向けて、健康局として本検討会で検討する必要があると思われる論点につきましては、事務局としましては3点挙げさせていただきましたが、こちらでよろしいかについて御議論いただければと思います。なお、個別の論点についての議論につきましては、先ほど申し上げましたとおり、論点1につきましてはこの議題の後ほど、それから論点2と論点3につきましては、次回以降の検討会で御議論していただければと考えております。

 よろしくお願いいたします。

○永井座長 ありがとうございます。

 今の御説明につきまして、まず御質問、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

 津下構成員。

○津下構成員 今の御説明の中で、論点1は制度的に特定保健指導にならない者に対する保健指導のあり方ということで、論点2と3は、特定保健指導の制度的な枠内の人たちへの対応というものだと理解しました。

 論点1の関係でいくと、特定保健指導の対象とならない方に対する残された課題というのは、非肥満者だけではなく、例えば40歳未満の方の課題、例えば20代、30代に体重がどんどんふえてしまって、その人たちへのアプローチがもう少し必要ではないかとか。

 それから、治療中の人で、メタボのまま薬だけ飲んでいる人たちは保健指導の対象とならないのだけれども、心血管イベントの発症率から考えると、それは標準的プログラムで何も触れなくてもいいのか。服薬している人も特定健診は受けているわけで、その人も健診受診者としていますので、そういう特定保健指導の対象とならない方への保健指導について、何かメッセージを出さなくてもいいのかなというのが1点です。今の標準的なプログラムにも若干の記載がありますが、もう少ししっかり書き込んでもいいのかなと思います。

 それから、論点2、3は、保健指導を効果的に実施する、または効率的に実施する方法についてということですので、どういう方がリピーターになりやすいかとか、それから、メタボだけじゃなくて、喫煙と両方を加味したものが特定保健指導の階層化判定でございますので、さらに修正すべきポイントを明確にしてプログラムを改定していく必要があると思います。対象者と対象者外ということで、少し分けた論点の整理をしていただくとわかりやすいかなと思いました。

 以上です。

○永井座長 40歳未満の方にも指導ということですか。

○津下構成員 40歳未満の方のことも標準的なプログラムには記載があるのですけれども、努力義務になっています。40歳未満の方への保健指導のあり方も、今の標準的なプログラムの45ページに、75歳以上及び40歳未満の者に対する健診・保健指導のあり方という記載があります。ナショナルデータベースで見ると、40歳のときに既に男性ではBMI平均値がピークに来ている状況にあります。若い時に太って、40歳になってから慌てて指導するということになっておりますので、そのあたり、もう少し記述することはないのかなと思います。

 もう一点、特定保健指導でリピートになる人も含めて考えると、高齢者だと保健指導判定値を切るほど改善することはなかなか難しいので、そういう人への対応をどうするのかということも、実施方法とか、もう少し記述が整理されるとよいのかなと思います。

○永井座長 今の点はいかがですか。このプログラムには、確かに40歳未満の者に対する健診・保健指導のあり方というのは書いてあるのですが、現実にはどうしているのですか。特定健診というのは、40歳〜74歳です。40歳以下まで広げて、保健師さんたちは対応しているのですか。

○津下構成員 これは、特定保健指導外の話として。

○永井座長 それは、また別に分けて議論しないといけないですね。

 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 事務局と整理して、次回、論点を示したいと思います。

 続いて、「特定保健指導の対象者とならない非肥満の危険因子保有者に対する保健指導について」、議論いただきたいと思います。資料6の論点1について、お願いいたします。

 宮本参考人から、資料7に基づきまして10分程度でお願いできますでしょうか。

○宮本参考人 では、特定健康診査の対象になっておりますけれども、現在の特定保健指導の対象にならない、いわゆる非肥満者に対する保健指導が必要であるかどうか、あるいはどういう保健指導が必要なのかということについて、現在、厚生労働科学研究として検討しておりますので、それを報告させていただきます。

 ページをめくっていただきまして、3ページでございますけれども、我々はコホート研究の中で、非肥満者に対する危険因子と、その寄与度について検討いたしました。そして、生活指導の有効性につきまして文献レビューを行いまして、それに足りないところを、既に行われている介入研究のサブ解析という形で解析いたしました。そして、現在はそれに基づいた保健指導のガイドラインを作成しておりますので、その概要をお示ししたいと思います。

 めくっていただきまして、5ページでございますけれども、今回、検討いたしましたのは、そこに示しております5つのコホート研究でございます。これらは、いずれも既に多くのCVD発症に関する論文を出しておりますコホート研究でございますけれども、これにつきまして、肥満の有無によりまして、それぞれ高血圧、血糖、HDLコレステロール、中性脂肪、non-HDLコレステロール、飲酒、喫煙、そしてリスク因子の集積につきまして、リスクハザード比と寄与度について検討いたしました。

 めくっていただきまして、6ページのテーブルでございますが、ここに示しますのは、非肥満と肥満に分けまして、それぞれの血圧、血糖、HDL-C、中性脂肪、そして喫煙につきまして、それがどれぐらいのハザードを示すのか、そして、人口寄与危険割合は幾らぐらいかということを示したものでございます。

 これは、メタアナリシスではありませんで、そこにあります3つのコホート研究について、そのハザード比とPAFを示したものでございますけれども、そこにありますように、特に血圧・喫煙につきましては、非肥満におきましてもハザード比は高く、寄与割合というものも大きいということがわかるかと思います。

 次、7ページを見ていただきまして、これは右が肥満、左が非肥満でございますけれども、それぞれリスク因子を1つ、そして2つ以上有する場合のハザード比と、その人口寄与危険割合を示してございます。

 肥満におきましては、リスク因子を1つ持っている場合にはハザード比が1.48、そして2つ以上では2.56でございますけれども、非肥満におきましても、それぞれ1.382.07でございます。そして、その寄与割合は、肥満では約20%でございますけれども、非肥満におきましても15%近くあるということで、決して少なくないということがここでわかるかと思います。

 続きまして、では、どのような指導があるのか、その指導が本当に有効なのかということにつきまして、まず文献的なレビューを行いました。

 9ページを見ていただければと思いますけれども、これが検索条件でございます。そこに示してありますように、1990年から2015年に示された比較対照試験、RCTを含む介入研究について検索いたしました。

 その対象となっているのは、全て日本人でございます。そして、保健指導ということでございますので、40歳〜74歳の肥満者だけに限らない、つまり非肥満者を含む対象者の非薬物療法での介入研究を検討いたしました。

 介入手段といたしましては、リスクに関する高血圧、糖尿病、動脈硬化性疾患のガイドラインで推奨されている生活習慣改善法。そして、今回の研究班から提案された生活習慣改善法による介入手段で検索いたしました。

 そして、効果判定といたしましては、血圧・血糖・脂質、高血圧・糖尿病・脂質異常症、そしてCVDの発症でございます。

 次のページをめくっていただきまして、これがその結果でございますけれども、まず文献検索の中で、約1万弱の文献がありました。これを全て検討いたしまして、その中で詳細に検討した結果、合うものといたしまして、PubMedから42件、医中誌から45件ということで、87件の論文につきまして詳細なエビデンステーブルを作成いたしました。

 その介入方法につきましては、そこにありますように、食事、運動、そして生活習慣全般、減酒・禁酒や減塩、そして喫煙ということになっております。

 しかし、残念ながら、非肥満者と肥満者を明確に分けて検討している論文というのは多くございませんでした。2件しかございませんでした。しかも、その数が非常に少ない対象数でなされた介入研究でございました。

 そこで、我々のほうで既に行っております介入研究のサブ解析を行いましたので、それを御紹介したいと思います。

12ページでございますけれども、これは本日、構成員で来られておられます磯先生のグループが出されている研究でございますけれども、高血圧の方を対象に生活習慣指導を行ったという介入研究でございます。

13ページをごらんください。

 集中指導群におきましては、約6カ月間の間に4回の高血圧教室。そして、その後1年間に4回の高血圧教室での指導を行うのに対しまして、コントロール群では、年に1回の高血圧教室を開くのみでございます。

14ページでございますけれども、指導の内容といたしましては、減塩や運動、そして節酒ということになります。そして、そこに書いてありますような生活習慣問診を行って、その方に合った指導を行っておられます。

15ページでございますけれども、これは今回、この検討のために、非肥満群と肥満群でBMIで分けていただいたものでございますけれども、そこにございますように、肥満群でも血圧の低下は見られますけれども、非肥満群においても、コントロールと比べまして介入群のほうで血圧の低下。いずれも有意差は見られませんけれども、低下の傾向が見られるという結果を得ることができました。

 その次の研究、16ページでございますけれども、これは企業健診の中で、施設ごとに高血圧、脂質異常症、喫煙、このリスクの中で2つ以上ある方を選びまして、それぞれに交互に指導を行うというものでございます。この中で、脂質異常症についての介入効果を非肥満者と肥満者で見ていただきました。

 次のページへ行っていただければと思います。

 高コレステロールにつきましては、そこにありますように、約6カ月間にわたりまして指導を行ってございます。内容といたしましては、高血圧のほうでは減塩、食事バランスがありますけれども、脂肪につきましては、摂取カロリーについて、そして身体活動の増加についての指導がなされております。

 次のページ、ごらんください。

 まず、中性脂肪におきましては、肥満者でも介入前に比べまして低下を見ております。これは、非介入の対象群でも若干の低下を見ておりますけれども、非肥満者におきましては、対象者に比べまして介入群で有意な低下を見ているという結果でございます。

 そして、次の19ページでございますが、LDLコレステロールにつきましても、非肥満者におきまして、介入群で有意な効果を上げているという結果でございました。

 その次のページでございますが、これはまた別の研究でございますけれども、これは個人単位ではなくて、いわゆるポピュレーションアプローチを行ったという研究でございます。これは、岡村先生のグループが発表された論文でございますけれども、通常の個別指導に比べまして、ポピュレーションアプローチを行った会社と、そうでない会社を比較したものでございます。

 具体的なポピュレーションアプローチにつきましては、下に書いてございますように、栄養や身体活動についてのさまざまな啓発とかキャンペーンを行う。そして、分煙・禁煙に対する介入を行ったというものでございます。

 次のページをごらんください。

 これはその結果でございますけれども、肥満者と非肥満者でHDLコレステロールの4年間の変化量を見ているものでございますけれども、非肥満者におきましても、肥満者と同様にHDLコレステロールの有意な上昇を得ることができております。

 次のページ、ごらんください。

 喫煙に対する介入の効果でございますけれども、非肥満者におきましても、肥満グループと同じように、介入群のほうが喫煙率の低下が大きいという結果が出てございます。

 その次のページ、ごらんください。

 これは最後の介入効果でございますけれども、これは14の保健センターにおきまして保健所職域で健診を受けた方々を対象にRCTを行ったものでございます。ベースライン256人から開始いたしまして、無作為割付をいたしまして、介入者117名、対照群109名でございます。これは、既にインテンション・トゥ・トリートの結果が有意であるということで論文化されておりますけれども、これについて層別化解析を行っていただきました。

 介入の方法を次に示してございます。これは、お時間もございますので、ごらんいただければと思います。

 結果、25ページでございますけれども、ここにありますように、BMI25未満の方を対象に分析いたしましたけれども、介入群でHbA1cの減少、そして体重の減少、空腹時血糖の上昇というエンドポイントをプライマリーエンドポイントにしておりますが、その2つにおいて有意な効果があるということになります。

 そして、BMI23に限ったものでございますけれども、これにおきましてもHbA1cの有意な減少が得られているという結果です。

 このように、介入研究のサブ解析も含めまして、肥満を伴わない方に対しての生活習慣の指導というものが、血圧あるいは脂質異常、喫煙、あるいは血糖値に対して有効であるということが示されたのではないかと思います。これらのコホート研究あるいは介入研究の結果から、指導法というものを考える必要があると考えております。

 現在、29ページにございますように、各危険因子と習慣につきまして、その関連を表にいたしまして、それぞれ例えば血圧であれば、減塩や過量飲酒、そして身体活動というものを重点的に指導する。そして、血糖であれば、痩せがない方に対しては、総エネルギーあるいは糖質の減も含めまして指導する。そして、身体活動を指導する。HDLコレステロールにつきましては、禁煙や身体活動等々の重点項目を決めて、効率的な指導ができるようなマニュアルをつくることを、現在、進めているところでございます。

 具体的な内容につきまして、30ページ、そして31ページに少し示しておりますので、ごらんいただければと思います。

 以上です。

○永井座長 ありがとうございます。

 それでは、ただいまの説明に御意見をいただきたいと思います。

 ストレスを除くとか、睡眠をしっかりとるとか、規則正しい生活をするということは、痩せている人に非常に重要ではないですか。

○宮本参考人 重要だと思います。ただ、それを介入として、今までエビデンスとしているものがないということで、恐らく重要だろうと思います。特にそれが非肥満者に有効であるということについては、有効であるだろうとは思いますけれども、一般的な趣旨から必要とされるものについては、入れるべきだろう。

○永井座長 臨床的にはよく経験しますね。睡眠時間が少なくて、身を粉にして働いている方の血圧が、生活を規則正しくすると下がるという経験はたくさんあります。

 はい。

○津下構成員 御研究、ありがとうございました。

29ページの表ですけれども、これは非肥満者に限定したものではなく、それぞれのリスクに対して、どういう生活習慣が関係しているかを示した表ではないかと思ったのですが。非肥満に限定して言うことなのでしょうか、そのあたりが1点。

 それから、介入研究の結果で、介入によって、どういう生活習慣が変化し、結果的にこういうデータ改善につながったか、についてお知らせください。たとえば非肥満であっても、減量の程度に有意差があったので、少し痩せたほうがいい。BMI25を切っていて腹囲が基準値未満でも、少し減量することが必要な人もあれば、飲酒とか運動習慣、何が変わったからこういう結果が出ているのかという生活習慣の情報について、関連性を示すデータはあるのでしょうか。

○宮本参考人 ありがとうございます。

 先ほどおっしゃっていただきました最初のほうにつきましては、27ページのほうを時間の関係があって少し省略いたしましたけれども、今回のことは、肥満者だけではなくて、非肥満者にも使用できるガイドラインを示すことが重要だと考えております。その中で、特に非肥満者について有効な点、あるいは非肥満者について注意しないといけない点を加えた形で示したいと思います。

 そして、どういうところが改善されたかということについては、例えば先ほどの糖尿病、HbA1cにつきましては、飲酒量とか運動の活動量といったものが有意にふえているということが、介入群と非介入群で違いがあることが示されています。ただ、これについては、非肥満に限ったサブ解析というところまでは至っておりませんので、それは現在、これから解析する予定になっております。

○永井座長 寺本構成員。

○寺本構成員 この研究は、あくまでも生活習慣の改善というのが、肥満であろうが、非肥満であろうが、いずれにしろ非常に効果的であるということを示しているのだと思います。重要なことは、特定健診を考えたときに目的が何かということをしっかりしておかないと、これが非肥満者も特定健診の対象となるみたいな感じになってしまうといけないので、そこのところの書きぶりをきちんとしておかないと混乱が起きるだろうという気がする。

 非肥満者は、当然のことながら、血圧が高ければ、もちろん磯先生たちは血圧が高い方をやっているので、ガイドライン等々でもそういうことを言われているので、生活習慣の改善というのは、どの疾患でも必要なわけですね。そこをエビデンスレベルできちんと今回出していただいて、そういう意味ではいいと思いますけれども、それが特定健診の中に入ってしまうような形になると、いろいろと複雑なことになってしまうので、そこはちょっと書きぶりを気をつけないと、ちょっと混乱が起こるかなと私は危惧を持っております。

○永井座長 今までの議論で、非肥満者でも内臓肥満が結構あるということを考えると、少しカバーする範囲を広げてもよいかもしれないですね。腹囲だけの話ではないということだと思います。

○寺本構成員 恐らくもともとの概念からして、肥満を解決することによって、1つ、2つ、3つ重なっている人たちに対しても、かなり効果的だというのが、もともとのメタボリックシンドロームの概念ではないかと思います。もちろん、隠れ肥満があることは当然ですけれども、基本的にはあるところをターゲットにするということに特定健診の意味があるのではないか。今までなかなか打ち破れなかった肥満の増加を抑えることが大きな目的なので、そういったことの中で浮かび上がってきた問題として、非肥満でもこの問題があるということをお示しになることは、僕はいいのではないかと思います。

○永井座長 もう一つの論点は、非肥満者もかなりハイリスクだということですね。

○寺本構成員 そのとおり。

○永井座長 数から言うと相当多い。さきほどの腎臓の話に似ているところもあります。そこは、きちんと切り分けた上での議論にしておかないといけないという御指摘だと思います。

 よろしいでしょうか。

 はい。

○磯構成員 先ほどの津下先生の御質問ですが、高血圧者の健康指導に関するRCTの副次解析で論文に述べていますが、血圧低下と関係があったのは、ナトリウムの減少とアルコールの減少とBMIの減少です。ですから、BMIの影響も認められます。

 あと、サブ解析の結果で特記すべき点は、非肥満で高血圧の人は、食塩やアルコールの摂取が肥満の人より多い。すなわち肥満で血圧が高い人は、肥満以外のファクターが原因で血圧を押し上げている。肥満で血圧が高い人は、主に肥満で一部食塩やアルコールの過剰摂取にて血圧を押し上げている。基本的には共通ですが、重みが違うというわけです。○永井座長 はい。

○門脇構成員 私と磯先生で行った、我が国の大部分のコホートに御協力いただいた研究でも、いわゆるメタボに分類されない非肥満者でリスクファクターを持っている場合には、肥満者でリスクファクターを持っている場合と同じように心血管イベントのリスクが高いということで、そこに対する対応が必要であるということを示してまいりましたが、永井先生がおっしゃったように、この健診全体の枠組みを十分に考えた上で、ここに対する手当ては、きょう、プレゼンテーションを宮本先生にしていただいたように、できるだけ行うべきではないかと思います。

 その次に、3つぐらいのことを簡単に言います。

 私どもの厚生労働省の班研究のデータでは、非肥満における心血管イベントのリスクの中の比重は高血圧が非常に多いのですけれども、それとともに喫煙も非常に多くて、肥満者に比べて非肥満者の喫煙者の割合が明らかに高かった。これは、喫煙すると体重が減少するということとも関連していると思います。つまり、喫煙に対する介入が必要だと思います。

 2つ目に、非肥満と言いましても、永井先生がおっしゃったように、例えば女性は腹囲基準は90cmですが、8090は内臓脂肪がある程度あると考えられますので、女性で8090の場合には80未満にしていくということが一つの目標になろうかと思います。

 最後に、全く逆の観点ですけれども、現在、74歳までが対象になりますが、65歳〜74歳の対象はサルコペニアが非常にふえてきて、非肥満と言っても、サルコペニアやその予備軍がこの中に入ってきて、そのような方が食事のカロリー制限をしたりすると、かえって状態を悪くするので、明確に痩せがある場合には対応は少し変えなくてはいけないだろうと思います。

○永井座長 ありがとうございます。

 そうしましたら、非肥満者に対する指導は必要でありますが、その位置づけとか全体の枠組みの中でどう書くかというのは、また御議論いただきたいと思います。ありがとうございます。

 ちょっと時間が押してしまったのですが、保険者による健診・保健指導に関する検討会の議論の整理につきまして、本日は保険局医療介護連携政策課データヘルス・医療費適正化対策推進室からお見えいただきましたので、説明をお願いいたします。

○高木データヘルス・医療費適正化対策推進室長 適正化室長の高木でございます。資料につきましては、参考資料2−1と2−2がございます。2−1のほうは、横とじになっているもので、2−2のほうは縦とじのものでございます。こちらにつきましては、保険局における特定健診・保健指導につきまして、保険者における健診・保健指導等に関する検討会において、8月10日に取りまとめたものでございます。この趣旨は、平成30年度から第3期の計画期間になりますけれども、あらかじめ29年度に、健診の項目につきましてはシステム改正にも影響がございますので、予算要求時期の前である夏までに取りまとめるということで、8月10日にこちらの検討会で取りまとめたものでございます。

 参考資料2−1の1ページ目に主な内容をまとめております。

 まず、基本的視点につきましては、これまで、この健康局の検討会でいただいた内容を含めまして、科学的知見の整理を前提としつつ、生活習慣病対策全体を俯瞰した視点、実施体制、実現可能性、効率性、実施率等の視点を踏まえて検討することにしております。

 また、定期健診との整合性もということで、枠組みでございますけれども、(1)腹囲基準についてとございます。内臓脂肪蓄積の程度とリスク要因に着目した現行の特定保健指導対象者の選定基準を維持するとしております。また、その評価方法については、現行の腹囲基準を維持するとしております。

 また、対象とならない者への対応については、腹囲が基準未満でリスク要因がある方々については、対象とはなりませんけれども、引き続き、その対応方法については重要な課題であり、検討するとしております。

 健診の項目につきましては、(1)の基本健診の項目でございますけれども、血中脂質検査について、LDLコレステロールは、健診項目として引き続き維持する。また、non-HDLコレステロールを用いることも可とするかどうかも含めて、定期健康診断の見直しを踏まえ、検討するとしております。

 血糖検査については、食直後を除く随時血糖による血糖検査を可とする。

 尿検査については、基本項目として維持すべき。定期健診と整合性をとって検討する。

 肝機能検査については、引き続き維持するとしております。

 また、詳細健診につきましては、心電図検査と眼底検査、それぞれについてですが、現在は前年度の検査結果に基づいて、心電図検査、眼底検査を医師が必要と認めるかどうかというのを判断しておりましたが、30年度以降につきましては、当該年の特定健診の結果で、心電図検査では血圧、眼底検査では血圧または血糖値が受診勧奨判定値以上の方々について、医師が必要と認める場合に実施する。実施方法については、速やかに行うことで、行えない場合には受診勧奨という形で整理しております。

 また、血清クレアチニン検査につきましては、詳細な健診の項目に追加し、eGFRで評価する。

 貧血検査については、引き続き維持するとしております。

 (3)の標準的な質問票の見直しのところでございますけれども、歯科口腔保健の取組の端緒となる質問項目を追加しております。

 裏面の2ページ目、13番のところでございますけれども、「食事をかんで食べる時の状態はどれにあてはまりますか。」ということで、何でもかんでも食べることができるとか、かみあわせが気になるとか、こうした質問を今回、新たに1つ追加しております。

 また、16は、夕食後だけの間食を聞いていた質問だったものを、間食につきましては夕食以外にもあるだろうということで、「3食以外に間食や甘い飲み物を摂取していますか」という質問に直すことにしております。

 あとは、これまでの継続性の確保が必要だという意見が強くございまして、こちらにつきましては、よりわかりやすくするという観点から、見直しを行っております。

 ということで、8月10日に取りまとめました検討会の報告についての御報告は以上でございます。

○永井座長 ありがとうございます。

 ただいまの説明に御質問、御意見、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○杉田構成員 ちょっと教えていただきたいと思うのですが、この別添資料となっている新たな項目ですけれども、現行の制度では、必須項目と選択項目となっておりますが、その点についてはどのように議論されたのでしょうか。

○高木データヘルス・医療費適正化対策推進室長 基本的には、継続的に取り扱うということでございますので、今も基本項目については、1から3から喫煙のところがありますけれども、ここについても質問は変わっておりませんし、今後の取り扱いも同じように必須項目。位置づけ的な話でございますけれども、それ以外という形になります。

○杉田構成員 了解いたしました。

 そうしますと、新たに口腔に関することが13番に加わっておりますが、ここが選択項目

となり、この項目はその先の保健指導を想定しての項目になってくるかと思うのですが、その先の保健指導については何か議論されたのでしょうか。

○高木データヘルス・医療費適正化対策推進室長 そちらにつきましては、まさにこれから議論するということで、9月以降、こちらの検討会を再開しております。ただ、議論する前に、どういった形でやるかというエビデンスの話もございますので、そこは健康局ともよく相談しながら、ないしは、この検討会の話なのかもしれませんけれども、そうしたものを見ながら考えていくことになると思います。

○杉田構成員 ありがとうございました。

○永井座長 ほかにいかがでしょうか。

 新聞などでも報道されましたけれども、健康局の検討会では、腹囲基準を第1としなくてよいという結論になりました。リスク要因の数と横並びで分けたほうがよい。しかし保険局の検討会では、従来通り腹囲を第1基準にしようと決めた根拠はどういうことでしょうか。

○高木データヘルス・医療費適正化対策推進室長 こちらにつきましては、まず生活習慣病の法律ないし政令でこの枠組みが定められておりますけれども、生活習慣病に対しての検査・健診であるということが法律・政令で位置づけられておりまして、政令において、内臓脂肪に蓄積する疾病に着目した検査をするというのが、今のところ、制度上のたてつけでございます。

 その上で、さらに腹囲基準で用いるということにつきましては、これまでも保険者において、この特定健診・保健指導そのものが保険料財源ないし保険者の事務としてやっている中で、健診・保健指導というものを、我々は保険者の行政事務的なものとしてやっていく中で、どこまでを対象とするかというところにつきましては、まさにリスクをどのように把握し、そこに重点的にやっていくかという実務のやり方とも密接にかかわるものだと受けとめております。

 そうした中で、この検討会でもそうした観点からの御意見が多く、現在の腹囲基準によるやり方を引き続き維持すべきというのが、保険者関係者ないしは医療関係者、また健診の実務にこれまで携わってきた方々からの意見が多かったということでございます。

 ちなみに、5ページ目にございますけれども、これまで特定健診については、制度導入時、20年度でございますけれども、受診者は2,000万人だったものが、26年度で2,600万人ということで、毎年100万人、特定健診を受ける方がふえています。これらは、まさに定期健診が1,400万人ぐらいですので、そういう意味では事業主健診も大きいのですけれども、保険者ないし現場の皆さんに御努力いただいている成果が大きいものと思っています。

 他方で、実施率についてはまだ48.6%であるという中で、まさに健診・保健指導でどこまでをやるかというのは、今、やっているものについて、着実に実施率を上げていくことのほうが先ではないかということもありますので、そういう意味で、こうした枠組みになったと受けとめております。

○永井座長 内臓肥満に基づく生活習慣病の健診、法令に基づいているということですが、そうすると貧血検査というのは内臓脂肪に基づいた生活習慣病なのでしょうか。それについて、こちらの検討会ではそうではない、きちんと法令に基づいて判断しようという議論をしたのですけれども、それは法令の趣旨と違っても構わないということになるわけですね。

○高木データヘルス・医療費適正化対策推進室長 こちらにつきましても、健診の実施率向上という面も、我々、重い課題として受けとめております。そういう意味で、がん検診との連携した実施とか、さまざまな項目、ないし魅力も含めてPRしながら、健診の実施率の向上に、現場の保険者ないし市町村では努めております。そうした中で、さまざまな意見の中で、これまでの継続性の確保も必要だという御意見があったということでございます。

○永井座長 そうすると、健診の実施率を向上させる魅力ある検査なら対象になり得るということでしょうか。

○高木データヘルス・医療費適正化対策推進室長 そこにつきましては、特定健診の実施に当たっては、健診の実施率の向上というもの、今50%を切っているということが、諮問会議でも意見が出されておりまして、まさに70%の実施目標に向けまして、保険者でまさにこれから取り組む姿勢で行く。個々の項目についてどうするかというのは、エビデンスも含めまして、ないしは現場での、これは保険者の事務でございますので、そういう中で関係者で議論して、そうした形で決められたということだと受けとめております。

○永井座長 よろしいでしょうか。

 はい。

○門脇構成員 特定健診・保健指導は、もっと実施率を上げるということが課題だと思います。例えば、糖尿病の予備軍なども減ってきていますし、生活習慣病の予防にかなり大きな効果を上げたと考えています。

 それから、内臓脂肪がある方については、この委員会での整理と保険局のほうの整理は実態的には一緒でありまして、内臓脂肪がある人に対して、リスクに応じた介入をするということで、ここは全く差がないと思います。あえて差があるといいますと、内臓脂肪や肥満がない方のリスクファクターを持っている人については、永井先生の委員会でリスクを評価して、それを内臓脂肪がある、なしで分けるという観点から言うと、これは痩せメタボに対しても当然対応しなくてはいけないという形になります。

 内臓脂肪が先に来ると、今度は痩せメタボに対する対応が少し甘くなるということが、もしあるとすれば問題ですので、きょう、痩せメタボに対する議論もされましたので、それは永井先生がおっしゃったように、適切な形でぜひ生かしていくべきだと思います。

○永井座長 ほかにいかがでしょうか。

 はい。

○藤内構成員 今、説明していただいた資料で、特定保健指導も平成26年度には78万人とふえてきていますが、市町村の実施は多分22万人だと思います。市町村が22万人、特定保健指導終了者を出しているのですが、この結果、市町村が健康教育として、例えば病態別の健康教育の件数とかがどんどん減ってきていまして、病態別の健康教育は平成19年度と比較すると44万人減っています。あるいは、病態別じゃなくて、一般の健康教育もあるのですが、これも含めると実に110万人減っています。つまり、単純な計算ですけれども、特定保健指導が開始されて、市町村の22万人の対象者に特定保健指導をやっているのですが、その一方で110万人の健康教育の人数が減っている。

 非肥満の方への保健指導が特定保健指導の枠に入らずに、健康教育でやってくださいという話になったときに、今、特定保健指導をやるために健康教育がこれだけ減ってきている。実際、特定保健指導の5倍もの人数が健康教育で減ってきている中で、非肥満の指導は健康教育でやってくださいと言っても、果たしてできるのか。そういう市町村の生活習慣病対策全体のキャパシティーを考えたときに、特定保健指導の中に非肥満の部分も入らないと、さらにその部分が減ってくるのではないかと危惧しております。

○永井座長 非常に重要な御指摘だと思います。よろしいでしょうか。

 はい。

○磯構成員 先ほどの保険局のお話で、貧血検査については、今までの継続性や魅力ある検査というこで継続となったとのことですが、健康局の議論では、最初に第1回の会議で、スクリーニングとは何か、目的、原則、意義を相当議論して、エビデンスに基づいてスクリーニングのために必要な項目を議論しました。その意味で貧血検査は必要でないという判断をしたわけです。

 それに対して、貧血検査で実際にどれだけの人が陽性になって、どういうスクリーニング効果があったかという議論が全く行われず、今までの継続性とか魅力ある検査という理由で、残ったというのは、理解できないのが正直なところです。

○永井座長 いずれ保険局の委員会と合同で議論したほうがいいように思うのです。今回、中止になってしまったのですけれども、ぜひ御検討いただければと思います。

 はい。

○津下構成員 保険者の検討会では、保健指導したことで、効果が可視化できたということを保険者さんの中で高く評価している。あと、医師会の先生からも、特定保健指導の効果が上がったのは、この枠組みがあったからですねということをおっしゃっています。先ほど藤内先生がおっしゃられたように、確かに件数はそうなのですけれども、昔の状態で言うと、同じ人が高血圧教室と糖尿病教室が重なっていたり、健康関心層に偏っていたりという課題もあった。それを効率化しようということで、減量することでいくつものリスクが一網打尽に改善する人を対象にすることになった。以前には女性と高齢者が多かった市町村の教室が、本制度のもとに、実際に肥満で生活習慣を変えなきゃいけない人たちに集まっていただくように変化した。

 そういうさまざまなプラスの変化もあったということを、ポジティブに受けとめた上で、次の段階に向けての議論だったということです。

○永井座長 はい。

○岡村構成員 その件に関して、私も藤内先生のご意見に全く賛同します。確かに循環器系の危険因子の健康教育については、肥満を軸に1つに統合されているのですけれども、感染症とかがんとか骨そしょう症とか、いろいろな健康教育をやらなきゃいけないことが市町村にはあるので、ここが膨らんだから、恐らくほかのところが細っている。私も保健所にいたことがあるので、よくわかるのですけれども、何かやるとほかに割かれてしまいますから、それは重要な問題だと認識しておくべきと思います。この制度の枠組みだけ見たら万々歳なのだけれども、ほかのことにしわ寄せが行ったら、トータルヘルスというか、国民全体の健康という面では問題点が残るということの御意見だろうと思います。

○永井座長 はい。

○武見構成員 私も、この制度ができて、今まで手が届かなかった方たちに届いてきたという実績はすごくよくわかりますし、実際、そのデータも出ているということで了解します。

 ただ、一方で、さっきから議論になっている、非肥満というか、痩せメタボに対する働きかけをどうしていくのか。恐らく、現場のさっき藤内先生がおっしゃった市町村の方も、それから、私は協会けんぽともおつき合いしていますが、現場の方はそこに手が届かない制度になってしまっていることに、すごくもどかしさも感じている方たちもいらっしゃいます。ですから、そこに手がつけやすいように、制度の中には入れられなくても、どういうふうに示していくかというところを本当に十分に今度のプログラムとかに書き込んでいくことが必要だと思います。

○永井座長 どうぞ。

○高木データヘルス・医療費適正化対策推進室長 参考資料2−2のほうの8月10日に取りまとめた内容につきましては、本検討会における意見を全て明朝体で入れております。そういう意味では、保険局の検討会でも、当然、本検討会でいただいた資料もお配りし、検討会の内容も全て共有した上で議論させていただいております。そういう意味では、エビデンスのところにつきましては、あくまでもたてつけ的には本検討会の意見を受けて、保険局でも議論しております。そこは事務局レベルでも健康局ともよく調整しまして、検討会を合同でするかはともかく、そういったものについてはこうした形で入れて、引き続き連携をとってまいりたいと思っております。

○永井座長 よろしいでしょうか。

 手短かに。

○右田保健指導専門官 時間のないところ、済みません。

 杉田構成員から質問がありました13番の「食事をかんで食べる時の状態はどうですか」に対する保健指導についてですけれども、こちらは医政局のほうで研究していただいているということでございますので、また保険局とも相談しながら、今後どういうふうにしていくか、考えていきたいと思います。

○永井座長 ありがとうございます。

 いろいろ御意見もあろうかと思いますので、またメール等でお寄せいただければと思います。

 もう一つ議題がありまして、「標準的な健診・保健指導プログラムの改訂について」、事務局から説明をお願いいたします。

○右田保健指導専門官 資料8−1をごらんください。

 標準的な健診・保健指導プログラムを、今後、第3期に向けて改訂したいと考えておりますが、この改訂の作業につきましては、この検討会のもとに健診作業班と保健指導作業班の2つの作業班を設置して行いたいと考えてございます。

 作業班の構成員としましては、本検討会の構成員を含む方、それから、学識経験者、保健指導の実施者等を考えてございます。

 8−2をごらんください。

 今後の大まかなスケジュールでございますが、本日、作業班の設置を御了承いただけましたら、年内に第1回を開催したいと考えております。来年4月ごろを目標に作業班のほうで取りまとめを行いたいと考えておりまして、取りまとめが終わりましたら、来年6月ぐらいをめどに考えておりますが、本検討会に報告して御了承を得たいと考えております。

 事務局からは以上でございます。

○永井座長 ありがとうございます。

 何か御質問、御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 よろしければ、作業班設置要綱(案)については御了承いただいたということで、事務局で手続を進めさせていただきます。

○永井座長 大変遅くなって申しわけございません。本日の議論は以上でございます。

 今後のスケジュール等、事務局から説明をお願いいたします。

○青木健康課長補佐 今後の日程について、御案内を申し上げます。次回の検討会は、1221日の水曜日を予定しておりますが、また各構成員に対しまして、改めて御連絡申し上げます。

 また、本日は時間を大幅に超えまして熱心な御議論をいただきまして、どうもありがとうございます。

○永井座長 ありがとうございました。これで終了いたします。


(了)

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