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2016年11月18日 第100回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成28年11月18日(金) 15時00分〜16時55分


○場所

TKP市ヶ谷カンファレンスセンター ホール4A


○議題

1.骨太2016、経済・財政再生計画改革工程表等の指摘事項について
(1)子ども医療費助成に係る国保の減額調整措置の在り方について
(2)前回までの主なご意見
(3)高額介護合算療養費制度について
(4)かかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担について
2.国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について
3.その他

○議事

○遠藤部会長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第100回「医療保険部会」を開催いたします。本日は、記念すべき100回でございます。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、岡崎委員、新谷委員、菅原委員、福田委員、望月委員、和田委員より御欠席の御連絡をいただいております。

 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りいたします。岡崎委員の代理として村岡参考人、新谷委員の代理として伊藤参考人、福田委員の代理として山本参考人、望月委員の代理として井上参考人の出席につき、御承認をいただければと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 本日は、議事次第にございますように「骨太2016、経済・財政再生計画改革工程表等の指摘事項について」「国民健康保険の保険料の賦課限度額について」「その他」を議題といたします。

 初めに「骨太2016、経済・財政再生計画改革工程表等の指摘事項について」を議題といたします。事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。

○榎本課長

 国民健康保険課長でございます。

 まず、資料1−1「子ども医療費助成に係る国保の減額調整措置の在り方について」ということで御説明申し上げたいと思います。

 この件につきましては、本年5月に一度御議論いただいたところでございます。その際に、おめくりいただいて1ページでございますが、「子どもの医療制度の在り方等に関する検討会」の議論のとりまとめがちょうどなされたことを御報告させていただきました。その概要を1ページにつけておりますけれども、特に右枠の中を御覧いただきますと、この検討会におきましても、子どもの医療に関する国保の減額調整措置につきましては、賛否両面からさまざまな意見があったところでございます。この中で、一億総活役社会に向けて政府全体として少子化対策を推進する中で、地方自治体の取り組みを支援する観点から、早急に見直すべきとの意見が大勢を占めたということになっております。

 その際に検討すべき観点ということで、医療保険制度全体の規律や医療提供体制に与える影響、あるいは負担能力に応じた負担とする視点や過度な給付拡大競争の抑制、小児科のかかりつけ医の普及、その他子育て支援策の充実といったあわせて取り組むべき事項、それから、必要となる公費財源や財源の有効活用といったことなどについても踏まえながら検討するべきということをいただいております。

 その後でございますが、2ページですけれども、ニッポン一億総活躍プランは6月2日に閣議決定されております。この中で、上の本文の枠の中の下から2行目ですけれども、「子どもの医療制度の在り方等に関する検討会での取りまとめを踏まえ、国民健康保険の減額調整措置について見直しを含め検討し、年末までに結論を得る」ということになってございます。

 これを踏まえまして、私どもでも今、検討を進めているところですが、5月に御報告しましたときには実態を必ずしも詳細に把握できていない部分がございましたので、3ページにございますけれども、改めて10月に各市町村で行っておられます子どもに対する医療費助成事業の詳細調査をさせていただきました。その結果を簡単にまとめております。

 入院、外来と分けてございますが、市町村の保険者数のベースで集計いたしますと、まず入院ですが、3歳未満、3歳から未就学児までについては助成を行っていない自治体はない、要は全ての自治体が実施している状況になっております。小学生、中学生になりますと、助成なしというのが2%、7%とだんだん増えてくる状況になっております。

 それから、円グラフの見方ですけれども、例えば3歳未満の一番左端のグラフがございますが、赤い色で塗っております部分は減額調整措置の対象となる部分で、特にこの中でも特段の制限を設けていないのが51%ということでございます。いずれも現物給付でやっているものは赤で塗っているのですけれども、現物給付の中で一部負担をいただいていたり、あるいは所得制限を設けているのが24%、約4分の1あるということです。

 一方で、償還払いの場合には国民健康保険の仕組みの中では減額調整を行わないことになっておりまして、それが左の青い部分26%、約4分の1が償還払いでやっておられるという状況になっております。

 年齢がだんだん上がってまいりまして小学生、中学生となってまいりますと、やっていないという自治体がふえ、また、償還払いの数も増えてきているという状況になっているところでございます。

 外来につきましても、3歳未満、3歳から未就学児については入院と大体同様の傾向です。全ての市町村において助成を行っているという状況です。また、小学生、中学生となってまいりますと、助成なしというのが10%、18%ということでだんだん増えてくるという状況になっているところです。

 現物給付で行っているところは、同様に3歳未満、3歳から未就学児については4分の3ぐらいという状況で、そのうち一定の負担あるいは所得制限を設けているのが、やはり4分の1程度あるといった状況になっているということです。

 こういったデータを御覧いただきながら、次に御議論いただきたい論点を整理しております。4ページでございます。御覧いただきますと、今回の検討会での議論の取りまとめを踏まえまして、国保で行っております減額調整措置の在り方についてどう考えるかということで、論点として3つほど挙げております。

 医療保険制度の規律、財政影響あるいは小児科の先生方の医療提供体制といったことに与えます影響などを考えながら、1つは見直しの対象範囲をどうするかということです。対象範囲という意味では、年齢の区切りの仕方、自己負担や所得制限を設けるかどうかといったようなこと、あるいは自治体の財政力といったことも含めて考えるかどうかといった論点が1番目でございます。

 2番目といたしましては、見直しをやるとして見直しを行う場合の時期をいつからにするかというところでございます。

 3番目の論点としては、実は今回見直しを行って減額調整措置を国費で、あるいは都道府県の負担も入れながら置き替えることになりますが、これは今まで地方自治体が単独事業をやっていただく中で御負担いただいていたものを国費・都道府県費で代替するという形になってまいりますので、当然、浮いてくる財源が出てくることになります。この財源を少子化対策に寄与するような形で活用いただくことを考える必要があるのかどうかといった点について御議論をお願いしたいと思っております。

 あと、後ろのほうには参考ということで、6ページに減額調整措置のイメージ図をつけております。

 7ページ、8ページでは、先ほど円グラフで御覧いただきました各市町村の実態調査のバックデータをつけているところです。

 9ページにつきましては各都道府県別ですが、医療費助成について平成26年度の段階で公費が幾らぐらい減額されているのかを都道府県ごとに比較しております。東京都が一番高いわけですが、一方で、岩手県から沖縄県までは棒が全く出ておりませんけれども、こういった県は償還払いでやっているということで、このような形になってございます。

10ページは、減額調整の金額を被保険者一人当たりで計算し直して並べるとこういった形になるというものでございます。

11ページに、前回5月の部会で御議論いただいた主な御意見を整理させていただいておりますので、御参考にしていただければありがたく存じます。

 以上でございます。

○城課長

 総務課長でございます。

 続きまして、資料1−2に基づいて御説明いたします。これは前回までの主な御意見を整理したものでございます。先ほどの子どもの部分も含めまして、一通り最初に御提示したようなものを御議論いただきましたことから整理したものでございます。

 まず1ページ目の一番上にありますが、高額療養費制度の見直しについてということで、指摘部分を囲った上でいただいた御意見を簡単に整理したものでございます。

 例えば、外来特例については、もう10年以上経過して一定の役割を終えているのではないかということであるとか、負担能力に応じた負担を求めるのは当然の考え方である。特に低所得者の方については、経済力の差によってアクセスが阻害されることがあってはならないといったことであるとか、現役並みの所得者については、もう少し区分を細分化してもよいと思うが、公平性を考えてよく議論をというようなお話。それから、施行時期を考えるに当たっては、事務処理やシステムについても配慮してほしいといった御意見がございますので、私どものほうで整理をしております。

 同様に、1ページの下からは後期高齢者の保険料軽減特例でございます。平成29年度から原則的に本則に戻すべきという御意見。一定の役割を終えたのではないかといった御意見もいただきましたし、元被扶養者については応能負担にも逆行しているため本則に戻すべきといった御意見。逆に、低所得者に負担を求めるのは大きな負担になるということで反対であるといった御意見。高齢者の生活実態は変わっていないのに、特例的な措置を終えるのかというお話がございました。いずれにしても十分に時間をとって議論・周知すべきという御意見もいただいておりました。

 入院時の居住費(光熱水費)に係る患者負担の見直しでございます。介護保険がエビデンスに基づいて引き上げたのであれば、医療保険も整合性をとるべきではないかといった御意見。在宅との公平性という観点で、医療区分2、3からも居住負担をいただくべきではないかということ。それから、介護についてはついの住みかだけれども、医療は治療の場であるということで、医療区分2、3の人から居住費負担を求めることには逆に反対であるということ。医療区分1にも重症の患者もいるということなので、医療区分に応じて決めるというのは整合性がないのではないかといった御意見。それから、一般病床や精神病床には住まいの性質はないということで、居住費負担を求めるべきではないといった御意見。低所得者、重篤な方などにも配慮すべきではないかといった御意見をいただいております。

 金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担のあり方についてですが、将来的にはマイナンバーを活用した金融資産を勘案する仕組みを考えるべきではないかといったこと。それから、介護保険では低所得者の補足給付がありますが、医療はそれとは性格が異なるのではないかといった御意見。実際に金融資産を市町村で把握しているのはわかりますが、被用者保険でやるのはなかなか現実味がないのではないかといった御意見。自己申告ベースであることを考えると、時期尚早ではないかといったこと等々をいただいております。

 それから、かかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担についてで、頻回受診の防止や医療保険財政の観点から、広く定額負担を求めることは重要ではないかといった御意見。現在の状況で何をもってかかりつけ医とするかが不明確であるので、慎重な対応が必要といった御意見。プライマリ・ケアを担う地域医療の全体像を明確にすることが必要であろうといったこと。それから、さまざまなバリエーションがあるので定額負担の導入、7割給付の考え方を含めた患者負担のあり方についての幅広い議論を行ってはどうかといった御意見。紹介状なしで大病院を受診した場合の定額負担が導入されたばかりなので、その状況を見るべきではないかといった御意見等々いただいております。

 それから、スイッチOTC化された医療用医薬品に係る保険給付率のあり方につきましては、保険給付率の変更ではなくて、保険適用から外すのがあるべき姿ではないかといった御意見。服薬量を減らしつつ、健康寿命を延伸することが望ましいのではないかということ。スイッチOTCの保険給付率を下げると、高薬価な医薬品へのシフトも考えられる。結果的にスイッチ化が抑制されてしまうのではないかといった御意見。給付率を引き下げるとセルフメディケーションを促進する可能性はあるけれども、財政効果は短期的なものではないかといった御意見。あとは、平成14年の健保法等改正法の附則の7割給付を維持するという観点から、慎重に検討する必要があるといった御意見。フランスのように保険給付の割合を変えることなどについても議論していく必要があるのではないかといった御意見をいただいております。

 任意継続被保険者制度については指摘部分はないわけですが、御議論をいただいたので記載しております。任継制度については廃止に向けて検討していくべきといった御意見。それから、例えば任継への加入期間を1年短縮すると、結果的に医療費の高い高齢者が国保に加入することになって、基盤強化が必要な中で新たな負担につながるので、ちょっと慎重にという御意見。あとは、長い歴史の中でということではありますが、今日的にも国保移行の際の激変緩和や退職者の医療保障という役割があるのではないかといった御意見。逆に、任継制度をいつまでも残すことに反対であると、ただ、段階的な対応が必要であるといった御意見。従来の異議が薄れているということ。ただ、有機労働者や派遣労働者などの比較的弱い立場の方にしわ寄せが回る可能性があるので、慎重に考えるべきではないかといった御意見をいただいております。

 このように整理をいたしました。引き続き年末まで御議論いただくわけですが、本日補足のコメントをいただくということもございますが、何かございましたら事務局に直接でも結構でございますので、御指摘いただければという趣旨で本日御紹介する次第です。

 私からは以上です。

○泉課長

 続いて、資料1−3を用いまして「高額介護合算療養費制度について」御説明したく思います。

 2ページ目「高額介護合算療養費制度の概要」をごらんいただきたいと思います。高額介護合算療養費制度とは、医療保険と介護保険におきます1年間、毎年8月1日から翌年7月31日の医療保険と介護保険の自己負担の合算額が高額な場合に自己負担を軽減する制度でございます。印のところにあるように、介護保険におきましては同様の制度を高額医療合算介護サービス費ないしは高額医療合算介護(予防)サービス費としております。

 支給要件でございますが、医療保険の世帯単位で、医療保険と介護保険の自己負担合算額が各所得区分に設定された限度額を超えた場合に、当該合算額から限度額を超えた額が支給されるという制度になっております。限度額は次のページにありますとおり、被保険者の所得、年齢に応じて設定されることになっており、費用負担は医療保険者、介護保険者双方から自己負担額の比率に応じて負担するということになっております。制度のイメージを図にしておりますので、御参照いただければと思います。

 論点を3ページに書かせていただいております。既に高額療養費制度については、医療保険部会におきまして御議論いただいたわけでございますが、世代間の公平や負担能力に応じた負担等の観点から、患者の受診行動に与える影響も含め、現役並みの所得者、一般区分、低所得者の負担の在り方について、どのように考えるかなどの論点を提示させていただき、御議論いただいたところでございます。

 高額療養費制度の見直しを検討するに当たりまして、あわせて高額介護合算療養費制度の限度額の見直しを行うかどうかということでございます。

 負担上限額は表にあるとおりでございますが、右の70歳未満のところと比べていただきますと、同じ所得水準であっても限度額、負担上限額が異なるという制度になっている状況でございます。

 最後の5ページでございます。支給実績を書いてございますが、上の段が高額療養費の支給実績でございます。高額介護合算療養費は下に内訳という形で示させていただいております。支給件数は後期高齢者医療制度で80万件ということになりまして、ほとんどが後期高齢者医療制度における高額介護合算療養費の支給額となっております。

 以上でございます。

○宮本課長

 続きまして、資料1−4について御説明させていただきます。

 「かかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担について」ということで、前回、かかりつけ医の諸外国の仕組みについて宿題になっていた点がございます。これは医政局の審議会の資料から抜粋したごくごく簡単な資料でございますので、後から専門の委員の先生に補足していただければと思います。

 アメリカは御案内のように、民間医療保険を基盤とした仕組みでございますので、それぞれの民間の保険者がどういう医療機関にかかれるか、あるいは入院するためにどういう前提を置くかを各保険者が決めているという仕組みでございます。

 一方、イギリスにつきましては、税で医療をやっている仕組みでございまして、登録された診療所にまずかかります。そこでGPと言われる総合医に入院の必要性といったものを判断してもらって、それを前提としていわゆる病院にかかるという仕組みになっています。

 また、フランス、ドイツはそこまで厳格な仕組みにはなっておりませんが、専門医と一般医が区分されておりまして、一般医はかかりつけ医として登録されている登録の仕組みがございます。その登録されたかかりつけ医にかかると3割負担、婦人科、小児科、眼科、歯科は除くとなっておりますが、それ以外の診療科については、フランスは7割負担になるという仕組みになっております。ドイツにおいても、いわゆるかかりつけ医以外にかかった場合には、10ユーロの定額負担があると聞いております。

 諸外国の仕組みにつきましては、簡単でございますが以上でございます。

 3ページに、かかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担につきまして、これまでいただいた御議論を踏まえて論点を再整理しております。フリーアクセスの基本は守りつつ、限りある医療資源を効率的に活用する観点から、大病院の外来は紹介患者を中心とし、一般の外来診療はかかりつけ医に相談することを基本とするシステムを普及させ、医療機関間の適切な役割分担を図ることが重要な課題。

 このような観点から、かかりつけ医を普及させることが重要であるが、その方法として、かかりつけ医の範囲を決めた上で、それ以外を受診した場合に定額負担を求めることについては、診療科ごとに複数のかかりつけ医を認めるのかどうか、受診頻度が低いという理由でかかりつけ医を持たない若者についてどう考えるかというさまざまな課題があります。このため、かかりつけ医の要件については、プライマリ・ケアのあり方を含めて、今後検討していく必要があり、そうした検討には一定の時間を要するという御議論をいただいていたと思います。

 一方、一定規模以上の病院を受診した場合には、外来の機能分化・連携の観点も踏まえれば一定の負担を求める場合もあり、医療保険制度においては診療報酬上の対応のほか、紹介状のない患者が200床以上の病院を受診した場合、選定療養として特別料金を徴収することができる。ことし4月からは、紹介状のない患者が特定機能病院や500床以上の地域医療支援病院を受診した場合、選定療養として初診5,000円、再診2,500円の徴収を義務化したところでございます。これらは、紹介状のない患者に追加的な負担を求めるものである一方、医療保険財政には直接影響しないところに留意が必要だということでございます。

 このような状況を踏まえまして、外来の機能分化・連携、かかりつけ医の普及の観点からの患者負担のあり方について、もう少し幅広く検討するとした場合、どのような案が考えられるか、引き続き御議論いただければと考えております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、テーマが4つに分かれておりますので、1つずつ御議論いただければと思います。まず最初の子どもの医療費助成に係る国保の減額調整措置のあり方でございますけれども、これにつきましては議論はある程度整理されておりまして、事務局から4ページに論点という形で絞って示されておりますので、前回の御意見をまた繰り返してお聞きするということでも結構ですけれども、むしろ論点に沿って何か御意見があれは承りたいと思いますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。

 いかがでございましょうか。それでは、渡邊委員お願いいたします。

○渡邊委員

 資料1の「子ども医療費助成に係る国保の減額調整措置の在り方について」ということで今ほど説明がありました。資料の11ページに、過去の医療保険部会における主な意見として、1番目や2番目に書いてあるものと同じような意見になるわけですが、これまで私ども町村サイドでは、子どもの医療費助成に係る国保の減額調整措置については、早急に廃止するとともに、国として全国一律の制度を設けるべきであると繰り返し申し上げてきたところです。ほかの政策分野でいえば、私ども市町村サイドで考えますと、地域の実情に即したという考え方が優先されるのですけれども、減額措置の廃止に係る対応については、全国一律という言葉を制度上設けるべきではないかということをあえて申し上げさせていただきたいと思います。

 今回、資料において乳幼児に係る医療費の助成についての追加調査の結果をお出しいただいております。3ページでは、未就学児については全ての市町村において何からの助成が行われている状況であるとも報告されております。こうした調査結果も踏まえ、子どもの医療費助成に対する減額調整措置を早急かつ一律に廃止するとともに、全国一律の制度を構築するように重ねてお願いいたします。

 また、論点の3つ目においても、減額措置の見直しが「少子化対策に寄与するものとなるようにすること」と記載されております。この措置が廃止された際には、市町村としても、財源を子育て支援等の施策のさらなる充実・強化のために用いて、少子化対策の推進に努めていきたいと考えているところです。

 また、今の課題と少し違うのですが、国保財政の基盤強化のための追加公費1,700億円については、平成30年度から保険者努力支援制度や財政安定化基金などの新たな仕組みを展開するための前提となるものであります。国保の安定的な運営に不可欠なものでありますので、確実に実施していただけるようにお願いいたします。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。山本参考人どうぞ。

○山本参考人

 重なるような内容もあるかと思いますが、一億総活躍プランで年末までに検討するとされている中、6月以降、この医療保険部会も含め特段の動きがなかったため、各地方自治体はそのゆくえを大変危惧しているのが現状でございます。本日の資料で論点は示していただいていますが、国の案が示されておりませんので、年末までに、今後どのように検討していく予定なのか、スケジュールについて質問させていただきたいと思いますので、後で回答をお願いいたします。

 また今回、保険局が初めて子ども医療費助成の現状を調査されたという点につきましては、これまでは雇用均等・児童家庭局でやっていらっしゃったと思いますので評価できると考えております。調査結果からもわかるように、各地方自治体がそれぞれ工夫しながら少子化対策として懸命に子ども医療費助成を行っている実態、子ども医療費助成が子育て支援策として既に定着・普及している実態が示されていると考えております。

 4ページの考えられる論点1、2につきましては、これまでも申し上げておりますが、国庫負担減額調整措置は地方の懸命な努力を阻害するものですので、対象年齢等にかかわらず直ちに全廃いただきたいと考えます。

 また、3につきましては、都道府県としても賛同しますので、少子化対策がより一層推進されるよう協力してまいりたいと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 では、事務局、スケジュールに関して質問がありましたので、お願いいたします。

○榎本課長

 今の山本参考人の御質問に対してお答えいたします。国民健康保険課長でございます。

 今、何人かの委員の皆様から御意見を頂戴しております。このほかにまた御意見のあるところもあろうかと思いますが、この場でいただく御意見を踏まえながら次の医療保険部会に向けて、今後何をお示しできるかということも含めて整理していきたいと思っております。

 その上で、地方団体の皆様をはじめ、関係者の皆様とよく御相談させていただいて、先ほど御紹介申し上げました一億総活躍プランに記載されておりますとおり、本年末には結論を得ていくようにしたいと考えているところでございます。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 山本参考人よろしいですか。

 それでは、横尾委員どうぞ。

○横尾委員

 私も自治体の首長をしておりますので、子ども医療に関するところについて現状に関する認識と意見を述べたいと思います。

 例えば、データで示されている9ページには、各都道府県の現状についての棒グラフが出ていました。トップは東京都、大変大きく伸びておられまして、そこから愛知、神奈川、大阪、福岡、千葉、埼玉、兵庫と続いています。ここまでは数学上で言うと曲線で落ちてきているのですけれども、続いて北海道以降がずっとなだらかな斜線のようになっているのです。これは現状としてどう見るかによると思いますが、豊かだから助成ができるという認識も当然あるかもしれませんが、現状の特に人口減少社会に入った状況の中で、定住促進、子育て支援をしっかりやらなければならない、そういった論点は各地方選挙、地方議会、地方行政の中で大きな焦点になっています。そういった意味からしますと、財政の多寡ではなくて何とかしなければならないと各行政、地方自治体が思っておりますので、そこで子どもの医療費助成をプラスアルファでしているところです。特に、今回の地方創生並びに一億総活躍、それに至るまでの活性化を含む議論においては、常に子どもたちの子育て支援、定住につながるような支援ということで打ち出された例が多分かなり多いのではないかと私自身も含めて思います。例えば、私の近隣の自治体の中で佐賀県の場合は佐賀市に市長さんがおられますし、私も市長ですが、中規模の人口になると実は同じように助成拡大に踏み込んでいきたいけれども対象となる児童数が多いために、例えば、財政措置をしますと大きな財源が必要となりまして、この桁が大きくなるので少し検討させてもらいたいというぐらいのニュアンスがあって、実は考えたいということがあるのです。こういう工夫や努力をしているときに減額調整措置がありますと、用語としては適切ではないかもしれませんが、半ばペナルティーのような感じで受け止められておりまして、やはりこれは何とか改善してほしいというのが、ここ数年来の地方からの意見だと、ぜひ厚生労働省に受け止めていただきたいと感じております。

 一昨日、昨日と全国市長会では会議を行いまして、委員会並びに役員会をしていますが、そこで政府への要望事項並びに決議事項を議決したものがあります。その中に子ども医療費に関する減額調整措置、特に国保に関してですけれども、こういったことは明確に書かれておりますし、多くの首長の皆さんが大変強く念願しておられますので、ぜひ改善をお願いしたいと感じるところが大きいところでございます。このことを解決しなければ、人口減少社会に地方がどう立ち向かっていくか、医療も確保が厳しい、片や子育てもなかなか経済的に厳しい、そして、これまでやってしまうと本当に元気が出ないということもございますので、これまでの議論ではなくて、新しい人口減少社会の中に入った自治体並びにそこに住んでいらっしゃる住民の皆さんの、わけても子育てにかかわる子ども医療について、ぜひ御配慮をお願いできればと思っております。

 なお、既に厚生労働省では把握されていると思いますが、より拡大して使用されているところでは高校生、18歳までの助成も当然行っておられます。また、近年話題になってきているのが、都道府県単位での調整をされていると思いますけれども、現物支給に変えていこうという動きもございます。ただ、今日のルールでいきますと、それも財政的にマイナスになるわけですが、実は保険のユーザー、対象者となる御家庭や御家族にとっては償還払いもなかなか手間なこともありますし、完全に補足できないところもあるので、ぜひ現物給付をという要望も多いですし、一部自治体においては、例えば、佐賀県の場合は県から市・町にそういうふうにやりたいけれどもどうかというヒアリングがあったりしているところですので、ぜひこういった現状を考えていただいて、人口減少社会の新たな対策として、また重要な施策の一環として配慮をお願いしたいと強く思っています。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。それでは、村岡参考人、お願いいたします。

○村岡参考人

 全国市長会も、これまで渡邊委員、山本参考人、横尾委員がおっしゃられましたとおり、基本的な考え方は同様でございます。特に、少子高齢化という流れの中で子育ての支援という視点から言いますと、子どもの数に対しては夫婦で2人以上はという希望が結構ありますけれども、実態的にはなかなかそこまで到達していない。その要因としては医療費の負担であったり、保育の費用であったり、そういう経済的な負担に対する要望も非常に強くございますので、そういった意味では都道府県と市町村が努力をしながら少子高齢化に取り組んでいる子ども医療費のカットについては、速やかにやめていただきたいというのが基本的な考え方でございます。

 論点の中で、小児科医を初めとする医療提供体制に与える影響も記載いただいておりますけれども、本県におきましても小児科医療というのは大変厳しい状況もございますが、本市で行っております、例えば平日・夜間の急患センター、あるいは休日・夜間の急患センターにおいても、小児科の先生方からも少子高齢化を止めるためには医療費の助成もやむを得ない、積極的にやるべきだという声もいただいておりますので、そういった意味では市町村として今後の対策としても非常に重要な施策だと認識しております。

 それと、論点1の見直しの対象範囲等でございますが、それぞれ市町村で助成の内容は差がございますが、例えば、子どもの医療費で見ますと、中学生や高校生の医療費というのはそれほど多くかからないという実態がございますので、そういった意味では、それぞれ実施している内容の差を設けずに、年齢等にこだわらないカット自体を廃止していくという方法でもいいのではないかと考えております。

 先ほど言いましたように、見直しの時期については、できるだけ速やかに実施していただきたいと考えております。

 論点3につきましては、渡邊委員からも御発言がありましたが、市町村としては地方創生の中で子ども・子育て支援の充実をこれからも積極的に展開していかなくてはならない。一方で、子どもの貧困問題も非常に大きな課題となっておりますので、そうした新たな対策も必要ということになってまいりますので、今回の見直しによって生じた財源については、市町村としては積極的にそういった施策に当てていきたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 では、原委員、お待たせいたしました。

○原委員

 これまで各委員からいろいろ出ておりますけれども、子どもの減額調整措置につきましては、昨日、地方6団体を含む関係9団体で国保制度改善強化全国大会を開催いたしまして決議をしております。10項目の決議の中で、子どもの減額調整措置は直ちに撤廃してほしいと。

 あわせまして渡邊委員からございましたが、きょうの直接の議題ではございませんけれども、国保制度改革に伴う1,700億円の財政安定基金への繰り入れ措置を確実に行ってほしいといったことも含めて決議しております。資料はきょう間に合いませんでしたけれども、そういうことでございますので御報告させていただきます。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、武久委員、お待たせいたしました。

○武久委員

 医療の現場にいましても高齢患者が非常に多くて、子どもの患者が非常に少ないという現状ですけれども、皆さんおわかりのように、厚生労働省がどう考えているか、財務省がどう考えているか、政権がどう考えているかですけれども、実は去年生まれた子どもさんは100万人で、去年で20歳の人口が121万人でした。1年で1万人ずつぐらい減っているんです。なんと9年後の2025年は78万人しか生まれないということが厚生労働省の推測で出ております。要するに、タックスイーターというか、税金を使う高齢者がどんどんふえていって、将来のタックスペイヤーの子どもさんが非常に減っていくということは国としては非常に厳しいと。論点3番に当たりますけれども、若い女性の子どもを産もうというインセンティブをどう持っていくか。要するに、インセンティブを下げるようなことは今後一切しないほうが国としてはいいのではないかと思います。そういう意味で、ちょっとフェーズが変わってきた。どうしてかというと、団塊の世代のジュニアが子どもを産む年代からリタイアしたということもあって9年半後には78万人と。ここで言うようなことではないのですけれども、非常に大きな問題として見直しの論点3で、見直しは少子化対策に寄与するものということで、この点をもう少し皆さんにも考えていただいて警鐘を鳴らしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。いかがでございましょうか。

 では、菊池委員どうぞ。

○菊池委員

 3ページ、7ページ、8ページの子ども医療費助成の実施状況を見ますと、多くの市町村で何らかの医療費助成が行われており、未就学児に限定すれば全ての市町村が実施しております。子どもの医療費の自己負担分を軽減する施策が全市町村でとられているということは、子どもが安心して必要な医療が受けられるという子育て世代の安心と、子どもの健康な成育に必要だと考えられているからだと思います。ただし、地方自治体間で医療費助成のあり方に違いがあるという問題もあるかと思います。子どもの医療費の自己負担分を全国的に公平に軽減するためには、そもそも2割負担となっている制度を例えば1割負担にするなど、将来的には子ども医療費の自己負担分を軽減する方向で考えてもよいのではないかと思います。

 しかし、今回は現行制度の中での国保の減額調整措置のあり方が論点になっておりますので、4ページの考えられる論点1の見直しの対象範囲について、減額調整を行わない範囲を一定のルールのもとに拡大するという観点から意見を申し上げます。

 国保の減額調整措置の詳細は理解しておりませんけれども、6ページの右下に記載してありますように、自己負担分の医療費助成を償還払いで行っている場合は、医療費の波及増が生じないとの考え方で減額調整を行っていないということかと思います。波及増が生じないという観点からは、加えて過剰医療にはなりにくい入院医療費を減額調整対象外にしてはどうかと思います。

 また、自治体が医療費の自己負担分を助成する場合の考え方として、コスト意識を持っていただくために低所得者の負担軽減を配慮しつつ、一部自己負担は残したほうがよいと思います。

 また、自己負担分を助成する際には、応能負担の考え方から所得制限を導入するのがよいと思います。

 また、対象年齢については、少なくとも小学生までは自己負担分を軽減することを考えてよいのではないかと思います。

 最後に、医療費助成が少子化対策として実施されていることを聞きますけれども、少子化対策としては保育所対策や妊娠、出産、子育ての不安や問題に切れ目なく対応できる母子地域包括支援システムなど、直接的に影響のある対策を進めることが効果的で必要なことかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 ほかにございますか。では、白川委員、お願いいたします。

○白川委員

 主として、自治体の関係の方々から少子化対策として非常に有効といいますか、これからますます必要になるという御意見が出まして、私もそのこと自体にあれこれ言う気はないのですけれども、今回は減額調整をどうするかという話だと思いますので、いろいろこの制度についての有用性というのは御説明がありましたが、一方で、前回も申し上げましたとおり、市町村ごとに対象年齢あるいは負担額が違うという、国民にとってみたら、この市に住むよりは、こっちの町のほうが得だという仕組みは、この皆保険制度の中では基本的におかしいと前回も申し上げましたし、思っております。

 もう一つは、確かなデータがあるわけではないのですけれども、ここにも医療費の波及増効果が出ておりますけれども、無駄な医療が行われていないかという懸念が常につきまとう制度だと私は思っております。それを言い始めると切りがないので、今回の論点で申し上げますと、見直しの対象範囲は全市町村がやっておられる未就学児までだとするのが筋だと思います。全対象にしますと、逆にそこまでみんなやっていいのだということになりかねない。少子化対策を何歳までやるのかといういろいろ議論はあるかと思いますけれども、この件については私は未就学児までとすべきだと思っております。

 それから、自己負担と所得制限につきましては、少なくとも医療費については、一部でも自己負担するというのが国民一様に課せられた制度だと私は信じておりますので、対象としては自己負担なしのところは見直しの対象から外すということではないかと思っております。所得制限も当然でございまして、所得制限をやっているか、やっていないかということも重要な指標になると思っております。

 ついでながら申し上げると、自治体の財政力と事務局が書いていらっしゃるのですけれども、自治体の財政力は何のことを言っているのか私は理解できないのですが、要は自治体が財政力を考えて独自の取り組みをやっているために、こんな複雑な仕組みになってしまったと思っておりますので、減額調整に当たっては自治体の財政力は考慮する必要はないと申し上げたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 堀委員、お待たせいたしました。

○堀委員

 前に本件が議論された際に、子どもの医療費の無料化についての懸念を述べさせていただきましたが、本日は減額調整措置のあり方についてという論点に限定して議論するということですので、その点についてのみ意見を述べさせていただきます。

 減額調整措置の廃止は、言葉は不適切であるかもしれませんが、地方自治体の負担が国の負担に財政的に移転されるだけという見方もあるかと思います。つまり、患者から見ますと、今の自治体で小児医療の医療費が1割のところであれ、無料のところであれ、基本的にはその自己負担そのものが変わるわけではないので、単純に減額措置により地方自治体が負担していたものが国になるだけで、少子化対策といっても、国民からは見えにくい側面があります。先日も言いましたが、一億総活躍社会の創生、人口減少社会の問題は認識しておりますので、少子化対策を行うことそのものは重要であると思いますが、減額調整措置財源が本当に有効な育児支援に使われるという保証がない限り、財源をただ国から地方自治体に移すだけになってしまうのではないかという懸念があります。

 仮に減額調整措置の見直しをするのだとすれば、例えば、後に議論にも出てくると思いますが、小児科のかかりつけ医の養成登録の推進を前提とするとか、あるいは小児の救命救急、小児の救急電話相談の財源にするとか、医療提供体制にとって何かしらのプラスになるようなものとするなど要件の工夫が必要では。この政策が本当に将来の子どもたちにとって、そして、今だけではなくて未来に、今の子どもたちが大人になったときも、安心して社会保障を受けられるためには、適切な受診行動の促進となるような仕組がセットで必要ではないかと思います。財源が単純に移動するだけでは意味がないと思います。

 それから、見直しの時期ですが、今お話ししていましたように、有効な政策を検討するには、一定の期間がかかると思いますので、減額措置をどうするかという結論は今年度中ということなのでしょうが、実際には政策立案と予算確保はセットの問題でもあると思いますし、政策の具体的な内容をもう少しじっくり検討した上で時期について議論すべきではないかと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、井上参考人、お願いします。

○井上参考人

 産業界としても、人口問題と少子化対策は経済の基盤になる話ですから、非常に重要な課題だと思っています。その一方で、医療制度の中で国民がコスト意識を持つということも重要と思っておりまして、本来であれば償還払いをもっと広げていくのが筋ではないかと思っております。

 対象範囲でございますけれども、データに基づきますと全ての自治体がやっているというところでいきますと、対象は未就学児までで限定することが今回は妥当ではないかと考えております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 横尾委員、お待たせいたしました。

○横尾委員

 認識にずれがあったらいけないので補足だけさせていただきます。例えば私ども多久市がやっています子ども医療費助成については、一医療機関1回500円、月1,000円までという限定はつけています。やはり自己負担は必ずしていただくとしています。それは医師会の皆様や病院の皆さんの御意見を過去に聞いてから調整しているわけです。けれども、全く無料になると、いわゆるコンビニ受診みたいになってしまってよろしくない。それは医療機関に行くのを制限するためではなくて、保護者の養育義務として、また子どもに対する日ごろの注意を喚起するためにもある程度の負担をしていただいて、そういった中での保険での支援が大事ではないかと聞きましたので、そのような一部負担はさせていただいているところです。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは渡邊委員どうぞ。

○渡邊委員

 今いろいろな御意見が出ておりますが、私ども市町村の立場で、国保だけに限らず被用者保険もそうですが、いかに市町村行政を運営する中で今の少子化社会の中で、私どもの町は今に始まったわけではありませんけれども、20年前からそういう危機感を感じながらさまざまな子育て支援を打ってきているのですけれども、そういう自治体の中で、我々選挙で選ばれる首長さん方は、何が優先的な課題として一番地元の住民から喜ばれるかというと、過去においては高齢者に対する高齢者福祉施策の優先課題が多かったのですけれども、最近は今の事象からして、県的には少子化があるわけですから、医療費の無償化の問題だけではなくて、子育て全般に関するいわゆる親御さん方の子育ての環境をどう行政的に支援していくかという総合的な観点で考えていかなければならないという形でとらえてきています。

 そういうことから、先ほど白川委員から自治体の財政力等の御指摘もありましたけれども、特に町村サイドは、中山間地も含めて医療機関が少ない等の中、乳幼児から就学前の子どもに特化しますけれども、安心して子育てができるかという親御さん方の不安は非常に多いんです。昔であれば、核家族化ではなくて親御さん方やおじいちゃん、おばあちゃんがいた中で、または隣近所のコミュニティーを通じて、さまざまな形で子育ての相談機能もあったんです。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。申しわけございません、主張はよくわかりますので、全体的な議論につきましては前回かなり承っておりますので。

○渡邊委員

 そのようなことも含めて御理解いただきたいなと思います。

 もう一点だけ。医療費の我々がやっていることは都道府県によって温度差があるんですよ。知事さんとうまく連携しながらやっている市町村は、物すごくうまく機能しています。ですから、全体の4分の3が助成制度をやっているという観点で、減額措置の廃止を我々は求めています。また、そういう観点から一律という言葉を出させてもらっていることを御理解いただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、藤井委員、お願いいたします。

○藤井委員

 一言だけ申し上げたいと思います。

 大前提として家庭内でのセルフメディケーションの推進、要するに、制度に頼り過ぎるのではなく、健康は自らつくるものだという意識づけをぜひやっていただきたいと思います。その上で必要な助成をしていただきたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 では、岩村委員どうぞ。

○岩村部会長代理

 今回の子どもの医療費助成に関する議論の論点というのは、既にお話が出ていますけれども、一億総活躍社会に向けて政府全体として少子化対策を推進するという非常に大きな政策課題に関して、検討を要する施策がほかにもさまざまなあるわけでありまして、それらと財源とのバランスを考えながら、国として地方公共団体の取り組みを支援する観点から何ができるかということだと思っております。

 国が減額調整の見直しをしたとしても、きょうの資料1−1の7〜8ページに挙がっているような、市町村が行っているあらゆる助成措置を対象とするというのは、必ずしも適当ではないように思います。既に何人かの方から御指摘がありましたように、全ての市町村が行っている部分などに限定して行うべきだろうと思います。

 また、見直しを行う際に当然前提とすべきなのは、医療保険における負担の割合、つまり原則3割で未就学児が2割という仕組みを堅持するということですし、また、助成に関しても低所得者への配慮は必要ですけれども、一部負担、自己負担は求めるべきだと思います。

 減額調整の見直しの対象年齢を広げ過ぎますと、先ほどちょっと議論がありましたが、財政力のある自治体のほうがむしろ恩恵を受けてしまうという、自治体間の不公平の問題も起こってしまうということに留意する必要があります。

 部会の議論にとって非常に重要な材料だと思われますので、減額調整の見直しを行った場合、どのような条件で見直すとどれほどの財政影響があるのかについて、事務局のほうでお調べいただいて資料を出していただければありがたいと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。事務局、そのような資料の提供依頼がありましたけれども、御検討いただければと思います。

 大体よろしゅうございますか。ありがとうございました。具体的な御意見も出まして非常に参考になりました。事務局は対応をよろしくお願いいたします。

 それでは、大分時間も押しておりますが、2番目、前回までの主な御意見でございます。これは事務局に確認したいのですが、これはこれまでの御発言を整理したものですので、ここでまた議論をということにしますと、これだけで多分1時間半はかかってしまいますので、御発言いただいた方がこの内容で適切かどうかという確認をしていただいて、それを事務局に伝えるという形でよろしいですか。

○城課長

 そのような形でお願いできればと思います。

○遠藤部会長

 そういう対応をさせていただければと思いますので、よろしくお願いします。

 そのときに何か追加の意見というのはよろしいのですか。

○城課長

 基本的にはこれまでの御意見の整理でございますので、新たなものがありましたら、次回改めていただければと思いますが、皆さんの中で御議論いただいたものをまとめるという趣旨でございます。

○遠藤部会長

 わかりました。新たな議論は平場でやっていただくという対応をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

 何かございますか。藤井委員どうぞ。

○藤井委員

 5ページの上から2つ目は私が申し上げたことですが、多剤服用や残薬対策は、「スイッチOTC医薬品に限らずOTC医薬品に置き換える」と書いてありますが、置き換えるのは、OTC医薬品の配合剤です。要するに単剤同士で置きかえても飲む量は減りませんので、配合剤にすることによって服薬量を減らせるという意味ですから、ぜひ配合剤という言葉を加えていただきたいと思います。

○遠藤部会長

 では、またそういうようなことがあれば事務局にお伝えいただければと思います。

 それでは、次に高額介護合算療養費制度について、御意見・御質問をいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。こちらも一応案が出ております。

 原委員どうぞ。

○原委員

 高額療養費制度が見直されれば、合算である高額介護合算療養費制度も負担能力に応じた負担のあり方という考え方でございますから、それに沿ってしかるべく見直すという方向だと思います。その中で、どう見直していくかというときに、単純な限度額の引き上げという話ならまだいいのですが、所得区分が高額療養費制度も細分化されておりまして、この辺が例えば、高額療養費制度の所得区分の細分化と違う形で高額介護合算療養費制度の区分が異なるような見直しに仮になった場合、同じ世帯で医療と合算制度で所得の該当区分が異なるというのは非常にわかりにくくなりますし、そういう意味で被保険者にわかりやすい制度にしていくことが大事ではないかということが1点。

 あわせまして、私どもシステム開発をしている立場から言わせてもらいましても、制度ごとに所得区分が変わるというのは非常に複雑な仕組みになってしまいますので、施行時期をどのくらいにするかということとも関係しますけれども、もし所得区分の細分化という議論になった場合には、その点ぜひ御配慮をお願いしたいということでございます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。重要な御指摘だったと思います。

 井上参考人どうぞ。

○井上参考人

 高額療養費制度と同様に、整合性を持たせた形で見直しを行っていくべきだと思います。特に、70歳未満について年収370万円以上のところは細分化されていますけれども、70歳以上のところも同じように細分化していくべきだと考えております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。小林委員どうぞ。

○小林委員

 今回、議題となっております高額介護合算療養費制度についても、基本的な考え方は負担能力に応じた負担を求めることだと考えております。前回、高額療養費の70歳未満の所得区分を見直した際にも、それに合わせる形で高額介護合算療養費を見直しております。このため、今回も高額療養費や高額介護サービス費の見直しに連動する形で、高額介護合算療養費の負担限度額も見直していくべきだと思います。

 また、資料1−3の5ページを見ますと、高額療養費の支給実績は2兆2,201億円であるのに対しまして、このうち高額介護合算療養費の支給実績は116億円となっております。この要因はいろいろと考えられますが、その1つは、医療と介護の自己負担を合算した負担軽減額である高額介護療養費制度が十分に利用者に理解されていないということもあると考えられます。本日の論点とは違いますが、今後、制度の周知やマイナンバーを活用した利便性の向上についても検討していくべきではないかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 では、菊池委員どうぞ。

○菊池委員

 高額療養費制度と高額介護合算療養費制度は、応能負担、低所得者への配慮など同じような見直しの観点で連動するものと考えます。ただ、検討に当たっては、所得区分や負担上限額等の基準の検討だけでなく、制度が適切に活用されるための環境づくりなど、その運用についての議論もあるべきと考えます。

 例えば、訪問看護の現場からは特に70歳未満の利用者にとって、この制度が複雑で適用の基準がわかりにくく、治療しながら介護を受けている中で書類をそろえ、申請すること自体に大きな負担があるということを聞きます。在宅療養者は、複数の診療科、医療機関、介護サービス事業者を利用しており、それぞれのレシートを保管し、費用を計算し、申請しなければなりません。MSWがいる病院等では相談に乗ってもらうことができますけれども、介護保険のケアマネジャーは医療保険制度の申請手続には明るくない方もいます。地域において在宅療養者を経済的に支えるために、保険者、地域包括支援センター等において、複雑な制度であっても、必要な人が適切に利用できるように支援する体制を整える必要があるかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 小林委員と類似のようなお話だったかと思います。

 お持たせしました、樋口委員どうぞ。

○樋口委員

 皆さんおっしゃいましたけれども、やはりこうした制度は複雑で、なかなか理解ができません。例えば5ページでございますけれども、支給実績を見ますと、後期高齢者医療制度での支給実績が3,225万件、金額にしても5,429億円ということで、私はこの問題こそ医療と介護の連携協議会とかそういうところでもっとわかりやすく論議していただきたいのですけれども、この数字を見ますと、本当は後期高齢者医療制度の中にいる人こそ、要介護3、4、5という人がそろっておりますので、もっと金額は多いのではないかと思っておりました。この数字を拝見して、もちろん正確だと思いますが、随分申請漏れとか、制度を知らないで申請し損ねている人がいるのではないかという若干の疑いを持ってしまいました。今までそうだったことはしようがないとしても、どなたが中心になってやってくださるのでしょうか、ケアマネジャーでしょうか。ケアマネジャーが今、医療の分野をどこまで把握しているか、まさにこれからの連携会議のテーマだと思いますけれども、あるいは病院に入ったときだけのMSWと言われるような医療ソーシャルワーカーでしょうか、このときのキーパーソンは利用者側から、例えばどういう方にお願いしておけば、この制度が理解できて使えるのか、質問したいと存じます。

○遠藤部会長

 では、原委員どうぞ。

○原委員

 今の御質問の答えになるかと思いますけれども、建前は被保険者御自身が保険者に申請していただくと、形式的にはそういうことを最終的にやってもらいますけれども、確かに複雑なものですから、どういう場合に該当するかというのが自分ではわかりにくい。しかも、医療で負担した分と介護で負担した分の按分みたいな細かい計算も必要です。そこで、私ども国民健康保険中央会でどういう人が該当するのかを試算いたしまして、それを御本人に保険者を通してだったかと思いますが、お伝えして勧奨するといいましょうか、あなたは該当していますから申請してくださいというサービスをやらせていただいております。その上で、被保険者から保険者に対して正式に申請していただくという仕組みにはなっておりますけれども、いずれにしても非常にわかりにくいという意味では御指摘のとおりではないかと思っております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。できるだけ制度の理解を進めるべきだという御意見ですね。

 横尾委員どうぞ。

○横尾委員

 高額介護合算療養費、またはこういった医療費の負担等については、いわゆる負担能力のある人が負担をしていく、役割分担をしていくということを全体的にしていくのが総体的に見て重要なところかなと常に思っているところですので、そういった基本原則でやっていくのが基本と思っています。

 それとあわせて今の皆様の御意見の中で、なかなかわかりにくいという話が出たのですけれども、次のような工夫をしていただくともっとわかりやすくなるかなと感じています。これは、後期高齢者医療広域連合の幾つかの連合のホームページ上でできているのですけれども、自分の収入や所得に関するデータを入力すると、大体の費用が仮計算できるソフトがあります。例えば、そういったものをトータルで国で準備いただければ、70歳とか所得区分とかいろいろ状態区分などがありますでしょうけれども、自分はどこの区分に入って、実際どのような上限額が適用されるのかというのがわかるような、アプリやシステムがネット上にあれば比較的早くわかるのかなと思います。

 いや、ネットにしたって、「そんなの年配の方はアクセスしないだろう」と言われる方がいらしても大丈夫です。お孫さんが小学生、中学生でも、そのサポートはきっとできると思いますし、もちろんお子さんたちは十分アプリを使われる世代なのでできるだろうと思います。そのことで多分、樋口委員さんも御心配いただいた、本来だったらもっと増えるべき年輩の皆さんの利用が少ないのではないかという御認識も、私もむべなるかなと思いますので、そういった工夫を国のほうで考えていただけたらと思います。

 あわせて、これから先のことになりますけれども、マイナンバーカードの普及が今後さらに進んでいって、マイナンバー制度をベースとした、お一人お一人の状況に合わせたプッシュ型の行政サービスになっていくと思われますが、まさにこれは典型的な例だと思いますので、そういったことも想定していただいて、進み方といいますか、プロセスやロードマップを勘案いただくと、先々多くの国民の皆さんがこのことに関する恩恵を享受できるのではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 では、山本参考人どうぞ。

○山本参考人

 高額療養費、高額介護サービス費も含めまして、これらの制度は必要な人がきちんとこの制度を使えるということが、他の委員の先生方もおっしゃっていましたが大事だと思います。ですので、高額介護合算療養費制度の見直しは、高額療養費、高額介護サービス費、それぞれがどのような役割を果たしていて、どのような人がどのように使っているのかという部分をきちんと見た上で検討する必要があるのではないかと考えています。今回、可能でありましたら次回、高額介護療養費の一件当たりの支給額が今回平均で示されていますが、高額療養費、高額介護サービス費も含めまして、それぞれの制度における所得区分別の該当者の分布や中央値、どのような人がどのように使っていて、これは高所得者が使っているのか、低所得者が使っているのかという部分がわかるような形で、介護分まで含めた全体像を可能な範囲で、次の医療保険部会で示していただきたいということでお願いをさせていただきたいと思います。

○遠藤部会長

 事務局いかがでしょうか。可能な範囲で御対応いただきたいと思いますけれども、何かコメントがあればお願いします。

○泉課長

 どのような資料が提供できるか検討させていただきます。

○遠藤部会長

 よろしくお願いいたします。

 それでは、森委員どうぞ。

○森委員

 高額療養費制度に関しては、ある程度国民に周知されていると思うのですけれども、高額介護合算療養費に関しては、まだ十分に国民に周知がされていないのではないかと思います。そう考えますと、まず制度があることを周知すること。それから、次に自分が該当するのかどうか、金額、所得等から、そして最後にどう手続するのかということ、その3つに関して手を打っていかないと、この制度が十分に活用されるようにはならないと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 村岡参考人、お願いいたします。

○村岡参考人

 基本的な制度については、見直しは高額療養費が見直されるとあわせて見直していくという方向性はやむを得ないのかなと感じております。

 あと、制度の周知の関係ですが、先ほど原委員からも御発言がありましたように、データ的には介護の保険者は市町村になりますので、市町村の介護の現場と医療のデータというのは突合して対象者にお知らせしておりますので、そういった意味では一定補足というのはできているのかなと感じております。ただ、被用者保険と連携というのは私も現場を十分承知できておりませんので、そのあたりは課題かと思いますが、例えば、本市で言いますと、国保の対象で昨年1年間で、年間90件ぐらい、後期高齢者になりますと3,500件ぐらいの申請ということになっていますので、後期の対象となって支給する金額自体は非常に少ないということもあるかとは思いますが、ある程度の数というのは市町村の現場において補足はされているのではないかと感じているところでございます。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、伊藤参考人、お願いいたします。

○伊藤参考人

 先ほど実際に支給対象がどのような人なのかということを詳細に御報告いただきたいという御意見がありましたが、私のほうでもぜひお願いしたいと思っております。というのは、現状ではかなり限定的な利用となっておりますけれども、世帯単位ということで最近ダブル介護もよく聞かれるようになっており、私どもとしてはこの見直しが介護離職につながることだけは困りますので、どのような影響が出るのかをぜひ詳細に示していただきたい。

 また、今回、高額療養費の見直しが検討されている一方で、介護のほうでも費用負担の議論がされています。しかも、会議では議論していないような話も報道されていたりして、改正の全体像がわからないので、高額介護合算療養費は年単位ですし、合算療養費についてはこれらの影響を見ながら慎重に検討していく必要があるのではないかと考えます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 では、松原委員どうぞ。

○松原委員

 療養費については前から申し上げているところですけれども、きめ細かな対応をしないと、例えば、仕事をしていたけれども病気になってやめて国保に入る。そうすると、それまでの収入がなくなるわけですので、そういったことも十分に考えていただきたいのと同じように、お年の方が老人ホームに入るのになけなしの自宅を売ったら突然負担が大きくなって、病気したら大変なことになったという例が多々ございます。そういったきめ細やかな対応、単純にお金がどうこうだけではなくて、その方の状況に合わせて、その方の立場に立って検討していただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。大体よろしゅうございますか。

 それでは、藤井委員どうぞ。

○藤井委員

 合算療養費制度については、受診行動に与える影響や過度な家計負担とならないような配慮は必要だと思いますが、基本的な方向性としては負担上限額を引き上げるべきだと考えます。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。大体御意見は承りましたね。

 それでは、次の課題に移りたいと思います。次は、かかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担。これにつきましては、前回の議論でいろいろな問題があるということで慎重論が非常に多かったと思いますけれども、本日は、さらに3ページに論点が出されておりますので、可能であればこの論点を軸に追加の議論があればいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 横尾委員どうぞ。

○横尾委員

 素朴なお尋ねなのですけれども、「かかりつけ医」というのは厚生労働省で決められた、きちんとした用語として理解していいのでしょうか。それとも、いわゆる「ホームドクター」とか「家庭医」という言い方も一応あるかもしれませんけれども、その辺の言葉の整理は確定されているのでしょうか。

○遠藤部会長

 具体的な定義については議論があるにしても、言葉としてはどのように扱ったらいいのかということですね。いかがでしょうか。

○宮本課長

 「かかりつけ医」についての定義は厚生労働省では持っていなくて、一応14ページにつけておりますけれども、「『かかりつけ医』及び『かかりつけ医機能』について」ということで、医療提供体制のあり方日本医師会・四病院団体協議会合同提言(日本医師会・四病院団体協議会)で、「かかりつけ医」及び「かかりつけ医機能」について、以下のように説明されているというものが今のところあるという状況でありまして、厚生労働省として「かかりつけ医」という明確な定義はないと聞いております。

○横尾委員

 「ホームドクター」とか「家庭医」ではだめなのですか。

○宮本課長

 「ホームドクター」「家庭医」というのはどういう意味でしょうか。

○横尾委員

 「ファミリードクター」でもいいのですけれども、違う表現をしてもいいのかどうかだけです。

○宮本課長

 それは何を念頭に置くかということによって違ってくると思うのですが、長い歴史の中でいろいろな言葉の中で議論されてきたということですけれども、今は「かかりつけ医」「かかりつけ医機能」というのは14ページのものがあるという状況で、言葉が違うと、その人その人で認識しているものが違うという難しい議論が従来されてきたと承知しております。

○遠藤部会長

 横尾委員、御趣旨はどういうことですか。違う言葉で使ったりというのは何かあるのでしょうか。

○横尾委員

 用語がきちんとしているのだったら、それ以外の言葉は使わないようにしていかないと、またどんどん広がっていくと思いますので、そこまできちんとしたものかどうかを確認したかったのです。

 あと、「かかりつけ医」という言葉もいいのですけれども、「ホームドクター」とか「ファミリードクター」のほうが、ひょっとしたら若い世代にはもっとなじみやすいのかなと感じられます。例えば、若い世代が読まれるマガジン、雑誌等に書かれるときに、全部「かかりつけ医」だけで書かなければいけないのか、「ホームドクター」とか「ファミリードクター」とか「ファミリーのためのドクター」とか「家庭医」と書いていいのか、その幅です。随分変わってくると思います。

○遠藤部会長

 では、松原委員どうぞ。

○松原委員

 もともとここに「かかりつけ医」と書いてあるのが間違っているので、「かかりつけ医」という制度はございません。「かかりつけ医機能」を持っている医師であって、1人であっても、2人であっても、何人であっても、相談に乗ってきちんと医療提供体制の中で判断ができる医師を「かかりつけ医」とするという歴史的な状況がございます。そういった制度ではないということでございますので、ここで「かかりつけ医」と書いてあること自体が大きな間違いだと私たちは思っております。したがいまして、「かかりつけ医」というのは機能を持った医師ということです。

○遠藤部会長

 いかがでしょうか。藤井委員どうぞ。

○藤井委員

 外来受診時に定額負担を求める方法については、今後も前向きに検討していくべきではありますが、かかりつけ医ということを議論するに当たっては、定義の明確化とともに普及の方法についても明示すべきであり、どのような方法でかかりつけ医の利用を促進させるか、受診行動を変えていくための枠組みのつくり方の検討も必要だと思います。

 例えば、ICT化を利用した大病院との連携強化も必要だと思いますし、あるいは先ほどの議論にもありましたけれども、お子さんの場合、かかりつけ医以外を受診した場合に一定の負担を求めるということも必要ではないかと思います。

 いずれにしましても、前回の議論では外来の機能分化や連携については反対する意見がなかったと思いますので、可能な限り取り組みを前に進めていくべきだと考えます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 松原委員、お願いいたします。

○松原委員

 関連して申し上げます。混同されているようですが、紹介状のない患者さんが200床以上の病院を受診した場合は選定療養でありまして、つまり保険給付外の話ですから、そこで払う分は、例えば、仕事が忙しくて直接大きな病院に行かざるを得ない方とか、どうしても大きな病院にまず診てもらいたい方は、自分で保険の療養と関係なく支払えるという仕組みであり、今回の分は保険給付の中で一部負担金を取る、つまりこれはかつての附則にある3割負担以上を求めないということに対しての間違った判断です。この2つは全く違うものであり、今回のことについては、その負担をとること自体が健康保険法の附則をもともとから変えねばならないということです。国民に対する約束ですから、それをほごにするのは簡単な話ではないということを申し上げたいと思います。

○遠藤部会長

 それでは、井上参考人、お願いいたします。

○井上参考人

 私どもとしては、制度の持続可能性とか頻回受診の適正化ということで、そもそも定額負担を広く求めていくべきだと考えております。それに加えて今回の論点の3つ目について、医療機関の機能や連携を促進する観点ということですが、選定療養費の取り扱いを拡充していくというのは1つ考え方としてあると思います。

 その際、今、御指摘にもありましたけれども、保険財政の負担軽減につながるような形でやることが制度の持続可能性確保の観点からも考えられると思っております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 白川委員どうぞ。

○白川委員

 前回の議論は部会長がおっしゃったとおり、私も含めて慎重論が多かったと思います。今回3ページに論点が示されておりまして、病院と診療所の外来機能に対する機能分化という方向については、多分委員の先生方もほぼ一致していると思いますけれども、それを選定療養のような形で保険外の一定の負担を求めるやり方が今あるわけですが、一番最後の論点にあるとおり、患者負担のあり方について幅広く検討する場合にどのような案が考えられるかということについては、選定療養のように保険外だけではなくて保険内で負担することも考えられる。当然3割負担を維持するという附則がございますので、その問題をどうするのかということ。

 それから、3割負担が上限とはいえ今1割負担、2割負担の方も現実いらっしゃるわけですから、そういう方々の負担をどうするのかという問題。

 それから、今、高額薬剤についていろいろ報道等をされておりまして、国民の関心が非常に高い状態ですけれども、薬に対する負担をどうするのかという話です。こういったことを整理して、一度医療保険部会で議論していくべきではないかと私は考えて、前回もそういうとらえ方をしていただけないかということで事務局に資料を準備していただきたいというお願いをしたと思いますけれども、少し幅広に議論していく段階に来ているのではないかと思っております。

 選定療養は、今、松原委員のおっしゃったとおり保険適用外になっておりますけれども、保険適用内という方法もあるわけでございますので、そういったことも含めて根本から議論を深めたほうがよろしいのではないかと思っております。これは、年内に結論を出さなければいけないという工程表の決めになっているようでございますが、私はそんな上っ面の議論で済むような話ではないと思っておりますので、1年、2年かけてじっくり議論すべきテーマであると再度申し上げておきたいと思います。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 では、伊藤参考人どうぞ。

○伊藤参考人

 私どもの委員が1026日に意見を申し上げておりますが、改めて申し上げますと、外来の機能分化の普及・推進や、初期医療や病診連携の調整といったものの役割を担う機能を普及していくということは重要だと考えております。しかし、患者負担のあり方に着目して幅広く検討するということですが、保険給付の範囲を縮小するという点につきましては、前回申し上げたとおり賛成できませんし、選定療養という形で負担に差をつけることについても、医療機関の地域的な分布の問題もありますし、受診行動を誘導していくことにつながり得るのかということを含めて、まだまだ時間をかけて議論していく必要があると思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。堀委員どうぞ。

○堀委員

 最初の議題の際に、子どものかかりつけ医の話をしたので関連するのですが、論点の3ページの最後にあるかかりつけ医と患者負担のあり方について幅広く検討する場合についての意見を述べます。小さいときの受診行動が適切になると、生涯を通じて賢い患者になると言いますか、その後の将来の健康増進にも非常に大きく影響すると思いますので、子どものかかりつけ医の受診を保険診療の前提とするということは検討の余地があるかと思います。無論、今すぐにできるとはとても思っておりませんが、複数疾患を持つ高齢者についてかかりつけ医の重要性が認識されるのと同じように、子どもについても全人的な医療の必要性が高いと言えると思いますので、将来的には検討していただきたいと思います。

 ただし、これは前回もお話ししましたが、かかりつけ医が何なのかなどの整理ができていないうちに、具体的な登録要件を決められないでしょうし、患者の負担だけ議論が先行するのはどうかと思いますので、そこについては時間をかけて議論していただきたいと思います。

 また、2ページの英国の医療のところで、図を見るだけでは、ちょっとわかりにくいかなと思うところがありますので、前回も述べましたが自分の専門にも関係しますので、イギリスのところだけ簡単に解説を。すぐ終わります。

 保険制度というところで、そもそもイギリスの医療保障は、保険制度ではないです。「9割を占める公的(税財源)」とありますが、実質的には税財源だけではなく保険料の拠出金も財源に入っておりますので広くいうと公的財源ですが、ミックスです。

 それから、登録医の資格というのは、恐らくかかりつけ医機能を持った医師の登録の資格という意味でGPのみと書いてあると思いますが、ゲートオープナー機能を持ったGPはプライマリ・ケアの専門医を意味しますが、ほかの臓器別の専門医も別に登録制度があります。あと、ここでいうGPの登録とは、1人の医師に登録するというのではなくて、診療所単位で登録することが一般的で、その中で複数の医師から選ぶことができます。グループプラクティスがかなり進んでいるということもありますが。あと、GP以外のナースプラクティショナーなどの診療も一部あるということを、これは本議題には関係ないのですが、補足として追加させていただきます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにございますか。樋口委員どうぞ。

○樋口委員

 確かに、今の日本のような世界に冠たるフリーアクセス医療の国では今回の外来時の定額負担というのは、ある程度歯止めをかけ得るのではないかと思いますが、4月に始まったことでございますけれども、ぜひ1年ぐらいしましたら、その効果について具体的な資料を発表していただきたいと思っております。

 おっしゃっている議論に基本的に私は反対ではありません。高齢者の大部分も仕方がないと思っていると思いますが、問題は高齢者に限ってもかかりつけ医がいるという人はどのくらいいるのでしょうか。私はおりません。もし、言えと言われれば国立国際医療センター、ここに一番頻繁にというのは薬の関係がございますから、月1は必ず行っている。ほかに何十年、月1の頻度で長期的に通う医療施設はございません。しかし、国立国際医療センターが私に対して、例えば家で死んだときに、ずっとかかっていたからといって死亡診断書を書いてくれますかと循環器内科の先生に御相談したら、よく考えて「やっぱり書けないでしょうな」というお答えでございました。

 今、かかりつけ医の定義もないというお話がございましたけれども、この資料を見る人は、厚生労働省もかかりつけ医に対して、それほど熱意を入れていないと思うだろうと思います。最初の議論のときに申し上げたと思いますが、今の状態でいいと言っているわけではないし、今回の定額医療費もそれなりに賛成なのですよ。申し上げたいのは、こういうことを公の責任において書くからには、今の日本の確かに無駄の多い医療費のかかり方をどのようにゴールを持っていくのかという、ぜひゴールを示していただきたい。

 例えば、今もお話に出てきましたが、イギリスにおけるGP制度のようなものを本当にゴールにする気だったら、これは絶対に無理です。医者の養成の仕方が違うのですから。このごろのお医者さんも偉いな、よく若いのに勉強しているなと、NHKの番組を見ていると思います。しかし基本的にはそういう医師を育てるということから始めていくべきでしょう。別に医学部にGP専攻などというのをつくらないまでも、研修制度などやはり専門職の育成が必要と存じます。「かかりつけ医」という言葉が定義もなし、権限もなし。診療報酬をはっきりしないままに言われてもなかなか広がらないだろうなということです。でも、方向性として悪いとは思いませんので、もうちょっと具体的なビジョン、ゴールあるいは中間地点というものを示していただけないかなと思います。

○遠藤部会長

 非常に重要な御指摘で、最後を締めていただいたという感じがいたしますけれども、まさに前回いろいろ消極論が出たのは、その辺に1つポイントがあるかと思います。

 それから、もう一つ前半に重要な御指摘をおっしゃられたと思いますけれども、新しく自己負担をふやしたものですから、その影響についての調査をやってください。中医協はバンバンやっているのですが、なぜかこちらはそれに対して余りやっていないような感じもしますので、ぜひやっていただきたいと思います。

 医療課長どうぞ。

○迫井課長

 医療課長でございます。

 御指摘の点、まさに中医協の附帯意見の中でこれに関します調査は行うことにしております。ただ、今年度、来年度と2年度に分けておりますので、先ほど樋口委員がおっしゃったように、1年後にピシッと出せるかどうかという時期の問題はありますけれども、何らかのデータあるいは実態についてはお示しできると理解しておりますので、どのようなデータが御提供できるかといったことも含めて、改めて整理して御報告したいと思います。

○遠藤部会長

 よろしくお願いいたします。

 では、横尾委員どうぞ。

○横尾委員

 これは意見ですけれども、かかりつけ医の普及の観点から、外来時の定額負担というと大変難しい感じがするので、要するに、第3次医療の大型病院にどんどん皆さんが行ってしまうと、重篤な患者さんに手が及ぶ前に重体になった、待合室で大変なことになるよということが大きな趣旨の1つではないかと私は理解していますが、そういうことでよろしいですか。だとしたら、そのことを正面から教育課程の中で教科書にでも書いて啓発するとか、社会教育の生涯学習の中でちゃんと皆さんにも広報したほうが、すっきりしていいのではないかと思います。「かかりつけ医」の定義は曖昧です、ほかの国の制度を見たら「家庭医」と書いてあります、これでは余計混乱していきます。では、本人負担を高く出すかどうかという議論ですけれども、重要なのは、例えば軽く風邪程度なのにたくさんの方が三次医療病院に駆けつけてしまうと、本当に医療を必要とする方が後回しになってしまうおそれがあり、あなたの家族がその人だったらどうするのということをどこかで教えていけば、日本の国民はみんな優秀で理解力もあると信じていますので、そういったこともしていかないと、なかなかこれは解決しないのではないかと率直に今いろいろな議論を聞いて思いましたし、特に直球ボールを投げていただいた樋口委員の話を聞いて強く感じました。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、次の議題でございますが、国民健康保険の保険料の賦課限度額についてを議題といたしたいと思います。事務局から資料の御説明をお願いいたします。

○榎本課長

 国民健康保険課長です。資料2に沿いまして御説明申し上げたいと思います。

 これまで改革工程表の関係でございましたが、今回御報告いたしますのは1ページにございますように、国民健康保険の保険料賦課限度額の上限額の引上げについてです。これまで社会保障・税の一体改革の中で、国民会議において御指摘いただくとともに、平成25年のプログラム法の中でも御指摘をいただいている関係で、例年医療保険部会に御意見を頂戴しているところでございます。

 2ページを御覧いただきますと上の枠にございますが、もともと社会保険で医療保険を運営しているところですが、保険料の負担というのは負担能力に応じて負担していただくということで公平性を確保しております。そういった中で、保険料の負担をいただくときに、できるだけ多く負担能力のある方にはしっかりと負担していただくということでやっておりますが、被保険者の皆様の納付意欲に与える影響、いろいろ実務的な円滑な運営といった観点から、保険料負担には一定の限度を設けるということでこれまでやってきております。今後、高齢化がさらに進みます中で、医療費の増加が見込まれるところですけれども、一方で被保険者の皆さんの所得はなかなか伸びないといった中で対応する対策としては、1つは、保険料負担の上限を上げない中で保険料率を引き上げることで収入を確保する。下のグラフで言いますとマル1のイメージ図ですが、これをすることによって確保するというのが1つのやり方としてございます。ただ、こういたしますと、特に高所得者の方に比べて中間層の所得者の方々の負担がより重くなってまいります。

 もう一つは、保険料の負担の上限を引き上げるというやり方でございます。そうすることでイメージ図のマル2にございますように、一定の高所得の方々により多く負担をいただくことになりますけれども、一方で中間層の方々については、引いているラインの傾きが少し軽くなりますので、そういった意味で中間層に該当する人に配慮した保険料設定が可能になってくるというのが一般的な考え方としてあろうかと思っております。

 こういった中で、国民健康保険におきましては3ページにございますけれども、これまで基本的には例年、毎年引上げを図るということで取り決めをしていただいております。特に近年におきましては赤い枠で囲っておりますが、大体4万円ぐらいの引上げをこれまでやってきている状況です。

 今後どうするかということで御議論いただくことになりますけれども、4ページを御覧いただきますと上の枠にございますが、国民健康保険のこれまでの引き上げの考え方ですけれども、一番上にございますように、被用者保険の取り扱いとバランスをとるということで、負担が限度額を超える世帯の割合について、被用者保険では基本的に被保険者の0.51.5%内となるように決まっているところです。これを引用いたしまして、国保でも負担が限度額を超えている世帯の割合が1.5%に近づくように段階的に引上げを行うということで、これまで取組を進めてまいったところです。

 今年度は、平成29年度に向けてどうするかということを整理しなければならないわけですけれども、昨年この場で御議論いただきましたときに御意見がございました。国民健康保険全般をとってみると、確かに所得の高い方もある程度おられることが明らかになっておりますが、一方で、個々の市町村単位で見てまいりますと、特にローカルな地方の市町村におきましては低中所得の階層の方が多くなっていて、限度額を引き上げてまいりますと、結果的に、相対的に所得の低い方々の保険料額が賦課限度額に該当するような場合もあるという状況があるといった御意見を頂戴しておりました。

 また、国保改革が昨年の法律改正により行われておりますが、平成30年度から都道府県に財政運営の責任主体として参画いただくということで、あわせて公費の拡充なども行うことにしております。そういった状況の中で、平成29年度においてこれをさらに引き上げるということを行うべきかどうかといったところから、一つ御議論をお願いしたいと思っております。

 ちなみに、もし上げるとすればということですが、5ページにございますけれども、国民健康保険の賦課限度額の考え方としましては大きく3つに分けて整理しておりまして、医療費に相当する基礎賦課分、後期高齢者の支援金等分、介護納付金分に分けて限度額を超える世帯の割合がどれくらいになるのかといった割合の大きさを比べて、引き上げのあり方を検討してきているところです。もし、平成29年度に引き上げを図るということで考えますと、超過世帯の割合を比べると、基礎賦課分のところを2.66%となっているものを2.32%、4万円引き上げることで、ほぼ同じような水準に持ってくることができるのではないかと考えまして、もし、平成29年度に引き上げを行えば、この基礎賦課分を4万円引き上げることで対応することとしてはどうかと考えているところです。こういった点も含めまして、先ほど紹介した論点についての御意見を頂戴できればと思っております。

 なお、6ページを御覧いただきますと、実は後期高齢者医療におきましても同様に保険料の賦課限度額の設定がございます。この点につきましては、「検討の方向性」にも書いてございますけれども、実は後期高齢者医療の賦課限度額の引上げにつきましては、例年、保険料率の改定を行うときにあわせて賦課限度額の見直しを行うという取扱いにさせていただいておりまして、それに伴って平成24年、平成26年といった形で引上げをやってきております。今回平成29年度は保険料率の改定を行いませんので見直しは行わないということで整理し、次回の保険料率の改定を行います平成30年度に、そのときの状況を考慮しながら検討するということにさせていただきたいと考えているところでございます。

 御説明は以上になります。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明について御意見・御質問等があれば承りたいと思いますが、いかかでしょうか。

 村岡参考人どうぞ。

○村岡参考人

 岡崎委員提出資料ということで、別刷りのA4縦の資料を出しておりますので、そちらを参考にしていただきたいと思います。1枚目の資料で御説明いたしますが、2枚目以降につきましては、子どもの医療費のときに横尾委員からも御発言がありました、全国市長会の「持続可能で安定的な社会保障制度の構築に関する決議」の内容となっておりますので、御参考に見ていただければと思います。

 基本的に国保の賦課限度額の見直しにつきましては、国民会議の報告書の中にもありますように、負担能力のある高額所得者の方から適正な負担をしていただくという考え方と、被用者保険とのバランスを考慮しながら見直しを行っていく、そういう改革の方向性については異論がないところなのですが、この間の国保賦課限度額の引き上げが必ずしも目的の方向性になっていないという現実がございますので、その点について委員の皆様にも御理解いただければと思って、資料を提出したところでございます。

 資料を見ていただきますと、上の3つの表は東京都の区の保険料、北海道のB市、中国地方のC市ということで資料を出しておりますが、各市町村の保険者の保険料率というのは非常に差がございますので、東京都の場合は大体国の資料で言われる全国平均並みの給与収入等で賦課限度額に到達する所得者が73万円負担しているということになりますが、北海道のB市や中国地方のC市におきましては、非常に所得割や均等割の金額、平等割の金額が高いものですから、結果的に相当低い給与収入700万円弱、給与所得に直しますと500万円程度で賦課限度額に到達するといった方々が限度額の73万円と介護納付金として、これに加えて16万円を負担していく。それにさらに国民年金保険料であったり、税の負担をしている実態でございます。

 それとあわせて、この資料でもわかりますように、1人世帯の方の給与収入の金額と、4人世帯ということになりますと200万円近く差が出てくると。国保の場合には均等割という世帯人数に応じた負担というのがふえてまいりますので、世帯人数が多くなるほど給与収入の金額は下がっていくという制度的な問題がございます。

 こういう賦課限度額の現状の中で、この間平成26年以降に各年4万円ずつの限度額を引き上げてきたわけですが、下3分の1ぐらいのところに「限度額超過世帯の割合を被用者保険と同様の1.5%に設定することについて」ということで記載しておりますが、各保険者は非常に国保財政が厳しい現状にございますので、保険料率を引き上げております。

 中国地方のC市の事例でございますけれども、保険料率については所得割、均等割、平等割と区分がございますので、左端の所得割で見ますと10.5%が10.3%になっていますから、一瞬保険料が下がったような感じになっておりますが、実態といたしましては医療基礎分と後期高齢者支援金分を足したものが医療にかかわる部分ということになりますので、実際には平成23年時点の合わせた13.2%から13.5%ということで、0.3%所得割が上昇いたしまして、それぞれ均等割と平等割の金額は、均等割が医療・後期を合算して6,900円、平等割は3,600円金額が上がっております。

 そうなってきますと、同じ限度額の73万円を取ることになりましても、保険料率が上がっていきますと限度額に到達する所得が下がってまいりますので、一番下の表では1人世帯で541万円の方が、実際には保険料率を改定しておりますので529万円の方が限度額を超える方になりますので、1.5%を目標にすると言いながら、各市町村の保険者が保険料を引き上げていきますと、現実的には1.5%の枠が拡大していくということで、1.5%にはなかなか到達しないというのが現状でございます。そういった意味では、現状の仕組みの中で1.5%を目標にしていくというのは、制度的には非常に無理があると考えております。

 資料を御提示いただきました中で、今回の試算の中で、国がそれぞれ保険料の平均値ということで出しておりますけれども、現実には平成26年の賦課限度額の見直しのときにお示ししていただきました、同じ医療保険部会で資料提示もいただいておりますけれども、その時点の平均の保険料と比較いたしますと、例えば所得割では0.43%、均等割、平等割の金額を合わせて3,000円程度が上昇しているという実態がございますので、先ほど申し上げましたように、各市町村保険者が保険料率を上げていくと、限度額の到達する所得は下がっていくことになりますので、なかなか差が埋まらないというのが現状です。

 そういった意味では、毎年毎年4万円引き上げていくということで、一定高額所得の方からの負担は当然とれるようにはなるのですが、一方で、国が目指すいわゆる中間所得者層の被保険者の負担に配慮するということについては、現実的になかなかできないという実態がございますので、そういった意味では一旦今回の見直しについては立ち止まって、もう少しあり方について議論していくべきではないかと考えております。

 現状の国保の保険料の賦課の仕組みの中で、本当に高所得の方から適正な負担をしていただくということで検討すれば、例えば、所得に応じた賦課限度額の設定を行うという方法であったり、もしくは後期高齢者のように一人一人の所得に応じた負担と限度額設定を行うという方法しか基本的にはないのではないかと考えておりますので、今後、平成30年度から国保の都道府県単位化を行って、各市町村の保険者で保険料の実態が違うというところもございますので、都道府県単位化に当たっては保険料水準の平準化を目指していくということからすると、この差を拡大することになりますと、それにも水を差すといいますか、課題が大きくなっていくということも考えられますので、1回根本的な賦課限度額の設定のあり方を議論しながら、方向性を探るべきではないかと考えておりますので、意見として申し上げます。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでございましょうか。白川委員どうぞ。

○白川委員

 今、御説明いただいたのですけれども、はっきり言って私にはよく理解できませんでした。基本的に、被用者保険は非常にすっきりしておりまして、前回は上限に該当する人が1.5%にも達していなかったのですが、上に3段階ぐらい等級を積んだということで、所得の高い方にはそれなりの保険料負担をしていただこうという考え方で割り切ってそういうことをやっている。今の御説明ですと、私どもに言わせれば、何で保険者が高い保険料を取れるのを拒むのか、はっきり言ってよくわからないんです。国保は、確かに全体の財政規模の3分の1ぐらいを保険料で負担されていると思いますし、一方、医療費は、医療費の高い高齢の方とか疾病を持った方が多いので非常に大変だということは重々認識しているのですけれども、その中でも基本的な考え方として、所得の高い方については国保の中でも同様に負担していただくと。それは1.5%がいいのか、今のお話の中ではどうやったって1.5%にいきませんよという御説明だったかと思いますけれども、ただ、全体の方向としては私はやるべきだと思います。おっしゃるとおり1.5%がいいかどうかという議論はもちろんあるかもしれませんが、所得の高い方については保険料負担をふやしていく、賦課限度額をふやしていくという考え方自体は、私は国保としては当然支持すべき内容だと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 村岡参考人、お願いいたします。

○村岡参考人

 決して国保として高い所得の方から保険料を取りたくないということではございません。制度的に取りたくても取れないような現状になっていることについて御理解いただきたいということで御説明をいたしましたので、私の考え方が間違っているということであれば御指摘いただければと思いますが、現状としてはこういう実態がございますので、仕組み的には本当に取りたい世帯の方からの保険料が取れない現状になっていることについて御理解をいただきたいと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 白川委員どうぞ。

○白川委員

 反論するようで申しわけないのですけれども、中国地方のC市の例を持ち出して、これが1,700の国保にみんな該当するのだと言われても、私どもには理解できないということを申し上げているのであって、考え方としては適切な限度額まで引き上げるというベースで、もしも例外的にこういう例がある、それについてはどういう対応をするかということを国保課と調整していただくということが本来あるべき話ではないかということを前提に、私は意見を申し上げているところでございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 村岡参考人どうぞ。

○村岡参考人

 資料としてはございませんが、中国地方のC市を事例にお示ししましたが、例えば今回の資料の4ページの注2で記載していただいております、平成26年度の所得割の金額、資産割の金額、均等割の金額、世帯割の金額がございますが、平成26年度の賦課限度額の引き上げを検討した社会保障審議会医療保険部会で提出した資料の中での数値というのは、その当時は所得割金額が8%ということでございましたので、現実的に全国的な各保険者の平均的な所得割率、均等割、世帯割の金額は増加しておりますので、中国地方のC市ということだけではなしに、全国平均としても増加しているということで御説明させていただいたところでございます。

 論争するつもりはございませんので、以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 山本参考人どうぞ。

○山本参考人

 資料の4ページの2つ目の○の2つ目の・で、「平成30年度から都道府県が財政運営の責任主体となる制度改革が施行されることを踏まえ、どのように考えるか」という形で書いていただいている部分について、国保課で平成30年度からの仕組みが変わる中で4万円上がって、たしか古いデータを使って今後納付金の計算をしていくはずですが、そのあたりに何か影響があることを想定されて書かれているのかどうかという部分を教えていただきたいと思います。

○遠藤部会長

 国保課長、お願いします。

○榎本課長

 平成30年度におきましては、御承知のとおり今回大きく都道府県単位での財政運営を行うことになりまして、納付金の算定の仕組みが大きく変わってまいります。そういった中で、先ほども御指摘もあったところでございますけれども、あわせて公費の拡充も行いながら、先ほど村岡参考人から御指摘がありましたように、年々上がっていく保険料需要に対応していくことになってまいります。新たな仕組みになってくることも踏まえながら、まず出発点である平成29年の段階でどうあるべきかを御議論いただきたいということでコメントさせていただいております。

○遠藤部会長

 山本参考人どうぞ。

○山本参考人

 国保に関しては別に議論を行う場もありますので、そこでもう少しデータを出していただきまして、影響があるのかないのかを議論させていただければと思いますが、いかがでしょうか。

○遠藤部会長

 国保課長から何かコメントはありますか。

○榎本課長

 御指摘は恐らく事務レベルワーキングなどを想定しておられるかと思いますけれども、時期的に税制改正の対応をどうするかということもあわせて検討する必要がございますので、そこは別途改めて個別に御相談させていただきたいと思っております。

○遠藤部会長

 では、そのように対応をお願いします。

 井上参考人どうぞ。

○井上参考人

 被用者保険の標準報酬月額の上限に達しているグループというのは、1.5%どころか0.6%ほどしかありませんので、制度間の公平性という点から考えて、国保の限度額も当然引き上げていくべきだと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。

 では、ほかに御意見がないようでございますので、本議題につきましてはこれまでとさせていただきます。

 最後の議題としまして「その他」ということで、社会保障審議会療養病床の在り方等に関する特別部会の資料が配付されておりますけれども、これにつきましては資料配付の形で報告にかえさせていただきたいと思います。

 それでは、大体予定の時間になりましたので、本日はこれまでにさせていただきたいと思います。

 次回の開催日については、追って事務局から連絡をするようにお願いします。

 それでは、本日は御多忙の折、御参集いただきまして、どうもありがとうございました。これにて終了いたします。


(了)

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