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2016年8月4日 独立行政法人評価に関する有識者会議 地域医療機能推進WG(第2回)議事録

○日時

平成28年8月4日(木)10:00~12:17


○場所

中央労働委員会労働委員会館講堂(7階) 


○出席者

福井主査、大西構成員、押淵構成員、柿崎構成員、亀岡構成員、坂井構成員

○議事

○福井主査

 それでは、10時になりましたので、柿崎構成員がまだ到着されてはおりませんが、ただいまから、第2回「独立行政法人評価に関する有識者会議地域医療機能推進ワーキンググループ」を開催いたします。構成員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、本当にありがとうございます。本日は藤本構成員が御欠席です。

 はじめに、玉川政策評価官から御挨拶を頂きたいと思います。

 

○政策評価官

 おはようございます。地域医療機能推進ワーキンググループの構成員の皆様方には、お忙しい中、またお暑い中お集まりいただきましてありがとうございます。構成員の皆様には、かねてより、当省所管の独立行政法人の業績の実績等に関する評価に有益な御意見を賜り、重ねて御礼申し上げます。

 はじめに、独法の評価について改めてお話をしたいと思います。御承知のとおり、参考資料2にも付けてありますが、こちらの参考資料21ページにありますように、昨年度より独立行政法人の評価の方法が変更されました。各省に置かれていた独立行政法人評価委員会ではなく、主務大臣が評価を行う仕組みになりました。その際、評価の基準についても、総務大臣が定める「独立行政法人の評価に関する指針」、統一ルールというものに基づいて実施することになりました。指針の下では、5段階、SDによる評定を付けることになっています。参考資料22ページの真ん中に項目別の評定という囲みがあります。ここにあるように、中期目標の達成状況とか中期計画の実施状況等を考慮して評定を付ける。その際、定量的な指標を設定している項目、定量的指標の設定が困難な項目は、いずれもBを標準とすることになっています。そして、目標値の120%以上の場合までB評定ということで、それを超えて、120%を超えた場合にA評定、更に質的に顕著な成果があった場合にはS評定という仕組みに昨年度からなっているところです。

 その実施状況についてどうなったかということです。参考資料6というA4横のパワーポイントの資料を付けています。総務省の方で、各省の評価の実施状況について集計しました。点検結果というものです。参考資料61ページの上の表のところです。それまでの年、平成25年度での評価では93.5%がA評定以上ということで、基本的にA以上の評定が付くところだったのが、平成26年度の評価は全省庁では20.9%ということで、基本はBという、先ほどの評価の基準が実施されています。ただ、その下の※が1つ付いているところですが、外務省47.6%、厚生労働省47.8%、経済産業省56.1%でして、これらの3省ではおおむね半分近くがA評定以上となっています。実は、この3省庁を除くと、全省庁でA評定以上というのは13.8%にまで下がるという状況です。

 こうした状況について、総務省から、詳しくは2ページ以下ということですが、点検結果という報告書が出されています。この点検結果の中では、全体のこうした状況に合わせて、実際の評定項目を付けるに当たっての幾つかの課題も指摘されています。1ページの下の4つの囲みです。例えば、定量的な指標を設定していなくて、定性的な業務実績等に基づいてA評定としているけれども、その根拠・理由が不明確であるとか、複数の数値目標を用いて評価する事項で、達成度が120%以上となっている目標がなかったり、あるいは少なかったりしているにもかかわらず、全体としてAとしていて合理的根拠が不明確なものとか、あるいは1つ飛ばして、目標期間のほぼ毎年度120%、120%、120%という形で達成となっていて、そもそも目標の水準が実績及び達成すべき水準を踏まえたものとなっているのかどうかという点が指摘されているところです。

 具体的には、幾つかの法人については実名が報告書には出ています。こうしたものに対しては、矢印の右側にあるように、例えば2番目の所ですが、個々の数値目標について当該評定に至った根拠、理由で複数のものがある場合、本当にそうなのかを検証するようにとか、あるいは、目標の水準の設定についても、きちんとそうしたものと照らし合わせて判断をするようにという対処が示されているところです。

 最終的な判断については、主務大臣がこの有識者会議、それから法人の監事、理事長の御意見を聴いて付けるというスキームにはなっていますが、厳正なこうした統一ルールにのっとった評価が必要と思っていますので、委員の皆様方にも、こうした指摘もあることも踏まえて、それぞれの御専門の見地から御知見を賜りたいと思います。

 また、併せて、法人の皆様方にもこの場をお借りして一言お話をさせていただきたいと思っています。昨年、あるいはそれ以前に比べて、同様あるいはそれを更に上回るような業績を上げても、場合によっては同じような評価、あるいはそれよりも下がるような評定が付くことも、個別にはあるかと思います。ただそれは、主務大臣が法人のパフォーマンスが下がったと認識をしているのではなくて、その評価を表す基準が、基本的にBというのを達成している、100%以上で目標を達成したという状況にあるのだというレンジが、Bが担う役割が大きくなったのだという基準の違いというところを、昨年もそういう世界になっていたわけですが、こうした御指摘を踏まえて、今年はより厳格に対処していくことになる結果と御理解いただければと思っています。本日は、どうか皆様方、よろしくお願いします。

 

○福井主査

 ありがとうございます。それでは、本日の議事の進め方について、事務局から説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 政策評価官室長補佐の肥沼と申します。どうぞよろしくお願いします。御説明の前に、新任の構成員の方を御紹介します。71日付けで、大西昭郎明治大学国際総合研究所客員研究員に構成員として御就任いただいています。どうぞよろしくお願いします。また、事務局で異動がありましたので、その点についても御紹介します。総合政策・政策評価審議官として酒光が着任していますが、本日、所用のためワーキングへの参加が難しい状況です。また、先ほど御挨拶のありました政策評価官の玉川です。

 それでは、本日の議事について御説明します。本日の議事は、お手元に配布しています議事次第のとおり、地域医療機能推進機構の平成27年度業務実績評価に係る意見聴取です。評価項目ごとに、法人側から業務実績及び自己評価について説明を頂き、有識者の皆様から御意見、御質問を頂きたいと存じます。なお、独立行政法人の評価スケジュール全体については、参考資料1の別添610ページの図のとおりです。本日の意見聴取等を踏まえ、主務大臣による評価を実施することとなります。昨年度の評価の結果については、先ほど政策評価官の玉川がお話しましたように、参考資料6にあるような指摘を受けています。したがいまして、本日御意見を頂く業務実績評価に関しても、総務大臣が定める独立行政法人の評価に関する指針を踏まえ、B評定が標準であること、A評定以上を付す場合には、定量的指標において120%以上の達成度が求められていることに御留意いただきますよう改めてお願いを申し上げます。事務局からは以上です。

 

○福井主査

 ありがとうございます。それでは、地域医療機能推進機構の平成27年度業務実績評価について、御議論をお願いします。はじめに、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項のうち、1-1診療事業等について、地域医療機能推進機構からポイントを絞って簡潔に御説明をお願いします。と言いますのは、これから11項目についてのディスカッションをお願いしますので、1項目大体10分程度を目安に進めていきたいと思います。どうぞ御協力をお願いします。それでは項目別の評価に移ります。最初の1-1についての御説明をお願いします。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 それでは、平成27年度の地域医療機能推進機構の業務実績評価書について御説明します。資料1-12ページを御覧ください。評価項目の説明の前提として、当機構の基本的な運営の考え方について説明します。

1つ目、地域医療、それから地域包括ケアの要として、地域における関係者との連携を進め、時代が求める課題に率先して取り組む、こうした考え方に基づいて、下にJCHO4本柱とある、この4つの事項について重点的に進めているということです。

 もう1つが、当機構については、運営費交付金が交付されない独立行政法人となっています。したがって、財政的に自立した経営を目指す、これが基本的な考え方の2つ目です。こうした基本的な考え方の下で運営をした当機構の平成27年度の実績について説明します。

 資料の5ページ、地域において必要とされる医療等の提供です。評価の視点としては2点あります。1つ目が、広く関係者の意見を聞いて参考とし、地域の実状に応じた運営に努めているか。もう1つは、各病院に期待される機能を発揮するよう体制の整備を進めているかです。

 まず1点目、当機構は、地域の関係者で構成される地域協議会の設置が義務付けられていることが1つの特徴です。昨年のこの有識者会議において、地域協議会の議論、意見を踏まえて、どう病院運営を改善しているかが重要であるとの御議論がありました。JCHO発足後2年目となり、地域協議会における議論を踏まえた対応が進んでおり、全ての病院においてこうした対応を実施するまでに至っています。このページの下の囲みに、主な対応事例を4つほど挙げています。1つ目が、行政からの救急受入れの強化を求める意見に対して、その体制を強化して、平成27年度は救急受入件数を大きく増やした事例。2つ目は、地域ニーズを踏まえて、地元の医師会から要望を受けて地域包括ケア病棟を設置した事例。3つ目は、病院利用者から要望を受けて訪問看護ステーションを開設した事例。4つ目は、病院利用者からの要望を受けて、医療従事者、それから地域住民向けの研修を充実させた事例など、協議会の設置にとどまった平成26年度から比較すると、地域の実状に応じた病院の運営を図ることができたと考えています。

6ページ、中期計画においては、5年間で、JCHOの全57病院が地域医療支援や5事業などの期待される機能を発揮できるよう体制整備を進めるとされています。平成27年度計画においては、平成25年度、これはJCHO発足前の旧団体との比較で、平成25年度と比較して18病院を増やすということを目標としていました。平成27年度は、期待される機能を発揮する病院数は35病院となっていて、平成25年度と比較して22病院の増でして、赤字で囲みにしていますが、この達成率は122%となっています。特に、増加した項目、下に書いてありますが、全ての病院で救急医療を提供する体制を整備したこと。また、地域で必要な医師の育成を行う病院が23病院増加していることなど、地域医療機構でも、中小病院を中心にして、医師確保が厳しさを増す中で、期待される機能の体制の整備、また体制の維持に取り組んで、年度計画の目標について120%を超えて達成したことは大きな成果であると考えています。以上の実績を踏まえて、自己評価はAとしています。以上です。

 

○福井主査

 ありがとうございます。それでは、ただいまの御説明について、御意見、御質問等がありましたらよろしくお願いします。ちなみに、今回は昨年と違って、この構成員の間で、AとするとかBとするとか、そういう結論は出さなくてもいいと伺っています。機構から出されたこの評価についての御意見を出していただければ、最終的には主務大臣の判定になるということですので、どうぞ御意見を賜りたいと思います。

 

○大西構成員

 先ほど事務局からも説明がありましたが、A評価となるためには、指標の増加ということが、かなり重要な視点になるというお話がありました。今の御説明の中で、122%達成されて素晴らしい成果だと思いますが、ほかの定量的な目標を掲げた指標というのは、どのようなものがありましたでしょうか。それについても御紹介いただければと思います。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 評価の資料の本体を御覧いただきたいと思います。4ページを御覧ください。この評価項目において定量的指標の明確な数が設定されているのは、先ほど申し上げました体制整備の35病院の所です。もう1つ、定量的指標としては、地域協議会の開催状況ということで、どのような開催状況になっているかということで設定されています。こちらにありますように、年1回以上開催したところが54病院、年2回以上が18病院、回数全体としては83回ということで、前年度に比べても回数は増えている状況です。

 

○大西構成員

8ページ目の主な定量的指標の所で、紹介率等々もあるのです。こちらのほうは、今の4ページ目には記載はされていませんでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 こちらの紹介率のものについても数値目標としては規定をされていますが、この評価項目については、様々な求められる機能、ほかにも項目がありますが、いずれの項目も満たした病院の数を全体の評価指標として位置付けています。そういう意味では、この紹介率については、そのうちの要件の1つという位置付けです。ちなみにこの紹介率については、基準値である平成25年度との比較で言いますと、地域医療支援病院、これはここに書いているACまでの要件を満たしていることによって地域医療支援病院となっていますので、これらについては1病院増、それから、Aは満たしている病院はありませんが、B1病院増、C1病院増、Dについては5年間で5%紹介率、逆紹介率を伸ばしていく指標にしています。各年1%ずつ伸ばすことによって最終的に5年間で5%の増を目指すことにしているので、平成27年度については2%の増ということを目標にしています。その要件をクリアーしているのが19病院という形で、紹介率についても向上している病院が増えているということです。

 

○福井主査

 ほかにはいかがでしょうか。

 

○坂井構成員

 参考までで結構ですが、病院機能、それぞれ高度とか急性期とかいろいろありますが、協議会等の中で、地域医療の支援ということで求められる役割とか機能が大変増えているのではないかと思いますが、病院の機能は、大体どういう割合で急性期以上なのでしょうか。そこを教えていただけますか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

JCHO57病院については一般病床がほとんどですので、そういう意味では、急性期が多くなっていることは言えると思います。ただ、急性期の中でも、高度急性期という、例えば救命救急センターを設置している病院については2病院になっています。そういうことから、高度ではないですが、一般的な急性期病院が多いと御認識いただければと思います。

 

○坂井構成員

 分かりました。そこで、特に城東病院ですか、地域包括ケア病棟というのを何床ぐらい、その中でなさったとかという情報もお持ちでしたら、ちょっと教えていただけますか。ほかに訪看とかいろいろなさっているような状況もありますし、病院の持つ機能というところから、そのようにいろいろ支援するための役割のための取組をなさっていると思うのですが、そこの辺りのことを教えていただけますでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 今、すみません、御質問の確認です。地域包括ケア病棟の病床数ということですか。

 

○坂井構成員

 はい、病床数です。その中の割合とかです。

 

○福井主査

 それでは後で。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 ちょっと確認をさせていただければと思います。申し訳ありません。

 

○福井主査

 確認した後、お願いします。ほかにはいかがでしょうか。

 

○押淵構成員

 機構の発足当初から、地域の住民の安心の医療を提供するというその理念を大変うれしく思っています。ところで、6ページの一番下の項目ですが、特に増加した項目の中で、地域で必要な医師の育成を行う病院が、25病院から48病院と目覚ましく増えていますが、具体的には、どのような項目、どのような内容を、地域に必要な医師を育成したということで挙げていますか、そこを教えてください。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 ここに掲げていますのは、産科、小児科、救急、麻酔、これらの診療科の医師の育成ということです。

 

○福井主査

 よろしいですか。

 

○大西構成員

 すみません、今の6ページの達成率122%の35病院ということで、その内訳を、その下に特に増加した項目等と書かれた所と照らし合わせて見ていたのですが、どのように35というのは関係がなっているのでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 こちらの35という数字の割出しの仕方ですが、ここについては、年度計画において幾つかの項目に分かれていて、それらをいずれも満たしていることが要件になっています。

 (1)として、地域医療支援機能の体制の整備ということで、先ほど申し上げた紹介率、救急医療の体制の整備、医療機器の共同利用等、地域への研修、ここの(1)が、今の4つの項目で構成されていまして、これをいずれも満たしていることが要件です。それから4つのうちの(2)、5事業の実施ということです。これは5事業のうちいずれか1つの事業を実施するということです。(3)は、地域におけるリハビリテーションの実施ということで、急性期、回復期リハ又は維持期リハ、このいずれか1つを実施していること。(4)のカテゴリーは、その他地域において必要とされる医療等の実施ということで、これは地域包括ケアに関する取組、それから今、話に出ました地域に必要な医師の育成ということで、これをいずれも実施しているということ。こうしたこの4つの事項を全て達成している病院が、平成27年度には35になっているということです。資料1-2ですが、7ページの真ん中の表に「年度計画達成施設」と書いてあります。今、申し上げた4つのカテゴリーの平成27年度の達成状況を書いています。これらをいずれも満たしている病院を抽出しますと35病院になるという考え方です。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 それからすみません、続けてよろしいですか。先ほどの坂井構成員の地域包括病棟の件ですが、資料1-25ページを見ていただくと、真ん中から少し下に表があって、4つ目の行が地域包括ケア病棟になっています。地域包括ケア病棟というのは、保険上では平成26年度から新設されたカテゴリーでして、平成26年度も、我々は地域医療に密着している独立行政法人ですので、16病院を直ちに転換しました。平成27年度の実績としては、6病院増えて22病院。ですから今、JCHO57病院中、半分に近い22病院で、既に地域包括ケア病棟をやっています。22病院のベッド数というお尋ねですので、1,005床ということです。お尋ねの、城東病院というのは、老健を持っていますが、城東病院自体は123床の病院なのですが、1単位を地域包括ケア病棟に転換して37床の地域包括でやっているということです。

 

○坂井構成員

 ありがとうございます。

 

○福井主査

 ほかにはいかがでしょうか。紹介率、逆紹介率についての先ほどの御説明ですと、1年間に1%の向上が目標というのは、一般的に考えて設定自体がかなり低いように思います。地域の事情によるかも分かりませんが、目標値として1%向上を掲げる病院はそれほどないのではないかと思います。感想です、あくまでも。ほかにはいかがですか。よろしいですか。

 それでは、時間のこともありますので、資料1-2、診療事業等質の高い医療の提供に移りたいと思います。機構からの説明をお願いします。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 それでは、資料1-17ページを御覧ください。1-2、質の高い医療の提供です。評価の視点としては、5事業など個別事業・疾病に対する機構全体としての取組が進んでいるか等です。

 まず、5事業です。最初の1つ目の○ですが、まず厚生労働大臣から示された中期目標において、特に取組を求められている、へき地医療の支援です。平成27年度は離島・へき地等の医師不足地域の自治体からの要請に応え、22病院が25か所に対し、医師等を延べ5,006人日派遣しました。

10ページを御覧ください。ここには日本地図がありますが、JCHO病院においても医師確保は困難な状況の中で、全国ネットワークを生かして医師をやり繰りすることにより、派遣数は平成26年度とほぼ同数、それから、派遣先は被災地を含む25か所の2か所増と、へき地等の医療の確保に取り組んだところです。

7ページに戻って、5事業のうち救急についてです。救急医療は平成27年度計画において、救急受入患者数、平成25年度比2.0%増を目標としていましたが、各病院が救急医療体制の充実に努めた結果、年度計画の達成を上回り、更に中期計画の目標である平成25年度比5.0%増を上回る5.1%増を達成しました。囲みにあるように、達成率としては255%となっております。

8ページを御覧ください。周産期医療については、集約化による大学からの派遣医師数の減にもかかわらず、分娩数はほぼ前年度水準を維持しております。また、ハイリスク分娩数、母体搬送数、母体搬送受入数については、年度目標を達成し、地域における機能分化の中での役割を着実に果たしたものと考えております。小児救急については、ほぼ前年度水準を維持しているところです。

 災害医療については、全病院での医療救護班の整備、訓練の参加に努めました。また、今年度の熊本地震においても、厚生労働省、自治体からの要請に応え、DMAT医療班の派遣について、適切に対応したところです。

 リハビリテーションです。当機構は、理学療法士や作業療法士などの専門職を多く雇用しております。そうした病院の責務として、専門職の確保が難しい市町村が行う介護予防等の事業に関して、リハビリ専門職を積極的に派遣しました。平成27年度は468回と、平成25年度比で159%となっております。

9ページを御覧ください。5疾病・認知症対策についてです。まず、5疾病については、地域連携クリティカルパスの実施が2,449件と、平成25年度比144%となり、地域の医療関係者との連携による医療の提供の中心的な役割の強化を図りました。また、認知症対策については、物忘れ外来の設置を拡大するとともに、看護師だけではなく、リハビリ専門職等の医療従事者にも対象拡大し、認知症ケア向上のための研修を実施し、認知症対策を推進しました。以上、へき地等の医師派遣、救急受入患者の大幅な増加など、機構全体としての取組は大きく進んでいることから、自己評価はAとしております。以上です。

 

○福井主査

 それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問等ありましたら、よろしくお願いします。

 

○亀岡構成員

 どうもありがとうございました。この評価のされ方の中に、2種類のされ方があると思います。1つは平成25年度と比較して、どれだけ増加したかということ。それと、当年度は中期計画のどこまでいくのかという、2つがあると思います。中期計画はよく分かるのですが、それの具体的な数字だけ時々ポツッと出るのですが、当年度が平成25年度に比較して、どれだけ増えていくのだということ、それはどこを見れば分かりますか。具体的に、当年度はどれだけ目標になっているかということです。中期計画は全部分かるのですが、中期計画では5%というのも分かるのですが、当年度は2%なのか、3%なのかとかいうのは、どこで分かるのでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 評価書、資料1-2を御覧ください。例えば、24ページを御覧いただくと、左から4つ目に主な評価指標という欄があります。このページにおいては、救急医療ですが、救急車による救急患者の受入数、平成25年度に比し2%以上増加という指標としております。

 

○亀岡構成員

 すみません、私が聞きたかったのは、達成率が255%だったとありました、この255%の根拠の基です。説明では2%でいいのを5%以上やったのだから、255%だと言われているわけですよね。計算の仕方は、今、分かりましたが、平成25年度が2%でいいのだという、だから255%の達成だと言われているわけですよね。平成27年度の達成のどこに目標があるのかというところを教えていただきたいのです。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 亀岡先生の御質問は、総括表的なものがないのかということですかね。項目ごとの。それはまだ取り分けて作っていませんので、早急に作って御提示するようにしたいと思います。今、お尋ねのパワーポイントのほうの7ページの255%で囲っている所、これの根っこを、では、100%が幾つで2.5倍だから250という、そこの根っこの数字はどこかということです。

 

○福井主査

 これは分母を2として、分子に5.1を持ってきている計算です。達成率というのはこういう計算なのですか。ほかの所もみんな。事務局に伺いたいのですが、どの省庁でも達成率の計算をするときに、このような計算でされているのでしょうか。

 

○総合政策・政策評価審議官

 指標によって、もちろん計算の仕方はいろいろとあると思うのですが、この場合だと、救急患者の受入数というものが、目標になると思いますので、2%増であれば、平成25年度に2%を掛けた数字が分母になって、分子は平成27年度の受入数になるのが普通の考え方かなとは思います。ですから、82,800102%を掛けた数字が分母になって、87,000が分子になるというのが、多分、普通の考え方かなと思います。

 

○政策評価官

 細かいところまで、指針の中で書き込んでいるわけではありません。が、例えば、こうした伸び率で見ると、何らかの事情があって対前年同期と同じような数字があった場合に、進捗としてはゼロなのですが、何%になるのか。あるいは逆に減ったときにはマイナスがそこで付いてしまうのか。それは評価するときに、非常に逆に低い評価を呼びかねないようなところもあるので、そうした逆ぶれするようなことも含めて、通常は元の数字のところで見るのが一般的だろうと思います。そこは見方を整理する必要があろうかと思います。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 今のところに関連して、先ほどの福井先生の紹介率が1年で1%というのが、どうかということについてです。これも少なくとも平成16年に立ち上げた国立病院機構、2回、15年、2期目5年の10年間、55%という紹介率の経緯で目標設定しました。それで、昨年もこの場で議論がありましたが、目標設定の仕方が変わっていて、去年は我々のほうが中期の5年間と1年間が似たような同じ数字でやってしまったというところがあって、今回、中期のほうは変えることがなかなかできませんでしたので、55%ということは変えられなかった。ですから、5か年ですから、割って1年が1%という形にさせていただいて、ベースになる比較が独法移行前の3団体、平成25年の数字ということで計画していますから、平成25年度の数字に比べて、もう平成27年度ですから、今年の場合は2%上がっているかどうかというのが、まず100%達成しているかどうかという前提で作らせていただいたということです。

 ですので、さっきの福井先生の、1年で1%がいいのか悪いのかというところは、正直、その議論が、まず、今できない。中期でも5%というのが決まってしまっているので、なかなか難しいのです。それから、今、御提案いただいた、そもそも5年間を先読みして、医療の現場に診療報酬の改定もあるし、患者さんの動向も変わる中で、救急車の数がずっと右肩上がりで増えるような目標を、国立病院もどこも設定せざるを得ない状況なのですが、こういった設定の仕方が5年先を本当に読めるのかという問題は分かった上で、2年前に設定しているものですので、その辺のところはちょっと斟酌して評価していただければと思います。

 

○亀岡構成員

 最後、確認です。達成率255%の計算の仕方は、妥当だと判断されているのでしょうか。それとも、今、いろいろな御意見を伺ったところで、私はちょっと、この計算の仕方はどうなのかと、個人的には思っているのですが。

 

○地域医療機能推進機構監事(石尾)

 ここでいうところの進捗率というのは、多分に年度の5か年計画の途中の、もともと計画していた数値に対して、現状何%になっているからというだけの話で、本来それでいくと、5年経過して、5%なら5%が達成できていれば、進捗100という話なのです。ですから、進捗でなら何合目まで来たかというものと、目標値に対してどれだけできたかという設定の仕方なので、先生のお考えの中は、何合目まで来ているのというところのような気がするのです。その場合だと、もう今は100を超えているわけですから、110何%というのが、多分、正しいとは思いますが、そこは考え方の違いかなとは思います。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 私のほうもよろしいですか。亀岡先生のお話についてですが、255と書くこと自体に意味があるとは我々も思っておりません。このページでは、※の所で世の中は、ではどうだったのかと。平成26年と平成27年で、これは消防庁の調べということで、1.1%ぐらいは世の中も救急車の受入れが増えているのではないかというのをベースにして見ても、5.1%ということで、JCHOがありますので、120を超えているかどうかという、ABかみたいなつまらないことを言っているのではなくて、このように汗はかいていますということを表したかったということですので、よろしくお願いいたします。

 

○柿崎構成員

 このへき地への医師派遣の話ですが、非常に素晴らしいことだと思いますが、これ以上評価の仕方を煩雑化させるのも私は本意ではありませんので、ないならないで結構ですが、何人派遣して、結果はどうなったかというほうが、評価しやすいのではないかと思うのです。つまり、3,000人しか必要とされていないのに、6,000人派遣したというような状態は、全く意味がないわけですよね。ですから、向こうサイドがどのように改善されたかというのを書いていただくと、ここのやっていることの素晴らしさも分かるし、私たちも評価しやすいです。つまり、去年は減っているけれど、別に減ったからといって、もしかすると非常にマッチングしてうまくいっているかもしれないし、逆に増やしたからといっても、事態がより悪化していれば、改善率は少ないわけなのです。ただ、すごく難しい。これにまた時間を割くことは私は本意ではありませんので、あればいいなというだけです。

 

○福井主査

 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、1-3に進みたいと思います。診療事業と高齢社会に対応した地域包括ケアの実施についてです。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 それでは、11ページを御覧ください。こちらの項目の評価の視点としては、地域包括支援センター、老健施設、訪問看護ステーションの運営等、地域包括ケアの推進に努めているかについてです。まずは個別の事業の前に、機構本部、機構全体としての取組について説明します。(4)です。JCHOの使命である地域包括ケアについて、組織を挙げて推進するため、全病院に地域包括ケア推進室を設置し、院長、副院長をトップとする推進体制を構築しております。

2つ目の○ですが、機構本部において、地域包括ケアに関する好事例集を作成しました。この好事例集は、機構内だけではなく、病院団体、介護事業者団体、自治体等にも広く周知しており、地域包括ケアへの参画を検討する際の我が国全体のモデルとして活用できるものと考えております。このように本部のリーダーシップの下、機構一丸となって地域包括ケアに取り組んでおり、以下に説明する各事業のほか、例えば、先ほど出た、国が推進している地域包括ケア病棟についても、平成27年度で22病院と、地域ニーズに応えて、設置を進めております。

 それでは、(1)地域包括支援センターです。こちらは10病院が市町村から受託しております。平成27年度については、新たに事業として位置付けられた認知症推進事業に積極的に取り組むとともに、介護予防サービス計画の作成数は、23,099件と、平成26年度と比較して、135.1%と大きく増加しております。

12ページを御覧ください。26病院が併設している老健施設については、国の施策を踏まえ、在宅復帰支援の強化と、医療ニーズの高い方の受入れの強化に取り組みました。まず、在宅復帰支援の強化については、20施設が在宅復帰率50%又は30%以上の施設となり、全26施設の在宅復帰率の平均は、平成26年度から11.7ポイント増の43.4%となっており、これは全国平均との比較においても大きく上回っております。また、病院と一体的に運営されている特徴を生かし、創傷の処置など医療ニーズの高い方を積極的に受け入れました。

 (3)訪問看護です。地域包括ケアにおいて重要な役割を果たす訪問看護については、JCHOとしてステーションの開設、機能強化の支援と、地域の医療機関とも連携した訪問看護の積極的な提供に取り組んでおります。平成27年度、訪問看護ステーションは、平成26年度から5病院増えた20病院が設置し、このうち、機能強化型、人員配置が手厚い看取り等にも対応する機能が高いステーションも2施設あります。また、病院で実施する訪問看護の件数も含めた訪問看護全体の件数は102,946件、平成26年度比124.2%と、これも大きく増加しております。

 (4)の認知症対策については、先ほど御説明したように、着実に推進しております。以上、機構全体として、地域包括ケアに取り組んだ結果、いずれの事業も平成26年度から大きく進展しており、全国的にも高い水準になっていることから、自己評価はAとしております。以上です。

 

○福井主査

 それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問等ありましたら、お願いします。

 

○押淵構成員

 この地域医療機能推進機構が、地域包括ケアシステムの構築に貢献しておられることは、大変素晴らしいことだと思っております。先ほどから病院の理念の中で、地域に根ざして住民の安全を確保するという意味でも、大変な貢献だと思っております。9ページにもある認知症ケア向上のための研修や、12ページにある認知症対策の中での研修の実施ということが述べられておりますが、この機構での主たる研修の対象者は、地域ケアに当たっている職員の質の向上のためのものか、あるいは認知症という特性からしてみて、地域住民の方々のリーダー、例えば民生委員であったり、介護に従事している方々、あるいは認知症サポーターだとか、そういった方への研修の対象を広げておられるのか。場合によっては、いろいろな周辺の医療機関の医療職の方々の質の向上のための研修を進めておられるのか。こういったところが分かりましたら教えていただきたいと思っています。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 今、御質問のありました認知症関係の研修の対象ということですが、資料1-250ページ、51ページを御覧ください。50ページの下のほうに、在宅医療・介護関係者への研修とあります。医療従事者に対する研修、それから介護従事者に対する研修ですが、こちらについては平成26年度と比較しても、平成27年度は医療従事者に対する研修は56病院、介護従事者に対する研修についても37病院が、かなりの回数で実施しております。こうした中には当然、認知症のケアに関する事項も入っております。

 

○大西構成員

 御説明どうもありがとうございました。ここで挙げられている評価指標というのは、昨年度との比較という形、また、全国平均との比較ということで、非常に分かりやすくまとめていただけたので、大変進捗が進んでいることがよく分かりました。全病院に地域包括ケア推進室というのを設置された、これも素晴らしいことだと思うのですが、ここの具体的な活動の内容についても少し教えていただけますでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 平成26年度の初年度に、直ちに全病院に、JCHOの場合は病院本体と、26の病院は老健施設を併設しております。それから、訪問看護をできる病院が、今現在、39まで拡大しているという中で、病院の組織の院長先生、副院長先生ということで、老健とかに口出ししないという3団体のカルチャーがありましたので、地域包括というのは、医療も介護も、尾身理事長がいつも言っているシームレスにやっていかないといけないということから、そういった意味では、院長先生か又は副院長先生級の方に、そこの地域包括の室長になっていただいて、施設の中を横串で全て見られる、指示できる方に就任していただきました。

 組織を挙げて取り組むということで、自治体からも信頼をいただいて、地域包括支援センターを新たに受託させていただいたり、地域の育成のプログラムに参加させていただくことができるなど、先ほど押淵先生が言われた51ページの認知症対策、特に長崎でいうと、JCHO諫早が平成27年度から認知症疾患医療センターとなっています。ですから、御質問していただいたのだと思うのですが、そういう地域の認識も改められて、本当に自治体が指名してくれないとなれない。幾ら厚生労働省の独法といっても、それだけではなれないような役割を、地域や自治体から信頼を得て、指名していただいているというところです。

 大西先生の今の御質問ですが、そこは理事長が一番気にしていて、全てを、老健も口出しし、訪問看護や介護にも口出しし、もちろん本業の医療のほうも指揮ができるという者を指名して、一体としてやっていってくださいというのが本務であり、それが57病院、一斉にできたので、相当、医療も介護も進むようになったということです。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 ちょっと補足させていただきます。資料1-241ページに書いてあるのですが、2つ目の真ん中辺りですが、「地域包括ケア推進室長会議の開催」の中に、4行ぐらいあって、地域包括ケアの推進に関する当面の方針というものを示しています。要は今の話にありましたが、まず自分が持っている医療や介護の施設を一体的に運営するというお話と、地域のいろいろな自治体や事業者の方がおられますが、そういう方々と提携を進めるというお話。それと、もう1つは、市町村の事業を積極的に受け入れて、その自治体に貢献する。そのようなことを推進したところです。

 

○福井主査

 ほかにはいかがでしょうか。

 

○柿崎構成員

 老健施設の在宅復帰率はどうやって出しているのか。それと、すごく全国平均よりいいということなのですが、これだけ違うと何か要因というか、このようにしているから、このようになるのだというところがあると、上のほうに書いてあるのかもしれませんが、ちょっと説明を頂きたい。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 すみません。在宅復帰率の計算の仕方は、ちょっと確認させていただきます。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

47ページです。柿崎先生が御指摘のとおりですが、全国平均というのは、ここに※で出展元が書いてありますが、平成275月の全老健調査というものからいただいて、計算をしているということです。

 

○柿崎構成員

 いや、分母と分子。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 先ほどと同じ考え方の確認でよろしいでしょうか。

 

○柿崎構成員

 ええ。つまり老健施設に入ってきた人で帰った人、単純ですから、100人入ってきて50人帰ったら50%と、そういうことなのですが。在宅に復帰した率。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 失礼しました。お答えいたします。全入所者を分母。

 

○地域医療機能推進機構理事(中野)

 これは、退所者に対する数ですね。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 全退所者分母にいたしまして。

 

○地域医療機能推進機構理事(中野)

 分母が退所者です。出た人です。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 退所者を分母にして、在宅に戻られた方を分子として算出します。

 

○柿崎構成員

 逆に言うと退所率でもいいわけですね、そうすると。

 

○地域医療機能推進機構理事(内野)

 でも、計算式ではそのように定められておりますので、分母は退所者数を分母にして出す。

 

○柿崎構成員

100人来て43人帰ったということですか。

 

○地域医療機能推進機構理事(中野)

 いや、100人が退所した中で、43人が御自宅に帰られたという、このような計算式なのです。

 

○柿崎構成員

 いや、私の考えと同じですよね。だから、100人のうち43人帰ったということですよね。別のことを言っているのですか。

 

○地域医療機能推進機構理事(中野)

100人出たうちの43人がおうちに帰ったということです。

 

○柿崎構成員

100人出たうちですか。なるほどね。あとの57人はどうなるのですか。

 

○地域医療機能推進機構理事(中野)

 そういう方は老健施設にいらっしゃるのですね。

 

○柿崎構成員

100人出たうちではないですよね。100人入ってきたうち、43人帰ったという意味ではないですか。

 

○福井主査

 残っている人のことは言っていないようですね。

 

○柿崎構成員

 残っている人ではなくて、全く別のことを言っていると言っていましたけど。帰ったうちの43人なのか、入ったうちの43人なのか。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 出た人で、自宅に戻ったという人の数ということなので。

 

○柿崎構成員

 出た人で、出たのに戻っていない人はどこにいるのか。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 出た人は必ず自宅に戻るということではありません。

 

○地域医療機能推進機構理事(中野)

 病院に入る方もいらっしゃいます。

 

○柿崎構成員

 それがなぜ、これだけ10%も差が付くのでしょうか。これだけあると何か。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 これは我々、JCHOの老健施設がしっかりと取り組んでいるということだと思っておりますが、まず、入所したときから退所に向けたプログラムを作成して、それに向けたリハビリ、それから退所後の生活を支えるための訪問リハビリテーションですとか、また、悪くなったときに入れるような短期入所の受入枠の拡大ですとか、このような在宅に戻ってもいいような体制の整備を、地域の介護事業者とも連携して体制の整備を整えているといった成果であると考えております。

 

○地域医療機能推進機構監事(石尾)

 補足すると、全国の老健というのは、ほとんど民間がやられている所が多いのですが、民間の老健に入られている入所者の5割以上の方々が、実は特別養護老人ホームとかに行きたいのだけれども、行けないで、そこで待機していると。特養待ちのような形で、空けば行きますというような形の方たちが多い中で、JCHOの中においては、そういう方たちも一定割合はいますが、主に自宅に戻っていただくというような、本来の中間施設としての老健の機能を強化してきたということです。

 

○福井主査

 ほかにはいかがでしょうか。

 

○柿崎構成員

 なぜ、お聞きしたかというと、それがもし、よいことであるということとするのなら、これだけ差が付くのであれば、これは一般化したほうが世の中のためになるのではないかということです。つまり、独立行政法人の評価だけで、何か中華料理店の秘伝のたれみたいなことでやっておくよりも、一般化したほうが、好事例集が上にもありますが、そのほうがいいのではないかと思った次第でした。

 

○地域医療機能推進機構理事(中野)

 そもそも老健施設は中間的な施設ですので、JCHOは本来の姿をやっているとお認めいただきたいと思っております。

 

○柿崎構成員

 いや、やっていることを一般化したほうが、つまりJCHOだけではなくて、世の中のためになるのではないのでしょうかということです。

 

○地域医療機能推進機構理事(内野)

 私はずっと民間の畑におりましたが、民間は商売でやりますけれども、JCHOは商売でやっていないということなのです、この差は。それだけだと思います。ですから、恐らくこれは民間には広げられないと思います。

 

○柿崎構成員

 そうすると、平均する意味はどこに出てくるのでしょうか、根本的に。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 好事例集などは冊子などの印刷物にして、使っていただけるかどうかは別として、固有名詞は出せませんが、皆さんが知っているパブリックのほかの団体などにもお配りし、JCHOではこういう取組をしているということで、やらせていただいています。

 それから、柿崎先生が言っている、このパーセントは、やはり飛び抜けて出るのですが、それは去年もそうでしたが、お話したこの3団体が、さぼっていたということではなくて、社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院という、異なる民間の病院であったので、決算修正も経理もなかなかうまくやっていなかったという状態から、変えていますから、訪問看護などといったところを、今、一生懸命やっているわけです。

 ですから、結果としては、今のところ、バーッと上がるのは、これはしょうがない。ですから、秘伝のたれは一応、手引などの印刷物にして配布はしているという、努力はしております。パブリックですから。

 

○柿崎構成員

 この全国平均の中に民間は入っているわけですか。

 

○地域医療機能推進機構理事(中野)

 全て入っています。いわゆる老健施設全般に入っています。

 

○柿崎構成員

 ただ、先ほどおっしゃられたことからすると、入れるとおかしくなってこないですか。つまり、それほど民間と非民間の差があるのであれば、混ぜて平均を出してしまうと。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 要するに、今までは、先ほど大西先生からもあったように、老健は老健として独立して社会保険病院はやっていて、本体の病院は病院で院長先生がやっていて、老健は老健のセンター長が管理していて、経理も異なる11本の経理だったということですから、運営の仕方を一体として、今は地域のために貢献するように一生懸命やっているのです。それは結果としては、今、ものすごく一気に出てしまうというところは否めないと。秘伝のたれは一生懸命印刷して配っているところですので、その辺のところは御評価いただければと思います。

 

○福井主査

JCHOの経験を外部発信していただくということで、それを超えたシステムは、JCHOの力が今のところは及ばないところがありますので。

 

○地域医療機能推進機構理事(中野)

 参考までに事例集を今日はお持ちしておりますので、後ほど配らせていただきます。このような形です。

 

○柿崎構成員

 また、何か新しくやるという話はないですか。また、手間が増えますから。これやっているばかりで本業がおろそかになってもいけませんので。

 

○福井主査

 ほかにはよろしいでしょうか。理解できていないのかも分かりませんが、全国平均値をここに持ってきて比べるのは、平成26年度の値がないからということでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 そういうことではありません。

 

○福井主査

 ほかの所は平成26年度比になっているのですが、ここだけ全国平均をもってきているのは、何か理由があるのですか。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 昨年、こちらのほうの考えで、非常にアクティビティにやっているのだけれども、評価の仕方が見えづらいところもあったので、参考までに全国平均値を昨年提示しました。一生懸命やっているという指標の1つとして、あくまでも参考に提示したものであり、これは定量的指標としては入れておりません。

 

○福井主査

 そうですか。分かりました。

 

○亀岡構成員

 特に質問ではありませんが、先ほどからずっと見せていただくと、平成25年度比があったり、平成26年度比があったり、全国平均比があったりと、判断するのに何か一貫性のない数字がずっと並んできているので、趣旨が余りよく見えない部分があります。是非、できれば一貫した数字を頂くといいのですが。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 中期目標なり年度計画で、数値目標が示されているものは、全て平成25年度比なのです。ですから、その関係は平成25年度比で示しているので、それ以外、定量的な指標がないものについて、何らかの物差しが必要だろうということで、基本的には前年度との比較をしています。先ほど厚生労働省のほうからお話があったように、厚生労働省の評価のときに、全国平均を指標にして評価していただいたものがあったので、それは全国平均との比較を使わせていただいているという整理です。

 

○亀岡構成員

 分かりました。

 

○福井主査

 改善という場合、どちらかというと時系列で、自分の施設の中での改善の度合いを見るのが一般的ではないかと思います。

 それではすみませんが、時間のこともありますので、次の1-4、調査研究事業に移りたいと思います。機構から説明をお願いします。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

13ページを御覧ください。調査研究事業です。評価の視点としては、地域医療機能の向上に係る調査研究を行うための取組を進めているかです。まず、地域医療機能の向上に係る調査研究の推進については、(1)2つ目のポツにあるように、研究環境の整備として、医学文献検索を行うことができる電子ジャーナルの導入を推進するなどしました。

 また、(2)の臨床研究と治験については、ほぼ平成26年度と同程度の実施、また掲載に当たって、専門家から事前に内容を査定する査読のある医学雑誌に掲載された論文数は、平成26年度から5本増の307本、うち英文の論文については150本となっております。この項目については、おおむね計画どおりに進捗したと考えており、自己評価はBとしております。

 

○福井主査

 構成員の皆様から、何か御質問、御意見がございましたらお願いいたします。よろしいですか。

 それでは、1-5の教育研修事業に移ります。機構からの説明をお願いします。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

14ページ、1-5、教育研修事業です。評価の視点としては、総合的な診療能力を有する医師の育成、質の高い看護師の育成のための研修を行っているか、地域の医療・介護従事者、地域住民に対する研修に取り組んでいるかです。

 まず、総合診療医の育成です。現在の高齢社会において、幅広い領域の疾病に適切に対応できる総合的な診療能力を持つ医師は時代が求めるものであり、JCHOとして、その育成に機構全体として取り組んでおります。平成27年度は総合診療医プログラムを策定する病院が20病院に増加、他の病院と連携して診療医プログラムに取り組む協力病院は37病院と、いずれも増加しております。また、本部においても、JCHO版の総合診療医プログラムの平成29年度からの運用開始に向けた準備を進めているところです。

 下のほうの○の質の高い看護師を育成するための研修です。これについては、独法で唯一の教育機関として開講している認定看護管理者教育課程や認知症看護、在宅療養支援など、地域包括ケアに重点を置いた研修を実施しました。

 また、平成2710月に施行された看護師の特定行為研修については、東京新宿メディカルセンターが独法として唯一の指定を受け、率先して特定行為を行うことができる看護師の育成に取り組んでおります。また、ここには書いておりませんが、平成29年度から機構全体として、指定研修機関となるための準備も進めているところです。

15ページは、地域の医療・介護従事者、地域住民に対する研修の実施についてです。各病院が地域医療、地域包括ケアの要として役割を果たす上で、地域の医療・介護従事者の質の向上や連携の強化、こうしたことを目的として、糖尿病や感染予防、喀痰吸引などの研修を実施すること、また住民の健康の維持・確保のために健康相談会などを開催することについては、重要な取組であると考えております。平成27年度は、全病院がこうした研修に積極的に取り組み、開催回数は合計で2,133回、平成26年度と比べて120%、参加者数は64,723人と、平成26年度比で127%と大きく増加しております。以上、医療従事者や地域住民に対する研修については、平成26年度から大きく進展しており、地域の医療・介護の質の向上、地域住民の健康に貢献しているということで、自己評価はAとしております。

 

○福井主査

 構成員の皆様、いかがでしょうか。

 

○押淵構成員

14ページの総合診療医のプログラムの問題ですが、策定病院が20、協力病院が37と出ています。この中で、例えば策定病院の中でも、かつ、ほかの施設との協力病院も兼ねているような、重複している所はありますか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 ございます。

 

○押淵構成員

 どれぐらいありますか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

10病院です。

 

○押淵構成員

 そうしますと、全体のJCHOに参加の病院の57あるうちの、延べ57というわけではないということになりますね。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 はい。全ての病院が対応できる体制の整備が必要ですので、JCHOの病院の中にも医師の少ない病院、体制の脆弱な病院もありますので、そうした病院については現時点においては対応できていないというのが現状です。

 

○押淵構成員

57病院中、47病院は既にそのプログラムを持っているということですか。

 

○地域医療機能推進機構理事長

 今の総合診療医の話ですが、実は前の3つの組織のときには、総合診療医を養成するというインセンティブはほとんどなかったと思います。JCHOになってから、これを1つの柱として始めて、まだ全部ではないのですが、これはまた来年に報告する機会があると思いますが、今、本部の中で、全病院が何らかの形で総合診療医に関わるような計画をしておりますから、来年になったら報告できると思います。

 

○福井主査

 ここにはいろいろな数値が出ていますが、平成26年度比で、目標に対する達成度ではないのですね。目標値なのか、平成26年度の数値との比較なのかは明確にしていただくことが、SABCDの評価をする上で必要です。これは、あらかじめ目標値を設定して、その目標値を超えたということでしょうか。確認です。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 こちらについては、年度計画において、こうした研修等について積極的に取り組むという形で位置付けており、数値的な目標については設定しておりませんが、各病院で体制の取れる限り取り組むようにということで、本部からも申し伝えているところです。

 

○地域医療機能推進機構理事(中野)

 あえて目標値となっていないのは、突き詰めれば100%の病院がなるべきだと考えますので、あくまでも平成26年度をベースにどのぐらい増えたということでしか表現ができておりません。目標値をあえて言うならば、100%全部の病院ということになりますが、ここでは目標値という形では掲げてございません。

 

○福井主査

 目標の100%に比べた数値ではないわけですね。

 

○地域医療機能推進機構理事(中野)

 これは平成26年度比です。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 あと、押淵先生からの研修の話で、61ページに出ていることについてです。正確にお伝えできたかどうか分かりませんので発言させていただいていますが、総合診療医プログラムは、後期のほうでいくと、協力病院であれば37、平成26年度が17病院です。20病院、1年間で、協力病院であればと対応しました。JCHOは小さな病院が多ございますので、単独病院で全てできるようなという大きな病院は、国立病院でないので、ほとんどございませんが、このようにやっているということです。この表に表すとおり、一生懸命増やしているということは御理解いただければと思います。

 

○大西構成員

 いろいろと御尽力されていることは大変よく分かりました。今、指標の議論がありましたが、この120%というのが、必ずしも目標を20%余計に達成したという趣旨ではなくて、昨年に比べてどうだったかということであり、もっと言えば57病院の中の数ですから、当然16病院、20病院と増えてくれば、毎年20%ずつ余計に達成するという性格のものでも必ずしもないということですから、そこは注意して見なければいけないということです。

 

○坂井構成員

 質の高い看護師の育成ということで、唯一の教育機関という形の中の認定看護管理の関係です。これはそういう意味でいきますと、この独法だけではなくて、ほかの所の独法の人とか民間とか、そういう所からの受入れもあるのか、あるいは自分の所でのいろいろな基準を設けて、そこに受けてもいいとか、そういう基準があるのか。と言いますのが、64ページの認定看護管理者の教育課程の受講者数というのは、それほどの差ではないのですが下がっているというのは、自分の所にいる職員が、一定のそういう基準を満たしたとか、行ける人がいないとか、そういう部分も含めて、少し教えてください。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 まず、この認定看護管理者研修ですが、当機構で行っている研修については、当機構の職員だけでなく、他の医療機関からも参加しています。昨年度については、サードレベルで10名の方、セカンドレベルで6名の方、合計16名の方が外部から受講されています。

 

○坂井構成員

 あくまでもここの数字というのは独法の分ですか、これは全体の受講者を示しているのですか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 この評価書には、当機構の数字だけを載せております。

 

○福井主査

 よろしいでしょうか。次に移ります。1-6のその他の事項について、説明をお願いいたします。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

16ページのその他の事項です。評価の視点は、患者の視点に立った医療の提供や医療安全対策の標準化を進めているかです。

 主な業務実績として1つ目の○です。患者満足度調査について、平成27年度に初めて全病院統一の調査項目で実施し、今後の調査結果と比較することにより、継続的なサービスの質を管理することができる仕組みを整備しました。また、2つ目の○の医療安全対策については、平成2710月に改正された医療事故調査制度に対応するためのマニュアルの作成、また医療安全情報の発出、研修の実施など、医療安全管理の質の向上の確保に努めました。本項目については、おおむね計画どおりに進捗したと考えており、自己評価はBとしております。

 

○福井主査

 構成員の皆様からいかがでしょうか。

 

○大西構成員

 患者満足度調査の結果について、少し教えていただけますでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

1-2の資料の72ページから74ページにかけて書いております。73ページの上のほうですが、地域医療機構病院全体の評価ポイントを項目別に見ると、「医師」、「看護師」、「当院を利用したい」は入院、外来ともに高く、患者の求める医療・看護が提供され、地域に必要とされている病院であることが伺えると分析しております。また、職員の接遇についても評価が高いという分析をしております。

 こうした評価については、各病院に個別にフィードバックをして、改善の状況を求めることにより、PDCAサイクルを回していきたいと考えております。

 

○福井主査

 多くの病院で、Quality Indicatorを用いた医療の質の評価と改善を行っていますが、JCHOではそのような取組はされているのでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 こちらは先ほどの13ページの調査研究事業の所の(1)の最初のポツです。これはもともと平成27年度の計画において、臨床評価指標を作成することを規定しており、平成27年度については31項目策定し、各病院に活用するよう促しております。既に幾つかの項目については、この評価指標以降に改善が見られている状況になっております。

 

○福井主査

 その全体像については、本部で把握されているのでしょうか、各病院に任せているのでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 これらについては、今回の31項目で策定しておりますが、これで終わりではなく、実施状況に応じて、この項目について見直しは行っていきたいと思っております。また、その実施状況についても、分析ソフト等を活用して把握をし、見直しを行っていきたいと考えております。

 

○福井主査

 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは2-1、業務運営体制に移ります。説明をお願いいたします。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

17ページです。業務運営体制の1つ目の効率的な業務運営体制の確立に係る事項です。評価の視点は、業務運営の効率化として、管理部門のスリム化、病院組織のスリム化が進んでいるか、適正な内部統制の確保に努めているかなどです。

 この事項についてはポイントを絞って説明させていただきます。ポイントは3点です。まず1つ目、(1)の本部指導による移転プロジェクトの推進です。現在、機構内で建て替えを必要とする病院の中には、地域の医療ニーズとのミスマッチを原因として患者数が減少して経営が悪化している病院が存在し、これはJCHO発足前の旧団体からの大きな課題となっておりました。旧団体時代には、病院の建て替えは病院任せになっておりましたが、JCHO発足2年目を迎えて、本部主導によりこうした旧団体から継続する課題の解決に着手いたしました。具体的には、地域に求められる病院機能の調整や、その機能を果たすにふさわしい移転用地の確保について、自治体との協議、折衝を本部主導で実施しました。資料19ページです。平成27年度においては、御覧の7自治体との協議を行いました。例えば真ん中にある登別です。登別病院は、老朽化し立地条件も悪く経営が悪化していたところです。この登別病院について、登別市長と理事長とで会談を重ね、協議開始から僅か半年余りで地域との協議も整い、登別駅に近く、バス等の交通の至便な市有地への移転が決定するなど、こうした取組により旧団体からの課題について、行政や地域を巻き込んで解決の道筋を付けることができました。

17ページにお戻りください。2つ目のポイント、管理部門のスリム化です。各病院の事務職については、平成26年度も102人削減したところですが、引き続き適正な職員数への見直し、本部による医薬品等の共同購入の実施による事務負担の軽減などにより、平成27年度中に平成26年度比170%の173人を削減し、管理部門のスリム化を一層進めました。

18ページです。3つ目のポイント、(5)の内部統制に関する取組です。独立行政法人通則法の改正により、平成27年度から内部統制の取組が義務付けられました。機構においては他の類似独法に先駆けてリスクマネジメントの手法を取り入れ、独自のリスクマップを作成して対策優先リスクを選定し、機構内の規定の周知徹底、遵守状況の点検を重点的に進めるなど、内部統制の強化を図ったところです。

 以上の3点を中心に業務運営の効率化に積極的に取り組み、目に見える成果を挙げることができたことから、自己評価はAとしております。

 

○福井主査

 構成員の皆様からの御質問、御意見等をどうぞ。

 

○亀岡構成員

2つお聞きします。1つは、17ページの主な業務実績の(2)です。昨年は102名の削減、今年は173名の削減ということになっていて、適正な職員数への見直しということになっています。これは昨年に比べて今年の削減人数が多いというのが1つの評価になっているのかもしれませんが、私は合わせて275名の削減と理解しました。結果的にこれはまだ途中なのか、更に削減していかなくてはいけないのでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 結論から言うと、全く途中です。要するに、JCHOの個別法に、職員の承継義務というのは、国立病院や労災のようなものがなかったのですが、一応社会通念というか、JCHOのミッションに賛同すると手を挙げていただいた3団体の方は、やはり理事長は雇用せざるを得ないという一般社会常識的な見知もありましたので採用しました。

 やはり、3団体の事務職というのは、普通のパブリックの事務職の人数からすると、相当多いという実情はあります。ですから、これはまだ緒についたばかりで、昨年度も係長試験という、内部で事務職が上がっていくような昇任試験というものにも取り組みました。今年度は、有期雇用の事務職で雇わざるを得なかった人についても、やる気があって常勤に登用するかどうかというのを実施します。すなわち、亀岡先生からの御質問については緒についたばかりで、この数字に満足しているわけではないです。ただ、余りに労務とか社会的に批判を招くような乱暴なことをするつもりでもなく、非常に難しい中でやらせていただいているというところで御評価いただけないかということです。

 

○亀岡構成員

 基本的に5年間でやっていくということでよろしいですね。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 はい。

 

○亀岡構成員

 もう1点です。87ページの(6)、会計監査人による監査の実施の中に、指摘事項があった場合、全病院に対してそのことを徹底して、改善状況の確認を行ったということです。ということは、指摘状況については改善されたと理解してよろしいのでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 平成27年度の中で、御指摘いただいた事項についての改善は終わっております。ただ、これも先ほどの事務職の削減と同じで、新たな話を見つけた場合は、オンゴーイングで更に続けているところでして、繰り返しなのですが、そういう意味では継続して何回もやっているという状況です。

 

○亀岡構成員

 今、お聞きしたかったのは、何かが発見されたときにはその部分だけをパッチのようにするのではなくて、仕組みの何が問題だということでやっていれば、今後生じないというようなことの話を伺いたかったのです。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 そのように指導し、また改めるべく、通知なり現場へ行っての指導をしているのですが、なかなかパブリックの常識というのは民間の真逆なものですから、1回で浸透する場合もあれば、そうでない場合もあるということです。きちんと指導してやっているのですねということでしたら、イエスです。

 

○坂井構成員

 細かいことを聞いて悪いのですが、資料の83ページと84ページです。83ページの参考の部分で平成27年度の施設間職員派遣者数と、84ページの冒頭の医師等派遣実施状況の数字の部分と、18ページの職員配置の表との関係を教えてほしいのです。ただ、コメディカルのマイナス9というのが、どういうコメディカルの職種なのか。

 というのは、リハビリ等は市町村支援ということで、地域医療に貢献しているという数字が上がっていたと思いますし、実施する所も増えている、いろいろ来ましたとおっしゃっていたと思うのですが、そういったような部分とのリンクというか、そういう意味合いの中で、少し教えていただけますか。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

84ページの一番上のほうのコメディカルのマイナス9の件は、施設間ということで、JCHOA病院からJCHOの足りないというB病院に助けに行くという援助で、JCHO内の病院同士の調整です。平成26年度中のヘルプは18件あったのだけれども、平成27年度でいくと9人で、そういう意味では9人減っているということです。対外的な支援の数字ではありません。グループ内の調整の話です。

 

○坂井構成員

 グループ内で調整できたけれども、それぞれこのようにしなくても、そこでの採用があったということですか。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 採用できる場合は地元で採用させていただく、まずそれを優先しますが、それでもできないということがあります。そういう意味では本当に薬剤師が足りない、検査技師が足りなくて支障を来すということであれば、余裕があるわけではないのですが、JCHO内のほかの病院から駆け付けるという連携の話です。

 

○坂井構成員

 それで、うまく外にも支援ができた、地域医療への貢献ができたということですか。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 それは冒頭のほうで見ていただいたドクターなどは、対外的な支援です。OTPTでもやらせていただいております。

 

○福井主査

 削減の対象になった事務職は、資料1-2では年俸制職員以外の一般職員約2,300人が分母なのでしょうか。全体では何人いて、その中の170人なのでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 事務職、常勤の職員数は、平成26年で2,449人、平成27年で2,276人ですので、大体2,2002,300人が分母です。

 

○大西構成員

 いろいろ組織を新しくされていくということは、大変御苦労されてるところだと思うのです。昨年はBだったとお伺いしているのですが、これをAにされたというのは、どの部分が御自身の中の評価の項目としては高く見られているところでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 実は、3つのカルチャーの違う3団体を1つにまとめるということが、本当にできるのかというのが、平成26年のJCHO立ち上げのトライアルでした。

 大変な困難の中やらせていただいて、昨年も我々の自己査定はAでエントリーさせていただいたのですが、真摯に御議論いただいた中で、まだスタートしたばかりだということと、まずは立ち上がって船出したばかりなのでというところもあって、昨年はBという決着の御評価でなかったかと思います。これは我々のほうではよく分からないものです。

 今、先生に御指摘いただいた面で、更に手を休めることなく、どんどんやっていかないと、鉄は熱いうちに打てということですので、移行のとき以上に、移行のときには目や手が届かなかった所も、どんどん休まずにやらせていただいているという意味で、再度Aということでエントリーさせていただいた次第です。

 

○大西構成員

 順調に進んできているということですね。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 結果も出しているという自負がございますので、Aでいかがかということです。

 

○福井主査

 それでは次に進みます。2-2の業務運営体制のIT化に関する事項です。説明をお願いいたします。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

20ページを御覧ください。ITに関する事項です。これは、昨年度の有識者会議で御説明したように、JCHOでは、JCHOクラウド最適化計画に基づき、クラウド・プロジェクト第1期計画を遂行しているところです。平成27年度におきましては、東日本、西日本の2か所のデータセンターにクラウドサーバー基盤を設置し、6病院での病院基幹情報システムの稼働を開始するという計画でした。計画どおり開始をいたしました。しかしながら、帳票出力の応答に計画以上の時間がかかるなど、一部に当初の要求条件を満たさない事象が発生したため、最終的な検収の終了が平成27年度内に終了せず、平成286月末となりました。

 この評価項目については、200300床規模の複数病院のクラウド化、それから電子カルテを同時稼働させる実績は皆無であることなど、難易度が高いと設定されていることも踏まえ、検収が年度内に終了しなかったものの、計画で予定をいたしました6病院についての稼働は実現したということから、自己評価についてはBとしております。

 

○福井主査

 構成員の皆様、いかがでしょうか。これは、もともと平成27年度は6病院での稼働という計画だったのでしょうか。最初の計画は、全部の病院が対象というわけではなかったのでしょうか。クラウドにするということについて。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 順次進めていくということでやらせていただいて、平成27年度に契約をしたのが、平成27年度は6病院導入という契約になっているという建付けです。

 

○福井主査

 そうですか。検収が平成27年度内に終わらなかったということは、目標は達成していないということですね。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 一応平成27年度末までの期間で、6病院導入するということでやらせていただいたのですが、昨年も御議論いただいたように、本邦初の話でしたので、予期せぬ調整の不具合等が発生し、検収に至るのが若干遅れたという意味です。そういう意味では、少しオーバーランをしたのは事実です。しかし、内容的にはなかなか難しいところの調整をさせていただいたということがありますので、Bでいかがかということでお諮りしている次第です。

 

○福井主査

 柿崎構成員どうぞ。

 

○柿崎構成員

 評価に関する指針のBの説明の、中期計画による初期の目標を達成している、ということに当てはまるということですか。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

ITのところについての中期計画というのは、個別ということでは実際こういうところはありませんので、この辺のところの各年度、年度の評価というのが、昨年出している事業計画となるのではないかと思うのです。そういう意味でいくと、先ほど福井先生から御指摘のあったように、3月で終わるべきではないのかというところは議論になるとは考えております。全体がこれでどうかという議論は、なかなか不透明かという気はいたします。

 

○福井主査

 今年度はいくつの病院で稼働を考えているのでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 一応6病院が若干想定よりも3か月ちょっと遅れる形でした。それで、その6病院も630日に一応検収を終えたところです。去年お示しした最適化というか、JCHOで作ったクラウドに向けての計画自体を抜本的に見直そうかということも、JCHO内であります。先生のご質問は、具体的に平成28年度はどのぐらいの数でというご下問ですか。

 

○福井主査

 はい。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 本日は84日で、クラウドの決着が630日についたものですから、今そこは具体的にお示しするものは現在のところありません。

 

○柿崎構成員

Bには達している、達していない、どっちなのですか。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 契約的にオーバーランしたということは事実あります。内容的に困難であるというのは昨年度お認めいただいていたという認識がありますので、そういう意味でBでいかがかと当方では考えているという次第です。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 参考資料2に基準の紙があります。これの2ページに評定の考え方が書いてあります。真ん中に定量的指標を設定している項目と、設定していない項目で分かれています。下のほうの、設定が困難な項目については具体的なことは書かれていないのですけれども、このITの話で言えば、稼働はしたわけです。検収は若干遅れたけれども。だから、稼働をしたということをもってB評定という考え方もあると思うのです。仮にC評定だと考えたとしても、その下の※で「その難易度が高いとされた項目は1段階引き上げる」と書かれているので、いずれにしてもBということに、基準からするとなるのではないかと判断しました。

 

○福井主査

 難易度が高い理由をもう一回説明していただけますか。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 資料1-2の。

 

○福井主査

 このクラウド・プロジェクトの難易度が高いという理由です。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 資料1-292ページを御覧ください。自己評価の所の下のほうに難易度高の理由というのがあります。「200300床規模の複数病院をクラウド化し」うんぬんというのは「日本では皆無」だと。また、うんぬんで「先行事例もない」ということで、難易度が高いと判断しております。これは昨年度、厚生労働省のほうから、こういう理由で難易度高ということでお認めいただいたものです。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 補足いたします。この難易度が高いということについて、昨年度の評価の後、参考資料にもありましたが、総務省の点検が行われるに当たり、この項目について難易度が高いのかどうかということについて、総務省から厚生労働省のほうにも確認があったと承知しております。その際にお答えした理由として、私のほうから概要説明いたしますと、1つは病院システムについては、複数の病院グループであっても、各病院においては、その病院の医師の要望によって、それぞれカスタマイズがされて独自のシステムになっていることから、その統一された病院システムを導入することは、そうした病院内の理解を得なければならないという困難さがあるということが1つです。

 それから、電子カルテシステムについては、世界最先端IT国家創造宣言において、平成30年までの標準化、全国展開の方針が示されているところですが、現状ではデータシステムの仕様の標準化は進んでいないことから、そのシステムを共有化するということについては難易度が高いというように整理をして、総務省のほうにも回答して御理解をいただいたと承知しております。

 

○政策評価官

 補足させていただきます。先ほど、難易度の高い項目についての御発言がありました。本日の参考資料310ページで、「目標で設定された難易度の高い項目に限り、評定を1段階引き上げることについて考慮する」と言っていますが、考慮しなければならないとは必ずしもなっているわけではありません。「ただし、評定を引き上げる場合は、評定を引き上げるにふさわしいとした根拠について、量的及び質的の両面について、具体的かつ明確に記述するものとする」というのが指針です。難易度はこういう形で決まっているわけですけれども、評定を引き上げるかどうかということは、それを踏まえて、また主務大臣において判断をすることになると思います。

 

○福井主査

 余り時間を取りたくないのですけれども、先行事例がないから難しいという場合、これはテクニカルに、つまりカルテのハード面で技術的に難しいという話をされているのか、それともソフトの側面で、こういうプロジェクトを進めることが難しいと言っているのか、そこのところがよく分かりません。これは技術的にはできるということになっている話だと思います。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 先生のおっしゃるとおりだと思うのです。我々携わった人間の経験からすると、Webで飛ばすときに、インハウスのサーバーの場合よりも、接続のときの問題があるとか、設計してこれぐらいのスピードでいくと考えていたけれども、接続した場合に、なかなか想定外のことが起こるというところがまず1つあった。ですから、ハードの技術的な話と、あとはマインド的な、現場で操作する職員側の、今までインハウスで使っていたシステムから、Webで飛ばすというところのやり方が異なることへの対応と、二面性があったと思います。

 

○福井主査

 ありがとうございます。時間が足りなくなってきました。10分ほど延長でお願いしたいと思います。2-3の業務運営の見直しや効率化による収支改善について説明をお願いします。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

21ページを御覧ください。こちらの項目についての評価の視点としては、経営意識と経営力の向上、適正な給与水準など、収支改善に取り組んでいるかです。各病院の経営意識と経営力の向上については、本部から経営分析指標等のデータを提示し、院長等に対する各種の研修を実施するとともに、赤字病院に対しては本部による経営指導を重点的に実施するなど、経営力の向上に取り組んだ結果、赤字で記してあるように、平成27年度は経常収支が黒字の病院が4病院増加し、42病院。赤字病院は4病院減少し15病院と、平成26年度に引き続き、収支の改善が図られました。

22ページを御覧ください。収支の改善について、収益面については、地域ニーズに対応した医療・介護を提供することにより増収に努めた結果、平成26年度から69.2億円増加し、102%の増収が図られました。(3)の費用面ですけれども、業務コストの節減に取り組んだところです。当機構は独立行政法人ですが、人事院勧告にそのまま準拠することなく、独自の判断基準により対応し、これを一律に適用するのではなく、各病院の経営状況に応じ、メリハリのある給与・賞与水準といたしました。技能職のアウトソーシングの推進による削減、先ほど御説明しました事務職員の削減等により、人件費率については平成26年度と比べて0.5ポイント減少させることができました。また本部の経費である一般管理費については、平成26年度から17.5%の削減ということで、中期目標の達成するまでに徹底した経費削減に努めました。

 以上、収支改善に係る様々な取組の積み重ねにより、2年連続で赤字病院を減少させて、大幅な収支改善を実現していることから、自己評価はAとしております。

 

○福井主査

 構成員の皆様、いかがでしょうか。大西構成員どうぞ。

 

○大西構成員

 一番下の達成率292%というのは大変気になるのですが、これはどういう分子・分母で計算されているかを教えてください。

 

○亀岡構成員

 今の件は、私からお答えします。94ページの様式1-1-4-22-3の数字を見ると、基準値が245,800万円になっております。平成26年が207,000万円、平成27年が202,900万円になっています。実はこの差額分、つまり最終年度までに15%下げるということは、全部で42,900万円になります。当年度は6%まででいいのですよとなると、14,700万円だけ当年度は下げればいいと。それに対して42,900万円まで下げてしまったために、分子を42,900万円で、分母を14,700万円にしたので、291.7%となっております。私は、これはどうなのかと思っています。

 私は、やるべき姿というのは、5年間で15%であるならば、毎年3%ずつという計画を立てられているわけですので、このときには6%ですから231,000万円でいいのですよと。それに対して202,900万円で行っているのだから、それでやると114%ですというのが、一般的に私ども数字を見る人間からすれば、他の事業体と比較するのならそういう比較をしないと、多分いけないのかと思います。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 御説明いただきましてありがとうございます。亀岡先生のおっしゃるとおりなのですけれども、ここは国立病院のときにもと言うか、全独法が、管理費は大体5年間の中期期間であれば15%削減というのが、オーソドックスになっているところです。繰り返しませんけれども、御指摘をいただいたとおり表記したほうが私もいいと思います。ただ、これは名残りと言ったらあれですけれども、5年の分を一遍にやっていた形があります。先生に御説明をいただいたとおり、94ページにあるように245,800万円というのは、3団体の最後のときの、3団体の本部の管理費の合計です。その出発点から、平成26年度で相当改めているのですが、更に太ることなく、平成27年度もバックヤードと言うか、管理組織のスリム化はきちんとやらせていただいているというのがお伝えしたい趣旨です。数字については、来年度から改めさせていただくとして、この変遷の数字で御評価いただければ有り難いと思います。

 

○大西構成員

 大変よく分かりました。そうすると、この年度計画値というのは、ずっと245,800万円というのが並んでいますけれども、これを維持されていくということになると、逆に言うと来年は一般管理が増えていく可能性もあると理解したほうがいいのでしょうか。それとも、その計画そのものが見直されて、もっと低い目標に変えていくということになっていくのか。この辺りは、この数字をずっと維持していくと200%、300%ということになるのか、よく分からない数字になるのか分かりませんが、並ぶことになってくると思いますので、ちょっと難しいと思います。

 

○地域医療機能推進機構理事(宇口)

 ここも、5年で15%というベースがあったものですから、そこの5年間の中期目標、中期計画というのは変えられないと思いますので、表記の仕方自体を、先生から御提案がありましたように、こここそ13%ということで割ってやっていって、ここで書きたかったのは大西先生の御指摘のとおり、全部245,800万円を頭に入れていると。これは、3団体の出発点がこうだという意味で書いているだけです。予算が上がるという認識では我々もおりません。

 ですから、いつもこれだけアドバンテージを取ってしまいましたので、この24億円に対してどうだということではなくて、去年に対してどうだとか、53%として達成できているのかということを目標にしたら、というのはそのとおりだと思いますので、改めさせていただきます。

 

○亀岡構成員

 今のお話のとおりですけれども、先ほど私が説明した245,800万円をスタートとすると、この目標年度の計画値というのが、毎年245,800万円でなくて、平成26年度が238,400万円、平成27年度が231,000万円、平成28年度が223,000万円、平成29年度が216,000万円、平成30年度が208,900万円ということでちょうど15%になります。それに対して実績はどうなのかというのを入れて比較をするのが本来の姿かと思います。当然実質的な計画が変わることはあるとしても、基準年度はそうなっていくのかと思います。

 

○福井主査

 それでは3-1に進みます。財務内容の改善に関する事項の説明をお願いします。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

23ページを御覧ください。財務内容の改善です。評価の視点としては、経常収支率が100%以上になっているかです。この評価項目については、全国的に公的医療機関は厳しい経営状況に置かれていることを踏まえ、難易度が高いという設定がされております。(1)にあるように、経営改善については、先ほど来説明してきましたように、地域ニーズに対応した医療・介護の提供により、収益の増を図るとともに、メリハリのある賞与の支給や、共同購入による徹底した費用の抑制を図りつつ、必要な医療機器の整備等を、前年度を上回る投資を行った上で、約34億円の経常利益を確保し、経常収支率は100.9%と黒字経営を達成いたしました。

 赤字病院数についても、平成26年度から4病院減少して15病院となり、病院単位で見ても、前年度に引き続き大幅な経営改善が図られたものと考えております。その他の事項についても適切に対応しております。以上、公的医療機関の経営が困難な状況において、経常収支率100%以上を達成していることから、自己評価は、1段階引き上げてAとしております。

 

○福井主査

 構成員の皆様からの御意見、御質問をお願いします。亀岡構成員どうぞ。

 

○亀岡構成員

1つ教えていただきたいのですが、24ページの3で、不要財産又は不要財産となることが見込まれる財産がある場合には当該財産処分に関する計画の所で、平成27年度に調査が終わったように書かれています。そして平成28年度にその処分を行うとあります。もう平成28年度も8月に入っているわけですけれども、どれぐらいの予定金額になっているのでしょうか。そこだけ教えていただけますか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 すみません、ちょっと確認をさせていただきます。

 

○福井主査

 後ほどになりますか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 件数だけ申し上げますと、14物件で作業を進めております。

 

○福井主査

 これも難易度が高ということで、Aを付けてこられたとのことです。よろしければ最後の項目に移ります。4-1のその他業務運営に関する重要事項の説明をお願いします。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

27ページです。その他業務運営に関する重要事項については、医師、看護師確保対策、医療機器・施設整備等をおおむね計画どおりに進捗したと考えております。自己評価はBとしております。

 

○福井主査

 構成員の皆様からいかがでしょうか。特に問題なければ、これで審議を終わりたいと思います。次に、法人の監事より、業務の監査結果等を取りまとめた監査報告について御説明いただくとともに、監査等を踏まえた現在の法人の業務運営の状況や今後の課題、改善方針等についてコメントをお願いします。

 

○地域医療機能推進機構監事(石尾)

 監事の石尾です。本年度の監査について御説明いたします。ファイル綴じになっている資料の一番後ろの別冊の資料1-4に監査報告書が添付されていますので、参考としていただければと思います。独立行政法人通則法第19条及び第38条の規定に基づき、独立行政法人地域医療機能推進機構の平成27事業年度の業務、事業報告書、決算報告書、財務諸表について監査を実施いたしました。監査の方法及びその内容については時間の都合もありますので、添付されております監査報告書を参考としていただくことで割愛させていただき、監査の結果について御説明いたします。

1番目、法人の業務は法令等に従い適正に実施され、また、中期目標の着実な達成に向け、効果的かつ効率的に実施しているものと認められました。2番目、内部統制のシステムに関しては、業務方法書の記載内容は相当であると認めます。また、内部統制システムに関する理事長の職務執行について、指摘すべき重要な事項は認められませんでした。3番目、役員の職務の執行に関する不正の行為又は法令等に違反する重大な事実は認められておりません。4番目、財務諸表に関してですが、財務諸表等に係る会計監査人、新日本有限責任監査法人の監査方法及び結果は相当であると認めております。5番目、事業報告書については法令に従い、法人の状況を正しく示しているものと認めます。6番目、独立行政法人改革等に関する基本的な方針等、過去の閣議決定において定められた監査事項について違反する事実等は認められませんでした。

 続いて、監査等の状況を踏まえ、法人の業務運営の状況や、今後の課題、改善方法等について御説明いたします。今、本部のほうからも説明がありましたが、平成27年度の決算は、人事院勧告等を参考にした給与改定に伴う人件費の増加がかなりありました。それから、新しい建物の建て替えであるとか、医療機器整備等も前年度を上回る水準で実施したことから、減価償却費等が大幅に増加いたしました。それにもかかわらず、年度計画で定めた経常収支率100%以上を達成できたということは、他の公的医療機関の経営状況から見ても、相当目覚ましいものがあるのではないかと考えております。また、赤字病院も4病院減少して15病院になったということも1つの評価すべき点であると考えております。

 それから、内部統制システムの構築は、昨年度から取り組み出したものですが、平成276月に本部内に内部統制監査部という新しい組織を設置し、その中においてリスクマネジメントの手法で、いわゆる存在するリスクの優先度合、損害規模の大きさを測ることを目的としてリスクマップをいち早く作り、優先的に取り組む課題を明確にして、メリハリを付けて対応してきているということは、当初計画していた進捗度合よりかなり進んだという感じを受けております。

 今後ですが、機構発足から2年が経過いたしました。これまでのJCHO本部からの指示とか、中期計画目標達成へ向けた取組等が、まだまだ各病院の各職員に確実に伝わっているかというところについては、まだ不断の努力が必要であろうということですので、そういうところに的確な指導等を進めていく必要性があるのではないかと考えています。

 また、我々監事は理事長との面談や、役員会の際に意見を申し上げるとともに、何かそういうことにおいて改善すべき事項があった場合には、今後も積極的に助言をしていきたいと考えています。

 

○福井主査

 続いて、法人の理事長より、日々のマネジメントを踏まえ、現在の法人の業務運営の状況や、今後の課題、改善方針等についてコメントを頂ければと思います。

 

○地域医療機能推進機構理事長

 本日は有識者の皆様から、当機構の平成27年度業務実績について、様々な御意見やアドバイスをいただきまして本当にありがとうございます。当機構の運営については、地域・時代が求める課題に率先して取り組むことが1つ目。もう1つは財政的に自立した運営を目指すという、この2つの基本的な考えの下に、この1年間、本部それから現場である病院が一体になって取り組んでまいりました。その結果、救急患者の受入数の大幅な増加、先ほど議論のありました訪問看護の充実、それから老健施設等々の強化など、地域医療、地域包括の領域において、地域に貢献できたと私は思っております。

 また平成27年度の経常収支率は100.9%ということで、2年連続して目標の100%を達成し、赤字病院の数も去年の19から15病院に減りました。したがって、全体として私は満足できる結果だと思っています。しかし同時に、監事のほうから御指摘のとおり、来年に向けての課題も明らかになってきたと思います。特にガバナンス上の問題では御指摘のありましたように、本部の指示がなかなか現場に必ずしも100%届かないという現状がありますので、こうした点を中心に、更に医療あるいは介護のほうでも、今まで以上に頑張りたいと思っております。

 内部統制の構築についても、これから両監事との面談を含め、独立行政法人にふさわしいガバナンスを今まで以上に高めることに努めていきたいと思います。本日の御議論の中でいただいた御意見や御指摘を踏まえ、職員一同これからも頑張る所存ですので、引き続きこれからも御指導、御支援のほどをよろしくお願いいたします。本日は本当にどうもありがとうございました。

 

○福井主査

 ありがとうございました。もう時間が過ぎておりますが、構成員の皆様よろしいでしょうか。それでは、地域医療機能推進機構の平成27年度業務実績評価に係る今後の取扱いについて、事務局から説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 本日、法人から説明のありました業務実績及び自己評価に対して、構成員の皆様方から寄せられた御意見や、法人の監事及び理事長のコメントなども踏まえ、厚生労働大臣による評価として決定し、その評価結果について法人に通知するとともに、公表いたします。決定した内容については、後日、構成員の皆様方にもお送りいたします。

 最後になりますが、本日配布させていただいた資料の送付を御希望される場合には、事務局より送付いたしますので、机の上にそのままにして御退席いただきますようお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○福井主査

 以上とさせていただきます。長時間にわたり、熱心な御議論をありがとうございました。


(了)

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