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2016年10月26日 第99回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成28年10月26日(水)15:00〜16:06


○場所

グランドアーク半蔵門 華の間


○議題

1.骨太2016、経済・財政再生計画改革工程表の指摘事項について
 (1)かかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担について
 (2)スイッチOTC化された医療用医薬品の保険給付率の在り方について
2.その他

○議事

○遠藤部会長

 定刻になりましたので、ただいまより第99回「医療保険部会」を開催したいと思います。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。

 まず、本日の委員の出欠状況について御報告を申し上げます。本日は、岩村委員、岡崎委員、武久委員、福田委員より御欠席の御連絡をいただいております。また、樋口委員からは少々遅れるとの御連絡をいただいております。

 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りいたします。

 岡崎委員の代理として村岡参考人、福田委員の代理として山本参考人の出席につき、御承認をいただければと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、議事に移らせていただきます。

 本日は、「骨太2016、経済・財政再生計画改革工程表の指摘事項について」及び「その他」の2つを議題としたいと思います。

 初めに、「骨太2016、経済・財政再生計画改革工程表の指摘事項について」を議題といたします。

 資料が提出されておりますので、事務局から資料説明をお願いしたいと思います。

○宮本課長

 保険課長でございます。

 私からは、資料1−1について御説明をさせていただきます。

 「かかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担について」ということでございまして、1ページ目に、閣議決定、アクション・プログラムというのが書いてございまして、2ページ目の赤囲みの矢印の中に、かかりつけ医普及の観点から、かかりつけ医以外を受診した場合における定額負担を導入することについて関係審議会等において検討し、2016年末までに結論となってございます。

 3ページをごらんください。外来の機能の分化・連携の推進ということで、かかりつけ医の普及を図り、かかりつけ医が患者の状態や価値観も踏まえ、医療をサポートする「ゲートオープナー」機能を確立するということで、現在、大きく2つの取り組みがなされております。左側が診療報酬における対応で、認知症に対する主治医機能の評価、小児に対するかかりつけ医の評価、地域包括診療料、地域包括診療加算ということで、いわゆるかかりつけ医機能というものを診療報酬で評価しているのが一つでございます。

 もう一つが右側でございますが、さきの改正で入りました、紹介状なしで大病院を受診した場合の定額負担を導入しているということでございます。

 4ページ目ですけれども、従来、外来機能の分化に対して医療保険制度上の措置がどのようになっていたかというのを少しさかのぼって見てみますと、医療保険制度においては、一定規模以上の病院において、紹介状なしに受診した患者等に係る初診料等を適正な評価とするとともに、保険外併用療養費の枠組みを活用し、病院・診療所における外来機能の分化を図っています。病床数が20床以上の病院である場合には、いわゆる特定療養費というのも取ることができるということでございます。

 2つ目の○で、一方、診療報酬上の措置は、定率負担のもとでは、診療報酬が低く評価されたほうが患者負担が安くなるという問題が伴う。また、選定療養は、活用の有無や料金水準が病院の選択に委ねられているほか、診療報酬への上乗せとなる。そういう限界もあったということでございます。

 そこで、5ページ、先ほども申し上げましたけれども、昨年の改正で、一定規模以上の保険医療機関については定額の徴収を責務とするということで、特定機能病院及び一般病床500床以上の地域医療支援病院については、現行の選定療養のもとで、定額の徴収を責務とするということ。定額負担は、徴収する金額の最低金額として設定するとともに、初診については5,000円、歯科は3,000円、再診については2,500円、歯科は1,500円とするということを決めたところでございます。

 6ページ目は、かかりつけ医普及の観点からの外来時の定額負担に関する医療保険部会の主な意見ということでございまして、これは昨年11月あるいは本年1月に議論をしたときの議論を御紹介しております。説明については省略をさせていただきます。

 7ページに、本件についての論点を整理いたしました。

 まず、現状の整理ということで、外来機能の分化・連携の推進は、これまでに、診療報酬において、一定規模以上の病院において、紹介状なしに受診した患者等に係る初診料等を適正な評価とするとともに、選定療養の枠組みを活用する。それから、地域医療総合確保基金を活用して、居宅等における医療の提供に関する事業を実施できることとする等の取り組みを進めておりまして、在宅医療を担う医師の確保・育成等の取り組みとあわせて総合的に行っていくことが重要であること。

 平成28年度の診療報酬改定では、認知症に対する主治医機能の評価、小児に係るかかりつけ医の評価、地域包括診療料、地域包括診療加算の施設基準の緩和等が盛り込まれていること。現時点におきまして、地域包括診療料の届け出施設数は93施設、地域包括診療加算の届け出施設数は4,713施設と、いずれも昨年7月現在の数字でございます。

 また、平成27年の国保法改正におきまして、平成28年4月から、大病院の責務として、紹介状なしで受診する患者から、診療報酬に上乗せさせる形で、一定額以上の定額負担(選定療養)を徴収することを義務づけたところでございます。

 論点でございますが、改革工程表に示された「かかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担」について、例えばかかりつけ医以外受診した場合に、現行の定率負担に加えて定額負担を求めることが考えられるが、その定額負担を求めるということについて、どう考えるかという点。それから、定額負担が求められる範囲、いわゆるかかりつけ医以外というもの、あるいはかかりつけ医というものについて、どう考えるかというのを論点とさせていただきたいと思っております。

 参考資料につきまして簡単に説明いたしますと、初めは、かかりつけ医機能の評価に係る診療報酬の中身が14ページまで書かれておりまして、平成27年7月時点の地域包括診療料と地域包括診療加算の届け出件数の状況を15ページ、16ページに書いてございます。

17ページには、診療報酬の検証結果に係る特別調査の実施について。

18ページは、平成23年の受診時定額負担、これはまた違う目的で、いわゆる高額療養費の改善のために定額負担を行うという仕組みでございましたが、そのときの提案された中身でございます。

19ページは、その場合の財政影響を載せているものでございます。

20ページには、医療保険の外来の受診動向。

21ページには、地域医療介護総合確保基金について載せています。

22ページと23ページには、日ごろから健康相談や病気のときに決まって受診している医師・医療機関がありますかという健保連さんで行った意識調査の中身を紹介させていただいております。

24ページに、「かかりつけ医」及び「かかりつけ医機能」についてということで、日本医師会・四病院団体協議会合同提言で、「かかりつけ医」及び「かかりつけ医機能」について、どのように説明されているかというものを載せております。

 私のほうからの説明は以上でございます。

○城課長

 総務課長でございます。

 続きまして、資料1−2をごらんください。「スイッチOTC化された医療用医薬品に係る保険給付率の在り方について」という資料でございます。

 2ページをごらんください。工程表の記載でございます。下半分のところで箱に囲っておりますが、市販品類似薬に係る保険給付について見直しを検討という大きなくくりの中で位置づけられております。

 1つ目の箱にありますのは、この28年の改定で行ったことの関係でございますが、2つ目の下のほうの細長い矢印でありますが、スイッチOTC化された医療用医薬品に係る保険償還率のあり方について、関係審議会等において検討し、2016年末までに結論ということで記載をされているところでございます。

 3ページをごらんください。これは薬剤給付の適正化ということで、大きなくくりの中で1つ目の箱にございましたので、それの関連で過去の取り組みの資料を紹介いたしております。特に医療費適正化の観点から、薬剤についての対応ということで、平成24年度の改定、26年度の改定、28年度の改定それぞれで、例えば24年度であれば、単なる栄養補給目的でのビタミン剤の投与については、算定ができないという整理をする。26年度については、治療目的でない場合のうがい薬だけの処方について、算定できないという取り扱いをする。28年のこの間の診療報酬改定におきましては、湿布ですが、1処方につき70枚を超えて投薬する湿布については理由を書くという取り扱いにするといったことが行われていたということで、適正化という意味では、こういった取り組みをしてきたということの御紹介でございます。

 次のページをごらんください。4ページでございます。今回の指摘が「スイッチOTC」という言葉でありますので、その紹介、解説、説明であります。

 まず「OTC」といいますのは、オーバー・ザ・カウンターということで、カウンター越しに販売する医薬品ということで、要指導医薬品、一般用医薬品をOTCと略して呼んでいるものでございます。

 「スイッチOTC」といいますのは、その下にありますが、医療用医薬品でもともと承認されていた成分が、この一般用OTCに転用されたものを、スイッチされたということで、スイッチOTCと呼ぶようになっているということでございます。医療用としての実績などを踏まえまして、副作用の発生状況とか海外の使用状況等から見て、OTCにすることで適切だと考えられるものについてということでありまして、具体的には製薬企業が、効能・効果、用法用量、使用上の注意、包装などを改めて見直した上で、開発・申請を行って、薬事・食品衛生審議会で審議された上で承認をされる、そういった手続でスイッチされるということになっております。

 5ページをごらんください。論点を挙げたところであります。上の箱にありますが、先ほどごらんいただきましたように、スイッチOTC化された医療用医薬品に係る保険償還率のあり方について、審議会等で検討して、年末までに結論ということでありますが、何のヒントもないので、その前に2015年の骨太にも同様の記載がございまして、それを少し下に入れております。市販品類似薬に係る保険給付について、公的保険の役割、セルフメディケーション推進、患者や医療現場への影響等を考慮しつつ、見直しを検討するとされた、その流れの中で出てきているものという理解であります。

 論点でありますが、下に記載しております。

 まず、スイッチOTC化された医療用医薬品というものに着目して、保険給付率を引き下げる。要するに自己負担が上がるということでありますが、それについてどのように考えるかということが1つでございます。

 もう一つ、平成14年健保法改正法附則、これは下に点線囲みにしておりますが、2条で「医療保険各法に規定する被保険者及び被扶養者の医療に係る給付の割合については、将来にわたり百分の七十を維持するものとする」とされております。この将来にわたって7割の給付を維持するという趣旨の規定との関係について、どのように考えるかということについて、論点として挙げております。

 以下、参考資料でございます。

 7ページにつきましては、留意事項ということで書いていますが、昔、提出をした資料でありまして、過去の平成21年、22年、23年の御議論の御意見を整理したものであります。

 8ページは、自己負担について、医療保険制度の自己負担の推移を整理した表でございます。

 9ページは、諸外国の医療保障制度の概要で、その中での薬剤負担のところに囲みを入れているものでございます。

10ページ、11ページは、スイッチOTC薬の成分の例を、ここ20年以降に切りかえられたものについて列挙したものであります。

12ページ、13ページは、医療用医薬品と一般用医薬品の違いについて整理をした表、13ページのほうは、一般用医薬品の中を1類、2類、3類、さらにその品目数等々について詳細に記載したものであります。

 資料の説明は以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、御意見をいただきたいと思いますけれども、2つのテーマがございますので、まずは「かかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担について」、これについて御質問、御意見等をいただければと思います。

 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員

 ありがとうございます。

 まず、外来時の定額負担につきましては、平成23年に受診時定額負担を議論した際、商工会議所としては賛成した経緯がございます。しかしながら今回、「かかりつけ医の普及の観点」で議論をするのであれば、総合診療医の関係も含めて、いまだ明確になっていないかかりつけ医をどのように定義づけるのか。国民のプライマリーケアを担う地域医療の体制をいつまでに、どのように構築するのかといった全体像をぜひ明確にしていただきたいという考えであります。

 医療の効率化に取組む地方自治体のエピソードをご紹介しますと、その町では、できるだけかかりつけ医での受診を推奨しているわけですが、車に乗って10分も走れば隣町の基幹病院に行けてしまうこともあって、安心感を求めて大病院に行ってしまうという現状があります。かかりつけ医の普及には、例えば、小さな診療所であっても、ICTを活用して大病院、基幹病院を連携させて、大病院を受診するのと同じような安心感を利用者に与えるということが、寄与するのではないかと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。定額負担ということより、むしろかかりつけ医の問題を今、御提案いただいたということです。

 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員

 ありがとうございます。

 資料1−1の7ページに2つの面から論点整理をされており、まず1点目の定額負担というところについて意見を申し述べたいと思います。

 これについては、資料1−2の論点が書かれてあります5ページに、今申し上げる内容が書かれております。以前、第93回の部会でも意見を申し上げましたが、平成14年の健保法等改正法附則の第2条に記載されておりますように、被保険者及び被扶養者の医療に係る給付の割合を将来にわたって100分の70を維持するという規定がございます。この規定から言えば、新たな定額負担を求めるということについては、この附則の規定に反すると考えてございますので、私どもとしては、これは反対であるということをまず申し上げたいと思います。

 もう一点の論点であります定額負担を求める範囲について、かかりつけ医以外を受診した場合ということですけれども、これについては、今、藤井委員もおっしゃったように、かかりつけ医というものの定義がまだ定まっていないのではないかと思います。これに似たような名称として、家庭医とか、総合医とか、総合診療専門医といったさまざまな名称が使われているようでありますけれども、その定義の違いがまだはっきりと整理されていない中でこれを検討するということについては、時期尚早ではないかと思います。

 もちろん、私どもとしては、地域包括ケアシステムの構築に向けて、初期医療であるとか、病診連携の調整といった役割を担う機能を普及していくことは重要なことだと考えておりますが、誰がその機能を担うのか、まず合意形成を図っていくことが先決事項ではないかと考えてございますので、そういった面での論議を優先させるべきであると考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 山本参考人、どうぞ。

○山本参考人

 かかりつけ医は、地域医療構想の実現や地域包括ケアの推進のために重要な役割を果たすことが地方でも期待されております。今回、外来時の定額負担がかかりつけ医の普及の観点から議題に上がっておりますが、他の方もおっしゃっておられましたけれども、疾患や診療科ごとにかかりつけ医を持っている方が多い中で、何をもってかかりつけ医以外と判断するのかはかなり難しいと思われます。

 また、かかりつけ医以外を受診するのには、患者様の側にも様々な理由があると思われ、一律に負担を求めるということが、かかりつけ医の普及にどの程度有効なのかという点も不明確であります。

23ページの資料にもありますが、若い世代は定期的に受診を行っていない方もおられますので、かかりつけ医を有していないということから運用上の課題も多いと思います。

 一方、かかりつけ医の普及は、地方にとっても重要な課題であり、2025年に向けて早急な推進が必要ではありますが、今回の定額負担については、その効果や実現可能性を十分検討する必要があると思いますので、慎重な対応をお願いしたいと思います。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 大体似たような御意見が続いている感じがいたしますけれども、望月委員、どうぞ。

○望月委員

 ありがとうございます。

 7ページの論点について、意見を述べさせていただきます。

 経団連としましては、頻回受診の防止、保険財政の健全化の観点から、外来時に定額負担を広く求めるべきであると考えています。

 今回の論点にあります、かかりつけ医以外を受診した場合に限定して定額負担を求めるという方法につきましては、先ほどから出ていますように、かかりつけ医の定義や実務上の課題を検討した上で実現可能であれば、それも一つの方策であると考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 松原委員、どうぞ。

○松原委員

 先ほど御指摘ありましたように、負担を3割にするというときの大議論の中で、国民の皆さんに対してこれ以上の負担を求めないということが附則にございます。したがって、法律上そこまでして約束したものを、今回特別なものをとるというのは大きな間違いであり、これは不適切だと私は思います。

 大病院の負担金については、あくまでもこれは、本来はそのような形ではなくて、かかりつけ医機能を持っている先生に診てもらって、紹介状を持っていってくださいということであります。また、このことによって大病院に勤めている勤務医の先生たちが過重な労働から楽になる。つまり、余りに一点に集中すると結局は十分な医療ができなくなりますので、そういったことの観点で導入したものであり、今回のかかりつけ医以外に対しての一部負担金は間違っていて、筋の非常に悪いものでありますので、ぜひお考え直しいただきたいと思っているところであります。

○遠藤部会長

どうもありがとうございます。

 それでは、菊池委員。

○菊池委員

 病院の機能分化や在宅医療が進められておりますけれども、医療の効率性の向上という観点からだけではなく、地域で患者さんが安心して療養生活ができるようにするために、また、疾病の初期の段階から医療に適切にアクセスして重症化を防ぐという意味で、かかりつけ医の普及には賛成です。ただ、現状では、かかりつけ医の定義が国として定まっておらず、その役割を果たすための整備が必ずしも進んでおりません。

 そこで、まずはかかりつけ医制度そのものをもう少し明確にして、関係者間で共通理解を醸成することが必要と思います。

 また、もう一つの論点として挙げられていますけれども、かかりつけ医の普及を図る方策として、外来受診時の定額負担の導入が適当なものであるかどうかについても議論が別途必要と考えております。かかりつけ医を普及するということが合意されるのであれば、医療提供体制全体、また、医療保険給付全体の中にその普及を図る策を置くべきであって、患者の負担だけをふやして経済的な誘導を図るという施策には、賛成しかねます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 白川委員、お待たせしました。

○白川委員

 皆さん、おっしゃったとおり、かかりつけ医の定義。複数疾病を持っていらっしゃる方は、疾病ごとにかかりつけ医が複数いるという現状で、皆さんがお使いになっているかかりつけ医という概念も多分、お一人ずつ違うというのが現状だと思います。

 狙いは、かかりつけ医の普及の観点からと書かれておりますけれども、私は、こんな制度を入れて、とても国民の納得が得られるとは思いません。というのは、かかりつけ医と認定すれば当然、契約行為が発生して、それなりの費用、リテイナーフィーを払わなければいけない。しかも、紹介状ということになると、また紹介状の費用が発生する。そんなことをやる意味が、そういうことをやってかかりつけ医を普及するというやり方自体は、私はいかがなものかと思います。それから、医療経済的にも、はっきり言えば余計なお金がかかるというような提案を国民の方々が受け入れていただけるとは、今の時点では思えません。

 今、専門医制度の中で総合診療専門医というのが再来年ぐらいから教育、育成が始まるということで、そういう体制を着実につくっていって、お一人の方がお一人の総合診療医みたいな形で契約をし、いろいろな情報を一元管理していただくとか、そういう形にしていかないと、今の段階ではいかがなものかなと思っております。

 ただ、この定額負担という考え方は、先ほど3割負担の原則に反するという御意見がありましたけれども、それでは70歳以上の方は2割負担ですから該当しないということになりますね。要は、定額負担というのはいろいろなバリエーションがあり得ると思いますし、今までもこの医療保険部会でも、受診時定額負担というのが議論されたことがあります。それから、日本経団連だと思いましたけれども、かつては免責制度を入れたらどうかという御提案もあったと思います。我が国の医療保険制度の中で、定率負担の前には、薬だけ定額負担という時代もあったと思いますけれども、いろいろなバリエーションがあり得ると思いますので、私は、かかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担については、いかがなものかと思いますけれども、もっと広く捉えて、定額負担ということ、あるいは7割給付という考え方、高齢の方々の2割負担、1割負担という考え方、こういったことまで含めて患者の負担について、事務局でもいろいろなアイデアはあるかと思いますけれども、余り限定しないで幅広く資料をつくっていただいて、それで議論をしていく。

 この件は私は反対でございますが、そういう形で議論を進めていったほうがよろしいのではないかと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 了解しました。

 それでは、順番で、遠藤委員、それから小林委員。

○遠藤委員

 ありがとうございます。遠藤です。

 基本的に国民負担という意味で、7割給付というのは、最低限でもここを守っていくという意味での7割給付というふうに私どもは理解しているところでございます。そうした中で、かかりつけ医に絡んでの定額負担というのは、ちょっと意味が違うのではないかということで、反対でございます。外来診療が抑制されるということは、かえって重症化を招きますので、ちょっと意味が違うのではないかと思っております。

 さらに、かかりつけ医機能というのは大変重要な機能でございますので、それは重要なのですけれども、それに関して、この資料にもありますけれども、選定療養という形で大病院に一定額の患者負担を出しているわけで、それがことし4月から始まった状態ですので、それについての効果がどの程度あるのかということを見た上で、かかりつけ医というものをどう位置づけるかを考えるほうがよいのではないかと思っております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 ありがとうございます。

 私も皆さんと同意見であり、地域包括ケアシステムの構築という観点からは、かかりつけ医の普及を促進していくということは賛成ですが、そのための手法として定額負担が適切かどうかについては、十分な検討が必要だと思います。

 皆さんもおっしゃっていましたように、そもそも歯科や眼科なども含めた多くの診療科がある中で、かかりつけ医とは何かといった共通定義がないままでは、定額負担を導入する前提としての制度設計は難しいと思います。さらに、定額負担といっても、様々な手法がある中で、保険者や医療機関の事務負担にも配慮しながら実効性を担保するための仕組みをどのように設計するかも課題だと思います。

 事務局にお願いですが、イギリスにおいては国民がかかりつけの診療所を登録し、救急の場合以外はまずその診療所を受診するシステムになっていると承知しています。イギリスのNHSと日本の社会保険では制度が違うことを踏まえて検討する必要があると思いますが、具体的にイギリスの場合どのような取り組みを行っているのか、次回以降で結構ですので、可能な範囲で御紹介いただけたらと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 事務局、よろしいですか。

○宮本課長

 次回以降に提出できるようにいたしたいと思います。

○遠藤部会長

 よろしくお願いします。

 お待たせしました。松原委員、どうぞ。

○松原委員

 2割負担の高齢者の話をされましたけれども、この前、国民負担をどこまで求めるかというときには、3割以上求めないということで附則ができたのであり、少なくなる2割、1割は、その方たちの社会的な状況に合わせて考えるということでありますので、ちょっとおっしゃっていることが違うように思います。

 また、今、イギリスの制度のお話も出ましたけれども、フランスもかなりの一部負担をしているように見えますが、実際のところは戻ってきたり、あるいは別保険に入っているということであります。イギリスなどはほとんど負担金なしでございますが、そのかわり、アクセスがなかなかできなくて、1回行って、次の段階に行くまで何カ月も待たされるような例もございます。日本はそういうことがないように、なるべく皆さんがアクセスしやすいということにおいて、予防的に、早目に治療できるという、これが世界に冠たる制度であります。

 国民皆保険制度だけではなくて、そういったきちんとした後の対応ができるということを保障しているというのが、この国を支えているわけでありますので、単純に他の国がこうだからといってコピーされるのは、ちょっと違うのではないかと私どもは思っているところでございます。

 最後に、皆さんがかかりつけ医がよくわからないとおっしゃるのは、実はこれは制度ではなくて、かかりつけ医機能なのです。つまり、何科の先生であっても、在宅もやるし、患者さんがどこに行ったらいいかということを説明するし、そういったことをある程度勉強したレベル以上の医者は、地域においていろいろなことをしなければならない。そういった機能をもってかかりつけ医機能と申しています。在宅医機能もそうでございますし、また、予防接種をしたり、学校医健診などもこのかかりつけ医が行っております。

 もう一点は、白川委員は一対一でとおっしゃいますけれども、先ほど申しましたように、日本の医療制度を支えているのはかかりつけ医であります。このかかりつけ医というのは、もともと専門医として十分な勉強をして、きちんとした医学的な担保を得ている上に、そこからさらにかかりつけ医機能を獲得した者が、その地域で地域包括ケアの中心となってやるということであります。一対一というほかの国の制度を持ってくると、どういうことが起きるかといいますと、例えばある国では、レントゲン写真すら読めない。そして、治療にも制限がある。そうではなくて、日本の国は十分専門的な治療をしている病院の先生方、逆に言えばそういった部長クラスがやめて開業医になるわけです。病院に行って治療しなくても、そのかかりつけ医の先生のところ、何科の専門であっても、そこで十分な治療を受けられるということ自体が、いろいろな検査をしなくても十分な対応ができ、また、大病院にかかり続けなくても、地域の診療所あるいは中小病院に戻してもらって治療ができる。これが日本の国の医療を支えているということを十分理解した上で、よその国の制度について言及していただきたいと思います。何とぞよろしくお願いします。

○遠藤部会長

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 中医協ではないので、松原先生の御意見にこの場で反論というわけでもないのですが、ちょっと誤解を与えたようなので申し上げたいと思いますけれども、改革工程表の中で、高齢者の負担について見直すという項目が上がっておりまして、これは本年度中という話ではなくて、あと一、二年の余裕はあるのですけれども、いずれにしても議論しなければいけないテーマと認識しております。したがって、今回議論してくれと私があえて申さなかったのはそういう意味でございます。

 それから、3割負担という言い方をすると、では、2割、1割の方はいいのかという話になりますよと、2割、1割だから、この方々だけは定額負担をいれてもいいのだなということにもなりかねないので、そういう狭い問題ではないでしょうという意味で申し上げたわけでございます。

 それから、かかりつけ医について、日本医師会が中心になって育成に努めていらっしゃることは重々理解をしております。ただ、国民といいますか、患者からすれば、目が悪くなればやはり眼科に行くし、糖尿病だったら消化器内科に行くように、診療科を見て選ぶわけでございまして、1人でかかりつけ医が3人いるというケースも当然あるわけです。この制度からいうと、かかりつけ医の普及の観点から外来時の定額負担というテーマになっていますから、それはやはりおかしいでしょうということを申し上げているわけです。

 繰り返しになりますけれども、総合診療専門医という仕組みができるわけですから、今、松原先生がおっしゃったような、プライマリーケアだとは思いますけれども、いろいろな疾患に対応できる幅広い知識を持った医師をこれから育てようと私どもは期待をしておりますので、それを少し待ったほうがよろしいのではないかというのが私の意見でございます。

○遠藤部会長

 ほかに御意見は。

 横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 ありがとうございます。横尾です。

 いただいた資料の1ページ目に、基本方針とアクション・プログラムの抄が出ているのですけれども、「かかりつけ医の普及の観点から」と書いてしまっているので、こういう誤解を招くのだなという印象を持ちながら拝聴しておりました。

 本音のところの認識として思うのは、おそらく1次、2次、3次医療、あるいは救急医療等がございますけれども、2次医療、3次医療のところに患者の方がどんどん殺到して、本来優先すべき重篤な患者への対応が遅れたりというような課題があったりすることが大きな問題だったのではないかと思いますので、むしろそちらのことを書いていただいて、例えば医療の機能分担を図るために、こういった定額負担を検討し、その効果をもって、かかりつけ医の普及とかいうふうにこの文章が変わっていれば、多分議論も随分変わったのではないかなという印象を持ったところです。

 とはいえ、一方ではそういう現状がありますので、何としても高度な医療を必要とする人には先にアクセスできるようにということが本音かと思いますので、できればそこの交通整理を本当にきちんとしてもらったほうがいいかなという印象が非常に強いところです。

 ただ、都会と地方ではこれも違いまして、都会の場合は公共交通と歩く範囲で30分圏内に幾つかの医療機関があったりして、専門医、内科医、総合診療医とかがいらっしゃるかもしれませんが、地方に行きますと本当に、1つの病院が1つの集落どころか1つの旧町単位をカバーしているというところもあって、全ての方がそこに全てを預けるようなところもあって、事情は全く違うので、そこら辺も配慮した対応を厚生労働省にはぜひお願いしたいと思うところです。

 冒頭に言いましたように、本来受けるべき人が早く受けられるようなことが大事なのだということを広く啓発することを、政府としても厚生労働省を中心にやっていただいたらどうかと思います。

その一つの方法としては、ビッグデータをぜひ使っていただいて、全体としてこのようなことがあったとか、こういうふうにして本来早く治療、診療を受けるべき人が遅れてしまっているとか、そういう事実関係をもって「ファクトに語らせる」ということをしていただきながら、そのことをもって、例えば報道機関に流していただく、あるいは解説の記事コーナーとかプレスリリースを行うなどしながら、より多くの方々に、「ああ、そうだな、自分は大きい病院にぱっと行こうと思ったけれども、この程度なら、いつもお世話になっている近所の先生のところでいいな」と。「ちょっと 具合がかなり悪くなったら、先にそちらに行ったほうがいいな」という判断を、国民の皆さん、住民の皆さんの自己判断も少しは必要だと思いますので、その参考になるようなビッグデータを活用した取り組みはいろいろな省庁で、いろいろなテーマで今、行われようとしていますので、ぜひこういった啓発にも、「ファクトに語らせる」ということをしていただくと、より効果が遡及できるのではないかと感じているところです。

 ただ、負担の増については、若干やむを得ないところもあるのかな。ある意味で医療費増大の抑制という効果を狙って今回は提案されているのではないかという印象を強く持っているところです。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、渡邊委員、お願いいたします。

○渡邊委員

 7ページに現状の整理ということで、平成27年国保法等改正において、大病院の責務として、紹介状なしで受診する患者から、一定額以上の定額負担(選定療養)を徴収することとしたという現状が報告されております。その中で、今、かかりつけ医以外を受診した場合に定額負担を求めるという話が出ているわけであります。この問題については、今ほど何人かの委員からもお話がありましたけれども、大病院を紹介状なしで受診した場合に定額負担を求めるべき効果は何なのかと考えた場合、大病院としての機能分担や、あるいは、効率的な医療診療を効果的におこなっていくのだという、大病院としての機能強化といった背景から来ているのかなという感じがします。

  もう一つは、今ほど、皆さんから御意見が出ていますけれども、かかりつけ医の定義がやはり曖昧です。私は、地域包括ケアの推進の中で、高齢者を対象とした内科的な分野から捉えて、かかりつけ医という定義を持っているのではなかろうか思っております。かかりつけ医を内科的な分野だけで捉えがちになってしまうと、ほかの外科的なものや、理学的なもの、または緊急時の整形的なものの場合などの、かかりつけ医の捉え方が曖昧になってしまいます。

 きちんとした法改正によって、大病院において定額を徴収することとした背景を考えるならば、かかりつけ医以外を受診した際に定額を徴収しなければならない必然性がどこにあるのか。その辺りも踏まえて検討していくべきではないかと、皆さん方の意見を聞きながら感じた次第であります。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 堀委員、どうぞ。

○堀委員

 かかりつけ医機能の普及の観点から外来時の定額負担を導入すべきかということについては、既に委員のみなさんが行われている議論に異論はありません。ただ、イギリスの医療について研究をしているものとして追加させていただきますと、先ほど複数の委員がかかりつけ医のイメージとしてイギリスの制度を想定されているようなお話があったのですが、もしそうだとすると、皆さんの中でも、定義についてもある程度、共通項があるのかなと思います。私自身は、これまでの議論を見ると、かかりつけ医の機能とは、イギリスの一般医がもつゲートオープナーの機能にかなり近いと思うのですが、実際に現時点の日本においてこのような機能をもった医師がいるかどうか、体制があるかどうかは議論の余地があると思います。本日の配布資料でも、診療報酬改定のところにある主治医機能とかかりつけ医の評価のところでも文言が若干違ったりしますので、これは皆さん既に述べていることなのですけれども、普及しようというのはそもそも機能なのか、かかりつけ医なのか、そういうことを明確に議論した上で、負担のあり方は考えるべきではないかと。また、先ほどの例にあげられたイギリスの場合では、一般医を通じてアクセスした医療において負担はないですが、薬剤に関して定額負担がありますし、単純に特定の国を真似してともいえないのではないかと。

 また、皆さんがもし、普及すべきかかりつけ医というのが何かについて合意ができているならば、かかりつけ医を通じてアクセスした場合とそうでない場合に何らかの負担の差を設けるというのは、定額負担であるとか、定率負担であるとか、そういう議論とは別に議論してもいいのではないかと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 兼子委員、どうぞ。

○兼子委員

 私たち高齢者の場合、非常に医療機関を利用する頻度が高いわけですけれども、きょう出された資料の22ページに、日ごろから利用している医師・医療機関の有無について、左下のほうの「その医師に決めた理由」ということで、非常によく実情が出ているように思うのですが、「自宅から近く通院が便利」ということで決めている場合が圧倒的に多いわけです。今、議論されている内容でいくと、上から6番目「健康や疾病予防、医療・介護の相談に気軽に応じてくれる」、そのあと3つぐらいの内容で答えている方は大変少ないわけです。

 ですから、先ほどから大方議論が出されていますけれども、24ページに出ているわけですが、かかりつけ医機能をどう高めていくか、そこのところがはっきりと見えてこないと、いわゆるかかりつけ医という位置づけに入るのは、まだまだ早いのではないかと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、村岡参考人、どうぞ。

○村岡参考人

 基本的には皆さんの発言の内容と同様で、今回の導入については、非常に問題が多いのではないかと感じております。特に住民の皆さんの中では、発言がありましたように高齢者の方も非常に多くて、ケースによっては、本人にとってみたら4つぐらいのかかりつけ医を持っているというケースもございます。眼科でのかかりつけ医であったり、膝が痛いので整形のかかりつけ医、糖尿病があって内科のかかりつけ医、認知症があって認知症の専門医、そのようなケースもありまして、何をもってかかりつけ医としていくのか。例えば糖尿病でかかっていて、そこから紹介状があったら、その人がかかりつけ医になるのか。そういうのは制度的にも非常に複雑になるのではないかと感じております。

 小林委員の発言の中でも、事務負担という問題もありましたけれども、資料の20ページの中でも特に75歳以上の後期高齢者は、非常に受診日数が多い方もおられます。以前の議論の中でも、そういった方々に対する、低所得者に対する配慮ということも必要ではないかと考えております。そういった際に、市町村のほうでは所得の把握であったり、そういった事務も新たに負担がふえてまいりますので、そういうことに対する考慮も十分しておく必要があるのはないかと考えておりまして、制度設計そのものと費用対効果、あるいは事務負担の問題を考えたとしても、この制度の導入については非常に大きな問題があるのではないかと感じております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 大体よろしゅうございますか。

 ありがとうございました。積極的で活発な御意見を頂戴いたしました。微妙な違いはありましたけれども、外来時の定額負担を使ってかかりつけ医を積極的に推進していこうということについて、積極的に賛同を示された方はいなかったと理解しております。

 それでは、次の議題に移りたいと思います。次は「スイッチOTC化された医療用医薬品にかかる保険給付率の在り方について」、御議論をいただきたいと思います。いかがでございましょうか。

 森委員、どうぞ。

○森委員

 ありがとうございます。

 先ほど事務局からも説明があったと思うのですけれども、医療用医薬品と一般用医薬品では、同一成分であっても使い方が異なります。期待する効能・効果であったり使用目的、また、用量等も異なることがあります。そして、医療用医薬品を一般用医薬品にスイッチすると、一般の人が自己判断に基づき購入して使用することになりますので、スイッチ化は医療用としての実績などを踏まえて行われます。そのため、スイッチ化された医療用医薬品というのは、既に安全性が確立した医薬品だと思います。

 一般的には価格が低いものですが、保険給付率を下げることによって、保険で使える高薬価な医薬品へシフトすることが考えられ、安くて、かつ安全性が確立した医薬品が医療保険の中で使いにくくなるのではないかと思います。

 また、国は今、スイッチ化を進めていますけれども、そのことにもブレーキがかかるのではないかと思います。結果としては、国民のためにならないと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 従来もこの議論をされておりまして、そういう御指摘はされていたかと思いますので、スイッチ化を抑制してしまう話と、高薬価へ処方がシフトするという御指摘だったと思います。ありがとうございます。

 続きまして、藤井委員、どうぞ。

○藤井委員

 ありがとうございます。

 そもそも今まで課題となっています多剤服用あるいは残薬対策という観点からは、単にスイッチ化した薬剤の給付率を変えるだけでなく、処方箋薬、OTCを問わず、トータルの服薬量を減らしつつ、健康寿命を延伸することが望ましいのではないかと考えます。

 スイッチOTC薬は活用していくべきものではありますけれども、処方箋薬を置きかえるだけでは服薬量を減らすことにはならないわけです。例えば基礎疾患はしっかり処方箋薬で治療していただいて、時限的で原因のはっきりしている軽度な疾病については、医師・薬剤師の指導により、処方箋薬の一部をOTCの配合剤に置きかえるなどという仕組みもぜひ考えていただければどうかと思うわけでございます。実際に私の会社には日々いろいろな問い合わせがございます。特に体力の弱っている高齢者からは、「医療用医薬品は効き目が鋭いので大変な負担がある。」とか、「たくさんの薬を飲まなければいけないので、服薬時の負担が大きい。」といった声が寄せられています。そういったことを考えますと、OTCの配合剤であれば、1回の服薬量を少なくすることができますので、それを緩和ケアなどに活用すれば、限られた医療資源を有効に活用でき、合理的だと考えます。

 また、スイッチOTC薬については、1月にセルフメディケーション税制が予定されていますが、対象をOTC薬全般に拡大させ、生活者に意識改革を促す取組みをぜひお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。新しい提案を含めまして御発言いただきました。

 ほかにございますか。

 松原委員、どうぞ。

○松原委員

 ビタミン剤についてはいろいろな議論があります。例えば、世の中の人には、ビタミンさえ飲めば健康が保てるなどと思っている方、あるいは多くのお金を使えば使うほど、よくわからないものでも健康が保てるのではないかと思い込んでいる方はかなりいらっしゃいます。私ども医療機関としては、まさにそのビタミン剤を投薬して、症状が消える、あるいは改善するということを考えた上で処方しております。そこの重さというのは、もう一度よく理解していただきたいと思います。

 また、先ほどからOTCは副作用がないように確立されているとおっしゃるのも皆さんの誤解でありまして、例えば最近認可されたロキソプロフェンというのは腎障害が出ます。人によっては、結局腎臓の機能が落ちてしまって透析になる方もいらっしゃいます。そういったことをよく見ながら投薬しているということでありますので、スイッチOTCにすると全てが安全だということはありません。薬である以上、何らかの副作用は持っております。そこのところも踏まえて、何でもかんでもOTCでというわけにはいかないということを御理解いただくとともに、スイッチOTCを出しているから、医療のほうも率を上げるというのは乱暴だと思います。私ども医療機関は必要な薬しか出さないというのは大原則でございますので、御理解賜りたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 5ページに論点がありまして、スイッチOTC化された医療用医薬品の保険給付率を引き下げるかという話が論点になっておりますけれども、日本の場合は、一旦保険収載されますと、それが取り消されるということはまれにしか起こらない。以前から非常に疑問に思っていたのですけれども、保険給付率云々ではなくて、原則はOTC化されたら保険適用から外すというのが本来あるべき姿ではないかと私は思っております。

 ただ、保険給付率の問題は、改革工程表の中にも市販品類似薬の全体のテーマが挙げられておりますけれども、最近のC型肝炎の薬、あるいはオプジーボ、これは医療保険財政にとっては非常に深刻でございまして、松原先生が以前おっしゃったとおり、長期的に見れば医療費適正化の動きになる。それはそのとおりなのですが、一時的には医療保険財政を圧迫することは間違いない。ただ、こうした高額な薬剤はやはり保険収載しないと、国民全体が使えるということになりませんので、私自身は保険収載すべきだと思っております。ただ、これが続きまして、今後もiPSとかバイオという高額な薬剤がどんどん出てきますと、本当に保険財政がもたなくなりますから、私は、市販品類似薬、あるいは軽度疾患を対象とした薬剤については保険収載から外すとか、フランスがやっているように償還割合、保険給付割合を変えるとかいうことを真剣に議論していただかないと、これは保険者の財政だけではなくて、国の財政に与える影響も相当大きいと思われますので、今回はスイッチOTCに限定されておりますけれども、大きなテーマである市販品類似薬をどうするかというのがもっと本質的な問題と考えておりますので、今日は次回以降やってくれという提案ばかりで申しわけございませんけれども、そちらの議論を早目に始めていただくように、あえてお願いをしたいと思います。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 それでは、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員

 このOTC医薬品をめぐる課題については、先ほど森委員、藤井委員、松原委員に御指摘いただいた点をまたこれから論議しないといけないと思いますし、今また高額医薬品については白川委員から御指摘いただいたように、今後の検討課題だと思います。

 私からは、先ほども申し上げましたが、我が国の医療保険のシステムを支える平成14年の健保法等改正法の附則における負担が3割、給付7割という大原則を、特定の領域なり特定の医薬品の分野でこれに穴をあけていくことに対しては、先ほどのかかりつけ医以外を受診した場合の定額負担もそうなのですが、こういう背骨になるシステムにどこか穴をあけていくと、それが先例となって、次にまたここも違う負担をということになりかねないということを懸念いたしております。そういった意味から、今回示していただいている論点の2つ目にあります7割給付を維持するという観点から照らして、私どもとしては、これは慎重に検討するべきだと考えています。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 今回論点になっているスイッチOTC化された医療用医薬品に係る保険給付率の引き上げについては、どのような考え方でスイッチOTC化された医薬品だけを対象とするのか、先ほど御説明がありましたように、平成28年度診療報酬改定で湿布薬について対応したように、処方量を勘案する必要はないのかなど、もう少し詳細に議論をしていく必要があると思います。むしろスイッチOTC医薬品自体の使用を促進していくことも、軽度な体の不調を自ら手当てするというセルフメディケーションの観点からは大切なことだと思います。

 このため、先ほども委員から御意見がありましたように、来年1月からはスイッチOTC医薬品の購入費用に係る税制上の所得控除制度がスタートすると承知しておりますので、そうした制度も活用して、スイッチOTCの利用促進を図っていくべきだと考えます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 望月委員、どうぞ。

○望月委員

 ありがとうございます。

 既に同様の意見であるのですけれども、湿布だとか、うがい薬だとか、こうした薬局で類似の市販品を買うことができる医薬品については、公的保険の給付対象として妥当なのかという点については問題意識を持っています。

 こうした観点から、今月18日に公表しました経団連の提言では、長らく市販品として定着しています市販類似薬については、保険給付率を引き下げるもしくは保険給付の対象外とすべきであるとしています。

 ただ、今回の論点にあります平成14年健保法等改正法附則との関係を踏まえますと、保険給付率を引き下げるというよりかは、保険給付の対象外としたほうが制度の安定性については確保されるのではないかと考えています。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 森委員、どうぞ。

○森委員

 先ほどの補足で、松原委員からお話がありましたけれども、一般用医薬品もリスクがあります。薬剤師も慎重に取り扱っています。先ほどの一定の安全性が確立したという意味は、発売当初の医薬品は未知のリスクがあります。それは長年使うことによって未知のリスクを既知化することができます。また、開発時からわかっている既知のリスクに関しても、長く使うことによってそのリスクを最小化することができます。そして、一定の安全性が確立した医薬品がスイッチ化されることになります。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 厚生労働省に質問をさせていただきたいのです。余りにも素朴な質問で済みませんが、そもそもスイッチOTCは、例えば薬剤師会の皆さんからの御提起なのか、厚生労働省がいろいろな学識者のヒアリングを受けた上で提案されているものなのか、そもそもはどこから源流が始まったのかだけ教えてください。

○遠藤部会長

 総務課長、どうぞ。

○城課長

 事務局、総務課長でございます。

 御質問の趣旨は、スイッチOTC化された医療用医薬品の給付率という、この問題がどこから提起されたかということでしょうか。

○横尾委員

 スイッチOTCを普及していこうということ。

○城課長

 様々あるとは思いますが、セルフメディケーション推進ということで厚生労働省の医薬の部局でも推進をしてございますし、薬局、薬剤師会でもそういった御意見をいただいたという記憶もございます。基本的にはその流れの中で、医療用医薬品についてもある程度リスクが既知のリスクになってきたものについて、個別に審査をし、指定するという流れになってきたものと記憶しております。

○遠藤部会長

 横尾委員、よろしいでしょうか。

○横尾委員

 では、厚生労働省と薬剤師会のほうから啐啄同時で、卵の殻を外からと内からと両方同時に割ってきたという形ですね。

○城課長

 そのように、流れとしては同時にやっていたようなものだと思っています。

○遠藤部会長

 ほかに。

 菅原委員、どうぞ。

○菅原委員

 ありがとうございます。

 基本的には保険のカバレッジの中に薬剤をどのように入れていくかというのは、薬剤の治療への貢献だとか、有効性だとか、必須性のようなもので決められるべき話であって、既に市場にOTCがあるか、ないかというところでは、本質的には保険のカバレッジ、負担については議論すべきではないのではないかというのが私の意見であります。

 ただ、目的が今、事務局から説明があったように、セルフメディケーションの促進という観点からどういう制度を設計するかということを考えるのであれば、スイッチOTCのある医療用医薬品の給付率を引き下げると、相対的にOTC薬と今、保険でみられている医療用医薬品の間の価格差というのはおそらく縮小するはずですから、OTC薬の利用を促進する可能性はあるのではないかと思います。

 もう一つ、財政効果を狙っている話でこの議論が出てきているとするならば、メーカーが今後、新たなOTC、今の新薬を例えばスイッチするかどうかということについては、この制度を入れた段階で、それ以降はもうやらないでしょうから、ワンショットではおそらく財政効果として、現存するものについては下がるでしょうけれども、非常に短期的な効果が出て、そこから先は余り長期的な効果は見込めないのではないかというのが政策的な見地からの意見でございます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかによろしゅうございますか。ありがとうございました。

 それでは、このテーマにつきましては、これまでにさせていただきたいと思います。

 最後に「その他」でございますけれども、お手元に「社会保障審議会療養病床の在り方等に関する特別部会」の資料が配付されていると思います。これは基本的に配付資料という形で対応させていただきますけれども、新たな療養病床の形態をつくるということで、3局合同に社会保障審議会のもとに特別部会ができておりまして、それの直近といいますか、本日の午前中に行われたものでありますけれども、それの議事次第でございます。ここにいらっしゃる委員の中にも何人かの委員の方は、こちらの委員にもなられていると思いますけれども、こういうことが今、進んでいるということでございます。あえて御説明は申し上げませんけれども、このようなことがあることの御報告でございます。

 ほかに何か皆様からございますか。予定していた時間の半分ぐらいで終了しそうで、珍しいのですけれども、よろしゅうございますか。

 事務局から何かございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、本日の部会はこれにて終了したいと思います。

 次回の開催日につきましては、追って事務局より連絡をするようにお願いします。

 本日は御多忙の折、お集まりいただきまして本当にどうもありがとうございました。

 


(了)

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