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2016年9月27日 第5回肝臓移植の基準等に関する作業班 議事録

健康局難病対策課移植医療対策推進室

○日時

平成28年9月27日(火) 15:00~


○場所

航空会館 901会議室


○議題

(1) 肝臓移植希望者(レシピエント)選択基準の改正について
(2) その他

○議事

○伊藤補佐 定刻になりましたので、ただいまより第5回肝臓移植の基準等に関する作業班を開催いたします。班員の先生方におかれましてはお忙しいところお集まりいただき、誠にありがとうございます。前回の作業班の開催は平成238月ですので、約5年ぶりの作業班となります。前回から班員の先生方も代わっておりますので、班員の御紹介をさせていただきたいと思います。

 資料の2枚目の班員名簿を御参照ください。市田隆文班員、上田佳秀班員、笠原群生班員、玄田拓哉班員です。國土典宏班員は本日、少し遅れるということですので、後ほど来られると思います。古川博之班員、星野健班員です。田中榮司先生には班長をお願いしております。また、我々移植室のほうも代わっておりますので、移植室の御紹介もさせていただきたいと思います。移植医療対策推進室長の井内です。室長補佐の林です。上村です。私は伊藤です。よろしくお願いいたします。それでは、以後の議事進行は田中班長にお願いしたいと思います。

○田中班長 班長を務めます信州大学の田中と申します。よろしくお願いします。今回の改定については、昨年熊本で行われた日本移植学会から本格的に議論を始めて、前回の旭川で行われた肝移植研究会でほぼ煮詰まり、今回、作業班ということで厚生労働省にお願いして取り上げていただきました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。まず事務局より、資料の説明をよろしくお願いします。

○伊藤補佐 議事次第を基に、資料の確認をさせていただきたいと思います。配布資料は、資料1が肝臓移植レシピエント選択基準の変更について、資料2が肝臓移植希望者(レシピエント)選択基準で定める優先順位の検討、参考資料1が肝臓移植レシピエント選択基準、参考資料2が肝臓移植提供者(ドナー)適応基準、資料3-1が肝臓移植適応評価申請用紙、参考資料3-2が脳死肝移植希望者(レシピエント)適応基準、参考資料4-1が資料2の補足資料、参考資料4-2が資料2の補足資料、参考資料4-3も資料2の補足資料となっております。以上、資料の不足や落丁等がありましたら、事務局までお知らせください。また、卓上にファイルで、脳死下での臓器提供に係る参考資料として、法令等の内容が入っておりますので御参照ください。こちらのほうは後ほど回収させていただきますので、お持帰りにならないよう、よろしくお願いいたします。

○田中班長 たくさん資料がありますけれども、皆さん、よろしいでしょうか。それでは、初めに事務局より、肝移植希望者(レシピエント)選択基準の変更についてということで、資料に基づいて説明をよろしくお願いします。

○伊藤補佐 資料1に基づき御説明いたしますが、随時、参考資料1、参考資料3-1、参考資料3-2に沿って御説明したいと思います。まず、現行の選択基準についてです。肝臓レシピエント選択基準における優先順位は、医学的緊急性、ABO式血液型、年齢加点の3項目により点数付けされております。医学的緊急性は日本肝臓学会、日本移植学会、日本肝移植研究会からなる脳死肝移植適応評価委員会により審査され、疾患別、血液検査、画像検査等を踏まえたレシピエント適応基準に基づき、5段階で分類して点数付けがなされております。下記表にありますように、医学的緊急性、ABO式血液型、年齢加点の合計で決まっております。現在のレシピエントの選択基準は、参考資料1を御参照ください。現在のレシピエント選択基準では、参考資料1のように適応条件、優先順位、具体的選択方法、その他で決められております。また、参考資料2は現在のドナーの適応基準となっておりますので御参照ください。

 変更のための経緯としては平成287月、3学会からなる脳死肝移植適応評価委員会、日本肝臓学会の肝移植委員会において、レシピエント適応基準の医学的緊急性に関して、疾患・病態に基づいた適正な医学的緊急性の変更を行ったほうがよいとの合意がなされました。このため、合意された内容をレシピエント選択基準に反映するよう提案がなされたことから、今回、肝臓作業班においてレシピエントの選択基準の医学的緊急性について検討いたします。また、医学的緊急性の点数付けを変更することに伴い、ABO様式血液型や18歳未満ドナーの取扱いの変更が必要になると考えられます。参考資料3-1を御参照ください。こちらは現在の肝臓移植の適応評価申請用紙です。これらの申請用紙に記入を行い、その後、脳死肝移植適応評価委員会にて判定されるという流れになっております。

 参考資料3-2を御参照ください。こちらは脳死肝移植適応評価委員会、日本肝臓学会、肝移植委員会において決められた新しいレシピエントの適応基準案です。内容としては医学的なことですので、参照ということで今回付けております。ここでの確認事項としては、学会作成されたレシピエント適応基準というのは、日本臓器移植ネットワーク(JOT)へ登録するための医学的な基準であり、レシピエント選択基準というのはJOTへ登録した後、JOTがレシピエント患者選択のための基準となり、今回、この選択基準に関して検討していただくことになります。そこで今回、作業班にて検討する項目として3つ挙げております。1つ目として医学的緊急性、予測余命の細分化について、2つ目としてABO様式血液型の選択順位について、3つ目として18歳未満のレシピエントの取扱いについて、検討していただきたいと考えております。

2ページは参考として付けているもので、現在、平成28925日時点での臓器提供数の推移です。本年、平成28年では脳死下臓器提供が46例、心停止下が24例となっております。昨年、平成279月末の時点では脳死が41例、心停止が22例ですので、昨年の現時点よりも脳死では5例、心臓では2例増えているという状況になっております。3ページは日本臓器移植ネットワークに登録されている、831日現在の肝臓移植の移植希望者の内訳です。現在、362名が登録されており、血液型、性別、年代、原疾患、医学的緊急度、待機期間となっております。以上、資料1の御説明を終わります。

○田中班長 ただいまの説明について、御質問等はありますか。説明の内容について、本日御出席の方々は、よく御存じだと思いますので、よろしいでしょうか。それでは、伊藤さんから話のあった3つの議題についてお諮りしたいと思います。最初が医学的緊急性、予測余命の細分化についてということで、議論を進めていきたいと思います。説明をよろしくお願いいたします。

○伊藤補佐 資料2に基づき、御説明したいと思います。資料2、参考資料4-1を御参照ください。まず医学的緊急性、予測余命の細分化についての現状と課題です。現在の医学的緊急性は、5段階の点数区分に分けられております。しかし区分が粗いために点数ごとの待機者が多く、優先される医学的緊急性という尺度より、待機日数の長さが主要な臓器配分の決定要因となってしまっております。また、医学的緊急性は継時的に変化するため、現在の点数区分ではレシピエント選択時に適正な医学的緊急性の判定ができないといったことが、課題として挙げられます。検討すべき点としては予測余命、点数幅の設定について、医学的緊急性をどのように細分化するかです。なお、現在の医学的緊急性は108631点であり、医学的緊急性の低いものの点数が医学的緊急性の高い者の点数と同じ、又は高いことにならないように、点数を設定する必要があります。

 ここから参考資料4-1を参考に見ていただきたいと思います。参考資料4-1は玄田班員から提出いただいた資料です。参考資料4-12ページから3ページですが、20044月から20153月まで、日本で脳死肝移植待機者リストに登録された肝硬変患者1,608例を対象に調べたものです。3ページにありますように、Child-Pugh分類を基にした現行の医学的緊急性が4段階にしか区分されていないため、各点数ごとの登録患者数が多く、主要な指標ではない待機日数が、臓器配分の優先順位を決定する主要な因子となっていることが分かります。

 続いて参考資料4-14ページから6ページです。実際のレシピエント候補者がドナー間の配分を受けるまでに必要な待機日数の中央値が346日、約1年と長期化していることが分かりました。続いて参考資料4-15ページです。待機生存率と脳死肝移植施行率の比較です。同点であれば待機日数が臓器配分優先権決定因子となっているため、現在の粗い区分では一定の待機期間が要求されます。一方、待機者の生存率は早期から低下する状態になっております。このグラフにより死亡の傾きと移植をしてからの生存の傾きが、死亡の傾きのほうが大きいことが分かります。6ページが肝臓移植の待機生存率で、肝臓移植の待機登録をしている患者の死亡率を示しております。平均待機日数の346日までに、肝臓移植を受けられずに死亡していることが分かります。また、待機患者の生存率は早期から低下していることも分かります。

7ページが、医学的緊急性からMELD scoreへの変更です。連続変数であるMELD scoreを用いることによって、各点数当たりの登録待機患者数が少なくなり、待機日数の長さが臓器配分に優先権を与える影響が少なくなると考えられます。

8ページがChild-Pugh分類とMELD scoreの相関関係です。Child-Pugh分類とMELD scoreには相関関係があり、予測余命も同等であると言われております。

9ページが、日本における待機登録患者の死亡に対する予測能を見ております。3か月以内の待機死亡に対する予測能としては、感度・特異度ともにMELD scoreを使ったもののほうが、現在の医学的緊急性、Child-Pugh分類を基にしたものよりも高く、有意があることが分かりました。

10ページが、肝硬変である原発性胆汁性肝硬変の死亡リスク評価についてです。死亡リスクというのは、現在の基準である医学的緊急性やChild-Pugh分類では、公平な評価ができないということが分かりました。

 以上のことからまとめとして、Child-Pugh分類に基づいた現行の医学緊急性では、待機時間が臓器配分の優先権を決定する主要な因子となっていることが分かりました。一方、待機患者の生存率は登録後、早期から低下していることも分かりました。MELD scoreに移行することにより待機時間の影響が少なくなり、早期死亡リスクの予測能も向上します。同様に、原発性胆汁性肝硬変のような患者の死亡リスクも、他疾患と同様に公平に評価を得ることができることが分かりました。

 以上より、資料21ページの下の所になりますが、医学的緊急性の変更の事務局案は、予測余命1か月以内10点をStatus1、予測余命13か月以内8点、予測余命36か月以内6点をStatus2とし、Status2の疾患群の点数計算はMELD scoreを用い、点数を決定するようにさせていただきました。3点、1点に関しては、現在の臓器配分の可能性はありませんので、登録は行わないと考えられます。

 また、これに伴う定義は3つとしております。緊急に肝移植を施行しないと、短期間に死亡が予測される病態・疾患を対象とし、予測余命1か月以内の疾患・病態をStatus1、従来の医学的緊急性10点に相当するものです。Status2として、1群以外の全ての症例はMELD scoreの高い順に優先度を設定します。このMELD scoreは、定期的及び病態が変化した際に登録を更新するようにいたしました。MELD scoreの計算方法はこのようにさせていただいております。以上で医学的緊急性の細分化についての説明を終わります。

○田中班長 いまの説明に何か御議論はありますか。非常に明確な根拠になっていると思います。MELD scoreで細分化したほうが、待機時間ではなくて重症度で移植ができる点が明確になっていますが、何かございますか。

○市田班員 要するに感染症も何もなく、ほかの合併症も何もない非代償性肝硬変の患者の本当の生存率が出たわけです。不幸にも移植が受けられなかったがために、こういうデータが取れたというのは、これは日本にしかないという言い方はないのですが、非常に貴重なデータです。本当に純粋なデータですから、これはもう信頼に値できると思います。

○國土班員 昨日、事務局にも御質問申し上げたのですが、適応基準と選択基準の2つがあることがこんがらがっています。今おっしゃったのが選択基準で、その前に適応基準があるという理解でよろしいですね。

○田中班長 はい。

○國土班員 今ディスカッションいただいたのは、選択基準のほうであるということですね。

○田中班長 選択基準です。適応があることが分かってから、次にレシピエントになるかどうかの段階のところですね。

○國土班員 それから、Status1にドナーの肝不全を第一にするという記載は必要ないのでしょうか。

○市田班員 それはこの前もあったのです。いわゆる術後肝不全としてのドナーの話でしょう。

○國土班員 はい、そうです。

○市田班員 ドナーの手術後に肝不全になれば劇症化のカテゴリーに入りますから、それで申請すればよいかと思います。

○國土班員 ドナーですから、Status1の中でも最優先にと言う必要がないかということです。

○市田班員 それはできないのではないですか。むしろStatus1に入れるかというディスカッションで、それは術後脳症を来すような術後肝不全であれば、劇症肝不全に準じるという形でStatus1にするだけの話で、そのドナーが肝不全になったのを最優先するという議論は一切していません。

○田中班長 旭川のときに質問が出たと思います。

○市田班員 最優先にするのではなく、申請登録していいかということだったと思います。

○國土班員 ドナーに説明する場合ですよね。肝不全は日本では7,000例余りで1例しか起こってないけれども、もし万が一起こったら、あなたは最優先になりますということを説明できるのとできないのとでは、ドナーの同意を頂くときに違うのではないかと思うのです。

○田中班長 あのときの議論では、今回はこの最優先の話しは入れないというようになったと思います。

○市田班員 Status1に入れるということで議論が終わって、それ以上最優先という話はしなかったのです。ここでは決められないでしょう。

○國土班員 最近の待機状況をみると10点で3人か4人並んでいることがありますから、10点だけでは確実にチャンスがあるとは限りません。

○田中班長 今は4人ですね。

○國土班員 そうすると、回ってこない可能性が高いですよね。ですから最優先というようにすることを、私としては提案したいと思います。

○市田班員 それを言ったら切りがないと思います。

○國土班員 しかし、これはめったに起こらないことだと思います。7,000回に1回しか起こってないことの話をしているのです。ただ、インフォームドコンセントでは非常に重要な問題だと思いますから、あえて発言します。

○田中班長 新しい提案が出てきましたが、どの様にしましょうか。

○市田班員 ここで議論するのですか。

○國土班員 ここで議論するのか、適応基準を決める際に議論するのか。

○井内室長 今の位置付けですけれども、レシピエントの選択基準というのは、国のガイドラインで決められています。これは国の検討会の作業班で、まず学術的に先生方の意見を聞いた上で、臓器移植委員会で決定されてガイドラインの変更がされます。その最初の登録は、学会のほうで自主的に決めていただいている基準ですので、それは学会のほうで決めていただくと。今回は学会のほうから、レシピエント選択基準をこう変えればいいのではないかという御提案を頂いて、それをベースに今日議論をしていただいておりますから、この作業班のルールとしては、それをそのまま決めないといけないかどうかというとまた別です。ここで議論していただいて結構かと思います。

 ただ、今回我々としては学会のほうからいただいたものを、事務局案として提案させていただいております。これがこのまま決まれば今おっしゃったような、いわゆるドナーの術後の肝不全を優先するというルールにはならないのです。もし、それをするのであれば、ルールを変更する必要があります。

 あと、制度的に言うと、この作業班で決めていただいたものを臓器移植委員会に持って行って決めるのですが、それが本当に学術的な意味、現場に一番近いという意味で学会の方々がどう考えるかも、きちんと聞く必要があるというのであれば、それはまた少し時間を置いて、もう一度議論することになります。ルールとしては、ここで決めたものを臓器移植委員会に言って、レシピエント選択基準を決めることになります。フレームとしてはそういう格好になっております。

○田中班長 今までそういう基準ではなかったですよね。

○市田班員 最優先という基準はないのです。

○田中班長 ですから、あのときの話合いでもそれはしないということになりましたし、今後の検討課題にするということはどうでしょうか。

○古川班員 しかし、これは適応基準ですよね。

○田中班長 いや、選択基準です。

○古川班員 ここで話すのは選択基準ですけれども、ドナーを最優先にするというのは。

○田中班長 選択基準です。

○古川班員 例えば、肝切除後の肝不全についても、そのときに話をしようと言っていたのです。肝不全というのは普通の手術によっても起こるので、ドナーの手術は更にそれより優先するということは、今回は話合いが行われてないですよね。実は、そういう症例を私たちは一度判定していて、10点になっているのです。

○市田班員 ですから國土先生が言うのは、術後の肝不全をStatus1にするけれども、肝移植ドナーだから、特別に優先してほしいという話しです。

○田中班長 劇症としてね。

○市田班員 劇症肝炎のStatus1としてね。肝移植のドナーだから、より優先してくれということですよね。

○國土班員 そういうことです。それはICUを取るときに。

○市田班員 それは先生の外科の立場の話だけであって、我々が今まで何回か討論をやった中では、一度もその話はしてないし、旭川のときにも東大の先生から尋ねられたのは「ドナーの術後の肝不全はどうするんだ」ということで、それはStatus1に入れて劇症化でやろうと。ですから、そのもう一歩上の最優先という議論は一切していないし、これをするとなったら、もう1回全員でやらないと、今日ここでは決まらないと思います。

○國土班員 先生は反対ですか。

○市田班員 いや、反対するかしないかは別として。

○國土班員 7,000回に1回ぐらいしか起こらないようなことで最優先するというのは、ほとんどの方には迷惑が掛からないということと、生体ドナーからICを取るときに非常に後押しになると思うのです。

○市田班員 先生の気持ちはよく分かりますけれども、だからといってそれが最優先という言葉になると、平等性・公平性から判断すると議論を呼ぶと思います。きちんと討論しないと、「本当に平等か」という議論が起こることになりますよ。

○上村補佐 選択基準の改正案を、臓器移植委員会にお諮りいただいて御了承いただく際には、どうしてそういう選択基準にしたかという医学的な根拠やデータを提出して、作業班で意見をまとめてからということになっておりますので、本日、そういった資料やデータなどが提出されていない状況ですから。

○國土班員 データは7,000分の1という数字だけです。

○上村補佐 その7,000分の1がほかの方と比べて優先すべきかどうかについても、また御議論いただいてということになるかと思います。

○市田班員 例えば今日はそういう話ではなくて、最優先という選択基準を作るときにはわれわれサイドがもう1回話をして、追加するときはまたこのような感じになるのですか。

○井内室長 仮に、もしここで合意された場合に、今回事務局で出しているものに更にガイドラインを変更するという案を、次に出してということになります。ただ、ここではまとまらないのであればもう一度、例えば学会のほうで学術的なもの、現場でのものを検討いただくかどうかという判断は、この委員会でもそうしたほうがいいのではないかという御提言を頂ければ、そういった方向で進めることになると思います。

○國土班員 ただし書でも駄目ですか。

○田中班長 ただし書は効力が出ますから。

○古川班員 最優先というのを追加して書くのはいいと思うのですけれども、肝切後の肝不全というカテゴリーがあるので、そうするとそこの議論ははずせないのです。では、それを劇症肝炎と同等に考えるということで本当にいいのかどうか。私はあのときも示しましたけれども、今の基準を超えたような肝がんを切除した後に肝不全になったのを、本当に普通の劇症肝炎と同等に扱っていいのかという疑問というか、適応していいのかという問題があったので、その内容で返答したのです。そういうことも議論しないといけない部分があるのではないかと思うのです。最優先というのは、私はそれはそれでいいと思うのですが、それを入れると必ず普通の手術後の肝不全はどうするのかという問題が出てくるので、ここではまとまらないのではないでしょうか。先生の言われることはよく分かるのですが。

○國土班員 そうすると、ドナーの肝不全はStatus1でいいけれども、普通の肝切除後の肝不全もStatus1ということですか。

○市田班員 劇症肝炎に準じればよろしいかと思います。

○古川班員 そうなのです。やはりそこは問題になる。

○國土班員 そこは同じでいいのかということ。

○古川班員 それをStatus1の中でも、更にドナーの場合はそれよりも優先するということを付け加えることになるのです。

○市田班員 それは公平性がないと思いますよ。手術をした患者だけがそういう形になって、それ以外の手術をしていない方が同じような状況になった場合に、細かいことを言い出したら本当に訳が分からないのです。術後のことは別として、先生がおっしゃっているのは肝移植という特殊な医療だから、肝移植の後のドナーを最優先したいかということですよね。それと古川先生の話は、ちょっと違うと思うのです。ただ、それを最優先するというのが果たして公平かどうかといったら、ほかの劇症肝炎の人だって「じゃあ、なんで」ということになってしまうので、そこら辺はきちんと議論しないと。気持ちは分かりますけれども、ここですぐにイエスというわけには私はなりません。

○國土班員 どなたからも反対はないと思っていたのですが、時間の関係で無理ですか。

○市田班員 先生、56回集まっているときに言ってくれればいいのに今日言うのだから、そんなものは決まり様がないではないですか。

○國土班員 すみません。私は肝臓学会の関連会議のメンバーではなかったようです。

○市田班員 それより今までの議論は何だったのかということになるので、それはちょっと。

○國土班員 では、この件は継続審議にしてください。是非お願いします。

○田中班長 移植の基準は常に見直さなければならないので、この件は継続審議にしたいと思います。

○市田班員 これはフィックスではないですよね。またフレキシブルになりますよね。

○井内室長 1回フィックスはします。

○市田班員 いや、違う違う。いろいろな状況を。

○井内室長 もちろんです。新たな医学的知見によったり、先生方や学会等の意見が。

○市田班員 例えば年間ドナー数が100例、200例になってきたら、また話は変わりますから。

○田中班長 よろしいですか。この件は肝移植委員会で必ず継続審議とします。まだ地域性の問題もありますし、これからも検討すべき課題がいろいろあると思いますので、それらと併せて検討していきたいと思います。他はよろしいですか。それでは、MELD scoreを用いて医学的緊急性を細分化して選択を決めることについて、御賛成いただけますか。

                                  (異議なし)

○田中班長 では、この件については賛成ということで結論を出して、臓器移植委員会に報告していただきます。ガイドラインの変更内容に関しては、私、班長に一任させていただきたいということで、事務局と作成いたします。よろしくお願いいたします。

 それでは、2番目の議題に移りたいと思います。ABO式血液型の選択順位についてということで、これも事務局から説明をお願いします。

○伊藤補佐 それでは、資料2と参考資料4-2に基づき御説明いたします。資料23ページから説明させていただきます。現状と課題としまして、現行制度では血液型一致、適合の順に選択され、以下の表のようにそれぞれ加点が行われております。また、現状では、臓器提供者(ドナー)よりもレシピエントの待機者が多いため、O型ドナーの臓器が以下の表のように、順位2位のレシピエントに配分され、順位3、順位5に配分されにくい事態が生じてきているのではないかという課題もあります。医学的緊急性の点数付けの変更の提案がなされており、現行の加点点数では順位の決定ができなくなるため、血液型の順位付けの変更が必要となるのではないかと考えております。

 具体例として、現在18歳以上のドナーの臓器提供の場合に選択される順位として、選択順位の1番が医学的緊急性、その次にABO式血液型ということで、合計点数で順位が決まっております。そうすると、選択順位の医学的緊急性の10点で適合の2位の者が、3位と5位の一致の者よりも優先的に配分されているのではないかというような疑念が生まれています。

 そこで、参考資料4-2を御参照ください。まず、2ページですが、血液型による肝移植後の成績としまして、2016年の肝移植症例登録報告からの抜粋です。図12Aですが、生体肝移植におけるABO式血液型適合度の累積生存率では、血液型不適合(Incompatible)の部分がCompatiblle Identicalの適合一致のところよりも成績が有意に悪い。また、直近5年の12F、右側の上側ですが、18歳以上では一致・適合が不適合よりも有意に悪い。また、その下の12Bですが、ただ、小児においては02歳は血液型不適合の移植の成績は血液型一致・適合の場合の生存率と同等であり、また、成人における一致・適合とほぼ同等あるいは少し良いぐらいの成績を収めているという現状があります。

3ページは、日本臓器移植ネットワークにデータを頂いて解析いたしました。肝臓を提供したドナーの血液型と年齢区分を見ております。現行のレシピエント選択基準開始後の平成231020日から831日まで209例を解析しております。参考までに、右下の図ですが、日本人の血液型分布として、OABABで大体3421の割合で分かれています。また、先生方は御存じだと思いますが、移植可能な血液型組合せとして「一致」は同血液型、「適合」は、O型がAABBA型はABのみ、B型はABのみ、AB型は適合なしということになっています。そうすると、まず、臓器提供していただいたドナーの血液型の分布を見てみると、O型が71名、A型が88名、B型が30名、AB型が20名となっており、大体、日本人の血液型分布とほぼ一致しているということが分かりました。

4ページは、肝臓移植の待機希望者(レシピエント)の方の血液型分布を見ております。こちらは338例、日本臓器移植ネットワークに95日現在で登録している患者さんの血液型分布を見ております。18歳以上ではO型が114名、A型が111名、B型が76名、AB型が24名と、それほど日本人の血液型分布とはずれていないということが分かります。

5ページは、脳死下肝臓移植を施行したレシピエントです。現行のレシピエント選択基準が開始された平成231020日から831日までに227名を解析しております。上の表ですが、左側のドナー血液型をOABABと並べております。また、真ん中のレシピエント血液型をOABABと並べていますが、レシピエントの血液型一致率として、O型は当然のことながら100%、A型は84.2%、B型は70.3%、AB型は56.8%と、AB型は約半数近く適合で移植手術を受けているということが分かります。また、不適合でも受けておりますが、これは2歳未満のレシピエントが受けている理由となっています。また、レシピエントの平均待機日数は、O型の10点で136.1日、AB型は8.9日となっています。また、O型の8点は561.7日、6点は2,028日ということで、O型の8点、6点が、ABABのレシピエントに比べて有意に待機日数が長いといったことが分かります。また、AB型の10点が非常に待機日数が短いということも分かりました。

6ページは参考に付けておりますが、これまで日本移植ネットワークより頂いたデータの全肝臓移植希望者の2,483名の転機となっています。脳死下肝移植済みが総計で348名です。その全移植患者の登録患者のうち、脳死下肝移植を受けた割合として、O型は9.7%、A型は16.8%、B型は11.9%、AB型は22.0%といった状況になっています。現在の待機患者は表に示すようになっており、また、生体肝移植に移行した患者さんはこの表のようになっております。

 以上より、ABO式血液型の優先順位の()として、資料24ページです。まず、医学的に考えれば、移植後の生存率から考えますと、血液型一致、適合は差はありませんので、優先順位を作る必要はないと考えられます。しかし、そうした場合には、血液型間での公平性が更に失われるということで、O型が不利、AB型が有利となることが予想されます。また、2(生後24か月)未満の血液型不適合レシピエントの生存率は、他の年齢層の血液型一致・適合のレシピエントの生存率と小児移植とは同等であり、また、それ以上に成人の移植の成績より良好であるため、ABO式血液型一致と同等と扱うことにしてはどうかとさせていただきました。

 以上をまとめますと、3つ目のポツですが、「血液型一致を優先し、ドナーと同一血液型内のレシピエント毎の医学的緊急性に順じてレシピエントの選択を行う。血液型が一致するレシピエント候補者がいない場合は、血液型適合のレシピエント毎の医学的緊急性の高い候補者から選択する。ただし、2(生後24か月)未満のレシピエントのABO式血液型は一致と同じ扱いとする」とさせていただきました。以上です。

○田中班長 血液型による不公平をなくすということと、これから、選択の基準がMELDに変わりますので、今までの血液型の点数がここに入れにくいということもあり、一致を優先するということです。一方、2歳以下は全て一致と同じに扱うということで、非常にクリアカットになっていると思います。御意見等ありますか。

○古川班員 議論があるとすれば、今の10点ですが、10点の場合だけ、例えば血液型を超えてO型をもらえたりするというのが、アメリカは多分そうだと思うのですが、そういうのはあり得るのですが、日本の場合は10点が余りに多いので、ちょっとそれで不公平感が更に増していることが問題なのです。私は現状のままでいいとは思うのですが、そういう議論は今後きっと出てくるだろうと。一番緊急度の高い場合だけ血液型を超えてもいいのではないかという人はいるかもしれませんし、将来はそうしないといけないかもしれないのですが、そこをいかに統計的に出していくかというのは、少し難しい問題ではあると思うのです。

○市田班員 先生の言ったのが、Status1では。

○古川班員 そうです。Status1だけを超えるとか。

○市田班員 2歳以上は一致と適合でいいだろうと。それ以外は一致を優先にやるということですね。

○古川班員 そうです。

○市田班員 そうすると、O型の不利益がなくなるという意味ですね。

○古川班員 本来はそうして、ものすごく臓器が多ければいいのですが、今、少なくて、多くの部分はStatus1が取っているではないですか。そうなると、日本では血液型でかなり差が出てしまうのです。今の状態で、私はO血液型一致優先でいいとは思うのですが。

○玄田班員 すごく高いMELDStatus1では死亡率が余り変わらないというのが、たしかアメリカのデータでありましたよね。多分、Status1で血液型一致、適合がなくて、high MELDのところに回ることになるので、余り不公平感はないのではないかなという気はするのですが。

○市田班員 だからO型はO型でということでいいわけですね。

○玄田班員 いいわけです。

○市田班員 足算のしようがないから、これでいいですよね。医学的緊急度では足したけれども、それがないという。

○田中班長 それは将来の検討課題ということですね。

○玄田班員 そうですね。

○田中班長 どちらにしても、どちらかに偏ることはあると思います。Status2でもMELDの一番高いところへ行くわけですから、Status1に類似した重症度であるとのことです。貴重な意見をありがとうございます。Status1での血液型優先については肝移植委員会で引き続き検討させていただきます。

 では、今の報告いただいたものを結論といたします。事務局のほうは、この結論を臓器移植委員会のほうに報告をよろしくお願いいたします。ガイドライン変更内容に関しては、班長の私に一任させていただければ、事務局と相談して作成したいと思います。よろしいお願いします。

 それでは3番目の議題です。「18歳未満レシピエントの取扱いについて」ということで、説明をよろしくお願いいたします。

○伊藤補佐 「18歳未満レシピエントの取扱いについて」御説明いたします。資料2と参考資料4-3です。現状と課題ですが、脳死下での18歳未満ドナーから肝臓が提供される場合は、18歳未満のレシピエントへ移植されることが比較的多いが、その提供14事例のうち6例で、2060代の18歳以上のレシピエントへ移植されています。

 参考資料4-32ページを御参照ください。こちらは現在まで行われた脳死肝移植の15例の一覧です。18歳未満の臓器提供は、現在406例中15例となっています。そのうち1518歳の提供が3例、1015歳未満は5例、610歳未満は1例、6歳未満は6例という内訳となっています。レシピエントの原疾患や提供日を書いております。移植臓器、移植施設を20歳未満レシピエントのところで見てみますと、肝臓のところでは小児に行っている部分が、全移植15例中6事例で2060代のレシピエントに移植されているということが分かります。

 医学的緊急性は、これまで18歳未満のレシピエントへ加点を行っており、医学的緊急性の点数付けの変更の提案がなされており、それらを行うと18歳未満のレシピエントが不利益を被ることになるということから、優先を付ける方法の変更が必要となると考えられます。

 具体例として、表のように、現在の18歳未満ドナーの臓器提供の場合、選択順位としては、まず医学的緊急性で10点、8点、6点、その次にABO式血液型の一致、適合、一致、適合という順番になります。年齢加算として18散未満に1点、18歳以上は0点といったところで、現在、選択順位として1位、2位の10点の血液型が一致・適合で18歳未満が選択され、その後、10点の18歳未満がいなければ、18歳以上の10点になる。その次に5位、6位が、18歳未満の医学的緊急性8点の一致・適合、その次に18歳以上といった順番で選択の順位が決められていっております。

 参考資料4-33ページです。まず、医学的な知見から見た18歳未満レシピエントの成績を示しております。こちらは脳死肝移植における年齢別の累積生存率は、日本では脳死肝移植の18歳未満が現在まで43例と非常に少ないことから、有意差は出ておりません。また、左下の10Aは生体肝移植ドナー年齢別の累積生存率ですが、ドナー年齢では40歳以上のドナーでは生存率が悪く、それ以前の039歳以下のドナーでは非常に成績が良いと思っていいということが分かります。また、右側の図8Bですが、生体肝移植における年齢別の累積生存率は、10歳ごとの年齢群比較において、09歳、1019歳というものが非常に有意をもって成績が良いということが分かります。

4ページからは笠原班員から提出いただいた資料です。海外でのレシピエントの選択基準はどうなっているのかといったところですが、58ページがアメリカでの移植の臓器配分に関しての資料です。7ページにまとめていただいていますが、小児ドナー、1118歳の場合は、Donation service area及びOPO's Region内の小児レシピエント内のStatus1に優先権がある。小児ドナー11歳未満はRegionを問わず、1番の、日本で言うところのStatus1に優先権があるというのがアメリカでの臓器配分となっています。

 イギリスでの臓器配分に関しては913ページです。9ページでまとめていただいておりますが、イギリスでは小児ドナーの定義としては、18歳未満若しくは体重が35kg未満といったところです。小児レシピエントの定義としては16歳以下となっています。イギリスでの臓器配分は、基本的に小児ドナーからの肝臓提供は全て小児レシピエントへというふうになっています。ただ、一定条件の成人ドナーからの肝臓提供は、もし適当な小児レシピエントが存在する場合には分割肝移植、肝臓を半分に割って肝臓を分けるといったことを奨めているということです。また、16歳以上のドナーであっても、16歳未満の小児がいれば分割肝といったところがイギリスでは選択されているようです。

1417ページが韓国からの報告です。こちらは小児の臓器分配における分割肝の現状を出していただいております。17ページにまとめていただいておりますが、年齢での優先はないと。ただ、体重を合わせているということなので、非常に小さいドナーの場合は小さいレシピエントに行くのではないかと予想されています。それよりも分割肝を推進しているということで、韓国の日本臓器移植ネットワークと同等の組織であるKNOSに尋ねたところ、明文化されていないという回答を得たといったような状況です。

 以上、医学的な知見、あるいは海外からの諸外国での知見を参考にし、18歳未満レシピエントの取扱いの変更()としまして、現行制度の年齢区分、また、医学的な移植成績、諸外国のシステム等を考慮しまして、18歳未満のドナーからの臓器提供の場合には、18歳未満のレシピエントの中から選択を行う。18歳未満レシピエントがいない場合には、18歳以上のレシピエントの中から選択するというふうにさせていただきました。以上です。

○田中班長 非常に明解に説明していただきましたが、この小児優先を一番熱心に進めた笠原先生、何かコメントはありますか。

○笠原班員 事務局の作られた資料の2ページに、小児の脳死下臓器提供の事例が全て載っていると思うのですが、事例番号178番と307番に関しては、御遺族の提供後のコメントの中に、子供たちが元気になるようにという言葉が明文化されていました。しかしながら、臓器が必ずしも子供に配分されたわけではないのです。そういう事実をもちまして、腎臓では先立って、小児の臓器は小児に行くと変更になっていますので、是非、肝臓も同じように、小児臓器は小児へというふうに変更していただければと思います。

○國土班員 質問ですが、6歳未満から大人へというのが2例ありますが、これはどういう状況だったのですか。

○笠原班員 一番最後の374番・307番に関しては、うちは2番目で小児が待機しておりましたので、私自身は状況はよく理解しておりません。やはり6歳未満の臓器というのは、大人に行くと肝臓のサイズが小さいですので、通常は取らないのが普通だと思います。

○國土班員 この2例は移植後のアウトカムがどうだったかなどは分かっているのですか。

○伊藤補佐 アウトカムは分からないのですが、肝臓が成人で選択されている20代や60代の成人の方に配分されていることに関しましては、全て一致の18歳未満小児レシピエントがいなかった。10点のレシピエントがいなくて、それで10点の18歳以上レシピエントに回っているという、システム上はそういうふうに回っています。

○市田班員 ただ、医学的緊急度10点以下でも子供の待機者はいたでしょう。

○伊藤補佐 はい。それはいました。

○市田班員 そういうことなのですよね。だから、6歳以下とか18歳以下で大分違いますが、少なくとも富山大学の事例をよく見ていましたが、60歳のレシピエントのところに腎臓が行くということ自体が、誰が考えてもそんな変な話はないだろうと思います。結局、順番待ちだとそうなるというので、多分、腎臓はもう変わったのですよね。小児は小児と。ただ、やはり基本的にはドナーの家族の心情を考えると、お子様はお子様に行ったほうがすごく良いということでやっていると思うのです。基本はこれでいいのですよね。ただ、時々気になるのですが、今は1617歳でかなり大きな子もいますよね。

○笠原班員 いらっしゃいます

○市田班員 6歳以下とかなり違いますよね。6歳だったらある程度決まるけれども。

○國土班員 18歳で区切るのは、どうも余り合理的ではないような気がします。16歳の国もありますし。

○笠原班員 ほかの臓器に準じたということで御理解いただければいいかなと思います。

○國土班員 それから、やはり大人のStatus1よりも子供のStatus2を優先するわけですよね。

○笠原班員 18歳未満の臓器提供自体が少ないですので、そうですね。おっしゃるとおりだと思います。

○國土班員 実際、子供と大人で、18歳以上と18歳未満で、待機時間などは、今、どういうふうになっているのですか。

○伊藤補佐 待機日数ですが、現在、これまでの306例を検討しますと、18歳以上で10点で待っている方が平均30.4日、18歳未満で10点で待っている方が133日になっています。8点の場合は、成人では439日、小児では233日という日数になっています。

○國土班員 8点は小児のほうが有利ですか。

○伊藤補佐 8点の場合は200日ほど小児のほうが、10点は100日ほど成人のほうが早いという現状です。

○古川班員 前の作業班のときにも大分問題になったのですが、子供から子供へというポリシーを貫くというか、それで、アメリカのMcDiarmidが出していた論文を参照して、それはUNOSのデータから取って、子供から子供の成績が良かったというデータだったのですが。それで、前回、私は実は子供に完全に行くものと思っていたのですが、点数を上げただけでは行かなかったと。そういうことでした。

○田中班長 点数とは何の点数ですか。

○古川班員 1点を加えるだけでは、どうしても。

○田中班長 前回の作業班の話ですね。

○古川班員 前回の作業班のときは、実は小児を本当は優先したかったのですが、点数を触るだけではそうならなかったということです。

○市田班員 その第4回か、その前か、まだ成育医療センターの松井先生がいらっしゃるときには、結局、小児で待っている数がそんなにいなかったのですよね。それで「小児は優先して小児へ」ではなかったのですが、今はもう、小児は何十例と待っているのですよね。そういうことを考えると、小児は小児優先でいいと思うのですが、國土さんが言った、16歳、17歳、18歳ぐらいが、どこで区切るか。

○國土班員 18歳は少し上すぎるのではないですか。

○市田班員 だけど、それが決まらないのです。決めようがない。

○國土班員 16歳の国がありましたよね。あるいは体重が35kgとか、ほかの決め方もあると思うのです。

○市田班員 取りあえずはこれで行くしかない。

○國土班員 今の資料を頂いたところでは、16歳もあるわけだから、18歳というのはちょっと上ではないですかというのが私の意見です。

○市田班員 それなら私も分かります。6歳以下は何となく分かるのですが。

○田中班長 いや、先生、18で是非。今日はですね。

○國土班員 今日は決めるのではないのですか。

○田中班長 決めるのです。

○伊藤補佐 こちらの18歳未満のレシピエントの取扱いに関して、現在、18歳未満に1点が付いておりますので、例えば16歳というところで決めて、1点外したときに、18歳未満のところで、これまでのシステムのところで加点されているものと整合性を取るために、不利益をなくすということを考えないといけないとは思うのです。ということで、()としまして18歳というところで出させていただいたのです。

○國土班員 18歳だと、15歳以上はもう大人と同じ体格のことが多いですよね。

○伊藤補佐 あとは、他臓器で心臓が18歳で区切っているということと、腎臓が20歳で、20歳未満を20歳未満という形にしております。

○古川班員 本来ならば、科学的な根拠が要ると思うのです。前回の作業班でもそれが言われたので、なかなか根拠を出せるものがなくて、それでアメリカのそれを出したのですが、國土先生が言われるように、本当は体重ごとのデータを出していかないといけない問題ですが、残念ながら、笠原先生、そこまでのものはないですよね。先ほどの6歳未満の臓器を大人が使うという場合の、緊急度の高い場合は、やむを得ずというか、きっとぎりぎりの状態で使ったのでしょうけれども。

 だから、どこまでそういうものを認めていくかというのも将来の課題だと思うのです。体重の大きさで。だって、子供さんの場合、大人からだったら分割肝ができるわけだし。では子供の場合はどのぐらいの大きさだったら、そのままの臓器でいけるのかなどといったことの検討も要るではないですか。

○笠原班員 今回は分割どうこうとはまた別の議論だと思います。年齢を18歳にしてほしいというのは、ほかの臓器でもやはり同様の年齢で区切ってあるわけですので、肝臓だけ6歳ということで、それで本当によろしいのかどうか。確かに体重や体格は15歳を超えれば大人と同じで、15歳の臓器を大人に使っても全く問題ないと思います。論文で散見されるのは、例えば6歳未満の臓器を大人に使ってうまくいきましたという良い結果の論文しか、引用しても出てこないわけです。ですから、何歳で切って、それを子供に、ここから上を大人にという明確な線を文献学的な考察で結論を得るというのは大変困難な作業かなと思います。

○國土班員 18歳は少し上かなという気はします。例えば18歳の大きな肝臓が1歳の子に当たった場合は、その肝臓をどうするわけですか。

○笠原班員 頂くと思います。多分、分割をするという提示をします。

○國土班員 分割しますよね。だから、では、残りは大人に行くわけですよね。

○笠原班員 現在検討している選択基準でいくと、分割した右葉も子供に優先権が行くわけです。そういうことになると思います。

○國土班員 それを欲しい子供がいればそういうことになると。

○笠原班員 そうです。18歳未満のサイズマッチングしたレシピエントがいないのであれば、その右葉は小児の適応患者の後に成人に行くというルールをお願いできればと思います。

○田中班長 大きすぎることはないわけですよね。分割するわけですから。

○國土班員 ルールはないですね。だから、そこまで決めておいてもいいのではないですか。17歳の大きな肝臓も1歳に優先して使うということを決めるのであれば、残った肝臓をどういうふうに使うか、有効に使うか。

○笠原班員 残った肝臓は、この文言でいうと子供に行くのではないでしょうか。私はそういう理解ですが、どうですか。

○伊藤補佐 事務局としましては、子供は子供と、優先ということなので、分割した場合も子供のほうにと考えて作っております。

○笠原班員 子供は待機リストが終わった後に、例えば分割した右側は大人のStatus1に行くと、そういう理解でよろしいのですね。

○伊藤補佐 はい。

○笠原班員 そういうことになってまいりますが。

○市田班員 自動的にそうなるかな、小児がなければ。

○井内室長 はい、ガイドラインを書くときに、だったら今のルールでいくと、自動的にそうなるという認識で、そういう御提案を頂いていると思います。

○市田班員 基本的には小児は小児に行って、肝臓が大きければ、分割して、分割しても小児に行くのだけれども、右葉の大きいのがもし適切でなかったら大人に行くというルールになっているわけですね。

○井内室長 小児のほうが小児優先ということなので、分割してもしなくても小児にまず行くというふうな分割。

○田中班長 つまり、分割して、次のレシピエントが選択可能になれば、レシピエントはこのルールに従って選択することになります。

○井内室長 従うと、小児に。

○田中班長 小児優先で選択することになります。

○井内室長 はい。

○田中班長 小児が優先になります。いなければ大人になりますが。そのルールなので、それはそれでよろしいですよね。

○井内室長 我々はそう理解してお聞きしておりました。

○田中班長 選択基準はそういうことで宜しいでしょうか。

○伊藤補佐 今現在、肝臓移植レシピエントの選択基準の部分に分割肝のことに関して文言が入っていないのですが、そのことに関して、通常の大人同士の分割肝ということも考えられますし、その分割肝をした場合の付加的な文言を付け加えなくてもよろしいですか。

○上村補佐 付け加えることもできます。あっせんを明確にしていただくためルール上そうなりますが、そのルールをちゃんと明文化することは可能です。

○笠原班員 それは「どのような臓器が分割移植しています」と、そういう文言になるのですか。

○田中班長 いや、分割した場合にどうするかということです、選択基準ですから。

○笠原班員 その場合、現行のルールですと、第1位の方が分割を選択した場合に、残った側が2位以降に下りていくというルールですので、こちらは年齢が最初の選択基準の条件になっているだけで、そこから下は全く変えずにやることでクリアできるのではないでしょうか。あえて分割によって順位が変わるとか、そのようなことはないかと思うのですが。

○上村補佐 ないです。一番最初に優先順位1番目の方にあっせんした上で、残った部分があるのであれば、それは第2位以下に順次打診していくことも明文化するだけです。

○市田班員 今、小児の話ではなく成人の話ですか。

○笠原委員 いえ、成人の。

○市田班員 今度は成人全体の分割の話になるのですか。

○笠原班員 いや、ざっくりした分割の話ではないのですか。

○市田班員 そこははっきりした方がいいでしょう。小児の分割だったら、そのままのルールでいいわけでしょう。

○田中班長 成人の分割は2位に行く。

○市田班員 だから、今、成人の場合はまた議論が非常に難しい。

○田中班長 小さい場合もあるし、いろいろな場合があるから。

○市田班員 小児は小児を受けることね。それを明文化するのですか。

○田中班長 することもできるということですか。

○上村補佐 はい、御意向があればという話になります。

○市田班員 それは書いておいたほうがいいのではないですか。笠原先生、同じでしょう、小児の場合の分割だから。

○笠原班員 はい、同じで、今までと分割した後と全く変わらないので、あえて書く必要はないと思います。

○市田班員 ただ、小児の分割した場合の大きい場合というのも、やはり勘違いする人もいるから、小児を分割しても、それも小児に行くというのをはっきり書いていてもいいのではないですか。

○田中班長 小児に行くというか、優先順位2番目に行ということですね、小児の。

○上村補佐 18歳未満の方が。

○田中班長 小児のほうが優先なのだけれども、小児の症例がなければ成人に行くわけですね。

○市田班員 なければと、それを言ってしまったら。

○田中班長 だから、文言として優先順位2番目に行くということですよね。

○市田班員 小児は小児に行くと。先ほど先生が言ったのは、大人の場合のという話ですよね。

○笠原班員 はい、大人の場合も今まで。

○市田班員 それは議論したほうがいいのだったら、したらいい。

○國土班員 これは医学的な問題だから、議論するのはこの場ではないのではないでしょうか。極端な話、大人全部スプリットするのは。

○市田班員 全部スプリットしろと言ったら、それはまた大変な話になりますからね。

○國土班員 それはこの会議の場でやるには、適切ではないですね。

○上村補佐 そうしましたら、18歳未満のドナーから肝臓を提供したときに、分割といった場合にはどうしますかというのを明文化。

○市田班員 それはいいことだと思います。そうすると、この10何例が恩恵を受けるわけですからね。

○田中班長 今の明文化するとしたら、具体的にどこへ付けますか。

○上村補佐 参考資料1でお配りしています肝臓移植希望者(レシピエント)選択基準1ページの優先順位の後に、2ページになるのですが、「具体的選択方法」があります。「以下の順に勘案して決定する」と書いてある下、途中から「肝腎同時配分」の話とかが出てきていまして、これの一番最後か上かどこかに、3の「具体的選択方法」の中のどちらかに書かせていただきたいと思っています。

○田中班長 分かりました。また確認させてください。

○市田委員 はい。

○笠原班員 分割肝移植は成人のレシピエントが先に当たって、自ら分割しようという施設は大変に少のうございますので、成人の場合は余り記載する必要はないのかもしれないです。

○國土班員 今の段階でここに記載するとしたら変ですね。

○上村補佐 はい。

○田中班長 では、逆に言うと、小児の場合は、分割の機会が多いということですか。

○笠原班員 はい、小児の場合は、当然大きさのことがありますから、市田先生がおっしゃるとおり記載するのであれば、ちゃんと記載しておいたほうがいいと考えます。

○田中班長 では、それを記載するということで、ルールの変更ではないのですが、明文化しておくということで、事務局のほうでよろしくお願いいたします。

 それで、18歳というのも今まで議論してきたし、これまでの手順も18歳でしたので、このまま18歳でお願いしたいと思います。年齢とか体重に関しては、それはもう少し医学的な根拠が必要ということで、今後、検討させていただきます。

 今回の年齢、18歳未満ドナーの場合は、18歳未満のドナー、レシピエントを優先するということに御賛成いただけますでしょうか。

○國土班員 私は反対ですが、そうしてください。反対意見もあったと記録してください。

○田中班長 それは小児優先には反対ではないわけですね。

○國土班員 はい。

○田中班長 その細かい条件ですね。

○國土班員 18歳というのは、少し高いのではないかと。

○田中班長 分かりました。

○市田班員 これはほかの臓器移植で18歳とか、15歳とか、6歳とか、そういう議論はないのですか。心臓とか、腎臓とか。

○伊藤補佐 ありました。

○市田班員 あったのですか。

○伊藤補佐 腎臓の現在のガイドラインの選択基準で20歳未満に加点を付けています。20歳未満に加点を付けているということで、コンセンサスは得られているということがまず第一と、医学的には、腎臓の場合はそこまで、小児から小児が成績はいいということはないのですが、成長障害が小児の場合は大きいので、それを改善するには、中学生・高校生辺りまでということだったのですが、現在の加点をしているレシピエントが不利になってしまいますので、そういったところを、20歳未満というところに腎臓の場合加点をしています。

○市田班員 腎臓の場合、どちらかというとこのような感じですから、いいですが、例えば心臓だったら、肝臓と同じように大きすぎて入らないわけですよね。例えば、18歳だったら、このような心臓だったら、そういう場合の議論はなかったのですか。

○伊藤補佐 心臓もありました。ありましたが、16歳にするか、18歳にするかとか、15歳にするかというところもありましたが、心臓も現在、今の前のガイドラインのときは、18歳のところで加点をしておりましたので、そういった理由で、いわゆる18歳とか、今現在、肝臓の場合、18歳未満に加点しておりますので、そうしたら17歳、16歳のところは15歳未満にした場合、そこで加点されない、選択されることがなくなって、大人と同等になりますので、子供が出た時に不利益になるというところです。

 もう1つ問題となりますのが、ではレシピエントとドナーは同じ年齢にするのかどうかということで、例えばドナーの年齢、それと同等以下に両方とも合わせてしまうとか、そういうことも腎臓のほうで議論されたのですが。そこは年齢区分は非常に難しくて、はっきりした医学的根拠がなかなか出しづらいところもありますので、腎臓の場合は、今、20歳というところで区切ったわけです。

○田中班長 ほかの学会も年齢の境界を決めることはなかなか難しいようですね。根拠の出し方が難しくて、今、苦労して決めているということですね。笠原先生、これから小児のほうが少し増えるかもしれませんね。

○笠原班員 これは先ほど事務局の2ページの資料を見ていただければ分かるのですが、全体で小児脳死ドナー15例ですよね。始まった事例番号だけ見ても、250分の15ですので、10%に満たないぐらいの症例数です。本来、小児の臓器移植というのは、大人との比で大体20%から25%が症例数であるべきなのですが、そういったことも考えると、小児優先でここは少し考えていただいてよろしいのではないかと。

○田中班長 先生、是非、データを出してください。

○笠原班員 脳死の小児の臓器が小児のほうがいいというデータですか。

○田中班長 そうですね。年齢の区切りは何歳ぐらいがいいのかとか、是非、検討していただきたいとお願いします。それでは、これは御承認いただいたとさせていただきます。ガイドライン変更内容に関しては、班長に一任させていただきたいと思います。では、よろしくお願いします。

 最後に、まとめを事務局からお願いします。

○伊藤補佐 資料27ページで御説明させていただきます。13までの変更を反映した肝臓レシピエントの選択基準のイメージ図といたしまして、選択順位をこのように考えさせていただいております。医学的緊急性、ABO式血液型、18歳未満ドナー、各項目におけるレシピエントの優先順位付けの考え方を、総合的にまとめて整理したレシピエント選択の順位表を、以下のとおりお示しさせていただいております。

1番目といたしまして、ドナーが18歳以上の場合、選択順位といたしまして、これまでは医学的緊急度が初めに来て、ABO式血液型、小児加算となっておりましたが、順番といたしましてABO式血液型を先に持ってきて、その次に医学的緊急性といったところで、Status12という順位を付けさせていただいております。また、同順位内に複数名のレシピエントが存在する場合には、待機時間の長いものを優先するとさせていただいております。2番目として、2歳、生後24か月未満のレシピエントのABO式血液型は1と同じ扱いとするとさせていただいております。

2つ目といたしまして、臓器提供者、ドナーが18歳未満の場合は、選択順位といたしまして、最初に年齢、次にABO式血液型、医学的緊急度とさせていただいております。順位といたしましては、123418歳未満の小児、レシピエント。次に、ABO式血液型で一致、適合、その次に医学的緊急性といたしまして、Status1212という順番にしております。1番、2番のコメントは、同じようにさせていただいております。以上です。

○田中班長 今までの3つの議題についてまとめをしていただきました。ただいまの説明について、何か御質問等はありますか。よろしいですか。

○市田班員 同順位以内というのは、要するにMELD scoreが同じということですか。

○伊藤補佐 はい。

○市田班員 そういう意味ですか。MELDが全く同じ条件だったら待機順と。

○田中班長 待機時間です。

○國土班員 MELDは小数点……幾らでも。

○玄田班員 自分で計算するとホームページで出すときと、また違っているので、それは何取扱い上注意したほうがいいかもしれないです。確かUNOSのホームページだと小数点以下は出ないですよ。

○笠原班員 いや、UNOSのホームページはもう計算できないものでしょう。

○玄田班員 現在はUNOSのホームページでの計算はできませんが、以前登録されたものはずっとそうだったのですよね。だから、少数点はなかったので、自分で計算する人と結果が異なる可能性がでてしまいます。取扱い上問題になるかもしれません。

○市田班員 この前、岡山大学の八木教授がそうおっしゃっていましたね。ちょっと計算できなくなっていると。

○笠原班員 UNOSのホームページから引けなくなっていますので。

○市田班員 それは、もう一定式で決めて頂ければありがたいです。

○伊藤補佐 資料22ページにMELD scoreの数式を入れさせていただいているのですが、恐らく小数点が2桁まで出てくるとは思うのですが。

○國土班員 でも、これは、どこかウェブサイトを作って、計算したほうが間違いないと思いますよ。

○玄田班員 計算ミスが起こる可能性もあります。

○國土班員 計算ミスして、順番が逆転してしまうと問題ですからね。

○古川班員 これは、JOTの、……これは確認ですが、透析の場合は4.0で計算するのですか。

○伊藤補佐 これは、そういう具合にしていたと思うのですが。このMELD score、私はこれを抜き出してきたのが、参考資料の3-2にあります学会で作っていただいていますレシピエントの適応基準案の中から数式を出してきたのですが、そこの点数をどうするかを。

○國土班員 細かく決めておかないと、トラブルの基になるのではないでしょうか。○古川班員 ただ、透析は。

○玄田班員 データで出した式では透析は4になっていると思います。4で出た数字だと思います。基本的に、登録のときには、まず、今取り上げているUNOSのページで計算しようと書いてあるのです。それで、そのデータが入っているので、それに基づいたデータなので。

○國土班員 透析ではないほうの4……ですか。

○__ 4はそういう意味ね。だから単にね、UNOSはそうしたから。

○__ それはまた別な話。そうだっけ。

○田中班長 先生、この話ではないのですが、移植研究会でホームページに作ることはできるのですか。肝移植研究会のホームページにこの計算式を載せる。

○國土班員 それはJOTのほうがいいです。

○田中班長 JOTでもいいですし。

○國土班員 それは、公式なほうにしておかないと。公式というか学会でないとまずいです。

○田中班長 では、JOTと交渉して載せたいと思います。

○市田班員 だから、数字を入れたら、すぐ自動的にそのまま数値が出るようにしてほしいですね。

○田中班長 登録するときに計算できるようにすればいいわけですね。

○國土班員 それと、透析のことが、そういうのをちゃんと記載しないと、結構難しい。

○田中班長 というか、数字を入れたら、自動的に出るようになっていればいいわけですね。これはMELD別の頻度の図が、事務局が作ってくれたのがありますので、一番多いところでも130人ぐらいですね。

○玄田班員 MELDの話。

○田中班長 そうですね、一番多いところで120130人です。

○玄田班員 ただ、それは結構16点というのは、まず回ってこない点数で、余り意味がないとは思うのですが、本当に回ってくるところは、多分1人か2人しか出てこないのではないかとは思うのですが。

○田中班長 ただ、今までの医学的緊急性だと8点でも、200人近くあるのですね。

○玄田班員 そういうことです。

○田中班長 移植のチャンスが回ってくるMELD30ぐらいだと、10人とか、20人とか、そういう数字なので、あとは待機期間で選択しても、それほど大きな問題にはならないと思います。MELDの計算の話は、JOTに話をして、数字を入れれば自動的に出るようにするのが一番いいですね。

○國土班員 そうですね。

○田中班長 透析のものも入れるということにさせていただきます。事務局はよろしいですか。それは両方でやりましょう。

○伊藤補佐 はい。

○田中班長 本日、予定していました議題が全て終わりましたが、よろしいでしょうか。今後の予定について、事務局からよろしくお願いします。

○伊藤補佐 本日は、活発な御議論を誠にありがとうございました。本日頂きました御意見を踏まえまして、レシピエントの選択基準の改正に向けた審議会への報告準備をさせていただきます。田中班長に1度確認させていただきまして、審議会に向けて報告準備をさせていただきます。以上です。

○笠原班員 この後、これはどのような流れなのでしょうか。どこに持っていって、いつぐらいにこの制度でいけるようになるのでしょうか。

○井内室長 これは先ほど言いましたように、臓器移植委員会で議論になります。実際、今日頂きましたのが原案で上がりまして、そこでの議論によっては、例えばルールをこれとは違う形でやることも、仕組み上は議論するということですので、報告して承認という形ではなくて、臓器移植委員会で議論がなされるという仕組みです。例えば、そこで医学的なことで再度詰めていただきたい部分が出たら、またこの作業班に戻ってくることもあり得ますし、また、臓器移植委員会から学会の意見も聞きたいということも出るかもしれません。それは臓器移植委員会の中での議論になります。そこで最終的にこの選択基準が決まりますので、そうなりましたら、その運用に向けて我々として準備を進めていくという手続を進めていくことになると思っております。

○田中班長 順調にいけば、適応基準は来年4月からJOTに登録できるようにしようということで準備を進めていますので、順調にいけばそれとマッチする形になると考えてよろしいですかね。

○井内室長 そうです。だから、臓器移植委員会でも議論が。

○田中班長 もちろん議論はありますから、特に問題がなければ、そういうことに。

○井内室長 はい。

○田中班長 もし、そこで議論になれば、少し遅れる可能性もあるということですね。

○井内室長 はい。

○田中班長 笠原先生、よろしいですか。

○笠原班員 はい、分かりました。

○田中班長 これは非常に重要な問題なので、いろいろな意見があると思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、「第5回肝臓移植の基準等に関する作業班」を終了します。どうも御苦労さまでした。


(了)
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