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2016年9月30日 第2回食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会 議事録

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部基準審査課

○日時

平成28年9月30日(金)10:00~12:00


○場所

厚生労働省 3階 共用第6会議室


○議題

1.事業者団体からのヒアリング
2.討議

○議事

○近藤補佐(事務局) それでは、第2回「食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会」を始めさせていただきます。構成員の皆様におかれましては、本日、御多忙のところ本検討会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。本日は、西川構成員より欠席の御連絡を受けており、 14 名の構成員による開催となっております。また、本日は参考人としまして、一般社団法人日本乳容器・機器協会の村田事務局長、一般社団法人日本冷凍食品協会の尾辻 常務理事、塩ビ食品衛生協議会の石動常務理事、塩化ビニリデン衛生協議会の松永専務理事に御出席をいただいております。

 続きまして、配付資料の確認をします。本日お配りした資料は、まず、議事次第、その裏面に構成員名簿があり、次に座席表です。そして、机上配付資料としまして「第1回検討会資料の修正について」、本日御説明をいただきます各団体様の資料1~6までを配付しております。資料に不足や落丁等がありましたら事務局までお願いします。

 それでは、大前座長に検討会の進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○大前座長 それでは議事を進行します。まず最初に事務局より、前回配付資料の修正について説明がありますので、よろしくお願いします。

○近藤補佐(事務局) それでは、前回配付資料の一部修正について御説明します。机上配付資料の「第1回検討会資料の修正について」を御覧ください。まず、欧米のポジティブリストの収載例についてです。前回検討会で、鬼武構成員から御指摘がありました件につきまして修正等を行っています。修正点は赤文字でお示ししておりますが、表現が不十分な部分については補充し、正確な表現に修正しています。

 次に裏面です。こちらは、器具・容器包装の事業者数等についてです。この調査の終了後に自治体から、営業届出制度の導入及び把握する製造者数の報告に誤りがあった旨、事務局に連絡がありましたが、こちらの反映がなされていなかったため、これを反映いたしました。これにより、営業届出制度を導入している自治体数を 20 自治体から 19 自治体に、製造者数を 529 社から 523 社に修正しています。また、事業者数については、製造者数と事業者数の双方を把握していた自治体の事業者数の計上を行っていなかったため、これを新たに計上いたしました。この結果、事業者数が、 11,607 社から 17,065 社に増加しています。資料作成に不備がありました点についておわび申し上げます。事務局からの説明は以上です。

○大前座長 ありがとうございました。何かこの正誤に関して御質問ありますか。よろしいですか。

 それでは、今日の主たる議題である、各事業者団体からのヒアリングに入ります。おおむね1事業者団体 15 分未満、その後、その団体に関する質疑を5分程度と見込んでいますので、よろしくお願いします。それでは最初に、資料1に基づいて、一般社団法人全国清涼飲料工業会の中嶋構成員より御説明をよろしくお願いします。

○中嶋構成員 改めまして、全国清涼飲料工業会の中嶋です。よろしくお願いします。本日は、食品用器具及び容器包装の清涼飲料事業者としてのお話を、業界の概要、それから容器についての安全への取り組み、ポジティブリスト制度導入に対する要望事項という形で御説明したいと思います。

 それではまず、1ページの、清涼飲料水の生産量・出荷額について御覧ください。 2000 年から5年置き、 2010 年からは各年の変化を示しています。直近、 2015 年の総生産量としては 2,047 kL です。 500mL PET 換算ですと約 409 億本になりますので、1日1人当たりで、清涼飲料水としては4百数十 mL を消費していただいているという形になります。生産者からの販売額は、3兆 7,000 億円という状況になっています。

 2ページ、この清涼飲料水の業界団体として設立されているのが、私ども一般社団法人全国清涼飲料工業会です。中程に示しますように、会員構成については、製造者として 66 会員( 265 社)あります。主に大手が中心となります企業会員が 45 会員( 85 社)、それから中規模、小規模の清涼飲料製造者が中心となる組合会員が 21 会員( 180 社)、トータルしますと 265 社という構成になっています。業界の構成としては、少ない大手の事業者が大半を生産する構造となっています。一方で、多くの中小規模の製造事業者が特色ある生産活動を展開している形になります。今回の検討会の中に含まれるものとしては、一部、輸入品を販売しているという所も入ってくるかと思います。

 3ページ、清涼飲料水の輸出量・額と割合になります。こちらも同じように経年的に示しています。輸出量として 2015 年では9万 kL 、全体の 2,047 kL に対して、容量割合としては 0.45 %。水物ということで比較的重量がありますので、輸出の割合は少ないと考えていただいて結構かと思います。輸出額としては、トータルで 219 億円です。金額割合としては 0.59 %というものになっています。

 4ページ、今度は清涼飲料水の輸入です。こちらは、輸入量としては 70 kL 程度になっています。このうち、構成を少し見ていただくと分かるのですが、まず、一番下の所、白いカラムになりますが、こちらが鉱水・炭酸水、いわゆるミネラルウォーター類があります。一番多いのがミネラルウォーター類です。

 そして次の真ん中の構成になるのは、果汁・野菜類。これは直接飲用される果汁・野菜汁もありますが、主に原料、更に国内で加工されて製品になるものといった構成になります。直接消費されるというよりは、原料として輸入されているものが比較的多いと考えていただければと思います。

 そして最後になりますが、一番上のカラムです。青のカラムになっています。こちらが、いわゆるミネラルウォーターと果汁・野菜汁を除いた一般的な、我々がイメージする清涼飲料水となります。

 5ページ、清涼飲料水の容器構成です。皆さん御存知のように、様々な容器を使って清涼飲料水を提供させていただいていますが、この容器構成について示したのがグラフになります。見ていただくとすぐに分かりますが、一番大きな伸び、 2000 年ぐらいから急激に伸びているのが、今、皆様の目の前にもありますが PET ボトルの容器になります。逆に、缶については少しずつ下がっていて、その他、紙容器、ガラス壜、パウチ、いろいろな物がありますが、その他の容器については、ほぼ同じ、フラットな状況と考えていただければと思います。 PET については、全体の容量的に言いますと 70.9 %で、7割ぐらいの容器構成比を示しています。実数で言いますと、 PET ボトルですと、 2015 年で 200 億本を少し超えるような数になっています。

 6ページの前に、 PET の容器について後ほど 10 ページで御説明しますが、 PET ボトルには前段階として、原料と中間の容器があります。私の左右から回しますので、適宜、 10 ページを横目で見ながら、プリフォームと PET のレジンを御覧いただければと思います。

 では、説明が前に戻ってしまうのですが、6ページの PET の容器、それから PET 樹脂のマテリアルフローを説明致します。こちらは、先ほど、 70 %程度清涼飲料水では PET を使っていますというお話をしましたが、 PET 容器は、基本的には PET 樹脂がありまして、樹脂から少しずついろいろなものに加工して利用されます。もちろん PET 樹脂の場合には、容器にも使われますが、その他のものにもいろいろな形で使われています。 PET 樹脂は国産、輸入品がありまして、それぞれ足し合わせていくと大体 180 万トンになります。それを、ボトル用、その他用と分けていきまして、最終的には、 PET 容器の利用樹脂としては、清涼飲料水として 57 万トンぐらいの量を使用しています。それから、それ以外の特定調味料や酒類など合わせた指定 PET ボトルとして、 60 万トンぐらいを使っているという状況です。このような形で、 PET 樹脂については、元の樹脂から少しずついろいろな用途に使い分けていき、そして飲料用もその1つとして使われていると理解していただければと思います。

 それから、国産の製品だけではなくて、当然輸入された製品があります。一番右のカラムの所にある指定 PET ボトル輸入製品というのは、ミネラルウォーターなどで容器に詰めた状態で輸入されるものについて、容器として 13,000 トンほどあります。そのようなことを示しています。

 7ページ、 PET ボトル用樹脂の需要構成です。こちらも見ていただくと分かるのですが、先ほど示したフローの所は 2014 年のデータですが、 2000 年から経年的に見ても、やはりボトル用の PET 樹脂の需要としてはほとんどが清涼飲料用水であることが分かると思います。もちろん、それ以外のその他の指定商品、それからそれ以外の洗剤、化粧品、油などに使われているようなものもコンスタントな量で使用はされていますが、メインは清涼飲料水向けですということを理解していただければと思います。

 8ページ、清涼飲料水の包装容器の安全に対する取り組みについて御説明します。表を御覧ください。清涼飲料水の容器の種類と安全性確認の概観についてです。大きく分けて、左側のカラムの所にあります国産清涼飲料水を、さらに少し細かく容器の種類を分類しています。それから、それ以外の、輸入清涼飲料水、清涼飲料水の原料、先ほど申しました、例えば果汁とか野菜汁などは一番下のカラムに含まれるという形になります。ではメインになる国産清涼飲料水についてです。容器としては、 PET ボトル、もちろんボディの部分と蓋があります。缶については、缶胴・缶蓋、壜については、ガラス壜であったり、王冠であったり蓋であったり、その他、紙容器、パウチ、バッグインボックス、そして、ポストミックス用の業務用のシロップのタンク、このようなものがあります。この中で、ガラス壜とポストミックス業務用のシロップタンクを除きますが、清涼飲料水の容器の接液面、容器が食品に接する部分は主に樹脂類で構成されています。

 そして、どのように安全性を確保しているかということになるのですが、実は、容器包材の安全性の確保については、清涼飲料メーカーは、供給元、要は容器のメーカーさんに大きくその安全性の確保をお願いしているというのが実態です。それをどのような形で実施しているかと言いますと、ここに示しています、商品を、容器を購入する場合、飲料メーカーは容器の供給メーカーさん等と主に規格書でやり取りをしています。

 この規格書の中には、当然スペックと言われている品質事項、例えば容器の大きさであるとか、許容度であるとか、そういう品質事項も含まれますが、食品衛生法適であるということについても一般的に含めています。更に、添付の資料として、例えば食品衛生法適を担保するための試験成績書を付けていただいたり、場合によって、規格書の中に、食品衛生法を補完する自主基準、例えば今日も御説明がありますが、ポリ衛協の自主基準に対する適合性確認証明書とか、こういうものを付けてくださいとか、もしくは適合している旨の記載、その他、様々な実施基準があるのですが、こういうものについても、規格書の中にこれを満たしていることとかいう形で、容器メーカーさん等とやり取りをしています。

 しかし、この規格書というのは一律に決められたものではありませんので、それぞれの清涼飲料メーカーの経験とか知識、それから容器に対する理解度などによって、容器メーカーに対して清涼飲料メーカーのほうがお願いする場合など、清涼飲料メーカーがしっかりと指定する場合もあります。一方で、容器についての経験等が少ないところは、納入、供給メーカーさんのほうから御提示いただいて、それを基にして規格書を作るという場合があります。したがって、規格書と言いながらも、中味については業界の中でも程度にかなりばらつきがあると考えています。

 したがいまして、この実施程度というところで、規格書はあるのですが、規格書の中味のレベルについては業界内でもかなりのばらつきがあるものと理解しています。ということで、規格書というものについては、まず全部ありますねという形で○という記号を打たせていただいていますが、この○の中味については、少しレベルの差があるのかと考えています。

 それから例えば、試験成績書とか業界の自主基準について、どのぐらい取っていますかと言うと、やはり規格書よりは少しずつ実施の程度が下がってくるのが実態かと思います。

 それでは、国産の清涼飲料水に対して輸入の清涼飲料水はどうなっているかということになります。こちらについては、まず中味です。輸入するときには、必ず検疫に対してある程度の報告が必要になりますので、規格書、中味成分とか試験成績書みたいなものについては、確実に定期的に取得して御報告するという形になっています。また、容器については、日本向け専用に大規模に製造したものを輸入する場合には、かなり国内と同じような形を取ることができると思います。これは推定になりますが、現地で売っている市販品を輸入する並行輸入の場合には、容器の部分については少し手薄になっている可能性があるかと思います。

 次に、原料についても輸入の清涼飲料水と状況は同じようなものかと思います。中味については確実に定期的な確認をしていますが、容器、内袋、いわゆる原料などが接液する部分については、やはり製品の清涼飲料水と同じような状況です。大規模に買っている場合には、当然確認はされていますが、全てが全てできていますかと言うと、中味に比べると少し実施の程度は下がるのかと考えています。定量的に把握しているわけではありませんので、記号としては○よりは少し下がるかという意味合いで△という表記にしています。

 容器の材料についての安全性確保というのは、ほぼサプライヤー様、容器メーカー等に依存していますというお話をしましたが、それでは清涼飲料メーカーは何をしているのかという形でよく御質問を受けますが、それに対する対応が次の9ページになります。清涼飲料水の容器の検証になります。簡単に下に表を示しています。大雑把に申しますと、清涼飲料水の商品は、容器と中味に大きく分かれます。そして、容器については、容器メーカーさんに大きく依存しています。例ですと、容器について「基材+添加物 A 」と書いてありますが、これが従来の容器です。それに対して、新規のものを、例えば何らかの機能を付加してくださいという形で容器メーカーにお願いし、「基材+添加物 B 」の新規の容器を開発していただきます。従来の添加物 A も、新規の添加物 B についても、それぞれ食品衛生法適であり、かつ、各業界の自主基準に合格している。さらに、従来の中味では、従来と新規のどちらの容器に入れても大丈夫ですということを容器メーカーさんに確認していただいているというのが、こちらの表です。

 一方で、清涼飲料水の場合にはよくあるのですが、容器と中味が平行で開発が進むことがあります。例えば、中味が従来の処方1に対して、リニューアルをしましょうということで、新規の処方2を作りますという場合に、従来の容器に入れたときにはどちらも大丈夫です、特に問題はありませんという結果が出ています。ところが、処方2の新しい中味と新しい容器を組み合わせると、安全性については問題ないのですが、お客様に対してこのまま出すのはいかがなものかといった商品、お客様が期待されているものとは少し違うものが出てしまうという場合がまれに発生します。

 このように、我々食品のメーカーとして、清涼飲料水事業者は、容器と中味の組み合わせというのは、最終的に我々が責任を持って確認しております。安全性については要素の個々で確認をしているのですが、組み合わさったときに中味がどうであるかということについては、しっかりと清涼飲料水事業者が確認しているというような役割分担をしています。

10 ページ、 PET ボトル内製化に伴う安全性確保です。今、サンプルをお回ししているかと思います。ここでの PET ボトルというのは、成形された、要は空の容器、中に液が入っていない容器です。従来は、こちらを容器メーカーさんに作っていただいて、清涼飲料水製造工場で購入して充填していました。ところが、 2000 年頃より、空容器の場合ほとんど空気を運ぶことになりますので、外部からの空容器の輸送を減らす対応が求められ始め、需給対応に柔軟に対応するためにも、清涼飲料工場内での PET ボトルの内製化が広まっています。

 左から言いますと、まず PET 樹脂(ペレット)です。白い小さな粒があったかと思いますが、これからプリフォームという、ちょうど PET ボトルの赤ちゃんのようなものを作ります。そして、このプリフォームを膨らませて PET ボトル、いわば空容器を作って充填します。パターンとして一番分かりやすいのが、空容器をそのまま購入してすぐに充填するというのが従来のやり方。それから、プリフォームを購入して、ブローと言いますが、 PET ボトルの空容器を工場内で作ってそして充填をするというパターン。あとは、 PET の樹脂を直接購入してプリフォームを作って、それから空の PET ボトルを、充填用の空容器を作り、そして充填までする、合計3つのパターンがあります。どのパターンにおいても、樹脂の段階、プリフォームの段階、空容器の段階の、いずれで購入しても、安全性については、先ほどの8ページで示したような規格書の形で全て把握しているのが実状です。

11 ページ、ポジティブリスト制度導入への要望事項です。この要望事項の大前提となるのは、食品の安全・安心であることについては、我々清涼飲料事業者としてまず一番初めに申し上げたいことです。これに続く前提は、清涼飲料事業者としては、容器包装の機能向上が、容器包装関連の供給者様、サプライヤー様に対する継続的かつ強い要望事項です。したがって、ポジティブリスト制度化によって、包装容器の機能向上への取り組みが遅くなったり、開発への意欲が減退することを回避していただきたいと考えています。そのため、食品用包装容器に使用する添加剤の種類や量の一律な規制ではなく、添加剤等の内容液への溶出量をもって合理的な判断をする。このような形は難しい事項であることは理解してはいますが、やはり(1)を実現するためには(2)が必要ではないかと考えています。

 次に、それをするためにどうするかということです。方向性としては、現在、ポジティブリスト制度というのは、ポジティブリスト確認証明書のような業界自主基準で作っていますが、こういう証明書類と、やはり実際の分析結果の組み合わせで確保する必要があるかと思います。書類のみでは、その書類が正しいかどうかを検証できないということがありますので、頻度と分析できる種類についてはまだ検討する必要がある段階かと思いますが、やはり分析は必要ではないかと考えています。そして、(3)になります。サプライチェーンの上流から下流まで、おそらく、原料を作る所から、そして最終的には我々清涼飲料メーカーを通じて、最後は販売していただく、流通のところまで、容器包装のノウハウがある、供給者様の有する機密性を担保した上で、必要な添加物情報が確実かつ効率的に伝わる仕組みが必要かと思います。いろいろなアイデアがあるかと思いますが、ここで端的に申し上げたいのは、この制度が入ることによって、書類が増えて作業を増やすことは是非避けたいと考えています。

 そして、(4)管理のための合理的かつ効果的な分析法の制定が必要になるかと思います。分析法ができなければ全てが始まらないということではないとは思いますが、ある程度の水準での分析法は必要ですし、制度ができた後も、継続的に分析の項目、手段、精度を上げていく工夫が必要かと考えます。最後(5)、現在でも制度としてはあるのですが、日本の場合、食料についてはかなり海外に依存していますので、輸出国、輸入国においてポジティブリスト確認証明書等、それから実際の分析結果の相互の承認ができ、それが円滑に運用できる体制が必要かと考えています。駆け足になってしまいましたが、以上です。

○大前座長 どうもありがとうございました。今の清涼飲料工業会の御発言に対して、何か御質問、あるいは御意見いかがでしょうか。

○伊藤構成員 ありがとうございます。1点御質問です。8ページに、国産清涼飲料水の安全性の確認で、規格書、試験成績書、そして確認証明書を求めていくということでしたが、逆に、輸出するときには、どのような状態で今、されているのでしょうか。確認証明書がメインでしょうか。それとも、規格書、試験成績書で輸出ができるのでしょうか。教えていただけますでしょうか。

○中嶋構成員 御質問ありがとうございます。輸出については、相手国の要求事項がありますので、それに従っている形が正直なところです。ケースバイケースですが、最終的には、規格書等で定めて輸出を開始するというのが一般的です。

○伊藤構成員 はい。

○大前座長 そのほかいかがですか。それでは私から1点。会員の数が 66 会員( 265 社)とありますが、特に組合会員、 21 会員・ 180 社は多分小さな会社だと思うのですが、この 180 社の従業員の数は相当小さいと考えていいですか。

○中嶋構成員 もともとの成り立ちから申しますと、確かに小さな会社から発足していますが、その中で一部、製造に特化したいわゆる受託製造を専門とする会社として大きく伸びている会社もありますので、従業員数として大きく差があり、生産量としても大手の工場にひけを取らないぐらいの所もあります。それから、従来どおりに非常に小規模でやっている所も混在しているというのが実際です。

○大前座長 そのほかよろしいですか。

○堀江構成員 8ページです。実施程度の御説明があったのですが、ちょっと分からない。極めて高いというのは、実施がどうなのか、ばらつきがありというのは実施程度がどういうことなのかが、よく分からなかったのですが。

○中嶋構成員 数字がなかなかないので、少し分かりにくい曖昧な表現にしてしまいましたが、まず規格書については、全てのやり取りの中で作られているだろうと理解しています。ただし、規格書の中に含まれることもあるのですが、試験成績書とか業界の自主基準は、必ずしも規格書の中で定めていない、求めていないこともありますということで、ばらつきありという形で実施施度が低いと考えていただければと思います。規格書は、最もよく作られているのが実際で、ただし、知識がないとか、あえて求めていないという場合で、業界の確認証明書等については求めないこともあるかということで、ばらつきありという形でお示ししています。

○大前座長 それでは時間の関係がありますので。

○六鹿構成員 6ページに、最初に樹脂の輸入量が約半分ぐらいだということですが、こちらの安全性は、何か確認されて輸入されているのでしょうか。

○中嶋構成員 こちらも8ページと同じで、大規模に輸入していますので、輸入の商社さんが間に入り、基本的には、例えばポリ衛協さんの自主基準に対する適合性確認証明書が取れるぐらいのレベルでやっています。 PET 樹脂についてはかなり大規模で輸入しておりますので、フルスペックで実施されていると考えていただいて結構かと思います。

○六鹿構成員 国産清涼飲料水のレジンと同じようなものを要求している。

○中嶋構成員 そうです。国内の PET ボトルのところと同じ形で見ていただければと思います。

○大前座長 それでは、次の日本乳容器・機器協会、村田事務局長より御説明をよろしくお願いいたします。

○村田参考人 日本乳容器・機器協会の村田です。本日はこういう機会をいただきましてありがとうございます。時間もございませんので早速始めさせていただきます。2ページ、本日お話したいと思っている内容です。最初に当協会の概要。2番目に当協会の取扱い容器の中で主な容器としての紙容器製品について。食品安全に関する取組み。あとは写真を用いてこういう製品ですと御覧いただくための乳製品容器の紹介です。最後にまとまってはいないのですが、意見・要望等々を伝えさせていただきたいと思っております。

 3ページ、当協会の概要です。約 60 年の歴史を持っている協会になります。乳容器という容器と機器、機械と2つの部分が一緒になっている少し珍しいタイプの協会かと思います。経緯でいくと、最初は牛乳キャップで始まった協会で、乳機器協会という別の団体があったのですが、最終的に 2005 年に社団法人日本乳容器・機器協会という形になり、 2012 年に一般社団法人化され、現在に至る形になります。

 4ページ、会員数は正会員で 37 社、いわゆる乳容器を製造販売、輸入されている会員企業様と乳機器の製造販売、輸入の会員企業様になります。賛助会員が 27 社3団体で、その会員企業を支えてくださっているような関連の周辺機器製造をいただいている会社、原材料などを作っていただいている会社などが含まれております。

 5ページ、当協会の取扱い製品の容器包装は、シンプルなものになりますが、紙コップ、紙容器、ガラス壜の紙ふた、あとは樹脂容器とそれに対するふた、業務用で使われている BIB Bag-in-box )、粉ミルクなどに使われている金属缶になります。下に簡単に並べたこういった容器になります。

 6ページ、器具になると、乳製品の製造装置に用いられるゴム・プラスチック、パッキンなどの類になります。また紙パックの裏に付いているストロー、ヨーグルトに付属されているスプーンといった付属品の器具などが対象となっております。

 7ページ、当協会の概要が続きますが、協会正会員企業の特徴としては、当協会は乳容器・機器協会と申しますが、ほとんどの会員企業は乳容器以外の食品容器も製造されています。例えばお酒の容器であったり、清涼飲料であったりという形になります。大手の企業様がほとんどになります。小企業という言い方は失礼になりますが、小さな企業としてはガラス壜の紙ふた、当協会のスタートの部分にはなるのですけれども、どんどん市場が小さくなってきて、今そういった形になっております。これからお話する紙パックの部分になりますが、販売形態としては包装材料加工という容器だけを作ってお客様に販売している会社、または海外から出来上がった容器を買ってきて販売している会社、または国内で自分たちの容器を加工して販売すると同時にそれを詰める充填機もセットで販売している会社、というような3パターンの販売の形式がございます。

 8ページ、繰り返しになりますが、当協会の容器としては飲料用の紙パックが非常に大きいシェアを占めるものになります。資料をお借りして書いていますが、飲用牛乳等と乳飲料で 477 kL 、全体で 597 kL になっているのですが、そのうち 80 %がこういった飲用牛乳、乳飲料になります。こういった商品はほとんど紙パック、紙容器に詰めて販売されております。この牛乳等の生産量は大体全部合わせると 600 kL なのですが、先ほど清涼飲料水で 2,047 kL というお話がありましたので、3分の1ぐらいの規模と思っていただければと思います。

 9ページ、紙パックの話がもう少し続きますが、紙パックの販売量の重さです。こちらも紙パック、牛乳からアルコールまでいろいろなものに使っていただいております。このように紙パックの販売量が大体 20 万トンです。そのうち飲用牛乳が 13 万トンぐらいになりますので、総販売量の 65 %は飲用牛乳に使用されている形になります。

10 ページ、当協会の主な取扱い品目である紙容器製品について簡単にお話をします。今、サンプルを左右からお出しします。特に屋根型容器と言われているゲーブルトップ容器の加工の原材料は輸入紙を買っております。輸入紙の供給メーカーは北米、北欧の製紙メーカーがほとんどになり、紙だけを買ってきているわけではなく、その紙の裏面、表面の両方にポリエチレンがコーティングされた状態の合成樹脂の板紙を輸入してきている形になります。一番下に絵を描いていますが、丸い影のようなもので分かりづらいかもしれませんが、これが原紙になります。イメージを見ると、屋根型でいくと大体 80cm からもう少し大きい幅のトイレットペーパーのような形状をした原紙があり、そこにポリエチレンがコーティングされた原紙を海外から輸入して、それを今、お手元にお送りしている、最初に何もシールをしていない状態、板紙の状態に印刷して打抜きをします。打ち抜いたものを最後、縦線というか、縦の分だけを付けて、最終的にお客様、メーカーさんにお送りして、各メーカーさんの工場で中味を詰めていただいて販売をしていただいている形になります。

11 ページ、品質確認と情報伝達の部分です。 FDA EU 適合であることの確認は、書面で製紙メーカーと加工メーカー、紙容器の製造メーカーとしてやり取りをしております。包装材料の試験は乳等省令や告示 370 号の試験内容をクリアしていることは、当然各製造メーカー側で確認をしております。そういったものを準備しておいて、こういった容器を供給させていただいている乳業メーカー様、飲料メーカー様から規格書の提示を求められた際には、そういったものを用いて提示をさせていただいている流れになります。

12 ページ、これが当協会の食品安全に対する取り組みになるのですが、下段に乳等省令の一文を抜粋していますが、乳等省令が規定する範囲に対して、当協会が自主的に守るべき基準を設けて活動している形になります。

13 ページ、食品安全に対する取り組みということで、自主基準の内容です。これは当協会会員だけで共有化しているものですが、原材料及び製品の品質規格から、最終的には危害を想定した衛生管理と製品事故への対応という流れで1つの冊子を作っております。

14 ページ、食品安全に対する取り組みで、協会・会員企業の取り組みとして、国内外の食品安全に関する情報収集、 FDA EU 等々いろいろな規則が変更若しくは変更の動きがあるといったものを掴んだら、自主基準の設定や改訂、 Q&A の作成などを先んじて行ったり、後付けになる場合もありますが、上記の対応として進めていくことをしております。また関連業界団体等とのネットワーク構築、上記の話があった場合にそこに波及する関係団体と情報共有化、ネットワークで意見交換等々をさせていただいて進めております。

15 ページ、食品安全に対する取り組みです。先ほども少し触れましたが、お客様への情報伝達、各種証明書の提示をしている形になります。溶出試験とか公的な分析機関でテストを行ったものの結果を御提示する形になります。小企業における食品安全への取り組み、特にこの紙ふたの所に焦点を当てての話になりますが、新製品の開発がもう長らくありませんので、ここに関しては自主基準の遵守を続ける形で、新しいものは今起きていないという形です。

16 ページ、乳等省令の別表四で、容器の基準が定められている所を抜粋して述べさせていただき、 17 ページ、告示 370 号、食品の容器の基準を定めているものになりますが、この乳及び乳製品は一段と厳しい規制がその上に乗っかってできていることをイメージしていただけたらと思います。この右側の乳等省令という所、黄色になっている部分がいわゆる1群のもの、右下にある緑の部分が2群のもの、あとは調製粉乳ということで、この3つが乳等省令で更に一段高い基準を設けられているものになります。

18 ページ、どういったものが当協会の関連の製品か、お話をさせていただきます。ガラス壜と紙ふたになります。

19 ページ、紙容器、合成樹脂加工紙ということで、左側にあるのは要冷蔵、チルドなどと言われたりしますが、そういったタイプの容器、屋根型のものになります。右側はよくあるアルミが付いたもの、常温保存が可能なものの容器のタイプになります。

20 ページ、紙コップ、ヨーグルトとかヨーグルト飲料等に使用されているものです。

21 ページ、組合わせ容器というもので最近少しずつ増えてきているようですが、胴体部分が紙で首から上の部分が樹脂で作られているタイプの容器になります。

22 ページ、乳製品容器としてポリエチレン容器です。ヤクルトさんがこの商品を扱ってもらっていますが、この乳酸菌飲料タイプのもの。それと業務用で使われているポリ袋の外に段ボールが付いたもの、 Bag-in-box のタイプのものなどがあります。

23 ページ、従来は缶に入ったものだけでしたが、合成樹脂ラミネート容器包装の調製粉乳のタイプのものも出てきております。

24 ページ、最後になりますが、ポジティブリスト制度導入についての意見・要望ということで、ここは協会の統一見解にまではまだ至っておりません。各会員企業の声を集めただけの状態になっておりますことを御理解ください。簡単に読み上げますと、乳等に使用する器具又は容器包装の規格基準を見直してほしい。その下に乳等省令別表四の告示 370 号への統合という形になっています。樹脂・添加物の定義、対象容器の範囲などを明確にしてほしい。容器包装で使用される材料について、ポジティブリスト化してほしい。

25 ページ、ポジティブリスト化の期日を明確にしてほしい。これは特に新容器、樹脂の開発等々にこういった期限があると非常に有益かなということもあります。また、情報のやり取りの部分は非常に難しいと理解しておりますが、もし何か既存の Database 等々があればということで、それを利用ないしはそれを発展という形ができたら良いのではないかと。非常に簡単なことではありますが最後に述べさせていただき、説明を終わります。どうもありがとうございました。

○大前座長 どうもありがとうございました。今の御説明に対して御質問あるいは御意見はいかがでしょうか。

○鬼武構成員 説明ありがとうございました。 24 ページ、まだ全体的な要望ではないという所で書いてありますが、乳等省令別表四と告示 370 号の統一については過去の厚生労働省の検討会等でも一部は統合化なり、整合化はされていたとは思いますが、この部分と先ほどの 17 ページ、乳等省令では特に告示 370 号以上にハイスペックが求められている。その辺の関係と経過などをもう少し教えていただければと思います。

○小野構成員 私から簡単に経過を。私も完璧ではないので、間違っているかもしれませんが、以前、 2007 年ぐらいだと思いますが、厚生労働科学研究で乳等省令の見直し、それがメインではないのですが、それも含めた活動がありまして、その中の1つの分担研究の形で乳等省令を再度検討するような形の活動がありました。そこで当協会、乳業協会さんなどで研究したのですが、乳等省令でもある程度告示 370 号と重なっている部分があるので、かなり統合できるのではないかと、そういう話がございました。そのときに他の要望として、例えば軟包装でポリアミドが使えるけれども、紙パックには使えないとか、同じ容器でも使える材料があったりなかったりなど、それも統一してほしいなどいろいろ意見がありました。

 そのポリアミドの件などは今は解消されて、軟包装でも紙パックでも使えるようになっている。そういうところは解決していますが、まだ乳等省令のいわば2群と言われるもの、発酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、これは告示 370 号と統一できるのではないかという提案をさせていただいております。そのときには1群と言われる 17 ページの黄色い部分、それと調整粉乳は残しましょう。あとはクリームに関しても1群になっていますが、これは告示 370 号でいいのではないかと。そういう結論は厚生労働科学研究で出しています。そういう背景があります。その後の名前は忘れましたが、厚生労働省の審議会で少し議論をしていただいているということです。まだそれは決着なされていないという状態だと思います。

 今回、乳等省令別表四、これは乳の容器包装の規格ですが、牛乳容器だけポジティブリスト化するにしても、何かこれは別ですのような形になると、システムとしても非常に複雑なものですから、もう一度見直していただいて、できれば全部の乳容器は告示 370 号に統一できないのかなと。海外の例を見ると、乳製品とそのほかの飲料の規格が別だという例はないです。ですから全部一般の飲料と乳飲料は同じ規格で容器包装は動いていますので、そういうことを考えていただいてもいいのではないかという意見でございます。

○鬼武構成員 ありがとうございます。

○大前座長 もう一問くらいあればと思いますが、なければ次にいきます。よろしいですか。それでは3番目、日本冷凍食品協会の尾 常務理事より、よろしくお願いいたします。

○尾 参考人 冷凍食品で使用している容器包装についての状況を御説明いたします。

3ページ、当協会の概要です。主に冷凍食品を製造する企業が中心で、冷凍機器メーカーあるいは流通メーカーもいらっしゃいますけれども、9月1日時点で 488 社です。ここには零細のメーカーは余りいらっしゃいません。小規模より上ぐらいの皆さんばかりです。

4ページ、冷凍食品の国内生産数量は平成8年以降、大体が頭打ちになっており、 150 万トン強を作っております。

5ページ、冷凍食品の国内消費ですが、冷凍食品には当然輸入がありますので、逆に海外展開をして輸入品という形で増えてきております。平成 25 年が過去最高で 276 万トンです。平成 25 年、 26 年は多少減っているのですけれども、今年は1~8月の累計で 102.5 %ということで、数量的にはまた盛り返しております。

 6ページ、冷凍食品は家庭用と業務用があります。恐らくここで検討されている主な内容は、家庭用のイメージが多いと思います。家庭用が国内で 63 万トンくらい、業務用が 108 万トンくらいですので、生産量に対して大体6割が業務用、4割が家庭用という状況になっています。

 7ページ、今、サンプルが回っているかと思いますが、冷凍食品に使用される主な容器包装の資材です。まずはポリシートです。回している中に緑のシートがありますが、これが製造時に原料処理時や半製品保管などで使用されるものです。あるいは特に業務用のフライ類の仕切り材等として使われます。内袋というのは、製造時に副原料あるいは調味料を個別に秤量して入れておくようなものです。

8ページ、トレーです。加工時、例えばシュウマイのような形のものを輸送しながら加熱する場合には、トレーに乗せて加熱することがあり、それがそのまま最終的な包装資材になります。また、当然のことながら最終商品の保護材としての目的も含んでおります。次に外装フィルムです。1つには商品の保護材というのがありますけれども、もう1つは商品を訴求する、あるいは表示するという機能があります。家庭用においては大きく分けて、こういった4つぐらいの品物を使っております。

 これは日本水産のものを貸していただきましたけれども、机上配付資料の最初のほうに、各冷食メーカーが資材メーカーに対して提出を依頼する原材料規格保証書があります。これは資材メーカーが書いて、「こういったものですよ」ということを保証する内容ですが、それ以外にも資材を購入する場合には MSDS とか、いろいろなものを取り寄せて安全を確保する、確認しているという状態です。

 9ページ、こういった包装資材を使っているわけですが、冷凍食品においてはどういう機能が包装資材には必要なのか、というのがあります。一般的な機能として、商品保護のために共通して必要なのは密閉性、耐水性、耐寒性、衝撃耐性、シールをしたときに破れないようなシール強度です。個別の機能としては、それぞれの商品によって異なりますけれども、耐油性や耐熱性、遮光性、空気遮断性が必要な要素としてあります。表示のために、当然印刷適性や見た目の美しさが必要とされます。それから、環境適合のためには軽量であると同時に強度が必要です。それ以外にもコストや作業適性を考慮して、冷食メーカーあるいは食品メーカーは資材を選んでおります。

 そのサンプルの中に、油で揚げたコーンクリームコロッケという商品があります。こういった商品の場合には、電子レンジで加熱して喫食する冷凍食品ですので、トレーは耐寒性として- 20 ℃以下でなければいけないし、耐熱性としては 60 ℃以上熱せられても大丈夫でなければいけない。あるいは油で揚げてありますから、耐油性が必要です。また、トレーの場合に重要なのは、落ちたりしたときに割れてしまうと危険ですので、トレーは割れないようなものを選びます。外袋については耐寒性、耐油性が必要ですが、特に油で揚げたような商品だと、油の酸化の問題がありますので、遮光性や空気遮断性が非常に重要になってきます。そういうことでトレーやフィルムの素材は、使用する商品の特性によって異なっております。逆に言ったら、冷食メーカーはその特性に応じたものを包材業者に要求するということです。

10 ページ、それ以外に個別の商品で必要とされた機能例として、これはアルミ蒸着ですけれども、例えばシュウマイですと、今販売されているものでもパックごと電子レンジに入れてくださいというのがあります。電子レンジに入れていただくと、特定のシール部分の強度が弱くなっていて、中で加熱されて蒸気が出て、逃すという機能の包材があります。あるいは発熱シートといって、電子レンジにかけると発熱する性質を持っているシートがあります。例えば、それをピザや焼き魚の下に置いておきます。電子レンジの場合は水分子を加熱していますので、どうしても水っぽくなってしまいます。そこをクリアするために、発熱シートで焼くという機能が付けてあります。

 それから、今では当たり前になりましたけれども、そこにサンプルでありますように、トレーで切り分けられるような機能が付いているものもあります。あとは最近、自然解凍用の食品ということで、お弁当にそのまま入れられる商品があります。これらはグラシンカップを使っています。そういった形で冷凍食品メーカーは、いろいろな包装資材メーカーのお世話になっているわけです。

11 ページ、では、私たちはどのような形で資材を調達するのか、今回サンプルでお持ちしたトレーやフィルムの場合を模式的に描いております。先ほどのサンプルにあったようなレジンを作っていらっしゃるメーカーに、レジンを使って原反を作っていただきます。つまり大きなロールです。例えば、トレーであればこのロールがトレーの加工メーカーに行って、プレスをかけられてトレーという状態になります。フィルムの場合であれば、軟包材のコンバーターに持って行って、フィルムを印刷してラミネートし、最終的なフィルムにするという形にした上で冷食メーカーに商品が納入されます。そこにある緑のシートのような汎用品の場合には、原反メーカーと冷食メーカーの間に問屋あるいは代理店が入ってきます。

 そういうことで私たち冷食メーカーは、トレーの加工業者やコンバーターに対して規格や品質要件を指定して発注するわけですけれども、コンバーターは基本的に原反メーカーの規格品の中から、私たちの要求に適したものを選んで加工します。基本的にロットの関係で、個別の特注品を原反メーカーや素材メーカーが作ってくれることは、ほぼないと考えていただいて結構です。私たち冷食メーカーは、原反の添加剤あるいはその中の配合を指定することはできません。もう1つ言うと、資材メーカーからは配合の詳細等を私たちに開示していただけません。これは企業のノウハウということになっております。

 では、私たちは何をもってその資材が安全であるかを確認するかと言いますと、机上配付資料にあるような MSDS や原材料規格保証書といったものです。つまり、川上の資材メーカーが正しくやっていることを前提に、私たちの仕事は成り立っています。ですから受入検査というのは、私たちが要求した、包装容器の包装資材としての機能が適合しているかという受入検査はやりますけれども、その包装資材が食品衛生法に合致しているかということについては、検査は行いません。

12 ページ、一般的な事象として、食品メーカーは素材の原材料組成、添加剤等の知見はありませんし、原材料組成の指定もできません。それから、食品メーカーは、トレー加工業者やコンバーターとは当然やり取りはありますけれども、さらにその川上については商流もありませんし、情報を直接取る手段もありません。特にコンバーターや印刷をやられる所については、インクやラミネート材については、私たちは食品を作るプロではありますが、資材屋ではないので、必ずしも知見はないのです。ですから、特に最近、インクは有機溶媒を使わないようなものも出てきているので、そういったものについては、この商品には有機溶媒は使わないでくださいというお願いをすることはありますが、一般にこういったものを扱っています、これは安全ですということを細かく指定して何かをやることはできません。

 5番目として、私たちはペーパーでいただいた情報を検証する手段は、基本的に持ちません。大手は当然お金やいろいろなものがありますから、自分たちの研究所やどこかの検査機関に出すことが可能ですけれども、中小・零細に至っては絶対に無理な話です。そうすると、一般に食品メーカーは検証できないというようにお考えいただいたほうが正しいと思います。規制が変更されてポジティブリスト制になった場合、使用している包装資材の適合性の検証は事実上不可能です。ですから私たちは資材事業者を信用するしかないというのが、私たちの実態です。

13 ページ、そういうことで、ポジティブリスト制度になったときにいろいろな懸念があるわけです。1番目は、私たち食品メーカーの資材調達時の責任はどこまで問われるかです。つまり、今やっているような規格保証書をいただいて、それを信用するということでは不十分だと言われるのかどうか。逆に不十分だと言われても、それ以上やれることはないのです。

 2番目は、分からないまま規制不適合の資材を使った場合に、行政上の何らかの罰則が発生するのかという問題があります。それから、もし罰則があるのであれば、例えば原材料規格保証書を取ったか取っていないか、あるいは自分たちで検査機関に出しているかといった対応の違いによって、罰則の軽重が発生するのかという懸念があります。

 3番目は、規制の不適合ということでは、資材自体は食品衛生法第 16 条あるいは 18 条になるのでしょうけれども、その資材を使った食品の安全性は6条あるいは 11 条違反になると思います。 16 条・ 18 条違反の資材を使ったときに、6条・ 11 条違反になるかということです。特に6条というのは非常に広い概念で捉えられやすく、6条2号の中に「有害な物質が付着した食品」という項目があり、それを使ってはならないのです。そうすると、例えば 16 条・ 18 条に違反した資材を使ったものは、6条2号に違反するのかという問題が出てきます。

 4番目は、規制不適合資材を使用した食品の安全性評価は誰がしてくれるのか。また5番目は、そのような資材を使用した場合の食品は回収しないといけないのか、その回収判断はどうするのかという問題があります。これは命令回収がなされるのか、自主回収という名前の強い指導の下によって回収するのか、あるいは本当に事業者に委ねられるのか、その根拠はどうするのか、何なのか。

 6番目は、諸外国の規制と調和しているのか。輸入品の取扱いはどうなるのか。例えば、輸入品が不適合資材であった場合、6条・ 11 条違反としてシップバックしないといけないのか。こういったことが私たちにとって、非常に大きな懸念になります。

 そこで、要望が 14 ページにあります。基本的に一部の大手を除き、多くの中小・零細メーカーにとっての現実は、このような規格保証書は、ユーザー側が大手だから出してよと言って出してもらっている部分があるわけです。これが中小・零細メーカー、町のお菓子屋さんなどの皆さんがこういったものを受け取れているか、あるいは受け取ってもそれが理解できるのかという問題があります。したがって、やはり川上の事業者がきちんと納品書に、適合証明などの書類を必ず添付させるということを義務付けていただきたいのです。

 他の要望としては、分かっていて使う場合は論外ですが、意図せずに分からないで使ったものについて、行政罰の対象にされることは無理があるのではないかということで、やめてくださいと。

 6条違反、 11 条違反という形を取るのであれば、ただ単に 16 条・ 18 条違反の資材だから6条違反だ、 11 条違反だということにしないで、きちんと個別の安全性評価を行政当局にしていただきたい。例えば、リスト外の添加剤を使用しているけれども、添加剤自体は安全だから問題はない、あるいは添加剤に一定の毒性は認められるけれども、食品への移行は許容範囲である、毒性が移行する蓋然性が高く、6条あるいは 11 条違反になるといった判断は、基本的に行政にやっていただきたい。個別のメーカーにはできません。

 また、そういったものの回収判断をどうするのか。これも安全性に対する科学的な根拠に基づいて、行政に指導・指示していただきたい。例えば資材について言うと、資材は回収せずに在庫分の出荷と新規生産を停止するという判断をされれば、食品については回収しないで構わないという判断になると思います。2番であれば、流通したものは回収するけれども、使用したものはもう回収しようがない。つまり食品の回収も要らない。あるいは回収しないといけないという判断。これをきちんと行政にやっていただきたい。

 なぜかというのが 15 ページです。私たちに資材の安全性の評価は不可能です。したがって、行政に安全性をきちんと公表していただきたい。特に回収判断については、科学的な根拠や行政のお墨付きがないと、結局、食品メーカーは安全性にかかわらず、不適合資材という不法性を原因に回収を行わざるを得ないということになります。食品的には安全なのに、大量の食品廃棄などが起きかねない。

 7番です。 WTO 通報が当たり前ですけれども、私たちが加工品を輸入する可能性のある諸外国と、十分な調整を取っていただきたい。現在、私たちが海外で生産している食品の包材は、基本的に現地で調達しています。したがって、その諸外国へのきちんとした周知を。また、インポートトレランスというのは通常、こういった資材を使いますということをやった上でポジティブリスト指定されると思いますが、諸外国で作っているものに、私たちも何が使われているかが分からないわけです。例えばタイで使われているこれは一般的だけれども、日本のポジティブリストの中には載っていないということを、私たちが判断することは不可能です。したがって、そういったものを輸入したときにインポートトレランスなどの仕組みをきちんと使って、十分な配慮をしていただきたい。

 最後になりますが、私どもの立場としては、ポジティブリストをおやりになることについては、特に賛成でも反対でもありません。ただ問題は、今申し上げたように、いろいろな懸念があるということです。特に現在のネガティブリストでは、違反事例はほとんどありません。少なくとも私が承知している限り、今私が心配している食品の安全性と包装資材の違反性がリンクした案件がなく、ポジティブリストで違反したときにどうやるのかということについて、食品事業者として非常に不安を覚えます。今までもきちんとやっていただきましたし、これからもきちんとやっていただけると信じておりますけれども、素材や資材のメーカーはこういったことをきちんと確認した上で、適切な情報開示を私たちにしていただきたい。行政についても、ただ単に紋切り的に違反、駄目ということになると、大量の食品回収という事態が起きかねないということを御理解の上、慎重にポジティブリストの導入、あるいは食品の安全性との関係をきちんと関連付けていただきたいと思います。以上です。

○大前座長 御質問は次の3名の方の発表の後にまとめてしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ポリオレフィン等衛生協議会の重倉専務理事、塩ビ食品衛生協議会の石動常務理事、塩化ビニリデン衛生協議会の松永専務理事の順番に資料の説明をよろしくお願いいたします。

○重倉構成員 ポリオレフィン等衛生協議会の重倉でございます。当協議会は協議会という名称ですが、工業会と異なって特定の業界を代表してということではなく、後ほど説明させていただきますが、サプライチェーン全体を通じた体制を作っているという特徴があり、このような名称でやらせていただいております。大変小さな組織で、構成員の立場でありながら、本日はヒアリングでの説明も務めさせていただくということです。忌憚なく御意見をいただければ有り難いと思っているところです。

 私どもはタイトルに「ポジティブリストを用いた自主基準による食品用器具・容器包装の自主管理について」ということで、本日、説明させていただこうと考えております。このように私どもの団体で行っていることは、原材料そのもの、あるいは容器そのものの製造ということではなくて、それらを通じて、その管理体制を作っているということで、私どもが行っている自主管理の中で、私どものポジティブリストがどのように機能しているのか、こうした点を運用の実際や私どもが考えるところの意義をお話しながら説明申し上げたいと思っております。

 2ページ目ですが、第1回の検討会で元プラスチック工業連盟の方から御説明がありましたように、現在プラスチックが大変多く使われるようになっています。今、皆様からお話がありましたように、機能面での改善もあったと思いますし、また、製造上、あるいは使用上の安全対策の強化も行われてきたことが背景にあっただろうと思っております。

 3ページ目です。こうした業界による様々な取り組みは、私どものみならず、食品などの方も含めてです。そうした取り組みに加えて、成果が出ているのには、行政の寄与も大変大きかったと思っているところです。実際に適切な生産を行い、また消費者の理解を得るに当たって、行政が適切な規制を実施してくれたことが、大変その素地になっているのだと思っております。

 このスライドは、器具・容器包装に関する食品衛生法の法律ルールでの規定を抜き出したもので、当然のことを書かせていただいておりますが、実はこの後の議論に必要な大事な言葉が1つ入っております。下から2行目ですが、「厚生労働大臣は、原材料について規格を定めることができる」としている点です。

 4ページです。もう少し詳しく食品衛生法を見てまいりますと、大まかに申しまして、食品衛生法では器具・容器包装関係について、器具・容器包装そのものの衛生性や品質に対する規制が書かれた条文と、器具・容器包装の製造に対する規制が書かれた条文の2つに分けることができるのかと考えているところです。法令には2つを区分するという考え方そのものは書かれておりませんので、これは私どもの解釈の1つの整理にすぎませんが、そう解釈できるのではないかということです。

 この視点で私どものケースを見ますと、実に悩ましい点が浮かび上がってくるのです。誰がどうやってこの法令に対応するかという点です。法 18 条にありますように、規格基準として原材料に対しての規制があります。その結果として、原材料の製造者に対しても、ある種の影響があるということです。一方で、食品衛生法の規制の対象は、食品事業者と容器製造事業者までです。そうした意味で、容器包装の原材料の製造者が直接には規制されていないということがあります。自ずと法律の規制の枠組みを超えて、原材料製造者も、器具・容器包装の製造者に対して協力することが必要になってきたというのが背景にあろうかと思っております。

 5ページです。そうした中で、この協力という形として実際に私どもは協議会を結成して、容器包装のサプライチェーン全体で対応するという形になっているということです。ここで若干、説明に追加があったわけですが、私どもは個別企業では対応できない領域、協議会という組織を作ることによってそれに対応してきたという点が私どもの協議会ができている理由かと考えております。少々自主規制の内容に触れてしまいますが、法規制の内容に溶出規制があるということですので、溶出規制はいろいろな物質でもあるわけですが、プラスチックの場合はその材料の特性から適切に管理をしないと影響が大きく出る恐れがある。逆に言うならば、管理を適切に行うならば、溶出や影響を大きく減らすことができるという衛生上の問題に取り組もうということです。

 そういう意味で、先ほど日本冷凍食品協会様からもお話がありましたように、材料について、どのような成分が使われているかということが影響の評価には必要なわけですが、こうした情報が実際に製造業者からは出ない、あるいは食品業者側では理解しにくいといった実態がある中で、その差を埋める必要がある。逆に、原材料製造業者側から見れば、どのように器具・容器包装が使われるかという点について、その容器包装が作られるまでの加工段階であったり、その使われ方としてどんな温度、どんな食品なのかといったことが非常に重要な要素になってくるわけですが、先ほど御説明がありましたように、そうした情報・条件を示していただくことによって、このような容器を、このような原材料を使ったらいいのではないかという交流が起こって、それが実際に流通しているのだろうと考えておりますが、このような形を作り上げるサプライチェーン全体での対応が必要なのだろうと考えているところです。

 6ページです。こうした協議会を作っての衛生の確保ですが、現在、サプライチェーンを通じた協力体制を構築し、ポジティブリストと確認証明制度を使って、素材中の成分を適切なものとなるように管理しているといった特徴を共通にする団体は、私どものほかに、この後御説明のあります塩ビ食品衛生協議会様、塩化ビニリデン衛生協議会様があります。ほかに、同一の業種での工業会などの形での団体であったりもしますが、自主管理ルールを整備し、衛生確保に貢献してくださっている団体が多数ありまして、私どもの自主基準の運用においても、それらを参照させていただいているものが多々あります。自主管理ルールとしては、成分の管理のほか、製法、管理方法に関するルールもあります。成分管理に関するルールについても、私どものようにポジティブ的な記述をして管理を行っているもの、あるいは使ってはいけないものを列挙するネガティブ的な記述方式をとるなど、様々な手法が使われておりますが、それぞれ各業界の業種の特徴を生かして採用されているところと考えております。

 7ページです。ここからポリ衛協について、具体的に説明させていただければと思います。このページで御理解いただきたいのは、主な事業の所です。1)自主基準を整備して、この自主基準の中にポジティブリストが入っております。2)ですが、確認証明書の交付があるということです。3)の PL マークの推進ですが、ポリ衛協の使っているマークは PL マークですが、他の塩ビ食品衛生協会様、塩化ビニリデン衛生協議会様におかれては、またそれぞれのマークを推進されておられるところと聞いております。

 加えて、先ほどから申し上げておりますように、サプライチェーン全体ということで、会員の欄ですが、正会員の幅広さ、レジン(樹脂)、添加剤、加工、流通、食品、団体など、 808 社の方に正会員に参加していただいているところで、準会員と合わせ 824 社という会員の加入状況です。

 もう1つ、7ページで御覧いただきたいのは、設立の年月日で、昭和 48 年9月 26 日、先日 43 歳になったところです。この昭和 48 年という時代ですが、当時この分野での取り組みと言えば、世界的に FDA しかなかったと思っております。私どもは先行いたしました塩ビ食品衛生協議会様と同じように、 FDA の方式を導入したということです。その意味で、私たちのルールは、国の規制と業界の自主規制という性格の違いはありますが、当時の米国のルールに極めて似たものとなっているところです。その後、欧州では成分の溶出性で管理する新しい制度を導入しましたし、米国でも日本や欧州の管理の進展により、産業競争力が失われると懸念したそうで、大変大きな予算や組織をかけているようですが、新たな制度として製造に関する許可制を並行して運用するように至っていると伺っております。

 8ページです。これまでお話してきた内容を示した絵で、単に説明分もまとめ直しただけですが、もう1つ表現しているのは、ポリ衛協の性格です。ポリ衛協は会員とともに、総体として衛生的な器具・容器包装を供給する務めを果たしていると考えているところですが、ポリ衛協そのものは会員に対するサービスを提供しているわけで、外部に対してサービスを提供していないということを、ポリ衛協の周りにある四角で表現したつもりです。その辺まで御理解いただければ有り難いと思っております。

 9ページです。ポリ衛協はサプライチェーン全体を通じて衛生を守っていること、このサプライチェーン自体を簡略に表現したものです。かなり簡略にしたものですが、厳密に申せば後添加と呼ばれるようなプロセスがあったりして、必ずしもこれが厳密に正しいというわけではありませんが、基本的に左から右へ向かって、一方方向でプロセスが進んでいるということを御理解いただけるのではないかと思います。様々な事業者が関わっていることと、プロセスの中で、そうした添加剤を添加するという行為によって、その成分が増えていくという製造プロセスが積み重なっており、その製造段階を一つ一つ管理していくことで、トータルとしての衛生を守ることができる、そういうある意味シンプルな構造だということを御理解いただけるのではないかと思います。

10 ページは、私どもポリオレフィン等衛生協議会が自主規制している対象の樹脂の種類を示した資料です。 1971 年に3種類の樹脂について、厚生省からこうしたポジティブリストの作成、そして維持・管理を依頼されたわけですが、 1973 年9月のポリ衛協設立までに5樹脂のリストを整備し、この5樹脂でポリ衛協がスタートしたところです。そして、今日に至るまで、合計で 30 種類の樹脂を自主規制の対象樹脂としているところです。

 このうち、薄く赤く塗らせていただいている樹脂は、厚生省 370 号告示に個別樹脂規格のあるものです。本年6月にポリエチレンナフタレートが追加になったというのが右側にマークしてあることが御理解いただけるかと思います。

 もちろん、実際に使われている食品容器包装としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、あるいは PET がほとんどですが、このように実際に使われている量は比較的少ないかと思いますが、拡大してきた様子を御覧いただけるのではないかと思っております。

 一方、ここに記載していない樹脂としては、他の衛生協議会が見てくださっております塩化ビニル、塩化ビニリデン、あるいは溶出に着目した同じ管理手法をそのまま使っていいのかどうかというところでためらいもありました熱硬化性樹脂の類、そうしたものはこの中に入っていないということを御理解いただければと思います。

11 ページ、樹脂の次に添加剤を示しております。添加剤はどうしても嫌われることが多いものですが、樹脂を樹脂として存在たらしめるために必要なものです。気密性、保湿性、耐衝撃性、保温性など、使い心地なども含めて、容器包装には様々な機能面が要求されております。そうした意味で、添加剤はなくてはならないものです。私どもポリ衛協では、こうした添加剤等をここにあるような9種類に分類して、管理を行っているところです。これは若干、蛇足ですが、基本的に添加剤は樹脂よりもはるかに高価な商品群です。後ほど申し上げますが、器具・容器包装製造者の方も樹脂製造の方も、こうした添加剤の利用については、できるだけ少なくしたいと考えているのが普通かと思っております。衛生を守る目的が、こうした意味でコストを削減するという方向性と同じであることは、協議会の運営上、大変有り難い要素であると考えているところです。添加剤を分類するに当たって、安定剤、界面活性剤など、多々ありますが、こうした添加剤の効能として、決してコスト削減とかかさ上げといった事項は入っていないことを御理解いただければ有り難いと思っているところです。

12 ページ、ポジティブリストの収載物質数です。先ほど申し上げましたように、プラスチック、樹脂の数は若干拡大しているところですが、添加剤については増えもするのですが、安全性に問題があるものを削除するなど、数としては余り変化していないところです。

13 ページです。ポジティブリストへの収載の条件などを書いているところです。樹脂と添加剤を区別して記述しておりますが、樹脂をポジティブリストに掲載する場合には、試験方法を設定するなど、添加剤を収載する場合とは若干異なる扱いであることを読み取れるかと思います。収載に当たっては、添加剤からはほとんど溶出がない、溶出があるとしても人体に影響するほどではないといったことのチェックをしているところです。

14 ページ、ポジティブリストの構造ですが、私どものリストはこのような構造をしており、頭に概要の説明があり、樹脂ごとに使用し得る添加剤の表が書かれているという構造です。

15 ページですが、衛生試験法です。衛生試験法は、先ほど申し上げましたように合成樹脂のポジティブリストに収載したときに、材質そのものや材料中の成分の溶出を評価する基本的手法として整備しているところです。 370 号告示で規定されていない樹脂について、また 370 号告示で、より詳細な試験方法として許容されている試験方法などについて、具体的な手法を設定しているところです。

16 ページ、確認証明書ですが、ポリ衛協の会員事業者間でやり取りするもので、この証明書でポジティブリストに記載された物質、制限条件に合致していることを確認したということが分かるような証明書になっているところです。

17 ページにほとんど同じような文章を書いておりますが、こちらは交付の視点で書いてあり、交付に当たっては、ポジティブリストに掲載されている物質に合致していることについて、本当にそのとおりか、そのように川下の事業者は使えるかということを確認しながら、この交付を行っているということです。

18 ページは若干おまけ的なものです。確認証明書の交付を受けたものについて、 PL マークを表示することができるということ。また、私どものルールがきちんと動いていることを確認するために、検査制度も持っているということです。

19 ページです。私どもの自主規制は民間で行っているわけで、それはどうしても強制力がなかったり、第三者に対しての信頼性がなかったりといった点で悩むところがありますが、ここに書きましたように整備が早いなど、メリットもいろいろあり、法規制と自主規制は相互に補完し合うものというように捉えてまいりました。今日、食品衛生分野については、世界的に各国による個別の規制から、国際機関による規制や奨励、あるいは民間による認証、民間の活用が注目されるようになってきたと思っております。 ISO FSSC などがその例かと思っております。とはいえ、器具・容器包装の原材料の成分に限定すれば、世界的にはまだまだ統一的な理念は完成していないと思っております。私どもの取り組みは世界的にユニークと表現されることが多いのですが、それは決して衛生上の取り組みが足りないという批判ではなく、日本という局所において有効に機能しているというコメントです。私たちの取り組みが世界の民間による取り組み、自主規制、自主管理の萌芽として認められるようになりたいと考えているところです。

20 ページ、まとめです。ポリ衛協の強みは川上、川下の立場の異なる関係者の対話、調整により、衛生の実行方法を具体的に作り上げてきたことにあると思っているところです。この結果として、 30 種類の樹脂で統一的な体制を体系的に構築できたと思っているところです。結果として、これまで私どもの会員の供給によっての健康被害は把握していないという実態で、大変有り難いと思っているところです。こうした事業を含め、更に私どもはリストを整備し、管理方法についても適切に発展させていただきたいと思っているところです。

21 ページです。あり方検討会の中間取りまとめで、私どものルールが世に打ち出されたということもありまして、私どもはそれに対応して、外部に対しても説明をしなければならなくなったと考えているところです。同時に、会員に対しても自主管理できちんと動かしているということを徹底しようというところに取り組んでいるところです。また、海外に対して、他の業界団体に対して、私どもの理解を進めていきたいと考えているところです。

 海外との関係について、輸出入に関し、若干お話がありましたので紹介です。私どもの会員の 10 %が海外の会員です。また、私どもが発行しております確認証明書ですが、交付した証明書のうち2%について、併せて英文の交付証明を提供しているところで、海外の会員間での取り引きに使われている実態があります。基本的に器具・容器包装の原材料の更にその原材料からのやり取りでのものと思っておりますが、実に少数ではありますが、加工品でも英文の証明書の交付を求める会員が出てきたというのが現状です。そういう意味で、海外市場にも通用し始めたという実態があることも紹介させていただきまして、私からの説明を終わらせていただきます。

○大前座長 引き続きまして、塩ビ食品衛生協議会の石動常務理事からお願いいたします。

○石動参考人 塩ビ食品衛生協議会の石動です。ポイントを絞って御紹介します。スライド2に歴史をまとめております。こちらの協議会は、日本で初めて設立された衛生協議会です。当時の厚生省とのプロジェクトで、ポジティブリストや確認証明書システムを作ってきました。当時は厚生省の技官が来られて、確認証明書の発行を行っているという記録も残っています。また、 1973 年には厚生省の局長通達により、地方自治体の長に対し、当協議会のポジティブリストをガイダンスとして通達するということも行われています。これは現在の厚生労働省のホームページにも掲載されております。

 スライド3です。協議会の会員は 180 の企業がリストされており、業種はこのようになっています。また、内外の比率はこのようになっております。

 スライド4です。自主基準を作る一番のポイントになるのは、物質リストの整理です。私どもの先輩のアプローチは、いわゆる海外の工業先進国のリストを十分にリファーしようという戦略を取りました。スライド4にあるように、米国、ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、オランダですが、これは国内法が存在して、現存しているものもあります。それから、 EU として統合された全体のリストもリファーしているわけですが、先ほどの話にもありましたように、当時は米国の FDA のほとんどの内容をカバーしているというような状況でした。

 スライド5は、私どもにとって非常に重要な資料です。全ての化学品がどの登録根拠になっているかということです。真ん中が FDA の連邦規則集の連番です。また、 EU の現状のリストの通し番号です。次は、ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、オランダ、それぞれの国内法にあるものは○で示されています。右から2番目のカラムが、協議会の独自の評価によってリストされたものです。

 次に、スライド6で、独自の評価の方法についてのポイントを御説明します。通常の条件とともに、標準配合の形を取っており、一番上が硬質、下の2つは軟質です。それの油性食品に接触しないものとするものの2つに分けています。我々としては慎重に評価しないといけないのは言うまでもなく、油性食品に接触する軟質のものということになるわけです。これについて、少し御紹介していきます。

スライド7、スライド8については、スキップさせていただきますが、スライド7は通常の食品4分類のそれぞれの溶媒がこのようになっているということで、スライド8は4つの温度時間条件のうちの厳しいところを選定するということをいっております。

 スライド9です。ここで先ほど御紹介しました軟質塩ビの油性食品に接触するときのモデル配合です。よく話題になる可塑剤ですが、この場合の標準配合は、塩ビのフィルムの標準配合をモデル化したものですが、可塑剤の 50 重量部に、新しく登録したいという可塑剤の物質を使って、こういったコンビネーションで実施するわけです。

 スライド 10 からは具体的な評価に入ります。欧米と同じように、擬似溶媒の移行量を 50ppb で区分しまして、それ以下については変異原性試験だけを課します。費用的には 50 万円ぐらいでできます。それから、 50ppb を超えますと、これに 90 日の亜慢性毒性試験が課されまして、費用的には 2,000 万円と聞いております。ここが非常に大きなクライテリアとして利用されるわけですが、これは欧米の考え方を踏襲しているわけです。

 スライド 11 は、判定フロー図です。可塑剤を使うような軟質塩ビについては当然ながら下のフローをいくような形になり、最終的には 90 日の亜慢性毒性試験によって、 TDI ADI が算出される形になるわけです。言うまでもなく、 50ppb 未満ですと、こういった定量的な数値は特定されないということになります。

 スライド 12 からは EDI (推定一日摂取量)の算出です。ここでは欧米のファクターを参照しています。例えば接触面積について 6dm2/D というのはヨーロッパの数値が参考になります。また、 CF FDA の考え方が導入されておりまして、この2つがコンバインされるような形になっています。

 スライド 13 です。一方、 ADI については、 NOEL を先ほどの 90 日の亜慢性毒性試験から安全係数 500 で除したものを値として使い、 EDI ADI の不等式が EDI ADI のように成立すれば、その評価物質は問題ないだろうという判断になります。非常にシンプルと言っていいと思います。いろいろと厳しい条件を選ぶと言いますか、先ほど1つ説明を除きましたが、例えばフィルムの厚みですが、想定される一番厚い厚みを選定するように課しております。そういうことで、最も厳しい条件を全て網羅しながら、新規物質については評価を行って決定するということです。

 スライド 14 15 です。これにより、トータル8百数十の物質がリストされているわけですが、これが効用ごとに整理したものです。また、私どもにとって、安全情報からリストから除くべきではないかと判断されるもの、あるいは恥ずかしい話なのですが、いろいろとやっていると同じものが別の所に挙がっていたり、再整理が必要だということが後で分かることがありまして、それによって削除したり統合したりする作業が出てきました。それをスライド 16 で示していますが、トータルの約1割がリストから除かれます。こういった物質についても、隠さずに会員については全て通知し、共有情報となっているということです。

 これによって、例えば独自評価したものについては、スライド 17 にあるように、簡略化されていますが、制限をどのように設定したかとか、毒性試験結果についてどのようなパラメーターを参考にしたのかを簡潔にまとめています。これも会員に全て通知しています。これが物質の関係です。

これに基づいて、確認証明書については、原材料と製品にそれぞれ発行しており、その数はスライド 19 のようになっており、約 1,100 ということになります。下のほうは、製品に対する確認証明書ですが、これについては各メーカーから出荷量を全部上げていただいています。基本的にこの数値を全部押さえていまして、どの製品をどのメーカーが所管しているかということ、何か問題があったらすぐに対応できるようにしているところです。

スライド 20 はまとめです。これについては、今述べましたことですので、割愛いたします。

○大前座長 ありがとうございました。それでは、塩下ビニリデン衛生協議会の松永専務理事、よろしくお願いします。

○松永参考人 塩化ビニリデン衛生協議会の松永です。当協議会の自主基準についてお話いたします。設立は、先にお話になられた二衛協に対して、我々は 1977 年、三男坊という立場です。対象は塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニリデンモノマー、塩化ビニリデン樹脂製品です。会員は 10 社で、モノマー、 PVDC の樹脂、製品を製造、販売、輸入する事業者を対象としています。

 3ページ目です。 PVDC フィルムの主な特性です。1つだけ挙げますと、ガス及び水蒸気に対するバリア性があることです。どういう所で使われているかと言いますと、フィルムの状態で家庭用のラップで、皆さんの御家庭には緑若しくは黄色のパッケージのものをお使いになっているのではないかと思います。それが、 PVDC の樹脂です。それから、ソーセージやチーズなどの包装材料です。

 4ページ、参考として作り方です。原料を溶かして風船のように膨らませ、巻き取るインフレーション法というもので製造しています。

5ページ、そのほかに、 PVDC をコートして使うコートフィルムですが、構成例として挙げています。基材の上に、コーティングの場合は2、3μ m で、防湿性、バリア性を発揮させるような素材に変えるということで、ビスケット、漬物、干し芋等の包装材に使われています。あと、他の基材に PVDC をラミネートというか、多層フィルムにして使う用途もあります。

6ページ、自主基準の適用範囲については、これらの製品群ということになります。

 7ページは製造プロセスです。モノマーを持ってきて、これをポリマーに重合して、フィルムとしての機能性を付与するために添加剤を加え、フィルムの成形加工をし、製品になります。他の協議会と違うところは、樹脂を作っているところ、フィルムを成形しているところが同じです。それで一貫して作っています。一貫していないのは、コートフィルムで、これについてはコートを専門とする製造業者で作っています。ラミネートについても、そういう所に出すものもありますし、自分たちで作るものもあるようです。このような感じで、モノマーと添加剤については、ポジティブリストが適用されています。確認証明については、色の付いたものに対して出されるということです。

 8ページ、自主基準の歴史です。 1978 年に第1版ができたと書いてあります。これを作るに当たって、当時の厚生省の御指導の下に作った経緯があります。現在は改定を重ねて、第9版が最新版です。

 9ページ、自主基準は、衛生試験とポジティブリストから構成されており、衛生試験は告示 370 号にプラス自主基準として、材質の所に塩ビモノマーがありますが、 PVDC100 %では加工性が悪いために、少し第2成分を加える場合があり、第2成分として塩ビモノマーを使うこともあります。塩ビモノマーが含まれているものについては、塩ビ樹脂に適用されている塩ビモノマーの材質試験の規格を入れているというのが自主基準です。

10 ページ、ポジティブリストについては、先ほど石動さんから説明がありましたように、当時のアメリカやヨーロッパの国々で認可されている物質、食品添加物として認められている物質等をリストアップした経緯があります。新たに物質を評価するについては、先ほど石動さんから丁寧な説明がありましたので、やり方は同様なので、ここは割愛させていただきます。

12 ページ、ポジティブリストですが、 330 物質のリストを持っています。

13 ページ、確認証明書については、フィルム、コート剤、コート品、多層品について、確認証明を出しています。これがきちんと守られているということについては定期検査を行っています。

14 ページ、自主基準の適合マークについて、先ほど「 PL マーク」とポリ衛協でお話をされましたが、うちは下にあるようなマークを付けています。ただ、このマークについては、食品の包材ですから、食品がメインなので、なかなか付くチャンスはありません。ただ、家庭用のラップについては、こういうマークが付いているものもありますので、見ていただきたいと思います。

○大前座長 ありがとうございました。

 時間がなくなってきましたので、質疑の時間を少し短くしたいと思います。今のお話で、塩ビ、ビニリデンの協会の新規の物質の試験の話が出ました。確認ですが、同じ試験をやっているということでよろしいのですね。

○石動参考人、松永参考人 はい。

○大前座長 それから、新規ということは、日本で独自に出てきた物質という意味合いと捉えてよろしいですか。 EU FDA には載っていないけれども、日本で新たに出てきた物質ということでしょうか。

○石動参考人 おっしゃるとおりです。

○大前座長 そうすると、その試験データは協議会が持っていらっしゃるのですか。

○石動参考人 そのとおりです。

○大前座長 他に何かございますでしょうか。

○鬼武構成員 先ほどの冷凍食品協会のところでもよろしいでしょうか。

○大前座長 はい。

○鬼武構成員 協会でいろいろと懸念される事項が、スライド 13 15 に書かれていますが、今後のこの検討会の中でも貴重な議案になると思います。

 スライド 13 に書かれている5番目の自主回収の科学的根拠とおっしゃっているのは、私どもは自主回収というのは、科学的根拠以上に社会的な問題とか、置かれている状況による判断のほうがあるわけですが、ここで記述されている科学的根拠と、次のスライド 14 でいっている器具・容器包装の安全性と中味の安全性についての御提言がありますが、その辺の関係というか、御主張をもう一度御説明いただければと思います。

○尾 参考人 まず、御指摘のように、鬼武構成員のいらっしゃる所もそうでしょうけれども、確かにブランドを守るために、必ずしも科学的な根拠はなくても、世の中の風評によって対応せざるを得ないという部分がございますけれども、それと同時に、そのことが良いことかというのは当然議論になるわけです。食品廃棄を大量に生み出すことが単にブランドを守るだけ、あるいは世の中の風評ということで、それを科学的な証明もせずに捨てていいのか。あるいはダイコーの問題で、今回は食品廃棄物の問題も出てきていますが、不正転売を防ぐために、廃棄の際にも製造事業者はかなりコストをかけてほしいという原案が出てきています。そうすると、食品廃棄というのは、できるだけ避けるべきだと考えています。

 したがって、科学的な合理性がなければ、食品廃棄はすべきではない、基本的には。ただし、もう1つはコンプライアンス上の問題で、科学的には問題はないけれどもコンプライアンス的に問題があるというようなものは当然回収しないといけないのでしょうけれども、それ以外のものは、きちんと社会に御説明して、できるだけ回収しないといった形のほうが正しいのではないかと私たちは考えています。最悪の場合は回収しないといけないということはあります。

 そうすると、そのときに何をもって根拠とするか。やはり、安全です、ということをきちんと言っていくしかない。ですから、まずは安全性評価が一番大事です。

 その際に、食品の中で起こったことについては、私たちは自分たちで安全か危険かという判断は全部できます。ですから、安全ですから安心してお召し上がりくださいですとか、心配があるから回収しますとか。

 ところが、容器については、私たちはそういう知見がありませんので、まずは違反とされた資材の現物が、本当に安全なのか危険なのか。それから、例えばその現物がポジティブリストには載っていないけれども、それ自体は安全である。あるいは安全性は確認されていないけれども、溶出しないということなら、食品の安全性には影響がありません。したがって、例えばこの資材自体は違反であるけれども、食品には影響がないので、それは回収しないでいいということを言っていただければ、食品メーカーは回収せずに済みます。ところが、それがなければ全て回収しなければいけません。

 今まで皆さんがきちんとやっていますから、現実問題として特に大きな問題は出ていないので、このままいくことを私たちも期待していますが、それ以外に新たな問題が出てきたときに、今ネガティブリストだから、物質証明以外のものであれば現実問題としては何も問題が起きていないわけです。

 そうすると、問題が起きたときに、これはどのようになるのかというのが、私たちにとっては一番の心配です。その際に、そういった資材を使っていたことが行政罰になるのか、あるいは安全ではあるのにもかかわらず、 16 条違反の資材を使っているからアウトとか。更に言うと加工工程の中でたくさん使っていますと、そこまで遡って廃棄しないといけないのか。それについては食品メーカーの根幹になります。

 先ほどの緑のシートはいろいろな会社でたくさん使っています。あれが駄目だという話になったら、恐らく日本のマーケットの加工食品のかなりの量は使えなくなります。そういうことが想定されるので、最悪の場合を考える。だからそういったことを考えたルールを作っていただきたいというのが希望です。

○野田構成員 今日は各協会様の御対応を御説明いただきまして、ありがとうございました。知ることができましたことを、有り難く思います。

 ポジティブリスト化することは日本の容器包装の安全指針として、どんどん進んでいくかと思いますので、よいことと考えております。法令化していただきたいと思っております。

 その中で、国として安全の実態把握をどのようにされるお考えかを教えていただきたく思います。1つとしては、先ほど重倉構成員からお話のありました確認証明書という情報伝達という方法がありますし、ほかにはテストです。あとは EU で行われている適合宣言書の手法があると思いますが、現時点で構いませんので、お考えを教えていただければと思います。

○山本課長(事務局) ネガティブリストの制度の中から幅広いポジティブリストの制度に変わるということであれば、1つはリストをきちんと作ることです。国として、一定の科学的なエビデンスを基にリストを作るということが1つです。

 もう1つは、そのリストに各素材、各物質、各添加剤が適合していることを、事業者あるいは三衛協の皆さんがやってきていただいているようなことをやった上で、適合宣言のようなものがきちんと添付される、そして、それが、上流から下流という言葉が出ていますが、そうやって各事業者に渡るというのが、欧米の例を見ると1つかと思っています。

 もちろん、それに組み合わせて分析というのも当然あり得る。総量規制として欧州なども使っているわけですから、検査で押さえるべき項目、適合宣言で押さえるべきところ、幾つかを組み合わせていくのかなと思っています。

○横田構成員 三衛協の皆さん全員にお伺いしたいのですが、2点あります。1つは、確認証明書発行のフローが、御説明いただいた協会とそうでない協会がいらっしゃいまして、ここでのフローというのは誰が申し出て、どこに情報がいって、その情報を誰が認識した状態で確認証明書が発行されるのかという点について、分かりやすく説明していただきたいということです。

 その観点で、特にポリオレフィン等衛生協議会の5ページに問題点が列挙されております。改めて確認しますと、資料4の5ページに衛生を考える方法として懸念点があると。すなわち、供給者側にとって営業秘密である、製造者側にとっても営業秘密である部分がある。これらをどのようにうまくマッチングさせながら確認証明書を発行することができるのかについて、御説明をいただきたいのですが、よろしいでしょうか。

○重倉構成員 説明がつたなく、失礼いたしました。私どもの確認証明書の交付については、 17 ページに書いております。会員からの申請に基づいて、交付を行うことにしています。申請内容については、事務局に提出される限りで終わりで、それ以上に他の事業者に対して開示するということではなく、事務局に対してというものです。事務局から交付した証明書は会員間で御利用いただきます。このようなスタイルで運営しているところです。したがって、営業秘密については事務局に開示されますが、その他の方には伝わらないという体制を作っているところです。

○横田構成員 他の協会さんも同じような感じですか。

○重倉構成員 同じということです。

○横田構成員 そういたしますと、冷食側等の川下の方々が心配されているのは、確認証明書を信頼した後の処理の仕方と、行政による公表のあり方も含めた、どのような情報提供が国民に対してなされるのかという点と、実際に行政指導、行政処分を含めた処分等がどうなされるのかということでよろしいでしょうか。

○重倉構成員 この検討会でこれから検討されていく事項だと思いますが、私どもの現在の確認証明書は、若干自虐的に申し上げるならば、食品衛生法上位置付けられておりませんので、これを出したなら食品衛生法上合法だとは言いきれないことがございまして、恐らく食品事業者の多くの方はその点ではためらいを感じているのではないかと思います。

 私どもは、 10 社程度の食品事業者の方にも会員になって参加していただいており、実績上は問題がないと考えているところですが、昨年の中間取りまとめで、これが自主管理に有効な手段であると認めていただいたということは、大変追い風になっていると感じているところです。現状はそのようなところで、これから是非この検討会で考えていただきたいと思います。

○大前座長 今のことに若干関連するのですが、今は自主管理の状態で、特に日本独自の物質に関しては、自主的に毒性試験等をやられて管理されていると思います。もし、ポジティブリスト制度が始まりますと、日本独自の物質も当然リストの中に入ってくるはずなのです。

 そのときは、三衛協のそれぞれの独自の物質のリストと同時に、バックグラウンドとなった毒性試験の結果というものも一応公表するような意思はございますか。

○重倉構成員 現時点では、私どもはポジティブリストの収載情報を厚生労働省へ提出するということまでを決めています。現時点では方針まで検討する段階になっておりませんで、毒性情報以外に溶出試験が大きなウエイトを占めると思うのですが、それに合わせて、試験条件というのはノウハウが集まっているところがありまして、そういう部分も含めて再現確認ができるかどうか、そうした議論にまでなってくると、かなり相談しなければいけないことも出てくるのではないかと予想しております。

 現時点で特に反対というポジションではないのですが、今の時点では出しますとまでは言えないという状況です。

○森田構成員 そのような御説明であれば、既に三衛協の中で、それぞれの膨大な数が収載されているポジティブリストが作られているわけですが、例えばこれからポジティブリストに収載していくときに、その評価の方法は新規物質に関しては分かりましたが、例えばポリ衛協の 13 ページの最後に、「評価に当たっては、改めて各種試験を行わなければならないわけではなく、同等の考え方で作成された欧米の PL も活用している」という項目があります。それぞれリスト化されたものが、どのような試験データがあって、どのようなものがあるのかが分からないということでしたら、公表されるということなのかもしれませんが、そこの部分が私たちから見て、それぞれ 1,000 幾つあるとか、 800 あるとかとリスト化されていても、どのような評価がされているのかが分からない部分があって、それがまた重なっているのか、そういうところの外形がよく分からないところがありますので、次回でもいいのですが、そういったところを少し整理して示していただければと思います。それぞれの取り組みは分かりましたが、そういうことはお願いできないでしょうか。

○大前座長 少し考えていただけますか。次回あるいは次々回など。

○重倉構成員 現在、 12 月までにポジティブリストの化学物質情報を提出せよと厚生労働省から指示されているところです。

 中間取りまとめで指示されたことは、ポジティブリストに掲載されている化学物質の情報を取りまとめて、自主管理ガイドラインに参考情報として添付することに協力せよと言われているわけですが、「化学物質のリストを取りまとめ」という言葉です。

 正に森田構成員が御指摘のとおり、私どもはそうしたリストを提出するに当たって、なぜそこのリストに載っているのかという情報を含めずに提出することについて、ためらいの意見が私どもの内部にあることも事実です。

 そういう意味で、どのように提出するかについては、現在考えているところであり、それは正に現在進行中のところですが、どのようなものを第3回に出せるかはよく分からないのですが、できるだけ考えたいと思います。

○大前座長 よろしくお願いします。今、日本冷凍食品協会と三衛協の質疑ということでやっているのですが、余り時間もありませんので、全体の話として、どなたか御意見があればと思います。

○伊藤構成員 今回議論しているポジティブリスト制度化に向けてということです。これから日本としても、国際的に対応していかなければならない中で、輸出入を促進していくためにも、国際的な標準性も持たないといけないということになっていくかと思います。そういった意味で、このポジティブリスト化というのが欧米で一般化しているということであれば、当然そこに批准していくのが筋だろうと思っています。

 当然のことながら日本だけのものではなくて、必ず国際的な整合性を持っていただきたいということで、進めていただければいいかなと思います。

○小倉構成員 消費者としましても、同様の御意見です。今日、お話を伺いまして、製造メーカーと食品メーカーの情報がきちんと行き渡っていないとか、風通しの悪さのようなことも感じております。

 これまで、私たちは企業が出してくださる容器包装を信じて安全に暮らしてきましたが、これから超高齢社会に向けて、本当に日本だけで商売をしていくというような状況ではなく、輸出・輸入を考えていかなければならないときに、やはり第三者から見たときに共通のルールでやっていくということは、とても大事なことだと思います。できるところから一歩進めていくということが必要だと思います。

○大前座長 他によろしいですか。

 どうもありがとうございました。本日は器具・容器包装の流通過程における様々なお話を伺って、非常に参考になりました。ありがとうございました。

 次回以降は、更に上流の容器包装の製造に関わっている関係団体からヒアリングを行います。もう1つは、国際的な話がありますので、欧米の制度について、もう少し詳しく把握するという意味で、事務局には説明いただくという形で、第3回を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

 事務局から、連絡事項はありますか。

○近藤補佐(事務局) 次回の第3回検討会については、 11 月1日(火)の開催で調整を行っています。開催日程等が決まりましたら、各構成員に御連絡させていただきます。

 また、内容としては、先ほどお話のありました、欧米規制等の御紹介、容器包装製造事業者からのヒアリングを行う予定です。

○大前座長 本日は時間を超過いたしましたが、長い時間をありがとうございました。これで終了いたします。


(了)

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