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2016年10月12日 第98回社会保障審議会医療保険部会

○日時

平成28年10月12日(水)9:59〜11:34


○場所

グランドアーク半蔵門 富士東


○議題

1.骨太2016、経済・財政再生計画改革工程表の指摘事項について
 (1)入院時の光熱水費負担額にかかる患者負担の見直し
 (2)金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担の在り方
2.その他

○議事

○遠藤部会長

 定刻になりましたので、ただいまより第98回「医療保険部会」を開催したいと思います。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参集をいただきましてどうもありがとうございます。

 まず、本日の委員の出欠状況について申し上げます。本日は、岡崎委員、福田委員、望月委員、和田委員、渡邊委員より御欠席の御連絡をいただいております。

 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りいたします。

 福田委員の代理として山本参考人の出席につき、御承認いただければと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 本日は、「1.骨太2016、経済・財政再生計画改革工程表の指摘事項について」及び「2.その他」を議題としたいと思います。

 初めに、「1.骨太2016、経済・財政再生計画改革工程表の指摘事項について」を議題といたします。

 事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。

○宮本課長

 保険課長でございます。

 資料1、資料2を合わせて説明させていただきます。まず、資料1−1から説明させていただきます。

 1ページ、骨太の方針、アクション・プログラムが載ってございます。医療・介護を通じた居住に係る費用負担の公平化について検討を行うということでございます。

 2ページ、これは医療の面で申しますと、赤囲いの矢印のところでございますが、「入院時の光熱水費相当額に係る患者負担の見直しについて、関係審議会等において検討し、2016年末までに結論」となってございます。

 3ページに参ります。「入院時食事療養費及び入院時生活療養費の概要」でございまして、これは御案内のとおりだと思いますけれども、入院時食事療養費といいますのは、保険医療機関に入院したとき必要となる食費についてその一部を支給するもの。入院時生活療養費というものは、65歳以上の者が保険医療機関の療養病床に入院したときに必要となる食費、居住費、光熱水費について、その一部を支給するものでございます。支給額は、食費及び居住費について定めた基準額から被保険者が負担するものとして定めた標準負担額を控除した金額ということで、患者の皆さんは標準負担額をお支払いいただくということになってございます。

 一方、右側のほうに介護保険の仕組みが書いてございます。介護保険は、後ほど説明いたしますけれども、食費・居住費については給付の範囲から除かれておりまして、それで支給をするという仕組みになってございます。

 4ページの「入院時食事療養費及び入院時生活療養費の創設経緯について」をごらんください。まず、平成17年に介護保険において食費・居住費の見直しということで、在宅と施設の給付と負担の公平性、介護保険給付と年金給付との調整という観点から、介護保険施設において、食費及び居住費を原則として、保険の給付外とするという見直しが行われました。また、低所得者に対する負担軽減措置として、補足給付制度というのが創設されています。

 それを踏まえて、平成18年に入院時生活療養費制度が導入されました。患者は、医療上の必要性から入院しており、病院での食事・居住サービスは、入院している患者の病状に応じ、医学的管理のもとに保障する必要があることから、医療保険においては食事・居住費においても保険給付の対象とする。そこは介護とは違います。

 一方、療養病床においては、介護病床と同様に住まいの機能を有していることに着目し、介護保険における食費・居住費の見直しを踏まえて、介護施設において通常本人や家族が負担している食費及び居住費を自己負担化するということで、介護保険と本人の負担を合わせるという改正を行ったということでございます。

 5ページは飛ばしまして、6ページでございます。「現行制度における入院時の居住費負担(光熱水費相当額)の考え方について」でございます。現行では、療養病床、かつ65歳以上、かつ医療区分Iの入院患者に居住費負担を求めております。

 入院時食事療養費を導入した平成18年の改正時の考え方は、以下のとおりです。まず、療養病床は医療の機能のほか、住まいとしての機能を有しているということ。それから、65歳以上という要件は、介護保険と同様、年金給付との調整を図る必要があるということであります。年金給付は、食費であるとか光熱水費、そういう生活を賄うために支給をされている。そういう年金給付が出ているということを考えて、特に65歳以上ということを考えたということでございます。それから、医療区分I、入院医療の必要性が低いということで、そういう意味のいわゆる社会的な入院については、介護として対応することが可能であるということに着目して、医療区分Iに限定をして光熱水費をとることになっているということでございます。

 下の表が今のものを総括したものでございます。今は65歳以上の療養病床の方について、医療区分Iの方についてのみ、居住費、光熱水費を徴収しているという状況でございます。

 5ページは医療区分です。御案内のとおり、医療度が1が一番低くて、3が一番高いということになってございます。5ページは以上でございます。

 7ページでございます。介護保険の平成27年度の介護報酬改定において、直近の家計調査の光熱水費相当額を踏まえた見直しを行われております。その際に320円から、介護保険では光熱水費相当額として370円が徴収されており、現在は370円になっているという状況でございます。

 8ページが、昨年入院時の光熱水費について議論をしたときの主な意見を載せております。説明については省略させていただきます。

 9ページは論点でございます。考えられる論点として、マル1〜マル4を挙げております。「マル1、医療保険の療養病床の65歳以上の入院患者の居住費負担額は、介護保険施設の多床室における光熱水費を踏まえて設定された経緯から、1日320円から370円に引き上げることについて、どう考えるか」「マル2.入院医療の必要性が高い医療区分IIIIIの者については、居住費(光熱水費相当額)の負担を求めないこととしているが、医療区分IIIIIの居住費負担について、どう考えるか」「マル3.療養病床の65歳未満の入院患者については、年金給付がないこと等から居住費(光熱水費相当額)の負担を求めないこととしているが、居住費負担における年齢区分について、どう考えるか」「マル4.一般病床・精神病床については、食費(食材費+調理費相当)の負担を求めている一方、住まいとしての機能がないことから居住費(光熱水費相当額)の負担を求めていないが、入院期間が長期化しているケースや入院医療の必要性の低いケースもあり、これらの点も含め、どう考えるか」ということでございます。

 資料1−1の説明は以上でございます。

 次に、資料1−2「金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担の在り方について」でございます。

 2ページの改革工程表の赤囲いの矢印をごらんください。「医療保険において、介護保険における補足給付と同様の金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担を求める仕組みの適用拡大を行うことについて、関係審議会において検討し、2016年末までに結論」ということになってございます。

 では、介護保険がどのような仕組みになっているかということでございまして、3ページでございます。「食費・居住費の軽減(補足給付)の見直し (資産等の勘案)」ということで、施設入所等にかかる費用のうち、食費及び居住費は本人の自己負担が原則となっているが、住民税非課税世帯である入居者については、その申請に基づいて、補足給付を支給し、負担を軽減している。この補足給付というのは、福祉的な性格や経過的な性格を有する制度であり、預貯金を保有するにもかかわらず、保険料を財源とした給付が行われることは不公平であることから、資産を勘案する等の見直しを行うということで、介護のほうでは、実費である食費あるいは居住費について、低所得者については補足給付ということで軽減をしておりますけれども、そのとき、ただフローの要件だけで低所得者を決めるのではなくて、金融資産の保有状況も含めて低所得者かどうかを判断して、補足給付を支給するという仕組みにしているということでございます。

 4ページは、預貯金等の把握等に関しまして、預金口座へのマイナンバーの付番についての説明をつけています。これは30年1月から施行されることになっております。ただし、右側の赤囲いにありますけれども、預金者は銀行からマイナンバーの告知を求められるが、法律上は告知義務は課されないということで、30年1月にマイナンバー法が施行された場合であっても、金融資産についてはマイナンバーで完全に捕捉するということは、今の法律ではできないことになっているという状況でございます。

 5ページ、論点でございます。「医療保険において、負担能力に応じた負担とする観点から、介護保険における補足給付と同様の金融資産等の保有状況を考慮に入れた仕組みを導入することについて、どう考えるか」。

 考えられる論点として、「マル1.介護保険では、補足給付は本来の保険給付とは異なる福祉的・経過的な性格を有することを踏まえ、補足給付についてのみ金融資産等を勘案して給付の対象となるかを判定しているが、仮に、医療保険において、同様の仕組みを導入する場合、給付の範囲について、どう考えるか」。介護保険においては、補足給付についてのみ金融資産を考慮して、その支給要件を決めております。すなわち、利用者負担の割合とか、高額介護サービスの支給に当たっては金融資産等を勘案していないということでございます。

 「マル2.介護保険の補足給付に対応する医療保険の給付は入院時食事療養費・入院時生活療養費であると考えられるが、医療保険では、食事・居住サービスは、医学的管理の下に保障する必要があることから、食事・居住費についても保険給付の対象としている点で、介護保険と考え方が異なる点について、どう考えるか」。先ほども御説明しましたように、介護につきましては、食事・居住サービスは給付の対象外とされております。医療については、この点、給付の対象の中ということで、負担だけ合わせている。その点についての違いをどのように考慮するかということでございます。

 「マル3.負担能力に応じた負担を求めることが必要である一方、現時点では、金融資産の把握は自己申告をベースとせざるを得ない点について、どう考えるか」ということでございます。

 以上で、資料1−2の説明を終わります。

 なお、本件につきましては、本日、御欠席の望月委員から御意見が提出されておりますので、あわせてごらんいただければと思います。

 私のほうからは以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、質疑に移りたいと思います。ただいま2つの内容について御説明いただきましたので、2つに分けて議論したいと思います。

 最初に、「入院時の光熱水費相当額に係る患者負担の見直し」について審議をしたいと思います。事務局から論点が出されておりますので、可能な限りこの論点に沿って御意見をいただければ幸いだと思います。いかがでございましょうか。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 それでは、9ページの論点に沿って意見を申し上げたいと思います。考えられる論点の1でございますが、医療のほうが320円で介護が370円、これはもともと320円は介護が当時320円だったことから320円という価格設定になったと思うのですけれども、当然、介護のほうが引き上げたのであれば、これはそろえるべき。したがって、私の意見としては370円で統一するというのが、もともとの考え方からいって正しいと考えます。

 2つ目でございますが、医療区分の1と2と3で分けるという考え方は、いわゆる光熱水費の負担というときには何か余り理屈がないなと。確かに医療の必要度は差がありますけれども、考え方としては、長期にわたって入院されている方と、在宅で治療を受けていらっしゃる方の自己負担の差を考慮すべき、それを原則で考えていくべきと思っておりますので、医療区分の2、3につきましても、同じく居住費負担をお願いするべきではないかと考えます。

 3の年齢区分でございますが、これも65歳とそれ以下、年金給付があるか、長期にわたって入院されている若い方は収入がないという前提でこういう考え方をしていると思いますが、これはさまざまな方がいらっしゃると思いますので、単純に年齢で切るというのはいかがなものかと考えております。したがって、年齢区分なしで、療養病床については全て居住費負担をお願いするという形がよろしいと思います。

 それから、4でございますが、一般病床は確かに急性期で2〜3週間の入院の方と、長期に入院されている方と二分されると考えます。手術等で1カ月以内という方まで居住費を請求するのはいかがかという考え方もあるかと思います。したがって、一定期間長期にわたる方、診療報酬上の取り扱いでは90日超えというのが一つの考え方になっておりますので、例えば90日を超える方については居住費を御負担いただくとか、そういう区切り方をすべきではないかと思っております。

 それから、精神病床、結核病床もあるかと思いますけれども、こういう方は療養病床以上に長期にわたって入院する、平均在院日数が長いというのが現実だと思いますので、療養病床で居住費を御負担いただくのであれば、精神病床についても同様に御負担いただくという考え方にすべきではないかと考えます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでございましょうか。藤井委員、どうぞ。

○藤井委員

 ありがとうございます。

 まず、療養病床の居住費負担についてですけれども、介護保険が家計調査というエビデンスに基づいて370円に引き上げたということであれば、医療においても整合性をとるべきではないかと思います。先ほどの意見と同様です。

 それから、食事も安静も医療の一環であるということは理解できますが、少なくとも居住費負担については低所得者など負担能力に配慮の上、日常生活で負担していたであろう水準に基づいて、年齢や病床の種別によらず公平に負担を求めてはどうかと考えます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかに。それでは、武久委員、新谷委員の順番でお願いします。

○武久委員

 医療区分で分けておりますけれども、医療区分の資料もあったと思いますけれども、医療区分というのは普通の方はなかなかわかりにくいのですけれども、医療区分1というのは医療区分2・3の項目に該当しない者、その他ということになっておりまして、がんの末期でも1になるのですね。そういうことで、整合性から言うと、2、3の重症以外の人ということは、軽い方もいらっしゃるのですけれども、一部に重い方がいらっしゃいまして、単純に1と2・3を分けるというのは、これは前のときに分かれたのですけれども、もう少し議論すべきではないか。したがって、1の中でも重篤な状態の方とそうでない方というのは分けないといけないということになるし、病状に関係なくこの費用は払うのだとなれば、1、2、3全部になると思うのですけれども、この辺の考え方を医療区分で分けたということ自体が少し整合性がないのではないかと思いますので、もう一度考えていただけたらと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員

 9ページにお示しをいただいています論点についてですが、これらはいずれも慎重な検討が必要であると考えております。特に、この論点2、論点3、論点4について意見を申し上げます。

 論点2の医療区分2・3の扱いですが、これは本日お示しいただいております資料の4ページに過去の創設の経緯が書かれております。ここにありますように、入院時生活療養費制度の創設の際に、医学的管理のもとに食費・居住費を保障する必要があるということが書かれておりますし、また、5ページには医療区分1、2、3の区分が示されております。やはり入院医療の必要性の高い医療区分2と3の患者について、居住費負担を求めるということについては賛成できないということを申し上げておきたいと思います。

 また、9ページの論点3でございます。これについても、同じように4ページに記載されておりますように、平成17年に介護保険でこの見直しが行われた際に、年金給付との調整という観点から65歳以上の区分が導入されたと承知をしております。やはりこの居住費といった部分については、生活費用は年金制度でカバーされているということで、当時、介護保険からの重複給付ということで、保険給付外と介護保険では整理をしたわけであります。そのことを踏まえますと、医療保険についても、現行どおり年齢区分による年金支給開始年齢の65歳というものを踏まえた区分は必要ではないかと考えているところでございます。

 最後、論点4、これは一般病床、精神病床についての扱いをどうするのかという論点でございますが、もともと一般病床、精神病床には「住まい」としての機能がない「治療の場」であるということでございます。そういった意味では、長期入院の課題が指摘されていますが、居住費負担の論議とこの問題を分けて考えるべきではないかなと考えております。

 また、ここに課題として書かれております入院期間が長期化するケース、入院医療の必要性が低いケース等の指摘がございますが、こうした課題に対しては、在宅であるとか、療養環境としてより相応しい施設への移行をまず進めるべきであって、この居住費の負担で是正を図るということについては賛成できないということを申し上げたいと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 いかがでございましょうか。松原委員、どうぞ。

○松原委員

 平成18年のときにいろいろな議論をしたときに、私もこの議論に参加したのですが、介護と医療とどこが違うのかという議論から始まって、医療というのはあくまでも入院して治療するためのものであり、介護というのはついの住みかに近いものである。そのときに、居住費の議論をしたわけですけれども、入院しているということは家も置いていますので、家のほうの維持費もかかります。そういったこともあるから、療養病床については居住費をとるのはおかしいのではないか。また、ホテル代との比較がかなり議論されまして、ホテルというのは部屋代は一律で決まっていて、電気を多く使ったり、水を多く使ったからといってその分をとるわけではありません。そのような議論があったにもかかわらず、療養病床の1区分というのは2と3に比べて医療がほとんどないのでということで、この導入に至った経過がございます。

 どちらかというと、入院している人から電気代をとるというのは筋の悪い話であって、財政的な問題でそのような形になったように記憶しておりますが、さらにこれを2や3に広げるということは、もともとの入院というものの理解が足りないのではないかと思います。やはりここのところは、1、2、3、本来はともにそれをとらないというのが正しいあり方だと思います。

 介護保険の内容と医療保険の内容はやはり違います。目的が違いますので、そこのところを十分に御理解いただきたいことと、療養病床の65歳未満の入院の方は、やはり年金給付がなくて非常に苦しい状態であります。しかも、入院しなければいけないとなれば大変な負担ですので、そこを国の政策として、そういう人までとらないでおこうということがマル3のところであったと記憶しております。

 さらに、精神病床も、今は非常にいい薬がありますけれども、かつては非常に難しい状態になって悪化していた方も多く、退院が難しい方が多々ございます。収入もなくて、そこにいらっしゃるわけで、そういったことについて治療をする必要があるということで入院されているので、そういう方たちまでこの費用をとるということ自体は違うのではないかということで、こういう制度になります。どうもこの提案は少し間違っているのではないかと私は思います。ぜひ御一考ください。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 ありがとうございます。

 まず、論点の1については、私どもは先ほどの白川委員、藤井委員と同意見です。医療保険の療養病床における65歳以上の入院患者の居住費負担額については、そもそも療養病床が介護病床と同様に、住まいの機能を有していることに着目して設定されたことからすれば、少なくとも現行の自己負担額の320円については、介護病床がその後の家計調査の光熱水費相当額を踏まえて見直されたことと平仄を合わせる観点からも、370円に引き上げるべきだと思います。

 また、論点の3については、65歳未満の入院患者についても、在宅医療を受けている方との公平性を考えれば、負担能力のある方には一定の負担を求める方向で検討すべきであると思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかに御意見は。それでは、武久委員、どうぞ。

○武久委員

 今、2018年の同時改定の話が進んでおりますよね。その中で、療養病床の特別部会のほうで、今日も資料がございますけれども、25対1と介護療養型につきましては、施設、院内病床転換ということが進もうとしているときに、この話が出るということは、逆に言うと、慢性期治療病棟の療養病床20対1の1以外は病床としては認めないという方向で、厚生労働省のほうは進んでいるように感じるわけです。その段階で、医療区分1の場合も、70%は軽いけれども、30%は重いということを医政局のほうでも認定されまして、そういう形で進んでおりますよね。

 だから、この医療区分について、ここに書いてあるようにそれほど精緻な状態ではなく、悪性腫瘍でも疼痛、要するにモルヒネを使っている以外は全部区分1になってしまうわけでございまして、完全な形での病状の分け方ではございません。

 そういうことになりますと、療養病床が、先ほど小林さんが言ったように、住居としての要素があるのでしょうか。最初からそのようにしているのであれば、そこは住居であれば社会的入院になりますよね。だから、厚生労働省は、もともと療養病床というのは住居として認定しているのでしょうか。私はそうではないと思います。やはり急性期の入院を短くして、早く慢性期の病棟に送っていただいて、一生懸命リハビリをして、早く日常に帰すというための病棟でありまして、昔は、特養が少なかったときには、介護保険施設が少ないためにその代用としてそこを使っていたという経緯がありますけれども、現在は介護保険施設も非常に多くなりましたので、そういう患者さんはほとんどいない。急性期病院の平均在院日数を減らしていくと、どんどん出ていって、慢性期病棟へ入っていく。その中で、2018年には慢性期治療病棟の療養病床1、ここだけは病床として評価するけれども、それ以外は病床転換をしろという方向になっておりますので、曖昧模糊としてフレキシブルに動いている段階で、居住費、補足給付等を、食費も含めて、今の段階でここで議論すべきか。それとも、もう少し後にして、ある程度2018年の形というものが見えたころにもう一度検討してはどうかなという感じがしております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。療養病床について検討が進んでいるという背景もあるので、もう少しその辺が固まった段階でもう一度考えたらどうかということです。

 ほかに御意見はございますか。それでは、遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員

 今ほどの意見と大体同じなのですけれども、もともと介護保険を導入した際に、住まいの部分と医療の部分を切り分けたのではないかなと思っております。ということであれば、現在残っている医療の部分というのは、住まいの要素というよりは、医療行為として入院していると考えるべきではないかという意味では、入院の部分に居住費というのは余り似つかわしくないのではないかと考えております。

 また、入院されている場合には、居住費といいましても自宅と二重の居住費がかかるわけで、介護の場合のついの住みかとは大分違うような感じを受けます。

 また、論点マル3のところの65歳未満に関しましては、若年層であれば入院して長期になれば無職、無収入という形になりかねないのですが、65歳以上の方は確かに入院されても年金という収入があるわけで、そういった部分では差があってもやむを得ないのかなと思っております。

 特に、マル4のところの一般病床と、また医療区分の高いところでの医療行為に伴う入院については、やはり医療としての考え方で対応するべきであろうと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかに。では、堀委員、その次に横尾委員ということでお願いします。

○堀委員

 先ほどから、医療保険と介護保険は目的が違うという指摘があるかと思います。もちろん法律制度が異なる以上、その相違は十分承知しておりますし、そのとおりだと思うのですが、患者の視点から考えると、例えば医療保険で入院していて、その後、介護保険施設に行かれるという方も実際いらっしゃいますし、あるいは在宅に戻られ介護と医療の両方を受ける方もいらっしゃいます。したがって、制度そのものとしましては、目的はもちろん違いますが、患者の立場でみますと、私たちがここで議論するほど医療と介護というのは明確に分かれていないような気もします。たとえば、介護保険施設の中に、老人保健施設がありますが、こちらは、ついの住みかになっているかというと、そもそも中間施設としてつくられていたかと思います。したがって、本日、急に議論を収束させるということは難しいかと思うのですが、そもそも施設と在宅の負担の公平性、あるいは医療と介護における負担の公平性といったときに、何を意味するのかというのをもう一度議論したほうがいいかと思います。

 それから、一般病床・精神病床等の中にも、地域医療構想等によって医療機能の分化が進むことによって、医療と介護のすみ分けができるようになるということを期待しますが、現状においては不適切な入院も一部とはいえあるかと思います。もちろん全てとは全く申しません。そういう意味では単純に光熱水費相当の居住費の議論を考えるときも、そういう全体病床における不適切な入院、あるいは入院の必要性の低いケースも含めて、医療と介護の整合性を検討する必要があるのではないかなと。無論、すぐに解決できるような問題であると思っておりませんが、整理が必要かと。

 それから、居住費負担における年齢区分につきましては、ほかの負担に関してもそうなのですが、年齢区分だけで一律に決めるのは個人的にはどうかと思います。また、医療区分に関しましても、先ほど武久委員がおっしゃいましたが、区分の精緻化というところでもう少し議論をしたほうがいいかと思いますので、安易にこの区分になれば自動的に居住費をとるというのはどうかなと思っております。

 以上、意見です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 では、横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 ありがとうございます。

 若干でも負担が増えることは、多くの方にとっては嫌悪感があるというか、増えないほうがいいというのは一般的だと思いますが、一方では医療費が大変増大していって国家財政に大きな影響を与えているわけですので、こういった増になる部分については、ほかの分野でも申し上げておりますけれども、政府による広報というか、説明を国民に対して十分に行うべきだろうと思っております。仮に320円から370円になるとして、大方の経費が若干でも財政的な節減ができる、効率的な運営ができるというのが出てくるとは思いますが、そういった説明は不可欠だということをまず感じています。

 とはいえ、財政運営を考えるとこういったことが必要であるならば、持続可能性のある社会保障制度を維持していくという意味でも、これは十分に考える必要があるかと思います。

 ただ、そのときに後期高齢者の医療のほうでも軽減措置を行っていただいておりますが、極貧の方も含め、あるいは経済的に非常に弱い立場にいらっしゃる方、低所得者の方に対しての配慮というものも一方では必要だろうと思います。このことに関しては、ルールを決めた上で、その方々に個別に給付をするということも一つの方法ではないかと思います。去年、今年と臨時給付金等が支給されているわけですが、そういったやり方はあるわけですので、ぜひそういったことを考えるべきかなと思います。

 なお、所得・資産等の捕捉については、次の議論とも関係しますけれども、本来であるならばマイナンバー制度が十分に機能していくようになれば、そういった把握もより正確になるのではないかと感じているのが1点です。

 次の項目の医療区分につきましては、先ほど武久委員もおっしゃったように、確かにがん末期、ステージ4、5に入った場合とか、なかなか先が苦しくなって、末期ケアを必要とする方等もおられたりしますし、病状によってはもっと衰弱した方もおられるかと思いますから、この医療区分2・3でないものを1とするというのは、ある意味でシンプルですけれども、もっと患者の状況を細かく把握した上で、それに寄り添った医療の給付ができるように、そのことで患者や家族にとっても少しでも勇気を得て頑張っていけるような、そういった配慮というものを重篤な方等を中心に再考する部分が必要なのではないかということを、今日議論を聞いて改めて感じさせていただきました。

 以上です。

○遠藤部会長

 それでは、樋口委員、どうぞ。

○樋口委員

 ありがとうございます。

 こういう御時世でございますから、少しずつの値上げは仕方がないと思っておりますけれども、できましたら一人の高齢者が施設から施設へと移っていくときにスムーズに感じられるような改定をお願いしたいと思っております。

 同一人物が病院と特養と同時に入っていることはできませんが、特養から病院へという移動はしばしばある例でございます。そのときに、特養におりましたとき、特養というところは補足給付のあるほとんど唯一の高齢者施設でございますから、ここで食費320円であって、そして療養型ないし病院に移りますと370円になるわけですね。このあたりをどのようにご説明くださるか、質問も含めてです。お願いは施設から別な施設に移ったときに、利用者がスムーズに受け入れられるようにということでございます。

○遠藤部会長

 現状の説明も含めて、事務局から今の樋口委員のコメントに対して御対応をいただたきたいと思います。

 では、保険課長、どうぞ。

○宮本課長

 ありがとうございます。

 今の仕組みを御説明させていただきます。今、介護は給付の対象外となっておりまして、光熱水費だけではなくて、特養では室料とかそういったものもとっておりまして、そういうもの全体を補足給付という形で軽減をしております。光熱水費のところだけ介護のやつを見ますと、27年の改定で基準額が370円になっています。医療のほうはまだ改定に合わせていない状態なので、今、320円になっておりまして、それを論点のマル1で320円から370円に合わせることはどうかということを書かせていただいているという状況でございます。

 私のほうからは以上でございます。

○遠藤部会長

 樋口委員、よろしいですか。

 ほかに。それでは菅原委員、どうぞ。

○菅原委員

 ありがとうございます。

 全体として費用負担の公平化を図って、相応の負担を求めていく方向性だとか、介護保険と医療保険の整合性を図っていくという全体的な方向性については賛成なのですけれども、先ほど来言っている医療と介護の性質というか、性格についての区分というのは非常に大事だと思っております。

 学問的に言っても、患者さんにとって入院加療の予見性は一般的に低いですし、加療上の必要性は、入院ですから当然高いわけですね。そういった意味では、患者さんにとっての加療場所、あるいは加療方法の選択性、あるいは自己決定性というのは、一般的に介護に比べて非常に低いと考えます。

 ですので、そういう自己決定性の低い患者さんに対して新たな居住費負担をどういうふうに求めていくかというのは、例えば借家にお住まいの患者さんが突然入院加療の必要性があったときに、その居住費というのは当然二重払いになるということになりますので、そのあたりについて、もう一度介護と医療の性格の区分といいますか、そういったところは丁寧な議論が必要かなと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 大体よろしゅうございますか。

 当然予想したとおり、賛否のそれぞれの御意見があったということですけれども、よろしゅうございますか。

 ありがとうございました。貴重な御意見だったと思います。

 それでは、次の議題といたしまして、金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担のあり方について御審議いただきたいと思います。

 これも論点が出ておりますので、できれば論点に沿った御意見を賜りたいと思います。

○遠藤委員

 ちょっとお尋ねしたいのですけれども、金融資産の保有によるというのは、介護においては導入されたということでございますけれども、補足給付の場合、資産状況を申告することは必須だと思っておりますけれども、これによって具体的に補足給付が変更になったケースとか、不適切事例においてはペナルティー等が記載されておりますけれども、まだ実施されて間もないとは思いますけれども、この運用状況というのはどのようになっているのかというのが1点と、これによる財政効果、実際にどのくらいの額が給付として節減されるのかということがわかれば教えていただきたいと思います。

○遠藤部会長

 介護保険の話ですので、どこまでわかるかわかりませんが、何か事務局からございますか。

○宮本課長

 資料の15ページをごらんください。これは介護保険部会のほうで提出をされた資料ですけれども、補足給付の認定件数ということで、金融資産を勘案する制度を入れてから、それぞれの所得区分でどれぐらい補足給付が認定されるケースが減っているかというのが数字で出ております。やはり所得段階が高くなるにつれて、制度の見直しの影響は出ているということでございます。

 どれぐらいの財政影響が出ているのか、今ちょっと数字がありません。済みません。

○遠藤部会長

 よろしいですか。

○宮本課長

 失礼しました。もう一回説明を。介護保険では3つの改正を行っております。すなわち、金融資産の把握というものと、あと、世帯分離をして、要するに世帯を分離すると別世帯になってカウントされるのですけれども、それをやめて、夫婦の場合は世帯分離をしても合算して一つの家計として負担能力を見るという改正と、それと遺族年金と障害年金等は今非課税なので、勘案されていないことになっていたのですが、それも補足給付の場合は負担能力として勘案するという3つの改正を行っております。最後のものは、まだ施行されていませんので、前二者の効果をあわせたものがこれでございます。その中の一部分が金融資産の見直しの効果ということになってございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 関連で教えていただきたいのですけれども、自治体現場では国保とかをやっているわけでございまして、その際には所得割と資産割があります。ただ、全国的な傾向としても、最近は資産割がだんだん減ってきて、所得割できっちりいこうというのが増えてきているのです。

 その際、税務の担当と国保その他の担当が情報の突き合わせをして、この方は該当する該当しない、低所得者の軽減をしなければいけないということを割り出して対応しているわけです。ここで言う金融資産というのは、固定資産と違って、自主申告が現状になっているというふうに先ほど説明を伺ったのですけれども、これは完全に100%とみなされているのか、もう少し数字があるのではないかとご覧になっているのか、その辺の認識はいかがでございますか。自治体現場としてはなかなか難しい部分があるのではないかという感想があるのですけれども、いかがでしょうか。教えてくださるとありがたいです。

○遠藤部会長

 金融資産の捕捉についての話ですけれども、何かコメントはございますか。

○宮本課長

 介護保険の話でございますので、その状況は今は詳しく述べることはできないのですけれども、介護の制度は自己申告ですけれども、それにペナルティーを科す、もしそういうものがあるにもかかわらず申告をしない場合には、補足給付を返していただくとともに、それの倍額も返していただくというようなペナルティーとともに自己申告制度を担保しているというふうに制度はなっていると承知しております。それがどの程度なっているのかというところまでは、ちょっとわかりません。

○遠藤部会長

 どうぞ。

○横尾委員

 今の御説明によりますと、補捉給付のために申告をきちっとしなければペナルティー的な、倍になったりする、負担が増えますよということで促されているということですね。一つの動機づけ、モチベーションとしては効果があるかなと思うのですけれども、公平性のほうをどう担保するかという課題はまだ少し残るのかなという気がします。

 先ほどもちょっと触れたように、本来の姿でいくならば、マイナンバー制度とか何かで個人個人の経済的な状況とか医療に関することがわかって、必要な給付を必要な方にプッシュ型で提供していくというのが本来目指しておられる今回の社会保障と税の改革に伴う番号制度導入だと思いますので、ぜひそういった方向になるように、厚生労働省だけではないかと思いますけれども、総務省その他と連携して、よりよい方向をぜひ日々模索していただきたいと、自治体としては思っているところがございます。

 なお、今も説明がありましたように、自主申告なので、これは国民の皆さん、対象となる方を信頼して今やっていらっしゃると思うのですけれども、これがより正確でありますことを期待するとともに、必要な給付が迅速に的確に提供できるということはきっちり担保していただくといいかなと感じています。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 原委員、どうぞ。

○原委員

 この改正介護保険をやったとき、私は担当の局長だったものですから、ちょっとそのころのことを思い出しながらお話しさせていただきます。おっしゃるとおり、これを導入した理由は、いわゆる在宅で介護療養、生活しておられる高齢者の方との負担の均衡みたいなものがまず基本的にあります。もう一つは、この論点にも明確に書いてありますけれども、本来17年改正で介護保険では居住費とか食費は保険給付外にした上で、しかし余りにも低所得の方が多いので、経過措置、場合によっては福祉的な性格と言っていますけれども、そういう観点から補足給付を出して負担を減らしてあげましょうと。ただ、さすがにそういう性格の給付なので、これはさっき言った在宅の高齢者との負担のバランスも踏まえた上で、もうちょっと厳格に負担能力というものを見るべきではないか。

 その場合、高齢者は所得、稼得収入はありませんけれども、年金収入というのがある。預貯金もたくさん持っておられるという統計もございましたので、そういった金融資産、場合によっては不動産の資産、そういうものも勘案すべきではないか、それが公平ではないかという議論で導入いたしました。ただ、おっしゃるように、金融資産についてはどこまで正確に把握できるかということで、なかなか完全なものができない。結局、自主申告によらざるを得ないという、ある程度割り切りの中で実はスタートしたということでございます。

 ただ、できるだけ公正にということで、制度的には対応として2つございまして、1つはさっき出ましたが、たしか3倍返しでしたね。不正をしたときには最大3倍まで返還をしてもらう。もう一つが、金融機関に大体預貯金を持っておられますから、金融機関に対して市町村が残高などについて情報を照会したときに、今は個人情報保護法で本人の同意がないとなかなか教えていただけないのですけれども、特養に入所をされる際には照会してもらっても結構ですという本人同意をとることによって、市町村が事務処理をスムーズにできるようにすると同時に、御本人にも、後で調べたらわかりますよという牽制の効果もあって、そういった同意をとって、対応をしてきた。そんなことでございます。

 ただ、現在、どのくらいこれの実績が上がっているのか、私もその後のことは承知はしておりません。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 制度導入についての解説でありました。

 武久委員、どうぞ。

○武久委員

 私、詳しくないのですけれども、金融資産の定義がわからないのです。銀行の通帳とか郵便局の通帳はわかるのですけれども、投資信託とか、例えば金を持っているとか、宝石を持っているとか、要するに換金可能なものなのかなという気はするのですけれども、高齢者では結構たんす預金もありますし、捕捉するというのは非常に難しいかなと思うのです。

 一方で、一般よりちょっと所得水準が低かった生涯を送られた方は、預金を何千万も持っているという人はそんなに多くないのですね。子供さんがおられても、それぞれの暮らしでいっぱいですし、病院へ入ろうが、特養は、最近特にユニットなんかは十何万円も要りますので、お金がないだろう。それで、なけなしのお金を削り出しながら療養して、一体いつまで生きるのかなと思いながら、あと500万になった、あと300万になったというと、だんだん心細いだろうし、庶民の状態で本当に大変な、特におじいさん、おばあさんが両方病気になったような場合は非常に厳しいです。だから、金融資産の定義を、厚生労働省の人に聞いても余りわからないかなと思うけれども、知っている人がいたら教えていただきたいのです。

 それに対して、ここには何も書いていないのですけれども、捕捉ができないので、不公平だからやめるという意味だったら、それはいいと思うのですけれども、するとしたら、一体幾らあったら安心して老夫婦が天寿を全うするまで施設等におられるかどうかという、資産なんかのメルクマールというか、標準みたいなものがあれば教えていただきたいと思うのです。私の医療や福祉の現場では、そんなにいい状態の患者さんばかりいませんので、そういうことを考えると非常に厳しいと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 御質問ですよね。介護保険の実態をとりあえず御報告いただければと思います。資料にもあるかと思いますけれども、事務局、お答えをいただければ。

○宮本課長

 金融資産といいますか、介護保険で対象としている預貯金の範囲というのは、資料の11ページについておりまして、預貯金、有価証券、金・銀、投資信託、たんす預金も対象にしております。負債はマイナス、そこから引くという意味で、負債も見ているということでございます。

 それから、介護保険で対象にしている、これがあったら低所得者としては扱わないよという預金額は、単身の場合が1,000万円、夫婦の場合は2,000万円ということを要件としているということでございます。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 どこかで決めなければいけないわけなので、こういうふうに介護保険では決めているということであります。

 ほかにはございますか。白川委員、どうぞ。

○白川委員

 この問題は、本質的な問題として医療保険の世界に金融資産という考え方を入れるのかどうかというのは、また本質的な問題だと思いますけれども、私はその点は慎重に考えるべきだと思っております。

 確かに、一部の国で、金融資産まで保険料等の算定の際に使っている国もあるかと思いますけれども、日本では残念ながらそこまで議論が深まっているわけでもありませんし、それは一度、いろいろな機関のいろいろな審議会等で議論して方向性を決めるべきだと思いますけれども、今の段階では私は時期尚早だと思っております。

 それから、論点の中に、介護は低所得の方々の補足給付で使われているということですから、例えば医療の中でそこの部分だけ入れるということは考えられないかという、工程表の検討指示だと思いますけれども、とすれば、低所得の方々の例えば高額療養費の自己負担限度額、これは住民税非課税の方は限度額を低く抑えておりますけれども、この判定をどうするかとか、あるいは低所得の方の保険料を、7割軽減とか5割軽減という仕組みかありますから、それをいじくるのですかということまで行くと思います。

 私は、少なくとも保険料のところは絶対にこういう考え方を入れてはいけないと思っております。それはもう理由は明らかでございまして、金融資産の把握が100%完全にできるのであれば可能でしょうけれども、実態としては、介護でもそうですけれども、自己申告に頼るしかないと。たんす預金までと言われても、誰がたんす預金まで申告しますかという問題があります。したがって、現実的ではない。やるとすれば、高額療養費のような低所得者に対する負担を低く抑えている部分をどうしますかという議論になると思いますが、これも同じように公平性の観点から問題であろうと思います。

 被用者保険のほうは、低所得に該当される方の数は圧倒的に少ないと思うのですけれども、介護保険の場合は、市町村が運営されていますから、金融資産の把握というのもある意味やりやすいのではないかという気もするのですけれども、被用者保険で加入者の金融資産の把握というのを現実的にどうやるのだということになると、物すごい事務手間がかかる。効果額がまだ把握できていないという厚生労働省の御回答だったので、私から明言することはできませんけれども、想像するにそんなに大きな財政効果はないのだろうなと思われます。

 したがって、我々の事務手間とか末端でのトラブル、こういったもののコストと財政効果を考えたら、とても見合うような仕組みは医療保険の世界では考えられないと私は思っておりまして、慎重に検討すべき内容。慎重にというのは、こういう狭い範囲ではなくて、保険料とか医療保険全体で金融資産をどうするかという議論は今後やるべきだと思いますけれども、小さい範囲でこの議論をすることについては私は反対ですし、それ以外のことについては慎重にこれから検討を進めていくべきだと思っております。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 新谷委員、お待たせしました。

○新谷委員

 ありがとうございます。

 官邸から示されたこの経済・財政再生計画改革工程表の論点については大事な論点だと思います。日本の人口がどんどん減少していき、労働力人口も減って、一方で高齢化が進み、2025年問題も間もなく迫ってくるという中で、負担能力に応じた負担を求めていくという際に、その負担能力というものをはかる目安として金融資産というのがあるということでありますが、将来的にはこれは今後の負担能力のあり方について検討する際の検討項目の一つに挙がってくるのだろうと思いますけれども、直ちにこれができるかどうかということについては、時期尚早ではないかと思っております。

 その理由は2つありまして、それは今、白川委員も皆さんもおっしゃっているとおりですが、公平な徴収を可能とするインフラが整備されていないということがまず第1点であります。マイナンバーが導入されましたが、まだこれは預金口座等々に対する付番が終わっていない現状の中で、今の介護保険では自己申告という制度に頼らざるを得ない。それに対して課徴金といいますか、違反金を何倍も課すということで制度の維持を図っていくという、非常に制度的な難しさというものがある中で、これを医療保険全体に広げるということになると、保険者の事務コストがかなり増えることも含めて、不公平というのはなかなか是正できないのではないかということから時期尚早であるというのが1点です。

 もう一つは、今、介護保険の補足給付についての延長線上でこの論点が示されているのですが、もともと介護保険の補足給付というのが、この資料にも書かれてありますように、福祉的な性格を有するということでありますので、医療保険の入院時食費療養費等々と根底的な考え方が異なるのではないかということであります。

 ですから、介護保険の方で補足給付で金融資産の勘案が導入されているということをもって、医療保険もというロジックについてはなかなか難しいのではないかと考えておりますので、この2点で時期尚早であるということを申し上げたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかに。それでは、松原委員、樋口委員の順でお願いします。

○松原委員

 私も、少しこれは時期尚早ではないかと思います。きちっとしたデータが把握できない状態で公正に行えるはずがありませんし、どんな一部の制度であっても、こういったことが報道されると、きっとお年寄りは銀行ではなくてたんす預金をふやそうと思われると思います。それが国家にとっていいことかどうかを考えますと、どうも今の時点では少し早過ぎるのではないかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 樋口委員、お待たせいたしました。

○樋口委員

 それぞれの意味で、白川委員、新谷委員の御提言に私自身もほとんど賛成でございまして、確かに財政が厳しいからとは言うものの、こちらに介護保険があって、こちらに医療保険がある、どちらかが多少費用徴収が多くなると、負担のシーソーゲームのように、私も整合性を持って、公平性を持ってと言っていましたけれども、何かそれがこのごろ、どっちかが上がっていったら、そっちに合わせようという方向にどんどんはっきりしてきた感じです。今度の金融資産を調べてというのはまさにそれで、介護保険のほうの金融資産を調査してペナルティーを科してということで、今伺いましたら、ちょうど施行後1年になるようでございますけれども、厚生労働省の中で、一体どのぐらいペナルティー、摘発された人がいたのかとか、どれだけ徴収がうまくスムーズにいったのか、その結果どれだけ増収できたのかとか、そういう実態の御報告も全くない中で、今医療のほうに広げるのは、私もよく考えてみましたらいささか時期尚早ではあるまいかと思います。

 これまたここで言っても始まらないことを承知の上で、マイナンバー制度というのができてくるとき、私どもは社会保障その他の簡略化というか、全国的な便宜のためにも役立つと言われて、それならしようがないと思っておりました。蓋をあけてみましたら、私のような零細な物書きでさえ、ある出版社から、ある自治体から講演料、謝金をいただくたびに書かされます。マイナンバーに関すること。こっちの手間であると同時に、出版元や自治体のほうの事務がどれだけ多くなり、紙がどれだけ消費されているか、思うだに恐ろしいことでございます。

 でも、そのことを通して、今はだめだとしても、これからの近い将来において、一々自己申告しろ、1,000万円あるか、夫婦で2,000万円あるかなんて、調べなくてもマイナンバーさえあれば、この人はこれだけ持っているから、スウェーデンのごとく、ある面でプライバシーのない国になるのかもしれませんけれども、それで公平に徴税なり、徴保険料ができるならばそれも結構と思っておりました。あれはどこへ行ってしまったのでしょうか。政府がお進めくださっているのですから、そういうような制度はぜひこういう社会保障の簡略化、公平化ということに役立てていただくように、負け犬の遠ぼえでございますけれども、申し上げておきます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 大体よろしゅうございますか。堀委員、どうぞ。

○堀委員

 多くの論点についてほかの委員がおっしゃったと思いますので、1点だけ、追加させてください。1番の論点の「補足給付は本来保険の給付とは異なる福祉的・経過的な性格」という記載があります。もし福祉的というところに重点を置くならば、生活保護とかでもそうですけれども、資産を確認して、それによって負担をとるということはわからなくはないのですけれども、経過的というところに重点を置くならば、これは先ほど介護保険の改正時の話がありましたが、永遠に続くものではないことが前提かと思います。要はどちらに重きをおくのがわからない今の状態で、医療保険にこの話を導入していくというのは、ほかの委員からもありましたが、やや時期尚早なのではないかなと思います。

 ただ、将来的には、能力に応じた負担という形で、資産も含めてどういうふうに保険料等、あるいは自己負担等を見直すかという大きなモデルを考えるという上では反対ではないです。単純に、現在のこの枠組みの中だけで対応するのは時期尚早ではないかと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 それでは、横尾委員、お願いします。

○横尾委員

 多くの委員の方が慎重に、時期尚早ということだと思いますが、そのようなことかなと現状思いますが、いただいた資料の1ページ目に27年6月30日閣議決定の文章がございますが、この文章を文字だけ読んでみると、マイナンバーを活用すること等により、金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担を求める仕組みについて検討するとあるのですね。そうすると、今は時期尚早で取りかからないとしても、先々、どうあるべきかという仕組みのあるべき姿は考えないといけないのではないかというふうに、厚生労働省にボールを投げられてしまっているのではないかと思ったりしているのですけれども、その辺についての御認識を教えてくださったらありがたいです。

 それと関連してなのですけれども、樋口委員もおっしゃったように、全部捕捉されると嫌だなという御意見のほうが一般的に多いかと思うのですけれども、本来のマイナンバーのスタートで思われたことは、給付について、医療とか福祉等も含めますけれども、より利便性高く、多くの方々に公平に、迅速に、的確に行政サービスを届けることができるというのを目指したはずなので、厚生労働省においてもぜひ医療とか介護とか福祉についても、マイナンバーカードを活用することによって、もっと早くそういった給付を受けられる、自分も安心した福祉社会を享受できることができるというふうにすべきだと思うのです。その辺については今後ぜひ担当の皆さんで頑張っていただかないと、そちらが伸びないとマイナンバー自体の普及も広がらないし、本来目指した姿には永遠に行かないのではないかという危惧を持っておりますので、その辺についても御意見があったら伺えればありがたいと思います。

○遠藤部会長

 事務局に対してのお尋ねですね。それでは、コメントがあればいただきたいと思います。

○城課長

 総務課長でございます。

 まず、この閣議決定の文言でございます。私ども、これ以上の解説があるということでもございませんので、文章どおりでしかないわけでありますが、金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担を求める仕組みについて検討するということでございます。本日の御議論も、まさにこの金融資産の保有状況を考慮に入れた負担を求める仕組みについての検討を行うということでお諮りしているということでございます。ここから論点をお示しして御議論いただいて、それを踏まえてどうするかという御議論につながっていく。やるやらないも含めて検討するということでございますので、そういう方向につながっていくものと考えております。

○遠藤部会長

 横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 自治体現場はみんな思っていると思うのですけれども、ぜひ保険証のカードを含めたカードの統一化とか、いろいろな構想が官邸の中でも議論がされていたわけですので、ぜひそういったことのアクセルを踏んでいただいて、よりよくなるように御尽力をよろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 御意見として承りました。

 ほかに。それでは、岩村部会長代理、お願いいたします。

○岩村部会長代理

 ほとんど論点は皆さんの議論で出ていると思います。

 同じようなことの繰り返しになってしまいますけれども、金融資産等の保有状況を考慮に入れるということで、これは先ほど原委員のほうから御説明がありましたように、また、今日の資料にもあるように、既に介護保険のほうで入っているわけですが、介護保険の仕組みは、先ほど原委員も説明されたように、まず第1に給付から外してしまって、それを今度補足給付という形で戻すという仕組みになっています。

 かつ、介護保険から外してしまった部分も結構な額になるのです。今日の資料にも出ていますけれども。そういう意味で、補足給付という形でもう一度それを戻すということに意味があっただろうと思っています。

 そうしますと、医療保険の場合は、どこに金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担というのを考えるかというと、そこのところが実は非常にイメージしにくいというのがそもそもあります。

 あるとすると、先ほど白川委員がおっしゃったような、例えば高額療養費の所得階層別になっているところで、金融資産等の保有状況も入れてやれということはあるかもしれませんけれども、多分介護と違って、その場合の財政効果はそんなに恐らく大きくならないだろうという気もいたします。

 さらに、より根本的な疑問は、私自身は社会保険でやっている医療保険の世界に、介護保険もそうなのですが、こういう金融資産等の保有状況を考慮に入れるということ自体がそもそも整合的かということです。この点については私自身は疑問を持っていて、本来であれば介護保険の補足給付というのは、介護保険とは切り離した形で、福祉的な給付にするのが筋だろうと思っております。

 そういう意味でも、医療保険の中に金融資産等の保有状況を考慮に入れて負担をどうのこうのということ自体も、原理的に私自身は非常に疑問を持っているということをつけ加えさせていただきたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 大体よろしゅうございますか。ありがとうございます。

 こちらのアジェンダにつきましては、御発言された委員は、現段階では慎重にということで意見の統一がほぼ見られたかなということでございます。

 貴重な御意見、ありがとうございました。

 続きまして、その他ということでございますが、まず私から1点御報告いたしたいと思います。当部会の下に設置されております柔道整復療養費検討専門委員会、あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会、これにつきまして本年3月より議論を行ってまいりましたけれども、9月23日に議論の整理が取りまとめられました。今後、ここで示されたそれぞれの事項につきましては、工程表を作成して実行していくということとされております。資料2−1、2−2の配付をもって御報告とさせていただきたいと思います。ここで御説明はいたしませんけれども、これについてお読みいただければと思います。

 次に、前回の部会におきまして白川委員から御指摘をいただいた事項につきまして、資料3「後期高齢者医療制度における費用負担について」を配付しております。これにつきましては、事務局から説明をお願いしたいと思います。

 事務局、お願いします。

○泉課長

 高齢者医療課長でございます。資料3を用いまして御説明いたします。

 この件は、さきの医療保険部会におきまして白川先生から、後期高齢者医療の現役並み所得者の医療費の公費が入らないので、公費負担割合は実際は47%程度になっており、重大な論点であると。実態がわかるような資料を出してほしいとの御意見をいただきまして、用意させていただいたものでございます。

 説明の順番の整理上、47%とはそもそもどういうことかということを、3ページ目の図で説明させていただきたいと存じます。「後期高齢者医療制度の財政の概要」と題する資料でございます。この財政全体が後期高齢者医療制度の医療給付費総額ということになるわけでございますが、ごらんいただきましたとおり、左半分が若人からの支援金と後期高齢者御自身からの保険料が大半を占める財政構造となっており、右側が国の調整交付金、そして定率国庫負担と定率の都道府県負担、定率市町村負担でございます。左と右側は大きく分けて53%と47%となっておりまして、公費負担割合が実際は47%となっているというのはこの点を捉えての御指摘でございます。

 それはなぜそうなっているかという説明は、2ページ目をごらんいただきたいと思います。「後期高齢者医療制度における費用負担について」と題する資料をごらんいただきますと、まず計算式が3つ並んでおります。この中で公費の負担が47%というのは、こういう形で出てくるというものでございます。

 まず、1行目の計算式。後期高齢者医療給付費が133,430億円ございます。そこから、現在のルールでは現役並み所得者に係る給付費7,202億円を引きまして、公費負担の対象額を126,228億円と出します。2行目に行きまして、その負担対象額126,228億円に対しまして、公費の負担割合、12分の6としてございますが、要は2分の1でございます。そして掛け算をいたしますと、公費が出てくるということでございます。

 まことに申しわけありません。このマル3の公費のところは誤植でございまして、6兆2,267億円とありますが、これは誤りでございます。6兆3,114億円が正しい数字でございます。資料の修正につきましては、この後させていただきまして、ホームページに載せる資料のほうは正しいものに差しかえさせていただきたいと存じます。また、委員の先生方には正しいものをお送りさせていただきたく存じます。

 そして、3行目でございます。マル3、公費のところ、今申しました62,267ではなくて、6兆3,114億円が正しい数字でございますが、それを後期高齢者医療費全体であるところの133,430億円で割りますと、給付費全体に対する公費割合47%となるということでございます。

 このような計算式、制度になっている理由でございますが、これはこの後期高齢者医療制度の前にありました老人保健制度であった医療費の負担割合を反映しているものを、そのまま引き継いでいるものということでございます。

 老人保健制度におきましては、持続可能な制度とするため限られた公費の充填を図る必要があった。また、一定以上の所得がある方については、その負担能力に鑑み、一般の高齢者のように給付率のかさ上げをせず、若人並みの取り扱いをするということから、一定所得以上の所得の方々に係る医療費につきましては公費負担を行わないこととしておりまして、その規定をこの後期高齢者医療制度においても引き継いでいるというものでございます。

 今回、御指摘いただきまして、直すべきではないかという御趣旨の御意見ではないかと思いますが、この47%の公費負担割合を50%に戻すためには、先ほどの資料の2ページ目の計算式の1行目の真ん中に出ております現役並み所得者に係る給付費のちょうど半分ぐらい、3,600億円ほどが財政上必要になるということでございます。御指摘としては重く受けとめたいと思いますけれども、厚生労働省として何らかの提案ができる状況ではないというのが率直なところでございます。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ではこれについて御質問等があれば承りたいと思います。白川委員、どうぞ。

○白川委員

泉課長のほうから、この制度が導入された経緯について御説明がありましたけれども、私に言わせると肝心なところが抜けている。旧老健制度では現在の広域連合のようなものはありませんでしたので、保険者のほうで75歳以上の方の保険料も収入として保険料をいただいていたのですね。ですから、それについては老健からの補助はなかったというので筋は通るのですけれども、新しい制度になってから75歳以上の方は広域連合に移られたので、保険料はそれ以外の保険者には入ってこない。それにもかかわらず、その保険料の分は国が公費を削るということで47%という、私に言わせるとだまし討ちをやっていると言わざるを得ません。もともと後期高齢者医療制度をつくったとき、公費50%という約束であったにもかかわらず47%になっているという実態は、私は本当にだまされたという気が昔からしております。

 それから、この問題をあえて申し上げているのは、現在、この医療保険部会で現役並み所得の方々、たしか資料で6%から7%ぐらい、75歳以上の方でいらっしゃると思いますけれども、その方々をもう少しふやそうかという議論が行われているわけでございまして、それをふやすと、この47%は45%、44%に減るという仕組みですよね。当然、現役世代と75歳以上の方々の保険料負担が増えていくという変な話になりますよね。私に言わせると、現役並み所得の制度をやめてしまえと言いたくなりますよね。現役並み所得の方々の制度をやめてしまえば、国は50%になるわけですから。それはやはりおかしいのではないかと声を荒らげて、怒っております。

 泉課長は、現状ではこれを変えるのはなかなか難しいというお話でしたけれども、なぜかというと、50%と47%の3%の差額は、3ページに出ていますけれども、4,000億円になるのですね。4,000億円を現役世代と75歳以上の方の保険料で負担をしているという話ですから、これをさらにふやすのかという議論にはとても乗れない。ここをクリアできないと、現役並み世帯に対する3割負担の方々の考え方というのは議論できないと、私は申し上げたいと思います。

○遠藤部会長

 御意見はわかりました。

 ほかにこのことについて御意見、御質問はございますか。

 よろしゅうございますか。白川委員、どうぞ。

○白川委員

 今の件は言いたいことをみんな言いましたのでいいのですが、その前に、部会長が飛ばされた療養費について一言だけ御意見を言ってよろしいですか。

○遠藤部会長

 結構でございます。

○白川委員

 専門委員会で療養費について議論をしていただいて、方向性としてまとめていただいた。私どもの委員も参画させていただいておりますので、この中身については特に申し上げませんけれども、今までの厚生労働省の行政というのは、療養費について、基本的な考え方が少し違っていたのではないかなと私は思っておりますので申し上げたいと思います。

 御案内のとおり、診療報酬につきましては、医療機関あるいは薬局等々、かなり厳格に施設基準が設けられ、算定するときも算定基準を厳格にし、いろいろな通知とかQ&Aで正確な請求をしていただくような仕組みが何十年にもわたってできておりますけれども、残念ながら療養費のほうは、例えば柔道整復師の施術所等にしてみると、施設基準があるかというと、ありはしない。請求書もばらばら。電子請求なんて全くない。審査も、診療報酬については支払い基金とか国保連で全件きちっとコンピューターまで使ってチェックされている。ところが、例えば柔道整復療養費の審査というのは、各都道府県に柔道整復療養費審査委員会というのがありますけれども、審査率は正確には把握しておりませんが、多分4分の1とか5分の1ぐらいしか審査をしていない。請求書がばらばらなものですから、目で審査をしている。こういう状況ですよね。

 そういったことがあって、最近、柔道整復師を中心に非常に不正が多発している。私に言わせると、最近多発しているわけではなくて、昔から山ほどある。それは、第三者、中立的な審査機関がありませんから、保険者が直接施術者と交渉しているわけですね。ですから、表になかなか出てこないのですけれども、不正が横行している。不正とわからないものまで、不正が疑われるような請求も数多くある。これは根本的に療養費のあり方というのをもう少し真面目に考えていただかないと、全体の医療費のたしか1%ぐらいではあるのですけれども、国民の保険診療に対する信頼を相当損なうものであると私は思っておりますので、今回の整理案については特に申し上げませんが、根本的なところを少し厚生労働省としては考えていただきたいということを要望させていただきたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 松原委員、お願いします。

○松原委員

 私も白川委員の意見に賛成です。1%とはいえ4,000億であります。この4,000億が適切に使われるということをきちっと見るのは、やはり国の責任でもあると思います。

 つい最近、地方の政治家がこの療養費の問題に関連して逮捕されたという報道がございました。どこが抜本的に問題があって、逆に一生懸命これを仕事としてされている人たちがいるわけですから、その人たちも同じような目で見られるというのも大変つらいことでありますので、問題がある点においては抜本的に考え直すべきだと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 私もこのことを後でお話ししたかったのですが、幸い白川委員が提起していただいたので、意見を述べさせていただきます。

 後期高齢者医療広域連合は全校的に47ございますけれども、実はそれぞれの現場でこのことには大変苦慮しています。厚生局単位で要望したところもあります。ブロック単位ですね。九州とか、四国とか。もっと強化してくれということを申し上げたこともありますし、政府への要望事項の中にも、この調査権その他についてもより整えてくださいということも過去に出したことがございます。

 いただいた資料の3ページ、「地方厚生(支)局における積極的な指導・監査につなげるべきである。そのため、地方厚生(支)局における指導・監査の人員体制を強化するべきである」と書いてあるので、趣旨的には正しいと思うのですけれども、人員体制を強化ではなくて、厚生局の局長さんが腹を決めていただいて、やるならやる、正すなら正すということを、やはりディレクションを出していただく必要があるのではないかと思います。そのことによって、例えば都道府県の主管課とも連携をしていただいて、より正しいものにしていただくということを働かせない限り、何とかやっておけばわからないままいくよという形では、今、お二人がおっしゃったように、大変大きな金額の療養費等が不正に支出されてしまうわけですから、よろしくないと思います。

 たまたま私は佐賀県の広域連合の連合長をやっているのですけれども、実際、この案件がございましたので対応しました。幸い、先方は全額返還をしていただきました。このようにできたことについては、いろいろ全国の事例を事務局を通じて調べましたが、極めてレアケースです。どのようにレアかと言いますと、件数が多いために、個別に調査をするにしても事務方ではなかなか手が回らないという事情があります。ということは、お二人もおっしゃったように、十分な対応ができていない。そこをリードするのが地方にあります厚生局、あるいは都道府県の所管される部門だと思いますので、ぜひ厚生労働省、本省のほうからそういった御支援をしていただいて、正すべきだという御意見を重ねて申し伝えさせていただくとともに、過去に要望も出しておりますので、ぜひ対応をお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 何人かの方がこの件について御意見がありましたので、この整理案についても触れることになってしまうかもしれませんが、私どもからも一言申し上げたいと思います。

 柔道整復療養費とあん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費については、白川委員は最近だけではなくて昔からと言っておりますが、非常に悪質な不正請求事案が起こっており、保険者としてもそういった不正請求への対策が喫緊の課題だと考えております。そういう意味では、そうした制度上の問題を抜本的に見直しをというのはぜひお願いしたいと思います。

 特に柔道整復療養費については受領委任制度が設けられており、保険者としても請求の審査には多大な労力をかけております。ところが、保険者には不正請求に対する直接的な指導・監査権限がないため、一度地方厚生局に情報提供を行って、それを受けた地方厚生局が指導・監査を行う仕組みになっております。

 しかしながら、これまでの対応を見ても、私共からの情報提供に関して地方厚生局において迅速かつ十分な指導・監査が行われてきたと言える状況にはありません。このため、資料2−1の3ページ、3.の2つ目の○にも、地方厚生(支)局の指導・監査の迅速化が盛り込まれておりますが、単に理念として宣言するのではなく、ぜひ実効性を伴う形で具体化をしていただきたいと思っております。

 また、受領委任制度については、そうした制度上の限界がある中で、それを新たにあん摩マッサージ指圧、はり・きゅうの制度にも導入することについては反対です。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員

 ありがとうございます。

 この報告書の内容にも関連しますが、不正請求対策の強化をぜひお願いしたいと思います。私どもは被用者保険の被保険者の立場および患者の立場から、医療機関の窓口で診療明細書をもらおうという運動に取り組んでいます。

 こうした不正事案の防止という意味からも、柔道整復師の療養を受けた場合に、現在は領収証は無料発行が義務化されていますが、明細書の発行について、平成22年の保険局医療課長通知では、患者が求めた場合に発行し、発行の際の実費請求も妨げないとされ、患者がどういう療養の内容なのかという明細を求めたら、実費の負担がかかるという現状になっています。

 これについては、こうした不正事案の防止ということからも、全ての患者に対して明細書を無料で交付するといった方向で検討することによって、患者段階での不正防止について取り組みができるのではないかと思っておりますので、ぜひ検討いただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 この専門委員会は当医療保険部会の下部組織ということでありますので、議論の整理を皆様にお示ししたということでございます。これは議論の整理という形になっておりますけれども、細部については今後検討するという予定でございますので、ただいま皆様からあった御意見につきましては整理をして、この専門委員会の席で明らかにさせていただきたい、そのように考えております。

 ちなみに、専門委員会の座長も私はやっておりますので、皆さんのお考えはよくわかっておりますので、委員会においてそのような報告をさせていただきたいと思います。

 療養費につきまして、よろしゅうございますか。

(首肯する委員あり)

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、最後でございますけれども、「社会保障審議会療養病床の在り方等に関する特別部会」の資料も提出させていただいております。これにつきましても資料配付の形で報告にかえさせていただきます。

 こちらは、保険局、医政局、老健局、3局合同で療養病床の新しい形態を検討している審議会でございます。これは直近の資料でございまして、これはまだ現在進行形ということで最終的には結論には至っておりません。今こういうことをやっているのだということでございますので、お目通しいただければと思います。

 よろしゅうございますか。

(首肯する委員あり)

○遠藤部会長

 それでは、若干まだ時間はございますけれども、用意したアジェンダは全て消化いたしましたけれども、皆様から何かございますか。

 よろしゅうございますか。

 それでは、本日はこれまでとさせていただきます。次回の開催日につきましては、追って事務局より連絡することになると思いますので、よろしくお願いいたします。

 本日は、御多忙の折、御参集いただきまして、どうもありがとうございました。


(了)

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