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2016年9月29日 第97回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成28年9月29日(木)16:00〜18:04


○場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール13A


○議題

1.骨太2016、経済・財政再生計画改革工程表等の指摘事項について
 (1)高額療養費の見直し
 (2)後期高齢者の保険料軽減特例の見直し
2.任意継続被保険者制度について
3.医療費適正化基本方針の見直しについて(報告)
4.保険者インセンティブについて(報告)
5.平成29年度予算概算要求(保険局関係)について(報告)
6.平成27年度の医療費・調剤医療費の動向(報告)
7.その他

○議事

○遠藤部会長

 定刻になりましたので、ただいまより第97回「医療保険部会」を開催したいと思います。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきましてありがとうございます。

 まず、本日の委員の出欠状況でございますけれども、本日は、岡崎委員、新谷委員、福田委員、和田委員より御欠席の御連絡をいただいております。

 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りしたいと思います。

 岡崎委員の代理として村岡参考人、新谷委員の代理として伊藤参考人、福田委員の代理として山本参考人の御出席について、御承認いただければと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

(報道関係者退室)

○遠藤部会長

 それでは、議事に移らせていただきます。

 本日は、議事がかなりございまして、以下のような議題となっております。

 「1.骨太2016、経済・財政再生計画改革工程表等の指摘事項について」、「2.任意継続被保険者制度について」、「3.医療費適正化基本方針の見直しについて(報告)」、「4.保険者インセンティブについて(報告)」、「5.平成29年度予算概算要求(保険局関係)の主な事項について(報告)」、「6.平成27年度の医療費・調剤医療費の動向(報告)」、「7.その他」ということになっております。

 また、本日は委員提出資料としまして、任意継続被保険者制度に関する資料が白川委員より提出されております。後ほど御説明いただきたいと思います。

 初めに、「1.骨太2016、経済・財政再生計画改革工程表等の指摘事項について」を議題としたいと思います。

 事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。

○泉課長

 高齢者医療課長の泉と申します。

 資料1−1と1−2を続けての説明とさせていただきたく存じます。

 まず、資料1−1をごらんください。「高額療養費制度の見直しについて」と題する表紙でございます。

 1枚おめくりいただきまして、「高額療養費制度の見直しについて」でございますが、読む形での説明とさせていただきたく存じます。

 1つ目の○、高額療養費制度は、家計に対する医療費の負担が過重なものとならないよう、被保険者の所得等に応じて自己負担限度額が設定され、被保険者はその範囲内で自己負担を支払う制度でございます。

 制度創設以来、数次の改正が行われてまいりましたが、直近では平成25年に、現役世代について所得区分を細分化し、より負担能力に応じた自己負担限度額を設定しておりまして、これが平成27年1月の施行でございました。

70歳以上の方々につきましては、平成18年以来、見直しは行われていない状況でございます。

70歳以上につきましては、現役世代と異なり、外来上限特例が設けられております。これは、平成14年にそれまで設けられておりました外来の月額上限を廃止し、定率1割負担の徹底を行った際、高齢者は外来の受診頻度が若者に比べて高いこと、また、高齢者の定率負担を導入してから間もないことなどを考慮したものでございます。

 最後の一番下の○、高額療養費の支給額でございます。75歳未満では平成25年度に約1兆6,772億、75歳以上では同年度に約5,429億という額となっております。

 3ページ目でございます。

 これは前回の医療保険部会でも御紹介した資料ではございますが、高額療養費につきましては、この改革工程表の中、オレンジで塗られた矢印の中に記載がございます。外来上限や高齢者の負担上限額のあり方など、高額療養費制度の見直しについて、世代間・世代内の負担の公平や負担能力に応じた負担等の観点から、関係審議会等において具体的内容を検討し、2016年末までに結論とされているところでございます。

 4ページ目でございます。

 幾つか論点を掲げさせていただきました。これについて、御紹介したいと思います。また、この論点につきましては、6ページ目も適宜御参照いただきながらごらんいただけるとよろしいかと存じます。

 最初の○でございますが、現役世代の住民税課税世帯におきましては所得区分を細分化しまして、負担上限額をきめ細かく設けております。一方で、70歳以上の現役並み所得者については細分化されておらず単一の区分となっている状況でございます。世代間の公平、また、負担能力に応じた負担等の観点から、患者の受診行動に与える影響も含めて、70歳以上の現役並み所得者の負担のあり方についてどう考えるか。6ページ目の図では、ちょうどマル1に相当する部分でございます。

 2つ目の○でございます。一般区分については、現役世代においては負担上限額が5万7,600円とされている一方で、70歳以上においては4万4,400円とされている。世代間の公平や負担能力に応じた負担等の観点から、患者の受診行動に与える影響も含め、70歳以上の一般区分の負担のあり方についてどのように考えるかということで、これは6ページ目の図のマル2のあたりに相当することでございます。

 3つ目の○が、マル3に相当する、6ページ目の一番下のところに相当する部分ですが、低所得者につきましては、現役世代においては単一の区分として負担上限額の3万5,400円が定められている一方で、70歳以上においては所得水準によって細分化し、負担上限額も低く抑えられているところでございます。低所得者の生活に配慮しつつ、世代間の公平、また、負担能力に応じた負担等の観点から、患者の受診行動に与える影響も含めて、低所得者の負担のあり方についてどのように考えるか。

 4ページ目の一番下の○でございます。外来上限特例は、制度改正の経緯または外来受診頻度などを勘案して70歳以上の方々についてのみ設けられた制度でございます。70歳以上の方々について、負担上限額が70歳未満の方々の多数回該当の場合と同額に抑えられている中で、世代間の公平や負担能力に応じた負担等の観点から、制度を設けた趣旨、患者の受診行動に与える影響も含めて外来上限特例についてどのように考えるかとさせていただきました。

 5ページ目でございます。

 論点の続きでございます。現役世代の高額療養費制度についての記載でございます。

 現役世代につきましては、平成27年1月から高額療養費制度を見直し、所得等に応じたきめ細かな負担上限額を定めているところでございますが、前回の見直しから時間も経過しておらず、見直しの影響を確認する必要もあることから、今般見直しを行う必要性は低いのではないかとさせていただきました。

 次の○、前回の高額療養費制度の見直しに当たりましては、システム対応の必要性などを考慮いたしまして、施行されるまで1年間の間隔をあけております。今般見直しを行うとした場合、既定のシステム改修のスケジュールなども考慮しつつ、施行時期をどのように考えるかということで、論点として掲げさせていただきました。

 一番下の○でございます。例えば介護保険制度においては、65歳以上の被保険者の上位20%に該当する方々に対して自己負担2割を求めることとしております。この医療保険部会でも御指摘があったと伺っておりますが、70歳以上の「現役並み所得」のあり方についてどのように考えるかといったことがあると思います。

 6ページ目の図は、適宜御参照いただければと思います。

 以上が、高額療養費制度の見直しについてでございます。

 続けて、保険料軽減特例の見直しについての御説明に進んでよろしいでしょうか。

 資料1−2でございます。保険料軽減特例の見直しにつきまして、これも資料を読む形での御説明とさせていただきたく思います。

 2ページ目、「1.保険料軽減特例について」でございます。

 1つ目の○、後期高齢者医療制度の保険料は、制度創設当時は全国平均5,332円だったところ、平成28年度は5,659円となっておりまして、大きく伸びてはいないという現状でございます。他方で、後期高齢者医療を支える現役世代1人当たり支援金は増加を続けておりまして、制度創設から28年度までで約1.6倍となっております。

 保険料軽減特例は、政令本則におきまして、被保険者の世帯の所得に応じまして、均等割部分を7割・5割・2割という軽減措置が設けられておりますところ、さらに特例として軽減措置を追加いたしまして、7割軽減を受ける方々につきましては、世帯所得等に応じ、さらに9割または8.5割軽減としております。また、一定の所得を有する方々に対して課されます所得割につきましても5割軽減としております。この結果、均等割9割軽減を受ける方々の保険料は月額380円、また、8.5割軽減を受ける方々については月額570円、全国平均でございますが、そうなっているということでございます。

 3つ目の○は、いわゆる元被扶養者の皆様についての記載です。後期高齢者制度に加入する前日に被保険者の被扶養者であった方々については、それまで保険料を負担していなかった実態を考慮いたしまして、本則においては資格取得後2年間は保険料の均等割部分を5割軽減する措置を適用しております。さらに特例として期間を定めず9割軽減としております。また、元被扶養者の方々につきましては、所得割についても一切賦課していない現状でございます。

 一番下の○でございますが、こうした保険料軽減特例のために、平成28年度は国費945億円、地方財政措置159億円が導入されておりまして、この額は年々増加傾向にあるということでございます。

 3ページ目でございますが、「2.医療保険制度改革骨子」における記載の改めての御紹介です。アンダーラインのところだけ読ませていただきます。

 後期高齢者の保険料軽減特例については、段階的に縮小するとされており、また、29年度から原則的に本則に戻すとともに、きめ細かな激変緩和措置を講ずることとする。また、その具体的内容については、今後検討し結論を得るとの方針が定められております。

 論点の御紹介を、4ページ目でさせていただきたく思います。

 1つ目の○、低所得者の保険料につきまして、保険料軽減特例が導入されてから8年間、保険料額が極めて低く抑えられてまいりました。また、元被扶養者の皆様につきましては、一旦元被扶養者として認定されると無期限に均等割が9割軽減され、かつ所得割も賦課されないことから、75歳到達直前に国保に加入していた方々、また、単身者の方との間で大きな負担格差がございます。今後さらに後期高齢者が増えることが見込まれる現状にあって、これらの特例について、現行の加入者については激変緩和措置を設けつつ、原則的に本則に戻していくべきではないか。また、新規加入者についてはどのように考えるかということでございます。

 2つ目の○ですが、低所得者の方々につきまして、均等割を本則の軽減に戻していく場合、低所得者の生活に配慮しながらいかなる激変緩和措置を設けるか。また、所得割についてはどのように考えるか。5ページ目の図を見ていただきますと、論点の中と対応するところがマル2とマル3とついておりますので、5ページ目も御参照ください。

 論点の3つ目の○です。本被扶養者の方々について、元被扶養者であって所得が低い者に対しては、別途低所得者についての軽減措置が設けられている中で、期限なく9割軽減とする特例措置を継続すべきか。均等割を本則に戻していく場合、いかなる激変緩和措置を設けるか。また、一定の所得がある元被扶養者もいらっしゃる中で、現在は課されていない所得割についてどのように考えるか。これがちょうどマル5のところになります。

 また、施行時期のことでございますが、医療保険制度改革骨子に定められたとおり29年4月から見直しを開始するとした場合、限られた時間でどのように市町村や広域連合による実施体制を整え、周知・広報活動を行うか。

 以上、事務局で論点ではないかと思われることについて、整理をさせていただきました。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいま「高額療養費の見直し」と「後期高齢者の保険料軽減特例の見直し」の2つについてお話しいただきましたので、これを分けて議論したいと思います。

 初めに、「高額療養費の見直し」について、御意見、御質問等があれば、いただければと思います。いかがでしょうか。

 それでは、藤井委員、どうぞ。

○藤井委員

 ありがとうございます。

 まず、高額療養費制度についてです。

 高齢者、若年世代など、年齢による差異は設けず、原則として現役世代との水準と同等にすべきだと考えております。若手の世代であっても、結婚、出産、育児など、いろいろお金がかかる世代でございますから、ぜひ配慮していただきたいと思います。

 また、70歳以上だけに設けられている外来特例については、平成14年の導入から10年以上が経過し、財政の悪化など医療保険を取り巻く環境が大きく変化する中で、定率1割負担を導入した際の激変緩和的な措置であるという意味では、一定の役割は終えたと考えております。即時に撤廃することは難しいかもしれませんが、世代間負担の公平性の観点からも段階的に廃止に近づけていくべきだと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 ありがとうございます。

 この高額療養費制度は、医療の安心に非常に大きな役割を今も担っていると思っています。入院した御家族や患者の方の印象なのですけれども、これだけ大きな手術をして、その後、療養して、退院のときに大変どきどきしながら会計の窓口に行ってみたら、この制度があって大変助かったという印象を持っている方は多数いらっしゃるのではないかと思います。そういった意味では、大変重要な制度として、日本の多くの国民の皆様の医療的な安心を支えている柱の一つだろうと思っています。

 とはいえ、一方では必要な医療を適切に必要なときに受けることができる制度を確立するとともに、持続可能な制度として今後やっていくことが非常に重要なことでございますので、もともとが支え合う医療保険制度ですので、負担についても応分の負担を支え合いながら、また、それに若干の公的支援も加味して、持続可能性をどう維持していくかということは極めて大切だという認識を持っています。そのような観点から、負担能力にある程度合った応分の負担をしていただくのは、今後、将来を考えた場合には必要ではないかと思っています。

 また、70歳以上の特例につきましても、所得の実態とか家計の実態とかを、平均値とかではなくて、ぜひ所得区分とかより細かな区分等でよく現状を分析していただいて、過剰な負担にならない配慮をするとともに、お互いに協力して支え合っていくことができるような制度として維持できる、そのような道をぜひ整えるように、厚生労働省でも詳細な調査等をしていただきたいと思っています。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 2人の委員の意見と私も同じなのですけれども、この件につきましては、3年前の70歳未満の方々の高額療養費の自己負担限度額の見直しの際に、この場で70歳以上についても議論をさせていただいて、おおむね所得水準に応じた形で御負担を願うべきではないかという意見が大勢を占めていたと認識をしております。たしか当時案が3つぐらい出されて、その中でどれがいいかまでは詰め切れていないかと思いますけれども、この議論は、前回もやったこととして、おおむね70歳以上の方についても所得に応じた負担上限は見直すべきだということが当時の大勢だったと思いますので、ぜひ次回は具体案を前回のように2つか3つ出していただいて、それをベースに議論すべき段階かと感じております。

 それから、4ページ目、5ページ目に論点が出ておりますけれども、70歳以上の外来特例につきましても、最近、抗がん剤等についても外来での処方も随分増えてきておりますので、かつて1万2,000円は相当以前に制度だと思いますけれども、やはり廃止というのが筋ではないかと考えております。要は、外来も入院もあわせてどうするのかという形が素直なやり方ではないかと思っております。

 5ページの論点の一番最後に、70歳以上の現役並み所得と介護保険との対比で書かれておりますけれども、介護保険は上位20%ということになっておりますけれども、医療保険は「現役並み所得」という言い方で、実際は6%〜8%ぐらいの方しか該当していないという実態でございますので、これは介護保険とのバランスもありますので、もう少し現役並み所得の幅を広げる方向で提案をいただけないかと考えております。

 なお、ここの論点に書かれていないのですけれども、私が非常に問題だと思っておりますのは、この現役並み所得の6%〜8%の方、特に後期高齢者の現役並み所得の方は3割負担になっているわけですけれども、この方々については公費が投入されないという妙なルールになっております。その結果、公費は後期高齢者医療費の5割を負担するという決めになっているにもかかわらず、この方々が除外されるものですから、実際には47%しか公費は投入されていない。残りは、現役世代と高齢者の保険料で賄うという仕組みは約束違反ではないかと思っております。これも私は重大な論点ではないかと思っておりますので、次回、ぜひ事務局で実態がわかるような資料を提出いただくようにお願いしたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 事務局に対する御要望もありましたので、もし何か事務局にコメントがあれば、お願いしたいと思います。

○泉課長

 資料につきましては、どのような資料が出せるか検討させていただきたく存じます。

○遠藤部会長

 どうぞよろしくお願いします。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 医療保険は社会保障制度を支える大きな柱の一つであって、制度の持続可能性を考えれば、年齢区分というよりは負担能力に応じた負担を求めることは当然必要なことだと考えております。

 このため、まず、論点の1つ目○については、70歳以上の方の所得差を踏まえた世代内での公平性の観点からも、その所得区分を細分化し、現役世代と均衡のとれた負担を求める必要があると思います。

 2つ目の○については、現役世代との世代間の公平性を考えれば、70歳以上の一般区分の方の負担水準の引上げを検討すべきだと思います。さらに、70歳以上の方の外来上限特例については、平成14年に高齢者の定率負担を導入してから既に15年近く経過する中で、高齢者の受診頻度を踏まえたとしても、そうした負担は多数該当制度で一定程度カバーされることから、負担水準の引上げを検討すべきだと思います。

 これらの見直しは法律改正ではなく政令改正で対応可能と聞いておりますので、施行のタイミングについては、できる限り速やかに行うべきだと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、伊藤参考人、どうぞ。

○伊藤参考人

 ありがとうございます。伊藤です。

 まず、1つ目の現役並み所得の考え方ですけれども、負担能力に応じた負担のあり方を考えるということについては、一定の理解をしております。この間もそのように申し上げているところでありますが、一方で、経済力の差によって医療へのアクセスが阻害されることはやはりあってはならないと考えております。そう考えますと、今回、4ページの1つ目の論点では、現役世代と同様に細分化していくことを検討するとしても、上限額そのものについての検証はやはり別途必要だと思っております。

 また、低所得者負担のあり方についてどのように考えるかという論点もありますが、この点については、先ほど申し上げたとおり、低所得者を含め、医療へのアクセスが阻害されることがあってはならないと思います。本日の資料によりますと、70歳以上74歳までで1割ぐらい、75歳以上で2割ぐらいの人が該当しています。そこは十分な配慮が必要だと思っております。

 最後に、5ページの一番下の論点ですけれども、70歳以上の現役並み所得のあり方ということで、介護保険とのバランスが提起されているのですが、この点については、介護保険で2割負担が導入されたことについて、合計所得160万円という設定自体が低いという声が聞こえております。厳し過ぎてる、ボーダー層にとっては2割負担が非常に苦しいという声を聞いておりますし、医療保険と介護保険の役割はそれぞれ別にありますので、特に介護と医療を同様にすることにこだわる必要はないと考えております。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、ほかにいかがでしょうか。

 村岡参考人、どうぞ。

○村岡参考人

 ありがとうございます。

 市町村の立場から申し上げますと、高額療養費制度はやはり医療の安心を確保するということに非常に役立っている制度でございます。特に、この資料にもございますように、高齢者の皆さんは非常に所得格差が大きいということもありまして、一方では低所得の方がたくさんいるという実態もございますので、そういった意味での低所得者対策と、外来の医療費についての定額制ということも一定の効果があるものではないかと考えておりますので、こういった制度については継続をして、一方で、格差がある所得の部分の高額の負担が可能な方に対しては、現役並み所得の制度についてラインを設けるとかということでの見直しは必要性もあるのかなと感じておるところでございます。

 それとあわせて、高額療養費の制度を改正することになりますと、特に多くの高齢者の被保険者を抱えているのは市町村の現場ということになりますので、制度改正、国保改革が進められている現状の中で、今回の高額療養費制度を即実行していくことになれば、非常に市町村の窓口においては混乱を来すことも想定されますので、そういった意味で、全体の制度改正の動向も見ながら、見直す際には、十分な準備期間であったり、システム改修等の制度変更ができる期間の設定をお願いしたいと考えております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、兼子委員、お待たせしました。

○兼子委員

 今まで出された御意見と大体重複するのですけれども、論点の1番のところについては、上限が低く抑えられていることで、私は逆進的な性格を持っていると思いますので、これについては細分化する方向でやっていく必要があるのではないかと思っております。

 2番、3番につきましては、今日の資料1−1で、26ページ、27ページに、高齢者の収入のグラフが出ているわけですけれども、ここに出ていますように、高齢者の収入は低下傾向がこの数年は続いておりますし、所得で見ましても、年金収入で見れば4割の人が80万以下ということで、全体としては収入の低い人たちが大変多いわけです。そういう意味では、現在の高額療養費につきましては、維持する方向で考えていただければと思っているところです。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 いかがでしょうか。

 原委員、どうぞ。

○原委員

 ありがとうございます。

 資料1−1の5ページ目の2つ目に、施行時期の関係についての論点を挙げていただいたことに対しまして御礼を申し上げたいと思います。

 私も負担能力に応じた高額療養費の見直しについては進めていくべきだと思いますけれども、今、非常に制度が複雑になっておりますので、改正する場合には事務処理システムということについて御配慮いただく必要があります。

 後期高齢者については国保中央会で、74歳以下の国保の被保険者の方については1,700の市町村がそれぞれシステムを持って対応しておりますので、かなり複雑な改正とかになってきますと、システム改修に時間がかかります。また、御案内のように、国保については、平成30年4月から半世紀ぶりの大改革と言われています国保制度改革が施行されます。私ども連合会、あるいは市町村は、そこに向けて、今、一生懸命準備に取り組んでいるところでございますので、その辺の準備にも支障がないように、ぜひ施行時期についてはそういった点も配慮していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 樋口委員、それから、松原委員、どうぞ。

○樋口委員

 ありがとうございます。

 私は、後期高齢者かつ現役並みということで保険料をお払いしている立場ですが、少し前大きな病気をいたしまして、この高額療養費制度のおかげで私は感涙にむせび、愛国心を高くしたという経験の持ち主でございます。これはまことにありがたい制度でございますと同時に、一定程度の所得のある人は、もう少し所得を細かく刻んでもよろしいのではないかと正直思ったこともございます。

 ただ、このたびの改訂案をいろいろと見ておりまして、何を原則となさるのか。私はやはり公平ということを原則となさっていただきたい。少なくとも国民に向けては、これは公平な制度だと納得できる改正をしていただきたいと思います。

 ですから、後期高齢者の保険料が、ある時点から、もうちょっと細かく刻んだほうが公平といえる、納得される時期もくると存じます。ただし公平ということの中には、単に機械的に数字を比べるのではなくて、いつも申し上げていることですけれども、高齢者になれば、今、どんなに元気でいらっしゃる方でもどうしても多病になり、本当に一旦病気になるとなかなか治りにくくなる。一方で、最近発売の週刊誌にも、年寄りは一体どこまで生きればいいのか、どこまで医療をするかなどという大きな特集が出ておりました。人間には寿命があるということもきちんと悟り、よい生き方、よい死に方、それを見据えて冷静に語るような議論も大切だと思っております。

 申し上げたいことは、世代間を含め公平という視点から見直してくださるのは結構でございますけれども、そのときの高齢者の状況、所得格差、貧しい方は本当に貧しいです。そのあたりをきめ細かく見据えた上での御議論をお願いしたいと思っております。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 松原委員、お待たせしました。

○松原委員

 2点ございまして、まず、いつも議論されますけれども、介護保険と合わせなければとか、介護保険がこうなっているから医療保険もという話をされる方が多いのですけれども、よくよく考えていただきたいのは、介護保険は生活の質を高める、要するに、どのようによりよい生活にしていくかということです。医療保険は、健康と命を守る。要するに、よりよい生活というものはあっても、よりよい命というものはありません。つまり、アメニティーを中心として求める介護保険と、人間として尊厳を保つための命と健康を守るということは別の次元であります。だからこそ別の制度になっているわけで、一つの制度がこうなったからもう一つも合わせなければならないという考え方には、まず、反対です。

 次に、高額療養費制度でございますが、やはりお金のない方もかなりいらっしゃいます。また、借金を返している方もいらっしゃいます。そのような状態の中で患者さんに御負担をかけるのは、日本医師会としては反対であります。皆さん、お金がある人は十分に支払うべきだと、それが公平だという論調でおっしゃっていますけれども、やはり高齢になられた方は高齢ということだけでも大変弱い立場でありますので、弱い立場の方に余り負担をかけるのは反対であります。

 また、これは以前も指摘したところですけれども、私どもが外来診療をしていて、子供のためにあるいは自分がホームに入るために自分の自宅を売ったら、突然区分が変わって、大変多く払わなければいけなくなった。これは、皆さんもその時点にならないとわからないことが多いので、そういったことも丁寧に対応していただかないと、老人ホームに入るあるいは介護つきのホームに入るのに泣く泣く自宅を売ったら、突然大きな所得になって、そのために分類が変わるということがありますので、そういったことを十分に丁寧にしていただかないと、結局は国民の皆さんの中には、一生懸命やったのにこんな目に遭ったということになりますから、そういったことも踏まえた上で十分に考えていただきたいと思いますが、原則として、私どもは高額療養費制度というものは日本の医療を支える一番大事なものの一つでありますので、ぜひこれを維持していただきたいと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 遠藤秀樹委員、どうぞ。

○遠藤委員

 私のほうからも、負担できる方はそれなりのことはあるとは思うのですけれども、高齢になってきますとなかなか負担できない方もいらっしゃいますので、そういった方への配慮がないと好ましくないのではないかということは感じております。また、格差の中でも、収入の格差とともに、ストックの格差というものも、高齢になりますとあろうかと思います。そういったところの配慮もしながら、こういった負担のあり方を考えるべきではないかと思っております。

 さらに、資料1−1の46ページのところにありますけれども、入院の場合には若人の6.7倍であるが、外来の場合には3.6倍程度という値も出ておりますが、先ほどから外来でのこういった制度の撤廃ということが議論されておりますけれども、外来で済むものは外来で済ませたほうがいいわけでありまして、外来の受診抑制になるという形の制度改正は好ましくないのではないか、外来で充分に診ることができればそれで患者さんにとってもプラスになるのではないかと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 大体よろしゅうございますか。

 それでは、森委員、どうぞ。

○森委員

 ありがとうございます。

 外来上限特例のところなのですが、先ほど外来で化学療法が行われるようになったというお話がありましたけれども、以前は入院中に行われていた医療が、今は外来で、そして、外来で高度な医療が行われるようになっております。

 そうした医療を外来で長期間受けることになると、当然患者さんの負担も大きくなってきます。患者さんが安心して医療にかかれるということを考えると、患者の負担であるとか受診行動に与える影響も考慮した上で、この外来上限特例については慎重に検討すべきではないかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、武久委員、どうぞ。

○武久委員

 高齢者の環境といいますか、住む都市の状況とか都道府県の状況とかによっても違いますし、基本的に低所得者の方は有病率が高いということもありまして、また、高額所得者の方のほうが寿命が長いという統計もございます。

 地方でありますと、資産というか、家とか土地とかを持っているがゆえに生活保護がとれない。実際の所得は非常に低い。これは、実際は売ろうと思っても売れない。先ほど誰かも言いましたけれども、売れるのならまだいいのですが、そういう状況で厳しい状況になることは非常にたくさんあるのです。

 財務省は、各省にいろいろなことで予算の抑制をかけていると思うのですけれども、厚生労働省の場合には、先ほど松原先生がおっしゃったように、介護保険とか、医療保険とか、いろいろとあるのですが、それぞれが少しずつ厳しくなっていくということは、1人の患者さんが幾つもの項目に該当していまして、それが全部重なってくる。しかも老夫婦の2人とも病気になって入院となったりすると、その額が2倍になってくるということで、非常に厳しいのです。だから、ここのところを少し調整していただけたらと思います。低所得者の細分化はもうちょっと要るし、かといって、毎月100万円以上の給料をとっているような、どこかの大きな会社の会長さんもいらっしゃいますけれども、そういう人とこの370万ぎりぎりの人との境界域のところがかなり苦しいのではないかと察しております。

 そのこともありまして、できるだけ、この福祉国家である日本が、ほかの国と違って、やはり高齢者が戦後の日本を引っ張ってきてくれたという敬意も表しながら、ふさわしい老後、ふさわしい最期を迎えられるような制度にしていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 大体よろしゅうございますか。

 ありがとうございます。

 それでは、続きまして、「後期高齢者の保険料軽減特例の見直し」について、御意見、御質問等をいただければと思います。

 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員

 ありがとうございます。

 まず、保険料軽減特例については、急激な負担増には配慮しつつも、原則として本則に戻すべきだと考えております。

 この軽減特例については、これまで保険料負担がなかった高齢者への激変緩和措置として設けられた面があると認識をしております。

 しかし、制度発足から既に8年が経過し、高齢者医療を取り巻く環境も変化している中で、本特例についても一定の役割は終えたと考えております。

 厳しい保険財政の現状を勘案すると、受益者である高齢者にも広く一定の負担を求めざるを得ず、保険料の軽減措置の水準は本則に戻すべきであると思います。特に元被扶養者の軽減措置については、所得の多寡によらず、直近に被扶養者であったかどうかの属性のみによって軽減されていることから、応能負担の観点からも逆行した制度だと考えます。該当しない被保険者との不公平感も強いため、即時の撤廃は難しいとしても、原則として本則に戻すべきだと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 渡邊委員、どうぞ。

○渡邊委員

 今まで保険料軽減特例の見直しについての説明がありましたが、御承知のように、後期高齢者医療制度の保険料の軽減特例については、導入から既に8年が経過しており、保険者の間にも定着しているのではないかと理解しております。低所得者を中心とした対象者は年々増加しており、今回の見直しによる負担増は多くの被保険者に影響を与えることとなるのではなかろうかと考えます。したがって、平成29年度から、原則として本則に戻すこととされておりますが、議論を拙速に進めることのないように留意していただきたいということが一つであります。

 また、見直しに当たっては、医療保険制度改革骨子にもあるように、きめ細かな激変緩和措置を講ずるなど、被保険者が混乱することのないように、十分配慮していただければありがたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 ありがとうございます。

 全国後期高齢者医療広域連合にかかわっている者として、意見を出させていただきたいと思います。

 思い起こすと、この制度をスタートしたときは大変世論的には大騒ぎになっていまして、「名前が悪い」、「末期高齢者と聞こえるではないか」、「区分が悪い」、「何で75歳か」、「何で(年金から)天引きか」といういろいろな議論があって、本当に混乱したと思います。政局にも大きな影響を与えた経過がございました。

 しかし、実態の現場として、あるいは、それぞれの地域における後期高齢者の方々をめぐる医療保険制度のあり方としては、かなりこの間は落ちついてきたと思います。その大きな柱の一つは、私はこの軽減の特例だったのではないかと思います。先ほど藤井委員も触れられましたように、負担を過剰にすることなく、おじいちゃん、おばあちゃん、大丈夫だよということが、政権は途中で変わっていますけれども、ちゃんと配慮いただいていることが伝わったことがあるというのが、1点目に感じているところでございました。

 とはいえ、論点にもありますように、激変緩和の措置をとりながらも見直しは必要だろうと思います。今、複数の委員の方もおっしゃったように、ベースとしての考え方があるわけですから、そこに戻していくことをベースとしつつ、ただ、激変緩和はぜひ配慮いただく必要があると思います。

 先ほどの資料1−1の中でいいますと、27ページに年金収入別の分布の傾向が図示されております。また、232415ページには、1人当たりの医療費のデータが詳しく出ていまして、なるほど、こうなっているのかということがわかるようになっています。また、46ページには後期高齢者の方々の医療費の特性が出ていまして、若者を1とすると、診療費や入院費用にとりましても3.6倍、6.7倍、あるいは1日当たりでも3.1倍、8.9倍という数字が出ていて、なかなか負担が大きいのがデータとしても出ています。

 できるならば、こういった実態があることを、今日は報道機関の方もおられますけれども、全国民の皆さんに知っていただきながら、理解を得て改正あるいは見直しが進むのがあるべき姿ではないかと思います。

 そういった点を考えますと、2点目に感じていることは、来年4月から実施となると、実質を考えると2カ月ぐらいしか議論する暇はなくて、3カ月間、ぎりぎりの周知期間をもってもすぐ春、4月になるのであります。もし本当は議論だったらもうちょっと早く議論してもよかったのかなと感じますが、既に幾つかの部会の中で話をされていますので、今後の対応を期待することが必要かと思っています。

 そういった点で1つお願いがありますのは、周知する、啓発する、広報することは重要だと思っております。厚生労働省、政府におかれまして、ぜひそういった広報の面についても御配慮いただくといいと思います。

 なぜならば、保険制度自体が相互支援になっていますし、それを維持するため、樋口委員もおっしゃった、公平性を担保しながら、みんなが負担を分かち合って、持続可能な制度としてやっていく医療保険制度だということの中の一部でありますということですとか、過剰な負担がなく皆さんが老後を暮らすことができますよ、そのことを担保するためにこうしていくのだということ等が適切に伝わっていく必要がありますので、ぜひそういったことを検討してほしいと思います。

 そのことをわかってくだされば、例えば、多重頻回のものを改善しようとか、自己の健康管理をよくしていって、少しでも負担はお互いに減らしていこうではないかとか、健康をもっと高めていこうという意識が広がることは、全体にとっても重要なことですので、ぜひお願いしたいと思っています。

 一方では、医療費全体のこととも関係して感じるのは、さきに消費増税が延期になっているのですけれども、2%程度では財源が先々は足りないのではないかという議論は当然出てくる部分もございますので、それはそれとして議論が出てくるでしょうけれども、そういう大きな中でこういったことの改善、必要なものは必要だということを、ぜひ厚生労働省でよく煮詰めていただいて広報していただくことも大事かと思っています。

 選挙の関わりでいいますと、私も選挙を受ける立場だから感じますけれども、負担増の話をみんなの前でやるのは大変厳しく、しかも、選挙の直前であるともっと大変ですので、これが4月だとなると3月解散はないのかなと思われたりもしますが、こればかりは何ともわかりません。樋口委員におっしゃっていただいたように、今の医療制度はありがたい配慮ある制度がいろいろ重ねられていることと、皆さんで支えていただきながら、若いときの急な病気も、年配になっての幾つかの病も、ちゃんと大丈夫だよと、負担についてもちゃんと所得能力に応じて配慮しているよということを、多くの方々に広く知らしめるようなこともあわせてぜひ取り組んでいただきたいと思っています。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、村岡参考人、お願いします。

○村岡参考人

 ありがとうございます。

 軽減特例の廃止の問題につきましては、市町村の窓口で高齢者の皆さんの保険料の徴収ということをやっているわけですけれども、この資料にもございますように、9割軽減等の対象になっている方につきましては、年金収入が80万以下という方が対象でございますので、そういった意味での軽減ですから、低所得者への配慮ということは大変重要であると市町村窓口では感じております。特にこの保険料金額は、月額全国平均で380円ということで、非常に安いのではないかという声もございますけれども、一方で、これを本則に戻した場合には年間1万円ぐらいの新たな負担が増加することにつながってまいります。80万円の方の1万円ということにつきましては、大変重い負担となりますので、そういったことについての考慮は当然必要があるのではないかと考えています。

 3ページで、「低所得者に対する介護保険料軽減の拡充や年金生活者支援給付金の支給とあわせて実施することによって、低所得者に配慮しつつ」と記載されておりますけれども、年金収入80万未満の方につきましては、既に介護保険料の軽減というものが一定は当たっておりますので、新たに拡充される介護保険料の軽減はごくわずかということですから、実質的には1万円の負担が増えていく形になりますので、そういった意味では、削減効果の恩恵を受けることなく負担だけが増えていくということにつながっていくわけです。

 そうなりますと、医療や介護を受けることによって生活が立ち行かなくなった場合に、市町村においては生活保護の高齢者の皆さんの増加ということも課題になっておりますが、そういう生活保護に加入してくることも考えられますので、生活保護に陥ってくるということになると、社会全体から見れば余計なコストがかかっているということにもなるかと思います。そういう意味では、現状の低所得者対策の継続のほうがより効果的ではないかと思っておりますので、低所得者に対する特例軽減については、このまま継続をしていただきたいと考えています。

 一方で、被扶養者の軽減につきましては、所得のある方についても一律の軽減がされるというところもございますので、激変緩和措置を設けるなどをした上で見直しが必要ではないかと考えているところです。

 仮にそういった見直しを行うとした場合には、先ほど高額療養費制度の中でも申し上げましたように、一方で、市町村の現場においては国保の制度改正等も行われている現状でございますので、システム改修等の準備期間の問題であったり、被保険者の皆さんへの十分な周知期間、混乱を来さないような対応をぜひお願いしたいと考えております。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、樋口委員、どうぞ。

○樋口委員

 ありがとうございます。

 保険料軽減特例の見直しは何度も出されており、もともと公平という原則から言えば遅きに失したぐらいで、見直してよろしいことと思っております。

 ただし、これは、理由はともかく今まで払わなくてよかったものをいただくということですから、そのときにやはりきちんとした説明が必要です。多久市長さんもおっしゃってくださいましたけれども、後期高齢者医療制度の最初のつまずきの原因は、やはり説明責任といいましようか、介護保険のときは国民に対して広くあれだけ懇切丁寧に説明したのに、後期高齢者医療制度はかなりの人にとって寝耳に水だった。今度、新しく軽減特例を見直すときには、御面倒でもどうぞ当事者一人一人に、公平の原則からいったら、これは払っているほうが当然なのだということを丁寧に御説明いただきたい。時間があるかどうかという問題はございますけれども、ぜひ一人一人の保険者を大切にして御説明いただきたい。これはお願いでございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 松原委員、望月委員の順番でお願いします。

○松原委員

 この制度が導入されたときに、私どもは説明を十分にせずに実施すると大変な問題が起きるということを厚生労働省の担当者に方に申し上げた記憶があります。例えば、80万円以上で暮らしている人はあまりいらっしゃらなくて、息子さんの扶養者になっていて、保険は息子さんの健康保険で負担しているので、一銭も払っていない。ところが、ある日、何の説明もなく、その方たちから一人前の金額を払えということをしてしまった。このことで、お年の人たちに自分たちをこんなに苦しめるのかということで大変な問題が起きたのだと私は思います。私はこれをかなりその前に主張したのですけれども、押し切られた経緯がございます。

 振り返ってみますと、低所得者の人たちには、大きな金額でなくても、これを求めるということは大変な大きな負担になります。よくよく考えて丁寧に説明してやらないと、また大きな問題が起きます。そこのところを踏まえて、所得の少ない方々にこれを払えということは簡単な話ではないと同時に、その方たちの生活を考えますと、やはりこれはやめていただきたい。反対でございます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 望月委員、どうぞ。

○望月委員

 ありがとうございます。

 軽減特例については、先ほどから出ていますけれども、低所得者の方に一定の配慮を当然しつつ、やはり本則に戻すべく廃止すべきと考えています。

 1つ目の○ですけれども、これは平成29年度から本則に戻していくということが基本であって、とりわけ新規加入者については、全て本則を適用していくべきと考えています。

 また、3つ目の○ですけれども、元被扶養者の保険料を期限なく9割軽減とする特例についても、平成29年度以降は本則を適用するべきであり、また、この所得割についても、一般被保険者の負担との整合性の観点から、見直すよう検討をお願いしたいと考えています。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 十分に説明しなければいけないということは、私どもも当然だと思います。

 先ほどの高額療養費の論点とも重複しますが、大原則は、負担能力に応じた負担を求めることだと思います。そうした観点から、私どもは見直しが必要だと考えます。

 また、そもそも本措置は特例であって経過措置であることも踏まえる必要があるのではないかと思っております。

 さらに申し上げますと、例えば、協会けんぽでは、支出の約4割は高齢者医療制度への拠出金に充てられており、既に現役世代の負担が限界水準にあることなどから、後期高齢者医療制度が抱える構造問題という視点も忘れてはならないのではないかと思っております。

 こうした状況を考えますと、後期高齢者の保険料軽減特例については、医療保険制度改革骨子に沿って、平成29年度から本則に戻すよう、見直しを進めていくべきであり、29年度以降の新規加入者は適用しないことにすべきではないかと思っております。

 その際、現行の加入者に対しては、一定の激変緩和措置を設けるかどうかということも検討を要する点でありますが、仮に設けるとしても、そのような激変緩和措置については期限を区切ることとして、例えば、消費税が10%へ増税することにより、さらなる社会保障の充実が見込まれますので、10%への増税時期を激変緩和措置の終了となる一つのめどとすることも考えられるのではないかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 原委員、どうぞ。

○原委員

 被保険者間の負担の公平あるいは保険財政が非常に厳しい中で、この保険料軽減特例の見直しについては、経過措置を十分に講じた上で進めていくべきであると思います。

 システムのことばかり言って大変恐縮ですけれども、実はこれは先ほどの説明にありましたように、社会保障制度改革推進本部で、平成29年度から原則的に本則に戻すと、ある程度、施行期限の制約がなされているところでございます。原則的ということをどのように解釈するかということはありますけれども、実施時期がかなり近いということになりますと、逆に言うと、いろいろな御意見があろうかと思いますけれども、早目に具体的な内容を固めていただければ、システムを開発する側としては大変ありがたいですし、先ほどから何回も出ていますように、被保険者の皆さん、国民の皆さん方への周知期間をとるという意味でも大事なことかと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 兼子委員、どうぞ。

○兼子委員

 先ほど、松原先生、村岡参考人からもお話がありましたけれども、高齢者の生活実態ということでいえば、先ほど触れさせていただきましたけれども、この資料の2627ページ、この制度発足時の所得と大体高齢者の所得は大きく変わっていないわけです。それから、基礎年金の80万円、こういった方たちが約4割、所得のそれ以外の稼働所得や財産収入なども含めて、たしか国民生活基礎調査で資料が出ていたかと思いますけれども、この満額水準、約80万の方は、大体年収120万ぐらいなのです。ですから、そういう生活実態が変わっていない中で特例的な配慮を解くというのは、公平なのかどうか、私は大変疑問があります。実態としては、村岡先生、松原先生から言われたとおりだと思いますので、その点を配慮いただければと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、岩村部会長代理、お願いします。

○岩村部会長代理

 この保険料軽減特例の問題ですけれども、私は、後期高齢者の医療制度も定着しており、そういう意味では、制度当初、導入時の必要性に応じて設けられたこの仕組みは本則に戻すと考えるべきだろうと思っております。

 例えば、国保の被保険者であった方の場合については、70歳から75歳までのところは、いろいろと軽減したとしても軽減率は7割まで、75歳になったら突然所得が下がる、とくに、年金の額が減るとかということでもないわけでありますから、75歳になったところで突然7割軽減を9割軽減にするという必要性はないと思っています。

 したがいまして、もちろん激変緩和ということは必要ですので、個々の被保険者であった方については、今度、新しく後期高齢者の被保険者になる方から特例は適用しないということでやっていくべきではないかと思います。

 他方で、健康保険の被扶養者の方の場合は、その方の所得などによっては突然どんと保険料がかかってくることもあるので、そこのところは激変緩和措置をある程度考えるべきであろうとは思います。しかし、ずっと特例的な激変緩和を適用していくのは筋が通らないだろうと思っています。そこのところは、もう少し検討の余地があるだろうと思います。

 施行の時期については、これはある意味での負担増という問題でもあり、十分な周知とか、そういったことをきちんとやらないと、結局また後期高齢者医療制度を導入したときと同じような混乱が発生する可能性も否定できないように思います。その点では、来年4月の実施で本当に大丈夫かが一番気になります。周知の問題と実施の問題はどうしても絡む話でありますから、そこは十分に議論する必要があるかと思っております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 ほかによろしゅうございますか。

 ありがとうございます。

 それでは、次の議題に移りたいと思います。次は、「2.任意継続被保険者制度について」の議題といたします。

 まず、白川委員から提出資料が出されておりますので、白川委員から御説明をお願いできますでしょうか。

○白川委員

 私から出させていただいた資料は、「任意継続被保険者について」で、健康保険組合連合会の名前がある資料でございます。

 この資料を提出させていただいたのは、「任継」という言い方をさせていただきますが、私どもで任継の現状について調査し、その結果をまとめたものでございます。

 恐縮でありますけれども、最初に資料の11ページをごらんいただけますでしょうか。

 「参考2.任意継続被保険者制度の概要」ということで、ポイントのみまとめさせていただいております。

 「1.趣旨」は、御存じかと思いますが、解雇等によりその資格を喪失した被保険者が、他の事業者に雇用されること等により強制被保険者になるまでの期間、暫定的に健康保険の被保険者となる途を開いて、その生活を保護するという趣旨でございます。

 「2.加入資格」は、資格喪失日の前日まで継続して2カ月以上被保険者であった者ということでございます。なお、共済組合については、1年以上ということで差がございます。

 「3.資格喪失」でございますが、最初にあります任継になった日から起算して2年を経過したとき、逆に言うと、最高2年間ということになっております。

 「4.保険料」は、全額被保険者負担で、事業主負担はございません。保険料算定については退職時の標準報酬月額か全被保険者の平均の標準報酬月額のうち、いずれか低い額に保険料率を乗じた額を負担するということになっていまして、こういう取り決めであるということをまずは御承知おきいただければと思います。

 1ページ目に戻りますけれども、調査結果につきまして、データ年度は平成2225年度、対象組合は94組合でございますが、業態、あるいは、大規模、中規模、小規模という区分で公平にデータがとれるような形でやったものでございます。調査内容は、まず任継の加入者の数です。2つ目が、その年齢構成とか加入期間。3番目は、任継に係る収支、保険料と法定給付費と拠出金、事務的経費の収支を見たものでございます。

 ポイントだけ簡単に御説明いたしますけれども、2ページ目でございます。一番上にありますとおり、調査対象組合における任継加入者は14万人で、加入者に占める割合は1.6%程度、これは先ほど申し上げたとおり94組合でございますので、健保組合全体でどれぐらいいるかということが後で出てまいりますが、大体46万人強という数でございます。

 3ページ目に進みます。年齢構成でございますが、60歳以上の方が全体の5割弱、60歳以上の方の約6割は2年間の任継期間を満了しているということで、逆に60歳未満の方は定年退職前に退職された方でございますので、当然期間は短い。9.1カ月ということになっております。

 4ページ目でございますけれども、これは平均加入期間がどうなっているかということをまとめたものでございます。細かい話は除きますけれども、一番下の行ですけれども、約9割が1年以内に任継の資格を喪失している。60歳以下の方でございますけれども、そういうことになっております。

 5ページ目でございますけれども、被保険者加入期間別に見た任継加入期間ということで、2つ目のポツでございますけれども、被保険者期間が1年以下で任継の資格を取得している者が11%います。要するに、2カ月以上在籍していればいいわけでございますので、1年以下、2カ月以上という方が11%いるという意味でございます。

 6ページ目でございますけれども、保険料と義務的経費を比べるとどうなっているかということですが、1行目の最後のほうですけれども、法定給付費及び拠出金が保険料収入の2.32.4倍になっているということで、任継については、健保組合が赤字という状況でございます。

 あとの資料につきましては、ごらんいただければと思います。

 飛ばしまして、9ページ目でございます。

 一番上のところですけれども、任継の1人当たりの保険料収入は、全被保険者の約7割の水準ということでございます。

 2つ目のポツですけれども、任継の方の約4割は退職時の標準報酬よりも低い標準報酬で保険料が算定されております。

 最後に、12ページに飛びますけれども、以上のような調査結果を踏まえて、私どもの意見をまとめさせていただいております。

 1つは、任継の継続加入期間の見直しということでございまして、現行、最高2年ということになっておりますけれども、私は以前からこの制度は使命を果たしたので廃止すべきだという意見でございますが、一挙に廃止ということは相当抵抗があると考えておりまして、当面ということで矢印の2つ目でございますけれども、アンダーラインの部分です。当面は、現行2年間の継続加入期間を1年程度に縮小すべきではないかということが1つ目の意見でございます。

 2つ目でございます。任継の加入要件でございますが、2カ月となっておりますけれども、特に短時間労働者の適用拡大で健保組合では厚生労働省の推計で20万人が加入するということもございますので、これを1年以上の加入期間を要件とすると改めてはどうかということが2番目の意見でございます。

 最後のページでございますが、保険料の決め方でございます。アンダーラインの一番下のところですけれども、いずれか低いほうという現行制度をやめて、退職時の標準報酬月額をもとに保険料を設定するという形にするほうが合理的ではないかということが私どもの3つ目の意見でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 引き続いて、事務局から資料の説明をお願いします。

○宮本課長

 保険課長でございます。

 資料2をごらんください。

 今、白川委員から説明がございましたので、重複はできるだけ省いて御説明させていただきたいと思います。

 1ページ目に、「任意継続被保険者制度の概要」ということでございまして、これは白川委員から御説明がありました。

 任意継続被保険者制度は、健康保険の被保険者が、退職した後も、選択によって、引き続き最大2年間、退職前に加入していた健康保険の被保険者になることができる制度でございます。加入要件は2カ月以上その健康保険、被用者保険の被保険者であったこと、それから、最大2年間入ることができる。途中で死亡した場合あるいは保険料を納付しなかった場合には資格を喪失する。あるいは、他の被保険者になった場合に資格は喪失するということです。保険料は、全額被保険者負担ということで、従前の標準報酬月額または全被保険者の平均の標準報酬月額のいずれか低いほうということで保険料負担が決まっております。

 2ページ目、平成2611月7日、平成27年1月、2月とこの論点について議論がありましたが、そのときに医療保険部会で出た主な意見ということで記載させていただいております。説明は省略させていただきます。

 3ページ目に、「任意継続被保険者制度の変遷」ということで、任継制度は大正15年の健康保険法の施行時から存在する仕組みでございます。これまで加入期間の延長、保険料の軽減を図る改正を行ってきております。加入要件については、制度ができたときから、微調整、微修正はありますけれども、2カ月以上被保険者であったという要件がずっととられております。加入期間については、初めは6カ月でございましたが、その後、1年に延長され、2年に延長されて、現在に至っているということでございます。保険料の設定については、従前の標準報酬を使うということでございましたが、昭和51年に、より加入しやすくするという観点から、従前の標準報酬月額または当該被保険者の平均の標準報酬のうち、いずれか低いほうの額と改められました。

 4ページ目に、「任意継続被保険者制度の意義」ということでまとめております。任意継続被保険者制度は、まず、国民皆保険、国保制度ができる前は、解雇・退職に伴う無保険を回避するためのものでございました。国保も被用者保険も給付率が平成15年に7割に統一されたわけでございますが、その場合は、国保への移行による給付率の低下の防止ということが主な目的でございました。現在は、当然、転職の間のつなぎという意味はあるわけですけれども、特に、退職される方につきましては、国保に移行した場合の保険料の激変緩和が、その実質的な意義になっている。それはどういうことかといいますと、国民健康保険では、前年の所得を基準に保険料を算定することから、退職後は、所得がないにもかかわらず、1年間以上、退職時の高い所得に基づいて保険料算定がされる場合がある。それを任継に加入することで激変を緩和しているという意味があるのではないかということを書かせていただいております。

 5ページ目でございますけれども、今、白川委員から具体的な御提案もありましたが、任意継続被保険者制度のあり方について、特に加入期間、加入要件、保険料設定のあり方についてどう考えるかという論点を立てさせていただいております。

 私からは、以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 皆様から、御意見、御質問をいただきたいと思います。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 資料2の2ページ目に、今までの部会での意見を御紹介いただいております。以前の医療保険部会で私どもも申し上げましたが、任意継続被保険者制度は、国民皆保険制度の実現前にできたものであって、その後の給付率に差があることから残ってきた制度ですが、医療保険の給付率が7割に統一されている現在、その存在意義は明らかに薄れていると考えております。

 このため、この制度については廃止に向けて検討していくべきだと考えており、まず、その第一歩として、今、白川委員からも御提案がありましたとおり、私どもも、継続加入期間の2年から1年への見直し、加入要件のうち、被保険者期間の2カ月から1年への見直し、退職時の標準報酬月額をもとにした保険料の設定を行うべきであると考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 任継につきまして、ほかにいかがでしょうか。

 それでは、村岡参考人、お願いします。

○村岡参考人

 ありがとうございます。

 資料2の2ページ目に前回のときの意見を記載していただいておりますけれども、任意継続の期間の短縮につきましては、2年を1年にしていくということになりますと、先ほど白川委員の資料の説明にもありましたように、半分の方が60歳以上の高齢者の方で、60歳以上の方については平均加入期間が18.9カ月という状況でございますので、1年にこの期間の短縮をされますと、結果的に高齢者の皆さんが国保に加入をしてくることになってまいります。

 当然、高齢者の皆さんの医療費の水準は高いわけですけれども、この資料にも書いていただいておりますが、前期高齢者医療制度の創設によりまして、現在の退職者医療制度については段階的に縮小していくということで新たな加入が減らされておりまして、結果的に、国保制度については財政的な負担が一定で増えている現状もございますので、そういった意味では、現状の仕組みの中で、医療保険全体としてカバーできている部分もあるのではないかと考えておりますので、期間短縮については、より慎重に御検討いただきたいと考えております。

 国保については、基盤強化が必要ということで議論されている中で、新たな負担にもつながりかねないというところもございますので、その点は十分慎重に検討をお願いしたいと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 伊藤参考人、どうぞ。

○伊藤参考人

 任意継続被保険者制度については、まさに被用者保険、職域保険の歴史そのものということで、この3ページに出していただいたとおり、非常に長い歴史を経て、今日的には、国保への移行に当たっての保険料の激変緩和の役割を果たしていると思っております。退職者の医療保障という点で、制度の役割は今日的にもあると思っておりますので、そういったことも踏まえながらの検討をしていただければと思っております。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 松原委員、どうぞ。

○松原委員

 白川委員の御主張はごもっともであります。この制度は、ある意味ではその役目が終わりつつあるものだと私は思っています。ただ、先ほどの国保のほうからのお話がありましたように、一遍にすると負担がかかるということであります。あるべき姿としては、国民皆保険制度をつくったときに、国民皆保険制度の担い手である一番メインの市町村国保が退職した方に対して対応することになったわけでありますので、社保の任意継続制度をいつまでもずるずると残しておくというのは私は反対であり、白川委員の意見に賛成です。

 ただ、市町村国保に入るときに、前年度の収入に応じてということになりますと、すぐに就職されるとか、病気をなさって、収入があったけれども、突然無職になる、そういった方々にとっては、前の年の収入が突然健康保険の基準になると大変でありますので、何かの段階的な対応が必要だと思います。

 したがいまして、その意味からすれば、まず1年ほどは残しておいていただいて、また考えるというのはいい方法だと思っております。さらに先を言えば、失職して収入がなくなったら、その証明書を出せば、市町村国保においてはその金額において徴収するというのが本来のあり方だろうと私は思っています。

 もう一点は、3番目の標準の金額と今までの勤めていたときの金額と、安いほうにというところでございますけれども、これはやめてしまったら収入がなくなるので、ある程度仕方がないようにも思うところはあるのですが、この制度は、健保組合さんにも支えていただいていますので、これはやはりあるべき姿にすべきだということで、白川委員の意見に賛成であります。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 それでは、岩村部会長代理、お願いします。

○岩村部会長代理

 任意継続被保険者制度は、確かに何人かの委員の方が、白川委員が初めにおっしゃったように、現在では、国民皆保険になって、かつ、給付率も同じになっているという点で、従来あったような意義が薄れているということは確かであります。

 他方で、今日ちょっと白川委員が言及された、この任意継続被保険者を使える要件として1年以上の勤続ということにしますと、例えば、6カ月の有期契約の労働者の人たちは、今までは任継が使えたのにこれからは使えなくなる。このように、比較的弱い立場の人たちのところにしわ寄せが回る可能性が出てくるということを考えなければなりません。

 もう一つは、同じようなことでありますけれども、派遣の健保組合では、この任継の仕組みを使って派遣労働者に継続的に健保のカバーを提供しています。派遣が終わったところで国保に移って、また派遣が成立するとまた健保に行ってという繰り返しをしないように、健保組合で任継を使ってカバーしています。

 そうしますと、任継が使える要件を1年にすると、派遣の場合は、雇用期間が短いケースもあるので、そうした派遣労働者が任継が使えなくなってしまうという問題が発生するように思います。

 また、任継であり続ける期間を2年とすると、現状では長い気もしますが、他方で、先ほどの厚生労働省の資料に出ていますように、国保に移った場合の保険料負担の問題は2年度目まで続いてしまうことも考えると、2年を1年に短縮するはやや影響が大きいかもしれない。その辺ももう少し検討する必要があるだろうとも思います。

 結局のところ、労働者の方はいろいろな事情で会社をおやめになるわけでして、首になるというだけではなくて自発的な辞職とか、そういうものもあるので一概には言えませんけれども、やめることによって一定期間の定期的収入がなくなるときに、どういう医療保険のカバーを及ぼすべきかが検討課題です。先ほどの高齢者の議論ではありませんけれども、定期的所得がないような状態になったときに、どういう保護を及ぼしていくのが一番適当なのかという観点、それから、事務コストの観点、特に市町村国保の場合は、任継の適用範囲を絞ると頻繁に人がこれによって出たり入ったりすることが起きるという観点、その他、幾つかいろいろな考慮要素もあるので、そういったものを含めつつ考えたほうがいいかなと考えます。

 私は、どちらかというと、これは慎重に考えたほうがいいのではないかと思っております。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 大体よろしゅうございますか。

 ありがとうございます。

 それでは、次の議題に移りたいと思います。

 次は、「3.医療費適正化基本方針の見直しについて(報告)」でございます。

 事務局から説明をお願いします。

○高木室長

 データヘルス・医療費適正化対策推進室長でございます。

 資料3に沿って御説明させていただきます。「医療費適正化基本方針について」です。

 おめくりいただきまして、今回、医療費の見込み(目標)と個別の取組目標を整理させていただきますが、3月に、都道府県が定めます医療費適正化計画の告示を出しております。この告示の中で、入院外、外来の医療費につきまして、その適正化の効果を見込む医療費について、後発品の普及だとか特定健診・保健指導の実質率の達成ないし外来医療費の1人当たり医療費の地域差縮減を目指す取り組みを盛り込むものを3月に告示を出しておりますが、その算定の式について、今回お示しすることになりましたので、御報告させていただくものでございます。

 入院につきましては、法律の規定にございますけれども、病床の機能の分化及び連携の推進の成果を踏まえた推計を書くことになっております。なお、各都道府県では、個別の取組目標について任意記載事項となっておりまして、さらにそれを定めることができるということになっております。

 2ページ目でございます。こちらは、自然体の医療費の見込みの方法でございまして、第2期(平成25年度〜29年度)と同じ方法としますということでございます。第3期の推計方法として、実績の国民医療費が出ている25年度の翌年度、事業年報などを用いて26年度の医療費を推計しまして、それまでの過去5年間の医療費の伸びから人口の変動率等々を除外した医療の高度化の伸び率を用いまして、自然体の医療費を推計するものでございます。

 3ページ目以降が、外来での医療費の地域差縮減に盛り込む式でございます。

 3ページ目は、後発医薬品の普及について70%を29年央に達成することが閣議決定されておりますので、30年度以降の医療費の縮減の効果につきましては、後発医薬品を70%から80%を達成した場合の効果額を盛り込むものでございます。

 4ページ目でございますが、こちらも告示では特定健診の実施率の達成による適正化効果額を推計するとなっておりますので、その式を示しているものでございまして、特定健診の実施率の目標につきましても、告示の中で70%、45%の目標を、現在の第2期のものを第3期にも引き続き実施することにしまして、その実施率を達成した場合の効果額として、1人当たりの医療費の縮減の効果を掛けて都道府県ごとに推計することにしております。

 なお、効果につきましては、4ページ目の下のところにございますけれども、特定健診・保健指導の医療費適正化効果等の検証のためのワーキンググループでの分析結果で、最低でも6,000円程度という効果が見込まれますので、それを用いて推計する。ただし、各都道府県が独自に数値を用いてその効果額を見込むことも可能としたいと考えております。

 続きまして、5ページ目でございます。

 さらに外来での医療費の地域差縮減の取り組みでございますけれども、これにつきましても、都道府県で医療費適正化計画を策定した際に、その取り組みの中で一定の広がりのあるもの、その地域差の縮減が期待されるものを設定してはどうかということで、具体的には、1つ目は、生活習慣病の改善、予防につきまして、都道府県・保険者・医療関係者による取り組みが一定の広がりを持って行われているということで、糖尿病に関する重症化予防の取り組みないしはそのかかりつけ医やかかりつけ薬剤師の役割の発揮等々によりまして、重複投薬とか複数種類の医薬品の投与の適正化が見込まれるだろうということで、その推定式をお示ししたいと考えております。

 具体的には、3つございますけれども、40歳以上の糖尿病の患者の医療費、この都道府県の差のところで平均よりも高いところが半減するという形で一つは見込む。

 もう一つは、重複投薬につきまして、2医療機関につきましては、同一月にそうした例も実態的にはあり得るのでございますけれども、3医療機関で同じ薬が出ているような例につきましては、3医療機関以上になっているところにつきまして2分の1になるという形で見込んでおります。

 もう一つは、多剤につきましても、高齢者で15剤以上のお薬が出ている調剤費につきましては、14剤よりも多い部分につきまして、半分に見込んではどうかということで、式をお示ししたいと考えております。

 6ページ目でございますが、こちらは入院でございまして、法律の規定に基づきまして、都道府県で定める医療計画、中でも病床機能の分化、連携の推進の成果というものを見込みまして、平成35年度の患者数の見込みから1人当たりの医療費を掛けて、それを入院の医療費の額として見込むということで考えております。

 注4でございますけれども、この病床機能の分化、連携に伴う在宅医療等の増加分につきましては、現時点でその患者さんの状態を見込むことが難しい部分がございますので、推計式には盛り込んではおりません。なお、都道府県で独自に推計を行うことはできるとしたいと考えております。

 最後に、10ページ目でございますが、昨年の法律の改正に基づきまして、都道府県、厚生労働省では、毎年度、医療費の適正化計画の進捗状況の公表を行うとしております。ここにつきまして、26年度の実績値が出ておりますので、御報告させていただきます。表の中の29年度の目標値が、特定健診の実施率については70%、保健指導については45%となっておりますが、こちらについては、26年度が48.6%と17.8%、平均在院日数につきましては、目標値28.6%でございますけれども、これは26年度に既に達成しているということでございます。実績の医療費につきましては、25年度については、40610億円というものがございますので、こちらについても公表させていただくものでございます。

 資料につきましては、以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、皆様から御意見をいただきたいと思います。

 いかがでしょうか。

 山本参考人、どうぞ。

○山本参考人

 ありがとうございます。

 今日は、資料としまして、委員提出資料2−1として「医療費適正化基本方針の見直しに対する意見」をお配りさせていただいております。

 この医療費適正化計画ですが、都道府県が国の基本方針に基づいて、今後、医療費適正化計画を策定するための基本方針ということになりますので、全国知事会では、今年3月末の改正時及び8月31日にも厚生労働省に意見書を提出し、懸念についてお伝えしたところでございます。それについては、ここに書いてあるとおり、3つの要望という形で提出させていただいたところです。

 これに加えて、今回の資料につきまして、2点要望と1点質問をさせていただきたいと思っております。

 資料3の5ページになりますが、外来医療費について、一定の広がりのある取り組みを通じて医療費の地域差縮減が期待されるということで、2つ目の1と2という形で一定の広がりを持って行われる取り組みを計算する形で、3つの計算式が示されております。これらの取り組みは、都道府県・医療機関・保険者等がそれぞれ取り組みを進めているものではありますが、今回、3期計画を策定するということもありますので、これらの取り組みをそれぞれが十分実施できるように、十分な財源の確保をお願いしたいことが1点、要望です。

 また、資料3の6ページですが、地域医療構想を踏まえた入院医療費の推計については、さまざまな懸念を各都道府県は持っているところでしたが、今回の資料3の6ページの注4のとおり、地域医療構想に伴う在宅医療等の増加分については、現時点では入院医療費の推計として盛り込まないという形になっております。今後、達成状況評価をどのようにされるのかというのは現時点でよくわからない部分はありますが、このようにして推計した医療費の見込みと実績医療費との比較はできないと思いますし、かつ、都道府県で医療費適正化計画の達成に責任を持つことも難しいと考えています。

 したがって、国の責任において、在宅医療等の推計が今回の医療費の見込みに含まれていないことも含めまして、今回の見直しの意味等について、関係者に十分説明を行っていただきたいということが要望の2点目になります。

 最後は、質問になりますが、この在宅医療等の増加分について、6ページの注4の最後の方に「なお、都道府県は独自に推計を行うことができる。(P1再掲)」という形で書かれておりますが、国から推計式が示されておりません。推計を行うかどうかの判断や推計の方法、内容を各都道府県に委ねるのではなく、推計を行う必要があるのであれば、国が責任を持って推計方法を示すべきだと考えますが、こちらはどうお考えなのか、質問をさせていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 質問がございましたし、また、要望事項もありましたので、それに対するコメントも、もしあれば、お答えいただければと思いますけれども、事務局、どうぞ。

○高木室長

 御要望いただきました点については、十分に、これまでも県の皆様方と御相談、御調整をさせていただきましたが、引き続きよく御説明させていただきたい。また、そのツールの使い方につきましてもよく御説明させていただきたいと考えております。

 御質問いただきました点につきましても、我々としては、現時点ではここの整理につきましては、介護に行く部分も含めて、なかなか現時点で見込みをするのは難しいので、そういう意味では、国のお示しする式の中ではここをお示しすることは難しいと考えておりますが、よく都道府県の御要望も聞きながら、対応について引き続きよく相談させていただきながらやっていきたいと考えております。

○遠藤部会長

 山本参考人、よろしいですか。

 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、松原委員、どうぞ。

○松原委員

 こんなことを言っては身もふたもないのかもしれませんけれども、この算数のような足し算と引き算と割り算でつくった式を見ると、机上の空論に見えて仕方がないのです。私どもは、現場に即して、上から目線でこれをやれというのではなくて、十分に現場の意見を聞いていただいてやっていただきたい。どうしても指標をつくらなければいけないからつくっておられるのだろうと思いますけれども、この算数の式を見ていたら、人は、それぞれ個性がありますので、工業製品ならともかく、このような数字で全てが解決できるとはとても思えないというのが感想でありますので、指標の一つということで考えていただきたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、菅原委員、お待たせしました。

○菅原委員

 ありがとうございます。

 全体の方針としては特に異論はないのですが、特に特定健診・保健指導に関しまして、資料3の中の20ページを見させていただくと、積極的な介入があると、一定程度の医療費の削減に影響を及ぼしているという印象を持つことはできます。

 ただ問題は、こういったさまざまな取り組みをするに当たっては、相当な実施費用がかかっているはずです。全体としては医療費を適正化するためのものですから、一見適正化ができているようには見えるのだけれども、それに伴う実施コストのほうがそれを大幅に上回っていては余り意味がないということも言えるかと思います。

 実際に特定健診・保健指導に関しては、非常にいい取り組みをしているところとそうでないところで効果にかなりの差があると思います。当面はやはりそういった好事例を積極的に発掘して普及させるという努力を一方でしながら、かつ、このような諸々の取り組みにどれだけの実施コストが発生しているのかについてもあわせて検討し、このような取り組みをどれだけおこなうかという点についても片方で議論すべきではないかと考えます。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 重要な御指摘だったと思います。

 ほかに御意見はございますか。

 それでは、横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 特定健診等の受診率については、自治体としても努力をしているところです。特に保健師職員を中心に啓発をしています。これにはいろいろな方法があって、クーポン券とか補助券とかもあるのです。でも、以前もお話ししたかと思いますが、実質、一番肝心なのは当事者が「自分の健康のために受けたほうがいい」としっかり認識していただくことが極めて重要でございますので、厚生労働省並びに政府の広報の中で、そういったことの重要性を重ねて改めてぜひ発信をしていただきたいと思います。

 そうしないと、先ほど松原委員もおっしゃったのですけれども、6ページで見ますと、平成35年度の患者数の見込みに1人当たり医療費を掛けると、確かにリスク管理としての将来の支出見込みは出てくるのですけれども、どうするかということが同時に大事になりまして、そのためには健康意識を持った方、自分でそういう管理ができる方を増やしていかなければならないと思いますので、ぜひそういった意味を含めて、広報でよろしくお願いしたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかによろしゅうございますか。

 それでは、森委員、どうぞ。

○森委員

 ありがとうございます。

 同様なことなのですけれども、今回から後発医薬品と重複投与等が入り、私どもとしても適正化に協力していきたいと思っているのですけれども、やはりこれは国民の協力がないと難しく、受診している医療機関に関して言ってもらえないと限界があります。国民の責務というものが医療法の中にも入りましたので、国民の協力を得ながらやっていきたいと思っています。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 大体よろしゅうございますか。

 それでは、次の課題に移りたいと思います。次は「4.保険者インセンティブについて(報告)」でございます。

 事務局から、資料の説明をお願いします。

○高木室長

 資料4の「保険者インセンティブについて」でございます。

 おめくりいただきまして、予防・健康づくりの保険者インセンティブでございますけれども、昨年の法律改正において、国保の保険者努力支援制度を創設しております。また、協会けんぽ、健保組合、共済とそれぞれの保険者の種別の特性に応じて新たにインセンティブを設定するという形で制度を見直しているところでございます。

 2ページ目は、主な閣議決定でございまして、保険者インセンティブについてはメリハリのきいたスキームとすべく見直しを行っていくということが閣議決定されております。

 この取組状況について御報告させていただくものでございまして、3ページ目は、保険者インセンティブについて制度共通的に評価する指標を1月に取りまとめて出しております。これまで特定健診・保健指導の実施率が後期高齢者の支援金の加算・減算の指標となっておりましたが、この特定健診・保健指導の実施率のみならず、他の指標として、がん検診、歯科検診といったものとか、糖尿病の重症化予防の取り組みないしは加入者に対してわかりやすく健診の結果の情報提供を行うような取り組み、また、適正受診・服薬や後発品使用促進の取り組みといったものを指標として新たに入れていくということで出しております。

 4ページ目は、後期高齢者の支援金の加算・減算制度の見直しにつきましては、現在、この保険者のインセンティブをより重視する方向で、保険者による健診・保健指導等に関する検討会のもとのワーキンググループで議論しております。現在は、ペナルティーになりますけれども、保健指導の実施率がゼロパーセントの保険者が高齢者支援金の加算の対象になっており、加算した財源をもとに、相対的に実施率が高いところを減算するという仕組みになっておりますけれども、これを複数の指標による総合評価に見直していく。さらに、段階的に加算ないし減算する仕組みにしていってはどうかということでございます。

 5ページ目が、その加算・減算制度の見直しでございますけれども、特定健診・保健指導の実施率のみならず、ほかの指標を入れていくということで、高齢期における重篤な疾患の予防に対してエビデンスのある保健事業だとか、保険者の義務として実施するもののほかにも、がん検診・歯科検診、糖尿病の重症化予防といった取り組みをやっていただいておりますけれども、そうしたものをどういった形で評価の指標に入れていくかについて、御議論いただいております。

 6ページでございますが、協会けんぽにつきましては、こうした健保組合、共済組合での検討状況も踏まえつつ、年度内を目途に運営委員会で議論しまして、30年度からの本格運用に向けて検討作業をしているところでございます。

 7ページ目と8ページ目が市町村国保でございまして、市町村国保については、保険者インセンティブ制度ということで、新たに市町村における取り組みを評価していくということでございますけれども、8ページ目ですが、28年度からの前倒しを実施していくということでございまして、ことしの秋を目途に特別調整交付金の交付基準に係る通知等を発出しまして、年度内にそうした評価により交付予定でございます。

 9ページ目はその候補として挙げているものでございまして、先ほど申し上げたものと重なっております。

10ページ目ですが、国保組合につきましては、市町村国保と同様、調整補助金でございますけれども、それを適切に反映させる仕組みを検討中でございます。

11ページ目は、後期高齢者の保険者インセンティブでございまして、これも市町村国保と同様に、本年秋を目途に特別調整交付金の交付基準等をお示ししまして、年度内に交付予定で作業中でございます。

 保険者インセンティブの作業状況についての報告は、以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、御意見、御質問はございますか。

 よろしゅうございますか。

 それでは、続きまして、「5.平成29年度予算概算要求(保険局関係)の主な事項について(報告)」を議題としたいと思います。

 事務局から説明をお願いします。

○城課長

 総務課長でございます。

 資料5をごらんください。「平成29年度予算概算要求(保険局関係)の主な事項」について、紹介をさせていただきます。

 1ページをお開きください。

29年度厚生労働省全体の予算のフレームでございます。

 特に関連の部分としましては、年金・医療等に係る経費というところで高齢化等に伴う増加額として、6,400億円の増を計上いたしております。このうち、公費負担医療も含みます医療についてはおよそ3,000億円、医療保険のみであれば2,500億円という伸びになっております。

 2ページをごらんください。

 これは社会保障の充実のフレームの部分でございます。

 この部分は、事項要求の取り扱いとするということでございまして、予算編成過程で検討となっております。

 参考までに下に平成28年度の予算額を記載しておりますが、項目を見ていただきますと、この中で医療・介護に関する項目は幾つかございます。この関係のものについては、事項要求ということで金額を明示せず要求という形になってございます。

 個別具体の部分についての紹介を簡単にさせていただきます。

 3ページをごらんください。

 主なものでございますが、特に地域包括ケアシステムの構築に向けたということで、1つ目の項目に書いてございます「○医療と介護のデータ連結の推進【新規】1.5億円」は、医療のデータベース、介護のデータベースの連結をすることの重要性に鑑みまして、どのようにやっていくか、どのようにしたらできるのか等々、活用方法も含めて調査研究を行うための費用として計上いたしております。

 医療分野のイノベーションの推進ということでございまして、その下でありますが、費用対効果評価を試行的に導入しておりますけれども、その関係の調査でありますとか、患者申出療養につきましての情報収集等の費用でございます。

 4ページをごらんください。

 一番上で医療費の国庫負担でございます。先ほどの公費負担医療の部分も含めまして、115,183億円の計上をいたしております。これは医療費の国庫負担部分ということでございます。

 その下に、国民健康保険の財政安定化基金の造成ということでございます。平成30年度から都道府県単位の財政運営ということで制度改革を行ったところでございますが、その施行のための準備にいろいろ御尽力いただいていると思います。そのためということで、これは社会保障の充実フレームでございますので、予算額については明示をいたしておりませんが、所要額を確保するという趣旨で計上いたしております。

 国保の制度改正の準備に要するシステムということで、これはその下でございますが、209億円、システム開発の経費でございます。

 一番下の箱のところをごらんいただきますと、「ニッポン一億総活躍プラン」というところでございますが、そこに記載されておる事項でありますけれども、子供・子育て世帯への支援ということで、国民健康保険の減額調整措置が今はございますが、それについての見直しということを指摘されておりますので、予算の関連事項ということで記載いたしております。

 5ページをごらんください。

 「○予防・健康管理の推進」というところでございます。データヘルスの関連で、アとイの2つを記載しております。保健事業等の推進で12.1億円、保険者協議会の関連で1億円。

 それから、先進事業等の好事例の横展開等ということでございまして、その下の2ですが、ア、イ、ウと記載しております。特に糖尿病性腎症の重症化予防の取組への支援と、後期の広域連合におけるジェネリックの取組への支援とか、重複頻回受診、フレイル対策等々についての予算を計上いたしたところでございます。

 6ページをごらんください。

 同様に、後期の広域連合が実施する歯科口腔保健の推進の費用が8.1億円、予防・健康インセンティブの取組への支援ということで1.4億円を計上したところでございます。

 その下ですが、NDBデータの利活用と医療保険分野における番号制度の利活用推進というところで、565.9億円の計上をいたしております。これは、NDBのオープンデータ等々の費用に加えまして、下の箱の囲みの中の「また」のところでございますが、医療保険のオンライン資格確認システムの導入は、2018年度から段階的運用開始、2020年から本格運用を開始することを目指しておりますので、その関連の経費の計上をいたしております。

 その他、DPCデータの活用の促進等、データヘルスの関係等々、計上いたしております。

 最後のページ、7ページでございます。

 東日本大震災の関係でございます。これは、避難指示区域等での特別措置としてに計上しておりますが、87億円ということでありまして、これは医療保険の一部負担金、保険料の免除等を行った場合の措置の部分でございます。

 簡単でございますが、以上、紹介させていただきます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 何か御質問、御意見はございますか。

 それでは、山本参考人、お願いします。

○山本参考人

 関連いたしまして、参考資料2−2として、全国知事会の社会保障関係の平成29年度に向けた要望から国民健康保険関係の部分を抜粋したものをお配りさせていただきました。

 今、御説明いただいた資料5で、2ページや4ページに記載されている国民健康保険の財政安定化基金の造成などの部分が事項要求となっている部分につきまして、財政支援の額としては3,400億円になりますが、たび重なる議論の末に国と地方の合意を得たものと認識しております。全国知事会といたしましても、国保の構造的な問題が解決され、持続可能な制度が構築されるならばということで、平成30年度からの国保の財政運営を引き受けるという経緯があったものだと認識をしておりますので、国には責任を持って対応していただきたいということで、この29年度の要望書の中にも書かれているところになります。

 あわせて、4ページのニッポン一億総活躍プランに書いていただいておりますが、子どもの医療制度の在り方に関する検討会での取りまとめを踏まえた国保の減額調整措置の見直し、廃止につきましても、重ねてお願いしたいと思います。

 要望になります。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかに何かございますか。

 それでは、横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 重ねてになりますけれども、知事会から出していただいた資料の「9」と書かれたところの中段、今、まさに触れられたところです。子どもの医療費の助成等については、各自治体が定住策も含めいろいろな意味で配慮をして財源措置をしているわけですけれども、これを行ったことによって、財政調整措置の動向がありますので、ぜひこれは改めるようにお願いしたいということを多くの自治体は思っておりますので、ぜひ厚生労働省で受けとめていただきたいと思います。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 それでは、村岡参考人、どうぞ。

○村岡参考人

 知事会と同様に、全国市長会としても、国保の基盤強化の3,400億円の支援については確実に確保していただくということと、子どもの医療費の助成の減額調整については廃止をしていただくということで強く要望しておりますので、よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 大体よろしゅうございますか。

 ありがとうございます。

 それでは、最後に用意したアジェンダになります「平成27年度の医療費・調剤医療費の動向(報告)」を議題といたします。

 事務局から説明をお願いします。

○山内課長

 調査課長でございます。

 資料6−1と資料6−2によりまして、平成27年度の医療費・調剤医療費の動向について御報告いたします。

 厚生労働省では、毎月、診療報酬請求のデータに基づきまして、国民医療費の約98%に相当する医療費について動向を取りまとめて、概算医療費ということで公表しています。9月13日に平成27年度分を公表いたしました。

 資料6−1の「Press Release」と書いてある紙の下のほうに表がございます。「医療費の動向」という表になっておりますが、一番上の段は「医療費」と書いてありますが、平成27年度、右側ですが、41.5兆円になっております。対前年度の関係でいいますと、1.5兆円の増加、その下に「伸び率」と書いておりますが、対前年度比3.8%の伸びとなっています。この伸びは過去数年と比べると比較的高目の伸びになっております。

 少しめくっていただきまして、3ページをごらんいただけますでしょうか。

 表3−2というものが下の段にあります。医療費の伸び率でございますが、それをその診療種別に見たものであります。一番下が平成27年度になりますが、総計の3.8%に対しまして、入院が1.9%、入院外が3.3%、歯科が1.4%、調剤が9.4%ということになっています。過去の傾向から見ても、平成27年度においては、調剤医療費が比較的高目の伸びであったことと、入院外の医療費がやや高目の伸びであったことが全体の医療費の伸びが比較的高いということにつながったということかと考えております。

 続きまして、資料6−2をごらんいただけますでしょうか。

 調剤医療費につきましては、電算処理が比較的早く進んでいたこともありまして、現在では大体99%ぐらいに当たると思うのですが、調剤医療費の電算処理分について割と詳しく分析をいたしまして、先ほどの概算医療費と同時に公表をしております。

 少しめくっていただきまして、ページ番号で2ページというところがあると思います。

 下に表2−2ということで、字が小さくて大変恐縮なのですけれども、「処方せん1枚当たり調剤医療費の内訳と構成割合」と書いてあると思います。

 処方箋1枚当たりで見たときの調剤医療費の内訳を見たものですが、一番右の欄は、対前年度比で「平成27年度」と書いてあると思うのですが、調剤医療費を処方箋1枚当たりで見ると7.3%で、これは比較的高い伸びなのですが、その内訳を見ますと、技術料は1.4%で、これは過去と比べてそれほど高い伸びではないということで、下のほうに行きますと薬剤料ということで、これが9.2%になっておりまして、過去に比べて割と高い伸びになっているということなので、調剤医療費の伸びの大きな要因は薬剤料の伸びにあったかと考えています。

 ちょっと飛びまして、6ページをごらんいただけますでしょうか。

 薬剤料の大部分を占める内服薬につきまして、薬効分類別に動向を見たものでございます。

 一番右から3列目になりますが、「対前年度比(%)」と書いてあって「平成27年度」と書いてある欄を縦にずっと見ていただきますと、一番下が249.1%になっております。これは横にずっと見ていただきますと、抗ウイルス剤ということで、この伸びの高さがポイントかなということを考えております。

 左にずっと目を転じていただきまして、左から2列目と3列目に平成26年度と27年度の欄をごらんいただきますと、抗ウイルス剤がおおむね平成26年度の1,000億円ぐらいの規模から平成27年度は4,000億円ぐらいの規模で、3,000億円程度増加しているということでありまして、3,000億というのは40兆円規模の医療費で考えると0.70.8%になりますので、3.8%の伸びのうち、0.70.8%ぐらいはこのC型肝炎治療薬を含む抗ウイルス剤の増加の影響かなということを考えているということでございます。

 これは院外処方の部分だけで見ているので、院内処方の部分を考えると、影響はもう少し大きかったかなと思う一方で、C型肝炎治療薬につきましては、平成28年4月の薬価改定でかなり薬価の引き下げがありましたので、平成28年度以降の医療費についてはまた引き続きよく見ていく必要があるかなということを考えています。

 最後でございますが、4ページであります。後発医薬品の使用割合について御紹介をしたいと思います。

 4ページの一番上の表4−1でございますが、一番上の段の「数量ベース(新指標)」と書いてあるところが、今、一般的に用いている後発品の使用割合でございます。平成27年度の4月は58.8%でありましたが、平成28年3月、一番右は63.1%になっておりますので、これまでのところ、後発品の使用割合は確実に上昇しているかなということが言えるかと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 何か御質問、御意見はございますか。

 松原委員、どうぞ。

○松原委員

 一時的に大変医療費が薬剤について伸びたように見えますけれども、これは皆さんも御存じのように、今回はC型肝炎の特効薬が出たということであります。3,000億、4,000億をここで使っても、将来C型肝炎がほとんど治って、肝硬変、肝臓がんにならずに、幸せに暮らせると同時に、働けるということでございますので、この一時的な支出は、今、特例再算定によってかなり下げたのと同時に、治療が終わってこの対象となる方々がどんどん減っております。最初は皆さん早く治りたいということで大変殺到されておりますけれども、明らかに低下する傾向にございます。特例再算定を中医協で十分やっているということを御理解賜りたいと同時に、免疫の賦活剤も大変な問題でございます。これも引き続き中医協で議論しています。国民が心配せずに暮らせるように、また、保険財政に問題がかからないようにということを十分に配慮してということでございますので、厚生労働省さん、本当にありがとうございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにありますか。

 よろしゅうございますか。

 それでは、本議題につきましては、これまでにさせていただきます。

 最後に、「7.その他」としまして、前回部会において武久委員から御指摘いただいた事項について、資料7「年齢階級別、病床種類別の推計入院患者数等について」という資料を配付させていただいて、これを報告にかえさせていただくということにさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日はこれまでにしたいと思います。

 次回の開催日につきましては、追って事務局から連絡をするようお願いします。

 本日は、御多忙の折、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。


(了)

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