ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 保険局が実施する検討会等 > 患者申出療養評価会議 > 患者申出療養評価会議議事録(2016年9月21日)




2016年9月21日 患者申出療養評価会議議事録

○日時

平成28年9月21日(月)9:58〜11:48


○場所

中央合同庁舎第5号館共用第8会議室(19階)


○出席者

【構成員等】
福井座長 五十嵐座長代理 天野構成員 石川構成員 一色構成員 上村構成員 新谷構成員 
大門構成員 田島構成員 田代構成員 寺田構成員 手良向構成員 直江構成員 原田構成員  
松井構成員 山口構成員 山崎構成員
【事務局】
医療課長 医療課企画官 医療技術評価推進室長 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐
薬剤管理官 歯科医療管理官 医政局研究開発振興課長 医政局研究開発振興課長補佐 医政局先進医療専門官 医療機器審査管理担当参事官 他

○議題

1 患者相談窓口の設置状況について
   患−1 特定機能病院等における患者相談窓口の設置状況について

2 国内未承認または適応外の医薬品等のリストについて
   患−2 国内で医薬品医療機器法未承認または適応外である医薬品等のリスト

3 患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について
   患−3 患者申出療養の新規届出技術に対する事前評価結果等について
   別紙1 患者申出療養 実施計画等評価表

   参考資料1 先進医療Bの総括報告書に関する評価表(告示番号1)
   参考資料2 患者申出療養の制度設計について
   参考資料3 患者申出療養制度の概要
   参考資料4 患者申出療養に係る運用の詳細について

4 その他

○議事

:58開会



○福井座長

 少し時間が早いですけれども、出席される予定の構成員の先生方は全て御出席ですので、開始したいと思います。

 最初に、先生方の出欠状況ですが、成川構成員からは御欠席との連絡をいただいております。構成員の出席は構成員の総数の2分の1以上となっております。

 欠席されます成川構成員からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては座長に一任するとされております。

 次に、事務局の異動がございましたので、事務局より紹介をお願いいたします。

○医療技術評価推進室長補佐

 事務局でございます。

 それでは、6月21日及び7月1日付で事務局の異動がございましたので、御紹介させていただきたいと存じます。

 まず、濱谷浩樹審議官でございます。

○審議官

 よろしくお願いいたします。

○医療技術評価推進室長補佐

 続きまして、迫井正深医療課長でございます。

○医療課長

 よろしくお願いいたします。

○医療技術評価推進室長補佐

 続きまして、中山智紀薬剤管理官でございます。

○薬剤管理官

 よろしくお願いします。

○医療技術評価推進室長補佐

 平山龍一先進医療専門官でございます。

○先進医療専門官

 よろしくお願いします。

○医療技術評価推進室長補佐

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

○福井座長

 続きまして、資料の確認を事務局からお願いいたします。

○医療技術評価推進室長補佐

 事務局でございます。

 頭撮りにつきましては、ここまでとさせていただければと思います。

 では、お手元の資料の確認をさせていただきたいと存じます。

 まず、冒頭に議事次第がございます。おめくりいただきまして、座席表が1枚。それから、構成員名簿でございます。

 そこから資料本体になりまして、次にホチキスどめで患−1「特定機能病院等における患者相談窓口の設置状況について」でございます。

 それから、患−2「国内で医薬品医療機器法未承認または適応外である医薬品等のリスト」でございます。

 それから、患−3「患者申出療養の新規届出技術に対する事前評価結果等について」でございます。

 それから、右肩に別紙1と書いてございます「患者申出療養 実施計画等評価表」、ホチキスどめのものでございます。

 それから、患−3 参考資料1「先進医療Bの総括報告書に関する評価表」でございます。

 それから、患−3 参考資料2「患者申出療養の制度設計について」。

 それから、おめくりいただいて患−3、カラー刷りになってございます参考資料3の「患者申出療養の概要」でございます。

 最後に、患−3 参考資料4「患者申出療養に係る運用の詳細について」でございます。

 以上でございます。

○福井座長

 資料につきまして、よろしいでしょうか。

 それでは、最初の議事に入りたいと思います。「患者相談窓口の設置状況」につきまして資料が提出されております。事務局から説明をお願いします。

○医療技術評価推進室長補佐

 右かた、患−1「特定機能病院等における患者相談窓口の設置状況について」をごらんいただければと思います。

 患者申出療養におきまして、患者は、申出を行うに当たり、必要に応じてかかりつけ医等の保険医療機関の支援を受け、特定機能病院又は臨床研究中核病院に相談することができることとなっております。

 第2回患者申出療養評価会議、6月に開催されたものにおきまして、患者相談窓口の設置状況について御報告申し上げました。その上で、厚生労働省ホームページに公開しておりますけれども、その際に相談窓口の名称や連絡先も追加すべきという御意見をいただいたところでございます。

 それを受けまして、このたび事務局より、特定機能病院及び臨床研究中核病院に確認いたしまして取りまとめ、この9月1日に別紙のとおり、次ページからの窓口設置病院74病院、それから設置予定病院11病院をホームページで公開しているところでございます。

 別紙、おめくりいただきますと、まず74病院の設置窓口の一覧がございます。上は北海道から並んでおりまして、それぞれ相談窓口の具体の名称、それから直通電話等の具体の電話番号も記載しております。なお、以前は63病院でありましたけれども、今、74病院ということで、10ほど増加している状況でございます。

 御説明は以上になります。

○福井座長

 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。

 どうぞ、天野構成員。

○天野構成員

 前回の意見を早速に反映いただきまして、ありがとうございます。

 1点、確認でございますが、患者相談窓口に対して、患者さんなどから、一部の相談窓口では相当数の相談が寄せられるとも聞き及んでいるのですが、どういった内容であるとか件数といった相談の内容について、事務局のほうで現状で把握されていることはありますでしょうか。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 事務局でございます。

 相談件数に関しましては、正確な数字ではございませんけれども、40件程度がこちらに共有されている状況でして、相談記入シートを提出していただいたものに関しては、つい先日、共有させていただいたところでございます。

○福井座長

 よろしいでしょうか。

 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。

 準備が全国的に大分整ってきている状況とのことです。

 それでは、ほかになければ議題2に移りたいと思います。「国内未承認または適応外の医薬品等のリストについて」、資料が提出されております。事務局から説明をお願いします。

○医療技術評価推進室長補佐

 事務局でございます。

 患−2の横紙の資料をごらんだければと思います。上がカラー刷りになっているものでございます。

 こちらは、もともと患者申出療養の制度設計の際に、海外で承認され、国内で医薬品医療機器上未承認または適応外である医薬品等のリストについて公表するということ。それから、関係の医療機関等に提示を求めるということを定めているところでございます。こちらは、国立がん研究センターの先進医療評価室で既に公表されているものを、厚生労働省において一部改編し、改めてお示しするものでございます。

 まず、例えば整理番号1をごらんいただければと思いますけれども、一般名(国内)でベバシズマブというもの。こちらは、商品名がアバスチンでございまして、国内企業は中外製薬。国内における研究開発状況は開発中でございます。こちらは、右のほうを見ていただきますと、欧州のEMA、これは欧州の医薬品庁というところでございますけれども、そちらでことしの6月に承認されているものでございます。つまり、欧州において承認されておりますけれども、国内ではまだ未承認ということでございます。

 こちらは、非小細胞肺がんに対する効能を有しておりますけれども、このような形でそれぞれ名称、それから承認や状況。それから、一番右のほうで価格などを取りまとめ、承認の年月日順に、上から新しい順で並んでいるものでございまして、現在、米国や欧州で承認されているもので、国内で未承認あるいは適応外のものが計71品目あるということで御紹介申し上げたいと思います。こちらにつきましては、厚生労働省のホームページで掲載させていただきたいと存じます。

 以上でございます。

○福井座長

 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。

 これは、同じ薬が入っていますけれども、承認の日によって、またはテーマによって違うのでしょうか。例えば59は、またアバスチンが入っています。

○医療技術評価推進室長補佐

 適応等によって、それぞれ個別に掲載しているものでございます。適応から検索できる形でお示ししたいという趣旨で、こうした形状になっているところでございます。

○福井座長

 天野構成員、どうぞ。

○天野構成員

 恐れ入ります。

 がんに関してリストをわかりやすく提示していただいて、ありがとうございます。こちらのリストを患者さんの立場から見ると、恐らく国内における研究開発等の状況というところを見て、例えば開発中という文字を見ますと、では、どこに行けば開発中のお薬に患者さん自身がアクセスできるのだろうか、また臨床試験の状況などはどうなのだろうかということをお考えになられるのではないかと思います。

 前回もお願いさせていただいたことなのですが、現在、国内での治験薬とか臨床試験に関しての情報提供というのは、必ずしも統一した形で提供されていないということがありまして、患者さんとしてその情報を得るというのは若干難しい状況にございますので、そのあたりも、今後、新しい臨床試験等の情報が患者さんに伝わりやすいような情報提供のあり方を検討いただければと考えております。

○福井座長

 松井構成員、どうぞ。

○松井構成員

 事務局にお伺いしたいのですけれども、ここに出ているのはがんセンターから出していただいたので、がんしかないのですけれども、希少性疾患とか難病というのは、もっと慢性のものとか多領域のものも多々あると思うのですけれども、そのリストというのは今後出てくるのですか。余りにもがんに偏り過ぎていると思います。

○医療技術評価推進室長補佐

 貴重な御意見、ありがとうございます。

 関係課にも確認いたしまして、事務局として、また対応を検討してまいりたいと思っております。

○福井座長

 天野構成員が先ほど言われたことについては、いかがでしょうか。どこで行っているという情報も含めてということです。また、そのような情報を提供していただけるのでしょうか。

○医療技術評価推進室長補佐

 こちらも受けとめて、関係課等々、それからがんセンター等とも対応を検討してまいりたいと思っております。

○福井座長

 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、議題3に移りたいと思います。今回、患者申出療養の第1例目の申出がございました。検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から報告をお願いします。

○医療技術評価推進室長補佐

 それでは、今回、検討対象になります技術等に関して、利益相反について御報告申し上げます。

 一色構成員、寺田構成員、直江構成員、山口構成員より、患者申出療養として評価を行う整理番号1の技術について報告がございました。一色構成員、寺田構成員、直江構成員、山口構成員におきましては、評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でありましたので、本会議の運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることは可能でございます。

 また、山崎構成員より、今回評価を行う整理番号1の技術について報告がございました。利益相反に関してではございませんけれども、みずからが所属する保険医療機関からの届け出に係る医療技術であることから、本会議の細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないということになります。

 以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○福井座長

 ありがとうございます。

 そのほかの出席されている構成員の皆様には、このような事例、今、お申し出いただくような利益相反はございませんでしょうか。

 手良向先生。

○手良向構成員

 済みません、申告が漏れていたかもしれませんが、私も50万円以下ですが、今、申告します。

○福井座長

 ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。

 続きまして、事務局から「患者申出療養の新規届出技術に対する事前評価結果等について」、資料が提出されておりますので、説明をお願いします。

○医療技術評価推進室長補佐

 先ほど御説明申し上げましたとおり、山崎構成員におかれましては、当該技術の検討及び事前評価には加わらないという形になりますので、大変恐縮でございますけれども、よろしくお願い申し上げます。

(山崎構成員 退席)

○医療技術評価推進室長補佐

 続きまして、資料を御説明したいと思います。患−3の横紙の1枚紙で、「患者申出療養の新規届出技術に対する事前評価結果等について」でございます。こちらにつきまして、申出がございました概要でございます。

 技術名といたしましては、パクリタキセルという抗がん剤の腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1の内服併用療法でございます。

 適応症等でございますけれども、腹膜播種陽性または腹腔細胞診陽性の胃癌でございます。受理日は9月7日となっております。

 臨床研究中核病院でございますけれども、こちらは東京大学医学部附属病院でございます。

 かかる費用につきましては、その隣に3つございますけれども、ごらんのとおりの金額でございます。

 審査の担当構成員につきましては、主担当山口構成員、副担当手良向構成員、また松井構成員に担当いただいたところでございまして、総評としては「条件付き適」という御評価をいただいているところでございます。

 あと、ちょっとページが飛ぶのですけれども、別紙1のやや分厚いホチキスどめの資料をごらんいただければと思います。こちらの一番最後のページをお開きいただきますと、本技術を実施可能とする保険医療機関の要件として考えられるものを、東京大学医学部附属病院の意見書より抜粋しているものを御紹介申し上げます。

 この療養を実施可能とする保険医療機関の考え方でございますけれども、実施責任医師の考え方といたしまして、外科系または内科系の診療科を要するということ。

 それから、資格として、外科専門医、内科認定医またはがん薬物療法専門医を要するということ。

 それから、当該診療科の経験年数は10年以上を要するということ。

 それから、下の医療機関の考え方でございますけれども、診療科で外科系及び内科系の診療科を要する。別紙、診療科の医師数について、経験年数10年以上の医師が2年以上となっております。

 他科の診療科については不要となっておりまして、その他の医療従事者の配置、薬剤師や臨床工学技士等に関して、薬剤師が要となっております。

 また、規模でございますが、病床数が100床以上で、10対1看護以上となっております。

 事務局からの御説明は以上でございます。

○福井座長

 ありがとうございます。

 それでは、ただいま説明のありました技術について、事前評価につきまして、主担当を山口構成員、副担当を松井構成員と手良向構成員にお願いしております。

 最初に、山口構成員より、概要の説明と実施体制の評価をお願いいたします。

○山口構成員

 それでは、別紙1をごらんいただけますか。1ページ目。

 これは、腹膜播種陽性または腹膜細胞診陽性の胃癌に対するS-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内投与併用療法ということでございます。

 腹膜播種陽性あるいは腹腔細胞診陽性の胃がんというのは、極めて予後の悪い疾患で、特に肉眼的に播種陽性の場合には、まず5年生存がほぼゼロ。細胞診陽性だけであっても、9割から8割ぐらいの方が亡くなるという極めて厳しい病状の病気でございます。それに対する治療として、有効で標準的な治療ははっきりしていなくて、切除不能進行胃がんに対するような治療を行っているということで、評価の固まったものではございません。極めて絶望的な病態ということであります。

 資料の31ページをごらんいただけますでしょうか。

 今までのロードマップを見ますと、最初、臨床研究として第I相試験として行われています。最初はP1、つまり肉眼的に腹膜播種のあるもの、それから細胞診が陽性のもの、この両方をあわせて、第I相試験、第II相試験が行われています。

 先進医療になったときに、上のほうのP1症例と、下のほうのP0CY1、つまり細胞診陽性だけのものに分けております。というのは、肉眼的に腹膜播種があるものと、肉眼的にはないけれども、細胞診で陽性というのは予後が少し異なります。先ほど申し上げましたように、細胞診陽性というのは10%前後、5年生存が得られます。つまり、治癒に至るものもあるということで、ここを分けて、第II相の臨床試験を先進医療として行いました。

P1につきましては、上のほうの結果を受けて、今回、患者申出療養を適用したいということで申請されたわけで、細胞診陽性のほうにつきましては結果も期待されるわけでありますが、9月に主解析が行われるということで、まだ発表されておりません。今回は、そのP1症例を受けて、患者申出療養が申請されたという経緯がございます。したがいまして、今回はP1と細胞診陽性の両方について、患者申出療養が行われたわけであります。

 医療技術はそれほど高度なものではなくて、確立された技術かと考えております。

 適応症に関しましては、妥当である。

 有効性に関しましては、今までの臨床研究などから見て、ある程度は期待できる。

 それから、今回、P1に関する先進医療の臨床試験の結果が出ましたけれども、結論から言えば、有意な差は認められないということでございます。しかし、先進医療が行われたときに、最初に対照群に割り付けられた患者さんがどうしてもこの治療を受けたいということで、対照群で腹腔内投与を行った例が6例ありました。その中の4例ぐらいは結構長生きされています。研究の質としてはよろしくないのですけれども、患者さんの病態から考えたら、それを拒否することはできないということで、ある程度の数、入らざるを得ないわけです。それを対照群として全体として解析すると、有意な差は出ないのですけれども、それを除外するとしたら有意な差が出るということです。

 それから、10ページとか9ページを見ていただきますと、A群というのが腹腔内投与の試験群ですけれども、これを見ると従来に比べたら長生きしている例が出てきて、絶望的な状況にある患者さんにとっては、こういうデータを見るとなかなか魅力的で、患者申出療養をやりたいという方が出ることも無理からぬことかなと思います。科学的には有効性が証明されたわけではないということも事実です。

 安全性に関しまして問題なしとしなかったのは、腹腔内投与を併用していますので、副作用、特に血液の副作用は高度なものが高頻度で出ていますので、必ずしも楽観できません。つまり、幾ら期待されていても、血液の合併症のために高齢者の方が亡くなったり、状態の悪い方が亡くなるということは許されないことかと思いますので、その安全性はある程度担保する必要があります。少し拡大するにしても、許される範囲というのはあるべきで、ここで議論されるべきかと思います。

 それから、技術的成熟度はかなり高く、大きな合併症もないようです。

 倫理的な問題はございません。

 それから、普及しているとは言えません。

 保険収載の必要性ですけれども、あると思いますが、先ほどから申し上げていますように、もし保険収載されましても、治療成績と安全性についてはさらに検証が必要な治療と考えています。

 あと、実施責任医師についての考え方、それから実施医療機関についての考え方、その他の考え方、全て「適」といたしました。

 以上です。

○福井座長

 ありがとうございます。

 後ほど、まとめて御質問を伺いたいと思いますので、続きまして、倫理的観点からの評価の結果につきまして、松井構成員から説明をお願いします。

○松井構成員

 倫理的観点からの評価ということで、私のほうからは2点。同意に係る手続き、同意文書と補償内容のほうを評価させていただきました。

 補償内容は、抗がん剤であるということもありますので、補償がないことになっております。

 ただ、同意文書のことですけれども、ここのコメントに書きましたように、もともと患者申出療養で、患者さんがこれを受けたいと申し出られているものですけれども、そのときにほかの選択肢の情報がきちんと正しく説明されていなければ、そもそもこの選択肢を選ぶべきなのかどうかという判断ができないということで、情報に非常に偏りがありましたので、その部分を指摘させていただきました。

 それと、特に抗がん剤の場合ですと、がん治療を受けなくて緩和治療だけをするという選択肢も当然あるべき道ですけれども、それがないというのは、情報としては非常に偏った、間違った形であるということで指摘させていただきました。

 もう一点は、今回、抗がん剤の試験ということと、ほかの治療がなかなか有効でないという身体的にも非常に重度な状態にある方が希望されているということですので、そういう意味では、説明と同意というプロセスが臨床研究である限りは必要なことです。多くの場合は口頭で説明されることが多いのでしょうけれども、説明文書を見たときに余りにも多い。最初は14ページありました。いろいろな無駄な、施設のために書いているような文章なども多々あって、それを読ませることの姿勢はいかがなものかと思いましたので、本当に必要な情報に減らせば、恐らく10ページ未満になると思います。今回、努力していただいて、10ページにおさめていただいたという経緯があります。

 私のほうで指摘させていただいたのは、この2点でございます。

○福井座長

 ありがとうございます。

 続きまして、試験実施計画書等の評価につきまして、手良向構成員から説明をお願いします。

○手良向構成員

 手良向でございます。

 試験実施計画書等の評価ということで、項目としては11項目ありますけれども、そのうち10項目につきましては「適」という判断をしております。

 1つ、7番の「患者の適格基準」につきまして「不適」という評価をしておりますけれども、それについてコメントします。

 まず、先進医療制度下で実施された第III相試験、別紙1の8ページ以降についていますが、この結果につきましては、先ほど山口先生が言われたとおり、一定の有効性が示唆されているということ、また、その安全性についても許容範囲であるという評価をした上で、この適格基準について申請者に問い合わせたところ、別紙1の6ページ、7ページに第III相試験と今回の臨床研究との適格基準の対応表があります。

 細かいところは幾つか違いがあるのですが、主なところだけ言いますと、まず選択基準1)「初発胃癌症例」というところが「胃癌症例」になっているということです。

 次の3)前化学療法についてという項目が削除されています。

 4)も少し変更されていますけれども、5)ECOG Performance Status0〜1が0〜3になっております。

 年齢が「20歳以上75歳未満」が「85歳未満」と変更されています。

 除外基準の1)卵巣以外の遠隔への転移を有する症例が削除されています。

 、除外基準の2)の緩和的胃切除術を施行された症例が削除されています。

 除外基準7)多量の腹水貯留症例が削除ということで、主なものだけを言いましたけれども、そういう変更があったということです。

 まず、懸念事項1ですけれども、これは今の適格基準・除外基準と直接関係ないといえばないですけれども、目標予定症例数100例と書かれていますが、そのうち30症例は、現在、行われている臨床試験での治療をされている方が登録される予定であると書かれています。これと、今回、申し出された患者さんの特性といいますか、患者背景との関係と、それが患者の申出を起点とするという、この制度の趣旨に対して、どのように考えるべきかというところが一つの問題。先進医療を継続されている方をこの研究に入れるという話であれば、それは別の先進医療を立ち上げるということとどこが違うのか、それが1番目の懸念事項でございます。

 それに対しまして、回答をいただいています。別紙1の16ページになります。

 現在行われているこの対象の患者さんに対する3つのレジメンがある。そのうち、今回のレジメンが安全性の面から一番いいだろうということで、そこに登録したいというコメントをいただいております。それが1つ目の懸念事項であります。

 2つ目の懸念事項は、今回、このレジメンは基本的に未承認で、承認されたときにどういう効能効果になるかもまだはっきりしていないという段階で、しかも承認されていませんから、使用上の注意などが明確でない。そういう段階で、かなり幅広い患者さんに投与することの安全性に対する懸念というのがあります。特に高齢者とかPerformance Statusあたりのことを、これはどちらかというと臨床的な観点ですが、それについて本当にそこまで広げていいものだろうかという懸念が2番目で、2つほどコメントを記載させていただいて、結論的には「不適」としましたが、ここで議論していただければと思います。

 以上でございます。

○福井座長

 ありがとうございます。

 続きまして、本技術に関しましては、先週9月15日に行われました先進医療技術審査部会で総括報告書が提出されております。その際に評価された直江構成員、大門構成員に、それぞれ簡単にコメントをいただければと思います。

 直江構成員、お願いします。

○直江構成員

 それでは、患−3(参考資料1)をごらんください。今、お話がありましたように、先週の9月15日、第48回先進医療技術審査部会で提出された資料でございます。

 第III相試験標準的治療S-1+シスプラチンをコントロールして、今回のパクリタキセルを腹腔内及び静脈内に投与し、並びにS-1内服を併用するという治療でございます。この第III相試験の結果を受けまして評価を行ったところでございます。

 先ほど既に山口構成員からもお話が出たように、詳しくは述べませんが、両群間で患者さんの背景に少し違いがあったということがございまして、後解析で見ますと、腹水が若干あったほうが有効性が示唆されるデータでございますけれども、これが公平に割り付けられなかったということが第1点。

 それから、第2点目は既にお話がございましたけれども、コントロールの治療をするべきと割り付けられた患者さんの中で、逆の腹腔内パクリタキセル投与群を患者さんの御希望で選ばれた方が6名ほどいらっしゃいました。ということで、結果的にはこのランダム化比較の評価の場合に、インテンション・トゥー・トリートという割り付けどおりに解析するという手法でありますと、有意差は残念ながら得られなかったということでございます。実際問題、このプロトコルどおりの治療を受けた患者さんに限ってみますと、有意差が得られております。

 特に、腹水が若干たまっている人たちにはメリットがありそうだということで、結論として有効だとは言えないものの、有効性が示唆されるのではないかということで、この評価では、資料の4ページにございますように、「B」という従来の技術を用いるよりも、やや有効ではなかろうかという結論に達したわけでございます。ただ、一部に1年、2年たってみますと、腹腔内投与されている人がよさそうではないかという患者さんの希望があるということは十分理解できるところでございます。

 安全性に関しましても、既にお話が出ましたけれども、血液毒性、特に治療強度が強いものですから、当然、併用群で発熱とか脱毛も強いわけでございまして、発熱性好中球を含めて懸念されるところでございますが、多施設共同研究で行われた100例以上の併用療法の結果を見ますと、もちろんメリットとデメリットのバランスで考えるべきものではございますが、副作用はもちろん懸念されますけれども、この試験においては安全に行われたのではないかという評価でございます。ということで、技術的成熟度としては、経験を積んだ医師または医師の指導があれば実施できるのではないかという結論でございます。

 以上でございます。

○福井座長

 ありがとうございました。

 大門構成員からコメントをいただければと思います。

○大門構成員

 大門でございます。

 山口構成員、直江構成員に丁寧に御説明いただいたので、それほどつけ加えることもないのですけれども、私も同様の評価をつけております。基本的には、統計的な優越性は示されていませんでした。いわゆる層別ログランク検定で、p値は0.08で、非常に惜しいところではあるのですけれども、厳密にいえば有効性は示されていません。しかしながら、先ほど御説明いただいたとおり、スイッチングの問題であるとか、腹水量に偏りがあったということが、この結果に至らしめた原因としてありまして、そのあたりを調整しますと有意な結果が得られているという点では、大幅に有効ではないにしろ、この評価結果にありますように、やや有効であるということで有効性が示唆されたと私も考えております。

 それから、安全性、技術的成熟度については、直江構成員と全く同じものになっております。

 以上でございます。

○福井座長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等、伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

 松井構成員が指摘された倫理的側面での指摘事項には応えてくれているということで、まずよろしいでしょうか。その方向で東京大学のほうは。それでよろしいですね。特に、患者さんの適格基準の拡大などが問題になるのではないかと思います。

 田代構成員、どうぞ。

○田代構成員

 先ほど手良向先生から丁寧に説明していただいたように、これは適格基準をどのぐらい緩めることが妥当か、ということが論点だと思います。

 それで確認なのですけれども、75歳から85歳に拡大するということで、高齢者のことが当然懸念されるのですけれども、あわせて下限が切られていて、以前だと20歳以上になっていると思うのです。今、同意文書も確認したのですが、未成年が入る体裁にはなっていません。レアなケースだと思うのですが、下限を全く定めないままで大丈夫なのかということを含めて、この下限を切っていることの意味を確認したいのです。

 選択基準では、「十分な理解の上、患者本人の自由意思による文書同意が得られた症例」となっており、20歳以上を想定しているような気もするのですが、現実には下はどこまでも行けるようになっているので、これは妥当なのかどうかということが少し気になりました。

 

○福井座長

 松井構成員、この点について何かございますか。

○松井構成員

 私自身は、本人の同意がとれるということで判断したので、特にこの下の部分は気にしなかったのですけれども、そもそも基準がもともとの先進医療のほうから変わっているときに、科学性の意味でこの試験をすることの根拠がかなり揺らいでしまっているというのがありまして、単なる同意説明文書という話ではなくて、この研究としてのデザインという意味では、手良向先生も既に御指摘いただいているのですけれども、そもそも基準が違うものになっている。しかも、それを患者申出療養の制度下で行うことの意味というのがよくわからないというのが正直なところであります。

○福井座長

20歳以下の患者さんがもし対象になるようですと、大学のいろいろな手続とか、ほかの同意書関係の準備が必要になるということですね。それは、今のところ資料としては入っていないということもあるということでしょうか。

○田代構成員

 実際にそういう方が入る可能性を考えられて20歳以下というところを削られているのか、それともそうではないのか、意図がわかりかねるところがあります。もし実際入るとすれば、親の署名欄も必要になってきますし、このままの形では前に進まないと思うのですけれども。

○福井座長

 山口先生、実際的には20歳以下の人は余りいないですね。

○山口構成員

20歳より若い方は大変珍しいですけれども、高校生に何人か手術し他経験があります。ていますし、そういう方は、実はお年寄りの胃がんと違って、こういう病態になりやすいつまり、腹膜播種が早期に来て、極めてミゼラブルで、そういう方にこういう治療ができたらいいと思いますので、そういう手続さえちゃんとできれば、下限のほうは、安全性の点から拡大して問題ないのではないかと思います。

○田代構成員

 もちろん医学的に問題がなく、患者さんにとって希望の持てる選択肢になり得るのであれば、下限を緩めること自体に問題があるわけではないと思います。考え方自体をはっきりさせていただいて、そういう病態の方もいらっしゃるので20歳以下にしたい、と説明して頂く必要はありますが。その場合には、16歳以上であれば本人の同意と親の同意と、どちらも得ていただくという形を整えていただければ、それでいいのかなと思いました。

 

○福井座長

 この適格基準、年齢のところを広げる方向でもし認めるとすると、同意書関係の手続を整備してくださいという条件がつくことになると思います。

 それ以外にはいかがでしょうか。

 天野構成員、どうぞ。

○天野構成員

 ありがとうございます。

 まず、1点目でございますが、今、議論いただいている適格基準もしくは除外基準の議論についてでございます。もちろん、そういった除外基準等の議論については、医学的観点から有効性と安全性を担保する形で、専門の先生方に御議論いただくものと理解しておりますが、患者の立場から一言申し上げますと、この先進医療に対して、期待されている胃がんの患者さんが多くいらっしゃる。例えば、医療機関で胃がんの治療等を受けまして、その後にこの先進医療の存在を知る。しかし、前治療歴があると参加できないという先進医療の規定になっていたかと思います。そうすると、参加できずに大変悔しい思いをされている患者さんがいらっしゃるということも聞き及んでおります。

 ですので、医学的に有効性・安全性を担保する形で、例えば前治療歴があるような患者さんについては、基準を緩めることが可能であれば緩めていただく。また、そうすることによって、もし安全性に問題であるとか懸念等が生じる可能性があるのであれば、説明文書の患者さんの不利益の部分、現在、端的にわかりやすく書いていただいてはいるのですが、基準が広がることによって、そういったリスクが高まることがあるのであれば、説明文書にもその旨を記載していただくという形で御対応いただければと考えております。

 2点目でございますが、今回、1例目ということで、そもそもの質問になって恐縮ですが、この研究は先進医療で相当程度の経験が積まれているものですので、一定程度の有効性や安全性は確認されているものとは思います。とは言っても、特に安全性の観点から、何か重大な問題が生じた際に、プロトコルを拝見しますと、効果安全性評価委員会で御検討いただいて、試験全体の中止ということもあり得るということが記載されているかと思います。その場合、この患者申出療養という制度において、どういったプロセスで試験全体の重大なリスクに関する情報がこの会議等に共有されて、場合によっては中止となるプロセスになっているかを教えていただければと思います。

 3点目でございますが、患者申出療養という性格から考えて、患者さんに対して補償を行うことは難しいことは理解しておりますが、補償がないということについて、どういう理由でなっているのかということについて、説明いただけるのであれば説明いただきたいと思います。

 3点、以上でございます。

○福井座長

 1点目をもう一回説明してください。

○天野構成員

 1点目は、患者の立場からすると、例えば前治療歴があるなどの基準を今回広げることになっていることについては、有効性・安全性に問題がない範囲で、そういったことを検討いただければということを考えているということ。かつ、その場合、リスクが広がるのであれば、説明文書にもその旨をしっかり記載していただくことをお願いしたいということです。

○福井座長

 ありがとうございます。

 2番目と3番目について、事務局なり、評価された先生なり、お答えできる。

 山口構成員。

○山口構成員 

天野さんのおっしゃることはよくわかるのですけれども、この研究は非常に期待されて先進医療が行われましたけれども、うまくいかなかった原因の一つは、患者さんの要望に従ったために研究の質が落ちてしまったということです。もしそれがちゃんと行われていれば、これは何の文句もなく保険収載されたかもしれません。とはいえ、おっしゃるとおり、患者申出療養の精神から言えば、そういう方も入れるべきだと思いますけれども、例えば、今おっしゃった前化療がちょっとあっただけで除外されるというのは含まれてもいいと思います。

 でも、例えば、卵巣以外の遠隔転移を除外しないということになると、肝転移もあって、肺転移もあって、ちょっとだけ腹膜播種がある。本治療法は、主に腹膜播種をターゲットとした化学療法です。ですから、そこまで広がってしまうと、患者さんにとって本当にメリットがあるものかどうかわからなくなってしまうので、そういうところは絞らないと、この後、データを解析したときに、次のステップに進めなくなってしまう。つまり、前と同じ轍を踏むのではないかということがちょっと懸念されるので、その辺は兼ね合いが難しいところだと思います。

 ですから、私も前化療については、おっしゃるとおり緩めてもいいのではないかと思いますけれども、85までそういう医療を広げるかということについては、男性の寿命が80歳ほどであることを考え合わせますと不安がありますし、そのあたりのさじかげんというか、きょう、専門の先生、たくさんおられるので、適格基準がここまででどうかということをここですり合わせていただければいいのではないかと思います。

○福井座長

 今の点につきまして、もしよろしければ、専門家の先生方にちょっと伺いたいのですけれども、そもそも先進医療下の第III相試験で、選択基準で初発のみと制限をつけた理由です。つまり、有効性と安全性にバイアスがかかると判断した考え方というか、初発のところなり、前化学療法を受けていないとか、胃切除を施行されているかどうか。それから、先生、さっきおっしゃった転移、腹水貯留の有無というのが、それぞれが有効性と安全性にかなりバイアスをもたらす要因ということで適格基準の中に入ってきていると思うのですけれども、その背景といいますか、どういう論理でそうなっているか、教えていただければ。

○直江構成員

 後で山口構成員から補足してもらってもいいですが、先ほどおっしゃったように、腹膜播種を伴った胃がんというのは非常に予後が悪いという中で、新たな標準療法を確立するというのは、皆さんが基準としているのは、生存が延びるということは間違いなくエビデンスとして認めている。という中で、限られた寿命しかない方に前治療があるということは、非常に圧倒的に不利になります。今、おっしゃったように、条件をそろえるという意味では、化学療法を受けていらっしゃらない患者さんに限って、標準療法と新しい治療を比較するというのは、これは一般的なエビデンスを構築するための臨床試験の方法だと思います。

 私も、この患者申出療養制度を使う中で適応拡大をどういうふうにすべきか。つまり、臨床試験というのは、その治療法がいいということを出すのが目的ですから、できるだけ土俵を狭くするといいますか、患者さんの適応を厳格にして、差が出やすい患者さんに絞ったほうがエビデンスは出やすいと思います。ただ、それから外れてしまう患者さんがいらっしゃる。あるいは、試験が行われないときにどうやって救済するかという問題が出てきた場合に、どこまで広げるのかという今の手良向先生のディスカッションだと思うのです。

 この治療法は、先ほど多施設共同で行われて安全性も許容できる範囲ではないかと申し上げたのですが、よく見ますと、例えば半数の患者さんに好中球減少が出ている。確かに好中球が減って、発熱には有意差はなかったのですが、明らかに感染症のリスクが高くなるということが出てまいります。既に化学療法を何度か受けていらっしゃる方に、セカンドチョイスあるいはサードチョイスとして、この治療が用いられる。あるいは、パフォーマンスステータスが3というのはかなり厳しい状態ですね。そういう患者さんに行われる。あるいは、上限85歳とする。

 恐らく、今、申請されてきた東京大学の先生方は、このぎりぎりの患者さんならば入れようと思われているわけではなくて、個別に考えよう、総合的に考えようと思われているのだと思いますが、議論の中で厳しくしたほうがこの会議としていいのか、それとも、それは患者さんと施設に任せて、ある程度安全性の情報を途中でモニターあるいは報告をいただくほうがいいのか。僕は、ここで間口を狭くしてしまうと、この会議の意味がないようにも思います。ただ、安全性がこれで損なわれるようなことになってしまうと、本来、筋のいい治療法を広げることができなくなる。あるいは、この治療法にクレームがたくさん出てくるということは望むところではないと思うのです。

 それをどうやって解決するかというと、ある程度安全性情報を出してもらいながら、例えば途中でプロトコルをアメンドしていくことしかないのではないかと、今のところ、私は思っています。

○福井座長

 つまり、研究として有意差を出しやすくするために適格基準を考えている項目と、本当に患者さんに安全性、または危害という意味で問題だからということで適格基準から外しているという、恐らく幾つかの考え方があると思うのですね。ですから、例えば前治療を受けている患者さんであっても、確かに予後がもともと短い方が多いですので、研究としては有意差が出にくいのですけれども、短期間でも予後はよくなるということは十分考えられるのではないかと思います。そういう意味で、研究として有意差をできるだけ短期間で出すためにというのと少し分けて考えないと、この適格基準はだめじゃないかと私、個人的には思います。

 ほかにはいかがでしょうか。

 石川構成員、どうぞ。

○石川構成員

 患−3の参考資料2の「はじめに」という患者申出療養の制度設計は、ホームページにも載ったりして、何回も読み込んでいるのですけれども、2番目のフレーズの「困難な病気と闘う患者の思いに応えるため」ということが、この一番の主たるものだと思うのです。ここが申出療養の精神だと思います。

 そういったことから考えますと、本日、最初の症例で手良向構成員がおっしゃった適格基準の問題というのは、今後、こんなにきれいな状況じゃなくて、もっと適格基準に合わないものが予想されることは明らかだと思います。そういうことから考えますと、今までの議論をお聞きしていまして、いろいろなところに研究と出てきますけれども、申出療養を研究の位置づけにするのかどうかということがまず1つですね。

 それから、この中は併用療養費制度でありますから、将来の保険収載ということを向こうに見て、この療養制度について協議するのだと思うのですけれども、果たして30ページ、31ページの事務局がお書きになった概要図、そしてロードマップのように、うまく保険収載までの道につながるとはとても思えないです。例えば患者申出療養の30ページの図で見ますと、予定症例数100例と書いてありますけれども、この100例というのも、これから出てくる患者さんの申し出によって、この100例の中にどのぐらいの枠で入れられるのかということまで考えますと、また新たに100例の適格基準を考えなきゃいけなかったりするのだと思うのです。

 そもそも、この申出療養そのものの根本の設計といいますか、それが本当にこのロードマップのような形でいいのだろうかというのを、ちょっと感じました。ですから、私は困難な病気と闘う患者の思いに応えるためにということを、最大限取り入れるということであれば、この適格基準からかなり逸脱する部分が出てきたり、しかし、その安全性とか有効性を確認する、それがこの会議の一つの役割かなと考えました。

○福井座長

 原田構成員、どうぞ。

○原田構成員

 私もそう思います。患者自身は、一日も早い、保険収載を迅速に進めるということ、この制度の意味があると認識しています。患者申出制度の適用条件拡大というものが認められた場合に、期間が来年10月までの1年間、100の症例数が検討会議や公知申請が、さらに1年間延びてしまうのではないかという懸念をするのですけれども、その辺はどうなのですか。

○福井座長

 事務局から何かございますか。

○原田構成員

31ページのロードマップを見ていても、懸念をするところです。

○福井座長

 石川構成員がおっしゃった患者申出療養のデータを研究として発表してもらうということも、倫理的にということ、確認ですけれども、石川構成員からそういうお話がございましたので。

○医療課企画官

 事務局でございます。

 石川構成員の御質問に関してでございますけれども、まさに参考資料2にありますとおり、患者申出療養の制度設計については、「はじめに」にあるとおりの精神だと私ども、思って、このように運用したいと思っております。その上で、将来的な保険収載へ向けた実施計画の作成を臨床研究上、求めているということでございまして、将来的には保険外併用療法から保険適用を目指したエビデンスを蓄積していくという趣旨からすると、研究に該当するものである。また、計画が終わった後には、総括報告書のような形で、当然こちらのほうに評価していただくということで考えているところでございます。

○福井座長

 一色構成員、どうぞ。

○一色構成員

 私は、がんのほうは専門ではないのですけれども、今の議論をちょっとお聞きして感じたことですが、申出制度が、今おっしゃったように研究でされることになりますと、ネガティブな結果が出た場合には保険収載の道は考えられなくなるという前提になっているという理解でよろしいのでしょうか。もしそうだとすると、ここでは有意差が出るような研究プログラムで動かさないと、せっかく患者様が希望されている声を反映できないことになるのではないかと思いますし、そうすると適格基準を広げるということが、本当にそれがメリットになるかどうかということを考えて計画しないといけないだろう。

 ですから、今、お困りの患者さんのために一生懸命やればやるほど、下手をすると将来の患者さんのためにはならないかもしれない。そういう視点をちゃんと持って、患者様の声をうまく調整するという努力がどうしても必要になるのではないかと思いました。

○福井座長

 新谷構成員、どうぞ。

○新谷構成員

 今の御意見を受けまして、第III相試験で有意差が出なかったということで、出ない理由がいろいろあったということは理解しているのですけれども、今回の研究は非対照ということでコントロール群がいない研究で、どのようにして有意差を出していくのかということで、やった結果、結局比較できなかった。そうすると、確固とした有意差が出た研究はないので、結局、保険適用にならなかったということも考えられるのではないかと思います。ですので、本研究のデザインのもとに行われて、何を目指していらっしゃるのかということを少しお聞かせいただけますでしょうか。

○福井座長

 山口構成員。

○山口構成員

 もともと抗がん剤でも、きちんとしたデータがあって、標準的なものが確立した分野はそれがいいと思いますけれども、そもそも確立したものがなくて、全身投与も本当にいいのかどうか、実はわからないです。その中で何らかのスタンダードをつくるとしたら、幾つかエビデンスがありますから、十分じゃありませんけれども、こういう治療を100例とか200例やって、それを何もしなかった人と、ヒストリカルなコントロールでもいいですから、比べて、誰でも納得できる差があれば、そこからスタートしてもいいのではないか。

 でないと、今回の試験を見てもわかりますけれども、臨床試験というのは患者さんの申し出があったときに、絶対最初のとおり、こっちしかやらないということは言えませんので、またそういうことが起きると、先ほど申しましたように、同じことが起きるので、そういう懸念はもちろんありますが、シングルアームでも決してエビデンスが出ないわけじゃないと私は思います。

○福井座長

 石川構成員。

○石川構成員

 私も今の御意見に賛成です。これをやったら、全て保険収載につながらないということを言っているのではなくて、今回の例はなかなか難しいなと思っても、これから先、いろいろな疾病で申出療養がされた上で、これは今までうまく第III相までできなかったけれども、結構症例が集まって、保険収載の道があるものもあると思います。

 しかし、我々が今、一色先生がおっしゃられましたように、この患者さんが申し出されているという立場を考えて、安全性・有効性についてだけ考えて、将来的なことについては、結果論として保険収載される形が、私は一番よろしいのではないか。そのために、例えば100例という数を区切ることについて、いかばかりの理由があるのかということも考えなきゃいけないかなと思います。

○福井座長

 大門構成員。

○大門構成員

 先ほどから議論されているように、対象集団を拡大するということによって、逆に言うと安全性と有効性が証明されていない治療が与えられる可能性があることを考えますと、実施計画書というのはきちんとつくり込む必要があると思います。ただ、実施計画書を拝見していますと、新谷構成員も指摘されているとおり、単アームの試験である。これはいたし方がないということは私も理解するところではあります。

 ただ、その根拠となる100例については、これは実施計画書をごらんいただくとわかるとおり、症例集積の可能性の視点から議論されておりまして、本来ならば、この100例で、例えば予期される有害事象がどの程度の頻度のものが検出できるのかといった議論が抜かれた状態でやられているというのは、ここはもう少し考えていただく必要があろうかと思います。

 一方で、同じページに書かれているのですけれども、先進医療の結果によって保険収載がなされたとすれば、この試験は閉じるという文言も残っておりまして、これは閉じていいものなのかというところは、ちょっと疑問に思うのです。なぜならば、これは山口構成員が言われたとおり、この治療法自体がまだきちんと安全性・有効性を見ないといけない段階のものであるということですから、閉じてはいけないでしょうし、それ相応の、何かこの試験をやることによって、将来の患者さんにも、あるいは現在の患者さんの貴重なデータを生かしながら、きちんと物が言える状態のものを設計する必要はあろうかと思っております。

 以上でございます。

○福井座長

 上村構成員。

○上村構成員

 これが例えば治験であれば、第III相試験の段階である程度有効性というものが確立した状態で世に出てきて、世に出ると、フェーズ3で対象としていた患者さんよりも、適格性という意味では少し拡大するような形で市場に出ていく。その中で、特に安全性に対してのサーベイランスをきちんと行っていくという枠組みで、データが集積されていくというのが通常だと思います。

 今回、ちょっと難しいのは、研究者はこの患者申出療養をどのように全体のスキームの中で位置づけているのかというのを私は完全に理解していないのかもしれないですけれども、基本的には第III相試験に入っていた患者さんも含めて、いろいろな患者さんの要望があって、これを保険収載するまでの間に、これからも治療を続けていきたいという患者さんもいらっしゃるということに対する要望に応えるということで、この患者申出療養を使われていると理解しているのですね。

 目的としては、もう既に議論されているように、安全性に対する評価もある程度やって、安全性のデータベースもある程度大きなものができるだろうということは予想できるわけですけれども、有効性ということに関しては、この患者申出療養をやることによって、何か追加的なデータが、決定的なものが出るとはちょっと思えない状況なわけですね。なので、考え方として、既に実施されたフェーズ3のデータを使って、将来的にかなりの確率で、これは保険収載するのだということであれば、枠組みとしては非常にすっきりするのではないかと思います。

 これがもしもそうでなくて、保険収載ということに関して言うと、第III相データに少し問題があったということも事実ですので、これでは結論が出ないという話になると、もうずっとこのまま、特に有効性に関してのエビデンスが余り確立しないまま進んでいくことになってしまって、長い目で見ると、患者さんにとってはよくないことも考えられるのではないかと思います。ですから、今、ここで決められることではないのですけれども、第III相試験のデータが今後どういうふうに使われていくかということも少し考えないと、この患者申出療養をどう位置づけるかというのは難しい問題じゃないかと思います。

○福井座長

 ほかにはいかがでしょうか。

 新谷構成員。

○新谷構成員

 患者申出療養制度の中で比較群がある、ないという議論が今あったのですけれども、そのことに加えて、1点、質問させていただきたいのですが、今回、試験費用は患者さん負担という枠組みで、比較群を置くとなったときに、患者さんはコントロール群、実薬を受けられない可能性が半分あるような研究にお金を支払っていただけるのかという、そもそもの質問が今、ちょっと心に浮かんだのですけれども、そちらのほうはいかが思われますでしょうか。

○福井座長

 これは、もともと比較群は設けないという、全くのシングルアームですので。

○新谷構成員

 この研究に特化したものではなく、患者申出療養制度で行われる研究自体、比較群を持つ研究をほかの研究と同様、推奨していくべきなのか、それとも費用が患者さん負担ということを考えると、今回のような計画もふだんの研究よりは考慮していかなければいけないのか。評価をする際に、どちらを起点に考えさせていただければいいのか、ちょっとわからなくなったものですから。

○福井座長

 事務局のほうで何かございますか。私が理解しているところでは、もともと対照群を設けてどうのこうのという話ではなかったように理解しているのですけれども、いかがですか。

○医療課企画官

 事務局でございます。

 先進医療でもそうでありますし、この患者申出もそうであると思っていますけれども、患者申出療養制度も先進医療も保険外併用療養で、その部分に関しては保険と自己負担を併用する。いわゆる制度的に認められた混合診療ということでございます。その高度の部分に関して、患者様に自己負担を求めるという整理になっているところでありまして、そうじゃないところに関しては患者さん負担を求めないというところであります。

○福井座長

 原田構成員。

○原田構成員

 東大の資料にもありましたように、費用的な問題が気になっているのです。この患者申出制度を使うことによって、保険診療より高く、自由診療より安いという結果があって、この患者さんは先進医療をやっているために費用が免除されています。管理費用等を含めて、自由診療より結果的に上回ることがないようにその辺の配慮を検討願いたい。○福井座長

 事務局からどうぞ。

○医療課企画官

 費用に関してのお尋ねでございましたけれども、ごらんいただいたらわかるとおり、従来の先進医療でやられていたものと、そう大きな乖離はない自己負担の設定になっていると、事務局では承知しております。

 その上で、座長、1点、よろしゅうございますでしょうか。

○福井座長

 はい。

○医療課企画官

 また、先ほどから保険収載の話が出ておるようでございますので、それについて事務局で整理させていただきたいと思います。そもそも保険収載する、しないは、中医協のほうで技術とともに承認していただくことでございます。今、先進医療という制度がございまして、そちらでは2年に1回、これは保険収載してもよいのではないかという整理をしておりますけれども、一義的には保険収載を決めるのは中医協が考えることでございます。

 ここで御議論いただきますのは、まさに制度設計の「はじめに」にありますとおり、そもそも患者申出療養ができたときの趣旨を御確認いただいて、その上で、安全性・有効性について、どこまでだったら許容できるかということを御議論いただいて、臨床計画として、この原案を作成した東京大学のほうでプロトコルを作成して、そのプロトコルが安全性・有効性上、どうかということを御確認いただく場であります。申し上げたかったのは、将来的に確かに保険収載ということが視野にないわけではないのですけれども、ここでは一定の安全性・有効性をどこまで許容できるかという御議論をしていただいたほうがよろしいのではないかと思って聞いておりました。

 もう一つ、これは薬自体も未承認でございますので、薬事承認も当然、そのプロセスの中には入ってくるところでございます。

○福井座長

 上村構成員。

○上村構成員

 今の話、ちょっと戻って申しわけないのですけれども、患者申出が始まったときに、特定機能病院等に対する説明会があったと思うのですけれども、そのときのお話では、これは臨床研究として位置づけるのだということをかなり明確にメッセージを出されたと思います。その中で、プラセボを使ったような研究も含めて議論されたように記憶しているのですけれども、その辺、御確認いただいて、患者申出療養というのは基本的にはオープンラベルの対照群を置かないようなことを想定しているのか、それとも研究という枠組みの中で比較するようなことも含めて、それもしてはいけないことなのかも含めて、はっきりさせていただけたら。多分混乱する可能性があります。

○福井座長

 どうぞ。

○医療課企画官

 質問の意図を十分酌み取れているかどうか、ちょっと不安なところがございますが、まずは、この患者申出療養に関しましては、臨床研究であるということは明確であると思っております。その上で、この患者申出療養でどのようなエビデンスを出していただくかということでございますけれども、それは例えば先進医療Bのように、プロトコルを厳密に審査してというもの、これはどちらかというとエビデンスが出やすいように、そういう対象を置いてというもの、プラス、もう少しこちらの設定が広いと思っております。

 保険収載に向けた中でも、このエビデンスだけをもって議論するわけではなくて、この患者申出療養で得られた新たなものがあれば、それも補助的には検討の対象にして、また保険適用の検討をしていくという位置づけになるのではないかと思っております。ですので、患者申出療養で組まれる臨床研究というものに関して、この患者さんの思いに応えるというところを酌んだ上で、有効性・安全性ということをどこまで許容していただけるかということだと思っております。

○福井座長

 難しいですね。つまり、臨床研究の科学的厳密性をどの程度担保する必要があるかということと、患者さんの意向とのバランスということになりますので、研究データとして本当にどの程度の厳密性を求めるのかがもう少し明確にならないと、目の前の患者さんのために安全性の評価だけで進んでいいのかどうなのかが、恐らく構成員の皆さんは、そこのところがもう一つはっきりしないのではないかと思います。保険収載に向けての質の高いデータというのは、このスキームでは出ないですね。ですから、それも覚悟の上で進めていいかどうかという話にもなると思います。

○医療課企画官

 端的におまとめいただきまして、ありがとうございました。この患者申出療養の計画で出る科学的なエビデンスだけで保険収載を検討するものではないと思っております。

○福井座長

 新谷構成員。

○新谷構成員

 先ほど質問した内容にもかぶるのですけれども、そもそもこの枠内でプロセボ対象の試験をやった場合に、プラセボを受けた患者さんは費用的には支払わなければいけないことになるのでしょうか。そうすると、その時点でシステム的に難しくなってくるのではないかと思うのですが。

○福井座長

 プラセボをやることになっていたのでしょうか。そこのところの確認。

○上村構成員

 プラセボを使っていいのかということですか。この試験のことではなく。

○新谷構成員

 この試験のことではなく、一般的な。

○山口構成員

 患者申出療養は、患者さんがこういう治療を希望されるわけですから、シングルアームしかあり得ないと私は思います。

○新谷構成員

 そうしますと、シングルアームですと、有効性のところはきちんとしたエビデンスは出ないと思います。そうすると、最初から安全性を目指す目標を変えるというのも、整理するという面でいいのではないかと感じます。科学的には対照がない研究で、有効性はかなり厳しくなってくると思います。

○福井座長

 医療課長、どうぞ。

○医療課長

 企画官も少し休ませてやらないと考える時間がないので、同じことを申し上げるのですが、資料患−3(参考資料2)、これは先ほど石川構成員も触れられた話ですけれども、基本的にいろいろ御議論があって、積み重ねて制度運用に至っているのですが、その過程で、この「はじめに」というところに非常に端的にまとめさせていただいているところです。

 パラグラフが3つありますけれども、2つ目のパラグラフが非常に重要なパラグラフで、今、御議論になっている患者申出療養というのは、そもそもの位置づけとして、困難な病気と闘う患者の思いに応える。この意味の中には、文字としてあらわれていないけれども、例えば治験でありますとか臨床研究がさまざまあって、しかし、そこから外れてしまうような患者さんもおられて、そういった方々は病と闘っておられますねということを言外に含んでいるのだという理解でおります。

 そうなった患者さんも含めてですが、患者さんの申し出を起点として、すなわち治験とか先進とか、既存の薬事承認を目指すようなプロトコルに乗った患者さんは、プラセボの問題はもちろんあるのですが、それで一定程度治療がなされる。そうでない方も含めて、患者さんの申し出を起点として、安全性・有効性を確認しつつ、身近で迅速でということです。

 3パラ目に具体的に、国の役割、制度運用が書いてあって、2点、国の役割が記載されていて、1点目は、安全性・有効性を確認すること。これは御議論があったとおりで、幾ら患者申出療養であっても、患者さんに明らかに不利益になるような医学的な観点、医療の観点もそうでしょうけれども、そこは確認することが求められていて、この場でぜひ御確認を有識者の方々にお願いしたいというのが1つ目です。

 その次ですが、保険収載に向けた実施計画作成を臨床研究中核病院に求め、国において確認。この国において確認するのが、臨床研究中核病院が策定する、保険収載に向けた実施計画ですが、この内容について幅があります、という話だと思います。ですから、今、お話させていただいたのは、治験とか先進医療とか、一定の枠組みはもちろんあった上で、この運用を求めていますので、それよりもエビデンスのレベルはもしかしたら低いでしょうねということです。ですが、一定程度、何らかの形で保険収載に向けた、一歩でも半歩でもいいのですが、進める方向で計画をつくっていただきたい。それをこの場で確認していただきたいということです。

 ただ、正直、これには幅があります。しかも今回、1例目ですので、いろいろ御議論いただきながら、少しずつそれを形にしていくという、我々としては受けとめで、この制度の運用をぜひ本来の趣旨の、困難な病気と闘う患者さんの思いに応えるという趣旨に沿う形で、形にしていただけないかというのが現時点での事務局の思いでありまして、企画官もそういう趣旨で説明しているという理解でおります。

○福井座長

 石川構成員。

○石川構成員

 済みません、さっき第2フレーズのところしか言わなかったのですが、第3フレーズは、これは今の御説明のとおりだと思うのですけれども、実はこれがあることによって、今回みたいにTS-1を使ったり、臨床的に随分いろいろなところで使われているお薬だったらわかるのですけれども、そうでない場合に、臨床研究中核病院が実施計画を第3フレーズのもとでつくるというのも、患者さんの申し出によっては困難なものもあるのではないかと思うわけです。

 そうすると、その次の取扱いについてという文章の中をつらつら見ますと、研究ということが随分ありまして、基本的には臨床研究として実施されるとかあるのですけれども、研究というのは、基本的には、やったら総括とか研究報告というものを出さなきゃいけない。だけれども、本当にそういうことまで今回の申出療養の中で臨床研究中核病院に求められるのかというのは、さっき疑問はあったのですけれども、それはちょっと言わなかったのです。今回みたいな例は非常にわかりやいので、まだいいのですけれども、もっと複雑なものが予想されるので、臨床研究中核病院はこれから本当に大変だということが予想されます。

○福井座長

 ほかにはいかがでしょうか。

 山口構成員。

○山口構成員

 患者申出療養制度全般について、今、議論が進んでいますけれども、この事例については、もし先進医療の第III相試験がきっちり出て、有効であるということであれば、保険収載、問題なし。もし先進医療がネガティブな結果であれば、これもやめたほうがいいとわかっているのですけれども、今回の結果がグレイで、有効性を示唆する。これがどのような形で認められているかわからないという状況の中で、患者さんはこれをやってほしい。そこをすくい上げるのが、この制度なので、これは非常にいい対象の一つだと思います。

 というのは、先進医療である程度事実について評価されていて、安全性も評価していますので、そんなにむちゃくちゃな治療ということはない。今後の問題としては、確かにいろいろなものが出てくるのですけれども、今、これをどうするかということを早く決めないと、時間がどんどんたって、患者さんが何もできないまま終わってしまうというところをきょう、議論しなきゃいけないと思います。できれば、適格基準、ここまで許せる、許せないということをここではっきりして、早く前に進めてあげる議論に進めたほうが私はいいのではないかと思います。

○福井座長

 ほかにはいかがでしょか。

 それでは、その方向で今から御議論いただきたいのですけれどもね。

○山口構成員

 言い出しっぺなので、いいですか。私は、先ほど言った適応の問題で、いろいろな遠隔の転移があちこちにあるのに、腹膜播種をターゲットとした化学療法をやるのは、理論的にも余り理に合わないと思いますので、それはちょっと除いていただきたいということ以外は譲ってもいいのではないかと思います。

 以上です。

○福井座長

 私もそういう議論が適格基準については必要だと思います。単に有効性を研究として有意差を出すために狭めているとか、そういうところと、先生がおっしゃった意味とは随分違うと思いますので、そこのところで安全性を担保するという議論をしていただいた上で、有効性が示唆されているという治療法ですので、患者さんの意向を取り上げるという意味では、医科学的にといいますか、生物学的に、人の体の構造と機能から言って、この適格基準はそのまま広げても、当然、理論的に大丈夫じゃないかという点は広げるという方向で、この委員会としては認めていただければと思いますけれどもね。

 直江構成員、どうぞ。

○直江構成員

 私もそういう前向きな点で言いますと、先ほど言いましたけれども、1点だけ気になっているのは、PS3というところ。我々、化学療法を行っている者としては、これまでがPSは0から1だったのです。これを3に広げるというのは、お年寄りの上限も上に行きますし、私は2ではないか。これは、もちろんエビデンスのある話ではないです。私の感覚ですけれども、3の方は非常にトラブルが多くて、かなり難しいのではないかと思います。なので、そこは検討の余地があるかなという感じがいたします。

 それから、先ほど安全性と科学性の話がありましたけれども、これはあくまでも探索的な臨床試験仕立てでやらないと、あちこち適当な治療法がモディファイされながら、個々の施設が独自のプロトコルでやって、後で何も生み出さないということを行わせないための、僕は制度だと思っているのです。これは、少なくとも安全性については、僕はデータは出ると思います。もちろん、エビデンスという有効性に関しては、ほとんどないじゃないか。そのとおりです。それは、コントロールのある、きちんとしたフェーズ3は別にやるわけです。

 それに救われない患者さん、例えば今回もフェーズ3は終了して、患者登録は終わっているわけですね。そういう患者さんをどうするか。あるいは、ちょっとずれた患者さんをどうするのかというところで言うと、患者申出というのはある程度コンパッショネート的なところがあるのですが、試験だということの歯どめは必要だろう。そういう感覚では、皆さん一致しているのではないかと思っています。

○福井座長

 その方向でよろしいでしょうか。

○上村構成員

 ちょっと確認。

○福井座長

 上村構成員、どうぞ。

○上村構成員

 これは、基本的には患者さんが何人かいらして、その患者さん方からの申請がなされているという理解でよろしいですね。そうすると、患者さんのコンディションの基準等に関して、ひょっとしたらその患者さんのパフォーマンスステータスが実は3だったとか、遠隔転移がいっぱいある患者さんだったという話になっていくと、その患者さんは申請自体を取り下げられるという可能性もあるのですか。それはどういうふうに今後対応していくことになるのですか。

○福井座長

 どうぞ。

○医療課企画官

 事務局でございます。

 そもそも患者申出療養は、患者さんが申し出をされて、そのときに患者さんが希望される治療について、臨床研究中核病院でそのプロトコルを書けるかどうか。書けるものに関して、それが意見書として、患者さんの申請書に添付されて提出されてくる。その添付された臨床研究計画を今、御審議いただいているものでございます。

 もし臨床研究計画自体が、こちらの議論で、そもそもできない、あるいは適格基準が希望されている方に合わないということになったら、それは患者さんにとっては申請するという利益はありませんので、恐らくそこは申請理由自体がなくなってしまうかなと思っておりますので、その場合はこの臨床研究は実施されないことになるのではないかなと思っております。そこは、患者さんの状況に応じて、今、PSが3なのかどうなのかということよりは、ここは、提出された臨床研究計画は、既に先進医療Bでやられた総括報告書を踏まえて、どこまで許容されるかという観点で御議論いただければと思っております。

○福井座長

 よろしいでしょうか。

 臨床研究の厳格性は、申しわけないですけれども、二の次に考えるということになるでしょうか。患者さんの今回の意向を、どちらかというとより重視するという方向での判断ということになるのではないかと思います。いずれにしても、このケースでは、適格基準について何か条件をつけて認めるかどうかということですけれども、今まで出ました御意見では、山口先生から、卵巣以外の遠隔への転移を有する症例というのは、これは除外基準に入れたほうがいいのではないかという御意見と、直江構成員からは、パフォーマンスステータスが3はちょっと外したほうがいいのではないかという御意見が出ましたけれどもね。

 寺田構成員、どうぞ。

○寺田構成員

 僕もPS3というのが非常に気になっていまして、多くのがん種ではPS2ぐらいまでが実臨床でやられているのが現状で、PS3でやってもいいと言われているのは、肺がんとか。一部ガイドラインなどで規定されていたりするので、実臨床に合わせるとPS2ぐらいがまだ許容できる範囲ではないかと考えます。

○福井座長

 ありがとうございます。

 それでは、その2つの条件をつけて、それから20歳以下の患者さんを組み入れることを想定されているようでしたら、同意書関係の手続を整備するように。

 田代構成員。

○田代構成員

 同じことですけれど○福井座長

 はい。

 それ以外に御意見ございますでしょうか。

 原田構成員。

○原田構成員

 「患者申出療養の制度設計について」の「はじめに」という、未承認薬等を迅速に保険外併用療養として使用、あるいは困難な状況と闘う患者の思いに応えるため、患者からの申し出を起点とする新たな仕組みとして創設されたとありますけれども、患者の願いというものは、保険外併用療養として使用したいと、必ずしもそう思っているわけじゃありませんけれども、迅速に審査を進めて、安全で有効な医療を一日も早く保険収載してほしいというのが本当の気持ちなのです。そこに照らし合わせて、今後も進めていければと思っております。

 保険収載をおくらせることになったり、患者にも多大な費用負担がかかるということがないように、お願いしたいと思っております。

○福井座長

 その点では、保険収載に非常に役に立つ研究成果がこのスキームではなかなか出にくいということは、覚悟の上で決めていくということではあると思います。

○原田構成員

 はい。

○福井座長

 ほかにはいかがでしょうか。

 松井構成員。

○松井構成員

 今のコメントに対してコメントですけれども、患者さんの側として、保険収載された、つまり有効性・安全性についてエビデンスが得られたものを早く欲しいのか、それともそういうものがなくても、何かの最期の希望的な手で、それが本当に効くかどうかわからないけれども、それに手を伸ばす。制度的にそれを担保してほしい、どっちなのでしょうか。前者であれば、きちんとエビデンスが出る臨床試験を組まない限り、できないと思います。

○原田構成員

 この方の場合を見ていますと、第III相の先進医療は終了していますし、あとは自由診療もしくは患者申出療養制度と、この2つしかないと思います。本人の希望も患者申出制度でやってほしいと言っているわけです。この制度でつなげてみたいというところであるだろうと思います。

○福井座長

 ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。

 天野構成員。

○天野構成員

 若干細かいのですが、今後、公知申請等に進んだ場合、保険収載に仮になった場合、この患者申出療養に参加されている患者さんが速やかに保険適用されることを担保していただけるということはよろしいでしょうか。

○福井座長

 これは、事務局のほう、いかがですか。

○医療課企画官

 事務局でございます。

 大変申しわけありませんが、保険適用の仕方自体は中医協で検討していただくことでございますので、この場で事務局から確実にこうですということは申し上げられないということは御理解いただければと思います。

○天野構成員

 保険適用してほしいということじゃなくて、個々のこれに参加されている患者さんが治療を受けているときに保険適用になった場合、要はこの枠内にとどめられることなく、しっかり保険適用していただけるのかということの確認でございます。

○医療課企画官

 大変恐縮で、同じ回答になってしまうのですが、保険適用の仕方も含めて、中医協のほうで決定いただくことになりますので、そこに関しては、この場で私のほうから絶対そうなります、そうしますとお答えすることはできないということは御了解いただければと思います。

○福井座長

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員

 もし保険収載されたら、皆、辞退して保険のほうに行ってしまうので、そうすると試験自体のクオリティーが悪くなってしまうので、できれば1年間であれば、最期まで面倒を見るほうがいいという希望を言っておきたいと思います。結局、やめてしまうのではないかと思います。そうすると、今までやったことが全部無駄になってしまうので、その観点からもぜひお話しいただきたいと思います。

 それから、もう一ついいですか。予定症例100例のうち30例が先進医療からの継続。これは、恐らく効いたのがあって、ずっとやらなきゃだめだというので、大変いいことだと思うのですけれども、これは先進医療のままではできないのですか。

○医療課企画官

 事実関係を申し上げます。先進医療のほうでは、既に総括報告書が出ておりまして、研究自体がことしの11月までとなっておりますので、それ以降、先進医療Bでやっていた患者さんに関しても継続はできないということでございます。それは、先進医療のほうの仕組みでそのようになっているということです。

○山口構成員

 ということは、こういう制度でその方を救うというのは、理にかなっていると理解してよろしいですか。

○医療課企画官

 ある意味、患者申出療養で予定されていた制度ではないかと思っております。

○福井座長

 ありがとうございます。

 田代構成員。

○田代構成員

先ほどの天野構成員からの御質問に関連して、私の理解を確認しておきたいのですけれども、実施期間は公知申請が妥当と判断されたら本研究は終了するというプロトコルになっているので、これは結局、保険収載されると、この研究は終わるという提案になっていると思うのです。ですので、自動的に全員、通常の治療に切りかわることになっており、そもそもそのスキーム自体を許容するのかという問題提起が先ほどありました。そことの兼ね合いで言うと、恐らくこれは実際に保険収載されると、この形で認めると試験は自動的に終了して、患者さんは通常の治療を保険で受けるという形に切りかわることになっていると思います。

○福井座長

 この点につきましては、事務局で確認をお願いできますか。または、先ほどと同じ答えということでしょうか。恐らく、きょうの決定そのものには直接はかかわりませんので、次回確認ということでも結構ですけれどもね。

○医療課企画官

 まず、治療を患者さんがどのように継続して受けるかという話と、試験が継続するかという話はまた別でございます。例えば、この先進医療Bに関しても、先ほど申し上げたように、試験が終わった後に関しても、この治療が一旦効いて有効であるということが臨床現場で考えられている方に対しては、何らかの治療を継続するのだろうと思っています。というのと、この併用療法を続けるかどうかということは、仕組みとしては別であります。

 その上で、こちらの研究計画自体が、公知申請によって保険適用された場合には終了するとなっているところに関して、どういう意図であるかは事務局から東大のほうに確認させていただきたいと思います。そこは、もう少しクリアにしたいと思っております。

○福井座長

 ありがとうございました。

 ほかにはいかがでしょうか。

 最後に1点だけ。直江構成員も指摘されていましたけれども、認可した後、モニタリングを何かの形で行ったほうがいいのか。例えば100例まで、この評価会議としては全くかかわらないのか、何十例かごとに何かしらモニタリングをする必要があるかについては、いかがでしょうか。

○直江構成員

 プロトコルを全部読んでいないのですが、前回の試験まで、第III相までの適応症の範囲であれば、もう既に100例以上やっていますので、安全性も一定のパーセントで出てくると思うのですが、先ほどのPS、それから年齢、それから既に治療のある方等、あと卵巣及び転移というものは、広がりますね。そこの安全性というところが一番のポイントだと思うのです。だから、何らかの形で症例蓄積を逐次的に見なくてもいいのですが、安全性をモニターする仕組みがあると、望ましいのではないかと思います。恐らく先進のときはモニタリング体制がきちんととられていたと思うので、それに準じた形のものがあるのは望ましいのではないかと思います。

○福井座長

 適格基準を広げるということですので、何らかの形でモニタリングできればなと私も思いますが、いかがでしょうか。

 どうぞ、事務局。

○医療技術評価推進室長補佐

 モニタリングに関しましては、本プロトコルでも適切に行うということで、こちらに明示されているところでございますので、申し添えます。

○福井座長

 手良向構成員。

○手良向構成員

 今、言われたモニタリングというのは、試験全体のモニタリングではなくて、先ほど出ました効果安全性評価委員会で定期的にという話だと理解しました。それはプロトコルに、例えば何例おきとかいうのを明記していただいたほうが私はいいと思います。安全性のモニタリングとして。

○福井座長

 その届け出は、この評価会議ということになるのでしょうか。少なくとも安全性について。例えば、20例ごとにとか。

○手良向構成員

 それは、基本的には効果安全性評価委員会で評価していただくということで。それで、もちろん重篤なものが出れば、当然こちらに上がってくると思いますから、それは出てきたときにという話になると思います。

○福井座長

 既にある仕組みでモニタリングをということですか。

○手良向構成員

 それでよいと思います。

○福井座長

 何かつけ加えることはございますか。今の点、よろしいですか。

 ほかにはいかがでしょうか。

 どうぞ、原田構成員。

○原田構成員 

 松井構成員が冒頭でお話しされましたように、きょうはがんの事例で出たものですので、こういう薬関係のデータをお出しいただいた。難病のほうもこういうものをおつくりいただけるのかどうか。最後のほうが聞きとれなかったものですから、確認を。

○医療技術評価推進室長補佐

 難病等々は、関係課とも相談しながら、可能性について検討してまいりたいと思っております。

○福井座長

 よろしいですか。

 それでは、御議論いただいた件につきましては、条件をつけた上でお認めするということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○福井座長

 それでは、そのようにさせていただきます。

 長い時間、ありがとうございました。

 本日の議題は、「その他」が4番目に議題として挙がっておりますが、事務局から何かございますでしょうか。

 済みません、山崎構成員に入っていただかなくてよろしいのでしょうか。

(山崎構成員 着席)

○福井座長

 先生、長い時間、外でどうもありがとうございました。

 幾つか条件をつけて、お認めするということになりましたので、また後ほど説明を受けていただければと思います。

 それでは、その他は特にございませんようですので、最後に、構成員の先生方から何か御意見ございましたら。よろしいですか。

 なければ、事務局から次回の日程について、何かございましたらお願いします。

○医療技術評価推進室長補佐

 また次回につきましては、日程調整させていただいて、御連絡申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。

○福井座長

 それでは、本日の会議を終了します。お忙しい中、ありがとうございました。


(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 保険局が実施する検討会等 > 患者申出療養評価会議 > 患者申出療養評価会議議事録(2016年9月21日)

ページの先頭へ戻る