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2016年6月22日 歯科診療情報の標準化に関する検討会(第9回)議事録

医政局 歯科保健課

○日時

平成28年6月22日(水)14:00~16:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 共用第9会議室


○議題

(1)第8回検討会までの課題整理について
(2)平成28年度歯科診療情報の標準化に関する実証事業の計画案について
(3)その他

○議事

○和田課長補佐 

ただいまより歯科診療情報の標準化に関する検討会 ( 9 ) を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。

 本日の構成員の出席状況は、関口先生が若干遅れておりますが、それ以外の先生方は全員御出席ということで伺っております。

 参考人を御紹介いたします。平成 28 年度歯科診療情報の標準化に関する実証事業の事業委託先が日本歯科医師会に決定したことに伴い、日本歯科医師会の小玉先生に参考人として会議に御出席いただいております。なお、柳川先生は日本歯科医師会副会長に御就任なさいましたが、前年度と同様に静岡県歯科医師会会長として検討会に御出席いただいておりますことを御報告いたします。また、本日はオブザーバーとして、警察庁刑事局より石田課長補佐をお呼びしております。

 事務局に異動がありましたので、御案内申し上げます。歯科保健課長の田口です。

 なお、今回の検討会は公開となっておりますが、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。それでは、歯科保健課長の田口より、御挨拶申し上げます。

 

○田口歯科保健課長

 改めまして、歯科保健課長の田口でございます。本日はお忙しい中をお集まりいただき、ありがとうございます。また、平素より医療行政の推進に当たり御協力、御理解いただいておりますことを、改めて御礼申し上げます。

 さて、この検討会ですが、平成 25 年より開催されております。それと平行して実施してきた歯科診療情報標準化に関する実証事業では、歯科診療情報の標準化を担う標準データセットの策定を行ってきたところです。また、併せてこの標準化事業を全国的に普及させるための課題も、次第に明らかになってきたというところです。

 今回の検討会では、これまでの実証事業での結果を踏まえ、解決すべき課題等を整理するとともに、この標準化事業の全国的な普及に向けて、本年度中に当面解決すべき課題であるデータ交換規約等の作成、あるいは標準化歯科診療情報の保存方法の検討といったものを実証事業として計画しており、その計画案について、本日御意見を頂くことと考えております。

 先生方、それぞれ歯科診療情報に関しましては非常に御見識があると伺っておりますので、貴重な御意見を賜りますことをお願い申し上げまして、私からの御挨拶にさせていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

○和田課長補佐

 この後の進行は座長にお任せいたします。よろしくお願いいたします。

 

○住友座長

 日本歯科医学会から参りました、座長の住友です。今日は最大 2 時間の予定での討議です。活発な御意見を頂ければと思います。

 本日は 2 つのポイントがあります。 1 つは、本事業の今後の課題です。そして、平成 28 年度の事業計画案等についてのプレゼンを聞き、御意見を頂くということです。本日の資料の確認をお願いします。

 

○和田課長補佐

 まず本日の配布資料です。議事次第、委員名簿のほかに座席表です。資料 1 、資料 2 は横長の 1 枚紙です。資料 3 はパワーポイント形式の資料です。資料 3 は参考人からの御提出の資料です。また、参考資料 1 「歯科診療情報の標準化に関する検討会設置要綱」、参考資料 2 「歯科診療情報の標準化に関する実証事業仕様書」、参考資料 3 は第 8 回検討会の議事録です。乱丁落丁などがありましたら、事務局までお知らせください。

 

○住友座長

 議事に入ります。資料 1 2 に関わるものですが、実証事業の経緯と課題についてです。事務局からお聞きかせください。

 

○綿本専門官

 前回の検討会までに挙がった事業の課題などについて御説明いたします。資料 1 、資料 2 を御覧ください。資料 1 の上段に書いてあるとおり、本事業は東日本大震災において身元確認に歯科情報が有効であったことから端を発しております。その際に、津波による歯科医療機関の被災により、情報の収集が困難であったという点と、歯科診療情報の統一化が図られておらず、データの再入力等に非常に人手が必要であった点が課題となり、データの保存及び標準化を目的として、本事業を平成 27 年度まで新潟県においてモデル事業として行ってきておりました。

 そのモデル事業の中で、資料 1 の右下に示す樹形図となった標準データセットの策定を行っています。そのデータセットを基に、事業を全国展開していくため、日本歯科医師会に事業を委託し、データセットをレセコンから出力するためのデータ交換規約を策定すること、レセコン用のプログラムの開発をベンダーに推奨すること、データの保存方法を検討することを軸として、平成 28 年度は事業を行っていくという流れになっております。

 前回の検討会までに出てきた論点と、新潟県歯科医師会から提出された論点を事務局で取りまとめ、この実証事業で解決すべき課題として資料 2 にまとめております。大きく分けて 4 つの課題があり、マル 1 、マル 2 、マル 3 については、標準化そのものの地域における地均し的なところです。歯科情報の標準化が普及すれば、マル 4 にあるような利活用の方法ができるとは思うのですが、いきなりその方法をやることは不可能で、まずは基盤を作るところがマル 1 、マル 2 、マル 3 の内容です。まず、第 1 の課題として、データの交換規約を作らなければ、レセプトコンピュータから標準化されたデータを出力できませんので、「平成 28 年度の前半」と書いておりますが、年内にはデータ交換規約が完成することが望ましいということです。作成されるものは、標準規格というのは幾つかありますが、 JAHIS の標準、厚生労働省の標準などこういった規格に適合可能なデータ交換規約を策定していただきます。出力に関しては、いろいろな形はあると思うのですが、 CSV Excel 形式や HL7 SS-MIX に適合するような形など、そういった取り組みやすい形で出るようにということです。その交換規約を民間企業に提供できる形にするというのが、第 1 の課題です。

 次に、データの交換規約によって出力されたデータは保存しないといけません。前回検討会で出たように、保存にはいろいろな方法がありますが、地域の実状に合わせた保存方法を提案できるようにしないといけません。そのデータを様々な状況(津波、火災、院長の死亡等、医院の廃院)に対応できるガイドライン的なものを作りつつ、保全を講じなければいけないと考えています。例えば地域の実状に合わせた保存方法というのであれば、地域医療ネットワークを利用し保存できるとか、これらがない所であれば、県の歯科医師会に保存用のサーバーを購入し、外部保存できるようにするといった方法があるのではないかと思います。この保存に関しては、個人情報等の問題もありますので、現段階では保存するだけというところの課題であります。

3 番目です。マル 1 、マル 2 の事業を行うに当たり、歯科医療従事者と国民の理解、さらには民間企業の幅広い協力が得られないと、事業自体を広く推進することが難しくなると考えております。平成 28 年度にマル 3 までを行うのは難しいとは考えておるのですが、こうしたことに関しては継続して行っていかなければいけない課題であると認識しております。

 こうした」マル 1 、マル 2 、マル 3 によって、標準化がもたらすものが、広く世の中に普及すると、標準化で行った事業の拡大が考えられてくると思います。標準化事業の拡大という意味で、マル 4 に当たる標準化が達成された後の課題とがあります。今はレセプトコンピュータから出力されるデータのみの保存ですが、電子カルテ、歯科検診情報などの歯科情報を標準化やそれとともにレントゲン、口腔内写真も一緒に保存できるようにすることや大規模災害時の身元検索方法を整備することも考えられます。大規模災害が起こった際に、大多数の身元不明者の検索のために、死後情報をデータ交換規約により変換し、情報を統一化します。その統一化されたデータを使い、身元検索を行う方法です。データベース同士を突合するというような話ではなく、生前データと死後データが同じ形式で保存されており、それらを従来どおりの方法で突合できるようにするというような環境整備を必要に応じて行うということです。

 最後に、標準化された歯科情報の利活用も考えなければいけません。これは日本歯科医師会から出された資料にも出てくるとは思いますが、こういったところも本当に何が必要で、どういったことができるのか、どういった優先順位でできるのかというところも考えていかなければならないということです。ただ、このマル 4 に関しては、マル 1 、マル 2 、マル 3 で基盤が築かれた後にやるべき項目であると考えております。しかし、マル 1 、マル 2 、マル 3 の事業をやっている間に、どのようなことができるかを考えておかないと対応に遅れるところがあるので、マル 4 に関しても御議論いただきたいと思っております。

 

○住友座長

 これまでの内容を事務局に整理していただいて、こういう形でマル 1 、マル 2 、マル 3 、マル 4 と分けていただきました。マル 1 はデータセットの交換規約というか、ここでは簡単に「交換規約」というキーワード、 2 つ目は歯科診療情報の保存、マル 3 は標準化の普及というポイントです。

事業委託先の日本歯科医師会の話を次のポイントとして聞いて、議論に入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。資料 3 に基づいて、日本歯科医師会の小玉参考人から、平成 28 年度事業計画案等についての説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

 

○小玉参考人

 日本歯科医師会の小玉です。これより、この度日本歯科医師会が受託した平成 28 年度歯科診療情報の標準化に関する実証事業計画 ( ) について、御説明申し上げます。座長からお話がありましたとおり、資料 3 をお目通しください。今ほど綿本専門官より御説明いただいた内容と多々重複する箇所があるかもしれませんが、再度内容を御確認いただきながら、本年度事業について御検討いただきたいと存じます。

 スライドの 2 枚目です。この歯科診療情報の標準化に関する実証事業は、平成 25 年度より始まりました。初年度は新潟県歯科医師会とオプテック社の 2 社が実施し、引き続き平成 26 年度、平成 27 年度と、新潟県歯科医師会が本事業を実施しております。新潟県歯科医師会では会員の先生方の協力の下で、来院患者の歯科情報をマークシート様式によるデンタルチャートに記録していただき、レセコン中に存在する歯科情報との比較、照合の実験を行いました。それが左下の所のある図です。これにより、この 26 項目 ( 標準プロファイル ) の情報量を保持すれば、極めて高精度に身元の絞り込みが可能であるということを実証しました。

 翌平成 26 年度は、更に広範にわたる意見聴取を基に、これを階層構造に整理し、どのような詳細度にも対応可能であり、かつ拡張性も備えたデータ形式であるということを定義いたしました。

3 枚目のスライドです。昨年度 ( 平成 27 年度 ) は、歯科情報の保全という観点からこのデータセットを拡張し、さらに現在、 International Standard Organization(ISO) で検討中のデータセットについても意見交換を行いながら、我が国の保険診療を基に、かつ海外との歯科情報の整合性、互換性を考慮した口腔状態の標準データセットが策定されました。

 このデータセットは記述子と呼ばれる 896 の項目から成なり、これは 3 のスライドの右側のほうの細かいいろいろな、赤い字、黒い字で示されていますが、これはごく一部になりますが、ここで定義されたデータセットを基に、今年度事業を実施いたしたく存じます。

4 枚目のスライドです。本年度は、日本歯科医師会がこの事業を受託し、これまでの経緯を踏まえて今年度、医科で使われている電子的な診療情報交換の仕組みと互換性を視野に入れて事業を実施いたします。今、綿本専門官からもお話いただいたとおり、マル 1 、マル 2 、マル 3 とあります。今回の事業の 1 番目である青字の箇所については、これまでの検討会の経緯も踏まえて、各種の厚生労働標準規格との連携を強めることです。この互換性を保ちつつデジタル出力することが可能になると、その保存方法や利活用に関する検討も必要になってくると考えられますので、 2 つ目、 3 つ目の事業内容へと発展していきます。これらの課題を相互に連携させながら検討することは、歯科診療情報の標準交換規約に発展させる可能性があります。

 この平成 25 年度より開始した歯科診療情報の標準化事業の実施に当たり、その発端ともなった東日本大震災における身元確認において、浮き彫りになってきた課題が 2 つあります。これがスライド 4 の下のほうに小さな字で書いてありますが、 1 番目としては、身元確認を行うための歯科診療情報の標準化が図られておらず身元確認に困難を来したこと、 2 つ目が、津波等による歯科医療機関の被災により、歯科診療情報の収集に困難を来したことです。ですから、これらの課題の解決のためにも、この標準化というと、更に互換性を持つということは非常に重要なことになってきています。

 スライドの 5 番目です。この事業の実施体系として、日本歯科医師会に診療情報の標準化に関する実証事業の実行委員会を立ち上げています。これは日本歯科医師会関係者をはじめ、これまで標準化事業に携わっていただいた新潟県歯科医師会、大学関係者の皆様のほかに、 JAHIS MEDIS といった団体の関係者の皆様にも御参加いただいております。既に、 4 26 日に第 1 回の実行委員会を開催し、またそのほかに外部アドバイザーとして弁護士、警察関係者等の皆様にも御協力をお願いする予定です。

 先日の第 1 回実行委員会において、ワーキンググループの設置を御承認いただきました。ワーキンググループには、特に情報技術分野の技術者の皆様方にも御参加いただき、専門的な立場での御検討を頂きます。この第 1 回のワーキンググループも先週開催させていただき、既にその下のタスクフォースなども設置し、かなり具体的な検討が始まってきているところです。

 スライド 6 です。これより、今年度の実証事業案について御説明いたします。「事業マル 1 」と書いていますが、これは厚生労働省標準規格と互換性を保った歯科診療情報のデジタル出力に関する検証です。具体的には、厚生労働省の標準規格である標準歯科病名マスターなどに基づいた電文を作成することが、まず必要となってきます。それらを SS-MIX2 ストレージ仕様書及び構築ガイドラインに準拠した形で蓄積することを検討しています。

 以前の検討会において、本日も御出席の玉川委員より、 SS-MIX2 について御紹介いただいておりますが、これは既に国立大学病院のデータバックアップをはじめとして、地域医療連携等で運用が開始されているものです。この仕様に基づいて、電文のデジタル出力と蓄積を行うと、患者の名前、性別、あるいは生年月日のような基本的な情報の取扱方法について改めて定義する必要がなくなってきます。また、薬剤の処方、各種の検査、アレルギー情報などについても、医科での診療情報との相互運用が可能になってきます。

 スライド 7 です。このデータセットの交換規約策定に当たりましては、医療情報システム開発センター (MEDIS) 並びに保健医療福祉情報システム工業会 (JAHIS) の皆様方と、既存の規格との整合性も踏まえながら、協議をして進めていきたいと存じます。これを基にワーキンググループにおいて詳細な部分を検討するとともに、ベンダーの皆様とも事前に協議しながら、レセコンの実装に向けての検討に向かいたいと思います。しかし、レセコンから SS-MIX2 形式で直接データ出力を行うということは、ベンダーの皆様の各社様において少しハードルが高いかもしれません。今後、ベンダーの皆様の協力、更にこの普及に努めるには、先ほどもお話のあった CSV データ、これは Excel 等でも利用可能なデータ形式ですが、この CSV 形式のほうが取り組みやすいのではないかと思われます。

 したがいまして、交換規約を基に、 CSV 形式での出力仕様書も作成し、ベンダーの各社の皆様に御協力を仰ぎ、レセコンから CSV データ出力の検証を行いたいと存じます。つまり、ベンダーの皆様に対しては、 SS-MIX CSV のいずれかの取り組みやすい方式で検証に御協力いただく予定になってきます。

 この検証に用いるツールとなるビューワーは、 SS-MIX 用のものが既に使われておりますので、歯科診療情報を文字あるいは数字で表示することができるようにすることにも配慮していきたいと思っております。

 スライド 8 です。「事業マル 2 」と書いています。この 2 つ目の事業が、標準化歯科診療情報の保存方法の検討です。歯科診療情報の標準化に当たり、東日本大震災で浮き彫りになった大きな 2 つの課題を、先ほどスライド 4 の下でお話させていただきました。その 1 つ目の課題である、歯科情報のデジタル化と統一化については、これまでの 3 年間の実証事業を経てデータセットが定義され、ただいま御説明がありましたとおり、今年度はこれを踏まえて医科との互換性も踏まえた歯科診療情報交換規約を策定することになります。これによって、ようやく 1 つ目の課題が解決しつつあります。

2 つ目の課題の歯科情報の保存、バックアップについては、前回の第 8 回検討会でも議論がなされたところですが、本年度はこの対応について、引き続き検討していきたいと存じます。歯科医療機関における歯科情報が標準化され、統一化されたデータ形式で歯科情報のやり取りが可能になったとしても、単にレセコンの中にデータを保存しておくだけでよいのか、コスト面から比較的簡単に取組が可能ですが、課題もあります。先に御説明のとおり、東日本大震災においては歯科医療機関が被災し、生前の歯科診療情報収集に困難を来した事例が数多くございます。同じ轍を踏まないためにも、この情報を院外に保存するにはどうすべきか、これは前回の検討会でも議論がなされておりますが、院内及び院外における歯科情報の保存については、それぞれの保存方法の利点や欠点、解決すべき課題などを整理していきたいと思っております。

 また、標準化歯科情報につきましては、必ずしも身元確認、検索に特化するのではなく、地域医療連携での利活用も含めて検討を行います。そのためには、 SS-MIX2 での運用を考慮して、データ交換規約を策定いたします。

 また、そのほかの検討課題として、以前の検討会でも御意見が出ておりますが、災害時以外、いわゆる平時における歯科情報の消失、これには歯科医療機関の廃止や院長の世代交代など、様々な原因がありますが、日本歯科医師会の会員の高齢化も進み、廃業する診療所も多くございますが、このように平時においても消失する可能性がある診療情報についての保存ということでも、検討が必要になってきております。

 スライド 9 の「事業マル 3 」です。事業マル 3 の図は、新潟県歯科医師会の事業の中でもお示ししたものに、多少手を加えたものですが、歯科診療情報の標準化による様々な利活用について示したものです。災害時や事故等における身元確認をはじめ、歯科検診情報の保存、地域医療連携での歯科情報の利活用も含めて検討していきたいと存じます。特に、今回は SS-MIX2 を視野に入れて事業を進めることで、病名や服薬内容、アレルギーなどの診療情報を医科と相互にやり取りできる可能性が増えてきました。

 これらの項目は代表的な利活用方法ですが、これら以外にも、是非委員の皆様方から御意見を頂戴し、必要なものについては優先順位を付けて、今後の利活用を行う際の目安にしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 今年度は、この 2 つ目の課題である歯科情報の保存についても検討いたしますが、これを含めて、まだまだ検討すべき課題が山積しております。歯科診療情報の標準化に当たり、日本歯科医師会では様々な広報活動を通じて、会員はじめ国民の皆様方に御理解いただくよう努めていきたいと存じます。以上が、今年度日本歯科医師会が実施する事業項目ですが、本日の検討会において、何卒よろしく御検討の上、御承認いただきますようにお願い申し上げて、簡単ではございますが事業計画案の説明とさせていただきます。ありがとうございます。

 

○住友座長

 ありがとうございました。小玉先生、スライド 4 番と資料 2 についての確認です。今、お話いただいたのが、スライド 4 では平成 28 年度歯科診療情報の標準化実証事業ということで、マル 1 、マル 2 、マル 3 、マル 3 は今後の展開もあると思いますので、資料 2 のほうで第 1 のマル 1 「平成 28 年度前半に解決すべき課題」ということで、交換規約のことが、資料 2 とスライド 4 のほうにも、パワーポイント 4 のマル 1 にある、そして 2 に「平成 28 年度内に解決すべき課題」ということでマル 2 がここに出されていると。

 それから、 3 番は平成 28 年度以降も継続ということですが、この 3 番についてもある程度、この平成 28 年度の事業内で、少し利活用の見通し等立てるという理解でよろしいでしょうか。

 

○小玉参考人

 座長、ありがとうございます。標準交換規約の策定もかなり大変だと思いますが、もしできれば利活用のほうもいろいろ御意見いただけると、とても有り難いと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

○住友座長

 分かりました。ありがとうございます。実際には力を入れる所が交換規約と保存について、ここにポイントを置いていると理解しました。皆様方から御意見があれば、お受けいたします。いかがでしょうか。

 柳川委員は、静岡県歯科医師会会長の立場で来られていますが、現在、日本歯科医師会の副会長をやっておられます。この検討会をずっとやってこられて、日本歯科医師会が委託先ということになりましたので、何か想いといいますか、そういうものがあればお話しいただければと思いますが。

 

○柳川委員

 とにかく新潟県歯科医師会プロジェクトの青木先生中心に、これまでやってこられたことに敬意を表し、何とか日本歯科医師会がやろうとするところまで、だんだん段階が上がってきたということは実感しております。

 私から質問でもよろしいでしょうか。まず 1 点はバックアップの件です。多貝委員もいらっしゃっていますが、実際にレセコンユーザーの歯科医療機関が、各ベンダーのユーザーの診療情報を、もともとクラウドでバックアップするなどの動きがあるのかどうか、それらは実際に行われているのかというのが 1 点です。

 もう 1 点は資料の 2 番目で、先ほど厚労省から御説明があったところですが、「平成 28 年度以降の課題」のマル 4 で、もともとこの事業は、例えば東日本大震災の経験をしたので、多数の御遺体が発生したような場合に、歯科情報からの身元の確認が円滑・迅速に、そして正確にいくようにというのが一番大きな眼目であると思うのです。マル 4 2 番目に「死後情報と生前情報の統一化」というお話がありましたが、この標準化、統一化されたものという意味ですが、標準化され交換規約ができた後に、例えば警察庁が御対応になって、同じ様式で死後情報を管理というか採取をするという意味なのでしょうか。この 2 番目の所の意味の確認と、合わせて 2 点の確認をさせていただきます。

 

○住友座長

 多貝委員、最初のところはよろしいでしょうか。後の部分については、青木委員にお願いいたします。

 

○多貝委員

 保存のバックアップに関してですが、こちらにあるような標準化されたものではなくて、各ベンダーのデータベースの形のままということではありますが、ネットワークを介してクラウド上のサーバーにバックアップということは始まってはおります。しかし、なかなか費用もかかることでもありますので、普及が進んでいるかというと、そうとは言えない状態かと思います。以上です。

 

○住友座長

 費用がクリアできるというのは大きな問題だけれども、そうすると、ある程度そこの見通しが立てば、バッと広がると理解していいのですか。

 

○多貝委員

 そうですね、まずはネットワークでつなぐことがありきで、その上にクラウド上のハードディスクを使いますので、それにかかる費用のハードルがプラスされる形になるかと思います。

 

○住友座長

 柳川委員、今の答えでよろしいですか。

 

○柳川委員

 はい。

 

○住友座長

 では青木委員、お願いします。

 

○青木委員

 柳川先生の 2 番目の御質問で、これは小室先生も以前より、この検討会でずっとお話しされていたことです。これは警察の方に聞いたほうがいいと思うのですが、死後情報をデジタル的に表現するときに、現在は 5 分類の形式が主流というか、警察の中では了解が得られているということです。生前情報はそれに対して、はるかに詳細度が高いと思うのです。

 この統一化を行うときに、私の個人的な意見で拡大解釈しますと、統一的枠組みで整理されていればデータの比較はできるので、つまり生前情報が細かくても、死後情報が 5 分類でも、それがきちんと、どれがどのように対応するのだという整理がされていれば、大丈夫だと思います。

 ですから、「統一化」といったときに、むしろ、それを「統一的枠組みで整理をする」というように読み変えればいいかなと、個人的には思っておりました。以上です。

 

○住友座長

 今、柳川委員から 2 つの質問がありました。それに関して、当面ここで議論したいと思います。ほかに御意見がありましたら、そのあとでお願いいたします。柳川委員、今の回答に何かありますか。

 

○柳川委員

 これは平成 28 年以降の課題になっているので、ちょっと早過ぎるのかもしれませんが、具体的に、例えば、東日本大震災のようなケースでいうと、各検案所があって、そこで何十名かの歯科医師か警察の方と一緒に業務に当たって、そこで入力した情報の USB を警察の方が本部に持ち帰るというようなことをイメージしているのですが、それは変わらないわけでしょうか。仕方が違ってくるということですか。

 

○青木委員

 これは基本的に警察の業務なので、恐らくいろいろなやり方があると思います。例えば現場の業務のために USB を持っていくのか、あるいはまったく異なる警察情報ネットワークを使うのか。いろいろ方法はあると思うのですけれども、データ表現としては、やはり先ほど申し上げたように、統一的な土俵で議論さえしておけば、問題ありません。実は検索エンジンは、何とでも作れます。例えば、今、議論されている交換規約に出てくる生前データが 5 分類より細かくても、 5 分類に落とし込むということも、当然自動的に可能になります。

 ですから、そういう意味で言うと、警察の現状に沿って、あるいは将来の要請に沿って考えていくということではないかと思います。この厚労の委員会は「生前情報をきちんと一定の詳細度でバックアップを取る」ということに、まずは主眼を置いていると認識しております。

あとは、警察の方なり小室先生の御意見があるといいかなと思いますが。

 

○柳川委員

 私はもともと分類の議論に戻そうという意図ではありません。よく分かりました。大きく枠組みとして統一化、整理されたという理解でいます。

 

○住友座長

 小室委員もそこは柳川委員と同じ状況でしょうか。

 

○小室委員

 前提としては、それでよろしいと思いますけれども、ただ、柳川先生がおっしゃった検案所みたいな所で得た歯科情報を、 USB 媒体で警察側に持ち込みいかように処理するのかというのは、ちょっと考えにくいですよね。そのような情報を警察側で処理することはないでしょうから、結果的には歯科医師が生前と死後の情報を見比べて、身元確認の適否に関わる判断資料を提供するという話になります。その判断内容をもとに警察としては御遺族に説明することになります。今の話ですと USB の情報を警察サイドで何らかの処理をするように拝聴しましたが、そのようなことはあり得ないですよね。

 警察としては歯科情報の保存義務はありますが、それを自分勝手に処理をして、警察側が独自に身元確認の適否について判断はしないということだと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。

 

○青木委員

 いやいや、柳川先生は、多分もう少し一般的な話をされたのかと思います。

 

○小室委員

USB の情報を得たとしても、そのままの状況で保存されるわけですよね。

 

○青木委員

 恐らく厚労省の最後の課題といいますか、項目 4 の所です。やはり、ここの意味は、警察庁もきちんと議論に入っていただいた上で、どういう運用が可能なのかということを、次の段階で考えていくということかと思うのです。

 

○小室委員

 資料 2 の横置きのものを見ますと、マル 2 として今年度内に解決すべき課題のなかで、保存方法の話が出ておりましたけれども、これは関口委員によりますと、何か法整備が要るというような話がありましたから、これは年度内に解決できる問題でしょうか。

 

○綿本専門官

 現状で、外部にデータ自体を保存するというのは既に行われていることだという認識です。これは別に利活用するために保存するのではなくて、完全なるバックアップとして、こういった保存方法があるという意味においてのみです。もし、このデータをマル 4 のような利活用をするときには、改めて法整備が必要だという認識です。

 

○小室委員

 診療情報そのものは外部保存が可能だけれども、それを身元確認に使うかどうかのための保存としては、法整備が要るという話ですよね。

 

○綿本専門官

 もしそのときに身元確認が必要となれば、身元確認のための法律がありますので、生前と死後のお互いのデータを持ち寄って見ることが可能と考えます。それはマル 4 2 番目にも関わることではありますが、同じ形式で同じように残したデータを警察側も持っているし、歯科医師側も持っているという状況を作るという意味においての保存ということになっております。

 

○小室委員

 平成 28 年度以降の 1 番目に「画像情報とともに保存する」と記載がありますが、これはよろしいかと思うのですが、以前までですとデータセットの中にも、まだ画像情報のことは書かれておりませんし、この画像情報を保存するというのは、どのような状況を想定されているのでしょうか。

 

○綿本専門官

 ここに関しても、あくまでも今までに出た論点をまとめて、今、先生がおっしゃっていたように、画像も保存したほうがいいのではないかというところを含めて、書かせていただいたものです。具体的にどうするかというのは、先ほど日本歯科医師会様のほうからお話がありましたように、この会議で議論していただくという形で、画像情報は身元確認には必ず必要だとは思うのですが、結論を出していきたいという認識です。

 

○小室委員

 身元確認の決定打は恐らく、画像情報を比較・照合することに大きな比重が置かれることになると思います。従って、パノラマ写真やデンタル写真の画像情報の保存をお願いしたいと思います。

 

○住友座長

 よろしいですか。今日初めてオブザーバーで出られました石田課長補佐、何か今の警察庁絡みのやり取りで、御意見があれば、希望も含めてどうぞ。

 

○オブザーバー ( 石田課長補佐 )

 本日初めて参加させていただきます、警察庁の石田でございます。当庁としましては、本会議における歯科診療情報の標準化がなされた場合、警察の身元確認業務に有効に活用させていただきたいという、前向きな考えではおります。現時点では以上であります。

 

○住友座長

 これはまた御意見を頂きますが、まだ日本歯科医師会内に実行委員会が立ち上がって、ワーキングの会議があって、まだここで作業をして、次の会議等で成果を発表していただくと思うのですが、この実行委員会やワーキングで、何か問題点といいますか、これは難しいのではないかというような意見が、まだ 1 回ずつ開かれただけでしょうが、メンバー等で出たかどうか、ここに参加されている方も、もちろん入っておられると思うのですが、そこを紹介できる範囲で教えていただけますか。それが我々の課題としているものと、ちょっと違う所もあるかもしれないし、その点をもしよろしければ御紹介いただければと思います。

 

○小玉参考人

 ありがとうございます。第 1 回目では、まだ課題の整理をしたばかりですので、まだそこでもちゃんとした形ではまとまっていないのですが、そのワーキングに出られた先生方が今日も御出席いただいていますので、よろしければ御意見をお伺いしたいと思います。

 

○住友座長

 メンバーはまだ公表されていないので、どうぞよろしくお願いします。

 

○玉川委員

 青木先生と多貝さんと私が入っております。当初は、これまで積み重ねてきた、ツリー構造のデータをそのまま使おうとしていたのですが、技術的にちょっと難しいということが JAHIS さんや MEDIS さんからお話が出ました。ワンクッション置いて、ここに書いてあるように、一旦 CSV という汎用性の高いデータに出力して、そのデータをもう一度 SS-MIX の形にコンバートする。そういう形なら、恐らく実現できるだろうというところまで話をしました。当初は 1 回で全部と思っていたのですが、その後にいろいろと保険が改正されたときのメンテナンスなどを考えると、 2 段階にしたほうが良いということで、その案の内容をここに盛り込ませていただいていると思います。以上です。

 

○住友座長

 多貝委員、何かありますか。

 

○多貝委員

 今、玉川先生がおっしゃったとおりなのですが、出力の形式としては、 HL7 よりも CSV のほうが、我々歯科ベンダーにとっては馴染みがありますので、取り組みやすいかなと思います。 CSV に出力したものを、今後は地域データベースに行く行くは入れるに当たって、 HL7 に変換する必要があります。これはまだ決まっていないのですが、そのツールを共通的にどこかで作っていただければ、我々は CSV まで書き出せば、簡単にそのツールを使って SS-MIX2 のストレージに入れられることになるかと思います。

 もう 1 つ、そちらの会合で申し上げているのが、開発の負担は下がったかと思うのですが、やはり開発したら利用できるものが、すぐ近くにあったほうが手を挙げてもらいやすいかと思うのです。その検索が、いわゆる大災害の場合だけではなくて、平時の身元不明遺体の検索のほうに使えるようなツールが提供されると、我々歯科ベンダーも取り組む目的になりやすいのかと思います。そちらについては、今、事業マル 3 の中に漠然と含まれているかと思うのですが、その辺はできれば明確な方向性として出していただけたほうが、会員のほうに説明して勧めやすいかと考えます。以上です。

 

○青木委員

 今回は日本歯科医師会が主導されるということで、オールジャパンになります。やはり特に、 MEDIS JAHIS の皆様がやりやすい方法ということが大切です。そこが今後とも日本のデータとして保存なりメンテナンスをしていく必要があるわけですから、 MEDIS JAHIS がやりやすいような形式で、もう一段考えていただくということがポイントかなと思います。

 新潟県でも、もちろんいろいろ考えておりますが、やはり少し理想的な部分があります。業界団体の方々で、このように考えると、よりバリアが低くなるということを考え、実際に歯科医師会のほうで調整をされているということです。そういう意味では、いよいよオールジャパンでできる状態になったかなというような気がします。

 先ほどおっしゃっていた検索などは、またちょっと別次元なところがあり、これについては新潟県の研究あるいは、もちろん小室先生の研究があります。新潟県では、実証事業の中で、あらゆるデータ形式で検索ができるという理論的な方式を編み出しておりますので、こういった所は、いろいろとお手伝いをできるのではないかと思います。

そういう意味で言うと、とにかく MEDIS JAHIS の方々に、玉川先生中心に検討いただいて、やりやすい格好で標準化が進めばと思っています。

 

○住友座長

 パワーポイントの 5 番を見てください。先ほど小室委員からもお話があったところです。資料 2 3 つの大きな項目で関係してきている、例えば個人情報の保護と、警察活用等について、ここに外部アドバイザーというゲートができているということ。ここがやはり単にワーキングで作ったものをそろえて世の中に出すというので、非常に重要なポイントに今後なってくるのだろうと理解しています。ですから、このシステムで進めると、かなりいろいろな所で対応したものが出てくるような理解に、私自身の中ではなっています。工藤委員、何か御発言がありましたら、お願いいたします。

 

○工藤委員

 今のところありません。今日、関口先生がいらっしゃらないので。あと、もう 1 つはデータベースということは、もう解禁でよろしいでしょうか。外部保存に関するデータベースは、かなり使用には注意して、今までの会議でも注意していた記憶があるのですが、外部に保存するのみにおいては、了解を得られているという考えでよろしいでしょうか。質問になってしまうのですが。

 

○綿本専門官

 前回の話を総合すると、ただ単にデータを外部サーバーに保存するのは、今の ASP 型のレセプトコンピュータなどもありますので、そういったものでは必ず外部に情報を保存しております、書面などにより個別の同意を得ずに保存していると思います。外部保存に関しては、そこからどこかに持っていくというのは別問題として、そこに残すということにおいてのみには、問題はないという認識をしております。

 

○住友座長

 関口先生はここの外部アドバイザーに入ることは、まだ決まっていないのですか。今後の話ですかね。

 

○綿本専門官

 はい。

 

○住友座長

 これはやはりある程度、議論の中で、御意見のあったところというのは、入れておかなければいけないのではないか。ですから、外部アドバイザーの組織も、勝手な言い方だけれども、早めに作っておいたほうがいいのではないかと思うのですが。ほかに何かありますでしょうか。

 

○小室委員

 小玉先生にちょっと質問したいのですが。というか確認ですね。この資料 3 の最後の 9 番目のスライドの中身なのですが、ちょっと分かりにくかったものですから、確認をしたいのです。この標準化と書いてあるのは、赤と青の○があるのですけれども、この赤の部分は恐らく、もともとのデータセットか何かの標準化されたものというような意味であれば、同じ意味合いの標準化の赤丸ですね。下の青丸については、このデータセットの中から、それぞれを抜き出した形でもって使えるようなものを標準化しようとしたときの身元確認のために使うデータセットみたいな感じとすれば、青は分かるのですが、その下の診療情報との互換性については、歯科所見のデータを医科に提出することがあるのかなと思ったりするのですが、あるいは逆もあるかもしれませんけれども。この標準化については、 2 つの標準化の青丸とは少し違いますよね。

 

○小玉参考人

 おっしゃるとおりですね。

 

○小室委員

 どういう意味なのでしょうか。

 

○小玉参考人

 いろいろと国のほうでナショナルデータベースの活用のようなことを考えていくときに、歯科だったら歯科だけ、医科だったら医科だけというようなデータを使うことが、これから一緒になってくる可能性もありますので、その辺りの発展性を考えてというような内容になっております。

 

○小室委員

 そうすると、 1 つは実証事業で活用するとなると、どんなものが。例えば歯科所見の病名があったりすると提供するとか、そういうことですか。

 

○小玉参考人

 そうですね。今、特定健診・特定保健指導における保健指導の中に歯科の項目が入ってくるというようなことがあると、歯の数と身体の状態がどうなっているかが、各々突合できるなどということも将来的には考えられると思います。すぐにではありませんけれども、そういったことも視野に入っております。

 

○小室委員

 すると、標準化の○の色を、ほかの色にしたほうがいいかもしれませんね。

 

○小玉参考人

 そうですね、東日本大震災の身元不明の御遺体の検案のこととは、またちょっと離れますけれども、そういったことも利用の方法としては、あると思います。

 

○小室委員

 分かりました。

 

○住友座長

 結構、今、小室委員から質問があった部分というのは、今後、やはり、医療の中で医科歯科連携等いっている情報の交換というか、共有というのは、しかも検診事業が入ってくると、ますますこれは必要になってくるのだろうという理解です。これができているということは、そこに入れやすいというものの見方もできるのではないかと思うところもあって、大いに期待します。

 座長の責任ではないのですが、先ほどの資料 2 の、柳川委員からあった、真ん中の大規模災害事にウエイトを置いていたものが、生前のものの利活用というように、かなり展開してまいりました。これはもちろん資料 2 4 番目の真ん中のものは重要なのですが、そういう意味では生前情報をいかに生かすかという、この利活用のことも期待できるというか、これを大いに使いたいという想いが、個人的なのかもしれませんが私にはあります。

 ですから、この日本歯科医師会、もちろん新潟歯科医師会が頑張ってくださって、ここまで来ているわけですが、青木委員が言うように、日本歯科医師会が本腰入れてというか、こういう形で積極的に取り組んでくれることによって、ブスター作用というか、バッと勢いが付くような想いもあります。

 今後これを積極的に進めて、そして平成 28 年度の事業計画がここに上がっていますけれども、少なくともマル 3 ぐらいは進んで、ある程度マル 4 の見通しを立てながらという贅沢な、平成 28 年度の事業を頑張ってもらいたいと思います。

 それでは、何か全体的な質問、また御意見ありましたら、お願いいたします。今日は、こういうことをやるのだという提案なので、これがある程度の結果が出たときに、もう少しいろいろな議論が、よりブラッシュアップされたものが出てくるということではありますが、今、言っておいていただいたほうが、この日本歯科医師会に置いている、ワーキング、実行委員会が非常に活発になるのだろうと思います。いかがでしょうか。

 小玉参考人、言い方が大変申し訳ないのですが、先生が今期、日本歯科医師会に入られて、この担当者になって、そしてこれへの思いといいますか、先行きのことなどを考えたときの重要性といいますか、責任の重さというようなものはどのようにお考えですか。先生は大変真面目な方なので、とても一生懸命取り組んでくださると思っています。よろしくお願いします。

 

○小玉参考人

 ありがとうございます。その責任の重さは痛感しておりまして、厚労省の皆さんも本当に一生懸命やってくださっています。この前、ワーキンググループで皆さんに集まっていただいたときにも、日本のアカデミアの皆さんが勢ぞろいして、また、それぞれの専門の最先端を、歯科の標準化のために力を注いでいただけるということで、本当に感射申し上げます。

 今のデータの生前情報と死後の情報を合わせて、本当に大きなデータベースになると、国民のためになると思います。利活用の方法も、いろいろ制限はありまだまだ法律的なこともあるでしょうけれども、住友座長がおっしゃったとおり、非常に発展性もあって、すばらしい事業だと思います。私自身は本当に微力なのですが、先生方のお力をお借りして、いいものになるように私なりに職責を果たしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○住友座長

 御発言がなければ、まだ時間はたくさん余ってはいるのですが、先生方の個人的な時間の有効活用ができるかと思いますので、この辺りで終了させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは事務局、今後のスケジュールについて、お話を頂けますか。

 

○和田課長補佐

 本日は御審議を頂き、ありがとうございました。次回の検討会ですが、 10 月、 11 月頃を目途として開催を予定しております。日程調整の際は改めて御連絡を差し上げますので、委員の皆様におかれましては、お忙しいところ大変恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○住友座長

 小玉先生、例えばこのメンバーが質問や意見があったときに、窓口として意見の集約をしていただけますでしょうか。

 

○小玉参考人

 いつでも、どのようなことでも御意見を賜りたいと存じますので、遠慮せずにドシドシお送りいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○住友座長

 このメンバーが集まるのは、今の話ですと 11 月ですから、その間に実行委員会やワーキングが進むと思います。積極的に御意見があれば小玉先生が窓口ということですので、よろしくお願いいたします。

 本日はお集まりいただきましてありがとうございました。第 9 回の歯科診療情報の標準化に関する検討会はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。


(了)

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