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2016年7月15日 第三回医療計画の見直し等に関する検討会

医政局

○日時

平成28年7月15日(金)13:00~15:00


○場所

主婦会館 プラザエフ カトレア(7階)
東京都千代田区六番町15番地


○議事

○木下課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから、第3回「医療計画の見直し等に関する検討会」を開会させていただきます。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。

 議事に入ります前に、新たに構成員になられた方の御紹介をさせていただきます。公益社団法人日本医師会常任理事の市川朝洋構成員です。

 また、本日の出欠に関しまして、尾形裕也構成員、伊奈川秀和構成員、加納繁照構成員から欠席の御連絡をいただいております。

 続きまして、事務局の人事異動について御紹介いたします。大臣官房審議官(医政、精神保健医療、災害対策担当)、椎葉でございます。

 大臣官房審議官(医療介護連携担当)、濱谷でございます。

 医政局地域医療計画課長、佐々木でございます。

 医政局医事課長、武井でございます。

 保険局医療介護連携政策課長、黒田でございます。

 そのほかの異動につきましては、座席表でお願いいたします。

 初めに、お手元の資料の確認をさせていただきます。お手元に議事次第、座席表、構成員名簿、そのほか資料1~4、参考資料1~3をお配りしております。不足等がございましたら、事務局までお知らせください。

 それでは、以降の進行を遠藤座長、よろしくお願いいたします。

○遠藤座長 皆さん、こんにちは。

 それでは、議事に入るわけでございますけれども、初めに代理出席についてお諮りをしたいと思います。本日の会議につきましては、加納繁照構成員の代理として、一般社団法人日本医療法人協会会長代行、伊藤伸一参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、議事に移らせていただきます。

 まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 本日、議題として審議をお願いしたい項目が3つございます。基準病床の関係、医療機器の配置等に関する関係、3つ目としまして医療計画にける医師の確保の関係の3つの議題です。

 資料1から順に御説明してまいります。資料1を御用意ください。本日の1つ目の議題でございます基準病床数制度について、まず制度の概略を御説明いたします。

 2ページをお開きください。基準病床数制度につきましては、病床の整備について、病床過剰地域から非過剰地域へ誘導することを通じまして、病床の地域的偏在を是正し、全国的に一定水準以上の医療を確保することを目的としております。

 その仕組みといたしましては、後ほど詳細に御説明いたしますが、基準病床数につきまして全国統一の算定式を用いて算定しております。この算定式を用いることによって、既存の病床数が基準病床数を超える地域、いわゆる病床過剰地域においては公的医療機関等の開設・増床を許可しないことができるという仕組みになっております。また、その病床数の算定に当たりましては、特例措置も設けられております。こちらにつきましても、後ほど御説明いたします。

 3ページをお開きください。医療法の病床の種別は、一般病床、療養病床、精神病床、感染症病床、結核病床がございますが、それぞれにおきまして基準病床数の考え方が異なっております。本日検討いただきたいと考えております一般病床と療養病床につきましては、二次医療圏ごとに基準病床を設けておりまして、その際、算定するに当たりましては、地方ブロックごとに定められた係数を用いて算定するという仕組みになっております。

 4ページ目をお開きください。今申しました基準病床につきまして、有床診療所に関しましても一部その基準病床の対象となっているところがございます。まず、簡単に有床診療所に係る経緯を御説明いたしますと、当初、有床診療所につきましては、患者の長期の入院を予定していないということから、病床規制の対象として医療法におきます基準病床の対象外としておりました。その後、制度の改正を受けまして、平成9年の第3次の医療法改正の際には、診療所におきましても現行の療養病床に相当するものの開設ができるという見直したことを受けまして、この現行の療養病床に相当する部分につきましては規制の内側に入れたところでございます。さらに、第5次の医療法改正の際に、患者の入院期間の制限、いわゆる48時間の努力義務というものを廃止したことを受けまして、それ以降、現行の基準病床数制度の対象としております。

 また、診療所につきましても特例を設けておりまして、以下のマル1、マル2、もしくはマル3に該当する場合におきましては、許可ではなくて届け出によって設置することが可能という特例を設けております。

 5ページをお開きください。これら各病床の種別ごとに関連する検討会がございますので、それぞれの場において議論を進めていきたいと考えております。本日御検討いただきます一般病床及び療養病床におきましては、本検討会で議論を進めていきたいと思っております。精神病床、結核病床につきましては、それぞれの検討会等におきまして議論をお願いしたいと考えております。

 6ページをお開きください。医療計画の中におきまして、基準病床に係る見直しが行われたのをまとめております。まず、昭和60年の第一次改正の際に医療計画制度が導入された際に、二次医療圏ごとに、必要病床数と当時と呼んでおりましたが、制度が入っております。平成12年に療養病床と一般病床が創設され、その際に名称を基準病床とするとともに算定式の変更も行っております。また、平成18年の医療計画制度の見直しの際に、基準病床の算定式の変更を行っております。後ほど、そちらにつきましては詳細に御説明いたします。また、直近の改正におきましては、医療計画の期間そのものを5年から6年という変更を行っているところでございます。

 7ページをお開きください。今申しました計画の期間につきまして、まず整理をしております。現行の医療計画におきましては、計画期間を5年と定めていることもありまして、基準病床の算定に当たりましてもこの5年間を基本としております。今般の医療法の改正を受けまして、医療計画の計画期間が5年から6年に変更となったところでございます。その趣旨としましては、介護保険事業支援計画が3年計画ということもありまして、それとの一体的な作成を可能とすることを目的に計画期間を6年と見直したところでございます。

 また、医療計画の策定におきましては、中間年であります3年ごとに調査、分析、評価を行い、必要がある場合は計画を変更することが可能となっております。次期医療計画におきまして基準病床を算定する際に当たりまして、6年とするか、この中間年の3年をどういうふうに考慮するかというところが一つ論点かと思っております。

 8ページ目をお開きください。一般病床と療養病床に係ります算定式の変遷をまとめております。当初、医療法が制定された際には、公的医療機関等を対象に開設の規制という考えで必要病床数というものがございました。その後、医療法を改正いたしました昭和60年の際に医療計画制度というものが導入されまして、そこにあります「その他の病床」、いわゆる今で言うところの一般病床に対しまして必要病床数というものを定めて、地域ごとの偏在の解消を目的として医療計画制度がスタートしております。

 第四次の医療法の改正の際には、「その他病床」を一般と療養に区分して算定式を設けております。その際に、2列目の段になりますが、平均在院日数推移率というものを導入したところでございます。

 また、平成18年の第五次の医療法の改正の際には、一般病床と療養病床、それぞれ別に基準病床というものを定める算定式を設けておりまして、その中で第四次の際の平均在院日数推移率につきましては、平均在院日数掛ける0.9という一定の値を定めているというような改正を行っているところでございます。

 算定式につきまして少し細かく、9ページを用いて御説明したいと思います。現行の算定式になりますが、まずマル1、一般病床の算定式です。性・年齢階級別の人口に一般病床からの退院率を掛けまして、平均在院日数を掛けるとともに、その圏域ごとの流入、流出を考慮した後に、最後に病床利用率で割り戻すというので一般病床を求めております。

 療養病床につきましては、性・年齢階級別の人口を用いるところは同じですが、掛け合わせる値としまして長期入院の療養に係るところの入所率、入院率を掛け合わせるとともに、介護施設対応可能数というものを減じて、残り、流出入を考慮しているという算定式になっております。

 また、マル3にあります流出超過加算につきましては、後ほど御説明いたしますが、制度創設時からこういった加算が残っているというところでございます。

10ページをお開きください。今御説明いたしました算定式に係る係数をまとめたのがこの一覧になっております。このうち網かけをしているところにつきましては、厚生労働省の告示でその数値を決めております。例えば一般病床におきます病床の退院率につきましては、直近の患者調査におけます退院率をブロック単位で定めまして告示をしているというところでございます。同じく平均在院日数でありますとか病床利用率につきましても、告示で数値を定めているところでございます。特に今回御議論いただきたいところは、平均在院日数のところを見ていただきますと、直近の病院報告におけるブロックごとの年間の平均在院日数に0.9を掛けた値というものを定めておりますが、ここの考え方についても後ほど御説明していきたいと思っております。

 また、介護施設対応可能数につきましても、介護施設の入所者数を下限として、今後の介護サービスの進展を勘案して知事が定める数となっているところでございます。

11ページをお開きください。今御説明いたしましたものが基準病床の基本となるところでございますが、特例が設けられているものについて御説明したいと思います。11ページに上と下の2つございますが、上についてまず、基準病床の算定の際の特例といたしまして、例えば今後急激な人口の増加が見込まれるといった際には、基準病床を定める際に厚生労働大臣と協議の上、異なる値を定めることができるとなっております。また、計画を定めた後におきましても、同様に急激な人口が見込まれる場合、もしくは厚生労働省で定めた特例の病床というものに関しましては、厚労大臣と協議の上、別途定めることができるとされております。

12ページをお開きください。今申しました特例の場合というものも限定列挙されておりまして、12ページにありますように、マル1からマル13に関しましては、厚生労働大臣の同意を得た数につきまして上乗せができるという制度になっております。例えば、がんでありますとか、マル2で言いますと、小児疾患の専門の病床、こういったものにつきましては特例病床として取り扱いが別になっているという状況でございます。

 これらを踏まえましたのが13ページで、近年の病床数の推移になっております。一番下にありますのが基準病床でございまして、一番上が実際に稼働しているというか、都道府県から許可を受けているものが一番上になっております。その一番上の許可を受けているものから、職域病院、いわゆる自衛隊の病院でありますとか宮内庁病院等がここに含まれるわけでございますが、それらの病床を除いたものが青の既存病床という関係になっておりまして、近年の推移としましては、いずれにつきましてもほぼ減少しているという傾向が見てとれるかと思います。

14ページから、基準病床の算定式に係る個々の論点、課題につきまして、少し御説明していきたいと思っております。まず、先ほど申しました病床の算定式におきまして、平均在院日数を用いております。平均在院日数につきましては、計画の期間に一定の平均在院日数が短縮することが見込まれるということから、現行から1割減を見込んだ値を地方ブロックごとに具体的に示しております。

 表の中で御説明いたしますと、例えば北海道でいきますと直近の値が平成2220.0日となっておりますが、これが5年間の間に1割短くなるということで、短縮の見込みとして18.0というものを医療計画における基準病床の算定の際の平均在院日数として用いているところでございます。今回、この0.9を掛けた値というのがマル1の列に入れておりますが、実際、平成22年と26年の実績を見て平成27年がどのぐらいになるかというものを見込んだのがマル2の列になっておりまして、その平成22年時点で見込んだ値と比べてどうなるかというものをお示ししているのがマル1引くマル2となっております。

 このマイナスの表記になっているところにつきましては、当初見込んでいた短縮ほど現実的には短縮が起こっていないということで、今後、この短縮をどのように考えていくのかということが一つ論点かと思っております。

 また、左を見ていただくとわかりますように、その平均在院日数につきましても、現行ブロック別でお示ししているところでございますが、ブロックごとに平均在院日数は大きく異なっているというところで、このあたりもどのように考えていくかということも課題の一つではなかろうかと思っております。

15ページをお開きください。先ほどお示ししました算定式の最後に、分母に当たるところでございますが、病床利用率で割り戻すという算定式になっております。病床利用率につきましては直近の値を用いることとしているところではございますが、近年、病床利用率につきましては、グラフを見ていただければわかりますように、療養病床、一般病床、いずれにつきましても、その利用率が低下傾向にあるというところでございます。この低下傾向をこのまま伸ばしていくのか、一定の値を平均在院日数のように置くのかというところを一つ論点として考えているところでございます。

 次に16ページをお開きください。流出超過加算についてこちらにおまとめしているところでございます。この流出超過加算につきましては、創設時点における考え方といたしまして、昭和60年の必要病床数の算定の際に設けられたものでございます。その趣旨としましては、都道府県間で今回新たな基準を設ける際の激変緩和措置といたしまして、その時点において医療資源が十分にないということで、隣県に患者さんが受診する傾向の改善を目的としまして、他県に流出している分の2分の1を上限としまして、自分の県の病床に加算してもいいよということでスタートしております。その2分の1という加算の上限につきまして、平成3年の際には3分の1と見込んでいるところでございます。

 実際、流出超過の現状はどうなっているかということにつきましては、全国の平均の9割以上においてそれぞれの居住する都道府県において受診いただいているという状況にございますし、多くの二次医療圏におきまして、基準病床数と同程度の病床の整備が行われているということを踏まえまして、この流出超過加算というものを今後どのように扱っていくかということを一つの論点として挙げさせていただいております。

17ページをお開きください。これまで御説明してまいりましたそれぞれの論点を一つの紙にまとめたところでございます。1つ目といたしまして、基準病床数を算定する期間につきまして、これまでは計画期間である5年間を基本として考えていましたが、今後、計画期間そのものが5年から6年に変更になったことを踏まえ、どのよう考えるのか。2つ目といたしまして、一般病床の算定における平均在院日数の経年変化の見込みについて、現在全国一律の考え方を用いていますが、今後どのように考えるのか。3つ目としまして、病床の利用率は直近の利用率を用いることとしておりますが、今後経年の変化も踏まえて、こちらにつきましてどのように考えるのか。4つ目としまして、流出超過加算につきまして、現行の提供体制等を踏まえて今後どのように考えるのかといった、4つぐらいを論点として挙げさせていただいております。

 続きまして、18ページをお開きください。今般の医療法の改正を受けまして、現在、各県におきまして策定に取り組んでいただいております地域医療構想におきましては、病床の必要量といたしまして必要病床数を定めているところでございます。趣旨につきましては、地域医療構想に定める病床の必要量は平成25年度の入院受療率と将来の推計人口をもとに定めて、将来必要となる病床数を機能別に定めております。

 各都道府県におきましては、この地域医療構想で定めた医療機能ごとの病床の必要量と、毎年度の病床機能報告における病床数を参考にしながら、将来の病床機能の分化・連携を図っていくということを制度の趣旨としております。

 これを果たすために、次にありますような都道府県知事の権限が、公的医療機関、それ以外の医療機関におきまして、病院の新規開設時、また過剰な医療機能に転換しようとする場合、またそれを達成する際の協議が調わない場合、それぞれにおいて都道府県知事の権限が定められているところでございます。

 今まで説明してまいりました基準病床数と、将来必要となります病床の必要量であります必要病床数の関係について、これまでガイドラインの検討会の際におきましてもどういう関係なのだという御指摘をいただいているところでございまして、この2つの関係につきましても整理が必要と考えております。

 具体的には、今申しました基準病床数につきましては、現時点において必要とされる病床数である一方で、地域医療構想におきましては将来いわゆる2025年の医療需要の変化を踏まえた必要となる病床の量というのを定めていますが、これら2つの関係についてどのような関係にあるのかの整理が必要であろうと思っております。

 また、2つ目といたしまして、今後、都市部において医療需要が急速に高まっていくということが見込まれておりまして、その際に基準病床数制度とこの必要病床数の関係をどのように考えていくのか。

 また、3つ目といたしまして、地域医療構想を通じまして将来の医療提供体制の実現に向けた取り組みを進めていく際に、今回、都道府県知事に付与された権限というものをどのように具体的に定めていくのかという点につきましても整理が必要と考えております。こちらにつきましては、設置を認めていただいております地域医療構想に関するワーキングにおいて考え方の整理を進めていきたいと考えております。

 資料1につきましては以上でございます。

 続きまして、資料2をお開きください。2つ目の議題であります、医療機器の配置及び安全管理の状況等について現状どのようになっているのかという状況と、また一部分析を行っておりますので、その内容について御説明したいと思います。

 2ページ目をお開きください。医療計画における医療設備、器械等について、どのような規定になっているかをまとめたところでございます。医療法の30条の7におきまして、医療計画の達成の推進に資するため、医療機器等の設備、器械及び器具を当該病院に勤務しない医師に診療もしくは研究のために利用させるように努めるものとするということが規定されております。簡単に言いますと、地域における共同利用というものを念頭に置きながら、こういったものの規定が設けられているというところでございます。

 これに関連しまして、医療機器に関しましては、医療連携体制というところで医政局長通知の中で、都道府県の共通のストラクチャー等の指標を用いて現状を把握した上で、課題を抽出し、課題の解決に向けた数値目標の設定及び施策の明示等を行うことを求めておりまして、そのストラクチャーの指標の中に医療サービスを提供する物質資源ということで医療機器等を念頭に置いているところでございます

 3ページに参りまして、それらの医療機器に係る安全管理に関する医療法上の規定を抜粋しているところでございます。まず第6条の12におきまして、病院等の管理者は医療の安全を確保するための指針の策定、研修の実施、その他医療安全を確保するための措置を講じなければならないとされております。また、30条の4におきまして、都道府県は基本方針に即しまして医療提供体制の確保を図る計画の中で、医療安全の確保に関する事項を定めるということが規定されております。

 4ページをお開きください。こちらは医療法施行規則の抜粋になりますが、医療機器に係る安全管理として、病院の管理者が行うべきものとしまして、医療安全のための体制の確保として、医療安全に係る指針の整備、委員会の開催、職員研修の実施ということが定められておりまして、次に行きまして、具体的にどういうことをするのかというところにおきまして、例えばハになりますが、医療機器の保守点検に関する計画の策定及び保守点検の適切な実施というものを求めているところでございます。

 5ページ以降、県別等の放射線機器もしくはCTMRIの状況についてまとめておりますので、御紹介していきたいと思います。医療機器はさまざまなものがあるところではございますが、今回分析を進める段階で可能だったCTMRIにつきまして、今回資料を整理させていただいております。

 まず、6ページをお開きいただきますと、都道府県別のCTMRIの人口当たりの台数をお示ししているところでございます。CTにつきましては、県別で見た場合に人口当たりで3.2倍、MRIにつきましては約3倍の開きがあるという傾向が見てとれるかと思います。比較的医師が多いと言われております西日本に多い傾向が見てとれるかと思います。

 続きまして、7ページをお開きください。CTの保有状況につきまして、病院と診療所を比較したものになります。上段の左を見ていただきますと、シングルスライスのCT、右がマルチスライスのCTとなっておりまして、いわゆる機能がシングルスライスのほうがシンプルで、マルチのほうが高度な機能を持っていると思っていただければよろしいかと思います。

 シングルスライスにつきましては約6割が診療所、マルチスライスにつきましては7割が病院という状況で、日本国内にありますCTのうち約4割強が診療所にあるということが見てとれるかと思います。

 8ページをお開きください。こちらはMRIの保有状況になりますが、これも同様に、左のほうが1.5テスラ未満の比較的機能が劣るもの、右のほうが高機能という関係になっております。それにつきまして、1.5テスラ未満につきましては約半分が診療所にあり、15テスラ以上につきましては8割以上が病院にあるという状況でございます。それを足し合わせますと、日本全体の3分の1のMRIが診療所、3分の2が病院にあるという状況にあります。

 9ページをお開きください。病院の病床規模別に保有状況をお示ししているところでございます。下段の保有率を見ていただきますと、縦に病床の規模の小さいところから大きい順に並べておりますが、一番左の列、マルチスライスのCTを見ていただきますと、保有の施設率は病床数が大きくなるにつれて高くなっていっているという傾向が見てとれると思いますし、MRIにつきましても同様の1.5テスラ以上につきましては、病床規模に応じて保有率が上がっていくという傾向が見てとれるかと思います。

10ページをお開きください。これらの保有状況につきまして、人口100万人当たりの台数を国際比較したものがこちらのグラフになっております。上段がCT、下段がMRIとなっておりますが、OECDの平均と比べた場合に、日本におきましてCTは約4倍、MRIにおきましては約3倍と台数は多く、見ていただければわかりますように、他の国よりも一番多くなっているという現状にございます。

11ページ以降、これらにつきまして少し分析を行ったものについて御紹介していきたいと思います。

12ページをお開きください。こちらのグラフにつきましては、縦に人口当たりのCTもしくはMRIを撮影した患者数を縦軸にとっておりまして、横軸に人口当たりの台数をとっております。基本的に縦軸に関しましては県別で必要となる患者数は大きくは変わらないというふうな仮定を置いて考えているところではございますが、見ていただくとわかりますように、横軸を見ていただいた場合に、人口当たりの台数が多いところにおきましては、縦軸の患者数も多くなっているということで、正の相関関係がCTMRI、いずれについても認められるという結果になっております。

 続きまして、13ページをお開きください。13ページにつきましては、横軸にCTの台数、もしくはMRIの台数、縦軸に1台当たりの患者数を置いております。この場合に、台数が多いところにおきましては1台当たりの患者さんの数が少なくなっているところでございます。例えばCTのほうでいきますと、台数が少ないところにおきましては、1台当たり月450人ぐらいの患者さんを撮影されていますが、台数が多いところにおきましては1月当たり約200人程度ということで、稼働状況に倍ぐらいの差があるということが見てとれるかと思います。MRIにおきましても、台数が少ないところにおきましては月320人程度、一方で台数が多いところにおきましては190もしくは170人というところで、稼働状況に差があるという状況でございます。

14ページをお開きください。これまで県単位の稼働状況もしくは分布状況について御説明したところでございますが、今後、医療計画を考える際にそれを二次医療圏で見たらどうなっているのかということを分析したのがこちらになっておりまして、人口当たりの台数が少なくて患者数が多いところの4県と、人口当たりの台数が多くて患者数が少ない4県、それぞれの二次医療圏の内訳を見ていったところ、台数が少なくて稼働がいいところにつきましては、二次医療圏別に見てもやはり同じ傾向がある。稼働が悪いところにつきましても、同じように二次医療圏で細かく見ていっても同じような傾向があるというところで、県全体の傾向と二次医療圏ごとの分析というものが大まかに同じ傾向が認められるかと思っております。

15ページ以降で、医療機器の安全管理の取り組み状況について御説明していきたいと思います。

16ページと17ページにおきましては、日本画像医療システム工業会におきまして、第13回の画像医療システム等の導入状況と安全確保状況に関する調査報告書をお借りして集計を行っているところでございます。

 まず、保守点検の実施状況につきましては、上段の左上がシングルスライスのCTになりますが、一部未実施というところがございますが、下段に行きまして、マルチスライスにつきましてはほぼ全ての医療機関で、病床規模にかかわらず保守点検を実施いただいているというところでございます。同様に、右下に行きまして、MRI1.5テスラ以上におきましても、病床の規模にかかわらず保守点検が行われているという状況が見てとれるかと思います。

 続きまして、17ページをお開きいただきますと、安全管理責任者の設置率、もしくは保守点検の計画の策定率というものも、病床規模別に見ていった場合に、その病床の規模が小さいところでは一部取り組みが十分でないというところも見てとれるところでございます。

18ページをお開きください。これら医療機器の配置及び安全管理の状況に係る論点といたしまして、次のようなものを掲げているところでございます。CTMRI、さらにはそれ以外の医療機器の配置に当たりまして、今後の医療提供体制の現状をまず把握した上で取り組むことが重要であろうと考えております。

 また、医療提供体制の整備を進めるに当たって、医療機器の配置状況や、本日お示ししました稼働状況、さらには保守点検を含めた安全管理の取り組み状況ということも十分考慮した上で、今後どのように取り組みを進めていくのかということの御議論をいただければと思っております。

19ページ以降は参考となるグラフを幾つかつけておりますので、適宜御参照いただければと思います。

 続きまして、資料3を御用意ください。医師確保の取り組みの現状等について、資料3でまとめているところでございます。2ページ目をお開きください。医療法におけます医療計画における医師確保につきましては、30条の4におきまして、基本方針に即して各県において定める事項として、医療計画の中で医療従事者の確保に関する事項ということを定めることとされております。

 また、3ページを見ていただきますと、それらに関する取り組みといたしまして、30条の23におきまして、地域医療対策協議会を設けております。こちらにつきましては都道府県における協議の場として、医療従事者の確保に関することを関係者と議論する場として地域医療対策協議会を定めておりますし、30条の25におきましては、それらの取り組みを進めるに当たって事務を実施する場といたしまして、地域医療支援センターというものを医療法上規定しているところでございます。

 4ページ以降、先般、6月3日にまとめられました医療従事者の需給に関する検討会における中間まとめの中におきましての記載を幾つか抜粋しております。

 5ページをごらんください。今後、医師偏在対策を進めるに当たりまして、後ほど御説明します(4)(6)に関しましては医療計画に関係するところとなっておりまして、これらの取り組みをどうするかということにつきましては、年末に向けて検討を進め、取りまとめるということを中間まとめの中でまとめられているところでございます。

 例えば(4)につきましては、医療計画における医師確保対策の強化というところで、医師が不足する特定の診療科、地域等について、確保すべき医師数の目標値を設定するといったことが掲げられております。また、(6)といたしまして地域医療支援センターの機能強化としまして、医師のキャリア形成・異動を把握し、医師のキャリア形成支援、配置調整ができるよう、その機能を強化するということが中間まとめにおいて記載されているところでございます。これらの目標をどのようにするのかというところを本日少し御議論いただければと思っております。

 6ページは、それ以外の取り組みもまとめたり、年末までに検討すべき医師偏在対策を一覧にまとめたところでございます。

 7ページにお進みください。まず、地域医療支援センターにつきまして、現状を御説明いたします。

 8ページをお開きください。地域医療支援センターにつきましては、28年4月現在、全ての都道府県において設置いただいているところでございます。その目的といたしまして、都道府県が責任を持って医師の地域偏在の解消に取り組むためのコントロールタワーという役割を期待しているところでございます。その中で、地域枠の医師等を活用しながら、キャリア形成の支援と一体的に地域の医師不足病院の医師確保を支援するということを求めておりまして、それを果たすための専任の実働部隊としてこのセンターに期待しているところでございます。

23年度以降、45の都道府県でこの取り組みを進めていただいておりまして、これまでの間に3,300名程度の医師の医療機関へのあっせん・派遣といった実績があるところでございます。

 9ページには、地域医療支援センターの業務を挙げておりまして、医師確保の支援、地域医療に従事することへの不安の解消、情報発信・コーディネートといったさまざまな業務をこのセンターでやっていただいているところでございます。

10ページには、医師のキャリア形成に係る取り組みの例を幾つか挙げております。まず1つ目が三重県ですが、三重県では県と大学と病院が共同して、専門医資格が取得できるような後期臨床研修プログラムの作成を行っていただいております。また、静岡県につきましては、各病院の強みを生かした連携を構築することによって、こちらにおきましても専門医を取得できるような研修のネットワークのプログラムを作成いただいております。また、宮崎県におきましては、地域総合医育成センターを設置いたしまして、こちらでは総合診療医の育成を目指した取り組みをやっていただいております。4つ目といたしまして、岐阜県におきましては、県内の代表する8つの病院でコンソーシアムを構成して、医師のキャリア形成プログラムを県全体で取り組んでいるといった、さまざまな取り組みがされているところでございます。

 続きまして、11ページ以降、医師数の現状についてまとめておりますので、御説明してまいります。

12枚目をお開きください。こちらにつきまして、これまでも県別の医療従事者数ということで、ふだん見る機会が多いグラフかと思います。少し見やすくするために、下段に各県の平均との差をお示ししているところでございます。こちらを見ていただきますと、従来言われております西日本に多く東日本に少ないという傾向がより見やすくなっているかと思います。

13ページをお開きください。県別の医療従事者数の経年変化を平成2年から直近の平成26年までまとめたところでございます。経年、いろいろ動いているように見えるところでございますが、よくよく見ていきますと、上位グループと下位グループについては余り変化がないというところが見てとれるかと思います。特に、上位6県のグループと下位の3県に出てくる県の名前につきましては固定化しているということで、この間、変更がなく、横に推移しているという状況でございます。

14ページに行きまして、それぞれのグループが変化していないのかというところでございますが、実際の人口10万人当たりの人数がどう変化しているというのをまとめたのが14ページでございます。上位グループ、下位グループ、どちらにおきましても平成2年から平成26年の間に増加しているところでございますが、その差を見ていきますと、一番多い県と一番少ない県につきましては、平成2年のときに129.6だった差が現在155.1、上位5県と下位5県のグルーピングをしたところで見た場合には、平成2年で98.4の差だったものが平成26年の124.8に広がっているということが見てとれるかと思います。

 続きまして、年齢における分析を少ししておりますので御紹介したいと思います。まず、15ページですが、人口当たりの臨床従事の医師数と高齢医師数の割合について分布をお示ししております。ここで言う高齢医師につきましては65歳以上の医師をプロットしているところでございます。この場合に、クロスしているところの左上を見ていただきますと、ここに出てきます4つの県におきましては、現在の県にいる臨床に従事する医師が少ない一方で、高齢医師の割合が高いというグループになっておりまして、今後さらに高齢化が進んでいった場合にどのようになるのかということが危惧されるところでございます。

 次に、16ページは縦軸に若手の医師をとっております。ここの若手の医師は40歳未満を若手の医師として計算をしているところでございます。同様に、横軸につきましては、臨床に従事する人口当たりの医師数をとっております。この場合は左下に出てきますグループにおきましては、現在、臨床に従事する医師が少なく若手の医師も少ないというところで、これらにつきましても今後さらなる課題が大きくなってくるのではないかということが危惧されるところで、各県におきましても年齢構成というものも大分違っているということも重要な要素かと考えております。

 続きまして、17ページは診療科、もしくは領域ごとにどのような状況にあるかというものをお示ししたレーダーチャートになっております。右上の京都府につきましては、人口当たりの医師数が一番多いという結果になっているところでございますが、内科、外科、小児科、産婦人科、麻酔科、救急科、いずれの領域におきましても全国よりも高いという状況になります。一方で、埼玉県は全国で一番医師が少ないということになってございますが、いずれの領域においても少ないということが見てとれるかと思います。

 一方で、下の段を見ていただきますと、徳島県は全体で見ると全国で3位でございますが、レーダーチャートを見ていただくとわかりますように、救急科におきましては全国平均を大きく下回っているという状況にあります。一方、千葉県につきましては、総医師数は少ないところではございますが、逆に救急科につきましては全国平均を少し上回るぐらいの水準にあるということで、県別に見ていった場合にもこういった診療科ごとの違いがあるということをお示しした例になっております。

18ページ以降は、今申しました高齢化とか診療科以外のものでどういったことが考えられるかということで幾つか分析をしてみたところでございますので、議論の参考にしていただければと思っております。18ページは一般病床の平均在院日数の県別の差をお示ししているところでございます。

 この平均在院日数と医師数をクロスしたのが19ページになります。19ページを見ていただきますと、横軸に病院で働いています人口当たりの医師数をとっておりまして、縦に平均在院日数をとっております。この場合、横軸で見ていきますと、医師数が多いところで平均在院日数が長いという結果になっておりまして、何となくふだん考えているのと違うという感覚の御指摘があろうかと思います。

20ページをお開きください。20ページにつきましては、各県の1病院当たりの医師数をとったのが横軸になっております。多くの医師がいる病院が多いという状況になっておりまして、その場合、横軸で見ていきますと、病院当たりで見た場合の医師数が多いところでは平均在院日数が短くなっているというところで、やはり医療資源、医師のマンパワー等が集約されているところにおきましては平均在院日数が短くなるということがこの傾向から見てとれるということで、こちらはふだん感覚と近いものかなと思っているグラフでございます。

21ページにお進みください。今後、指標等を考える際に、人口もしくは面積の要素も考慮する必要があるのではないかと考えておりまして、現状の二次医療圏別に見た場合の人口と面積の分布をまとめているところでございます。人口で言いますと、一番多い医療圏としまして大阪府大阪市が255万人、一番少ないところにいきますと、下5つになりますが、いずれも離島を抱えられているところで、医療圏ごとの人口2万人もしくは1万人台という医療圏がございます。右に行きますと面積になりますが、上位5県、いずれも北海道になっておりますが、北海道では二次医療圏が非常に広いということと、一方で都市部におきましては面積が極端に小さいということになっております。

 それらをプロットしたのがそこのグラフになっておりますが、大体真ん中のゼロの当たりが人口で言うところの35万人程度、面積で言うところのゼロのちょうど平均のところが、うまい例示がなかったのですけれども、東京都の1.6倍がその中間ぐらいになっているという状況になります。

 もう一枚おめくりいただきますと、300幾つある二次医療圏がどういうところに分布しているかというところでございますが、一番数が多く分布しているのが左下になっておりまして、人口が30万人を少し下回るぐらいのところ、面積で言うところゼロを下回るということで、先ほどの東京都の1.6倍ぐらいの面積を下回るところに約130の医療圏がございまして、多くはこういったイメージの中で医師数をどう考えるかというところもありますが、それ以外を見ていきますと、少しずつ面積が大きかったり、人口が多かったりというような医療圏もちらほらあるというところが面積と人口の分布になっております。こういったものを御参考にしていただければと思っております。

 次に23ページ、最後の御紹介になりますが、初期臨床研修制度におきましては、県別の募集の定員の基礎数というものが定められております。

24ページをお開きください。その基礎数の定め方をまとめたところでございますが、現行、平成27年度以降は下段の算定方法を用いております。この際には人口の分布、医師養成の状況、マル3としまして地理的条件等に加算を設けております。このマル1、マル2、マル3を合算することによって都道府県別の基礎数というものを定めておりまして、それの分布状況を示したのが次の25ページになっております。

 ぱっと見た感じはやはり都市部に多いところではございますが、先ほど御説明しました算定式の中で、医師の養成状況というところで、県別の医学部の定員数というものを用いていることもありまして、例えば北海道でありますと3つ医学部があったり、石川も2つあったりというところで、そういったところにつきましては他県よりも少し高くなっているという傾向が見てとれるかと思います。こういった案分の仕方もあるという一例として御紹介したところでございます。

 最後に26ページになります。今後、医療計画におけます医師確保対策を考える際の論点として幾つか挙げております。まず、目標値の考え方につきまして、きょう御紹介いたしました目標値を定める範囲として、県別もしくは二次医療圏別、それ以外にどういうものが考えられるのか。また、目標値を定める領域としまして、診療科ごと、もしくは医療計画の中で特に確保が必要な事業とされています救急でありますとか、小児、周産期といった事業単位で定める場合もあるのではないかと思っております。

 その際には、考慮する事項としまして、きょう御紹介いたしました医師の年齢構成でありますとか、人口、面積、それ以外にどういったことを考慮する必要があろうかというところについて御検討いただきたいと思っております。

 また、それらを具体的に進めるに当たりまして、都道府県が対策に取り組むに当たってどのような権限が必要となるのか。また、地域医療支援センターの強化をどのように進めていくのか。また、県、国の役割はどのようにやっていくべきかといったところも重要になってくるかと思っているところでございます。

27ページ以降は、それ以外の資料をおつけてしているので、適宜御参照いただければと思います。

 説明は以上になります。

○遠藤座長 お疲れさまでした。議論の時間は限られておりますので、効率的に議論を進めていきたいと思います。

 それでは、最初に御説明いただきました基準病床について、御意見、御質問等を承りたいと思います。17ページに事務局が出された「基準病床数制度における論点(案)」というのが出ておりますので、基本はこのあたりを中心の御意見をいただければと思います。同時に、19ページに、今回は地域医療構想という新しいファクターが入っておりますので、必要病床数と基準病床数の関係をどうするのかということは、この検討会でも随分議論されましたけれども、これについては事務局案としては今後つくられますワーキンググループで検討していただいたらどうかということでございますので、もしそれでよろしいということであるならば、本日はむしろ余りこちらの問題ではなくて、それ以外のところの議論をしていただいたほうがいいかなと思います。19ページに書かれているように、この問題についてはワーキンググループに任せるということでよろしゅうございますか。もちろんここで何か発言したいということであれば、それは抑えるつもりは毛頭ありません。

 では、一応ワーキンググループでこの問題を集中的に御議論いただくということにさせていただきたいと思います。

 そういうことでありますので、17ページにあるような論点を中心に、基準病床数に関する御意見、御質問等をいただければと思います。よろしくお願いします。

 それでは、市川構成員、どうぞ。

○市川構成員 9ページの基準病床の数式で、平均在院日数ということは議論するのですけれども、それ以外に年齢別ですか、退院率は5年刻みだったですか、要するに患者さんが高齢化するに従ってこの数字は上がってくるということは考えてよろしいですか。

○遠藤座長 事務局、御質問の趣旨はよろしゅうございますか。もし御不明であれば聞いていただければと思います。

○木下課長補佐 もう少し補足いただいてよろしいでしょうか。

○市川構成員 一般病床の部分で、性別・年齢階級別一般病床退院率ということは、退院率ということは数ですよね。ということは、患者さんが高齢化してくると、やはり数が、率が上がってくるということですね。そういう理解ですね。

○木下課長補佐 一般的にはそういう傾向にあるかと思います。

○市川構成員 そうですね。あと、病床利用率、これは稼働率がだんだんと下がってきているということは、平均在院日数も若干は下がっているのでしょうけれども、ここの部分で基準病床数の計算式で数が上がっていくということは、今後、例えばグラフで見ますと、13ページ、平成25年の基準病床数が105.3105.1で、ほとんどこの辺で変化がなくなってきている。ということは、この計算式をそのまま踏襲していけば、逆に年齢構成が変わっていくに従ってだんだん上がっていく可能性があると思うのですが、いかがでしょうか。

○遠藤座長 今後の見通しですね。事務局、どうぞ。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 今御指摘いただきましたように、9ページのマル1の一般病床の算定式から想定されるところとしまして、平均在院日数を据え置いた場合につきましては、今後、高齢化が進み、それは御指摘がありましたように、一般病床の退院率につきましては高齢者のほうが高くなるということのみでもって推計することになった場合には、恐らく上昇することもあろうかと思います。

○市川構成員 病床利用率が今後下がる、分母が下がるから、数も上がりますよね。割り算しますから。割り戻していくと。

○木下課長補佐 事務局でございます。病床利用率と平均在院日数はそれなりに相関関係があるので、どちらか固定。

○市川構成員 いや、このグラフで見ると、明らかに下がっていますよね。

○木下課長補佐 このまま下がっていけば、割り戻すということになりますので。

○市川構成員 だから、やはり数は上がってくると。

○木下課長補佐 はい。

○市川構成員 現状、今後何年間でどういうふうになるかわからないにしろ、いろいろな要素を考えると、基準病床の数は上がる可能性があるのではないか。要するに、非過剰医療圏がふえてくるかもしれない。

○木下課長補佐 ちょっと補足いたしますと、前回の第六次を策定する当初の段階におきまして、要は非過剰地域、いわゆる今後も病床の追加の整備ができるであろうというのが、県からの報告を踏まえまして55の医療圏がございました。ですので、要は人口構成等が変わっていくこともありますので、二次医療圏単位で見た場合には、そういった医療圏というものも出てくるのは御指摘のとおりだと思います。

○市川構成員 わかりました。そうすると、先ほどの平均在院日数掛ける0.9という係数の話をどうするかということだと思うのですけれども、今までとおりでいくか。というのは、だんだん自然増的に基準病床数が上がってくるとしたら、やはりこの数は残しておいたほうがよろしいかなというのが一応私の考えです。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 関連した御意見はございますか。

 今村構成員、どうぞ。

○今村構成員 今のやりとりでちょっと気になったので。

 病床利用率という数字の意味を共通認識してもらいたいと思うのです。病床利用率は動くものだと考えています。今、平均在院日数と病床利用率が連動しているというお話がありましたけれども、その間にはワンクッションありまして、新入院患者数というものがあります。だから、患者数が同じであれば、平均在院日数が短くなれば病床利用率は単純に下がるのですけれども、その中で新入院の患者さんがふえてくると、新入院の患者さんがふえていくスピードと平均在院日数が短くなっていくスピードの結果が病床利用率になりますので、単純に平均在院日数とこれが連動するというものではないと思います。

 平均在院日数が短くなるのがとまると、新入院患者数は高齢者がふえるにつれてふえていきますから、病床稼働率は上がるという構造になっていますので、その点では非常に病床利用率というのは動く数字であるということを御理解いただきたい。

 もう一つ、近年で言えば、ドクターの数や看護師さんの数が足りなくなると、病床を閉めたりしておりましたので、病床全体の稼働が落ちるということが結構ありましたので、こういうふうに周りの環境によってすごく動く数字であるということを御理解いただいたほうがよいかと思いました。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございました。補足の御説明をいただいたということであります。

 それでは、山口構成員。

○山口構成員 17ページの2つ目の丸に、平均在院日数の経年変化の見込みについて、今は全国一律としているが、今後どのように考えるかという項目がございまして、14ページに戻りますと、基準病床の算定における平均在院日数についてというグラフとか数字が出ています。平均在院日数を1日減らすのもかなり大変な努力があると聞いている中で、これを見ますと全国的に地域、ブロックによってかなり違いがあって、黄色で全国平均のグラフがございますけれども、これは恐らく関東、東海が日数が少ないところで下のほうにおりてきているのであって、この2つの地域がなければ、また上に上がってしまうのかなと思いながら拝見していました。

 これはどのような規模のどんな機能を持った医療機関があるのかということによって、今後の動きがかなり変わってくるのではないかという気がします。例えば急性期から受け入れの態勢がどれぐらい整っているのかとか、在宅ということが整備あるいは実現をどれぐらいしているのかによっても、この平均在院日数が変わってくるのではないかなということを考えますと、今後、ずっと下がってきているのがさらに下がるのか、ある程度でとまるのかというようなことを考えると、地域によって同じように変化していくわけではないような気がするのです。

 例えばこのグラフの中で、地域によってどんな機能のどのような医療機関、例えば200床前後ぐらいの病院が多いというような地域が多いとか、あるいはかなり大規模な病院が多い、そこでかなり在院日数の短い医療機関が多いのでこういう平均になっているとか、もう少し詳細な資料を出していただく可能性があるのかどうかということをお尋ねしたいと思います。

○遠藤座長 事務局、いかがですか。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 少なくともブロック別でそういった分析を今までやったことがないのと、どういった病床数、病院の機能がどの程度この平均在院日数に寄与しているのが、さらにブロック単位で分析が可能かというところは、相当程度研究を重ねないと簡単な資料でも難しいかなというのが率直な感想でございます。

○山口構成員 全国一律にするかどうかということを考えるとしたら、地域ごとということを考える必要もあるのではないかという気がしたのです。

○遠藤座長 地域ごとに考えるためには、もう少し何がしかの追加情報がないかというお尋ねです。関連でよろしいですか。

 では、相澤構成員。

○相澤構成員 山口構成員のほうから、病院の機能とか、あるいは病院の規模というのが挙がったのですが、実は一般病床というのは、もう御存じのように、以前はいろいろな患者さんが一般病床に同じように入っていたのですが、診療報酬によりまして一般病床の中にも相当な変化が起こってきています。診療報酬によりまして平均在院日数が決まっているものですから、それ以上は入院ができないという構造になっています。例えば一般病床のうちの入院基本料の7対1ですと、平均在院日数は19日までと決められています。ですから、それ以上に患者さんを入院させることができません。

 しかし、一般病床でありながら、回復期リハビリテーション病床というのがあります。この平均在院日数がどれくらいか調べたのですが、私の調べ方が悪くて余りわからなかったのですが、例えば脳血管障害でしたらたしか150日まで入院をさせてもいいと。それから、骨折等の患者さんだと90日まで入院をさせていいということになっています。こういう患者さんを入院させていれば、当然平均在院日数は長くなります。

 そこで、回復期リハ病床はどこが多いのか、興味があって調べてみました。圧倒的に西日本のほうが多いです。人口10万当たり圧倒的に多いのは関西から西のほうです。一番多いのは、調べてみたら高知県でした。人口10万人当たり147床です。ところが、茨城県は最下位で、人口10万人当たり35床です。そうすると、これによってもう平均在院日数は物すごく変わってしまいます。

 一般病床というくくりで全てこういう計算をすることが本当にいいのかどうか。そして、関東のほうが平均在院日数が少ないのは、本当に患者さんを早く帰しているのか。それとも、回復期リハ病床が少ないので平均在院日数が短くなっているのか。病床のありよう、診療報酬でどういう特定入院料をとっている病床が多いのか少ないのかによって大きく変わります。この点で、保険局の資料といいますか、レセプトのデータ、どういう特定入院料をとっている病院がどこの地域にどれくらいあって、その差はどうなのかというデータが全くない中でこれを議論していくのは非常に危険だと思いますし、特に二次医療圏で見ますと、急性期の病院ばかりある二次医療圏と、お隣の二次医療圏には回復期リハ病棟がいっぱいあって、そちらへ患者さんが移っている地域もあります。その中で病床を計算されますと、急性期を一生懸命やっているところは基準病床数ががくんと下がってきます。

 今、日本病院会で大きな問題になっているのは、例えば大阪地域ですけれども、前々回の基準病床数の計算では物すごい過剰地域だった、もうこれ以上つくれないというのが、それが前回の計算をしたところ、突然病床が物すごく足りないという計算になって、大阪の病院の先生方は物すごく困っています。

 感触としては今そこそこうまくいっていて、これ以上ベッドは要らないというのに、そういう計算が出てくるのはどういうことか、計算式がもともとおかしいのではないかと、先生方から非常にそういう不満が上がっていますので、そういうことも含めてぜひ御検討をいただいたほうがいいのではないかと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 では、関連で西澤構成員、どうぞ。

○西澤構成員 19ページにありますとおり、基準病床数を考えるときには、今進んでいる地域医療構想を抜きにしては考えられないのではないかと思っています。

 今の基準病床数は、1ページ目にありますが、目的としては全国でできるだけむらのないように一定水準を定めて、それを国から都道府県に落として医療圏に落としているだけです。非常に粗いものだと思っています。

 地域医療構想は、構想区域ごとに医療の需要をきちっと出して、その積み上げで出していく。それから、単純に一般病床だけではなく、その中で高度、急性期、回復期を分けてやっているということでは、やはり地域医療構想の決め方が非常にいいのではないかと思います。ただ、これは2025年に向かってやっているということで、今の必要病床数がすぐに出るかというと、若干そこら辺はまだ問題があるかなと。

 その2つを考えますと、まず地域医療構想を基礎に置きながら、それを邪魔しない形で今回は基準病床数を考える。極端なことを言うと、基準病床数が地域医療構想が進む中においては恐らく不必要になってくると思います。そういうことを考えながら検討してはどうかということで、ワーキンググループでもう少しもんでもらってから議論したほうがいいのではないかと、そんな気がしております。

○遠藤座長 なるほど。

 ほかに何か御意見はございますか。田中構成員、どうぞ。

○田中構成員 論点にはないのですが、療養病床の計算式、9ページ、10ページに例が出ています。ここに出てくる介護施設対応可能数について一言意見があります。

 介護施設対応可能数をここに入れたのは、平成12年の改正だと思います。平成12年のとき、つまり介護保険ができたころの介護施設ならまだわかるのですが、現在では介護施設だけではないですね。地域医療構想でも、慢性期病床については在宅医療を勘案すると書いてあります。療養病床を勘案するときに在宅医療の進展は踏まえるべきですし、ここにある介護施設全部が長期療養対応ではないです。例えば老健の中の在宅復帰型は、長期療養施設ではないですよね。つまり療養病床の代替物ではありません。機能が明らかに3カ月以内で在宅に帰すためのものをここで式に入れる説明もおかしいし、逆に言うと、特養と同等の機能を果たすサ高住とか特定施設もふえています。したがって、平成12年、介護保険ができたときの考え方で介護施設対応可能数をそのまま残している図は時代錯誤であると感じますので、検討が必要ではないでしょうか。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 市川構成員、どうぞ。

○市川構成員 今、ちょっと言われたように、介護病床を引くということは、病院機能と介護施設との疾病に対する対応が同じだよという考え方がもとになっていると思うのですけれども、これは若干違う。病院はそれなりに人数配置にしても看護師、医師等がきちっとされていますから、老健はまだしも、知事がどうのこうのという文章は、知事が例えばサ高住とかそういうところとなると、機能が果たして維持できるか。ここのところは問題ではないかなと思っております。

○遠藤座長 今までの御意見をまとめさせていただきますと、平均在院日数から始まったわけですけれども、これだけ差があるのであるから、地域ごとの特徴みたいなものは考慮する必要があるのだろうということで、何がしかの差の根拠のようなものが欲しいという御意見だったわけです。それに対して、診療報酬上の病床の機能、特に回復期リハの報酬がついているということが大きな要因ではなかろうか、地域別にそのような報酬をとっているところの分布がわかればありがたいけれども、なかなかないねというような話で、その辺の検討も必要だろうというご意見だったわけです。もう一方では、一応ワーキングに任せると言った必要病床数と基準病床数との関係の検討ですが、やはり必要病床数は非常に重要なので、そちらのことが議論されないのに、こちらを余り先行してやってみてもどうなのだろうかと、こういう意見が出たということであります。

 療養病床につきましては、介護施設対応可能数というものの扱いについて、適切かどうかということについて御議論が出ているということでございます。

 それに関連してでも結構ですが、それ以外にも幾つかの論点が示されておりますので、何かあれば御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。計画の期間の問題については何も御発言はなかったかと思います。あるいは、流出超過加算についてはどうでしょうか。

 市川構成員、どうぞ。

○市川構成員 有床診療所の件で、4事業プラス、知事が必要と認めたということですか、そこのところはどういうことを想定されているのか、また実際どういう例があったか、ちょっとお教えいただければ。

○遠藤座長 事務局、何かコメントがあれば。

○木下課長補佐 今、御指摘のように、4ページの診療所に設置に関する一般病床に係る特例のお話のところでよろしいでしょうか。

 マル3のところにあります、マル1、マル2のほかというところにつきましては、例示で挙げています小児、周産期といったところで、主に特に必要な診療所として認めていただいているケースが多いと伺っております。

○市川構成員 「その他の地域において良質かつ」云々という文章で、小児、周産期以外で具体的にはどういうものがあるかということをお伺いしたいのですけれども、把握されていないですか。

○木下課長補佐 救急医療に取り組まれているのが幾つかあると聞いているところです。

○市川構成員 そうすると、やはり5事業の中の一環だということですか。

○木下課長補佐 そうです。その範囲でお認めいただいているケースが多いと聞いております。

○市川構成員 もうちょっと救急医療も含まず、有床診自身が機能を持っているものがありますから、もう少し弾力的な運用をお考えいただいて、有床診の活用をできたらお考えいただきたいというのが意見でございます。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 私が先ほどまとめたときに、相澤構成員がおっしゃったことを1つ抜かしていたことがありました。相澤構成員がおっしゃったのは、一般病床としてまとめてやってしまうのは問題があるのではないかといった御意見でございます。

 ほかにございますか。それでは、櫻木構成員、お願いします。

○櫻木構成員 精神病床に関しては、「これからの精神保健医療福祉のあり方検討会」のほうで検討するということには同意いたします。ただ、地域医療構想のときからお話をしているように、いわゆる一般病床であっても精神科医療と連携をしているような病床機能というのはあるわけで、それについてどういうふうに評価するかということですけれども、12ページに精神科に関する項目がマル6に挙げられているのですけれども、かなり地域医療構想のときにも基本的な考え方の中でもう少しいろいろ挙げられていたと思うので、この辺についてもう少し検討していただければと思います。

○遠藤座長 それは事務局への御要望ということで。何かコメントはありますか。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 今特例に係るところのマル6のところが、要は限定列挙になって範囲が狭いということに関しましては、またいろいろな御意見をいただきながら必要な見直しということはあろうかと思っております。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 では、齋藤構成員、どうぞ。

○齋藤構成員 17ページの論点とワーキングでの検討のところで2つほど質問があるのですが、1点目の基準病床数を算定する計画の期間なのですが、これは例えば地域医療構想であれば2025年の必要病床数を目指したいろいろな施策をつくっていくということになるのですが、今回の地域医療計画につきましては、策定してから計画の期間が、6年になりますので、2018年から2023年までになりますよね。だけど、地域医療構想は2025年で、2年間のブランクが出てくるのですけれども、そのことをどうするのかということをここで議論をするのかというのを事務局に確認をしたいのが1点。

 もう一点は、この4つの論点も含めてワーキングで検討していくのか。この場の議論とワーキングの議論の役割分担みたいなものがちょっとよく見えないという状況なのです。

○遠藤座長 まず最初の期間について、この心は何なのかということなので、ちょっと説明をいただけますか。

○木下課長補佐 17ページの丸の1つ目の期間につきましては、そもそもの地域医療構想を念頭に置かずに、今後の医療計画の中における基準病床数の算定期間というものをどうするかということを念頭に論点として挙げさせていただいております。

 機械的に考えますと、計画期間が全体の5年から6年に変更になるということを踏まえますと、基準病床につきましても6年一区切りという考えもあろうかと思いますし、先ほど御説明いたしましたように、医療計画につきましては3年ごとにその状況を見直し、必要に応じて策定をするということも規定がございますので、その3年という中間年の扱いをどのようにするかということも念頭に置きながら置いておりまして、ここは必要病床数の2025年との関係でなくて、医療計画の中における期間の取り扱いということを念頭に論点として挙げさせていただいております。

○遠藤座長 あともう1点は、特に地域医療構想に関するワーキンググループの機能です。これは以前何をやるかということで紙が出されたと思うのですけれども、具体的な御質問として齋藤構成員が言われたのは、ここの17ページに書いてあるような中身について全部やるのですかということで、それは違うと思うのですけれども、ワーキンググループでやることは何なのかということをもう一度確認したいということでございます。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 ワーキンググループで検討いただきたい項目につきましては、必要病床数との関係、地域医療構想との関係というところを中心にやっていただきたいと考えておりまして、先ほど西澤構成員から御指摘があったように、関係する部分が多いのではないかという御指摘もあろうかと思います。その部分ではワーキングで関係性については整理が必要と思っておりますが、関係性のない、純粋に今の基準病床数制度の扱いに関することにつきましては、こちらの親会の検討会のほうで御議論いただきたいということで、17ページの論点を示しているところでございます。

○遠藤座長 齋藤構成員、よろしゅうございますか。

○齋藤構成員 ありがとうございます。

○遠藤座長 では、今村構成員、どうぞ。

○今村構成員 先ほど、田中構成員からの御指摘があった介護と医療構想との関係で、1点ぜひ考えてもらいたいことがありまして、先ほど精神の疾病については六次で議論するということだったのですけれども、認知症の問題をどこでどう解決するのかということがすごく大きな問題だと思います。私は、介護の審議会のほうで介護の医療の調査をやっておりまして、その中では介護が必要な方の多くの方々が認知症があって、ではとれだけ医療サイドで介護の必要な認知症の方を受け入れることができるのかというのは大きな問題になっています。

 すると、こちら側から見たときに、療養病床のほうで受け取るのか、精神の病床で受け取るのかということは、これは別々に議論するということは、別々に考えてしまうと違うところで受け取ってもらう話にもなりかねない話で、議論が浮いてしまう可能性があるのかなと思います。

 ですので、認知症の問題についてはある程度共通のフォーマットというか、議論をしてもらわないと、あふれてしまう可能性がありますので、特に療養病床に入院している方は介護療養とかですと9割近くは認知症があるという状況ですので、これを切り離すことはできないと考えています。その辺はぜひ今後の検討の際に御留意いただきたいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 それでは、相澤構成員、西澤構成員の順でお願いします。

○相澤構成員 ことしから7対1を減らすという方向で、さまざまな診療報酬の改定が行われました。これは多分、急性期病院の平均在院日数にかなり大きな影響を及ぼすと思います。

 もう一つは、地域包括ケアにとって私は大切だと思います地域包括ケア病棟が、ことしの診療報酬改定等があって多分ふえるのではないかと思います。御存じのように、地域包括ケア病棟は在院日数が60日までは一応認められております。そういう中で、恐らくかなりの激変がこの一、二年起こると思いますので、この病床数の見直しは6年というのは余りに長過ぎるような気がします。中間年の3年でちょっと一度立ち止まって、見直すということをぜひしていただきたいと要望いたします。

○遠藤座長 医療提供体制に関する改革が急速に進んでいるということなので、少しインターバルを短くしたほうがいい、さらに短くしたほうがいいのではないかという御意見です。

 西澤構成員、どうぞ。

○西澤構成員 先ほど事務局からワーキングとのことで、地域医療構想と関係のない基準病床制度はと言いましたが、関係ないということはあり得ないと思います。地域医療構想は必要病床数を2025年に急に変えるわけではなくて、毎年我々医療機関が自主的に報告していき、それを毎年都道府県を更に細かくした構想区域ごとに検討するわけですよね。それによって医療機関の病棟機能が毎年少しずつ変わっていく可能性があるのですね。それに基準病床数を余りがちっと当てはめると、もしかしたら構想区域の必要病床数と合わない基準病床数も考えられますので、そうすると地域医療構想の策定の邪魔になることも考えられるのです。そういうことで、きちっと関連づけてやっていただきたいということです。

 言い方を変えますと、今回、基準病床数を決めるにしても、ある程度柔軟性を持って、先ほど言いましたが、6年間これでいくではなくて、随時変えられるような工夫が必要ではないかと考えております。

 それから、現在、医療計画の見直しをやりますが、地域医療構想については今後どこの部署で毎年変化していくものを国のほうできちっと情報を集めて検討していくのか。その場が見えませんので、そのことも厚労省には考えていただければと思います。

 以上です。

○遠藤座長 御意見として承りました。

 まだ御意見はあるかと思いますけれども、まだ検討すべきことが大分残っておりますので、次に移らせていただきます。

 次は資料2の「医療機器の配置及び安全管理の状況等について」ということで、従来から言われております、我が国は非常にCT等が多いということなので、それに関する分析がありまして、18ページに論点案が出されていますが、これについて御意見、御質問等をいただければと思います。

 田中構成員、どうぞ。

○田中構成員 このデータ、CTMRIはなかなかおもしろいとは思いますが、30年前から言われていることです。日本にCTが非常に多い事実は最近発見されたわけではない。

 このCTの多さによって日本の医療にどのくらい大きな問題点が発生しているかというと、大してないのです。これよりも、今これからの医療機器の安全の問題とか医療費への影響を考えたら、ここで把握すべきは、例えば手術機器ですとか、重粒子線とかではないでしょうか。安全上も十分に配慮しなければならないし、医療費への影響もこれからとても大きいものを分析しなくてはなりません。CTMRIは分析しやすいから取り上げたのかもしれないけれども、これをベースに議論を進めると、何か隅っこから始めているように感じます。

○遠藤座長 より危険性の高い高額の治療用の機械等々のほうにむしろ焦点を置くべきであって、既に普及しているCTMRIについて最初から議論するというのは少しおかしいのではないか、違和感がある、そういうお話でございます。

 伊藤参考人、どうぞ。

○伊藤参考人 今、田中先生が言われたようなことはそのとおりだと思います。前回でも、たしかCTMRIについてよりも、むしろPETとか重粒子とか、そういうものについて調査をすべきだという御意見があったと理解しております。

 今回、CTMRI18ページのところで「その他の医療機器の配置は」とございますが、ただ、診療報酬支払いを押し上げているというような意味からすると、CTMRIと同じように、一般撮影、特にフラットパネルという非常に高額な一般撮影の装置だとか、あるいは超音波の装置というのはむしろCTより高いものも幾らでもあります。それの使用頻度は恐らくCTMRIをはるかに凌駕するものではないかと考えていて、そこのところも同時に調べないと、これは完全に片手落ちになると心配をしています。

 それと、このCTMRIには功罪といいますか、光と影の部分があって、日本にこれだけCTMRIが多いということはある意味影のように見えますけれども、前回の資料の中で、脳血管障害の死亡率が1985年を境に下がってきております。このCTMRIというのは、御存じのように中枢神経系に大変有効な診断の方法で、特に急性期の重篤な疾患を早く発見して、それが治療につながるということで、これは光の部分として影響しているのではないかと理解しておりますが、残念ながらその資料がどこを探してもないのです。

 今回、もしこのCTMRIということについて議論を進めるとするならば、今の2ページの2の(1)のところに書いてありますけれども、ストラクチャー・プロセス・アウトカム全部調べましょうということを言っているわけですから、むしろアウトカムの費用のアウトカムではなくて、この機器が世界中で一番たくさんあることによって多くの命が救われているというアウトカムもぜひ出すべきではないかと考えます。

 それから、ここでMRICTの国際比較が出ておりますが、これはある意味、社会保障の制度が全く違う中でこの台数を比較することは、余り意味がないのではないかと思っています。御存じのように、アメリカで言いますと、CTの検査に3,000ドルだとか、7,000ドルだとかかかるところで、我が国では1,000点の点数でこれを行っている。非常に効率的な医療を行っていて、しかもその効果が高いということを考えますと、この比較には実は余り意味がないということは先ほど申し上げたとおりであります。

 もう一点が、いわゆるCTMRIの機械の一番の問題点は、供給が需要を生むのではないかというようなお話が以前あったように思いますけれども、この資料の13ページを見ていただきますと、台数が少なく患者数が多い4県の平均が延べ450人、これは3.5台/人口1万人です。一方、その下にありますように、台数が多く患者数が少ない4県の平均は月で200人、9.0台/人口1万人、これを見ますと決して供給が需要を生んでいるということは、むしろこれによって否定されるのではないかと考えていいのかどうかということをお尋ね申し上げたいわけであります。

 それと、もう一点だけ。CTMRIは、実は一般臨床に使われておりますけれども、予防医療の分野で非常に活躍しているわけでありますけれども、この予防医療における役割をどういうふうに切り分けていくかということについて、もしお考えがあれば教えていただきたい。

 以上でございます。

○遠藤座長 特に最後の2つは事務局への質問だったと思います。1つは13ページの結論の読み方、誘発需要はこれではないと言っているのではないかということと、もう一つは予防との関係でどう考えているのかということですが、いかがでしょうか。

○木下課長補佐 予防医療につきましては、私のほうからお答えするのは難しいかなと思っております。また、13ページの解釈につきまして、御質問の趣旨がわからないので、もう少し補足の御説明をお願いしてもよろしいでしょうか。

○伊藤参考人 もし台数が少なく患者数が多いというところと、台数が多く患者数がもし多いということになれば、供給が需要を生んでいると考えてもいいのかなと思いますが、そうではなくて、台数が多くて患者数が少ないということになりますと、いわゆるそこで行われる延べの患者件数というのは均衡化するといいますか、そんなに差が出ないのではないか。つまり、台数が多いことによって検査の件数がふえているということにはならないのではないかと解釈したいと思っていますが、それはどうかということでございます。

○木下課長補佐 事務局でございます。

12ページの資料でまずそもそものお話をしたかと思うのですけれども、横軸に人口当たりの台数をとって、縦軸に人口当たりの患者数をとった場合、こういった結果があるということをまず前提に置いた上で13ページのお話をしているところでございますので、12ページのこの解釈が全く間違っているという御意見があるということの前提であれば、13ページのお話はわかるところでございますが、私ども事務局といたしましては、12ページに一定の関係性が認められるという前提に基づきまして13ページのさらなる解釈を行っているところですので、今の段階での私どもの認識としましては、12ページ、13ページにつきましてはこのとおりだと思っております。

○遠藤座長 西澤構成員、どうぞ。

○西澤構成員 今回の「医療機器の配置及び安全管理の状況等について」、この資料を何回読んでも、今回出してきた意味がわからないのですが、論点にしても幾つかあるのですが、保守点検その他、安全管理というのはこの場でやるのではなくて、もっと他の機器とか、安全というのは別の部署でやっているはずなので、あえてここで議論する必要もないと思います。

 それから、配置状況や稼働状況を見て、結果的に何をおっしゃりたいのか見えない。前回の資料を見ると、効率的な医療提供体制ということで、台数が多いから非常に医療費を無駄に使っているということをもしかしたら考えているのかもしれませんが、それはあり得ないと思います。私たちも諸外国に行きますと、非常に台数が少ないのですが、1件当たりの金額が非常に高いのです。そういうことで、必要であってもなかなかその検査が受けられないという実情があって、日本の場合は逆に恵まれているとも考えております。

 ここでもう一つ、2ページ目、ストラクチャー指標と出していますが、医療サービスを提供する物質資源と書いてあり、上を見ればわかりますが、この指標はストラクチャー・プロセス・アウトカム全ての指標を出さないと意味がないと思います。ストラクチャーだけを分けて指標を出しても何も意味がない。ストラクチャー・プロセス・アウトカム、それぞれの指標を出して、それを比較することによっていろいろなことがわかると思います。ここだけ切り離してあるのは、ちょっとやり方が違うと思います。

 そういうことでは、今回、日本が台数が多いゆえに、例えば本当に医療費が上がっているのか、あるいは質の面でどうなっているのか、結果として国民、患者がこれによって受けている恩恵と云うか、非常に受けているものと、あるいはマイナスのものと、きちっとそういうもの全てを出して議論しないとおかしい。この資料だけでここで議論するのは無駄だと思います。

 以上です。

○遠藤座長 ほかにございますか。

 本多構成員、どうぞ。

○本多構成員 今までの御意見と逆説的な話になりますが、医療保険財政が非常に厳しい中で、10ページのCT及びMRI台数の国際比較をご覧いただくと、日本が突出して多く、また、6ページの都道府県別のCT及びMRI台数をご覧いただくと、人口あたりCT及びMRI台数は3倍近くの地域差があります。現在の人口分布等から見れば必要な部分というものも当然あるかと思いますが、2ページに書かれているように、やはり将来の人口動向を鑑みると、今後については共同利用ということも十分検討していただく必要があると思います。また、同様に2ページに書かれておりますように、課題を抽出して、地域における将来の医療需要も踏まえつつ、共同利用の推進や、地域差の縮小に向けた数値目標の設定、さらにはそれを実現すべき具体的施策も考えていく必要があるのではないかと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、安部構成員、どうぞ。

○安部構成員 10ページの国際比較のグラフは赤で示しているので非常にこれが目立つというか、日本は多いというところを強調しているような印象を持ちました。ただ、私もさまざまな構成員の先生方がおっしゃったとおり、多いことによってどういうことが起きているか、医療上のアウトカムとかベネフィットも含めて議論をすべきだと思います。費用についても、外国で検査を受けますと、数千ドルという検査費用の請求書が来るということは、そのとおりあると思います。そういったことも全部踏まえて議論しなければいけないと思っています。

 それから、論点のところの安全管理の取り組みというのは当然のことでありますが、安全管理の取り組みと提供体制を一緒の議論にするということ自体が、私にはイメージができないところでありますので、安全管理は必要であれば、それは別途そういう議論の場で必要な議論をすればいいのではないかと理解をしています。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 今村構成員、どうぞ。

○今村構成員 私、CTMRIのコスト分析ということを長くやっておりまして、きっかけは先ほどの資料にある世界のCTの4分の1から5分の1は日本にあるというのは、ちょっと異常なことだと思って調べ始めました。

 その結果としてわかったことは、かなりの病院が不採算でやっているということです。特にシングルスライスCTとか1.5テスラ以下のCTで見たら、県全体の平均で見ても不採算という県が出てきます。これは、もうけるためにやっているというところはあったのかもしれませんけれども、医師全体の数字で見たときには不採算であってもCTを入れるというようなところが結構あるということを感じました。

 ただ、今度は不採算でやっているところは、この資料にありましたように、安全性の問題があって、保守にはお金をかけないというところも結構あって、ともかくCTだけ入っていて動いてさえいればいいというところがありまして、安全性の確保という意味では余り十分ではない。すると、不採算であっても本当にそれぞれの病院でCTMRIを入れるのですかということが、本来経営上の観点からも議論されるべきだと思います。

 なので、一概に世界に比べて多過ぎるから問題だということで、それに大して不採算でもCTを買うのだという医療側の良心があって、その上で不採算だからメンテナンスをしないのだという部分もあるので、そこの関係をよく考えて議論をしていただければと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 齋藤構成員、どうぞ。

○齋藤構成員 いろいろなリアルなデータが少ないというのは御指摘のとおりなのですが、もしまた資料をそろえていただけるのでしたら、いわゆる共同利用の実態がどうなっているのかというのがもしわかりましたらお示しいただければと思います。例えば地域医療支援病院なんかでもそういった要件を備えておりますので、そして医療計画上にもこのように努めるものとするということになっているのであれば、共同利用の実態というものも少し明らかにしていただければと思います。

○遠藤座長 恐らく共同利用は少ないですよね。基本的に検査を別の病院に依頼するという形で対応できますので、共同利用しているというのは地域医療支援病院であっても少ないと思いますけれども、実態がわかればということだと思います。

○齋藤構成員 CTMRIに限らず、かなり大がかりな機器もあると思うのですけれども、余り実態がないということであれば、30条の7というのがそんなに必要なことにはならないということになるのでしょうか。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○木下課長補佐 事務局でございます。

30条の7につきまして、今回、設備や機器のところに下線を引かせていただいておりますけれども、建物の一部の共同利用によって研修等を行うということもこの共同利用の中に含まれておりますので、この条文自体はそれらも含めて地域における医療機関としての役割というものをどういうふうに地域で共同利用していくかというところになりますので、下線を引いている部分が今回誤解を生んでいるかもしれませんが、そこだけではなくて、建物全体の共同利用ということも含めての共同利用でございますので、そういう趣旨の条文となっております。

○遠藤座長 大体よろしゅうございますか。大体こういうような御意見だろうなということを予想していたような意見分布ですけれども、この問題は昔から議論されている話でございまして、やはり日本はCTが非常に多いという問題。それから、恐らく事務局としたら、12ページにあるような、人口当たりの台数が多いと人口当たりの患者数もふえるという意味合いのところを指摘されたのだと思いますけれども、先ほど伊藤参考人が言われたように、13ページを見ると、人口当たりの台数が多いと人口当たりの患者数も減っているので、いわゆる誘発需要、競争が激しいから患者を一定数にしようというようなことは余り見られていないのではないか、こういう反論も出てくるということで、なかなか解釈が難しいところもあるかなと思います。

 実際に、救急外来などはある程度の機能を持たせるためにはCTが必要だという方も多いわけでありますけれども、一方で、先ほど言った安全性の問題もありますし、患者ニーズというより広告・宣伝的な意味合いで有効であるので導入しているとか、大学病院から医師を派遣してもらうためには最低限必要な設備だからとか、そういうような意味合いで導入しているところとか、さまざまな理由が混在しているということで、意見はこういうふうに分かれたのだと思いますので、継続審議をしていきたいと考えております。

 それでは、次でございますが、3番目、資料3「医師確保の取組の現状等について」ということで、医師確保の話はむしろほかの検討会で十分議論がされているわけでありますけれども、この中で医療計画と関連するところのお話ということで、6ページの丸がついているところ、それと最後の26ページの目標値、そして今度は特に地域医療支援センターの役割強化、あるいは都道府県の権限、こういうことについてはここで検討する内容であるということで御意見を承りたいということでございます。いかがでございましょうか。

 野原構成員、どうぞ。

○野原構成員 このテーマに関しましては、都道府県が非常に関係しておりますので、少々お時間をいただきまして幾つか意見を述べさせていただければと存じます。

 論点の中の国と都道府県の役割分担に関連する部分かと存じますが、医師の地域偏在については、今回お示ししていただいたとおり、都道府県間の偏在、またその傾向が拡大していることが示されております。この問題については、都道府県単位の地域医療センター等の施策では解決できない課題でありまして、国レベルでの医師の目標値の設定や政策展開が必要と考えてございます。これは要望でございます。

 医療計画の中で都道府県が医師数の目標値を設定するためには、第1回の会議でも申し上げましたが、その十分な根拠と目標達成に向けた実効性ある施策のため、必要な権限や財源の確保が必要であると考えております。

 医師の将来予測については、国の医師需給検討会でも示されたように、医師の年齢、経験や、女性医師など、一定の条件を設定してマクロで分析することは可能であり、また診療科レベルで見た場合、例えば麻酔件数や分娩件数などをもとに必要な医師数を算定する試みはこれまでも行われてきたと理解をしております。

 一方で、医師の業務はその専門性・複雑性から定量化が難しく、診療科レベルや地域レベルでのミクロの分析手法が十分に確立されていないと理解をしております。目標値を設定する際に考慮する視点としては、資料で示された点以外にも、地域の疾病構造の差異や医師のスキルの違いをどう反映させるか。ほかにも、医療の高度化、専門化の要素や、近年医師に求められている業務が診療以外にも、医療安全や院内感染対策など医療マネジメントに関する業務が増大するなど、大きく変化をしておりまして、こうした定量化が難しい要素をどのように考慮していくのかといった課題もあると理解をしております。

 医師需給検討会で議論をされております資料3の6ページで示されている論点でございますが、保険医の配置・定数の設定や管理者の要件などについて、今後の施策の方向性が見えてこないと、都道府県に求められる権限についても具体的な議論というのはまだ難しいのではないかと考えております。

 また、専門医等の定員調整を都道府県が担うことについても、新専門医制度の今後の運用等が不透明な状況なので、具体的に意見を申し上げる段階にはございませんが、仮に都道府県で設置する協議会がその役割を担う場合は、法令で都道府県の責任や権限を明記することが必要ではないかと考えております。現状は、都道府県が地域偏在等の解消のために現実的にとり得る施策としては、自治医科大学卒業医師の配置や、奨学金養成医師の配置調整などに限られております。

 今年度、医学部定員増とともに始まった奨学金養成医師の1期生が初期研修を修了し、地域の医療機関勤務が始まりました。岩手県では現在300名を超える医学生に貸与しており、今後の地域偏在解消が期待されているところでございます。

 一方で、いわゆる地域枠などの奨学金養成医師については、国の医学部定員増とリンクした施策となっており、この定員増については次期医療計画期間中である平成32年以降の方向性については未定でございます。計画に医師の目標を盛り込むには、こういった国の施策の方向性も示していただく必要もあるのではないかと考えております。

 地域医療支援センターの役割としてのキャリア形成支援と、地域の医療機関への配置調整については、専門医等の取得支援のほか、個々の医師のスキルや特性、家庭の事情等も含めたいわゆる人事面での支援、これは従来大学の医局が担っていた役割かもしれませんが、こうした機能も求められており、専任医師の確保や関係機関との連携も含めた体制の強化も必要と考えております。

 また、医師の地域における研修体制の確保や、地域で勤務した場合の処遇の改善、支援などの機能も求められてくるのではないかと考えております。

 なお、医師の異動の把握については、国の三師調査の情報の活用が必要ではないかと考えます。

 以上、さまざま意見を述べさせていただきましたが、これらの課題については、例えば国において専門家による有識者会議等を設置するなど、十分な議論が必要なテーマであり、それを踏まえて地域や診療科ごとの必要医師数のガイドライン等をお示ししていただく必要もあるのではないかと考えております。

 長くなりましたが、以上でございます。

○遠藤座長 御丁寧な御発言、どうもありがとうございます。

 西澤構成員、どうぞ。

○西澤構成員 医師確保という非常に重要な問題だと思います。そういうことでは、地域の偏在ということで取り組んでいるのですが、まず考えなければならないのは、今、日本では医師の絶対数が少ない。足りている地域はないということを前提で議論しなければならないと思います。ですから、どこでも足りていないから、比較的多いところから少ないところへという考えしかない。そういうことでは、これはなかなか大変だと思っています。それでも、こういう検討をする事は大事だと思っています。

 そこで、一つは地域医療支援センターがなかなかうまくいっていないと思っております。8ページの一番下のほうに書いてあるのですが、23年度以降、45都道府県で合計3,306名の医師を各都道府県内の医療機関へあっせん・派遣の実績を上げているのですが、4年から5年にかけて3,300人、1つの県では70人ぐらい、年間せいぜい十何人という平均の数です。これは、費用対効果で見ると非常に悪いのではないかなと思っています。もうちょっとここはしっかり動く必要はあると思います。

 この実績の詳しい内容を次回でいいのですが出して下さい。あっせん・派遣ですから、きちっと固定した例と短期間の派遣も入っていると思いますので、その実態と、それから例えばそこで就業した場合に、何年間いてくれていたのか、短期間でやめたのかとか、支援センターでやっている以上、フォローアップはしているはずなので、そういうデータを集めた報告をしていただければと思います。そのデータによって、この地域医療支援センターを今後どのようにしていくべきかが見えてくると思います。

 以上です。

○遠藤座長 事務局いかがですか。内容について今のような指標を把握することは可能ですか。

○木下課長補佐 どこまで子細なものが出せるかわかりませんが、可能な限り情報を集めたいと思います。

○遠藤座長 御対応をお願いいたします。

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 私も今の西澤構成員と同じで、この地域医療支援センターの取り組みが、前向きに進んでいるところが少ないということをほかの検討会等々でもお聞きをしています。

 なぜ機能していないのかとお聞きすると、各都道府県によってはいろいろな計画を立てても配置できるだけの医師がそもそもいないとか、県と大学あるいは医療機関の連携が難しい地域があるとか、いろいろと御意見もお聞きしたこともあります。

 今回、10ページのところに各都道府県の地域医療支援センターの取り組みについての例があるのですけれども、ここにはこういうプログラムを作成しているということは書いてあるのですけれども、一体どれぐらい効果を発揮しているのか、作成しただけで動いていなければ余り意味がないのではないかと感じながら、どれぐらいこれが実際によい意味での影響を及ぼしたのかということが見えてこないといけないのかなという気がしました。

 そういうことからしますと、各都道府県によって、例えば各都道府県の中に複数の大学かる地域とか、そんなに努力しなくても医師が集まってくる地域というのは、地域医療支援センターがそれほど努力しなくてもある程度回るとしても、そうではない地域とかはかなり差があるように感じています。

 紹介されている取り組みについてというのがあるわけですけれども、例えば本当に何か実績につながったところがあるとしたら、どういう地域でどんな理由でうまくいったのかというようなことが出てきて、例えばそれを紹介していくとか、あるいはうまくいかないとしたら、それがなぜ機能しなくなっているのかということを各地域医療支援センターに報告してもらうとか、何か具体性のあることを出していかないと効果につながらないと思います。役割強化をするためにどのような機能が必要かと論点にあるのですけれども、今申し上げたところがが見えないと強化できないと思いますので、ぜひ先ほどの資料に加えて、そのあたりを調べて、地域医療支援センターの実態ということが把握できるのであれば、今後ぜひ追加していただきたいと思います。

○遠藤座長 事務局、よろしいですか。実態、特に成功事例といったようなものの把握をしていただきたいということです。

○木下課長補佐 先ほどお話がありました地域医療支援センターで対応しています地域枠の学生がまさに6年経て、今、初期臨床研修を終えて大きなプログラムにかかわってきているという段階で、本日御紹介しましたのはまさにプログラムを作成して、そのプログラムに基づいてこれから育成が始まっていくという段階でございます。その段階を踏まえて、今どういうことができているのか、またセンターのそれぞれの取り組みにつきましては、可能な範囲で資料を整理したいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 田中構成員、どうぞ。

○田中構成員 医師数については、現在の医師数だけではなく、10年後、15年後を見据えなくてはなりません。その意味で、この資料に高齢医師割合とか若手医師割合が載っているのは大変参考になります。いい資料をありがとうございます。

 もう一つ、年齢別を考えるときに必要な論点で、どういう区分別で見るべきかと書いてあるのですが、私は診療所の医師の年齢構成はとても重要だと考えます。特に地方に行くと、診療所の医師の高齢化問題はいろいろな県の方や医師会の方が指摘されるのです。県庁所在地は問題ないけれども、県の半島部分とか県の山間地域で診療を支えていらっしゃる診療所の先生方が大変高齢化しておられる。ということは、15年後は危ないかもしれない。そうなると、結局患者さんは病院に行くしかなくなるので、患者にとって不便であるだけではなく、医療費も高くなります。診療所機能は、日本の医療を支える上でとても大切です。そのためにも、若手医師、高齢医師に関する数値を出したのは大変結構ですが、加えて診療所の医師の年齢分布でなくてもいいけれども、高齢割合などももしとることが可能ならば把握しておくべきだと考えます。

○遠藤座長 重要な御指摘ですね。ただ、できますか。医師、歯科医師調査からとっていると思いますけれども、そこまでクロスできたかどうか。いかがですか。

○木下課長補佐 恐らく可能かと思います。次回以降。

○遠藤座長 では、よろしくお願いします。

 ほかにございますか。本多構成員、どうぞ。

○本多構成員 先ほど野原構成員からも触れられましたが、現在、専門医のあり方について検討されているところでございますが、その中でも新たな総合診療専門医については、これからの高齢社会において地域医療の窓口として十分に機能していくと思いますので、関係各位のご協力を得ながら、しっかりと目標値や研修プログラム等を設定し、来年から制度をスタートさせたとしても養成を終えるのは3年後になるかもしれませんが、そういう観点も踏まえていただけたらと思います。

○遠藤座長 相澤構成員、どうぞ。

○相澤構成員 日本全体の医師の需給に関しましては、医師需給分科会の推計方法がございまして、それを使っているのですが、これを都道府県に当てはめていくという考えは厚労省のほうにはないでしょうか。あの推計方式は、地域医療構想がどうあるべきかというところに基づいて計算をしていると思うのです。そうだとすると、確保すべき医師数の目標値というのは、県ごとにはそこである程度推計できるのではないかということでお聞きをしたいと思います。

 もう一つは、そこの推計のところでも問題になったのですが、診療所の先生はあの計算式でいくともう往診は到底できない。たしか医師会の先生から、今の10倍働かないと地域の在宅医療はもたないというような御意見があって、そういう中で、先ほど田中先生からも御質問がありました、病院に勤務する医師と、地域を守っていく開業医の先生のありようといいますか、どうあったらいいのかというのは少し分けて考えていく必要性があるのではないかと思いますので、厚労省のお考えをお聞きしたいと思います。

○遠藤座長 よろしいでしょうか。2つのことですね。1つは都道府県別に必要医師数の推計方法についてのお尋ねです。それから、医師と一くくりにしないで、診療所と病院勤務医と分けたコンセプトで考えるべきではないかというお考えだと思いますが、いかがでしょうか。

 武井課長、どうぞ。

○武井医事課長 医事課長でございます。

 先生から今非常にいい御指摘をいただいたと思いますので、都道府県レベルでどういった推計ができるか、それから関連して考慮するファクターもあるかと思いますので、当方で検討させていただければと思います。1点目でございます。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 それでは、この議論をしますと幾らでもできますので、最後ということで櫻木構成員、お願いいたします。

○櫻木構成員 精神科でもやはりお医者さんが足りないのですけれども、特に精神保健指定医の問題が大きいと思います。御存じのように、指定医は非同意的な入院を決定したり、あるいは行動制限をしたりということで、精神科の救急には絶対欠かせない専門医ですけれども、ある程度これから地域で指定医がどれぐらい必要かということも検討しつつ、養成のあり方、どの場でどういうふうに養成していくのかということも含めて、医療計画の中にもそういったことを検討していただきたいと考えています。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 それでは、その他ということでございますけれども、これについては事務局、何かございますか。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 資料4を御用意ください。前回第2回の検討会の場におきまして、今年度の病床機能報告における項目の見直しについてお諮りしたところでございます。

 3ページをお開きください。今、申しましたように、前回の第2回の検討会におきまして、今年度、平成28年度の診療報酬改定に対応するための見直しが必要ということにおきましては、本検討会においてその方向で見直しを進めるということについて御了解をいただいたところです。今回、その方針に沿いまして具体的な項目について見直しを行いたいと思っているものにつきまして御報告したいと思っております。基本的に、診療報酬で対応された項目をそのまま、機械的という表現は適当ではないかもしれませんが、対応しているものが多くなっております。

 簡単に御説明いたします。まず、4ページをお開きいただきますと、一般病棟の入院料におきまして、重症度、医療・看護必要度の見直しが行われたことを受けまして、下を見ていただきますと、病床機能報告の様式1におきまして、それぞれの要件を満たす患者の割合というものをこれまで報告いただいておりました。それらの項目につきまして、今回の28年度の診療報酬改定の細分化を受けまして、マル1~マル3だったものをマル1、マル4、マル5、マル6を追加して報告いただくということになります。

 同様に、6ページをお開きいただきますと、こちらは回復期のリハビリテーション病棟におけるアウトカムの評価というものを受けまして、病床機能報告におきます様式1におきましても、従来のマル1~マル5であったものをマル1~マル9まで詳細に報告をお願いするという項目になります。

 続きまして、8ページにおきましては、総合入院体制加算の届け出の状況につきましても、今般、診療報酬改定におきまして要件等が見直されたということも踏まえまして、総合入院体制加算につきましても報告をお願いしたいと思っております。また、様式2のところにつきましては、少し細かくなりますが、認知症ケア加算とか精神疾患診療体制加算といいました、櫻木構成員から時々御指摘いただいております精神科との連携の取り組み状況ということも項目として追加して、今後把握していきたいと考えております。

 また、10ページに参りますと、こちらは特にまさに報酬のほうでの項目の新設・細分化・削除といったものを反映したものが幾つかあるということになります。

 また、11ページに行きまして、今後の改善に向けて追加をしたいという項目でございます。まず13ページをお開きいただきますと、先ほどから御指摘いただいております医療機器につきましては、CTMRIではなくてより高額なもの、もしくはより高度なものというものを把握するということで、事務局としても問題意識を持っているところでございまして、今回新たにガンマナイフ・サイバーナイフ、また内視鏡手術用支援機器というものも、こちらの病床機能報告の様式1に追加をさせていただきまして、より子細に分析ができるようにしていきたいと考えております。

14ページにつきましては、医科と歯科の連携の項目でございます。こちらにつきましては、さきに開催しておりましたガイドラインの検討会において医師のほうから御意見をいただきまして、前回私どもの事務局の作業が間に合わなかった項目もございまして、今年度の報告の中に挙げております周術期の口腔機能管理料とか医科診療報酬の医科歯科連携加算といったものを追加させていただきまして、医科歯科の連携についても今後把握できるようにしていきたいと考えております。

 以上、御報告になります。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 報告の内容の追加でございますけれども、御意見、御質問はございますか。

 佐藤構成員、どうぞ。

○佐藤構成員 今、お話しいただきました14ページの医科歯科連携につきましては、診療報酬改定においても、医療機能の連携の観点からも、歯科というのは基本的に病床の数が少ないのですが、地域の連携であるとか、周術期の口腔機能に関してはさまざまな効果が得られています。その観点からかかる評価は大変ありがたいと思っておりますし、それを今後、地域の連携においてさらに活用したいと思っております。

 ありがとうございました。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 ほかに何かありますか。よろしゅうございますか。

 それでは、事務局におかれましては、今日いろいろな意見が出ましたので、整理をしていただいて、また十分御検討いただいて、またこの場で議論ができるようなものにしていただければと考えております。

 最後に、事務局から何かありますか。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 第4回につきましては、改めて詳細な内容が決まりましたら御連絡させていただきたいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、本日はこれにて終了したいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
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