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2016年7月8日 あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会(第4回) 議事録

医政局医事課

○日時

平成28年7月8日(金)15:00~17:00


○場所

金融庁共用1414会議室(14階)


○出席者

釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会 常任理事)
北村 聖 (東京大学大学院医学系研究科附属医学教育国際研究センター 教授)
栗原 勝美 (東京都立文京盲学校 教諭)
後藤 修司 (公益財団法人東洋療法研修試験財団 常務理事)
坂本 歩 (公益社団法人東洋療法学校協会長)
田城 孝雄 (放送大学 教授)
筒井 宏史 (日本鍼灸理療専門学校 専任教員)
仲野 彌和 (公益社団法人日本鍼灸師会長)
藤井 亮輔 (筑波技術大学 教授)
矢野 忠 (明治国際医療大学 特任教授)

○議題

1.第3回検討会の主な意見について
2.カリキュラム等の改善について
3.その他

○議事

○佐生医事専門官 ただいまより「第4回あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会」を開催いたします。本日はお忙しい中、構成員の皆様におかれましては本検討会に御出席を賜り誠にありがとうございます。

 事務局に人事異動がありましたので紹介させていただきます。まず、梅田審議官の後任として椎葉審議官となっておりますが、本日は公務により欠席させていただいております。武井医政局医事課長です。

また、本日、神田医政局長につきましては公務により欠席させていただいております。

 本日の資料ですが、次第にありますように資料1から4までの4つの資料、それから参考資料を御用意しております。また、ブルーのファイルについては前回までの資料です。資料の不足等がありましたらお申し出いただければと思います。

 それでは、田城座長に議事の進行をお願いしたいと存じます。田城座長、よろしくお願いいたします。

○田城座長 議事を進めます。お暑い中をお集まりいただきありがとうございます。

 初めに資料12について説明いただいてから議論したいと思います。事務局から資料12について御説明をお願いいたします。

○佐生医事専門官 資料1について説明いたします。資料1については、第3回検討会での構成員の皆様方の主な意見です。

1つ目の総単位数の引上げ、最低履修時間数の設定についてですが、資料3ページの一番下を御覧ください。社会保障や保険の仕組みについて専門基礎分野でやること、専門分野で改めてそれを教えることを阻むものではないということであれば、専門基礎に追加するということでよろしいですかということでした。提案では専門分野となっておりましたが、ここで専門基礎分野に変更という話が出ています。また、藤井先生、矢野先生から提案もありました100単位にするということについては全員の了解を得ているので、改めて事務局提案に準じた書き方で提案していただきたいといった御意見がありました。

5ページをお開きください、臨床実習についてです。これについては6ページ、一番最後の丸になります。臨床実習を増やして4単位にする。そのうち1単位は医療施設や老人保健施設等の見学でもいい。実習施設についても、1日の平均が30名ということ以外は同意ということでよろしいでしょうかということでした。1日の平均患者数のところ以外はおおむね同意を頂いたところです。簡単ですが資料1は以上になります。

 続いて資料2について説明いたします。資料2については、これまでの議論を踏まえたカリキュラム等の改善についてです。資料の1ページ目からが総単位数の引上げ、最低履修時間数の設定についてです。1ページは現行の単位数と時間数、時間数は単位数から換算した時間数を記載しております。

2ページですが、前回議論いただきました追加するカリキュラムを記載しております。1から10までの項目があり、追加するのは合計で11単位、時間数では360時間です。

 下の所、既存カリキュラムの見直しということで1件あります。人体の構造と機能で2単位、60時間減らすということになっています。

3ページ目はこれらを踏まえた見直しの案になります。4ページ目はそれらを簡単に記載したものになります。あマ指課程ですと現状77単位、2,115時間のところを追加カリキュラムで10単位、330時間増えます。それから、既存カリキュラムの見直しということで2単位、60時間減り、見直し案としては85単位、2,385時間になります。鍼灸課程だと94単位の2,655時間、あはき課程だと100単位の2,835時間ということになります。

 次のページです。これらの追加カリキュラムが実際に教育されるよう担保するために、認定規則の見直しについては以下のとおりとしてはどうか。左側に現行の認定規則の別表を記載しています。この右側に見直し案ということで記載しております。項目としては臨床実習のところで今現在、実習の中に含まれているものを特出ししてはどうかと考えております。それ以外に追加するカリキュラムについては新たに備考欄を設け、備考欄に記載することで担保してはどうかというように考えています。

6ページは指導要領・指導ガイドラインの中に書いてある教育の目標になります。今回、追加する基礎分野ですとコミュニケーションを必修化ということで、コミュニケーションを少し記載しております。また専門基礎分野の所、今回、社会保障制度というものを追加しますので、それに合わせた目標を追加しております。

7ページですが、専門分野のところで臨床実習を特出ししますので、それに伴う教育目標を記載させていただいております。

8ページは参考で、他職種における臨床実習等の教育目標を参考として載せております。

9ページは最低履修時間数の設定の関係になります。下のところに参考で他職種の状況を記載しておりますが、看護師ですと97単位以上で3,000時間以上という全体での設定をしております。言語聴覚士についてはそれぞれの分野ごとに、基礎分野で12単位、360時間以上、専門基礎分野で29単位、840時間以上などと細かく設定をしております。あはきについては今回初めてですので、看護師にならって全体で設定してはどうかというように考えています。

10ページは通信教育(放送大学等)の活用についてです。問題点として2つあると考えています。1つ目は教員に関する事項です。教員については細かく決められておりますので、放送大学等で教えられるように、ウに書いてありますが7単位以内に限り、職業教育上施設長が必要と認められる者というのを追加して担保してはどうかと考えております。

 もう1点、実際の学校でどうやって認定するかです。下の真ん中ぐらいから書いてありますが、本人からの申請に基づき個々の既修の学習内容を評価し、養成所における教育内容に相当するものと認められる場合には7単位を超えない範囲で当該養成所における履修に替えることができるといった規定を追加してはどうかと考えています。

 続いて11ページですが、これについては現行のあはきの認定規則になります。学校教育法に基づく大学において、既に履修した科目については免除することができると、入学前に履修したものについては免除できるという規定が現在ある、ということを参考としてお出ししております。

12ページですが、看護師の規定を参考でお出ししております。先ほどの単位認定について参考にした規定です。

13ページからが臨床実習の在り方についてです。まず、臨床実習指導者講習会の開催指針については以下としてはどうか、これに伴って経過措置についてどう考えるかという2点について御議論いただければと思います。臨床実習指導者講習会の案ですが、まず1番目、講習会の実施担当者として(1)から(3)に記載してあるような責任者等を置いてはどうか。2番目の講習会の開催期間については、実質的な講習時間の合計が16時間以上であること、連日での開催を原則とするといった規定にしてはどうかと考えています。14ページの3番目、講習会の形式としてはワークショップ形式で、下の1から6までに掲げる要件を満たすとしてはどうか。4番目の講習会のテーマについては、実際に教える内容として下の1から4については必須とし、必要に応じて5や6に掲げる項目を教えていただいたらどうかと考えています。

15ページは講習会の修了ということで修了証書になります。事前に講習会の内容等を提出していただき、指針にのっとったものであると確認した場合には、厚生労働省より修了証書を交付したいと考えています。それから講習会の実施報告ということで、講習会が終わったら報告してくださいといった規定を入れてはどうかと考えています。

16ページは前回まで議論いただいた内容になっています。1つ目は臨床実習施設をどこまで広げるか、2つ目は臨床実習施設要件で、施術所の要件となっています。1つ目については前回、医療機関やスポーツ施設、介護老人保健施設の後に「など」を入れていただきたいという意見がありましたので「など」を入れております。下のほうですと(2)の4、1日平均の受診者数が出ています。前回は30名と出ていましたが今回は5名としております。藤井先生が2014年に全国施術所の実態調査を行った際には、晴眼者の中央値が5名だったという実績がありました。

17ページに参考で記載していますが、実際に臨床実習施設がどのぐらい必要になるか、平成27年度入学者数が全体で4,600人でした。1ヵ所で2名の臨床実習生を受け入れた場合には4,600÷2、最大で2,300施設は必要ではないかというように考えております。

 参考で全国の施術所数を記載しております。あマ指19,000ヵ所、はり、きゅうで大体25,000ヵ所、あはきをやっている施術所ですと37,000ヵ所が全国にあります。

 ちなみにその次、開業5年以上、1日平均受診者数が5名以上の施術所ということで関係の団体に調査していただきました。一応5,000ヵ所を調査していただき、これらの要件に該当するところは2,896ヵ所、大体58%がこの要件に当てはまるということでした。

18ページは前回まで議論いただいた内容を規定に落とした場合のイメージです。18ページ、19ページ、20ページに載せさせていただいております。

21ページからが専任教員の見直しとなります。21ページは専任教員の質を確保するため、専門基礎分野及び専門分野の教員の要件を以下のとおり見直してはどうかというものです。1点目は現行の2年間の「教員養成機関卒業者」という要件だけではなく、3年の実務経験という要件も加えてはどうかとしております。2点目は現行の規定である3年以上実務に従事した後、厚生労働大臣の指定した教員講習会を修了した者について、現在、教員講習会を開催していないものですから、この要件を削除してはどうか。3点目については、リハビリテーション医学に限り「理学療法士」、「作業療法士」を追加してはどうか。4点目は大学院修士課程又は博士課程を修了した者が教える内容を明確にしてはどうかとしております。

22ページ、23ページがこれらを改正した際の要件のイメージです。

24ページは、専任教員の定義を明確にしてはどうか。これは前回も資料をお示ししていますが、大学設置基準を参考として見直してはどうかというものです。

25ページはこれをガイドライン等に落とした際のイメージになります。

26ページは専任教員の関係で前回まで議論いただいた内容です。専任教員の数を5名から6名に増員してはどうかということで、これを認定規則に落とした場合のイメージを下に載せています。

27ページからがその他になります。27ページは施行時期と経過措置についてで、平成30年度の入学生から新カリキュラムを適用してはどうか、専任教員については2年間の経過措置を設定してはどうかということにしております。

28ページですが、著しい視覚障害の程度を以下のとおりと見直してはどうか。これは厚生労働省と文部科学省の規定がちょっと違うものですから、文部科学省の規定に合わせて「おおむね0.3未満のもの」と見直してはどうかというものです。

29ページからが養成所において備える必要がある備品等の見直しです。現状に即した形で見直してはどうかということでお示しています。簡単ですが以上です。

○田城座長 ありがとうございます。今、資料1と資料2について説明がありました。今日議論することは総単位数の引上げ、最低履修時間の設定についてです。また後ほど触れますが、総単位数の引上げについては資料13ページにありましたけれども、釜萢先生と北村先生は御出席されなかったのですが、それ以外出席されている全ての委員で合意ができていますので、藤井先生と坂本先生、後藤先生等で協議をしていただいた提案どおりでまず異論はないと思います。最低履修時間については若干ディスカッションがあるかもしれません。

 臨床実習の在り方について、専任教員の見直しについては矢野先生、坂本先生から御提案があるので、ここは少し時間をかけたいと思います。

 その他については施行時期と経過措置、それから著しい視力障害の程度、これは文部科学省と厚生労働省の定義のずれの整合性を取る。備品等の見直しについては後藤先生、坂本先生の御提案のとおりとなると思いますので、その他については多分ほとんど論点はないと思います。

 それでは、早速総単位数の引上げ、最低履修時間数の設定について議論したいと思います。資料23ページです。ここに総単位数、最低履修時間数()とあって、矢野先生から提案していただき、そして坂本先生、後藤先生とも協議をしていただいて、前回、仲野先生はじめ、皆さんいろいろ議論はありましたが、資料13ページから4ページの冒頭にかけてあるように全ての合意が取れています。

 この表記については並行して行われている柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会の書式に準拠と言いますか、それを参考にするような書き方をこの後でしていただいております。3ページについては御意見ございますか。特に単位数についてはあん摩師のみ、はり師・きゅう師、それからあはき師、あんまマッサージ、はり師、きゅう師の全てを取るという、それぞれ代表的な3段階があります。全ての単位を取れるということでは100単位、これは異論はないでしょうか、よろしいですか。

 時間数は2,835時間なのですが、個人的には例えば「科学的思考の基盤、人間と生活」だと単位数が1単位15時間で、「人体の構造と機能」が1単位30時間と倍の開きがあるのはどうかという気がしないでもありません。2,835時間なのかというところは若干の議論はあると思います。ここは余り時間はかけられないのですが何か御意見はありますでしょうか、よろしいですか。釜萢先生、北村先生、100単位ということは皆さん全員一致していただきましたが、お二人、前回お休みだったので何か御意見はありますでしょうか。

○釜萢構成員 特にありません。

○北村構成員 特にありません。

○田城座長 よろしいですか。2,835時間のところもよろしいですか。

○仲野構成員 仲野です。昨日、恐らくあったと思うのですが柔道整復師はどういう形になりましたか、柔道整復師の時間数については。御発表いただけますか、参考にしたいと思います。

○田城座長 どうしましょうか。

○北村構成員 昨日ありましたので一応申し上げると99単位です、2,750時間になります。ただ、増やす意見もあって増やそうという話があったのですが、金太郎飴的にどこの大学、どこの専門学校も同じことをやっているようでは発展性もないということで、数字のほうは2,750時間と低めに押さえたのです。ただしその下に、各学校においては独自の個性豊かなプログラムを開設していただくことを強く希望するとか付記し、言葉はまた別として、2,750時間で終わるのではなく、学校独自のプログラムを足していただいて個性豊かな教育をしていただくことを付記した上での99単位、2,750時間になっています。

○仲野構成員 ありがとうございます。

○田城座長 私のところにも事務局からメモが来ております。時間数は2,750時間なのですが、最低履修時間のところに2,750時間プラス努力規定を追加、学校独自のカリキュラムということです。教育の目的については、これは北村委員長の強い意向というように伺っておりますが、ちょっと時間数からは外れるのですが、臨床実習の教育目標に以下を追加ということで、「また施術者として責任と自覚を養う」という文言を付け加えるということが昨日議論されたというようにメモを受け取りました。よろしいでしょうか。

 多分、先ほど私も言及しましたが、1単位当たり15時間と30時間が混在しているというのは若干整合性に欠けるという、この場ではなくて、世間様の指摘はありそうな予感がします。そうすると、3,000というのも、単なる数字合わせと言われるとそれまでなのですが、努力目標としてはあるのかなとは思いますが、積み重ねていって、矢野先生、藤井先生、坂本先生、後藤先生、仲野先生、皆様の議論で2,835という積上げなので、これは最低限で、もちろん3,0000時間やっていただくのはウェルカムということでよろしいでしょうか。それでは、お陰様でこれは全会一致と。

○仲野構成員 足すことは変わらないのでしょう、もう。現実はどうなのですか、難しいですか。努力目標ということは、もう少し上げることはできますか。倫理観や医療倫理など、柔道整復の所で別途その話が出たと思います。

○坂本構成員 基本的には最低履修時間ですからこれ以上やるということになります。恐らく、学校のカリキュラム上は2,900時間ぐらいは絶対組むと思います。そうでないと、実際に履行できなかった場合のことがありますので。だから、場合によっては3,000時間ぐらい組むかもしれません。そういう性格のものだと思います。

○仲野構成員 私は業界人ですから申し訳ありません。柔道整復師というのは、私どもより前から時間数が少なかったわけです。そういうことをすごく意識しています、よろしくどうぞ。

○田城座長 最低時間ということで、よろしいでしょうか。認定規則等の見直しに移ります。これは法律と言いますか、文言なのですが、5ページを御覧ください。認定規則の見直しという所に、案がありますように、分野と教育内容について規則があるのですが、更にどういうことをやるのか、例えば「コミュニケーションを含む」とか「運動学を含む」とかいうようなことは備考という所に横出しして、認定規則を新しいものにするという対応の仕方を事務局から提案していただいています。例えば運動学、それから社会保障制度、職業倫理、東洋医学概論、経絡経穴というような、特にここというピンポイントの指摘に関しては認定規則に盛り込むのではなく、備考の横出しということでよろしいでしょうか。

○矢野構成員 専門分野の基礎あはき学の所なのですが、「東洋医学概論、経絡経穴を含む」ということになっています。こちらはもともと含んでいるのですが、前回の提案で更にこれを充実させるという形で、それぞれ1単位ずつ加えたものですから、「含む」という表現よりも「の充実」とか、その意図がきちんと反映されるように少し表現を工夫していただくようお願いします。

○田城座長 はい、承りました。

○矢野構成員 その1点だけです。

○田城座長 確かに「含む」というのは、今まで含んでいなかったのかということになりますね。東洋医学概論、経絡経穴を何でしょうね、ちょっと文言については。

○矢野構成員 お任せします。

○田城座長 後でこういう点に詳しい方に考えていただくことにしましょう、「重視する」とか。では事務局預かりということでよろしいですか。

○北村構成員 その3行くらい下に「臨床実習前施術実技試験を含む」と書いてありますが、柔整のときは厳格な試験をするのは大変なのでというので議論がいろいろあって、正確には覚えていないですが、「等」とかを入れて、そして、ここで言えば、後藤先生の所で統一的にするのか、あるいは各学校が独自のスタイルでいいのか。そして、臨床実習というのが出されましたので、実習に行った場合、恐らく、実際に学生がはりを打ったり、おきゅうを据えたりすることがあると思うので、社会的にそういう能力があることを担保する上では実習前の施術、実技試験は必要だろうと思いますし、当然、国家試験には実技もやらないといけないという文言があります。柔整の場合は、卒業前というか、臨床実習後、卒業前の実技試験もやっているわけですが、それを入れたら2回やらなければいけないことになり大変なので、ここに書き込んでもいいかというか、私が言うのも変ですが。

○田城座長 ここは一応、備考欄で。そうですね、確かに医学部の場合にはOSCEですね、臨床実習の前に。一応、臨床実習前施術実技試験というのは各学校で行うということですよね、要するに、お任せといいますか。

○坂本構成員 将来的には全国統一の実技能力の評価試験みたいなものを行うべきであると、ただ、今回はまだその状況になっていないと。各学校が、それぞれ行っている実技評価が基盤になるということだと思うのです。ただ、今のように臨床実習前と限定されてしまいますと、実は、臨床実習もアーリーエクスポージャーの関係で1年次から見学実習みたいなものが入ってきますので、「等」という表現をしていただくといいなと思っているのですが。

○田城座長 臨床実習4単位の中に1単位はアーリーエクスポージャーで、例えば、今、介護施設、高齢者施設、それから、在宅訪問の施術も非常に普及しておりますので、そういう所の見学は1単位認めましょうということになっていますので。それの前という意味ではなく、本当に患者さんに施術をする場合の前という認識にはなっていますが、誤解があるといけないので、そこは少し「等」というような文言を入れてもよろしいかと思います。前回までの議論でも、私の記憶では統一したものではなく、まず、現時点では、それは各学校にきちんと担保していただくというところで。もちろん、学校で皆さんが基準を作ってやっていただくに越したことはありませんが、初めからそういう基準を決めるということではないということでよろしいですか。

○坂本構成員 将来的には、やはり統一した臨床能力試験が必要だなという認識ではいるのです。ですので、例えば報告書の段階で「将来的に」という文言が入ると有り難いと思っているのですが。

○田城座長 分かりました、そのように。例えば経過措置、それから幾つかの項目で、例えば5人なのだけれども「将来は」とか、「段階的に」というような文言が入る事項が幾つかありますので、それと同じようにここも「将来的には」というような文言を、報告書()の段階で入れたいと思います。よろしいですか。

○藤井構成員 この趣旨は、臨床実習を行う能力があるかどうかということを見る必要があるという趣旨だと思うのです。

○田城座長 そうです。

○藤井構成員 そういう意味で言うと、本来ならば卒業時の臨床能力が、果たして免許を与えるに足る能力なのかどうかというのを見なければいけないわけなので、臨床実習前の能力と併せて卒業前の実技試験を課すのが筋なのではないかと思うのです。

○田城座長 それは北村先生も言及されたと思うのですが、ここの趣旨は、実習で患者さんに実際に施術をする段階で、事故とか、そういうことがあってはならないということで、臨床実習に行く前の段階でチェックをしましょうと。医学部のOSCEと同じ趣旨であり、卒業試験とか国家試験における実技は必要とは思いますが、ここでは議論はしていないです、実習のところ、備考ですので。それはまた別の項目になると思います。

○藤井構成員 国家試験に実技を入れるかどうか、これは別の議論ですが、臨床実習の成果として、これは国家試験で実技試験をやらないわけですから、免許を与えるに足りる能力を臨床実習の最終段階で見るとなるのが恐らく。

○田城座長 分かりました。それは臨床実習が終わった後の評価のお話ですよね。

○藤井構成員 最終段階。

○田城座長 それを備考欄に追加することは、やぶさかではないのですが、取りあえず今回は医学部におけるOSCEだと思いますし。医学部におけるOSCEも導入に結構掛かっていますね。10年ぐらい掛かっていますか。

○北村構成員 いいえ、導入は4年です。

○田城座長 4年ですか。

○北村構成員 はい、実施して10年たちました。現在は更に加えて、臨床実習後OSCEを計画していて、2020年を開始目標にしてトライアルを始めたばかりです。

○田城座長 分かりました。

○北村構成員 ただ、現在は各大学、80校あるのですが、最近のアンケートで54校が独自に卒業時OSCEをやっているということなので、浸透はかなりしてきています。

○田城座長 分りました。報告書でも努力目標みたいな形で。

○藤井構成員 臨床実習後の臨床能力の評価という意味ですね。

○北村構成員 臨床実習後というのではなくて、臨床実習の最終段階での。

○坂本構成員 よろしいですか。

○田城座長 どうぞ。

○坂本構成員 今、卒業の判定に当たり、公益財団法人柔道整復研修試験財団等が行う実技評価試験を実施し、その結果が記録・保存されていることという一文が柔整の指導要領に入っているのです。そういう形であはきにも入れるかどうかということですが、現実的に実技評価試験の形が、例えば後藤先生の財団でまだ出来ていないので、今の段階で入れられるかどうかという問題はあるのです。

○藤井構成員 今の段階では、各学校の個別の方法で行うことということになるのでしょうね。

○田城座長 ではそれは、臨床実習に出ることができるか、臨床実習でそういう能力が付いているかどうか、その両方は、この備考欄に「等」ということを入れてやりたいと思います。

 それから、私が先ほどOSCEのことをお話しましたが、私もOSCEの教員として、北村先生の指導の下で資格を取って、消化器等を教えていたのです。やはり、医学部でも何年も掛けて経過していきましたので、いきなり横並びの国家資格というのは難しい、まず導入には時間が掛かるので、それは難しいと思いますので、まず、各学校でそれをきちんとやっていただいて、あと、だんだん団体で横並びというのを将来的にやっていただければと。よろしいでしょうか。では仲野先生から。

○仲野構成員 少しずつ昔よりも分かりにくくなっているので科目が出てこないので。

○田城座長 そうなんですよね。

○仲野構成員 私などは古い臨床家ですから分かりにくいのですが、何となく、臨床総論というか、鑑別診断のようなことを例えば備考欄にうたっておく必要があるのではないかと思うのです。例えば疾病の成り立ち、予防及び回復の促進というようなことを、右側の後ろに。これはどうなのでしょうか、例えば、鑑別診断というような形で入れておく必要があるのではないでしょうか。というのは、私どもの対応は多岐にわたるわけですね、病気。だから非常に大事な部分で、柔道整復師のように、ある所に例えば骨折、捻挫、脱臼というような骨科系のものに決まっているわけではないわけで、非常に大事なところなのです。だから鑑別診断をしておかないと、しっかりとした形でドクターに回せないと思うのです。だから、備考欄が出来るのならそれをどこかに入れておいてほしいと思うのです。と思っています。

○田城座長 よろしいでしょうか。

○矢野構成員 今の仲野先生の御指摘ですが、これは、次のページの指導要領・指導ガイドラインの見直しという所の、臨床あはき学の所で、前回のカリキュラムの中であはきの適応禁忌というものをしっかりやろうということで単位も増えました。そこのところで、ちょっと先走りますが、「「あん摩マッサージ指圧」、「はり、きゅう」施術に必要な知識と技術を修得し、問題解決能力を養う」と教育目標が立てられていますが、ここの所に、今、先生が言われたようにもう少し、「あはきの適、不適、禁忌の判断及び問題解決能力を養う」という形で明記すれば、今の御指摘は解消できるのではないかと思っております。

○田城座長 ありがとうございます。後藤先生は次にお話いただけますか。

 私も5ページで切ってしまったのですが、その後、6ページ、7ページと、ガイドラインで教育内容、教育の目標の書き込みがありますので、そこで対応させていただくと。

 それから、実は先走って、(4)通信教育のところにちょっと触れるのですが、疾病の成り立ち、予防及び回復の促進に関しましては、私、北村先生もそうですが、これは看護教育の段階でやっておりまして、そこでは医学部で教えるのとほとんど同じ内容の、疾病論とか系統講義のようなものをしておりますので、そこの内容に問題はないと思います。そこにきちんとカリキュラムの目標がありますので、そこを記載させていただければと思います。では後藤先生、お願いします。

○後藤構成員 まず1つは、先ほど出た臨床実習前の施術実技試験というのですが、柔道整復師がやっている、卒業前に必ず第三者の実技の試験を受けなさいと、柔整はそれをやっているので、今度はこれを入れようということになっている。別に業界の人のことを代弁するわけではないですが、柔道整復師との横並びをすごく意識していらっしゃるから、これは、やはりあはき師もやったらどうですか、やるということを目標に、オリンピック、2020年までに。

 ただ、問題があるのは、盲学校と、いわゆる厚労省の養成施設だと、そこの間のことをどうするかというのは解決しておかないといけないので、やはりちょっと時間を掛けないと検討できないと思います。ちょっと盲学校に行きにくいものね。

○栗原構成員 盲学校のほうでもこの第三者評価については、これまでも幾つか、盲学校間などもやっていますし、養成学校の人たちと一緒に、あはき教育研究会ですか、この中でも実技の評価を試みたことがありますので、できると思います。

○矢野構成員 以前、あはきの養成施設や理療科等ではOSCEが非常に重視されて、OSCEをどのようにやっていくかということでいろいろ検討されました。今、それぞれの学校で、一部ですが定着している所もあります。OSCEの内容のコアをどのようなものにするかというところは、今後の議論になるかと思いますが。そういったことからOSCEという用語よりこちらのほう(臨床実習前)が分かりやすいのではないかということから、臨床実習前というような表現になったと理解しています。

 卒業時にも藤井先生が言われているように、本来、責任を持って卒業させるということは、それぞれの養成機関や学校の倫理であり、しっかりとした施術者を世に送り出すということです。後藤先生が言われたように、やがてどこかで検討して実施していくことは必要ではないかと思います。これは、国民に対する信頼という意味においても非常に大事な視点ではないかと思っております。

○後藤構成員 全体的にそうですが、これは、1回やると20年いじらなかったのですよね、法改正をして5年したらカリキュラムを見直すと言っていたのが。だから、5年程度をめどに見直すというところで、その見直しのときに今の実習の第三者評価みたいなものも目標にするというようなところを入れていただくといいかなと。それでないとなかなか、厚労省さんも忙しいから、そんなにやっていられないということでしょうけれども、私は、法改正のときからずっと変わっていないのにびっくりするのです。

○田城座長 後藤先生、御指摘、ありがとうございます。介護保険法は、介護保険法成立のときの経緯等で5年後に見直すというのが織り込まれた法律だったと記憶していますから、それに準拠する形で、現時点でこれで始めますが、一定期間後に見直しをという文言を盛るということは不可能ではないとは思います。ではその辺はまた後で、事務局、法令等と検討してみたいと思います。

○釜萢構成員 今の議論は皆様がおっしゃるとおりで、私も大変同意するところですが、履修年限が3年の中で臨床実習前の施術実技試験をやり、また、実技評価試験もやるというのは、なかなか現実には厳しい、難しい問題があるように私は感じます。それで、既にお話が出ていますが、臨床実習前の施術実技試験というのは、最近の施術を受けられる方の意向も踏まえて、やはり施術を学生にやってもらうということが優れた施術者を養成するために必要なのだけれども、一方で、できればしっかり資格のある人にやってもらいたいというような思いもある中で、この学生については、実技前の試験をしっかりやっているというのが施術を受ける方に対する1つのアピールになるということで、これが出てきているというふうに理解しています。これは医師の場合も同じです。ですから、限られた時間の中でこれらのことが有効に行われ、かつ、学生さんが実際にこれが受けられるようになるというのは、なかなかハードルも高いように思いますので、そのところを指摘しておきたいと思います。

 それと関連しまして、柔道整復もそうですが、卒業後の卒後研修というのも併せて考えないと。これは、資格を取った段階で全て完全に施術ができるというわけには、なかなかいかないだろうと思いますので、卒後研修も含めての、全体としての体制作りが必要なのではないかと思います。

○田城座長 ありがとうございます。ほかに御意見はございますか。卒後研修については看護でもやっと一部の病院で3か月ぐらいの研修が導入されつつあるということで、これは歴史的な流れですが、まだ進行している流れの最中ということになるかと思います。

○北村構成員 そうではなくて、今、釜萢先生がおっしゃったのは、資格の特徴があって、看護師はほとんど自分で開業することもないし、医師の指示の下で動くのでゆっくりやってもいいのですが、柔整やあはきの人たちは、卒業した途端にすぐに自分で施術所を開くことができるのです。それでいいのですかという意味を込めて、半年でも1年でもしっかりとした卒後研修をどこかで受けないと開設できないという、そんなことを言ったら怒られそうだけれども、そのようなことも含んだ御発言だと理解しています。

○田城座長 独立開業権がある程度。

○坂本構成員 今の御指摘ですが、実は、日本鍼灸師会、全日本鍼灸マッサージ師会、鍼灸の学会、私ども学校協会の4団体が集まって自主的に卒後研修の仕組みを実際に作って、その教材と臨床実習のやり方のプログラムを作ってあります。実際、研修生を受け入れてもう3年目になるのですが、まだまだ定着しておりません。ただ、そういう素地はあって、業界団体がそろってそういう意識は持っているということだけ申し上げておきたいと思います。

○田城座長 ありがとうございます。釜萢先生、北村先生、よろしいですか。そのことをどこか、報告書の付記のような形でそこを。坂本先生、いかがでしょうか、その4団体で今やっていただいているという事実を、付記という形か、項目はあれですが、記載するというのはいかがでしょうか。

○坂本構成員 昔、医師は卒後研修を行うことが望ましいというのが入っていたと思います。今は義務化されましたが、長い間、そういう期間があったと思います。そのぐらいの文言は入っていていいのかなと思うのですが。

○田城座長 ありがとうございます。では、それは報告書()を記載するときに検討したいと思います。では事務局、よろしくお願いします。続きまして9ページ。

○藤井構成員 よろしいですか。

○田城座長 どうぞ。

○藤井構成員 その前に、7ページの臨床実習の教育の目標の所です。「あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師としての臨床における実践的能力及び保険の仕組みに関する知識を習得し」うんぬんと書いています。ちょっと違和感があります。これはどういうことかというと、保険の仕組みに関する知識を習得するのは、むしろ先ほど言った専門基礎並びに専門のところでやりますので、一部、修正をしてはいかがかと思います。

○田城座長 これは前回までの議論のところで、保険の仕組み等につきましては、例えば保険の公平性とか日本国の財政とか、そういう観点のお話と、先ほど北村先生からもお話がありましたが、独立して開業して施術をするときに実際に算定する場合の本当に具体的なものという、2種類あるということを確か藤井先生が御指摘されたと思うので、事務局がこういう文言を付け加えているのだと思うのです。

○藤井構成員 そういう趣旨であるとすれば、例えば「あはき師としての臨床及び保険の仕組みに関する実践的能力を習得する」というようにしてはいかがでしょうか、「知識」が入っていることにちょっと違和感があるので。むしろ保険の仕組みに関する実践的な能力だと思うのです。

○田城座長 分かりました。ほかの先生方、御意見はございますか。なければ、今の藤井先生の文言で直していただくということでいかがでしょうか。

○栗原委員 保険の仕組みについて専門基礎分野のほうで実際に取り上げるわけですが、その中ではこの算定方法などについて、具体的に学ぶことができるのではないかと思いますが、どうですか。

○田城座長 いや、事細かな、どう言ったらいいのでしょうか。診療報酬についても、実は2年ごとに変わったりとかするので、実際に本当に細かい具体的なことはやはり。私は公衆衛生の人間ですが、そこでは、やはり教えきれない原則とか、くどいのですが国の財政がどうなっているかとか公平性とかの議論があり、それと一つ一つの具体的な施術に関してこれで点数が何点かというようなお話は、やはり一緒には扱えないと思うのです。

○藤井構成員 今は変わりましたが、昔は盲学校の学習指導要領には、臨床実習のところに経営実習というのがあったのです。つまり、座学だけでは十分に実践的な能力は養えないから、実際に施術所、治療院に行って実際に取り扱っている現場を見たり、先生にその取扱い上のいろいろな話を聞くというような、そういうところをかなりやっていたわけです。そういうイメージです。臨床実習、施術所実習となると、そういった実践的な能力というものが当然、内容に入ってくるのだろうと思うのです。

○田城座長 栗原先生、いかがでしょうか。

○栗原委員 分かりました。いいです。

○田城座長 それは、また御意見がありましたら。よろしいですか。

○北村構成員 同じ所の臨床実習の目標ですが、8ページに他業種が書いてあって、診療放射線技師の場合ですと、一番下に「また、医療チームの一員として責任と自覚を養う」と。どこにも「責任と自覚を養う」というのが付いているのですね、理学療法士だけ付いていないのですが。昨日の柔整のときは、「チームの一員として責任と自覚を養う」というのを入れてもらおうと思ったら、一人で活動することが多いということで、チーム医療よりも「施術師としての責任と自覚を養う」ということになったのですが、その手の文言も、あはきもいかがでしょうか。

○田城座長 冒頭、私が触れたところですね。教育の目的、目標、7ページの臨床実習の所ですね、「施術者としての責任と自覚を養う」と入れると。ただ、一緒に働いていなくてもチーム医療という意味では間違いはないと思いますので、皆さんに異論がなければ、ほかの業種と同じように、チーム医療の一員としての責任と役割を、自覚する、養う。これは「養う」と「自覚する」が混在しております。「チーム医療」と「医療チーム」、これもまた混在していますね。チーム医療の、そうですね。

○仲野構成員 いやいや、そんな格好いいものではない。我々は医療をしっかり学ばないと駄目だ。特別、優秀な者でも何でもない。医療人であることが先だ。

○田城座長 社会保障制度の中に医療があって、その中の一員であるということを強調するのであれば、チーム医療の一員としての責任と役割を、養うか自覚する、養うですかね、ということで。もちろん、「施術者・チーム医療の一員」という書き方もあると思いますがいかがでしょうか。よろしいですか。では、ここをそのように追加。では事務局、よろしくお願いします。

 次は9ページです。ここはイメージのところで。

○栗原委員 総合領域のことを聞いてもよろしいでしょうか。

○田城座長 はい。

○栗原委員 総合領域であはきの歴史が必修になっているのですが、これは、本科、保健理療科の場合には、その総合領域を弾力的に取り扱うということになっていますので、そういう理解でいいかということなのですが。

○田城座長 藤井先生、矢野先生、いかがでしょうか。

○矢野構成員 弾力的に取り扱うという中に、ここに記載されているようなあはきの歴史をしっかりと教え込むということは、していただいたほうがいいのではないかと思いますが、難しいのですか。

○栗原委員 結局、総合領域10単位を読み替えていくときに必修1単位は読み替えられないということになると、更に厳しくなってくるので、その辺りがどうかなと思っています。

○田城座長 いかがですか。

○藤井構成員 どこかであはき師の、特に近現代史とか、この辺りをどこかできちんと教えなければいけないというのが趣旨なわけですね。それで、どこで教えるのかというところで、この前総合領域というところで原案を出したわけですが、もしここが中卒課程の場合、難しいということであれば、むしろどこで教えるかと。どこかで歴史を教えなければいけないというところは、この前合意されたと思うのです。そうすると、どこで教えるかという問題ですよね。

○田城座長 「社会あはき学」に入れ込むことができるのか、あはき師を含む努力目標。

○矢野構成員 現在、医療概論の中に医学史が入っているのですが、その辺りにもう少し焦点を当てて展開することも1つの手法になるかと思うのですが。藤井先生が言われたように、中卒課程の場合は、なかなか総合領域10単位の置き換え、ここであはき史をやるのが困難とすれば、どこかで工夫をしていただいてそれを教授していただきたいと思います。(あはき史を学修することにより)これからの自分の立ち位置、将来に向けての展望が理解できるようにしていただければと思います。

○栗原構成員 いわゆる医療概論と言われる内容に、あはきの歴史を含むという形に書いていただけるといいかと思います。

○矢野構成員 弾力的に扱ってもらっていいのではないですかね。特に、先生の言われる中卒課程でのところでは。

○藤井構成員 備考の所に書いてあるのは、総合領域を本来、専門分野から履修しなければいけないわけだけれども、中卒課程にあっては、その限りではないと。つまり、基礎分野からもできますということを言っているわけですね。

○栗原構成員 そうですね。

○藤井構成員 そうすると、この備考も含まれているわけだと思うので、特に総合領域の中に「あはき史を含む」と残しておくことは、特に問題ないと思うのです。ただ、趣旨としては、中卒課程だから歴史を教えなくていいというのではなくて、その趣旨を含んでいただいて、どこかできちんとやるというところを担保できるかどうかです。

○栗原構成員 そうすると、医療概論辺りにそういう内容を含むように書き加えるか、あるいは、備考欄の今の所に「中卒課程にあっては、医療概論等であはきの歴史を扱うように」という内容を加えていただくかで、明確化していただくことになるでしょうか。

○田城座長 これは後者のほうでいかがでしょうか。あはき史を総合領域でやると。ただ、運用等で配慮が必要な中卒課程は、付記をするということでいかがでしょうか。栗原さん、それでよろしいですか。

○栗原構成員 それで結構です。ありがとうございます。

○藤井構成員 「中卒課程にあっては」というのを備考に入れるのは少し違和感がありますから、それだったら総合領域の備考からあはき史をどこかに移せばいいわけですね。その専門基礎の社会何とかかな。

○栗原構成員 専門基礎の保健医療福祉とあはきの理念ね。

○藤井構成員 そこに移せばいいわけですね。

○田城座長 どちらでも。では、そちらにしますね。そちらに含むと。

○矢野構成員 どれだけそこに時間が割けるかということで、総合領域のところでしっかりとやったらどうかというのが提案の趣旨でした。

○藤井構成員 そうですよね。2単位ですから。

○矢野構成員 多分、先生が言われるように、基本的に中卒課程の場合は、総合領域は特例扱いになっているので、この特例の範囲の中で弾力的に解釈するのが筋であって、栗原先生が言うように、ここに明文化するということは、違和感があるのではないかと思います。あくまでその特例の中での判断をすればよいかと思いますが。

○栗原構成員 これは特例の中で弾力的に扱うという部分で判断していくと、そういう理解で、共通理解だということならば、それでよろしいのですが。

○矢野構成員 藤井先生言われたようなことを、保健理療科でしっかりと認識して実施していただいたらいいのではないかと思います。

○田城座長 運用の段階できちんと、それはやっていただくということですね。

○矢野構成員 いかがですか。やがて第18条の2は議論の対象になりますが、栗原先生、現段階ではそういう形でいかがですか。

○栗原構成員 分かりました。

○田城座長 では、9ページ。丸にはこれは事務局案の100単位、次は2,835時間を入れるということでいいのですか。

○佐生医事専門官 はい。

○田城座長 それでは、この四角で囲んであるイメージですね、「7授業に関する事項」に以下を追加で、「教育課程の編成に当たっては、100単位以上で、2,835時間以上の講義、実習等を行うようにすること」ということでいかがでしょうか。よろしいですね。ありがとうございます。

○栗原構成員 今の最後のこれ、単位数と時間数については、これで今ので最後ですね。

○田城座長 はい。

○栗原構成員 単位数と時間数について、時間を掛けて合意形成を図ってこられたので、特に単位数、時間数について、異議があるというわけではないのですが、最終的にこれで固まったときに、先ほどから話題になっていて恐縮ですが、中卒課程では85単位、2,385時間ということで、高等学校を卒業するのに必要な最低履修時間数、単位数を含むと、3,170時間余りの授業を行わなければならないということで、7時間授業が設定されることになります。

 そういう中で、今、高等学校学習指導要領の改正に向けた論議も始まっていて、それで最低履修単位数の件とか、新しく加える科目の件とか、今ある減じることができる規定の検討とか、そういうものが行われるのではないかと予想されています。そういうものが行われたときに、更に厳しい状況が起こってきますので、先ほどから5年後の見直しということもありますが、「高等学校学習指導要領の改正などを見ながら、あはきの課程についての認定規則の検討についても行う」という文言を報告書に入れていただける検討をしていただければと思います。

○田城座長 ほかの委員の皆様、いかがですか。文部科学省から特にありますか。

○文部科学省特別支援教育課青木調査官 今、栗原委員からありましたように、現在、文部科学省において、次期学習指導要領の改訂に向けた検討を行っているところです。

○田城座長 これは中卒後5年間の。

○文部科学省特別支援教育課青木調査官 いや、特別支援学校には5年間の課程はありませんので、本科保健理療科の3年間の課程です。

○田城座長 分かりました。では、今の栗原委員の御提案はいかがですか。異論がなければ、そのように。

 予定よりも少し遅れているのですが、10ページです。これは後藤先生、坂本先生からも御提案いただいている件で、通信制の課程等で、これは単位互換です。特に、基本的には、項目で言うと、基礎的な部分です。先ほど言及した人体機構論、人体の構造と機能とか、疾病の成り立ち、その他、その予防及び回復の促進、保健、その辺りが想定されるとは思うのですが、そういうところで通信教育という御提案があります。北村先生、これは看護領域では北村先生が特に看護協会から依頼を受けて、通信教育についてはお詳しいと思いますので。

○北村構成員 看護の場合は、准看制度があって、准看の方が看護師、正看を受けるために2年間の移行教育を受ける必要があります。その一部が放送大学で単位互換できるということで、多くの学校では基礎科目がこれでやられたように思っています。評判も良く、たくさんの受講生がおられます。

 最近は、それこそ田城先生の本職ですが、いわゆる放送で、テレビとかラジオよりもインターネットを駆使した非常に良い教育があり、コンテンツになってきているので、しっかりとした試験もありますし、いいのではないかと個人的には思います。

○田城座長 釜萢先生、医師会立の看護学校も、多分、単位互換とかされていると思うのですが。

○釜萢構成員 そうです。まず3年課程も准看から上がる2年課程も、単位互換ができるようにはなっています。それから、今、2年制の場合には、通信制がありますので、これはかなり本格的に通信を使うことになると思います。

○田城座長 よろしいですか。座長が言うのもあれですが、放送大学はラジオ、特に看護系の場合にはラジオですと、働きながら聴けるとか、車の運転中とか、いろいろですし、要するに点字等の教材とか、いろいろそういうことにも配慮できています。それから、テレビ、ラジオは、どちらもオンタイムの放送だけではなく、これはウェブで聴けますので、オンデマンド、皆さんの御都合のいい時間にインターネットでダウンロードしていただいて、その視聴をしていただけるということで、社会人でこういう学校に通われている方には、非常に利便性が高いだろうとは思います。

 ここの指導要領・指導ガイドライン見直し(イメージ)の所で、ここの規定で「授業に関する事項」に以下を追加という所です。我田引水と取られると非常に困るのですが、「放送大学やその他の大学若しくは高等専門学校」等々という規定があります。それから、放送大学も大学とありますように、文部省の設置基準に従ったきちんとした大学ですので、該当すると思いますが、この件に関して御意見はありますか。

○後藤構成員 このことを提案させていただいたわけですが、是非、実現をしていただきたいと思うのですが、こういうふうに変えたほうがいいのではないかという事務局の御提案です。教員に関する事項の所にウを新設して、放送大学の先生でも構わないと、多分こういう読み方をするということなのでしょうが、これですと誰でもいいみたいな話に取れるのではないかと。単位数で決めたら週3日しか学校に通わなくてもいいなどという学校が出てきている時代ですから、何を考えるか分からないので、これは「職業教育上施設長が必要と認める者」としたら、校長が決めたら誰でもいいみたいな話なので、この表現は少し難しいかと思うのです。むしろ「放送大学」という言葉で表現していただいたほうが。「授業に関する事項」に以下を追加すると、これがよくできていると思うのですが、これには「履修した者」と書いてあるので、学校に入ってから基礎分野について、例えば14単位のうちの7単位ぐらいまでの範囲であれば、放送大学の受講に代えることができると、これでも読めるのですかね。この読み方がよく分からないのですが、そういうことですかね。

○田城座長 既修のというのは、学士入学のときなどは、こういう既修のになりますが。文部省の規則で単位互換は、どちらかというと文部省の規則だと思うのですが、そこではどのように表記されるものですか。

○文部科学省医学教育課前島課長補佐 ガイドラインということですので、学校教育法上の専修学校がどうなっているかということになるかと思います。専修学校の設置基準上、他大学あるいは他の専門学校での履修を、修了に必要な時間の2分の1を限度に認定することができるということが、今、制度化されていますので、その運用の範囲内で今でもできるということですが、今回、ここをガイドラインに書くということですと、それを確認的に整理することになるかと思いますので、少なくとも学校教育法体系での制度等と齟齬はないと考えています。

○田城座長 ありがとうございます。ということは、ウの規定はなくても、単位互換は可能という解釈でよろしいでしょうか。

○文部科学省医学教育課前島課長補佐 制度の中ではそうですが、ここはむしろ積極的にこういったところを進めるという意図があるのであれば、ガイドラインの書き方も、また別の次元で御判断いただくということかと思います。

○後藤構成員 今現在も、専修学校であれば半分までは認められるというのがありますよね。ただし、厚生労働省の所管になる養成施設だと、それはないのですよね。決められた、つまり医療系の学校には適用しないです。ただし、診療放射線技師とか、理学療法士とか、作業療法士とか、こういう所を出た人で、例えば解剖学を単位互換してほしいということは、学校の校長が認めれば、今、それはやってもいいみたいになっているのですよね。

 そうではなくて、学校に入ってきたときに、放送大学のような通信制のもので単位を取得することができると、置き換えられると、何か少し違うのですよね、既に学んだものとこれから学ぼうとしているものについて。だから今、私の所は看護の通信制をやっていますが、「放送大学等に置き換えることができる」と書いてあります。そういうふうにはっきり書いていただいたほうが、はっきりしていいのです。これだと本当に誰が教えてもいいみたいな話なので、よくないと思うのです。表現の問題です。

○田城座長 分かりました。あと、事務局はどうですか。

○佐生医事専門官 先ほど言われた入学する前の所は、11ページの規定に書いてあります。今回、入学した後のということで、10ページの下のほうの所の規定を追加してはどうかと考えてはいます。上の教員の所を追加する必要があるかは、もう一度整理させていただければと思います。

○田城座長 では、ここは持ち帰ってもう少しブラッシュアップということでよろしいですか。

 座長の不手際で時間がかなり押していて、申し訳ありません。では、臨床実習施設の在り方について、資料213ページと16ページです。臨床実習指導者の講習会から議論することになります。皆さんから、これも今まで随分御意見を承っていると思いますが、13ページです。1.講習会実施担当者で、講習会主催責任者1名以上、企画責任者、講習会世話人という案が出ています。14ページは、形式としてはワークショップ、1~6の要件を満たすこと、4.講習会におけるテーマは1~6を含むこと、15ページで、講習会の修了、講習会の実施報告の所が、臨床実習の指導者の資格と言いますか研修ということで提案されていますが、いかがですか。これは、過去3回にわたって何回か議論したと思いますが。単位数が増えますので、臨床実習指導者が非常に必要になるということですが、その方々の担保になります。

○坂本構成員 確認ですが、臨床実習指導者は、教員資格がないけれども、臨床実習指導講習会を受けることによって指導者になれるという仕組みだと思うのです。ですから、教員資格がある人たちは、この講習会を受けなくてもいいということですかね。

○田城座長 事務局はいかがですか。

○佐生医事専門官 そのように。

○田城座長 繰り返しになって申し訳ありませんが、先ほど言いましたとおり、単位数が増えるということで、現場の方々に臨床実習の指導をお願いするというときに、その方々にはこういう講習をきちんと受けていただくという記載だと思います。よろしいですか。

 次に16ページです。これは今日の議論でもありましたが、最初の丸は、医療機関、スポーツ施設、介護老人保健施設などです。介護系は、いろいろなデイケア、デイサービスでも施術が行われていると思いますので、そういう意味で「等」です。もしかすると、「介護保健関連施設等」ということで、「老人保健施設」という書き方でないほうがいいのかもしれませんが、「等」ということで、そういう所で1単位を超えない範囲では、そこのアーリーエクスポージャーはよしとすると。これはいかがでしょうか。文言は少し考えましょう。

 次に、これも議論になっていました臨床実習施設の要件で、特に(2)の4「過去1年間の施術日の平均受診者数が5名以上である」と、これは前回提案が30名ということで、現実から飛躍しているという御指摘があり、藤井先生が調べられた資料が17ページに出ていますので、「5名以上である」ということでよろしいでしょうか。これは多分今までの議論で。ここも将来的にはこれを斜めにするかどうかは、それこそ5年後等の見直しに入るかどうかですが、いかがですか。5名ということで異存はないですね。

 ありがとうございます。すみません、予定の時間よりも20分ほど押しています。今までで「臨床実習の在り方について」までです。資料2の表紙でいきますと、2つの丸です。総単位数の引上げ、臨床実習の在り方については、皆さんから御同意を得られたということです。

 続いて、「専任教員の見直しについて」、議論します。限られた時間になりましたが、まだ40分弱ありますので。ここは坂本先生、矢野先生から資料3、資料4を提出していただいていますので、坂本先生から資料3について御説明いただけますか。よろしくお願いします。

○坂本構成員 それでは時間もありますので、資料3を御覧ください。この資料は、事務局の提案で、今回、教員の要件の中に実務経験3年を経た後に、教員養成科の卒業者、これを教員要件としてはどうかという提案がありまして、それに対して、現在の教員養成施設というのは、2年の課程であるということ。それから同様に、教員の要件として、同等とみなされるものとして、大学院の修士課程又は博士課程の修了者というのもありますが、例えば、修士課程もこれは2年間でしかないということで、この辺りの整合性をもつためにどうすればいいのかと、少し頭を捻った資料ということです。

 次ページの2番ですが、現状の教員養成施設の教育内容を見ていただくと、臨床実習という形で、720時間以上をこなしていて、臨床科目の座学を630時間以上を行っているということが一般的かと考えています。

 ここで言う臨床実習というのは、卒前の臨床実習と違いまして、既に資格を持った人間が行っており、例えば、東京の某養成機関というのを例に挙げましたが、施術所そのものを25名の学生が運営し、30ベッドの施設でやっています。11人当たり7名ぐらいの患者さんを受け入れながら、190日以上の治療日数をこなしていると。こういった観点から考えると、また、そこにはスーパーバイザーが付いていまして、必ず指導を受けながらの施術も行えているということです。3年間の実務経験に相当するぐらいの十分な症例数を経験しているのではなかろうかということが1つです。

 さりとてですね、何かの形で実務経験に相当するようなものを担保するべきであろうということから、現在の教員養成課程そのものを、少し課程をはっきりさせて見直したほうがいいのかということで、3ページを御覧ください。

 現在、2年間の教員養成課程ですが、それを前期課程と後期課程に分けまして、臨床に特化した後期課程と、その基礎教員の養成課程の前期課程、この2段階式にすると。専門学校を卒業した有資格者が、基礎教員課程に入ってから臨床課程を終えると、全ての科目が履修できるという、基本的に同じスタイルであります。鍼灸系の大学を卒業した人も同じ形。それから、大学院の基礎分野を専攻しているような大学院の修了者については、臨床専攻の課程に入れば、全ての科目が教授できると。それから、臨床専攻の大学院を修了した者は、基礎系の課程に入ってくれば、全ての範囲が教えられるという仕組みにしてはどうかと。

 もう1つは、最後のページです。一番最後の3行で、「ただし」としました。先ほど言った実務経験に相当することを担保するために、「ただし、条件に経験症例数30以上、経験のべ患者数200以上及び異なる疾患の2症例の症例報告を必須」として、「また、学科試験や実技試験を必須」としてはどうかということで、事務局に御提案いただいている内容と同等の能力を要する者というように、教員養成課程を作り変えるという案です。

○田城座長 分かりました。では、矢野先生の御意見も、多分、関連するかと思います。御提案をお伺いしてから議論に入りたいと思います。

○矢野構成員 この教員養成機関の改変に関する提案ということで、主として今、坂本先生が言われたように、現行の2年制をいかに充実させるかということでの提案をした次第です。

 その改変のポイントですが、今回の「あはき教育課程」の改善を踏まえて、それに対応できる内容にしなければいけないというのが前提と考えています。

 その中で最も重視されることは、臨床能力をどう養うか。言ってみれば、臨床指導がきちんとできる教員をどういう形で養成していくのかということです。それから、今回は新しくコミュニケーション学、あるいは触察解剖、臨床生理学、運動学、OSCE、保険の仕組み、職業倫理、あはき史が含まれるということになりますので、そういったことも踏まえた教育課程の内容も併せて改変していくことが、非常に大事ではなかろうかと思っています。

 特に臨床実習については、新教育課程では、4単位と、しかも、校外の臨床実習も展開されるということにもなりますので、それに合った教員養成の在り方ということが前提ということで考えました。

 多少、私の認識が少し違っていたようですので訂正させていただきます。提出資料の3の現行と改変の比較の所で、臨床実習90時間と書いてありますが、720時間ということで、ここは間違いです。実際、臨床実習720時間を臨床実習に全部費やされているかと言えば多少、各養成機関で温度差があるような印象を受けています。そういったことから、そこのところを実質化するためには、おおむね半日制を完全に全日制(フルタイム制)にして、臨床実習能力をしっかりと付けるべき、そういった課程にしてはどうかと思います。事務局提案の実務経験3年のところは、そこのところで吸収できるのではないかと思います。

 例えば看護師や理学療法士の実務経験は病院勤務等で明確に判定できるのに比べてあはき師の実務実態は非常に曖昧であることから、むしろ、学校教育機関の中で徹底的に指導したほうが、より明確に担保できるのではないかと思います。そういったことで提案させていただいた次第です。

 もう1つは、教員養成機関の将来像ということで、2ページに書いてありますが、現行の2年制から3年制ということで、前期2年を臨床専攻、後期1年を教員としての資質を作るための教員養成専攻という形でやっていくことが非常にいいのではないかと思います。

 先ほど、大学院修士課程のことも出ましたが、大学院の修士課程の場合は、大学4年、更に2年ということです。その間に履修する単位数等を考えると、かなり大きなものになります。少なくとも124単位以上、修士30単位以上ということです。現行の教員養成の機関であれば、86単位プラスあはき課程(教員養成機関の教育課程を単位に置き換えて)であれば、大体55単位になるのでしょうか。単位数から言っても、相当の差が出てくるというところです。これがこれから94単位になったとしても、30単位ぐらいの差がある。しかも、大学の場合、また、大学院の場合、基本的に全日制で、その時間をカウントすれば、時間数においては、もっと大きな差が出てくるということになります。そういったことから考えていくと、坂本先生が提示された、新たな養成機関の課程1の図、ここの所をもう少し議論する余地があるのではないかと考えております。

 現行では、例えば、教員資格のところでは、心理学を専攻した大学院を出ると、心理学というものを教えられるということになっています。以前、これは学校協会から次のようなものが出ていて、これはその後、改訂もされていまですが、文部科学大臣の認定した学校の大学院修士課程又は博士課程を修了した者、これは養成施設指導要領にありますが、これを教員に当てる場合は、明治鍼灸大学大学院修了者(あはき免許取得者)を除き、当該大学の大学院で専攻した分野に限定した授業科目しか担当することができないと明記されています。その後、できるだけ専攻に応じたということが学校協会の倫理委員会からいろいろ出ています。

 これについては、現行のあはき養成指導要領では、専門基礎分野及び専門分野の項の規定の所に、「これと同等以上の知識及び経験を有する者」は、その中で「文部科学大臣の認定した学校の大学院修士課程又は博士課程を修了した者」という形になっております。この辺りを大きく変えるとすれば、もう少ししっかりとした議論が必要ではないかと考えております。以上です。

○田城座長 分かりました。坂本先生、今の矢野先生の御提案に対して、何かありますか。

○坂本構成員 これ、まだもう少し議論を詰めなければならないのかと思います。矢野先生が言われた大学を出て大学院に行かれた方の取得単位数は、少なくとも124単位の後の大学院があるというお話でしたが、大学院に入っていく資格というのは、学位授与機構の中で認定されると、必ずしも大学を出ていなくても行けるわけです。ですから、あはき系の大学に行っていなくても、鍼灸系の大学院に入学することも可能になっています。その辺りを考えると、全て、いわゆる鍼灸大学を出て、鍼灸の大学院に行ったという人たちと同等とは言えないのではないかと思えるのですね。ですから、一定の条件を大学院のほうもそろえていただく必要があって、かつ、教員養成課程も実質的には、かなり臨床の勉強をしているのではないかと。この辺りを詰めていければと思います。

○後藤構成員 今、坂本先生の言われたこととも関連しますが、大学院を卒業したというのは、私はこの改正のときも関係していましたが、明治鍼灸大学しかなかったのです。だからこれは、こういうように書いてあるのですが、その後、いろいろな大学で、例えば、鍼灸生理学を勉強した人が、これを読んで、全ての科目を教えられると、こういう錯覚が起きたので、はっきりさせたほうがいいというのが、まず1つです。

 先ほども申し上げましたが、これは20年ぐらい前に作ったものだから、明治鍼灸大学しかなかったのです。今の普通の大学で医学部とかで、生理学で鍼灸をやることは想像もしていなかったと。ですから、これはいじる必要があると思います、そこの辺は。

 それと、両先生の御提案は、教員になるための学校の問題なのですね。これはもうちょっと詰めないといけないと思いますし、先ほどの卒後臨床研修をきちんとやるということが望ましいみたいなことから発想すると、私はどちらかというと、教員養成課程を前期と後期に分けて、前期は臨床、後期で教員課程を取るというような、何かそういうような組立てとか、少し工夫しないと。あはき師というのは、医師の指導もなくて、患者さんを治療するわけですから、やはり非常に責任は重いと思います。これは、いわゆる学校の卒前の課程というのもありますが、卒後に臨床研修をやれというのは、何かこういう教員養成課程の仕組みの中に、ちょっと組み込むような。だから、1年間の臨床課程があって、それが終わったら2年目に教員課程ということ。

 臨床経験3年経てから、2年間の養成学校といったら、今の盲学校の理療科教員養成施設と余りにもかけ離れます。今の理療科教員養成施設を出ると、厚生労働省の養成施設で全部教えられます。これは余りにも格差がありすぎると。その辺も考えないといけないし、ちょっと時間を掛けて、8月の検討会までに詰めるというのはどうでしょうか。ここで本当は、ここに出ている専任教員の要件とか、そのほかにもありますが、そこを先にやっていただかないといけないのではないかと思います。

 今現在の教員の問題です。週1日来るだけで、専任教員というように言っている学校もあるように聞きます。ですから、週3日に規定するとか、あるいは専ら1つの養成施設に限り専任教員となる。こういう御提案がありますので、この辺を先に議論していただいて、養成施設の問題については、教員養成については、もうちょっと詰める時間を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。

○田城座長 22ページの認定規則の見直し、それからガイドラインで、教員に関する事項、それから、25ページの所ですが、今、後藤先生がおっしゃった教員に関する事項が載っています。教員は1つの養成施設に限り、専任教員となるものとする。専ら前項の養成施設における養成に従事するものとする。臨床実習施設において、臨床に関わることにより臨床能力を高めるよう努めるものとする。というような所も含めてということですね。

 こちらの地道な議論をして、養成校の在り方という議論になるというのは確かに論理の展開としては正しいと思います。いきなり、ここで養成校の在り方から入るのではなくということですね。

 では、坂本先生、矢野先生から養成機関の在り方という御提案を頂いておりますが、その議論の前に、まず2125ページと、それと、26ページの所で、これは議論になりましたが単位数が増えるので、26ページの一番上で、専任教員数を現行の5名から6名に増員すると。ただし、カリキュラムを学年進行に応じて、まず柔軟にするというようなこと。設置された年度においては4名、それから、翌年度は5名というように1名ずつ増やすという規定が、26ページの下の所のグレーの四角に書いてあります。以上のところを事務局にも説明していただいています。それから、21ページの3年の実務経験というのは、確か、これ、皆さんのほうから御提案いただいたものを事務局が取り込んだと認識しておりますが、事務局、いかがでしょうか。

○佐生医事専門官 そうですね、前々回当たりに。

○田城座長 3年。

○佐生医事専門官 仲野構成員等から御意見があったと記憶しております。

○後藤構成員 よろしいですか。

○田城座長 どうぞ。

○後藤構成員 私の記憶では、教員に臨床経験がないのは問題だねということが言われたのであって、臨床経験を積んでから教員養成学校へ入るという提案は、具体的にはなかったと私は思っています。これ見てびっくりした。

○田城座長 それは22ページの専門基礎分野の三の所でしょうか。

○坂本構成員 これ、専門基礎分野も専門分野も、みんな一緒だと思います。養成機関の卒業者というのは、3年以上の実務経験に従事しという意味で、事務局提案がなされていますが、今回の改正の趣旨から考えれば、現在の教員の臨床能力を担保する必要があるという議論があって、こういう形で事務局が御提案されたという認識です。構成員から、3年以上を経た後に、教員養成機関に行くという話は出ていなかったと思います。

○田城座長 3年程度の実務経験が必要ですよね、というお話はあったということですね。

○後藤構成員 そうですね。看護師が5年で、理学療法士、作業療法士は3年ですから、そういうところからこの案が出たので、これは非常に自然だと思います、事務局の御提案は。ただし、あん摩、はり、きゅうの場合に、臨床経験というのは担保できるかというのは、先ほど矢野先生からお話があったように、何やっていたか分からないのですね、結局。看護師や理学療法士の臨床経験は担保できますけれども。1週間に1回だけ往診をしてたかもしれないし、ですから、その辺が担保できないことをどうするかという話と。

○田城座長 なるほど。

○後藤構成員 教員養成施設というのが、これは柔整にもありませんし、理学療法士、作業療法士、看護にもありません。2年間などという教育課程はですね。

 なぜこれができたかというと、盲学校の理療科教員は、つまり学科免許ですから、全部が教えられる。この課程があったので、それをまねして、学校協会の提案でできたのです。だから、非常に特殊なのです。その中で臨床実習を720時間やっているというのも、ほとんどの方が御存じない。だから、そういうことをきちんと踏まえて、もう一回詰めさせていただいたほうがいいのではないかと私は思っています。それ以外の御提案の6人、これはもう、合意していると思います。

 それから、教員は、専ら養成施設における養成に従事すると。これも、あはきの場合、ちょっと特殊なので、学校協会で前に決めたのは、5日のうち、3日来ていれば専任と。あとの3日については、臨床をやっていると、自分で開業しているといったスタイルの先生がいてもいいわけです。だからこれは駄目なのかという話なのですね。ここら辺だけが問題で、あとは、問題にならないのではないかと思います。いかがでしょうか。

○矢野構成員 今、後藤先生が言われたように、教員養成機関というのは本当に特殊な位置付けです。現在、筑波に理療科教員養成施設がありますが、これは指定養成機関ということで、戦後に教員がないときの臨時措置として作られたものです。しかも、筑波のほうは、後期中等教育の教員の養成です。ですから、ここを出ると、教員免許が出るのです。でも、今、後藤先生が言われた教員養成機関というものは、専門学校の教員資格ということで、専門学校は高等教育に当たりますから、その教員養成ということで矛盾した状態が戦後ずっと継続してきている。このことはここでの議論ではないのですが、どこかでやはり熟慮して、きちんと整理しないといけないかと思います。なおかつ、筑波の理療科教員養成施設の教員免許というのは、柔整の専門基礎まで教えられるという、極めて効力の大きいものなのです。そういったことから考えても、いろいろな整合性が取りにくい状況ですので、これはまたしっかりと別の所で議論していただいたほうがいいのではないかと思います。ちょっと補足になりますが。

○田城座長 放送大学の大学院の修士の学生で、中途で失明された方ですが、正に筑波大学の教員養成学校に通っている学生がいますので、何というか、身内のような感じなのですけれども。栗原先生、何か御意見はありますでしょうか。

○栗原構成員 現在の筑波大学の理療科教員養成施設というのは、先ほど矢野先生がおっしゃられたように、指定養成機関で、特別支援学校の教員資格なのですよね。その免許状が得られるということで、その教えられる範囲というのは、かなり広い範囲をもっているということは、先ほど矢野先生、後藤先生がおっしゃられたとおりです。

 ただ、今ここで議論されている厚労省管轄の教員養成機関とは別に、筑波大学の理療科教員養成施設のほうでは、その理療に関する専門の教科と、特別支援教育に関する教科、教職に関する教科というのをやっていて、厚労省管轄の教員養成機関でやっているその教職課程の内容と、少しカリキュラムが違うかなと思っています。その辺も含めて検討するのであれば、この場ではなくて、教員養成に関する検討の場が新たに必要なのではないかと思います。

○田城座長 では、後藤先生、どうぞ。

○後藤構成員 私は、盲学校の理療科教員養成施設を含めて検討してもらいたいという話をしていません。今、ここは厚生労働省の養成施設をどうするかという話なので、その教員養成課程ですから。ただ、それを考えるときに、理療科教員養成施設のことは頭に置いておかないと、おかしくなるのではないかということだけで。

○栗原構成員 それであれば、もちろんそのほうが有り難いです。

○後藤構成員 この検討会の中で、最終、教員養成機関についても結論を出していただかないと、教員の資質向上ということにつながらないので、それで今、申し上げています。別な場所というのは、8月の今度の検討会までに関係者が議論をするということで、それを御提案申し上げています。

○栗原構成員 分かりました。専門学校の教員養成機関の資質向上に向けて議論するということであれば、別にこの場でやっていただいても結構です。

○田城座長 ここは、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会ということで、これは認定規則、指導要領・指導ガイドラインの文言も含めてですね、事務局。

○藤井構成員 筑波大の教員養成施設は先ほどから出ているように、文科大臣が指定する教員養成機関なのです。同じように臨床力をどう養うかというのは大きな実は懸案になっている事項です。ただ、筑波大の養成施設は、指定基準というものがあって、その基準の中に臨床実習に関する事項というものがないものですから、任意に今、臨床指導をやっていると。だから、その今の筑波大学のカリキュラムが妥当かどうかというのは当然、大きな議論になるべきなのですが、ちょっとここで議論しにくいと思うのですね、先ほど言った文科大臣の指定基準のところですから。取りあえずは、あはき養成施設の指導要領、ガイドラインをどうするかという議論が、ここで行われるべきだろうと思います。ただし、そこの内容というのは、当然、筑波大も視野に入れつつ議論していく必要があるのだろうと思います。

○田城座長 分かりました。では、資料2に沿って、もう一度再確認したいと思います。

 まず、21ページの一番上の専任教員の見直しで、「現行の「教員養成機関卒業者」という要件だけでなく、3年の実務経験という要件も加えてはどうか」まではオーケーですか。これも駄目ですね。

○坂本構成員 これは議論が必要ですので。

○田城座長 分かりました。ということは、22ページの専門基礎分野の三の所ですね。坂本先生、ここは検討してほしいということですね。赤線で、あん摩マッサージ指圧師の免許を取得してから3年以上業務に従事し、というのが、これはいかがなものかと。

○後藤構成員 これから学校へ入るというのがいかがかなと。

○田城座長 ですね。

○後藤構成員 はい。

○田城座長 従事し、卒業した者という、ここの書き方の解釈ですかね。

○栗原構成員 この書き方だと、専門校を卒業してから、3年間どこかで臨床経験を積んだ後、その教員養成機関に入学するというような規定になっているので、その規定はむしろないほうがいいというお話をされているのではないかと思いますが。

○田城座長 そうですね。

○仲野構成員 事実上学生諸君が3年間従事した後で、専門学校の教員になるために来るというのは難しいと、こういうことでしょ。どうなのですか。

○後藤構成員 現実不可能ということもないけれども、ほとんど来ないと思います、私見ですが。今現在、7つの教員養成機関があります。卒業してから2年課程が。その7つの学校のうち、今、定員が満たされているのは、2校ぐらいですね。つまり、集まらないということです。だから教員になるということは、臨床経験を3年やってから2年間も学校へ来るインセンティブにならないと私は思います。ですから、卒業してすぐに臨床経験を積ませるほうが、ずっと実際的ですね。だからそこを矢野先生が言われるように2年にするのか、今の2年課程で、前期・後期だけで1年にするのか、そこの議論だと思います。

○坂本構成員 もう1つ言わせていただきますが、私ども教員養成課程を設置しておりますが、入学者のほとんどが実は臨床を勉強したくて来ているのです。そういう教育機関なのですね、教員養成機関は。教員を養成すると言いながら、かなり臨床に特化した教育をしている。ちょっと特異的な教育機関だというように御理解いただければと思います。だから、卒業後すぐに入って来るわけですね。3年どこかで勉強しましたという人が入って来る課程ではないということなのです。

○田城座長 臨床を研鑽しながら専任教員になることを目指す。専任教員になるために臨床を、更に突き詰めたいという人が入る学校という認識ですね。ですから、これ、赤で、わざわざ追加しているのですが、これは要らないと。

○北村構成員 一国民として、今の議論は順序性の問題ですか。養成機関を2年出て、3年の実務をやったら教員になれるというのでしたら、いいわけですか。それとも、その3年の実務も要らないということですか。

○坂本委員 いろいろなことを考えてみたのですが、3年の実務というのがどのような実務なのかと。先ほど話が出ていましたが、病院に勤務しているような看護師やPTとは、少し違うのですよね。どこかできちんと雇い入れられていてしっかりやられている方でしたらまだしも、週に1回や2回治療所で働いていましたというのも実務経験とされては、いかがなものかということです。

○田城座長 よく分かりました。まず、3年という期間、3年間働くといっても、働きぶりがあるわけだということですね。みっちり1年間やるのと、週に13年やるのとというようなこともあります。確か、今までの議論では、3年間臨床経験をしたような方と、「のような」が確か入ったような気がします。それを、私も含めて事務局では、臨床経験3年が専任教員養成機関に入る必須条件というような書きぶりになっているということが、いかがなものかということで、よろしいでしょうか。

 それで、矢野先生、坂本先生からは、3年に相当する経験というものを担保するためには、このような仕組みがいかがかというような提案ということで、よろしいでしょうか。

○矢野構成員 これは、現在明治国際医療大学で、大学院の臨床専攻課程(臨床鍼灸学専攻)があります。2年間ですが、この間に大体延べ人数ですと、1,000例近く患者を診ます。いろいろな病態を診たりするのですが、以前そこにずっと携わっていて感じたことは、2年間徹底的に臨床をすることによって、確実に脱皮し、優れたいい臨床家になっていくということです。そういったこれまでの経験も踏まえて言えば、しっかりと責任をもって指導したほうがより質の高い教員養成につながるのではないかということもあっての意見です。

○田城座長 分かりました。まず、この認定規則の見直しの専門基礎分野の三の赤字の、あん摩マッサージから従事しまでは、なしと、元に戻すということでいかがでしょうか。ここまでは、よろしいですね。専門分野の四、これもなくていいですか。それとも、復活しますか。やっていない、有名無実だからというので消したのですね。失礼しました。次は、23ページに移ります。

○後藤構成員 この免許で、勤めている教員はいますか。ここで削られると、急に教員資格がなくなるのですね。

○田城座長 なるほど。

○後藤構成員 ここだけは、どこかに経過措置がありましたよね。ごめんなさい、書いてあります。

○田城座長 昔やっていたということですよね。

○後藤構成員 そうです。教員養成課程が設置される以前にやっていた講習会です。

○田城座長 そうですね。ですから、削ってしまうと消滅するというように。解釈するということだろうと。

○後藤構成員 そういう人が若干名いらっしゃるのだろうと。

○矢野構成員 もう、ほとんどいないですから。

○後藤構成員 30年ぐらい前は。

○田城座長 分かりました。ちょっとここは。

○後藤構成員 先生はそうかも。失礼しました。

○田城座長 次は、23ページです。6の教員に関する事項の(3)のイが、いろいろと後藤先生等から指摘されている所です。文部科学大臣の認定した学校での担当科目を含む分野を専攻する大学院修士、又は博士課程を修了した者ですが、最近は、医学部医学科でも、修士課程があったりしますので、修士(○○)という場合に、修士であれば何でも教えられるというものではないのだということは、きちんとどこかで認識して、御自分が修めたものを教えるのは当然ですが、資格を持っているからといって何でも教えられないのだということは、どこかでということですよね。

 それからウで、担当科目を含む分野を専攻する大学の教員。助手が消されて「助教」ですが、一応医学部では助手を残している所もあるのですが、これは付属病院等教育機関、アカデミックな所は、アシスタントプロフェッサーである助手になります。これは、このままでよろしいと。カの理学療法士及び作業療法士(リハビリテーション医学を教授する場合に限る)、これもよろしいですか。

○矢野構成員 先ほど、坂本先生と私の話の中で、現在の大学院の修士課程は、今、座長が言われたように、医学の修士ということで生理学であれば生理学は教えてもいいと。しかし、その他は駄目だと。ただ、一方で鍼灸学が専攻であれば、それは現行の中では一応専門基礎も専門分野も、両方とも指導要領の中に記載はされているのですが、これまでを変えるという提案でしょうか。ここは、もう少し議論する必要性があるのではないかと思います。

○後藤構成員 否定していません。

○田城座長 そこまで変えるというのは、多分今読んだ所には。

○後藤構成員 ですから、臨床鍼灸学をやった人は、もう臨床まで教えられますよね。基礎鍼灸学をやった人は、専門基礎ですよね。

○田城座長 要するに、例えば修士(心理)という方が、心理以外のことを教えるのは、いかがなものかというようなことですよね。

○矢野構成員 例えば、明治国際医療大学の修士課程では、鍼灸学という修士が出るのです。ということは、鍼灸学ですから、専門基礎も専門も教えられるということで、現在まで進めてきているところでもあります。それは、決して否定するものではないという解釈ですね。

○田城座長 修士(鍼灸)

○坂本構成員 ちょっと、そこが私はよく分からないのですが、解剖学も生理学も病理学もみんな教えられるということになるのですか。

○矢野構成員 そういうことです。

○後藤構成員 鍼灸学ではないです。鍼灸に関連する科目です。

○坂本構成員 鍼灸に関連する科目ということですと、専門分野を教えるということになるのではないですか。

○矢野構成員 例えば現在の指導要領の中に、同等なるものということで、専門基礎では文部科学大臣が認めた修士で、専門分野も文部科学大臣が認めた修士課程という両方の記載があります。

○坂本構成員 そうですよね。それを、今回、専攻する分野に限定するという話ですよね。

○矢野構成員 それには、もう少し議論が必要ではないかという提案なのです。

○仲野構成員 現に、明治の修士は、一応、教員として全科目を教えてもいいように話が進んでいるようですね。違うのですか。それ以外の大学は、要するに3年で教育を受けて資格を取って、明治の場合は1年間実習に入ると。実習で臨床に当たっているということがあり、それを全部オーケーにしているのではないですか。

○坂本構成員 いや、それもう全く関係ありません。全国どこでも、鍼灸系の大学の大学院に進んだ方は、教員資格が発生しているはずです。

○仲野構成員 そうなのですか。

○坂本構成員 はい。これは、オフレコになるかもしれませんが、ある地域の厚生局の指導で、明治さんのここしか駄目と言われたことがあるというのは聞いていますが、我々の認識としては、そういうことではないはずだと。

○仲野構成員 そうですか。

○坂本構成員 はい。

○後藤構成員 そこが問題ではないですか。

○仲野構成員 ここは、少し時間が掛かりそうですね。これは、本当に現場に出てくる鍼灸師を見ると、恥ずかしいぐらいのレベルですから、教員の実習はしっかりしてもらわないといけないと思いますし、それを汲み上げないといけないと思います。そうしないと、もう鍼灸に残らないですよ。

○坂本構成員 ですから、先生方には十分御理解を頂いていなかったと思いますので、今回、例えば教員養成施設はこれだけやっているのだということをお示ししたわけです。これでも、教員として実務経験が足りないと御覧になるのかどうかなのです。

○矢野構成員 先ほど言いましたように、現在の鍼灸系大学の大学院の場合は、基本的な路線から言いますと、大学4年、そして修士2年。最低でも、124単位プラス30単位と、併せてしかもフルタイム制ということで、相当の学習をしてきています。それと、現行の教員養成機関との比較といった場合に、単純に比較できるのかと。その専攻だけで、大学院のそういったところをそのまま当てはめて、臨床は臨床、専門分野だけとか、基礎は専門基礎だけと、単純に割り切れるようなものではないのではないかと思います。そこは、もう少し議論が必要ではないかというのが提案です。

○後藤構成員 これは、ちょっと話をさせていただかないと、ここでやっていると11時ぐらいまでかかりますよ。それでも、多分終わりませんから、鍼灸学というのは何なのかですよ。解剖から全部入るのかという議論をしなければ、駄目なのですよ。

○矢野構成員 それは、もう教育課程の中に、人体機能や生理が全部入っています。

○後藤構成員 それは、先生の所で入っているというだけの話で。鍼灸学というのは、それが入りますかと。鍼灸学というと、例えば解剖学もあって、生理学もあって。

○矢野構成員 逆に、そういう論理から言えば、教員養成機関での。

○後藤構成員 教員養成機関は、理療科の教員養成機関を真似して作ったので、全科目を教えられるようになっているのです。ですから、それと修士課程のことと議論を混ぜると、おかしくなります。明治さんのことを言っているのではなくて。

○矢野構成員 私も、別に明治のことを強調しているわけではなくて。

○後藤構成員 先ほど言いましたように、生理学で学位を取った人が、全部の科目を教えているというのはおかしいですよ。

○矢野構成員 それは、今、先生が言われたように、もう明らかにおかしいですよ。

○後藤構成員 ですから、時間を頂きたいと思います。

○田城座長 はい、分かりました。

○坂本構成員 もう1つ、柔整の検討会では、教員の要件として、実務経験5年の後に教員講習会を修了した者という教員要件が入ったと思います。柔整の場合は、実務経験5年というのも、ほとんどが雇い上げられてほぼ毎日業務に従事していることが前提になっていると思います。ですが、あはきのほうは、そうではないということを、もう一度追加させていただきます。

○田城座長 分かりました。北村先生、座長として、そのことに何か追加はありますか。

○北村構成員 そこのところは十分覚えていないのですが、恐らくそうではなかったかと思います。職種によって、フルタイムで働いたり、ハーフタイムであったり、夜だけなどいろいろあると思います。ここだけは、柔整はそんなに参考にならないのではないでしょうか。

○田城座長 ほかに御意見はありますか。ここは、もう少し時間を必要とするということだと思います。では、ここは飛ばしまして、その他については問題がないと思いますので、272829ページについて、いかがでしょうか。経過措置に関してです。まず、カリキュラムは来年度ではなく、平成30年度41日施行。ただし、在学生がいますから、現行カリキュラムで、要するに2年生は当然現行カリキュラムで可とすると。それから、教員増も学年進行に合わせて、単位数が増える、学生が増えてくるのに合わせて増員をしていくということです。具体的には、平成3041日施行で、専任教員の数は、平成31年度までは5人です。それから、専任教員の要件の見直しに伴う経過措置については、一応2年となっていますが、後藤先生、坂本先生いかがでしょうか。大丈夫ですか。

○後藤構成員 はい、全然問題ないです。

○田城座長 それから、多分栗原先生から御提案があった、著しい視覚障害の程度ですが、これは文科省と厚生労働省の規定等という説明がありました。「両眼の視力が0.3未満のもの」を、文科省の学校教育法施行令第22条の3を参考に、「両眼の視力がおおむね0.3未満のもの」と見直すということですが、いかがでしょうか。栗原先生、よろしいですね。

○栗原構成員 はい。

○田城座長 続いて29ページの指定基準は、前回後藤先生と坂本先生から御意見がありましたが、例えば実技実習室というものを全部飛ばして、実習室を有すること、それから面積も生徒1人につき1.65平方メートル以上ということで、ベッドにつきという規定は削除するという現実的な対応ということで、このように改めるのは、いかがでしょうか。これも、御指摘いただいたとおり。

○栗原構成員 この実技実習室の件なのですが、この間も申し上げたと思うのですが、生徒数が30人ぐらいいる所は、2.1とかそういう形でもいいと思うのですが、視覚障害の学校のように生徒数が少ない所では、非常に小さな部屋しかできないというような状況になってしまいますので。

○田城座長 以上なので、大きくするのは可能だとは思うのですが。

○栗原構成員 いや、大きくするのは可能なのですが、要するにそういう計画を立てたときに認められないということです。基準がこうなので、それにのっとると、このぐらいの部屋ですねという形になってしまうので、一定の面積以上を併記していただくような形でないと困るなと思っているのですが。

○坂本構成員 又はですよね。

○栗原構成員 そうです。

○坂本構成員 生徒の1人につき、2.1平方メートル以上又はということですね。

○栗原構成員 はい。

○坂本構成員 大体、どのぐらいの広さの部屋が必要なのですか。

○栗原構成員 例えば、今の盲学校でいうと、大体48ぐらいの部屋が多いのではないかと思うのです。

○坂本構成員 そうしたら、40平方メートル以上とか。

○栗原構成員 そのぐらいでないと困るかなと思うのですが。

○田城座長 それは、よろしいと。いかがですか。

○後藤構成員 いいと思いますけど。例えば、10人だからといって、20平方メートルにしますか。文科省は、そういう建物を作りますか。

○栗原構成員 すごい小さいものを作るのですよ。

○後藤構成員 失礼しました。

○田城座長 なるほど。よく分かりました。学生1人当たりが基準ですが、学生数の少ない所ですと、単純計算すると小さな面積になるので、それを避けるということで、最低幾らと。これは、よくある書きぶりなので、文科省としてもそれでよろしいですか。では、文言は40平方メートル若しくは48平方メートル以上、若しくはというような形ですか。

○栗原構成員 はい。

○田城座長 次は30ページです。後藤先生、坂本先生からの御指摘の、機器、図書についてです。これは、先ほどのように、解剖学実習用機器、動物解剖台、動物解剖動具等は、現状に合わせて削除いたします。それから、ガス滅菌器も実際には学校には置かれていないということですね。それから、図書も電子書籍でいいだろうということです。これは、御意見に従って、このように直してあると思います。

○栗原構成員 この内容については異議はありませんが、これは指導要領だけですと、なかなか文科省関係のところに反映しにくいところがありますので、認定規則のほうに上げていただくことはできないでしょうか。認定規則のどこかの備考欄に上げるとか。

○田城座長 どうでしょうか。

○栗原構成員 この指導要領だけに載っているものがなかなか認定……。

○田城座長 指導要領・指導ガイドライン。

○藤井構成員 文科省に確認ですが、以前はここの指導要領に書いてある事項を、文科省の通知として発出していますが、今もしあるのであれば、それでも構わないと。

○栗原構成員 その通知を、なかなか明確にしにくいのですよね。

○藤井構成員 いや、しにくいというか、今出しているかどうかは確認できますか。

○文部科学省特別支援教育課青木調査官 後ほど確認いたします。

○藤井構成員 もしないのであれば、認定規則に入れるという提案は、私もよろしいと思います。

○田城座長 厚労省としては、いかがですか。

○佐生医事専門官 文部科学省と相談させていただきたいと思います。

○田城座長 栗原先生と藤井先生は、厚労省としては指導要領・指導ガイドラインの見直し、ガイドラインに書いてあれば、厚生労働省所管の専門学校にはきちんとやってもらえるというのですが、文科省管轄ではこれだけでは弱いということですか。

○栗原構成員 はい。

○田城座長 文科省は、いかがですか。

○文部科学省特別支援教育課青木調査官 厚労省と相談いたします。

○田城座長 分かりました。では、それは双方の間で確認をしていただきたいと思います。栗原先生、要は文科省所管の所でも徹底していただければよいと。

○栗原構成員 はい。徹底していただけるようにお願いいたします。

○田城座長 かなり決まってきました。専任教員の見直しが一番大きなところですが。

○藤井構成員 先ほどの教室の平方メートルの話ですが、確認ですが、「2.1平方メートル又は」にするのですか。「又は何十平方メートル以上」と。そうすると、これはどちらをとってもいいということになってしまい。

○田城座長 かつですね。

○坂本構成員 かつ。

○後藤構成員 かつ、最低何平方メートル。

○田城座長 これは、病院などの書きぶりでありましたよね。最低40平方メートルで、人数が増えた場合には、ですかね。

○藤井構成員 これは、人数が増えた場合というか、むしろ生徒の定員実数ではなくて、生徒定員に対する数字ではないですか。

○後藤構成員 定員です。

○藤井構成員 定員ですよね。そうすると、ここに生徒1人につきではなくて、明確に「生徒定員1人につき」というように、定員を明記したらどうですか。

○坂本構成員 事務局に文言をお任せしたらいかがですか。

○藤井構成員 いや、これは定員が入るか入らないかで、随分違うのですよ。

○坂本構成員 元々定員は遵守しなければいけないのです。

○田城座長 常識的に考えると。

○藤井構成員 定員でいいのですね。

○田城座長 要するに、定員割れしている学校はどうするのだということですよね。40人なのに、実際に学生が30人しかいないから、それでいいのかということになりますが、普通は入学定員で。

○藤井構成員 まあ、いいです。定員が一般常識であれば構いませんから。

○田城座長 そういう意味です。

○北村構成員 実際にない話かもしれませんが、定員以上入れる学校が出てきた場合、これは窮屈ですよ。

○田城座長 なるほど。40人定員で50人学生がいるというときに、どうするのだという御指摘ですね。

○北村構成員 そうです。

○坂本構成員 今は、現実的には、ほとんどの学校が定員割れしていますので。

○田城座長 まあ、入学定員に合わせての基準と、最低何平方メートルと。これは、建築基準法等いろいろな法律で、そういう書きぶりになっていると思いますから、それを参考にしていただくということです。大きな論点が残っていない場合は、次回は報告書について検討してまいりたいということになっているのですが、どういたしましょうか。

○武井医事課長 今日は、本当にありがとうございました。やはり専任教員のところは、しっかり議論したほうがいいと思います。この分野について、非常に詳しい方にお話を聞きながら、次回までに調整案を座長一任のような形でお願いしていただけると、座長と相談しながら関係者にしっかり聴き取りを行って、再度事務局案を整理させていただきたいと思います。もしそのような形でよろしければ引き続きよろしくお願いいたします。

○田城座長 その場合は、体裁として報告書案の体裁で出しますか。それとも、報告書のかなりの部分は実は決まっていますから、その部分はきちんと報告書案にして、専任教員に関するところだけを空白にして、このような形で揉むか、それも踏まえて報告書に。

○武井医事課長 多分、具体的に調整していく段階で、こういう表現でいかがでしょうということで関係者の合意が得られれば、それは報告書に盛り込むことができると思いますので、なるべくコンセンサスが得られるように事務局として努力いたします。

○田城座長 そうですね。今の課長の提案は、いかがですか。よろしいですね。では、確かに懸案の専任教員の見直しのところを、まだまだ議論しなければいけません。それから、20年の歴史で大学が1校しかなかったのがだんだん増えてきたとか、固有名詞が飛び交ったりしておりましたので、そこの時代の変化。それから、私も大学人ですので、特に私立大学ですから、いろいろな医療保健分野の学校がものすごく増えてきています。そのような事情も反映して、これは皆さんで少し会議の前に揉みたいと思います。余り固有名詞がこういう場で飛び交うのもいかがなものかと思いますので。それを踏まえて、次回はこのことも含めて報告書案という体裁で提出していただきたいと思います。事務局から何かありますか。

○佐生医事専門官 次回の日程については、改めて構成員の皆様に御連絡申し上げます。

○田城座長 8月か9月か、ざっくりでも構いませんので。

○佐生医事専門官 まだ調整ができておりませんので。

○田城座長 分かりました。活発な御議論をありがとうございました。かなりの部分が決まったと思います。残っているところがとても重要なのかもしれませんが、決まったところはこれでフィックスといたします。では、本日はこれで終了いたします。予定よりも長くなり、大変申し訳ありませんでした。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局医事課医事係
(代表) 03(5253)1111(内線2568)
(直通) 03(3595)2196

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