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2016年7月27日 第3回がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会(議事録)

健康局がん・疾病対策課

○日時

平成28年7月27日(水)10:00〜12:00


○場所

田中田村町ビル 8階 8E会議室


○議題

(1)前回の議論について
(2)緩和ケア提供体制について
(3)その他

○議事

○事務局(濱) 定刻となりましたので、ただいまより「第 3 回がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会」を開催いたします。構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 本日の構成員の出欠状況について御報告いたします。本日は、安斉構成員、桜井構成員、山田構成員より欠席の御連絡をいただいております。また、福島健康局長は、業務のため、途中退席させていただきます。よろしくお願いいたします。なお、御欠席の桜井構成員からは、今回の議題についての意見書の提出がありましたので、併せて御議論をお願いいたします。本日は、参考人として、国立大学法人神戸大学大学院医学研究科内科系講座先端緩和医療学分野特命教授の木澤義之参考人に御出席いただいております。

 それでは、資料の御確認をお願いいたします。座席表、議事次第、資料 1 「第 1 回、第 2 回がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会 議論の概要」、資料 2 「がん医療に携わる医師に対する緩和ケア研修の課題とこれからの展望」 ( 木澤参考人資料 ) 、資料 3 「緩和ケア提供体制 ( がん診療連携拠点病院 ) について」、資料 4 「緩和ケア提供体制、 ( 拠点病院以外の一般病院 ) について」、資料 5-1 「第 3 回がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会 意見書」 ( 桜井構成員提出資料 ) 」、資料 5-2 「次期がん対策推進基本計画の策定 ( 緩和ケア ) に関する意見書」 ( 中川構成員、池永構成員、小川構成員、服部構成員、前川構成員提出資料 ) です。また、参考資料を 1 8 まで付けています。以上です。資料に不足、落丁等がありましたら、事務局までお申し出ください。

 以上をもちまして、カメラを納めていただきますよう、御協力のほどよろしくお願いいたします。この後の進行は、福井座長にお願いいたします。

○福井座長 おはようございます。今回も、どうぞ、よろしくお願いします。本日は、議事次第にありますように、議題 (1) 前回の議論、つまり緩和ケア研修について、 3 40 分時間を取りまして、その後、議題 (2) 、緩和ケア提供体制について御議論いただきたいと思います。

 それでは、事務局から資料 1 の説明をお願いします。

○事務局(濱) 資料 1 、議論の概要について御説明します。書体でイタリック体が第 1 回の御意見、またゴシック体が第 2 回の御意見となっています。

1 ページ目には、緩和ケア提供体制について、現状と主な意見をまとめています。 2 ページ目には、全ての医療従事者が基本的な緩和ケアを身につけるための方策として、 1 は、緩和ケア研修会受講率向上についての現状と主な意見をまとめています。 3 ページ目は、 2 として、研修内容について、また、 3 として、研修対象についてまとめています。 4 ページ目の 4 には、推進すべき取組の方向性について 4 点記載しています。 5 ページ目には、循環器疾患に対する緩和ケアの現状と主な意見、また、その他に対しての主な意見をまとめています。

 本日御欠席の桜井構成員より資料 5-1 の提出があり、この資料 1 について文言の追記をお願いしますという御意見が出ていますので、紹介させて頂きます。「すべての医療従事者が基本的な緩和ケアを身につけるための方策」として、「定期的・継続的な調査が必要ではないか」という文言を 2 ページの最後のポツの所に追記するという御意見が出ています。また、 4 ページ目、「推進すべき取組の方向性について」、 1 つ目のポツの 2 行目に「定期的、継続的な調査によって、到達目標の検討と明確化を行う」という文言の追加、また、 4 つ目のポツの 1 行目に、「ケアマネージャー、訪問看護師等」という文言、また「地域完結型医療にも対応できる」という文言を追記するようお願いしますという御意見が出ています。これも踏まえて、御議論いただければと思います。事務局からは以上です。

○福井座長 ありがとうございます。ただいま説明して頂いた資料 1 について御意見等ございましたら、よろしくお願いします。いかがでしょうか。よろしいですか。

○細川構成員 前回にも申し上げましたが、今、義務化された卒後 2 年間の研修医制度がありますが、この 2 年間の研修医期間に、緩和ケア研修を受けることの義務化を検討していただければと思いますので、よろしくお願いします。

○福井座長  2 ページ目の下 3 分の 1 の主な意見の 2 つ目のポツのところの、「初期臨床研修の 2 年間で全ての」という、これとは違うことでしょうか。

○細川構成員 全ての医師が研修医の 2 年間のうちに基本的な緩和ケアの研修を受けることという内容で、具体的に書いていただけたらと思いますので、お願いいたします。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、次に移りたいと思います。木澤参考人より、資料 2 「がん医療に携わる医師に対する緩和ケア研修の課題と、これからの展望」についてのプレゼンテーションをしていただいた後、研修の方向性について御議論をお願いしたいと思います。それでは、よろしくお願いします。

○木澤参考人 簡潔にお話をしたいと思います。神戸大学の木澤と申します。資料 2 を御覧ください。厚生労働省の委託事業として日本緩和医療学会を中心に、研修事業を進めてまいりました。開催指針が 2008 年に出ており、がん疼痛、からだと心のつらさの緩和、がん診断を伝えるコミュニケーションに主眼を置いた 12 時間以上のプログラムを用いた研修を今までやってまいりました。

 今までに平成 28 3 月までの研修修了者は指導者が約 3,000 名、研修会修了者が約 7 3,000 名となりました。

 今まで、この研修が、どのような方を対象にして行われてきたかと申しますと、明確な対象を定めていまして、卒後 3 年目の医師全員に必要な緩和ケアのレベルを勉強できる研修会にしようというのを、学習目標として掲げました。全ての医師が身につけてほしい、基本的な緩和ケア能力の研修と言う意味合いです。つまり、この研修を受けたからといって、緩和ケア病棟で診療するとか、緩和ケアチームで診療すると言った専門的な能力を得ることはできません。飽くまでも、日常診療で起きるコモンな緩和ケアに関する問題を解決するためのプログラム、いわゆる、基本的な緩和ケアを勉強するプログラムであります。

 専門的な緩和ケアというのは、より複雑な体や心のつらさや苦痛を扱ったり、あとは、家族の問題であるとか、亡くなっていく方が自分の体が衰えていくというようなことに直面したときに、その支援者となれることなど、より多面的な教育をしなければなりませんので、これはまた、別途の教育が必要だと考えています。

 具体的な内容ですが、先ほどもお伝えしていて重複しますが、がん疼痛治療を含むマネジメント、からだと心の苦痛の緩和、がん診断を伝えることに、かなり特化して繰り返し勉強するようなプログラムにさせていただいています。

 続いて、この研修会の成果をいくつか研究を実施してお示しします。赤マルが記してあるのは、まだ出版されてないデータなんですが、これは 2008 年に日医総研に御協力いただいて、全国の医師の緩和ケアの知識と困難感を調査しておりまして、同じサンプリングを使って、 2015 年に厚生労働省の研究班で調査をしています。その結果が明らかになり、 2008 年と 2015 年で、研修会を受けた群は受けていない群と比較すると有意差を持って緩和ケアに関する知識が向上し、困難感が低下することが明らかになっています。その横のグラフが、医師の緩和ケアに関する知識を研修会前、後、 2 か月後で比較したもので、研修会修了後緩和ケアの知識は向上し、知識は2ヶ月後も定着していることが明らかとなっています。これらは研修効果が医療者の調査によって明らかになっていると解釈していただければと思います。

 今の課題を 2 点お示しします。 1 つ目は、開催負担です。都道府県がん診療連携拠点病院の協議会、がん診療連携拠点病院の病院長会議でも指摘を受けているところですが、拠点病院自体の開催はもう慣れてきてはいらっしゃると思うんですけれども、例えば地域によっては、ほとんどの医師が既に参加してしまっていて、参加者の確保が難しいというような状況もあり、また、毎年2日間の開催を行うことの開催負担が拠点病院にあるということで、できれば今後は、講議部分は e-learning を導入して、集合研修を 1 日で終了できるようにすることで、負担の軽減を図って、効率化を図っていくのがいいのではないかと考えています。もちろん、実習研修、ロールプレイ等は削ることはできないので、 1 日だけは集合研修を続けるというデザインです。

 もう 1 つの開催負担の解決方法としては都道府県によっては、拠点病院ごとではなくて、県で何回という形で、年間計画を立てて、確実に研修を終了していくような仕組みをとってもいいのではないかと提案を差し上げています。

 次に課題 (2) です。こちらでも議論されていると思うのですが、循環器など、がん以外の疾患の緩和ケアへの研修の対応です。研修会の想定している学習レベルは先ほどお話したとおり、 3 年目の医師が到達できるレベルと設定してますので、初学者レベルなんですが、実際参加する方として経験豊冨なオンコロジストがいらっしゃったりすると、なかなか研修会のレベルが学習者に合わないことがあります。したがって、今後は、共通レベル、みんなが知っていただきたいことは、 e-learning で勉強していただいて、疾患別、また学習者のレベルに応じて集合研修を行うと良いのではないかと考えています。集合研修は、主に、実際の事例の検討をすることと、コミュニケーションに特化したらどうか。あとは、例えば、がん、循環器、各々の集合研修を作っていくというデザインがよいのではないか、と考えています。例えば、今回の集団は循環器を主に扱っている人たちならば、症例は慢性心不全の症例を扱って、事例検討しましょうであるとか、今回は、オンコロジストが多いので、症例はがん患者の設定にしましょう、呼吸器科医が多ければ今回は COPD と、対象者によって変えられるようにデザインをすると、様々なことに対応できるのではないかと考えています。

 繰り返しになりますが、今後の方向性の所で見ていただきたいんですが、 e-learning を導入するためには、 e-learning がいい加減になると困りますので、どう e-learning を構築するかが重要になります。また、 e-learning を確実に受講したという修了書を発行して、集合研修に行っていただいて、受講を完了するというデザインがいいのではないかと考えています。

 もう 1 つは、 e-learning も、今まで主として行われてきた動画視聴型のものだと、ただ、ジーッと見ていると講義が流れるというタイプの学習で、どうしても、学習が受身になりますし、学習効果が上がらないので、文章をダウンロードして読まないと先に進まないとか、小テストを受けないと先に進まないというように、学習効果を確認していって、かなり双方向性なものにして、学習者のペースで勉強できるような e-learning を導入するのがいいのではないかと考えています。

 この 5 年間でかなり世界各国も進歩していまして、例えばイギリスとオーストラリアは、緩和ケアの基礎研修に e-learning を導入していました。10年前はなかったんですが、かなり工夫した e-learning サイトを開発してますので、他国からも学んで、わが国独自のものを作っていけたらと考えています。

e-learning で扱う内容を挙げてみましたが、こちらがコアになるような内容だと思います。今まで加わってない部分も取り入れており、緩和ケア概論、 2 つ目が、あえて ACP( アドバンスケアプランニング ) と書かなかったんですが、桜井構成員が文書で御指摘をいただいたアドバンスケアプランニングはこの 2 番目の「患者の意向を尊重するには、意志決定支援」部分に含まれます。あとは、治療期の支援、有害事象へのアプローチ、コミュニケーション、基本の症状緩和、死が近づいたとき、鎮静、心不全・ COPD に対する緩和ケア、専門的な緩和ケアサービス、在宅における緩和ケアというような内容を e-learning で学習していただく。集合研修は、学習者のレベル、専門性に応じた研修を各都道府県レベルで計画するのが現実的なのではと考えています。例えば、集合研修だけを実施するのであれば、コミュニケーション、事例検討のみであれば、最短で 4 時間半のコースで組むことが可能になると想定しています。以上です。

○福井座長 ありがとうございました。ただいまの木澤先生からのプレゼンテーション、資料 2 を踏まえて御討議いただければと思いますが、いかがでしょうか。

○服部構成員 がん研有明病院の服部です。この e-learning の取組はすごく素晴らしいことだと思います。スライドの 3 番ですが、研修会修了者 7 3,211 名、これは本来目的としている分母は何名ぐらいになるのでしょうか。御存じの方、いらっしゃいますか。大体でいいと思うのですけれども。本来、何名受けてもらいたいうちの 7 3,000 名が受けたということを、ちょっと聞きたいかなと思ったのです。

○木澤参考人 ぼんやりですが、がん診療連携拠点病院の修了率が 48 %、約半分で現在の修了者が約 7 万人ですから、多分分母は 15 万人前後かなと考えています。

○服部構成員 その修了率はがん診療連携拠点病院だけですよね。ということは、更にもっと母数は大きいだろうと。

○木澤参考人 はい、ただ受講されている方はがん診療連携拠点病院の方だけではないので、だいたい 15 万人くらいという気はします。

○服部構成員 ありがとうございます。

○平原構成員  e-learning については確かに効果的かなと思ったのですが、私たちの近くにいる普通の医師から見ると、事前学習をしてそこに臨まないといけないというハードルは、ちょっと上がるのかなというのも 1 点懸念されるところかと思いました。多くの準備をしないで、申し込んでその日に行けるという気楽さというか、そういうのは普及性を考える上ではすごく大事なので、もし e-learning をするとしても、例えばそのようなニーズにも応えられるし、そこに受講すればいいという要素も残しつつ、両方あったほうがいいのかなと思いました。恐らく PEACE というのは 7 万人以上の方が修了されて、指導者も 3,100 人いるというのは、ある意味、枠組みが非常に重要だと思うので、その枠組みを余り変えないでやっていったほうがいい部分もあるのではないかと思っています。

 私の意見としては、緩和ケアの基本的な理念などのレクチャーのところは作らなければいけないし、実践の場を想定して多様なプログラムを集合型でやって、基本的なところを e-learning というのも選択できるし、 1 日の講座でも選択できるような感じだと、両方のニーズに応えられるのかなと思っています。

○三宅構成員 医科歯科大学の三宅です。研修会をやる側から見ると、 1 日にするというのは非常に有り難いです。受ける側からしても、特に大学病院の教員などは 2 日だと受けられないという人は結構多いので、実際 e-learning をどこまでというのは議論する余地があると思いますが、構造として集合研修を 1 日にするというのは大賛成です。

○服部構成員 三宅先生の言われるとおり、 2 日間だと来ないという先生たちがいるのですが、その先生たちは 1 週間、学会には行くのですよね。うちの病院でも問題になったのですが、 2 日間は行けないと言うのですが、ほかのことだったら行くのです。そういったところを考えると、先ほど細川先生も言われましたように、 2 年間に義務付けてしまうということであれば、この後、何人に受けてもらうかということも気にする必要がなくなってくると思うのです。確かに今いるドクターの中では受けさせなければいけないという考えになりますが、今後、先を考えたときに、先ほどの細川先生の意見と一緒なのですが、もう初期研修中の間に受けさせてしまえば、今後受けてもらうということは必要なくなるのではないかと。 e-learning も含めてですが、そういうもっと将来を見た感じの対策をしたほうがいいのではないかという気がしております。

○福井座長 それは卒後 3 年目辺りでですか。

○服部構成員 そうですね。研修医の間、若しくは教育の中に入れてしまうとか。教育の中はちょっと早いかもしれないですが、研修医の初期研修の間に取ってからでないと先に進めないとか、ちょっと強行かもしれないですが、それぐらいのいわゆる義務化をしたほうが、先を考えたらいいのではないかという気はします。

○三宅構成員 木澤先生に伺いたいのですが、この御提案されたものは、今、拠点病院の要件になっている研修医にやるということも想定されているのでしょうか。それとも、もうちょっとシニアの専門分化された後の研修会ということで、想定されているのでしょうか。

○木澤参考人 大変苦しい質問ですが、実は 1 年目の医師がこの研修会を受けることは想定していないのです。かなり応用問題ですので、基本的な知識が入っていないと、研修会を受けること自体が難しいと思います。例えば 2 年目の医師でも、 2 年目の後半のほうで受けてもらうというのが本当に現実的な方法だと思います。本来は学習は強制でなくて自由意思で行うものですから、可能であれば後期研修の時期に受けたほうが、もっと学習効率は上がるかなというのが本音です。ただ、全員に受けさせることが必要だということであれば、 2 年目の後半であるとか、研修医の最後の頃、知識が統合してきた頃に受けるほうが、より学習効果が上がるのではと感じます。

○川本構成員 木澤先生、いろいろ御説明ありがとうございました。前の緩和ケア推進検討会のときに、こういう研修はモチベーションがないと、なかなかそこには向かっていかれない、必要性を理解されないということで、医学部教育で基礎教育の中で必要性をもっと早い時期から入れていくことは大切ではないか、という御意見が出ていたように思います。私も基礎教育のほうで、きちんとその辺のところを早い時期から芽を育てることは大切かなと思いましたので、発言させていただきました。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。なければ、私から木澤先生に質問ですが、 PEACE 研修会の成果は、スライド 5 にあるような評価だけでしょうか。それとも何かほかの視点からの評価、例えば、患者さんの立場から、患者さんがうけている緩和ケアのクオリティが上がってきたとか、又は医師の行動や診療内容が良くなってきたとか、直接的なアウトカム評価はされていないのでしょうか。

○木澤参考人 これは私たちの研究デザインが余り良くなかったのかもしれないのですが、患者アウトカムを直接見た研究はされていないのです。先生が御存じのとおり、教育の研究は非常に交絡因子が多いので、最初から周到にデザインをして、患者アウトカムを検証をするようなデザインにしたらよかったのですが、事業の実施に集中してしまう余り、十分に行うことができていないというのが今の状況です。

○福井座長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。それでは、研修についての御意見は、これまでの御意見を取りまとめて、事務局と整理させていただきたいと思います。次の議題に移る前に、中川構成員をはじめ、 5 名の構成員から意見書の提出がありましたので、資料 5-2 について、中川構成員から御紹介をお願いします。

○中川構成員 資料 5-2 ですが、次期がん対策推進基本計画の策定、もちろん緩和ケアの部分ですが、これに関する意見書について説明したいと思います。御紹介いただいたように、この意見書は私のほか、池永構成員、小川構成員、服部構成員、前川構成員の連名ということですが、私以外はこれまでの緩和ケア推進検討会のワーキンググループの構成員の方々です。私も、がん対策推進協議会の委員を 2007 年の第 1 期から続けてまいりまして、基本計画の改定にも関わってまいりましたので、その経験と立場を踏まえてお話したいと思います。

 第 3 期がん対策推進基本計画の改定が来年 6 月に予定されているわけです。したがって、本年 9 月にはがん対策推進協議会に対して緩和ケアに関するまとめを提出すべきだと聞いております。これに当たって、がん以外、とりわけ心疾患についても、この検討会で議論しているわけですが、そのこと自体は私も異論はありません。緩和ケアは、先ほどの議論のように医療の基本ですし、がんに限るべきではないと考えております。ただ、一方で、がん対策基本法、がん対策推進基本計画ということですから、また基本計画の見直しも迫っているわけですので、がんについては、とりわけ議論を加速化する必要があると思っております。

1 ページ目の下段ですが、 1 、がん対策推進基本計画の現状について、 1) 現基本計画が、いまだ十分に実行されていないという事実があるということです。現行の基本計画の緩和ケアの部分については、 10 人もの専門家が 30 時間にも及ぶ議論を行って練り上げたものです。にもかかわらず、後ろに添付されている資料 1 にもありますが、これまでの緩和ケア推進検討会のワーキンググループの実地調査でも、“極めて不十分”だという結果も指摘されています。よく練られた基本計画ですが、それがなかなか実効性を上げていないということです。したがって、新しい施策にばかり目を向けるよりは、現行の基本計画を機能させる必要があろうかと思っております。

2 ページ目です。私はよく練り上げていると思っているのですが、これは理念を正しく伝える、具体化する、あるいは実践に落とし込むプログラムを提示することが必要だろうと思っております。また、 2014 1 月に拠点病院の指定要件が改定されたわけです。そこでは緩和ケアの部分がかなり大幅に強化されたのですが、指定要件をなぞるだけというか、指定要件を満たすことにばかり力が向けられている施設も少なくないと聞いています。したがって、この実態をどう検証し、実効性を上げていくかということです。

2) 計画の達成状況の評価の必要性です。申し上げたように、指定要件をきちっと実効性のある形で満たしているかということですが、ドナベディアンが提唱されたモデル、構造と過程と結果、この 3 つのステップについて評価するという考えの中では、これまで構造 (structure) の部分についてしか評価していない。簡単に言うと施設要件です。今後は、プロセスとアウトカムについて評価するという形が必要だと思っています。それに当たっては、医療品質管理の専門家の助言なども有効ではないかと思っております。

2 、別々の作業チームです。基本計画の改定に向けて提言をするに当たり、別々の作業チームを設置すべきだ。少なくともがんについては、これに特化した作業チームが必要だろうと思っております。来年 6 月の第 3 期の基本計画に向けて、先ほど申し上げたように前回は 30 時間という長い議論を経て資料 2 がまとめられたわけですが、この 7 月段階では検討会は 3 回で 6 時間にすぎません。やはり専門の作業チームが必要だと思います。別個にするという点については、緩和ケアに関してはがん領域が先行しておりますし、また心疾患の緩和ケアでは、原病の治療がやはり症状緩和につながるということ。また、必ずしも重なる領域が広いわけではない。施設が違う。基本計画がそもそもがんに関する診断時からの緩和ケアを重視しています。こういったことから、やはり別個に考えていくべきではないかと思います。

 具体的に、 2) グランドデザインをきちっと掲げる。患者、家族のための緩和ケアというグランドデザインを共有できていないという問題があるのではないかという気がいたします。青字で書いてありますが、申し上げたように、私は現行の基本計画自体はよくできていると思っております。ただ、そのことが実効性を上げていないということです。したがって、現行の基本計画の継承すべき部分、さらに深めることがあるならば具体的な目標を作るべきですし、新たに追加する点などがあれば、それも加えていく。基本的な現行のものを大切にして、理念を実行に移すことが大事ではないかと思います。 4 ページ目、添付しております前回の緩和ケア専門委員会の報告書、ワーキンググループの報告書、新指定要件をしっかり踏まえるべきだと思います。

3 、現状のがん緩和ケアにおいて検討を深める必要のある点です。 1 つは、拠点病院関係については、医療用麻薬に関する一種の偏見がまだまだあるのではないかと思っております。例えば医療用麻薬という名称をオピオイド鎮痛薬などというものに変えることも議論していいのではないかと思います。

 スクリーニングですが、優良、良質と言われた拠点病院でも、患者の 3 割が疼痛に対応してもらえないということも言っている。このスクリーニングについては、もう少し進めていく必要があるのではないかという気がいたします。

 緩和ケアチームの質の確保ですが、約 400 の拠点病院の中で、 200 施設については専門的な緩和ケアの担当医がいないということです。これもどのように底上げしていくのか。緩和ケアチーム、主に加算を取っていない所の質をどう上げていくかということです。 5 ページ目です。結果的には緩和ケアチームと言いながら、あるいは緩和ケア医と言いながら、いわゆる「なんちゃって緩和ケアチーム」、「なんちゃって緩和ケア医」が多く存在するという指摘もあります。あるいは研修会ではなくて、緩和ケア医の底上げを図る研修会の必要性についても議論する必要があるのではないかという気がします。

 また、がんの治療医等が緩和ケア研修を終えたとしても、実は余り実効性が上がっていないという指摘もあります。とりわけこのことが緩和ケアチームのいない一般病院ではなおさらですので、ここも考えていく必要があろうかと思います。

 相談支援センターのレベルアップです。実はこのセンターは緩和ケアとかなり密接に関わっていますし、関心のあるケースワーカーの方もいるのですが、ここがなかなか臨床の現場と結び付いていないところがあります。緩和ケアセンターが予算化されてきたのですが、これがまだまだ広がっていない現状があります。緩和ケアセンターを一部の都道府県の拠点病院ではなく、全拠点病院に拡大するという議論が必要かと思います。

6 ページ目です。病院長が緩和ケアに関して理解を持つことが非常に重要だと思っており、 7 1 日には病院長の意見交換会があったわけですが、これについても引き続き推進していく必要があるということです。がん治療医に向けた緩和ケア研修に関してですが、 90 %、達成見込みのない施設に関しては、何らかの促す方法が必要だということですし、また 90 %達成ということが前提にされるとすると、その次のステップを考える必要があるということです。具体的には、がん医療に関わる全ての医療従事者への研修という、もともと掲げた最終ゴール、それから拠点病院の新しい医師に対しての研修をどうするか。それは先ほど木澤先生から御提言もあったわけです。臨床研修医の研修ということで、これも先ほど議論がありました。さらには、申し上げた一般病院での医療者への研修をどうするか。臨床研修医に関しては、私はやはり義務化を図るべきだと思います。

7 ページ目です。緩和ケア研修の修了バッジの問題ですが、これが配布はされておりますが、着用されていないケースが非常にある。これを義務化することによって、受講率を高めることができないかという議論です。緩和ケア研修に関しても、がんとがん以外とを分けていくべきかと思っています。

4 、今後の施策で検討を要する点、 1) ケアの質のフィードバックの方法ですが、例えば「緩和ケア管理室」のような、実態を監査するような体制がとれないか。 8 ページですが、その中には緩和ケアに経験のある外部の相談者を設けて、外部からの目をそこに入れることができないかということです。先ほどの質、プロセス、あるいはアウトカムの確保ですが、例えば基本計画の中間評価で取り入れられた患者体験調査を、質の確認と向上のフィードバックに用いることができないかという提案です。

 医療用麻薬、あるいはオピオイド鎮痛薬と呼ぶべきかもしれませんが、このことと痛み、生活の質との関係の調査の継続です。我が国は医療用麻薬の使用量が少ないという指摘があるわけですが、これはただ量を拡大するということではなく、適正な使用の推進、結果的にそのことが量の拡大につながるかもしれませんが、そのことを進めていく必要があるのではないか。

9 ページ目です。全医療従事者、がんに関わる全ての医療従事者がこの研修を受けるという最終ゴールの達成についての提案ですが、 2 つ書いてあります。 1 つは感染防止地域連携加算の採用で、これは感染制御チームを持つような病院と地域との連携に対して加算を加えていることを緩和ケア領域でも行うことによって、一般病院での緩和ケア研修、あるいは緩和ケアのレベル引上げにつながるのではないかと思っています。その枠組みの中で、定期的な協議の場を設置することはいかがかということです。

3) 緩和ケア病棟が増えているわけですが、この緩和ケア病棟の質の担保についても、非常に重要な問題だと思っております。

4) 在宅の緩和ケアでも、やはり同様の問題があり、具体的な事例も少し耳にしておりますが、緩和ケアに関わる専門病棟、そして在宅の質の担保という問題です。

5) 医学部に緩和ケアに関する専門講座の設置を進めるという問題ですが、これもなかなか進んでいないと思っています。このことは文科省との協議が必要なのですが、推進していくべきかもしれません。これは緩和ケア病棟、あるいは在宅を含めてかもしれませんが、かつて緩和ケア推進検討会のワーキングが行っていた拠点病院、そして一般病院等の実地調査とフィードバックを続けるべきかもしれません。

11 ページです。医療用麻薬に関しては、何と言っても薬剤師の方々が知識をお持ちですので、この方々をもっと活用する方法を考えなければいけない。セカンドオピニオンは基本計画でも担保されているのですが、緩和ケア外来を含めて、緩和ケアの中でもセカンドオピニオンに関する推進が必要かと思います。以上、大変長くなりましたが、私どもからの意見書を説明させていただきました。ありがとうございました。

○福井座長 ありがとうございました。今までいろいろ頂いた御意見とも一部重複するところはありますが、この意見書も参考に、御意見の取りまとめに当たらせていただきたいと思います。事務局から何かありますか。

○がん対策推進官 事務局から 1 点、補足と言いますか、説明をしたいと思います。資料 5-2 1 ページ目でお示しのあった、この検討会で、がんの緩和ケアに関する部分の取りまとめを遅くとも 9 月頃にはという御指摘でしたが、これについてはもっと流動性をもって考えていきたいと思っております。確かに今後、協議会のほうで議論を進めていって、来年 6 月までに基本計画を策定するに当たっては、夏・秋頃から協議会で議論を始めなければならないわけですが、緩和ケアと同時並行して走っている検診、医療提供体制の検討会もありますので、その辺りの動きともいろいろ調整しながら進めていきたいと思っておりますので、 9 月頃までに出さなければいけないというものではないということを御了解いただいておけばいいかと思っています。以上です。

○中川構成員 がんに関しては作業部会を作るべきだと説明したのですが、それについては今後どのようにお考えでしょうか。第 3 期の基本計画の策定に向けてです。あるいは、このままの体制で、ここの場で議論していくのか、あるいは前回と同じようなワーキンググループのようなものを作っていくか、そこはいかがですか。

○がん対策推進官 そこも含めて、この検討会で御議論いただければと思っておりますが、現在のところ省としてこうしなければいけないというものをとりあえず持っているものはありません。

○福井座長 緩和ケアについてのワーキングですか。

○中川構成員 第 2 期の基本計画の策定には、申し上げたように、この会の前身に当たる緩和ケア推進検討会の下にワーキングが作られて、そこで 30 時間の議論があって、親のがん対策推進協議会に報告を出したということがあるわけですが、この 3 期に向けては、そのような方向でいくのかということをお尋ねしたわけです。

○福井座長 事務局、いかがですか。

○がん対策推進官 もちろん、それについても、これから御議論いただければと思ってはいるのですが、緩和ケアの検討については、当検討会で議論することになっています。最終的にこれから協議会に上げる取りまとめを作るに当たって、今日を含めて 3 回の検討会で議論しきれなかった部分については、当然、御参加いただいている構成員の中で、今日 5 名の構成員から意見書を頂いているように、そういった部分で御意見を取りまとめていただいて、それをこの場に持ち寄って、この検討会で取りまとめることが必要ではないかと思っています。

○中川構成員 はい、分かりました。

○福井座長 よろしいでしょうか。それでは議題 (2) 、緩和ケア提供体制の在り方に入ります。拠点病院と拠点病院以外の一般病院に分けて御議論いただきたいと思います。最初に拠点病院について、資料 3 、緩和ケア提供体制 ( がん診療連携拠点病院 ) についての説明を事務局からお願いいたします。

○事務局(濱) 資料 3 です。緩和ケア提供体制、まず、がん診療連携拠点病院について御議論いただければと思います。右下にスライド番号を書いています。スライド 2 ですが、この検討会で検討すべき論点の、今回はア . の部分です。次のページの 3 4 は緩和ケアの歴史についてまとめています。スライド 5 6 はがん対策推進基本計画の概要及び緩和ケア提供体制についての抜粋です。また、スライド 7 8 9 は、先ほども出た実地調査に関するワーキンググループの報告書、また、基本計画中間評価の概要、また、がん対策加速化プランにおける主な具体策についての概要です。

10 枚目からは拠点病院における緩和ケア提供体制について、特に拠点病院の指定要件についてまとめています。スライド 11 が指定要件の概要です。緩和ケアチームの人員配置等について左側に記載しています。スライド 12 1 枚飛んで 14 枚目は拠点病院、施設全体における緩和ケア提供体制の抜粋になります。スライド 13 は、緩和ケアチームによる緩和ケア提供体制についての抜粋を記載しています。

 次のページ、スライド 15 16 は、都道府県がん診療連携拠点病院の指定要件である緩和ケアセンターの整備について、診療内容及び人的要件をまとめています。 17 枚目からは拠点病院における緩和ケアの提供状況について、その課題及び今後の取組に関する提案をまとめています。

 主に 3 点の論点があります。まず 1 点目は、 18 枚目になりますが、施設全体としての取組についてです。先ほどの指定要件の中に、施設全体として苦痛のスクリーニングを行うことが記載されています。昨年度に研究班で苦痛のスクリーニングに関する全国実態アンケート調査を行い、その概要を 18 枚目に、 19 枚目には課題等としてまとめています。

20 枚目は 1 点目のまとめと論点です。「苦痛のスクリーニングが導入されている拠点病院は約 9 割にのぼっているが、限られた少数の部署での実施に止まっている。スクリーニングの結果、対応が必要となった患者へのフォローアップ体制が整っていない拠点病院は約 6 割にのぼっている。スクリーニングやフォローアップのための人員が不足している、患者がつらさの程度を数値で回答するのが難しい、有効な対応方法がないことがある、総合病院等ではがん患者の選定が難しい等の課題がある」。以上の課題を踏まえ、「スクリーニングを実施するための人員確保、実施方法の改良、対応方法等に関する研究、実施マニュアルの作成によるノウハウの共有等に取り組むべきではないか」を論点として記載しています。

2 点目の論点になります。緩和ケアセンターについてです。スライド 21 22 は、緩和ケアセンターの人員構成及び主な活動内容、また、概念図を記載しています。スライド 23 は、緩和ケアセンターの設置の推移で、昨年 9 月の現況報告時点のデータです。赤字のように、平成 27 年度末には都道府県がん診療連携拠点病院ではその全てで整備済という状況です。

24 枚目から 29 枚目は、緩和ケアセンターに関するアンケート調査の概要です。「緩和ケアセンターの意義、また、緩和ケアの機能向上に対する課題や整備に関する意見、また、ジェネラルマネジャーの意義、活動に関する課題についてまとめています。

 スライド 27 には、 2 点目のまとめと論点を記載しています。「緩和ケアセンターは、全ての都道府県がん診療連携拠点病院に設置されるとともに、地域がん診療連携拠点病院にも、自主的に設置が進められている状況である。しかし、緩和ケアセンターは人員不足、役割の認識が院内で共有されていない等の理由のため、十分に機能していない」という状況です。このような状況を踏まえ、「緩和ケアセンターについて、人員確保、ジェネラルマネジャーの活動の評価、緩和ケアセンターやジェネラルマネジャーの役割の明確化や院内周知、好事例の紹介、ピアレビュー等に取り組むべきではないか」を論点として記載しています。

3 点目の論点は、専門的緩和ケアとして、緩和ケアチーム、緩和ケア外来などについて記載しています。 28 枚目は緩和ケアチームへの新規依頼件数及び緩和ケア外来の受診状況をグラフ化したものですが、かなり施設間格差があるという状況です。 29 枚目、 30 枚目は診療報酬で緩和ケアチームの活動を評価をしたもので、入院及び外来のものです。施設基準としては主に人的要件があります。その人的要件を満たして、緩和ケア診療加算及び外来緩和ケア管理料が算定できている施設は、赤字になりますが、拠点病院であっても入院 41.6 %、外来 26.9 %にとどまっている状況です。

31 枚目は、緩和ケア関連の診療従事者の配置状況です。拠点病院であっても、緩和医療専門医及び暫定指導医が配置されていない所が約半数あるという状況です。また、看護師も 1 2 名の所が半数に及ぶ状況です。また、薬剤師、相談支援センターの相談員の方も、ほぼ半分の施設で 0 1 名というような状況で、このようなマンパワーの中で緩和ケアが実施されているという状況です。

 その中で 32 枚目は、緩和ケアチームの質を向上させることを目的として、昨年のがん対策加速化プランで、緩和ケアチーム実地研修というものを行っており、 19 の施設に依頼し、受入れをしてもらっています。今年度は現時点で 30 施設が研修予定となっている状況です。また、緩和ケアの医療水準の向上を目指したものとして、ピアレビューの実施支援事業も、国立がん研究センターへの委託として行っています。施設訪問を行うといった形で、モデルを提示していくことを昨年度から実施しています。

3 点目のまとめ、論点になります。「全ての拠点病院で、緩和ケアチーム、緩和ケア外来等の専門的な緩和ケアの提供体制が整備された。緩和ケアチーム、緩和ケア外来の診療件数は施設間格差が大きく、また、基準を満たせないため、診療報酬を算定できる施設は限定されている。緩和ケアの質については画一的な書面のみで評価することが困難であるなど、その基準が必ずしも確立されていない」状況です。このような状況を踏まえ、まず、「緩和ケアの質の評価方法を確立すべきではないか」、また、「診療の内容を評価するため、実地調査等を行うべきではないか」という論点をまとめています。

 事務局からは以上になりますが、先ほど資料 5-1 で、桜井構成員から、この資料 3 について意見が届いておりますので、御紹介します。資料 5-1 の中段以下になりますが、スライド 19 から 21 枚目に関してです。緩和ケアの人員不足の点について、「がんプロフェッショナル養成基盤推進プランの推進が重要」であるという御意見、また、 2 つ目のポツですが、「介護、緩和、就労などの専門家へ適切な橋渡しを行うナビゲーター的な役割を担う看護師の配置による連携強化が必要ではないか」という御意見が届いております。 3 点目は、「遺族調査 ( ピアレビュー? ) による定点・継続的な調査が必要ではないか」。 4 点目として、「緩和ケアセンターが中心となった地域包括がんサポート会議 ( もしくはキャンサーボードの開催を行っていただきたい」等の御意見が届いております。これらご意見を踏まえて御議論いただければと思います。事務局からは以上です。

○福井座長 それでは、ただいま説明いただいた、資料 3 を踏まえての御議論をお願いしたいと思います。これは特に質の向上についてフォーカスを合わせなくてよろしいですか。全体で 3 つポイントがあったと思いますが。

○事務局(濱) 主に 3 点の論点があります。質の向上は最後の論点として挙げておりますので、踏まえて御議論いただければと存じます。

○福井座長 それではどうぞ。

○池永構成員 資料のまとめについてです。大変、事務局が求めている論点というのは、現場においても非常に課題の多い点なので、この 3 点というのは非常に重要だと思っております。その中でも私のほうからは、苦痛のスクリーニングと緩和ケアセンターについて、ちょっと意見させていただきます。

 こちらの検討会に私は構成員として入っており、これまでスクリーニングに関してや緩和ケアセンターの議論について参加してまいりましたが、やはり非常に重要なポイントは、スクリーニングに関しては、患者さんや御家族が、医療従事者にきちんと苦痛を伝えることができない。その課題について解決するために、 1 つの方法としてスクリーニングということが要件化されたという経緯があると思います。

 もう 1 つ、緩和ケアセンターに関しては、拠点病院がなかなか治療中心で、治療が終われば、そこの病院の機能ではないというような状況を、やはり拠点病院も緩和ケアであるとか、地域連携について重要な機能として働いてほしい、発揮してほしいというような点において、このような緩和ケアセンター構想というものが議論の中に出てきて、都道府県拠点病院には要件に入ってまいりました。

 ただ、実地調査をこれまでワーキンググループでした中で、やはりこの要件が十分に現場で生かされていない、また、様々な課題がある、また、要件の中でもクリアするのが難しいポイントがあるという現状が見えてきておりますので、やはりきちんと、そのスクリーニングに関して、また、緩和ケアセンターに関して、今後どのような形で進めていくのか。また、より良い方法があるのであれば、要件も調整しながら進めていくためにも、例えば実地調査を含めるような現場の本音の課題や難しさを汲み上げて、またそれを議論した上で、より良い要件として、少なくともスクリーニングに関しては患者さんや御家族の声をきちんと汲み上げるようなものにならなければ、余りにもスクリーニングをすることだけを優先するのではなくて、また現場でそれに右往左往するのではなくて、より良いあり方というものを現場の声を聞いた上で議論していくということが、今後、非常に必要なのではないか。

 形ではなくて到達すべき目標をきちんと見ながら、また緩和ケアセンターに関しても、恐らくこういう機能というのは、全ての拠点病院には必要なのだろうと思うのですが、今の要件、また都道府県拠点病院でやるべき内容を地域拠点病院に落としていくときに、どのような形にしていくのが、この目標に向かって十分なものになるのかという議論を、現場の声を集めた上で進めていただきたいと考えております。以上です。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。

○小川構成員 事務局がまとめていただいた資料のポイントというのは、本当に的確なところかなと思います。特にスクリーニングと緩和ケアセンター、緩和ケアチームと 3 つ出ているのですが、これは大きくいけば、基本的な緩和ケア、要するに患者さんがいろいろ悩んでいることや困っていることを、まず、主治医がしっかり受ける、プライマリーチームが受けるという問題。もう 1 つは、必要な専門的な緩和ケアにもアクセスができるという、 2 つに大きく分かれるのかなと思います。

 その中で、スクリーニングやシステムという言葉でずっと書かれてきて、そしてスクリーニングというと、どうしてもそういうシステムが、というので、人的な問題みたいなところがよく議論されるのですが、恐らくこの問題が出ている背景というのは、そういう困っていることを話せる場がないとか、主治医の先生と相談できる時間なり機会が取れないというところの趣旨も大きいのかなと思います。

 すると、スクリーニングというと、何かツールが出てきて、全部緩和ケアチームに引き継ぐというように限定するものではなくて、例えば、そういうものを診察の前に回して、そして主治医の先生がそれを取り上げるような、スクリーニングというよりもモニタリングみたいなシステムで、より病院全体で扱うほうが、現実的な問題ということになるのではないかと思います。

 ですので、この辺り、スクリーニングというと何か完全に拾い上げて、専門につなぐというような、かなり限定された意味ではなくて、もう少し現実的に効果的なものも含めて、施策に落とし込める所は検討していくのは重要かなと思いました。これは緩和ケアセンターに関しても同じかと思います。

○田村構成員 私は、緩和ケアセンターの議論について、私自身も前の緩和ケア推進検討会から関わっていまして、新規の 1 つのモデルという部分と、いろいろ地域で不十分なところもトリアージできるようなことを狙ったというように考えているのですが、現状としては、地域に何か張り出していくというか、つなぎをするようなところまでは、とても難しいのが現状かなと思います。

 桜井構成員も出しておられましたが、その地域を何かしていくための 1 つのプロジェクトというか、マストでこのようなことをと、桜井構成員は書いておられますけれども、先の議論のときにはカンファレンスをしようというのが出ていたと思います。もう少しはっきりした形での、定期的な地域とのつなぎを持った包括的なプランを考えられるような、そういうプロジェクトも考えていただけたらと思います。

○服部構成員 スライドの 11 枚目で見ると、よく分かるのですが、指定要件により箱物が非常に整備されたと思うのです。ただ、この箱物の求められる主な取組とか狙いを評価するというのが次の段階に来るのではないかと思います。 1 回出した箱物を、また潰すというわけにはいかないと思いますが、この箱物の狙いがここにずらっと書いてありますが、これをこれから検討会としてどうやって評価して、この箱の質が保たれているのかというのを検討していくべきだと思います。

 あと、スライド 21 枚目がそうなのですが、緩和ケアセンターを作らないと指定要件が外されてしまうということで、病院側は取りあえず人員構成と組織図だけを作って提出するわけですね。出したら指定要件を通りました、その後は、もう形ができたからいいでしょうということで、その中がどう機能しているかというのも評価する。その質も見ないといけないのではないか。その質をどうやって見るかという方法を検討していくことが、これから必要になるのではないかと思います。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。

○三宅構成員 今の服部先生の意見と近いのですが、例えばこの 28 枚目の緩和ケアチームそして外来についてですが、現状で全ての拠点病院に緩和ケアチームがあるわけですが、チーム、病棟、外来の質の担保がまだまだ不十分な状況と考えています。

 今後は緩和ケアセンターなどの新しいシステムも必要だと思うのですが、まずは現状の評価に注力し、その次の新しいシステムについては、そこが整備されてからにしたほうがめりはりが付くのではないかと、個人的には考えています。

○木原構成員 話を聞かせていただき、ことがうまくいっていないと理解しました。地域拠点病院を整備したのだけれども、実際に患者さんの満足度が少ないという現実をどう打破するかということと、実際に患者さんがエンドステージに至ったとき、拠点病院に入院するという構図があるのだけれども、苦痛を抱えながらの生活の大部分は、在宅であるということです。外来に来ても医者と会っているのが 5 分か 10 分であって、ほかは医者と会っていない時間がほとんどですので、そういう意味では、今は患者の所在というものが、拠点病院から在宅や、あるいは地域というものにシフトしているということが、がんの世界でもあるのだということが私の得た認識です。

 なぜそういうことを言うかといえば、私は循環器を専門にしておりますが、循環器においても同じ問題を経験してきているからです。5疾病5事業で急性心筋梗塞を治すために拠点病院を整備して、心筋梗塞に対応できるようにしたのです。取りあえずそこはうまくいった部分もあるのですが、患者さんの苦痛をなくして、クオリティ・オブ・ライフを確保できたかといえば、また別の問題なのです。

 患者がほとんどの時間を過ごしておられる地域や在宅、それらと医療の間がシームレスでないとうまくいかないことに気づきつつあるというのが循環器です。恐らくがんの領域も同じことなのだろうと思います。そういうことのためにセンターなどの構想が出てきているのでしょう。

 もう 1 つ、そこで構造そのものを考えてみれば、今までどおり拠点病院のクオリティを上げて、習熟した専門医を育てても、その専門医というのは、がん患者さんとベッドサイドで 1 日、「おはようございます」「さよなら」で 3 分ぐらいということで、あとの 23 時間 57 分について患者さんは医者と会っていないかもしれないわけです。

 その中でどのように患者さんのクオリティ・オブ・ライフが良くなるのかということです。やはり緩和ということは、オピオイド等も大事だと思うのですが、ナラティブな対応ということを患者は強く求めていると思います。誰がベッドサイドにいてくれるかという問題ありますので、専門医を育てる、クオリティを上げることは、もちろん大事なことではありますが、どの職種が一番患者さんのベッドサイドにいられる人材なのかと、ナラティブな立場に立てるのは誰なのか、医者なのかどうなのかみたいなことも考える必要があるのかなと思いつつ、聞かせてもらいました。

○福井座長 ほかにはありませんか。

○前川構成員 前川でございます。私もここで悶々としながら 10 時からの議論を聞いていました。前回も言ったと思いますが、ハード面も大事なことですけれども、そこにだけ目がいって患者がどう思っているかとか、以前から患者の満足度調査が必要と言われてきましたが、そういうこともされていない。がん対策推進協議会、緩和ケア専門委員会などのメンバーをさせていただいていますが、発言しっ放しというか、それが解決されたものもありますが、解決されないまま何年も何年も蓄積されているような気もいたします。ここにいっぱい出てきていますけれども、患者のために解決できるようにしていただきたいと思います。

○福井座長 ほかには、いかがでしょうか。

○道永構成員  27 枚目のスライドですが、緩和ケアセンターを立ち上げるときの検討会に私も出ていましたけれども、かなり人員配備が難しいということを感じていました。案の定、人員不足があります。あと役割の認識が院内で共有されていないことが、拠点病院の中で出てくるのは非常に問題だと思っています。どうしてそうなっているのかを、まず検証する必要があるのかなと思います。あと、相談支援センターはここには出てきませんけれども、相談支援センターも緩和ケアには関わっているはずなのです。その相談支援センターの周知もあまりうまくいっていない。そういった実態はあってはいけないと思います。

 今、前川さんがおっしゃったのと同じですが、どうしても医療者側の目だと、こういった箱物を作りました、患者さんはみんなこれを使ってくださいねと言うのですが、果たして患者さんにそれがどのように伝わっているか。また緩和ケアセンターの効果があるかといったことは患者さん自身に伺うしかないので、そういった調査は絶対に必要だと思います。基本計画の中間評価のときに、かなり膨大なアンケート調査をやっていますが、あれもやりっ放しでなく長期的に続けるべきだと思っていますので、よろしくお願いします。

○川本構成員 今、発言がありましたように、特に人員の問題は緩和ケアセンターで非常に重要だということは私たちもすごく認識しているところです。特に看護師がジェネラルマネジャーということで活動するようになっていますが、スライドの 22 ページを見ていただいても分かりますように、全てがそこのジェネラルマネジャーにいくような状況になっていて、それなのに役割が明確でないということで、がん看護専門看護師とか認定看護師がこの役割をしていると疲れてきてしまい、私たちは本来、看護のケアをしたいということで、今、実践の場を在宅緩和ケアに移していく方が増えてきている実情がありますから、是非、このような配置を決めた場合には役割を明確にしていただき、本来の力が発揮できるようにしていただけると大変有り難いと思っているところです。よろしくお願いしたいと思います。

○福井座長 ほかには、いかがでしょうか。平原構成員、どうぞ。

○平原構成員 ちょっと論点がずれてしまうかもしれませんが、在宅の立場から言いますと、外来に通っているがん患者さんが最も放置されているように見えます。体調が悪いので取りあえず治療をやめて、お休みしましょうと言われて在宅に入ってきたり、あるいは主治医の先生はきちんと説明したつもりでも、患者さんが全然納得されていないというか理解していないことが日常茶飯事なのです。もちろん、痛みに気付くことはすごく大事ですが、生き方の相談をしたいと患者さんは思っているので、緩和ケアセンターや主治医の外来、あるいは緩和ケアの外来のところが一番肝の重要な役割と認識していただいて、そこをどうするかということも議論していただければ非常にいいかなと思っています。

○福井座長 ほかには、いかがでしょうか。たくさん御意見を頂きましたので、次に、拠点病院以外の一般病院について、資料 4 の説明を事務局からお願いいたします。

○事務局(濱) 資料 4 です。緩和ケア提供体制 ( 拠点病院以外の一般病院 ) についての資料を作成しています。これも同様に検討すべき論点のアの部分になります。

 スライド 3 は、先ほどもございましたが基本計画の中間評価の概要で、拠点病院以外の医療機関や緩和ケア病棟、在宅医療等における緩和ケアの提供体制の構築について、そのあり方を更に検討するという提言がございます。

 スライド 4 5 は、昨年 8 月に緩和ケア推進検討会で、地域緩和ケアの提供体制についての議論の整理の記載事項及び概念図になります。

 スライド 6 は、第 1 回検討会で出させていただいた資料ですが、約 4 割のがん患者さんが拠点病院以外の病院でがん治療を受けておられるという状況です。

 スライド 7 8 は、診療報酬算定に関して、病床数の多い病院で、緩和ケア関連の診療報酬の算定回数が多い傾向がみられる状況があります。

 スライド 9 は、がん患者さんがどこで看取られているかというスライドですが、約 4 分の 3 のがん患者さんは拠点病院等以外の場所で看取られている状況です。

 スライド 10 は、平成 26 年の医療施設調査のデータになります。一般病院の緩和ケアの状況についてまとめています。緩和ケア病棟と緩和ケアチームの状況ですが、緩和ケアチームにつきましては、一般病院 7,426 施設のうち、 991 施設に緩和ケアチームがある状況です。一方で、緩和ケアチームがない一般病院は約 87 %ある状況です。

 スライド 11 から 13 は事業の説明になりますが、平成 24 年度より在宅緩和ケア地域連携事業を行っています。在宅療養支援診療所のリストを作成すること、また、在宅緩和ケアの研修や合同カンファレンスを行う。また、症状緩和に関する地域連携パスの運用等を、この事業で行っています。また、技術的なサポートとして医療用麻薬の使用方法をサポートする内容も、この事業に盛り込んでいます。また今年度から、がん医療に携わる看護師に対する地域緩和ケア等の研修事業を始めています。また、地域緩和ケア連携調整員という人材を育成するための地域緩和ケアネットワーク構築事業も行っています。

 最後に、まとめと論点についてです。「がん患者の約 4 割が拠点病院以外の病院で治療を受け、約 6 割が看取られているが、緩和ケアの内容については十分に把握されていない」状況です。また、「拠点病院を中心に在宅療養支援診療所の医師に対し、がん緩和ケアに関する知識と技術の研修を行い、在宅緩和ケア地域連携体制の構築を図ってきた」。そのような状況の中、「拠点病院以外の一般病院における緩和ケアの状況について実態把握をすべきではないか。研修等を通じて一般病院における緩和ケア提供体制の充実を図るべきではないか」、という提案をさせていただきます。事務局からは以上です。

○福井座長 それでは、ただいまの資料 4 の御説明を踏まえまして御討議いただければと思います。いかがでしょうか。田村構成員、どうぞ。

○田村構成員 患者さんの流れというか転帰として、正に拠点病院は非常に急性期の大きな病院ですので、その後、在宅に行けない場合、こういう一般病院で多くのがん患者さんが実際に療養されている。そして在宅にもすぐには行けない。つまり拠点病院では、在宅支援に時間がかかるために、一般病院にまず入れてしまう、そういう言い方が正しいかどうか分かりませんが、早期に他院へ退院を促してそこから調整をしてもらうとか、緩和ケアにすぐに入れないために一般病院に転院したまま、ずっとそこにおられる方から実際に相談をよく受けていて、その中で、ここにありますように「疼痛に関する辛さとか、その方のいろいろな辛さに関する十分なケアが受けられないので、そこから緩和ケアにすぐに移りたい」という相談を受けたりしている現状があります。

 こういうふうな一般病棟で、例えば PEACE をどのくらい受講されているのかとか、教育が本当に必要であることを正に書いておられて、そのとおりですけれども、実態の把握に関する何か試みとか、今までに何かありましたら教えていただけると有り難いと思います。

○福井座長 実態に関する調査結果について何かございますか。

○事務局(濱) 緩和ケア研修会の修了者につきましては、前回の資料でお示ししましたように、修了者の約 4 割が拠点病院の先生となっていて、約 6 割は拠点病院以外の先生が受けているという状況は把握しています。

○福井座長 服取構成員、どうぞ。

○服取構成員 スライド 10 ですが、一般病院の緩和ケアの状況として、緩和ケアチームがない所は赤線がしてありますけれども、一般病院というのは 20 床以上の病院と考えてよろしいですか。診療所を除いた 20 床以上の病院ということですね。

○事務局(濱) はい。

○服取構成員 そうすると、医師が 50 名いる所とは別で、 3 名しかいない所から 300 名いる所まですごく幅が広いと思いますけれども、 10 名未満の所で緩和ケアチームを作ることは基本的に不可能ではないかと思います。ですから、これが一般病棟にも緩和ケアチームを作れとならないようにしないといけないのかなと思います。それよりも、緩和ケアが提供できているかどうかというところに注目したほうがいいのかもしれない。それが、先ほどの緩和ケア研修会を一般の先生たちも受けるように、という所とつながってくると思います。事実はこれでいいと思いますが、これを作るべきという方向にならないようにだけ、ちょっとコメントしておきたいと思います。

○事務局(濱) 緩和ケアチームがない状況の中で、緩和ケアを提供しなければならないという意図で、このスライド 10 を作らせていただいています。

○小川構成員 今、こちらにお示しくださった事務局のこの資料は非常に重要な点があると思います。その中でもスライド 9 に関して、一般病院と言っても実はかなり幅があるのではないかと感じています。この辺は定量的な調査が必要になると思いますが、恐らくがんを診ている一般病院というのは、大体、大きく 4 つぐらいの傾向に分かれるのではないかと思います。 1 つは市民病院クラスで、いわゆる拠点病院にはなっていないけれども、よく県独自の拠点病院と言ったり県の指定病院というクラスで、割合、頑張って緩和ケアチームを作ったりしながら、それなりにがんの患者さんを診ている。 2 つ目が、それより小規模になりますが、結構、がん検診等からそのままそこでがんの治療を行っている施設、 3 つ目が、いわゆる拠点病院の後方連携病院のような形で緩和ケアを提供するタイプ、 4 つ目が、恐らく高齢者を中心に診ている病院で、例えば合併症の 1 つとしてがんを見つけて、そこで対応を求められる感じになるかと思います。

 そのような形で見ると、それを全て一律に対応できればいいですが、恐らくある程度のめりはりを付けながら、アプローチしていくことが必要になってくるかと思いますので、その辺の流れを踏まえた上で、特にどういう所でこの緩和ケアの提供体制を考えるのか。その辺りを検討していくことが、多分、この一般病院へのアプローチでは有用ではないかと思います。

○福井座長 ほかには、いかがでしょうか。有澤構成員、どうぞ。

○有澤構成員 先ほど小川構成員からお話があったように、多分、病院という所での配置ではそれぞれ大中小とあると思います。そういった中で、特に病院薬剤師の配置に関しては極端に 1 名しかいないといった所もありますので、そういう所からすると、こういう提供体制というのは難しい部分がありますから、どうやったらできるかということも、この中で議論させていただいたほうがいいのではないかと思っています。

○池永構成員  13 ページにございます事務局から提案しておられる地域緩和ケア連携調整員ですが、非常に大事な内容だと思います。現在、地域における緩和ケアのリソースの情報というのは非常にばらばらで、十分に情報が集約されていないし地域でそれが活用されていない。情報もタイムリーに変化してまいりますし、緩和ケア病棟の空き状況であるとか、拠点病院の受け入れ状況というのも人員の変化によって非常に変わってくるので、この情報を集約し、それを活用していく調整員の役割は非常に大きいと思います。一方で十分に議論しなければいけないのは、いわゆるがん診療連携拠点病院を中心として進んでいる地域連携という考え方と、地域包括ケアシステムの中で、今、進んでいる地域の状況とうまく連携していかなければ、個別にばらばらにやっていても全く有効な方法にはならないと思います。この点についてよく議論した上で、在宅の先生方の御意見、また地域包括支援センターとの連携であったり、この調整員をどこに置き、どういう機能を持たせ、人員やお金を配置していくかということはしっかり議論していく必要がある。でも非常に大切な考え方、人員になってきますので、その点、よろしくお願いしたいと思っています。

○福井座長 川本構成員、どうぞ。

○川本構成員 それでは、今、私どもが引き受けさせていただいている事業につきまして、少し御説明させていただきます。スライド 12 になります。地域で緩和ケアを推進したいということで、初めの 3 年間ほどは、がん診療連携拠点病院の緩和ケア推進ということで事業を引き受けさせていただき、それを更に発展させる形で今年度、引き受けさせていただきました。

 この中で、地域にいる看護の方たちが実際に緩和ケアの相談が受けられるようにということで、今まで拠点病院のほうの専門看護師、認定看護師の方に、その役割を担っていただこうということでしていましたから、訪問看護ステーション、地域にいらっしゃる看護の方たちに、実際には DVD e-learning で相談等に必要な知識を得ていただき、実際には拠点病院の方の専門看護師さんたちとつながっていただくということで、地域における緩和ケア推進をしようとしている事業です。

 今、もう e-learning のほうの録画が終わり、これから実際に研修を受けていた拠点病院のナースの方と、その方たちをつなぐようにしていきたいと考えています。このようなことでの推進事業をしていますので、是非、機会がありましたら皆様に広報していただけると、さらにこの事業が推進されていくのではないかと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。

○福井座長 ほかには、いかがでしょうか。服取構成員、どうぞ。

○服取構成員 正に、この 12 ページ目と 13 ページ目ですけれども、今、お話があったように、これは基本的には総論的にすごくいいことで、総論はいいけれども各論をどうすればいいのかがなかなか分かってこない。そのプロジェクトを作るのはまた大変ですけれども、今、川本構成員が言われたように、モデルになっている所が地方も含めていっぱいあると思いますので、うまくいっている所を幾つか集め、それを 1 つのモデルとして作り、実際にこの総論を実現する方向でプロジェクトを作ったほうが早いし、いいのではないかと思います。結局、総論だけ話していても、やってください、やってくださいになってしまうので、是非、モデルとなる所を幾つか集めて地方ではすごく成功している所もあると聞いています。確かに東京周辺とか都会になると複雑になってきて、なかなかできないですが、地方ですごくうまくいっている所をモデルとして、どんどん情報をこの検討会に上げてきたほうがいいのではないかと思います、

○福井座長 ほかには、いかがでしょうか。加賀谷構成員、どうぞ。

○加賀谷構成員 スライド 13 で、よく実際に在宅訪問等に関わっている薬剤師から聞くのですが、なかなか薬剤師あるいは薬局に声が掛からないということがあります。この絵の中に訪問看護ステーションとか地域の医療機関はあるのですが、保険薬局というのを入れていただけないかなと思います。そのほうが、具体的にどういう所に連携調整員が声を掛けたらいいのかが、もう少し明確になるので、文章の中では下に入れていただいていますけれども、絵にも是非入れていただければと思います。

○道永構成員 同じ 13 枚目で、この間、ちょっとお話したかもしれませんが、医師会という名前をここに入れていただければと思います。平成 27 8 月の検討会のまとめというのが 4 枚目のスライドにあります。地域緩和ケアの提供体制の構築に向けてということで、この地域緩和ケア連携調整員というのは、緩和ケアセンターがメインの事務局になるべきだと思っています。あとは地域緩和ケアを担う施設全てですけれども、「医師会等のネットワークを活用し」という文言が入っています。是非、医師会と拠点病院、あるいは他の病院の連携が強くなっていけば在宅の医療もうまくいきますので、そこを入れ込んでいただけたらと思います。

○福井座長 ほかには、いかがでしょうか。平原構成員、どうぞ。

○平原構成員 在宅のほうから言いますと、「在宅医療・介護あんしん 2012 」以降、都道府県リーダー研修があって各市区町村、そして医師会も含めた研修の体制の枠組みができているのです。そこで研修を繰り返していくことによってネットワークができ、地域の緩和ケアだけでなく、在宅医療体制やシステムが構築されていっているわけです。在宅医というのは、がんだけでなく難病や認知症、精神疾患や小児もみんな診ているわけですから、がんだけ切り取ってネットワークを構築するというのは、あまりいい考えではないように思っています。ですから、既存の研修のこととも関係しますけれども、出来上がりつつある研修の枠組みの中に、がんの専門的なモジュールを加えていって更に質を高めていくという取組のほうが、現実的なのかなと思います。

 そして、先ほどの中小病院ですけれども、ここは本当にブラックボックスで分からないですが、小川構成員がおっしゃったようにいろいろなタイプがあるなと認識していて、むしろ PEACE までやってきた延長線上に広げていったほうがいい所もあるのですが、例えば東京都北区などはそんなに大きな病院がなくて、後方支援病院で特に高齢者のがんの方ですね。 75 歳以上で亡くなる方が、がん患者さんの半分以上を占めていますし、老年学的な問題とがんの問題が合併している方が増えてきていて、そういう方々は恐らく在宅や地域の病院が受け持っていると想定すると、そういう方に対しては在宅の研修の枠組みでやったほうが、より実態に合っているのではないかと思っています。

○福井座長 ほかには、いかがでしょうか。先に木原構成員から、どうぞ。

○木原構成員 今、平原構成員がおっしゃったことはとても大事だと思います。実際の在宅の中で診ている患者は、がんもあり認知症もあり、循環器の病気もあり肺の病気もありということですので、そこのところを別々なものを構成していくというのは適当ではないと思います。そういうナレッジをちゃんとそこに入れていくということではないかと理解しています。

○福井座長 有澤構成員、どうぞ。

○有澤構成員 恐らく在宅に移るといろいろな地域性が出てくると思います。例えば、拠点病院と後方支援、そして患者さんの在宅をする所との近接性が地域によってかなり温度差があります。私の地元は北海道なので、場合によっては札幌の拠点病院を使って後方支援は釧路のどこといった形で、 100 キロ単位で離れている所があります。そういう点からしても、逆に言うと在宅に戻ったときに近い周りの診療所あるいは薬局等は、むしろ包括ステーションも含めて顔の見える関係をしっかり構築していますから、そういった中で連携がしっかりできるように、先ほど言ったようにがんだけではありませんので、 1 つのオプションとして緩和ケアの研修あるいは連携を加えていって、地域は地域でそういった構成をしていくのがいいのではないかと思っています。

○細川構成員 地域完結型と言われますが、この地域というのも東京のような大都市も地域ですし、各都道府県にある小さい町も地域です。同じ地域連携でもその地域連携の組織の作り方は随分変わってくると思います。各医療圏にはがん診療連携拠点病院があるから、この地域緩和ケア連携調整員というのは、がんに特化した調整員というニュアンスで言われているのかと思います。しかし、今、現実に、各地域に根ざした診療所の先生方、そして在宅をやっておられる先生方は、がん以外の患者さんが 8 割、 9 割という割合で、診ておられるケースが非常に多いのが現状です。今後、緩和ケアにがん以外の疾患も含めていくのであれば、早晩、いずれこの地域完結型ではあらゆる疾患の患者さんを診ていくようになると思います。そうすると、簡単に調整員などと書かれていますが、この調整員の仕事はというと、あらゆる疾患やそれに特化した医療者の内情や疾患に知識まで詳しい実はすごいスーパーマンでなかったらできないような内容になると思います。これを行政ということで都道府県の職員として任命されるのか、そしてどういう資格を作って来るのか?もしうまく地域にこのようなスーパーマンが一人できたとしても、そのスーパーマンが万一亡くなられたら、もう次の日から何も地域連携はできなくなるということになります。もし調整員制度なるものを作るのであればボランティア的なものではなく、機構、組織としてきちんとその地位も保全し、研修も行い、かつ、 2 人、 3 人と複数でチームとしてやっていく形でないと実務は出来ないと思います。考えとしては素晴らしいことだと思いますが、この内容をもし 1 人の方がするとなると、結構、大変だということです。

 地域によっては、拠点病院だけでなく、その地域のがん以外も診る拠点になっている病院の地域連携室の窓口の看護師さんとかソーシャルワーカーの方たちが、この役割を既に担って活動できている地域も多くあると思います。人口や年齢分布、その地方の歴史、環境、それぞれ地域によって地域連携の方法も規模も変わってくると思います。方向性としてはいい考え方とは思うのですけれども、なかなか現実的には全国一括的に調整員を誰にしてどうしていくというのはかなり難しいと思います。調整員的な考え方を取り入れて、その地域、地域に分けてこういう方式が一番いいと思われることをそれぞれの地域に合わせてやっていただくというきめ細かさが必要と思います。

○前川構成員 今のお話に関連するのですが、私も 13 ページの所を見ていて地域緩和ケア連携調整員ですか、この方はどういう人がなるか分かりませんけれども、役割としては各関係機関との連携だと思います。ただ、肝心の患者・家族は自分の考えや希望をなかなか表出できない。言えないし遠慮があります。ですから、そういう辺りをきちんと話し合って希望を叶える形で在宅にしましょうかという話になればいいなと思います。こういうポンチ絵は理想ですけど、現実はなかなか厳しいのではないかという感想を持ちました。

○福井座長 ほかには、いかがでしょうか。小川構成員、どうぞ。

○小川構成員  13 枚目の所は先生方の御指摘のとおりかなと思います。多分、メカニズムとすると、ある意味、先ほど平原構成員が御指摘くださったように地域包括ケアに最終的に重なってくるのかなと思います。これの作りが 13 枚目の所に書いてあって、緩和ケアセンター等が中心になり調整員を配置してと書いてありますけれども、恐らくこういうふうに合併症が増えてきて、現実に拠点病院の緩和ケアセンターなり相談支援センターが機能していない背景には、その辺の在宅でのイメージが、どうしても急性期の病院は付きにくいという面があるのです。ですから、逆にその辺でいくと、こういう地域ベースで調整を担う、それはケアマネジャーなのか、それとも訪問看護の中のスペシャリストなのか分かりませんが、そういう方が逆に拠点病院の中に入っていく地域ベースのアプローチというのも、逆の方向としてあり得ると感じています。

○福井座長 ほかには、いかがでしょうか。大分、時間も迫ってまいりましたが、よろしいでしょうか。服取構成員、どうぞ。

○服取構成員 医療者側からの一方向的な、こういうふうにしたほうがいいという形になりつつあると言ったらおかしいですが、患者さん側のほうが何に困っていて、何を求めているのかというのを入れてみないと、結局、こっちからの押売りになってしまう可能性があるので、前川構成員が言われたように患者サイド側が何に困っているのか。それが全部実現するかどうか分からないですが、何が困っているかをもうちょっと出したほうがいいのかなという気がします。

○池永構成員 同じような意見ですが、 4 ページに書かれているとおり、拠点病院の緩和ケアセンターが中心となって連携調整員をすると、どうしても拠点病院の都合であったり、悪い言葉で言うと追出しであったりということも現場では起こりやすい。きちっと地域の人たちを活用する。若しくは拠点病院でなくてもいいのかもしれないなと思っています。緩和ケアセンターとは別であってもいいので、その地域に即したリソースを活用して、こういう人が、スーパーマンがスーパーマンとして働けるような場所を用意することは非常に大事なのだろうと思います。

○福井座長 ほかには、よろしいですか。いろいろ伺って私の感想です、緩和ケアの質について。厚生労働省の医政局総務課で医療の質の評価公表事業を行っていますので、そちらで緩和ケア関係の指標を作ってさえいただければ、それを測定して公表する事業に乗せることもできると思います。それでは、本日は活発な御議論、ありがとうございました。本日、いただきましたたくさんの御意見は事務局とともに整理させていただきたいと思います。本検討会における議論の取りまとめに向けまして、さらに今までの議題あるいはその他の具体的な対策に関して御意見等がございましたら、次回の会議開催までに事務局に書面等で提出していただければと思います。最後に、事務局から連絡事項をお願いいたします。

○事務局(濱) ありがとうございます。ただいま座長からもございましたように、御意見等がございましたら事務局までメール等でお願いいたします。また、次回の検討会開催に関しましては事務局より追って御連絡申し上げます。

○福井座長 ありがとうございます。それでは、これで本日の会議を終了いたします。ありがとうございました。


(了)

健康局がん・疾病対策課

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