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2016年7月20日 第4回水道事業の維持・向上に関する専門委員会 議事録

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部水道課

○日時

平成28年7月20日(水) 10:00~12:00


○場所

厚生労働省専用第21会議室(中央合同庁舎第5号館17階)


○出席者

委員(50音順)

浅見委員 浦上委員 岡部委員 滝沢委員長 永井委員
平井委員 藤野委員 望月委員 山口委員 湯谷委員
吉田委員 渡部委員 渡辺委員

厚生労働省

橋本審議官 宮崎課長 松田室長 小柳補佐 久保補佐
倉吉補佐 長平補佐

○議題

(1)広域連携の推進について
(2)指定給水装置工事事業者制度について
(3)その他

○議事

○久保補佐 おはようございます。それでは、定刻となりましたので、「第 4 回水道事業の維持・向上に関する専門委員会」を開催したいと思います。委員の皆様におかれましては、御多用中また暑い中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 まず、委員の改選がありましたので、御報告いたします。日本水道協会の尾崎勝委員に代わりまして、前回もオブザーバーで御参加いただいておりましたが、日本水道協会理事長の吉田永委員です。よろしくお願いいたします。本日は、石井委員と小幡委員が御都合により御欠席ですが、委員 15 名中、 13 名の御出席ということで、過半数に達しておりますので、定足数は満たしていることを御報告申し上げます。

 会に先立ちまして、本日の配布資料の確認を行います。机の上にクリップ留めと、委員の方々につきましては、黄色のファイルで置いてあると思います。クリップを外していただきますと、最初が議事次第、順に、本専門委員会の委員名簿、資料 1-1 として「広域連携の推進に係る主な論点及び意見」、資料 1-2 として「広域連携の推進について」、資料 2-1 として「指定給水装置工事事業者制度に係る主な論点及び意見」、資料 2-2 は「指定給水装置工事事業者制度について」で、資料は以上の 4 種類となっておりますが、そのほか参考資料として、参考資料 1 は、部会の運営細則、参考資料 2 が、専門委員会の設置についてです。それから、委員の皆様のみの配布ということで、 1 つが、資料番号が付いておりませんが、前回の第 3 回専門委員会の議事録 ( ) です。現在、確認修正中ということで、 ( ) にとどまっておりますが、参考までに配布しております。

 それと黄色のファイルで、中を開けていただくと、 1-1 1-2 2-1 2-2 という 4 種類の資料を挟んであるものが置いてあります。こちらも会議中に御参考に御確認いただければと思います。なお、この黄色のファイルにつきましては、お帰りの際はそのまま机の上に置いていただき、次回の専門委員会以降も、また使わせていただければと思います。ここまで、資料の過不足等ありましたら、申し付けいただければと思います。

 ここで傍聴の皆様にお願いですが、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。それでは、以降の議事進行を滝沢委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○滝沢委員長 皆様、おはようございます。本日もよろしくお願い申し上げます。さて、本日の議題は、前回の議論の続きですが、広域連携の推進と、指定給水装置工事事業者制度となっております。それぞれ事務局から資料について御説明いただいた後に、皆様に御議論頂きたいと考えております。

 では、まず 1 つ目の議事ですが、「広域連携の推進」について、事務局から資料 1-1 と資料 1-2 について、御説明をお願いします。

○倉吉補佐 資料 1-1 及び資料 1-2 について説明します。資料 1-1 、「広域連携の推進に係る主な論点及び意見」です。議論の整理をしていただくための参考として、第 1 3 回までの当専門委員会において、それぞれの論点に対して皆様方から頂いた御意見を事務局においてまとめております。特に前回、第 3 回での御意見を赤字で記載しております。時間の都合もありますので、 1 1 つの意見の紹介は差し控えますが、かい摘まんで説明いたします。

1 ページ、都道府県を水道行政の中で、どう位置付けるべきか、市町村経営原則をどう扱うべきか、というところです。赤い所の 1 つ目ですが、垂直統合が進んだ結果として、都道府県営・企業団営の水道事業というものを法律に位置付けてはどうかという御意見です。また、 1 枚目の下半分の 2 ページですが、現行法上も、都道府県は水道事業を経営することができ、市町村は一部事務組合を設置できることから、法改正が必要とまでいえるのかといった御意見。また水道事業は、市町村が主体となることを基本としつつ、地域の実情により都道府県営水道ができる所もあるが、都道府県が一足飛びに経営主体となるというよりは、協議の場を設けるといったところで、都道府県の積極的な関与を法制度上強化することが重要であるといった御意見を頂いております。

3 ページ、 4 ページです。広域連携を推進するために、都道府県の機能について、どう考えるか。広域連携の有力な一方策であると考えられる水道用水供給事業と受水水道事業の統合をどう推進すべきか、という論点を挙げております。こちらも赤字の御意見をまとめて紹介します。垂直統合は経済的観点や水質管理の観点等からメリットが明確であるといった御意見や、垂直統合だけでなく、地域の実情に合った多様な枠組みが認められるべきではないかという御意見がありました。

 続いて 5 ページです。国は都道府県の取組や水道事業者の取組をどう支援すべきかについて、広域連携の中でも特に統合に際しては、国による補助が重要であるということ。補助期間としては、単年度ではなく、長期が望ましいといったこと。また、前回に示した都道府県の定める事業基盤強化計画等を実効性のあるものにしていくためにも、計画の内容に対する財政支援が必要ではないかとの御指摘を頂きました。

 下半分の 6 ページです。「国が定める基本方針」について、広域連携が進まない所に対する国の支援を複数の選択肢で示してはどうかという御意見や、広域連携に際して経営状態や技術的な事項について、国が基準指標を設けてはどうかという御意見を頂きました。

 その下ですが、水道事業等の広域的な連携を図るための協議の場については、その必要性について大変多数の御意見を頂いており、市町村に強制はしないけれども、都道府県が主導して協議の場を設けることに賛成で、法的裏付けがあるとよいといった御意見がありました。

7 ページの「都道府県が定める水道事業の基盤強化を図るための計画」です。都道府県は、計画策定に当たり協議の場を設けることができるので、実質的には「市町村からの要請がなくとも」という表現は不要ではないかという御意見や、計画は、都道府県が一方的に先に策定して、市町村に強制するというものではないという御意見などを頂きました。

8 ページです。「統合の計画」は、地域の実情に即した多様な在り方を認めてほしいといった御意見を頂きました。資料 1-1 については簡単ではありますが、以上です。

 次に資料 1-2 の「広域連携の推進について」です。次のページの丸数字1市町村経営原則、水道事業における都道府県の位置付け ( ) です。まず、基盤強化方策検討会の報告書の抜粋を掲げておりますが、経営基盤の強化について、 (2) 広域連携の推進の中に、都道府県の役割として、関係市町村による協議の場を設定するなど、地域の連携の推進役を担うことが重要であるとされています。また、都道府県事業の位置付けの明確化についても記載されております。

 その下の「主な論点と対応案」ですが、都道府県を水道行政の中でどう位置付けるべきか、市町村経営原則をどう扱うべきかについて、前回の御議論も踏まえ、矢印の先です。対応案として、市町村経営原則を維持しつつ、丸数字1都道府県は都道府県内の水道事業の基盤強化に関して、広域連携の推進等一定の役割を担うことが必要ではないか。その中で、既に県営で用水供給事業や水道事業を行っているような都道府県については、単独であったり、又は市町村とともに、一部、事務組合を設置することにより、経営主体となっていることも考えられのではないかと。丸数字2市町村については、一部、事務組合の設置による水道事業の経営や、他の水道事業者との連携による事務の実施を推進していくこととしてはどうかということです。

 続いて、 3 ページです。丸数字2広域連携の推進方策についてです。広域連携を推進するために、都道府県の機能について、どう考えるか。 2 つ目として、地域の実情に応じ、広域連携の推進に効果的な枠組みというものに、どのようなものが考えられるか。 3 つ目として、国は都道府県の取組や水道事業者の取組をどう支援すべきかといったところをまとめ、その対応案として、次のページに、枠組み ( ) を提示しております。前回こちらの枠組みについては箇条書きにより示しておりましたが、前回頂いた御意見を踏まえて整理しました。

 まず、都道府県は広域連携の推進役として、一定の責務があることを追加してはどうか。さらに、広域連携の推進、施設の更新・耐震化等による水道事業の基盤強化を進めるため、都道府県は水道事業者等の広域的な連携を図るための協議会を設けることができるとともに、以下の枠組みを追加してはどうかということです。

 先に協議会の説明をしますので、 5 ページを御覧ください。前回示したものから、変更点を赤字にしております。まず、上から 4 つ目の○です。構成員には、水道の利用者も含めた幅広い関係者を集めるべきではないかとの御意見もありましたので、「地域住民」という言葉を追加しております。

 また、真ん中の※ですが、地方自治法には、事務の一部を共同して実施するための協議会を設置することができるという旨の規定がありますが、そうした協議会と、今回、水道法に位置付けることを検討している協議会との整理をしております。地方自治法の協議会というものは、事業主体として設けられるものであり、設立に当たり、規約を制定するための議会の議決等が必要となりますが、本協議会は、事業主体というものではなく、あくまで「協議の場」として設けられるもので、設立に係る議会の議決等の手続は不要というものです。また、「協議会の構成のイメージ」として、都道府県知事や市町村長等を構成員とする協議会があり、その下に実務的な幹事会を設置するということを追加しております。

4 ページに戻ってください。図になっている所の一番上に、厚生労働大臣の定める「基本方針 ( 仮称 ) 」とあります。その内容ですが、施設の計画的更新・耐震化の促進等に関する基本的事項と、広域連携 ( 事務の協力、事務の共同実施、施設の共同利用、統合等 ) の推進等に関する事項を記載してはどうかというものです。前回、統合については、別に取り出して規定しておりましたが、地域の実情に応じて様々な広域連携の手法が考えられるので、統合を特出ししない構成としております。

 また、その下の箱になりますが、都道府県の定める「水道事業基盤強化計画 ( 仮称 ) 」として、都道府県は基本方針に基づき、関係市町村の同意を得て、この計画を策定できるとしております。内容として 1 つ目と 2 つ目のポツは、基本方針と同様の構成となっており、 3 つ目のポツについて、こちらも前回は統合を検討する事業者としておりましたが、御指摘を踏まえ、「広域連携を行う事業者」としております。ここで市町村の同意について、議会の同意を必要とするのかについては、どのような内容が、この基盤強化計画に書かれるかによって判断が変わってくると考えられますので、法律上すべからく、議会の同意が必要であるといったことは適当ではないと考えております。例えば、広域連携の事務の協力について書かれるということであれば、首長の同意でよいということになろうかと思われますし、逆に当初から統合を念頭にといったようなことであれば、恐らく市町村としては議会の同意を含めて同意を与えることになってくるかと思われます。

 その下の箱ですが、前回の資料では統合を検討するとされた事業者は、統合の計画を策定するといった形で、記聞に近い形の記載をしておりましたが、統合だけではなく、広く広域連携を行う事業者が共同して広域連携推進計画を策定することができる規定にしております。

 また、これらの都道府県による水道事業基盤強化計画は広域連携を行う事業者同士による広域連携推進計画 ( 仮称 ) に基づいて、水道事業者等が施設の耐震化、又は広域連携に係る施設整備・人材派遣等を行った場合、国を基本的に想定してという形ですが、財政支援を行うこととしております。なお、財政支援を具体化するに当たっては、今後、関係省庁との調整が必要ですので、ここでは当初の考え方として記載しております。

 最後、簡単になりますが、 7 ページを御覧ください。水道事業の基盤強化を図るための計画 ( ) と、現行法の広域的水道整備計画の関係を整理しております。簡単に計画の趣旨だけ説明しますが、基盤強化計画は水道の普及率が 98 %となっている現状において、広域連携の推進による水道事業経営の基盤強化といったものと、施設の更新・耐震化という施設の強靭化の 2 本柱であるということです。

 一方、広域的水道整備計画は、高度経済成長期の水道の整備拡張の背景の下、市町村からの水の需要増の要望を受けて、ダムなど箱物の整備を念頭に、水道の広域的な整備を円滑に推進する計画となっております。策定手法も、 2 つの計画において異なっております。記載事項についても、基盤強化計画は、施設整備も含まれますが、より広域連携といったソフト的な手法が多く記載されることを想定しております。一方、広域的水道整備計画は、基本的にはハード面の整備が記載されるものですので、両手法を異なる計画として位置付ける必要があると考えております。

 資料の説明は以上です。

○滝沢委員長 本件については、これまで何度か議論を重ねてきたところですが、本日の資料は前回までに頂いた御意見を、できる限り資料 1-2 のほうに反映させるような形で修正した案を皆様のお手元に配布しております。前半は、この資料 1-2 について皆さんの御意見を頂戴したいと考えております。順不同で結構ですので、お気付きの点があれば御発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。

 資料 1-1 に載せております項目毎に頂いた御意見等を踏まえて修正しておりますので、修正箇所等は 1-2 のほうで御確認いただければと思います。特に赤字で記載した部分に関しては、御意見を頂いた所に対応して修正した箇所が分かりやすくなるように記載しております。

○湯谷委員 何点か、質問も含めて、お聞きしたいのですが、まず 2 ページのところで、主な論点と対応案ということで、これはこれまでの専門委員会等の意見を踏まえて、都道府県が経営ということはないということでいいのかどうかという点です。

 あとは、位置付けということでは、広域連携について、都道府県の役割みたいなものをきちんと法律などで位置付けていただけたらということが 1 つです。

 次に、協議会の関係ですけれども、いろいろなやり方があるということで例が出されておりますが、 1 つの考え方として、民の関与というものが重要なのかなと思っております。最初から固定のメンバーとして業者の方を入れることはなかなか難しいと思いますが、協議会の中で、ある程度、一定の方向性が見えた中で、民側の提案などを受け付けられるような、そのようなことも必要ではないかとちょっと思いました。

 それと、計画の枠組みの所ですが、広域連携の推進については、都道府県の役割は非常に重要だと思っております。ただ、施設の更新・耐震化の促進ということでは、これはあくまでも水道事業者が自らといいますか、まずは考えていただくということであり、都道府県の役割のレベルは少し違うのかなと思っております。その中で、都道府県が更新・耐震化の促進ということで、どこまで書けるのかなというのがイメージしづらいのですが、その辺どのようなイメージを持たれているか、厚生労働省の考えを聞かせていただければと思います。以上です。

○滝沢委員長 以上 4 点、御回答ください。

○倉吉補佐  4 点頂きましたが、まず 1 つ目の都道府県の経営主体としての位置付けということですけれども、今回、いろいろと御議論を頂いたところであり、実際に水道法上に、都道府県を経営主体として明確化するということについては、基本的には法律上ということは差し控えさせていただくことになろうかと思います。都道府県に対して、基本的に経営主体となれるということは、現状と変わらずということですので、既に水道事業を経営いただいている都道府県もございますし、今後広域連携の推進等を進めていただく中で、特に、用水供給事業を経営いただいている場合など、地域の実情に応じて経営主体の一員となっていただくことは大変望ましいことであるというふうに考えております。

2 つ目の御質問ですが、都道府県を広域連携の推進役として位置付けるに当たっては、きちんと法律に書いていただければという御要望かと思いますけれども、我々としても、そういった形で都道府県のほうに広域連携の推進役を担っていただきたいという強い思いを持っておりますので、書き方等については、まだ現在、調整中ではありますが、そういったことをきちんと法律の中に位置付けていきたいと考えております。

3 点目ですが、協議会のやり方でいろいろなことが考えられるということで、官民連携の推進ということの一環にもなろうかと思いますけれども、民の関与というものは協議会の中で、各都道府県の必要に応じて、そういったことを入れていくことも当然考えられることと思っております。

4 点目ですが、 4 ページの「都道府県の定める水道事業基盤強化計画 ( 仮称 ) の中に、内容の 1 つ目のポツの所で「都道府県内の水道事業者等が行う水道施設の計画的な方針及び耐震等の促進等に関する事項」ということかと思います。こちらについても、委員のおっしゃるとおり、基本的には水道事業者がこういったことを一義的に担っていくということになろうかと思います。次回以降の議論になりますが、計画的な更新等に必要な更新の需要というものを水道事業者さんのほうにしていただくことが重要だと考えており、そういったアセットマネジメントの実施について、例えば、一定の実施率というものを目標として設定していただくとか、耐震化の促進等についても我々国としても、平成 34 年に 50 %という目標を定めておりますので、そういったものを記載いただくとか、全国的なレベルよりも低いような、例えば都道府県であるならば全国レベルに持っていけるように何か記載いただくなどのことを考えております。以上です。

○滝沢委員長 いかがでしょうか。よろしいですか。何かほかに御質問はありますか。

○渡部委員 資料 1-1 2 ページになるのですが、今の位置付けの市町村原則という考え方の中で、特に経営的な問題として都道府県経営などという言葉が出ているわけですけれども、この辺について、私の考えとしては、経営は後の話として、地域によっていろいろな経営のやり方や持ち方というものはあると思っております。

 それが 1 つの公益企業団の経営方式で、行政の市町村がそれを担う場合もあると思っています。ですから、言葉的に都道府県営ということを明記することが、少しどうかなという考えがあります。その辺の考えとしては、特に都道府県営をそこに入れなくても、例えば「企業団経営など」というような文言にしていただければと思います。後は地域によっていろいろとやっていく自主性があるので、余り都道府県営という言葉を入れると、非常に何か圧力的な部分もあって、市町村の部分としては少しどうかなというのが 1 点です。

 それから、資料 1-2 のほうで、例えば、 3 ページの都道府県機能の広域連携の推進強化的な枠組みは、どのようなものが考えられるかということですけれども、例えば、県全体で取組を、全地域を網羅していくというやり方も、 1 つは総論的にはいいとは思っておりますが、やはり実現可能な地域といった部分で、例えば、モデル地域指定みたいな形で指定して、例えば国の支援といったものを少し考えていけばいいかなと考えております。

 それから、 4 ページのほうになるのですが、今の都道府県の定める水道事業基盤強化計画と、広域連携を行う事業者の定める広域連携推進計画の関連性ですけれども、上のほうが特に耐震化や広域連携に関する事項、それに合わす事業者の特定ということで、県主体ということになっていて、下のほうは、どちらかというと事業者のほうが主体でやっていくということになっております。これの上の基盤強化計画と推進計画というのは、必ずセットでなければいけないものなのか、その辺の関連性と、少しこことの関連で、例えば今の基盤強化計画との関係を、やはり、具体的にでき上がったときには、きちんと示していくというか、どういう計画が従来の広域的水道整備計画であり、今度の新しい部分についてはどうか、少し逐条解説も含めて、もう少し分かりやすく説明していかないと、事業者や市町村にとっては非常に手間がかかるということになっていくので、そういう部分の整理が必要ではないかと思っております。

 それから、広域的連携の推進計画の中には、広域連携に関する実施方針というところに、上での「計画的な更新や耐震化の促進」というのは入っているかどうか。そういうことも当然、今言った事業体のほうではやっていかないといけないので、その内容の部分について、それを盛り込んだ話なのか、それとも下にも入れたほうが分かりやすいかなと思っています。やはり、事業者が耐震化といったものを主体的にやっているわけなので、それらを広域連携の推進計画の中に入れ込んでいくことは、当然必要ではないかと思っております。その辺を少し教えていただければと思っております。

 それから、 5 ページの協議会の関係ですが、都道府県が主体ということでは、都道府県がやはり関与を強めていただくということは、非常に大事なことだと思っておりますが、やはり市町村と十分に事前協議という形を取りながら進めていただくことを、特に要望させていただきたいということです。

 それから最後に、協議会の構成のイメージということで、構成員の例 1 2 3 ということですが、実は、我々地元のほうで考えますと、やはり首長さんの意思決定という辺りの位置付けがあるわけです。ただ単に、課長さん方の会議を進めるということになると、途中で途切れるというか、言い方は悪いですが、ある面では最終的な意思決定ができないメンバーでやっていけば、なかなか進まないというような実態もあるので、その辺は任意の協議会の持ち方について、最初に趣旨、目的を整理しながら、首長さん方が入るような組織づくりというものが必要ではないかと思っていますので、是非その辺も考慮していただきたいということです。大変長くなって申し訳ありません。以上です。

○滝沢委員長 ありがとうございます。最後のところはコメントだと思いますけれども、市町村とも十分な協議が必要ということと、構成員については前回も同様の御意見を頂戴しまして、 5 ページの「構成員の例 1 」という所に赤字で追加していますけれども、そこに市町村長が入るような仕組みも考えられるということは、一応記載してあります。

 その他の 4 点の質問がありましたけれども、事務局から御回答いただけますでしょうか。都道府県営という、地域によっていろいろな経営形態があるということで、都道府県の経営というのをどのように記載するかという点。県全体での議論ももちろん結構ですけれども、実現可能な範囲で考えることも重要ではないかということ。 4 ページの、県と市の 2 つの企画がありますが、その関連性。それから従来のいろいろな計画、そこら辺の関連性も整理して示してほしいということ。最後に、実施方針の中に耐震化というような具体的な事例も入っているのかというか、これは重要ではないかという御指摘だったと思います。順番に御回答を頂けますでしょうか。

○倉吉補佐  1 点目の都道府県営の出し方への配慮については、御指摘を踏まえて、これから対応をさせていただきたいと思います。

 また、都道府県の定める水道事業基盤強化計画と広域連携を行う水道事業者が基本的には定める広域連携、推進計画がセットの形でなければいけないのかという御指摘につきましては、基本的にはまず、都道府県の策定する基盤強化計画の中に広域連携を行う水道事業者を記載していただき、その事業者の方々が共同して複数で広域連携推進計画を作成していただくことを念頭に記載させていただいております。

 また、既存の計画との整理ですが、広域的水道整備計画というものが現状ありまして、また法律上の位置付けではありませんけれども、都道府県で水道ビジョンも策定をいただいているところです。内容としましては、先ほども若干御説明いたしましたけれども、今回考えております水道事業基盤強化計画というものは、広域的水道整備計画というよりは、現在策定をいただいております、都道府県の水道の将来像を示すという水道ビジョンに、より近い内容となっているかと思います。新しく水道事業基盤強化計画を作っていただくに当たっては、一から全く別のものを策定いただくのは大変な手間や必要になる時間と労力がかかることかと思っておりますので、現在の水道ビジョンを水道事業基盤強化計画という形に発展させていただくようなイメージを考えているところです。広域的水道整備計画や水道ビジョンと今回の水道事業基盤強化計画の関係の整備につきましては、今後今お示ししているものが具体の制度になりました暁には、そうした解説や通知等々できちんと説明をさせていただければと思っております。

 最後の広域連携推進計画の事業者を定めるものですけれども、この内容としまして、広域連携に関する実施方針の中に、耐震化等の話を盛り込むことになるのかどうかというところですが、この内容については、詳しい具体的なところは皆さんの御意見を頂いて検討させていただきたいと思っておりますけれども、基本的な考え方としましては、やはり複数で、広域連携をするという中で作っていただくので、各水道事業者におかれては、それぞれで耐震計画を、これは法律上の位置付けではありませんけれども、作っていただいているようなところがあるかと思います。広域連携に関係した形で計画的な更新とか耐震化等、施設を統廃合するとか、そういう話はあるかと思いますので、広域連携に関係して、そうした内容が入ってくることは当然考えられると思っておりますけれども、あくまで複数で作っていただく広域連携推進計画となりますので、個別の水道事業者のほうで作成される耐震計画の内容が全て入ってくるような形とは、少し異なってくるかと考えております。

○滝沢委員長 最後、御説明にありましたけれども、従来でも各事業体で長期計画等々の作成をお願いしていますけれども、今回、広域連携というところに、より重点をおいたような計画を、作成をお願いしたいという説明だったと思います。それから地域の実情に応じて、県全体よりも、例えば実現可能な範囲で先に取り組むというような御提案もありまして、これについては、資料 1-2 3 ページの○の 2 つ目、「地域の実情に応じ、広域連携の推進に効果的な枠組み」ということを記載していますので、これに関連したコメントだということで、今後も、この点に重視して取り組んでいただきたいと思います。

○吉田委員 日本水道協会の吉田です。ただいまの質疑の中で御説明いただいた部分もありますが、意見を 2 点、お話させていただきます。本日の資料に示された対応案は新しい制度となりますので、関係者の「権限」と「責任」を明らかにしておかないと、これから具体的な取組にブレイクダウンしたときに問題が出かねないので、そうならないよう分かりやすく説明しておく必要があるというのが 1 点目です。

 具体的には、これまでのいろいろな調査等でも明らかなように、既に独自の取組みで広域化を進められている地域もある。それからまだそこまではいかないけれども、検討の段階にある地域もある。もう 1 つは、検討しようと思ったけれども、まだいいというようなことで、実際に具体的な検討にも入っていないなど、いろいろな段階があるというのが今の実情だと思います。こうした中で、広域連携を進めるための「新たな制度」をつくろうということになっているわけです。そのときに、今日の資料の中で、国、都道府県、市町村、水道事業者、国民という多くの関係者がいるわけですが、例えば、関係者それぞれの責任と権限を明らかにしておかないと混乱が生じるということです。例えば、現行法において水道事業管理者や地方の議会の権限とか責任が定められています。それと、今回提案されている新たな計画が持つ権限と責任との関係とか、また、同じ都道府県でもいわゆる認可権限者としての都道府県という立場と、今日の資料の中で協議会を設置する立場の都道府県とは、同じ「都道府県」という表記ですが立場、権限、責任が違うわけで、それぞれが持つ権限と責任の関係はどうなっているか。そういったような、それぞれの利害関係者というか、関係者の持つ権限と責任というのを少し丁寧に整理して、今後説明していくことが必要だと思います。

2 点目については、こうした仕組みで広域化を進めようとしたとき、先ほど言いましたように、いろいろな段階の水道があります。いずれの段階にしてもそれぞれ乗り越えられない課題があるがためになかなか広域連携が進まないということですので、それをプッシュするためには、 1 つにはやはり大きな要素として財政的な支援が必要となります。これは広域連携という新たなステージに立つためには、それも急いでそのステージに立つためには、前回の委員会でもお話しさせていただいたのですが、優先的に支援のための財源を確保すべきものではないかなと考えているところです。以上 2 点、意見をお話させていただきました。

○滝沢委員長 コメントということで、今後の注意事項だと思いますが、事務局から何か御回答はありますか。御意見を受け入れて、留意して進めるということでよろしいですか。

○倉吉補佐 国、都道府県は、それぞれ複雑な権限を持っているかと思われますので、ここで全て説明をするのがなかなか難しいところがございますので、御意見を踏まえて、きちんと整理をさせていただければと思います。

○滝沢委員長 よろしくお願いします。ほかに御意見はいかがでしょう。

○平井委員 神奈川県でございます。まず最初に、今までまとめていただいた資料全般について、広域連携については特に、 1 つに決まった形ということではなく、地域の多様性、実情に応じて考えていただきたいと、これまで何回も申し上げてきましたけれども、そのとおりに大分意見を酌んでいただきましてありがとうございました。

 そんな中で、私が発言してきた内容は今までの資料に反映されているかと思っているのですが、今までの各委員の先生方のお話も伺って感じたところを、何点か言わせていただきます。まず、 1 つが水道の経営主体についてです。原則があくまでも市町村のところからスタートしておりますけれども、たまたま私ども神奈川県は水道の末端給水の事業を行っている数少ない県でありまして、選択肢の 1 つとして、そうした地域の実情もあり得るということを書いていただくことは、我々としては有り難いと思っております。ですから、こうでなくてはいけないということはもちろんないのですが、都道府県も経営主体になることができるというのは、書いていただいても我々としては一向に差し支えないのかなと思っております。

2 点目が協議会についてです。この協議会は都道府県がイニシアティブをとって設置をしていくことになろうかと思いますけれども、そんな中でやはり任意でやるよりも、法に根拠があって、それに基づいて協議会ができるという仕組みは非常に求心力が高まるのではないかなと思っていますので、それは大変いいことではないかと思っています。その中で、先ほど渡部委員から御意見もありましたけれども、私も同じような感想を持ちまして、この協議会は実際にどのような形、どのようなレベルの構成員で構成されるものなのだろうかと思ったときに、地方の我々自治体が一般的に事を進めていくには、最終的に大きな決定をするときには首長レベルが行います。ただ、そこに至るまでの間は実務レベルから始めていくというやり方が多くなっています。 1 つに決まった形で、例えば構成員は首長でないと駄目というようにしてしまいますと、そこまで話を持っていくのが実は一番大変なところでありまして、そこを入口にされてしまうと、それは困るのかなと思っています。ですから、担当を課長レベルというところにして、入り口は入りやすくしていただいて、それがどんどんグレードアップしていき、最終的には意思決定権を持つそれぞれの自治体の首長が出てこられるような形。あるいは、協議会の会議の構えも二層三層になっていて、最終的には首長の権限で決定することができるように、協議会のあり様も法に基づくものとして、幾つかのパターンを容認していただけるような仕組みにしていただけると有り難いなと思っております。

3 点目、ただいま吉田委員からの御発言がありましたが、正に私ども神奈川県の問題としてもそうですが、首長としての神奈川県知事と、水道事業の経営を任されている神奈川県の企業庁長というものがおります。その権限については、基本的に予算とか議会に対する議案の提出といったものを知事、行政の長に全部権限があるわけですけれども、経営責任全般については基本的に企業庁長の権限になっていまして、実はそこのところは、神奈川県ということで、外から見ると看板は 1 枚ですけれども、中では事業者と行政という二面性を持つという、これは偽らざる実態です。そこのところを法に書くということかどうかは、ちょっと私には直ぐには分かりませんけれども、実態として特に県レベルで、間違いなく企業庁長、あるいは水道事業の管理者を置いているわけですので、誰がどういう権限を持っていてということを意識して仕組みを作っていっていただきたいと、このように考えております。

○滝沢委員長 質問というよりは、御意見、御要望だったと思いますけれども、事務局から何か御回答はありますか。

○倉吉補佐 頂いた御指摘を踏まえて対応させていただきたいと思います。

○滝沢委員長 特に、権限の問題、先ほど吉田委員からも御指摘がありましたけれども、その点と、それから協議会について、今はイメージ案と書かれているのですが、これは最終的にどのように、イメージ案のままでいくのか、もう少し絞り込みをするのか、これから少し御検討が必要なのかなと、お聞きして感じた次第です。経営主体に関しては、県が経営する形態もあり得るというような記載にしていただけると有り難いという御意見だったと思いますので、御検討ください。ほかにどうぞ。

○永井委員 まず、 4 ページです。広域連携を踏まえ事業者の定める推進計画に関してですが、言葉として、共同して広域連携推進計画を策定することができるという表現になっているのですが、実はもう今の水道法でさえ、それぞれの事業者において、将来の推進計画、整備計画を策定しなければならないというような法律体系になっていると思うのです。ところが、結果としてこのような事情になっているということからすれば、広域化というところの、例えば集まるとするならば、「できる」というより、「策定しなければならない」ぐらいに、ちょっと表現を強くしなければ、また同じような結果を招くのではなかろうかというのが 1 つです。

 それから 5 ページ目の、協議会の構成のイメージです。構成員の例 1 2 3 とそれぞれありました。私もこの間いろいろな場面を見ているのですが、特に今の発言にもありましたけれども、やっぱり入口でも最後でも、とにかく市町村長の理解がないから、これまでの新水道ビジョンの策定であっても、水道事業基盤強化方策検討会の議論にあっても、このような議論をしなければならないということです。ですから、水道事業者にいろいろ求めても結果として、その市町村長の最高権限者の理解がなかったら進まないということがはっきりしているのです。ですから私はこれをどのようにして市町村長を入れるのかということを何か考えなかったら、代理でも駄目だし、やはり自治体のトップをこのような場に入れておかなければ駄目だということだけ申し上げておきたいと思います。

○滝沢委員長 「できる規定」から、「する」あるいは「なければいけない」という形にしてはどうかという御意見と、市町村長の理解が何よりも重要、これは重ねて多くの委員から御意見が出ているところです。一番目についてはいかがでしょうか。

○倉吉補佐 頂きました事業者の定める広域連携推進計画を、できる規定ということで記載させていただいておりますけれども、こちらを義務付けしてはどうかという御意見ですけれども、なかなか広域連携と一言で申しましても、例えば事務の協力といったレベルでまずは始めていきましょうというような形をしたいときに、例えば必ずその事務の協力をするだけであるのに、広域連携推進計画を作らなければならないというようなことになってしまうと、逆にその計画を作るというハードルが高くなってしまって、事務の協力というところが始められないというようなことも考えられるのではないかと、我々としてはちょっと懸念しているところがありまして、広域連携推進計画というのを法律上位置付けていくことをもちまして、規定自体はできるということですが、事業者の皆様方にとりましては、こういった計画はやはり作ることが、望ましいというようなことを出していくことができるかと考えておりますので、こちらについては、できる規定ということを我々としては考えているところです。

 先ほどの協議会のことについても補足させていただければと思います。平井委員からもお話がありまして、協議会のイメージとして、 5 ページに記載しておりますが、都道府県の皆様方として、最初にステップとしてどこから始めるべきなのかは、それぞれの都道府県の地域の実情があるかと思っております。そうしたことから、なかなか構成員というものを法律上きちんと、こういう方が構成員でなければならないとか、首長が入らなければならないというような形を取るということではなくて、永井委員のおっしゃっていただいたとおり、恐らく市町村長とか首長の関与がなければなかなか広域連携については動いていかないのが実情であると思いますけれども、その協議会の初めの形としてどういったものがいいかは、それぞれの都道府県の実情に応じて判断をしていただけるような規定とさせていただいております。こちらに構成員のイメージ 1 2 3 と書いていますけれども、必ずしもこの 1 2 3 に当てはまらなければいけないというわけでもないですし、こちらを参考に、それぞれの都道府県の実情に応じて、それぞれに合った形の協議会が設置できるような、あくまでも枠組みを法律に設けることができればと思っているところです。

○久保補佐 今お話にあった、特に前半の、計画策定を義務にしてはどうかという点について、大事なのは今回の資料の 2 ページの下の「都道府県は広域連携の推進等に一定の役割を担うことが必要」という、こういう総論的な部分が今回は大事だろうと思っています。今までも吉田委員とか、平井委員からも、各関係主体の権限あるいは責任といったものをきちんと明確化すべきという御意見を頂いていますが、最終的には仮に制度改正するとすれば、責務みたいな規定の中できちんと位置付けていくのだろうと思います。ただ、現時点ではアセスマネジメントとか、料金とか、まだ議題は残っていますので、その辺の考え方も整理した上で、最終的に都道府県というのはどうあるべきなのか、事業体はどうあるべきなのかを考えて、本当に都道府県は何をすべきだということをきちんと書き込んでいくのだろうと思います。その上で、計画を作ること自体については、これは手段みたいなものですので、計画を作れという形で義務付けるのはいかがなものか。つまり計画策定以外の手法を取って、それによって県内の水道事業体の基盤強化を図っていくようなやり方もあるだろうということで、ここはあえて計画という形にこだわって、それを義務付けするようなことはしないというような形で我々としては考えるところです。補足になりますが、御説明させていただきました。

○滝沢委員長 関連していますか、どうぞ。

○浅見委員 今の話に若干関連しまして、基盤強化の計画ということでは、できる規定でもしょうがないかもしれないのですが、都道府県が認可権者としての県の役割というのがあって、この委員会の前の段階で、現行の水道法が縮小時代に関して、施設の効率化や耐震化を必要なところを進めるのに、なかなか対応しきれていないのではないかという御指摘がありましたけれども、それと関連しますと、過剰な区域をまだ設定してしまっているところとか、もっと隣と連携すればもっと効率的に運営できるところがあるだろうというのを都道府県が認可権者として、もっと積極的にこうやってやったほうがいいのではないかというような勧告ができる権限は、実際はあるのではないかと思うのです。本来であればあるはずだけれども、今の水道法ではどちらかというと拡張で、認可を主体としていたもので、縮小していくときのスキームがなかなか入っていないというところがありますので、その都道府県がもう少し踏み込んで、どのように効率化していけばいいかを提案できるような仕組みを考えていただけると有り難いと思います。

 若干関連して、この 4 ページの一番下の所に「水道事業者等が施設の耐震化又は広域連携に係る施設整備等を行った場合、財政支援」とありますけれども、ここで統合とか、経営の更なる効率化を行ったときにも支援をできるような仕組みを是非取り入れていただけると有り難いと思います。

○滝沢委員長 よろしいですか。関連した御意見があればお聞きしたいと思います。御指摘の点は非常にごもっともで、そうした御意見を法律の中に具体的に記載するのが適当な部分と、それからそれを実際に実施していく中で、例えば協議会のメンバーをどうするのかというような御質問があったときに、このようなメンバーでやってはいかがでしょうかとか、あるいは提案をするような形で、あるいは場合によっては指導ということもあるのかもしれませんけれども、そのような形で好ましい方向にできるだけ進められるような取組み方も重要ではないかと思いますので、また少しその辺を整理していただければと思います。

○岡部委員 前回の委員会でも申し上げましたけれども、今後の水道事業を考えるときに、やはり、ある一定以上の規模が必要だと考えています。私としても、産業会としても今後の水道事業がしっかり経営をして、健全に事業を継続していただきたいと思っているのですが、実際は給水人口が 5 万、 10 万人以下とか、そうした所では技術職員も数人しかおりませんし、この幅広い水道技術を継続していくのは非常に困難だと考えています。水道事業体のうち、やはり給水人口 10 万人以上というのは 2 割程度で、約 8 割の事業体が 10 万以下ですので、将来を考えたときに、技術的又は経営的にも自助努力だけで継続できるある一定以上の規模になっているとは言えないのではないかと考えています。そうした中で、市町村原則とか、法的に、第一優先権というのが与えられているわけですけれども、今議論をしている広域化とか、民間活用といったものを考える中で、基盤強化検討会でも実態にそぐわないのではないかということで、議論されていると思うのですが、やはり市町村経営の原則そのものは悪くはないと思うのですが、何らかの修正というか、幅を広げる修正が必要だと考えます。

 ただ、今現在、水道事業を担っておられる市町村の水道というものを直ちに変えるとかいう話ではなくて、将来これからの議論の中で広域化の議論とか、今後、今議論されている協議会などが設置される中で、そもそも法律的には市町村経営の原則だということで、参加されない事業体がいたりとか、どちらかというと原則論で形式的な議論になってしまうとか、そういったことを避ける必要はあると思いますし、これから持続するために、広域化は必要だと思いますので、実際素直なというか、本質的な議論ができるような形の法律というか、規定にしていく必要があるのかなと思います。

 またこれも前回申し上げましたけれども、将来、水道事業が健全な経営をするために、独立採算ということであれば、事業という概念、民間で言うと、技術であったり施設であったり経営で、よく言われますような人、物、金ですね。そういった観点から考えたときに、ある一定以上の規模の事業規模というか、そういう議論も必要ではないかと思います。市町村がいいかとか都道府県がいいかという議論ではなくて、継続するための、ある一定以上の規模の水道というのはどのぐらいのものだとか、それを目指していくことが必要だというのが結構重要だと考えています。資料 1-2 2 ページの下段に「市町村経営原則を維持しつつ」とありますが、これについても市町村経営の原則というのはもちろんいいと思っていますけれども、都道府県の役割とか一部事務組合の話とかを考えるときに、どちらかというと、ここも例えば、ある一定以上の規模を目指しつつ都道府県がこういう役割を果していくとか、そういう事業や一部組合の設置を考えていくとか、そういう方向性が大事なのではないかと考えています。

 あと、計画策定について、 3 ページの市町村からの要請とか、先ほどからの 4 ページの、関係市町村の同意という言葉が出てきて、これは前回の委員会の皆さんの御意見でこのようになったと理解していますけれども、実際に 4 ページの上に、「協議会を設けることができる」とあるのですが、協議会の設置に関しては特に要請や同意は必要ないと考えてよろしいのかという質問が 1 つあります。私の考えとしましては、最終的に広域化というのは、もちろん関係市町村と、それ以外の関係者全ての理解、同意がなくしては進まないと思っていますので、策定した計画そのものに対する同意は必要不可欠だと思っているのですが、協議会の設置について、余り法的な規制とか、入口が入りにくい形にするのは好ましいものではないのかと考えています。

 あと 5 ページの協議会の形態ですけれども、今、都道府県の実態としましては、まだ水道のことを分かっておられるとは思うのですが、なかなかなイニシアティブというようなところでは難しいところもあるように聞いていますので、リーダーシップを発揮する意味でも、国なども例えばアドバイザーとか、そういう形で入るような積極的な参加をしていただいたほうが進むと考えています。

7 ページの、ちょっと私の理解不足かもしれませんけれども、策定手法の所です。広域的水道整備計画では、「市町村からの要請」とか、水道事業の基盤強化を図るための計画では、「関係市町村からの同意」とあるのですが、関係市町村というのは、関係水道事業者ということなのか、関係市町村、行政のことなのかというのを教えていただければと思います。

 それから、水道事業の基盤強化を図るための計画の中に、先ほどから出ています耐震化とか、広域連携計画が主な記載事項としてありますが、経営というのが、これからの一番の問題かと考えています。その経営に対するコミットというか、そのようなものについては、あえて書かれていないような感じもするのですが、広域が優先するということで書かれていないのか、もしも分かれば、その辺りを教えていただければと思います。

○滝沢委員長 たくさんの御意見を頂きましたが、前半の部分は一定以上の規模を目指すべきという御意見だと思います。後半の部分で幾つか御質問いただきましたが、先に御質問の部分から回答いただければと思います。協議会の設置に関しては、市町村の同意が必要か不要かという点です。それから、国がアドバイザーを派遣しては、というのは御意見かもしれません。 7 ページの関係市町村は、市町村の行政か事業者かという御質問、最後に経営に対するコミットについてはどのようにお考えかという御質問だったと思います。この辺について、先に回答いただけますか。

○倉吉補佐 まず、 1 つ目の協議会を設置するに当たって市町村の同意が必要かという点です。水道事業基盤強化計画のように、それが市町村の合意を得て協議会を設置するという形にはならないかと思っております。けれども、市町村の水道事業者の方が協議会の構成員として入ってこられるということにはなりますので、もしこちらの協議会の趣旨に賛同できないということであれば、恐らく構成員にならないということは考えられるのではないかと思っております。ただ、設置するに当たっての要件として、同意を定めるということは特段考えておりません。

2 点目です。 7 ページの所と 4 ページの推進計画の水道事業基盤強化計画の所にも書いておりますが、関係市町村の同意の趣旨です。水道事業者というよりは首長を含めた市町村、行政の体系での同意を得てということを考えております。

3 点目は質問をもう一度お伺いしてもよろしいでしょうか。

○滝沢委員長 経営に対するコミットについて、特に記載がないようですが、こういうことは書かなくてもよろしいのでしょうか。水道基盤強化のための計画の中で、もちろん、ハード的や物理的な枠組みはあるのですが、例えば、経営改善の要素とか、持続できるから広域化するという要素が必要ではないのかと感じたのです。少し意味が違うのですか。

○倉吉補佐 経営という言葉に着目しているわけではありませんが、水道施設の計画的な更新をしっかりと行っていくためには財源、財政の裏付けが必要になってくるかと思いますし、そういう意味では、経営に対するところもきちんとやってくださいということにはなるかと思います。

 広域連携の推進も今でも目指すべき姿は、効率的な経営、事業主体としての効率化ですので、形としては施設の強靱化という点と広域連携という 2 点をメインとして、ただ、経営に対するコミットも、そういう 2 つの観点からにじみ出てくるようなことかと思っております。

○滝沢委員長 最初に御意見を頂いたのですが望ましい規模、事業体ないしは広域連携の規模については、何か明らかに明示されているところがあったほうがいいのではないかという御意見だったと思うのですが、それについてはいかがでしょうか。

○倉吉補佐 こうした望ましい規模をどのようにするのか、数値で表わせるのかということについては、恐らくこの場の方でもいろいろな御意見を持っている方がいらっしゃるのではないかと思います。地域の実情に応じて規模でスパッと切れるのかということはあるかと思います。ただ、我々としても経営的な指標を統計的なデータとして出していくことはできるかと思いますので、そういう指標を見つつ規模を示すことができるのかどうかということを今後、検討していくということかと思います。

○滝沢委員長 そういう指標を検討していただき、その中でやはりこれぐらいの規模にしたほうが全体的に好ましくなるのではないかという計算が、結果的にいろいろな所で検討した結果として出てくる。決まった規模の数値を書いてしまうと、そうでない所とかいろいろな所も出てくる可能性がありますので、そこら辺は御意見を踏まえて、適切な指標等をこれから御検討いただければと思います。よろしいですか。

○岡部委員 私も別に具体的な数字を示してほしいというわけではなくて、特に中小の小さい所が問題という中で、小さい所が取りこぼされないなどという意味で、将来の水道、もしかしたら 50 年、 100 年かかるのかもしれませんが、その中で日本の水道がある一定以上の規模になっている、持続可能な規模になっているということを目指しましょうということが分かる形になっていればいいのかなと、具体的な数字を言っているわけではありません。

○滝沢委員長 よろしいですか。

○望月委員 日本経済研究所の望月です。私も基本的に皆様の御意見に非常に同意するところが多いです。 1 点、今、岡部委員からも御質問がありましたが、経営面での考え方は今回、 7 ページのそれぞれの計画の中の「主な記載事項」の中にも余り強く出ていないということは少し気になっているところです。

 今回、計画を立てていく中で、広域化するしないにかかわらず、耐震化、老朽化している施設の更新をしていくために非常に多大な費用が掛かる話の中で、当然、経営に影響を与える部分、財政に非常に大きな影響を与える部分、そして多分、最終的には料金に跳ね返ってということだと思います。

 耐震化は重要ですよと、例えば、この 10 年間でこれだけ耐震化を進めます、これだけお金がかかりますということをそっくりそのまま料金に反映させるのかというと、恐らくそんなことはできないと思うのです。そこで、広域化を進めてもっと効率的にやりましょうという話につながるかと思います。計画の中で経営面というか、財政に与える影響、最終的に料金がどう影響を受けるのかというところについても、やはり何らか計画の中に織り込むべきではないかと思います。

 そこを各水道事業体に任せる、あるいは広域連携を進めていく都道府県に任せるという形になってしまうと、どうしてもそこは後々に回されて、実際工事をするときになって初めて幾ら掛かるのか、そういう話になってから料金がそんなに上がると困ると、では、工事しませんかという話になって、せっかく作った計画が無駄になってしまうと。そのようなことを避けるためにも、やはり計画を策定する中で経営面での、あるいは財政に与える影響の検討も、併せてしていくべきではないかと思っております。

 そうなってくると、広域連携だと個々の市町村だけの話ではなくて、それを全体的にどのように見るのか、ある自治体は料金が上がるけれどある自治体は料金が下がります。結構いろいろな議論が巻き起こってくるかと思います。やはり都道府県のイニシアティブを始め、国のリーダーシップが非常に求められるところかと思っております。

 そういう意味では、今回、案として出ている水道事業基盤強化計画や広域連携推進計画を作っていこうという中で、例えば国としてモデル事業的なものをピックアップして、諸々ある意味ベーシックな進め方、例えば先ほどの協議会もあると思いますし、段階的に協議会を進めていくという形でのモデルを示すとか、あるいは協議会のメンバーの有識者に国の方が入ったらいいのではないかというお話もありましたし、別に有識者の中に、例えば、スタート時点の段階では民間企業からも詳しい方を入れて議論を進めるということもあっていいと思います。そういうところを具体的なモデル事業として示して、さらにそれを最初にやるということは大変なことだと思いますので、そこに対して財政支援をしていくこともあり得るのかと思っております。

 最後に 1 点、疑問点というか質問というか、 4 ページに広域連携推進計画を、自主的に広域連携を推進しようとする事業者が共同して計画を策定することができるとなっております。例えば、ここに入ろうとしている広域連携をしましょうという事業体が、最初に 10 ありますと、ただ、いろいろ議論していくと我々は広域連携に乗れないとか、あるいは途中から入りたいという事業体も出てくるのではないかと思います。そういう意味で計画を定めたとき、あるいは議論をスタートしたときと定めるときの事業体が、最初から最後まで一緒でなければいけないのかとか、途中で入れ替わり立ち替わりというか、出入りができるのかどうかというところはどうなるのかということが疑問としてありました。以上 2 点です。

○滝沢委員長 ありがとうございます。財務計画については重要な要素なので、是非、どこかで盛り込んでいただきたいという話と、最後は御質問ですが、計画の柔軟性については、どのようにお考えでしょうか。

○倉吉補佐 財政的な財務計画という 1 点目については、今、総務省さんにおかれまして、各水道事業者に将来を見据えた経営戦略の策定をお願いするということをされております。この経営戦略の内容が水道事業基盤強化計画や広域連携推進計画と齟齬がないように整合の取れたものとして策定されていくということにはなってくるのかと思っております。

2 点目は広域連携を行う水道事業者の出入りが可能かという御質問であったと思います。広域連携というと、かなり広い枠組みとして捉えられるかと思いますので、恐らく都道府県の中での水道事業基盤強化計画の中では、より大きめの枠として広域連携を行う事業者が入ってくるのかと思っております。

 広域連携を行う事業者は、水道事業基盤強化計画に具体的に A B 市という形で書かれることになるかと思いますので、新たにどこかが追加されるということになれば、都道府県の計画を改定等していただくということは必要になってくるかと考えております。以上です。

○滝沢委員長 広域連携について多くの御意見を頂いておりますが、実は本日もう 1 件議題を予定しており少し時間を超過しております。まだ、この広域連携に関して御発言していただいていない委員がもしいらっしゃいましたら、まとめて御意見だけいただいて次の議題に移ります。順番に浦上委員からどうぞ。

○浦上委員 非常にたくさんの御意見が出て、私も非常に同意するところがありました。特に幾つかということで、私は経済学の立場に立っておりますので、やはり規模の経済性を信じている研究者です。岡部委員からありましたように一定規模を、先ほど 8 割が 10 万人以下というところで、確かに平均の費用や料金、給水原価で見ると、 10 万人ぐらいで平均的には一番安いと見えてしまうのですが、本当にばらつきが大きくて、水源に恵まれている所は安くできますが、そうでない所は非常に経営状態がとても悪い所があります。

 ですから、小さな所が何とか今回の広域連携等にきちんと乗っかってこられるような制度設計をお考えいただきたいと思います。経営主体について言えば、今回、市町村主義を追認する方向になっておりますが、市町村主義であることを再確認したというメッセージではなくて都道府県営や企業団営というもので将来的には広域的に連携をし得ると、そういう経営主体が将来的に取り得るのだということもメッセージとしてお伝えいただきたいと考えております。

 また、協議会の設置に関しても、先ほど法に根拠をというお話がありました。小さな事業者は職員数も非常に少ないですし、何か議論しなさいと言っても日々の業務に追われて、そこまで思いが至らないというところもあるかと思います。実際に日本水道協会で出しておられる業務指標も全国で 140 とか 150 ぐらいしか全部のデータを出しておられないということもあります。アセットマネジメントもほとんど小さな所では実施すらできていないという所もあります。

 それは経済的なデータではなくて定性的なデータになろうかと思いますので、やはり定性的な情報もしっかり国で精査して情報公開いただいて、該当される将来の経営に不安を抱えるであろう小規模な事業者が積極的に協議会に参加いただけるという仕組みを是非お考えいただきたいと考えております。以上です。

○滝沢委員長 ありがとうございます。まだ御発言いただいていない委員がいらっしゃいましたら、もし広域化に関して御意見があればお受けしたいと思います。特にございませんか。多くの意見を頂き、ありがとうございます。お聞きしていて、皆さんは大体、大筋では御了解されているのかと思います。ただ、細部については、大体、議論が煮詰まってきたので、最後にしっかりとここは反映していただきたいという御意見が本日出たのではないかとお聞きいたしました。本日の意見も踏まえて取りまとめに向けて事務局で整理をお願いします。

 それでは、議事の 2 つ目は、指定給水装置工事事業者制度について、資料 2-1 2-2 を使って説明をお願いします。

○長平補佐 それでは、資料 2-1 2-2 について説明いたします、資料 2-1 は指定給水装置工事事業者制度に係る主な論点及び意見です。こちらについては、第 1 回の当委員会で御意見を頂いたものを事務局でまとめたものです。主な論点としては、上の 5 点が上げられております。更新時に確認可能な事項、指定の有効期間、情報提供の在り方と更新時確認事項の活用、研修・講習会の内容、受講しやすい環境の整備、水道事業所における指定の取消し等の処分基準の整備に係る支援が主な論点として上がっております。

 主な意見としては、 3 点上がっております。 1 つ目は、更新制は必要。 LP ガスの販売について、公正取引委員会と連携した上で、事業者指針を作るべきではないか。 2 点目は、配管技能者の配置促進、技能者の養成、新任技術者の講習会の受講については、実効性を担保する方策を検討すべきではないか。 3 点目は、技能者の利便性向上の観点から、事業者選定のポイントや契約ごとに確認すべき情報、トラブル発生時の対処等に関して、情報提供を充実させることが必要ではないかという御意見を頂いております。資料 2-1 は以上です。

 資料 2-2 は指定給水装置工事事業者制度についてです。まず、給水装置や制度の基本事項について説明いたします。参考と書かれている 8 ページです。給水装置の概念図ということでイメージ図を書いております。給水装置とは、水道事業者が所有する配水管から分岐して各家屋へ給水するための給水管や蛇口等の給水用具の総称です。このため、水道を使用する建物には必ず存在するものです。水道システムの中では末端になりますので、水道事業者と利用者との接点と言えると思います。この給水装置は個人の財産であり、その工事については水道事業者が指定する指定給水装置工事事業者が施行することになっております。

 指定給水装置事業者制度について、過去の法改正の経緯も含めて説明いたします。 2 ページです。制度の平成 8 年の法改正の経緯について記載しております。平成 8 年度以前については、各水道事業者が独自の指定要件で給水装置工事を施行する工事事業者をそれぞれ指定しておりました。指定の要件としては、独自の資格試験、講習会の実施や給水区域内に事務所を有することがありました。

 このような状況下において、工事事業者の新規参入を促進する等、規定緩和推進の要請を受けて平成 8 年に水道法を改正し、全国統一化、明確化された指定要件の下で各水道事業者が給水装置工事を施工する者を指定する現行の制度が創設され、現在に至っているものです。水道法に定める指定の要件は、 3 項目あります。 1 点目は国家資格者である給水装置工事主任技術者の選任、 2 点目は工具の保有、 3 点目は欠格条項に該当しないです。

3 ページです。指定給水装置工事事業者制度に関する法令等についてまとめております。まず、一番上段です。水道法第 16 条において給水装置の構造及び材質として、水道事業者は、当該水道によって水の供給を受ける者の給水装置の構造及び材質が政令で定める基準に適合していないときは、供給規定の定めるところにより、その者の給水契約の申込みを拒み、又はその者が給水装置をその基準に適合させるまでの間、その者に対する給水を停止することができるとされております。

 これを受けて同条の 2 の給水装置工事です。水道事業者は給水装置工事を適正に施行することができると認められる者の指定をすることができるとされており、指定したときは、水の供給を受ける者の給水装置が、水道事業者は指定を受けた者の施工した給水装置工事に係るものであることを供給条件とすることができるとされております。このことを受けて各水道事業者は、条令において、給水装置工事は指定給水装置工事事業者が行う旨を規定しております。また、条例では給水装置の新設等をする場合については、あらかじめ申し込むことも定められております。

 指定の基準については、先ほど 2 ページで説明したとおり 3 つの要件が法令の第 25 条の 3 に定められており、その要件の 1 つである給水装置工事主任技術者は、給水装置工事に関する技術上の管理等の職務を担うことが、右下に書いてありますが、法の第 25 条の 4 に定められております。

 中段に、指定給水装置工事事業者の義務と枠で囲っている部分がありますが、変更の届出等と事業の基準が定められており、事業の廃止や休止、再開したときには届出が必要なこと、事業の運営基準としては配水管からメーターまでの工事に適切に作業を行うことができる技能を有する者を従事させること、及び主任技術者等への研修の機会を確保するよう努めるということが定められております。また併せて、指定の取消しについても定められており、指定の基準に適合しなくなったときや、届出の義務違反があった場合については、指定を取り消すことができるとされております。

4 ページです。本日、御議論いただきたい論点等をまとめたものです。平成 27 年度に行われた検討会では基本的な方向性として指定給水装置工事事業者の指定に一定の有効期間を設けて、一定期間で更新しなければ失効すべきという方向性を出されております。また、更新時には水道法に規定する指定の基準について確認することとし、更新の申請に併せて、配管技能者の従事状況、主任技術者等の研修機会の確保状況等や事業の運営の基準に規定される事項を確認するとともに、配管技能者の資格、指定工事事業者の講習会受講状況や修繕対応の可否等について確認することも考えられるということにされております。

 現状としては中段に書いております。平成 8 年度に水道法を改正し、法に基づく全国一律の指定基準による現行制度が創設されました。このことにより、平成 9 年の指定工事事業者数の状況では 2 5,000 者だったのですが、平成 25 年には 22 8,000 者となっており、約 9 倍にまで増加しております。また、現行の制度では新規の指定のみが定められており、廃止、休止の状況等が反映されにくく、水道事業者は指定工事事業者の実態把握や指導等が困難な状況であり、トラブルも発生しております。

 アンケート結果によりますが、所在不明の指定工事事業者の数は、分かっている範囲で約 3,000 者、違反行為件数は 1,740 / ( このうち無届工事は 839 ) 、苦情件数は 4,864 件となっております。こういうことから指定工事事業者として給水装置工事を適正に行うための資質が継続して保持され、かつ、実態との乖離を防止する仕組みづくりが必要ということを考えております。

 主な論点としては、指定に一定の有効期間を設けるべきではないか、水道事業者が指定工事事業者の実態を把握する上で必要と思われる事項について、事業運営の基準に関するものとしては、技能を有する者の従事、及び主任技術者等への研修機会の確保等。通知、その他によるものとしては、指定工事事業者の講習会の受講状況や技能を有する者の資格、及び修繕対応の可否等について、更新時に併せて確認することが可能ではないかということが上げられております。

5 ページです。先ほどの論点の対応案について書いております。指定への有効期間については、指定に有効期間を設け、更新制とすることとし、更新時に指定の基準である主任技術者の選任や工具類の保有状況、欠格条項に該当していないかどうかについて確認してはどうかと考えております。指定の有効期間については、実態との乖離防止や指定工事事業者・水道事業者に与える負担の程度を考慮して、 5 年としてはどうかと考えております。

 また、法定事項ではありませんが、水道事業者が更新時に併せて確認することが可能と思われる事項として、 3 点ほど記載しております。 1 点目は、指定工事事業者の講習会への参加実績、また、主任技術者等への研修機会の確保の状況。 2 点目としては、施行した給水装置工事に従事した技能を有する者の資格等、確認項目としては氏名、資格、雇用関係、工事件数があるかと考えております。 3 点目としては、指定工事事業者の業務内容になりますが、休業日や対応可能時間、修繕対応の可否等です。

6 ページです。検討会では更新制のほかにも指定工事事業者に関する課題と解決に向けた基本的な方向性が示されております。まず、水道利用者への情報提供の充実については、指定の更新時に把握した情報や修繕時のトラブル防止、悪質商法に関する情報等を水道利用者に提供する。次に指定工事事業者への講習会の実施や主任技術者への講習会の受講の促進として、指定工事事業者への講習会のさらなる実施率の向上と内容の充実。更新時に受講実績を確認し、併せて必要に応じた指導をすることも考えております。また、過度な負担とならない講習会についても検討するということも出されております。

 処分環境の整備としては、処分基準の整備に関する国からの再周知、適正な処分を行える環境整備の検討、無届工事に対する方策の検討です。各項目の現状としては中段に書いております。情報提供については、 9 割の水道事業者が指定工事事業者に関する何らかの情報提供を実施しているところですが、修繕対応の可否等の詳細な情報を提供している水道事業者は、 4.4 %のみということになっております。

 講習会の実施受講状況についてです。指定工事事業者への講習会を実施している水道事業者の割合は 45.5 %となっており、参加率についても 42.1 %にとどまっております。また特に、複数の水道事業者から指定を受けている工事事業者は、指定した全ての水道事業者の講習会を実施することへの負担が大きいのではないかという意見もありました。主任技術者の研修会については、現在のところ定期的に開催されておりません。 3 点目ですが指定工事事業者に対する処分としては、約 35 %の水道事業者において処分基準が整備されておらず、指定工事業者による違反のうち約 47 %が無届工事です。

7 ページです。主な論点と対応案です。まず、水道利用者への情報提供の在り方と更新事項の活用としては、更新時に把握した情報、いわゆる修繕対応の可否や、対応可能時間等の情報を活用してはどうかということを考えております。水道事業者は、ホームページ等ウェブサイトはやっておりますが、リーフレット等で情報提供を行ってはどうか、消費者生活センターと連携した情報発信の方策は考えられないのかということです。

 研修、講習会の内容です。受講しやすい環境の整備です。まず、指定工事事業者に対する講習会については、水道事業者の連携による広域的な開催を促進して、その活用により複数の指定を受けている工事事業者の講習会参加の負担を緩和してはどうか。もう 1 つは、主任技術者に対する講習会です。給水工事技術振興財団では、 e ラーニング等を実施しておりますが、この一層の活用が図られるような普及拡大の促進をしてはどうかということを考えております。

3 点目ですが、水道事業者における指定の取消し等の処分基準の整備に係る支援です。国は、水道事業者における処分基準の整備について再周知を行うこと。また、処分の実施が促進されるように日本水道協会で公表している処分基準事例に加えて、処分事務に関する解説や実際の事例、様式例等を示してはどうか。また、無届工事を施行した指定工事事業者についても、指導の強化に加えて処分基準を勘案した上で適正な処分の実施を記載しております。事務局からの説明は以上です。

○滝沢委員長 御説明ありがとうございます。それでは、ただいま御説明いただきました事務局案について、御意見をいただきたいと思います。具体的な論点の対応案につきましては 5 ページ目と 7 ページ目にございます。何々してはどうかという形で書かれていますが、これが事務局の具体的な案ということになります。では、順番にどうぞ、渡辺委員。

○渡辺委員 全管連の渡辺でございます。ただいま指定給水装置工事事業者制度の課題と対応案をお示しいただきました。ほぼ私どもも同調するものなのですけれども、あえて 3 点ほど私どものほうから申し上げたいと思います。

1 つは、指定店の更新制度創設については当然、更新制度は必要だということは言うまでもないと思いますけれども、更新期間は下水道の例に倣いお示しされておりますが、 5 年間程度が適当と思われます。また、更新申請の際の申請書の様式が各事業体でばらばらにならないように統一してほしいものだと考えております。また、検討会報告書では、更新申請時に主任技術者さんの研修受講状況、配管技能者の配置状況等も確認するとされており、申請書様式に、これらもきちんと明記してほしいと考えておったところでございます。

 もう 1 点は、給水装置工事主任技術者の再講習、研修についてであります。管工事業界として主任技術者の再講習義務化については当然、賛成するものですし、良質の給水工事を提供するためには最新の技術や規制基準等をきちんと学ぶ必要があると思います。したがって義務化が無理だった場合でも、実効性のある受講促進策を講じてほしいと考えておるところでございまして、再講習の方法等については受講者の負担にならないよう配慮をお願いしたいと考えております。例えば、受講機会を年に複数回設けるとか、通信教育のような方法も採用する等々でございます。

3 点目なのですけれども、配管技能者について申し上げたいと思います。配水管から分岐するような、重要な部分の工事を実際に行う技能者の位置付けが、水道法の施行規則第 36 条では、曖昧になっていて具体性に乏しいと思われるので、まずは技能を有する者の要件を可能な限り明確にしていただいて、それを水道法の法令かまたは、各水道事業者の供給規定に明記することが必要であるのではないかと考えております。こうしたことにより、より良い工事が担保できることに加えて、特に、若者に各種資格を取得しようとする意欲を持ってもらうことが大切だと思っております。以上、 3 点を私のほうから申し上げました。

○滝沢委員長 御意見 3 つですね。様式の統一という件と、是非その研修を実効性のあるものに、受けやすいものにしていただきたいという 2 点目と、 3 点目は技能者の位置付けという点ですね。現時点で御回答いただけますでしょうか。

○長平補佐  3 点の御意見に対して、私のほうから御説明、御回答させていただきます。まず、申請書の様式につきましては、現在のところ新規の様式がございますので、それを今、新規と更新に準用するような形で考えております。確認する事項につきましては、様式での確認ということではなく様式以外のもので確認することを今のところ考えております。

2 点目の主任技能者の再講習化ということでございます。先ほどの取組の中で、 e ラーニングという取組があったかと思うのですが、まずこういった形で、再講習という扱いではないのですけれども、給水装置工事技術財団のほうで出ているものを活用して、更に受講率を高めることを促進していき、再講習化という位置付けで図っていければいいのではないかということで考えております。

3 点目につきましては配管技能者の位置付けということになっておりますけれども、こちらにつきましては、以前平成 23 年のほうに、水道課から事務連絡ということで、「給水装置工事の適正な施行」というものを出させていただいておりまして、その中で適切に作業を行うことができる技能を有する者として、 1 例ではありますけれども明示しているものがございます。こういったものにつきましては、更新時にどのような資格を持っている人が工事に携わっているのかを確認し、まず現状把握に努めていきたいということで、現在のところは考えております。以上でございます。

○滝沢委員長 ありがとうございます。どうぞ。

○山口委員 山口です。今の更新制度の導入ということにつきましては、事業者の事業実態を把握する方法として導入するのが良いと考えております。そのことを踏まえて、「主な論点と対応案」、 7 ページの「水道利用者への情報提供のあり方と更新時確認事項の活用」に、主に関連して意見を 3 つお伝えさせていただきます。この工事を行える事業者が指定を受けるということで、規制する側とされる側の関係としましては、それによっては無届工事かどうかとか、そういったことを確認することがありますが、利用者の側から見ますと、その指定を受けていることと、それによって工事の対象範囲、指定を受けていないと工事ができないというところの情報というのがなかなか伝わりづらいのかなと思います。特に、厚生労働省の所管のもの、分野としては、例えば美容とか医療とかそういったところとも関係しますが、本来は資格を持つ者でなければできないことが一般の情報としては余り伝わっていないとか、あるいは、新しい形態のサービスが出て来たときに、その辺りの境目が曖昧で、そういったところに、いわゆる悪質商法とか不適正な取引行為とかによるトラブルが起こりやすいという現状がございます。そこで、この水道工事にかかるものとして、工事の中身についての輪郭をはっきりさせるような情報提供の充実が必要であると考えます。

2 点目ですが、そういった意味では、工事のときに消費者としても、例えば見積を複数取るとか、継続的に依頼をしている事業者がいれば、その辺りの確認はしやすいと思います。特にトラブルになりやすいのが、急ぎの場合の水周りの修理といったところで、急ぎのところで見積を取るまでもなく、来てもらってすぐに工事をして法外な料金を請求されるといったようなことを考えますと、工事であれば本来は出張料とか、工事に掛かる費用と部品代とか、落ち着いて考えれば、確認をすることができますが、そういった手続を取るタイミングがなかなか計れないような急ぎの場合であっても、事業者の方にお願いしたいのは、やはり工事をするに当たっての工事内容の確認です。修理が必要な場合にどういった工事内容で、費用はこうだということの確認をした上で、工事を行っていただきたいと思います。これは形式を余り言わなくても、その時々で事業者の方に気をつけていただくと、ある程度できることではないかと思います。

 もう一点ですが、先ほどの御説明の中でも利用者への情報提供の不足という現状があって、修繕対応の可否などの詳細な情報提供を実施している水道事業者の割合が極めて少ないということが指摘されています。最近のもので、ウェブサイトなどを見てみますと、やはり修繕対応とか、そういったことについても緊急の連絡先とか、対応時間とか、そういったものを詳細にリスト化して提供している所もあり、そういう所は「工事に当たって気をつけたいこと」といったような説明も分かりやすく示されていて、利用する側からすると安心感があるのではないかと思います。そういった情報を水道事業者としてなるべく開示していただくことは、地域ごとにまだばらつきがあるという現状を考えますと、是非積極的に進めていただきたい点であります。

 消費生活センターとの連携ということに関しましては、やはり工事の中身は水道事業者に聞くのが一番詳しく聞ける部分かと思いますが、契約問題として考えますと、消費生活センターに相談が寄せられていることもあります。これが利用する側から、何かあったときの問合せ先としてどういうふうに分かってもらっているか、理解されているかということなのですが、例えば消費生活センターでも悪質商法を防いでいこうというときに、日頃から目につくところに、例えば電話のそばに貼るステッカーのような形で、消費生活センターの連絡先を書いたものを貼っておいてくださいというようなことで、お配りしているものがあったりします。リーフレットなど作るというのも一案ですし、消費生活センターと水道事業者の連絡先、地域の連絡先を書いたようなものを目につくところに貼っておけるようなものとか、そういった形でウェブサイトの情報公開と合わせて、やり方については地域ごとに情報が届きやすいやり方があると思うので、その辺りは工夫していただいて。そういった側面からも情報提供の充実させていただけると、よろしいかと思います。よろしくお願いします。

○滝沢委員長 ありがとうございます。消費者への情報提供という視点から幾つか御発言をいただいたかと思います。特に、制度に対する御意見ということではなかったと思いますが、何か事務局から御回答ありますか。

○長平補佐 今、情報提供についての御意見ということだったのですけれども、先進的な事例を行っている事業体もありますので、そういったところの事例を踏まえまして、内容について、方策等についてはどのような形が一番望ましいのかについて、今後検討を進めてまいりたいということで考えております。以上です。

○滝沢委員長 ありがとうございます。ほかに御意見ございますか。

○藤野委員 主婦連合会、藤野でございます。ただいまの山口先生の御意見ともかぶるのですけれども、やはり利用者にとって安心して工事をしていただけるということがとても大事なことです。マンションでも一戸建てでも、宅地内の給水管の工事に関してどこかに情報が残るような仕組みというのが作れないものでしょうか。リホームというのは見た目できれいになっていれば新しくなったと思うのですけれども、一番大事な大本の水道管とどうつながっているのか、それに自分の家の中の見えるところ以外の配水管とつながっているところの情報はなかなかわかりにくい状況ではないかと思います。ただ、その工事も届出が必要だということですし、工事をなさっている方はここを工事するということがわかっているのですから、記録がどこかにきちんと残るような仕組みがあればと思うのが 1 点でございます。

 もう 1 点は保険のような、何かあったときにここにお願いしたら後々安心だというような仕組みですね。施工業者側にこの管工事業協同組合に加入しているという証とか、そういうようなものがあると、急なときに、初めての業者に頼まなければならないようなときでも、私どもはこういうところに加入していますとか、こういう保険を持っていますとかの明示があれば、利用者のほうは安心できると思うのですが。以上2点もう少ししっかり利用者とつながった仕組みにしていただけたらと思うのが、私のほうからの意見でございます。よろしくお願いいたします。

○滝沢委員長  2 点ございましたが、 1 点目は工事の図面をできるだけ記録として残していただいてはどうかということと、それから保険制度あるいは保障制度に関する件ですが、これについてはいかがでしょうか。渡辺委員のほうから御回答というか、御説明いただけますか。

○渡辺委員 給水工事の申請時におけるチェックですね、竣工検査も、水道事業者がきちんと行うことで、給水装置工事に掛かるトラブル、またクロスコネクション等の事故が防げます。やはり今、御意見がありましたけれども、何と言いましても、水道事業者が竣工検査等をきちんとチェックするという方法があれば解決できるのではないかと思っております。

○長平補佐 まず、今の給水装置工事の状況を申請していただくのですが、その図面等々につきましては水道事業者のほうで新築、改造、こういった場合につきましては、あらかじめ申請をして、その中に図面が含まれた形になっております。今の段階では、申請した事業者、若しくは持ち主の方が、水道事業者のところでどういった図面があるのかというものを打ち出して、持ち帰るということは可能だと思っております。それをもっと分かりやすく、手元に置けるようなことをというような仕組み作りというのが必要だという御意見だと思いますので、そういったことが可能かどうかについても検討していきたいと考えております。

2 点目の保険の加入状況につきましては、民間の話にはなりますけれども、第三者賠償責任保険に、工事をやっている会社におかれましては入っている例も多々あるということを聞いております。ただ、その状況を開示するというのは、やはりなかなか難しいのではないかと考えておりますけれども、実際には加入している状況もあるということは確認しているところです。以上です。

○滝沢委員長 ほかに御意見どうぞ。

○浅見委員 ありがとうございます。今回の資料を拝見いたしまして、無届工事が非常に多いなというのを改めて感じているところです。非常に件数も多いですし、一般の方々にも安全上の問題があることが出てくると思いますので、非常に重要な内容だと思うのです。内容のところで、今回は指定の有効期間を設けるべきではないかということで、これはもちろん賛成なのですけれども、主任技術者の資格とか技能の保証との関係がちょっと分かりにくい感じがいたしまして、例えば実際に指定有効期間を設けたとして、どこかで違反を起こして、指定取消しになったとしても、ほかの事業体で、その情報を直ちに知って取り消すことができるのかとか、そういった点も補足していただけるとありがたいなと思います。一般の方から見たら、どこで指定が取消しされていて、その会社がまだそこで有効かどうかなどはなかなか分かりにくくて。先ほどの藤野委員の御発言とも関係しますが、本来であれば、認証とか、今はちゃんとここで営業しても大丈夫ですよというようなものを業者が示せることが、住民の方からいっても、安心につながるのではないかなと思いました。以上です。

○滝沢委員長 御回答いただけますか。

○長平補佐 指定の取消し、こういったものの処分の公表なのですけれども、各水道事業者におかれましては、取消し等の処分が行われた場合につきましては公表するということになっております。もう 1 点ありました、他の市や町で指定を取り消された者が、別の町でもそういった処分になるのかということなのですけれども、こちらにつきましては、あくまで指定をした所で何かが起こった場合ということが指定の取消し要件になっておりますので、一概に他の所でやった事例が次のほかの事業体の取消し要件になるのかといいますか、そういった状況にはなっておりません。そのことについて、そういった処分の状況を確認できるのかについては検討していきたいと思っております。

○滝沢委員長 ほかに御意見ございますか。

○吉田委員 日本水道協会の吉田です。本日の資料内容については、私ども日本水道協会が事務局を担った関係者で構成される平成 27 年度の検討会報告に沿ったものということで、総論として、賛成です。あとは、更新制度の具体的な手続き方法などをこれから細かく作っていくときに、机上配布されている資料ファイルの後ろから 5 6 枚目のところにある検討会報告書にも記載されている留意していかなくてはいけない事項がいろいろとあります。例えば、もともとこういう制度をとらざるを得ないのは、無届で工事を行う事業者とか、無届ではないけれども良好な施工をしない事業者とか、そういう所を排除していこうという趣旨ですので、先ほど渡辺委員からも話が出ましたけれども、良好な事業者にあまり過度の負担が掛からないようにというのは当然配慮していかなければいけないと思います。検討報告書に留意事項を整理していますので、その辺も参考にしていただきながら、ブレイクダウンした制度にしていただきたいと思うところです。以上です。

○滝沢委員長 御意見としてお聞きしておきたいと思います。ほかに御意見はございますか。

○渡部委員 この更新部分や、今の講習会等を含めて、これは賛成の立場で、私は話をさせてもらいます。 1 つは、その罰則規定の強化やそういう部分だけでなくて、性善説に立って、やはり優良事業者の皆さんは一生懸命やっておられる部分があるので、例えば更新時に表彰制度を設けたり、それからポイント制を設けるとか、少しそういうことをやっていけば、より一層今の更新時に対して一生懸命取り組んでいけるのではないかなと思っております。それは地域によっての話なのか、国でも、ある程度そういう表彰制度もできたら一番いいかなと思っておりますので、また御考慮していただきたい。

○滝沢委員長 いかがでしょうか。

○長平補佐 表彰制度につきましては各事業体のほうで、いろいろとやられている所もありますので、そういったものの情報につきましても各事業体さんのほうで公表しているものがありますので、そういったものを活用しながらですね。あとは、今後の取組としてそういったものをどのように、今回の更新制度の中に取り入れていくのかにつきましてはまた検討を進めていきたいと考えております。

○久保補佐 ちょっと補足で。それに加えて、やはり更新時にいろいろ情報を把握してくださいという話にしておりますが、これをうまい形で利用者の方に発信していくことで、特に優良な事業者の所に多く仕事が行くような形に活用していくことが、何といっても事業者にとってはうれしい話になるのではないのかと、そういうふうに考えている次第であります。

○滝沢委員長 ありがとうございます。ほかに御意見よろしいでしょうか。

○平井委員 神奈川県でございます。水道事業の部門を持っていますので、そちらから聞き取ったことで、 1 2 点お話をさせていただきたいと思います。実際に更新をするほうの立場での発言なのですが、この事業者の更新制度自体は当然あったほうがいいという現場の意見もありました。ただ、実は私どもは規模が割と大きな事業体でありますので、更新事業者数が約 2000 者です。これは例えば 5 年で更新しましても、年間 400 者ということで、営業日数が 200 日とすると、毎日 2 件ずつ。これも毎日ばらけてくればいいのですが、恐らく一斉に、ある時期にまとまってくるということが想定されますので、登録規模が大きくなってくると更新手続も大変になりますので、そこは一定の御配慮をいただきたいなと思います。 5 年ぐらいであれば大丈夫かなというような話は内部ではしておりましたけれども、そこも少し目配りをしていただければと思います。

 あと 1 点なのですが、私ども比較的規模の大きな事業者が隣り合っている状況の中で、これは例えばの話で、実例があったというわけではないのですが、他の水道の指定業者に何らかのトラブルがあって、その水道事業者から指導を受けたということがあり、それが神奈川県の給水区域のすぐそばの事業者で、神奈川県のほうにも登録があったという場合に、神奈川県のほうでは普通に営業できてしまうという状況があり得るわけです。こういった事業者は態度を改めていただきたいというのはもちろんなのですが、実際問題として、そういった情報の共有がうまくできるような仕組みがあったらよいのかなと感じてございます。業種は違うのですけれども、例えば建設事業者の場合ですと、指名停止のような処分がありまして、その処分と水道事業者の指定というのはどこまで同じかというのは分からないのですけれども、建設業の場合、情報共有の仕組みが割と出来上がっておりますので、事案に応じて自治体、あるいは国なんかでも指名停止ということがあれば、それが我々のほうでも直接工事をしていなくても今後一定期間の指名停止にするとか、そういう処分を下すのが一般的です。それに近いような仕組みなんかもできれば、より良く制度が運用できるのではないかと思ってございます。以上です。

○滝沢委員長 どうもありがとうございます。それでは、本件につきましては、おおむね事務局案に御賛同いただいたというふうに理解いたしましたけれども、よろしいでしょうか。ただ、細部につきましては今、平井さんからも御指摘ありましたけれども、事務作業料等々の問題とか、申請様式の共通化とか、幾つか御提案ございましたので、これにつきましても、事務局でこれから制度化していく中で御検討いただければと思います。それでは、本日の議事、これにて全て終了いたしましたので、進行を事務局にお返ししたいと思います。

○久保補佐 本日も活発に御議論いただきまして、ありがとうございます。あとは事務連絡になりますが、次回の専門委員会は、 8 3 日の午前中の開催を予定しております。次回はアセットマネジメントの推進と水道料金の適正化というテーマで御議論いただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。議事録につきまして、また本日の分につきまして、前回までと同様にこちらで案を作成した上で、委員の皆様にも御確認いただいて、ホームページに掲載という形にさせていただきたいと思います。それから前回の議事録についても、現時点でまだ案という形になっておりますが、修正等がありましたら、なるべく早目に、できれば今週中をめどにお願いできるとありがたいのですが、事務局のほうまで御連絡いただければと思います。それでは第 4 回の水道事業の維持向上に関する専門委員会をこれで閉会としたいと思います。本日はどうもありがとうございました。


(了)

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