ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金事業管理部会)> 第26回社会保障審議会年金事業管理部会議事録(2016年8月4日)




2016年8月4日 第26回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

○日時

平成28年8月4日(木)16:30~18:30


○場所

住友不動産千代田ファーストビル南館(ベルサール神保町)3階
東京都千代田区西神田3-2-1


○出席者

大山部会長代理、石井委員、岩瀬委員、金田委員、喜田村委員、斎藤(聖)委員、齋藤(衛)委員、椎野委員、西村委員、原委員、藤井委員、松山委員、安井委員、山口委員

○議題

(1)日本年金機構の平成27事業年度業務実績の評価について
(2)ねんきんネット・ねんきん定期便の見直しについて
(3)その他

○議事

○藤原参与 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第26回社会保障審議会年金事業管理部会を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 まず、委員の出席状況ですが、本日は増田部会長及び西沢委員が御欠席でございます。

 石井委員及び斎藤聖美委員につきましては、遅れて御出席されるとの御連絡をいただいております。

 なお、本日の議事進行につきましては、社会保障審議会令に基づきまして、大山部会長代理にお願いしたいと存じます。

 

(カメラ退室)

 

○大山部会長代理 それでは、議事を進行させていただきます。

 代理の役目を本当にやらなければいけない日が来たなということでありますが、本日予定しております議事は、お手元の議事次第にありますとおり「日本年金機構の平成27事業年度業務実績の評価について」及び「ねんきんネットの活用促進・ねんきん定期便の見直しについて」、そして、「その他」事項ということになってございます。

 それでは、早速1つ目の議題であります「日本年金機構の平成27事業年度業務実績の評価について」という内容について進めさせていただきます。

 本日付で厚生労働大臣より、日本年金機構の平成27年度の業務実績の評価について、社会保障審議会の西村会長宛てに諮問がなされておりますので、これについての審議を行いたいと思います。

 これに先立ちまして、御案内のとおり部会長はいろいろお忙しい状況がございましたので、私から事務局にお願いをさせていただきまして、「日本年金機構の平成27年度の業務実績の評価結果(案)」について説明をお願いしたいと思います。

 その後、前回までの当部会における各委員の御意見を踏まえて提出されました追加の関係資料について、続けて説明をいただきたいと思います。

 それでは、事務局のほうで説明をお願いいたします。

 

○中里年金事業運営推進室長 年金事業運営推進室長の中里でございます。

 まず、私から御説明させていただきます。

 お手元の資料1-1を御覧いただければと思います。

 「日本年金機構の平成27年度の業務実績の評価(案)」ということでございます。

 表紙をおめくりいただきますと表がございますけれども、この表の一番右側の「27年度」という列が個別項目ごとの当部会としての評価の案ということでございます。

 なお、この評価でございますが、同じページの一番下にございますとおり、SからDまでの5段階となっております。Bが標準でございまして、計画を上回っている場合がA、計画をやや下回っている場合はCということでございます。今回行います平成27年度の業務実績評価におきましては、2712月に機構のほうで策定しております業務改善計画に対する取組み、それから、平成27年度計画に対する取組みとをあわせて評価するという形で整理をさせていただいております。

 それぞれの項目ごとに御説明をさせていただきたいと思います。

 2枚ほどおめくりいただけますでしょうか。横長の表でページが下のほうに振ってありますけれども、まずこちらの1ページを御覧いただければと思います。

 まず、この資料の構成でございますが、左側3列は前回までの部会で御議論いただきました機構の業務実績報告書の内容を記載しております。右側から2列目の欄、これが、今回評価するに当たっての視点ということで整理をさせていただいております。一番右側の列が今回お示しをする部会としての評価の案、それからその理由というところでございます。本日は、この一番右側の欄を中心に御説明させていただきたいと思います。

 1ページ目のところ、Iで「提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」というところでございます。

 1.の(1)国民年金の適用促進対策ということでございます。こちらにつきましては、住基ネットによって把握いたしました、20歳到達者への届出勧奨等々を概ね計画どおり実施されているというところで、B評価という形で整理させていただいているところでございます。

 3ページを御覧いただければと思います。

 国民年金保険料収納対策でございます。こちらにつきましては、平成27年度の現年度納付率ですとか、あるいは25年度分の最終納付率等々の指標が伸びているというところでございまして、A評価と整理をさせていただいているところでございます。

 9ページを御覧いただきたいと思います。

 厚生年金保険・健康保険等の適用促進対策でございます。こちらにつきましては、目標を大幅に上回る数の事業所を適用に結びつけているといったところの取組みがございますので、A評価ということで整理をさせていただいております。

13ページを御覧いただきたいと思います。

 厚生年金保険・健康保険等の徴収対策でございます。こちらにつきましては、保険料収納率が前年度と比べて伸びているといったところでございますので、A評価ということで整理をさせていただいているところでございます。

15ページになります。

 年金給付というところでございます。こちらは、サービススタンダードと言っておりますけれども、請求書を受け付けてから年金証書が届くまでの所要日数について、目標を年金種別ごとに定めておりますが、その達成率が全ての種別において目標である9割を達成しているといったところでございまして、概ね計画どおりというところで、B評価と整理をしているところでございます。

17ページでございます。

 こちらは年金記録の確認等の対応というところでございます。こちらにつきましては、厚生労働大臣指示に基づきます個別アプローチの実施等々の取組みを進めているというところで、概ね計画どおり実施されているということで、B評価ということで整理をしているところでございます。

20ページを御覧いただきたいと思います。

 こちらは記録問題の再発防止、記録の正確な管理の実施というところでございます。こちらにつきましては、重複付番の解消等々、概ね計画どおり取組まれているというところでございます。B評価と整理をさせていただいているところでございます。

22ページでございます。

 こちらは事務処理の正確性の確保というところでございます。こちらにつきましては、事務処理誤りの再発防止の取組みを進めるといったところによりまして、事務処理誤りの件数も減っているというところでございますので、B評価とさせていただいているところでございます。

26ページを御覧いただきたいと思います。

 年金相談というところでございます。こちらにつきましては、年金事務所窓口での待ち時間、あるいはコールセンターの応答率について、目標を定めて取組んでおりますけれども、それぞれ目標を概ね達成しているというところでございまして、B評価としているところでございます。

30ページでございます。

 こちらは分かりやすい情報提供の推進というところでございます。こちらにつきましては、ホームページの改善ですとか、あるいはねんきんネットの利用拡大といった取組みが進められているというところでございまして、概ね計画どおりとしまして、B評価としているところでございます。

32ページでございます。

 制度に対する理解の促進というところでございます。こちらにつきましては、年金セミナーの回数ですとか、あるいは受講者数が順調に伸びているというところでございまして、A評価とさせていただいているところでございます。

33ページでございます。

 お客様サービスの向上というところでございます。こちらにつきましては、お客様の声を反映した形でのサービスの改善ですとか、業務改善について実施されているというところでございまして、概ね計画どおりとしまして、B評価としているところでございます。

35ページでございます。

ICT化の推進というところでございます。こちらにつきましては、電子媒体を利用した形で報告をいただく市町村が順調に増えているといったところもございます。概ね計画どおり実施されているということで、B評価としているところでございます。

37ページでございます。

 制度改正への対応でございます。こちらにつきましては、個人番号の利用に向けましたシステム開発等々の準備態勢の整備が今後必要というところでございまして、C評価と整理をしているところになります。

40ページでございます。

 ここからIIで「業務運営の効率化に関する事項」ということでございます。

 まず、1.効率的な業務運営体制でございます。こちらにつきましては、業務の標準化に向けましたマニュアルの改正ですとか、あるいは事務センターの集約等々、概ね計画どおり取組みが進められているといったところでございますので、B評価と整理しているところでございます。

43ページになります。

 運営経費の抑制でございます。こちらにつきましては、一般管理費あるいは業務経費について、それぞれ削減目標を定めておりますけれども、それを達成しているといったところでございまして、概ね計画どおりとしまして、B評価としているところでございます。

45ページでございます。

 こちらは外部委託の推進でございます。こちらにつきましては、委託業者の選定方法の改善ですとか、あるいは複数年契約の活用等によりまして、外部委託の推進がされているというところでございまして、概ね計画どおりとして、B評価としているところでございます。

47ページでございます。

 こちらは契約の競争性・透明性の確保等というところでございます。こちらは競争性のある契約の占める件数の割合について目標を定めておりますけれども、これを達成しているといったところでございまして、概ね計画どおりとして、B評価としているところでございます。

48ページでございます。

 社会保険オンラインシステムの関係でございます。こちらにつきましては、制度改正に伴って必要となりますシステム開発に取組んでいるというところでございますので、概ね計画どおりとしまして、B評価としているところでございます。

50ページでございます。

 ここからIIIで「業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項」というところでございます。

 ここの部分でございますけれども、昨年9月に厚生労働大臣によります業務改善命令が出ています。あるいは、それを受けて機構のほうで策定した業務改善計画というものがございますが、これらの主たる部分については、ここのIIIに概ね対応しているという部分になっております。

 まず、1.内部統制システムの有効性確保というところでございます。これについては業務改善計画に基づく取組みとしまして、常勤役員会の設置ですとか、あるいは事務センターの集約などが進められているというところでございますが、不正アクセス事案以降、業務改善計画に着手するまでの間の対応というものが万全とはなかなか言いがたいという状況もあわせまして、年度として評価をいたしますと、C評価とするのが妥当なのではないかというのが、事務方として整理させていただいている案でございます。

58ページでございます。

 人事及び人材の育成でございます。こちらにつきましては、全国異動の推進ですとか、あるいは人事評価制度の見直しといった取組みが概ね計画どおり進められているというところでございまして、B評価と整理をしているところでございます。

67ページでございます。

 こちらは情報公開の推進でございます。こちらにつきましては、業務改善計画に基づく取組みといたしまして、情報開示を促進するための組織体制の整備ですとか、あるいは本部と現場の情報共有を図るための体制の整備といった取組みが進められているというところでございますが、先ほどの内部統制システムの場合と同様ですけれども、不正アクセス事案以降、業務改善計画に着手するまでの間の状況もあわせて、年度として評価をいたしますと、C評価が妥当なのではないかというのが、こちらの案となっております。

69ページでございます。

 個人情報の保護ということでございます。こちらについては、業務改善計画に基づく取組みとしまして、情報セキュリティに係る体制整備ですとか、あるいは技術面の対応等々が進められておりますけれども、こちらについても業務改善計画に着手するまでの間の状況もあわせて、年度として評価するといったところで、C評価が妥当なのではないかというのが、こちらの案ということでございます。

 最後は74ページでございます。

 こちらは予算の関係でございますが、予算の執行につきましては、概ね計画どおりというところでB評価と整理をさせていただいているところでございます。

 事務方として整理させていただいた評価の案は以上でございますけれども、前回までの当部会における御意見を踏まえまして、関係の補足の資料を用意させていただいておりますので、引き続き機構のほうから御説明をさせていただきます。

 

○屋敷日本年金機構経営企画部長 日本年金機構経営企画部長の屋敷でございます。

 私から、追加提出資料につきまして御紹介をいたします。

 資料1-2でございます。

 大分分厚い資料でございますが、A4横でクリップで留めてあるものです。下の真ん中のところに全部の通しのページを打っておりますので、必要に応じて、そちらのページを用いながら御紹介をいたします。

 1点目「国民年金保険料収納事業(市場化テスト)関係」でございます。

 これはセキュリティ関係につきましての御意見をいただいたところでございまして、関連の資料を準備させていただきました。入札の実施要領と業務委託契約書、そして、業務取扱マニュアル、これは3点そのものの現物を準備させていただきました。

 通しのページで20ページ目でございます。

 こちらは入札の実施要領でございます。(2)としまして、秘密の保持、個人情報の取扱い等につきまして、こちらのほうで定めがございます。

 また、69ページ目を御覧いただきたいと思います。

 こちらは業務委託契約書そのものでございまして、第13条(秘密の保持等)、こちらは違反した場合の法の規定による罰則の適用があること、あるいは15条(情報等の適正な取扱い)、廃棄または消去等の定めがされているというものでございます。

 また、業務取扱マニュアルでございますが、通しでいきますと86ページ目になります。

 (2)のところの例でありますと、作業終了後のDVD媒体の消去、あるいは機構本部への返却等のこのような定めがされているという御紹介でございます。

 2点目「厚生年金保険等適用調査対象事業所の加入勧奨及び加入指導状況」でございます。

 こちらは105ページ目になります。

 こちらでございますけれども、職員による加入指導の延べ指導回数、それぞれブロックごとで合計でいきますと113万回の指導がされているということでございます。

 また、外部委託による加入勧奨の委託事業所数、こちらの源泉徴収義務者情報につきましては、対象外という形で、それぞれ職員と外部委託、役割を分けて行われているということでございますが、168,000件弱の加入指導の状況です。

 その結果、新規適用事業所数につきまして、職員の加入指導によるものは9万2,550、これは今年の成果でございますが、ブロックごとのデータをまとめましたので、提出をさせていただいております。

 3点目「厚年・国年の適用・徴収関係の主な届書の統廃合と様式変更」でございます。

 ここは事務処理誤り、事務の正確性の確保に関する部分でございまして、現在の取組みとしまして、届書の統廃合あるいは様式変更を行っているということでございます。処理件数ベースで約95%を占める主要67届書につきまして、46届書まで集約をしていこうということでございます。

 厚生年金については、同一の提出契機となるものや、同一の事業に関する届書、これは合わせていこうということでございますし、国民年金に関しましては、市区町村の独自様式が用いられているということで、これは市区町村に協力要請を実施しながらということでございますが、その様式の統一化を図るというものでございます。

 また、統廃合とともに、レイアウト自体を変更していくということも同時に準備を進めているところでございます。

111ページ目と113ページ目をあわせて御覧をいただきたいと思います。

 こちらは厚年健保のほうの届書でございます。113ページ目は、現行の被保険者資格取得届でございます。A4の横の様式で行われているということでございますが、111ページ目は新しい様式でございます。縦様式になります。旧様式でありますと、番号につきましては基礎年金番号、4桁、6桁、10桁の番号欄の記載がございますし、新様式になりますと、個人番号ということで、12桁の桁数になっておりますが、このような様式改正をあわせて行っておるということでございます。これはまだ準備中でございまして、順次改修をしていくということで、今、進めておるところでございます。

 4点目「研修における理解度テストの実施」でございます。

119ページ目でございます。

 こちらは年金相談の充実に関連しまして、研修を行っている。その成果測定、効果測定をどのように行っているのかという議論の中での関係資料でございます。研修におきまして、理解度テストを実施しているということでございまして、120ページ目、121ページ目は、これはごく一部の例でございますが、年金給付事務研修初級レベルのテスト、あるいは121ページ目は、障害年金事務研修の中級レベルのテストでございます。こちらは、研修期間中に確実に習得をするということで、研修内容の反復訓練をするという意味合いを持ちまして、その期間内にこのようなテストをしているという御紹介でございます。

 あわせまして、次は123ページ目でございます。

 5点目「公的年金制度に対する理解の促進」に関連しまして、年金セミナーの状況も実績報告書では報告をさせていただいております。

 平成27年度は3,300回を超える回数で、約26万人の方を対象に行われたということでございますが、本日のこの資料は、その際に用いましたセミナー用の資料でございます。2種類ございまして、1点目は講義型の資料ということで、一方向で情報提供していくような資料構成のものということでございます。

 御覧いただきたいのが、2つ目の参加型のセミナー資料で、141ページ目以降がそれに該当しているものでございます。こちらは一緒に考えながらやるというところで理解を深めていただこうという構成になっておりますし、まず、その中では、152ページ目でございますが、パワーポイントで映写しながらというものに加えまして、出演者が5名いるようですが、動画を用いて理解を深めるというスタイルで行っております。

 また、これらのセミナーを行った後にアンケートをお願いしておりまして、172ページ目、173ページ目、こちらのアンケートの様式でございます。

 セミナーを受ける前とその後で年金へのイメージがどのように変わったのかといったこと、あるいは173ページ目を御覧いただきますと、公的年金制度について、セミナーを通じて訴求したいポイント、例えば学生の加入でありますとか、国民の義務であること等々の状況を理解できたかできなかったのかという形でアンケートをお願いしております。

 それらの結果を集計して見ますと、124ページ目でございますが、平成25年度からこのようなアンケートを実施しておりますけれども、年度別に見てみましても、理解できた割合の推移、90%近く、あるいはそれを超えるような水準にきておりますし、イメージアップも図られているのではないかと考えております。

 6点目「業務標準化の取組と今後の対応案」でございます。

175ページ目以降になります。

 こちらのほうは、事務センターの広域統合に関しまして、仕事の進め方の地域差があるという御議論をいただいたところでございますが、現在の取組みとしまして、業務改善計画の中でもマニュアルの一元化を進める、業務の標準化を進めて、業務手順の地域による相違を排除するということでございます。

 まず、地域差がどのようなものであるのかといったことを、平成28年の1月から2月にかけまして、全国実態調査をしまして、各拠点が独自に定めた業務手順や様式などの情報提供を求めて、洗い出しを始めたということでございます。その中で、幾つかの差異があったということでございますが、お客様の対応の場面での手順の差異もございますし、私どもの業務の中での手順の差異というものもございます。

177ページ目と178ページ目でございますが、これは厚生年金、国民年金、それぞれにつきまして、お客様との接点に関しまして、差異があるものでございます。

 例えば、178ページ目の国民年金の2番目でございますが、年金手帳の返送手順、こちらは第3号被保険者該当届に年金手帳の添付があった場合に、基礎年金番号を確認した後、すぐさま返送する場合と、該当通知書を作成し、それと一緒に送付する場合、その2つの業務手順があったということでございます。郵送代が2回かかるか、1回かかるかという違いでございますが、現在、これをマニュアルの統合化の作業と一緒に合わせていく、そのような作業をしているということでございます。

 今後の取組みとしましては、現在、マニュアルの一元化の作業とあわせて、このような地域差の解消を進めているということでございますが、今年の夏以降、その案をもう一回各拠点に見てもらって正確を期するということで、意見照会を実施し、4月以降新しいマニュアルの仕様とともに、全国統一の事務処理手順を確立していく。こういう流れで本年度進めているところでございます。

 7点目「日本年金機構平成27年度予算・執行額」でございます。

179ページ目でございます。

 結果を合計しますと、約220億円あまりの執行減が発生しているということでございます。自助努力によるもの等々、要因があるということでございますが、保険事業、オンラインシステム、年金相談等の場面におきまして、主な執行減が発生したものを抜き出しておりますので、こちらのほうを御覧いただければと考えております。

 8点目「業務改善計画関係」でございます。

181ページ目から100ページあまりございます。

 再生プロジェクトの取組状況についてでございます。

181ページ目から198ページ目までが、これが日本年金機構の再生プロジェクト取組状況、6月30日現在ということでございますから、平成28年度の第1・四半期が終わったところの状況ということでございます。

 組織改革、業務改革、人事改革、そして、情報開示、それぞれの柱と各項目がございますが、それぞれの対応方針によりまして、これまでの取組状況と今後の取組の予定を整理して資料として報告をさせていただいているものでございます。

199ページ目以降が、再生プロジェクトの工程表でございまして、2月の段階でこちらの年金事業管理部会にも提出しております。それぞれの項目のタイミングが規定をされているということでございますが、この詳細な実際の進み具合というものは、先ほどの実施状況をあわせて御覧いただければということでございます。

 関連しまして、207ページからが「再生プロジェクト改革案個票」という資料を準備させていただいております。

 こちらは何かといいますと、3月の段階で、機構の中の職員に対しまして、再生プロジェクトの各項目について、その基本的な考え方あるいはその案の内容、そして、また今後のスケジュールでありますとか、検討を深めていくべき課題につきまして整理をし、周知をしたものでございます。日々の仕事の進め方にも関連いたしますし、また、人事関係の項目、それは職員の一人一人にも関連することでございますので、再生プロジェクトを検討する中で、この3月に改革案という形で、案という段階でございますけれども、職員に示しているものでございます。実際、その後、検討を進める中で若干変わるようなところもございますが、概ねこのとおりに今のところ進んでいるということでございます。

 幾つか御紹介をいたしますと、年金事業管理部会でも御意見をいただいているところでございますが、例えば256ページ目、これは全国異動の促進とルールの見直し、それぞれの趣旨、目的、具体的な内容、実現までの工程、課題と対応方針等を3月の段階で整理をしているものでございます。

 また、257ページ目からは、これは専門職、ゼネラリスト別のキャリアパスの提示、年金給付専門コースがあること、システム専門コースがあることといったものを、職員に提示を3月の段階でしております。

 以上、再生プロジェクトの取組状況とあわせて、3月段階の資料でございますが、提出をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 

○高橋事業管理課長 年金局事業管理課長でございます。

 前回の部会で国民年金の納付状況について御指摘がありましたので、最後に国民年金の納付状況について、御説明をさせていただきます。

 資料の286ページをお願いいたします。

 最初に、国民年金被保険者数の動向でございます。

 表1のところに第1号被保険者、右のほうへ行きまして、被用者年金第2号被保険者、第3号被保険者の年次ごとの推移が書いてございます。

 第1号被保険者は、27年度は1,668万人と前年度と比べて74万人減少、第2号被保険者につきましては、4,039万人から4,127万人と増加、第3号につきましては、減少傾向ということになっております。

288ページ、保険料納付状況でございます。

 図3のところに、国民年金の保険料の納付率等の推移が出てございます。折れ線グラフが2本ございます。上のほうが過年度分も含めた最終納付率の推移、下のほうが、当該年度の現年度の納付率でございます。平成27年度につきましては、63.4%、推移を見ていただきますと、平成23年度が58.6%で最低でありまして、4年連続で増加傾向ということでございます。

 最終納付率につきましては、平成25年度分の保険料が、平成27年度に納められるということで、70.1%となっております。70%を超えたのは、左を見ていただきますと、70.8%というものが平成18年度でありまして、7年ぶりに70%を超えたという状況でございます。

 最後に、299ページをお願いいたします。

 上のものが、公的年金制度全体の状況、厚生年金も含めた加入者の状況でございます。1号、2号、それから3号の状況でございます。

 下のほうに、被保険者属性ごとの取組についてということでございます。

 未納の方、206万人に対しては、年金事務所で一定以上所得がある方については特別催告状、あるいは強制徴収、経済的に苦しい方につきましては、免除等の周知・勧奨ということをやってございます。全額免除者等のところは、市場化テスト受託事業者と連携して、免除等の周知・勧奨、保険料納付者につきましては、納めやすい納付方法ということで口座振替あるいはクレジットカード、納付書、これはコンビニエンスですとか、ペイジーなどのインターネットバンキングもやっております。

 一番下のところにつきましては、先ほども説明がありましたけれども、公的年金制度の周知ということで、こういうことも踏まえて取組んでいるという状況でございます。

 事務局からの説明は以上です。

 

○大山部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、ただいまいただきました説明内容につきまして、御意見、御質問等がありましたら、お願いしたいと思います。

 順次挙手を願えればと思いますが、いかがでしょうか。

 お願いします。

 どの資料の何ページと言っていただくほうが皆さんついていけるので、すみませんが、お願いします。

 

○岩瀬委員 まず、評価結果(案)についてお尋ねをしたいのですけれども、8ページ目で、180万人の未納者に対して、5年後納制度についての勧奨を実施しましたとありますが、これは未納の方々に対して、督促状等を送るときにそういう資料を入れたということなのですか。まず、それを教えてください。具体的にどのような勧奨をしたのかということを知りたいのです。

 

○大山部会長代理 お願いします。

 

○深田日本年金機構理事 個別の勧奨ということで行っておりまして、50歳以上の方を中心に個別に勧奨状をお送りするなどしておりまして、順次送らせていただいております。対象者は違いますが、今年も送る予定にしております。

 

○岩瀬委員 50歳以上の未納者に対して送るということなのですか。

 

○深田日本年金機構理事 そうです。未納の月をお持ちの方ということです。

 

○岩瀬委員 分かりました。

 細かいことで申し訳ない。同じ評価(案)の26ページなのですけれども、年金相談に関していろいろ取組まれたということですが、お客様満足度のようなことですね。取組んだ結果、お客様がどれだけ満足してくれたのか。そういったことは指標として取っているのかどうかです。

 同じ意味で、32ページで年金セミナーの回数について、いろいろ前年度よりたくさん行ったということですけれども、これも内容について評価をきちんと取っているのかどうか教えていただけますか。もし取っていないのだったら、そういう定量的なところだけではなくて、定性的な評価指標というものを来年度以降入れるべきではないかと思うのですが、その辺も含めて教えていただけますか。

 

○大山部会長代理 お願いします。

 

○深田日本年金機構理事 年金相談については、前回説明したと思いますが、29ページに満足度調査結果がございます。こういうデータで取っております。

 それから、年金セミナーの関係でありますが、先ほど資料1-2で見ていただきましたアンケートについて、集計をしたものがございます。大まかに申し上げますと、アンケートは公的年金制度に関する質問をしておりますが、その中の理解できたかという質問に対するお答えとしては、90%の方に理解できたという御回答をいただいております。

 また、受講前と受講後を比べたときに、年金に対するイメージがどうかということもお伺いしておりまして、受講前は30%ぐらいのものだったところが、大体70%ぐらいにイメージは向上していると、アンケートの結果は集計しております。

 

○岩瀬委員 これはお客様満足度調査でアンケートを取ったということですけれども、アンケートだけだと不十分だと思うのです。もうちょっと突っ込んだ内容について、あるいは職員の方がきちんと説明できたかどうか、そういったところを調査しないと、単純なアンケートでは効果というものは分からないのではないかと思うのです。その辺はいかがですか。

 

○深田日本年金機構理事 さらに改善していく必要があると考えておりますので、より効果的な方法については検討していきたいと思っています。

 

○岩瀬委員 今度はこの1-2の資料ですけれども、2点ありまして、179ページの予算の関係の一覧表が出ていますけれども、前回お願いしたときには、予算・執行計画書のようなもっと詳細なものを出していただきたいというお願いをしていて、理事長は出すというお話だったのですけれども、それがこれということなのでしょうか。

 もう1つ、231ページの「テレビ電話相談のイメージ」というポンチ絵が描かれているのですけれども、これが検討した結果ということでしょうか。その2つを教えてください。

 

○大山部会長代理 理事長、お願いします。

 

○水島日本年金機構理事長 まず、予算と執行額については今、お示ししてあるところで、私どもとしては、主な執行減要因と額というものを同時にお示ししてございますので、これで御理解をいただけるのではないかと考えております。

 テレビ電話相談に関しましては、いろいろこの場でも御意見を頂戴してきておりますので、検討を深めている段階でございまして、実は機構内部におけるテレビ会議システムを導入することも検討していますが、そのテレビ会議システム、それをお客様にも利用できないかと。その場合、どの程度コストが削減になるのかということです。

 それから、その場合に回線上、お客様の情報と内部の情報が同じシステムの中に入るということでありますので、その場合のセキュリティ対策はどうであるのかというようなことについて現在検討を進めているということでございます。

 先ほど担当のほうから御説明をいたしましたように、ここにございますのは、3月にこういうような方向ということで現場に示したものでございますので、必ずしもこういうことではございませんので、今、さらに詳細な検討を進めている状況でございまして、まだ具体的にお示しできる段階にはないということであります。

 

○岩瀬委員 予算のこの1枚ではとても理解できないので、詳細なものを出していただけませんか。我々は守秘義務もかかっているわけですし、分析したいのです。できたら過去5年分ほど、3年でも結構です。

 それと、テレビ電話会議、いろいろおやりになっているということですけれども、私にとっては何が何だかよく分からないこのポンチ絵が成果と機構側はお考えになっているわけですね。

 

○水島日本年金機構理事長 成果とは決して考えておりません。検討状況についてお示しをしたものでございまして、現在の計画、原案、そして、進捗状況について分かる資料をという御要請でございましたので、現在ある資料をお示ししてあるということでございます。

 

○岩瀬委員 あと、予算のほうはどうですか。

 

○水島日本年金機構理事長 検討させていただきます。

 

○大山部会長代理 いいですか。

 他はいかがでしょうか。

 では、安井委員から、どうぞ。

 

○安井委員 業務実績の評価結果(案)なのですけれども、理事長としての包括的な全体を踏まえた御意見がありましたら、総括的に御回答いただけたらありがたいと思います。

 

○大山部会長代理 理事長、お願いします。

 

○水島日本年金機構理事長 私どもは評価を受ける立場でございますので、この評価内容について、私どもからコメントすることはございません。基本的に、私どもとしては現在いただいた御評価を踏まえて、さらに評価が良くなるように努力をしていくということでございまして、この内容について、特段私が意見を申し述べるということはございません。

 

○大山部会長代理 どうぞ。

 

○藤井委員 前回、私は出席していないので、ずれたことを申し上げるかもしれないのですが、評価(案)の冒頭の、ページ番号はないと思うのですけれども、一番初めの表紙をめくったところですが、「平成27年度の評価においては、昨年の平成26年度事業実績評価を踏まえた厚生労働大臣による「業務改善命令(平成27年9月25日)」を受け策定した日本年金機構の「業務改善計画(平成2712月9日)」に基づく取組について、平成27年度計画とあわせて、その達成状況を評価する」と書いてあります。冒頭の口頭での御説明では、確か私の記憶では、昨年起こった残念なシステム上の問題も含めて評価しておられるとお聞きしました。

 その取扱いの是非について思うところがあるのですけれども、平成26年度の評価においても、そういう残念なことがあったことは盛り込まれたかと思います。そうすると、1つの事件が2つの年度にわたって評価されるということになるわけですけれども、それはそもそも是か非かという問題があるかと思います。

 そのこととあわせたことなのですけれども、例えば50ページのIIIの1の評価がCとなっているわけですが、これが残念な事件があったことをあわせてCだと口頭の説明では聞こえていたわけなのですけれども、しかしながら、この一番右の欄を見ていますと、なお一層何々を図られたい、なお一層云々ということがずっと書かれているように思うのです。しかし、この文章の内容は、あたかも3月末の状態がいまだ不十分であると言っているような感じであって、残念な事件を加味したからだということでもないような感じで、一体どちらなのだろうという感じがします。

 個別の点について申し上げますと、例えば51ページの一番右上ですけれども、「役職員の意識改革のための各種研修など必要な取組を実施している。しかしながら、依然としてコンプライアンス問題事案が発生していることから、より一層の取組が必要である」と。これは今年度の計画に対して言っているのか、業務改善計画をしているけれどもこうだと言っているのか、いま一つよく分からないのですが、文章を読むと、前段は恐らく業務改善計画に対する改革の取組を謳っているのではないかとニュアンスとしては思われます。後段は、コンプライアンス問題というのがいつのことを言っているのかよく分からないですけれども、業務改善が必要であるとされたそのときの状態を書いているのか、それとも期末においても引き続き頑張っている割にはまだ問題が生じていると言っているのか、両者は随分違うことを意味していると思うのです。

 要するに、何が言いたいのかといいますと、全体的にその点がよく分からないということと、果たしてこの2年度にわたって評価すべきかという問題があるので、私の個人的な案としては、その2つは分けた上で、改善について頑張っている点についてはそれはそれで良い評価をして、残念なことがあったということについてはだめだという評価をした上で、最後は所詮混ぜなければしようがないのだと思いますけれども、ただ、項目単位で混ぜてしまうと、一体何を評価しているのかよく分からない。

 それから、機構で頑張っておられている割には、結局は期の初めのところにあった問題で、この1年間が評価としてはパアになるということで、来年になって少し頑張ったとしても、それは去年からやっていることでしょう、となると頑張ったことはいつ評価するのか、という疑問にもなるのではないかという感じがしました。

 それから、安井委員の御指摘と関係するかもしれないのですけれども、前回私の発言の中であったかと思いますが、この評価は項目別にあまりにもぶつ切りになっていると思うのです。例えば人事施策に取組んだ結果、いろいろな滞納等に対する取組みに効果が現れているなどという、項目の間の関係性ということがあると思うのです。それ抜きでやってしまうと、ひとつの項目の範囲内で何か頑張った原因と成果を書いてしまうのですけれども、機構という法人全体の運営と職員のやる気と全体のマネジメントということを考えると、項立てして書かざるを得ないという面もあるとは思いますが、こちらの効果があちらに現れていて、全体としてよく頑張っているということをうまい具合に評価する方法はないものかと思いました。

 

○大山部会長代理 ありがとうございます。

 お願いします。

 

○中里年金事業運営推進室長 大きく2点あったかと思いますが、まず、27年に起きた不正アクセス事案の評価について、2回カウントされているように見えるけれども、そのあたりの整理というところだと思っておりますが、今回お示ししている案での整理としましては、まず、昨年実施しました26年度の業務実績評価におきましては、不正アクセス事案自体は27年に起きておりますけれども、その事案が起きた根本的な原因あるいは構造的な問題というものは26年度に既にあったのであるというところで、その前提で26年度の実績は評価をして、結果的に業務改善命令にまで至ったという経緯だと理解しております。

 一方、今回の27年度の業務実績評価でございますけれども、ここにつきましては、27年に起きた不正アクセス事案の後の対応でございますので、こちらの対応がきちんとできていたのかどうかということを評価しているという整理で考えております。つまり、昨年行いました26年度の業務実績評価におきましては、機構におけるいわば構造的な問題について評価をしたと整理していまして、今回行おうとしております27年度の業務実績評価におきましては、情報流出後の対応、それから、改善計画に基づく取組みについて評価をしたというのが事務方としての整理だというところをまず御説明をさせていただきたいと思います。

 2点目、項目ごとにあまりに細かいのではないかというところだと思いますけれども、部会としての評価あるいは厚生労働省としての評価に当たっては、まず年度計画がありまして、年度計画に基づく取組みについて機構としての業務実績の報告書を提出していただくと。今回については案の段階で何回か御議論いただいておりますけれども、最終的に業務実績の報告を出していただくと。それを受けたところで、その報告書に基づいて、部会としてあるいは厚生労働省として評価をしていくという、こういった段取りで今、進めさせていただいております。そうした中で、今回計画の段階あるいは業務実績報告書の段階で、部会で御議論いただきながら、必要なところは修正しながら作成していった上で評価をしていくというプロセスをとっております。部会のほうで御議論あるいは御意見があったところについては、必要な修正をさせていただきながら、最終的にはそれに基づいて評価をしていくというところで考えておりますので、項目がどうなのかというところについては、あまり細か過ぎるとなかなか難しいのですけれども、かといって、大まか過ぎてしまいますと、また全体としての評価が難しいというところもありますので、事務方としては、こういった項目立てが適切ではないかということで案としてお示しをさせていただいているところでございます。

 

○大山部会長代理 理事長から追加があるようですので、お願いします。

 

○水島日本年金機構理事長 先ほど安井先生がおっしゃったことの関連で御質問がございましたので、補足的に御説明を申し上げたいと思いますが、私どもといたしましては、昨年、あのような事案が発生をいたしまして、構造的な問題がそもそも胚胎をしていたと。したがって、26年度評価においてそれを行うべきだということでございました。それについては、もちろんそのような評価が行われるべきだと私どもも考えました。そして、それに対して業務改善計画をお出しして、その業務改善計画について、順次実行に移して参りました。

 その中で、成果が出たものもございますが、まだ検討の途上にあって、具体的な成果に結びついていない問題も多くございます。成果が出た問題について一定の御評価をいただいたものと考えておりますが、成果が出ていない問題については、依然として厳しい評価をいただいたということだと思っております。

 項目間の問題でございますが、機構の運営を預かる者といたしまして、基本的には、数字はきっちりやり遂げなければならないと考えております。数字をやり遂げる上で、これに関しまして、体制面の問題、種々の問題があると。さらに、お客様の御信頼をいただかなければならないという問題も多々あるということでございまして、そのような問題も含めて、数字をきちんとでき上がらせるということと同時に、その作り上げるものに継続性がある、あるいは妥当性があるということについて、体制面を強化しなければならないということであると考えておりまして、ある意味では、数字だけではない体制面もきっちり作り上げねばならないということだと認識しておるということでございます。

 

○大山部会長代理 もしあれば、いかがですか。

 

○藤井委員 理事長のおっしゃるところが御立派なお考えでよろしいかと思いますけれども、私は理事長がおっしゃるように、項目間の関係性についてもう少し斟酌してもよかろうと申し上げたのであって、各項目の内容が細か過ぎると申し上げたわけではございません。

 

○大山部会長代理 ありがとうございます。

 最初の件については、すなわち昨年起きた内容を加味するのか、それをどうするのかということについては、実はいろいろ議論をしてきました。ただ、もう1回リマインドなのですが、本日付であった厚生労働大臣からの社会保障審議会西村会長宛ての諮問は、日本年金機構の平成27年度の業務実績の評価なのです。したがって、27年度全体をやらざるを得ないといいますか、そこはそこでトータルの話をしなければいけなくて、さすがに去年の状況があるときに、今、十分達成されているからといって、Sをつけるというのはないですねと。Aというのもなかなかきついものがありますねという判断を、少しそのような意味も含めて、今回はまだまだ改善の途中と思っているという意味で、案としては今日出していただいているものがよろしいのではないかと思ったところでございます。

 もちろん、委員の先生方のお話がもっと形を変えろということであれば、ここで言っていただければそのようにさせていただきたいと思いますが、先ほど申し上げたように、取扱いについては今のような考え方をさせていただきました。

 いかがでしょうか。今、私から申し上げましたが、もし皆さんから御意見があれば、修正しろということであれば。

 どうぞ。

 

○西村委員 我々というか、私は途中参加した人間ではあるのですけれども、一応そのときからいろいろ勉強させていただいて、この27年度案の業務実績の評価案については多分こういう構造でこうなっているのだろうなということを考えながら読んでいて、そうなのだろうなということは頭では理解しているつもりですが、諮問ということを考えると、このペーパーの構造というものはどこかに書いておかないといけないのではないかというのが私の意見です。要するに、28年のこの段階において27年度の業務実績の評価をせざるを得なかったという話と、今、問題になっている業務改善計画の話と、そもそもの27年度の計画というものがあって、その関係性についてこのように考えてこういう作業をしてこの紙になりましたということが多分どこにも書いていないので、非常に分かりにくいのではないかと思います。

 このペーパーについてはいろいろ議論もしましたし、事前説明もしたところなので、大きくどうこうという話ではないと思うのですけれども、確かに今日の御議論を聞くと構造が全く分かりませんと。ですから、そこは工夫していただけないかというのが私の意見です。

 以上です。

 

○大山部会長代理 どうぞ。

 

○中里年金事業運営推進室長 いろいろ御意見がございましたので、御指摘を踏まえた形で、頭紙のところについて、修正あるいは補足をさせていただければと思います。文言の精査等ございますので、また検討させていただきたいと思います。

 

○大山部会長代理 今のような進め方ということになりますが、いかがでしょうか。それに対して、違うぞというような御意見等があれば受けたいと思いますが、方向性はよろしいですか。

 では、ここについては後でまた全体をまとめたときに申し上げますが、事務局との間で調整をさせていただきまして、皆さんに御覧いただくという形をとりたいと思います。

 他はいかがでしょうか。

 どうぞ。

 

○西村委員 今のところと全然違う話で1点、意見なので、それはできないという話でもいいのですけれども、資料1-2のほうなのですが、「業務委託契約書(案)」となっていますと。ここは、私の記憶では実際どうだったのだっけという御質問があったやに思って、実際にどうだったかを見せろという話ではなかったかと思います。したがって、黒塗りでも何でもいいので、相手先などを消した上で実際の契約書を載せていただけるべきではないかと思います。

 なぜかというと、疑うわけではないですけれども、各相手と交渉があって、附帯事項などが付いていなかったということがここでは分からないので、そこはお考えいただいたほうがいいかなと思います。

 以上です。

 

○大山部会長代理 回答をお願いします。

 

○水島日本年金機構理事長 これは案でございますけれども、実際にこれで使っておりますので、これがそのまま契約書になっているということでございますが、本当に使っているものがこれと同じものであるかということかと思いますので、それは必要ならお出しすることは構いません。基本的には同じものでございます。

 

○西村委員 そうだとしたら、実際にこういう交渉して変更など、追加事項などはなかったということですか。

 

○水島日本年金機構理事長 基本的には。

 

○西村委員 では、この議事録に残していただけるのでもいいので、残しておいたほうがいいと思いますよということなので、今の御回答でよしとします。

 

○大山部会長代理 どうぞ。

 

○岩瀬委員 今の質問に関連なのですけれども、普通こういう契約書を作ると、途中で変更事項等が、私が過去契約書を見た限りでは必ず付くというのが一般的だと思うのです。理事長の今の御説明はなかなか分かりにくかったのですが、全くないということで理解してよろしいのでしょうか。

 

○水島日本年金機構理事長 この契約書については変更を行っていないということでございます。

 

○大山部会長代理 今の件はよろしいですか。

 他はいかがでしょうか。

 どうぞ。

 

○松山委員 評価(案)については、ありがとうございました。概ね私としては特に異存がないところなのですが、1点だけ、最初に岩瀬委員から御指摘があった資料1-2の179ページの予算・執行額の一覧表なのですけれども、こちらでお書きいただいて、執行減となった要因と額というものは御説明いただいているのですが、恐らくこれは年度ですから、ここに今年は予算をかけたとか、増えたところと減ったところと、いわゆるどこに今年力を入れたのだというところがきっとおありになるはずだと思うのです。

 これは恐らく、立てた予算よりも実際の執行はきちんと少なく予算内におさまりましたという形の御説明になっているのですけれども、もし可能であれば、そういう1年間で我々は今期どこに力を入れて予算をかけたのかというところと、どこを削ったのかというところをもしよければ分かるように教えていただけると、より理解が深まるかなと感じております。

 特に、今までこの評価(案)などを拝見していて、基本的にどういうことをやりました、これによって納付率が上がりましたなど、そういうお話はすごく細かく書いていただいているのですが、その対策をやるに当たって、どれだけのコストがかかっているのかというのが、あまり私自身は今まで理解できていなかったのです。恐らく、機構の中ではこれだけのことをお金をかけてやっても効果があまりないものは減らし、さらに効果があるものにはお金を回すという御判断をきっと中でやっていただいているのだと思うのですが、そのあたりのことが委員として見えないと、基本的に何でもかんでも国民サービスのためにやれやれという方向性に流れてしまいがちでもありますので、できればコスト意識というところが少し分かるような形で、今後もし御説明いただければと思います。

 

○大山部会長代理 お願いします。

 

○水島日本年金機構理事長 おっしゃることはよく分かります。御要請に従ったものについて、どういう形で御説明できるのかということは考えてみたいと思いますが、今までこういう形で御説明をしてまいりましたのは、基本的にこの計画の中でいろいろな計画を立てて、そして、重点項目も定めてやってきております。これが基本的には最終的に全て予算に反映されているということでございまして、この中がどういう予算で構成されているのかということについて開示をしろということについては、どこまで開示ができるのかということも含め検討いたしますけれども、基本的には、この中身が予算にハネているということでございます。

 ただし、果たしてそれが効率的であるかどうかということについては、これは不断の見直しをしなければいけないと考えておりまして、そこについて抜本的なメスを入れなければならないと考えておりますのは、いわゆる業務削減会議という仕掛けでございまして、そこで今、全ての予算について洗い出しを行っております。まだまだ御説明申し上げられるような成果は出ておりませんが、その成果がどういうものであるのかということも含めて、御説明を申し上げる機会は持ちたいと思っております。

 

○松山委員 もちろん細かいところまで全部ということでは全くございませんので。ただ、この議論をしていくに当たって、私自身この施策にどのぐらいの予算がかかっているのかというのをあまり今まできちんと認識できていなかったものですから、そのあたりの背景事情を踏まえたほうがより議論ができるかなと思ってお願いした次第です。

 

○大山部会長代理 ありがとうございます。

 他にまだ御発言のない方でもしあれば、お手を挙げていただければ。

 お願いします。

 

○原委員 ありがとうございます。

 評価結果(案)の資料1-1の資料ですが、今回いただいている評価(案)について、先ほどの議論も踏まえて、この27年度の評価というものはこういうものなのですという前提で、私は基本的に今、付けていただいている評価で違和感はありません。

 その上で、1点だけよく分からないところを御質問させていただきますと、この中のIIの3の外部委託の推進、45ページのところですが、ここについては26年度の評価がCだったところから27年度についてはBに改善しているということでありますが、先ほどの御説明で私の理解したところでは、要するに、この26年度には一定の問題があって、これに関して評価方式、入札方式についての変更を行いましたということで、改善を図られたということなのかなと思っておりますけれども、それの前提で本年度28年度以降について、さらに次のステップとしてどう改善をしていくのか、どこを目標にするのかということを少し教えていただけたらと思います。

 

○大山部会長代理 お願いします。

 

○中里年金事業運営推進室長 まず、今回CからBにさせていただいたところの御説明は基本的には先ほど申し上げたので、もう少し補足させていただきますと、26年度におきましては、今、御覧いただいた45ページの左側から2列目の3つ目のマルにございますけれども、26年度において委託事業者の契約解除というものが発生しています。そういったこともありまして、26年度においてはC評価とさせていただいていたというところですけれども、27年度の評価におきましては、それを受けた形で選定方法の見直しですとか、そういったことについて対応がされているといったことも踏まえまして、評価としてはB評価という形にさせていただいたというところでございます。

 今後というところにつきましては、恐らく29年度計画などになりますから、そういったところでの検討なり対応、あるいは計画についても恐らく部会で御議論いただく機会はあろうかと思いますので、その段階で御議論いただくというところかとは思っております。

 

○大山部会長代理 今の回答でよろしいですか。

 

○原委員 28年度計画については、もう今、既に進めているということだと思いますが、この業務改善計画の内容についても方向性が見えていないものですから、来年度の評価をするときに、どこを見て評価をしていくのかなということが分かりづらいと思っているのです。

 

○中里年金事業運営推進室長 失礼しました。

 御質問は28年度の際のというところでよろしいですか。28年度計画におきましては、改善計画の内容についても盛り込んだ上で、28年度計画というものが策定されておりますので、来年実施いたします28年度の業務実績評価におきましては、改善計画の内容も含まれた形で評価をされるというところだと理解しております。

 

○水島日本年金機構理事長 業務改善計画におきます外部委託については、外部委託ができる業務がさらにないかということでございます。幾つかの業務について外部委託ができるのではないかということを、まだここで差し迫っておりませんので、具体的な業務の内容について申し上げる段階でございませんが、幾つかの業務について外部委託をさらに進めたいと考えておるということでございます。

2627年度評価に関しまして、今、御説明がございましたが、私どもといたしましても、契約解除の案件あるいは倒産の案件等々がございました。そのために外部委託の業者の内容について、より一層厳密にチェックをして、いい業者をかつ安く調達するということについて、より一層努力する必要があると考えておるということでございまして、それに関しましては、少なくとも27年度起きたことについては現在まで起きていないということでございます。そのような状況にあるということでございます。

 

○大山部会長代理 他、ございますか。

 どうぞ。

 

○山口委員 これまでの御議論のように、評価(案)につきましては、私も原案で妥当だと考えております。

 個々の個別の評価を積み上げた全体的な評価というところで考えてみますと、昨年度の評価のときと比べてみまして、Iの提供するサービスの項目に関して見ますと、業務の中には個別の業務の下支え的な業務になっているものとか、あるいは目標を立てて達成度を上げていこうとしているものとか、業務の性格も様々であると思いますけれども、昨年度の評価のときと比べましても、ある程度の水準を保ちつつ、安定してきているのではないかと考えております。

 個別のものについて見ますと、より上の評価ということも考えられるのですが、先ほど部会長代理からもお話がありましたように、全体として見て、IIIIIの業務運営の項目と総合して考えたときに、さらに業務運営の改善が図られることによって、Iの項目においても、底上げなり業務の改善なりが図られる部分があるということも考えられると思いますので、今後に向けては、業務運営の改善が図られることによって、基幹業務やIの業務に関わる点につきましても、さらに業務の質が上がっていくかという点から、今後の取組みを見ていきたいと考えております。

 以上です。

 

○大山部会長代理 ありがとうございます。

 では、斎藤委員どうぞ。

 

○斎藤(聖)委員 私も全体的な評価がどうなのだろうかということを考えておりました。昨年のAとBとCとDの数を数えてみますと、Aが3、Cが5、Dが3と、やはり厳しい評価でした。今年はAとCの数が同じということは、平均点のBになったということだと思います。昨年から今年にかけて努力をなさっていらっしゃるのを、この会議の度にうかがっておりました。それからすると、このBというのは大変妥当なところであり、できることならばBプラスぐらい付けたいなという気持ちでおります。個別のところではまだ改善すべき点があるというのは承知しておりますが、これだけの大きな組織であれだけのマイナスの大きな事件があった後、実によく挽回というか、組織をまとめていらっしゃるのではないかというのが私の印象でございます。

 以上です。

 

○大山部会長代理 ありがとうございます。

 それでは、どうぞ。

 

○齋藤(衛)委員 コメントなのですけれども、今回何を評価したのかということを最初にステートメントを入れていただけるということですので、もし紙面等々の都合で可能であれば、昨年起こった事件に対する対策の進捗というものが読み取りにくいかなという印象がありますので、そこに関して言及していただけるといいかなと思いました。つまり、今々の状況でインターネットとの接続を分断したままであるということ、恐らく本年度の調達でいろいろな昨年度検討した仕組みを実装して、昨年起こったような攻撃をくらっても大丈夫なICTを使って、業務をまた元に戻すのですということが読み取れないかなと思ったのですけれども、そういうことを盛り込んでいただいたほうがいいのではないかと思いました。

 

○大山部会長代理 どうぞ。

 

○石井委員 大変遅刻をいたしました。他の部会と被っておりましたので、申し訳ありません。

 なかなか出席することができなかったのですが、私なりに総括をすると、結果として、業務の質の向上は相対的に改善が図られていて、業務運営の公平性、公正性ですとか、透明性に関しても明らかに改善をしていて、そして、業務の効率化についてもしっかりと効率化が行われていると。結果として、予算収支に関しましては総額で8%の支出削減効果があるという整理だと私は認識をしておりまして、それに対して全く異論はございませんけれども、そう認識をした全体評価に常識的にこれを見るとなりますので、そういう認識だということでいいのですねというのが1つコメントです。

 もう1つ、そうすると、実は最後の予算収支のところなのですけれども、かなり大幅に予算の削減ができていますので、そうであるとすると、例えば3年連続Bなのですが、これはBということで逆によろしいのですか。先ほどの議論あるいは参考資料にもございましたけれども、かなり大きくいろいろな見直しをされていて、ある意味、27年度の事件のようなものを吸収していて、なおかつ、業務の効率化というものも実質的に予算サイドにおいてはしっかりされているということになるのであれば、もしかするとこれはAなのかなと思ったのですけれども、B、B、Bときているのは何か特段の理由があるのかなと。すみません。これも異論があるわけではないのですが、もし理由があれば教えていただきたいと思いました。

 

○大山部会長代理 どうぞ。

 

○中里年金事業運営推進室長 予算の関係ですけれども、石井委員のおっしゃるような点は、おっしゃるとおりだというところだと思いますが、例えば26年度の実績評価でも、コストの削減をしながら事業運営は行われており、概ね計画どおり執行していると評価をしているというところでございます。今回につきましても、コストは削減しながら予算の執行に努めているといったところで、時系列的な評価の整合性というところもあろうかと思いますし、そういった全体のところで鑑みますとBが妥当なのかなというのが事務的な整理ではございますが、他の先生方も御意見等があるようでしたら、検討させていただきたいと思います。

 

○大山部会長代理 いかがでしょうか。何か今の件でありますか。

 それでは、時間も大分経過して、皆様方から貴重な御意見をいろいろいただきました。そろそろまとめに入りたいと思います。

 「日本年金機構の平成27年度の業務実績の評価結果(案)」につきましては、先ほど御指摘を藤井委員からも最初にいただきまして、皆さんからもその旨の御要望をいただきましたので、残念なことが起きてしまった27年はある意味イレギュラーな状態でございますが、そこのことがはっきり分かるような形でこの中に、多分一番最初のところにしっかり書くのかなと思うのですが、書かせていただいて、それを案として私から増田部会長に御報告させていただき、部会長に了承をいただいた上で、次に西村会長へ報告という形をとらせていただきたいと思います。

 事務局側との相談をさせていただきますので、そこについては恐縮ですが、今の時点では私が業務をやることになっていますので、私に御一任をさせていただければと思います。御了承いただければと思います。ありがとうございます。

 その後は、西村会長から厚生労働大臣宛て答申が行われるようになりますということでございます。どういう追記あるいは加筆、修正がどう起こったかについては、皆様方にもちろん御覧いただくようにさせていただきますので、そのように進めさせていただければと思います。よろしいでしょうか。

 

(「はい」と声あり)

 

○大山部会長代理 ありがとうございます。

 それでは、次の議題に進みたいと思います。

 「ねんきんネットの活用促進・ねんきん定期便の見直しについて」でございます。

 資料が提示されていますので、説明を事務局からいただきます。

 お願いします。

 

○岩井事業企画課長 事業企画課長の岩井でございます。

 ただいまの議題につきまして、資料2と参考資料3で御説明申し上げます。

 ねんきんネットの活用促進・ねんきん定期便の見直しについてお諮りするものでございます。

 資料2の1ページ目を御覧いただきたいのですが、この背景でございますけれども、マイナンバーの導入等もございますが、現在ICTを活用いたしまして、行政の効率化、国民の利便性の向上を図るということが求められております。年金記録につきましても、こうしたICTを活用して、国民のアクセシビリティーを高めるということが重要でございます。また、今年度におきまして、政府の行政事業レビュー公開プロセスというものが行われました。この内容につきまして、この資料の4ページについておりますが、その中では、ねんきんネットを活用すること、ねんきん定期便のあり方を見直すということが指摘されておりまして、それを数値目標を踏まえた戦略的な普及策として講ずるように検討が求められております。

 今回これらを受けまして、私どものほうで年金機構とも相談の上、まとめた案が以下のものでございます。

 まず、1枚目がこの概要でございまして、2枚目が詳細になっておりますが、1枚目で御説明申し上げます。

 2つの柱がございます。1つはねんきんネットの活用促進でございます。

 ねんきんネットにつきましては、参考資料3の3ページ目を御覧いただければと思いますが、現在、ねんきんネットにつきましては、こういった形で運用しております。これにつきましては、現在418万人がIDを取得しているのでございますけれども、この利用者をさらに増やすということで、利用者の視点に立ったシステム改善を行っていきたいと考えております。

 第1に、全加入者に対しまして、ねんきん定期便を活用いたしまして、アクセスキーを郵送いたします。これによって本人確認をいたしまして、メールでのID送付ができるようにするものでございます。

 その一環といたしまして、手元でねんきんネットIDを取得できるよう登録手段を簡略化するという取組みもしたいと考えております。

 これは参考資料3の2ページにございますけれども、現在はPCやスマホでねんきんネットのページを開きまして、基礎年金番号等の情報を入力いたしまして、5日間ほど経ってIDが発行される状況になっております。これを即日に取得できるようにするというものでございまして、送付したアクセスキーとQRコードを活用いたしまして、そのほうに入力していただければ、即日IDを取得いただけるようにするというものでございます。

 政府におきまして、今、進められていますマイナポータル、これは29年度にも活用できる形になろうと考えておりますけれども、これにつきましては、参考資料の4ページにございますマイナポータルについての概要資料がございますが、マイナポータルの中にもこの下のほうに「ねんきんネット」というバナーがございます。こちらから、初めはIDの取得の手続は要りますけれども、自動ログインができるようにするという取組みを進めてまいりたいと考えております。

 こうしたシステム改善によりまして、ねんきんネットのID取得を促進いたしまして、利用を促進していきたいというものでございます。

 あわせまして、戦略的な周知啓発といたしまして、世代別にメリットを実感いただけるような丁寧な周知を図っていくというものでございます。例といたしましては、そこの括弧書きにございますような内容でございます。

 さらに、現在でも行っておりますが、ユーチューブ等、様々な媒体、あるいは関係機関と連携いたしまして、周知啓発を行っていくことを考えております。

 このような形で、ねんきんネットの活用を促進するということがまず第1の柱でございます。

 ねんきんネットの活用を促進した上で、ねんきん定期便のあり方も見直していきたいと考えております。

ICTを活用したアクセシビリティーの高いサービスを図っていくという観点から、ねんきん定期便を「紙」から「電子版」へという基本的な方向性を持っていきたいと考えております。すなわち、ねんきんネット利用者につきましては「電子版ねんきん定期便」に原則切りかえていただくということを推進していきたいと考えております。

 その中で、次のページを御覧いただければと思うのですが、基本的な原則といたしましては、そのようにいたしますけれども、基本的に年金記録を確認していただくということが非常に重要な課題であるということは今後も変わりません。したがいまして、例えば紙の定期便の郵送を希望される方については、引き続き紙の郵送を行うとか、あるいはねんきんネットで利用するとされた方につきましても、一定期間以上アクセスがない方につきましてはメールで電子版を確認してくださいと促すメールを送るとともに、最終的には紙での定期便も郵送するとか、あるいは節目便につきましては、引き続き節目便で全員に送付するとか、大変きめ細かく丁寧な対応をとりつつ、このねんきん定期便について電子版へ移行するということを促進していきたいと考えております。

 このような内容につきまして、3ページを御覧いただきたいのですが、数値目標といたしましては、ねんきんネットに係る数値目標を以下のような考え方で進めていきたいと考えております。

 まず第1に、ねんきんネットにつきましては、これは将来的にマイナポータルとの一体的運用を目指すという方向でございます。マイナポータルにつきましては、来年度から本格的な実施ができると見込まれておりますけれども、その状況を踏まえて、適切な目標値を設定していきたいと考えております。

 ただ、それまでの間の当面の数値目標といたしまして、29年度、30年度につきましては、ねんきんネットのID取得数を対前年度比の20%増という目標を立てたいと考えております。

 この根拠が下の※でございますけれども、現在418万件でございまして、月間3万件程度のペースで増加しております。このペースを前提としつつ、下の※にございますように、アクセスキーの郵送やQRコードの導入、様々な勧奨などによりましてアクセルを踏むことによりまして、20%増という目標値を立てて、当面2年度間はこれを進めたいと考えております。その後は、マイナポータルとの一体的運用の中で実態を見て、目標値を立てたいと考えている次第でございます。

 以上が概要でございます。

 

○大山部会長代理 ありがとうございました。

 ただいまいただきました説明内容につきまして、御意見、御質問等があればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

 どうぞ。

 

○藤井委員 全体には良い考えかなと思うのですけれども、より良くするという点で思いついたことなのですが。先ほどのお話では、アクセスがない場合にはアクセスを促すとか、最終的には郵送を復活させるなどということだったと思います。しかし、私自身のことを考えてみてもそうなのですけれども、完全にネット化することは不安なのです。なぜかというと、自分はぼけるかもしれないし、わけが分からなくなるかもしれないわけです。死ぬかもしれない。そのときに、完全にネット化していると誰にも分からなくなってしまってどうにもならない。ねんきん定期便は、被保険者向けだから、受給者向けではないので、老人向けではないと、分かっている人は思うかもしれませんが、各加入者にとっては、それはよく分からないことなので、これに加入してしまうと、死ぬまで何も来ないのではないかとまず思うと思います。そうすると、年金受給の申請についても忘れてしまう可能性が高まるのではないかと思うと思うのです。

 それから、節目節目で、5年後、10年後などでは郵送されるということですが、そのようなことは書いていないので、そうとは思わないと思います。そういうことはきちんとやります、最終的な手続きについては郵送しますなどというようなこと、あるいは、紙のねんきん定期便が来なくなるだけであって、それ以外の手続きの案内は来るなどということですが、そういうことはとても大事なことで、そういうことが書いてなければ、結局そうだとわからないので、一切合切ここで郵便が来ないようにしてしまうと思うととても不安で、多分二の足を踏む人が大半だと思います。ここで検討がストップしてしまうということは結構重要なポイントではないかと思います。

 以上です。

 

○大山部会長代理 貴重な御意見ありがとうございます。そのとおりだと思います。

 他にいかがでしょうか。

 齋藤さん。

 

○齋藤(衛)委員 これでやりたいことはお客様というか、利用者の利便性の向上ということと、要するに、郵送費というのが、コストが60億円かかっているというのを減らしたいという、その2点であるというのはまずよろしいのでしょうか。そうだとすると、目標設定なのですけれども、もっと大々的に狙ってもいいのではないかというのがまず1つあります。20%増にして540万件にしましょうというのは現実的な目標ではあるのかもしれないのですけれども、6,400万件あって60億円かかっているものを減らすという意味では、もうちょっと大々的な目標を設定してもいいのではないかということが1つです。

 セキュリティの観点から2点あるのですけれども、まず、セキュリティリスクはオンライン、ネットを使うとある程度出てくるところがあるのですが、このケースで言うと、なりすましですね。関係ない他人がねんきんネットにアクセスする、それで、年金の支払いの状況であるとか、将来の受給の状況であるとか、個人に関わる情報というものが見られてしまう可能性があると。そのリスクをベースに、認証の部分を、最初に発行するのはいいと思うのですけれども、どうやって維持管理、認証の頑健性というか、なりすましされないということをどうやって担保していくのかということを非常に注意深く考えないといけないだろうというのが、まず1つコメントです。

 そういう意味では関連するのですが、マイナンバーのID連携というのは素晴らしいのですけれども、仮に向こう側で事件が起こったとしてもねんきんネット側に影響を受けないような予防線というものは張っておくということはやっておいたほうがいいのではないかと、それが3点目になります。

 以上です。

 

○大山部会長代理 どうぞ。

 

○岩井事業企画課長 ただいまいただきました御意見、参考にしてまいりたいと思います。

 まず、大胆な目標などということなのですけれども、1つのハードルといたしましては、マイナポータルやマイナンバーがどのような普及状況にあるのかということ、まず、これが未確定要素であるということと、仮にねんきんネットのIDをとられた方がどれだけ紙郵送を希望されるか、逆に言えばされないのかということがまだ見えない状況でございます。これらにつきましては、来年度以降、取組む中で実績が見えてくるところがございますので、そこをしっかりとしたデータ、エビデンスでもちまして、目標を立てていくという2段階の考え方でいきたいと思っておりまして、そこでは大胆にできる限り進める方向を、方策と一緒に考えていきたいと思っております。

 それから、なりすまし等のリスクなのですが、これは大変重要なポイントでございます。アクセスキーを配ることにつきましては、実は以前もアクセスキーを配っていたという経緯がございます。そのときに、アクセスキーとか年金番号など以外の個人情報、一緒に入力しないととれないというような形で、リスクを回避するという取組みをしておりましたし、当時もそれで問題が起こったという事例は起こっていない状況です。いずれも、そういうことも含めまして、リスク管理については十分な配慮をしていきたいと思っております。

 マイナンバーにつきましては、これは政府全体の問題でございます。政府全体で非常に高い信用性があると考えておりますが、ねんきんネット等も含めて、今、さまざまな議論をしておりますので、この点についてのセキュリティということについては、最重要課題として私どもも今後検討していきたいと思っております。

 

○大山部会長代理 よろしいですか。

 どうぞ。

 

○斎藤(聖)委員 否定的な意見のほうが多いということに、実はびっくりいたしました。ここにいらっしゃる方たちでしたら、多分紙ベースのお手紙を書くことはなくて、メールで全部済ませていると思うのですけれども、そういう環境にあっても、それでもまだ抵抗がこんなにあるということを考えますと、世間一般では、抵抗のほうが大きいのかもしれないと改めて思いました。

 しかしながら、紙は紛失してしまうし、捨ててしまうかもしれないし、毀損するリスクが大きいのですけれども、メールで来てそれでウェブで見られるということになると、データの確保という意味では個人的には非常に楽になるなと思っております。節目節目には郵送するということで、それで御安心くださいというのはメッセージとしてはよろしいのですけれども、人間、特に若いうちは転勤をしたり、引っ越しをしたり、住所が変わることが多いので、節目節目まで待っていると、住所の整理というものが今までよりもずっと難しくなるのではないかと危惧されるのですが、それはいかがなのでしょうか。

 

○岩井事業企画課長 今、委員から御指摘いただきました、まず第1の点は、私どもといたしましては、アクセシビリティーを高めるということで推進したい、原則はこれはもう電子版でやると。どうしても紙が要るという方だけ紙にしていくという状況にしていきたいと思っておりまして、その点は御理解いただけるものと思っております。

 節目便につきましては、これ自体はそれぞれの年齢層におきまして、将来の人生設計や保険料の未納状況などを確認していただくという意味で、こちらからも促すという意味で非常に重要と思って、今回生かしているものでございます。住所につきましては、この定期便とか、あるいはそれとは別の問題としまして、年金制度全体を運用する中で常に年金機構のほうで把握している。また、それは今後もいろいろな政府間の情報の連携の中で把握していく形になっておりますので、そこはそちらで対応していくということであれば問題ないかと考えております。

 お答えになっていないかもしれませんが、お答えを申し上げます。

 

○伊原年金管理審議官 以前、記録問題を担当していたときに、ねんきんネットの構築中、定期便の送付という仕事に従事しました。日本の場合、記録問題があったが故に、国民の皆様お一人お一人に、御自身の記録を確実にご確認いただくことが必要であるとの判断に立って、確実に郵便で送るべしという考え方があって、最初は紙は全員に送るということでスタートしました。

 ねんきんネットを作ったときに、紙からネットに全面的に移行して、ねんきんネットを使っている方にはもう紙は送らないという案も考えましたが、日本はまだ紙で見ないと安心できないし不安だと、今日も御意見が出ていましたけれども、そういう意見が強くありました。結果的に、ねんきんネットを使っている方のうち、私はもう紙は結構ですという方に登録いただいて、そういう方にのみ紙を送っていないのです。今、ちょうど31万人です。ですから、ある意味で6,000万人の中のほんのわずかの方だけが郵送を遠慮いただいていると。

 当時から時間が経過し、記録問題への対応が大きく進んだこともあり、ねんきんネットのデファクトスタンダードを基本的には紙は送らないというほうに切り替えたいと思っています。ただ、切り替えるにしても、記録問題という事態があったという経緯もありますので、きめ細かな配慮をして、例えば1年間のうちに1回もアクセスがない方には紙は送りましょうとか、節目便も送りましょうと、こういう配慮をすることで、確実な記録確認の必要性と効率化の問題をバランスさせる形で取組んでいきたいと考えております。

 もう1点、先ほど斎藤先生から若い方は住所移動が多いというお話がありましたが、これについては、今でも住基ネットにぶつけて被保険者の方の住基の情報でできるだけ取り入れるようにしていますが、来年度以降、マイナンバーで我々もやっていこうという時代になろうとしています。そうなってくると、今よりも改善するだろうと思っています。正直申し上げて、現時点では、受給者の方はほとんどもう住民票の住所は確実に把握できていますが、現役はまだまだなのです。マイナンバーを利用する中で、もっと住所が変わってもしっかりと年金機構がその人の居場所を把握できるようにするということが、我々の次の目標です。すぐにはできませんけれども、そういう改善に努めていきたいと思っております。

 

○大山部会長代理 今日は進行役だから黙っているのが結構辛いところもあるのですけれども、今の発言は、気を付けないと間違っているところが幾つかあります。

 まず第1に、住民票とマイナンバーは1対1対応なので、どちらを使っても住民票上の住所の精度は同じです。

 それから、マイナポータルにはマイナンバーで直接アクセスするのではないはずなので、そこについてもナンバーはあくまでもナンバーで、言っているのは個人番号カードでの認証だと思いますので、そこのところも分けていただく必要があります。マイナンバーカードはもう既に1,000万枚を超えていますので、そういう意味では普及率がねんきんネットとは全く違うのです。今年から入って1,000万を超えている状態ですから、その意味では、きちんと事実関係を整理した上で議論を進めるほうがよろしいのではないかと。別にどれをやれというつもりはないのですけれども、きちんと利害得失がありますのでと思います。

 大体これで予定の時刻なのですが、皆さん、何か御発言はございますか。よろしいですか。

 それでは、いただきました方針につきまして、概ね妥当と認めたいと思います。さまざまな課題がありますので、そこについてはしっかり進めて、引き続き御検討いただいた上で、ここにも御報告いただければと思います。

 審議事項としては以上でございます。

 「その他」といたしまして、障害年金制度の運用に関する対応状況について、事務局から報告があるということでございますので、説明をいただきます。

 お願いします。

 

○重永給付事業室長 資料3を御覧ください。

 「「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン」の策定及び実施について」というものでございます。

 障害年金の認定につきましては、地域差があるということで、検討会を開催しまして、こちらの部会のほうにも検討状況について逐次御報告をしてきたところでございます。直近ですと、2月29日のこちらの部会におきまして、検討会で議論がまとまったということで、まとまった内容について御報告をしたところでございます。

 今日お配りしている資料につきまして、前回御報告をした段階では、まだ施行日は決まっておりませんでした。それについて、この新しいガイドラインを用いた判定を9月1日から施行するということに決まりましたので、御報告をさせていただきます。

 以上でございます。

 

○大山部会長代理 何か今の件でお聞きになりたいことはございますか。

 ありがとうございます。

 もし御意見、御質問等がありましたら、別途事務局を通じて照会いただくようお願いしたいと思います。

 本日の議題は全て終了となります。皆様方から最後に何か御発言があれば承りますが、いかがでしょうか。

 事務局側はどうですか。特にいいですか。

 次回の日程につきましては、事務局から改めて連絡するということになってございます。

 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。委員の皆様におかれましては、貴重な御意見をいただきまして、御礼申し上げたいと思います。

 それでは、これで閉会いたします。ありがとうございました。

 


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金事業管理部会)> 第26回社会保障審議会年金事業管理部会議事録(2016年8月4日)

ページの先頭へ戻る