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2016年5月19日 医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第6回)議事録

医政局医事課

○日時

平成28年5月19日(木)14:00~16:00


○場所

厚生労働省省議室(9階)


○出席者

荒川 哲男 (全国医学部長病院長会議会長)
一戸 和成 (全国衛生部会長)
今村 聡 (日本医師会副会長)
小川 彰 (岩手医科大学理事長)
神野 正博 (全日本病院協会副会長)
北村 聖 (東京大学大学院医学系研究科附属医学教育国際研究センター教授)
権丈 善一 (慶應義塾大学商学部教授)
小森 貴 (日本医師会常任理事)
平川 淳一 (日本精神科病院協会常務理事)
平川 博之 (全国老人保健施設協会副会長)
福井 次矢 (聖路加国際病院院長)
本田 麻由美 (読売新聞東京本社編集局社会保障部次長)
松田 晋哉 (産業医科大学医学部教授)
森田 朗 (国立社会保障・人口問題研究所所長)
山口 育子 (NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)

○議題

1.医師需給推計について
2.医師偏在について

○議事

 

○堀岡医事課長補佐 ただいまから、医療従事者の需給に関する検討会第 6 回医師需給分科会を開催いたします。構成員の先生方におかれましては、本日は大変お忙しい中、御参集いただき誠にありがとうございます。また、日本精神科協会の平川先生が急遽欠席という御連絡、また、産業医科大学の松田先生、読売新聞の本田様から少し遅れるという御連絡を頂いております。失礼いたしました。ここで、カメラは退室をお願いいたします。片峰座長から所用により御欠席との御連絡を頂いております。本日は片峰座長が御欠席ですので、以降の議事運営に関しては森田座長代理にお願いいたします。

○森田座長代理 皆様こんにちは。今日は座長代理として進行役を務めます。よろしくお願いいたします。それでは、始めに事務局から資料の確認をお願いいたします。

○堀岡医事課長補佐 まず、医師需給分科会中間取りまとめ ( ) という資料が 1 部、参考資料 1 、参考資料 2 という 3 つです。御確認の上、不足する資料等がありましたら事務局にお申し付けください。

○森田座長代理 それでは早速、議題「中間取りまとめについて」に入りたいと思います。資料、医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会中間取りまとめ ( ) に関して事務局から説明をお願いします。

○堀岡医事課長補佐 医療従事者の需給に関する検討会中間取りまとめの資料を説明いたします。 1 ページです。 1 番「はじめに」という所です。この検討会の開催された経緯や、そもそもの医師不足に関する考え方等をまとめております。医療従事者の需給に関する検討会は、医療従事者の需給の見通しや医療従事者の確保策、地域偏在対策等について検討することとして開催されております。

2 つ目のポツです。検討会の下の医師需給分科会においては、平成 20 21 年度からの医学部定員の定員増が平成 29 年度に終了するということから、この取扱い等について早急に検討するということとして昨年 12 月から 6 回開催されて、将来の医師需給や当面の医学部定員、医師偏在対策等について、今回、中間取りまとめということで案を出しております。これまで、 1,637 名の医学部定員の増員を行うことにより、全国的な医師数の増加を図るとともに、医師が自由に勤務地や診療科等を選択するという、基本的に自主性を尊重した地域偏在対策を講じてきましたが、地域における医師不足という指摘は解消しておりません。

 また、医師の要請は中長期の期間を要すること、医学部の進学者が増加すれば他の領域の人材不足等を招くおそれがあるという指摘等、様々な指摘を頂いております。そういう指摘を踏まえ、今後、医師の地域偏在対策の議論を進めていくということは特に重要であると考えております。

2 つ目、これまでの医学部定員の経緯についてです。医学部定員について簡単に復習いたします。昭和 48 年に閣議決定された「無医大県解消構想」があります。それによって医師定員数の一度増加が図られて、一時、医学部定員が 8,280 名までいっております。その後、将来の医師過剰が見込まれたことを踏まえて、医学部定員を削減して平成 15 年以降、数年間、 7,625 人で維持されてきたところです。

 その後、平成 17 年医師需給に関する検討会が今回のように設置されて、そのときの報告書において、まず、医学部定員に関しては昭和 34 年に需要と供給がマクロ的には均衡するということ、ミクロの領域では自然に満たされることを意味するものではないということが書かれておりました。

 次のページです。 (2) 医師の偏在についてです。医師の偏在対策も一緒に議論されております。病院・診療所等の施設や小児科・産婦人科の診療科における医師の勤務環境等の現状を踏まえて、医師数は全国的には増加しているものの、地域間の医師の偏在は必ずしも減少には向かっていないということ、また、地域に必要な医師確保の調整を行うシステムの構築が急務であるということ、また、併せて医療機能の分化・連携、医療事故の究明を行う制度、チーム医療体制の整備、医師の業務の効率化等、医師の偏在を是正するために効果的に施策を講じることが必要ということが、そのときにも議論されてまとめられております。

 後ほど医学部定員の考え方の所で細かく説明いたしますが、 3 段階、医学部の定員について大きな変更がありました。まず、「新医師総合確保対策」ということで、平成 20 29 年度までの間、医師不足が特に深刻と認められる 10 県について、まず、各県で 10 名までの暫定的な増員が認められております。

 その後、平成 19 年に決定した「緊急医師確保対策」の中で平成 29 年までの間、医師確保が必要な地域や診療科に医師を確保・配置するために、都道府県ごとに 5 名までの暫定的な増員等、また、平成 21 年に閣議決定された「経済財政改革の基本方針 2009 」や平成 22 年の「新成長戦略」に基づいて、平成 31 年までの間、地域医療に従事する明確な意思を持った学生に奨学金を貸与し、大学が地域枠等で地域定着を図ろうとする場合の医学部定員については、各都道府県ごとに原則 10 名までの暫定的な増員が認められております。このような経過で現在、医学部定員は過去最高の 9,262 人です。

 また、このような医学部定員の大幅な増員の一方、今までの偏在対策は、医師が勤務地や診療科を自由に選択するという自主性を尊重しながら、医師のインセンティブ付け等を推進することで医師偏在対策を実施してまいりました。具体的には、診療報酬やチーム医療の医師の負担軽減を目的とした役割分担、また、 3 ページですが、地域医療に従事する明確な意思を持った学生に対する奨学金の支給や地域医療支援センターの設置等が行われてまいりました。

 また、平成 26 年に成立した医療介護総合確保推進法で更にその取組は進んでおり、地域医療介護総合確保基金を設けて医療従事者の確保に使える財政的な支援をしたり、地域医療支援センターを法的に格上げしたり、医師勤務環境改善支援センターを設置すること、また、看護師が特定行為を手順書により行うことができるようにしたり、診療放射線技師等、医療関係職種の業務の範囲を拡大、また、医療事故に関する調査の仕組み等の制度改正が行われてきました。

 このように 1,637 名の医学部定員の増員が行われるとともに、今、申し上げてきたような医師偏在対策が講じられてきたことによって小児科の医師数は漸増する、また、産婦人科の医師数も平成 18 年度に一度かなり下がりましたが、現在、増加方向に転じており、一定の改善は見られているところですが、地域における医師不足の指摘は引き続きかなり強いものがあるものと認識しております。医学部定員の増員により、医師数の全国的な増加を図ったとしても、医師の偏在対策が十分に図らなければ、地域の医師不足の解消にはつながっていかないと考えております。

 次は今回の推計です。 3 「将来の医師需給推計 ( 全国レベル ) について」です。今回のこの推定は、限られた時間の中で一定の前提を置いて行ったものです。参考資料 1 34 ページを横目で御覧いただきながら御覧いただければと思っております。まず、この需要と供給の推計ですが、前提を申し上げると、本推計は 2025 年のあるべき入院医療の姿として各都道府県で現在、策定中である地域医療構想を前提に推計しております。この推計のやり方としては、病床の機能区分ごとに医療需要の推計を行って、医師が常に良い医療を推進できるよう、ゆとりを持った労働環境で医療の提供を可能とする必要があるという考えを踏まえた推計を行っております。

 説明の順番を変えます。 4 ページの下から 2 つ目のポツで、今回行った推計の主な前提について書いておりますので、まずはこちらを説明いたします。今回、地域医療構想を踏まえて 4 つの機能ごとに、それぞれ必要な医師数を見込んで推計しております。また、医師の勤務時間について、医師の労働時間への縮減度の見合いについて、現在の勤務医の労働時間から一定程度縮小することで上位推計、中位推計、下位推計で医師の需要が変わってくることを見込んで 3 本の青、緑、紫の上位、中位、下位推計を出しております。また、 3 つ目ですが、この需要には臨床以外に従事する医師として、国際分野、行政分野、そして製薬業界等の医師の大幅増をするということを見込んで推計しております。

 一番下ですが、医師の需要推計については、今、申し上げたとおり縮減度合い等の仮定を 3 パターンに置いております。医師の需要が最も大きくなると仮定した上位推計、このグラフで申しますと青の推計です。平成 37 年度には 31.4 万人、平成 52 年には 31.5 万人、一定程度、医師の需要が大きくなる、つまり中間の労働時間の縮減度合いで計算している中位推計においては、この緑の線ですが、平成 37 年及び 2040 年には 29.9 万人。最も医師の需要が小さくなる、すなわち、紫の推計においては、平成 37 年及び平成 52 年には 29.2 万人になるという推計をしております。

 また、前述の地域医療構想を踏まえた将来推計で対応できない医師需要については、次の前提で推計を行っております。精神病床の入院医療については、患者調査の受療率や将来人口の構成等を踏まえ、一定の幅を持って算出しております。また、外来医療については、レセプトデータに基づく受療率や将来人口の構成等を踏まえ一定の幅を持って算出、また、老健施設にも医師が必要ですので、そこの医療については介護給付費実態調査に基づく入所率に将来人口構成を反映して算出しております。需要についての主な仮定は以上です。

 次に供給について、このグラフでいうと赤の線です。平成 27 年に 27.4 万人ですが、現在の 9,262 人が続くという仮定の下で、平成 37 年には 30.3 万人、平成 52 年には 33.3 万人に増加すると推計しております。 2 つ目のポツです。この推計は、過去 10 年分の医師国家試験合格率や就業率等のデータに基づいて、平成 52 年までの値を算出しております。また、分科会における参考人の意見等を踏まえて、 30 50 歳の男性医師の仕事量等を基準として設定して、女性医師は育児など勘案してその 0.8 60 歳以上の高齢者はその 0.8 、研修医については 1 年目・ 2 年目それぞれその 0.3 0.5 として見込んでおります。

 なお、これについては既に就業率のデータを織り込んだ上でしております。例えば、育児休暇で医療機関を休んでいる人については、そもそも 0 という形で計算しております。女性医師は医療機関に勤務している人が 0.8 という仮定で計算しております。

(3) 需要推計のグラフの結果です。 (1) (2) の仮定において上位推計の場合には、平成 45 年頃には 32 万人で医師需給が均衡になり、平成 52 年には医師供給が 1.8 万人過剰となるという結果です。中位推計の場合には平成 36 年に均衡、平成 52 年には医師供給が 3.4 万人過剰、下位需要推計は 28 万人で平成 30 年に均衡して、平成 52 年には医師供給は 4.1 万人過剰になると推計しております。

4 ページの 2 つ目のポツに戻ります。ただし、今回の推計については、限られたデータに基づいたものなので、国民のニーズに応える安心・安全な医療を国民に提供するためにはもう少し精緻な、まずは将来の男性・女性いずれの医師についても年齢構成等の変化を適切に見通す中で医師の働き方・勤務状況等の実態について精度の高い推計を行っていくということで、医師の新しい働き方等を示すビジョンを策定した上で必要な医師数を推計するというプロセスも必要だと判断しております。

 そのため、本年度、この推計はこの推計でかなりの確度を持ったものだと考えておりますが、更により良い推計にするために医師の働き方・勤務状況等の現状を把握するために新たな全国調査を行い、女性医師をはじめとする医師の働き方改革を含めた意向等に関する調査も併せて行って、各都道府県が策定する地域医療構想等を含めた「新しい医療の在り方を踏まえた医師の働き方ビジョン ( 仮称 ) 」を策定して、その上でもう少し精緻なものをお示ししていこうと考えております。

6 ページです。 4 「医師偏在対策について」です。繰り返し申し上げますが、今まで勤務地や診療科を自由に選択するという自主性を尊重した対策を行ってきましたが今回、一定の規制を含めた対策を行っていくという観点から、各構成員から頂いた意見や関係団体等の提言を踏まえて、中間取りまとめ以降に御議論していただくものについて、以下の事項として整理しております。

(1) 医学部です。1いわゆる地域枠のこれまでの効果について地元出身者の定着率も含め検証を行い、卒業後の地域定着がより見込まれるような地域枠の在り方について検討する。また、2医学教育において地域医療の向上への貢献に関して、より早期の動機付けを図る。

(2) 臨床研修です。 3 つあります。1臨床研修の質等に配慮しながら、今、臨床研修の募集定員の数は医師の臨床の数よりもかなり大きい倍率が設定されておりますが、その倍率のなお一層の縮小を検討してはどうか。また、都道府県別の募集定員の設定に当たって医師不足地域等により配慮する設定の仕方をしてはどうかという御意見がありました。2募集定員の配分等についての都道府県の権限を強化すること。3出身大学の地域で臨床研修が行われることを促すという仕組みについて検討すべきという御意見がありました。

(3) 専門医です。1国、都道府県等の関係者が調整を行おうとしても、現在、適切な権限行使や役割分担の枠組みはないということ、また、地域における調整等に関する権限を明確化するということが必要だという御意見がありました。また、2専門医の募集定員について、診療領域ごとに地域の人口、症例等に応じた枠を設定するということを検討するべきという御意見を頂きました。

(4) 医療計画による医師確保対策の強化です。現在、医療計画の検討会が始まろうとしておりますが、1都道府県が策定する医療計画において、医師数が不足する特定の診療科・地域等について、確保すべき質の目標数を設定して専門医等の定員の調整を行えるようにすることとしてはどうか。2将来的に仮に医師の偏在が更に続く場合には、その地域で十分、既に供給がある診療科について更に診療所開設を行う場合等に、保険医の配置・定数の設定や自由開業・自由標榜の見直しを含めて検討するということが書かれております。

(5) 医師の勤務状況等のデータベース化です。現在、医師の勤務状況のデータベースは三師調査等でしかないものですので、医籍登録番号や三師調査等既存の仕組みをより有効に活用するようなデータベース化について検討してはどうか。 (6) 地域医療支援センターの機能強化です。地域医療支援センターについて、所在地の医育機関との連携を講じた上で、医学部入学から生涯にわたって医師のキャリアを追えるような形にして、医師のキャリア形成支援等もできるよう地域医療支援センターを強化してはどうかということを書いております。

(7) 都道府県が国・関係機関に協力を求める仕組みの構築が書かれております。 (8) 管理者の要件です。特定地域・診療科で一定期間診療に従事することを臨床研修病院、地域医療支援病院、診療所等の管理者の要件とするということを検討しております。 (9) フリーランス医師への対応です。医師の資格や専門性が有する公益性を踏まえて、いわゆるフリーランスの医師や多額の紹介料等を要する者への対応について検討する。 (10) 医療事業の継続に関する税制です。地域の医療機関の事業の承継に関して、事業の承継に当たっての優遇税制について検討すること。

(11) 女性医師への支援です。現在、女性医師が非常に増えてきておりますので、病院における柔軟な勤務体制の採用等、女性医師の支援の取組を推進するための検討。 (12)ICT 等の技術革新に対応した医療提供の推進です。医師が業務を効率的に行うことができるよう、 ICT 等の技術を活用した医療提供を推進すること。 (13) サービス受益者に係る対策です。医療機関の詳しい診療内容や「かかりつけ医」等について、患者側にも情報提供を推進するということをまとめて書いております。

8 ページです。 5 「当面の医学部定員の基本的方針について」です。文字だと非常に分かりづらい点がありますので、 37 ページを横に御覧いただきながら御覧ください。まず、基本的な考え方ですが、医師養成のためには医学部 6 年、臨床研修 2 年等、いわゆる一人前の医師になるためには 10 年程度の期間が必要となると考えております。

3 に述べた今回の医師需給推計では、中位推計であっても、あと 8 年で医師需給が全国的に均衡するということを踏まえるので、既に現時点でも 10 年後ですから、将来的には供給の過剰が見込まれると考えております。

 今、 4 番で 1 1 つ丁寧に説明しましたが、今後、医師の偏在対策を強力に行っていくということを考えておりますので、当面の医学部定員については、基本的な方針としては以下のとおりとしたいと考えております。 (1) 平成 29 年までで終了する医学部定員の暫定増の取扱いについてです。 37 ページの黄色の部分については、先ほど説明しましたとおり、平成 20 21 年度に「新医師確保総合対策」若しくは「緊急医師確保対策」で医学部の定員増が始まっております。これについては、平成 29 年で終わることとなっておりますので、平成 29 年度で終了する暫定増についてどのように考えるかということで、以下の理由を踏まえて当面延長することを提案したいと思います。

2 つの理由です。これらの措置が、特に医師不足が深刻な都道府県や、医師確保が必要とされる地域や診療科を対象として設けられた仕組みであるということ。また、平成 20 年ですので、この 3 月で臨床研修を終えた医師がやっと出てきたところで、その効果についてまだ十分な検証を行うことができないと考えておりますので、地域の医師不足という御指摘を踏まえて当面延長します。

(2) ですが、もう 1 つ医師の定員増として、赤の部分があります。これについては、「新成長戦略」に基づく医学定員の暫定増で、平成 22 31 年まで 10 年間、医学定員増が都道府県等の要望に応じて可能となっている仕組みです。これについては、この 3 年間に更に追加増員を行おうとした場合には、中位推計で、あと 8 年で全国レベルの医師需給が均衡されるという中で、なお、医学部が定員を更に増員することとなることから、各都道府県からの追加増員の要望に対しては、これが本当に必要な増員であるかについて慎重に精査していくことが必要であると考えております。

(3) 平成 32 年度以降の医師養成数についてです。今回の医師需給推計の結果や、これまでの医学部定員暫定増の効果、今回の見直しによる医師偏在対策の効果等について可能な限り早期に検証を行って、「経済財政改革の基本方針 2009 」及び「新成長戦略」すなわち赤の部分も含め、医学部定員の暫定増についてどのように考えるのか、医学部定員について、医師養成数について、平成 32 年度以降のこととして可能な限り早期に検証を行っていく、その結果、平成 32 年度以降の医師養成数について見極めていくということを考えております。

 医師需給分科会中間取りまとめ ( ) についての説明は以上です。

○森田座長代理 ただいまの事務局の説明に関して、これから議論を頂きます。まず、 1 「はじめに」から、 4 「医師偏在対策について」まで、御議論を頂きたいと思います。そのあとで、結論部分に相当いたしますが、 5 「当面の医学部定員の基本的方針について」の御質問、御意見等を頂きたいと思っております。それでは、御自由に御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○今村構成員 座長から今お話を頂いたことで確認ですが、中間の取りまとめの意味合いというか、今、座長から 5 は結論で、 1 から 4 は議論するというようなお話でした。取りあえず、全体を中間的にまとめて、何かこれから以降の議論で変わってくるような可能性があることなのか、もう 5 は今日決めて決定という方針という理解でよろしいですか。中間という意味合いは、どういう意味合いなのでしょうか。

○森田座長代理 ちょっと不用意な言葉を使ってしまったかもしれませんが、 5 だけが結論というわけではなく、この文章全体を今日固めるということです。このあと親会がありますので、こちらで御議論を頂いた結果、一定の結論が得られればそれがいいわけですが、そうではない場合には、親会でまたきちんと議論をしてまとめる予定です。事務局、それでよろしいでしょうか。

○堀岡医事課長補佐 はい。補足をさせていただきたいのですが、今の先生の御質問は、最終取りまとめに関してどういう考え方なのかという意味合いも含めてだと思うのですが、医学部定員については特に平成 29 年度以降、黄色の部分などについては、今回の中間取りまとめで結論を出さなければならないと考えております。また、偏在対策などの部分については、もちろん夏以降に中身のあることを深く掘り下げて議論するということを繰り返し申し上げて、ここでは 4 番目は玉出しということでやっております。そちらについては、大幅に最終取りまとめについて、ここの部分が大きく膨らんでいくというような考え方でおります。

○今村構成員 分科会としては、そういう結論を出すということになると思いますが、前回、最初の親会のときにも、ここで決定したことが決定ではない、親会のほうの意向もというお話もありました。当然そこで議論になって、最終的にはこの 5 については結論を、 1 から 4 についてはこれからこちらの分科会で議論を進めるという整理でよろしいですか。

○堀岡医事課長補佐 そのとおりです。

○森田座長代理 それでは、神野構成員、どうぞ。

○神野構成員 「はじめに」のほうから意見を言わせていただきます。上から 3 つ目の○ですが、地域における医師不足は解消していないと断言していただいたことは、高く評価したいと思います。先ほど、堀岡補佐からは、言葉では地域における医師不足は解消していないという指摘があるとおっしゃったと思うのですが、文言のとおり受け取って評価したいと思います。

 それから、 4 ページ目の 1 番目の「しかし」から「そこで」までの 3 つの○ですが、今回、需要推計に関して、今回の前提の条件でこういう医師数の需要予測であるということであって、今までいろいろとこの分科会で申し上げておりましたが、地域医療構想等に従った現状追認的な需要予測以外にも、いろいろあるのではないかと申し上げていたと思います。それに関しても、ここでもう少し、より精度の高い推計を行い等々と書いていただいたことは、中間以降で別な推計予測があり得ると認識させていただくということかなと思っております。

 最後に、偏在対策うんぬんですが、この養成数と偏在というのは、両方合わせ技ということも確認したいと思います。どちらか一方というわけにはいかないのかなと思っています。今後の需要予測等について、今の地域医療構想以外にいろいろな考え方があると思うのですが、例えば特に高度急性に関しては、疾病の発症予測等から専門医数をカウントする、あるいは今後必要な総合診療医やかかりつけ医等を高齢化人口等で予測するなど、いろいろな資本があると思いますので、次回以降になると思いますが、一緒に検討させていただければと思います。

○森田座長代理 一応、今回の案についての確認の発言もあったと思いますが、事務局はそのような御理解をされるということでよろしいですか。

○堀岡医事課長補佐 いずれにしろ、このやり方などについて、また御相談させていただく機会があると思いますが、今後の推計を精緻化していくための全国調査などを行っていくということです。

○福井構成員 私も、全体的には、今まで述べられたいろいろな意見が十分取り入れられているように思います。 2 点ほど、できればお願いしたい点がございます。 1 つは内容のことです。 6 ページの 4 「医師偏在対策について」の (3) の専門医の所ですが、この文章だけですと最悪の場合、各診療科が独立に必要な専攻医数を計算して、医師全体の数が、ある年度の医学部卒業生の数の 2 倍になるようなことがあり得るのではないでしょうか。したがって、診療科をまたいだ調整をどこかでする必要があるのではないかと思います。

2 点目は、神野先生がおっしゃったように、私も偏在対策が、十分対応が取られない限りは、数は幾ら増やしても全く対策にならないという点に強く賛同するところです。偏在対策を、どれぐらい強い意思をもってやるのかが重要だと思います。 6 7 ページを読みますと、「検討する」という言葉で終わっている文章と、実際に何々をする、「動機付けを図る」というように終わっている文章とが混在しております。厚生労働省としてはいろいろな自治体や機構、施設などとの調整が必要なために、「検討する」でとどめている文章が多くなるのではないかと推測はいたします。私としては、もう少し強い意思でやるという文章になることを臨みます。

○森田座長代理 これについて、事務局、どうぞ。

○堀岡医事課長補佐 最初に頂いた専門医のことですが、これについては今、医療部会、専門医部会などでも、正にオンゴーイングで議論していただいているところです。そちらの議論も踏まえて、連携して様々な検討を行ってまいりたいと思っています。

 偏在対策のより強いというのは、 6 ページ目の 4 の「医師偏在対策について」の下 3 行に、今後、次の事項の実施に当たっての法制的な課題、関係者の意見などを踏まえ、年末に向け検討を進め、取りまとめを行うこととするということで、しっかり書いておりますので、これまで以上に強い偏在対策を頑張ってまとめていきたいと考えております。

○今村構成員 神野先生が冒頭お話になった地域の医師不足については、現在は委員の皆さんの共通の理解だと思います。。ただ、この委員会で議論しなければならないのは、将来の医師の需給だということは、改めて確認をさせていただきたいということです。精緻な調査を行うというのは、正しく本当に大事なことで、今は様々な条件で推計をしていると。それは、需要のほうは参考資料の 34 ページに、上位推計、中位推計、下位推計と出ています。前の親会との合同の会で意見がありましたが、この中間取りまとめでも、将来的には医師は過剰になるという文言がしっかり書かれています。そこがいつ飽和するかという推計を 34 ページでしていますが、例えば供給のほうを今回、何年度までこの政策は延ばすのだ、打ち切るのだという議論をしている中で、ではここで止めたらどういうことが起こるのかという推計が全くない。そういう推計を一緒に合わせて出してくださいという御意見が確かあったと思います。これは、今日でなくても結構ですが、親会までの間にそういった推計も合わせて出していただいて、親会の審議の参考にしていただけるようにしていただければ有り難いと思っています。

 それから、一番大事なのはとにかく偏在対策で、これは福井先生がおっしゃったように、あるいは以前も本田さんもおっしゃっていましたが、何もしていないというようなお話もありました。これは本当に強力にやっていただくと。そのことによって、多分将来の医師の需要の話も変わってくる可能性があると思っています。ここは、この年末まで、中間の報告のあとに具体的に 1 1 つどこかで議論をしていくということになれば、相当、将来的にこの数字も変わってくる可能性もあり得るということを考えておりますので、是非ここは強力にやっていただきたいと思います。

○森田座長代理 今、御指摘がありました最初の供給のほうのほかの可能性について、事務局、どうぞ。

○堀岡医事課長補佐 前回、親会で御意見を頂いたのは、この赤、青、黄色のもので、例えばどれをどれぐらい減らしたら、この 34 ページの赤の線がどういう変化をするかを出すべきだという御意見を頂いたことだと思っております。それについては、今後精緻な調査などを行っていく検討の過程で、どこかでお示しをさせていただければと考えております。

 また、偏在対策については、いずれにせよ今からの議論ですので、その議論の中身を踏まえて、もちろん例えば臨床研修に関しては臨床研修部会でも議論しなければいけませんし、ここだけで結論できるものではありませんので、きちんと各正規の部会、委員会とも連携して、偏在対策の実効性があるものをきちんとまとめていこうと思っています。

○小川構成員  1 点は質問なのですが、 34 ページの需要推計の結果で、 2024 年の 30 万人というのが、この年の人口動態上、 10 万当たり何人になるのかです。それから、 23 年の 32 万人というのは、 10 万人当たり幾らになるのかを教えていただきたいというのが 1 点です。

 それから、もう 1 点は、先ほど来皆さんからお話が出ている医師偏在対策なのですが、これが最も重要なポイントだと思います。中間取りまとめの 1 ページ目の一番下にありますように、平成 17 年の検討会で、次のページの (2) の2に、医師確保の調整を行うシステムの構築が急務でありということが既に述べられています。そのあとに、いろいろ言って、効果的な施策を講じていくことが必要とされたのだけれども、これから 10 年たっているのですが、全くこれに対する対策は取られていないと言っていいわけです。今回の医師需給に関する検討会では、 6 ページの 4 の「医師偏在対策について」の所に、先ほど来お話がありますように、もっと強く法的な課題、関係者の意見等を踏まえ、年末に向けて検討を進めるのではなくて、具体策の提言をするぐらいの強い対策で臨まないと、前回の 10 年前と全く同じことになってしまうと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。

○堀岡医事課長補佐 確かに、平成 17 年に始まった報告書にも似たようなことが書いてあるということですが、これまでは基本的に自主性を尊重して自由な選択の中で、緩やかに医師を調整する仕組みというものを考えてきたところです。ここに書かれていることは、 2 ページの一番下の○、又は 3 ページ目の途中にある○、平成 26 年の医療介護法の成立などの様々な施策で、平成 17 年の報告書に書かれていたことも対応はしてきたと考えております。全く効果がなかったわけではなくて、例えば産婦人科の医師数なども少し増えてきておりますし、確かにある一定の効果はあったと我々は考えております。ただし、先生がおっしゃるとおり、自由に選択するという自主性を尊重した非常に緩やかなものでしたので、今回はそういうものから踏み込んで、更に強い医師偏在対策をやっていくということで、 4 番を初めて出しておりますので、いずれにせよ年末に向けて医師偏在対策について頑張ってまいりたいと思っております。

 人口動態については、少しお待ちいただけますか。計算ができるようであれば、後ほど御報告いたします。申し訳ありません。

○小川構成員 是非、 4 の「医師偏在対策について」という所に、具体的な対策を策定して提言するぐらいのことは入れていただきたいと思っております。

○森田座長代理 御意見ですが、これについて、事務局、どうぞ。

○迫井地域医療計画課長 これは、初回か 2 回目に私がお答えさせていただいたことと関連すると思いますので、改めて申し上げます。福井構成員をはじめ、もう少し強く書けないのかと、決意を示せというような御趣旨だろうと思います。ここで検討すると書かせていただいている、それから併せて幾つか検討課題を並べているのは、初回か 2 回目に確か御質問があったのですが、あくまでこの場で全て決めることはできませんで、制度の位置付け、あるいは法改正も含めて実施することになりますと、関係審議会のプロセスがあります。それから、政治も含めて様々な御意見を聞かなければいけないプロセスがあります。検討するという意味は、そういうプロセスに乗せるということは、きちんと責任を持ってやりますという趣旨の意味だと御理解いただけないかということです。あくまで、この検討会で全てを決めて実行に移すということは、プロセスから考えると逆に越権行為の部分もありますので、そういう中で検討するという書き方は、従来にはない内容をきちんと盛り込んで、しっかりプロセスとして課題も提言も明確にした上で、検討に着手をするということです。書きぶりとしては、そういったことをお含みおきいただけないかという趣旨です。

○森田座長代理 小川構成員、よろしいですか。

○小川構成員 余りよろしくないのですが。できれば何か具体策がないと、やはり結局うやむやになってしまって、時間だけがたってしまうと、地域医療の崩壊が更に増悪をするということもありますので、是非具体的な何らかのことができないかということですが。

○堀岡医事課長補佐 急遽、人口動態なども計算してもらったのですが、今回の推計は平成 18 年のときとは違って、きちんと仕事量を勘案しておりますので、赤の線の数字と 10 万人対の医師数が直接にはリンクしません。その仕事量を割り戻したりした数をどうしてもということであれば、次回までにきちんとした数を計算しておきます。少なくとも、この場では、事務局としてお答えできる数字がありません。申し訳ありません。

○小川構成員 ということは、 34 ページの 30 万人とか 32 万人というのは、医師の単純数ではなくて、仕事量を加味して修正をした人数であるということですか。

○堀岡医事課長補佐 そのとおりです。

○松本地域医療構想策定支援専門官  34 ページの上の囲みの中に※※がありまして、そちらに解説として割引きの 0.8 という数字が書いてあります。

○森田座長代理 小川構成員、よろしいですか。

○小川構成員 はい。

○森田座長代理  0.8 などというのは、現在のものではなくて、推計の部分だけこれを適用したということですね。と申しますのは多分、小川構成員の質問を私が忖度するところでは、現在人口当たり何人が将来どう変わるかという御質問だと思います。現在のところと、将来のところと係数を掛けてしまいますと、少し推計の意味が違ってしまうのではないかという御趣旨だと思います。

○松本地域医療構想策定支援専門官 先ほど事務局から申し上げた趣旨は、通常、諸外国等と比較する際に、人口 10 万人対のような数字を出すときは、割引きをしない頭数で計算をするのですが、今、我々の手元にある数字は割引きを行ったあとの数字しかありませんので、割り戻し等を行うのに時間を頂きたいということです。

○森田座長代理 では、いずれにしましても、また提出をしていただきたいということです。

○山口構成員 先ほどから出ている地域偏在というのは、これはやはり患者の立場から見ましても、非常に心もとない状況です。今回は、これまでの議論をかなり網羅した内容を書き込んでくださっていると思います。ですので、この夏以降の議論の中で、いかに具体化をした議論をしていけるかということで、何かもう少し強力なものを出していくことができればいいのかなと私も思いながら、先ほどからお聞きしていました。

1 つだけ確認をさせていただきたいのが、 4 ページの○の 3 つ目で、調査を行って、新たな医療の在り方を踏まえた医師の働き方ビジョンを策定すると書いてあります。これについては、本年中ということは、 12 月までにビジョンを出すということだと思うのですが、出されたビジョンとこの検討会での意見を踏まえた意見は、余り時間的にないように思うのですが、そこは出すことは出すけれども、ここではいかすことはできないことと解釈してよろしいのでしょうか。

○森田座長代理 事務局、お願いします。

○堀岡医事課長補佐 いずれにせよ、まず全国的な調査は行った上で、そういったものをまとめていきたいと考えております。そういったものを踏まえて、ここでの議論にも当然いかしていくものだと考えております。

○山口構成員 それは、最終的な取りまとめではなくて、出てきた数字などを見せていただいて、議論にいかすという解釈でしょうか。本年中ということは、まとめられるのは 12 月かなと受け止めたのですが。

○堀岡医事課長補佐 はい、そのとおりです。

○森田座長代理 ほかにいかがでしょうか。

○権丈構成員 今の話とも関係するのですが、中間とりまとめ(案) 4 ページで、「新たな医療の在り方を踏まえた医師の働き方ビジョン」を策定し、もう少し精緻なものをやっていくというのがあります。ここは、今朝送って頂いたバージョンで新しく挿入された箇所ですね。誰が挿入を指示したのかは知りませんが、こうした試算の精緻化をずっとやってみても、先ほどの女性医師 0.8 、高齢医師 0.8 、研修医 0.3 等の係数が少し変わるぐらいしかできないだろうことが予想できます。

今回の試算方法の根本的なところの考え方は、地域医療計画とリンクさせていきながらやっていく、そしてある程度、既存の医師の体制というものは前提と置かざるを得ない、そこから先、深刻の度合いが増している地域偏在問題にしっかりとてこ入れをしていって、人口減少の中で医師だけをどんどん増やしていくのはなかなか難しいものがありますので、総医師数を節約しながら、各地域、各診療科に適正配置が行われるように政治を準備していくということかと思うのですね。

 中間とりまとめ(案)の 4 ページの 3 つ目の○の「専門家の知見を十分踏まえて」とありますけど、今のようにコンピューターがしっかりしている時代ですと、そんなに難しい専門家の知見は、予測や試算とかには余り必要ではありません。

一方、中間とりまとめ(案) 6 ページにある「医師偏在対策について」というのがあります。同じ政策リソース、つまり皆さま方官僚をはじめとした政策リソースを使って効果的な対策を打っていくということであれば、先ほどの精緻な試算の作成に労力を余り割かずに、 6 ページにある「4 医師偏在対策について」について具体的に考えていって、しっかりと策を練っていくほうが、はるかに意味があるかと思います。

医師の需給推計について試算を新しくやり直しますよと言っても、本日の参考資料1の 34 ページにある女性医師の計数が 0.78 になりましたとか、 0.65 になりましたというのはあるかもしれないですけど、そういうところに皆さんのエネルギーが注がれ、偏在対策に対する政策展開がおろそかになることは避けてもらいたいと思います。

○森田座長代理 事務局、特にありませんか。

○平川 ( ) 構成員 兄弟で出席していますと遠慮がちになるのですが、本日はたまたま弟が欠席ですので、発言させていただきます。私は老健施設の医師ですので保健福祉機関医師からの意見ということで、医師の中では非常にマイナーな立場です。現場の声を届けるつもりで出席しています。数回前の委員会で神野先生が、たくさんドクターを作っても、都市部であふれた医師がようやく地方に回ってくるとおっしゃっていましたが、我々老健施設等福祉関連の医師受給について、更にそういったものからあふれた医師を受け取るといいますか、拾うような形で医師を得ているという状況があります。ところが、最近の介護報酬等改定等を見てもわかるように、老健施設もかなり医療依存度の高い利用者を入所、あるいはデイケアで診ることになりました。

 これは、例えば報酬上、老健も在宅と解釈されるようになったので、急性期病院の在宅復帰先ともなります。よって、原則的に病状安定期の方々を受けていた老健施設が、かなり不安定の方も受けなければならなります。勿論、認知症の方も受けますし、更には医療のリハビリが絞られていく中、リハビリについても維持期リハと言えどもかなり専門的に特化したものが求められています。医師免許があるだけでは、対応できない状況になってきています。今回の資料の 5 ページを見ますと、「介護老人保健施設における医療については、介護給付費実態調査に基づく入所率に将来人口構成を反映して算出」と書いてあります。確かに、老健施設は 1 医師がいれば老健として運営できますから、 1 施設 1 名はキープしているわけです。ただ、その 1 名の医師が今の老健機能を担える医者かどうかというと、これは自嘲気味ですが、甚だ疑問があります。

 複数の医師がいる病院等であれば話は別ですが、老健はたった 1 人の医師ですから、その医師のスキルによって大幅に変わってしまいます。そういう点では、充足といっても、数が足りていても、資質の部分が足りず、医師 1 としてカウントできないところがあります。非常勤医師等で補足している場合があります。つまり、地域によって、老健施設は地域偏在、診療科偏在の両方をこうむっていることを御理解願いたいのが 1 点です。

 もう 1 点は、老健施設医の平均年齢です。老健施設医の平均年齢は 68 歳で、年齢で言えば介護保険の 1 号被保険者とされる高齢者です。内訳は 70 歳代が 35 %ということで、かなり高齢化しています。このままでは 10 年先には平均年齢が 78 歳です。 80 歳代では利用者とほとんど変わりがない世代です。充足というのは、数ではなくて、その質や年齢や専門性等を含めていかなければならないと思います。特に老健施設を運営する者といてはそのあたりが生命線になる実感しています。

○森田座長代理 大変貴重な御意見だと思います。これは、この中間取りまとめの表現や内容について、具体的に訂正すべき、修正すべきだという御意見ではないと理解してよろしいですね。ほかにいかがでしょうか。

○今村構成員 前回まで余り真剣に考えていませんでしたが、改めて確認ということで、 4 ページの需要推計のすぐ上の所の、臨床以外に従事する医師のことを是非検証してくださいとお願い申し上げました。ここで「保健医療 2035 」という言葉が引用されています。これは厚労大臣の肝入りで作られた会ですので、非常に重要な会だということはよく認識しています。ずっとここを読んでいくと、最後の所で、製薬業界で世界最高水準等の医師の大幅増を見込むと。これは、参考資料の 17 ページに出ていて、およそ 1,000 人規模ですから、 30 万人の医師とすると 0.3 %ぐらいで大きな影響ではないのですが、国の政策としてこういうことを進めていこうというので、一定の理由、根拠が必要だとは思いますね。

 確認ですが、どうして製薬業界のという、これはざっくり日本の創薬などを活性化していこうということなのだろうと私は勝手に思っていますが、それでいいのでしょうか。それから、どの程度の年数でこの 1,000 人規模を増やしていくのでしょうか。相手は企業なので、企業の側にニーズがない限り、幾ら日本で医師を養成しても、それが企業の中で仕事ができるかどうかは全く別の話です。ドイツ並みということになっていますが、ドイツの製薬企業はもうなくなってしまっている状況です。つまり、こういうことを指標に書くのではなくて、もう少し書きぶりとして、違う書きぶりがあるのかと少し思っていますが、その辺りは事務局、いかがでしょうか。

 つまり、思いはよく分かっています。国際的に活躍する、創薬の部分で活躍する医師を増やそうと。ただ、この書き方ですと、誤解を招くのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○堀岡医事課長補佐 御説明のものは、全て数字的なものは、参考資料の 17 ページに書かせていただいております。 2025 年に向けて 1,310 名、更に 20 %の将来推計の増を見込んでいます。

○迫井地域医療計画課長 需要の推計の関係を私どもでまとめましたので、考え方だけお話をさせていただきます。これは、前回、平成 17 年、 18 年に検討されたフレームワークを基本的にはベースにしていて、臨床に従事するドクター、医師が圧倒的に大層を占めるわけです。それ以外の分野についても、基本的にしっかり推計をしましょうというのが、今回のコンセプトです。ですから、これは臨床の部分についても、より精緻に、縷々説明はしませんが、御紹介したとおりです。

 それでは、それ以外の分野について、前回のフレームワークが基本的には推計の一定の仮説とはいいますが、我々としてはもう一歩更に踏み込んで、それぞれの分野について分野ごとの検討を加えましょうということです。前回は、大きく言いますと基本的にはトレンドを伸ばすということをやってきておりますが、幾つかの分野、特に製薬業界については、一定の国際比較や、もう一歩踏み込んだ様々な推計を仮に行ってきたということです。その各国の状況については、 17 ページにまとめておりますし、基本的には製薬の分野について国際的にも遜色のないものを目指そうということから、データを比較してドイツを 1 つのメルクマールにさせていただいたということです。これは、いろいろな御議論はもちろんあると思いますが、製薬の部分に限らず、様々な分野についてもう一歩踏み込んで一通り推計をさせていただいたというのが考え方です。

○今村構成員 そこの立て付けはよく理解しているつもりです。私が申し上げているのは、例えば権丈構成員がこの間おっしゃったように、他の優秀な科学の分野などにも人が必要でしょうという中で、創薬は必ずしも医師である必要は全くなくて、自然科学の研究者が今、創薬に関わっている部分も非常に多いわけです。単純に、医師をここで増やせばいいとはならないのかとも、率直な感想を持っています。

 例えば、本当に海外に通用するような日本の製薬会社を作っていくという中で、日本の医師が働くということであれば、スイスやフランスなど最も世界的に力を持っている国のデータはここにはなくて、ドイツみたいな国が出てしまっている。ですから、これをベースにと言われると、何となくどうなのかと思うので、書きぶりを少し考えていただいたらいいのかなと思ったということで申し上げています。反対しているわけではありません。こういう人が重要だというのは、私も分かっていますので。

○森田座長代理 そういう御意見ですので、あとで調整をするということでお願いします。

○小森構成員 確認ですが、先ほどお話されていた女性医師の問題については、就業率が加味されているので、休職、離職による影響は既に考慮されていると。ただ、短時間正規雇用であるとか、パート等のことについては、一応考慮されていないという認識でよろしいのでしょうか。

○堀岡医事課長補佐 まず、そもそも就業率カーブに基づいて、就業率、つまり働いていない人の部分があります。それは、もう除いてあって、働いている人はきちんと労働時間がありますので、それは 30 50 歳の男性と比較したりするデータがあります。それを踏まえた上で、参考人として山本先生にも来ていただきましたが、例えば子供有りと子供無しで全然違うではないかなど様々な議論を踏まえて計算をすると、全体で 0.8 という係数が適切なのではないかという山本先生からの御意見も踏まえて、この中ではあくまでも暫定的な数字を置いているものです。

○小森構成員 このことを参考資料の 30 ページで、女性医師の労働時間を踏まえた仕事量については、日本医師会の女性支援センターが平成 21 年に調べたデータを有効に活用していただいて、大変感謝を申し上げたいと思います。 4 ページの 3 つ目の○に書いてあるように、本年度中に女性医師をはじめとした医師の働き方改革を含めた意向等に関する調査等も併せて行うというお話が記載してあります。それであれば、女性医師の勤務環境に関する様々な施策が行われてきていること、また女性医師の意識というのも年ごとに大きく変更していることを考えますと、そういう調査を行うのであれば、是非このデータもリフレッシュしていただいて、新しいデータで推計をしていただきたい。特に、女性医師を数値に置き換えるというのは大変重要ではあるけれども、非常にデリケートな問題ですので、最も新しいデータ等を踏まえながら考えていただきたいと思います。

 それから、私は第 1 回目に申し上げて、権丈先生も前回述べられましたが、医療、介護、福祉という分野で世界を見ていますと、医師数がどうだこうだという話にもちろんなる。重要なことではありますが、我が国という別の観点から見ると、何人に 1 人医師がいるという姿がいいのかということは、 1 ページに少し書いていただいたということは評価をしたいと思いますが、しかし、その議論はここであるべきかどうかはあれですが、別途すべきだと。それぞれの産業分野で、それぞれに発展していきたいという思いがあるわけで、それぞれの領域、業界でお話をすると、いや足りない、もっと増やしたいというお話に当然なってくると思うのですね。このように増やしてきて、それぞれ世代がありますが、私ども 200 数十人から 300 人に 1 人が医師になった時代から景色を見ていますと、 100 人に 1 人が医師という、その後この国をどういう国にしていくのかという視点が絶対に欠かせないと思っていますので、それを併せて別途御検討いただきたいと思います。

○森田座長代理 この議題については、北村構成員が最後ということでよろしいでしょうか。

○北村構成員 医師の偏在対策は、非常に同意いたします。ずっと読んでいたのですが、 1 つ大きなものが抜けていると感じました。それは、医師不足のときに、チーム医療という言葉でコメディカルスタッフの充実、あるいは業務範囲を拡大しました。看護師においては、特定技能があり、検査技師もやれる範囲ができたり、診療放射線技師も能力が増えました。さらに、医療事務補助員などの職種もできていて、このチーム医療という観点、チーム医療の充実というところがなくなっているように思いますので、もし御同意が頂けたら、 ICT 等技術革新のみならず、コメディカルスタッフによるチーム医療で、医師が業務を効率的にできるようにするというような一文を入れていただければと思いました。

○森田座長代理 それは、 7 ページの (12) の部分ですね。

○渡辺医事課長 大変重要な御指摘だと思いますので、検討して入れたいと思います。よろしくお願いいたします。

○森田座長代理 ありがとうございました。一応それでは、最初のパートについてはこの辺りとさせていただきたいと思います。後で最終的に御意見を伺う機会もあろうかと思います。

 それでは、最後の 8 ページになりますが、 5 の「当面の医学部定員の基本的方針について」、この部分に関しまして、御質問、御意見をお願いいたします。

○北村構成員 続けてで恐縮ですが、 (1) で平成 29 年までのものを当面少し延長するということで、非常に適切な判断だと思います。これに伴った財政措置を是非お考えいただきたい。具体的に言いますと、これに伴って地域枠で入る人の奨学金などが都道府県から出ています。かなりの量になると思いますし、各大学で地域医学講座や地域医学推進講座などが寄付講座で、都道府県のお金で出ています。

 それから、人数が増えて、教室や実習室の拡充などをやっている最中ですが、それをもっとちゃんとやろうと。講堂などの通路にパイプ椅子を置いて、定員増に対応している大学もいまだにあります。いかんせん 1,600 人といえば大学 16 校分はほとんど何もなしに定員が増えたわけで、それに伴う教育環境の充実も含めて、この (1) に伴う財政的支援も配慮していただきたいと思います。

2 点目は、 (2) の一番最後の行の「慎重に精査」するということは非常に適切だとは思いますが、もし、基準とか、こういう場合はまだ増やす可能性はあるのだとか、慎重に精査するというのは行間を読むと、絶対に許さないという意味なのか、何か基準があるといいかなという気はしました。以上です。

○森田座長代理 ただいまの 1 点目ですが、これは厚生労働省のほうで対応するという話ですか。都道府県ということですね。

○迫井地域医療計画課長 北村構成員の御指摘が複数、幾つかの場面、あるいは場について言及されていると理解し得ますので、前段に少し触れられたと思いますけれども、いわゆる地域枠、地域での就業あるいは特定の診療科に関して、奨学金をはじめとして学生の就学環境を支えるという意味では厚生労働といいますか、私どもの関係の対応の可能性があります。

 一方で、後段に特に言及された医学教育に係る環境面については、これは専ら文科省であろうと理解しております。

○森田座長代理 それでは、文科省の寺門教育課長、お願いします。

○寺門医事教育課長 ( 文科省 )  迫井課長がおっしゃったとおりで、十分でないかもしれませんが、現行でも国立大学及び交付金等で教員の増員等の経費を充てております。今回の検討の結果を踏まえ、厚労省ともお話をしながら、受入れに当たって必要な教育研究状況の整備が図られるように、厳しい状況ではありますが、検討していきたいと改めて思っています。以上です。

○森田座長代理 ありがとうございます。事務局、どうぞ。

○堀岡医事課長補佐 「慎重に精査」についてですが、各都道府県からの要望というものを例年、様々な形でお受けして、それを踏まえて検討しております。その中で慎重に検討するということですので、まずはそういった要望があるかということを踏まえて検討していきたいと思っております。

○今村構成員 先ほどから慎重な精査ということが議論になっていて、非常に重要なことだと思います。現状でも都道府県から上がってきた要望について、それが適切かどうかというのを文科省で検討されているということでよろしいですか。これはどこの場で、現在の仕組みはどうなのかということと、これからも同じ仕組みでやっていくのかどうかということを教えていただければ。

○寺門医事教育課長 ( 文科省 )  地域枠、そのほかの増員の累計は幾つかありますが、例年厚労省と連名で通知を発出して、都道府県と大学とのマッチング等を行って、まず必要な数について、その分、増やしていると。そういう意味では、精査を今もしていると思いますし、引き続きそういった仕組みはとっていきたいと考えております。

 ただ、今、厚労省のほうからお話があったように、改めて今回、精査ということで、何らかの方法を考えるということであれば、また厚労省のお考え等も聞きながら、特に、先ほど北村先生がおっしゃったのは、都道府県、更にはやる気のある学生さんを受け入れて、十分なアドミッション・ポリシーの下に選抜していくことを考えますと、当然時期的な問題もあります。

 そういうことを考えて、それがつつがなく行われるように、今般、中間まとめ等の後にもやっていかなければいけないと思っております。そういったことの御懸念はあると思いますので、それは大学サイドとして、むべなるかなと思いますので、そういう点も踏まえながら、よく厚労省と一緒に検討して、混乱がないようにして、必要な数を必要な分だけきちんと付けていくことは、これまでもやっていると思いますし、更に今般の御検討を踏まえてやっていくことは了承しており、そこは共通認識になっているのではないかと思っております。

○今村構成員 ありがとうございました。今までは本当に地域の医師不足のために、こうやって定員を増やして、地域の医師不足解消に努力されてきたと。そういうことを文科省と厚労省にきちんと協議をしていただいたという大事なことだと思いますが、将来的には医師過剰になっていくかもしれない中で、新たに本当に必要な増員かどうかということを改めて、きちんと慎重に検討していくと書かれているので、そうであれば、今までと同じということではなくて、もう少し別な「慎重な」という検討の仕組みが新たにあってもいいのかなと、ちょっと思いました。

 別に皆さん方のお仕事を、何か疑うとかそういう話では全くありませんが、やはり、いろいろな恣意的なものが入らないように、第三者が見て透明で公平な、きちんとしたやり方が精査されているという形が考えられるのかどうかということについて、質問いたします。

○寺門医事教育課長 ( 文科省 )  私としては、先ほど堀岡補佐がおっしゃったように、事務局として検討していくということですので、ただ、それも一定のスケジュールの下でいつまでもやっているわけにはいかないと。精査という意味では今でも必要なものを必要な都道府県や大学に付けているということですので、更に何かするということであれば、お考えを承ってお話をしながら、現場の混乱がないようにしていくという御趣旨で今村先生はおっしゃっていると思いますので、それに対して、また厚労省とも御相談しながら、やっていきたいと考えております。

○森田座長代理 それでは、厚労省サイド、どうぞ。

○堀岡医事課長補佐 もちろん文部科学省さんときちんと連携していきたいと思います。すみません、繰り返しになりますが、ここで追加増員を行おうとする場合、中位推計ではあと 8 年で全国レベルの医師需給が均衡するとされる中で、なお医学部定員を増員することになることから、各都道府県からの追加増員の要望に関しては、これが本当に必要な増員であるか、慎重に精査していきたいと思っております。繰り返しになりますが、ここの文言どおり、きちんと、こういった検討をする中で増員することとなるということは。

○今村構成員 御趣旨はよく分かっていますが、ここでこうやって、各領域の先生方が本当にこれでいいかどうかという議論を重ねていると。でも、この部分については、我々は感知する余地もないところで、精査しました、こうやって増やしましたと結果的にはなってしまうのでは、困ると思ったので、何らかの形でもう少し、数の定員について、これでよかったかどうかということは、透明性を高めてやっていただきたいということを申し上げています。

○森田座長代理 よろしいですね。事務局、どうぞ。

○久米医事課長補佐 御趣旨を踏まえて、適切に対応していきたいと思っています。

○神野構成員 この慎重に精査すべきかという話は、また鶏か卵かという話をして恐縮ですが、国ないしは都道府県の偏在対策がきちんと機能しているかどうかということが、それを見て慎重に精査するという意味合いかなと思いました。以上です。

○山口構成員 蒸し返すみたいで申し訳ないです。私もちょっとそこの所が透明性が見えないと感じています。例えば、今までだったらこういうことは認めてきたけれども、ちょっとそこは、今まですぐに認めたこともストップを掛けるようにするといった、何か具体的なビフォーアフターではないですが、これまではこういうものも認められた、でもこれからは、ちょっとここに引っ掛かったら、少し待てよということで、検討することにするという、何か具体的なイメージはあるのでしょうか。

○堀岡医事課長補佐 すみません、大変申し訳ありません。私も繰り返しになりますけれども、今回、このような需給推計の検討会で、このような今の 3 本線の、参考資料の 34 ページのような、需給推計で暫定的にでも出しているわけです。これが去年まではなかった。今年はきちんとこういう推計をしているという中でのことですので、そういった点を踏まえて、慎重に精査していきたいと思っております。

○森田座長代理 ということでございますが、よろしいでしょうか。ほかにいかがですか。

○小川構成員 今の議論での定員の増加というのは、 37 ページの、いわゆる地域枠、研究医枠、それから歯学部振替枠という、この 3 つの枠組みによる臨時定員増の平成 29 年以降の追加ということだと理解しておりますが、全国医学部長病院長会議で、つい先だって報告書が出ましたが、地域枠については、地域枠という 1 つの言葉でみんな同じものを見ているような雰囲気になっているのですが、実は地域枠の中には何十種類もの地域枠があって、それは県がお金を出して、全額近く出しているものもあれば、お金が一切関係ない地域枠など様々あるので、その辺のことを十分に精査した上で、可否を決定していただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。

○森田座長代理 御意見ありがとうございます。では、ほかにいかがでしょうか。大体よろしいでしょうか。それでは、併せてですが、最初の部分から含め、更に追加的な、特に前半部分についての御意見もありましたら、ここで御発言を頂きたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○今村構成員 一番最後の 8 ページの (3) で、平成 32 年度以降の医師の養成数について、改めてこれは文科省への確認ですが、この「平成 32 年度以降の医師養成数」という所で、最後の下 2 行にあるように、「平成 22 年度から平成 31 年度までの医学部定員の暫定増の取扱いも含め、結論を得る」と書いてあります。これは先ほどの資料で色分けがありますが、前にもちょっと確認させていただきましたが、この書きぶりは、青い部分の決まっている所の定数も含めて、平成 32 年度以降は見直すこともあり得るという理解でよろしいですか。

○寺門医事教育課長 ( 文科省 )  その点については、この検討会で今後、更に検討を進めていく部分によって議論があると思います。ですから、理論的に全く触らないということはないと思いますが、当面は、便宜的に申し上げると、赤と黄色をどうするかという中で、あとは医学部の在り方がどうなっていくかということですので、全くこの時点でないと申し上げることは不誠実だと思います。ただ、初めから青もあるというのも、今の時点では申し上げることはなかなか難しいとは思いますが、いずれにしろ今後御検討していきたいと。そういう意味では前回、今村先生にお答えしたとおりだと思っておりますので、それで御理解いただければと存じます。

○森田座長代理 よろしゅうございますか。ありがとうございました。それでは、ほかにありませんでしょうか。

○小森構成員 私は、黄色の部分の平成 31 年の「当面延長」というのは、必ずしも賛成ではないのですが、「当面」という言葉、それから「慎重に」、それから「可能な限り早期に」、これは検証ということですが、やはり、国民の方々に様々な形で、医師数が増えるというのは必ずしも幸せをもたらすだけではないので、国民の方々に大きな御負担を強いるということを、両方バランスよく考える必要があると思っており、この書きぶりの所を十分に。いつまでも、延々と議論するのではなく、私としては例えば平成 32 年以降の医師養成数について、そして平成 31 年度まで決まっているということであれば、どんなに遅くても平成 29 年度中には、といった何かそのような文章を、事務局的には書きづらい所もあるのかもしれないですが、少なくとも検討会の合意としては、そういうことを共有したいと思っておりますので、その点について事務局いかがでしょうか。

○堀岡医事課長補佐 いずれにせよ、平成 20 21 年度から始まった暫定増、また、今後、取りまとめていただき、議論いただく医師偏在対策の効果がどれぐらいから現れるかということや、この場の議論など踏まえ、出来得る限り早期に検証を、もう一度平成 32 年度以降の医師養成数を検証するに当たって、始めたいと考えております。

○森田座長代理 よろしいですか、ほかによろしいでしょうか。それでは、そろそろ締めくくりにさせていただきたいと思います。本日、いろいろな御意見がありました。その中で多くの方が御指摘されたのは、例えば偏在対策については、もう少し明確に強めに書くべきではないかという御意見もありましたし、また、文言の意味の確認については、この場で御発言がありました。これは記録に残ります。しかしながら、聞いておりまして、私の印象では、この中間取りまとめについて、細かいそうした御指摘はありましたが、おおむねこの内容について、ここは削除すべきであるとか、ここは反対であるという御意見はなかったと理解いたしましたが、よろしいですか。

 そうしますと、後は細かい文言の修正等については、事務局と私のほうに、できれば御一任を頂ければと思っております。いずれにいたしましても、この中間まとめ、幾つかのコメントを付けていただいた部分を含めてですが、この後の親会議のほうに報告して、もう一度御議論いただくようになろうかと思っています。それについては、事務局のほうで、どういう御意見があったかということについて、報告していただくことになっておりますが、そちらの委員でもある構成員の方もいらっしゃいますので、また、不十分な点などありましたら、その場で御指摘を頂けたらと思っておりますが、今日のところは一応こうした形で、中間まとめということを御了承いただいたということでよろしいでしょうか。

                               ( 各構成員異議なし )

○森田座長代理 ありがとうございました。それでは、そうした形で後の親会議のほうに送りたいと思います。それでは、特に追加でこれ以外のことで、この場でどうしても御発言したいということがあれば、御発言いただきたいと思いますが、そうでなければこの辺りで終わりにしたいと思います。それでは、事務的なことですが、日程等について事務局からお願いします。

○堀岡医事課長補佐 次回の医師需給分科会の日程に関しては、追って事務局から御連絡させていただきます。また、この後 4 時半から同じ会議室で第 3 回医療従事者の需給に関する検討会を開催させていただきます。その検討会に出席される構成員の方々は、改めてお席を御案内いたします。よろしくお願いいたします。

○森田座長代理 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。医療従事者の需給に関する検討会に御出席される構成員の先生方は、しばし休憩の後、引き続きよろしくお願いいたします。以上です。

 


(了)
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