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2016年7月14日 第96回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成28年7月14日(木)15:58〜17:31


○場所

ベルサール半蔵門 ホールA


○議題

1.骨太2016、規制改革実施計画等の報告について
2.骨太2016、経済・財政再生計画改革工程表の指摘事項について
 (1)高額療養費について
 (2)後期高齢者の窓口負担について
3.被用者保険をめぐる諸課題について
4.データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会の検討状況について
5.その他

○議事

○遠藤部会長

 それでは、定刻にまだ若干時間がございますけれども、定刻にいらっしゃる御予定の委員の皆様全員御着席でございますので、ただいまから第96回「医療保険部会」を開催したいと思います。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参集をいただきましてどうもありがとうございます。

 まず委員の異動がありましたので、御紹介させていただきます。

 川尻禮郎委員が退任されまして、新たに全国老人クラブ連合会理事、兼子久委員が就任されております。

 柴田雅人委員が退任されまして、新たに国民健康保険中央会理事長の原勝則委員が就任されております。

 次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。本日は岩村委員、渡邊委員より御欠席の御連絡をいただいております。

 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りをしたいと思います。

 岡崎委員の代理として村岡参考人。

 樋口委員の代理として新井参考人。

 福田委員の代理として山本参考人の出席につき御承認いただければと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 次に、前回の医療保険部会以降、事務局に人事異動がありましたので紹介をお願いします。

○城課長

 事務局より異動につきまして紹介をさせていただきます。

 保険局長の鈴木でございます。

 医療介護連携担当の大臣官房審議官、濱谷でございます。

 保険局高齢者医療課長の泉でございます。

 保険局医療介護連携政策課長の黒田でございます。

 保険局医療課長の迫井でございます。

 保険局調査課長の山内でございます。

 保険局医療課保険医療企画調査室長の矢田貝でございます。

 保険局医療課薬剤管理官の中山でございます。

 保険局医療課医療指導監査室長の平子でございます。

 私は保険局総務課長の城でございます。よろしくお願いいたします。

 冒頭のカメラ撮りはここまでということでございますので、御協力お願いいたします。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 それでは、議事に移らせていただきます。本日は「骨太2016、規制改革実施計画等の報告について」「骨太2016、経済・財政再生計画改革工程表の指摘事項について」「被用者保険をめぐる諸問題について」「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会の検討状況について」「その他」これらを議題としたいと思います。

 初めに「骨太2016、規制改革実施計画等の報告について」と「骨太2016、経済・財政再生計画改革工程表の指摘事項について」を議題としたいと思います。関連する議題となりますので、事務局よりまとめて資料の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○城課長

 それでは、資料について御説明をいたします。

 まず資料1から御説明をいたします。資料1をごらんください。経済財政運営と改革の基本方針2016と書いてあるものでございます。平成28年6月2日にいわゆる骨太の方針でございますが、これが閣議決定もされております。同日でございますが、この後、御紹介します規制改革実施計画、一億総活躍プラン等を閣議決定されております。その中で医療保険に関する部分がございますので、その部分についてまず紹介させていただくという趣旨でございます。

 資料1の1ページをごらんください。これは経済財政運営と改革の基本方針2016、いわゆる骨太の方針2016でございます。その中で第3章という部分がございます。第1章は全体の経済の大きな方針が書かれており、第2章については成長戦略的なことが書かれている部分でございまして、第3章が経済・財政一体改革の推進というパートになります。その中で主要分野ごとの改革の取り組みの1つ目に社会保障が挙げられております。その基本的な考え方のところがまず1つ目の箱に記載をしております。

 ここをごらんいただきますと、社会保障分野においては世界に冠たる国民皆保険・皆年金を維持し、これを次世代に引き渡すことを目指しということでありまして、その次に経済・財政再生計画に掲げられた云々とございます。この経済・財政再生計画といいますのは、昨年の骨太の方針2015のときの第3章部分、経済・財政改革の部分の中にあります記載でございます。ですので昨年決定された改革について進めるということが記載されている趣旨でございます。この経済・財政再生計画に掲げられた医療・介護提供体制の適正化、インセンティブ改革、公的サービスの産業化、負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化、薬価・調剤等の診療報酬及び医薬品等に係る改革、年金、生活保護等に係る44の改革項目について、改革工程表に沿って着実に改革を実行していくという記載がございます。

 改革工程表と申しますのは、昨年12月に経済・財政再生計画に基づいて、その進め方について記載した改革工程表というものがございまして、その記載に従って着実に実行すべしということが基本的な考え方として書かれているということでございます。

 個別のパートはその後にございます。医療のところでございます。1つ目は医療費適正化計画の策定、地域の医療構想の策定等による取り組みの推進ということでございます。この中で医療費の地域差の半減に向けということでありますが、医療費適正化基本方針についての追加検討を進めるということでございます。昨年度の末に医療費適正化基本方針が出ておりますが、それの追加検討を進めるということでありまして、中身につきましては地域医療構想に基づく病床機能の分化、連携の推進の成果を反映させる入院医療費の具体的な推計方法、入院外医療費の具体的な推計方法、そして医療適正化に係る具体的な取り組み内容を夏ごろまでに示すということが記載をされております。

 それから、医療費適正化計画においてはということで続いておりますが、後発医薬品の使用割合を80%以上とすることに向けた使用促進策、それから、重複投薬の是正に関する目標、たばこ対策に関する目標等々について設定を行うということが記載されております。

 もう一つ、次のパートでございますが、医薬費の適正使用の観点から、複数種類の医薬品処方の適正化の取り組み等を実施するという記載がございます。費用対効果の導入とあわせ、革新的医薬品等の使用の最適化推進を図るとともにということで、そういった記載と、生活習慣病治療薬等の処方のあり方等について今年度より検討を開始し、平成29年度中に結論を得るとされています。

 次の箱でございます。これは医療費の増加要因、地域差の分析等々に係る記載でございます。高齢化などの人口要因や診療報酬などによる影響を取り除いた医療の伸び、その他の伸びと言われているものでありますが、それから、診療行為の地域差を含む地域差などについてさらなる分析を進めるということの記載がございます。

 次のところですが、医療保険者によるレセプト等の分析による医療実態把握等々についての記載がございます。

 3つ目の一番下のところでございますが、医療・介護の総合的な対策を推進するためにということで、双方のデータを連結した分析を進めるということでございます。そして、今後さらに増大する施策や研究利用のニーズに対応するということで、拡充したNDB、ナショナルデータベースのサーバーの活用等を進めるという記載がございます。

 2ページは続きでございます。データヘルスの強化等ということになっております。データヘルスにつきましても記載がございます。これはデータ分析に基づいて被保険者の個々の状態像に応じた適切な対策を実施することで、効果的なデータヘルスを実現するということ。それから、保険者の取組み状況や効果の測定をするといったことの記載がございます。

 2つ目のところですが、保険者によるデータの集約・分析や保健事業の共同実施等を支援するという記載もございます。同じところの後半ですが、ICTとビッグデータを最大限活用し、保険者によるデータヘルスや医療の質の評価・向上を通じて「医療の質を創る」ための新たな保険者支援サービスについてということで、ICT時代にふさわしい審査支払機関のあり方の議論を踏まえて検討するという記載がございます。

 データヘルスの好事例の全国展開ということで、国レベルでの医療関係団体とのプログラムの共同作成、平成30年度からのインセンティブ改革を今年度から一部前倒しで実施するという記載がございます。

 その下のところですが、データヘルス事業に十分な資源を投入できない保険者、小さい保険者を指しているということだと思いますが、事業導入に係る初期費用の補助を含めた支援を行うとともに、保険者と民間企業とのマッチングを促進するという記載がございます。

 次の箱ですが、健康づくり・疾病予防、重症化予防等の取り組みの推進ということでございます。1つ目のところは特定健診受診率の大幅な向上ということでございます。これはがん検診との同時実施等によるアクセス向上等による大幅な向上ということでございます。かかりつけ医等も連携しつつ、健康づくり、疾病予防、重症化予防等への効果的な誘導を実現するということでございます。

 2つ目のところですが、高齢者のフレイル対策についてはということで、保険者が参照するガイドラインの作成・周知、先駆的な好事例を踏まえた効果的な事業の全国展開等により、さらに推進するという記載がございます。

 予防・健康づくり等の取り組みに係る共通のインセンティブ指標を踏まえつつということですが、保険者努力支援制度、後期高齢者支援金の加算・減算制度等について具体的な指標を検討し、インセンティブ強化を実現するとされています。

 その他として、28年度の診療報酬改定の影響について調査・検証を行うという趣旨の記載がございます。

 関係部分については抜粋でございますが、このような形になっております。

 3ページは規制改革実施計画、これも同日の閣議決定のものでございます。これも幾つかのパートがございまして、共通的事項が書かれた後に分野別の措置事項というものがございまして、その中の1つ目が健康・医療分野となっておりまして、その中に幾つかある中の3つ目のところに、診療報酬の審査の効率化と統一性の確保というパートがございます。

 そこで記載されていますのは、この箱の左端にナンバーがございますが、5〜7のパートになりまして、それは診療報酬の審査の効率化と統一性の確保の検討をするに当たって、5はきちんと組織を設けて検討すべしという趣旨の記載でございます。6は審査のあり方の見直し。7はその審査機関の組織体制の見直しということでございます。

 基本的には審査のあり方をゼロベースで見直すということが書かれています。これは5のところも書かれておりますし、最後の7のところにも書かれております。これは平成28年夏を目途に方針を整理し、28年内に検討を得るという設定がされているところでございます。

 審査のあり方見直しのところ、2つ目の6のところですが、ここも中身の話でありますが、ICTの最大限の活用により人手を要する事務手続を極小化し、業務の最大限の効率化、高精度化、透明性の向上並びに医療機関及び保険者の理解促進を図るためということで、その下にありますa〜iについて具体的に検討し、結論を得るとされているところでございます。

 4ページ、先ほど少し触れました7でございます。組織・体制のあり方の見直しということで、医療費の円滑で適切な審査・支払いを維持しつつ、社会全体として効率的な組織・体制のあり方を追求する観点からということで、診療報酬の審査のあり方をゼロベースで見直すためということで、このa〜cについて具体的に検討し、結論を得るという記載とされております。実施時期はいずれも横に書いておりますが、28年内等々の時期が設定されているという状況でございます。

 5ページ、ニッポン一億総活躍プラン、これも同日、28年6月2日の閣議決定でございます。これも幾つかパートがございますが、その中で子育て支援の関係でありますが、特に希望出生率1.8に向けた取り組みの方向というところで、若者・子育て世帯への支援というところに医療保険関係の記載がございます。幾つかある中の1つのパートでありますが、地域において分娩を扱う施設の確保など、小児・周産期医療体制の充実を図るということの後であります。子供の医療制度のあり方等に関する検討会での取りまとめを踏まえ、国民健康保険の減額調整措置について見直しを含め検討し、年末までに結論を得るとされております。こういった記載でございます。

 その下の6のロードマップというものもございますが、その中でも同様の趣旨の記載がございます。この夏といいますか、6月の閣議決定された一連のもの中で医療保険関係の記載についての抜粋の御紹介でございます。

 まず資料1については以上でございます。

 続きまして、資料2について御説明をさせていただきます。

○泉課長

 高齢者医療課長の泉でございます。資料2を用いまして骨太2016と経済・財政再生計画改革工程表の中の高額療養費と後期高齢者の窓口負担について御説明いたします。

 1ページ、経済財政運営と改革の基本方針2016(抄)とございます。先ほど資料1の中で説明されたものと同じ文書でございますが、「5.主要分野ごとの改革の取組」の中「(1)社会保障」「1 基本的な考え方」のところでございます。この基本的な考え方の中で「社会保障においては」とありまして、中ほど「負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化、薬価・調剤等の診療報酬及び医薬品等に係る改革、年金、生活保護等に係る44の改革項目について、改革工程表に沿って着実に改革を実行していく」と記載されております。

 この中の改革工程表は、先の平成271224日に定められた経済・財政再生計画改革工程表のことを指しています。

 2ページ目以降は、既に方針が出されているもので御説明してあることの繰り返しになりますが、2ページ目はまず上の段、骨太の方針2015でございます。平成27年6月30日にはアンダーラインのところ、医療保険における高額療養費制度や後期高齢者の窓口負担のあり方について検討するとされておるところでございます。

 また、下半分の経済・財政アクション・プログラムの中では、取組方針・時間軸の中で(i)ですが、医療保険における高額療養費制度の見直しについて関係審議会等において具体的内容を検討し、2016年末までに結論を得てと記載がございます。また、その下(ii)ですが、医療保険における後期高齢者の窓口負担のあり方について関係審議会等において検討し、集中改革期間中に結論を得るとされているところでございます。

 3ページ目は、図にしてそういったスケジュールが表現されているということでございます。

 4ページ目は、平成25年の持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律でございますが、一番下のところ、政府は高齢者医療制度のあり方について、必要に応じ見直しに向けた検討を行うものとするとされているところでございます。

 5ページ目も具体的な国民健康保険法等の一部を改正する法律の中の第2条におきましても、負担能力に応じた医療に要する費用の負担のあり方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするとされているところでございます。

 6ページ、これが前回この医療保険部会におきまして、5月26日におきまして高齢者の自己負担等に関する意見についていただいた意見を、事務局のほうでまとめさせていただいたものでございます。

 1つ目の○、現役世代の負担の伸びを寝かせる、あるいはとめるという方向の制度改革が必要ではないか。

 2つ目の○、現役並み所得という考え方についても論点となるのではないか。

 3つ目の○、高齢者は疾病数が増え長期化するという特性も踏まえながら、医療費を国民全体でどう支えていくか、何が国民の利益か考えていくべき。

 4つ目の○、高齢者は収入が増えない中でどのような負担が必要か検討すべき。

 5つ目の○、制度の持続可能性を考えつつ、世代間の負担の公平性を検討した上で見直すことが必要。

 6つ目の○、検討に当たっては、現役世代が納得できる制度という視点を念頭に置かなければならない。こうした意見をいただいたところでございます。

 こうした御意見を踏まえ、また、御説明いたしました各工程表に定められた日程に従いまして、今後検討を進めていくこととしております。どうぞよろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局からの報告に対して何か御質問、御意見があれば承りたいと思います。山本参考人、どうぞ。

○山本参考人

 遅れて申しわけございません。資料2の後期高齢者の窓口負担について御紹介をいただいたところで、前回もいろいろ御議論があったところだと承知しております。一方で後期高齢者については、平成27年1月13日の社会保障制度改革推進本部において後期高齢者の保険料の軽減特例について、平成29年度から廃止するとともに、急激な負担増となるものについてはきめ細やかな激変緩和措置を講ずることとし、激変緩和措置の具体的な内容については今後検討をし、結論を得ることとされているところだと思います。

 保険料の軽減措置の見直しと自己負担の話というのは、あわせて検討すべきなのではないかと考えておりまして、やはり低所得者に十分配慮して慎重に議論されるべきではないかと思います。意見でございます。

 あと、29年度なのかどうかというスケジュール感についてはお伺いしたいと思います。

○遠藤部会長

 それでは、御意見とともに御質問もございましたので、よろしくお願いします。高齢者医療課長、どうぞ。

○泉課長

 今、御指摘いただいたとおりでございます。平成27年1月13日の社会保障制度改革推進本部決定におきまして、平成29年度から原則的に本則に戻すとともに、急激な負担増となるものについてはきめ細かな激変緩和措置を講ずることとする。激変緩和措置の具体的内容については今後検討し、結論を得る。後期高齢者の保険料軽減についてこのような記載があるのは御指摘のとおりでございまして、こうした日程に沿うように検討を進めていくということでございます。

○遠藤部会長

 ほかにどうぞ。それでは、原委員、お願いします。

○原委員

 高額療養費について、年末に向けてこれから本審議会で御議論いただくわけでございますけれども、これは意見あるいはお願いということでございますが、国保中央会では厚生労働省からの委託補助を受けまして、平成30年4月の国保制度改革に向けまして、都道府県、市町村、国保連合会が使用するシステム開発を現在、進めているところでございます。このシステム開発には同一都道府県内の市町村を移動した場合に、高額療養費の多数該当を引き継ぐといった機能も含まれております。制度が複雑になり、システムの開発の成否が改革の成否を決めるということまで言われているような状況でございますので、制度改正の施行時期が迫ってくる中で現在、全力で中央会としてはシステム開発に取り組んでいるところでございますけれども、今回の高額療養費の見直しの内容を踏まえて、現在取り組んでいるシステムを改修するという難しい作業に今後直面していくのだろうと思います。

 また、国保中央会で開発しているシステムは、全国共通のシステムでありますが、高額療養費の見直しが行われますと各市町村ではそれぞれで実施されている地方単独事業との調整、高額療養費に該当した部分が地方単独事業実施者にその分、返還するといったような事態も出てまいりますので、そういうことも考えていかなければいけないということでございます。

 余りシステム開発のことを言い過ぎてもいけないと思いますが、大事な改正に事務処理の面で遺漏があってはいけないと思いますので、高額療養費の見直しの施行時期を決定する際には、システム開発のための時間の確保など御配慮をぜひお願いしたいということでございます。

 このようにシステムの問題を強くお願いする背景には、実はこれはこの審議会のお話ではないかもしれませんが、4月の診療報酬改定と食事療養費の改正への対応で問題が実は生じました。これは医療機関等への支払いを円滑に行うためにシステム改修に取り組んだところでありますけれども、電子レセプトの記録方法を定めた記録条件仕様書が通知されたのが4月13日であった。したがって、そこから開発をしなければいけないということもありまして、変更部分への対応が間に合わないということで、4月21日から開始した医療機関あるいはシステム開発ベンダー向けの試験においては、当該変更部分は対象外とせざるを得なかったという事態になったわけでございます。

 実はこの秋に診療報酬改定の第2段がまた施行されるということで、経過措置への対応という意味で同じように記録条件仕様書の変更が考えられるわけでございますけれども、システム開発、改修には期間も経費も必要になるために、ぜひ早期の内容の確定、情報提供をお願いしたい。これはこの審議会ではないかもしれませんが、厚生労働省の事務局の方がいらっしゃいますので、お願いをしたわけです。

 重要な制度改正においては、制度の内容も大切ですけれども、システム開発などの事務処理も重要な課題であるということをぜひ皆様には御理解いただきたいと思い、発言をさせていただいた次第でございます。ありがとうございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。重要な御指摘だったと思います。

 横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 先の委員の、御発言にもありましたように、1つは後期高齢者の窓口負担関係でございますが、私も後期高齢者広域連合を代表して来ているのですけれども、制度発足時の大混乱がややあったにもかかわらず、その後、現状は比較的落ち着いた状況になっているのは、ひとえに厚生労働省を中心にいろいろ検討をいただいて、特に低所得者の方等への軽減措置が大きく機能しているものだと思っています。このことについては今も御発言があったように、その改善、改正については十分な検討を、ぜひ慎重にお願いしたいと思うところでございます。

 医療費については全国民的にも取り上げなければなりませんので、去年は日本健康会議も立ち上がり、近々7月後半には1年を振り返ってまた次へという展開もあります。それぞれの保険者ごとにも目標を設けてやっていこうという8つの宣言もございます。こういったことも地道に取り上げていきますが、こういった制度面での御配慮もぜひお願いしたいと改めて思っているところです。

 特に最近は社会的な貧困、特に貧困層が増えてきているのではないか、子供たちも含めて大変困っているのではないかと報じられています。個人的に首長として思うのは、だったら税務調査で、どこに何人いらっしゃるかを把握して、その方々の所得に応じた福祉があってもいいと思うのですが、現在ではデータを見ることはまかり通りませんので、将来マイナンバーがきちんと機能するような状況になれば、個人名は全く伏せて、ビッグデータとしてきちんと把握をする時代が将来考えられるのかなと思っておりますので、そういったことも射程に入れながら検討もしていただいたらどうかなと思います。

 ましてやマイナンバーに関したものがよりよい行政として生かせるようになりますと、今も診療報酬について出ましたけれども、ゼロベースで見直すというのが4ページのところに書いてございました。ぜひいろいろなあり方については、システムは都道府県単位の細かい配慮もしていただいたりしているのですけれども、考えれば1つの制度に近い状況での支払いという形になっておりますので、よりよい改善、改革に向けてゼロベースの見直しに期待を寄せているところでございます。

 もう一点、意見として述べさせていただきたいのは、同じ資料1の5ページにございますが、これは首長としても感じていることなのです。少子化、そして特に人口はこの5、6年減ってきている。昨日か一昨日報じられたところでも出ていました。平均年齢や都道府県単位の出生など、15歳未満の数を見ていきますと、本当に首都圏は大変課題がありますし、始まった東京都知事選挙でもそのことが話題になったりしていますが、ひとえに子育て支援をどうするかということにかかっている部分がございます。その中に医療費を補助しよう、助成しようという自治体は我々も工夫してやっているのですけれども、これを踏み込んでいけばいくほど国保の減額調整という形に入ってしまって、逆に混乱というか課題も抱えるようになる。何とか解消してほしいという願いが多分、各自治体や地方から厚生労働省のほうにも届いているかと思いますので、こういった減額措置の見直し等についてもぜひ十分な御配慮をしていただくようにお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。新谷委員、どうぞ。

○新谷委員

 ありがとうございます。後期高齢者の窓口負担に関連しまして、高齢者医療について意見を申し上げたいと思っております。

 この制度を次の世代に引き継いでいく持続可能性が大事であるということは皆さん全く異論がないところだと思いますが、ただ、これを支える側から見たときに、後ほどの議題の資料にも出てまいりますけれども、被用者保険の義務的経費に占める高齢者医療への拠出金割合は、協会けんぽで4割、健保組合で5割近くという非常に高い数値で推移しているということでございますし、今後高齢者医療費が増えていくと負担割合も高まってくる懸念もあるわけでございます。

 前回も意見を申し上げさせていただきましたが、持続可能な医療保険制度を維持するために、検討においては現役の皆さんが納得する制度という視点をぜひ入れていただきたいということとともに、このような状態を放置したままということではなく、この制度を支えるために必要な財源については現役の保険料に転嫁するような施策ではなく、これはかなり政治的な判断に影響を受けるわけでありますが、消費税などの財源をきっちりと確保した上で、公費の投入ということも、ぜひこれを拡大することの検討も入れていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 望月委員、どうぞ。

○望月委員

 やや重複するのですけれども、消費税率10%への引き上げが延期された中で、この社会保障制度の持続可能性を確保する。少なくとも経済・財政再生計画に掲げられていますこの改革項目を、遅滞なく実行していく必要があると思っています。

 そういった中で2点意見を申し上げます。まず高額療養費についてです。これは資料2の14ページにございますけれども、70歳未満と70歳以上では取り扱いが大きく異なります。世代間の公平性を確保する観点からも、これは早急に見直す必要があると考えています。とりわけ70歳以上にのみ設けられています外来特例ですけれども、頻回受診を助長しているおそれもあることから、公平性の観点からも廃止が妥当であると考えています。

 また、全体の上限額について、70歳以上の部分も70歳未満と合わせる形ですみやかに見直す必要があると考えています。

 これらの見直しは、政令改正事項ですので、来年度から速やかに実施すべきであると考えています。

 2点目ですけれども、後期高齢者の窓口負担です。この窓口負担も医療保険制度の持続可能性を確保するという観点からは、今後やはり引き上げが避けられないのではないかと考えています。現役世代の負担水準との均衡も踏まえて、一定の配慮は当然必要ですけれども、原則2割負担を導入する方向で見直す必要があると考えています。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 ほかにございますか。それでは、村岡参考人、お願いします。

○村岡参考人

 これまでの皆さんの発言と重複する部分もあるのですが、1つは高額療養費の問題ですけれども、これから議論をして結論を出すということなのですが、先ほど原委員の発言にもありましたように、市町村の国保の現場から言いますと、さまざまなこれまでの制度改正の中で非常に事務的には繁忙になっております。そういった中で期間が短い中、また、被保険者の皆さんへの周知期間が短い中で制度改正を行うことについては、非常に窓口での混乱ということも生じてまいりますので、そういった意味では結論の方向性をつけた上で、十分なシステム改修の期間と被保険者の皆さんへの周知期間というものは確保していただきたいということを要望しておきます。

 次に、後期高齢者医療制度の高齢者の自己負担等のあり方の問題なのですが、先ほど山本参考人からも保険料の軽減と自己負担のあり方の問題ということについては、関連性を持ってという御発言もございました。

 市町村の現場で最近の状況を申し上げますと、全国的にも生活保護の高齢世帯の割合というものが非常に増加をしております。5年前と比較をいたしましても、割合的には高齢世帯が130%を超える状況になっておりまして、高齢者人口の伸びを非常に大きく上回っているというのが実態でございます。前回の医療保険部会の資料の中でも決して高齢者は高所得ではないという委員の御発言もありましたけれども、所得のある方とそうでない方の差というものが現実的にはございますので、低所得者に対する配慮については十分検討しておくべきだろうというのが意見でございます。

 特に山本参考人から保険料と自己負担という御発言もございましたが、一方で介護保険料の問題も負担が増加してきております。制度が発足して以降、介護保険料は約2倍近くになっておりますし、今後2025年には約3倍近くになるという見通しもございまして、国のほうでは制度的には第1段階から第3段階への保険料の軽減措置を、消費税財源を充当することによって拡充していくという方向性を検討しておりましたけれども、消費税の延期によってそれが第7期でどのようになるのかというのも市町村の現場としては不安に思っているところです。片方で医療保険制度の議論をしながら片方で介護保険制度という議論もしていくことになりますので、この医療保険部会では医療保険制度について議論をするということですけれども、制度的には被保険者にとってみれば介護も医療も同じということになりますので、今後の負担のあり方についてはそれぞれ施策の縦割りということではなしに、介護や医療や、また自己負担、保険料の問題も含めて制度的には検討していくべきではないかということを意見として申し上げたいと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、藤井委員、お願いします。

○藤井委員

 多少関連しますが、申し上げます。

 高額療養費についてですけれども、70歳から74歳の自己負担額限度額に特例措置が設けられているわけですが、これについて直ちに撤廃できないということも理解できますが、少なくとも70歳未満の負担上限に漸次近づけていくことを考えるべきだと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 森委員、お願いします。

○森委員

 まず高額療養費制度ですけれども、現在の制度は月ごとの自己負担額を超える部分について、事後的に保険者から償還払いがされる制度です。先ほど事務局からも疾病が長期化しているという話がありました。年間を通して高額な負担をしている人でも対象にならない人がいるのではないか思います。ただ、大きく制度を変えることになるので、なかなか難しいと思いますけれども、公平な負担という点では、そのあり方を検討していくべきではないかと思っています。

 もう一点、これはお願いなのですけれども、資料1の骨太のところなのですが、医療のところで後発品の使用促進、重複投与の防止に薬局として、薬剤師として積極的に取り組んでいるのですけれども、2ページ目の健康づくりのところのフレイル対策、今後高齢化社会を迎える中でフレイル対策は非常に重要になってきています。そうした中、保険者も高齢者のフレイル対策ということで様々な事業を行っていますが、薬剤師も積極的に参加をしているところなのですが、なかなかうまく参加できていないという声も上がってきています。ぜひこの仕組みがうまく動くような形にしていっていただければと思います。

 私からは以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 武久委員、どうぞ。

○武久委員

 後期高齢者がどんどん今後増えていくということでいろいろ問題が出ていますけれども、資料2の参考資料なのですけれども、30ページでちょっとお願いがあるのでお話したいと思います。

30ページで見ると75歳ぐらいから外来より入院のほうが費用がかかっているという医療費が出ておりまして、これは100歳まで出ておりますが、後期高齢者になれば疾病は単一ではなくて、いろいろな合併症があるから医療費が上がるのだろうと思いますけれども、右側では当然、高齢者になると収入がどんどん減ってくる。このバランスが崩れているわけですけれども、ちょっと調べていただきたいと思うのですが、この入院の中で急性期医療と慢性期医療の比率を教えていただけたらと思います。これはわからなければ一般病床と療養病床で分けていただいてもいいのですけれども、どの段階で医療費が非常に上がっているかということを分析することが今後のためになるのではないかと思いますので、今、データがなければ今後調べていただけたらと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 事務局側で今すぐのお答えは無理だと思いますけれども、対応可能かどうかについてコメントをお願いできますか。

○山内課長

 今、手元にないのですが、どのようなことが調べられるか検討したいと思います。

○遠藤部会長

 よろしくお願いします。

 ほかに、白川委員、どうぞ。

○白川委員

 高齢者の医療費の負担をどうするかということについては、これまで私も数え切れないぐらい、同じことを言ってきたので、これ以上繰り返す気はないのですけれども、今回、医療費適正化関連の工程表が出されておりますが、これは事務局にお願いしたいのですけれども、医療費がそれぞれの改革項目によってどれぐらい影響を受けるのかというイメージがどうも湧かないものですから、実際に例えばある施策を打ったら、これぐらい医療費が抑制できますというざっとした数字で構わないのですけれども、あるタイミングでぜひとも出していただきたい。例えば居住費ですね。光熱費等について自己負担化を検討しようというテーマが出ておりますけれども、それでどれぐらい財政影響があるのか全く想像がつかないものですから、そういった個々の提案、施策について数字を何らか示していただければ重要度がわかる、影響度がわかるということになるかと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それから、結局消費税の引き上げが再延期されました。高齢者医療費について、我々は公費を消費税引き上げ財源から投入すべきだという意見でございましたけれども、それが2年半は少なくとも使えないという状況で、我々としては非常に失望しておりますが、さはさりながら高齢者の医療費を国民で支え続けるということは皆さん意見が一致しているわけですから、少なくとも現役世代も納得した上で高齢者を支えていくという姿勢だけは失わないでいただきたいと思っておりまして、政府もそういう姿勢と、一部でも構いませんので、そういう姿勢を具体化するようなことをぜひとも前向きに検討いただきたいということを2つ目にお願いしておきます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 大体よろしゅうございますか。菅原委員、お願いします。

○菅原委員

 負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化という観点から、1つだけ御意見を申し上げたいと思います。

 負担能力に応じたというところで言いますと、ここに挙げられている話というのは高齢者の窓口負担、高額療養費に関しては基本的には現在の今のフローの所得というところに観点が置かれておりまして、現役並み所得だとか、所得の状況に応じて窓口負担を考えていくという考え方かと思います。ただし、実際には資産というのも負担能力という観点からは非常に重要な要因だと考えておりまして、例えば特に捕捉の問題はありますけれども、資産の中でも特に換金性の高い資産をお持ちの現役世代、高齢世帯はいるわけですから、そういった資産の状況にも今後は中長期的なあり方を議論する上では目配せを、資産の多寡に応じて多少そういう負担をお願いするという考え方も議論していくべきではないかと思っております。これは意見であります。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。介護保険ではそういう制度は既に導入されているわけですけれども、そういうことを考えたらどうかということですね。

 ほかにございますか。松原委員、どうぞ。

○松原委員

 後期高齢者の方々は、年金収入はそんなに多くないということが示された表でも明らかであります。資産の問題もございますけれども、やはり月々あるいは年ごとに入る金額を見ながら皆さん生活されているわけであります。余り負担を高くするということには私どもは反対です。しかし、リーズナブルなところがどこなのか十分に議論してまいりたいと思っているところでございます。

 また、高額療養費につきましても、やはり病気になったときに大変お金がかかる。それを国民が国民を支える。若人も国民としてお年寄りを支えてくださっている。これは大変立派な制度でございますので、壊れないように、そして高齢者の皆さんの生活が不安にならないように、ぜひ配慮していただいて、続けていただきたいと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 大体御意見はよろしゅうございますか。

 それでは、本議題につきましてはこれぐらいにさせていただきまして、次の議題、被用者保険をめぐる諸課題についてを議題としたいと思います。それでは、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。

○宮本課長

 保険課長でございます。

 資料3−1「被用者保険の概要・財政状況」をごらんいただきたいと思います。

 3ページ、きょう御報告いたします被用者保険の財政状況は、協会けんぽにつきましては先週の金曜日に公表いたしました27年度の決算見込みの数字を使ってございます。また、健保組合につきましては27年度決算は秋に公表されるということでございますので、今回は26年度の決算見込みの数字を使って報告をさせていただきます。

 まず3ページですが、被用者保険制度の概要でございます。皆様方御案内のように、被用者保険制度は協会けんぽがございまして、健康保険組合、共済組合という3つの被用者保険制度で成り立っております。健保組合につきましては単一組合は1組合700人以上、総合健保は3,000人以上ということで、1,409の保険者、組合がございます。加入者数は2,913万人ということでございます。

 また、協会けんぽにつきましては、加入者数は3万7,018万人ということで、健保組合の設立が困難である中小規模の従業員とその家族が加入をされている、日本で最大の医療保険者ということになります。また、共済組合は国家公務員や地方公務員、私学学校の教員等を対象とした保険者ということで、加入者は891万人となってございます。

 4ページ、協会けんぽの規模でございます。約3,700万人、国民の3.4人に1人が加入者となっております。中小企業、小規模の事業者が多く、事業者数の約8割が従業員9人以下となっております。右側の円グラフがそれを示しておりまして、従業員2人以下の事業者も44.4%あるという保険者でございます。

 5ページ、協会けんぽの財政状況でございます。27年度の決算見込みの数字でございます。あわせて6ページの協会けんぽの単年度収支差と準備金残額の推移という資料もあわせてごらんをいただきたいと思います。協会けんぽの27年度の収支は、収入が9兆2,418億円、支出が8兆9,965億円ということで、2,500億円程度の黒字となっております。近年はずっと黒字の基調が続いております。

 6ページのオレンジ色の棒グラフが単年度の収支でございます。ことしの27年を見ていただくと2,453という数字がございます。昨年は3,726億円の黒字でございましたけれども、これは昨年は社会保険病院が地域医療機構推進機構(JCHO)に変わりまして、そのとき保険料財源で医療を賄っていたのですけれども、その分の精算剰余金というものが1,000億ほど協会けんぽに返還をされましたので、そういったことで3,700億円ほどの黒字になっておりました。ことしはそれがございませんので2,900億円程度の黒字ということで、実力ベースで言いますと昨年とほぼ同等の黒字の割合となっております。

 この結果、協会けんぽの積立金残高は一番右端でございますけれども、1兆3,100億円程度になっておりまして、これは医療給付費の1.9カ月分となってございます。平成4年当時、6ページの一番左側の棒グラフになりますが、3.9カ月分の積立金があったわけですけれども、バブルが崩壊いたしまして結局は赤字になってしまったということを考えますと、必ずしもこの1.9カ月分の積立金というのは高い水準ではないということが言えると考えております。

 7ページ、高齢者医療の拠出金負担の推移でございますけれども、現在は義務的経費に占める高齢者医療の拠出金負担割合は39.9%ということで、4割程度になっているという状況でございます。

 8ページ、協会けんぽの財政構造でございますけれども、近年若干賃金は上がり傾向でございますが、医療費の伸びのほうがかなり大きいということでありますので、ワニの口に例えられておりますけれども、そういった構造というのは変わらないということでございます。

 協会と健保組合の報酬水準の比較でございますが、これは1.5倍ほど報酬の水準の違いがあるということでございます。

 次に、健保組合の財政状況等でございます。10ページをごらんください。健保組合の組合数は、平成4年度以降、減少を続けております。平成4年には1,823組合でございましたが、26年度は1,409組合となっております。組合1人当たりの平均加入者数は微増傾向でございますが、平均すると2万人前後で大きな変化はないという状況になっております。

11ページ、健康保険組合の加入者の分布でございます。先ほど2万人平均と申しましたけれども、その分布を見ますと加入者1万人未満が約6割、5万人未満が約9割となっておりまして、中小規模の保険者が多いという状況でございます。

12ページ、これは26年度の健康保険組合の決算見込みでございます。26年度は7年ぶりに600億円の黒字となりました。それまではずっと赤字ということでまいったわけでございます。

13ページにその数字がございます。26年度の決算で黒字になっている要因でございますけれども、これは折れ線グラフを見ていただければわかるように、各保険者が保険料を引き上げてきたということが、黒字になった原因ということは考えられます。

14ページ、健保組合への高齢者医療への拠出金の推移でございます。義務的経費に占める拠出金の割合は47.3%ということで、ほぼ5割に達しているという状況でございます。

15ページ、協会けんぽと健康保険組合の保険料率の推移でございます。平成27年以降、保険料率を協会けんぽ、健保組合ともに上げてきているという状況でございます。

16ページ、健康保険組合の保険料負担でございますけれども、今、協会けんぽの保険料率は10%でございますけれども、健保組合の中には10%を超える保険料率の組合が、これは26年度の数字ですが、260組合ほどあります。やはり総合健保が多いという状況になっております。

 保険者の財政状況につきましては以上でございます。

 引き続きまして、資料3−2「被用者保険の保健事業について」を御説明したいと思います。

 3ページ、公的医療保険の保険者が果たすべき機能ということで、1〜6が掲げられておりますが、1〜4は適用、保険料の設定、給付、審査・支払ということで保険者が果たす役割を書いてございますが、近年、保険者機能ということで注目をされておりますのは5、6でございます。保健事業等を通じて加入者の健康管理を行うこと。医療の質や効率性の向上のための医療提供体制側への働きかけ。こういった保険者機能が最近はピックアップされているということでございます。

 そういった中で最近はデータヘルス計画ということで、レセプト情報や健診情報のデータを分析いたしまして、PDCAサイクルで健康寿命の延伸と医療費の適正化を同時に図るということで、データに基づく保健事業というものが実施されてきているところでございます。

 5ページ、データヘルス計画の作成状況でございますけれども、平成26年度の段階で、これは平成27年9月現在ですけれども、今、健保組合におきましてはほぼ100%、99.6%がデータヘルス計画を策定済みという状況になってございます。

 6ページ、データヘルス計画の取り組みのスケジュールということでございます。26年度に第1期の計画を作成いただきまして、27年から29年度ということで第1期の計画を実施しております。この6月にはその第1期の計画につきまして各保険者の位置づけといいますか、各保険者のデータヘルス計画の評価といいますか、横並びでどのような取り組みをしているか、各保険者がそれぞれ取り組みをしているのをアドバイスシートという形で国のほうでつくりまして、各1,400の保険者にお送りをしたところでございます。こういったアドバイスシートなどを踏まえまして、また29年にデータヘルス計画を策定いただきまして、今度は30年度から35年までの5年計画ということで第2期計画をお願いしたいと考えているところでございます。

 7ページがそのアドバイスシートでございます。各健保組合が26年度に策定した第1期のデータヘルス計画につきまして、それぞれの策定状況を確認いたしまして、それぞれの組合向けにアドバイスシートを策定し、この6月にお送りをしているところでございます。今後の第2期のデータヘルス計画策定のための参考として活用していただければと考えております。

 8ページ、予防・健康づくりの推進ということで、今、データヘルス計画で実施をしている主なものといたしましては、糖尿病の重症化予防の推進、民間事業者の活用推進ということで、さまざまなデータヘルスを行う民間事業者の活用を進めていただいています。それから、保険者のインセンティブ改革、先ほども出ました高齢者のフレイル対策の推進といったものを主なものとして取り上げていただいて、推進をしていただいているところでございます。

 9ページ、予防・健康づくりの推進のスケジュールでございます。それぞれ何個か柱がございまして、例えば重症化予防ワーキングにおいては27年3月に協定を結び、重症化予防プログラムというものを公表しておりますし、データヘルス見本市というものを開催いたしまして、民間のヘルス事業者と保険者のマッチングを図るというようなことも実施をしております。

 今、保険者の具体的な取り組みにつきましては、この6月に保険者の全数調査、全ての保険者にアンケートで調査をいたしまして、データヘルスの推進状況について調べているところでございます。この7月に第2回の日本健康会議、これは民間主導でつくっていただいているものでございますが、この日本健康会議の中で保険者の取り組みの成果を発表させていただきたいと考えているところでございます。

10ページは、その日本健康会議について昨年の状況につきまして御紹介をしております。

11ページは、日本健康会議の実行委員のメンバー。

12ページが、健康会議の8つの宣言についての資料でございます。

13ページは、先ほど御紹介いたしました、この6月に実施をいたしました保険者データヘルスの全数調査でございます。これによりまして8つの先ほどの宣言の保険者の取り組み状況などを把握しているとともに、また、民間事業者の活用状況なども、この全数調査によって調べているところでございます。

14ページは先ほど御紹介いたしました、民間の事業者と市町村の保険者、企業の保険者合わせまして、そういった保険者が民間のヘルス事業者、どういうサービスを使っているのか、そういったものを見本市として実施をしているところでございます。これには3,000人ほど参加をして大変反響が高かったものですから、ことしは全国の数カ所でこういった見本市を開催し、民間事業者の活用も促してまいりたいと考えております。

15ページ、予算事業ではそれぞれ先進事例というものをピックアップしまして、その先進事例の横展開を進めているところでございます。保険者の方から手を挙げていただきまして、そういった先進事例をやってみたいという保険者の皆様に、いろいろな予算で余り多い額ではございませんが、支援をしているところでございます。これによりましてそういった先進的な保険事業をやっている保険者の数が少しずつではございますが、増加をしているところでございます。

16ページ、今後の取り組みですけれども、やはり取り組んでいただけるところは、なるべくハードルを低くしてヘルス事業に取り組んでいただきたいと考えております。それから、先進的なヘルス事業については事業をパッケージ化して、保険者が取り組みやすくするという取り組みをまずやっていきたいと考えております。あるいはデータヘルスの分析、保険事業。大きな保険者だけでなく小さい保険者もございますので、そういったところはなるべくデータの分析を共同でやるとか、あるいは保健事業を共同で実施するといったことで、そういった取り組みのハードルを低くしていければと考えております。また、中小の財政難の保険者等に対しては、その初期費用を補助するということも検討してございます。

17ページは、データ分析を行う体制を備えている健保組合の規模ということでございまして、当然少数の小さな保険者でありましても、事業主と連携して立派な保健事業に取り組んでいるところはございますけれども、全体として見ますと大きな規模の保険者においては、そういったデータ分析を行う体制等も整っておりますけれども、小さいところではなかなかそういうところまで手が届かないところも多いという実態でありますので、こういうところでもヘルス事業が行えるように、ハードルを下げていくということが今後の課題であると考えております。

18ページは今、申し上げたようなところのデータヘルスをめぐる保険者機能あるいはデータヘルスをめぐる議論ということで、課題の御紹介をまとめているものでございます。

20ページにまいりまして、職域のがん検診の取り組み推進についてでございます。昨年末にがん対策加速プランというものがまとめられまして、その中で職域のがん検診の実態というものを早急に把握するということで、職域のがん検診のところが課題として取り上げられました。それでことしに入りまして健保組合におけるがん検診の実施状況を調査したところでございます。22ページでございます。その中で約8割以上の組合において胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がん、乳がんなどの検診が実施されていることが明らかとなりました。また、被扶養者を対象といたしました健診につきましては、被保険者よりも若干実施をしているところが少ないというような状況でございます。

23ページ、まず同一の調査の中でがん検診自体の受診率は被保険者のほうが被扶養者より高いのですけれども、精密検診は実は被扶養者のほうが高いということがあることもわかってきております。今後は健康局で今やっておりますがん検診のあり方に対する検討会というもので職域のがん検診のガイドラインを作成いたしまして、それを踏まえましてまたデータヘルス推進会議等で30年度以降のデータヘルス計画の中にそれを反映させてまいりたいと考えております。

 資料の説明は以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの資料説明に関連しまして御自由にどうぞ。小林委員、お願いします。

○小林委員

 資料3−1で協会けんぽの概要、財政状況について御説明をいただきましたが、協会けんぽはこの7月8日に平成27年度の決算を公表いたしました。ただいま宮本課長からその内容について御紹介いただきましたので、重複するかもしれませんが、私からも少し御報告したいと思います。

 平成27年度の協会けんぽの決算では、収入が9兆2,418億円、支出が8兆9,965億円で、収支差は2,453億円になりました。収入は保険料を負担する被保険者数が前年度比3.2%増加したことと、景気回復基調により賃金が上昇したことにより、前年度比1,383億円増加しました。一方、支出は支出の6割に相当する保険給付費が前年度比6.3%、3,221億円の増加となったことを主因として、前年度比2,656億円増加しました。保険給付費の前年度からの増加額が3,000億円を超えたのは、協会けんぽは平成2010月に設立されたわけでありますが、設立されて以降、初めてのことであります。

 8ページにありますように、医療費の伸び率が賃金の伸び率を上回って伸びているという協会財政の赤字構造が変わらない中で、昨今の医療費の伸びは賃金の伸び率を大きく上回っており、注視が必要な状況であると考えております。協会の加入者は主として加入事業所数の約8割が従業員9人以下の中小・小規模企業の従業員とその御家族であるにもかかわらず、保険料率は既に10%という高い水準に達しており、引き続き医療費適正化に向けた取組みを進めるとともに、安定的かつ持続可能な健康保険運営ができるよう、これからも努めてまいりたいと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 ほかにございますか。白川委員、お願いします。

○白川委員

 健保組合の財政あるいは保健事業については保険課長から的確に説明をいただいておるのですけれども、私から何点か補足をさせていただきたいと思っています。

 1つは、健保組合は現在1,400もありますので、平均値でみると大きな誤解が生じるということを1点目に申し上げておきたいと思います。先ほど保険料率で協会けんぽの保険料率である10%を超えている健保組合が250ほどある。資料で言いますと16ページに出ておりますけれども、これはなぜ保険料率が高いかといいますと、標準報酬が低いために保険料率を上げて収入増を図らなければいけないということでございます。簡単に言うと標準報酬のレベルが協会けんぽのレベル以下だということでございますので、そういう健保組合もあるんだということを認識していただきたいと思っております。

 私はこの場でもよく高齢者医療への拠出金負担が大変厳しいと申し上げておりますけれども、以前もたしか資料が出たと思いますけれども、保険料収入の50%以上を拠出しているというところも200組合ぐらいあるわけでございます。この点においても健保組合をみていただく場合には平均値ではみていただきたくないということを1点申し上げたいと思います。

 2つ目はここに協会けんぽもこのところ黒字が続いている。健保組合も26年度は黒字でございましたし、27年度の決算は今、集計中でございますけれども、多分黒字になるのだろうなとみております。その要因は、保険料を引き上げたからということは間違いない事実でございまして、15ページに表が出ておりますけれども、保険料率の上昇率が協会けんぽは22%で健保組合は20%です。20%というのはどういう金額になるかといいますと、金額にすると1兆6,000億円という金額でございまして、1兆6,000億円増収してやっと600億円の黒字が出たという状況でございます。1人当たりでみますと9万6,000円ぐらい年間で保険料負担が増えている。もちろん半分は事業主負担でございますけれども、そのような状況でございまして、こういう状況が続く、しかも高齢者に対する拠出金の負担のために保険料を上げ続けなければいけないという状態は、本当に納得感がますます得られなくなっているということをお話しておきたいと思います。

 保健事業について、これも詳細に資料を準備していただきまして感謝申し上げたいと思います。これほど大がかりな加入者に対する保健事業をやっているという国は世界中にないわけでございまして、協会けんぽや国保も同じだと思いますが、保健事業を充実したものにしていく責任がある、義務があると考えておりまして、いろいろな工夫で知恵を出しあって、この保健事業を展開しております。

 ついでに愚痴を言わせていただければ、これをやるお金も人もなくなってきたという現状でございますので、私はこちらのほうに一生懸命お金をかけることによって将来の健康度を上げ、医療費を下げるというのが、皆保険制度を守っていくためには最重要の課題ではないかと認識をしておりますので、今後とも御理解と御支援を賜ればとお願いをいたします。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 お待たせしました。新谷委員、どうぞ。

○新谷委員

 資料3−2の20ページ以下に記載されております、がん対策の加速化プランにおける職域でのがん検診に関連して意見を申し上げたいと思います。

22ページには患者の数が非常に多い胃がん、肺がんを初めとする5大がんについての健保組合でのがん検診の実施状況が記載されているわけでありますが、1990年以降、非常に死亡率が高まっております難治性のがんで膵臓がん等々があると思いますが、こうした難治性のがんに対する対策及び患者の少ない希少がんに関する対策、それと小児がんも問題になっておりますが、こうしたがん対策についてぜひ政府として研究と対策についての取り組みに一層力を入れていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。

 それと、職域での検診に関連いたしまして、肝炎の対策についても取り組みをお願いしたいと思っておりまして、6月末に肝炎対策の推進に関する基本的な指針が改正、告示をされておりますが、その中で職域における肝炎ウイルス検査の実施促進ということが強調されています。これに沿って、保険者だけではなく国、自治体、事業主との連携の中で肝炎ウイルス検査の実施が促進されるように、ぜひ国としても取り組みいただきたいと要望したいと思います。

 最後に、がん検診でありますけれども、本日は職域での取り組みを報告をいただいたわけでありますが、国民全体の保健事業の向上ということから言えば、ぜひ国として自治体での取り組みについても促進されるように指導、施策を打っていただきたいということも要望申し上げておきたいと思います。

 以上であります。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。御意見として承りました。

 山本参考人、どうぞ。

○山本参考人

 今のがん検診の関連なのですが、確かにがん検診は、自治体での取り組み、そして職域での取り組みがそれぞれでされている状況で、がん検診の受診率の向上とか、効率的・効果的な受診勧奨を進めるためには、健診実施者間の情報共有をより進めるような体制の整備に具体的に取り組んでいただく必要があるかと考えていますので、引き続き検討をお願いしたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。それでは、松原委員、お願いします。

○松原委員

 がん検診の実施状況についての関連ですが、22ページを見ていただきますと、確かに働いている方は非常に効率がよく受診されていて、これによってデータがかなりいいところまで上がってきています。しかし、働いている方々の配偶者が置いてけぼりになっておりまして、そこのところを都道府県、市町村において見ていかないと、いつまでたってもがんでつらい思いをされる方が減りません。そういった仕組みを保険者さんに全て押しつけるのではなくて、地方自治体でも昔のようにがん検診ができるような形にしていただきたいと思います。

 医者として申しますと、胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頸がんなどはかなりいろいろなことがわかってきています。例えばピロリを見つけて除菌すれば、かなり胃がんにはならないのはデータとして出ております。大腸がんも潜血反応を定期的に行っていればポリープの間に処理できます。子宮がんは今、ワクチンの問題が多くございますが、世界的なレベルではワクチンをするのが常識になっております。ただ、副作用の面、なぜ日本の国だけが副作用が出るのかを検討しているところです。さらに肺がんは日本医師会が常に申しておりますように、たばこをやめるということが一番効率よく肺がんを予防する方法であります。これについては異論があるかと思いますが、しかし、実際に、たばこを吸わない方からは扁平上皮がんや小細胞がんはわずかしか出てきません。そういったことも含めまして、積極的にやっていただくと同時に、保険者さんに全てを押しつけるのではなくて、地方自治体が率先してやっていただくということをお願いしたいと思います。

 その次のページを見ましても、組合員の配偶者の皆さんは症状があって初めて健診を受けるような形です。そういったことであれば異常が見つかる率が高いのは当たり前であります。そこのところをもう少し国の施策として進めていただきたく思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 関連ですか。ではこちらを優先させていただいて、手短にお願いいたします。

○白川委員

 松原委員の指摘がございました23ページ目の資料でございますが、左側が健診受診率で、黒棒が被保険者、点々が被扶養者でございます。これは健保組合が把握している数字だけでございまして、実は市町村がやっておりますがん検診は被用者保険だろうと国保だろうと全市民が対象でございますので、そちらで受けていらっしゃる方も被扶養者はたくさんいらっしゃるのですが、その数字は把握できていません。山本さんもお互い情報連携が必要だとおっしゃったのはそういう意味もあるかと思いますけれども、この数字に少し乗るというふうに御理解をいただきたいと思っております。

 ついでに申し上げると、がん検診はそうなっているのですが、特定健診のほうは残念ながら国保は、被用者保険加入者をみてくれないという区別になっております。被扶養者については、がん検診と特定健診を一緒に市町村でやってくれないかというお願いを昔からやっているのですが、なかなか実現しないのが現状でございます。

○松原委員

 今の意見には大変賛成でございます。

○遠藤部会長

 お待たせしました。それでは、横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 言いたいことの半分はお二人に言っていただいたので、ありがとうございます。

 全く感じるところは同じでありまして、ピロリ菌検査のこととか、肝炎検査に関しましては、ぜひ若い時代からそういう認識を持つこととか、国民運動と言うとおかしいのですけれども、多くの方々が適当な年齢できちんと受けて、自分の健康のもとに成長できるように、厚生労働省並びに文部科学省、そして総理大臣も含めて各大臣が情報を大きく発信してほしいと思っています。松原委員がおっしゃったように、私ども自治体でございますので努力していますが、それでもやはり各自治体の広報についてはなかなか足りないところがあると思います。これについては政府が予算をもって広報も戦略を持って当たっておられますし、特に官邸を中心に政府機関として発信をされることは日々のニュースとしても大きく取り上げられますので、ぜひそういった形での訴求力を大いに発揮していただいて、啓発をぜひお願いしたいと思います。

 また、先ほど触れられました膵臓がん等につきましても大変憂慮しております。実際、私どもの職員も患者になってホスピスまで行った職員もおりましたので強く感じます。改めてそのときに調べてわかったのですが、一般的に22ページにあるような各部位のがんについては、各都道府県単位にターゲットを決めたアクションプランとか統計などが出てくるのですけれども、発見が遅くなってしまう膵臓がん等についてはなかなかデータはございません。ということは対応もおくれがちになりますので、ぜひ厚生労働省のほうで音頭をとっていただいても結構でありますので、日本人がかかわっているがんについてはきっちり目標を立ててやっていけるようなことをお願いしたいと思います。

 なお、これは全体と関係してきますけれども、ぜひこういった知識を中学生から高校生、できたら高校生のときにしっかり教えていただいて、社会人になる、あるいは大学や短大等に進学をしていく、単身でアパートメントに住む、寮に住むという形になるときに、食生活を乱さない、自分のライフサイクルを狂わせない、そういったことが実は健康のもとになるということと、こういったがん検診等を受けることが非常に重要だということをしっかり認識できるように指導をお願いしたいと思います。なかなかそれが訴求しないということがあるならば、例えば大学入試の中の科目に健康科目を入れて、そこで点数を設けるぐらいのことを文部科学省で議論してもらってもいいと考えたりもします。そうしないと変わらなければ、結局は最後は医療とか健康に関心のない、知識のない人が増えてしまえば、症状等がひどくなってしまってから治療あるいは健診となってしまって手おくれですので、ぜひそういった啓発についても指導していただきたいと思います。

 松原委員から御指摘があったように、各自治体も都道府県はもちろん、市町村も今こういったことには力を注いでいますし、平成29年、30年からは都道府県単位の財政運営となりますから、今、各都道府県単位で連携して協議をしているところですけれども、がん対策等についてもしっかりターゲットを決めてやっていきたいと思っておりますので、ぜひお願いしたいと思います。

 また、先ほども委員の皆さんも触れられましたように、現場の自治体の職員、特に保健師の職員と話をしますと、民間の健保関係のデータが欲しいとみんな思っています。御家族をお訪ねしていって特定健診でイエローマークの方に訪ねていって、そうしたら結局治していくためには家族単位で、家族グループで意識を持ってもらいたい。ところが、そのときのデータがない。国保については持っているけれども、健保とかその他についてはない。早く知って市民全体を見た、ビッグデータとして見た上での対策を打ちたいと強く願っている現場職員もおりますので、ぜひ厚生労働省のほうで調整や音頭をとっていただいて、ビッグデータなり健診のデータベースを共有できるような、そして、その上でより効果的な啓発や改善ができるような対策に進めるようにお願いしたいと思っています。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにございますか。それでは、特段御意見もないようであれば、この議題についてはこれまでとさせていただきます。

 次に、データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会の検討状況について、これを議題としたいと思います。

 それでは、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。

○宮本課長

 保険課長でございます。

 資料4−1をごらんください。先ほど資料1で6月2日の閣議決定で規制改革の閣議決定をごらんいただきました。城課長から説明がありましたけれども、審査支払機関のあり方につきまして、いわゆる日本の審査支払機関はレセプトがほぼ100%電子レセプトになってきたわけでありますけれども、なかなか昔の紙でやっていた時代の名残が残っていて、業務が完全にコンピューター仕様になっていないのではないかという指摘を規制改革会議からは受けているわけでございます。

 もう一つは、今それぞれ都道府県の支部でレセプト審査をしていただいているわけですが、その審査の中で都道府県における格差があるというようなことが問題とされておりまして、そういったものを是正できないだろうかということを規制改革会議から指摘を受けております。そういった指摘に対して今回、厚生労働省において有識者検討会を設けて検討するというのが課題の1つでございます。そういった審査支払機関の要するに業務の効率化と審査基準の統一化ということについて議論をするというのが1つ。

 それと審査支払機関はレセプト情報という非常にビッグデータを持っているところでございますが、そういったビッグデータをさらに保険者あるいは地域包括ケアといった中でビッグデータを活用して医療の質をさらに向上したり、医療を効率化するということにそういったデータを積極的に活用していけないかということをあわせて今回、議論をすることにいたしまして、そういった有識者会議を設けているということでございます。それが資料4−1でございまして、メンバーにつきましては2ページにございます。座長は医療経済研究機構の西村周三先生。副座長は国立社会保障・人口問題研究所の森田先生にお願いをしております。ここにはまだ規制改革会議からもメンバーが入っておられますし、日本医師会、歯科医師会、薬剤師会の先生方、医療関係者の先生方あるいは医療保険者から推薦をいただいた先生方にも入っていただいて今、議論を進めているところでございます。

 これまでの議論といたしましては、4月から議論を行いまして、審査支払機関であります社会保障診療報酬支払基金、国保連等のヒアリングを行いまして、業務の改革についての一定の御提言をいただいたところでございます。前回、先週の金曜日に第4回目の会議を開催いたしまして、これまでの論点を大きく2つに整理をいたしまして、議論を進めていくこととしているところでございます。

 資料4−2をごらんいただきたいと思います。1つは先ほど申し上げました審査支払機関の審査事務の効率化ということと、地域におけるいろいろな審査の差異というものを、その中で不合理なものについてはそれを解消していくことが課題になっておりまして、そういった審査事務の効率化あるいは審査基準の統一化について、どのように具体的に進めていくかということをコンピューターの専門家の先生方も含めて見ていただくというようなテーマで検討事項(1)を設定しております。

 また、検討事項(2)といたしましては、先ほど申しました審査支払機関にあるビッグデータにつきまして、保険者機能の推進のためにそういったビッグデータをどのように活用していったらいいか、あるいは介護のデータも含めまして地域包括ケアのためにどうやってそういったビッグデータを活用していくのか。そのためにそのデータのあり方はどのようにあるべきであるか。また、その審査支払機関が審査の支払いということだけではなくて、そのデータを活用していく、あるいは保険者機能を上げていくために新たな役割ができないかというような論点について、これを論点2といたしまして、それぞれワーキングチームを設けて検討を進めるというふうになっているところでございます。

 ワーキングチームにおきましては、この秋までまたワーキングチームの中で検討いたしまして、その後、そのワーキングチームの報告を本会議にいたしまして、年末までに結論を得ていきたいと考えております。

 私の説明は以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 現在進行形の会議でございますけれども、今、説明がありました内容について、何か質問、御意見ございますか。それでは、新谷委員、お願いします。

○新谷委員

 資料4−1と資料4−2を拝見しておりまして、特に資料4−1との差で資料4−2を見て気がついたというか感じるところでありますけれども、検討の背景等、こういうビッグデータとかIoT、ICTというのはよくわかるのですが、資料4−2に今回の検討の中でサービス機能の強化というところが、若干視点として弱くはないかなということを危惧しておりまして、こういった公共財のようなデータを使って保険者に対するサービスの強化というところをぜひ視点として強化していただきたいと思います。

 それと同じこの検討に際しては、審査の質の向上というところもぜひ念頭に置いていただきたいと思っておりまして、適正な審査を通じて医療保険制度の公正性と信頼性を担保するというために、この検討の中では審査業務の質の低下を招くことにならないように、ぜひその点を留意して検討していただきたいということを要望として申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。御要望としてお聞きしました。

 ここでの御要望は、何らかの形でこの検討会に伝えるということで考えてよろしゅうございますか。

○宮本課長

 はい。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 ICTやデータヘルスは非常に重要なことだと思っていまして、世界的にはなかなか工夫したり、さらに進んだりしているところがあると思うのですけれども、世界的な調査というのもされているのかどうなのか、今後されるのか、そういったことを教えていただくとありがたいです。

○遠藤部会長

 それでは、保険課長、どうぞ。

○宮本課長

 検討会の中では韓国のHIRAという審査支払機関がありますが、そこの取り組みというものをヒアリングいたしました。そのとき言っておりましたのは、HIRAは日本の医療保険制度をまず後からキャッチアップしてつくったものなので、日本の医療保険制度のいろいろな弱点等を理解した上でいろいろなことをやっているということで、かなりコンピューターの活用等では進んでいるということがわかったところです。一方、なかなか韓国の医療保険制度と日本の医療保険制度でも違うところがかなりありまして、日本の場合は全ていわゆる混合診療というものを原則認めないという中でやっておりますので、いろいろな診療報酬の基準が非常に複雑になっているということから、HIRAのような割り切りというものが難しいということもございまして、そういった問題点も明らかになったところでございます。こういったいろいろな海外の事例も参考にしながら今後検討してまいりたいと思っております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかに何か御意見ございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、現在進行形の検討会ということでありますので、また進捗に応じて御報告いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次の議題でございますけれども、最後の議題はその他でございますが、これはその他としまして社会保障審議会療養病床のあり方等に関する特別部会の資料、これは資料配付の形で報告にかえさせていただきたいと思います。これもまた現在進行形の部会でございまして、まだ結論が出るところまで行っていませんが、このような議論が展開されているということで、御参考にしていただければと思います。

 それでは、一応こちらで準備したアジェンダは全て終了しましたけれども、皆様のほうから何かございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、まだ予定した時間までかなり残りございますけれども、本日の議論はこれぐらいにしたいと思います。

 次回の開催日につきましては、追って事務局より連絡をしたいと思います。本日は御多忙の折、御参集いただきましてありがとうございました。


(了)

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