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2016年6月30日 第98回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録

○日時

平成28年6月30日(木)14:00〜16:00


○場所

厚生労働省9階省議室


○議題

(1) 雇用保険法施行令の一部を改正する政令案要綱及び雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(2) 2015年度の実績評価及び2016年度の年度目標について
(3) その他

○議事


○小杉分科会長 定刻になりましたので、ただいまから第98回労働政策審議会職業能力開発分科会を開催いたします。定足数には達しております。本日はお忙しい中、お集まりいただきまして、大変ありがとうございます。議事に先立ちまして、当分科会に所属されます委員の交代がございましたので、御報告いたします。使用者側委員の高橋委員に代わりまして、日本経済団体連合会労働政策本部副本部長の遠藤委員です。

○遠藤委員 遠藤と申します。よろしくお願いいたします。

○小杉分科会長 使用者側委員の島村委員に代わりまして、全日本印刷工業組合連合会会長の臼田委員が就任されました。最新の委員名簿につきましては、参考資料としてお手元に配布されていると思います。本日の出欠状況ですが、臼田委員のほか、橋本委員、原委員、高橋委員、大隈委員、諏訪委員、中村委員が御欠席です。また、公益委員の浅井委員と使用者側の河本委員は所用により途中退席される予定です。次に、事務局に人事異動がありましたので、紹介させていただきます。宮野職業能力開発局長です。ただ、本日は総理官邸で他の公務が入っておりまして、欠席です。和田審議官です。

○和田審議官 和田でございます。お世話になります。

○小杉分科会長 山口基盤整備室長です。

○山口基盤整備室長 山口です。よろしくお願いいたします。

○小杉分科会長 それでは、議事に入ります。まず、雇用保険法施行令の一部を改正する政令案要綱及び雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱についてです。これは、本日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛てに諮問がなされたところであり、これを受けて、本分科会において審議を行うものです。内容について事務局から説明をお願いいたします。なお、ここでは御発言の前に必ずマイクのスイッチを入れて、かつ、発言が終わられたら切るようにお願いいたします。

○波積能力開発課長 資料1について御説明させていただきます。まず、資料1-1を御覧ください。こちらが今、小杉分科会長から御説明がありました諮問の文書です。別紙1、別紙2がそれぞれ付いておりますが、いずれも熊本県の今回の地震に関する特例措置を定めたものです。具体的な中身につきましては、政令、省令の順番で説明させていただきます。

 まず、政令の部分ですが、中身は資料1-2を御覧ください。まず、1ページ目ですが、こちらは雇用保険法施行令の一部を改正する政令案の概要になっております。現在の制度では、都道府県が設置いたします公共職業能力開発施設、職業能力開発校や職業能力開発短期大学校などですが、これらの施設の建替えや改修に関する経費等につきまして、半額の補助を実施しているということです。現在、補助対象施設はここにございます全国170施設があり、実績は御覧のような数がございます。具体的な補助ですが、都道府県から申請を頂いて、厚生労働省で中身を見させていただいた上で、補助対象経費の半分を交付する仕組みになっております。今回の改定内容が下半分の四角の中で、平成28年熊本地震により著しい被害を受けた都道府県立の職業能力開発校等の円滑な運営を確保するために、その施設又は設備の災害復旧に要する経費につきまして、国から県への補助率、通常は2分の1ですが、それを3分の2に引き上げる特例を定めるものです。具体的な特例の対象は更に下の点線の中に入っておりますけれども、平成28年熊本地震に係る災害救助法が適用された市町村に設置されております施設に対する経費の補助になります。具体的には2施設ありまして、菊池郡の菊陽町にあります熊本県立技術短期大学校、そして熊本市にあります熊本高等技術訓練校が対象となります。施行は公布日に施行ということです。なお、この特例は東日本大震災のときも同様の措置を講じております。以上が政令でございます。

○藤浪企業内人材育成支援室長 続きまして、同じく資料1-1の別紙の2、雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について御説明いたします。具体的な内容は、同じく資料1-22枚目、裏ページを御覧いただきたいと思います。認定訓練助成事業費補助金制度の改正についてです。認定職業訓練につきましては、事業主等が行う職業訓練のうち、一定水準を満たしたものを都道府県知事が認定するものですが、この認定訓練を行う職業訓練法人等に対して、都道府県が助成を行う場合、国はその都道府県の助成額の2分の1を補助しております。その補助額は補助対象としている訓練校の運営等に係る経費全体の3分の1を上限としておりますので、現行では認定職業訓練校の運営等に際して国、都道府県、訓練校それぞれ3分の1ずつの負担となっております。この補助金につきまして、今般の熊本地震により災害救助法が適用された市町村内において被災した認定職業訓練校につきまして、その施設及び設備の復旧に要する経費について、国から県への補助割合をこれまでの2分の1から3分の2に引き上げまして、また国の負担の上限も3分の1から2分の1に引き上げることによって、被災した訓練校の施設、設備に係る補助につきまして、資料の右下にございますけれども、国2分の1、県4分の1、訓練校4分の1ということで、県及び訓練校の負担の軽減を図ることとして、その規定を省令に新たに盛り込むものです。なお、この措置は、前回3月の本分科会において御議論、御審議いただきました東日本大震災に係る特例措置として再延長したものと同じ内容です。説明は以上です。

○小杉分科会長 ただいまの説明につきまして、皆様から御意見、御質問はございますでしょうか。

○村上委員 今、御説明いただきました件について、公共職業訓練施設というのは重要なセーフティネットだと考えておりますので、私どもとしては了承したいと思っておりますが、1点質問です。公布の日から施行するとなっておりが、具体的にいつから施行を考えていらっしゃるのかということについて教えていただきたいと思います。

○小杉分科会長 お願いします。

○波積能力開発課長 施行でございますけれども、この後閣議決定など政府部内の手続がございますから、可能な限り早くという形で進めさせていただきます。

○小杉分科会長 よろしゅうございますか。ほかにございませんでしょうか。特にないようでしたら、当分科会としては、雇用保険法施行令の一部を改正する政令案要綱及び雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱につきまして、妥当と認める旨を私から労働政策審議会会長宛てに報告申し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

○小杉分科会長 ありがとうございます。事務局から報告文案の配布をお願いいたします。お手元に配布された報告文案により、労働政策審議会会長宛てに報告することとしてよろしいでしょうか。

(異議なし)

○小杉分科会長 ありがとうございます。それでは、そのように報告させていただきます。

 次の議題に入ります。議題2ですが、2015年度の実績評価及び2016年度の年度目標についてです。内容について事務局から説明をお願いいたします。

○木塚総務課長 資料2-1、資料2-2に基づいて御説明いたします。年度実績評価と年度目標の設定については、平成22年度より労働政策の推進に当たり、PDCAサイクル機能の充実・強化を図るために実施しているものです。今般は2015年度の目標の実績評価及び2016年度の目標設定について御議論を頂きたいと考えております。

 まず、2015年度の実績評価について資料2-13ページで、項目が4つあります。ニートの縮減、サポステによる就職者数が目標とされているところです。2つ目がジョブ・カード取得者数、3つ目が公共職業訓練、離職者訓練の就職率です。4つ目として、求職者支援訓練による職業訓練、終了3か月後の就職率です。2015年度の目標についてはちょうど真ん中の、ニートについては17,000人、ジョブ・カード232,000人。公共職業訓練の就職率は施設内が80、委託訓練が70。求職者支援訓練については、基礎コース55、実践コース60、これが目標でした。ニートの縮減については、目標17,000人に対して、実績は一番右手になりますが、15,479人となっております。目標を下回る実績となっております。これは雇用保険被保険者になり得る就職者に限定したということで、そういうものを考慮して目標を作ったわけですが、なかなかこういう良い就職状況の中では、やはり就職困難者の方がお見えになっているということで、そういう点が思ったより難しかったというのが1つです。もう1つは雇用失業情勢の改善があって、ハローワークとの連携の仕組みが十分定着しなかったということで、登録者数が約20%減少したことです。就職率自体は4.9%改善したわけですが、結果としては目標を下回ってしまったということです。今後は地域に根ざしたよりきめ細かな質の高い就職支援を行ってまいりたいと考えております。

2つ目のジョブ・カードの関係ですが、目標232,000人に対して、これも実績が188,000人と、目標達成が困難な状況となっております。これも若者チャレンジ訓練の新規訓練の開始が終了したこと。それから求職者支援訓練の受講者の減少、というようなことで、職業訓練の受講に伴うジョブ・カードの取得者数が減少したということが要因で、また本年の10月から新規制度に移行したわけですが、旧制度の周知について制約があったことなどが要因です。いずれにしても、ジョブ・カードについては生涯を通じたキャリア・プランニング、あるいは職業能力のツールとして見直しをしたということです。今後求職活動等、職業訓練以外の場面での活用促進を図ってまいりたいと考えております。より一層の有効活用の好事例の開拓をする、あるいはそうしたものを活用しての普及を行って、ジョブ・カードの作成実績の向上を図ってまいりたいと考えております。

3つ目の公共職業訓練の離職者訓練については、施設内が80の目標に対し実績84.9、委託訓練が70に対して実績が73.2%と目標を上回っている実績となっております。今年度も引き続きニーズに合致した訓練の設定を行うとともに、訓練の質の確保あるいは訓練効果の維持・向上を図ってまいりたいと考えております。

4点目の求職者支援訓練の就職率について、基礎コース55、実践コース60に対して、9月までに終了した訓練コースの終了3か月後の実績については、基礎コースが54.8%、実践コースが60.4%となっており、基礎コースが目標をやや下回っていますが、これは年度前半に開講したコースで、例年、年度後半にかけて就職率が上昇する傾向にあるということを踏まえると、就職支援をしっかり強化することで、目標数字に達成することが期待できるのではないかと考えております。いずれにしてもニーズに合致した訓練の設定をしっかりやって目標達成を目指してまいりたいと考えているところです。

 来年度の目標については資料2-2を御参照いただければと思います。まず、一番右に中期目標値として2020年度に達成すべき目標がありますが、来年度の目標は中段に掲げているとおりです。まず、サポステのニート数の関係については、目標就職率60%とさせていただきたいと考えております。2020年の中期目標値が10万人であるところ、今、83,000人を達成しており、2020年に向けて一定の達成のめどが立ったということで、現在、雇用失業情勢が改善する中で、若年無業者の方々の支援の困難性が増していることを踏まえ、切れ目のない就職支援の強化を図るということもあり、より一層質の向上が求められているというように考えております。この質により重きを置いた就職率を指標として設定するということで、昨今の就職率が57%程度で、その前も50%前半だったことも踏まえ、より高い目標として60%と設定させていただきました。

2つ目のジョブ・カードについては、2020年度までの目標が累計数300万ということで、15年度末で現在150万弱という数字になっております。新ジョブ・カードになり、今いろいろな取組を行っているところですが、浸透に一定の時間を要するということも踏まえて、かつ今年度の実績も踏まえ、来年度については今年度と同様の目標値とさせていただきたいと考えております。

3点目の公共職業訓練の就職率については、中期目標として、設定された当時の雇用失業情勢等を踏まえ、施設内訓練を80%、委託訓練65%としておりましたが、昨今の就職状況を踏まえ、昨年度と同様の施設内80%、委託訓練70%とさせていただきたいと考えております。求職者支援制度の基礎コース55%、実践コース60%についても、引き続き同様に設定をさせていただきたいと考えております。5つ目の技能検定受検者数の合格者数について、これは第10次の職業能力開発基本計画における関連目標として、725万人を2020年度までに達成するという目標設定をさせていただいたところで、達成のためには毎年25万人の合格者数を達成する必要がありますので、新規合格者数を25万人に設定させていただきました。説明は以上です。

○小杉分科会長 ありがとうございます。皆様から御質問、御意見を伺いたいと思います、いかがでしょうか。

○板垣委員 ニートの縮減について発言させていただきます。2015年度までは就職者数を目標値として設定されてきたものを、2016年度からはサポステへの新規登録者数のうちの就職に至った者の割合という就職率を目標として設定されることに変更になったことについての意見です。目標値を切り替えることの背景として説明がありました、近年雇用失業情勢が改善しつつあるということで、サポステへの新規登録者数自体が減少したこと、その中で就職に至っていない層を就職につなげる上では、より手厚い対応が必要となるため、量から質への考え方を切り替えるべきと捉えるということでの説明についてはきちんと認識をしております。

 資料3「ニッポン一億総活躍プラン」の3ページに、若者の雇用安定・待遇に関する具体的な施策が述べられています。高等・専修学校とサポステ等の連携により中退者・若年無業者・引きこもりの若者等へのアウトリーチ型の就労支援や、高卒資格の取得に向けた学びの支援の実施が挙げられています。これは、これまで本分科会の中で労働側が発言をし、実施を求めてまいりました厚生労働行政と文部科学行政の連携、教育行政・労働行政・福祉行政のいずれからも手を差し延べられないといった、狭間にいる存在も視野に入れた対応、これが反映されたものと受け止めております。労働側としましては、今回の切り替え自体については了承したいと考えているものの、目標値が量という数から質に切り替わったことをもって、施策が後退することのないよう、より一層就職が困難と思われる層への対応に力が入り、目標値が切り替わったからといって、数の実現を求める姿勢を後退させないこと、という点について改めて要望したいと思います。

○遠藤委員 同じくマル1のニートの縮減に関わる部分です。先ほど御説明がありましたように、若年無業者あるいは引きこもり等々の状況を踏まえて、質に重点を置いた形での目標を立てるということにつきましては、使側も理解を示してまいりたいと思います。しかしながら、めどが立ったとはいえ、10万人という2020年目標が達成されていない状況下にあっては、やはり、目標ではないのかもれませんけれども、この「※2」の所にある目安みたいなものを、合わせて括弧書き程度で、実際の就職者数も置いておくことが必要ではないかと思っております。

 次に、労働側の意見にもありましたように、サポステに関わっている皆さんの頑張りというのは相当なものです。160箇所ある中で、なかなか人的に十分確保できないところ、あるいは専門性が十分ではないようなところがまだまだ多く、課題があると指摘されておりますので、引き続き、例えばわかものハローワークあるいは自治体といった関係者間のより一層の連携を図るような形で、目標達成に向けて取り組んでいただければと思っております。

○伊藤キャリア形成支援課長 キャリア形成支援課長です。ただいま両委員からサポステ事業の在り方について御意見を頂きましたので、それについての現状、考え方を簡単に御報告申し上げたいと思います。まず、この度の目標切り替え案との関わりでサポステ事業が後退することがないようにという指摘に関しましては、当然、私どももこの度の総活躍プランに位置付けられた方向等との関わりの下、高校中退者をはじめとするギャップに陥りやすい層に対する切れ目ない支援強化という観点を重点としつつ、拠点数に関してもまたプログラムに関しても、今年度の事業運営に関し、昨年度から後退することなく、また後ほどの議題とも関わってきますが、このプランの方針を踏まえ、文科省ともこの方向性を共有した上で、文科省共々各自治体・教育委員会等に対して、既にこのプランの実現という観点から、高校におけるサポステ、ハローワーク等の支援プログラムに関わる情報提供、関係機関の担当者による日常的なケース会議の開催などによる支援対象者の把握、残念ながら不幸にして中退に陥った場合のサポステによる速やかな支援開始、その中にはアウトリーチ型の支援も含めると、こういった点については通知依頼を行い、サポステスタッフに対するブロック会議等の場を用いての指示も既にしているところです。

 こうした点も踏まえ、質の向上を図り、それを就職率の向上、ここに目標案としてお示ししています60%の達成に結び付けるのはもとよりですが、もう1つ御指摘を頂きました、中期目標である就職等進路決定者数、これがいわばニート数の縮減に直接つながる目標であり、私どもとしては当然、目処は立ったとは言え、まだ10万人には達していない中で、数も意識をしていく、関係者に関しては量も質も共に求めていくという業務スタンスでの当面のこのサポステ事業の在り方、それぞれの業務運営上の留意点について、私どものほうからの指示・指導もしているところです。その中で就職率はもとより、それぞれのサポステ単位でも就職者数、量的パフォーマンスという観点でも、当然、昨年度は目標未達成だったという反省も踏まえ、必要な誘導を行い、サポステ単位でも全体としても昨年度を上回る実績発揮を期していくという考え方で、今年度のサポステ事業運営に当たっていきたいと考えているところです。

○小杉分科会長 ほかの方からいかがでしょうか。

○高倉委員 2つ目のジョブ・カードの取得者数について、今御説明があったとおり、2015年度の目標達成は困難な状況だということですが、要因についても幾つか説明を頂きました。その状況を改善すべく、説明を頂いたように職業訓練以外でも活用促進を図っていく。更にはジョブ・カード制度総合サイトの開設や専用アプリを開設していくということも伺っておりますけれども、違った視点で意見を述べます。これは従来から労働側としてこの分科会とかジョブ・カード制度推進会議で再々指摘をさせていただいておりますように、ジョブ・カードを労働市場の基礎インフラに位置付け、その活用を進めていく上では労働市場での活用度合いを図ること、そのための施策が必要ではないかと思っています。具体的に言えば、ジョブ・カードの取得者、求職者側だけではなくて、もう一方の利用者である使用者側、求人側に立った目標の設定や、求人側である企業がジョブ・カードを活用して試用をしようとしたり、雇用をしようとするなど、ジョブ・カードを活用したくなるような施策も一方では必要ではないかと思います。今回、2015年度の目標である232,000人と同じ目標を2016年度も設定するということですが、今後のジョブ・カードの普及において、求人側の視点も加味した事項を目標として設定するなど、新たな視点での検討も必要ではないかというように思っております。

○小杉分科会長 ほかにジョブ・カード関連で、ありますか。

○伊藤キャリア形成支援課長 ただいまジョブ・カードの目標設定について御意見、御指摘を頂きました。正に今ほど御指摘を頂きましたように、このジョブ・カードが労働市場インフラとして機能するためには、また生涯にわたるキャリア・プランニング・ツール、職業能力見える化ツールという政策的役割を発揮するために、やはりある程度のボリュームで活用されなければこうした機能を発揮することができないということで、引き続き中期的な300万人目標の下で、直近の実績も踏まえた上での、本日御説明申し上げています目標設定をさせていただいているところです。

 このジョブ・カード取得者数だけでジョブ・カードの成果、政策効果を測れるというようには当然私どもも考えてはおりません。この枠組みの中での最も代表的な指標ということで、ジョブ・カード取得者数を掲げておりますけれども、企業、その中には当然求人者も含まれますが、それから労働者、それぞれにとって有効に活用されているのかどうかというアウトカム的指標、それに基づくPDCA強化ということも当然必要だろうと思っております。現状では労働者の立場に立った場合には、ジョブ・カードの取得が自らの能力向上に貢献した人の割合、あるいはジョブ・カードあるいはジョブ・カードを活用した訓練が有益というように認識をしている事業主の割合、こうした目標管理は既に実施をしているところです。今ほど御指摘いただいた求人募集活動ということとの関係では、特に能力証明シートを応募書類として活用した者の割合を今後増加させるということで、この具体的な把握方法について今、技術的な検討、方針確立の作業を進めているところです。

 量的パフォーマンスの向上を期すとともに、今ほど申し上げました企業、労働者それぞれの立場に立った、より有効な活用状況について別途しっかり把握をした上で、本分科会においても順次その状況、課題などについて御報告申し上げたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。

○小杉分科会長 ほかにありますか。

○河本委員 先ほどから、ジョブ・カードについて2020年までに300万人という目標は非常に厳しい状況だというのは、この数値から見て取れると思うのですが、それに対する1つのアプローチとして、やはり学生の皆さんにもこのジョブ・カードを使っていただく、キャリアカウンセラーなども学校では置いていたりすると思いますので、そういった所に促していく、あとはアプリの、先ほどの量と質という話で、ダウンロードされればそれが全て結び付くわけではないですけれども、まず興味を持っていただくといったことから、何かスタートをして、どれぐらいダウンロードされているのかという数字を追い掛けていく等の工夫もされてはいかがかと思います。

○伊藤キャリア形成支援課長 ありがとうございます。ジョブ・カードに関しまして、今ほど御指摘頂きましたような対象者分野別等、今日の資料としては必ずしも十分お示しできておらず恐縮です。今ほど御指摘頂きましたジョブ・カード制度総合サイトは昨年12月に開設をし、ジョブ・カード作成支援ソフトウェアを実装し、4か月稼動している状況です。お陰様で各月、この作成支援ソフトを活用してのジョブ・カードの新規作成者が3,000人弱で比較的安定的に推移をしています。ここが今後の新しい活用です。さらに、この分野に関しては別途様々な具体的な改善御意見も頂戴しているところですので、今年度中にできるものから、例えばこのジョブ・カード制度総合サイト上のジョブ・カード作成のためのナビ機能とか、あるいは大学生の場合には御案内のように、エントリーシートを活用しての応募といったことが一般的になっておりますので、ジョブ・カードを作成・蓄積した情報ができる限り、半自動的にエントリーシートなどにもコンバートできるような機能といったものの実装に向けての準備をしているところです。まず、この分野での実績・積上げをしっかり図っていきたいと思っております。

 また、申し上げたこととも一部重なってまいりますが、大学・専修学校などでのキャリア教育、就職支援上の活用ということも、このジョブ・カードの活用促進に向けての大きな今後の開拓フィールドであると考えております。この点、文科省とは従前から連携をしていましたが、私ども厚労省の立場でも、例えば専門実践教育訓練としての指定を受けています専修学校といった職業能力評価についての指向が高い専修学校、あるいは取り分けキャリア教育に熱心に取り組んでいる、またそのために労働局・ハローワークが連携・協力をしている大学こういった所を重点に、個別の事例把握なども進めているところです。そうした具体的な取組が、キャリア教育又は就職支援に実際にこれだけの効果が上がっているという部分も含め、私ども関係者の協力を得、これら好事例を横展開するというような発想の下、このジョブ・カードを学校領域においても一層積極的に活用していきたいと考えております。

 さらに、ハローワークにおける公的訓練や雇用型訓練と直接結び付かない一般求職者に対するジョブ・カードの活用に関して、これは全体として実績が伸び悩んだ中でも、昨年度はその前の年の26年度は僅か7,000弱にとどまったわけですが、昨年度は24,000ということで比率としてはかなり伸びている領域ですが、予約型担当型相談の中でのジョブ・カードの活用ということが、かなりハローワークの中で浸透してきました。将来的にはハローワークシステムとこのジョブ・カードのシステムの連動といった、技術的な基盤整備も図った上で、ハローワークの一般求職者における労働市場インフラとしてのジョブ・カード活用にも更に積極的に取り組んでいきたいと思っております。

○小杉分科会長 ほかにありますでしょうか。

○荘司委員 資料2-2、目標一覧(2016年度)のマル5技能検定受検合格者数に関しての要望を述べさせていただきたいと思います。こちらは2020年の中期目標数として725万人ということで、単年度目標が25万人と掲げられております。こういった技能検定に関しましては受検意欲のある人、特に若い人が受検しやすいようにということを前回の分科会でもお願いをしておりますけれども、受検手数料の妥当性に関する見直しとか、受検者への助成なども含めて検討をお願いしたいと思います。それぞれの技能検定につきましては、実務を担っている業界団体の立場からしますと、経費の持ち出しというようなことも負担になっているかと思います。ただ単に引き下げというわけではなく、それぞれ業界の将来を担う若者を育成するということで、先行投資という視点で御対応を是非お願いしたいと思います。

 それと、日本再興戦略の中にも記述があたかと思いますが、そういった受検料の見直しの検討も行うとされております。そういった意味からしても国あるいは厚生労働省において、若者を中心とする人材の育成・底上げのために受検に際しての経済的負担の軽減、こういったものを是非とも検討をお願いしたいと思います。

○小杉分科会長 それに対して。

○宮本能力評価課長 能力評価課長です。今御指摘がありましたように、技能検定の受検料の減免につきましては、平成2862日に閣議決定されております。ニッポン一億総活躍プラン、及び「日本再興戦略」改訂2016年において、ものづくり分野を担う人材の育成を支援するため、若者の技能検定の受検料減免措置等を検討する旨が盛り込まれております。これを踏まえ、ものづくり分野の技能検定を受検する若者を対象として、受検料の助成措置を講ずる都道府県などを支援することで、若者が技能検定を受検しやすい環境を整備してまいりたいと考えております。

○遠藤委員 ただいまのマル5技能検定受検合格者数について、725万人の合格者に向け、単年度で25万人ということで、新たな目標を立てていること自体は使側としても賛同したいと思っております。ただ、1級、2級、3級、場合によっては特級のようなものがあって、それぞれ取得した場合の状況は違います。3級みたいなエントリーレベルのものと、1級、特級は全然違うわけでありまして、725万人がエントリーレベルの合格者数であってはならないわけでして、中身の問題もいずれ問われてくると思います。目標の立て方が適当かどうかの御判断はお任せいたしますけれども、総数以外で、ある程度、等級別の合格者については、このぐらいのボリュームが欲しいといったようなものにつきましても、合わせて説明の中に出てくるような状況があれば大変望ましいのではないかと思っております。

○小杉分科会長 これに対して、今のところはどうなのですか。

○宮本能力評価課長 中期目標におきまして、2020年に725万人という目標を立てております。それに向けて毎年度25万人という目標を立てておりますけれども、その立て方としましては、それぞれ民間試験機関方式や都道府県方式、特級、1級、2級、3級それぞれの過去のトレンドを勘案し、そのトレンドから必要最低限、これだけは維持したいという数を積み上げて作ったものです。ですので、個々に設定しますと非常に細かなものになっておりますので、そういうものを積み上げて725万人というような目標を設定しております。

○小杉分科会長 ということは、ある程度分けて考えることも可能だと、今、遠藤委員がおっしゃられたような先々の話として、その辺の中身を少し精査するような方向というのは可能なのでしょうか。

○宮本能力評価課長 個別の設定というのは細かくなってしまいますので、ちょっと難しいかと思っておりますけれども、少なくともこの725万人につきましては、それぞれの等級ごとの数から推計してそれを足し上げたものですので、内訳についてどういう考え方なのかは御説明することは可能です。今日は手元にありませんので、後ほど御説明させていただければと思います。

○遠藤委員 25万人のうち、中央職業能力開発協会では恐らく18万人強を対象にしていて、そちら側の御議論を何度か聞いたことがあるのですが、例えば3級を取った方が3級にとどまってしまうということではなく、いかに2級を取ってもらうか。2級を取った方が、かなりハードルは高いのですが、どうやったら1級のほうに手を差し延べてもらえるのだろうか。あるいはチャレンジするような向上心をどう養ってもらったらいいのだろうか。それが国全体としてのものづくりの強化につながるという思いを大変強く持っているわけです。過去のトレンドがどうであるというのは大事ではあるのですが、あるべき姿が正に目標であるので、その目標に向けてある程度の数字を出していこうというような政策展開をお願いしたいと申し上げています。難しいということを聞くためのお尋ねをしたわけではなくて、そういう形で取り組んでいただきたいというお願いでございます。

○小杉分科会長 分かりました。ということで、それは受け止めていただければと思います。この件につきまして、ほかにありますか、よろしいでしょうか。それでは、皆様からいろいろ御意見を頂きましたけれども、事務局からの回答も踏まえ、当分科会としましては、2015年度の実績評価及び2016年度の年度目標については、案のとおりで了承したということでよろしゅうございますか。

(異議なし)

○小杉分科会長 はい、それでは両資料については、8月に開催予定の労働政策審議会のほうに報告する予定です。以上で2つの審議事項を終わります。

 次の議題に入ります。第3の議題「その他」について、4つ報告があります。まず最初に、ニッポン一億総活躍プラン、「日本再興戦略」改訂2016について、事務局から説明をお願いいたします。

○木塚総務課長 それでは、資料3、資料4に基づきまして御説明させていただきます。資料3にあります「ニッポン一億総活躍プラン」、資料4の「日本再興戦略2016」につきましては、本年62日に閣議決定されたところです。順次、職業能力開発局関連について御報告させていただきます。

 まず、資料32ページ目をお願い申し上げます。ちょうど黄色で色を付けている所が職業能力開発局関係です。若者の職業能力開発、キャリア形成支援を図るということで、ジョブ・カードの活用促進を図るということと、ものづくり分野を担う人材の育成を支援するために、先ほど来お話がございました若者の技能検定の受検料の減免措置等を検討するということです。また、キャリア形成促進助成金の活用などにより、教育訓練休暇制度の導入促進、能力開発の取組促進を図るということです。

3ページ目です。これも「若者の雇用安定・待遇改善(その2)」という所です。マル3も言及がございましたとおり、高校・高等専修学校とサポステ等の連携による中退者・若年無業者・引きこもりの若者等へのアウトリーチ型等の就労支援ということです。高校中退者が見込まれるような場合には高校からサポステのほうに御連絡を頂きまして、しっかりと連携して、サポステからそうした方へアプローチをするというようなことで、アウトリーチということでしっかり取り組んでまいりたいと考えているところです。

4ページ目です。こちらはマル7「保育サービスを支える多様な人材の確保・生産性の向上(その2)」という所ですが、有資格者向け訓練の設定と保育分野向けの職業訓練コースを拡充するということです。保育士の資格を持っている方で一度家庭に入られて離職されているような方が再度保育分野に復帰されるようなときに、求職者支援訓練などにコースを作ることによって保育士として再度御活躍いただこうというようなことです。

 さらに5ページ目です。これはなかなか分かりにくいのですが、下の年度ごとに矢印がある所です。2015年度から2020年度まである矢印の中の非正規雇用労働者の職業能力開発機会の充実ということで、非正規の方々の能力開発の機会を充実するということで、施策としても能力開発にしっかり取り組んでまいりたいということです。

6ページ目です。6ページ目につきましては「今後の対応の方向性」と「具体的な施策」の両方に黄色いマーカーがありますが、これは同じ内容を示しております。具体的施策で御説明申し上げますと、一度、家庭等に入られた方が、いわゆる復職やキャリアアップを目指して、そうした、また労働市場に出ようという女性などの方々に対する、大学・専修学校における実践的な学び直し機会の提供の推進ということで、文科省等で、いわゆる実践力職業プログラムというものが認定されているわけです。中にはリカレントプログラム等もありまして、こういうものを専門実践教育訓練給付の対象講座として指定して、支援してまいりたいと考えているところです。

7ページ目です。昨今、障害者の皆様で非常に、身体障害者、知的障害者の方々につきましても、就職が進んでいる状況です。特に昨今は、精神障害者の方も求職登録等をされる方が多い状況にあって、そうした方々をしっかり支援していく必要があるということで、一般の職業訓練校に精神保健福祉士を配置させていただき、精神障害者、あるいは発達障害者の方々も、そのサポートを受けながら職業訓練を受講できるようにする受入体制の強化を図りたいと考えているところです。

 続いて8ページ目ですが、若年者雇用促進法に基づきまして、若年者の円滑な就職支援あるいは職業能力開発向上をしっかり図ってまいりたいということです。

9ページ目です。第4次産業革命、いわゆるAIあるいはIOTというようなことがよく言われるわけですが、そういう第4次産業革命の中でどういう人材が必要になるのか、どういう人材を育成する必要があるのかということを議論する場として人材育成推進会議を設置するということです。そういう、産業界で求める人材層や人材スペック等を、文科省、経産省、厚労省、内閣官房の日本経済再生総合事務局が連携しながら、関係業界と協力しながらそうした人材像を描き出して、それを必要に応じて政策に反映していくということです。これにつきましては、本年中に設置を図る方向で検討を進めるということです。

 続きまして、資料4の「日本再興戦略2016」です。これについては下線を引いた部分が関連部分ですが、マル4は、先ほど御説明したものと同じ内容になっています。それから、2つ目の企業の人材管理の促進マル1として「人材育成等の取組の情報提供の促進」ということで、いわゆる職場情報です。若年者雇用促進法等でも規定されているところですが、こうした職場情報を求職者の方に提供する際に、企業間の比較を容易にし、希望に沿った就職選択に資するように様々な情報の一覧化を図るということで、本年度からの実施を目指して、本年度中に対処方針を取りまとめることが定められたところです。

 最後は、3ページ目にありますとおり、いわゆる若者の関係でして、企業による職場情報提供の促進、先ほどお話したような点ですとか、あるいはセルフ・キャリアドックの導入促進等によって企業における人材育成等を推進すること、専門実践教育訓練等を活用して、労働者のキャリア形成に資するIT技術の習得など、自発的な能力開発も支援していくということです。また、ものづくり分野の人材育成ということで、先ほど来申し上げております若者の技能検定の受検料の減免を検討するとともに、技能五輪の国際大会の日本への誘致を検討してまいりたいということです。

 最後の4ページ目がありますが、これは、いわゆる職場情報の見える化の関係です。これも、本年度中に対処方針を取りまとめるということです。説明は以上です。

○小杉分科会長 ただいまの説明につきまして皆様から御質問、御意見を受けたいと思います。

○田口委員 資料31ページ目の若者に対する技能検定の減免措置への支援です、この若者の中身ですが。今までですと、就業、就労前の学生に対する減免だったのではないかと思うのですが、認定職業訓練校に通う訓練生とか、働きながら訓練を受けている者に対する減免も、やはり考えるべきではないか。職業人意識の向上とか、若い年齢で検定を取得していくとその職業の定着率も非常に高まるということは調査でも出ておりますので、是非その方面の拡充を検討していただけないかと思いますが、いかがでしょうか。

○宮本能力評価課長 今の御指摘につきましては、これまで学生のみに受検料減免がされておりましたが、働く若年者についても対象にという御理解でよろしいでしょうか。御指摘を踏まえまして検討してまいりたいと思います。

○田口委員 分かりました。

○小杉分科会長 ほかの皆様からの御意見はいかがでしょうか。

○浅井委員 「ニッポン一億総活躍プラン」の9ページ、「日本再興戦略2016」の2ページにも言及されているところですが、第4次産業革命人材育成推進会議設置の件で発言したいと思います。私自身、もともと製造現場の技能継承の研究をしてきたのですが、現場を詳細に調査研究しておりますと、現場のありようがAI、ロボット、IOTの流れの中で桁違いに変化しつつあるのを感じます。日本経済再生本部で昨年ロボット新戦略が決定されて、今年度のロボット大賞も、経済産業省、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省との共催という形へと進化いたしました。優秀であると認められるロボット等に対して各大臣賞、すなわち、経済産業大臣賞だけでなく、総務大臣賞、文部科学大臣賞、厚生労働大臣賞、農林水産大臣賞、国土交通大臣賞が交付されることになりました。ロボット、と聞くと、ものづくり分野を連想いたしますがそれだけでなく、サービス分野、介護・医療分野、インフラ・災害対応・建設分野、農林水産業・食品産業分野などの幅広い分野における利活用が進むことにより、生産性の飛躍的向上、単純な繰り返し作業や過重な労働等からの解放、急速な少子高齢化が引き起こす労働力不足の解消等、社会システムにおいて科学技術の発展が安全・安心な社会の実現に貢献すると期待され、正に広く領域横断的に横串が入る形で評価されるようになりました。こうした社会情勢の移ろいにともない、厚生労働省としましても、職業能力開発の実態が、この第4次産業革命の新たな潮流に適応した形で、産業構造・就業構造の変化に即し、従来の延長線上では考えられないような異次元の変化が起きているという現状を踏まえた上で、ロボットと人が協働し、より豊かな生活を送ることがきるような人材育成を考えていく必要があるということを改めて指摘したいと思います。その点について、是非よろしくお願いいたします。

○木塚総務課長 正に、御指摘を頂いたような問題意識でこの会議は作るべきではないかという議論がされたものです。1つは、やはり今後の産業がどのように変わっていくのかと。というのは、経産省の産業構造審議会でも議論がされているというように承知してございます。そうした議論も踏まえながら、御指摘にあったような点を十分踏まえて、今後、どういう人材が必要になるのかというのを十分踏まえながら職業能力開発行政を進めていくというのが極めて重要だと考えておりますので、御指摘を踏まえて今後の取組を進めてまいりたいと考えております。

○小杉分科会長 それではほかの御質問、御意見はございますか。ございませんようでしたら次の報告事項に入らせていただきます。次はこちらでやっているものですが、第10次職業能力開発基本計画の策定について、事務局から説明をお願いいたします。

○山口基盤整備室長 基盤整備室長の山口でございます。資料5を御覧いただきたいと思います。第10次職業能力開発基本計画につきましては当審議会でも重ねて御議論を頂きまして、平成28329日に当分科会から妥当と認める旨の答申を頂きまして、その後、手続を経まして、大臣告示として428日に官報掲載をし、公表いたしましたので、御報告いたします。内容については説明を省略させていただきますが、委員の皆様におかれましては、本計画の策定に当たりまして貴重な御意見等を頂きましたことを改めて感謝申し上げます。説明は以上です。

○小杉分科会長 この件に関しては何かございますか。ございませんようでしたら次の議題です。平成27年度能力開発基本計画の結果の概要につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○山口基盤整備室長 それでは資料6を御覧ください。平成27年度能力開発基本調査につきましては、ここにありますとおり331日に報道発表をしておりますので、その資料に基づいて説明をさせていただきます。

 本調査は、国内の企業、事業所と労働者の能力開発実態を明らかにすることを目的として平成13年度から毎年実施しているものです。調査としては、企業調査、事業所調査、個人調査の3つがあります。以下、かいつまんで御説明させていただきます。

 資料、1ページおめくりいただきまして企業調査です。1ページは、OFF-JT及び自己啓発支援に支出した費用について企業に聞いたものです。見ていただきますと、平成27年度調査、一番下の濃いバーになりますが、OFF-JTに支出した費用の労働者1人当たり平均額が1.7万円でやや増加傾向。それから、自己啓発支援に支出した費用の労働者1人当たり平均額は0.6万円ということで、横ばいという状況になっております。

2ページは能力開発の考え方について、企業主体か、あるいは労働者個人が主体かという考え方について企業に聞いたものです。図3にありますとおり、企業主体で決定する、あるいは企業主体で決定に近いと答えた企業の割合を合計しますと76.6%となっており、これも、ほぼ横ばいという状態です。図4は正社員以外について聞いたものですが、同様の割合が合計して64.7%ということで、これも、ほぼ横ばいというような状態になっております。

 次に、事業所調査について御説明します。11ページを御覧ください。11ページは、事業所に対してOFF-JTの実施状況について尋ねたものです。図22を見ていただきますと、OFF-JTを実施した事業所の割合、正社員については72.0%、正社員以外については36.6%となっており、正社員についてはほぼ横ばい、正社員以外については若干の増加傾向となっております。

16ページをお開きください。16ページは、事業所に対して人材育成に関する問題点を聞いたものです。図30を見ていただきますと、能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるという回答をした事業所の割合は71.6%となっており、前回と比べると、やや減少しておりますが、依然として70%を超えている水準にあるということです。また、図31は、問題があるとする事業所のうち、どのような問題があるかということを聞いたものです。最も多いのが、指導する人材が不足している、人材育成を行う時間がない、辞めてしまう、といったような順番になっております。この傾向は、過去も同様の傾向ということになっております。

 それから、個人調査についてです。32ページを御覧ください。32ページの下段、(2)自己啓発についてです。これは、自己啓発を行った労働者の割合を調べたものです。これを見ていただきますと、平成27年度の調査において自己啓発を行ったと答えた労働者の割合は、正社員で42.7%、正社員以外で16.1%と、ほぼ横ばいの状況になっているということです。

 次に、36ページを御覧ください。36ページは、自己啓発の問題点について労働者に聞いたものです。図67を御覧いただきますと、自己啓発に問題があるとした労働者の割合、今回の調査で78.8%が正社員、正社員以外で71.5%となっており、これもほぼ横ばいになっております。また、図68ですが、自己啓発に問題があるとした労働者の問題点の内訳を聞いたところ、仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない、費用が掛かりすぎる、家事・育児が忙しすぎて自己啓発の余裕がない、といったような順番になっております。これも、過去も同様の傾向ということです。私からの説明は以上です。

○小杉分科会長 ありがとうございます。それでは、ただいまの説明に関しまして御質問、御意見をお聞きしたいと思います。いかがでしょうか。

○大久保委員 ありがとうございます。能力開発基本調査の内容についてですが。実は私の研究所でも内容が重なる個人調査を大掛かりにやりまして、全国の就業実態パネル調査ということでパネル化して、49,000人ぐらいを対象に、割り付けもきれいに行ったのです。若干、この調査で見えてこないところを補完できるのではないかと思ってデータの突き合わせをやってみたのです。それで、私なりに気になっているところが2点ほどあったので共有させていただきたいと思うのですが。

1つは、この能力開発基本調査というのは従業員が30人以上の所を見ているということで、では、それ以下の所はどうなのだろうかということも大変気になっておりまして、私たちの所で全部それも取ったので比較をしてみました。例えばOFF-JTについて個人調査でやった所の正社員、44.1%という数字が今回、報告されているのですが、私たちの所でデータを出してみると36.7%で、しかも、その36.7%はOFF-JTの機会があったという人なので、機会があったけれども活用しなかったという人がその中に9.2%、実は含んでいまして、そうすると27%ぐらいという水準になるということで、更にもう一段階、規模の小さい所まで含むと、数字は相当低くなるのだなと理解しました。

 もう1つは自己啓発についてです、個人調査、自己啓発を行った者は、例えば今回、正社員42.7%と報告されております。自己啓発の中身に関しては、この調査の中では、例えば、社内の自主的な勉強会、研究会への参加も入っています。これは、企業内OFF-JTが今は強制ではなく、一般的に言えば、一応は強制ではないということでやっている所が多いことも含めて考えると、まだOFF-JTと重なっている所もあるのかなと思うのです。私たちのほうで自己啓発についてストレートに聞いてみたのをやったのです。あなたは昨年1年間に自分の意思で仕事に関わる知識や技術の向上のための取組をしましたかということを聞いたところ、我々の調査結果では正社員で25.6%になってしまって、かなり低い数字でした。これは、どちらにしても、OJTOFF-JT、自己啓発という、いわば三種の神器みたいなところがあるのですが、これは、先ほど御報告のあった目標設定とも直接はつながっていないものであって、別途、非常に大事なところでもあると思うので、実態としてもかなり低い水準だということを理解しなければいけないと思いますし、そういうものに対して、この能開の行政を通じてそこについての促進がどういう形でできるのかというのは、どこかでしっかり議論する必要があるのかなと。というような印象を持ちましたので、共有させていただきたいと思います。

○小杉分科会長 ありがとうございます。ちなみに、大久保さんの所の調査は、サンプリングはどういう、個人ベースですよね、企業を通してではなくて。

○大久保委員 個人調査です、企業を通していません。

○小杉分科会長 企業は通していないですね。

○大久保委員 はい。

○小杉分科会長 企業を通すと、やはり企業から人にということで、何らかのバイアスは考えられますね。

○大久保委員 そうですね、はい。

○遠藤委員 すみません、私自身が初めて見る中身なのかもしれないのですが、ただ今、御説明いただいた資料620ページに「ジョブ・カード制度の認知状況」という図40があります。これを見ますと、「名称は聞いたことがあるが内容は知らない」、「名称を聞いたことがなく、内容も知らない」、両方の回答を合わせると7割を超えていて、これだけ認知されていない中で累計で150万人近くの方が取得しているというのは、相当な頑張りがあったと思います。皮肉に聞こえるかもしれませんが、この状況の中でこれだけの実績を上げたというのは関係者の努力を改めて感じました。まずは知ってもらうということを考えると、周知の仕方をもう一段何かないのか、お金を掛けないでできる方法はないのか。とりわけ地方労働局は、少なくとも年に何回かは地方の事業所とは必ずお会いしているタイミングがあるわけであり、配布物の中に1つ何かを入れておくだけでも認知度の高まりには貢献するのかなと思います。まずは、やはり周知なんだなということを改めて思いました。

○小杉分科会長 何かコメントはありますか。言いたそうですね。どうぞ、伊藤さん。

○伊藤キャリア形成支援課長 せっかく御指摘、また御提案いただきましたので。特に後者の部分についてお答え申し上げたいと思います。

 私ども、この能開基本調査の結果も含めまして、昨年度、訓練場面に限定しない活用ということでの見直しをしたものの、ジェネラルな認知、普及はまだまだ進んでいないと認識しています。これが、先ほどの議題の中で申し上げました、学校、企業内等を含めての幅広い活用促進の前提となる部分と思っております。具体の取組みとして、1つには、先ほども御紹介申し上げましたジョブ・カード制度総合サイト。昨年12月にリリースいたしまして、現状では、月10万人ほどのアクセス実績です。プラットフォームとしてこのサイト自体に、企業、労働者、それぞれの観点で魅力がある内容を盛り込むなどによってこのジョブ・カード制度サイトを通じた認知、あるいは具体的な活用促進を進める、これは1つあろうかと思います。

 また、ただいま、労働局を通じた活用促進という大変重要な点について御指摘いただきました。この分科会でも御報告申し上げておりますように、ジョブ・カードも含め、能開局所掌事務のかなりの部分を昨年度から本年4月にかけて労働局が分掌ということで、私どもも労働局と日々接する中で各労働局が、このジョブ・カードも含めた能開行政の仕事を自分の仕事と認識し、また当然、所管するハローワークとも連携して、取組の歯車がようやく回りつつあるという認識を持っております。ジョブ・カードについても、地域ジョブ・カード運営本部については労働局が正にその事務局役ですし、ハローワークは、雇用管理指導、高齢者・障害者雇用促進等の観点から、当然、地域管轄の事業所を定期的に訪問する機会、チャンネルを持っているわけです。せっかく昨年度整備した事業主向け、学校向け等の各ジョブ・カードのパンフレットなども有効に活用しながら、ただいま頂いた御提案も踏まえまして、より積極的な業務のチャンネルを通じてのジョブ・カードの認知度向上かつ普及促進を図っていきたいと改めて考えているところです。

○小杉分科会長 ほかにございますでしょうか。

○三村委員 能力開発基本調査の36ページでの自己啓発の問題点についてです。このまま読むと自己啓発自体に問題があるように捉えられるので、自己啓発を行う上での問題点等にしたほうが指標を読む方のイメージも大分違うのではないかと思います。改善していただければと思います。

○小杉分科会長 ありがとうございます。

○山口基盤整備室長 来年度以降、修正する方向で検討したいと思います。

○小杉分科会長 よろしいですか。調査結果を基に議論を始めるというのは大変いいことだと思うので、もし時間があればもっとやりたいところなのですが、残念ながら時間のほうもありますので、この議論はここまでとさせていただきます。次に、キャリア・コンサルタント制度に係る指定登録機関の指定等について事務局から説明をお願いいたします。

○伊藤キャリア形成支援課長 それでは、資料7について御説明申し上げます。キャリアコンサルタント登録制度における指定登録機関等についてです。昨年度の本分科会において数次にわたり、キャリアコンサルタント登録制度創設に向け、関係政省令案の御審議を頂きました。これを踏まえ、本年4月に名称独占の国家資格として、キャリア・コンサルティングを行う専門人材である、キャリアコンサルタントの継続的質保障を図るための新たな制度として、キャリアコンサルタント登録制度が創設されました。その現時点での立上げ状況についての御報告です。

 制度の枠組みを御確認いただければと思います。裏面を御覧ください。上の括弧に書いてある内容は、今ほど申し上げた本制度の趣旨を記したものです。具体的なスキームですが、私どもはキャリアコンサルタント登録制度について、主に4つのプレーヤーによって成り立っていると、一般的な説明をさせていただいております。1つ目は、国家資格試験であるキャリアコンサルタント試験を実施する機関としての登録試験機関です。2つ目が、この試験の受験要件を成す厚労大臣の認定を受けた養成講習の実施機関です。また、キャリアコンサルタント試験に合格した者等が、指定登録機関に登録することによって、初めてキャリアコンサルタント資格、名称独占資格が付与されるという仕組みで、この指定登録機関が3つ目です。さらに、この登録制度は5年ごとの更新という設計になっております。更新の要件としては厚労大臣が指定する更新講習の受講を義務付けており、この更新講習の実施機関ということで、以上の4つです。

 この4つのうち、最後の更新講習実施機関に関しては、5年後に登録の更新があり、それに向けてということで、登録後に必要となる機関です。ここの部分だけが現在審査中で、残る3つの機関に関しては、本年4月に既に立ち上がっています。

 まず、指定登録機関です。これは試験合格の登録を行う機関で、こちらが1機関、特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会です。これまでの技能検定キャリアコンサルティング職種の指定機関、実施機関であった専門機関です。また、国家資格試験を実施する機関については、今申し上げたキャリア・コンサルティング協議会と特定非営利活動法人日本キャリア開発協会です。これまでに標準キャリコン試験を実施してきた機関で、なおかつ最も多くの標準キャリコン合格者を輩出してきた機関です。3つ目の養成講習については、ここに表がありますように、14機関が養成講習実施機関として位置付けられており、その大多数がこれまで標準キャリコン試験の実施機関、若しくは当該試験の受験要件である養成講座の実施機関であった機関です。

 これらの指定等に向けては、それぞれの実施体制、実施計画等について厚労省に提出を求め、適格性についての審査を行ったところです。その中で、例えば養成講習であれば教材の適格性、講師の適格性といった総合的・専門的・技術的観点から審査を要する事項があります。脚注にありますように、キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会、日本産業カウンセリング学会特別顧問である桐村先生をはじめとする、本分野における学識者の方々に御参集いただいた新たな審査の場を設け、本委員会における専門的審査等も踏まえた上で御審議いただいた、省令等に基づく要件を満たす機関を、このような形で選定して立ち上がっているところです。

 現状で、まず登録機関に関しては登録事務、スタートの準備を整えた上で、既に経過措置として昨年度の3月までに、標準キャリコン又は技能士の資格をお持ちの方については、新たな国家資格試験を受験して合格せずとも、即登録が可能な経過措置を設けているので、既にこの登録の申請の受付を行い、その確認等を順次進めている最中です。現時点で1万人超の方が、当該指定登録機関への登録申請を行っています。

 また、試験機関に関して、今後はおおむね四半期単位での国家資格試験の実施を予定しておりますが、第1回は当然準備が必要です。そういうことで第1回の試験については、現時点では8月下旬の実施を予定しております。2機関が試験機関として位置付けられ、当然国家試験としてそれぞれが的確な試験を実施するとともに、両機関間の実質イコールフッティング性を確保することが必要で、厚労省の指導の下で共通的な試験開発等の取組も、現在進めているところです。

 養成講習に関しては、8月下旬の第1回試験の実施に向けて、既に開講している講習が多数あるという状況です。今後は冒頭に申し上げた本登録制度が狙いとする、労働者が安心してキャリア・コンサルティングが受けられるキャリコンの養成のための試験・評価といった、これら一連の仕組みが適正に運営されることはもとより、登録制度の関わりで見ますと、標準キャリコン、技能士になっている方々に円滑に登録いただくこと、また評価・養成されたキャリアコンサルタントが各領域で的確に、積極的な活動ができる環境整備をする等の取組施策について、より積極的に推進していきます。また、各機関に対する的確な指導等を行うことによって、本キャリコン登録制度の運営を今後とも図っていきたいと考えているところです。

○小杉分科会長 それでは皆様からこの件について。

○大久保委員 基本的な枠組みについて確認しておきたいと思います。キャリアコンサルタントの登録制度が始まっておりますね。これはもともと国家資格にして、名称独占にするという流れの趣旨などは理解しておりますが、これにはまだ移行が必要であるということですね。標準キャリコンとか技能士によって、今回の名称独占のキャリアコンサルタント資格を申請する権利を持っている人というのは、もともと何人いたのですか。それに対して申請済みの人が1万人ちょっとというお話だったのですが、まずはその数を教えていただけますか。

○伊藤キャリア形成支援課長 いささか説明不足で恐縮です。この度のキャリアコンサルタント登録制度における移行措置として、昨年度までの旧制度下で標準キャリコン試験に合格された方と、キャリコン技能士を既に取得している方については、本制度施行後、平成284月から5年の間は、国家資格試験を改めて受験して合格せずとも、即登録が可能という移行措置の枠組みになっております。その対象になる方々の数、ボリュームですけれども、これまでもいろいろな場面で御説明申し上げてきておりますように、標準キャリコンの養成数に関しては、昨年度末までで46千人、キャリコン技能検定合格者については7千人、計約53千人です。

 ただ、今ほど養成数ということで申し上げましたが、これは必ずしも真水の数ではありません。具体的に申し上げますと、標準キャリコン試験機関については複数ありましたので、1人のキャリコンが複数の試験を受験して合格しているということがあり得ます。もう1点は、過去に標準キャリコンの仕組みとして10数年にわたって運用してきたので、例えば10数年前にキャリコン試験を受験して合格し、既にリタイアされている方、あるいは転職されて、キャリコンとして活動されていない方もいらっしゃいます。概念的にそのような方がいらっしゃることは、我々も認知しておりますが、これまでの民間資格試験の仕組みの中で、私どもが個人名を捕捉して名寄せをすることは困難です。

 今ほど申し上げたように、いわば延べ養成数53千人に対して、真水のキャリコンとして現在活動されている方が何万何千人かについては、なかなか正確に見込み難い状況です。むしろ何か裏返しのような話になってしまうのですが、この度の登録制度を通じて、キャリアコンサルタントとして養成された方のうち真水の人数で、かつ現在アクティブな方が把握されるかと思っております。ただ、懸念すべきは、キャリコンとして現在も活動されている方であったとしても、経過措置制度について正確に理解していない場合に、円滑に登録申請を頂けない場合があり得るという部分については、我々としても、登録機関としても、大変懸念しているところです。昨年度末以降、厚労省のホームページの中でも、登録制度も含めたキャリコン資格制度に関わる総合的なページを立ち上げるとともに、登録機関においてかなり実務的な登録申請の手続、スケジュール等の子細も含めての情報発信を行ったり、技能士のように明らかに対象となる方で、登録機関が所在を把握している方に関しては、個別にメールや葉書を出すといったより確実な方法により、この登録に結び付けるための取組を現在進めています。

○大久保委員 真水部分は分からないというお話があったのですが、少なくとも実態として、3万人から5万人ぐらいの間の人たちがいるのだろうということが想像されます。その人たちは今まで名刺に、キャリアコンサルタントと表記して活動してきたと。今回、平成2841日から名称独占にしたことによって、本来であれば国家資格のほうに登録申請をしないと、キャリアコンサルタントと名刺に書いた名前が使えなくなりますよね。

○伊藤キャリア形成支援課長 大久保委員の御指摘のとおりですが、より正確に申し上げますと、名称独占の効果に関しても経過措置を設定しておりますので、6か月経過、すなわち本年101日以降は、委員が御指摘になった状況になるということです。

○大久保委員 現状1万人強ですから、恐らく過半の人は、まだ申請していないという状況ですね。今までキャリアコンサルタントと名乗っていた人が国の制度が変わったことによって、キャリアコンサルタントと名乗り続けるためには、17,000円払って申請という手続をしなければいけなくて、個人にとってはそんなにうれしいことではないという感じかと。この制度をうまくいかすためにも、一応国家資格を持っている人なりのメリット感と言うのも変ですが、利益も感じさせるような形で、なるべく101日までに円滑に移行できるような施策が必要ではないかと感じていたものですから、その辺りをお聞きしたいということです。

○伊藤キャリア形成支援課長 この経過措置制度を活用した、円滑な移行をするための周知と、今ほど御指摘いただいたメリットという点は、この制度全体として価値のあるものとして普及・活用されるために、大変重要な点であると思っております。周知の部分については先ほど申し上げたように、私どもも登録機関としても、様々なチャンネルで働き掛けを行っております。加えて標準キャリコンに関しては、これまでの多くの標準キャリコン試験機関が会員制度という仕組みを現在も持っており、それぞれ名簿を持っているという状況です。こうしたこれまでの標準キャリコン試験機関の協力を得ての個別の周知といったことも、よりきめ細かく行っていきたいと思っております。

 また、メリット・デメリットとしては御指摘いただいたように、登録手数料の発生も含めて、1万数千円の負担が掛かることは事実です。私どもも関係者にいろいろ説明する中で、そこの負担感、他方で、国家資格試験として認知されたこと自体の意義、メリットもお感じいただいいているという受け止めもしております。より実質的なメリットという意味では、昨年度の分科会において大久保委員から御指摘いただいたように、キャリアコンサルタントとして登録されることによって、キャリコン活動上必要な、あるいは更新に向けて必要な情報が継続的に提供されるといった観点も大変重要です。そのことは同時に登録制度が目指すキャリコンの継続的質担保にもつながるものと思っております。

 登録機関は現在、率直に言って大量の審査案件処理でバタバタしているところですが、昨年度御指摘いただいた、登録機関からの登録者に対する継続的な情報発信等の必要性については、当然私どもから指示・共有しているところです。メルマガという形式になるのか、あるいは会員のみアクセスできるような、ホームページでの情報発信という形になるのか、技術的にはいろいろなやり方があり得るかと思います。登録者に対して今ほど申し上げた情報発信という観点も含めて、より目に見える形でのメリット付与、登録のインセンティブの付加にも、更に心がけていきたいと考えております。

○小杉分科会長 この件について、ほかにありますか。

○遠藤委員 内容が分かっていないのにお尋ねすることをお許しください。キャリアコンサルタントについては、まずは量的な側面での一定数の確保があると思います。併せて質の面で、どう担保していくのかということがあるかと思います。資料を見ておりましたら、具体的なキャリア・コンサルティングの中身が書かれていますが、対象を見たときに、例えば若年層に強みを持っているとか、中高年層に強みを持っているとか、1年以上求職活動をしている人たちに強みを持っているとか、それ以外で言えば障害を持っている人、薬物中毒の人というように。ただ今申し上げたグループというのは、たまたま外国の事例を聞く機会があったものですから、カテゴリー分けをして、その中でチーム対応を行うために、それぞれの専門家をそこに配置する形で、効率よく対応しているということでした。

 ですから今後、登録をしていく中で、それぞれの方の持っている強みをどこまで出していくのかはあるかもしれませんが、プロフィール的な部分も含めて出していくことで、質を担保しながら、利用する側にとってもある程度選択できる情報提供が必要ではないかと思った次第です。

○伊藤キャリア形成支援課長 ただいま、遠藤委員から御指摘いただいたように、キャリコン国家資格制度は、いわば様々な領域、様々な対象、ターゲットが共通的に必要な知識・能力を備える者を対象として、一つの国家資格制度として整備されたわけです。先ほどの議題でも御紹介した総活躍プラン、日本再興戦略などを踏まえても、若者、女性、ミドル等々、キャリア形成上の課題に即した、いわば専門医的なキャリアコンサルタントの養成、その方々の情報発信は大変重要な課題だと思っております。

 先ほど登録制度の今後の在り方について、考え方を申し上げました。当然制度上、キャリアコンサルタントの方々の基本的属性はこの登録制度により、登録機関に全て集積されるわけです。その上で登録者御本人の了解も取った上で、個々のキャリコンの得意分野、経験、活動領域といったキャリコン自身の活動促進にもつなげます。あるいはキャリコンを求める方々が、そのサービスを求める際に有用な情報について、今後ホームページ等を通じて発信していくという構想もあります。そのような枠組みの中で、今御指摘いただいたようなターゲット別の専門性・得意性といったものについても、しっかり発信・マッチングできるような仕組みを作っていきたいと思っております。

 また、そもそもターゲット別の専門性をどのように底上げしていくかというのも、大変重要な課題です。今、私どもも関係識者からいろいろな意見を聞きながら、この登録制度をいわばプラットホームとしながら、ターゲット別の専門性を更に上乗せしていく仕組みについても検討中です。また具体化した段階で、様々な形で御報告・御審議いただければと考えております。

○小杉分科会長 ほかの皆様からもありますか。

○三村委員 あまたあるカウンセラー等の資格の中で、国家資格としてのキャリアコンサルタントの将来性は、非常に大きいと思います。10次計画においても「キャリア・コンサルティング」という言葉が、そこかしこにちりばめられておりましたので、期待は大きいのかなと思います。この制度がある程度安定した後、公的な制度としてそのステータスを維持するために、例えば登録機関や試験機関に対する評価機構等の設置も求められてくるのではないかと思います。そういった意味で、その辺のプランニング等についてお伺いできればと思います。

○伊藤キャリア形成支援課長 先ほど申し上げたのは、それぞれ事前の審査を行った上で、この資料にある各機関が立ち上がったものです。その上で、当然のことながら、事後の評価やフォローアップは、それ以上に大変重要な点であると思っております。まず、現状の仕組みとして申し上げますと、それぞれの指定等を受けた機関からは毎年度1回、事業実績報告、また、次年度の事業計画について、提出を求めるという仕組みになっております。また、それぞれの機関ごとに、私ども厚労省の監督権限は異なるものですが、随時報告を求めるほか、必要に応じて立入検査を行うといった権限を有しております。

 そうした立場で私どもは、三村委員から御指摘いただいた第三者性を持った的確な事後評価を行うため、当面の仕組みとして事前の審査の御協力を頂いた、キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会、キャリコンに関わる代表的な学識者の方々に御参画いただいている場に、今申し上げた事業計画、事業報告、あるいは仮に個別の問題を把握し、それについてフォローアップした場合の状況等の報告を行います。仮に何か甚大な問題がある場合には、私どもは法令に基づく権限に基づいて、より厳格な指導を行います。そういった形での対応を行うことによって、それぞれの機関の的確な事業運営を行い、万々が一何か問題が発生した場合、しっかりと是正を行っていくという仕組みを、現時点で既に担保しています。

 今、委員からお話があった点は、より本格的な第三者評価スキームを、ということかと思っております。これに関しては、今申し上げた検討委員会の協力を得て、事後評価やフォローアップの仕組みの運営の中で、あるいは今後の養成講習その他の事業規模の動向といったことも踏まえた上で、私どもとしてもその在り方を検討し、仮に制度の見直しが必要という判断に至った場合には、また改めてこの分科会でも御相談申し上げたいと考えているところです。

○小杉分科会長 よろしいですか。ほかにありますか。ないようでしたら、この議題もここまでとさせていただきます。議題としてはここまでですが、最後に事務局からお知らせがあるということなのでお願いします。

○稲原訓練企画室長 お手元にありますプレスリリースとして、「公的職業訓練の愛称とキャッチフレーズを募集します」というのを配布しております。公的職業訓練においては昨年度、求職者支援訓練制度の認知度について、厚生労働モニターを活用して調査をいたしました。すると、知らない及び名前は聞いたことがあるが、内容については知らないという方が7割弱というパーセンテージでした。また、中央訓練協議会においても、公的職業訓練というのはイメージ的には「訓練」という名称が付いておりますから、やらされている感や厳しさ感の伝わり方が強いのではないか、といった御意見もいただきました。

 そういったところから、キャリアアップや安定雇用のための選択肢の1つとして、公的職業訓練に興味と関心を持っていただくためにも、過去において公共職業安定所がハローワークというのを公募して、今、認知度が極めて高いものになったごとく、公的職業訓練も愛称・キャッチフレーズを公募し、広く皆様にポジティブなイメージを持っていただきたいと思います。また、こういったものが活用できるということは、認知度を高めるために行うということで、プレスリリースをさせていただきました。

 今日は白黒になっておりますが、最後の所は色使いも目に付くようなものにしております。都道府県と全国の各労働局とJEEDにおいて、要は訓練実施主体やハローワークにおいても、リーフレットを配布していただき、広く一般国民の皆様から公募することにしたことを、当分科会の委員の皆様方においても御承知いただければと思っております。それと同時に、できるだけ多くの方々から公募したいと思いますので、御協力賜れれば、非常に有り難く思っている次第です。

○小杉分科会長 これはお知らせということなので、ここまでとさせていただきます。そのほかのことについて、委員の皆様から何かありますか。特にないようでしたら、本日の議論はここまでといたします。次回の日程は、改めて事務局から連絡させていただきます。また、本日の議事録の署名委員は労働者側の田口委員と、使用者側の遠藤委員にお願いいたします。それでは、本日はこれで終了いたします。どうも御協力ありがとうございました。


(了)

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