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2016年5月25日 第172回労働政策審議会雇用均等分科会

雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課

○日時

平成28年5月25日(水)13:00〜15:00


○場所

中央労働委員会 講堂


○出席者

公益代表委員

田島分科会長、奥宮委員、武石委員、中窪委員、山川委員

労働者代表委員

冨高代理人(井上委員代理)、斗内委員、松岡委員、半沢委員、山中委員

使用者代表委員

川崎委員、中西委員、布山委員

厚生労働省

香取雇用均等・児童家庭局長、小林雇用均等政策課長、蒔苗職業家庭両立課長、河野短時間・在宅労働課長、白髭均衡待遇推進室長、中條育児・介護休業推進室長、高橋均等業務指導室長

○議題

1 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部改正法の施行について

○配布資料

資料1 育児・介護休業法及び男女雇用機会均等法の改正を踏まえた主な指針事項(案)
(別紙1) 事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針(案)について
(別紙2) 子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針(案)について
資料2 事業主が職場における性的言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針の一部を改正する告示案について【概要】
参考資料1 妊娠・出産等に関するハラスメントの防止措置の対象行為の範囲について(均等法関係)(案)
参考資料2 妊娠・出産等に関するハラスメントの防止措置の内容について(案)
参考資料3 育児休業等に関するハラスメントの防止措置の内容について(案)
参考資料4 セクシュアルハラスメント対策
参考資料5 事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針
参考資料6 平成28年5月18日一億総活躍国民会議資料「ニッポン一億総活躍プラン(案)」 (抜粋)
参考資料7 雇用保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省令の整備に関する省令案について【概要】
参考資料8 〜女性活躍推進法に基づく「えるぼし」企業46 社認定しました!(報道発表資料)

○議事

○田島会長 定刻になりましたので、ただいまから第172回労働政策審議会雇用均等分科会を開催します。本日は権丈委員、加藤委員、渡辺委員が御欠席です。中窪委員は少し遅れていらっしゃるようです。また、井上委員の代理として日本労働組合総連合会総合男女平等局長の冨高裕子様に御出席いただいております。

 それでは、議事に入ります。本日の議題は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部改正法の施行について」です。前回に引き続き、1育児・介護休業法の指針、2いわゆるマタハラ指針、3セクハラ指針についての御議論をお願いいたします。事務局から資料の御説明をお願いします。

○蒔苗職業家庭両立課長 前回、省令については御意見がございませんでしたので、本日は前回に引き続いて、育介法の指針の内容についての御議論をお願いできればと思っております。

 資料1です。私のほうからは、前回の御意見等を踏まえて修正した部分についての御説明を申し上げます。4ページです。「子の看護休暇及び介護休暇に関する事項について」の中で、「業務の性質や業務の実施体制に照らして困難な業務」の例示についてです。こちらについては、前回の審議会において、労使双方の方々からいろいろな御意見が出ましたので、そういった意見を踏まえまして、我々事務局のほうで、1日単位の取得は可能であるが半日単位の取得は難しいという業務に限定するという観点から再整理をさせていただいたものです。3つのケースの例示を書いております。

1点目の()です。「国際路線等に就航する航空機において従事する客室乗務員等の業務等であって、勤務時間の途中まで又は途中から子の看護休暇又は介護休暇を取得させることが困難な業務」です。イの1行目の最後の所で、「客室乗務員等の業務等」の最後の「等」がありますが、こちらは長距離の運転業務等を考えております。

()です。「長時間の移動を要する遠隔地で行う業務であって」という所です。こちらについては前回の御議論の中で、育児短時間の場合にはエリア営業というのが入っていたのですが、こちらは業務について営業だけではなくて、商品メンテナンス業務等も含めてほしいという御意見や、半日単位での取得は難しいという観点から、近距離の、いわゆるエリア営業的なものは外れるだろうということで、今回用意した案については、()として、「長時間の移動を要する遠隔地で行う業務であって、半日単位で子の看護休暇又は介護休暇を取得した後の勤務時間又は取得するまでの勤務時間では処理することが困難な業務」という例示です。

3つ目の()は、「流れ作業や交替制勤務による業務であって、半日単位で子の看護休暇又は介護休暇を取得する者を勤務体制に組み込むことによって業務を遂行することが困難な業務」です。半日単位の方を勤務体制に組み込むことによって、ラインそのものが回らなくなるというような業務をイメージしております。修正点についての説明は以上です。

○田島会長 ただいまの事務局の御説明について御質問、御意見等があればお願いいたします。

○冨高代理人(井上委員) ありがとうございます。今、御説明があった所ではないのですが、前回、労働側のほうから発言させていただいた有期契約労働者の育児休業取得のところについて少し発言させていただきます。前回も幾つか意見を申し上げており、短期契約の反復更新を繰り返し無期契約と実質異ならない労働者については育児休業の取得ができることを明記することであったり、不利益取扱いに関して脱法的なものとならない、または、誤解を招くようにしないというような今回の改正の趣旨、附帯の趣旨といったところを少し反映していただけないかと申し上げてきたところです。しかし、その点については記載が特に前回と変わらないようです。少し前向きな対応をお願いしたいと思いますが、事務局としてのお考えをお伺いしたいと思います。

○蒔苗職業家庭両立課長 実質無期のケースの御指摘です。前回、山中委員のほうから御指摘があり、我々としては検討いたしましたが、既に現行の指針の第21(1)の部分で、実質無期に関する表現ぶりも実は入っております。読み上げます。「契約が期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態となっている場合には、有期契約労働者の育児休業の取得要件に該当するか否かにかかわらず、実質的に期間の定めのない契約に基づき雇用されている労働者であるとして、育児休業等の対象となる者である」と、一応その指針に入っているのですが、確かに前回、そして今回御指摘いただいたように、よく読めば指針の中に書いてあるというところで、一般の方に周知という点では不十分だと思いますので、その部分は今申し上げた点も含めて、今回、有期の取得要件を変えましたので、そのパンフレットを作る際に、実質無期でも取れますという表現を含めて周知していきたいと考えております。

○半沢委員 ありがとうございます。先ほどの御説明の、半日休暇の労使協定除外の例示について意見を申し上げます。半日休暇に関する労使協定の除外については、今回、再整理がなされ、どのような場面が該当するのかという範囲が限定されたものと受け止めております。ただ、趣旨からしましても、例示に当てはまる場合でも、前後に記載されているように、こういった趣旨が前提であり、そのことがしっかりと周知されて、現場で取り違えなどが起こらないようにしていただきたいと思っております。

 例えば周知のときのパンフレットなどに、柔軟に活用しているような好事例のようなものの紹介、工夫をしている例といったものを共有するなど、いろいろな周知の方法で、前向きなやり方が考えられると思いますので、是非そういったことも含めてお願いします。

○蒔苗職業家庭両立課長 お答えいたします。本日の資料14ページです。先ほど御説明したときに省略してしまったのですが、この()()()については、柱書きの所で、なお書きで書いています。3行目ですが、「なお、次に掲げる業務は例示であって、これら以外は困難と認められる業務に該当しないものではなく、また、これらであれば困難と認められる業務に該当するものではないこと」と書いておりますので、半沢委員から御指摘があったように、そういった趣旨がきちんと周知されるように努力していきたいと考えております。

○斗内委員 ありがとうございます。同じように今の所との関係ですが、8番の派遣労働者として就業する者に関する事項の所について少しお考えをお聞かせいただければと思います。私は、前回は出られませんでしたが、前回、労働側からも御議論させていただいたと思いますが、労働者派遣法の27条に関しまして、今回の改正に関係する派遣法のところについても指針に明記すべきだという意見を、多分、申し上げさせていただいたということだと思います。その取扱いについて、この指針の中では今、表現をされていないように受け止めているのですが、やはり対応が難しいということなのか、今後何らかの対応を考えていかれるのか、事務局のお考えを確認させていただければと思います。

○蒔苗職業家庭両立課長 前回と、本日、斗内委員からも御指摘がありました派遣法の部分です。派遣法の27条は、内容としましては、派遣先が育児休業を理由に派遣契約そのものを解除してはならないという趣旨です。こちらについては派遣法の規定ですので、今回の、この指針に入れるのはなかなか難しいのですが、前回と今回、御指摘を頂きましたので、こちらも派遣労働者の方々の育休取得に関するパンフレットを、また今回、制度が変わりましたので作ろうと思っておりますので、その際に、御指摘があったような派遣法27条の違反というところについても含めてパンフレットを作って、きちんと周知に努めてまいりたいと考えております。

○中窪委員 先ほどの4ページの3、半日単位では難しいという例として御説明いただいた所なのですが、「国際線等に就航する航空機において」のうち、「客室乗務員等」の「等」は分かるのですが、「業務等」の「等」がなぜ必要なのかというのがよく分からなかったので、もう一度お願いいたします。

○蒔苗職業家庭両立課長 少し説明が不十分でしたが、私が先ほど説明した「等」が、最後の「業務等」の「等」で、長距離運転手等のことです。「客室乗務員等」の「等」は、現在の育児にも入っておりますが、例の、客室乗務員だけではなくて、パイロットなどといった方々の「等」と2つ入っておりますので、そこは説明が足りなかったかもしれません。前段の「等」はパイロット等の「等」で、最後の「業務等」の「等」は長距離運転業務等が入るという意味の「等」です。

○中窪委員 長距離運転業務も業務ではないのですか。

○蒔苗職業家庭両立課長 一応、移動自体が業務の例示を書いているイメージで、移動自体が業務となるようなものについて、勤務時間の途中、若しくは途中からの休暇取得が難しいということで書かせていただいております。

○田島会長 ほかに御発言はありませんか。それでは引き続き、いわゆるマタハラ指針について事務局から御説明をお願いします。

○小林雇用均等政策課長 資料の別紙1、別紙2を御覧ください。これは、前回お出しさせていただいたパワーポイントの資料が参考資料123とありまして、これを肉付けして文章化したものですので、そちらのほうも併せて御覧になっていただければと思っております。別紙1は、均等法に基づくいわゆるマタハラに関する指針案についてということです。別紙2は、育児・介護休業法に基づくものです。参考の13に、前回の御議論を踏まえて肉付けをしまして、セクハラ指針も参考に作成しておりますので、セクハラ指針と異なる部分を中心に御説明申し上げます。基本的に別紙1のほうで御説明申し上げます。

 まず、「はじめに」の所です。8行目に、「職場における妊娠、出産等に関するハラスメント」ということ、その定義をその前の部分にて置いています。2行目の「職場において」という所からですが、「職場において行われる雇用する女性労働者に対する当該女性労働者が妊娠したこと、出産したことその他の妊娠・出産に関する事由」で、均等法の施行規則、今度新しく定める省令ですが、当該施行規則に定めるものに関する言動により当該女性労働者の就業環境が害されることをハラスメントと定義しており、このハラスメントのないよう雇用管理上講ずべき措置について、法第11条の22項の規定に基づいて事業主が適切かつ有効な実施を図るために必要な事項について定めたものということです。

2番の所からはハラスメントの内容です。(1)ですが、このハラスメントには、上司又は同僚から行われる以下のものがあるということで、イ、ロと大きく2類型に分けております。これは前回お示しした類型の参考資料1の所で、「制度等の利用に関するもの」と、「妊娠、出産、つわり等」に関するものとで、大きく2類型に分けており、これに対応するものですが、括弧の所で入れていますが、「制度等の利用への嫌がらせ型」というものと、ロは「状態への嫌がらせ型」との2類型に分けております。この具体的中身は次の2ページ以降で御説明させていただきます。

2(1)に、なお書きで書いていますが、業務上の必要性に基づくものはハラスメントに該当しないということを、ここで書いております。業務分担や安全配慮等の観点から、客観的に見て業務上の必要性に基づく言動によるものについてはハラスメントに該当しないということです。

(2)は職場の定義です。これは、雇用する女性労働者が業務を遂行する場所を指しているということです。

(3)は労働者の定義ですが、これはセクハラと同じで、正規労働者だけではなく、いわゆる非正規の方を含む事業主が雇用する労働者の全てをいうということです。派遣労働者についても書いておりますが、2ページを見ていただくと、労働者派遣の役務の提供を受ける派遣先も、その派遣労働者について、その雇用する労働者と同様に、3の措置を講ずることが必要であるということで、派遣労働者についての派遣先も派遣元と同様の責務があり、3の措置を講じなければならないということを書いております。

(4)以下は、先ほどの2類型のものをもう少し具体的に書いた所です。まず、「制度等の利用への嫌がらせ型」についてです。具体的には、イの16に掲げる制度又は措置の利用に関する言動により就業環境が害されるものということで、典型的な例として、ロに掲げるものがあると書いております。

 イの「制度等」ですが、これは前回の参考資料1の「制度等の利用に関するもの」の制度と同じものです。省令の中の事由の部分を書いた所の制度関係のものということです。1母性健康管理措置、2坑内業務の就業制限及び危険有害業務の就業制限、3産前休業、4軽易な業務への転換、5時間外労働及び休日労働の制限並びに深夜業務の制限、それから6育児時間ということです。

 ロの「典型的な例」ですが、これは前回の参考資料1と少し分け方を変えておりますが、範囲は一緒です。上司の行為たる不利益取扱いの示唆についてをまとめて書いているということです。典型的な例の()で、解雇その他不利益取扱いを示唆するものということで、女性労働者が、制度等の利用の請求等をしたい旨を上司に相談したこと、制度等の利用の請求等をしたこと、又は、制度等の利用をしたことの3段階ともあるということを書いています。利用したことにより、上司が当該女性労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いを示唆することということです。

()ですが、制度等の利用の請求等又は制度等の利用を阻害するものということで、客観的に見て、女性労働者の制度等の利用の請求や、制度等の利用が阻害されるものが該当するということです。14がありますが、12は上司編、34は同僚編です。1は女性労働者が制度等の利用の請求等をしたい旨を上司に相談したところ、上司が請求をしないように言うこと。2は、制度等の利用の請求等をした段階で、上司が請求等を取り下げるように言うことです。3は同僚編ですが、制度等の利用の請求等をしたい旨を同僚に伝えたところ、同僚が女性労働者に対し、繰り返し又は継続的に、制度等の利用の請求等をしないように言うこと。(当該女性労働者がその意に反することを当該同僚に明示しているにもかかわらず、更に言うことを含む)ということです。これはセクハラ指針の考え方で、就業環境を害する行為の具体的な要件として書いている所に、継続性と同等のものとして、その意に反することを明示しているにもかかわらず更にそれを言うということも同等の要件だということにされているという解釈を踏まえて、こちらのいわゆるマタハラのほうにも同じような要件を入れ込んでいます。4ですが、女性労働者が制度等の利用の請求等をしたところ、同僚が繰り返し又は継続的に請求等を取り下げるように言うことを入れております。

()は、制度を利用した結果として嫌がらせをするものです。これは客観的に見て、言動を受けた女性労働者の能力の発揮や、継続就業に重大な影響が生じる等、就業する上で看過できない程度の支障が生じるものが該当するというものです。ここは、制度等の利用をしたことで、上司又は同僚が繰り返し又は継続的に嫌がらせ等をすることということです。

(5)が「状態への嫌がらせ型」です。具体的にはイの15に掲げる、妊娠又は出産に関する事由に関する言動です。就業環境が害されるもので、典型的な例は、ロであるということです。イは参考資料1の妊娠・出産・つわり等の部分ですが、1妊娠したこと、2出産したこと、3坑内業務の就業制限、危険有害業務の就業制限によって業務に就くことができないこと、又は、就かなかったこと、4産後の就業制限の規定により就業できず、又は産後休業したこと、5妊娠又は出産に起因する症状により労務の提供ができないこと若しくはできなかったこと、又は労働能率が低下したこと、ということです。

 ロの典型的な例ですが、()は、解雇その他不利益な取扱いを示唆するものとして、妊娠等したことで、上司が当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いを示唆すること。()のほうは、妊娠をしたことにより嫌がらせ等をするものということで、これは客観的に見て看過できない程度の支障が生ずるようなものが該当するということで、女性労働者が妊娠等したことで、上司又は同僚が当該女性労働者に対し、繰り返し継続的に嫌がらせ等をすることということを盛り込んでおります。

 ここまでが防止措置の対象行為の範囲ですが、3以下が防止措置の中身です。「事業主は、職場における妊娠、出産等に関するハラスメントを防止するため、雇用管理上、次の措置を講じなければならない」ということです。なお書きを付けておりますが、「事業主が行う妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いについては、既に法律、均等法の第93項で禁止されており、当然に自らの行為の防止に努めることが求められる」と書いており、ここで事業主に禁止されている不利益取扱いとの関係について整理しております。入念規定的なものと考えております。

(1)は、事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発ということです。「事業主は、妊娠・出産等に関するハラスメントに対する方針の明確化、労働者に対するその方針の周知・啓発として次の措置を講じなければならない」ということです。明確化して労働者に周知・啓発する中身をイの所に書いております。4つあります。ハラスメントの内容、否定的な言動がハラスメントの発生原因や背景となり得ること、ハラスメントがあってはならない旨の方針、制度等の利用ができる旨、これを明確化して管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。これをやらなければいけないことになっていますが、なぜこの4つかということの背景が(1)の柱書きのなお書きの所で書いております。

(1)の柱書きのなお書きの所ですが、「周知・啓発をするに当たっては、職場における妊娠・出産等に関するハラスメントの防止の効果を高めるため、その発生の原因や背景について労働者の理解を深めることが重要である」と。そのハラスメントの発生の原因や背景には2つあるということを書いており、1つ目が(i)ですが、妊娠・出産等に関する否定的言動が頻繁に行われるなど、制度の利用又は制度等の利用の請求等をしにくい職場風土があることがハラスメントにつながるというようなこと。(ii)は、制度の利用ができることの職場での周知が不十分であるということ。この2つがあると考えられる。これをなくしていくことがハラスメントの防止の効果を高める上で重要であることに留意することが必要であるということです。

 ちなみに(i)の所で、妊娠・出産等に関する否定的な言動ですが、これは他の女性労働者の妊娠・出産等の否定につながる言動をいい、単なる自らの意思の表明を除くとさせていただいております。例えば、「私は子供を持つつもりがない」という単なる個人の意思の表明は含まれないということを明らかにしております。前回の審議会でも、使用者側の委員から、妊娠・出産にまつわる発言が全てハラスメントにつながるようなものとならないようにしてほしいというような御意見もありましたので、それを踏まえて、個人の単なる自らの意思の表明は除くということで定義させていただいております。

5ページです。イに例示を掲げていますが、この例示の13は周知・啓発する媒体です。これはセクハラ指針の中のものと一緒です。1は、就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書において、規定して周知・啓発する。2は、社内報、パンフレット、社内ホームページ等の広報又は啓発のための資料等に記載して配布する。3が研修、講習等を実施する。これは手段であり、セクハラ指針と一緒です。

 ロです。「妊娠・出産等に関するハラスメントに係る言動を行った者については、厳正に対処する旨の方針及び対処の内容を就業規則その他の職場における服務規律を定めた文書に規定して、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること」です。これは柱書きも例示もセクハラ指針と一緒です。

(2)が、相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備ということで、「事業主は、労働者からの相談に対し、その内容や状況に応じ、適切かつ柔軟に対応するために必要な体制の整備として次の措置を講じなければいけない」ということです。イは、セクハラ指針と全く一緒です。「相談窓口をあらかじめ定めること」と。認められる例も含めてセクハラ指針と一緒です。

 ロも、考え方は基本的にセクハラ指針と一緒です。「イの相談窓口の担当者が、相談に応じ、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること」ということで、「また」以下で、広く対応することが必要だということを書いております。ここは労働者側の御意見も踏まえて広く書いていると考えております。相談窓口においては、職場における妊娠・出産等に関するハラスメントが現実に生じている場合だけではなく、発生のおそれがある場合、ハラスメントに該当するか否か微妙な場合等であっても、広く相談に対応し、適切な対応を行うようにすることということで、どういう場合が考えられるかですが、例えば、放置すれば就業環境を害するおそれがある場合や、否定的な言動が原因や背景となってハラスメントが生じるおそれがある場合等が考えられるということで、広く相談に対応して適切に対応するようにすることということで、ハラスメントそのものに該当しない場合でも、そういう対応が必要だということを書いております。その下の「相談窓口の担当者が適切に対応することができるようにしていると認められる例」については、セクハラ指針と一緒です。

 ハの部分は、完全に新規です。これは一元的に相談に応じることのできる体制の整備に関する記載です。妊娠・出産等に関するハラスメントは、育児休業等に関するハラスメント、今回、別紙2で新しく定める指針に基づくハラスメントですが、育児休業等に関するハラスメント、それから、セクシュアルハラスメント、その他のハラスメントと複合的に生じることも想定されることから、例えばセクシュアルハラスメント等の相談窓口と一体的に、職場における妊娠・出産等に関するハラスメントの相談窓口を設置し、一元的に相談に応じることのできる体制を整備することが望ましいことということで盛り込んでおります。例としては、1「相談窓口で受け付けることのできる相談として、職場における妊娠・出産等に関するハラスメントのみならず、セクハラ等も明示すること」、2「職場における妊娠・出産等に関するハラスメントの相談窓口が、セクハラ等の相談窓口を兼ねること」というようなことです。

(3)は、ハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応ということで、事後措置の部分です。「事業主はハラスメントに係る相談の申出があった場合において、事実関係の迅速かつ正確な確認及び適正な対処として、次の措置を講じなければならない」ということで、イの、事実関係を迅速かつ正確に確認することの部分は、例示も含めてセクハラ指針と同じです。ロのほうが、ハラスメントが生じた事実が確認できた場合において被害者に対する配慮のための措置を適正に行うことということです。例としては、1「事案の内容や状況に応じ、被害者の職場環境の改善、又は迅速な制度等の利用に向けての環境整備、被害者と行為者の間の関係改善に向けての援助、行為者の謝罪、管理監督者又は事業場内産業保健スタッフ等による被害者のメンタルヘルス不調への相談対応等の措置を講ずること」ということを書いております。

 これは、まずセクハラ指針の例示から2つ除いて、新しく2つ入れているということです。セクハラ指針は参考資料5として付けており、事後措置についての被害者の配慮の措置は4ページにあります。セクハラ指針の例示から除いているものは2つあり、まず、被害者と行為者を引き離すための配置転換はいわゆるマタハラのほうの指針には入れておりません。理由は、今回のいわゆるマタニティー・ハラスメントの起きる背景なのですが、妊娠・出産等で労働能率が落ちたり、労務提供ができないような状態になるので、周囲の業務負担が増大することを背景として起きることが多いだろうと考えておりますので、そういう場合、被害者と加害者を引き離しても余り根本的な解決にならないだろうということで、例示としては落としているということです。もう1つ落としたものとしては、被害者の労働条件上の不利益の回復というものをここの例示で落としています。今回のいわゆるマタハラ関係ですが、そもそも事業主による妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いは禁止されていますので、そこは防止措置の例示としては落とさせていただいております。

 新しく入れたものということで、ロの11行目に書いていますが、被害者の職場環境の改善又は迅速な制度等の利用に向けての環境整備というものです。前回の審議会の御議論で、附帯決議にも盛り込まれていましたが、休業を余儀なくされた労働者の方の職場復帰支援について指針に記載すべきではないかという労側の御意見がありました。それに対して使用者側の委員の方からの御意見としては、それも含めて、ある程度読み込めるような内容にすべきというような御意見があったと承知しております。ここの部分は、今回、ハラスメントの防止措置として何をやるべきかを書く部分であり、被害者への配慮のための措置なのですが、ハラスメントが起こったときに速やかにやるべきことを書くことが原則だと考えています。ですので、まず休業にまで至らないように速やかにやるべきことを例示とさせていただいておりますので、欠勤を余儀なくされた場合の職場復帰支援というのは例示としては上がっておりませんが、内容として配慮のための措置の中には入ってくると考えております。

 ロの2「法18条に基づく調停その他・中立な第三者機関の紛争解決案に従った措置を講ずる」というのはセクハラ指針と同じです。ハの「行為者に対する措置を適正に行うこと」という部分はセクハラ指針と基本的に同じですが、1の加害者の措置の中で、被害者と行為者を引き離すための配置転換がセクハラのほうには入っていましたが、その部分は落として、あとはセクハラ指針と同じです。

8ページのニの所は、再発防止に向けた措置です。これはセクハラ指針と内容は同じです。

(4)です。これはハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置ということで、ここが全くの新規です。中身としては、イの業務体制の整備ということと、ロのほうで、妊娠等した労働者に対する周知・啓発ということですが、それが必要な背景を、(4)の柱書きのなお書きの所に書いております。「事業主はハラスメントの原因や背景となる要因を解消するため、次の措置を講じなければならない」で、「なお」として、(i)ハラスメントの背景にもなる否定的な言動は、妊娠した労働者が、つわりなどの体調不良のため労務の提供ができないことや、労働能率が低下すること等により、周囲の労働者の業務負担が増大することも1つの要因となることから、周囲の労働者の業務負担等にも配慮することが重要であるということ。それから、妊娠等した労働者の側においても、制度等の利用ができるという知識を持つこと、(ii)周囲と円滑なコミュニケーションを図りながら、自身の体調等に応じて適切に業務を遂行していくという意識を持つことが重要であるということに留意することが必要であるということです。(i)に対応するのが、イの業務体制の整備です。「業務体制の整備など、事業主や妊娠等した労働者、その他の労働者の実情に応じ、必要な措置を講ずること」ということで、派遣労働者については、派遣元事業主に限るとしております。この「派遣元に限る」とした理由ですが、派遣労働者は、そもそも派遣契約で定められた役務の提供をするために派遣されていることから、妊娠等で役務の提供が、例えば一部難しくなったときの業務のフォローの責任は派遣元にあると考えられますので、イの業務体制の整備の所は、派遣元事業主に限るということにさせていただいております。

 その例示ですが、1妊娠等した労働者の周囲の労働者への業務の偏りを軽減するよう、適切に業務分担の見直しを行うこと。2業務の点検を行って、業務の効率化等を行うということを書かせていただいています。ここの例示ですが、今回のハラスメントの防止措置は、中小企業を含めて全企業が適用対象になりますので、全ての企業は通常であれば取り組めるというような中身を盛り込ませていただいております。

 ロですが、妊娠等した労働者に対し、妊娠等した労働者の側においても、制度等の利用ができるという知識を持つことや、コミュニケーションを図りながら適切に業務を遂行していくという意識を持つことを周知・啓発することが望ましいということで、その例としまして、これは何の手法でやるかということが12で違うだけで、1は、社内報、パンフレットや社内ホームページ等、広報又は啓発のための資料等に、そういうことを記載して配布するということで、2は、人事部門等から周知・啓発することということで、盛り込んでおります。

(5)は、(1)から(4)までの措置と併せて講ずべき措置ということで、これは全くセクシュアルハラスメントの指針と同じです。プライバシーの保護のための措置と、不利益な取扱いをしてはならないというようなことを周知等するための措置で、これはセクハラと全く一緒です。

 別紙1は均等法に基づくものですが。これは一応、指針としては1本新しく立てるという形で考えております。別紙2のほうは、育児介護休業法等に基づく指針ですが、今回のハラスメントの中身については、この表題に書いてありますように「子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針()」の中の一部に入れ込むような形で考えております。

 先ほどの、均等法に基づくハラスメントとは異なる部分についてのみ御説明申し上げたいと思います。まず、○の所の柱の所に、職場における育児休業等に関するハラスメントの定義もここに置いており、職場において行われるその雇用する労働者に対する育児休業法施行規則で定める制度又は措置の利用に関する言動により就業環境が害されること、これが育児休業等に関するハラスメントというような定義を置いております。これの内容に、雇用管理上講ずべき措置についての必要な事項を定めたものであるということです。

(1)は、ハラスメントの内容で、育児休業法等については先ほどの均等法のほうの制度利用型のほうしかありませんので、特に2パターンには分けておりません。

(3)は、労働者等の定義の所ですが、非正規の方も含むということは一緒ですが、「事業主が雇用する男女の労働者のすべてをいうこと」と書いており、男女ということで、男性も当然含むということをここで明確化させていただいております。これは労働側委員からの御意見も踏まえて、そうさせていただいております。

5ページのロの相談体制の所で、この中身は、広めに相談対応をしていただくということを書いているところは均等法のハラスメントの指針と同じですが、「職場における育児休業等に関するハラスメントが現実に生じている場合だけではなくて、その発生のおそれがある場合や、ハラスメントに該当するか否か微妙な場合等であっても広く相談に対応し、適切な対応を行うようにすること」ということで記載させていただいております。

8ページです。丸々新しく追加した所です。原因や背景となる要因を解消するための措置で、業務体制の整備のところについて、これは派遣労働者にあっては派遣元事業主に限るというのは先ほどの均等法のハラスメントの場合と一緒なのですが、ロのほうの労働者等への周知・啓発の部分についても、「育児休業等のハラスメントについては、派遣労働者にあっては派遣元事業主に限る」としております。これは、育児休業法等に基づく各種の制度というのは、その請求先が派遣元だけになっておりますので、派遣元事業主に限っているというところです。私からの説明は以上です。

○田島会長 ただいまの事務局の御説明について、御意見、御質問がありましたらお願いします。

○山中委員 どうもありがとうございます。今の別紙1、別紙2の「職場における妊娠・出産等に関するハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応」につきまして、小林課長のほうから丁寧な説明を頂きましたので、労側として1点お礼を申し上げたいのは、ここであってはならないことですけれども、休業に至らないようにということの、特に7ページのロにありますような「配慮のための措置」ということで、その書きぶりと、休業の復帰支援ということも読み取れるような書きぶりということで、かなり丁寧な御説明と記載をいただきました。これは労側もこれまで分科会で主張・発言してきたところを汲んでいただいたものと理解しておりますので、まずはお礼申し上げたいと思います。

 その上で1点質問させていただきたいのですが、別紙1でいきますと、6ページのハの部分と、別紙2にも5ページのハの部分に同じ書きぶりがあります。「その他のハラスメント」というところと、「複合的に生じることも想定される」という所がございますが、セクハラだけではなくいわゆるマタハラ、そしてパワーハラスメントも、「等」という「その他のハラスメント」に該当するという理解でよろしいかどうか、1点を確認させていただきたいと思います。お願いいたします。

○小林雇用均等政策課長 ここの部分は、いわゆるパワハラも含めて幅広くハラスメントに対応していただくというような趣旨で盛り込んでいるところです。

○山中委員 ありがとうございました。

○松岡委員 ありがとうございます。別紙1でいきますと、8ページ、9ページにまたがっている部分、別紙2では7ページ、8ページにまたがっている部分です。別紙18ページを見ますと、(4)の今回新規にということで、ハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置ということで記載されています。ここでイとして、業務体制の整備など、必要な措置を講ずることと書いているわけですが、この中にいわゆる代替要員の確保のような趣旨といいますか、内容が含まれると理解してよいのかというところを確認したいのと、もしそうであれば「認められる例」として12とあり、「業務分担の見直し」と、「業務の効率化等」ということで書いてあるわけですが、もしそういった代替の確保という趣旨が含まれるのであれば例示したほうがいいのではないかと考えていますが、いかがでしょうか。

○小林雇用均等政策課長 事務局といたしましては、代替要員の確保は、当然業務体制の整備の中に含まれると考えていますが、冒頭御説明しましたように、全企業が対処でき得るような措置ということで、例示を挙げたほうがよいのではないかということで、2つの例示とした趣旨です。

○松岡委員 内容については理解しました。この後の何か具体的な周知のパンフレットとか、そういった中で、例示も示すような対応もできるのではないかと思いますので、是非御検討いただければと思います。

○斗内委員 1つ確認をさせていただければと思うのですが、前回のときにも多分御議論があったと思うのですが、やはり育児・介護休業法自体の制度を利用せずに、フルタイムで働きながら、例えば残業せずに帰る、育児のために年次有給休暇を取らざるを得ない、等々の場合のいやがらせ等についてのハラスメントについても、広く相談に応じることからすると、この対応の中に含まれるということでよろしいでしょうか。

○蒔苗職業家庭両立課長 御指摘ございました、育介法の制度以外を利用した場合のハラスメントへの対応という部分ですが、今御指摘あったように、例えば育児している方が有給を取った場合に、通常どおりの業務ができないとして、周りの方からいやがらせ等のハラスメントがあった場合は、現場ではなかなか区別がしづらいという御指摘が前回含めてありましたので、我々としては別紙25ページの所に、先ほど御説明もありましたけれども、ロの部分におきまして、「また相談窓口においては、育児休業等に関するハラスメントが現実に生じている場合だけではなくて、その発生のおそれがある場合、あるいはそのハラスメントに該当するのか微妙な場合であっても、広く相談に対応して、適切に対応を行うようにすること」というように規定しておりますので、御指摘のようなケースも含めて、事業者の方の広めに相談に応じることによって、こういった課題の解決を図っていただければと考えています。

○斗内委員 ありがとうございました。

○松岡委員 ありがとうございます。育介法のハラスメント指針に関連して、前回も前々回も、男性の育休取得促進の観点から発言させていただきました。先ほど御説明いただいたように、別紙21(3)、労働者の中には男女の労働者全てを言うという記述がされたということで、より分かりやすくなったのかなとは理解をしていますけれども、繰り返しになりますが、やはり、圧倒的に男性の育児休業取得については進んでいないという状況があるので、そういったところをより分かりやすく、男性も当然にして対象であること、いわゆるいやがらせだとか、不利益取扱いは防止されるべき。これは、別のところで規定されているということだと思いますが、この男性の育児休業取得促進の文脈でも、そういったことをしっかりと記載をして、広く浸透させていくべきではないのかなと考えていますが、いかがでしょうか。

○蒔苗職業家庭両立課長 今回の育介法の話につきましては、今松岡委員からお話がありましたように、1ページの所で男性も対象になると明記したり、あるいは、今後、防止すべき上司、同僚からのいやがらせ、どういったものが具体的にいやがらせになるのかといったところも、少し整理をしながら、パンフレットの中に入れるのと合わせて、我々のほうで、これとは別に、いわゆる育メンプロジェクトといって、男性の育児休業取得促進策もやっておりますので、その中から好事例的なものも少しピックアップした上で、そういったものを合わせて、パンフレットで周知をすることによって、御指摘ありましたように男性の育児休業の取得促進を図っていくと、これを頑張っていきたいということでございます。

○中西委員 私は別紙14ページの3「事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関し雇用管理上講ずべき措置の内容」と、これ以降の内容について、意見を申し述べさせていただきたいと思います。いわゆるマタニティー・ハラスメントが解決すべき重要な問題であるということは十分に理解しております。また、一方で、行き過ぎた規制によって、職場でのコミュニケーションが滞るようになり、その結果、職場環境がかえって悪化する事態に陥らないようにすることにも配慮は必要と思います。また、この指針が企業の規模に関係なく適用されるものですが、限られた少ない人員で業務を進めております中小企業におきましては、ここで例示されております就業規則に規定すること、あるいは相談マニュアルの整備などを実行することは大きな負担ともなってまいります。そこで、具体的文例を示していただくなど、各企業における実施を支援する措置の御検討をお願いいたしたいと思います。以上でございます。

○中窪委員 ちょっと感想みたいなものですけれども、別紙1の妊娠・出産のハラスメントの内容が2つに分かれて、この「制度等の利用へのいやがらせ型」と、「状態へのいやがらせ型」と分けてあって、内容が23ページにそれぞれあって、特に「状態へのいやがらせ型」のほうの産後休業については、強制なので、制度利用ではなくてそっちに入っているというのは、なるほどよく考えられているなと、大変勉強になりました。その上で、制度利用等に関するハラスメントというのはよく分かるのですが、この状態へのいやがらせというのは、何だか漠として分からないところがあります。今思いついたような感じですが、妊娠したことというのは、確かに状態と重なっていて、出産も産婦であるという状態なのでしょうけれども、逆にいうと、妊娠した事実とか、出産した事実とか、産後休業したという事実ということにもつながってくるのではないでしょうか。ですから、例えば「事実・状態へのいやがらせ」だとかにすると、何か少しそこがカバーされるかなという感じがしたのですが。まあ、個人的な感想です。

○田島会長 ほかに御発言はございませんか。

 それでは、引き続き事務局から、セクハラ指針について御説明をお願いします。

○小林雇用均等政策課長 セクハラ指針のほうですが、資料2を御覧ください。併せて参考資料5も御覧ください。今回、セクハラ指針も併せて改正させていただきたいと思っていまして、改正の趣旨について書いています。大きく改正の中身は2つあります。1つは、今回の職場における妊娠・出産等のハラスメントの所ですが、その指針の中で、事業主は、職場において妊娠・出産等による女性労働者の就業環境が害されることのないよう雇用管理上措置を講ずることが義務付けられるということで、その指針の中で、「ハラスメントは複合的に生じることが想定されることから、例えばセクハラ等の相談窓口との一体的な相談体制の整備について、規定すること」としています。

 そのため、セクハラの指針についても同様の内容を追加する改正を行うことというのが1点です。

 それから、もう1点です。これは新しい話ですが、職場におけるセクシュアルハラスメントについては、被害者の性的指向や性自認は問わないものですが、それが周知徹底されていないという声が近年多くなっていまして、これを踏まえて、対応していくというものです。この「被害者の性的指向や性自認を問わないものであるけれども」という所ですが、これは前回のセクハラ指針の改正をしたときに、同性に対するものも含まれるというような一文を2(1)に追加をしまして、その改正時のときの御議論といいますか、御質問の中で、連合委員のほうから、いわゆる性的マイノリティーの方に対するセクシュアルハラスメントも当然、対象になるのではないかという御質問を受けて、当時の雇用均等政策課長のほうで、性的マイノリティーの方に対する言動や行動であっても、均等法の11条やセクハラ指針に該当するものであれば、当然職場におけるセクシュアルハラスメントに該当すると考えているということで、御解答をさせていただいたところでございまして、そういうような中身の明確化をさせていただくという内容です。

 ちなみに政府の動きとしては、参考資料の6の所ですが、これは518日の一億総活躍国民会議の資料で、「ニッポン一億総活躍プランの()」が示されていますけれども、その中で線を引いていますが、性的指向・性自認に関する正しい理解を促進するとともに、社会全体が多様性を受け入れる環境づくりを進めるということで、こういうことが盛り込まれていることもありまして、今申し上げましたように、被害を受ける方の性的指向・性自認にかかわらず、これらの方に対するハラスメントも、セクハラ指針の対象となる旨を明確化するという改正を行うこととするという、2つの改正の趣旨です。

 具体的な中身は、資料22番以下に書いています。まず1つ目は、「一体的な相談対応についての取組み」ということですが、セクハラの指針のほうにも相談に応じて適切に対応するために必要な体制の整備とありまして、その最後に追加をしようと思っているのですが、職場におけるセクシュアルハラスメントは、妊娠・出産等に関するハラスメント、今回指針に規定するハラスメントです。それから、育児休業等に関するハラスメント、こちらも今回規定させていただこうとしている指針に基づくハラスメントです。その他のハラスメントと複合的に生じることも想定されることから、例えば妊娠・出産等に関するハラスメント等の相談窓口と、一体的に職場におけるセクシュアルハラスメントの相談窓口を設置し、一元的に相談に応じることのできる体制を整備することが望ましいことということでございまして、一元的に相談に応じることのできる体制を整備すると認められる例、これもいわゆるマタハラの指針の中で書いている例示と同じでございます。

(2)が、先ほど申し上げた性的指向、性自認の方についてのところでございまして、セクハラ指針の(1)のところです。具体的には同性に対するものも含む、の後ろを想定していますが、被害を受けた方の性的指向又は性自認にかかわらず、当該者に対する職場におけるセクシュアルハラスメントも、本指針の対象になるということも明記させていただきます。適用期日は、施行日として、今回のハラスメントの指針と同様に、2911日の施行ということを考えています。私からは以上です。

○田島会長 ありがとうございました。ただいまの事務局の御説明につきまして、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。

○冨高代理人(井上委員) ありがとうございます。今御説明いただいた中で、性的指向や性自認にかかわらず、今回のセクシュアルハラスメントの対象になり得るというような御説明でしたが、こちらについて、我々のほうでも発言をしてきたところでございまして、望ましい方向性だと考えております。ただ、新しいと先ほどおっしゃっていましたけれども、昨今、非常に注目もされているところでございますし、そうは言いながらも、新しい課題で、まだまだ見えてきていないところも十分あろうかと思います。そういった意味で申しますと、パブリックコメントに今回掛けるということで、様々な御意見が出てくるのではないかなと思います。我々のこの審議会のところで、このパブコメのほうも丁寧に説明していただきながら、どういう形が望ましいのかというところも是非参考にさせていただきたいと思いますので、次回、パブコメの説明等、丁寧にお願いしたいと思っております。以上です。

○山川委員 いずれも内容に異存ありません。前半の一元的相談体制の整備については、御確認、御質問ですけれども、明示をするということがありまして、前の2つの、今回御説明のあった指針もそうですが、明示するという点と、相談窓口という言葉の概念からみて、窓口の存在といいますか、こういう窓口がありますということ自体も周知ないし明示するということが想定されている。通常当然のことだから、こういう相談窓口がありますというように周知されているのが現在のセクハラ指針の運用等でもあろうと思いますが、それを想定しているという理解でよろしいのでしょうか。

○小林雇用均等政策課長 明示するというのは、資料2のどこの部分をおっしゃっていらっしゃいますか。

 先ほど御説明をさせていただいた、正に指針の中身でございますので、指針の中身として事業主がやらなければいけないこととして、相談窓口で受け付けることのできるものとして、セクハラだけではなくて、いわゆるマタハラも受け付けるということを明示するとか、両方のハラスメントの相談窓口を兼ねるというようなことを例示に挙げているので、事業主が職場の中でやらなければいけない相談窓口に関することの明示ということです。

○山川委員 お聞きしたかったことは、一体的に相談の対象となることを明示するということは問題ないのですが、窓口自体を明示しないで、対象となることだけを明示するということは想定されていないのですねという、そういうことです。

○小林雇用均等政策課長 それは、セクハラの指針の3ページの(2)のイの所で、「相談窓口をあらかじめ定める」ということがございますので、当然それを労働者に周知するというのは大前提で、ここの中に入れ込むので、プラスアルファーの措置として、これがあるという趣旨です。

○山川委員 分かりました。

○田島会長 ほかに御発言はございませんか。それでは、御発言がないようですので、育児・介護休業法の指針、いわゆるマタハラ指針、セクハラ指針、及び前回御議論いただいた省令につきましては、本日の御議論も踏まえ、事務局で省令案、指針案の策定を進めていくということでよろしいでしょうか。

( 異議なし)

○田島会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。本日の分科会はこれで終了します。最後に本日の議事録の署名委員が、労働者代表は斗内委員、使用者代表は布山委員にお願いいたします。皆様、本日は御多忙の中、お集まりいただきましてありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課
〒100−8916 東京都千代田区霞が関1−2−2

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