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2016年1月15日 医道審議会 薬剤師分科会薬剤師国家試験制度改善検討部会 議事録

○日時

平成28年1月15日(金)16:00~


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

出席委員(13名)五十音順

◎赤 池 昭 紀、○太 田   茂、 奥   直 人、 亀 井 美和子、
 木 津 純 子、 田 尻 泰 典、 平 井 みどり、 政 田 幹 夫、
 松 木 則 夫、 松 本 宜 明、 望 月 眞 弓、 山 本 信 夫、
 吉 富 博 則
 (注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(1名)

 入 江 徹 美

行政機関出席者

中 垣 英 明 (医薬・生活衛生局長)
森    和 彦 (大臣官房審議官)
森   浩太郎 (総務課長)
田 宮 憲 一 (医薬情報室長)
紀 平 哲 也 (総務課長補佐)

○議事

○紀平課長補佐 それでは、定刻となりましたので、平成27年度第6回「医道審議会薬剤師分科会薬剤師国家試験制度改善検討部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、御多忙のところを御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 本日は、入江委員より欠席の御連絡をいただいております。本部会の委員14名のうち13名に御出席いただいておりまして、定足数に達していることを御報告申し上げます。

 また、文部科学省高等教育局より、オブザーバーとして本部会にお越しいただいております。

 それでは、以降の進行を赤池部会長にお願いいたします。

○赤池部会長 それでは、議事を進行させていただきます。

 まず、本日の部会につきましては、会議、議事録及び配付資料について公開とさせていただきます。

 次に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

○紀平課長補佐 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。

 配付している上から順に、座席表、議事次第、委員名簿、各1枚でございます。

 それから、資料1としまして「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針()」でございます。委員限りとしまして、資料2として「前回の部会での意見」を1枚にまとめております。

 それから、参考資料としまして二つお配りしております。まず一つが参考資料1として「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針」ということで、平成22年1月に取りまとめたものでございます。もう一つは参考資料2としまして「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針の見直しに関する中間とりまとめ」ということで、平成27年9月に取りまとめたものでございます。

 それから、委員限りとしまして、机上配付資料として前回までの部会の資料をお配りしております。前回まで非公開でしたので、適宜取り扱いには御注意いただければと思います。

 以上、御確認をお願いいたします。

 よろしければ、傍聴されている方におかれましては、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。

 では、よろしくお願いします。

○赤池部会長 本日は、前回までの議論を踏まえまして、「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針」の取りまとめのための議論をしたいと思います。

 それでは、事務局より説明をお願いいたします。

○紀平課長補佐 お手元に資料1として基本方針()をお配りしております。こちらの一番最後、10ページの方にこれまでの部会の検討状況をまとめておりますので、こちらで掻い摘まみまして御説明させていただきます。

 平成27年2月に第1回としまして、こちらは公開でしたけれども、「薬剤師国家試験制度の検討について」ということで、この検討を始めさせていただきました。その後、2回から6回まで開催をしてきたというのがこれまでの状況でございます。その検討の経緯も含めまして、こちらの基本方針()の方に取りまとめております。

 1ページにお戻りいただきまして、基本方針の構成と内容について簡単に御説明させていただきます。

 まず、1番として「はじめに」ということで、今回の検討に至った経緯について書いております。

 最初の段落ですけれども、こちらは先ほど参考資料としてお配りしておりましたが、平成18年から6年制が始まっているということで、卒業に間に合うように平成22年1月に現行の基本方針を取りまとめたところでございます。これまでにこちらの基本方針に従った国家試験が過去4回実施されてきたところでございます。

 第2段落目、「また」のところでございます。薬学教育モデル・コアカリキュラムの改訂が平成2512月に行われまして、その適用が27年度の入学生、今の1年生から適用されているというところでございます。ですので、薬剤師国家試験についても改訂されたモデル・コアカリキュラムに対応したものとすることが必要となっているという状況でございます。

 最後の段落、「そのため」というところで、こちらの検討部会の方で検討を重ねた結果、こちらの基本方針を取りまとめるという構成にしております。

 2番としまして「見直しにあたっての基本的な考え方」というところでございます。

 最初の段落は、薬剤師を取り巻く状況ということで、高齢化が進む中で現在、2025年を目指して地域包括ケアシステムの構築などに取り組んでいるところで、薬剤師が果たすべき役割が大きくなってきているという状況を書いております。

 2段落目、「このような状況の中」というところですけれども、薬剤師に求められるということで、最後のところ、「6年制課程で修得した知識・技能・態度等を最大限発揮して、資格者として責任ある行動をとることが求められる」としております。

 次の段落、「このため」というところで、薬剤師資格を有する者として必要とされる倫理観・使命感や基本的な知識、薬学の全領域に及ぶ一般的な理論、医療を中心とした実践の場において必要とされる知識・技能・態度などを確認することが、国家試験としては必要ではないかということを書いております。

 次の段落、「一方で」ということで、これまで4回実施されてきた6年制課程対応の国家試験の実施状況についてですけれども、年度によって合格率に大幅な変動が生じているというのが現状で、これは決して望ましいとは言えないということで、この理由としては、現状では受験者の学修レベルと問題の難易が合致していないことが考えられたということで、こちらは既に取りまとめた中間取りまとめで記載していたものを引用している形でございます。

 また、出題の内容についてが次の段落で、一部に難度の高い問題などが散見されているという現状を書いております。

 最後の段落、「本部会では」というところで、モデル・コアカリキュラムの改訂の内容を踏まえて、現行の基本方針の内容をベースに基本方針に挙げられている項目に沿って必要な改善項目の検討を行ったというのが今回の見直しの基本的な考え方ということで書いているところでございます。

 3番目が「具体的な事項について」でございます。

 まず「()試験科目について」でございます。こちらはコアカリキュラムの方で見直された部分もありますので、どう対応するかというところでございます。

 ○の一つ目、特に科目の見直しのところですけれども、2段落目、「薬理」と「病態・薬物治療」というところが器官別に一連の項目としてまとめられたというのがコアカリキュラムの方の改訂でございます。ただ、こちらは大学の教育方法などについて当分の間見極める必要があるということで、現時点では試験科目を統合しないという、現行どおりでどうかというものでございます。

 「ただし」というところで、出題の方法については、例えば一つの事例に対して「薬理」と「病態・薬物治療」それぞれから出題するような形で連携を持たせるような出題ができないかということを書いております。

 3ページ、二つ目の○でございます。主に「物理・化学・生物」の取り扱いについてまとめております。

 こちらも色々御意見いただいたところですけれども、3段落目、「しかし」というところ、例えば共用試験CBTの方で基礎力を確認しているので、「物理・化学・生物」については一般問題だけで出題することとして、必須の方では出さなくていいのではないかという御意見もあったところですけれども、こちらの方は現状ではCBTと薬剤師国家試験とでは試験としての性質が異なること、また、CBTの方では、現状、出題された問題が公表されていないといったことも踏まえまして、CBTで代用するといったことは、今後の検討課題ではないかと書いております。

 最後、「また」というところで、必須問題で出題しないことで、基本的な資質としては必要ないといったような誤った認識が広がるという可能性なども考慮しまして、「物理・化学・生物」についても必須問題で引き続き出題するとまとめております。

 「()出題基準について」でございます。

 出題項目については、コアカリキュラムの改訂に合わせまして見直しを行うということで、今後、また別の場で引き続き検討を行うことにしております。

 二つ目の○、出題基準の体系については、「大項目」、「中項目」、「小項目」として「小項目」について具体例を例示するという現行の形をそのまま踏襲することとしております。

 三つ目、一番下の○、出題内容については、特に「物理・化学・生物」などで御意見をいただいたところですけれども、次の4ページのところに最後のまとめがございます。臨床の現場と関係するような事項を積極的に出題するといった御意見などもいただいているところでございます。

 最後の段落で、現行の出題基準の小項目の特に例示の部分につきまして、記載項目の精査ですとか記載方法の工夫が必要ではないかということでございます。また、出題の際も臨床との関連を意識すべきということを書いております。

 「()試験出題形式及び解答形式について」でございます。

 ○の一つ目は現行どおりということで、基本的には正答肢を選択する問題、また、必須問題については一問一答形式ということで、現状どおりのものとしております。

 ○の二つ目も今後引き続きということで、写真とか画像、イラストなども積極的に活用するとしております。

 3番目の○、こちらは総合的な問題解決能力を評価するという観点から、連問で出すことが有効であると考えられるというものでございます。

 二つ目の段落ですけれども、同一科目内での連問ですとか、複数の科目を組み合わせた連問、あるいは「実務」以外の複数の科目を組み合わせた複合問題の出題を増やす等の工夫も必要ではないかと書いております。

 四つ目の○、一番下でございます。いわゆる禁忌肢の話でございます。次の5ページに移っていただきまして、禁忌肢についてですけれども、結論としては導入することとすると書いております。ただし、導入に当たっては、偶発的な要素で不合格とならないよう、出題数や問題の質に配慮する必要があるとしております。

 「()試験問題数について」でございます。こちらは現行どおりの出題数、試験の形式は2日間で行うといった形のものとしております。

 「()合格基準について」は、既に公表しております中間とりまとめに書いてあるものから抜粋して、こちらの中に入れ込んでいるものですので、説明の方は割愛させていただきます。

 結論としましては、6ページの「新たな合格基準」というところにありますとおり、1.としまして、相対基準により設定した得点以上とする。2.として必須問題については全問題への配点の70%以上、それから、構成する各科目の得点が配点の30%以上であることを合格基準とするというものでございます。

 「()過去に出題された試験問題(既出問題)の取扱いについて」ということですけれども、こちらは現行の基本方針のとおり、20%程度を目標とするということにしておりまして、ただ、6年制の試験が始まってまだ4回ですので、既出問題が十分に蓄積されるまでの間に活用する割合はこの限りではないというものとしております。

 7ページ、「4.適用時期について」でございます。

 まず、今回の基本方針の見直しそのものが、モデル・コアカリキュラムの改訂に伴うものとして御検討いただきましたので、今回の平成27年度入学生が卒業する前に初めて受験することになる第106回、平成32年度に実施するものから基本方針を適用することとしております。

 その前に前倒しで導入するものとしまして、二つ目の段落、まず、合格基準については、中間取りまとめで示しましたとおり、今年実施する第101回から適用することとしております。

 禁忌肢につきましては、先行して導入が必要と考えられたところですけれども、適切な作問の検討のための準備期間ということを考慮しまして、平成30年度実施の第104回試験からの導入とすることとしております。

 「なお」というところは、速やかに着手が可能と考えられる一般問題における連問ですとか「実務」以外の複数の科目を組み合わせた複合問題の出題というところでは早急に対応することが望ましいとしております。ですので、こちらは作問のところで御検討いただくということとしております。

 最後は本基本方針について、今後の試験内容や結果、モデル・コアカリキュラムの改訂の状況等を踏まえて定期的に見直しを検討するとしております。

 最後、「5.おわりに」というところは、基本的に中間取りまとめでも書いたものですけれども、薬剤師を取り巻く環境は常に変化しているということですので、国家試験を合格することだけが終わりではなくて、その後の卒後生涯研修が重要だということが2番目の段落で書いてあります。

 また、最後の段落としまして、薬学教育の方にも今後の充実をお願いするということをまとめとしております。

 以上、構成と内容について簡単に御説明させていただきました。よろしくお願いいたします。

○赤池部会長 ありがとうございました。

 ここまでの事務局からの説明の中で、不明な点等、御質問ございますでしょうか。大体これまでの経緯に基づいてまとめられたものを説明いただきましたけれども、よろしいですか。

 どうもありがとうございます。

 それでは、これより議論に参りたいと思います。この会議は18時までということになっておりまして、最後に色々と連絡事項等もありますので、私たちに与えられた時間はおよそ90分程度ということになります。この基本方針()につきまして、具体的に検討いただきたいと思いますが、進め方につきまして、もしよろしければ、まず「1.はじめに」と「2.見直しにあたっての基本的な考え方」、これが初めのイントロダクションに相当するところになりますので、これらにつきまして、大体15分から20分程度で御検討いただきまして、「3.具体的な事項について」が、具体的な内容について箇条書きで書かれているということがございますので、これについて少し時間をかけて、もし可能でしたら1時間弱ぐらいの時間をかけて御検討いただくということで、最後「4.適用時期について」と「5.おわりに」というところが残された時間、10分程度ということになると思いますけれども、そのような時間をめどに御議論いただきたいと存じます。このような進め方でよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。

 それでは、今のような進め方で議論、御検討いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 では、まず「1.はじめに」、「2.見直しにあたっての基本的な考え方」ということで、先ほど御説明いただいたとおりですけれども、「はじめに」の方で、これまでの取りまとめに至った全体の経緯についてまとめられておりまして、2番につきましては、取りまとめの基本的な考え方ということでまとめられております。

 これらにつきまして、私の印象では、大体今まで検討いただきました内容をそのままうまく反映していただいているという印象でございますけれども、先生方、いかがでしょうか。

 両方見るのは難しいということでしたら、まず「はじめに」の方から。経緯をまとめていただいていますけれども、こちらはこのような形でよろしいですか。

 松木先生、よろしくお願いします。

○松木委員 内容はいいのですけれども、一番最後のところの「意見を取りまとめた」というところで、基本指針の位置付けとかというような感じなのですけれども、基本指針というのは結論のような感じがします。ただ単に意見を取りまとめただけではなくて、それを踏まえてこのような方針を決めたというような、あり方委員会で検討して、このような意見があって、それをみんなでまとめたらこうなったということではなくて、基本方針を決定したのですから、ちょっとここの表現が弱いかと。後の方も同じようなところがあるのですけれども、そのように感じました。

○赤池部会長 今の御意見、「はじめに」の最後から2番目と一番最後の行にかかるところですね。

 例えばですけれども、「意見を取りまとめ、基本方針を決定したので、ここに報告する」とか、そういったフレーズを入れるということでしょうか。

 事務局の方、いかがですか。

○紀平課長補佐 それで差し支えません。

○赤池部会長 どうもありがとうございます。確かにそこは非常に重要なポイントだと思います。

 「1.はじめに」でそれ以外ございますでしょうか。ほかはよろしいですね。

 ありがとうございます。

 そうしましたら、今の松木先生の御指摘の部分を追加という形で修文を加えるということで、次に進めさせていただきます。

 では、1ページの真ん中よりちょっと下になりますけれども、「2.見直しにあたっての基本的な考え方」につきまして、いかがでしょうか。

 全体が長い文章になっておりますけれども、最初の段落で、先ほども御説明がありましたけれども、薬剤師を取り巻く環境について説明が入っておりまして、このような状況の中でということで、第2段落で、6年制課程で修得した学生の知識・技能・態度等を最大限発揮してといった形でまとめられています。それを受けて、2ページの上の方の段落、薬剤師国家試験を通じてという形で、知識・技能・態度等を確認する必要があるという取りまとめになっている訳ですけれども、いかがでしょうか。

 よろしいですか。大体これまでの議論を適切にまとめていただいていると思いますけれども、また後でずっと進んでいった中で、特に具体的な事項を御検討いただいている中で、もしかしたら少し基本的な方針の方に振り返るということもあろうかと思いますので、それでは、とりあえず2番につきましては暫定的に。

 政田先生、どうぞ。

○政田委員 一つだけ。

 この1ページの2の6行目に「多職種連携」と書いてあるのですけれども、これは最近は「専門職連携」と言うようになっているので、多職種ではないです。専門職が連携しないと意味がないというので、最近は「専門職連携」と訳されているようです。いろんなところをよく見てください。ごく最近は「専門職連携」になっています。専門的な知識を持っていない多職種が集まっても仕方がないので、最近は「専門職連携」という訳になってきていると思います。

○田宮情報室長 すみません、確認ですけれども、それは例えば我々は色々厚労省内の審議会とか、そういうところで議論するときは「多職種連携」という場合に、当然医療関係者だけでなくて、介護関係のケアマネジャーとか、もちろん看護師とか医療の専門職もありますけれども、介護の関係の方、あるいは行政の方とか、そういうことも含めて言っているので、どちらかというと「多職種連携」の方がもっと幅が広いというイメージなのかと思っています。専門職の方が狭い気がします。

○政田委員 狭くなりますけれども、要するに、医療現場でと書いてあるところですので、医療現場だったら、「専門職連携」がよいのではないか。

○田宮情報室長 そういう意味では地域包括ケアシステムの場合ですと、医療とか、介護とか、住まいとか、介護予防とかも含めて、住居も含めて、そういった、もっと地域みんなで支えていくという感じなので、そういう意味で「多職種連携」と使わせていただいているので、そういう意味では医療に限っているつもりはないのです。ニュアンスとしては「多職種連携」の方が今までは使ってきた用語かと思います。

 ちょっと確認させていただきます。

○政田委員 結構です。また検討していただいたらと思います。

○赤池部会長 御指摘どうもありがとうございます。

 そうしましたら、この点は確認していただいて、適切な用語を入れていただくということで、よろしくお願いいたします。

○山本委員 今の件ですけれども、先の話なので、将来的に多職種連携というのは専門職連携と変わっていく可能性はあるのかもしれませんが、現時点での基本方針の取りまとめですから、たまたま先端的に使われている言葉を使うのが果たしていいのかどうかについても併せて御検討いただいて、用語の選定をお願いします。

○赤池部会長 どうもありがとうございます。

 確かに重要な点です。その点も含めて用語の選定をよろしくお願いいたします。

 それ以外、いかがでしょうか。2番につきましてよろしいですか。

 どうもありがとうございます。

 先ほど申しましたように、また「3.具体的な事項について」を御検討いただいて、もし振り返る必要がございましたら、また戻りますので、先に進めさせていただきます。

 それでは、「3.具体的な事項について」は、試験科目から順番にナンバリングされていますので、この番号の順番で細かく御検討いただきたいと思います。

 まず、2ページの「()試験科目について」ということで、現行の内容から今度改訂ということで、実質的には科目区分等については大きな変化は加えないということで、あと、特に「薬理」と「病態・薬物治療」につきましては、改訂コアカリキュラムの方で、統合型に変えられているということがございますので、科目区分は変えないものの、国家試験の問題の作成の中である程度工夫していただくという形で取りまとめをしていただいております。大体これまでの議論の内容は反映されているのではないかと思います。

 その次、3ページ、2番目の○で、ここはかなり時間をかけて御議論いただいた点だろうと思いますけれども、それも含めた形でということではあるかもしれませんが、特に「物理・化学・生物」の取り扱いにつきまして御議論いただいた内容が入っております。こちらの方も最後の方に結論として「現行どおり『物理・化学・生物』についても必須問題で出題することとする」という形でまとめられているというものになります。

 ここまででいかがでしょうか。まず、試験科目についてということでございます。

○松木委員 最初の方の○なのですけれども、内容はいいのですけれども、ぱっと見たとき、現行変えないということがなかなか読み取れないので、最初に現状を説明して、次は統合はしない、次は「薬理」と「病態・薬物治療」を一緒にすることが望ましいと、ぱっと最初に読んだときに結局現行どおりというところがなかなか伝わってこないのではないかと思うのです。どこかでそのような表現が必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

 議論の経過が分かるという意味では非常に親切で、昔のものよりは分かり易いのですけれども、逆に、だから何なのだというところが結構あるのではないかと思います。

○紀平課長補佐 御指摘いただきましたとおり、現行どおりということをどこかに入れるということを考えたいと思います。

 例えばですけれども、基本的には科目については現行どおり変えない。出題の方で工夫するという形かと思っておりますので、2番目の段落のところで、最後のところですけれども「現時点では試験科目を統合せず、現行どおりとする」とかという形で、現行どおりということがはっきり分かるようにすることでいかがかと思います。

○赤池部会長 そうですね。その一文が足されますと非常に分かり易くなると思います。

 松木先生、今のような追加ということでよろしいですか。

 ほかの先生方、いかがでしょうか。

 そうしますと、これまでの議論の経緯と結論というところもメッセージとしてよく伝わるのではないかと思います。

 試験科目の部分、ほかにいかがでしょうか。

 「物理・化学・生物」の取り扱いにつきましてはだいぶ御議論いただきまして、それが3ページの2番目の○のところで少しスペースを割いて、議論の経緯も含めてまとめられているところでございます。これにつきましては現行どおりということで、先ほど申し上げましたように最後に結論として明記されているということになります。

 ただ、こういった議論の経過がしっかりと書かれているということで、取り扱いについて色々検討がなされているということを、将来も含めた形で展望みたいなものもある程度伝わるのではないかと思います。

 いかがでしょうか。

 松木先生、どうぞ。

○松木委員 これは表現の問題なのですけれども、後も何カ所かあるのですけれども、何々「との意見があった」というところ、実際にそうなので、議論の経過はよく分かっていいのですけれども、結局それについて非常に議論をした訳ですね。ですから、この意見があって、それに対してこういう答えを出したということではなく、こういう課題について非常に議論をしたと。

 これは基本指針ですから、結論がぱっと分かるようなことを書いて、それからその理由を書くような形の方がいいのではないかと思います。学生がこういうプレゼンをやったらあまり点数を上げないといつも言っているのですけれども、最後まで聞かないと結論が分からないというので、最初にどういうふうにしたというので、では、何でどうしたかということを書く、あるいは、最後に書いてもいいのですけれども、これは結局全部読んでいかないと変わらないというところが、そこを読み取れというのは基本指針としてはあまりよくないのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○赤池部会長 どうもありがとうございます。

 事務局の方、いかがですか。

○田宮情報室長 すみません。プレゼンで落第をもらってしまったみたいなのですけれども、事務局として検討会とかの報告書の取りまとめの中で、議論の発端としてはこういった議論からスタートしてやっているというところなので、議論の経緯も分かり易く周知するという観点では、こういう書き方というのは、特に事務局として違和感はないところではございます。

 確かに先生が仰ったように、先に結論があって、なぜならという感じで書ければいいのですけれども、この場合ですと、まさに「物理・化学・生物」の取り扱いについて、2段落目のところの意見をもとに相当議論をした経緯もございますので、どういう形でうまく組みかえることができるかというのは、正直、今のところは検討してみないと何とも言えないところではございます。

○赤池部会長 これはどちらをとるかということなのですけれども、松木先生の御意見も確かにそのとおりで、そのほうが分かり易くなる面はありますけれども、ただ、ちょっと議論の経緯が伝わりにくくなるかと思います。どちらか非常に難しいところであろうかと思いますけれども、やはり「物理・化学・生物」について、結論としては変えないということです。ただ、ここの検討では、そこに至るまでに、特に必須問題から外すかどうかということについては意見も分かれ、色々議論も行い、その結果として、最終的には残すことにしました。ただ、色々工夫していただきたいということが、ここには入りませんけれども、その後でまた出てくるということがございますので、少し生々しいところをきちんと雰囲気として伝えるという点では、この文章はよくできているのかと思います。先に結論をぽんと出してしまうと、そういった白熱した議論があったというところはちょっと伝わりにくくなるのかと思います。

 あと、ここでのメッセージはどちらを重視するかですね。変わらなかったということがメッセージなのか、もしくは、物理・化学・生物についてどうするかということ、特に極端な言い方をすると、ここにも出ているとおりですけれども、またそれがかなり御意見としては出て参りましたが、特に必須からも外して構わないのではないか、むしろ外すべきではないかという御議論もあったという、むしろそちらの方をメッセージとして重要視するのであれば、この順番でもいいかと思いますけれども、その点、いかがでしょうか。

○松木委員 申し上げたかったのは、これをなくせということではなくて、これは非常にいいと思うのですけれども、ただ、「との意見があった」ということではなくて、これについて非常に議論したということがなかなかこれでは伝わりにくい。アンケートでこういう意見があったからそれに対して回答を出したというようなレベルに感じてしまいます。ですから、「物理・化学・生物」のあり方について非常に時間を割いて議論をしたとか、そのような表現があって、これがあると、非常に分かり易いのかと思います。ただここにぽんとたまたま出てきた意見についてやった訳では全然ないというところが、なかなかこの表現では伝わらないのかという気がしたのです。

○赤池部会長 どうもありがとうございます。私が誤解して伺っていて、申し訳ございません。

 「との意見も多く出た」とか何かそのぐらい。一つ出たというよりも。

○奥委員 多くはないと思います。

○赤池部会長 またちょっと考えていただくとして、それについて時間をかけて検討を重ねたといったこと。

○田宮情報室長 趣旨はよく分かりましたので、2段落目と3段落目の繋がりとか、その辺をうまく工夫するとか、ちょっと事務局でも考えてみたいと思います。

○赤池部会長 どうぞ。

○奥委員 最後の行なのですけれども、「現行どおり、『物理・化学・生物』についても必須問題で出題することとする」というと、読んでいけば一般問題も出るのは分かるのですけれども、「も」の位置を「『物理・化学・生物』について必須問題でも出題することとする」の方が分かり易いかと思います。どちらでもいいですが。一般問題ももちろん出る訳なので、「ついても」の「も」を「必須問題で」のところに入れた方がいいかと思います。

○赤池部会長 事務局の方、いかがですか。

○紀平課長補佐 そのように修正いたします。

○赤池部会長 ほかの先生方も、今の御指摘はよろしいですね。

○山本委員 これは必須問題の議論ですね。もし、直すのであれば「『物理・化学・生物』については」にしないと文脈がおかしくなるのではないですか。

○赤池部会長 そうすると、元のままでもいいかということになりますけれども、どうでしょうか。

○山本委員 そこは「も」の位置を下げるのではなく、下げるなら「は」にしないと筋が通らなくなるような気がします。

○赤池部会長 奥先生、いかがですか。

○奥委員 いいです。読めば分かるので。別に絶対駄目だということではありません。どちらが分かり易いかということです。

○赤池部会長 あまり文章を長くするよりは、簡潔な方が伝わりやすいように思います。

 どうぞ。

○木津委員 今のところですが、文章が1段落全部繋がっているので、結論が探しにくいと思いました。「可能性があるため、現行どおり」というよりも「可能性がある」で切っていただき、結論は最後に行を変えて記載する方が読む人にとっては、分かり易いと思ったのですが、いかがでしょうか。

○赤池部会長 そうですね。そこで切っていただいて、「したがって」ぐらいを入れますか。事務局にお任せしますけれども、場合によっては少し接続詞を入れて、現行どおりというところにすると、結論としてはっきりと出てきます。

 どうもありがとうございます。

 この点は今のような形の修文を加えるということでよろしいですね。

 どうも、重要な御指摘を幾つかいただきまして、ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 順番に進めていきまして、また若干戻らなければいけないところも出てくるかもしれません。それでは、次に「()出題基準について」に検討を移らせていただきたいと思います。

 こちらは〇が三つで、それを取りまとめたような形で最後の段落があるという構成になっております。最初の○で出題の内容、次の2番目の○が出題基準の体系、3番目として出題内容という項目立てということになっていますが、これにつきまして、いかがでしょうか。

○奥委員 2番目のところ、これでいいのかもしれないけれども、「出題基準の体系については、現行どおり、モデル・コアカリキュラムの項目を」というところは、改訂モデル・コアカリキュラムなのか、モデル・コアカリキュラムでいいのかというのがちょっと分からないですけれども、改訂モデル・コアカリキュラムにもモデル・コアカリキュラムと同じようにやるのかと思ったのですけれども、ここは改訂モデル・コアカリキュラムの方がいいのかと思ったのですけれども、どちらがいいですか。

○紀平課長補佐 趣旨としては理解しました。基本的には改訂モデル・コアカリキュラムの項目に合わせて見直すことになるのですけれども、その前に「現行どおり」というのがついているので、この辺りの繋がりが難しいところですので、ちょっと考えさせていただければと思います。

○奥委員 改訂モデル・コアカリキュラムで現行どおりのモデル・コアカリキュラムでやっている方式を取り入れるということですね。

○紀平課長補佐 という趣旨です。

○赤池部会長 現行どおりとするとか何かで一回切って、改訂モデル・コアカリキュラムの項目というようなつけ方になりますでしょうか。事務局の方で文章はお考えいただくということで。

 どうもありがとうございます。確かにここはこのとおりですとちょっと分かり辛いところがあります。

○紀平課長補佐 例えば文字数を少なくするのであれば「現行どおりとし、改訂モデル・コアカリキュラムの項目を基本とし」という感じでいけるかと思います。

○赤池部会長 それがいいですね。

 どうもありがとうございます。

 そのほか、この出題基準につきまして、いかがでしょうか。

○松木委員 私ばかりすみません。

 三つ目の○ですけれども、ここで言っている意見は非常に重要です。4ページの3行目のように「との意見があった」というよりは、「との意見が主流であった」とか、そういうことですね。前の意見は逆の方で、それと同じ扱いではなくて、もうちょっと「主体であった」とか、少数意見ではないということが分かった方がいいと思います。

○赤池部会長 事務局の方、いかがですか。

○紀平課長補佐 少し文章については考えさせていただきまして、趣旨を反映できるようにしたいと思います。

○赤池部会長 確かに検討しても、こういう方向でいきましょうというところまで議論が進んだと思いますので、そういったものを反映するような形で、意見があったと羅列するだけにとどまらないような形でよろしくお願いいたします。

○紀平課長補佐 分かりました。

○赤池部会長 どうもありがとうございます。

 2番につきまして、ほかによろしいでしょうか。

○吉富委員 よろしいですか。今、望月先生から指摘を受けて、私も思ったのですけれども、3ページの一番下、CBTの定義が「学生の知識や技能・態度を評価するための試験(共用試験)のうち、コンピュータを活用した試験による評価」となっています。実は、技能と態度のところはCBTから外すというので、コアカリに三角をつけた経緯があるので、「コンピュータを活用した試験による知識の評価」とした方がいいのではないかということです。

○赤池部会長 そうですね。「知識の評価」と入れておけば問題ないですね。技能・態度は評価しないことになっていますので。

○紀平課長補佐 分かりました。修正いたします。

○赤池部会長 どうも御指摘ありがとうございます。そうしましたら、この点は「知識の」という言葉を評価の前に入れるということで、修文をお願いいたします。

 ほか、よろしいでしょうか。

 それでは、「()試験出題形式及び解答形式について」というところでございます。

 〇として示している項目が四つ項目立てされております。

 ここにつきまして、いかがでしょうか。

 特に非常に大きな変更が入ってくるところは4番目の○、いわゆる禁忌肢に関わる点だろうと思います。

 もう一つ、上になりますけれども、3番目の○の部分、いわゆる連問に対する対応につきましても、変更という訳ではないですけれども、色々議論いただきまして、その内容をまとめていただいているというものでございます。

 この試験出題形式及び解答形式につきまして、いかがでしょうか。

 禁忌肢につきましては、5ページの段落の最後のところになりますけれども、結論として「導入することとする」ということで、1行空けて「ただし、導入にあたっては、偶発的な要素で不合格とならないよう出題数や問題の質に配慮する必要がある」という形で取りまとめが行われているというところでございます。

 ここにつきましてはよろしいですか。

 松木先生、よろしくお願いします。

○松木委員 三つ目の○の3行目のところで、いわゆる複合問題について「複合性に欠ける問題が見られる」という、この表現だけで分かりますでしょうか。ぱっと見たとき複合性に欠ける問題というのは何だろうというところで、やはり複合性の本来の趣旨を反映していないとか、そういうことでしょうか。ただ二つ並べて複合性と言っているというだけの感じのところが、もし、これで伝わるならいいですけれども、ぱっと見たときに伝わるかどうかというところです。

○赤池部会長 下に複合問題の注が書かれていますけれども、「薬剤師国家試験における問題区分のうち」と書かれていて、2行目「『実務』以外の科目と『実務』を関連させた問題」ということがありますので、ここの文言をそのまま一部とってきてという形にするのであれば「複合性」というよりは「関連性」という言葉でもいいのかもしれません。

 事務局の方、いかがでしょうか。

○紀平課長補佐 それで差し支えないと思います。

○赤池部会長 「関連性」に変えるということでよろしいですか。「複合性」というと抽象的になります。

○奥委員 関連性がある問題は作られているのですか。関連性があるのだけれども、この問題はこの薬剤についてこういう聞き方とこういう聞き方という、薬剤の関連性はあるけれども、この問題とこの問題とのリンクが弱いという。多分、ちょっとニュアンスが違うのですね。

○赤池部会長 ただ、それを複合性と書くと、松木先生も御指摘されましたけれども、これはどういう意味かという問題が出てきますね。

○奥委員 一応「関連性」にしておいて、厚生労働省の方でいい言葉が見つかったら。

○赤池部会長 どうなのでしょうか。確かに単に関連性だったら関連も何も出されていないので、もう少し。何になるのでしょうか。これは厚生労働省に投げて考えてくれというのもなかなか難しい。

○奥委員 この薬に対してAというものがあって、ところでといってこの薬に対してBがあって、そのAとBがどう関連しているかというのが今のところないのですね。

○紀平課長補佐 命題に対して二つ問題があるときに、命題との関連性という意味ではなくて、問題同士の関連性ということかと思っていますので、例えば現行の複合問題について、複数の問題同士の関連性という趣旨かと思いますので、そういう趣旨が分かるように文言を考えたいと思います。

○赤池部会長 基本は「関連性」に変えるということで、そこに少し説明を短いフレーズでうまく表現できるものがあったら入れていただくというような形でよろしいでしょうか。

 どうもありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 出題形式、解答形式というのは学生の方たちはもしかしたら非常に気にする項目かもしれません。

○山本委員 ()の前のところで「との意見があった」というのがかなり議論になっていましたけれども、ここは「べきとの意見があった」でよろしいのですか。4ページの上から3行目の「との意見があった」というのはもっと強い言い方があるのではないかというお話でしたけれども、同様に、試験問題の出題形式、解答形式も同様ですので、ここは「べきとの意見があった」というので取りまとめの形でよろしいのですか。

○紀平課長補佐 ()の3番目の○の1段落目ということですか。

○山本委員 そこの平仄がとれなくなるのではないかと思います。上の()のところは書きぶりはさまざまありますけれども、様々な意見があったことは「臨床に係る実践的な能力」という部分の5行の間に取りまとめていないものもあるから、さまざまな意見があって、その中でピックアップをして、臨床に係るという話の全体の取りまとめをしていただいたと思います。そういった意味で言えば、()も同様に一つ目、二つ目の○があって、3番目のところはさまざまな議論があった、その中の意見に対して「これらの意見を踏まえ」という整理になっているので、先ほどのように「との意見があった」というのはいささか弱くはないかというのであれば、ここも同様に「意見があった」では平仄が合わなくなりませんかという疑問なのです。

○赤池部会長 同じような形で少し追加していただくということで、確かにこちらがそこで終わってしまうと平仄が合わなくなると思います。

○紀平課長補佐 先ほどの4ページの上の箇所と同じように。

○山本委員 申し上げれば、()の「との意見があった」というのは、私はこのままでよろしいと思っています。むしろ文頭に「だから、そういうことを踏まえて、臨床に係る」という文章になることが素直な表現であって「との意見があった」ということに拘って全体の文章を壊してしまうのは、いささか基本方針としては馴染まないと思いますので、私はこのまま残した方がいいと思います。その代わり、付けるなら「意見があった」を直すのではなく、その結果どうなったかの前のところに一言二言付けた方がいいような気がします。

○赤池部会長 事務局の方で今のところの文章をうまく直せますか。

○田宮情報室長 確認ですけれども、今、山本先生が仰ったのは、例えば4ページの上から2段落目のところの「臨床に係る実践的な能力」云々の前に、例えば下のように「これらの意見を踏まえ」とか、そういうことを入れたら平仄が合うのではないかという理解でよろしいでしょうか。

○山本委員 そうです。そうでないと、全体の中で「との意見があった」と幾つか挙げている中で、全てに修文が入ってしまうと基本方針全体がばらついてしまって、一部分だけを直すと全体のたてつけが合わなくなるような気がします。もし直すのであれば、かなり慎重に直していただきたい。これは数年間使う基本方針ですから、そこは慎重に御検討願いたいと思います。

○赤池部会長 確かに、下に書かれているように「これらの意見を踏まえ」というような形のものを「意見があった」の次の段落で入れていただく方が、読んでいて読み易いことは読み易いですね。

○紀平課長補佐 分かりました。

○赤池部会長 いかがでしょうか。なかなか色々な御意見が出てきて、全部集約するというのはちょっと難しい。基本的にそれぞれ仰っていることは、今まででだいぶ議論が煮詰まっています。違うことではないと思うのですけれども、それをどのような形で文章として表すかという点ですが。

○山本委員 拘るようですけれども、ですから、そういった多様な意見があったのであって、そのことをまとめてしまうこと自体に、この場でも同じように多様な意見がある訳ですから、そういった意味ではその意見があったというのは決して、曖昧ではありますけれども、全体を掴む上では悪い言葉ではないと思います。

 もう一点、ついでに、()の中の先ほどの関連性の問題ですけれども、ここで言っているのは、現行の複合問題について設問間での複合性に欠けるという理解でよろしいのですか。であれば、「現行の複合問題について、設問間に関連性が」とか、あるい「関連性を」という言葉を付け加えていけば、そこは複合性と書かずとも素直に読めるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○赤池部会長 ただ、「設問間」は必要ですか。もともとは複合問題についてということで限定していますから。

○山本委員 そうであれば、この「複合性に欠ける問題が見られる」というところに論点が発生することが私には信じられません。

○赤池部会長 ただ、複合問題について複合性に欠けるというところが実際に読んで分かり辛いという御意見だったと思うのですが。

○山本委員 それは、複合問題というのは問題の中の複合性なのか、設問間なのか、その辺りが明確でない中で言葉の整理がなかなかつきにくいので、修文をするときには、それはいわゆる一つの複合問題の中の複合性なのか、そうでないのかということの議論が残ってしまわないように、修文をお願いします。

○赤池部会長 現行では、複合問題というのは2問が連問で出ていますので、連問の中で問題の内容であり趣旨といったものがきちんと関連している、それで複合問題としている訳で、そこの部分が十分でないという御意見だった。多分、そういう御指摘ですね。それがきちんと酌み取れるように。

○山本委員 そういう意味での複合問題という認識が、二つの問題の中での関連性という認識を皆さんがお持ちであれば、その中での複合性が欠けるというのはまさに二つの問題で整合性がないという文章になりますから、敢えてそこで修文をかける必要があるかということになりますし、設問間にわざわざ整合性をそこに書くとすれば、この文章をそれほどいじらなくてもいいような気がします。より分かり易いことにするのは賛成ですので、そういったことも踏まえて修正をお願いしたいと思います。

○赤池部会長 どうぞ。

○中垣局長 私が話していいのかよく分からないけれども、確かに複合問題について複合性に欠けるというのは、トートロジーみたいであまりよくないと思うのですけれども、今の話だと、関連性というのは多分どこまでいってもあるのだから、例えば問題について下のあれを踏まえれば、求められる関連性に欠けるとか、少し修飾語を付ければそれでいいのではないかと思います。十分な関連性なのか、求められる関連性とか、何かそういう修飾語をつけて、関連性にすればいいのではないかという気がします。

 あと、「との意見があった」というのは、先ほどの3ページの二つ目の段落の「物理・化学・生物」は一般問題でのみ出題すればよいのではないかという、これが少数意見であったということで「しかし」というのだったら、そういう意見もあったけれども、しかしみたいな形にすればいいのであって、「との意見があった」というのは一番最後に書くと、いかにも自分は少数意見だったけれども、書いておいてくれみたいな感じになってしまうのだけれども、これは先ほどどなたか委員が仰ったように、ずっと意見があって、その結果、こうなっているのだというのであれば、別の「との意見があった」で私は文章的に全然問題ないと思います。

 敢えて、「しかし」で繋げている部分と、意見があったので、こういうふうにしましたというのは、別に読んでいけば分かるので、一番最後に持っていってしまうと、かえって本当に私の少数意見も書いておいてくれというようなものを、敢えて最後に書いたようで、あまりよくないような気がします。

○赤池部会長 ただ今の3ページの二つ目の○の部分のところは、先ほどの結論について、私の記憶が間違っていなければ、一応並びはこのままで残すということで、「との意見があった」ということで、その後に少しさらに議論の経緯を追加するという形で、さらに今、仰ったような形でまとまっていく方向になっていたと。それでよろしいですね。

○松木委員 今、局長が言われた「が」と「も」の使い分けは非常にいいと思います。「意見もあった」というのと「意見があった」というものの使い分けでいいのではないかと思います。

○赤池部会長 そうですね。ですから、3ページの2段落目のところは、「との意見もあった」という形ですね。さらに議論を重ねてという形でまとめていただくと非常に状況が伝わり易いと思います。どうもありがとうございます。

 ということで、もう一度4ページに戻らせていただきますけれども、先ほど議論になっていました三つ目の○の「複合性に欠ける問題が見られるとの意見や」の「複合性に欠ける」というのは、一応「関連性」に変えるということでそこにちょっとフレーズをうまく足せるようでしたら考えていただいて、今、ここですぐに出すということは難しいと思いますので、そのような形で修文を加えるということでよろしいでしょうか。

 いずれにしましても、複合問題の連問で出ている2問がきちんと内容として関連づけて出されるようにもっと工夫して欲しいということですので、それが伝わるようにしていただくということで、よろしくお願いいたします。

 亀井先生、どうぞ。

○亀井委員 今の三つ目の○のところの、今、議論になったところの下の段落「これらの意見を踏まえ」というところの3行目のところから例示されている科目の組み合わせですが、これが複数の科目を組み合わせた複合問題の出題を増やすということですけれども、ここに出ている例題がたまたま現在同じ時間割の中で行われているものなのですが、そうしますと、時間割の設定にある科目の組み合わせという印象を与えてしまうような気もするのですが、その辺りはいかがすればよいでしょうか。

○赤池部会長 私の記憶が間違っていなければ、同じ時間割の中でなければ、今度は全体の組み換えをしないといけなくなりますので、それはしないという方向で進んでいたと記憶しています。つまり、現行の試験の仕方ができなくなりますので。

○亀井委員 ということで、こういった例示になっているということですね。

○赤池部会長 そう理解していましたが。

○亀井委員 分かりました。

○赤池部会長 もちろん、亀井先生が御指摘の点は非常に重要なのですけれども、そうしますと、問題のたてつけそのものをいじらないといけなくなりますので、つまり「薬理」とか「薬剤」とか「基礎」というふうに科目が分かれていますけれども、そういう分け方ができなくなるということで。

○亀井委員 分け方は工夫次第でできるのかと思った訳ですが、その辺りは十分恐らく議論されていなかったかと思いますので。

○赤池部会長 私の記憶ではそこは無理という結論でした。事務局の方で説明をお願いします。

○紀平課長補佐 実は、この基本方針の中には時間割までは書いていなくて、厚労省からの通知の方で時間割を書いているのですけれども、先ほど2ページのところで「薬理」と「病態・薬物治療」の話をしまして、関連した問題もというのも少し事例で書いたのですけれども、ここは亀井委員が御指摘のとおり、「薬理」と「病態・薬物治療」は今、時間割としては別の時間帯に出題されているものですので、この辺りに踏み込もうと思うと、時間割についても検討が必要かと思っております。

 ですので、あくまで2日間、問題数というところは変えないにしても、時間割については検討の余地はあるかと思っております。

○赤池部会長 ということは、変えてもいいということですか。

○紀平課長補佐 全体の時間が変わらない中で、あるいは試験の設定とか、学生の負担なども考えて、可能な範囲で時間割も見直すことはゼロではないという前提で、時間割の中でできる出題というのを御検討いただくということで、いかがかと思っております。

○田宮情報室長 補足しますと、要は、今、申し上げたのは2ページの一番下のところの「例えば一つの事例に対して『薬理』と『病態・薬物治療』それぞれから出題するという形」、ここの部分になるのですけれども、ここはまさにそういう意味では「薬理」と「病態・薬物治療」が器官別に一連の項目として教育されるというのが今年度入学生からですので、その学生が受験するときには、ここのところを考慮して時間割を変えるということは、これを実現しようと思うと、逆に時間割を変えないとできないということになりますので、この項目に関して言えば、そのタイミングでということはあるのかと思っているところです。

○赤池部会長 ただ、私も記憶が曖昧になっているのですが、「薬理」と「病態・薬物治療」のところだけをいじるというのと、基礎まで含めて全部がらがらぽんで複合が作り易いように変えてしまうというのとでは、同じ時間割の変更といってもだいぶ違うので、そこはなかなか難しいかと思います。

○田宮情報室長 限界はあるのかと思います。

○紀平課長補佐 今、「薬理」と「病態・薬物治療」の例示を挙げましたけれども、実践問題の方は時間が分かれているのですけれども、一般問題の方は同じ時間帯に入っているので、今の時間割を変えずにできるものであれば、特に変更しなければいけないというものでもないかと思いますので、この中で基本行うので、それでおさまり切らないようであれば、時間割の変更も可能性としてはゼロではないぐらいの感じでいかがかと思います。

○赤池部会長 ただ、いずれにしましても、この取りまとめでは、そこの時間割は最初にちょっと仰っていましたけれども、まだ踏み込んだ形での内容ではありません。そういう意味では4ページの例示は、あまり現行いじらないで済むような形で、とりあえず例示として挙げたという意味だろうと思います。逆にここを時間割をすごく変えないと組めないように組み合わせて出してしまうと、時間割を提示する前にこちらが先行してしまいますので、混乱を招く可能性があります。少し大人しい形でとりあえずこういう例示ぐらいで済ますということで、いかがでしょうか。

○亀井委員 分かりました。

○赤池部会長 大変重要な御指摘ありがとうございました。私、段々記憶が戻って参りました。どうもありがとうございました。

 1、2、3ときまして、先ほどの禁忌肢のところは大体この取りまとめのような形で、4ページから5ページの上の方にかけてですけれども、よろしいでしょうか。

 望月先生、どうぞ。

○望月委員 ちょっとここの文章が分かりにくい文章になっていて、まずは「医療人としての高い倫理観と使命感が求められることに鑑み、薬剤師として選択すべきでない選択肢(いわゆる「禁忌肢」)を含む問題」を「導入することとする」のですね。その具体的な禁忌肢の例は「公衆衛生に甚大な被害を及ぼすような内容」とか云々かんぬんがあって、こういう誤った知識を持った受験者を識別するためにということだと思うのですけれども、この文章で読んでいくと、すごく変な文章に読めてしまうのです。

 「問題について」こうした「誤った知識を持った受験生を識別するという観点から、導入する」ということで、すごく結論が離れたところに出てきてしまって、間の四つぐらいの内容というのが選択肢の例なのだと思うのですけれども、そこがうまく文章の中に繋がっていっていないという感じを受けるので、少しここの書き方を整理していただいた方がいいかと思います。

○赤池部会長 そうですね。全体として非常に長い文章になっていて、御指摘のように分かりにくくなっています。もし、可能だったら、最初の、今、望月先生が仰っていましたけれども、4ページの4番目の○のところからずっと文章が続いて、5ページの頭に繋がりますけれども、「問題を導入することとする」というところで文章をまず切るということが、確かに結論がよく見えて分かり易いように思いますけれども、まず、この点いかがでしょうか。そういう形で、先生方も、事務局の方もよろしいですか。

 その後で、その理由として、あるいはどういう観点で問題を作るかというのがその次の文章ということに、説明的に入ってくるということになりますので、「導入することとする」というのを前に使いましたので、どういう文章に入るのでしょうか。「観点から、作問を行う」とか、何かそういったような文章になるのだろうと思いますが、そうしますと非常に読み易くなりますし、結論もよく見えると思います。

 いかがでしょうか。

○紀平課長補佐 そのように修正させていただきます。

○赤池部会長 先生方もよろしいですか。

 どうもありがとうございます。

 やはり禁忌肢のところは新しく導入するということですので、はっきりと誤解なく伝わることが重要かと思います。

 禁忌肢のところはよろしいでしょうか。

○山本委員 偶発的なとは、どういうことを想定しているのですか。

○紀平課長補佐 端的に、例えば全体の中で1問だけを設定してしまって、たまたまその1問を選んでしまったというケースというのは、本当にそれを積極的に選んだのかどうかという辺りもあるかと思いますので、複数を設定して、そのうち複数、あるいは全部選択してしまった場合などということを意図しております。そのような議論はあったかと思っております。

○赤池部会長 偶発的な要素というのは、要はマークミスですね。

 確かこれは中でも議論が出ましたし、ほかの資格試験での例でもそういったお話があったと思いますけれども、少なくともマークミスで落ちるということが1問だけですと起こり得るので、少なくとも複数は必要かという議論がかなりされて、そこは重要視されていたように思います。

 それ以外の要素ももちろん、今、御説明があったような要素もあると思いますけれども、少なくとも偶発的な要素はそういった意味ですね。

 ほかによろしいでしょうか。

○亀井委員 前に戻るのですが、3ページの注釈のところにございます、先ほどのCBTの説明のところですが、少し気になっておりましたのが、「学生の知識や技能・態度を評価するための試験(共用試験)のうち、知識を評価するためのコンピュータを活用した試験(Computer-Based Testing)のこと」とした方が、説明としては「コンピュータを活用した試験」の後に「Computer-Based Testing」を入れた方がよいのではないかということです。評価の後ではなくて、そこの位置に持ってきた方がいいのではないかと思いました。先ほど言い忘れましたので、付け加えさせていただきます。

○赤池部会長 ありがとうございます。

 確かにCBTの意味はコンピュータを活用した試験ということですので、その後ろに括弧ですぐに入った方がいいということで、それにさらに文章を合わせると、知識の評価というのを前に持ってくるということ。それは確かにその方が分かり易い。

 事務局の方、そういった変更でよろしいですね。

○奥委員 もう一つ言っていいですか。

 薬学共用試験センターの方からなのですけれども、共用試験というのは、もともと医学部が最初に使ったので、薬学の場合は薬学共用試験で統一しているのです。できれば「共用試験」ではなくて「薬学共用試験」としていただけると非常にいいかと思います。

○赤池部会長 それは共用試験センターの方からの御要望ということで、異議はないと思いますので、よろしいですね。「薬学共用試験」ということでお願いいたします。

 どうもありがとうございます。

 よろしいですか。ちょっと時間の関係もありまして、次、5ページの、先ほどちょっと言いかけましたけれども「()試験問題数について」というところです。これは現行どおりということで、それが簡単にまとめられています。

 別紙に書かれていますので、このようなことでよろしいですね。

 「現行どおり」という言葉を入れてもいいのかもしれませんが、どうなのでしょう。変更がないということ。

○紀平課長補佐 分かりました。

○赤池部会長 いずれにしても「現行どおり」というのを入れてください。よろしいでしょうか。

 それでは、次「()合格基準について」というところでございます。

 まず、1番目の○で、絶対基準に関して、今のところでの問題点が書かれていまして、2番でもさらに取りまとめがされています。でも、ここは中間取りまとめがそのまま移っています。その内容が大体そのとおり来ているということですので、ここはもうよろしいですね。

 それでは、「()過去に出題された試験問題(既出問題)の取扱いについて」ということで、一つの項目立てということになっておりますけれども、三つの段落でされていますが、これも大体現行どおりということにはなりますけれども、新たに議論をいただきまして、その内容がここに書かれているようにまとめられております。

 これにつきましては、いかがでしょうか。よろしいですね。

○奥委員 別に直さなくていいのですけれども、5ページの合格基準の2番目の○ですけれども、一つの文章で8行なのです。できれば、もし途中で切れたら切った方が読み易いかと思います。別にこれで問題はないのですが。

○赤池部会長 確かにすごく長い一つの文章になっていますので、事務局にお任せするということでよろしいですね。文章を切れるようでしたら、切って読み易くするということで、お願いいたします。

 どうもありがとうございます。

 それでは、()の過去問の取り扱いですけれども、こちらもこのとおりでよろしいでしょうか。

 では、このとおりということで。

 その次、7ページ、「4.適用時期について」というところになって参ります。

 合格基準につきましては、既に中間取りまとめで出されているとおり、次回の国家試験、今年行われるものですけれども、第101回から。

 禁忌肢を導入した国家試験は第104回ということです。

 前後して申し訳ありませんが、一番上の段落になりますが、この取りまとめ全体が生かされてくるのは改訂コアカリ、平成27年度に入学した学生が受けるときからということで、第106回ということで、最初に書かれているということでございます。

 一番最後に、これは前のときも書かれておりましたけれども、モデル・コアカリキュラムの改訂状況を踏まえて定期的に見直しを検討するということでまとめられております。

 これにつきまして、いかがでしょうか。これもこのとおりで非常に分かり易く書いていただいていると思いますが、よろしいですね。

 どうもありがとうございます。

 では、そうしましたら、一番最後「5.おわりに」ということで、これまでの経緯、一番最後に「教育内容の充実に引き続き取り組むことを要望する」ということで、まとめられております。この「おわりに」というところもいかがでしょうか。大体このとおりで結構かと思いますけれども、よろしいですか。

 どうもありがとうございます。

 あと、8ページに先ほどもちょっと出てきましたけれども、別紙として薬剤師国家試験の科目、問題区分、出題数ということで、現行と同じものが取りまとめられているということになります。

 ということで、全体を見ていただきましたけれども、全体を通していかがでしょうか。

○吉富委員 ちょっと元に戻りますけれども、「2.見直しにあたっての基本的な考え方」の1ページと2ページで、2ページの上から5行目のところに、簡単に言えば、必要とされる知識・技能・態度などを確認するというのが国家試験をするものとしてきちんと書かれているので問題ないのですけれども、1ページの下から2行目「高い倫理観や医療人としての教養を有する」となっています。私の気持ちとすれば、この文章は非常に落ちついていいのですけれども、医療人としての教養というのは何なのだと質問されたときに、一般的な教養だとリベラルアーツみたいなもので学んだというのができるのですけれども、医療人としての教養とは何なのだということを聞かれたときに、何か共通の言葉で話せるようになっていないとよくないかと思ったのです。これは単なる感想です。

○赤池部会長 どうぞ。

○田宮情報室長 ここのところの表現ぶりにつきましては、現行の基本方針で用いている表現でございまして、本日お配りしている参考資料1の1ページ「見直しに当たっての基本的考え方」というところの第1段落のところ「高い倫理観、医療人としての教養」という言葉がありまして、前回示した目的とかそういうところは、状況が変わっていないものはできるだけ踏襲した方がよろしいのではないかと思って入れたところでございます。

○吉富委員 意図する気持ちは正しいと思っているので、むしろ直さなくてもいいですけれども、例えば簡単に言えば医療人としての教養というのは具体的にどんなことなのだと言われたときに、一定の共通の回答ができないとよくないと、今日ふと思ったのです。これまで考えなかった私が悪いのですけれども、教養と医療人としての教養というのはどう違うのだと、そういう質問をされる方も必ずおられるのです。

○赤池部会長 どうぞ。

○政田委員 医療人としての教養というのは、要するに、チーム医療とかをするときに、他の職種と共通言語で話せるかどうかということと私は思います。ですから、その共通言語をきちんと教えていないと医者とは話せないとか、看護師さんとは話せないということになるので、最低限度そういうこと。

○吉富委員 広く色々な文化的な生活をしている人が世の中にたくさんいるので、例えば外国人の生活習慣とかも全部含めて色々なことを知っていないとできないという意味であれば、それはそれで意味が通じますし、当然、医療人としての教養とは何かというのは議論しただけでもまた新しいものを考えなければいけないようなフィールドであると思うのですけれども、一応この委員会ではこんなことを意味しているのだというのがコンセンサスとしてあった方がいいかと思ったのです。

○赤池部会長 多分、一番ポイントになるのは、一般で言う教養というものを含めた医療人としての教養なのか、医療人としての教養というものを特化して考えるか。つまり、一般の教養がもちろんベースにあることは事実ですけれども、その上に何か医療人としての教養というものを立てて考えるのかというところの違いだろうと思います。

○政田委員 一般としての教養は当然だけれども、これからの薬剤師は医療人としての共通言語で話せないとチームの中で生きられないということで、そういうことだと思います。

○赤池部会長 広い形で考えたらいかがなのでしょうか。

○吉富委員 今の政田先生の説明で、あれはあれで筋が通っていますから、そのように説明すると自分が思っておけば落ち着きますから。

○赤池部会長 どうなのでしょう。極端な言い方をすると、薬剤師としての専門知識を持っているだけというのではなくて、もちろんそれがあることは前提ですけれども、まさに政田先生が仰っているように、ほかの専門職の方ともきちんとお話ができ、場合によっては患者さんともお話ができると、そういったものを背景として、教養として身につけているという意味ですね。そのように私は理解していました。なかなかどんなものとすぐ定義づけるのは難しいと思いますけれども、大体そういったコンセンサスを皆さんお持ちではないのでしょうか。

 どうぞ。

○田宮情報室長 参考までですけれども、改訂モデル・コアカリキュラムの薬剤師として求められる基本的な資質でいきますと、冒頭のところにも豊かな人間性と医療人としての高い使命感を有し云々というのもありますし、最初の薬剤師としての心構えのところで、医療の担い手として豊かな人間性と生命の尊厳についての深い認識を持ち、薬剤師の義務及び法令を遵守するとともに、人の命と健康な生活を守る使命感、責任感及び倫理観を有するということが、目標として書いてございますので、こういったところ全体を指しているという理解でよろしいのかと思います。

○赤池部会長 まとめていただいてありがとうございます。

○奥委員 先ほどの参考資料1を見ますと、いいのですけれども、医療人としての教養などを国家試験を通じて確認する必要があるというのがあるので、確認できるものであるということが前提になっている訳ですね。一応そういうものだということでいいですか。

○田宮情報室長 そういうことになると思います。そういう意味でも、今回、色々と、確かに政田先生が仰ったような共通言語という話とはちょっと違うかもしれませんけれども、この辺の医療人としての教養とか、高い倫理観とか、こういったところも基本的な資質にも入りましたし、それも踏まえて今回、禁忌肢の導入というような議論にも発展していったのではないかと理解をしているところでございます。

○赤池部会長 どうもありがとうございます。

 吉富先生、こういった議論でよろしいですか。

 ほかに全体を通して何かございませんでしょうか。

 木津先生、お願いします。

○木津委員 3ページの「出題基準について」の上から二つ目の○ですけれども、「小項目については具体例を例示することとするというのは、今の参考資料1と同じような形なのですが、4ページに入ると、小項目の例示について、記載項目の精査や記載方法の工夫が必要で、さらに出題の際も意識をするべきであるということが書かれています。出題基準は出題基準改定部会が作って、前回は平成22年1月に基本的な方針ができて、9月30日にこれが出ていると思いますが、今回の小項目の例示というのはどうなのでしょうか。受験する側にとっては非常に大きなことになりますので、教えていただきたいのですが。

○赤池部会長 事務局の方でよろしくお願いします。

○紀平課長補佐 すみません、御質問の内容は今後のスケジュール的なことでしょうか。

○木津委員 基本的な方針で記載方法の工夫が必要とか、臨床との関連を意識した出題とか、大きな観点が書かれているのですけれども、それを具体的にはどういう形で、それが受験生にはいつぐらいの時点で出るのかということについて、教えてください。

○紀平課長補佐 まず、ここの文章の趣旨ですけれども、こちらはこれまでの議論でいただいたところだったかと思いますけれども、要は、出題の際に、出題基準に書いてあるからというだけで、実際に現場で必要ではないかもしれないような問題が出題されるというケースがあったのではないかという指摘があったので、そもそも現場であまり要らなさそうなものは例示として、あるいは項目として入れないというような検討を今後行っていただきたいとのことと理解しております。

 今後の進め方については、最後に御説明しようと思っていたのですけれども、こちらの部会で基本方針が取りまとめられましたら、出題基準については、御指摘いただきましたとおり、この審議会の中に出題基準改定部会というのがありますので、そちらの部会を立ち上げて、出題基準の見直しの作業を進めるという予定にしております。

 今後のスケジュールの調整ですけれども、年度明けぐらいには始められればと思っておりまして、どれぐらい期間がかかるかというところは、実際、始めてみないと分からないところではありますけれども、今年の1年生が受ける、あるいは1年生に教える大学側の準備などもあると思いますので、目標としては多分1年ぐらいを目途に、要は来年度中ぐらいでできればいいと思いますけれども、その辺は作業の進み具合などによって多少の前後はあるかと思っております。

○木津委員 ありがとうございました。質問が出たときに、これが独り歩きしないことと、やはり改定部会にも今回話し合った趣旨がきちんと伝わって、いい形の例示になるといいと願っております。よろしくお願いいたします。

 以上です。

○奥委員 これは言わない方がいいのかもしれないけれども、記載項目の精査というのが、先ほど言った項目で合っているかどうかということだと思うのですが、その次の記載方法の工夫なのですけれども、今、出題基準は小項目をキーワードで出しているのです。それをキーワード以外で出すようなことも考えているのかとちょっとは思っているのです。ここで議論する内容ではないと思うのですけれども、もし、考え方があれば。

○紀平課長補佐 その辺りはこれから出題基準改定部会の方での御検討かと思いますけれども、とりあえず御意見としていただいていたのは、科目によって書き方が違う。単なる単語で例示が書いてあるものや、こういう問題みたいなところまで踏み込んだ書き方とか、科目別に少し温度差があるという御意見をいただいていたと思いますので、それも含めた工夫ということかと思っております。

○赤池部会長 いずれにしましても、ここに書かれている内容というのは、もちろん外へのメッセージということもありますけれども、これから立ち上がるであろう出題基準改訂部会の委員の先生方へのメッセージという意味も含まれるということでございます。

 木津先生、奥先生もそれでよろしいですね。

 ありがとうございます。

 先生方によっては人ごとではないという方も出てくるかもしれませんので、そのときにはよろしくお願いいたします。

 あと、ほかに全体を通していかがでしょうか。

 平井先生、どうぞ。

○平井委員 何度か休んでしまったので、ちょっと議論についていけなかったところもあったのですけれども、以前、私が休んだときに、文章で送らせていただいたことがあったと思うのですが、議事録を読んで、それは全く違うというような感じで議論にもならなかったように思ったのですが。しつこく私が気になることを言わせていただきますと、3ページの1個目の○の4パラグラフ目の「また、『物理・化学・生物』を必須問題で出題しないこと」云々ということで、私は必須問題として出題するというのは重要なことだと思いますし、複合問題で医療と関連する形で出すというのは、先ほど関連性をきちんと考えてということで、これは大変いいと思うのですけれども、そうすると、医療の担い手である薬剤師として必要不可欠ということを考えると、「物理・化学・生物」の一般問題の理論問題は要らないのではないかと、単純にここだけ見ると思ってしまうのです。実際はそうではなくて、1ページから2ページに渡って書かれている「未知の事象・事案に対して、6年制課程で修得した知識」云々というところは、理論問題をきちんと習得しなければいけないというところに繋がってくると理解しています。そうすると、また3ページに戻りますけれども、「医療の担い手である薬剤師として特に必要不可欠な」云々ということに限ってしまうと、私みたいな解釈をする人が出てくるのではないかということを感じた次第でございます。

 ですので、今後の検討でまた変わっていくかと思いますけれども、医師国家試験は基礎の理論だけを独立して問うていった問題というのはほとんどありませんので、基礎的な知識というのは絶対必要かもしれないですけれども、できればあとは臨床と関連づけたような形の問題に少しずつ移行した方がいいのではないかということを、改めて言わせていただきます。

○赤池部会長 どうもありがとうございます。

 そういった御意見もあったと、決して無視した訳ではございませんので。ただ、それも含めて検討して、今、お話しいただきました3ページのこの部分は必須問題での取り扱いということでまとめられているということでございます。また定期的に見直しが図られると思いますし、今回はこのような結論になったということですけれども、今回の議論を踏まえて、また何年か先になろうかと思いますが、そういったところでさらにこういった基礎系の問題についての取り扱いというのはさらに議論を進めて、検討を進めていくという課題だろうと思います。

 どうもありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。

 どうぞ、よろしくお願いします。

○松本委員 実際、今までのとおりだと本当によくできて、よく作っていただいたと思いますけれども、ちょうど二つお話ししたいのは、「()出題基準について」の臨床との関連性を重視したということは非常に重要で、この後、出題基準の方には、ここは例示も含めて、それによって作る方が変わってしまうことがあります。それによって、標準的な内容とはかけ離れたというところに行く可能性がありますが、本当にこのことがうまく機能する方がいいと思います。臨床と()の最後に書いてある、出題の際、全てにおいてという感じになって、臨床の関連性というのが非常に重要だと思っていますので、是非よろしくお願いしたいと思います。

 もう一つは、()の「関連性」という言葉ですけれども、実際、出題をしますと、出題の人は関連があると思い込んでしまうことがあって、ここも例示というか、前の基準もそうなのですけれども、関連性と複合性というのが認識によって、これでも関連性があるのかということがあるので、これはもちろん文章を直すということではないのですが、この内容で関連性というと捉え方に温度差があることも御理解いただきたいと思います。ある方はこれでは関連性があるというのですけれども、ほかの方は、これはないだろうという場合があるので、その辺がちょっと難しい面が出てくることも付け加えさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○赤池部会長 どうもありがとうございます。

 複合問題の取り扱いといいますか、実際に出題委員会の方で作っていただくときも、ここは議論し出すと非常に難しいところだろうとは思います。なかなか完璧なものも作れませんし、また、組み合わせによっては出せる内容というのもある程度制限があったり、色々な点があろうかと思います。極端な言い方をすると、意を尽くして全て書ききるようなフレーズで短く入れるというのは、恐らくまさに今、先生が御指摘になったように、困難であろうかと思います。その中で先ほどのような議論で、事務局の方で文言を工夫していただいて入れていただくということと、場合によっては色々な説明ができる場がありましたら、そういったところでまた説明していくということ。また、出題委員会の先生方にもその辺を、実際に出題の問題を作られるときに、厚生労働省側からもこういった趣旨であるということをしっかりと方針として御説明いただく。多分、そういったような色々な形でのフォローアップが必要だろうとは思います。

 事務局の方、この点につきまして、いかがでしょうか。

○田宮情報室長 先生が仰ったとおりでございまして、実際、試験委員会の場で作問する際にも、事務局としてもこういった趣旨を踏まえて、できるだけ試験委員会の先生方と十分議論して、できるだけ設問の間の関連性が、趣旨に沿った問題に努めたいと思いますし、また、それを踏まえて、毎年度事後評価部会でも色々御指摘を受けることになると思いますので、そういったことを繰り返しながら、少しずつよいものにしていきたいと思います。

○赤池部会長 どうもありがとうございます。

 ほかによろしいでしょうか。

 どうもありがとうございました。大変重要な御指摘をいただきまして、原案がかなりブラッシュアップされた形になってきたのではないかと思います。

 それでは、そろそろ予定の時間も迫って参りましたので、本日の検討はここまでとさせていただきたいと思います。

 今後の進め方につきまして、事務局より連絡をお願いいたします。

○紀平課長補佐 御議論ありがとうございました。

 本日いただきました御意見を踏まえまして、修正した基本方針()を週明けには各委員にお送りいできるように準備をしたいと思います。修正意見等があります場合には、締め切りの方はお知らせいたしますので、それまでに事務局の方に御返信いただければと思います。

 各委員からいただきました修正意見をもとに、赤池部会長に御相談しながら、基本方針を確定させたいと考えております。

 基本方針の公表については、厚生労働省のホームページ上の掲載のほか、文部科学省さんですとか、薬科大学・薬学部を含めた各薬学・薬剤師関係の団体宛てにお送りしたいと考えております。公表の時期については追って御連絡させていただきます。

○赤池部会長 どうもありがとうございます。

 事務局の方で、本日の意見を集約した形でもう一度原案に修文を加えまして、先生方に御意見を頂戴するということでございます。最終的な取りまとめにつきましては、部会長に一任ということで、よろしいでしょうか。

( 「異議なし」と声あり)

○赤池部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、議題1はこれで終了させていただきます。

 次に、議題2「その他」になります。

 事務局から説明をお願いいたします。

○紀平課長補佐 先ほど少しお話が出ましたけれども、今後について御説明させていただきます。

 本部会で取りまとめていただいた基本方針を踏まえて、この審議会にあります薬剤師国家試験出題基準改定部会というところで出題基準の見直しを進めていく予定でございます。そちらの部会の委員構成ですとか検討スケジュールについては、これから準備をさせていただきます。場合によっては本部会の委員にも御協力をお願いすることがあるかと思いますので、引き続きその際にはよろしくお願いできればと思います。

 以上でございます。

○赤池部会長 そのほか、委員の先生方から何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、本日の議題は全て終了いたしましたが、事務局からさらに何かございますでしょうか。

○紀平課長補佐 どうもありがとうございました。

 これをもちまして、基本方針の方は取りまとめさせていただこうと思いますので、この部会の閉会に当たりまして、中垣医薬・生活衛生局長から御挨拶申し上げます。

○中垣局長 中垣でございます。

 国家試験制度改善検討部会の取りまとめに当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。

 本日も、非常に熱心な御議論をありがとうございました。私、10月に異動して参りましたので、3回出させていただいて、なかなかついていけないところも最初はございましたけれども、今日も非常に積極的な御議論をいただいて、少し事務局の作った悪文もありましたけれども、よくなったのかと思っております。

 本部会は、御存知のとおり、薬学教育モデル・コアカリキュラムが変わって、薬剤師として求められる資質を明確にして、その資質を身につけるために学ぶ形になるなどの改訂がなされました。また、6年制教育に対応した薬剤師国家試験がこれまで4回実施されたことを受けまして、見直しを始めさせていただきました。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、本日まで1年の間、7回に渡りまして、大変御熱心に御審議いただき、深く感謝致しております。

 この報告書につきましては、今、事務局、また、部会長からお話がございましたように、本日いただいた御意見を踏まえまして、最終的には部会長の御了解をいただいた上で取りまとめたいと思っているところでございます。

 厚生労働省といたしましては、昨年10月に「患者のための薬局ビジョン」を策定・公表いたしまして、薬剤師・薬局のあるべき姿を示したところでございます。このような国民の期待に応え得る薬剤師を輩出するためにも、本部会でいただいた御意見を真摯に受けとめ、適切な国家試験制度の運用に努めて参りたいと思います。先生方におかれましては、また引き続き、この薬剤師あるいは薬学教育の充実に御尽力を賜れればと思っておるところでございます。

 最後に、本部会の御議論、取りまとめに御尽力をいただきました赤池部会長に厚く御礼を申し上げまして、また、各委員の方々にも併せて御礼を申し上げまして、簡単ではございますが、御挨拶とさせていただきます。

 本当にどうもありがとうございました。

○赤池部会長 どうもありがとうございました。

 ただ今のお話にもございましたけれども、ちょうど1年間議論を行っていただきまして、本日をもって本部会の検討は終了ということになります。

 委員の先生方におかれましては、本当に大変活発な議論をいただきまして、取りまとめとして大変すばらしいプロダクトになったと考えております。誠にありがとうございました。

 それでは、部会は閉会といたします。どうもありがとうございます。


(了)

備考
本部会は、公開で開催された。

<照会先>

厚生労働省医薬・生活衛生局総務課

(代表): 03-5253-1111(内線)2714

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