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2016年6月9日 あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会(第3回) 議事録

医政局医事課

○日時

平成28年6月9日(木)13:00~15:00


○場所

厚生労働省共用第8会議室(19階)


○出席者

釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会 常任理事)
栗原 勝美 (東京都立文京盲学校 教諭)
後藤 修司 (公益財団法人東洋療法研修試験財団 常務理事)
坂本 歩 (公益社団法人東洋療法学校協会長)
田城 孝雄 (放送大学 教授)
筒井 宏史 (日本鍼灸理療専門学校 専任教員)
仲野 彌和 (公益社団法人日本鍼灸師会長)
藤井 亮輔 (筑波技術大学 教授)
矢野 忠 (明治国際医療大学 特任教授)

○議題

1.第2回検討会の主な意見について
2.カリキュラム等の改善について
3.その他

○議事

 

○医事課佐生医事専門官 定刻となりましたので、ただ今より、第3回あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会を開催させていただきます。

本日はお忙しい中、構成員の皆様におかれましては、本検討会に御出席を賜りまして、ありがとうございます。

 本日、北村構成員におかれましては欠席の御連絡を頂いております。

また、恐縮でございますが、本日、神田医政局長におかれましては欠席とさせていただいております。また、梅田審議官につきましては、急遽公務により欠席させていただいております。

 本日の資料でございますが、次第にありますように、資料1から6までの6つの資料と、参考資料として2つの資料を御用意させていただいております。それから、ブルーのファイルにつきましては前回までの資料でございます。資料に不足等がありましたらお申し出いただければと思います。

 それでは、田城座長に議事の進行をお願いしたいと思います。田城座長、よろしくお願いいたします。

○田城座長 ありがとうございます。定刻より少し早いのですが、皆様おそろいですし、この後また大きな会議が控えておられて、委員の方でそちらに出られる方もいらっしゃいますので始めたいと思います。資料について御説明いただくのですが、その前に今日御欠席の北村構成員からメモを頂いていると伺っています。机上配布になるかと思います、事務局の方、よろしくお願いします。

 お配りいただいている間に資料の御説明、そして議論をしたいと思います。まず、資料12について事務局から御説明をお願いいたします。

○医事課佐生医事専門官 資料1から説明させていただきます。資料1は第2回検討会での構成員の皆様の主な御意見です。

1つ目の単位数の引上げ、最低履習時間数の設定についてでございます。まず1つ目の丸ですが、看護師が97単位、それ以外の職種は大体93単位、柔整も85単位から97単位に引き上げるという議論がされている。そういう中で鍼灸課程が90単位でいいのか、少なくとも93単位は必要ではないか。

2つ目の丸ですが、あはきの養成は完成教育に近いものが求められてきたということで、単位数はもう少し増やすべきではないか。

 次の丸でございますが、あはき課程という一番多い課程において、看護師並みの97単位、それぞれの課程に4単位プラスするというのは1つの考え方で妥当といった意見もございました。

2ページ目を御覧ください。下から3つ目の丸ですが、臨床実習の関係では、臨床実習こそ傾斜配分すべきということで、単科を4単位以上、鍼灸課程は5単位、あはき課程は6単位といったことで、1単位ずつ傾斜させることが妥当ではないかといった意見も出ておりました。

4ページをご覧下さい。2の臨床実習についてでございます。1つ目の丸ですが、臨床実習施設で4単位以上を確保することは難しいということで、学校養成施設以外の臨床実習施設を認める要件が必要といった意見が出ております。

2段落目ですが、指導者の要件としては、免許を取得してから10年以上の実務経験又は5年以上の実務経験と講習会を修了した者といった要件が必要ではないか。施設の要件としては、ベッド数や症例数が確保されていなければいけない。最後の段落ですが、施術所以外の臨床実習施設としては、医療機関、介護施設、スポーツ現場など、一定の範囲で認めてはどうかといった意見が出ております。

5ページをご覧下さい。3の専任教員についてでございます。これについては6ページ目の最後の丸ですが、新卒の卒業生が2年間の教員養成を受けただけで教員になれることについては問題がある。3年や5年の期間を置いて臨床に当たった人間が教員になれるような仕組みが必要ではないかといった意見が出ております。簡単でございますが、以上が前回の検討会で御意見として頂いた御発言の要旨です。

 資料2につきましては、第2回検討会を踏まえたカリキュラム等改善についての資料でございます。1ページ目からが総単位数の引上げ、最低履修時間数の設定についてです。これについては前回の資料と同じものをお付けしております。

16ページからが臨床実習を増やした場合の臨床実習施設等についてです。これについては前回の御意見を踏まえ、臨床実習施設につきましては、養成施設附属の臨床実習施設及び施術所としてはどうか。また、医療機関、スポーツ施設、介護老人保健施設といったところを、1単位を超えない範囲で認めてはどうかというものです。

17ページですが、養成施設附属臨床実習施設以外における臨床実習の要件を次のとおりとしてはどうかということで、これについては御議論を賜りたいということです。まず(1)は、養成施設は各施術所における臨床実習の進捗管理を行うため、専任の実習調整者を1名以上配置すること。

(2)は、附属の臨床実習施設以外の施術所の要件です。1は、臨床実習における到達目標が設定されており、これに沿って実習が実施できること。これについては一番下に丸にありますが、臨床実習の中で少なくとも保険診療の仕組みについて理解することを含めてはどうかということで、このような要件を入れさせていただいております。2は、5年以上の開業経験があること。3は、実習指導者の要件として専任教員の資格を有するあはき師又は、5年以上従事した後、あはき師の臨床実習指導者講習会といったものを修了したあはき師であること。講習会については、16時間以上としてはどうかとさせていただいております。4は、過去1年間の平均受診者数が30名以上であること。5は、臨床実習の実施に必要な施設及び設備を利用できること。6は、療養費申請資格停止等の行政処分を受けていないこと、7は、臨床実習を行うに当たり、患者に対して臨床実習を行うことを文書により同意を得ること。

(3)は、附属臨床実習施設以外の施術所において、臨床実習を行おうとする養成施設は、都道府県知事に対して申請を行うこととするといった要件としてはどうかというように考えております。

 他職種の状況として、1819ページに看護師の実習施設の要件、20ページに診療放射線技師、理学療法士の臨床実習における要件を参考としてお付けしております。

21ページについては、臨床実習における実施可能範囲ということで、これは前回の資料を付けさせていただいております。

22ページからが専任教員です。22ページ目は教員配置基準の見直しということで、専任教員数を現行の5名から6名以上に増員してはどうか。これについては、前回の検討会で、ほぼ了承いただいたものと考えております。

24ページにつきましては、前回御意見がありました教員の要件の見直しについてです。1つ目の丸ですが、教員の質を確保するため、専門基礎分野及び専門分野の教員の要件として、現行は教育養成機関を卒業した者という要件があります。これだけでなく、3年の実務経験という要件を加えてはどうかとしております。

2つ目の丸としては、専門分野の教員の要件に、現在、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の免許を取得してから3年以上の実務に従事した後、厚生労働大臣の指定した教員講習会を修了した者という要件があります。現在、教員講習会を実施していないものですから当該要件を削除してはどうかとしております。

25ページについては前回と同じ資料ですが、専任教員の定義を明確にすべきといった御意見も前回ありましたので、このような資料を付けさせていただいております。

 最後に26ページです。新カリキュラムの施行と経過措置、これも前回付けさせていただいている資料です。施行時期は平成3041日、平成30年度入学生から新カリキュラムを適用してはどうか。専任教員の数につきましては、平成31年度までは5人という経過措置を設けてはどうかとしております。以上が資料2の御説明でございます。

○田城座長 ありがとうございました。資料12は前回までの議論で、構成員の皆様は御承知、御案内のとおりと思います。今の説明でちょっと分かりにくいとか、はっきりさせておきたいということがありましたら、ここでお受けしたいと思います。よろしいですか、それでは続けていきたいと思います。

 これからは各構成員の先生方、複数の方から御意見を賜っておりますので、それぞれ御説明をしていただく時間にしたいと思います。まず資料3です。矢野構成員、藤井構成員から共同で頂いております。矢野構成員から御説明をお願いします、よろしくお願いします。

○矢野構成員 まず、1ページ目の1に、あはきカリキュラム改善に向けての基本的な考え方と付帯事項ということを記しています。基本的な考え方は、あはき教育の資質向上を推進できるカリキュラムにしていくことです。

 あはきの未来を切り開くカリキュラムにより資質の向上を図るわけですが、その要件として1から4まで挙げています。1は、他の医療職種、特に患者の治療やケアに関わる医療職種のカリキュラムの総単位数と同等、あるいはそれ以上であること。

 2は、あはきは医業の一部を担う医療であるということの実体を実質化するために、その基盤となるカリキュラムを構成するわけですが、その基礎となるのが、他の医療職種と同等、あるいはそれ以上であることが大事ではないかと考えております。

 3は、臨床実習の充実と実質化を図るためには、臨床実習と一般的な実習を分け、明確化することが必要ではないかということです。

 4は、あはき療法の施術をする上で、安全性が確保でき、最低限の実務(治療、ケア、生活指導等)が、円滑に行うことができる診療能力の修得を担保するカリキュラムを構成することです。

これらによりあはきの未来を切り開き、かつ、あはきの資質向上につながるカリキュラムの基本的な要件ということで、この考え方に基づいて、以下に示すカリキュラムを考えたわけです。

 付帯事項ということですが、1は、あはき教育の資質向上を継続的に行うようにするためには、あはき教育の教育課程を5年ごとに見直すことが必要ではないかということです。見直すことを明確に明示することが必要ではないかと思っております。

 2は、臨床実習の確実かつ円滑な実施を図るため、各学校・養成施設は臨床実習施設の確保と教育体制の整備に努める。平成32年度までの実施状況を踏まえて見直しを図っていく。いわゆる新しいカリキュラムが適切に行われているのか、また、いろいろな問題点があるのか、その成果はどうかということで見直しを図ることが大事ではないかと考えております。

 3は、これは第2回の会議でも出ましたが、資質向上を図るポイントとして、1つは担当する教師、その教師を養成する教員養成課程のカリキュラムも併せて見直していくことが必要です。教員養成の資質向上も合わせて進めていくことを今後検討すべきであろうと思います。

 4は、これは法第18条の2、中卒課程の問題ですが、この問題もずっと置き去りにされた状態ですので、この課程の在り方について併せて検討していくことが、あはきカリキュラムの改善にもつながることから検討が必要ではと考えています。

 5は、現行のあはき師養成の専門学校教育は、現在、2部制となっていますが、本来であれば、開業権を付与された医療人を養成するには、フルタイム制で行うことが望ましく、やがて移行していくことを考えなければなりません。2部制を維持するとすれば、夜間部は将来的には4年制ということも含めて検討すべきではないかということを付帯事項として付けました。

 具体的なカリキュラムの内容は4ページに記載しているとおりです。詳細な内容については、13ページ目までに記載してあります。

 まず、基礎分野の14単位の中に、やはりコミュニケーションが医療人として非常に必要であることから、こういった内容のものを組み込んではどうか。それから専門基礎分野の人体の構造と機能、ここに運動学1単位を加えると同時に、従来、解剖や生理学が多かったことから、その内容の一部を専門分野のところに移動しました。臨床あマ指学や臨床はき学に、臨床生理学、触察解剖という形で移動させて、基礎と臨床、そして実際の臨床につなげていくということが必要ではないかと考えました。

 実習においては、やはり臨床実習の資質向上の前提には、OSCEは是非入れるべきだろうということで、実習の中にOSCEの実施1単位分を増加したということです。

 保険の仕組みと職業倫理ですが、現在、社会あマ指あるいは社会鍼灸学の中で保険の仕組みについては既にやっているということで、特に職業倫理を重点的に1単位、15時間行うことにしました。他はそのまま1単位30時間ということで3単位という形にしています。

 こういったことにより、あマ指課程では総単位数が85単位、時間数は2,385時間。はりきゅう課程では総単位数が94単位、時間数が2,655時間。それから、あはきの課程では総単位数が100単位、時間数が2,835時間となりました。現段階では1つの前進という形で、先ほど言った基本的な考え方や付帯事項も合わせて提案させていただいた次第です。不足については藤井構成員から説明いただきます。

○藤井構成員 今、矢野先生からお話があったとおりです。基本的なところでは特に補足はありません。

 特に最後、矢野構成員がお話をしていたカリキュラムの単位数と時間数は、当初、第2回目に、私なりに最低限必要であろうという判断で提案させていただいた単位数や時間数と比べますと、かなり少なくなっているわけです。ここのところは現状を重視、養成施設側の教育体制というところで実行可能な数という点で、まず一歩前進という観点でこのような時間数、私どももここで妥協をしたということです。

 ついては、やはり将来的には資質向上という今回の検討会の趣旨を踏まえると、もう少し引き上げるべきであろうという考えがありますので、先ほど矢野構成員からありましたようにしかるべき時期に見直しをしていただきたい。特に重要なのは、このカリキュラムがスタートする平成30年度から毎年、実際に資質向上という目的が達成されるに足りる教育が行われているのか、特に臨床実習のところがきちんと行われているのか。この辺りを毎年モニタリングしていただいて、その実態を踏まえてきちんと見直しをする。都道府県への指導も含め、事務局にはお願いをしたいと思っております。以上です。

○田城座長 ありがとうございます。触察解剖というのは、我々が医学部で習うとすると体表面解剖学に当たるでしょうか。まず1年生で解剖実習をやって、あとになってから体表面解剖学が実は大事だったことが分かる。あと、禁忌マニュアルだけで1単位、30時間というのも、どうかなと思うところもありますが、詳細はまた後ほど議論の時間で触れることができればと思います。

 まず、皆様からのプレゼンテーションと言いますか、御意見を頂いてから総合的な討議にしたいと思います。続いて資料4につきまして坂本構成員から御説明をお願いします。坂本先生、お願いします。

○坂本構成員 それでは、資料4について御説明します。資料4はカリキュラムの骨格ではなくて、現行の認定規則、あるいは指導要領、ガイドラインの中で改正すべき内容ということで、提案をさせていただいたものです。

 まず認定規則というところを見ていただきます。1ページ目ですが、認定規則は学校養成施設の認定基準を定めているのですが、第2条の10項に現在は「基礎医学実習室及び実技実習室を有すること」という定めがあります。これを「実習室を有すること」に変更してはどうかという提案です。もともと基礎医学実習室については、動物解剖などを主眼にして、こういった教育をするべきだということで、施設基準にも入れてきたのだと思いますが、現行、動物実験等ができない環境もありまして、こういった施設よりも、むしろ多目的に実習ができる施設のほうが好ましいのではないかという意味合いです。

 それから、それに付随しまして第2条の11項では、普通教室と基礎医学実習室、又は実技実習室の面積を定めているのですが、これは実技実習室の面積というところで、現在は1ベッドにつき6.3平方メートル以上という規定になっています。しかしながら、実技実習室は、必ずしもベッドを使用しないケースもあるということから、実習室の面積ということで、生徒1人につき2平方メートル以上であるという規定でよろしいのではないかという提案です。それから、細かい所は除きまして、認定規則については、大まかにはそういうことです。

 続きまして指導要領とガイドライン。1ページ目に指導要領と書いてありますが、これはガイドラインとほぼ同義のものとしてお考えいただければと思います。この中で、今回のカリキュラムの改正の中で、恐らく幾つかの議論があると思いますが、現行の指導要領やガイドラインの中で、単位数が抜けている所があったりするものですから、これは修正していただければいいということです。2の教員に関する事項、これは教員の資格要件ですが、基礎分野の教員要件というのは、現在は高等学校の教員資格、大学での教授資格等々ということですが、いろいろな内容を教授する必要が出てきていることから、そういった要件以外にも、例えば語学系ですとか、あるいはリスク管理ですとか、こういったものを教えられるような教員については、校長の判断でよろしいのではないかということと、それから前回の検討会でも少し触れられましたが、放送大学の単位の互換ということも触れていただければと考えています。

 3の教員に関する事項で専門基礎分野のところに、大学院修士課程、博士課程を修了した者という教員要件がありますが、これが拡大解釈されているので、ここをしっかりと「担当科目を含む分野を専攻する」という文言を入れていただきたいと考えています。

 4の専門分野に関する教員に関する事項ということで、ここにはいわゆる臨床実習指導員ですとか、あるいは、あはきの臨床の経験が豊富な方の教員登用ということを、少し入れていただければということで書かせていただいています。

 それから2ページ目ですが、教員に関する事項、生徒に関する事項、ここら辺を読んでいただければいいのかなと思います。7の授業に関する事項で、これは夜間課程においては、夜間の授業の時間は午後6時以降で、14時間以内であることという定めになっています。しかしながら、今後、臨床実習ですとか見学実習を施す上では、昼間にどうしても教育の時間を割かなければならないのではないかということから、「昼間の授業は実習など、やむを得ないと認める場合に限り行うこと」という文言を入れていただければ、その辺りは臨機応変にできるのかなということです。

3ページ目、これは認定規則上の別紙と呼ばれる法定備品についてです。現在の専門基礎科目用の法定器具としては、イ~ニという項目で整理されていますが、先ほど少し申し上げたように、動物解剖台ですとか動物解剖道具というのが要件に入っていたりします。こういうものは取り除いて、現行、本当に必要となる器具を定めていただければなと思っていまして、このぐらいでいいのではないかということで、イロハという形をとらせていただいています。

 それから、専門科目用の機械・器具で、消毒器具の中でガス滅菌器が法定の備品として取り上げられていますが、現行、ガス滅菌器は使われておりませんので、これは削除してもよろしいのではないかということです。

 それから4番目、これは教員の要件の別表の第2ですが、専門基礎分野の教員要件として、リハビリテーション医学に限っては、理学療法士あるいは作業療法士の教員資格を有する者を追加してもよろしいのではないかと。現在は、あはきの教員養成施設を卒業した者が教授していますが、むしろ専門領域の教員の登用ということのほうが、より効果的ではないかと考えているところです。

○田城座長 ありがとうございます。現状に応じて、現代的・近代的な修正をということと思います。法令に関しては法令係等との協議なども必要になってくるかとは思いますが、御説明ありがとうございました。続きまして、資料5について栗原構成員から御説明をお願いします。

○栗原構成員 坂本先生がお話されたのと同様に、単位数や最低履修時間数が決まった上での話ということになりますが、8項目ほど挙げさせていただきました。認定規則関係ですが、まず1番目が、第2条第3項別表第1関係ということで、教育内容欄を示しているのですが、実習のところです。現在は実習(臨床実習を含む)で、各単位数が示されています。これまでの議論でも、臨床実習をどのように取り扱うかという議論もされてきましたが、やはり臨床実習を基礎実習とは独立させた形で、この教育内容欄に載せていただくのが望ましいのではないかと考えています。したがって、実習と臨床実習という形に分けて、単位数を載せていただければと考えます。

2つ目は、第2条第3項別表第1の備考1関係です。臨床実習は、1単位45時間とするという議論で、これまで進んできています。指導要領のほうには「臨床実習は1単位45時間とする」という規定がありますが、認定規則のほうには特にありません。そうすると、特に盲学校関係、文科省関係のところは、なかなか縛りがもうひとつ緩くなることがあるかと思いますので、認定規則のほうに、この臨床実習は、1単位45時間とする規定を載せていただきたいということです。

3番目は、第2条第3項別表第1の備考3関係で、2つ以上の内容を行う規定からの臨床実習の除外ということです。備考3は複数の科目を同時に行うときの規定なのですが、臨床実習についてはそれら複数の科目をうんぬんするという対象ではないと思いますので、臨床実習を除きというような規定を入れないと、緩くなるのではと考えます。

4番目は第2条第3項の別表第1関係で、時間数の併記ということです。最低履修時間数を検討して明記するということで、話が進んでおります。認定規則のほうに最低履修時間数についても規定していただけると、よろしいかと思います。

5番目については、第2条第10項関係で、臨床実習室の追加と定義ということですが、先ほど坂本先生から、基礎医学実習室を除いて実習室というような形で整理できたらというお話がありました。そういう形の中で臨床実習室というものも、きちんと明記していただけたらと思います。

6番目は、機械器具についての第2条第14項関係ですが、これは指導要領には先ほども御説明のあったような機械器具の例示というものがあるわけですが、認定規則にはありません。そうすると文科省関係のところは、機械器具設備等を教育内容に合わせていくときに、もうひとつ参考規定が薄くなってしまうので、なかなか機械器具を十分に備えにくいという状況もありますので、その辺りを配慮していただければと思います。

7番目は、法的に合わせていただければというだけの話なので、第4条関係の視覚障害の程度に関する規定の所を学校教育法の規定に合わせて整理していただきたい。

 それから、8番目は第7条関係ということで、あん摩マッサージ指圧師に係る養成施設の設置計画書の提出があった場合に、設置者は申達に際し関係団体の意見書を添えなければならないというような項目を追加していただきたいということです。現在、指導要領にはあるかと思いますが、文科省管轄の大学あるいは学校が出してきたときの規定として、それらの項目を設けていただけるとどうかと考えています。以上です。

○田城座長 分かりました。まず、臨床実習1単位45時間ということは、矢野構成員、藤井構成員の御意見と一緒ということでよろしいでしょうか。それから、文部科学省の認可のほうの学校ではという御発言が続いたかと思うのですが、文部科学省から何かありますか。特に今はないですか。

○文部科学省医学教育課前島課長補佐 文部科学省の前島と申します。大変貴重な御指摘を頂いたところではありますが、時間数を併記することについては、大学設置基準において1単位45時間の学修として、授業の時間数について幅を持たせる規定がありますので、大学の制度設計との整合性といったものも十分に御勘案いただく必要があるのかと考えておりますので、すみませんがよろしくお願いいたします。

○田城座長 ありがとうございました。すみません、突然の御指名にもかかわらず、お答えいただきありがとうございます。

 続いて、資料6について後藤構成員、よろしくお願いいたします。

○後藤構成員 時間も迫っているので手短にさせていただきますが、教育の質向上のための提言2ということで、前から申し上げていることを少しまとめ直しました。1つは科目について。科目名をどのように表記するかというのは、国家試験科目との関連がありますので、表記法に工夫をしていただかないと問題が起こるのではないかと。例えば運動学を科目として書いてしまうようなことです。

2番目、基礎科目の一部が放送大学の単位互換ができるように。これは前から申し上げていて、是非、この制度を導入していただきたい。私どもは看護の通信制をやっておりますが、65単位のうち26単位は放送大学です。非常に放送大学さんのほうでも看護に特化したカリキュラムを構成していただいているのですが、それらが将来は設定されるといいと思いますが、今は学校協会などでモデルケースを35ケース提示していただいて、基礎科目の14単位のうち、2分の1程度あるいはもっと多くても構わないと思いますが、これを放送大学と。

 それから、臨床実習についてはいろいろ議論がされておりますが、まずは学校が設置すれば、臨床実習施設の設置の場所はどこでもいいということを明確にしていただきたい。それと見学については、あん摩・はり・きゅうというのは、非常に、臨床といいますか、活躍している場所が大変広いです。そういう場所を学校が選択して見学実習は行われるようにして、もちろん見学実習の成果というのはきちんと記録することは前提ですが、ここに掲げているようなものを是非取り上げていただきたい。

 それから、臨床実習と学内の実習、これの指導ができる臨床教員制度、これは医学部の臨床教授みたいなイメージなのですが、やはり臨床をやっている方が実習教育に携わることが、学内教育の質を向上させるのではないかと思っております。

2番目に教員についてですが、これは直接、資質向上に関係しますので、人数は6人という提案がされておりますので、こういう形だろうと思います。

 それから、これは坂本先生からも御指摘がありました。大学院を卒業しただけで、全ての科目が教えられるような拡大解釈がまかり通っていることについて、きちんと是正していくべきだと思います。教員養成課程2年課程では基礎科目と専門基礎科目を、卒前よりも更に深く、例えば解剖学にしても、勉強しているのに、大学院の専攻した科目以外のことは勉強していらっしゃらない方が教えられるとなると、非常に不合理です。

 それから、教員資格を更新したらどうかと思います。これは文科省のほうは教員資格の「資格」の更新ですので、むしろもっと厳しいと思います。こちらは認定ですが、その更新を、例えば5年間に30単位ぐらいを、何らかの形で履修することを義務付けることが必要かなと思います。

2ページです。教員養成課程の改正をしたらどうか。私事で申し訳ありませんが、看護師教育をやっておりますが、5年間の臨床経験がないと教員課程に行かれません。実質は、今、1年間の教員課程に通うわけですが、PTOTの場合は、3年間の臨床経験がないと、大体1か月の教員の講習に行かれないということなのです。この、あはきについては、教員養成課程ができて久しく年月もたちますので、私は、これは是非単位制にして、5年間にその単位を取得できるような形にすれば、臨床をやりながら教員の道へ進んでいく人が増えるのではないかと思ったり、事務局提案にあるような臨床経験をプラスして、例えば教員養成課程を出たら、専門基礎科目は教えられるけれども、その後3年の臨床経験を踏めば、専門科目も教えられるというような、つまり盲学校の1級教員、2級教員みたいな仕組みを導入したらどうかと思います。

 最後に、学内実技実習です。これは坂本先生の所にも実はあったのですが、お聞きしたら先生は言い忘れたそうなので、私が申し上げます。学内実技実習の第三者評価、これは学校協会で現在、これについての実施をしていらっしゃいます。全ての学校が加盟しているわけではありませんが、そういう仕組みが動いているということからすると、そのようなイメージです。

 それから、これは再三、この検討委員会の中で議論になっている、あはき師の質向上ということから言うと、ともかく独立開業できるということは、やはり大変な責任を国民の皆さんに対して負うということですから、ライセンスを取ったからといって、もうそれで一生いいですよという仕組みは、まずいのではないかと私は思います。生涯研修を受け続けることが望ましい、あるいは受けることとしていただければあれですが、受けることが望ましいという内容をガイドライン、指導要領の中に入れていただければ、1つの研修の実を上げていくのです。今は東洋医療研修試験財団でも研修制度をやっておりますが、もっと研修に参加する人たちが増えると思います。是非、御検討いただきたいということです。

○田城座長 ありがとうございます。最後の所は、例えば内科学会でも認定内科医、専門医、これから新しい専門医制度に行きますが、その前としても医師会もそうですが、例えば単位を5年間に何単位か講習を受けて、更新していくようなイメージでよろしいでしょうか。医師もそうですが、免許をもらってそのまま一生ではなくて、決められた期間にそれなりの指定を受けた講習で単位をためていくということでよろしいでしょうか。

○後藤構成員 ちょっと補足させていただきます。今現在、厚生労働大臣免許保有証というカードを、今年の4月に厚生労働省さんの許可を得て、財団が発行しております。これは5年ごとに実は更新することになっているのです。写真が入っていて、5年もたつと顔も変わるので、5年間で更新するということなのです。これに合わせてきちんと研修を積んであるかどうかということを、確認できるような仕組みを、これはそんなに難しい話ではなくて、この免許保有証はICカードになっておりますので、容易にデータベースは作れると思います。

○田城座長 例えば介護支援専門員ですか、ケアマネジャーも5年ごとに研修するということもあります。それに準じたものと思います。あとは1ページの大学院卒業者で御自分の専門専攻でお教えになるのは構わないけれども、それ以外も全部というわけには、なかなかいかないだろうということかと思います。

 それから、今、在宅医療、訪問看護の現場で、あん摩マッサージ指圧師、はり・きゅう師、特にマッサージの方ですか、非常に活躍されておられて、在宅医のメーリングリストとかありますけれども、そこでもいろいろ話題になっておりますので、大変それは医療者としても、逆にそのサービスを受ける利用者、要介護者、御家族の方からも、いろいろ大きな期待もありますし、逆になかなか理解していただけない部分とかもありますので、そういう所は大事かもしれません。特に在宅医療は割と密室性の高い場所ですので、ほかの方々、医療者、看護、それから御家族、利用者の方々に対して質を担保するというようなことも重要だと思います。

 放送大学に関して、私は現役の放送大学の教員ですので、公私混同や我田引水というような印象を持たれるといけませんから、発言はちょっと慎重にはしたいところではありますが、現在、例えば医師会立の看護学校もそうですが、准看さんから正看護に転換する等の看護専門学校は、単位互換制度を広く利用していただいているということは事実であります。

 ちょっと話は飛んでしまいますが、例えば、今、別の所で出ているのは、保育士と介護士と看護師は3年とすれば、最初の2年間は共通科目で、最後の3年で専門制というような議論もありますので、医療関係の基本的な点は共通カリキュラムでもいいのではないかという考え方であれば、看護学校で教えている内容と、あん摩マッサージ指圧師、はり・きゅう師、それから柔整その他の方々で教える項目と、同じ内容であることには間違いはないかなと思いました。何か御発言はありますか。それでは、どうもありがとうございました。

 続いて、実はここで北村先生のお話をするという段取りになっておりました。先ほどちょっと先走ってしまいましたが。今まで資料36、藤井先生を入れて5名の構成員の方々から御説明いただきましたが、御欠席の北村構成員にもコメントを頂いております。特に北村構成員は、同時並行しております柔道整復師のカリキュラム検討委員会の座長をされており、そちらの検討会の進捗と、本検討会の構成員としての御意見を頂いております。ここで事務局に北村構成員のメモを配布していただく段取りになっておりました。もう既にお配りいただいて目を通していただく時間もあったと思います。それでは事務局の方、北村構成員の机上配布のメモの説明をお願いいたします。

○医事課佐生医事専門官 北村構成員からのご意見について説明します。まずは柔道整復師学校養成施設のカリキュラム等の改善検討委員会での検討状況として、1つ目ですが、総単位数、最低履習時間数についてということで、柔整については現在85単位で行われているところを、今回の見直しにおいては97単位に見直す方向で検討されております。最低履修時間数については、2,7502,825時間の範囲ということで、追加するカリキュラムとしては下に米印で書いてありますが、15単位、315時間のカリキュラムを追加する予定としております。この中には既存の授業で教えている所もありますので、既存の授業を少し見直しして、97単位で時間数としては先ほどの2,7502,825時間の間で検討しております。

 それから、次の米印ですが、今後については、今回追加するカリキュラムが実際に教育されるように担保する必要があるということで、それらの方法を検討していきましょうということになっております。

2番目としては、臨床実習についてということで、臨床実習施設については、養成施設の附属の臨床実習施設、それから施術所を基本として、医療機関では整形外科又は救急に限る。スポーツ施設はスキー場等の救護所等。それから機能訓練施設、これについては、1単位を超えない範囲で認めてはどうかといった議論をされております。今後は臨床実習の到達目標も見直す必要があるのではないかという意見が出ております。

 それから、附属養成所の臨床実習施設以外の要件としては、養成施設では専任の実習調整者を1名配置してはどうか。それから5年以上の開業経験、実習指導者は専任教員又は5年以上従事した後の臨床実習指導者講習会を修了した柔道整復師、それから過去1年間の平均受診者数が30名以上、患者に対して臨床実習を行うことを文書により同意を得るといったことを検討しております。

 次のページに行っていただき、今後は臨床実習指導者講習会というものの基準案について、検討していきましょうということになっております。それで次回には、これらの要件で実習できる施術所数がどれぐらいあるか、構成員より提出していただく予定としております。

3番目の専任教員です。専任教員に関して、柔道整復師については、柔道整復師が教えられる範囲が決まっており、それを少し見直しをしようということで、現在、保健医療福祉と柔道整復の理念だけ教えられる規定になっておりますが、これを他職種の基準をベースに検討しましょうということになっております。専任教員の数字については、あはきと同じように5名のところを6名に見直しをしようということになっております。

 教員の要件としては、免許を取得してから3年以上実務に従事した後、教員講習会を修了した者となっているのを、5年以上の実務経験に見直しをしようとなっております。

専任教員の定義については、現行、定義というものはないのですが、これも見直しとして、教員は1つの養成施設に限り専任教員となれる。それから、専任教員は専ら養成施設における養成に従事することといった定義を追加したいという検討をしております。

 その他として、施行時期、経過措置ですが、これも、あはきと同じように平成304月の入学生から適用ということです。専任教員の経過措置は2年間で、今後、臨床実習講習会等についての経過措置の必要性について検討していきましょうとなっております。

2番目は検討会についての意見ということで、読ませていただきます。総単位数、最低履修時間数については、あはき師の質の向上という目的のため、3部制などで行われている養成施設がなくなるような時間数を設定されることを希望するとのことです。

2つ目としては、臨床実習の質を確保するためにも、実習指導者の実務経験等の要件、臨床実習での教育内容や適切に行われたかの評価についても御議論いただきたい。また、専任教員についても、質の担保を図る必要があるため、実務経験等の要件設定を希望いたしますという意見が出ております。以上です。

○田城座長 まず、北村構成員御自身が出席できるようにぎりぎりまで調整をしていただいたのですが、どうしても出席できないということが決まったのが直近ですので、このメモを用意して、今お配りするのがやっとというタイムスケジュールでしたので、事前に栗原委員にお渡しすることができなかったことに関しては、私からもおわび申し上げます。

 それから、特に音声に頼る方がいらっしゃる会議ですので、資料の読み上げはアナウンサーが必要とまでは言いませんが、やはり音声に頼る方がいらっしゃいますので、できればアナウンサーに準ずる方がいらっしゃったら用意していただければと個人的には思います。

 頂いた資料は、2つの部からなっております。1つは柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会の座長としての情報提供であり、柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会でどのような話をしているかということについて、御説明していただいております。(1)で総単位数や最低履修時間数についてです。柔整のほうでは見直しを97単位、最低履修時間数として結論からのみを改めて読み上げますけれども、見直しとして2,7502,825時間というような検討がなされているということです。

 臨床実習については、柔整では骨折等がありますので、医療機関、整形外科や救急、それからスポーツ施設、括弧書きとしては、スキー場等という骨折のいかにも起きそうな場所も含まれておりますし、機能訓練施設ということになります。

 それから、養成施設附属臨床実習施設以外の要件としては、専任の実習調整者を1名必要とか、5年以上の開業経験が必要、実習指導者としては、専任教員又は5年以上従事した後に臨床実習指導者講習会を修了した柔道整復師、過去1年間の平均受診者が30名以上の施設というようなことが、今、検討されて、これが実現する方向に向かっているということでしょうか。

(3)では専任教員について、専任教員の見直しが6名。専任教員の要件として、免許を取得してから5年以上実務に従事し教員講習会を修了した者。専任教員の定義としての見直し案としては、教員は1つの養成施設に限り専任教員となれる。専任教員は専ら養成施設における養成に従事するということです。

2番目、パート2としては、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会のメンバーとして、構成員としての御意見です。先ほど読み上げていただきましたが、改めてまた私が代読させていただきます。北村構成員のメモをそのまま、もう一回読みますが、総単位数、最低履修時間数については、あはき師の質の向上という目的のため、3部制などで行われている養成施設がなくなるような時間数を設定されることを希望いたします。

2つ目の丸として、臨床実習の質を確保するためにも、実習指導者の実務経験等の要件、臨床実習での教員内容や適切に行われたかの評価についても議論いただきたい。また、専任教員についても、質の担保を図る必要があるため、実務経験等の要件設定を希望いたします。以上のような御意見が記されております。栗原構成員、いかがでしょうか。

○栗原構成員 ありがとうございます。

○田城座長 よろしいですか。並行して2つのカリキュラム検討会が進んでおります。それぞれ委員がかぶっている方もいらっしゃいますので、柔道整復師と全く同じことをやる必要はないとは言え、お互いの良い所を取り入れながらいくとよろしいかと、座長としては考えております。

 それでは、これから議論に入りたいと思いますが、この時点で20分ほど進行表から遅れてはいるのですが、皆様の御意見を改めて聞き、それから北村先生の御意見は私も滑舌が良くなくアナウンサーというほどではありませんが、2回読み上げさせていただいております。大体それで皆さんの御意見はお互いによくお分かりだと思いますので、議論の時間は短くてもよろしいかと思います。

 皆様、各構成員からいろいろな御意見を頂きました。その中の幾つかは、先ほども言いましたが、法令係との協議も必要な部分もあり、全てを議論するのは、時間とここの検討会における権限を超える部分もあるかと思いますので、難しいと思います。必要な認定規則の改正などは事務局や法令係と整理させていただいて、次回以降にまた改めて事務局から案を出していただければと思います。

 今回は論点ごとに区切って進めようと思っています。実は3つですか、その他を入れると4つです。総単位数の引上げ、最低履修時間数の設定について、これを30分の予定でした。それから臨床実習施設の在り方について、これが20分の予定。専任教員の見直しについて、これが10分の予定で、その他として、新カリキュラムの施行と経過措置について、これを5分の予定になっておりますが、20分押していますので、その分どこかで削っていかなければいけません。

 まず、一番多くの時間を予定しております総単位数の引上げ、最低履修時間数の設定について議論したいと思います。参考資料1として、事務局資料と矢野構成員、藤井構成員からの提案資料の比較がありますので、それを御覧になってください。

 では、参考資料1A4横のものです。これは事務局から説明がありますか。

○医事課佐生医事専門官 簡単に説明させていただきます。まず、上のほうが事務局から前回提示させていただいたものになります。下のほうが矢野構成員、藤井構成員から提出があったものになります。1単位当たりの時間数がありますが、ここで1点違いがあります。実習の欄の1単位当たりの時間数が、事務局では40時間で設定しておりました。これに対して、矢野構成員、藤井構成員では30時間と設定されております。

 追加するカリキュラムとしては、右側の備考欄に書いてありますが、事務局では専門基礎分野において、保険の仕組み、職業倫理で1単位、30時間追加してはどうか。それから専門分野で、あはきの適応を必修化してはどうか。それから臨床実習を3単位、135時間追加してはどうかといった案でした。

 これに対し、矢野構成員、藤井構成員は、基礎分野においてコミュニケーションを必修化してはどうか。専門基礎分野の人体の構造と機能に、運動学を1単位30時間追加してはどうか。既存の部分を少し減らして、2単位、60時間を減らすという案になっております。専門基礎分野では、一番上ですが、東洋医学概論、経絡経穴の追加ということで、はりは2単位、60時間の追加、はり以外が1単位、30時間の追加となっております。

2つ目ですが、あはきの適応、臨床生理学、触察解剖を追加ということで、3単位のプラス90時間、その次が保険の仕組み、職業倫理ということで、15時間の追加となっております。実習にOSCEということで、1単位30時間の追加。臨床実習については事務局と同じように、3単位135時間の追加。総合領域で、あはき史を必修化してはどうかというような意見になっております。簡単ですが、以上です。

○田城座長 今日が第3回ですが、第1回、第2回の議論としましては、事務局の提案で保険の仕組みや職業倫理に関する講座を、1単位30時間。臨床実習は少なくとも4単位、その4単位の中に1つは臨地実習というか、先ほど柔整ではスキー場のような所も例として出ていましたし、在宅医療の場等々、医療機関で活躍するあん摩マッサージ指圧師、はり・きゅう師というところを1単位ということは、含めてトータル4単位というような議論が柱になっていて、単位数が97でしたか、最低履修時間は幅がありますので、その開きが3倍は広過ぎるのではないかという点が議論になってきたように理解しております。

 今回、矢野先生、藤井先生から中身と項目立てに踏み込んだ提案がなされております。私も先生方と同様、国家試験の出題委員なのですが、国家試験の内容や項目立て、国家試験ではブループリントと言っていたと思いますが、そこには踏み込むことになるのでしょうか。

○矢野構成員 現在、国家試験の場合は科目が指定されており、それをベースに試験問題が作られております。一方において教育の大綱化という中で、明確に解剖学が何単位ということではなくて、人体の構造と機能が何単位という形になっております。一応、両方の観点から現在の国家試験は、ベースになっているものを尊重しながらも、多少臨床に即した形の試験問題が出されていく傾向にあるようには思っております。

 出題基準については、今、指定されている授業科目に沿った形で出題基準が出ていますので、その基礎となっている法律が変わらない限りは、簡単に変えることができないという制約があろうかとは思いますが、やはり、国民のためにも施術者の質を担保するような国家試験としての内容に変えていくことが、これからの大きな流れになってくるのではなかろうかとは思っています。

 このカリキュラムを質向上ということで考えたのは、先ほど言ったように、これからの社会を捉えたときに、国民のニーズに合うような、そしてまた信頼が得られるような、安全性と安心のあはきを国民にどう提供できるのか、です。先ほども言われたように開業権がありますので、そういった意味で最初に書いたとおり、安全性を確保して、なおかつ、最低限のことがきちんとできる、あはき師養成を担保するカリキュラムにしなければならない。

現在、人体の構造と機能になっていますが、具体的には解剖学、生理学ということです。これまではずっと系統解剖、そして系統的な生理学ということでした。やはり、あはき師に必要な解剖とは何か、あはき師に必要な生理学とは何かといった観点で考えたときに、一部、臨床に非常に役立つ臨床生理学、あるいはまた、触察解剖というところを専門分野に移動したと同時に、東洋医学概論、経絡経穴概論、これらの科目は専門を培うものですので、より充実させるということで、教育課程全体を構成したということです。

 以上のことから、我々が提出した資料の3ページにありますように、改善案による資質向上ということで、専門基礎分野において運動学を追加する。これは超高齢社会というものを十分に見据えた上です。また、専門分野において臨床生理学、触察解剖、あはきの適応禁忌を追加し、専門である経絡経穴概論、東洋医学概論を増やすことによって臨床能力を向上させ、それらを臨床実習において展開することで、1つの大きな流れというものが、提案した教育課程の中で一応できるのではなかろうかと考えた次第です。

○田城座長 分かりました。2つありまして、例えば、人体の構造と機能という科目名の中で、先生方がおっしゃるような運動学に当たるものを、教科書を書き直してそれをきちんと教えるということは不可能なのかということと、先生方の御提案では、事務局の提案の保険の仕組み、職業倫理、1単位30時間が含まれていませんので、これは必要ないとお考えですか。

 それから、もう1個、これはかなり大きなことですが、専門基礎分野と専門分野の時間配分に踏み込まれています。専門基礎分野を削って、専門分野を大幅に増やされていることになっています。

3点になりました。くどいのですが、人体の構造と機能という項目立てで、教える中身、教科書を書き直すことで対応は不可能か。保険の仕組み、職業倫理はいらないという御意見と認識していいのか。専門基礎分野と専門分野、特に専門分野が増えるのですが、ほかの東洋医学概論や経絡経穴の先生方のコンセンサスを得られているのかについて簡潔に御説明ください。

○矢野構成員 まず、職業倫理は15時間加えております。事務局からは保険の仕組みと職業倫理、1単位30時間という当初の提案でした。でも現在の社会あはき学等の中では、既に保険の仕組みについては、かなり時間を割いて授業されていることを踏まえると、要求されている職業倫理の部分、15時間を1単位として加えてはどうかという提案で、職業倫理はいらないということではありません。

 それから当初、人体の構造と機能という所に臨床生理学あるいは触察解剖という内容を加えて、そのまま専門基礎分野をいじらずにということを考えていたのですが、将来的にいろいろな分野との単位互換性、いわゆる他の医療職との単位互換性を考えたときに、むしろ専門基礎分野の総単位数の枠組みをある程度減らしておいたほうが移行しやすいという御意見もあって臨床に入れ、より臨床と直結するようにと移動したということです。

○田城座長 その御意見というのは、どちらの御意見ですか。事務局ですか。

○坂本構成員 今のところは、私のほうからも少し意見を出していたものですが、現在、あはきのカリキュラムというのは、専門基礎分野がかなりボリュームが多いのです。他の医療職種と比べても、専門分野と専門基礎分野の配分が、かなり専門基礎に偏っております。むしろ今回のカリキュラムの改正は、十分な臨床能力を携えた、あはき師の養成に力点が置かれていると思われます。したがって、専門分野のほうのボリュームを増やすべきであると。

 また、直接臨床に関係のある基礎的な知識も専門分野の中で連続して教授するべきではないかという考え方をしていることであります。矢野先生に振っていた話を私のほうから答えるのは変な話ですが、もう少しだけよろしいですか。

○田城座長 皆さんの御意見を聞く場なので、矢野先生、藤井先生のみに質問しているわけではありません。皆さんの御意見を是非。

○坂本構成員 今、田城先生から、人体の構造と機能の中で、運動学に重きを置いたような教科書作りなどをできるのかどうかというお話ですが、現行でも実は、機能解剖学あるいは運動機能解剖学等は教授されております。かつ、より運動器に特化した基礎的な知識を解剖学あるいはそれに準じたようなテキスト作りというのは、現行のテキストに少し追加すれば十分に可能なものと考えております。十分に平成30年までにも間に合うのではないかと思っております。

○藤井構成員 今の人体の構造と機能の中に、運動学を1単位含めるという提案の趣旨ですが、今、坂本構成員からありましたように、現在の教科書にも運動学に関する記載はあります。ただ、総論の部分がないのです。ここで提案させていただいた趣旨というのは、系統的に運動学を学ぶ必要があるのだろうと。ですから総論の部分をきちんと教えなければ、やはり各論は各項目に散見されるわけですが、それではなかなか応用力あるいは臨床にそれを応用することは難しいということで、やはり系統的にきちんと教える必要があると。

 盲学校で使用している教科書には、運動学はかなり厚い一冊の本となってありますので、養成施設等においても、そういった系統的な解剖学を学ぶという授業が必要だろうという趣旨です。以上です。

○田城座長 専門分野を増やしていただくのは大変すばらしい、いいことだと思いますので、これは団体の皆様の自主的なことでよろしいと思うのですが、私も専門基礎分野の出題委員なのですね。人体の構造と機能で、既存授業削減、2単位60時間と書いてあるのですが、これはどこをどう削るのかということと、出題委員の方だけではないのですが、人体の構造を教えている教員側が、2単位分なくなるということですよね。それは大丈夫なのですか。

○矢野構成員 以前、人体の構造と機能を教えたことがあります。これは当初、時間数は、例えば解剖は210240時間程度だったのです。そうすると、この時間数をしっかりと解剖に当てるとしたら、余りにも細かくなり過ぎて、そういった弊害がそのまま、かつては国家試験にまで及んでいました。重要なことは、例えば理学療法にしても看護にしても、それぞれの職務をしっかりと理解し、発展させるに必要な解剖学、あるいはまた生理学というものが必要ではないかと思います。それが現在は、先ほども言ったように、全て系統解剖学であり、系統生理学になっているところに多少ひずみがあるので、一部を臨床生理学あるいは触察解剖ということに置き換え、病態の把握や手技につなげていったほうが、より資質向上につながるのではないかと考えました。

 なぜ、あはきだけが、解剖、生理、病理が非常に多いかというと、明治以降の名残りをずっと引きずってきているのです。古い話になりますが、当時、しん・きゅう・あん摩マッサージは、明治時代には廃止され、それが再び復活した中で、当時は解剖、生理、病理をしっかりと教えることを条件に許可された。それが戦後もずっと継続されてきた歴史があります。どこかでそういった点は見直す必要性があるのではないかと思います。今、臨床力を付けるために必要な内容は何かということで検討した結果、こういう提案をさせていただいたという次第です。

○田城座長 つい何年か前までと言いますか、大学で基礎の教員として教えた立場、それから医師としてもですが、人体の構造と機能というのはとても重要な、そこの理解がないと、人体の基本的な構造や機能、それから感染症、ウイルスに抗生剤を出せというような理解、ちょっと飛躍したあれですが、そういう基本的な知識があってこその応用とは思うので、やはりその辺は、釜萢先生に後ほど御意見を賜りたいと思います。医者としては、ここはないがしろにしてはいけないという、国立大学、私立大学で教員をしていましたので。確かに医学部は6年間ありますから、そこと比較というのは問題あるかとは思いますけれども。

 ただ、建設的な議論をしなければいけないので、まず事務局の提案と、矢野先生、藤井先生それから坂本先生も陰ながら御意見が入っているというような形ですが、共通しているのが、まず臨床実習を追加、3単位分を足してというところは共通認識ですから、これはOKということでよろしいですね。これはもうフィックスにしましょう。一つ一つ固めていかないといけないので、第3回のこの検討会において、臨床実習を3単位、時間数も共通していますので、確定しました。

 保険の仕組み、職業倫理について教えることはいいのですが、矢野先生、藤井先生の意見で専門分野に入っています。これは柔整のほうとも、やはり共通したほうがいいので、個人的ではありますが、公衆衛生を教えている立場からすると、やはりこれは専門基礎分野で、ほかの職種との互換性もあったほうがいいのではないか。つまり、確かに社会あん摩学や社会はり学、社会きゅう学という項目立てはよろしいとは思いますが、保険診療の仕組みや社会保障についてや、倫理というのは、あん摩マッサージ指圧師やはり師、きゅう師のみではないので、日本の保険制度は全ての職種に共通している部分ですので、それはできれば専門基礎のほうで事務局の提案のとおり、事務局の提案というのは実習と保険の仕組み、職業倫理等、専門分野では適用を必修化という、その3点だけですので、できればそちらに集約していただいて、それ以外に関しては、皆様方でよく話し合っていただければと、自主的なことでよろしいのではないかと整理したいと思います。まず釜萢先生、人体の構造と機能をどこからどこまでが共通で、医師ということも踏まえて御意見を頂けますか。

○釜萢構成員 本日の御議論を伺っていて、単位数を動かすと内容がどのぐらい、どう変わるのかというのが、ちょっと正直よく分からないところがあります。例えば現状において、これだけのことをここで、教科書でこれだけを教えていたと。その部分が総時間を減らすことによって、どのぐらい変わるのかというところが、ちょっと分からなかったのですが、その辺りをもう少し説明していただけますか。

○藤井構成員 人体の構造と機能でいいますと、実質、現行が13単位ですので、12という案は、1単位30時間分、減っているということです。まず、そこのところを確認していただきたいのです。

 今の釜萢先生の御質問ですが、今は13単位の中の半分、あるいは半分少しが解剖学ということで割かれております。その中には、運動学の内容も含まれています。先ほど言いましたように、実質13から12に減った1単位分は、触察解剖に係る部分、体表解剖に係る内容の部分、あるいは生理学と臨床とに関わって、人体の構造と機能で教えている部分を専門に移したということです。

○坂本構成員 よろしいでしょうか。今回、専門基礎分野の単位を削ってというような話があります。実際に、26単位が専門基礎で組まれていると思うのですね。これは、看護ですと21単位ぐらいしか組まれておりませんし、PT26です。しかも、実際の時間数で言いますと、1単位30時間で目一杯やっていますので、決して疎かにしているというような認識を持っていただきたくないのです。むしろ、解剖、生理、あるいは衛生学等については、他の医療専門職種に比べても多いのが現状です。その中で、より臨床に即した内容を専門科目に落としたほうがいいのではないかというのが、今回の矢野先生、藤井先生の御意見だと私は理解しております。

 決して、事務局提案がいけないと言っているわけではないのです。この辺りで整理していただいても構わないのですが、積算根拠としては、今、矢野先生と藤井先生がお示ししていただいたことで、私も十分理解できたなと感じているところですので、申し添えておきます。

○田城座長 分かりました。まず、3名の先生方から御発言がありました他の職種とのカリキュラムと比べて、あん摩マッサージ・はり・きゅう師は、専門基礎部分が、異常にとは言わないまでも多いという御指摘です。私も、全てのカリキュラムを把握しているわけではなく、医学部医学科と看護は私も教えているので分かるのですが、それ以外の職種のことは分かりませんので、ここのところは次回までか、次々回に、事務局、それから御提案側から、よその職種と比較する表を出していただけませんか。やはり、それを見ないと、すぐには理解できません。今、比較表は、事務局案と、矢野構成員、藤井構成員の資料の比較のみになっていますから、今、論点になっている所が把握できる表がないので、それを出していただければ納得できると思います。単位が減るというのは、解剖の出題委員は知っていますから、そのように思いました。

 それから、事務局案を確認させてください。まず、全てのメンバーで確認し、同意できたものとして、臨床実習を追加する3単位。それから、保険の仕組み、職業倫理、1単位30時間を、どちらかで追加するというのが、事務局案です。今、矢野構成員、藤井構成員からあった基礎や臨床、社会、それぞれの3学の組替えに関しては、止めるわけでもないわけです。中で自主的にやっていただくことは、将来的な検討事項として否定はしないということです。否定はしないけれども、検討はすると。それを、確認したいと思いますが。

 つまり、改めて言い直すと、事務局提案は保険の仕組み、職業倫理の1単位、30時間の追加、臨床実習の3単位、135時間の追加ですよね。それのみということで、よろしいですよね。それを、今年度のこの会で決めたとして、その後、矢野構成員、藤井構成員の提案されたようなことは、別途どちらかで検討することになるのか、それとも、それも一気にこの会で決めるということでしょうか。

○坂本構成員 よろしいでしょうか。今、備考欄に書いてある内容は、積算根拠であろうと私は思っています。追加すべき単位があるとすれば、こういうもので単位を増やすのだということだと思うのですね。それを分野ごとの内容の中に盛り込むのかどうかという話は、まだないと思うのですね。

○田城座長 はい、そうですね。

○坂本構成員 ですから、恐らく、こういったものを想定して単位がこのぐらい増えるということを、今、合意できればいいのだと思うのですが。

○田城座長 今、この場で中身にまで立ち入って決める必要はないということで、よろしいですよね。それは、双方の理解ですよね。単位数や時間数を考えていくときに、こういうことをずっとやると、これぐらいの時間数、単位数になりますよという資料として、これが出されているということで、よろしいですか。

○矢野構成員 田城先生が言われたように、専門基礎の保健医療福祉ですが、保険の仕組みはここで相当やっています。ただ、社会あはき学は、いろいろな分野でどのような形であはきを応用しながらやっていくかについて教授します。そうすると、現場と直結するということで、ここで職業倫理と一体化させたほうが、より実質化できるのではないかということで、職業倫理だけを切り離して15時間ということで提案しました。これについては、先ほど坂本先生が言われたように、大枠としてこういったことでいいのではないかと思います。私は、上(専門基礎)に移動しても構わないかとは思っていますが。

○後藤構成員 先ほどの提案で冒頭申し上げましたが、現在科目が明記されていないのですね。ここに運動学という科目や、保険の仕組みや職業倫理を科目として書くと、今と全然整合性がないのですよね。ですから、この人体の構造と機能の中で、運動学を1単位ぐらいは教授するべきだというような書き方をしていただくということで、理解していいのですか。

○矢野構成員 それは、例えばここ(認定規則)で明示するか、ガイドラインで明示するか、今、後藤構成員が言われたように、含むという形で表現するのか。また、ガイドラインの中でしっかりと明記するか、どちらが分かりやすいか、通りやすいか、しっかり伝わるかということかなと、個人的には思っています。

○藤井構成員 今、後藤先生からあったように、科目指定から内容指定になったわけですが、実際に国家試験の科目を定める省令に記載されている科目に引っ張られていると。そうすると、保険や運動学などは、当然何も書かなければ漏れてしまうわけです。ですから、省令で定められている科目以外でも、これとこれとこれは重要だということを、今回の会議で確認できたものは、何らかの形で、例えばガイドラインや指導要領となると、文科省所管の部分が落ちてしまいますから、やはり重要なところについては認定規則の備考欄に記載をすることが必要なのだろうと、基本的には思います。

 その上で、先ほど座長からありました保険、社会保障のことは、一般論としては、どこがなじむかというと、やはり専門基礎で教えるのがなじむのであろうと。他の職種との単位互換などを将来見据えたときには、やはり専門基礎で教えるのだろうと。しかし、あはきに特異的な療養費の扱い方の話、あるいは診療報酬でマッサージに関わるところは、専門の社会あはき学で学ぶのだろうと。ですから、そういう専門基礎の所で一般論を学習した上で、あはきに関わる部分は社会あはき学でやるのが、多分筋論なのだろうと思います。

○田城座長 それは、私が決めるわけではないのですが、一委員として私もそれはそのとおりだと思います。我が国で保険診療に携わる者、若しくは保険診療の享受を受けている者は、全て知っていなければいけない共通事項があり、これは職種を問わないので、なるべく専門基礎にして、他の職種と共通にすると。ただし、療養費などは個別性が高いですから、それは専門課程でじっくりと細かいことを教えることは全然構わないと思います。ですから、今の藤井先生、矢野先生の御意見は、保険の仕組み、職業倫理を追加。これも、科目名ではないのですよね。このことについて教えるような何かで、どういう科目名にするかは、実はこれから文言を考えなければいけませんし、柔整のほうとも照らし合わせなければいけません。後藤先生、保険の仕組み、職業倫理という科目名は、まだ決定はしていなかったと思いますが、こういう内容ですか。科目名は、これで決めていましたか。

○医事課佐生医事専門官 科目名ではなく、基準は基礎分野で何単位、専門基礎分野では人体の構造と機能ということで何単位というのが、認定規則で決まっております。その中に、保険の仕組みや職業倫理を追加していく中では、新たに項目として記載するのではなく、例えば矢野構成員、藤井構成員の案ですと、専門分野の社会あはき学が、今、2単位のところを、3単位と記載をすることになります。その上で、保険の仕組みを実際に教えてもらうということを担保するために、例えば備考欄にこういうことをきちんと教えてくださいという記載をすることで、今回追加することの教育を担保できればと思っております。

○田城座長 それは、矢野構成員、藤井構成員の資料に関して、そのように事務局が理解しているという意味ですね。そもそも、今回実習を3単位分、時間は30時間か45時間かを加える。それから、専門基礎分野で1単位30時間を加えるというのが、事務局の提案ですよね。そこで、1単位は、保険の仕組みや職業倫理について教えるものであるという理解でよろしいですか。

○医事課佐生医事専門官 はい。

○田城座長 それは、保険の仕組み、職業倫理という科目でもなく、とにかく、1単位30時間は増やしますと。そこで、そういうことについて教えてくださいという付記事項にするということのみの提案でよろしいのですか。

○医事課佐生医事専門官 そうです。

○坂本構成員 そのとおりだと思うのです。現在のあはき師の指導要領の別添にも、例えば保健医療福祉と、あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうの理念というところに、職業倫理について学ぶという教育目標が入っていて、これがいわゆる備考欄です。ただ、そこに、もう少し詳しく今の内容が入れば十分なのだと思うのですが。

○田城座長 わざわざ、1単位30時間を足さなくても、今の職業倫理をそれでカバーできるという意味ですよね。

○坂本構成員 いえ、そうではなくて、職業倫理と何とかというのは、矢野先生たちの案では、専門基礎科目の中ではなくて、専門分野のほうに入れているのです。

○田城座長 はい、それも理解しています。

○坂本構成員 そうですよね。

○田城座長 はい。

○坂本構成員 ですから、この専門分野の社会あはき学の備考欄に、こういうものが入ってくるという理解だと思うのですが。

○田城座長 もちろん、それも理解しています。私は、事務局提案について聞いているのです。要するに、事務局提案が落としどころで。では整理しますが、ここは確かに、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の学校養成施設のカリキュラムの改善を検討する場ですから、ここでいろいろな提案がなされて検討したということは、議事録として残るわけです。それで、この検討会で何を決めるかというような落としどころを、今、探っています。例えば、矢野構成員や藤井構成員の提出された表を、そっくりそのまま受け入れて決めるところまでやるべきなのか。事務局の提案は非常にシンプルですよね。1単位30時間、専門基礎科目に加える実習を3単位追加するのみですので、取りあえずこれで合意事項にしておくということでは、不十分というお考えでしょうか。

○栗原構成員 事務局が提案されている内容で言うと、実技を40時間で計算することによって、最低履修時間を2,370時間なり、2,700数十時間なり、2,900何十時間として計算しているわけです。実習を40時間にすることではなくて、もう少し内容を検討し、その時間数を事務局が提案している内容に近い形にしていくのが、矢野先生や藤井先生が出された案だと理解しています。ですので、単に実習を40時間にするという時間合わせの結果、2千何百時間というのを出していくのではなくて、内容を検討した上で、一定の最低履修時間数を検討するという方向性が望ましいのではないかと、私は考えているのですが。

○田城座長 分かりました。最低履修時間数の積算根拠として、参考としてこのような提案をされたという理解でよろしいですか。

○矢野構成員 総単位数と時間数の積算として、何をどうしたのかという内容が分かるような形で提案させていただきました。第2回目のときに、後藤先生から、先に単位数、時間数ありきではなくて、内容を吟味した上でということで、それに分かりやすいような形で提案させていただきました。

○後藤構成員 確認なのですが、科目の明示は指導要領のどこにもないのです。国家試験科目に、解剖学、生理学、病理学と書いてあるのです。今、財団で国家試験の在り方の検討委員会が始まります。柔道整復は、もう終わりました。方向性をどのように出していくのかは分かりませんが、例えばPTOTは、人体の構造と機能という言葉のとおり、試験科目が決まっているのですね。ですから、その中で一体、解剖や生理がどのぐらいなのかというのも、試験委員会の中で話し合って、その科目の比率が決まっていくのだろうと思うのです。今は、そうではないので、そこへ科目が入ったら非常に混乱しますので、これは備考以外あり得ないと思います。先生方がおっしゃっている意味は、ものすごくよく分かります。しかし、現実の形でいくと、これは備考に書くべきだと思いますし、論点は保険の仕組み、職業倫理を専門基礎なのか、専門なのか、ここだけ決めていただきたいと思うのです。

○田城座長 私も、そう思います。最低履修時間と単位が連動はしているのですが、まず単位から皆さんの統一した御意見を頂きたいと思います。今、後藤先生がおっしゃったように、できれば事務局提案のとおり、専門基礎科目で、1単位30時間を追加する。それから、先ほど皆さん合意できていますが、臨床実習を3単位。合わせて、4単位を追加することに関して、この検討会で決定するということに関しての異論はありますか。

 では、4単位追加するということで、よろしいですか。

○栗原構成員 4単位は追加するということですよね。

○田城座長 そうです。

○栗原構成員 ほかの単位数をどうするかは、これからですよね。

○田城座長 それ以外は決めません。というか、合意事項として4単位です。専門基礎分野で、1単位30時間。それから、専門分野で臨床実習3単位を追加することを決定するということで、よろしいですか。これも、第3回の本会議で。

○坂本構成員 すみません、今、専門基礎で1単位と言われましたか。

○田城座長 そこのところがまだ、後藤先生の提案のところです。ただ、専門基礎で、保険の仕組み、職業倫理等を1単位、30時間追加しても、矢野先生や藤井先生の御提案の、社会あん摩マッサージ指圧師学、社会はり学、社会きゅう師学で、非常に細かな、現実的な療養費について教えることを阻むものではないわけですから、それは御提案を阻害しているものではないと思うのですが。そういう御理解ではいかがでしょうか。

○藤井構成員 確認です。2000年に大綱化になったときに、科目指定、科目という欄がなくなり、内容指定、内容欄になったのです。ですから、科目という概念は、今のこの議論ではもう捨てたほうがいいと思うのです。どういう内容でやるのかということなのです。そこで、今の件に関してだけ言います。保険の仕組みは専門基礎でいいのでしょうが、職業となると専門のほうがいいというイメージがあるので。

○田城座長 それは、そうですね。

○藤井構成員 そこは、後で考えるとして、先ほど座長がおっしゃったように、社会保障や保険の一般論は、専門基礎でやると。あはきに関する職業倫理も含めた保険の内容等については、専門でやるという意味合いが合意できればいいのではないですか。

○田城座長 今の藤井先生の御提案に、私は合意いたします。皆様、よろしいでしょうか。

○栗原構成員 私も、今、藤井先生がおっしゃったとおりでよろしいと思います。田城先生は、最初からそのようにおっしゃっていると思います。その場合に、今までも、あはき社会学という科目があるわけですから、1単位をどこに増やすかということについて言えば、より詳しく共通の保険の仕組みなどをやりなさいということですので、その辺りは専門基礎で増やしていただいて、あとは今までどおりにすればよいかなと思いますが。

○仲野構成員 今の部分はいいのですが、大きな所でお聞きします。大綱で見直しになるときに、文科省は、例えば私どもの職域に関して、新しい大学制度の中で、専門職大学院などはあるのでしょうが、それに関してはどのようにお考えになるのですか。これを取り込んでもすっと行けますか。今のような単位で移行できますか。というのは、柔道整復師は、今、85単位を97単位にしようとしているわけです。それと比較すると、今までの議論は、混乱させるわけではないのですが、上げることは必要なのではないかと思うわけです。私は、その文科省の見解を知りたいのです。分かりますか。大きく、職能大学を考えられていますよね。

○文部科学省医学教育課前島課長補佐 そちらについては、この間、中央教育審議会の答申が出まして、それに沿って具体的に、今、検討が進んでおります。職能の関係は、今の段階では御説明できません。

○仲野構成員 例えば、検討されている資料の中にも、柔道整復師、鍼灸師の資格のことについては、入っていないですよね。

○文部科学省医学教育課前島課長補佐 そうですね。どういった職域が合う、合わないというところも含めて、今、検討中です。

○仲野構成員 実は、これにも加わっていないのです。調べました。私はそれを、すごく心配しているのです。もし移行しようとするときには、こんなことをしていていいのですか。

○坂本構成員 今はその議論ではないかもしれませんが、基本的には単位の積み上げですので、文科省の大学の設置基準上は専門職大学も一緒だと思いますが、124単位以上が4年制大学です。4で割ると1学年31単位相当です。ですから、例えば、この専門学校の3年課程というと、93いけば専門職大学の3年生までが終わる状況になるのです。全く問題ないと思います。それと時間数のことを言えば、今は4年制大学、いろいろな大学がありますが、124単位でやられているような大学、あはきの大学もそうですが、そういう所の時間数の3学年までの時間数よりも圧倒的に多い時間が、今、提示されておりますので、それも御理解いただきたいと思います。

○仲野構成員 はい、分かりました。

○田城座長 大学の教員としても専門職大学の、でもこれは、今、検討中ということで、それが出ているだけで決定されているわけでもないということですかね。

○仲野構成員 もう一度申し上げますが、柔道整復師の仲間が、85単位から97単位にしたいということを、今、進められているようです。これは北村先生の答弁書ですが、これにもかかわらず、私どもは今の状態でいいのでしょうか。そういうことについて少し心配です。

○田城座長 要するに、柔道整復師のほうが9単位ぐらいでしょうか、859710単位上がっているのに、こちらが4単位増やすだけで十分かという趣旨ですか。

○仲野構成員 はい。

○田城座長 分かりました。すみません。私の不手際でもう時間なのですが、まず、総単位数の引上げ、最低履修時間数の設定についての議論です。これは2つ同時にやっているとなかなか進まないのですが、総単位数の引上げで4単位、実習3単位と座学1単位の引上げというところは合意ということでよろしいですか。よろしいですね。

 最低履修時間数は、なかなか議論が尽きないと思うので、これは一旦、これ以上議論しないで、次回にもう一回詰めたいと思います。

○栗原構成員 先生、事務局提案は4単位の増を提案しているのですが、矢野先生、藤井先生案は、基本的に7単位の増を提案しているわけですよね。あ摩師が85単位の8単位増、はり師・きゅう師が94単位の8単位増、あはき師が100単位ということを提案しております。4単位だけにするのか、事務局が提案している4単位は取りあえず認めて、プラスアルファーを考えるのかということだと思うのです。私はこれまでの議論を踏まえていけば、単位数としては、矢野先生、藤井先生が提案されている単位数、8594100単位を支持したいと思っております。

○坂本構成員 私も矢野先生と藤井先生の案を御支持いたします。

○田城座長 よく分かりました。一つ一つを積み上げていくので、仲野先生の御意見もそういうことですよね。では、あはきを100単位にする内容がここの備考欄にあり、専門分野も増やすということですか。社会保障や保険の仕組みについての1単位と、臨床実習の3単位は、共通というか、矢野、藤井案には包含されていて、さらに4単位多いということですか。

○坂本構成員 そうですね。

○田城座長 どちらの手順でいきますか。取りあえず事務局の提案する4単位分を増やすということについては、まずは異論がないということですか。

○坂本構成員 そうですね。

○田城座長 ということですね。ここは同意を得られていて、そこでとどめるか、さらに専門分野等で4単位上積みして、あはきで計100単位にして、それ以外の組合せだと傾斜配分にするという単位数の増加で、今のところ矢野・藤井案に対して賛成されているのが。

○栗原構成員 私は賛成しています。

○坂本構成員 全員ですね。

○田城座長 今、釜萢先生と北村先生はいらっしゃいませんが、それ以外の方は全員、矢野、藤井提案に賛成で、100単位にするということでよろしいということですか。事務局としては、多分、北村先生、釜萢先生も医者としての立場で、皆様が自主的に、さらに事務局提案よりもより長い時間に同意していただけるということは、我々としても異論があるわけではないと思いますので。

○後藤構成員 最終的には、その保険の仕組みと職業倫理を、専門基礎に入れるのか専門に入れるのかですよね。これは柔整師と並ぶのだと事務局が考えるのならば、それはそれに従う以外ないと思います。それを30時間やるべきか、15時間でいいのかということも議論の中にあります。申し上げたいのは、先ほど申し上げた国家試験の在り方を、今、これから検討しようというときに、専門基礎と専門の比率が、どうしても今の国家試験は専門基礎に偏っております。というのは、解剖学、生理学と明示されているので、昔の時間数に合わせて出題数が決まっていてすごく偏りがあるので、その点の専門基礎がPT26、看護21、あはき28というのは、少し多いということを心配しております。むしろ専門をやったほうがいいのではないかと。でも柔整と並べるというのならば仕方がないでしょう。

○田城座長 分かりました。その点は理解いたしました。まず、合意できるところからステップバイステップで。社会保障や保険の仕組みについて専門基礎分野でやるということが、専門分野で改めてそれを教えるということを阻むものではないということであれば、まず、一旦ここに追加するということは異論ないですか。ここに置いたからといって、専門分野でまた教えてはいけないというわけではありませんので。よろしいですか。ということで、後藤先生もそれでよろしいですか。藤井先生も矢野先生も、専門基礎で、1単位30時間を足すということには、異論はないということですので、よろしいですか。

 分かりました。この辺、100単位という提案がありますので、この点は、次回改めて、もう一度確定としたいと思います。もう5分過ぎているのですが、臨床実習施設の在り方については、余り皆さんで異論はないと理解しております。資料2の。

○栗原構成員 時間が過ぎているところで恐縮ですが、今の藤井先生と矢野先生が提案されたところで一言だけいいでしょうか。あはきカリキュラム改善に向けての基本的な考え方と付帯事項という所の、3)の付帯事項の4の18条の2に関する所ですが、あはき教育の質の向上と重度視覚障害者の福祉の増進を図る観点から、同規定の在り方についても医道審議会で検討されることが望ましいということについてです。このカリキュラム改善検討会では、単位数や最低履修時間数、科目の内容等について検討するということで、あはき法のことについては検討の範囲を越えておりますので、こういう意見があるということについては承知しており、その意見を否定するものではありませんが、この委員会として付帯事項として確定するということについては、望ましくないと考えておりますので、その辺りも含めて基本的な考え方、付帯事項については改めて確認していただければと思います。

○藤井構成員 少し説明が足りなかったと思います。そこにも書いてありますように、今、我々が検討している、あはき教育のカリキュラムということを検討する過程で、中卒課程の、特にあん摩の課程の特質、つまり、あん摩の受験資格の認定と高校卒業の認定という2つの要件の満たす単位数にしなければならないということから、中卒課程の要件を考慮に入れてあん摩の単位を決定していくという手順で、今まで行われてきました。特にその中でも、10単位もある総合領域は、18条の2の学校の存立を考慮した上での所産なのです。

 したがって、このカリキュラムを検討する場合には、ここのところは根っこの所で不可分の関係になっている。全く関係がありませんからと栗原委員が言われましたが、それは全く認識が違っていて、カリキュラムを検討するときの根っこに18条の2が存在しているのだというところは、やはり認識を共有しなければいけないという趣旨です。

 ですから、なくす、なくさないということは、ここの会議の話ではありません。正に、ここに書いてあるように最終的には医道審議会のところです。ですが、この在り方をですね、視覚障害者の福祉の増進をどのように担保していくかという観点からの見直しは、どこかでやる必要がある。今回のことが議事録にも書かれていないと、その議論する足場さえなくなるので、あえてここで出させていただいたということです。

○栗原構成員 藤井先生がおっしゃっていることについては、よく理解しておりますが、議事録にこういう議論があったということを残していただくことは結構だと思いますが、付帯事項として、この会議の確認事項とされることについては異論があります。

○藤井構成員 別にこだわりません。議事録にこういう意見があったということでよろしいのではないですか。

○田城座長 よろしいですか。それ以上でもそれ以下でもないということで、分かりました。では、時間が過ぎているのですが、次に臨床実習の在り方の臨床実習施設等について手短に確認したいと思います。一番最初に説明いただいた資料216ページの6-1、臨床実習施設等についてと、その次のページの6-2の臨床実習の在り方で、附属臨床実習施設以外における臨床実習について、皆さんの御意見でほぼ同意だと思いますが。

○坂本構成員 1つだけです。17ページの(2)の4です。過去1年間の施術日の平均受診者数が30名以上であることというのは、あはきの施設としては考えにくいところです。

○田城座長 数が多すぎるということですか。

○坂本構成員 そういうことです。

○田城座長 お一人にかける施術時間を考えると、これは複数の施術者がいないと、こなせない人数ですか。お一人ではとても無理ですか。

○坂本構成員 もちろんそうです。大体、1人当たり、はり、きゅうの施術というと30分~1時間ぐらい掛かります。

○田城座長 私もそう思います。

○仲野構成員 御指摘のとおりです。申し上げようと思っていたところですので、よろしくお願いします。難しい判断ですね、これが難しいのです。例えば、1時間かけて診ている人もいれば、1日に10人しか診ない人もいるし、5人しかいないかもしれない。優秀な人ですが、そういう人がおりますので一概には言えないのですが。5人とすればたくさん実習施設が出てくるし、10人とすれば少し制限されるというところではないでしょうか。

○田城座長 ほかの御意見はいかがですか。今だと、まず10でということですか。ここの所は持ち越しにいたしましょう。30人というと、普通の医者の内科の診療所でも、これぐらいの所は結構あります。100人来ると大変なのですが、やはりお一人に、施術を受けたことがあるわけではないのですが、やはり30分とかだと30人というと、少しお一人ではということに。事務局から30人ということについて何か説明はありますか。

○医事課佐生医事専門官 30人については、柔整で議論されたのが30ということで、その数字を置きました。

○田城座長 柔整の施術と全く同じでいいかということは議論のあるところです。取りあえず、この30人は柔整が30だからそれを横に持ってきたということでしたよね。先生方は、そういうことは現状と違うと、10人では厳しいという意見のほうが多いとお見受けいたしました。5人だと、今度、数が多くなるのでクオリティーコントロールが心配。

○後藤構成員 クオリティーの確保は、ここではないと思います。指導者とか目標をきちんと立てるとか研修を受けてもらうとか、そういうことでクオリティーの担保はできます。患者を何人やっているかは関係ないと思います。保険ではないので、ほとんどは自由診療ですから、どれだけ密の濃い実習をしているのかと、私はそう思っているし、これは、よほどきちんと決めていただかないと、決まったけれども実際に開業している人たちが協力してくれるのかどうかという担保がないのです。

 なので、臨床実習施設として学生の臨床実習を引き受ける人に対して、厚生労働省から臨床実習施設だと言える何らかの免状みたいなものが出るか、あるいは臨床実習指導者として認定されるという仕組みを何か作らないと、これを決めただけでは動かないと思います。保険でやっておらず自由診療なので、患者さんの了解を得ることがとても困難だと私は思います。

○田城座長 それはそう思います。臨床実習に協力する所ですと、施術を受ける方の同意というハードルがあるということです。ただ、対外的にと言いますか、後藤先生のおっしゃることはごもっともで、そのとおりだと思うのです。全くこういう業界を知らない外の他者の人間に対する言い訳ではありませんが、ある程度の数字を示すということは数字ありきではないかという御批判はあるのですが、対外的に、例えば、お医者さんなら分かっていただけますが、論文のときにサイテーションインデックスとかインパクトファクターという数字に頼らざるを得ないということは医者の世界はそうなので、そういう点では坂本先生や後藤先生にも御理解いただけるところだと思います。

 以上であるということではなくて、例えば、5名以上や7名以上が望ましいという絶対的な基準ではなく、ガイドラインでいいのかな、ルールではなく、望ましいという文言が可能なのかどうかということも、事務局と法令と。後藤先生、皆さん、例えば、望ましいではいかがですか。

○仲野構成員 いいです。

○矢野構成員 何人なのですか。

○仲野構成員 できるだけ協力しようと思えば少ないほうが楽なのですが、望ましいということにしていただければ、7人でもいいのではないのですか。社会的に納得させる意味では、5人だといささか少ないかもしれません。

○田城座長 あと励みにもなると思います。でなければいけないということは私もよくないと思いますが、ある程度これぐらいということは、ほかの人たちからもそのように見られてるという数字を示すことにはなるのです。いかがでしょうか。

○坂本構成員 この人数は、実際、臨床実習に行ったときに何人の患者を診ることができるのかという話だと思います。

○田城座長 そうなのですか。

○坂本構成員 ええ。平均受診者数の話でしょう。

○後藤構成員 施設にいる患者をやっている所だけです。

○坂本構成員 ですから臨床実習に行ったときに、その施設に患者さんがいなかったら駄目だという話ですか。

○田城座長 そうですね。

○坂本構成員 1日に5人も患者を診ることができたら、十分、臨床実習としてはこなしていると思います。ですから、これが30名なんて、とても、診きれません。

○田城座長 そうですね。

○藤井構成員 私、施術所の調査を行ったわけですが、柔整と違って、あん摩、はり、きゅうの施術所は1人で経営している人が85%ぐらいです。したがって1人で経営している所に、1日平均10人も来るということは非常に少ないわけで、35人診ることができればいいのではないのかと個人的には思います。中央値を取ると現実として35人ぐらいだと思います。

○田城座長 坂本先生はいかがですか。

○坂本構成員 35人がいいのかどうか分かりませんが、とにかく無理のない人数以上ということでよろしいのではないかと思います。

○田城座長 分かりました。一番は実習を受ける学生さん、さらにその方がめでたく免許を頂いたときに施術を受ける患者さんに一番恩恵があるということが重要ですから、そこが担保でき、なおかつ実習施設に誰も協力していただけないということも困ったものです。そういうことでよろしいですか、後藤先生、坂本先生。

 では、もう時間なので、合意事項だけは決めていきたいと思いますので、16ページの臨床実習施設として、養成施設附属臨床実習施設及び施術所とするということはよろしいですか。

 次にこれは臨床実習で、後藤先生、坂本先生の御提案だったと思います。医療機関、スポーツ施設、介護老人保健施設、ここに「等」を入れたほうがいいかと思いますが、1単位を超えない範囲で認めてはどうか、これはいかがですか。4単位のうち1単位は医療の現場です。今、非常に需要の多い介護老人保健施設、これはデイケア、デイサービスもあるので、「等」を入れたほうがいいと思います。スポーツ施設、医療機関、1単位だけよろしいでしょうか。

○矢野構成員 「等」を入れたほうがいい。

○田城座長 これは今の修正事項を加えてOKということにしましょう。6-2の所で養成施術所附属臨床実習施設以外における臨床実習の要件の所で、(1)OKですか。栗原先生には申し訳ありませんが、読み上げません。

○栗原構成員 はい。

○田城座長 (2)の1~3もOKでよろしいですか。あはき師臨床実習指導者講習会(仮称)を作り16時間の講習会ということはよろしいでしょうか。5~7の臨床実習の実施に際して必要な施設及び設備を利用することができること、行政処分を受けていないこと、これは過去何年というのは、なしで、今現在は停止ではないということでよろしいですか。今、受けていなければいいということですね。過去5年以内に受けたことがあるというものは廃除しない。

 では、臨床実習施設の在り方についての(2)の4の1年間の施術日の平均が30名ということについては、柔整をスライドさせるのは荒唐無稽というか、これは再検討して、次回以降に改めて提案していただき、それ以外に関しては特に異論はないということでよろしいでしょうか。ここも確定ということにいたしましょう。

○筒井構成員 1つだけ確認です。今の要件と単位数にも絡むところなのですが、結局、現状こういう要件に合った施設がどれだけあるのかというのは教育現場にいる人間としては非常に気になるところです。そこを踏まえた上での単位数、臨床実習3単位プラスということだったと思うのですが、実際に蓋を開けてみて、それを確保できないということになってしまうことを非常に危惧しております。

○坂本構成員 これは、養成施設以外でやらなければいけないという話ではないと思います。

○田城座長 も、使えるというですね。

○筒井構成員 あはき師の資質向上という大義名分があるわけで、そのためにはここを広げた上でということが多分、前提だと思うのです。養成施設の中だけでプラス3単位というのは、それで資質向上といのは非常に厳しいというところで始まっている議論だと思いますが。

○田城座長 仲野先生、どうぞ。

○仲野構成員 これは、ほかの文章を読んでくると分かりますが、例えば、養成施設をサテライトのように幾つかほかへ設けてもいいということでしょう。ですから、力のあるしっかり教育されている所については、もちろん、そういうシステムでも構わないと思っています。ですから、そんなに苦労しなくてもいけるのではないかと思っております。ただ、田舎の県で、もし学校があって受けるとなると、少し難しいのではないかと思わないでもないのですが、大体できるのではないでしょうか。

○田城座長 筒井先生の御懸念は3単位分増やしたとして、それを附属実習施設以外の所に広げるのですが、そこはとても応じ切れないという御懸念があるということでよろしいですか。ただ、それは工夫次第で大体のことは大丈夫という御意見のようにお見受けいたしますが、いかがでしょうか。

○医事課佐藤課長補佐 今の筒井構成員の御懸念も事務局では理解しておりますので、次回に、ある程度要件を絞った形で、どの程度の施術所が受入可能かという資料をこちらで用意いたしますので、そちらを御覧になっていただいて、また御議論いただければと思います。

○田城座長 ほかに何かございますか。

○仲野構成員 次の機会までに資料を集めることができますか。

○医事課佐藤課長補佐 努力させていただきます。

○仲野構成員 努力目標は私どもに来るわけですね。多分、業界のほうへ。

○田城座長 すみません。私の不手際で25分超過しましたが、頑張っただけあって幾つかの合意事項はありました。少なくとも座学1単位分を、取りあえず専門基礎で1単位増やすということと、実習を増やして合わせて4単位にする。そのうちの1単位は、医療施設や老人保健施設等の臨場と言いますか見学でもいいということと、実習施設についても1年間1日の平均が30ということ以外は同意ということでよろしいでしょうか。

 藤井先生、矢野先生から提案の、増やして100単位にするということは全員の了解を得ているということなので、改めて事務局提案に準じたあのような書き方、若しくは、北村先生が柔整の書き方をされているので、少しこれに準じて再提案していただくとよろしいかと思います。増やして100にするということを同意できたということは非常に望外の喜びと思います。

○後藤構成員 確認です。100時間で、ここに書いてある2,835というのも一緒なのですか。100時間で、それに合わせて、これからものすごい数になったら100時間を検討しなければいけません。それは無茶苦茶な話になりますから。そのように考えていいのですよね。矢野構成員、藤井構成員と坂本構成員との間で話をして、単位数と時間数についてはフィックスしたと伺っております。

○矢野構成員 合意したものを厚労省に送付しました。

○後藤構成員 そうですよね。だから、それを前提にお進めいただかないと話がひっくり返ってしまいますから、えらいことだと思います。確認です。

○田城座長 矢野先生、藤井先生、資料3が分かりにくいと言うと語弊があるのですが、北村先生のメモのような書き方を参考にしていただいて、分かりやすくしていただければと思います。それでよろしいですか、後藤先生、坂本先生。

○矢野構成員 はい。座長の指示に従って提出します。

○田城座長 いいえ、私は指示する立場ではございません。

○矢野構成員 事務局とも、分かりやすい形の資料ということで、確認した上で再提案させていただくという形で進めます。

○田城座長 事務局ともね、シンプルに分かりやすく。

○矢野構成員 今日で枠組みが決まりましたので、できるだけ分かりやすい形で再提出いたします。

○田城座長 それでは、本日の議事は終了とします。次の日程等も含めて、事務局から説明をお願いします。

○医事課佐生医事専門官 次回の日程等については、改めて構成員の皆様に連絡いたします。事務局からは以上です。

○田城座長 私の手帳には78()となっておりますが、これは確定ではないのですか。

○医事課佐生医事専門官 その予定でおりますが、また改めて日程は連絡したいと思います。

○矢野構成員 時間は何時ですか。

○田城座長 そこは、まだですか。私の予定では15時からになっております。多分、それも変わらないと確信しております。よろしいですか。すみません、30分も遅れましたが、実りの多い会だったと思います。第3回あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会を終了いたします。どうもありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局医事課医事係
(代表) 03(5253)1111(内線2568)
(直通) 03(3595)2196

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