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2016年5月26日 第95回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成28年5月26日(木)15:00〜17:01


○場所

TKPガーデンシティ永田町 ホール2A


○議題

1.最近の医療費の動向について
2.高齢者医療の現状等について
3.「子どもの医療制度の在り方等に関する検討会」議論の取りまとめについて

○議事

○遠藤部会長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第95回「医療保険部会」を開催したいと思います。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

 まず、議論に先立ちまして、本日の委員の出欠状況について申し上げます。

 本日は、岡崎委員、川尻委員、福田委員、望月委員、渡邊委員より御欠席の御連絡をいただいております。

 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りしたいと思います。

 岡崎委員の代理として、村岡参考人、福田委員の代理として、山本参考人の出席につき、御承認をいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

 

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、議事に移らせていただきます。

 本日は「最近の医療費の動向について」「高齢者医療の現状等について」「「子どもの医療制度の在り方等に関する検討会」議論の取りまとめについて」の3点を議題としたいと思います。

 初めに「最近の医療費の動向について」を議題といたします。

 それでは、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○秋田課長

 調査課長でございます。

 資料1−1、資料1−2につきまして、私から御説明をさせていただきます。

 まず、資料1−1「最近の医療費の動向について」をごらんください。こちらの資料でございますけれども、医療費につきましては、医療機関からの診療報酬の請求に基づきまして、医療保険、公費負担医療分の医療費を推計しているということでございまして、国民医療費という統計は別に出てございますが、こちらは速報値という形で、いわゆる労災の医療費であるとか自賠責といったような費用を含めないということでございますので、概算医療費と呼んでいるものでございます。国民医療費の大体98%を占めるものになってございます。既に平成26年分までにつきましては当部会でも御説明をさせていただいているところでございますけれども、今回は直近の動向です。2711月分まで公表してございますので、そちらも含めまして御説明をさせていただきたいと思います。

 おめくりいただきまして、1ページでございます。「医療費の動向について」ということでございまして、下の表に最近の医療費の伸び、上の段に医療費と、下の段に受診延べ日数の伸びということでまとめてございます。一番下に調剤がございまして、医療費と受診延べ日数と書いてございますが、この受診延べ日数については処方箋枚数とお考えいただければと思います。毎年度の伸び率と、平成27年につきましては4月から11月につきまして毎月分の伸び率ということでお示しをしているものでございます。

 まず、一番上の段の医療費の伸び率ということでごらんいただきますと、平成23年は3.1%という伸び率だったのですけれども、その後、1.72.21.8ということで、平成24年から26年の3年間は比較的低い伸びだったということでございます。27年につきましては再び上昇ということでございまして、4月から11月分までで見ますと対前年の伸び率で3.1%となってございます。右のほうに月別の伸び率がございますが、9月、10月、11月と伸びが高くなっているという状況でございます。

 内訳をごらんいただきますと、まず、平成27年4月から11月ということでまとめて見ていただきますと、全体が3.1%の医療費の伸びでございますが、それに比べまして入院が1.6%、入院外が2.5%、歯科が1.2%、調剤が8.2%ということで、調剤医療費の伸び率と、入院外の伸び率が従前に比べて高くなっているという状況でございます。月別でごらんいただきますと、やはり後半のほうに高くなっているという傾向がございます。

 この医療費の伸びについては、4ページにもう少し詳しいデータが出てございますが、この4ページのデータにつきましては、下段に休日等の影響を補正した伸び率というのがございます。月別の医療費の場合は、土曜日とか日曜日の影響がかなり大きく出てございますので、一定の試算でこういう数字が出てきているのですけれども、こういうものもお示しをしておりますので、あわせてごらんいただければと思います。

 今、調剤医療費の伸びが高いということをご説明したわけですが、では、その調剤医療費の中身がどうなっているかということでございます。2ページをごらんください。こちらは、調剤医療費のうち薬剤料につきまして、特に大半を占める内服薬の状況を見たものでございます。上の表は、内服薬の処方箋1枚当たりの薬剤料でございまして、まず処方箋1枚当たりの薬剤料の伸びを一番上にお示しいたしまして、その次に、それを3要素に分解いたしました。1枚当たりの薬剤種類数、1種類当たりの投薬日数、1種類1日当たりの薬剤料、それぞれの伸び率という形でお示しをしているものでございます。

 ごらんいただきますと、この3要素で分解したときに、1枚当たりの薬剤種類数はやや減少、微減ということでございますが、一方、投薬日数のほうは長期投薬の進展ということもございまして、少しずつ伸びている状況がございます。1日当たり薬剤料をごらんいただきますと、27年については、この伸びが非常に高くなっている状況でございます。

 そこで、その薬剤料につきまして、さらにどんなところが伸びているのだろうということでお示ししているのが下の段の図でございまして、こちらは各年度の内服薬の調剤医療費におけます総額ということで、単位は億円になってございます。上が実数で、下が同期差ということでございますので、前年度の同月に比べましてどのぐらいの伸びがあったかを金額でお示ししているということでございます。

 ここに出しております糖尿病用剤、その他腫瘍用薬とか抗ウイルス剤、これらが目立って伸びていたということでございまして、特に抗ウイルス剤の伸びが高かったということでございます。平成27年度で見ていただきますと、この下の段の対前年の同期差ということで、内服薬全体で2,859億円ふえていたということでございましたが、そのうち抗ウイルス剤が1,305億円ということでございます。一番右側に11月の状況がございますが、11月の状況で見ますと対前年で577億円ふえているのですが、そのうち348億円が抗ウイルス剤というような形の伸びになってございます。

 もう一つは後発医薬品の割合の推移ということで、3ページにお示ししてございます。こちらは新指標ということでお示しをするようになってからのデータを並べてございますけれども、当初、25年4月には46.5%ということでございましたが、2711月、直近の数字では60.3%まで後発医薬品の割合がふえているということでございます。

 4ページ以降につきましては、詳しく御説明いたしませんが、参考にごらんいただければと思います。

 続きまして、資料1−2「医療費の伸びの構造について」ということでございます。これは最近いろいろなところで議論されているわけでございますけれども、経済財政諮問会議の下でも経済・財政一体改革推進会議、特に社会保障ワーキングの中で、人口の要因とか診療報酬改定など、わかっている部分の影響を除いたその他の医療費の伸びの原因がよくわからないのではないかということで議論に上っておりますので、そういったところで御紹介をした資料を中心に御紹介をさしあげたいということでまとめた資料でございます。

 まず最初の資料は、1ページ「医療費の動向」ということでございまして、これはよくお示ししている資料でございますけれども、平成26年、2014年でございますが、実績見込みで40.8兆円ということで、このうち後期高齢者の医療費が14.5兆円ということでございます。

 次のページでございますけれども、2ページに「医療費の伸び率の要因分解」ということでございます。先ほど24年から26年については伸び率がさほど高くないということで御説明申し上げましたけれども、その内訳で見てまいりますと、人口増の影響とか高齢化の影響、今の診療報酬改定の影響といったものがあるのですが、それらを除きまして、その他です。一番下から2番目の段でございますけれども、こちらの動きを見ていただきますと、23年ごろまでは、特に平成20年以降は2%程度のその他の伸びがあったのですが、24年度からは1%内外ということで、かなり低い伸びであったという状況でございます。

 3ページでございますけれども、いろいろな角度から医療費の伸びを見てみようということで、まず最初の図は、平成15年から25年までの10年間でございますけれども、この中で入院がふえているのか、入院外や調剤の外来医療費がふえているのか、歯科がふえているのかということで見ておりまして、それをさらに、受診日数がふえているのか、あるいは1日当たりの医療費が伸びているのかといった観点で見たものでございます。

 こちらをごらんいただきますと、青が15年で、赤が25年でございますけれども、日数のほうが減少しまして、1日当たりの医療費が高くなっているというのは、入院も外来も同じような状況でございます。

 4ページ以降は年齢階級別に見たものでございまして、同様にこの10年間でどんな年齢区分で医療費が伸びているかということでございます。ごらんいただきますと、各年齢別、どの年齢階級でも伸びているという状況でございます。

 5ページに、今、入院をごらんいただいたのですが、その入院の3要素ということで、いわゆる受診率ですが、これはレセプトの枚数を被保険者で割った数でございますけれども、これは10年間で減っているという形でございます。また、1件当たり日数です。レセプト当たりの受診日数ということでございますが、これも減少しているということで、一方、1日当たり医療費は各年齢を見ても上昇しているという状況でございます。

 6ページは入院外の医療費でございますけれども、こちらも各年齢階級で15年から25年で伸びているということでございますが、これをまた7ページで3要素に分解いたしますと、こちらのほうは受診率といったような部分は比較的どの階級でも伸びているということでございます。ただ、75歳以上が若干減っているということですね。それから、1件当たり日数は各年齢階級で減っているということ。一日当たり医療費はやはり伸びているということで、入院、入院外とも、全体的な構造としては日数が減って、1日当たりがふえているというのはどの年齢階級でも変わらないということでございます。

 8ページでございますけれども、今回、分析をするに当たりまして、その他の増の要因の分析ということがございましたので、15年と25年の医療費の伸びの要因を、人口構造、高齢化とか人口の伸びと、その他の伸びと分ける場合、それぞれ全体ではなくて入院と外来に分けて分析したらどういう形になるかというのをやってみたものでございます。どういう手法を使うかというと、年齢階級別の1人当たり医療費を平成15年に固定いたしまして、人口構造だけ平成25年に投影をしたということでございます。そのときの仮想的な医療費が、この真ん中の薄い枠で囲ってある部分でございます。

 こういった形で見てみますと、仮想的なものではございますけれども、入院のほうは比較的、人口構造だけ変えたもので大体伸びが説明できる部分が多いのですが、その他のほうはそれ以上に伸びている部分がかなりあるということでございます。それぞれ2.40.82.12.5となってございますので、入院外のほうが大きい。

 ただ、これは必ずしも入院外が伸びているということを申し上げたいのではなくて、例えば入院期間の短縮であるとか、在宅医療とか、日帰り手術といったようなものもありますから、当然、入院から入院外に移ってくるような医療費がありますので、この資料をもって入院外が医療費の増嵩要因になっていると考えるものではないと思ってございます。

 9ページは医療費の要因別の伸びの動向ということで、またちょっと切り口が変わっていますが、左が病床数でございます。病床数につきましては、平成17年から、これは3年ごとの調査になってございますけれども、徐々に減っているという状態でございます。

 右側には、病院の機能別に1病床当たりの医療費ということで、1年間に1病床当たりどのぐらいの医療費を使うのかという観点でまとめた資料でございます。これを見ますと、特定機能病院といったようなところで伸びが大きくなってございまして、一方、療養病床とか精神病床といったところの伸びは低目という形になってございます。

10ページです。こちらは入院でございますけれども、疾病別に見てどんな状況になったかということでございます。ここもやはり3つ、グラフがそれぞれ疾病別にあるのですけれども、一番左側は平成15年、一番右側は平成25年の入院の疾病別医療費なのですが、真ん中は、先ほど御説明しましたように年齢構成を25年に補正したものを1つつけてございまして、高齢化の要素で伸びているのか、それ以外の要素で伸びているのかといった形で見られるように、こういった資料をおつくりしているということでございます。そうすると、高齢化以上に伸びているものとしては、例えば左から2番目の新生物とか、あるいは神経系の疾患とか、筋骨格系及び結合組織の疾患といったようなもの、一番右側の損傷、中毒及びその他の外因の影響といったものがふえているということでございます。

 一方、真ん中あたりに循環系の疾患というのがございますが、こちらについては、年齢構成の伸びよりも25年の伸びがちょっと低目になってございますが、これは循環系の疾患の中でも脳血管疾患が減ってきた影響がここに出てきて、こういったデータになっているということでございます。

 その他の分析ということで、こういった観点でまとめてございますけれども、もちろんこれで十分ということではありませんので、今後も分析を深めていく予定でございます。

 私からの説明は以上でございます。ありがとうございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの医療費について、御意見、御質問等があれば承りたいと思います。いかがでしょうか。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 資料1−1の2ページに「調剤医療費の動向について」という資料を出していただいているのですが、下の表で見ると、抗ウイルス剤の伸びが大きいということで、多分、C型肝炎の新薬が2つ出ましたので、その影響が大きいかと思います。たしか5月と9月に上市されたのではないかと記憶しておりますけれども、今、私が申し上げたソバルディとハーボニー、これは額的に月当たり幾らぐらいの薬価料になっているのかということと、全体として概算医療費に与える影響です。1%ぐらい影響しているのか、コンマ数%影響しているのか、その辺を教えていただけますでしょうか。

○遠藤部会長

 ソバルディとハーボニーについて、よろしいですか。

○秋田課長

 御質問ありがとうございます。

 この統計では抗ウイルス剤ということでまとめて公表しているものでございますので、C型肝炎で幾らということは出してございませんけれども、この表の中で、例えば11月でしたら抗ウイルス剤が348億円の増ということでございますので、御指摘のあったような薬剤については、おおむねここに入っているのではないかと考えてございます。

 ただ、これは調剤医療費ということでございますので、院内処方も含めました全体の薬剤料ということになりますと、もう少し大きいのではないかと考えてございます。

 それから、医療費に与える影響ということでございますけれども、これにつきましては、この調剤医療費の350億円というのを前提に考えますと、概算医療費が大体現状で月当たり3.4兆円から3.5兆円ぐらいという感じでございますから、それに対して350億円ということになりますと、この時点では1%程度の影響かなと考えてございます。当然、院内処方等もあるということでございます。

 それから、言い忘れましたけれども、当然、これにかわって旧来の医療がありますので、そういったもので、例えばインターフェロンの治療などは多分院内で出ていると思うのですが、そういうものの減少分もありますので、そういったものも差し引いて考えなければいけないと考えてございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 白川委員、いかがでしょうか。

○白川委員

 ありがとうございました。

 おっしゃるとおり、院内処方については当然これに入っていないということは承知をしております。C型肝炎の2つの薬は、まだ上市されて1年ぐらいしかたっておりませんので、今のお話ですと、1%ぐらい概算医療費を押し上げるようなことがここ数年は続く可能性が高いと考えてよろしいのでしょうか。

○遠藤部会長

 調査課長、お願いします。

○秋田課長

 これは今後の動向を見てみませんと、このままふえていくのか、あるいはちょっと頭打ちの傾向が出てくるのかということがございますので、もう少し状況を見ていかなければいけないのではないかと思ってございます。したがいまして、来年以降どうなるかということにつきましても、もう少し様子を見なければいけないと考えてございます。

○遠藤部会長

 藤井委員が先に手を挙げておられたのですけれども、関連であれば、申しわけありません、横尾委員、お願いします。

○横尾委員

 ありがとうございます。横尾です。

 関連でございますが、実は現場の話を少しします。後期高齢者並びに国保の状況を見ていきますと、やはり昨年の11月ぐらいから各自治体の国保財政は厳しくなっていますし、後期高齢者医療広域連合にとっても各都道府県単位で、今、白川委員御懸念の影響が出てきている状況でございます。ですから、年を越しながら一般財源から少しサポートするというようなさまざまな検討等を今行っているところだと思っています。もちろん、新たな治療薬ですので、患者の方、御家族にとっては大変希望の持てる治療が可能になっているのですけれども、医療費財政的にはそういった厳しさが非常に増してきています。ですから、医療費動向の見通しにつきましても、まだ平成27年度決算ベースは出ていませんが、多分、27年度ベースは厳しくなるだろうと我々は予測の感触を持っています。

 あわせて、薬価見直し等も行われていくわけでございますけれども、今回、若干マイナスになるという話でございますが、地方の現場の素朴なささやきからいいますと、薬価を見直して医療費、調剤や院内処方を含む改善ができるのであるならば、早く判断していただいて、早く効果を出していただくということもあると助かるなというのが実は本音でございます。

 とはいえ、製薬メーカーにおかれましては、開発費なり製造という形で大変な投資もなさっているので、そう簡単ではないということもよく理解できるところなのですけれども、医療費財政的にはそういう厳しさが今、非常に増してきているということでございます。恐らく補正予算を組む形で28年度前半を迎えなければいけないのではないかという認識です。この辺についてもぜひ御配慮いただくとありがたいし、薬価の見直しを早く判断して、早く効果を出すことができるなら行っていただくと、現場は助かるという感覚であります。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 いろいろお手をお挙げになっておりますけれども、ソバルディとハーボニーに関連することに少し集中したいと思います。

 では、松原委員、どうぞ。

○松原委員

 白川委員が心配されているのもごもっともなのですが、30年前にはC型肝炎というもの自体が全くわからなかったもので、我々が治療していても、その後、肝硬変になって、最後は肝臓がんになって亡くなられていた方が、内服薬だけで治るという画期的な薬なのです。このことは、今おっしゃったように、薬剤がふえてもインターフェロンの治療法に置きかわるものですから、インターフェロンの治療費がかなり下がってまいります。また、さらに10年、20年先にはC型肝炎が治るということは、その方たちが肝硬変で大変長い期間入院したり、肝臓がんになって何度も治療したりするということがなくなりますから、トータルで見れば、今の支出というのは必ず財政的にはプラスになります。

 そういったことも含めて、今おっしゃられましたように、なるべく早くということですので、中医協で随分議論して、本来は特例の再算定というのは創薬意欲を失うのですけれども、余りにも大きな金額だったので、この何年間かを乗り切るために製薬会社さんに御理解いただいたところであります。

 つまり、早い手だては打っています。5年間かけて国民の型肝炎の有無をチェックしたわけですから、それの結果として、C型肝炎について不安に思っている方はかなりいらっしゃいます。その方たちにとって、安心を得るためには、なるべくこの薬で頑張っていただきたいと私どもは思っているところであります。長期で見れば、この薬の現在の支出は必ず財政的にはプラスになると思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 これはC型肝炎が根治するという画期的な薬だということは重々承知をしておりますし、長期的に見れば医療費をマイナス方向に働くだろうというのも松原先生がおっしゃるとおりです。

 ただ、我々保険財政をやっている身になってみると、この影響がどれぐらい続くのかということ。一時的には保険財政の圧迫要因になることは間違いありませんので、これが2年で終わるのか、5年、10年なのかというところが我々としては非常に気になるところでございまして、このあたりの見通しはもう少したってみないとわからないのというのはそうかと思いますけれども、これは調査課なのかどうかわかりませんが、厚生労働省でもこの2つの薬、あるいは最近話題になっているオプジーボのような薬です。オプジーボは多分ずっと保険財政への影響が続くと思いますけれども、C型肝炎の薬については、患者数がどれぐらいいるかというのはもちろん把握されているわけですから、1年間でどれぐらいの方がこれを使っていらっしゃるのかということを押さえて、何年ぐらい続くのかを推計するしかないかと思いますけれども、ぜひそういう推計をしていただくようにお願いいたします。

○遠藤部会長

 事務局、そういうことでありますので、恐らくいろいろと前提を置いた上での推計になると思いますけれども、長期的な経過はわからないにしても、例えばインターフェロンを使わなくなっているということも同時にあるわけなので、それをどれだけ代替されているのかということをいろいろ議論してもいいかと思いますので、その辺のところも含めて何がしかの推計をしていただければなということだと思います。

 白川委員、そういうことでよろしいわけですね。

 あと、これは特例の拡大再算定の対象になっているという理解でよろしいですね。そういうことは行われているということであります。

 これに関してはもうよろしゅうございますか。

 では、関連でということでよろしいですか。新谷委員、どうぞ。

○新谷委員

 ありがとうございます。

 今、医療費の伸びの中でも薬剤費の影響が大きいということで、特に抗ウイルス剤の話が出ているわけでありますが、お話の中にもありましたように、当該疾病にかかっておられる患者さんにとっては非常に朗報であることは間違いないと思います。非常に効果のあるすぐれた医薬品が開発されるということは非常に望ましいことですし、私ども患者という立場からいえば、非常に朗報だと思っております。

 しかし、医療費を支払う者にとっては一人ひとりの患者の負担を考えれば非常に高い薬剤ですから、1錠数万円もするような薬剤の服用を続けることになりますから、高額療養費であるとか医療費の補助や助成が受けられるとしても、月々の費用が毎月積み上がっていくことになれば、かなり高い負担をしなければいけないということでありますので、こうした負担という部分も検討の中に入れておくべきではないかと思います。

 今、医療保険制度の中で、こうした高い医薬品が今後も出てくるということに対して論議があったわけであります。本当に難しい問題ではありますけれども、こういった高い医薬品を一体誰が、どこまで、どういう負担をするのかということ、あるいは薬価の見直しでどういった見直しができるのかという点については、医療保険制度の持続可能性を維持するという観点からの検討が非常に重要になっていくということは意見として申し上げておきたいと思います。

 もう一方で、そのほかにも対策として打てることはあるのかどうか。要するに、医療費全体の伸びに対してどういった対策が打てるのか。先ほど詳しい分析をしていただいたわけでありますけれども、医療提供体制の地域差との関係での分析であるとか、頻回受診あるいは多剤投与の是正をどうするのか、残薬の削減をどうするのか。後発医薬品の使用促進、生活習慣病の対策の強化といった様々な観点からの対策をぜひ検討していただきたいということを要望として申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 後者の問題につきましては、医療費の適正化の議論という形で、一部は中医協で議論されておりますし、一部は当部会でも今後議論されることになると思いますので、また御発言をいただければと思います。

 横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 もう一点だけ追加させていただくと、私ども多久市では、実は自治体としては肝がん撲滅プロジェクトというのを立ち上げて、もう3年目に入ってやっているのですけれども、そこでもこういった薬のことは知れ渡って効果が出てきているわけですが、そのときの利用者の方の状況、あるいは県内の後期高齢者の動向を見ていますと、恐らく私の予測としては、まだふえ続けると思うのです。理由はなぜかといいますと、ニュースとかに出て新薬ができましたといっても、大概の方はすぐは利用されません。むしろ友達とか利用した方に聞いて、それはいいのだ、効果があるのだといっていわゆる口コミに乗って伝わると確実に広がっていくような状況を感じ取っているところですので、もうしばらくは続くのかなと思っています。

 ただ、松原委員もおっしゃったように、効果が将来的には確実に出てくることですし、当該患者の方にとって、御家族にとって大変重要な命を守るということにつながっていますので、ここは何とか財政捻出しながらやっていかなければいけないのかなという印象を持っています。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 関連ということでよろしいですね。武久委員、どうぞ。

○武久委員

 世の中は進歩していきますし、病気の原因の解明もどんどん進みますし、それに対する対策も薬も発展していくのはとめようがないというか、発展していってもらわないと困るわけです。要はそれとの経済原則ということですけれども、私がちょっと疑問に思っているのは、高いというのだけれども、その高い値段はどのようにして決まったのかということが一素人としてはちょっと気にかかる。

 例えば外国から来るものは、外国で決まったことが参考値になるのではないかと思うのですけれども、創薬ですから、やはり幾つもの失敗を重ねた上にやっとできた薬というのはそれなりの労力がかかっているというのは私も非常によくわかるのです。そういった薬価の決め方というのは多分、公表された計算式があると思うのです。これが妥当なのかどうかということが経済原則の基本になるのではないかと思うのです。

 もう一つ、ジェネリックの場合です。60%以上に伸びたということは、本来の薬より安くなるのでいいのだけれども、これは外国と日本はだんだん格差が縮まっていきますから、外国でジェネリックは幾らぐらいなのかとか、計算式の薬価の決め方は違うのかとか、日本の決め方はどうなのか。というのは、そういう薬が結構創薬の50%以上の薬価になっているということが、逆に言うと2回に1回成功するぐらいの確率の薬価ですから、果たしてそれぐらい高くていいのかと。せっかくジェネリックが多くなってきても、その単価が高くなれば、医療財政を逼迫させる原因にもなると思うのですけれども、これについてもきちんとした計算式があるのでしたら教えていただけたらと思います。どういう仕組みになっているかということが、現場の臨床医としても非常に疑問に思うところがあるのです。わかる範囲内でいいですけれども、答えていただけたらと思います。

○遠藤部会長

 薬価基準制度がございまして、新薬の価格の決め方というのは完全にルール化されておりまして、それについては中医協で常に議論がされているということでありますけれども、薬剤管理官、何かコメントがあればお願いします。

○中井管理官

 薬剤管理官でございます。

 先ほど遠藤先生に御説明いただきましたが、薬価基準というもので薬価算定のルールはちゃんと明確になってございまして、類似薬があれば類似薬に値段を合わせて、それで薬価を選定していく。類似薬がない場合は、原価計算をやっていくというのが新薬の薬価算定の大きな流れでございます。

 後発品に関して言いますと、今回の改定から新薬値段の0.5掛けになってございます。諸外国と比べて高いか安いかということについて言いますと、中医協に出したデータから見ますと、高いものもあれば低いものもあるという結果であります。日本の場合、収載時の価格は新薬の0.5掛けで、その後、2年に1度の薬価改定で値段がどんどん下がっていくというルールがございます。一方で、諸外国は2年ごとに下がると言うことはないという意味で、いろいろなばらつきがあるということでございます。ルールについては、必要に応じてまた御説明申し上げたいと思いますが、ルール自体は明確になっているということでございます。

○遠藤部会長

 唐澤局長、どうぞ。

○唐澤局長

 武久先生からのご質問ですが、中医協の委員をされた方はよくおわかりだと思いますが、かなり細かく決まっております。簡単に言いますと、類似薬のあるものは類似薬効比較方式で価格が決まるのですが、加算がございまして、例えば肝炎の薬などは100%の加算がついています。そんな薬はまずめったに出ないのです。本当にすばらしい薬なのです。今回、そういうものが続けて出ているということがあります。

 原価計算についても、何でもかんでも原価に入れていいということではなくて、どの範囲のものを入れるかということは決まっていて、しかも、その比率も、異常に一般管理費が高いとかいうようなものは認められませんので、政策投資銀行のデータなどを参考にして、標準的な割合などもベースにしてかなり細かく決めておりますので、それはまた別途御説明させていただきたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 森委員、どうぞ。

○森委員

 先ほど新谷委員から、残薬の問題であったり、多剤併用の問題、ジェネリックの問題への対応策というお話がありました。ここ十何年、薬を見てみると、薬物治療が高度化、複雑化していると思います。それから、高齢化ということを考えると、高齢者の特徴として複数の疾患にかかっていること、そのため幾つもの診療科を受診したり、多くのお薬を服用していることがあります。また、高齢者は生理機能、生体機能が低下をしている中で薬物治療をどう行うのか。理解力、記憶力が低下した中で、例えばC型肝炎の薬の場合、きちんと飲んでいただかなければ治療ももちろん高額な薬剤費も無駄になってしまいます。薬剤師の職能をしっかり生かして、医師を初め、他職種と連携をしながらきちんと服用してもらえるように今後も取り組んでいきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 関連でということで、菅原委員、お願いいたします。

○菅原委員

 ありがとうございます。

 市場拡大再算定につきまして、私は非常に疑問というか懸念に思っています。要は、市場拡大再算定というのは、もともと製薬メーカーが出していた予想された市場のマーケットよりも非常に大きいマーケットが生まれたために事後的に再算定をされるということだと思うのですけれども、その際の事前の予想の市場のマーケットをどのようにはじいていたのかという透明性というか、ルールづくりというのがもう少しきちんとされるべきではないかと思います。

 例えば製薬メーカーの中には、患者さんの要望によって新たに効能を追加するということがあるとも聞きますので、善意で効能追加をした結果、市場が拡大してしまって、その結果として再算定で薬価を下げられるということが続きますと、製薬メーカーとしては非常に理不尽な立場になるかと思います。ですので、事前にやはりもう少し市場拡大再算定をするための市場マーケットの予想ということについてルールづくりをきちんとしておくべきではないかと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 市場拡大再算定については製薬メーカーのスタンスからすると非常にいろいろと疑問があるところで、中医協で常に問題になるのですけれども、そういう御指摘だということです。

 調剤医療費に関しましては大体よろしゅうございますか。

 それ以外のところで、ただいま説明がありました医療費に関して何かありますか。

 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員

 多少関連しますけれども、メーカーの立場でもございますので、やはり新しい薬ができて治らなかった病気が治るというのはすばらしいことで、日々メーカーとしても努力をしているわけです。一方、非常に高額な医薬品が世に出た場合、その負担を保険制度だけで支えるというのは限界があると思います。費用対効果の視点で医薬品を評価するという仕組みを早急に整備していく必要があると思います。

 また、既に一部の医薬品を対象に、費用対効果による評価を試行的に導入されていると思います。その検証の状況についても、ぜひこの部会でご報告いただければと思います。

 もう一つ、後発品についてです。この部会でも、後発品の使用促進に関するお話がいつも出ているのですが、海外とは製造基準や考え方も違いますから、海外製と同じように安くつくることは難しく、安く作ろうとすれば、品質を維持できなくなるのではないかと、メーカーとしては大変心配しております。人の命を預かる医薬品ですので、後発品とはいえ、それなりのコストはかかるということを申し上げたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、次の議題に進ませていただきます。次の議題は「高齢者医療の現状等について」でございます。

 事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。

○藤原課長

 それでは、資料2「高齢者医療の現状等について」でございます。本日、参考資料として参考資料1においても高齢者医療の関係資料をつけておりますけれども、御説明は、この資料2で御説明申し上げたいと思います。

 「高齢者医療音現状等について」ということで、最近の高齢者医療の現状や制度、そして今後の検討課題にも触れながら御説明をさせていただきたいと思います。

 まず1ページ目でございますが、ツーアップになっておりますので細かくて大変恐縮でございますが、「高齢者医療の歩み」ということで、これまでの沿革を記してございます。老健法の制定の後の平成9年から約10年かけて新しい高齢者の医療の制度を検討しておりましたけれども、平成18年の改正、平成20年からの施行ということで、現在の高齢者医療制度がスタートしております。8年が経過をしたところでございます。

 先般、国保法等の改正におきましても、プログラム法を受けまして、後期高齢者の関係では支援金の全面総報酬割の実施ですとか、栄養指導などの高齢者の特性に応じた保健指導、保健事業の実施が先般の制度改正の中で既に盛り込まれました。

 次のページでございます。「医療保険制度の体系」ということで大きな図をつけてございます。後期高齢者医療制度、今、給付費ベースで28年度予算ベースで、約15兆円、1,600万人を超える被保険者を抱えております。黄色のほうは前期の高齢者ですが、こちらのほうはそれぞれの保険制度に入っておられるままで、財政調整をするという形で調整をしておりますので、真ん中の黄色の部分で記しております。

 この後期高齢者の医療の費用ですけれども、年々ふえておりまして、先ほどの資料1の説明の中にもございましたが、国民医療費ベースの姿で見ると35%ぐらいを高齢者の医療が占めてきている。また、年々その割合も額も上がってきているというものでございます。

 被保険者数で見ましても、4ページでございますが、制度発足当初1,300万人程度おられた被保険者の方々、直近では1,600万を超える被保険者の数となっております。所得の分布で被保険者を分けてみますと、現役並み所得者が6.5%、大体7%弱でございまして、低所得者の方々が4割を占めるということで、全体を通して非常に低所得者の方が多いという実態がわかろうかと思います。

 また、その下でございますけれども、医療費の伸び率を各制度ごとにグラフ化したものでございます。被保険者が年々ふえておりますので、当然のことながら、後期については、医療費の全体も伸び率としては大体2.4%ということで年々伸びておりまして、26年度で見れば2.4%ぐらいの伸びということですが、伸び率自体は鈍化の傾向を見ているかと思います。先ほど来、27年度はどうなのかという話がありますので、今後不透明な部分があろうかと思いますが、これまでの実績を見れば、伸び率が鈍化をしているということでございます。

 また、右側の1人当たり医療費で見ても、伸び率は鈍化をしているということがわかろうかと思います。

 次のページは、入院・外来で分けて見たものでございます。比較的医療費の伸び率が落ちついた形で推移をしてきております。

 ところで、そもそもデータヘルスですとか、あるいは保険者個人へのインセンティブ、こういった制度ごとにかかわらない横断的な政策をしっかり進めていくことにしております。それがその下の個人や保険者による予防健康づくりの促進という紙でございます。データヘルスの推進や個人インセンティブ、保険者へのインセンティブといったものを後期高齢者についても推進していこうと思っておりますし、これに加えまして、先般の制度改正では、3.で2行でシンプルに書いてございますが、保健事業の規定を改正いたしまして、高齢者の特性に応じた保健指導などの保健事業を推進するということを明記したところでございます。

 次の8ページでございますが、これはライフステージで見た予防・健康づくりの取り組みの整理をしたものでございます。若い間、それから壮年期につきましては、特定健診・特定保健指導、ヘルスケアポイント等によるインセンティブ付与、こういった健診などによる健康づくりをしっかり推進し、その後、高齢期の一歩手前ぐらいのあたりからは、むしろ重症化予防に取り組んでいくことが重要になってきますし、また、後期高齢期を中心にフレイルが進んでいきますので、それまでのメタボ対策というよりは、むしろ低栄養などのフレイル対策をしっかり取り組んでいく必要性が高まっていくという形で施策を展開していく必要があるだろうと思っております。

 また、適正化の観点からの重複頻回指導とか後発医薬品の使用促進、こういったものについても、当然後期高齢者についても取り組んでまいります。

 下のパワーポイントにつきましては、こういった予防・健康づくりの推進を施策で分類して整理をしたものでございます。1つ目は、糖尿病性腎症の重症化予防事業の推進でございます。御承知のとおり、3月24日に厚生労働省、日本医師会、日本糖尿病対策推進会議の3者で連携協定を結びまして、4月には重症化予防プログラムを策定いたしました。これに基づいた重症化予防の事業を国保と後期、あわせて推進をしていくことにしております。

 2.でございますけれども、さまざまな保健事業を進めていくときには、民間事業者についても活用していこうということにしております。

 3.でございますが、保険者のインセンティブ改革ということで、保険者のインセンティブとしては、保険者種別ごとに具体的な評価指標の検討をしてございますが、既に国保については30年度から保険者に努力支援制度を施行することに向けて、28年度から前倒しで実施をすることになっておりますので、後期高齢につきましても、これにあわせて28年度から保険者インセンティブをスタートさせてまいります。指標の候補につきましては、4月末に広域連合に提示をしたところでございます。個人インセンティブについては、ガイドラインを5月に発表したところでございます。

 4.が特に後期高齢者がかかわる部分でございますが、高齢者のフレイル対策の推進ということで、2829年度はモデル事業を展開しまして、その上で広域連合等が取り組んでいくべき保健事業のガイドラインを作成するという予定にしておりまして、これらをもとに30年度からは本格実施ということで進めていきたいと考えております。

 次のページは、これをスケジュール表の形で記したものでございます。御承知のとおり、経済界ですとか日本医師会、自治体、民主導で日本健康会議が設置されております。この中の宣言にも重症化予防、後発医薬品の推進、こういったものが盛り込まれておりますので、私どもの後期高齢者医療につきましてもしっかり取り組んでいきたいと考えてございます。

 下のパワーポイントでございますが、特に後期高齢者の保健事業の充実の方向性について書いたものでございます。左側は現状でございます。健康診査、それから健康診査以外の主に適正化を念頭に置いた重複頻回受診者への訪問指導やジェネリックの差額通知などの使用促進に向けた取り組み、こういったものを広域連合で現在推進してございます。

 また、ほかの保険制度と同様に、保健事業実施計画を全広域連合において策定済みでございます。これに加えまして、さらにどういったことを推進していくべきなのかということなのですが、先般の制度改正の中で高確法の125条におきまして、広域連合が取り組む保健事業について規定をしている部分でございますが、高齢者の心身の特性に応じ、保健指導に取り組むように努めなければならないという規定を設けたところでございます。

 これを受けまして、栄養、口腔、服薬などの面から、高齢者の特性に合った保健事業を、まずはモデル実施を28年度からしたいということ。また、ワーキングチームを設置いたしまして、高齢者の保健事業のあり方、ガイドラインを策定しまして、メニュー化をして、広域連合にこういうメニューでぜひ展開をしてくださいというふうにわかりやすいガイドラインを策定しようということでございます。

27年度は、その正式な検討が始まる前の段階でございましたので、厚労科研の中で国立長寿医療センターの鈴木先生を代表に「後期高齢者の保健事業のあり方に関する研究」というものをまとめていただきました。老年医学ですとか健診、生活習慣病の各分野などの有識者の方々にお集まりいただきまして、この研究の報告が取りまとめられたところでございます。

 ポイントだけ1枚に12ページのところに記してございますが、後期高齢者の心身機能の特性とはどういうものがあるかということでございます。まずはフレイルが顕著に進行する。そして、慢性疾患を複数保有し、老年症候群も混在しますので、包括的な疾病管理が重要になるということ。また、医療のかかり方として、多機関受診、多剤処方、残薬が生じやすいという課題も生じやすい。また、個人差が非常に大きい。こういった後期高齢者特性がございますので、この特性に見合った保健事業を進めていくことが必要であるということで、右側でございますけれども、それまでの現役世代の肥満対策に重点を置いた生活習慣病対策から、フレイルに着目をした対策に徐々に転換をしていくことが必要である。

 また、疾病の重症化予防ですとか低栄養などのフレイル予防、こういった取り組みを重視していくべきであるということ。そのために、高齢者は個人差が非常に大きいので、それぞれのアセスメントをやった上で介入することが必要であるということ。特に広域連合は、県内の後期高齢者のレセプト健診情報を持っておりますので、データをしっかり活用して、専門職による介入支援に取り組むことが重要であるということも指摘をいただいておりますし、高齢者は疾患を既にお持ちでございますので、特に介護との連携だけでなく、当然のことながら医療機関と連携をした上で保健事業をしていくということが重要である。このような指摘をいただいたところです。

 その下でございますが「フレイルの概念」ということで、現在、フレイルという言葉の概念定義というものが必ずしも確立しておりませんので、研究会の中で整理をして、市町村ですとか広域連合の皆さんが重要性を理解しやすいように図示をして、整理をいただいたところでございます。

 これを受けまして、28年度の予算ですが、次のページでございます。「高齢者の低栄養防止・重症化予防の推進」ということで、今年度の予算で3.6億円計上させていただいております。服薬指導とか栄養指導、口腔、訪問歯科検診とか、さまざまなメニューを柔軟に用意いたしまして、地域の実情に応じて手を挙げていただいて、取り組んでいただけるように取り組んでいきたいと思っております。

 具体的な事例として、既に栄養指導に特に熱心に取り組んでいらっしゃる自治体がございましたので、その下に事例をつけてございます。神奈川県大和市の取り組みでございます。こちらは国民健康保険と後期高齢者一体として事業を実施されております。2つの柱で栄養指導をされております。1つ目が低栄養改善事業ということで、低栄養状態、あるいは虚弱な在宅の高齢者への訪問。2番目が糖尿病性腎症の透析予防の事業。こういった2つの事業を柱として、具体的な訪問については県の栄養士会に委託をされて、訪問いただいている。また、市の保健師や栄養士の職員の方々も一部訪問されていますし、マニュアルの作成ですとかスーパーバイズの役割を担っておられると聞いております。こういった先進事例もございますので、こういった事例も参考にしながら横展開を進めていければいいなと思ってございます。

16ページでございますが、私ども、こういったフレイル対策だけではなくて、当然のことながら、もともと健診を初めとしたさまざまな事業を推進しておりますので、それを示したものが16ページでございます。健診事業、それから、先ほど申し上げました3.6億円の低栄養、フレイル関係の予算に加えまして、後発医薬品の推進や重複頻回受診者に対する訪問指導、こういったものについても引き続き取り組んでまいります。

 後期高齢者についての保険者インセンティブに取り組んでいきますと、先ほど政策の整理のパワポの中で御説明を申し上げましたが、後期高齢者に対する保険者インセンティブについての説明の資料が17ページでございます。こちらについては、広域連合で予防健康づくりの取り組みをより支援するために、保険者インセンティブということで評価をして、特別調整交付金を交付する形で28年度からスタートしようと思っております。

 4月末に大まかな評価指標の候補ということは広域連合に通知をしたところでございまして、秋により詳細な設計を申し上げた上で、具体的なスタートをしようと思ってございますが、ここで見ていただきますとわかるように、共通の指標の中で重症化予防の取り組みですとか重複頻回受診などの取り組み、こういったものも評価に入っておりますし、我々固有の問題としては、高齢者の特性、特にフレイルを踏まえた保健事業の実施状況、こういったものも評価の対象にしていきたいと考えております。

 その次のページでございますが、こういった高齢者の保健事業のあり方については、これまで必ずしも具体的なガイドラインをつくるというところまでには至っておりませんでしたので、今年度から「高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループ」というものを「保険者による健診・保健指導に関する検討会」の下に新たに設置して、具体的な検討を進めようと思っております。現在、委員の委嘱の関係の手続などを進めておりまして、今年度、なるべく早い時期にスタートをさせたいと思っております。

 次のページからが制度の関係でございます。下の「高齢者医療制度」は、いつもの財政の仕組みの資料でございますので飛ばします。

20ページ、先般の国保法等の法律改正の中での一枚紙でございますが、高齢者の医療に関しましては、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入というものが盛り込まれておりました。29年度から全面総報酬割が実施をされることになっております。29年度に完全実施をされる際、拠出金負担の重い被用者保険者への支援を2つに分けて実施することにしております。1つ目が制度化分ということで、拠出金負担の重い被保険者の皆様方に国費を入れて、制度化した上で支援をするというものと、もともとある円滑化補助金という裁量的な補助金でございますが、こちらを拡充する形で支援をする。こちらのほうは前期納付金の当面の負担増などに着目をした上で支援をするということにしておりますけれども、合わせて700億円の財源を確保いたしまして、被用者保険の支援に取り組んでいかなければいけないという状況でございます。

 その次のページからが、自己負担割合、窓口負担の割合ですとか高額療養費の制度の状況でございます。これは現行の制度を整理したものでございます。御承知のとおり、後期高齢者については窓口負担は原則1割でございます。現役並み所得の者については3割でございます。70から74歳までの方は、現在、本則の2割負担に経過的に戻している最中でございます。

 一方、高額療養費でございますが、24ページでございます。こちらについては、70歳未満と70歳以上で仕組みが変わってきております。70歳以上の方については、例えば外来特例が存在するとか、高額療養費の月単位の上限額自体が70歳未満の現役の方々と比べまして低く設定をされている。このような状況になっております。

 次のページについては、これまでの改正経緯でございますので、省略をします。

 こういった高額療養費の影響もありますので、実効給付率の推移をグラフ化したものが27ページの図になります。それぞれの時期時期で定率負担の導入ですとか、現役の方々については健保の2割から3割負担への引き上げですとか、70歳以上の現役並み所得2割の負担を3割に引き上げるなど、それぞれこれまで改正を行ってきておりますけれども、全体としては直近で84%、特に後期高齢者については92%弱という高い給付率になっているということも事実でございます。

 ただ一方で、高齢者の医療のかかり方ですとか生活の実態も見ていかなければいけないと思いますので、28ページ以降にそのあたりの資料をつけさせていただいております。「年齢別の傷病数、投薬数、入院期間」ということで3つほどグラフをつけてございますが、年齢の上昇に従いまして、傷病数もふえます。通院率も増加をする。また、薬剤数もふえていく。また、入院期間の長い者の割合が増加をいたしまして、75歳以上では1カ月以上の入院の方が3割を占める。このような実態があるわけでございます。

 また、1人当たりの医療費と平均収入を比較したものがその下のスライドでございます。1人当たりの医療費はどうしても高齢になるほど上がってまいります。70歳代までは入院外の割合が高いですが、80歳代以降は特に入院の割合が大きくなってくる。また、75歳以上が国民医療費に占める割合は35%、こういった状況があるわけです。ところが、収入のほうを見ますと、50歳から54歳をピークにいたしまして、高齢になるほど収入はどんどん減っていくということがあります。

 次のページでございますが、後期高齢者の被保険者の所得の状況でございますけれども、現役並み所得者が約7%、100万人ぐらいいらっしゃる。一方で、低所得者の方が4割を占める。こういった現状もあるわけでございます。

 こういったことを負担の状況と医療費、あるいは収入に対する割合で見たのが、次の3132ページでございます。昨年11月にもこの医療保険部会で提出した資料と同じでございます。高齢者の医療費は年齢が高くなるにつれて大きくなりますけれども、自己負担額の医療費に占める割合は高齢者のほうが低いということ。また一方、収入に対する自己負担の割合は、収入が低くなりますので、75歳以上は一番高くなっているということが見えております。この収入に対する負担の割合といったときに、保険料を含めて足し合わせて見るとどうなるのかというのが32ページでございます。自己負担額に保険料負担を加えた場合の収入に占める割合で見てみますと、この保険料に対する事業主負担分を含めまして見てみますと、現役世代の方で9から10%高くなっております。ただ一方、高齢世代でも8から9%の負担、このような実態もあるわけでございます。

 下が被保険者数の年金収入でございますが、平均すると127万と出ますけれども、やはり左側の低所得者層、80万円以下のレベルの方々が約4割を占めているという現状がわかります。

 次のスライドからは、これまでのプログラム法や前回の制度改正のときの附帯決議、あるいは政府決定、直近の諮問会議の工程表、こういったもので高齢者医療についてどういうことが指摘されているかということをまとめたものが、この資料でございます。

 プログラム法では、高齢者医療制度のあり方について、必要に応じ見直しに向けた検討を行うということが言われておりましたし、今回の制度改正の中で附則として負担能力に応じた費用負担のあり方についての検討が指摘をされておりますし、附帯決議でも同じように負担の公平性という観点からの検討ということが指摘をされてございます。

 また、法改正をする前の政府決定の中で、医療保険制度改革骨子というものを決定いただいておりますが、この中で、法律事項ではありませんでしたので制度改正には入っておりませんが、予算措置としての後期高齢者の保険料軽減特例の見直しというものも宿題として残っております。当時の決定の中では、低所得者に対する介護保険料の軽減の拡充ですとか、年金の低所得者の対策とあわせて実施をすることによって、低所得者に配慮しながら29年度から原則的に本則に戻す、具体的な内容はこれから検討し、きめ細かな激変緩和措置を検討して結論を得ましょうということで、これは宿題として残っているということでございます。

 それから、改革工程表の中では、先ほど申し上げましたフレイル対策の推進に加えまして、負担についても38ページで指摘をされてございます。高額療養費のあり方、年末までに審議会で結論ですとか、窓口負担についても今後検討して結論を得なさいということで工程表にも指摘をいただいておりますので、今後、高額療養費など負担のあり方については、この医療保険部会で御議論いただくということでお願いしたいと思っております。

 最後ですけれども「地域包括ケア推進のための介護との連携について」という資料をつけています。こちらは負担のあり方だけではなくて、やはり我々は高齢者の医療や介護を考えるときに地域包括ケアを推進するための施策についても常に考えていかなければいけないと思っております。高齢者は医療も介護も両方利用されますので、介護との連携は医療サイドの面からも重要です。28年度の診療報酬改定で、こういった観点から取り組んだ改定項目を列挙いたしました。退院支援、あるいは認知症に対する主治医機能の評価、かかりつけ歯科医の評価、かかりつけ薬剤師の評価、栄養指導の拡充、歯科訪問診療の評価、こういった地域包括ケア推進のための改定項目も28年度の改定の中に盛り込まれたところでございます。

 また、先ほど申し上げました医療のほうから見た保健事業の推進につきましても、介護との連携が非常に重要になると思っております。今般の制度改正の高確法の保健事業の規定の中でも、高齢者の特性に応じた保健指導を行うということに加えまして、介護保険法の規定による地域支援事業を行う市町村等との連携を図りながら推進しようということを盛り込んだところでございますので、地域包括支援センターなどと連携をしながら、医療のほうでの保健事業を推進していくということがこれから課題になっていくと考えております。

 先進的な事例は、参考1に書いてありますように幾つかございますけれども、まだまだ緒についたばかりでございまして、介護との連携が各広域連合で十分行われているかといいますと、参考2にありますように、まだまだ十分とは言えない状況でございますので、これからも医療サイドからも介護との連携を推進していきたいと考えております。

 以上、長くなってしまいましたけれども、高齢者医療の現状と課題等について御説明申し上げました。ありがとうございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 それでは、ただいまの高齢者の医療について、御質問、御意見があれば承りたいと思います。

 横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 後期高齢者医療を担っていますので、一言補足をさせていただければと思います。

 藤原課長から大変詳しく簡潔明瞭な説明をいただいて、ありがとうございました。また、委員の皆様にも今、現状をそれぞれ御理解いただいたのではないかと思っています。

 とはいえ、平成20年スタートのとき、すなわち後期高齢者を担う医療保険者としてスタートしているわけですが、全市町村が参加をして運営しているところです。都道府県別に全市町村が広域連合をつくりまして、そこには自治体でありますので議会もあります。大体各自治体の議長さんか議会代表者が最低1人以上は来て、議会を構成して全ての予算、全ての決算または事業等についてもお諮りをして推進しているというのが構造的といいますか、行政的な仕組みの流れになっています。

 また、そういった中で、実際の運営については各都道府県単位に連合長を設けて、この連合長も年に1回以上は顔を合わせて集まって会議をして、必要な改善等については政府に御提案するということもさせていただいています。また、都道府県単位、例えば私は佐賀県からですけれども、佐賀県の場合どうしているかといいますと、議会の前に実は首長会議を行います。全首長に集まっていただいて、ただいま御説明があったような制度の面、財政の面、必要な対策などについても周知をして、お互い議論をするわけですけれども、その際に最近やっとできるようになってきたことがデータヘルスでございます。これ全体はもちろんですけれども、市町村別にデータをもらっていますので、それを詳しく開示して皆さんに御紹介をしていきますと、おのずとそこで会話が始まります。あなたのところは少し医療費をうまく削減できたけれども、どういうことをやったのとか、あるいは自分のところではこういった疾病が多いなとかいうことで、データヘルスに基づくことをあえてやらせていただいているところです。こういった具体的なデータを踏まえながら、各首長さんにおかれては、今後の後期高齢者や高齢者を含む、全国で3,300万人いらっしゃるということですけれども、その対策を自治体としてもやってほしいということで意識づけの努力をさせていただいているところです。

 そういった意味からしましても、特に最近、言葉として出てきた、今も説明がありましたフレイル対策はとても大切だと思っていまして、できれば若いとき、文部科学省と関わりますけれども、教育課程の中から老後を含めた健康づくりや自分の健康管理ということでやはり意識づけは必要ではないかということを一方で感じている面があります。例えて言うならば、かつては五、六十年しか使わなかった体の部品を今は約100年ぐらい使う時代になってきていますので、日々の健康管理の重要さ、こういったことをどうするかということもあります。

 また、広域連合議会でよく議論になり、もう全て落ちついた議論ですけれども、実はジェネリックのことが話題になったときには、ほとんどの議会でこれをもっと啓発して使うべきだという熱心な質疑が各都道府県単位で行われました。近年の中で1つ課題として出てきているのは、実は、はり・きゅう・あんま等の施術に関することで、これはこの会議でほかの保険者の方からも出ましたけれども、きちんとしたチェックができるようにすべきではないか、制度としての管理がもっと正しく確立されるべきではないかという意見が出たことは、実は現場でも広域連合各事務局が懸念をしているところです。幾つかの都道府県単位の連合からも、そういった制度を確立したり、調査権等を地方分権していただくなどを行っていただかなければ、現場での適切な対応、すなわち不正を防止して医療費の適正化等をすべきではないかという議論も実は一部、出てきているところです。

 付け加えたかったのは、首長関係、すなわち全ての自治体も後期高齢者医療についてはかかわりながら運営をさせていただいている。その総まとめをしながら、藤原課長の高齢者医療課のところを軸に、厚生労働省のお力添えをいただきながら運営しているという現状でございます。

 以上です。ありがとうございました。

○遠藤部会長

 貴重なお話をありがとうございました。

 ほかにございますか。

 白川委員、それから菊池委員の順番で。

○白川委員

 今、藤原課長から、高齢者医療の現状について、詳しく的確に御説明をいただきまして、ありがとうございました。多分、きょう御説明いただいたのは、今後、医療保険部会でどういうテーマで議論をしていくのだという投げかけの意図もあったのではないかと私は思っておりますので、特に財政面につきまして、意見を言わせていただきたいと思っております。

 資料の32枚目のシートですけれども、年齢階級別の負担状況、これは藤原課長からお話がありましたとおり、高齢者のうちの8.8%、収入に対する自己負担割合が9%近いところもありますけれども、概して高齢者の収入に対する負担割合ということでは若干低いという現状だと思います。

 それから、御説明はなかったのですが、参考資料1の24枚目のシートでございます。これは後期高齢者の保険料の推移を20年度から追ったものでございますけれども、ブルーの部分が平均保険料、わざと見えないように小さい字で書いていますが、伸び率が括弧内で言うと107という指数ですね。それに対して、オレンジのところが現役世代からの支援でございまして、ここが147です。こういうことを考えますと、やはり高齢者の負担というのを考え直さなければいけないのではないか。

 と申しますのは、現状はこうですけれども、このままいけば現役世代の負担は伸び続けるであろうと推察せざるを得ない状況でございますので、今よりも負担を減らせとは言いませんけれども、負担の伸びをとめるとか、そういう方向の制度改革をやっていかないと、この制度自体が、後期高齢者医療制度の40%が現役世代からの支援で成り立っているわけですから、そこが成り立たなくなる懸念があると危惧をしております。

 実際にこの医療保険部会で何を議論するのだということになるかと思いますけれども、私は何も現役世代と高齢者の衝突がどうだこうだと言う気は全然ないのですが、具体的にやろうとすれば、高齢者、特に後期高齢者の患者負担の割合です。現行1割になっているわけですけれども、これを今すぐどうこうということはないにしても、将来的にどうするのだという議論が必要ではないかと思っております。これが1点目です。

 2つ目は、現役並み所得、これは先ほどの藤原課長のお話ですと6.7、7%ぐらいということになっておりますが、御案内のとおり、介護保険では上位所得者20%という区分になっておりまして、この辺の差がある。したがって、現役並み所得という考え方をどうするのだということが論点の2つ目ではないかと思っております。

 ただ、私どもに言わせますと、現役並み所得者公費が入らないという仕組みになっていまして、ちょっとややこしい話でございますが、後期高齢者の医療費は国が5割、現役が4割、御本人たちの保険料で1割という区分になっておりますけれども、現役並み所得には公費が入らないということから、今、公費の占める割合が47%になっているのです。現役並み所得がふえると公費が減るという変な関係ですから、この仕組みもあわせて変えていただかなければいけないのですけれども、そういう現役並み所得というのが2つ目の論点かと思っております。

 3つ目は、高齢者の特例制度です。今もちょっと御紹介がありました後期高齢者の保険料特例軽減措置は29年度から外すという方向ではありますけれども、こういう問題。それから、70歳以上の外来特例を含めた高齢者医療の問題が3つ目の論点ではないかと考えております。

 過去の例を見ますと、高齢者の負担問題にさわると政治が非常にプレッシャーをかけてくるというのが現実だと認識しております。ただ、我々としては、清々と論理的に議論を積み重ねて、それなりの結論を出していくというスタンスが必要だと思いますけれども、これは従来から申し上げているのですが、それだけでは多分済まなくて、公費の投入ということについても拡大する方向であわせて検討していかないと、高齢者の負担増だけというわけにはなかなかいかないと認識をしておりますので、その辺も含めて議論していただければと考えております。

○遠藤部会長

 今後の議論のアジェンダについてのお考えをおっしゃいました。

 それでは、菊池委員、お願いいたします。

○菊池委員

 高齢化が進む中、医療保険制度においても予防・健康づくりが重要との観点から意見を申し上げます。

 健康寿命を延ばし、限られた資源や財源を使って効果的な予防・健康づくりを推進するためには、スライド7にありますように、データを活用した予防・健康づくりが重要だと考えております。保険者によるデータヘルス計画については、骨太の方針2016(素案)でも引き続き強く推進されており、また、スライド9の「2.民間事業者の活用推進等」にありますように、「経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた建議の中で民間事業者の活用を求めております。保険者による民間事業者の活用が効果的であるためには、委託元である保険者において健康等にかかわるデータの分析・評価ができる人材が配置されて、主体的にデータヘルス計画にかかわって、保険者の抱える課題に沿った計画立案、事業展開、評価をする体制を整えることが不可欠です。

 ちなみに、行政に従事する保健師は、地域の健康課題を解決するために小規模ながら地域の保健データを分析し、計画を立てる役割を担ってきました。レセプト、健診データなど、大規模なデータベースが今、構築されつつある中、日本看護協会では、保健師を対象にデータヘルス計画についての研修を実施しております。今後、データヘルス計画を推進する上で、それを担う人材の育成と確保が不可欠と考えますので、データヘルスを担う人材の育成と確保についても推進すべきと考えます。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 先ほど樋口委員がお手をお挙げになっておりました。樋口委員、どうぞ。

○樋口委員

 ありがとうございます。

 白川委員から、後期高齢者医療制度について抜本的に見直すということですね、恐らく。

○白川委員

 抜本的というほどでは。

○樋口委員

 それはとても望むところで、そもそも深夜の強行採決でできてしまった後期高齢者医療制度は、いろいろと修正しながら出発し、それでも今まで何とか機能してきて、大したものだと私は思っております。ですから、特に高齢化が一段と進むこれからの10年、20年を見据えますと、私はやはり本当に本格的に見直すということは大切だと思っておりますので、御提案は、該当年齢者としても受けて立つべきと考えます。ただ、基本的に申し上げれば、我が国の、あるいは他の国もですけれども、医療保険制度というのは、その国における国民の一生の医療を一定程度確保するということでできているのだと思います。

 そういう意味で申し上げますと、赤ちゃんの健康はもちろん未来をつくるのですから大切に、産婦もそう。若い人もそう。ですけれども、人間の生理的必然として年をとればとるほど、これはいろいろな資料で出ておりますように、疾病の数がふえて、長引いて、なかなか治りにくい。そういうときに医療費がかかるからといって、余り冷たい見方はしないでくださいよ。誰もがたどる道なのですから。人間というか生き物の必然として、いや生き物だけではありません。車だって、家だって、年数がたてばメンテが必要になってくるのでありまして、そのメンテを一体国民全体でどう支えていくか。世界一の長寿国になった日本がそれをどんな支え方をするかというのは、本当に慎重に、ただし遠慮せずに議論し合って、何が国民全体の利益か考えていきたいなと思って承っておりました。ですから、大いに議論すべきだと思いますし、見直しも大切だと思っております。

 今回、詳細な資料を出していただきまして、私、とてもありがたかったのは、自分自身高齢者の収入の資料も若干用意してまいりましたけれども、ほれほど出していただければ十分でございます。全体の資料として、例えば資料2の29ページ「年齢階級別の1人当たり医療費及び平均収入について」、33ページ「後期高齢者医療制度における年金収入別の被保険者数の分布割合」にございますように、平均年収が基礎年金の満額水準、約80万円以下の者が4割を占めております。これから被用者年金である人がふえていくという見込みを私は持っておりましたけれども、どうやら被用者の中にいわゆる非正規の人がふえたことを通して、余り見込めない感じがございます。

 ということは、日本の高齢者は余り金持ちではないのですよ。年収が世帯収入で400万円以上、現役並みという人はおっしゃいますとおり7%ぐらいしかない。そうした現役並み年収がある人に関して、例えば私は、自分も恩恵に浴しましたからつくづく思いましたけれども、高額医療費の高齢者へのかなり特典的な減額といいましょうか、少しずつ見直してもよろしいのではないかと思います。ただし、日本の高齢者はそんなに金持ちではないのです。貧乏じいさんと貧乏ばあさんの集まりだと言ってもよろしいくらいで、収入のふえない中で一体どのような負担が可能だろうかと思ったわけでございます。

 特にこのごろ私が実感しておりますのは、高齢者がふえたからですけれども、医療にも保健にも出会えない人が非常にふえている。セルフ・ネグレクトというのかもしれませんけれども、もう自分を投げてしまって、認知症で家族がどんなに心配してもなかなか受診しようとしない。あるいは食事もろくにとらない。この前からフレイル防止の栄養指導を取り上げていただいて本当にありがたいのですけれども、そういったみずから落ちこぼれていく人に生きることの価値を目覚めさせ、先ほど文部科学省とも協力してというお話がございましたけれども、私などはこのごろ人生2度目の義務教育を厚生労働省にやっていただきたいと思うのです。ぜひ、これからの高齢者の保健対策の中で、専門家たち、栄養士の方、保健師の方、あるいは薬剤師の方、歯科医師の方、そういう多様な専門職の方が地域の人々にアウトリーチというのでしょうか、出かけていって、そしていろいろ説得する。自分は見捨てられていないのだと、自分は無関心で置き去りにされてはいないのだということを、人生後半になって自分を投げてしまわない高齢者を育てることが結果として医療費節約につながるのではないかなどと、ちょっと取りとめのないことですけれども、発言させていただきました。

 ありがとうございました。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、小林委員、それから新谷委員の順でお願いしたいと思います。

○小林委員

 議題1にもありましたように、また、議題1の中でも御意見がありましたが、最近の医療費の伸びには一部の薬剤費の影響が大きく、他の適正化の影響を上回る勢いでこれから医療費の増大傾向が続いていけば、制度の持続性はおぼつかなくなると思います。将来を見据えて、給付と負担の関係については制度の持続可能性を最重視で考えていかなければならないと思っております。

 その点、高齢者の自己負担については、もちろんその負担能力等を考慮する必要がありますが、現役世代が拠出金により高齢者医療の負担をしていることを考えあわせますと、世代間の負担の公平性を図ることが必要であると思っております。

 その意味で、資料の24ページの中で高額療養費の自己負担限度額がありますが、このうちの70歳から74歳の負担の上限額について、※4で「2割負担の場合は62,100円(外来24,600円)とされていたが、平成26年4月より1割負担だった際の限度額に据え置き」とあります。この据え置きの措置の期限はどうなっているのでしょうか。他の世代の負担と比べてバランスなどを十分検討した上で見直すことも必要であると考えておりますので、ぜひ今後、よろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 今のは質問ですか。

○小林委員

 いえ、意見です。

○遠藤部会長

 意見ですね。ありがとうございます。

 それでは、新谷委員、お願いします。

○新谷委員

 ありがとうございます。

 多面的な資料を準備いただきまして、高齢者医療に係る現状について御報告をいただきましたし、また、改革工程表に基づいて今後、論議を始めていくということにも触れられておりましたが、今日はそういった意味では総論的な話になろうかと思いますので、私どもとしても今後の検討に向けて1点だけ意見を申し上げておきたいと思います。

 先ほど樋口委員から御発言がございましたように、人は誰でも年をとりますし、加齢に伴って様々なところが傷んできて、医療ニーズが高まっていくということでありますが、その一方で、就労がだんだん不可能になっていく、その収入が年金だけということになっていくわけでありますので、高齢者の皆様を支える医療保険制度というものが、公費、現役や高齢者御自身の保険料と、こういったものでみんな支え合っているということを見てきたわけであります。我々現役世代としても、改めましてこの高齢者医療を支えていく必要があるということは強く認識をしたところであります。

 そのためにも、今後の検討に当たりましては、現役世代が納得できる高齢者の医療制度の構築に向けて、この納得というところの視点を今後の検討においては強く念頭に置いていただければということをまず申し上げておきたいと思います。

 以上であります。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、もう一つ議題があるのですが、武久委員、手短にお願いいたします。

○武久委員

 フレイルのところでございますけれども、フレイルは最近特に注目されてきておりますが、資料の12ページを見てみますと、進行の予防ということしか書かれていないのです。どうもここには、フレイルというのは年齢とともに徐々に進行とするという概念をお持ちなのだと思うのですけれども、私も高齢者の医療の現場で今もやっておりますが、フレイルというのは、重症感染症とか手術、脳血管障害、脳卒中で入院をした後に急速にフレイルになるのです。だから、徐々になるというよりは入院後の、特に急性期処置が終わったのにそのまま続けて入院している入院後半です。この間にフレイルが進行するというのが現状でございます。

 特に脳血管障害の場合、脳卒中になりますと嚥下障害になります。嚥下障害になったら物が食べられなくなるのですけれども、これを中心静脈栄養で補っても十分な栄養にはならないでフレイルになる。経管栄養、胃瘻をつくると、そんなばかなことをするのかというような風潮が蔓延しておりまして、そうすると脳血管障害になって、嚥下障害になったら、もう何もしないでだんだんフレイルになって亡くなっていくのは当たり前だと、これはターミナルだと、これはちょっと違うのではないかと思います。

 現実に急性期の入院の後半の間に、急性期の先生方は専門医ですから、やはり栄養補給とか回復ということについては得意ではない先生がいらっしゃいますので、ここを何とかすることによって高齢者のフレイルというのはかなり発生を予防できる。この12ページの中にフレイルにならないようにとか、フレイルの治療とかいう言葉が入ってくるべき時代ではないかと。もう少し、自分が脳血管障害になって、脳卒中になって、片麻痺になって、意識ははっきりして、ある程度しっかりしているけれども嚥下障害があるというと、もうこのままターミナルですと言われた場合を考えたら、やはり治療する方法があるのに、フレイルを予防して、栄養改善をして、車椅子自立をしていくということは一つの重大な治療法だと思いますが、流れが少し違うと思いますので、やはり回復期なり慢性期で急性期での治療の後半を狙って、そこでフレイルにならないように、また、なっているのだったら急速に治療するという概念に少し変えていただけたら、医療費はトータルでは減ると思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 まだ御意見あるかと思いますけれども、高齢者の医療につきましては、当然これからより具体的な課題として議論することになると思いますので、御発言はそのときにまたいただければと思います。

 それでは、最後の議題に移りたいと思います。「「子どもの医療制度の在り方等に関する検討会」議論の取りまとめについて」を議題にしたいと思いますけれども、これは一度説明があったものだと思いますので、要点を御説明いただいて、できるだけ議論に時間を割きたいと思います。よろしくお願いします。

○渡辺課長

 総務課長でございます。

 お手元に資料3と参考資料2、参考資料3を御用意いただければと思います。

 この検討会でございますが、昨年の9月から開催をいたしまして、ことしの3月まで5回にわたり開催をした検討結果を3月28日に取りまとめたものでございます。もともとこの検討会の発端としましては、医療保険制度改革の中で昨年、平成27年2月12日ですが、国保基盤強化協議会の取りまとめの中で、地方団体から地方単独事業に係る国保の国庫負担調整措置の見直しという提案があり、これを踏まえて、この検討会としては国庫負担調整措置だけではなく、少し広く、提供体制も含めて御議論いただいた結果ということでございます。

 ポイントのみかいつまんで申しますと、まず、資料3の1ページ目からでございますが、この報告書、全体として大きく3つの柱になっておりまして、最初の2つは医療提供体制に係ることでございます。1ページの「1.子どもの医療のかかり方」というところの点線の中でございますが、ポイントとしましては、中ほどから少し下ぐらいのところでございます。現在行われております保護者への情報提供、啓発活動、あるいは小児救急電話相談事業、いわゆる#8000等の取り組みの一層の普及、さらに小児科のかかりつけ医機能を充実していくことが重要であるということが指摘をされております。

 少し飛びまして、3ページ「2.子どもの医療の提供体制」についてでございます。ここにつきましては、そこにございますように、全体としては重点化・集約化が進んできていて、かつて言われておりました小児科医の疲弊というような勤務環境についての理解も一定程度進んできている。そういう中で、小児医療へのアクセスに留意しながら、高度先進医療などを中心にさらなる集約化ということ。同時に、地域包括ケアのコンセプトを子ども医療にも広げて、医療、福祉、保健、さらに教育等も含めた多職種連携でのチーム対応が必要であるということ。さらに、医療的ケアが必要な子どもへの対応ですとか、あるいは妊娠期から子育て期にわたる包括的な切れ目のない支援ということについても重要性が指摘をされているところでございます。

 続きまして、6ページ、ここが主としてこの医療保険部会に関連するところでございます。この医療保険制度の中では、申すまでもございませんが、いわゆる子どもの医療費の窓口負担につきましては、義務教育就学前は2割、就学後は3割ということでございますが、地方団体が少子化対策の一環として、地方単独事業でさらに減免措置を講じている。現在、これは全ての自治体で、もちろん対象範囲等々は異なりますけれども、何らかの形では実施をされてきているということを書いております。

 一方で、こうした減免措置によって生ずる医療費の波及増ということにつきましては、国民健康保険制度の中で国庫負担を減額する措置というものが講じられております。この考え方としては、減免をするかどうか、地方単独でやるかどうかということの判断は地方自治体の判断でございますので、その波及増については、限られた公費の公平な配分という観点から自治体が負担すべきという考え方に基づくものでございます。

 この減額調整措置をめぐっては、この検討会の中でも賛否両論さまざまな御意見がございましたけれども、一億総活躍社会に向けて政府全体として少子化対策を推進する中で地方自治体の取り組みを支援する観点から、早急に見直すべきとの意見が大勢を占めたということでございます。

 ただ、その際には、医療保険制度全体の規律、あるいは医療提供体制に与える影響、さらに先ほどもございましたが負担能力に応じた負担という原則、あるいは過度な給付拡大競争の抑制、さらには小児のかかりつけ医の普及等々、他の子育て支援策の充実などとあわせて取り組むべき事項、さらに公費財源の有効活用、あるいは財政再建計画との整合性といった観点も踏まえながら検討を行うべきであるということでございます。

 これにつきましては、来週にも政府全体で閣議決定をされます一億総活躍社会の中で、年末を目途に結論を得るということが示されておりまして、この医療保険部会での御審議もその中の一つとして御意見を賜れればということで本日は御紹介させていただいております。

 なお、これに関連いたしまして、委員提出資料1、委員提出資料2、本日望月委員は欠席でございますが、御意見の中でもこの子どもの医療費制度について触れられておりますので、あわせて御紹介させていただきます。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、これにつきまして、御意見、御質問等をいただければと思います。

 山本参考人、どうぞ。

○山本参考人

 委員提出資料1で「子どもの医療に関わる制度に関する要望」を御紹介いただきましたが、3月29日、この報告書を受けた翌日になりますが、地方三団体で厚生労働省のほうに提出させていただいております。内容はごらんいただければと思いますが、ポイントといたしましては、地方自治体は少子化対策の一環として、地方単独事業となりますが、子ども医療費の軽減措置を講じている。また、この少子化対策というのは我が国おける喫緊の国家的課題であるので、国の責任において子どもの医療にかかわる全国一律の制度を求めるとともに、この減額調整措置については廃止を求めているところであります。

 ここにもありますが、減額措置が廃止されましたら、地方自治体としては適正受診のための啓発、また、さらなる子育て支援策の充実など、一層の少子化対策が可能になると考えております。ニッポン一億総活躍プラン(案)においては、この検討会での取りまとめを踏まえまして、減額調整措置のあり方について年末までに結論を得るとされておりますが、平成29年度予算に着実に反映されますよう、減額調整措置の廃止に向けて早急な判断をお願いしたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、遠藤秀樹委員、お願いいたします。

○遠藤委員

 私は福島県から来ておりまして、子ども医療費に関しましては、福島県の場合、震災及び原発の問題がありましたので、18歳まで無料化されております。私自身も国保の審査委員を兼ねておりますので、連合会のほうにお願いして概算のデータを出させていただいたのですけれども、平成23年の震災、2410月から無料化ということをやっているのですが、2324252627年度までデータをとりまして、1件当たりの費用、これは医科・歯科それぞれ同じような傾向なのですが、ふえておりません。子どもの数が若干減っているのは事実なので、これは被保険者1人当たりという形でもう一回出していただいて、18歳未満の被保険者1人当たりの医療費もほぼ横ばいというようなデータをもらっております。

 かつて高齢者の無料化の際には、サロン化したとか、そういった話題もあったのですけれども、子どもの場合にはそういった傾向は出ないのではないかと思っております。そういった意味では、格差社会の中で子どもに責任はないわけなので、そういった負担を国庫で見るというのも一つの案かなと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 それでは、白川委員、お願いします。

○白川委員

 この話は自治体によっては医療費無料化などという政治公約にしていることもあるのですけれども、7割とか、2割負担の場合8割は保険者が負担しているわけで、市町村についてはいろいろ国の補助とかもあるのでしょうけれども、被用者保険はそんなことは一切ありませんので、日ごろから非常に疑問に思っております。

 というのは、御案内のとおり、市町村の地方自治体の財政力とか、あるいは政治的な配慮とかで各市町村の取り扱いがばらばらというのが現状で、東京都などはたしか中学生まで自己負担がない。福島は今、18歳まで、これはちょっと特別な事情があるのでと思いますけれども、財政力の弱いところは未就学児までとかです。皆保険制度ですから、中医協などでも一物一価という言い方をしますけれども、どこでも同じ負担で公平に高度な医療が受けられるというのに対して、ここだけ違う扱いというのはいかがなものかと考えております。

 市町村によって負担が違うのは、問題があると思っています。

 それから、今、福島のほうでは子どもの医療費については波及効果がないといいますか、無駄な医療はないよという数字があるのだということをおっしゃいましたけれども、私はいろいろ話を聞いておりますと、そんなことはないなと思っております。早い話、子どもが風邪を引いたら薬を買うよりは病院に行ったほうが安いわけです。ただですから。それはやはりきちんと教育をしていただかなければいけないし、波及効果がゼロということは絶対にないと思っておりますので、例えば今と同じような形でやるのでしたら償還払いにするとか、そういった工夫をしていただかないと、はっきり言って保険者はたまったものではないということは、ぜひ申し上げておきたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 その他の御意見はいかがでしょうか。

 それでは、岩村部会長代理、お願いします。

○岩村部会長代理

 今の議論でありますけれども、私も、この検討会の報告書がこういう形で出ているということはよく理解しますが、実際にどういう仕組みにしていくかということについては、かなり慎重に検討すべきだと思っております。医療保険の基本的な仕組みというのは日本の場合、多くの国でもそうですけれども、患者が一部負担をするということを前提に成り立っています。それは、医者にかかることはそれなりにコストがかかるのだということを患者自身にも認識してもらうということだと思っています。

 したがって、例えば老人医療の無料化をかつてやったときに起きたことはなぜかというと、つまりコスト意識がなくなるとどういうことが起きるかということを歴史的事実として皆、知っているわけですから、そのことは十分に考えるべきだと思っています。

 もちろん、収入あるいは資産の問題があって、自分の子どもが病気のときに医者にかかれない、アクセスが阻害される方がいるということは私も十分承知していて、そういった方のアクセスが阻害されるというのは決していいことではない。それについての対策は必要だろうと思いますけれども、それをおよそ一般に広げるというのが政策として本当に適正なのかというのは、私はやや疑問に思っています。

 そういう意味では、仮に何らかの形で窓口負担を軽減するなり何なりするのであれば、それは本当にそういうニーズのある人に絞ってやるというのが一番適切な姿ではないかと考えています。

 ただ、本当にそうなると、私個人の考えとしては、それは医療保険という仕組みの枠ではなくて、むしろ児童福祉なり他の施策の中で、場合によっては収入だけではなくて預貯金、資産というものも見た上で補助をするのかどうかというのを考えるほうが、より公平な仕組みではないかと思います。

 さらに、先ほどもちょっと出ましたけれども、例えば仮に軽減とか何かをするのであれば、1回は窓口で少しは払っていただいて、あとは償還払いにするとかの仕組みにして、一定のコスト意識を持っていただくということは必要ではないかと思います。

 さらに、私自身の個人的見解としては、限られた公費を少子化対策の中でどこに入れるかということを考えたときには、私はここに入れるよりは保育所に入れるべきだと、優先順位はそうなのではないかと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 いかがでしょうか。

 それでは、村岡参考人、お願いします。

○村岡参考人

 ありがとうございます。

 市町村保険者の立場から申し上げますと、子どもの医療費に対する地方単独事業のカット部分というのは、都道府県あるいは市町村の各施策で行われているものが国保の保険者に対してカットされるということで、国保の構造的な問題の財政力がないということに対して非常に大きな影響を与えているという現状がありますので、保険制度の中で申し上げますと、この問題について、カット部分については速やかに中止をしていただきたいというのが保険者の立場の意見でございます。

 制度的には、少子高齢社会の中で、この少子化対策をどうしていくのかというのはさまざまな議論があろうかと思いますが、地方の側から申し上げますと、やはり人口減少社会の中で子どもたちを産み育てる環境づくりをどうつくっていくのかということは非常に重要な問題ですので、当然保育所の充実であったり、もう一つの要因として、子育て中の経済的不安を解消していく施策として各都道府県の自治体が行っている施策ということでございますので、そのあたりについてはぜひ御理解をいただきたいと思います。

 一方で、全体的に人口が減少する中で、地方でこうした努力をしていることによって、ある意味、地方から中央への人の流れというのもあって、これまでの経済活動も含めて、地方の側も支えてきたというところがあるのではないかと考えているところでございますので、ぜひそういう立場でこの問題を積極的な改善の方向性で進めていただきたいと考えています。

 あわせて、参考資料3にも少し数字的には出ておりますが、子どもの医療費だけではなしに、各都道府県で実施をしております重度心身障害児者に対する医療についても、大きな金額での地方単独事業のカットがなされております。金額的には26年度ベースで290億円となっておりますが、国保の被保険者の負担の保険料が2兆9,000億円ですから、保険料の1%に相当する額がカットされているという実態もございます。そういった意味では、子どもにかかわらず、先ほどの議論にありました高齢者の問題、あるいは障害のある方の医療をどのように支えていくのかということは非常に重要な問題でございますので、全体で支えていくという視点からも、地方の一保険者からすれば、こういった障害者の医療に対するカット部分というのも速やかな是正をお願いしたいということもございますので、その点については御要望とさせていただきます。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 いかがでございましょうか。

 横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 自治体の首長ですので、少し述べさせていただきたいと思います。

 私どもは軽減措置をやっているところなのですが、その際には実は地域の医師会の皆さんの声を率直に聞きました。そしてわかったことは、一部負担を取らないと、皆さんが無料と思って過剰に駆けつけてきてしまって、重篤あるいはもう少し手当てが必要な方が後になったりすることもあり得るし、混乱してしまうので、一部負担は最低限でも必要ではないかということなので、少し一部負担を取りながら軽減はしているところです。そういった工夫を多分各自治体ごとに今、されていると思います。

 一方では、岩村部会長代理もおっしゃったように、今後の考え方として、日本国がこれまでの明治以降の経済成長の中から新たなステージの福祉社会をどうつくるかという議論も必要かと思っています。年配の方はもちろんですが、こういう少子化の時代の子どもたちの医療についても、その命、その将来の成長をどう育むかという時期ですので、そこをどのような福祉、あるいは健康医療を含めて行うべきかということを新たな議論というか、そういったことが必要なのかと感じています。

 そういう意味では、部会長代理もおっしゃったように、所得とか可処分所得、資産等も含めた負担できる人が負担できるものをお互いにやりながら全体で支え合うということも一方で勘案していくことが必要かと感じているところです。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 ほかに何かございますか。

 堀委員、どうぞ。

○堀委員

 議題が前に戻りますが、最初に配布された資料で、医療費の伸びの構造についての説明がありました。その中で、入院及び入院外のところのゼロ歳から4歳時の医療費が10年前に比べて伸び幅が大きいことが示されておりました。この背景には、恐らく乳幼児・児童の医療の窓口負担が2割になったことや、自治体の自己負担軽減策、つまり、制度的な影響もあるのではないかと思います。何が言いたいかというと、医療サービスにはニーズの部分と需要の部分と両方があると思いますので、制度によって自己負担が減れば、その分、需要がふえる可能性はゼロではないかと。もちろんニーズがある方だけが医療機関を受診するということが前提となっているのかと思いますが、中には、コンビニ受診といったこともゼロではないかと思います。コスト意識といいますか、自分自身の健康増進を意識づけということのためにも自己負担は多少なりとも必要なのではないかと思いますし、他の委員からもありましたが、負担は軽減しても償還払いにするなど工夫が必要であると思います。

 また、私は教育機関に勤めているのでそのように感じるのかもしれませんが、小さいときに医療費が無料ないしは低額であったものが大きくなると、負担が3割になっていくのかと思いますが、最初に医療はただというふうに思ってしまうと、本当の医療サービスの価値を意識する機会がないのではないかと思います。仮に自己負担はゼロだとしても、もともと医療は無料でできるわけではないですし、医療サービスの価値を理解していただいて、健康増進をしよう、貴重な医療資源を大切につかおうという気持ちをもっていただくことも重要な視点ではないかと。子育て世代で低所得者や重度な方などの負担軽減は受診抑制を是正するために必要かと思いますが、シンプルに少子化対策というのならば、先ほど部会長代理がおっしゃったように、保育所、保育ママなど子育て支援策の充実であるとか、もっと別の形で別の財源でやったほうが有効なのではないかと個人的には思っております。

 また、医療保険とは何なのか、給付と負担の関係を考えますと、社会保険と租税の原理というのは必ずしも一致しませんので、一億総活躍の考え方そのものは大賛成なのですけれども、少子化対策と医療保険というのを分けて考える視点もあるのではないかと思っております。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、松原委員、どうぞ。

○松原委員

 この問題は大変難しい問題で、今、白川委員がおっしゃったように、保険者さんは大変でやっていけないという意見もございます。しかし、医療機関としては、子どもに対して過剰な診療をすることはありません。採血すること自体も大変であります。また、子どもさんを診るというのは大変気を遣うことで、小児科の先生方は一生懸命やっておられるわけであります。

 ゼロ歳から4歳の費用が最近ぐっとふえているというのは、恐らくは、今まで助からなかったような状況の子たちも、産科学や新生児治療の進歩によってかなり助けているということもあると思います。その中で、我国の子どもが少ない。これについて保育所をつくれば全ておさまるということでもないと私は思っています。やはり基本的なところは国の政策として給付していく。こういうことで国民の安心を担保しなければ、お母さんたちも子どもさんをお産みになりにくくなると思いますので、いろいろな方法で我が国の問題点、少子化の問題を改善していかなければいけないと思います。

 ただ、市町村で対応が違うというのは、確かにいろいろな意見はあります。市町村の首長の意見によってこれが全てばらばらというのは、何かどこか違うように思います。例えば選挙のためにこれをやるということであれば少し違うのではないか。やはり国民のためにどうあるかということを社会保障審議会でも十分に議論していただいて、子どもに対しては負担をある程度すべきであるという意見もありましょう。コストの問題とは思いますけれども、簡単な話ではないのです。しかし、日本の国での統一的なあり方というのは必要なのではないかと私は思います。

 もう一度申しますけれども、小児科の先生方は大変努力しています。大体、医学部で小児科に行く先生たちは非常に真面目な先生が多くて、大変努力されています。その先生方のやりがいがさらにあるように、保険の給付においても対応していっていただければと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 検討会でもそうでありましたけれども、やはり多様な議論が出るということでございますので、またこの問題はさらに詰めて、この部会でも検討していきたいと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、ほぼ予定した時間になりました。

 横尾委員、最後ということで。

○横尾委員

 実は熊本地震に関してのことでございます。私ども、九州にいますので、今、被災地支援のほうにずっと回っております。西原村にも入りましたし、宇土の市役所が壊れているところの大変さも現場で見たり、首長さんと話をしたりしてきました。

 その中で1点感じていることは、健康や医療に関する情報をやはり広く周知しておく必要があるなということです。これは3.11の東日本大震災のときに活躍をした方々や保健師の方等の先輩の意見を聞いたのですけれども、健康や医療に関する情報がないとどんなことが起こるかといいますと、避難所で食べるものはおにぎり、あしたもおにぎりという形で、限られた食材しかしばらくないのですね。そうすると、一時的に炭水化物と塩分が濃いものと、お茶とか一部限られた水分をとってしまいますので、血液環境的には非常に悪化してしまって、そういったときに、今回のケースでいいますと車の中で寝てしまう。本当に体が疲れていくばかり、疲労するばかりということで、概して震災影響による死者まで出てきているわけでして、先ほども出ましたけれども、健康や医療に関する情報を政府としてもぜひ広報していただきたいということを改めて感じています。

 私どもの保健師も現場に行きましたけれども、健康をチェックしていく、指導していく、そういった意味では、単にドクターの皆さんのみならず、栄養士の方とか看護師の方、地域に関する食生活改善のグループの方とか、いろいろな方の力をかりないと維持はできないと思いますので、そういったことも少し、今後とも厚生労働省のほうでお力添えいただくといいかと思います。

 お時間とって済みません。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 政府への要望ということでございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、これをもちまして部会を終了したいと思いますけれども、次回の開催日につきましては、追って事務局より連絡するようにお願いしたいと思います。事務局、よろしくお願いします。

 本日は御多忙の折、お集まりいただきまして長時間ありがとうございました。


(了)

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