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2016年5月27日 第10回厚生科学審議会 再生医療等評価部会 議事録

医政局 研究開発振興課

○日時

平成28年5月27日(金)15:00〜17:00


○場所

中央合同庁舎5号館厚生労働省共用第8会議室(19階)
東京都千代田区霞が関1-2-2


○出席者

【委員】

福井部会長 荒戸委員 今村委員 梅澤委員 大澤委員
掛江委員 紀ノ岡委員 木下委員 後藤委員 高橋委員
田島委員 柘植委員 戸口田委員 中村委員 花井委員
前川委員 松山委員 山口委員

【事務局】

        飯田審議官 神ノ田研究開発振興課長 吉田研究企画官

○議事

○神ノ田課長
 傍聴の皆様方にお知らせいたします。傍聴に当たっては、既にお配りしている注意事項をお守りくださいますよう、お願いいたします。

 定刻になりましたので、ただいまから第10回厚生科学審議会再生医療等評価部会を開催いたします。

 本日は部会の定数24名に対し、現時点で16名の委員の皆様方に御出席いただいております。厚生科学審議会令第7条に定められている定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。

 本日の会議資料の確認をいたします。議事次第、座席表、委員名簿、資料1「遺伝子治療等臨床研究に関する実施施設からの報告について」、資料2-1「異種移植の実施に伴う公衆衛生上の感染症問題に関する指針」の改定概要、資料2-2「総括研究報告書」、資料3-1「特定認定再生医療等委員会におけるヒト多能性幹細胞を用いる再生医療等提供計画の造腫瘍性評価の審査のポイント」、資料3-2、研究班の名簿、資料4-1、大阪大学からの変更届、資料4-2、委員会の意見書、資料5「サンフィールドクリニック再生医療等提供計画の取下げについて」。そのほか参考資料を12まで付けておりますが、お手元のタブレットに格納されておりますので、適宜御参照いただければと思っております。資料の不足等がありましたらお知らせください。

 それでは、円滑な議事進行のため、撮影についてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。以後の進行につきましては、福井部会長にお願いいたします。

○福井部会長
 議事に入ります。議事1「遺伝子治療等臨床研究に関する実施施設からの報告について」です。事務局より説明をお願いいたします。

○吉田研究企画官
 資料1を御覧ください。遺伝子治療等臨床研究に関する実施施設からの報告に関し、2件御説明させていただきます。

1ページを御覧ください。1件目は、前回の部会で御確認いただいた三重大学で実施されているMAGE-A4抗原特異的TCR遺伝子導入リンパ球輸注による治療抵抗性食道がんに対する遺伝子治療臨床研究についての追加報告です。

 前回の部会において、本件については遺伝子治療臨床研究に関する審査委員会の委員から、出血局所への遺伝子導入リンパ球の浸潤が認められたのか、念のため確認するように御指摘がありましたが、前回の部会当日までに回答が間に合わなかったことから、後ほど御報告させていただくことになっておりました。その後、三重大学から「肺門部・縦隔の腫瘍組織についてPCR法により分析を実施したが、遺伝子導入リンパ球の浸潤は確認されず」と回答がありましたので、御報告させていただきます。

 続いて2ページです。大阪大学で実施されている慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症及びビュルガー病)を対象としたAMG0001の筋肉内投与による遺伝子治療における重大事態等報告書です。これについての詳細は7ページ以降を御覧ください。本遺伝子治療は血管新生を促すHGF遺伝子が組み込まれたプラスミドDNAベクターであるAMG0001を虚血肢に筋肉注射し、慢性動脈閉塞症を改善しようという治療です。

 このAMG0001はアンジェスMG社が開発しています。今回の重大事態等の報告については、8ページに記載があります。米国において、AMG0001の投与を受けた64歳男性の白人患者が、その投与後に末梢性虚血の悪化により下肢切断に至ったというものです。倫理審査委員会での審議の結果、原疾患である閉塞性動脈硬化症の悪化によるものと考えられることから、本遺伝子治療の継続は可能であるという結論に至りました。

 なお、本件についても、本部会へ御報告する前に遺伝子治療臨床研究に関する審査委員会で御確認いただいておりますが、この確認の際、蜂巣炎の感染菌が本剤の投与により深部に到達した結果、症状を増悪させて下肢切断に至った可能性はないかを念のため確認するよう御指摘がございました。この指摘について大学側に確認したところ、感染増悪の先行は確認されていないなどの理由から、「そのような可能性は低い」という回答がありましたので、併せて御報告いたします。説明は以上です。

○福井部会長
 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

 よろしいでしょうか。もし御意見等がないようでしたら、ただいま御説明のあった2件については、本部会として了解することとしたいと思います。

 次の議事に入ります。議事2は「平成27年度厚生科学特別研究事業における結果報告について」です。「異種移植の実施に伴う公衆衛生上の感染症問題に関する指針」の見直しに関する研究について、事務局より説明をお願いいたします。

○事務局
 本指針は異種移植の実施に伴う公衆衛生上の感染症問題に特化した指針ですが、平成13年に同じく特別研究事業の研究班において指針が策定され、研究開発振興課として通知を出し、周知徹底をしてきたところです。

 現在の背景ですが、平成2611月に、再生医療等安全性確保法が施行され、細胞加工を伴う組織移植は法の適用となりました。欧米では既に臨床研究及び治験といった動きが出てきているということです。また、昨年、国際異種移植学会で、ブタ膵島移植のコンセンサスステイトメントが改定されました。国内においては、ヒトにおける異種移植の実施例はまだありませんが、膵島細胞移植を中心に研究が進んでいる状況です。

 それらを踏まえて、この指針を改定することになりました。そこで、策定時と同じように特別研究事業で、国立感染症研究所の俣野哲朗先生を研究代表者として研究班を組織し、議論をしていただきました。

 資料2-1の下段を御覧ください。今回の指針での主な改定内容としては、先ほど申しましたステイトメントや臨床試験の最新情報を取り入れまして、再生医療等安全性確保法や薬機法といったところにも対応できるように記載しております。

 下の抜粋の所にありますが、留意事項として、無菌動物、SPF動物という記載がありましたが定義が曖昧であることから、具体的に定義をしております。また、国外で異種移植を受けた患者への対応ということで、別添1としてその対応方法についての記載が追加されました。

 また、大きなものとしてはブタ内在性レトロウイルスというものに関してです。現指針は、排除すべきウイルスのリストにブタ内在性レトロウイルスが含まれていたのですが、こちらは下に書いてあるとおり、全てのブタにはPERV-APERV-B2つのタイプが組み込まれているということ、PERV-Cというのも一部のブタには組み込まれており、この危険性を完全に排除することが不可能であることが分かっております。したがって、これらのブタを使う際には、ブタドナーにおけるPERVゲノムと感染性ウイルスの存在状況及び移植患者、その患者のPERVの感染の有無についてモニターすることを求めております。

 具体的には、ドナーブタに関してはPERV-APERV-Bプロウイルスのコピー数が少ないもの、若しくは感染性ウイルス、上記の方法というのは共培養してヒトの細胞に感染しないというような実験をした上で、そういうものがない動物を選択すべきであるとされています。

 また、移植患者や家族等の接触者が、移植前後、定期的かつ生涯にわたりPERVの感染を起こしていないかのモニターを受ける必要があるとしております。

 また、50年とされていた記録や、動物の臓器等試料は、関連の法令等に合わせて30年としております。また、施設管理者の部分で2.3という項目があるのですが、異種移植審査委員会を異種移植を実施する施設の中に作った上で審議をすることと定めております。

 実際に異種移植を行う際には、院内で審議されたものをその目的に沿った法令に沿って申請なりをしていただくことになるかと思います。例えば再生医療等安全性確保法に基づくものであれば、審議されたものは特定認定委員会にもう一度意見を聞くことが必要になります。異種移植は第一種再生医療等に分類され、本部会にも上がってくることになりますので、もう一度そこで審査を頂くことになります。以上です。

○福井部会長
 この研究班の協力者であった掛江先生から何か加えることなどがありましたら、御発言をお願いいたします。

○掛江委員
 御説明いただいたもので十分です。ありがとうございます。

○福井部会長
 この件について御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

 よろしいでしょうか。ないようでしたら、この件については本部会として了解するということで、次に進ませていただきます。

 議事2-2iPS細胞等を用いた臨床研究を実施する際の移植細胞の安全性評価の在り方に係る研究」についてです。説明は本研究の事務局として御尽力いただいた、松山委員にお願いいたします。

○松山委員
 本研究班の報告として、「特定認定再生医療等委員会におけるヒト多能性幹細胞を用いる再生医療等提供計画の造腫瘍性評価の審査のポイント」を説明させていただきます。まず、前文を読ませていただきます。

 多能性幹細胞由来特定細胞加工物のリスクを評価する際に求められる非臨床試験の要件は未だ定まっておらず、本研究班において最先端の知見を踏まえた議論を尽くしても、全員が一致する最終結論には至らなかった。本報告書は、現時点で最善の議論を尽くした上での最大公約数の賛同を得られた意見であり、今後得られる基礎研究の成果、更には臨床投与患者における注意深い観察、その検体解析で得られる知見を積み上げることにより、本報告書の内容は常に検証、修正されるべきということで、この審査のポイントが、この時点で全てパーフェクトというものではなく、今後サイエンス、テクノロジー、バイオエシックスの進展に伴って改定されるべきであるというメッセージを込めております。

1.原材料としての多能性幹細胞に求められる安全性等の審査のポイントです。

(1)余剰胚又は原料細胞について、以下の点を確認すること。提供者からインフォームド・コンセントを受けている、ドナースクリーニングが適切に実施されている、その他国内関連指針・基準適合性が評価されているということで、出発原材料としての余剰胚ないし血液細胞等の原料細胞について、インフォームド・コンセント並びに感染症の観点からの規定と解釈していただければ有り難いと思っています。

(2)原材料となる多能性幹細胞において、造腫瘍性を否定できない以下のゲノム所見を確認すること。核型異常(Conventional又はG-Band)、腫瘍関連遺伝子(Cosmic census+Shibata list)SNV/Indel及びコピー数異常(CNV)を含む構造異常、腫瘍化促進の可能性のある外来因子の有意な残存です。

 これら上記の3項目において1つでも異常を有する場合に、リスク・ベネフィットを厳密に検討して臨床利用の妥当性を判断するということです。米国ですが、実際にジェロン社のES細胞由来の細胞がINDとして染色体数の異常があるものが、いわゆる日本で言えば治験のフェーズに入っているという事例もあります。一方で、21ページの「注2)」の場合も、「FIH試験においては、最初の数例によりベネフィットの感触が得られるまでの間は、慎重を期し上期項目において異常がないと判定される多能性幹細胞を使用することとする」ということで、注を付け加えさせていただいております。

2.多能性幹細胞由来特定細胞加工物の造腫瘍性評価の審査のポイントです。(1)臨床利用を目的とした原材料として、前述の項目を満たしていることを確認すること。満たしていない場合は、臨床利用は許容されません。(2)最終加工物のin vitro試験に関して、以下の点を確認すること。原材料である多能性幹細胞の拡大培養や分化誘導中に新たに生じた型核異常(Conventional又はG-Band)や腫瘍関連遺伝子(Cosmic census+Shibata list)SNV/Indel及びコピー数異常を含む構造異常、体細胞変異で確認される細胞亜集団の明らかな増大、未分化な多能性幹細胞の残存、培養期間を超えて培養した場合の、目的外の形質転換や目的細胞以外の細胞の異常増殖ということです。

 申し遅れましたが、Cosmic census+Shibata listですが、Cosmic censusに関してはSanger研究所のホームページにアクセスしていただければ、Cosmic cancer censusという形でヒットしまして、595遺伝子がリストアップされています。Shibata listというのは、PMDAの科学委員会が多能性幹細胞を今後臨床応用するに当たり、ゲノムを評価すべきであるというメッセージを出しておられますが、そこで柴田先生が御提出されたリストで、こちらは242あります。両方で被っているものが220あり、トータルで615の遺伝子が、現在腫瘍関連遺伝子として、この指針の中では評価すべきという形でリストアップされているところです。

 注3)の上から5行目ですが、「この場合もFIH試験においては、最初の数例によりベネフィットの感触が得られるまでの間は、慎重を期し上期項目において異常がないと判定される多能性幹細胞を使用することとする」という形で、慎重に研究を進めてほしいというメッセージが入っているところです。

(3)です。最終加工物のin vivo造腫瘍試験について、以下の111の各々の妥当性を総合的に勘案すること。1その目的とヒトへの外挿性と限界、2動物種と免疫抑制・不全状態、3提供計画で予定される投与の手技、4試験での加工物投与部位、5試験での投与・移植形態、6予定投与細胞数とin vivo造腫瘍性試験投与細胞数、7試験観察期間と中間解析する場合の妥当性、8観察評価項目、9観察された病理学的所見の評価、10移植後の観察計画、11加工物の一部保存計画。このようなことです。

 なお、in vivo造腫瘍性試験は、がん化のリスクを直接評価するものではなく、ある試験条件下で、ハザードの有無や存在量、免疫不全動物内での要因の発現程度を評価するものであるということです。また、がん細胞は多様性に富んでおり、in vivo造腫瘍性試験では検出率が低いがん細胞腫があることにも留意し、対象患者への説明同意文書に分かりやすく記載されていることを確認していただきたいということです。

 これらを踏まえて、(4)のリスクマネジメントプランに入っていきます。リスクマネジメントプランの妥当性について特定認定再生医療等委員会で御議論していただきたい所ですが、フォローアップ計画、腫瘍発生時の対処方法(外科的切除や薬剤投与等)があります。

(5)ポテンシャルベネフィットの観点から提供計画の妥当性について確認すること、代替治療法を確認し、有る場合は既存の治療方法との比較、投与時の予後、投与しないときの予後他ということです。

3.参考情報です。上から4行目ですが、in vitroで観察される核型異常細胞やその他の遺伝子変異を持つ細胞の安全性に関しては、世界的にもまだ結論は出ていないということで、この部分が研究班の中でもかなり議論になったところです。これらサイエンスが未知であるという部分を十二分に御忖度の上で、特定認定再生医療等評価委員会の中で御審議いただければということで、本研究班の班員の皆様から御了承が得られた報告と代えさせていただきます。以上です。

○福井部会長
 この研究班のメンバーでもありました梅澤先生、掛江先生、後藤先生、山口先生から、何か付け加えることなりコメントなり、頂ければ有り難いのですが。

○掛江委員
 全体のサイエンティフィックな確認事項をまとめていただいたところに加えて、例えば1.(2)の最後の所に、「原材料となる多能性幹細胞のゲノム解析については、未解明な事項が多くあることも含め、対象患者への説明同意文書に分かりやすく記載されていることを確認すること」であるとか、同じように、2.(2)の同じ箇所に、リスクとベネフィットについてもきちんと説明すること、(3)の最後にも、造腫瘍性試験に関しての記載をきちんと追加することと書いていただいていて、非常に被験者保護の観点からも御配慮いただき感謝しています。

 改めて拝読させていただいて、できればどこか冒頭に被験者に科学の限界と医学の不確実性について十分に理解していただいた上で研究参加の意思決定ができるように、「きちんと配慮されていることを確認することを申し添える」みたいな、何のためにここで被験者に説明してくださいということを書いているかというところの理由が一目で分かるような文章を加筆していただくことが、もし可能であれば御検討いただきたいと思いました。もちろん、十二分に既に書いていただいているので、必ずしもというわけではなくて、コメントとして申し添えさせていただきます。

○福井部会長
 山口先生、いかがですか。

○山口委員
 私は、基本的に、もうこのままでよろしいのかなと思っております。ただ、付け加えれば、2.(4)で、リスクマネジメントプランとして、委員会の席でもこのフォローアップ計画が大事だということで、特に遺伝子治療の中でがんが発症した場合も白血病が発症した場合も、45年たってから発症しているわけで、結局そのin vivoの試験、あるいはゲノム解析だけでは分からない部分があるのだということを書いていただいていると思いますので、そういうフォローアップ計画が非常に重要な点だと思っております。

○福井部会長
 前川先生、どうぞ。

○前川委員
In vivoの造腫瘍性試験についてなのですが、例えばiPS細胞から血小板を作るような場合は、最終産物、投与産物に25Gyの放射線照射を実施します。それを当てた場合にも、in vivoの造腫瘍性試験が本当に必要なのかどうかという議論は、この研究班の中ではどうだったのかを教えていただけますか。

○松山委員
 今の部分ですが、細胞の投与形態で、実質的に血小板の場合は、巨核球とかコンタミがないということがバリデートされているのであれば、いわゆる細胞そのものの造腫瘍性はないと考えることもできますので、弾力的に特定認定等委員会で妥当性を総合的に勘案していただければいいのではないかと。実際、そういう場合もあるという御議論はありました。

○山口委員
 今、前川先生がradiationのことも質問されていたかと思うのですが、海外ではがん細胞を用いたがんワクチンとして、最終的にがん抗原を更に追加したりはするのですが、radiationをしてから投与をする。そのradiationによって、一応細胞そのものは抗原を停止するだけで、増殖能はないと判断されているかと思います。そういう意味では、一定のradiationがあった場合には適用にならないと私自身は解釈しているのですが。

○福井部会長
 ほかにはいかがでしょうか。

○後藤委員
 最初に松山先生がおっしゃったように、この報告書の一番のポイントは、常に検証、修正されるべきであるというところだと思います。これについては、研究班の議論の中でここ5年、10年の中で予定されているものを一応念頭に置いて考えるということが合意されたと理解しています。ただ、医療科学の進歩は日進月歩なわけですから、この基準がどんどん改定されていくことがこの研究班の総意であり、今のところの結論であるということは、改めて強調しておいたほうがいいのかなと思いましたので、一言述べさせていただきました。

○花井委員
 先ほど、掛江先生からもあった話なのですが、かなり専門的な話で素人には分かりにくいところも多いのですが、要はがん化リスクが残っているというのが最大の問題で、そのリスクを下げるために指標となるゲノムなどをチェックしていると。基準は、今のところこういうことでやりますという文章だと思います。ですから、患者に説明というのは、もちろん(3)の下のほうのこの言い方でもいいのですが、これはあくまでもこの文脈ではこういうことになると思うのです。要は、がん化リスクというのがあって、それはいわゆるゲノムで特定している部分もあれば、環境要因というか、いわゆる表現型のいろいろなことやエピゲノムとかいろいろあると思うのですが、そういったことが複合的でまだ分からないところがたくさんあるという話だと、素人的には読みます。

 全体として、がん化リスクを患者は恐れているので、分かっているのはこの程度で分かっていると。それはチェックしていますよみたいな説明が、患者には一番分かりやすいのだと思うのですね。下手をすれば、これだけ細胞の安全性は確認していますという説明になりかねないポジティブリストになっているので、難しいと思いますが、それを分かりやすく患者に説明する記載があることが書かれていると望ましいです。それをどこに書くのかですが、最初に書いて潜在的リスクの形を書くやり方もありますし、それにはポリシーがあって、医療というのはこういった実験的な検証をすることによってよくなっていくという原則論的なことを書いていくのか、そうではないのかというのは御検討いただきたいと思います。厳しく書けば書くほど、安全性をたくさん確認していますという説明に読めるとも言えるので、そこを是非分かりやすく説明いただけたらと思います。

○福井部会長
 ほかにはいかがでしょうか。

○荒戸委員
 具体的な解釈の仕方を教えていただきたいのですが、1.(2)2.(2)のあとに注があります。ゲノム解析に異常があっても、場合によっては許容されることがあるというストーリーになっていて、その後でFIH試験の場合は、最初は異常がない細胞を使えというようなことを言っています。これは、具体的には、多分ロットを形成するときというよりは、自己細胞から作った場合で、最初の何例かは、もし異常があったら投与はできなくて、何例かでベネフィットが示されたら異常があっても投与してもいいといったプロトコールを作るということを言っているのでしょうか。

○松山委員
 具体的にそういうプロトコールが倫理的に組めるのかどうかは、非常に難しいところだと思います。やはり、最初は丁寧に異常がほぼないものを使っていただくほうがいいだろうと。そこで実際の患者でベネフィットが出てきたら、要するにポテンシャルや予期できるベネフィットですが、実際のベネフィットが見えてきた段階であれば、ミューテイション等があることによって出てくるハザード、リスクが全く認められないものに比べて上がるわけですから、そこのトレードオフがより的確に評価できているからであろうとお考えいただければいいのかなと思います。

○福井部会長
 ほかにはいかがでしょうか。

○山口委員
 事務局に確認ですが、このレポートそのものは特定認定のために向かって出していると。確認したいのは、もし治験などでiPSを使ったときには、これは適用されないのかどうかを確認させていただければ有り難いです。

○神ノ田課長
 これは、あくまでも特定認定再生医療等委員会における審査に活用してほしいということでお示しいただいたものと理解しています。今後、事務局として特定認定再生医療等委員会に周知をして、審査の際に活用してもらうこととしておりますが、治験についてはまた別の整理がされるものと考えております。

○福井部会長
 ほかにはいかがでしょうか。この分野の仕事をされている高橋先生、何か御意見はありませんか。

○高橋委員
 皆さんで議論された意見が形になったのは、非常に有り難いことだと思います。やはり、場合によってものすごく違いますので、このように修正、検証されるべきであるとか、いろいろな腫瘍になりやすい細胞か、環境によっても違うとか、それぞれ付記してくださっていますので、非常に実際的かなと思っております。

○福井部会長
 よろしいでしょうか。本件について、幾つか御意見を頂きましたが、今後できるだけ短期間で検証、修正の作業を続けていただきたいと思っております。現時点ではこの報告書で認めていただくということで、部会として了解いただけますでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、本部会として了解することといたします。

(非公開部分の議事概要については以下のとおり)

議事:第一種再生医療等提供計画の再生医療等提供基準への適合性確認

議事概要:

1 以下の第一種再生医療等提供計画の変更について、再生医療等提供基準に適合していることを確認した。

 

 【再生医療等提供機関】

  大阪大学医学部附属病院

 【提供しようとする再生医療等の名称】

  重症家族性高コレステロール血症(主としてホモ接合体)に対する同種脂肪組織由来多系統前駆細胞移植療法の安全性の検討

 

2 以下の第一種再生医療等提供計画の取り下げについて、事務局より報告がされた。

 

【再生医療等提供機関】

 医療法人社団みき会サンフィールドクリニック

【取り下げをした再生医療等の名称】

 動脈硬化症の進展予防を目的とした同種脂肪由来間葉系幹細胞治療

 

 【再生医療等提供機関】

  医療法人社団みき会サンフィールドクリニック

 【取り下げをした再生医療等の名称】

  同種脂肪由来間葉系幹細胞を用いた2型糖尿病の改善を目的とした治療

 


(了)

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