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2016年4月20日 医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第5回)議事録

医政局医事課

○日時

平成28年4月20日(木)13:00〜15:00
※第2回医療従事者の需給に関する検討会との合同会議


○場所

厚生労働省省議室(9階)


○出席者

荒井 正吾 (奈良県知事)
荒川 哲男 (全国医学部長病院長会議会長)
一戸 和成 (全国衛生部会長)
今村 聡 (日本医師会副会長)
尾形 裕也 (東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)
小川 彰 (岩手医科大学理事長)
荻原 喜茂 (日本作業療法士協会副会長)
片峰 茂 (長崎大学学長)
勝又 浜子 (日本看護協会常任理事)
加納 繁照 (日本医療法人協会会長)
釜萢 敏 (日本医師会常任理事)
神野 正博 (全日本病院協会副会長)
北村 聖 (東京大学大学院医学系研究科附属医学教育国際研究センター教授)
権丈 善一 (慶應義塾大学商学部教授)
小森 貴 (日本医師会常任理事)
堺 常雄 (日本病院会会長)
高砂 裕子 (全国訪問看護事業協会常務理事)
西澤 寛俊 (全日本病院協会会長)
野口 晴子 (早稲田大学政治経済学術院教授)
春山 早苗 (自治医科大学看護学部長)
半田 一登 (日本理学療法士協会会長)
平川 淳一 (日本精神科病院協会常務理事)
平川 博之 (全国老人保健施設協会副会長)
福井 次矢 (聖路加国際病院院長)
伏見 清秀 (東京医科歯科大学教授)
邉見 公雄 (全国自治体病院協議会会長)
本田 麻由美 (読売新聞東京本社編集局社会保障部次長)
松田 晋哉 (産業医科大学医学部教授)
松原 謙二 (日本医師会副会長)
水間 正澄 (昭和大学医学部リハビリテーション医学講座教授)
森田 朗 (国立社会保障・人口問題研究所所長)
山口 育子 (NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)
山崎 學 (日本精神科病院協会会長)
土井 俊祐 (千葉大学医学部付属病院助教(藤田参考人代理))

○議題

1.医師需給推計について
2.医師偏在について

○議事

○堀岡医事課長補佐 ただいまから、「第 2 回医療従事者の需給に関する検討会」「第 5 回医師需給分科会」の合同会議を開催します。構成員の先生方におかれましては、本日は大変お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。

 ここで、カメラは退室をお願いします。

 初めに、局長から御挨拶をします。

○神田医政局長 本日は、お忙しいところ委員の皆様方には御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。 14 日午後 9 26 分に発生いたしました熊本震災、また、 16 日午前 1 25 分に発生いたしました本震に関しまして、その後、関係者の皆様方には多大なる御支援を賜っていることに対しまして、この場をお借りして、まず御礼申し上げたいと思います。

4 15 日付けで各団体に医師の派遣、その他、看護師の派遣とか、そういうこともお願いをさせていただいております。お陰様でと申しますか、現地の状況として、当初は外来の患者さんがたくさん押し掛けていたわけですが、 D-MAT 等の投入によりまして、少しずつ落ち付きを取り戻しつつあると聞いております。大規模な入院患者さんの搬送については、おおむね目途がつきまして、 9 つの病院で大量な患者搬送は終わっている状況でございます。

D-MAT が行います外傷ですとか、タチイケの搬送はほぼ終わりまして、今後は避難所での医療、健康管理にその重点が移ってまいります。一昨日開かれました被災者の支援協議会でもお願いをしているところでございますが、今後、 J-MAT でございますとか、全日病でやっておられる医療チームですとか、日赤ですとか、そういったところに力点が移ってまいります。引き続き御支援をお願いしたいと考えておりますが、何とぞよろしくお願い申し上げます。

○堀岡医事課長補佐 よろしくお願いいたします。それでは、初めに本日の御出席について御連絡します。本日は全構成員に御出席いただいています。また、本日の会議は、参考人として、千葉大学医学部附属病院地域医療連携部教授藤田伸輔様の代理として同助教土井俊祐様に参加いただいています。以降の議事運営については、座長にお願いします。では、森田座長、よろしくお願いします。

○森田座長 皆様、こんにちは。ただ今もありましたように、熊本地方で大変大きな地震があり、医療関係者の方、また、厚生労働省関係者の方が御尽力されているということで、敬意を表します。それでは、議事に入ります。初めに、事務局より資料の確認をお願いします。

○堀岡医事課長補佐 資料の確認をお願いします。資料としては、議事次第、資料 1 2 、参考資料 1 2 3 となっています。落丁、乱丁などがある際は、事務局までお知らせください。

○森田座長 ありがとうございました。乱丁等がありましたら、御連絡ください。それでは、議題「中間取りまとめに向けた議論について」に入ります。資料 1 「中間取りまとめに向けて御議論いただきたい事項について ( ) 」に関して、事務局から説明をお願いします。

○堀岡医事課長補佐 資料 1 「中間取りまとめについて御議論いただきたい事項について ( ) 」を御説明します。今までの医学部定員・医師偏在対策の経緯があり、参考資料 1 におまとめしていますので、参考資料 1 を横目に、まずはそちらを御説明します。

 参考資料 1 「医学部定員・医師偏在対策のこれまでの経緯について」です。 1 つ目の○ですが、医学部定員については、昭和 48 年から閣議決定された、いわゆる 1 1 医大構想の推進で、昭和 58 年に医学部定員が 8,280 人というところまで達成しています。「人口 10 万人対 150 人」の医師数が達成されています。その後、昭和 61 年の将来の医師需給に関する検討委員会において、将来の医師過剰が見込まれたことを踏まえ、医学部定員を削減し、平成 15 年以降、 7,625 人で維持されてまいりました。

 その後、平成 18 年に高齢化の進展、大都市圏への人口集中、大学を取り巻く環境、医療を取り巻く環境など、社会環境が変化する中で、地域における医師不足を指摘する声が強まり、医師需給に関する検討会が設置されました。

 その報告書において、 (1) 医学部定員については、平成 34 年に需要と供給がマクロ的には均衡すること。しかし、これは短期的・中期的に、あるいは、地域や診療科といったミクロの領域での需要が満たされることを意味するものではないという結論。また、既に地域において、医師の地域定着策について様々な政策を講じているにもかかわらず、人口に比べて医学部定員が少ないために、未だ医師の不足している県があり、その大学医学部に対して、更に実効性のある地域定着策の実施を前提としての定員の暫定的な調整を検討する、という医学部定員に関する結論がまとめられました。

(2) の偏在についても、病院・診療所の施設や小児・産婦人科の診療科における医師の勤務環境、医師数の現状等を踏まえ、地域間の医師の配置の格差などは必ずしも減少に向かっていません。また、地域に必要な医師確保の調整を行うシステム、様々な制度、効果的な施策を、今後とも講じていくことが必要であることなどがまとめられています。

2 ページの○ですが、その結果、医学部定員については、 3 つの政策により増加が図られています。 1 つは「新医師確保総合対策」で、平成 18 年度に関係省庁連絡会議で決められたものです。平成 20 29 年度までの間、医師不足が特に深刻と認められた 10 県についての増員が認められたものです。この後、平成 19 年度閣議決定の「緊急医師確保対策」に基づき、平成 21 29 年度までの間、医師確保が必要な地域や診療科に医師を確保するため、各都道府県ごとに 5 名まで、北海道は 15 名までの暫定的な定員増。そして、平成 21 年の閣議決定と平成 22 年の閣議決定で、平成 21 年度から都道府県が策定することとされた計画に基づいて、平成 22 度〜 31 年度までの間、地域医療に従事する学生に対して奨学金を貸与して、大学は地域定着を図ろうとする場合にのみ、都道府県ごとに毎年原則 10 名まで暫定的な増員が認められたことにより、現在 9,262 の医学部定員となっています。

 これは文字で読むと少し分かりづらいので、参考資料 3 2 ページ、赤、黄、青の色となっているものを御覧ください。今、説明で申し上げた最初の「新医師確保総合対策」が、黄色の平成 20 年度増員のところで、 105 人です。平成 20 29 年まで暫定増をしています。 2 つ目の「緊急医師確保対策」の部分は、この上の 2 つです。公立大学の 23 名が平成 20 年から、国公私立大学の 189 名が平成 21 年から増員をしており、平成 29 年まで増員をする予定です。これが合計で 317 名の暫定増です。

 さらに、 3 つ目で申し上げた「経済財政改革の基本方針」及び「新成長戦略」によって増員しているのが、赤の部分です。予定では平成 22 31 年まで暫定増で定員増をすることになっており、これが、現在 676 名増で、合計は一番右ですが、 9,262 名が今の医学部定員です。

 経緯の参考資料 1 2 ページに戻り、 2 つ目の○を御説明します。また、このような大幅な医学部定員の増員が、医師の地域定着につながるよう、今までの政策としては、医師が勤務地や診療科を自由に選択できるという自主性の前提に基づいて、キャリア支援などのインセンティブを推進することで、医師の偏在を解消しようとしてまいりました。

 具体的には、診療報酬改定において、小児・産科などの評価の拡充や、事務作業補助体制加算などを代表とする病院勤務医の負担軽減策といったものを目的した項目を新設して、ずっと拡充してまいりました。また、平成 22 年度からは「チーム医療推進会議」で、様々な職種の業務範囲の見直し。平成 23 年度は、都道府県が責任を持って医師の地域偏在の解消に取り組むための地域医療支援センターの設置などが行われてきました。

3 ページの 1 つ目の○ですが、また、その後も平成 26 年の医療介護総合確保推進法に基づき、医療を守るための医療従事者の確保などのために使える基金を都道府県に設けたり、予算事業として、先ほど説明した地域医療支援センターの法的な格付けの格上げをしたり、医師勤務環境改善センターを設置するなどの直接的な医師確保に資する制度改正のほか、看護師が特定行為の手順書によって、様々な特定行為ができるようにするということで、業務範囲を拡大したり、その他の医療関係職種についても業務範囲を拡大するといったこと、また、医療事故に係る調査の仕組みを医療法に位置付けるなどの様々な制度改正が行われました。

 このように医師の増員と、こういった政策によって、産婦人科の医師数が平成 18 年以降、増加に転じたり、小児科においても漸増してきたりという一定の改善が見られていますが、これまでもこの検討会でも御指摘いただいたとおり、地域における医師不足の指摘は引き続き強いものがあると考えています。更なる医師の偏在対策は十分図らなければ、地域の医師不足の解消にはつながっていかないのではないかと思っています。

 最後の○ですが、平成 29 年度、黄色の部分の定員増が期限を迎えるということ。医師の養成は、中長期の期間を要するものであることを踏まえ、更なる医師の偏在対策について議論を行い、その上で定員の今後の在り方についての方向性を決める必要がある、という議論の経緯であったと考えています。

 資料 1 の最初のほうにお戻りください。今、御説明した経緯に基づき、今回、御議論いただきたい事項について、おまとめしています。今までの議論で出てきたものの論点整理だと考えていただければと思っています。

 1 . 医師偏在対策についてです。 1. 医師配置に係る対策として、 (1) 医学部における対策を記載しています。いわゆる地域枠のこれまでの効果について、地元出身者の定着率が非常に高いというデータ。また、御意見も頂いています。その具体的な検証を行って、卒業後、より地域の定着が見込まれるような地域枠の在り方について、検討してはどうかと。また、医学教育において、今、文部科学省においても検討会で様々な検討がなされているところです。地域医療の向上への貢献について、より早期の動機付けを行ってはどうかということをまとめています。

(2) 臨床研修です。臨床研修に関しては、募集定員は、現在医学部の卒業数の 1.2 倍程度の枠を用意していますが、平成 32 年に 1.1 倍に向けて縮小していく方向性は既に決定しています。なお一層の縮小を検討してはどうかということを書いています。また、都道府県別の募集定員の設定に当たり、医師不足地域に、より配慮する設定ができるようにすることとしてはどうかと書いています。2として、募集定員の配分に対する都道府県の権限を強化してはどうかと書いています。3として、臨床研修が出身大学の地域で行われることを促す仕組みについて検討してはどうか、という 3 つの論点を挙げています。

(3) 専門医です。1現在、医療部会でも御議論いただいているところですが、本年 1 月、都道府県に研修、専門医のプログラムを把握していただくこと。また、 3 31 日に協議会などを設置していくことを国から求めたところです。ですが、国、都道府県の関係者が調整を行おうとしても、現在は適切な権限や役割分担の枠組みがないことから、地域における調整の権限が明確化されていない、という御指摘を都道府県などからも頂いています。そういったことを明確化するなどの対応を検討してはどうかと書いています。 2 ページの2です。専門医の募集定員においては、診療療域ごとに地域の人口など、地域の事情に応じた枠を設定することを検討してはどうかと書いています。

(4) 医療計画における医師確保対策の強化です。まず、都道府県が策定する医療計画において、医師が不足する特定の診療科などについては、確保すべき医師数の目標を設定し、専門医などの定員の調整を都道府県が行えるようにしてはどうか。2として、万が一、将来的様々な偏在施策を行った上で偏在が続く場合には、十分ある診療科の開設について、例えば保険医の配置や定数の設定、自由開業・自由標榜の見直しなどを含めて検討してはどうかと書いています。

(5) データベース化の話です。現在、医師については、一部三師調査などで調査をしているところですが、なかなか不十分との御指摘もあります。ですので、出身大学、医籍登録番号、保険医の登録番号など、様々な統計で得られる情報をひも付けして、データベース化することを検討してはどうかと書いています。

(6) 地域医療支援センターの機能強化です。現在、地域医療支援センターは法的な枠組みになっていますが、都道府県ごとにかなり在り方が違うという御指摘を受けています。今回、都道府県の地域医療支援センターについて、所在地の医育機関と連携を講じた上で、生涯にわたって医師のキャリアの形成・異動を把握して、キャリア形成支援などができるよう、また配置の調整ができるよう、その機能を強化してはどうかと書いています。

(7) 都道府県が国・関係機関に協力を求める仕組みの構築を記載しています。

(8) 開設者・管理者の要件です。特定地域・診療科で一定期間診療に従事することを、管理者・開設者の要件とすることを検討してはどうかということを書いています。

(9) フリーランス医師への対応です。フリーランス医師について、多額の紹介料・給料を要する者への対応が必要との御議論をいただきましたので、対応について検討してはどうかと書いています。

(10) は、医療事業の継続に関する税制のお話です。

2. 医師の就労環境改善に関する対策です。これらは間接的な対策ですが、医師の偏在、医師の勤務環境の改善に重要だと考えています。 (1) 女性医師の支援です。病院において柔軟な勤務形態を採用できるなど、妊娠・子育て中の女性医師の就労継続・復職支援に資する取組を推進することとしてはどうか。 (2)ICT 等、技術革新に対応した医療提供を推進として、医師が効率的に業務ができるよう、 ICT の技術革新を進めてはどうか。 (3) サービス受益者に係る対策として、医療機関の診療内容や「かかりつけ医」の仕組みなどについて、住民・患者への情報提供を推進してはどうか、といったものを書いています。

 大きな偏在対策とともに、本日大きな議題である、2 . 当面の医師養成数についての御説明をします。繰り返しになりますが、第 4 回医師の需給推計でお示しをしましたが、医師需給推計で、上位の場合には 2033 年頃、中位では 2024 年頃、下位の需要では 2018 年頃に、医師のマクロの需要については均衡すると考えています。

4 ページです。医師の養成には、非常に長い期間が掛かります。中位推計を言いますと、約 8 年で医師需給がマクロでは均衡することを踏まえると、既に現時点で将来的な供給過剰が見込まれることとなることから、議論を始めなければならないのではないかと考えています。医学部定員の暫定増については、先ほど経緯で御説明したとおり、この 3 つの暫定増が行われているところだと思っています。

3 つ目の○、今説明した強力な医師偏在対策の検討を前提に、当面の医師養成数について、今後をどのように考えていくかということです。

 また、参考資料 3 2 ページの赤・黄・青の部分を御覧いただきながら御説明します。平成 21 29 年度までの医学部定員の暫定増の取扱いについて、平成 29 年度で終了する 1 2 の暫定措置については、医師不足が特に深刻な都道府県や、医師確保を必要とされる地域や診療科を対象として設けられている仕組みであること。黄色の枠組みは平成 20 年度から始まっているので、まだ初期研修が終わって 1 年目です。効果についてまだ十分な検証ができないという状況でもあることから、この 1 2 、つまり参考資料 3 の横の黄色の所ですが、黄色の部分の 1 2 について、両方、 317 名の措置について、当面延長することとしてはどうかと事務局としては書いています。

(2) 3、つまり赤の部分ですが、平成 29 31 年度までの医学部定員の追加増員についてです。3について、平成 29 度〜 31 年度までの間、赤の上の点線の部分ですが、平成 28 年度までと同様に、各都道府県及び大学が毎年医学部定員を追加増員できることについて、どのように考えるか。そして、この 3 年間に追加増員を行おうとした場合には、中位推計では後 8 年でマクロの医師需給が均衡するとされている中ですので、各都道府県からの追加増員の要望に対して、これが本当に必要な増員であるかどうか、慎重に精査すべきではないかという方向性を書いています。

(3) 平成 32 年度以降の医師養成数については、今までの暫定増の取扱いも含め、今回の需給推計の結果や、今回お示しした強力な医師偏在対策の効果などを見極めながら、検討していくこととしてはどうかという資料としています。説明は以上です。

○森田座長 ただいまの事務局からの説明に関連し、荒川構成員から資料が提出されております。荒川構成員に説明をお願いしたいと思いますが、本日はいろいろな議題がありますので、簡潔にお願いいたします。

○荒川構成員 資料 2 を御覧ください。これは、文部科学省の事業として、全国医学部長病院長会議の委員会を設けて、そこで調査したものです。平成 27 年度の地域枠入学制度と、それから地域医療支援センターの実情に関する調査報告です。まだ機は熟していないのですけれども、一応調査の結果を報告させていただきます。調査の結果を 4 点御紹介いたします。まず、地域枠の概況です。 3 ページの結果の概要の 2. の所ですが、全国で 1,249 人の地域枠の定員が増えている。 80 校中 67 の医学部・医科大学( 83.8 %)で、平均 18.6 名の枠が設けられた。このうち 69.6 %は奨学金が設定されている。全体の充足率は平均 88 %。

2 番目は、地域枠入学生の学力で、これは前回も御報告申し上げましたけれども、具体的な数字は 17 ページ、 18 ページです。 17 ページの表 A4-1 はストレート卒業生の推移です。全国平均は、平成 20 年度入学生と平成 21 年度入学生、それぞれ 85 %前後です。地域枠の卒業生に関しては、ストレート卒業率が平均よりも高くて 92 %あるいは 90 %ということで、決して学力に関しては低いということではない。また、国家試験の合格率でも同じことが言えます。

3 番目の、地域枠の多様性に関しては 7 ページです。 7 ページの図を見ると、奨学金の支給制度に関して、支給ありが多数を占めていますが、支給のない所もある。選抜が入学前なのか、入学後なのかに関しては、入学前が多数を占めている。義務の履行に関しては、履行義務があるが多数を占めているが、義務がないというのも 12 校あります。それから出身地指定に関しては、指定ありとなしがほぼ拮抗している数字です。こういう多様性があるということで、小川構成員からも御指摘がありましたけれども、そういうことが物語られている数字だと思います。

 分類ごとに、卒業後の地域定着について差があるのかどうかについては、まだ詳細な分析はできておりません。したがって、地域枠が地域定着につながるかどうかは、現時点ではまだ把握できていませんので、もう少し経過を見る必要があります。

4 番目は、卒後の支援体制についての課題です。 29 ページの地域医療支援センターについてということで、先ほどもお話が出ておりました。これを見ると、地域医療支援センターを設置している所が、全国回答数 77 のうち 48 です。ない所も 29 あります。これは認識していない可能性もあるのですが、数字の上ではこのような結果です。これは表 C-1 です。表 C-2 は、地域医療支援センターの設置場所です。あると答えた 48 のうち、大学内が 27 、都道府県の庁に 30 です。大学にある所というのは、 1 1 大学の所であろうと思われますが、まだその詳細な結果は出ておりません。そういうことですが、まだまだ地域医療支援センターについては、大学側に十分認知されていない可能性があります。今後は、センターの関与や、卒業生の支援を拡充していく必要があると思われます。

 今後の検討に資するための更なる調査として、中間取りまとめ以降の議論はより詳細なデータに基づいて行う必要があるということで、引き続いて調査を続けていきたいということです。それから、卒業後の医師の地域定着に、関係者が一体となって取り組むためにも、今後の調査に当たっては大学だけではなくて、都道府県の取組についても詳細に調査をしたいので、厚生労働省や本検討会構成員所属の団体におかれましては御協力を是非お願いしたいと考えております。以上です。

○森田座長 ただいまから議論を始めます。事務局及び荒川構成員の御説明に関しては 2 つのパートに分かれております。まず、医師偏在対策について、その後で当面の医師養成数についてという形で議論を進めさせていただきますが、それでよろしいですか。

○堀岡医事課長補佐 すみません、事務局で 1 つ忘れました。参考資料 2 に、今までの御議論をまとめた紙も用意しておりますので、参考資料 2 も御参考に御議論いただければと思います。大変申し訳ございませんでした。

○森田座長 議論の進め方について片峰構成員からお願いいたします。

○片峰構成員 医師需給検討会の座長をしております片峰です。この間の経緯も含めて少しコメントさせていただきます。この間 4 回にわたって議論いたしました。主には先ほどから出ております医師偏在対策の論点整理を行いました。その経緯としては、様々非常に活発な議論がありました。新たな観点等々が出たものが本日の資料 1 の提案につながっているのだろうということです。

 もう 1 つは、将来の医師需給の推計に関してです。これもかなり熱心な議論がされました。その中で、例えば女性医師、あるいは老齢医師等の労働力をどう見るか等々いろいろな意見がありました。資料 1 3 ページの一番下にあるような結果が出ております。ここの結果は、早晩需給面で言うと医師過剰時代が来ることは間違いないということだと思います。

 そこで本日コメントしたいのは、これまでこの 2 つの議論がインディペンデントに行われたということです。そういう意味で、この 2 つがまだ連関して議論されていないというのが 1 点です。その中で、この検討会の最大のミッションの 1 つである、新たな医師養成数をどうするのか。ここは本日初めて案として出てきたわけですけれども、これに関しても医師需給検討会ではまだ議論がされていない所です。この医師需給をどうするかという点と、偏在問題をどうするかという点は、インディペンデントのようであって、実はそうではない。これは、どういうスピード感をもって、この 2 つを解決していくか、あるいは順次性はどうするのか。この 2 つが有機的な関連性をもって対応策が打たれていかないと、実効性のあるものは出てこないと思うのです。

 そういう意味では、例えば将来医師が余ることを前提にすれば、どこかで医師数は減らしていかなければいけないことになります。それを前提にしたときに、それをどこからやるのか。それをやるためには偏在対策をどこまでやるのか。そういう具体的な議論が是非今から必要だと思っていますし、そこが今後の問題だと座長としては考えておりますので、今後もよろしくお願いいたします。

○森田座長 大変重要な御指摘がありました。ただ、この 2 つの論点を同時に議論すると混乱をすると思いますので、ただいま申し上げましたように、医師の偏在対策について御議論いただき、その中で今もありましたような、養成数の議論はその後の場面で併せて御発言いただければと思います。それでは、最初のパートの医師の偏在対策についてに焦点を当てて御議論いただきます。

○荒川構成員 資料 1 2 ページに、地域医療支援センターの機能強化とあります。先ほどの調査でも申し上げましたように、十分機能していない所があるということです。これに関しては前回御提案いたしましたように、事務機能と運用とを分けて、地域医療支援センターは事務機能として、そういう医師の登録をした上で、その地域に医師を派遣するような事務機能に集約して、医師のキャリア形成支援といったものは、各大学に医師のキャリア支援センターを置くという御提案をしたと思うのですが、資料 1 にはその提案が入っていません。医師キャリア支援センターと、地域医療支援センターが協力して、初めて医師の地域への偏在解消が成り立っていくということで、大学を卒業した学生はできるだけその大学が所在する地域で医療行為を行ってもらうようにしていくことが、偏在解消の一番大きな方策になってくると思うのです。そのためには、是非各大学に医師キャリア支援センターを設けていただいて、その地域医療支援センターと協力して、医師の偏在を解消していくというようなことを盛り込んでいただきたいと考えます。

 もう 1 つは 3 ページで、フリーランス医師への対応です。前回御発言がありましたように、フリーランス医師に関しては、それを差配している業者がフリーランス医師を厚生労働省に届出をする義務を負わせるべきという発言があったと思うのですが、それを是非実行していただきたい。ここに盛り込んでいただきたいと思います。

○今村構成員 今回は、それぞれの項目がメニューとして挙がっていて、一つ一つにそれぞれ御意見はあろうかと思います。分科会のほうで挙がった議論をここにメニューとして挙げていただいています。事務局にお伺いしたいのは、これはどうかと。要するに、こういうことを論点として議論したらいかがかということなのです。これを見ると、直ちに厚生労働省としてできることもあれば、厚生労働省だけではとても議論できないようなことも入っていて、どこの場でこういうことを議論するのかということの算段はあるのでしょうか。つまり、ここの会ではただメニューだけ認めてもらえばいいということなのか、本当にここで認められれば、これを議論していく場を設定して、一つ一つ具体的に検討していくお考えがあって、この項目を挙げているのかどうかを是非教えていただきたいと思います。

 我々も長年医師会として要望しているような大きな論点もあるのですけれども、今までそれはなかなか議論していただけなかったので、この中でそういうことが挙げられているというのはとても大事なことだと思っていますので、是非ともそこを教えてください。

○神田医政局長 本日の資料 1 というのは、先ほど提案というふうにありましたけれども、別に厚生労働省が提案したというよりは、参考資料 2 を見ていただくと分かりますが、これまで分科会での各委員の御発言、関係団体から頂いている要望書、先般取りまとめがあった保険医療 203 号などの記述の中から拾って、こういうことを検討していただきたい、という趣旨で並べているものです。したがって、制度化に当たっては、この場で全て決まるというものではありません。

 例えば保険医の配置定数ということであれば、これは健康保険法の話になりますので、正式な審議の場では、当然社会保障審議会の医療保険部会であるとか、場合によっては中医協の議論ということもあり得ると思います。ただ、全般的なメニューについて、必要かどうかということについての方向性はこの場で御議論いただいて、正式に制度化するに当たって、別途の場の議論が必要なものについては、そこに制度化についての議論はまた改ためてしていただくことが必要かと思います。

○今村構成員 正しくそのとおりだと思います。前回の分科会の議論を踏まえて挙げていただいているのですけれども、ここでこの項目を議論していくべきだということになれば、局長がおっしゃったように、別の場を設定して、そこでやっていただくということが決まるということでよろしいのですか。つまりそれがなければ、幾らここでメニューを挙げても、具体的には実現しないと思うのです。大変なお話だと思うのですが、今おっしゃったように、私どもも、このことを議論するのはどの場になるのかということが、一つ一つ見えれば、そこで是非やってくださいということを申し上げられるのではないかと思うのです。

○迫井地域医療計画課長 地域医療計画課長です。局長御指摘のとおり、まず大きな課題を整理し、制度化するにはそれぞれの審議会、場合によっては中医協との関係もあります。まず大きな方向性と、個々のその方向とか対策が適切かどうかをこの場で整理していただきたいということです。ただし、この場で決めたからといって、それが実現できるかどうかは次のステップです。したがって、当然この場でこういうことが必要である、方向性として正しいということがまず得られれば、次なるステップとしては、制度化に向けた議論をして、そこで更なる議論があって、成せるものは成せますし、難しいということになれば、更に御相談するというプロセスだろうと思います。そういう必要な場の設定については、当然事務局としては努力させていただきます。

○神野構成員 分科会の委員です。分科会の中でもお話をしてまいりました。偏在をプロフェショナルオートノミーだけでいくならば、まだまだ医師を養成しないといけない。あふれ出てこそ偏在は解決されるものと思われます。そういう意味では、今回中間取りまとめの案において、幾つか規制というものを掛けたらいかがかという議論に対して、私は賛成いたします。地域の規制と、それから診療科の規制と両面ありますので、一方の地域だけでいくものでもないし、診療科の問題も同時に考える必要があると思います。そろそろ、何らかの規制によって、偏在を解決するということは必要な時期に来ているのかと思います。

○邉見構成員 医師需給の検討会の熱心な議論は議事録で見せていただきました。私は、ずっと地方の田舎の病院長をやっていました。自分は外科医なのですけれども、手術時間以上に、医師を確保するのに人生の時間を費やしてきたように思います。ずっと同じようなことが、 10 数年ほとんど解決されていなかったのが、今回は割と具体的に書かれているというのは、方向としては非常にいいのだろうと思います。

 もう 1 つは、先ほど荒川構成員がおっしゃった 2 点について、私の意見を述べさせていただきます。 1 点は、地域医療支援センターは大事なのですけれども、私の勝手な解釈で、これが今成功しているのは北海道、島根、静岡、山梨その他数県です。余りうまくいっていない。これを先にやって、その後に荒川構成員がおっしゃいましたキャリアアップを付けるということで、先に地域医療支援センターのほうに力を入れないとうまくいかないのではないか。ものすごく大事なことで、小川構成員もおっしゃっているように、どんな医師でもいいという時代ではないだろうと思いますので、それは大事なことだと 1 つ申し上げます。

2 つ目のフリーランスは非常に大きな問題です。私は、麻酔・放射線・病理というのが、日本の医療の一番弱いところだろうと思っていたので、中医協でもこの 3 者に、レセプトに出ない、主治医にならない人たちの点数を上げてくれと頑張ったのですけれども、麻酔科などはちょっと悪乗りしているところがあるように思うのです。ものすごく良くないような方向に流れているので、これはどこかでつかまえて登録する。その会社が雇っているのか、誰が雇っているのか、雇用先も分からないわけです。そういう人たちの評価は、やはり中医協で、例えば麻酔であれば術前回診、術後回診をしないものの点数は 3 割カットするとか。

 我々外科医は、手術数が少ない所は 3 割カットされた時代があります。私は、中医協へ行って一番初めに言いました。そのようなことからすると、フリーランス麻酔科医などというのはもっての外で、 5 割カットしてもいいと思います。そのようなことを是非やっていただきたいと思います。

○山口構成員 先ほどから地域医療支援センターの話が出ています。先ほどの御発表の中で、設置してないと答えた所が 29 もあるということは、資料 1 の中に都道府県が責任を持って医師の地域偏在の解消に取り組むために設置すると書いてあるにもかかわらず、回答者が認識していないだけかもしれませんけれども、それにしてもちょっと問題ではないかと思いました。分科会でも発言したと思うのですが、邉見構成員がおっしゃった、うまくいっている所がどうやったらうまくいくのかというところを、しっかりと拾い上げて、こういう機能とこういう機能を持つ必要があるのではないかという具体的な対策を講じていく必要があるのではないかと思います。

 それから、この地域医療支援センターについて、全国一律で、同じ考え方で、支援センターの在り方を考えるわけにいかないと思います。偏在のない地域もあるわけですから、特に地域偏在、あるいは科の偏在の激しい地域では、特にこのような機能を重点的に発揮しなければならないといった具体的な内容を届けて、役割を発揮するための対策につなげていただきたいと思います。

 もう 1 つは、専門医制度のことが別の会議で話し合われています。偏在には、専門医制度がかなり大きく影響を及ぼしてくるのではないかと思っています。専門医がきちんと地域に根付くかどうかということを、今せっかく一から話し合っているわけですから、専門医養成の委員会に、需給問題や偏在とも関係することをしっかりと伝えて、そのことも併せて考えるよう要望する必要があるのではないでしょうか。ここの会議とどのように役割分担をしているのか、ここで出てきた意見が、あちらの専門医養成の委員会の中にどのようにつながっていくのかというのが、私には見えませんでしたので、そこのところは事務局にお尋ねしたいと思います。

○森田座長 後者の点について事務局からお願いします。

○渡辺医事課長 医事課長です。後者の点について最初に御説明いたします。重複していただいている委員もいらっしゃいます。重要なポイントについては、当然ながら専門医の検討会のほうでこういう議論が出ましたということで、連携をしながら議論をしていただくことになるのかと思います。その辺りは山口構成員がおっしゃったことを十分踏まえながら進めていければと思います。

○迫井地域医療計画課長 地域医療計画課長です。地域医療支援センターの件で、山口構成員御指摘の点について、一応明確にさせていただこうと思って補足で御説明させていただきます。資料 2 で、先ほど荒川構成員から御説明いただきましたものは、前提として全国医学部長病院長会議が取りまとめをされたものであり、言及されております数字は 29 ページだろうと思います。 29 ページの表 C-1 、地域医療支援センターを設置していますかという問いに対して、ある、ないです。

 誤解をしていただきたくないために改めて申し上げます。この表に ( ) と書いてあるように、医育機関、医学部において設置をしているか、していないかであります。都道府県に対して聞いている数字ではありません。私どもの理解では 29 というのは大学に対する数字で、都道府県に対する数字ではありません。都道府県については、 47 分の 46 で、 46 県について、ほぼ全てと言ってもいいのだろうと思いますけれども、都道府県単位で見ると設置済みで、あくまで学校に対しての数であるということは是非御留意いただきたいと思います。

○福井構成員 資料 1 2 ページの一番上ですが、専攻医の募集定員に枠を設定することをこういうオフィシャルな所に入れていただいて、私は高く評価します。診療領域ごとの枠は、他の診療科と調整して、全国レベルで配分するというニュアンスが入ったほうがいいのではないでしょうか。将来的にはマッチングをやるべきで、診療領域ごとに勝手に枠を決めるというようにこの文章が理解されるとまずいように思います。

 これは中間取りまとめの文章として、最後まで「検討していくこととしてはどうか」という文言が残るのでしょうか。

○森田座長 後者の点について地域医療計画課長からお願いします。

○迫井地域医療計画課長 地域医療計画課長です。端的に申しますと、これは検討会でお示しをする際に、事務局として予断を持っておりません、御議論いただきたいという趣旨で、ニュートラルに表現した行政的な表現です。当然議論とともに文章については適切な表現にさせていただきます。

○山崎構成員 昭和 48 年に無医大の県の解消という政策が入ったというのは、正にその地域における医師を、その県で育成をしようということで出来た制度のはずなのです。そこで仕上がった制度が、極端な県では、 9 割が外に出ていってしまうという現状が問題なのであって、そこの県で育った生徒については、先ほどから議論があるように、そこの地域に定着するような母体から生徒を選んで教育をしなければ、医大が養成校みたいになっているのが現状です。そこのところをきちんと解決していかなければしようがないというのが 1 点です。

 もう 1 つは、定員の過不足を論じるときに、定員が 100 人の所に、定員を 100 人作ればいいのですか、 110 人とか 115 人作って、競争の原理を働かせないと質は担保されないと思うのです。厚生労働省の議論を見ていると、定員の数だけの養成の議論になってしまっているので、そこのところは 1 割とか、 1 5 分のオーバーフローをさせて、初めてそこの中から選択をして、 100 %ぐらいの人材を選ぶようにしなければ質の担保ができなくなると思います。

 あとは偏在対策なのですけれども、中央で元栓を閉めてしまうのか、あるいは地方で枝栓を閉めるのかという問題だったと思うのです。中央で元栓を閉めるのではなくて、枝栓をその地域の実情に応じて調整するような仕組みにしなければいけないと思っています。

○釜萢構成員 医師の地域の偏在、あるいは診療科の偏在を考える場合に、客観的なデータが是非必要です。このデータが必ずしも十分整っている現状ではないと私は把握します。三師調査が行われておりますが、現状の三師調査も利用法によってはまだまだ精緻なものが出てくるであろうと思います。今後、調査の仕方を工夫しなければならないところがあると思います。資料 1 (5) にありますけれども、特に指摘したいことは、三師調査において、診療所の分布の状況についてはある程度分かりますが、病院勤務医に関しては、なかなか現状を十分に把握していない面があるように感じられます。ここに書いてある就業形態、例えば複数の医療機関で働いている場合をどのように評価するのか。登録施設については先ほど申し上げたとおりです。それらをしっかりとデータを取るという作業が是非必要になると思います。また三師調査の活用ということも重要でありますが、その辺りについて事務局はどのようにお考えかをお知らせください。

○森田座長 事務局からお答えください。

○堀岡医事課長補佐 このデータベースのことは、いろいろな所からで、出身大学も入っていないし、どのように移動しているのかというところもなかなか追いづらいという御指摘を踏まえて入れているものです。まだまだきちんとした、どういう形にできるかというものは詰まりきっているわけではないですので、今いただいた御指示を踏まえ、できるだけ使いやすいデータベースと言えるものを作っていきたいと思います。

○釜萢構成員 この点については、先ほど今村構成員も指摘されましたけれども、これはすぐに厚生労働省でできそうに思いますが、その点はいかがでしょうか。

○堀岡医事課長補佐 確かにバラバラではあります。医籍番号もありますし、もっと言うと免許のときに、免許の紙のデータでは、医師国家試験を受けるときに出身大学を受けたりしているデータも確かにあります。保険医の登録番号も、やろうと思えばできますが、それを紐付けできるかどうかとか、様々な法的な問題などもありますので、すぐにできるかどうかということを含めて、今から検討していかなければならないと思っています。

○釜萢構成員 関連してもう 1 つ申しますと、このデータベース化には荒川構成員が言われた、大学ごとの医師キャリア支援センターの役割が非常に大きいと思います。地域医療支援センターは、行政組織としては各都道府県にもう設置されているけれども、実質的に大学ときちっと連携をして機能しているかというところは、荒川構成員の言われた印象を大学は持っているということです。ですから、ここは連携が必要ですけれども、医師のキャリアをずっと追っていく作業を、それぞれの出身大学の医師キャリア支援センターが担うということについて、是非皆様の御賛同を賜りたいと思います。

○荒井構成員  ありがとうございます。奈良県知事ですが、簡単に所感を述べさせていただきます。

 まず、資料 1 のこれからの検討項目です。ざっと見ますと供給サイドの話が多くて、需要のサイドの論点が、ほとんどないというか、ないような気がするのです。需給のマッチングと言うからには、医師需給と医療需給と多少ニュアンスがあるのですが、医療需要のない医師需要というのはないと思いますので、医療の需要をもう少し端的に把握することから始めたらどうかと思います。今日の資料とこれまでの検討を拝見いたしました。医師需要の資料をざっと見ただけで十分読めていないのですが、医療需要は、診療科別、地域別にいろいろあります。例えば、頂いた資料で都道府県別の受療率が外来と入院とあるのですが、外来ですとトップが佐賀で、低いのが沖縄で、人口 10 万人当たりの差が大体 1.5 倍あります。それから入院受療率は、高知と神奈川がトップとラストですから 3 倍の差があります。受療率でそのぐらい差があるわけですから診療科別の受療率も随分差があって、それに医師をマッチさせるというのが我々の究極の目的ではないかと思います。地域にとっての最大の関心事ですので、医師需給の前に医療需給をテーマに置いて肉迫していただきたいというのが 1 つです。

 そのようにしますと、需要と供給の原単位が要るように思います。医師数だけではなしに、医師数掛ける診療科別とか時間数とか、あるいは年齢別とか女性の係数を掛けて、供給あるいは需要の係数を掛けて需給の原単位、そのような原単位を作っていただきますと地域で作業が進みますので、地域の需給を図るというガイドラインにもなるように思います。原単位を構成していただきたいというのが 2 つ目です。その原単位があれば、その原単位を偏差する供給への地域の入力、需要への入力がそれぞれ考えられ得るものだと思います。

 そこから医師の供給力の偏差の調整というアプローチの考え方ですが、総数を図ってから地域偏差、診療科偏差を是正しようというアプローチがあると思います。もう 1 つ地域にとって大事なのは、地域の医師の需給バランスです。そのマッチングの程度を判断して、その過不足を更に埋めるという違う手法があるように思います。総数が不足しているという現象は、政治的には全然問題にならないです。この診療科がこの地域に不足しているというのが大変厳しい政治的課題になるように思います。

 先ほどから地域医療支援センターの話が出ております。奈良県では県立医大に地域医療支援センターを置いておりますが、県立医大は医師配分のハローワークになれと言って数年たちます。奨学生の場合は知事がハローワークになると言って数年たちます。医大でも、県下の公立病院の要請を受けて配置するようにしていますが、なかなか実績が上がりません。これは医師の弾が少ないのが原因だと思います。ハローワークは、言葉は悪いですが芸者の置屋さんだからと言っているのですが、芸者の弾がないというのが実情です。弾不足をどうするか。荒川さんの資料 2 の医師のハローワーク、医師の配置についての弾がない支援センターというのは芸者のいない置屋みたいなもので。例えが悪くて申し訳ございません。分かりやすいのでそんな表現を使っております。

 最後になりますが、やはり真の需要にこの地域差はあるのか、先ほどの医療需要を図るのはある程度できると思いますが。奈良県では医療需要の発生を、メッシュを作って、そこでどの病態がどのような確率で発症するのかという予測をしたことがございます。青木則明先生の指導で始めたのですが、青木先生が亡くなられたので作業が頓挫しておりますが、発症予測は地震予測よりも楽だと思っております。基本データを提示しながら、そのようなことを地域でするように促すというような手法があろうかと思います。そのような観点から、地域医療研究会という勉強会を知事会の中に設置することに決めていただきました。私が議事進行をさせていただきます。ここ数年で、結論を出すべき大変重要な論点が出ておりますので、都道府県の医療担当の部長級に集まってもらいまして、厚労省にも協力を仰いで勉強会をしたいと思います。医師の需給だけでなくて、地域包括ケア、在宅医療もそうですが、地域医療構想を実現する上でいろいろなテーマも関連性があります。私どもも知事会の中でできるだけ包括的なプレゼンをしていきたいと思いますが、その関連性の中での、例えば医師需給はこういう意味があるということをできるだけ各都道府県の医療担当に提示していきたいと思っています。厚労省の御担当の方も、協力していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○森田座長 どうもありがとうございました。需給の話にも少し踏み込んでいただいたと思います。続きまして、北村構成員からどうぞ。

○北村構成員 東京大学の北村です。 1 ページ目の医学教育において早期の動機付けを図ってはどうかという点について、少しコメントさせていただきます。

 動機付けというと、インセンティブみたいなもの、奨学金みたいなものがあります。これは外的なもので、是非、心の中から地域医療をやりたいという内的動機付けを推進するために予算措置や仕組みを作っていただきたい。当然、奨学金を返せば、それでもう自由の身だといって帰ってしまうことが起こってしまうので、むしろ地域が好きだというようなことを推進するように。例えば赤ひげ大賞みたいな賞もあるのです、多分、医師会だったと思うのですが。そういうものをもっと公的にも作っていただく。

 一方、規制のことですが、規制をしてやる、あるいは管理者になるためには地域に行かなければいけない、これは外的動機付けです。心からモチベーションを持って地域で働けないと思います。むしろ地域で働くことがポジティブになるような、飴と鞭で言えば飴のような、地域で働いている先生の御子息は地域枠の学生になりやすいとか。そのような、地域で働くことが楽しいとか、ポジティブになるような仕掛けのほうがいいと思います。したがって、規制の導入に関しては思い切り慎重にやっていただきたい。鞭を使うよりも、むしろ飴のほうを積極的に大きくして、地域で働くことが楽しい、地域で働きたいということになるような仕掛けを是非作っていただいて、地域で働かないと幸せになれないみたいな制度はやめていただきたいと思います。

○森田座長 ありがとうございました。

○加納構成員 私は、先ほど荒井知事がおっしゃった、やはり、地域の需給を見極めなければいけないのではないか、というのが偏在に関してのポイントではないかと思っております。やはり、ある程度需給が、オーバーフローではないですが余裕がないとなかなかうまくいかないのでないかと思います。今の地域差という現状では、社会的な差もあるわけなので、そこを解消していくには、やはりそれも必要かなと思います。その点で、後で議論になるかと思うのですが、やはり医師需給の数字です。これは、松田先生が前の検討会で出されている資料を見ますと、多分、元のデータが都道府県ごとにあるのではないかと思うのです。元の都道府県ごとのデータをベースに本当に客観的に、どこがどのように絶対数が足りないのか、さらに、専門科毎にどのように足りないのかということを見極めないと、それを見ないと議論にならないのではないかということもちょっと危惧するわけですが、どうでしょうか。

○森田座長 問題提起ということで伺ってよろしいのでしょうか。

○小川構成員 先ほど来、地域医療支援センターのことが問題になっております。その中でキャリア支援センターのお話も出てきたのですが、荒川構成員あるいは釜萢構成員がお話をしているキャリア支援センターと地域医療支援センターとは全く目的が違うものですので、これは混同しないように議論をしていただきたいというのが 1 点です。

 それから、地域医療支援センターの機能強化が医師偏在対策の 1 項目に入っているわけですが、これは実は、先ほど邉見構成員がお話になったように、全国でうまくいっている所がごく一部しかありません。それは当たり前なので、医師偏在対策が進んでいない現状で配置することができる医者を持っていないからなのです。ですから今後、地域医療支援センターの機能強化をしても配置する医者がいなければ、配置ができるお医者さんがそこにいなければ、これは機能も強化できないのです。ですからここの項目に入っているべきなのかどうかというのも、私としてはちょっと疑問かなと思います。

 もう 1 点は、中間取りまとめについて御議論いただきたい事項についてということで医師偏在対策が1 . に入っているのですが、参考資料 2 を踏まえてこういうことをやっていただきたいということなので、参考資料 2 をきちんと読めば、この中には地域偏在と診療科間偏在が入っていることは分かるのです。ただ、資料 1 の御議論いただきたい事項についての1 . の医師偏在対策についてという所だけを見させていただきますと、どうも地域偏在対策に力点が置かれていて、診療科間偏在に関してはあちらのほうに置かれているような感じがいたします。是非医師偏在対策については、「地域偏在対策」あるいは「診療科偏在対策」の両方の文言をきちんと入れていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○森田座長 ありがとうございました。

○尾形構成員  2 ページの (4) 医療計画による医師確保対策の2です。「将来的に、仮に医師の偏在等が続く場合には」という限定が付いていますが、「保険医の配置・定数の設定」というようなことで、医療法だけではなくて、先ほどちょっとお話があった医療保険法までを含めた考え方が示されています。これは、この問題に対する 1 つのアプローチの方法だと思います。民間病院等についての病床規制については、すでに医療法と医療保険法がリンクした形での対応が行われているわけで、こういう考え方は十分あると思うのです。ただ、ここでは「十分ある診療科の診療所の開設については」と診療所に限った表現になっていますが、必ずしもこれは診療所に限定する必要はないのではないか、広く地域の保健医療の全体像について考えることができるのではないかと思います。これは意見です。

○森田座長 ありがとうございました。それでは、なるべく新しい方で。

○本田構成員 ありがとうございます。私も意見です。これまで何度か申し上げたような一定の、 2 ページにあるような診療科領域による地域ごとの枠を考えるとか、保険医の配置・定数を考えるとか、これまでにはなかった踏み込んだ表現がされていると評価したいと思いますし、これを検討会でどのようにしていくのかというのをある程度きっちりと提案できるような議論ができればいいのかなと期待しております。それと、先ほど来、地域ごとの需給の問題などが出ていて確かに重要だなと思うのですが、一方で、現在ある需要に応じて全て供給するという考え方はまた問題にもなっていくので、そこのバランスを考えた議論が必要なのではないかと感じました。

 あと、今まで当たり前という理解で余り議論が出ていないかもしれないのですが、 3 ページの女性医師の支援のところは、当然やるべきことだという理解は皆さんが持っていらっしゃると思うのです。しかし、どうしてもプラスアルファ的な扱いにいつもなっているような気がしていて、きっちり働きたい女性医師はたくさんいらっしゃいますし、そこに本腰を入れてきちんとした施策を作るということ、いろいろな形で義務化するとか、そういうことも考えていきたい、したいというように是非お願いしたいと思います。

○森田座長 ありがとうございました。そろそろ医師要請数に入りたいと思いますが、どうぞ、荒川構成員。

○荒川構成員 地域医療支援センターに関しまして、荒井知事からも弾がないというようなことはおっしゃられたのですが、実際、そういう医師の供給がどのように行われているかというのは、地域医療支援センターに登録されている者は非常に少数だと思うのです。ほとんどの病院は、大学で医師の派遣機能が低下しているとはいえ大学からの派遣、それから、自分たちの病院に来た研修医をそのまま養成するとか、そういったことで病院で需給はある程度賄われている。ですので、地域医療支援センターに医師を登録する必要性が余りないとか、地域医療支援センターから医師を供給してもらうようなニーズが余りないとか、そういったことで弾が集まってきていないというのが実際の現状だと思うのです。ですから、地域医療支援センターの機能を強化すると書いてありますが、一体どういう機能を強化するのかとか、具体的に地域医療支援センターに託すべき使命を明確にしておく必要があると思うのです。それが 1 点です。

 それともう 1 つは、資料 2 29 ページの迫井地域医療計画課長がおっしゃったところで若干違う点がありました。表 C-1 の地域医療支援センターがあると答えた 48 校は、大学内にあるという意味ではなくて、設置場所に関しましては、表 C-2 にありますように、大学内には 27 、都道府県庁に 30 、その他に 7 ということです。その他の 7 というのは恐らく、県立病院とか、そういった所です。ないと答えた所は、もし全都道府県に実際に設置されているとすれば、設置されていることを認識していない大学が 27 校あるというような解釈になると思います。詳細は精査した上で、もし間違いがあればまた御連絡したいと思います。

○森田座長 この議題はそろそろこれくらいにしたいと思います。分かりました。では荒井構成員、最後ということで。

○荒井構成員  関連ですが、地域医療支援センターの医師配分機能というのは、お願いベースだからなかなかできない、弾がないという現状はあります。もう 1 つ見逃してならないのは、医大はアルバイト派遣は随分されています。例えば金曜日は 1 日ほかの病院に行っていいよと。奈良県立医大の場合、常勤換算をしますと、 60 人を超える県内の医師派遣量になっております。これがないと、県内の中小病院は全然成り立たないという実情があります。ところが中小病院は、アルバイトも助かるけれども、ここで頑張るぞという有力な常勤医師が欲しいのです。それが課題だと思います。これは今、状況の提示で関連で御報告いたしました。どのようにするかというのは、支援センターですから、配置センターではないのでちょっと難しいですね、感じとしては。

○森田座長 ありがとうございました。資料 2 29 ページについてはいろいろ解釈があるようですが、これはまた整理していただけますか。分かりました。

 それでは、既に御議論も出ておりますが、次に当面の医師養成数についてです。資料 1 3 ページ以降になります。最初は西澤構成員、どうぞ。

西澤構成員 今まで偏在の問題は議論されたのですが、その中でも、荒井構成員とか小川構成員が言ったように弾がない、絶対数がないというのが現状だと思います。では今、診療科の偏在と言うけれども、どこかの診療科で「私たちの診療科は余っています」という声を上げている所も聞いたことがないし、地方においても「私たちの地域は医者が余っています」という声は聞いたことがありません。そうすると、やはり絶対数が少ないということでこれからの議論をしていかなければならないと思っております。

 それと、今までの国の対策で、参考資料 1 ですが、無医大県の解消とかいろいろやってきて、ある程度需要を満たすだろうと見込んでいたが、実際はそれ以上にだんだん医師の需要が多くなっていって、慌ててまた医師を作っている。これは何年でしたか、余ると思って一時減らしたら、それでは逆に駄目だということで数年たって増員に改めているということでした。今までのやり方は、需給の検討をやって、過剰になるだろうと言いながら実は足りないという見込み違いをやってきたわけです。今回は、是非そういうことのないようにしていただきたいと思います。特に現場にしてみると、本当に今は医師が充実しているという時期をどこかで私たちは実感として持ちたいと思います。これは本当に、国民の方に質の高い医療をきちんと提供するためには非常に大事なことだと思っています。

○森田座長 ありがとうございました。たくさん手が挙がっていますが、勝又構成員からどうぞ。

○勝又構成員 ありがとうございます。医師の需要数について意見を 1 つ述べたいと思います。

 第 4 回に提出されました資料を見ますと、医師の労働時間をどの程度見込むかということについて推計が示されています。実態調査に基づいて算出したというようにあったのですが、これを見ますと、中位、下位の推計では、労働時間が適正化されたとしても週 50 時間以上というような状況になっています。また、詳細の実態調査を見ていましても、週 60 時間超えも 40 %、 80 時間以上も 10 %というような状況になっています。更にもっと詳細に見ていきますと、ヒヤリ・ハットの体験とか、長時間労働によるヒヤリ・ハット体験が多くなってきているというような結果なども出ておりました。

 医師の長時間労働は仕方がないというような考え方ではなくて、労働条件が確保されない限り、これから若い人たちがそういう医師の長時間労働に耐えていくということがなかなか難しくなってくると思いますので、ヒヤリ・ハットとか事故が起こらないように、患者の命と安全を守るということでは労働条件の改善を見込んで需要数を弾いていただきたいということを要望したいと思います。

○加納構成員 今の関連です。第 4 回の分科会の資料でいきますと、 42 ページに、お手元の資料 1 の下位〜上位 3 推計の数字の推移がグラフ化されて出ているかと思うのです。先ほど私も言及させていただきましたが、松田先生が計算していただいたものだと思います。その前提となるのがその 23 ページ、先ほど構成員がおっしゃっていただいた労働時間のこの根拠です。これを見ますと、需給のバランスが遅れて 2033 年になるという上位においても労働時間は 45.7 時間、真ん中の中位でも 51.1 時間、これはこれから生まれてこられる、今、テレビで話題になっているゆとりの世代にとってあり得ないような数字がまず出ております。それで推移した数字がこのようになるということであれば、この根拠になる数字自身もまた考え方を変えていただかなければいけないかなということと、先ほど女医の方の労働に関してでも、確か根拠が 0.8 というような形になっていたと思うのです。これもやはり数字的にはどうなのでしょうか。以前は 0.7 で計算していたのが 0.8 になる、そういう数字の違いもちょっと分からないかなということで、そういったところを含めてこの数字に対する疑問が出てきているのです。これに関してはどういう回答を頂けるのでしょうか。

○森田座長 これは、では迫井課長、どうぞ。

○迫井地域医療計画課長 この数字の設定についてはもちろん、一定のシナリオといいますか、仮説ですのでこの数字を修正することで、修正した数値に基づく需給バランスの推計自体は、我々としては可能だと思います。これは分科会でも議論がございましたし、事務局から何度か考え方を御説明してきているつもりですが、ここの数字の置き方として、お手元の資料で第 4 回の分科会、先ほど加納構成員がおっしゃった、この 23 ページ、 24 ページですが、実態としては 24 ページで見ていただくような数字です。筋論からいけば、例えば 40 時間とか、理屈の上で、あるいはあるべき姿として設定することはもちろん可能ではあります。ただ一方で、現実の世界として、医師の労働環境あるいは様々な医療の現状からしてそういった数字を置くことが、余りに非現実的であれば、こういった推計になじまないのではないかということです。これはもちろん御議論があって、あるいは数字を変えて計算するべしということであれば、もちろん対応可能ですが、一応、現時点での状況と、将来おおむね現実的に目指し得るような上位、中位、下位ということで現状の診療形態を参考して複数設定したのがこの数値です。

○今村構成員 西澤構成員のおっしゃっているように、今、地域の病院が医師不足で大変苦労されている、その現状については恐らく皆さん共有していると思います。ただ、分科会でもこの議論が出たのは、現状の医師不足の話と、今、 9,200 人まで増えている中でのこの医師が、ようやく新しい定員増で卒業されてくる。私ども、いろいろなお声を聞くと、地方では、今まで医師不足だった県が、皮膚科は定員増になってある程度増えてきて、溢れてきているというような声も聞いています。したがって将来の医師の需給を議論するのに定数をどうするかということが大事なのだろうという、これは分科会の議論でそうなったということです。

 事務局にお伺いしたい点があります。今回、この参考資料の 3 で非常に分かりやすく法的な根拠に基づいて黄色、赤、青ということで、それぞれ、根拠があってこのように増やしてきましたということなのですが、確認です。全体として定数をどうするかという意味の中で、例えば青い色の恒久定員という数字は一切いじることがないという理解でよろしいのでしょうか。

○森田座長 ただいまの御質問ですが、これはどちらから。文科省から。お願いいたします。

○寺門医学教育課長 恒久定員については、直接、黄色と赤とは違いますが、全体の需給、ここでの検討等を踏まえると、可能性としてはあると思っています。

○今村構成員 それと、今回の数字には東北に出来た新しい医学部の数字は組み込まれているわけですが、巷間、お話が出ている、大学の認可としてまだ正式に設置が認められていませんが、もうそういう方向で話が進んでいるという千葉県の大学の定員についてはこの推計の中に入っていないということでよろしいのですね。ですから当然、将来の上位、中位、下位の推計の中に 140 名というその数字は入れていないという理解でよろしいですか。

○森田座長 入っていないということですね。

○堀岡医事課長補佐 はい。

○森田座長 分かりました。

○神野構成員 今の関連です。今、今村構成員は、分科会の結果こうなったとおっしゃいましたが、分科会ではこうすると決めた覚えはないと思います。先ほど迫井課長からも、この仮説につきましては今後の議論でというお話を頂きましたので、今後の議論になるのかなと私は思っておりました。そういった意味で、分科会でもお話させていただきましたが、いろいろ、将来の医療推計に伴っての医師数の計算の根拠は現状追認であるということです。先ほどお話があったように、各地で医師不足で困っている中の現状追認で将来推計をしているわけですから、やはりこの辺の掛け算のところの係数は今のままの係数では納得できるものではないと思います。

 そういった意味で、ちょっと別の話になるかもしれませんが、結論として、今回中間取りまとめ案の中で黄色を伸ばすということに関しては賛成させていただきます。だけれどもその根本になるのは、先ほど来もありましたが、例えば偏在について余り規制はよろしくないと、オートノミーでいくということであるならば、もっともっとジャブジャブ作っていただかなければいけないということを主張したいと思います。

○小森構成員 ありがとうございます。座長の隣にいるとなかなか当ててもらえないので。

○森田座長 どうもすみません。

○小森構成員 もう時間もありませんので。この中の 4 ページの (1) 以降の12の暫定措置についてどう考えるか、それから、 5 ページの (2) の3をどう考えるかです。最初にまずここで決定すべきことは、これ以上の増員は不要ということだと思います。ですから、参考資料 3 2 ページの上に点線で囲ってある所は一応閣議決定がありますので、今の現状では、大学はこの条件に合致したものを出してくると自然に認めるという形になっていますので、これはあり得ないということが 1 点です。何度も申し上げますが、そういう意味では成田もあり得ない、これが 2 点目です。

 その黄色の全ての問題ですが、黄色の中の特に新医師確保総合対策 105 名、これはあくまで医師不足県に対する対応ということですから、これは大義があって、これに手を付けることは非常に問題があると思います。ただ、一方で新成長戦略による赤の部分ですが、これも地域枠、そして研究医枠、そして歯学部の振替枠、実際には歯学部の振替枠はほとんど機能していませんが、これも相当大義名分がある。また、それこそ地域枠の増員がどのような効果を示すかということは非常に未知数ですから、これは少なくとも今触れない。ただ、黄色の中のこの 212 人、緊急医師確保対策の 212 人については、そう言いつつも全県の、 47 都道府県のばらまきなのです。今、荒井知事がおっしゃったような、加納構成員もおっしゃいましたが、本来のそれぞれの地域の実情をしっかり把握しながら、本当にそのばらまきがいいのか。不必要なところがあると、やはりこれは検討していくべきだと。それから、本当に何度も申し上げて、分科会でもそういう議論がありましたが、現状で足りない。全く共有してございます。しかしながら、卒業してからフルライセンスまで 8 年かかると、そして、それで一人前ではなおかつないのであって、 40 代、 50 代になって初めて一人前になるということですので、そこはある意味冷静に検討する必要もあると思っています。ありがとうございます。

○森田座長 どうもありがとうございました。

○小川構成員 先ほど、西澤構成員から御発言のあったことに対する反論です。どこでも医師不足であるというお話なのですが、では病床過剰地域はどうなのだということです。病床過剰地域で病床は要らないのに、病院の経営のために医者が必要だと言っている所もあるわけですよね。そういう意味で、北海道全体を見ますと、確かに医師不足です。ところが、札幌一極集中で、札幌医療圏は全国の平均よりも遥かに多いです。確か、分科会の中で病床過剰地域をどうするか、あるいは適正病床の在り方を議論しないと駄目だという話が 1 回は出たと思うのです。今回のこの中間取りまとめに向けて御議論いただきたい事項については、この適正病床の在り方については全く記されていないので、これは是非どこかに入れていただきたいと思います。

 それを考えるときに、 3 ページの当面の医師養成数についてということで、いわゆる上位推計、中位推計、下位推計が出ております。これは全国の問題であるからいいのかもしれませんが、要するにグロスの医師数でここに挙げていただいても困るのですよね。国際比較もできませんし、全国の各県でどういう差があるのかということもできません。あるいは北海道地域の中で本当に過疎地域と札幌地域の比較ができないわけです。これは、事務局にお願いしたいのですが、 10 万単位の医師数でここを明確に表していただかないと、そこの議論に到達をしないと思いますので、是非お願いいたします。

西澤構成員 病院は、今の基準病床数や縛りがありまして、勝手な開業はできないということになっていますので、そこは御承知願えればと思います。それから、札幌に医師は多いですが、北海道に来られて分かると思いますが、あの広い中で札幌に人口のほとんど 3 分の 1 以上が集中しています。高度急性期等というのは、ほとんど札幌にしかないといっても過言ではないのです。ですから、札幌に多いのはかなり高度な医療、あるいは急性期の医療をやっている所が非常に多いということなのですね。

 それと、地方に行ってみると、アクセスの問題や、広い中に病院があっても、冬などで交通手段もない中で、雪のない地域と、先生の所も雪があるから分かると思いますが、同じように考えて、対人口や、対面積だけで考えたら駄目だと思います。北海道全体では我々も協力しながらやっておりますし、実は札幌の病院などでは最近は地方の困っている所に医師の派遣も自主的にやっている病院も今は多いです。ということで、北海道は北海道で何とか守ろうと思って、きちんとやっています。

 しかしながら、北海道の医師数は札幌は多くて地方は少ないだけではなくて、全体で少ないです。これは、札幌においても医者が多くて困っている医療機関もありませんし、決して医者が楽している病院はありません。前回の分科会の資料がありますが、週 56.6 時間というのが医師の勤務時間です。これで、病院の医者がどこかに余っていて楽しているというのは、少しおかしいのではないかと思います。全て、病院はどこの医者もきっと苦労しているのではないかと私は思っております。先生が言われたように、診療科等もっときめ細かなものは必要だと思います。そのために、この分科会以外に今、地域医療構想ということで、医療圏ごと検討をでやっておりまして、医療圏ごとの必要病床数において、それぞれの機能の病床が幾ら必要か。それから、どの専門家の医師が何人必要かということを議論しようとしておりますので、それはそちらのほうで議論していただき、それとこちらのほうをミックスしながらやっていただければと思います。ただ、どう考えても今医者が余っているという感覚は、私たちにはありません。

○小川構成員 今のも反論ですが。

○森田座長 お二人だけでやられていますので。一言だけで簡潔にお願いします。

○小川構成員 今現在は、 7 1 病棟が数十万床あって、それを地域医療計画の中で高度急性期、急性期、亜急性期、慢性期に変えようという動きがあるわけですが、今現在動いている病床は 7 1 看護の 30 何万床という状況になっているわけですよ。その中で議論をしても駄目なわけで、是非今村先生が先ほどお話になったように、将来どうなるのだということを前提にこの中にファクターとして入れ込まなければ、正確なところは出ません。

○森田座長 ありがとうございました。ずっと手が挙がっておりますので、こちらから順番ということでお願いいたします。

○境構成員 今、厚労省の中でいろいろな議論が進んでいるわけですが、行き着くところは同じだと思うのですね。いかにして、地域包括ケアシステムを成就させるかということで、その中でいろいろ話があって、西澤先生や小川先生がおっしゃったように、地域医療構想があり、その中で現状と将来、 2025 年のあるべき姿が出てくるわけです。是非今回の議論は、その中の議論と合致させていただいて、必要な医療ニーズ、供給、専門家別偏在等を全部まとめてやっていただかないと、なかなかバラバラで厚生労働省は何を考えていらっしゃるのか分からないところがあるので、統廃合して明確に現状がどうで、 10 年後どうで、 25 年はどうだということを数字で示していただければ非常に有り難いので、議論が進むと思います。

○迫井地域計画課長 明確にさせていただきますが、今回の推計は地域医療構想で将来の医療需要を反映させていて、それは 4 機能ごとに、これまでの推計とは異なり、診療の内容を踏まえた将来の需要推計に基づいて行っています。いろいろ御指摘いただいた点について、私どもの理解は基本的には組み込まれていて、仮説の置き方の問題はありますが、将来の社会の絵姿を前提としています。

 それから、資料を見ていただければ分かりますが、初回に示しておりますとおり、地域医療構想のマクロの数字自体、すなわち全国レベルでの将来需要は明らかになっておりますので、今回の議論に反映させていただいております。何人かの構成員の方々から、地域ごと、都道府県、あるいは二次医療圏といったいろいろな御意見があります。そういった推計は現時点ではできておりませんので、地域医療構想がある程度見えてきて、スケジュール的には今回一定程度議論いただいた後、更なる議論の中で地域の偏在については、そのような地域の事情についてお示しをしながら進めていくということですので、私どもの進め方と構成員の皆様の御指摘は、それほど食い違っていないのではないかと理解をしております。

○権丈構成員 今の迫井課長のお話が、私が話そうと思っていた話の前半分です。今回の試算の仕方は、今までと相当違いまして、まず医療需要をベースにした地域医療構想をスタート地点として、その医療需要に基づく各地域の病床について、この機能は何床、この機能は何床という試算が出てきたときに、その機能を持った病床には医師数は大体何人ぐらい必要という値を掛け合わせた形で、需要と供給をマッチングさせるというやり方です。この試算のスタート地点は医療需要のほうから始まっていますね。

 そして、気をつけなければいけないのが、例えば高度急性期の病床には今、日本全国では何人ぐらいの医師がいるという値は全国の平均値でやっておりますので、これは現状を維持する、現状を追認するといっても、ある地域では非常に満たされていて、ある地域では不足しているという現状である下で、私の表現では充足率と言っているのですが、ほぼ充足率を一定とした形で計算することになると思います。もし、この形で総量を出していくと、偏在の問題を同時に解決しておかないことには、地方はたまったものではないという状況になっていきます。

 先ほどの話にありましたように、総量と偏在の問題は、独立ではありません。偏在の問題を限りなく解決していくとすると、総量の問題を大分抑えることができます。この問題は、ドレードオフといいますか、非常に重要な問題を抱えております。偏在の問題をはじめ、医療政策は公共政策ですので、いろいろなものが公共政策の目的に従属していくと私は思います。偏在問題を解決していく際には、いろいろな所で専門家の先生方の御協力いただきたいということはあります。私のように社会科学の人間は、この検討会の中ではなかなか少ないのですが、この国の人口問題や労働力の問題などを考えていきますと、可能な限り医師に必要なマンパワーは節約していただきたい。

 それから、この以前にも話したのですが、労働市場が不安定になって、社会が不安定になっていくと、医学部進学熱が高まります。 90 年代から、急激に医学部の進学熱が高まっていき、偏差値が異常に高くなっていったために、医療以外の他の領域は大丈夫なのかという、マンパワーの質の問題も起こっております。他の所に医学部を諦めた人たちばかりが行って、工学系とかいろいろな所は本当にそれで大丈夫なのかというような社会全体のマンパワー配分上の質の問題も、医師の量の問題と同じように生じてきます。医師偏在はかなり重要性をもってくる社会の政策課題になっていますので、この辺りのことは前向きに御検討いただければと思います。

○釜萢構成員 既にお話が出ておりますが、足元の認識と 10 年後を見据えた議論とをきちんと整理しないと、なかなか議論がかみ合わないなと思います。その中で、今回は取りまとめをすることになりますが、資料 1 5 ページ、「その効果についてまだ十分な検証を行うことができないこと」となっております。では、今後それはいつの時点でできるようになるか。次回のこの見直しはどのようになるか、事務局、見通しをお聞かせください。

○堀岡医事課長補佐 御指摘のとおり、増員が始まったのは平成 20 年ですので、今やっと初期研修が終わって 1 年目の医師が初めて地域に出てきたという段階です。間違いなく、今の時点で増員によって偏在がどのぐらい実施されたかということを全て評価することはできないということは、恐らく皆様合意していただけるものだと思います。果たして、これが 105 人が出てきたもの、 317 人が出てきたもの、例えば 10 年待たないと見れないのかというのは、現時点で明示できるものではないと考えておりますが、近い将来この効果判定はもう一度しなければならないことは認識しております。

○釜萢構成員 それは、大体いつ頃という見通しですか。

○渡辺医事課長 資料 1 5 ページの (3) にありますように、今回の医師需給推計の結果や今回の見直しによる医師偏在対策の効果を見極めながら検討していくこととしてはどうかというようなことで、事務局としては考えているところです。

○加納構成員 先ほど過剰ベッドの話が出たのですが、地域医療計画で日本で一番過剰ベッドが多いと言われたのは大阪府なのですが、 2 万床過剰ということです。実は、今回地域医療構想では 1 万床不足だとなりました。これも数字のマジックではないかと思うのですが、大体、得てして数字でやると、予想した数字とえらく違うことになります。もし、 2 万床オーバーだったという形で減らしていたら、 3 万床足らなかったということが起こっていたわけです。そういう面で先ほども質問させていただいたのですが、勤務時間も 46 時間を根拠として上位推計であるとしています。 46 時間働くかなというのが、これからの若い人たちの環境を見ていますと難しいのではないかと思われます。これを例えば 40 時間にすると、また数字が変わってくる。やはり、得てしてこういう数字というものは非常に危険だなということを感じますので、やはり現状認識が一番大事かなと思います。全く今の状況下で我々は、逆に高度急性期、急性期では、現場の負担を考えますと三交代並みにもっと短くなると思っておりますので、そういったところの考慮を是非ともしていただきたいと思います。数字で出ますと、そういう形になってしまいます。

 それから、 7 1 の数字に関しては、 7 1 は看護師の数が減るという話で、 10 1 になろうが医師の数は変わりませんし、 13 1 15 1 、でも同じです。

○荒川構成員 これまで議論に余り出なかったことで、医師の補助機能を強化するということが、医師不足の解決としてはもう 1 つ抑えていかないといけないことだと思うのですね。医師が何に時間を取られるかというと、事務作業に取られることが多いわけですよね。ですので、事務作業をする補助員を診療報酬改定で付けることが可能にはなっていますが、実際には余り機能していないですよね、多少は助けになっていますが。ですから、医療補助人材の養成などをもっと強化して、実際にその医師が本当に医師としての業務に専念できるような形をつくれば、医師の数を増やさなくてもむしろ減らしていく方向でいけると思うので、これも是非この資料 1 の中に加えていただきたいと思います。

○荒井構成員 医師の労働時間の適正化についてです。労働基準局から、医師の働き方について通達が出ております。労基局の告示・通達で主なものは、トラックなどの運転手にかかる告示と医師の宿日直について規定した通達の 2 つがあります。奈良県は、医師の宿日直について規定した通達に基づいて宿日直中の通常業務について時間外割増賃金を支払うという併給制度の是非について訴訟を行いましたが、最高裁でも負けてしまいました。

裁判を起こされた当時は、前の知事のときなのですが、従前は時間外割増賃金の併給もしていなかった状態でした。しかしながら、現在、通達に基づいた割増賃金の併給を行っているにもかかわらず、要は、病院で行う宿日直勤務の全時間帯について時間外割増賃金を払えとのことです。

これは、宿日直手当ではなく、勤務全時間帯に超過勤務の割増賃金として支払うことになるので、強力な結果になると思い、宿日直勤務中に実働した時間帯のみ時間外割増賃金を支払うだけでは駄目だという高裁の判決の是非について、あらためて最高裁まで争おうと思います。今の病院は宿日直勤務時間中の断続的労働として、実際に労働した時間のみ時間外割増賃金を併給している病院が多いように聞いております。これは宿日直勤務の全時間帯に時間外割増賃金を支払うとなるとすごい負担になるわけで、医師の宿日直体制を見直すべきだというのはある面ではいいことですが、医政局が労基局の通達を認識されているのかどうかお伺いしたいと思っています。

医政局より労基局のほうがやはり強いですね。宿日直に対する考え方が医療法で規定する概念より、労基法で規定する概念を元に、医師の労働を判断されている現状ですから。

是非労基局の示す医師の働き方について、今、病院勤務医師の休日・夜間の勤務状況がどうなっていて、時間外割増賃金の支払い状況がどのようになっているのか。宿日直勤務における働き方がどう決められているのかで決まってしまいますが、労基局の通達の適法性に関する司法判断が、この労働時間の適正化に大きな影響があることを申し上げておきたいと思います。それを、是非検証していただきたいです。医師の働き方が非常に緩和されるのは大変いいことですが、労基局の通達との調整、調和を国において是非やっていただきたいと思います。

○松原構成員 今、荒川先生がおっしゃったとおりで、医者が医者でなくてもよいところに、かなり時間を取られています。そこをまず改善することが本来の筋であると思います。例えば、 15 年先、 20 年先にどれだけ医者がいたらいいかという議論よりも、科学的に厚生労働省が出しているデータに基づいて考えれば、 10 年、 20 年先には溢れるということが明らかになっているので、今現在やるべきことはむしろ医者のサポートをする人材を出すべきと考えます。ただ、これは医政局ではなく、保険局の仕事です。私は中医協の委員ですが、この件については以前から主張しているところです。また、今、荒井構成員がおっしゃいましたように、当直代は時間外手当てとして払うべきものは払う。これも保健局の仕事です。そういったことで、現時点の状況を改善することがまず先です。

 国家財政から見て、 10 年、 15 年、 20 年したら大変な負担になるということを今から決めてしまうのは、大変な問題です。ねぜこういう偏在化が起きているかといいますと、一因は国の人口が偏っているからです。国の人口が偏っていて、そのために医師の配置も偏っているわけです。つまり、医師の偏在をなくすことこそが、将来において国家に負担をかけない一番良い方法です。資料 1 の中で例えば 3 ページ、 (9) も女性医師の (1) (2) (3) も、みんなすぐできることです。このすぐできることを、是非厚生労働省にやっていただきたい。特に、子育ての支援や ICT は、国家戦略の中で決まっていることですので、まずできることは議論することではなくて、やるべきだと思います。ただ、 (10) は財務省との調整があると思いますが、これも協力していただければ、地区の中で診療所が潰れるということはありませんので、速やかにやっていただきたい。そして、データを出していないから議論できないということのないように、医者がどこにどれだけいるのかを正確に把握してくださるのが、まず仕事の初めだと思います。

 考えてみれば、地域枠を作ったのですから、その地域枠の効果がどうなのか、あるいはもっとこの地域枠が効率よく働き、十分な医師が配置できるような方法になるようにお考えいただくべきです。 10 年、 20 年先の効果を考えるよりも先ではないでしょうか。更に言えば、どうしても国の政策の中で何らかの制約がいるというのであれば、例えば医学部長病院長会議と医師会が主張していますように、ある程度の制約は私ども医師にとって仕方のないことではないかと思っております。例えば、開設者、管理者の要件については十分に御議論いただき、そしてそれがどうしても必要であるということであれば、導入することによってその偏在が改善するのであれば、前向きに議論してまいりたいと思っております。是非。今できることから速やかにやっていただきたいです。 10 年、 20 年先に、国家財政に大変な負担をかけることよりも、まずできることからするのが筋ではないでしょうか。

○平川 ( ) 構成員 私も、偏在問題の解決が第一だと考えておりますが、最初に女医の団体のお話がありました。週 2 回程度のアルバイトをして、生活が非常に満たされていて満足しているという話と、今の 50 時間を超えるような大変な勤務状態の問題は、全く乖離している気がするのですね。それを解決するために、女性医師の場合には 0.8 掛けするのであれば、医学部定員を男性 1 に対して、女性 1.25 と増やさなければいけない話になってしまいますが、これも現実的でないと思うのですね。

 今後、減少させていく上には、やはり男女をどうするかという考え方、いつも平等だという考え方をずっと導入し続けるのかどうかも考えていくべきではないかと思いましたので、申し上げます。

○邉見構成員 各論と総論が大分入り交じってきているのですが、私は厚生省時代の医療審議会で、医師を減らすという、国公立で 10 %、私学で 5 %、 7.7 %減らすという委員会におりました。減らすのに賛成したのですが、その後あのようなに医師不足が起こるとは思わなかったのですね。麻酔、放射線、病理は、香川医大と高知医大に作ってほしいとか、総合医大は要らないから単科医大にしてくれというようなことを言ったこともあるのですが、やはり数字というか予想は見事に外れるものだなというのが 1 つです。

 もう 1 つは、東北に医科大学を作ると。今日は寺門さんもおられますが、そこの委員会に行って、私は反対というか、一番初めに東北には 6 つのザルがありますと。東北大学には失礼だけれども、 7 つ目のザルを作るのですかと申し上げました。ほとんど、 80 %、 90 %がそこ抜けしているのですね。ザルの目を締めるほうが先ではないですかと申し上げたのですが、それは総理とうちの大臣の下村さんで決めましたと。あなた方は、この 3 つの候補から、どこを選ぶかが仕事ですと言われました。その後、女性医師が 4 割を超えるのに、東京女子医科大学はあると。東北に作るのだったら、東北男子医大にしてくださいと、私は申し上げました。これも、憲法違反だとか何とか言ってペケされました。

 いろいろと難しいのですが、しかしまだ地方の国民、メディア、あるいは首長は、医師は足らないと皆思っているわけです。ですから、どんどん作るわけです。票になると思うかも分かりませんし、国民受けがポッピュリズムでいいと思うかも分かりません。ですから、どんどん作るのです。何か偏在対策をすれば、総数のことは解決すると思うのです。ですから、先に偏在をやってから、総数の問題に入らないと、バケツの大きさではないですが、権丈先生の分科会でおっしゃっている発言と同じようになって、溢れたやつが来るという加納先生の意見だったら、いつまできても田舎は溢れ出さないので、早く偏在を先にやって総数にいくべきではないかというのが、私の意見です。

 もう 1 点は、医師の勤務時間ですが、これは複数主治医制にしない限り無理だと思います。例えば、週 40 時間にしても、急変したら出ていきます。患者は行かないと納得しません。ですから、国民の理解で複数主治医制というものを認めてくれと。うちの外科はそうしました。そうしたら、先生が来てくれないと困るとか、若い先生ばかりだとかいろいろ言われましたが、これは皇室と同じで、主治医団ですと言って乗り越えました。それぐらいやらないと、国民も理解してくれないと、これはうまくいかないと思います。

○森田座長 もう時間がなくなってまいりましたので、よろしいでしょうか。細かいことは整理はいたしませんが、大きな方向については。

○山口構成員 時間がないので短く申し上げます。参考資料 3 の地域医療枠で増やした 105 人は検証していくということですが、やはり不足している所の枠ということなので、必ず毎年検証をしていただきたいと思います。

 それから、 1 つ事務局に確認をしたいのですが、私は 2014 年度の医師国家試験の改善検討会の委員を務めておりましたが、東欧をはじめとした海外に出て医学部を卒業して、日本の医師免許を取りたいということで試験を受ける日本人が、かなり増えてきていると聞いています。確か、 2014 年度で 30 人代で、この先 1 校分になるというような話もありました。その辺りの見通しがこの中には全然数が出てきていないのですが、どのように把握されているのかということと、今後どのようなことが考えられるのかを、事務局に確認したいと思います。

○堀岡医事課長補佐 実は先ほども御指摘いただきまして発言しようとしたのですが、まずこの黄色の部分の一番下の医師不足県と、上の医師確保が必要な地域ですが、これは上の部分は確かに 47 都道府県どこでも増員できるという仕組みにはなっておりますが、非常に厳しく、医師の確保が必要な地域や診療科に対する確保が必要なものとして、かなり限定された事実上の地域枠、診療科枠として設定されるもので、 1 2 に大きな差はないものだと考えております。

 例えば、東京都では平成 21 年度で 5 名増員しておりますが、診療科の範囲が小児か産科か救急か僻地医療の病院に行かなければならないというものであって、更に卒後 9 年都が指定する上記の小児か周産期か救急か僻地医療に従事する医療機関で働いた場合のみ返還免除になるという、非常に厳しい状況になっています。例えば、神奈川県も産科、小児科、麻酔科、外科の中から選ばないといけなかったりというように、かなり厳しく地域、そして医師不足地域、また診療科の枠がはまった増員であるということは、 1 つ事実として御説明させていただければと思っています。

 もう 1 つは、今御指摘いただいた海外医学部卒業者の医師国家試験ですが、平成 24 年に 30 人、平成 28 年で 63 名がその枠で合格しております。確かに受験者はそれなりに多いのですが、合格者は今言った程度で、今まで平成 24 年から累計で 246 名ですので、 1 年当たり 30 名から多いときで 60 名程度ということで、確かに今の供給推計には入っておりませんが、言い方はあれですが、かなり小さい、 9 千何百のうちの 30 とかですので、もちろんそれを供給に入れ直して供給推計することは可能ですが、余り大きな影響は正直言ってないのではないかと考えております。確かに、今後急増するという可能性はありますので、そこについてはウォッチをしないといけないとは考えております。

○片峰構成員 分科会の先生に、事務的なお願いです。次回の分科会が、 5 19 日に予定されておりますが、私がどうしても外せない海外出張がありまして、そのときの座長をお隣に座っております親会の座長の森田先生にお願いしたいと思いますまが、御承認いただきたいと思います。

○森田座長 座長は、余り自分の意見を言ってはいけないので、親会議ではなく分科会で言おうと思ったら、分科会も座長をやらされるということですので、ここで一言だけ私のコメントを言わせていただきます。 1 つは、医師を養成するのに 10 年かかって、そして医師になられてから多くの方が 40 年以上従事されると思います。そして、今、私自身は国立社会保障・人口問題研究所に所属しており、当研究所では人口の推計をしておりますが、我が国の人口動態は 2008 年をピークに減少し始めました。これは、それまでと全く違った新しい局面を展開するということで、それを折り込んで何十年か先か考えなければならないということが、権丈先生から御指摘がありましたが、重要なことです。

 もう 1 点は、私自身の専門は公共政策の決定や、政治プロセスについての研究です。その観点から述べさせていただきますと、中医協の 6 年の経験もそうなのですが、いろいろなデータを出して、将来推計という議論が出ますが、係数を確定的に決める要素はありませんから、これは幾ら議論しても多分結論が出ないと思います。そういうときに、政策の決定をどうするかという 1 つの方法、考え方があります。それは、低位推計で決定をして実態が上ぶれしたときのリスクと、高位推計で決定して下ぶれしたときのリスクとどちらのリスクが大きいか、コストがかかるかという観点から選択をするというものです。

 余計なことを申しましたが、これで時間がまいりましたので、事務局にお返しいたします。

○堀岡医事課長補佐 長時間にわたる御議論、心より御礼申し上げます。それでは、本日の医療従事者の需給に関する検討会と医師需給分科会の合同分科会を終了いたします。本日は、どうもありがとうございました。

 次回の日程ですが、 5 19 2 時から 4 時に医師需給分科会を、 4 時半から 5 時半に医療従事者の需給に関する検討会の開催を予定しております。よろしくお願いいたします。

○森田座長 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局医事課
(代表) 03(5253)1111(内線4127)
(直通) 03(3595)2196

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