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2016年4月14日 第41回先進医療技術審査部会

(了)


第41回先進医療技術審査部会

(1) 日時:平成28年4月14日(木)16:00~17:25

(2) 場所:中央合同庁舎第5号館専用第12会議室

(3)出席者:
猿田座長、山口座長代理、石川構成員、一色構成員、
伊藤構成員、上村構成員、柴田構成員、大門構成員、
手良向構成員、直江構成員、藤原構成員、松山構成員、
山中構成員、長瀬技術専門委員

  (事務局)
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 再生医療等研究推進室長補佐
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 課長補佐
保険局医療課 専門官
医薬・生活衛生局審査管理課 課長補佐

議 題
1.継続審議の評価を受けた技術の再評価結果について
2.新規申請技術の評価結果について
3.試験実施計画の変更について
4.協力医療機関の追加について
5.先進医療の取下げについて
6.その他

議事録
○猿田座長 それでは、ただいまから第41回先進医療技術審査部会を始めさせていただきます。先生方におかれましては大変お忙しいところ、特に新学期に入って大変忙しいところ、また学会もあるということですが、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。本日の委員の出欠状況は、佐藤構成員、関原構成員、田島構成員、田代構成員、山本構成員から御欠席の届けを頂いております。18名の構成員のうち、13名の構成員に来ていただいております。本会議が成立していることを申し伝えさせていただきます。
 なお、今回は、技術委員として、東京大学の長瀬先生においでいただいております。長瀬先生、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、配布資料の確認と、審査案件の確認を事務局からよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 配布資料の確認をいたします。議事次第から始まりまして、座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門員名簿と続きます。次に、先進医療技術審査部会にて継続審議の評価を受けた技術の再評価結果として、資料1-1ないし資料1-5。新規申請技術の評価結果として、資料2-1ないし資料2-5。先進医療Bの試験実施計画の変更については、資料3-1ないし資料3-4。先進医療Bの協力医療機関の追加については、資料4-1及び資料4-2。先進医療Bに係る協力医療機関の取下げについては、資料5-1及び、協力医療機関の取下げに係る第38回先進医療技術審査部会の指摘事項に対する回答として、資料5-2があります。会議資料の最終ページは、82となります。
 また、構成員の先生方のお手元に、机上配布資料として、新規案件に係る事前照会事項に対する申請者回答のうち、評価表を御作成いただいた以降分の回答につき、お配りしております。なお、これに係る新旧対照表及び更新された書類については、タブレットの末尾にてお示ししております。
 本資料については、会議終了後、厚生労働省ホームページにて、本日の会議資料と併せて閲覧可能となりますので、念のため申し添えさせていただきます。本日の資料は、以上でございます。乱丁、落丁等がありましたら、事務局までお知らせいただけますようお願いいたします。
 それから、利益相反については、申請医療機関との関係や、対象となる医薬品・医療機器及び再生医療等製品の企業等について、資料1-1の15ページに記載しております申請医療機関、医薬品・医療機器・再生医療等製品情報を御覧ください。
 申請医療機関との関係です。対象となる企業又は競合企業に関して、事前に確認をさせていただいております。今回、一色構成員、大門構成員、手良向構成員、直江構成員、藤原構成員、山中構成員より、新規申請技術、整理番号60について御報告がありました。
 評価対象技術に含まれる医薬品又は医療機器等の製造販売業者等からの受領額は、一色構成員におかれては500万円超でしたので、先進医療会議運営細則第4条の規程に基づき、当該医療技術に関する検討(議事の取りまとめを含む)及び事前評価(議事の取りまとめを含む)には加わらないこととなります。次に、大門構成員、手良向構成員におかれては、50万円超でしたので、同条の規程に基づき、当該医療技術に関する検討には加わることはできますが、議事の取りまとめ及び事前評価には加わらないこととなります。
 一方、直江構成員、藤原構成員、山中構成員におかれては、50万円以下でしたので、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることができます。事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がありましたら、この場で御報告をお願いいたします。該当なしと承ります。
 また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等については、タブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は、会議資料の某ページ又はタブレットの某ページと、あらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かります。よろしくお願いいたします。以上です。
○猿田座長 よろしいでしょうか。それでは、早速議事に入ります。まず、継続審議の評価を受けた技術の再評価結果について、これも事務局から最初に御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 事務局より説明させていただきます。なお、撮影されている傍聴者の方がいらっしゃいましたら、ここまでとさせていただきます。御協力をお願いいたします。
 資料1-1、15ページを御覧ください。今回、先進医療Bとして、先の第39回先進医療技術審査部会で継続審議の御評価を頂き、今回、再度御評価いただく技術は1件あります。整理番号57、肺野型1期肺がんに対する重粒子線治療です。適応症は、肺野末梢型1期(1A期及び1B期)の非小細胞肺がん患者となっております。申請医療機関は、九州国際重粒子線がん治療センターです。審査担当構成員は、主担当が山本構成員、副担当は田島構成員、大門構成員です。また、長瀬技術専門委員にも御審査をお願いしております。
 資料1-5、29ページを御覧ください。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より御説明いたします。
 まず、実施責任医師の要件として、診療科は放射線科又は放射線治療科又は放射線治療部又はその相当科が必要。資格として、日本医学放射線学会・日本放射線腫瘍学会共同認定放射線治療専門医が必要。当該診療科の経験年数は10年以上が必要。当該技術の経験年数は2年以上が必要。ただし、放射線治療(4門以上の照射、運動照射、原体照射又は強度変調放射線治療(IMRT)による体外照射に限る)による療養について、1年以上の経験を有する者については、1年以上とする。当該技術の経験症例数は、重粒子線治療を主として実施する医師又は補助を行う医師として、10例以上の症例を実施しており、そのうち重粒子線治療を主として実施する医師として、5例以上の症例を実施していることが必要。その他の取決めはありません。
 一方、医療機関の要件ですが、診療科は放射線科又は放射線治療科又は放射線治療部又はその相当科であることが必要。実施診療科の医師数は、具体的な内容として、日本医学放射線学会・日本放射線腫瘍学会共同認定放射線治療専門医を含め、2名以上が必要。他診療科の医師数は不要。その他、医療従事者の配置として、下記の1.と2.をいずれも満たすことが必要。ただし、1.病院内に日本放射線治療専門放射線技師認定機構の定める放射線治療専門放射線技師を含む専従の診療放射線技師が3人以上配置されていること。重粒子線治療室1室当たり、2名以上の診療放射線技師が配置されていることが必要。2.放射線治療に専従する常勤の医学物理士認定機構認定医学物理士が、1名以上配置されていることが必要。病床数についての取決めは不要。看護配置は、放射線治療専従の看護師1名以上が必要。当直体制は不要。緊急手術の実施体制は不要。24時間実施体制の院内検査も不要。他の医療機関との連携体制は、具体的内容として、近隣の大学病院並びに総合病院と、診療上の連携体制が確立していることが必要。医療機器の保守・管理体制は必要。倫理審査委員会による審査体制は、2か月に1回以上に加え、要時開催されていることが必要。医療安全管理委員会の設置は必要。医療機関としての当該技術の実施症例数は、10症例以上が必要。その他の取決めとして、がん診療連携拠点病院等の整備について(平成26年1月10日健発0110第7号)に準拠した複数の診療科で構成されるキャンサーボードを設置すること。自施設でキャンサーボードの設置が困難な場合は、がん診療連携拠点病院等の連携にて、その機能を果たすことができるように対応すること。また、病院間の連携が可能であることを文書にて示せること。なお、本試験の対象患者の選定において、呼吸器外科、呼吸器内科及び放射線治療の医師を含むキャンサーボードにおいて検討を行う体制が必要となっております。その他の取決めはありません。以上です。
○猿田座長 この申請施設の要件は、この前のときにもちょっと議論していただいたものですが、今の説明に、どなたか御質問はありますでしょうか。この間のときには、特にキャンサーボードの設置というところが議論されましたが、御意見はありますでしょうか。
○石川構成員 些末なことかもしれませんが、これは題に手術不能というのが付くのか付かないのかということで、いろいろなところで手術不能というのが付く形で名前が出ていたりしているのですが、これは、正式にはどういうようなことでなっているのですか。肺野型、手術不能というのはなくて、肺野型ということで始まっている、その技術名、先進医療技術名ということになるのですか。27の概要図の所では、手術不能、肺野型と書いてあります。
○医政局研究開発振興課専門官 はい。
○石川構成員 そういうように混乱してるのですね。その次の28もそうですが、29も同じで、一番トップの所にはそのように書いてあります。ですからこれは、この前も、肝がんのときに手術不能の肝がんの照射の問題がありましたので、これ、題名に付けるか付けないのか、大きなことだと思います。
○医政局研究開発振興課専門官 正確には、試験計画書の適格基準、タブレットの9ページの所を御覧いただくと記載されております。その中にキャンサーボードによる検討で、肺葉切除が不能と判断される患者ということが明記されております。こちらは手術不能と診断されたものという定義が優先されるかと思います。
○石川構成員 では、いろいろなところで公表されるときも、それは頭にくっ付いて出てくるということですね。それは先進医療の名前ということになるわけですね。手術不能ということで。
○医政局研究開発振興課専門官 はい。この名前で出るということでお考えください。
○石川構成員 分かりました。
○猿田座長 長瀬先生、何かその点、御意見はありますでしょうか。特に今ので、よろしいでしょうか。ありがとうございます。石川先生、それでよろしいでしょうか。
○石川構成員 はい。
○猿田座長 ほかにどなたか。
○藤原構成員 前回のときもキャンサーボードの中で呼吸器内科、呼吸器外科の先生を入れてほしいと申し上げましたが、呼吸器外科の人は専ら、最近は肺がんの手術をされていますが、呼吸器内科は、COPDや喘息か、非がんの人を診ているのも結構いらっしゃるので、肺がん診療を専らやっている呼吸器内科とか、肺がんの専門医という制度はないのですけれども、そこでちょっと肺がんを専ら診ている呼吸器内科医という形容詞が入ったほうが助かるかなという。
○猿田座長 その辺りどうですか。
○医政局研究開発振興課専門官 そちらは、こちらに条件としてその文言を書き加えることでよろしいでしょうか。それとも、何らかの専門医資格等々で読み替えたほうがよろしいでしょうか。その辺りについて御議論を頂けましたら幸いです。
○藤原構成員 肺がん診療を専らやる専門医というのはないので、書きぶりは、「肺がん専門医」という言葉は入れなくていいと思います。長瀬先生のほうが。
○長瀬技術専門委員 現実にこれは、いわゆる病院で行うものですね、当然ながら。一線の病院でなされると思いますが、そういう所で呼吸器内科医を標榜しておれば、肺がんを診ないということはまずあり得ないと思いますので、これは呼吸器内科は、さすがに呼吸器内科でよろしいかと思います。
 ここで、その専門資格と問うかどうかとなると、日本呼吸器学会専門医、あるいは、そのがん関係ですかね、ということになると思いますが、ただ、専門医まで絞ってしまうと、ちょっと制限がきつくなり過ぎる可能性があると。呼吸器学会の会員ぐらいであれば、まず間違いないと思いますが。
○猿田座長 山口先生、どうですか。
○山口座長代理 この施設は、例えば肺がんの化学療法をやっていたり、あるいは気管支鏡の検査をやったりしている病院なのでしょうか。ただ、放射線治療に専念している病院であれば、ちょっと問題だと思います。
○医政局研究開発振興課専門官 実情としては、放射線治療をほぼ専門にしている施設です。近隣の一般医療機関と連携して、放射線治療を担当する病院ということになります。それについては、重粒子線治療の施設は、数が限られておりまして、協力医療機関や申請医療機関で申請されてくる際に、どの技術も同じような体制を抱える病院がどうしても入ってくるということになります。その辺りは、平準化の観点からも御議論いただければ幸いです。
○藤原構成員 私も呼吸器学会の専門医なので、その学会に対して文句を言うのではなくて、ほかの先進医療の分野の、ここの要件の中で、なるべくそろえていきたいと見ているので、そうすると、肝がんのときも要件設定に結構苦労したというのがあって、専ら重粒子線だけやっている施設で、いい加減にセレクションされて重粒子線を使われるということを一番懸念しているので、形容詞が何か入ったほうがいいと思います。学会がちゃんとしないとかというわけではなくて、呼吸器内科の先生でも肺がんをちゃんと診ているということを、専門医でくくるのではなくて、形容詞を入れておいていただくなど、ほかの先進医療の分野の場合にも、この要件の設定においては注意して欲しいと思い、申し上げました。
○医政局研究開発振興課専門官 ただいまの藤原先生と、長瀬先生の御議論からいたしますと、恐らく要件として、言葉を加えたという事実により、それは呼吸器内科の先生の場合はほとんどの先生がその要件を満たされるということなのですが、そこでほかの分野との平準性も鑑みて、一応、明示はしておくということでよろしければ、そのように対処させていただきますが、いかがでしょうか。
○猿田座長 どうですか。
○藤原構成員 それでお願いいたします。
○猿田座長 では、その形で事務局、よろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 承知いたしました。
○猿田座長 ほかにどなたか御意見はありますでしょうか。
 ここの施設の場合は、たまたま佐賀大学が近いから、佐賀大学の人たちがいろいろな形のやり取りをやられております。では、一応この施設の条件は、そういった形で決めさせていただきたいと思います。
 それでは、本日は山本先生が御欠席ということで、もう一回事務局から、山本先生の御意見をまずお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料1-2、17ページを御覧ください。本技術は、肺野末梢型1期、すなわち1A期及び1B期の非小細胞肺がん患者を対象にしております。重粒子線治療は、重粒子線照射装置を用いて、1日1回、15.0GyEを計4回、総線量60.0GyEで行います。照射法は、1日2門以上、総照射門数は4門以上の呼吸同期照射。治療期間は、15日以内となっております。本研究では、多施設共同臨床試験で、重粒子線治療の有効性及び安全性、さらには、費用対効果等の評価を目指します。
 有効性の評価は、主要評価指標として3年全生存割合、副次的評価指標として、全生存期間中央値、2年全生存割合、2年及び3年時の疾患特異的生存割合、無増悪生存割合、局所無増悪割合、局所無増悪生存割合及び増悪形式を用います。
 また、安全性の評価は、副次的評価指標として、有害事象発生割合を用います。更に、探索的評価として、医療経済効果、すなわち費用調査、QOL調査、費用効果分析も行います。有害事象の評価には、CTCAE、version4.0を用います。予定試験期間は7年間、予定症例数は、1A期は105例、1B期は45例です。
 資料1-3、21、22ページに継続審議に係る指摘事項、4点に対する回答があります。各項目については、資料を御覧ください。いずれの項目も、適切に御回答いただいたと御判断をいただいております。
 山本構成員からは、特に追加のコメントはなく、資料1-2、17ページに戻っていただくと、実施体制の評価は「適」と御判断を頂いております。以上です。
○猿田座長 後ほどまた議論させていただくということで、それでは、続いて、長瀬先生から実施体制の評価等についてお願いできますでしょうか。
○長瀬技術専門委員 前回の議論に基づきまして、キャンサーボードを設置すると。それから、その要件がきちんとした形になっていると。呼吸器内科、呼吸器外科も加わるということが明示されましたので、私としては「適」ではないかと思います。
○猿田座長 どうもありがとうございます。それでは、続いて、本日御欠席の田島構成員から、倫理的な観点からの評価について、これも事務局から説明をよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 先進医療の申請の事前照会事項に対する回答、25ページを御覧ください。田島構成員からは、臨床研究補償保険への加入に関して御指摘いただきましたが、適切に対応されたと御判断いただいたため、18ページ、資料1-2に戻っていただくと、倫理的観点からの評価は、いずれも「適」との御評価を頂いております。コメントとして、「指摘事項に従い、適切に修正がなされたので適とした」「新たに補償保険に加入して、補償無しから補償有りに変更されたので、補償内容も適切なものとなった」「患者相談の対応は、整備されている」との記載を頂いております。以上です。
○猿田座長 それでは続いて、大門構成員から試験実施計画等について、よろしくお願いいたします。
○大門構成員 試験実施計画書等の評価を担当させていただいた大門でございます。机上配布資料1-2に示しますとおり、先般の部会での指摘事項、それから、事前の照会事項に対応していただきまして、全て「適」とさせていただいております。しかしながら、有効性及び安全性の評価方法の項目で、少し申し添えておいた方がよい点がありまして、コメント欄にその点を一応付与させていただいております。
 具体的には、本試験の例数設計では、手術不能例のプロトコル治療に対する全生存割合の閾値として、JCOG0403試験において、手術可能例か不能例かを中央で評価したもとでの成績を用いることで計画されております。一方で、当該試験の公表論文では、そのような中央評価に基づく成績(60%)だけではなくて、中央評価を行わない登録時に可能例かあるいは不能例と判断したもとでの情報に基づく成績(64%)も示されておりました。この中央評価は、JCOG0403試験の途中でのプロトコル改訂によって実施されたものですが、申請者の主張するように、この結果のほうが信頼できるものであれば、この値を採用することでよいと考えております。
 一方で、当初、少し悩ましかったのは、前々回の机上配布資料で、申請者により、この中央評価が手術拒否例の成績を良くする、逆に言えば、手術不能例の成績を悪くするというバイアスを生み得るのではないかということも示唆されておりまして、もしそうであるとすれば、よりハードルの高い64%の成績を保守的に用いる可能性もあるのではないかと思われました。
 このやり取りですが、机上配布資料1-3の23、24ページ、それから26ページに照会と回答がなされております。当初、この回答を頂く前に、どちらの評価が真実に近いのか悩ましく思っておりましたけれども、この回答を拝見した限りでは、中央評価の方が、より厳しい評価が行われていそうですので、申請者の主張のとおりでよいかなと思いました。もちろん、この点については、構成員の先生方に、是非御意見を頂ければと思っております。以上でございます。
○猿田座長 どうもありがとうございます。このやり取りの所を読んでいただいたかと思いますが、それでは、これで一応、皆様方から御意見を頂きたいと思います。その後に山本先生の総括ということを、もう一回させていただきますが、どなたか、これまでのところで御意見はありますでしょうか。大門先生の問題は、今の形でよろしいわけですね。特に御意見がなければ、それでは、山本先生のまとめをもう一回、事務局からよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 従前の論点に鑑みまして、19ページ、資料1-2を御覧いただくと、山本構成員からは、総評として「適」との御評価を頂いております。コメントとして、「技術審査部会の審議及び評価委員の照会事項に対応していただき、より適切な試験計画を策定いただいたと考えます。主担当の意見としては、全生存割合の閾値の採用については60%を採用するという申請者の主張を受け入れ、保守的な閾値を用いた解析を追加的に行っていただければ、なおよいと考えます」との記載を頂いております。以上です。
○猿田座長 それでは、全体的にどなたか御意見はありますでしょうか。特にキャンサーボードその他に関しては、先ほど長瀬先生からコメントを頂いたとおりでよろしいですね。どなたか御意見はありますでしょうか。山口先生、よろしいですか。
○山口座長代理 これはキャンサーボードの問題だけが一番引っ掛かるので、そこのところがちゃんと押さえられたら問題ないと思います。
○猿田座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。そういうことであれば、それではこの案件に関しては、山本先生の御判断どおり「適」という形にさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、そういう形で、どうも御協力ありがとうございました。長瀬先生、どうもありがとうございました。
 それでは続いて、新規申請技術の評価結果に移ります。事務局から説明をよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料2-1の31ページを御覧ください。本日、先進医療Bとして新規に御評価いただく案件が1件あります。整理番号60、微小肺病変に対する切除支援気管支鏡下肺マーキング法です。本技術についての審議に先立ち、冒頭で報告しましたとおり、一色構成員におかれましては、利益相反の観点から本技術の審議に際し、一時御退席いただくことといたします。誠に恐縮ですが、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
(一色構成員一時退室)
○医政局研究開発振興課専門官 適応症は微小肺病変となっております。申請医療機関は東京大学医学部附属病院です。審査担当構成員は主担当が伊藤構成員、副担当は佐藤構成員、柴田構成員です。
 資料2-5の55ページを御覧ください。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について説明いたします。実施責任医師の要件は、診療科は呼吸器外科であることが必要、資格は外科専門医又は呼吸器外科専門医が必要、当該診療科の経験年数は10年以上が必要、当該技術の経験年数は不要、当該技術の経験症例数の所に実施者、術者として1例以上又はハンズオンセミナーの受講、ただしハンズオンセミナーは東京大病院にて随時行うということが決め
られております。そのほかとして、気管支鏡及び呼吸器外科手術の経験年数が5年以上とされております。
 一方、医療機関の要件は、診療科は呼吸器外科が必要、実施診療科の医師数は経験年数10年以上の医師が1名以上必要、他診療科の医師数は不要、その他医療従事者の配置も不要、病床数は200床以上が必要、看護配置は10対1看護以上が必要、当直体制は内科系医師又は外科系医師1名以上が必要、緊急手術実施体制は必要、24時間実施体制の院内検査は必要、他の医療機関との連携体制は不要、医療機器の保守管理体制は必要、倫理審査委員会による審査体制は2か月に1回以上の開催が必要、医療安全管理委員会の設置は必要、医療機関としての当該技術の実施症例数は不要となっております。その他の要件の取決めはありません。以上です。
○猿田座長 ただいま説明のありました申請機関の要件ですが、この要件に対してどなたか御意見ございますか。よろしいでしょうか。特にないようでしたら、この保険医療機関の要件をお認めいただいたということにさせていただきます。
 整理番号60の評価結果について、主担当の伊藤先生から概要と実施体制について御説明をお願いいたします。
○伊藤構成員 この技術は大変面白いというか、すばらしい技術だと拝見いたしました。微小な病変で肺表面から同定できないものをマーキングすることで正確に小さく切り取ることのできる技術だと思っております。肺は、胸腔鏡を入れますと形が変わりますので病変の同定が難しい。それを色素、若しくはコイルでマーキングする技術だと思っております。
 しかもCTで仮想的に気管支も同定し、それに基づいて気管支鏡下でマーキングするという、今の時代にマッチングしたものだと思います。具体的にはタブレットの590ページの絵が一番分かりやすいと思っております。紙のほうであれば実施計画書の16ページで、実際にマーキングした部位がよく見え、その部位の手術をするという技術だと思います。
 ただ、幾つかの問題点があることが分かっており、技術の適用ができるケースとできないケース、取り分け炭粉沈着がひどいものについては、インジゴカルミンがかぶってしまって見えないという問題もあるし、深い所も見えないのでマイクロコイルを使ってX線で評価することになっています。この技術は2つの技術がコンバインされる、若しくはミックスアップされるような形で提案されているというところが最終的に問題になってきていると思っております。
 実際の実施体制は、気管支鏡ができる方であればできると申請者がおっしゃられたのですが、やはり全くのトレーニングなしで、この技術が広まるということもどうかなということで、ある程度この技術に関してのトレーニングをするということを要件にさせていただきました。それ以外の、2つの技術がミックスアップしていることについては、申請者との間で多くのやり取りをしております。資料の37~52ページまでやり取りがあり、かつ、当日も配布になっています。そのやり取りの詳細については、柴田先生から御説明をいただき、また皆さんと御議論させていただければと思います。冒頭の説明については以上です。
○猿田座長 どうもありがとうございました。後ほどまた議論していただきます。それでは、本日、御欠席の佐藤構成員からの倫理的な観点を事務局からよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 先進医療審査の事前照会事項に対する回答1の37ページ及び回答4の57ページを御覧ください。佐藤構成員からは臨床研究補償保険の補償内容、代諾者の設定のほか幾つか記載修正の御指摘を頂きましたが、適切に対応されたと御判断いただいたため、資料2-2、34ページにお戻りいただき、倫理的観点からの評価はいずれも「適」との御評価を頂いております。
 コメントとして、「説明文書と先進医療届出書及び研究計画書の間に一部、齟齬が見られたが、適切に解消された。未成年者(アセント文書(小学校高学年以上)が準備されている)及び成年だが判断能力がない被験者(ただし、マーキングの際に医師の指示に従うことができる必要があるので慎重に判断するとのこと)が対象となることもあり得るが、治療性のある研究であり、代諾及び適切な場合のアセントにより実施は認められてよいものと判断した。賠償責任保険のほか臨床研究保険にも加入している。患者相談への対応も適切と判断した」との御記載を頂いております。以上です。
○猿田座長 それでは、続いて柴田先生から試験実施計画等について、よろしくお願いいたします。
○柴田構成員 お手元の資料の34~36ページです。試験実施計画書の評価に関しては、基本的に「適」としてよいだろうというものが大半なのですが、有効性及び安全性の評価方法に関しては一部、議論の残る部分があるのではないかと判断して、書類上は「不適」の所にマークをしております。もちろん、これについては適切に対応されれば「適」としてもよいのではないのかと判断できるという範囲のものではありますが、現時点では幾つか論点が残っているという状況です。
 まず、本試験に関して指摘しておかないといけない点が1つあります。今回、申請されている医療技術の中のインジゴカルミンを使った部分に関しては、申請医療機関の先生方が先行研究を行われております。けれども、実はこの先行研究はまだ症例集積が終わっておらず、近いうちに終わる予定であるとおっしゃっていて、主たる解析もまだ終わっておりません。
 UMINの臨床試験登録を拝見すると、臨床試験登録上は予定症例数が300例と書いてあります。ただし、申請資料や回答によると500例が目標症例数で、現在もう少しで500例に至る状況であると回答されております。実はこの試験は、2012年に開始されたときにはもともと40例で開始された試験で、n=40例の試験が途中で300例に増えて、またそれが500例に増えて、いまだ終わっていない状況でこの申請がなされているというものです。
 治療開発を効率的に進める、あるいは患者さんを不必要な臨床試験に登録しないようにするということを考えると、増改築を重ねていく臨床試験のやり方は望ましくないのではないかと思うところです。そこで先行研究に関して、現時点で報告されている情報のもう一度の確認と現時点での最終登録目標症例数である500例における主たる解析の結果を踏まえて本試験を実施するべきであろう、ということを指摘いたしました。それについては、対応する旨の御回答を頂いております。
 そのほか、35ページの下のほうに両括弧付きで書いてある4点については、実施計画書上に不備といいますか、現状のままでは主たる解析を行うなどの上で支障を来す部分がありますので、それについて指摘いたしました。今回の医療技術は、医薬品の評価と異なり病変の特定、病変に対してどのような手術手技で治療を行うかという記録の取り方がもともと難しいものであるので、混乱が生じること自体はやむを得ないところがあるのですが、現状のケースレポートフォームあるいは臨床試験実施計画書の規定では、主たるエンドポイントの評価をする上で必要な情報が取れないと懸念される部分がありましたので、修正をしていただくように求めております。
 登録方法に関してなどについても、試験実施計画書を読んだだけでは担当医の先生がどのような手順で患者さんを登録すればいいのかということが読み取れないという状況になっております。実際にはこのような臨床試験実施計画書であっても、実務上はメールで連絡をするなどによって、担当医の先生方にはどのように登録をすればいいのかという情報は周知されるのだと思いますが、大学病院などでは、お医者さん方の入れ替わりが激しいということがあり、そういう記録は場合によっては散逸してしまうこともあります。
 そういう場合に、その都度、逐一研究代表者である先生方に連絡をするであるとか、古いバージョンの書類を見てしまうということがあっては手続上、混乱を来してしまいますし、場合によっては不適切事案ということで、また問題の俎上に上がる危険性もありますので、そういうことはプロトコル、臨床試験実施計画書に書いておく必要があると思います。そういうところは指摘いたしました。
 4番目です。これは大きめの問題なのですが、先ほど伊藤先生からも御指摘がありましたように今回の医療技術に関しては、インジゴカルミンを使うものとマイクロコイルを使うものとの組合せになっております。インジゴカルミンのみで対応できる患者さんとマイクロコイルのみで対応できる患者さんと、それの組合せで対応がなされる患者さんが最終的に出てくるということになっております。
 これについては、実はマイクロコイルを使うか使わないかという判断が、本医療技術の施行前に判断できる場合とできない場合が含まれていて、実はこの臨床試験の計画は素直に解析するのが難しい状況になっています。申請時点での解析方針では、結果としてマーキング種類別に色素によるマーキング、マイクロコイルによるマーキングであるとか、その結果として選択されたマーキング種類別にサブグループ解析を行うと書いてあるのですが、それはあくまで結果であって、問題があるやり方です。
 例えば、具体的にはインジゴカルミンのみでは1割程度の患者さんに不十分な診断しかできず、その1割の患者さんにマイクロコイルを上乗せするということがなされます。不十分であったがためにマイクロコイルを上乗せしたという患者さんを除いて、インジゴカルミン単独の患者さんの成績を評価すると、成績を過大評価してしまうことになります。
 マイクロコイルを使うか使わないかが施行前に判断できるのであれば、それは施行前に判断したサブグループに関して解析を行えば適切な評価ができますが、問題は施行前に判断できる集団、と施行前に組合せで使わなければならない集団とが、特定できない可能性があるというところが本臨床試験あるいは本医療技術の評価の難しいところです。
 少し長くなりましたが、現時点ではマイクロコイル単独で施行される患者さんに関しては今回の対象から外す旨の回答がなされておりますが、現状でマイクロコイルが必要な患者さんは登録対象の中に入っています。机上配布資料で御回答いただいた内容に基づくと、マイクロコイルを使った方を除いてインジゴカルミンの評価をするとされておりますので、先ほど申し上げた観点から有効性の評価方法は、現状提示されている方法では不十分であろうと考えます。
 対処方法としては、適格基準を見直す、あるいは両者を組み合わせたものをいきなり評価の対象にする・組み合わせた状態での評価をするとか、いろいろやり方はあると思います。現状の評価方法では不十分であるので、手直しをしていただく必要があると考えている次第です。そこのところについては、現時点では解消していないので「適」と判断するまでには至っていないという状況にあります。
 医療技術そのものに対して期待がもてるものであるということに関しては、納得できるところがあるのですが、これを保険収載までを考えたロードマップを考えたときの臨床試験のデザインとして手直しをすべきところが残っているであろうという判断です。以上です。
○猿田座長 どうもありがとうございました。非常に詳細に、重要なポイントを突いていただきまして、この問題をどのようにするかということが大切と思うのですが、最終的なところにいくまでにここまでのところで、どなたか御意見を頂けますか。
○山口座長代理 柴田先生の御説明で大変よく分かったので、そもそも2つの技術でしかも対象が少し違っているようです。というのは、色素のほうは表面のものに有効で、おそらく部分切除とか胸腔鏡でやる病変は、表面近くの小さいものが対象です。深部のものは色素だけやるのは無理があると思います。
 一方、コイルのほうは非常に斬新な方法ですが、症例数が非常に今まで少なくて色素ほどの成果が明らかになっていないクオリティの違う技術です。しかも対象が深部のものと浅いものに分かれたものをごちゃ混ぜにしてやるというので、どのように解析されてもなかなか結論が難しくなるのではないでしょうか。というのは、1つ懸念するのはそれをごちゃごちゃにして深部のコイルのほうの精度が悪いために結局、本当は色素法のほうはいいのに色素法の有用性さえも否定されてしまうと、そもそもせっかく今まで積み上げてきた色素法の成果までなくしてしまう可能性もあると思います。
 一挙にやりたい気持ちは分かるのですが、基本的には色素法ではやりにくい深部のものを定義して、それはコイルとの併用でやるとか、2つの試験に分けるのが本来なのではないかと感じました。
○猿田座長 どうもありがとうございました。どなたか御意見ございますでしょうか。ごもっともな御意見だと思います。確かに深部と表面的なものでかなり違いますので重要ですね。一番最初の受け入れるところ、要するに患者登録のところでもどうなのかということになると思います。分けてやればすっきりするかもしれないということですが、ここまでのところでどなたか御意見いただけませんでしょうか。
○藤原構成員 2個に分けるともう一回プロトコルを作っていただくことになるので、少し気になるところですが、そのほうがシンプルになるとは思います。インジゴカルミンは、タブレットの中で添付文書をみて頂くとわかりますが、乳がんのリンパ節生検なんかのときに使われています。この先進医療の試験が終わったあとに承認に到るとロードマップにはさらっと書いてあったのですが、第一三共さんとは本当にインジゴカルミンの肺がんへの適用拡大するような交渉はされているのか、やり取りの中で何か聞かれたのですか。それは聞いていないのですか。
○猿田座長 ほかにどなたかありますか。
○伊藤構成員 これは、技術としては随分確立してきていて、皆さん急速にお使いになられているもので、余り引き延ばして、せっかく使えるいい技術を無駄にしたくないという思いと、一方で、マイクロコイルに関しては技術として確立しているのかしていないのかが判断しにくく、それが両方必要と言われると、基本的に3群、インジゴカルミンだけでいい群と、両方やったほうがいいかもというものと、マイクロコイルだけというものがあって、そこがオーバーラップしていて、それをまとめて1つの試験で評価して次のステージに行きたいというのが申請者の思いだと思うし、それはそれで技術としてはすばらしいと思いつつ、このままでは評価が大変だなと思ったのでこういう形の評価になっています。
○直江構成員 私は読んでいてよく分からなかったのですが、そもそもマーキングがうまくいかなかった場合は、どのように評価するのですか。
○猿田座長 その辺りいかがですか。
○柴田構成員 CRF上は、マーキングがうまくいっているかいっていないかということを項目として取るようにはなっています。つまり、適切に見える見えないという話まで記録としては残るようになっていますので、もしそういうところがうまくいかない患者さんが多いようであれば、その情報が記録されているところからは判定できるようになっています。
○直江構成員 それと、やはり問題なのは、肺門型とか奥の深い所であるのか、それから炭粉が付いていて術中に、あるいは最初からどちらの群にいくのかがはっきりしないというものが含まれているようであれば、皆さんがおっしゃるように最初から別試験として評価されたほうが早いような気もします。
○猿田座長 ありがとうございました。ほかにどなたか御意見はございませんか。今、直江先生がおっしゃられたように別試験でやればすっきりした形になると思いますが、山口先生、いかがですか。
○山口座長代理 せっかく特に肺表面近くのものに対して500例も重ねたものの成果が行き渡るのが遅くなるのではないかと思います。むしろ深部で非常に難しい、しかも症例数が限られたものにこだわってやると、この技術の普及が遅れてしまって先進医療の本来の意味、スピードから考えるとごちゃごちゃにしすぎているのではないかと思います。できれば、呼吸器外科の先生のご意見も少し聞きたかったです。
○猿田座長 ほかに御意見ございませんでしょうか。確かに、これは非常に大切な問題で、しかもクリアにいければということなのです。どなたか御意見ありませんか。
○伊藤構成員 柴田先生がきちんと評価していただいていますが、今までやられている先行研究ではマージンがきちんと取れて再発があるかどうかを見られていないところが、今回の試験ではマージンをきちんと見た上でアウトカムとしての評価をするとなっているますので、先行研究に比べると1歩レベルの高い形の研究になっているのだと思います。
 ですので、どういうところが落し所になるか分かりませんが、マイクロコイルの方法を外してインジゴカルミンだけにして、さっと治していただくほうがすっきりすると思います、個人的には一番気になるのは柴田先生とのやり取りの中で、では、最終的にインジゴカルミンだけをプライマリの評価にしますという回答が返ってきていた気もするので、そうであれば初めから試験としてインジゴカルミンだけにしてもらうほうがきれいかと思いました。
○藤原構成員 インジゴカルミンは、センチネルリンパ節生検のほうで承認があります。そのときにも、先進医療が組まれてBからAにいって最終的に診療報酬に載ったので、ロードマップとしてはそうしたほうが現実的だと思います。
 コイルの添付文書を見させていただきましたが、なかなか気管支鏡下で留置するというものの薬事承認を取るのは厳しいかなということがあるので、先にインジゴカルミンをやっていただいて、その間にきちんと企業とも折衝しながらコイルの承認をどのように取っていくかということを練って、少し遅れてプロトコルを出していただいたほうが早いように今、思いました。
○猿田座長 ありがとうございました。いかがですか。
○柴田構成員 臨床試験の計画という観点で申し上げますと、先生方からもコメントがありますように、コイルを含めた形での評価をしようとすると非常に難しくなります。適格基準の設定やブライマリエンドポイントの評価の仕方が、現在のCRFのデータの取り方では評価ができないというところをどのようにクリアするのかという、詰める所がたくさん出てきてしまいます。
 一方、インジゴカルミンに絞ってやると、今後マイクロコイルをどのように評価するかということはまた別途考えなければいけませんが、インジゴカルミンに関して言うと、評価の方法は先行研究もありますし、比較的やりやすく臨床試験の組み方としてはシンプルになると思います。ですので、そこのところはもう一度、申請医療機関の先生方で考え直していただき、最終的には保険収載されるところまでの道のりが最短になるように計画を組んでいただくほうが良いと思いますので、そこを改めて整理し直していただいて、ロードマップとしても妥当であって、なおかつ臨床試験の計画としても分かりやすい妥当なものになるような形で計画を練り直していただく必要があるかと考えます。
○猿田座長 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。山口先生からもお話がありましたように、先進医療ですからできるだけ早い形で進めるということで、いろいろ考えたときに確かに2つに分けて、早急にインジゴカルミンをやるという手はあると思いますが、伊藤先生、いかがでしょうか。
○伊藤構成員 私もそう思います。インジゴカルミンだけの話であれば大変スピーディに試験をやられる人たちのグループですし、技術的にもそれほど難しくないということから、多分1年とかのうちに、ある程度の評価ができる症例数を集めるパワーを持たれている方だと思いますので、インジゴカルミンだけ先行させてお考えいただくと日本全体に技術を広げるためには早いのではないかと思いました。
○猿田座長 山口先生、いかがでしょうか。
○山口座長代理 おっしゃるとおりだと思います。
○猿田座長 ほかにどなたか御意見ございますか。大方の御意見は今の形でインジゴカルミンを先にやって、その後という形で残りのものをするということで、直江先生、いかがですか。
○直江構成員 今もお話を伺っていて、そもそもコイルは塞栓用のコイルということで、放射線のマーキングに使うという目的外ですので、別の検討が要るのではないかという気がします。
○猿田座長 ありがとうございました。ほかにどなたか御意見ございますか。
○医政局研究開発振興課専門官 今まで皆様に御議論いただきました経過を踏まえると、私どもから申請者に照会する内容として、インジゴカルミン単独で行う試験と修正をしていただいて、その試験計画の変更をしなければいけない度合いにもよりますが、今までの経過からするとかなり早いコミュニケーションがなされていたことも勘案し、そこを「条件付き適」とするか、これは部会の御意見として承った上で申請者に照会して一度再検討していただくという意味で継続審議としていただくか、そのどちらがよろしいかは、おそらくこの試験をどれほど今のプロトコルから改変しないといけないかというところによるものだと思いますが、その辺りを御議論いただけたら幸いです。
○猿田座長 事務局の意見はごもっともだと思いますが、いかがでしょうか。
○伊藤構成員 これはプロトコルを半分切り落とす話になるので、継続にさせていただくほうがよろしいのではないかと思います。
○猿田座長 しかし、できるだけ早くそれをやっていただくと。山口先生、いかがでしょうか。
○山口座長代理 賛成です。
○猿田座長 それでは、今、出た形で継続ということで持って行くことでよろしいでしょうか。それで、できるだけ申請機関には早くその辺りのところを整理してやっていただくと、そうするとかなりすっきりした形で進みはあると思うのですけれども。もしほかに御意見がないようでしたら、それでは施設の方には大変ですが継続という形でお願いして、こちらの要件を全部お伝えいただきたいということで、よろしくお願いしたいと思います。事務局もよろしいですか。
○医政局研究開発振興課専門官 結構です。
○猿田座長 それでは、そういう形でこの案件は処理いたします。一色先生にお入りいただいてください。
(一色構成員着席)
○猿田座長 どうも一色先生、すみませんでした。ありがとうございます。それでは、次に移ります。試験の実施計画の変更について、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 先進医療Bの試験実施計画の変更について、本日は4件の申請がありました。資料3-1、57ページを御覧ください。1件目、国立長寿医療研究センターからの申請で、告示番号30、FDGを用いたポジトロン断層撮影によるアルツハイマー病の診断についてです。適応症は、アルツハイマー病となっています。本試験は、アルツハイマー病(AD)と前頭側頭葉変性症(FTLD)の診断精度の向上を目的とし、同意取得ができたAD、FTLDの被験者に対し、臨床検査、神経心理検査、MRI検査を行い、登録可能であれば、登録後4週間以内にFDG-PET検査、髄液検査を行い、12か月後に神経心理検査、MRI検査を再評価した上で、1年間の臨床経過を考慮した最終的な臨床診断を基準診断とし、FDG-PET検査の診断能とCSF中のp-tau181の診断能を比較検討し、FDG-PET検査の診断能が既に保険収載されているCSF中のp-tau181よりも高いか否かを検討するものです。主要評価項目は、FDG-PETの画像所見、ただし、中央読影所見及び関心領域による定量解析とCSF中のp-tau181のADとFTLDの鑑別診断における診断能感度の差。
 予定登録期間は、平成26年8月1日から平成28年7月31日まで。追跡期間は、最終登録より1年間。予定症例数は190例で、今回の申請時点で20例が登録されています。
 主な変更内容は、1.予定登録期間を平成29年3月31日まで8か月間の延長。2.同意前の血液データの利用規則の変更。3.神経心理検査の施行方法の変更。以上3点です。
 変更申請の理由ですが、1は、本年3月30日現在、目標症例数190例に対して本先進医療における登録数は、協力医療機関の院内体制整備の遅延により20例にとどまっていますが、これまでの実施状況によると、1施設当たり月2症例の登録が可能と見込まれ、協力医療機関が、昨年9月1日から本年3月1日までに8施設告示となったことを勘案すると、院内の組入れ体制整備を終えた協力機関の増加により、以後、確実に登録が進んでくると想定し、登録期間を8か月間延長して、来年3月には目標症例数に達すると見込んでいるものです。
 2は、データ取得期間の変更はなく、同意取得以前の検査データでも同意が得られた場合に限って、使用することを明記したものです。これにより、試験実施に与える影響はなく、間をおかない繰り返し採血を回避することなど、被験者の負担軽減につながるとのことです。3は、評価者の負担等を考慮して、同一の評価者が神経心理検査のCDRとADASの双方を施行してはいけないと定めていたところ、同一の評価者が施行しても、データの取得においては問題なく、必須条件でないと判断されるため、原則としての扱いであることを明記したものです。御審議をお願いします。
○猿田座長 どうもありがとうございました。今お話された3つの点での変更ということですが、どなたか御意見はありますか。どれも重要ですが一番大変なのは、目標例数に達するかどうかというところかと思いますが。
○藤原構成員 アルツハイマー病と前頭側頭葉変性症の両方が対象群になっているのですが、58ページの20例の内訳が分からなくて、FTLDのほうが多分入りにくいのではないかと思うのですが、それが順調に入っているかどうかは分かるのですか。
○医政局研究開発振興課専門官 内訳については事務局で情報を得ていません。ただ、こちらは1年後の検査データが最終的な確定診断の根拠になると思われるため、登録時点での確定診断をもって、仮診断はあるかもしれませんが、確定診断をもって分類しているわけではないと拝察していますが、いかがですか。もし必要でしたら照会します。
○藤原構成員 臨床診断でも全然入ってないのだったら心配なので、それだったらFTLDだけではなくて、ADの診断だけで臨床試験を組んでもらったほうが早いのかとは思ったのです。そこは必須ではありませんが、どこかで確認しておいていただければ。
○医政局研究開発振興課専門官 分かりました。では、事務局より照会します。
○猿田座長 よろしくお願いします。ほかにどなたか御意見はありますか。もし御意見がなければ、今の点も注意していただいて、この変更をお認めいただくということでよろしいですか。それでは、そういう形にします。ありがとうございました。
 続いて、第2番目の試験実施計画の変更について、これも事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料3-2、61ページを御覧ください。2件目、横浜市立大学附属病院からの申請で、告示番号46、LDLアフェレシス療法についてです。本技術の審議に先立ち、申請医療機関と所属を同じくする山中構成員においては、利益相反の観点から、本技術の審議に際し、一時御退席いただくこととします。誠に恐縮ですが、御協力のほどお願い申し上げます。
(山中構成員一時退室)
○医政局研究開発振興課専門官 適応症は閉塞性同脈硬化症。ただし、薬物療法に抵抗性を有するものであり、かつ、血行再建術及び血管内治療が困難なものであって、フォンタン分類2B度以上のものに限る、となっています。
 本試験は、フォンタン分類2B以上の症状を有し、血中総コレステロール値220mg/dL以下、かつ、LDLコレステロール値140mg/dL以下の正コレステロール血症の者であって、漆窩動脈以下の閉塞又は広範囲な閉塞部位を有する等、経皮的血管形成術による血管内治療、あるいは、バイパス術や血栓内膜除去術などの血管外科的治療による血行再建が困難で、かつ、従来の薬物療法では十分に効果を得られていない従来治療抵抗性の閉塞性動脈硬化症患者に限定して、デキストラン硫酸カラム吸着法によるLDLアフェレシス療法を行い、その有用性を検証するものです。主要評価項目は、足関節上腕血圧比、ABIの変化及びVascular Quality of Life Questionaire(Vascu QOL)の変化。予定試験期間は、平成27年11月1日から平成32年10月31日まで。予定症例数は35例で、現在、まだ登録症例はありません。
 主な変更内容は、1.検査スケジュールの変更、2.アフェレシス療法の治療時間・血漿処理量の変更、3.予期される有害事象等の追加及びそれらに伴う記載整備です。
 変更申請の理由ですが、1.は、治療開始前の検査スケジュールを登録前2か月以内としていたところ、登録・治療開始までに時間を要しすぎ、繁雑となることが考えられ、また、被験者においては、検査のためだけの入退院も必要となり、同意取得も困難となることが懸念されたため、プロトコル治療開始前、ただし、登録2か月前からLDLアフェレシス初回施行前までと変更し、適格基準の判断や登録時までには必須としない検査項目は、初回アフェレシス療法前までに検査の実施、評価を行うよう変更したものです。
 2.は、アフェレシス療法の治療時間・血漿処理量の変更ですが、内シャントを造設していない患者の場合、十分な血液量の確保困難が懸念されるため、処理量及び治療時間を再検討し、実施可能性を踏まえて、治療時間・処理量の許容をもつこととしたものです。
 3.は、内シャントを造設していない患者の場合、十分な血液量の確保困難が懸念され、その対応として、中心静脈穿刺・カテーテル留置を行うことが想定されるため、中心静脈穿刺・カテーテル留置を行った場合に予期される有害事象や副作用を追記したものです。御審議をお願いします。
○猿田座長 どうもありがとうございました。今、御説明いただいたとおりにある3つの事柄の変更ですが、どなたか御意見はありますか。少しでも早く進めることかと思いますが。特に御意見はないですか。ないようでしたら、告示番号46の計画の変更を認めることでよろしいですか。ありがとうございました。それでは、お認めするということです。山中先生にお戻りいただいてください。
(山中構成員着席)
○猿田座長 続いて、3番目の試験、実施計画の変更について、これも事務局からよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料3-3、65ページを御覧ください。3件目、日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院からの申請で、告示番号47、自己心膜及び弁形成リングを用いた僧帽弁置換術についてです。適応症は、僧帽弁閉鎖不全症。ただし、感染性心内膜炎により僧帽弁両尖が破壊されているもの又は僧帽弁形成術を実施した日から起算して6か月以上経過した患者(再手術の適応が認められる患者に限る)に係るものに限る、となっています。本試験は、僧帽弁疾患に対する手術適応があり、従来の僧帽弁形成(MVP)困難あるいは不適の僧帽弁疾患患者を対象として、自己心膜製ステントレス僧帽弁置換術を行い、その安全性と有効性を評価するものです。主要評価項目は、手術2週間後における僧帽弁逆流(MR)の有無及び手術12か月後における僧帽弁逆流(MR)の有無。予定試験期間は、平成28年1月から平成33年12月の6年間。予定登録症例数25例で、現在1例が登録されています。
 主な変更内容は、僧帽弁逆流(MR)の画像判定委員による判定時に使用する閲覧ソフトの変更となります。変更申請の理由ですが、閲覧ソフトのEchoPACはOsirixに比べ、より正確な逆流量、逆流率、逆流弁口面積が計測でき、かつ、MR判定委員の3名がEchoPACを日常業務で使用しており、EchoPACでの計測に習熟しているため、変更することが適切と判断されたものです。御審議をお願いします。
○猿田座長 どうもありがとうございました。これは榊原記念病院から出ていた弁膜のものですが、今の変更に関してどなたか御意見はありますか。これもこのとおりかと思うのですが。もし、御意見がなければ、これもお認めいただいたということです。どうもありがとうございました。
 4番目の試験計画の変更をよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料3-4、67ページを御覧ください。4件目、東京医科大学病院からの申請で、告示番号55、内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下広汎子宮全摘術についてです。適応症は子宮頸がん。ただし、FIGO分類による臨床進行期分類が1B期以上及び2B期以下の扁平上皮がん又はFIGO分類による臨床進行期分類が1A2期以上及び2B期以下の腺がんであって、リンパ節転移及び腹腔内臓器に転移していないものに限る、となっています。
 本試験は、他の開腹手術に比べ、出血量が多く、また、侵襲性の高い子宮頸がんの症例を対象に、ロボット支援広汎子宮全摘出術を施行し、従来の開腹手術との間で有効性、安全性を比較するものです。なお、内視鏡下の子宮広汎全摘術は、2015年から先進医療Aにて試験開始となったところです。主要評価項目は、出血量300mL以下、かつ、切除断端陰性を達成する出血少量手術成功。予定試験期間は、平成28年4月から平成34年9月まで。予定登録症例数は100例で、現在、まだ登録症例はありません。
 主な変更内容は、(1)1.様式第9号ではなく、試験実施計画書に記載された試験参加施設基準へのがん診療連携推進病院の追加。2.研究資金源の変更。(4)同意説明文書への診療記録の保存処理に関する事項の記載追加。その他は、記載整備となっています。
 変更申請の理由ですが、(1)1.は、本研究は、1.5年で目標登録症例数を100例としており、現在、参加予定施設として挙げている3施設とほか3施設、計6施設を協力医療機関として申請予定のところ、今後、全国より協力医療機関の参加を更に増やしたいと考えているため、試験参加登録施設の条件の1つである「がん診療連携拠点病院」に「がん診療連携推進病院」を追加し、より多くの施設が参加できることを目的としたものです。なお、こちらにおいては、がん診療連携推進病院は都道府県が指定するものであり、都道府県ごとに必ずしもこの名前が使用されているわけではないことがあり、例えば、「がん診療連携拠点病院に準ずる病院」と読み替えた基準とさせていただければ、これは全国統一で用いることができますので、併せて御検討をお願いできればと思います。
 2.は、試験の実施について、企業より資金提供を受けられることとなったことにより、その利益相反と業務委託契約の費用を負担する旨を明記したものです。
 (4)は、本試験について、東京医科大学医学倫理委員会より、情報の保管及び廃棄の方法を具体的にするよう指示を受けたため、追記したものです。御審議をお願いします。
○猿田座長 ありがとうございました。最初のところの名称のことは、施設のほうも分かっていらっしゃるのですか。
○医政局研究開発振興課専門官 はい、一応、御連絡はしています。
○猿田座長 そこのところを混乱しないようにしていただくということですね。
○医政局研究開発振興課専門官 はい。
○猿田座長 今、御説明いただいた変更に対して、どなたか御意見はありますか。まだ1例もないけれども、こういう形にして、早急に症例を増やしたいと。100例ということですので、これから大変かと思います。
○山中構成員 試験の実施主体は、東京医大のままで変わらないということでいいのですが、資金の提供元が自主財源なのかそれとも企業なのかで、結構変わっていると思います。
 一般論として、資金の提供元が変わった場合、指針の下でインフォームドコンセントに関しても、しっかり明記するように定められているところですが、この辺はプロトコルだけでなく、IC文書の変更についても、事務局で確認されているということでよろしいですか。
○医政局研究開発振興課専門官 こちらは、まだ症例登録が進んでいないところで御変更いただいたというところも、その1つでして、もし試験が症例登録が出てから変更されると、同意文書を含め全て遡り同意を取り直さなければいけないという問題が生じるので、今、山中先生がおっしゃいましたように、同意を含めて、ここはちゃんとCOIを開示して、同意を取っていただくとなっています。
○藤原構成員 同じく資金提供の所で、これはもともと審査のときには、日立市がたくさんお金を出して、寄附講座を作って、そこがしっかり面倒見ますというので確か始まったので、それはアカデミック主導の試験で、先進医療Bでいいかと思ったのですが、今回の70ページの資料を見ると、中央モニタリング、データマネジメント、統計解析、総括報告書に関する費用について、インテュイティブサージカル合同会社が資金提供を行うといったら、治験と同じなので、先進医療でなくても、企業治験でやってもらったほうが妥当だと思うのです。
○医政局研究開発振興課専門官 こちらは、既に薬事承認は取れているものであり、保険収載を問うというところからすると、正確に申し上げれば、治験の枠組みとは若干異なります。ですから、先進医療の枠組みとしては、そこは利益相反をしっかり開示していただき、それが試験の上に支障ないことを御確認いただくというところでもって、今、試験の施行をお認めいただければと考えていますが、いかがですか。
○藤原構成員 機器としての治験、承認があって、そこはいつも混乱するのですが、機器がよく分からないのですが、機器としての薬事承認の効能・効果の中には子宮頸がんは入ってないですね。でも、機器として承認があるから使えるということですか。
○医政局研究開発振興課専門官 これは薬事承認の適応内です。
○藤原構成員 子宮頸がんはあるのですか。
○医政局研究開発振興課専門官 はい。
○藤原構成員 あと、どのぐらい金が出ているのかを見たいところです。公的枠組みで本当にやる話かというのが、どうも。前は日立市がちゃんとやっていたというところはあるのですが、インテュイティブサージカルはいつも症例登録のときもお金を出したりとか、お金を豊富に持っているという気がするので、先進医療ではなくて、本当に普通に企業治験やってくれたほうがいい気もするのです。ここで止める話ではないのですが、これだと企業のお抱えの試験だという感じがするのです。
○猿田座長 これは症例数は100例ですからね。一応、これを認めるか、あるいは、施設にそこのところを確認していただくかどうかですが、どうしますか。
○山中構成員 メーカーから研究者へ委託するという契約形態ではなくて、実費に関してデータセンターとか、モニタリングとか、その実費に係る費用の支援をメーカーから受けるという形だと思うのです。だから、実施主体は、例えば企業治験などですと、実施主体もメーカーですし、ファンディング先もメーカーです。この試験は、実施主体は東京医大で、ファンディング先が企業になっていると思うのです。一般の人から見るとなかなか区別がつきにくいのですが、実施主体、あくまで試験の責任をとるのは、多分、研究者ということで整理しているのではないかと思うのです。これまで先進医療でも、この形態、つまり研究者が実施主体となって行うのだけれども、メーカーからファンディングを受けている研究は多少あるので、確かに藤原先生がおっしゃるとおり、一般から見ると区別し難いところがあるのですが、これまでの先進医療の承認事例との整合性を考えると、このままでいいかという気はしています。
○猿田座長 藤原先生、どうですか。
○藤原構成員 事務局で委受託契約の契約書を見ておいていただいて、適正な契約内容かどうかだけ確認していただければと思います。
○山中構成員 藤原先生がおっしゃったとおり、公的な研究として行うものですので、契約書とかまで確認されておいたほうがいいかと私も思います。
○猿田座長 ありがとうございます。ほかにどなたか御意見はありますか。今の形でよろしいですか。契約書を確認していただくように。
○医政局研究開発振興課専門官 では、契約書等々の書類について、事務局で確認させていただくということでよろしいですか。
○猿田座長 よろしいですね。では、そういう形でお認めいただくということです。どうもありがとうございました。これも、そういうことで計画変更をお認めいただくということにします。
 次に、協力機関の追加ということで、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料4-1、73ページを御覧ください。これまでに大臣告示されている4つの技術について、協力医療機関の追加申請がありました。資料4-1に、各々先進医療名、適応症、申請医療機関、追加協力医療機関について記載があります。
 資料4-2、75ページないし78ページを御覧ください。事務局において、協力医療機関として提出のあった先進医療実施届書等を確認した結果、いずれも先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件、様式第9号を満たしていることから、協力医療機関の追加として御了承いただきたいと存じます。特に御意見がなければ、手続を進めたいと思います。以上です。
○猿田座長 どうもありがとうござました。これは見ていただくと問題ないところかと思いますので、よろしいですね。それでは、お認めいただくことにします。
 続いて、事務局から、今度は取下げをよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 先進医療Bに係る協力医療機関の取下げについて、御説明します。資料5-1、79ページを御覧ください。この度2つの技術について、協力医療機関を取り下げる旨、申出がありました。取下げ理由としては、告示番号28及び40共に、実施責任医師の異動や退職に伴い、実施体制を確保できなくなった医療機関につき、先進医療としての取下げを申請されたものです。御審議をお願いします。
○猿田座長 どうもありがとうございました。これは見ていただくとおり、実施する先生がいなくなったと、移動してしまったということですから、やむを得ないかと思うのですが、よろしいですね。それでは、お認めいただいたということにします。
 最後、協力機関の取下げに係る第38回先進医療技術審査部会の指摘事項に対する回答について、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料5-2、81ページを御覧ください。こちらは、去る1月21日に開催された第38回先進医療技術審査部会にて、大臣告示番号7、パクリタキセル静脈内投与(1週間に1回投与するものに限る)及びカルボプラチン腹腔内投与(3週間に1回投与するものに限る)の併用療法について、協力医療機関から鳥取大学医学部附属病院を取り下げる申請の際に、合併症の発生率に係る理由が挙げられていたことから、こちらの照会事項を宿題報告として申請医療機関に依頼していたところですが、この度その回答を得ましたので、御報告申し上げます。
 具体的には、効果安全性評価委員会の見解として、IPポートトラブル、カテーテル感染症との発現割合については、全体としては高い頻度とは考えられないが、一部の施設でやや高い頻度で発現していることも考慮して、IPポート挿入時の手術に準ずる対応、挿入後のケアに細心の注意をして試験を実施すること。ただし、試験の継続に問題なしとの回答を得て、参加施設への周知を指示されたため、レター配信を行ったとのことです。以上です。
○猿田座長 どうもありがとうございました。ただいまの御説明に、どなたか御質問はありますか。
○藤原構成員 これはもともと鳥大病院の有害事象が多いから取り下げるというので、本当かと思って、ほかの病院も全部調べていただきたいというので回答が来たと思うのですが、私は記憶がないのですが、こういう効果安全性評価委員会の回答だと、有害事象が多いから鳥大病院を下げるのは少し変な話なので、最終的にはどうなったのですか。鳥取大学病院は取り下げられたのですか。
○医政局研究開発振興課専門官 鳥取大学病院は取り下げられました。
○藤原構成員 その事由は、有害事象ではないということですね。
○医政局研究開発振興課専門官 そこは、有害事象ともう1つ理由が付されていたと私は認識しています。症例集積がなかったということです。有害事象の話については、先進医療の枠の外での一般的な有害事象の話として御報告がされていたと認識しています。
○山口座長代理 回答ですが、効果安全性評価委員会が、一部の施設で有害事象が多いということは認めているわけですよね。その原因が、IPポート挿入時の手術に準ずる対応に不適切なところがあった。そういうケアに細心の注意を払っていなかったという判断であって、こういう結論を出されたわけですよね。そうだとしたら、参加施設には何を周知したのかというところが、よく見えないのですが。
○医政局研究開発振興課専門官 周知内容ですね。
○山口座長代理 はい。
○医政局研究開発振興課専門官 周知内容については、このような合併症が起こって、一部発現率が高いと、この事実を周知されたと認識していますが、もし御必要でしたら、周知内容を取り寄せることは可能です。
○山口座長代理 というのは、これは結構大きな問題で、グループでやるときに、それぞれの合併症率が余りにも違うと、技術の均てん性が非常に問われるわけで、試験全体のクオリティに関わってくることになります。実際にそういう差があるということを認めた上で、その原因はきちっと調べて、本当に手順の中でどういうところが違ったのかをつかまえないと、効果安全性評価委員会の価値がないというか、一部で悪いから気を付けなさいという告知だけでは少しおかしいのではないかと思うのです。その辺りを少し回答していただければ有り難いと思うのです。
○医政局研究開発振興課専門官 そうしたら、いかがしますか。周知内容を取り寄せるということで、よろしいですか。
○山口座長代理 はい。
○医政局研究開発振興課専門官 では、そのようにします。
○猿田座長 私には、いつも有害事象が発生したら上がってくる報告を送っていただいていましたね。
○医政局研究開発振興課専門官 はい。
○猿田座長 大体、あれば全部ではないのでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 いえ、そちらが全てです。
○猿田座長 大体見ているのですが、やはり感染など、いろいろなことを起こしています。
○山口座長代理 何か一部で多いから気を付けなさいという部分、これはどういう意味があるのか明確にしないと、解決にならないのではないかと思うのです。
○医政局研究開発振興課専門官 では、また取り寄せてご確認を頂きます。
○猿田座長 1回見せていただくということで、いいですか。
○医政局研究開発振興課専門官 はい。
○山口座長代理 はい。
○猿田座長 ほかにどなたか、ありませんか。有害事象は結構報告が上がってくるものですから、それで見ているのですが。確かにポートのところの感染が多いのですね。
○山口座長代理 施設間で相当差がありましたよね。
○猿田座長 ほかにどなたか御意見がありますか。今の問題は、そういう形で調べていただくということにします。もし、なければ、議論していただくところの案件は、大体これが全てだと思うのですが、全体として、委員の先生方、どなたか御意見はありますか。特になければ、最初の議論のところでありました東京大学には1回戻していただくことで、早急に検討していただくということです。それでは、もし、ありませんようでしたら、本日の会議はこれで終わります。御協力をどうもありがとうございました。事務局から、次の予定を。
○医政局研究開発振興課専門官 次回の日程ですが、次回、5月の開催は、19日(木)16から18時とします。場所については、別途、御連絡します。また、本日の議事録については、作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後公開させていただきますので、併せてよろしくお願いします。
○猿田座長 それでは、どうも御苦労さまでした。ありがとうございました。


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