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2016年3月25日 医療提供体制における専門医養成の在り方に関する専門委員会 議事録

厚生労働省医政局医事課

○日時

平成28年3月25日


○場所

厚生労働省 省会議室(9F)
東京都千代田区霞ヶ関1-2-2


○議題

・委員長の選任
・今後の進め方
・専門研修プログラムの審査状況     
・各都道府県における準備状況

○議事

議事録

社会保障審議会 第1回専門医養成の在り方に関する専門委員会 議事録

(平成28年3月25日)

 

○臨床研修指導官 定刻になりましたので、ただいまから、第1回「専門医養成の在り方に関する専門委員会」を開催いたします。

 委員の先生方におかれましては、本日は、大変お忙しい中、御参集いただきまして、まことにありがとうございます。

開催に当たりまして、神田医政局長より御挨拶申し上げます。

○医政局長 医政局長の神田でございます。

 委員の皆様方には、お忙しいところ、今回の専門委員会の発足に当たりまして委員をお引き受けいただきまして、本日も御出席賜り、まことにありがとうございます。

 私自身も、検討会のときから参加させていただいておりましたけれども、そもそもこの新しい専門医制度の仕組みというのは、医師偏在の是正を図るということも目的の一つに掲げられておりました。それから、明確に報告書の中でも、この仕組みの構築に当たっては、現在以上に医師が偏在することがないよう、地域医療に十分配慮すべきであるということも書かれていたわけでございます。

 ただ、運営については、プロフェッショナルオートノミーを基盤として中立的な第三者機関にお願いするべきだということでございますので、行政は余り出過ぎないようにとは認識いたしておりますけれども、この制度ができますと、この専門医の仕組みについては広告可能にするという制度の改正も必要だとされておりますし、発足等に当たりまして、来年度も1億9,000万の予算を確保して制度支援もすることにいたしておりますので、全く民間の自主的な仕組みとは次元の異なるものであると私自身は考えております。

 その報告に基づいて、これまで日本専門医機構、関係学会、研修受け入れ希望病院等においてこの準備が進められてきたわけでございますけれども、2月18日の医療部会におきまして、現在の方針のまま新たな仕組みの準備を進めると地域偏在を拡大させるおそれがあるという懸念が示されましたことから、今回、永井部会長の御判断によって、この専門委員会が立ち上がることになったものと考えております。

 私ども、行政の立場として、前に出過ぎないよう、プロフェッショナルオートノミーが基盤でございますので、関係者の方々の中でコンセンサスをつくっていただくことが最も重要なことだと認識いたしております。この場で必要なデータですとか地域医療の影響など問題点を十分御議論いただきまして、関係者のコンセンサスが得られるように、私ども、調整の労はとらせていただこうとは考えております。

何とぞ建設的な議論がされますように、冒頭に当たりまして、心からお願いを申し上げます。よろしくお願い申し上げます。

○臨床研修指導官 なお、撮影はここまでとさせていただきます。

 次に、本日の専門委員会の皆様を御紹介いたします。

 お手元の資料1の裏をおめくりいただけますでしょうか。その裏に17名の委員の皆様の名簿をつけております。本来であればお一人ずつ御紹介すべきところですが、この名簿をもちまして御紹介に代えさせていただきます。

 なお、一番上にございます全国医学部長病院長会議会長の荒川委員からは、所用により御欠席との連絡をいただいております。

また、オブザーバーとして、文部科学省医学教育課より、佐々木企画官にお越しいただいております。

 それでは、議事を始めてまいります。一番上の紙、議事次第をごらんください。2.議事の「(1)委員長の選任」でございます。委員長の選任を行います。

 事務局としましては、医療部会からの経緯も踏まえ、永井委員に委員長をお願いしたいと思いますが、委員の皆様、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○臨床研修指導官 ありがとうございます。

それでは、以降の議事運営につきましては、永井委員長にお願いいたします。永井委員長、よろしくお願いいたします。

(永井委員長 席の移動)

○永井委員長 御指名いただきました永井でございます。専門医の在り方と地域医療の在り方を両立できるような建設的な議論ができればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議事を進めてまいります。まず、事務局から資料の確認をお願いいたします。

○臨床研修指導官 それでは、資料の確認をいたします。

 お手元の資料をごらんください。一番上に議事次第、一枚ペラがございます。めくっていただきまして、座席表がございます。

先ほどごらんいただきました資料1、表裏。裏に名簿がございます。それから、カラフルな横長の資料、一枚ものでございますが、資料2。それから、ホチキスどめしておりますが、縦長の資料3がございます。それから、一枚もので資料4がございます。それから、ホチキスどめしております資料5がございます。それから、資料6からは枝番になっておりまして、資料6-1から6-4、こちらは後ほど御紹介いたしますが、参考人からの御説明資料となっております。

 その次に、参考資料1、ホチキスどめのもの、参考資料2、こちらもホチキスどめ、それから、参考資料3、一枚ペラでございますが、ついております。

 それから、委員の皆様のお手元には、「机上配布資料」と書いたものがございまして、机上配布資料1、ホチキスどめのもの、それから、A3で折り畳んでおりますが、机上配布資料2、それから、A4の横長の机上配布資料3、続きまして、机上配布資料4、最後に、机上配布資料5までございます。こちらの机上配布資料も、後ほど参考人から御説明いただく際に適宜参照いただくこととなっております。

 不足等ございましたら、事務局にお申しつけください。

 以上でございます。

○永井委員長 ありがとうございました。

本日の会議には、参考人として、一般社団法人日本専門医機構から、理事長の池田康夫先生、専門研修プログラム研修施設評価・認定部門の委員長、四宮謙一先生、同部門委員の櫻木範明先生、同法人理事の北川雄光先生に御参加いただいております。この先生方の御参加を御承認いただけますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○永井委員長 ありがとうございます。御異議なければ、承認といたします。

 では、議題「(2)今後の進め方」について、事務局から御説明をお願いいたします。

○臨床研修指導官 先ほどの資料のうち、横長の資料2、カラフルなものと、あわせて資料3、2つ取り出していただけますでしょうか。

 まず、カラフルな資料2のほうをごらんください。上に「専門医の養成開始に向けたプロセス(案)」とございまして、左から右のほうにスケジュールが、時系列が流れていくものでございます。一番左上のところに「平成29年度から養成開始の場合」、29年度から養成を開始するとすれば、それに向けてどの時期に誰が何をしなければいけないかを示したものでございます。上から研修施設群、実際の研修施設、その次に日本専門医機構、その下に都道府県、最後に厚労省となっております。

 一番左上に「プログラム作成・申請」。こちらが実際の作成・申請が行われて、右斜め下に行きまして、日本専門医機構にプログラムが今提出されて審査が行われている。そこで偏在の有無の検証・調整・改善というものを進めて審査を行っている。あるいは、その上に、それを踏まえたプログラムの調整を行っている。そこから右のほうに赤く囲ったプログラム認定をするということになっているのでございますが、先日の医療部会でも御議論いただきましたように、今のままの進め方では地域医療に多大な影響が及ぶのではないかということがございまして、一番下の厚生労働省のところに専門委員会、まさに本日お越しいただいているこの委員会を立ち上げて議論していこうと。専門委員会で、その横を見ていただくと、全国・地域の偏在の有無について、検証・調整等を行っていく。さらに、その1つ上、間にはさまれた都道府県がございます。都道府県に、左端の斜め上に設置依頼。厚労省が今年の1月15日に各都道府県に対してこの協議会の設置をしてくださいという通知を出して、都道府県に協議会を設置していただく。その都道府県においても検証・調整を行うということでございます。

 ちょっと細かくなりますが、専門医機構の「プログラムの審査」という四角を見ていただきますと、そこから下に「情報提供」という矢印が流れております。まず、日本専門医機構にプログラムが申請されております。どういうプログラムが申請されているかというのをこの都道府県の協議会に情報を出していただく。あるいは、専門医機構で調整しておりますので、その調整状況を出していただく。それを都道府県の協議会で、どういうプログラムに今なっているか、地域の関係者が集まって実際に見てもらおうと。それで地域の関係者の中で、こういう点はもう少しこのように改善が必要であるとかいうことを検討、あるいは調整するということを考えております。

 中には、その都道府県の協議会の中だけでは改善が無理だということであれば、日本専門医機構、あるいはこちらの厚生労働省に上げていただいて、必要な改善を図っていくということを考えております。

厚労省の専門委員会設置の右のところに赤い矢印が上に延びておりますが、この専門委員会としましても、上に向けて矢印、都道府県に対する調整・支援、あるいは専門医機構に対する調整・支援を行っていくということを考えております。

 都道府県の協議会のところから厚労省の専門委員会、下に向けた黒い矢印、報告という矢印があるかと思います。これがその都道府県の協議会で調整、あるいは必要な改善を図って、こういうプログラムだったらいけるのではないかと、そういう状況を厚労省に報告してもらう。各都道府県からの報告を受けて、これだったらプログラム認定できるのではないだろうかという検証、議論をこの専門委員会、厚労省において行っていくということを考えております。

 今申し上げたようなことを少し詳し目にしたものが資料3でございます。縦長のホチキスどめをごらんいただけますでしょうか。1枚目の見出しが、「1 日本専門医機構が予定している取組」とありまして、先に裏めくっていただきますと、2枚目が「都道府県の取組」、そして3枚目が「厚生労働省の取組」とございます。特に「都道府県の取組」を重点的に御説明申し上げます。

 まず1枚目をごらんいただけますでしょうか。「日本専門医機構が予定している取組」でございます。これからプログラムの、専門医機構に申請された情報がまとまりますので、それを都道府県に情報提供してもらう。先ほど申し上げたように、それを都道府県の協議会でしっかり見てもらう。その下、「~4月中」とございますが、専門医機構においてこういう審査をしていきますという方針が示されております。「~4月中」とございますのは、個々のプログラムについて、地域医療に配慮したプログラムであるかどうかというのを審査する予定になっております。

1ポツ目は、例えば大病院だけ/特定の医療グループだけのプログラムはだめだとか、あるいは2ポツ目、必要な地域医療の研修が含まれているかどうか確認するということ。3ポツ目、4ポツ目は、先日の医療部会の指摘を受けて、こういうことも必要だということで先日追加されたもので、例えば3ポツ目は、過去5年間に研修実績のある医療機関、そういうところであれば、やはり研修施設、連携施設に入っているべきではないかという調整をする。あるいは、二次医療圏ごとに見たときに、この二次医療圏、全く研修施設がない、これはさすがに厳しいのではないかというところについて調整を図っていく。そういう方針が示されております。

また、その下、「~5月中」でございますが、個々のプログラムレベルではなくて、全国レベルで見たときに、その都道府県間、全国レベルの是正、調整をしていくということで、例えば募集数が過去実績値の1.2倍となるように調整していく。あるいは、その下、都道府県ごとに、例えば都市部に集まり過ぎないように、※印ございますが、整形外科であれば、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡というような6都府県を都市部と定義して、そういうところに余り集まり過ぎないようにという調整を図っていくことになっております。あるいは、人口に比して養成数が少な過ぎる都道府県への配慮でありますとか、その下、過去の平均実績から極端に変わらないようにするということが予定されております。

その下、「~6月中」とございますのは、後ほど御紹介しますが、都道府県でいろいろな調整をする。ただ、都道府県レベルではなかなか難しいことがあるだろうという場合に、専門医機構と連携して必要な改善を図っていくというものでございます。

 ちょっと裏をおめくりいただけますでしょうか。では都道府県に実際どのような取組をしてもらうかということでございます。最初に申し上げたように、まず都道府県に協議の場を設置してくださいということはもう既に通知しております。その協議の場において、都道府県側からすれば、専門医機構から出されたプログラムの情報を関係者において共有するということ。その関係者というのは、括弧の中にあるような基幹施設・連携施設、医師会、病院団体、都道府県、あるいはこれ以外にももちろん必要なメンバーを加えて関係者で共有する。それから、専門医機構との間の連絡調整、連携も図っていくようにする。

 まず、~4月中に、(1)でございますが、そのプログラムを実際に見て、必要な施設が漏れてないだろうかということを議論していただく。基本領域19ございますが、さすがに全部は難しいと思いますが、主な診療領域、例えば内科、小児科、外科、整形外科、産婦人科、総合診療科、それ以外にも必要に応じて追加いただいて、そのプログラムの情報を地域医療確保の観点から見ていただく。

 例えば、※印にございますが、自治医科大学を卒業した医師、あるいは地域枠医師、義務が課せられておりまして、そういう義務が課せられた施設であっても、ちゃんと専門医が義務年限内にとれるかどうかという観点からの施設の追加があると思います。

 それと、(2)は、基幹施設が、もう既に説明されているかもしれませんが、連携施設に対して、うちの基幹施設のプログラムはこのように指導医、あるいは専攻医のローテートを考えているということを連携施設でもしっかり共有していただくということが必要と考えております。

 そういうことを踏まえて、5月中に、連携施設の側で、そうはいっても、こういう点が改善必要ではないかということを県から意見照会してもらう。例えば指導医の配置方針、専攻医のローテート方針、その他改善が必要なことがあると思います。

それ以外に、※印で書いておりますのは、いわゆる申立て制度が専門医機構としても設けられておりますので、医師の引き揚げとか、全然回ってこないとか、そういうことについての申立てもあれば、それも随時受け付けて、それを当然その地域の中でできるだけ調整を図るのですが、それが無理な場合に、日本専門医機構とも連携して、専門医機構に、さすがにこれはちょっとどうにもならないということを出してもらうというのが(2)。

 それを踏まえて、6月中に、改善が必要だということを、専門医機構、国とも連携して、改善を図っていく。一番下の行にございますが、都道府県でこのように関係者で調整して、ここまでは合意できたということを厚労省に報告してもらったらどうかということでございます。

 最後のページでございますが、今出てきました厚生労働省としましては、そういう調整支援もございますし、あるいは、さすがにこの基準では絶対無理だというようなことがあれば、この専門委員会でもその基準について御検討いただくということもあり得ると思います。また、(2)は、その専門医機構、都道府県に対する支援、あるいはその両者の間の調整ということが必要と考えております。

 今後の進め方の案でございます。以上です。

○永井委員長 ありがとうございます。御質問は、全ての議題の説明が終了した後にまとめて行いたいと思います。

 続きまして、先ほど説明のありました新専門医制度に向けた都道府県の進捗状況について、鶴田委員から御説明をお願いいたします。

○鶴田委員 資料4に「新専門医制度に向けた都道府県の進捗状況(全国衛生部長会アンケート結果)」とありますが、これは抜粋でありまして、もともと都道府県においては、自治医大の卒業生の配置に当たり、専門医制度にどう対応するかという各都道府県ともの共通課題がありますので、そこの情報交換をしようということで、このアンケートをとったところであります。そうした中で、一般的なことも含めて質問項目にありましたので、今回報告する部分だけを抜粋したということであります。

まず第1は、各都道府県(自治体)で、現在、地域の関係者が協議する場を設けていますかということについては、「開催済」が16、「場のみ設置、未開催」13、場の設置もない自治体が18あります。

2番目の質問は、プログラムの内容を把握していますかということで、把握する、もしくは今後把握する予定であるというのが31自治体、まだ把握していないというのが16自治体あります。

31の自治体の中でどういう状況かというのが3番目になります。「管内の基幹施設となるべき医療機関が基幹となってプログラムが作成されていますか」ということについては、「作成されている」が4、「概ね作成」23、「無回答」4自治体という状況です。

4番目は、「管内の連携施設となるべき医療機関が連携先となってプログラムが作成されていますか」ということについては、概ね作成されているまでを含めて25自治体、含まないというのが2、無回答4自治体ということです。

5番目が、「協議の場で調整を図っていますか」ということについては、15自治体が「調整を図っている」、12自治体が「調整を図っていない」ということです。

6番の、「日本専門医機構の示すスケジュールに従って申請できるようにプログラムの作成が進んでいますか」ということについては、概ね18自治体においては進んでいるけれども、8自治体では「あまり順調でない」、もしくは2自治体で「順調でない」というような回答が寄せられた。

これが310日時点での各都道府県の現状です。

○永井委員長 ありがとうございました。今の御説明に事務局から補足がありましたらお願いいたします。

○臨床研修指導官 この都道府県における協議会の設置状況につきましては、厚労省からも別途照会をいたしまして、未設置の県においても設置を検討しているということを確認しておりますので、申し添えます。

以上です。

○永井委員長 ありがとうございます。

続いて、日本医師会による地域の関係者による協議の場に関する都道府県医師会調査について、今村委員から御説明をお願いいたします。

○今村委員 資料5をごらんください。3月23日に日本医師会の横倉義武会長から都道府県医師会長宛てのアンケート調査を発出させていただいています。

 1月29日に、今、鶴田委員から御説明あった協議の場に都道府県医師会も積極的に参加していただきたいという通知を既に発出しているところですが、この専門委員会も設けられ、さらにまだまだ、都道府県の医師会、あるいは都道府県の協議の場が十分に機能してないというようなお声も聞きましたので、医師会の立場から、今現状がどうなっているかということを調査させていただくということです。

 2枚目をお開きいただきまして、調査票をごらんいただきたいと思います。1番から14番まで、協議の場の設置、名称、開催形態、それから、いつごろから議論されているのか、開催回数、構成メンバー、どのように医師会が関与しているか、医師会の意見を反映しているか、地域を担う医療機関の意見は反映されているか、議論はどのようにまとめていくのか、診療科の議論はどのようになっているか、協議の場に個別に協議している診療科はどれか、新たな専門医の仕組みにおける協議の場の都道府県医師会の担当役員名、そして事務局ということで、こういった調査を23日付で発出したところでございます。4月11日が一応回答期限ということになっておりますので、またこの場で御報告を申し上げたいと思います。

 以上です。

○永井委員長 ありがとうございます。

続きまして、「専門研修プログラムの審査状況」について、議題(3)です。日本専門医機構の参考人の方々から御説明をいただきたいと思います。

○池田参考人 専門医機構の池田でございます。

 冒頭に永井委員長からありましたように、専門医制度、質の向上と地域医療への配慮、これをうまく両立させようということで研修プログラム制を採用して議論をしてまいりました。整備指針にのっとって各施設が非常に熱心に議論をしてプログラムをつくってくださいました。

19の領域のうち、現在まだプログラムを募集中という領域が3つありますけれども、16領域でプログラムの申請受付は終了しています。それらのプログラムをどういう形で審査しているか、あるいはしようとしているかということについて、実際にプログラム委員長の四宮委員長からその考え方をお話しさせていただいた後に、外科と産婦人科と整形外科では、現在、審査が進行しておりますので、その進行状況を、データをもとに御説明させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○四宮参考人 それでは、四宮から説明させていただきます。

 一次審査も始めているわけですが、一次審査のポイントというのはもう既に出して、委員の皆様にも前回の医療部会でお見せしたと思います。その後、前回の医療部会でかなり足りないところがあるのではないかという御指摘がございまして、大部分がもっともなことであると考えております。

ということで、一次審査においてポイントとして出した以上に、もう少し注意をして審査に当たっていただきたいということで、各研修委員会に「一次審査におけるお願い」を再度公表しました。その一つが、1番が、現在の学会指定研修施設の中で、今回の新制度の中で連携施設の中から落ちていないか確認をお願いするものです。それから、もしそのように漏れているような施設があった場合、新しい制度の連携施設になる意思を領域に確認していただいております。

 それから、二次医療圏の中で連携施設がないと想定される場合、後で外科とか産婦人科、整形で出てきますが、その場合に、その原因をチェックの上、必要であれば何らかの対応を領域として行っていくようにお願いしたものです。

それから、4番目として、大都市とそれ以外の地域における募集定員算定基準、それは明らかに異なるべきですので、その領域としてどのような基準で都会と地方とに分けて選考していくかということを示していただくということです。

 それから5番ですが、募集定員が実際の応募数より大きく異なりますと非常に偏在が起こる可能性があるということはもう臨床研修でわかっておりますので、募集総数を領域でできる限り一次審査で押さえていただきたいと考えておりますが、その後に機構のプログラム部門として二次的に調整をする。19領域と我々がある程度最終的に総数抑制するという合意はできておりますので、機構が主体的に判断する覚悟でやっております。

 それからもう一つ、前回に邉見委員から整形外科等で、どうしてここまで厳しく基幹施設の規定をつくる必要があるのかという意見が出ました。それで、いろいろと調査いたしまして、特に整形外科でございますが、その部分に関しましては、地方においては基準を弱めて、アクティビティの高い、研修プログラム運営希望のある施設には基幹施設になっていただこうという二次募集をしたところでございます。

 以上でございます。

○池田参考人 それでは、外科、産婦人科、整形の順でよろしいでしょうか。

 それでは、外科の北川理事、よろしくお願いします。

○北川参考人 外科領域を担当しております北川でございます。よろしくお願いします。

 お手元資料の6-2をごらんください。まず、6-2の1ページ目には外科領域プログラムの概要を示してございます。研修期間は3年以上で、そこに記しました基幹施設の要件、特に外科はサブスペシャルティとして4つ、消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科がございますので、その4サブスペのうちの少なくとも3つの修練指定施設であるという要件等々で基幹施設を規定しております。

 一方、連携施設でございますが、専門研修指導医、すなわち、外科専門医更新を1回以上した外科医が1人以上いて、そして、年間50例のNCD、ナショナルクリニカルデータベース登録数、これは極めて小さな、小手術も含んだものでございますので、週に1回程度小手術をしているという要件でございます。したがいまして、連携施設要件は中小の施設でも十分達成し得るものに勘案しております。

 続きまして、専攻医のローテーションの考え方でございますが、連携プログラムの中で基幹施設のみに専攻医が在籍するのは好ましくございません。また、一方では、基幹施設が多数の連携施設を従えて、実際には基幹施設で教育を行わないのも問題でございます。したがいまして、それぞれ最低6カ月、そこでローテーションを行うという規定にしてございます。

 次の2ページをごらんください。外科修練施設、外科学会の現行制度では、指定施設1,221、関連8542,075施設がございますが、今回の最初の申請において、342施設がプログラムに掲載されておりませんでした。多くは指導医が1名の小さなクリニックレベルのところで、専攻医が現時点でも常勤していないところでございますが、これを全ての施設においてプログラムに加えるか否かの御希望を伺って、希望のあった場合には親施設への仲介をしております。

 また、常勤でなくても外勤という形で、例えば外科領域の比較的基本的な疾患、例えば肛門疾患ですとかヘルニアですとか、そういう外科専門医として重要な手術をこういった規模の小さな地域の施設で勉強していただくような連携の在り方も推奨しております。

 次に、定数調整の状況でございます。お手元机上配布資料1(外科領域)という横置きの表をごらんください。この表は、重要な数字から申し上げますと、一番左のカラムの一番下、募集前アンケートでは204のプログラムが予定されておりましたが、結果的にその右のカラム、一番下、187プログラムが提出されてまいりました。

 そして、この一番下の段をずうっと右に追っていただきまして、都道府県別選考受け入れ事前アンケートでは、募集希望総数は3,576人という数字でございました。実際に外科後期研修を開始した844人(平成24年から平成26年の平均)の数倍の値が出てまいりましたが、これは現場での外科診療人員不足を反映した数字であると考えられます。一方、激変回避の観点から、医療資源(指導医、手術症例)が十分にあって、専攻医が不足している状況であっても現状に即した募集定員にして頂きたい旨をアナウンスを行いました。その結果申請時には希望募集総数は2,159人に減少し、その左隣の数字で、現在はこれをさらに調整をしまして、現時点で、右から2番目、1,986まで絞り込んできておりますので、その絞り込みの状況を机上配布資料2のこの表で見ていただきたいと思います。

 これが全てのプログラム、187の一覧でございますが、大きく3つにグループ分けしてございます。主に専攻医の受け入れ数上限は、手術症例数、すなわちNCD登録数と指導医数で規定しておりますが、ほとんどはこのNCD登録数で規定されました。最高受け入れ上限が30以上の大型施設、10以上29までの中型、1桁の小型に分けました。

この机上配布資料2で言いますと、1ページ目のベージュで示したところが大型でございます。そして、2ページ目のブルーで示しましたのが中型、2ページ目から3ページ目の若草色が小型でございます。そこで、受け入れ上限数を基準として初年度募集数を大型かつ大学プログラムでは受け入れ上限数の30%、大学以外の大型は33%、中型では40%に抑えていただき、小型に関しては、100%募集していただいてという調整をかけましたところ、この机上配布資料2の黄色でかかったところが調整必要プログラムとなりまして、ごらんいただけるように、大型の多く、そして中型では一部、若草色の小型では修正なしという形で、地方や小型のプログラムに配慮した調整をしているところでございます。

 本資料、6-2の2ページ目に戻っていただきまして、研修施設が存在しない二次医療圏でございます。344の二次医療圏のうち144.1%に現時点で空白となる二次医療圏がございました。実際の空白2次医療権は本資料の13ページの日本地図に示しました白抜き部分でございます。多くは島嶼の部分、あるいは僻地でございますけれども、こちらにつきましては、そこにかつて一度でも現行外科専門医制度の指定施設、関連施設が存在した場合には、それを復活させるべく、今調査し、仲介をしているところでございます。その施設のリストが机上配布資料1の3ページにリストアップされておりますが、こちらに関しては当該施設及び に当時の基幹施設に働きかけをしているところでございます。

 続きまして、再び本資料6-2の2ページに戻っていただきまして、都道府県との調整ということでございますが、1県1プログラムとなった県が16県ございました。外科領域としましては、むしろ僻地や離島を含んでいる都道府県については、あえて1県1プログラムを推奨し、その自治体の中でそういった地域が漏れないように全てをカバーしていただくということで進めてまいりました。

 その他、今回は大学病院のみの連携という申請はございませんでした。

一方で、お手元の机上配布資料1の4ページ以降に情報が整理してございますが、一番上のカラム、病床数500以上のみでの連携、病床数450以上のみでの連携、病床数400以上のみでの連携と、大型、大病院のみでの連携については可能な範囲で是正をお願いしております。特に500床以上の3プログラムについては既にその他の小さな施設、中施設、小施設を含んでいただくような仲介をしております。

 また、外科領域は、先ほど申しましたような4サブスペがありますので、この手術症例の内容、あるいは指導医の構成で、これらに偏りが生じないように、内訳をチェックして、偏りがあった場合には、偏りが起きないような連携等の調整を行っております。

 それから、本資料の3ページをごらんください。ここにグラフが示してございますように、私が卒業した1986年当時は、外科後期研修に進む者が1,000から1,200という時代がございましたが、ここ数年、800名前後で推移し、ここ3年、急速に減っております。これは恐らく、外科という労働の性質、あるいはリスクということで全体として減っている領域でありまして、現在、各プログラムともに、現状よりも多くの専攻医を希望されているというのはここから生じていると考えております。

 それから、この本資料の最後になりますけれども、14ページ、15ページをごらんください。まず14ページでございますけれども、これは都道府県別の、グリーンのバーが医師数、黒の折れ線グラフが手術症例数(NCD症登録数)です。それから、指導医の数を赤い線で示しています。当然のことながら、札幌を周辺とした地区、あるいは東京、名古屋、大阪、福岡に大きなピークがございます。これを見ると、一見地域偏在に見えるのでございますが、実はそれを人口で調整してみますと、15ページのグラフをごらんください。

これは各都道府県の手術症例数と指導医数をそれぞれ人口比率で割った数字であります。これが1.0であれば、人口に対して適切な指導医がいて、適切な手術数があるということでございます。

例えば真ん中よりちょっと左、東京都をごらんいただくと、東京都は絶対数多いのですけれども、この比率は1.1何がしということで、大きな偏在はございません。一方、神奈川や埼玉は、恐らく、人口が非常に多いにもかかわらず、医師が東京へ出てきて手術をしているという現状で、この比率が低くなっています。

 一方では、鳥取県、島根県、あるいは沖縄県、鹿児島県、秋田県等では、むしろ人口に比して、医師数、手術症例数とも十分満たされているという状況で、意外なことに、名古屋を含む愛知県は、人口に比して、まだ医師数、NCD登録数が満たされていないということで、地域偏在に関しておおむね外科領域では大きな問題はないと考えておりますけれども、こういった、実際は大都市のみでない偏在があり得るということでございます。

 いずれにいたしましても、外科領域は手術という医療資源と、指導医といういわゆる指導する本体がないと指導できませんので、地域偏在改善の目的だけで専攻医を地域に分布させることは少し難しいということを御理解いただければありがたいと思います。

 以上でございます。

○櫻木参考人 それでは、産婦人科研修プログラムについて櫻木から御説明させていただきます。

 お手元の資料6-3により御説明いたします。新しい専門医制度と地域医療との関係を考えるに当たっては、医師偏在の問題が背景にあります。資料6-3の1ページ、2ページに簡単な説明を載せてあります。時間がございませんので、後でごらんいただきたいと思います。

 3ページからが「産婦人科専門研修プログラムの概要」になります。3ページをごらんください。上のほうが「産婦人科専門研修プログラムの概要1」です。まず、基幹施設の要件について、主な箇所をお示しいたします。産婦人科専門医は、妊娠・出産・婦人科がん、不妊治療、女性のヘルスケアの4つのサブ領域を学ばなければなりませんので、基幹施設には、診療実績として、ごらんの要件が定められております。

 次いで下に行きまして、連携施設の要件の主な部分をお示しいたします。ここで特に強調させていただきたいことは、第2項目の「地域医療の経験と指導医のいない施設の取扱い」です。産婦人科専門研修プログラム整備基準では、地域医療の経験を必須としております。産婦人科医師が不足している地域では、専門医が1名いれば、指導医の在籍がなくても連携施設になることができます。連携施設地域医療枠というカテゴリーです。

ただし、教育と指導の質保証のため、基幹施設または他の連携施設の指導医により適切な指導を受けられることが必要です。

連携施設へのローテーションの考え方ですが、基幹施設での研修は6カ月以上24カ月以内としております。連携施設では研修期間3年間の残り12カ月から30カ月の間に1施設以上をローテートします。また、トータル3年間の中に、1カ月以上、地域医療経験の必須期間が入ります。基幹施設と連携施設のどこからスタートするかについての定めはありません。

 前項にあります地域医療枠連携施設での研修は、通算で1カ月以上6カ月以内になっております。

 次、めくっていただきまして、「研修プログラム申請状況の概要」でございます。これは机上配布資料3もあわせてごらんいただきたいと思いますけれども、基幹施設が123申請されております。基幹施設と群を形成する連携施設は、延べ1,348であります。複数の基幹施設と連携をとっております施設がございますので、そのような重複を除きますと1,182施設となります。現行の産婦人科専門医制度では、専攻医指導施設の数は600強ですが、新制度では、病院群による研修プログラム制の導入と地域医療重視により専攻医が回ることのできる施設が2倍にふえることになります。

 机上配布資料3をごらんいただきたいと思いますが、一番下の計のところです。太線で囲ってあります一番左が基幹施設数です。その右へ行っていただきまして、希望専攻医募集数が813となっております。毎年の産婦人科新規専攻医数の平均が400弱ですので、この数値が妥当なものかどうかについては今後検討されていく予定となっております。

 次に、「研修プログラム一次審査における地域医療への配慮」でございます。「これまで研修指導施設であったが、病院群による研修プログラムから漏れている施設はないか」ですが、まず、現行の専攻医指導施設へ、新たな制度で基幹施設・連携施設として応募希望があるか否かをHPや書面で通知し、基幹施設、あるいは連携施設から研修プログラムの申請を平成2712月から受け付けております。

 次いで、新たに基幹施設、連携施設としての追加応募・変更希望がある施設からの申請を平成28年2月に受け付けております。特に現行の専攻医指導施設でありながら、新制度の基幹施設や連携施設に申請がなかった施設へは追加募集の案内を郵送にても送っております。

 その結果、4施設から基幹施設への追加申請があり、5施設から連携施設への追加申請がありました。それぞれ一次審査が終了しております。

 連携施設の追加申請のなかった9施設へは、再度、どこかの研修プログラムの連携施設とすることを希望しているか否かを現在確認中であり、希望があれば、研修委員会として個別に仲介・対応することとしております。

 「大都市への専攻医集中が現在以上に進まないように配慮しているか」、これにつきましては、一次審査において、過去3年間の専攻医指導実績を学会事務局で調べて、実績に見合った募集定員数になるように調整依頼をしております。

 一方で、産婦人科医が不足している地域のプログラムに対しては、一定の計算式を用いまして、過去の数値を上回る募集数の目安を定め、地域での魅力あるプログラムづくりの努力が報われるように配慮しております。

 以上で、研修の質と地域医療への配慮の両立を図りながら準備が進められている産婦人科専門研修プログラムの概要の説明を終わります。

 なお、産婦人科領域では、日本産科婦人科学会と専門医機構が協力し、2015年度に更新時期を迎えた産婦人科専門医について、診療実績や専門医共通講習の受講など、新専門医制度による新しい更新基準に基づいた更新認定を行っています。

 以上でございます。

○大川参考人 それでは、整形外科の説明をいたします。

 整形外科の研修医長が公務でどうしても出られませんので、整形外科医の私が説明させていただきます。

 ロコモティブシンドローム、比較的患者が多いということで、このような中に入れさせていただきました。資料6-4を見ていただきたいと思います。整形外科の施設基準は1型と2型になっておりまして、1型は大学、2型は基幹になる大きな施設ということで、基幹に関してはかなり厳しい基準を整形外科ではつくっております。それが専門医8名、指導医5名ということで、本来、この新専門医制度は指導医と診療症例数ということですので、専門医が8名ということに関しては若干問題があるということで、アゲインをこの前お願いしたいところであります。

それから、2番の「プログラムの要件」ですが、2番の2)の1型、2型プログラムとも、1型基幹施設で6カ月、地域医療研修は3カ月する。その他、連携施設を回ったりということです。非常に範囲が広いので、多少短い場合もあるかもわからないと考えております。

それから、次をめくっていただきます。4の1)で、大都市圏はそこにある東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡ですが、2)の応募プログラムが103となりました。大学が80で、II型が23。予想は180ぐらいを考えていたのですが、若干何らかの問題があったと。彼らの整形外科研修委員会の一次の定員の試算としては、都市部を過去5年間の実測値の1.2倍、地域部では2倍とすると、そのようなことを考えているようであります。

それでは、机上配布資料4(整形外科領域)というのがございますが、これが現在出てきて、お断りしておきますが、これは一次審査のまだかなり手が加わってない状況と考えていただければとお願いいたします。一番左の下に103と。それがプログラム数ということになります。それで、一番右側が494.3と一番下にあるのが過去何年間の平均的な専攻医数ということになります。

現状で、希望として、各プログラムから出てきたのが右から2番目の1,086。先ほど定員の基準として示していましたように、例えば上から2番目の県、一番右を見ていただくと、過去3年間は2.7人しか、平均入っていません。彼らの基準でいけば、これは5.4で6人にするということになります。それから、東京なんかを見ていただきますと、右端、89ということですので、これは1.2倍ということになりますので、107とか106とかその辺になって、どちらにしろ、多少希望数よりは減っていくということで、494が現状ですが、一次審査の段階で200ぐらい減るのではないかとは考えております。内科、外科、小児科、産婦人科と違いまして、それほど、それほどと言ったら申しわけないですが、非常に重要ではありますが、このような感じでやっているということだけをちょっとお示しさせていただいたというところであります。

以上です。

○永井委員長 ありがとうございました。議題の説明は以上で全てでございます。

これから議論に移りたいと思いますが、順番として、まず、今の日本専門医機構からの御説明、専門研修プログラムの審査状況について、先に質疑を行いたいと思います。御質問おありの方は御発言をお願いいたします。

 今村委員、どうぞ。

○今村委員 ちょっと細かいことで教えていただきたいのですけれども、最後の整形外科の資料の最後のページですけれども、専攻医勤務解消施設リストがついているのですけれども、これはどういう意味でしょうか。机上配布資料4の一番最後のページ。

○大川参考人 ここに出ているのは、専攻医が勤務していたが、いなくなったと。その理由を今調べているわけです。一番多いのは、何か変なのですけれども、要らないという施設が結構あるのです。専門医だけで十分であると。そういう施設があって、でも、そうでないところもあるのですよ。外されたというところもあるので、整形外科としては必死になってそれをあっせんしているという状況で、今ちょうど途中ですので、また次回は御説明できるかと思います。

○今村委員 ちょっと拝見すると、すごく僻地の診療所みたいな小さなところもあれば、結構有名な大きな病院も入っているものですから、そういうところがもともと外れてしまうということについて、今、先生お話しいただいたように、要らないとおっしゃっているのか、外れたのかというのは明確にわからないので、ぜひお示しをいただければ。

○大川参考人 大きいところは要らないというところが結構あるのです。それから、小さいところは、もともとクリニックですので、後期研修とかいうのはほとんど最近はとってなかったと。そういうものが多いと。でも、グレーのところがありますので、調査させていただきます。

○今村委員 幾つかいいですか。

大変詳細なデータなのだと思いますが、恐らく、多くの方、初めてごらんになると思いますが、これは公開して皆さんに知っていただくような、何か広報として出されるのかどうかということと、もう一点は、今回は非常に進んでいる領域として出されていると思うのですが、残りの16の領域がどのような状況になっているのかということが今現在わかれば教えていただければと思います。

○大川参考人 まず、かなりはっきりと理由がわかれば出していいかなと思っています。それは、ただ調べているのは整形外科学会が調べていますので、それは彼らに出してもいいでしょうという感じで出してもらう。そのほうが皆さん理解していただくと思います。

それから、きょう出した3つ以外に重要なのがやはり小児科、それから内科、総合診療ですね。それはいろいろこれと同じようなインフォメーションを与えて、一次審査をやってもらうように頼んでいるのですが、小児科以外はまだ締め切ってもいませんので、でも、こういう感じでやっていただけると考えています。

○永井委員長 まず基本的なことを確認したいのですが、この専門医制度は、原則として希望者全員に機会を与えるということなのですね。もちろん、選考は行われると思いますけれども、希望した人にはチャンスを与えられる、それはよろしいのですね。

○四宮参考人 それは全く問題ないです。

○永井委員長 つまり、診療科間の調整は行わないということですか。

○四宮参考人 皆さんの御意見もあるでしょうけれども、現状では、希望の診療科で何とか面倒を見ようというのが今の姿勢です。

○永井委員長 実績と受け入れ希望数の間で2倍から2.5倍ぐらいの違いがあるわけですね。希望者を受け入れるのであれば、毎年希望をまず調査して、その数の1.1倍か1.2倍を全国に配置するという発想はないのでしょうか。

○四宮参考人 一番やりやすいのは実は来年度なのですけれども、そんな悠長なこと言っていられませんから、今年の研修プログラム公募前に全国調査を2年次の臨床研修医に行うことが一つの手段と考えます。

○永井委員長 ネットを使えば、おおよその数はわかるはずですが。

○四宮参考人 確かに、WEB登録ですね。

○永井委員長 希望をまずとって、それを基礎データとして、その1.何倍ぐらいを募集するかとういうことです。そうすると、今、桐野先生がなさっているような研修医の都道府県枠のような話になると思いますけれども、そうしたプロセスを工夫できないのでしょうか。

○池田参考人 おっしゃるとおりだと思います。ただ、それのかわりに、過去3年間、過去5年間の実際の数で、大体この領域はこのぐらいだというアサンプションをしたということですけれども、先生おっしゃるように、各時代時代によって変わってきますので、来年度、専門医研修に入る人は、どの科はどのぐらいいるかということをつかむということは必要かと思います。

○永井委員長 いずれ、診療科間の調整も必要になると思うのですが。受け入れ希望数と希望者数の間にギャップがあると、都会のブラックホールに吸い込まれてしまうという懸念があります。

○四宮参考人 今後は全てデータベースで、専攻医は管理されます。例えば募集後には、どの領域に行くかは把握できます。全ての、9,000人ぐらいがナンバリングされていきますから、診療科の希望数がどのぐらいであるかわかると思うのです。8月ぐらいにははっきりしますが、その段階でまた調整というのはちょっと間に合わないかもしれないので改善の必要がありそうです。

○永井委員長 そこが大事です。どの領域を希望しているかは簡単にわかると思います。問題は、総数が見えてきたときに、地域にどう配置するかということです。プログラムに任せてよいのか、地域の協議の場で、プログラムをつくった人たちと一緒に相談していくとか、そこに地域の協議会の出番があると思うのですが。どうでしょうか。

○北村委員 今の議論は、例えば外科を希望する人は永遠に外科を希望するという発想ですね。

○永井委員長 締め切り直前に見ればよいわけです。

○北村委員 でなくて、東京の外科でだめだったら東京の総合診療医になりたいとか、東京の整形外科がだめだったら東京のリハビリテーションに行きたいと。要するに、整形外科に行くよりも東京にいることにプライオリティがあるというような人がたくさんいたら、今の議論は成り立たないのですね。

○永井委員長 第1希望、第2希望を置けばよいではないですか。

○北村委員 だから、そのマッチングを全然考えていらっしゃらないから、後の話になりますけれども。

○永井委員長 そういう細かい話はこれからです。

○北村委員 でも、外科志望よりも東京志望みたいな人がいると、自分は外科でもいいけれども、整形外科でもいいし産婦人科でもよくて、ただ東京にいられたらいいという人がなかなか今の議論では乗ってこないのではないでしょうか。

○永井委員長 それはテクニカルな話で、難しくないと思います。総枠をある程度押さえた上で議論しないと、需給のミスマッチが起こって、地域偏在が促されてしまいます。先生の問題はテクニカルに工夫すればよいと思うのですけれども、いかがですか。

西澤先生。

○西澤委員 今の議論、もとへ戻して申しわけないのですが、今後の進め方ということは、この間の医療部会の議論を受けてだと思いますが、あのときは、とりあえず来年の4月にするかしないかは抜きにして、白紙に戻して一回議論しましょうということでした。私はここでもっと基本的なことを議論すると思っていたのですが、今の説明は全部来年の4月にやるのを前提で進んでいるように思います。

そういうことで、ここで参考資料1に医療部会でのいろいろな論点を書いていますが、非常に細かい論点ばかり書いているのですが、実はここに書いていませんが、今の機構についての組織の事とか、そこで今議論していることがよく見えないとか、機構の問題が多くあったと思いますが、この論点の中からそれが消されていますね。そういうところから始めないとだめだと思います。ここで今のような議論をしていて本当に大丈夫なのかと不安を持ってしまいます。ですから、来年するしないを抜きにして、本当にこの専門医制度、私は必要だと思っていますから、失敗しないでやるために、もう一回原点に戻って議論をやりましょうがこの間の医療部会での提案だったと思います。

そういうことを踏まえて、幾つかの団体で、延期すべきだという意見も結構公表されていることもありますので、そのあたりの基本的な議論を一回したほうがいいのではないですか。このような、来年始まるのを前提とした細かい議論をやるのは、ちょっと違うなと思います。

それと、今聞いていて、どうしても、机上の資料だけでやっていて、実際、今機構では本当の地域、現場を見てないのではないかなという印象も持ちましたので、そのあたりもぜひここで議論していただければと思います。ここではとにかく、専門医制度を成功させるためにどうしたらいいのかということをもう一回根本から議論したいと思います。

○永井委員長 では、先に加納委員、それから山口委員。

○加納委員 まさしく、最初、するかしないかからの議論かなと思っていましたら、今の説明から始まったのでびっくりしているわけですけれども、もう一つは、これはあくまでも研修制度の次の流れとして後期研修はもう専門医制度に切りかえるということで、前期を終えた人が、8,000名がその19の中から選ばなければいけないという話になっているわけですか。そうすると、総合医でもない、今の総合医すらどういう形か見えてないのに、選択肢を今の時点で来年まで選ばなければいけないという話になってくるのでしょうか。

○永井委員長 来年かどうかではなくて、手順としてはこういうことだろうということです。まず実数をある程度把握し、志望をもとにして地域枠を、そして選び方を決めないといけないという話です。

○加納委員 ただ、専門医になりたくない方もいらっしゃるのではないか。その方は総合診療医なのか、ジャンルがないわけなので、全くここには応募しなかったらいいわけなのですか。8,000名。

○永井委員長 専門領域を選ぶとしたらという話ですから、選ばないのは自由ということですね。

○池田参考人 そういうことです。総合診療の専門医は、この機会に先生方に十分に御理解いただくように、私どももお話をさせていただきたいと思っています。

○加納委員 ということは、選択しない方もあるということで。

○山口委員 私も、根本的なところから今回話し合うのかなと思っていましたので、具体的にお聞きしたいことや要望があるのですが、きょうのこの会議でそういったことの意見出す時間はあるのでしょうか。確認です。

○永井委員長 進め方についてはこの後議論します。今は専門医機構の説明に質問をしています。

○山口委員 その後にあると。

○永井委員長 もちろんあります。

どうぞ。

○小川委員 偏在問題に関しましては、ただ単に地域偏在があるだけでなくて、診療科間偏在というのが非常に大きなテーマとしてあるわけですね。ただいま機構のほうから御説明いただいた、19の基本診療科があるのですけれども、そのうち3つについてお話をいただいたわけですが、診療科ごとの特殊性があるので、プログラムに違いが出るのは当然なのですけれども、先ほどの3つ、外科と産婦人科と整形の内容をちょっとお伺いしただけでも、かなりの違いがあるのですね。

ということになりますと、プログラムの難しさ、あるいはやさしさ等々、違いによって診療科偏在をさらに助長することになりかねないのではないか。要するに、研修医がどの科に進みたいかという希望に対しても、このプログラムそのものがプログラムによって引っ張られる可能性も大いにあるので、ですから、今現在の議論は、機構のほうからの御説明に対する質問ということでございますので、偏在問題に関しては、地域偏在だけではなくて、診療科偏在があって、その中で各診療科のプログラムがこれだけ違えばかなりいろんな弊害が出てくるのではないかということだけ申し上げたいと思います。

○永井委員長 ほかにいかがでしょうか。

○森委員 日精協から来ました森と申します。

 今、御指摘がございましたように、プログラム自体が診療科の偏在を助長する一つの要因になるだろうと。私は精神科ですから、日本精神神経学会の理事でもあるのですが、そこでも、ほかの科がここまでやっているのだから、我々もここまでやらなければいけないねという競争が始まっている。そういうものを見て後期研修を選ぶ人たちがどこを見て選んでくるのか。これはもうただの競争心をあおっているだけで、あくまでこの制度というのは国民に対してわかりやすい専門医をきちんと標準化して提示をするということが目標の一つであるはずなのですけれども、いつの間にかどんどん厳しくなっていって、それで、今もいろいろ調整、調整という言葉がたくさん出てきたのですが、調整をするということはプログラムを変更するわけですから、はなからもとのプログラムを壊していくことになりますね。ですから、最初の書き方が悪いわけであって、もっと自由度をちゃんと持たせるような書き方をするべきだと。それを今までのように緩やかに学会が学会の制度としてやっている分にはそれほど偏在に関係しないのだけれども、今回、第三者機構という形で提示したものですから、これは国民から見れば、こう厳しくしている科はここだと、そうでないところはここだ、この施設基準を持っていない病院は行かないほうがいいというふうに左右されるわけですね。そういうことを十分配慮してつくっておられるのかどうかというのは、今聞いていて非常に疑問に思いました。

○永井委員長 今の点、いかがでしょうか。特に診療科偏在であるとか、競争をあおることにならないのかという点。

○池田参考人 もともと、御存じのように、専門医制度は各基本診療領域の学会がおつくりになって、長い時間かけて制度設計をしてきたわけです。その学会間で制度に多少のばらつきがあるということもあって、標準化というものを目指して日本専門医機構が立ち上がったという経緯がございます。ですから、今、委員がおっしゃられたように、決して学会間の競争をあおるということではなくて、むしろそれまでやってこられた学会の御努力も頭に置きながら、常に学会と連携をとりながら制度設計もしてまいりましたので、そういう面では、今までの専門医制度をよりわかりやすく、そしてバージョンアップしたという格好だと思います。

診療科の医師の偏在に関しては、基本的には若い先生方がどこの診療科を希望するかということは重要視しなければいけないと思っていて、それをもしある程度数を決めていくということであれば、それなりの日本全体でのコンセンサスを得ながら進めていかなければいけないのではないかと思いますので、もしそういうことでいいお考えがあればぜひお聞かせいただきたいと思っています。

○森委員 一言だけ追加したいのですけれども、私は、日本専門医機構がやっておられることに反対しているわけではないのですけれども、今の状況はかなり危機的な状況だという認識があるのかないのかというのがちょっとわからないですね。というのは、今行われている制度変更というのは、各学会にほとんど任せているのですね。要するに、いろんな指示はたくさん出されますし、機構と話し合ってやっているのだけれども、それを準備しているのはそれぞれの学会で、学会員のお金を使ってやっている。そういう整備もそうですし、いわゆるネットの整備もそうですし、数千万単位を使っている学会もあります。それを学会員の人たちのお金でやっているのですね。その準備をしている。学会員の人は、本当に日本専門医機構に対して賛成しているのかといったら、これは日本専門医機構ができ上がった過程が、在り方検討会という国のほうから出てきて、その国のかわりみたいな形で出てきたから、これは言うことを聞こうという流れで来ている。ここで、社会保障審議会のほうで、そうじゃないよという話が出てきたというのを見た途端に、皆さん、ネットで見られればわかりますけれども、何で新専門医なんか必要なのだという話になってきているのですね。学会員そのものが学会に対してこれから反乱を起こす可能性だってあると思うのです。そういうことが起こり始めているかもしれないという危機感、認識を持っておられるのかどうなのか、そこら辺をちょっと聞いてください。

○永井委員長 どうぞ。

○池田参考人 学会の先生方とは、実際に専門医制度をやっていらっしゃる方たちと領域別にかなり頻回に議論をしておりまして、決して上から目線でこうしろああしろと言っているわけではなくて、それぞれの領域の特徴を十分に加味しながらやってきています。中立的な機関として制度の標準化を目指すことによって、やはり専門医制度というものはより定着するのではないかなと私は思っていまして、今回は基本診療領域だけですけれども、御存じのように、我が国には専門医制度を持っている学会というのは百数十あると言われているのですね。ですから、それをきちっとした整理をして、患者さんにわかりやすいような提示をするということも私どもの考え方だということもお伝えしておきたいと思います。

○森委員 危機感を持っているかどうかという質問を僕はしたのですけれども、そこら辺はどうなのでしょうか。

○池田参考人 そういうお話は承っていますけれども、今、基本診療領域の大方の領域の先生方は、こういう方向でいいのではないかと御理解いただいていると私は認識しております。

○森委員 それは執行部が言っているのですね。私も学会の執行部ですけれども、その執行部の先生たちが一生懸命みんなに説明して、総会なんかで、私のところですと、代議員会で説明して、できるだけみんなから問題が出ないように説明をして、皆さんから賛成をとってゴーしている。言ってみれば綱渡りみたいな状態でずうっと来ているのですよ。それでこういう問題が起こってきたというところで、少し真摯な態度で見直すとか、そういう話が出てこないと、学会員がもし、ではもうやめますよと、学会やめますよという話が出てきたとする。あるいはネットに出ていましたね。産婦人科の場合、指定医というのがあるそうですが、それを持っているから、もう専門医やめようかなと思っているなんていう意見が書かれている。こういう状況を何とも思わないのか、これは一部の人だからそれでいいのだということなのか、ちゃんと執行部の上のほうと話をつけているから学会員のことはどうでもいいですよということなのか。僕は国民の健康や医療を守っているのは一般の学会にたくさん入っておられる地域の先生方ですから、そういう先生方の意向というものをもう少し考えられたらどうかということを申し上げているのです。

○池田参考人 ありがとうございました。確かに実際にこれから専門医をとろうとする若い先生方、あるいは現在専門医を持っている若い先生方がどのように感じていらっしゃるかということにもう少し耳を傾けて進めたいと思います。ただ、私どももなるべく若い先生方の御意見を聞かせていただけるような努力はしているつもりなのですけれども、一層努力をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○永井委員長 邉見委員、どうぞ。

○邉見委員 本当は北川委員に外科のことを聞きたかったのですけれども、ちょっと関連で先に、森委員の御意見、ごもっともだと思うのですね。このようなことがずうっと進むのは社員構成に問題があったからです。地域医療を担っている地域の病院の意見が余り反映されてないと。一番初めに私が申し上げたように、誰が社員になって、誰が理事を選ぶかというのがお手盛りみたいになっているから、こういう意見が今になって出てくるのです。多分、森先生はそのことをおっしゃっているのだと思います。

 だから、社員をどうするかという一番初めの、国民に良質な医療を提供するというあの第一行を見れば、そこに育てる人たちがおらんで、プログラムをつくる人とか、そういう人たちばかりではちょっといけないですね。現場で働いている人の意見が、それが一番大きいのです。そして、今おる人たちをデータベースでやれば、当然、ダイヤモンドとか手術ランキングと同じようなことになってしまうのですね。だから、地域偏在を変えようとか、最近の整形外科学会はいろいろ、地方に1.2倍、大都市は1.2倍と考えていただいていますけれども、プログラムを見たらそのような配慮がほとんどないのですね。私はそれまでこのことをいろんな意味で、高久さんがやっている、末永君が関与しておる、いろんなことで物すごいいいことだと思っていたですけれども、プログを見てからおかしいと思い出した。だから、ぜひそのようなところも含めて考えてほしいと。

もう一つは、北川先生にお伺いして、これはよかったなと思っているのですけれども、私は、北陸は金沢大学に一極集中して、富山と福井が滅びるのではないかといろんな外科学会の人から聞いたのです。あるいは山梨も滅びると。秋田も滅びる。秋田なんか、私の弟子が教授をしていますから非常に心配していたのですけれども、どうにかおるのですけれども、そういうところは1つだけでずっといくのでしょうか。先ほどのプログラムであれば。

○北川参考人 先ほどの1県1プログラムのお話でございましょうか。そういった、特に地方、あるいは僻地や離島を抱えているところほど、そういったところだけを切り離して、2つのプログラムがもし競い合ったときに、離島や僻地を抱えていないほうのプログラムに専攻医が行ってしまうおそれがあるので、なるべく県単位でそういう地域も含めた包括的なプログラムをつくってくださいというお願いをして、協力をいただいた結果がこれでございます。

○邉見委員 わかりました。

○永井委員長 今の点ですけれども、育てるのはプログラムをつくった大学や病院なのか地域なのか、そこの整理がまだ十分ついてないと思うのです。都会から地方に派遣する大学や病院もあるでしょうけれども、やはり基本的には、私は、地域で育てる専門医制度であるという共通認識を持っておかないと、プログラムをつくったところに振り回される可能性があると思います。その点いかがですか。

邉見委員。

○邉見委員 ちょっと違うかもわからないのですけれども、お金の問題になりますけれども、地域医療再生基金というのが、未執行の部分がたくさんあるのですね。構造改革とか、まだできませんから。だから、あの中の3つの事業の中には医師確保というのがあるわけです。それに未執行のお金を入れて、この池田先生のところへファンドとして渡してほしい。これは大きいことなので、そうすると池田先生のところも焦って、認定料欲しくてプログラム頑張るということはなくなっていいのではないかと私は思います。

○永井委員長 今村委員。

○今村委員 邉見先生の社員構成についてだけ、ちょっと1点コメントさせていただきます。

 私、実は機構の監事もやっていますので、定款上は、要するに社員は理事会が選ぶことにはなりますけれども、理念に賛同した団体が参加を求めたときにその理事会でどうするかを決めると。ですから、多様な地域医療の声を反映するという先生の御意見はまさしくそのとおりなので、そういうことで、先生たちの立場で手を挙げられたときに理事会がどうするかという話になると思います。

ただし、そういう仕組みを世の中がどれだけ理解しているかというと、十分に理解されていない、あたかも機構が恣意的に役員を選ぶ、社員を選ぶと誤解をされているのであれば、それはやはりきちんとしたメッセージが世の中に発信されなければ私はいけないと。その辺の広報であったり情報の提供というところがやはり非常に今まで弱かったのではないかなと感じています。

○邉見委員 ちょっとだけ。実は私、知らなくて社員になりたいと申し込みました。池田先生にも、内容証明の手紙ではないですけれども、ちゃんと出しておりますので、そのお返事はいただいておりません。

○永井委員長 西澤委員。

○西澤委員 ちょっと今聞いていて違和感感じたのですが、きちっと定款にのっとってやっているから問題なしということですが、定款は誰がつくったのですか。つくった定款に問題あるかもしれませんね。社員の規定、あるいは理事の規定が問題あって、地方の方が、現場の人が入れないような定款であれば変える必要があるのではないですか。そこから議論したほうがいいと思いますが。

○今村委員 定款そのものはきちんと認められたものですから、一般法人法に則っていますので、私が申し上げたかったのは、今、邉見先生が申し入れをされたけれども、その後の経緯については私ちょっと存じ上げないので何とも申し上げられませんが、定款上は、理念に賛同すれば誰でも社員になるということで、申し入れをすることができるということになっていますので、その後のことについては、何か仕組み上あるのかもしれませんが、実際上は定款は何も問題ないと監事としては思っております。

○池田参考人 定款がつくられた経緯を簡単に申し上げますと、厚生労働省で専門医の在り方に対する検討会が最終報告書を出しましたね。そのときに中立的な機関をつくりなさいということで、日本医学会の高久先生、そして日本医師会の横倉先生、四病院団体協議会の堺先生、全国医学部長病院長会議の、当時の議長の別所先生が中心となって定款が作られ、設立時の役員を選任し、社員を決めるという格好で進められました。そのときには金澤一郎先生が中立的第三者機関設立 組織委員会委員長として音頭をとって、その四方をまとめられて定款ができたという、そこだけはお伝えしておきたいと思います。

○西澤委員 四病協も入っているので言いづらいのですが、今のメンバー、本当にお偉い方ばかりで決めたと思いますが、それでいいのかということも多分あると思うのですね。だから、場合によってはもう一回見直して、本当にお偉い方とか各団体のトップだけでない、もっと現場の、地域の方も含めて、組織をつくる必要があったのかなと。これからでもそのように変えてもおかしくはないのではないかなという気がしております。

○永井委員長 ほかに御発言いかがでしょうか。

○羽鳥委員 日本医師会から来ております羽鳥と申します。

 僕は総合診療専門医のプログラムワーキンググループに入っているので、今余り出てこなかったのですけれども、総合診療専門医のほうについては、かなりいろいろ地域にも配慮したいろいろなことをやっているとは思います。ただ、今先が見えてないのが、サブスペシャリティの議論が、当然まだできるわけではないのですけれども、来年の4月から始まるとすると、例えば、今、内科系の先生は、内科の科目を選びたいのではなくて、その先の循環器をやりたい、消化器をやりたい、呼吸器をやりたい、がんをやりたいとか、そういうことだと思うので、そうすると、そちらに早く行くためには、内科専攻医を選ぶよりも、専攻医として総合診専攻医を選んで、サブスペシャルティとしてそちらから選ぶような方も出てくるかもしれません。今のところ、サブスペシャルティはまだ議論しないということになっていますね。そういうことでやっていると、来年の4月にスタートするというのは恐らく無理だろうと。4月にスタートするためには、今年の10月までには、昨年卒業した人たちは応募しなくてはいけないので、まだ全体像が見えてこないと、今の初期臨床研修医の方々も非常に混乱していて、何をしたらいいのだろうということになると思いますので、場合によってはもう少し待つというのも一つの手ではないかと思います。

○永井委員長 総合診療専門医のことは次回資料が出てくるのですか。

○臨床研修指導官 事務局でございます。

今回、3領域から御紹介いただきましたが、先ほど、これ以外の領域についてもというお話もありましたので、その中で総合診療も含めて御紹介いただけないかと考えております。

○羽鳥委員 わかりました。それはそれでいいと思うのですけれども、総合診療専門医のワーキンググループの中で、Q&Aというか、質問が出てくる中に、総合診療専門医を選んだら、サブスペは選ぶことができますかという質問がかなりあるので、そうなったときに、サブスペも簡単に行けるのですよということになったら、内科のほうには行かないで、みんな総合診療医を選ぶということもあると思うので、その辺、ある意味で全体像が見えていてほしいなと。

○池田参考人 おっしゃるとおり、総合診療の専門医は新しくできる専門医制度ですので、初期臨床研修医が自分の選択をするまでにはやはり総合診療専門医のキャリアパスというものを明確にしておかなければいけないと私ども思っていますので、その点については機構では議論を進めたいと思っています。ありがとうございました。

○永井委員長 これはもう前から出ている話で、基本領域のダブルボードとか単位互換を認めるかという問題です。

○池田参考人 おっしゃるとおりです。

○永井委員長 それは次回また御説明を伺いたいと思いますが、ほかに御発言ございませんでしょうか。

加納委員、どうぞ。

○加納委員 今のも含めて全体像が見えないと、8,000人の研修医が先が見えない状況で、この専門医制度だけが進むというのは非常に危険な感じがするのですね。外科とか、きっちりもうできているところもあるかと思いますが、やはり今おっしゃったように、時間が要るのではないかなと。全体像を出すのに。要るのなら、やはりその分だけおくらせていく必要があるのではないかなという気がするのですけれども。

○永井委員長 それは次の進め方のところで議論したいと思いますが、いかがでしょうか。専門医機構への御質問、よろしいでしょうか。

北村委員。

○北村委員 医学教育の立場から専門医機構とアメリカのACGMEを比較するのですが、今、池田先生が、社員は最初4者でお始めになったということで、現在は、僕は各学会の代表の方が社員に入っていると思っていますが、アメリカですと学会の代表者が1人か2人入っているのですね。各学会が個別に入っていることはないのですが、各学会の方が社員に入られた経緯とか、それから、この平成25年の答申では、機構は学会から独立した中立的な第三者機関と書かれているにもかかわらず、社員になられた経緯というのはどういうことだったのでしょうか。

○池田参考人 当初、先生おっしゃるように、検討会での報告書は中立的な機関として設立するとされています。その中立性というのはどのような意味で中立性、皆さんの考えがいろいろあると思うので、その辺の議論がございました。当初は、先ほど言った設立時の4団体の代表が中心になって運営することになったのですけれども、それぞれの実務を担当するに当たっては、やはり学会の方たちの意見の調整というのは非常に重要ではないかという意見が出まして、そして、基本診療領域に関してはやはり学会の方たちが社員になって運営する形にするほうがよろしいのではないかと。中立ということになると、それで中立性が保たれるのかという議論は随分あったのですけれども、各学会とも自分たちのエゴを出して議論するわけではないので、やはり基本診療領域の代表は社員として議論に参加したほうがよろしいでしょうという結論となり、社員になったという経緯がございます。

○永井委員長 ありがとうございます。

それでは、全体の進め方の問題に入りたいと思います。事務局から御説明がありました今後の専門研修プログラム認定等の進め方について御意見をいただきたいと思います。

今村委員。

○今村委員 先ほど小川先生から診療科の偏在の話がありましたが、少なくとも地域偏在を起こさないということが大きなこの取組だと思っていますけれども、先ほど鶴田委員から御説明いただいた都道府県の協議会の設置ということに関して、これはお願いベースで今やっていることで、やはりきちんと権限は誰が持ってやるのかということだと思うのですね。厚生労働省としては県にお願いするしかないのでしょうけれども、先ほどの状況を見ても、1月からもうかなり時間がたっているのにこういう状況になっていると。相当温度差があるというやはり実感を持っております。

 それと、それぞれが情報共有をする、連携をするということになっていますが、この情報の共有や連携というのは言うは易しで、非常に実はどの組織でも難しいのが実態なので、制度的にどのようにそういう情報共有をするのか、担保していくのか。もしそれが実施されなかった、アドバイスをしたけれどもプログラムが変わらなかったときに何か強制的にそれを変えるような権限がどこかにあるのかということについて、ちょっと教えていただければと思います。

○臨床研修指導官 まず、権限の前に、各都道府県の協議会の設置につきましては、厚生労働省から各都道府県に確認いたしまして、設置をしますという確認をとっております。ですので、そういう場は各都道府県に設けられるということでございます。

○今村委員 先ほど御紹介したように、日本医師会もその協議の場がどのような状況になっているかという調査はするということになっていますが、結局、そこで制度を担保しているわけですから、そこが機能しなければ意味がないわけですね。ですから、今のお答えだと、とりあえずはつくってくださいますとか、あるいは既存の組織を使ってやりますというお話ですが、その中身が問題だと思っていて、そこがきちんと機能しているかしてないかの調査もそうですし、それから、それが機能しなかったときに誰がどのようにそれを機能させるかという、そこが一番大きな問題だと思っているのです。つまり、機構にはその権限はないですね。連携はとれても。厚労省もそこまでは。

○永井委員長 では、神田局長から。

○医政局長 強制力を持ってどうこうという権限はもちろんないわけですけれども、先ほど事務方から説明したように、1月に設置をしてくださいというお願いをしました。衛生部長会のほうで調査をされると、先ほど言ったような状況ですので、これは各都道府県で確認をしてもらうために、この状況では非常に心もとないということなので、直ちにこちらから各県の担当部長に、原則、連絡をとりまして、必ず設置をしてくださいということと、個々のプログラムに問題があるかどうかという今後調整作業をしてくださいということをお願いして、それについては、各都道府県で最初、はっきり言って、文句を言っていたところもありますけれども、最終的には全ての都道府県がちゃんとやりますというふうには言っていただいていますので、法的権限ということで言うと、強制力を持って云々ということはもちろん難しいわけですけれども、先ほど資料3で御説明させていただいているとおり、まず県で調整していただくのですが、5月中のところを見ていただきますと、個別の診療領域について、管内の連携施設と問題があるかどうかというのを確認していただいて、改善事項があるかどうかというのを管内の病院から全部、基本的に聞き取っていただいて、改善の中身ですとか要望する事項については同時並行で日本専門医機構に登録をしていただくということですので、それがつぶれていかないと、結局、地域の問題が解決していかないということだと思いますので、そこは私どものほうも都道府県の要望がちゃんと改善に結びついているかどうかというのは間に立って調整させていただければとは思っております。

○今村委員 ありがとうございました。別に県を信用してないわけではないのですけれども、理念に大きく反対される方たちはいないわけで、先ほど学会の調査というのもあったと思います。日本医師会も調査をすると。県は県で調べると。恐らく病院団体は病院団体でそういうのを調べていただくという、重層的に本当に漏れがないかどうかということをやっておかないと、県に任せておいたらそれでいいだろうという話では私はないと思っていて、やはり関係者がそれなりに努力をしてこのことをやっていかなければいけないのだと思っておりますので、日本医師会は日本医師会としてしっかりやりたいと思いますけれども、きょうお集まりの方たち、いろんな方たちがいらっしゃるので、それぞれの団体でやはりそういう現場の地域医療に混乱が起こらないということをしっかりと担保するような調査を行っていただきたいと私は思っております。

○永井委員長 山口委員。

○山口委員 今の協議の場については、私も、今村委員と全く同じ意見です。さっき、永井委員長が、これは地域で育てていく専門医ですよねと確認をされましたけれども、1月16日に通知が出ているのに、都道府県がまだこういう状況であるということは、地域で育てるという共通認識ができてないということの象徴ではないかなと思いますので、まずそのあたりから、どういう役割を担うのかということをしっかりと伝えていただきたいと思います。やはり責任を持ってやっていただく必要があるのではないかなと思います。

私も、患者の立場で言いますと、この専門医制度のそもそもの目的というのは大賛成で、第三者が認め、そして国民から見ても、いろんな専門医があるのではなくて、信用していいのだということの安心につながる制度だと思っていました。

前回の医療部会の中で出てきた問題に対して今回ほとんどお答えがなかったわけですが、いろいろ言われている地域の偏在であったり、専攻医の身分保障、それから時間がなくて丁寧にプログラムを作成できないとか、大学に権限が集中するのではないかなど、いろんな問題が指摘されています。例えば私が聞きました話でも、先ほどから出ている総合診療医の指導医に関しては、機構の中で1泊2日の講習会をして指導医を認めていくというようなことが決まっているけれども、その日程もまだ決まっていないまた、内科のプログラムの中で、養成期間は3年になっているけれど、プログラムはほぼ2年で完結するようになっていて、3年目になるとサブスペの準備に入っていいのだというような、なし崩しになっているのではないかということが幾つか問題として聞こえているところでもあります。

そういうことを踏まえて考えますと、この制度はいったい誰のための制度なのか。最終的には患者かもしれませんけれども、若い医師をどのように育てていくのかという当事者は若い医師たちなわけです。そこにポイントを置かないと、来年の4月、もうスタートで、準備をしているからするんだではなくて、やはり専攻医の人たちが安心して研修を受けられるような、不安を払拭するということが私は大事ではないかと思っています。

もちろん、国民から見ても、見切り発車の育成では安心できる専門医が養成されないということになるのではないかという危惧も覚えています。ですので、これは要望ですけれども、今出てきている問題点を、まずどんな問題があるのかということをしっかりと洗い出しをした上で、それについて本当に解決する可能性があるのか。調整しますとか準備しますではなくて、きちんと根拠のある、このようなことをやっているから大丈夫なのだということをぜひ見せていただきたいと思います。そして、その解決できる期限がいつなのか、それも根拠はどうなのかということをぜひこの検討会の場で明らかにしていただきたいということがまず要望です。

それを要望した上で2つ質問がございます。医療部会の中でもほとんど見えてこなかったのですけれども、こういう大きな制度を動かしていくということになると、専門医機構の事務局体制が非常に重要な位置を占めてくるのではないかなと私は感じています。一体、今どういう立場の人がどんな役割で事務局体制を築いておられるのかというところが全然御説明の中では見えてこなかったので、それをちょっと機構の方に質問させていただきたいというのがまず1点。

そして2つ目として、これは恐らく専門医、手を挙げたら受験料というものが必要になって、認定されるときには認定する費用というのがまた生じてくると思うのですけれども、そういったことのお金の流れというのも全体像の中で見えてきていないところですので、その2つについてお答えいただけるようでしたらお答えいただきたいと思います。

○永井委員長 いかがでしょうか。

○池田参考人 事務局体制については、御承知のように、この新しい専門医機構が立ち上がったのは約2年前なのですけれども、その前に、社団法人日本専門医制評価認定機構という機構がございまして、そこで新しい専門医制度、どのようにするかという議論をいたしておりました。そこで事務局長以下、事務をやっていた人たちが中心になって、新しい機構でも事務局機能を担ったということでございますけれども、しかし、仕事の内容が非常に多岐にわたってきまして、そして事務作業も多くなってきたということで、事務員の数をふやしているという状況でございます。

それから、受験料、認定料等については、一応それぞれの学会の先生方と十分に御議論しながら、適切な値段で設定させていただいていると。先ほど邉見先生おっしゃられたように、この機構はそういう事務量が非常に多くて、それから、全国からいろんな委員の先生方が月に何回も馳せ参じて議論して、そして、研修プログラムをどのようにつくっていったらいいかと、あるいは更新の仕組みはどうしたらいいか、あるいは専門医制度全体としてどうしたらいいか、非常に熱心に議論しているわけですけれども、その方たちの旅費とか会議費を捻出しなければいけないということもありまして、財政的なバックグラウンドをしっかりしないとできないということもございまして、財務委員会を充実させて、財政基盤の確立に向かってやっているということでございます。

受験料その他に関しては、やはり学会がこれまで専門医制度を担ってきましたので、学会が受験料としてそれぞれ幾らを出しているかということも含めて考えていかなければいけないと思いますけれども、少なくとも2017年に始まったとしても、2020年という段階で受験することになりますので、そこまでの間にやはり皆さんのコンセンサスを得ながら進めさせていただきたいと思っています。

○山口委員 済みません。今のお答えに対して。

前者の事務局のことですけれども、先ほど邉見委員が、手を挙げているのにそれに回答がないということ自体が、事務局の機能として十分でないことの象徴的ではないかと思います。それから、定款はしっかりつくっているけれども、アピール不足ということも、もしかしたら事務局体制が今では不十分ということもあるのではないかと危惧しています。ですので、今の状態で本当にこの先やっていけるのかどうかということも、事務局体制をいま一度見直していただく必要があるのではないかということだけ、一言申し上げておきたいと思います。

○池田参考人 ありがとうございました。

○永井委員長 末永委員、それから邉見委員、どうぞ。

○末永委員 私もちょっと専門医機構のほうにもかかわっておりまして、いろんな経緯を知っておりますのでしゃべりにくいところもあるわけですけれども、実は専門医機構が目指している医師像だとかそういうことについては、多分、総論については反対はないと思うのです。ところが、専門研修プログラム認定だとかそういうことが起こってから、いい専門医をつくりたいということで非常に基準が厳しくなった。先ほどちょっと外科等のお話を伺って、それでも地域によってはまた配慮するということはようやくわかったわけですが、そうでないところではもう本当に厳密な条件の中で全てが進んでいる。そのために、基幹施設になるところもごくごく限られてしまったという思いが基本的にありますね。

 その中で大規模病院だとか大学病院に集中するとか、中小病院から見れば、そうしたときに連携施設になればいいという話があるかもしれませんが、でも、専門医の更新のときにも実績評価がかなり強調されていますので、そうすると、症例数が少ないところだと、大学の異動がどうこうということでなくても、御自身が大きい病院に行かないと維持ができないと考える人も出てくる。そうすると、中小病院のところからそういう人が抜かれると専攻医が行けなくなるということもあるわけですね。

 僕が常々思っていますのは、地域医療を守るというときの大学の先生方の認識の地域医療は、多分、大規模病院で主立ったところをやっているところの地域医療。だけれども、例えば病院団体で中小規模もいっぱい抱えているところの者から言いますと、地域医療で本当に苦労している中小病院、そういうところの視点がちょっと抜けているのではないかということを感じるわけです。

 それを補うために協議会の設立ということが出てきたと思うのですが、1つ心配なのは、今まで地域医療支援センター、あれは全国的にあっても1つとして僕は機能しているところはないと思っているわけです。そうすると、課長の1月16日の通達、あるいは局長の2月26日の通達、あれも存じ上げていますが、そういう通達一つでそれぞれの地域で本当に権限を持った組織ができて、そこまで配慮できるかという保証がないのですね。その部分についてもう少し詰めておかないと、それは医師会も絡む、あるいは病院団体も絡むということは形としてはできるのですけれども、そこで本当にこれだけの期間でそういう配慮ができて調整がつくのかどうかということについて、やはりちょっと危惧の念を持ちます。

 よくいろいろ考えておられるということは重々承知の上、でも、人の問題で激変が起こると地域医療の崩壊につながるものですから、激変が起こらないような体制はやはりきちんと考えておかなくてはいけないのではないかと思っております。

○永井委員長 邉見委員、どうぞ。

○邉見委員 山口委員からのお話がかなり事務局の構成、あるいは財務、これは物すごく大きな問題で、今、プログラム委員なんかはほとんど掛け持ちのボランティアですね。自分たちの職務をやりながら行っているわけです。だから、総合診療をやっている先生も、K先生ですけれども、その人も地方の県庁からお金もらいながら行っているわけです。そのようなことですから、なかなかしんどいのですね。だから、先ほどの904億円のちょっとでもいいですからこちらへあげて、この地方再生を敷金としてやるというのは私はいいのではないかとさっきから言っているわけです。それが1つですね。

それから、末永先生のあれには、ちょっと失礼ながら、間違いがあります。横の鶴田先生が挙げるはずですけれども、私も、地域医療支援センターは2つしか活動してないと。島根と北海道だと言ったのです。そうしたら、その講演会に鶴田委員がおられまして、静岡もうまくいっていると言われたのです。だから、3つはうまくいっているのです。それをまず言っておきます。

それで、日本の医療を支えているのは、いつも加納先生が言っておるように、民間の中小病院なのです。全部をトータルしたら。我々自治体病院、地方では頑張っていますけれども、東京、大阪なんていうのは圧倒的に民間の中小病院が支えているのです。そういうところが全く視点に抜けてしまうのです、このプログラムでは。そういうところもやはりきめ細かい御配慮をいただきたいなと私は思います。

○永井委員長 加納委員、どうぞ。

○加納委員 邉見先生おっしゃっていただいてありがとうございます。前から申しますように、8,500の病院の8割は民間で、そのうち5,700ほどは医療法人であるし、そういった意味で、日本の医療は民間が結構頑張っている。救急車も6割受けていると。その現場から、これから多分一番大事なのは高齢者医療をしっかりとどのように担うか。特にこれからの15年間ぐらいのスパンの。その中で専門医をつくっていくことも大事だと思うのですが、やはり医療現場をどうやって維持するかということもしっかり考慮していただいた専門医制度であるべきかなと思いますので、邉見先生おっしゃっていただいたのはそういう趣旨での御発言かなと思っております。

○永井委員長 森委員、どうぞ。

○森委員 少しだけなのですが、地域医療というのは、私は愛知県ですけれども、制度改革がいろんなところで進んできているわけですね。そういう視点というのも全然欠け落ちているような気がしますし、だから、地域の協議会をつくったとしても、今のやり方、中央集権的なやり方をしているので、どれだけ地域の協議会が力を持つかといっても非常に不透明なのですよ。そうすると、今一番大事なのは、さっき申し上げたように、日本専門医機構が失いかけている信頼をどうやって、若い先生や、今、専門医である医者たちが、新専門医に移行する人たちも含めて取り戻すかということのほうがずっと重要で、ここにいる人たちを説得させても僕は意味がないと思っているのですけれども、もっと大きなうねりが始まっていると思います。

 ですから、国民目線できちっと、自分たちがやっていることは修正すべきところは修正しなければいけないなという謙虚な気持ちをここで出さないと、もう出すところないと思うのですね。協議会をやって、地域でつくってくださいと言いました。だから、そこで検討していますと言うだけでは何の解決にもならないと思いますので、もう少し姿勢そのものを変えて、どのぐらい権限をどこにどのように渡すのかという具体的な策をきちっと出していくということのほうがずっと今は大事だと、そういう時期だと思っています。

○永井委員長 今村委員。

○今村委員 先ほどから、若い、これからの医師たちがどのような専門医になっていくのかということで、これは提案なのですが、厚労省は御検討いただければと思いますけれども、今、若い先生たちの危惧は何なのかとか、今、先生おっしゃっていただいたような不安感を払拭するために、そういう方を一度ぜひヒアリングで呼んでいただいて、今何を心配しているのか、どういうことが問題になっているのかということを聞いていただければと、お願いです。

 それからもう一点、事務局のお話、山口委員からもおっしゃって、私も、機構の監事として、理事会の中でも事務局機能の強化というお話が理事の先生方からも出ておりますし、私も申し上げたことが何回かございます。お金を使って新たな人を雇うということも大変だと思いますけれども、社員は理念に少なくとも賛同して機構の中に参加しているので、そういった長年の大きな組織を運営している団体の事務局機能を活用していただくということも機構にはぜひ御検討いただければと思っています。

○永井委員長 ほかに御発言いかがでしょうか。

 北村委員。

○北村委員 医学教育の歴史の問題で仕方がないことなのですが、資料3を見ながら、県の協議会について御質問したいのですが、机上配布資料3(産婦人科)、例えばの話ですが、北海道の場合、基幹病院が4つあって、41の関連病院があります。そして、41全部が北海道にあります。一方、東京の場合は119の基幹病院で173の病院を回すことなのですが、東京都にあるのは78だけで、100は、言ってみれば東京の大学が千葉、埼玉、神奈川、あるいは栃木、茨城等に医師を派遣しています。あるいはもっと下に行きますと、極端な例だけを言いますと、岡山は41の関連病院が4つの基幹病院で回していますが、そのうち岡山県にあるのは11です。30の病院は岡山県外にあるということになります。

 それで、各県が独立して協議会をやってコントロールできるのかということを御質問したいのですね。言ってみれば、いわゆる道州制みたいな形で、もうちょっと広域的に考えていただいて人の動きを把握しないと、県だけでやると、先ほど邉見委員がおっしゃったような、医師の配置がない県ができたりするのではないかと危惧していますが。

○臨床研修指導官 まず、先生御指摘のとおり、机上配布資料3をごらんいただきますと、基幹施設の連携施設があって、そのうち、その都道府県内にある施設が限られている場合があると。要は、県をまたいで基幹施設の関連病院といいますか、連携先があると。確かにおっしゃるとおりでございます。

資料3の2ページ目をごらんいただけますでしょうか。そういう都道府県をまたいだプログラムについて、2ページ目の2の4月中の(2)でございます。まずは基幹施設が県内、県外関係なしに、その連携施設に対して、このプログラムの中ではこのように研修をしてもらう、このようにローテートするとか、あるいはこのように指導体制を考えていくということを連携施設の間でしっかり情報共有する。それを受けると、その下のところ、先ほどの繰り返しになるのですけれども、連携施設のほうが、自分の基幹施設は別の他県にあるけれども、自分の病院にはこのように研修が行われるのだなということがわかれば、その意見を都道府県内で拾い上げることができるのではないかということを考えております。

○永井委員長 いずれにしても、地域偏在の問題は、地域で育てるにはどうするのかという問題と思います。そのときの協議会の役割や権限の問題、そこが非常にポイントになってくると思います。多分これは全体の議論の中で一番大事なシステムではないかと思いますが、よろしいでしょうか。きょうは第1回目ですので自由に御発言いただきましたが、次回に向けて少し議論を整理したいと思います。

 どうぞ。

○小川委員 医学生涯教育を考えたときに専門医制度だけを切り分けて議論はできません。その一方で、この間、卒前医学教育は物すごく変わりました。例えば共用試験の合格基準を全国80大学で統一するとか、あるいはスチューデントドクターの称号を授与して、それでさらに学生ができる医行為も整理をして、そして、診療参加型の臨床実習ができるようになったと。それから、JACMEも立ち上がり、改革がどんどん進んでいくのだろうと思います。このように、卒前医学教育は大きく変わってきます。

卒後の医学教育の中で初期臨床研修制度に関しましては、もう既に要望書が提出されておりまして、このように卒前医学教育がどんどん変わってきているのだから、現行の臨床研修制度がそのままではいけないでしょうと。ゼロベースで見直して、部分的な手直しでない、基本骨格からの抜本的な改革を行っていただきたい旨国に要望が入っております。厚生労働省としても、これを検討するような新たな検討委員会を立ち上げる予定になっているはずです。要するに専門医制度だけを切り分けて議論をしてもなかなかうまくいきません。卒前医学教育、あるいは臨床研修制度が今後どのように変わっていくのかということと連動して専門医制度も変わっていかなければならないだろうと思いますので、その辺に関しましても、ぜひルールをきっちりと明確にしていただければありがたいなと思っております。

○永井委員長 わかりました。いろんな御議論が出ましたけれども、次回にもう一回整理して、さらに議論を深めたいと思います。よろしいでしょうか。

 そうしましたら、次回の予定について、事務局から連絡をお願いいたします。

○臨床研修指導官 ありがとうございます。次回の専門委員会の日時につきましては、追って事務局から御連絡させていただきます。

また、本日、机上配布資料を置いておりますが、こちら、固有の病院名等々載っておりますので、持ち帰らず、置いていただきますようお願いいたします。

 以上です。

○永井委員長 ありがとうございました。

本日の委員会はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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