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2016年3月31日 医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第4回)議事録

医政局医事課

○日時

平成28年3月31日(木)13:00〜15:00


○場所

厚生労働省省議室(9階)


○出席者

構成員

荒川 哲男 (全国医学部長病院長会議会長)
一戸 和成 (青森県健康福祉部長)
今村 聡 (日本医師会副会長)
小川 彰 (岩手医科大学学長)
片峰 茂 (長崎大学学長)
神野 正博 (全日本病院協会副会長)
北村 聖 (東京大学大学院医学系研究科附属医学教育国際研究センター教授)
権丈 善一 (慶應義塾大学商学部教授)
小森 貴 (日本医師会常任理事)
平川 淳一 (日本精神科病院協会常務理事)
平川 博之 (全国老人保健施設協会副会長)
福井 次矢 (聖路加国際病院院長)
本田 麻由美 (読売新聞東京本社編集局社会保障部次長)
松田 晋哉 (産業医科大学医学部教授)
森田 朗 (国立社会保障・人口問題研究所所長)
山口 育子 (NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)

参考人

藤田 伸輔 (千葉大学予防医学センター教授)
山本 紘子 (日本女医会 会長)

○議題

1.医師の需給推計について
2.医師偏在の課題と対策について

○議事

○海老名医事課長補佐 定刻となりましたのでただいまから第 4 回「医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会」を開催いたします。構成員の先生方におかれましては、年度末の大変お忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。カメラ撮りはここまでとしていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は全構成員から出席の御連絡を頂戴しておりますが、荒川構成員、全国老人保健施設協会の平川構成員が遅れているようでございます。また、本日の会議には参考人といたしまして、日本女医会会長の山本紘子様にも御参加いただいております。なお、藤田参考人からは急遽御都合がつかなくなり、御欠席との御連絡を頂戴しているところでございます。以降の議事進行につきましては、片峰座長にお願いしたいと思います。片峰座長、よろしくお願いいたします。

○片峰座長 それでは開始したいと思います。本日は第 4 回ということで、議論も佳境に入ってくると思います。本日も活発な御議論をお願いしたいと思います。最初に事務局より資料の説明をお願いします。

○海老名医事課長補佐 お手元に議事次第があり、そちらに資料が書いてありますが、順に説明します。資料 1 A4 横のパワーポイントの資料ですが、「医師の需給推計について」、資料 2 「医師偏在に係る課題 ( その 3) 」、資料 3 「医師の地域偏在、診療科偏在の是正に向けた考え方」一戸構成員から御提出いただいている資料です。不足する資料、落丁乱丁がありましたら事務局にお申し付けください。

○片峰座長 ありがとうございます。それでは議題 1 「医師の需給推計について」に移りますので、事務局から説明をお願いします。

○松本地域医療構想策定支援専門官 医政局地域医療計画課です。資料 1 に基づき説明します。「医師の需給推計について」ですが、今回はマクロでの日本全国を一体とした需給推計を行い、 2040 年まで数値を示しております。※にありますが、今回の需給推計の位置付けについて、あらかじめ説明いたします。前回の第 3 回までの間に藤田先生、松田先生から御提示された方法論を含め、御議論いただいたところ、一定の仮定前提を置くことになっておりますので、それらを踏まえ、厚生労働省が推計した結果をたたき台として、議論のためにこの場にお示ししております。このため、今回の推計については、本日の議論を踏まえ、必要な見直しを行っていくことを前提としております。また、中期的にも今後、各都道府県が策定する地域医療構想等を踏まえ、更なる推計の見直しを行う余地があるというものです。

 まず、需給ですが、供給から説明します。資料 1 3 ページ、大まかに供給の推計方法を説明しますが、第 1 回に藤田参考人等から御説明がありましたように、そこでの方法と基本的には同じ方法を取っております。次に、医学部定員の前提ですが、平成 28 年度の 9,262 人がずっと定員として続くという仮定を置き、推計しております。後ほど説明しますが、女性医師や高齢医師などの仕事量を勘案した推計となっております。下に図がありますが、現在の就業者数を諸々のデータが求め、それが将来に反映されていくという形で推計をしております。

5 ページ以降ですが、第 1 回目の資料等おさらいで出しているものですので、順に飛ばして 10 ページ以降の仕事量から説明していきます。

11 ページ、これまでの分科会での御意見として、女性の先生や高齢の先生、研修医の先生等から、労働時間や経験や技術の違いがあるので、これらを踏まえるべきではないかということで、これら 3 者については仕事量を定義し、労働時間や経験、技術を勘案した値を踏まえたいと思っております。 30 50 歳代の男性医師の仕事量を 1 として、相対的な値で割り付け、供給推計に反映させていこうということです。

12 ページ、まず、女性医師についてです。仕事量の計算が下にありますが、既婚・未婚の別や子供の有無、子供の年齢等に応じて、労働時間が減少するというデータがあるので、下にあるようにそれらの仕事量と女性医師全体に占める割合を勘案し、掛け合わせております。およそ 0.8 という値があるので、こちらの係数を全年齢の女性医師に掛けて推計しております。

13 ページ、高齢医師です。下の仕事量の計算の 1 ペケ目ですが、労働時間が一般的に短い傾向があるということで、仕事量が低いという係数を掛けて推計しております。 2 つ目のペケで病院の勤務医について、 3 つ目のペケで診療所の医師について、それぞれ、それより下の年代の医師と比較したときの平均労働時間がやはり少ないというデータがあるということです。一番下のペケを御覧ください。 60 歳以上の高齢医師の労働時間を踏まえた仕事量を 0.8 の係数を掛けて推計しております。

14 ページ、研修医です。いわゆる臨床研修医であり、一般的に卒後 1 年目、 2 年目といわれる初期研修医の方々の労働量、仕事量ですが、労働時間としては短くはないといわれておりますが、診療の経験が少なく技術も取得途上にあるということで、仕事量を低く見積もるという係数を掛けております。今回の推計の対応として、 2 ペケ目にあるように 1 年目の研修医に関しては 0.3 3 ペケ目にあるように 2 年目の研修医については 0.5 という係数を掛けております。これについては男女の別はない係数を掛けております。以上の前提に基づいた医師の供給数の長期推定結果ですが、 2040 年までの値を示しております。先ほど申し上げたように医学部の定員はこれからもずっと平成 28 年度の 9,262 人と同じであるという仮定を置いていることが 1 点です。

 もう 1 点は、今申し上げたような仕事量の考慮について、 30 50 歳代の男性医師を 1.0 とした場合に、個々の働き方とはまた違う、おしなべての仕事量になりますが、女性医師については 0.8 として、高齢医師については仕事量を 0.8 として、研修医については 1 年目は 0.3 2 年目は 0.5 という係数を掛けて長期推計を出しております。 2040 年で、その係数を掛けた後の数字で 33 3,000 強という推計結果になっております。

16 ページ以降、需要推計、必要医師数の推計についてです。

17 ページ、前回に示した資料を修正しており、下の5に下線を引いております。臨床と臨床以外の従事医師を分けて推計し、 (1) の基本方針にあるように、臨床従事の医師の推計は入院と外来と介護老健の従事医師ですが、こちらは分けて推計を行っております。推計方法の2にあるように、現在の医療体制で必要な医療サービスについては、おおむね提供できているという前提に立っておりますが、前回の御指摘を踏まえ、足下の不足感というものがある程度可視化できるような推計をしていますが、後ほど詳しく説明いたします。

 5を御覧ください。医師数については供給推計と同様に仕事量を考慮して計算しており、女性医師や高齢医師を 0.8 とすると、先ほど説明した係数を掛けて全体推計をしております。方法論については少し細かくなってしまうのですが、 18 ページ以降で説明していきます。

18 ページを御覧ください。上に推計方法×=とあります。基本的に全体ですが、将来の医療需要×医療需給当たりの医師数で、将来の医師の需要推計を行っていくことが基本的な考え方です。下に、入院医療とありますが、この中には一般療養と精神病床との両方が含まれております。まず、将来の医療従事については地域医療構想の必要病床数を使う。精神科に関しては、新しく推計を行っております。病床当たりの医師数については既存のデータから取ってきて、将来の医師の需要推計を行うということで、右側に結果がありますが、下に注があり、縷々説明していきます。

 まず、地域医療構想の将来の必要病床数、一般療養病床についてですが、幾つかパターンがあり、パターン C といわれる推計に基づいております。一番下に注がありますが、いわゆるパターン B は、療養病床の平均化を行っているのですが、その割合が最大の県が、全国中央値レベルまで低下するというパターンを取るというものです。更に一定の要件を満たした二次医療圏については、 2025 年までに行う数値を 2030 年までに引き延ばすというものがパターン C ですが、こちらに基づいているということです。

 ※ 1 2 つ目の○、精神病床は地域医療構想に含まれていないため、今回、一定の仮定を置いて推計しておりますが、平成 24 6 月の検討会の取りまとめを踏まえて行っております。入院期間別に、 3 か月未満、 3 か月以上 1 年未満、 1 年以上と 3 つの区分に分けております。なお、受療率を用いて計算しておりますが、直近の年齢階級別の入院受療率を、将来は人口が変わるので、この推移に当てはめております。しかし、近年の受療率が精神病床の場合は低下傾向にあるので、年齢階級別それぞれで反映して将来推計を行っております。

19 ページ、※ 2 、医療受療当たり医師数です。まず医師数については一般療養も精神病床も共通ですが、三師調査を使って病院で従事している医師数を持ってきて、その次に医療施設調査を用いて、一般療養別と精神別として、それぞれ勤務する医師数を按分しております。それと同様に、 1 つ目の○の後半ですが、診療所で従事している医師数を三師調査から持ってきて、医療施設調査で有床・無床の別が分かるので、その比で按分しております。 2 つ目の○ですが、その一般療養の医師数を按分した数を、更に高度急性期から慢性期までの 4 つの機能に分けておりますが、これは現状の病床機能報告制度を活用して行っており、それは次のスライドで説明いたします。精神病床については、病床値数は 3 つの区分に按分するとのことですが、後半にあるように、 3 か月未満と 3 か月以上の医師数配置は 3 1 ということで推計しております。 4 つ目の○ですが、前回示したように、この 3 つの区分を行わないパターンというのも計算を行いたいと思っていますが、今回は混乱を避けるためにそちらのバージョンは示していないので、今後示していきたいと考えております。

20 ページ、先ほども申し上げたように病院全体から一般病床、療養病床の医師数を求めた後、高度から慢性期まで 4 つの機能に振り分けるのですが、その方法についてです。 3 つ目の○ですが、現状の病院機能報告制度を活用するということで、その下に表があります。高度急性期から慢性期まで同じ考え方でやっており、高度急性期の所を御覧いただくと、全ての病棟を高度急性期と報告した病院の数で医師数を病床数で割り、病床当たりの医師数を求めております。こちらの病院からは大学附属病院は除いております。

 同じような考え方で全ての病棟が急性期の病院、全ての病棟が回復期の病院、全ての病棟が慢性期の病院を使ってこちらの数値を弾き出しております。結果ですが、高度急性期 4.8 :急性期 2.7 :回復期 1.5 1 という結果になっております。こちらは慢性期を 1 とした場合の医師配置数です。参考として述べておりますが、地域医療構想における医療資源投入量を用いて按分する方法も前回示しております。結果は 15.9 4.0 2.1 1.0 ということで、高度急性期にかなり大きい配置になっておりますが、こちらについては下に記載があるように、医療資源投入量の中には、医師以外の医療従事者の人権費等が含まれており、そのまま用いることがなかなか難しいと考えられるので、今回の推計ではこの方法ではなく、長期の方法を使うことにしております。

21 ページ、入院外ですが、将来の外来患者数を用いて医療需要を見ているところです。上に34とあり、外来で受診される患者さんと訪問診療在宅とで 2 つに分けておりますが、右側の合計については合算した値でうち数を示しております。※ 1 にあるように、外来医療については、前回もこちらに示しましたが、病院及び有床診療所の外来需要については、入院需要と一体として推計するということで、無床診療所部分の推計値のみ出しております。

2 つ目の○にあるように、患者数についてはレセプトデータに基づいて外来患者数を求めて、最初は在宅の患者さんも一体として求めており、※ 2 にもあるように訪問診療の患者さんを別に分けております。地域医療構想においては将来、追加的に在宅医療等で対応する患者数がパターン C の場合、 29.7 万人で、こちらを医師需要に含めております。医師数ですが、一番下にあるように、診療所で臨床に従事する医師数を三師調査から取ってきて、医療施設調査で有床・無床の比が出るので、それで振り分ける形になっております。

22 ページ、介護老人保健施設は入所者数の将来推計をし、それに比例して医師数が伸びていくという形です。※ 1 、入所者数についてはこの場合、介護給付費実態調査の年齢別の集計を行い、将来の人口に当てはめる形で取っているのが 1 点です。※ 2 、医師数については三師調査から取っているという形になります。これらが基本的な考え方ですが、臨床に従事する医師については、上位・中位・下位と幅を持った推計をしております。

23 ページ、幅を持った考え方については 3 つの観点からなります。 1 つ目は労働時間の適正化で、これを見込むということです。考え方としては、高度急性期及び急性期の従事医師については非常に長い労働時間になっており、これを短縮させることを一定程度見込むということで、上位・中位・下位としてあります。これは後ほど説明いたします。 2 つ目は精神病床の入院需要の年次推移です。この年次推移からトレンドを取るのですが、この幅を見込むということです。 3 つ目は、外来需要の年次推移で同じように近年のトレンドをどのように見込むかということで幅を持たせております。

24 番のスライドを御覧ください。労働時間の適正化の見込み方について、上位・中位・下位として順番に説明していますが、考え方は共通であり、上位推計で説明いたします。まず、週当たり勤務時間ですが、 JILPT といわれる独法の勤務医の実態調査を基に病院の調査を行っており、診療所については国立保健医療科学院の別調査、介護老人保健施設については、全国老人保健施設協会の調査を使って時間を比較しております。一番上に病院全体となっており、精神病床を除いた部分がその下です。精神病床を除いた部分を高度急性期・急性期と回復期・慢性期に分けると右側のような時間になっております。おおよそ、高度急性期・急性期は 56.6 時間となっておりますが、その下の回復期・慢性期や精神病床、診療所については、おおよそ 45 時間前後となっております。右側を御覧ください。直近から将来までの適正化ですが、この回復期・慢性期や病院・診療所を加重平均すると 45.7 時間となっているので、高度急性期及び急性期という長時間労働の部分が将来においては、回復期・慢性期、精神、診療所と同じレベルまで低下するというのが、上位推計の考え方です。

25 ページ、基本的な考え方は今と同じであり、ほかの病院や診療所との 45.7 時間の差の場合は、 50 %が縮小するというものが中位推計です。

26 ページ、下位推計ですが、これは差の 25 %を縮小するというものです。こちらが労働時間の見込み方です。

27 ページ、精神病床の入院受療率の推移です。先ほど申し上げましたが、箱の中でもう一度説明してあります。基本的には受療率を将来の人口に当てはめるのですが、近年のトレンドを反映するということであり、左下にあるように、平成 14 26 年までの患者調査におけるトレンドを入院期間ごとに 3 か月未満と 3 か月〜 1 年未満、 1 年以上の 3 つに分けてトレンドを取っております。 3 か月未満については上昇している年代と下降している年代とありますが、 3 か月以上については、おおむね下降トレンドということです。右側のグラフで入院期間 1 年以上の男性ですが、 50 歳代と 60 歳代、 70 歳代の前半について近似したトレンドを示しております。

28 ページ、外来受療率についても同じようなトレンドを計算しております。左下の表ですが、変化率としては、おおむね若年に関しては上昇傾向、高齢の方に関しては下降傾向とのことです。右側にも示しておりますが、 0 4 歳や 5 9 歳については上昇の傾向、 80 歳代前半についてはトレンドはないとのことですが、 70 歳代前半についてはやや下降のトレンドにあるとのことです。これらを将来に投影しているという説明です。

29 ページ、今申し上げたようなトレンドですが、上位・中位・下位ということで、この傾きを年代ごとに 10 %上下させて、上位・下位ということで幅を持たせているという形になります。更に追って上位・中位・下位となっているので、これまでのものを全て合計して、一番上方の推計が上位推計、一番下方の推計が下位推計ということになります。総計した結果については一番最後にお示しします。

 次に、 30 ページ以降は臨床以外に従事する医師についてです。 31 ページに 1 つ注意点があり、○の中の後半にあるように、こちらも仕事量を考慮し、女性医師や高齢医師を 0.8 とする等の対応を行った後の数字です。現状数は臨床以外は合計で過去よりはやや小さいですが、 8,640 人ということで、将来 2040 年には 1 3,100 人ということで、 50 %程度増加する見込みです。順番に説明しますが、 32 ページは三師調査の結果であり、恐縮ですが、このスライドだけ仕事量を考慮して 0.8 を掛けるという加工をしていないスライドになります。

33 ページは医育機関等に従事する医師であり、臨床研究以外の基礎研究等を行っている医師になります。こちらについては2にあるように、アンケートにより 20 %増という回答があることから、今後 20 %増加するという推計を受け、下記にあるように 4,700 人から 5,600 人に増加するという 2040 年の数値を推計しております。こちら以降は仕事量を考慮して男性、女性に 0.8 を掛けるという処理を行った数値です。

34 ページは産業医の推計であり、近年の上昇トレンドを踏まえ、将来に投影しております。現状は 1,500 人から将来の 2040 年で 2,740 人という推計です。

35 ページは行政機関に従事する医師ですが、幾つかのジャンルがあり、矯正医官や検疫所、地方自治体、厚生労働省本省に勤務する医師等、厚生局も含めております。こちらについては将来に人材確保・育成等の動向を踏まえ定員を充足した上で、更に 20 %増やし、 1,600 人から 2,170 人という推計です。

36 ページは製薬業界に従事する医師についてですが、日本製薬医学会の会員数等を基に、日本全体の足下の数を 450 人と推計しており、これが高齢医師、女性医師との勘案で 420 人です。左側に数値がありますが、 2025 年までに世界最高水準のドイツ並みに約 3 倍に増えるとした上で、更に 10 %増として 1,570 人という推計を行っております。

37 ページは国際分野に関連する医師についてです。説明にあるように、関係閣僚会議で平成 32 (2022 ) 500 名の登録者を目指すということで、その後も 20 %増の傾向で推計し、 260 人から 670 人という推計を置いております。こちらの 260 人という現員ですが、下に書いてある1〜4の職員数を足したもので、当然この中には医師以外の現員数も含まれていますが、少し精査が間に合わない所があり、 260 人全て医師という仮定で一旦、推計を行っております。将来推計も全て医師という仮定を置いております。今、厚生労働大臣の下に国際保健に関する懇談会があり、そちらの議論の結果等を踏まえ、随時修正していきたいと考えております。

38 ページはその他の分野で、社会保険診療支払基金や血液センター等に従事する医師ですが、 20 %増の傾向を見込み、将来推計は 350 人としております。先ほど申し上げたように、結論としては、全て合計すると 8,600 人から 1 3,000 人への増を見込んでおります。

39 ページ、今までの需要を全て合計したもので、中位推計のグラフになっており、全て積み上げて推移を見ると、このような形になるというものです。

40 ページ、 41 ページですが、これらの需要と供給を合わせた需給の推計です。

 最後にグラフで説明しますので、 42 ページを御覧ください。カラーの方は赤の所で、白黒の方は◇のマークですが、こちらが供給推計です。前半で説明したとおり、平成 28 年度の 9,260 人という定員据置きのまま増えていった場合です。需要推計については、上位・中位・下位として示しておりますが、先ほどの仮定と同様に、労働時間、精神病床の入院受療率、外来医療の受療率について、最も大きくなる組合せで行ったものが上位、最も小さくなる組合せで行ったものが下位となっております。大変くどいようで恐縮ですが、女性医師に関して 0.8 という係数を掛けているもの、高齢医師に関して 0.8 という係数を掛けているもの等々考慮しております。

 一番最初の需要の所で説明しましたが、前回の検討会で足下における医師の不足感の御指摘があり、グラフの出発点において、需要のほうが供給よりも上位にあるという書き方になっております。需要については先ほど労働時間が長いとありましたが、高度急性期・急性期の労働時間で将来において短縮する部分を足下の需要に追加して、上方に移動させて示しており、こちらで足下から労働時間の部分が見えるような書き方にしております。中位推計において 2024 年頃に約 30 万人で需給の均衡が得られるという推定結果になっております。

 上位推計ですが、 2033 年頃に約 32 万人で均衡するということで、いずれの場合でもこの供給が続き、需要のほうは高齢化等があり下降傾向になるので、需給の間は開いていく方向と見て取れるということです。

 説明は以上です。前回からの議論ですが、需給推計の方法論、また、結果について、御意見等を頂き、御議論いただければと考えております。

○片峰座長 ありがとうございました。それでは御議論をお願いいたします。

○今村構成員 座長に確認したいのですが、この推計、一定の仮定を置いて、前提を置いて、必要な見直しを行うということを前提として推計するというのはそのとおりだと思うのですが、何年まで推計するという話は、この会で決まっていましたか。私が失念したのかどうか、 40 年までの推計ということになっていますけれども。

○片峰座長 この会ではこの議論をしてないですよね。 2040 年までの推計の根拠というのはございますか。

○松本地域医療構想策定支援専門官 お答えいたします。幾つかのパラメーターをどのぐらい入手できるかということですが、トップの方がいらっしゃいますけれども、社会保障人口問題研究所の将来人口推計に関して、詳細な割合が分かる年次がちょうど 2040 年までということで、今回区切りということにさせていただいています。

○今村構成員 当然、必要な見直しを折々に行うということなので、どのタイミングで行うかということはあると思うのですけれども、今社会の構造そのものが大きく変わろうとしていて、女性の医師の働き方であるとか、あるいは医学部教育の中の教育の中身が変われば、当然研修医の働き方というのも変わってくるでしょうし、医師の行う業務というものを見直しをしようと。更に ICT を活用して、それこそ AI がどこまで医療の中に入ってくるか分かりませんけれども、これから 25 年先の推計を現時点でするのは、いくら仮定であると言っても、相当無理があるのではないかなと私は感じております。ですから、どうせ見直しをするのであれば、もう少し現実的な時間軸の中で、推計をしたほうがいいのかなと感じたものですから、 40 年の根拠ということで少し伺ったのです。

○片峰座長 今の時間軸の問題が 1 つ、それから、今の御質問の中では、様々な社会の環境の変化があるわけですよね。これを見込んだときに、ある幅があるのだろうと見込むのが当然だろうと。今回の推計の考え方というのは、そういった中でどのように考えられていますか。その 2 点を御説明いただいたらいいと思います。

○松本地域医療構想策定支援専門官 御指摘のような要素は当然、この後の推計には影響を及ぼし得る要素だと思います。今、構成員から御指摘をいただいた ICT ですとか、効率化の観点ですとか、業務分担して、医師の業務を軽減していく方向等につきましては、基本的には必要医師数が少なくなるような方向への要素というのが幾つか御指摘があったと思うのですけれども、こちらの上位推計というほうが、 1 つ今回お示しをしておりますけれども、こちらが、要はいろいろな仮定を盛り込んだ場合、マックスといいますか、一番上の値ですよということでのお示しということになろうかと思いますので、これがある意味、今頂いた御指摘からすると、上限になり得る 1 つの値かなという意味でも、捉えられるかとは思いますが。

○今村構成員 もう 1 点だけ。医師の供給推計のほうで、いろいろな係数を作られていて、これは相当にエイ、ヤーでやるしかないなと思います。ただ、女性医師については、山本参考人から前回、ある程度の研究成果に基づいて、根拠のある数字として出されたと理解をしているのですが、それ以外の係数など、これから見直しをしていくときに、その係数に根拠がないと、ここがこう変わったからここの係数を変えましたとなかなか言えないのだと思うのですが、その辺は、見直しの際に、ある程度検証できるような形での係数設定になっているのかどうかだけ教えてください。

○迫井地域医療計画課長 まず、供給サイドの話で、先ほど担当の説明に若干補足をさせていただきますが、基本的に今回の推計の前提は、想定できるものについては勘案をするということです。今後、様々なサービスモデルが変わったり、 ICT の導入によって、基本的には効率化が進むという考え方もありますが、逆に様々な技術の革新によりまして、医師の需要そのもの自体は、逆に増加することも考えられますので、最大値という説明ではありましたが、私どもの理解は、基本的に想定されるものは前提としておきます、それ以外のものについては現時点では想定できないので、逆に言いますと、ニュートラルにしてあります。したがいまして、そういったことで、御議論の上で、もう少し具体的に、例えば医師の需要が減るのだから、そっちを前提に推計すべきだという御指摘があれば、そういう推計はもちろんできますし、逆の御議論もあり得ますので、多分供給サイドも同じ話だと思います。需要サイドは少なくとも、一定の想定ができるものについて勘案をして、設定をいたしましたと、そういう考え方です。

○片峰座長 よろしいですか。

○海老名医事課長補佐 基本、今、計画課長からお話があったとおりですが、私どもとしましては、 12 14 ページに整理をさせていただいておりますが、先ほどお話があったとおり、もっとこういう形で推計をすべきという御意見があれば、それを踏まえて進めてまいりたいと考えています。

○神野構成員  1 つ確認と、あと意見を申し上げさせていただきます。今おっしゃるように、非常にたくさんの係数がありますので、 1 個仮定が違うだけで、全然数値が違ってくくるという恐ろしい数字だなと思います。確認ですが、先ほど 20 ページの医師の需要推計の所で、高度急性期の医師数の現状について、大学病院を除くとおっしゃいませんでしたか、ちょっと確認です。

○迫井地域医療計画課長 はい。

○神野構成員 そうですね。そうすると、正に高度急性をやっていらっしゃって、もちろん教育もあると思いますが、多くの臨床医を抱える大学病院を除いて推計するのは、私としては、いかがなものかなと思います。

 それから、意見として、この仮定の話として、松田構成員の地域医療構想の 2025 年の医師需要というのは、もともと、 1 つの入院の中で高度急性をやって、急性があって回復期があるといったようなものを、全部足し上げたらどうだということでありますので、各期ごとに分けて、医師数を現状追認で出すのは、非常に無理があるのではないかなと思います。あくまでも初回のときからお話があったと思うのですが、あるべき医療、あるべき医師の労働環境を考えた上での需要推計ということかなと思うのですが、今回の流れは、現状追認といったものが中心になっているのかなというのが私の意見です。

○片峰座長 もう 1 つ御質問を受けます。

○平川 ( ) 構成員 精神病棟のことについて御質問させていただきます。 27 ページに精神病棟の入院需要率の推移ということがあります。我々、 20 年以上入院医療中心から、地域生活支援ということで精神科医療施策に協力してまいりまして、大変努力をしてまいりました。その結果としてこのような形で、若年層の人たちの入院が短くなって、結果的に、右肩下がりの需要率という結果になってきている。これは我々の努力の結果だと思います。それをトレンドとして延長していって、 25 年延長していくというような計算式と捉えたことになりますよね。これがずっと続くというのは、我々はずっと努力をし続けて、マイナス評価をされるというように我々は感じてしまいます。最後のまとめの前の所の、 39 ページの所を見ていただくと、精神科の場合、2の入院医療ということになっていますが、私の目の間違いかもしれませんが、 2015 年の所で、 1 万と書いてあるのが精神科医の数なのでしょうか。それが、 2040 年に 5,800 と書いてあって、 1 万人必要だったものが 5,800 人でよくなってしまうという、半分ぐらいで医者はいいのだというような計算をしていて、とてもではないけれども、私は現場感覚としてはちょっと納得がいかないことです。

 トレンドという考え方でいくのであれば、行政機関に従事する医師は、トレンドでいうと、どんどん下がって、 35 ページを見ていただくと、これだけ下がっていくわけですから、延長していけば、必要ないんじゃないかという話になりかねないのです。そういうような精神科だけ、別の考え方をされて、トレンドという表現で、医師数を想定されるというのは、大変残念に思いますし、これは少し見直しをしていただきたいと思います。

○松本地域医療構想策定支援専門官 今回の資料ですが、誤解を招くところがあるのかもしれませんが、まず、平川構成員が精神科というふうにおっしゃったのですが、精神科の総需要につきましては、当然外来ですとか、一般病床にいらっしゃる精神科の先生もいらっしゃると思いますが、一般療養に関しては、そちらの推計の方に含まれてしまいますし、外来医療をやられている部分につきましては、外来の推計に含まれてしまうということで、精神科全体の推計をしているわけではございませんで、あくまでも精神病床部分ということになっているということに、留意をいただければと考えています。

○平川 ( ) 構成員 入院医療につきましても、今ちょうど、検討会が開かれたばかりですけれども、正に今から変わっていく部分で、決してそれが今までどおりに続くわけではないので、全く推計をするところについては、機械的な推計をせざるを得ない状況であることは理解できますが、やはりほかの施策に影響はないということを、くれぐれも確認をしたいこと。

 もう 1 つ。認知症については触れていないようなところもありますが、認知症についても、これから 25 年間は大きな問題で、精神科医療が果たす役割が大きいかと思いますが、これについても整理がされないまま、将来推計をしているということについては、どのようなお考えなのでしょうか。

○松本地域医療構想策定支援専門官 まず、平川構成員御指摘の前者のところですが、今回の推計の目的としましては、直近に迫っております、医学部定員でありますとか、供給に関する考え方の整理のために、あくまでもマクロで推計を行っていまして、これが目標数であるとか、個別の部分の評価であるとか、そういうものをするためのものではないということについては、御指摘のとおり、改めて強調させていただきたいと思いますし、今後そういうことが分かりやすいような説明を縷々心がけていきたいと考えています。

 後者の認知症のところですが、御指摘のとおり、今回の推計は、マクロ推計でございまして、疾患別の推計を行っていないところです。しかしながら、その中でも認知症患者につきましては、直近の患者調査や、レセプトデータによって受診状況を基本的には捉えられていると認識しているため、マクロでは推計には含まれているという認識です。また、御指摘の中にあったかもしれませんが、認知症患者は今後増えていくということですけれども、当然、高齢者に多いということでして、今回、年齢階級別の推計を行っておりますので、高齢化の進展に伴って、将来認知症患者数が増えるということは、推計の中に一定程度含まれています。ただ、先ほどの御説明等ありますが、この認知症患者が、一般療養、精神、いずれにも入院しているということで、精神病床における部分で見えている部分だけで認知症全体が見えているわけではないというのは御指摘のとおりでございます。

 あと 1 点、先ほど御回答をし損ねておりましたが、神野構成員の御指摘部分ですが、大学病院の部分を除いたということですが、大学病院の従事医師につきまして、教育、研究への従事の部分が大きいという御指摘もありまして、今回除かせていただいたものですが、今後、必要に応じて、バージョン等で見えるようにするということも可能ですので、検討していきたいと考えています。

○山口構成員 グラフの見方で 1 つ教えていただきたいのですが、 42 ページの中位推計で 2024 年に約 30 万人で均衡するとあります。また、上位推計では 2033 年に均衡となっていて、恐らくこれは定員を考えるときに、ここで均衡するので、どの時点から定員を変えていかなきゃいけないかということを見るためだと思います。そうすると医学部の教育期間が 6 年間ということからしますと、ここから 6 年前倒しをした年からもう考えていかないといけない、幅を持った考え方をしないといけないと受け止めました。そこで先ほど、例えば 2024 年の人数ということでいうと、通常だったら医師になり立ての人もいて、その人が一人前になるのは 10 年ぐらいかかると言われたわけですけれども、先ほどの係数を掛けたことによって、例えばもう 2024 年で均衡するというところに焦点を当てるとすれば、その 6 年ぐらい前から考えないといけないという単純な考え方でこのグラフを見ていいのでしょうか。係数を掛けたことという意味も含めて、一人前ではない人も 1 人として数えられるようにしたと受け止めていいのかどうか、教えてください。

○海老名医事課長補佐 今のお話は、研修医等の係数を考慮したことに関連したものかと思いますが、今回お示ししたデータは、先ほどお話があったとおり、目標値をお示ししたものではございません。あくまでも目安としてお示しをしているところですので、 2024 年に需要と供給が係数を踏まえた上で均衡しているとしても、その上で実際に現場の医師がどうであるかということも考慮をして、御議論いただくべきだと思います。頭数というか、数としては揃うという前提はあるかもしれませんが、現場としてそれが本当に医療として十分な医療提供体制になっているかどうかを加味して、議論はいただくということになるかと思います。

○渡辺医事課長 入学期間のことも、補足させていただきますが、当然 6 年前に入学してお医者さんになるのは 6 年後、働けるのは臨床研修が終わるのは 8 年後ですから、このグラフの見方は、入学定員を手当てするのであれば、その 6 年前、 8 年前、あるいは 10 年前から手当てしていくというようなことで見るという限りでは山口委員がおっしゃるとおりです。

○山口構成員 例えば、 8 年と考えますと、 2024 年だったらもう過ぎてしまっていますよね。 2016 年から手を打たないと間に合わないということになるわけですから、そういうふうに前倒しをして考えながら議論していく必要があるということですか。

○神田医政局長 確かに養成期間を考えれば、そういうことかと思いますが、見方について、一率にマイナス 6 年とか 8 年とかいうことでは必ずしもないと思います。最終的に医学部定員をどうするかということについては、この場でもお話ありましたように、臨床現場においてはまだ足りないという御意見もありますので、そういった全体を踏まえての御議論かと思っています。マクロでは足りているということと、臨床現場で、特定の診療科・地域でどうかという議論と、両面の検討が必要ではないかというように認識しています。

○小森構成員 事務局へのお願いなのですが、確かにいろいろな係数が掛かり過ぎているんですよね。とんでもない違う数字が出る可能性もあるわけです。その中の大きな要素の一つが、神野委員が言われた問題ですね。例えば急性期病棟といっても、病棟に急性期の人が全部を占めているということは現実的にはないというような問題、荒川先生、小川先生お見えですけれども、卒前教育で大きな改革が行われていて、初期臨床研修そのものを根本的にという話もある中で、 0.3 0.5 という係数ありきでということも、非常に問題があるわけです。そういったような様々な要因がありますので、データとしては、ここをこう変えたら、最後の推計値がこう変わりますと、あるいはそういうパターンを、結局いろいろ変えてもあまり変わらないんですよということになるのか、ある係数を変えたら、とんでもなく変わるのかということは、ちゃんと見せていただきたいというのが 1 点。座長にお願いなのですけれども、唯一女性医師の代表として、山本委員がいらっしゃるのですが、 0.8 という係数を掛けて果たしてこれでいいのか。それを山本先生がお答えになるのは、大変責任が重過ぎて難しいのだと思いますけれども、少なくとも感想だけでも、是非、そういう意味でもいらっしゃるのでお聞かせいただければなと思います。よろしくお願いします。

○山本参考人 私に数日前にこのデータが確認の為に送られてまいりました。女性医師の社会的状況の割合とその状況の女性医師の仕事量を単純に掛け合わせますと、女性医師の仕事量は男性医師の仕事量の 0.8 になりますが、何となく実態としてはもう少し少ない、という感じはしております。やはり、この前申し上げたように、幾つかの大学で卒後 10 年とか 20 年とかの節目の段階で、個人情報に比較的寛容な同窓会などの組織を通しまして、女性の働き方を実態として把握する必要はあると思います。しかし、今の段階で推定される値をそのまま掛け合わせますと、こういう値になるということです。周辺の方たちを拝見していても、確かに配偶者なしの場合は男性医師と同等かむしろもっと頑張っていると思われる場合はあるのですが、子どもがいる方は、実際には熱が出る、学級閉鎖、学校行事などで休むという場合が結構ありまして、実態として、このような場合に男性医師が休んでいただけたらと思うのですが、何分、子供の方の要求もありまして女性医師が休むと言うのが一般的です。それを加味した場合の実態としては、もう少し低いという感じはしておりますが、今のところは一応これを参考に考えていただきたいと思います。

○小森構成員 ありがとうございます。日本医師会で女性医師を担当しておりましたので、限りなく 1 に近付けるように努めるのが私の仕事ですので。それと、大前提で平成 28 年の、しかも先ほど山口委員が御指摘になって、もう超えているじゃないですか、ここから導き出されるのは、国家戦略特区における大学は要らないねという結論かなと思いながらお聞きしていましたけれども、そういう皮肉を込めながらも、そういう係数も当然あるわけですから、そういうパターンはしっかりとお示しをいただきたいということでよろしくお願いします。

○山本参考人 この累計は、「現状のままで考えますと」ということですが、現状は、結局女性医師が、子どもの急病や学校行事などで休みますと、同僚の医師に非常に負担がかかっていますから、それでいいのかという問題は、あると思います。この点を勘案して考えなければいけないと考えています。

○福井構成員  2 点ほど。 1 つは、これはマクロの推計値であるということと、現場で我々が医師が足りないと思っているのは、偏在の影響が強くありますので、その偏在について、 1 1 人が抱いている主感的な感触をもって、またマクロな数値を変えるというのは、おかしな話になると思います。したがって、偏在も同時に解消していくということの前提でないと、この数値は受け入れることができないのではないかというのが 1 点です。

 もう 1 つは、机上に資料がありますが、今まで昭和 61 年から 4 回ほど、この需給についての報告書が出ていますが、もし事務局のほうでできましたら、この 4 回の予測値が、どれくらい当たっていたのかどうなのか、それから、もし当たっていなかったとしたら、どういう前提がまずかったのかという点について、解析をされるといいのではないかと思います。以上です。

○片峰座長 この点、ものすごく大事だと思います。この前 10 年前の話も出ましたが、 10 年前のシミュレーションと、今回のシミュレーションがどう変わっていて、その変わった要因は何でというか、そこら辺の話というのは、ものすごく重要だと思いますが、ここでコメントできますか。

○迫井地域医療計画課長 過去、今回も含めまして 4 回の推計をしております。それぞれ考え方は既にお示しをしておりますので、実際の結果と、言ってみれば付き合わせができるのが過去 3 回、あるいはまだ 10 年前だとすると、それができるかどうかもありますので、これは少し預からせていただきまして、可能な限り、御要望に応えたいと思います。

○片峰座長 この議論はここまでで、最後にまた時間がございますので、次に移らせていただきます。次は、議題 2 「医師偏在の課題と対策について」ということを、まず事務局からご説明いただきます。それから、続けて一戸構成員から資料 3 についてのご説明をいただきます。その後でご議論をいただくということにしたいと思います。それでは、事務局のほうからお願いします。

○木下地域医療計画課長補佐 お手元資料の 2 をご用意ください。医師偏在に係る課題 ( その 3) ということで、今回ご議論をお願いしたいと思っております。 1 ページ目、今回の検討に当たりまして、前回までの議論で医療サービスにおける医師のキャリア形成を踏まえた医師偏在の現状及び課題とその考えられる要因について整理をいただいたところです。今回は、これまでの議論を踏まえまして、課題に対してどのような取組を今後行っていくかという論点について検討・整理をしてはどうかということです。 2 ページ目ですが、医師の養成キャリア形成に関する課題になります。考えられる要因として 3 つあげております。 1 つ目としまして、医学部卒業後の勤務地として出身地を選択する傾向があると。医学部所在地と医学生出身地とのバランスに地域差があるということで、前回お示したデータで、例えば 1 つの県、北海道で、北海道の高校から大学に入った方、そのまま北海道に残るという傾向があったということも踏まえまして、そういった要因に対してどういうことができるかということを考えていければと思っております。

 また 2 つ目ですが、勤務地によりまして、経験できる症例や質が異なり、キャリアアップや専門医の維持等に影響があるという病院もあります。特に、医療技術に関しては、日進月歩ということもあり、そういったものに対して、どういった対応が考えられるか。また 3 つ目として、症例数でありますとか、先端医療に触れる機会というものが施設や地域で違いがあると考えられます。特に地方に行きまして、 1 人で医長をされてるような場合におきましては、学会に参加しにくいとか、そういった地方におきましては十分な症例を検討する機会が少ない。また、勉強会や抄読会というところに、新たな知識に触れるという機会も少ないのではないかということは考えております。また、それらに対する対策として、右の 1 つ目、医学部入学時に入学希望者の出身地を考慮する取組、いわゆる地域枠等の強化が考えられるのではないか。 2 つ目、地域性に配慮した専門医の養成課程要件等の見直し。 3 つ目、地域や施設特性に配慮した医療技術の研鑚に資する取組ということが考えられるのではないかと考えております。

 次ページ以降、再掲若しくは別のところで論ずるものにつきましては点線で囲っております。 3 ページでは、地域に関する課題として 2 つあげています。考えられる要因の 1 つ目ですが、人口規模の小さい地域では、患者数が十分確保できず、医業収入が得られないということもあろうかと考えております。特に人口の減少している地域におきましては、全ての診療科を揃えるのが困難というようなことも要因の 1 つと考えております。

2 つ目ですが、人口規模の小さい地域では施設規模に応じた医師数が確保できないため、少人数のスタッフに業務が集中するということが考えられます。例えば、休日夜間の対応を求められる診療科におきましては、特定の医師がずっと働いている状況でありますとか、そもそも医師数が少ない診療科におきましては、常日頃からそういった診療科に負担がかかっているということが考えられると思っております。これに対しまして、右にありますが、地域における医療機能の確保と再編、選択と集中を含めた推進をしてはどうかということを考えております。また 2 つ目ですが、医師の養成課程における、できれば初期臨床研修等におきまして、地域医療の参画をいただいているところではありますが、それらを強化してはどうかということ。 3 つ目としまして、医療機関同士の医師の派遣機能の強化、また連携の強化ということについても検討してはどうかと考えております。また、 ICT や遠隔医療が進んでいるところですが、それらを活用することによって後ほど述べますが、放射線科や病理診断といったところの少人数の医師で対応しているような診療環境におきましては、さらなる推進ができるのではないかということを考えております。

4 ページでは、診療科に関する課題を整理させていただいております。産科、小児科、救急科といったところですが、ここにあります要因につきましては、これまでも従前ご指摘いただいているところに加えまして、34に下線を引いておりますが要因を追加しております。まず3ですが、分娩時の医療事故では、過失の有無の判断が困難な場合が多く、裁判で争う傾向がある。4で産婦人科、小児科など他の診療科よりも女性医師の割合が高く、適切な就労環境の確保は困難ということが考えられます。特に女性医師に関しましては、若い世代において産科、小児科において特に多いという傾向が見てとれるかと思います。右にいきまして、論点として上 3 つに関しましては再掲もしくは後述とさせていただいております。 4 つ目ですが、地域の医療を確保するという観点から不可欠とされる診療科の医師の確保をするための取組の強化をしてはどうか。一番最後にありますが、産科医療補償制度開始後、産婦人科の訴訟件数に関しましては、緩やかな減少傾向が認められるところですが、これらにつきましては、より継続した取組が必要ではないかと考えております。

5 ページでは、診療科に関する課題の続きになりますが、こちらでは病理診断科、放射線科、麻酔科をあげております。5、これら診療科につきましては、患者さんは直接診療しないという傾向もございまして、病棟で受け持ちの患者さんがいないといったような他の診療科と異なる診療形態もあるということがあります。6、どこにも所属しない非常勤の医師、いわゆるフリーランスの医師が増加していることもあり、相対的に常勤医師の確保が困難になっている。また、それらを確保するに当たりましては、高額な費用負担が含まれるということもあろうかと思っております。論点として、医師の資格や専門性に応じた一定の公益的な業務の義務付けということの検討も必要ではないかと考えておりまして、医師の資格や専門性が有する公益性を踏まえ、多額の紹介料を要するいわゆるフリーランスの医師でありますとか、人材紹介業者等への対応についても検討してはどうかということをあげております。 6 ページでは、施設に関する課題を整理しております。まず左の1、病院の常勤の医師の方に関しましては、医療機関に勤務が長いというデータもあります。また2、診療以外の業務負担というものが病院、診療所においても相当程度あるということで、右にいきまして、医師が必ずしもこなくてもいいような周辺事務の効率化に関しては、これまでも取り組んでいるところですが、さらに進めてはどうかということをあげております。また、長時間労働に関しましては、それに見合う処遇を確保するという取組が必要ではないかと考えております。一番下の 4 つ目になりますが、他の医療関係職種との連携、いわゆるチーム医療というものをさらに推進していって連携役割分担というものを進めてはどうかということをあげております。

7 ページは、医師の派遣機能に関する課題として整理をさせていただいております。考えられる要因としては従前と比べまして、医師の派遣機能の低下というものが要因にあろうかと思っております。それに対する論点といたしまして、従前医師の派遣機能というものを大学の医局で担っていただいていたところではございますが、派遣機能のみならず、やはり大学の医局が担っていたキャリア形成の役割というものと就業の支援といった役割を一体的に行う仕組を構築してはどうかと考えております。また公的病院等におきましては、医師の不足している他の医療機関に対しまして、医師を派遣する仕組というものを検討してはどうかと考えております。

8 ページは、医師の生活環境に関する課題を整理しております。順にご説明いたしますが、まず 1 つ目といたしまして、医師のライフスタイルの変化をあげております。本人のみならず家族もしくは、その本人も含めた QOL を重視した考え方に基づいて勤務地や勤務形態を選ぶ傾向というものが、前回までの検討会の資料でお示ししているところです。本人は、勤務に加えまして、家族の関係で子育てや教育といった要因も含めて選択勤務地を選ぶという傾向が見てとれるかと思います。 2 つ目としまして、診療に関する考え方の変化として医師側、患者側それぞれあろうかと思っておりまして、医師側では例えば、専門外の患者が来た場合にあまり見ないという傾向もあろうかと思いますし、患者側の要因としては、専門医もしくは大病院というものを選択しがちになるという傾向の変化があろうかと思っております。また 3 つ目の開業に関する考え方の変化としましては、特定の診療科において開業が多い、もしくはより都市部での開業が多いというような傾向の変化も見られるかと思います。また○の 4 つ目になりますが、急激な過疎化進展等の社会環境の変化というところで地方におきましては、人口が少なくなっているというところで、医療提供体制のみならずそもそもの社会のコミュニティの維持が難しいという中においてどう確保していくかということも要因の 1 つとして考えているところです。それに対する論点としまして、右の上から 2 つ目、地域における診療機能、診療科や診療形態・施設等の需要を大きく超えるような診療機能への就業・開設について一定の制限が必要ではないか。 4 つ目になりますが、医師の資格や専門性が有する公益性に対する理解を涵養するための取組を更に強化してはどうかということをあげております。

9 ページでは、女性医師に関する支援をまとめております。まず、考えられる要因につきましては、これまでもご指摘いただいている内容をあげているところですが、1としまして、出産や育児の時期が医師の働きざかりの時期と重なりキャリアデザインが描きにくい。 2 つ目としまして、サポート体制の不足。 3 つ目といたしまして、特定の診療科におきまして女性医師の割合が高いというようなことを要因としてあげております。それに対する取組の論点といたしましては、出産・育児等に配慮した就労を促進するための取組や環境の整備を更に拡充すべきではないかということをあげております。特に、こちらに関しましては復職も視野に入れたような支援というものも今後考えられるのではないかということを考えています。

 最後 10 ページ目では、 10 ページ目は住民・患者のニーズの変化や情報提供、普及啓発等に関する課題をまとめております。順にご説明しますが、1に関しましては住民・患者のライフスタイルの変化に伴いまして、いろいろなことが起っているであろうと考えております。特に、核家族化の影響としまして、小さいお子さんに触れる機会が減っているとか、身近に相談できる人がいないということによって医療側に負担がかかっているということもいるであろうかと思います。また、 2 つ目といたしましては、夜間や休日でも身近な医療機関で専門医の対応を求めるということもあろうかと思います。また、 3 つ目といたしまして、情報に接する機会が増えたということもあり、質の高い医療を受けたいというニーズも増えてあろうかと思います。また 4 つ目といたしまして、医療技術の高度化 / 複雑化 / 多様化、また細分化ということもあり、それに伴って専門医師も高まっているということも要因の 1 つとして考えております。右にいきまして、論点をあげておりますが、 1 つ目として、医療機関の適性受診に係る普及啓発や医療機関に関する情報提供をさらに充実させてはどうか。 2 つ目として、「♯ 8000 」番の緊急時の受診支援に係る施策。また、小児科学会等でやっていただきますホームページ等で項目を選択することによって受診の判断といったようなサポート体制というものがありますので、そういった取組をさらに推進してはどうかということをあげております。

3 つ目として、かかりつけ医の普及促進を一層進めてはどうか。 4 つ目といたしまして、必要な医療へのアクセスは確保しつつも、患者の利便性のための受診については一定の制限が必要ではないかということを整理させていただいております。ご説明は以上になります。

○片峰座長 関連して、一戸構成員から次をお願いします。

○一戸構成員 貴重なお時間を頂きまして、ありがとうございます。資料 3 に基づいて説明いたします。前回、欠席したのですが、冒頭、医事課長のほうから偏在対策などを議論していくということをお話いただいているようですので、この資料は今後の議論の参考に供するという前提で、医師不足地域である青森県の事例を参考にして、地域偏在、診療科偏在の是正に向けた考え方について説明させていただければと思っております。

 スライド番号 1 は、人口 10 万対医療施設従事者数が左側に並んでおります。茨城県、埼玉県、千葉県などが上に乗っているので、東北地域からするとちょっと実感と違うかなということで、青森県の試算として、総務省で出している可住地面積で割ってみると、北海道・東北地域からずらずらいって、やはり一番下が神奈川、大阪、東京と、こういうのが実感に近い数字なのかと思っておりますが、全国平均との差をいかに詰めるかというのが都道府県レベルでの地域偏在の是正について、 1 つの指標になるのではないかと考えております。

 スライド番号 2 ですが、ここからは高校を卒業してから医師になって、医師として成長していく過程ごとに、ライフステージごとにそれぞれの考え方をちょっとお示ししたいと思っています。まず、医学部医学科の入学定員の所です。図 1 は青森県にある弘前大学の合格者数と、その 6 年後に県内に残った人の数を比較しています。青色はいわゆる一般枠と言われていて、全く紐付けがないものです。私が卒業した時期もそうでしたが、およそ 30 人前後しか残っていないと。それが地域枠が増えていくに従って、地元に残っている割合が高くなってきている。平成 27 年の所ですが、地域枠定員ベースでは、 55 人のうち 46 人、 83.6 %が残っているのに対して、紐付けのない、いわゆる一般枠では 65 人中 16 人、 24.6 %しか残らないというデータになっております。つぎは下の図 2 です。今度は臨床研修が終わって、 3 年目以降も残るかどうかというのに、どのぐらい影響があるのかという図です。平成 27 年のデータで見たいので、平成 25 4 月に臨床研修で採用されたところですが、青森県に 72 人残っているうちの 41 人が弘前大学卒、 31 人が県外大学卒となっています。右に行って 3 年目、青森県内で臨床研修を終えて、 3 年目も県内で勤務する医師が 72 人中 39 人でした。それを見ると、弘前大学卒が 41 人中 31 人、 75.7 %ということで、やはり地域枠で青森県に残る、残った人が 3 年目も残るということで、入学定員の最初のところが非常に重要になっているというデータです。

 次ページですが、これに基づいての考え方ですが、地域定着のため奨学金を前提とした暫定定員、これは議論になっているのですが、この定員増よりも地域枠の定員増が県内に勤務する医師数の増加に効果があって、さらに臨床研修を終了した 3 年目以降に県内に残る医師は、地域枠で県内に勤務した地元、弘前大学出身者が多くなっているということです。青森県の場合、県が予算措置している年間の修学資金貸与者数 30 人なのですが、弘前大学の地域枠は 67 名ありますので、奨学金の設定がない地域枠の運用のところで、残っておられる方が多い。要するに地域枠の運用を厳格にすることで、地元に定着する医師が増えるのではないかという示唆が得られています。

 一方で、お話を聞きますと、他県では地域枠で奨学金の貸与も受けた医学生が卒業後、卒業した瞬間に奨学金を返還するなどして県外に転出するということで、地域枠が余り有効に機能していないという事例もあるやに聞いております。そういうことを踏まえて、考え方としては地域枠の運用について、卒業後、原則として大学の設置されている県内で一定期間、勤務することを担保するような措置を講ずることができないかというのが 1 つの考え方です。 2 番としては、現在この分科会が与えられているミッションとしては、暫定定員増の取扱いについてですが、今日もお示しいただいていますが、医師の需給計画全体の中で議論することは理解するところです。暫定定員増を全国一律で廃止するかどうかということではなくて、こうした地域枠の運用の厳格化とか、医学科の定員そのものを医師不足地域に傾斜して設定できないかということ。それから、これから次にお示ししますが、臨床研修制度の定員設定の考え方も含めて、医師不足地域に誘導するような措置を講ずることができないかという御提案です。次の資料は、文部科学省でも地域枠については地域定着率が高いというデータを出しているという参考です。

 スライド番号 5 、医師臨床研修制度についてです。青森県の臨床研修の採用者数は年々増えてきておりますが、平成 27 年は採用率が 63.3 %になっています。ただ、やはり臨床研修の募集定員が医学科の卒業生数を上回っているという状況からして、都道府県ごとの採用率に大きな差が出ています。図 4 ですが、京都、大阪、東京、兵庫、福岡という所が採用率が非常に高くて、山口、福島、秋田、新潟、鳥取は 5 割を切っている所もあるということです。青森県と全国平均の人口 10 万対医療施設従事者数ですが、これは着実に青森県でも増えてはきていますが、 10 年前と比べて全国平均との乖離が拡大しているということからして、やはり地域格差の是正が進んでいないという現状があると思っています。その上で、考え方としては臨床研修制度の募集定員数については、卒業者数を基礎とした上で、医師不足の都道府県に多く割り振る傾斜配分をするなどの措置ができないかという考え方です。

 続いて、専門医制度についてです。青森県は医師不足、全体でも厳しいのですが、診療科における医師不足も顕著で、ここのグラフに書いてある呼吸器内科、小児科、脳外科、産科、婦人科、麻酔科、これは全部ワーストの順番ですが、こういった形で医師不足があります。現在、検討されている専門医制度では、症例数と指導医数によって専攻医の募集定員が決定されるのですが、こうした今までの説明と併せて、現状の医師の地域偏在とか診療科偏在を内在したまま開始した場合は、医師の偏在を加速化させるのではないかという懸念を持っております。具体例を申し上げますと、「青森県の場合」と書いてある所ですが、 3 29 日、医政局から御指示のありました協議の場を設置して、プログラムを把握しております。全体の数はまだ見込みの部分もあるのですが、募集定員は 200 人を超える見込みです。ただ、これは実績ですが、青森県内で実際におよそ 70 人弱しか残っていないということを考えると、これでも診療科ごとの取合いが起きる。さらにこれが全国でこのような傾向であると、なおさら偏在が加速するのではないかという懸念があると考えています。

 もう 1 ( ) と書いてある所ですが、整形外科の専門研修プログラムの専攻医募集定員です。現状では症例数、指導医数による算定方法でいくと、 20 人は採れるというように整形外科の医局では見込んでいるわけです。ただ、過去 5 年間の専攻医実績による算定方法が別に付いていて、それで見ると青森県では過去 5 年間の専攻医の実績が 6 人に満たないために、これを田舎で 2 倍まで拡大できるという前提でいくと 12 人までしか採れない。これは何を言いたいかというと、専攻医の受入実績こそが、いわゆる専攻医の募集定員の上限を決める要因になってしまっているということから、それに対する一定程度の配慮が必要ではないかということです。考え方ですが、地域偏在、診療科偏在を是正するために、何らかの基準によって定員数、診療科ごと、都道府県ごとに定員数を設定して、数年かけて均てん化が図られるような措置を講じることができないかということです。

 最後に、医師免許取得後 10 年目以降ということです。 10 年目以降としているのは、一人前と言われているのが大体 10 年目以降ということなので、こうさせていただきました。図 7 は年齢階級別に人口 10 万対医療施設従事者数を青森県で試算して分解してみたところ、全国平均では 30 歳前半といったところは伸びているのですが、青森県では沈んでいると。図 8 と図 9 を横で並べて御覧いただきたいのですが、これは 10 年間の医師の増減です。当然、全国は医学部の定員に変化がなかった年代は増減がないので、棒グラフは余り出てこないのですが、青森県では一人前と言われている 30 代から 40 代前半に至るところがボコボコ抜けているという状況になっており、やはり 10 年目以降の医師の定着が図られていないということで、考え方としては病院の管理者とか理事長の要件といったもの、それから診療所の届出に当たって、一定期間医師不足地域での診療に従事していることを要件にできないかといったような考え方です。 1 つ御紹介させていただきますと、青森県でも手をこまねいているというわけではなくて、あの手この手でやっているのですが、地域医療支援センターがあります。全国でも珍しいと思うのですが、 2 人のお医者さんを専属で配置しており、過去 10 年ぐらいで 40 人ぐらいのお医者さんをヘッドハンティングしたりしてきているのですが、それを今度、平成 28 年度の予算措置から UIJ ターンで来た先生を県の職員として採用して、県立病院を中心にキャリア形成をして、地域の医療機関と連携して異動していっていただくという事業も実施し、地域医療支援センターの強化と受入れについての拡充を図っていきたいと考えているところです。資料の説明については以上です。

○片峰座長 それでは、議論をお願いします。この地域偏在問題も、今後継続して議論することになります。とりわけ今日の前半の事務局から御説明いただいた部分に関しては、個々の課題についての御議論も結構ですが、この論点が足らないということも是非、御議論いただければと思います。

○今村構成員 ありがとうございました。今、座長からお話があった、かなり個別性の高いお話なのですが、事務局から御説明いただいた資料の右下 3 ページの所です。お金の話というのは非常にしづらい話なのですが、左側に「十分な医業収入が得られない」ということで、少し触れていただいているので、医療機関にとって非常に大きな事業の継続性という意味では、収入は特に過疎地の診療所にとっては大きなお話だと思っております。こういう集約を含めた選択と集中という話は、これはこれでありだと思うのです。 1 つ、論点が抜けていると思うのは、医政局の主管の課だから申し上げるのですが、例えば地域ではお父様がもう大分高齢化して、事業を承継しようとしても、要するに承継税制というものが全く完備されていないと、中小企業のように承継するための優遇税制がないために、お子さんが帰ってきても土地建物を売らなければ事業を承継できないような税金だというのだったら、誰も帰ってこないと。私が聞いたお話では、高齢化して、ある地方の先生は、私はこの地域の住民を全部看取るけれども、私を看取ってくれる人はいないということをおっしゃるというような地域があると聞いております。是非、医政局としてもそういった税制面の要望はしっかりとしていただきたいと思っておりますので、あえて申し上げます。

5 ページのフリーランスの医師の話なのですが、これは前から医療界で本当に大きな問題になっていて、一体そういう医師が何人いるのかというデータがどこにもない。私は是非、医師を紹介するような業をしている方は、自分の会社にいるその医師がどういう医師だということを、ちゃんと厚生労働省に報告してもらうような制度を作ってほしいと思います。そうすれば一定程度どこにどれだけの会社があっても、重複があるにしても、どういった方がフリーランスの医師として何名ぐらい働いているかというデータがきちんと出てくると思いますので、是非そういう制度を考えていただきたい。

8 ページの右側の「地域における診療機能の需要を大きく超えるような就業・開設については一定の制限が必要ではないか」という記載があります。「制限」という表現は、これは管理医療ではないかのような話になって混乱するので、地域によって必要な需要をきちんと検証して、地域がそういうことを決めていく仕組みを作っていただくことが大事なのではないかと思っています。社会保障国民会議の中でも、開業の制限等についてお話があったと思います。そのとき私も申し上げたのですが、従来、医師会が開業等について御意見申し上げると、それは独禁法違反だから駄目なのだということです。いわゆる民間団体である医師会がそれを決めることはできないにしても、地域の住民だとか、行政だとか、そういう協議をする場があって、この地域にはもうこういう診療科については十分あるからということで、一定程度の制限が掛けられるような仕組みは、やはりあっても然るべきではないかと思っておりますので、そういうことについても御検討いただければと思います。

○福井構成員 この点についても 2 点ほどあります。 1 つは一戸先生がお話されたこととも重複しますが、私は今回新たに発足する専門医制度のこの時期は、千載一遇のチャンスだと思っておりまして、それぞれの診療科の専門医の数と、できることなら地域の分布も含めて、この時期に十分話し合って制度をスタートするのがいいのではないかと。これが専門医機構だけでできる話なのか、厚生労働省も含めていろいろなステークホルダーが関わる必要があるのか。いずれにしても、今が最高の時期だと思っていますので、専門医の数の割振りを各学会で話し合って、望ましい割合や、数について明示し、それを実行するという方向に是非動かしていただきたいと。

 もう 1 つが地域の偏在については、リアルタイムで、それぞれの地区にどのぐらいの専門医が足りないのかがなかなかよく分からないという面もあると思います。大学は研究と教育で忙しいでしょうし、世界のレベルから論文の数も少なくなっているという中で、地域医療とか医師の派遣という業務は、大学には負担が大きすぎるのではないかと思っています。県のレベルとか、何か大学とは違うメカニズムで、面として需要と供給が常にリアルタイムで分かるように、できることなら何らかの形で派遣もできるようなシステム作りを是非考えていただきたいと思います。以上です。

○片峰座長 専門医、あるいは大学病院の機能に関して、どなたかありますか。

○荒川構成員 第 2 回のこの検討会で報告したと思いますが、日本医師会と全国医学長病院長会議で、医師偏在の解消に対する提言を三府省に提出しました。先ほど御説明のありました医師偏在に係る課題 ( その 3) 7 ページにも書いていただいていますように、医師のキャリア形成と就業支援を一体的に行う仕組みを構築するべきではないかということに関して、具体的に提言としては、医師キャリア支援センターを各大学に置くことによって、卒業生の医師が今どこで働いているかを把握するとともに、医師からの相談に応じて、診療科の選択、あるいは地域の選択といったものを提案するような仕組みを提言しておりますので、是非そういうものが加速するような行政の配慮を期待したいと思っております。

 もう 1 つは、青森県から御報告にあった 7 ページの最後の考え方の所に付いていますように、医師不足地域で臨床に従事していることを病院の管理者、あるいは各種法人の理事長の要件に置くように、措置を講じることができないかという提案がありますが、これも日本医師会との共同の提言の中で、我々もそれを提案しておりますので、この件に関しても意見の一致するところですので、是非積極的な御配慮をお願いしたいと思います。

小川構成員 専門医問題に関しては、これは極めて重要な問題です。まず卒前医学教育がものすごく変わってきています。それから、先ほど小森構成員からもお話がありましたが、卒後臨床研修をゼロベースから見直せという流れがあって、今後、卒後臨床研修がどういう形になるかというのは、まだ分かっていません。その後に今度、専門医があります。これに関してはいろいろ大きな問題があることは、皆さんもよく御存じだと思いますが、厚生労働省の社会保障審議会の中で大問題になって、専門医養成の在り方に関する専門委員会の第 1 回目が先週行われましたので、この議論がどういう方向に行くかということによって、これは随分変わってくるのだろうと思っております。

 ついでにお話させていただきたいのですが、先ほど福井先生がお話になったように、大学は教育と研究に忙しいだろうから、地域医療は他に任せてというお話があったのですが、地方で大学病院以外の所で地域医療のサポートをどの病院ができるのですか。それができないから大学がやらざるを得ないということなのですよ。そういう意味では、大学の医師派遣機能の低下というのが一番根幹にあるのだろうと思います。大都会にいて地方の状況がわからないのに不躾な発言をしないで頂きたい。

 先ほど青森県からも地域枠のお話がありました。地域枠に関しても実は非常に問題があります。地域枠と皆さん一言で言うのです。しかし、全国でやっているのは何百種類という地域枠があって、地域枠が均質な 1 つのものであるわけではないのです。その中で、某地方においては、東京のブローカーが卒業真近の学生に働きかけて、「あなたの地域枠でいただいた修学資金は全部返してあげるから」と引き抜くブローカーまで存在している状況ですから厚生労働省のほうでもうちょっときっちりと、どういう地域枠があるのかということ、また、その実態に関して御検討いただければ有り難いなと思っております。

 もう 1 つ、前回もお話したのですが、日本医師会と全国医学部長病院長会議で医師の地域・偏在解消の緊急提言を出したわけですが、これに関しては先ほど今村構成員のほうからもお話がありました。要するに大学を卒業したお医者さんがフリーランス医者になっていたり、あるいはどこでどういうキャリアパスで、現在どのぐらいの技量を持って診療に当たっているのかということすら把握されていないのです。一応この提言の中では、地域キャリア支援センターを設置して、これから卒業生をずっとフォローアップしていくということなのですが、それではちょっと遅いので、是非、三師調査のデータと医師の医籍登録番号を組み合わせて紐付けすればこれはできる話なのです。フリーランス医者で、どこでもトレーニングもせず、仕事をしている人間がどのぐらいいるということが分かるってくるわけですから、是非そういう仕組みを作っていただきたいなと思っております。

 最後に、もう 1 点だけ、本論とちょっと違うのですが、資料 2 5 ページに ICT の話があります。広い県土を持つ岩手県のような、 ICT に頼らないと診療できないという地域からすると、これは実は大問題なのです。今、厚生労働省科学研究費補助金で、皮膚科診療を遠隔でできないかということを 3 年間検証してきて、安全性はすっかり確認されているのです。ところが、厚生労働省の中で御意見が違うのです。これは後で御検討いただきたいのですが、医政局としては厚生労働省が遠隔医療に対して一切阻害していない、むしろ推進しているという説明をするのです。どんどん進めようとしているというのですが、実は保険局では、全く話が逆なのです。遠隔医療は対面診療ではないから、保険医療として認められない、診療報酬は出せないという説明をされるわけです。岩手県沿岸部は北から南まで 200km あります。そこに基幹の病院が 4 つと、そのほかにサテライトの病院が幾つかあるわけですが、そこに盛岡から医師を派遣するのに片道 3 時間かかるのです。往復 6 時間移動に使って、被災地沿岸部に専門医を送ったとしても、本県沿岸部は過疎化が進んでおりますので、せっかく専門医が行ったとしても、ものすごく多くの患者さんが診療を待っているわけではありません。そうするとその医師は 10 数人の患者さんを診て帰ってくる移動時間だけでも 6 時間もの時間を取られてしまっている。これが医療過疎を更に悪化させているわけですから、この辺は厚生労働省の中でも意思を統一していただいて、 ICT 技術を活用し、遠隔医療で保険診療ができるような制度にしていただかないと、実質的な医療にならないということだと思います。

○片峰座長 今、事務局から、資料説明に時間がかかりすぎたので 10 分ぐらい延長してよろしいでしょうかという御提案があります。よろしいですか。はい。それでは北村さん。

○北村構成員 医師の偏在に関する論点で欠けているもので 1 つ大きなものがあります。それは圏内での偏在だと思うのです。一戸構成員から、青森県が全国との比較において少ないというような議論はあったのですが、聞くところによれば、弘前や青森、八戸の医療圏では、むしろ全国平均よりは多くて、下北や十和田や津軽といった所になると、もっとガクンと減ってしまう。圏外でこの、均霑化というか、そういう努力はどれぐらいされているのかということと。先ほどお話になった論理を言うと、地域枠でもへき地へ、へき地と言ったら、今足りない下北や十和田に行く地域枠と、青森県に残って青森県の青森市や八戸市でいてもいい地域枠のバランスなどが難しいのではないかと思います。

 それから、よく言われるのは県内の高校のレベルです。余り言ってはいけないことかもしれないのですが、医学部で普通に試験をすると、なかなか地方の高校から入りにくいということがあります。東京から、受験校からドッと押し寄せて、そこでライセンスを取って帰ってしまう。そういう意味においては高校教育も大事なのではないかと思います。

 もう 1 点は、我々は今、コアカリを考えているのですが、教育の中で地域医療教育というのを考えようというか、やっている大学はたくさんあるのですが、どのような教育を学部教育で行ったら残る率が高いか。へき地や島などに行って教育をしているのですが、そこでパッとはまる子もいれば、インターネットがつながらなかったというので、もう二度と行きたくないと思う子もいるのです。だから、どういう教育をして、どうすればこの残る率が多いとか、そのようなことも論点に入れていただけたらと思います。

○本田構成員 課題のところで、欠けているというか、加えたらいいという点については福井構成員のご意見と同じなのですが、私は、やはり診療科偏在の問題、専門医制度の在り方というところで、診療科ごとに一定の数なり枠なりをそろそろきちんと決めていって、それを地域への配置というか分布といったものと合わせて考えていく時期に、もう来ているのではないかと思います。前回もいろいろ言って恐縮なのですが、10年前にもそういうことを申し上げたところ、まだそういうことは医療現場としては余り現実的ではないという意見が多かった。しかし、最近の事情を考えると、また今日の一戸構成員からのご発表などを聞いても、そろそろそういうことを考える時期にきているのではないかということを強く感じました。実際、医師の需給の検討会ではあるのですが、マクロで数が充足したとしても、それが本当に各地域、各診療科にいっているかということが一番の問題で、現在抱えている問題の本質がこの点にあると思います。そういうことをきちんと考えるべきだというのが 1 つです。

 もう 1 つは、医師の派遣機能というところで医師会と全国医学部長病院長会議とで提言されていることについて。私は、何かしら、派遣機能をきちんと担う所が必要だと思いますが、現在の地域医療支援センターがきちんと機能しているかというと、機能している所はそんなに多くないと聞いています。そういう中で、在り方を見直してきちんと位置付けをするというのはとても大事だなと思っています。その在り方については、地域医療をきちんと担っているところ、大学だけではなくて、地域医療を責任を持ってやっているような医師会とか県と地域の病院とか、そういうところと一緒にやっていくということを考えるべきではないかと思います。取りあえず以上です。

○山口構成員 医師の偏在を考えるときに、やはり、必要としている所にどう医師を定着させるかということが私も大事ではないかと思っています。

 今日の事務局からの資料 2 の御説明の中で 7 ページに地域医療支援センターのお話が出てきて、今、本田構成員からもお話があったのですが、私も、全国的に地域医療支援センターがうまく機能している所の数がかなり少ないと聞いています。なぜうまく機能していないのか、原因分析が事務局でできているのかどうかをお尋ねしたいと思いました。といいますのも、先ほど、キャリアセンターというのは各大学で作っていくというお話があったのですが、例えば 1 1 つの大学であればそこで把握できるかもしれませんが、複数ある場合は、やはり地域医療支援センターが全体を見て、各都道府県内ということは顔が見える関係でもあると思いますので、ここがしっかり機能していくことが必要だと思います。だとしたら、原因もですが、うまくいっている所、幾つかあると聞いてはいますが、そこがどうしてうまくいったのか、好事例みたいなことを出していく中で、こういう対策を練ってはどうかというようなことを挙げていただいたらいいではないかということが、まず 1 点と質問です。

 それから、 10 ページに「患者への情報提供、普及啓発に関する課題」とあります。最近、よく「患者への情報提供」というのがさらっと出てくるのですが、住民に対しての情報提供というのは非常に難しい時代になっています。新聞を読まない方も増えていますし、テレビを見る人も減って、多くはネットで情報を得ています。そうすると自分が関心を持った情報しか拾ってこないので、今は関心がなくても本当は必要な情報を提供する手段がなかなかないジレンマを感じています。行政の方々に、では、どうやって情報提供をしているのですかとお聞きすると、大抵、ホームページに載せているとおっしゃるのです。一般の方のどれぐらいの人が行政のホームページを見るかというと、普通はほとんど見ない。ということからしますと、この「患者への情報提供」というのをそろそろ具体的に考えていただきたい。と言いますのも、地域医療構想が始まっていて、例えば病床機能の報告も住民に公表するということになっていますが、実際には非常に分かりにくい。では、それをどう届けていくのかというときに、例えば今、各都道府県と保健所が医療安全支援センターとして、全国に 308 の窓口があるといった具合に数が増えてきています。そういった、せっかく増えてきた所に住民への情報提供という役割を 1 つ加えていただいて、住民への啓発活動を医療安全支援センターが実際にする。その中には、こういう情報を是非提供してもらいたいというようなことを具体的に入れ込んでいただくといいのではないかと思います。情報提供といっても、字面はあっても誰がやらなければいけないのかという責任感というところまでなかなか持てないと思いますので、その辺りのところを少し具体化していただきたいということが要望です。

○荒川構成員 今、地域医療支援センターが機能していない所が多いという御指摘がありましたが、それは医政局からお答えがあると思いますが、医師キャリア支援センターと地域医療支援センターとの関係は提言の中にきちんと組み込んでおります。それで、地域医療支援センターは都道府県に 1 つありますよね。例えば大阪だと医学部・医科大学が 5 つあるのですが、それぞれが医師キャリア支援センターを持って、地域医療支援センターはそれらの情報を集約するとともに事務機能に特化すれば、機能が発揮できると考えます。それがミニマムの単位ですね。それで、それが全国にあるので、 1 医学部・医科大学の県もありますし、そういった所の医師キャリア支援センターの全体の協議会みたいなものが構想の中に入っているのです。その中で医師不足地域と足りている地域との間で過不足を補うというような協議を全国レベルで展開していけば、それぞれの医師キャリア支援センターが、それぞれの県での医師の確保に努めるとともに全国レベルでの医師の過不足を矯正する、そういう機能が持たせられるのではないかということで、そうすることによって地域医療支援センターがうまく動いていない機能も回復できるのではないかというような発想で提案しているわけです。

 ですので、先ほど本田構成員からも御指摘がありましたが、大学病院だけでそれを考えているわけではなくて、地域の病院とももちろん一体になってその地域の医療を考える核になるセンターとして、行政が設置した地域医療支援センターと、大学の中に設置しようとしている医師キャリア支援センターが融合して機能を発揮すれば効果が上がるのではないかという、そういう構想です。

○迫井地域医療計画課長 地域医療支援センターに関する御指摘は、我々は次回までに一定の整理、もし資料でお示しできたらと努力はさせていただきます。ただ、機能している、していないの判断基準が一般的にどうかということになると思います。組織自体は、各都道府県にお願いして設置しています。しかしながら機能していると評価されるのは、要するに、足りない所に医師が派遣できたという場合に機能しているという評価になりますが、実際問題、現時点では少なくとも強制的に医師に派遣命令を出すというような形では取っておりませんで、あくまで、これは第 1 回の検討会のときにも医政局長からもお話があったように思いますが、基本的に今の考え方はあくまで、ボランタリーといいますか、一定程度のニーズと御本人の意思をある程度マッチングさせてうまく派遣あるいはうまく不足地域にアレンジできるというケースの場合が基本的には機能したと言われるケースだろうと思います。したがいまして、設置しているけれども機能する、しないというのはあくまでそういった、実際にボランタリーに行ってもいいとおっしゃっていただけるドクターがどれくらいいたかに非常に大きく依拠しますので、現実の問題としてそういったドクターがなかなか現れていただけないというのも制約要件として強いというのが実態だろうと思います。

 それから、山口構成員から情報提供の在り方についての御指摘がありました。これは非常に重要な御指摘だろうと思う反面、これは、この分野に限らず行政全体、あるいは、もっと言えば社会全体だろうと思いますが、本来、情報を届けたいアウトリーチをどうするのかというのは非常に大きな問題で、インターネットに掲示すれば良いかというとそうではないというのは、我々自身は認識しているつもりなのですが、お届けしたいお相手にいかに興味を持っていただくのかというのは非常に難しい側面がありますので、むしろそういったことを踏まえて、どうすべきかということも是非この場で御議論いただいて、御指導いただければと思っております。

小川構成員 ただいまの地域医療支援センターあるいはへき地医療支援機構ですが、地方でうまくいっている所は、まずないと思います。なぜないかというと、コマがないからです。コマがないというのは、要するに、派遣しようという気持ちがあっても派遣する医者がいないわけです。ですから、十分な派遣はされていない。例えば資料 3 で、青森県から出された資料の資料 1 ですが、左側の人口 10 万対医療施設従事医師数からしますと、最低の所から最高の所までで倍ぐらいの開きがあるわけです。そういう中で、とてもではないけれども地方で、そういう組織は立ち上げたけれども、沿岸部のこの病院ではこういうのが足りないからどうにかしてくださいと言われても、出す医師がいないわけです。ですから、うまくいくはずがないということだと思います。

 先ずは偏在対策、偏在解消だと思います。その結果、ある程度派遣医師に余裕ができて初めて機能するものと思います。

○今村構成員 地域医療支援センターが機能しているかしていないかと、今、小川先生から、そもそも人材不足だから機能しようがないというお話も頂きました。それはそうとして、国と県の関係、先ほど迫井課長からお願いをしていますということで。これは地域医療支援センターに限らず、例えば勤務環境改善支援センターとか、あるいは先ほどから話題になっている専門医のための都道府県の協議会とか、あるいは医療事故調査のための様々な支援とか、県でやっていただくことは非常に多い。ですけれども結局、ほかの分野も、やはり県によってものすごく差があって、設置すらできていないとか、協議が進んでいないとか、結局、そういう現場の県にある程度任されてしまっている。それで、そもそも地域医療の確保というのは県の仕事でしょうと、だから、国が一定のルールを決めて、それをやってくださいと言ったら、やらない県のほうが悪いというように言うのかどうかという話も私はちょっとあると思っていて、もう少し国の積極的な関与ができないのかと。例えば、医療介護総合確保基金の話もあります。地域医療支援センターも勤務環境改善支援センターもそういうもので財源を確保しているという中で、きちんと機能していない所については一定程度、何かそういうもので差を付けるぐらいのことをやらないと、なかなか県のほうでも意識を持って取り組まないのではないかと思っているのです。その辺の厚労省のお考え、地方との関係なのでなかなか難しいと思いますが、何か意見があればお願いします。

○神田医政局長 基本的に医療法に基づくいろいろな事務は自治事務だと思っていますので、本来は国が、昔の機関委任事務のような形で強制力を持ってやらせることには基本的にはなじまないと思っています。ただ、先ほどお話があった専門医の話も緊急性があるということで、衛生部長会のアンケートだと 10 幾つかしかできていないということですので、うちの室長から設置していない各都道府県の衛生部長には、担当部長には直接電話をして、早く設置して検証してくれというようなこともお願いしております。事の本質は自治事務だと思いますが、建前はあくまでも助言ではありますが、非常に重要なときには強く助言をすることも必要かと思っています。ただ、先ほどからいただいているように、法的な枠組みを幾つか作ることは非常に大事ではないかと思っております。地域医療支援センターもそうですし、勤務環境改善支援センターを法定しますと、やはり県でも設置が進むということがありますので、本質的には自治事務ではあっても、法的な枠組みをしっかり作ることによって都道府県にも積極的に取り組んでいただけるのではないかとは思います。

○渡辺医事課長 専門医の件が少し出ましたので、補足、コメントをさせていただければと思います。

 国でも支援、調整をしていくというようなことになっておりまして、 3 25 日、先週の金曜日に「専門医養成の在り方に関する専門委員会」を開催したところです。視点としましては、県内の偏在もそうですし、全国的な偏在に関して、また、診療科偏在はズバリではないのですが、そういったことも議論していく場でもあると思いますので、そんな中で先生方の議論も踏まえて対応していきたいと思います。 4 月以降も、鋭意、会議を開催して対応していく予定にしてございます。

○片峰座長 この専門委員会とこの会をどういう感じで関連させていけばいいか、何かその辺のイメージを少し喋っていただければと思います。

○神田医政局長 専門医はもう喫緊の課題で、実は、多くの養成プログラムは既に専門医機構に提出されている段階です。先般の説明ですと、 19 基本診療域のうちの 16 領域では既に提出済みになっているという状況です。スケジュール的に言えば、 6 月の末にもプログラムが認可されるという状況です。非常に緊急性を要する課題ですので、この場の議論であるべき論を議論していただくというべきことと、緊急避難的に今すぐやらなければならないこととは分けて議論する必要があるのではないかと。緊急避難的にやるべきことについては、専門委員会で具体的なタイムスケジュールを示しまして、今、専門医機構に出てきているデータについては、 4 月初めには全て都道府県にデータ提供をしますと。協議会の場でそのデータを見ていただいて、本来、養成プログラムの施設の中に入るべき施設が漏れていないかどうかを検証してくださいということになっております。それから、各基幹病院から連携施設には、何か月あなたの病院には研修医を送るのかという具体的なローテーションの方針も説明してください、その上で、中小の病院で困ることがあれば全部県に言ってくださいと、そうしたらそれを専門医機構に登録してもらって、それでもうまくいかないというのなら国にも登録してくださいと、そういうことを具体的にやって、それを 5 月中に検証するという具体的な方針で段取りを組んでいます。緊急避難的なことは緊急避難的なことでしっかりとやった上で、あるべき定員とか、そういうものについてはこの場でまた御議論いただいて、来年度以降も養成プログラムはありますので、問題があれば、定員をどうするかとか、そういう議論もしていければとは思っております。

○片峰座長 よく分かりました。ではほかに。

○本田構成員 今のご説明は大変よく分かったのですが、もちろんあるべき、緊急避難には間に合わない話なのでしょうけれども、専門医にしても、あと、一戸構成員からご発表があった資料の 5 ページ目にあるように研修医にしても、いろいろな形でプログラムがあるのはいいことなのですが、そこの定員数が実際に出てくる医師数よりも多かったら、結局、偏在を助長するだけになると思うのです。だから、そこのところをきちんとしていかなければいけないのではないかと思います。

○片峰座長 文科省医学教育課長から手が上がりましたのでどうぞ。

○文部科学省寺門医学教育課長 オブザーバーに発言を許していただきまして、ありがとうございます。どなたもほかに、特に大学の先生からも御発言がないので、一戸構成員から今日お示しいただいた資料で入学定員について御提言がございます。地域の医師不足で御尽力されているがゆえの御発案だという点は十分わきまえた上で御発言させていただきます。

3 ページに考え方を示しております、大きく 1 2 で分けている所がありますが。特に 1 の地域枠の部分については、先ほど小川先生からも様々なものがあるというような御示唆がございましたとおりです。その一番最後のパラグラフにあるような、「担保するような措置を」ということについて、今よりも更に強化するという点についての御提言だと拝察しますが、この点については卒業後の医師のキャリアに関わる部分ですので、厚生労働省として、これは論点にも関係すると思いますが、それについて何らかの措置を講じていくということになれば、学校教育制度を所管する文科省としても、一種の養成段階の入口部分について更にどういったことができるかということについては、検討していくということだろうと思ってございます。

 また、 2 の部分についても、 2 行目の「議論ではなく」までは正しくそのとおりだと存じますが、それ以降の部分については、実際、本当に制度化するとなれば非常に難しい問題点があるのだろうと思って、一言申し上げさせていただきたいと思います。すみませんでした。

○一戸構成員 コメント、ありがとうございます。政策の実現可能性については、それぞれ、詰めていただく必要があるので、これをそのまますぐにやってくれと言うつもりはないのですが、先ほど北村先生からも御指摘があったのですが、認識が違うのは、弘前、青森、八戸が多いのではないかと、そんなことは全くなくて、 6 つの二次医療圏のうち全国平均を上回っているのは大学のお膝元だけで、あとは、みんなそれを下回っている。地方の医師不足を余り御存じないのではないかと。日々、どこかの病院の医者が 1 人抜けるかどうかというのが政治問題になり、すぐにどうするかという会議をやらなければいけないような喫緊の状態であるわけです。今、医学教育課長さんからもお話を頂きましたが、暫定定員についても、衛生部長会でいろいろ調査しましたが、やはり暫定定員を廃止するかどうかという方向性を出すまでの情報が不足しているというのが各県の認識で、そういう中で、この考え方に沿ってやるかどうかは別にして、地方の医師不足の問題をどのように解決するのかという方向で、我々としては前向きに議論させていただければと思っております。

○荒川構成員 すみません、今のお話とちょっと論点がずれるかも分からないですが。前回、地域枠の学生の学力に関する議論があったと思うのです。それで、調査の結果が出たのでお知らせしておきます。

 まず地域枠の学生のストレート卒業率に関しまして、全国平均が平成 24 年と平成 21 年で 85.4 %、 84.2 %が、地域枠では 91.9 %、 90.1 %と地域枠のほうが上回っている、これだけで学力は分からないと思うのですが。それから国家試験の現役者の合格率も、全国平均と地域枠では、平成 24 年が 93.9 %、 97.9 %、平成 27 年が 94.5 %、 96.6 %で、ここでも合格率は地域枠でむしろ上回っているということで、決して地域枠の学生の学力が低いということではないということで認識を新たにしていただきたいと思います。

○権丈構成員 今のお話への付け加えです。私は以前、医学部の偏差値を調べてみたことがあります。どうして地域医療の崩壊などという問題が起こってくるのかと思って調べてみたわけですが、 1990 年代に医学部の偏差値がものすごく上がっているんですね。 1990 年代のはじめでしたら偏差値が 40 台で医学部に行けるのですが、それが 2000 年ぐらいになると、 60 を超えないと医学部に行けない状況になってきます。

これは、 90 年にバブルが崩壊して日本のエリート層がたたかれていく中で、親が子供をどう育てていこうかというようなことになっていくと、やはり手に職をというような感じになっていくのだろうと。 1997 年に金融危機を経験した韓国も、それ以降、国が無くなっても子供が生きていけるように、労働市場が不安定な社会でも子どもが生きていけるようにというような形で医学部偏重が起こっていきます。

日本では、そうした医学部進学熱がずっと高まっていったために、東京都心の有名な高校や予備校とかは、東大何人ではなくて、医学部何人という広報をするように世の中が変わっていきました。そういう環境変化が起こった中で 1973 年の時の一県一大構想の大学の入学のところをずっと自由化していると、地域の人たちが、当然、地域のほうは 10 月ぐらいまで運動会をやっていますので、都心の進学高校に入学の段階で負けていきます。だた、荒川先生がおっしゃった卒業率や医師国家試験合格率などは、「同じ教育を受けるとこういう結果になる」ということを表しておりまして、地域枠では入口のところでどうしても差が出てくるのでしょうが、入学後に医学部で同じ教育を行えば、同じような結果が出てくるということだと思います。

大学入試の側面でこうした大きな構造変化が起こっている中では、地域枠といっても地元出身者の地域枠でないと、これは機能しないというのを私、もう 10 年近く前に書いておりまして、一県一医大が構想された 1973 年とは社会構造が大きく変わっておりますので、一県一医大構想の医学部入試のところを自由化していると、かつては想像もしていなかった問題が生じてきたことになります。そして、地域枠の人たちが入学したからといって、同じ教育を受けていくと、きちんとしたアウトカムが出てくる状況になるので、この辺りのところは、文科省でもう少し検討いただければと思います。

○片峰座長 あと 1 つだけでよろしいですか。

○松田構成員 はい。地域偏在の件も含めてですが、やはり現状をきちんと把握することが非常に大事だと思います。そういう意味で、先ほど福井構成員が言われたように、今、非常に大きなチャンスだと思うのです。それぞれの地域で専門科別の医師数がどのくらいいるかということが分かる。それに加えて、レセプトでの情報をちゃんとやれば、その専門に合った医療行為がどのくらいやられているかが分かります。この比を見るだけで、いわゆる専門科別の医療提供体制の偏在が分かります。是非、そういう形での情報の整理を厚生労働省にお願いしたいと思います。

○片峰座長 ありがとうございます。よろしいですね。では一言だけ。

○小森構成員 緊急の課題なので、専門委員会の課題ですが、当然、高等教育課長が来ていらっしゃるので。各大学が新しい専門医の仕組みの基幹施設のかなりメインを占める形が多いのです。今、特に学長のガバナンスが問われていまして、医科系でない学長の下にある所はもちろんたくさんあるわけです。ですので、高等教育課長名で各大学にこの地域の協議の場に協力をするようにしっかり通知を出していただきたいと思います。是非よろしくお願いします。

○片峰座長 それでは、そろそろ終わりたいと思います。本日の御意見を踏まえて、次回、更に進化していくということです。推計に関しましては事務局で検討していただいて、御意見を反映した推計を新たにお示しいただくということですね。それから、偏在対策につきましては、今日、新たな論点がたくさん出ましたよね。その中で、先ほどから議論になっている医学教育の問題、入試の問題、最後の文科省がらみのところも論点になりますか、していいのですね、それから、診療報酬制度の問題も出ました。そういったことも含めまして、新たな論点整理を行っていただくということになろうかと思います。事務局から何かあれば、よろしくお願いします。

○海老名医事課長補佐 長時間にわたり御議論をいただきまして、ありがとうございました。日程の御連絡です。次回については、 4 20 ( ) 午後 1 時から 3 時まで、医療従事者の需給に関する検討会との合同開催という形で予定してございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○片峰座長 それでは、これで終了いたします。御苦労様でございました。

 

 

 

 


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局医事課
(代表) 03(5253)1111(内線4127)
(直通) 03(3595)2196

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