ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会> あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会(第2回) 議事録(2016年3月28日)




2016年3月28日 あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会(第2回) 議事録

医政局医事課

○日時

平成28年3月28日(月)14:00~16:00


○場所

厚生労働省共用第6会議室(3階)


○出席者

釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会 常任理事)
栗原 勝美 (東京都立文京盲学校 教諭)
後藤 修司 (公益財団法人東洋療法研修試験財団 常務理事)
坂本 歩 (公益社団法人東洋療法学校協会長)
田城 孝雄 (放送大学 教授)
筒井 宏史 (日本鍼灸理療専門学校 専任教員)
仲野 彌和 (公益社団法人日本鍼灸師会長)
藤井 亮輔 (筑波技術大学 准教授)
矢野 忠 (明治国際医療大学 特任教授)

○議題

1.第1回検討会の主な意見について
2.カリキュラム等の改善について
3.その他

○議事

 

 

 

 

○医事課山本課長補佐 少々時間は早いですが、皆様おそろいになりましたので、ただいまより、第2回「あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会」を開催させていただきます。本日は御多忙のところ、構成員の皆様方におかれましては、本検討会に御出席賜り誠にありがとうございます。本日は北村構成員におかれましては欠席の御連絡を頂いています。また、神田医政局長におかれましては公務により欠席をさせていただいています。梅田審議官につきましても公務により途中退席をさせていただきたいと存じます。あらかじめ御連絡させていただきます。

 それでは、田城座長に議事の進行をお願いしたいと存じます。その前に、撮影のほうはここで一旦止めていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。 では、座長お願いいたします。

 

○田城座長 それでは議事を始めます。はじめに、資料1及び資料2について、事務局から説明をお願いします。

 

○医事課山本課長補佐 それでは、資料12について御説明します。資料1は「第1回検討会の主なご意見」です。論点ごとに御意見をまとめています。まず1.総単位数の引上げについてです。2番目の○にある、あはき師で97単位までは引き上げるべき。4番目の○、盲学校、特別支援学校では、特例で中卒者を対象に高等学校の所定の課程とともに、あマ指師の教育課程を取得することとなるため、現行より余り単位は詰められないというお話。78番目の○ですが、社会保障、倫理学、医療保険及び他職種連携、こういうものにカリキュラムを盛り込むべきであろうという御意見を頂きました。最後の○にあるとおり、鑑別能力の向上、これについても御意見を頂いています。

2.最低履修時間数の設定についてです。単位制移行前の総履修時間数をベースにすべきという御意見を頂いています。

3.臨床実習の在り方についてです。臨床実習の充実を図るべき。若しくは施術所ばかりではなく介護現場も実習に含めるべき。実習の場を拡大し、他職種連携等、現場で学習できるようにすべきという御意見が主なものです。

4.専任教員数について。臨床実習だけ教える教員の資格を考えるべき。臨床に精通した教員が教育に当たるべき、こういう御意見が主なものでした。

5.その他です。eラーニング、単位互換、こういうものを考えるべきということで御意見を頂いています。簡単に要約するとこういった御意見だったということです。

 次に資料2です。各構成員から頂いた、カリキュラム等改正への御提案ということです。こちらについては時間の御制約もありますので、表紙の次にある一覧、これにより御説明をします。こちらの横表については、縦に御提案頂いた構成員のお名前を書いています。横に論点を記載しています。論点ごとに主に頂いている御意見を御説明したいと思います。

 まずは総単位数です。釜萢構成員からは、「引き上げるべき」で、内容として保険制度、臨床実習の強化をすべきという御提案を頂いています。後藤構成員、坂本構成員からは4単位の増で、総単位数で「あマ指師」83単位、「はき」93単位、「あはき」97単位との御提案を頂いています。筒井構成員からは、鑑別能力の向上について、単位として独立せず盛り込むべきという御意見を頂いています。藤井構成員、矢野構成員からは、「あはき」で100単位程度ぐらいまで引き上げるべきだという御提案を頂いています。詳しくはここに書かれているとおりです。

 最低履修時間数の論点については、後藤構成員、坂本構成員からは、「あマ指師」2,400時間、「はき」2,500時間、「あはき」2,800時間との御提案を頂いています。藤井構成員、矢野構成員からは、「あはき」で、3,180時間程度まで引き上げるべきという御提案を頂いています。

 臨床実習です。主なものとしては、附属以外の臨床実習施設を認めるべきという御提案。医療機関、介護施設での実習を認めるべき。保険の取扱いについて学習する。さらに後藤構成員からは、第三者評価の導入をすべきとの御提案を頂いています。藤井構成員からは、「あマ指師」4単位、「はき」5単位、「あはき」6単位とすべきとの御提案を頂いています。矢野構成員からは、3課程とも3単位とすべきという御提案を頂いています。

 専任教員の所です。後藤構成員からは、臨床実習のみの教員や、教員資格、教授できる科目、こういうものを明確にすべきとの御提案を頂いています。藤井構成員、矢野構成員からは、教員増は必要との御提案を頂いています。

 その他です。釜萢構成員から、卒後臨床研修についての御提案を頂いています。栗原構成員からは、改正に当たって、特別支援学校等の高等部への配慮等について御提案を頂いています。坂本構成員からは、卒業判定での実技試験、こういうものの導入について御提案を頂いています。さらに、こちらの一覧にはありませんが、資料2の最後の所に追加文という形で資料を付けています。こちらは後藤構成員、坂本構成員から御提出いただいた、整理した後に頂いた資料です。内容は、恐縮ですが御覧のとおりということです。以上、資料2までの御説明をいたしました。

 

○田城座長 ありがとうございます。構成員の皆様から事前に頂いた御意見に関しては、この一覧表形式で事務局から説明がありましたが、それだけではどうも足りないと、やはり一言、もう少し詳しく説明したいという構成員の皆様がいましたら、追加の分も含めてありましたら、どうぞ御発言をお願いします。

 

○矢野構成員 「臨床実習3単位」と書いていますが、現行に更に3単位以上という意味合いで記載したもので、ちょっと付け加えさせていただきます。

 

○田城座長 最低限3単位ということですかね。

 

○矢野構成員 現行(1単位)プラス3単位、ですから4単位以上ということです。

 

○田城座長 トータルで4

 

○矢野構成員 ということにはなります。

 

○田城座長 それ以上は、上限は特には。

 

○矢野構成員 ここの議論の中で適切な単位設定になればと思っています。

 

○田城座長 ありがとうございます。ほかの構成員の方。

 

○坂本構成員 坂本でございます。ただいま事務局から、各構成員の提案について御説明を頂きましたが、私はこの取りまとめを頂いた後にまた追加で資料を出していますので、それについて簡単に御説明したいと思います。お手元の追加の所で、私の名前で提出資料というのがあります。1枚めくると、まず単位数については、あはき課程で97単位、はき課程で90単位、あマ指課程で81単位、それぞれ現行に4単位ずつ追加しているものです。中身としては、保険、あるいは医療倫理等を含めたものを1単位増加することとともに、臨床実習を3単位増やして、トータル4単位増やしたものという考え方をしています。

 そして最低履修時間数の設定です。改めて、あはき課程、はき課程、あマ指課程それぞれを2,855時間以上、2,625時間以上、2,325時間以上という提案に替えさせていただいています。この積算根拠として、特にあはき課程を例に挙げますと、現行の基礎分野14単位については1単位15時間、専門基礎分野については1単位30時間、それから専門分野の座学に関しては1単位30時間、専門分野の実技部分については1単位35時間、臨床実習については、これは1単位45時間という規定があるのでそのままと。あと、専門分野の総合領域については1単位30時間。こういう形で積算したものを最低履修時間数ということで考えました。前回第1回目の検討会でも資料6-3で示されていますが、現行の学校養成施設がおおよそ2,6602,700時間ぐらい実施している。これが平均的な時間数ということになりますので、4単位の増加に関して、それぞれ臨床実習3単位、それから専門基礎で1単位増やすと165時間増えるので、これを現行の平均時間数に足しますと2,850時間ぐらいというのが出てきますので、今回お示ししています積算根拠と大きな隔たりがないこと。

 それから実技に関しては、本来は単位制というのは大学設置基準にあるように、1単位の授業科目を45時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準としていまして、各授業の方法、あるいは効果、授業時間外の必修、必要な学修を考慮して、1単位をそれぞれ15303045という範囲で定めることとされています。この範囲の中で時間数というのはそれぞれの学校養成施設で規定されるのが本来であろうと。しかしながら、今回の検討会の主旨でもありますが、質の向上、特に技能、臨床能力を高めるという改善主旨から考えますと、特に実技、それから臨床実習のところを少し多めにするのが妥当な考え方ということから、積算した時間数であるということですので、併せて御理解いただければと思います。

 

○田城座長 よろしいですか。では後藤構成員、よろしくお願いします。

 

○後藤構成員 検討するべき4つの項目についての意見は前に出していますので、それとちょっとだぶるかと思うところもあるのですが、追加資料の「後藤構成員ご提出資料」というのを見ていただきたいのです。まず基本的に、これは1回目の検討会のときにも再三申し上げたと思っていますが。


○後藤構成員 まず単位数と総時間数なのですが、中身を議論しないで総時間数と単位だけを議論するのは、とてもおかしいと申し上げてきたわけですが、基本的に、今回のこのカリキュラムの改善の検討委員会はあはき師の質の向上ということなので、この議論すべき4つの点にそれぞれ関係しますが、私は少し新しい提案もしています。その中でまず1つは、基礎科目、専門基礎科目も考え方によってはいいと思うのですが、放送大学の単位を互換するという形の組み方。これも、例えば97単位のうちの基礎科目について14単位、これらの中から放送大学の単位という形はいかがなものかと。

 御承知のように、放送大学の内容は非常に質が高くて単位取得もとても厳しい内容になっています。現在私の所で看護の通信制をやっていて、やはり放送大学に26単位、学内では23単位、これが習うべき内容なのですが、280人の卒業生の中で5人ぐらいは、やはり放送大学の単位が取れなくて、学内の単位、うちの単位は取れているのですが、放送大学は取れなくて卒業できないという者もあるぐらいに厳しいです。これはちょっと問題発言かもしれませんが、いろいろな学校、各地方にある学校の中で、それぞれ専門の教育陣を確保するよりも、一流の講師陣による質の高い教育陣がやられるということ。それから、今現在、うちの課程でもそうなのですが、学位を、学士とか修士とか博士を取りたいという者が放送大学を受けていると出てきます。質の向上につながる可能性があります。なにしろこういう教育を取り入れているということで、非常に時代の先端を行っているような印象も与えられるので、いい人材の確保につながるのではないかということで、放送大学の単位互換、これを提案させていただきたいと思います。

 次に臨床実習及び学内実習のみの指導ができるという、これは、先ほどの提案のところとだぶっていますが、医学部に臨床教授というのが平成9年に文科省から出ていますが、このイメージを描いています。これは、やはり実際に、あはきの臨床をやっている方たちとの交流が学内の教育を高めると私は思っていますので、その人たちのモチベーションを上げる。

 それから専任教員の人数も、これはやはり増やす必要があれば増やすべきですが、定義をしっかりと規定していただきたい。週に1回、あるいは週に2日ぐらいしか勤務していない人を専任と呼べるのかと思っています。それから、良い教員をこれから確保するためには、今現在の教員養成課程、2年間の課程ですが、これを見直したほうがいい。これも単位制にして、今は2年間ですが、5年ぐらいの間に単位を取れば専任教員になれるという道を開けば、臨床家から優位な人材を確保できるのではないかと思っています。

4、臨床実習の場所と内容の拡大。これは医療機関とか介護施設、これについては、あはきは必ずしもそこに馴染むかという議論があるかと思いますが、私は医療人として、人の生死とか、障害者とか高齢者の実態を知るというのは非常に大事なことだと思っています。また私事で申し訳ございませんが、PTと看護の教育もやっていますが、臨床実習から帰ってくると、顔つき、目つきが全く変わります。学生の行動変容のためには非常に役に立つと思っています。また、スポーツの現場とか災害でもかなり今、行われているので、そういう場所の見学も是非取り入れるべきではないか。

5、教員の資格の更新制度を義務付けたほうがいい。現在、御承知のように、文部科学省の教員免許状は更新制になっています。ですから、厚生労働省の指定の教員資格を義務化したらどうかと。学内実技実習の第三者評価。これは坂本先生からも提案がありましたが、各学校が責任を持って今、教育していますが、やはり第三者評価が非常に大事だと。これは柔道の財団がやっていることをイメージしています。

 それから、これが非常に私はやはりポイントになるのではないかと思うのですが、あはきのカリキュラム。この教育は完成型の教育なのか、非完成型なのかというところをきちんと押さえて、完成型に持っていくことは3年間の教育の中では非常に難しいと今、思っています。ですから、今の看護の養成課程は基礎、看護の基礎教育と言って、卒業した後のOJTで質を高めていく。こういう体質をやはり、あはきの業界にもお願いをして、是非、免許取得後にも生涯研修を受けることが望ましい、あるいは義務化をしていくことが非常に大事ではないか。厚生大臣免許移行時に指定講習会というのを指導要領の中にうたっていただいたわけですが、あのイメージです。

 それから、先ほどの教員養成課程の改正。これはここでの議論ではないかもしれませんが、質の向上のためには、より良い教員を確保するための方策を同時に考えないといけないと思っています。

 最後に、今回はカリキュラムの内容については全く触れられていません。いわゆる社会保障の問題と職業倫理の問題だけです。これは是非近いうちにカリキュラムの検討、ちょうど東洋療法研修試験財団では国家試験の在り方委員会をスタートします。ですから、国家試験の科目を、在り方とかも含めて、是非カリキュラムの中身そのものを議論する機会がこの後設けられることを期待しています。ちょっと長くなりまして申し訳ございません。


○田城座長 ありがとうございました。放送大学に関しては私も当事者なので、我田引水のそしりを受けるといけないので、ちょっとそのことについては触れられませんが。あと、北村先生が関わっておられたのですが今日は御欠席なので、後ほどの議論のところで触れることがあれば簡単な説明はしたいと思います。あと、議論は議題3のところでしますので、それぞれの御意見に対しての御意見は議論3のところで。ほかの構成員、ちょっと構成員と言うと今、神戸辺りでいろいろあって構成員を余り使いたくないので、委員、若しくは先生と呼ばせていただきたいのですが、ほかの委員の皆さんに関しては、この表をもって皆様の御意見を反映させていただいていますが、何か一言というのがありましたら。よろしいでしょうか。それでは、それぞれの御意見を賜りまして、大体皆さんが考えているところは同じ方向ではないかとは思いました。

 では続いて、議題3「カリキュラム等の改善について」に入りますが、事務局、残りの第3回、第4回とか、今後の日程というのは特に説明しなくてもいいのですか、よろしいですか。次回まで間が空くとか、この議論を今日どこまで詰めるのかにもちょっと関わってくるので、8月、9月までのことも簡単に触れられる範囲で構いませんので、タイムスケジュールをまず説明ください。


○医事課山本課長補佐 今回、資料3にまとめましたものについては、資料1の前回の検討会の御意見、それとあと、御提出いただいた御提案の内容、これを反映したものです。つきましては、この資料3について本日は御議論いただきたいと思います。次回においては、こういった資料3、論点を整理したものについての御意見を踏まえて、それを更に取りまとめていくということで進めたいと思っています。その上で、まとまる部分については事務局で整理しまして、3回の中に整理をして提出すると。どこまでまとまるかによって、3回、4回、若しくは5回目というところがどういう動きになるかですが、いずれにしても夏までには取りまとめをしたいと考えていますので、できるだけそういう御意見を集約して、次回、次々回ぐらいにはそういう内容がまとまっていくという方向で御検討を賜りたいと考えています。

 

○田城座長 分かりました。ありがとうございます。それでは、「カリキュラム等の改善について」です。資料3について事務局から説明をお願いします。

 

○医事課山本課長補佐 それでは、資料3について説明します。先ほどの説明のとおり、第1回の検討会の御意見、それと、提出していただいた御提案の内容をまとめまして、論点ごとに説明をしたいと考えております。まず、1ページ目です。1.「総単位数の引上げ、最低履修時間数の設定について」です。時間もありますので、要約して説明します。1つ目の○、最後から2行目の後半の部分です。現行の標準的な単位当たりの時間数により換算した、こういった表が下の表です。2つ目の○、今回の検討に当たり、最低履修時間数のベースについては、単位ごとに必要とされる時間数を積み上げたものとしてはどうかということで、2ページ目です。この単位数をベースにした履修時間数の換算の考え方ですが、この一覧表のとおりです。「単位あたり時間数」というのが横にありますが、この上で、それぞれの課程における時間数を換算したものということで、単位数及びそれに相当する履修時間数を一番右の所に出しております。

3ページに移ります。2.「追加カリキュラム(保険医療福祉とあはきの理念)について」です。国民の健康に携わる職業として、あはき師養成に当たり、倫理観を醸成させることが重要であることから、職業倫理に係るカリキュラムを盛り込んではどうか、また、同様に医療保険制度にも触れることが必要であると考えられることから、養成課程において、医療保険制度に係るカリキュラムを追加してはどうか、これらを合わせて、1単位30時間ということで提案させていただいております。4ページ目は、そういった改正のイメージということで、イメージ図を挙げております。

5ページ目です。3-1「追加カリキュラム(基礎あはき学)について」です。2行目の後段からですが、あん摩マッサージ指圧、はり又はきゅうが適応されるか否かの判断能力を培うカリキュラムを強化すべきとの指摘があり、現行でも「傷病と障害」の中で「あはきの適応」として存在することから、内容のみ充実し、単位数は増やさないが、確実に実施されるよう、認定規則の備考に明記することとしてはどうかということです。下にあるのがそのイメージです。

7ページに移ります。3-2「追加カリキュラム(実技)について」です。2行目の後段からですが、臨床実習について、他職種の状況も参考としつつ、臨床実習(現行1単位以上)4単位(180時間)としてはどうかということで、+3単位の135時間です。9ページに移ります。これら、盛り込むべき必要なカリキュラムを積んだ上で、どういった時間数、単位数になるのかの積上げです。9ページですが、あん摩マッサージ指圧師の場合につきましては、1のベースとして、2,205時間(77単位)、これに、今回のカリキュラム改正案としてイメージに出している追加領域を合わせると、165時間(4単位)、これを加えて、トータルで81単位、2,370時間になるのが出来上がりの図ということです。同様に、1011ページ目には、はり・きゅう、あはきの積上げのイメージを記載しております。12ページ目です。こういった計算を積み上げた上で、全体としてどのような形になるかですが、7課程それぞれに積み上げたイメージが12ページの図です。追加後のイメージということで、右側に記載しています。

13ページ目です。1315ページ目、こちらはカリキュラム改正案ということで、イメージ図として改正後のカリキュラムを示したものです。一番左が現行のカリキュラムで、これに対応する単位数を置いています。その右にある最低履修時間数につきましては、現行で、仮に単位ごとの時間数の幅の一番下を取った場合に、最低でもこの時間であれば一応履修したことになるということで置いております。右側のほうが、これらを積み上げた後の、教育カリキュラムの案というかイメージです。13ページがあん摩マッサージ指圧師、14ページがはり・きゅう、15ページがあはきです。

16ページ目に移ります。6-1「臨床実習の在り方(臨床実習施設等)について」です。臨床実習を4単位とする場合、附属の臨床実習施設のみでは十分な症例が集まらないとの指摘があるため、原則として附属の施術所としつつ、一部の実習では、他の施設でも実習を行うことができるようにしてはどうか、2つ目の○、実習施設において、医療保険の取扱いに係るカリキュラムを盛り込むこととしてはどうか。

17ページに移ります。6-2「臨床実習の在り方(附属臨床実習施設以外における臨床実習施設)について」です。1つ目の○、臨床実習施設の要件をどのように考えるかで、附属以外の場合に、どのように要件を設けるかということです。2つ目の○、介護施設及び病院等、他職種連携を学べる現場に広げるべきとの意見があるが、どうか。3つ目の○、附属以外の臨床実習施設の要件として、まずは教育体制が整っていることが必要であり、指導者、症例数、施術所の面積等を要件とすべきと考えられるが、どうか。次、開業期間等、施術所としての実績や、不正請求等、違反行為が行われていないか等、教育を行う施設としてふさわしいかという面も要件として考えられるが、どうか。次の○、実習の指導に当たるあはき師を対象に、実習指導者講習会の受講を要件とすべきとの意見があるが、どうか。

19ページに移ります。6-3「臨床実習の在り方(臨床実習における実施可能範囲)について」です。2行目からですが、臨床実習の充実を図るため、臨床実習における実習可能範囲を示してはどうかということです。2つ目の○、医師を参考とし、あはき師の臨床実習についても、あらかじめ患者に同意を得た上で、実習指導者の指導・監視の下で、実習指導者が主体的に行う施術について補助を行ってよいこととしてはどうか。3つ目の○ですが、補助であっても、学生が患者に対して直接施術を行うには、臨床実習開始前に、それに足りる総合的知識、及び、基本的技能・態度を備えていることが保証されていることが必要であることから、実技も含めた試験により、これらの評価を行うこととしてはどうか。

20ページ目です。7-1「専任教員(教員配置基準)の見直しについて」です。総履修単位を4単位(うち臨床実習3単位)を追加する場合、臨床実習を管理・調整等をする業務が大きく増加することから、それに対応して、専任教員数を現行の5名以上から6名以上に増員してはどうか。

22ページ、7-2「専任教員(その他)の見直しについて」です。1つ目の○、専任教員の定義、これを明確化すべきではないかということです。考え方としまして、具体的には大学設置基準を参考にして定めてはどうかというものです。さらに、専任教員は臨床実習施設において、継続的に臨床に携わることによって臨床能力を高めるよう努めることとしてはどうか。

23ページ目に移ります。8.「その他(新カリキュラムの施行と経過措置)について()」です。新たなカリキュラムは平成2941日施行を考えております。経過措置として、在校生については「現行カリキュラムで可」としてはどうか。さらに、教員を学年進行に応じた増員としてはどうか。

 以上、資料3について、事務局からの説明を終わらせていただきます。

 

○田城座長 ありがとうございます。今の資料、その文言に関して、直接この場で御確認しておきたいことがありましたら。御質問はありますか。なければ、これから議論を始めたいと思います。

 

○藤井構成員 資料の中身ではなくて表現のことで確認です。5ページの1行目ですが、これは「臨床能力の向上において、手技療術とともに強化すべき」うんぬんとありますが、「手技療術」は間違いありませんか。

 

○医事課山本課長補佐 表現が適切ではなかったかもしれません。すみません。

 

○藤井構成員 療術というのは、法的には禁止療術というのが一般的な解釈ですので。いわゆる整体カイロとかですね。手技、これはどういう意味ですか。

 

○医事課山本課長補佐 単純に臨床能力という考え方でよろしいかと思います。

 

○藤井構成員 分かりました。では、ここの修正をお願いします。

 

○医事課山本課長補佐 はい、恐縮です。

 

○田城座長 ほかに今のような文言等はありますか。ありがとうございます。先ほどタイムスケジュールで具体的な日にちの説明が事務局からはなかったのですが、第3回は多分6月頃を予定されているかと認識していますので、少し間が空きます。今日、完全に一致する必要はないと思いますが、皆様の御意見は大体同じ方向に向いていて、何となくコンセンサスはおぼろげながらできているという形がありますので、それぞれ何々してはどうかという設問が出ていますから、それについて皆さんの御意見を賜りまして、コンセンサスを得られるものは、それは同意を得たことを積み重ねる。ただ、今日、無理に必ずまとめなければいけないという感じではなく進めていきたいと思います。

 そして、この資料は読み込んできた事前資料よりページ数が増えているので、若干ばたばたするかもしれませんが、これについては、全体を大きく3つに分け、総単位数、総履修時間数、特に最低時間、追加カリキュラムについて、それで最低履修時間についてというパート、それがパート1です。

 臨床実習施設の在り方については、また次のパートです。専任教員の見直しは、皆さんは大体同じお考えだと思いますが、これを第3のパートと。最後に、その他において、経過措置等と施行。これは事務局から多分少し説明があると思いますが、そのように大きく3つ、プラスその他と分けていきたいと思います。

 第1の論点として、総単位数の引上げ、総履修時間数の設定、追加カリキュラムについて、それから、これは結構議論の的というか、最低履修時間数です。全体としての底上げを図るというか、そこのところで最低履修時間の設定について、大体3040分程度ディスカッションしていきたいと思います。ただ、事務局の説明とカリキュラム等の課題と改善の提案、それから、追加で坂本構成員、後藤構成員からお話がありました。坂本先生の追加の御提出資料、坂本案は、皆さんが考えているところに大体近いと思いますので、坂本案をたたき台にする感じでと思いますが、いかがですか。

 今、説明のあった資料では、総単位数、端的に言うと、4単位に追加してはどうかという提案が事務局からされていますが、そこについて御意見はありますか。特に、皆さんの提案を見ていると、まず標準として議論したいのが、あはきです。全ての資格を取れるところです。そこが大体97単位、97単位、藤井先生が99単位、矢野先生が100単位となっています。坂本案でも97単位となっていますが、まず、ここが大体、皆様のコンセンサスを得たいと思います。

 もちろん、単純に数字だけではなくて、ちゃんと積み上げるべきだという正論もありますが、それをきっちり、では全部1から積み上げていくのかというと、それは根本から積み上げていくという別の議論になってしまいますので、それは今回のこの委員会としては。

 それから、一般国民の目として、施術を受ける側の人たちは、中身というよりは時間数というところに着目をしがちなので、そういうことも踏まえて。

 

○藤井構成員 本質論はちょっと置いておきましょう。それで、若干、今、国民の目というお話がありましたが、社会的な評価を行うときは、どうしても修行年限が何年か、履修単位数が何単位か、授業時数を設定するときは、それは何時間かと、この辺りの多寡で評価をされるのが一般論だと思います。

 そこで、意見の前に1点確認をしたいのですが、事務局で差し支えない範囲で結構ですが、現行、類似の医療職種としての柔道整復師は85単位でしょうか。それで、はり・きゅうの86単位です。今、柔道整復は並行して進んでいると思いますので、今、柔道整復の状況はどのぐらいの単位数になりそうなのかを教えていただければと思います。

 

○田城座長 まず事務局で、もし差し支えなければ。柔道整復は実は北村先生が向こうの座長で、残念ながら今日は欠席されていますので、やはり共通した委員である釜萢先生からもし可能であれば追加のコメントを頂きたいと思いますが、まず事務局から御説明をお願いします。

 

○医事課山本課長補佐 柔道整復師の議論の中では、今の時点では12単位増の85から97単位ということで議論が進んでいるところです。

 

○釜萢構成員 今、事務局から御説明があったとおりであり、柔道整復師の検討会でもしっかりした履修を済ませて、優れた柔道整復師を養成しようという思いで、特に大きな異論はなく話が進んでいます。実際に学校で教育できるかどうかという観点からも検討していますが、今、事務局からあった方向で大体合意が得られそうだと私自身は認識しています。以上です。

 

○田城座長 私も事務局から柔道整復師カリキュラム等改善検討会の資料を頂いて読んでいますが、少し委員によって幅はありますが、整形外科の先生の御意見として97単位。これはほかの職種と違って独立開業する権利があるのだということで、看護師、本来ですと独立開業権があるのは助産師ですが、ということで看護師と同じ97単位にしてはどうだという意見が出されていると認識しています。

 

○藤井構成員 釜萢先生、それでよろしいですか。

 

○釜萢構成員 はい。

 

○藤井構成員 それでは意見ですが、コメディカル、大体、看護が97単位で、あとが大体93単位でしょうかね。今その中でも引上げの方向で検討するという医療職種も出ているやに聞いています。今、お聞きした柔整も、85から97単位と引き上げる。そういう中でどうなのでしょう、はり・きゅうが90でよろしいのかどうか。先ほど言いましたように、この辺りの履修単位数ないしは授業時間数が、いろいろな保険の点数とか、いろいろ社会的な評価を受けるときの1つの重要な基準になるので、果たして90単位でいいのかという懸念が非常にあります。ですから、前回、1回目のところでは大筋93単位の意見が多かったのではないかと思うのですが、少なくとも93単位は必要なのではないでしょうか。先ほど後藤先生がおっしゃられたように、決して数字ありきではいけないと思いますが、その本質論は置いておくにしても、単位数がこれだけ違うと、評価のところにかなり影響してこやしないか、この辺りを懸念するところです。

 

○矢野構成員 基本的には、今、藤井構成員がおっしゃられたことに賛同します。先ほど後藤先生のお話の中にもありましたように、完成教育を目指すのか、あるいは半完成、

更にもっとその前の段階が学校教育なのかによって変わってくるかとは思います。ただ、このあはき師の養成の場合は、他の医療職種の教育とは異なって、ある意味ではかなり完成教育に近いものが求められてきたかと思います。すなわち、卒業後、即戦力として雇用する、雇用された場合に十分に臨床能力を発揮して欲しいといったことが、(あはきの業界では)暗黙の了解であったかと思います。この点が、他の医療職種とは大きく異なる点かと思います。

PTあるいは看護師の場合は、卒業後も職場での指導、あるいは協会などの組織においての生涯研修が行なわれています。あはき師の場合もそういったことが卒後教育として進められているわけですが、(PTあるいは看護師の卒業後の)医療機関の環境と、あはき師の卒業後の環境はかなり異なります。あはき師の場合、それなりの診療能力を養成して世に出すということが求められるという観点から言えば、その辺りのところを勘案して単位数はもう少し増やすべきではなかろうかと。現在、あはき師の置かれている位置付けが、広義の医業類似行為ということで、医療ではないとされています。我々は決してそうは思っていませんが、そういった状況下で医療としてしっかりと位置付け、将来発展させていく上においても、他の医療職種と少なくとも横並びというところが大事ではないかと思います。これは藤井構成員が言ったように、社会的な評価にも大きく関わってくるものだと考えています。そういったことで、前回、大体、こうであろうというところの93単位以上は、是非、その方向で検討すべきだろうと思っています。以上です。

 

○田城座長 ありがとうございます。私もまず、あはきの9799100という御意見が出ているところの集約と考えておりましたが、今、お二人から藤井委員、矢野委員から御指摘があった、はきのほうも93ぐらいがという御意見もありました。坂本先生、この一覧表を見ますと、先生の御意見の所で、あん摩が83、はり・きゅうが93、あはきが97と記載されており、追加資料では若干数字が異なっているのですが、どうなのでしょうか。

 

○坂本構成員 最初に私どもが検討させていただいたときには、あん摩師、それからはりきゅう課程の時間数、あるいは単位数ということを、他の医療職種との関係も踏まえて、例えばはり・きゅう課程だと93単位ぐらいであれば、他の医療職種と遜色ないのではないかという考え方をしたのであります。しかし、その一方で、あはき課程という一番多い課程において、看護師並みの97単位を考えていきますと、積み上げていくと、どうしてもはり・きゅう課程とあん摩師課程をもう少し落とさないと、数字的な根拠が崩れてしまうのかということもあります。

 したがって、事務局の提案も同じようですが、それぞれの課程に今、4単位プラスするというのは一つの考え方で、妥当なのかと考え、改めて提案をさせていただいたということです。

 

○田城座長 この、はきとあん摩マッサージ師に関しては、元のものに、あはきと同じように4を足したという結果がこの数字という理解でよろしいわけですね。分かりました。藤井委員、矢野委員、何となく皆さん、あはきの所の97単位、プラス4というのは、おおむねコンセンサスを得られているのだろうと。ただ、それでも足りない99100という御意見もありますし、はきはそのプラス4、更に3単位分足したほうがいいという御意見かと思いますが、その辺りの説明をお願いします。

 

○藤井構成員 今、坂本先生のお考えは、あはき3科の単位数を看護と同等にというところから始まっているのだろうと思うのですね。それは一つの考え方で、決してそれには異論というか、そういう考え方もあるのかなと思うのですが、現在の資質向上という大義名分で、法改正が行われた1983年を少し振り返ってみたいのです。そうしますと、それまで単科は2年、2科はきは2年半、3科は3年と。それを1983年の法改正で、一律3年にしたという。これは厚生労働省の逐条解説にも書かれていますが、あはき法第2条で、高卒3年以上ですから、単科は3年で、何の異論もなかったけれども、問題は併科、はき2科を何年にするか。そして、あはき3科を何年にするか。当然それまでの考え方を踏襲すると、あはきは4年ではないかと、はり・きゅうは3年半ではないかと相当議論があった中で、当分の間、これでやりましょうということで、懸案になっている事項です。

 したがって、そこを踏まえれば、やはり、あはきを3年ありきという考え方には、ちょっと私は賛同しかねるわけです。したがって、はり・きゅうの2科をほかのコメディカルと同等にするというところを基準に考えるべきであろうと。そういう観点から、先ほどの柔道整復の今の審議の状況をお聞きしましたが、開業権がある責任において、相当数を増やすということになりますと、3つの手技の業を含んでいるわけですから、やはり柔整が97で鍼灸が90というのは、国民にどう説明するのかという観点から、やはり、いかがなものかと思います。

 

○坂本構成員 藤井先生からの柔整の数字と比べられるのは、今回の話とちょっと違うのではないかと思うのが1つ。それから、以前のあはき、はり・きゅう、マッサージの教育の課程を作っていくときの議論というのは、確かに先生が言われたとおりなのだと思います。しかしながら、今回、単位制になってから以降の状況がスタートラインなのかなと私は考えておりまして、他の医療職種も同時期に大体そのカリキュラムの大綱化というものがなされて、現行の数字になってきたと。したがって、はり・きゅう課程においても、あはき課程においても、そのときに決められたそれぞれの単位数というものがありきで、そこからどのぐらい今回の資質の向上のために積み上げる必要があるかということが、本来の論点なのかなと考えます。はき課程が86単位というのは、他の医療職種と比べてもともと、やや少なめであったと。一方で、あはき課程は93単位あり、理学療法士等々と大体同等の単位数で現行は行われていると。それを増やしていこうということですので、あはき課程に関しては93以上にしていこう、はき課程については他の医療職種に近付けていこうという考え方で、何ら矛盾はないと考えます。以上です。

 

○後藤構成員 さっきから他のコメディカルといいますか、横並び論があり、社会的な評価という話が出ますが、ちょっと社会的な評価については、現在の教育制度の在り方という別な議論も出てきます。ですから、その辺の議論になっていくのはこの場の趣旨ではないので、それを持ち出すのはやはり違うかなと。それから、看護師は平成元年に時間数で表記しているときは3,000時間だったのです。平成8年に単位制になったときに93単位、2,895時間という縛りを付けたのです。それを平成20年にまた改正をして97単位3,000時間となったのです。そのときには、専門分野のカリキュラムの内容が非常に大きく変更されました。つまり統合分野という、在宅看護や看護の統合と実践というような新しい内容が盛り込まれているのです。

 ですから、そのような議論がされれば、私は単位数と総時間数というものをするべきだと思うのですが、今回の御提案は現行の教育に特に足りないと思われる倫理と社会保障といった問題も足すことと、臨床実習をもっと腕を上げるためにしなさいということで、4単位足すと。これは非常に理にかなっていると私は思っております。

 例えば、これは最初にも申し上げましたが、看護も今は97単位で3,000時間といいますが、臨床実習を1,035時間やっているのです。ほとんどが2年生ぐらいから実習に出ております。学校にいないのです。ですから、こういうのと、ただ、973,000、看護師と同じだと言っても、やはり、ものをきちんと考えられる識者、国民の方は中身を見ると思います。座学は、あはきの今の教育のほうが多い、時間数はすごく多いです。

 それから、時間数が3,165時間と決められていたときから単位制に移行するときに、私も厚生労働省のワーキングの委員をさせていただいていましたから、よく経過も存じ上げていますが、やはり中身を少し考えたのですね。教養科目が300時間もあったのが、こんなに必要ないだろうということや、実技の時間も1,260時間もあって、これはおかしいのではないかというような、いろいろな見直しの中で単位制になったのです。ですから、カリキュラムの内容を今後きちんと見直すことを議論する。その必要があるということを付記すると言ってはおかしいですが、そういう形で、妥当なところで、あはきは97単位。そして、はきを基準にするべきだという藤井先生の議論もよく分かりますが、やはり、33年については大議論がありました。あはきを3年でいいのかと。これは、しかし文科省の管轄の学校の問題もありました。ですから4年制にするという形は誰が反対したとか、彼が反対したとかというのではなくて、現在の教育制度上、これは難しいということで、あはきは3年にしようということになったと私は解釈しております。ですから、その当時から内容も変えないで、やたら、ただ単位数と時間数を増やすことは非常に私は違和感を感じます。

 それと今回、事務局でお示しいただいている案で、実技実習を40時間でカウントしているのですね。これが何か不思議だなと、私はちょっと思うのですが、大体の学校では実習は多分30時間で行っていて、35時間でやっている所もあるでしょう。いろいろな自由性がある、単位制とはそういうことだと思います。特にあはきの教育の中では、総合領域という非常に曖昧模糊とした科目があるので、こういうものの見直しなどをして、カリキュラムの中身をきちんと見直して、国家試験の科目もさっき申し上げたように、それらの議論と並行してやるべきだと私は思います。ですから今回は97単位ということで、ここに示されているのが2,950時間、学校協会は2,850時間、この辺で議論していただいたほうが現実的かと思うのですが。

 

○田城座長 ステップバイステップに行こうと思って、まず単位数、特にあはきのほうで、一番単位数の多い所の議論で、97単位ではどうでしょうかというところから入っているのですが、もう少しパッケージで考えますと、97単位で4単位増えると。それで何を増やすかという中身。それから実習についても、これは実は一連なので、御提案なのですが、議論も10分しているので、事務局の提案をまとめますと、あはきで4単位増やす。そのうちの1単位は昨今いろいろ問題になっている保険診療の基本ですね。税金と保険料という公金を使ってやっている医療提供体制、介護提供体制の中の、この社会保障システムの中で働く者としては、そこはきちんと倫理感も含めてということで、既に公衆衛生で触れられているのではないかと議論もありますが、そこだけきちんと切り出して、倫理と併せて1単位として、残りの3単位は実習を増やしてはどうかと。そして実習の中身について、その実習先が実は事務局の提案としては一連のものなので、ステップバイステップに順番に行こうとしたので、議論を要しました。それで、あはきで4単位足すということは、では、はきやあん摩のほうも取りあえず今回はプラス4にとどめるというのが坂本委員の御提案だったと思います。

 今日ではなく次回でよろしいのですが、更に例えば、はきですと4単位増やしたプラス3単位分増やす。それから、あはきの場合でも矢野先生から、更に3単位分増やすということになりますが、そこに増やす単位としては、どういうものがあるのかというところも含めた御意見を、もしあれば、次回で構いませんので。

 

○矢野構成員 後藤委員が言われたように、教育課程の内容とカリキュラムの内容は本来表裏一体ですから、時間数や単位数だけで議論はできない。ただ、そこまで含めて議論すれば、この会議だけではなかなか結論が得られないと思います。そういった意味で、その内容の所はそれぞれの胸の中に含んだ形で、この単位、時間が適切ではないかという御意見だろうと思います。私も(はき課程では)93単位以上は必要ではないかと思います。例えば、この提案の中に、「あはきの適応(単位追加せず)」と書いてあります。これは臨床家を養成する上では最も重要です。適、不適、禁忌を適切に判断することで受療者が受けるリスクを最小限にしていく、むしろ単位を追加せずではなく、単位をしっかりと独立させてやっていく、あるいは東洋医学臨床論の中に、診察編、治療編という形に分けて、現在よりもう少し内容を豊富にしていくという意味で考えると、2単位ぐらいは必要ではないかということを考えております。

 それから今回は、職業倫理ということですが、一部、医の倫理については医療概論でもやっております。医療概論の場合、基本的に広い意味での医療人としての倫理で、こちらの場合はより限極的に、あはき師としての職業倫理と捉えた場合に、これは独立させて授業科目として設定していくことは、賛同したいと思っております。もう1つ、医療概論の中に歴史も含まれていますが、ほとんど、あはきの歴史というのは、無視されているところがあるのではないかと思っています。我々は、あはきを常に伝統医療であると口にするわけですが、伝統医療としての歴史的的発展については十分教育されていません。現在、そして将来、あはき師としての自分たちの役割、あるいはミッションといったものを考えたときに、しっかりとあはきに関する歴史的なもの(例えば、あはきの歴史)も今回は是非組み込んで欲しいと個人的には思っています。それらも含めて少なくとも90単位プラス3単位ぐらいは必要ではないか。それによって、より充実していくのではないか。

 それから先ほど、必ずしも柔整うんぬんという話がありましたが、独立開業権があるということは、やはり重視しなければいけない。先ほども後藤先生がおっしゃったように、学校教育の中で完成教育はなかなか難しいので、今後、卒後教育を含めた環境を整備していくというお話だったかと思います。ただ、これには相当な時間が掛かります。そういった意味で、あはきに対する国民の信頼を得るためには、安心・安全な診療を卒業後に行えるようにと最低限のところで考えても、現状よりも(教育課程を)充実させなければいけない。そうであれば、先ほども言ったように、診療能力の学修も含めてプラスアルファとすれば、やはり93単位ぐらいは一つの目安になるのではないか。

 それと同時に横並び論というのは、必ずしも適切ではないと思いますが、我々はあはきを医療、医療と言っていることからすれば、医療にするには一定のスクーリングが必要であり、1つの評価につながる。これは否定できない事実だと思いますし、今回はそういうことも勘案して、それなりの単位数を確保することを徹底すべきではないかと思っております。

 

○田城座長 ちょっと私の不手際で、まず、単位数だけとお話しましたが、今日配られたほうの資料311ページに、座学分として「保険の仕組み及び職業倫理」に関する科目1単位、プラス臨床実習を3単位追加して、臨床実習に関しては計4単位になるわけですが、4単位足して時間数として165時間、最低履修時間のめどとして、2,9503,000というのが目の前にありますが、165時間という時間数を足して2,950というのが、実はパッケージで提案されているということです。いきなりこれを持ち出してというのもどうかと思ったので、一つ一つ積み上げてはいきましたが、単位を追加するときには、何を追加するのかということも、裏表の関係ですので、事務局案としては、ここまで具体的な提案があり、それから来年度以降、実際にやるときに、では何を増やしてくださいとお願いする立場としても、具体的な提案をしていかなければいけないということですので、大変申し訳ありませんが、ちょっと座長の若干、独断的なことかもしれませんが、ここにあるように4単位追加で、しかも追加は「保険の仕組み及び職業倫理」等の座学1単位と臨床実習3単位で、臨床実習は4単位とするプラス時間、最低時間という、これの是否といいますか、これに関する皆様の御意見を改めて賜りたいと思います。

 

○藤井構成員 そうですね、何単位が好ましいかという議論は余り建設的ではありませんから、ようやく少し、中身の話になって、いいと思います。そういう意味で言いますと、まず、この事務局案、あるいは坂本先生の案も同じでしょうか。臨床実習が3単位増になっている。増やすこと自体全くこれは、皆さん全委員のコンセンサスが取れているわけですが、この案の問題は、単科も2科も3科も同じ4単位以上ということになっている点なのです。実技・実習はやはり、あん摩マッサージ指圧の手技と、はり・きゅうというのは、それぞれに独立した別の技術、あるいは知識に基づいた応用力といったところが問われますから、当然、傾斜配分になっている。当然、臨床実習こそ、正に傾斜配分すべきではないかと私は思います。そうすると私の案では、単科は4単位以上、はり・きゅうは1単位プラスして5単位、そして、あはきは6単位と、1単位ずつ傾斜させて上乗せしていくというのが、妥当な考えではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 

○田城座長 その場合、例えば基本になるのがプラス4単位で、さっきから同じことを言っていますが、座学1単位、臨床実習3単位。更にプラス1ずつ足していく場合のプラス1の具体的な内容としては、実習なのか、理論なのかというところはありますか。

 

○藤井構成員 臨床実習です。

 

○田城座長 分かりました。ということはあん摩マッサージはプラス3単位の臨床実習で、はり・きゅうはプラス4単位で、あはき3つの資格全ての場合にはプラス5単位の臨床実習が必要だと理解してよろしいですか。

 

○藤井構成員 そうです。論理的に単科3単位にプラスであればということです。

 

○田城座長 ほかに御意見ありますか。

 

○栗原構成員 今の藤井先生がおっしゃられた案を、基本的に支持します。あん摩単科については、事務局提案の81単位、2,370時間という案が、現在のあん摩マッサージ指圧師の仕事内容ということを勘案すると妥当ではないかと考えています。これに加えて、はり師・きゅう師の場合、それから、あはき師の場合には、臨床で取り扱う症状、病名の範囲がかなり、あん摩マッサージ指圧師とは異なって多くなってきますので、それに見合った臨床実習の単位数が必要だと思います。そういう観点で、はき師の場合に、臨床実習は現在の1単位プラス4単位で5単位、それから、あはき師については現在の1単位プラス5単位で6単位の臨床実習を行うべきだと考えています。以上です。

 

○田城座長 そうすると、あはき師で4単位増やして、そこは臨床実習が3単位というのが1つの。

 

○栗原構成員 あマ指ですね、あマ指単科で。

 

○田城座長 ごめんなさい、今は栗原先生のではなく、まず1つの意見としては、あはき全ての資格を教育する課程でプラス4単位、それは1足す3というのが基本で、事務局の提案ですし、坂本委員、後藤委員の御意見でもある。藤井委員、栗原委員はそうではなくて、プラス4があん摩マッサージ指圧師の単科のところで、1つずつ増えていくときに、1単位ずつ更に増やすべきで、それは臨床実習をもって増やす時間を、座学にではなく充てるという理解でよろしいですか。藤井委員と栗原委員もよろしいですか。分かりました。では、まず、座学部分の、保険制度プラス倫理の座学は1単位増やすということに関しては、皆さん御同意いただけるということでよろしいでしょうか。では、事務局のほうも、これはコンセンサスは得ていると。

 

○藤井構成員 人体の構造と機能のところに、運動学が含まれています。現行は確か運動学という文言は入っていなくて、それで13単位です。今度、運動学を含むということにしますと、ここを1単位増やさなくていいのかと。運動学というのは、非常に重要な、あはき師にとっての基礎的な知識です。いろいろな調査をやっても、運動器疾患というのは大体扱う患者が多く、8割前後を占めているわけです。いろいろとこれから介護等の分野でリハビリの実技が求められるという場合、やはり運動学的な観点から、いろいろ試行していくという意味でも、運動学は非常に重要ですので、これは是非、運動学を含むとしていただきたい。これ自体、全く賛成なのですが、そうであれば1単位増やす必要がないのかとも思うのです。いかがでしょうか。

 

○田城座長 御意見ありますか。

 

○坂本構成員 ただいまの運動学の件に関しては、既に解剖学に関連付けて、機能解剖や運動機能解剖という形で教授されていると思われます。それから、事務局提案の中に、「あはきの適応」というものがありましたが、これは非常に大事なことで、矢野先生も言われたとおり、今以上に詳細に教授していく内容であろうと私どもも理解しているところです。しかしながら、例えば、専門分野の中に総合領域というものがあり、この使い勝手には非常に自由度がある。この総合領域の中で、今、本当に足りていないだろうと思われるようなところを、どんどん総合領域の中で教授していくという形であれば、必ずしも単位を増やさなくても一定の規定があればできるのではなかろうかと思います。

 

○田城座長 スポーツマッサージといいますか、例えばスポーツ選手のトレーナー的な分野に力を入れる学校もあり、介護のほうに力を入れる、若しくは1つの中で公正にするということも不可能ではないですが、そういった特色を付けるための総合領域の10単位を使ってはいかがということ。私は放送大学の前職が体育学部系、スポーツ健康科学部の私自身は健康学科ですが、体育学系の学部におりました。運動学といっても、かなり幅があるので、ざっくりとはしているのですが、多分、運動生理学のようなものになると思います。それから、整形外科とリハビリテーションという臨床的なところにも入るので、今のままでも特に解剖学、生理学のところにスポーツ生理というか運動生理を、13単位の枠の中で少し色付け、重み付けすることは可能かなとは思います。

 その弁でいくと、では保険の仕組みも公衆衛生の中でやれないのかと言われてしまうとあれなのですが、やはり、税金と保険料を使うということ、それから、適応のところも鑑別診断という意味の適応もありますが、保険診療、法律の制度の中で、ここまでやっていいのかどうかというところも、実はこちらのほうで、職業倫理や鑑別診断とは違いますが、踏み越えて良い、悪いというところは制度論のほうでも触れられるのかとは、ちょっと思いますが。

 

○矢野構成員 総合領域について、これはもう1度見直す必要があろうかと日頃、思っております。総合領域そのものが設定された理由は幾つかあろうかと思いますが、その中で田城委員長がおっしゃいましたように、各学校がそれぞれの特色を発揮した教育を展開する。生涯を通じて地域や広く社会の期待に応えることができる能力を養うということですから、共通のあはき師の養成教育の上に更にそれぞれの学校の特色を発揮するところが総合領域の本来の役割ではないかと考えております。

 昨今、どちらかというと、いろいろな科目が読み替えということで、リベラルアーツに関わる科目が薄くなってきている。医療人としての資質とコミュニケーション能力が要求されるとすれば、そういうところの基本をどのように涵養していくかといったときに、リベラルアーツに関する科目が必要です。人間性の涵養をしっかりと再認識しながらやっていく。そう考えたときに、総合領域は弾力的に扱える分野でもあるので、本来の趣旨がいかされるように、それぞれの学校でしっかりと考えて、実践していくべきだろうと思っております。

 また、基礎分野のところも、こちらの案では14単位、1単位が15時間ということですが、従来、1単位を30時間ぐらいでやってきた所がかなり多かったかと思います。やはり基礎的な能力、また、人間性というところをどう形成していくか、そこのところをしっかりとやっていこうということで従来は30時間ぐらい設定されたかとは思います。提案は1単位15時間ということで、そこまで指定するつもりはありませんが、あはき教育の中のリベラルアーツに関する科目はしっかりとやっていく。こういったことによって、地域包括ケアの中でいろいろな医療職種と連携する力も付いていく、ということで考えた場合、非常に大事な部分ではないかと思っております。

 

○田城座長 ちょっと今のリベラルアーツと一般教養というのは、必ずしもイコールではないのですが、一般教養科目は資料では14と、違いますか。14ですよね。今、矢野先生は15と。ああ、時間ですね。分かりました。

 

○矢野構成員 1単位15時間換算。

 

○田城座長 そういう意味ですね。

 

○矢野構成員 かつては30時間やっていた所もあります。それは恐らく。

 

○田城座長 単位数ではなく。

 

○矢野構成員 ええ、授業科目の内容によって、1単位15時間でやったり、30時間でやったりという意味です。

 

○田城座長 分かりました。では、すみませんがその前に、後藤先生の手が先だったので。

 

○後藤構成員 議論がちょっとそれていったような気がします。先ほど臨床実習を加算するべきだというお話がありましたが、私の提案というか、後でまた検討事項になっているわけですが、臨床実習を決めたのはいいけれども、実際にやれるかという話をきちんとしないと。前に曖昧模糊としていた時代があって、養成施設が必ず実習施設を設けて、そこで実習をさせろというのが、前の国家試験になるときに、きちんとうたわれたのですが、実際的にはどうだったかというと、これはちょっとはばかられるかもしれませんが、一部、関係業団体の反対が実は非常にありました。実際に学校がそういうものを設置しようとすると。ですから、業団体の御理解を頂くことが1つです。

 それから、申し上げている、学校教員はそれなりに臨床もさせていますが、やはり自分で治療院を背負って臨床をやっているのと、学校の名前の下に臨床をやっているのとでは、迫力が違うというのを、実際に教育をやっていて思います。ですから、臨床の先生たちに、学校の実習や臨床実習の学校が設置する臨床実習の場所に来てもらって、指導してもらう、そのための臨床実習の教員制度というものをきちんと考える。こういうものと抱き合わせて議論しなければ、ここでただ数字を、やはり、あが4だったら、はきが5で、あはきが6だという数字をやっても仕方ないと思います。実際に機能するのかどうかというのは、今、申し上げたようなことと抱き合わせで議論していただきたいということがあります。

 それから、はきを中心に置くのか、あはきを中心に置くのかという議論ですが、今、あはきの課程の数からいったら、文科省の盲学校は全部あはきの課程です。晴眼の養成施設の中では、はきの養成施設が非常に規制緩和でたくさん増えましたが、いわゆる昔からのあはきの学校が19校あります。ですから、数の上からいったら、あはきが中心になるのは当たり前だと私は思います。それが、はり・きゅうが中心だという論拠が一体どこにあるのかを示していただきたい。

 

○田城座長 藤井構成員からも手が挙がっていたのですが、少しその前に、実は次の議論もそろそろしなければいけなくて、次の議論は臨床実習施設の在り方です。さらに実習の枠が増えるので実習の場所、それから実習を指導する専任教員の在り方というように、これも一連のものです。

 論点を整理すると、まず少なくとも4単位増やすことは最低限皆さんのコンセンサスを得ていて、座学1単位もコンセンサスを得ていて、何を増やすかもOKです。残りは、実習を3単位なのか4単位なのか5単位なのかというのは、まだ残ってはいますが、とにかく増やすのは臨床実習だということだけは一致しています。

 ですから、次の臨床実習施設の在り方、増えた時間数をどこできちんと吸収できるのかという議論もしなければならず、そのときに付いて行く教員もどうかということで、23も一緒に議論したいと思います。その前に藤井構成員から手が挙がっているので、どうぞ。

 

○藤井構成員 現実にできるものでなければ、絵に描いた餅になるではないかという後藤先生のお話だったかと思いますが、これは全く内向きの理論です。やはり、はり・あん摩を受ける国民の側に立った議論でなければいけないと思うのです。

 確かに後藤先生がおっしゃられた現実の問題は非常に大きいと思います。3単位を増やすだけでも、本当に実習の施設を確保できるのか、あるいはスーパーバイザーをどうするのか、そのための講習会をどうするのか、これは大変、問題山積になるわけです。

 したがって、そこのところについては一定の経過期間を置く必要があると思うのですが、ここで議論する何単位の臨床実習が必要なのかという議論は、本質論で議論すべきであると。少なくともほかのコメディカルでさえと、あえて言いますが、12単位、18単位です。我々は、冒頭にあったように、開業権を持った人の臨床能力を担保しなければいけない。本来ならば3単位プラスでも私は少ないだろうと思いますが、現実問題を考えると、少なくとも単科は3単位増です。

 ここでは、どうあるべきかという本質論を議論すべきであって、そういう観点で言うと、先ほど栗原先生からあったように、扱う疾患が違うのです。ですから、あん摩、はり・きゅうと同じでいいのか。これは国民の側から見たら、私は十分に説明責任を果たせないのではないかと思うのです。

 

○田城座長 議事を進めます。まず、臨床実習の単位数を増やすというのは皆さん共通です。トータルの時間数が4なのか5なのか6なのかというところが議論になっていると思いますが、ここは一旦置いて、資料316ページ、17ページを御覧ください。

 ここには、臨床実習を4単位以上とする場合、施設附属のうんぬんで、実習先についてで他の施設でも実習を行うことができるようにしてはどうかと。17ページ等も、臨床実習施設の要件どうの、それから面積とあります。

 この臨床実習を4単位以上というのは、456も含みますので、今の藤井構成員の議論はそのままにしておいて、この16ページ、17ページについては議論できると思いますので、臨床施設実習の施設についての議論をしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

○矢野構成員 臨床実習について、ここに提案されていることは、非常に大事なことです。これも第1回目においても、あはきの対象になる分野は時代とともに広がっていますので、そういったことに十分対応できるような診療能力を学習させるとすれば、それに必要な臨床フィールドをどう確保していくかと、今回はしっかりと議論しなければいけないのではないかと思います。

 ただ、何でもどこでもいいというわけではありませんので、臨床実習施設の要件をどうするのか。また、介護施設、病院など、他職種連携ということを学べる現場をどう確保していくのか。これは確保していくというよりも、必ず確保すべき努力をこれからしっかりとしていく必要性がある。そのことを前提として、先ほどの臨床実習の単位数ということを考えていったときに、藤井構成員の提案の傾斜配分、すなわち対象疾患、対象とする病態、また対象とする治療内容等を考えた場合には、それぞれに必要な臨床実習先を確保すると同時に、それに必要な単位数をどう充てるのか。これは大事なことであると同時にこういったことを学校教育の中でしっかりとやることによって、国民のあはきに対する認知、あるいは理解が広がっていく。

 臨床実習は、ほとんど学校の中で完結してきましたから、あはきが本当に日本の伝統医療と認識しているのか、私の調査では50%以下です。それは、あはきを知る機会がないからだと思います。この際、実習といえども、その機会を通して、いろいろな所であはきは素晴らしい臨床(療法)であるということを広げていく、これは今回の議論に必ずしもふさわしいかどうか分かりませんが、そういう人材の養成ということを考えたときに、実習先の確保と同時に単位数については真剣に議論していく必要があるのではないかと思います。

 

○田城座長 くどいのですが、臨床実習を4単位以上にする。そしたら、今は1単位ですので、まず場所が圧倒的に足りないから、そうすると施設以外の実習施設を拡大するべきだと。それはどういう所が適当で、逆にどういう所までという条件が必要だろうと。

 それから、そのまま資格を取って開業する人もいるということですから、診療報酬の算定等という、少し事務的なことになるのかもしれませんが、そういう実務も同時に実習の中で教えられるようなことを考えてはどうか。これが16ページの四角の中の2番目の○です。

17ページがくどいのですが、臨床実習施設の要件で、現場を広げる、そこの施設所の面積、症例数、指導者の資格、同行する実習担当教員の在り方、最後に専任教員というのがあります。専任教員というのは少し置いておいても、どういう所が拡大させる臨床実習の場所で、そのときに誰が指導して、誰が学校側から付いて行くのかというようなところも含めた総合的な議論をお願いしたいと思います。

 

○坂本構成員 臨床実習に関しては、現行の状況では、学校養成施設が設置する臨床実習施設ということに限定されております。これは学校施設の中に、あるいはかなり近隣にあることが1つの条件になっていますが、このままですと、少なくとも現在案として出ている4単位以上を確保することは、私も難しいと考えます。

 そこで、臨床実習施設を学校の施設から遠隔地でも設置することができるという要件が1つです。それから、学校養成施設以外の臨床実習施設を認める要件を作っていくということです。そして、その施設においては施設の設備要件と、当然指導者要件という2つが出てきます。

 私が今回追加資料の中で、この辺りの要件を少し記載させていただいているのですが、養成施設以外の臨床実習施設を認める場合の要件としては、指導者は、あはき師の免許を取得してから10年以上の実務経験がある、あるいは5年以上の実務経験があって、なお、例えば臨床実習指導員の講習会のようなものを実施して、これを修了した者というのはいかがかなと。

 それから施設の要件ですが、少なくとも私どもの学校の学生が実習に伺うとして、1施設に23名を実習に伺わせたいと考えると、少なくともそのベッド数、その症例数が確保されていなければならないだろうと考えます。1クラスが30名だとすると、3人ずつでも10施設が必要になります。これが各地域で確保できるかどうかというのは、まだ何ら根拠がありませんが、そのぐらいの施設が確保できるのであれば、やれないわけでもないかなということであります。

 それから、あはきの施術所以外の臨床実習施設というのも、そういった観点で言えばもっと広げて、いろいろな形で臨床実習を行う必要があるということと、先ほど後藤構成員が冒頭のほうでも言われていましたが、様々な現場を見て、経験することは、学生の視野を広げるとともに、かなり医療に対するモチベーションあるいは医療に対するしっかりとした考え方を定着させるいい機会と考えますので、医療機関あるいは介護施設、あるいはスポーツ現場なども、一定の範囲内で認めてはどうかと考えております。ザッと私の考えは臨床実習に関してはそういうことであります。

 

○田城座長 釜萢構成員、医師の臨床実習に関してですが、北村先生もいらっしゃらないので、医師を代表してお願いしたいのですが。最近はプライマリーケアということも含めて、実地医家の先生と言いますか、医師会の協力の下でですが、診療所実習がかなり東大でも順天堂でも増えていると思います。それはどのような在り方をされているのか教えてください。

 

○釜萢構成員 まず、診療所での実習の場合には、指導体制がしっかり取れることが大事です。診療所の場合には医師が1名とか2名とか、せいぜいそのようなものですので、その人たちが指導医になるに当たっては、何を指導して、何を見てもらうかということについての十分な事前の準備を、医師の場合は大学との間でしっかりと詰めて、事前の連携が非常に大事です。

 実際の実習に当たって、臨床実習専任の指導者が付いてくるということはなかなか難しいですから、きちんと指導体制が取れるような十分な準備をして、そしてやるという状況だと思います。

 

○田城座長 矢野構成員にお伺いしたいのですが、「臨床実習」と「臨地実習」という言葉を使われて、矢野構成員は臨床実習は最低限2単位以上、臨地実習が最低限1単位以上。それで、後藤構成員、坂本構成員がおっしゃっているように、見学、これはもしかすると総合領域の延長ということも考えられなくはないのですが、介護施設やスポーツの現場、スポーツトレーナーのような現場というのも、1単位分に含める、ちょうどバランスの取れた4単位以上というのができると思ったのですが、臨床実習と臨地実習について少し御説明いただいて、それから先生の御発言をお願いします。

 

○矢野構成員 今、臨地実習というところが議論になっていると思います。その場合、坂本構成員が挙げておられるように、私自身も10年以上の実務に就いた人、できれば鍼灸については、全日本鍼灸学会の認定証を持っている先生が適切ではないかと思っております。

 それから、鍼灸関連団体での生涯研修を毎年受講している履歴を持つ人、また受入れが十分である、坂本構成員の記載にあるように、10症例以上、ベット数といったことを勘案しながら、教育施設以外の所(実習施設)をしっかりと定めていくということが大事ではないかと思います。

 同時に、そういった所(実習施設)でどういうことを指導するのか。これは医学部のほうでも臨床指針が作られていますので、それを参考に、あはきの臨床指針に基づいて実習というものを展開していくことが望ましいのではなかろうかと思います。

 また、そこに行く学生の場合、これは医学部のほうでは共用試験が実施されておりますし、現在、学校協会のほうでも一定の能力をチェックすることが実施されております。そういったことで、共用試験的なものをしっかりと確立して、それに合格した者を現場に送り込んでいくということも必要ではないかと思います。

 同時に、そこでどの範囲でやるかはまだ分かりませんが、患者若しくは患者の保護者の同意を得ることを原則として、しかもそこでトラブルが起こった場合でも、賠償保険にしっかりと加入し、それを義務化して問題が起こらないような状態を作り上げていく。そうした環境下で、いろいろな施設での臨地実習を展開していくということが大事だろうと思っております。

 

○釜萢構成員 今、矢野構成員からの御指摘は非常に大事な点だろうと私は感じます。まず、医師の国家試験を通る前の「参加型臨床実習」と言っている、在学中に行う臨床実習については、4年の修了時点で、共用試験というのが80の大学で一斉に、きちんと質を担保させてできるようになりました。それは医療安全の観点から、やはり実際に患者さんの同意を得ますが、患者さんに触れて、いろいろな医療行為を体験させることが是非必要なので、そのためにはきちんと質を担保して、安全に実習ができるようにと。その代わり、見ているだけではなくて、しっかりと参加して実習をさせるという体制が必要だろうと思います。ですから、あはきの実習に関しても、順次体制を今後は整えていっていただくことが必要だろうと感じます。これが1つです。

 養成施設以外の臨床実習施設の中で、医療機関、介護施設、スポーツ現場などの見学実習となっております。しかし、そもそもこれは、あはきという非常に歴史の古い、日本にとって非常に大切な伝統的な療法について、しっかりとそれを身に付けている人に、あはき師としての資格を国家資格として与えるということですから、あはきの資格を持った方が、例えばスポーツトレーナーをなさるとか、介護の現場で役割を果たされるのも、もちろんそれは大いに今後は必要なことなのですが、あはき師としてのしっかりとした資格を身に付けるというのがまず基本であり、そのための実習に医療機関、介護、スポーツ現場というのは、私は非常に違和感を感じます。あはき師の資格を取られるためには、あはきの現場でしっかりと実習をしていただかなければいけないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

○田城座長 4単位分のうち1単位はそういうのがあってもいいのではないか、つまり、医学部も6年間ありますので、6年間のうちアーリー・エクスポージャーとか看護実習を1年生でやっている大学もありますから、4単位分を学年配分するうちの1単位は、若い学年のうちにそういう実習をやってもいいのではないかという提案だったと私は理解しております。4単位を全部それでというわけではなく、学年進行して臨床実習で実技をきっちりと身に付けるというのは、3単位以上はそれはきっちりとやってもらうけれども、1単位はそういうのも若い学年のうちにやるのもいいのではないかという御提案と理解しております。

 

○釜萢構成員 医療に携わる方として、医療の現場をつぶさに見てみるという趣旨であれば理解できます。ただ、あはき師としての実習を医療機関で行うというのは、全くあり得ないことかなと思ったのです。

 

○田城座長 分かりました。

 

○坂本構成員 釜萢構成員の御意見も十分に理解しております。私自身も医師でありますし、医療の現場にもおりました。しかしながら、一方で医療の現場において、あはき師を活用しながら医療を行っていく、いわゆる統合医療という考え方も昨今ではございます。

 したがって、必ずしもあはき師が医療機関において実習することが、あはき師の本来業を侵すということではなく、むしろあはき師の知識や技能を高める1つの方策になるのではなかろうかと考えております。

 

○後藤構成員 座長を差し置いて勝手なことを申し上げると、この臨床実習については、ともかく最低4単位です。それに上乗せするかどうかというのは次の議論で、どういう所で実習するかということについても、業団体の理解ということが1つあるし、そこら辺は次の議論にしていただいて、基本的には臨床実習は4単位以上は増えるという形で、施設も増やす、幅広く考えるというところだけ押さえていただく。そして、もし施行の場合に、藤井構成員が言ったように、本質的な議論でいきましょうということで言うならば、本当はもっと臨床実習はあったほうがいいと思うし、ほかにも改善すべきところはたくさんあるので、とりあえず臨床実習はそれでいいのではないかなと。

 時間数ですが、97単位というのは大体のコンセンサスはあるのではないかと私は思うのですが、もっとあるべきだというのもよく分かります。これは今後カリキュラムの内容をきちんと検討する中で、またもう1回見直すと。

 実は、この指導要領の見直しは、平成2年に5年たったら見直そうというのが合意だったのです。それから25年もたってしまいましたから、そういうことではなくて、やはり時代に即して内容をきちんと検討するということを付記していただく形でいかないと、なかなかそれぞれの主張があって難しいと思います。すみません、座長。

 

○田城座長 いえいえ、私が言おうと思っていたことは正にそのとおりだったので、ありがとうございました。

 まず、実習は4単位以上、とりあえず4単位以上ということでは皆さんの同意は得ていると。教育施設の附属の施設の中だけでは足りないということも、コンセンサスを得ていて、施術所というような所、医師であれば診療所を活用するのと同じように、そういう所まで広げるということもOK。では、どこでもいいのかというと、そうではないというところで、施術所もきちんとした所、教える人が10年、指導者の講習をきっちりと受けていて5年以上というような要件で、これもコンセンサスを得ている。では、逆にどういう所がいけないのか、どこまで広げると広げすぎなのかというところについて、もし具体的な提案があれば御意見を頂いて、もう時間が迫っているので、最後に「教員の在り方について」に少し触れたいと思います。

 ここまでは広げすぎだろうという、悪い例というのは何かございますか。さすがにここは広げすぎですとか。

 

○後藤構成員 現在そういう解釈が非常にまかり通っておりますが、大学院の修士課程を出た人が修士で専門としたもの以外の何の科目も全部教えられるとなっているのが現状なのですが、それは非常におかしいと思います。ですから、そこもきっちりとしていただいて、専任教員になることは何の問題もありませんが、自分が専門とした大学院で、それ以外は何でも教えられるというのは絶対におかしいです。今の教員養成施設では人体の全部、専門基礎と専門分野について、全部学び直して深めています。それから教育学もやっています。全く違うので、ここはきちんとしていただきたいと思います。

 それから、先ほど運動学の話がありましたが、リハビリテーション医学もそうなのですが、御専門にしていらっしゃるドクターが、地方ではなかなか確保しにくいという状況もあるので、私は放送大学を是非活用させてもらえば、それはいいと思うのですが、国家試験に出る科目でもあるので、運動学などはPTのほうがしっかりと勉強していますから、この辺は拡大していただいたほうがいいと思います。それから、私は教員資格の更新制をするべきだと。そういうことのほうが、臨床実習の単位を1つ増やすとか、そのような話よりも世の中には訴えますよ。余計なことを言いました。

 

○田城座長 今は臨床施設の要件、それから臨床実習をする場所の、そこの施術所の所長のような方、施術をされているあはき師の方に教えてもらうということになりますので、実地臨床の経験が豊富な方に臨床実習をやっていただくというところ、そこまではOKですね。

 最後に、22ページと23ページの議論に触れて、皆さんの御意見をお伺いしたいのですが、22ページですと専任教員です。その前に、単位数が増えたことにより教員数を増やすという議論。22ページですと専任教員の在り方で、専任教員は専ら養成施設における養成に従事するとか、今の後藤構成員の御意見にも関係すると思いますが、専任教員は臨床実習施設において継続的に臨床の能力をキープするということを付記してはいかがかというようなことがありますが、これについて御意見はございますか。

 

○矢野構成員 後藤構成員が言われたように、あはき教育の資質向上のキーになるのは教員ですので、その教員の資質向上なくしては実現できない。そういったことから、現行の教員養成の課程、ここはずっと時間制のまま据え置かれています。果たしてこれからのあはき師の教員養成学科そのものが必要なのかどうか、一方において大学院というものも増えてきておりますので、私自身も教員養成の教育制度については再検討すべきだろうと思っております。

 それとは別に、これから単位数も増えるとすれば、専任教員というものは必然的に必要になりますので、増やすことについては賛同いたします。

 その専任教員のところですが、後藤構成員また坂本構成員から指摘されているように、臨床実習とか臨地実習での指導の先生です。こういったことも全て専任教員ということではなくて、PTと同じようにスーパーバイザーを含めたところも勘案しながら、教員の資格というものを決定してはどうかと思っております。

 

○坂本構成員 専任教員に関しては、少なくとも臨床実習を増やすことになることと、学校養成施設以外の臨床実習施設を実習先として行うとすれば、そのコントロールのためにも専任教員をどうしても増やさなければならないと思います。

 それから、後藤構成員が言われたような、今の専任教員の規定の辺りが、少しグズグズになっているところがあって、拡大解釈されているところもありますので、はっきり明記していただきたいと。例えば専任教員というのは週5日制の学校であれば3日以上学校に従事している、あるいは週6日制であれば、4日以上勤務しているのだというような者が、本来の専任教員だと思いますので、そういう位置付けにしていただきたいということです。

 それから、博士課程とか修士課程を修了したものは、先ほど後藤先生が言われたとおりで、現に専攻した分野だけを教授できるという形にしないと、ほかの教員資格と同等とは考えにくいだろうと。

 もう1つ、専任教員の中に、臨床実習に特化した教員の位置付けをどのように考えていくかというのを議論していただきたいと思います。

 

○田城座長 看護の場合には、実習担当の教員というのがあります。特に公衆衛生ですと、保健所に行かなければいけないので、地域を回るということで、これは非常勤の人です。専任は専らですので、常勤とイコールではないにしても、雇用形態がいろいろあると思いますが、まず1つの所で過半以上ですかね。医師でも、医学部でも、5日であれば2.53.5とか、いろいろあるので、そういう条件です。

 それから、人数については一覧表を見ると、特に皆さんの御意見がなかったのですが、看護の場合97単位だと8名以上になるのですが、これはジャンプアップしすぎかなというところもあるので、6ですかね。

 それから、私の不手際ですが、もう4時を過ぎているので、もう1つ皆様の御意見を賜りたいのが、19ページの所です。これもとても大事なところで、先ほど来いろいろ議論が出ています。医師の場合にはCBTといって、そもそも臨床実習する前にきちんと知識があるかを調べてから、今度はOSCEといって実地用テスト、なかなか最近は医者になるのも厳しくて、そういうのをやっております。そして、Student Doctorという形で、患者に触ってもいいのだというのを宣言して、同意を得て、患者に実際に触る。アメリカですと、採血とか医療行為も、Medical School3年生、4年生がやっています。日本はそこまでではありません。

 そこで、19ページの四角の2番目の○で、アンダーラインの所の下半分を読みますと、「実習指導者の指導・監視の下で実習指導者が主体的に行う施術について補助」を行うということをやってもいいのか、してはどうか。その後は医学部と一緒で、国家試験に通っていない人間が患者に触るということになりますので、補助という形であれ、患者に触ることができるのかどうかというのは、これは教育機関のほうで実習の前に一段階チェックをしてもらう。実技も含めた試験をやってから、実習が増えた分。実習も4単位ありますから、1単位分で、残りの2単位の本当の実地というところの間となりますが、4単位分全てという意味ではなく、後半の2単位、少なくとも2単位以上のところをやる場合に、試験をするとか、それは柔軟な運用があると思いますが、患者さんに触っていいのか、それからそれをするためには試験をやっていただいたほうがいいのではないかということに関しての御意見はいかがでしょうか。

 

○矢野構成員 基本的に賛成です。

 

○田城座長 特に異論はない。

 

○坂本構成員 医師の場合の臨床実習に関する4要件ですが、これが、あきの学校養成施設において、厳密にできるかどうかというのは、まだ少し不透明な部分があります。したがって、ここはもう少し私どもも考えさせていただいた上で、この場でまた御検討いただければなと思うのですが。

 

○田城座長 Computer Based TestOSCEの実習も、医学部にもかなりの準備期間があったのは御指摘のとおりです。

 

○仲野構成員 トータルの話になりますが、できるだけ上げるだけ上げたいと思います。要望です。これをしなければ、今の私ども鍼灸師というものは、恐らくこの日本の社会の中で生き残れないと思います。

 

○田城座長 事務局は記録を是非よろしくお願いいたします。

 

○仲野構成員 生き残れないと思います。分かりますか、言うこと。余りにもね、医療という分野を担いながら基本的な勉強が足りない。残念だけども、これは時代が要請してきたのだろうと思うのですが、どんどん低下してきています。ですから、是非上げる方向でやっていただきたいし、私は矢野構成員、藤井構成員と、一生懸命言っていただいて有り難いと思っています。

 それと、最後の所が残っているようですから、教員養成の部分では、これは新卒の卒業生が2年間の教員養成を受けただけで教員になれていることに問題があると思います。ですから、これは3年なり5年なりの期間を置いて、単位制にするなり何なりして、臨床に当たった人間が、教員になれるというような仕組みを組まないと、問題があるだろうと思っています。これは後藤構成員も最後のほうに述べられていました、これは大事なことだと思いますので、是非やっていただきたいと思います。第三者機関の判定も非常に大事だと思いますし、この辺のところを是非やっていただきたいし、基本的なところで学業を上げておかなければならない。無理ですよ、そんなレベルではないと思います。今までのようなレベルでは無理だと思うので。医師会からもこのような意見が出ているし、皆さんが上げろと言っているのだから、こういう機会に上げてもらわないと、また20年置いておかれますよ。あと20年、このままでいけば、恐らく医療人としては残れないと思います。恐縮ですが、よろしくお願いしたいと思います。

 

○後藤構成員 上げるという議論をしているではないですか。

 

○坂本構成員 上げることに反対していませんよ。

 

○仲野構成員 いえいえ、そうではないですよ。

 

○坂本構成員 誤解しているみたいだから。

 

○仲野構成員 いや、私も無理を言いながら、現状を知っているだけにね。

 

○坂本構成員 どこの現状ですか。

 

○仲野構成員 よろしくどうぞ。

 

○田城座長 今は48分で、この会場の都合も次の会議が予定されているといけませんので、まず座学分1単位30時間、保険の仕組み及び臨床倫理のようなもの、それだけではありませんが、この中には当然やっていいこととやっていけないことを教えることも入るかと思います。これはもう全員が一致しているということでよろしいわけですよね。

 残りは、少なくとも3単位以上、実習は4単位以上になる。これも同意を得ているということでよろしいですね。

 そうすると、実習施設が足りないので、附属の施術所だけではなく、それ以外の施術所に広げて、そこで実習をすると。そうなってくると、その現場には全ての場所に専任教員が行くというわけにはいきませんから、ある程度ブラックボックス化というと少し変ですが、そのようになる。ですので、当然そこの施術所の責任者、実習担当の方は、然るべき経験10年とか、今まで不正行為とか、そういうことはないとか、そういう条件は必要であると。5年であれば、きっちりとした指導者研修というようなものを受ける。

 学位だけでは臨床実習とは違うということ、アカデミックタイトルと、臨床能力というのはイコールではないという御指摘もありましたので、やはりなるべく現場できっちりされている方。その中に、今日は触れられませんでしたが、人数、面積等、ある一定のクオリティの施術所でなければいけない。

 それから、学生に補助的に施術をさせることはあるけれども、それが逆転しないということです。学生を使うのではなく、当然指導の一環として、最小限度、技術を高めるために患者に触ることは良しとすると。ただし、その場合には教育機関のほうで、この学生は変なことはしない、これは患者に触るということは、患者の訴え、何が訴えられるかというのはありますので、教育機関のほうで、この学生は大丈夫という、お墨付きを出すような試験のようなものはやっていただきたいです。これも、大体異論はないということで、よろしいですね。

 はい。では、ここまでは皆さんのコンセンサスを得られているということで、実習の4単位以上というところは、両論併記とか、そのような感じになるのかとは思います。

 それでは、もう10分以上経過していますが、事務局にお返しします。

 

○医事課山本課長補佐 次回の日程については、改めて構成員の皆様方に御連絡させていただきます。事務局からは以上です。

 

○田城座長 6月ぐらいというのもまだ決まっていないのですね、調整してみないと分からないというところで。

 

○医事課山本課長補佐 調整は進めさせていただいておりますので、御連絡を改めてさせていただきたいと思います。

 

○田城座長 分かりました。非常に実りの多い議論で、議論の的は、もっと時間数を上げろということになって、事務局案では足りないという議論になったということは、うれしい限りではあります。どうもありがとうございました。10分以上超過したこと、これは私の不手際ですので、大変申し訳ありません。

 

○矢野構成員 前回、第1回の会議が終わったときに、「また御意見を」ということでしたが、第2回目の後は、そういったことはあるのでしょうか。

 

○田城座長 時間が空きますので、少なくとも4月、5月はないので、その時間にじっくり、その間こそ、皆さんの御議論など、こういうのを増やすべきだという、より具体的な御意見を賜る期間だと思いますので、是非それは2か月たっぷりありますので、是非お伺いしたいと思います。いつまでにというのは何かあれば。

 

○医事課山本課長補佐 その点は座長と調整させていただきまして、また改めて御連絡させていただきます。

 

○田城座長 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局医事課医事係
(代表) 03(5253)1111(内線2568)
(直通) 03(3595)2196

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会> あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会(第2回) 議事録(2016年3月28日)

ページの先頭へ戻る