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2016年3月11日 第28回医薬品・医療機器等対策部会 議事録

医薬・生活衛生局安全対策課

○日時

平成28年3月11日(金) 10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室


○議事

事務局 開会に先立ちまして、傍聴の皆様にお知らせいたします。傍聴に当たりましてはお配りしております注意事項をお守りくださいますようお願いいたします。また、本日の検討会は従来の取扱いと同様、公開で行うこととしております。カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただきますので、マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力のほど、よろしくお願いいたします。

 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第 28 回医薬品・医療機器等対策部会を開会いたします。御出席の構成員の先生方におかれましては、御多用のところ、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日は、瀬古口構成員、福井構成員、望月構成員からは事前に欠席との連絡を頂いておりまして、構成員 14 名中、 11 名の出席をもちまして検討会を開催させていただきます。

 はじめに、前回、平成 27 5 12 日の第 27 回検討会の開催以後に構成員の交代などがありましたので、紹介させていただきます。本日は御欠席でございますが、日本看護協会の松月みどり常任理事の後任といたしまして福井トシ子常任理事に構成員に就任いただいております。

 続いて前回の開催以降に事務局でも人事異動がございましたので、着任者を紹介いたします。医薬・生活衛生局長の中垣でございます。大臣官房審議官の森でございます。

 また、本日の検討議題につきまして、参考人として 4 名の先生方に出席を頂いておりますので、御紹介いたします。一般社団法人「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」より阿真京子代表、国立成育医療研究センターより石川洋一薬剤部長、公益財団法人日本中毒情報センターより黒木由美子理事、早稲田大学理工学術院より小松原明哲教授です。出席者の紹介は以上です。

 それでは、これ以降は議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただければと思います。この先の議事進行は外部会長にお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

外部会長 九州大学の外です。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、本日の議事を進めてまいります。初めに事務局から資料の確認をお願いいたします。

事務局 配布資料の確認をいたします。お手元にお配りしております資料は上から「議事次第」「座席表」「構成員名簿」、そして御出席いただいております「参考人名簿」「配布資料一覧」となっております。

 資料につきましては、まず資料 1-1 、平成 27 12 18 日公表消費者安全調査委員会「子供による医薬品誤飲事故消費者安全法第 23 条第 1 項に基づく事故原因等調査報告」、資料 1-2 、同委員会から当省宛の意見書、資料 1-3 、厚生労働省科学研究費補助金による「子供の医薬品誤飲防止のための包装容器評価に関する研究」について、そして、参考資料 1 として、前回検討会での主要な意見の抜粋、参考資料 2 として、当省が誤飲事故防止に関する近年の関係通知・事務連絡などのまとめとなっておりまして、別添で各資料へ追記類をそれぞれ添付しております。また、議題 1 に関しては、当日資料が 4 つあります。今回の検討議題について、研究班の取りまとめ状況や構成員、参考人より事前に頂いた御意見、部会長と御相談して、今回の検討会で議論を進めるための論点事項を整理したものが当日資料 1 です。残りの 3 つは、それぞれ本日の参考人である石川先生、黒木先生、小松原先生から御提出をいただいているものです。議論の際に御参照をお願いいたします。

 続きまして、事務局からの報告事項の資料ですが、資料 2-1 「物の要因に係る安全管理対策に関する最近の主な取組紹介」、資料 2-2 「医薬品・医療機器等の安全使用に関する調査結果」。関係する参考資料として 3-1 3-4 があります。最後に当検討会開催要綱などです。なお、開催要綱について、平成 27 10 月の局名変更や規定に即した一部用語の修正を行っておりますことを御報告いたします。資料は以上です。不足等がございましたらお申し付けください。

外部会長 よろしいでしょうか。それでは、議事次第に沿って議事を進めてまいります。本日は検討事項として、「子どもによる医薬品誤飲事故の防止対策について」ということになっております。これについて、まず事務局より説明をお願いいたします。

事務局 子どもによる医薬品誤飲事故の防止に関しては、前回 5 12 日の検討会において、主にチャイルドレジスタンス包装容器の考え方について、先生方に御議論を頂きました。そこで出た主な御意見は参考資料 1 にお示ししております。参考資料 1 を御覧ください。幾つか抜粋で御紹介しますが、まず 1 つ目にあります、包装容器を開けにくくすることによる高齢者等、本来の服薬者への影響も重視すべき(アドヒアランスへの影響)、ということ。 3 つ目にある、開封行動はいろいろあり、合理性のある強度基準の設定は容易ではない、ということ。続いて 8 つ目にある、製薬企業ではなく、薬局等の調剤段階で取り組める事項もあるのではないか、ということ。そして 10 個目にあります、チャイルドレジスタンス包装容器の導入に要する費用についての議論も必要ではないか ( 社会保障費への影響など ) 、ということ。 11 個目のものになりますが、薬価制度の下では、製品価格へ反映することが困難であって、最低価格のものに対する製造設備投資など、産業の実現可能性からの議論も必要ではないか。最後に、啓発活動について一層の充実を講じていくことが必要であろう、といったことなど、様々な御意見を頂戴したと把握しております。

 その後の動向として、本日の検討議題の中心としておりますが、関連した厚生労働科学研究による検討を開始したこと、及び昨年 12 18 日に消費者安全調査委員会より、「消費者安全法第 23 条第 1 項に基づく事故原因等調査報告、子供による医薬品誤飲事故」 ( 資料 1-1) が公表されるとともに、当省に対してチャイルドレジスタンス包装容器による対策が必要であるという意見書 ( 資料 1-2) が提出されました。それぞれ説明をさせていただきます。

 資料の順番が前後しますが、最初に資料 1-2 の消費者安全調査委員会からの意見書を御覧ください。この意見書においては、子どもよる医薬品誤飲事故の防止のためには、 1 つ目、パネルテストの検討結果なども参考に包装容器による誤飲防止対策の取組を行うこと。 2 つ目、リスクが高い医薬品を中心に、子どもの誤飲について保護者に伝わるよう、地方公共団体及び関係団体を通じた医療関係者に対する継続的な注意喚起の実施。 3 つ目、家庭での適切な管理を促し、事故発生等の相談機関に関する情報提供の徹底等の取組を広く継続的に行う旨を地方公共団体及び関係団体へ要請することが必要であると述べられております。

 この意見 2 及び 3 については、同委員会より中間的な経過報告書の公表を受けた際の一昨年の 12 24 日に通知発出を行い、既に各方面に取組をお願いしており、また今回の最終報告書の公表を受け、昨年 12 18 日付の事務連絡にて、改めて継続した注意喚起等の実施へ御配慮いただくようにお願いしております。このほか、啓発資材などは参考資料 2 関係にまとめてあります。

 そのため、本日の検討会では、特に 1 つ目の意見の包装容器を含めた防止対策への対応について焦点を当てて、先生方から御意見を伺いたいと考えております。

 包装容器による防止対策に関しては、昨年 5 12 日の前回の検討会において、消費者庁及び消費者安全調査委員会専門委員に参考人としてお越しいただき、 PTP の開封強度に関するパネルテストの実施内容について御紹介を頂きましたが、昨年 12 18 日に公表された報告書においては、その結果を踏まえた内容が追記された構成となっており、今回の1つめの意見の御提案に至っておられます。そのため、このパネルテストの結果などについて、事務局から簡単に御紹介いたします。

事務局 それでは、資料 1-1 を御覧ください。資料 1-1 82 ページの後ろに参考資料として「子供と中高年を対象とした開封試験」というパートがありますので、そちらを御覧いただきたいと思います。机上資料は黄色の付箋の 1 ページを御覧ください。説明の都合上、勝手ながら下線を引いておりますが、まず試みです。欧米の基準ではチャイルドレジスタンス包装容器の評価について、人をたくさん集めるなど、非常に大掛かりなテスト実施が必要とされております。そのため、開封強度に着目し、機械で測定評価ができる方法を提案することで時間や費用を掛けないで、欧米と類似した基準評価ができるという代替手段の提案を主な目的としたものです。以降は実際に検討された内容ですが、採用された手法としては、特段の疾病のない健常である、ということですが子ども、中高年のそれぞれに様々な開封強度の PTP サンプルによる開封テストを実施して、子どもの開封失敗率及び中高年の開封成功率を基に、回帰直線を引き、その交わる所を考察するものとなっています。

 時間の都合もありますため、抜粋で恐縮ですが、最終的な考察については 29 ページの赤い付箋の部分です。 1 段落目にあるとおり、規定の時間中に子どもによる開封、中高年の未開封を相互に許容してはならないとする場合には、適切な強度領域は導き出せなかったものの、相互に何錠の開封、未開封をしてもよいという許容錠数について、 10 錠中 2 錠とした場合、あるいは 95 %の予測区間の補正をした場合、 3 錠まで許容した場合に、適切な強度領域が導き出されるとする解析結果となっています。この解析の図による説明については、 30 ページ、 31 ページに図がありますので、御覧いただければと思います。

 これは横軸に成功又は失敗率を取っており、上に行くほど高くなっています。縦軸に成功又は失敗率を取っておりまして、横軸に開封強度を取っており、右に行くほど硬くなるとイメージしていただければと思います。右肩下がりの緑の線が中高年による開封の成功率、茶色の右肩上がりの線が子どもによる開封失敗率となっています。中高年側の 90 %の成功率、子ども側の 80 %の失敗率をもって両立する強度領域の有無を評価するというものです。

 あくまで回帰直線によるということで、予測区間の補正も行われており、その補正後の方で説明しますと、 31 ページの図 13(a) 2 錠を許容錠数とした場合の図で、これにおいては両立する強度領域はありません。図 13(b) 3 錠を許容する場合で、ここでは約 90N 少しの所に両立し得る強度領域があるとしています。

 本文に戻り、付箋の青い部分、 34 ページが結論です。結論として、同委員会からは 2 錠、 3 錠など一定の許容錠数の設定と、また中高年側の 90 %の成功率、子ども側の 80 %の失敗率を前提とした上で、子どもの開封しにくさと、中高年には使用困難ではないことの両立した容器が実現可能であるという提言が行われています。

 ただし、ページ中に補足がありますように、検討結果の適応範囲は、実際に実験に使用した PTP と同型のものに限定されており、今回の試みは、測定した範囲のデータによりプロットした回帰直線によるものであることから、信頼性の高い開封強度の基準値に至るには、更にいろいろな形や強度の PTP による同様な実験を行った上で導き出す必要があるという注意点が付記されています。

 まとめますと、同委員会からは解決すべき課題が未だ残っているとしつつも、 PTP という内服薬の代表的な包装形態をモデルとして、開封強度の基準設定を具体的に検討するといったアプローチが将来的には製薬企業の負担軽減にもつながり、妥当な手法ではないかと提案いただいています。簡単ですが、パネルテストの結果の紹介は以上です。

 なお、冒頭で申し上げましたとおり、参考資料 1 にありますように、昨年 5 12 日の前回検討会で様々な御意見を頂きました。そのため、包装容器の対策を講じる上では、製薬企業、薬局等における多様な対策手法の可能性を視野に入れつつ、各時点でリスクコントロールできる点、あるいはすべき点について、他の生活資材と異なる医薬品ならではの特徴を踏まえて、当省として分析・整理を行うことが必要であると判断し、昨年 8 月より厚生労働科学研究費補助金による検討を開始しているところです。この研究班については、本検討会の構成員でもある土屋先生に担当していただいておりまして、当省としては先ほどの消費者安全調査委員会からの御提案に合わせて、今回の検討会の御意見、更にはこの研究の取りまとめも踏まえて、包装容器面を含めた当該誤飲事故防止対策についての考え方を整理の上、対応していきたいと考えております。本研究はまだ検討途中の段階ですが、本日の検討会においては、その取りまとめに向けて、当日資料にある点も含めて、各先生方から御意見を頂戴できればと思っています。事務局からは以上です。

外部会長 今、説明がありましたように、前回 5 月の検討会で包装容器に関する対策について、皆様方から様々な意見を頂きました。そして、厚生労働科研による検討が開始されました。そういうことですので、まずは厚労科研の中心になりました土屋構成員から、この研究班の検討状況について、説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

土屋構成員 研究班の代表者をしております土屋でございます。お手元の資料 1-3 を御覧ください。事故防止対策を考えるときに、大事なのは実際にそういう事故がどういう対象で起きているのかを、きちんとし、誰の、どのようなエラーや、事故に対して、それをどう防ぐのかを検討することが必要です。

 そこで今回、資料 1-1 にありましたように、消費者庁から出されたもので前回指摘された所を見ますと、誤飲事故の約 7 割が 2 歳未満であるということに着目して、子どもというものの、特に乳幼児における防止対策が重要なのだろうと。一方、 CRSF というように、チャイルドに対してはレジスタンスで、シニアにフレンドリーという大きな枠がありますので、こういったことをやるのにどうやったらいいのかということで、 1-3 1 つ目にありますように、子どもによる誤飲事故の実態を把握した上で、これを人間工学的な手法を採用して、原因を分析し、その結果どうしたらいいかを考えるということです。我が国あるいは欧米において考慮されている容器、包装等について調査をするとともに、あるいは規制の調査をするとともに、先ほど出されたパネルテストの結果等も参考にして、これに対して我々が取り組むべき範囲について、成果物をまとめていこうというのが、大きな流れです。

 具体的に説明していきますが、まずは、その下の図にありますように、誤飲事故の防止をやろうとすると、まず一つは非常に重要だと思われるのは適切な保管方法について、子どもが気付かないといいますか、子どもが触われないような環境をどう作っていくのか、という問題があります。これは、家庭における保管ですので、その啓発が重要です。

 一方、物のほうの対策として、基本的に容器による防止というときに、乳幼児の行動を考えますと、まず薬を見付けて、興味を持って手にしたり、あるいは口に入れて噛んだりして開けようとする。この場合、必ずしも手で開けるのではなくて、口に持っていって噛んでしまうという行動があるということが、乳幼児の特色であろうということです。

 そこで、そういった物の誤飲防止対策を考える上で、裏のページで、我が国の医薬品供給の流れと対策ということですが、実は我が国では法的に製薬企業でパッケージしたものは、流通段階での勝手な開封は出来ず、医療機関や薬局でなければ開けてはいけないという原則があります。したがって、製薬企業でパッケージされたものを使って薬局あるいは医療機関で調剤をし、交付をして、その薬剤を交付した後は、患者の管理下に移るという流れになっております。これが外国ですと、リパッケージ業者というのがいたりして、パッケージングを他の業者がやる、製薬企業ではない所がやるということがあります。

 また世界的にと言いますか、海外は基本的には処方箋による販売か、処方箋によらない販売かということで、あくまで販売行為の一環でして、それが薬によって処方箋が必要な場合と、処方箋が必要ではない場合という販売形態が使われております。

 一般用医薬品については、我が国も一緒ですが、医療用の医薬品というのは、我が国は調剤という基本的に薬剤師が絡んで、そこで調剤行為を行うということになっている関係上、海外の販売行為とは流れの形態というか、プロセスが少し異なっています。先ほどのパッケージを開けてはいけないという話と調剤があるということが、我が国の医薬品の流れとしたときの使われるまでのプロセスを考えますと、海外とは少し異なるところです。そういった中で、子どもの誤飲防止対策を考えるときに、製薬企業段階での防止策というものもあれば、もう一方で、医療機関・薬局等での調剤段階で防止をするという 2 つの方法があるのだろうということになります。

 製薬企業段階での防止というのは、前回の検討会でもお示ししましたが、ヨーロッパ等で PTP がチャイルドレジスタンスになっている、あるいは PTP シートの裏に紙が貼ってあるというものもありますし、我が国の企業がそういうグッズを作っているということもあり、シールを貼ったりする。これは今回もサンプルをお回ししますが、具体的な対策物があるということです。

 一方、調剤段階での防止ということを考えたときに何が対策としてできるか。今、各構成員のお手元にあるかと思いますが、これは苦み剤を PTP シートに塗ってみたものです。食品添加物ですので、なめても大丈夫です。この裏側をなめていただくと。苦いというものです。これは前回の会議で小松原先生のほうから、リカちゃん人形の靴などは、舐めると苦くなっており、要するに乳児が嫌がるという行動をやるという話があったものですから、それを参考にして、子どもが親指をなめるのを防止するための食品添加物がありますので、そういうものを必要に応じて例えば PTP の裏に塗るような防止対策もあってもいいのかなということも考えて、今日現物を出しました。

 また、乳児が口にするということから言いますと、噛んでも届かなければいいかということで、周りを大きくするということで噛みたくても噛めないような対策もあるのではないかということで色々と PTP シートの淵の幅を広げた試作品を作ったりしています。こういう研究をするときには一つの方法に決めて始めるのではなく、対象をきちんと広げて、それから人間特性をきちんと見なければいけませんが、 2 歳未満というのは、恐らくそれが薬という認識をするのではなくて、興味があるということからいきますと、シートの色によって興味の示し方が違うのか、あるいは中身が見えるからなのか。では、中身を見えなくしたらどうなるのかとか、様々な角度から検討をするということにしたのですが、残念なことに現在こういった乳幼児を対象にした研究をしようと思っても、倫理的になかなか許されない部分がありまして、今回は統計的に有意差が出るようなnの数を集めてということは簡単にはできません。本格的な実験だったら、かなり時間を掛けながらやっていかなければいけないものですから、今回の研究においては、症例報告的に行動観察ということをいたしました。研究班の報告書としての章立ては、資料 1-3 5 ページ目のように考えているところです。

 ところで、この検討会の親会議において、医療安全推進総合対策が平成 14 4 月に出ておりますが、そのときに医薬品の安全性を考えるときに、「物の安全」という言葉と「使用の安全」という言葉が出てきました。この検討会は、物そのものの安全性から対策を担当するということですが、名前が似ているとか、外観が似ているといったことを含めて、誰の、どのヒューマンエラーを防止するのかといったときに、今までの主眼は医療関係者のエラーを防止するための対策を考えて、この検討会で決めたことが実行されたということから、物による医療関係者のエラーというものは本当に減って、対策としてはほぼ出尽くしているのかなという気もするわけです。

 一方、今回示されました、あるいは国民生活センターから示された PTP を誤飲するであるとか、子どもによる医薬品の誤飲等、今度は従来フォーカスを当てていた医療従事者によるヒューマンエラー防止という観点から、患者等によるヒューマンエラー防止をどうするかということに主眼が移ってきているのかなという気がします。

 そういったことを考えますと研究班としては、こういった形で報告書を出すわけでして、人的要因も、ただチャイルドレジスタンスというだけではなくて、シニアフレンドリーということも含めた年齢層をどこで分けるのか、どうするのかというのは、実は高齢者のほうも、 65 歳と言っても結構元気で、そこを分けようとすると、一体どういう分類で分けていくのがいいのかということもあります。

 そういったことを含めて、この報告で人的あるいは物的な要因を検討して、啓発も必要だということで提言も行いますが、これをまずベースとしていただいて、今後どうしていくのかということかと思っています。今回の研究をしておりまして、基本的なデータを出すことができない、あるいは存在していないということがあります。例えば、先ほどの子どもがかじっても縁が大きく錠剤に届かないようにと言っても、実際に流通している製品の PTP シートのサイズというのは、どこにも公表データがないのです。ですから、今、現実流通しているものを買って測定をしておりますが、こういった基礎的なデータがないままで一部の物を使って何か結論を出してしまうと、それは結果として間違う可能性がないわけではないということです。こういった基礎的なデータの必要性と、あるいは人間特性をどう測っていくのかということを含めて、今後きちんとデータを作っていかなければいけないだろうということが、今回検討で少なくともそういうデータが欠けている部分があることが分かってきたということも重要なことかと思います。

 今後、医薬品の包装による対策の整理を、データを見ながら実施していく一方で、すぐにでもできるのは国民への啓発や教育ということですので、これを同時並行かつ継続してやっていくということが、極めて重要です。

是非、私どもの報告書が出た後、これがスタートだという形で、改めての基礎的なデータ集計や乳児の人間特性を踏まえた対策を議論していくこと、あるいは技術的なものも時代とともに変わってまいりますので、そういったことを含めて検討していくことが必要ではないかということで、私どもの報告とさせていただきます。取りあえず以上です。

外部会長 土屋構成員、ありがとうございます。今、厚労科研のほうで調査をまとめているということです。今、お示しいただきましたように、子どもの誤飲防止対策としては製薬企業段階でのいろいろな防止対策があると。また薬局等の段階での防止対策等として、こういうふうなことがあるということで、苦味も含めて検討していることを発表していただきました。今日はお手元に当日資料として論点がまとめてあります。検討議題としてこの 4 項目、包装容器を含めた誤飲防止対策の方向性、消費者安全調査委員会の実施したパネルテストの結果、さらにリスクの高い医薬品について、最後に注意喚起を行うポイントということで、これから質疑いただきたいところですが、まず上の 2 つをメインに考えていきたいと思います。今日は参考人の先生にも来ていただいています。特に包装容器を含めた誤飲防止対策の方向性という観点から、早稲田大学から小松原先生、そして成育医療研究センター薬剤部の石川先生にお越しいただいていますので、御意見を頂きたいと思っています。まず、小松原先生から、実際に薬局が取り組む製品安全への取組について等、よろしくお願いいたします。

小松原参考人 早稲田大学の小松原と申します。私は人間工学が専門で、前回の検討会でも参考人としてお呼び頂きコメントさせていただきましたが、それの復習と、あと少し最近の話題も入れながら、資料を準備してまいりましたので御紹介いたします。

 右上に ( 当日資料 2) と書いてあるものを御覧ください。製品安全の基本的な考え方になります。今回、誤飲となっていますけれども、可能性としては誤食というのもあり得ると思います。そうした誤飲・誤食は当然あってはいけないことであり、極めて重要な課題だということは確認しないといけないところだと思います。ただし、小児の誤飲・誤食の問題というのは医薬品に限った話ではなくて、ボタン電池であるとか玩具というような、要するに小さな物を口に入れて飲んでしまう事故全体の中で捉える必要があるということで、医薬品だけを特出しで議論するのが果たしていいのかどうかというのは、ちょっと留保する必要があるのではないかという気がいたします。

 仮に何らかの対策を取りましょうという場合に、一般的に人間工学では、図 1 に書いてあるような人間中心設計プロセスというプロトコルに従って、問題解決をするというのが標準的なやり方になっています。いきなり対策をどうするという話ではなく、まず当該製品の消費の実態、特にどういう人が関わっているのかという Stake Holder を明確化した上で、それぞれの要求事項を明確化しないといけないということです。ある Stake Holder が独り勝ちしてしまってもほかの人からクレームが出たらば、全然、商品としては成り立たないということを留保する必要があると思います。ですから消費実態、そして誤飲の実態を確認するということが今回も重要なポイントになると思われます。

 医薬品に関わる Stake Holder は非常に多いです。 2 ページに表 1 がありますが、製造段階から廃棄段階まで、これだけの方たちが関わると考えられます。それぞれの方たちに問題なく対策を受け入れてもらうことができなければ、製品として実際には成立しないという話になります。ということで、ある対策を考えた場合には、それぞれの Stake Holder が、その当該対策に対して、どのような要求なり何なりを言うのかということを明確化した上で、 feasible な対策へと落とし込んでいく。それをしないと大体失敗します。

 戻っていただき、そういった上において、今回、特に小児というのが問題になっているわけですが、小児が誤飲・誤食に至るメカニズムを確認する必要があります。消費者庁さんからは小児が PTP を押し出せないという対策が提案されてきているようですが、果たして指で押し出して本当に口に入れているのかどうか。その誤飲の実態を外してしまいますと全然意味がない対策を取ってしまうことになるということで、その点を考える必要があると思います。誤飲事故の多発年齢は、 1 歳児から 4 歳児ぐらいということですが、それぞれ誤飲・誤食に至るメカニズムは恐らく違うと思われますので、その点について確認をする必要があると思われます。

 そこら辺を押さえた上で、対策を考えていただく上においては多重防御の考え方を取る必要があります。これは何か一つの対策に全てを委ねるのではなく、複数の対策を立てて幾重にも網を被せるというような考え方をする必要があります。それでも網をかい潜って事故は起こってしまうということで、これは本当に残念ながらという話ですが、リスクという考え方に立ったときに、事故ゼロにはなかなかできないという話は、理解する必要があると考えられます。あの手この手で一件でも事故を減らす努力を尽くす必要があるということです。

 先ほど申し上げたように誤飲・誤食の問題というのは、他の製品でも非常に多く発生していて、例えば既に SD カードとかボタン電池については対策がいろいろとなされています。先ほど土屋先生が言われた、リカちゃん人形みたいな小児の玩具に対しては苦味剤を塗るという対策を取っているとか、いろいろな対策がなされている部分があるので、こういうことも参考にしながら対策を考える必要があるのではないかという気はします。

 先ほど申し上げた feasible なアプローチということで、今回は医薬品の誤飲・誤食という話ですが、全ての医薬品において一律に実施すべきなのか、ハイリスクなものに限るのかというあたりは、御検討されたほうがいいのではないかという気がいたします。その点に関連して、安全のことを語るときに非常に嫌らしい問題として、コスト負担という話が出てきます。コストがほとんど掛からずに対策が取れればいいですが、一定のコストが掛かってしまう場合に、そのコスト負担を社会全体に受け入れてもらえるのかどうか。これは製品一般の話ですが、仮に誤使用する人がごく限られた人間であって、その方の通常の注意力によって本来、回避できるような問題に対して、他の大多数のちゃんと注意して正しく使っている人にコスト負担を求めることが、社会正義と言えるのかどうかという議論は、製品安全の話を進めるときに常に出てきてしまう話です。今回、医薬品の小児の誤飲防止ということで立てられるであろう対策に、どの程度のコストが掛かり、そのコストを果たして社会全体が受け入れてくれることに合意してもらえるのかどうか。あるいは特定の Stake Holder にコストを求める場合において、それを受け入れてもらえるのかということは議論しないと、残念ながら机上の空論を議論するという話になってしまうというところは、注意する点としてあります。

 先ほどの話の繰り返し的になってしまいますが、安全問題では大体、リスク対策を取ると様々な新たなリスク、問題が生まれます。 CRSF であれば、 CR を考えれば SF は大丈夫かみたいな話が出るわけであって、その辺りの弊害は常に慎重に考える必要性というのがあります。これは製品安全対策を考える場合の一般的な常識になります。この辺り、これからの御検討においては留意していただかないと、対策は提案した、でも誰も受け入れられないという話になる危険性があるということは、御注意いただく必要があるのではないかと思います。

 次に、 2 ページの 2 の部分です。今まで申し上げたのは製品安全に対しての一般的、基本的な考え方になりますが、では今回、議論になっている医薬品の誤飲・誤食について少し問題点を整理してみました。対策を考える前に、まずは基本的なアプローチを整理する必要があると思います。最終的に小児が医薬品を飲んでしまうことに至る前に、幾つかのバリアを置くことは可能だと考えられます。まずは子どもが見つけられなければいいという話があります。ということで、 1. 発見の制御ということが考えられます。これは保管場所とか保管容器等を工夫する。なおかつ消費者に協力いただくことになりますが、子どもの目に届かなければ当然いいでしょうという部分です。さらに子どもの目に届いてしまった、でも興味を持たなければいいという、 2. 動機の制御という話が次に出てきます。この辺り、子どもが興味を形成しないようにということで、例えば保育者が服薬行為を子どもさんの前でやると、大人の真似をして飲んでしまうという話になってしまうとか、包装容器自体が御菓子の容器みたいな感じで、おやつを連想させるような容器であれば、おやつと誤認して食べてしまうとか、包装や容器の色がカラフルであったりカチャカチャ音がすればガラガラと間違えて口に入れてしまうとか、そういうようなことで起こっているのであれば、そこを工夫することで動機が形成されないようにする、そうすれば手に取らないという話になります。

 先ほどの苦味剤ですが、あれは学習に期待する部分があって、最初は口に入れてしまうかもしれませんが、でも苦いなというので次からは口に入れない。子どもは結構お利口なので、ストーブなど「あっちっちでしょう」と手で触わらせると次から触わらなくなるというのは、お子様をお持ちの構成員の先生方は御経験があると思います。意外と 1 歳ぐらいからちゃんと教えれば守るという行動ができます。その辺り、もちろん確率をゼロにはできませんが、そういうようなことで苦味剤というのが位置付けられると思われます。

 最後に、見つけて動機形成して手に取ってしまった、あるいは手に取ろうとしてしまったというときには、 3. 行動の制御ということで、要するに剤に対してアクセスできなければいいということですから、高い所に置きましょうとか子どもの手が届かない所に置きましょうという話が一つと、あとは最後の手段になりますが、子どもがどうしても取り出せないような容器にしましょうということで、 CR という話がここで出てきます。

 以上述べたバリア、つまり対策を組み合わせて考える必要があって、恐らくメーカーさんが製品安全の第一義的な義務を負いますので、対策を取っていただかなければいけないとは思いますが、この 1. から 3. の中で、どのように採用するのかということを考えていただく必要があるのではないかと思います。

 ただし、各社さんが対策として当社は苦味剤、当社は容器みたいな形でばらばらにあると社会が混乱します。これは当然、苦味剤が塗ってあるだろうと思ったら塗っていなかったという話になると、そこがまた問題になったりしますので、この辺りはどの対策をどのように取るのかということは、 PTP 包装を使っている業界団体さんで、ある程度話をして基準を作っていただく必要性はあるのではないかと思います。

1. から 3. が基本的な人間工学のバリアと考えていただく場合に、3ページで可能性のある対策としては、具体的に言えば消費者に対して啓発し行動を変えていただくか、あるいは包装容器なり何なりを工夫するかしかないという話になります。

 啓発は、当然、継続的に行う必要が出てきます。ただし、冒頭に申し上げたように医薬品の誤飲・誤食以外の部分でも、子どもが口に入れて窒息したり、フラフラになってしまったりとか、小児の生活安全のいろいろな問題全体の話としてまず取り上げる必要があって、これは厚生労働省さんではなく消費者庁さんの所管の話になると思いますが、そういう消費者啓発として、世の中には危ない物があるんだよ、お家の中にも危ないことはいっぱいあるんだよというふうなことの全体の中で取り組む必要があると思います。その上で医薬品に関わるリスクというものを具体的に指示することが重要と思います。

3 つ目のポツですが、ここがちょっとポイントになりますけれども、啓発情報を提供する場合には行動変容まで持っていく必要があります。往々にして「注意しましょう」みたいなイメージ的な呼びかけのカラフルな素敵なポスターを作ってしまう場合があるのですが、それはあまり意味ないです。自分の問題として捉えなかったり、捉えたところでどうすればいいかが分からないということが問題になります。ですから、まずは成人の患者さんなり保護者が誤飲問題に興味を持っていただく。これは当然必要なのですが、その上で自分自身の家庭の問題だというふうに捉えていただく。そして、やらなければいけないという行動、態度変容をするようなことをしていく。そしてでは具体的にどうすればいいのか。高い所に置きましょうと言っても高い所とは何センチなのか。具体的な情報が提供できなければ何をしていいか分からないという話になりますから、そこまで言う。この全体をきちんと啓発するようなプログラムを作らなくては駄目だという話になります。

 ちなみに、一番難しいのは自分の問題としてどう捉えさせるかという話です。この辺りが結構苦労するところで、実際に死亡例が幾らありましたというようなことでの恐怖喚起をやるというのが定石ですが、このあたりのテクニック、定石は人間工学で既に準備されています。以上、この辺りが啓発の話になります。

 包装容器等の配慮という話ですが、必ずしも現行の PTP 有りきでもって考える話ではないだろうということは留保する必要があると思います。先ほどの 2 にありましたバリアの話と、今、申し上げた啓発と容器設計の2軸を組み合わせてみた場合の配慮のガイドになり得るものが、表 2 になります。これは試案で作っているものですが、こういうようなものというのは、まず考えられる対策としてどういうものがあるかということを他の商品なども参考にしながら出来るだけたくさん出して、その中で医薬品の特性を考えて feasible なものを幾つか絞り、そうして具体的な設計活動に入る必要があると考えられます。この辺りを丁寧にやりませんと、大体、失敗してしまうという例が製品安全では非常に多いです。

 最後の 4 ページになります。消費者庁さんが出してこられている開封制御について、私も十分理解が及んでいないかもしれないのですが、気になるところを少し指摘させていただきます。消費者庁さんがアプローチしている PTP を前提に置いた場合の CR SF が両立する領域が見つかれば、有効な対策としてかなり期待できると考えられます。それは見つかると指摘なさっているのですが、本当に見つけられるかというのは、もうちょっと丁寧に議論する必要があると考えられます。

4 ページの下に減衰曲線の図が書いてあります。恐らく消費者庁さんの言っておられるのもこういうイメージだと思います。 SF 曲線で、大体、 1 人でお薬の PTP 包装を開封して生活自立ができるというのは 90 歳代まで可能ではないかと考えられます。すると 90 歳の女性の 5 パーセンタイル筋力を持っている方を被験者とした場合に、横軸に開封要求力を取って、縦軸に開封成功率を取ったときの SF 曲線をまず描く必要があります。被験者を確保できるかどうか、したがってきれいに描けるかどうか分かりませんが、こういうふうな実験を行う必要があります。一方で、 CR のほうは、筋力 95 パーセンタイルの 4 歳児ぐらいを使って開封をさせる必要があります。そのときに SF CR を常に上回っており、それでこの図で設計域と書いてある領域というのが見つかり、なおかつその領域の PTP 開封強度が技術的に実現可能であるのであれば、ここの所を狙った設計をするのが非常に有益だと考えられます。ただ、消費者庁さんの回帰が線形回帰なのですが、普通、開封成功率を縦軸にとれば減衰曲線、不成功率を縦軸にすると成長曲線になると思うので、ある一部分だけ切り出して線形で回帰して議論されているのではないか。ちょっとそこが懸念されるところです。ちょっと、私の考え方が違うのかもしれませんが。

 また、今回、消費者庁さんは、 3 6 月〜 4 3 月の小児を使って CR 曲線を求めています。この年齢で開封できなければ、この年齢未満の小児には、同様の開封行動による開封困難性は保証できるという話になりますから、この点はいいと思います。ただし、開封方法が違うのであれば保証はできないという話になります。つまり、先ほどから議論になっている 1 2 歳児は多分、噛んで出したのではないか。そして、もしかすると噛む力のほうが指で押しだすときの SF 曲線を上回ってしまうのであれば、いくら SF だと言っても駄目だという話になります。

 実際に、ここら辺は誤飲・誤食の実態を調べる必要があるところがあって、本当に PTP から小児自身が指で剤を押し出して取り出し、口に入れているのか。患者である大人が剤を出した後に、何気なく置いたものを小児が口に入れてしまったというような例もあるやとも聞いてもいるので、もしかして本当に小児が押し出して飲んでいることによる事故の割合が、他の誤飲のケースに比べて低いのであれば、 PTP CR 対策を取ったところで全体としての小児の誤飲の防止は図られない、または図れる割合は少ないということになるので、そういうことも含めて冒頭申し上げたように、消費の実態、事故の実態を慎重に考えなくてはいけないのではないかという気はいたします。以上、私からのコメントとさせていただきます。

外部会長 ありがとうございます。人間工学的な観点から非常に分かりやすく説明していただきました。あるいは問題点も指摘していただきました。もう一方、お願いいたします。成育医療研究センター薬剤部の石川先生に御意見を頂ければと思います。

石川参考人 成育医療研究センター薬剤部の石川と申します。よろしくお願いします。内容については、 ( 当日資料 3) というページをお開きいただきたいと思います。今、議論されているのが、包装容器を含めた誤飲防止対策の方向性ということと考えていますけれども、現場で実際に救急等を経験している立場として、保護者の方々が実際にどういうふうにしているかということも含めて、少しまとめさせていただきました。今、人間工学的な見地からのお話を頂いた部分で、正しいと思われる部分が現場からも確かにあります。

 一つ目として現場で考えているのは、最も重要なのは保護者と、そして社会に対して小児の誤飲が実際にあることを伝えることの重要性です。社会的な啓発がなかなか進んでいないと認識しています。つい最近まで、誤飲事故が多かったのはタバコなのですが、タバコの誤飲というのは皆さん多分、「知っているよ」とおっしゃると思いますが、実際に起こした方々は「知っていたのに」というのがほとんどなのです。実際にタバコを口に入れていて、お母さんが青ざめてお子さんを連れて来て無事にお帰りになって、我々が「こういうふうにして保管をしなければいけませんよ、気を付けましょうね」という話をするのですが、またいらっしゃるのです。どうしてかと言うと、それは実際にタバコを吸っているお父さんは認識していないということです。要するに自分がその現場にいるという認識がほとんどないということです。

 社会的には誤飲防止という話が大事なのですが、実際にお子さんと関わる方に対しては、先ほど人間工学の観点からもありましたけれども、原因と対策がないと実際の行動には移らないということです。どうするんだという具体的な話が伝わらないと、それもあまり複雑なのではなく、具体的にこうしましょうという話が伝わらないとなかなか動いてもらえません。お父さん等に直接お話をすると、それで改善につながるという例を目にします。ですから、まずは啓発というときに、実際、どうすればいいのかという行動、認知に至るまでのことが分かるように、内容を伝えることが大事だと考えています。そして、病院で実際に事故に遭った人にだけ伝えるというのではなく、街の薬局とか成人の病院も含めて至る所にポスター等を掲示するなど、国を挙げてのコマーシャルが必要ではないかと考えています。

 保護者の方に御理解いただくところまでいったら、次の問題ですが、実は現場では保護者が気を付けていたのに発生したというのが結構あるのです。ついつい普段しまっておく場所にしまわなかったという例です。いつもはちゃんとしまっておくのにベッドサイドに置いてあったとか、おばあちゃんがお孫さんの前で「これは飲んじゃいけないのよ」と言いながら笑顔で飲んでいるのを見ると、お子さんは真似をしてしまう。おばあちゃんが水を取りに行ったときに飲んでしまうような事例は、お母さんの注意だけでは防げません。

 そこで、二つ目に入りますが、保護者がどんなに頑張っても防げない部分については、みんなで助けると言う考えが必要になると思います。その場合にはチャイルドレジスタンス、 CRSF のような容器が必要だと考えます。これは、一つは、今、おっしゃっていたような実際の製品の包装に対する対策です。もう一つは、そういうお子さんがいる所には子どもが開けられないような薬の入れ物や救急箱を提供すると言う対策です。要するに原因をなくすために、具体的な行動として必ずここに入れてくれという指導をして、それを無償で提供するようなことも考えるといいと思います。

 ただし、これらが啓発と同時に進行しないといけないということを私たちは経験としてよく分かっていて、例えば CR について年長の患者の方ばかりの病院ですと、薬の取扱いが不便だということばかりが気になって、「何でこういうふうにしているの」という質問を受けます。でも、これは小児の誤飲防止のためだということを理解いただくと、方向性が変わって協力という言葉が出てくるのです。反発が起こる所では、まだ医療従事者も、小児の誤飲が存在すること自体を理解していないことがポイントだと思います。

 その中で CRSF を進めるには、 2-1 2-2 と分けさせていただきましたが、今、議論になっている PTP シートみたいなものの他に、子どもたちにとっては水剤というのがとても大きなものなのですが、水剤が開けにくいようなものについて、製薬会社で考えていただくときに OTC ですね、市販薬の場合も気を付けるように工夫をしていただければと考えます。ただ、また 1. の所に戻りたいのですが、製薬会社がこれをすると「何でこんな不便にしたの」と必ず言われるのです。それを防ぐには国民に対して、子どもの誤飲防止のためにみんなで助けてあげましょうというコマーシャルが入って、それと一緒に行動が起こらないとうまくいかないので、啓発と同時にというのが大きな希望です。

 最後に残っている部分ですが、先ほど土屋先生からお話があったとおり、日本と海外の違いの部分です。海外では医薬品を渡すときに、子どもの薬というのは水剤がほとんどで、しかも 1 瓶という形で提供します。例えば、「錠剤を瓶で出します」、「何錠で、この 1 瓶に入れています」という提供なのです。ですから、昔は海外でも子どもの誤飲で、例えばこんな瓶にアセトアミノフェンがたくさん入っているのを、そのまま患者さんにお渡しするので、子どもが開けて 1 瓶を飲んで年間に 50 人ぐらい亡くなっていたという事例から、外国では CRSF がものすごく発達して法律にまでなっています。

そういった問題が日本であまり起きていないのは、薬剤師が薬をきちんと調剤しているからです。ですから、 PTP のまま患者さんに届くのか、水剤がそのまま届くのかというと、そこは日本という国の文化では少し違った面もあるということです。

 日本では製薬企業ではなく、最後に薬を渡す薬局や病院がその砦になることも考えたほうがいいと思います。薬を渡すときに諸注意と同時に、実際、飲んだりしないようにチャイルドレジスタンス対応をした形で患者さんに渡すということを、最終的に渡す所でやる。 OTC でも同じです。薬局で買うわけですから、誤飲防止のためこうしてくださいと言って渡すといったこと。今はお薬を売るときに薬剤師が対応するということが、厚生労働省の力で非常にうまくいっているので、それを活用しない手はないと思います。

 最後にこれは今後の対策の検討等についてのお願いです。ここでの論議では、この PTP は圧力を掛けると何ニュートンでどうなるとか、そういったお話を頂いていますが、この話題の中に子どもが実際にどうしているかという議論が出てこないのが私は心配です。実は小児の飲み薬の研究をしているとき、子どもさんはどうしたら飲んでくれるのかというときも、子どもさんが苦いというのはどういうときに感じるのかとか、ざらつきで飲みにくいというのはどういうときに感じるのかは、子どもさんしか分からない。子どもの情報がないと私たちは次の手を打つことができません。でも、 PTP 等の話で子どもさんの情報は、海外の基準では CRSF をこんな風に決めていると言う事だけで判断して、日本の文化の中で住んでいる子どもたちがどんな風にして薬をいじるのか、といったことの調査は、多分国内でされていないのだと思います。そこについても医薬品にはこういう風に子どもたちが興味を持つとか、そういった現場での実際的なデータがあり、そのデータと人間工学に基づいた防止用のいろいろな入れ物のデータと合わせての検討になって、初めて効果があるのではないかと思いますので、その点についても是非、御検討いただければと思っています。以上です。

外部会長 ありがとうございました。貴重な御意見を頂きました。そして、現場の声ということで、分かりやすく納得のいくお話だったと思います。また、海外と日本の違いについても説明していただきました。薬局が患者に調剤をするという日本のシステムを、有効に活用すべきではないかというようなお話もあったと思います。

 参考人の方にお話も頂きました。そして、この 1 点目と 2 点目、包装容器に関する誤飲防止対策をどのようにするのか。また、先ほどから出ているパネルテストの結果をどのように考えるのか。この 2 点について各構成員の方々から自由に御意見を頂きたいと思っています。特に今回は薬の包装に関することで製薬企業から代表の方も来られていますし、また、薬剤師会からも来られていますし、それに関係するお仕事をされている方も多くおられます。この件について、御意見頂ければと思いますが、いかがでしょうか。製薬団体としては、何かこのことについて御意見ありませんか。

千葉構成員 製薬企業を代表して一言。消費者庁から発出された PTP のパネルテストについてですが、これは一例とはいえ一つの目安になる数字を出された、これが議論のきっかけになったと考えます。製薬企業も啓発活動について支援させていただきますし、包装容器についても PTP に限定してどうのではなく、ざっくばらんに言いますと薬箱が施錠できるようなもの、巾着袋のようなイメージもあるのですが、 PTP だけにこだわることなく、いろいろな意味で前向きに考えております。今回の具体的なニュートン数については、全ての PTP や他の包装形態に一律に定着するものではないので、今後検討していくきっかけにはなったという評価で、更に 1 歩も 2 歩も進めていきたいと考えております。

外部会長 ありがとうございます。何か、このことについて御意見ございますか。

森構成員 今回、各先生方の話を聞いて、一つの対策だけでは十分な効果はないということを改めて感じました。私ども薬局・薬剤師としてできることというと、まずはきちんと地域住民に啓発をすることが一つ。それから、個々の患者にどう対応するかということ、二つに分かれると思います。個々の患者の場合は、例えば、飲んでいる薬によってのリスクというものもあれば、家族構成によってのリスクというものもあると思います。そこは、今、国も私どもも進めていますが、かかりつけ薬剤師だからこそ、その家族構成であったり、家の状況が分かることがあります。それらを踏まえて、例えば、常時お孫さんがいる家庭といない家庭では、状況は異なってくると思います。そしてまた、高齢者の方本人が服薬管理しているのか、家族が服薬を管理しているのか、また、介護者がしているかによっても保管管理の注意は変わってくると思います

 そういう中で、今まで薬局では一般的に保管管理については、光線管理、温度管理、湿度管理、そして缶に入れて子どもの手の届かない所に指導してきましたが、今日お話を聞くと、椅子を使って高い所にある薬を取ってしまった事例があり、それらを踏まえて、個々の患者に合わせた具体的な指導をしなくてはいけないと改めて感じました。

 もう一つは、どちらかというとここ何年か、高齢者のためにシニアフレンドリーに薬を取り出しやすいこと、製薬企業へも PTP から錠剤等をできるだけ取り出 しやすくしてもらいたい、その上で品質を確保したものにしてもらいたいという要望が多く寄せられてきたのではないかと思うのですが、そこが今、小児の誤飲対策を考えると非常に難しい方向になってきたではないかと思います。取り出しやすくすると今度は高齢者がなかなか取り出せなくなって、飲まないこともあります。また、今までは高齢者の方には、薬は手元など分かりやすい所に置いてすぐ飲めるようにしてくださいという指導をしていたのですが、それでは適切ではないことがあると感じました。

 それから、あともう一つは、調剤の上で何が安全性を確保するためにできるのか、ということを再度考えながら取り組んでいかなければいけないと感じています。まずは、一連の薬の誤飲が大きく報道されたこともあって、改めて薬剤師会でポスターを作って、各薬局に貼って啓発しようというのが一つです。

 それから、消費者庁から最近の具体的な誤飲の例が出ていましたので、ある県ではその事例を記載したお薬手帳を作り、患者さんに啓発を始めた所もあります。今後も積極的に誤飲防止に取り組んでいきたいと思っております。以上です。

外部会長 ありがとうございます。

原田構成員 違う話題で恐縮ですが、土屋先生と石川先生のお二人から、子どものデータがない、実際の事故の対象者になる方たちのデータがないというお話が出ました。それはとても問題だと思っております。とりわけ今回の消費者庁さんのデータは、会議室でテストを実施されておりますけれども、実際の家庭の中でどうなのかということが、とても大事だと思います。その点においては、心理学や発達心理学の方面から少しアプローチできるのではないかと考えました。

 例えば今、全国の大学の心理学研究質で赤ちゃん研究をやっておりまして、「赤ちゃんラボ」を持っている大学が結構たくさんあります。そういう所では、調査や実験に参加してくれる「赤ちゃん」(実際には就学前児までを含みます)のデータベースを作っており、ボランティアとして調査や実験をお願いできますし、例えば、そういったラボで他の調査をお願いしているときに、待ち時間に待合室での自然観察的なデータをとってもらえないかといったことをお願いしても、多くの所で御協力いただける可能性があると思います。例えば発達心理学会などにそのようなお願いのアプローチをかけることは可能です。

もう一点,先ほど研究倫理のお話があったのですが、医療機器・医薬品の関わる医学的研究での研究倫理と、より一般的な、人間行動の研究倫理とではかなり違います。後者の非侵襲性の実験調査の場合にはそこまで厳しい規制の必要性は低いと考えられており、心理学では心理学なりの研究倫理の考え方を作っております。そういう意味でも少し御協力できる部分があるかと思いました。以上です。

外部会長 ありがとうございます。いろいろなこれからの方向性ということで、貴重な意見だったと思います。子どもさんも赤ちゃんから 0 歳、 1 歳、 2 歳、 4 歳と大きく変化するので、いろいろなデータということも非常に大事なことかと思いました。

 薬局等の役割ということで、土屋構成員は示しております。今も森構成員、石川参考人からも御意見がありました。土屋構成員のほうから薬局の今回の誤飲防止における役割をもう少しまとめてといいましょうか、広い視点から御意見いただければと思いますが。

土屋構成員 やはり、こういう事故防止対策というものは、よくここの検討会でもありましたが、企業の方でやるというのが定番でしたが、このテーマに関して言えば、そうではなくて、むしろそれぞれでなくてはできない部分がありますので、そこを認識しながら、例えば、チャイルドレジスタンスの容器を使った水剤にするとか、ただ、一方で瓶が開いたときに全部飲めてしまうという問題もあったりとか、あちらを立てればこちらが立たずの話も現実にあります。そういったことを正に個々の患者さんに対して、どういう対策を取るかという問題です。製薬会社でできるのは一般的な方法でしかないのですが、薬局、医療機関におきますと、それをもう少し個別化した対策ができるということは、今回のこの種のものに対する事故防止対策という意味で有効ではないかということです。やはり、そこが、ある種我が国の特殊性といいますか、製薬会社で CR にした容器に入ってきて、我々は調剤するときに 1 1 回わざわざそのチャイルドレジスタンスを外しながらやらなくてはいけない場合もあるという、海外とは全く違って、こんなことやられたって逆に困る側面もあります。製薬会社で製造したものがそのまま患者さんに直接渡る場合ばかりであればいいのですが、我が国はそうではないという国なものですから、そういったことの特性から、我が国ならではの対策というのは、やはりあるのだろうと思います。

 それと、今まで PTP を含めて、品質保証ということが包装容器に対する主眼であったけれども、やはり今度からは最終使用者である患者さんの目線で見たときの使用の安全を考えるということが必要です。これについて、それぞれのプレイヤーが必要な責任を果たしていくということ、みんなでやっていくぞという方向と、一方で、基礎的な研究も続けていくということが大切です。

そして、通常の医療事故もそうなのですが、大体報道された医療事故でも他人ごとになっておりまして、当事者意識が少ないというのは、先ほどの石川先生の話ではないですが、これは通常の事故でも当事者意識がなかなか持てないために、防止しましょうという啓発はやるのだけれど、なかなかその効果が出ないと。一昨年起きた事故などというのは、 10 年前の対策が実は守られていなかった。今度は守られていないときは守れないようなルールにしてしまったのかなど、そういったことを含めて、そういう意味で言えば医療安全についても第 2 段階に入っていると思いますので、そういった中でそれぞれ今できることを、あるいは今後に向けてやっていくことをやるということが必要かなと思います。

外部会長 いかがでしょうか。何か御意見はありますか。私としては、小松原先生や石川先生の非常に貴重なまとめもありますし、これは非常に私たちが参考にすべき方向性までも示しているところが読み取れると思っております。

時間のこともありますので、またこちらに戻るかもしれませんけれども、先に進めさせていただきたいと思います。今回は誤飲防止の容器と、そのテストの結果について、さらに、リスクの高い医薬品、中毒症状を呈するリスクの高い医薬品についての話が次の課題としてあります。これについて中毒情報センターから黒木理事にお越しいただいておりますので、御意見を頂ければと思います。どうぞよろしくお願いします。

黒木参考人 日本中毒情報センター理事の黒木と申します。私は、消費者庁の子どもによる医薬品事故の調査で専門委員を務めさせていただきましたので、本日参考人として参加させていただいております。まず、日本中毒情報センターという所なのですが、こちらは医薬品のみならず化学薬品、自然毒の急性中毒に関する情報提供を行っておりますけれども、実際に事故が発生したときの緊急対応として問合せを 365 24 時間受けております。年間で 3 5,000 件以上の問合せを受けております。先生方には消費者庁の報告書のほうは御覧になっていただいていると思いますけれども、 5 歳以下の子どもによる医薬品の事故は、平成 24 年のデータではありますが、 8,388 件あります。最近は煙草を抜いて医薬品の誤飲事故のほうが多く寄せられております。

 そして平成 27 年には 8,800 件という数値になっております。本日はこの中から症状を有した 869 件、更にちょっと絞りまして、医療機関からの問合せ 171 件に、こちらの急性中毒症例調査用紙を送付して、電話での問合せの後に、先生方に調査用紙を書いていただき収集した情報です。こちらは回答を得た 112 例について原因医薬品や症状を整理して入院事例などを抽出しました。消費者庁のほうの報告では、全ての事例について報告してありますし、医療機関の先生方に書いていただいた事例から、 14 症例ぐらいの主なものを詳細に部会報告、委員会報告をさせていただいております。

 結果については前回のこの検討会でも説明はあったかもしれませんが、医薬品の薬効分類をいたしますと、かなり多岐にわたります。それは資料 1-1 20 ページの図 13 に、子ども本人による誤飲事故における医薬品等の薬効上位 10 品目というものにまとめられております。医療用医薬品では催眠鎮静剤であるとか精神神経用薬、去たん剤、抗ヒスタミン剤などが多いわけですが、それらが全て重篤になるかといったら、別な話になってまいります。しかしながら多いものというのは、それだけ家庭の中で身近にあるものですので、こういったものに注意を払わなければいけません。

 資料 1-1 24 ページ、 (3) 医療機関から提供された情報という所に、医療機関からの概略はまとめております。どんな薬効のある医薬品が多かったのか、誤飲後の症状についてはこちらにまとめてあります。本日は私の資料といたしまして、結果のほうの中段以

降、入院が判明しました事例が 46 例で、入院日数 2 日が 26 例、 3 日が 11 例と多く、死亡や後遺症を残した例はなかった、ということです。

 入院事例について少し説明したいと思います。まず 1 番は、祖父の降圧剤を 1 2 錠飲み、夜間の血圧低下を認めた 1 7 か月のお子さんの症例です。こちらは PTP 包装のフィルムコート状のものだったと思うのですが、そのおじいさまの降圧剤を 1 2 錠口に入れているところを見つけて、 30 分後に救急車で来院されています。来院時にバイタルに問題はなかったのですが、直ちに胃洗浄を行って輸液を行い、血液をモニターしながら入院していたところ、摂取後 5 時間より血圧が低下し始めます。上が 75 、下が 34 といったような状態になります。入院して経過を見ておりましたので、輸液量を増量して、摂取 8 時間後より徐々に血圧が戻ってきまして、摂取 14 時間後には輸液を終了しております。血液検査等の結果、異常がないということで、一応 24 時間以内で退院はした、入院日数としては 2 日になりますけれども、そういった事例があります。

 海外でこういった降圧剤、カルシウム拮抗剤のようなものを、特には持続性剤などを、小さな 5 歳以下のお子様が飲んだ場合は、消化管洗浄などを行って、 12 時間から 24 時間、医療機関で経過観察をしなさい、といったようなペーパーが、 2007 年の段階に出ています。私どもが一番気を付けているのが、やはり循環動態に影響する薬なのです。血圧を下げたり、心臓に影響するお薬、それは直に命と関わりますので、ハイリスク薬という考え方が医薬品業界にあると思いますが、それプラス循環動態に関わるものというのは特に気を付けております。

2 番ですが、こちらは自身に処方された気管支拡張剤と抗ヒスタミン剤の合剤シロップを 5 回飲み、意識障害と頻脈 190 / 分を認めた 1 10 か月の例です。気管支拡張剤や抗ヒスタミン剤の誤飲事故も多いのですけれども、特に抗ヒスタミン剤による抗コリン症状であるとか、交換神経症状というのが強く出る場合があります。一般の医薬品にも抗ヒスタミン剤はたくさん入っているのですが、ひどい場合は、やはり、痙攣を起こしたりということがありますので、こういった医薬品についても気を付けております。

3 番目、祖父の降圧剤を 1 錠及び糖尿病薬を 1 錠飲み、嘔吐と傾眠傾口を認めた 3 歳です。この方も大事には至りませんで、 1 日の入院で済んでおりますけれども、やはり糖尿病薬というのも気を付けているお薬の一つです。

4 番目、市販の瓶入りのアレルギー用薬を最大 20 錠飲む。これは糖衣錠ですので、やはりお子さんはたくさん飲んでしまうということで、最大で 20 錠まで考えてほしいということで最初の問合せが来ました。この方は興奮、筋緊張の亢進を認めた 1 4 か月のお子様です。治療していただいて入院は 2 日、といったような例が出てきております。こういった事例が消費者庁のほうで降圧剤、気管支拡張剤、糖尿病薬、もちろん抗精神病薬等々、こういったものに気を付けてほしいといったような根拠になります。

 考察のほうにちょっと触れておりますが、医療機関への追跡調査では、家族の処方薬を飲んだ、本人の合剤シロップを飲んだといった事例が多くて、消化器症状、中枢神経用剤による中枢神経の症状、抗ヒスタミン剤や気管支拡張剤等による抗コリン症状や交感神経刺激症状が目立ちました。降圧剤の錠剤 1 2 錠程度の誤飲であっても、医療機関での加療や経過観察を必要とした事例が散見されております。

 容器と啓発について触れさせていただければと思います。誤飲防止対策としてチャイルドレジスタンスを意識した容器の開発とか、現在ある CR 容器の活用、それに今日も御紹介がありましたような PTP 包装の苦味付け、苦み剤の使用など、こういったもののほか、この場で余り議論されていないと思ったのが、子どもの誤飲の状況なのですが、テーブルの上にあったものを食べたとか、高い所のものを取ったというのはあるのですが、意外とありますのが子どもが親の鞄の中から薬を取り出して飲んだりということなのです。

 お母様の鞄は子どもにとって大変興味のある所で、お母さんが何かいいものを持っているから、そこから取り出して何か飲んでいるということは分かるわけです。お母さんたちは、医薬品は危ないので、医薬品箱に入れて高い所に置いておこうと思うのですが、鞄は床の上に置いてあるわけです。それでアクセスしやすい所で、その中からゴチャゴチャ取り出します。お母さんも 1 1 回、今日はお出掛けするから 1 回分飲んでおこうとか、常用薬を入れていたりとか、そういった状況のものを子どもが取り出して飲む、かじって食べるということが実態としては多いと思います。

 お母さんたちが見ていない所での事故ではありますが、確かにかじった痕はなくて、押し出して食べているのではないか、口の中には確かに錠剤があるとか、そういった実態もあり、私どものほうでもできるだけ状況、場所、誤飲した状況、机の上なのか鞄の中なのか、救急箱なのか冷蔵庫の中なのかといったことも調査を始めています。ただ、御父兄の方の見ていない所で事故が起こっていますので、なかなかそれの調査精度というのが分からないところもありますけれども、その中で是非鞄の中というのも気を付けてほしいと思っている一つです。

 あと、おじいちゃんおばあちゃんの家に遊びに行って、やはり高齢者の方ですから、ちゃんと飲むようにと机の上に置かれた薬を飲んでしまうということもあります。チャイルドレジスタンスでシニアフレンドリーな、私としては二段階ロックぐらい付いた小型なピルケースで、鞄の中に入れられたりとか、机の上に置いていても触っても大丈夫といったような、それを専門家の先生や企業の方たちが共同で開発したりとか、コストを下げるために汎用性のあるものを作ってはどうかなというのは思っております。それに関して品質の悪いものが出るといけませんので、品質を認定して、こういったものを勧めますという、誤飲防止グッズという形として紹介するのも一つの手ではないかと思っております。

 また、啓発に関してなのですが、こういった事例について啓発パンフレットやポスターなどもいいのですが、具体的な事例を視覚に訴えた動画などにすることのほうが、より効果が高いと考えております。椅子に上って積み上げて医薬品の箱を取ったりとか、お母さんの鞄の中から取ったりという映像を見せながら、「あ、こんな所で誤飲事故が起こっている」というのを見せて、更にその対策としてどうしましょう、どのように保管しましょうということです。鞄の中にこのように袋に入れて、お薬を持っている方、高齢者の方で 1 1 回分を持っている方も多いと思います。こういった袋でもここを閉じてしまうとか、いろいろな具体的な案を見せることのほうが啓発としては、より効果があると考えますので、是非ビデオなどを作ったり、あとはテレビで政府広報とかです。また、若いお母さんたちというのは、インターネットをよく活用しますので、ウェブ上の動画サイトであるとか、そういったところでの広い啓発が必要だと考えております。以上です。ありがとうございます。

外部会長 ありがとうございます。日本中毒情報センターに毎年 8,000 件以上の問合せがあって、そのうちの約 1 割、 800 例以上が症状を呈しているということで具体的にお話していただきました。多分、問合せのない事例はもっともっとあるのだろうと思います。毎日日本中で何十件何百件とあるのかもしれません。そういうことからも、いろいろな対策が必要であるし、啓発ということの重みですね。啓発とは簡単に言いますが、なかなかそれが浸透していないという現状もあるのではないでしょうか。

 もうお一人方、参考人に来ていただいておりますので、御紹介したいと思います。「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」の代表の阿真京子さんです。阿真様からは、家庭での医薬品の保管管理の実態や注意啓発をする際に、今後特に盛り込むべき注意のポイント等について是非御紹介していただければと思います。よろしくお願いします。

阿真参考人 初めまして。「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」という会で、親御さんに小児科の先生が子どもの病気を伝える活動をしております、阿真と申します。よろしくお願いいたします。本日の参考人の先生方のお話と重なることも、かなり多いかと思いますけれども、お話させていただきます。

 幾つかあるのですけれども、まず一番最初に、重症化する薬について、重症化してしまう、入院が必要となってしまうような薬について、その使用している人への啓発というものは、調剤薬局で紙 1 枚でもできることではないかなと思います。一緒にお孫さんと住んでいなくても、住んでいないからこそ、お盆とかお正月などで急に身近になって飲んでしまうということもあると思いますので、調剤薬局で紙 1 枚でもできることだと思うので、それはまずしていただきたいと思います。お飲みになっている方に直接、全てのことをお伝えするのは、なかなか調剤薬局さんもすごく混んでいるので難しいと思うので、紙 1 枚でこういう事例が発生しています、こうすると防げますよ、というようなことで済む話ではないかと思います。

 それから、先ほど黒木先生もおっしゃってくださったのですが、毎月 300 人ぐらいのお母さんたちお父さんたちと私たちは接しているのですが、私たち親世代というか、今の親世代というのは、スマホを持っていない方はほとんど本当にいらっしゃらなくて、皆さんインターネットで検索したりということは普通にやっていますので、一般の親に対する啓発というのは、やはりインターネットというものが非常に有効で、子どもの病気などについて、いろいろ載せているサイトはたくさんあるのですけれども、例えば、 NHK の「すくすく子育て」のサイトですとか、大阪の消防をはじめ消防はかなり啓発を頑張って載せています。また、私たちの会でも「シルミルマモル」というもので子どもの病気について全般載せているものがありますので、そこで子どもの医薬品の事故についての啓発などもできるかなと考えています。

 小児科の予約というのは非常に進んでいまして、ほとんど待たずに、今、インターネットで予約をしていくことができるのですが、その後の調剤薬局は待つ時間がかなりあります。ですので、その待つ時間に対して私たちの「シルミルマモル」も病院でも流していただいているのですけれども、そういったもので、別に私たちのものでなくていいのですが、動画で調剤薬局で見ることができるとしたら、待ち時間で啓発が進むのではないかと思います。

 もう 1 点、こちらの資料 1-1 2 ページですが、こちらの実際にあった事例の絵というのは、非常に良いものだとは思うのですけれども、これはストーリーが見えないのですね。こういうことが起きたというストーリーが見えなくて、この中にまず子どもが手を伸ばして飲んでしまったという例がまず必要ということと、もう一つ、そうならないためにどうしたらいいかと先生もおっしゃっていましたけれども、どうしたらいいかということが必要です。ここに置かないでここに置こうみたいなビフォアとアフターが必要だと思います。

 例えば、巨峰で一昨年に子どもさんが亡くなってしまったときに、巨峰は危ないから気を付けようねというメッセージではなくて、巨峰で亡くなってしまったことがあって、「切ってあげよう」というようにメッセージを伝えると、やはりお母さんたちも「あ、巨峰って小さいうちは切らないといけないんだ」というように、メッセージがストンと落ちます。ただ、「何々しないでね」と、例えば、口に出すと申し訳ないのですが、「スマホで子育てしないでね」というメッセージは余りはっきり言って響かないです。関係の方がいらっしゃったらすみませんけれども、そ「しないでね」ということではなくて「こうしましょうね」というメッセージ、小松原先生のお話にもあったと思いますけれども、具体的にどうしたらいいかということをメッセージとして伝えると、伝わると思います。

 最後に、私たちは毎月 300 人ぐらいの親御さんと接していまして、子どもの病気について繰り返し伝えていますので、先ほど成育の石川先生がおっしゃったように、子ども自身のデータがないということであれば、私たちなども使っていただいたりですとか、先ほど原田先生がおっしゃったように、赤ちゃんのラボですとか、そういったことを活用しながら、どんな子どもたちのデータでも取っていくことは可能ではないかなと思いますので、それは是非進めていただきたいと思います。社会で防げることというのはたくさんあると思いますので、啓発は繰り返し繰り返しやっていくことが大事ではないかなと思います。ありがとうございました。

外部会長 ありがとうございます。啓発もきちんとこのようにするべきだと、このようにしたらよいという提案まで必要ではないかということでした。ここまで、最初に示しました 4 つの検討事項について様々な方面から御意見を頂きました。ここでこの 4 つについてもう 1 回皆さんの御意見を頂いてまとめていきたいと思いますが、いかがでしょうか。何か追加や御発言はございますでしょうか。

 消費者庁から出たこの報告書で PTP について 1 つの提案があったと思いますが、これについてはいろいろな御意見が出ました。小松原先生からは、 90 歳と 4 歳の交点はどのようになるのだろうかとか、いろいろな観点からの考慮が必要ではないかというようなことだったと思います。そして、チャイルドレジスタンスと言う場合には単なる PTP だけではなく、いろいろな方面からのアプローチが望まれるということも出たと思います。そして何より一つの対策だけではなくて、多重対策という言葉が出てきましたが、何重にも、何層にもわたってこれを啓発から、そして、できるところは容器の開発、包装の改良、そういうところまであらゆる努力をして子どもを危険から守っていくことが必要かなと思います。いかがでしょうか、皆さんから何か御意見があればお願いします。

原田構成員 本当に感想めいたことですが、まず 1 つ目は、動画の有効性です。これは本当に有効であると思います。私たちの処でも、高齢者さんに対する振込め詐欺予防のお話をいただいたときに、パンフレットやポスターなどはほとんど目に入らないとされました。しかし、動画を見てもらうと、皆さんの目が違うといいますか、こういうときにこういうふうに電話がかかってくるんだといった具体例が示されることによって、「であればこんな場合、あんな場合もあるよね」というように、議論も豊かに膨らませていけました。その意味でも、動画できちんと事例をお伝えするということはとても重要かと思います。

 もう 1 点が、先ほど話題に出た、ピルケースの件です。ここまで、 PTP など一つ一つの薬を対象として話がされてきましたが、携帯型のピルケースを作ったらいいのではないかという黒木先生のお話、それから御家庭の中でも、昔は結構ガッツリした大きな木の薬箱があって、それは、子どもは触ってはいけませんといったことがあったと思うのです。ですから、もちろん、全国の全家庭には渡せなくても、子どもさんのいらっしゃるご家庭では、「お薬はここにこういう箱にいれて保存しましょう」といった提案ができるといいなと。それには、おうちに置く版の薬箱と携帯版とがあるとよいと思います。

どこがお金を出して、誰が作るのかという具体案は分からないのですが、そこはぜひ厚生労働省で御検討いただければと思います。そうすると、相当の部分の事故は減りますし、啓発にも役立つかなと思いました。本当に感想ですが、以上です。

外部会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

北澤構成員 今日、いろいろな先生方からお話を伺い、もっともなことばかりで非常に勉強になりました。全体を聞いて私自身が感じたのは、この検討会では主として物のことについて話し合っているのですが、やはりそれ以前にこういった実態についてもっと広く知っていただくこと、まずそこが足りていないために、いろいろな事故を招いているのではないかという感想を持ちました。その意味では、今日も石川先生が啓発のことを強調しておられ、全くそのとおりだと思います。厚生労働省は、従来から啓発活動や、医療のいろいろな団体に通知を出したりして努力を図っておられるのは十分分かるのですが、やはりもう少し直接的に一般の人々に実態を知らせる、今日も、動画とかネットとかスマホとか、いろいろなアイディアが出たので、是非そのような形で消費者に直接、こういったことになっていて困ったことになっているということを、もっと知らせていただきたいと思います。

外部会長 ありがとうございます。ほかに何か御意見はございますか。

田代構成員 私は臨床工学技士をしております。一般の患者さんとは余り接していないのですが、救急センターの係わりで、薬剤の誤飲による救急搬送患者を実際に見ています。そこで、中毒センターには昔から問い合わせ等でいろいろお世話になっているのですが、実際に中毒センターに問い合わせる症例は、すべての症例の中で僅かな例であって、問い合わせに至っていない症例も多いのではないかと思います。経験があったり、危険が少ない判断できる症例だと、治療を行ったり様子を見てそのまま帰してしまうということがありました。今回実際に報告されているのは重症化した一部の例だけではないかという気がするのです。実際にはもっと多くの症例がある中で、実際に高いところの薬を飲んでしまうなどの事例が報告されているだけで、間違えて薬を飲んでしまったすべての人たちの中ではどのぐらいの割合なのかというようなことが分かってこないのではないかという気がします。ですので、薬剤の誤飲をしてしまう全体像をどうにか調べる方法がないのかなと考えます。それがあることによって早急に対応すべき部分が見えてくるのではないかと思います。

 あと、お薬の管理に対しての啓発・啓蒙の所ですが、私も患者さんに少し話をしますが、若い方々に限らず多くの方は理解してきちんと管理できるのです。全員を一括りとして啓蒙するのではなく、高齢者には高齢者にあった内容の啓蒙というように、ある程度年齢とか家庭構成、背景を加味した対象に分けて、それぞれに合った啓蒙をしたほうが効率がいいのではないかと私は感じました。

外部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか、この件は最後に厚生労働省にコメントを求めたいと思いますが。いろいろな提案がなされました。何と言っても啓発ですが、啓発と言ってもいろいろな重み付けがありまして、かなり徹底した、国を挙げて、厚労省も本気で。もちろん、これまで本気でやられていたとは思うのですが、死亡例が相次いで出るような状況になっては遅過ぎますので、是非、あらゆる手を尽くして対応を早め早めにやっていかなければいけないと思います。土屋構成員には取りまとめ作業をしていただいて、いい成果物を出していただければと思います。何か御意見はないでしょうか。医師会からもし御意見があれば、よろしくお願いいたします。

今村構成員 ずっと議論をお聞きして、実際に患者さんと向き合っている医師とはいえ、関われることは非常に少ないなと。対策においては、メーカーの段階とか、実際にお薬をお渡しする薬局の段階とか、こういった所の対策が主になってまいります。とするとやはり、私どもがあえて申し上げれば、そうした段階でしっかりしていただきたいと。苦味のこともそうですし、それから取り出しにくい CRSF 容器ですか、そういったことをきちんとやっていただくことこそが大事だなと。普及啓発にしてもそのとおりです。日本医師会としてどうするんだということですが、それ以上のことを申し上げられないなというふうにして今日の議論をお聞きしておりました。

外部会長 ありがとうございます。それでは厚生労働省からお願いします。

医薬・生活衛生局安全対策課長 本日は多様な面から具体的な提案も含めて御意見を頂きまして、ありがとうございました。まず啓発が重要だろうということでその啓発のやり方、ビデオなど、動画を使うとか、具体的な提案も頂きました。また、直接消費者に訴えることも重要であるという御指摘も頂きました。この直接消費者に訴えるという点は、今日の御議論を消費者庁さんにもお伝えし、協働できるところは協働していきたいと考えております。また、小児の誤飲事故防止という今日の大きな目的ですが、多段階での対応が必要であろうということでした。今日の御意見も含めて土屋先生のほうでやっていただいている研究班のほうをまとめていただき、私どもはそれを受けて具体的な方向性などをまとめていきたいと思っております。それをまとめた上で、関係される団体、企業の方々を含めてどういう具体的な対応ができるのかというのも考えていきたいと思います。また、子どもの実際の行動データといったお話もございましたので、必要があれば、データの収集なども併せて検討していきたいと思います。

 このようなステップで進めていきたいと思っておりますが、今日、活発に御議論いただきましたので、その進捗につきましては、適宜、この会にも御報告し、また、御意見等を頂きたいと思っております。ありがとうございました。

外部会長 それでは、検討事項 1 はこれで終わりたいと思います。次は報告事項になります。事務局から、報告事項はありますでしょうか。

事務局 それでは、資料 2-1 2-2 等に基づいて報告事項を説明させていただきます。本検討会、物の観点からの安全対策に関係している最近の取組について、連絡事項的ではありますが、幾つかトピックス的に紹介させていただきます。まず、お手元の資料 2-1 を御覧ください。

1 つ目は、いわゆるバーコード表示の件です。医療用医薬品へのバーコード表示については、過去にこの検討会で検討議題となった事項です。昨年 7 月以降に出荷された医療用医薬品からは、内服薬、外用薬を含めまして、原則全ての製品の調剤包装単位にバーコード表示が行われることとなっているなど、製薬業界の御協力の下、主には医薬品の取り違え事故の防止の観点から着実な進展が行われてきているといったところです。

 そして、バーコード表示についてですが、平成 27 9 月に策定されました医薬品産業強化総合戦略において課題とされた等、後発品の種類や流通量の増加、そうしたものへの対応あるいは近年の電子化の進展の背景もあいまって、主には流通効率化の観点からではありますが、資料 2-1 の図の右下のほうの赤枠にあります、元梱包装単位とか販売包装単位に対して現在任意表示となっている有効期限、製造番号、こういった変動情報についてもコード情報を表示していく方向で現在、関係部局、関係業界等と検討を行っているところです。安全対策の観点から申し上げますと、流通段階でのこういった製造番号等の把握管理が、より迅速かつ確実に行われることで、例えば製薬企業が製品のリコールなどをより適切に実施することに寄与することにもなるのかなと考えているところです。

 なお、医療機器につきましては以前から、主には流通管理の効率化の観点から製造番号等を含めて既に個装や中箱へのバーコード表示対応が行われているところですが、近年、バーコード表示による医療安全の確保やリコール管理の観点からの利活用が注目されてきており、その表示範囲の拡大等、医療機器についても、関係部局、関係業界等で検討を行っているところですので、併せて紹介させていただきます。

 次に、裏面ですが、いわゆるスモールボアコネクタに関する事項です。こちら、前回の検討会において 6 つの医療領域の用途別に形状を変えて相互接続を不可能にするコネクタに関して国際規格が制定される予定があることの紹介をさせていただき、国際的な整合性はもとより、医療安全の観点にとっても、より万全を期すものであると考えていることから、日本においてもこれを新規格として取り組む方向性について御意見を伺ったところです。その中では、特に切替えに際しましては、医療機関側に無用な混乱等が生じないように事前に周聞周知を図るべきこと、あるいは、その導入後に個々の医療機関における既存品との切替えのタイミングについてよく調整を行った上で行う必要がある、といった御意見を頂戴したところです。

 本件のスケジュールについてです。最も早いカテゴリーである経腸栄養領域のものについて、当初、平成 29 4 月の導入開始を検討していたところですが、国際規格の制定自体が今、かなり遅延している関係で、現在、新規格の導入時期等について、海外の導入予定状況にも注目しまして、各業界団体と協議の下で改めて調整を進めているところです。

 なお、この 6 つの医療領域の中で経腸栄養領域につきましては、他の領域のものと異なり半固形の薬剤や流動食の投与にも使用するという特徴があることから、新規格のコネクタとなることによってその通過性への影響が懸念されました。そのため、関係学会である日本静脈経腸栄養学会の東口理事長を中心に新規格と現在のコネクタの比較実験が行われており、新規格になることでその通過性への懸念は概してないようであるという連絡を頂いておりますので、併せてこの場で報告させていただきます。これらの取組事項につきましても、次回以降の検討会にて適宜、状況を報告させていただきます。

 最後に、資料 2-2 になります。医薬品・医療機器等の安全使用に関する調査結果について御説明申し上げます。公益財団法人日本医療機能評価機構が実施する事業で収集・公表された医療事故情報やヒヤリ・ハット事例の内容につきまして、 PMDA の有識者会議において安全管理対策に関する検討が行われています。その結果につきましては、平成 26 年度に引き続きまして、厚生労働省のホームページでも公表を行っているところです。なお、安全使用に関して製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられる事例につきましては、こういった調査後、それぞれ、必要な指導とか対策の検討に着手しておりますことを併せて御報告申し上げます。また、過去に厚生労働省あるいは PMDA より注意喚起を実施しているにもかかわらず、最近の医療事故情報とかヒヤリ・ハット事例の分析で引き続き散見されるような再発・類似事例について再喚起を行う必要があるのですが、その 1 つとして、参考資料 3-1 にありますように、当省より定期的に発行しております「医薬品医療機器等安全性情報」に解説の掲載を行うようなことにも取り組んでおり、周知を図っているところです。参考資料 3-2 から 4 につきましては、前回部回以降に PMDA より作成、公表された「 PMDA 医療安全情報」となっております。以上、事務局からの報告事項とさせていただきます。

外部会長 ありがとうございます。 3 点報告がありました。バーコード表示の必須化への検討、誤接続防止コネクタに関すること、厚労省の医薬品医療機器等の安全使用に関する調査結果についてでした。この点について何か。

森構成員 ちょっと聞き逃してしまったのですが、バーコード表示の必須化は調剤包装単位も必須化の予定なのでしょうか。

事務局 現状、議論が進んでおりますのは赤枠の点線で囲っておりますが、販売包装単位と元梱包装単位について今、拡大の議論を行っております

森構成員 販売包装単位と元梱包装単位の方だけ変動情報を入れるという形ですか。

事務局 現在の検討は、そこについてということです。

森構成員 技術的な課題や費用的な問題もあると思うのですが、トレーサビリティの確保という点で言えば、やはり調剤包装単位への表示も必要だと思いますので、お願いしたいというのが 1 点です。あと、製薬企業によってもだと思うのですが、 GS1 コード等の画像を公開されている所と公開されていない所があって、今、医療安全のために薬局でそのコードを使うようになってきました。このコードがホームページ上で医薬品ごとに公開されていますと、薬局のほうでもそれを使って、医療安全確保のために活用できることもあるので、是非公開していただければと思いま す、添付文書を見ていたら番号だけを書いている所が多かったと思うので。これはお願いです。以上です。

外部会長 ありがとうございます。

寺井構成員 資料 3-1 については、再発・類似事例に関して医療機関内でも活用させていただいて再発防止に努めているところですが、物について、お願いといいますか、申し上げたいことがございます。参考資料 3-4 です。 PMDA の医療安全情報を活用させていただいておりますが、 No.48 の三方活栓ですが、向きを間違えないようにというような再発防止の周知のための分かりやすい図を作ってくださっています。この 4 ページ分の 2 ページの所に図があります。三法活栓の閉鎖と開放がほとんど同じように見えているけれども、片方の図が閉鎖で片方の図が開放でというような、見た目にとても分かりにくい三方活栓の構造なのです。こういった構造について、薬品などでは分かりやすいようにということが随分進んでまいりました。こうした事例が多いということにも鑑みて何らか分かりやすい、また、向きを統一するといったような物の面での検討もいただけたらと思う次第です。

外部会長 ありがとうございます。全く同じように、図から見ると似たようなのですが、閉鎖と解放というような 2 種類があるということで戸惑いやすい現場、こういう所は何か、統一なり指導なり調整が可能ならばお願いしたいと思います。検討していただければと思います。よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、以上で本日予定していた事項は全て終了になります。何か、ほかに追加の御発言はございませんでしょうか。

森構成員 すみません、先ほどお話できなかったので。今日の当日資料の検討課題を見てみると、正にこの中に薬局が取組でやらなければいけないことがかなりあります。ある意味、一連の医療を受けたときもそうですし、例えば、一般用医薬品を購入しに来た患者さんでも最後に会う医療者は薬剤師です。そこで、いろいろな意味での安全の確保という点で今後もしっかりと対策を取ってやっていきたいと思います。また、先ほど阿真さんから患者さんへ情報提供というお話があったと思うのですが、その患者さんの病気の治療のこと、薬のことを指導しているとなかなか個々の保管管理の指導についてすぐにできないこともあるのですが、それこそかかりつけになっていただいて、何回もきていただく中で全体のことをきちんと管理・指導していくことができます。かかりつけ薬剤師を、国としても進めていただければと思います。以上です。

外部会長 ありがとうございます。ほかによろしいでしょうか。それでは事務局から、何か追加はありますでしょうか。

事務局 本日の議事録につきましては、後日送付させていただきますので、内容の御確認をお願いいたします。修正、御確認いただいた後、厚生労働省のホームページに掲載させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

外部会長 それではこれで閉会といたします。御協力、ありがとうございました。お疲れさまでした。


(了)

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