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2016年2月18日 第44回医療部会

医政局総務課

○日時

平成28年2月18日(木)16:00〜18:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)


○議事

○医療政策企画官 ただいまから第44回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席くださいましてまことにありがたく存じます。

 当部会の総委員数が24名ですので、定足数は3分の1の8名となっております。

 本日は大西委員、樋口委員、平川委員の3名が御欠席とのことですので、現時点で21名の委員の皆様に御出席いただいております。したがって、この会議は定足数に達していることをまず御報告申し上げます。

 次に、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 お手元に議事次第、座席表、委員名簿のほか、資料1−1〜1−4、資料2−1〜2−3、参考資料1、参考資料2をお配りしております。不足がございましたらお知らせください。よろしいでしょうか。

 それでは、事務局からは以上です。以降の進行は永井部会長よりお願いいたします。

○永井部会長 それでは、最初に欠席委員のかわりに出席される参考人につきまして、平川委員の代理として日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局長の伊藤参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。異議がなければ、そのようにさせていただきます。

 では、議事に入らせていただきます。本日はまず大学附属病院等において重大な医療事故が相次いで起きたことを踏まえまして、検討が進められてきた特定機能病院の医療安全対策強化策につきまして、検討会での報告書が取りまとまったということでございますので、その内容について報告を受けた上で御議論をお願いしたいと思います。

 また、昨年末のこの部会で御指摘がありました専門医の問題についても御議論をお願いしたいと思います。専門医の議題に関連しまして、本日は一般社団法人日本専門医機構理事長の池田康夫氏、同法人理事の千田彰一氏、また、同法人の専門研修プログラム研修施設評価・認定部門委員長の四宮謙一氏、3名においでいただいております。御三名についても当部会の参考人として御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。


(「異議なし」と声あり)

 

○永井部会長 ありがとうございます。

 それでは、専門医機構の皆様におかれましては、大変恐縮でございますが、2つ目の議題までしばらくお待ちをいただきたいと思います。

 早速、最初の議題「特定機能病院の承認要件の見直しについて」を事務局から簡潔に御説明をお願いいたします。

○保健医療技術調整官 それでは、医政局総務課より、特定機能病院の承認要件の見直しにつきまして御説明をいたしたく存じます。

 皆様御案内のとおり、特定機能病院におきましては、医療安全に関する重大な事案が発生したことを踏まえまして、昨年4月、厚生労働省大臣を本部長といたします大学附属病院等医療安全タスクフォースというものを設置いたしました。こちらのタスクフォースで全特定機能病院に対する立ち入り検査を経まして、このタスクフォースとして昨年11月、特定機能病院に求めたいとされる医療安全確保のための改善策案を取りまとめました

 そのタスクフォースで取りまとめた方向性に基づきまして、特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会におきまして、具体的かつ詳細な承認要件の見直しにつきまして御議論をいただきまして、このたび報告をお取りまとめいただいたところでございます。

 報告の詳細につきましては資料1−2という横置きの表がございますが、お時間の関係がございますので、本日は資料1−1のポンチ絵に基づきまして、御報告の内容を御紹介させていただきまして、おおむねの方向性につきまして委員の皆様の御了解をいただければと存じまして、説明させていただきます。

 資料1のポンチ絵の主に点線の右側に着目いただければと存じます。タイトルが「特定機能病院における医療安全対策強化のための承認要件の見直しについて(主なもの)」と書いてある資料でございます。

 まず現行規定では、例えば点線より右側の上のほうになりますが、病院長、管理者の方に対しては医療安全の業務経験があるなしにかかわらず、病院長という形で就任いただくわけでございますが、今後病院長になられる方におきましては、何らかの形で医療安全業務の御経験を必須化することを整理いただいたところでございます。

 また、今まで法令用語としまして医療安全管理責任者という用語はございませんでしたが、こちらを法令、通知で明記する。また、昨今特定機能病院におきましては副院長を複数配置している病院が大半でございますので、医療安全担当の副院長というものを位置づけていただくようお願いする予定ということでまとめたところでございます。

 また、その下でございますが、医療安全管理部門、こちらにつきましても現行では医師、歯科医師、薬剤師、看護師のいずれかの職種の者を配置するという規程だけございますが、医療安全タスクフォースの立ち入りの結果、全特定機能病院においては専従の看護師の方が配置はされていますが、ほかの職種に関しましては専任という配置状況でございました。現場の声も反映いたしまして、専従の医師、薬剤師、看護師の配置を原則義務化ということを報告として取りまとめていただいたところでございます。また、このスタッフの配置につきましても医療安全管理業務にかかわることがキャリアパスにつながり、優秀なスタッフの配置が進むような取り組みを推進することを行政としてもこれから考えてまいるところでございます。

 その下の部分でございますが、事故等の報告の義務化、全ての死亡症例の医療安全管理部門への報告をいただく。それから、必要に応じて管理者への報告をいただくことを義務化すること。死亡事例以外でも一定以上の事例については事例を認識した全職員から御報告いただくことを義務化すること。こう整理いただいたところでございます。

 1つ下のところでございますが、高難度新規医療技術の導入プロセスの明確化でございます。こちらにつきましては高難度新規医療技術により医療を行う場合に実施の適否を確認する部門を設置いただくこと。当該技術による医療を行う場合に遵守すべき事項等を定めた規程を作成いただくこと。規程の遵守状況を確認すること。こういったことを報告で取りまとめたわけでございます。

 また、これらの病院の中の取り組みがどう回っているかということを外の目から見ていただくということで、点線の右肩のほうにもございます。また、一番左下にもございますが、監査委員会というものを開設者に設置をいただいて、この病院の医療安全に関する取り組み、内部統制がきちんとサイクルとして機能しているかどうかということについて、外の目で確認、提言をいただくということ。また、外部監査の機能といたしまして、特定機能病院間の相互チェックも実際に大学病院間では既に実施されておりますが、この特定機能病院間での相互医療立入のようなものを義務化するということでございます。また、地方厚生局の立入検査としても、立入検査の際に病院長、管理者の先生から直接ヒアリングをさせていただいて、ピアレビューにおける指摘事項の改善状況等々をお話いただくことと報告書でまとめていただいたところでございます。

 主なところは以上でございます。

 続きまして、資料1−3について御説明いたしたく存じます。ただいまのポンチ絵でも一部御紹介させていただきましたが、いわゆる高難度新規医療技術につきましては、特定機能病院以外においても実施され得るものでございます。社会保障審議会医療分科会においても、厚生労働省に対して高難度新規医療技術を導入するプロセスに関しまして、何らかの国としての取り組みをすべきではないかという御意見を頂戴したところでございます。

 資料1−3に整理させていただきましたが、赤い点線の枠内、かつ、下のほうの欄にございます上記を含む医療機関全体という欄がございます。こちらにつきましては高難度新規医療技術等への対応ということで、現在でもこの網かけの部分に関しましては実施をいただいているところがございますが、例えば高難度新規医療技術への対応として医療安全管理のための指針を作成する際には、このすぐ下にございます学会から示される高難度新規医療技術の導入に当たっての考え方を参考に実施することを指針に明記いただくということ。それから、未承認の医薬品等への対応ということで、現行でも御作成いただいております医薬品業務手順書の作成の際には、学会のガイドライン等の医学的知見を確認することを手順書に書いていただくことを、それぞれ通知でお示しできればと考えているところでございます。

 また、特定機能病院以外に対しましても、この図でいきますと赤い点線の上のほうの細長い行でございますが、特定機能病院以外の病院に対しても特定機能病院に対する規程を参考に同様な取り組みに努めるということで、努力義務というものを課せるかどうかということを本日、委員の先生方から御意見を賜ればと存じます。具体的にはどういうことかと申しますと、一番上の赤い破線以外のところにございます特定機能病院の体制整備の段に例えば書いてございます、管理者は当該医療の実施の適否を確認する部門を設置する。また、当該部門が確認すべき規程を作成する。管理者は当該部門に遵守状況を確認させるなど、特定機能病院の求める規程を特定機能病院以外の病院に努力義務として課せるかどうかということに関しまして、御意見をいただきたく御審議いただければと存じます。

 説明は以上でございます。

○永井部会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明に御質問、御意見をお受けしたいと思います。いかがでしょうか。

 加納委員、どうぞ。

○加納委員 これは確認なのですが、今の資料1−3の赤破線の病院(上記以外)のところですが、これはあくまでも高難度の新規医療技術、未承認医薬品等を用いる医療を行う病院ということで、ほかの病院を指したものではないということで理解させていただいていいわけですね。

○保健医療技術調整官 はい。先生の理解でございます。

○加納委員 一般の病院に波及することはないと考えてよろしいわけですね。

○総務課長 少し整理して御説明を申し上げたいと思います。

 最初に御説明しました資料1−1及び資料1−2でございますが、特定機能病院に関する医療安全確保に関する強化を行うために、どのような承認要件の見直しが必要かということで御議論をいただいてきた。その中で高難度新規医療技術あるいは未承認医薬品等を用いた医療につきましては、特定機能病院に関して今、申し上げているような一定の体制の整備を義務づけることで報告書をいただいてございます。

 資料1−3で本日、委員の先生方の御意見をぜひ伺いたいということで御提案申し上げておりますのは、特定機能病院が高難度新規医療技術等を行う場合については、こうした体制の整備を承認要件として義務づけるということで、検討会としての結論をいただいたわけでございますけれども、他の病院が同様の技術等を実施する場合に、果たしてそこが何もなくてよいのかというような御指摘が検討会等でもあったということを踏まえまして、全く同じということはなかなか難しいとしても、この特定機能病院の取り組みを参考に、同様の取り組みに努めていただくという努力義務を特定機能病院以外の病院に対して省令上、位置づけることに関して、きょう御意見を賜ればということでございます。

○永井部会長 そういう高度な医療技術を行わない場合には、もちろん不要だという理解ですか。

○総務課長 先ほど町田が申し上げたのはそういうことでございます。

○永井部会長 ほかにいかがでしょうか。

 中川委員、どうぞ。

○中川委員 加納先生、今の確認でいいのですか。

○加納委員 一般の病院にこのような高度のものをやらない限りは、ここも大学と同様にということは求められないという理解でよかったのですね。そういう確認だったのです。

○中川委員 逆読みすると、高難度技術と未承認医薬品を使うときには同じようなレベルでなければなりませんよということですね。それでいいのですね。

○加納委員 はい。

 もう一つ続けてよろしいでしょうか。今までは下の2つの項目に別々の条件が今まではついていて、さらにきょうの議論で大学並みのものをつけますかということでしょうか。高難度の新規医療技術とか未承認の薬を使う場合にということで、そういう理解でよろしいのでしょうか。

○保健医療技術調整官 改めて御説明いたしますと、まず既存の制度といたしましては資料1−3の赤枠の網かけになっているところ。医療安全管理のための指針を作成というところは今でもお願いしているところです。この具体的な中身と申しますか、具体的にお願いしたいところを網がかかっていない学会から示される高難度新規医療技術の導入に当たっての医療安全に関する基本的な考え方を参考に実施することを指針に明記することを検討。未承認医薬品でございますが、網かけの部分に関しましては現行でお願いしているところですが、この下の部分につきまして今回新たに追加することで、まず対応させていただければということでございます。

○永井部会長 よろしいですか。

 では菊池委員。

○菊池委員 資料1−1と資料1−2に関連して、2点、意見を申し上げます。

 まず外部監査についてですが、監査委員会や特定機能病院相互間のピアレビューということがうたわれておりまして、これには賛同いたします。加えて病院の機能評価を行う第三者機関の評価を受けることも、特定機能病院の承認要件にすることが重要と考えます。ガバナンスを確保していく上で外部の第三者の目を活用することが効果的と考えられます。第三者機関による評価は一定の質を確保するために標準化された基準で行われることが期待されますので、多様な方法で第三者の目を活用するという意味で承認要件にすることを引き続き検討していくべきと思います。

 別紙2でスケジュール表がございますけれども、これを見ますとさまざまな対策が平成30年より全て適用になる予定になっております。第三者機関による評価についても、平成30年までに承認要件とすることが望ましいと考えます。

 2点目は、職員体制について熟練者の配置を要件化することを今後検討すべきと考えます。特定機能病院には大学病院も多く、若手の医師、看護師がどうしても多くなるのですけれども、医療安全の観点で考えれば、高度医療の場では一定の経験のある医療従事者の配置が必要と思います。例えば本会の調査では通算経験5年目以上の看護職員が多い病棟のほうが、そうでない病棟に比べて誤薬が少ないという結果が出ております。経験年数が一定以上であれば高度医療の安全な提供が担保される上、他職種と適切にコミュニケーションがとれ、効果的にチーム医療を進めていくことがよりよくできます。事故が起こったときの対応はもちろんですけれども、事故を起こさない体制づくりも重要であり、高度な医療を提供する特定機能病院こそ熟練者の配置が必要と考えますので、一定程度の熟練者の配置ということも今後の検討事項とするべきと考えます。

 また、特定機能病院のように高度な医療を安全に提供する場合、各職種にそれぞれ高度な判断力、アセスメント力が求められます。看護職について言えば現在、特定機能病院入院基本料には看護師比率70%以上という施設基準がございますが、平成24年度の厚労省の特定機能病院の実態調査結果では、既に看護職員のほとんどが看護師になっている実態が示されております。高度な医療提供をする特定機能病院では、医療安全、医療の質を担保する観点から、看護師比率を実態に近い割合に引き上げることもあわせて検討するべきと思います。

 以上、2点です。

○永井部会長 今後の課題ということでございますね。ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。相澤委員、どうぞ。

○相澤委員 資料1−2の12ページを見ますと、高難度新規医療技術導入のプロセスのところに、当該医療機関で事前に行ったことのない手術、手技、軽微なものは除いて人体への影響が大きいものというぐあいに書かれていますが、このような手術は特定機能病院だけでなされるものではないと思うのです。

 そうなったときに私がちょっと心配するのは、その技術を一般国民に広げていくときに、必要な技術が広まっていくことを抑制する方向に行くのではないかということが少し懸念されます。というのは、中小病院で先ほどの資料1−3にありますような実施の適否を確認する部門をその病院の中につくったりすることができるのかどうかということに関しまして、医療機関の中でなくても例えば外につくってもいいのではないかと思います。医療の質は担保しなければいけませんし、安全も担保しなければいけないので、それが守れるような、もう少し違う手段を考えることも含めて、少し私は検討をしたほうがいいのではないかというぐあいに思っております。

 ですからすぐにやれというのではなくて、ここに書いてあります特定機能病院に対する規定を参考に同様の取り組みに努めるという努力義務を課すのはいいのですが、それに当たっては十分な仕組みをもう少し考えることを注に書いていただけるとありがたいなと思います。

 以上です。

○永井部会長 ありがとうございます。

 ただいまの点、事務局いかがでしょうか。

○総務課長 繰り返しになりますが、特定機能病院に関しましては、この体制をとっていただかないと承認要件を満たさないことになります。

 それから、御懸念の点はまさにおっしゃるとおりかと思っておりまして、全ての他の病院に同様の体制を求めていくというのは、なかなか現段階で簡単ではないというか、難しい面もあるのではないかということで、ただ、方向性としては医療安全のためにしっかり御努力をいただくことは必要ではないかということで、努力義務ということを今回御提案させていただいております。そうした中で今、御指摘をいただいた点も含めて、実際の運用を行う上で十分な配慮をしながら、医療機関に御努力を求めていくということで進めてまいれれば大変ありがたいと考えているところでございます。

○永井部会長 今の点、院内でなくても地域で、あるいは第三者が確認すればいいかもしれない。そういうところまで含むのでしょうか。

○総務課長 院内と外部という形でいくと、一般論としては外部の方にやっていただいたほうが、より客観性もあるように感じているわけですが、そこはきちんとした検証体制がとれるということであれば、必ずしも院内に限る必要はないのではないかと考えます。

○永井部会長 よろしいでしょうか。

 ほかにいかがでしょうか。中川委員、どうぞ。

○中川委員 今いろいろ御意見が出ましたけれども、この紙を直すという意味で答えているのですか。今後の検討課題という意味で答えているのですか。どちらですか。

○総務課長 努力義務の部分につきましては、省令としてそれを書かせていただくということで御了解いただければと思ってございます。今、申し上げた、先ほど私が御説明した内容につきましては、その努力義務を特定機能病院以外の医療機関で実施していただく上で、御指摘を踏まえながら運用面で努力をしていきたいということでございます。

○中川委員 だから修文しないということですね。

○総務課長 省令としては努力義務という形でお願いできればと思っています。

○永井部会長 ほかに御発言いかがでしょうか。

 伊藤参考人、どうぞ。

○伊藤参考人 発言の機会をいただきましてありがとうございます。

 先ほど第三者機関の評価を承認要件にという御提案がありましたけれども、同感でございます。

 1つ質問をさせていただきたいのは、今回、資料1−2で事故等の調査の義務化ということで医療安全管理部門への報告といったものも示されていて、こういった取り組みは、最近確か特定機能病院での例で、他の病院での事例を知った医療安全部門の方が、自分の病院では大丈夫なのか、ということを自ら意識して調査した結果、それが発覚したというようなケースがあったと思っておりますので、そういった取り組みが横につながるような、速やかに共有されるような形になっているのかどうか、今回報告された検討会の見直し内容について解説いただければと思います。

○永井部会長 いかがでしょうか。情報の共有ということですね。

○保健医療技術調整官 情報の共有に関しましては、現在でも主に大学病院間で行われています特定機能病院間の相互医療立入、相互医療監視のようなものをピアレビューでどういう状況かということをお互い見ていただくということ、それから、医療機能評価機構が事故事案情報を収集しておりまして、その結果を各医療機関にお示ししていますので、そういった形で共有がされているということかと思われます。

○永井部会長 よろしいでしょうか。

 ほかに御意見ございませんでしょうか。安部委員、どうぞ。

○安部委員 1点教えていただきたいことがあるのですが、資料1−2で13ページの未承認の医薬品等への対応の1つ目の◎で、部門を設置して、そのリスクに応じて必要な確認を行うということが書いてあります。このリスクという意味合いは、例えば未承認薬の場合、その未承認薬の状況、例えばどこの国でも承認されていない、国外で承認されて国内が未承認、それから、適応外という状況のことも考えられますし、また、その未承認薬そのもののリスクということも考えられるわけですが、それはどちらで考え、ここに「そのリスク」と書いてあるのかということと、もしそのリスクについて分類だとかクラス分けだとか、そういった標準化をすることをお考えなのか、もしくは既にできているのかという状況があれば教えていただきたいと思います。

○保健医療技術調整官 1点目でございますが、リスクというもの、物質そのもの対する危険度の評価という話と、恐らく委員からの御指摘は投与した後も臨床的な副作用といいますか、副次的なものはどちらを指すのかということだと思いますが、両方のことを指すわけでございますので、ですから剤形そのものを薬学的な安全性の話、それから、投与した後に起きる臨床的なリスクといいますか、そういったことを総合的に判断できるメンバーで必要な確認を行っていただくことを想定しております。

 この特定機能病院の検討会においては、リスク分類のところまでは議論なり書き込みは行っておりません。

○永井部会長 ほかに御発言ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 相澤委員、どうぞ。

○相澤委員 私、違和感があるのですが、委員会とか会議体というのは例えばいろいろな原因の分析だとか、改善策の立案はできるのですが、委員会そのものが改善策を実施しろだとか、それをやったことを確認するというのは無理なのではないでしょうか。基本的にはそれは業務を行う、やってもらうということですから、それは委員会ではなくて、恐らく部門なり部署から行くべきだと思います。そうすると部門の長のいるここで行ったら医療安全管理者が多分責任を持ってやるというのが私は筋ではないかと思います。

 そうすると、資料1−2の3ページにある病院等の管理者は、医療安全管理委員会を設置し、次に掲げる業務を行わせると書いてあります。そして、原因の分析だとか改善策の立案というのはいいのですが、医療事故防止のための改善策の実施というのは委員会がやるものなのでしょうか。私は経営管理をやっている者としては非常に違和感があって、委員会がいろいろな改善策を実施しろというのは、何かちょっと違うのではないかと思うのです。委員会が上がってきたものをどこかの部署が受けて、そこが責任を持って、そこの管理者が自分の責務において実証させるというのが私はあるべき姿ではないかと思っていますし、ほとんどの業務はそのようにされているのではないかと思います。そうすると、何かここの書きようは少し私にとっては違和感があるのですが、そのように感じるのは私だけでしょうか。というのは、決まったことのガバナンスを誰が発揮するのかといったときに、委員会では発揮できないと思うのです。管理者という責務を負っている者が多分責務を負うのではないかと思って質問をさせていただきました。

 以上です。

○永井部会長 今の点について、まずお答えいかがでしょうか。

○保健医療技術調整官 今の点でございますが、医療安全管理部門が委員会の事務局を担うということでございますので、そのあたりは実効性が担保されると考えております。また、相澤委員おっしゃるように、例えば委員会が全て何でもかんでも改善、変な話、例えば何か機械が故障していて、それがもとで医療安全対策に問題があるという機械の故障まで直すわけではありませんので、医療安全管理委員会なりの事務局、医療安全管理部門が各部門にまたお願いをすることになるわけでございます。

 また、そのような取り組みが実際になされているのかということを、外部の目で例えば監査委員会などで見ていただくことになるかと思います。

○永井部会長 よろしいでしょうか。

 今の件、山口委員、どうぞ。

○山口委員 事務局に確認したいのですけれども、今、御説明があった内容で相澤委員がおっしゃったことは、医療安全管理部門が改善命令というよりも、今回、医療安全管理責任者を配置するということが明確に決まったということで、ここでこの責任者の人が改善策をきっちりと指導していくというような役割で位置づけられたと私は思っていたのですけれども、それは違うのでしょうか。

○永井部会長 事務局いかがでしょうか。

○総務課長 今、山口委員から御指摘がございましたように、今度、医療安全管理責任者を明確に位置づける。そこが医療安全管理部門をきっちり統括しながら進めていっていただくことになります。

 相澤委員の御指摘にも関連して補足をさせていただきますと、今、御指摘があった資料1−2の御指摘があったページの1つ前の2ページをごらんいただきますと、管理者が医療安全管理部門を設置して次に掲げる業務を行わせるということで、部門を設置して、その中で医療安全管理委員会にかかわる事務をその部門が担っていくということを明記してございます。

 その上で今、御指摘のあった3ページでございますが、医療安全管理委員会が取り扱う業務の中身として分析あるいは改善策の立案、その実施状況、こういったことを書かせていただいているというように御理解を賜ればと思います。

○永井部会長 よろしいですか。

 では山崎委員。

○山崎委員 今回の改正が群馬の大学の腹腔鏡の事件で、あのような事件が起きないようにということの改善だったと思うのですけれども、今回のこのような改善をそのまま群馬大学のモデルに当てはめたときに、このような改善をすればこれから起きないと考えていいのでしょうか。

 というのは、委員会をつくればいいとか、管理者を規定すればいいという話ではなくて、その集団の透明性だと思うのです。したがって、幾ら委員会をつくっても中に透明性がなければだめなのかなと思うのは、例えば腹腔鏡は私は担当外でよくわかりませんけれども、当然腹腔鏡をするについては担当の医師がいて、副主がいて、看護師がついて、麻酔科の医師がついてという、いろいろ医療従事者がついてチーム医療としてやっているわけで、あれだけ複数回の事故が起きているにもかかわらず、中からそういう声が全然出てこなかったという体制自体に問題があるので、委員会をつくってもなかなか中からおかしいのではないか。例えば手技についている看護師が、看護部長にちょっとおかしいのではないですかとか、あるいは麻酔科の医師が、ちょっとあれは変だよねという、ちょっと変だよねという声が出るようなシステムをどのようにつくっていくかということが問題なのであって、委員会をつくったり安全管理者を決めればいいということではないような気がするのと、もう一つ、群馬大学の場合というのは、事故が起きたときに当時の安全管理委員会の先生方というのが全然安全管理の業務経験がなかったかというと、皆さんそれなりに安全管理の業務経験がある先生が担当していたと思うのです。そういう中であってもあのような事故が起きるというのは、安全性の担保というのが違う形でもう少し踏み込んでやらなければだめなのかなと思っています。

○永井部会長 今の透明性の問題についていかがでしょうか。

 邉見委員、どうぞ。

○邉見委員 私も群馬大学のことには関連したのですけれども、なかなか難しいのです。楠岡先生もおられますけれども、内部通報窓口の機能を義務化だけではなく強化とか、少ししたほうがいいのではないか。

 例えば東京女子医大でも11人も小児科のICUでは死んでいるわけです。今度初めて耳鼻科でリンパ管腫のためにピシバニールを入れて浮腫が出たために挿管し、それを子供ですから、2歳ですから暴れるということでプロポフォールを使ったわけです。そういう情報の共有とか内部通報とかちゃんと情報の共有などがされれば、特に医療安全管理責任者というのが中川委員がおっしゃったように将来の教授、院長候補。ここになった人は次は教授とか、すぐ3月からわかるようになるわけです。だからそのような窓際族でない人が行けば、王道を行く、ロイヤルロードの人が行くことになりますから、これはかなりいけるのではないか。私は山崎先生のあれ、物すごいよくわかるのです。群馬大学はひどかったですからね。しかし、かなり一歩前進、二歩前進ぐらいではないかと思います。

○永井部会長 中川委員、どうぞ。

○中川委員 事務局の検討会の報告が簡単過ぎるのです。だからこんなにいろいろ質問が出て、今、邉見先生が言ったように医療安全管理部門の医師の常勤だとか、花形医師を派遣するとか、内部通報窓口とか中身の濃い議論をしたではないですか。そこをもっと厚く説明しないと、せっかくしたのに何だかわからなくなってしまうので、よろしくお願いします。

○永井部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

 もしよろしければ、基本的にこの特定機能病院の承認要件の見直しの方向性について御了解いただけたということにしたいと思いますが、もしよろしければこの方向で事務局におきまして必要な省令改正等を行っていただくことにしたいと思います。御了解いただけますでしょうか。

 

(「異議なし」と声あり)

 

○永井部会長 ありがとうございます。

 また、特定機能病院以外の病院に対して高難度新規医療技術等の導入プロセスを努力義務とすることにつきましても、御了解いただけたと思います。今後事務局におきまして必要な省令改正等を行っていただきますが、よろしいでしょうか。

 

(「異議なし」と声あり)

 

○永井部会長 ありがとうございます。

 では、2つ目の議題にまいります。「新たな専門医の仕組みの準備状況について」であります。初めに事務局から簡単に概要を御説明いただいて、続いて池田参考人、四宮参考人の順番で御説明をいただき、御質問等はその後にまとめて伺いたいと思います。

 それでは、よろしくお願いいたします。

○医師臨床研修推進室長 後ほど専門医機構からも詳しい説明があると思いますので、私からごく簡単にこれまでの経緯等について御説明させていただきます。

 お手元の資料2−1をご覧いただければと思います。専門医につきましては、臨床研修を終えた後に、専門医の資格を取得するために研修を行っていくものでございます。

 1枚おめくりいただきまして、平成25年4月に厚生労働省の専門医のあり方に関する検討会におきまして報告書が出されました。従来、専門医につきましては各学会が独自の基準で認定を行っておりましたけれども、基準が統一されていない等の課題がございまして、新たな専門医の仕組みとしてプロフェッショナルオートノミーを基盤として、中立的な第三者機関において専門医の認定と養成プログラムの評価・認定を統一的に行うこと等の提言がなされたところでございます。

 3枚目、この検討会報告書に基づきまして、中立的な第三者機関として一般社団法人日本専門医機構が設立され、こちらの方で専門医の認定と養成プログラムの評価・認定を統一的に行うこととされております。

 4枚目、専門医につきましては一番下の19の基本領域、その上にサブスペシャリティー領域があるという構造になってございます。

 5枚目、同じ検討会の報告書におきまして、高齢者など複数の疾患を抱える患者につきましては、総合的な診療能力を有する医師の方が適切な場合があり、そうした医師を診療専門医として基本領域の1つとして位置づけることとされたところでございます。

 6枚目、地域医療との関係でございます。検討会報告書におきましては上の四角の2つ目の○、大学病院等の基幹病院と地域の協力病院が病院群を構成することですとか、その下4つ目の○、少なくとも現在以上に医師が偏在することのないよう、地域医療に十分配慮することとされ、大病院だけでなく地域の中小病院やへき地の診療所等が連携して病院群を形成して、専門医を養成するとともに、都道府県や医師会等、地域の関係者が十分連携を図ることが期待されているところでございます。

 7枚目、現在、専門医機構におきまして養成プログラムの申請を受け付けているところでございますが、専門医制度整備指針等におきまして地域医療への配慮等について記載されております。一番下の赤い四角の地域医療に配慮した仕組みの構築に向けた取り組みをご覧いただければと思います。厚生労働省と専門医機構におきまして全国をブロック単位で地域説明会を開催し、都道府県、医師会、大学病院、地域の医療機関が連携してプログラムを作成するよう呼びかけるとともに、専門医機構におきまして研修プログラムの是正や不服申立等に係る方針を注意点の形で公表しております。

 また、一番下でございますが、本日の医療部会におきまして専門医機構の審査状況について聴取、御議論いただくこととなってございます。

 8枚目、こちら先ほど少し触れました専門医機構において公表された注意点でございます。この注意点におきましては研修プログラムを申請段階、応募段階、採用段階のそれぞれの段階におきまして、明らかな偏在がある場合には協議・是正を行うこととしております。

 9枚目、この機構の注意点を受ける形で、厚生労働省が本年1月に都道府県に発出した通知でございます。この中で大きく3点についてお願いをしているところでございます。

 1つ目、地域の関係者による協議の場の設置で、研修施設や大学、医師会、病院団体、都道府県等の関係者が専門研修について協議する場を設けることでございます。

 2つ目、管内のプログラムについて把握して、明らかな偏在がないよう、また、基準を満たす施設が研修から外れることのないよう協議、調整を図っていただきたい旨でございます。

 3つ目、こちらは専門医機構に対する不服申立てができることとされており、医療機関から相談を受けたときには適切に御対応いただきたい旨お願いしているところでございます。

10枚目は今後のスケジュールでございます。現在、専門医機構におきましてプログラムの申請を受け付けているところであり、本年6月に専攻医募集開始、平成29年4月から研修開始、平成32年度から専門医機構による専門医認定を目指しております。

 最後は専門医機構等に対する国の支援事業の御紹介でございます。

 簡単ではございますけれども、私からは以上でございます。

○永井部会長 ありがとうございます。

 それでは、池田参考人からお願いいたします。

○池田参考人 専門医機構の池田でございます。

 ただいま医事課から、2013年に厚生労働省の専門医のあり方に関する検討会の最終報告の骨子と、今日までの機構の取り組みについてかなり詳しくお話をしていただきました。一部オーバーラップすることがありますけれども、新たに発足する専門医制度について、その目指すところを少しお話をさせていただきたいと思います。

 2ページ、専門医制度の意義を先生方に改めて申し上げることもないと思うのですけれども、ステークホルダーとして、患者・国民は標準的で安全な治療を受けたい。そして医療の地域間格差を小さくしてほしいという切なる願いがあります。一方、これから専門医になろうとする医師は、自信を持って医療を担当できる一人前の医師になりたい。そして充実した研修を受けたいという考え方を強く持っております。

 そこで私どもの専門医制度改革の基本理念ですけれども、3ページ目でございますが、まず専門医の質を担保できる制度にしないといけない。これは先生方も皆さん御納得できることだと思います。患者さんに信頼されて受診のよい指針になる制度にしましょう。専門医が公の資格として国民に広く認知されるような制度にしましょう。そして、この制度改革がプロフェッショナル集団としての医師が誇りと責任を持って患者の視点に立って自律的に運営する制度にしましょうということで、専門医制度改革を始めました。

 4ページ、先生方も御存じだと思いますけれども、医師を育成するというのは国際標準化の流れが非常に今、強くなっております。卒前医学教育では国際標準の認証を受けた医学部卒業生のみが世界で働くことができるような方向になっておりますし、卒後の専門医教育も国際標準化は必然の流れだろうと思っています。実際にインターナショナルな組織ができ上がっています。我が国の高い医療レベルと専門医レベルを世界に示す必要があるだろう。いずれにしても卒前の医学教育あるいは卒後の医学教育に関しましても、アウトカム評価というものが非常に重要だということを申し上げておきたいと思います。

 5ページ、新しい専門医制度の骨子です。もう既に幾つかについては先ほども説明がありましたけれども、専門医制度は2段階制にしましょう。初期臨床研修2年終わった医師は基本領域の専門医になっていただいて、その後にサブスペシャリティーの領域の専門医になっていただくという2段階制でございます。専門医の認定は先ほどお話がありました中立的な第三者機関、日本専門医機構が一昨年に設立されましたので、この機関で各専門学会と密接に連携をして行いましょう。そして一番大事なところは、後でまた四宮先生から詳しくお話いただきますけれども、専門医の育成を研修プログラムに従って行うという新しい取り組みをしようということでございます。そして、日本専門医機構では研修プログラムの評価・認定、さらには研修施設のサイトビジットも行っていこうという仕組みであります。

 もう一つ、基本診療領域の中にこれまでの18領域に加えて、総合診療の専門医を基本領域に位置づけるという、これは新しい制度の目玉になるものでございます。これについては少し後ほど詳しく述べたいと思います。

 そして、専門医制度は先ほど来、お話しましたように医師の集団がプロフェッショナルオートノミーを基盤にして設計をする。これは検討会でも非常に何回か繰り返され、最終報告書にも繰り返し出てきた言葉でございまして、現在それに取り組んでいるということでございます。

 そして、一番最後ですけれども、しかし非常に重要な点は、新しい専門医制度の実施に際しては地域医療に十分配慮するという、これが骨子であります。

 6ページ、これは先ほど説明がありました基本領域の専門医をとった後にサブスペシャリティーに進むということであります。

 7ページ目は、日本専門医機構というのはどのような組織かということを、設立時には日本医学会連合、日本医師会、全国医学部長病院長会議、これを設立時の社員として機構を立ち上げました。そして、その後に四病院団体協議会、日本がん治療認定医機構、そして18の基本診療領域学会の代表が加わって社員になって、そして22名の理事が業務執行をしているという仕組みになっております。

 8ページ、日本専門医機構の役割ですけれども、既におわかりかと思いますけれども、専門医の認定、更新を行うということ。そして専門医研修プログラムを審査して、その認定を行う仕事が非常に重要であります。また、我が国には学会の数ほど専門医制度があるというように言われています。現在、百数十の専門医制度があるのではないかと言われているのですけれども、日本の専門医制度をどうしたらいいかということ、専門医制度の枠組みを機構が日本医学会、医師会等と相談しながら決定していくことも役割としています。そして、何よりも大事なのは、これから専門医になろうとして研修している人を専攻医と我々は呼んでいるのですけれども、専攻医あるいは専門医になった人たちのデータベースを構築する。各領域、各都道府県に何人ぐらい専攻医がいる、あるいは専門医がいるかということのデータベースをつくっていこうということが、日本専門医機構の役割と認識しております。

 さて、専門医、専門医と申し上げているのですけれども、専門医という定義を厚生労働省のあり方検討会でも熱心に議論をしたのですが、ここに書いてありますように、決して神の手を持つ医師やスーパードクターを意味するものではなくて、それぞれの診療領域において安全で標準的医療を提供でき、そして患者さんから信頼される医師のことを専門医と呼びましょう。特に基本診療領域、先ほど述べた19の領域に関しては、このような考え方で専門医を育成するということであります。

 それでは、どのような形でこの専門医を育成していくのかという、そのプロセスについて私ども繰り返し議論をいたしまして、そして先ほど申し上げましたように専門研修プログラム制というものを導入することに致しました。現在これを中心に新しい専門医制度を議論しているところでございます。これについては後ほど四宮委員長から詳しく説明がありますけれども、この研修プログラム制というのは、各専門診療領域の研修カリキュラムというものが必ずあります。そして、そのカリキュラムが示す目標を計画的に達成するために、基幹になる研修施設が中心となって複数の連絡施設とともに研修施設群を構成する、そして、そこが専門研修プログラムを作成します。若い先生たちはこのプログラムに従って研修をして、そして資格を取得するという形であります。この仕組みを専門研修プログラム制度と呼ぶのですけれども、そのときには先ほど少しお話しましたけれども、研修施設にサイトビジットをしまして、そのプログラムが実際にきちんと運営されているかどうか。専攻医が満足しているかどうか。そういうことも検証していこうという形でございます。

 そして、新しい専門医制度は検討会の最終報告にも盛られたように、地域医療にも十分配慮することが繰り返し議論されました。そこで私どもも専門医制度と国民医療あるいは地域医療の調和というものを目指す。専門医制度は第一義的には専門医の質を上げるということが非常に大事なのですけれども、それと同時に地域医療をうまく調和させて制度を運営していかなければいけないということで、研修プログラム制を導入すると同時に専門医制度の導入に当たっては地域医療に十分配慮した制度となるように、この2つの考え方がうまく調和していくことを十分に配慮しているということでございます。

 地域医療を十分配慮した制度設計にするために、ここ1年ぐらい熱心に議論をしているわけですけれども、1つには基本診療領域の専門医制度においては地域で研修を行い、地域医療の経験を積むことの重要性をしっかりと専門医制度の整備指針に記載をした事であります。また、研修施設群を形成することに当たっては、地域での連携を推進して専門医制度地域連絡協議会などの設置を求めて、地域で医師を育てるという考え方をこれまでずっと強調してまいりました。機構の社員であります、先ほど申し上げました全国医学部長病院長会議、日本医師会、四病院団体協議会なども、その点に関して新しい制度が始まったときに、地域医療が今まで以上に混乱することに対する懸念が強く表明されていることもありまして、この機構の社員である3つの団体も、地域医療に配慮した専門医制度の構築に向けて協力体制をつくることが非常に重要であるというステートメントを発出しているところでございます。

13ページ、専門研修を行うためには指導医というものをしっかりと決めなければいけないということで、指導医の要件がそこに書いてございます。

14ページ、総合診療専門医を新設することにいたしたわけですけれども、これについては先生方もよく御理解いただけると思いますけれども、我が国は未曽有の少子高齢化社会を迎えるわけです。世界に先駆けて迎えるわけでございますけれども、高齢者というのはマルチモービディティ、1人の患者さんがたくさんの病気を抱えていることが多い。そういう患者さんを効率よく診療できる体制を構築することは、地域医療の格差の是正とともに非常に重要な問題だと理解しております。そこで機構では新しい専門医制度の発足に当たって、他の領域専門医との協調あるいは連携の上に立った総合診療の専門医を基本領域専門医の1つに位置づけることに致しました。

 総合診療の専門医というものの医師像、例えば耳鼻科の専門医あるいは外科の専門医などは、どういう医師像かというのは比較的容易に想像できると思うのですけれども、総合診療の専門医の医師像というのは理解しにくいところがあります。これも随分検討会で議論させていただいたわけですけれども、そこに書いてあるように日常遭遇する疾患や傷害の治療・予防、保健・福祉など幅広い問題について適切な初期対応ができる。必要に応じた継続医療を全人的に提供でき、地域のニーズに対応できる地域の診療に当たるお医者さんということで医師像をつくり上げています。そして、それぞれの領域別の専門医は深さが特徴であるのに対して、総合診療の専門医は扱う問題の広さと多様性が特徴だということで、これは一生懸命研修をしないとなかなか総合診療の専門医にならないわけですけれども、ぜひこのような医師を育てたい。

 そして、総合診療の専門医は、何よりも他の領域別の専門医が他の職種と連携して地域の医療、介護、保健などのさまざまな分野においてリーダーシップを発揮して、多様な医療サービス、在宅であるとか緩和ケアであるとか、あるいは高齢者ケア等、包括的かつ柔軟に提供でき、地域全体の健康向上に貢献する重要な役割を果たすという医師像で今、取り組んでいるわけでございまして、総合診療の専門医が持つべきコアコンピテンシーとしてはそこの6つ挙げたところでございまして、人間中心の医療・ケア、コンプリヘンシブなアプローチあるいは連携重視のマネジメント、コミュニティーオリエンテッドのアプローチができるというようなことをコアコンピテンシーと位置づけまして、そして総合診療の専門医育成の道筋を明確にする研修プログラムを作成することが大事だということで、ここ1年間、機構の中に委員会を設けまして、総合診療の専門医の研修プログラムというものをつくってまいりました。

 総合診療の専門医を育てるためには複数の学会、日本プライマリ・ケア連合学会、日本内科学会、日本小児科学会、日本救急医学会、日本外科学会、日本整形外科学会等々の学会、そして日本医師会、地方自治体とも協議をしながら、適切な指導医のもとで総合診療専門医の育成を可能にする具体的な研修プログラムをつくることが一番大事だということで、その研修プログラムの整備指針もでき上がりまして、モデルプログラムもでき上がりました。それに従って全国から総合診療専門医の研修プログラムを間もなく募集を開始する段階になっております。

 最後の18ページですけれども、専門医制度開始までのタイムスケジュールということで出させていただきました。先ほども医事課から説明がありましたように診療領域によっては外科であるとか産婦人科であるとか、こういう領域に関してはそれぞれの学会から研修プログラムが既にサブミットされております。そして、サブミットされた研修プログラムを機構で1次審査、2次審査、学会と協力しながらいたします。そして2016年、6月までにはその審査を終えて、終わった段階で一斉に全国どういう都道府県に、どういう領域のプログラムがあるかということを公示するというのが6月の終わり、場合によっては7月に少し入るかもしれません。そして、その後2カ月ぐらいの期間初期臨床研修医がそのプログラムを見て、どの領域でどういう地域で研修をするかということを考えて、秋口になってそれぞれの領域で募集を開始する。先ほど6月に募集開始という説明がありましたけれども、6月は要するに研修プログラムが全て公示されるという時期であります。実際に2、3カ月の時間を置いて初期臨床研修医がいろいろ考えて、そして実際に研修施設にビジットして、自分がどこで研修をするかということを決めるという仕組みになっていることをお話させていただいて、あとは今回の問題、どのような医師をどういう仕組みで育てるかというのは、研修プログラムのつくり方で非常に大事なところであります。地域医療との兼ね合いも兼ねて四宮先生にバトンタッチしたいと思います。

 以上でございます。

○永井部会長 ありがとうございました。

 それでは、四宮参考人からお願いいたします。

○四宮参考人 資料2−3をお願いします。基本領域専門研修プログラム形成というところであります。

 ほぼ池田理事長が概要をかなり詳しくお話いただいたので、私は現状、何が進んでいるかというところに的を絞ってお話させていただきます。

 2ページは基本的なことですので、これを目指してやっている。だから標準的な医療を提供できる医師を育成するための研修プログラム制度で専門医制度を運営していく。それから、すぐれた専門医制度と地域医療に十分配慮した制度設計との両立。すなわち良い専門医をつくるだけの制度ではないことを基本として考えてきました。

 その次のページの現状の後期研修医の数、人口比率と比べて100%が妥当な数となるのですが、見てわかるとおり東北地方などでは専攻医の数が非常に少なく、東京は多いというのがおわかりになると思います。その他いくつかの府県でも比較的多いことがわかると思います。

 次のページをお願いします。4枚目です。これは専門医数です。人口比率としては専門医は少ないのだけれども、かなりの数がまだ地方の県には残っている。要するに教育の資源がまだ存在している。西高東低であるというのがおわかりになると思います。

19ページをお願いします。あらかじめ読まれていると思いますので、飛ばさせていただきます。こういう偏在というのはどうして起こったか。皆さん一様におっしゃるのは、初期臨床研修後に多くなったのではないかと言われています。その理由は募集数が非常に多くて、応募数が例えば7,000人程度である。ところが、その何倍も募集するような状況であることで、例えば都会の大学病院を含めて大病院に全て集まり、地方でも地方都市の大病院にはかなり集まったようです。要するに一番被害を受けたのが地方大学で、初期臨床研修医が入らなかったということから、地方大学が今まで維持していた地方、へき地の病院へ送る医師がいなくなった。これが一番大きい理由であろうと考えております。

20ページ、都市部にそのまま専攻医が集まってしまうのではないかということを非常に心配されています。そこで我々の方針としては、都市部は最大で現状維持を考えています。その下のポンチ絵ですが、右側が地方ですが、小さな県ですと地方大学1つでその県の面倒を全部見ようという考えが非常に強いのですが、我々はできたら大学以外の病院も基幹病院になってプログラムをつくっていただいて、地方大学と、病院型基幹病院が協力して、地域全体の研修を行って頂きたいと考えています。専攻医希望者が大学でリサーチマインドを学習してもらいたいのですが、その気のないことも考えられますので、専攻医にいろいろなチョイスがその地方にあることが重要ではないかと考えております。

 また、都会大学から地方の病院に専攻医が派遣されていることがあります。例えば東京あるいは関西の大きな大学は、何百キロも離れたところに人を送って、そこの医療を維持しているわけですけれども、新専門医制度の開始の段階ではそのシステムを維持してもらい、時間の経過とともに地方大学との連携をさらに強くする、また地方で何とか医療を完結していただきたいということも考えております。

21ページ、現状では今、2)研修プログラム申請中あるいは申請が終わったという領域もありますが、それぞれの研修プログラムの統括管理者から直接に機構に申請していただくシステムであります。その後、3)の機構の領域研修委員会(領域の代表)での1次評価を終え、その後、2次評価を我々研修プログラム評価・認定部門が行う。そして機構が認定することになります。

23ページ、不服申立ということです。その過程におきまして審査過程あるいは1次評価の後ということになると思いますけれども、不服申立というのは現状でもぼつぼつ来ておりますが、受け付けるつもりでおります。そこで1)の例えば外部施設、外部研修プログラムからの圧力。例えば基幹施設になるなら医師を引き揚げるとか、そのような妨害は避けてもらいたいと思っておりますし、専門研修プログラム整備基準というものを満たしているにもかかわらず、1次審査で認めてもらえなかった場合も十分な審査をしていきたいと考えております。

24ページ、これは1次審査のポイントということで、領域研修委員会の審査ポイントです。これは少なくとも2017年度開始のプログラムに関してのポイントでありまして、初年度を経験した上で、また改善していくつもりでおります。

25ページ、審査に当たっての基本的確認事項。これはそれぞれの領域の先生方と会議を何回も繰り返して、合意ができた内容であります。この内容は日本専門医機構の理事会も承認した内容であります。専攻医は公平な研修を受ける権利があり、また、国民が受ける医療も公平であるべきである。そこで研修プログラムの審査に当たっては、以下の項目につき確認が必要と考えています。

 1として、研修プログラムで採用される専攻医数は、患者数と比例していることが望ましい。すなわち症例経験ですので、専攻医数はその都道府県の人口比に近似していることが望ましい。先ほど表をお見せしたと思います。

 2として、指導医による評価システムは専門研修制度の根幹であります。したがって、都道府県の専攻医数は指導医数にも比例していることが望ましい。その2つから専攻医募集数が決められていくことになります。

 次のページをお願いいたします。確認事項(2)ですが、指導医数の少ない地方においては、指導医数を増加させる努力、これは1年でできるはずがないですが、このような努力を常にしないといけないということで、4として激変は都会、地方とも地域医療提供体制を混乱させる可能性が高く、数年にわたる緩徐な改善が必要と考えております。ですので絶対に現状よりは悪くしないことが私どもの最低限の役割だと考えています。

 5は激変を避けるためにどのようにするか。専門領域全体の専攻医募集数は、医療情勢の激変を防ぐために過去の領域全体の専攻医総数を大きく超えない募集数、例えば150%でもいいのですけれども、なるべく実際の応募数に近くて過去に一番多いぐらいを参考にしていただきたいと考えております。

 各研修プログラム募集数としては、過去とほぼ同様にしていただきたい。だから過去平均3年、それ以下にしてもらいたい。ただ、過去に人口比率が非常に少ない地方においては、プログラム整備基準に沿った募集数にすることが望ましいと考えております。

27ページ、専門研修プログラム審査の手順で右の吹き出しのところです。1次審査では領域は何をやるか、すなわち専門性の保証、施設群の構成と地域医療経験ができるか、リサーチマインドがちゃんと涵養できるようになっているか、等が主な役割と考えております。その下の2次審査ですが、我々がやるのは2次的なプログラム数、プログラム分布、募集専攻医数、募集専攻医分布等の調整を考えております。

28ページ、1次審査のポイントですが、基本的には専門性の保証、指導医としての適格性の確認、指導医数と症例数が合っているか、適切な教育と評価が行われるプログラム整備がされているか、マニュアルが整備されているか、等々です。

 1次審査のポイントの2ですが、施設群の構成と地域医療経験ですが、都市型の基幹施設は大学だけというのは問題だと思います。中小病院を入れて、少なくとも地域医療を経験できるようにしていただきたい。都道府県を超えて連携がある場合は先ほど示したように遠方の地域医療を維持しているとか、あるいは過疎地を維持しているとか、そういうことがやはり重要ではないかと考えております。

 それから、バランスよく専攻医がそのプログラム内で診療分野を研修できるということもチェックしてもらいたい。それから、病院群が特定の医療グループに偏っていないか、人材確保という面で専門研修を見られるのは非常に問題だと考えておりますので、そういうことがないようにしていただきたいと考えております。

 1次審査の3です。リサーチマインドの涵養ということで医学の研究体制が整っているか。大学は通常整っていると思いますが、一般病院においても臨床治験研究センターや臨床研究倫理委員会などはそろえていただきたいと考えております。それから、論文等がちゃんと出せるような指導体制になっているかということも重要と考えています。

31ページ、これが我々の専門研修プログラム評価認定部門が行う2次審査であります。我々は研修プログラム及び募集専攻医の数と分布をチェックしたいと思っております。ですので、研修施設群構成の再チェック、研修施設群が都道府県などの地域全体をカバーしているか。例えば専攻医募集数が過去3年間大きく例えば上回っていないかを調べます。研修プログラム募集数は1次審査結果から都道府県の募集総数などの妥当性を評価をして、各研修プログラムに知らせる。これらはとても機構だけではできませんので、地方の県庁に御相談をしたいと考えております。特に医師が不足している県とは、綿密な相談をしながら我々が気がつかないところをチェックを行い、そして審査結果を示したい。そのように今は考えているところです。

 以上です。どうもありがとうございました。

○永井部会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明に御質問、御意見をいただきたいと思います。

 山口委員、お願いします。

○山口委員 御説明ありがとうございました。

 先ほど池田理事長のお話の中でも目玉とおっしゃった、今回の新しい専門医制度の骨子の1つにもなっているのが総合診療専門医だと思います。これから2025年問題に向かって急速に進んでいる高齢化の中で、私たち患者の側から見ましても、この総合診療専門医が増えて、いかに役割を担っていただけるのかということがとても大きいことではないかと思っています。

 そのようなことを踏まえて気になったこととして、社員として基本診療領域学会が今回19の基本領域にもかかわらず、入っているのが18領域という御説明があったのですけれども、その19に満たない1つというものが、何が不足しているのか気になりながらお話をお聞きしました。

 新しいということで言いますと、総合診療専門医が新たに加わることからすると、既存の18の学会は入っているのかなという気がしたので、入っていないのは総合診療の領域ではないかと思います。私は患者の立場でずっと25年ほど活動している中で、プライマリーということに関してはかつて複数の学会がばらばらに当初活動しておられて、ようやく2010年、6年前に日本プライマリ・ケア連合学会というものができて、その後6年間の蓄積が進んできた中で大きな役割を示してくださるのではないかと非常に期待しているところでもあります。そのようなことからしますと、もし18領域ということで1つ参加されていない学会が総合診療の領域だとしたら、例えば日本プライマリ・ケア連合学会がどのような位置づけとして専門医機構の中で置かれていて、それがどのように連携して意見を取り入れていらっしゃるのかというようなところを教えていただきたいと思いました。お願いいたします。

○池田参考人 ありがとうございました。

 先ほど私、総合診療の専門医を育成するプログラムをどのようにつくったらいいかという話をしまして、これはプライマリ・ケア連合学会が中心になって、しかし、内科であるとか、外科であるとか、あるいは救急であるとか小児科、そのような学会とも連携をしながら、今は実際にそのような委員会ができていまして、その委員会の構成メンバーはプライマリ・ケア連合学会の方たちは複数以上入っていますけれども、それ以外の領域の先生たちも入っている。あるいは日本医師会の先生方も入っている。それでオールジャパンで新しい医師像をつくっていくということをまず考えましょうということで、これは検討会でもそのような議論がございましたし、機構の中でも皆さんそのような格好でまずとにかく始めましょう。

 そして、先生おっしゃるように、ほかの領域は大体学会と1対1で対応しているのです。例えば整形外科の専門医は整形外科学会が主にずっと20年、30年の歴史を持ってつくってきた。一方、総合診療の専門医はそういう形でいろいろな領域の方たちが集まって1つの医師像を形成して、それに向かって協力し合う体制。例えば3年の研修プログラムの中には、内科のトレーニングを6カ月やらなければいけないということがあるのです。そうするとやはり内科の指導医の人たちがそれに協力をして、そしてそのプログラムがうまく動くようにしなければいけないし、小児科救急も3カ月ずつ研修することになっていますと、救急であるとか小児科の学会が協力をする。そういう協力体制をしっかりつくって、我々が描いている医師像、恐らくこれからの我が国の少子高齢化あるいは地域医療を担う医師としてふさわしい力量と医師ができたときに、その中心になっているのは恐らくプライマリ・ケア連合学会だと思うのですけれども、プライマリ・ケア連合学会は現在、家庭医療専門医という制度をつくっています。家庭医療専門医というのと総合診療の専門医というのは似通ってはいるのですけれども、もっと総合診療の専門医というのは地域のニーズに合わせますので、例えば地域に小児科が極端にいないということになったら、そのニーズをきちんと把握して、小児科のトレーニングもこれから少し多目にやっていただくとか、そのような形になるのではないかと思うのです。ですから地域で医師を育てるという考え方あるいは少子高齢化社会、地域医療の是正を担う非常に重要な役割をするお医者さんを、そのような格好で育てることが大事だということで、あえて皆さんでつくる総合診療医ということで、今のこの時点では社員に、特にプライマリ・ケア連合学会はしないで進めているのです。それで今、非常にうまく議論が進んでいる。恐らくプライマリ・ケア連合学会がこの新しい総合診療の専門医制度が非常に機能をし始めたときには、その事務局としてその責務を担うということは当然考えられることだと思います。そのように理解していただいて結構です。

○永井部会長 では、邉見委員どうぞ。

○邉見委員 関連で私も質問をしようかなと思っていた7ページの組織図について、池田先生にお伺いいたします。

 社員が初めの4人から追加したときに、四病院団体が1人だけ出ているわけです。4つの病院団体、大きなものがありながら、私はここは4人にすべきではなかろうか。というのは専門医が働くところは病院なのですから、大学だけではないと思いますので、学会の代表というのはほとんどが大学ですので、病院にすべきだ。できれば日本病院団体協議会の11病院団体は全て社員にすべきである。今度1団体ふえました、失礼しました。特に慢性期医療などは、この学会では全く無視されているわけです。この社員になっていない。

 それから、今の総合診療は物すごいありがたいことです。地域医療、田舎の医療というのは専門医が余りおりませんので、何でも屋と言ったら失礼ですけれども、いろいろなことができるという総合診療。これは物すごい大事で、物すごい喜んでいたのです。ところが、6ページの仕組みの中で私は基本1819になる、あるいは皆さん1階建て、2階建てと言いますけれども、サブスペシャリティーのさらに専門、この2階がありますが、救急と総合診療は大学卒業前に地下でやってほしい。私は総合診療と救急は地下だと思っております。これは誰でもできないといけない。専門医ではないのではないか。もっと先に医師として当然やるべきところだと思う。

○永井部会長 それは結局サブスペシャリティーあるいはダブルボードの問題にも関係するのですね。

○邉見委員 認めるかどうか。

 もう一つだけ、これは監督官庁はどこなのでしょうか。もしうまく行かないとなったら誰が責任をとるのでしょうか。文部省ですか、厚労省ですか、学会ですか。

○池田参考人 日本専門医機構はプロフェッショナルオートノミーで、厚生労働省の検討会でも医師の団体が集まってということで、そして設立時にこの専門医機構の前身に社団法人日本専門医制評価・認定機構という機構がございまして、そこで専門医制度のことについては各学会と一緒に長年にわたって議論をしてきたのですけれども、そこの考え方が骨子になって検討会でこういう仕立てになったわけですけれども、その専門医機構を立ち上げるに当たっての設立時の社員に関しては、日本医学会連合、医師会、全国医学部長病院長会議、四病院団体協議会、この4つが実際に組織委員会を形成しまして、そして定款等を議論してつくったのです。

 ところが、設立時に登記するときに法人格を持っていなければいけないということがございまして、四病院団体協議会は重要な病院団体が入っている非常に重要な位置づけなのですけれども、この法人格を協議会はお持ちになっていないので、本当だったらば4つの方たちが設立時の社員になるはずが、設立後だったらば法人格を持っていなくても社員になれるということで、あえて四病院団体協議会のその当時の会長の堺先生とお話をして、設立後にすぐに入っていただいたということでございます。

 先ほど先生おっしゃいましたように、オールジャパンで総合診療の専門医をつくっていかなければいけない。全国自治体病院協議会の先生方もその中に入っていますので、とりあえず本当にいろいろな形の意見を集約して、いい形で議論をして新しい専門医像をつくって、募集をしていくということを第一に考えたので、社員にならないと、社員を1つつくらないとどうしても制度設計ができないということではなくて、実際にはプライマリ・ケア連合学会の先生たちが複数、それぞれの先生方が御活躍されていますので、実質的には余り影響がないのではないかと思っています。

○釜萢委員 山口委員に関連して、総合診療専門医について今、御説明がありましたが、総合診療専門医が19の基本領域に認められておりながら、ほかの学会との連携をとらないと養成できないというのはおかしいわけでありまして、1日も早くプライマリ・ケア連合学会に運営を委託して、そして機構本部がずっと養成を担うというのではなく、ほかの18学会と同じようにおやりいただきたいと考えておりますが、その時期については理事長先生はいつごろを想定しておられますか。

○池田参考人 実は理事会でもその議題は出まして、多くの理事の先生方もきちんと総合診療の専門医がいろいろな学会の方たちの総意を得てスタートして、順調に動き始めたら実際に社員の学会は。

○釜萢委員 時間がないので、いつごろ。

○池田参考人 恐らく動き始めてからになります。

○釜萢委員 何年後ですか。

○池田参考人 何年後というのはここでは申し上げられませんけれども、恐らく1〜2年たつと当然のことながら、例えば来年度ぐらいに総合診療の専門医がうまく動いているだろうなというようなことで、皆さんのコンセンサスが得られれば理事会でも恐らく承認されるのではないか。これは社員になって議論をしたいというのは先ほど邉見先生もおっしゃったようにいろいろな団体、いろいろな学会が社員になって、この議論に参加したいと。

○釜萢委員 恐れ入ります。時間がないのでもう結構です。

○永井部会長 先ほどのダブルボードを認めるか、議論はどこまでいっているのでしょうか。総合診療専門医とほかの基本領域あるいはサブスペシャルティーの取得は可能になったのでしょうか。

○池田参考人 総合診療の専門医あるいは救急は今、ほかの領域の専門医とダブルライセンスを持っている方というのは多いのです。ダブルライセンスをどうやって持っているかということに関しては、これからの議論になると思います。恐らく総合診療の専門医をとってから、小児科を主にやりたいという方も出てくるし、内科を主にやりたいという人も出てくる。そのような方たちにダブルライセンスとしてやるか、あるいはその方たちが今度サブスペシャリティーをとりたいといったときも当然あると思うので、その辺の制度設計は恐らくこれから議論することになると思います。

○永井部会長 西澤委員、どうぞ。

○西澤委員 1点だけ、事実と違うことがあったので訂正させてもらいます。

 四病協としか入っていないのですが、実は四病協の団体4つ法人格を持っています。だから4つの団体をそのときに入れてくれと言ったのですが、1つしかだめだということで、四病協は法人格ないから日病しか入れられないということで、あくまで四病協から1つしか入れないという話でした。今の説明だと法人格がないから4つの団体が入れないような言い方ですが、私たちの4つの団体を入れてくれという要望に対して1つしか入れてくれなかったというのが事実なので訂正していただきたいと思います。

○池田参考人 そういう要求があったことは存じ上げておりますけれども、四病院団体協議会として医学会連合、医師会、医学部長病院長会議と組織委員会をつくっていたことがございまして、協議会は。

○西澤委員 説明はいいです。事実と違ったので訂正だけして下さい。

○永井部会長 議事録には残していただきます。

○中川委員 池田先生、いろいろな方が物すごく心配して質問をしているのですけれども、申しわけないですが、答弁が長過ぎます。限られた時間を無駄に使っているような気がしてなりません。もう少し簡潔に答えてもらえませんか。たくさんの質問がまだまだあるのですから。

○邉見委員 関連で、釜萢先生と総合診療については意見が違います。池田先生に近いというのは、総合診療は決してプライマリ・ケア連合学会だけではないです。我々地域医療振興協会あるいは自治体病院協議会、国保診療所協議会等とも地域包括ケア認定医というものをつくっています。このプログラムは岩崎栄中心のプログラムで、プライマリ・ケア連合学会より勝るとも劣っておりません。

○永井部会長 それから、メスを置いた外科医が総合診療に従事されていますけれども、その辺への配慮もぜひお願いしたいと思います。

○池田参考人 検討中でございます。

○木戸委員 先ほど来、医師の地域偏在についてのお話を伺いましたけれども、もう一方で重要なテーマである診療科の偏在という点に関しては、こちらも対策が必要ではないかと考えます。ホームページを見ますと領域別のプログラムが載っているのですけれども、非常に診療科によってさまざまで、労働関係は労働安全、勤務条件もかなり違いまして、診療科によって難易度が違います。女性医師もふえているので条件をよく見比べますと、例えば仕事がきつい診療科に進む人数がさらに減ってしまう。特に産婦人科、小児科、救急など、現在でも減っているところがさらに進行しますと少子化が今、問題になっておりますが、産むところがないというところが本当に現実にさらに進行するのではないかということが心配されます。

 2点目、私が非常に問題に思いますのは、専攻医の方の待遇についてもう少し考えてあげるべきだと思います。初期研修を修了して数年間、大学を中心として短期間ずつローテートしなければいけませんので、非常に身分が不安定になってしまう可能性があります。そうしますと非正規雇用になってしまいまして、ボーナスも出ませんし、年金の加入歴も途切れ途切れになってしまって経済的にも不利益になってしまいます。現在、奨学金の返済に追われている人も非常にふえています。卒業してから何年たっても正規雇用にならずに生活基盤が安定しないというのは、医師に限らず社会問題になっていると思います。

 何よりも3カ月とか半年とか非常に短期間で異動する場合には、なれたころにまた次に行くということで、新たに人間関係を築いて環境に適用することにも時間が取られてしまいまして、技術を磨くことに専念できないのではないかということも懸念されます。

 専攻医の生活基盤にかかわる問題もぜひ考慮して、サポート体制、相談窓口に関してもぜひ考えていただきたいと思います。

 以上です。

○池田参考人 ありがとうございました。2つとも非常に重要な御意見だと思います。後者は四宮委員から御説明させていただきます。

○四宮参考人 私が診療科偏在を答えさせていただきますが、ます基本的に全領域がこの診療科はこのぐらいであるという合意ができていません。我々は各領域との合意の上で動いていますが、もちろんその上で考えていきたいと思っています。ですから過去10年、過去15年どのくらい専門医が育成されてきたかということのデータをもって、余りそれから変わらないような数の募集数にすることを領域に依頼してあります。それ以上のことは皆さんの合意を得た上で、例えば外科がすごく減ってきて、忙しくて困るなどを皆さんが納得してくれれば、それはまた診療科偏在解消が進んでいくと思います。そのような協議はやっていくつもりでございます。

○永井部会長 地域間の調整というのはどうなのですか。例えば都会ではすごく希望者が多いけれども、地域ではどうも集まらない。都会がいっぱいなら、地域へ出て専攻医のトレーニングを受けていただきたい。そのような指導は可能なのでしょうか。

○四宮参考人 1つは都会は100%を上限にしてもらいたいということは合意というか、皆さんの各領域との話し合いでほぼ納得していただいているのですが、ただ、それが実際のデータとしてどうなるかはまだわかりません。そのようなことをかなりよく考えている領域もありまして、都会の募集数を地方へ移しているという領域もありまして、良心的に考えられています。

○永井部会長 加納先生、どうぞ。

○加納委員 確かに専門医をつくるにはこのようにすべきかという方法論としては立派なものだとは思うのですが、現実的に幾つかの問題が私は起きてきているかなということをお話させていただきたいと思います。

 資料2−1を見ていただいたらわかるのですが、資料2−1の表紙、留年しなくてまともに卒業できて最短で24歳で卒業して医者になって、これから専門医制度に入って、2年、3年、さらに先の専門医をとるとなるとさらに先。そうすると20代の若い医者が今どのようになるかというと、専門医制度のカリキュラムの中でしか動かなくなってくるわけなのです。その中で専門医が研修する病院というのは、実は先ほどから出ていますように症例数とか指導員の数などで決められます。そうすると症例数は絶対数ですから、大きい基幹病院と称する病院しか若手の医者が回れなくなるという形になってきます。例えば100の症例が必要だとすると、10の症例しかない。10の症例でも専攻医が来れば10の症例を全部やるというのが今まで地方の中小病院でもあったのですが、中小病院からの若い医者の引き揚げというものが現実的に今、起こっているということを実感しておりますし、また、これは四宮先生に前にお願いしたと思うのですが、例えば大都会でしたら大学も偏在しておりますから、いわゆる3次医療圏と称すると県内しかだめという議論で、3次医療圏以外だと遠くへ飛ばすのはいいのだけれども、近くはだめという、何かそれにとらわれかねないような内容になっているかということで前も質問させていただいたと思うのですが、その修正ができていなくて、これだけで見ますと例えば隣接する3次医療圏を超えても、例えば兵庫から大阪へ近隣ですから行けるという形の話が前は四宮先生のお答えではできるということで聞いたのですが、どうも明記されていないことがまだ続いているなと。そうするとなかなか了解を得られないというのも現実的に起こっている。

 そういった意味で本当に中小のこれから2025年というのは、2次救を中心に高齢者がふえる大都市のいかに受け入れ態勢をするかというところで、若手の医者が皆研修制度に入ってしまうと、本当に最前線の中小病院の2次救が崩壊するのではないかと懸念しております。そういった面に関しましての御考慮をぜひともよろしくお願いしたいと思います。

○四宮参考人 ありがとうございます。

 まずこれはプログラム制ですから非常に少ない症例であっても、その症例数を研修プログラムに入れば総数として研修プログラムの症例数になりますので、研修プログラムに採用された専攻医が連携施設に回ってくるわけです。ですから数が少ない連携施設ですと1年ではなくて何ヶ月研修ということはあるかもわかりませんが、それは研修ですから両方うまくバランスをとると、そのような形にならざるを得ないかなと思っています。

 それから、領域には県単位でしか研修プログラムを作ることができないということについては何度もそうではないよと、実際の患者さんが動く医療圏というのはそのようなものではないということは十分に説明しています。そのような形であれば都道府県を越えても構いませんということは何度もお話しています。

○加納委員 その点はできたら明記していただければ、これは3次医療圏と書いたままですので、まして遠方しかだめだというようにしか記載されていないような内容だと思いますので、これは何とかそういうこともわかりやすく明記して、ちゃんと伝播していただきたいということであります。

○四宮参考人 何らかの機会で近いうちに。

○加納委員 それと先ほどおっしゃったように、どうしても学会によってはという言葉になるかと思うのですが、学会によってはあくまでも症例数の多いところしか認めないということも明言される学会もどうもあるような感じがしますので、それもぜひとも御指導、今の御考慮いただける内容にしていただきたいかなと思います。

○四宮参考人 どうもありがとうございます。

○永井部会長 尾形委員、どうぞ。

○尾形委員 1点質問と1点コメントですが、質問は資料2−2の3ページに専門医制度改革の基本理念ということが掲げられておりまして、これは非常に適切なものだと思うのですが、3番目のところに専門医が公の資格としてというように書いてあるのですが、この公の資格としてというのはどういう意味なのでしょうか。これは医師法とか医療法とか制度的な位置づけを考えてのお話なのかというのが質問です。

 意見というかコメントですが、資料2−3の16ページで、先ほども出ていました地域医療提供体制への配慮ということで、ここには激変を避けるという、これは混乱を避けるという意味で当然のことだろうと思います。特に丸1とか丸2がそういったことをあらわしているのだと思うのですが、丸3のところで経年的に専攻医数の是正を行っていくと書かれているので、ここでは先ほども出ていたことですけれども、供給サイドだけの話ではなくて、ニーズの変化といいますか、人口構造や疾病構造の変化等に基づくニーズの変化は適切に反映させるべきだと思います。これはコメントです。

○永井部会長 最初の公的についてはいかがでしょうか。

○池田参考人 公の資格というのは、今までは御存じのように学会が認定していたので、それを標準化して機構が認定するという格好で、広く国民にわかりやすいという面で公の資格と今、書いてあります。

○尾形委員 私は公の資格というのは余り適切ではないように思います。これは意見です。

○永井部会長 荒井委員、どうぞ。

○荒井委員 2つ意見を申し上げたいと思います。

 1つは資格の認定の対応でありますけれども、学会認定から機関認定になるというのは方向としてはいいのかなと。機関認定というのは今の御質問等を考えますと公の認定かどうかということになる。といいますのはプロフェッショナルオートノミーが公の資格になるのかどうかというのが1つのポイントだと思います。これは資格ができてくると、オーソリティーあるよと言えるようにしたいという気持ちは感じるのですけれども、公の資格と少し違う面があると思います。オートノミーであってオーソリティーがあると言うには、資格の基準とか定義をはっきりしないと誰もわからない。勝手にしましたよと言わんばかりの認定では世間に通用しないと思います。

 これは国際的な基準にあるのかどうか。ここで認定してもらっても世界どこも通用しない日本だけの認定なのかどうかという心配も出てまいります。専門医制度は関係者の英知を絞って努力されているように思いますので、公の認定に近づけるようにしていただくことで、オーソリティーのある認定制度に近づけるようにしていただくのが希望でございます。

 もう一つは、専門医制度が地域医療に貢献する道筋というものがもう少しわからないのですけれども、地域がどのように協力をすればいいのか、連携をすればいいのかということですが、医者が地方にいない状況ですけれども、奈良県立医大の地域医療講座の教授が地域ごとの細かいニーズと専門医の配置を調べたのですけれども、調査結果から抜けているのは年齢です。田舎の医師は高齢者が多い。これは配慮事項ではないかと思います。

 そういたしますと医師の生涯のキャリアパスをどうするかというところまで視野に入れたほうがいいのではないか。地域ではそのようなことを視野に入れた医師のキャリアパスや、医師のワーク・ライフ・バランスをつくろうという試みはしようと思っています。そのときに専門医制度が地域医療のそのようなイニシアチブとどう絡むのかまだ見えないところがあるのですけれども、しかし、専門医制度は地域医療に貢献するということを言っておられますので、勉強をして絡めるようにしたいと思います。

 その際もこの制度が透明性のあるような制度にしないと、先ほどは資格の透明性と申し上げましたが、配置の透明性というのも必要かと思うのであります。県立医大は医師のアルバイトが随分あります。どこにどのようにアルバイトに行っているのか調べましたら、常勤換算で年間62名が、あたかも定数として配置されたように県下の公立、私立の病院に行っている。金曜日1日だけ行く場合もあります。それは定数配置ではなくてアルバイト配置なのですが、どこに、どのように働くか。臨時でもというものをもう少しシステム的にすれば大変よく回る。帰属はこの病院あるいはこの大学だけれども、半分はあちらに行っているといったようなハイブリッドな医師の勤務形態もこれからあるのではないかと思うのです。これは地域で工夫をしたいと思いますが、専門医制度の中の設計に、その地域の医師配分の工夫についてはいろいろ書いておられますので、これから工夫をしなければいけない。まだまだ姿が見えないという印象だけ申し上げておきます。

○永井部会長 相澤委員、どうぞ。

○相澤委員 貴重な御意見ありがとうございました。日本病院会としても、専門医機構にさまざまな要望をさせていただいて、いろいろ取り入れてくださいまして心より感謝を申し上げたいと思います。

 その上で少しお願いをしたいことがあるのですが、先ほど社員の問題がありましたが、社員以上に例えば研修施設群の認定評価の委員会の委員の多くの方が大学出身の方で占められていまして、一体病院はどうなってしまうのだろうというかなりの不安が会員の中にございますので、ぜひ御配慮を賜ればありがたいということでございます。

 もう一つ心配事は、プログラムの提出が非常に押し迫っていまして、各病院慌ててつくっております。私たちの病院も慌てて12月に出したりとか、まだ救急はこれからということで出しておるのですが、そのようなプログラムの提出の中でこのまま進めていってもいいのだろうかという不安感が病院団体の中にあります。その点につきまして日程表といいますか、プロセスの決められたままで進んでいかれるお考えなのかどうかをお聞きしたいということがあります。

 もう一つお願いしたいのは、先ほども出ましたけれども、専攻医の方々の身分の問題です。恐らくあちこちと連携をして移っていきますと、民間から公立病院、公立病院から公的な病院ということになりますと、身分をどうしていくのか非常に私は難しい問題があると思います。その点につきましてもある一定の方向を決めないと、専攻医によって非常に不公平な処遇になる可能性がありますので、その辺が私ども心配していることです。

 もう一つ、これまで後期研修医を見ていますと、後期研修医の方々というのは症例数をすごく気にしています。自分がどれぐらい症例を経験できるかをすごい気にしています。ここにも書いてありましたように、専攻医数は患者数と比例して配置するんだということが書かれていますが、一方で患者さんの都道府県を超えた流入というのはかなり起こっています。殊に産婦人科は私たち田舎はほとんど里帰り分娩の方ばかりで、急に妊婦がふえるということが起こります。その患者さんの流出入をどう調整していくのか。先ほど近隣の都道府県でやり合えばいいということがございましたが、むしろ遠くでも起こっていることをどう考慮していくのかということも考えていかないと、専攻医が自分がやりたい症例を経験することができないということが起こるのではないかとやや心配をしているところでございます。

 以上、意見と質問とさせていただきました。

○池田参考人 四宮参考人からお答えします。

○四宮参考人 まず理事とかその辺のところの委員は私の関与するところではないですけれども、領域の研修委員会専攻委員はできるだけ大学と病院で半々に次年度からしたいと思っています。私自身が非常に不満に思っていました。

 それから、先生は症例が人口とは比例しないということをおっしゃいました。例えば産婦人科領域ではそれぞれの領域、必要出産数によって専攻医数が定義されていますので、一応それは担保されていると思います。この疾患あるいはこの手術とか、そのような数値により規定されます。幾ら実家に帰ってきても症例数の基準で専攻医数は決められているわけですから、その辺は打開されているような気は致すのですが、どうでしょうか。

○千田参考人 先ほどの勤務環境について、専門医制度検討委員会の委員長の千田からお答えします。

 前に委員もおっしゃられたように、これは雇用形態の問題と社会保険の問題と両方が絡んでおりまして、なかなか我々だけでは解決ができない問題であり、これについては現在、機構の中に委員会を設けておりまして、具体的に厚生労働省の専門官の方に入っていただきながら、あるいは医師会等と協議しながら、これについて対応できるようにしたい。特に整備基準の中で他の医療機関もできるだけローテーションをするということを地域医療に配慮した形でやるということを入れてあるわけですけれども、総合診療については特にそれが診療所レベルで多いものですから、これらを一括してできるような形、実際はなかなかすぐには難しいかと思いますけれども、重要な課題と認識して検討を始めております。

○永井部会長 中川委員、どうぞ。

○中川委員 まず最初に、邉見委員が先ほど聞いた所管省庁はどこだということのお答えがないのですけれども、これは厚生労働省でいいですね。

○医事課長 お答えさせていただきます。

 この制度は法律事項ではないので所管ということはなく、プロフェッショナルオートノミーで進んでいますが、報告書を打ち出した医政局医事課として主に地域医療に影響がないようにという観点から注視させていただきます。

○中川委員 相変わらず絶望的な答えですね。もう少し所管として責任を持った発言をしてほしいなと強く思います。

 それから、これから本題ですが、池田先生も地域医療に配慮するという言葉を何回も使いました。そして四宮先生は現状よりも悪くしないんだとおっしゃいました。両方ともそれと逆行しているではないですか。例えば今、日本が何に苦しんでいるか知っていますか。医師不足です。それは医師の偏在によるものなのです。今のプログラムをスタートすると、医師の偏在は今の何倍も強くなります。

 例えば資料2−1の1ページをごらんください。赤枠で囲ってある新たな専門医の養成3年以上、臨床研修が終わったら専攻医という言い方をするそうですが、ここにみんな集中しますよ。医師がしがみつきます。このようなシステムをつくろうとしているのです。そのあらわれの最大のものが四宮先生の資料の20番。四宮先生は地方の大学が心配しているというように捉えていましたけれども、地方の大学は心配はしていません。専攻で集まるのですから。あのプログラムの症例数やその他の問題は地域包括ケアシステムのレベルです。地域医療構想では構想区域レベルです。そこの2025年の医療提供体制の構築に重大な支障が出ることが明らかなのです。お二方の資料はそのことに気づいていないではないですか。

 いいですか。専門医制度を抜本的に見直すというそもそもの理由は何ですか。内科、外科、私は脳神経外科学会ですけれども、長い間、学会として血のにじむような努力をして専門医制度をつくり上げてきました。これはしっかりした専門医をつくってきています。そのことを踏みにじってガラガラポンして迷走しているという、現状はとてもあり得ない話をしているのです。

 以上のような理由から、私は来年4月からの開始は延期すべきだと思います。医師の中の大半は延期ではなくて、撤廃だという声が圧倒的に多いのです。こんな状況で予定通り始めることはできません。厚生労働省もしっかりとそのことも踏まえて所管省庁として対応してください。

 以上です。

○永井部会長 楠岡委員、どうぞ。

○楠岡委員 先ほどの四宮先生のお話の中で1点気になるところがあったので、少しお願いです。

30ページのところのリサーチマインドの涵養のところで、臨床研究倫理審査委員会のことにお触れになったのですが、現在、ヒトを対象とする医学系研究に関する倫理指針では、必ずしも自施設で倫理審査をする必要はありません。他の施設へ依頼できますので、連携機関の中のどこかに研究倫理審査委員会あればいいわけですし、もし連携機関になくてもそれ以外のところに審査依頼はできますので、倫理審査委員会がないといけないというのはやめていただきたいと思います。

○四宮参考人 それは言い間違えかもしれません。迅速審査があるのはわかっています。

○楠岡委員 迅速審査も倫理審査委員会があっての話です。

○四宮参考人 それは大学にあって、そこで通っている場合はすっと通ってしまう。

○楠岡委員 自施設に倫理審査委員会がなくても、病院長が他の審査委員会に依頼すればできますので、必須条件ではない。

○四宮参考人 ただ、自分のところである程度整備するか、それとも大学と連携をもってするか、どちらかがいいですよという説明です。

○永井部会長 伊藤参考人、どうぞ。

○伊藤参考人 学会とか社員という話ではなくて恐縮ですが、今回の専門医のコンセプトは、患者がステークホルダーだという話も御説明の中にありましたので、患者に信頼される医師の育成という観点で、池田理事長の資料の15スライドに、医療を全人的に提供できる総合診療専門医ということで期待したいと思っておりますが、そういう意味で専門医の認定だとか、研修プログラムの評価・認定に当たって患者の視点というものがどのように取り入れられることを考えられているのか1つお聞きしたいと思っております。

 もう一点、同じスライド、15スライドですけれども、一番下のパラグラフのところに他職種と連携して地域の医療、介護、保険等のさまざまな分野においてリーダーシップを発揮するということで、これは多分、総合診療専門医の意気込みを示されているのだろうと思うのですけれども、介護分野でリーダーシップを発揮するとかいうところについては、どういう議論があったのかなということを感じています。

○永井部会長 手短にお答えいただけますか。

○池田参考人 最初のお聞きになりたいところをもう一度お願いします。

○伊藤参考人 患者の視点を総合診療専門医の評価などにどのように生かすのか。

○池田参考人 患者の視点に関しては、患者さんから受診の指標になるような、今は専門医制度は非常にたくさんの専門医制度が乱立しているということで、それを整理しようということが1つ大きな点かと理解しております。

○永井部会長 邉見委員、手短にお願いします。

○邉見委員 資料2−2の12ページ、専門医制度地域連絡協議会が私はほとんどの都道府県で機能していないと思うのです。準備不足だろうと思うのです。私は3つぐらいの都道府県に関係していますけれども、ほとんどない。これをちゃんとやらない限り、この制度はよくないだろうと中川委員の意見に賛成します。

 そして、四宮先生の御専門の整形外科学会について少しだけ御質問したいので、私のあれが間違っていたらいけないのですが、症例数以上に困るのは指導医の数です。整形外科学会はたしか6人とか何かであったと思うのですけれども、これが6人あるような病院が複数ある県というのはほとんどないのです。滋賀県は1つです。滋賀医大のみでした。だからそのようなことがほとんどのほかの科にもあるのです。そうするとどこの病院に行くかというのは決まってしまうわけです。先ほど加納先生がおっしゃったように。これは大きな問題だと思います。第2次医療崩壊の先駆けです。

○永井部会長 山崎委員、どうぞ。

○山崎委員 私は中川先生とか邉見先生の意見に大賛成。というのは、臨床研修制度がいい制度だと散々言われてつくって、結果として地域の医療崩壊をつくったのは臨床研修制度ではないですか。今回の新専門医制度で地方の中小病院とかへき地の病院はとどめを刺されます。角を矯めて牛を殺すような制度を先生方は検討しているということを理解していただきたいというのと、この専門医制度をずっと読んでいますと明らかに大学、都会目線なのです。地方の目線ではないのです。それと指導医症例数で専門医をつくるとなると、では中小病院で症例数が少なければ、先生の病院は3カ月分の症例しかないから3カ月しか専門医は行かないという話になったら、どんどん病院が壊れるのは、小学生が考えてもわかる話なのです。だからきょう時間がないからといって医療部会を通したという話にしないで、これだけ問題点があるわけですから、次回の医療部会の冒頭できちんと時間をかけて、再度討論などをすることを提案します。

○永井部会長 ありがとうございます。

 この問題は非常に影響が大きいので、医療部会としては今後も引き続き議論していきたいと思います。

 そこで私からの提案でございますが、当部会の下に専門医制度の専門委員会を設ける。そこで議論を継続するということ。また、こちらの医療部会に報告をしていただくことを考えておりますが、いかがでしょうか。

○山崎委員 分科会でするよりも、親部会で私はきちんとすべきだと思います。

○永井部会長 両方でいたします。

 それから、先ほど平成29年度の養成開始の問題も地域の研修体制構築をチェックした上で、さらに専門委員会で検討する。また、関係者間で意見交換をしていただくということ。それをさらに部会で報告いただき、検討するということでいかがでしょうか。

○中川委員 専門委員会の設置の御提案ですが、来年4月のスタートを前提としないということであれば了解します。

○永井部会長 いかがでしょうか。

○池田参考人 私ども機構は、以前の厚生労働省で行った高久座長の下での専門医の検討会でいろいろ議論をしていただいて、その基本の考え方に沿って今こういうものをつくってきております。地域医療の問題が非常にクローズアップされて当然だと思うのですけれども、実は専門医制度、地域連絡協議会などは、北海道では私ども2度、3度行って、実際に地域の医師会あるいは大学病院等で非常にうまい仕組みができ上がっています。ぜひ各地域でそのような協議会をつくっていただいて、地域で医師を育てるという考えを出していただいて、私どもと一緒に新しい専門医制度を来年4月から始めるように御努力いただきたいということでお願いしたいと思います。

○永井部会長 開始しないという前提はなかなか難しいように思います。まずそこも含めての議論をしないといけないと思います。

○中川委員 専門医機構には日本医師会からの委員も出ていて、繰り返し繰り返しこのようなことは申し上げてきたのです。それがこの時点においてもちゃんと明確に反映されていないのです。来年4月スタートが前提で専門委員会をつくるということは、それはおかしな話です。医療部会でこれだけの意見があって、私は医療関係者、全国に行く機会が多いので聞きますけれども、9割は反対です。そのような状況を無視して来年4月に強行するなんてことがあっていいのですか。そういう意味で言っているのです。

○池田参考人 今そのような御意見をいただきました。謙虚に受けとめたいと思うのですけれども、専門医機構の理事会では医師会の先生方も理事あるいは監事に入っていらっしゃいまして、何回となく地域医療を混乱させないための新しい、しかし、質のいい医者をつくるための仕組みとして議論をしてまいります。その結果としてこのような形になったということも御理解いただきたいと思います。

○永井部会長 まずは関係者が専門委員会で協議して、そこでなるべく早い時期に医療部会を開催して検討するのがよろしいと思うのですが、いかがでしょうか。

○池田参考人 ただ、これだけ申し上げたいのですけれども、これまで各領域の先生方、もちろん大学の方ばかりではありません。病院の方々も含めて研修プログラムを真摯につくっていらっしゃいます。そのプログラムが実際にサブミットされておりますので、それをどのように認定していくか、審査をしていくかということを見守っていただきたいと思います。

○永井部会長 荒井委員、どうぞ。

○荒井委員 先ほど地域で協議会が進んでいると言うけれども、全然進んでいないですね。私は聞いたことがないです。きょう初めて見るのです。それを4月にやるのは拙速だと思います。大事な話だからもっと詰めたらいいと思うし、基本的には今、乱立している専門医を統一基準でやるということは賛成です。それが地域医療にどう寄与するかというのは、きょうの資料では十分ではないですから、その点を分科会でも議論をして、このように寄与するんだという道筋をつけていきたいと私は思います。

○池田参考人 これまで北は北海道から南は九州まで、地域で何回か説明会を開かせていただいて、行政の方、医師会の方、大学の方、関係者に出席いただいた会を開いております。そこでは地域連絡協議会等の仕組みをつくったことが非常に重要であるということも強調させていただいて、議論しておりますので、それも含めてさらに努力しなければいけないことは間違いないことでございますけれども、今このようにそれぞれの医療施設をつくってきた研修プログラムが出そろったところで、これをやらないことが起こす混乱というのは、私どもは避けたいと思っています。

○永井部会長 西澤委員、どうぞ。

○西澤委員 池田先生が努力してきたというのは聞いておりますが、都道府県のトップである知事が知らないという事実は事実なのですから、これは1回引いて考えないと。今まで関連の方々が一生懸命やっていたのはわかります。だから始めると言っても、それがもとでもっと大きな混乱、地域医療に大きな混乱が起きるのは目に見えているというのが大体この場の意見の一致だと思いますので、私は1回ここで立ち止まって検討する必要があると思っています。

○永井部会長 直ちにストップということではなくて、とにかくそこも含めてまず1回関係者がもう少し議論をしてみる必要があると思うのです。

○邉見委員 荒井知事が知らないというのは大きなことだと思うのです。日本の都道府県知事の中で一番医療がわかっている人です。それから、山田知事会会長をここへ送り込んできたお方です。

○池田参考人 お言葉ですけれども、奈良県の場合は奈良県立医大が中心になって、奈良県の医療をどうしたらいいかということを非常に熱心に行政と一緒に考えていらっしゃると私は理解して、御説明に上がったことも何回かございます。

○荒井委員 上がってきていないです。

○永井部会長 山崎委員、どうぞ。

○山崎委員 勘繰ると、何でそんなに早くしたいのかと思うと、これ以上、借入金がふえるからではないのですか。かなりの借り入れをして、さらに借り入れをしないと機構が回らないような経営状況の中で、先生は焦り過ぎなのではないですか。

○池田参考人 そんなことはなくて、これは理事会、社員総会での議論の積み重ねでこのようになっているので、私が個人で全て決めているわけではもちろんございませんので、理事会あるいは社員総会、検討会で議論されたことをもとに決定しているということでございます。借り入れが数億というのも間違いです。

○永井部会長 最後に、どうぞ。

○西澤委員 らちが明きませんので、永井部会長の御提案どおりきちんとした関係者による委員会をつくるということでいいと思います。そこでは白紙でもって検討するということでお願いしたいと思います。

○永井部会長 よろしいでしょうか。もう少し関係者の顔が見える関係のもとで議論する必要があると思いますし、頻回に行えばいろいろな問題は打開できるのではないかと思います。よろしいでしょうか。

 そういたしますと、この専門委員会を設置するということで御了解いただいたということにしたいと思います。委員の人選については具体的な運営方針を含めて、部会長に御一任いただけますでしょうか。

 

(「異議なし」と声あり)

 

○永井部会長 ありがとうございます。

 では、設置状況等については次回以降、報告させていただきます。

 最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。

○医療政策企画官 次回医療部会の日程につきましてでございますが、3月下旬から4月の間にと考えております。議題、日時等、詳細が決まり次第、また御連絡させていただきます。

○永井部会長 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。お忙しいところありがとうございました。


(了)

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