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2016年3月29日 新たな地域精神保健医療体制のあり方分科会第1回議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成28年3月29日(火)9:58~11:58


○場所

厚生労働省 専用第14会議室(12階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○出席者

伊澤構成員、伊藤構成員、荻原構成員、籠本構成員、河崎構成員
佐竹構成員、田川構成員、近森構成員、中板構成員、長野構成員
樋口構成員、広田構成員、松本構成員
竹中参考人

○議題

○鶴田課長補佐 それでは定刻となりましたので、ただいまより、「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」、第1回「新たな地域精神保健医療体制のあり方分科会」を開催いたします。構成員の皆様方におかれましては、ご多忙のところご参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 では、まず初めに、お手元の資料の確認をさせていただきます。資料1は「新たな地域精神保健医療体制のあり方分科会」の進め方(案)でございます。資料2は「地域精神保健医療体制の現状について」でございます。また、机上にお配りしていますのは、これまでの本検討会における皆様方からのご意見の概要を整理した資料になります。今後の議論の参考のために用意したものですので、適宜ご参照いただければと思います。
 以上について、足りない資料がございましたら事務局までお申し付けください。よろしいでしょうか。
 次に、本日の出欠の状況ですが、構成員の代理として1名の方にご出席いただいていますので、ご紹介申し上げます。船津構成員の代理で、佐賀県健康福祉本部副本部長の竹中さんです。
○船津委員代理(竹中氏) 竹中でございます。よろしくお願いいたします。
○鶴田課長補佐 また、本日は、神庭構成員、松田構成員からご欠席とのご連絡を頂いています。現時点で広田構成員がまだお見えになられていませんが、遅れていらっしゃるものと思います。なお、本分科会の座長につきましては、検討会の座長である樋口委員に務めていただきたいと思います。それでは、ここからの進行は樋口座長にお願いしたいと思います。樋口座長、よろしくお願いいたします。
○樋口座長 おはようございます。それでは、早速、議事に入りたいと思います。カメラのほうはここで退席をお願いしたいと思います。
 それでは、まず、本分科会の進め方及び地域精神保健医療体制の現状について、事務局から説明をお願いしたいと思います。
○鶴田課長補佐 事務局です。まず、資料1についてご説明させていただきます。本分科会の進め方ということになりますけれども、主に想定される論点全体について、これまでの検討経緯等を把握した上で、有識者等からのヒアリングを行いつつ、議論を進め、検討会において検討すべき論点の整理を行うこととしたいと思います。
 「主に想定される論点」として、第1回検討会資料から一部改変をさせていただいています。文言を適正化したり並び順を変えたり、そういった修正を加えています。1つ目の○としては、精神病床のさらなる機能分化、病床機能の検討、精神病床の必要数。2つ目の○として、精神障害者を地域で支える医療の在り方、デイケア、訪問看護、アウトリーチ等の医療機能の在り方。3つ目の○として、多様な精神疾患等に対応できる医療体制の在り方、多様な精神疾患・患者像への医療の提供等になります。
 本日は、これまでの検討の経緯等を踏まえつつ、論点全体について意見交換を行っていただきたいと思います。第2回、第3回分科会においては、主に想定される論点に関連し、有識者等からのヒアリングを行いつつ、議論を進めていきたいと思っています。
 続きまして、資料2についてご説明させていただきます。かなり情報量がありますので、20分ぐらいで簡潔に終わるように、少し駆け足になりますけれども、ご容赦いただければと思います。
 2ページ、(1)これまでの精神保健医療福祉施策の動向についてということで、3ページになりますが、精神保健医療福祉施策の近年の動向について、精神保健福祉法の観点、医療法の観点から整理させていただいています。
 4ページ、平成16年9月、精神保健福祉対策本部(本部長:厚生労働大臣)決定として、精神保健福祉施策の改革ビジョンというものが示されています。このビジョンの中では、「入院医療中心から地域生活中心へ」という考え方が示されています。
 5ページ、この改革ビジョンの中では達成目標というものを定めています。具体的には資料の下のほうになりますが、各都道府県の平均残存率(1年未満群)を24%以下とする。各都道府県の退院率(1年以上群)を29%以上とする。この目標の達成により、10年間で約7万床相当の病床数の減少が促される。こういったものが定められていました。6ページ、こちらに平均残存率、退院率の考え方について整理されています。
 7ページ、達成目標をベースに、今後、10年間の必要病床数を試算すると、2015年には必要病床数は約7万床減少と明記されていました。2003年時点で約35.4万床、2015年で約28.2万床、差分として約7万床と示されていました。
 8ページ、ビジョンを策定してから5年経過した時点での中間的な評価、また、その後の5年間の重点施策の策定ということで、有識者から構成される検討会において議論を行い、その時点での整理したものが、こちらの資料です。また、その次の9ページが報告書の概要になります。
 10ページ、こちらは平成24年6月28日に取りまとめられている、精神科医療の機能分科と質の向上等に関する検討会の概要になります。
 11ページ、下の所になりますが、機能分化を着実に進めていくことにより、今後、精神科医療の中心となる急性期では一般病床と同等の人員配置とし、早期退院を前提とした、より身近で利用しやすい精神科医療とするというものが掲げられています。
 12ページ、こちらは新たに入院する患者さんに対する精神科医療ということで、在院期間に応じて、どういった医療提供体制が望ましいのかということが整理されています。
 13ページは、現在の長期在院者への対応ということで、こういった方々に対する医療提供体制についての整理がなされています。ここで示されている方というのは、重度かつ慢性に該当するものを除く医療提供体制ということで整理されています。
 14ページ、こちらは前回の改正精神保健福祉法の概要となります。前回の改正では、精神障害者の医療の提供を確保するための指針の策定ということで、指針が法定化されています。
 指針の概要については、次の15ページになります。指針の中では、「入院医療中心の精神医療から地域生活を支えるための精神医療の実現」という理念が掲げられ、精神病床の機能分化に関する事項等、4つの柱立てごとに整理がされています。この指針の中では、1.の精神病床の機能分化に関する事項の2つ目の○になりますが、「地域の受け皿づくりの在り方や病床を転換することの可否を含む具体的な方策の在り方について、精神障害者の意向を踏まえつつ、保健・医療・福祉に携わる様々な関係者で検討する」ということが明記されています。
 こういったことを踏まえて、一昨年の夏に取りまとめられている、長期入院精神障害者の地域移行向けた具体的方策の今後の方向性というものが、まとまっています。これは16ページになります。
 この報告書の中では、次の17ページになりますが、精神医療体制に関する検討課題が報告書の中に盛り込まれています。デイケア、アウトリーチ、訪問看護ステーションによる訪問看護といったものが、この報告書の中に検討課題として盛り込まれているところです。
 18ページ、イメージ図というものが報告書の中に添付されています。このイメージ図の中では地域移行支援機能を強化する病床というのをしっかりと評価し、それにより長期入院している方々の地域移行を進め、結果として余剰となったマンパワーや設備等を救急・急性期・回復期、あるいは外来・デイケア、アウトリーチ、訪問診療・訪問看護、若しくは地域生活を支えるための医療・福祉、こういったところに資源を配分していく。そういった考え方が取りまとめられているところです。
 19ページ、平成28年の診療報酬改定における評価の概要になります。赤枠の所になりますが、「地域移行機能強化病棟」の新設による重点的な地域移行の取組が記載されているところです。先の検討会で取りまとめられた結果を踏まえ、中医協の議論を経て、新設されています。
 20、21ページ、こちらは昨年の4月から19回の検討を経て、社会保障審議会障害者部会で取りまとめられた報告書の概要になります。特に障害福祉サービスのところを重点的に議論した内容となっています。
 この検討会の報告、内容等を踏まえ、22ページになりますが、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案が、今通常国会に提出されています。
 23ページ、医療計画制度の概要になります、平成25年度からの医療計画において、それまで四疾病五事業であったものが、新たに精神疾患が加えられ五疾病五事業として医療計画が、運用されているところです。
 24ページ、これは一昨年に成立した医療・介護総合確保法の概要となります。この法律の中では新たな基金の創設と医療・介護の連携強化、地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保、地域包括ケアシステムの構築と費用負担の公平化、こういった柱立てで法改正が行われています。
 地域医療構想の概要については、25ページです。26ページは、地域医療構想策定ガイドラインにおける精神科医療の位置付けになります。下線部の所が該当する所になりますけれども、「地域医療構想を策定するに当たっては、地域における精神科医療も含め検討することが必要である」ことが明記されているところです。
 27ページは、地域包括ケアシステムの概念図になります。ここまでが、これまでの主な施策の動向ということになります。
 続きまして、(2)精神病床のさらなる機能分化について、ということで資料を整理しています。先ほどご紹介した検討会において、どのような議論がなされたかというのを、29ページ、30ページに整理しています。29ページは、新たに入院する精神障害者に着眼して、3か月未満の体制、3か月以上1年未満の体制、1年以上(重度かつ慢性)の方々に対する体制、それぞれについて人員配置等の議論が取りまとめられています。これを見ていただくと分かるように、1年以上(重度かつ慢性)のところに関しては、重度かつ慢性の定義は、現在検討中ということで、ここに関してはまだ検討の途上ということになっています。
 30ページは、現在の長期在院者を対象にした人員体制になります。1年以上の部分に関しては重度かつ慢性の方と、それ以外の方に分けて議論がなされています。それ以外の部分については、一定程度の人員体制に対する合意形成がなされているわけですが、こちらも同様に重度かつ慢性のところの体制については、今後、検討を重ねていく必要があるということになっています。
 31ページは、「重度かつ慢性」の定義についてになります。現在、厚生労働科学研究として安西信雄先生を研究代表者とする厚生労働科学研究班が行われています。ちょうど今年度いっぱいをもって一定程度の取りまとめがなされることとなっています。こちらに関しては次回以降のヒアリングの機会を通じて、「重度かつ慢性」についてはその研究班の成果を皆様方と共有しながら、議論を深めていければと思っています。
 32ページは、精神保健医療福祉に関連する計画における入院医療に関する目標値になります。冒頭にご紹介した精神保健医療福祉の改革ビジョンについては、平成16年に策定されて、その10年後の目標が取り決められていました。また、障害福祉計画においては平成29年度末の目標値として、入院後3か月時点での退院率、入院後1年時点の退院率、1年以上の在院者数、こういったことが数値目標としてセットされています。いずれにしても30年度以降に関しては、現時点では数値目標等は設定されていない状況になっています。
 33ページは、精神病床数及び精神病床における入院患者数の推移をお示ししています。こちらは第1回の検討会でお出しした資料と同じものになります。
 34ページは、精神病床における患者の動態の年次推移になります。同様の資料を1回目の検討会でお出ししていますけれども、そのときは平成24年度の630調査のデータとなっていましたが、今回、平成25年度のデータをもとにリバイスをしています。
 続きまして、(3)精神障害者を地域で支える医療の在り方についてご説明させていただきます。最初にデイ・ケアの概要、またデイ・ケアの利用実人員について、36ページ、37ページ、38ページでお示ししています。39ページ、40ページ、41ページで精神科訪問看護の概要、また、その利用者数について年次推移を示しています。こちらは、いずれも医療保険による精神科訪問看護の内容になっています。病院・診療所からの訪問看護と訪問看護ステーションからの訪問看護を区分してデータ等をお示ししています。
 42ページは、精神障害者に対するアウトリーチのイメージということで、在宅精神障害者の生活を、医療・福祉から成る多職種チームで支える。そういったサービスの概念図を42ページでお示ししています。
 順番が前後しますが、精神障害者アウトリーチ推進事業に関しては44ページになります。平成23~25年度にわたって3か年、精神障害者アウトリーチ推進事業を実施しています。この事業の評価としては、厚生労働科学研究として萱間真美先生を研究代表者とする研究班において、その評価が取りまとめられています。研究成果については後ろの参考資料になりますが、82ページから92ページに、このときの精神障害者アウトリーチ推進事業の評価を研究班の成果として取りまとめていますので、参考資料としてお付けしています。
 この精神障害者アウトリーチ推進事業の成果をもって、43ページになりますが、医療に関するアウトリーチに関しては診療報酬上の評価、また、いわゆる未受診者や治療中断者に対する精神保権険としてのアウトリーチに関しては、「精神障害者地域生活支援広域調整等事業」等の中に位置付けられています。1.の診療報酬に関しては、平成26年7月1日の実績として、この加算を算定している医療機関が7医療機関となっています。アウトリーチに関しては実態を踏まえつつ、平成28年度の診療報酬改定、今回の報酬改定において要件の見直しが行われています。2.の「精神障害者地域生活支援広域調整等事業」等に関しては、実施都道府県が4都道府県となっています。
 45ページは、これまでご紹介してきた訪問看護、デイケア、アウトリーチ、こういったサービスを組み合わせて提供体制を整えている、診療所を主体としたモデルと、46ページで、病院を主体として行っている取組を資料として提示しています。どちらも多職種の連携をケア会議やケースマネジメントを通じて機能させている。そういった取組が明らかになっているところです。
 47ページは、長期入院精神障害者地域移行総合的推進体制検証事業の概要になります。この事業に関しては、一昨年に取りまとめられた地域移行の検討会の報告書の内容を踏まえつつ、医療と福祉と行政が地域移行推進連携会議を通じて一体となって取り組む。そうしたモデル事業を実施するといった内容になっています。
 この事業に関しては平成27年度、今年度からスタートしていて、48ページ、49ページ、50ページが、この事業に参加していただいた自治体の取組になります。静岡県の取組、大阪府の取組、熊本市の取組をまとめています。いずれの自治体も既存の協議会等を活用しながら、医療と福祉について自治体が一緒になって考える場を設け、様々な地域移行の取組を実践しているといった概要になります。
 51ページ、52ページは、この検証事業からは外れるわけですが、全国各地を見渡せば地域移行に関して様々な取組が行われています。兵庫県但馬圏域、兵庫県淡路圏域の地域移行に関する取組をまとめてお出ししています。これらの自治体では協議の場を二層に分けていて、意思決定の場と実務者による学びの場、そういった形で協議の場を分けている特徴と、ピアサポーターの養成、また、ピアサポーターの方々が役割を持って活動できる支援をしている。そういった特徴がある内容となっています。
 続きまして、(4)多様な精神疾患等に対応できる医療体制の在り方ということで資料をお出ししています。54ページは、精神保健福祉法に基づく指針と医療計画に基づく指針を対比する形で、資料をまとめています。精神保健福祉法に基づく指針においては、多様な精神疾患等に係る記載内容として、1~8の疾患に関する記載が列記されています。
 これを横に置きつつ、これに関連する事業を、以降の資料として添付しています。1つは難治性精神疾患地域連携体制整備事業、いわゆるクロザピンを地域の中で利用しやすくするといった事業になります。
 56ページはクロザピンに関する参考資料、57ページが思春期精神保健研修に関する内容、58ページが認知症に関する新オレンジプランの概要、59ページが自殺未遂者再企図防止事業、60ページが依存症治療拠点機関設置運営事業、61ページがてんかんに関するもの、62ページが高次脳機能障害に関するもの、63ページが摂食障害に関するもの、64ページがDPATに関するもの、65ページが精神科救急医療体制に関するもの、66ページが医療観察法に関するもの、こういった事業の概要についてお付けしています。
 67ページ以降は、こういった事業に実際に取り組んだ自治体の取組を整理したものになります。67ページ、68ページは沖縄県、千葉県の取組になりますが、クロザピンに関する体制整備事業なり、独自にやっている取組を整理した内容になっています。69ページは大阪府の取組で、依存症に関する取組内容をまとめたものになります。70ページは静岡県の取組で、摂食障害に関する取組を取りまとめたものになります。
 資料については以上になります。
○樋口座長 それでは、ただいま説明いただいたような状況を踏まえまして、これから意見交換をいたします。本日は分科会の第1回目ですので、今後検討会で議論していくべき内容の整理を行うことが、当分科会の役割です。そのような観点を踏まえて、ご意見を頂戴できればと思います。
 ただいまの資料の説明にありました、それから資料1で先ほど主に想定される論点ということで3つに整理されております。これに沿って、ただいまの資料2を参考としながら、精神病床のさらなる機能分化、精神障害者を地域で支える医療のあり方、多様な精神疾患等に対応できる医療体制のあり方の順番で、議論を進めます。それほど厳密にお考えになる必要はありませんので、例えば1番が終わって2番に移った段階でも残された論点と思われるものがあれば、その都度ご指摘いただいても結構です。全体としては、3つ大きな論点が整理されておりますので、それぞれ大体30分ぐらいでご意見を頂戴していきたいと思っております。時間が限られておりますので、できるだけメッセージは短時間で簡潔にお願いできればと思います。
 では、まず最初に精神病床のさらなる機能分化ということで、病床機能の検討や精神病床の必要数などが書いてありますが、これにとらわれることなく、全体としてご意見を賜れればと思いますが、いかがでしょうか。
○松本構成員 言葉の問題なのですが、26ページで精神科医療も地域医療ビジョンと同列で位置付けて考えましょうということですので、7ページに必要病床数とありますが、これはやはり地域医療構想と合わせて、病床の必要量という言い方に是非変えていただきたいと思います。
○樋口座長 必要量ですね。よろしいですか。ほかにご意見はありますか。
○近森構成員 先ほどご説明がありましたように、あるべき精神科医療ということで、多くの提言がなされております。しかし、精神科の病院が変わったか、精神科医療が変わってきたかという面では、確かに急性期で退院される方も増えましたし、長期に入院されている方も減っていますが、何か大きな変化がないように思います。そこが、私は一番問題ではないかと思います。もっと、根本的に考えてみるべきではないでしょおうか。
 一番の問題は、医療保険で精神障害者の生活を全て面倒をみてきたこと、これが、精神科医療の問題ではないかと思います。そういうわけですので、切り離せば根本的に問題が解決するのではないでしょうか。ただ、精神科の先生方というのは、一生精神障害者とともに生きていくというような、非常に親身に患者さんを診ておられますので、機能分化とか連携ということで、患者さんを手離すということが非常に難しい場合がよく見られます。ということで、診療報酬とシステムで病院がやらざるを得ないような形にしないと、精神科医療が変わっていかないのではないかと思います。
 現に一般医療では、平成30年に介護療養と医療療養の2が制度廃止になり、医療の内付けや外付けの施設化が始まっておりますし、急性期から療養病床にかけての医療全体の機能分化と連携が、診療報酬に基づいて急激に進展しようとしております。ですから、高齢の障害者にやっていることを、精神障害者にも適用できないかなという感じがしております。基本的には、精神障害者の生活全てを医療保険で対応するのではなく、精神疾患に対しては医療必要度が高い患者さん、そして治療が必要な患者さんは医療保険で対応して、精神障害者に対しては、医療必要度が低いか無い場合は、介護保険又は福祉財源で対応するというように切り分けをきちんとしたほうが、日本の精神科医療は劇的に変わるのではないかなという感じがしております。
 急性期は、一般病床並に整備して、早く地域へ戻すことが必要と言われておりますが、その財源がありません。ですから、慢性期の病床の医療費を削減して、急性期の一般病床を充実していくという方策を取らざるを得ません。現実的には、精神病棟の救急入院医療や、急性期治療病棟といった特定入院医療は原則3か月として、1か月、2か月3か月と、入院医療費の傾斜を診療報酬で強くする。これをしないと、早期に帰るという誘導が効きません。このように1か月、2か月の診療報酬が高ければ、病院は1か月、2か月で患者さんも良くして地域に帰します。そうすると、1か月、2か月でしたら地域とのつながりもまだ残っていますので、また地域に帰っていくことが出来ます。
 また、精神科の一般病棟や療養病棟は、看護師数や入院期間のみで点数が決まっています。ですから、医師の裁量権が非常に高くて、長期入院の温床になっております。これに関しても、重症で慢性のというような医療必要度の高い入室基準をきちんと決めて、入室を決定すべきではないかと思います。
 こういうように、病床を診療報酬や制度で誘導していく、削減していくというのは、もうやらざるを得ない時期にきているのではないかと思います。イメージとして、大きな精神科の病院がありますが、急性期で1か月、2か月で退院する患者さんの病棟、そして、医療必要度の高い慢性期の患者さんが入院する、ある程度入室が制限された病棟、あとは介護保険や老人ホームといった施設の混合体のような形に、これからの精神科医療を変えていかないと、新しい精神科病院の形にはならないのではないかと思います。
○樋口座長 ほかにご意見はありますか。
○河崎構成員 日精協の河崎です。今、近森構成員がおっしゃったことは、正しく方向性としてはそのとおりなのだろうと思っております。今、先生がおっしゃったような検討、あるいは議論というのは、今日の資料にもありますように、例えば資料の10ページ、平成24年6月28日にまとめられております精神科医療の機能分化と質の向上等に関する検討会の中のある程度の結論も、正しく先生が今おっしゃったような内容だろうと私自身も認識しておりますし、私たちとしますと、このような議論を通じて精神病床をどのように適正化をしていくか。つまり、本来の医療が必要な精神疾患をお持ちの方に私たちも入院医療では、しっかりそこに人的配置も厚くしながら、精神科医療を提供していくことの考えには、何ら異論もない立場です。
 ただ、その際に、やはり現状の病院の入院している方々の状態像であるとか、あるいはどのような支援を必要としているのかを詳細に分析しながら、その状況に応じて、中には障害福祉サービスを提供することによって、社会的な生活が可能な人たちもいらっしゃるでしょうし、先生がおっしゃったような介護保険サービスが必要な方々も多くいらっしゃるのであろうと。そのような人たちを、どのようにしてそれぞれ本来の受けるべきサービスに移行させていくのか。それから、病床の機能分化というのは、正しく同じ意味合いなのだろうと思うのですよね。そこには、やはりしっかりとした財源が必要でしょうし、その財源の1つの方法として、診療報酬上でそれを誘導することも必要かと思います。
 ただ、例えば今回1つの方策として、これまでの検討会が提言してきた中の、いわゆる地域移行を強化するための病棟入院料がこの4月から新設をされてスタートをいたします。ところが、やはりこういうことをやりたいと思っても、なかなか施設基準等も含めてハードルが高くて、多くの病院がそれをやろうという気持ちはあっても、そこにスッと入っていけないようなことも現実的にはあったりするわけですよね。それは、ある程度致し方ない部分もあるのだろうとは思いますが、この際、これまでの検討会等での議論は、結論としては方向性はほぼ示されていて、それをどのように具体化をするのかを、この分科会の中でも議論をしていくべきではないかと思っております。
 前回の検討会での病院の構造改革の部分についても、今、先生がおっしゃったように、やはり介護保険の対象とするような施設のようなものであるとか、あるいは老人の施設的なものとして利用できるようなことも必要ではないかというご発言だったのだと思います。この辺りも、なかなかいろいろなお考えの方々がたくさんいらっしゃる中で、果たしてどのように具体化、あるいは検討できるのかは、本当に難しい部分があるのだなというのが、今の率直な感覚として、先生のご発言をお聞きしていたというのが、私の今の偽らざる心境です。
○樋口座長 今のことに追加ですか。短くお願いいたします。
○松本構成員 正に、診療報酬上で政策誘導するというのは、役所が考えることで、我々がそれを提言するというのは、中医協の委員として私はとてもそれを追認することはできないですね。やはり、それは本来違う話ではないかなと。それならば、もう少し診療に当たる医師が考えるべきことであって、お金を付けてあげるからこのようにしたらどうだという、正に餌で釣るようなことは私は賛同しかねます。
○広田構成員 中医協と言われても分からないです。国民に対して言って下さい。
中医協とは何ですか。言ってください、中医協。国民に対して。
○松本構成員 診療報酬を決めている審議会、協議会です。
○広田構成員 あなたが、そこの先生なのですか。
○松本構成員 委員です。
○広田構成員 委員なのですか。来ていただいて、ちょうどよかったです。そこが分かっていただかなければ、厚生労働省もにっちもさっちも行かない。2人とも言い方が下手ですね。診療報酬で患者を誘導するなんて、失礼な話です。国民に分かりやすいのは、診療報酬が安いということですよ。松本さんは医者なのですか。
○松本構成員 そうです。
○広田構成員 お医者さんですね。そうしたら、精神科の医療が安いということはご存じですか。
○松本構成員 私は専門ではないので、よく分かりません。
○広田構成員 よかった。じゃあ、ここに来たかいがあった。安い。そこは、勉強してください、松本医師。それで、医者同士がこうやってもめていると、はっきりいって疲れます。日精協と伊澤さんたち地域派がもめているのも疲れる、私は厚生労働省に1992年から来ていて、2000年に公衆衛生審議会精神保健福祉部会の参考人に依頼されて、「誰か紹介してください」ということで、仲間の山本美雪さんと小林信子さんという人を紹介しました。2001年6月8日には、大阪池田小学校の痛ましい事件が起きて、マスコミが殺到。「厚生省の時代から精神障害者を委員に入れたいと思ったけど、誰を入れても医者や関係者に潰されてしまう。」と関係者。2001年12月19日から私は社保審臨時委員に入ったら正にそのとおり、この有様。ということで、誰も入れられなかったんですね。
 「広田和子さんなら」と関係者。昨日も「6期目の社会保障審議会に広田和子さんしかいない」ということで、厚生労働省挙げて、古い人から新しい人も、私は能力も学力もありませんけれど、社会体験と自分がこの国の精神医療の被害者ということ。そして、去年の1月に東北地方から戻って、私を待ってくれている彼の愛。「何があっても俺が守る、元気なら俺は待ってる」と。待ってくれている時間が長過ぎますので、彼と暮らして、より幸せなところから、これからは当たり前の国民の幸せな生活ぶりを発言をしていこうと思っていたところ、松本さんというすい星のような、中医協をやっているというおじさんが来た、よかったと思います。それで、ここは松本さんの、勉強の場でもあります。皆さん、知らないことを学んでいただきたいということで、ドンパチと率直な本音でいきたいと思います。
 伊澤さん見えているけど、申し訳ない、あちこちで発言していますが、警察と救急もこの10年間とても迷惑しています。いろいろな相談機関ができればできるほど、後始末で忙しい、話を聞いてうまく受け止めていないから、ややこしくして、警察や救急が行ったときに「話を聞いてくれなかったほうがよかった」。引っかき回しているだけだから。「我々が行って丁寧に話を聞いたら解決しました」、110番も119番も、警察に掛かってくる電話も全国的に伺っています。
 私は、17年間神奈川県警の現場に張り付いて、夜中の2時まで10年、含めて16年以上地元署に行っていました。「あの人たちは私の話も受け止められないぐらいだから」と、業界界関係者から電話受けてもいました。「厚労省の人事までかんでいるカドヤさん」に代わってオオトモマサルさんという人がとても力のある政治家と勉強会か何か開いて、厚生労働省の施策を動かしているような勢いを、先日の勉強会で感じましたが、そういうやり方はやめたほうがいいと思います。今の時勢なのに関わる双方脇が甘いと感じました。
 私は、やたら「広田和子さん、議員になって」「○○になったほうがいいですよ」と言われるけれど、精神医療の被害者として自分の幸せを肌で感じながら、今もこの瞬間、精神科の病院に、松本医師、社会的入院の患者が「10万」とも「20万」とも入院しているわけですよ。その人たちは、国内の拉致被害者だから、一にその人たちが安心して暮らせる住宅。
 そして、このたたく日本のマスコミ報道がなくなって、そっと見守れる優しい環境があって、現在私は彼と暮らす引っ越し直前で冷蔵庫も使用せず、社会的入院の仲間がどうやったら暮らしやすいかということで、100円ショップとかスーパーマーケットへ行って、その日暮らしをしています。「レシピを書いたら」って神奈川県の職員が言っている。
 田原さんもこの検討会を立ち上げた、精神科病院に泊まり込みに行かなきゃ駄目なのよ。「広田さんしかいない、」と言われても、困ります。力もなきゃ、発言力だけはあるけれど。たたかれてもへこたれないというのは、団体背負ってないのと精神医療の被害者だから、仲間と共有共感していると捉えていますので。
 精神科の被害者になった私が駆け込み寺をやったりして、長野先生、河崎先生、山崎先生、中島先生、佐伯先生、杉山先生、岩成先生、PSWの鈴木君、根本さん、教官の伊東さん、石川さん、関係者根本さん、他おひとり、広田和子の活動ができなくなっても生存権ということで、家賃の部分今年度、会費1万2,000円負担してくださっている。これまで5年間を入れて皆様からのお金の残りを、彼と暮らすと生活保護制度を廃止するから寄付という、今日的社会のいい話。今回こそここもきちんと抜本的に、この瞬間もピザもたこ焼きもソフトクリームも食べることのできない、生活保護でパチンコが問題になっているけれど、パチンコ屋にも行ったこともないような社会的入院の仲間を解放しないで、ここで相談支援、そんな話ばかりやっていないで、まず社会的入院の仲間が安心して暮らせる環境の住宅、ホームヘルパー等。
 そして、必要量、必要数どちらでもいいけれど、ベッドを削減して、特例がどうしたとかじゃなく、マンパワーをきちんと付けて、診療報酬が退院の誘導に結果としてはなるけれど、当たり前のお金に値上げすべきです。4点セットを今回やらないで、いつやるの。塩崎さん、昨日も行った先のテレビでちょこっと見たけど元気そうでした。塩崎さんと安倍ちゃんなら、国会で頭下げて、「社会的入院の皆さん申し訳ありませんでした、国民の皆さんよろしくお願いします」とやってくれそうじゃないというような気がします。抜本的なところをやって、アウトリーチがどうだとかそんなのは、申し訳ないけれど専門家のハローワークがたくさんありますから、「アウトリーチが行って依存させるから外に出られなくなる」という例もたくさんある、枝葉の話よりも4点セットの根幹と、この国の現在の環境のありようですよ。
 マスコミに住民にもたたかれて神奈川警察のお巡りさんたち泣きながらやめていったけど、東日本大震災であれだけ大活躍してくれた在日米軍「ロナルド・レーガン」の乗組員日本人の奥さんたちと、カウントダウンの後の元旦に横須賀の公園で出会ったら、「日本の町中で暮らせない」、そんなことアメリカ国民が知ったらどうなのかというぐらい、おかしな日本列島このまま退院したって潰されるか自殺に追い込むくらいぐらい、日本の環境、それからここでできる4点セットを率直に分かりやすく国民に向かって、中医協って何と委員の私が聞くぐらいだから、皆さん、中学生が聞いても分かるように、何が幸せか。住む所があって、食事が美味しくて、よく眠れて、そして周りで干渉しないで、「あなたはあなたの生き方でいいのよ」と言えれば、それで多くの人は自分の可能性を開花する。僅か28年前注射の副作用で生き地獄を体験して、22時間毎日よだれを流して歩き回って、「死にたいのよ」と言っても死ぬ力もなかった私が、リカバリーって、ここでこんなに発言することを信じた人は1人もいません。
 神奈川県精神保健福祉センターだって、傷ましい池田小学校、事件後の法務省との合同検討会の参考人を潰したんですよ。それが業界ですよ。業界の内なる偏見と固定観念、それから余計なことをするPSWとか、偏見を持っている家族。そこが変わらないで、ゴチョゴチョ枝葉の話ばかり、国民が何のために税金使っていつも同じこと。分からないですよ、この議事録読んだって。是非分かりやすく、小異を捨てて大同に立って、ある人が言っていました。傍聴している記者が。
 「結局、全て団体の思惑で発言している」。だから、団体ではなくて、団体である以前に1人の国民として自分が社会的入院の立場だったらどうなのか、厚労省だったら、どこまで動けるのか。自分が何だったということで、全方位に立って視野を広く持ってやっていきたい。松本委員には是非お勉強していただきたいと思います。皆さん、今日こそ本音で率直にお話したほうがいいと思います。

○樋口座長 今の関連ですか。短かく、簡潔にお願いいたします。
○近森構成員 私は団体の代表でもありませんので、国民の1人としてお話いたします。私の言いたいことは、結局医療は必要度が高いと、医療保険に対応して医療必要度が低いか無い場合は、介護保険か福祉財源で対応するというメリハリを利かせてほしいということです。そして、診療報酬は当然事務局の役割になりますし、例えば急性期で1、2か月で治していって、そして3か月以上の慢性期になってくると、医療必要度の高い慢性の患者さんを入れていくという入院制限をして、病床を削減していくというシステムを作るのが、私はこの分科会の役割だと思います。それを、診療報酬で事務局がサポートしていただきたいということですので、よろしくお願いいたします。
○伊澤構成員 河崎構成員と私が所属している団体が、何かガチンコのような構図でというお話があったのですが、日本精神科病院協会と地域サイドのぶつかり合いが出ているような話として聞こえますが、決してそういうことではなくて、精神科医療の適正化というお話がたくさん出ていますが、同時にやはり地域生活支援の適正化も求めていくところが、とても大事だと思っております。ですから、予算の配分の関係などでも議論として出させていただいておりますが、そこはやはり大きく視改めていくという必要性を痛切に感じております。ですから、対立の構図ではなくて、一緒に手を組むに当たってのバランスや均衡の問題を、適正化という名の下に進めていくことがとても大事だと思っております。
 それから、本日頂いた資料の中で、先ほど診療報酬上の評価でいろいろと政策誘導が始まりましたが、実態として非常に気になっているのが、資料の34枚目、「630調査」のところです。この図は、よく見ると右下は平成25年の630ですが、退院した1年以上の入院者の方が4万6,000人という数字があります。内訳などを少し精査してみますと、亡くなって退院している方が1万人を超えていて、これは地域支援体制の弱さを物語る意味でも実に大きな問題ですが、さらに2万人近い方が要するに他院に転院という形での退院だったりもするわけですよ。そうすると、先ほど構成員の方もおっしゃいましたが、診療報酬上の評価に拠って人の移動が行われ、退院とは言えない実態を生んでいる。そういう意味では、診療報酬が非常に大きな影を落としていたりもするわけで、抜本的な見直しをしていかないと、こういう構造はなくなっていかないということを強く感じています。つまり、退院と称していても実質的な退院になっていないというところが、非常に大きな問題ではないかと思っております。
 3つ目に申し上げたいのは、今日の資料にもありますが、3か年かけて重度かつ慢性の研究が進んでいるということで、今年結論が出るのでしょうか。言うならば、このラベルを貼られてしまった方は、つまり退院とか地域移行から外れてしまうということが絶対にないようにしなければいけないと、強く念じています。そういう期待を持っての結論の導き出しを強く求めていきたいと思っております。
○広田構成員 パチンコの話は、パチンコにも行ったこともない国内の拉致被害者と私が発言してきた社会的入院者、日精協とかあなたの所がパチンコという捉え方が、業界人以外もいう「受け止め方が違っている」ということです。
○伊澤構成員 すみません、パチンコではなくて、カチンコです。
○広田構成員 パチンコと聞こえたのですよ。カチンコって何。ちょっとよく分からない。
○荻原構成員 作業療法士協会の荻原です。今、手元に平成10年の精神病床のあり方に関する検討会の議事録と報告書があります。それを読むと、改めてこの分科会がどう進むのかという重要なところにきているのだろうと、個人的にも思っております。このまま議論が詰められず、具体的な方法がもし1つも出せなければ、誰が悪いということよりも、私自身がかなり自己嫌悪に陥るのだろうという感じがします。というのは、平成10年にも、例えば当時の言葉ですが、医療計画のみならず、障害者プランと密接な関わりをつけろときちんと書いてあるわけですし、地域の中で精神医療というのは重要な役割があるのだということも書いてあります。それが、どのような形にこの18年間ぐらいなってきたのかと。確かに変化はしてきていると思うのですが、いよいよ高齢者対応などを含めて、地域包括ケアを含めて、精神科、あるいは精神医療の役割というのは、本当に地域の中でどのような役割が果たせるかというようなことが重要になってくるのだろうと思います。
 私自身は、栃木県北のほうでいろいろな関わりをさせていただいておりますが、地域の人たち、市町村もそうなのですが、いろいろなものが上から下りてきて、その対応に苦慮しながらも、やはり住民と一緒に何かしなければいけないという形で動いております。市町村の自立支援協議会もそうですね。当然、障害者計画、障害福祉計画、介護保険の事業計画も全部改めてどのように市町村としてやっていくか。それを、例えば地域の自立支援協議会の中で共有しようということがたくさん動いている所はあるのだろうと思います。そこを踏まえた上で、この検討会でどうできるかと。
 例えば、先ほどお二人の構成員から出ましたが、要は医療と医療以外のバランスを取ることであると思います。思い出したのですが、数年前、確か九州のほうだったのですが、社会福祉協議会の場所を通院の方に開放し、全て自分たちでやってほしいと。例えば、火を出すなとか、そういう具体的な生活のことですよね。他を排斥するようなことはしないでほしいということで、ある部屋を提供し、自分たちで自己管理をしてもらったら、精神科のデイケアの医療費が落ちたと。それはどういうことかというと、その方々は医療行為を提供される精神科デイケアに行く必要がないと、そういう方々が地域の中でたくさんいるということですので、その点の検討が私自身が今回参画させていただいてどこまでできるかと思っております。幾つか上がっている中の目安を明確にしていったほうがいいのだろうなと思います。
○樋口座長 今のご発言を踏まえたことと、時間的なことも考えまして、2番目の精神障害者を地域で支える医療のあり方の議論を進めていきます。もちろん、1で残っている議論も結構ですが、少し意識していただければと思います。
○長野構成員 先ほどから話が出ているのですが、精神病床の機能分化という点では、精神科病院側から見た機能分化の議論はある程度尽くされていると思っております。重度、慢性の基準は一部残っておりますが、ある程度の結論は出ていると思うのです。ただ、今回とても大事なのは、その結論を見て、私の身の周りで申し訳ないのですが、知っているだけで10病院近くが急性期は生き残るのだということで、建物の建て替えや保護室の増設という莫大な投資が始まっています。余りにここ数年間では急激な動きだと思って驚いております。
 今回、地域医療構想の中に是非一緒の視点で考えるべきなのは、今回始めて病院側から患者さんに来てもらうためにどうするかではなくて、コミュニティーとしてこれぐらいの機能が必要だから整備しましょうという視点が地域医療構想であって、その必要量、必要数をある程度トップダウンで精神科のほうも示していかないと、この莫大な投資をした精神科病院が結果として成り行かなくなって潰れて資金がなくなっていくことになりかねない事態に、ここ数年間なっているような気がするのですね。
 今回、病院側から考えて、医療側から考えてどう分化するべきかという視点と、地域としてどれぐらい整備すべきかという視点をきちんと提示しないと、30年改正のときに大きく方向転換したときになくなってしまう精神科病院が出てしまうのではないかという心配をしています。方向性が出て、診療報酬で表現されているのが急性期医療だけと言っても過言ではないと思いますので、地域側の財源がどこに重点を置かれるかということも方針、文章でしっかり示されることと、財源で示されることは、現実的には不可欠なのかなと思います。
○伊藤構成員 医療政策管理学の観点から3点お話をさせてください。1つは、医療資源の地域偏在で、都市部と非都市部では随分状況が違うということです。例えば、関東圏と関西圏の人口を合わせると、日本の人口の半分ぐらいになります。この地域では多様な医療資源が豊富にあり、また競争も激しいといえます。一方、残りの地域の一部には、医療資源やほかの社会資源が少なく、そこで何とかやっているという地域も多くあります。都市部と非都市部における地域精神保健のモデルは、少なくとも分けて考えていく必要があるのではないかという点です。
 2つ目は、医療計画や地域包括ケアの考え方からすると、精神保健医療福祉のあり方の考える場合に、圏域に関する意識が薄いと感じることです。この地域で何が起きているかを測ること、ある程度圏域のことを意識しながらそれぞれの地域での地域精神保健医療福祉のあり方を考えていく必要があるのではないか考えます。
 3点目は、私の認識と理解をこの場でお伝えして、もし齟齬があれば事務局から後日教えていただきたいことです。今回ご説明いただいた15ページに「良質でかつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」があります。国際的には、中長期的な政策、政策を具体化した法律、そしてさらに具体的な個別のプログラムに分けることが一般的です。日本の精神保健医療福祉政策では、中長期的政策としての精神保健医療福祉の改革ビジョンが平成26年で一区切りがつきました。今回の指針は、このビジョンの後継と理解しておりました。この考えでよろしいでしょうか。また、今回の検討会のゴールは、恐らくこの指針を改定する機会とも考えていました。以上に認識で間違いないか、しかるべき時期にご指示いただけると有り難いです。
○樋口座長 引き続き、2番目を中心にご意見を頂きたいと思います。
○田川構成員 診療所協会の田川です。地域のこれからなのですが、アウトリーチ事業の結果も今日一部出しておられるのですが、結構入院が多いのですね。継続中も多くて、うまく医療機関につながったところがとても少ないというのが、結果を読んだ印象です。前からもお話していますけれども、地域で我々が患者さんを診ていくときに、例えばアウトリーチするにしてもそこから後のこと、そこから医療にどうつながっていくのかというようなことを意識しながらやっているわけです。つまりアウトリーチは何か特別なものではなくて、一貫した治療の中での一つのツールといいますか、それが必要なときにしていくということ。また、決して患者さんは、自分の家まで来てほしくないという気持ちは強いと、私は思っているので、そういうこともしっかり加味しながらやっているわけです。
 訪問看護にしても、アウトリーチにしてもデイケアにしても、全体的な外来治療の一貫の中の1つのツールとして位置付けられていると。その治療につながっていかなくてはいけないのだということを、考えながらしていかないとうまくいかないだろうと思っています。今、診療報酬的なこともあるのですが、我々診療所からすると、重い方を地域でどんどん診られなくされてきている、余裕がなくなっています。少なくても重い方を支えていきたいという、やる気のあるところがしっかり力を発揮できるような仕組みを、まずベースに作り、その上にいろいろなツールをつくっていくことが必要なのではないかと。外来PSWが必要だと、それを介して連携ができると言っているのもそのような意味合いです。
 もう1点、重度かつ慢性の問題に関して、大体結論が出てまとめの文章もざっと目を通したのですが、「重度かつ慢性」に該当する方は何人も地域におられるのです。私も何人か診ています。そういう方はどうなのか、ということになってくると思うのですが、地域で重度かつ慢性に該当する方がどういう生活をされて、どういう支援を受けているのかを、きちんと調査していただきたいというのが1点。
 もう1つは、クロザピンの問題と修正型のECTの問題というのが、そこからは抜けている。その辺の問題も含めてやらなければいけないのですが、今、地域で、例えばうちの診療所でクロザピンは使えません。血液内科との強い連携をもたないといけないというところがあって、もちろんそれは必要だと思うのですが、今回の検討会には医療計画の問題も入っていますけれども、医療計画には是非地域の医療機関がクロザピンを使えるような仕組みを、特に公的病院が責任を持ってかなりの部分を担うという内容を医療計画に是非書いていただきたい。そうすれば地域でクロザピンが使えるようになりますから、地域の精神科医療の力はその分少しは上がるだろうと思っています。
○樋口座長 ほかにはいかがでしょうか。
○河崎構成員 日精協の河崎です。先ほど伊藤弘人構成員から医療計画での医療圏をどのように考えていくのかというお話がありました。これは精神領域の医療圏設定については今のところは全県1区の形で、他の一般病床とか、あるいは療養病床とは違うところです。これは今、地域偏在というのは、これまでの歴史の中であるということの状況をしっかりと踏まえながら議論をしていかないといけないのかなというのが1点あるのですが、ちょっと考え方を変えてみますと、地域の中で支えていくというようなシステムをどう考えていくのかについて、これは案外精神科医療というのは精神病院が中心では当然ないわけですので、他の診療所の先生方とか、あるいは精神科医療に携わるいろいろな職種が1つの県の中の、ある医療圏を設定したとしたら、その中でどのように構築が可能なのかというようなことの検討もやはりこれから必要なのかもしれないなと思います。医療圏イコール病床がどれぐらいそこに必要なのか、ということにこれまでの議論でかなりそこに集約されてしまっていて、地域の中で支えていくという観点でいくと、そういう地域の中にある様々な社会資源を、ある程度の圏域単位でその設定が可能なのか、もし可能だとすればどういう機能がそこに持つべきなのか、というような議論がこれからは必要なのでしょうというのが今の思いです。
○籠本委員 田川先生からのお話があるかなと思ったのですが、なかったのですが。就労の話で、今までの議論と少し違いますけれど。田川先生は就労支援のためにいろいろ努力しておられて、全国的にもそういう動きをされている事業所もたくさんありますし、我々臨床で見ていると、広田さんがおっしゃいましたように普通に暮らしたいのと働きたいのがあるのですね。これを支えるシステムはきちんとしないといけません。生活保護受給者が、うちの病院だけかもしれませんけれども、ものすごく多いのです。障害年金と合わせて生活保護を受給せざるを得ないという方もいますが。障害者雇用の法定雇用率のルールがあって、どれぐらいの企業は何%以上雇用しなければいけないとか、そのような政策的なことも含めて精神障害者の就労支援を確実に進めていただきたいです。
 我々の精神科医療も、支えるサポートもそうですけれど、アウトカムをはっきりさせないといけない。リカバリーとかいいますが、要するに普通に近い生活ができる人をいろいろなサポートする中で、どういう形でその回復者を増やせるかということです。精神科病床に入院する人が何人で、重度が何人で、外来等の比率とか、それはもちろん基本的な数字で大事なのですけれども。精神保健医療福祉施策でこれまでいろいろなメニューが出てきているし、多様な精神疾患に対するようなアプローチについても、その目出しはいろいろできているので、それはこれから着実に、財源の問題もありますけれどもやっていく必要がある。
 それはやらなければいけないけれど、その結果どうなるのかということをもう少しトータルで、モニターしていって、例えば生活保護受給者が就労できたとか、障害年金を受けていたけれど、障害年金を受けなくて済むようになりましたよと。それが実際に本人の努力と周囲のサポートで、どれだけその数が、率が変わったのかを、モニターする必要があると思います。
 総がかりでみんないろいろサポートする体制をつくっていますけれども、結果としてそれがよかったのかどうか。ファクターは伊藤先生とか賢い先生が分析されたらいいと思うのですが、そういうアウトカムをモニターして、その変遷を見ていかないと、我々がやっていることは本当にみんなの幸せにつながっているのかということが判断できない。そういうアウトカムが改善し続けていくためには何をしていけばいいのかを具体的に検討して実行していかなければならない。私も30何年精神科医やってきていますけれど、この頃つくづくそのように思っています。
○樋口座長 ほかにいかがですか。
○佐竹構成員 総合病院精神医学会の佐竹です。アウトリーチとデイケア、訪問看護について少しお話したいと思います。私自身もアウトリーチを何年かやっていて、田川構成員がお話されたように、必要な人と必要でない人がいらっしゃる。なんだけれど、今はアウトリーチが非常に流行で、どんどん広がっていて、対象が段々とどういう人が対象なのかもぼやけてきていて、実際に本当にアウトリーチが必要な、常に必要な人と、ときによって必要な人といろいろな方がいらっしゃる中で、今の診療報酬の中でそれを展開していくに、訪問看護でずっと見続ける形になってしまう。だからフレキシビリティーが非常にないような状態になっていると思うのです。
 実際にはデイケアもそうですし、もともとリハビリテーションのパーツというかツールが非常に少ないところで取れる診療報酬を組み合わせながら地域支援を考えていったために、抱き合わせをしないと使えないようなサービス体系になったり、段々あとは福祉のサービスとオーバーラップをしていって、本当にこれが医療で必要なものなのか、福祉でちゃんとできるものなのかというような見直しをそろそろする時期なのかと考えています。
 本当に医療的なサービスが必要な、デイケアであれば例えばプログラム単位で、何か月間のプログラムで、疾患教育であったりとか、ご本人が地域の生活で必要なスキルを付けるためのプログラムを展開するということを重視していくことがむしろ必要なのかなと。日常生活のリズムをつくったりということは、もう福祉に分割をしていっていいような状況になってきているのか。近森委員がおっしゃったように、病棟が福祉と医療と分けていくように、地域支援に関してももう少しその辺の見直しをしていくべきかと思っています。
 あとアウトリーチに関しては、サービスに現在つながっている人とつながっていない人のアウトリーチの両方あるので、つながっていない人に関しては、私自身はもう一回保健所の機能をどうしていくか。保健所、いわゆる行政がどう絡んでいくかを考えていかなければいけないのではないかと思っています。保健所がどんどん小さくなって、単位が小さくなっていって、以前であれば保健所からの訪問で、ねばり強く関係性をつくっていくというところがしにくいイ地域がとても増えてきている、その辺りをもう一度見直さないと、恐らくアウトリーチというのは、段々膨れ上がっていくけれど、本当に必要なところには行えないサービスになるのではないかなと思って、その点を懸念しています。
○樋口座長 ほかにいかがでしょうか。
○長野構成員 先ほどの件に関して、アウトリーチとか、ただただ出ていくのがどんどん広がるのは反対です。ちょっと心配をするのは、これは福祉だから医療は駄目で、福祉ねとか、その区分けがいき過ぎると、本当にいろいろ工夫してやっている所がどんどんすぐ壊滅をしていきます。大事なのは今回の実践事例にもあったと思いますが、そのサービスがケアマネジメントで統合されていることだと思っていて、相談支援との関係で、ケアマネジメントをきちんと、医療はこれぐらい必要だと、ご本人に、10必要なうちの1は医療で3は福祉で、6は地域生活の中で得てというようなそういうケアマネジメントがきちんと回らないとうまくいかないので、余り、医療ではなくて福祉とか、そうではなくてという議論をちょっと先行させ過ぎると、実際の生活は崩壊してしまうかと思います。
○荻原構成員 私もそのように思っておりまして、ただ1つ、ただというのは反論という意味ではなくて、河崎構成員から出てきた病床あるいは医療機関だけのことではなくて、その地域の中にある社会資源を使って、双方がやり取りをした状況の中で、本当に必要なのはどれぐらいなのかというようなことを動かしていこうとしないと、例えば介護保険の状況を見ると、もう事業所の死活問題で動いているので、ひょっとするとサービスが低下しているのではないかというような側面も出ているわけです。ですから、医療も含めて福祉も含めてそれをつなげていく中の、この地域のサービスがどれぐらい必要なのだろうかと。最適量というのはなかなか出てこないと思いますけれども、そういう発想で計画を立てないと、勢い、すぐそこら中が壁にぶち当たってしまうのではないかという感じがします。
○広田構成員 足りなくなるということ。
○荻原構成員 いや、足りなくなるというよりも、多過ぎたり、足りなかったりという。そこら辺を長野構成員がおっしゃられたように、医療か福祉かというようなどちらかにすると、もう地面に降りた地域での支援というのはできなくなってしまうだろうという気がしますので、ここでそういう計画の基準とか目安とか考え方が示されるだけでも違うのではないかと。先ほどもお伝えしました平成10年の所には、「より地域に密着した圏域の設定を」と、ちゃんと書いていますので、それをしっかりやっていけるかということで、河崎構成員の考え方というのは是非ここで少し具体化していただくといいのではないかと思っています。
○河崎構成員 ただ、そういう検討をやっていく際に、実は今回のこの分科会でもそうですが、一応精神障害者を地域で支える医療のあり方という切り口にならざるを得ないのですよね。いわゆる障害福祉とかその辺りについては、障害者部会のほうで、今回障害者総合支援法の3年後の見直しの検討をずっとやってきたわけですが、その辺りを統合的にある程度インテグレート、1つにまとめて提案をするということが、なかなか国のいろいろな検討会などを見ると難しいなとは現実に思います。ただ、今、荻原構成員がおっしゃったように、この分科会として地域の中で精神障害者の方を支えていくためには、医療、あるいは福祉、更には介護等も含めて、このようなことが必要ではないかという1つのモデル的な提案をすることは十分意義があるのではないかとは思います。
○伊澤構成員 皆さんのお話を伺っていて、本当に頷くことが多いのですが、要するにエリアなりコミュニティーの実情に即した必要量の割り出しという論点が非常に大事だと思っております。同時に、やはり質を問うていくような視点も併せて持たないといけないかなと強く思っています。例えば、デイケアなどに関しても、昨日の東京新聞にも出ておりましたが、この4月からの診療報酬の改定によって、1年を超える週5日通っていた人たちは、ある一定の水準を満たさないと3日に減らされると。余った2日間は、障害者サービスにほうに行きなさいという誘導がなされるというようなことが行われるようなのですね。これは、一律に行っていいのかなと思うのですね。地域の実情というのであれば、その方のニーズ、あるいは最近はウィッシュという言葉も非常に強く出されているのですが、希望、望みを叶えていくような場面にも、デイケアがある意味では担っていたりもするので、その辺りも評価をしながら進めていくべきではないかと。一律にやってはいけないだろうと思います。
 そう言いながら、一方でデイケアは例えば送迎体制をしっかり万全に作って、通わないとそれこそ生活保護の保護費を見直すよみたいなこともある種言われながら通っていらっしゃる方も実はいたりして、そういうデイケアのあり方はどうなのだろうと思ったりもします。ですから、質を問う、中身をしっかり検証するという視点も欠かしてはならないと思います。
 別の要素で各論なのですが質の問題として、訪問看護ステーションの関係者に話を聞いたら、病院が行う訪問看護は実は精神保健福祉士の動きも評価されているのですが、地域の訪問看護ステーションには精神保健福祉士の動きというのは評価の対象になっていないと。この格差みたいなところはどうなのだろうなという辺りですよね。聞いたところ、やはり地域移行をされた方が長らく地域で生活をしていく上で、高齢化に伴って身体症状やバイタル面でのいろいろな対応も必要になってくると。そうすると、訪問看護はもちろん看護の深度は深めなければならないのですが、同時にいろいろな介護のサービスを取り付けたり、今ある制度をしっかりと引き寄せながら、制度利用してその方の生活を支えていくという視点から、やはり地域の活動においても精神保健福祉士の配置は必要ではないかと言われているので、そういったところも見ていかなければいけないと思うので、質も重要な視点として置いていかなければならないと思います。○広田構成員 社会的入院の仲間。そして今生まれている患者、ここにいる私も当然ですが、皆さんよりも学力も社会体験歴も職歴も豊富な人たちがいます、医療も福祉も対応できないぐらいの状態。それが1点。誰にも向き合える人間としてもということも求められます。
 それから、先ほど「生活保護が増えている」とのことですが、かつて生活保護にお連れする人は、「共産党や公明党の人が多かった」らしいですが、「最近は弁護士も余っている」、自殺未遂者が出るとある県では「ベッドサイド傾聴」といって、「司法書士の会に病院から電話が掛かってきて、かけつけて、経済、仕事がない、お金がない、」とか言うと、「生活保護に案内している」とか。「生活保護にお連れする人たちが増えてきた」ということで、「国民自ら生活保護に」行っている数が増えているようではない。
 皆さんの話を伺っていると、医療か福祉かの選択だけど、私が横浜伊勢佐木町通りのシルバー割引き、100円で30分ソフトクリームとかウーロン茶を飲み放題のカラオケで、「うみゆかば」を歌って、……皆さんの犠牲の上に成り立った現在の平和です。そして、機動隊のうた、「この世を花にするために」を歌って、「全国都道府県警の皆さん、救急隊、消防、海上保安庁、自衛隊、米軍さん、ありがとうございます。生命大事に」と語りかけたり、踊って楽しく心身の健康、維持しています。日本のマスコミ報道は家に持ち込まず、月に何回か図書館で全国の新聞を読みワシントンポスト、ニューヨークタイムス含めて世界のものも写真と固有名詞ぐらいみています。ラジオは米軍放送だけでディスコ踊り、お風呂入っても上半身ディスコ。情報過多なのですね、今の時代は。しかも何が真実かわからない。情報が入り過ぎず、こういう所に来て中医協のことを質問しているというぐらい、そういうことが健康な広田和子を保っています。財政難でもあり医療、福祉プラス一般商業ベースの利用で本人らしく生活できるかということを念頭における時代にやっと突入しましたね。皆さんの生活の中でゴルフの打ちっ放しも行けば、パチンコお金を遣いすぎずに楽しんだり、飲みに行ったり、レストランで食事したり、恋愛したり、そういう当たり前の生活ということです。
 それから、先ほどたたかれるのは医者と関係者という話をしましたが、1月23日に日弁連さんで代弁者か何かのシンポジウムがあるということで、広田和子さん来てくださいとお便りが来ました。かつて生活困窮者の部会委員のときも、全国の弁護士会から要望書が来ていました。山本美雪さんと加藤真由子さん二人の仲間たちを中央で応援して終えると、「広田和子さんですね、」「ええ」、「是非懇親会においでいただきたい」というから飯野ビルの地下に伺った。そうしたら、弁護士のインタビュー。ある人は「広田さんの発言は官僚の彼が発言させているのですか。」「いいご質問ね」
 「そのように思われるから私たちは会えないで、電話も手紙もやり取りせず伝言で、」この場合は本人インタビューですが、多くの場合は本人不在のワイドショウー的な日本人が多すぎて、人間としての質というか、モラルというか高まらないと。日弁連の人たち「いいです」と言って下さったけど、「いいえ、1000円は支払わせていただきます。生保と年金ですが、国の委員として、お便り頂き来ましたので、応能負担します」と笑顔で千円札渡すと「わかりました、ありがとうございます」と気持ちよく。田川さん、前回も言ったかもしれないけれど、かつては職親さんとか。今は特例子会社等の人に言われます、「いわゆる社会資源の福祉職員のサポートが多い」伊澤さんの質というのは人間的な質と力量ということと、福祉従事者が会社で勤まるのかという点検が必要、1年間に1.2週間ぐらい民間企業にアルバイトに行く。そういう役に立つ研修の時間を設けたほうがいいと思いますよ、業界専門家の話よりも。相談活動をやっていた時の仲間からの「社会を知らないでやたら騒いでいるのがソーシャルワーカー」、「社会を知らないでソーシャルワーカーって何なのですか」という相談がナンバーワン。今日のこの話を聞いていて、松本さんもおいでになったし、いい話が続いていきそうな本音が出てきたから。ということで、とてもよかったです。カゴちゃんもね、みんな。
○樋口座長 それでは、時間もほぼ30分を経過しておりまして、まだもちろん2番目を継続していただく発言も結構なのですが、3番目の多様な精神疾患等対応できる医療体制の在り方も含めて、残りの時間、ご発言を頂きたいと思います。いかがでしょうか。
○広田構成員 精神障害者は自分が自覚をして薬を飲んだり、りちぎに生活している人が多いじゃないですか。だけど、「あそこの店の人は実は発達障害で引っかき回している」とか、「認知症の人がしょっちゅう警察にも相談に行って迷惑をかけている」とか、高齢化で「119番もものすごく増えている」そうです、PSW等より警察官の増員が必要ですが、救急救命士も増員しなければという日本列島。無自覚な人格障害、発達障害、認知症等の社会問題的なものを起こし始めている人を、国民が考える必要にせまられている時代です。
○河崎構成員 この多様な精神疾患という中に位置付けることができるのかどうかは難しいところがあるかもしれませんが、私は今回の分科会の中で、合併症の問題をどこでどのように議論していくのかがずっと気になっています。前回までの検討会の中でも、精神障害者の身体合併症については別途検討が必要であると記載されておりますし、これまでこれについては余り具体的な検討がなされていないので、総合病院の役割もそうですし、あるいは地域の中で精神疾患を持ちながら身体合併症を発症した方がどのように一般医療をうまく受けることができるのかというところまで広めて、身体合併症の問題を是非この多様な精神疾患の中で議論するのか、あるいは機能分化、若しくは地域で支える医療全てに関係すると思いますので、その辺りの議論をよろしくお願いしたいと思います。
○伊藤構成員 河崎委員のご発言に私も賛成です。精神障害者の方の身体合併もありますし、逆に高齢化が進んでいる我が国では、高齢の方が実は幅広い意味での精神疾患、これはうつ病や認知症を含むのですが、これらの精神疾患を合併するリスクがとても高くなります。精神保健医療福祉以外の保健医療福祉介護と連動していく部分がとても大事だと思います。身体合併症というのか、「精神」合併症というのかは分かりませんが、この両疾患を合併するものについてどのように考えていくか、大変大事なポイントであると思います。
○中板構成員 皆さんのご意見を伺っていて、本当に頷くことが多く、今後の議論の期待も大きくなります。私の懸念として、地域医療構想のあとに取り組まれる医療計画の中に、まだ精神医療保健がなかなか検討されにくいのではないかと思いますので、医療法に則り、他の疾病と同じように検討されて適切な医療提供がなされていくことが重要かなと思っております。その中で、今、河崎構成員もおっしゃいましたが、やはり合併症の問題、高齢化の問題、それからパーソナリティー障害等神経症圏の問題、また、生活保護を受けられている精神障害者の生活習慣病の問題など、精神疾患への対応のみならず、他の疾患との合併や、心理社会的課題にも向き合いながら療養しますので、
 医療なのか、福祉なのかというよりも、保健医療福祉、介護、生活支援や就労支援といったサービスが非常に入れこになって共同体制を取っていかないといけない話です。30年にむけた医療計画は、介護保険との絡みもありますので、生活に配慮した計画を推進して頂きたいです。今の医療圏で検討していくのが妥当なのかも含めて、考えられる資源として何があり、これからどんなことが予想され、そのギャップをどのように埋めていくかを、しっかり地域ごとに地域の実情に合わせて考えていくのが、とても求められていると思います。それを推進していくために、この検討会の中で何を打ち出せばいいのかがもう少し絞られるといいなと思いながら、伺っておりました。
○近森構成員 先ほどの河崎構成員のお話ですが、精神障害者の身体疾患にどう対応するかということで、私どもの精神科を見ておりましても、先生方が少ないですし、入院医療や外来医療ということで、非常に忙しいです。ですから、なかなか身体疾患を有する精神障害者に対応するのは時間がないということで大変だったのですが、これも機能分化と連携になります。当院の精神科は104床から60床の急性期に絞り込んで、業務量を減らさないと余分な仕事はできません。機能を絞り込んで、近森病院と統合して連携が取りやすいようにして、精神障害者の身体疾患に精神科の先生方、看護師がアプローチできるような体制を取っています。このように、機能を絞り込んでいかないと、何かを伸ばそうと思えば何かを捨てるしかないですから、機能の分化と連携という発想を精神科医療にも取り込んでいかないと、なかなか難しいのではないかと思います。
 また、最近コントロールの易しい統合失調症が減って、気分障害や発達障害、人格障害という重症で手間のかかる患者さんが増えてきました。やはり、急性期のほうは少なくとも精神科の専門看護師や、作業療法士の数を増やして、集団療法ではなく、個別対応するような体制が取れるような診療報酬に、是非お願いしたいと思っております。
○樋口座長 ほかにはいかがでしょうか。
○長野構成員 多様な精神疾患のところですが、私自身の反省も含めて、1度どこかでやらなければいけないと思っているのは、精神科病院の中でずっと入院している人とか、ずっと関わっている方の診断の見直しがいるのではないかと思っております。本当に恥ずかしながら、20年前にした診断はかなり間違えていたなと思って、支援方針も全部変えていっているところも結構あって、診断学そのものの成熟ももちろんあるのだと思いますが、今ICDでものごとが進んでいますが、実際のところ学会とも連携しながら、診断そのものを見直していかないと、本当にこの多様な疾患の対応になってくると、これまでの統合失調症モデルを中心とした考え方では、かなり間違えた政策になっていくのではないかと思うので、注意が必要かと思います。
 それから、先ほどから地域ごとの必要量のところがとても大事だと思うのですが、必要量を設定するときにとても大事なのは、変化するときは将来予想される必要よりたくさんのサービスが要るということだと思うのです。例えば、病棟中心で診ていたところが地域中心に移行する5年間、10年間に関しては、訪問看護もアウトリーチもたくさん要るだろうし、地域に技術移動ができたりご本人もよくなっていったり、地域が成熟してくると量が減ってくるので、いろいろやり尽くしたところの状態像を見て、初期の量を抑えてしまうと、実際のところは効果が出ないということになってしまうと思うので、変化する初期に関してはしっかりと量が要るということは何らかの配慮が必要かと思います。
 それから、先ほどの医療計画の地域構想のところなのですが、これはどうかと思いますが、できれば精神科の地域サポートも医療も今の地域包括ケアであったり、地域医療構想の中で合流してやっていくのだということがこの分科会である程度明確にできれば、それがまた成果になるのではないかと思います。
○広田構成員 長野先生に同感で、私は精神医療の被害者として委員を引き受けています。是非見直していただきたい。当時の医者は、「医師たちに相談していて、いろんな意見かあったけど精神分裂病だと診立て」、そして5年後に無診察で「医療過誤」の注射、出会った精神科医たちから「精神分裂病じゃない」とこの活動をはじめたころから言われていました。「誤診ですね」「ひどい話だ」等々。
 去年の四病院賀詞交歓会で、塩崎厚生労働大臣が中国と韓国の厚生大臣3人でお会いしたとき、「日本の高齢化、特に認知症が全世界一、日本の施策を注目しています」と両大臣は言っていた」とスピーチしました。交通事故、犯罪、防犯とか交通安全ですから、この検討会は予防に踏み込めるのか。予防に踏み込まないのなら、出てきた結果だけを現状では医療がいじくり回して、福祉もたいしたことない。地域は本当に「生殺しのような地域です」よ、日本全国でたたく報道だから。どこでもギスギスして、日本社会がドラスティックに変わらない限り、日本の子供は世界一やわ。
 ちょっと話が変わりますが、会社もどこも、「女性を注意できない」そうです。新聞で読んだ沖縄のレイプ騒動、どんなひどい話かと思って古い新聞を探したら、何と被害者の女性は廊下で夜寝ていた。サンフランシスコに行ったとき「夜女1人で歩くな」ってホテルのボーイ。それを、米軍兵のレイプ事件と大騒動。日本の安全保障もアジアの安全保障も、世界の安全保障も考えない日本のマスコミのどうしょうもない報道を真に受けているスマホか何かにのめり込んでいる日本国民、判断力もなくし平和ボケ、安全ボケの日本社会、ドラスティックに変わらなければいけない。同時に、今年の塩崎さんの賀詞交歓会のスピーチは、予防です。予防について、ドイツでお金を出して予防。お金を出すとかはちょっと置いておきますが、厚労省はこのジャンルも予防に踏み込むべきです。
 オレオレ詐欺だって、暇なおばさんたちがテレビを見たり電話にかじりついているから詐欺に遭う。そのお金でタクシーに乗って、温泉等に行けば。私みたいにディスコで踊ったり、カラオケで歌ったり、オレオレ詐欺にもかからない、うつにもならない、認知症にもならない、彼と社会貢献。みんな明るく前向きに生きた方がいい。そうすれば、税金を使わないで、子供たちに付けを残さないということで。
○伊藤構成員 広田構成員の予防の話に、とても賛成です。予防とは、一般的に医療を受けるまでの未受療の段階をいうことが多いのですが、それだけではなく、重症化を予防するという観点も重要と考えます。悪くなるのをできるだけ食い止めるという意味での予防は、これから慢性疾患が多く、また高齢化に伴い、複数の慢性疾患が併存するということになりますから、極めて大事だと思います。
○樋口座長 ほかにいかがでしょうか。
○河崎構成員 先程来、医療計画についてのことが幾つか出てきておりますが、これは事務局に確認したいのですが、来年度、つまりこの4月以降、医療計画の見直しに向けた指針の策定のための検討会が医政局でスタートすると聞いているのですが、その中では当然この精神疾患についての医療計画の見直しについての議論も行われるわけですよね。そうしますと、ここでの議論は8月まである程度取りまとめという流れでは聞いておりますが、医療計画全体の見直しに向けての指針の検討との関係性はどのように思えばいいのかというのがもしある程度明らかであれば、教えてください。
○鶴田課長補佐 この分科会の中で、議論を整理し、検討会を通じて取りまとめをしたいと思っているところです。医療計画の指針に関しては、間もなく立ち上がるという話を聞いているところであり、その中で精神も含めて五疾病五事業の議論が進んでいくものと認識しているところです。そういった議論の中で、この分科会・検討会で取りまとめた意見をそちらの場でも議論していただくように、しっかりと準備していくことが重要だと考えているところです。
○伯野医政局地域医療計画課精神科医療等対策室長 今、鶴田補佐から話にあったとおりです。これから、医政局でも第7次の医療計画の見直しの作業を進めていくということで、検討会を立ち上げる予定です。その中で、当然五疾病五事業、精神も含めて議論させていただきます。この検討会での議論、また取りまとめを医療計画の検討会でも併せて議論するということになるかと思います。
○河崎構成員 そういう意味では、この分科会、あるいは親会議の検討会での最終的な取りまとめは、医療計画に関してすごく大きな影響力をもつということだろうと思いますので、それを1点確認ができたのはよかったと思います。
 それから、先ほど長野構成員から、多様な精神疾患に対する対応をする際には、きちんとした診断が必要であると。本当にそのとおりだと思います。それは、当然ながら入院中の患者さんだけではなく、外来治療にもかかっている、ほぼ220万程度の受療中の方々が、本当に現状の診断ということで適切な診断がなされ、そして適切な医療が提供されているのかというようなところまで、きちんと今後はその辺りのところも吟味をしていかないといけないという意味合いで聞いていたのですが、そういうことでよろしいのでしょうか。
○樋口座長 ほかにはいかがですか。大体出尽くしましたか。
○広田構成員 先ほど、塩崎さんの話をしたけれど、その賀詞交歓会で安倍総理大臣も来て、安倍ちゃんは「1億総輝くということは、障害者も子供も高齢者も」と言っていました。そして、医者たちに「自信を持って、プライドを持って」と言っていました。皆さんプライドと自信を持ってお仕事してください。そうすれば、失敗も少なくなります。○樋口座長 もしご発言がないようでしたら、この辺りで今日の議論を終わりにいたします。よろしいですか。今日頂いた3点にわたる、それぞれ今後この検討会の中で何を取り上げ、どういう観点で議論をすべきかというところを出していただいておりますので、これから事務局でまとめていただいて、次回以降のディスカッションにまとめを提供していただけると有難いと思います。事務局からお願いいたします。
○鶴田課長補佐 次回の当分科会の開催は、4月22日(金)、10時からを予定しております。2回目においては、冒頭にも申し上げましたが、ヒアリングを予定したいと考えているところです。詳細については、改めて事務局から皆様方にご連絡いたします。
○樋口座長 では、本日はお忙しい中、長時間にわたってありがとうございました。これをもちまして、「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会第1回新たな地域精神保健医療体制のあり方検討分科会」を閉会いたします。どうもお疲れさまでした。

(了)

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