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2015年11月12日 第164回労働政策審議会雇用均等分科会

雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課

○日時

平成27年11月12日(木)9:30〜12:30


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○出席者

公益代表委員

田島分科会長、中窪委員、山川委員

労働者代表委員

井上委員、半沢委員、斗内委員、松岡委員、山中委員

使用者代表委員

中西委員、布山委員、川崎委員、渡辺委員

厚生労働省

香取雇用均等・児童家庭局長、吉本大臣官房審議官、小林雇用均等政策課長、蒔苗職業家庭両立課長、宿里短時間・在宅労働課長、高橋均等業務指導室長、中條育児・介護休業推進室長

○議題

1 労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針の一部を改正する告示案要綱について(諮問)
2 育児・介護休業制度の見直しについて

○配布資料

資料1 働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針の一部を改正する告示案要綱について(諮問)
資料2 労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針の一部を改正する告示案に関する意見の募集(パブリックコメント)に寄せられたご意見について
資料3 検討すべき論点
資料4 有期契約労働者の育児休業取得要件について
資料5 妊娠等を理由とする不利益取扱いに関する調査の概要
資料6 妊娠等を理由とする不利益取扱いについて
参考資料1 労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針の一部を改正する告示案について
参考資料2 女性活躍加速のための重点方針2015(抜粋)

○議事

○田島分科会長 ただいまから、第164回「労働政策審議会雇用均等分科会」を開催します。本日は、武石委員、権丈委員、奥宮委員、加藤委員から御欠席の御連絡を頂いております。山川委員は少し遅れて到着される御予定です。頭撮りはここまでとさせていただきますので、カメラをお持ちの方は撮影を終了してください。

 それでは議事に入ります。本日の議題は「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針の一部を改正する告示案要綱について(諮問)」です。これについては、本日、厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛てに諮問が行われました。これを受けて、当分科会において審議を行うことにしたいと思います。

 まず、事務局から資料1「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針の一部を改正する告示案要綱について(諮問)」及び資料2「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針の一部を改正する告示案に関する意見の募集(パブリックコメント)に寄せられた御意見について」に関し、説明をお願いします。

○小林雇用均等政策課長 それでは、資料1及び資料2に基づいて御説明いたします。ただいま、分科会長からお話がありましたように、本日付けで、厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛てに諮問が行われています。それが資料1です。中身については、恐縮ですが、参考資料1を御覧ください。

 参考資料1です。これは、928日の雇用均等分科会にお示しをして、その後パブリックコメントにかけた指針の一部を改正する告示案の中身です。参考資料1の改正概要の2段落目の所ですが、「募集・採用について法違反とはならない場合の事例の追加」ということで、今回の告示案の内容について書いています。男女雇用機会均等法第8条により、募集・採用について、「男性と比較して女性に有利な取扱いをすることが法違反とならない場合」として、これまで、女性労働者が男性労働者と比較して相当程度少ない「雇用管理区分」における募集又は採用というものがあったのですが、これに加えて、女性労働者が男性労働者と比較して相当程度少ない「役職」についての募集又は採用、これを定めるということです。この中身を告示案要綱にしたものが資料1です。

 資料1に戻り、裏面、別紙の所です。労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針の一部を改正する告示案の要綱です。中身は第1に書いてあります。法律の第8条に定める「雇用の分野における男女の均等な機会の確保の支障となっている事情を改善することを目的とする措置であって、同法第五条及び第六条の規定に違反することとならないもの」ということで、女性労働者が、男性労働者と比較して相当程度少ない役職についての募集又は採用に当たって、男性と比較して女性に有利な取扱いをすること、これを加えることということです。告示は公布の日から適用ということです。

 資料2です。パブリックコメントに対して寄せられた御意見を整理しています。意見数は4件です。主な意見としては、ポジティブ・アクションについては余り望ましくないと考えるという御意見や、女性優遇が行き過ぎていて、男性に対する差別になるのではないかという御意見がありました。事務局からは以上です。

○田島分科会長 ただいまの事務局の御説明について、御意見、御質問がありましたらお願いします。よろしいでしょうか。特に御発言がないようですので、当分科会としては、「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針の一部を改正する告示案要綱について」妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会会長宛てに報告することにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

                                   (異議なし)

○田島分科会長 ありがとうございます。皆様の御異議がないようですので、この旨の報告を取りまとめることとしたいと思います。これについて事務局から案文が用意されていますので、配布してください。

                                (報告文()配布)

○田島分科会長 報告文について、ただいまお手元にお配りしました案文のとおりでよろしいでしょうか。

                                   (異議なし)

○田島分科会長 ありがとうございました。それではそのようにさせていただきます。

 続いて議題2に移ります。「育児・介護休業制度の見直しについて」です。まずは資料3「検討すべき論点」のうち112ページ及び資料4について事務局から説明をお願いします。

○蒔苗職業家庭両立課長 私から資料34に基づいて御説明いたします。資料3については、これまで御議論いただいた事項について論点は大分出てきたわけですが、今後制度化の検討を我々がするに当たって、もう少し議論を深めていただきたい事項について論点を絞って用意しています。

1ページ、「介護休業制度について」です。1番として、分割取得について。分割として取得できる回数についてです。論点としては、以下のような場合に介護休業を取得するニーズがあること。このニーズというのは、以前お出しした、1週間を超えて連続して休んだ回数、3回までで89.4%、大体9割カバーということもありますので、そういうことと、あと、労務管理の負担も考慮して3回程度とすべきではないかというものです。下記に例を書いています。急性期対応、看取りの時期、あと施設間移動の時期です。

2番目、休業できる期間についてです。こちらについても、論点として、これまでの取得実績から見て、取得期間は短く、また介護サービスを使わずに一定期間自分で介護を行うと離職につながりかねず、できる限り休業ではなく働きながら介護に対応すべきであり、「できる限り休業ではなく」という部分は、この後説明しますが、選択的措置義務とか、所定外労働の免除ですとか、介護休暇の取得単位の柔軟化を、いろいろなものを組み合わせて使って対応することにより休業の分割を可能とするのであれば、休業期間は通算して93日のままとすべきではないかという論点です。

2ページ、「介護休暇制度」です。こちらについて取得単位です。前回御議論いただいて、時間単位の取得はかなり難しいという御意見が多数ありましたので、それを踏まえて論点を用意しています。1番の取得単位についてです。取得単位は、原則として所定労働時間の2分の1を義務付けることとしてはどうかと。2つ目の○として、所定労働時間が4時間以下の方については、適用除外として1日単位としてはどうかと。3つ目として、労使協定で適用除外とすることのできる労働者の範囲についてです。1つ目のポツが、当該業務の性質や業務の実施体制に照らして、介護休暇を所定労働時間の2分の1を単位として取得することが困難と認められる業務に従事する者として定められた労働者については、労使協定により対象外とすることができることとしてはどうかというものです。

2点目として、業務の性質や業務の実施体制に照らして困難な業務について、育児短時間勤務制度の場合のように例を示すこととしてはどうかと。その場合に、短時間勤務について、例示されている以下の業務以外にもあり得るか、又は、以下の業務の中で例示として適当ではない業務があるかです。下に、育介指針で規定されている育児短時間勤務制度で困難と認められる業務例を付けています。今回でも御議論を頂きますが、具体的な詳細は、また指針の議論の際に御議論いただく予定です。

3ページ、1つ目の○です。これまで独自に「半日休」の介護休暇が取れるような取組を行ってきた企業もあることから、「半日単位」の設定について、労使協定により所定労働時間の2分の1以外の「半日」とすることも可能とするべきではないかというものです。例として、現状において、半日休、午前3時間、午後5時間という運用でされている企業においては、労使協定を結ぶことにより5時間単位という取得単位も可能とするというものです。

2つ目の○です。取得できる単位を設定するに当たって、所定労働時間に端数、1時間未満の時間がある場合の処理については、切り上げることとすべきではないかというものです。

5ページは「介護のための柔軟な働き方の制度について」です。1つ目が、選択的措置義務についてです。選択的措置義務について、介護休業と合わせて93日とされている現状から、独立させて以下のような制度としてはどうかというものです。期間と回数について、1つ目のポツです。利用を申し出たときからX年間。下の参考にあるように、平均在宅介護期間33か月、あるいは介護開始から介護離職までの期間について、36か月まで3年とする方で80%をカバーするという意味を含めて、3年以上の期間として提示しています。

2つ目のポツです。このX年間の間で、少なくとも2回の申出が可能というものです。下に対象となる労働者を書いています。現行どおり、以下の労働者については労使協定により除外可能としています。1つ目が雇用された期間が1年に満たない労働者、2つ目が週所定労働日数が2日以下の者です。制度の内容としては、現行どおり、事業主は以下のいずれかの措置を講じなければならないとして1〜4までを書いています。

6ページ、措置の内容です。(1)短時間勤務制度について。事業主の負担や介護に関しては、できる限りフルタイムで働き続けることができることが望ましく、短時間勤務は労働時間が短縮される制度であることを考慮し、選択的措置義務のままとすべきではないかというものです。(2)所定外労働の免除についてです。フルタイムで働くことのできる働き方であること。働き方としてのニーズも高いこと。当該制度がある事業所において、継続就業率が高いというデータも踏まえ、単独の義務として位置付けるべきではないかというものです。

2つ目の○、単独の義務として位置付ける場合に、以下の制度としてはどうかというものです。期間については、フルタイムで働くことのできる働き方であること、働き方としてのニーズも高いことを踏まえ、一定の期間を区切るのではなくて、対象家族の介護が必要な期間とするところです。対象者の範囲等については、そこにあるように、労使協定により、1年に満たない労働者と週2日以下の者を除外できるというものです。2つ目のポツです。事業の正常な運営を妨げる場合は、事業主は請求を拒めるというものです。手続は、今、育児に入っている所定外の労働免除と同じですが、申出は1回につき1か月以上1年以内の期間、請求できる回数に制限なしというものです。

8910ページは子の看護休暇でして、こちらも、先ほど申し上げた介護休暇と同じ仕組みですので、説明を省略します。

11ページ、「有期契約労働者の育児休業取得について」です。1つ目の○です。育児休業・介護休業制度は、育児又は介護を理由として雇用関係が終了することを防ぎ、その継続を図ることを目的とする制度であるという趣旨を踏まえ、雇用の継続にかかる一定の要件が必要ではないか。

2点目の○として、現行の要件2について、分かりやすいものとする観点から、現行の要件2、3について以下のとおりとすべきではないかというものです。現行の要件2、3は、11ページの一番下にありますが、2の要件が、子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用が見込まれること。3の要件が、子が1歳に達する日から1年を経過する日までの間に労働契約期間が満了し、かつ労働契約の更新がないことが明らかである者を除くというものでして、こちらについて、今回は真ん中のポツにありますが、16か月までの間に労働契約期間が満了し、かつ労働契約の更新がないことが明らかでないことというものでして、雇用継続の可能性がある場合については、育児休業を認める方向でどうかと考えています。

 ※です。16か月の考え方です。育児休業が原則1歳までであることを踏まえて、その後、一定期間の雇用継続の可能性ということで6か月。我々の両立支援助成金等において、育児休業から復帰した後6か月定着を見て助成金を支給すると、一定期間ということで、今までは1年間だった者が6か月ということで雇用継続期間短縮を考えています。

3つ目の○です。この場合、16か月までの間に労働契約期間が満了し、かつ労働契約の更新がないことが明らかでなければ育児休業を取得できるため、育児休業期間中に労働契約の終了時期(更新時期)が到来し、更新の有無をその時点で判断する場合がある。この場合、1つ目のポツです。育児休業の取得等を理由として契約を更新しないことは不利益取扱いに該当するため禁止されること。2つ目のポツです。育児休業の取得等を理由とせず経営上の理由等から契約を更新しないことは、不利益取扱いには該当せず禁止されないこと、という整理となることでよいかというものです。

12ページ、介護休業についても、有期契約労働者の方の要件について、育児休業と同様の考え方として、現行の2、3の要件について見直しを考えています。1つ目のポツです。休業開始から起算して93日+6か月を経過するまでの間に、その労働契約の期間が満了し、かつ労働契約の更新がないことが明らかでないこととして、先ほどの育児休業と同じ考え方で、一定の期間の雇用継続として6か月をみるというものです。現行の取得要件の3にあるように、介護休業については、「93日経過した日から1年を経過する日までの間に」とあるので、6か月短縮しているというものです。

 資料4、「有期契約労働者の育児休業の取得要件について」、1枚資料を用意しています。2つのケースがあります。資料4の上のケースですが、労働契約が継続する期間中に育児休業を取得するケースとして、2年契約の場合を考えています。この場合は、申出してからの契約が2年で16か月を超えるので、そこの16か月に達するまでの間に契約期間が満了し、かつ更新がないことが明らかではないという要件に当てはまらないので、取れるというものです。

2つ目の○です。こちらは、育児休業期間中に労働契約の終了時期が到来するケースです。※にありますが、契約の更新をしない旨が明示されていない場合を想定しています。例としては、契約を更新することがあり得るとされている場合の契約です。こちらを御覧いただくと、こちらは6か月契約で考えていて、6か月契約の申出時点で、現在のルールですと、6か月の実線の矢印がありまして、この6か月の申出時点の契約と同一の長さで契約が更新されても、更新後の労働契約の末日、次の真ん中の点線がありますが、こちらの末日が1歳を超えていませんので、現状ではこのケースは育児休業を取得できないという扱いになっていますが、それを今回は、点線がずっと続いていますが、右側の青い囲みです。16か月に達するまでの間に契約期間が満了し、かつ契約更新がないことが明らかではないということですので、このケースは取れるという扱いになります。ただし、左側の緑の箱にあるように、契約の更新時期が育児休業期間中にきますので、ここについては、先ほどの判断のように、更新の有無をその時点でその都度判断するというものです。私からの説明は以上です。

○田島分科会長 ただいまの事務局の御説明につきまして、まず資料37ページまで、1「介護離職を防止し、仕事と介護の両立を可能とする制度の整理について」の部分に関して、御質問と御意見等がありましたらお願いいたします。

○井上委員 個別の議論に入る前に意見を述べさせていただきます。今ほどの説明で、課長から「更に議論を深めてもらいたい」ということで御説明を頂きました。前回議論をしていた所定労働時間の短縮措置等の対象となる子の年齢について、今回は論点から落とされております。この段階で議論の余地をなくすような、こういう乱暴な方法については、労働側としては大変遺憾であると言わざるを得ません。もっと丁寧な進め方をすべきであると考えております。

 取り分け、今回の研究会報告の中でも、仕事と育児の両立に関わる現状についての指摘があります。女性労働者の多様な状況に必ずしも対応できていないということが研究会報告でも言われています。

 そもそも短時間勤務があるという前提には、日本における長時間労働ということがまず前提にあって、それが是正されないからこそ、就業継続のために短時間が入っているのではないかと思っております。そういう意味では、長時間労働が是正されない中で、この短時間勤務の議論をこの段階で本当になくしていいのか。今回、女性活躍推進法ができて、しかも安倍政権は「新三本の矢」ということを打ち出している中で、子育てを抱えた労働者は、正にこの審議会の議論に注目しているのではないかと思います。そういう意味では、その議論がここでなくなってしまうことに関しては、現場の子育てを抱えた労働者たちは輝く未来が見えなくなるのではないかと思っております。そういう意味では、今回事務局としてどういう整理をされたのかを伺いたいと思います。

○蒔苗職業家庭両立課長 前回の御議論を踏まえ、我々で検討しました。現状は、どうしても短時間勤務を利用している方が女性に偏っているということで、かなり議論がございました。現状のままで年齢を引き上げるということは、そういった傾向を強めてしまうと考えております。まずは意見でも出ましたが、偏っている現状の是正を図った上で、その次のステップとして引上げという議論があるのではないかと考えており、そういったことも踏まえて論点を絞ったものから落としたというものです。

○井上委員 これまでの審議会の中では、前回出された意見を主な意見として取りまとめて、前回議論を振り返ったことをやってきたと思います。

 そういう意味では、まだその必要はあると思いますので、是非次回までに主な意見を取りまとめていただいて、その上で不足な部分、あるいは労働側としてもただ単に年齢を引き上げればいいとは考えておりません。その意味で意見を述べたいことはたくさんありますので、是非丁寧な議論をしていただくということをお願いしておきたいと思います。

○蒔苗職業家庭両立課長 前回までに公労使の方の意見の整理を出しておりましたが、今回は時間的に準備ができないということもございましたし、今、御意見を頂きましたので、次回に向けては意見を整理させていただき、出す方向で検討したいと思います。

○井上委員 その上で、介護休業制度等の考え方について意見を述べさせていただきます。

 この介護休業制度等に関して、この間の議論がややかみ合っていないのではないかという思いを我々は持っています。私たちは「自ら全ての介護を行うべきだ」と言っているわけではなくて、仕事と介護の両立支援制度の組合せによって、何とか介護期を乗り切る方策を考えており、この点では使用者側と共通の認識であるということを改めて強調しておきたいと思います。

 しかしながら、現在は介護保険サービスが万全とは言えず、加えて介護保険サービスが在宅中心にシフトしてきているところがあると思います。そういう意味では、施設に入れない場合など、介護保険サービスがカバーできない部分については、この育児介護休業法でしっかりと議論していかなくては離職者が増えていく一方ではないかと考えております。

 前回の議論のところで認知症に関するデータを挙げさせていただいたかと思います。そのデータでは、認知症を抱えた労働者が介護に携わる1日の平均時間が2.9時間で、離職せずに介護できるボーダーラインが2時間を超えているという調査結果については、前回も発言させていただきました。他方、認知症の要介護者を施設に入れないなどの理由で、どのような措置ができ得るかということは残念ながら今のところでは議論が深まっていないと思います。

 論点に記載されている「介護サービスを使わずに一定期間自分で介護を行うと離職につながりかねず」というくだりについては、私たちがこれまで主張してきた内容と、前提からずれているのではないか、あるいは事実誤認があるではないかということも、改めて発言をしておきたいと思います。このままでは、介護保険サービスから漏れた要介護者を抱えた労働者については離職をせざるを得なくなるのではないかと考えております。その意味では、きちんとこの問題については目をそらさず、正面からしっかりとこの分科会で議論を深めたいと考えております。

 そこで労側として1つ考えている点があるのですが、施設に入れない要介護者を抱えた労働者に関しては、一定期間、休業期間を延長できる特例を設けるべきではないか。施設に入れない間、窮地に陥るというのは目に見えておりますし、有期の場合などは本当に就業継続が難しく、離職をせざるを得ないという実態が出てきていることも踏まえれば、緊急避難的措置である介護休業という制度の趣旨からも不自然ではないと考えております。よって、特例の措置を導入すべきだと考えていることを発言させていただきたいと思います。

○半沢委員 私からは介護休暇の部分について意見を申し上げます。介護休暇の半日取得を義務付けることとしてはどうかということがあるわけですが、これに関して労使協定除外というのが論点に上がっており、参考として育児の短時間勤務制度が上がっています。これは、子の看護休暇のところでも同様の形で示されていますので、そちらも併せて御意見を申し上げたいと思います。

 そもそも介護休暇や子の看護休暇というのは、ほかに家族の面倒を見る人がいないという状況にあって、突発的なニーズ等で利用するというような性格を持った制度だと思います。例えば子の看護休暇など、子供が高熱を出した場合に労使協定で除外されたからといって、それを使わずに帰らないということはできないのであって、40度などの高熱が出た場合には、病院に連れて行くなり、何らかの対処が必要なことは皆さんもお分かりだと思います。

 こういった看病する人がいないというときに使う制度、これが趣旨だと思っています。病時保育に関するサービスも、すぐに使えるというサービスはなかなかないわけであり、どうしても本人がここはやらなくてはいけないと。そうでなければ、そういった子供たちはどうしたらいいのか、こういうことになるわけです。1年に5日という期間ですので、是非このことを考えていただきたいと思いますし、介護休暇に関しても、家族の病気とか、介護休暇に関して言えば、研究会で議論があったのは、月1回の日常的なケアのニーズという意味で、ケアマネージャーとの打合せが挙げられていたと思います。介護休暇は1人当たり5日という中で、効率的にというか、そのケアマネージャーとの打合せというのは1日はかからないものなので、それであれば年間5日という範囲内で、それをうまく運用していくためには半日程度、つまり年間10回です。そうすると月に1回程度はきちんと打合せができると、取得単位について議論がされたというものであります。5日というものを半日単位で何とか年間カバーできるということで、取得単位が示されてきた議論だったと思っています。

 これが適用除外ということになりますと、そういったことができなくなるわけであって、そうだとすれば1日単位で、きちんと月に1回対応できるような対処も考える必要が出てくるのではないかと思います。何とかカバーができる範囲で、半日ということが挙げられたのであって、そういった意味においても労使協定除外には、休暇の性格というのは日常的な短時間勤務というものとは全く違うのだということです。このことを踏まえないで労使協定ということを入れるのは、この制度に対する認識をもう一度改めて確認し合う必要があるのではないかと、是非この点についてお考えいただきたいと思っております。

○松岡委員 私からは資料5ページの「介護のための柔軟な働き方の制度について」の1の「選択的措置義務」について発言します。今回の法改正は、この後どんどん要介護者が増えていくという見込みが、社会的にある中で、介護のためのいろいろな柔軟な働き方を整備し、休業も含めてですが、様々な組合せにより、できるだけ介護と仕事を両立させ、離職を防止することが趣旨にあると思います。そもそも組合せできるメニュー、選択肢が限定的であれば、仕事と介護の両立という目的も達成できないのではないかと考えており、そういった意味で、ここにも期間、回数が書いてありますが、まず期間についてです。

 組合せの主なメニューとなる選択的措置義務の期間については、原則的に事由解消までと考えておりますが、少なくとも参考にも出ているとおり、利用を申し出た時期から平均介護期間をカバーできるような期間でなければならないと考えています。

 また、回数については、今後見通しの立たない、予見することの難しい介護について、様態の変化などに柔軟に対応できることが非常に重要だと思いますが、こういった期間を休業から切り出して、独立して考えるということになれば、これもこれまで議論がありましたが、休業せずに介護期を乗り切れるということもあるのではないかと考えていますので、そういった意味では、申出の機会が少なくとも2回というのは余りにも少ないのではないかと考えており、休業のところで3回という話があるわけですが、3回、2回という限定的な制限にするのではなく、少なくとも急性期対応から看取りの時期に至るまで、休業と同じように様態の変化に合わせて複数回対応できることを考えれば、休業と同じような考え方で回数の考え方を整理する必要があるのではないかと考えています。

○斗内委員 私からは6ページにある短時間勤務制度についての話をさせていただきます。これまでの御議論の中でもお話させていただきましたとおり、短時間勤務制度というのは単独の措置義務にしていくべきではなかろうかということをもう一度申し上げたいと思います。

 働く側の者がデイサービス等を利用しながら介護に携わっていく立場で言いますと、時間帯の都合でデイサービスからの迎え等も絡んでくるということになり、この短時間勤務制度というのは、これまでの議論でもありましたが、ある程度有効なのではないかと思っています。そういったケースはまだまだ多いということは、これまでも主張させていただいているとおりです。

 今もありましたように、今後介護に直面する方が激増していくという中で、いかにして多様な両立支援を確立していくかというのがこれまでの御議論だと思っております。そういう意味では、介護保険サービスもうまく活用しながら動き続けるためには、やはりこのような短時間勤務制度のニーズが非常に高いのではないかということを発言させていただければと思います。

6ページでは、「フルタイムで働き続けることが望ましく」ということですが、それはそのとおりですが、それでも対応しきれない方がおられて、最終的に残念ながら介護離職につながってしまうので、やはり多くの方が働き続けられる制度を構築していくためには、この辺、是非とも必要ではないかということを、改めてもう一度発言させていただければと思います。

○井上委員 同じ6ページの所定外労働の免除について発言させていただきます。この間も私のほうで発言させていただいておりましたが、残業しないということは本来は当たり前の働き方ですし、最低限介護に従事している間、このような当たり前の働き方ができるようにするのは当然のことであるので、妥当と考えております。

○山中委員 冒頭に井上から申し上げた、今回論点に入っていない所定労働時間の短縮措置の対象になる子供の年齢について、私は前回も「小学校就学前までを基本に」ということで発言させていただいたわけです。

 前回も、その点については使側の委員も公益の委員もいろいろと御意見を述べていただき、論議になったことを記憶しております。この論点については、次回は前回の意見のメモも揃えていただけるということでしたし、まだ論議がし尽くされていないとあえて申し上げまして、今日の事務局の提案には子の年齢についての記載がありませんが、前回は研究結果などを引用した発言も多くあったと思いますので、発言させていただきたいと思います。

 今の長時間労働を是とする日本の多くの企業が陥る考えに基づく評価の結果の、研究結果を引用した発言も前回にあったかと思います。だからこそ、短時間でも、これから働き方を変えていくということでいくと、短時間でも質の高い仕事をしている方については評価していこうという流れになっている中日本の働き方に対する考え方を男女ともに見直していく、働き方の改善を図っていこうということではないのかと考えます。

 前回も「短時間勤務制度の延長はキャリア形成に好ましくない懸念がある」という御発言や事務局のメモもあったかと思いますが、正にこれが日本の今の現状を如実に表しているということを思うわけです。

 「女性活躍加速のための重点方針2015」を決める平成276月に行われた会合の中でも、「女性活躍のためにはキャリアの断絶を防ぐために継続就業を支援していく働き方を考えていかなくては」という論議があったことが資料などでも読み取れるわけですが、育介法は雇用継続を図って仕事と育児の両立に寄与することを目的として論議をしているので、キャリア形成の視点のみで論議するというのは問題がすり替わっていくのではないかということを考えています。

 仕事と育児の両立を図りながら雇用継続をしていくためには、どのような制度が必要なのか、この短時間勤務制度というのはまだ論議の継続が必要ですし、その対象の子供の年齢についても引き上げるべきということです。

 研究会の報告でも、「子供のライフステージごとに求められる対応は異なる」ということが出ていることを考慮すると、子供の年齢の上限を引き上げた上で、通算の取得期間を設定することなどの条件を設け、「勤務時間をより柔軟に設定できることが考えられる」という意見もありました。3歳になった途端に保育所の環境や子供の状況、親の負担が劇的に改善されるわけでもないということは前回も申し上げたとおりですが、少なくとも対象となる子供の年齢は小学校の就学前まで引き上げるべきと労側としては考えております。

 参照で、衆議院の附帯決議で、平成21621日の、育介法を改正したときにも、「仕事と家庭の両立支援の観点から」というくだりがあり、「対象となる子供の年齢は小学校就学前まで拡大することを検討するとともに」というのがあります。それ以前も「適切な処置を講ずるべきである」という附帯決議が衆議院で出ていることから、今回もこの論点については引き続き論議していくことが重要でありますので、労側としては対象年齢の引上げについて、あえて強く意見させていただきたいということです。よろしくお願いいたします。

○田島分科会長 ただいま山中委員から育児の論点について御発言がありましたが、今は介護の部分についての御意見、御質問を承ろうと思っておりましたので、現時点では育児の部分ではなく介護の部分についての御議論をお願いしたいと思います。

○布山委員 今、論点に挙がっているところで、幾つか御意見を述べさせていただきたいと思います。まず、私どもがもともと主張していますように、できれば、できるだけ休業せずに働きながら介護ができればいいという点については、先ほどの御意見と同じ思いだと思います。そうした中で、今回介護休業だけの議論をしているのであれば、介護休業についての日数という論点というのも出てくるかと思いますが、これも当初から申し上げているとおり、ほかの制度も含めてどのような組合せにしていくかという中においては、現状の介護にかかっている時間以外のところの論点が出てくるのではないかと思っています。そうした意味で、休業できる期間はそのままにしてということを、ずっと主張してまいりました。

 延長という話もありましたが、その上の分割のところの論点もありますが、分割をすることがないということであれば、延長という考え方もあるのかもしれませんが、今回は93日の中での分割ができるかどうかという議論だと思いますので、期間については93日のままで、分割をし得るかどうかという議論をさせていただければと思っております。

 それから、介護休暇の件です。これも誤解があるかもしれませんが、1日単位で休むこと自体を除外する労使協定を結びたいと言っているわけではありません。あくまでも、もし原則が半日になったときには、半日対応ができない企業もあるかと思いますので、そうした場合に、ここに例示があるように、後で指針になるのだとは思いますが、労使協定で除外できるような業務や要件というのを決めていきたいということで考えております。

 また、この間の御発言だったと思いますが、確かに有給休暇を半日で取り扱っている企業というのは少なからずあると思います。ただ一方で、有給休暇でもそれができない企業もありますので、今回この介護休暇制度の取扱いについては除外をできるような余地は残す必要があるのではないかと思っています。

 それから、短時間勤務に関してです。確かに恒常的な長時間労働について改革していかなければならないというのは、労側委員と同じ思いだと思っています。ただ、長時間労働の是正、その代わりが短時間勤務ではないと思っています。ですから、ここでの議論は長時間労働ということを前提にしているのであれば、そうではないようにというのは、残業をしないでフルタイムで働くということだと思っています。

 恐らくいろいろな思いはあると思いますが、きちんとフルタイムで働いても利用できるような形に、介護サービスのほうを変えていただきたいと思います。先ほど「新三本の矢」の話が出ましたが、新三本の矢の中でも介護施設ということが出ていたかと思います。きちんと介護施設を、希望者が入れるような形にしていただき、フルタイムで働いてという形の働き方というのが、本来の理想形ではないかと思っていますので、御意見を述べさせていただきます。

○半沢委員 誤解があったようにも思いましたので、改めて介護休暇についてです。1日単位というのは協定除外の対象ではなく、半日について私は申し上げたつもりでおりました。ケアマネージャーとの月に1回程度の日常的な打合せ、1か月に1回だと12回です。こういったものに対応するということが研究会の中でも想定され、実際にそのニーズがあるということが示され、その上でこういった半日という議論になったものなのであって、どなたかが使えないとする性格の休暇というものではないということを申し上げました。もしそうでないならば、働き続けながら介護を行うために、このような日常の打合せ等をカバーするためには、1日単位できちんと休んで、12回なり10回がカバーできるような制度にしていくべきだと思います。こういう主張でございます。

○松岡委員 一部発言が重複するかもしれませんが、介護休業制度についてです。先ほど93日ということでお話がありました。この議論ポイントの資料3の中では、2「休業できる期間について」ということで記載されていて、「3つの理由と1つの前提条件があれば93日のままでいいのではないか」と書かれているけれども、先ほど事務局の説明の中で口頭で触れられていたように、全体の制度、先ほど私も発言しましたが、いろいろな組合せによって介護と仕事が両立できるような状態ができればいいということだと思いますので、もちろんそれが前提ということだとは思いますが、先ほど、ここの前提でも書かれている「休業の分割取得を可能とするのであれば」ということですが、それにより、今までの1回しか取れないというプレッシャーから解放されるわけですから、これまで様々に出ているような介護休業期間のニーズに対する調査に対しては、抑制的に分析したり評価することができるのではないかと思っています。

 理由の3点目にも書いてありますが、「できる限り休業ではなくて、働きながら介護に対応できるように」というのも、繰り返し述べているとおりそのとおりだと思いますが、93日というキャップをはめることで、できる限り休業ではなく、働きながら介護できるようにという状態を目指してしまうと、結果的に当初目的としていた年間10万人の介護離職者を少しでも少なくしよう、できれば介護離職ゼロを目指そうと言っている目標、それと並行して、まずはそれができた上で、できるだけ休業しないで介護に対応できるような働き方を実現しようというのが趣旨だと思いますので、キャップをはめることにより、より高次な目的を達成しようとしてしまうと、もともと最初に目指している前提というか、目的自体に対して、本末転倒となりかねないと思いますので、そういったところは十分に留意する必要があると思いますし、その具体的な手段として、先ほど井上委員からもあったことが考えられるのではないかと考えています。

○斗内委員 先ほど短時間勤務の話をさせていただきました。おっしゃるとおり、介護のサービスが充実していくことも非常に重要だとは思っております。その上で、働き続けられる環境をいかに支援していけるかという議論が重要だと思っています。

 そういう意味では、介護のサービスの在り方も含めて、この分科会の中で議論をしていくということになるのか、一度御確認させていただければと思います。介護に携わる人たちが今でも不足している状況で、更に今後不足していくのではないかということが想定されている中、いかにして介護のサービスを充実させていくかというのは、大きな課題だと思っています。ただ、介護に携わる労働者の方々の処遇も改善していくことも必要ではないかというのもよく言われていることです。その辺も含めて御議論させていただけるということでよろしいのでしょうか。

○田島分科会長 事務局からお願いいたします。

○蒔苗職業家庭両立課長 均等分科会は我々が持っている法律、制度についての議論ですので、その他の例えば介護保険サービスですとか、介護職員の方について、御意見としては承って、報告書に要望のような形で盛り込むことは可能ですが、制度改正というのはこちらの分科会では難しいです。

○斗内委員 正に介護のサービスを充実させていくというのは両輪だと思っていますので、今あるものに対応しつつ、介護離職を減らしながら働き続けられることを支援する一方で、介護のサービスもどうあるべきなのかの要望等を出させていただければと思っております。

○田島分科会長 ほかに御意見はございませんか。御意見はないようですので、次に資料32「多様な家族形態・雇用形態に対応した育児期の両立支援制度について」、8ページ以降12ページまで、育児に関する部分について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

○斗内委員 有期の育児休業取得の関係です。先ほどの御説明について確認させていただければと思うのですが、11ページにある内容からしますと、これまであるのが、一番下にある1、2、3になります。今、御説明のあった御提案の中身からしますと、1と2、3が、先ほど御説明のあったものに要件が変わる。2、3は削除されると理解してよろしいのでしょうか。

○蒔苗職業家庭両立課長 今の意見のとおりでございまして、1の要件はそのままで、2、3の要件を今回提案した内容で置き換えるという案です。

○斗内委員 分かりました。そういったことで、もともと2は労使で争いが多いところだと思っております。そういう意味では少し前進していくのだろうと思っております。

1つ、16か月ということに基準がされておりますが、私どもの考えからしますと、雇用均等基本調査等によると、育休の取得の期間が10か月未満の所が全体の36.4%、3分の110か月未満とされております。産後休暇は8週等を考えますと、3人に1人の方が、1歳までに既に復帰しているということではないかと思っております。そういう意味では、1歳というものが法定に基づいた上限ということで、基準として捉えられたのだと思いますが、実際には3か月、5か月、6か月であったり、既に復職されている方がいるという実態も踏まえ、1歳という基準ではなく、例えば5か月の育休を取るのだということであれば、それを基準にして考えていくべきではなかろうかと思っております。いかがでしょうか。

○田島分科会長 事務局に対しての御質問ですか。

○斗内委員 意見です。

○井上委員 11ページの有期の「16か月」について、法律的な解釈でどうかということで、御意見を申し上げます。この16か月という期間なのですが、これは1年にしないと、現行の612号と整合しないのではないかと思っております。612号は労使協定で、育児休業申出があった日から起算して1年以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者、施行規則711号もあると思います。通達では、1年以内に定年退職等となる者やあらかじめ事業主に対して退職の申出をしている労働者等を適用除外にしているかと思います。

 この理由ですが、育児・介護休業法の趣旨が就業継続にあるからであって、現行法の612号と施行規則711号については、就業の継続性を申出からの1年間でOKとしているのではないかと思います。

 そうなると、有期の場合についても、育児休業の申出があった日から起算して1年以内に労働契約期間が満了し、かつ労働契約の更新がないことが明らかでないこととならなければおかしい。つまり具体的に言うと、出産の1か月前に申出をしたとして、子が11か月までの間にということになるのではないかと思っております。そういう意味で、法律との整合性も含めて、もう一度確認をしていただければと思います。意見です。

○布山委員 今の件は後で事務局からお答えを頂きたいのですが、育児休業のそもそもが法律上は子供が1歳まで取れる休業なので、その1歳ということを起点にして、恐らくその後の契約、就業継続が見込まれるという意味で、16か月としているのだと思いますので、今の井上委員の考え方の部分と整理をしたほうがよろしいのではないかと思います。

 「16か月」という言い方がいいかどうかは分かりませんが、恐らく法律上取れる最大が1歳なので、それから更に半年は継続就業の見込みがあるということについて、有期の方を今回、そういう形の要件に変えたらどうかという御提案ではなかったのかと思っています。その辺は確認させていただければと思います。

○田島分科会長 事務局、お答えいただけますか。

○蒔苗職業家庭両立課長 整理してお答えします。

○田島分科会長 ほかに御質問等があれば。

○川崎委員 今は有期労働者の育児休業の取得の議論かと思いますが、介護休業についての質問です。これは93日を前提とした書き方になっていますが、今、93日を分割することが議論になっていると思います。分割するとなると、どのような日数で起算してやっていくのでしょうか。1回目であれば、93日プラス6か月というのが一定のルールかと思いますが、2回目のとき、3回目のときはどうなるのかというのがあると思いますので、そこも分かりやすい例示を次回に一緒に整理していただければと思います。

○田島分科会長 事務局、次回にお願いします。

○半沢委員 繰り返しになるかもしれませんが、先ほどの1歳と16か月の部分ですが、これまでは現状の条文、その裏にある考え方としては、就業の継続というのは1年、こういった見込みなり継続性というものを前提として制度が作られていたと理解しており、これが16か月になるというと、その要件が変わってしまうことになるのではないか。働いているほうからすると大きく変わってしまうのであって、この部分はこれまではこの1年ということで施行されている状況であれば、申出から1年といったところで考えるべきなのではないかと思います。

○田島分科会長 ほかに御意見、御質問はございませんか。

○布山委員 意見というより質問かもしれませんが、仮に今提案されている要件になった場合、資料4でお示しもいただきましたが、2つ目のケースで、結局更新することがあり得る場合は取れるような制度ということになるのだと思います。その際に、この表を見ると、育児休業は子供が1歳まで取れる休業になりますが、見込みはあくまでも1歳よりも前の段階での契約の形になっています。こういう形にしたときに使側として一番懸念するのが、ここでのトラブルだと思います。11ページにありますように、取得そのものを理由として更新しないことはもともと不利益取扱いになっていると思いますが、そうではない場合というものをきちんと明確にできるかどうかというところが、ここのキーポイントではないかと思っています。取っていただきたくても、その後にトラブルがないかどうか。

 それから、1歳まで取れる制度なのだから、少なくともこの後1歳までは自動的に契約を延ばすというような考え方になるのはおかしいと思いますので、あくまでもこの形の中で、トラブルなくできるかどうかということで、この要件を考えたいと思います。

○田島分科会長 ほかに御意見はございませんか。御発言がないようですが、事務局にもお答えを準備していただいておりますが、先に議論を進めてよろしいでしょうか。

 次に、資料3の「検討すべき論点」のうち、13ページの3「妊娠・出産・育児休業・介護休業等をしながら継続就業しようとする男女労働者の就業環境の整理について」及び資料5、資料6について、事務局から御説明をお願いします。

○小林雇用均等政策課長 資料3の検討すべき論点の御議論の前に、資料5で妊娠等を理由とする不利益取扱いに関する調査を御報告させていただくとともに、資料6で妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いで現場で起こった事例について、均等室のほうで集めたものを多少類型化し行為事例として整理しています。それを御説明させていただいた後、資料3の論点について御説明させていただきたいと思います。

 資料5、「妊娠等を理由とする不利益取扱いに関する調査の概要」です。調査の対象ですが、企業調査、従業員調査、ウェブ調査の3つです。企業調査につきましては6,500社に配布しています。また、その配布した企業に雇用される女性労働者約26,000人に調査票を配布しています。ウェブ調査については2544歳の女性雇用労働者2,500人、女性無業者2,500人、合わせて5,000人から回答を頂いているところです。調査実施期間は914日〜104日です。その下の※で妊娠等を理由とする不利益取扱いですが、これは具体的に調査項目で、ここの四角に囲んでいることを不利益取扱いの中身ということで調査しています。解雇、雇い止め、契約更新回数の引下げ等々ということで、四角囲いの2行目の「仕事をさせないなど就業環境を害する行為」までは、今、均等法や育児・介護休業法で事業主に禁止されている行為ですが、それに加えて、「前述のいずれかを示唆する発言、妊娠・出産・育児関連の権利の主張をしづらくする発言」についても、不利益取扱いの1つとして調査項目の中に入れているところです。

 また、派遣労働者につきましては、派遣先から受けた以下のような不利益取扱いも調査項目として入れています。四角の所ですが、「妊娠・育休・子の看護休暇を理由とした契約打切や労働者の交替、仕事をさせないなど就業環境を害する行為、前述のいずれかを示唆する発言、妊娠・出産・育児関連の権利を主張しづらくするような発言」ということで調査項目に入れているところです。なお、今回の調査ですけれども、速報値ですので、もう少し詳細にきちっと整理したときに少し数字が変わり得る可能性があることは、御承知おきいただきたいということです。

2ページですが、妊娠等を理由とする不利益取扱いの原因(複数回答)です。不利益取扱いを受けたときに、女性労働者御自身で何を原因だと思っているかということですが、「妊娠・出産」自体を原因だと捉えている方が45.9%、約半数の方は妊娠・出産それ自体が原因だと捉えている状況です。「つわり、切迫流産などで仕事ができない、労働能率が低下」が原因だと捉えている方が26.0%、「育児休業」が原因だと捉えている方が17.3%、「産前・産後休業」と捉えている方が16.0%と続いています。

3ページですが、不利益取扱いを受けたときの自らの健康状態を、女性労働者御本人がどう思っているかという調査です。54.4%の方が「健康だった」と認識していますが、不利益取扱いを受けているということです。23.4%の方は「不調があり、労働能力が低下していたが、仕事を休むほどではなかった」と回答しています。

4ページですが、不利益取扱いをした方が誰か、要は誰から不利益取扱いを受けたかということで複数回答です。不利益取扱い行為をした者として、一番多いのは職場の「直属上司(男性)」、続いて「直属上司よりも上位の上司(男性)」、「直属上司(女性)」、「同僚・部下(女性)」ということです。

5ページですが、不利益取扱いの内容はどういうものかということで、これも複数回答です。不利益取扱いの内容として「解雇」や「雇い止め」が約2割程度あるということですが、一番多いのは「『迷惑』『辞めたら?』等、権利を主張しづらくする発言」で、これが47.3%の方が経験しているということ。経験をされた方の中身として47.3%は主張しづらくする発言だということです。ここの左側は、雇用をしている会社から受けたものと、会社の中で受けたものというように整理していますが、派遣労働者が派遣先の企業から受けたものは右側に整理しています。これは派遣労働者の方について聞いたものであって、派遣元から受けたものは左側に入っています。行為として一番多かったのが、「『迷惑』『辞めたら?』等、権利を主張しづらくする発言」で、その次が「妊娠を理由とした契約打切や労働者の交替」です。

6ページですが、これは雇用形態ごとの妊娠等を理由とする不利益取扱い経験です。下に※で書いていますが、「妊娠等を理由とする不利益取扱い経験時の雇用形態ごと人数」÷「職場で妊娠・出産・育児いずれかを経験した人の、調査時点での雇用形態ごと人数」です。経験率ですが、派遣労働者が48.7%、正社員が21.8%という状況になっています。この場合の派遣労働者の方の経験率ですが、ここの調査は、派遣先から受けたものと派遣元で受けたものと両方入った数字です。

7ページですが、これは企業の取組と不利益取扱いの経験率との関係を見たものです。就業規則等に明文化された育児休業制度の規定のある事業所の方が、従業員の妊娠等を理由とする不利益取扱い経験率が低い傾向があるということです。

8ページですが、これは不利益取扱い防止策と不利益取扱い経験率の関係を見たものです。「妊娠等を理由とする不利益取扱い防止策に取り組んでいる」事業所の方が、「いずれも取り組んでいない事業所」より、従業員の妊娠等を理由とする不利益取扱い経験率が低い状態となっています。取組の中で経験率が低い取組を見たときに、14.2%と経験率が低くなっている取組は、「つわり等により不就労が生じた妊婦がいる職場に対する業務上の応援」の所です。

9ページですが、これは不利益取扱い防止策と女性の継続就業割合を見たものです。「妊娠等を理由とする不利益取扱い防止策に取り組んでいる」事業所の方が、「いずれも取り組んでいない事業所」より、そこで働いている女性の就業継続割合が高いという状況になっています。資料5につきましては以上です。

 続きまして、資料6について御説明申し上げたいと思います。事例の前に1ページ、2ページで整理しているのが、現在、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法で事業主が不利益取扱いをしてはならないという、その禁止の対象となっている行為について整理しているものです。これは事業主に禁止されている行為ということで、1ページは何を理由としているかという理由となる事由の所です。2ページは行為類型です。1ページのほうを理由として2ページに書いてある行為をしてはならない。これは事業主がしてはならない禁止規定が、今、あるということです。

3ページ以下が、事業主の防止措置の対象となると考えられる行為事例を類型化して、均等室への相談事例なども参考に私どもの局で作成したものです。申し上げましたように、現在は事業主に妊娠・出産等を理由として不利益取扱いをしてはならないと規定されていますが、こういう不利益取扱いというのは事業主だけから行われるものではなく、職場の上司や同僚などが行うことも問題になっていますので、それを防止するための措置について何らかの規定を置くことが必要ではないかとして、御提案させていただいているわけですが、その中で事業主が労働者にこれをしてはいけないというような、防止をしなければならない行為が何かを議論するための前提として、今回、整理させていただいています。ここの事例の中で発言がいろいろ出てきますが、これは基本的に均等室の相談事例を基に抜き出して書いているものです。

 これは上司や同僚の行為を類型化したものですが、大きく2つに分かれるかと思っています。行為類型ですので2ページの所を御参考にしていただきつつということです。事業主のこういう不利益取扱いが起こることを防止するための措置ですので、1ページ、2ページを前提に整理していますけれども、問題になるのは就業環境を害すること以外の行為です。解雇、契約の更新をしない、労働契約内容の変更の強要、降格させるといった行為を示唆する言動が、事業主の防止措置の対象になると考えられるとして整理しています。基本的に解雇、降格、減給を示唆する行為については、権限を持っている上司の方が想定されると考えて整理しています。表の中の内容は解雇、契約の更新をしないと整理していますが、この内容についてはこの5つ以外も、行為類型の中の就業環境を害すること以外は全て入ってくると思っています。

 典型的なものは、例えば解雇の所を見ていただきたいと思いますが、休業関係の取得を上司に相談したところ、「休みをとるようなやつは解雇してやる」と言われたとか、契約の更新をしないの所であれば、これまで複数回更新してきたが、妊娠を報告したところ、「次回の契約更新はないと思え」と言われたとか、労働契約内容の変更の強要の所については、軽易な業務への転換について上司に相談したところ、「楽な業務にうつりたいなら、契約社員からパートに変更してやる」と言われたとか、昇進・昇格の人事考課における不利益な評価の所では、時間外労働の免除について上司に相談したところ、「次の査定の際は昇進しないと思え」と言われたとか、こういったことが典型例として考えられるのではないかと思っています。ここに書いている行為については、こういうことを組織として実際に解雇したり契約の更新をしなかったら、それは今の禁止規定のところでも違反になってしまうということですが、そこに至らない段階でも現場でそういうことを示唆するような発言があった場合は、それは防止措置の対象になるのではないかと考えています。

4ページですが、2ページの行為類型の中の就業環境を害すること以外については、3ページのようなものが考えられると思っていますが、就業環境を害することというのが、かなり概念的には広いかと思っていますので、ここの整理をさせていただいています。就業環境を害する行為は、大きく請求権等の行使を阻害されるような行為と、それ以外の行為があろうかと思っています。この4ページにつきましては、就業環境を害する行為のうち、請求権等の行使を阻害される行為の上司編ということです。請求権等の行使を阻害される行為ですので、これは1ページの事由の所を御覧いただきたいのですが、右側の育介法10条等のイ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、ト、チは全て、この請求権等の行使を阻害される行為をされる可能性のあるものということですし、均等法のほうの事由についてはイ、ロ、リ以外の所です。ハ、ニ、ホ、ヘ、ト、チが請求権の関係であると思っています。これらの請求権と、こういうものの行使を阻害する行為が考えられると思っています。これが上司の典型例で書いています。

 まず、一番上の段落で休業関係ですと、産休の取得について上司に相談したところ、「産休をとらずに辞めたら」と言われ、取得をあきらめざるを得ない状況になっている。その下の○で、育児休業の取得について上司に相談したところ、「(男性労働者に対し)奥さんが取ればいいじゃないか」と言われ、取得をあきらめざるを得ない状況になっている。母性健康管理措置の所ですが、妊婦検診に行くための休暇の取得を上司に相談したところ、「忙しいから妊婦検診に行かせる時間なんてない」と言われたため、仕方なく休日に妊婦検診に行った。つわりがひどいため医師の診断をもらおうと思っていると上司に相談したところ、「つわりぐらいで医師の診断なんて甘えている」と言われ、母性健康管理措置をあきらめざるを得ない状況になっている。軽易業務への転換や時間外労働の免除ですが、軽易業務への転換について上司に相談したところ、「業務を変える余裕はない。引き続き今の業務をやってほしい」と言われ、請求をあきらめざるを得ない状況になっている。時間外労働の免除について上司に相談したところ、「周りが残業する中、あなただけを定時に退社させられるわけがない」と言われ、請求をあきらめざるを得ない状況になっている。このように整理しています。

 ちなみに、この請求権の行使の阻害行為ですが、会社の組織として休業させないとか、休暇をとらせないとか、軽易業務への転換をさせないという行為は、そもそも本法の請求権、例えば育休をとらない場合だったら育休法5条違反になったり、産前産後休業をとらせないのは基準法の65条違反になるということですから、組織的にそういう行為をしたら既に元の法律の違反になると考えています。ただ、そこに至る前の段階で上司が、あきらめざるを得ない状況に持っていくようなことを言うことを想定して、典型例を示しています。

5ページですが、これは請求権等の行使を阻害される行為として同僚編です。基本的に上司のほうは部下に対していろいろ権限を持っていますので、プレッシャーの度合いが同僚よりも強いと思っています。逆に、同僚がいろいろなことを言っても、あまり気にしなくて請求権の行使をする場合もあろうかと思いますので、同僚の場合の阻害をする行為というのは、上司の場合よりも要件が厳しくなるのではないかと思っていて、ここで典型例として整理しているものは、先ほどの上司のものよりも繰り返し要件とか、本人が嫌だと言っているにもかかわらず、さらに繰り返し発言したというものを要件として付加しています。これは、セクシュアルハラスメントの環境型セクハラと言われているものの要件を参考にしているところで、参考資料でセクハラのものも付けていますので、そちらのほうも御覧いただきたいと思います。

 セクシュアルハラスメントについては19ページに法律の条文があり、111項前段部分が対価型セクハラ、後段の所が環境型セクハラと言われているものです。前段は、「事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け」とあり、そういうことがないように雇用管理上、必要な措置を講じなければいけないというのが11条の規定です。前段の「不利益を受け」という所が対価型で、「又は」以下の所が環境型セクハラと定義しているものです。「又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない」と11条はなっています。

 その、いわゆる環境型セクハラのもう少し詳しい中身が指針の中で規定されていて、それが21ページ、2(6)の「環境型セクシュアルハラスメント」で整理されています。ここで、「意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることであって、その状況は多様であるが、典型的な例として、次のようなものがある」として整理しています。上司が労働者の腰、胸等に度々触ったため、就業意欲が低下している。性的な内容の情報を意図的かつ継続的に流布したため、苦痛に感じて仕事が手につかない。労働者が抗議をしているにもかかわらず、事務所内にヌードボスターを掲示しているため、当該労働者が苦痛に感じて業務に専念できないこと。こういうことが整理されています。

 一応、原則、継続的なものを念頭に置きつつ、あと解釈通達のほうで継続的ではない場合もということで、23ページの5の「性的な言動」及び「就業環境が害される」の判断基準ですが、2段落目の最後の「ただし」の所です。これは「就業環境が害される」の判断基準ですが、「労働者が明確に意に反することを示しているにもかかわらず、さらに行われる性的言動は職場におけるセクシュアルハラスメントと解され得るものであること」。この2つのものを参考にして同僚編のほうは、継続要件又は本人が嫌だと言っているにもかかわらず、さらに畳み掛けて言うような発言を要件としています。

 典型例は、5ページに戻っていただきたいと思います。例えば先ほどの休業関係ですと、1つ目の○で、産休を取得するつもりである旨を周囲に伝えたところ、同僚から「周りへの迷惑を考えて、出産予定日ぎりぎりまで働くべき」と繰り返し(又は継続的に)発言され、取得をあきらめざるを得ない状況に追い込まれた。育休を取得するつもりである旨を周囲に伝えたところ、同僚から「3か月以上育休をとると周りに迷惑だからやめてほしい」「(男性労働者に対し)奥さんがとればいいじゃないか」と繰り返し(又は継続的に)発言され、取得をあきらめざるを得ない状況に追い込まれた。こういったことを書いています。

 また、本人が嫌だと言っているのに再度言ったという例については、軽易業務への転換/時間外労働の免除のほうで典型例を整理しています。軽易業務への転換について請求するつもりである旨を周囲に伝えたところ、「妊娠したからといって楽な業務にかわるのはわがままだ。上司に業務を変わりたいと言うべきではない」と言われた。「体調も考えると請求したい」と伝えたが、再度同様の発言をされ、請求をあきらめざるを得ない状況に追い込まれた。時間外労働の免除について請求するつもりである旨を周囲に伝えたところ、「妊婦だからといって、自分だけ定時で退社するのは迷惑だ」と言われた。「体調も考えると請求したい」と伝えたが、再度同様の発言をされ、請求をあきらめざるを得ない状況に追い込まれた。こういうことで整理させていただいています。

 この2ページが請求権等の行使を阻害される行為で、上司と同僚に分けて整理していますが、さらに6ページの()で、それ以外の就業環境を害する行為として、これは上司も同僚も両方同じような要件と思っていますが、それ以外の就業環境を害する行為ですので、1ページの不利益取扱いの理由となる事由でいくと請求権型でないもの、これは均等法のイの妊娠、ロの出産、リの妊娠又は出産に起因する症状により労務の提供ができないこと若しくはできなかったこと又は労働能率が低下したこと、この均等法のほうのイ、ロ、リのものが、ここに当てはまると考えています。

 その中の事例として整理していますが、内容として仕事をさせない等や嫌がらせ発言が典型的に考えられるものと思います。これはどこから取ったかと言いますと、今の事業主に禁止している不利益取扱い行為の中の就業環境を害するものが何かの例示が、指針と通達に出ています。就業環境を害することの例示として10ページです。これが妊娠・出産等不利益取扱いの禁止の所の就業環境の例として、(3)のロに業務に従事させない、専ら雑務に従事させる等の行為は、(2)のヘの「就業環境を害すること」に該当するということと、あと、「専ら雑務に従事させる等」と「等」が付いていますが、この「等」の解釈が解釈通達の中で出されていて、それが13ページの(8)です。指針第43(3)ロの「等」というのは、例えばということで、これは事業主が、労働者の上司等に嫌がらせ的な言動をさせるよう、し向ける場合が含まれるものであることとあります。事業主の行為として禁止されていますので、事業主が労働者の上司等に嫌がらせ的な言動をさせるよう、し向ける場合などが含まれるということです。この仕事をさせないと、嫌がらせ発言の2つを整理しています。

 中身につきましては、6ページに戻って、これもセクシュアルハラスメント(環境型セクハラ)の所の要件を参考に整理していて、発言は均等室からの事例を拾っています。例えば仕事をさせないの所で、上司や同僚が「妊婦はいつ休むかわからないから仕事は任せられない」と繰り返し(又は継続的に)言い、仕事をさせない状況となっており、就業する上で看過できない程度の支障が生じる状況となっている。その下の○で、上司や同僚が「(客観的に見て、妊婦の体調が悪くないにもかかわらず)楽な業務にかわってはどうか」と言い、妊婦が「今の業務を引き続きやりたい」と明確に示しているにもかかわらず、さらに「楽な業務に変わるべき」と発言し、就業する上で看過できない程度の支障が生じる状況となっていると書いています。

 嫌がらせ発言のほうは、上司や同僚が「妊娠するなら忙しい時期を避けるべきだった」と繰り返し(又は継続的に)言い、就業をする上で看過できない程度の支障が生じる状況となっている。2つ下の最後の○ですが、上司や同僚が「(客観的に見て、妊婦の体調が悪くないにもかかわらず)つわりで仕事の能率が落ちているから休むべき」と発言したところ、妊婦が「つわりはひどくなく、これまでと能率は変わらない」と明確に示しているにもかかわらず、さらに「休むべき」と発言し、就業をする上で看過できない程度の支障が生じる状況となっている。このように整理させていただいています。

 なお、全体に係る話として、3ページに戻っていただいて2つ目の※です。今、申し上げた(1)(2)の類型全体に係るものとして、業務の運営上必要な言動ではないものが防止措置の対象になる行為事例だと考えています。業務の運営上必要な言動については、防止措置の対象にはならないと考えて整理しています。この「業務の運営上必要な言動」というのは、例えば休業の相談をしたときに、恐らく業務体制の見直しもしなければいけないので業務体制の観点から、例えば上司と御本人が調整をするようなやり取り自体は、防止措置の対象ではないと考えて整理しています。

19ページにセクハラ防止措置を付けていますが、今回の妊娠・出産等不利益取扱いに関する防止措置についても、111項の規定のような形で、妊娠・出産・育児休業等を理由として就業環境が害されることのないようとして、前半にどういうことが防止措置の対象になるかを書いた上で、事業主は雇用管理上必要な措置を講じなければならないとしています。これも幾つかの例示を出して、その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないという形の規定が参考になるのではないかと考えています。

 さらに、資料の最終ページに均等法と派遣法の関係について資料を1枚付けています。これは現行法の説明です。現行法上、均等法における事業主による妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止(93項の規定)、セクハラ防止措置に係る規定、これは派遣元だけでなく派遣先の事業主も均等法による不利益取扱い、セクハラ防止規定に係る規定について、派遣労働者に対して使用者としての責任を負うこととなっています。これが規定として表れるのは派遣法の中に表れていますけれども、下の段落で下線を引いています。当該労働者派遣の役務の提供を受ける者もまた、当該派遣労働者を雇用する事業主とみなして、ここの規定を適用するとあります。先ほどの実態調査の結果を御説明した中でも、派遣労働者について、派遣先から不利益取扱い行為を受けたケースがあると御紹介しましたので、このことも踏まえて、妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱いを防止するための措置についても、派遣先の対応についてセクハラ防止措置に係る規定も参考に、検討する必要があるのではないかとして考えています。

 また、今は均等法における妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止については、派遣先の事業主も責任を負うことになっていますけれども、育児・介護休業法における事業主による育児休業等の申し出を理由とする不利益取扱いの禁止については、派遣労働者の場合も派遣元事業主だけが使用者としての責任を負うこととなっていて、派遣先の対応について、今後、検討する必要があるのではないかと考えています。ここまでが資料6の御説明です。

 資料3の論点のペーパーに戻っていただきたいと思います。13ページです。妊娠・出産・育児休業・介護休業等をしながら継続就業しようとする男女労働者の就業環境の整備について、1は、妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする不利益取扱いを防止するための措置についてです。1つ目の○が、現場で起こるような不利益取扱いを防止するための措置の対象となる範囲(理由となる事由・行為類型)について、どのように考えるか御議論いただきたいと思います。資料6をそのための参考資料としてお出ししました。

2つ目の○ですが、これは防止措置の内容をどのように考えるかということで、事業主に求める防止措置の具体的な中身について、今の実態も踏まえ、あとセクハラ防止措置義務規定も参考に、どのような内容とすべきかということです。これは以前の均等分科会でも、一度、お示しもさせていただいている、セクハラの防止措置の指針の中身が参考になるのではないかと思います。戻っていただいて恐縮ですが、先ほどの資料619ページに、セクハラ防止措置の指針を付けています。先ほど19ページを御覧いただきましたが、具体的な中身については、法律を受けて指針の中で雇用管理上、講ずべき措置の具体的な中身をセクハラのほうは整理しているものですから、この指針が参考になるのではないかと考えているところです。

 論点の2ですが、これが前回、お示しした論点に加えたものです。これは派遣労働者の関係ですが、派遣労働者が派遣先から受ける不利益取扱いに、どのように対応すべきかを論点に挙げています。先ほど御説明しましたとおり、実態調査と現行法の中身も参考にしていただいて御議論いただきたいと思っています。

3の男性の育児休業取得促進についてですが、男性の育児休業取得促進のための企業の取組について、上記1の防止措置の対策のことも踏まえ、どのように考えるかを御議論いただければと思っています。私からの説明は以上です。

○田島分科会長 ただいまの事務局の説明について御意見、御質問があればお願いいたします。

○山中委員 私からは3の就業環境の整備について幾つか意見と、事務局へのお願いもありますので、発言させていただきたいと思います。

 まず、就業環境の整備については不利益取扱いの防止のみならず、以前にも意見を紹介したような、同僚間の嫌がらせの言動も防止されるべきと考えております。資料5でお示しいただいた5ページにも「迷惑」とか「辞めたらどうか」など、権利を主張しづらくする発言が47.3%、32.7%というように、非常に高い数字になっています。こういったことの防止をされるべき措置も、考えていくことは必要ではないかということです。資料6のほうにも均等室に寄せられた相談の中に、周りや同僚に相談したけれども、「こういうことはやめたらどうだ」とか、「よく考えて、育休を取ったり介護休業を取ったりするのは控えるべき」という発言があったとありますので、そういったことからもこの点について論議をきちんとして、されるべき措置を考えていったらどうかと考えております。

 連合でも「なんでも労働相談」をやっており、2015年の19月に寄せられた相談を改めて見たところ、ハラスメントが含まれる差別などの分類に当てはまる相談が、男性が全体の9.6%、女性が20.6%ということで、2倍以上女性のほうからの相談が寄せられております。ここにはいわゆる性別役割分担意識による違いというのが、背景にあるのではないかということを読み取っているところです。また、私どもの相談の中で女性労働者差別などのうち、69.3%の方が嫌がらせやパワーハラスメントを受けたという相談もあり、性別役割分担意識とパワハラやいじめ、嫌がらせといったものが絡まり合った事案が推測できるわけです。今回、就業環境の整備を考える上でも、嫌がらせに対する防止措置が不可欠であるということももちろんですけれども、今事例として出していただいたパタハラ、マタハラ、セクハラといった様々なハラスメントが起こっているということで、一元的に対応できるようなこともすべきであると考えております。

 介護について、事務局からの説明の1の中の2つ目の○に、セクハラ防止措置義務規定も参考に考えていくべきではという御提案もありましたが、介護の休業について、果たしてセクハラだけを参考にしていいのかなと。もう少しいろいろな所を見て、検討の素材にしていったらどうかと思っております。なお、2の派遣労働者については、6ページに派遣労働者の不利益取扱いの経験率が非常に高いという数字も出ておりますので、派遣先も含めて措置を講ずることも必要と考えております。

 意見のほうはここまでで、事務局へのお願いです。資料56は非常に貴重なデータであると思っております。資料6などはこういう発言、典型例やそれを基に作りましたということですけれども、法律が整備されていく中で、今もまだこういう発言が職場で起こっているのかということで、非常に後ろ向きであることを危惧するのです。この発言は1件とか2件ではなくて、多分複数回、このような件数があったのではないかと思うのです。可能であればこれに関わる発言が何件あった、いつからいつの期間にということを概要で出していただけると、更に参考になるのではないかと思います。資料5についても、いろいろ参考となる数字やデータが出ているわけですが、ザックリと大企業、中小企業という企業規模別に数字などが出されると、事業実態に応じた対策を論ずる上で更に参考になるのではないかと思います。もし可能であれば次回以降、何かお示しいただければというのが私からのお願いです。

○田島分科会長 事務局、今の点は可能でしょうか。

○小林雇用均等政策課長 資料5の実態調査については可能というか、できるだけ規模別でということですので、数字を拾っていきたいと思っています。ただ前半の話は、全ての均等室の相談を拾っているわけではないですし、傾向としてこういう発言が多いか少ないかぐらいは分かるのですが、件数には余り大きな意味がないのではないかと思います。この発言に対して何件あるかということそれ自体には、余り意味がないのではないかと考えているのですけれども、いかがでしょうか。

○山中委員 お願いをした意図は、私どもがやっている調査の中でも、かなり大きな件数が出てきていると認識しているのです。ここに代表的に書いていただいた部分について労側としては、世の中的には非常にたくさんの件数が起こっているという認識でおりますので、もし事務局のほうでも、これは数件ではなくて非常に多くの例が寄せられているということで提案していただいているのであれば、それで結構です。

○布山委員 資料5について御質問したいと思います。資料52ページの原因を聞いている所です。これはもともと妊娠等を理由とした不利益取扱いを受けた方について、具体的な原因を聞いた部分だと思いますが、「思い当たらない」「特にない」という15%の方は、どういう方々ですか。

○小林雇用均等政策課長 母集団というか、ここの対象になっている人は、実際に不利益取扱いを受けた方に聞いています。それがどういうきっかけというか、理由で受けたかという質問なので、「特にない」「思い当たらない」というのは多分、どれが理由なのかが自分では分からない方がここにマルをされたのだろうと思っております。

○布山委員 具体的に妊娠とか育児休業を取るとか取らないという中で、不利益取扱いを受けたのではないけれどもということだと、ここにある15.7%の方というのは、ここに起因する不利益取扱いではないかもしれないですよね。

○小林雇用均等政策課長 その可能性はあるとは思いますけれども、不利益取扱いの中身が前のページにあるように、解雇されたり、雇い止めをされたり、不利益な配置変更をされたりというように、ここに該当する何らかの不利益取扱いを受けたと。ただ、それが一体妊娠・出産を期なのか、もしかしたら労働能率が低下しているのか、何かを請求したことなのか、その理由はいろいろ複合的に考えられるので、そのどれに当たるか自分では分からないという回答のほうが多いのではないかと思います。これ以外の理由があるのかなと思っていらっしゃる人が含まれていることも否定しませんが、これを決め打ちされても、どれが理由だったかは、要は事業主の判断なので、自分には分からないというお答えが多いのではないかと想像しております。

○井上委員 男性の育児休業取得促進について、意見を申し述べたいと思います。妊娠・出産・育児・介護休業等を理由とする不利益取扱いの措置が入ることによって、少しではあると思うのですが、男性が育児休業を取得することに関しても、やはり取りづらい環境の障壁を除いていくのではないかと思っております。以前にも連合の調査を披露させていただきましたけれども、有職者のうち、男性有職者の8割が育児休業を取得したくても取れないという結果が出ています。やはり男性も女性も子育てにきちんと関わりながら、仕事を続けていくというところを踏まえれば、当然男性もきちんと育児休業を取得して、男女がともに家庭的責任を担うという風土・環境をつくることが、非常に必要だと思います。企業における取組がこの措置、就業環境の整備をされることによって、企業環境の風土を変えて、誰もが当たり前のように育児休業が取得できるような風土づくりが必要ではないかと思います。

 実際に男性で育児休業を取られている人たちは、育児休業を取ることで出世は諦めたという話をする男性もいらっしゃるのです。育児休業を取得することが将来の昇進・昇格の芽も摘んでしまうということに関しては、大変残念なことだと思います。そういう意味ではやはり企業の取組、きちんとこういう制度があってということを周知しながら環境を変えていかなければ、なかなか取得の促進にはつながらないと思いますので、そのことを発言しておきたいと思います。

○斗内委員 資料の関係で、もし分類ができればということでお話したいと思います。資料59ページですが、その前の8ページに、管理職に対する研修や職場全体に対する研修などを行っているということが書かれています。その中で9ページにおいては、そういったことに取り組んでいる企業のほうが、継続して就業される方が多いとあります。特に8割以上、44.9%という数字が出ています。恐らく企業においては、複数のことをやられていると思うのです。この44.9%、8割以上就業が継続されるということは、どのようなことを実際にやられているのか、その辺を結び付けることがクロスでできるのであれば、その辺も踏まえておくべきではなかろうかと思うのですが、どうでしょうか。

○小林雇用均等政策課長 ちょっと時間を頂いて、検討させていただければと思います。

○田島分科会長 ほかに御発言はありませんか。

○中窪委員 全体的な質問になります。措置義務については今まで育介法の議論をしてきたわけですけれども、法律としてはどこに置くことを考えておられるのですか。均等法に置くのか、育介法に置くのか、両方に置くのかという辺りをお願いします。

○小林雇用均等政策課長 もともとの不利益取扱いの禁止が、育介法と均等法の両方にありますので、措置義務の規定についても、両方の法律に置いていくのが自然ではないかと考えております。

○中窪委員 私もそのように思いました。そういう意味では、いろいろなことがありますけれども、中身が2つあるわけですね。女性労働者の妊娠・出産に対する保護の問題と、育児・介護休業法に書いているものと。資料61ページにそれぞれの事由と、その次に不利益取扱いについての類型があるので、そこまでは私も非常によく分かったのです。しかし、それから先は全て両方一緒にしている。区分の視点が違って、上司のこういう行為というような形になっているとは思うのですけれども、中身が両方違うので、女性労働者の妊娠・出産に対する措置義務と育介法上のものとに分けて議論をしたほうが、頭がすっきりしますし、すべき内容がもう少し明確化するのではないかと思いました。

○山川委員 今の御発言と若干関連したことで、理論的な整理の問題です。13ページに「妊娠・出産・育児・介護休業等を理由とする不利益取扱いを防止するため」と書かれていますので、趣旨は必ずしも均等法93項に該当する不利益取扱いには限らない、という理解になるのだろうと思います。つまり、同僚の行為もあり、同僚は、均等法93項の禁止対象である事業主ではないですから、それとは異なるものも含んでいるわけです。その辺は条文化する際にどういうように書くかという点にも関わるかと思いますので、明確にする必要があるかと思います。

 セクハラの指針においては、環境型は、事業主が行うことを禁止されている行為には限らないのです。つまり環境型セクハラは、事業主が行わない場合は均等法では直接禁止されていない行為であるけれども、雇用管理上の措置としては防止の対象としているのです。ということで、ここでの不利益取扱いの中身は調査でもそのように書かれておりますので、条文化する際、その辺りは整理しておく必要があるように思われます。

 もう1つ、介護休業の有期労働契約の御質問の取得要件についてもよろしいでしょうか。先ほどはすぐに思い付かないで、しばらく考えていたのです。11ページの2つ目の○の新たな提案、「16か月までの間に」という所が御議論になっていたかと思います。現行法と比較して書くことにした場合は16か月と言うよりも、1歳に達する日から6か月を経過する日という理解でよろしいのですか。つまり1歳に達する日から1年ではなくて、1歳に達する日から6か月というように、いわば短縮した形の表現なのかなと理解しております。その問題が1つです。

 それから施行規則の関係で、申出から1年とすることが話題になっておりました。有期労働契約の場合の育児休業取得については、申出ができるかどうかを問題にすると言いますか、そもそも権利があるかどうかを問題にするわけです。申出が前提となる、あるいは終了も問題になるかもしれませんが、終了から1年ということですと、終了がいつかというのは申出をするまで分からないし、かつ、育児休業の末日については先行することもある。権利を与えるかどうかという観点からすると、申出からとか終了からとするよりは、1歳に達する日から1年とか6か月というように、1歳到達日から考えたほうが明確ではないかという感じがいたします。

 また、こちらは法改正になると思いますので、法律事項ということで法的には省令よりも優先することになりますから、どちらに合わせるかというのは政策的に判断すべきことです。およそ施行規則のほうに合わせることも不可能ではないと思いますけれども、先ほど言ったことからすると、1歳で区切るほうが明確ではあるのかなという感じがいたします。

○田島分科会長 有期契約労働者の育児休業の取得要件に関して、山川委員からコメントを頂きましたが、事務局、御回答の準備はできていますか。

○蒔苗職業家庭両立課長 今御指摘いただいたことを踏まえ、少し検討して、また御相談をさせていただきたいと思います。

○田島分科会長 井上委員、よろしいですか。

○井上委員 はい。

○川崎委員 妊娠・出産・育児休業・介護休業といったことを理由として、不利益取扱いがなされてはならないものだという認識は、労使ともに変わらないところだと思いますけれども、この中で今回、防止措置と対象となる行為事例ということで、上司の事例が多々挙がっています。そもそもこれは今の法律では法律違反にならないことを前提として、こういうものがスタートしてきているのか、法律違反であるものの発生しているからというのか、どちらになると理解すればいいのでしょうか。

○小林雇用均等政策課長 それは3ページの御指摘だと思います。3ページの事例で、実際に組織的な決定として解雇するとか、契約の更新をしないとか、契約内容の変更を強要したとか、不利益な評価をしたということがあれば、それはもう禁止されることですけれども、今回ここで御提案しているのは、そこに至る前の段階です。解雇には至っていないけれども、そういうことをするぞということを上司がほのめかす行為自体は、事業主の行為ではないので法律上で禁止されている行為ではない。そこは防止措置としてやっていくべきところかと思っています。ですから上司が「解雇してやる」と言った時点で、均等法93項の違反になるわけではないと思っています。ただ、実際に組織として解雇を決定して解雇したということになれば、そこからは禁止規定の違反になると考えております。ですから、防止措置は前段階の部分だろうと思っております。

○川崎委員 これは、各地域の労働局の雇用均等室への相談事例が参考になっているかと思います。そうしますとここに挙がっている人たちは、相談に来た時点ではもう既に解雇されていたとか、契約更新がされなかったとか。そういう事象があってからでないと、そもそも労働局には相談に来ていないのか、前段で相談に来ても受け付けられないのか、その辺はどのような形で周知されているのですか。

○小林雇用均等政策課長 現場の運用としては、やはり未然防止的なところもありますので、完全に違反行為がないと指導に入れないということではないのです。ただ、実際に解雇されてしまってから来られる方もいらっしゃいますし、会社の決定として、いついつに解雇すると通告されている段階で来られる方もいらっしゃいますし、上司にそう言われてしまいましたという早い段階で来られる方もいるので、御相談に応じないわけではありません。しかし実際に解雇されたという段階で実務上指導書を切るということになります。つまり法律の違反があった場合に切ることになろうかと思っています。ただ、相談はお受けしますし、そういうことをしたら違反になるということで、事業所でお話をさせていただくことは運用上あると考えております。

○川崎委員 どこまでの段階でそもそも法律違反になるのかといった時点と、未然に防止するための措置との切分け、特に上司の場合は分かりにくいところがあるかと思いますので、そこは分かりやすい形にしていただきたいというのがお願いです。

 もう1つは、男性の育児休業の取得の関連です。男女ともに子育てをしながら就業を継続していこうというのが趣旨だと思いますけれども、ここでアンケートの結果等も拝見しますと、これは基本的に女性に対してのアンケートだと思います。男性が「育児休業が取りにくい」と言っている背景自体に、こういう発言を男性従業員に対して周囲ないし上司が本当にしているのかどうか、その背景のデータとなるようなものがもう少しあれば、また議論しやすいかと思います。女性のアンケート結果だけからすると、男女ともに同じことが起きているかどうかが分かりにくいと思いますから、そこのデータがあれば御紹介いただければと思います。

○蒔苗職業家庭両立課長 確かに今回のマタハラ調査の中には入っていないので、ほかがあるかどうかは探してみたいと思います。

○川崎委員 実際に自分の職場を振り返って見ても、女性の場合はほとんどが産休から育児休業をして復帰してくるのですけれども、では、男性が取るかというと、実際には取っていない。かつ、職場の中で今回のアンケートに挙がったような発言をしているかというと、それもなされていない。それにもかかわらず取っていないというところを考えると、もう少し違う掘り下げをした上で対策を考えたほうが、より実効性のあるものになるのではないかと思います。

○山川委員 今の川崎委員の前のほうの発言の関係で、先ほど申し上げたことの補足です。2ページの性差別指針は均等法93項を前提にしたものですが、就業環境を害することが、不利益取扱いの中に入っているということは、上司という要件と不利益な取扱いという要件の2つを考える場合に、同僚の場合は誰が同僚で誰が上司かという別の難しい問題が生じます。事業主が行ったと評価できる上司の行為については、就業環境を害することも93項に違反する不利益取扱いに該当する。

 しかしセクハラに関しては均等法6条の問題だとしますと、均等法6条は不利益取扱い一般を禁止対象とはしておらず、一定の行為類型に限って禁止対象としている。したがって、性別を理由とするセクハラ指針においては、その類型に当たらない就業環境を害することは6条違反にはならないということになります。しかし、妊娠・出産等については事業主が行った不利益取扱いと言える限りは、93項違反に該当するという整理になると思います。それと同僚の行為というのはまた別の、事業主の行為として禁止対象になるかという問題なので、ちょっと別次元の問題です。

 ただ、微妙な点があるのは確かです。就業環境を害するというのは一体何かという点は、アメリカ等でも種々議論がなされていて、反復性とか重大性という議論になるのです。それはそれとして、93項としては就業環境を害することも不利益取扱いとして禁止対象になるというのは、条文の構造が6条と違うところから出てくると思います。

 あと、派遣法について育介法上の不利益取扱い禁止規定が準用されていないというのは、多分歴史的な背景と言いますか。今のように育介法の守備範囲が非常に広いものでなかった時代だったからでしょう。現在は非常に育介法の守備範囲が広がっているので、育介法の規定も準用することには合理的な理由があると思います。

○中窪委員 今の関係で、事業主の措置義務というのは不利益取扱いとは別に、現在のセクハラの規定の後ろに、今は妊娠・出産後の健康管理が入っていますけれども、その前か後ろに置くのが自然ではないかと思いました。やはり93項とは別の性質の規定になると、私も思います。

○田島分科会長 ほかに御発言はありませんか。よろしいでしょうか。それでは、特に御発言がないようですので、本日の分科会はこれで終了いたします。最後に、本日の議事録の署名委員です。労働者代表は山中委員、使用者代表は布山委員にお願いいたします。皆様、本日は朝早くからお集まりいただきましてありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課
〒100−8916 東京都千代田区霞が関1−2−2

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