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2015年12月24日 厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会健康日本21(第二次)推進専門委員会(議事録)

○日時

平成27年12月24日(木) 13:30〜15:30


○場所

中央合同庁舎5号館専用第23会議室


○議題

1.各項目の進捗状況について
(1)別表第一「健康寿命の延伸と健康格差の縮小に関する目標」
  2健康格差の縮小
(2)別表第四「健康を支え、守るための社会環境の整備に関する目標」
  一.地域のつながりの強化
  二.健康づくりを目的とした活動に主体的に関わっている国民の割合
  三.健康づくりに関する活動に取り組み、自発的に情報発信を行う
  四.企業登録数の増加
  五.健康づくりに関して身近で専門的な支援・相談が受けられる民間団体の活動拠点の増加
  六.健康格差に取り組む自治体の増加
2.その他

○議事

 

 

○古賀課長補佐 定刻になりましたので、ただいまから第5回健康日本21(第二次)推進専門委員会を開催いたします。委員の皆様には、御多忙の折お集まりいただき、御礼申し上げます。健康課の古賀でございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、はじめに福島健康局長より御挨拶を申し上げます。

○福島局長 健康局長の福島でございます。委員の先生方には、大変お忙しいところお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。また、日頃から、健康政策全般につきまして、御協力、御支援を賜りまして、この場をお借りいたしまして厚く御礼を申し上げたいと思います。

 健康日本21は、御承知のように、生活習慣の改善や社会環境の整備によりまして、健康寿命を延伸して、国民が健康で幸せに暮らせる社会の実現を目指すものでございます。この委員会では、第二次健康日本21が掲げる各目標の項目につきまして、進捗状況を確認していただきまして、目標達成に向けた取組などにつきまして幅広く御意見を頂戴しているものです。

 本日の議題の1つでございます「健康格差の縮小」は、「健康寿命の延伸」とともに、第二次健康日本21の最終的な目標となっております。健康日本21では、健康格差とは、地域や社会経済状況の違いによる集団における健康状態の差と定義しているわけですけれども、本日は、その目標項目として掲げています「日常生活に制限のない期間の平均の都道府県格差の縮小」、これにつきまして、研究班からの御報告に基づきまして現状を確認いただき、今後の取組について御議論いただきたいと存じます。

 また、もう1つの議題ですが、「社会環境の整備」です。人々の健康が社会経済的環境の影響を受けることから、健康を支え守るための社会環境の整備を、これも第二次健康日本21から目標として掲げているわけです。個人の取組だけでは解決できない地域社会の健康づくりの取組を進めるための項目につきまして、その現状と、そしてこれを更に推進していくために、今後、私ども国あるいは都道府県、民間団体等がそれぞれどういう取組を行っていくのがよいか、必要かということにつきまして御議論いただければと思います。

 どうぞ、先生方には忌憚のない御意見を頂戴いたしますようにお願い申し上げまして、簡単ではございますけれども冒頭の御挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

○古賀課長補佐 次に、本日の出欠状況について御報告いたします。本日は委員全員に御出席いただいています。山縣委員は少し遅れるとの御連絡を頂いています。本日の議題の検討に当たっては、参考人として、大分県福祉保健部の藤内参事監と、国立保健医療科学院生涯健康研究部の横山部長に御出席いただいています。

 それでは、配布資料の確認をします。座席図、次に「本委員会の設置について」ということで、裏には名簿が付いています。議事次第、143ページまでの資料16までが付いています。今日、お手元に資料1について別に配布しています。資料1に関して、誤植というか間違いがあったので、本日はお配りした資料1のほうで説明します。このほかに、参考資料12を配布しています。資料の確認は以上です。もし、お手元に配られていないもの、あるいは落丁等ありましたら事務局までお申し付けください。

 それでは、以後の進行については辻委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 

○辻委員長 それでは、早速、議題に入りたいと思います。本日の最初の議題は「健康格差の縮小」に関する目標項目の進捗状況についてです。まず最初に、事務局からの説明を踏まえて、研究班の報告として、私から都道府県健康寿命の推定値について説明を行った後、研究班の分担研究者である参考人の横山先生から「都道府県格差の縮小の評価と都道府県健康格差の変化」について御説明いただきたいと思います。では、事務局からお願いします。

○寺原たばこ対策専門官 たばこ対策専門官の寺原です。それでは、資料12について説明します。別にお配りした資料1を御覧ください。第二次健康日本215つの大きな柱の1つが「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」です。今回は、この健康格差の縮小に関する目標に関して進捗状況を御説明します。健康日本21では、「健康格差」とは地域や社会経済状況の違いによる集団における健康状態の差と定義しています。しかしながら、地域格差に関しては、データの蓄積があること、また、自治体間の格差を明らかにすることで各自治体の自主的な取組を促進する効果が期待できることから、第二次においては地域格差に焦点を置いて、健康格差の縮小の目標としては、健康寿命の都道府県格差の縮小としています。

 これまでの取組としては、国民生活基礎調査のデータに基づいて、各都道府県別健康寿命に関しては平成22年の値を公表しています。また、全国値に関しては平成22年と平成25年の値を既に公表しています。また、厚労科研の研究成果として、健康寿命の算定方針や算定ソフトの公表、さらに、地方自治体による効果的な健康施策展開のための既存データの活用の手引きを公表しています。

 今後の方向性です。厚労科研で、健康寿命の全国推移と地域格差の算定及び評価方法の研究を行う予定です。また、平成24年以降に、健康に関する指標等の実態把握及び健康格差対策に取り組む自治体数の調査をしていて、こちらの調査も引き続き行いながら、各自治体が健康格差対策に取り組むように今後も推進していきたい、促していきたいと思っています。

 資料2です。こちらの表になりますが、今、御説明したように、第二次健康日本21の健康格差の縮小としては、都道府県格差の縮小を目標に掲げています。策定時には、健康寿命が最も長い県の値と最も短い県の値の差を記していましたが、目標に関しては、策定時には数値目標は立てていませんで、今後どのように格差の縮小を評価するのか決められていませんでした。そこで、今回、この目標の考え方として記しています。健康日本21においては、この目標を実現するに当たっては、健康寿命の最も長い都道府県の数値を目標として、各県において健康寿命の延伸を図るよう取り組むことを前提とする必要があるとしています。そこで、目標である「都道府県格差の縮小」については、47都道府県の健康寿命の値の分布全体が高いほうに移動した上で、分布の幅、都道府県間のバラツキが縮小することが望ましい状態と考えられると捉えています。

 今後の方向性としては、都道府県の健康寿命の推定値の推移については、その分布に誤差がありますので、平成22年と平成25年による2点での比較でその変化を評価することは困難ですので、平成28年の値も併せて評価する必要があると考えています。健康日本21の中間評価の際に評価を行う予定です。また、その評価方法については開発の必要がありまして、引き続き研究において検証を行っていく予定です。以上です。

○辻委員長 ありがとうございました。それでは、私から御説明します。資料2-1(1)を御覧ください。これは、私どもの研究班で行った調査研究です。まず、図1を御覧ください。都道府県別の健康寿命の推定値です。これは各47都道府県別に、横軸は平成22年、縦軸が平成25年のデータをプロットしてあります。上のグラフが男性、下のグラフが女性になっています。

 まず、上を御覧いただくと、日本全国の健康寿命の値としては、平成22年が70.4年、それが平成25年では71.2年ということですので、全国値としては0.8年伸びているわけです。ほとんどの所がそのような伸びを示しているのではないか。つまり、対角線上にあるものは、平成22年と平成25年で数値が変わらないことになりますので、この対角線よりも上にあるものは、平成22年に比べて平成25年のほうが伸びていることになります。ですので、3県程度下がっている所がありますが、あとはほとんどの所が伸びています。図2を御覧いただくと、女性も、平成22年の全国値が73.6年、平成25年の全国値が74.2年ですので、0.6年程度伸びていて、ほとんどの所がそのように伸びていますが、一方、下がっている所もあります。一つ一つの点が都道府県のデータで、そこに横軸、縦軸で線が引いてあります。これは、左右方向の線は平成22年当時の標準誤差の範囲を示しています。縦の上下方向の線は平成25年の標準誤差を示しています。このように見ますと、かなり標準誤差が大きいことが分かると思います。その中で、多くの所で伸びていると申し上げましたが、場合によっては1年以上伸びている所も数県あります。これは、たった3年間で健康寿命が1年以上も伸びるのかと、全国平均で言いますと0.8年とか0.6年のところが、その2倍近く増えている所があるわけです。そのようなことが本当にあるのだろうかということが問題になってくるわけです。

1つ解釈としては、今回、この健康寿命の算定のベースになっている国民生活基礎調査について御理解いただかなければいけないかと思います。この国民生活基礎調査は、全国を対象として約95万の国勢調査区があるわけですが、そのうち約5,500地区を無作為抽出して、その地区内の世帯員全員を対象に調査をしているわけです。ですから、まず調査対象者が74万人いるわけですが、とは申しましても、実はこれは、調査対象地区としても、人数としても、大体国全体としては170分の1の割合で抽出しているものになっています。そうしますと、調査対象となっている地区が各都道府県で幾つあるのかを見ますと、例えば、人口の多い東京ですと600地区ぐらいあるのですが、人口が最も少ない鳥取県になると25地区となります。ですから、例えば鳥取県の健康寿命の推定というのはこの25地区です。本来は4,000地区ぐらいあるはずなのですが、その4,000地区のうち25地区だけ抽出された分について計算しているというサンプリングのバラツキの問題があります。ですから、1年以上伸びた所とか、逆に下がってしまった所がありますが、どうしてそういうことが起こるかと言いますと、1つは、全数調査ではなくて無作為抽出によるバラツキの問題があるということと、もう1つは、調査地区がたまたま健康寿命の長い所だったり、短い所だったり、地域格差が結構ありますので、平成22年と平成25年それぞれで、どういう地区がたまたま抽出されてしまったのかによっても違いますので、1年以上伸びたとか、あるいは短くなったとか、そういうことが本当に実際のリアルなものなのかについては、解釈は慎重でなければいけないかと思います。

 次のページです。平成25年と平成22年の、これは男性の日常生活に制限のない期間の平均としての健康寿命を書いています。一番下を御覧ください。全国値となっていて、平成25年ですと71.19年となっていて、その隣に書いている2つの数字が95%信頼区間ということで、これは71.07から71.32ということで、推定の幅が0.25年なのです。非常に小さい。平成22年でも70.28から70.55ということで、95%信頼区間の幅が0.27年、非常に短いです。その一方、都道府県になりますと、例えば、人口が最も多い所ではこの信頼区間も狭まりますが、最も人口の多い東京で見ていっても、95%信頼区間が平成25年で御覧いただくと、下限が70.14、上限が71.39ということで、大体1.2年から1.3年の幅で推定の幅があります。ですから、これは国全体のデータに比べると5倍から6倍程度推定の精度は落ちることになります。これは、全数調査ではなくて標本抽出したものであって、対象者となる数によってこの推定の幅が広がってくるわけです。ですから、今回、このような形で95%信頼区間を初めて出しましたので、かなり幅のある数値であり、そして、1位、2位、3位というものが、たまたまそうなっているだけであって、全体の順位にも幅があるのだということを御理解いただきたいと思います。

 順位についても、95%信頼区間というのは計算できるものでして、それを見ると、1位となった県の順位についても、95%信頼区間でいくと1位から10位までの幅がありますし、ちょうど中間位となった24位で見ても、順位の95%信頼区間は8位から42位までかなり広いです。ですから、11個、個々の対象として何番目ということが、今やっている調査の推定精度ではなかなか難しいのだということを御理解いただきたいと思います。次は、裏をめくると女性のデータが書いてあります。これも同じです。

 今日はメディアの方もたくさんいらっしゃっていると思いますが、ですので、ランキングは、平成22年に比べて平成25年ではこれくらい変わったとか、あるいは1年以上伸びたとか、そういうことが数値としては分かりやすいかと思うのですが、しかし現実には、そのような標本調査に伴うバラツキ、偶然による変動、誤差ということが相当あるので、その辺は慎重な取扱いをお願いしたいと思います。

 では、どのようにこれから評価していくかなのですが、平成22年と平成25年の2回比較だけではそういう変動も大きいことが分かってきましたので、先ほど事務局からもありましたように、もう一度、3年後のデータ、平成28年のデータもあわせて、この3回の動向をまとめる形で中間評価に反映させていきたいと思っています。それともう1つは、健康格差については、健康日本21の第二次の最初の文書では、最も高い所と最も短い所の差で表現していましたが、そのような個々のデータで最大・最小値の差で格差を見ることは、なかなか統計学的にも妥当性が限られていることがこの間の研究によって分かってきましたので、むしろ、集団全体としての分布の問題としてこの格差の問題を捉えていったほうがいいのではないかという議論が、この間、研究班で行われてきました。ですので、それについて、本日、参考人としてお招きしている、この研究班の分担研究者であります横山先生にお願いしたいと思います。どうぞ、先生お願いします。

○横山参考人 それでは、研究分担者の横山から御説明します。6ページ、資料2-2(1)を御覧ください。都道府県格差の縮小をどのように評価するかということ、それから、都道府県格差の変化について、どうなっているか、どのように分析したらいいかを研究班において検討しているので、その状況について御説明します。

 最初に、1つ目の○です。健康寿命の都道府県格差の縮小の望ましい姿をどのように考えるかということで、最初に事務局からお話がありましたが、それを図で説明したいと思います。7ページの上の説明図Aを御覧ください。都道府県の健康寿命の格差の縮小の望ましい姿の案としてこのように考えています。この図は、上のほうがベースライン時、例えば平成22年の健康寿命の都道府県の分布だと思ってください。右側が寿命が長くて、縦が都道府県の数です。ですから真ん中辺にたくさんあって、高いほうと低いほうの数が少ない、このような分布をしている状況です。望ましい姿というのは、この分布全体が、まず右側にシフトすること、全体が向上すること。そして、かつ、都道府県格差の縮小という意味では、この分布の横幅が狭まることです。分布の横幅が広いということは、都道府県間の健康寿命の格差が大きいということですから、それを縮小するというのは、この横幅が狭まることが望ましい姿と考えられるのではないかということで、案として示しています。

 この横幅の表し方なのですが、統計学では、この横幅を標準偏差という指標で表すことができます。この矢印の長さ、ただし片側の長さですが、この片側の長さが分布の横幅、つまり都道府県間のバラツキで、統計学では標準偏差というもので表現されます。以下、SDという言葉で表現します。平成22年と平成25年で果たしてどのように変わっているかを、この考え方に沿って、この後説明します。

 その説明に移る前に、もう1点注意しなければならないこととして、ただいまの辻先生からも御説明があったとおり、都道府県の健康格差の推定値にはかなり誤差があります。誤差のある健康寿命の推定値によって都道府県の格差を比べますと、ちょっと過大評価が起こりやすいという問題が起こります。それを表しているのが7ページの下の説明図Bです。この図は、平成22年の男性の健康寿命をヒストグラム、分布で表したものです。実線と点線がありますが、実線のほうは、実際に推定された47都道府県の健康寿命の分布を表しています。ただし、これは先ほど言いましたとおり、誤差がかなり入っているので、誤差が入ると、この分布の幅が真の分布よりも広がるという問題が起こります。この点線が、誤差の影響を補正して過大評価が起こらないようにした真の値の分布を表しています。見ていただくと分かるとおり、実線の推定値で比べると横幅が広めであって、つまり都道府県格差を過大評価してしまうことがあるので、この点線のように、誤差の影響を補正して真の分布を考える必要があります。ただし、この真の分布というのは、先ほど辻先生からもお話があったとおり、限られた標本調査で得た情報ですので、正確に真実として知ることはできません。ですが、統計的な手法を用いることで、観測されたデータからこの真の分布を推定するということができます。それを試しにやってみたのがこの点線の山になるわけです。この計算方法に関しては先ほどの6ページの真ん中辺りに書いています。健康寿命を研究班で計算された橋本修二先生が、1988年に、この真の分布の横幅である標準偏差を計算する方法を提案しています。今回、その方法を用いて真の分布を推定したということです。ですから、以下の結果に関しては、この真の分布、点線のほうを用いてお話しします。

8ページです。上の結果図M1が、都道府県の健康寿命の今言った真の値の分布を、平成22年と平成25年で比較したもの、まず男性です。青いほうが平成22年で、赤いほうが平成25年です。これを見ていただくと分かるように、右側のほうが寿命が伸びている状態ですので、全体として山が右側にシフトしている、つまり全体としては向上しているということと、それから、この山の横幅の部分の広がりを見ていただくと、平成22年のほうが少し広くて、平成25年ではそれに比べると横幅が狭まっていることが分かるかと思います。この横幅は標準偏差(SD)という指標で表現することができるので、SDで表すと、平成22年が0.57、平成25年が0.47ということで、パーセントにすると約17%ほど縮小しているように見えるという結果です。

 同じデータを別の形で表現したのが下です。これは、上の図の分布の下位と上位で、どの辺りでよく改善しているかを表したものです。これを見ていただくと、平成22年が青い線で、平成25年が赤い線ですので、下位のほうが大きく改善していて、上位のほうも改善しているのですが、その改善幅は上位のほうが少なくなっていることが見て取れます。したがって、下位のほうがよく改善し、上位のほうも改善し、全体として右側にシフトして、横幅が縮まったということが起きているというわけです。

9ページ、結果図F1、こちらが女性です。同じように真の値の分布で見比べると、平成22年と平成25年では、全体として右側にシフトしていますが、横幅で見るとそれほど大きな違いがなさそうに見えます。標準偏差で言うと0.640.61で、「6%縮小」と書いてありますが、余り変わっていないと言ったほうがいいかもしれません。特に、平成25年は、全体として改善はしているのですが、低いほうで少し改善していない所が残っているということがあって、その結果として、全体として比べると、このバラツキ幅、都道府県格差を表す標準偏差がそれほど違わないという状況になっているように思われます。

 同じように下半分では、分布の下位と上位で、どこの部分で大きく改善したかを表したものです。見ていただくと、特に下位の改善幅は、非常に低いところで改善幅は小さくなっています。真ん中辺りは大きく、上位のほうは比較的小さい形になっていて、このような変化の仕方によって、全体として見ると約6%縮小、余り変わっていない状況にあると思われます。

 以上が結果なのですが、6ページの下のほうに少し書いてありますが、今、説明した分布の幅の縮小ですが、これは真の値の分布とは言いつつも、標本調査によって求められたデータですので、真の値の分布そのものにもある程度の誤差があります。ですから、今、示した標準偏差が、男性でしたら0.57から0.47に改善しているように見えるのですが、これにも当然誤差があります。ですので、果たして、この17%縮小と言っていますが、真実としてどの程度縮小したかということに関しては、その誤差を考慮した上で今後検討していかなければなりません。今のところ、研究班でこのような方法を用いて検討していますが、果たして、この変化が有意に変化したのか、つまり本当に変化したのか、それとも、誤差の影響によって見掛け上縮小したように見えるのかについては、まだはっきりと結論を申し上げることはありませんので、今後、中間評価に向けて、適切な誤差の扱い方、また検定方法を開発していき、中間評価に向けて検討を進めていきたいと思っています。以上です。

○辻委員長 ありがとうございました。以上が健康寿命の都道府県格差に関するものですが、これについて、委員の皆様から何か御質問、御意見はありますか。

○岡村委員 お疲れさまです。非常に分かりやすい資料を提示していただき、よく理解できました。平均寿命の場合には、例えば40歳の平均余命とか、インデックスエイジを変えてみる場合があるのですが、寿命の場合は割と若いときのほうがすごく効くので、インデックスエイジを40とか65に変えた場合の健康寿命の評価は、今後していく必要があるとお考えでしょうか。そこを教えてください。

○横山参考人 その点についても検討していく必要はあるかと思います。健康寿命が改善した場合、どの年齢層において改善したのかは非常に重要な情報になるかと思いますので、現在のところは計算はされていないと理解しておりますが、ある年齢からの平均余命的な健康余命というものがあれば、どの年齢において改善したのかが分かりやすくなるのではないかと思いますので、可能であれば今後検討していきたいと思います。

○津下委員 今の岡村先生の御意見に非常に賛同するものですが、やはり健康寿命を伸ばすために、高齢者の生活機能とかいうような高齢者の対策もあれば、生活習慣病予防、健康づくり、より若い人に対するアプローチ、どこが効いて、このように数字が変化していくのかを知るのは重要なことだと思いますので、平均余命的な考え方で、65歳とか、75歳とか、40歳とか、そういうような区切りで見ていただけると有難いです。それから、確か前回のときには介護保険のデータを使ったやり方も同時に示されたように思いましたが、今回は特にそういう。

○辻委員長 「健康日本21」の第二次で出している健康寿命は2つありまして、1つは今回の、日常生活に支障のない期間というものですが、もう1つは主観的健康観で、自分が健康だと自覚していられる期間で、これは2つとも国民生活基礎調査から出るものですので、それを使っています。介護保険の認定に関しては、これとはまた違う別枠で計算されています。

○津下委員 もう1点です。WHOが発表している健康寿命とはまた計算方法が違うかと思いますので、算定式によってどうなのか、世界で比べるとどうなのかとか、様々な視点での情報提供もお願いしたいと思います。

○辻委員長 全くそのとおりだと思います。WHOのものは評価の方法が全く違いまして、様々な健康状態や障害のある生活をレーティングして、生活の質をアジャストしてやっているので、今回と全く違うのですが、そういった方法でも日本の健康寿命は世界で一番長いと出ていますので、今後、そういった動向も踏まえてまたお出ししたいと思います。ありがとうございます。

○樋口委員 非常に分かりやすいデータで、このようなデータを算出いただき、ありがとうございます。表をずっと見ていくと、県ごとに書いてあって、一個一個見ていくと分かるのですけれども、例えば、全体として東北地方がどうだとか、あるいは首都圏がどうだというふうに、人口デンシティとか、あと、地域によってもう少し細かく出していただいたほうが分かりやすいと思いますが、その辺りはいかがでしょうか。

○辻委員長 そうですね。今後、中間評価に向けて、健康寿命の推定から含めて、様々な評価の方法もブラッシュアップしていきたいと思います。その中で、表現法といいますか、どういった形で出していくか、あるいは、どういった切り口で分析していくかも、これから研究班でやっていただけると思いますので、そういった中で樋口先生がおっしゃったとおりのことも考えていきたいと思います。どうもありがとうございました。

○西村委員 北海道大学の西村です。大変分かりやすい御説明、ありがとうございました。既に議論されていると思いますが、こういった方法は、ランダムサンプリング自体がどう行われているかということと、そのときの回答率のようなリスポンス率がバイアスになると思いますが、この辺はどういう形で担保されているのでしょうか。

○横山参考人 回答率に関しましては、ソースになっているのは国民生活基礎調査です。国民生活基礎調査の回答率はかなり高くて、8割程度ぐらいだったと思いますので、その協力に関してはかなり。

○西村委員 高齢者の場合、基本的に本人が回答できない場合もありますよね。そういう場合はどういう扱いになっているのか。認知症を発症している方は当然、重大な問題だと思いますが、実際に回答できない、あるいは回答しても正確ではないことがあり得るかと思って聞いていたのですが。

○寺原タバコ対策専門官 国民生活基礎調査の中では、例えば入所している方や回答できない方は調査自体から省かれている状況です。

○西村委員 それはバイアスにはならないのでしょうか。国民全体の健康を考えたとき、入所している方は社会状況で変わってきますよね。ベッド数もどんどん増えたり減ったりというような状況もありますし、あるいは、逆に介護施設のようなものが増えることもありますし、そういう所が全部省かれると大事なデータがバイアスになってしまうのではないかと思います。

○横山参考人 そういう理由によって省かれるデータが増えれば、バイアスの原因にはなり得ると思います。全体的にですから、長めにバイアスが生じる可能性はあるかと思います。あとは、それが都道府県によって省かれ具合に違いがあると、都道府県格差にもまたバイアスとして生じてくる可能性がありますが、省かれる方がどのぐらいいるかは分かりますか。

○寺原タバコ対策専門官 省かれた方がどれぐらいいるかは、調べないとお答えできないのですが、研究の中で、省かれた場合にどうなるかを見ている研究はあります。省かれていない場合はどうなるかですね。こちらは、省かれて計算をして健康寿命を出しているわけですが、仮に、入所している方が皆さん不健康な状態、日常生活に制限があるとした場合にどうなのかを見ていて、各県ごとに相関を見ております。入所している方は皆さん不健康な状況だと仮定して、各県ごとに順番的なものを出しまして、その相関を見たときに、非常に相関が高いと。つまり、各都道府県ごとの省かれ率といいましょうか、そういったものは余り影響がないのではないかというような研究結果があります。

 それから、健康寿命の考え方に関しては、確かにこれまでもいろいろと議論があったと承知しております。健康日本21の第二次に関しては、国民生活基礎調査のほうを用いて、日常生活に制限のない期間の平均というようにしておりますが、それまでは、研究者の方々は様々な健康寿命という概念で計算されておりました。ただ、この国民生活基礎調査を使うことで、国の基幹的な調査ですし、サンプル数も非常に多いので、そういった意味で、地域格差も見られることと、経年的変化が見られるということで、こちらを採用した経緯があります。さらに、昨年、この健康寿命の妥当性を見る研究がありまして、アメリカやヨーロッパの健康寿命の考え方と比較したものがありますが、やはり欧州においても同じような考え方で健康寿命を算定しておりまして、現時点においてはこういった形で示すのが妥当ではないかと判断されて、健康日本21の第二次に入った経緯があります。

○辻委員長 よろしいでしょうか。ほかにどなたかございますか。

○吉村委員 先生、どうもありがとうございます。大変勉強になりました。解析のときに1つお願いしたいと思いますのは、トータルの健康寿命だけではなくて、平均寿命も一緒に付けていただくと、平均寿命が伸びているので、それに対して、評価時の全体が向上しているのがこちらのプロモーションによってよくなっているのか、あるいは、単に平均寿命が伸びているから全体として伸びているのかというような評価にもできると思いますので、平均寿命も一緒に評価の材料に入れていただければと思います。

○辻委員長 分かりました。全国値については以前からやっていたのですが、都道府県値については同様のことをやってもいいのかなと思います。ただ、平均寿命というのは、都道府県にしても何にしても全数調査ですよね。その一方で、健康寿命となると標本調査となりますので、推定の幅がかなり違ってきていますので、一緒に並べることでかえって誤解されてしまう部分もありますので、そういったところを若干慎重にしながら、むしろ複数の調査を組み合わせながら、推定の精度をよくしながら、先生のおっしゃるような、平均寿命と健康寿命との差ですよね。今回の目標としては、平均寿命の伸び以上に健康寿命を伸ばすというところが一つ大きくありますので、そういったところもこれから議論したいと思います。ありがとうございました。ほかによろしいでしょうか。

○岡村委員 先ほどの認知症等の、省かれている省かれていないというのは非常に大事なところになって、臨床試験でのインテンション・トゥ・トリートではないのですが、省かれた人は要するにもう障害があるとした場合のワーストシナリオのようなものも書いて、両方を示しておかないと。それが両方、各県でずれがなければいいのですが、それを入れた場合と入れない場合とで県ごとの順位が結構変動したりすると、もともとどちらを使ったらいいかという話になってくるので、両方で見ておかれたほうがいいと思います。

○辻委員長 分かりました。そのようなところも含めて、これから方法論的に検討したいと思います。ありがとうございました。

○西村委員 今の御意見に全く賛成で、先生がおっしゃったように、いろいろな介入試験のときにインテンション・トゥ・トリートで、最近は必ず途中でドロップアウトした人も入れたデータを示しますよね。これは大変大事なデータなので、地域差を見るだけではなくて、経年的に見ていくときにも、入床率や認知症の割合が変わってくる可能性がありますから、是非両方を見せることをお願いします。

○辻委員長 中間評価に向けて様々な課題を出していただき、本当にありがとうございます。そういったことも参考にしながら、これからも健康寿命等の評価をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。ということでよろしいでしょうか。それでは、資料2にありますように、都道府県格差の縮小の目標の考え方については、47都道府県の健康寿命の分布全体が高いほうに移動した上で、分布の幅が縮小するという形で進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 次に、議題1(2)、社会環境の整備に関する目標項目についてに移ります。まず最初に、事務局から進捗状況について御説明をいただき、その後に、参考人として来ていただいている大分県の藤内参事監、それから、この専門委員会の津下委員、村山委員からヒアリングを行いたいと思います。初めに事務局からお願いします。

○吉住女性の健康推進室長 それでは資料3について御説明いたします。資料310ページを御覧ください。「健康を支え、守るための社会環境の整備に関する目標」については5つの項目を挙げております。(1)番目の項目の「地域のつながりの強化」については、健康日本21(第二次)の策定時には、平成19年の内閣府の調査を用いて、自分と地域のつながりが強いほうだと思う割合について参考値として見ていたところですが、健康日本21(第二次)においては、国民健康・栄養調査の調査項目である、居住地域でお互いに助け合っていると思う国民の割合を評価していくことになり、最新値が平成23年の値で50.4%となっております。

 また、(2)番の、「健康づくりを目的とした活動に主体的に関わっている国民の割合」については、これも策定時は総務省の調査を参考としており、健康や医療サービスに関係したボランティア活動をしている割合が3.0%でしたが、健康日本21(第二次)では、国民健康・栄養調査の項目である、健康づくりに関係した何らかのボランティア活動を行っている割合について見ていくことになり、現状値が最新値として平成24年のものが27.7%となっております。

 この2つの項目に関するこれまでの取組です。(1)番、(2)番についてはソーシャル・キャピタルの向上に関する項目、(1)番はそのものであり、(2)番はソーシャル・キャピタルの向上のための多様な活動主体による自発的取組の推進にかかる項目です。これまでの取組の1番目は、地域保健法に基づく「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」や「地域における保健師の保健活動に関する指針」にソーシャル・キャピタルの醸成や活用の重要性について明記しております。また、厚生労働科学研究費補助金により、ソーシャル・キャピタルの醸成・活用についての研究を行ってまいりました。その研究成果として、「住民組織を通じたソーシャル・キャピタルの醸成・活用にかかる手引」及び「ソーシャル・キャピタルを育てる・生かす!地域の健康作り実践マニュアル」を作成しました。この2つについては、参考資料1、参考資料2としてお手元に御用意してございます。これらについて、厚生労働省のホームページに掲載し、どなたでもこれをダウンロードして活用できる状態にし、現在、活用を促進しているところです。各種の全国会議や研修会等において、特に全国の保健所長、保健師さん等を対象に、この研究成果についての周知を行っているところです。また、優れた住民組織活動について、健康寿命をのばそうアワードで表彰を行ってきているところです。

 今後の方向性については、引き続き、この「住民組織を通じたソーシャル・キャピタルの醸成・活用にかかる手引」及び「ソーシャル・キャピタルの実践マニュアル」の普及促進を図っていく、また、毎年、優れた住民組織活動について、健康寿命をのばそうアワードなどでの表彰を引き続き行っていく、健康日本21関連のホームページ等で優れた住民組織活動の紹介をしていきたいと考えております。

11ページです。(3)番目は「健康づくりに関する活動に取り組み、自発的に情報発信を行う企業数の増加」にかかる項目です。平成24年のスマート・ライフ・プロジェクトの参画企業数が420社でしたが、最新値、平成27年には2,501社まで増えております。

 これまでの取組としては、スマート・ライフ・プロジェクト参画企業等の当プロジェクトにかかる情報の取得媒体等を把握し、以下の取組を推進しました。例えば、スマート・ライフ・プロジェクトWebサイトの刷新、禁煙週間や女性の健康週間などの啓発イベントの実施、企業・団体等が開催するイベントにおいてブースや新聞等の媒体での広報、参画企業等にその活動上での紹介を依頼、健康寿命をのばそう!アワード等の実施によるテレビやWeb等への露出等の取組を行ってきております。

 今後の方向性としては、今後も新たな参画企業がどのような媒体でこのプロジェクトの情報を取得したかを把握しながら、より効果的な普及活動を行っていきたいと考えております。また、実施する各イベントのメディア露出の増加により参画企業数を更に増加させていきたいと考えております。

 (4)番目の項目は「健康づくりに関して身近で専門的な支援・相談が受けられる民間団体の活動拠点数の増加」です。平成24年の値が7,134でして、最新値平成26年のものが7,256となっております。その中身ですが、地域住民の健康支援・相談等を行い、その旨を積極的に地域住民に周知している薬局の数、これは日本薬剤師会に集計していただいておりますが、最新のものは現在集計中で、平成283月に公表予定ですので、できれば次回のこの委員会で、最新値を改めてお知らせしたいと思います。また、地域住民に対して専門的な知識・技術を基に栄養支援を行う栄養ケア・ステーションの数については、日本栄養士会に調査をしていただいておりますが、これについては平成26年度末時点で237となっており、平成24年の47から約5倍になっているところです。

 この項目についての今後の方針としては、引き続き活動拠点数の増加を図っていくとともに、新たに、例えば子育て・女性健康支援などに取り組んでいる新たな民間団体の参画の促進も図っていきたいと考えているところです。

 続きまして(5)の項目は「健康格差対策に取り組む自治体数の増加」です。課題となる健康格差の実態を把握し、健康づくりが不利な集団への対策を実施している都道府県の数をカウントしており、平成24年には11都道府県だったものが、平成26年度には30都道府県まで増えております。これについて、詳細の資料が資料3の別添資料として12ページに付けております。

 この項目について毎年都道府県に調査を掛けており、問1、問2、問3の形で聞いております。問1が、各都道府県が管内の市町村の健康に関する指標や生活習慣の状況の格差に関し、その実態を把握していますかという問いです。これについては把握している都道府県が46都道府県となっております。問2として、この問1で「把握している」と答えた都道府県は、その格差の縮小に向けた対策について検討しているかどうか聞いています。これについては、37都道府県で「検討している」と答えております。問3で、その検討結果に基づき、格差の縮小に向けた対策を実施しているかを聞いています。これについては、現在、30都道府県が実施しているとの答えをいただいております。

11ページに戻ります。これまでの取組としては、別添3で付けたように、健康格差対策に取り組む自治体について、毎年現状を把握しているところです。平成24年の国民健康・栄養調査においても、地域間の健康格差についての調査を実施しております。各都道府県の健康増進計画について、国と同一である項目と都道府県が独自に定めた項目が分かるようにこちらで整理をし、厚生労働省ホームページ「健康日本21(第二次)分析評価事業」のページにその結果を掲載しております。

 今後の取組としては、健康格差対策に取り組む自治体について、今後も毎年調査を実施していきたいと思います。また、健康日本21の中間評価、最終評価に合わせ、平成28年、平成32年の国民健康・栄養調査の大規模調査においても、地域間の健康格差についての調査を実施する予定です。また、健康格差対策に取り組む自治体の事例について、今日もこれから愛知県や新潟県の事例について、先生方からお話いただくところですが、そういった、特に好事例について今後どんどん情報発信していく方向で検討したいと考えております。説明は以上です。

○辻委員長 次に、藤内参考人から、地域のつながりの強化、健康づくりを目的とした活動に主体的に関わっている国民の割合の増加という、健康日本21(第二次)の項目に関連するものとして、「住民組織活動を通じたソーシャル・キャピタルの醸成・活用の現状と課題」ということで、御説明いただきます。では、藤内先生、お願いいたします。

○藤内参考人 大分県福祉保健部の藤内です。今回は、平成2526年度と2年間にわたり厚生労働科学研究として行いました、住民組織活動を通じたソーシャル・キャピタルの醸成・活用の現状について報告をさせていただきたいと思います。

13ページの下の図を御覧ください。真ん中に、「個人レベルのソーシャル・キャピタル指標」と書いてありますが、信頼とかネットワークとか社会規範について、個人がどのように感じているかという調査ではなくて、今回、研究班においては、個人のソーシャル・キャピタルや生活習慣に影響を及ぼすであろう、地域における住民組織活動を通じたソーシャル・キャピタルの実態について調査しました。

14ページの上の図を御覧ください。これが研究のフレームワークです。一番最上位の目標として、地域保健にかかる地域レベルのソーシャル・キャピタルとして、主要な住民組織の活動状況であったり、各分野における住民組織との協働状況、あるいはこうした住民組織活動の成果について、どのように市町村の健康増進担当者が把握しているか、あるいは評価しているか。その回答に、住民組織との協働のプロセスや、住民組織との協働体制、それに対する県型保健所の支援状況について調査をしました。全国の市区町村のうち932自治体、53.5%から回答をいただきました。

14ページの下の図を御覧ください。主要な住民組織として、いわゆる「健康づくり推進員」等についてはおおむね6割弱の自治体、食生活改善推進員については9割の自治体、母子保健推進は愛育班が1割、母子保健推進員は大体3割の自治体でありました。人口規模別に見ると、510万人の自治体で、いずれの組織も設置率が高い傾向にありましたが、健康づくり推進員という、それぞれ校区単位とか、あるいは自治会単位で選出される健康づくりをお手伝いする方々は、人口30万人以上の自治体で最も設置率が高い状況でした。

15ページの上の段を御覧ください。健康づくり推進員の活動内容について、もう少し詳しく調べてみました。健康づくり推進員がどのような活動をしているかということで、健診の受診勧奨、啓発用資料の配布、健康づくりイベントの運営支援、これらは行政のお手伝いといいますか手足的な活動で、比較的定形的な活動になっています。こうした活動だけでなく、下の2つにあります、地域の健康教室等の企画や運営、地区の行事等と連携した健康づくりといった、推進員自身が考えて、保健師や栄養士とともに、一緒に地域の健康づくりを実践するというような取組も、比較的人口規模の大い自治体では多くなっていました。

15ページの下の段を御覧ください。それ以外にも、食育や運動、介護予防、子育て支援、あるいはPTAから職域というように、様々な分野の住民組織が地域には存在しますが、行政が住民組織とどのくらい日頃から協働しているかを調べたものです。これは「日頃から協働している」と答えた自治体の割合を示しております。人口が大きくなればなるほどその割合が大きい傾向にあります。特に、校区単位や町内会との協働、この図では一番下に示しておりますが、これについては人口規模が大きくなればなるほど、特に人口が30万人以上の自治体では3割近い自治体で、校区や町内会をベースとした住民組織と協働しているという実態がうかがえました。

16ページを御覧ください。今申し上げたような各分野の協働の状況を、それぞれの市町村がどれくらいの分野と協働しているか、それを都道府県ごとに平均を出したものです。東京都が1.7分野ということで、最も少なくなっております。最も多かった大分県の6.6分野と比較すると、4倍近い格差を認めておりました。今回、住民組織活動を通じたソーシャル・キャピタルの醸成や活用に関して言えば、非常に都道府県による格差が大きかったというのが大きな特徴でした。16ページの下の図は住民組織と保健福祉計画、特に健康増進計画のような計画推進に住民組織がどれくらい関わっているかを、都道府県ごとに市町村の結果を集計したものです。これも10%台の県から50%を超える県まで、都道府県格差が非常に大きくなっておりました。

17ページの上の図を御覧ください。今回、住民組織活動を通じてソーシャル・キャピタルが醸成されているかを、「活動を通して地域の住民の絆が深まっていますか」というような質問で評価しました。「ほとんどの住民組織で地域住民の絆が深まっている」と回答した自治体の割合を人口規模別に見ております。人口が1030万人の自治体で、青い色で示した部分は、ほとんどの組織でそういう住民組織活動が地域住民の絆を深めることにつながっているという回答が得られました。

17ページの下の図は、ソーシャル・キャピタルの醸成を縦軸に取り、先ほど紹介した日頃から協働している住民組織がある分野の数を横軸に取り、都道府県ごとに散布図を見たものです。先ほど紹介した大分や島根、岡山のように、日頃から多くの分野で住民組織と協働している県ほど、こういう住民組織活動がソーシャル・キャピタルの醸成につながっている傾向が認められました。

18ページはソーシャル・キャピタルの醸成にかかる各項目間の関連を重回帰分析により見たものです。一番上の段が、今申し上げた住民組織とどれくらい多くの分野で協働しているかと、そのソーシャル・キャピタルの醸成です。2段目には健康課題を住民組織とどれくらい共有しているか、活動の目的を共有しているか、成果の確認であったり、こうした住民組織のプロセスとの関連を見ております。3段目は住民組織との協働につながる協働体制として、保健事業においてソーシャル・キャピタルをどう位置付けているかであったり、住民組織との協働において、行政他部署とどう協働しているか、あるいは住民組織との協働にかかる指針の有無であったり、研修の有無といったような、協働体制について調査をしております。矢印でお示ししたように、それぞれ上位の項目と有意な関連を示す項目が多く認められました。また、県型保健所による支援も有用と考えられました。以上、研究班の成果をざっと紹介しました。

 大分県の住民組織の1例を、大分県竹田市の例で御紹介させていただきたいと思います。大分県竹田市は、大分県西部、熊本県と隣接する人口が24,000人、高齢化が40%を超え、大分県下でも最も高齢化の進む自治体です。面積は500k平方メートル近く、非常に大きな自治体に少ない人口が住んでいる状況です。竹田市は、平成17年に4つの市町が合併して誕生しました。実は、合併前からこの荻町と直入町には愛育班がありました。住民組織については、こういう市町村合併を機会に、住民組織のある自治体とない自治体が合併するときには、ないほうにそろえてしまう。この竹田市のように、合併する2つの町にあった愛育班を全市に広げたのは非常に珍しいケースです。特に、合併前の荻町や直入町の愛育班活動は非常に特色のあるものでした。というのは、愛育班というのは御存じでしょうか、女性の活動です。山梨県や岡山県や香川県であったり、全国で非常に熱心に取り組まれている地域が散在しているのですが、いずれも女性の活動です。全国で初めて男性の愛育班を作ったというのが、この荻町の特徴です。この愛育班の立ち上げには県の保健所も随分丁寧に支援をしております。

19ページを御覧ください。竹田市の愛育班活動を少し紹介させていただきたいと思います。これは当初、合併した2つの地区にしかなかったのですが、合併から6年間かけて毎年少しずつ愛育班を設置する地区を増やして、平成23年度以降全市内に広がっています。17班、381人の班員です。男性の愛育班員が、この愛育班員の活動のベースは声かけ・訪問なのです。声かけ・訪問と言っても、50代、60代の男性が用もないのに「こんにちは」と行って、安否確認のための独居老人の声かけ・訪問というのは、なかなかしづらいのが実情です。そこで荻町ではジャンボかぼちゃの苗を、直入町ではクーニャンというチンゲン菜の一種ですが、その種を各世帯に配って、苗の状態を確認するために家庭訪問しています。つまり、ジャンボかぼちゃの苗がどうなりましたかということを尋ねながら、その家に住むお年寄りの安否確認するといった形で、男性であっても声かけ・訪問しやすいような工夫をしております。こうした工夫の結果、秋には立派なジャンボかぼちゃが実りまして、秋に開催される愛育祭りは、ジャンボかぼちゃ祭りとして、市の内外から多くの参加があって交流の場にもなっております。また、この愛育班の活動は、地域に存在する各世代の団体、こういう他世代との交流をやっていることも大きな特徴です。

19ページの下を御覧ください。竹田市の住民組織は18種類38団体ということで、人口僅か24000人の市ではありますが、多くの分野の住民組織と協働しています。真ん中辺りに「お湯健クラブ(湯中運動)」とありますが、日本一の炭酸泉がこの市にはありますので、その炭酸泉を使ったお湯の中での運動に取り組むグループであったり、「外国人妻の会」であったり、あるいは精神障害者の支援であったり、傾聴ボランティアといった、非常に多岐にわたる活動を住民組織と行政が協働してやっている状況がうかがえます。

20ページを御覧ください。とはいえ、市町村合併後、こういう住民組織がたくさんあって、それぞれの活動がちょっと停滞しかねない状況だったことから、住民組織活性化事業にこの3年間取り組んでおります。具体的には、各健康づくり組織のリーダーに集まっていただいて、どういう課題があるのかといったようなことを議論していただいています。その結果、組織のメンバーが固定化し、高齢化して活動がマンネリ化してきた、組織の目標とかが曖昧になってきたというようなことが指摘されています。そこで保健師や栄養士で検討し、構成員と行政がどういうふうに取り組むのかを確認するために、500人の方々に調査とヒアリングを実施しています。こうしたヒアリングを通して、組織のメンバーたちも自分たちの会の目標や目的を再確認することができ、市が取り組もうとしている町づくりにおける自分たちの役割を再確認でき、更に積極的に活動に取り組めるようになったというようなことが報告されています。

 最後に、竹田市の組織活動の成果と言えるかどうか分かりませんが、竹田市の衛生統計のデータを少し紹介します。合計特殊出生率は1.71で、大分県の中でも高いほうです。平均寿命も男女とも大分県の平均か、男性はそれよりもちょっと長くなっています。大分県では要介護2をエンドポイントとする健康寿命、健康寿命と言わずに大分県では「お達者年齢」と呼んでいますが、この「お達者年齢」では、男性が大分県では県下3位という状況です。3大死因の標準化死亡比は、いずれも100を下回っています。特定健診の受診率は48.7%、がん検診の受診率も女性のがんについては2つとも50%を超えている状況です。

 こうした竹田市のような取組に限らず、21ページを御覧ください。研究班では、全国12の優れた自治体の取組について訪問調査をさせていただきました。その際に、ある共通の構造が見つかりました。それは、この図にお示ししましたように、それぞれの地域には縦割りで、世代ごととか、分野ごととか、目的別の組織があります。こういう住民組織団体が地域の中でばらばらに存在している、その横のつながりがない。それを校区単位に横串を刺す形で、例えばまちづくり協議会といったような校区ごとにそれぞれの組織のメンバーが集まって、その地区の課題について検討する。こういう仕組みが先進的な自治体においては共通して見られました。そのことにより、ネットワークが強固になりますし、介護予防の問題から子育て支援の問題、そして生活習慣病対策まで、幅広い地域の健康課題に対応することができていると感じています。

 さて、少し調査結果に戻りたいと思います。こうした住民組織活動について、現在の健康増進担当者がどういう課題を感じているかを調査したものです。やはり新規のメンバーがなかなか入らない結果、構成員が高齢化していることを課題であると答えた自治体が非常に多くなっていました。

22ページを御覧ください。今回、先ほどお示ししたように、縦糸と横糸というように、地域における住民組織をつなぐ意味でも、住民組織活動にかかる町内連携が非常に重要です。と申しますのは、先ほどお示ししたような縦割りの様々な目的別や分野別の住民組織というのは、必ずしも保健担当部局が関わる組織ではございません。行政の中のほかの部局が関わっている住民組織も少なくないわけですが、こうした住民組織に横串を通すためには、やはり市町村の行政の内部において町内連携が必要になってまいります。残念ながら、こういう町内連携の仕組みを持っている自治体は1割にも満たなかったですし、まちづくり支援課とか市民活動支援課といった住民主体のまちづくりを支援する部署を設置している自治体は44.6%でしたが、こういう部署と保健部門が常時密に連携していると答えた自治体は2.1%ということで、町内連携が非常に低調でありました。こうした部分はこれから強化が必要なものと考えております。

 先ほど、住民組織との協働に影響を及ぼす体制として、研修機会についても関連があったことを少しお見せしましたが、実際に住民組織活動にかかる研修機会は全国的に非常に乏しくて、全体では4分の1の自治体で、保健師対象、栄養士対象の研修会があるといったような状況でした。事務職対象の研修会になると、実に1割を切るといったような状況になっております。こうした研修機会の有無も、都道府県によって大きな差があり、0%という県から、8割を超える県まで、大きく異なっていました。

23ページを御覧ください。こうした都道府県間の住民組織活動を通じたソーシャル・キャピタルの醸成における格差の背景に、ソーシャル・キャピタルを保健事業においてどう位置付けるかについて、大きな差が認められました。これは人口規模で示したものですが、青色で示した、最優先で取り組む自治体はまだまだ少ないのですが、積極的に取り組むということで、担当課内のコンセンサスが得られていると回答した自治体は、人口が30万人以上を超えると半数を超えますが、人口規模が小さくなるほど、ソーシャル・キャピタルの醸成・活用にかかるその課内のコンセンサスが十分でないといったようなことがうかがえます。このように、積極的に取り組むことについて、課内のコンセンサスが得られていると答えた市町村の割合は、都道府県によって7%から、60%を超えるまで、大きな格差を認めています。先ほど事務局から説明がありましたように、このソーシャル・キャピタルの重要性については、地域保健法に基づく基本指針、そして保健活動の指針にも明記されたわけですが、まだまだ地域の現場においては、ソーシャル・キャピタルを保健活動、保健事業の中で非常に重要なものに位置付けるまでには至っていない状況にありました。

 そこで最後に、問題提起として、これからこのソーシャル・キャピタルの位置付けを高めることが不可欠であると考えております。住民組織活動によってソーシャル・キャピタルが醸成されているのだとか、逆に、うちの地域ではこういう住民組織も作れなくて、ソーシャル・キャピタルの醸成が不十分なんだといったようなことが、これまで地域のソーシャル・キャピタルにかかる指標がなかったがために、その辺のところが自治体でやはり理解できていないことが考えられます。あるいは、住民組織活動によって生活習慣、食生活とか運動などの改善も期待できるわけですが、こういう食生活や運動などの生活習慣が毎年どのように地域で改善しているかといったようなモニターも不十分です。住民組織活動によって地域のソーシャル・キャピタルがこれくらい豊かになった、あるいはこれくらい地域住民の暮らしが変わったといったようなことが、住民組織にフィードバックできること、そして自分たちのそういう活動の意義を住民組織のメンバーそのものがやはり実感できる、こうしたエンパワーメントのプロセスがとても重要であると考えています。

 そういう意味で、ソーシャル・キャピタルの醸成がどうなっているかを市町村の担当者、もっと言えば、市長さん、部長や課長といった幹部職員が実感できるような、そうしたフィードバック。あるいは、それぞれ自分の自治体で住民組織が今これだけ活動しているといったようなものを見える化して、そういう数値をそれぞれの市町村にフィードバックすることで、「あ、うちの町は隣りの町と比べてどうだ」とか、「うちの県の中ではどうだ」といった、そうした見える化も必要ではないかと考えております。以上です。

○辻委員長 それでは次に、健康格差の縮小に向けた取組事例につきまして、津下委員、村山委員から事例の紹介をしていただきます。

 最初に、津下委員から愛知県の事例についてお願いいたします。

○津下委員 資料5を御覧ください。愛知県の場合は54市町村で740万人の人口があり、高齢化率が17.1%から50.5%と広く分布しており産業構造もばらばらで、市町村といっても本当に状況が違う市町村を、県の立場としてバックアップしていかなければいけない課題があります。今日のお話の中では、「健康日本21あいち新計画」の概要と、住民組織、ボランティアの活動の組織化、活性化の取組、そして個別の市町村の健康課題、健康格差の見える化をしたのはいいが、ではそれをどうやって解決していくのか、個別具体的な支援事例をお話ししたいと思っております。

 健康日本21あいち新計画の概念図です。国とほぼ同じような体系図ですが、社会で支える健康づくりとして、愛知県として行政やあいち健康プラザが一緒になって市町村を支援していく。保健所や医療機関、様々な関係団体と一緒になって進めていく体制をしております。

25ページを御覧ください。健康づくりの特に運動方面の取組を地域で進める「健康づくりリーダー」ですが、昭和62年より養成を開始しており、平成12年の第一次のときに健康日本21の推進を担う人材として位置付けをし、25ページの下の段にありますが、今年度で2,650名ほどの健康づくりリーダーがおります。これは一般の住民で、健康づくりに関心がある方ということで、先輩の健康づくりリーダーが推薦して入られる、又は自治体の保健センター等のちらしを見て来られる方が多いわけですが、それぞれの方が各地域で教室を持ったり、サロンで運動をしたりという取組をしております。健康づくりリーダーは健康対策課、衛生部門の管轄ですが、健康づくりリーダーの上にもう一つ介護予防リーダー制度を作りました。健康づくりリーダーは本来は保健センターや、どちらかというと衛生部門に近い、そことコミュニケーションを取っていたわけですが、介護予防リーダーという形で、地域包括支援センターや基本チェックリストのことや認知症に対する対応等を学習していただき、更に様々な分野で活動していただく制度を、時期に応じてどんどん上積み方式で、時代のニーズに応じて制度を作ってきております。

26ページが標準コースです。8日間、40時間、座学やいろいろな勉強をしていただき、今、全県下に健康づくりリーダーはおりますが、養成されると保健者や保健センター等の行政機関へ名簿を提供します。行政のいろいろな事業に一緒に動いてくれる人たちということで名簿を提供していますが、それだけですと縁が薄いので、最近は最後の卒業式のときに卒業制作で、地域でどのような取組をするというような発表をしていただきます。そのときに、市町村の担当者の方々にもたくさん来ていただき、市町村の事業につなげていく工夫をしはじめて、よりつながりが強化しました。また、研修のプログラムの中で、先輩リーダーの所へ行って、そこで実際に一緒に活動するものも単位の中に入れてやっています。その先輩リーダーについては、アドバンスリーダーということで、更に後輩を指導する力を持つボランティアとして、階層化をすることで広げようとやっております。

 このようにやっておりますが、県としてのこういう取組のほかに、支部活動は、リーダーさん自身で連絡協議会を立てて、支部ごとに活動しておりますが、市町村とのつながりが非常にうまくいっている所と、市町村が余り関心がない所があり、市町村のアクティビティーが全然違うことを私たちはリーダーを通して聞いております。それから、市町村とのつながりが大きい所ほどリーダーさんの活動も活性化できることが分かってきておりますので、ここは何か仕掛けが必要だと私たちも思っております。そこで、健康づくりリーダーがご当地体操をやっている所の調査をしたところ、26ページの下の段ですが、20市町村はやっていましたが、ほかはやっていなかったので、平成26年度に愛知県全体でご当地体操を作り、その中で地域版で工夫して、地域らしさを出すことを支部別に作ってくださいと仕掛けをしたところ、かなり住民活動として一生懸命取り組んでいただいて、市町村と一緒に相談しながら進めていく形で、現在、活性化しつつあると思っております。ただ頑張ってくださいと言っても、なかなかつながりが持てないところでもありますが、少しつながる仕掛けを作っていくことが必要と感じております。

 次に27ページを御覧ください。ほかに市町村は、愛知県は28ページの下段にあるように、健康日本21あいち計画の中で、市町村別の健康格差、どのような疾病が多いかや肥満者、健診受診率等についても健康格差をつかんでおります。このような健康格差をつかんでおりますが、それをどのように縮めたらいいのかは自治体職員の悩みがありますので、市町村技術支援を開始しております。市町村からどのような悩みがあるのか、例えばデータ分析の方法や保健事業の見直しをしたい、今までやっている教室がマンネリ化している、ボランティアとつながれない、あるインフラがうまく活用できていないなどの悩みを伺い、現地調査をした上で、何をするのか目標を定めて支援をしていく活動をしております。27ページの下には、具体的に市町村から出された課題があり、28ページの上段には、実際にどのような支援をやっているかです。健康増進計画の評価、分析、策定支援、それから健康な町づくり、特に全庁的な取組を推進したい、それから地域ボランティアの養成・活動に向けた支援、地域・職域と連携した健康課題分析と事業支援、健康づくり事業をよくしたいという希望が挙げられています。

29ページにありますように、そのような市町村について、まず市町村の健康データを確認し、どのようなところに課題があるのか、そして地区別社会資源マップ(豊明市)と書いてありますが、社会資源がどのような町なのかを足で調査といいますか、保健師さんや住民への聞取りや、どのような体制になっているかを聞き、どこを重点化するかというような取組をすることを各市町村で行っております。1例として、29ページの下段の蒲郡市です。蒲郡市はメタボ該当率が最も高く、特定保健指導終了率が低いことがこのような分析で分かり、どうしようかという相談があり、30ページにあるように、そのようなデータを健康課だけではなく、全庁的に勉強しようと勉強会を開いたり、30ページの下段にあるように庁内横断的にプロジェクトチームを作って、食事、運動、メタボ予防、場づくり、そして人づくりというような、これは全課から職員が出て自分たち目線でグループワークをやった。この中で、「体重測定100日チャレンジ」を自分たちでやったら、本当に体重が、メタボが脱出できたという取組が全体での発表であり、これを全市で進めようということで、8万人の市ですが、31ページにあるように全市で「めざせ1万人」、1万人でメタボ改善に取り組む、又はやせの人も体重を測りきちっと食べることや、子供たちに対しては毎朝、朝御飯を食べたかどうかのチェックを市を挙げて取り組もうというような動きになっていきました。

 ここのところですが、32ページの上にあるように、100人や200人ではなくて1万人を巻き込もうと考えると、健康課だけではとてもカバーできない。市長さんがメッセージを出す、そして保健センターがメッセージを出しても一部しか関われないので、まずは市役所の中で、それぞれがどれだけ関わりが持てるか。例えば防災担当はどれだけの地区の組織を持っているとか、いろいろな所でうちは100人ぐらいはいけるとか、そんな話を庁内でされていたのが非常に印象的です。例えば防災訓練と健康づくりは結構似ているという話合いがあり、コラボして声を掛けていこうということを初めて行ったわけです。このような取組をする中で分かったことは、メタボが国保で一番多かったわけですが、実は共済でもメタボ率が高いことが分かり、国保に入ってからではなく働き盛りのときからやらないと、というような、次の課題に進めていけたということで、全庁的に取り組んだ1つの足掛かりができてきていると思います。私たちは、外から応援するものとしては、やる気になったところで少し背中を押すとか、事業評価に悩んでいたりするので、そのようなところに少しお手伝いをするなど、その程度のお手伝いがあれば動いてくれる市町村は結構多いと思います。

32ページの下段にもう1個の例があります。血液透析が多いA市、名前は出してほしくないということですのでA市ですが、割合が高いわけです。高いですが、33ページの下段のように、やはり特定健診のデータで異常値があり放置している人も多いけれども、一方では、33ページの上にあるように健診受診率が42%ですので、未受診者、レセプトもない、状況が全然分からない方も39%いるということで、透析患者さんが、その前の3年間ぐらいちゃんと健診を受けているかを調べたら、健診を受けていない人たちから発症しているわけで、健診だけを入口にしていると、とてもカバーができないということで、健診受診率も同時に上げていかないとということになりました。

34ページにあるように、この地区でエリア別に受診率を見ると、全体では45%ぐらいだったと思いますが、地区ごとに50.9%から30%台で地域格差がありました。これは、市町村合併の影響や、産業構造、町と農村地帯の違い、医療機関の数、健診が受けられる場所の数、接している所が医療圏が同じか違うかで受診率が違っており、結局、市全体で上げようというよりも、どこの地区がどのような状況かを見て、地区別の対策を打つ必要がありますし、低いところは重点的に行う必要があるという形で、今動いている最中です。

 最後に35ページを御覧ください。それぞれ市町村で様々な課題がありますし、動ける所も違います。複数課がデータを持ちより、データ解釈作業を一緒にしながら、今の事業の現状はどうなのかや地域の実情を話しながら、やれる対策、今年すぐできそうなこと、来年度予算に反映できそうなこと、長期計画で頑張ってやっていかなければいけないこと、国のモデル事業があったら何とか手を挙げていきたいことなどを整理し、やれるところを見つける。健康課題を見つけるだけではなく、今年すぐできることは何かを一緒に話し合うことが、まずは大事なステップではないかと考えております。以上です。

○辻委員長 どうもありがとうございました。続きまして、村山委員から新潟県の事例についてお願いいたします。

○村山委員 新潟県の事例について御報告させていただきます。まず、新潟県の人口は230万人ということで、健康課題としては死亡率あるいは要介護の原因疾患としても、脳血管疾患が優先課題となっています。脳血管疾患予防という観点から高血圧予防。高血圧予防を食生活の面で考えていくときに減塩が出てきます。と言いますのは、野菜摂取に関しては、肥満は少なく野菜の摂取量が多い、そして塩分の摂取量が多いということがありますので、減塩対策が最優先となっているということで、今日は減塩対策の事例でお話をさせていただきます。

36ページの下です。こちらは御存じのように、第二次の枠組みとなっています。今日のお話は、右側の「社会環境の質の向上」の部分です。併せて左側の生活習慣病の発症予防・重症化予防に、どう関連付けられるかという観点で御覧いただければと思います。

 次の37ページを御覧ください。上は国の目標で、前半で御紹介があったとおりです。今日は特に赤枠の部分の「多様な活動主体による自発的取組の推進」と「健康格差の縮小」という観点を中心にお話をしたいと思います。

 この両者を結び付ける考え方として、37ページの下の図がございます。まず、健康づくりに関心のある人々や企業、自治体等による働き掛けによって社会環境が改善され、それによって健康づくりがしにくい層の方々の健康づくりがしやすくなる。それによって社会全体の健康水準の向上を狙っていこうといった考え方です。

38ページの上の図が、それを減塩対策に置き換えたものです。また、国、都道府県・市町村、関連団体組織、住民がどのような役割を果たしていくのかということを示しています。国のところは御覧いただくとそのとおりです。住民に対しては、教育的なアプローチとして、関心層の行動変容を促すことによって減塩していこう、減塩できるような環境を推し進めたい、商品を選ぶことにより食環境が整備され、そうすると無理なく無関心層にも減塩が行き渡るといった流れが1つ考えられると思っております。そうした観点から、新潟県の各主体による取組、特に減塩の取組について御紹介をしたいと思います。

1番目に県の取組、2番目に県と市町村の協働、3番目に市町村の事例、4番目に食生活改善推進委員の取組、5番目に県内企業の取組です。この3年間、取組を進めてきた中で、「ポイント」に書いている2点が、私の中で整理できた部分です。

1点目は、実態把握と分析を行うことで各主体が取組を自分のこととして考えられるようになる、すなわち取組の主体となるということです。2点目は、異なる主体がつながることでスケールアップすることです。この2点を感じたところです。

39ページから、それぞれの事例を簡単に御紹介いたします。1番は県の取組です。「県内の市町村間差の実態把握」です。健康状態、健診データを用いた分析を行っています。それを基に地域機関での対策の資料とするということです。

39ページの上は、分析した各項目です。その下の「例」を御覧いただきますと、このような形で各疾患あるいはリスクファクターなどについてマッピングをし、どの辺りにどのような健康課題があるのかを分析し、更に、例えば男性の脳血管疾患のSMRが高い地域はどのような地域なのかというような、関連指標との関係も分析しております。

40ページです。次に、県内の疾患の分布について分析をした結果、脳血管疾患が高い地域が幾つか認められ、特に高い地域が認められております。そういった所を中心に県と市町村の協働ということで、食塩摂取行動の実態把握、分析、対策が進められております。平成25年度には、県が主導で栄養政策立案・評価体制構築のためのデータ分析ワーキングを設置しました。現在7市が参加しており、この中のほとんどが脳血管疾患が高い地域ということで、自発的に手を挙げて、一緒にやりたいということで参加しております。

 こういった参加市町村と県とともに、食習慣の実態把握を行い、高塩分摂取の原因となる食行動の特徴を把握し、平成26年度には県内30市町村のうちの17市町村が参加し、共通のチェックシートで高塩分摂取行動のチェックを行いました。それに基づいて、今年度どのような行動が本当に高塩分摂取につながるのかという分析とともに、ワーキングに参加した7市においては、重点的な対策を行うとしています。また、県全体としての取組の見直しも行っております。

40ページの下です。その中の1つ、ワーキングの1つにも入っている三条市の事例を御紹介いたします。今度は市町村の事例ということですが、市町村の中の中学校区ごとに、先ほど藤内先生の御報告にもありましたような健康推進員、食生活改善推進委員が合同で自分の地域の実態把握をしようということで行っている取組です。高血圧の実態及び高血圧につながる生活習慣や健康意識について、様々なデータを基に自分の地域の実態を見ました。そちらが41ページです。

 幾つかのデータがあったのですが、中学校区別の41ページの上の図です。中学校区別の高血圧者の割合を把握し、下は食生活改善推進委員が近隣の方の味噌汁の塩分濃度を測定する事業があり、それを地区別に集計した結果です。このようなデータをいろいろと組み合わせて見る中で、自分たちの地域の特徴を見ていこうと。そして、ボランティア自身がどのように組織として活動したらいいのか、個人として活動したらいいのかを考えているということです。

41ページの下、4番目で、食生活改善推進委員の取組について御紹介いたします。上にも出てきましたが、近隣住民の味噌汁の塩分測定で実態把握・対策している事例です。こちらは全国の食推さんが「つなぐパートナーシップ事業」というものを平成25年度から開始しております。これは味噌汁の塩分測定です。新潟県では測定するだけではなく、それを住民の教育に使っていくということで、測定結果を返すとともに減塩のリーフレットを使って教育を行います。あるいは追加項目で、自分たちが把握したい項目を味噌汁を何杯飲むかとか、具の種類の数などを追加して把握しております。

 平成25年度、平成26年度の結果を図に表していますので、御覧ください。先ほどの藤内先生の御報告の中でも見える化、こういった住民活動の中で、「自分たちの活動がどのような結果に結び付いているのかを視覚化することが重要なのではないか」という御提案がありましたが、正にそのとおりで、こういった形で結果が見えて、成果が見えてきており、食推さんたちは大変やる気になっているという状況です。

42ページは、企業の食環境のほうの取組です。住民側の研修会にもこういった企業に来ていただき、一緒に研修に参加していただいているということもありますし、住民がこういった食品を選んでいくということを促すとともに、県内の企業が自分たちの企業でどのような減塩食品ができるかということで、幾つかの減塩食品を作るメーカーが徐々に増えてきております。それと同時に、それを住民につなぐ部分として、流通販売企業(スーパーマーケット)での減塩食品の販売促進を推進しているとともに、食環境が住民にフィードバックするルートとして、減塩キャンペーンという形で、今度は関心がない層にもアプローチできるような形で巡っていく。関心がある層がこういった食品を買うことでこういった食品が市場に増え、それが関心のない層にもフィードバックされるような仕組みが、徐々にできつつあるということです。

 さらに実態把握という観点からは、42ページの下です。来年度から、減塩商品の販売量の実態把握をすることで、地域で流れていく食塩量の把握、食塩量の低減のモニタリングを検討していこうと事業者側とも話し合っているところです。

43ページを御覧ください。こういった形で新潟県では全てのライフステージに対して、それぞれのボランティア組織、県の事業、市町村、企業が実態把握と分析を通じて、主体化しつつつながっていくことでスケールアップするという仕組みを、進めているところです。

 課題としては、実態把握と分析を共にやったメンバーは意識が高くなるのですが、それをやっていない例えば県の中でも、あるいは市町村の中でも、そういったワーキングに入っていないメンバーにどう伝えていくかといったところが、次の課題と考えています。

○辻委員長 ただいま藤内先生、津下先生、村山先生から御報告いただきました。これについて、委員の皆様方から御質問、御意見を頂きたいと思います。

○山縣委員 藤内先生にです。大変素晴らしい取組等を教示いただき、ありがとうございます。

 質問は、住民組織の設置率が14ページにあるのですが、もちろん複数設置している所が多いと思うのですが、全国で何もやっていないという市町村というのはあるのでしょうか。

○藤内参考人 基本的には住民組織は、この主要な4つと各分野を合わせて、16分野あって、最低が1で、全くなしというのはなかったです。一番多い所は14でした。だから、14分野の住民組織と協働のある自治体から、1つしかないという所まで、すごく大きな差がありますが、全くないというのはなかったです。

○深井委員 事務局にお伺いします。12ページの資料3です。2回目の委員会でも言ったのですが、健康寿命の延伸にしても、健康格差の是正にしても、具体的な取組か大事になるので、そのときに、がんから糖尿病まではNCDの予防になっていて、それ以降は生活習慣のリスクの改善になっていますので、健康日本21では「運動、栄養、休養、飲酒、たばこ、歯・口腔の健康」となっているので、2回目の委員会のときに、「なぜわざわざ、その他に歯と口の健康を混ぜてしまうのか」とお尋ねしたところ、「省内の調査なので、次回からは歯・口腔の健康は抜き出して集計をします」とお約束していただいたのですが、今日の資料がまた「その他」となっていて、消えていますので、改善していないのであれば是非改善していただきたいと思います。それが1点です。

 もう一つは、先ほどの藤内先生のお話にも関係して、前段の話にも関係するのですが、健康寿命の定義です。国では、国民生活基礎調査をデータソースにしているということですが、先ほどの藤内先生の話の中に、「大分県竹田市では要介護2をエンドポイントとした健康寿命」と。国全体の健康寿命の延伸を図るためには、都道府県や市町村の取組の蓄積になりますので、そのときに都道府県や自治体が別の健康寿命の定義をしていた場合に、それを目指した取組が、例えば先ほどの要介護2であったり、ターゲットエイジの健康寿命という考え方もあると思いますので、それは国のほうで都道府県に、国のデータの都道府県別をフィードバックするとか、参考にしてもらうとか、そういうことはしているのでしょうか。

○寺原たばこ対策専門官 まず1点目です。「その他」についてですが、平成26年の調査で、「その他」の中で口腔・歯に関する指標の調査をしたと、複数の県からそういう結果が来ております。調査票の中では「その他」と平成26年まではなっていたのですが、今申し上げたように複数の県からもそういった報告が来ておりますので、次回の平成27年の調査に関しては、「歯・口腔」という項目を作って調査をしたいと思います。

2点目の件ですが、健康寿命に関して各自治体、市町村においては介護予防の観点からの健康寿命の算定をしている所も多くございます。これは日常生活に制限のない期間の平均の場合には国民生活基礎調査を用いているので、自治体レベル、市町村レベルで健康寿命を算定するのは非常に困難だということで、要介護の状態を用いれば、各自治体でも健康寿命が算定できるので、それを用いてやられておりまして、こちらに関しては研究班の中で要介護状態の数値を入力することによって、健康寿命が算定できるようなものも公表しておりまして、それを用いて計算していただくようにという形で、取組の推進を図っているところです。

○深井委員 ということは、都道府県が目指しているゴールと、国が目指しているゴールが異なってくる、同じ健康寿命であっても異なってきた場合に、全国が一遍によくなるわけではなくて、都道府県がよくなって市町村がよくなるわけなので、そこは定義は別でも同じことなのですね。健康寿命の定義が異なっていても構わないということで理解してよろしいのでしょうか。

○寺原たばこ対策専門官 第二次健康日本21においての健康格差縮小の目標は、都道府県格差の縮小なので、そちらに関しては日常生活に制限のない期間の平均の格差の縮小という形になります。

 自治体間に関しては、自治体の中で、国民生活基礎調査に準じた調査を別途行っていただいて算定いただくか、それが困難な場合には、今申し上げた要介護状態を用いて、別の健康寿命の算定をしていただくという形でお願いをしているところです。

○津下委員 今の要介護認定を使った健康寿命ですが、市町村の場合は、抽出調査ではなくて全数把握ができるわけで、自分の所の算出はできるのですが、逆に県全体とか、ほかの市町村とか、そういう比較対照がない。国全体ではどうで、自分の所はどうなのかという比較対照があると、要介護認定率を使った健康寿命、藤内先生が出された指標というのも比較的比べやすいということになるので、そちらで算出した表と国がこれで出している数字に乖離があることで市町村が判断に迷っていることも結構あるように思われましたので、国や都道府県も要介護認定率で算出したものも出してもらうと、市町村が自分で出したものと比べやすいのかなとは思っています。

○辻委員長 私は研究班の立場で申し上げますと、それはデータさえあれば簡単にできますので可能だと思います。

 一方、健康日本21の第二次という観点でいきますと、国民生活基礎調査でいうところの健康寿命にならざるを得ないわけです。なぜかと言いますと、介護保険ベースのものは、あくまでも65歳以上の方が対象になるということと、もう一つは要介護の認定率は単に要介護者の数だけではなくて、利用可能な介護保険サービスがどれぐらいあるかということでも、申請するかしないかという行動は変わってきますので、何を見ているか分からない部分はあります。一方、全数調査だということで、かなりいい部分もあるわけで、それぞれ一長一短はあるわけです。

 特に、今回の第二次の健康日本21ですと、社会的生活を営む機能も含めた形での、若い方も含めてのものですから、基本的には、似ているけれども全く違うものを見ているということになると思うのです。そういった意味では健康日本21としては今の日常生活に支障がないというのと、主観的健康観というところで、全年齢でやるということをベースにしたいと思います。

 ただ、いろいろな指標はあり得ますので、確かに先生がおっしゃるように、自分の市町村では推定できるけれども、それが全国と比べてどうなのだということは、まだ分からない方もいらっしゃるでしょうから、これも研究班で議論させていただきたいと思います。

 もう一つ、市町村で健康寿命をきちんと推定できるのかというと、これも人口の問題がありまして、1万人規模以上でないと安定したデータは出ません。竹田市さんは2万人ですので全然問題ありませんが、そういったところも考えていただきたいと思います。

○藤内参考人 今議論になったように、市町村ごとに出そうと思えば国民生活基礎調査ではなくて、介護保険データを使った、大分県では「お達者年齢」と呼んでいますが、そうしたものを独自に使わなければならない。でも、結果的にいいことは毎年出るということなのです。

 県にとっても、市町村にとっても、毎年PDCAができる。3年に1回というのは、PDCAを回すには少し間延びしてしまってスピード感に欠けるのです。市町村ごとに出れば、また県内の市町村ごとでも比較できる。また県も、「大分県のお達者年齢がこれぐらい伸びたけれども、全国的にはどうなのだろう」というのがどうしても見たくなるので、先ほど議論が出たように、研究班として全国ベースのそういう介護認定データを用いたものも併せて示していただけると、それぞれの県のPDCAにかなりプラスになるかなと思います。

○辻委員長 分かりました。今日は研究報告会の中で審査されているような気もして、ドキドキしていますが、それも含めてやりたいと思います。ほかにいかがでしょうか。

○山之内委員 藤内先生にです。ソーシャル・キャピタルのところで、個人ベースでの指標、つまり健康日本21全体の目標では、国民健康・栄養調査での地域のつながりを持つ人がどう思うかという、これはまた抽出調査になっています。一方で、ソーシャル・キャピタルを評価するためには、先ほど言われたような地域のそういった指標を使っていかないといけないと思うのです。まず、地域の指標と国民健康栄養調査の、いわゆる地域の人との間でつながりがあると実感するという数との相関というのは調べられていますでしょうか。

 調べられていて、もしそれが相関があるとするのであれば、健康日本21の目標を達成するために自治体がやるべき、参考にすべき値というのを幾つかいろいろなところで設けていってはいかがかというように、先ほどのものとも関連して思ったところです。

○藤内参考人 うちの研究班では市町村の健康増進担当、多くは職種としては保健師ですが、保健師に、住民組織活動が地域住民の絆を深めているかという評価をしてもらいました。それが、今、委員が御指摘のように、本当にそこに住む人たちのソーシャル・キャピタルの評価、つまり地域に信頼が置けるかとか、お互い様というのが定着しているかという評価と一致するかというところなのです。

 これは千葉大の近藤先生たちのグループが、100自治体の高齢者の生活圏域ニーズ調査のデータをお持ちで、その100自治体と、今回うちが53.5%でしたので、その回答のあった自治体のおおよそ50の自治体について、高齢者の回答と、うちのこの回答がどのぐらいリンクするかというのを調べてもらいましたが、実は余り相関しなかったのです。残念ながら。

 そういう意味では、もうちょっとソーシャル・キャピタルの測定の仕方、あるいはそれを保健師なり行政がどう把握するのか、逆に言えば把握するためのツールというか、手段を今は持っていないので、実際に保健師が肌で感じている部分と、実際の高齢者の回答の相関がよくなかったということなのですが、そこは保健師なり実際の健診とかいろいろな保健事業の中で、地域住民のソーシャル・キャピタルを把握するための指標なりを定めて、それをやるということが必要だろうと思っています。

○中板委員 御発表ありがとうございました。今の質問と類似するかもしれませんが、藤内先生の御発表の中で、健康づくり推進員の設置率が政令市が非常に高い、ほかの地区組織活動と逆転しているというのがありましたが、これは健康日本21で推進してきたという目安なのかもしれないと思いながらお聞きしました。

 そして、その政令市等が健康推進員を設置するというのは、保健師だけでは、行政だけではなかなかPopulation Approachがうまくいかないという状況もありながら、住民とともに行っていくしか方法はないといったことだと思いますし、更に住民に企画運営まで実施していただけるような形を取られているというのが印象的でした。

 こういった活動が、これからは民間サービスとか、商店街、NPOなどとパートナーシップに基づきながら活動していくというのが、とても重要になっていくということを考えますと、保健師も含めた行政の関わり方も変わっていかなければならないのではないかと日頃思っているわけです。

 そういったときに、PDCAの回し方ですが、これも藤内先生の、行政の中でのソーシャル・キャピタルの位置付けが10%ぐらいで非常に弱いというところがありましたが、行政の関わり方も変わっていかなければならないという中で、PDCAを回していくときの今の評価、プロセス評価とか、地区組織活動あるいはソーシャル・キャピタルが健康寿命の延伸、健康格差の縮小にどのような形で寄与しているのかという、そのプロセスになるような評価というものが必要なのかなとお聞きしながら思いましたし、そのときの住民の反応、お節介様、お世話様がいるのかとか、そういったこともそうですし、私たち側の行政の行動レベル、お三方のお話を伺っていて、組織横断的に関わるとか、仕掛けが必要だとか、地域に見合った体制が必要とか、いろいろと共通項は出てきたと思いますので、そういったこちら側の行動レベルについても一定の評価の指標というものがあると、比較的行政の中での位置付けに寄与できるようになるのかなと思いましたが、その辺は藤内先生はどのようにお考えでしょうか。

○藤内参考人 最後が聴き取れなかったのですが、もう一度お願いできますか。

○中板委員 まず、ソーシャル・キャピタルが健康寿命の延伸、健康格差の縮小に寄与していることを、直接的な寄与度ではないと思いますが、間接的に寄与しているということを立証していくに当たって、プロセス評価とか、住民の感覚を聞く指標と、私たちの行動レベルの指標、すなわち組織横断をしている、町内連携ができているといいとか、仕掛けを何かしているとか、地区組織に必ず何らかの形で関わっているとか、そういったソーシャル・キャピタルの醸成をよりいい方向に持っていくためのポイントというものが、いろいろと事例、好事例を集めると抽出できるのかなと思いますので、そういった指標があると、自治体の中での位置付けに寄与できていくのかなと思ったのですが、その辺はいかがでしょうか。

○藤内参考人 実際に今日の13ページの下に示した、ソーシャル・キャピタルが生活習慣や健康指標に影響がある、プラスの効果があるというのは、国内外の研究、それこそ千葉大の近藤先生たちのグループのいろいろな研究があるのですが、つまりそうした論文、文献以上に、今、中板委員が言われたように、実際に市町村長や担当課長にとって、こういう働き掛けをしたら、うちの町もこの数値がこれだけよくなって、これが例えば生活習慣や特定健診の結果にも、これだけというような、そのように効果が目に見えるということが必要なのかなと。文献的に理解していただいて、それでは力を入れてやろうということにはなりにくいのかなと思いますので、そうした手近なところで、こういうものを見える化していく作業が必要かなと思っています。

○辻委員長 まだまだあろうかと思うのですが、時間になってきましたので山縣先生の御発言で最後にさせていただきたいと思います。

○山縣委員 ほとんど一緒だったので、コメントだけです。正に、今のお二方の御質問と、藤内先生の御質問と一緒なので、行政のこういった取組の結果どうなったかという指標を、個人のレベルとか、私たちの関わっている地域では、例えばそれで健診の受診率が上がったとか、そういうようなことも1つ指標になっていくのではないかと思います。

○辻委員長 本日の議論はここまでとしたいと思います。参考人としてお越しいただきました横山先生、藤内先生、どうもありがとうございました。また、委員の先生方におかれましては活発な御発言を頂きまして、どうもありがとうございました。

 最後に、今後のスケジュール等につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○古賀課長補佐 今後の日程について御案内申し上げます。第6回の専門委員会の日程につきましては御案内させていただきましたとおり315日の10時からを予定しております。場所等、その詳細につきましては後日改めて御連絡差し上げます。

○辻委員長 本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

 

 


(了)
健康局健康課: 代表電話03(5253)1111
たばこ対策専門官 寺原(内線2393)
課長補佐 古賀(内線2346)

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