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2016年2月12日 第17回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成27年度第7回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

健康局健康課

○日時

平成28年2月12日(金)16:00~18:00


○場所

厚生労働省省議室


○議事

○事務局  定刻になりましたので、ただいまより「第17回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」及び「平成27年度第7回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」の合同会議を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただき、ありがとうございます。

 初めに、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。副反応検討部会の多屋委員、長谷川委員及び道永委員、安全対策調査会の遠藤委員から御欠席の連絡を受けております。

 また、望月先生が若干おくれられているようでございます。

 現在、副反応検討部会委員9名のうち6名、安全対策調査会委員5名のうち3名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会並びに薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。

 申しわけございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。

 開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますよう、お願いいたします。

 留意事項に反した場合は退場していただきます。

 また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので御留意願います。

 本日の座長につきましては、桃井副反応検討部会長にお願いしたいと思います。

 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。

○桃井副反応検討部会長 それでは、御審議をよろしくお願いいたします。

 まず、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、御報告及び御確認をお願いいたします。

○事務局 それでは、審議参加について御報告いたします。

 本日御出席された委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただきました。

 本日の議題について調査審議される品目は、DPTDT、ジフテリア、破傷風、経口ポリオ、不活化ポリオ、混合不活化ポリオ、7価及び13価肺炎球菌、HibBCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルス、5価ロタウイルスの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、北里第一三共ワクチン株式会社、武田薬品工業株式会社、一般財団法人科学及び血清療法研究所、デンカ生研株式会社、サノフィ株式会社、ファイザー株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、MSD株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。

 各委員からの申告内容については、机上に配付しておりますので、御確認いただければと思います。

 本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、柿崎委員が、武田薬品株式会社及びMSD株式会社から、それぞれ50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、DPTDT、破傷風トキソイド、ロタウイルス及びB型肝炎ワクチンについて、意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。

 引き続き委員におかれましては、講演料等の受け取りについて通帳や源泉徴収票などの書類を確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。

 以上でございます。

○桃井副反応検討部会長 ありがとうございます。ただいまの件は、よろしいでしょうか、特に問題はないでしょうか。

 それでは、次に、事務局から本日の配付資料について御確認ください。

○事務局 配付資料としましては、議事次第、委員名簿、配付資料一覧、資料1、その後ろに資料1関連の参考資料1から5まで、その下に各ワクチンの副反応報告状況の資料が資料2から資料18まで、委員限りの資料としまして、各ワクチンの添付文書と、各社の出荷量と副反応の発現頻度という1枚紙をお配りしております。

 配付資料一覧を御確認いただき、不足の資料等ございましたら、事務局にお申し出ください。

○桃井副反応検討部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

 それでは、議題1に入りたいと思います。

 「副反応報告基準(B型肝炎)について」を審議したいと思います。

 まず、事務局から資料1の御説明をお願いいたします。

○事務局 今回、B型肝炎が定期接種の対象疾患に位置づけられるに当たりまして、本日は、いわゆる副反応報告基準をどう定めるか御審議いただきたいと思います。

 まず、予防接種法における副反応報告制度について御説明いたします。

 資料1の1ページ目「B型肝炎ワクチンの副反応報告基準について」という資料をごらんください。

 なお、関係法令を参考資料1に抜粋しておりますので、そちらのほうも適宜御参照ください。

 制度の趣旨は、予防接種後に生じる種々の身体的反応や副反応等について情報を収集し、ワクチンの安全性について管理・検討を行うことで、広く国民に情報を提供すること及び今後の予防接種行政の推進に資することを目的としています。

 ここで副反応等と言っておりますが、これは、予防接種後に発生した事象、症状を意味しておりまして、必ずしも予防接種との因果関係が認められたものではありません。

 平成25年の予防接種法改正で報告が義務づけられまして、関係法令をお示しした参考資料1の上段にお示ししていますが、予防接種法第12条で、病院もしくは診療所の開設者または医師は、定期の予防接種等を受けた者が、当該定期の予防接種等を受けたことによるものと疑われる症状として厚生労働省令で定めているものを呈していることを知ったときは、その旨を厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣に報告しなければならないと定められております。

 既に定期予防接種化されておりますワクチンに関して、省令で定められております、いわゆる副反応報告基準のほうを参考資料2に一覧で、表でお示ししておりますので、こちらのほうも御参照ください。

 以上のように、今回、B型肝炎を定期接種に位置づけるに当たりまして、副反応報告基準を定める必要があります。

 具体的には、予防接種後に発生した事象、症状の収集に当たり、そのような症状を類型化し、定めるかについて整理する必要があります。

 あわせて副反応報告基準に定める接種後に症状が発生するまでの期間の設定についても整理する必要があります。

 続きまして、資料1の2ページ目をごらんください。

 平成25年に法定化された際に、副反応報告基準を設定するために作業班がつくられまして、その作業班がまとめた当時の考え方をまとめてありますのが、この2ページ目です。

 本日いらしている委員の先生方の中には、この作業班に御尽力いただいた方もいらっしゃいますが、今回、改めて事務局のほうから御説明させていただきます。

 参考資料3のほうですが、この参考資料3が、当時、作業班から予防接種部会に出されました報告の資料であります。こちらのほうを御覧いただいて御説明させていただきます。

 参考資料3のスライド番号になりますが、スライド番号2に示されている基本的な考え方は3点でありまして、四角の中です。想定される副反応をできるだけ統一的に類型化し、接種後症状が発生するまでの期間とあわせて例示した上で、これに該当するものについて、必ず報告を求める。

 例示したもの以外のものであっても、予防接種による副反応と疑われるものについて、幅広く報告を求める。

 副反応報告の状況を踏まえ、報告基準については適切かつ継続的に見直しを行うとなっております。

 続きまして、参考資料3のスライド番号の5番に示されております、重篤な症状についての考え方を御説明させていただきます。

 現在は、医薬品、医療機器等の品質有効性及び安全性の確保等に関する法律、薬機法となっておりますが、当時の薬事法に基づく添付文書において、重大な副反応と指摘されている症状については重篤であり、かつ、ワクチンと一定程度の科学的関連性が疑われるものと考えられることから、副反応の報告基準に類型化して定める必要があると結論づけられています。

 さらに、重篤とは言えない症状につきましては、その下のスライド番号6にまとめられていますが、添付文書において重大な副反応と記載されていない症状であっても、重篤になる可能性のある症状については、報告基準に類型化して定める必要があるということで、ここに、当時定期予防接種化されていたワクチン2つについて例が挙がっております。

 加えて、それ以外の必ずしも重篤とは言えない症状、発熱、発疹、局所の異常腫脹等については、重篤な副反応の報告を効率的に収集し、迅速かつ適切な措置につなげるために、報告基準に具体的に類型化して定める必要性はないとされています。

 続きまして、参考資料3の次のページ、スライド番号7のところですが、報告基準に定めない症状、その他の症状について記載されております。

 この中に記載されておりますのは、1、入院を要する場合や、2、死亡または永続的な機能不全に陥るまたは陥るおそれがある場合であって、予防接種を受けたことによるものと疑われる症状として医師が判断したものについては、その他の反応として報告を求める必要があるとされております。

 スライド番号8で、副反応の報告基準に定める、接種後症状が発生するまでの期間の設定について、このスライド番号8にまとめてございます。

 副反応の報告を効率的に収集し、迅速かつ適切な措置につなげるために、好発時期にあわせて設定するという考え方を基本として、幅広く報告を収集するために、若干の余裕を持たせて定めるべきである。

 もう一つは、十分なエビデンスの集積がない症状については、医学的に想定される発生機序から好発時期を推測し、上記と同様の考え方のもと、定めるべきであると結論づけられています。

 続きまして、資料1のほうに戻っていただいて、資料1の3ページ、今回のB型肝炎ワクチンの副反応報告基準の設定について御説明させていただきます。

 委員の先生方には、机上にお配りしております添付文書と、あと、事務局のほうで参考資料4に添付文書に記載されております副反応についてまとめておりますので、そちらも御参照ください。

 添付文書上に重大な副反応として、化血研のビームゲンでは、ショック、アナフィラキシー、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群が記載されています。

MSDのヘプタバックスのほうでは、ショック、アナフィラキシー、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、脊髄炎、視神経炎、末梢神経障害が記載されております。

 先ほども参照していただきましたが、既に定期接種化されているほかのワクチンの報告基準の一覧が参考資料2にございますが、この中に、重大な副反応としてB型肝炎ワクチンに記載されている副反応のうち、アナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群は既に設定されております。

 報告すべきワクチン接種から、症状の発生までの期間について、これらはそれぞれアナフィラキシーが4時間、急性散在性脳脊髄炎とギラン・バレー症候群は、28日と設定されているところであります。

 しかし、残る重大な副反応であります多発性硬化症、脊髄炎、視神経炎、末梢神経障害につきましては、ほかのワクチンの報告基準では設定されておりませんで、今回、副反応報告基準として定めるかどうか、定める場合には、接種後、症状が発生するまでの期間についても検討する必要がございます。

 どちらのB型肝炎ワクチンも、これまでも既に長く使われてきたものでありますので、これまで報告されております副反応、資料1の4ページにお示ししております。

 国内における販売開始から報告された重大な副反応は、ビームゲンのほうでは、ショック、アナフィラキシーが19例、多発性硬化症が1例、急性散在性脳脊髄炎が2例、ギラン・バレー症候群が3例。

 一方、ヘプタバックスのほうでは、ショック、アナフィラキシーが3例、多発性硬化症が1例、急性散在性脳脊髄炎が1例、視神経炎が1例となっております。

 中段のあたりにまとめておりますが、一方、米国のワクチン有害事象報告システム、VAERSと呼んでおりますけれども、このデータベースにおけるワクチン接種後の年齢別の有害事象報告数と比較について、参考資料5にも具体的にお示ししておりますので、あわせて御参照ください。

 なお、このデータベースは、有害事象報告システムでありまして、資料1と参考資料5の中に記載されております、副反応という言葉は、有害事象の誤りでありますので、ここで訂正させていただきます。

VAERSの報告によりますと、まれではあるもの、3歳未満の小児でも、B型肝炎ワクチン接種後に多発性硬化症、脊髄炎、視神経炎の報告が存在いたします。

 末梢神経障害については、報告された症例の最小年齢は10歳となっております。

 以上のことから、B型肝炎ワクチン接種後の副反応報告基準に定める症状について、資料1の4ページの一番下の四角内にまとめて書いてございますけれども、ほかのワクチンの報告基準で、既に設定されております、アナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群に加え、ほかのワクチンの報告基準において設定されていない多発性硬化症、脊髄炎、視神経炎、末梢神経障害についても、まれではありますけれども、定期接種の対象者である小児においても発症し得るものであることから、定期接種後の副反応報告基準に定めることとさせていただきたいと考えております。

 続きまして、ワクチン接種後に症状が発生するまでの期間についてでございますけれども、参考資料1の下段に関係法令、省令の第5条を載せておりますので、それをごらんください。

 省令の第5条では、それぞれの対象疾患の区分ごとに、それぞれ接種から同表下段に掲げる期間内に確認されたものとすると定められており、B型肝炎ワクチン後に生じた症状についても、この期間を決める必要がございます。

 資料1に戻っていただきまして5ページ目、それにつきまして、先ほどのVAERSのデータベースをまとめて出されているレビューの文献がありまして、それをまとめたものが、資料1の5ページ目の表でありますので、ごらんください。

 参考文献によりますと、接種から症状発生までの期間の中央値が、表の一番右にお示ししておりますけれども、多発性硬化症では36.5日、脊髄炎は22日、視神経炎は13日、末梢神経障害では9.9日となっております。

 一方、ワクチン接種との関連につきましては、表の右から2番目に書いてございますけれども、これは、ほかの参考文献から引いてきておりますけれども、一部の神経系病変については、自己免疫機能が関与していることが示唆されており、ワクチン接種が、自己免疫活性化の引き金となる可能性が理論上は考えられております。

 これらを踏まえまして、今、見ていただいている資料の5ページの一番下の四角内にお示ししておりますけれども、ワクチン接種後に症状が発生するまでの期間については、多発性硬化症、脊髄炎、視神経炎、末梢神経障害の4症状については、上記報告におけるワクチン接種から発生までの期間を参考にしつつ、さらに理論上考え得る発症機序は共通と考えられることから、ワクチン接種後から28日以内に確認されたものを報告対象とすることとしたいと考えております。

 以上のことから、参考資料に示しております、現行の副反応報告基準の表に追加される形になりますB型肝炎ワクチンの報告基準の案を資料1の6ページ目にお示ししております。

 アナフィラキシーは、ワクチン接種から4時間以内、急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、視神経炎、脊髄炎、多発性硬化症、末梢神経障害につきましては、28日以内を報告すべき症状としております。

 また、8にありますその他の項は、現在、既に定期接種化されているほかのワクチン全てに、この項は入っている項目なのですけれども、その他、医師が予防接種との関連性が高いと認める症状であって、入院治療を必要とするもの、死亡、身体の機能の障害に至るもの、または、死亡もしくは身体の機能の障害に至るおそれのあるもので、予防接種との関連性が高いと医師が認める期間内に発生したものとしております。

 以上が、事務局からの御説明になります。

○桃井副反応検討部会長 ありがとうございます。

 それでは、議題の1、資料1及び参考資料に基づきまして、御意見、御質問等をお願いいたします。

 主に議論すべきことは、多発性硬化症、脊髄炎、視神経炎、末梢神経障害を定期接種後の副反応報告基準に定めるかどうかという点と、定めるとしたら、接種後の期間はどう設定するかという点です。御意見、御質問等、よろしくお願いいたします。

 どうぞ。

○神田参考人 脊髄炎、視神経炎、末梢神経障害に関しては、違和感はないのでありますけれども、多発性硬化症というのは、この中に並べるのはちょっと違和感があるのですが、事務局、どういうふうにお考えになっているのでしょうか。

○事務局 おっしゃるように、多発性硬化症は、現在までほかのワクチンの副反応としては、一般的には言われておりませんが、今回、この基準案を作成するに当たりまして、平成25年の作業班の考え方を基に作成いたしますと、添付文書内にある重篤な副反応というのを、その作業班の考え方にのっとって考えますと、載せるべきではないかということで、この案となっております。

○神田参考人 基本的に多発性硬化症というのは、1回の発作で診断ができるものではないので、2回目起こさないと起こらないですね。この28日以内というのは、どういう整合性をつけるのでしょうか。

○事務局 現実的には、診断された日が28日以内ということではなくて、診断されたときに振り返っていただいて、最初の症状がワクチンの接種後から28日以内に起こっていれば、それは、この報告基準に当てはまるのではないかと考えております。

○桃井副反応検討部会長 審議する期間は、接種から発症までの期間と考えます。

○神田参考人 これは、2年たって、3年たっても、こういう報告をしても構わないと、そういうことなのでしょうか。

○桃井副反応検討部会長 そうでないと、診断できませんので、おっしゃるとおりだと思います。

○神田参考人 ですから、3年、4年たっていても、これは報告していただきたいと、そういう意味ですね。

○桃井副反応検討部会長 はい。ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。

○柿崎委員 資料1の5ページのワクチン接種後に症状が発生するまでの期間についてのところで、多発性硬化症で、2番の論文から、中央値が36.5日となっているのですけれども、この幅というか、レンジと数を教えてほしいのですけれども。

○桃井副反応検討部会長 事務局、よろしくお願いいたします。

○事務局 まず、数というのは、報告数という意味でよろしいでしょうか。

○柿崎委員 はい。

○事務局 報告数は、183例です。あとは。

○柿崎委員 幅というのは、短い報告と長い報告、中央値が36.5ですけれども。

○事務局 今、もとの参考文献を見ておりますけれども、幅のほうの記載はありません。

○桃井副反応検討部会長 中央値の記載のみということですか。

○事務局 そうです。

○桃井副反応検討部会長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。

○永井委員 今すぐ返答をいただかなくても結構なのですが、ビームゲン、B型肝炎ワクチンが使われ出して、もう大分年数がたちますね。国内では、主には乳児に接種していて、こういうことが起こったという報告はほとんどないと思うのです。

 このデータを見ると、やはり成人前後の方たちの発生が多くて、そうすると、逆にいうと、こういう多発性硬化症が起こりやすい年齢の方たちに数がたくさん上がっていると。

 そうすると、紛れ込みがどうなのだろうということになるのですけれども、国内での多発性硬化症の発症頻度と、恐らく、背景に膨大な数のワクチン数があると思うのですが、その背景の接種数と比べて、かなり高いのか、そういうことを、もし把握しておられたら、今すぐ回答が出なくても結構なのですが、そういうことも把握しておいていただきたいなと思うのですが。

○事務局 明らかに接種者数等の母数との比較が、今、持ち合わせているデータではお答えできないのですけれども、資料1の4ページ目に、国内でビームゲンとヘプタバックスがどちらも1988年に販売を開始されているのですけれども、それから、今年に入って、ビームゲンのほうは2月1日、ヘプタバックスのほうは1月29日までの企業報告といたしましては、多発性硬化症は、どちらも1例ずつとなっております。

 接種者数だとか、接種回数という全体の母数は、今、お出しすることができないのですけれども、この長い期間の間で、一例ずつということになっています。

○桃井副反応検討部会長 よろしいでしょうか。

○永井委員 はい。

○桃井副反応検討部会長 どうぞ。

○倉根委員 資料1の4ページのビームゲンとヘプタバックスで接種後の副反応の報告のところで、ビームゲンのほうは、脊髄炎とか視神経炎とか末梢神経障害が、記載がゼロでも、ゼロという記載もないというのは、添付文書にないからゼロになっている。ただ、なくても、何かそれらしい関連のものもなかったということでよろしいのですね。添付文書には載っていないにしてもですよ。

○事務局 企業報告されております症例の臨床的な中身全てを見ているわけではないので、臨床的に、もしかしたら、これは脊髄炎に当たるものかもしれないとか、そういうものがあるかどうかというお答えは、今、ちょっとできないのですけれども。

○桃井副反応検討部会長 どうぞ。

○倉根委員 ただいまの案は、今度は副反応の報告基準については、確認ですが、ビームゲンであろうとヘプタバックスであろうと、全て脊髄炎も末梢神経炎も入れると、そういうことですね。

○事務局 はい。

○桃井副反応検討部会長 どうぞ。

○岡部委員 この副反応の報告基準というものを定めたときの委員というのは、私と桃井先生が、そこに入っていたと思うのですけれども、もともとの副反応報告基準というのを定めたときの考え方としては、既に副反応であると定められたものではなくて、そうかもしれないというものも広く取り上げて、1つのシグナルを見つけるために設定するのだというのが基本的な考え方であったと思います。

 それなので、基本的には、私は、これを入れるのは、そういう考え方の当時の議論から言えば、既に添付文書にも含まれていることなので、シグナルを見つけるという意味でいいだろうと思います。確実に副反応として確認されているわけではないけれども、そうかもしれないという報告があるからという理由で、これは賛成します。

 それで、さっき事務局も何回か訂正をされていたように、私も、この場でも何回も言っていますけれども、したがって、これは、副反応の報告を求めているのではなくて、本来は、接種後に生じた有害事象を求めているものであるということを再確認しておきたいということ。

 それから、年齢的には、アメリカのVAERSの報告でも、まれにはあったけれども、ほとんどは成人で起きている病気であるということも一応確認しておいたほうがいいと思います。

 それから、ある刺激があってからの日数ですけれども、当時議論があったのは、こういう免疫、イミューンコンプレックスみたいなものがあった場合には、2週間前後ぐらいが多くて、加えてプラスマイナスというような形で少し余裕をとるので、この4週間の28日が、そのほかの免疫複合体というようなものが作用する疾患というものに取り入れたと思うのです。

 ただ、このVAERSの報告だと思うのですけれども、先ほどの1-1の5ページの、ワクチン接種後に症状が発生するまでの期間というのが、先ほど御質問のあった、これが中央値か平均値なのかと、マックスのところで来ているのかというのは、ちょっと微妙なところがあるので、中央値が、そのまま全て平均値だとすれば、28日というのは妥当ではなくなると思うので、MSだけ、今までの項目になく新たに入れるのだとしたら、この考えは取り入れなければいけないけれども、中央値がこうであって、全体の幅がどのぐらいだということを考えてみると、ここら辺が妥当かどうかというのは、もう一回議論が要るような気がするのですけれども。

○桃井副反応検討部会長 ありがとうございます。

 この36.5というのは、確かに幅が問題であって、接種からどの程度の期間があるものが集積されたのか、ということが問題だと思います。

○岡部委員 先ほどおっしゃったように、診断に時間がかかっているので、ひょっとすると、すごく幅のあるものでとっているのかもしれない。

○桃井副反応検討部会長 日本よりMS頻度の多い国における報告ですので、非常に広い期間で有害事象としてとっていることも想定されます。25年の会議のときに28日が妥当としたのは、診断までにMSは大変時間がかかる疾患ではあるけれども、発症機序とすると、免疫的な脱髄性の神経疾患であるというところから、ADEM等と大きく違える医学的な論拠がないということから、28日としたと思われます。

28日に設定したとしても、何らかの刺激事象から好発時期のところをカバーしておりますので、リスクシグナルは十分に見逃さずに把握できるというところから、このように決めたのではなかろうかと思います。

 どうぞ。

○大野委員 私もこのところが気になって、このまとめ方が間違いだと思ったのです。それで、論文を当たろうと思ったのですけれども、ちょっと時間がないし、論文を入手できなかったので、この※印の2の論文を確認したいと思うのです。

 もし、そこに中央値の値しか載っていないのだったら、その中央値の値を出したところの根拠が、引用してあると思うのですけれども、そこも含めて見せていただきたいと思うのですけれども。

○桃井副反応検討部会長 ほかに、この点に関して御意見はどうでしょうか。

 どうぞ。

○神田参考人 さっき発症のことをお話になったと思うのですけれども、MSの場合は、結局、MSの患者さんがこのワクチンを打って再発するということがあり得るわけです。これも対象になるわけですね。

○桃井副反応検討部会長 それは、ここには入っていないように理解していますが、そうですね。あくまで発症に関してです。

○大野委員 MSの患者さんが、このワクチンを打って、MSのアタックが起こったと。

○事務局 はい。基本的には、副反応報告基準としては、それまでになかった症状がワクチン接種後に起こるということを基本に。

○神田参考人 でも、これは、ワクチンによる副反応ということで、すごく重要なことではないかと、私は思いますけれども、それをひっかけてこないというのは、何か理由があるのですか。

○桃井副反応検討部会長 どうぞ。

○事務局 予防接種室長でございますが、最終的には、これは、あくまでも義務をかける基準をつくっておりますので、先生のほうで、御報告をいただいて、それをまたこちらの審議会ですとか、そういったところで御議論いただくことになるかと思います。

 ですので、先生方が届け出てくることを妨げているものではございません。

○神田参考人 だから、報告する側としては、とてもそのあたりが迷うわけで、最初に発症したものだけ対象にしているのか、それとも。

○事務局 まず、現在、これまで国内で報告があったものはどちらのワクチンも1例ずつでございます。

 ですので、恐らくは、新規に発症した方を届け出られているのではないかと思います。

 今、御検討いただいているのは、ゼロ歳児に、これから定期接種をしていく中で、必ず届出をしていただきたい範囲ということで御議論いただいております。

○桃井副反応検討部会長 確かに、MSはエピソードを反復するわけですが、反復を全部拾いますと、その疾患の患者さんで、一定期間内に反復したものが関連性がなくても全部入ってしまうということになりますので、それがリスクシグナルとして適切かどうかということがありますので、ここでは発症だけにとどめて御議論をいただくのが適切かと思います。。

 ほかにいかがでしょうか。

 先ほどの期間に関してです。この文献が36.5と書いてありますので、28日より延ばすことが妥当か、あるいは28日という理論上のほかの免疫性疾患とあわせることが妥当かについて、もし、ほかに御意見があれば、御意見をいただきたいと思います。

 これは、次回の部会で決まったとしても、開始までの時間的には可能でしょうか。

○事務局 はい。

○桃井副反応検討部会長 どうぞ。

○山縣委員 であればなのですけれども、これは、中央値は中央値として、パーセンタイルが多分重要で、例えば、80パーセンタイルのようなものが、すぐ横に来ているのであればとか、そのばらつきよりも、大体何割ぐらいの人が、いつまでに発症するのかと、その値をぜひ、もしも資料として入っているのであれば、いただきたいと思います。

○桃井副反応検討部会長 これは、どこまでカバーするか大事な点ですので、次回までに、この論文のデータを明確に御提出いただいて、ご議論いただき期間を決めていただく、これでよろしいでしょうか。

 それでは、この4疾患を入れることに対して、異論のある方はいらっしゃるでしょうか、これは、よろしいでしょうか。

 そうしますと、MS以外の3疾患に関して、期間は、特に御意見はおありにならないでしょうか。よろしいでしょうか。

 では、MSに関して、先ほど申し上げたように、論拠を明確にしておくために、次回改めて議論をするということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○桃井副反応検討部会長 ありがとうございました。

 それでは、MSを除いて日にちは策定していただきました。10月施行に向けて、まだ余裕があるということですので、次回、詳細な議論をお願いしたいと思います。

 以上で、議案1については、終了させていただきます。

 それでは、続いて、議案の2、各ワクチンの安全性について御審議いただきます。

 資料2から8まで御説明ください。

○事務局 それでは、事務局より、資料の御説明をさせていただきます。

 本日、副反応の状況について、御報告をさせていただきますワクチンについてですが、平成25年9月の合同会議での検討結果に基づきまして、比較的同時接種が行われやすいワクチンと、そうでないワクチンとで、グループを2つに分けて報告を行うこととしております。

 本日の検討会におきましては、比較的同時接種が行われやすいワクチンとされております、百日せき、ジフテリア、破傷風、ポリオ、小児用肺炎球菌、HibBCG、日本脳炎、B型肝炎及びロタウイルスワクチンのそれぞれの副反応報告の状況につきまして、報告をさせていただきます。

 前回は、昨年3月12日に開催された合同会議におきまして、一昨年の平成2612月末までの副反応状況について御報告しておりますので、これに引き続きまして、本日は、昨年1月1日から1031日までの10カ月間の間に報告された各ワクチンの副反応の状況について御報告いたします。

 それでは、各ワクチンの副反応報告状況について、順に御説明をさせていただきます。

 資料2をごらんください。

 「沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン、DPTの副反応報告状況についてです。

DPTワクチンは、接種者数の減少に伴いまして、順次、販売が中止されておりますが、1ページ目の見出しの下には、これまで販売されておりました、4つの製造販売業者の計7種類の製品を全て記載しております。

 それらについて、昨年1月から10月までに報告された副反応報告を合計して集計したものが1ページ目、真ん中に掲げております表でございます。

 期間中の医療機関への納入数量から接種可能延べ人数を約5,000人と概算いたしまして、製造販売業者からの副反応報告数が2件、報告頻度は0.04%、医療機関からの報告数は、非重篤のものが1件、報告頻度は0.02%となります。

 なお、副反応報告数のうち、接種日が集計対象期間内であったもののみをカウントした数を報告数の欄の下に括弧書きで記載をしております。

 また、それぞれの企業ごとの出荷数量をもとに、同様に計算した結果につきましては、各社の出荷量と副反応の発現頻度として、委員限りの資料として、机上にお配りしておりますので、適宜、御参照いただければと思います。

 その下にございます表は、期間中の重篤症例について転帰の情報をまとめた表となっております。

 今回の報告期間では、死亡症例、または後遺症症例の報告はございませんでした。おめくりいただきまして、次のページをごらんください。

 2ページ目からは、副反応報告の個別症例の情報を接種日順にリストとしてまとめたものを記載しております。

 2ページ目が、製造販売業者からの報告、3ページ目が、医療機関からの非重篤症例の症例ごとの情報となります。

 4ページ、こちらは、アナフィラキシーが疑われる副反応症例について、過去の報告分も含めて症例数をまとめた表でございます。

 今回の報告では、アナフィラキシーが疑われる症例はなかったため、表の一番下の段のとおり、症例数はゼロとなっております。

 5ページ、こちらは、平成25年4月以降に報告された副反応報告を種類別に件数をまとめたものを掲載しております。

 今回から記載方法を見直しておりますので、御説明をさせていただきます。

 前回までは、これまでに報告された副反応の種類別の件数を、期間を分けずに記載をしておりましたが、これでは、各副反応の発生の増減がわかりにくいとの御指摘を踏まえまして、今回から真ん中より左側が前回の合同会議までに報告されていた件数、真ん中より右側が今回の会議の報告対象期間内に報告された件数を記載しておりまして、これまでの報告件数と、今回の報告件数を比較できるようにしております。

 また、6ページには、副反応報告基準に定められた副反応について、特出しで抜粋、集計した結果を掲載しております。

 こちらも同じく左側が前回までの報告数、右側が今回の報告数となります。

 また、下のアスタリスクには、それぞれどの副反応を合算して集計したかを記載しております。

 例えば、3番目の痙攣につきましては、5ページの種類別件数のうち、熱性痙攣及び痙攣発作の報告件数を合算して記載していることをお示ししております。

 資料2については、以上でございます。

 続きまして、資料2の説明をさせていただきます。

 資料3「沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド(DT)の副反応報告状況について」を御覧ください。

 これらのワクチンにつきまして、先ほどの資料1と同様に、医療機関への納入数量をもとに推計した接種可能延べ人数、製造販売業者からの報告数等を真ん中の表にまとめております。

 昨年1月から10月までの接種可能延べ人数は、約177万人、これに対して製造販売業者からの報告数は2件、報告頻度は0.0001%、医療機関からの報告は26件、報告頻度は0.001%、そのうち重篤なものは7件、0.0004%となっています。

 また、その下には、転帰別の報告数をまとめた表を掲載しており、死亡症例または後遺症症例はございませんでした。

 おめくりいただきまして、2ページが企業からの報告、3ページが医療機関からの報告のうち重篤症例、4ページ、5ページが非重篤症例の一覧となっております。

 また、毎回の注意点となってしまいまして恐縮でございますが、この集計では、同時接種ワクチンとして報告された事例も含めて集計しております。

 この資料で申し上げますと、2ページ目の一番上、No.1の症例では、ワクチン名の欄は、エンセバックとなっておりまして、エンセバックの製造販売業者から提出された報告となっておりますが、同時接種ワクチンの欄にDTワクチンも含まれておりますので、DTワクチンの副反応報告としてもカウントしまして、それぞれの資料、いずれにも掲載をしております。

 以下、ほかのワクチンについても同様に集計を行っておりますので、御留意をお願いいたします。

 6ページ、アナフィラキシーが疑われる症例に関しまして、今回の報告対象機関において4件、副反応名をアナフィラキシー反応として報告された症例がございました。

 その概要を7ページにお示ししております。

 いずれも専門家の評価の結果、プライトン分類3以上のアナフィラキシーと評価された症例はございませんでした。

 次の8ページには、先ほどのDPTワクチンと同様に、平成25年4月以降に報告された、副反応報告を種類別、期間別に件数をまとめた表を掲載しております。

 また、9ページには、副反応報告基準で定められた副反応の報告状況を掲載しております。

 続きまして、資料4の「ジフテリアトキソイドの副反応報告状況について」ですが、こちらについては、今回の報告期間では、製造販売業者からの報告、医療機関からの報告ともに1件もございませんでしたので、説明は割愛をさせていただきます。

 続きまして、資料5「沈降破傷風トキソイドの副反応報告状況について」でございます。

 報告集計期間でございます、1月から10月の接種可能延べ人数を約52万人と仮定しまして、製造販売業者からの報告数が2件、報告頻度は0.0004%、医療機関からの報告は4件、報告頻度は0.001%、うち重篤症例が1件、報告頻度は0.0002%となっております。

 その下に、転帰別の報告数を掲載しておりますが、死亡症例、後遺症症例はございませんでした。

 2ページ目以降には、それぞれ製造販売業者と医療機関からの症例報告リストを添付しております。

 5ページまで飛びまして、アナフィラキシーが疑われる報告数の資料をおつけしておりますが、今回の報告対象期間では、アナフィラキシーとして報告された症例はございませんでした。

 最後の6ページ、7ページには、これまでの資料と同様に、これまでに報告された副反応の種類別の集計表をおつけしてございます。

 続きまして、資料6「経口ポリオワクチン(セービン株)の副反応報告状況について」でございます。

 御案内のとおり、経口生ポリオワクチンにつきましては、平成24年9月より、不活化ポリオワクチンが定期接種化されたことに伴いまして、任意接種となっておりまして、その後、平成26年7月末に販売中止となっております。

 今回、当該ワクチンによる副反応報告が、製造販売業者から2件ございましたので、御報告いたします。

 2ページには、当該症例の概要を記載しております。

 両方とも情報源を文献とする報告でございますが、No.1の報告につきましては、一番右端の転帰欄にございますとおり、後遺症症例として報告されております。

PMDAにおいて専門家の評価をいただいておりまして、その結果を次の3ページに記載しておりますので、御確認ください。

 患者は、3歳の男児、ワクチン接種から3年後に引きずり足歩行が発現し、加齢とともに歩行障害が著しくなり、7歳時の受診時には、左下肢の弛緩性単麻痺が認められ、血清ポリオウイルス抗体の血清濃度は64倍まで上昇、エンテロウイルス、ヘルペスウイルス感染、急性散在性脊髄炎等のほかの鑑別診断は、臨床検査結果から除外されたとされている症例でございます。

 これについて、一番右端の専門家の意見としまして、経口ポリオワクチン関連弛緩性単麻痺の可能性があるが、乳児期から症状発現まで歩行状態や鑑別診断の詳細も確認するべきとのコメントがございました。

 続きまして、資料7の説明に移らせていただきたいと思います。

 「不活化ポリオワクチン(ソークワクチン)の副反応報告状況について」をごらんください。

 接種可能延べ人数を約18万人分としまして、医療機関からの報告数が3例、報告頻度は0.002%、全て重篤な症例でございました。

 その下の転帰別の報告数ですが、医療機関からの報告に死亡症例が1件ございました。

 2ページが報告症例の一覧、3ページがアナフィラキシーが疑われる副反応症例のまとめとなっております。

 副反応名がアナフィラキシーとして報告された症例は1例ございましたが、ブライトン分類評価の3以上とは評価されておりません。

 次の4ページには、当該症例の症例情報をおつけしております。

 5ページには、死亡症例の概要をお示ししておりますが、こちらの症例は、インフルエンザワクチン及び水痘ワクチンとの同時接種症例でございまして、前回、11月に開催されました合同会議に、同じ症例を御報告し、評価をいただいておりますので、今回の御説明は、割愛をさせていただきます。

 最後の6、7ページには、これまで報告された副反応の種類別件数の表をおつけしております。

 続きまして、資料8に移らせていただきます。

 「沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ(セービン株)混合ワクチンの副反応報告状況について」をごらんください。

 対象期間中の接種可能延べ人数を約352万人分として、製造販売業者からの報告数が43例、報告頻度は0.001%、医療機関からの報告数は83例、報告頻度は0.002%、そのうち重篤なものは35例、報告頻度は0.001%となっております。

 その下に、転帰別の報告数を記載しておりますが、企業報告及び医療機関報告それぞれから死亡症例が3例ずつ、計6例報告されております。

 次の2ページからは、副反応報告の一覧となっており、2ページから6ページが企業報告ですが、このうち死亡症例が5ページのNo.33からNo.35の3例になっております。

 これらは、5つのワクチンの同時接種症例となっておりまして、それぞれ別の企業からの報告がされたため、3件の報告としてカウントされておりますが、実際は1例の症例となっておりますので、後ろの死亡症例概要では、1つにまとめさせていただいております。

 続きまして、7から10ページが医療機関からの報告のうち重篤症例、11から15ページが非重篤症例のリストとなっております。

16ページ、アナフィラキシーが疑われる症例のまとめでございますが、一番下の、今回の報告対象期間では、アナフィラキシーとして報告された症例が4例、そのうち専門家の評価により、アナフィラキシーのブライトン分類評価が3以上とされた症例は2例ございました。

17ページからは、その症例の概要を、それぞれ記載しておりますが、18ページの症例No.219ページにございます症例No.4の2例のみ専門家の評価の結果、ブライトン分類3以上と評価されております。

 また、いずれの症例も症状とワクチン接種の因果関係は否定できないと評価されております。

 続いて、20ページにまいりまして、死亡症例報告の概要資料でございます。

20ページが、混合ポリオワクチンを含む同時接種の症例。

21ページは、単独接種の症例でございます。

 調査の結果、同時接種症例のうち、No.1の症例、それから、No.2の症例はともに得られた情報からは因果関係は不明であると評価されております。

 また、No.3の症例は、現在、調査中となっておりますので、次回の会議の際に、調査結果を御報告させていただきます。

 その次に、21ページの単独接種の症例については、気管支肺炎により死亡した可能性が考えられ、接種との因果関係は不明であるとされております。

 これらの死亡症例については、より詳細な調査結果と、3名の医師に概要を見ていただいた評価結果の資料を22ページ以降におつけしておりますので、適宜御参照いただけますと幸いです。

 ただし、こちらは委員限りの資料となっておりますので、詳細情報に関連しての御発言に当たりましては、患者個人の特定がなされないように御配慮をよろしくお願いいたします。

 続いて30ページ、こちらは、昨年3月の前回の会議におきまして調査中とされていた症例でございます。

 評価が得られたために、再度御報告をさせていただくものでございます。

 調査の結果、症例の経過から基礎疾患に合併した感染症により、呼吸状態が悪化して死亡した可能性が考えられ、ワクチン接種との因果関係は否定的と評価されております。

 こちらの症例についても31ページ以降に詳細資料をおつけしております。

 最後の343536ページに、これまでに報告された副反応の種類別件数の集計結果を記載しております。

 長くなりまして、申しわけございません。資料2から資料8までの説明は、以上でございます。

○桃井副反応検討部会長 ありがとうございました。

 資料が大変多くなりましたが、これらにつきまして、御質問、御意見等よろしくお願いいたします。

 いかがでしょうか。記録なのですが、後遺症症例の1例の記載で、資料6の2ページですが、確かに接種日、発生日、何月何日は不明だと概略には書いてあるのですが、接種が3カ月時、6カ月時、それから、その後の経過が3歳6カ月時とありますので、第1回接種から3年3カ月後とか、何かそういう情報的の記載をしていただくと、状況が分かりますので、書ける情報は書いていただけますと助かります。接種からどのくらいか全く「不明」で後遺症というのでは全く評価しようがないためです。

 それから、転帰が不明と書いてあって、後遺症と書いてあるのもおかしなものですので、その後遺症と判断をした日にちが全くないわけではないので、これは、報告された日が転帰なのだろうと思いますが、記載内容の正確化をよろしくお願いします。

○事務局 御指摘ありがとうございます。今後の資料作成に当たりまして、検討させていただきたいと思います。

○桃井副反応検討部会長 ほかに御意見、御質問等、おありになりますでしょうか。

 それから、資料3の医療機関からの報告頻度26件と、うち重篤7件のうち、いただいた追加の資料ですと、4つの製剤のうち1つが突出して多い数になっているのですが、26分の24が1つの製剤で、7分の6が1つの製剤で、母数は、大体2倍ぐらいですから、母数が極端に多いために、報告数は極端に多くなったというわけでもなさそうです。これは、割合短い期間ですから、ロットは大体2種類のロットです。その前のデータとも照らし合わせて、何か、この製剤に突出して、いつも高いデータがないかどうか、チェックをしていただければありがたいと思います。

 よろしいでしょうか。

○事務局 御指摘を踏まえまして確認させていただきたいと思います。

 当該製剤につきましては、当該ロットの製造工程や検査結果等の品質に何かしらの異常がないかということは確認しておりまして、特段の問題がないことを確認しております。

 また、重大な副反応の報告数には大きな変化はないことから、現時点では、特段の追加の措置等を講じる必要はないと考えておりますが、御指摘を踏まえまして、今後も報告の推移について確認、注視をしていきたいと考えております。

○桃井副反応検討部会長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○岡部委員 たまたま以前まとめた数字を見ていたのですけれども、重篤な副反応報告について、おととしあたりにまとめたのと同じように比較して見ると、その差の変動というのは0.0001%から0.001%以内の変化であって、ほとんどシグナルに変化はないと思うので、この状況については、変わらないと言っていいのではないかと思いました。

○桃井副反応検討部会長 全体の頻度がという意味ですね。

○岡部委員 はい。重篤だけちょっと見てみたのです。

○桃井副反応検討部会長 ありがとうございます。

 ほかに御意見等、おありになりますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、副反応の報告頻度は、これまで検討したワクチンに比べて特段高くはないという御意見もいただきました。まとめますと、

 混合不活化ポリオワクチンを含む同時接種の症例でアナフィラキシーと評価された例が2例あった。

 経口ポリオワクチンの接種例において、後遺症症例、これは接種から3年後の例でありまして、関連性の評価については、この書類のとおりでございますが、いずれにしても、この例が1例あったと。

 不活化ポリオワクチンを含む同時接種の症例で1例、混合不活化ポリオワクチンを含む同時接種の症例で3例、単独接種で1例、計5例の死亡症例があり、3例について評価が行われたと。いずれも因果関係については不明であると評価されていて、1例は調査中であるとされ、1例は重篤な基礎疾患があったという報告でございますが、このようなまとめでよろしいでしょうか。事実関係は、特に問題ないでしょうか。

 どうぞ。

○倉根委員 資料6の3ページ、経口ポリオワクチンのロットが不明というふうに書いてあるのですけれども、これは、投与したときの記録がないということなのでしょうかね、わからないのですかね。あるいは、今後、また、このロットについては何かロットの情報が出てくると、どのロットでやったかというのはわからないのでしょうか。

○事務局 事務局よりお答えさせていただきます。

 当該報告につきましては、もとは文献からの情報でございまして、その後、当該診療を行った医療機関に企業の担当者がヒアリング等により情報収集をした結果を踏まえて資料の記載をしております。

 その情報収集の中では、ロットに関する情報は得られなかったということで、こういった記載となっております。

○桃井副反応検討部会長 医療機関をたどれば、ロットはどこかに必ず書いてありますので、わかるものであれば、こういう症例があったということは、どこで接種したかもわかっているはずですし、接種した医療機関に確認すれば、必ず記載はあってしかるべきと思いますので、もう少し調査ができれば、よろしくお願いいたします。

 よろしいでしょうか。

○倉根委員 はい。

○桃井副反応検討部会長 それでは、これらの内容を踏まえ、先ほど、まとめさせていただきましたが、現状の取り扱いを変更する必要があるかについて御意見を頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。

 これまでの審議結果において、安全性において重大な懸念は認められないという結論でよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○桃井副反応検討部会長 ありがとうございます。

 以上で百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオのワクチンに関しては終了させていただきます。

 続いて、資料9から11まで、よろしくお願いいたします。

○事務局 それでは、続きまして、資料9から資料11の御説明をさせていただきます。

 資料9「沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)の副反応報告状況について」をごらんください。

 御案内のとおり、小児用肺炎球菌ワクチンについては、平成251028日より13価のワクチンが発売されており、現在は7価のワクチンは流通しておりませんが、今回、製造販売業者より1件の報告がございました。

 2ページ目に当該症例の概要がございまして、ロタテック及びアクトヒブとの同時接種症例となっております。

 3ページ以降には、ほかのワクチンと同様に、アナフィラキシー症例のまとめ、副反応別の報告状況をおつけしておりますが、詳細な説明は割愛させていただければと思います。

 続きまして、資料10の御説明をさせていただきます。

 「沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)の副反応報告状況について」をごらんください。

 昨年1月から10月までの集計結果については、真ん中の表のとおりであり、接種可能延べ人数を、約325万人と推計し、製造販売業者からの報告数が84件、報告頻度は0.003%、医療機関からの報告は115件、報告頻度は0.004%、そのうち重篤なものは68件、報告頻度は0.002%となっております。

 その下には、転帰別の報告件数をまとめておりますが、死亡症例が企業から3件、医療機関から4件の合計7件報告されております。

 また、表の下に小さい文字で恐縮ですが、10万接種あたりの死亡例の報告頻度について記載をしております。

 平成23年3月の安全対策調査会副反応検討部会の合同会議におきまして、小児用肺炎球菌ワクチンとHibワクチンの安全性の評価結果が取りまとめられた際に、6カ月間の10万接種当たりの死亡報告数が因果関係の有無を問わず、0.5を超えた場合に、専門家による評価を行い、対応を速やかに検討することが適当であるとされたことを踏まえまして、その確認結果を記載したものでございます。

 平成26年8月からの6カ月間から、1カ月ずらしていって、平成2710月までの6カ月間における、それぞれの報告頻度を確認しましたところ、10接種当たり0.15から0.3であり、急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っていることを確認しております。

 2ページからは、各副反応報告の症例一覧を記載しており、2から9ページが製造販売業者からの報告、10ページから14ページが、医療機関からの重篤症例、15ページから18ページが非重篤症例となっております。

 その次の19ページにまいりまして、アナフィラキシーが疑われる症例報告のまとめですが、今回の報告期間にアナフィラキシーとして報告された症例が5例あり、そのうち2例か専門家の評価によりブライトン分類評価が3以上とされております。

 その5例の各症例の概要を次の20ページから23ページにリストとして記載しております。

 このうち、21ページのNo.2と、23ページのNo.5の症例がブライトン分類評価が3以上として評価されており、そのほかの症例は、アナフィラキシーとは判断できないとされております。

24ページにまいりまして、死亡症例の概要の一覧となります。

 このうち、No.2No.4No.5は、4種混合ワクチンも含んだ同時接種症例でございまして、資料8で既に御覧いただいております。

 こちらの資料で、初めて登場するのは、24ページのNo.1No.3になります。

No.1の症例は、経過からは乳幼児突然死症候群が疑われたが、ワクチン接種との因果関係は不明であるとされております。

No.3の症例についても、発見時状況から、乳幼児突然死症候群や窒息により死亡した可能性が考えられたが、ワクチン接種との因果関係は不明であると評価されております。

 ほかのワクチンと同様に、次の26ページから、今、申し上げました2症例の詳細情報をおつけしております。

 また、31ページには、前回の合同会議において調査中となっておりました、2症例の評価結果を掲載しております。

 このうち、No.1は4種混合ワクチンの資料でも御紹介しておりますので、飛ばさせていただきまして、No.2の症例につきましては、情報不足のため、ワクチン接種との因果関係は判断できないとされております。

 また、一番後ろの34ページからは、これまでに報告された、副反応の種類別の集計結果をまとめております。

 次に、資料11に移りまして、Hibワクチンの御説明をさせていただきます。

 資料11Hib(ヒブ)ワクチンの副反応報告状況について」をごらんください。

 昨年1月から10月までの接種可能延べ人数を約340万人と推計し、製造販売業者からの報告数が70件、報告頻度は0.002%、医療機関からの報告は107件、報告頻度は0.003%、そのうち重篤なものは67件、報告頻度は0.002%となっております。

 その下の転帰別の報告件数は、死亡症例が企業から3件、医療機関から5件の計8件報告されております。

 また、その表の下に、先ほどの肺炎球菌ワクチンと同様に、10万接種当たりの死亡例の報告頻度について記載をしております。

 平成26年8月から平成2710月までの各6カ月間における報告頻度を確認した結果、10万接種当たり0.15から0.44であり、急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っておりました。

 2ページからは、各副反応報告の症例一覧を記載しており、2から7ページが製造販売業者からの報告、8から14ページが医療機関からの重篤症例、15ページから18ページが非重篤症例となっております。

19ページ、アナフィラキシーが疑われる症例報告のまとめでございます。

 表の一番下のとおり、今回の報告期間にアナフィラキシーとして報告された症例が5例あり、そのうち2件が専門家の評価により、ブライトン分類が3以上とされております。

 これらは、全て4種混合ワクチンまたは肺炎球菌ワクチンとの同時接種症例となっておりまして、先ほど御紹介した症例となります。

 次の24ページからは、死亡症例の概要の一覧を記載しておりますが、No.1Hibワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種症例は、昨年11月に開催された合同会議において、インフルエンザワクチン接種後の死亡症例として御報告しており、その他の症例も、これまでの資料で御紹介した症例となりますので、説明等は割愛をさせていただきます。

27ページには、副反応の種類別の集計結果をまとめております。

 資料9から資料11までの事務局からの説明は、以上でございます。

○桃井副反応検討部会長 ありがとうございます。

 これらにつきまして、御審議をよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

 岡部先生、どうぞ。

○岡部委員 今、稲松先生と一緒に見ていたのですけれども、資料10の沈降13価です。たまたまそこの重篤例だけを見ていたのですけれども、例えば、2ページ目、副反応名、No.4が肺炎球菌性敗血症、No.6が肺炎球菌性髄膜炎、No.7が肺炎球菌性菌血症、No.8が肺炎球菌髄膜炎、3ページ目のNo.17が肺炎球菌性菌血症、肺炎球菌性肺炎となっているので、これらが不活化ワクチンによって肺炎球菌性肺炎が副反応で生じたというのは、ちょっと有害事象にしても非常に考えにくい状況ではないかと思うのですけれども、これが全部数字として出てくるのがおかしくなってしまうので、時々申し上げているように、こういう委員会で、これが余りかけ離れているということであれば、有害事象として取り扱わないというようなことがあってもいいのではないかと思うのですけれども。あるいは、その前に専門家にあらかじめ見てもらうとか、そういうエバリエーションがないと、全て数字だけが出てくると、確かに届ける側にも問題があると思うのです。これを副反応と言うかどうか。有害事象と言うかどうかについて。

 以上です。

○桃井副反応検討部会長 ありがとうございます。

 前からの議論のあるところでありますが、明らかに医学的に違うだろうと思うところは、当然一定程度含まれてしまいますが、それがデータや数になって出てくるわけで、明らかに医学的に違うというものに関しては排除するシステムがあってもいいのではないかという御意見です。

○岡部委員 仮に削除しなくても、報告は報告ですから、こういったような報告がありましたというただし書きがあってもいいのではないかと思います。

○桃井副反応検討部会長 報告する医療機関への、どう言ったらいいのでしょう、周知というのもおかしなものですね。

○岡部委員 もちろんそうですけれども、こういう集計をとるときに、例えば、星印がついて、こういう症例も含まれていますとか、そういうのがないと、後で数字だけ見た人が誤解をしてしまうのではないかと思います。

○桃井副反応検討部会長 何か差別化するというのは、数字や件数、絶対数を見る上では、データにより意味を持たせるためには、いい方策であろうかと思います。

 これに関して、ほかの先生方の御意見はいかがでしょうか。

 少し事務局でも、この点を御検討ください。確かに医学的には、そのとおりだと思いますので、アスタリスクをつけて、データの質の差別化をするということも、よりよいデータを見る上では意味があることであろうと思います。

 よろしくお願いします。

 ほかに御意見はいかがでしょうか。

 特におありにならないでしょうか。

 どうぞ。

○永井委員 プライバシーにひっかかるようでしたら結構なのですが、資料1124ページ、死亡報告の1番のケースは、10歳未満と書いてあるのですけれども、経過のところを見ると、乳幼児突然死と書かれていますので、多分、低年齢のほうなのだろうと思うのですが、10歳未満と書かれると、ちょっと年長児なのかなと思ってしまうのですが。

○桃井副反応検討部会長 これは、ほかの症例も、前からの議論で、前はずっと10歳未満となっていたところ、それでは判断できないのでといって、ほかの症例は6カ月未満に書いてありますので、これは差し支えのない年齢範囲の示し方をしていただければと思います。よろしくお願いします。

 ほかにいかがでしょうか。特におありにはならないでしょうか。

 それでは、いただいた御意見をまとめますと、副反応の報告頻度、全体の頻度は、これまでに検討したワクチンに比べて特段高くはないという数字が出ているように思います。プレベナー13Hibワクチンを含む同時接種でアナフィラキシーと評価された症例が2例ありました。プレベナー13とアクトヒブを含む同時接種の症例で5例、アクトヒブとインフルエンザワクチン同時接種で1例の死亡症例がありました。

 うち5例が評価されて、原因は乳幼児突然死症候群疑い、窒息の可能性等々の評価がありましたが、ワクチン接種との因果関係は、いずれも評価はできないものでありました。

 6カ月間における死亡例の報告頻度は、いずれのワクチンも急ぎ検討が必要とされる10万接種当たり0.5を下回っていたという数字が資料にあるとおりでございます。これがまとめでよろしいでしょうか。なお、ほかに御意見を頂戴いたしました内容の記載あるいは集計の仕方についての御意見を頂戴いたしました。

 この内容で、現在の取り扱いを変更する必要があるかどうかの御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 御審議いただいたワクチンについては、今、まとめました内容で、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○桃井副反応検討部会長 ありがとうございます。

 それでは、以上で、小児用肺炎球菌とHibワクチンを終了させていただきます。

 次に、資料12から17までの御説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、続きまして、資料12から16の御説明をさせていただきます。

 資料12「乾燥BCGワクチンの副反応報告状況について」をごらんください。

 昨年1月から10月までの接種可能延べ人数を、約86万人と推計し、製造販売業者からの報告数が6件、報告頻度は0.001%、医療機関からの報告は、126件、報告頻度は0.01%、そのうち重篤なものは19件、報告頻度は0.002%となっております。

 その下の転帰別集計結果のとおり、医療機関より後遺症症例及び死亡症例が1例ずつ報告されております。

 2ページ目からは企業からの報告、3ページ、4ページは、医療機関からの重篤症例報告一覧、5から14ページまでが非重篤症例の報告の一覧となっております。

 このうち、2ページのNo.3No.6の症例のように、骨結核として報告されている症例で、検査結果が得られている症例につきましては、副反応名欄にアスタリスクで結果の情報を追記させていただいております。

15ページまで飛ばさせていただきまして、今回の報告対象期間において、アナフィラキシーとして報告された症例が1例ございました。

 概要は、次の16ページ、6カ月の男児のBCGワクチン単独接種ですが、専門家の評価の結果、ブライトン分類3以上のアナフィラキシー症例であり、ワクチン接種との因果関係は否定できないとされております。

17ページには、重篤症例として報告された後遺症症例の概要を掲載しております。

14カ月の男児で、BCGワクチンの単独接種ですが、接種9カ月後に、右腋窩皮下結節に気づき、皮膚科受診、その後、入院し、形成外科にて摘除手術施行、BCG接種後のリンパ節炎と診断され、後遺症としてリンパ漏が残ったという症例です。

 専門家の評価の結果、ワクチン接種との因果関係は否定できないとされております。

 次の18ページには、BCG単独接種後の死亡症例の概要を記載しております。

 専門家の評価の結果、臨床経過からウイルス感染による合併症や乳幼児突然死症候群が疑われたが、ワクチン接種との因果関係は不明であるとされております。

19ページからは、当該症例の詳細情報、21ページには、これまでに報告された副反応の種類別の集計結果を記載しております。

 続きまして、資料13について御説明いたします。

 資料13「日本脳炎ワクチンの副反応報告状況について」をごらんください。

 昨年1月から10月までの接種可能延べ人数を約337万人と推定し、製造販売業者からの副反応報告数が13例、報告頻度は0.0004%、医療機関からの報告数は63件、報告頻度は0.002%、そのうち重篤な症例は27件、報告頻度は0.001%となっております。

 その下の表に転帰別の集計結果を記載しておりますが、後遺症症例や死亡症例の報告はございませんでした。

 2ページ、3ページが、製造販売業者からの報告一覧、4から6ページが医療機関からの重篤症例報告一覧、7から9ページが非重篤症例の報告の一覧となっております。

10ページ、表の一番下のとおり、今回の報告対象期間において、アナフィラキシーとして報告された症例が6例あり、そのうち専門家の評価により、ブライトン分類評価が3以上とされた症例が2例ございました。

 その概要が、1112ページの表となっております。

11ページのNo.1の単独接種症例と、12ページの症例5のB型肝炎ワクチンとの同時接種症例の2例がブライトン分類3以上の症例として評価されております。

13ページには、ADEMの可能性のある症例のまとめを記載しております。今回の報告対象期間において、ADEMまたは脳炎として報告された症例が合計8例ございまして、その症例の概要を、次の14ページ以降に掲載しております。

 このうち14ページのNo.2及び15ページのNo.4の2つの症例について専門家の評価の結果、ADEMの可能性は否定できないとされております。

17ページからは、これまでの副反応報告の種類別の集計結果を掲載しております。

 続きまして、資料14について御説明いたします。

 資料14「組換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)の副反応報告状況について」でございます。

 昨年1月から10月までの副反応報告数の集計結果につきましては、接種可能延べ人数を約350万人と推定しまして、製造販売業者からの報告が30件、報告頻度は0.001、医療機関からの報告数は48件、報告頻度は0.001%、そのうち重篤な症例は31例、報告頻度は0.001%となっております。

 その下の表に転帰別の集計結果では、死亡症例が企業からの報告で3例、医療機関からの報告で1例ございました。

 2ページから4ページが、製造販売業者からの報告一覧、5から7ページが医療機関からの重篤症例報告一覧、8から9ページが非重篤症例の報告の一覧となっております。

10ページ、今回の報告対象期間において、アナフィラキシーとして報告された症例が6例あり、そのうち3例についてブライトン分類評価が3以上と評価されております。

 詳細は、次の11ページ以降に概要を記載しておりますが、このうち12ページから14ページにかけてのNo.2No.3No.6の3例がブライトン分類評価3以上の症例となっております。

15ページ目には、死亡症例2例の概要を記載しておりますが、いずれも4種混合ワクチン等との同時接種症例で、既に御紹介済みの症例となっております。

 最後の1617ページに副反応報告の種類別の集計結果を掲載しております。

 続きまして、資料15をごらんください。

 資料15「経口弱毒生ヒトロタウイルスワクチンの副反応報告状況について」でございます。

 昨年1月から10月までの副反応報告の集計結果は、接種可能延べ人数を約70万人と推定し、製造販売業者からの報告数が69例、報告頻度は0.01%、医療機関からの報告数は32件、報告頻度は0.005%、そのうち重篤な症例は24件、報告頻度は0.003%となっております。

 その下の表に転帰別の集計結果では、企業から3例、医療機関から1例の死亡症例の報告がございました。

 2ページから7ページに製造販売業者からの報告一覧、8、9ページに医療機関からの重篤症例報告一覧、10ページが非重篤症例一覧を掲載しております。

11ページ、アナフィラキシー症例のまとめですが、今回の報告対象期間において、アナフィラキシーとして報告された症例が2例ございまして、そのうち1例が専門家の評価により、ブライトン分類評価が3以上と評価されております。

 概要は、12ページにございまして、こちらは、全ての症例が同時接種症例となっておりまして、御紹介済みとなっております。

13ページには、死亡症例の概要を掲載しておりますが、このうち上の同時接種症例は既に御報告済みですが、下は単独接種症例となっております。

 6カ月未満の女児で、専門家の評価結果としては、臨床経過から嘔吐による窒息で死亡した可能性が考えられ、ワクチンとの因果関係は不明とされております。

 また、次の14ページ以降には、当該症例の詳細情報をおつけしております。

 最後の1718ページには、これまでの副反応報告の種類別の集計結果をおつけしております。

 続きまして、資料16をごらんください。

 資料16「5価経口弱毒生ロタウイルスワクチンの副反応報告状況について」でございます。

 昨年1月から10月の副反応報告の状況については接種可能延べ人数を約59万人と推定し、製造販売業者からの報告が48例、報告頻度は0.01%、医療機関からの報告数は12件、報告頻度は0.002%、そのうち重篤な症例は9件、報告頻度は0.002%となっております。

 その下の転帰別の報告数ですが、後遺症症例や死亡症例の報告はございませんでした。

 2から6ページが、製造販売業者からの報告、7ページが医療機関からの重篤症例、8ページが非重篤症例の報告となっております。

 9ページのアナフィラキシーが疑われる症例の一覧ですが、1例報告されておりまして、こちらは同時接種症例となっておりますので、既に別の資料で御報告済みとなっております。

11ページには、前回の会議で調査中となっておりました、死亡症例の評価結果を記載しております。

 こちらも同時接種症例で、既に御説明済みの症例でございます。

 最後の12ページには、これまでの副反応報告の種類別の集計結果を掲載しております。

 続きまして、資料17をごらんください。

 ロタワクチンによる腸重積の発生状況について、前回と同様に、グラクソ・スミスクライン株式会社及びMSD株式会社より資料の提供を受けておりますので、簡単に御報告をさせていただきます。

 1ページ目以降に、ロタリックスの米国における副反応の報告データ、VAERSデータと国内の副反応報告のデータをそれぞれ掲載しております。

 1ページ目下は、腸重積報告例数と、ブライトン分類評価が1に相当するもの、初回接種によるもの、接種後、6日以内の腸重積によるものの件数をまとめており、2ページの上のページは、ブライトン分類1相当の症例のうち、入院、外科手術、腸切除といった措置ごとの件数をまとめております。

 下のグラフは、腸重積発現までの日数を示したヒストグラムとなっておりまして、上の段が接種1回目、下が2回目となっております。

 さらに、3ページの上には、腸重積発現時の週齢についてヒストグラムとしてまとめております。

 3ページ下以降は、ロタテックの腸重積の発生状況について、同様に国内症例の情報を更新した資料をまとめております。

 構成は、ロタリックスと同じとなっておりますので、説明は省略させていただきます。

 そのほか、資料18としまして、これまで御説明してまいりました、各ワクチンの資料に記載しておりました死亡症例のうち、同時接種症例のものだけを一覧としてまとめたものをお配りしております。必要に応じて御参照いただければと思います。

 長くなりまして恐縮でございますが、事務局からの説明は以上でございます。

○桃井副反応検討部会長 ありがとうございます。

 これらについて、御審議をお願いいたします。いかがでしょうか。

 どうぞ。

○倉根委員 資料1315ページの4番の方は、確認ですけれども、ワクチン自体は3年ぐらい前に打っているわけですね。恐らく3歳と4歳で打っている。そして、報告は多発性硬化症として4年後に報告が上がってきたということですか。そして、それを専門家の先生に見てもらうと、ADEMかもしれないと、そういう理解でよろしいですか。

○桃井副反応検討部会長 この記載を見ますと、そのように見えますが、事務局、それでよろしいのでしょうか。上がってきた報告はMSで、評価をしたらADEMの可能性は否定できないということなのでしょうか。

○倉根委員 先ほどの議論ともあれですが、数年後に上がってきたということ。ただ、発症は、ひょっとするともっと早いかもしれないと、そういう感じですね。

○事務局 済みません、お待たせいたしました、事務局からお答えさせていただきます。

 御指摘のとおりでございまして、報告自体は多発性硬化症として報告が上がってきているものでございます。もともとは文献で御報告があったもので、数年前の症例が報告されたというものでございます。

○桃井副反応検討部会長 これは、どういう評価がなされたのか、これだけ読んだのでは、確かにわかりませんね。画像の再燃が何カ月後かに2回あるということでありますけれども、何をもってMSでないと判断したかなど、画像の特徴なども必要ですので、これだけでは何ともよくわからない部分がございますね。もし、詳細がわかれば、医療機関がMSと報告したのに、評価者がADEMの可能性も、ADEMでも繰り返す臨床型はありますので、リカレントADEMと評価したのか、その辺、もう少し詳細がわかれば、御報告を追ってお願いできればと思います。

 それで、よろしいでしょうか。確かに、どういう内容だったのかは調査が必要だと思います。

 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。

○柿崎委員 資料12の乾燥BCGワクチンで、2ページ目のNo.1の方ですけれども、この方は、報告時は、先ほどの御質問と同じように、報告時が23歳で、接種日が平成3年だったということなのでしょうか。

○事務局 事務局よりお答えさせていただきます。

 こちらの症例につきましては、年齢欄に書いてある年齢につきましては、現在の年齢を記載しておりますので、平成3年に接種をされて、今、報告がされた症例ということで、現在の年齢を23歳として記載をさせていただいております。

○柿崎委員 ちょっと数字が、今と合わないような気もするのですけれども、平成3年のときに接種して、このブラウ症候群になったというのを、今、報告されているということでよろしいのですか。

○事務局 はい。こちらの症例も文献から情報が入手されて報告された症例となっておりまして、現在、以前の症例でございますが、現在、報告があったものでございます。

○柿崎委員 このブラウ症候群とは、ちょっと不勉強でわからないのですけれども、何か常染色体優性遺伝の全身性肉芽腫疾患らしいのですけれども、だとすると、ワクチンと因果関係がないのだと思うのですけれども、その辺、文献では何か報告されていたのですか。

○事務局 済みません、お待たせしております。

 文献上は、BCG接種が発症の契機であった症状との記載がございますので、この文献を書かれた先生は、因果関係が否定できないと判断をされているものだと考えております。

○桃井副反応検討部会長 年数も疾患に関しても、報告例として問題がありそうな症例ですが、これも先ほど出たように、発症の引き金になったところ、疑いは否定できないというので、多分、報告されたのだろうと思うのですけれども、その辺は、先ほど岡部先生からいただいた御意見に関して、ぜひ、事務局で御検討していただければありがたいと思います。

 決して、上がってきた症例を削除するのではなくて、医学的な評価を加えて、より正確なデータをつくるという意味で御検討をお願いできれば、ありがたいと思います。

 それで、よろしいでしょうか。

○柿崎委員 はい。

○桃井副反応検討部会長 ほかにいかがでしょうか、御意見等おありになりますか。よろしいでしょうか。

 それでは、以上の資料に関しまして、まとめます。副反応の報告頻度そのものは、これまでに検討したワクチンに比べて、特段高くはない。アナフィラキシーとして評価された症例は、BCG、日本脳炎、B型肝炎の単独接種で1例、日本脳炎とB型肝炎同時接種で1例、アクトヒブ、テトラビック、プレベナー13、ロタリックスの同時接種で1例、ロタテック、アクトヒブ、ビームゲン、プレベナー13、クアトロバッグの同時接種症例で1例という報告でございました。

 日本脳炎の予防接種に関してADEMを否定できないという、先ほど議論になったMSと報告された例も含めて否定できずと評価をされた例が2例ございました。

BCGワクチンの単独接種例で、リンパ漏という後遺症症例が、1例報告がありました。

 死亡例に関しては、BCGワクチン、ロタリックスの単独接種で各1例、アクトヒブ、プレベナー13、クアトロバッグ、ビームゲンの同時接種症例で1例、ロタリックス、アクトヒブ、プレベナー13、クアトロバッグ、ビームゲンの同時接種例で1例、計5例のうち3例が評価をされました。

 1例は重症の染色体異常を伴っているものでありました。

 その中で、評価は、ウイルス感染による合併症や窒息等の評価が加えられましたが、ワクチン接種との関係については、いずれも評価が不能というものでありました。

 頻度に関しましては、先ほど、議論されたように、アラーム基準よりは低いものであると考えられます。

 このようなまとめでよろしいでしょうか。このまとめに基づいて、現状の取り扱いを変更する必要があるかどうかについて、御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 このまとめに基づきまして、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという結論でよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○桃井副反応検討部会長 ありがとうございます。

 以上で、資料12から17の副反応、そして、1819を含みます報告は、終了させていただきます。

 本日の議事案件は、以上でございますが、事務局から何かありますでしょうか。

○事務局 本日は、長時間にわたりまして、活発な御議論をいただき、ありがとうございました。

 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡差し上げます。

 また、傍聴者の皆様へお願いでございます。審議会委員が退出いたしますので、退出が終わりますまで、そのままお待ちください。

 事務局からは、以上でございます。

○桃井副反応検討部会長 幾つかご意見がございました。B型肝炎ワクチンに関しては、MSの期間に関して、より詳細な情報を御提供いただいて審議をするということになりました。関連性を否定できない例としては医学的に問題があると考えられるデータの報告をどのように記載するかということについての問題提起がございましたので、事務局におかれてはよろしくお願いいたします。

 それでは、本日の会議は、これで終了いたします。御協力いただきまして、ありがとうございました。


(了)

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