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2015年11月5日 第163回労働政策審議会雇用均等分科会

雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課

○日時

平成27年11月5日(木)17:00〜20:00


○場所

中央労働委員会 講堂


○出席者

公益代表委員

田島分科会長、武石委員、権丈委員、奥宮委員

労働者代表委員

井上委員、半沢委員、斗内委員、松岡委員、山中委員

使用者代表委員

中西委員、布山委員、川崎委員、加藤委員

厚生労働省

吉本大臣官房審議官、小林雇用均等政策課長、蒔苗職業家庭両立課長、宿里短時間・在宅労働課長

○議題

1 育児・介護休業制度の見直しについて

○配布資料

資料1 雇用均等分科会における主な意見
資料2 前回の議論に係る補足資料
資料3 検討すべき論点
資料4 検討すべき論点に係る参考資料集

○議事

○田島分科会長 ただ今から「第163回労働政策審議会雇用均等分科会」を開催します。本日は中窪委員、山川委員、渡辺委員から欠席の御連絡を頂いております。

 議事に入りたいと思います。本日の議題は「育児・介護休業制度の見直しについて」です。まずは資料1「雇用均等分科会における主な意見」及び資料2「前回の議論に係る補足資料」について事務局から御説明をお願いいたします。

○蒔苗職業家庭両立課長 両立課長の蒔苗です、よろしくお願いします。私から資料1及び資料2に基づき御説明申し上げます。

 まず資料1は、これまで3回、10月に各論の御議論を頂き、そこで得た意見をまとめたものです。前回、1021日に御議論いただきましたのは資料1では12ページからです。12ページ、有期契約労働者の育児休業取得についてです。こちらについて細かくは御説明いたしませんが、議題としては(1)として有期契約労働者の育児休業取得に係る課題は何かについて御意見が出ております。13ページの(2)有期契約労働者の育児休業取得要件について御意見が出ております。14ページはその続きが15ページまであります。16ページは有期契約労働者の部分について、同じく介護休業の取得についての御意見です。17ページは前回、もう一点御議論いただきました「育児休業の対象となる子の範囲について」の御議論です。(1)特別養子縁組の監護期間中の子についてどう考えるかという御意見が17ページに書いてあります。18ページの(2)里親について養子縁組里親、養育里親、その一類型として専門里親及び親族里親があるがどう考えるか。(3)として孫や配偶者の連れ子など、事実上の親子関係にある者についてどう考えるかというものです。以上が前回の御議論を整理したものです。

 資料2につきましては、前回の御議論の中で川崎委員から御指摘があった事項に関する資料を準備してまいりました。資料21ページを御覧いただきますと、こちらに前回提出させていただいた資料があります。産前産後休業と育児休業の取得率(労働者調査)です。こちらについて、左側の産前産後休業制度の取得状況を見ていただきますと、上から3つ目の選択肢で、制度を利用しておらず利用したいとも思わなかったという方が一定数いらっしゃいました。この中には離職者を含めた方が入っているのではないか、少し細かくデータを整理してほしいという御指摘がありましたので2ページ以降に整理しております。まず2ページが産前産後休業制度について、上が女性の正社員の方、下が女性の非正社員の方について細かく見たものです。赤丸を付けていますけれども、「制度あり」のうち制度を利用しておらず、利用したいとも思わなかったという方について、右側の欄にありますように、末子を妊娠中に退職したという方が45%、正社員の場合は半分程度含まれております。退職せず継続して働いている方が37.5%です。下のほうの非正社員につきましては、同様に末子を妊娠中に退職した方が53.6%、退職せず継続して働いている方が17.9%となっています。

3ページは退職理由について見たものです。上が女性正社員、下が女性非正社員です。一番多かったのは、赤丸で囲んでおりますように、家事・育児に専念するため自発的に辞めたという理由が多くなっております。4ページでは同様の質問について、育児休業について見たものです。4ページの上の段が女性の正社員、下が非正社員です。同じように制度を利用しておらず利用したいとも思わなかった部分について御覧いただきますと、育児休業の場合は妊娠中に退職した方が33%、退職せず継続して働いている方が52.8%です。下が女性非正社員の方ですが、こちらは退職した方が45.5%、継続して働いている方が30.3%となっております。5ページはその理由について見たものです。上段の非正社員の女性について家事・育児に専念するため自発的に辞めた方が47.1%、非正社員については52.2%となっています。私からの説明は以上です。

○田島分科会長 ありがとうございました、ただ今の事務局からの御説明につきまして御意見や御質問がありましたらお願いいたします。

○川崎委員 今回、追加でデータを細かく見ていただきどうもありがとうございました。いろいろ御説明を伺いましたが、育児休業制度、それから産前産後休業制度について、利用希望だが利用できていなかった割合がそれぞれ一定割合あるわけです。その人の中には、同じ所で就業継続していないという人たちも実際のところは含まれているという理解でよいかと思いました。そうなりますと、なかなか1つの事業者で工夫し切れない人たちもこの中には含まれていると思います。

 もう1つは、1つの事業所で周知の工夫や制度自体を工夫しても、それ以外の理由で辞めていって、違う所で働かれる人もいるという中では対応策が制度の工夫だけでもないのではないかということが、こちらのデータから読めるのではないかと理解をいたしました。いずれにしても、調べていただきましてどうもありがとうございます。

○松岡委員 同じく資料2に関してです。前回の資料として入っていたところですが、1ページ目に関しては、利用希望だが利用できていない割合がそれぞれ産休と育休について書かれているわけです。恐らく、利用希望だが利用できていないという分析をするに当たっては、分母のところの「分からない」、そもそも「利用したいと思わなかった」は除くべきで、、それらを除けばかなり高い割合で希望があったという見方ができるのではないかと見ています。

 先ほどコメントもありましたが、退職の理由について、自発的に退職された方が結構な割合でいらっしゃいます。もともとサンプルが少ないので、細かく言う必要はないかもしれませんが、自発的に辞めているからそれでいいということではもちろんなく、その背景にはこれまでも議論には出ていますが、根深い固定的性別役割分担意識や職場の環境といったものが背景にあるということはしっかり留意する必要があるのではないかと考えています。以上です。

○田島分科会長 ほかに御発言はございませんか。それでは次に資料3、検討すべき論点及び資料4、検討すべき論点に係る参考資料集について事務局から御説明をお願いいたします。

○蒔苗職業家庭両立課長 資料3及び資料4に基づきまして御説明申し上げます。まず、資料3を御覧いただけますでしょうか。本日検討すべき論点として資料3を用意しています。まず1ページ、仕事と介護の両立支援制度の全体像についてです。1として介護休業制度の位置付けについてです。1つ目の○ですが、介護休業制度は介護の体制を構築するために一定期間休業する場合に対応するものという位置付けとすべきかという論点です。2点目、介護休業の位置付けが介護の体制を構築するために一定期間休業するものであるとするならば、家族による介護がやむを得ない場合の緊急的対応としていわゆる「介護」(歩行、排泄、食事、入浴等の日常生活に必要な便宜の供与)のみを行う場合のみならず、それ以外の介護の体制構築のために必要な行為、例として病院から退院後、在宅サービス等の介護サービスの利用のための手配・調整も合わせて行う場合も当然に含まれるとすべきかというものです。

2点目は介護休暇制度の位置付けです。日常的な介護のニーズに対応するためにスポット的に対応するものという位置付けとすべきかというものです。

3点目は所定労働時間の短縮措置等(選択的措置義務)など、柔軟な働き方の制度の位置付けについてです。介護休業制度・介護休暇制度については現状の位置付けと変わらないという議論なのですが、3点目につきましては、今回の議論の中で前回、10月に御議論いただき、従来の緊急的対応から日常的な定期対応ということで位置付けを整理しております。1点目の○が日常的な介護のニーズに対応するため、定期的に対応するものという位置付けとすべきか。2点目が、制度の趣旨として基本的にいわゆる介護のみ行うためのものではなく、それ以外の行為、例としては介護サービスの利用に関する諸対応を行うことを想定しているとすべきかというものです。

2ページ目を御覧ください、介護休業制度についてです。1点目は分割取得です。(1)として分割して取得できる回数についてです。1つ目の○ですが、介護開始から介護終了までの間で、以下のような場合に介護休業を取得するニーズがあると考えられるのではないか。どのような時期に休業のニーズがあると考えられるか。例として介護の初期の急性期対応や介護の終期の看取りの時期、介護施設間の移動や病院への入退院、要介護者の状態が大きく変化した場合等です。

2点目の○として、回数の設定に当たっては労務管理の負担も考慮すべきではないかという論点です。(2)の最低取得単位についてです。現行の介護休業は1日から取得できる(取得単位を定めていない)ということも踏まえてどのように考えるかという論点です。2番目、休業できる期間については、休業できる期間を93日から延長すべきかという論点です。3点目、取得できる対象家族についてです。1つ目の○は、対象家族について世帯構造の変化等を踏まえ、祖父母、兄弟姉妹、孫について同居・扶養要件を外すべきかという論点です。2つ目の○は、介護休業のほか、所定労働時間の短縮措置等(選択的措置義務)、介護休暇、時間外労働の制限、深夜業の制限に係る対象家族の範囲についても同様とすべきかというものです。

3ページをお開きください。4点目、常時介護を必要とする状態の判断基準についてです。1つ目の○として、国家公務員の介護休暇における規定も参考にしつつ、介護開始時点で8割以上の世帯において在宅介護を行っていることなど、現在の状況に合わせたものに緩和すべきではないかというものです。

 次に4ページ、介護休暇制度についてです。こちらについては取得単位についての議論です。1つ目の○は、時間単位を義務付けることについてどう考えるかというものです。2点目の○は、半日単位(所定労働時間の2分の1)を義務付けることについてどう考えるか。3つ目の○として、業務の性質や業務の実施体制に照らして時間単位又は半日単位とすることが困難な場合についてどう考えるかというものです。現行制度において、労使協定により適用除外できる労働者、これは下の※ですが、1.引き続き雇用された期間が6か月に満たない労働者及び2として、週の所定労働日数が2日以下の労働者です。こちらについては適用除外とされているわけですが、これらに加え、そのような場合に労使協定により一定の範囲を除外できることとすることについてどう考えるかという論点です。2つ目のポツが、労使協定により除外した上で、除外した者については時間単位又は半日単位以外の単位として取得できることとすべきかという論点です。

 下に参考として、育児の短時間勤務制度についての規定を書いております。育児の場合、1つ目の○にありますように、事業主は3歳未満の子を養育する労働者について、労働者が希望すれば利用できる短時間勤務制度を設けなければならないとされています。対象労働者については1,2,3,4とあり、4にアンダーラインが引いてあります。「労使協定により適用除外とされた労働者ではないこと」という要件が掛かっております。

5ページ目をお開きください、ア)からウ)の労働者が労使協定により適用除外とすることが可能というものです。ウ)にアンダーラインがございますが、業務の性質又は業務の実施体制に照らして短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者ということです。具体的には、下のほうに指針を書いています。指針の九の()としてアンダーラインがありますが、「業務の性質又は業務の実施体制に照らして所定労働時間の短縮措置を講ずることが困難と認められる業務とは、例えば次に掲げるものが該当する場合があること」としています。次に掲げる業務は例示であって、これら以外は困難と認められる業務に該当しないものではなく、またこれらであれば困難と認められる業務に該当するものではないこととされており、具体的にイ、ロ、ハと例示しています。

1つ目が、業務の性質に照らして制度の対象とすることが困難と認められる業務として、国際路線等に就航する航空機において従事する客室乗務員等の業務が挙げられます。ロとして、業務の実施体制に照らして制度の対象とすることが困難と認められる業務、労働者数が少ない事業所において当該業務に従事し得る労働者数が著しく少ない業務です。ハとして、業務の性質及び実施体制に照らして制度の対象とすることが困難と認められる業務です。()として、流れ作業方式による製造業務であって、短時間勤務の者を勤務体制に組み込むことが困難な業務、()として、交替制勤務による製造業務であって、短時間勤務の者を勤務体制に組み込むことが困難な業務、ハ)として、個人ごとに担当する企業、地域等が厳密に分担されていて、他の労働者では代替が困難な営業業務というものです。今回、介護休暇制度についての部分ですけれども、こちらの業務について、育児と介護は違う部分がありますので共通する部分、あるいは違う部分について御議論いただければと思っております。

6ページ、次に、介護のための柔軟な働き方の制度(選択的措置義務)についてです。(1)として措置の期間についてです。1つ目の○、介護のための柔軟な働き方の制度の位置付けを踏まえ、現行介護休業制度と合わせて93日とされている選択的措置義務の期間について、93日から独立させるべきかという論点です。

2点目として、その場合の期間をどうするか。下にありますように平均介護期間(47.6か月)、あるいは平均在宅介護期間(33.99か月)を参考にすべきかというものです。

(2)として措置の内容についてです。1つ目の○、労働時間を変化させずにフルタイムで働くことのできる柔軟な働き方の制度(所定外労働の免除やフレックスタイム等)と、労働時間を短縮させる制度(短時間勤務制度)については、介護のための柔軟な働き方として位置付けが異なると考えるべきかというものです。

 1)として短時間勤務制度についての論点を用意しています。参考資料23とありますので、資料42ページ目を御覧いただければと思います。資料42ページ、108日に出した資料の再掲ですが、「仕事と介護の両立のために必要な勤務先による支援」というデータです。仕事と介護の両立の場合、勤務先による必要な支援として残業をなくす・減らす仕組み及び出社・退社時刻を自分の都合で変えられる仕組み等の割合が高いという特徴があります。

 論点ペーパーに戻っていただき、6ページの下、内容についてです。短時間勤務制度について単独の勤務又は請求権とすべきか。2つ目の○として、フレックスタイム制度や時差出勤はフルタイムで働くことのできる制度であるため、短時間勤務制度とは別の位置付けとすべきか。3点目として、事業主の負担も踏まえ選択的措置義務の1つのままとすべきかという論点を立てております。

7ページ、一番上の期間についてです。短時間勤務制度について単独の義務又は請求権とする場合、その期間についてどうすべきかというものです。2番目は所定外労働の免除についてです。

2番目、所定外労働の免除についてです。1つ目の○ですが、現在では所定外労働の免除と組み合わせて利用できる介護サービスも存在することを踏まえ、仕事と介護の両立支援制度として位置付けるべきかという論点です。内容についてですが、1つ目の○が、所定労働時間の免除を仕事と介護の両立支援制度として位置付ける場合、労働者のニーズが高いことや当該制度がある事業所において継続就業率が高いというデータも踏まえてどのように位置付けるべきかというものです。2つ書いてあって、単独の義務として位置付ける、2つ目が選択的措置義務の1つとして位置付けるというものです。

 次に期間についてです。単独の義務として位置付ける場合に、その期間についてどうすべきかという論点です。下に参考として、育児の場合には所定外労働免除制度が既に入っておりますので、これについて制度を参考に付けております。

9ページをお開きください、子の看護休暇についてです。こちらについても、先ほど申し上げた介護休暇と同様に柔軟な取得単位ということで時間単位、半日単位の議論をお願いしたいと思っています。内容については先ほどと同様です。

10ページを御覧ください。10ページの下のほうで、ひとり親に対する子の看護休暇の日数、育児休業の期間についてという論点です。こちらは10月の御議論の中で経済的支援のニーズが高いと考えられることから、子の看護休暇の日数や育児休業の期間の延長というよりは福祉的な措置により対応すべきではないか、という御意見が出ましたので、それを踏まえた論点としています。

11ページ、所定労働時間の短縮措置等の対象となる子の年齢についてです。子の年齢について引き上げるべきかという論点について、1つ目のポツは、引き上げるとして何歳まで引き上げるべきか。2つ目のポツとして、男女の育児への関わり度合いに差があり、短時間勤務制度を利用している労働者の多くが女性となっている現状を踏まえると、子の年齢を引き上げると引き続きその年齢が女性に偏り、結果的に女性のキャリア形成にとって好ましくない結果になりかねないことについてどう考えるかというものです。

12ページは有期契約労働者の育児休業取得についてです。1つ目の○、現行の要件について見直しが必要ではないかというものです。現行のそれぞれの要件についてどう考えるかという論点です。次に休業の対象となる労働者の考え方について、1つ目のポツ、現行の要件は育児休業・介護休業制度は育児又は介護を理由として雇用関係が終了することを防ぎ、その継続を図ることを目的とする制度であるという趣旨を踏まえたものとなっているが、休業することによって雇用の継続が可能となる労働者について休業の対象とする考え方について維持すべきかというものです。

2つ目、雇用されることが見込まれることという要件についてです。有期契約労働者の方であっても休業可能とすることにより、相当程度雇用の継続が見込まれると考えられる者については育児休業・介護休業の対象としている現行の考え方、具体的には現行制度上2,3の要件として表現されている部分についてどう考えるかというものです。

 次のポツ、2の要件で、子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれることという要件ですが、こちらについて事業主にとっても労働者にとっても分かりづらいという課題があることに関し、労働契約期間が満了し、かつ労働契約の更新がないことが明らかである者のみ除外することについてどのように考えるかという論点です。12ページの下が現行の取得要件です。

13ページが有期契約労働者の方の場合の介護休業の取得要件です。この場合についても同様の考え方とすべきかというもので、現行の介護休業の取得要件を付けております。

14ページは育児休業の対象となる子の範囲についてです。1つ目の○が法律上の親子関係、実子や養子に準じる関係であるかどうかという観点から育児休業の対象となる子の範囲について議論すべきかというものです。2点目、法律上の親子関係に準じる関係であるかどうかという観点から対象となる子の範囲を設定するとした場合、特別養子縁組の監護期間中の子や養子縁組里親といった法律上の親子関係に準じると言えるような関係は対象とすべきではないか。一方で他の関係については、労使の関係において事業主の最低限の義務を規定する法律上の措置としてではなく、企業の社会的貢献や児童福祉行政で対応すべきではないかというものです。3つ目の○、育児休業制度以外の、育児に関する育児休業法上の制度についても育児休業の対象となる子の範囲と同様に拡大すべきかというものです。現在、育児休業以外の育児に関する制度として、子の看護休暇から労働者の配置に関する配慮義務までありますので、こちらについて拡大すべきかというものです。

15ページをお開きください。妊娠・出産・育児・介護休業等をしながら継続就業をしようとする男女労働者の就業環境の整備についてです。こちらについては現在マタハラ調査を行っており、次回御用意できると思っております。次回、そちらのデータを紹介しながら御議論いただきたいと思っておりまして、詳細は次回議論とさせていただいております。

 論点1、マタハラ、パタハラを防止するための措置についてです。1つ目の○がマタハラ、パタハラ措置の対象となる範囲、理由となる事由、行為類型等についてどのように考えるかというものです。2点目が事業主に求める具体的な措置について、マタハラ、パタハラの実態も踏まえ、セクハラ防止措置義務規定も参考にどのような内容とすべきかというものです。

2点目が男性の育児休業取得促進についてです。男性の育児休業取得促進のための企業の取組を促進することについて、上記1のパタハラ対策も踏まえどう考えるか。これは次回御議論いただければと思っております。

 最後、16ページです。その他として2つあります。1点目が育児期・介護期のテレワークについてです。育児期・介護期のテレワークという働き方についてどう考えるかという論点です。2点目が指定法人制度に関する規定についてです。指定法人制度に関する規定について、現在指定されている法人はなく、今後も指定される見込みがないことから廃止すべきかという論点です。参考資料につきましては資料4に付けております、私からは以上です。

○田島分科会長 ありがとうございました。ただ今事務局から、介護と育児についてまとめて御説明いただきました。そのうち、まずは介護について御議論いただきたいと思います。御意見、御質問がありましたらお願いいたします。

○井上委員 今、介護ということでしたが、個別の議論に入る前に全体的な考え方として意見を述べさせていただきたいと思います。

 育児・介護と仕事の両立に関する基本的な考え方について発言させていただきたいと思います。この間、育児・介護と仕事の両立に関しては様々な所から施策の推進に関する意見・声が挙がってきているかと思います。この度、政府が「介護離職ゼロ」を掲げたことに関しては、私たちも介護離職ゼロにすることが何よりも重要なことだと考えております。この点では方向性は一致するものではないかと思っています。

 その観点から考えると、そもそも育児・介護休業法は労働者の雇用継続のための法律であり、介護離職ゼロを実現するに当たっては、この法律は重要な位置を占める法律になるのではないかと考えております。もちろん、介護施設の拡充によって介護離職を防ぐことも重要ではあると考えますが、介護者が要介護者を介護施設に入れる体制整備を行う間に両立できずに離職してしまわないようにすることもまた重要であると思います。また、日常的な介護のニーズを満たすことも、私たちが議論している今回のこの法の見直しに求められているのではないかと思います。その際、この法律の見直しによって求められる制度の水準はやはり介護離職ゼロですし、全ての労働者の離職防止であることを忘れてはならないのではないかと考えております。

 一方、政府が今回新しく打ち出した新3本の矢に子育て支援も入っております。これについて希望出生率が矢の1つに入っておりますが、幾ら希望ということが頭に付いていたとしても、出生率の目標を定めているということに関して、私たちは賛同できません。ただ、育児をしやすい環境を整える方向については反対をするものではありませんし、私たちも同じ思いを持っております。また、先の一億総活躍国民会議でも、民間議員である白河委員が育児介護休業法における有期契約労働者の課題について提起をしたことをインターネット等でも拝見しております。そういう意味では、私たち労働側と同じ思いや問題意識を持つ方々が様々な所にいらっしゃるのだというように心強く思っているところです。

 この審議を進めていく間にも、分科会での議論に対して社会的な関心が高まってきていることを強く感じております。私たちの未来の社会を決める非常に重要な議論をしているということを改めてこの分科会でも共有させていただきたいと思います。今回の法改正によって、育児や介護をしながら就業を継続できる支援体制となるような法律の見直しができればと考えております。少々長くなりましたが冒頭の発言として述べさせていただきました。ありがとうございます。

○斗内委員 私からも今後の議論を進めていく上で、全般的な方向性をお話させていただければと思います。前にも1度引用させていただきましたが、みずほ総合研究所が201312月に「介護と仕事の両立支援の課題」というレポートをまとめています。そのレポートからも引用しながらお話をさせていただければと思います。

 仕事と介護の両立に関して、育児と比べ、介護というものの見えにくさが特徴として挙げられているところです。例えば使用者にとっても実態把握がかなり難しく、両立の負担の時期がなかなか分かりづらいとか、時間の経過とともに負担が拡大するおそれがあることなどが、このレポート等で指摘されていることを、私どもはこういった議論の中で参考にしていくべきではないかと思っております。

 特に実態把握が難しいということになれば、今回の介護の議論においても、常に念頭に置いておくべきではないかということです。労働者が介護休業などの制度を実際に利用した場合には、会社としても介護を抱えているという問題を把握することができますが、制度を利用していなければそうした事実もなかなか把握することは難しい。このレポートの中では、個別的な話題はなかなかしにくいということも指摘されているところです。そういう意味では人知れず負担を抱え、最終的に相談できないまま窮地に陥っている場合もあるのではないかということです。

 これまでにもありましたように、労働者への情報の提供が足りていないことも指摘されているとおりであります。今、紹介をしたような介護の特徴を踏まえれば、労働者側が普段から、仕事と介護の両立に関して相談できるような制度、企業内の相談窓口の設置等も考えられるのではないかと思っております。既に努力義務となっている職業家庭両立推進者の活用等も、今後視野に入れていくべきではないかということです。

 また、みずほのレポートでは、介護中の社員の両立不安を軽減し、介護と仕事の両立に向けた見通しを立てやすくするためには、時間単位の休暇の取得や両立支援制度の利用、そのことをいわゆる管理職側の評価のプラスに加点するなどの方策なども提言されております。両立支援制度利用によるキャリアへの影響等の範囲に明確なルールも必要だということも提言されているということです。このような介護に関する実態報告等も様々ある中で、このようなことをきちんと念頭に踏まえながら今後議論を進めていっていただければと思っております。是非お願いしたいと思います。

○山中委員 今、労側の2人が申し添えましたが、冒頭に事務局から御説明いただいた各介護の制度の位置付けについては至極妥当なものであると考えています。論点ペーパーに記載していただいたとおり、介護に携わる際には緊急的対応やそれ以外の様々な体制構築のための対処が必要で、そうしたニーズ、物事に対しても利用できる制度としてこの論議を深めていくことが、望ましいと考えております。簡単ですが以上です。

○半沢委員 介護休業制度について幾つか意見を申し上げます。論点の2ページ目に介護休業制度についての論点が示されています。この中で休業のニーズがあると考えられる例として、急性期対応の介護の初期、看取りの時期の介護の終期、要介護者の状態が大きく変化した場合が例として示されていますが、こういった分類、考え方は妥当なものではないかと思っています。

 その上で、要介護者の状態が大きく変化するという場合については、私どもの組合員のヒアリングなどでも、例えば1人で介護をしている中において、主たる介護者であった人に健康の問題が起きるとか、又は在宅から施設に移るとか、介護に当たっての状況がだんだん悪化していくに当たって、状態が変化するというような複数の場合も考えられます。例えばこれを1回というような感じで制限をすべきではないのではないか、この複数にも対応が必要だというのが実情ではないかと思っています。

 その中で1つ取り上げたいと思っているのが、認知症についてです。連合で、2014年に「要介護者を介護する人の意識と実態に関する調査」を行いました。ここの中では、要介護者のほぼ半数が認知症と診断されているという結果が出ています。これは非常に多いです。そして、同じ調査の中では、認知症が進行していくことにより、在宅介護が困難になる状況が傾向として出ており、在宅介護が続けられなくて施設入所を申請中、申請予定としている人の中では、要介護者が日常生活に支障を来す症状がある、こういう問題行動が見られ、専門医療が必要であるという方が、その中の半数近くに達している状況です。

 ほかの調査を見てみましても、明治安田生命のインターネット調査でも、要介護者が認知症になっていると介護時間が大幅に増加するという結果が出ています。ここの調査で、継続就業が介護時間のボーダラインになるという見方がされているのは、平日の2時間とされていますが、認知症の介護者を抱えている場合、男女ともこれを上回る平日2.9時間の介護が必要になるという結果が示されています。

 また、以前にも紹介した連合の「介護休業制度等に関する意識実態調査」では、施設の入居が必要になった介護者のうち約4割の人が、施設に入るまでに93日以上の期間が掛かり、1年以上掛かった人も2割以上に上っているという結果が出ています。それぞれ別の調査でありますので、一概には言えないわけですが、傾向としては、認知症患者を抱えながら要介護者が施設に入れず待っている間については、状態を大きく変化させる契機として、現行の日数では対応しきれない場合もあるということが浮き彫りになっているのではないかと思っています。

 施設入所の希望があり、継続就業の意思もある中で、在宅で認知症患者の介護を続けざるを得ない労働者を介護離職させないようにしていくためには、これは非常に重要な問題であります。当然ながら休業して1人だけに責任をというものではないとは思っていますし、短時間勤務であるとか、いろいろな制度の組合せで、その間をしのいでいくというのもあるとはいえ、それに対応できる柔軟な、幅を持たせた期間、こういった設定も必要なのだろうと思っているところです。

 必要であるから休むのであって、休まずに対処できる、そういう方策があるのであれば、できるだけそういったところを選びながら続けたいという思いは労働者としても強く持っているわけです。是非その思いをかなえるような制度の仕組みを作っていくことが重要なのではないかと思っているところです。

 それから、3ページにありますが、判断基準について緩和すべきでないかというのもありますが、これは是非お願いしたい。常時介護を必要というところを、まず介護認定が必要なのではないかと誤解している方もいるので、そこは違うということを私たちも申し上げるのですが、常時介護というのが少し厳しく感じているようで、制度はあるのだけれども、自分からは遠慮してしまうということがよく見られるものですし、実際に申請のベースで労務管理的にどうしているかというと、いちいち常時介護が必要だということを確認してから休業ではありませんので、申請ベース、労務管理の信頼関係の中でやっているというのが実情だと思います。是非実態に合わせたものにしていただきたいと思います。

 それから、以前も言いましたが、最低取得単位についてです。もう既に、介護休業を1日から取得できる職場もありますので、是非そういったところが労働条件の低下につながらないように考慮をお願いしたいと思います。

○松岡委員 私からは大きく2点について発言させていただきます。1点目は、介護休業制度の休業できる期間を93日から延長すべきかという論点についてです。既に発言させていただいて、資料1の中に一部コメントとして載せていただいていますが、かなり端折って話をしたこともあるので、一部重複するところもあるかもしれませんが、そこも絡めながら発言させていただきます。

 今日の資料には入っていないのですが、第160回目の資料の48ページです。介護のために1週間を超えて連続した期間仕事を休んだ日数について言及されている所です。研究会報告書の中でも言及されていますが、ここの資料の中で、「最長日数2週間以内」と答えた方が75%ということからして、比較的ニーズは短期間であるということが言われていたわけですが、あくまでも1週間を超えて連続した期間仕事を休んだ日数であって、その下に「通算日数」というのが64.8%と書かれています。これは、介護のために必要とした日数が通算で2週間以内ということではないということは、しっかりと理解する必要があるかなと思います。

 念のためにと思って、JILPTの報告書を見てみましたが、1週間を超えて連続して休んだ日数の合計は何日ですかという問いに対して、「2週間以内」と答えた方が64.8%ですので、総トータルが2週間以内でいいという回答ではないことを押さえる必要があると思います。前回も触れましたが、1週間を超えて同じ人物が繰り返し休むというのは、職場との関係で難しいと思いますし、そもそも現行の法制下の中での問いですので、1回しか取れないという背景からすれば、取り控えがあるという前提の下での回答であるということは、押さえる必要があると思います。

 ついでに調べてみたところ、このJILPTの回答の中には就業を継続していない方の答えも33%含まれていましたので、そういう意味ではニーズと就業継続との関係を直接的に記したものではないと受け止めることもできますし、研究会報告書の中で書いてある75%という数字をもって、介護休業のニーズは短期間であると断じてしまうのは乱暴ではないかと感じています。

 同じくJILPTの調査表を見ていましたら、一番最後の問いにニーズを直接的に問うているやり取りが入っており、現在の法律が定める期間にこだわらず、つまり93日ということを一旦脇に置いて、あなたが介護休業を自由に取れるとしたらどのぐらいの期間を取りたいですかという質問をしています。58.3%の方が「分からない」と回答されているのですが、それは何となくそう答えたくなるのも分かるなという気がするのですが、「93日以内でいい」と答えている方は11.1%、それに比して93日を超えて、幾つかの時間単位で区切ってありますが、93日を超えて取りたいと答えた方は23.9%に上っています。つまり、直接的にニーズを問うている設問に対してはかなり長く、つまり93日以上の長さが必要だと答えている方が多いということも、しっかりと受け止める必要があるのではないかと思います。

 そういう意味では、これも第160回の資料の49ページにありますが、介護休業取得後、復職した人の介護休業期間、介護休業後に復職するためにはどのぐらいの期間の休みが必要だろうかということを見るための資料だと思いますが、3か月以上の休業をして復職ができたという方が32.1%いらっしゃることも、これは就業継続と介護休業期間の関係でいけば、しっかりと認識する必要があると思います。ついでに過去の、平成24年度の厚生労働省の雇用均等基本調査の結果を見てみましたら、平成20年度の調査を見てみますと、3か月以上を必要として復職した方は17.7%でした。つまり、この4年間で17.7%から32.1%に増えているということだと思います。これは正に、社会的な介護に関わる環境の変化を反映しているものだと受け止めていますので、こういった期間が増えているという現状もしっかりと受け止める必要があると思います。

2点目は介護休暇制度についてです。介護休暇の論点の所に、労使協定の適用除外とすることについての言及ですが、ここは一部事務局への質問も含まれます。そもそも参考として育児の短時間制度の適用除外が引用されているわけですが、スポット的な対応をするために必要だとしている介護休暇と、育児のための短時間勤務制度とは同列に語れない部分も多いのではないかと考えています。そういう意味では、事務局のほうで、もしこういう事例が取得を阻害するような事例に更に付け加わるのではないかという分析のようなものがあれば、お知らせを頂ければと思います。

○蒔苗職業家庭両立課長 介護休暇の労使協定除外の規定の部分です。こちらについては、10月に3回各論を議論いただいた際に、使用者側から、時間単位は業種・業態によっては難しいという意見がございました。具体的には我々もイメージできないものですから、今の枠組みの中で似たような規定ということで、参考にお出ししているのが育児の短時間勤務制度です。同じように、業種・業態で一部除かれていますので、そこについてはこの場で御議論いただきながら、育児と同じ除外の仕方でいいのか、あるいは介護の場合は、この業務はむしろ時間単位でできるというのを御議論いただいた上で、我々のほうでまた整理をしたいと考えております。

○松岡委員 そういう意味では、先ほども触れましたが、介護休暇はスポット的な対応で、ボリューム的にもかなり限定的だということを踏まえて、決して育児の短時間勤務と同じような状況ではない、もっとより範囲の広い柔軟な制度として考えるべきだと考えています。そういう意味では看護休暇も同様の認識です。

○半沢委員 今、介護休暇についてお話が出ましたので、それに関してです。労使協定ということで紙に書いてありますが、これは子の看護休暇のほうにも同様の論点がありました。以前の調査をお示しいただいた中で、子の看護休暇は4分の1程度の企業が既に半日であったり、時間単位であったり、こういった制度の導入がされ、運用もされているという状況において、既に取れていた人たちが、制限されるようなことがないようにお願いしたいと思います。介護に関して言うと、年休というのもよく使われている制度だと思います。年休の半日取得は、私どもの加盟組合では9割を超える所で既に導入されていますし、時間単位等は9割まではいきませんが、実際に運用されているところもあるわけです。既に年休等で半日等を使えている人たちの、介護休暇、子の看護休暇等の制度の利用を制限してしまわないように、是非御考慮いただきたいと思います。

○布山委員 確か、この議論を始めた頃の厚生労働省の事務局から御報告いただいたデータの中にもあったかと思いますが、介護しながら就労している方々よりも、介護離職している方のほうが結局のところ事業者に任せられなくて自ら介護を行っていた率が高かったと思います。そうした意味では、労働者が介護の全てを自分で行うのではなくて、介護保険制度のいろいろなサービスを利用しながら、仕事との両立を図ることが重要だと考えております。その考え方を前提にした両立支援制度の検討だと考えており、そういう中では、できるだけ休まずに両立できる方策を検討することが重要だと思っています。そこで私は以前にも、いろいろな制度の組合せを考えたらどうかと発言させていただいたかと思っております。

 そうした中で、介護休業制度については、確かに急性期と看取りという異なる時期に、一定期間の休業が必要となる可能性はあると思っております。ただ、これまでも主張させていただいておりますが、ここで決めるのはあくまでも法律上の最低限の義務として定める内容になりますので、当然のことながら取得の限度の回数というのはあって然るべきだと思っております。

 それから、先ほど介護休暇のところもお話が出たので述べさせていただきます。これも時間単位というのは非常に難しいということは、これまで述べてきたとおりです。労務管理上の負荷が掛かり過ぎるのではないかと考えているところです。半日単位についても、今、労側の代表からもお話がありましたが、有給休暇の半日付与を行っているような事業主であれば対応は可能かもしれませんが、そうでない所はやはり難しいところがあるのではないかと思っています。

 ですから、この論点の中にもあるように、例えば半日単位が難しい業務の場合には除外できるような仕組みを考えることというのは重要だと思っています。また、論点の中では、半日の単位を、所定労働時間の2分の1として出されておりますが、これも今の半休の付与の仕方ということも参考にしながら、各企業でそれぞれのやり方があると思いますので、より柔軟に設定できるような仕組みとすることが必要だと考えております。また、もし半日ということであれば、当然のことながらもともと半日程度働いている方は、そもそも除外となると思っているところです。

 さらに、先ほどの「例えばどのような方が難しいのか」という御質問に関しては、例示に載っているのは育児短時間の話ですが、少なくともここに載っている方々というのは、そもそも時間単位が難しいという方に当たるのではないかと思っています。5ページの九のハの()の所ですが、これをよく見ると交替制勤務が製造業務だけに限定されていますが、会員企業に聞くと、例えば運輸業のシフトは1年ぐらい固定でするのだそうです。ですから、単発に入ると、そこの代替が難しいと伺っておりますし、窓口業務、流通業に関しても、特に時間単位で中抜けみたいなことが可能になる制度というのは、当然のことながら対応は難しいと聞いております。

 それから、先ほど常時介護を必要とする状態の判断基準のことも御意見があったかと思いますが、これは法律で定めるのではなくて、通達で規定するということでよろしいでしょうか。それに関してですが、今の国家公務員の基準を参考にするというよりも、むしろ介護の現状を踏まえた上で、専門的な見地から検討していただければと思っております。

○中西委員 中小企業の立場から介護休業制度の見直しについて意見を申し上げます。今まで申し上げてまいりましたとおり、介護は極めて重要かつ深刻な問題と認識しており、中小企業においてはそれぞれ実情に合わせて柔軟に対応してきております。したがいまして、法律では最低限の基準を定めることとし、休業期間をはじめとする支援制度につきましては現行の枠組みの中で、労使間で柔軟に協議できることが必要であり、肝要ではないかと思います。

○加藤委員 同様の趣旨になりますが、全ての事業者が法に関わってくるということになると先ほどからの適用除外の例などにありますように、人数が少ない事業者というのは、前にもお話しましたが、中小企業において圧倒的に多い状況があります。そうした状況でどうしているのかというと、労使で話合いを行い、うまく調整をしながら、柔軟な対応をしているのが現状だ思います。それが完璧ということを申し上げるわけでは決してないのですが、そうした中で今の法律、やはり最低限の基準の中で、それぞれが話し合いながら、また、様々な制度を絡ませながら、柔軟に対応していけるというのが、使用者だけではなくて労働者においても、その中でやっていけるのではないかと感じているところです。

 ですから期間の問題、93日だとか、それから時短の部分もそうなのですが、特に時短の場合は就業時間がすごく短くなるということで、会社の経営、それから労働者にとっても、決してそれが全て完璧ということにはならないのではないか。残業の問題とは、またちょっと違うと感じていますので、その辺りは柔軟な対応で整理していただけると、非常に有難いと感じています。以上です。

○井上委員 先ほど来、使用者側から「柔軟な対応」という言葉が何回も出ていますが、そもそも法律があった上で、どれだけ労働者がきちんと制度を取れているかというと、そういう実態にはなっていない。これは我々労働組合も反省をしなければいけませんが、労働組合の組織率が低い中で、どれだけ職場が労使で話合いをできるのか、それは非常に重要な問題だと思っています。

 ですから、柔軟な対応といっても労使で話合いができなければ、制度があっても活用ができない、そういう声が労働者から上がってきていますし、我々の相談ダイヤルにも来ているところであります。ですから、ここは最低限ではなく、しっかりとした法律が改正されて、その上で労使が話合いができるような、そういう制度になることを期待したいと思います。

○布山委員 すみません、先ほど質問し忘れましたので、事務局にお聞きしたいと思います。4ページの「介護休業制度について」の1の「取得単位について」の3つ目の○の黒ポツの2つ目、これはどのような意味で考えればよろしいのでしょうか。

○田島分科会長 事務局、お願いします。

○蒔苗職業家庭両立課長 こちらについては現状1日単位となっていますが、時間単位、若しくは半日単位以外の単位。例えば半日単位でいえば、半日単位以上1日未満とか、それ以外の単位として取得できることとすべきかという意味です。

○布山委員 それでは、それに対しての意見です。もともと私どもとしては、時間単位のみならず半日単位も難しいところがあるということを、今も申し述べましたので、当然のことながらほかの単位での取得も、議論するのは現実的ではないと考えています。

○半沢委員 介護に関して、離職を防ぐためにいろいろな制度を組み合わせて、就業継続をしていってもらいたいという気持ちについては、労使とも共通なのかと思います。

 休業制度の所にありますように、大きく変化するような場合については、なるべく継続したくても、そうせざるを得ないような状況が間に挟まってくることが実際にあります。労働側としましては、やはり制度としては柔軟に使えることにより、そういう方々が救えるようになるのではないかと、そういう実情からお話を申し上げているということを是非、御理解頂きたいと思っています。

 あと、半日利用については以前お示しを頂いたように、ケアマネージャーさんとの打合せであるとか、特に介護に関しては、非常にこれが有用だということは研究会の中でも示されているわけです。また、私どもの実際の事例を聞きましても、ちょっとした介護サービスをお願いしても、家の中での介護はゼロにはなりませんので、その中でちょっとした時間が使えることによって、非常に就業継続がやりやすくなる。こういった事例というのが、やはりあるわけでして、これは非常にポピュラーな場合なのだろうと思います。こういった実情を是非御考慮いただきたいと思っています。

○斗内委員 今、御議論がありますように、やはり介護という問題を抱える方々に、いかにして仕事を続けていただくかということが、非常に重要なポイントだろうと思っています。そういう意味では、例えば資料の6ページにもありますように、柔軟な働き方の制度について、どのような選択肢を私どもは示していくことができるかということが、ここの分科会に課せられている課題だと考えている次第です。

 先ほども申し上げましたように、なかなか職場で自分の家庭の話を持ち出しづらい雰囲気があるという調査結果も出ています。そんな中でも仕事を続けていくために、そういったことを相談しやすい体制をとりながら、多様なメニューというものをいかに示していけるか、そのことをいかに担保していけるかというのが、私は重要ではなかろうかと思っています。

 そういう意味では、先ほども少し出ましたが、資料の6ページにあるような所定労働時間の短縮措置の論点としまして、いわゆる93日から独立させるべきかというところですが、そういう意味では今回、今までも御議論がありましたように、やはり独立をさせていくべきではなかろうかと思っています。

 その下の所で、その場合は期間をどうするのかというところですが、基本的に私どもは、やはり事由が解消するまでは、時間短縮というものが必要なのだろうということを思っています。上限等々を決めますと、今の93日の休業でもそうですが、取り控えといったものも今まであるということが御指摘されています。先ほど申し上げましたように、介護というのは後に大きな負担があるかもしれないということもありますので、取り控え等々も起こってくるということからすると、やはり基本的なところは、事由が解消するまではこういったものの措置、多様なメニューというものをきちんと担保してあげることが必要ではなかろうかと思っています。

 ただ、そういう意味で、それを踏まえた上で、やはり何らかのガイドライン的なものといいますか、期間がいるのかということになれば、その下にあるような参考になる月数等々も出ていますから、その辺も踏まえながら今後、御議論をさせていただければいいのではないかと思っています。以上です。

○加藤委員 先ほど申し上げた内容の補足です。以前も申し上げましたが、中小企業は何百万もありますが、その9割が従業員20人以下の事業者です。そのために、国においても小規模基本法というのをわざわざ作ったという状況があります。

 そういう中で、事業者から見れば従業員の方々、10人、20人の所というのは、本当に戦力として、仲間として、実際の経営に携わっていただくような気持ちで、事業をやっていらっしゃる所がほとんどだろうと思います。そうすると、そういう方々というのは家族構成がどういう状況なのか、奥様が今どういう状況なのか、お子様が今どういう状況なのかというのは、ある程度、経営者が理解しながら事業を進めていっているのではないかというのが実態だろうと思いますので、そこはお互いに、正に柔軟に理解をし合いながら、今回の法律についても考えていくべきではないかという趣旨で、先ほど申し上げたということをお伝えいたします。

○山中委員 多様な働き方の選択肢をということで、先ほど斗内委員からも方針を述べさせていただいたのですが、今7ページに「所定外労働時間の免除」というのも論点が上がっているわけですが、参考資料の2ページ目で、両立のために必要な支援策の中に、やはり残業をなくす・減らす仕組みが欲しいという方が29.4%もおられ、深夜業をなくす・減らす、所定労働日数を短くする、時間を短くしてほしいという方も、割とおられるわけです。

 こういったところからも、やはり所定外労働時間、いわゆる残業の免除について、単独の措置義務として位置付けることが基本的なことではないか、介護の事由終了まで使える制度とすべきではないかと考えているところです。そもそも日本は超長時間労働社会になっていまして、非正規の方が4割になったとか、労働者を取り巻く苛酷な状況というのは、日々深刻になってきていると思うところです。やはり長時間労働の改善なくして、基本的なところだけ法律を変えても、使えない、実働が伴わないものになりかねないことを非常に危惧しています。そもそも残業をしなくていいということが、基本的な原則であると考えています。

 ですので、今後介護に従事する人も、超少子高齢化ですからだんだん増えてまいります。育児と介護が重なるダブルケアといったことも、私たち組合員の方からいろいろ聞いていますし、今後ますますそういう事例が増えてくることも想定されます。1人で両親、又は配偶者の親までも看なくてはならないという事例も、今後増えることが想定されてまいりますので、全ての人が介護のケアに従事できる、また、従事できる社会の枠組みとしていくためにも、所定外労働ということについては、単独の義務として位置付けるということで、前向きに施策をとっていくべきと考えているところです。以上です。

○武石委員 労使の皆さんの御意見を聞かせていただきましたが、基本的に今の介護休業の法律の仕組みというのが、公的な介護保険の制度が出来る前に出来た法律なので、やはり家族が介護をするということを念頭に置いていたかどうか分からないのですが、そこが非常に色濃く出た制度になっているのかな。その後、いろいろな改正がありましたが、どうしてもそこの法律の成り立ちから、家族が介護をするという部分が、まだ強いような印象があります。

 という意味では、介護保険制度も出来て、いろいろな体制整備、サービスの整備が進んだ中で、この法律を今、抜本的に見直すというのは非常に重要なことで、中小企業さんのいろいろな御苦労も分かるのですが、やはり今後の高齢者が増えていく時代に向けて、どのように両立を進めるかということを考える、大変重要な時期かなと思っています。

 そういう意味で、やはり幾つか法律を変えなくてはならない所があると思っていまして、前にもここで言わせていただきましたが、集中的にまとまって休まなくてはならないところに対応する介護休業制度と、それから介護が非常に長い期間、長期間にわたって続くわけなので、その長期の介護をスポット的、あるいは定期的に必要な部分で、家族が担っていく部分を、きちんと手当てをする制度というのが必要だろうと考えていまして、休業制度がまとまった休みということでの集中的な対応、介護休暇と柔軟な働き方というのが長期的な介護に対応する制度として、成立する必要があるのだろうと思います。

 その上で介護休業に関しては、期間をどうするかというのはあるのですが、私は現状、これまでの取得実績を見ると、それほど長期の期間はない、取得している人は少ない、そもそも介護休業を取得している人が少ないのですが、そういう中で期間を議論するのかどうかは別にして、やはり分割取得というのが非常に重要かと思っていまして、中小企業さんの負担も分かるのですが、例えば1回しか取れないと、なかなか取らないで、結局大変になったところでガンと休んで辞めてしまうというのは最悪のシナリオで、分割ができるということになっていると、例えば最初のときに休んでみようと。そこで体制が構築できれば、ケアマネさんと相談をして、その後きちんとしたサービスの利用になって、両立ができるようになっていくので、やはり休業をしないで頑張ろうではなくて、必要なときには休業をして、体制を構築していいということでの、そういうメッセージということも含め、分割というのは非常に必要かなと思っています。ただ、何回でもできるというのは大変煩雑な仕組みになっていくので、そんな滅茶苦茶多くない中での回数の制限というのが1つあるのかなと思っています。

 それから、介護休暇や柔軟な働き方というのが、要は介護が必要な期間に必要な措置なので、できれば介護が続く間は、今の介護休暇制度は介護が必要な期間は取れるという仕組みになっていますが、柔軟な働き方に関しても、選択的措置義務にするのか、単独の義務化にするのかという、その組合せはいろいろあるのですが、基本的には介護が必要な期間は何らかこういった仕組みが使えて、介護と仕事の両立ができるという方向性を考える必要があるのかなと思っています。

 ただ、やはり短時間勤務は事業主の皆さんにとって、非常に時間が短くなるという部分で負担が大きいので、この仕組みをどうするのかというのは、いろいろな御意見をお聞きしたいと思うのですが、全体の制度としては、基本的にはこの項目に沿って組み換えることが必要ではないかと思っています。

 そういう趣旨からいうと、まだ皆さんから御意見は出ていませんが、例えば取得できる対象家族というのも、1人の介護者に対して、いろいろな方が関わっていける仕組みというのが、みんなが両立できる体制になっていくと思うので、無理がない範囲で広げていくことが、1つの方向なのかなと考えています。以上です。

○奥宮委員 今、労使のほうからいろいろ参考になる御意見を頂き、ありがとうございました。私も、同じ法律の中で決められていますが、育児と介護というのは全く状況が違う側面があると思います。育児というのは非常に前向きなことです。労働者にとって家族を持ち、ただ、その中で仕事も続けていきたいという、労働者側にはその要請がある。企業にとっては、そういう育児を支援しながら、労働者に就業を続けさせ、かつキャリアアップさせていくということで、しかも期間がある程度、子供の数にもよりますが、見えている話です。だんだんそれが良くなります。しかもそのときには、労働者はまだキャリアは積んでいませんが、若くて体力があります。

 介護のほうになってくると、管理職になっているかなっていないかにかかわらず、一定のキャリアを持っている労働者が普通です。ただ、それは50歳代を過ぎて、体力も落ちてきて、こういう言い方をしたらいけないのですが、介護は望んですることではありません。ある意味では事故のようなこともあります。その事故には誰もが直面するという、そういうところがあります。いつ終わるか分からない。そういう意味で、やはり長期にわたるケア、そして、その長期にわたって介護が必要であるが、その中で今までのキャリアをいかして、就労を続けられるような制度の仕組みがあっていいと思います。

 そういった意味では先ほどの、まず残業の免除については、ある程度権利として法制化したらどうかというところに、私は賛成です。短時間労働になると、これは企業のいろいろな状況にもあるので、やはり柔軟に対応していくというレベルの問題になるのかなと考えます。

○田島分科会長 ありがとうございました。ほかに御発言がなければ、引き続き育児の論点の議論に入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。それでは、育児について御意見、御質問がありましたらお願いします。中西委員、どうぞ。

○中西委員 育児についてですが、介護と同様、中小企業では現状、実情に合わせて柔軟に対応してきています。現行の枠組みの中で、企業の運用に委ねる範囲を広くしておくことが望ましいのではないかと考えています。以上です。

○斗内委員 資料312ページに、「有期契約労働者の育児休業の取得について」という論点が出されています。前回もいろいろな事例を御紹介させていただいたと思います。まだまだ問題を抱えているのではなかろうかと思っています。もともとこの育児介護休業法の趣旨としまして、「育児休業や介護休業の制度を設けることなどにより、労働者の雇用の継続を図り、職業生活と家庭生活との両立に寄与することで、労働者の福祉の増進、社会の発展等に資すること」というのを目的としていることが書かれています。

 そういう意味でいいますと、労働側としましては、このような法の趣旨を踏まえて、また、一方では労働契約法の20条の考え方もあります。先ほどもありましたように有期契約労働者が4割を超えたということで、増えてきているというところもあります。その辺を鑑みまして、やはり有期契約労働者のみの要件については、基本的には前回も申し上げました、いわゆる労使の見解の違いの元ということがありますので、この辺は基本的には、この要件をなくしていくべきではなかろうかということを考えています。

 特に重要な所は、「継続雇用について」という所にありまして、2の最後が「見込まれること」という表現になっているということです。そういう意味で言いますと、やはり労働者側と使用者側の意見が食い違うところが非常に大きく、ややもすれば、使用者側の意向が強く反映されるということになるのではないかと思っています。

 継続雇用の見込みについて、指針等々では労働契約の明示だけでなく、雇用継続を期待させる事業主の言動ですとか、当該労働者の更新の状況、他の労働者の雇い止めの有無や更新状況等でも判断されるということにはなっているのですが、これまでも御紹介させていただきましたとおり、労働者側がその旨を大きく意見を述べることはなかなか難しいというのが現状ではなかろうかと思っています。

 そういう意味では、この辺の要件については是非、今回撤廃していくべきではなかろうかと思っています。実態として契約更新がなされているのであれば、基本的には継続的に雇用されているのだということに留意をしていただければと思っています。

 冒頭にも述べましたが、やはり働きながら安心して子育てをしていく、そういった環境を日本の中で整えていくことが課題です。女性の潜在労働力が340万人というデータもある中で、女性の過半数を占めている、いわゆる有期雇用の方々に対しても、この育児休業をいかにして取っていただいて、更に雇用を継続していただくかという観点から、是非このようなものの撤廃についても御議論を頂ければと思います。法律の目的にある、「社会の発展に資する」ということを是非目指していただければと思っています。以上です。

○山中委員 所定労働時間の短縮措置等の対象となる子供の年齢について、論点として11ページに2つ挙がっていますが、私からも少し長くなりますけれども、2点について意見をさせていただきたいと思います。

 労働側としては、引き上げるとして何歳まで引き上げるべきかということについて、中学校入学前、当面は小学校就学前まで対象年齢を引き上げるべきと考えています。保育所や学童保育の充実というのはもちろん重要ですし、そこで働く人たち、また、保育所が足りないというような現実の課題もあるとは思いますけれども、3歳以降の預け先がなかなか見つからない、3歳の壁という問題もあります。3歳の誕生日を迎えた途端に短時間勤務をやめざるを得なくて、保育所の迎えなどに行けずということで仕事を辞めざるを得ないという問題も現実としてあるわけです。

 育休からの復帰時に3歳以降のことを考えて保育所を選んだり、長い保育時間の保育所を探すということは非常に難しい。組合員からは、それに合わせて引越を考えるとか、そういうことも事例として聞いているのが現状です。

 育児の現状をもう少し考えますと、単に時間が延長されればいいというものではないのです。3歳というのはいやいや期という、第一反抗期の終わりのところで、第一反抗期の終わりのところというのはだんだん子供が話し始めてその親や、周りの人とのコミュニケーションの中で、社会的な自分の位置というものをだんだん認識してそれに対して反発して自己を確立していくという、非常に重要な時期と捉えています。そういうときにいきなり保育所の環境や子供の状況がぱっと変わって、親の負担であるとか子供の心的負担なども劇的に改善されることはないと考えています。ワークライフバランスの観点からも、柔軟に働ける制度の拡充という観点からも、先に申し上げた、その対象年齢は小学校就学前まで当面は引き上げるべきというところは考えるというのがまず1点目です。

2つ目の論点に、短時間勤務制度の利用延長が、女性のキャリア形成に好ましくないのではないかと懸念されていると読み取れるわけですが、長期的な視野に立ちますと、仕事と家庭の両立ができずに若い方が辞めてしまうということについては、企業にとっても社会にとっても非常に不利益であると考えています。短時間でも働き続けるほうがその後の本人のキャリア形成につながると考えています。

 先般成立した女性活躍推進法でも、女性の方が生き生きと働けるということで成立したわけでして、若い方は仕事と家庭の両立ができずに辞めてしまうというよりは、短時間でも働き続けるほうが良いと考えています。ただ、両立支援を使える就業環境が十分でないという現状もあります。また、長時間労働を前提とした働き方という慣行的なものもあり、明示的ではなくても評価とか配置とか昇進、またそういうことに影響を及ぼすということがあります。

 そうすると、往々にして戻ったときに、補助的な職種であったり、そういう分野で短時間勤務を利用して働くと、昇進・昇格からコースを外れたマミートラックに乗ってしまうという問題もあります。こうした問題に対しては、労働者が短時間勤務を選ぶことによる影響というものを問題にするのではなく、そのような状況に労働者が追い込まれてしまっているという制度とか運用状況、その運用の在り方によって形成されてしまう意識とかモチベーションを問題にすべきなのではないかということであります。

 ここは育児ということですが、介護のところも育児のところも、離職防止と継続就業ということは大きな目的であるわけで、今後は要介護の方の増加とかダブルケアという問題で、もちろん男性の育児・介護の制度利用が進んでいくことが想定されます。短時間勤務だからキャリア形成ができない、女性が進出できないではなく、短時間の勤務でもキャリアを積んでいける、継続就業ができるということになれば、男性の利用も増え、制度の延長と女性のキャリアを安易に結び付けて問題にすることもなくなるのではと考えています。大きく2点、ちょっと長くなりましたけれどもコメントさせていただきました。ありがとうございます。

○加藤委員 子の年齢の問題に絡んでの話ですが、女性のキャリア形成は、この論点に書いてあるような趣旨であると思いますが、一方で男性の育児について、介護もそうかもしれませんが、非常にまだ低い現状が前の資料にも出ています。こういう形で子の年齢を引き上げるという、例えば小学校就学までというようなお話がありましたが、まずは男性も一緒に育児ができるような、そのような環境を整えていくべきなのではないか。そういう中で男性女性が同じように仕事に就ける、キャリア形成を進めていくというのが今の社会の目標なのではないでしょうか。どうしても年数が増えるという方向だけを考えると、結局女性がやはり育児に携わっていくという流れが強くなるのではないかなという感じがしています。以上です。

○川崎委員 まず1点、有期労働者の育児休業の取得要件というところになりますけれど、基本的には育児休業を取得して就業継続してほしい、それを実現させるための要件であると考えますので、育児休業が終わった段階で雇用が終了するということが、最初から明らかになっている人まで育児休業の対象にするのかというところは、必要ないと考えられますから、一定の要件というのは引き続き何らかの形で設定しておくのが必要ではないかと考えます。

 あともう1つ、先ほど幾つか議論になりましたけれど、育児による所定労働時間の短縮のところで、子供の対象年齢を上げるのかというところですけれども、育児期、特に子供が小さい期間の親の年齢は、現実を見ていくと男女共に大体30代というところが差し掛かってくるかと思います。

 特にそうした時期に関しては、キャリアの形成上非常に重要な時期で、いろいろな業務を経験していく時期になるかと思いますが、その時期に現実ではやはり男性の短時間勤務よりは女性の短時間勤務が多くなっています。年数を延ばすことによって長く女性を短時間勤務を取り続ける環境に置くのが、本当に女性の活躍につながっていくのかというところは、そこの判断は慎重にするべき対象になると思います。

 男性の短時間勤務の利用ということを考えても、年数を延ばすことがそれに直接的につながっていくのかというと、なかなかそれも思いにくいと思いますので、それもまた別議論となるのではないかと考えています。

○半沢委員 先ほど山中委員から御意見がありましたが、短時間勤務という制度自体は男性も女性も使える制度です。それで男性が使っている方が非常に少ないわけですし、男性が育児に参画するのは非常に少ないという状況にあります。その参画をもっと増やしていく、女性活躍推進法の中でもそういったところは議論されたと思います。

 男性がなぜ時間外労働の免除であるとか、短時間勤務であるとかを使いづらいのかというと、やはり長く働くことを前提として、それが評価されるという風土があるのではないかというのは、前の法律の議論の中でもあった話ではないかと思います。

 山中委員がおっしゃっていたように、そういうキャリア形成を見直していくような時期に来ているのではないかと。ですから短時間勤務で一時期勤務したとしても、キャリアとして積んで継続していくということを前提に考える。そういう転換を努力しながらしていくことが重要なのだろうと思います。

 そういう意味では、必ずしも女性を短時間勤務に就かせてしまうとすれば、そこ自体を見直していくことが重要なのであって、制度自体は、もちろん男性がある程度大変なときに短時間勤務を使うことを含めてできるように、余裕を持った形でいろいろな事象に対応できるような柔軟性を持っていることは悪いことではないと、そこは少し分けて考えるべきではないかと、話を伺いながら思ったところです。

 ちょっと1つ確認なのですけれど、有期契約労働者というところですが、有期契約労働者というのはあくまで現状は有期契約の労働者であるという認識でいるのですけれども、それでよろしいですね。つまり労働契約法との関係で言えば、無期転換権が発生してもいろいろな事情によって有期契約を継続する場合もあるわけです。その方も有期契約労働者であるわけで、そういった意味では対象の範囲だと認識していますので、その点を細かい点ですけれど確認です。

○蒔苗職業家庭両立課長 とりあえず申出をしないという意味ですかね。申出をしない場合の扱いはどうなるかですか。ちょっと検討します。無期転換すれば当然期間の定めのない雇用に行くのですが、労働者の申出がなくて転換しない場合には、従前の今の有期契約のルールの中で、と考えています。

○井上委員 先ほど来、短時間勤務制度の子の年齢の引上げの話が出ていますけれども、前回までのこの場でも、労働側から披露したかもしれませんけれど、連合のパタニティハラスメントに関する調査で、20歳から59歳の男性有職者の約8割が子どもが生まれたら育児休業を取得したいと考えているという調査結果があります。

 そういう意味では、制度があっても使えない現状というのがここに表れているのではないかと思うのです。短時間勤務制度の子の年齢を引き上げると、女性に負担が掛かるという話がありましたけれど、そうではなくて先ほど半沢委員からも発言をさせていただきましたが、男性も女性も仕事を続けながら育児に従事できるような環境整備をきちんと作る。あるいは男性でもきちんと短時間勤務制度が利用できる環境、それから職場風土を変えていく、そういうことが必要ではないかと思っています。

○武石委員 短時間勤務と有期のところで言いたいと思います。まず所定労働時間の短縮の措置なのですが、いろいろな御意見があるのですが、私が短時間勤務の研究をしてきた中では、やはり長期に取るとキャリアには影響があるという研究です。

 特に日本の場合は、いろいろな仕事を経験して異動とか、仕事を経験しながらキャリアが形成されていくわけですが、短時間勤務をしていると異動がしにくくなっていき、与えられる仕事も限定されていき、それが長期にわたって、そうするとキャリアに影響がある。そこが問題だということで、そこを変えるという御意見ももちろんそうなのですが、やはり法律で義務付ける制度を長期化していくと、それを前提としたいろいろな世の中の仕組みになっていくので、短時間勤務を子育てをしている人にすごくいい制度ですよとお勧めすることに関しては、私は非常に疑問があります。

 短時間勤務が措置義務化されて、他のフレックスタイムとか在宅勤務に比べて大変強い規定になっている、日本に特異な規定で、他の国だといろいろな制度の中の1つの選択肢なのですが、ここが非常に厳しいというか強い規定になっていて、そこをどんどん育児の人を短時間で守っていくというのが、これから育児をしながら働き続ける人に対する支援策として、本当に正しい方向なのか非常に疑問です。

 むしろ男女が短時間勤務を取るということよりも前に、短時間勤務を取らなくてもちゃんと育児ができるような、残業をしない仕組みを作るとか、フレキシビリティを高めるとか、そういう方向を目指すほうが育児期の働き方としてあるべき姿ではないかと思いますので、子の年齢を引き上げることについては、私は反対です。

 それからもう1つ、有期契約に関してなのですが、今の規定の2,3というのが非常に分かりにくいので、ここはもう少し分かりやすくということで、12ページにもありますが、下の方に2の要件についてという黒ポチがありますけれども、労働契約期間が満了し、かつ労働契約の更新がないことが明らかであるというものを除外するということが、後条件が分かりやすくていいのかなと思います。

 ただそうすると、復帰したときに必ず雇用契約があるということではなくなっていきますので、そこは今度は復帰のときに紛争が起こらないような、必ず復帰して仕事が絶対ありますよ、同じ仕事で続けられますということではなく、そこが弱くなっていくということを踏まえて、後条件を緩めるというセットで議論することが必要なのではないかと思います。

○中西委員 有期契約労働者の育児休業の取得について、意見を少々述べさせていただきます。確かに一部の企業で理解が進みにくいという現実はあります。それは取得要件が難しい、それから、それゆえに判断に迷う企業が多いことも一因であると考えています。中小企業にも分かりやすいような要件にしていただければと思います。これは要望も含めています。よろしくお願いします。

○井上委員 武石委員に質問なのですけれども、今、短時間を長期に取るとキャリアに影響が出る、また異動がしづらいという話があったのですが、そうするとこれは間接差別にならないのですか。要は短時間を取ることによって異動ができないということになると、結果としてそれが間接差別で、キャリア、昇進・昇格に影響が出るということにはならないのでしょうか。

○武石委員 今の均等法は、そこは間接差別には入っていないと思うので、間接差別をどこまで広げて考えるかだと思うのですけれども。今の均等法ではそういう解釈には、多分ならないと思うのです。そういう短時間勤務を利用していると異動できないのは差別ではないか、そこは是正すべきだというのは、それは御意見としては分かるのですけれども、異動というのは全員が必ず3年ごとにローテーションするとか、そういう中での決まりごとが余りあるわけではなくて、必要に応じてキャリア形成のために異動を掛けていくということになっていくと思うので、短時間勤務をしている人の異動をどう見るかというところは、なかなか外から、それは差別だ、差別ではないとは言いにくい部分があるのかという気がします。ただ、間接差別は今の法律の体系の中ではならないですね。

○小林雇用均等政策課長 今の均等法の中では、省令の中で具体的に間接差別となり得るものを規定しまして、それに合理的な理由があったときは間接差別ではない、という法体系です。3つ定めていましてその中に入っていないということと、そもそも間接差別の概念なのですけれども、性別以外の事由を要件とする措置で、一方の性の構成員に相当程度の不利益を与えるものというのが、一応全般的というか一般的な定義としてあります。

 短時間勤務をすることで転勤できないということが、一方の性の構成員に相当程度の不利益を与えるものかどうかという、そもそも論に当たるかどうかはまた議論が必要なところかと思います。一概に一般論で言って当たるかどうかという意味においても、必ず当たるかどうか難しいところかと思います。

○田島分科会長 他に御意見、御質問はございませんか。よろしいでしょうか。では特に御発言はないようですので、本日の分科会はこれで終了とさせていただきます。本日の議事録署名委員は、労働者代表の松岡委員、使用者代表の川崎委員にお願いします。今日は遅い時間まで御参加いただきまして、どうもありがとうございました。


(了)

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