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2015年10月21日 第162回労働政策審議会雇用均等分科会

雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課

○日時

平成27年10月21日(水)9:30〜12:30


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○出席者

公益代表委員

田島分科会長、武石委員、権丈委員、山川委員、奥宮委員

労働者代表委員

井上委員、半沢委員、斗内委員、松岡委員、山中委員

使用者代表委員

中西委員、布山委員、川崎委員

厚生労働省

香取雇用均等・児童家庭局長、小林雇用均等政策課長、蒔苗職業家庭両立課長、宿里短時間・在宅労働課長、大隈家庭福祉課長、中條育児・介護休業推進室長

○議題

1 育児・介護休業制度の見直しについて

○配布資料

資料1 雇用均等分科会(10月15日)における主な意見
資料2 前回の議論に係る補足資料
資料3 本日の検討項目
資料4 仕事と育児の両立2

○議事

○田島分科会長 ただいまから、「第162回労働政策審議会雇用均等分科会」を開催いたします。本日は、中窪委員、加藤委員、渡辺委員から御欠席の御連絡を頂いております。本日は、事務局として家庭福祉課長が参加されております。

○大隈家庭福祉課長 家庭福祉課長の大隈です。よろしくお願いします。

○田島分科会長 頭撮りはここまでとさせていただきますので、カメラをお持ちの方は御退席いただきたいと思います。

 それでは議事に入ります。本日の議題は「育児・介護休業制度の見直しについて」です。まずは資料1「雇用均等分科会(1015)における主な意見」、及び資料2「前回の議論に係る補足資料」について事務局から御説明をお願いします。

○蒔苗職業家庭両立課長 両立課の蒔苗です。前回御議論いただいた育児の関係については資料1、あと、前回の議論で宿題がありましたのでそれを資料2として準備しています。資料1及び資料2について御説明いたします。

 資料1は、前回、御議論いただいた子の看護休暇とか、所定労働時間短縮措置の引上げですとか、マタハラ、あるいはテレワークについての御意見を、公・労・使について整理したものです。

 資料11ページ、子の看護休暇についてです。ここに関しては、労働側委員の方から、子供の看護休暇は男性でも利用が進んでおり、今後も利用の増加が見込まれる。性別役割分担意識の解消にも役立つものであり、柔軟化するべきという御意見が出されています。2点目、国家公務員で導入されている育介法は民間よりも拡充されており、柔軟に使えるとの印象があるというものです。3点目、100人以下の中小企業でも36.6%が時間単位の取得可能となっているため、中小企業で事務が繁雑になるために時間単位取得が難しいということは当たらない。時間単位取得を法に取り入れるべきという御意見です。4点目、現行は子が3人以上でも10日となっている。子1人につき5日にするべきで、介護休暇と同様に、限られた日数の中で実際のニーズに対応するという観点から、時間単位についても議論すべきという御意見を頂いています。

 使用者側委員から、子の看護休暇の部分については、業種業態は様々であり全ての企業での時間単位の導入は難しい。現在も法を上回る制度の企業はあり、各社の考えのもとで取り組めばよいのではないかという意見です。もう1点は、商工会議所の調査によれば、6割以上の企業が女性の活躍推進に前向きで中小企業でも仕事と育児の両立に柔軟に対応している。法律は現行の枠組みで最低限の基準とし、労使の話合いの余地を残すべきという御意見です。

2ページ、(2)として、ひとり親に対する看護休暇の日数、あるいは育児休業期間をどうするかという論点についてです。こちらについては、労働側委員から、データによれば、ひとり親は手当などの所得補障のニーズが高いと考えられ、まずは所得補障について政府で検討すべきという御意見です。2点目、ひとり親には非正規の方が多いと考えられ、非正規の育休取得要件の見直しはひとり親にも有効であるという御意見を頂いています。

 次が、所定労働時間の短縮措置の対象となる子の年齢についてです。論点としては、子の年齢について引き上げるべきかという論点です。こちらについては、労働側委員から、小1の壁や、小学校高学年でニーズがあり、また3割の企業で小学校3年生まで短時間勤務が可能となっているという調査結果もある。見直しについて議論するべきという御意見を頂いています。

 使用者側委員の御意見です。再掲ですが、中小企業でも育児と仕事の両立に柔軟に対応している。法は現行の枠組みで最低限の基準とし、労使の話合いの余地を残すべきという御意見です。

3ページ、マタハラの関係です。これについては、マタハラ、パタハラを防止するための措置についてという論点について、労働側委員からは、上司の発言や社内環境、雰囲気によるマタハラがあり、3割がマタハラを受けているというデータもある。事業主だけではなくて労働者間の嫌がらせを防止する必要があるという御意見です。2点目、セクハラの防止規定が参考になると考えており、防止措置の内容はセクハラ防止規定と重なることが多いのではないかという御意見です。3点目、マタハラは国内外で大きな問題であるので、実効性のある施策が必要である。4点目、附帯決議にある「あらゆるハラスメントに一元的に対応」という方向性も大変重要である。パワハラ対策等の良いところも含めて議論すべきであるという御意見です。

 公益側委員からの、マタハラ、パタハラに関しての意見ですが、マタハラ、パタハラについては、均等法第11条のような対応を考えるという基本的な方針は妥当である。一方で、セクハラは性的な言動、マタハラ、パタハラは言動の性質は問題にならず、環境型のセクハラでは次元が異なり、措置義務を考える上で法的な理屈の整理が必要という御意見を頂いています。

4ページ、男性の育児休業取得促進についての論点です。ここについては、労働側委員から、男性の育児休業の取得促進は、これまでの法改正では常に周知の重要性が強調されてきた。しかし、思うように効果が上がっていない。啓発を各企業で措置すべき内容とすることを提案したい。2点目、会社からの個別具体的な働き掛けや、休職に対する不安に対するケアの取組が重要。セクハラのように一定の指針や措置義務を検討するべきというものです。

5ページ、その他の中で、育児期・介護期のテレワークという働き方についてどう考えるかという論点です。こちらについては、労働側委員から、テレワークは評価できる部分もあるが、仕事と私生活の切り分けが困難な部分があり、また労働災害の問題もある。政府内でもまだテレワークの定義が統一されていない。引き続き検討していくことで良いのではないかという御意見です。以上が資料1です。

 資料2、前回、子の看護休暇、2人以上10日となっていますが、「3人以上、1人につき5日」で御議論がありました。武石委員から、前回御紹介した資料21ページを御覧ください。子の看護休暇以外も含めた、子の看護のために取得した休暇日数(労働者調査)を提出しています。こちらについて、武石委員から、子供の人数別に集計できないかという御指摘がありましたので、それを2ページ以降に付けています。この調査自体は、男性・正社員と女性・正社員、女性・非正社員に聞いたものですので、それぞれについて子供の人数別に集計しています。

2ページ、まず男性・正社員について子供の人数別に聞いたものです。全体で見ますと、子の看護休暇0.5日、有給休暇1.9日となっていますが、子供が3人、4人となりますと看護休暇は増えていますが、30.9日、4人以上0.4日で、有給の取得が多くなっています。

3ページ、女性・正社員についての子供の人数別の取得状況です。全体で見ると、看護休暇1.8日、有給休暇4.9日となっていますが、お子さんが3人になりますと、2人の場合は1.9日看護休暇だったのが2.8日に、約1日増えていまして、全体では12.2日となっています。4人以上になるとまた若干減っています。

4ページ、女性・非正社員について同じく見たものです。これを御覧いただくと、全体では看護休暇1.2日、有給1.3日等ですが、お子さんが3人の場合は看護休暇1.6日、全体で5日、4人以上の場合は看護休暇1.8日、全体で5.6日となっています。私からの説明は以上です。

○田島分科会長 ただいまの事務局の御説明について、御意見、御質問がありましたらお願いします。

○布山委員 資料1の前回発言をしなかった部分で追加的に意見を述べてよろしいでしょうか。3点ありまして、まず1つ目が資料12ページの所定労働時間の短縮等の措置について述べたいと思います。今の制度から対象となる子供の年齢を引き上げて短時間勤務が長期間となり得るような仕組みとすることについては、労働者のキャリア形成という意味からしては、余り望ましいことではないのではないかと思っています。また、現状、女性が選択する可能性が非常に高いと思われますので、女性の活躍促進という観点からも少し疑問に思うところです。小1の壁や小学校高学年のニーズとありますが、そうであれば、子の看護休暇制度や短時間勤務制度の充実よりも、通常どおりの勤務ができるように学童保育等の充実を考えたほうがいいのではないかと思います。まず1つ目がこの件に関してです。

 それから、3ページのマタハラ、パタハラに関する所についても意見を述べたいと思います。この件に関して、何らかの対策を検討することについて特に異論があるわけではありません。ただ、セクハラと違うところがあり、例えば妊娠中の労働者に対して配慮を行うこと、その配慮がマタハラだという形で取られる、そうすると非常に難しいのではないかと思っています。妊娠出産に関しては、特に配慮したことがハラスメントと取られないことの整理が必要ではないかと思っています。

 もう1つ、5ページのその他のテレワークに関してです。まず、テレワークは取り組みにくい業種、職種等があると思われます。ただ一方で、既に導入している企業もありまして、これは、育児・介護ということに限らず多様な働き方の選択肢の1つだと考えています。前回、労働者代表が御指摘をされたような御懸念については、労使ともに委員として入り、現在、厚生労働省で行っているテレワークに関する事業の中で研究をしていると聞いています。これらの研究結果であるとか、また、既に取り組んでいる企業の好事例を広く紹介をして、このテレワークという働き方に対する懸念を払拭していくことが、まずは重要ではないかと思っています。以上です。

○田島分科会長 ありがとうございました。ほかに御意見ありませんか。

○半沢委員 すみません、前回、発言をしたと思っていましたが、この中にはなかったので再度発言します。子の看護休暇の取得単位についてですが、この中で制度の導入状況のグラフがありまして、中小企業でも36.6%と提供していますが、一方で、50%を超える所では法定どおりの1日単位の制度の導入であったと思います。この柔軟化というのが、介護を行う上においては、又は介護を働きながら続ける上では、ケアマネジャーとの打合せ等、非常に有効だということも事例として挙げられているので、この取得単位の柔軟化という法的対応は重要であることも申し上げたように記憶をしていますので、よろしくお願いします。

○田島分科会長 ありがとうございます。その他、御意見はいかがでしょうか。

○武石委員 資料2に関してです。確かに、子供の人数が増えると、特に女性・正社員の看護休暇を含めた休暇が増えるのだなというのが分かります。ただ、ちょっと、これは末子が未就学の女性ですよね。ですので、多分、子供が2人、3人という場合に、上のお子さんが小学生以上になっている可能性があって、そうなると、今の看護休暇は、法律は末子が未就学までの間に取れるものなので、そういう意味ではこのデータは、ストレートに3人いるから12.2日必要だということにはならないのかなということを申し上げたいと思います。データについてはありがとうございました。

○半沢委員 今の資料2に関して、御提出いただきましてありがとうございます。女性・正社員の所でこういう人数が出ているのですが、逆に言うと、これは、平均利用日数でこういう状況であるというところが注目されるなと思って見ていました。平均ということは、つまり、これより少ない方もいるし、これよりも多い方も当然いらっしゃるのだろうと思います。3人、4人、人数が増えるごとに平均としても多くなってくるというのは、これより多い方もいて、年休等いろいろな方法で手当はしていますが、お子さんが小さい場合は年休などなくなってしまう場合も多いです。

 実際、法定の伝染病などですと、何日間もお休みをしなくてはならない場合、幼稚園とかそういう所で多く、こういう病気にかかるお子さん、かからないお子さんいろいろいる中で、今、1人当たり5日で前回お話をいたしましたが、ある程度この中から必要性というのが分かってくるのではないかと逆に感じた次第です。

○田島分科会長 ほかに御発言はありませんでしょうか。それでは、御発言がないようですので、次に資料3「本日の検討項目」、及び資料4「仕事と育児の両立2」について事務局から御説明をお願いします。

○蒔苗職業家庭両立課長 資料3と資料4について、私から御説明します。まず資料3ですが、本日、御議論いただきたいと思っている論点についての資料です。今日は2つ議題を用意していまして、1つは有期契約労働者、派遣労働者の方を含みますが、この方の育児休業の取得についてです。論点としては、1点目が有期契約労働者の育児休業の取得に係る課題は何か。2点目が、有期契約労働者の育児休業の取得要件について、1つ目は見直しが必要か、2つ目は必要として、どのような要件とすべきかというものです。3点目が同じように、介護休業についても有期の方の取得要件がありますので、そちらについても御議論をお願いしたいと思っています。説明は一括でやりますが、議論としては有期で1回切って、議論をお願いしたいと思っています。

2点目が、育児休業の対象となる子の範囲についてです。こちらについては3つ論点がありまして、1点目が特別養子縁組の監護期間中の子について、どう考えるかという論点。2点目は里親について、養子縁組里親、養育里親(その一類型として専門里親)及び親族里親があるが、どう考えるか。3点目として、孫や配偶者の連れ子など、事実上の親子関係にある者について、どう考えるかというものです。

 資料4に基づいて、詳しく説明させていただきます。まず4ページが有期の関係でして、最初に育児休業の規定を付けています。そこにありますように、育児休業については、「労働者は、事業主に申し出ることにより、子の1歳の誕生日の前日まで、原則1回に限り、育児休業することができる」とされているところです。以下、13ページまで条文等を付けています。14ページには今回御議論いただく、有期契約労働者の育児休業についての資料を付けています。14ページにポンチ絵がありますが、こちらの一番上に、まず育児・介護休業制度の趣旨が書いてあります。育児休業及び介護休業は、育児又は介護を理由として、雇用関係が終了することを防ぎ、その継続を図ることを目的とする制度とされています。

 平成16年の改正で、有期契約労働者の方を育児休業の対象としたわけですが、その際に対象に追加した趣旨がここに書いてあります。1点目は当時、有期契約労働者数が増加したこと。2点目は契約の更新によって、継続して雇用される者も多くいることから、有期契約労働者の方であっても休業可能とすることにより、相当程度、雇用の継続が見込まれると考えられる者について、育児休業・介護休業の対象としたというものです。要件については、そこの右下に書いてありますが、有期契約労働者の育児休業の要件としては、まず1点目は申出時点において、1年以上継続して雇用されている実績があること。2点目は、子が1歳以降も雇用継続の見込みがあること。3点目は、2歳までに更新されないことが明らかでないこと。2と3については申出時点、1の時点で判断するというものになっています。

15ページは有期契約労働者の方の育児休業の取得割合のデータを、雇用均等基本調査で見たものです。こちらの直近の平成26年で見ますと、女性の全体の育児休業取得率は86.6%となっていますが、有期契約労働者は75.5%となっています。ただし、この調査は出産時点で在職された方を分母にしているので、途中で辞めた方が入っていないという意味で、若干高めの数字となっています。

 その次の16ページが、そういった要因を除いて見たものですが、第1子出産前後の妻の継続就業率・育児休業利用状況を見たものです。こちらは左側が正規職員です。正規職員の方の場合は、育児休業を利用して就業継続された方が43.1%、育児休業を使わずに就業継続された方が9.8%ということで、52.9%の方が継続就業されています。右側がパート・派遣の方です。こちらについては、育休を利用して就業継続された方が直近で4%、育休を使わずに就業継続された方が14%、合計18%となっています。

17ページは今回の研究会の際に調査をお願いして調べた結果ですが、産前産後休業・育児休業の取得率を見たものです。こちらを御覧いただくと、非正社員の方については約5割が産前産後休業を利用しなかったと回答していますが、うち29.3%については、利用希望があったにもかかわらず、利用できていないという実態があります。

2点目は育児休業の取得率です。こちらは男性・正社員で5.4%、女性・正社員で71.7%、女性・非正社員で22.8%となっています。女性の場合は就業形態で、かなり大きな開きがあるというものです。非正社員の方について、55.9%が育児休業を利用しなかったと回答していますが、うち33.3%は利用希望があったにもかかわらず、利用できていないという状況です。

3点目は産前産後休業を取った人のうち、育児休業を取得した人の割合を見てみますと、女性・正社員の場合は左側の77.1を分母にして、右側の71.7を割りますと93%、女性・非正社員の場合は83%となっています。

18ページは今の産前産後休業・育休の取得率について、非正規の中を契約社員と派遣に分けて見たものです。今回の審議会に当たり、特別に集計してまいりました。こちらの赤の枠で囲んでいるのを見ていただきますと、派遣労働者の方の産前産後休業・育休の取得率は、非正社員全体あるいは契約社員の方と比べて、それほど大きく差がないというものです。前のページと同じように、産休を取った方を分母にして、育休を取った方を計算してみますと、産前産後休業を取ることができれば、派遣労働者の方も8割強が育休を取得できているというデータです。

19ページは育児休業を取得しなかった理由を、労働者の方に聞いたものです。対象は男性・正社員、女性・正社員、女性・非正社員となっています。女性・非正社員の方でほかより多かったのが、「会社で育児休業制度が整備されていなかったから」が4割、「自身が育児休業制度の対象になっていなかったから」が22.4%となっています。

20ページは有期契約労働者の方を対象とした産前産後休業・育休規定の有無について、企業に聞いたものです。有期契約の方を対象とした産前産後休業規定及び育児休業規定を「設けている」割合は、いずれも7割弱で、企業規模が大きいほど「設けている」傾向が見られるというものです。

21ページは有期契約労働者の方の育児休業の取得要件について、企業に聞いたものです。こちらを御覧いただくと、育児休業規定を設けている企業における育休の取得要件については、勤続年数は「1年以上の勤務を要件としている」が80.6%となっています。雇要件のほうですが、復帰後の雇用継続の見込みについては、「子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれている」が57.3%、「子が1歳に達する日から1年を経過するまでに契約期間が満了し、更新されないことが明らかでない」が40.3%、「特に定めてない」が34.7%となっています。

22ページは有期契約労働者の方について、今の育休取得要件の緩和状況というものを、企業に聞いたものです。1歳に達する日を超えて、引き続き雇用されていることが見込まれる、又は1歳に達する日から1年経過する日までに、更新されないことが明らかでないことを定めている企業におきまして、実際には条件を緩和することがあると答えている割合が、それぞれ23割あります。

23ページは育児休業を開始した有期契約労働者の方がいた場合の、雇用契約の対応について、企業に聞いたものです。育休を開始した有期契約労働者の方の雇用契約の対応としては、「従来と同じ期間で育休中も契約更新していくことが多い」という回答が41.9%となっています。

24ページです。今度は労働者の方に、育児休業を取得した有期契約労働者の特性について聞いたものです。育児休業を取得できた非正社員の方については、「契約期間3年以上」「週30時間以上労働」が約6割、「契約更新3回以上」が4割弱となっています。これを見ますと、長期の契約の実績があって、週当たりの労働時間が長い場合には、育休取得の割合が高まるということになっています。

25ページは全国の雇用均等室における、真ん中の欄、期間雇用者の方の育児休業についての労働者からの相談のうち、個別の権利の侵害等に関する相談件数の推移を見たものですが、平成24年度は369件が、平成26年度は455件となっていまして、一番下に全体の相談件数を付けていますが、全体の相談件数がほぼ横這いか上下している中で、有期の方については相談が増えているという状況にあります。

2629ページは均等室の実際の相談事例、特に有期の方の育児休業についての相談事例が4つ付けてあります。こちらは後ほど御覧いただければと思います。

30ページから、有期契約労働者の育児休業についての研究会報告書の抜粋を付けています。31ページには今後の対応の方向性というものを付けています。1つ目の○ですが、有期の方の育児休業については、特に1年未満の契約を繰り返し更新している場合など、申出時点で将来の雇用継続の見込みがあるかどうかを、有期契約労働者の方自身が判断することが困難であるとの意見ですとか、あるいは労働者側と事業主側との判断が分かれるところであって、紛争の原因になりかねないという御意見がありました。

2つ目の○ですが、これを受けて前掲の要件では、子が1歳に達した時点で引き続き雇用されているかが不明な場合が特に問題になることから、明らかに雇用契約が更新されない者であっても、少なくとも育児休業の申出時点から当該契約終了までの期間については、育児休業の取得が可能となるようにすべきとの意見ですとか、あるいは子が1歳に達する日までの間に労働契約期間が満了し、かつ契約更新がないことが明らかである者のみ、育児休業を取得できないこととすべきとの意見がありました。

3つ目の○ですが、取得要件の見直しについては、育児・介護休業法の目的を踏まえ、雇用の継続を前提とした上で、紛争防止等の観点から適用範囲が明確となるよう、取得要件の見直しを検討すべきであるとされています。なお書きとして、雇用の継続を前提とすれば、現行の制度以外の取得要件の設定は考えられないのではないかとの意見、あるいは取得要件を撤廃し、就業継続を望む労働者であれば、育休を取得できるようにすべきではないかとの意見もありました。

4つ目の○ですが、要件の見直しを検討するに当たっては、事業主の雇用管理上の負担を十分に考慮し、また、契約の更新等に関する不利益取扱いの考え方等の検討すべき課題を整理しつつ、更に検討を深める必要がある。また、労働契約法の改正により、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換できるようになったことも踏まえるべきであるとの指摘もありました。なお書きですが、取得要件について雇用の継続を前提としないということに関しては、契約の更新等に関する法的な課題や所得保障の問題など、広範囲な検討課題があるが、十分に議論できなかったとされています。

32ページは有期契約の方のうち、派遣労働者の方についての、育休の取得促進についての、今後の対応の方向性です。まず(3)の下に現状の指摘が書いてありますが、1つ目の○、有期の派遣労働者の方については、有期契約労働者としての問題のほかに、派遣労働者特有の問題があると指摘されています。すなわち育児休業について、登録型派遣労働者の方が育休から復帰したときに、新たな派遣先が見つからなければ、その時点で雇用契約が終了するという問題がある。2点目の○は育介法に関して、派遣元において育休の取得等、育介法上の事業主の責任を負うこととなっていますが、派遣元の責任について、必ずしもよく理解されていないことも、課題として挙げられるというものです。

 下の今後の対応の方向性ですが、「このため」と書いてありまして、育児休業取得後の派遣労働者の就業継続機会の確保の努力を、派遣元において行うべきことを、何らかの形で徹底することを検討すべきである。また、育介法に関して、派遣元が雇用主として責任を負うこととなっており、派遣元において育休の取得等、育介法上の事業主の責任を負うこと、派遣労働者も産前産後休業・育休を取得できることについての周知を徹底するための方策を検討すべきであるとされています。以上が有期契約労働者の方の育児休業に関する資料です。

33ページに、介護休業についても規定を付けています。介護休業の規定、箱の中に書いてありますが、「労働者は、事業主に申し出ることにより、対象家族1人につき、要介護状態に至るごとに1回、通算して93日まで、介護休業をすることができる」とされています。こちらについても、真ん中の対象となる労働者の所の、2つ目の●に書いてありますが、有期労働者の方でも、そこに書いてあるような一定の要件を満たす場合には、介護休業をすることができるとされています。1つ目の要件は育児と一緒ですが、同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上あること。2つ目の要件が、介護休業の開始日から93日を経過する日以降も、引き続き雇用されることが見込まれること。括弧内で、ただし、93日を経過した日の1年を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかな者を除くとされています。以上が1点目の論点に関する資料です。

 次に2点目の資料、34ページ以降、「育児休業の対象となる子の範囲について」の関係資料です。こちらについては、まず35ページに、育児休業の子に関する定義について書いてあります。まず法の第2条において、育児休業の定義が書いてありまして、その子を養育するためにする休業をいうとされています。局長通知のほうで、子についての定義がされていまして、そこに書いてありますように、「子」とは労働者と法律上の親子関係がある子の意であり、実子のみならず養子を含むものであるとされています。

36ページに、本日御議論いただきます、特別養子縁組ですとか里親の関係のデータを付けています。まず36ページ、特別養子縁組の成立件数について、最近の件数を見たものですが、直近の平成26年においては513件の特別養子縁組が成立しています。下が里親委託の件数です。右側は児童の方が委託されている里親数を見たものでして、全体で3,560となっていまして、うち養育里親が2,840、養子縁組里親が223、親族里親が460等となっています。

37ページは里親の方に委託されているお子さんの年齢を見たものです。それぞれに分けて見ていますが、全体で見ますと里親に委託されている児童数、全体で4,636件ですが、最も多い年齢層は712歳が1,433件で、16歳が1,344件等となっています。

38ページは今回検討をお願いするきっかけになったものですが、今年の310日付けで総務省の行政評価局長から、うちの雇用均等・児童局長宛てに、育児休業の対象となる子の範囲について、いわゆる特別養子縁組を成立させるために子を監護していることは、実態として法律上の子と変わりなく養育されているものであることから、法律上の子に準じて、育児・介護休業法に基づく育休の対象とすべきという、あっせんがなされたところです。この点について、若干専門的ですので、後ろの資料を使って御説明します。

49ページに特別養子縁組制度の概要というのを付けています。上の箱の部分に書いてありますが、特別養子縁組とは原則として6歳未満の未成年の福祉のために必要があるときに、家庭裁判所の審判によって、未成年者とその実親側との法律上の親族関係を消滅させ、実親子に準じる安定した養親子関係を成立させる縁組制度となっています。2つ目の○に書いてありますように、その際の監護期間については家庭裁判所が、養親が特別養子の親となるのに必要な監護能力、その他の適格性について判断するために、民法上要求されている試験的な養育期間となっています。ただし、試験的な養育期間ですので、監護期間中はまだ法律上の親子関係がありませんので、現状では育児休業を取得できないという実態にあります。

 下のほうに方法と、養子の要件等について書いてあります。左側、特別養子縁組については、家庭裁判所の審判と実父母の合意、6か月以上の監護期間を経て養子縁組が成立するという、普通養子縁組に比べて厳格なものとなっています。これに対して、右側の普通養子縁組につきましては、養子になろうとする者と、養親になろうとする者の合意によって、市町村への届出で成立するというものになっています。ただし、未成年の方の場合には、原則として家庭裁判所の許可が必要ということになっています。こちらは、養子の年齢については限定がない制度になっています。

 この特別養子縁組の監護期間については、現在、雇用保険の育児休業給付金の支給対象となっていまして、それについては40ページに関連資料を用意しています。ここで紹介していますが、職業安定局長の通知が付いています。こちらですが、平成2512月に、労働保険審査会の裁決において、特別養子縁組を成立させるための監護期間に関する、育児休業給付金の取扱いについて、そこにありますように、育児休業の給付金が、法律上の親子関係の成立を前提としているとしても、特別養子縁組の試験養育期間、監護期間については、特例として支給の対象として取り扱うことが妥当であると判断する、という裁決がなされたところでして、これを踏まえて職業安定局のほうで支給要領を改正しまして、平成261月から特別養子縁組の監護期間については、育児休業給付金の対象とするようにしているところです。41ページ以降は、その支給要領の詳しいものですので、参考で御覧いただければと思います。また、4547ページについては、育介法の子の範囲の見直しに関する、大臣への里親会の方からの要望を付けています。後ほど御覧いただければと思います。

48ページに今回御議論いただきたい事項を整理したものを付けています。特別養子縁組の監護期間以外にも、法律上の親子関係と似たような関係を形成すると考えられる法律上の制度、あるいは事実上の親子関係といえるのではないかと考えられる関係というものを整理しています。先ほど御説明したように、上の箱に書いてありますが、現行の育児・介護休業法に基づく育児休業の対象となる「子」については、法律上の親子関係にある子、実子及び養子をいうとされていまして、これは法律に基づく育児休業は、労働者が申出を行えば、事業主の許諾なしに休業できる強い権利でして、全ての事業主に適用される最低基準であることから、労働者の福祉と事業主の負担との調和を図り、法律上の親子関係についてのみ対象としていることになっています。なお、育児休業の対象について、原則満1歳になるまでとなっています。

 今、御説明しました、特別養子縁組に向けた監護期間に加えまして、里親関係があります。具体的にはそこの表に書いてありますが、4種類あります。まず里親制度については、保護者のない児童、又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童の養育を、里親に委託するという社会的養護の制度です。これについては4つの類型がありまして、一番上にあるのが養子縁組里親というものです。こちらについては、将来的に養子縁組により、養親となることを希望する者のうち、都道府県知事が児童を委託する者として適当と認める者に、児童の養育を委託する制度です。すなわち特別養子縁組に向けた監護期間と同じく、法律上の親子関係の形成に向けた養育期間となっています。そこに書いてあるように、0歳児の割合は26%となっています。

 次に養育里親です。これが、いわゆる一般的なイメージの里親と捉えられるものではないかと考えていますが、これについては委託の期間がケースによって様々となっていまして、数週間から1年程度、あるいはもっと長いものなど、短期から長期まで様々です。なお、養育里親に委託されている0歳児の割合は2.3%となっています。

 この養育里親の一類型として、被虐待児、非行傾向にある児童、障害児の方など、特に支援が必要な児童の方については、専門的に委託する専門里親という制度もあります。専門里親に委託する期間は、原則として2年以内とされており、専門里親に委託されている0歳児の割合は0.5%となっています。

 このほかに親族里親という類型もあります。両親等、児童を現に監護している者が死亡、疾病、拘禁などの状態にある場合に、祖父母などの扶養義務者が里親となる制度です。こちらについては、50ページに里親制度の概要という資料を付けていまして、この資料の下のほうに、里親に支給される手当という記載があります。こちらを見ると、養育里親と専門里親の方につきましては、里親手当が支給されることになっていまして、その支給額はそれぞれそこに書いてありますように、養育里親は72,000円、専門里親は123,000円となっています。一方で養子縁組里親については、将来的に法律上の親子関係が成立することが想定されているため、あるいは親族里親の方については、そもそも扶養義務があるという理由から、それぞれ里親手当は支給されないという扱いに現状なっています。なお、一般生活費、教育費、医療費等、その他の金銭は里親全体に支給されているという制度になっています。

 また48ページに戻りまして、下の部分です。親族里親まで御説明しましたが、親族里親の場合は祖父母など、扶養義務者が里親となって養育している状態ですが、これと類似のものとして、里親となっていないが、事実上は親子関係であるケースがあります。それが一番下の、事実上の親子関係の部分です。こちらについては、例えば両親が亡くなった場合などで、祖父母の方が孫の面倒を見ている場合、あるいは、おじやおばの方が、甥や姪を養育している場合については、現状、養子縁組をすれば育休は取れますが、養子縁組をしない場合は、法律上の育児休業が取得できないという扱いになっています。

 次に認知を受けていない非嫡出子とありますが、父親の認知を受けていない非嫡出子は、父親との関係では法律上の親子関係が生じず、法律上の育休が取れないという状況です。更に一番下の配偶者の連れ子です。これについては、そのままでは親子関係が発生しないとなっていますので、養子縁組をすれば親子関係が発生し、育休を取れるという扱いになっていますが、そうでない限りは現状では取れないという扱いです。

51ページに、子の範囲についての研究会報告の抜粋を付けています。51ページが現状でして、52ページのほうに今後の対応の方向性を付けています。ここに書いてあるように、1つ目の○ですが、育児休業の対象となる子供の範囲については、育介法が雇用の継続を図ることを目的として制定されたものであること、あるいは育児休業が形成権という強い権利であって、かつ全ての事業所に適用される最低基準ということを踏まえて、検討していくことが必要である。こうしたことから、子の養育実態があることだけで判断することは適当ではなく、少なくとも法律上の親子関係に準じる関係と言えるか否かという観点から、検討することが適当であるとされているところです。

2つ目の○ですが、このような観点から検討すると、特別養子縁組の監護期間と養子縁組里親については、法律上の親子関係を形成することを目指していることから、法律上の親子関係に準じる関係と言えるため、育児休業制度の対象となる子の範囲に含めることを検討するべきであるとされています。

 また、3つ目の○ですが、養育里親等についても、社会的養護の1つとして機能している制度であり、養育里親の方々については、里親手当が支給されているなど、関係性が異なるという意見があったことに留意しつつ、検討すべきであるとされています。私からの説明は以上です。

○田島分科会長 ただいまの事務局の御説明について、まず資料3の○の1つ目、「有期契約労働者(派遣労働者を含む)の育児休業取得について」に関して御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

○井上委員 この有期契約労働者の育休の取得の課題について、全般的なところを述べさせていただきます。先ほど資料414ページで、有期契約労働者の育児休業の趣旨について御説明いただきました。また、下のほうには、育児休業の要件ということで、その御説明もいただきましたが、正社員にはこの要件が設けられていないと思います。いわゆる有期契約の労働者のみに、この要件が課されているという結果、これも説明資料でありましたけれども、育児休業を利用して、継続就業する割合は4%と。正社員の10分の1という結果の説明がありました。また、有期の場合、正社員と同様に雇用保険を払っているにもかかわらず、育休を取得できなければ、育児休業の給付を受け取ることができないという実態もあるかと思います。

 実は、連合で先日インターネット調査において、マタニティーハラスメントに関する意識調査を行っております。これは3回目になりますが、その結果の中でも「有期の育休取得の条件を緩和すべきである」という回答が7割を占めておりました。また、そのうち半数以上から、育児休業給付金をもらえないことに関して、「不公平であり、有期契約でも育休を取れるように条件を緩めるべきである」という回答が出ています。

 また、これも先月、連合が行ったキャンペーンですが、これは労働相談です。「マタハラに負けない。産休・育休なんでも労働相談」ということで、非正規の皆さんへのキャンペーンを行いました。その労働相談においても、派遣社員や契約社員の相談者が、「育休を取得する要件の厳しさにショックを受けた」というケースがありました。また、「産休や育休を取る予定があるなら、契約更新はしない」と言われたケースなど、この労働相談で様々な声が寄せられております。

 前回の、法改正から今日までの間に、労働契約法の中に、有期契約法制が設けられて、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止が定められたと思います。育児・介護休業法の、いわゆる有期契約労働者、期間雇用者に関する条項は、正に、この労働契約法第20条に抵触するのではないかと我々は思っております。ですから、本来であれば、育児・介護休業法第6条の労使協定除外の所も含め、期間の定めに関わって育児休業の取得を妨げるような条項は、全て撤廃すべきであるというように考えております。なお、これは介護休業等についても、同様と考えていることを意見として発言させていただきたいと思います。以上です。

○半沢委員 有期契約労働者の育休取得について意見を申し上げます。研究会の報告の中で、特に育児・介護休業法の第5条の雇用継続の見込みの箇所については、労使の見込みの判断が分かれるため、資料431ページですが、「労働契約の更新がないことが明らかである者のみ育児休業の取得ができないこととすべき」という意見があったということで、議論されたことが記載されています。非正規雇用で働いている期間労働者の立場は非常に弱いものでありまして、いつ雇止めされるのか、次も契約の更新をされるのかというのが分からない状況にあって、非常に不安な状況で働いているというのが現状だと思います。そうした中で、育児休業を取ろうと申し出た際に、使用者に見込みがないと言われてしまえば、その要件の解釈を巡って争うということは、実際、なかなか難しい。できる人は少ないだろうと思います。

 例えば、連合の「何でも労働相談」においても、このような意見がありました。育児休業を取得しようとしたところ、勤務先から「嘱託社員の育児休業は前例がないので、取得はできない」と。こういうことを言われたわけですが、御本人は、会社ともめたくなかったので、退職をしたという、相談が寄せられています。

 先ほども御紹介がありましたが、有期雇用労働者の条項ができてからもう10年がたっていますが、現在においてもこのようなトラブルが絶えないというのは、やはり条文自体に分かりにくさ、問題があるのではないかと言わざるを得ないと考えております。

 女性労働者の過半数が非正規雇用である状況において、周知がよく問題にされますが、もう10年たっているということと、それから、過去に私もこういった有期契約労働者の要件に関する周知の事業にも関わったことがあり、パンフレットや母子手帳など、いろいろな工夫がされているわけですけれども、なかなかこの周知が深まらず、その解釈が難しいということから、周知だけの問題ではないというように思っております。女性の活躍ということも、この前の女性活躍推進法のほうでも言われたわけですが、そういったことを踏まえても、この件については見直しが必要であるし、そうでなければ、女性の活躍はおぼつかないと言わざるを得ないのではないかと思います。以上です。

○斗内委員 続いて、今、井上委員から御紹介した連合の労働相談等々に寄せられた声の中で、私からも1つ事例を御紹介させていただきます。

 相談事例ですが、相談に来られた方は、呼称としてはパートタイマーでしたが、実質的にはフルタイムで勤務されておりました。契約更新を1年以上繰り返していたというところでしたが、この方は第二子の妊娠が分かりまして、会社に伝えたところ、有期の方は産休は取れるのですが、育休はなかなか取れないと、言われてしまったということです。前例がない、先ほどから出ていますが、育児・介護休業法の第5条第1項第2号の、いわゆる「子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれる者」には該当しないと言われてしまうということです。

 詳しくお話を伺うと、その職場では、正社員の方はやはり問題なく育休を取られているということでした。この相談者は、仕方なく産休を取り、何とか保育園を確保できたことで、運よくその仕事を続けることができましたが、もし預ける保育園が見付からなかった場合は、仕事を辞めざるを得なかったということです。ただ、だからよかったのだということではなくて、御本人としては、何よりもやはり育休を取りたかったが、なかなか実現できなかったということではなかろうかと思っております。この方は、第一子のときには派遣で働いていましたが、このときも第一子の妊娠を告げたときには、前例がないから育休は取れないのだということで、最終的には派遣切りに遭遇したということです。

 この方のように、第二子の出産となれば、やはりそのときの出産した子供だけではなく、第一子の分の保育園の確保もしなければならない。確保ができなければ、預ける所がなく働けなくなってしまうというのが現状です。正に有期雇用の方々の就業継続は、このような綱渡りを続けているのではなかろうかと思います。更に、この方が、もし「ひとり親」となれば、家計に与える影響は非常に致命的なものと言わざるを得ないと思います。

 前回の御議論でも「ひとり親」の論点について、労働者側からも御指摘させていただいております。やはり「ひとり親」の方々の母子家庭の約5割が、非正規で働かれております。このような問題を解決するためにも、有期契約労働者の育児休業の要件の見直しが必要ではないかということを、意見として申し上げさせていただきます。

 先ほどの資料4の中でも、相談事例等々が出ていましたが、ほぼ同じような相談が私どもにも寄せられている状況を報告させていただきます。以上です。

○山中委員 今回、御説明の中で均等室への相談事例を幾つか資料として出していただいております。お読み取りくださいという御説明でしたが、相談事例の件数も資料で頂いたように、平成26年においても455件と、毎年有期の方からの御相談は増加傾向にあるということで、問題認識はお持ちではあるのだというように思います。先ほど井上委員から、また、ほかの委員からも申し上げたように、連合でも労働相談を行った結果、マタハラ、産休、育休の相談を1日行っただけでも36件が挙がってきます。1年で450件も多いですが、1日で36件ということは、私どもは大きくコマーシャルなど出しておりませんけれども、これだけ挙がってきたということは、非常に多くの悩んでいらっしゃる方がいるのだという実態だと考えております。

 一方、解決できた事例を3件出していただいておりますが、均等室にはなかなか相談しても指導をしてもらえなかったとか、解決しなかった、もめてしまったという声も連合には多数上がってきております。

 この相談事例の中身を見ると、会社側、事業主側の対応が法律をあまり理解していないとか、育休を取得できないことを会議で決めたとか、労働者に非常に誠意のない対応をしています。結果的に、均等室の御指導があって解決したわけですけれども、では、この方、果たして育休を取った後にハッピーに事業所に戻れたのかと。かえって、会社に戻ったときに、均等室に言い付けたというようなことを言われているのではないかということも、非常に心配だなと感じます。件数、それから、この事例などを見ても、均等室のほうは、育児・介護休業法の平成17年の改正から10年たちますが、有期の方の取りやすさ、環境整備などの指導になかなか十分に対応ができていない状態にあるのかなと思います。要件が曖昧なために、こういうことが起こっていることを示しているという実態なのだと思っています。

 前回の議論の中でも、要件の緩和等々については、使側の委員から商工会議所の調査が出されまして、6割以上の会議が活躍推進に前向き。中小企業でも今回女性活躍推進法では、努力義務になる中小企業でも、両立に柔軟に対応をしているということ。法律は現行の枠組みで最低限の基準であれば、いいのではないか、後は労使でできるのでは、という発言が記録に残っています。

 例えば、22ページの有期の方の育児休業取得要件の緩和状況等々を見まして、条件を多く緩和していますという所が2割いるとかという、良い数字の御報告を頂きましたが、ここで注目しなくてはならないのは、真ん中辺りにある、その「条件を緩和することはない」とはっきり答えている企業が、中小、大企業にかかわらず34割いるということです。ですから、法の枠組みを出なくていい、その最低限のレベルさえ守ればというように考えている企業が、これだけいるということですので、法的な最低限の枠組みだけで、今回この議論で、特に有期の方の条件が、これ以上発展するということについては、少し疑問です。やはりここのところは、冒頭、井上委員が申し上げたように、有期の方への枠組みの要件の緩和について、もっと法的にきちんと論議して決めていくべきだと考えております。ありがとうございます。以上です。

○松岡委員 少し細かいところの課題提起になるかもしれませんが、資料418ページを見ていて、この上の四角の所の最後で、産休を取得することができれば、派遣労働でも8割強が育休を取得できているということで、産休が取れていれば育休も取得できる割合は高いということが書いてあります。これをちょっと裏読みすれば、研究会の報告の中でも、有期契約でも産休、育休が取れることをしっかり周知することが重要だと書いてあり、それさえすればというように読めなくもないわけですけれども、決してそういうことではありません。先ほどから、引用されている相談事例などを見ても、会社に妊娠を報告して、育休は取得できない、契約更改しないと言われて均等室に相談をして、産休を取ることはできたのですが、その後の育休については、やはり駄目でしたといった声も寄せられている事例もあります。そういったことが現状としてあるということは、しっかりと認識する必要がありますし、そもそも16ページを見ると、育休を取得して継続就業した人が4%ということで、育休を取れなくても継続就業できた人、この中には産休を取った方は多いと思いますが、それでも18%にすぎないという水準観や、加えて、育休の取得は、そもそも有期雇用であれば18ページの所にありますが、22%程度だという、極めて低位にあるということ。これは強く認識をしなければいけないと考えています。そういう意味では、周知をすることはもちろん第一歩としては重要なことですが、周知さえすれば、それだけで就業の継続を促すような抜本的な対策にならないということは、しっかりと受け止めておく必要があるのではないかと考えています。以上です。

○田島分科会長 ありがとうございます。ほかに御意見、御質問はありませんでしょうか。

○布山委員 今の労働側代表の御意見を伺っていて、少し整理をしなければいけないことがあるのではないかと感じました。まず、現在の有期労働契約者の対象の要件については、その要件を満たしているにもかかわらず、取れなかったということであれば、これは企業側の態度も含めてきちんと指導していただきたいという内容だと思います。それが1つです。

 それから、今の要件が分かりにくいというのであれば、分かりやすくするような形が必要だと思っています。

 一方、先ほど、労働契約法の話もありましたが、有期労働契約の方が育児休業を取れるようにした頃と現在では、いわゆる有期労働契約の状況が変わっていて、5年を超えれば無期転換になる。その中での要件の議論ということになるのではないかと思っております。

 また、この議論をする際に、やはり一番重要なことは、そもそも育児休業は、育児のために休業を取るということではなくて、育児のために辞めてしまわないように休業を取って、その後、働き続けるということが前提だと思っています。これは労働側代表の皆さんも同じ思いだと思います。この議論をする際には、育児休業を取った後に、継続見込みがあるかどうかということは、1つ重要なマターだと思っております。その中で、現在の要件について、もっと分かりやすくすることについて議論したいと思っております。

○川崎委員 質問になります。例えば17ページですが、産前産後休業・育児休業の取得率の調査で、産前産後休業の制度を利用した人の割合があります。「利用希望だが利用できていない割合」は問題かもしれませんが、「制度を利用しておらず、利用したいとも思わなかった」といった数字が出てきます。データの中で無業は含まないとなっていますけれども、これは出産をした直後から復帰したという形での就業継続があったのか、その辺はどの形で復帰したのかという何かデータはあるのでしょうか。

○田島分科会長 事務局、お願いします。

○蒔苗職業家庭両立課長 確認してみます。

○川崎委員 なぜ質問させていただいたかといいますと、先ほどありましたように、育児休業も産前産後休業もいずれにしても、こうした休業の制度を使って就業継続していこうということが背景としてあるのだと思いますが、そもそもその制度を使っていないこと自体からすると、就業継続を思わなかったから使わなくて、一定期間空けて転職したこともあり得るかもしれない。そういう人たちも含めてのデータだとすると、判断していくには少し使いづらいのかなと思いますので、そこを明らかにしていただきたいと思います。いずれにしても育児と仕事の両立をさせるための制度というものは、それを使って就業継続していくところがポイントになってくるかと思います。よろしくお願いしたいと思います。

○田島分科会長 事務局、すぐにはお答えは難しいですか。

○蒔苗職業家庭両立課長 ええ。

○田島分科会長 そうですか。ほかに御発言はありますか。御発言がなければ、次の論点に移りますが。今、事務局に調べていただいておりますので、後で分かり次第ということでよろしいですか。

 次の論点に移ります。資料3の○の2つ目、「育児休業の対象となる子の範囲について」に関して、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。

○奥宮委員 これは、民法の法律上の親子関係は何かという問題と、それから、育児休業の法の趣旨の問題と両方あると思います。里親支援について、支援の強化という要望があって、これは児童福祉の観点から非常に重要なことだと思うのですが、果たして、育児休業のその枠組みの中に入るかということで、ちょっと意見を述べさせていただきます。

 特別養子縁組の許可申請中の者に関しては、法律上の親子となることを前提としているため、育児休業・休暇の対象とすべきですが、里親については、法律上の親子関係がないため、全て労働者が通常遭遇する家庭生活上の問題について、使用者側に支援する義務を負わせるという育介法の趣旨からは、その対象とすることは相当ではないと考えられます。実子ということがまず原則で、それに準じたその法律上の親子関係、親子関係のある養子と特別養子が入ると。 特別養子については、監護期間については一種、特殊な子の福祉の観点から監護者として、ふさわしいかどうかを見るという制度ですが、やはりこれも御説明にあったとおり、法律上の親子関係を形成するのにふさわしいかどうかということで、設けられている期間です。しかも、6か月という期間、短縮ができるという、非常に短い期間になっていますので、ここは今回、もし改正をするとしたら含めることは良いのではないかと考えます。

 里親制度の充実は、福祉制度の課題であり、企業には社会貢献の一環として支援方法を検討してほしいと考えます。

○井上委員 里親関係についてです。里親制度を普及、充実させていくことは大変重要であると考えております。特別養子縁組の監護期間や里親についても、働きながら子育てできるような環境を整備するということは必要だと考えております。少なくとも育児・介護休業法上の「子」と整合性の取れる範囲については、ここに取り込むことが望ましいのではないかと思っております。また、社会的養護の制度の在り方も含めて、更なる検討を深める必要があるのではないかと考えております。以上です。

○田島分科会長 ありがとうございます。ほかに御意見、御質問はありますでしょうか。

○武石委員 先ほどの御意見にもあったように、育児・介護休業法の、そもそもの考え方が全ての事業主に適用される最低基準という、非常に強い権利を設定しているものであるということで、法律上の親子関係を前提にした、その子の養育ということへの両立支援策であるというのを基本的な前提として考えなければいけないと思います。

 皆さんがおっしゃるように、里親制度は大変社会的にも意義のある重要な制度で、これの意義というのは本当に理解できますが、やはりその前提として法律上の親子関係と言えるか。そして、また前提として全ての事業主が最低基準として受け入れられるというような観点から、考える必要があると思っております。

 特別養子縁組の監護期間というのは、既に雇用保険の育児休業給付でも措置されていることもありますし、これは、実質的な親子関係に近いと思います。里親制度の中で、どれが法律上の親子関係が成立しているとみなせるかは、いろいろ議論はあるとは思いますが、養子縁組、里親というのは、かなり実質的な親子関係に近いのかなという印象は私は持っていまして、里親制度の中のどれを実質的な親子関係と見るか、法律上の親子関係とみなすかということに関しては、きちんとした議論が必要かと思っております。以上です。

○布山委員 皆さんの御意見と、私も同様だと思っております。里親制度そのものは非常に重要で、里親になっていらっしゃる皆さんの貢献については、非常に感服するところでございますが、今回、議論しているのは労働法である育児・介護休業法ということになると、その中でどう考えるかになるかと思います。皆さん、繰り返しおっしゃっているように、現在も労働者が権利を行使すれば、必ず取れる制度であって、また、全ての企業に遵守することが求められている内容になります。その中で、実子、養子ということが1つの条件になっているのかと思います。そうすると今回、議論する際には、実子、養子に近い方という形での議論になるかと思っております。

 先ほどから皆さんがおっしゃっていたように、また、報告書でも提案されていた内容になるかと思いますが、既に、雇用保険の給付が認められることになっている特別養子縁組の監護期間、それから、養子縁組を希望するということで、今、里親になっていらっしゃる養子縁組の里親の方については、いわゆる養子に準ずるという形で議論をしてもいいのではないかと思っております。以上です。

○田島分科会長 ありがとうございます。ほかに御発言はありますでしょうか。それでは、特に御発言はないようですので、事務局、先ほどのデータについてはいかがですか。

○蒔苗職業家庭両立課長 今、取れるかどうかを含めて調べております。次回に御準備させていただきます。

○田島分科会長 では、次回にお願いします。それでは、本日の分科会は、これで終了させていただきます。最後に本日の議事録の署名委員として、労働者代表は斗内委員、使用者代表は川崎委員にお願いいたします。

 皆様、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課
〒100−8916 東京都千代田区霞が関1−2−2

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