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2016年2月17日 第17回厚生科学審議会生活環境水道部会議事録

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部水道課

○日時

平成28年2月17日(水)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省専用第23会議室
(東京都千代田区霞が関1−2−2 中央合同庁舎第5号館6階)


○出席者

秋葉委員 猪股委員 遠藤委員 大垣部会長 大澤委員
岡部委員 尾崎委員 清古委員 滝沢委員 中野委員
永井委員 西村委員 藤井委員 藤野委員 古米委員
細井委員 堀口委員

○議題

(1)水質基準等の見直しについて
(2)水質異常時における摂取制限を伴う給水継続の考え方について
(3)今後の水道事業の維持・向上方策の検討の進め方について
(4)その他

○議事

○宮崎水道課長

 ただいまから第17回厚生科学審議会生活環境水道部会を開催させていただきます。委員の皆様方には、御多忙の中お集まりいただき、御礼申し上げます。私は厚生労働省水道課長の宮崎でございます。

 本日の議事に先立ち、太田政務官より御挨拶を申し上げます。

 

○太田厚生労働大臣政務官

 皆様、おはようございます。昨年10月に安倍内閣で厚生労働大臣政務官を拝命いたしました太田房江でございます。よろしくお願い申し上げます。

 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、こうしてお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 私事で恐縮でございますけれども、私は2000年から8年間大阪で知事を務めまして、地方行政に携わり、また、その前の25年間は経済産業省で仕事をする中で住宅関係の仕事、それから消費者行政を担当することがございまして、この業界とは本当に長いお付き合いだという意識を持っております。そういう中で、今日御挨拶をさせていただき、大変光栄でございます。

 ところで、我が国の水道ということでございますけれども、国民の皆様の生活に欠かせない社会基盤施設でありまして、御承知のように、その普及率は97.7%ということになっています。その一方で、水道事業は施設の老朽化、耐震性の不足、職員数の減少、高齢化、人口減少社会に伴う給水収益の減少といった多岐にわたる問題に直面いたしております。40年という法定耐用年数を超える管路の割合は年々上昇しておりまして、平成26年には約12%ということになりました。また、先月には記録的な寒波が訪れまして、全国で約50万世帯の方々が断水に見舞われるということもあったわけでございます。こういう中で、安全で強靱な水道を持続していくということは、待ったなしの我が国の課題というように言ってよろしいのではないでしょうか。

 水道は日本の安全・安心の基盤でございます。施設の老朽化が進む中で、正に今申し上げましたような、山積する課題にどのように対応していくのか、この場で検討を進めさせていただきたいと考えております。

 厚生労働省では、昨年9月から検討会を開催いたしまして、今年の1月に基盤強化方策についての取りまとめを行いました。加えまして、指定給水装置工事事業者制度につきましては、昨年2月の部会で、指定工事事業者の中に所在不明事業者が存在する等の課題がございますことから、実態の把握や今後の在り方について検討すべきとされたことを踏まえまして、先般、本制度の課題解決の方向性について報告書を取りまとめたところでございます。

 本日の部会では、まずこの2つの取りまとめで示されました方向性について、更に議論を深めていただきたいと考えております。そしてまた、深めるための場として、専門委員会を設置することについて、お伺いさせていただくことになっております。

 そして、その他の課題、議題といろいろございますけれども、どうか、委員の皆様方におかれましては、忌憚のない御意見、御指導を賜りますようにお願いを申し上げまして、私からの御挨拶とさせていただきます。では、皆様、本当にありがとうございます。

 

○宮崎水道課長

 ここで政務官は公務多忙により、御退席させていただきます。

 まず委員の改選が昨年からございましたので、新しく当部会に御就任いただきました委員を御紹介させていただきます。主婦連合会副会長の藤野珠枝委員です。北里大学医学部教受の堀口兵剛委員です。

 続いて、本日の出欠の状況です。大住委員、那須委員、西尾委員から欠席の御連絡を頂いております。委員20名中17名の委員の御出席を頂いており、過半数に達しておりますので、この部会は成立していることを御報告させていただきます。

 次に、配布資料の確認です。お手元の議事次第の裏に配布資料一覧を付けております。その次に座席表があり、そこからが資料です。資料1-1「水道水中における農薬類の目標値の見直しについて()」、資料1-2「最新の科学的知見に基づく今後の水質基準等の改正方針()」、資料1-3「水道原水での検出濃度が高い農薬への対応について()」、資料2「水質異常時における摂取制限を伴う給水継続の考え方」、資料3-1-1「水道事業の基盤強化方策に盛り込むべき事項(概要)」、資料3-1-2「水道事業の基盤強化方策に盛り込むべき事項」、資料3-1-3「水道事業基盤強化方策検討会 開催要綱」、資料3-2-1「指定給水装置工事事業者制度に係る課題解決の方向性と対策案(概略)のイメージ図」、資料3-2-2「指定給水工事事業者制度に係る課題解決の方向性と対応策(概略)について(取りまとめ)」、資料3-2-3「平成27年度指定給水装置工事事業者制度に係る検討会 開催要綱」、資料3-3「水道事業の維持・向上に関する専門委員会の設置について()」、資料4「厚生科学審議会生活環境水道部会運営細則(改正案)」、資料5「水道行政の最近の動向」、参考資料1として委員名簿、参考資料2は水道部会の開催経緯、参考資料3が関係法令等です。過不足等がございましたら、事務局までお申し付けいただきますよう、お願いいたします。

 続いて、事務局の紹介をさせていただきます。水道課、生活衛生課ともに、昨年10月に健康局より、医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部に移管になっており、本日は新体制での対応となっております。あいにく部長の福田は所用により少し遅れて参ります。大臣官房審議官の樽見です。企画情報課長の赤澤です。水道計画指導室長の高澤です。水道水質管理官の長坂です。水道課長補佐の久保、安里、堀内です。生活衛生課長補佐の東です。以上です。マスコミの方におかれましては、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。これ以降は、大垣部会長に議事の進行をお願いいたします。

 

○大垣部会長

 議事に入ります。第1番目の議題は「水質基準等の見直しについて」です。事務局から説明をお願いいたします。

 

○長坂水質管理官

 資料1-1から資料1-3を使って御説明させていただきます。まず、資料1-1「水道水中における農薬類の目標値の見直しについて()」です。概要ですが、水質基準等については、最新の科学的知見に従い、逐次改正方式により見直しを行うこととされており、水質基準逐次改正検討会を設置し所要の検討を進めております。昨年の平成2725日の本部会において了承された内容である「水道水中における農薬類の目標値の見直しの方向性」を踏まえ、次のとおり関係する通知を改正したいという内容です。

 今、御紹介した昨年の当部会において了承された内容というのが、表1です。6つの農薬類について、目標値を変更するという内容です。こちらについて、昨年の秋に1か月間のパブリックコメントの手続を行い、4件の意見提出がありました。詳細については別紙に書いておりますが、本日は説明は省略させていただきます。

 今後の予定は、表1のとおりに通知の改正を行い、平成2841日から適用したいと考えています。資料1-1については以上です。

 資料1-2「最新の科学的知見に基づく今後の水質基準等の改正方針()」です。趣旨は先ほどの御説明と一緒になりますが、水質基準については、最新の科学的知見に従い、逐次改正方式により見直しを行うこととされており、毎年本部会においても御議論を頂いているところです。

 この水質基準等について、真ん中に三角の図がありますが、水質基準というのが一番上にあり、これは水道法に基づくもので、現在51項目が設定されております。その下に、水質管理目標設定項目というものがございます。こちらは平成15年の局長通知に基づいて設定しているもので、26項目あり、新水質基準に準じた扱いをするというものです。その一番下に要検討項目というものがあり、こちらは平成15年の審議会の答申に基づいて設定されているもので、47項目です。こちらは情報、知見の収集をするという位置付けになっています。この体系の中で最新の知見により常に見直しを行うという「逐次改正方式」で、これまで毎年、改正等を行っております。

 それで、昨年の平成2712月に開催した、水質基準逐次改正検討会において、内閣府の食品安全委員会の新たな健康影響評価等の知見等に基づき、今後の水質基準等の改正方針について検討され、見直しの方向性が整理されましたので、その内容について、これから御説明させていただきます。

2ページです。まず、基準値あるいは評価値の見直しについての検討内容です。2-1「食品健康影響評価の結果への対応方針()」です。農薬の数が多いということもあり、農薬とそれ以外の項目に分けて説明をさせていただきます。

 まず最初に、「農薬類以外」の御説明です。食品安全委員会により、今回新しい評価結果が示されたのは、「要検討項目」に位置付けられているフタル酸ブチルベンジルの1項目でした。こちらについては、下に表があります。現行(平成15年答申)においては、ラットの動物実験の評価結果から、TDI0.2mg/kg体重/dayの値を用い、この毒性評価値から水質目標値に換算するのに、デフォルトのやり方という一定の決まったやり方があります。「評価値」の下に「1日に水を2L摂取して、体重50kg、寄与率10%」と書いてあります。寄与率というのは、TDIのうち水から10%取るという考え方ですが、これに当てはめると評価値が0.5mg/Lとなっています。これには(暫定)という括弧書きが付いています。平成15年当時は、まだ食品安全委員会が存在しない時代であったことから、こちらの毒性評価は厚生労働省が自ら行ったものです。

 その右の列にいくと、昨年47日の食品安全委員会の評価内容があります。こちらは長々と書いておりますが簡単に申し上げますと、平成15年以降の新しい実験結果も考慮した上で平成15年の左側と同じ動物実験を採用して同じTDIの値、TDI0.2mg/kg体重/dayと、同じ数字を頂いております。このことから同じ方法で評価値を算出しますと、0.5mg/Lになるということで、一番右のカラムの「対応方針()」の所に書いております。ただ、今回は食品安全委員会から定まった毒性評価の内容を頂きましたので、数字は同じではありますが、これまで暫定としていたものの(暫定)を削除するというのが、対応方針の案です。農薬類以外はこの項目だけです。

 次に、4ページです。農薬類が一覧の表になっています。これは、この1年に新たに食品安全委員会から評価結果が示されたものです。網掛け以外の部分については、同じ評価結果を頂いたので、特に変更の必要がなく、網掛け部分について、現行評価値と異なる対応方針()が得られた物質です。一番左の列に「略号」とありますが、「対」と書いてあるのは対象農薬リスト掲載農薬です。こちらは、最初に説明した水質基準の下の水質管理目標設定項目に相当するものになります。その下に、要検討農薬類、その他農薬類というのがありますが、この2つについては、一番下の「要検討」のほうにという考え方になります。

 この新たな評価値を頂いたものについて、一番下の※2にありますが、食品安全委員会が設定したADIを用い、12L摂取、体重50kg、寄与率10%として評価値を算出し、上の表の網掛けになっている所については、現行評価値を変える、あるいは新たに新規設定するということになっています。一番右の「対応方針()」の所に書いていますが、矢印が上に向いているのが、現行に比べて数値が上がるもの、下に向いているのは数値が下がるもの、「新規設定」となっているのは新規設定するものということになります。

 この中に「※3」というものがあり、これについては特別な扱いをしようということで、5ページを御覧ください。ダゾメット、メタム及びメチルイソチオシアネートという3つの農薬についてです。ダゾメット及びメタムは、メチルイソチオシアネート(MITC)に分解されて効果を示すと考えられております。食品安全委員会の健康影響評価結果によりますと、ダゾメット及びメタムは水の存在下では容易にMITCに分解され、植物体内ではおおむねMITCとして存在すると考えられております。このことから、3物質の総合的な評価には、活性成分であるMITCに基づく評価を適用するのが適当であると判断され、ダゾメット、メタム及びMITCのグループの1日摂取許容量が示されました。このため、水道水中においても、ダゾメット、メタム及びMITCをグループとして評価することとして、下の大きな矢印の一番下の表ですが、そのとおりに項目及び評価値を設定することが適当と考えております。以上が、評価値の変更等に関する検討結果です。

 続いて、「水質検査結果に基づく水質基準項目及び水質管理目標設定項目の分類見直し」です。この分類見直しについては、生活環境水道部会(平成22)で了承された考え方が表1になりますが、これに従って検討しております。この表の中に「分類要件1」「分類要件2」というものがあります。この組合せで評価を行っております。ただし、個々の項目の水質基準項目及び水質管理目標設定項目への分類については、総合的に評価して判断すべきであり、分類要件のみによって当てはめるべきものではない。ここまでが平成22年のときに了承された考え方です。

(2)「集計及び検討結果」です。集計の結果は表2と表3にあります。8ページと9ページを御覧ください。表2は、農薬以外を分類要件に基づいて割り振ったものです。上の行が「見直し時点で水質基準項目」であるものですが、一番右のカラムに「陰イオン界面活性剤」が入っています。これは水質管理目標設定項目にしてもいいのではないかというものです。その下の行は、「見直し時点で水質管理目標設定項目」とされているもので、一番左の水質基準項目の所に、「ニッケル及びその化合物」が入っており、こちらについては水質基準項目にしてよいのではないかという状況になっております。9ページの表3ですが、農薬類についての分類結果があります。一番左の列にあるとおり、水質基準項目に挙げるべきとされるものの該当はありませんでした。

6ページに戻ります。今の結果を踏まえて、「陰イオン界面活性剤」については、最近3か年継続で、評価値の10%超過地点が1地点以上存在しないという状況ですが、最近3か年でも10%値、50%値超過地点が確認されており、これは引き続き水質基準に据え置いて管理していくことが望ましいと考えております。「ニッケル及びその化合物」については、水質基準に上げる要件に該当しておりますが、こちらについて水道事業者等への聴き取りを行った結果、平成24年度、平成25年度において、目標値の50%を超過した地点については、平成27年度内に廃止される予定と聞いております。

7ページです。平成25年度において目標値を超過した地点の原因は、上流の工場排水によるものと考えられることから、当面の対応としては上流監視を継続するという状況であると聞いております。

 また、「「ニッケル及びその化合物」」の分類変更に関しては、次のような課題があります。現在の目標値は諸外国の基準値を参考に設定されており、通常の水質基準値設定の考え方と異なるので、基準値の設定に当たっては慎重な検討が必要である。そして、現在の目標値を水質基準値として用いた場合には、通常、末端給水装置の浸出基準というものは、水質基準の10分の1の値を設定するということになりますが、現在普及している末端給水栓の多数にはニッケルめっきが施されており、このニッケルめっきが付与されている末端給水栓のほとんどの製品においては浸出量が0.01mg/Lを大幅に上回るという結果にになっております。通常、末端以外の給水装置の浸出基準については、水質基準と同値が設定されますが、鉛レス青銅バルブについては、ニッケルの浸出量は0.01mg/Lを上回るという結果になっております。以上の給水装置については、現時点で有望な浸出低減方法はないということです。

 以上により、「ニッケル及びその化合物」については、浄水からの検出状況から水質基準に分類するか検討すべき項目に該当しますが、目標値の再検討が必要であること、給水装置からのニッケルの浸出に対する対応が困難であるという課題があるため、水質基準を設定するに当たっては更なる検討を要すると考えます。このため、種々の調査検討を引き続き行い、「ニッケル及びその化合物」を水質基準に分類するかどうかについての検討を継続することとしたいと考えております。

 以上を踏まえて、10ページに「対応方針()」がございます。まず、新評価値の設定については、農薬類のうち対象農薬リスト掲載農薬に係る新評価値()の設定については、パブリックコメント手続を経て、平成2941日から適用する。これは、先ほどの4ページの表で、一番左に「対」が付いていた農薬についてのことです。要検討項目(フタル酸ブチルベンジル)及び農薬類のうち対象農薬リスト掲載農薬類以外の農薬については、本部会における審議をもって新目標値を設定し、平成2841日から適用したいと考えています。3-2「分類の見直し」については、今回は変更は行わないと考えています。資料1-2については以上です。

次に、資料1-3「水道原水での検出濃度が高い農薬への対応について()」です。農薬類については、平成25年に分類の見直しをしており、当時、「要検討農薬類」に分類したテフリルトリオンについては、分類の見直し時には測定データ等が不足しており、対象農薬リストへの掲載を見送りましたが、今般、厚生労働科学研究において、水道原水で目標値に対して検出濃度が高い値を示すデータが集積されたことから、その取扱いについて検討を行いました。

2.検討物質に、テフリルトリオンについての情報があります。用途は除草剤です。3.出荷状況は、農薬年度に書いていますが、平成23年に約60トンと急激に増加し、その後は少し減少して横ばいの状況です。4.検出状況は、厚生労働科学研究において、以下のように報告されております。水道原水、河川水において、全体の約2割で目標値の1%を超える値が検出されました。1地点ではありますが、目標値の50%を超える値も検出されています。グラフの下のポツですが、浄水においては定量下限値を上回って検出された値はありませんでした。

4ページ、5.検出のおそれの検討です。平成25年の農薬分類の見直しの時点では、検査結果の蓄積が十分でない農薬についても適切に選定されるように、出荷量、ADI及び作付面積による指標を用いて整理されています。それがこの図になります。テフリルトリオンについて、この指標を用いて検討を行った結果、表の右上のほうの黒い点がテフリルトリオンの点ですが、これは第1選択基準線を超えて、対象農薬リストに掲載する選択基準である第2選択基準線を上回ったという状況です。そして、6.テフリルトリオンの分解物についてというのがありますが、このテフリルトリオンは塩素処理により分解物Bに分解されて、浄水から検出例があることが確認されました。こちらの分解物の検出状況は、5ページです。こちらについては塩素処理をしてからできるものですので、浄水において、測定データの約13%で0.2μg/L(テフリルトリオン目標値10%値)を超える値が検出されております。ですから、原水では存在したテフリルトリオンが浄水で検出されないのは、この分解物Bになったということが分かります。

6-2「テフリルトリオンの作用機序と分解物Bの毒性評価」です。ここで分解物Bの毒性を考察しました。テフリルトリオンの植物における作用機序は、4-HPPDaseと略しておりますが、これを阻害することによって植物色素の生合成を阻害し、枯死させるものです。テフリルトリオンのほ乳動物内での最も感受性の高い毒性発現に至る作用機序は、4-HPPDase阻害時に、チロシンの代謝物を経由した血漿中チロシン濃度が上昇することにより惹起されたと推測されております。このことから、テフリルトリオン及び関連物質の毒性評価は、4-HPPDase阻害の程度により、ある程度の推測が可能であると考えられます。

in vitro4-HPPDase阻害試験結果によれば、テフリルトリオンはシロイヌナズナ由来の4-HPPDaseに対して明確な阻害を示したのに対し、分解物Bは、試験した最高濃度においても、生物学的に意義のある4-HPPDaseの阻害を示しませんでした。

4-HPPDaseは植物、細菌及び動物に広く存在が認められている酵素でありますが、各種の4-HPPDaseの活性中心は4-HPPDase中の鉄に依存し、その活性中心は種によらず、同様の立体構造が保持されていると考えられています。これは多くの4-HPPDase阻害除草剤で植物及び動物の両方の4-HPPDaseに結合することが知られていることからも支持されると考えられます。また、トリケトン系化合物及びその類縁体は下図のような基本構造を有しており、4-HPPDaseを阻害いたします。これら全ての4-HPPDase阻害剤はキレート化剤であり、4-HPPDaseの活性中心にある鉄に競合的にキレート結合することで、阻害活性を発すると考えられております。しかし、分解物Bにおいては、このような構造を失っている状態です。以上のことから、分解物Bは動物においても、4-HPPDaseの阻害活性を有さず、テフリルトリオンと同様の作用機序による毒性を示すことはないと考えられます。

 以上の考察も踏まえまして、7.今後の方針()です。テフリルトリオンについては、平成25年の農薬分類の考え方に照らすと、対象農薬リストに掲載する選択基準に該当することから、パブリックコメント手続を経て、対象農薬リストへ掲載し、平成2941日から適用するという案です。なお、分解物Bは上記の毒性評価より、テフリルトリオンと同様の毒性を有さないと考えられることから、検査はテフリルトリオン原体のみを対象とするというものです。資料についての説明は以上です。

 

○大垣部会長

 どうも御苦労様でした。以上、水質基準等の見直しに関する3つの資料について説明がありました。この内容に関しての御質問あるいは御意見を頂きたいと思います。資料が3つに分かれているので、順番にいきましょうか。どれでも結構ですが、取りあえず資料1-1に関して、何か御意見等ありますか。では、後ほど、もし御意見があれば。それでは資料1-2に関してはいかがでしょうか。どのような観点からでも結構ですが。特によろしいですか。それでは、資料1-3も含めて全体にわたって、どのような観点でも結構ですが、御質問等ありますか。

 

○西村委員

 それでは、資料1-3ですが、対象となっているテフリルトリオンは、割と新しい農薬かなと、平成19年なので。6ページ目にも書いてあるのですが、トリケトン系化合物及びその類縁体ということで、例えば、このテフリルトリオンと同じような構造をしているようなものだと、ここで複合影響というか、共存したときの影響というのを、細かく評価するのは、まだなかなか難しいと思うのです。例えばここに書いてある、類縁の化合物の農薬として登録されていれば、それがどのようなものか、また、その実態、使用状況や健康影響というところに、データも併せて、少し調べていただいたほうがいいのかなと思います。研究レベルになるのかもしれませんが、やはり有機リン系のように、共存すると少し影響が相加的になるような化学物質も存在するということで、今後、そういう観点からも見ていただければいいのかなと思いましたので、コメントさせていただきます。

 

○長坂水道水質管理官

 御教示、ありがとうございます。農薬類については、もちろん複合影響という意味では、相加的あるいは相乗的、いろいろな考え方がありますが、なかなかはっきりとしたことは分からないというのが現状の科学的な知見です。今はトリケトンみたいな農薬はほかに何があるかというのは、すぐにはちょっと示すデータが手元にないのですが、農薬の水道水質基準の対象農薬リストも含めての考え方なのですが、総農薬方式というものをとっております。農薬が検出された場合は、検出値/評価値を算出して、それを全部足し合わせて1を超えないようにという管理方法をしております。科学的に分からない部分はありますが、なるべく農薬全体として、水道水からの影響を少なくしようという考え方で実際にやっております。

 

○西村委員

 御説明どうもありがとうございました。その辺はおっしゃるとおりだと思うのですが、このように作用点というのでしょうか、割と明確になっていない農薬を取り上げた場合には、追加情報として、どういう農薬が実際に使用されているという形で、少し情報提供していただいておくと、より安全性を担保するなり、今後の方針が見られるかなと思うので、そういう情報収集も是非していただければと、希望を述べさせていただきます。

 

○大垣部会長

 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。特にないようでしたら、資料1-1、資料1-2、並びに資料1-3に関して、御了承いただいたということで、よろしいでしょうか。どうもありがとうございます。西村委員のコメントに対しては、今後、注意を払っていくことでよろしいでしょうか。それでは、どうもありがとうございました。

 それでは、次の議題に移ります。資料2の「水質異常時における摂取制限を伴う給水継続の考え方」についてです。事務局から説明をお願いします。

 

○長坂水道水質管理官

 それでは、資料2を御覧ください。「水質異常時における摂取制限を伴う給水継続の考え方」について、まとめたものです。まず、1.検討の必要性です。平成245月に、利根川水系のホルムアルデヒド前駆物質による水質事故が起こり、浄水のホルムアルデヒド濃度が上昇して水質基準を超過したため、千葉県内の水道事業者が給水を停止するという状況にも至り、87万人の市民生活に大きな影響が生じました。この事故で給水停止の原因になったホルムアルデヒドの水質基準値については、長期的な影響を考慮して、かつ十分な安全係数を用いて設定されております。

 一方で、平成233月に発生した、東京電力福島第1発電所の事故に関連した水道水中の放射線物質への対応については、当時、放射性ヨウ素が乳児の基準を少し上回ったという状況が起こりました。この場合は、飲料水は別途、確保しつつ、摂取制限を行いながら給水を継続するという措置が講じられました。こういった突発的な水質事故等によって水質異常が生じた場合の対応については、参考1にある、平成15年に発出した水道課長通知によって示しておりますが、近年の水質事故等の経験を踏まえて、水道事業者等が摂取制限を行いつつ給水を継続する対応が選択肢として判断できるように、考え方を示すことが必要だろうということで、これまで検討を続けてまいりました。

 その検討内容ですが、まず検討に当たっての前提が大事だろうということで、2.「検討に当たっての前提」に書き出しました。水道事業者等は、水道法に基づき、飲用に適する水を常時給水することが求められております。また、その原水の質の悪化や突発的な水質事故等にあっても、浄水の水質を含め給水への影響を最小限にとどめる必要があるということ。更には、その給水する水が人の健康を害するおそれがあることを知ったときは、直ちに給水を停止しなければならないことになっております。今般の検討は、このような措置の必要性を何ら変更するものではありません。

 水質基準項目は、いわゆる健康関連項目と、生活関連項目からなっております。水質異常時に水道事業者等が摂取制限を行いつつ給水を継続することは、「人の健康を害するおそれ」についての判断を行うことになるので、今般の検討は健康関連項目について行うことといたしました。以上が検討に当たっての前提です。

3.には、論点整理をしていますが、水質異常時に水道事業者等が取り得る対応については、給水の停止と摂取制限を伴う給水の継続、そして摂取制限を伴わない給水の継続と、3つ考えられます。丸数字1給水の停止については、例えば大腸菌等の病原性微生物が検出された場合が該当します。丸数字3の摂取制限を伴わない給水継続については、カビ臭等の生活関連項目で基準を超えた場合でも、そのまま給水は継続する状況です。丸数字2の摂取制限を伴う給水継続については、どのようなときにできるかということに関して、考え方を示したものになります。

 次の4.が今回の本題です。摂取制限を行う給水継続の考え方です。(1)基本的な考え方です。水質事故等により、浄水中の有害物質の濃度が一時的に基準値を一定程度超過する水質異常が生じた場合においても、水質事業者等の判断により、水道水の摂取を控えるよう広報しつつ、給水を継続することが可能である。このように書いており、これを「摂取制限を伴う給水継続」と呼びますが、することは可能であると。実施に当たっては、汚染状況、復旧までに要する時間、地域住民に対する影響、応急給水等代替手段確保の実現性、広報体制等を踏まえて総合的に判断して、より社会的な影響の小さい対応として、これを選択する必要があるということが基本的な考え方になります。

(2)は、対象となる物質等についてです。摂取制限を伴う給水継続は、長期的な健康影響をもとに基準値が設定されているものについて、一時的に基準値超過が見込まれる場合に行うことが可能となるものと考えます。このため、水質基準項目のうち、長期的な健康影響をもとに基準値が設定されている物質、4ページの(2)にリストアップしておりますが、この25項目が対象となると考えます。摂取制限を伴う給水継続を行う際の個別の物質濃度や期間については、その原因や復旧に要する時間、当該事業者における処理方式や配水池の容量等の水道システムの対応能力等は様々であるため、一律の基準を設けることは困難であります。各水道事業者等が原因、影響等を踏まえて、総合的に判断することが必要であると考えています。

(3)水質異常時の対応体制の整備についてです。水質異常が生じた際の対策については、あらかじめ、その意思決定や実施体制、行政や他水道事業者等関係者との連携体制を検討、整備していくことが必要です。特に、水道用水供給事業者、あるいは水道事業者等が水道の運転管理を委託している場合等は、あらかじめ意思決定等に関する取り決めをしておくことが重要です。そして、水質異常時の対策に係る意思決定の参考とするために、専門家の意見を聴取できるような体制の整備も有効と考えます。また、摂取制限を伴う給水継続を実施する際に飲料水の応急給水にも対応するためには、水源を別とする他の事業者等との連携体制を構築しておくことも有効と考えられます。

(4)摂取制限を伴う給水継続を実施する際の対応についてです。水質異常時には、水道事業者等は直ちにその実態把握を行うとともに、その原因を究明し、必要に応じて低減化対策を実施する必要があります。また、摂取制限を伴う給水継続を実施する際は、水道利用者に対して応急給水により飲料水を確保することが必要になります。行政との連携が必要ですし、また応急給水により飲料水を入手することが困難な者についての配慮も必要になってまいります。

 最後に、(5)水道利用者に対する周知についてです。水道事業者等は利用者に対し、水質に異常が生じていること、又はそのおそれがあること、給水を継続しているが飲用は避けることについて速やかに、かつ適切に周知する必要があり、解除に当たっても速やかに周知することが必要です。周知の方法としては、例をたくさん書いておりますが、次のページの(別添)も参照してください。考えられるあらゆる方法を用いて確実に行っていただきたいということです。また、水道水が飲用できないことがあり得ることや、その際に水道利用者等が講じるべき対策及び周知の方法については、日頃から貯水槽水道の設置者を含め水道利用者と共有しておくことが有効と考えられます。

(6)摂取制限の解除についてです。こちらは末端の給水栓において実施する水質検査によって水質基準に適合していることを確認することが求められます。検査を行う給水栓については、通常の水質検査における採水場所を参考に決定することになりますが、配水に要する時間等を踏まえて解除の方法をあらかじめ検討しておくことが重要と考えております。

 以上の考え方により、長期的な健康影響を考慮して基準が設定されている物質については、水道事業者等の判断により「摂取制限を伴う給水継続」をすることは可能であることについて、水道事業者等に示したいと考えているところです。説明は以上です。

 

○大垣部会長

 御苦労様でした。ただいまの説明に関して、御質問あるいは御意見がありましたらお願いしたいと思います。

 

○大澤委員

5ページの(6)ですが、取水の制限解除の手順についてお伺いします。非常に合理的な御提案だと思うのですが、実際に解除するときに、取水して確認する方法の手順ですが、実際には分析などに非常に時間がかかったりすると思うのです。この辺は何か具体的なイメージがおありでしたら教えていただきたいのですが。

 

○長坂水道水質管理官

 分析には確かに、それなりの時間は掛かるとは思いますが、1週間ぐらいのレベルではなく、1日も掛かりません。利根川の事故が起こった際も、その分析はそれほど時間の掛かるわけでもなくて、1日も掛けてはいません。末端の給水栓の場所を決めておけば、そこを採水して、もちろんその分析の体制も取っておいていただかないと、すぐには対応できないと思いますが、対応は可能ではないかと考えているところです。

 

○大澤委員

 失礼しました。ちょっと誤解していたのかもしれません。末端が給水栓においてというのは、それぞれの使用者の水栓ではなくて、どこか代表したものを使って検査するということでしょうか。

 

○長坂水道水質管理官

 そうですね、全ての利用者ということではなくて、通常の水質検査をしている採取場所がありますので、そういった所の中で代表性等を考えて、あらかじめここでチェックすることを決めておいてくださいということを書かせていただいております。

 

○大澤委員

 代表性そのものが問題になると思うのですが、やり方自体については分かりました。ありがとうございました。

 

○大垣部会長

 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。

 

○秋葉委員

 国立保健医療科学院の秋葉です。1つ確認させてください。4ページの(3)水質異常時の対応の体制の整備についてですが、水道事業者の方々は、水質異常時の対策に係る意思決定の参考とするために、専門家の意見を聴取するとのことですが、このことに関しては、結局、水質異常があった場合には飲料水健康危機管理実施要領が策定されていますが、それに基づいて水道課のほうに報告することになっています。水道課のほうでは、関係機関と連携して情報収集を行うことになっております。例えば、厚生労働省の試験研究機関は、原因物質の種類によって、病原微生物に関することでしたら国立感染症研究所、また放射性物質であれば国立保健医療科学院など、明記されております。今回の水質異常時における摂取制限を伴う給水継続の考え方でその対応の整備で飲料水危機管理実施要領との関連性についてはどのようになっているのでしょうか。

 

○長坂水道水質管理官

 この紙自体は、正に摂取制限を伴う給水継続の考え方に焦点を当てて、それだけのことを書いておりますので、もし、水質事故が起こった場合は、今、秋葉委員から御指摘のあったとおり、飲料水健康危機管理実施要領に基づいて水道課は対応することになります。実際に、この摂取制限を伴う給水継続をするという決断を水道事業体がされた場合には、この危機管理実施要領と並行して進めていくものと考えております。

 

○大垣部会長

 よろしいですか。ほかにはいかがでしょうか。

 

○古米委員

5 ページです。摂取制限に関しては、水道利用者に対する周知や広報は、私は非常に重要だと思います。と言うのは、滅多にはこういった周知がないと想定されることから、突然周知されると、混乱が起きやすいと考えるためです。(5)3段落目のように、日頃からこういったことがありうることを広報することも非常に重要です。起きたときの周知先だけではなくて、普段の広報先として、学校などが考えられます。水質事故が起きうるなど教育的な部分を含めて広報することによって、将来的に何か周知があったときに住民の混乱が起きにくいことを十分に事業体も御検討いただくことが大事かなと思います。

 

○大垣部会長

 ありがとうございます。

 

○堀口委員

 同じ所ですが、摂取制限を伴う給水制限の周知をやっても、その周知が行きわたらなくて、その水を飲んでしまった方は、どうしても発生してしまう可能性があると思うのですが、その場合の対応というか、どのようなことを検討されているのか。例えば、ほとんどこのような物質であれば、短期的に少し飲んだぐらいではほとんど健康影響は出ないような気はするのですが、そういった飲んだ方への心配などを言ってこられる方もおられるし、実際にそれで何か健康診断のようなことをやって、ちょっと安心していただくなどの具体的な何か、答えを考えていらっしゃるのかを、お聞きしたかったのですが。

 

○長坂水道水質管理官

 ここではそこまでの具体的な対応を、どうしてくださいというところまでは想定していないというか、どういう体制を取るかについては、事業体にやっていただくということと考えています。実際に考えられるのは、やっている間に問合せは来ると思いますので、その問合せに対応する必要はあるでしょう。今、おっしゃっていただいたように、今回は、例えば病原性微生物みたいなものについては、基本的にはすぐに止めなければならないのですが、そもそも対象としているものは長期的な健康影響に基づいて基準が設定されている物質ですので、正直、ちょっと超えたから健康影響が出るというものではありません。その辺については、ほんのちょっと超えて、すぐに元に戻るときに、これをやってくださいという考え方ですので、長い期間で基準を超えたものを飲むという想定をしていない状況です。そういったことを御説明いただくのではないかと思っております。

 

○藤野委員

 主婦連合会の藤野です。これは事業体の判断ということだと思うのですが、幾つかの御意見を頂いたように、非常に混乱が出やすいと思います。事前に、事業体にこういったことが起こることに対してのアンケート等を取られているのでしょうか。こういうことがあり得るのか、できるのかという意味ですが。

 

○長坂水道水質管理官

 悉皆調査という意味でのアンケート、つまり、全ての事業体に対してというものはやっておりませんが、これまで2年間ぐらいで検討を進めておりますが、その中でいろいろな場所でいろいろな事業体から御意見を伺いながら、一応こういう形に収束させている状態です。1.にも書きましたが、実際に摂取制限をしながらの給水継続は、平成233月に東京都がやったことはあるという実例もあります。そういった状況です。

 

○藤野委員

 つまり、やって大きな混乱が起きるか起きないかを事業体の判断で行い、実行できるということですね。

 

○長坂水道水質管理官

 そういう考えです。

 

○藤野委員

 ありがとうございます。

 

○大垣部会長

 ほかにはいかがでしょうか。

 

○細井委員

 資料の3ページ以降の4.(2)から(6)までに書かれていることは、そのとおりだろうと思うのですが、これは各事業体にどのように伝わっていくのでしょうか。(2)から(6)のことに対応するには、それなりに専門的な知識などをお持ちの方でないと、なかなか難しいのではないかと思うのですね。次の議題にもありますが、中小というか、余り専門家がいらっしゃらない、あるいは全くいらっしゃらないような事業体もあると思います。同じような状況は、水源として起こる可能性があると思うのですが、この辺りはどのようになりますか。

 

○長坂水道水質管理官

 御指摘のとおりかと思います。やはり、その事業体によって状況が様々ですので、基本的には全事業体に考え方を示したいと思いますが、できるできないというのは事業体によって多分変わってくるのだと思います。できる方はそういう判断をされて、実行することが可能ということです。事業体として、これはちょっと難しいなと思ったら、例えば給水停止をするなり、そういった対応は事業体の状況によって、事業体自身でお考えいただくということだと思います。

 

○大垣部会長

 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。いいですか。私の意見を述べますが、海外事例等で、既にアメリカなどでは摂取制限付きで実施している例もあります。その状況状況で全く違いますので、一概に良いとか悪いとかいうものではないと思いますが。何らかの形で給水を続けることのメリットと、遮断してしまうことのデメリットとの判断、それから水質とのバランスという、かなり難しいところでの1つの提案だと、今回は理解していただければと思います。そのように私は理解していますが。ほかにはいかがでしょうか。

 

○滝沢委員

 東京大学の滝沢です。今回、「考え方」ということで、課題についてはしっかりと議論していただいて、ここに既に検討すべきことは網羅されているのではないかと感じております。ただ、今、細井先生からも御指摘がありましたが、では実際に運用する段階で、例えば専門家に意見を聞きなさいということですが、地方の場合は誰に聞けばいいのか。ふだんから、そういうことが起こると想定していれば、いろいろと相談する専門家が近くにいるかもしれませんが、突発的に起こったときに、では誰に相談するのだとか、運用面を考えると、やはり何らかの形で、どういう形かは分かりませんが、仮にそういうことが本当に起こったときに支援するような仕組みを、運用段階でも何らかの形で、これから考えていく必要があるのかなという気がいたしました。それは次のステップとしての課題なのかと感じた次第です。

 

○大垣部会長

 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。今の話は、緊急時や災害時などの特殊な事情の中で、どのように水道事業体が、いろいろな面でどう対応するかということに対しての準備が必要だという一環で、1つの考え方を示しているということかと思いますが。ほかにはよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。いろいろ御意見を頂きましたが、資料2に関して、皆さんの御了承を頂いたということでよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。

 それでは、次の議題3に移ります。「今後の水道事業の維持・向上方策の検討の進め方について」です。事務局から説明をお願いします。

 

○安里水道課長補佐

 それでは、議題3について説明させていただきます。冒頭の太田政務官の御挨拶にもありましたように、昨年12月と1月にそれぞれ水道事業に関して報告書が2つまとまっていまして、本日はその2つの報告書について御報告申し上げた上で、今後の進め方として、専門委員会の設置についてお諮りしたいと思っています。

 まず最初に、資料は、資料3-1-1、資料3-1-2、資料3-1-3となりますが、水道事業基盤強化方策検討会の中間取りまとめの内容の報告をさせていただきます。こちらの水道事業基盤強化方策検討会ですが、水道部会の委員をされている滝沢委員に座長をお引き受けいただきまして、また、永井委員にも御参画いただきまして、昨年秋から6回にわたって議論を行い、今年1月に中間取りまとめという形で、1つの結論をまとめていただいているものです。

 報告書の本体は資料3-1-2ですが、こちらは分厚くなっていて、本日は時間の関係もあり、資料3-1-1が概要としてまとめてありますので、こちらを用いて御説明させていただきます。資料3-1-1は、カラフルにしてあるポンチ絵です。表側は「水道事業を取り巻く状況と課題」という形でまとめています。こちらは冒頭の政務官挨拶でもお話があったものですが、水道事業は97.7%の普及率を誇っています。「安全で美味しい水」を達成していますが、これで安泰かというと、どうかという話です。

 左のほうに赤字で4つ、目立つように書いてありますが、「老朽化」が進んでおりますという点がまずあります。管路更新率のグラフを右側に示していますが、見ていただくと一目で分かるように、更新率が下がってきています。平成26年で0.76%。これは単純に計算すると、全ての管路更新に約130年かかるということです。管路がどれほど保つかというのもありますが、さすがに130年でいいのかというのは非常に問題だと実感していただけるかと思います。これを放っておきますと、真ん中に写真を入れていますが、漏水事故の多発などが起こるのではないかと危惧しています。

 それから、「耐震性の不足」もあります。基幹管路の耐震適合率も平成26年度末で36%にとどまっています。そして、こうした課題に対応するためには、水道事業体の職員に知恵を絞っていただく必要があるのですが、「職員の減少・高齢化」も進んでいまして、こちらも右にグラフを示していますが、約30年前に比べて3割も減少し、高齢化も進んでいるという厳しい状況になっています。

 もう1点は、施設の更新を進めるに当たっては、当然財源が必要になってくるわけです。水道事業は水道料金という収入源がありますが、その水道料金がどういう状況にあるかというのを、これも右のグラフで示しています。給水原価及び供給単価の推移の折れ線グラフを付けていますが、供給単価が給水原価より低くなる傾向になっていまして、赤字基調、資産の維持に必要なお金を見積もっていないのではないか、不足しているのではないかというおそれがある状況です。

 こうした状況に対して、我々は「新水道ビジョン」を策定したり、「各種手引き」を提供したり、予算措置を行ってきたところではありますが、まだまだ課題が残っているということで、左下のほうで「新たな方策が必要ではないか」ということを、この検討会でまとめていただいています。

 対策の方向性として、まず第1に早期の対応が必要であること。漏水事故の頻発のおそれもありますし、災害時に十分な消火活動が行えないかもしれない。それから、人口減少が進んでいますので、対応を遅らせれば遅らせるほど収入の確保が厳しくなって、ますます対応が厳しくなることが見えていますので早急に対応を打っていく必要があります。それから、人口減少社会が到来していますので、それに適した形への転換も必要だろうということです。

 もう1点、従来から新水道ビジョンなどの手法で我々は推進してきましたが、これで事態が改善していないことを踏まえて、従来よりも一歩踏み込んだ行政手法をとるべきではないかということを総論としてまとめていただきました。具体的にどうするかというのは裏面です。

 具体的にどういうことが言われているかですが、まず1点目として、国、都道府県、水道事業者の責務です。水道事業者は市町村等の地方公共団体がメインですが、この責務の整理を改めてするべきではないかという御提言を頂いています。拡張整備の時代から維持の時代に移り変わっているので、国、都道府県、水道事業者、それぞれにおいて水道の持続性を高めることです。拡張整備はしました。でも、放っておけばいいのではなく、これを持続していく責務がありますよねと、そういうことを整備するべきではないかという話になっています。

 それから、責務の関係で、もう1点ですが、都道府県については、その水道の持続性を高める方策を講ずるというものに加えて、水道事業者間の連携強化など、経営基盤強化策を講ずる責務というのが都道府県にあると、そういう整理をしてはどうかという御提言を頂いています。これについては、先ほど総論のほうで御説明しましたが、水道事業者の職員が減っていますし、高齢化も進んでいますので、単独では立ち行かない場合があります。先ほどの節水をしながら給水を続ける場合においても話題になりましたとおり、小さい事業者を放っておいていいのかという問題があります。そういうところについては、広域的な地方公共団体である都道府県に出てきていただくべきではないかということを議論していただきました。

 以上のような責務の整理をして、具体的な対策として何があるかということですが、柱を3つ書いています。左のほうに2として、経営基盤の強化。真ん中に3として、施設の整備、更新・耐震化、規模の適正化。4として、水道料金の適正化の促進。これが具体的な3つの柱になると考えています。

2「経営基盤強化」です。広域連携を推進することが、1つ打ち出されています。広域連携として事業の統合、経営統合とか、今まで当然いろいろ推進はしてきていますが、視点としては地域単位で人材を確保・育成していく、こちらを大切にしようという話になっています。事業の統合だけではなくて、人材の融通・派遣や、事務的な協力等、そういった緩やかなことも含めて、困っている水道事業者が単独で立ち行かなくなることがないように、広域で連携を推進するべきではないか。従前から、こういうことを我々は主張していましたが、実現していなかったことの背景には、推進役が不足しているのではないかということです。やはり中心になって進めていく人が必要だということで、こちらを都道府県の役割として打ち出すべきではないかという議論になっています。

 都道府県にやってくださいと言うだけでは、都道府県としては手法がないとなかなか進められないだろうということがありますので、検討会の中で言われたのは、都道府県の機能を強化すべきだということです。協議会の設置とか、財政の支援、それから水道事業基盤強化計画といった計画を策定する等、こうした権限を都道府県に付与してはどうかということが言われています。国としては、そうした都道府県の取組をフォローアップして、支援をする。そうした形で広域連携を推進するべきではないかということです。もう1点、水色の丸ですが、水道用水供給事業を核とした事業統合の推進も図るべきではないかということです。

 以上の広域連携は水道事業者同士、都道府県が間に入るような形で推進していこうという話ですが、もう1点、当然、連携先として「民」という存在もあります。官民連携の推進も重要であるということです。

 それから、都道府県営水道の位置づけの明確化としています。今まで水道事業は市町村経営が原則だという形で進んでいますが、これからの時代は都道府県が主要な経営主体として位置づけられてもいいのではないかという形で、都道府県を主要な経営主体に追加するという話も出ています。

 続いて3番の水道施設の更新・耐震化、規模の適正化です。アセットマネジメントという形で、長期的視野に立った計画的資産管理を推進していますが、こちらについても明確に水道事業者に実施を義務づけるべきではないかということが言われています。それを実現するために、認可権者の働きかけを強化することをしてはどうかということです。また、今までは拡大の傾向にありましたが、今後は縮小もあるということで、事業縮小時を踏まえた変更認可等の導入についても検討すべきではないかということも点が言われています。

4番目の「水道料金の適正化」についてです。水道法の目的規定に「豊富・低廉な水の供給」とあり、「低廉」という言葉があるがために、水道料金は安ければよいという印象になっているのではないかという点も議論されました。当然、生活を支えるものですので、安いという必要があるとは思いますが、その前提として、「安全」な水、「強靱」な施設、「持続」可能な経営という大前提が立った上での低廉であるので、そういうことを明確化するべきだという議論がありました。

 また、資産維持に関する経費について、今は法令上、省令で資産維持の維持費を積むべしということがうたわれていますが、水準を具体的に何パーセントなのかとか、そういうことを示すべきだとか、財政均衡を今は3年で見なさいと言っていますが、こちらを見直したらどうかという意見が出ています。それから当然、需要者とのコミュニケーションの充実を図るべきだという点も御指摘いただいています。

 そのほかに中間取りまとめの中で、5.管路維持困難地域、いわゆる今は水道管を引いていますが、人口減少等で維持するのがどうだろうかという地域については、給水方式の水質管理等に関する調査研究をするべきではないかといった点や、6.その他として、水質の維持・向上は引き続き重要であること、それから省エネルギー対策、災害対策、地下水利用の専用水道についても言及いただいています。水道事業基盤強化方策検討会の報告書については以上です。

 

○堀内水道課長補佐

 続きまして「指定給水装置工事事業者制度に係る検討」について、御報告させていただきます。資料3-2-1から資料3-2-3までを用いて説明させていただきます。

 本件については、昨年の本部会におきまして、種々の問題があって制度の検討を進めるべきとの御意見を受けまして、指定給水装置工事事業者制度に関わる検討会において検討を進め、この度、「課題解決の方向性と対策案」の概略について取りまとめられたところです。本日はその内容を報告させていただきたいと考えています。なお、検討会におきましては、本部会委員の古米先生に座長として御尽力いただいたところです。この場を借りてお礼申し上げたいと思います。

 まず本題の検討会の報告に入る前に、給水装置、更には制度の基本事項などについて説明させていただきます。資料3-2-12枚目、(参考)の上段部分を御覧ください。給水装置については、水道事業者所有の配水管から分岐して、各家屋へ給水するための給水管と、蛇口などの給水用具の総称になります。水道を使用する建物には、必ず存在するものと言えると思います。水道システムとしては末端に位置し、正に水道事業者と利用者との接点とも言えます。そして、この給水装置は個人の財産であり、その工事は各水道事業者が指定する指定給水装置工事事業者が施行することとなります。

 続いて、2ページの下段を御覧ください。ここでは指定給水装置工事事業者制度について、過去の法改正の経緯も含めて説明します。平成8年以前は各水道事業者が独自の指定要件で、給水装置工事を施行する工事事業者をそれぞれ指定していたところです。その指定要件としては、独自の資格試験や講習会を実施、更には給水区域内に事務所を有することなどがありました。このような状況下において、工事事業者の新規参入を促進するといった規制緩和の推進の要請を受けまして、平成8年に水道法を改正し、全国統一化・明確化された指定要件の下で、各水道事業者が給水装置工事を施行する者を指定するという現行の制度が創設されて現在に至っているところです。なお、水道法に定める指定要件は3項目あります。1つ目は、国家資格者の給水装置工事主任技術者の選任、2つ目は工具の保有、3つ目は欠格条項に該当しないということが掲げられています。

 それでは、資料3-2-2を御覧ください。この資料は検討会の取りまとめの報告書になります。この資料の前半部分には、実態調査の結果とか、現行制度の課題が記載されているので、ここで御紹介させていただきます。まず1ページ目の(1)指定工事事業者制度の現状です。平成25年度末時点での水道事業者へのアンケート結果の一部を記載しています。まず「不明工事事業者」の存在についてですが、指定はされているものの連絡が取れない不明工事事業者は、一部水道事業者が確認しているだけでも約3,000存在しているということです。更には、水道事業者からの指導監督や技術的基準などの情報提供が行えないため資質の低下が懸念されるとともに、利用者が修繕などの工事依頼をした際にも連絡がつかないといった苦情の原因にもなっている状況です。

 中段に移りまして、「違反行為」の状況です。無届工事や使用材料の違反による構造材質基準不適合などの違反行為は1,740件発生している状況です。中には水質事故にもつながりかねないような、当該給水装置以外の設備とつなげてしまうクロスコネクションや、虚偽の報告等の悪質な違反行為も発生しています。

 最後は「苦情」の状況ですが、水道事業者に寄せられた利用者からの苦情件数は4,864件です。内訳としては「連絡不通」「対応が遅い、悪い」更には「費用が高額」といったものが多く含まれています。「施行不良」などの技術力不足によるものも中に含まれています。また、国民生活センターなどに寄せられた水道工事や修理サービスに関する消費生活相談は年間で約1,000件であり、経年の傾向を見ても横這い傾向で減少は見られていない状況となっています。以上が、主な問題点の状況です。

 続いて2ページ目を御覧ください。今、御説明した問題点を踏まえて、現行制度の課題について取りまとめています。上の部分に四角枠がありますが、まず大きく2つの課題があるとされています。1つ目は指定工事事業者・主任技術者等の技術力やモラル、お客さまサービス意識が不足している。2つ目は指定工事事業者に関する水道利用者への情報提供の不足です。更に1つ目の課題については、それぞれ3つの課題が内在しているとされ、丸数字1-1から丸数字1-3まで記載されていますので御覧いただきたいと思います。以下、(3)以降は、この課題の要因等を整理しているので、後ほど御覧いただければと思います。ここでは説明を省略させていただきます。

 続いて資料3-2-1に戻っていただきまして、課題解決の方向性と対策案の概略について説明させていただきます。この図は検討会で取りまとめた課題解決の方向性と概略の対策案についてイメージ化したものです。検討会では、課題解決の方向性として6項目が示されているところです。赤に白抜きの文字で記載されているものですが、まず中央部分の「指定工事事業者制度への更新制の導入」です。そして左側の上から、「主任技術者の講習会受講の促進」「指定工事事業者講習会の実施の促進」「処分環境の整備」、右上に移りまして、「水道利用者への情報提供」、最後に、「適切な配管技能者の適正な配置の促進」といった6つが挙げられています。特に、中央の「更新制の導入」は、メインの対策案と位置づけられています。

 現行の制度では新規の指定のみで、工事事業者の廃止・変更等の状況や、指定時に確認した指定要件がきちんと確保されているかといったことが確認できない状況であり、水道事業者としてもなかなか苦労しているところです。そこで、指定に一定の有効期間を設け、更新しなければ失効するといった更新制を導入することにより、1つ目には、これまでは排除がなかなか難しかった不明工事事業者を自動的に排除することが可能になります。2つ目には、水道事業者が定期的に指定工事事業者の事業実態を確認できるようになり、水道事業者が指導・監督しやすい環境を整備できるとしているところです。なお、更新時に確認する事項としては、法に定める指定要件のほかに、各講習会の受講の実績、配管技能者の配置や資格の状況、更には業者が修繕工事に対応しているかどうかといったことが挙げられています。

 同時に主任技術者の研修機会の確保、指定工事事業者の講習会の実施率の向上、修繕対応が可能な工事事業者を利用者へ情報提供するなど、残りの5つの方向性をもとに各種対策を進めて、更新時に指定工事事業者の状況を確認する、あるいは必要に応じて指導・監督していくということです。更には、更新時に確認した事項を利用者への情報提供に活用していくということも示されているところです。これらの取組を一体的に進めることで、緑色の囲みの部分になりますが、講習会の受講や水道事業者からの指導・監督による、指定工事事業者の技術力やお客様サービスの向上。次に技術・技能を有する主任技術者や配管技能者が従事することによる施工不良などの事故防止。適正な処分により、悪質な工事事業者の排除。情報提供の充実により、修繕工事など、利用者から工事事業者への依頼の円滑化。最後に、利用者がトラブルに巻き込まれないような正しい知識を会得することなどが図られることが期待されるとしているところです。

 このように、更新制の導入を中心として全体のレベルアップを図り、安全で信頼される給水装置工事の確保、違反行為、苦情、トラブルの減少を目指していこうというものです。以上が課題解決の方向性と対策案の概要です。

 最後に、資料3-2-3についてです。「平成27年度指定給水装置工事事業者制度に係る検討会」の開催要綱と、別紙として委員名簿を添付していますので、後ほど御覧いただければと思います。以上で、指定給水装置工事事業者制度の検討についての説明を終わります。よろしくお願いします。

 

○安里水道課長補佐

 以上、2つの報告書の説明をさせていただきました。本日お諮りしたいことですが、資料3-3を御覧いただければと思います。厚生科学審議会では、部会長が部会に諮って委員会を置くことができるという規定があります。こちらに基づき、本日、この「水道事業の維持・向上に関する専門委員会の設置について」お諮りしたいと思います。資料3-3が、設置要綱になります。1点目には、どういう委員会かという目的をまとめております。こちらについては、今御報告いたしました2つの報告書で課題として触れさせていただいたようなことが書いてあります。最後の段落ですが、そうした状況を踏まえ、今後、水道事業の基盤強化及び水道施設の更新・強靱化の促進方策、並びに指定給水装置工事事業者制度の課題解決に向けた対応策に係る専門的事項について検討することを目的として、水道部会に「水道事業の維持・向上に関する専門委員会」を設置させていただきたいというものです。検討していただく事項は、5つ掲げております。1点目は、今後の水道事業のあり方について、2点目は、水道事業の基盤強化に向けた対応策について、3点目は、水道施設の更新・強靱化の促進策について、4点目は、指定給水装置工事事業者制度の課題解決に向けた対応策について、5点目は、その他水道事業の維持・向上に関連する事項について、御議論いただく場にしたいと思っております。

3番は「構成」についてまとめております。(1)構成員については、水道部会の運営細則に規定があり、厚生科学審議会の委員、臨時委員又は専門委員の中から部会長が指名する形とさせていただきたいと思っております。(2)委員長については、同じく運営細則に規定があり、委員会の委員の中から部会長が指名するという形を考えております。(3)委員長に事故があるときには、委員の中からあらかじめ委員長が指名した者がその職務を行うとしております。

4番には、委員会の運営等について書いてあります。(1)委員会は委員長が招集すること。審議の必要に応じて、適当と認められる有識者等を参考人として招致することができること。(2)議事は、公開を原則とすること。(4)厚労省の水道課が庶務を行うことなどが記載してあります。こちらについて、お諮りをさせていただきたいと思います。事務局からの説明は以上です。

 

○大垣部会長

 資料3について説明がありました。どの順でも結構ですので、御意見、あるいは御質問があればお願いしたいと思います。

 

○中野委員

 ビルメンテナンス協会の中野です。1点だけお尋ねいたします。水道事業の基盤強化の中での官民連携の推進につながろうかと思いますが、最近は頻繁にコンセッション、あるいはコンセッション方式という形でのお話をよく承っております。ちなみに、私の出身は広島なのですが、広島県でもこの度検討に入ったというようなプレス発表もあったわけですが、水道事業者の究極的な使命は、安全で安心な水の提供に尽きるのだろうと思います。そういった中で、民間の活力を大いに用いることがコンセッションの中身だろうと思います。

 かつてPFI、あるいは指定管理者制度もあったわけですが、より長期的な観点からコンセッション方式というものがこの水道事業の中に取り入れられる傾向にあるとすれば、国としての基本的な認識、あるいは今後それと、どう関わっていくべきなのかということについて、若干御教授いただければ有り難いと思います。よろしくお願いいたします。

 

○高澤水道計画指導室長

 今、コンセッション方式の質問を頂きましたが、私が担当しておりますのでお答えしたいと思います。先程来、水道事業は事業経営等がなかなか厳しくなっており、基盤強化が必要であるということは御説明させていただいたとおりです。政府全体としても、水道事業のみならずですが、PPPなりPFIなり、コンセッションも方式の1つですが、全体として、そういった官民連携の事業をどのようにうまく活用して、それぞれの公共事業の基盤強化を図っていこうかというのは、大きな課題になっています。まさに、そういった政府の重点分野の1つとして、水道分野は、官民連携あるいはコンセッション方式を進めていこうという中の位置付けがされております。先ほど委員からお話がありましたが、広島県も検討している中の1つではありますが、やはり個々の水道事業者の活動の面からすると、より幅広い工夫を持った基盤強化策が必要だと思っており、水道課でも交付金などで、そういった検討の支援などもしております。最終的に決めるのは水道事業体の判断にはなりますが、そういった手引きの提供や交付金の支援なども行い、いろいろな基盤方策が検討できるように、水道課としても支援をしているところです。

 

○大垣部会長

 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。多岐にわたる資料説明でしたが、よろしいでしょうか。

 それでは、資料3-3は専門委員会の設置についてですので、これだけ確認をさせていただきたいと思います。設置について御了解いただけたということで、よろしいでしょうか。

 どうもありがとうございます。それでは、当部会の下に「水道事業の維持・向上に関する専門委員会」を設置し、水道事業の基盤強化、水道施設の更新・強靱化と指定給水装置工事事業者制度について、引き続き検討を進めることといたします。

 それでは、次の議題に移ります。事務局から、説明をお願いいたします。

 

○久保水道課長補佐

 「その他」ということで、残りの資料4と資料5について、まとめて説明いたします。まず資料4ですが、冒頭で、ミスプリントについて御報告したとおり、タイトルが間違っております。厚生科学審議会生活衛生とありますが、この「衛生」を「環境」に訂正いただければと思います。この生活環境水道部会の運営細則について改正をしたいということです。中身は非常に単純で、これも冒頭に紹介しましたとおり、私ども水道課、それから生活衛生課が、昨年の秋に省内の健康局から、医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部に移管されましたので、その部分の表現の修正をしたいというものです。

 次に、資料5です。この部会は、大体、年に1度の開催ということで、毎年こういった資料を作り、それまでの1年間に水道としてどんなことをやってきたのかを説明しているところです。この1年間の動きとしては、最も大きいものは、1つ前の議題で御説明しましたが。

 失礼いたしました。資料4に戻っていただきたいと思います。現行の案がアンダーラインを引いて健康局とあり、そのあとストレートに生活衛生課及び水道課につながっていないといけなかったところ、間に新しい部の名前が入ってしまっています。この「生活衛生・食品安全部」という部分も削除していただければと思います。いずれにしても、この辺りの資料をもう一度、私どもできちんと確認をしまして、細則そのものもそうですし、ホームページに資料をアップする際にもきちんとしたものに差し替えたいと思います。重ね重ねお詫び申し上げます。

 再び資料5に戻ります。「最近の動向」ということで、大きな点では基盤強化の検討をずっとやってきました。それから、指定工事事業者制度の見直しについても検討してきたところが最も大きな報告事項かと思いますが、それ以外の部分について、この資料で報告いたします。

1つ目が、「新水道ビジョンの推進」です。これは、正に昨年1年間やってきました基盤強化の検討の前身に当たるようなもので、今後の水道の在り方の位置付けに向けて、特に「安全」「強靱」「持続」というものをいかにして実現していくのかという方向性を示したものです。この新水道ビジョンに基づく行政指導的な施策だけでうまくいくのかというところを踏まえて、先程来、御説明をしてきました基盤強化方策の検討をしてきたわけですが、平行して、この新水道ビジョンそのものの推進についても1年間活動をしてきております。

 スライドの右下に、小さな数字でページ数が入っておりますが、56枚目のスライド、「新水道ビジョン推進協議会」というものと、「新水道ビジョン推進に関する地域懇談会」という資料を御覧いただければと思います。この新水道ビジョンができてから、ビジョンを世の中にポンと示して、あとはこれに基づいて頑張ってくださいというだけではなく、関係者の皆様と我々水道課が直に顔を合わせるような場を設けて、我々からもいろいろなお願いをしていき、関係者の方々からは様々な取組について御紹介いただき、関係者間でそれを共有していくというような活動をやってまいりました。上のほうの推進協議会については、構成メンバーとして、いろいろと団体の名前が入っておりますが、水道に関係する業界団体の方々を中心に話し合いをしようというものです。活動として、今年度は3月に協議会を開催する予定となっております。

6ページの地域懇談会は、地域ブロックごとに、各地域の水道事業者の方々、更には都道府県の方々をお呼びして、ビジョンの推進についてどんな取組をなさっているのかの発表を頂いたり、皆さんで情報交換や話し合いをする場です。今年度については、北海道、中部・北陸、九州、そして東北で開催をしたところです。これについては、来年度も引き続きやっていこうと考えています。

 次に、平成28年度予算について簡単に説明いたします。私どもから提案している予算案ということで、9ページ目の棒グラフを御覧いただければと思います。これが、平成21年度から平成28年度までの各年に使える予算の額を示したものです。白抜きの部分が前年度の補正予算で、おおむね次の年にその予算を繰り越して、次の年の当初予算と合わせてその年に使うお金として運用してきております。これで見ますと、平成21年頃は1,000億を超えていたものが減りまして、その後増えて減ってと、最近ガタガタしておりますが、今年度、来年度の比で申しますと、平成27年度が555億円、来年度には620億円ということで若干の増に転じているのかなと考えております。

 予算の中身で特に新しいものについては、「水道管路緊急改善事業」というものを新しく始めようと考えております。これについては、基本的には耐震性能の低い水道管を、より耐震性能の高い管種に置き換える事業に対して財政支援をしようというものです。そのような事業自体は今までもあったのですが、財政支援をする対象の水道事業として、従前は「資本単価要件」というものを用いて、水を作るのに非常にコストがかかるようなところを中心に財政支援をしてきたのですが、なかなか従来の資本単価要件では対象とならない、かつ頑張って水道料金も上げたりして収入を確保しようとしているが、それでもなかなかお金がなくて耐震性能の高いものに置き換えることができない事業体もありましたので、そういった所にも網を掛けていこうということで、新しく作った事業です。

3つ目は、「地方分権改革について」です。こちらは、内閣府で毎年地方から地方分権としてこんなものを要望したいというものを募集して、それに対して政府でどこまでそれに対応できるかという検討をしてきております。これについて、平成26年度要望と平成27年度要望に対して、我々が取った対応について説明いたします。スライドの13ページが、平成26年度の要望です。どのような要望かと申しますと、1にあるように広島県や中国知事会などから要望がありまして、都道府県がイニシアチブを取って広域化等を推進するために、ふだんは都道府県と余り付き合いのないような、我々国が認可している水道事業体に対する認可権限を都道府県に移譲してくださいと。そうすると、都道府県と今まで国認可であった事業体との間に太いパイプが生まれて、広域化等の議論をする際にも話がしやすくなるので、是非お願いしたいという要望がありました。これに対しては、県で広域化等に関する水道事業基盤強化計画を作ってもらった上で、かつ水道事業の業務の監視体制が十分に整えるような都道府県に対しては、我々国の持っている認可権限を差し上げましょうということで、方針が定まっておりました。これは、正に昨年ずっと検討してきた基盤強化の流れと全く同じで、実は「水道事業基盤強化方策検討会」では、この地方分権改革で示された方針をどう具体的に運用していこうかというような検討も併せて行ってまいりました。その結果は、23に書いてあるとおりです。「水道事業基盤強化計画」には、丸数字1運営基盤の強化に向けた取組や、丸数字2老朽化施設の計画的更新・耐震化の促進に向けた検討や取組、丸数字3広域的な水質管理に向けて検討してどう取り組むか。最後に、丸数字4この3つの取組をどうやって進めていくのか、実効性をどう確保するのかという辺りを、きちんと計画に書いてもらいたいということで、計画に何を書いてもらったらいいかという方針を決めました。それから、県の体制としては、どのぐらいであれば十分であるかということで、3.の丸数字1丸数字2ですが、水道関係の専任職員が5名以上いてもらわないと監視体制として不十分ではないか。更に、専任職員の中に水道技術管理者の資格を持っている人、あるいはそれに準ずる人ということで、水道全般に詳しい人の確保を要件として、こういった要件を満たし、希望する都道府県には国の持っている認可権限を差し上げましょうという方針を決めたところです。4番の今後のスケジュールは、制度改正として政令改正が必要と考えており、今、その作業を進めております。年度内には改正政令を公布し、来年度の41日から施行したいと考えております。

 こういった形で、自ら手を挙げてくるような、やる気のある都道府県に対しては、この制度を使って、その県の中の水道事業の基盤強化を進めていただきたいと考えておりますが、なかなか手を挙げるには至らないような都道府県については、それでも頑張って、どうやって県内の水道事業の基盤強化をやってもらうのかと。そちらの検討が、先ほど議題3で申し上げた基盤強化方策の検討になっているという位置付けです。

14ページは、今年度に提出された地方分権改革についての要望です。こちらは、もう少し簡単なものになります。1番の2行目にありますが、水道事業体が給水区域などを変更し、大きくする場合には事業認可を取り直すことになります。その際に、給水人口や給水量がどのように増えていくのかというようなことについて、シミュレーションをすることになっております。ところが、これが非常に小規模な給水区域を変更するような場合に、なかなかシミュレーションまでやるのは大変だということで、そこを規制緩和してもらえないかというような要望がありました。これに対しては、対応方針として、基本的には要望を認めるということです。具体的には、1つは既存の給水区域が現行の手引きに規定する水需要予測の簡素化の要件に適合とありますが、要するに既存の給水区域については大きな社会事情の変化はない。例えば、大きな開発があって水需要がグッと増えることもない。あるいは、昔に行った予測と現状とで水需要がそれほど予測から乖離していないといった要件を満たしていることを条件とします。その上で、今度は給水区域を拡張しようというエリアについて、これが余り大きくないこと。具体的には、拡張給水区域の給水人口が100人以下であること。それから、拡張給水区域以内に交通機関が新しく設置するとか、住宅開発、新規工場団地ができるというような大きな開発計画はありませんというような条件を満たせば、全体として給水人口等のシミュレーションをやり直してもらう必要はありませんという方針になっております。こちらについても、3.ですが、今年度中に手引きを改訂して、全国の水道事業者等に周知していきたいと考えております。

4.水道施設の計画的更新・耐震化の状況についてです。こちらは、最新の平成26年度の数値をいずれのスライドにも足しております。例えば16ページのスライドを御覧いただきますと、「管路経年化率」については、年々少しずつ上昇しており、平成25年度で10.5%の管路が老朽化し、法定耐用年数を超えていたという状況でしたが、平成26年度は、それが更にポイントが増えて12.1%です。1年間にどれだけの管路を更新するかという「管路更新率」についても、平成25年度は0.79%だったものが、0.76ということで、数字自体、あるいは傾向にも大きな変化は残念ながら見られない状況です。

 その他、耐震化計画の策定状況及びアセットマネジメントについても、同じような状況です。やはり、1つ前の議題で申し上げたような基盤強化方策とそれに基づく耐震化や更新の推進が必要だろうということが見て取れると思います。

 最後は、5.官民連携についてです。政府におけるPPP/PFI導入に向けた動きです。民間資金等活用事業推進会議決定と閣議決定が2つありますが、政府全体として様々な決定がなされており、様々な場面でPPP/PFI、つまり民活の方針が示されているところです。それを踏まえて、厚労省としてどのような取組をしているかですが、昨年の部会以降の動きについて説明いたしますと、予算措置があります。コンセッション方式を活用した事業も含めて、官民連携の導入に向けて地方自治体でいろいろな調査をしたり計画を作ったりといった具体的な検討を行っていただくものに対して、交付率3分の1で財政支援をしましょうという予算制度を今年度(平成27年度)から開始したところです。24ページのスライドは、どちらかというと内閣府・総務省が連名で中心になって行われてきた検討になります。昨年の1215日に、多様なPPP/PFI手法の導入を優先的に公共事業全般において検討してほしいということで、その指針が示されております。内閣府・総務省からの通知を受けて、我々厚労省水道課でも各地の水道事業者宛に同様の依頼をしたところです。説明が長くなりましたが、以上です。

 

○大垣部会長

 それでは、ただいまの説明に関して御質問、あるいは御意見がありましたらお願いいたします。最近の水道行政の動向ですが、いかがでしょうか。

 ないようですので、それでは今の資料4にありました運営細則の改正ですが、誤植がたくさんありましたが、運営自体は間違いなく行われておりますので、誤植を修正した正しい資料の運営細則として御了承いただけるということで、よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、全体を通して何か御質問、あるいは御意見がありましたらお願いいたします。よろしいですか。

 特にないようですので、事務局にお返しいたします。

 

○宮崎水道課長

 大垣先生、ありがとうございました。本日の会議の議事録については、委員の皆様方に御確認を頂いた上で公開することとしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

○大垣部会長

 長時間にわたり、貴重な御意見をどうもありがとうございました。これで、本日の部会を終了いたします。


(了)

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