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2015年12月9日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第113回議事録

○日時

平成27年12月9日(水)8:57〜9:45


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

西村万里子部会長 野口晴子部会長代理 印南一路委員 田辺国昭委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 石山惠司委員
中川俊男委員 松原謙二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
加茂谷佳明専門委員 土屋裕専門委員 吉村恭彰専門委員
<事務局>
唐澤保険局長 谷内審議官 吉田審議官 宮嵜医療課長 眞鍋医療課企画官
三浦保険医療企画調査室長 中井薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○関係業界からの意見聴取について

○議事

○西村部会長

 それでは、皆さんおそろいですので、定刻より早目ですけれども、ただいまより開始いたします。第113回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。

 まず本日の委員の出欠状況について報告します。本日は、全員御出席です。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 今回は、これまでの議論を踏まえて、関係業界からの意見の聴取を行いたいと思います。

 関係団体として、日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会及び欧州製薬団体連合会より意見を聴取したいと考えています。

 それでは、早速、意見陳述に移りたいと思います。

 3つの団体より、全体で20分程度で、まとめてプレゼンテーションをしていただいて、その後に、質疑とフリーディスカッションを行いたいと思います。

 それでは、最初に日本製薬団体連合会より、自己紹介もしていただいた上で、プレゼンテーションをお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○日本製薬団体連合会(野木森)

 ありがとうございます。

 皆様、おはようございます。

 私は日本製薬団体連合会の会長をしております、野木森でございます。

 本日、私どもの団体からは、日本製薬工業協会の多田会長、左でございます。さらに左に、日本ジェネリック製薬協会の吉田会長に同席をしていただいております。

 私が代表する形で、本日は12月2日に出されました論点整理に対し、私たちの考え方を述べさせていただきたいと思います。

 資料に沿ってまいりますが、2ページ目、薬価制度改革に対する私どもの基本的な考え方を述べさせていただいております。

 健康に関連する業務に携わるものとして、医療保障制度の持続性の維持、国民の健康の維持・増進、そして、製薬産業の発展、国際競争力の強化は、必ず達成されなければならない目標と考えております。

 そのためには、経済財政運営と改革の基本方針2015、医薬品産業強化総合戦略、これらに述べられている内容と重なりますが、私どもは、長期収載品から後発品への円滑な置きかえを図る一方で、単なる薬剤費の節減のみを目的とせず、新薬のイノベーション評価と基礎的医薬品の安定供給が、満たされる薬価制度であるべきと考えております。

 次のページに移ります。このページは、個々の項目に入っていくということで、まず第一に、新薬創出・適応外薬解消等促進加算についての意見を述べさせていただいております。

 このところ、後発医薬品の使用が拡大していく上に、長期収載品からの置きかえのさらなる加速が求められている状況を踏まえまして、特許期間中の新薬からの研究開発原資の確実な確保が可能となりますよう、新薬創出・適応外薬解消等促進加算は、現行の要件のまま、維持・継続されることを求めております。

 製薬企業としては、今後とも未承認薬・適応外薬解消に向けての取り組みをさらに加えていくとともに、革新的な新薬創出のさらなる成果を求めまして、積極的に研究開発を展開していく所存でございます。

 次のページで、基礎的医薬品についてでございます。

 基礎的医薬品の薬価を下支えする新たなルールの導入、このことは、当該企業の供給継続努力を評価し、そして、当該品目の継続的な安定供給確保につながるという点で、当方の要望にかなうものと評価しております。

 試行的な取り組みの中で、今後、対象品目の選定、薬価改定方式及び薬価の改定や維持に至るプロセスのあり方について、引き続き、検討していくことが必要と考えております。

 5ページですが、市場拡大再算定、巨額算定も含めまして、その考え方についてでございます。

 市場拡大再算定、中でも、巨額再算定につきましては、年間販売額が巨額になった品目について、薬価算定時の前提条件に大きな変化がないにもかかわらず、市場規模の拡大のみをもって、薬価を引き下げるというルールの導入には、反対いたします。売り上げが大きくなる、すなわち市場で評価される薬剤を罰則的に価格下げの対象にすることは、そもそも理にかなわず、経営の予見性の観点からも、大きな問題と捉えています。

 6ページでございます。先駆導入加算につきましてです。

 先駆導入加算を先駆け審査指定品目を評価する仕組みとし、先駆け審査指定制度加算とすることについては、賛同させていただきます。

 ただし、本加算が不適用となる可能性があります、承認申請中及び申請直前の品目、すなわち開発の進んでいる製品でございます。そして、先駆け審査指定の対象からは、今回漏れましたが、我が国で先駆けて開発され、新規作用機序により、新たな治療手段となり得る候補品目に対しても、イノベーションを正当に評価するという観点から、本加算を適用していただきたい、その可能性を残していただきたいと考えております。

 7ページでございます。後発医薬品への置きかえが進まない、先発品の特例引き下げについてです。

 特例引き下げにつきましては、後発医薬品に係る数量シェア目標値が、平成29年央に70%以上と設定されていることを踏まえた、区分の見直しが行われることは、やむを得ないと考えております。

 一方で、後発医薬品への置きかえによる薬剤費の節減が著しく進んでいる中、さらなる削減を目的とした本ルールの見直しは、行われるべきではないと考えております。

 本特例引き下げは、後発医薬品への置きかえが進まない限り、繰り返し適用されるという、極めて厳しいルールであり、後発医薬品への置きかえによる医療費適正効果額が年々増加し、その効果が、平成25年度には5,500億円程度であったことが示されている中、さらなる削減を目的とした、本ルールの見直しは行われるべきではないということでございます。

 8ページの後発医薬品の薬価についてです。

 後発への置きかえ目標は、先ほども申し上げましたが、2017年は70%以上、2020年は80%以上という目標を達成するために、後発医薬品企業を取り巻く急激な環境変化と経営安定性という観点から、新規収載後発品の薬価算定における係数を、現行ルールの維持という形で、お願いしたいと思います。内用薬に比べまして、製造コストが高い、乖離率も小さい注射薬、外用薬については、特に強く要望する次第です。

 また、後発医薬品の価格帯の集約、価格帯の数については、現行の3価格帯を維持するとともに、市場実勢価格と改定薬価の乖離をできるだけ小さくするために、後発医薬品のみの市場実勢価格をもとにして価格帯を設定する、9月の業界意見陳述の中でお願いした方式について、改めて検討していただきたいということも、添えさせていただきます。

 9ページでございます。消費税率再引き上げ時の対応についてでございます。

 平成29年4月に、既収載品に係る消費税率引き上げ対応を行うことにあわせました、市場実勢価格に基づく引き下げ改定の実施には、重ねて反対を表明させていただきます。

 以上、私どもの見解を申し上げさせていただきました。

 このたび、論点整理にかなりはっきりとした数字が出てまいりました。その中で、私どもの賛成できる項目、そして、これはぜひとも避けていただきたいという項目を簡潔に申し述べさせていただきました。

 どうもありがとうございました。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 続いて、米国研究製薬工業協会のアルバレズ委員長、お願いいたします。

○米国研究製薬工業協会(トニー・アルバレズ)

 ありがとうございます。

PhRMAのトニー・アルバレズです。

 本日は、意見を述べる機会をいただき、ありがとうございます。

 私からは、薬価制度改革に関するPhRMAの基本的な考えと、具体的な要望を3点申し上げます。

 スライド2をごらんください。新薬の研究開発は、リスクが高く、非常に長い期間にわたる投資を必要とします。これを日本で促進するためには、投資が回収できるという市場予見性が確保できることが、極めて重要です。

 後発品の使用促進が急速に進んでいる中で、特許期間中に開発投資の回収を見込むことができなければ、企業としては、日本市場への投資に慎重になってしまいます。

 現在、さまざまな薬価制度改革案が提案されていますが、特許期間中の薬価について予見性を害するような制度改正が行われないように、特に以下3点について、要望いたします。

 スライド3をごらんください。まず新薬創出加算です。8月の意見陳述でも申し上げましたが、新薬創出加算の試行導入後、新薬承認申請ラグは大幅に短縮しました。また、申請品目数も増加するなど、日本における新薬開発は、活発化してきています。

 特に、今後、申請が予定されている品目の内容を見ると、既存の治療方法では、効果が不十分な患者に対して効果が期待できる新薬や、既存薬よりも高い有効性や安全性が期待される新薬など、アンメット・ニーズに対応した申請品目が大幅に増加する見通しです。

 このような日本への投資促進効果を継続させていくためには、安定的な制度運用が不可欠です。PhRMAは、現行の新薬創出加算の仕組みを2016年度以降も、維持するべきと考えます。

 スライド4をごらんください。市場拡大再算定は、イノベーションを阻害するものであり、新薬創出加算を初めとしたイノベーションを評価し、ドラッグ・ラグの解消を目指す近年の政策の方向性とは、相反するものです。

 また、このルールは、市場が拡大した品目のみならず、市場が拡大していない類似品にも適用されることから、企業にとっては、大変予見しにくいルールとなっています。これまでも、意見陳述の場で申し上げてきましたが、PhRMAとしては、このルールは、そもそも撤廃されるべきと考えます。少なくとも、類似薬効比較方式で算定された新薬について、適用されるべきではないと考えます。

 また、年間販売額が巨額な品目に対して、新たな再算定の要件を設定することが、提案されていますが、これは革新的な新薬を開発した企業に対するペナルティー以外、何物でもありません。PhRMAとしては、強く反対いたします。

 最後に、2017年の消費税引き上げへの対応について、申し上げます。

 薬価改定に当たっては、取引当事者の間で、市場価格が適切に形成され、個々の医薬品の実勢価格が正確に把握されることが、極めて重要な前提となります。しかしながら、2016年度の薬価改定から半年後の薬価調査で、市場実勢価格を適正に把握することは困難と考えます。

 したがって、2017年消費税増税時の薬価改定については、薬価調査を実施せず、係数により補正することを要望します。

 また、消費税対応という趣旨の範囲内での限定的な薬価改定とするべきと考えます。イノベーションを阻害しないよう、具体的には、新薬創出加算品目の薬価引き下げは、実施しない。市場拡大再算定は実施しないなど、必要最小限の範囲にするべきと考えます。

 以上、薬価制度改革について、意見を申し上げました。市場の予見性が損なわれることがないよう、慎重な検討を重ねてお願い申し上げます。

 お時間をいただき、ありがとうございます。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 続いて、欧州製薬団体連合会フォシェ副会長、お願いします。

○欧州製薬団体連合会(フィリップ・フォシェ)

EFPIAのフォシェと申します。おはようございます。

 2枚目のスライドのところからお願いいたします。8月の中医協の場におきまして、EFPIAとしまして、4つお願いしたことを、もう一度、振り返っております。

 そのときに、お願いしましたのは、ここで示されておりますように、新薬創出加算制度を継続していただきたいということ、先駆け審査対象品目全てに対して、加算を付与していただきたいということ、市場拡大再算定の制度は廃止すべき、隔年での現行の薬価改定のやり方を継続していただきたい。これはあくまでも薬剤開発におけます、長いサイクルにおいて、予見性を持つために、これが必要であるということを申し上げたわけであります。

 スライドの3枚目におきましては、私どものイノベーションにかかわるポジションを説明させていただいております。

 前回の中期協での陳述から4カ月たったところで、今回、当局から、さらに新薬創出加算制度を2年延長するという決定が下されたことは、私どもとしても、評価いたしたいと思っております。願わくば、恒久化、制度化ということを望んでいるわけでありますけれども、日本がイノベーション評価をする市場であり続けるためには、本制度は必須のものだと考えております。そういった意味で、これが2018年度まで延長されたということは、グッドニュースとして捉えております。

 しかしながら、EFPIAといたしましては、さらなるイノベーションの評価のための施策も、強化が必要だと考えております。

 その1つの手段といたしましては、市場拡大再算定の撤廃ということでありますが、少なくとも類似薬効比較方式で算定された品目は、除外すべきだと考えております。

 また、私どもが1つ懸念していることは、市場拡大再算定制度に対して、新たに巨額売り上げの品目に対する再算定という項目が導入されているということで、これは市場での成功を罰することになりまして、新たなイノベーションへの障壁になると考えております。

 また、EFPIAといたしましては、今回導入されました、先駆け審査指定制度を高く評価しております。しかしながら、選定プロセスはさらに透明性を高めるべきだと考えておりますし、また、応募企業に対してのフィードバックが必要だと感じております。また、この制度によりまして、その他品目の審査の遅延につながってはならないと考えております。

EFPIAの会員会社としましても、日本における早期の開発からの投資を奨励しているところであります。そして、既にこちらの制度に対しても、応募しているわけですが、先駆加算というものは、選ばれた品目のみに限定されるのではなくて、先駆けの審査に十分に相応するような品目に対しても、与えられるべきだと考えております。

 それから、一言、頻回改定について申し上げたいと思います。2017年におけます市場実勢価格の調査と、さらなるフルの薬価改定というものは、投資を損なうものだと考えております。そのことが、市場のマイナス成長につながる可能性も否めません。そして、これには技術的な問題があると思います。現行の薬価制度というのは、あくまでも2年に1回の改定を前提としてつくられたものだからであります。また、さまざまな業務負担ということも、考えていかなければなりません。

 本件につきまして、EFPIAの考えとしましては、2017年におけます実勢価の調査、そして、フルの薬価改定というものは、全く不要なものであると考えております。ですから、消費税率の変更があったからといって、根底にあります薬価を調整する、手をつける必要はないと考えているわけであります。ですから、消費増税分での対応のみで十分だという考え方であります。

 費用対効果の点でありますけれども、今回、HTAの試行的な導入につきましても、現行の薬価制度の基本を損なうものであってはならないと考えております。現行の薬価制度におきましては、イノベーションの評価がされ、そして、財政のコントロールの機能を十分に発揮していると考えております。

 私どもの考えとしましては、今回のHTAの試行的導入は、あくまでも現行の薬価制度との整合性を保っていかなければならないと考えております。慎重な導入が必要になっており、また、試行導入時の段階において、一体何を検証していくのかということを、はっきりさせていかなければなりません。

 最後に欧州企業の代表といたしまして、欧州の国々におきましては、非常に硬直的な、昔ながらのHTAの方法から、どんどん移ってきておりまして、より柔軟に実施されるようになってきておりまして、よりリアルワールドのエビデンスを強調する形になってきております。HTAの評価というのは、総合的な評価の一環として使われるようになってきております。こうしたことも、日本側にはわかっていただきたい。そして、HTAの評価というものは、パーフェクトなものは何もないということであります。したがって、よりフレキシブルな導入をお願いしたいと思っております。

 どうもありがとうございました。

○西村部会長

 どうもありがとうございました。

 一通り御説明いただきましたので、これより質疑及びフリーディスカッションに移りたいと思います。なお、質問は日本語でお願いいたします。

 御質問、御意見等はございますか。安部委員、お願いします。

○安部委員

 まず説明ありがとうございました。

 製薬団体連合会さんの資料の8ページについて、質問させていただきたいと思っております。前回の薬価専門部会でも、専門委員の方から、新規の後発医薬品収載の薬価算定については、剤形別に丁寧に見ていただきたいという御要望がございました。

 本日の資料の8ページにも、特に注射薬、外用薬については、強くということで要望をされております。この辺について、ジェネリック製薬協会の吉田会長から、どのような根拠というか、理由であるかということについて、具体的に説明していただければと思います。

○西村部会長

 ジェネリック製薬協会の吉田会長、お願いします。

○日本ジェネリック製薬協会(吉田)

 ありがとうございます。

 まず初めに、新規収載後発医薬品の係数については、現行ルールの維持をお願いしたいと思います。特に注射薬、外用薬については、内用薬に比べて、乖離率が明らかに小さい。内用薬と同様に、前回に続いて、2回連続で引き下げる妥当性は低いものと考えております。

 注射薬は、製造設備、コストがかかっております。

 また、今後、発売される見込みの外用薬については、ぜんそく薬の吸入剤など、デバイスコストがかかるものや、臨床試験を必要としまして、開発コストがかかるものが主流となります。また、最近2年間に初めて収載された注射薬のうち、半分は1品目しか収載されておりません。さらなる引き下げにより、収載されなくなるものも出てくる可能性があります。

 外用薬に至りましては、最近2年間に初めて収載されたものはありませんでした。さらなる引き下げを行う根拠はないのではないでしょうか。

 したがいまして、バイオ後続品のように、開発にコストがかかるものは、例外的に0.7掛けという掛け率が設定されておりますが、仮に内用薬について、引き下げを行った場合においても、注射薬、外用薬については、例えば0.6掛けを維持していただくような、例外的な取り扱いを御検討いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○西村部会長

 ほかにございますか。石山委員、どうぞ。

○石山委員

 日薬連合会の会長に質問なのですけれども、説明ありがとうございます。

 スライドの5ページ、市場拡大再算定についての御意見を述べられておりますけれども、前段部分の「薬価算定時の前提条件に大きな変化がないにもかかわらず」という箇所の意味と、後段部分、「薬価を引き下げるというルールの導入には反対である」という箇所について、私の理解では、既に、150億円以上は2倍というルールがあると思っております。この2点について、御説明願います。

○西村部会長

 会長、お願いします。

○日本製薬団体連合会(野木森)

 御質問ありがとうございます。

 私どもの主張点は、市場拡大再算定の中でも、巨額再算定というところに、特にフォーカスを当てております。昨今の動きを見ていますと、ここに候補に挙がってくる品目は、最近承認を得たもの、すなわち薬価の決められ方も、最近の情報で薬価が決められ、売り上げの立ち上がりがよかったということも含めて、売り上げが大きくなった。

 その間に、この薬の評価は非常に高くはなっているわけですけれども、何ら社会的な事情で変化があったということもない。そういうものが、薬価が認められて、その時点で医学的価値、イノベーションの価値が、正当に評価されているものが、ただ、売り上げが大きくなっただけで変わるということは、問題ではないのかということで、申し上げているところでございます。

 後段をもう一度、お願いできますか。

○石山委員

 後段部分は、ルールの導入に反対だということです。私の理解では、ルールは既にあるのではないかという理解なのですが、その辺はどうですか。

○日本製薬団体連合会(野木森)

 それにつきましては、ここで申し上げているのは、巨額再算定ということで言っておりますので、現在の市場拡大再算定はあるということの前提で、お話させていただいております。

○石山委員

1,000億が巨額かどうかではなく、私が前から議論を申し上げていたのは、150億円以上で2倍ということです。今回、事務局の想定はどうか知りませんけれども、1,000億だとか、2,000億だという規模の販売額を想定したようなルールではないと、理解しているのです。過去、150億円で2倍が適用されたのは、10品目ちょっとだと思います。したがって、もともとメーカーの方々の需要想定、販売額想定というのは、非常に精緻にできていると理解しております。

 そういう点で見ますと、規模の拡大とともに、段階的にルール上の倍率を変えていくというのは、当然だと思っています。もともとの議論では、500億円クラスで、一つの閾値を設けてもよいのではないかという理解でおりました。今回、1,000億という1つの閾値が事務局から示されておりますし、1,500億円も示されております。前提として、需要想定が正しければ、なかなかこういうことに引っかかるようなルールではないという理解でおりますので、特に生産額がふえれば、費用の低減の法則が効いてきます。こうしたなかでは、事務局提案の暫定ルールを試行的に導入してもよいのではないか。皆様が危惧するような事態にはならないと思っていますので、意見として申し上げます。

 もう一点で、スライドの7、「更なる削減を目的とした本ルールの見直しは妥当ではなく、行われるべきではない」という箇所があります。これについて、私は逆の理解をしていまして、後発医薬品への促進というのは、非常に大事な国家的テーマであり、私は事務局案に賛成しています。

 以上、意見です。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 ほかにございますでしょうか。幸野委員、どうぞ。

○幸野委員

 御説明ありがとうございました。

 各団体とも、ほぼ共通した御意見、御主張をお持ちであると捉えております。

 特に市場拡大再算定に反対されていることは、一定の理解もできますが、私の考えは、国が薬価を公定価格として設定している以上、市場拡大再算定等の措置は行うべきだと考えております。

 通常、商品の価格は、マーケットにより決められるものですが、薬価はある程度それが維持されているという部分もあります。例えば、イノベーションを評価するための新薬創出等加算のように、製薬メーカーに一定の原資が担保されるような仕組みもあり、不採算な薬についても、不採算品再算定や最低薬価という制度があります。また今回、基礎的医薬品の価格を維持するための新たなルールも議論されておりますので、このような制度全てをセットで考えて、公定価格として薬価を決めている中で、市場拡大再算定により価格に上限をつけるという考え方も必要不可欠だと思います。薬価の下支えはよしとして、上限を設けるのだけはやめてほしいという理論は、理解が得られないと思います。

薬価制度を総合的に考えていただき、市場拡大再算定についてもご理解いただければと思います。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 加茂谷専門委員、どうぞ。

○加茂谷専門委員

 市場拡大再算定につきまして、今、議論が行われているところでございますが、誤解があってはならないと思いますので、補足させていただきます。

 本日、日薬連会長から、市場拡大再算定について論ぜられましたけれども、現行ルールにつきましては、薬価算定時の前提条件に大きな変化があった場合という要件がございます。その上で、当初予測の2倍、150億円を超えて拡大したものが市場拡大再算定の対象となります。

 具体的に申しますと、類似薬効比較方式で算定された医薬品につきましては、例えば効能・効果が追加されることによって市場が拡大した、あるいは用法・用量が変化したことで拡大した、そのような前提条件の変化を踏まえて適用されます。原価計算方式で算定されたものにつきましては、例えば予想販売額、ピーク時の販売額が100億円と企業サイドが出していた。ところが、市場での評価が高くなり、それが300億円とか、500億円に拡大をしたということになりますと、まさにこれも前提条件の変化ということになろうかと思います。

 そのような前提条件の変化がないにもかかわらず、売り上げが拡大した事実のみをもって、薬価を引き下げるという、今回、提案されている巨額再算定ルールについて、業界は、反対だという主張を展開していると、御理解を賜りたいと思います。

○西村部会長

 ほかにいかがでしょうか。薬剤管理官、お願いします。

○中井薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 先ほど加茂谷委員から御説明いただきましたので、私のほうで、追加で詳細に説明させていただきたいと思います。巨額の市場拡大再算定についてですが、御指摘のとおり、現行の市場拡大再算定は、原価計算と類似薬効比較方式において条件が異なります。

また、現行のルールでは、150億、2倍というルール、例えば80億と予測したものが、160億売れたときに市場拡大再算定にかかります。それが今回の議論でいきますと、例えば、800億と予測すると、現行ルールでは2倍になる、1,600億までかからない。つまり1,599億まで売り上げが増えても市場拡大再算定にならないのはどうかという御議論があったということでございます。従いまして、これらの基準を巨額なものに対して設定すると言うこと、つまり、1,000億以上のものに1.5倍という基準を設けたということは、まさに、今回の御議論の対象でございます。これについては、ぜひ御議論いただければと思ってございます。

○西村部会長

 御説明、補足、ありがとうございました。

 アルバレズ委員長、どうぞ。

○米国研究製薬工業協会(トニー・アルバレズ)

 ありがとうございます。

 私から、1点、コメントを追加させていただきます。

 私たちは、全員、国民皆保険制度を維持、尊重するために、常に尽力しています。

 先ほどの意見にありました、ルールをセットで捉えなければいけないという点は、私たちも同意しておりまして、ルールの中でもそれぞれが補完し合っていて、1つのセットとして捉える必要がある、こちらは私たちも同意しております。

 日本政府もジェネリック普及のルールを掲げておりまして、こちらは私たちも同意しております。

 また、長期収載品に関しましても、制約をかける、こちらのルールも、私たちは理解しております。

 だからこそ、イノベーションを保護することが非常に重要であると考えております。将来的には、ジェネリックが普及することによって、長期収載品の使用が少なくなっていくことは、十分に理解できるのですけれども、最終的にはイノベーション部分を保護していかなければいけないと強く感じております。

 ありがとうございました。

○西村部会長

 ほかにございますでしょうか。日本製薬団体連合会、お願いします。

○日本製薬団体連合会(野木森)

 今のトニー・アルバレズさんのお言葉にプラスして、もう一度、私どもからも申し上げたいのですが、私どもの一番最初のところで、基本的な考え方を述べておりますけれども、サステイナブルな、高度な医療環境、そして、ちゃんとした治療システムがずっとつくられていくということが、ベースでございます。

 一番下にメリハリをつけた薬価制度と挙げておりますけれども、ここで何を申し上げたいかというと、イノベーションをきちんと評価していただきたい。その結果が、薬価に表れてくるだろうと、私どもは見ております。

 もう一つは、基礎医薬品に関連するのですが、有用な、そして、治療に必須な薬が、古くなったところでも、安定してきちんと患者さんに届けられる、医療で使われる、このシステムをきちっと動かすということが大切だろう。継続的に新薬をつくることで、医療全体のレベル上げを図っていく。そして、古くなったものでも、大切なものは、私たちのレガシーとして、後世まで続ける。医薬品は、人類の宝だというのは、言い過ぎかもしれませんけれども、そういう位置づけに私たちはしていくべきだと思っています。

 そういう点で、新しいものを評価して、古いものも評価しながら、きちっと使おう、これを実行することを、メリハリをつけた薬価制度というところで、表させていただいております。

 プラスですけれども、ありがとうございました。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 松原委員、どうぞ。

○松原謙二委員

 新しい薬をつくっていただき、国民の皆さんにそれを使うことができるというのは、私ども医療界としては、大変大事なことであり、また、大変感謝しております。

 そのためには、イノベーションを保たねばならないということも十分理解できます。だからこそ、新薬加算があり、これを用いて、新しい薬をぜひつくっていただきたいと思っております。

 ただ、国民皆保険制度というのは、国民が国民を支える制度であります。皆保険制度によって、大変大きな市場が確定しております。どんなにいい薬をつくっても、誰も使えなければ、それを使うだけの資力がなければ、それで治療することはできません。ただ、日本国においては、みんなで支えて使えるようにしているわけであります。だからこそ、こういったいろいろな薬価の制度があるわけです。そこのところを大事にしていただきたく、つまりそうした国民皆保険制度の市場があるからこそ、十分な利益が上げられるということ、逆に言えば、十分な利益があれば、ある程度のところは還元していただきたいと思っております。

 前回も申し上げましたけれども、日本の国では、もし利益があったら、青天井の利益を得るということについては、どちらかと言うと、抵抗感が社会的・文化的にあります。そういった日本の文化的な考え方に基づきまして、再算定をして、青天井の利益ではなく、適正な利益、これをもって、新しいいい薬をつくっていただきたいと思いますので、御理解を賜りたいと思います。

○西村部会長

 御意見ありがとうございました。

 ほかにございませんでしょうか。

 それでは、いろいろな御意見、御質問ありがとうございました。

 そろそろ定刻となりますので、関係業界からの意見陳述については、ここまでとさせていただきます。本日は、ありがとうございました。

 本日の予定された議題は以上です。

 本日の業界意見、陳述の内容も踏まえまして、次回、事務局より、次期薬価制度改革に向けた骨子のたたき台を作成していただきたいと思います。

 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡をいたします。よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の「薬価専門部会」はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

○宮嵜医療課長

 どうもありがとうございました。

 準備ができ次第、基本問題小委員会を開催できればと思いますので、よろしくお願い申し上げます。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03−5253−1111(内線)3288

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