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2015年12月2日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第112回議事録

○日時

平成27年12月2日(水)9:42〜10:29


○場所

全国都市会館(2階大ホール)


○出席者

西村万里子部会長 野口晴子部会長代理 田辺国昭委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 石山惠司委員
中川俊男委員 松原謙二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
加茂谷佳明専門委員 土屋裕専門委員 吉村恭彰専門委員
<事務局>
唐澤保険局長 谷内審議官 吉田審議官 宮嵜医療課長 眞鍋医療課企画官
三浦保険医療企画調査室長 中井薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○ 平成28年度薬価制度改革に向けた論点整理について

○議事

○西村部会長

 それでは、ただいまより第112回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。

 本日の委員の出欠状況について報告します。本日は、印南委員が御欠席です。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 「○ 平成28年度薬価制度改革に向けた論点整理について」事務局より資料が提出されていますので、説明をお願いします。中井薬剤管理官、お願いします。

○中井薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 それでは、資料に基づき御説明申し上げます。

 資料は、中医協資料薬−1と中医協資料薬−1参考がございます。

 中医協資料薬−1でありますけれども「次期薬価基準制度改革に向けた論点整理について(案)」でございます。

 1つ目ですが「1.新医薬品の算定について」です。

 1枚めくっていただきまして、スライドの3枚目でありますけれども、先駆け審査指定制度加算についてということで、中医協において御議論いただきまして、先駆導入加算につきまして、先駆け審査指定制度加算とすること、原価計算方式についても、同様に評価するということです。加算率については、10から20に上げるという提案は、慎重に検討すべきではないかという御意見をいただいております。

 対応の方向性でありますが、先駆導入加算を先駆け審査指定制度加算として、先駆け審査指定品目につきまして、当該加算、または原価計算方式の営業利益で評価することとしてはどうかということでございます。

 加算率につきましては、10%を原則としながら、国内臨床試験成績に基づき、我が国の医療に貢献する医薬品を評価できるように、市場性加算(1)と同様に、最大で20までの加算が考慮できるようにしてはどうかということの提案でございます。

 スライドの4枚目には、参考として、先駆け審査指定制度の対象品目について、掲げてございます。

 スライドの5枚目は、外国平均価格調整についてということでございまして、それにつきましては、中医協において、既に外国で長期に使用実績がある場合については、開発費用は低いのではないか、未承認薬・適応外薬検討会議の直近のデータを踏まえて、検討すべきではないかという御意見をいただいてございます。

 対応の方向性としましては、検討会議の検討結果に基づく開発要請等により、一定の成果が上がっているものの、さらなる解消に向けて、開発要請・公募された品目のうち、下記の要件については、外国平均調整の対象外としてはどうか。

 要件でございますが、直近の外国での承認日が、日本での承認より、10年より古いということが1つです。外国の平均価格が、日本の算定薬価の3分の1未満と、大きく下回るというものについて、除外してはどうかということでございます。

 ただし、承認申請に当たりまして、製造販売業者の負担が相当程度低い場合については、除いてはどうかということの提案でございます。

 スライドの6枚目、新規性の乏しい医薬品についてということでございますけれども、薬価算定組織の意見としては、先行した新薬から短期間に連続して、類似薬が薬価収載されるような状況が散見される。光学分割した新薬以外であっても、後発医薬品対策と考えられるような、新規性に乏しい新薬もあるという御意見をいただきまして、中医協において、御議論いただきました。

 対応の方向性でありますけれども、類似薬効比較方式2の除外規定である承認時期について、現行、最も早く収載された医薬品の収載日から3年間というのは、除外をするという規定でありますが、それについては、撤廃してはどうかという提案でございます。

 後発医薬品対策とも考えられるものについて、ラセミ体を光学分割した場合と同様に、低い評価、100分の80を乗じた額としてはどうかということで、どういったものが後発医薬品対策と考えられ得るかということにつきましては、1つ目で、補正加算に該当しない場合、2つ目といたしまして、製造販売業者、効能・効果、薬理作用、投与形態、臨床上の位置づけが同一とみなせる既収載品がある場合、収載後5年以降に薬価収載される場合について、低い評価としてはどうかという提案でございます。

 ただし、こういったことにつきましては、開発の経緯や治験デザインも確認した上で、総合的に判断するということを申し添えてございます。

 続きまして「2.後発医薬品の算定について」でございます。

 スライドの8枚目でありますけれども、これは後発医薬品の薬価についてで、新規後発品の価格の乖離率について、25年9月の薬価調査の結果を示してございます。今年度の結果については、まだ出ていないということもございまして、若干古いものでありますけれども、そのデータを出してございます。

 スライドの9枚目ということで、新規収載後発医薬品の薬価についてでありますけれども、中医協での指摘は、薬価を下げる方向で議論すべき。バイオ後続品については、コストが高い理由を理解した上で、検討すべきという御指摘をいただいてございます。

 対応の方向性といたしましては、新規収載の後発品の価格について0.5にする。ただし、10品目を超える内用薬については、0.4掛けにすることとしてはどうかということでございます。

 ただ、本年度の新規後発品の薬価調査結果というのは、先ほど御説明申し上げましたとおり、まだ出してございませんので、それも勘案し、最終的に決定してはどうかということでございます。

 バイオ後続品については、現行の算定方式の0.7掛けということについて、維持することとしてはどうかということでございます。

 スライドの10枚目は、既収載後発医薬品の薬価改定についてでございます。中医協での御議論では、1価格帯を目指すべきであるという御意見。基準とする額については、長期収載品をもとにすることが重要という御意見をいただいてございます。

 対応の方向性といたしましては、現行の最高価格、主として、これは長期収載品でありますけれども、基準といたしまして、3価格帯を維持することにしますが、28年改定後の価格帯の状況を踏まえ、さらなる価格帯の集約について、検討することとしてはどうかということであります。

 あわせて、既に価格帯が形成されている、現在では3価格帯ということでございますけれども、その制度におくれて後発医薬品が収載される場合、原則として、一番低い価格帯にあわせることとし、改定後に、価格帯が3から4とか、増えないような制度にしてはどうかという提案でございます。

11ページは、スライドの再掲でございますけれども、現行、26年の改定後について、価格帯数については、1価格帯というのが1,685ということで、3価格帯が65ということで、実質的に価格帯数はかなり減っているということを示してございます。

 「3.既収載品の薬価の改定について」でございます。

 スライドの13枚目、いわゆるZ2でありますが、数量シェア70及び80という目標が出たということで、特例引き下げの置きかえ率についても、目標値を考慮する必要があるという指摘をいただいてございます。

 対応の方向性といたしましては、現行、20%未満、20404060という3区分につきまして、70%目標を踏まえまして、30%未満、30505070ということで、基準を引き上げてはどうかという提案でございます。

 スライドの14枚目でありますけれども、基礎的医薬品についてでございます。中医協の指摘につきましては、長期間、臨床現場の使用実績がありまして、臨床上必要性の高い医薬品の安定供給のため、薬価上の措置を行うことは必要という御意見をいただいてございます。

 対応の方向性といたしましては、基礎的医薬品につきまして、現行の不採算再算定、最低薬価になる前の薬価を下支えする制度ということで、位置づけてはどうかという提案でございます。

 具体的に、基礎的医薬品としては、収載から25年以上経過して、かつ乖離率が全体の平均以下、これは成分全体としても、また、対象となる銘柄としても、乖離率が平均以下ということを基本的な要綱としてはどうかという提案でございます。ただし、一般的なガイドラインに記載されていないものとか、特定の医療機関のみで使用されているものについては、汎用性がないということで、除くということの提案でございます。

 対象品目については、28年改定においては、試行的な取り組みといたしまして、過去の不採算品再算定品目、古くから医療の基盤になっています、病原生物に対する医薬品、医療用麻薬について、薬効分類番号に基づいて選定いたしまして、中医協において、最終的に決定するということで、どうかということでございます。

 対象品目の薬価につきましては、最も販売額が大きい銘柄に価格を集約して、その薬価を維持するということでどうかということの提案でございます。

 スライドの15枚目で、新薬創出・適応外薬解消等促進加算についてでありますけれども、中医協での御議論につきましては、今後、新薬の創出に取り組んでいただきたい、この加算については、目的が果たされていることを確認していただいていますが、今後とも確認を継続する。開発費だけでなく、より具体的な成果も考慮した上で、あり方について、検討すべきとの御意見をいただいてございます。

 対応の方向性につきましては、現状のイノベーションの推進が掲げられているということ、新たな要望が募集されている現状を踏まえまして、新薬創出・適応外薬解消等促進加算の試行を継続してはどうかということの提案でございます。

 ただし、加算企業に対しては、開発の進捗状況に加えまして、創薬のための研究開発の促進が適正に行われているかどうか、引き続き、中医協において、確認するということとしてはどうかということでございます。

 市場拡大再算定についてでありますけれども、中医協での御議論といたしましては、画期的ではあるものの、非常に高い薬価の品目が収載される。今後そういったことも想定されるということで、その要件を見直すべき。国民皆保険制度を維持するためにも、市場が拡大して、大きな利益があったときは、それに応じた条件を設定すべき。市場規模や倍率を段階づけするということで、細分化していく方向もある。それから、算定方式で差がついているが、統一すべきという御意見。イノベーションの否定につながる制度は、反対であるけれども、仮に設定せざるを得ない場合については、例えば1,000億円超という、巨額で、急激に市場が拡大した場合についての例外的な別枠のルールとして、検討すべきという御意見をいただいてございます。

 対応の方向性といたしまして、1つ目、巨額な品目に対する市場拡大再算定の考え方については、既存制度の延長線上ではなく、皆保険制度を維持するための例外的な制度としての位置づけとしてはどうかということであります。

 2つ目でありますけれども、年間販売額が1,000億円を超えるような場合について、例外的な場合を巨額とみなし、以下のいずれかの要件に該当する場合、算定方式によらず再算定の対象としてはどうか。具体的には1として、年間販売額が1,000億円を超え1,500億円以下、かつ予想販売額の1.5倍以上。2つ目でありますけれども、1,500億円を超え、かつ予想販売額の1.3倍以上ということでございます。その際、再算定による引き下げの限度については、1については、現行と同じ水準、最大25%でございますが、2については、最大50%としてはどうかという提案でございます。

 以上が、中医協薬−1でございます。

 中医協薬−1参考ということで、前回の中医協の御議論におきまして、ジェネリック医薬品の品質確保とバイオ後続品についてということで、御指摘をいただきましたので、その品質対策について、また、バイオ後続品については、どういったものであって、どういう開発をしているのかということについて、まとめたものをつけさせていただいております。これについては、説明を省略させていただきます。

 説明は以上でございます。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明について、御質問等がありましたら、お願いいたします。

 石山委員、お願いいたします。

○石山委員

 質問と意見です。まず、スライドの14ページの基礎的医薬品の対応の方向性についてであります。矢印の2番目のところに、汎用性のない医薬品の項目がありますけれども、ここで「等」が2つあるのです。特定の医療機関のみで使用されているもの等、汎用性のない医薬品等、この「等」は一体何ですか。

○西村部会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中井薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 これにつきましては、特段、明示的に想定しているわけではありませんけれども、例えばガイドライン以外にもいろんなものがございますし、そういったものを含めまして「等」と表現してございます。「等」が2つあることについては、特段1つにしても、問題ないと思ってございます。

○西村部会長

 どうぞ。

○石山委員

 なぜこういう質問をしたかというのは、これは非常に大事な医薬品です。限定的に運用するというのは、前から管理官も述べられておりますので、「等」を使い過ぎますと、拡大される可能性があると思っています。最初は非常に大事な要素ですから、限定列挙の形式のほうがいいのではないかと思って、質問したわけです。

 もう一点、スライドの16、市場拡大再算定ですけれども、中医協での御指摘ということで、●の2番目、国民皆保険制度を維持する、これは非常に大事な要素です。しかし、対応の方向には、皆保険制度を維持するための例外的な制度だとあります。現時点では結構かもしれないのですが、こうした制度は、例外ではなく、導入すべき制度であることを強調させていただきたいと思っております。

 関連して、質問ですけれども、矢印の2番で、1,000億から1,500億、1,500億以上と、2段階に分けられました。この前の議論では、1,000億円だったらやむを得ないなど、様々な議論がありました。今回、1,500億円以上を設定した理由、そして、150億円から1,000億円の間の議論が必要ではないかと思うのですが、いかがですか。

○西村部会長

 管理官、お願いします。

○中井薬剤管理官

 先ほどの基礎的医薬品について、少しだけ補足させていただきますと、御指摘のとおりだと思ってございます。2つ目のポツのところでありますけれども、我々としては、できれば、特殊なものは除きたいという趣旨で、こういうふうに書いてございますので、委員の御指摘はごもっともでございますので、運用としては、ちゃんと広く使われていて、意味があるものをとらまえよという御指摘だと理解してございますので、そういう方向で考えたいと思います。

 2つ目でありますけれども、市場拡大再算定の1,500億円を超える枠をつけたということでありますが、これにつきましては、先ほど1501,000の間は、何もないのかという御指摘がございましたが、議論として、1,000億円強について、例外的にという御意見をいただきましたので、我々として、1,000億円超えを考えたということであります。

1,500億円を超えて、それから何もないというのも、どうかということもございまして、ちょうど2倍以上、1.5の次は何かということも含めて考えまして、1,500円超えを1.3ということを設定したということの経緯でございます。これについては、御議論をいただければと思ってございます。

○西村部会長

 続けて、どうぞ。

○石山委員

 わかりました。

 これは非常に大事な制度になってくると思いますので、ことしだけでの議論ではないと思いますので、制度化なり、あるいは幅の議論、率の議論も十分にやっていただきたいと思います。

 以上です。

○西村部会長

 ほかにございませんでしょうか。安部委員、どうぞ。

○安部委員

 市場拡大再算定の仕組みを御説明いただき、相当大きな引き下げ幅をお考えいただいているということでありますが、こういう処置が行われたときには、日本のメーカーではないかもしれませんが、市場から撤退するという動きが出てしまっては、せっかくの有用な薬が使えなくということでは困ります。そういうことがないように、交渉していただきたいと思っております。

 以上です。

○西村部会長

 御意見は承りました。

 ほかにございますか。幸野委員、どうぞ。

○幸野委員

 対応の方向性について、質問と意見を述べたいと思います。まずスライド3にあります先駆け審査指定制度加算の加算率を10%から20%まで範囲を拡大するという提案について、20%の加算対象品目は、我が国の医療において貢献する薬として、最大限の評価をした場合の数値として捉えてよろしいのでしょうか。

○西村部会長

 管理官、お願いします。

○中井薬剤管理官

 御指摘のとおり、これについては、10%を原則と考えてございます。これについて、特にここに書いてありますように、我が国の医療に貢献する医薬品ということで、国内臨床試験成績に基づいてということでありますので、そういったものだけに限るということを、前提とさせていただきたいと思ってございます。

○西村部会長

 よろしいですか。続けて、どうぞ。

○幸野委員

 そのような趣旨であれば、特に異論はありません。

 スライド10ですが、後発医薬品の価格帯は、1価格帯に収斂すべきという考え方に変わりありませんが、実態を見ると、7割ぐらいが1価格帯になっている事実もあり、自然と価格帯は収斂されていくと思いますので、今回は3価格帯を維持することについて特に異論はありません。

 次にスライド13の長期収載品の薬価について、厚労省としての見解を確認したいのですが、骨太の方針2015で、5年後には、後発医薬品の数量シェアを8割にするという方針が示された中で、長期収載品は縮小の方向なのか、あるいは一定程度維持していく方向なのかについて、見解をお聞かせください。

○西村部会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中井薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 長期収載品について、厚生労働省といたしましては、まずは長期収載品というよりも、できれば医薬品産業に対しましては、新薬をしっかりつくっていただきたい。新薬創出加算がございますけれども、特許期間、後発が出るまでの期間において、しっかりと利益を出していただいた上で、再度、それを新薬に投資していただきたい。一方で、後発が出てこられたら、廉価で、質のいい後発を使っていただきたいと、考えているということであります。

○幸野委員

 後発医薬品が出たら、長期収載品は自然と淘汰されていくという考え方でよろしいですか。

○中井薬剤管理官

 長期収載品については、自然と淘汰されるというよりも、我々としましては、後発医薬品の目標がございますので、それに向かって努力をしていくということでありまして、その結果、長期収載品というのは、結果的にはどんどんしぼんでいくということであると思います。

○西村部会長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野委員

 なぜ質問したかと言いますと、国内大手メーカーが、イスラエルの後発医薬品メーカーと合弁会社を設立して、長期収載品を切り離して後発医薬品の開発と併せて経営を進め、本体は新薬開発に特化するという報道がなされておりました。これは、製薬企業がかじを切った例だと思っており、長期収載品は特許が切れたら、後発医薬品と同様の扱いとしていく方向が、これからの製薬企業の考え方なのかと感じております。

 そのような方向性であれば、スライド13の論点については、後発医薬品の新しい目標が示されたことを踏まえ、長期収載品の置き換え率を30%未満、30%〜50%、50%〜70%という区分に変えるという提案は理解できますが、これに加えて減算幅についても、議論してはどうかと思います。現行は1.5%〜から2%の範囲となっておりますが、メーカーもそのようなかじ取りをして、厚労省も同様のお考えをお持ちであれば、減算幅についても、検討してはどうかということを、改めて提案します。

 スライド15の新薬創出・適応外薬解消等促進加算ですが、試行を継続していくことについては、特に異論はありませんが、しっかりと検証すべきであり、このような加算に対して、企業がどれだけ開発費をかけたのかではなく、費用対効果として、投資によってどれだけの効果が得られたかを、確認したいので、そのような資料をもとに、本格導入への検討を行っていくべきであろうと考えます。

 基礎的医薬品については、不採算再算定と最低薬価で対応すべきと主張をしてきたので、さらにそれを下支えするルールを創設するという方向は残念ですが、もしこのようなルールをつくるのであれば、非常に限定的な措置として取り扱うべきだと思います。

 例えば、大企業で好業績を上げている企業の一部の基礎的医薬品が、今回の制度により下支えされることについては、違和感があり、一般的な論理から考えても、企業には社会的責任もありますので、基礎的医薬品等については、企業努力で進めるべきではないかと思います。基礎的医薬品を中心に経営している企業がリスクに陥った場合は、支えていくという方向は必要だと思いますが、全てを下支えするということではなく、本当に下支えが必要な医薬品のみとすることで理解したいと思います。

 最後の対象品目の薬価についてですが、なぜ最も販売額の大きい銘柄に集約して価格を維持するのでしょうか。これについては、最も安価な価格を選択する方向もあるのではないかということを、意見として述べさせていただきます。

○西村部会長

 何か補足されますか。薬剤管理官、どうぞ。

○中井薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 御提案については、幾つかございましたけれども、新薬創出加算につきましては、御指摘のとおり、アウトプット、得られた成果ということについては、引き続き検討したいと思います。これについては、業界の専門委員の方とも相談しつつ、どういったものを出せるのかということは、考えたいと思います。

 基礎的医薬品については、御指摘のとおり、かなり限定的にということで、我々としても考えたいと思ってございます。これにつきましても、一度やったら、それで終わりということではなくて、きちんと中医協に対して御報告申し上げたいと思いますし、そういった意味で、監視されているというのは表現が悪いのですけれども、きっちり見ていただいた上で、限定的にやっていきたいと思ってございます。

 以上です。

○西村部会長

 加茂谷専門委員、どうぞ。

○加茂谷専門委員

 幸野委員から、2点につきまして、御意見を頂戴いたしました。専門委員の立場でコメントをさせていただきたいと思います。

 1点が、いわゆる長期収載医薬品特例引き下げのさらなる引き下げ率の検討という御意見を頂戴しました。

 本会でも何度となくお話をさせていただいておりますが、この特例引き下げ、後発品への置きかえが進まない場合、改定のたびに繰り返し適用されるという点において、極めて厳しいルールだというのが、我々の評価であります。そういった観点から、さらなる引き下げ率の検討については、我々としては、強く反対をさせていただきたいと思います。

 前回も、後発品への置きかえによる医療費適正効果額が年々増加し、平成25年度は、約5,500億円程度あったということが、資料で示されたところでございます。急速に後発品への置きかえが進む中で、中には置きかえが進みにくいものもございますが、医薬品全体での医療費適正効果ということを鳥瞰していただきながら、本件につきましても、議論を進めていただきたいと思っているところでございます。

 もう一点、基礎的医薬品の対象品目の薬価について、最も販売額が大きい銘柄に価格を集約するということには違和感があるという御指摘でございましたけれども、私どもといたしましては、このルールは今後とも長期にわたり継続的な安定供給が求められるというスキームに対応するための新たな御提案だと、理解をしております。先発品で蓄積された情報に基づいて、当該成分の有効性、あるいは安全性のプロファイルが確認されたものが、例えば今回要件の一つとして掲げられているガイドラインに掲載されるということがございます。

 そういった観点から、価格を集約する際に、御指摘のように最低価格に合わせることになりますと、本来、基礎的医薬品の供給を継続してもらうというスキームであるにもかかわらず、先発品がその市場から撤退を余儀なくされるという、非常に大きなリスクもあるということも、ぜひ御勘案をいただきたいと思います。

 先発品の果たしてきた役割も踏まえまして、私どもといたしましては、資料に記載のとおり、最も需要を賄っている銘柄が安定的に供給できるよう、その価格に合わせることが妥当であると考えております。

 以上です。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 先に発言していいですか。

○土屋専門委員

 結構です。

○中川委員

14番の基礎的医薬品に関しては、今、加茂谷専門委員がおっしゃったように、私は事務局提案を支持します。

16番の市場拡大再算定についても、対応の方向性、これも事務局提案を支持したいと思います。

 その上でお聞きしたいのですが、先ほど幸野委員から、大手製薬メーカーが長期収載品について、もういいという方針を出したというのですが、1社の方針が、全製薬業界の方針だとは思わないのです。さらに長期収載品あっての後発品ではありませんか。長期収載品の存在意義をある程度認めることは、大事だと思っています。

 そこで、質問ですが、13番の20%未満、20404060未満を10ずつ上げたというのは、9番の0.60.5)から、0.50.4)に変えたということに対応した、そういう価格差が、これに伴う変更という意味ですか。

○西村部会長

 薬剤管理官、どうぞ。

○中井薬剤管理官

 後発品の新規収載薬価については、最初の値決めの話でありまして、Z2については、後発品の目標が70%に上げられたということで、どこで上げましょうかということで、2020404060をそれぞれ10%ずつ上げて、70に合わせたということでございます。

○西村部会長

 どうぞ。

○中川委員

 私が聞きたいのは、長期収載品の価格と後発品の価格の差を、今とほぼ同じにする意図はあるのかという質問です。

○中井薬剤管理官

 後発品と長期収載の価格差ということでしょうか。

○中川委員

 そうです。

○中井薬剤管理官

 それに関して言いますと、長期収載品の価格のルールは、大きくは変わりません。

 一方で、後発品については、価格がより下がりますので、長期収載品と後発品の価格差というのは、差がつく方向にいくということであると思っています。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 最後に専門委員に御質問です。長期収載品は、先発品メーカーとして、今までどおりの位置づけなのか、先日、報道があった会社の方向に近くなるのか、お答えいただきたいと思います。

○西村部会長

 土屋専門委員、お願いします。

○土屋専門委員

 私もその点について発言したいと思っていました。中川先生から、先にその点をご質問いただき、大変ありがたいと思います。

 2つの観点から申し上げたいと思います。1つは、我々は、多額の研究開発費を投じて新薬を開発しますが、必ずしも特許期間中に、投資を回収できるわけではありません。これは米国の調査でありますが、毎年価格を上げていく米国の中においても、投資した開発費を特許期間中に全て回収できるという状況ではなく、長期収載品から得られる利益も次の投資に回すということであり、実際に大事であると思っています。

 2番目ですが、長期収載品あっての後発品だと言っていただきましたが、もともと先発品と後発品というのは、市場において果たす役割が異なると思います。もちろん後発品は安価で、良質なものを出して、経済的に貢献することでございますが、先発品は特許が切れた後も、それまで培った安全性情報、有効性情報も含めて、その製品を守っていくということを実際に行っております。したがって、特許が切れて、後発品が出たからといって、先発品企業が安全性情報の収集や十分な管理を放棄することはあり得ません。我々にとって、長期収載品は非常に重要な存在であります。

 加えて言えば、長期収載品になってからも、新たな適応症や剤形の検討なども行い、より医療現場で使いやすいように、または新たな価値を生むための研究活動も継続しております。某社の戦略がどうかという点は、直接聞いていないので、わかりませんが、長期収載品は、我々の製薬産業にとって、十分に意義のある製品であると考えております。

 以上です。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 よろしいですか。

 松原委員、どうぞ。

○松原謙二委員

 資料について、説明をしていただきたく、発言をしてもよろしゅうございますか。

○西村部会長

 どうぞ。

○松原謙二委員

 中医協薬−1参考のスライド5でございます。生物学的同等性試験がございますが、当然同等であるということであれば、光学的異性体であるところの分類もきちっとされているのだろうと思って、読んでいるわけですけれども、それはいかがかということ。昔、ビタミンB1を開発するときに、構造が全く同じにもかかわらず、活性が出ずに、大変苦労したという歴史的な経過がございます。要するに生物学的活性性の証明については、何かいい方法はないのか、あるいは十分に担保されているとおっしゃるのか、その2点をお聞きしたいと思います。

○西村部会長

 事務局から、御説明をお願いします。

○山田医薬・生活衛生局審査管理課長

 医薬・生活衛生局審査管理課長でございます。

 今の御指摘でございますけれども、まずは生物学的同等性試験で、血中濃度を測定するわけでございますが、その測定に当たりましては、当然有効成分が光学活性体であれば、光学活性体のものを測定しておるということでございます。

 活性等につきましては、生物学的同等性試験で行う血中濃度だけではなくて、理化学試験の中で、そういった懸念のあるものについては、生物活性試験を行って、比べているとか、また、経口投与の製剤であれば、溶出性を比べて、問題ないことを確認するということを行いまして、確認をいたしております。

○西村部会長

 どうぞ。

○松原謙二委員

 全例で生物学的活性性は証明されているのですか。何を言っているかといいますと、私どもは、いい薬で、安全性が高くて、効果が十分にあれば、どんな薬を使っても、国民のためにそれが役に立つのだったら、それで十分だと思っているわけであります。そのあたりの証明がきちっとできないと、幾ら医者にジェネリックは良いという説明をしても、幾ら安全宣言を出されても効果がないので、学問的にきちっと説明できるようなものを示していただきたい。単純に構造が同じだからということであれば、どの国でつくっても、構造の設計図が同じだったら、同じ能力を持つかというと、電化製品も自動車も恐らく違うのではないかと思っておるわけではありますが、薬の活性性についてのきちっとした御説明をいただかないと、私どもは、患者さんの生命を扱っているわけでありますので、十分な説明がないと、すすめる事ができないということを申し上げたいと思っているわけでございます。

○西村部会長

 補足でお願いします。

○山田医薬・生活衛生局審査管理課長

 課長でございます。

 御指摘ありがとうございます。

 御指摘のとおりでございまして、一般的に言いますと、化学合成の低分子の医薬品であれば、理化学的試験で、活性も含めて品質を担保できると思いますけれども、高分子のものであるとか、ペプチドのようなもの、そういったものにつきましては、通常、生物活性試験というものが組み込まれて、確認をされております。

○松原謙二委員

 そこのところを証明していただきたく思います。

 本論の13ページで、長期収載品の薬価でございますが、先発メーカーが、特許が終わったら、なるべく安くしていただきたい。企業が潰れるようなことは困るわけでありますし、また、新薬に対して投資するにも、ある程度の基盤がなければできませんので、そういったことを考えまして、幾つかのルールをつくっていくことにおいては、いたし方がないことではないかと思います。

 逆に先ほど幸野委員から言われまして、利潤が上がっている企業は、それを使って、ほかのことをしなければならない。私はこれについては反対であります。一つ一つの基礎的医薬品について、採算が合わなければ、それは自由主義の経済を担う会社の方々もつくれなくなりますので、他でもうかっているから、それでいいのではないかというのは、反対でございます。つまり基礎的医薬品については、十分なルールをつくって、決して良い薬がなくならないようにしていただきたく思います。

 最後に市場拡大再算定でございますが、これは一番最初に計算したときに、薬価を決めて、どれぐらいの方々に使えるのかということを仮に置いて計算して、そして、厚生労働省の考え方を含めて、対応しているわけであります。ここにおいて、こういった形でも、利潤がなくなるわけではございません。適正な利潤というのは、非常に大事でございます。

 日本の国には、昔から三方よしのルールがございます。売り手、買い手よし、公益委員がいらっしゃるのは、世間よしということです。いいものをつくったから、青天井に利益があるというのではなくて、適正を担保する日本の文化でございますので、そのあたりを大事にしながら、いろいろと対応していただきたく思います。何とぞよろしくお願いいたします。

○西村部会長

 御意見等ありがとうございました。

 ほかにございますか。幸野委員、どうぞ。

○幸野委員

 基礎的医薬品については、企業の論理だけではないということは理解しております。

 しかし、そうであれば、基礎的医薬品は本当に必要な医薬品について新たなルールをつくり下支えする提案ですので、企業の理由で供給を突然中止すること等が絶対にないように、安定供給をしていくという確約の上で下支えをするという仕組みが必要ではないかと思います。

○西村部会長

 薬剤管理官、その点について、お願いします。

○中井薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 御指摘のとおり、それにつきましては、安定供給についての確約と申しましょうか、そういったものについて、お出しいただきたいと思ってございます。

○西村部会長

 ほかにございますか。加茂谷専門委員、どうぞ。

○加茂谷専門委員

 ありがとうございます。

 本日、次期薬価制度改革に向けての重要な方向性が提示されたわけでございます。本提案に対して、業界代表からの意見を聴取いただく機会を、御準備いただきたいということを、1つ要望として、述べさせていただきます。

 引き続きまして、スライドの8でございます。後発医薬品の薬価の部分でございますけれども、前回、私から、投与経路別に慎重に御検討いただきたいとお願いを申し上げましたところ、それに関連するデータをご提示いただきましたことにつきまして、感謝を申し上げたいと思います。

 スライドの8のデータを見ますと、注射薬、外用薬は、内用薬と比較いたしまして、10ポイントほど低い乖離率になっていることが示されております。

 スライドの9です。新規収載後発医薬品の薬価については、最終的に本年度の薬価調査結果を見てからの議論とされているわけでございます。前回と同様の意見を述べさせていただきますが、一律に0.1ずつ下げるというのは、ちょっと乱暴ではないのか。スライド8のデータを踏まえまして、投与経路別に丁寧に御検討をお願いしたいということを、意見として述べさせていただきます。

○西村部会長

 御意見ありがとうございました。

 ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、ほかに御質問はないようですので、本件の議論はここまでとさせていただきます。

 本日の議論を踏まえまして、事務局より、改革の骨子案を作成していただくことといたします。

 また、骨子案の作成に先立ちましては、今、御意見があったように、業界団体から、薬価制度改革に関する意見聴取を行いたいと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○西村部会長

 それでは、意見陳述は来週とさせていただきます。本日の議論を踏まえ、業界団体の意見聴取の場を設けたいと思います。

 本日予定された議題は以上です。

 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の「薬価専門部会」は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

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代表: 03−5253−1111(内線)3288

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