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2015年11月20日 中央社会保険医療協議会 総会 第314回議事録

○日時

平成27年11月20日(金)11:14〜13:03


○場所

全国都市会館 大ホール(2階)


○出席者

田辺国昭会長 松原由美委員 野口晴子委員 西村万里子委員 荒井耕委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 花井十伍委員 石山惠司委員 松浦満晴委員
松本純一委員 中川俊男委員 松原謙二委員 万代恭嗣委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員
安部好弘委員
宮島喜文専門委員 福井トシ子専門委員 丹沢秀樹専門委員
<事務局>
唐澤保険局長 谷内審議官 吉田審議官 宮嵜医療課長 眞鍋医療課企画官
三浦保険医療企画調査室長 中井薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○医療経済実態調査の結果に関する見解について
○歯科医療(その2)について
○その他

○議事

○田辺会長

 おそろいのようでございますので、ただいまより第314回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。

 まず、委員の出席状況について御報告申し上げます。本日は印南委員、榊原委員、磐田専門委員が御欠席でございます。

 それでは、議事のほうに入らせていただきます。

 初めに「医療経済実態調査の結果に対する見解について」を議題といたします。11月4日の総会で医療経済実態調査の結果が報告されたところでございますけれども、本日は1号側委員、2号側委員それぞれから医療経済実態調査の結果に対する見解が提出されております。

 まず、1号側委員から資料の御説明のほうをお願いしたいと存じます。幸野委員、お願いいたします。

○幸野委員

 それでは、私のほうから説明させていただきます。

 資料は「幸野委員提出資料」を御参照ください。ポイントをしぼり御説明させていただきます。

 分析は単年度比較ではなく、中期的な傾向を見ていただくために、平成21年度から26年度までの6年分を分析しました。私の説明の中で出てきます今回調査というのは25年度から26年度、前回調査は23年度から24年度、前々回調査が21年度から22年度となりますので、それを前提にお聞きください。まずは「目次」を参照ください。主な分析結果としまして、「I損益差額率の経年比較」では、「医療機関別・開設者別の損益差額率の経年変化」と「医療機関別の分析」を行い、2番目の医療機関別の分析では、一般病院と一般診療所を分けて分析しております。

  「II費用構造、付加価値額・率、労働分配率の比較」では、費用構造を分析しております。付加価値額とは、収益から医薬品費、材料費、委託費を除いた額です。これは職員の給与や利益の原資になるものです。労働分配率は、付加価値額に占める給与費の割合と定義しています。

 「4職員給与の比較」でも一般病院と一般診療所に分けて比較しております。IIIは「次回調査に向けた意見」。IVは「参考資料」です。

 それでは、内容に入らせていただきます。

 スライド1では、「主な分析結果」をまとめています。1つ目の全体の損益差額率ですが、一般病院は前回調査に比べて全般的に低い水準でしたが、医療法人と個人病院は黒字を維持しています。全体的に増収傾向にありますが、固定費も伸びており、増収減益の傾向です。結果として、損益分岐点が上昇しています。一般診療所、歯科診療所及び保険薬局の損益差額率は、前回・前々回調査と比較して、高い水準であり、安定的に黒字が続いております。

 2つ目の一般病院の損益差額率ですが、機能別に見てみると、療養病床が60%以上の病院は比較的安定して黒字を確保しております。病床規模別では、公立を除くと50床から299床の規模の病院が黒字を維持しており、中規模病院が黒字を維持している傾向がうかがえます。

 3つ目の公立病院の経営状況ですが、経営状態は赤字が続いています。補助金等も含めた総損益差額率においても、平成26年度は赤字になっています。その要因分析については、後ほど説明します。

 4つ目の一般診療所の損益差額率は、個人、医療法人、有床・無床別のいずれにおいても黒字であり、特に医療法人は前回・前々回調査と比較して3〜4ポイント高い水準の黒字を出しています。

 5つ目の医師の年収等ですが、院長の年収については、一般病院では安定的ですが、一般診療所では前回・前々回調査と比べて増加傾向にあります。これも後ほど詳細に説明します。

 6つ目の歯科診療所、保険薬局の損益差額率ですが、双方継続して黒字傾向であり、それぞれの全体の損益差額率は前回・前々回調査と比べて、2〜3ポイント増加しています。

 それでは、具体的にグラフに基づいて傾向を説明します。スライド3を御参照ください。一般病院と一般診療所、歯科診療所には大きな相違が見られます。一般病院は前回調査に比べて低い水準ですが、その中でも医療法人、個人病院については若干の黒字を維持しています。

 一般病院全体の26年度の損益差額率は、−3.1%ですが、加重平均に直すと−2.0%となります。一般診療所、歯科診療所、保険薬局については、それぞれ前回・前々回調査と比較して高い水準を維持しており、安定的な黒字が続いていると分析しております。

 スライド4は参考ですが、公立病院の会計基準変更に伴い、平成25年度と26年度で新基準と旧基準の両方の会計基準で出した施設が25施設あり、新基準と旧基準では、損益差額率で3.4ポイント差が生じていることを示しております。右のグラフは、今回調査でデータを提出した公立病院155施設で25病院と同様の変化が起きていたと仮定すると、3.4ポイントの差は1.1ポイントにまで差が縮小するということです。

 スライド5は、一般病院の機能別収支状況の経年変化です。療養病床は黒字を確保していますが、こども病院は赤字幅が大きく、これは公立が多いということも一つの要因となっていると思います。

 スライド6は、DPC病院別の損益差額率の経年変化で、医療法人、国立、社保法人は黒字を確保しています。

 スライド7は、一般病院を病床規模別に分析しています。一番左の国公立を含めた収支では、赤字傾向ですが、公立病院を除く一般病院を分析すると、50床から299床までの公立を除く一般病院は黒字を計上しております。

 スライド8は一般診療所についてです。一般診療所は、黒字幅が大きく、個人、医療法人は、有床無床とも中期的な傾向として黒字を維持しております。一番右の全体を見ると、前回・前々回調査からは右肩上がりとなっておりますが、平成25年、26年を比較すると少し減少している傾向が見られます。この中で、有床の医療法人、無床の医療法人はそれぞれ10.7%、8.8%と、前回、前々回調査に比べて高い水準の利益になっていることが見てとれます。

 スライド9は、一般診療所の開設者別、診療科別の傾向を分析しています。全体的に黒字ですが、中でも黒字幅が大きいのが、個人では耳鼻咽喉科で損益差額率が41%、。医療法人では眼科が17.5%、外科、整形外科が14.2%と、いずれも前回、前々回調査と比べて2倍以上の黒字を計上しております。

 スライド10は、一般診療所の収益規模別による分析ですが、一番右のグラフを見ると、全体ではいずれの収益規模においても、10%から20%の黒字を計上しており、1.5〜2億円未満の規模以外の収益規模は、前回調査より損益差額率が向上しています。

 スライド11以降が費用構造についてです。費用構造でもそれぞれ一般病院、一般診療所、歯科診療所、保険薬局を分析しています。グラフの一番帯の長い箇所が給与費です。給与費は全ての費用の大半を占めておりますが、グラフの一般病院全体で見ると、給与比率は平成23年度から26年度にかけて1.5ポイント上昇しています。それ以外の、例えば委託費減価償却費、医薬品費については、比較的安定に推移していると思います。

 それから公立を見ると、給与費、委託費、減価償却費が開設者中で最も高くなっており、75%を占めています。固定費がこれだけ高いと、なかなか収益を上げにくい構造であると分析しています。

 スライド12は付加価値額・率についてです。これは、医療従事者一人がどれだけの価値を生み出したのかを病院の生産性の観点から分析したものです。グラフの「全体」の表を見ていただくと、平成23年度から1人当たり付加価値額は減少傾向にあります。その下の枠の100床当たりの常勤医療従事者数については、23年度の92.63人から26年度の106.93人へと医療従事者の密度が15%程上昇しております。

 1人当たり収益は、その下の表にあるとおり、23年度が約1,787万円に対して、26年度が1,749万円となり、約2%減少しております。1人当たりの生産性は余り大きな変化がなく、むしろ少し低下していることが見てとれます。

 スライド13は、同じ付加価値額・率を一般診療所で見ております。これも一般病院と同じ傾向ですが、一般診療所については人数が小さく、値の変動が大きいと思われますので、コメントは控えさせていただきます。

 スライド14は、労働分配率について分析しています。病院が生んだ付加価値がどれだけ給与に分配されたかという率を見たものです。これも一般病院と一般診療所で差がありますが、一般病院は収益の7割から8割が給与に分配されており、一般診療所は、5割から6割となっております。労働分配率についても、一般病院においては各開設者とも前回調査に比べておおむね上昇傾向にあります。特に公立病院は89.2%と収益の約9割が人件費になっており、この辺の構造的な違いをどう考えるかというところです。一方、一般診療所、歯科診療所、保険薬局の労働分配率については、右肩下がりの傾向にあります。

 スライド15以降は、職員給与の比較を分析しています。それぞれを推移で見ると、一般病院は、前回、前々回調査と比べて、社保法人では低下傾向にある以外は概ね安定しております。有床診療所の院長年収は、平成26年度で3,942万円となっており、平成21年度に比べて大きく上昇しております。

 スライド16では、医療法人の一般診療所院長と一般病院の主な医療従事者の平均年収について、21年度から見た推移を分析しています。一番大きく推移しているのは一般診療所院長年収です。一般診療所の院長年収が折れ線グラフの一番高いところですが、前回、前々回調査に比べて伸びており、5年間で6.3%、金額にすると173万円増加しております。一方、一般病院の薬剤師、看護職員、医療技術員の平均年収は平成21年度の水準を下回っており、医療技術員については平成21年度と比較して3.9%低下しております。

 棒グラフの高さを比べると、一般診療所の院長を6とした場合、一般病院の医師が3、一般病院の看護師、薬剤師、医療技術員が1と、6対3対1という水準であるということが見てとれます。

 スライド17は同一職種内の平均年収の範囲について分析しています。この表の見方は、職種別の平均年収最小Aと最大Bがそれぞれ幾らかが示されており、そのB引くAがレンジ、給与の範囲・幅です。その右には平均値を示しております。同一職種内においても所属する開設者によって、平均年収には大きな差があることが見てとれます。一番差が大きいのは院長で、2,300万円程の差があります。薬剤師や事務職員なども比較的に職種内での差が大きく、薬剤師は660万円程度、事務職員は390万円程度の差があります。

 スライド18は、次回調査に向けた意見です。これは時間の関係で省略させていただきます。

 スライド19以降は「参考資料」です。左の表が「概算医療費の長期推移」で保険薬局の伸びが際立っております。

 スライド20は、一般病院の開設者別の補助金等全てを含めた総損益差額率の経年変化で、傾向としては国公立、公的を除く医療機関では若干の黒字ですが、公立が比較的足を引っ張っており、全体として赤字となっている傾向があります。

 スライド21では、医療機関別・開設者別の医業・介護収益、費用、損益分岐点収益の経年変化についてです。収益も費用も右肩上がりの傾向であり、収入も増えておりますが、費用も増えているため、結果として損益分岐点が上がっております。

 具体的な数値で言いますと、21年度から26年度までに収益は約17%増加していますが、費用は収益より1%高い約18%増加しております。損益分岐点を開設者別に見ると、医療法人は14.1億円ですが、公立病院は22.6億円と、8.5億円の開きがあり、公立病院の経営構造をどう見るかというところでございます。

 スライド22は一般診療所等の医業・介護収益、費用、損益分岐点の経年変化についてです。一般診療所と歯科診療所は、病院と違い、収入も費用も比較的安定しております。ただ、保険薬局につきましては、収入も費用も増加しており、一般病院と同様の傾向があることが見てとれます。

 最後のスライド23は、「4.一般病院の医療法人と公立病院の経営指標比較(H26年度)」で、一番左の資料で、医療従事者一人あたり収益を比較すると、医療法人に比べ公立のほうが高い収益になっております。真ん中のグラフの、職種別平均年収でも公立のほうが高い年収になっているといことが見てとれます。

 一番右の医薬品費率・委託費率・減価償却費率は、いわゆる固定費の部分ですが、これにつきましても公立が高くなっております。公立病院については、人件費と固定費が高いことから、収益を生みにくい構造になっているのではないかと思われます。

 分析は以上です。

○田辺会長

 どうもありがとうございました。

 続いて、2号側委員のほうから資料の御説明をお願いいたします。

 松本委員、お願いいたします。

○松本委員

 実調の結果報告に対する2号側の見解を松本のほうからさせていただきまして、その後、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会が結果検証を行っておりまして、簡単な資料もつけさせていただいておりますので、それぞれが若干のコメントをさせていただく予定でございます。

 平成2711月4日に報告されました、第20回医療経済実態調査の結果から医療機関の経営状態を見ますと、一般病院の損益率が−1.7%から−3.1%に低下し、一般診療所の損益率も16.1%から15.5%に低下、精神科病院の損益率は0.4%から0.7%とほとんど改善をしておりません。

 民間の一般病院では、医師給与が−2.1%と低下するなど、給与水準は抑制されておりますが、給与比率は54.5%から54.9%に上昇をしております。コ・メディカルなどの医療関係職種の増員に見合う収入が手当てされていないのではないかと推察されるところでございます。医療従事者の確保、処遇改善は経済成長にも資するものでありまして、十分な手当てが必要であると考えます。一般病院では、流動比率が215.8%から198.3%に、自己資本比率は55.9%から46.5%になるなどの安全性指標も低下しております。

 民間病院では、一般病棟入院基本料7対1の赤字が−1.3%、前々期は−0.4%でございますので、最も大きくなるという事態になっております。必要な人材を確保し、設備投資を行って医療提供体制を維持できる状態ではございません。

 一般病院の病床規模別では、全ての規模で連続赤字となっております。特に大病院で赤字が拡大しております。例えば300床から499床の場合、−2.0%から−4.2%、500床以上では−1.7%から−3.3%で、前回診療報酬改定で行われた消費税率引き上げに伴う補填が不十分であった医療機関が存在するものと考えられます。小規模な病院も損益率が連続して低く出ております。

 精神科病院や療養病床を保有する病院では、医薬品などの外部支出を抑制して利益を捻出しておりますが、職員の処遇改善の余裕はございません。

 療養病床に関しましては、診療報酬と100床当たり入院収益の関係が逆転しております。例えば100床当たり入院診療収益は療養病棟入院基本料1で7億8,200万円、入院基本料2で8億2,400万円でございました。これは他の病床の収益もあるほか、病床稼働率の違いなどが影響しているものと見られます。診療報酬は個別の点数だけでなく、算定要件や地域性なども広く考慮する必要がございます。

 一般診療所は、全体で減収減益でございました。医療法人では、院長給与を−0.5%引き下げましたが、勤務医給与の上昇がありました。給与比率が47.9%から48.2%に上昇しております。給与費単価だけの問題ではなく、一般診療所では事務職員などが増加している中、従業員の増員分を賄える収益がないものと推察されます。

 また、一般診療所では、在宅療養支援診療所の損益率が低く、また、内科診療所で損益率が低下しております。前回改定で在宅医療の適正化を行ったことが、現場で真面目に在宅医療に取り組んでいる診療所にも影響を与えたものと考えます。

 歯科の医療機関の大部分を占める個人歯科診療所における直近2事業年結果については、医療収入の伸びは0.3%で、損益差額はほぼ横ばいにとどまっております。医療・介護費用について内容を見てみますと医薬品費、歯科材料費が増加する一方で、減価償却費の減少が見られます。消費税増税と金属代などの価格上昇を設備投資の抑制で補っている状況でございます。また、給与費の下げどまりは人件費の削減が限界に達しているものと思われ、経営状況はこれまで同様非常に厳しい状況であることがうかがえます。

 そして、従来から言われている経営の落ち込みについて、全く回復されていないことがわかります。個人歯科診療所における経営状況につきましては、既に経営努力や経費削減努力が明らかに限界に達しておりまして、このことは設備投資面での資金にも影響を与えることが懸念され、安全・安心を前提とした歯科医療提供体制の根幹にかかわる喫緊の課題として速やかな対応が求められます。

 保険薬局の収支状況につきましては、収益が横ばいもしくは低下であるのに対し、投与日数の長期化傾向などの影響により、費用の9割を占める医薬品費とその管理に関する給与費が上昇した結果、開設主体の違いにかかわらず損益率は低下しました。

 また、保険薬局の開設主体の9割以上を占める法人薬局のうち、同一法人の店舗数が6ないし19店舗の施設を除き、いずれの区分においても損益率は低下しており、特に保険薬局のうち、地域密着型の代表とも言える1店舗及び2ないし5店舗の施設の損益は、2ないし5店舗で半減、1店舗では赤字となり、前回改定において消費税率の引き上げに伴う補填が行われたにもかかわらず、調査結果の数値以上に厳しい状況であることがうかがえます。

 以上見てきましたように、今回の医療経済実態調査結果からは、平成26年度診療報酬改定が実質−1.26%改定であったことや、消費税率引き上げに伴う補填は行われましたが、医療機関などは総じて経営悪化となったことが示されました。

 続いて、日本医師会の資料をごらんいただきたいと思います。「結果のポイント」と書いてございます右下のスライドナンバー1でございますが、一般病院、一般診療所で損益率が低下し、精神科病院でもほとんど改善しなかった。一般病院の病床規模別では、全ての規模で連続赤字でありました。一般診療所は全体で減収減益でありました。

 2のスライドでございますが、損益率は、一般病院及び一般診療所で法人、個人ともに低下。精神科病院は低位横ばいでございました。

 3でございますが、民間の一般病院では、医師給与が低下するなど、給与水準は抑制されておりますが、給与比率が上昇。コ・メディカルなどの医療関係職種の増員に見合う収益がないということがうかがえます。

 流動比率、自己資本比率など安全性指標も低下しております。

 病床規模別では、全ての規模で連続赤字でございました。

 民間病院では、一般病院基本料7対1の赤字が最も大きく、必要な人材を確保し、設備投資を行って医療提供体制を維持できる状態にはございません。

 大病院で赤字幅が拡大しており、消費税率引き上げに伴う補填が不十分であった可能性もあると言えます。

 4のスライドでございます。給与比率が上昇し、損益率が低下しているということでございます。ここでいわゆる国公立の院長給与が上がっているように見えますが、これはそこの米印にありますように、東日本大震災などに対処するための院長給与減額支給措置が終了したことがございまして、給与比率が上昇しております。

 医療法人では、医師給与は低下、看護職員給与も抑制されております。

 6のスライドでございますが、医療法人では、1人当たり平均給与を抑制しておりますが、給与比率は上昇しております。どういうことかといいますと、これで言えるのが病院診療所ではコ・メディカルなど医療関係職種の絶対数が増加をしております。しかしながら、職員数の増加に見合う収入はないと言えるのではないか。

 7のスライドでは「一般病院の安全性」でございますが、流動比率や自己資本比率など、安全性を示す指標も悪化しているということでございます。

 8のスライドでは、国公立病院は減価償却費率が高く、かつ上昇しておりまして、設備投資を行っていることがうかがえます。民間病院は自前の設備投資を抑制せざるを得ない状況にあると言えます。

 9のスライドでは、全ての病床規模で赤字が拡大しております。大病院でも赤字が拡大、消費税の補填が不足の可能性もあるということでございます。小規模の病院では、連続して赤字が大きい状態にございます。

10のスライドでは、民間病院では7対1で赤字が最も大きく、必要な人材を確保し、設備投資を行って医療提供体制を維持できる状態にはありません

11の一般診療所では、全体で減収減益という危機的状況にございます。内科の診療所や在宅療養支援診療所で損益率が悪化しており、在宅医療の推進に支障を来すおそれがございます。

12のスライドでは、診療所は有床、無床ともに減収をしております。

13のスライドでは、損益率も有床診療所、無床診療所ともに低下していると言えます。

14のスライドでは、多くの診療科で損益率が低下しております。対象施設の多い内科で低下をしているという結果でございました。

15のスライドでは、診療所は院長給与を引き下げておりますが、損益率がそのために縮小しておりまして、それは先ほども述べましたが、医療法人の医師、これは勤務医でございますが、この給与、看護職員の給与は上昇しております。これで何が言えるかといいますと、そうまでしても医師、看護師確保が困難になっている可能性があると言えると思います。

16のスライドで、在宅療養支援診療所の損益率が低く、かつ、低下にあります。

 最後のスライドでございますが、在宅療養支援診療所は給与比率が高く、上昇をしております。これから言えるのが労働量、あるいは職員数に見合う収入が確保できていないということでございます。

 以上で、日本医師会のコメントを終わりますが、来週1125日水曜日の午後、日本医師会館におきまして、詳しい分析を加えた記者会見を行う予定でございますことをつけ加えさせていただきます。

 次に歯科のコメントをお願いしたいと思います。

○田辺会長

 お願いいたします。

○遠藤委員

 歯科のほうにつきましては、今ほど松本委員からも発表がありましたように、従来からの落ち込んだ状態が改善されていないという状況でございます。特に歯科におきましては、8割以上が個人立の診療所でございます。個人の場合には、黒字と言われましても、ゼロでは生活できません。黒字幅の中には事業主の給与等が含まれておりますので、その辺のところは分析の際、御留意いただきたいと思います。なお、歯科のほうの15ページのところに損益差額の分布を乗せてございますけれども、今回の調査では、我々が主張していた最頻値を示していただいておりますので、このように載せてありますが、損益差額の分布を見ますと平均より低いところに大きな山が2つございまして、最頻値としては13.9%のほうでしょうけれども、同じ程度の山が2つございます。こういうところから見ますと、中央値はさらに低いものと判断されます。収益率の変化云々というよりも既に損益差額の数値そのものが非常に低下しておりますので、金額、絶対値そのものが問題になるという水準でございます。

 多くの歯科診療所において、経営の実感として感じている点というのは、この中央値にあるのではないかと思っておりますので、これは従来から求めていることですけれども、次回の調査からはぜひ中央値を 示していただくことを今回は要望いたします。

 以上です。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 続きをお願いいたします。

○安部委員

 保険薬局の収支に関しましては、松本委員から御説明がありましたけれども、資料の17ページ以降について私から補足説明をさせていただきます。

 まず、17ページでありますけれども、今回の実態調査について、薬局の場合には開設主体の9割が法人立であります。今回の調査においても回答施設の約9割が法人立でございました。おおむね1施設当たりの処方箋枚数のボリューム感を17ページに記載させていただいております。

18ページでございますけれども、保険薬局全体の収支の状況を示しております。個人、法人に分けてありますが、開設主体の個人、法人の違いによらず、いずれも前年比で見ますとマイナスとなっております。また、開設主体の9割を占めている法人薬局を見ていただきますと、収益に関しても前年比マイナス、それから費用については増となっています。

 この要因でありますけれども、処方日数の長期化や後発医薬品の普及促進に伴う備蓄品目の増加といった影響が相当あると考えております。また、その管理のための管理費用等での人件費といったことも大きく影響していると考えております。また、参考までに一番右に最頻階級の収益を示しておりますけれども、損益差率の悪化、収益の状況としても、厳しい状況である言えると思っております。

19ページでございますけれども、19ページは後発医薬品の調剤の割合別の収益差率を示したものであります。赤い枠でお示しをさせていただきました50%のところで、収益差が他のところに比べて悪化している傾向が見られます。これにつきましては、後発医薬品の

使用を積極的に進めてはいるものの、施設基準の下限が55%でございますので、この赤い枠に入っている薬局の中には、後発医薬品に一生懸命取り組んでいるものの、施設基準等が算定できないといったところ入っており、こういう数字にあらわれているのではないかと考えております。

20ページは、同一法人による店舗数ごとの収益を示させていただいております。松本委員の御説明にもありましたけれども、6から19店舗というのは、収益差率は微増の状況にございますけれども、それを除いては1店舗、2〜5店舗、20店舗以上で損益差は低下しているというところが見られます。特に地域密着型の代表とも言えるような1店舗でありますとか、2〜5店舗というところでは非常に厳しい状況にあり、1店舗では赤字状況だということがここで御理解いただけると思っております。

21ページについては、薬剤師の給与でございますけれども、管理薬剤師が若干減少、勤務薬剤師のほうは若干増加ということでございます。さまざまな要因があろうかと思いますが、薬剤師が薬学教育6年制になった等の影響もあるのではないかと思っております。21ページの下のほうには参考までに、保険薬局とその他一般診療所、病院の薬剤師の給与も記載してございます。

22ページには、同一法人の店舗数ごとの薬剤師の給与が載ってございます。1店舗と2〜5店舗のところで、管理薬剤師の給与が若干高くなっているということでありますが、これにつきましては、開設者であり、かつ、管理薬剤師であるというところが含まれている影響があると思っております。全般的に薬局の収益については、最初の御説明にもございましたように悪化傾向にあり、特に小規模薬局については脆弱な経営基盤、収益という厳しい状況にあるところが見てとれるということでございます。

 私からは以上であります。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 続きまして、1号側委員、2号側委員で御説明になられた委員以外の方で補足的な御説明がございましたら、よろしくお願いいたします。

 まず、1号側委員、いかがでございましょう。よろしゅうございますか。

 2号側委員で補足説明、中川委員、お願いいたします。

○中川委員

 補足というよりも質問をしていいのですか。別の機会ですか。

○田辺会長

 別ではなくて、一応補足説明が終わった後に質問は受け付けたいと思います。

○中川委員

 後にします。

○田辺会長

 この後、すぐにやります。2号側、補足の説明はよろしゅうございますか。

 わかりました。ただいまの説明に関しまして、御質問等がございましたらよろしくお願いいたします。

 中川委員、お願いします。

○中川委員

 幸野委員の説明で気になったことがありまして、例えば1ページのところで「黒字を維持している」という表現が何カ所もあるのです。「黒字を維持している」というのは余りよくないことのようなニュアンスに聞こえたのですが、そんなことはないですよね。

○幸野委員

 事実関係を書いただけですので、良い、悪いということではありません。

○中川委員

 十分だという響きに聞こえたものですから、確認したいと思うのですけれども、違いますよね。

 それから、3番ですが、これは6年間の経年変化を示しているのですけれども、医療経済実態調査は、釈迦に説法で恐縮ですが、改定を挟んだ2年間のデータを提出してもらっています。自動的に定点調査になっているのですが、例えば平成21年度〜平成22年度、平成23年度〜平成24年度、平成25年度〜平成26年度とそれぞれ定点調査なのですけれども、6年間並べて経年変化を見るというのは、客体が違いますので無理があるのではないかと思うのです。日本医師会の表は平成25年〜平成26年の比較を申し上げているのですが、これはかみ合わないという御認識を持たれているのかという質問でございます。

○田辺会長

 お願いします。

○幸野委員

 定点調査というのは理解しておりますが、単年度だけで比較しても全体的な傾向が見えないので、中期の傾向を見ていく必要があるという意味で、平成21年度から平成24年度までの資料を追加させていただきました。

○中川委員

 わかりました。

○田辺会長

 ほか、いかがでございましょう。

 松本委員、お願いします。

○松本委員

 同じ表なのですけれども、下のところに黄色く囲ってある一番下の白丸に、「一般診療所、歯科診療所、保険薬局」のところで、「それぞれ全体」と書いてあるのですが、これは実調の結果報告のときにもありましたように、例えば医科でいいますと、個人の一般診療所と医療法人というのは全体で見るのは無理があるのではないか。もちろん院長収入ではなくて損益差額率ですからあれなのですけれども、ちょっとその辺はいかがなのかと思ったものですから、その辺はそれでよろしいのでしょうか。

○田辺会長

 コメント、御回答ございますでしょうか。

○幸野委員

 比較は損益差額率で行っており、一般病院については加重平均も出しておりますので、補正はできていると思います。

○田辺会長

 ほか、いかがでございましょう。

 万代委員、お願いします。

○万代委員

 1つだけ質問をお願いいたします。12ページの付加価値額と率の上のほうの表でございます。白丸の2つ目に増加傾向ではあるものの、付加価値額はほぼ横ばい、もしくは微減基調であったということで、これも恐らく事実をということで述べておられるのだと思いますが、とりようによっては働きが悪いというデータの提示にも思えますが、そこら辺のところはどのように解釈させていただければよろしいのでしょうか。

○幸野委員

 働きが悪いことを分析しているわけではなく、100床当たりの従事者数がふえ、診療密度が濃くなっていますが、収入も同様に伸びているので、本当であればもっと1人当たりの収益が悪化するはずですが、1人当たりの収益は2%の減少で、収入の伸びでカバーできているということを示した資料です。

○田辺会長

 松原謙二委員、お願いします。

○松原謙二委員

 前回も松本委員が申しましたように、個人と医療法人の会計のやり方は全く違いますので、それを単純に全体で合計してという数字自体は意味がございません。むしろ、前回の改定の前後でどれだけ収益が下がっているかだけが比較上の意味を持ちます。したがいまして、幸野委員がおっしゃいましたように、前回の改定でマイナスになったということは言えます。しかし、その他の分をここで並べてというのは会計のやり方が違いますので、意味がないことをもう一度申し上げておきたいと思います。

○田辺会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 追加させていただきますが、厚生労働省が発表している毎月勤労統計調査というものがあります。そこで一人平均現金給与総額というのがあるのですが、製造業の38.2万円にたいして、医療・福祉が29.4万円と非常に低くなっているのです。全産業が31.7万円と、全産業の平均を医療・福祉で押し下げているのです。先ほど幸野委員の報告、分析にもありましたが、医療機関の従事者数は非常にふえています。労働集約型の医療においては人手をたくさんかけて、丁寧な質の高い医療をやろうということを全国で追求しているという結果なのです。例えば病院、診療所、歯科診療所を合わせて、2002年では251.8万人の医療従事者がいました。2011年には、これが295.3万人になっているのです。これに見合う収入が得られていない実態が浮かび上がっているということを強調したいと思います。

 以上です。

○田辺会長

 ありがとうございました。ほか、いかがでございましょう。

 幸野委員、お願いします。

○幸野委員

 2号側の分析結果について、コメントと意見を述べさせていただきます。

 まず、結果報告に対する見解の1ページ目ですが、上から6行目「コ・メディカル等の医療関係職種の増員に見合う収入が手当てされていないのではないか」と示されておりますが、我々の分析によると、コ・メディカルの方の職員の給与費は年々上がっており、健保連資料のスライド16の給与水準では、確かに診療所は下がっておりますが、一般病院は若干上昇しております。

 それから、3行下の流動比率、自己資本比率が低下していると書かれているのは、おそらく国公立全体で分析されていると思いますが、公立を除くとおそらく改善されていると分析しております。これも改めて確認いただければと思います。

 次に、プレゼン資料のスライド1の結果のポイントにおいて「一般病院の病床規模別では、すべての規模で連続赤字となった」とありますが、私が説明しましたように、これは国公立を含めての数字で、公立を除きますと50床から299床の一般病院は黒字を確保しているということを申し添えておきます。

 その下に「一般診療所は全体で減収減益」とあり、これは25年度、26年の比較で書かれていると思いますが、中期的な傾向では2〜4%改善しているとこちらでは分析をしております。全体的に25年度、26年度の比較で悪化したということですが、中期的な傾向を見れば、21年度からはおおむね右肩上がりに推移しているという傾向が見られると思います。

 また、スライド11で、一般診療所の傾向として、「全体で減収減益という危機的状態」という表現がございますが、我々の分析の中期的な傾向からは、これが「危機的状態」であるとはとても言えない状況であると考えております。

 次に、日本歯科医師会のスライド12で、歯科診療所も経営が悪化しているということですが、21年度から比較すると歯科全体の収益は3.4%増加しております。歯科がこの6年間で収益が悪化したのは23年度のみで、その年度以外は毎年収益が上がっております。

 コメントは以上です。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員

 歯科のほうにもコメントがあったようですけれども、長期トレンドということであれば、いろいろな改革が始まった昭和56年程度から推移を見れば非常に落ち込んでおりまして、ようやくそれが下げ止まっているという状況でございます。先ほどの損益差額の分布を見ていただきましても、非常に下のほうからずっとグラフが続いていますので、大変厳しいということは御認識いただきたいということでございます。

 以上です。

○田辺会長

 一応、両者の分析のコメントということで交換がございましたけれども、よろしゅうございますでしょうか。

 中川委員、お願いします。

○中川委員

 中期的なトレンドと幸野委員がおっしゃいますので、参考までに直近10年間の2004年から2014年までの間の賃金・物価の流れと診療報酬全体を見てみると、2004年を100とすると、賃金・物価は99、診療報酬は95なのです。ずっと賃金・物価を診療報酬全体としては下回ってきているのです。そういう中期的な流れはあります。そういうことも考慮、御認識いただきたいと思います。

○田辺会長

 ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。本日の議論も踏まえまして、12月上旬ごろに1号側委員、2号側委員から次期改定に対する御意見を提出いただきたいと考えておりますので、各号の委員におかれましては御準備のほうをよろしくお願い申し上げます。

 次に、次期診療報酬改定に向けた議論といたしまして「歯科医療について(その2)」を議題といたします。事務局のほうより資料が提出されておりますので、事務局より御説明のほうをお願いいたします。

 歯科医療管理官、よろしくお願いいたします。

○田口歯科医療管理官

 歯科医療管理官でございます。

 それでは、中医協総−1の資料に基づきまして「歯科医療について(その2)」について御説明をさせていただきます。

 まず、2ページ目、3ページ目につきましては、これまでにもお示しをした資料でございますが、2ページ目は「歯科治療の需要の将来予想」をイメージしたものでございます。

 3枚目でございますけれども、「歯科医療サービスの提供体制の変化と今後の展望」を示したものでございます。

 4ページ目、本日の目次でございます。初めに地域完結型医療におけます歯科の対応ということで、周術期口腔機能管理等の医科歯科連携の推進について御説明をさせていただきます。

 5ページ目でございますけれども、周術期におけます口腔機能管理に係るこれまでの診療報酬上の対応を示したものでございます。この管理料につきましては平成24年度の改定で新設をされまして、前回の改定で医科歯科連携に係る評価の充実を図ってきたところでございます。

 6枚目と7枚目につきましては、周術期におけます口腔機能管理と診療報酬上の評価をイメージしたものでございます。6ページ目が歯科の併設病院での管理のイメージ、7ページ目が歯科の標榜がない病院での管理のイメージを示したものでございます。

 8枚目は、周術期における口腔機能管理の効果を示したものでございますが、真ん中のところに赤枠で書かれております周術期において口腔機能管理を実施しますと、術後肺炎の発症が抑えられることが明らかになったことを示している資料でございます。

 9枚目、10枚目につきましては、歯科がある病院とない病院での医科歯科連携の事例を示したものでございます。9枚目は歯科がある病院、10枚目は歯科がない病院での連携の状況でございます。特に10枚目につきましては、歯科がない病院が地域の歯科医師会の口腔ケアセンターと連携をすることで、入院中の患者さんの口腔機能管理を実施している事例でございます。

11枚目でございますが、口腔機能管理料の算定状況を示したものでございます。算定回数は年々増加してございますけれども、内訳を見ますと医科歯科併設病院での算定がほとんどという状況でございます。

12枚目のスライドは、検証調査によります医科と歯科の連携状況について示したものでございますが、歯科の標榜ありの病院では、病床数が多いほど歯科医師の連携が進んでおり、そのほとんどが院内連携であること。また、標榜がない病院におきましては、標榜ありの病院に比べますと全体的に低い数字になってございます。

13枚目は、歯科の標榜がある病院が地域の歯科の診療所との連携について調査した結果でございます。周術期の口腔機能管理の算定を行ったことがある歯科を有する病院のうち、地域の診療所と連携している医療機関の割合は約56%、逆に連携をしていない43%のうち今後の意向を調査したところ、約8割が連携をしたいと考えているという結果でございます。

14枚目は、連携をしたい理由ですけれども、その理由としては、病院歯科ではなかなかマンパワーが足りない、あるいは歯科全体の問題でございますので、歯科の診療所も一緒に積極的にやっていただきたいという御回答が示されているところでございます。一番下のところに書いてございますけれども、現行の診療報酬上の取り扱いでは、歯科を標榜する保険医療機関に対しまして、歯科の訪問診療を実施しても、歯科の訪問診療は算定できないという取り扱いになってございます。

15枚目は、医科の医療機関と歯科医師の連携について、連携をしていない理由についてを示したものでございます。内容はそこに示されているとおりでございます。

 ここまでは医科、歯科連携に係る資料でございましたけれども、16枚目は、周術期の口腔機能管理料3という管理料についての課題を示したものでございます。この管理料につきましては平成24年度の改定で、がんなどの放射線治療や化学療法を実施する患者さんの口腔機能の管理を評価するために新設をされたものでございます。現行の取り扱いでは、こういった患者さんは化学療法、あるいは放射線治療の前に口腔の管理が必要となることが多うございますけれども、実際には治療の期間中でなければ、その評価はできないという形になってございます。

 また、対象の患者さんでございますけれども、例えば緩和ケア等の患者さんの口腔内の状況でございますけれども、例えば乾燥でありますとか口臭、あるいは口腔カンジダ症といった問題が非常に多い場合がございますけれども、こういった管理の対象にはなっていないということ。一番下にございますけれども、周術期におきます入院中の患者さんの専門的な口腔衛生処置がございますけれども、こういったものが周術期の3の患者さんについては対象となっていないといった問題点が指摘をされているというところでございます。

17枚目のスライドは、歯科の標榜のない病院での緩和ケアにおける医科歯科の連携を示した事例でございます。

18枚目には、これまでの周術期の口腔機能管理についての課題と論点を示したものでございますが、これまでの現状、課題を踏まえまして、論点といたしましては、周術期の口腔機能管理のさらなる充実を図る観点から、例えば歯科の標榜がある病院に対しましては、現在歯科の訪問診療料は算定できないことになってございますけれども、例えば院外の歯科医師、あるいは歯科医療機関との連携のあり方についてどう考えるかということ。また、周術期におけます口腔機能管理の効果を踏まえまして、病院における歯科の受け入れ態勢をさらに推進していくために、周術期の口腔機能管理後手術加算の評価をさらに図ってはどうかということでございます。

 さらには、周術期口腔機能管理料3につきましての対象者、あるいは対象期間をどう考えるかということ。また、周術期の専門的口腔衛生処置の対象について、どう考えるかという論点を示させていただいております。

19枚目以降は、全身的な疾患を有する患者さんへの対応ということでございます。

20枚目のスライドでございますけれども、歯科治療の総合的な環境整備に対する評価を示したものでございます。歯科の外来診療の特性を踏まえまして、歯科医療の総合的な環境整備の評価といたしまして、平成20年に基本診療料の加算といたしまして、歯科外来診療環境体制加算が創設されてございます。この加算につきましては、前回、前々回の改定で初診料の加算に加えまして、再診料でも加算できるような見直しを図ったところでございますけれども、届け出されました医療機関数は全ての医療機関の約12%にとどまっているという状況でございます。

21枚目、22枚目は、歯科の初・再診に係る加算についてお示しした資料でございます。

23枚目の資料でございますが、医療安全に関しましての患者さん、あるいは国民の方々の意識の調査を示したものでございますけれども、国民の方々は歯科医療機関について、清潔さでありますとか、治療器具の取り扱いといったところに非常に関心が高いというデータが示されているところでございます。

24枚目のスライドでございますけれども、全身的な疾患を有する患者さんへの対応ということで、歯科の診療所の患者さんの割合は、高齢者の割合が非常に増加をしてきてございまして、例えば平成23年度では患者さんの3人に1人が65歳以上となってございます。また、右下の棒グラフにありますように高血圧症あるいは糖尿病、脂質異常症あるいは認知症以外に慢性疾患を持つ方が75%から85%以上いらっしゃって、循環器疾患あるいは消化器疾患等の複数の基礎疾患を持つ患者さんが増加をしているという調査もございます。

 そういった中で、下段左のほうにありますけれども、これは一つの例でございますが、複数の基礎疾患を有しております患者さんに対して、歯科治療のリスクが高い患者さんについては、バイタルサイン等をモニタリングしながら歯科治療を行う必要性が非常にふえてきているという例を示しているところでございます。

25枚目のスライドでございますけれども、現行の診療報酬上の評価の中で総合的な医療管理を行っている評価でございますが、これは医師の先生からの情報提供に基づいて、例えば真ん中の左のほうに対象疾患と書いてございますけれども、例えば高血圧疾患など15の疾患に該当するような患者さんにつきましては、右にありますような施設基準に該当する医療機関において総合的な医療管理を行った場合には、歯科治療総合医療管理料が算定できる取り扱いとなってございますけれども、この管理料につきましては、医科医療機関から情報提供の様式に基づく紹介が必要なため、その算定がなかなか伸びていないという状況になってございます。

 また、全身的な疾患を有する患者さんの例といたしまして、糖尿病と歯周病の関係が近年叫ばれてございます。特に糖尿病の患者さんは歯周病になりやすいこと。それから、重度の歯周病は糖尿病のリスクファクターであることがわかってございます。さらに、歯周治療によります血糖値の改善によりましては、複数の文献によってその改善効果が認められてございまして、糖尿病患者に歯周病治療を行いますと一定程度血糖コントロールが改善されると示唆されてございます。

27ページでございますが、これは歯科の専門学会が糖尿病患者さんへの歯周病の治療のガイドラインを示したものでございますが、重度の歯周病を有する糖尿病の患者さんにつきましては、局所に抗菌剤の投与を先行した歯周病治療を行うことで血糖値が改善されることが認められてございますので、現行重度の歯周病を有する糖尿病患者さんに対して、局所の抗菌剤を歯周病治療に先行して投与することは認められていないというケースがございますので、こういったところを少し改善していければと考えて、資料を用意させていただきました。

28枚目は、これまでの全身的な疾患を有する患者さんへの対応ということでの課題と論点を整理したものでございますけれども、課題を踏まえまして、現行の歯科外来診療環境体制加算の施設基準を満たす歯科医療機関の拡充を図り、その裾野を広げるためにどういった方策が考えられるかということ。それから、全身的な疾患を有する患者への総合的な医療管理の拡充を図るために、例えばバイタルサインをモニタリングしながら治療を行った場合の評価についてどう考えるかということ。さらには、重度歯周病を有する糖尿病患者さんに関しまして、局所抗菌剤を歯周治療に先行して投与することについて、医科との連携を含めてどのように考えるかという論点を示させていただいてございます。

29枚目以降は「かかりつけ歯科医機能について」の資料を準備させていただきました。

31枚目は、歯科サービスの提供体制の変化と今後の展望、32枚目は地域包括ケアシステムの中におきますさまざまな連携のあり方を示したものでございます。

33枚目でございますけれども、かかりつけ歯科医機能について、これまでさまざまなところでお示しをされたものについてですけれども、例えば上段にありますかかりつけ歯科医機能につきましては国が示したものでございますけれども、1から6までのようなものについての機能を示しているというところでございます。

34枚目につきましては、かかりつけ歯科医の有無についての調査結果を示したものでございますけれども、20歳以上の方について約7割の方がかかりつけ歯科医を決めているという結果でございます。

35枚目は、東京都民に対して行った結果でございますけれども、個人が家庭で実施している内容に加えまして、例えば歯科医院で定期的に健診でありますとか、歯科医院で歯石除去や歯のクリーニングを受けているといった歯科医院での専門的な定期管理、あるいは指導を回答した割合が多い結果となってございます。その一方で、歯科疾患は御存じだと思いますが、齲蝕と歯周疾患、歯槽膿漏といったものに大別できますけれども、最終的には歯が抜けることによりまして、そしゃく機能等が大きく阻害をされるということが言われてございます。

37ページ目を見ていただきますと、歯を抜くに至った主な原因を年齢階級に示したものでございますけれども、例えば若年層では齲蝕、いわゆる虫歯が原因で歯を抜くケースが多うございまして、高齢者になりますと歯周病で歯を抜くケースが多いといった結果となってございます。

38枚目は、こういった歯の喪失リスクの要因を示したものでございますけれども、例えば歯周疾患の治療の後にメンテナンスに移行した患者さんが歯を失う原因で一番多い要因は、不定期な来院というものが非常に高いオッズ比を示してございます。

 こういった歯周病に伴う歯の喪失リスクへの対応といたしまして、診療報酬上対応しているものが39枚目でございます。いわゆる歯周病安定期治療と呼ばれる歯周病のメンテナンスを想定している評価でございますけれども、一連の治療終了後に定期的に行う包括的な治療を評価しているものでございます。

 しかしながら40枚目のスライドでございますけれども、こういった歯周病安定期治療は算定状況がまだまだ低い状況という形になってございます。

41枚目でございますが、これは虫歯の新しい概念というものを示したものでございます。これまでの虫歯の概念といいますのは、不可逆性に虫歯は進行いたしまして、一度虫歯になると回復することが困難とされてございました。近年、初期の虫歯につきましては、可逆的な変化で適切な管理と積極的な再石灰化療法といったもので、健全な状態に回復をする可能性が示されておりまして、重症化予防の観点から対応が必要であると考えられてございます。

42枚目でございますけれども、下の図でございますが、初期の虫歯の確認と積極的な再石灰化療法の後の効果を示したものでございます。下のほうを見ていただきますと、カラーのほうですけれども、紫の部分が初期の虫歯でございますが、これを再石灰化療法を積極的にやりますと、脱灰部分が消失をいたしまして、初期の齲蝕が完治、治癒をしているという状況になってございます。

43枚目は、再石灰化療法の一つでありますフッ化物の塗布の効果を示したものでございます。

44枚目、かかりつけ歯科医の効果を示した研究結果でございますが、左側は歯科の診療所に定期的に通院している回数と、新しい虫歯の発生について調査した結果ですけれども、フォローアップの回数がふえますと新しい齲蝕ができにくいという結果、また、右側のほうはかかりつけ歯科医の有無と現在歯数との関連を調査した結果でございますけれども、かかりつけ歯科医がいない場合は、現在歯数が20本未満となるリスクが高くなるという結果が示されてございます。

45枚目でございますけれども、かかりつけ歯科医機能のイメージを示したものでございますが、かかりつけ歯科医師による齲蝕、歯周疾患といったものの口腔の健康状態が維持されることを考慮いたしますと、例えばここに書いているような一定の条件を満たしたかかりつけ歯科医機能を持つところで、定期的な口腔機能管理を充実することとしてはどうかということで、資料を準備させていただいてございます。

46枚目は、かかりつけ歯科医機能の評価における課題と論点でございますけれども、論点といたしまして、かかりつけ歯科医を持った歯科医師が生涯を通じた切れ目のない口腔のマネジメントを実践することで、口腔の健康状態が維持されることが明らかになってございますけれども、歯の喪失リスクの低減、あるいは口腔疾患の重症化予防とかかりつけ歯科医の機能との関係についてどう考えるかということで、論点を示させていただいてございます。

 1枚おめくりいただきまして、この後は少し歯科固有の部分についてお話をさせていただきます。

48枚目は、これまでにもお示しをしましたけれども、加齢による口腔機能の変化をイメージしたものでございます。

49枚目からは、例えば歯科治療の後のそしゃく機能の評価の例を示したものでございます。

49枚目は、現在先進医療で実施されている咬合、そしゃく機能の評価方法でございますけれども、例えばかみ合わせの機能については、そしゃく運動の経路を記録、分析することによって、そしゃく機能については、例えばそこに書いていますグミゼリーをかんだ後のグルコース量を測定することで、有床義歯、いわゆる入れ歯の治療の後のそしゃく機能をきちんと評価しましょうというものでございます。

50枚目のスライドは、今、お話をしました49枚目のスライドの評価方法を図式化したものでございます。入れ歯の装着後にそしゃくの運動、あるいはそしゃく能力に関する検査をやったところ、有意に両検査とも改善をしているという結果を示したものでございます。

51枚目をおめくりいただきまして、舌圧と口腔機能の関連について、これは前回の中医協の資料でもお示しをしたものでございます。

52枚目は、舌接触補助床と言われる装置を入れたときの評価について示したものでございます。いわゆる舌接触補助床といいますのは、右下にありますように著しい舌、べろですけれども、舌の機能障害によって、舌と上顎の軟口蓋、硬口蓋といったところの接触が図られない患者に対して装着される装置でございます。舌接触補助床の装置については平成22年の改定で、この装置の製作そのものに対しての評価、平成26年の改定で入れた後の指導管理についての評価がされたところでございますけれども、現行では、舌接触補助床の装着によりまして、舌の接触状態の変化を客観的に評価する方法が必要とされているということがございますので、できればこういったところの検査方法をきちんと評価できないかというところで、この資料を準備させていただきました。

53枚目は、舌接触補助床を装着した後の舌圧の変化を示したものでございます。例えば舌接触補助床を装着開始前よりも装着直後、あるいは装着直後よりも、さらに再評価をやった後での舌圧は非常に改善をしてきているという結果が示されてございます。

54枚目のスライドは、口蓋補綴、顎補綴と言われるような治療に対する評価でございます。いわゆる口蓋裂を有するお子さんに対しまして、自立的な哺乳を補助する目的で装着される装置にホッツ床というのがございますけれども、このホッツ床については、物に対する政策の評価はございますけれども、装着をした後の指導管理についての評価がないという現状になってございますので、こういったところを評価できないかというところで、今回資料を御用意させていただいてございます。

55枚目は、これまでの口腔機能に着目をした評価ということでの論点を示したものでございますけれども、論点にありますように、義歯あるいは舌接触補助床を装着後のそしゃく機能、あるいは客観的な検査方法についての評価をどう考えるかということ。さらには、ホッツ床を含む口蓋補綴、顎補綴を装着した際の管理や指導に関する評価についてどう考えるかということを論点としてお示しをさせていただきました。

57枚目以降は、これはまさに歯科固有の技術についての内容でございます。

58枚目の資料でございますけれども、これは根幹治療と言われるいわゆる歯の根っこに対する治療でございます。歯の根っこに対する治療の評価は、歯そのもの1本ずつの単位で、例えば歯の根っこの根幹数といいますか、それが幾つあるかによって点数が違ってきているわけでございますけれども、例えば中には従来言われている1根幹、2根幹、3根幹ではなくて、それよりも非常に多い4根幹とか、あるいはそこに書いているとい状根といった非常に形態が複雑なようなもの、そういった治療が非常に困難な形状がございます。さらには、右のほうに、マイクロスコープを用いることで、例えば根幹の見落としを防止すること、あるいは再発症例や難治症例を検証するということが言われてございますので、こういったマイクロスコープに対する現行評価がないということで、例えば4根幹あるいはとい状根に対して、こういうマイクロスコープを用いた場合の評価をどう考えるかということで、この資料を出させていただいてございます。

60枚目は、虫歯の詰め物に使う材料で、歯科用のアマルガムといったものについてでございます。この歯科用のアマルガムにつきましては、主成分は銀あるいはすずといったものになっているのですが、一部水銀を混和したものでございます。ただ、プラスチックと言われるレジンなどの代替材料の開発でほとんど治療に使われていない。全体の約0.1%程度となってございますので、参考資料として61ページについてございますけれども、世界規模で水銀によります環境汚染の防止を行う必要性が認識されて、「水銀に関する水俣条約」等も採択されてございますので、できれば歯科用のアマルガムについては今回の改定で廃止をできればどうかということで、今回御提案をさせていただいてございます。

63枚目のスライドでございますけれども、歯科疾患管理料、抜歯手術について示したものでございます。歯科疾患の管理料につきましては、歯科の全体的な口腔内の管理を行うもので管理計画書、あるいは継続計画管理書を患者さんに提供した場合に算定できる形になってございますけれども、継続的な管理計画書を患者さん、あるいはその家族の方々が不要だとした場合には省略することもできるとなってございます。この文書提供につきましては、わかりやすく効果的だという意見がある中で簡素化すべきという意見もございまして、今回、この取り扱いについでどう考えるかということで資料を用意させていただいてございます。

 また、抜歯手術につきましては、歯は前歯と奥歯、いわゆる前歯部と臼歯部に分かれてございますけれども、普通抜歯については前歯と臼歯部で評価の点数が異なってございますが、難しいときの難抜歯については前歯と臼歯部の区別がないということで、この辺をどう考えるかということで資料を用意させていただいてございます。

64枚目でございますけれども、これも歯冠修復及び欠損補綴といった歯科固有の技術についてのものでございますが、そこに書いてある3つの技術、診断時の補綴時の診断料、あるいは平行測定検査、有床義歯の内面適合法といったものについては、実態に即した評価、あるいは整合性をはかった評価となっていないということは常々言われてございますので、そういったものをきちんと評価ができないかということで、今回お示しをさせていただいてございます。

 最後、65枚目でございますけれども、固有の技術の評価については課題を踏まえまして、論点といたしまして、そこに書いてあるようなものを示させていただいてございます。

 説明は以上でございます。

○田辺会長

 どうもありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして、御質問等ございましたら。遠藤委員、お願いいたします。

○遠藤委員

 それでは「歯科医療について(その2)」についての意見を言う前に、お手元のところに「遠藤委員提出資料」ということで「『かかりつけ歯科医』とは」という資料がございますので、簡単に説明させていただきます。

 1枚目のところでは、かかりつけ歯科医について記載してありますが、初めの4行のところは従来から日本歯科医師会が掲げている内容でございます。超高齢社会の進行の中でさまざまな病態や生活環境の変化に対応するために、さらにその機能充実を目指しております。

 下のほうの図に示してありますけれども、継続性、包括性、また、連携や医療管理、そして対話性、快適性、利便性といったものを兼ね備え、ライフステージに応じた歯科医療を提供するということを「かかりつけ歯科医機能」のイメージとしております。具体的内容については、その中ほどのところに求められる機能及び役割ということで記載してございます。

 2枚目以降のところは、かかりつけ歯科医に対するアンケート調査の結果を載せてございまして、1つはインターネットを利用した国民対象の結果で、次がアンケート用紙による歯科医師に対する結果でございます。そちらのほうは御参照いただきたいと思います。

 それでは「歯科医療について(その2)」についての意見を述べさせていただきます。

 まず、論点につきまして、18ページのところでございますが、周術期の口腔機能管理につきましては、従来から主張しておりますけれども、歯科のない病院のみでなく、歯科があってもマンパワーの足りない病院に対して、歯科の連携を充実させる必要があると思っております。

28ページのところの論点でございますが、歯科の外来診療環境体制加算につきましては、医療の安全・安心のため、拡充を図る方向で御検討いただきたいと思っております。超高齢社会の中では歯科の外来におきましても、先ほど説明のあったように、高血圧とか心疾患を抱えた患者さんが大変増加しております。歯科治療では観血的処置を伴うものも多いので、治療中に状態が変化することも多いので、こうした場合にはバイタルサインのモニタリングは欠かせないものと思っておりますので、ぜひ評価していただきたいと思います。また、こういった際にも医科との情報提供のやり取りをしているのですが、情報提供料の算定要件のあり方についても、ぜひ病状紹介という形で医科歯科連携を図っておりますので御検討いただきたいと思っております。また、糖尿病を罹患している歯周病患者に対する局所の抗菌剤の使用につきましては、歯周病学会でも推奨されておりまして、治療初期からの適用を認めるべきと思っております。

46ページの論点のところですが、ここはかかりつけについて、先ほど提出した資料とも重なりますけれども、口腔機能の維持・向上により基礎疾患の重症化予防及びQOLの改善によって健康寿命の延伸を図るという歯科にとっての目標が、このような「かかりつけ歯科医機能」の充実の中で前進できればよいと思っております。

55ページの論点でございますが、舌の切除や口腔機能障害等を持つ患者さんに対する義歯や舌接触床の装着による機能改善に対する客観的な評価というのは必要と考えております。また、障害のある患者さんや腫瘍摘出後の患者さんに対するホッツ床などを含めた口蓋補綴、また、顎補綴に対する管理や指導はこれまで評価されてこなかったのですが、ぜひこれは必要だと思っております。

65ページの論点につきましてですが、根管治療、先ほど説明がありましたように、いわゆる歯の神経の治療というのは、歯科の基本的治療行為であって、歯を残すために大変重要な行為でございます。ただ、非常に繊細 な治療であり、その形態によっては難治症例もしばしば見られます。このため、マイクロスコープやCT等を活用して、的確な治療を実施することは患者さんにとっても極めて有用であると考えております。

 歯科のアマルガムに関してですが、これまでも有用性を発揮してきたところですが、既に実施件数も大変少なくなっております。また、水俣条約等を勘案すれば廃止が妥当と判断しております。

 歯科疾患管理料の文書提供のあり方については、実態に応じて合理的に判断すべきと考えております。また、補綴時診断料につきましては、義歯やブリッジ等の欠損補綴物の設計診断料でありますので、現行の1初診1回というのは合理的ではなく、装置ごとの評価というのが妥当と考えております。あと、平行測定検査等は独立した検査であり、その取り扱いについては慎重に検討していただきたい。

 以上、意見と要望でございます。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 ほか、いかがでございましょう。

 1号側、吉森委員、お願いします。

○吉森委員

 質問、意見を2つほどなのですが、私の知識不足の部分があって理解ができないのかもわかりませんが、まず、スライド27番なのです。全身的な疾患云々の論点3番目、重症歯周病を有する糖尿病患者に対して局所抗菌剤を先行して投与することについてどう考えるかということですが、27番で、現行では先行投与を認められていないとあるのは、なぜ認められていないのか、認められていないケースがどういうものなのか。もし、それが今回ガイドラインにありますように、この抗菌治療が有効であるとされているということで認めるということであるならば、これは25ページにあります歯科治療総合医療管理料の中で、かかりつけ医師と連携して歯科が行う、糖尿病患者はその中に含まれているということなのだろうと思いますので、これで評価すればいいのではないかと考える次第です。その辺がよくわからないので教えていただければ、これが1つです。

 それから、スライド46でございます。かかりつけ歯科医については先ほど遠藤先生からも御説明いただきまして、かかりつけ歯科医のあり方、将来性については理解をいたしますし、これを進めていくということで高齢者社会に対してあるべき姿をとっていきたいというのはよくわかるわけですが、定期的な口腔マネジメント評価の体系として、歯科医師機能の関係について考えていくということで、この辺がお示しいただいている論点で今一つ具体的なイメージが湧かないところでありまして、実は私、軽い歯周病で半年に一回は歯垢クリーニングしながら、行きつけの先生に見ていただいているのです。そういう今のあり方と全く違う新しいかかりつけ医を評価するための仕組みを考えているということなのかどうなのか、わからなかったので、これについても教えていだければと思います。

 当然ながら、新しい体系をつくるということであるならば、今まで各委員の先生もおっしゃっていますように、具体的な根拠、データを出していただいて、それに基づいて検討を進めていくということであるのでしょうが、今回見ていると若干資料にそういう工夫が足らないのかと感じた次第であります。当然、定期的な口腔マネジメントは非常に大事でありますので、これについては診療報酬上のこともございますでしょうが、まず、一般国民と言ったらおかしいですが、国民の皆さんにわかりやすく啓蒙活動をやるということもあわせて重要なのだろうと考えております。

 以上です。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 2点ほど質問がございましたので、管理官。

○田口歯科医療管理官

 歯科医療管理官でございます。

 まず、歯周病の治療に関してでございますけれども、歯周病の治療といいますのは、保険上で今やられている治療につきましては、関係学会も含めて、私どもで出してございます歯周病の治療のガイドラインというものに沿って診療をやっていただくような形になってございます。その歯周病の治療をやっていく中で、まず、一番大きいのは、いわゆる歯と歯茎の境目の中についている汚れをどう機械的に落としていくかというのが非常に大きなポイントになってございまして、今の歯周病の治療の流れでいいますと、そういった歯と歯茎の境目の中にある歯石と言われるものを機械的にとっていくというのが、第一義的にやられている処置でございます。

 その中で、化学的にポケットの中に局所的に抗菌剤を挿入するという処置については、機械的な処置を行った後でないと、現行の診療報酬の制度は算定ができない取り扱いになってございますので、こういった歯周病をお持ちの患者さんは、そうではなくて、機械的にとる前に化学的に歯周ポケットの中の細菌をたたくというのが非常に重要になってきているというガイドラインがあるので、そういったところを糖尿病の患者さんに限ってはお認めいただけないかということで、今回御提案をさせていただいたというところでございます。

 もう一点、かかりつけ歯科医のイメージでございますけれども、資料で少しお示しをさせていただきました。例えば、今吉森委員からもございましたけれども、歯周病の疾患であればきちっとしたメンテナンスをやることが歯の喪失のリスクをなくすのだということ。あるいは、今回新たに齲蝕の新しい考え方で、初期の虫歯についてはきちっとした管理をやると、削らなくて済む、もとに戻る。治癒の関係が出てくるということがございましたので、今回に限ってはこういったかかりつけ歯科医機能を持った先生方に対して、今回資料としてお示しをした2つの処置については、そういったところを診療報酬上の評価できちっと評価できないかというイメージを示して、今回は資料を出させていただいたというところでございます。

○田辺会長

 吉森委員、お願いします。

○吉森委員

 ありがとうございます。

 今のお話の中で、歯周病の機械的、化学的のどちらが先かというのはよく理解できましたが、そうすると、これは先ほど申し上げたように既存の歯科治療総合医療管理料の中で判断するということでよろしいのですか。

○田口歯科医療管理官

 ここの管理料自体そのものは、先ほどお話をしたように全体的な疾患を管理しながらどうやっていくかという話で、今、お話をさせていただいたのは、歯周病のポケットの中に抗菌剤を挿入した個別の処置を評価させていただけないかという考え方でお話をさせていただいているところでございます。

○田辺会長

 どうぞ。

○吉森委員

 加算ということですか。

○田口歯科医療管理官

 加算というよりも、むしろこういった糖尿病に罹患している患者さんに対してやった場合の歯周病の措置の一環として、算定をさせていただけないかという考え方でございます。

○田辺会長

 よろしゅうございますか。

 幸野委員、お願いします。

○幸野委員

 関連して、かかりつけ歯科医の機能についてですが、前回の総会で示された検証調査結果の中で、かかりつけ歯科医を持っているかという質問では、94.6%の方が「かかりつけ歯科医がいる」と回答しており、かかりつけ歯科医として選んだ理由は何かとの質問では、57%の方が自宅に近いからという回答であり、国民目線では、かかりつけ歯科医とは、どちらかというとこのような全人的なケアをしていただくよりも、職場、自宅に近いといった利便性を重視しているのではないかと思います。何が言いたいかといいますとかかりつけ歯科医機能をつくって、果たして抜本的に何が変わるのかが疑問が残っており、患者はやはり近いところや、便利なところに行くのではないかということです。

○田辺会長

 丹沢専門委員、お願いします。

○丹沢専門委員

 今のお話にちょっとコメントさせていただくと、この資料の3枚目は歯科医療が包括的医療とか地域医療の中で、将来どういう発展をしていくべきかというイメージ図で、多分このイメージ図には反対される方はいないと思うのです。それで、今おっしゃっていたかかりつけ歯科医というのは、実は歯が痛くなったらかかるお医者さんが決まっているというだけの話なのです。そうではなくて、もっとそれを進めていって、健康管理で口のこともちゃんとやりましょうとか、老人が増加し、在宅の患者さんが増加した時にやっていきたいという方向での御提案なのだと思うのです。それを今回評価するかどうかということは、私にはお願いする権限もありませんけれども、そういうふうに捉えていただいて、かかりつけ歯科医ということ自体の位置づけが少し言葉と提案が違うのではないかと思っております。

 以上でございます。

○田辺会長

 遠藤委員、お願いします。

○遠藤委員

「かかりつけ歯科医」につきましては、明細書のアンケートでは窓口で渡している患者さんですから、当然ほとんどの方がかかりつけとおっしゃると思うのですけれども、近くの歯医者さんに行くということはそれはそれで結構なのですが、行った歯医者さんがそういった機能を果たしていただいて、患者さんの健康増進にプラスになるという機能を果たすべきだという意味で載せてございます。

 あと、先ほどの歯周病の局所の投与につきましても、要は薬剤の算定が今のところできていないのです。特定薬剤としての算定が認められていないということで、実際には使っているケースが多いので、そういったものを認めていただきたいということを含めてあります。

 以上です。

○田辺会長

 平川委員、お願いします。

○平川委員

 関連しまして、46ページの課題のところで「地域完結型医療(地域包括ケアシステム)」と書いてあるのですけれども、地域包括ケアシステムと地域完結型医療というのは、関係性がよくわからないものがあります。今まで、かかりつけ歯科医というのはどういうものかといういろいろな議論がございます。可能な限り住み慣れた地域で生活を維持して、包括的な支援やサービス提供体制の構築を目指すというのが地域包括ケアシステムの理念だと思います。しかし、かかりつけ歯科医については、その辺がよく見えていないので、御説明をお願いしたいと思います。

 これまでの地域包括診療料や加算の中においても、重視されてきたのは地域包括ケアシステムの中で診療所がどういう役割を果たしていくのか。特に介護保険との対応の関係も要件として入っておりますし、その辺がかかりつけ歯科医の機能の中でどう位置づけられているのかがよく見えないので、その辺の御説明をお願いしたいと思います。

 あと、特に地域包括ケアシステムは、各地方自治体の保険者を中心にさまざまな努力をされている方がいます。特に郡市医師会の皆さんとの連携を含めて、相当いろいろなことがありますけれども御努力されておりまして、そういう実践というのは積み重ねられているかと思います。その実践がこの中に全然入っておりませんので、各地でどのように実践をされているのかという事例があれば、後ほど出していただければと思います。

 以上です。

○田辺会長

 管理官、お願いします。

○田口歯科医療管理官

 歯科医療管理官でございます。

 今の御質問についてですけれども、例えば先ほど丹沢委員の御意見もございましたけれども、例えば資料の3ページ目でございますが、今後の歯科医療サービス提供体制ということで、将来的なイメージの中で右のほうに書いてございますけれども、従来であれば、歯科の場合にはどちらかというと虫歯でありますとか、歯周疾患という疾患対応型で、歯科の診療所の中でできた患者さんに対して治療をやって、そこで完結をするというイメージが非常に多かったのだろうと思いますけれども、例えば虫歯が減少し、高齢者の方々が非常に多くなった中で、当然診療所の中で待っているだけではなくて、外に出てきちんといろいろな方々と連携をしながらやっていくことが最近叫ばれているという中で、将来的には、右のほうに書いてございますけれども、従来でもやられてございますが、歯科だけではなくて、例えば医療関係であるとか、あるいは介護職種の方々、いろいろなところの分野の方々と連携をとりながら、その中で歯科の位置づけをきちんと確立していくというのは非常に大事だということで、今回、かかりつけ歯科医の中に入れさせていただいたということでございます。

 そういう中で、今後どういう形で診療報酬上の評価という話がございましたけれども、今回は特に資料としまして、先ほどお話をさせていただいたように、口腔のマネジメントということで、例えば初期の虫歯でありますとか、歯周病のメンテナンスといったところが歯を失う原因のリスクをきちんと低減させるというデータが出ていますので、そういったデータで出ている部分について、診療報酬上は評価をさせていただいて、今後は今、平川委員からもお話がありましたように、いろいろな事例を積み重ねた上で、診療報酬の中で評価できるものについては、こういったかかりつけ歯科医の機能として評価できれば、将来的にはいいのかなとは考えているところでございます。

 以上でございます。

○田辺会長

 よろしゅうございますか。

○平川委員

 将来的な課題ということでよろしいのですか。

○田口歯科医療管理官

 はい。

○田辺会長

 ほか、御意見ございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。

 では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。本日の議論を踏まえまして、引き続き次回以降、さらに議論を進めてまいりたいと存じます。

 本日の議題は以上でございますけれども、事務局から「その他」として資料が提出されております。事務局より御説明をお願いいたします。

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 企画官でございます。

 それでは、簡潔に御説明をさせていただきたいと思います。中医協資料総−2でございますけれども、「DPC準備病院の合併に係る報告について」でございます。

 1つ目の丸にありますように、DPC準備病院に関しましても、中医協のほうで審査及び決定することにしておりまして、今般、2つ目の丸にもありますように、「国立病院機構西群馬病院」、そして「渋川総合病院」から、平成28年3月26日に合併する予定があるということで、この審査の申し出があったところでございます。

 1ページの下がその要件でございますが、2ページにそれぞれの状況と審査の結果を記載してございます。合併前病院が国立病院機構西群馬病院、合併前病院2が渋川総合病院、これは渋川市立の病院でございますけれども、合併後は渋川医療センターとなるということでございました。こちらは退出等審査会で審査をいただきまして、結果につきましてはDPC準備病院としての継続を認めるという審査の結果をいただいております。

 以上、御報告でございました。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 報告事項ではございますけれども、何か御質問等ございますでしょうか。よろしゅうございますか。

 では、ほかに質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと思います。

 本日の議題は以上でございます。なお、次回の日程につきましては追って事務局のほうより連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)
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代表: 03−5253−1111(内線)3288

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