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2015年12月24日 平成27年度第2回医道審議会医師分科会医師臨床研修部会議事録

○日時

平成27年12月24日(木)13:00~15:00


○場所

厚生労働省共用第8会議室
    東京都千代田区霞が関1-2-2


○議題

1.医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループでの検討状況について
2.平成29年度都道府県別募集定員の上限について
3.その他

○議事

 

○桑原臨床研修指導官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、「医道審議会医師分科会医師臨床研修部会」を開催いたします。

 本日は、先生方には御多忙のところ御出席を賜り、まことにありがとうございます。

 本日、山下委員から、所用により若干おくれて御出席との連絡をいただいております。また、本日は、議題1「医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループでの検討状況について」を御報告いただくため、同ワーキンググループの座長で、聖路加国際病院長の福井次矢先生にお越しいただいております。

 また、文部科学省医学教育課からお越しいただく佐々木企画官と医事課長は、所用によりおくれて到着の予定でございます。

 議事に入ります前に、10月1日付で事務局に人事異動がございましたので御紹介いたします。

 医政局長と大臣官房審議官が異動し、新たに神田医政局長と梅田審議官が就任いたしました。医政局長より、一言御挨拶申し上げます。

○神田医政局長 ただいま御紹介いただきました医政局長の神田と申します。よろしくお願い申し上げます。

 委員の皆様方には、大変お忙しいところ、本日は御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。また、平素から、医師臨床研修制度の推進につきまして御指導賜っていることにつきまして、まず最初に御礼を申し上げたいと思います。

 医師臨床研修制度については、平成16年に実施に移されて以来、平成22年、27年度と2回にわたって見直しが行われてきております。本年度からの見直しの中では、全国の研修希望者に対します定員の割合というものは、平成32年度にかけまして1.1倍に順次縮小していくというようなことですとか、都道府県が上限の範囲内で各病院の募集定員を調整できる調整枠を設けるといったことなども改正の中身に含まれておりまして、今、その円滑な実施に努めているところでございます。

先ほど事務局からお話し申し上げましたように、今後の見直しに向けましては、まず、研修の到達目標や評価の在り方について、この部会のもとに設けられましたワーキンググループにおいて御議論いただいているところであります。

 また、先日、今年できます地域医療構想を踏まえまして、その整合性ですとか医師偏在等の是正に向けまして、医療従事者の需給に関する検討会というものが新しく設けられたところであります。その議論の中でも、医師需給を議論するに当たっては、医師の地域偏在の問題との整合性も図られなければならない、この検討に当たっては医師臨床研修制度の在り方も考えていかなければならない、などの指摘もされているところであります。

 こうした状況を踏まえまして、到達目標と評価の在り方を含めた医師臨床研修制度全体の見直しに向けまして、今後必要な検討を行っていくということになりますけれども、委員の皆様方には専門的なお立場から、一層の御指導、御協力を賜りますように最初にお願い申し上げまして、開会に当たっての御挨拶とさせていただきます。何とぞよろしくお願い申し上げます。

○桑原臨床研修指導官 以降の議事運営につきましては部会長にお願いいたします。

また、撮影はここまでとさせていただきます。

桐野先生、よろしくお願いいたします。

○桐野部会長 それでは、資料の確認をまず最初にお願いいたします。

○桑原臨床研修指導官 では、お手元の資料をごらんください。

議事次第、委員名簿、座席表に続きまして、横置きの資料1、縦置きの資料1-1。続きまして、一枚ペラが続きますが、縦置きの資料2、横置きのカラフルな資料2-1、縦置きの資料2-2でございます。続きまして、資料3が一枚ペラ、縦置きで1枚、それから、横置きの資料3-1。続いて、資料4が一枚ペラでございます。

以降、参考資料集は、過去に既に公表したものでございますが、例えば以前部会で報告いただきました見直しに向けての報告書等が参考資料としてついております。

それから、それとは別に、机上配付だけにしておりますが、別途クリップどめをしている資料がございまして、一番上が意見書1枚になっております。こちら、後ほど御紹介いたしますが、都道府県別の募集定員の算定に当たりまして、小森委員より書面で意見書を提出いただいております。それから続きまして、後ほどこちらも議論しますが、東北薬科大学病院の臨床研修病院指定取消申請書、同じく東北医科薬科大学病院の審査表をつけております。こちらは後ほど御紹介いたします。

 資料、過不足等ございましたらお申しつけください。

 それでは、部会長、引き続きお願いいたします。

○桐野部会長 議事に入りたいと思います。

本日の議題は、到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループの検討状況について、2番目に、平成29年度都道府県別募集定員の上限について、3番目、その他となっております。

 それではまず、議題1に入ります。事務局より資料1の説明をお願いいたします。

○吉本医師臨床研修専門官 それでは、資料1の説明をいたします。資料1、横置きの資料をごらんください。

 既に簡単に御紹介したところでございますけれども、こちら、「医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ」についてです。到達目標と評価の在り方については、平成25年度12月に御報告いただきました医師臨床研修部会の報告書におきまして、人口動態ですとか疾病構造の変化、医療提供体制の変化、そして診療能力の評価などの観点から、その内容を見直す必要があるという御指摘をいただいておりまして、その御指摘を踏まえ、こちらのワーキンググループが設置されたということでございます。座長は、今回お越しいただいている福井先生にお願いしてございます。

 1枚おめくりいただきまして、これまでのワーキンググループの開催状況ですが、平成26年の8月に第1回を開催いたしまして、これまでに8回のワーキンググループを開催し、議論・ヒアリングを行っていただいているところです。また、ワーキンググループと同時に、到達目標と評価に関する研究班において関連事項を御検討いただいておりまして、前回12月のワーキンググループには、現時点の目標の骨子案、研究班の案というものを提示し、御議論いただいたところでございます。

 事務局からの簡単な紹介は以上です。

○桐野部会長 それでは、到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループでの検討状況について、福井先生、よろしくお願いいたします。

○福井参考人 このワーキンググループの座長を仰せつかっております。同時に、このワーキンググループに提出するさまざまな案を作成するために、臨床研修の到達目標と連動した研修、診療科に関する研究班というのが立ち上がっておりまして、そちらで、この臨床研修部会で指摘されてきました到達目標のいろいろな課題、問題点ごとに、研究分担者、責任者を5名お願いして、データの収集を行ってきております。

 お手元の資料1-1につきましては、ワーキンググループが12月2日に開催された折に出した案でございます。到達目標の見直しに当たりましては、具体的な内容それぞれについての検討と、それから、どのような形式でこれを提言するかという、2つの大きな検討項目があると考えております。今までの到達目標は、例えば知識とか技術などを行動としてあらわれる形で文書をつくるという、非常に細かい目標になっておりました。今回の見直しに当たりましては、もっと簡略化してほしいという御意見も随分ございました。

 これまでにワーキンググループでは4回、学会を初めさまざまな団体からのヒアリングを行いました。主としてどういう項目を入れてほしいということを伺うことが目的でしたが、そういう個別の項目はさて置いて、目標を記述する形式について研究班で提言しましたのが資料1-1になります。一つ一つの知識や技量、技術を列挙するのではなくて、いわゆるコンピテンシーと言われている新しい教育目標の考え方で次の到達目標を作りたいということになり、その大まかな構造がこれです。

 この時点では、資料1-1の上4分の1ぐらいのところに書いてあります「臨床研修の基本理念」につきましては、省令の通りであります。その下に、到達目標と、一番最後を見ていただきますと2がございます。到達目標と、方略、評価という大きな3つの項目から成り立ち、到達目標につきましてはさらに3つの部分から成り立つという案です。

 1つが、「医師としての基本的価値観」、2つ目が、ページをめくっていただいて裏側にございますけれども、「資質・能力」、それから3番目が、最後のページのところになりますが、四角で囲ってある「遂行可能業務」という3つの柱でつくってはどうかという案です。

 1ページ目の「医師としての基本的価値観」のところにつきましては、主としてプロフェッショナリズムという言葉で記載されてきた、医師の行動とか考え方、言動全体の背景にある基本的な価値観をピックアップしたものです。1番目が「社会に対する使命感と責任感」、2が「患者中心の医療の実践」、3が「誠実さと公正性の発揮」、4が「多様な価値観の理解と基本的価値観の共有」、5が「組織やチームのリーダー/メンバーとしての役割」、6が「卓越性の追求と生涯学習」、7が「自己管理とキャリア形成」という項目になっています。

「資質・能力」のところには基本的価値観より具体的な目に見える能力が記載され、1番目が「コミュニケーション」、2が「チーム医療」、3が「医学知識と問題対応能力」、4が「安全管理」、5が「患者へのケアと診療技術」、6が「医療の社会性」、7が「倫理観」、8が「科学的探求」となっております。それぞれについて、さらにサブ、下位の項目が書き加えられることになります。

 この「資質・能力」のところでかなり配慮が必要だと思っておりますのが、3番目の「医学知識と問題対応能力」です。項目が非常に多くなる可能性がありますので、ここのところもできるだけ簡便・簡略化して、方略のほうに持っていけるものは方略のほうに持ってゆく配慮が必要だと考えております。

 最後のページの「遂行可能業務」ですが、これは切り口が「資質・能力」とは全く異なります。さらに3項目、1、2、3と挙げておりますけれども、12月2日の会議での御意見も踏まえまして、1番目だけについての記載になる可能性が高いと思っておりますが、「資質・能力」など、あるレベル以上の能力を持っている人に限って任せることのできる業務をここに書き出そうと考えております。

 これは英語ではEPAと言われているそうです。entrustable professional activityの略で、2年間の研修が終わった時点でこういうことができると、任しても大丈夫だという項目を挙げたいと考えております。

2が「臨床研修の方略」です。基本的価値観や資質・能力、遂行可能業務を達成するためには、ローテーションを含めてどういう研修プログラムが望ましいのかをここに書き出したいと思っています。

 これまでの到達目標のように、経験が求められる症候・病態・疾患とか診療現場、診療科という切り口での書き方になるかどうかについては同意が得られているわけではございませんが、何らかの切り口での方略、少なくともこういう診療科のローテーションが必要、あるいは望ましいといった内容もこの中に書き入れることができると思っています。

 3番目が「臨床研修の評価」です。評価につきましても、今までの到達目標と、それから、エポックのような評価の方法が現在多くのところで行われておりますけれども、その項目立てや評価のグレードなど、そういうことにつきましても今までとは異なる新しい考え方、例えばマイルストーンという言葉がありますけれども、そのような考え方での評価を取り入れる方向で、現在、研究班で話し合っております。

 到達目標がある程度出来上がったところでしか、評価については具体的な提言ができませんので、まず、到達目標を具体化する作業をやっていきたいと思っております。

 以上です。

○桐野部会長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまお話のありましたワーキンググループでの検討状況について、御意見や質問などございましたらお願いいたします。

 どうぞ、岡村委員。

○岡村委員 この臨床研修の到達目標、ワーキングでよくつくっていただいたと思うのですが、この位置づけですけれども、結局、臨床研修の基本理念というのが、医師法第16条というのが臨床研修に関する条項であって、それに関する省令という扱いになっていますね。ここには、例えば「医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、基本的な診療能力を身に付けることのできるものでなければならない」と書いてあるのですね。ところが、いきなり目標に変わるのですね。到達目標。ということは、これはマストということなのか、あくまでこちら側がつくった目標であるのか。要するに、こういう目標が達せられなくても臨床研修は一応修了できたという扱いにするのでしょうか。その辺ちょっと教えていただきたいのですが。

○福井参考人 臨床研修の修了認定の項目の中に「到達目標を達成していること」という文言がございますので、100%かどうかは別といたしまして、どんな試験でも80点とか60点で合格ということもございますので、そこのところの閾値はわかりませんが、少なくともこれを達成してもらうということは、厚生労働省が求めているものと私は理解しています。

○岡村委員 いきなりレベルの低い話になってしまうかもしれないのですが、この臨床研修の「医師としての基本的価値観」の中に幾つも、社会に対する使命感と責任感とか誠実性とか、それから生涯を通じて社会的使命に貢献するためとか、いろんなことが出てきますね。医療の社会性、医療が社会基盤に基づく活動であることを理解しとか、医療倫理、職業倫理。OSCEだとか医師国家試験というのはそういう全国レベルでの客観的な評価はありますが、この臨床研修に関してはそういったものがないと思います。

1つには、地域枠の初期研修がもう終わる時期に入ってきているのですが、それを要は誓約を守らないで、私は地元に帰りますという者が出てきています。恐らくこれからそういった学生が、増えてくるでしょう。何か曖昧なことではよくないと思うのですね。私からすれば、そういった人は倫理感が欠けていると、そういう人は人格が涵養されていないのであれば、研修は終わったことにならないのではないかとまで言っていいかなと私は思っているのですが、こういったことはあくまで目標なのかどうかということだけを確認したかったのです。

○桐野部会長 山下先生、どうぞ。

○山下委員 岡村先生と、私、同じことを言いたいのです。要するに、この中のどこまで完成度を求めるかということが、余りにもいろんなことが入り過ぎていて、評価が極めて難しいのではないかと思います。これは、今までは卒前とか卒後でも、医局に入って、初期から臨床研修で、人によってそれを全体で教育していって、最後にはリーダーになれるようにしましたというような流れの中であるのに、この2年間でこれをするというのは、岡村先生おっしゃったように、まだ評価ができないと思いますし、そのような教育のシステムというものをどのように位置づけていくかということをぜひお考えいただいて、ここで何を要求するかということに関してもう少し、要するに、我々は評価するほうですから、評価して、初期臨床研修が終わったということを認定しますという、これができないのですね。どこをもって、この人はリーダーシップがあって、倫理観で公正で誠実で、一生これをやるというのを我々が担保できるのですかというのが1つあります。

 それからもう一つは、同じようなことなのですが、4ページ目のところの「遂行可能業務」見るというのをこの2年間で、例えばこの人は専門医に行くほどの能力がないとなったら、少なくともこの人は、2年間まじめにやっても、初期臨床研修を落第して、もう一回やらなければいけないというようなことになるのでしょうか。

要するに私が言いたいのは、初期臨床研修というのを切り取った形でコンピテンシーを決めると極めて現場が混乱するということなのです。要するに、流れの中で、国家試験はもうしようがないとしても、初期臨床研修と専門医研修がどのようにスムーズにいくか、その中でいろいろな人がいろいろな能力を持っていて、それを生かしていくというシステムをどうやってつくるかという観点を考えていただきたいなというのが要望であります。

○桐野部会長 福井先生、お願いします。

○福井参考人 私の個人的な考えも入りますが、今、山下先生がおっしゃったことに関して、医師としての目標は統一されたものが1つあればよいと考えています。ただ、目標の各項目について、大学を卒業するときに求められるレベル、2年間の卒後研修が終わったときに求められるレベル、それから専門医の研修が終わったときに求められるレベルが異なります。いわゆるマイルストーンという考え方になりますが、目標は全ての医師にとって同じ。どのレベルまでできることを求めるという書き方が評価の仕方としては望ましいのではないかという意見がございます。研究班の中でそのようなディスカッションを行ってきておりまして、ワーキングでも少しそのような話題を出しましたけれども、まだ決定はされておりません。私は、大学卒業時には、例えば50%までとか、そのような考え方で評価をするほうが望ましいのではないかと思っています。

○桐野部会長 山下委員、どうぞ。

○山下委員 福井先生のおっしゃることは物すごくよくわかるのですけれども、現場でそれが可能ですかという話、フィージビリティの話をしております。要するに、この人は50%できる、この人は80%いっているなというのをある時点で評価することは、項目によってとても難しいのではないかと思うのです。

○桐野部会長 どうぞ、中島委員。

○中島委員 僕もワーキンググループのほうに参加していますので、若干、状況、流れはわかるのですけれども、この臨床研修の評価については、この中身、到達目標がはっきりしないとそこまでちょっと踏み込めないということで、議論がまだそこまでいっていない段階だと思います。ただ、この臨床研修の到達目標をはっきり踏まえた上でどういう評価が最も妥当であろうかということの答申を出そうとしているのが現状だろうと思います。

 それから、岡村先生のおっしゃっていた地域枠の方々がどこかやめてよそへ行くというのは別の次元の問題であって、研修の問題ではないと思います。ただ、倫理観ということを言うのだったら、それはもう国民全体にかかってくる問題ですから、政治家の倫理観だって問わなければいけないことになるでしょう。医師だけ、なぜそこまで問われるか。それはちょっと別の問題ではないかなと。

○岡村委員 ただ、先生、ここに何回も繰り返されているのですね。「医師としての基本的価値観」の1番が「社会に対する使命感と責任感」、それから3番が「誠実さと公正性の発揮」、そして7番に「自己管理とキャリア形成」に、生涯を通じて社会的使命に貢献する。それから、次の大きな2番の項目の中にも「医療の社会性」ということ、それから「倫理観」。何回も繰り返し出てきているということを私は、せっかくここに書いていますけれども、これは守らなくてもいいものなのでしょうかということをお聞きしたわけです。

○桐野部会長 そのほかいかがですか。

 山下委員、どうぞ。

○山下委員 技術的なことで、いつも問題になるのが「遂行可能業務」というところで、「単独での遂行が可能」「指導医のもとでの遂行が可能」と言うときに、医師法で医師の免許をもらった場合には、やれると書いてあるのです。それと、単独でやってはいけない業務があるということをどう整合性とるか。言っている意味はわかるのです。だけれども、あなたは医師ではあるけれども、これをやってはいけないよということを業務命令しなければいけないということになりますね。これをうまく現場で混乱しないように、きちんと整合性とったルールをつくってほしいのです。そうしないと、私は医師ですと、将来開設者になるつもりもないし専門医になる必要もありません。私は医師なので、免許もらっているのだから何でもやれるはずですという人が出てきた場合に、これを指導できないのです。だから、これをうまく医師法との整合性をとれるような方法論というのをつくってほしいと思います。

○桐野部会長 これはだけど、ネガティブリストでなくて、ポジティブリストですね。やっていいことを列挙する。何もやってはいけないということは書いてないと思うのですけれども。

○山下委員 だけれども、それ以外のことやったらだめだと言われるでしょう。

○桐野部会長 それは教育の場ではもちろんそうですよ。

○山下委員 これをやっていいですよというのはわかるのです。だけど、それ以外のことを研修医がやろうとしたら、君、それちょっとまずいよということを言わなければいけないですね。とめなさいということを言っているわけですから、それはやはり、先生、無理です。

○桐野部会長 そのほかはいかがでしょうか。

小川先生。

○小川委員 ここ数年、卒前医学教育の改革が急ピッチで進んできました。臨床実習に関しましても、学生ができる医行為が整理され、全国統一の合格基準が設定されました。合格者にはスチューデントドクターをデグリーとして与えて、より高度の実習を可能なようにしてきたわけです。また、JACMEがこの11月の初め、2日でしたか、正式に発足しました。したがいまして、そういう中で卒前医学教育が大きく変化してきているわけですね。

そういう中で、ワーキンググループの中でそのような卒前医学教育の変更といいますか、改善、それを前提として議論されたのかどうかということが1つと、それからもう1つは、医学生涯学習の中で卒後医学教育が変更され、専門医機構が動き出して、もうその中でいろいろな議論がされているわけです。単に臨床研修だけを議論して、そこだけを切り取って結論を出しても全然意味がないわけで、卒前と、卒後の中でも臨床研修と、それからその後に続く生涯学習との連動という中で御議論いただかないとすごくおかしなことになるのではないかと思うのですけれども、その辺は十分にそういうことは中に入れて検討されたのでしょうか。

○福井参考人 はい。それを十分考えて検討を進めています。例えば、ヒアリングでも、1014日には日本専門医機構の池田先生のお話を伺い、1028日には、全国医学部長病院長会議からの考え方、先生が今おっしゃったような卒前教育のここ10年近くの変化についてのプレゼンテーションもしていただいて、卒後研修の前後に十分目配りをして目標を設定しようという考え方でやっております。

 特に東京医科歯科大学の奈良先生には、卒前教育、国家試験、卒後臨床研修、専門医レベルまで医師の一生の全体的目標など、全部の一覧表つくっていただき、そういうものも見ながら、全体像の中でこの卒後臨床研修ではどこまで求めるかという議論をしているところであります。

○桐野部会長 小川先生、どうぞ。

○小川委員 ですから、卒前医学教育が大きく変わってきており、さらに、生涯学習としての専門医制度も大きく変わってきているという中で、この骨格案を決定するに当たって、臨床研修制度が今までと同じように永続的に続くのだということを前提にして御議論されているようにしか思えないのですね。ですから、卒前の医学教育が変わり、そして国家試験も変わってくる予定になっており、さらに卒後の生涯学習としての専門医教育が変更されることになっている中で、臨床研修制度をどのような位置づけをした上で議論をしていくのかというような視点がどうしても必要だと思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○福井参考人 ワーキングの委員の先生方も私以外に4名いらっしゃいますので御意見いただければと思いますが、一応そのことにつきましては、例えば卒前の臨床実習で、もし現在、研修医が行っているようなレベルの知識や技量が既に卒前の臨床実習で担保できるのであれば、私自身も、卒後臨床研修の期間を短くできる可能性はあると思います。この前伺ったところでは、まだそこまではいっていないとのことでした。やはり医師免許を持つ前に実習でできることはかなり限られていて、卒後研修を短くしても大丈夫という議論まではいかなかったというのが実情です。

もし、そのときの議論について補っていただければありがたいのですけが…。

○清水委員 ありがとうございます。

私もワーキンググループに入っている中で議論を拝聴しておりまして、先ほど福井先生もおっしゃいましたけれども、各学会の代表の方々、臨床研修制度の中で必修科と言われている内科、救急、それと選択必修の5学会の方々にお話を伺いましたけれども、その方々がおっしゃるには、学生実習と卒後臨床研修になってからの内容とは違うということを、医師免許を、メディカルライセンスをお持ちになってやることとそうでないこととは違うとおっしゃっていましたし、私自身も、学生教育も臨床の制度の中での指導も両方やっておりますけれども、圧倒的にやはり一番大きな違いはそこではないかと。ライセンスを持ってやることと持ってなくてやれることとは全く違うかなという思いを持っております。

○桐野部会長 神野先生、すみませんでした。

○神野委員 この2年間の臨床研修の話があったわけですけれども、本来ならば社会的使命とか倫理観という話は、その前に6年間もあるわけでありますので、その中で、いわゆる詐欺まがいと言っては何だけれども、うそつき学生は排除していただくというのが医学部にお願いしなければいけないことなのかなという気がいたしております。その上で、医学部のほうでふるいにかけられた方々が次の2年間の臨床研修に行くというような今の流れかなと思いますし、私も、その議論の中で、その2年間の臨床研修は国民が求める医師像に近づけられるような医学知識、あるいは臨床能力をつけるには非常に必須の期間であると思いますし、そういう形でワーキングのいろんな議論も進められたというところもあると思っております。

○桐野部会長 そのほか御意見ございますか。

 山下委員、どうぞ。

○山下委員 ちょっとそもそも論的なことになって申しわけないのですけれども、当然おやりになったと思いますけれども、平成16年から初期臨床研修入りました、10年ちょっとたちましたと。それをどういうデータをもとにして総括し、どのようにして問題点を抽出するという方法論をおとりになったのかというのをお示しいただきたいのですね。これが必ずしもうまくいってないということはみんなわかっているわけですけれども、いろんな情報の取り方とか現状の分析の仕方によって、先ほど小川先生もおっしゃいましたけれども、状況が相当変わってきているということに対応して新しいシステムをつくろうと。それが国民の、神野先生がおっしゃった、やはりそれが最終だと思うのですね。

すばらしいお医者さんをとにかくつくってくださいと。本当にうまくいっている部分とうまくいってない部分があると私は現場で見ています。両方、光と影は当然あります。ただ、それを一体どのようにして現状を分析して、どのようなデータをもとにして、例えばここがうまくいかないからこのようにしますということをやられるのか。例えば、先ほど岡村先生がおっしゃったような、要するに、本当に責任感を持って医療というもの、6年前に言ったことをちゃんとお約束を守るという、極めて人間として大切なことをちゃんとやっているのですかということも1つありますし、それから、本当に勉強するということが必要であれば、初期臨床研修終わったら、当然、次のステップに行くべきなのに、例えば本当に専門医をとっている人はふえているのか。それがちゃんと、初期臨床研修が目的になってはいけないけれども、これは通過点だというのはみんなわかっているわけです。専門医をちゃんとやれるような、しかも行ったときに、例えば精神科的なこと、私、眼科ですけれども、精神科的なマインドを持って臨床できているのですかと、本当にできているのですかということです。

 だから、そのようなこと、きちんと専門医をとっていますか、ちゃんとそれを生涯にわたって日本の医療に対してまじめに取り組んでいるのですか。まだ10年ちょっとですから、そんなに高い年齢まではいってないと思いますけれども、やはりその地域、そのチームにおいて相当に枢要の地位になる年齢になってきているわけでありますから、どのようにして研修をして、どのようにして問題点を抽出したのかというのをぜひ教えていただきたい。

○桐野部会長 それはこれまでも何度も、十分でないにしても、いろいろな調査をし、この委員会でも同じような議論をずっとしてきたので、全然やらなかったということはないと思いますけれども、もし補足があれば、福井先生。

○福井参考人 私たちのワーキングは到達目標にフォーカスを合わせてやっておりますので、制度全体をというディスカッションはしてきておりません。

○桐野部会長 神野先生、どうぞ。

○神野委員 今の山下委員のお話、全くそのとおりだと思います。ただ、少なくとも今までいろんな資料とかいろんなヒアリング伺った中で、これから高齢時代、それから一人で複数の病気を持っている時代に対応できないお医者さんも確かに、今までの臨床研修で出ているのは間違いないと私も個人的に思います。そういった意味で、今度新しい到達目標、あるいは今回のワーキンググループでやっていくのが、そういうお医者さんをつくらないための手段であるということで今まで議論してきたのかなと思っております。

○清水委員 同じことの重なりになる部分もあるのですけれども、今までどちらかというと、経験目標ですとか疾患とか症候に重点を置いてきた目標から、今皆さんが御議論なさっているような、生涯学習によって将来的に到達すべき医師としての理想像の中間地点としての2年間があるというスタンスが強調された目標になるのかなあと思っております。それが1点目。

 2点目は、先ほどちょっと説明不十分でしたけれども、各学会の先生方に対して、卒前がかなり充実したら、初期研修、臨床研修で減らせるところとか、割愛されるところはありますか、というような質問が議事の中にあったかと思うのですけれども、それでもむしろ臨床研修にその科を入れてほしいとおっしゃる先生方の学会のほうが多かったように記憶しております。そういう意味では、今の制度自体が、例えば短期間にするとか目標を減らすということはなかなか難しいのではないかなと感じております。

○桐野部会長 山下先生、どうぞ。

○山下委員 清水先生のおっしゃること、物すごく、私、賛成なのです。要するに制度のフレキシビリティをどこまでつくるかということ。例えば、私、眼科なのですけれども、将来にわたって、外来で、目の前で倒れるということもあり得る、実際あるのですけれども、そういうのに対応できるようにというような、眼科医がやるべきことと、例えば心臓外科の先生方というのはもう毎日のように全身管理やっています。だから、そのような、診療科によって全然プログラムは違っていいと思うのですね。違っていいというのは、要するに、到達目標、こんなことやってねということなのですけれども、それは専門医研修の中でたくさんやれるのだったら、最初からどんどんそっちへ行ってしまえばいいではないですかと。

眼科では、さすがに、心臓マッサージ、毎日やっているわけではありませんので、それはやはり科によってフレキシビリティを持つということは、要するに最終目標をどこに置くかということは、初期臨床研修を終わることを目的に置くのではなくて、専門医をつくると。専門医を例えば5年後につくるときにどういうプログラムがあるのですかという、2年のプログラムでなくて5年のプログラムで考えるということも考えていただくといろいろな意味でやりやすくなるのではないかなと私は思っています。

○桐野部会長 きょうはいろんな御意見を言っていただいて、今後のワーキンググループに対して希望とか要望があれば聞いていただけるチャンスですので、そういう観点で。

 これは構成の問題なのですけれども、基本的価値観のところで幾つかの項目が並んでいますね。それで、次のところで、「資質・能力」でも8つぐらいの項目が並んでいますが、例えば一番最初の「医師としての基本的価値観」の1番は対社会、2番は対患者、3番は対社会、4番は対社会、5番が対同僚、6番が自己、7番が自己という感じなのですよ。無理に言えば。「資質・能力」だと、1番が患者か同僚ですか。2番が同僚、3番が自己、4番が自己で、5番が患者と自己、6番が社会、7番が社会と、少し順番が入れかわっているので、そこは今後御検討いただければいいかなとちょっと思いました。単なる構成の問題。

○福井参考人 先生のおっしゃるとおりですので、そのことも配慮したいと思います。この資料を出した後、ディスカッションしてきておりまして、もっと項目を絞れそうだと考えていて、特に基本的価値観のところはかなり絞れるのではないかとは思っております。この形でずっといくというわけではございません。ありがとうございます。

○桐野部会長 どうぞ。

○河野委員 1つ聞きたいのですけれども、この評価のところなのですが、先ほどからもいろんな議論のところで、流れの中での研修という、卒前から初期臨から専門という中で考えるべきであろうと。それは当然だと思いますが、大学の卒業とこの初期研修以降との大きな違いは、大学のところは卒業があり、それから国家試験ということで、ある意味で選別が物理的にされますね。ところが、それ以降はそういったシステムがないがために、いろいろな問題のドクターが実際は、先ほどからお話出ているように、卒前と卒後というのは、医師の側、受ける側も大分質が違うし、見る評価のほうも質が違うわけですね。その違いを踏まえての選別のシステムがないわけですね。

そうすると、ここで評価ということの、そういう面でどのようにお考えなのか。評価して、満たしていないという人が出ますね。そのときにどう対応するのか。現状ですと、再教育をやったり現場でいろいろ努力して、どうにかここまで行ければということで送り出していく形ではないかと思うのですね。

そのときに、評価をしたときの対応のシステムを含めて考えないと、評価方法とか評価項目を挙げただけでも、結局は同じ繰り返しになってしまうのかなと。数値的な評価でなく、ある意味においての質的な評価になりますと数字で割り切れませんので、国家試験とか卒業試験は、ある意味において数値的な評価で切れるわけですけれども、その辺どのようにお考えなのでしょうか。

○福井参考人 このワーキングではまだそこまではディスカッションしておりません。個人的には、現在の研修制度では、2年間のうち休んだ期間90日以内ということ、到達目標を達成していること、そして法律を破らないこと、安全な医療を提供できることなどが修了認定に必要とされています。どれだけ指導しても、患者さんに危害を与える可能性が高い人は修了認定をしなくてもいいということになっています。修了のクライテリアは厚生労働省によって決められてはいますが、実際、現場では非常に難しくて、客観的な評価で修了認定するかしないか決められるのか、私もよくわかりません。

 特に到達目標を何%クリアーしていればいいのかは現場では非常に悩ましい問題ではあります。

○桐野部会長 河野先生、どうぞ。

○河野委員 繰り返しになってしまいますけれども、確かに現場では非常に苦労するのですね。実際問題としてはどうだろうかというドクター、やはりいるわけですね。それをどうしようかと。実際、うちの病院でも研修医たくさんいるわけですけれども、抱え込んでいっても、現実的には、病院、それをずうっと落第みたいにさせていくわけにもいかないわけですね。

そこがないと、評価というのがどんなにつくって現場に渡されても、現場はそこをある程度スルーしてしまうのではないのかなあという気がして、先ほどからここで御議論されているような、本当の意味での医師の質の育成というところの評価というか、仕分けにはなかなかつながらないのかなという気はするのですが。

○福井参考人 実際は非常に曖昧なところが多いのですが、私たちは、患者さんに危害を与える可能性の高い、また、ある質を担保できない、そういう医師は患者さんに対応しなくてもよい分野に進むよう誘導する責任があるのではかと思っています。そのために手探りで苦労しながらやっているというのが実情だと思います。余り悩まなくても済むようなシステムを今後作ることができるかどうかはよくわかりません。同じ医師免許を持っている者として、社会に対する責任から、患者さんに危害を与えないような分野で、診療のバックヤードでうまく貢献してもらえるような場を考えるより仕方ないのかなあと思っています。

○桐野部会長 神野先生、どうぞ。

○神野委員 聖路加とか千葉労災みたいに優秀な研修医ばかりでないところにいますので、もうお節介ですけれども、寄ってたかって、今、福井先生がおっしゃったようなことで、それが我々先輩としての役割だと思って、あたっています。実際何人かはそういう道を、お節介なことに選ばせた人間もおります。それはまさに評価したからこそそれができるのかなと思います。

○桐野部会長 評価の問題はそれなりに時間もかかるし、人的なコストも相当かかるし、それから、修了認定しないというデシジョンをするためには、それ相応のフェアな仕組みというのが必要で、現在の初期臨床研修制度はそのレベルまではまだ全然いってないと思います。ですから、そこまで今度の到達目標の変更において考えるかどうかというのは結構大きな問題。つまり、できるのかということを十分考えた上でやらないといけないので、ただ、非常に重要な問題で、今の現場で初期臨床研修を指導している人の大きな悩みの一つが、どうにもできない人をどうすればいいのだということ。何人にも伺いました。しかし、それを上手にマネージする仕組みというのは今のところまだできてないと思いますね。その辺のところもぜひ検討を含めてやっていただくと。

 中島先生。

○中島委員 今のお話に若干つながるのですけれども、国家試験では主に知識を問いますね。だけど、そこで卒業して、すぐ専門医に行ってしまうと変な専門医ばかりになって、全体を見てくれる人がいなくなるのではないかということが1つ反省で、日本専門医機構もできたわけですけれども、その間に、臨床研修をきちんとやる、その評価をどうするか、どのような研修をして、どう評価するかというステージがやはり必要だと思うのですね。このステージのところで、知識ではなくて、その人の資質であるとか価値観であるとか倫理観であるとかいうものをちゃんと評価しないといけないという非常に重い責任を与えられているこの期間、臨床研修の評価ということになると思うのです。

 これは僕の勝手な考えで、医師法を改正しないとできないのですけれども、卒後、この臨床研修が終わって判定のときに、あなたは患者に直接接する業務はできませんという判定ができるようになったら相当変わるのですけれども。今はできませんので、その中でどう考えるかということで非常に苦労しておるというのが福井先生のお気持ちではないかと思います。

○桐野部会長 ちょっと福井先生おっしゃったように、患者に危害を加える可能性がある研修医は修了認定しないというのは、どう言えばいいか、表現難しいですけれども、それは万人が認めるところではないかと思いますけれどもね。もっといい方法があれば。そのほか何かございますか。

 神野先生、どうぞ。

○神野委員 済みません。何度も。ただ、経験上、例えば学部教育、一生懸命やっていただいて、何とか卒業できた。だけど、国家試験にずうっと浪人して、ただただ、臨床実習出ないで、予備校通って勉強して、それで10年たって国家試験受かったなんていう医者もいるわけです。それはやはり臨床研修で一回くぐらせないと次には絶対進めないと、そういう方も結構いらっしゃいますし、そういう方で今お話があったようないろんな苦労もいっぱいあるわけですけれども、でも、臨床研修病院の責任として、一人前になるかならないかはそこで判断せざるを得ないという場合も存在するということもつけ加えさせていただきます。

○桐野部会長 そのほか、御意見、御質問等ございますか。

 それでは、どうもありがとうございました。きょう出ました御意見なども御参考にしていただいて検討を続けていただければありがたいと思います。

 それでは、議題1をここまでにいたしまして、議題2について、事務局より説明をお願いいたします。

○桑原臨床研修指導官 ありがとうございます。

続きまして、お手元の資料2をごらんいただけますでしょうか。「平成29年度都道府県別募集定員の上限について」でございます。1.に「全体の募集定員上限の設定」とございますが、こちらはいわゆる募集定員倍率の話でございまして、全体の募集定員、最初に御紹介ありましたように、平成27年度に希望者に対して募集定員を1.2倍、これを32年度までに約1.1倍にしていくということになっております。

平成28年、来年度から始まる臨床研修のマッチング、もう既に終えておりますので、その実績を御紹介いたしますと、1.18倍になるように上限を設定していたのですけれども、実際には1.17倍でございました。その下に分数が書いてございますが、募集定員1万1,272人でした。研修希望者数が9,637人で、割り算をすると1.17倍。1.18倍より若干小さいのですけれども、推計よりも研修希望者数が少し多くて、募集定員のほうが少し少なかったので、比率が小さくなっております。順次、この比率を小さくしていくこととしておりますので、平成29年度は、全体の募集定員が研修希望者の1.16倍という年でございます。

 次のページに資料2-1という横長のカラフルな表がございまして、ちょっとわかりづらいグラフで大変恐縮なのですけれども、横にずうっと見ていただきますと、平成28年度、来年度から始まる年の棒グラフが出ているかと思います。そこをずうっと上のほうに見ていただきますと、オレンジ色のところの9,637人がことしの実際の研修希望者数でございました。それに対して全国の募集定員を足し合わせると、青のところに数字がございますが、1万1,272人でございました。これを割り算すると1.17倍でございます。

 来年度につきましては、研修希望者数、推計いたしまして、9,637人から、医学部の定員増がまだしばらく続いておりますので、9,831人までふえることを推計しております。これに対して募集定員が1.16倍になるようにということで計算いたしますと、その上にあります青の数字が1万1,404人の募集定員になればぴったり1.16倍と。

ただ、例年、上限を設けても、一定の数字の余りが出ますので、その余りも考慮しますと、募集定員の上限としましては1万1,817人としてはどうかというのがまず1枚目の1の全体の募集定員の設定でございます。

 1枚目の資料にまた戻っていただきまして、29年度の都道府県別の募集定員の設定をするに当たりまして、1点、御考慮いただきたい点がございます。東北薬科大学の医学部新設でございます。1つ目の○にございますが、今、都道府県別の募集定員の上限は、それぞれの県の医学部入学定員を踏まえて計算しております。東北薬科大学につきましては、28年度から、医学部の新設がございまして、その場合は29年度の臨床研修の募集定員上限から反映させるということになります。

 2つ目の○でございますが、薬科大学の新設医学部の入学定員100名でございまして、この100名を宮城県の募集定員ということで計算いたしますと、計算は省略いたしますが、宮城県は募集定員の上限が58名、一気にふえることになります。そうすると、29年度の研修以降、宮城県が一気にふえて、当然、全体の上限の数は、先ほど申し上げたように、もう抑えておりますので、その他の県がその分減るということになります。

 その宮城県が一気に急増して、他の県を減らすというのは円滑な運用ができないのではないかということを考えまして、その下の○でございますが、東北薬科大学の医学部新設に係る入学の増員分100名につきましては、そのまま当てはめるのではなく、下線部でございますが、平成29年度の上限から平成32年度までの4年間、29303132の4年間かけて毎年25名ずつ漸増させて、25×4の100で都道府県募集定員の上限を計算してはどうかと。

 なぜ25名なのかというところですが、※印にございますが、過去に1年で最大医学部の入学定員をふやしたのが25名という年がございましたので、それを一つのマックスとして計算してはどうかということ。

それから、2つ目、※※印にございますが、29年度から医学部の新設が予定されている国際医療福祉大学、千葉県に設置が検討されておりますが、こちらにつきましては29年度の医学部新設ですので、臨床研修の募集定員の考慮につきましては、平成30年度の臨床研修の上限の設定の際に関係してまいりますので、文部科学省において医学部の設置認可が行われた後に改めて検討することと考えております。

 あと、お手元に別どめのクリップの資料がございますでしょうか。机上配付のみとさせていただいているものでございます。それの1枚目に、小森委員からあらかじめ、今申し上げました東北薬科大学の新設につきまして意見書をいただいておりますので、ちょっと簡単に御紹介いたします。

 「記」のところでございますが、平成28年度の東北薬科大学の医学部新設を踏まえた都道府県別募集定員の上限の取扱いについて、事務局案では平成29年度から32年度までの4年間で、入学定員の増加分である100名を25名ずつ漸増させて計算する方法を提案している。しかし、平成28年度に入学する学生が臨床研修を始めるのは平成34年度になることから、平成29年度から平成34年度までの6年間で、入学定員の増加分である100名を17名ずつ(平成34年度は15名)漸増させて、都道府県別募集定員の上限に反映させる方法も考えられる。以上のことも踏まえ、医師臨床研修部会において御議論いただきたい旨の小森委員からの意見書をいただいております。

 以上でございます。

○桐野部会長 それでは、「平成29年度都道府県別募集定員の上限について」御審議をお願いしたいのですが、この最初の部分については昨年随分議論をして、細かく定めたルールどおりということでありますで、御意見があれば伺いたいのですが、なければ、2番目の東北薬科大学の取扱いについて。1番目のものでも結構です。御意見をいただければと思います。

事務局案は、25名ずつ増加させながらアジャストしていこうということでありますが、それはちょっと速度が速いということで、小森委員から17名ということで、何か追加ございましたらお願いします。

○小森委員 済みません。きょうは実は札幌で用事があって欠席の予定だったので意見書を出させていただきました。こちらがより重大だなと思って、急遽、向こうをキャンセルして、こちらにたどり着きました。申しわけございませんでした。

 この募集定員に、先生方御承知のように、いわゆる人口分布と医師養成状況の中の大きいほうに地理的条件、それを2つ足したという経緯がございます。もともと、御承知のように、最後に医学部ができました琉球大学以来長らく設置されておりませんので、こういう今の状況になっていますが、事務局は機械的に今のをそのまま当てはめると、100名プラスと。これは余りないでしょうということなのですが、これも理念のない話で、25というのは、ちょっと調べますと、平成19年から20年に、和歌山県立医科大学が25名。しかも、それだけ、1回きりの特別な例なのですね。そこに前例があるということでしたが、もともと、医学部定員ですけれども、そこで養成される医師数なので、本来は平成34年から考えてもいいというのが、私のまず第1点目の実は提案なのですね。

しかしながら、事務局案というのにはやはり理念はなかろうと。強いて言うならば、34年から100名ふえるのであれば、それに向けての激変緩和というのはまだちょっといいのかなということなのですね。だから、私はまず最初に議論していただきたいのは、平成34年から卒業されるのだから、平成34年から考えられたらどうですかということをまず最初に申し上げた上で、なおかつ、事務局案にある程度、少し理解した提案をするならば、ここに書いてあるような、6年をかけて激変緩和ではいかがでしょうか、こういうことでございます。

○桐野部会長 ありがとうございました。私の理解では、卒業するときの見込み人数が容易に知れるのであれば、それをもとに計算すればいいではないかという議論がかつてあって、それが技術的に非常に難しいので、入学定員、つまり、6年前の数で養成数を各県ごとに計算しているわけですね。それは余り変動しないという、ずっとしなかったし、それで前提になっているのですけれども、これだけ激しく動くとちょっと今までのやり方が合わないということだろうと思います。

 ですから、今、小森先生がおっしゃったように、34年から一挙に上げるというやり方は、絶対いけないかどうかというのはわかりませんが、今までの医師数の増員は、増員された年に、6年後のことではなくて、その年にもう数に反映するような仕組みをずっと採用してきたので、論理的にはそれと同じというだけなのですけれども、ただ、一挙に100名というのは幾ら何でも現実に合わないということなのではないかなあと思います。だけれども、やり方としてはいろんなことがあると思います。

 小川先生、どうぞ。

○小川委員 小森先生のお考えに大賛成です。要するに、緊急医師確保総合対策、あるいは医師確保総合対策で各大学の定員がふやされてきたときに、余り議論をしないで、ただ定員がこれだけふえたのだからこうしましょうとされて来たものです。そこでは実はちゃんとした議論はされてないのですよ。ところが、今回初めてというか、もう何年来の、琉球大学以来の医学部新設が認められて、定員が100名だということになっているわけです。臨床研修制度そのものは卒業生が出なければ意味ないわけですね。卒業生が出て、だから定員をふやさなければならないというのは議論としてあるだろうけれども、それが緊急医師確保総合対策、あるいは医師確保総合対策のときの定員増のときには、十分考えないで、議論もされないで、ただ定員がふえたのだからそれでいきましょうということになってしまっただけの話です。

これは全然話が違う話なので、やはり根本的なところから考え直さなければならないと思います。例えば文部科学省上から言えば、新設大学、あるいは学部が新設されたときには、年次進行による段階的整備で進めることが認められているわけですね。だから、順次、だんだん臨床実習に入るころにちゃんと臨床実習ができるようなものをつくっておかなければなりませんよという年次進行で進めることは認められているわけで、それと同じことを考えれば、やはり定員がこうなったから、1年生が入ったからこうだというのはちょっと乱暴な話ではないかなと私は思います。ですから、小森先生のお考えをベースにして、基本から考え直したほうがいいのかなという感じはいたします。

○桐野部会長 岡村委員、どうぞ。

○岡村委員 先ほど和歌山の名前が出ましたので、我々のところは入学定員がふえたときに合わせて25人の増員をしていただいたのですが、今、私が思うのは、小森先生が出された卒業時の、卒業生が出るそのときの100人にやはり合わせたらいいと思いますし、そのときいきなり100人ではなかなか大変なので、漸増ということで17人という、小森先生が意見書に書いておられるのに賛成します。

○桐野部会長 入学時の定員で計算したのは、卒業して、医師国家試験に合格する数を各大学で見込めないというか、現役以外の方も合格して上がってくるので、何人なのかというのが確定しづらいというので、入学時の定員をもって変えたのですね。だけど、先生がおっしゃったように、これは全く新しい事態なので、具体的にどうするかはちょっと御意見をいただいて考えればいいのかなあと思います。千葉の場合も恐らくそういうことが起きてくると思いますけれども、いかがでございましょうか。今出ている案は、34年からでもいいのではないかという意見でございましたけれども。

 どうぞ。

○押淵委員 現在、東北薬科大学附属病院の割り当て要員が実際稼働しているのはもう既にできているわけですね。今はもう実際は臨床をやっていらっしゃるわけですかね。そうしますと、それには研修医を迎えていらっしゃるということであれば、もう既に準備が整っている段階で、研修を迎える準備ができている段階でありながら、しかしながら、研修医がまだ出てきてない段階ですから、これは激変緩和というよりも、卒業を見込める前年度で考えたほうが適正な考え方ではないかと思いますし、ほかの県に与える影響も大きいのではないかと思っています。

○桐野部会長 小川先生、どうぞ。

○小川委員 今のに関連してなのですけれども、もう既に東北薬科大学病院では臨床研修医は受け入れているのですか?受け入れているとすれば、それは医学部定員とは連動してないのですね。それで現在は、いわゆる基幹型臨床研修病院として認められているわけで、今回、大学附属病院になるから変わるというお話なのだけれども、この辺の法的な根拠というのはどのようになっているのですか。

○桐野部会長 どうぞ、お願いします。

○桑原臨床研修指導官 今ちょうど小川先生から御照会いただいたものでございますが、小森先生から提出いただいた意見書の次に、机上配付資料の中に入っておりますので、ちょっとおめくりいただけますでしょうか。

 意見書の後に一枚ペラで、「臨床研修病院指定取消申請書」とございます。こちら、右上の差出人を見ていただきますと、東北薬科大学病院として厚生労働大臣宛てに、今の基幹型臨床研修病院としての指定の取り消しを申請しますというものが出ております。厚生労働大臣が指定する臨床研修病院につきましては、新たに指定する、あるいは取り消す際にこの部会に諮りまして、取り消しを認めますよということですので、今回、お配りしているものでございます。

次に、めくっていただきますと、左上のところに臨床研修病院新規指定申請審査表とございます。こちらは東北医科薬科大学病院の附属病院としての資料でございます。ただし、こちらは医学部を有する大学の附属病院は厚生労働大臣指定ではございません。厚生労働大臣の指定ではなくて、医学部を有する大学の附属病院はもう自動的にといいますか、そのままで基幹型相当の臨床研修病院になるということでございまして、いわゆる申請書ではない。ただし、臨床研修病院としてしっかりした内容かどうかということをこちらでもしっかり確認しておりますよというものが次の資料でございます。

ですので、法的な位置づけとしましては、東北薬科大学病院としての臨床研修病院の指定を取り消しますよということをこの部会でお認めいただくことと、審議事項ではない、報告だけれども、東北医科薬科大学病院として大学附属病院が臨床研修病院に相当するものとして追加されますという2点でございます。

以上です。

○桐野部会長 さて、今の問題ですが。

小川先生、どうぞ。

○小川委員 東北医科薬科大学病院のほうの審査表の2ページ目を見ますと、7番目ですね。臨床研修医に必要な研修分野ごとの云々かんぬんというところで、研修医1人当たり、外科入院患者数50件未満は△ということになっていますね。これも、結局、年次進行なのですよ。今、学生が1年生の学生しか来年はいないわけですから、当然、臨床実習に行く必要もないし研修をやる必要もないわけなので、これがですから、だんだん年次進行で高学年になるに従ってそうなってくるわけで、そのときまでにちゃんとしておけばいいよというのが文部科学省上の年次進行の考え方です。ですから、それをやはり考え方の中に入れてルールをつくる必要があるのではないかなと思います。

○桐野部会長 今、小川先生が言われた方向でよろしいですか。25名を認めておかなければ非常に困り果てるということもなさそうに思いますけれども。

中島委員、どうぞ。

○中島委員 もう皆さん結論は出ておられると思いますけれども、小森委員のおっしゃっていることは非常に現実的ではないかなと思います。

○桐野部会長 少なくとも25名を4年間というのはもうやめると。17名ずつ6年間で徐々に上昇していくと。これは17名が医師養成数の母数に加わるということですね。そのままが研修医の総数に挙がっていくというわけではありませんので、そういう形で徐々に認めていくということで、今後のやり方にも反映しますので、そういうことでよろしいかということですけれども。

○小川委員 ぜひそうしたときのシミュレーションを一回出していただければありがたいなと思います。

○桐野部会長 これは本日一応の結論を得るということでございますか。

では、17名ずつということで、実際に具体的にどうなるかは、次回、シミュレーションを出していただくと。ただ、17名でいくということは、この部会としては本日結論を出すということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○桐野部会長 それでは、そのようにさせていただきます。どうもありがとうございました。

それから、次、「その他」に移りたいと思いますが。

○桑原臨床研修指導官 では、続きまして、資料3をごらんいただけますでしょうか。一枚ペラの縦長のものと、それから横長の資料3-1というものでございます。

資料3「基幹型臨床研修病院の新規指定等の時期の前倒しについて」でございます。1.のところに、臨床研修医の募集を行う病院に3つのパターンがあるということでちょっと整理しております。1は、従来から基幹型臨床研修病院として指定されていて、採用実績もあり、通常の臨床研修病院で募集する場合。それから、2が新たに臨床研修病院に指定されて、翌年度から全く初めて募集しますという場合。それから、3はちょっとこみいっておりますが、平成22年度から基幹型臨床研修病院の指定基準を見直しまして、年間入院患者数が3,000人以上としました。ただ、その時点で3,000人を切っている病院がございましたので、そこについては経過措置ということで、指定があるとみなすという位置づけになっております。

そういう病院はなかなか3,000人に達しないままで来ておりますので、2年間、入院患者数が3,000人を下回っている場合は、2年に1回、地方厚生局の訪問調査をして、しっかりした研修が行われているということを確認して、いわゆるみなし指定を継続しているという、3パターンございます。

横長の資料3-1にちょっと飛んでいただきまして、開いていただきますと、スケジュール表がございます。上から3つの段に分かれているのは、今申し上げました123に相当するものでございます。

一番右端の平成30年度というところからちょっとさかのぼって見ていただきますと、例えば30年度からの研修を開始する場合、真ん中の新規指定の場合は、その前年、平成29年度の夏ごろに部会の審議をして、新規指定をすると。ところが、その時期はもう既にマッチングの参加登録もしているし、いわゆる病院としての採用活動がもう行われているので、新規指定が決定されていないのにマッチングに登録して採用活動をするという状態が今まで続いてきておりました。その下の段の訪問調査についても同じでございます。

今回御提案は、1枚おめくりいただきまして、同じことを、研修を開始する前年度はマッチングであるとか採用活動に病院がもう決定した後で参加できるようにするということで、部会の審議を、例えばその前年度の3月までに終えて、その前年度内に新規の指定、あるいは継続しますという決定をして、その29年度は、決定した上でマッチングに参加登録できるようにするという案でございます。こちらでお認めいただければ、来年度、平成28年度からこれを適用すると。

ただ、ちょっと先生方に御協力いただかなければならないのは、これを決定しますと28年度どうなるかと申しますと、来年の夏は通常どおり、29年度から開始する病院を審議いただく。さらに、29年年明けに、30年度から始まる病院の御審議をいただくということで、28年度に限って2回御審議をいただくことになります。

ちょうどここは、事務局としても、従前から、審査についてちょっと個別に、もう大丈夫だろうという病院も含めて一つ一つ非常に細かく審議いただいていますので、当然、問題ある病院は別ですけれども、しっかりしているねという病院についてはなるべく審査も簡略化しまして、余り新規指定に長々と時間をかけないようなやり方で28年度以降進めてまいりたいと考えております。

以上です。

○桐野部会長 この資料3、基幹型臨床研修病院の新規指定等の時期の前倒しということで、今、御説明がございましたけれども、御意見ございますでしょうか。

よろしいですか。

こうなるのかなあという感じがしますけれども、よろしければ、この新規指定等についてはマッチングの前年度の3月末までに行うということで今後お願いすると。ちょっと1年だけ慌ただしくなる年がありますけれども、そんなにすごい大きな数でないですね。どうぞよろしくお願いします。

それでは、資料4の説明をお願いいたします。

○桑原臨床研修指導官 既に先ほどちょうど小川先生から御提案いただいてごらんいただいたものでございますが、資料4としまして、「指定の取り消しを受ける基幹型臨床研修病院」ということで、東北薬科大学病院としては、厚生労働大臣が指定する臨床研修病院としての指定を取り消すということでございます。

報告事項として、医学部を有する大学の附属病院として新たに基幹型相当、東北医科薬科大学病院が臨床研修病院相当になるということで、詳細は机上配付した先ほどの資料でございます。

以上でございます。

○桐野部会長 以上のとおりでございます。資料の中で平成29年度研修都道府県別募集定員の上限の試算は、既に最初の初回からこういう数の入った表が出ています。これは昨年までに基本的な数の計算の仕方をがっちり固めたので、こうなるということでありますけれども、ごらんになって、特に問題がなければ。

桑原さん。

○桑原臨床研修指導官 失礼しました。ちょっと御説明が足りなくて申しわけございません。右上に資料2-2「平成29年度研修 都道府県別募集定員の上限の試算」でございます。こちらの試算は、東北医科薬科大学病院につきまして25名のパターンで試算したものですので、こちらは、先ほど御提案ありました、決定されました17名で改めて計算し直しまして、先生方に個別に、計算し直したらこのようになりますということを御報告いたしますので、まだこの数字ではないということで御承知おきください。

○桐野部会長 わかりました。多少、ほんのちょっとですけれども、総数が動いて、宮城県が少し動くということになると思います。これは改めて送っていただくのですか。

○桑原臨床研修指導官 ええ、お送りいたします。

○桐野部会長 よろしくお願いいたします。

それでは、何だかもうちょっとゆっくりやればよかったのですかね、予定していた議題は終了したのでございますが、ほかに御意見。

山下委員、どうぞ。

○山下委員 時間が余ったので、ちょっと御要望を。

これは前から小川先生からも要望があって、リクエストあったと思うのですけれども、要するに、先ほどからの最初の議論で、本当にちゃんと検証しないと次へ進めない状況だと思うのですね。そのためには、本当にこの制度というものが、いい医者をちゃんとつくっているのですか。医療というものをちゃんと押し上げるような原動力になっているのですか。プラスの面とマイナスの面とあると思いますけれども、例えば本当に専門医を志向する、今回、専門医制度が事実上義務化されましたから、それはどうなのか。それから、例えば本当に医療として若い人が生涯に修業をするというようなことで、例えば大きな病院がいいわけではないのですけれども、ちゃんとした病院で最初修業をしているのか、入局しているのか、どこでどういう医療をしているのか、そういうことに関しては三師調査とかでわかるはずなので、そういうのをぜひデータとして示していただきたい。それは要するにマスとして見たときのアウトプットですから。

いろいろな、いわば評価の仕方というのはあると思うのですけれども、本当に地域の医療というのが苦しい。それから、診療科によっては物すごく人が足りない。そういうのをみんなわかっているのですけれども、そういうデータが国のデータとして一つも出てこないというのは、私は非常に問題だと思うのです。まずきちんとそれを出していただいて、それをあげつらうというのではなくて、いい制度であればそれをどうやって育てていきますか、いい方向に持っていくためには何が問題点ですかというのがないと、次へ進めないのですよ。

だから、現状として、どこでどういう人が、どういう年齢別で、どういう人がどういうところで医療をやっているのか。これはわかるはずです。県によっても。地域医療にしても、診療科の偏在ということを我々は、特に私、山形にいますと本当に切実な、毎日の問題として感じているわけです。東京あたりにはそうでない医者もたくさんいるというのは聞きますから、そういうのをちゃんとデータとしてぜひ示していただきたい。個人情報とかなんとかにかからないですから。マスとして出てくるので。ぜひお願いしたいと思います。

○桐野部会長 重要なポイントだと思いますが、当部会で検討を要するに際して必要なデータで、かつ、厚生労働省が把握しているものについては、これまでも出していただきたいという要請に対して出してきていただいているので、それは非常に細かいところは多分無理ではないかと思いますが、もっと具体的にこうこう、こういう観点でこういうデータということであれば対応可能でないかと思いますし、データに基づいて物事を判断するのは基本中の基本ですので、先生のほうからリクエストを出していただければいいのではないかと思います。

そのほか、何か御意見がございましたらお願いいたします。

途中が予定より少し遅かったのでどんどん進めてしまったのですけれども、本日の議題は以上で終了いたしました。

もしよろしければ、ここで本日は終了させていただきます。

それでは、事務局から。

○桑原臨床研修指導官 どうもありがとうございました。

次回の部会開催日程につきましては、また改めて調整させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

○桐野部会長 どうもありがとうございました。

 


(了)

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