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2016年1月28日 第35回社会保障審議会年金部会議事録

年金局

○日時

平成28年1月28日(木)13:00〜16:00


○場所

東京都千代田区西神田3−2−1
住友不動産千代田ファーストビル南館 3階


○出席者

神 野 直 彦 (部会長)
小 塩 隆 士 (委員)
菊 池 馨 実 (委員)
駒 村 康 平 (委員)
出 口 治 明 (委員)
原 佳 奈 子 (委員)
平 川 則 男 (委員)
藤 沢 久 美 (委員)
牧 原    晋 (委員)
宮 本 礼 一 (委員)
山 口    修 (委員)
山 本 たい人(委員)
米 澤 康 博 (委員)
岩 間 陽一郎(委員)
菅 野 雅 明 (委員)
堀 江 貞 之 (委員)

○議事

○神野部会長 それでは、定刻にちょっと早いのですが、ただいまから第35回の「年金部会」を開催したいと存じます。

 早いもので、つい先日、年が明けたかと思いますと、1月も早いもので、もう月末でございます。委員の皆様方には、大変御多用中のところを御参集いただきまして、本当にありがとうございます。

 本日の委員の出欠状況でございますが、植田委員、小室委員、佐藤委員、武田委員、森戸委員、諸星委員から御欠席との御連絡を頂戴いたしております。また、小塩委員、藤沢委員からは、おくれて御出席いただけるとの御連絡を頂戴いたしております。

 御出席いただきました委員の方々が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを、まず御報告申し上げたいと存じます。

 なお、本日の議事の「年金積立金の管理運用に係る法人のガバナンスの在り方について」に関しては、専門委員でいらっしゃる岩間委員、菅野委員、堀江委員にも御議論に御参加していただくことになっております。なお、伊藤隆敏委員からは、御欠席との御連絡を頂戴いたしております。

 それでは、議事に入ります前に、事務局のほうから出席者の御紹介と資料の確認をさせていただければと存じますので、よろしくお願いいたします。

○総務課長 まず、事務局からの出席者ですが、お手元の座席図のとおりとなっておりますので、紹介にかえさせていただきます。

 お手元の資料について確認をさせていただきます。

 本日の配付資料として、資料1、GPIF改革に係る議論の整理(案)という表題の資料。

 それから、資料2、GPIF運用のあり方に関する現在までの議論と題した資料。

 それから、資料3、GPIF運用のあり方について(議論のためのメモ)と題した資料。

 それから、参考資料1で、1225日の資料ですが、GPIFガバナンス強化のイメージ(案)。

 それから、参考資料2として、ガバナンス関係。

 それから、参考資料3として、運用の在り方関係。

 さらに、参考資料4として、GPIFのほうから提出されておりますインハウス運用におけるデリバティブ取引の活用例という表題の資料を準備させていただいております。

 また、今日は、順不同で申し上げますが、出口先生、平川先生、牧原先生、米澤先生から資料の提出をいただいておりますので、配付させていただいております。

 よろしく御確認をいただきたいと思います。

○神野部会長 どうもありがとうございました。

 お手元の資料を御確認いただければ。よろしいでしょうか。はい。

 それでは、カメラの方はいらっしゃらないようでございますが、いらっしゃれば御退室の御協力を頂戴したいと存じます。

 それでは、議事に入らせていただきますが、お手元の議事次第をごらんいただければと思います。本日、年金積立金の管理運用に係る法人のガバナンスの在り方について、もう一つは、年金積立金の管理運用に係る法人の運用の在り方について、この2つの議題を準備させていただいております。

 本日の議事の進め方でございますけれども、1つ目の議題に関しましては、1時間程度御議論を頂戴したいと思っておりまして、前回の最後に申し上げましたけれども、1つ目の議事に関しましては、ガバナンスの在り方について、これまでの意見を事務局で整理していただいた資料を準備いたしておりますので、それをベースに議論の整理をしていきたいと考えております。

 そして、ここで5分ほどの休憩をとりまして、残りの2時間程度で2つの議事、運用の在り方について。これにつきましては、前回も申し上げましたように、前回の部会に引き続いて御議論を頂戴できればと考えております。

 それでは、まず、議題1のほうのガバナンスの在り方についてに関して、事務局から資料の説明をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。

○大臣官房参事官(資金運用担当) それでは、座ったままで失礼させていただきます。資料1「GPIFに係る議論の整理(案)」につきまして御説明させていただきます。

 1として、背景・経緯でございますが、設立時の考え方、またその後の経済・運用環境の変化について記載してございます。

 現在の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)につきましては、マル1、マル2と書いてありますような前提のもとで、平成18年4月に設立されたところでございます。

 2番目の○でございますが、しかしながら、この10年間で、市場・運用環境は、一層、高度化・複雑化してきており、積立金の市場運用を行っている海外の公的年金運用機関等では、専門性を高め、伝統4資産のみならず、オルタナティブ資産にまで幅広く分散投資を進めているという現状がございます。

 また、近年の国内の経済環境について見ますと、デフレからの脱却を図り、適度なインフレ環境に移行しつつある中で、国内債券中心の運用では必要な運用利回りの確保が困難となってきているほか、高度化・複雑化する市場・運用環境に対応し、安全かつ効率的に運用していくためにも、リスクを低減するための分散投資の促進や高度なリスク管理体制等がより一層重要となっている。

 このような経済・運用環境の変化に対しまして、これまでの取組みといたしましては、GPIFにおいては、カナダの公的年金基金と共同でのインフラストラクチャー投資の開始、JPX日経インデックス400等の採用、物価連動国債の購入開始、日本版スチュワードシップコードの受入、そして基本ポートフォリオの見直し、昨年に至りましては、国連責任投資原則への署名等の運用の見直し等を実施してきたところでございます。

 また、あわせまして、ガバナンスにつきましても、独立行政法人改革等に関する基本的な方針や「日本再興戦略」改訂2014等に基づきまして、職員数や給与水準を弾力化し、高度で専門的な人材確保を開始、運用担当理事を法律上必置として、役員を増員、基本ポートフォリオの変更等について運用委員会の議決事項とすることによる実質的な合議制の導入、ガバナンス委員会の設置、投資原則・行動原則の策定、コンプライアンスオフィサーの設置等の取り組みを進めてきたところでございます。

 2としまして、更なる改革の方向性でございます。

 (1)更なるガバナンス体制の強化。

 海外の公的年金運用機関におきましては、一般的に、合議制の意思決定機関を有し、基本ポートフォリオなどの主要な意思決定を行っているほか、意思決定機関と執行部を分離し、執行部の責任と権限を明確にした上で、意思決定機関が執行部の活動の監督を行う仕組みとなっております。

GPIFにおきましても、その意思決定につきましては、前述のとおり、実質的には運用委員会において審議され、その内容を合議で決定しており、また、運用委員会が執行部を監視する仕組みとなっております。しかしながら、法律上は、理事長に意思決定権限が集約された独任制であり、運用委員会は理事長の諮問機関という位置付けに過ぎず、また、運用委員会の委員は全員が非常勤であり、その監視の実効性には限界がある。

 このため、GPIFにつきましては、約140兆円もの年金積立金を運用する世界長大規模の公的年金運用機関として独任制は相応しくなく、また、独任制では「専ら被保険者の利益」にそぐわない自的で運用が行われかねないのではないかといった懸念が未だ指摘されていることから、こうした懸念を払拭し、運用に対する国民の信頼を高めるためにも、法律を改正し、その意思決定は合議制機関が行い、そして、執行部門の責任と権限を明確にした上で、両者を分離し、日々の執行部門の活動を意思決定機関が適切に監督する枠組みを法的に担保することにより、ガバナンス体制を名実ともに整えることが必要となっている。

 更なるガバナンス体制の強化については、当年金部会に設置した年金積立金の管理運用に係る法人のガバナンスの在り方検討作業班における議論を踏まえてまとめられた「年金積立金の管理運用に係る法人のガバナンスの在り方検討作集班報告(議論の要約)」や当年金部会での議論などを基に、平成271225日に、事務局より「ガバナンス強化のイメージ(案)」が提示された。当該イメージ(案)については、概ねその方向性について合意されたところであるが、以下のとおり、一部意見が分かれた点や、更なる検討の必要性を指摘する点もあった。

 幾つか記載しておりますが、まず1点目が合議制機関についてでございます。

 1点目、拠出者代表の参画についてでございますが、済みません、修正の過程で文章が抜けているところがございましたので、あわせてそこを申し上げます。

 まず、「合議制機関については、拠出者である労使の意見が確実に反映できるよう、その代表を構成員に入れるべきとの意見を踏まえ、イメージ(案)においては、以下の観点から現状程度(労使各1人)と提示されたところ」とありますが、その「以下の観点」というところが修正の過程で落ちてしまいまして、書いておりますのは、円滑な意思決定の観点から、現状規模程度とする。

 2点目、利害関係者は、労使のみに限定されないこと。

 この2点から、現状程度と提示されたということです。済みません、こちらの準備不足で抜けておりました。

 もう一度申し上げますと、「以下の観点から」というところの下に、1点目として、円滑な意思決定の親点から現状規模程度とする。

 2点目として、利害関係者は、労使のみに限定されないこと。

 この2点、このような観点から現状程度と提示されたところでございます。

 これに対しまして、以下のような意見があった。

 年金積立金の原資は被保険者及び事業主から強制的に撤収された保険料であることから、経営委員会の構成に関し、労使の代表が少なくとも複数以上、過半数に近い数を占めるべきであるとの意見。

 委員を選任する過程で拠出者である労使が関与する仕組みが必要であるとの意見ということでございます。

 マル2といたしまして、委員会の設置についてでございます。

 経営委員会が形骸化することが危惧されるため、監査等委員会以外の委員会は設置すべきではないとの意見があった。

 ページをおめくりいただきまして、4ページでございますが、執行部と合議制機関の関係についてでございます。

 合議制機関と執行部との関係については、円滑な意思疎通、外部への効果的な説明、組織の簡略化の観点から、執行部の長以外の執行部も合議制機関の構成員とすべきとの意見があった一方、執行部に対する監督・監視機能の徹底が重要であり、執行部は経営委員の構成員に加わらないことが適当との意見もあった。

 こうした意見に対し、執行部の意見を意思決定に反映させつつ、監督・監視機能を確保する観点から、執行部の長のみ合議制機関に加わることとするとともに、より運用の現場・実態を意思決定に反映できるよう、運用担当理事について、合議制機関の求めに応じた説明義務を課すとともに、管理運用に係る議事について意見陳述ができるとするイメージ(案)が適当との意見が多数であった。

 その他、以下のような意見があったということで、経営委員を含めた役員の利益相反については、しっかりと防止していくことが当然であり、制度上担保される必要があるとの意見。

 情報公開について、やむを得ない場合にのみ制限を設け、基本的には可能な限り情報公開していくことが重要であるとの意見があったという点を付記しております。

 (2)の運用の見直しは、本日の第2部以降で今後、まだ議論が続くということで、内容については記載を省略しております。

 また、5ページ以下には、3ページに出ておりましたような、1225日に提示し、御議論いただきましたイメージ(案)を添付しているところでございます。

 ガバナンスに関しまして、あと、参考資料といたしまして、これまでに出た資料を整理したものを参考資料1、2としてお配りしております。あわせまして、委員からの御意見の中で、経営委員の責任に関しての御質問がございましたので、1225日の議論の場でも事務局のほうから答弁させていただいたかと記憶しておりますけれども、改めて申し上げさせていただきます。

 経営委員の受託者責任、どのような責任を経営委員が負うことになるのかということにつきましてでございますが、この年金積立金等の運用の場面におきまして、受託者責任について考えますときに、市場を完全に予測することは不可能であり、運用の結果について、結果責任を受託者たる運用者に負わせることはできないとの考え方が一般的ではないかと考えております。ここで言う受託者責任とは、同様の立場の慎重な人間が通常用いるであろう注意を払ったかどうかという善管注意義務、また意思決定が受益者のためになされたのか、その過程が正式な手続を踏んで行われたかなどの忠実義務というものがその内容になるかと思います。

 したがいまして、基本ポートフォリオを含む重要事項を決定する経営委員会につきましては、例えばきちんと受託者責任が果たされている中で、市場の動きによりまして、その時点での損失等が出た場合につきましても、その損失について結果責任を負わされることはないものと考えております。一方で、極端な事例となりますけれども、例えば基本ポートフォリオの決定過程で何か不正があったですとか、意思決定の過程におきまして、経営委員に受託者責任違反が存在するという場合につきましては、その違反が問われるという可能性はあろうかと思います。

 また、例えば基本ポートフォリオの決定のような場面でどのような責任あるいは役割分担になるのかという点を御説明させていただきますと、このイメージ(案)におきます代表者といいますのは、執行部の長ということで書いてございます。

 したがいまして、正式な場での説明は、基本ポートフォリオの決定自体を含めまして、執行部の長あるいは執行部の長の命を受けた執行部の人間が行うことを想定しております。ポートフォリオの変更を説明するような記者会見などでも、基本的には中期計画の変更という形で、法人側から厚生労働大臣に申請が上がり、厚生労働大臣の認可を経て決定が行われるということが一般的だと思われますけれども、その場合、執行部の長が代表してポートフォリオの変更の内容について説明することが適当ではないかと考えております。

 もちろん、その際、経営委員会の長たる経営委員長が同席して、経営委員会での決定の経緯などを説明することも想定されますけれども、経営委員長が単独で、あるいは執行部の長とは別に説明するということは想定していないということでございます。同様の事例といたしましては、例えばNHKにおきましては、3カ年の経営計画の策定時に会長と経営委員長が共同で記者会見するという事例などもございます。

 もう一度整理して申し上げますと、運用に関する結果責任というものを経営委員会の委員に、受託者責任を忠実に果たしているにもかかわらず、負わせるということはないと考えておりますし、その上で説明責任という意味で申しますと、基本ポートフォリオの変更等の段階におきまして、新法人の代表者たる執行部の長と共同して経営委員会の長が説明することはございますけれども、基本的には新法人の対外的な代表者は執行部の長が行うものと考えているところでございます。

 委員からの御質問がございましたので、あわせて御説明させていただきました。

 事務局からの説明は以上でございます。

○神野部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいま、ガバナンスの在り方に関する問題に係る整理(案)を御説明いただいたわけでございますけれども、これをもとにしながら御議論、頂戴できればと思います。どなたからでも結構ですが、菊池委員が少し早目に御退席されるということなので、もしもよろしければ口火を切っていただければと思います。

○菊池委員 ありがとうございます。退席させていただくので、それでは、最初に。

 1点、これはちょっと確認というか、質問的な意味合いも含むのですけれども、前回、メモを出させていただきまして、被保険者と事業主が経営委員会に加わることの正当性・適切性ということについて、お出ししたのですけれども、1人か、それとも複数入るかというところは、なかなか悩ましいなと私自身、感じておるのですけれどもね。

 そこで、ただいまの資料の5ページにおきまして、このイメージ(案)では、1のマル2で、「被保険者及び事業者主の立場を適切に代表し得ると認められる団体の推薦する者各1人を含む」ということですけれども、他方、新しくできる審議会の部会で、イメージ(案)の8ページですが、役員の任命基準をこの審議会で審議するということなのです。

 そこで、他の運用委員7名等の基準を議論するということなのかなと思うのですが、労使代表の各1名というのは、少なくとも1名という趣旨で理解する余地があるのか。これは、上限で1名ずつなのだということなのか。新しくできる部会において、そういった他の専門性を持った運用委員とともに、労使のあり方というか、入り方というのもここに委ねる余地があるのかどうかというのを、ちょっと確認させていただきたいなと思っておるのですが。

○神野部会長 事務局からコメントがあれば。

○大臣官房参事官(資金運用担当) この経営委員につきましては、1名以上ではなく、各1名ということで記載させていただいております。なお、現在の仕組みのもとでは、運用委員会の中では、労使に推薦を各1名いただいております。これは、法律上の記載は一切ございません。そういう意味では、法律上の記載は一切なくて、事実上、そうやっている仕組みでございますけれども、ここのイメージ(案)に書いてありますのは、それを法律上、1名ずつと明記するということではどうかということでございます。

○菊池委員 ありがとうございます。

 そこで、確かに今よりも経営委員の人数がふえる中で1名ずつというのはどうかという御議論、よくわかるところで悩ましいのですけれども、少なくとも新しい部会のほうで経営委員の専門性のあり方も含めた基準を、労使もそれぞれ複数入った中で議論すると。最低限、そこのところはお願いしたいなと思っているところです。この年金部会におきましても、労使の委員の方が複数入られて議論に参加していただいていますので、最低限、そこは入っていただいて、拠出者の意識や感覚と離れたところで決めていくというのは違和感がありますので、そこは最低限お願いしたいなと思っているところです。

 以上です。

○神野部会長 したがって、とりわけ整理の中で、そういう意見があるのだと明記してありますけれども、それについて重ねて御意見頂戴したという理解でよろしいのですね。はい、わかりました。

 どうぞ、宮本委員。

○宮本委員 ありがとうございます。

 今、菊池先生のおっしゃるとおりのところも少し重ねて、私のほうも意見を申し上げたいと思います。

 まず、背景・経緯のところからですが、年金積立金はここに書いてあるように、専ら被保険者の利益に資するものでなければならない。よって、厚生年金保険法等の法律では、その運用については、長期的な観点から、安全かつ確実を最優先にする、このような旨のことを明記しているところです。

 しかし、この年金積立金の運用を取り巻く、これまでの状況をいろいろ見てみますと、例えば2014年1月に安倍総理が出席したダボス会議で、安倍総理がGPIFは1兆2,000億ドルの運用資産を持っていて、成長への投資に貢献するために、そのポートフォリオの見直しをするという、いわゆる前向きの改革を行うのだという旨の発言をおっしゃっていますし、また、日本再興戦略2014でも、保険料を拠出している労使の意見をしっかりと聞くことなく、年金積立金運用の見直しが政府方針として示されたと認識しています。加えて、201410月の基本ポートフォリオの変更についても、被保険者でもある国民に十分な説明のないままに、次期中期計画を待たずに前倒しで行われました。

 等々あって、この間の年金積立金運用見直しの議論が、専ら被保険者のために運用するとしている厚生年金保険法等の趣旨を少し逸脱しているような形で、これまで進められてきたことについては、我々拠出している側としては遺憾であり、改めてこういったことについては異議を申し上げたいと思いますし、加えて、この年金部会においても、専ら被保険者のために積立金を運用するという法の趣旨が十分共有されないままに、このガバナンスのあり方について取りまとめを急ごうとしていることについては、まだまだ私は納得しがたいというところがあります。

 そもそも年金積立金をめぐっては、年金福祉事業団がハイリスク運用に失敗して、1.4兆円もの累積損失を発生したまま解散し、その後、年金資金運用基金を経て、現在のGPIFがそれまでの多額の損失を処理してきたこと等々も含めて、そういう経緯もあって、多くの国民が年金制度そのものに対して、今もって不信感を抱いていることを踏まえれば、国民に対して、これまでの反省点あるいはきめ細かな説明にもう少し目を向けるべきだと思います。

 しかし、年金保険制度やGPIFについて、国民に理解を深めてもらうための対策が不十分なままに、GPIFに年金積立金を自由に運用させる議論が進められていることは、先ほど言いましたように、非常に残念としか言いようがありません。また、このような観点から、被保険者の利益に資する運用のためには、拠出者である労使の意思が十分に、かつ確実に反映されるガバナンス体制の構築が不可欠だと思いますし、政治介入のリスクの排除、それから拠出者である国民に対して十分な説明責任を果たせる仕組み、こういったものが重要だということを改めて強調しておきたいと思います。

 それから、年金積立金の運用については、年金積立金が強制加入である社会保険制度を前提としたものであるということからすれば、積立金の管理・運用に拠出者の意思を十分反映させるのは、先ほど菊池先生がおっしゃるとおり、必要だと思っていますし、とすれば、執行部を入れて10名で構成する経営委員会の中で、労使代表が各1名という構成では、拠出者の意思が十分に、かつ確実に反映される体制かという点で見ると、不十分だと言わざるを得ないと思っています。

 これまでの議論の中で、労使各1人程度が適当という意見も確かに出されておりますけれども、一方で、保険料拠出者である労使の意思が反映される仕組みとすることが適当だという考え方には、多くの委員の皆さん方の賛同を得られているのではないかと、私自身は理解しております。拠出者を代表している労使委員が、この点について主張しているにもかかわらず、今回の整理(案)の中でも労使1人ずつとする事務局案に対して、異論がなかったことをもって労使各1人ずつが適当ということにするには、少し乱暴な取りまとめだと言わざるを得ないのではないかと思っています。

 仮に、採決で事務局提案に異論がなかったとして、結論を出すようなことがあるとすれば、それこそ拠出者である我々労使の意見を反映していないものになってしまうというおそれもあります。繰り返しますけれども、年金積立金の原資は、我々拠出者が社会保険制度における強制保険であることを前提にして、国民が保険料を拠出していることを十分認識した上で、この年金積立金のあり方の議論をこれからも進めてもらいたいと思います。

 以上です。ありがとうございました。

○神野部会長 今の趣旨がちょっと理解しかねるところがあるのですが、お手元の3ページを見ていただいても、取りまとめでは、先ほどのイメージ(案)というのを提示したのだけれども、これに対して、菊池先生、宮本先生の意見も入れた意見があったという取りまとめになっているので、ここで多数決で決めたとか。

○宮本委員 そうならないようにお願いしたい。

○神野部会長 やっていないので、こういう書き方でよろしいでしょうかと。

○宮本委員 改めて強調したいということです。

○神野部会長 ただ、こういう以下のような意見があったのだけれども、これは非常に強かったのだというお気持ちをと理解すればいいですか。

○宮本委員 おっしゃるとおりです。

○神野部会長 わかりました。

 ほか、いかがでございましょうか。平川委員。

○平川委員 以下の観点というところで、先ほど円滑な意思決定の観点から、利害関係者は労使のみに限定されていると提示されたと書いてあるのですけれども、提示されているのでしょうか。質問です。5ページ、6ページに提示されたと私には読めないのですが。○神野部会長 事務局、わかりますか。

○大臣官房参事官(資金運用担当) 提示しておりますのは、「現状程度(労使各1人)」と提示したということを書いています。文章の問題かもしれませんけれども、5ページで書いておりますのは、1のマル2の構成員の※印として、「労使の団体の推薦する者各1人を含む」というのは、その際の考え方として、ここにありますような現行の規模とあわせて書いておりまして、こういう観点からということで、その場での説明、あるいはやりとりの中での説明の中でイメージ(案)について御説明させていただいている。そこをあわせて書いているということでございます。○神野部会長 いいですか。平川委員の御質問は、以下の観点から現状程度と提示したという内容について、先ほど御説明があったように、ここに規模の問題と、それから利害関係者が労使に限定されているものではないということが入っているのが抜けているのだけれども、それを書いたということに対して、このイメージ(案)では提示されていないじゃないかという御意見ですか。

○平川委員 はい。

○神野部会長 2点が読めないということですね。今の事務局からの説明で。

○平川委員 そういうふうに説明されたかどうか確認していないので、後で議事録を読ませていただきます。口で説明したと言われても、イメージ(案)に書かれていないので、提案のあり方として適切であるとは思えません。

○神野部会長 わかりました。ちょっとそこを考えて。

 ほか、いかがでございましょうか。

 牧原委員。

○牧原委員 合議制機関について、3ページの整理の仕方ですけれども、経営委員の構成に対して、「労使の代表が少なくとも複数以上、過半数に近い数を含めるべきとの意見」と書いてありますけれども、問題は、むしろ宮本委員等、おっしゃいましたけれども、そういうスタンスから考えますと、現行の運用委員会7名中2名が今、労使の代表なのですけれども、これが10名に拡大する中で、各1名という比率が下がってしまうということに対して、そういうことでは被保険者あるいは事業主という立場、労使の利益を代表する経営委員という立場ではどうかという意見があったということは、入れていただきたいなと思います。

○神野部会長 少なくとも現状より比率というか、それが下がるようなことをやるべきではないという原則がまずあるのだという話ですね。

 ありがとうございます。

 何かありましたら。

○大臣官房参事官(資金運用担当) 1点だけ、現状に対しての説明が不十分だったということなので、させていただきますと、現状は法律上、11名以内という規定のもとで、現員が運用委員7名ということでございます。そして、監事が2名ということでございます。

 イメージ(案)での経営委員9名、プラス執行部の長10人ということでございますけれども、このうち少なくとも3人は監査等委員会の委員になりますので、従来で言いますと、監事2人の方も入ってくることになります。したがいまして、単純に7分の2が10分の2になったということではございませんで、法律上、11名以内の運用委員会の中で7名、それにプラス監事2名という、現行で言いますと経営委員9名のうちの2名、そして執行部の長1名の計10人ということでございます。

 状況だけ説明させていただきました。

○神野部会長 いずれにしても、原則として比率を引き上げるべきだという考え方を少し書いてもらいたいという話でしたので、それは承っておきます。

 ありがとうございます。

 ほか、いかがでございましょうか。どうぞ。

○堀江委員 私は、今の意見に対しては反対の意見を持っています。なぜなら、検討作業班でさんざん議論しましたが、代表性と専門性のバランスを、当時は経営委員会という名前ではありませんでしたが、そのバランスをどうとるかが極めて重要、つまり構成員をどういう構成にするかがポイントだと思っています。

 労使の代表の方が、拠出者及び事業主の意見をすべて代表しているのではないと私は思っています。私もこれから七、八年すれば年金をもらう立場です。今、GPIFには7名の運用委員がいますが、全員が被保険者の立場に立って判断することが法律で義務づけられており、そのように意思決定をしているわけです。労使の代表の方だけが拠出者と事業主の立場を代表しているということではなく、現在の法律の下、運用委員全員が両方の立場を踏まえた上で最適な判断をしていると私は思っています。従って、私は今の運用委員7人中、労使代表が2人というのは、バランスが十分とれていると思いますし、ほかの5名のメンバーも労使のことを考えながら最適な意思決定をしていると思っています。

 私は、専門性も重視すべきだと思っており、余り拠出者の事業主の代表をふやせという意見に関しては、大きく違和感を持っているものでございます。

○神野部会長 こちらは、しかし、それに反対する意見もあるので、両方書かせていただくようなトーンにしています。

 山本委員、どうぞ。

○山本委員 

 GPIFにも会計期があると思いますが、その情報公開のあり方も重要だと思います。国民の納得性とか国会に対する説明責任などを考えますと、十分な頻度で情報公開されるべきだと思いますが、今はどうなっているのでしょうか。

 加えて、監査等委員会は、適正に運用されているかという監督責任を背負っているのだと思いますが、いわゆる会計、経理上の処理にまで及んで、監査責任を背負っているのでしょうか。イメージ案を見ますと、監査委員会は執行部と経営委員会の双方への監督機能を持つとありますが、いわゆる客観性を持った監査が機能するのであれば、それでもいいのですが、適切な決算期となっているのか、それをどう情報公開するか、また、監査が適正に行われているかどうかのチェックについて、どうなっているのかという質問でございます。

○神野部会長 これは2つありますが、イメージ(案)の中で明示されているというさっきの御説明であれば、そうなっているという意味にならざるを得ないと思いますが、いかがでございましょうか。

○大臣官房参事官(資金運用担当) この点につきましては、そういうことだと思いますし、またこの部会の中でも、議論として関係者が労使を代表する団体の方を入れるべきだということは、コンセンサスとしてあったと。むしろ、利害関係者として労使に限定されない。例えば年金積立金の性格ということから議論していくと、さまざまな方がいるということも、一方で御議論があったとしております。

 また、監査等委員会に関する今の御質問でございますけれども、監査等委員会につきましては、山本委員御指摘のとおり、確かに監査という部分と監督という部分、両方の機能を持っているのが入っているという面があろうかと思います。したがいまして、監査等委員会の役割といたしましては、会計的な部分とかコンプライアンスの部分。現行で言いますと、監事が行っているような職務の役割を担うということがございます。

○山本委員 決算についてはどうか。

○大臣官房参事官(資金運用担当) 決算の確認の役割も、ここで監査等委員が担うことになると思います。

○神野部会長 では、次へ行きます。済みません。

○菅野委員 前回までの議論を振り返ってみると、まだ十分に煮詰められていない、あるいは議論が平行線を辿ったのは、拠出者たる労使という表現をどういうふうに考えるかという点かと思います。先ほど宮本委員のご発言の中でも2つ言葉を使い分けられていて、拠出者たる労使という表現と、拠出者である国民という2つの表現があったかと思います。そこは、実は概念的には結構溝があるように思います。

 専ら被保険者の利益の目的に合って運用するということが出発点だと思いますけれども、被保険者の利益というのは、前回のこの部会でもありましたように、過去、拠出したけれども、現在は受給者で年金を受け取っておられる方。さらには、今後百年の計を考えるわけですので、次の世代、さらにはその次の次の世代の人たちの利益も考えながら運用しなければいけないという観点からすると、拠出者たる労使というのは、私は言葉としてはやや厳密さを欠いているのではないかと思います。

 この被保険者の利益というのは、国民の利益であると解釈して、その国民をどのように代表して、この経営委員会の中にその意見を反映させるかという基本的なフレームワークがシェアされるべきだと思います。その意味では、堀江委員が言われましたように、これは特定の人が国民の利益を代表しているということではなく、経営委員全員が国民の利益という観点から、ここでの議論を行うというのが最も妥当で望ましいと思います。それから専門性につきましても、最低限の専門性はシェアされなければいけないというのは当然のことだろうと思います。

 次に、1点質問なのですが、先ほど事務局から口頭でご説明ございました、利害関係者は労使のみとしないという点ですが、口頭で言われたので、私の聞き取りが間違ったかもしれませんが、利害関係者というのは、どのような利害関係がGPIFの運用の中にあるのか、あるいは経営委員会の中で想定されているのでしょうか。年金資金の拠出のときには、確かにどのように負担するかというのか、という点はあると思うのですけれども、運用を議論するときの利害という言葉が少し腑に落ちないというか、理解しかねるので、ちょっとその辺の御説明をお願いできますでしょうか。

○大臣官房参事官(資金運用担当) 大変失礼しました。利害関係者というのは、ちょっと正確を欠く表現だったかと思います。積立金の運用、例えば成果にどのようにかかわっていくのかということで、先日も今回の資料の中にも入れておりますけれども、委員からの求めに応じて出した資料の中でも、その積立金の運用というものがどういう形で波及していくのかということなども考えましたときに、現在の被保険者のみならず、今、菅野委員から御指摘ございました、将来の受給者への影響ですとか、さまざまなことが考えられます。

 そういう意味で、関係者という意味では、現在の拠出者のみならず、幅広い国民各層が考えられると思います。

○神野部会長 関連ですか。

○駒村委員 今の菅野さんの意見に対して、私は全く違う意見なので、ちょっと申し上げておきたいと思います。

 前回、厚労省にお願いした資料の中でも、現在の年金積立金はどのように形成されたのかというのははっきりしているわけですね。積立金の90%までが労使が拠出したものによって構成されている。つまり、構成されたプロセスは労使の拠出金によって構成されている。これは確認しているわけです。

 お話はもう一つあって、その運用の影響はどの世代が受けるのかというところで、未来世代も含めますということを確認させていただいて、拠出者である労使を明確にしたほうが私はいいと思います。拠出しない国民もいるわけですから、国民という抽象的な表現ではよくなくて、ここでははっきりと「拠出者である労使は」という原案で私はよろしいかと思います。

○神野部会長 今のに関連して。

 どうぞ。

○平川委員 ありがとうございます。

 厚生年金法に、専ら被保険者の利益のためにということで記載されております。国民年金法にも被保険者と書いてありますけれども、先ほど意見がありましたとおり、積立金のかなりの多くの額は被保険者、拠出者、事業主、働いている方々などの保険料で構成されております。一般的に国民という概念が不明確で、制度上も実際に積み立てている金額の実態上も拠出者という概念は、明確にされていると考えています。そういう意味で、労使の代表者の意見反映というのは重要だと考えているところであります。そういう概念を明確にしていただくのが、まず議論の前提として重要ではないかと思います。

○神野部会長 ちょっと待ってください。

 菊池委員、先に。

○菊池委員 私も今のお二人の意見と同じですが、経営委員全員が国民全体の代表なのだというのは非常に乱暴な議論ではないかと思います。私は、前回お出ししたペーパーの中で、主として被保険者ですけれども、それに準じて事業主も、保険者自治の観点から、直接経営に関与することの正当性、合理性があるのではないかという意見を申し上げました。つまり、労使は拠出金の拠出者として、経営委員会に代表を送る正当性があるということであります。

 それから、それ以外の利害関係者としては、受給者、若年世代、そして将来世代。どこまでも広がっていく可能性がありますが、そうした方々の利害関係というのは、拠出者と対比した場合には間接的なものでありますし、百年後の将来世代なども含めるとなると、非常に代表性が曖昧になってまいります。そこは、拠出者と、それ以外の代表性というのを混同すべきではないと考えます。

 ペーパーにも書きましたが、もう一つ直接的な代表性を有しているグループとしては、第1号被保険者の方々というのがおられますけれども、ここをどう考えるかというのは考えどころですが、私としては、第1号被保険者の中に多くの非正規等の労働者が含まれているということに鑑みて、厚生年金被保険者である労働側が、そうした1号被保険者の意も酌みつつ関与していくという整理ができるのではないかという発言をしたところです。

 以上です。

○神野部会長 ありがとうございます。

 出口委員。

○出口委員 この第1号議案については、何を議論しているのかということをもう一度確認したく思ったのですが、僕自身が思うのは、この資料1でまとめていただいたペーパーが、今まで年金部会でやってきた議論を、100%とは言えませんが、フェアに整理しているかどうかということを多分議論しているのだろうと思います。

 そういう意味では、今、2つの考え方が述べられましたけれども、どんなものでも百点はないので、私自身は、この資料1は、委員の方々あるいは代表されている団体の方々の個々の御意見はともかくとして、この年金部会で今までやってきた議論について、フェアにきちんとまとめられているように感じますので、何点かはわかりませんけれども、このまとめは、これでいいのではないかと個人的には思います。

 もちろん、修文上、足らないところがあれば、皆さんの御意見を反映していただいたらいいと思うのですが、私は資料1については、今までいろいろ申し上げてきたことが総体的にはフェアに書かれていると思います。これが感想の1点。

 それから、1つ意見として申し上げたいのですが、ここではこの整理でいいと思うのですが、これから立法作業に入るときに、今、事務局の方から、法律で労使1名と明記するという前提で、このイメージは出しましたと言われたのですが、立法の過程で、私は書く必要があるのだろうかということをちょっと思っています。

 ただ、書いたほうがはっきりするということはあると思いますけれども、法律に書かなくても、別途、また作業班を設けて、どんな人がふさわしいかということはちゃんと議論されるわけですね。そこで、今までの御意見からすれば、労使の代表が入らないということは多分あり得ないので、法律に書かなくてもそれはいいのではないか。書いたほうがいいのかもしれませんが、私はそういうふうに思います。極論すれば、いろいろな基準を設けられて、労使の方々がすばらしい委員を10名、20名推薦されて、結果的に経営委員会の方々が全部労使推薦の方でも、それは別にマーケット原理が働いた結果なので、推薦ですから、立派な方であればそれでいいと思うのです。

 これは個人の意見ですけれども、法律で必ず1名と書かなくても、それは基準を別途設けられるわけですから、労使の代表を必ず入れるという形で、1名と限定しなくてもいいのではないかと。このことを立法論の過程で十分考えていただければいいと思います。

 意見として申し上げます。

○神野部会長 ありがとうございました。

 岩間委員、どうぞ。

○岩間委員 私も、まとめとしては、事務局がまとめられた形でよろしいのではないかと思っておるのですけれども、今の議論に関連して、私の感想というか、考えをちょっと申し上げたいのですが、要するに、この問題というのは、そもそも140兆円に上る現実にあるものを、どうやって長く確実に太らせていくか。そのためにどうしたらいいかということが原点であると、私は認識しております。そのために、執行が暴走しないとか、そういうことのチェック機能は必要である。そのチェックをするのに、一定の知見のある人たちが集まって議論して監督していくという体制が求められるということだと思います。

 その中に、当然、拠出者という名前で言うのか、あるいは国民という名前で言うのか、労使という名称で呼ぶのか、これはいろいろあると思いますけれども、要は皆さん、受託者責任を負って、善管注意義務と忠実義務というのをちゃんと負って、それぞれの持った知見でそこに関与していくというのが前提になっていると私は理解しております。そういう意味で言うと、極論を言えば、出自なんかどうでもいい。そこにふさわしい人が入ればいいということなのだろうと思います。

 ただ、今までの状況から見れば、当然ながら拠出をする主体というのは労使であるわけですから、その労使の方々がバランスよく入られるというのは、私もそれは当然だろうと思いますし、いいのですが、要するに実際にうまく機能するように、どういう人たちで構成するのかというのが最大のキーだとは思っておりまして、そういう方向に議論を発展させていただきたいというぐあいに思います。

○神野部会長 ありがとうございました。

 米澤委員、どうぞ。

○米澤委員 私も、最初のこのまとめ方に関しましては、うまく両論書いていますので、非常にフェアな書き方でよろしいのではないかと思っておりますし、これに近いものが最終として出ていくことに関して、違和感は全くございません。

 それで、今、労使のことが非常に問題になっていますが、それは私も極めて重要だと思いますが、実は労使のことが非常に重要なのは、GPIFに行く前の年金部会、ないしは、その下に求められています経済前提のところでの、この百年の計画を立てるところに極めて重要なことになっていまして、そこで賃金上昇率プラスアルファが決まりましたらば、そのもとで運用することに関しましては、そんなにそこで利害が対立するということはないのですね。

 むしろ、あるのは、経済前提のところでどういうふうに立てるか、そこに関しては非常に微妙な問題があるかと思いますので、ここは書き方はこれでいいのですけれども、これが決定的に重要な点を与えるかというと、私はそういうふうには理解しておりません。とは言いながら、全くないわけではなくて、1名、1名というのが10名ないし9名の中では少ない。最後の最後の重要な決定は多数決でやります。もし、その人以外が違ったとしますと、そのときにはマイノリティーかもしれません。

 ただ、これまでのGPIFの中の運用委員会を見ますと、労使の方たち、代表の方たちは、重要な意見をかなり強調されて言っておりますし、その意見の過程の中では、それに準じていることが多々あります。それは、その人柄にもよるでしょうけれども、1名以上の重みを感じて、下手な学者よりよほどウエートが高いような印象を持っておりますので、この人数では非常に少ないというのは、見方もありますけれども、私は決してそういう印象を持っておりません。

 繰り返しますと、最後に投票で決めなければいけない、合議制に近いものをやっていますから、そのときは多少不利かなという感じは否めませんけれども、それに至るまでは、皆様方、非常に重要な機能を果たしてきているということは、私のほうからも申し添えておきたいと思います。

 以上です。

○神野部会長 ありがとうございました。

 どうぞ。

○駒村委員 先ほどの出口委員の法律で書くべきかどうかという点について、私は書いたほうがいいのではないかと思います。何らかの事情で労使代表の推薦された方が欠けた場合に根拠が曖昧だと、時の政権の判断でということになります。労使推薦の方が何らかの事情で欠けた場合は、法律に基づいて、その後、労使推薦の方が補うという形をとるためにも、法律にきちんとした根拠があったほうがいいのではないかと思います。

 以上です。

○神野部会長 ありがとうございました。

 それでは、そろそろこのガバナンスに関する議論をこの辺で打ち切り。

 どうぞ。

○原委員 ありがとうございます。

 最後、ちょっと質問だけさせて下さい。再確認になるかと思うのですが、私のほうからは、社会保障審議会に新たに会議体を新設するという部分ですけれども、もちろん審議事項ということで、その前のページにもいろいろ書いてありますが、ここの会議体の位置づけと影響度、それから流れという部分を確認させて下さい。あと、できれば、ここは例えばいろいろな専門家、例えば、制度の専門家とか法律の専門家とか、違う目線で見られる方々が入ったほうがいいのではないかと個人的に思っているのですが、この辺の合議体のイメージというのが、今、もしあればお聞かせいただければと思います。

○神野部会長 平川委員。

○平川委員 経営委員会のところもそうですけれども、利益相反をどうするのかという点について意見を述べさせていただきたいと思います。

 経営委員の利益相反は極めて重要であり、国家公務員並みの守秘義務ということについては、当然必要だと思います。

 また、常勤の経営委員については、関連する企業に再就職することも考えられますので、現実的に可能であれば、それを禁止する制度ができればいいかと思います。ただ、それはなかなか厳しいということであれば、例えば不正競争防止法というのがございまして、会社のある企業秘密を他社に持っていく場合は、一定程度、それなりに制限的なものが存在するということもあります。

 また、競業避止義務という考え方もあります。可能かどうかわかりませんけれども、そういう制度も援用しながら、この利益相反について、さらに深く検討していただきたいと思います。

 以上です。

○神野部会長 ありがとうございました。

 熱心に御議論を頂戴いたしまして、ありがとうございます。このガバナンスに関して、事務局のほうで取りまとめていただいた整理案については、さまざまな観点から熱心に御議論を頂戴したのですが、私が受けた印象としては、この部会の議論を、出口委員の言葉を使うとフェアといいましょうか、違いは違いとして、あるいは折り合ったところは折り合ったところとして反映されているのではないかということについては、ほぼ合意というか、コンセンサスが得られているのではないかと思います。

 ただ、若干字句、あるいはそういう意味ではよりフェアにというか、表現すべく、本日の御議論を踏まえて、それをこの資料1のガバナンスに関する部分をよりフェアにするような形で、特に議論が集中したところは限られておりますので、そこを少しより丁寧に、フェアに書くような形に直して、またこれから議論していただく運用のほうとまとめて、全体の整理を出すときにもう一度御議論を頂戴するという形にさせていただきたい。よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○神野部会長 それでは、そのようにさせていただきまして、ガバナンスのほうの議論はこれにて終了させていただいて、冒頭申し上げましたが、5分間休憩をさせていただいた上で、議論を再開したいと思っております。

 専門委員の方々には、大変御多用中のところをわざわざ御足労いただきまして、本当にありがとうございました。伏して御礼申し上げる次第でございます。

 ここで御退席となりますので、どうもありがとうございました。

 

(専門委員 退席)

 

○神野部会長 それでは、5分間休憩とさせていただきます。

 

(休 憩)

 

○神野部会長 それでは、議事を再開いたします。

 後半は、議事2「運用の在り方について」の御議論を頂戴したいと思います。

 前回の部会におきまして、GPIFが想定するデリバティブの利用方法を聞きたいという御意見がございましたので、本日、またお手元に出口委員から御提出されている資料がございまして、ここにもGPIFの運用に関する事実関係について、GPIFに説明を求める御意見を頂戴いたしておりますので、大変お忙しいところではございますけれども、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の水野理事に御臨席いただいております。

 そこで、まず事務局から資料の説明をしていただいた上で、その後、水野理事から、GPIFにおいて想定しているデリバティブの利用方法に関する御説明をいただいて、その後で委員の皆様方から、GPIFの運用に関する事実について、水野理事に御質問があれば、それにお答えいただくという運営をしたいと考えております。

 まず、事務局のほうから資料の説明について、お願いいたします。

○大臣官房参事官(資金運用担当) それでは、事務局のほうから資料2、資料3、そして参考資料3に関しまして説明させていただきます。

 まず、資料2でございます。

 資料2は、「GPIF運用のあり方に関する現在までの議論」ということで、前回、19日に出しました資料をもとに、19日にこの部会の場におきまして出された意見を加える形で再構成しております。

 これまでの議論の中で、1として、株式のインハウス運用に関する議論ということで、全般に関する御意見。

 2ページ目に下線を引いている意見がございますけれども、これらが前回の部会において出された意見を、事務局のほうで集約して追記しているということでございます。

 また、市場その他民間活動への影響に関する御意見等も、前回かなり出ていたということでございます。

 また、めくっていただいて4ページでございますけれども、市場その他民間活動への影響という中でも、株式の個別銘柄の選択・売買に関する御意見。

 あるいは、5ページでございますが、議決権の行使をめぐっての御議論があったということでございます。

 そして、6ページにおきましては、大きな2つ目の論点として、オルタナティブ資産への投資につきましての御議論。

 そして、7ページは、規制のあり方についてということで、デリバティブ等の規定の仕方などをめぐりましての議論の整理をしております。

 最後、8ページに改革の進め方についてということで、ガバナンス改革と運用改革との関係などにつきましての御議論などをまとめております。

 続きまして、資料3でございますが、資料2でまとめさせていただきましたように、大きな論点ごとに、それぞれの立場から活発な御議論をここまでいただいているところでございますが、今後の御議論のために、どのような点につきまして議論の中で考慮され、議論されているかということを項目ごとに簡単にまとめたものを、別途用意させていただいております。

 資料3をごらんいただきますと、大きな論点の1点目、株式のインハウス運用についてということでございますが、株式インハウス運用の是非についてどう考えるかという大きなテーマにつきまして、例えば考慮要素として挙げておりますのは、GPIFが株式インハウス運用を行うことの意義・メリットなどをどのように考えるのか。

 国の機関としての性格を踏まえ、従来、これまで委託運用に徹してきたこととの関係をどのように考えるのか。

 株式インハウス運用を実施していないことによる制約(マーケット情報のタイムラグやバイアス等)が存在するのではないかといった点について、どう考えるのか。株式インハウス運用によるメリット(リバランスや委託先入替の際の効率化、手数料の節減効果、委託運用先の選択・評価のレベルアップ)、目利きという言葉もございましたけれども、これについてどのように考えるのかという点が出てきたかと思っております。

 また、個別銘柄の選択(アクティブ運用)にかかわるかと思いますけれども、このような個別銘柄の選択による市場や企業への影響というものをどのように考えるのか。国の機関としてのGPIFの性格や、GPIFの日本市場における資産規模等を加味して、これらの影響をどのように考えるのかという観点。

 また、議決権行使による企業経営への影響という点につきましては、機関投資家に積極的なエンゲージメントを求めるスチュワードシップコードの制定という動き。あるいは、外部委任による企業経営への影響を回避するような可能性などにつきましても、議論があったかと承知しております。

 また、GPIFの体制整備ということで、インハウス運用を仮に行っていくこととした場合のコスト、あるいは効率性等の面をどのように考えるかということが考慮要素として取り上げられていたかと思います。

 これらに限らず、御議論があったかと思いますが、こうした考慮要素を踏まえまして、これまでに提起された各委員からの御意見、もちろん大変幅のある御意見であったかと思いますけれども、大括りにしますと、以下に掲げておりますような3つの大きなスタンス、アプローチがあったのかなと思っております。

 1つは、株式のインハウス運用は認めるべきではないというアプローチからの御意見。

 2点目は、最大限、認めるとしても、株式インハウス運用のうち、パッシブ運用までは認める余地があるのではないかという御意見。

 あるいは、パッシブ運用に限らず、アクティブ運用まで含めて認めるべきではないか。法令上、そこまで認めて、実質的には実態としてどのように整備していくかというのは、経営委員会で判断するような御意見などもあったかと思いますけれども、こうした大きく分けると3つの立場からの御意見が出されていたのではないかと受けとめております。

 大きな論点の2点目といたしましては、オルタナティブ資産への直接投資について、どのように考えるかということですが、これは特に海外の年金運用機関との共同投資の手法として、このようなオルタナティブ資産への直接投資ということが取り上げられているわけでございまして、このような手法の拡大について、どう考えるのかという論点がございます。

 考慮要素といたしましては、オルタナティブ資産運用に関する評価として、海外の年金運用機関での積極的な取り組みの現状。一方で、安全性や流動性への懸念といったものが御議論として出てきていたのかと受けとめております。

 また、現在、オルタナティブ資産投資に関しましては、既にGPIFにおきまして取り組みが進められておりますけれども、その場合に現在使われておりますのは投資信託を活用した手法でございます。こうした現行ルールにおける非効率性について、どう考えるのかという観点。

 また、オルタナティブ資産への投資ということで、投資先の経営に関与する形とした場合に生じるリスク。予期せぬ事故や環境問題等のリスク、有限責任に限定することによる回避可能性等々、こうした留意点もそれぞれの委員からの御意見の中で触れられていたかと思います。

 大きな3点目としましては、規制のあり方についてということで、金融商品や手法の高度化・多様化に関しまして、どのように対応していくのかという観点。

 考慮されてきた要素といたしましては、現行のGPIF法につきましては、運用対象範囲を厳しく制限している。一方で、企業年金連合会あるいは生命保険会社等で行われている一部のデリバティブやコール市場の活用等が、現行のGPIFにおきましては使うことができないという現状がございます。

 また、リスク管理を目的とするデリバティブの取扱いについて、どのように考えるのか。活用の必要性があるのか。投機目的での利用を排除するようなあり方が考えられるのか。こうした御議論もございました。

 また、高度化・多様化する運用方法への対応として、法律でこのような金融商品の手法を限定的に列挙することの是非、下位法令での対応、合議制機関でのリスク管理等についても、こうした点を踏まえた御議論があったかと承知しております。

 最後、4点目でございますけれども、ガバナンス改革との関係を含めて、この運用改革について具体的にどのように進めていくのかという点でございますが、考慮されてきた要素といたしましては、ガバナンス改革との関係。これまでのGPIFのガバナンス及び今般のガバナンス改革の評価をどのようにし、それと今般の運用改革で議論されている内容につきまして、どのような関係で考えるのか。

 国民の意識との関係ということから、御意見も特に前回、多く出されておりました。

 また、GPIFの体制整備の進め方として、段階実施とする場合の判断のあり方をどのように考えるかといった御議論もございました。

 こうした点を考慮しながら御議論があったかと存じます。今後の議論のために、これまでの議論の内容を少し整理して資料3としてまとめたものでございます。

 続いて、参考資料3につきましては、これまで運用関係につきまして提出させていただきました資料を整理したものでございます。1点追加した資料がございますので、それにつきまして御説明させていただきます。

33ページでございます。今回の運用改革の直接の論点とは異なりますけれども、前回、質疑の中でハイイールド債券投資についての御議論もございまして、若干誤解を招くかもしれないという点もございましたので、改めて整理した資料を提出させていただいております。

 ハイイールド債券につきましては、左側にございますように、格付け機関によって、一定水準以下の格付けとされた債券でございます。

 3点目にありますように、1970年代につくられましたハイイールド債券につきましては、企業買収の際の資金調達に使われるなどしてきたスタートの経緯がございますけれども、その後、この企業買収の際の資金調達にとどまらず、IT、バイオ、エネルギー関連企業、成長産業の資金調達の場として活用されるなど、市場が近年急速に拡大してきたという点がございます。

 特に、このハイイールド債券市場で言いますと、米国・欧州の経済成長を支える市場の1つとなっておりまして、海外の公的年金の運用機関におきましても一般的な投資対象とされておりまして、また日本においても、企業年金連合会などでは数年前から投資を開始しているという状況でございます。

 また、ここには記載しておりませんけれども、例えば個人投資家向けの信託等におきましても、米国のハイイールドを対象としたような信託がかなり上位にランクされているなど、一般的な投資手法として大分拡大してきている。特に、米国及び欧州のハイイールド債につきましては、そのような状況が進んでいるかと認識しております。

 右側にございますように、今回、GPIFがハイイールド債券に投資した経緯につきましては、26年4月に外国債券運用受託機関の公募を開始いたしまして、1年半余りの手続過程を経まして、10月1日に受託機関の選定結果を公表したということでございまして、この経緯の中では運用委員会での議論も行われたということでございます。

34ページに、参考としてハイイールド債券投資を組み込むことの分散投資効果について、簡単に記載しておりますので、ここにつきましては説明を省略させていただきます。

 私からの説明は以上でございます。

○神野部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、引き続きまして、水野理事に御説明いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○水野理事 ありがとうございます。

 それでは、前回、宿題として頂戴しておりましたGPIFのインハウス運用におけるデリバティブ取引の活用と、コール市場の使い方ということで、少し説明させていただきます。

 ただいまGPIFの基本ポートフォリオの中で、リスク性のアセットと呼ばれるものは、内外の株式と海外の債券ということになるのですけれども、要するにその中で我々がとっているリスクとしては、株式市場のリスクと外国通貨との為替のリスクというのが、大きなリスクとして挙げられます。現在におきましては、その2つのリスクをコントロールする有効な一般に使われているツールが、私どもは使える状態になっていないということで、今回、ぜひ認めていただきたいということで御説明申し上げております。

 1つ目は、株価指数先物を活用して速やかに購入・売却する方法や価格変動リスクをコントロールする方法ということですけれども、我々、運用のコンサルとしてラッセル・インベストメントを雇っておりまして、そこに我々がリスク資産を減らすというオペレーションをする場合に、どのような点が問題になるかということを既にシミュレーションさせているわけですけれども、その中で、GPIFの資産規模を想定した場合、執行時、特にリスクをオフする場合のハードルとなるのは国内株式である。要するに、規模が大きいわけですから、売るときのインパクトも大きいわけですけれども、その中で、特に売却の場合ですけれども、どういう方法があるかということを検討してもらっているわけです。

 その中で、実際に現物を売却する場合と、先物指数を使って売却する場合の執行のコストとスピードについて検証してもらったところ、例えば1兆円の国内株式を減らすというオペレーションをとったといたしますと、その場合に、現物では執行に約40日、先物を使えば13日で執行が完了する。このぐらいのスピード感の違いが出てきますと。その場合に、執行のコストとしてどのぐらい差があるかと申しますと、彼らの想定ベースで言いますと、現物で75億円ぐらいに対して、先物であれば35億円ぐらいでできるのではないか。

 これはいろいろな条件を入れないとわかりませんので、単なるシミュレーションではありますけれども、執行コストも相当抑えられますし、何よりもそのような状況ではスピードが命となってきますので、先ほど申し上げた40日、13日の違いは相当大きなものであるという意味で、株価の指数先物を活用するメリットは大変大きいと考えています。

 次に、もう一つのリスクの外国為替のほうですけれども、これは通貨の先物、為替のフォワード取引を活用して為替リスクをコントロールする方法がございます。これをやることによりまして、実際の外債とか外株を売ることなく、通貨のリスクだけをヘッジするということが可能になります。

 デリバティブの活用については、何人かの委員の方からも、これで投機的な使い方がされてしまうのではないかというリスクが御懸念として示されていたと思いますけれども、実際の管理の仕方といたしましては、こちらに書いてありますように、何がどういうときに投機的になるかと申しますと、持っている金額以上に売ってしまう、あるいは持っている資金以上に買ってしまうことによって初めて投機的になりますので、売建が買建を上回る場合は株式保有額の範囲内でしか利用できない。逆に、買建が売建を上回る、要するに買いの場合は、余裕資金の範囲内でしか利用しないという制限を設ければ、おのずと投機的な利用はできないということになるのかと思っております。

 2つ目の通貨のフォワードにつきましても、当然ですけれども、外債の保有額を超えてヘッジすると、もうそれは投機的ということになりますので、外株で使うことも可能性としてはあり得ますけれども、通常は株の場合は、株のボラティリティのほうが通貨のボラティリティよりも大きいものですから、外債のほうで多分活用させていただくと思いますけれども、こちらも外債保有額の範囲内での利用にする限りは、投機的なフォワードの使われ方はしないと私どもは考えております。

 次の2ページ目に移っていただきまして、コール市場の活用についてですが、コール市場は今、19兆円の残高がある代表的な短期の金融市場で、いわゆる金融機関間の市場であるために、取引の安全性が高く、市場参加者が安定的に存在し、また、私どものような大口の余剰資金を迅速に運用することが可能となっております。

 前回お話しましたとおり、私ども、過去の経緯でこれが認められておりませんので、例えば短期で資金が余った場合、現在は国庫短期証券や譲渡性預金(NCD)を使って運用しているのですが、残念ながら、例えば現在のような状況ですと、資産管理銀行が出してくれている金利よりも高くNCDを出してくれるような銀行はほとんどなくなってきておりまして、現在、取引先の銀行7行のうち、4行だけがそういう条件の提示をしてくれているという状況で、この状況もいつまで続くかわかりませんで、我々、短期の余剰資産の運用が大変難しい状態になっております。

 企業年金連合会さんなんかも、余剰資金の運用はコールを使っておりますし、何よりも我々が資金を預けている運用委託先の運用会社は、余剰資金はコールで運用しておりますので、彼らがコールで運用すれば、本来、我々が運用できたところよりも、さらに彼らはフィーを引いた状態で我々の運用成績になってしまいますので、コール市場を我々が直接的に使えるということは、短期資金の運用で極めて重要と思っております。

 ここに関しましても、委員の方から、コールは借り入れにも使えるのではないかという御指摘もいただいておりましたが、当然、これは出し手は資産運用ですけれども、与信運用ですけれども、反対に受け取り手は借りることになりますが、まず第1に、GPIFには短期で資金を借りるというニーズが存在いたしません。必要であれば、法律・政令等々で借り入れはできないと決めてもらっても全く構わないのですが、基本的には我々は余剰資金を短期で市場に放出する側になるということですので、そのような懸念は必要ないのではないかと思っております。

 ありがとうございました。

○神野部会長 ありがとうございました。

 御質問、御意見を伺いますが、ちょっと順番を変えまして、初めに水野理事からいただいた御説明、さらにGPIFの運用に関する事実関係について、水野理事に御質問がございましたら頂戴したいと思います。事務局からの御説明についての御意見は、後に回させていただきますので、どうぞ。

○米澤委員 私から水野理事に質問というのはないのですけれども、ちょっとよろしいですか。私、前回、欠席したもので、一番最初のときも話がGPIFになったら、私、帰ってしまったので、申しわけなく思っているのですけれども、火曜日の6時半から年金ALMというのを講義しなければいけないので、火曜日は失礼させていただきます。

 それで、前回の議事録を見させていただいたのですけれども、特にGPIFに関しまして大変厳しいものがあって、私がいたら袋だたきに遭っていたのかもしれないし、場合によってはもう少し議論が整理できたのかわからないですけれども、じくじたる思いがあったので、ちょっと最初に述べさせていただきたいというのが趣旨でございます。

 一番の理由は、恐らく今のマーケットがよくないということが裏にあるので、そこが多少コンフューズになって、GPIFが提案することに関して、よりリスクをとるのではないだろうかという、私に言わせれば誤解なのですけれども、そこのところが識別しにくくなって。確かに御心配はよくわかりますし、私だって、もしこういう知識がなければ心配するかと思いますが、そこのところは今後の議論を進めていくについて、少し整理させていただきたいということでお話させていただきたい。私の出る番は、運用が専門ですから、この辺しかないと思います。

 ただ、きょう、事務局のほうでまとめていただきました資料3を見る限りは、非常によく整理されていますので、これを見る限りは非常にノーマルな議論がされていたかなと思いますけれども、改めて議事録を見ますと非常に厳しいものがあるかと思います。

 特に、一番のポイントは、インハウスをやることによって、不必要なさらなるリスクをとるのではないだろうかということの誤解があるのではないかと思いますので、そこのところだけ整理させてください。あらかじめ言っておきますけれども、私、きょう出させていただきました進め方の整理というところに関しては、肩書は早稲田大学になっていますので、運用委員会ないし運用委員長ではありません。

 実は、この議論は運用委員会にとって極めて重要なのですけれども、立ち位置が年金部会に対して何か物申すということではありませんので、そのたびに参事官から詳しい説明を受けていますけれども、それは聞く、ないしは質問だけにとどめておりますので、運用委員会でこうすべきだということは議論したこともありませんし、すべきではないと思っておりますので、きょう、お話しするのは個人的な一委員としての立場でお話させていただきたいと思います。整理ができているかどうかわからないですけれども、メモが2ページほどありますが、簡単に言います。

 ある人にとっては釈迦に説法かと思いますが、インハウスをやるからといって、GPIFのポートフォリオのリスクがふえるということは、全くありません。全く別次元ですし、これは最終的には年金部会でオーソライズされたポートフォリオが全てです。

 加えて、そこにオルタナティブ資産が入っているわけですけれども、それとかみ合わせてインハウスすると、そこのところがもっとふえたり、高いリスクを持っていくかというと、オルタナティブ資産もちゃんと上限が決まっていますし、上限から見るとはるかに少ないところで、ようやくひよこの歩き初めという状況でございますので、仮に上限まで行ったところでも影響はないというところです。

 3番目は、特にアクティブ運用との関係でお話されているのですが、これもアクティブ、パッシブはインハウスとかができない段階。今もできなかったのですが、そこのところで正式にアクティブ、パッシブの比率を決めておりますので、そこがインハウスが来たからといって変わるわけではありません。

 そもそもアクティブ、パッシブの比率というのは、非常に競争的な環境であるマーケットは、アクティブは余りとれないという前提でもってアクティブ比率を下げますが、そうでないようなマーケットだったら、もしかしたら少しとれるかなということで全体のウエートを決めておりますので、そこは繰り返しますけれども、インハウスには関係ありませんし、仮にこれからインハウスが認められたとしても、そこをいじるということはあり得ない話でございます。

 1つ、ところどころに出てきているのですけれども、インハウス、ニアリーイコール、パッシブだ、パッシブだったらインハウスできるのではないかという議論が出てきていますが、私も最初はそれは一つの整理の仕方としてあるかなと思ったのですが、運用の専門家の方は御存じだと思いますが、いわゆる昔流のアナリストを雇って、いい銘柄を選ぶようなアクティブ運用ははやりません。とれないのです。行われているのは、パッシブにちょっと手を変え、品を変え、例えばほとんど全部の銘柄を選ぶのですけれども、ウエートを市場のウエートじゃなくて、違ったウエートでもって構成するようなポートフォリオをつくるという境界部分が非常に発達しているのです。

 向こうの人たちは名前をつけるのが好きなので、スマートベータと言っていますけれども、それはどっちに入れたらいいかわからないですけれども、少なくともフィーとしては極めてパッシブです。非常に安い料金でできますので、それがありますので、仮に純粋パッシブしかできないとすると、そこのところだったら、かなり少人数でもできるところは、一番重要なことができないということがありますので、さっき言った、当初、私はニアリーイコールだと思ったのですけれども、ちょっとうまくいかないなと。いずれにしても、インハウスをすることによってリスクが上がることはありません。

 それから、今の境界部分のスマートベータの中で一番人気があるのは、低ボラティリティのファンドです。要するに、ボラティリティの低いものをスマートベータとして選んでくるということなので、仮にアクティブがふえたからといってリスクが上がるということではないということも御記憶いただければいいかなと思います。

 というので、今、言った幾つかの切り口で、全体のポートフォリオとかオルタナとかアクティブ、パッシブというのは、インハウスとは全く違った次元の話ですので、そこを持ち出して、リスクがふえるのではないかという議論は、余り建設的な意見ではないという感じがしましたので、むしろこれから言うほうに議論を集中していただいたほうが建設的かなと思っております。

 これからと言いますのは、ここで書きました2番目です。1つ目はもう省略します。前回も水野さんから報告がありましたけれども、インハウスをやることによって、どういうメリットがあるのか。きょうも繰り返して言われました。各メリットはそんなに画期的ではないかとは思いますが、全部少しずつプラスアルファがあるということなので、それらを足すと少なくないメリットがあると私は理解しております。

 そのときに避けて通れない問題は、これはこの議論はまさにもっと行われるべきで、議決権の問題ですね。これは避けて通れない問題で、ここのところをもっと集中的に議論していただく必要があるかなと思っております。例えばということで書かせていただきましたけれども、大量保有制限、5%ルールは適用せざるを得ないと思いますが、それに加えて、もっと縛りをかける必要があるのか。議決権の代行の外部委託等も考える必要があるのか、ないのかというところは非常に重要な点ですので、御議論いただきたいと思っております。

 2番目は、まさに今、水野さんのほうから説明していただきましたが、デリバティブに関する規制ですね。ちょっと余談ですけれども、差金決済がだめだというのは、私もちょっと財政史を勉強していたのですけれども、これは日本のデリバティブが株式先物がスタートしたときに一番あったやつで、その当時は賭博罪に引っかかるのです。それから、指数というのは有価証券じゃないということで、そこからスタートした歴史があって、今も差金決済がここで残っているというのはびっくりしたのですけれども、こういうものも古い法律のままだと残ってしまうということなのです。

 金商法みたいに毎年改正していただける法律であれば、それはすぐに全部変わる必要はないのかもしれませんけれども、この法律に関して、今後、しょっちゅう変える予定がない限りは、まして、このような異物が残らないような格好でもって、少し工夫して、少なくとも限定列挙みたいなことは控えていただいて、少し自由度が高いところで書いていただくと、多分、私を含めて委員会としては非常にやりやすいと思います。

 ということは何かというと、今、そこで非常にフリーハンドになったからといって、すぐにやるということはない、そこだけ御理解ください。すぐにやるわけではないのですけれども、書かれてしまったらできないわけですので、もうそこで思考停止になってしまうわけですね。そこのところをうまく工夫していただくと、いいかなと思っています。

 参考までに、これはちょっと調べていただいたのですけれども、三共済等に関しましては、法律ではなくて、政令とか委任等で位置づけられているということなので、この辺は1つ参考になるかなと思っております。

 水野さんに対する意見ではないのですけれども、前回、議事録を読んで、いてもたってもいられなくなった状況ですので、少し整理になっているのか、逆にさらに火に油を注いだかわかりませんけれども、ちょっと述べさせていただいたということです。

 ちょっと長くなりましたけれども、以上でございます。

○神野部会長 済みません。それでは、貴重な時間を頂戴しておりますので、水野理事に対しての御質問があれば頂戴したいと思います。いかがでございましょうか。御説明に関してでも、あれでも。

 どうぞ。

○藤沢委員 今の米澤先生の御意見にもあるように、前回もGPIFの運用に関して、皆さん、いろいろな心配事をおっしゃったのですけれども、それに関して、GPIF側からの御回答、今、宿題のお答えはありましたけれども、今、米澤先生がおっしゃったような、運用のプロから見ての御回答というのは、本来、私はGPIFの御担当の方からも伺いたいなと思いますというのが1つで、その時間をきょう、つくってくださるのか。

 別の提案で言いますと、時間を限られるのではなくて、きょうも皆さん、この後、いろいろな御心配事をおっしゃると思うので、最後に水野さんから、GPIFの立場から、きょうの議論についての、今の米澤先生のようなプロの見地からのお話を伺えたら、本当はいいのではないかなというのが、1つ、部会長に対する御提案でございます。

○神野部会長 これは、申し上げました。いらっしゃらなかったかもしれませんが、運営で決まっております。冒頭で御説明して了解をとっておりますので、そのようにさせていただきたいと思います。

○藤沢委員 わかりました。失礼いたしました。

 その上で、前回の議論の中でもあったので、今の米澤先生のコメントに対しての水野さんのお考えはいかがですかということと。

 もう一つは、この運用に関して、人がいないという話がすごく多くて、その中で、国の機関なので、お支払いできる報酬も非常に少ないので、人が雇えないというお話もあったので、それに関して、どんなふうにお考えかというのを、あえて、きょう伺えたらと思います。

○水野理事 藤沢委員、ありがとうございます。

 まずは、米澤先生のおっしゃったことについてのコメントということで、お答えさせていただきますと、執行の実務の部分で変化が起こせる部分と、いわゆる年金部会や運用委員会あるいは大臣のレベルで決まっていることが、議論の中でなかなか分離されていかないということは、執行のほうからしますと、我々としてできないことをやれと言われていたり、できていることをできないと言われることが繰り返されますので、このあたりの分離を今、米澤先生にしていただいたのは大変ありがたいと思っています。

 まさに、GPIFの執行の中におきましては、このような枠組みの中で、どれだけ運用の安定性を高めるかということが、本来、全ての評価基準になるべきだと思っておりますので、今回、いろいろ提案されているインハウス等につきましても、リスクをふやしたり、なぜだか一度もそういうことを申し上げたつもりはないのですけれども、メディアでも、収益の拡大を目指してインハウスを行うとか、そういうことばかりなのです。何度も言葉では申し上げていますように、現在の状態においては、極めてツールが限られたり、情報が限られて、リスクがあるということをぜひ再度お伝えしたいと思っております。

 先ほどのデリバティブもそうなのですけれども、素人運用の批判がなかなか消せない状況ですが、一般の人でも使えるようなツールしか使っておりませんので、どうしてもそういう運用になってしまうということは、ぜひ御理解いただきたいと思います。

 あと、人材に関してですけれども、これも何回か委員の方の御意見の中で、要するに我々の出せる資金では外資のようなプロは採れないのではないか。だから、いわゆるプロのチームはできないというコメントをいただいているのですが、私は、それは正直、極めて疑問に思っております。もし、その言葉どおりであるとすれば、我々、今、日系の運用機関にはお金を預けてはいけないことになってしまいますので、外資系の給与を出さなければプロのチームができないということは、ちょっとアンフェアなコメントかなと思っております。実際、日系の企業の中にも優秀な人材はおりますし、我々、今、そういう人たちを採ろうと、採用活動を行っております。

 もう一つ、お伝えしておきたいのは、インハウスの場合もパッシブとアクティブ、明らかに必要とされる人材が違うわけですけれども、パッシブに関しては極めて事務的に行いますので、これに関しては、いわゆるスター選手みたいなものを採ってくる必要もありませんし。あと、私ども、インハウスを導入しましても、米澤先生がおっしゃったとおり、一気に例えば8割9割、インハウスでやるわけではなくて、一部始めていこうということを考えています。

 そうすると、基本的なポートフォリオの大多数は引き続き外部に委託するということですので、その外部のマネジャーの中に、プロというか、トッププレーヤーの選手がいるようなチームに委託できさえすれば、我々はパフォーマンスが上がるわけです。要するに、サッカーで言いますと、トップ選手は高くて買えないのですけれども、コーチや監督は実はそんなに高くないというのと一緒で、いわゆるマネージしていくほうであれば、今の給与体系でも採れないことはないと思っています。

 ただ、今、採れない理由は2つありまして、1つは、余りにもうちの運用制約が厳し過ぎて、金融を志す者として、GPIFの運用をやることに楽しみを感じてくれるかどうかということに極めて疑問があるということと。

 あと、何度も申し上げておりますが、公務員みたいな守られた環境での運用では規律が働かないのではないかという委員の御意見もあったと思うのですけれども、現在、運用の専門職は全員、最長3年の有期雇用で、プロ職員として来てもらうという方針で採用しておりますので、そこで自信がないとか、リスクをとれないという方が断られる可能性もあのですけれども、この方針に関しては今後も曲げるつもりはありませんので、そういう意味では、我々としてはできるだけ厳しい環境に運用のチームは置いてやっていきたいと思っております。

○藤沢委員 今のお言葉が気になったところがあって。日本の運用会社の中で優秀な人、もしくはマネジメントという中で、それでも今のGPIFの運用制約が厳し過ぎて楽しめないので来ないというお言葉を聞くと、年金の運用をお願いする意味では、何となく運用を楽しまれたら私たちは困るわけです。多分、言葉の使い方のあやではあるかと思いますけれども、その運用制約が厳し過ぎるというところの御説明をもう一度だけしていただけますか。それは、自由度がないからおもしろくないのか、成果を上げられないのか、そこの言葉を明確に伺いたい。

○水野理事 済みません、私の言葉がカジュアル過ぎるので、誤解を与えたかと思うのですけれども、例えば今、運用専門職の採用をかけています。そうすると、例えば自分が日本の信託銀行や運用会社でこういうファンドを預ってきました、どういう評価を受けてきましたという応募は来るのですけれども、実際、来ていただいて、話を聞いていただくと、現在のGPIFはファンドを選ぶことしかできなくて、選んだら預けるだけ。そこに対して指示を出すことも認められていない。

 ましてや、資産を入れかえるときも、先ほど申し上げたようにいろいろなツールがないので、入れたら、ほとんど何も触るなという状況になっているということを説明いたしますと、私の実力は発揮できないかもしれませんねということでお断りになるということですので、おもしろおかしくやるという意味で言ったつもりではないのですが。特に藤沢委員の場合は運用にお詳しいのであれだと思いますけれども、我々のこれだけの制約の中での運用に対して、プロとして自分の実力を発揮できるという思いを持っていただけないというのは、採用上の大変な制約であろうと思っています。

 逆に、この制約がこういうふうに続きますと、GPIFの規模ということで、大きなお金が動かせるということだけをインセンティブに来る人がふえる可能性があります。それはそれで、私は問題だと思っているので、普通の運用会社と同じような仕事ができるような環境にしないことには、能力のある人たちが働きたいと思う職場にはなかなかならないのではないかと思っています。

○藤沢委員 ありがとうございます。

○出口委員 質問ですか。意見でもいいですか。

○神野部会長 できれば質問。

○出口委員 わかりました。

○神野部会長 では、駒村委員。

○駒村委員 水野さんはGPIFを代表されていらっしゃるので、その御発言はいろいろなところに影響を与えるはずだと思いますので、ちょっと確認ですけれども、今のインハウスのアクティブの部分の話ですけれども、インハウスあるいはアクティブを一気に広げるというわけではないというお話をしているのですけれども、こちらの取りまとめとちょっと不整合があるような感じがするのです。

 資料2の1ページ目に「インハウスの運用の方が効率的・効果的な場合はインハウスで行い」。これを見ると、一気には行かないとしても、いずれはかなりの部分がインハウスになると、この要約案はなっているのですね。だから、一気には行かないので安心してください。でも、いずれは広く行くのではないですかと、これだと捉えられます。それがまず1点、確認したいなと思いました。

○水野理事 1ページの4個目ですね。

○駒村委員 これは、これまでの議論の取りまとめの内容ですから。

○水野理事 これは、議論の取りまとめなので、GPIFの意見の取りまとめのところか、ちょっと定かではないのですが、私がどう考えているかという見地から、この文章を解説させていただきますと、例えばパッシブの場合は、明らかにコスト削減効果があるという意味と、我々の知見等、いろいろな意味を含めて、インハウスが有利であるという証明が比較的容易であろうと思っておりますので、そういう観点からは、パッシブに関してはインハウスの運用のほうが効率的・効果的なものに入るのではないかと思います。なので、まずパッシブはすぐに始められるという説得力があるのではないかと思っているのです。

 次にアクティブに関して申し上げますと、まさに次の「特殊な専門性を必要とする場合や、特定の資産や地域に投資する場合には」という、これに当てはまるかどうかということだろうと思うのですが、アクティブの運用の専門性というものが、GPIFの内部でビルドアップすることに正当性があるかどうかということは、正直、我々は今後証明していかなければいけないと思っております。

 これは、まず現在の時点で株のインハウス運用を一切やっていないわけです。しかも、今まで法律で認められていませんので、準備すらしていないわけですので、現時点でアクティブも含め、例えば地域の特殊性、それこそアジアとかヨーロッパ特化型みたいなものを、じゃ、あなた、運用できますかと言われて、できますと言っても当然何の説得力もないわけであります。

 このあたりは、実際にまずパッシブを始めてチームをつくり、さらにアクティブで自分たちができそうだと思うところのチームをつくって、その時々の状況において、繰り返しになりますけれども、今度、新しいガバナンスで経営委員会ができれば、アクティブを立ち上げるときには必ず10人規模で人をふやさなければいけませんので、そこで経営委員会にかけて、今度、こういうアクティブのインハウスでやりたいのだけれども、こういう陣容でこういうことを考えているけれども、いいでしょうかというのを確認しなければいけない。そこで説得できなければ、それはやらせてもらえないということだと思います。

 現実的に言いますと、先日もお話ししましたが、今、GPIFの予算等々の規模を考えましても、135人とか150人規模で考えていますので、アクティブのストラテジーを一遍に幾つも持てるようなことは、現実的には想定の範囲を超えております。しかも、このような特殊な地域の投資について、自分たちでチームを立ち上げるというのは全く現実的ではないのですけれども、先ほど米澤先生がおっしゃったように、ここでできませんと法律で決めてしまうと、準備や検討も極めて難しくなりますので、徐々に現実に合わせて認めていっていただくという形でふやしていくのかなと考えております。

○駒村委員 規模感の話と時間の話を聞きたかったのですけれどもね。

○神野部会長 駒村委員、部会で出された意見を、そのままじゃありませんけれども、多種多様な観点から出されたものをまとめたので、内容について。

○駒村委員 この部分は、水野さんがいらしたときにやりとりしたときの記録からできていると思います。

○神野部会長 いや、水野さんの意見だったら、それでいいのだけれどもね。

○水野理事 私の意見とちょっと違うような気はするのですが、お答えがちゃんとできていなかったようなので。

 規模感で言うと、先ほど申し上げましたように、債券のパッシブも10年ぐらいかけて7割まで持ってきたわけですので、株式も始めまして、トラッキングエラーとかでほかの信託等に遜色がなければ、そういうペースで徐々にふやしていくのだろうなと。アクティブに関しましては、その途中において、具体的に我々がチームを立ち上げられて、しかも皆さんから納得感があると思われるようにできるようになるまでは、どう考えても数年はかかるというのが正直なところで、二、三年の間にアクティブの小さなものでもスタートできるかというと、それに関してはそれほど現実的だとは思っておりません。

 なので、3年ぐらいかけてパッシブで実力をきちんと積んで、次に備えて準備していくということですが、繰り返しになりますけれども、認められないということになってしまうと、準備することすら許されなくなりますので、そこが違いかなと思います。

○駒村委員 個人的ということは多分ないと思いますので、やった場合はそういう方針になるだろうという想定だと思います。

 それで、僕が心配しているのは、インハウスがどのぐらいの大きさになってくるか、これが先ほどの米澤委員の後段の議決権にかかわる部分が非常に心配なのです。これは、後で米澤先生の資料を含めて、もう少し確認させていただきたいと思います。これは水野さんに対する質問ではなくて、米澤先生に対する確認になりますので、後でやらせてください。

○神野部会長 ありがとうございます。

 牧原委員、どうぞ。

○牧原委員 水野さん、お疲れさまです。

 質問が1点あるのですけれども、パッシブの件に関してですけれども、株式のインハウス運用をするということで言うと、GPIFで運用するほうが多分効率的な運用ができるという前提があると思うのですけれども、今でも民間企業の中で運用されていて、何でGPIFに行くと効率的な運用ができるのかというところの根拠というのを教えていただければと思います。

 というのは、例えば議決権行使についてもいろいろな形のスタッフがいて、どういう形で株主権を行使すればいいかということを十分やらなければいけないし、規模が大きくなってくるとそれなりの体制が必要になると思います。

 それから、株式の入れかえも、みずから買い入れをして売却するというプロセスもやらなければいけないし、それに伴うスタッフも必要ですし、それに伴う不正とかコンプライアンスの問題とか、そういうスタッフも整備しなければいけないと思うのですが、どうして民間企業以上にGPIFが効率的に行えるのか、そこについてのお考えをお伺いしたいのですけれどもね。

○水野理事 ありがとうございます。

 今、パッシブとアクティブを一緒にしますと議論が複雑になるのですが、まずパッシブだけで申し上げますと、前々回、プレゼンさせていただいたときに申し上げたのですが、株のパッシブというのは、実は債券のパッシブに比べて管理が極めて容易でございます。ただ、唯一難しくなってまいりますのは、今、御指摘ありましたとおり、議決権のところをどうするかというところが最大の違いになってくるわけです。実は、今まで日本の信託銀行等に我々、パッシブで預けていたのですが、大変安いフィーでやっていただいていた。

 きょう、日経新聞にも出ておりますけれども、我々もパッシブで運用している運用者に対して、今後、議決権の行使を含め、より建設的な対話を企業にしていただいて、企業価値の上昇と日本経済全体がよくなると、我々の運用成績は一番よくなるわけですが、を求めていくという方法になっておりますので、今後も現在のような安いフィーレベルで民間の受託機関がパッシブを運用してくれるかどうかということは、正直疑問かなと思っております。

 ただ、それをインハウスにしたときに、民間より安いかどうかということで言いますと、規模が大きくなればなるほど、そこはフィックスドコストになりますので、規模が大きくなればなるほど、どんどんコスト効率がよくなるということですが、前回のシミュレーションでも出したのですが、当初、20%ぐらいから試しにやってみるということになると、最初は正直、外出ししたほうが安くなるわけですけれども、それからどんどんふやしていくと、債券もそうですけれども、インハウスでやったほうが徐々にコスト効率がよくなるということになります。

 繰り返しになりますが、パッシブはコスト効率だけですので、逆に言うと、コストは最初からネガティブアルファというか、ネガティブな超過収益として決まっておりますので、内部でチームを立ち上げてふやしていけば、どんどんコストは下がっていくので、どこかのタイミングで民間よりも効率的になる可能性は極めて高い。それに加え、直接に投資を持つことによる、逆に持たないことによる情報がないというリスク等々が解決されますので、その他のポートフォリオに関しても有益な効果をもたらすのではないかと思っております。

 アクティブ運用に関しまして申し上げますと、ここは先ほど駒村先生にもお伝えしたのですが、GPIFが他の運用機関よりもアクティブ運用で効率性の高いチームを立ち上げられる蓋然性がどのぐらいあるかといいますと、それはGPIFCIOとして、現時点では全く自信がありませんが、これは今後、パッシブをやっていく中で知見を積みまして、その時々にどういうチームが実際集められるのかということを考えながらやっていくということです。

 ですので、それでもし、例えばアクティブの運用チームを立ち上げたいと2年後、3年後に申し上げましても、経営委員会のほうで、全く説得力がないと。今、委員がおっしゃったように、民間にやらせているほうがいいじゃないかということで、そこで人員計画を含めて認可されない事態というのは、十分あるのではないかと思っております。

○神野部会長 後半で意見はやりますけれども、水野委員に答えを求めたいような意見であれば質問に変えていただいて、自分はこう思うけれども、あなたはどう思いますかということで可能なものであれば、御質問に変えていただいて。

○出口委員 それは可能ですので。よろしいですか。

○神野部会長 そうしたら、平川委員、出口委員と行きます。

○出口委員 わかりました。

○平川委員 デリバティブ取引の活用例、説明、ありがとうございました。大変丁寧な説明をいただいたのですけれども、率直に言ってなかなかわかりづらいので、さらに勉強させていただきたいと思います。

 こういう説明を拠出者に対して、今後どういうふうにしていくのかということも課題です。普通であれば、証券会社に行って「運用したい」ということであれば、重要事項説明を受けて了解すれば自己責任となります。しかし公的年金は強制保険であり毎月払っている保険料の一部を積立金として積み立てているので、このことから拠出者に対して、デリバティブの取引もこういう形でメリットがあるのでやっていきますよ、というときに、どうわかりやすく説明するのか、なかなか難しいところがあると思いますけれども、その辺の考え方がございましたらお聞きしたい。

 アクティブはそれなりの体制を整えることが必要であり、このことに関しては、課題が多い。そこで、パッシブだけでもいいという感じであったのですが、一方でパッシブだけでは、そうメリットはないというか、革新的なメリットがない。端的に言えば手数料ぐらいとも聞こえたのですけれども、その辺、もう一度確認させていただきたいと思います。

 それと、根本的な問題で申しわけないのですが、さまざまな運用の多様化をされるということで、民間基金であれば、自由に運用できれば良いともちろん思いますが、今、GPIFの運用に関して、ことさら年金部会の中でもさまざまな疑問とか問題があるのではないかという意見がある中で、さらに運用の多様化をどうしてもやらなければならないという必然性というのは、今、GPIFの中にあるのでしょうかということです。それについて質問させていただきたいと思います。

○神野部会長 3点ですか。

 水野理事、よろしいですか。

○水野理事 ありがとうございます。

 1つ目の質問が本当に回答に一番苦慮するところでありまして、被保険者の方、皆様全員にわかってもらえるように説明できるようなツールであれば、そもそもプロのツールでないという言い方もできまして、例えば全員がわかる、要するに個人のリテールで販売しているような商品並みの説明をしたら、それで皆さんが納得していただけるのかということですけれども、例えば今みたいなものに関しましても、グラフはわざと説明をはしょったのですけれども、グラフでこういうふうに使いますみたいな説明をしても、わかってもらえる方もいらっしゃれば、わかってもらえない方もいらっしゃるのです。

 私は何が一番大事かというと、運用においてリスクというものはあって、それをヘッジする手法として、こういうものが世の中には存在しています。それをGPIFは現在使えない状況にありますので、それを使えるようにしてくださいという、ここのメッセージがきちんと伝わるかということではないかと、まずは思っています。

 プラス、便利なものというのは、逆にそれで危険が当然あるわけですので、その危険を防ぐ、要するにこれであると投機的な活用がされないかどうかということについて、されませんということをどうやって伝えるかということが一番大事なのだろうと思っていまして、デリバティブそのものの仕組みとか、実際にロールオーバーして、こういう形で使うみたいな説明を受給者の方々にわかってもらおうという努力をするよりも、これがリスクヘッジに使えるということと、変な使い方をしないということを理解してもらうということが、私は何よりも重要だと思っておりますので、そういう観点で先ほども説明させていただきました。

 ただ、細かなテクニカルな説明を受けたいという希望の方がいらっしゃれば、幾らでも私どもは時間を割いて説明するつもりですけれども、ボトムラインとしては、今の2つをわかってもらうということが何よりも大事ではないかと思っております。

 次に、パッシブのメリットはフィーだけしかないのかということを、また御質問されたのだと思いますけれども、2つ申し上げます。フィーとかコストに関しては、確実なベネフィットとして存在します。あと、情報とかいろいろなものは、これも私どもの業界から言うと、情報が得られないというのは極めてリスクが高い状態なので、実際にインハウスすることによって情報が得られるというのは、実はすごく重要なことだと思うのですが、これは業界外の人にはなかなかおわかりいただけないのかもしれません。

 インハウスを持つことによって、実際の日々のマーケットの中でどういうことが動いているかということが、直接的に運用委託先とかの口を通じることなくわかるというメリットは、無形でありますし、それがあることを証明しろと言われるとすごく難しいのですが、業界の方も何人かいらっしゃいますので、よろしければ御意見いただきたいのですけれども、我々の業界では、情報がないというリスクは極めて大きなものだと思っておりますので、そのリスクは余り過小評価してはいけないのかなと思います。

 3つ目に、運用多様化ということですけれども、これもちょっと繰り返しになりますが、インハウスそのものは、米澤先生がおっしゃったように、運用多様化をしているわけではありませんので、現在、外に任せていることの一部、内部でやったほうが効率的あるいはコストが下がるという必然性あるいは説明の合理性があるものについて、内側に持ってこようというだけの話ですので、このインハウスの議論につきましては、運用多様化とはある意味、一切関係ないと申し上げたいと思います。

 一方で、オルタナは運用の多様化ですけれども、これも先生が整理していただいたとおり、基本ポートフォリオの中で5%までやるということが決まっておりますので、そのやり方の議論を今、しているだけでございますので、これも今回の議論によって、さらなる多角化を進めようとか多様化を進めるということをGPIFのほうからお願いしていることではないということは、ぜひ御理解いただきたいと思います。

○神野部会長 出口委員。

○出口委員 では、一番簡単な質問を最初、事務局にさせていただきます。部会長が上手に時間を使っていただいている中でも、前2回とも時間オーバーになってしまい、自分の意見が全部言えなかったので、きょうはペーパーにまとめてきたのですが、ここで発言しなくても、このペーパーに書いたことは、例えば資料2にまとめていただく中で参照していただけるということを、確認させていただいてもいいですか。全部読み上げていると時間がかかりますので。

 それはさて置き、こんな恥ずかしい話をこういう場でしていいのかどうかわかりませんが、GPIF140兆円という規模に比べれば、私の会社は200億円ぐらいですけれども、小さい保険会社を立ち上げて、保険会社は運用というのも本業ですから、運用を始めました。それはどういうふうにやってきたかといえば、最初は外部委託です。これも公表していますけれども、DIAMという投資顧問会社に全部外部委託をしていました。

 その中でスタッフを順次、スタッフと言っても全部で90人ぐらいの会社ですから、1人か2人しかいないので、外部の有識者をアドバイザーとして雇って、非常勤ですから運用委員会のようなものだと思いますが、そこでアドバイスをいただきながら、今は全部インハウスでやっています。そういう経緯があり、たまたま今朝の役員会で、中期計画で運用をどうするかという話もやっていましたので、きょうは運用の日だなと思うのですけれども。

 何を言いたいのかといえば、今回の議論は、私自身、GPIFの日本の株式市場におけるウエートは物すごく大きいと思っています。ですから、個人的にGPIFがどう運用したらいいのですかとゼロから問われたら、私はひょっとしたらアメリカのような方式が一番いいのではないかと申し上げるかもしれません。でも、それはもう済んだ話なので、今、議論しているのは、マーケットの7%前後まで大きくなったGPIF、現にやっているわけですから、いわば池の中の鯨だと思うのです。この池の中の鯨が、ちょっとでも暴れたら、みんなが迷惑する。

 でも、鯨になっていることは間違いないのだから、どういうふうに泳がしたら池の水がちゃんと安定するかということが一番大事なことだと思うのですね。そうすると、私自身は、池の中の鯨ですから、もちろん簡単に小回りはきかないのですけれども、一部の手足とかひれを縛っていると、これはかえってリスクが大きくなる。だから、今、一番議論すべきは、大きくなってしまった池の中の鯨であるGPIFをどういうふうにマネージすれば、相対的にマーケットにも影響を与えず、しかも国民経済的にもみんながハッピーなのかということを集中して議論したほうがいいと考えています。

 その上で3点だけ申し上げたいのですけれども、質問もさせていただきますが、絶対、人ありきだと思うのです。これはいろいろな方も言われていましたし、この前、マッキンゼーの方も言われたと思いますけれども、ちゃんと人を育てなければ、これだけ大きい鯨はコントロールできないと思うのです。人を育てるためには、自ら実行しなければ人は育ちませんし、情報も入ってこないのです。私どもの会社の例で言えば、外部に委託しているときには、いらっしゃるのは委託先のDIAMの方だけです。当然ですね。

 でも、インハウスをやることになると、本当に小さい会社ですけれども、いろいろな方が来られて情報が入ってきます。そういう中で人間も鍛えられますし、極端に言えば、外部委託だけですとアドバイザーの方が言われる意見は限られるわけですけれども、インハウスを始めたら、やってみて初めてアドバイザーの方も、これはこういうふうにやったほうがいいという意見が出てくるのです。人を育てるということは、自らやってみていろいろな情報が入らなければ人は育たないので、ガバナンスができてから運用の多様化をさせればいいような意見がよくあるのですけれども、ガバナンスの方も自らやっていないものに対しては、ガバナンスが学べないのです。ほかで経験されているかもしれませんが、GPIFのような大きい経験はないわけですから、ガバナンスを含めてラーンアンドテストの中で人が育つということがすごく大事だと思います。

 ですから、これだけ大きい池の鯨をちゃんとマネージするためには、人が大事だということは、委員の先生、皆さん、多分異論がないと思うのですが、もし手足を縛るのだったらどうやって人を育てるのか。そこの点が僕は理解できないので、本当に人を育てるためにはラーンアンドテストしかないということは、情報も含めて理解していただきたいと思います。

 それから、2番目は。

○神野部会長 水野理事が御退席する時間を1時間以上オーバーしておりますので、水野理事に対する質問に変えるのであれば、今、お願いしたいと申し上げたのです。

○出口委員 わかりました。

 では、2点目は後で申し上げるとして、もう一つ、実際の規制の問題ですけれども、私のメモの3の(1)で書いたように、イノベーションのあるマーケットでは、規制があると自由化度が下がる。これは大変リスクが高いと思っていまして、これはむしろ米澤委員に対する御質問になるのですけれども、実際は規制を基本的には法律から外して、これはほかの公務員共済と同じようにやればいいと思っているのですが、マッキンゼーの方がジャーニーとおっしゃったように、多分、体制をちょっとずつ整えながら経営委員会で判断していけばいいと。

 つまり、執行上の問題というのは、まさに人員やシステムの体制構築にあるので、ジャーニーだと思うのですけれども、そこは運用委員会が実態をよく見て判断すればいいと私は思うのですけれども、これは米澤委員が今、運用委員会の委員長をされていると伺っていますので、現実でこういう判断というのはおできになるのですか、どうですかということをちょっとお尋ねしたいと思うのですが、よろしいですか。

○神野部会長 水野理事には特にないのですね。両方に。

○出口委員 水野理事にも今の運用委員会のやり方で、そういう判断がしていただけると思うかどうかということをお聞きしたいと思うのですが。

○米澤委員 率直な点で、私のほうから今のお答えをさせていただきますと、今の状況ではちょっと私は無理だと思います。というのは、それは人材がいないということではなくて、我々の委員会にどのぐらいの人材がどのようにいらっしゃるのか。今、大分急速にふえているのですけれども、その情報は必ずしも上がってきていないし、我々がフロアに行って見ているわけでもありませんので、今の状況だと100%信じてリプライするしかない。

 それは極めて危険ですので、もっとコミュニケーションを豊富にしていって、かつ運用委員会にそのことを、大学の先生ではなくて、少し現場のことがわかる人が入っていれば、それは可能だと思います。今の状況だと非常につらいものがあるというのが、正直ベースです。

○神野部会長 水野理事。

○水野理事 ありがとうございます。

 運用委員会も、実務をやってこられた方と、大学の先生のような学識経験者とか有識者という形で混ざっている状態ですので、今回、経営委員会でありますとどういうメンバーになるかということだと思うのですけれども、私、どちらの知見も必要だと思っています。

 ただ、先日来の議論でも、例えばこういうビジネスをやるのに実際何人要るのかみたいな議論になったときは、大学の先生よりも実務をやっていらっしゃる方のほうがぴんと来るのでしょうし、そういう意味では、運用委員会あるいは経営委員会にはいろいろな知見を持った方が混ざっていただくというのが重要ですし、現在の運用委員会ですと、経団連の大野委員などは、その辺の組織論のところについてはよく御意見もいただいていますので、そういう意味では経営管理という観点からそういうところを見てもらうということで、そういうバランスが必要ではないかと思っていますが、そのバランスがとれれば、私は十分コミュニケーションができると思っております。

○山本委員 お時間がないのに、いいですか。

○神野部会長 水野理事に対する。どうぞ。

○山本委員 時間もないのに恐縮です。

 先ほど、いろいろな専門的な御説明をいただきましたけれども、なかなか理解が届かないというのが私の実感でございます。運用サイドから見て、今の投資手法のスタンダードはもっと高度で、今の体制では全く脆弱であるという趣旨は、理解できました。しかし、年金資産は国民の財産だと考えの下で、これまである種のフィロソフィーとして、国が個別の銘柄を保有すること等については、極めて慎重な防波堤を築きながら何十年もやってきたわけです。あえてそれを今、乗り越えようとするときに、スキルやアビリティー、ファンクションがより高まるのは良いこととは思いますが、これをもって防波堤を乗り越える理由とするのは、どなたかもおっしゃったと思いますけれども、国民全体を納得させて、堰を切ることへの説得性には欠けます。

それから2点質問ですが、効率性が図れるということは間違いないとさっきおっしゃったけれども、それは金額的にどれぐらいのボリュームになるのか。

 それから、もう一つは、GPIFに運用益を高めるという使命が課せられているならそのためのスキルアップも必要だけれども、今でも目標利回りに合ったリターンが得られているとすれば、なぜあえて今、堰を切っていかなければいけないか。その説得性という面で、技術的に必要だいうことだけでは、全ての人を納得させることはできないと思うので、その辺について、精神的な柱となるような考えはありますでしょうか。

○神野部会長 よろしいですか。

○水野理事 精神的なというのは得意ではないのですけれども、できるだけ頑張ります。

 まずは、いわゆる民間企業の経営等に関与しない等々の過去からの考え方に基づいて、個別の銘柄選択をGPIFが行わないということでやってきた。それはそれで、いろいろな経緯で整合性のある話なのだろうと思います。一方で、確かに今まで運用成績はそんなに悪くないのではないかとおっしゃるのですが、御存じのとおり、四半期ベースで少し収益がぶれれば、我々、国民あるいはマスコミからの批判を受けてきたわけで、米澤先生もそうだと思いますけれども、運用の現場にいる者として見れば、今回お願いするようなツールがあれば、もう少しボラティリティを抑えたり、マネージできたのに、何もできない状態だということに、正直じくじたる思いがありますと

 結果として、運用成績としては、過去十数年間に財政検証上の目標に達しなかったことは、たしか1回しかないと思いますけれども、それでGPIFの運用について国民からの信頼が得られてきたかというと、どちらかといえば素人運用だという批判がずっと繰り返されてきたわけでありまして、それは私は何度も申し上げますが、チームの人々が素人というよりも、運用の手法としては極めて一般的なリテールで使うようなレベルでやっておりますので、そう見えるのはしようがない。

 ということを考えますと、国民の皆さんに安心していただくためにも、我々としては、いわゆる運用の技術の中でできることはできる限りやるべきだと思いますし、これも受託者責任の中でプルーデントマンルールというのがありまして、ただ単に安全に運用していればいいということでなくて、今、業界で持てる知見を十分に利用して、受託者のために活動せよということがそもそも我々、求められておりますので、そういう中でこのような今の規制の状態では、一般にこの業界において認められているような知見を十分に活用した運用になっているとは、私は正直思えないということで、今お話申し上げているということと。

 あとは、金額的にどのぐらいかということは、前回、パッシブで70%、アクティブで10%ぐらいしたときに、このぐらいのコストは下げますというシミュレーションは出させていただきましたけれども、あれも我々の場合、余りにも規模が大きいものですから、全体の中で、これだけ下がるなら、さあ、やりましょうということになかなかならないかもしれませんが、世界中の他の公的年金が実際にパッシブとかアクティブ、全部インハウスに移すときに、経費削減というのを必ず1項目として挙げてきたので、我々も挙げているのですが。

 正直、今の世界のリーダーになっているような年金がやっているレベルに達するには、マッキンゼーや出口先生がおっしゃったように、長いジャーニーで、まだしばらくかかる話だと思うのですが、方向性としては、その方向に向いて動いていくということが大事だと思っております。

○藤沢委員 済みません、もう時間がないのはわかりますが、私も帰らなければいけない。

○神野部会長 どうぞ。

○藤沢委員 水野さんのお言葉は、横文字が多くて、ちょっとよくわからなくて。ボラティリティを抑えるためにという話をされて。つまり、いろいろな道具建てがあるだけれども、この道具を使うことによって、ボラティリティ、つまり変動を抑えますということをおっしゃっているということは、要するに高いリターンもある意味あきらめるし、大きく下がるのもあきらめるし、安心のためとおっしゃるのは、余り大きく上下に動かないように運用するためにツールが必要ですよとおっしゃっていると理解すればよろしいのですか。

○水野理事 基本ポートフォリオは、例えば25年間で求められたリスク、リターンを達成するように立てているわけなので、本当に基本ポートフォリオの長期の考え方に全国民が納得されていれば、四半期の報告など、そもそもする必要もないわけですけれども、一方で、我々は透明性ということで四半期に数字を出せば、50%、株式のポートフォリオがあれだけ上へ上がったり、下へ下がったりが当然あるということで、これを今までであれば、GPIFか年金局だと思いますけれども、我々は長期の運用なので、長期で見てくださいということをオウム返しのように繰り返してきたわけです。

 ただ、実際、その運用成績を目の前で見せられている国民からしてみれば、当然、不安は出るわけで、その中でこのようなデリバティブを活用したりすれば、もう少し変動を抑えたりすることはできるということで、それは私はやるべきではないかなと思っています。

 当然、ヘッジすれば、為替のリスクを少なくすれば、その分の上の超過収益も下がる可能性もあるのですけれども、我々、長期で見てください、あとはしようがないじゃないですかという運用というのは、先ほどのプルーデントマンルールにも反するのではないかと思っておりまして、できる限りのことをやって、短期でも受給者の方たちが少しでも不安にならないような運用をするべきだと私は思っています。

○神野部会長 よろしいですか。

 それでは、水野理事にわざわざ貴重な時間を割いていただいて御説明いただきましたことに関する、質問だけになっていたかどうか、ちょっと自信がないのですが、質疑の時間をこれにて終了させていただきます。

 ここで水野理事には、ちょっと申しわけありません。大変お引きとめしたことをお詫びいたしまして、御退席になります。どうもお忙しいところをありがとうございました。

 

(水野理事 退席)

 

○神野部会長 それでは、引き続いて、事務局のほうの、後で意見をいただきますので、資料についての簡単な質問がございましたらお出しいただければと思います。なければ、後で意見に入ってから戻っていただいても構いませんが。ないですか。

 そうしたら、意見のほうに移りたいと思うのですが、できれば生産的に議論を進める上で焦点を論点別に、つまり株式のインハウス運用、オルタナティブ資産への直接投資、規制のあり方等々に分けたいと思うのですが、先ほど藤沢委員が時間がないとおっしゃったので、全体、どこでも結構ですので。

○藤沢委員 申しわけありません。ありがとうございます。

 私のほうの意見としましては、まとめていただいた議論の上からいくと、株式のインハウス運用に関しては、先ほど米澤先生もおっしゃったように、パッシブとアクティブというものの間の非常に曖昧なスマートベータ的なものがあるので、アクティブの運用まで認めるというところからスタートするべきではないかなと思います。ただし、議決権のことに関して、私も過去の背景など、いろいろ聞いてみたところ、経団連の皆様も御心配されているような部分というのはあるので、議決権に関しては別途、きちんと外部の人にやっていただくようなことを考えるべきかなと思います。

 また、同一企業の発行銘柄への投資割合の制限に関しても、投資信託もかつてあったのが、また緩んだのですけれども、これだけ大きなものなので、そういったものに関しての制限なども考えておくことは重要であるなと考えます。

 オルタナティブ投資に関しては、共同投資の手法ですので、私は一般の投資信託を使っていることによる大変大きなコストというのがありますし。

 あと、平川先生のメモの中で、こういう不動産等の投資等は、流動性を重視すると余り高めるべきではないというお言葉もあったのですけれども、逆に言うと、こういうもののほうが、共同投資したほうが流動性の高いものに投資できる可能性もあるのかなというのは、どなたか専門家の先生に教えていただきたいなと感じたところであります。

 規制のあり方については、これは法律で縛るのは大変よろしくないと思います。それは、先ほどの出口委員のお話にも通じるのですけれども、縛っておくと、いざというときにほどけないというか、助けられないというか、トラブルを抑えられなくなりますので、法令ではなくて、もう少しフレキシブル性のあるものにしていただけたらよいなと。最初から全てやりましょうということは、私も申し上げるつもりは全くありませんので、何年に1回かしかできない法律で、その部分を、コールの話もそうですけれども、縛ってしまわないことが、私たちの資産を守っていただくという意味でも私は重要だと、そういうふうに思います。

 全体として、そろそろ落としていかなければいけないのだろうと思いますが、ほかの法律もそうですけれども、3年後の見直し規定みたいなものをある程度入れていただいて、この議論をしていただけたらいいなと思っている次第でございます。

 以上です。お気遣いいただいて、申しわけありません。

○神野部会長 それでは、駒村委員。

○駒村委員 さっき少し言いかけたのですけれども、米澤先生のこの資料に基づいて、心配なことを率直に、米沢委員は前回お休みだったので、多分議事録も読まれていると思いますけれども、議論したいと思います。

 1つは、これは前回お話ししましたけれども、民間の金融機関の行動と違うということは、GPIFについては考えておかなければいけない。ボリュームもありますけれども。もう一つは、組織の性格としては倒産もしない、直接民事の訴訟も受けないという、まさに政府機関なわけです。通常、倒産する可能性があるとか顧客を失う可能性があるとか、そういう性格の市場の規律を受けているような機関が市場のプレーヤーとして、その最適な行動をするのはいいのですけれども、市場の規律を受けていないところが、私は議決権のところが一番心配なのですけれども、重要な役割をするというのが本当にいいのだろうかというのが非常に悩ましいところです。

 一方、この組織というのは、これまでも確認したように、経営委員の任命権は政府が握っているわけですので、裏には政府がいるわけです。政府は、片方でGPIFを使って利益を最大化する、株主としての長期利益を最大化するルートもあるだろうと。一方で、例えば厚生労働大臣だったら、社会保障給付、120兆円かかっているわけですから、GDPの3割のお金を差配するというか、影響を与えられる。あるいは、既成産業、さまざまなところに巨大な力を持っている。

 つまり、運用と政策の両手を持っているということなのです。この両手を持っているというのが、政治として、あるときは株主としての利潤最大化、あるときは公益を目標とするというときに、矛盾するのではないか。そのリスクをこの組織は常に抱えているというのを忘れてはいけないと思うのです。

 例えば、同じ公的なところでCalPERSの話もありますが、CalPERSGPIFは規模が全然違いますし、CalPERSのほうが、恐らく加入者はより近いところで様子を評価できると思うのですけれども、そういうところであったとしても、エンロン事件でどういうことが起きたのかということになれば、エンロンのとき、CalPERSは膨大な損失を受けて、これがしばらくカリフォルニア州の政治問題になったということもあるわけですから、そういう意味で常に政治とつながっているということは、この組織の特徴として覚えておかなければいけない。

 それを考慮した上で、なおかつさっきから話があった人を育てるとか、情報をとるとか、安く上がるといったことと比べて、本当にそのリスク、我々がまだ見たことのない。つまり、小さな公的な年金機関は幾らでもあるわけです。世界でいろいろやっていますけれども、これだけ大きなところがそれをやって本当に大丈夫だろうかという心配があるわけですね。この問題というのは別に新しい問題ではなくて、アメリカの会計検査院の見解が以前出ていまして、政府機関はどういうふうな銘柄を持って、どういうふうに議決権を使うのかという見解も出ていて、長い問題だと思います。そう簡単に運用の技術的な問題と比べられるような性格のものではないのではないかなと思います。

 もう一つ心配しているところはどういうところかというと、では、純粋な運用機関として活動しましたというときに、これは私が読んでいるレポートを見ますと、最近のアメリカのアクティビスト投資家はどういうことをやっているかというと、年金基金と組んで、議決権とエンゲージメントをするか、議決権を行使して言うことを聞くか、どっちのほうがいいですかと言って使い分けて、経営陣を締め上げて企業経営にどんどん入ってくるわけですね。こういうレポートがあるわけですけれども、そういうことを考慮したときに、国民の年金基金がそういうふうに使われているということを、果たして国民が納得してくれるかどうかというところも、政治リスクとしてあると思うのです。

 ガバナンスという、これは出口先生が書かれた、同時に進めるべきということについて、私は若干違和感があるのですけれども、まずガバナンスをきちんとつくる。檻はちゃんとつくる。その後に、どういう猛獣を飼うかを決めてもいいのではないかと思うのです。おりをつくったら、すごい猛獣を飼わなければいけないという話でもないと思うのです。まず、檻がちゃんと機能するかどうか。政府は、ちゃんと独立した経営委員を任命できるのかどうか。外部からも内部からも不整合がないような仕組みがちゃんと動くかどうかを見きわめた上で、次のステップとして、どの程度の自由度の運用行動ができるかという話をしてもいいのではないかと思います。

 先生のレポートは、確かに議決権についてはブレーキをかけると書いてあるのですけれども、これは先ほど水野さんも、前回、私とのやりとりで議論になったところでありますけれども、5%以下の議決権にすれば大丈夫じゃないか。私の質問は、委託機関が同調行動をしたら5%以上の力になるのではないか。そうしたら、水野さんの反論は、いや、委託先はリターンで評価するからいいのだとおっしゃっているのですけれども、一方で先ほどあったように、議決権はどうかと調べて、それも評価の対象にするかのような話が出てくるわけですから、議決権に関する同調行動が起きるのではないかと思うのです。したがって、5%ルールで本当に強力に企業経営に介入することが起きないのかどうなのか。

 それから、議決権の外部委託。これについて、私は現場での知見がないので、どういう現状になっているのか。議決権委託、助言企業みたいなものがあるようですけれども、これの実態を米澤先生に教えていただきたいなと思います。

 先生と持っている問題意識は同じなのですけれども、論理のつくり方がちょっと違うのかなと思いました。

○神野部会長 山口委員、後でよろしいですか。

 米澤委員。

○米澤委員 みんな大きな問題で、とても答えられないという感じをまず冒頭に言います。

 1点目のツービッグの問題ですね。それは、本当に承知しておりますし、そういう組織の行動原理も、まさに国だから効率的でないのではないだろうか、それから、それが問題を抱えたときのリスクは、国民に非常に大きく影響を与えるというのはそのとおりだと思います。

 それで、今回、まさに議論の立て方を見ていただくとわかりますように、ガバナンスの話が出てきて、当初はそれだけでこの年金部会を進めたのではないかと思うのですけれども、それが出てきたから、そこをちゃんと充実させるという前提のもとで、運用に関して少し自由度を高めていただくことができるのかなというたてつけで、私なども理解しておりますし、GPIFの幹部もそのような理解だと思っています。ですから、言い方を変えますと、このガバナンスのところが出てこなければ、こんな議論はほぼ100%、出てこなかった話だと思います。

 少なくとも今、進んでいる、きょう、最初の1時間ぐらいでだんだん物が見えてきたようなところが実現すれば、たてつけが違ってきますと、機能的には同じだと何回も言っているわけですけれども、ちゃんと法律で担保されたことがありますので、そのもとで少し前に進ませてくださいというのが私の意見でもあるし、全く同じではありませんけれども、GPIF側の意見ではないかと思っております。

 さらに、お答えになるかどうかわかりませんけれども、遅ればせながら、投資原則もつくったわけですし、そこにはいいことが書かれていますし、それはGPIFへ行っていただくとわかりますように、方々の壁に張ってございます。というので、少なくとも2年前ぐらいのGPIFとは全く違って、意識改革は進んでおります。

 ただ、ツービッグということは、もう言われなくてもわかっているわけですので、ちょっと話をそらしますけれども、リスクのコントロールでデリバティブというのは、私は為替のヘッジというのは余り賛成しないのですけれども、多額の株式を売ったり買ったりするときは、マーケットインパクトを避けるために先物を使わせてください。これは、マーケットを荒らさないための一つの方法です。まず、先物で買ったり売ったりして、少し時間がたってからゆっくり売買するということなので、それが一番大きいですよ。というので、でかい鯨を余り波立たせないように、そういうところのコントロールの手段もセットとして使わせていただくと効率的かなということです。

 多分、大きいことに関しては、デメリットこそあって、メリットは余りないのではないかと私も感じている次第ですが、これはしようがなくて、これを今さら分割しても、スウェーデンでも思ったように余りうまくいっていないという話も聞いておりますので、それはちょっと別のところでございます。ということで、ガバナンスとセットですので、御理解いただいて、一歩前に進ませてくださいというのが本音だと思います。

 それから、議決権のところは、私も答えを持っているわけではないのです。本当に悩ましいなということです。でも、完全に議決権行使の外部委託というので、ちょっと前だったら、これに頼りたかった。内容はよくわからないのですけれども、ISSとかにガイドラインを出してお願いするわけですが、今、実は日本国全体がそれではまずいよと。スチュワードシップコードがまさにそうですね。株主権をもっと発揮してくださいということなので、これを捨ててしまうわけではなくて、うまく使っていかなければいけないということが出てきていますので、このところは私自身も今後どうするか。

 ゆめゆめ、そこで介入するということはあってはならないと思っておりますが、全く何もコミットしないというのもいかがなものかということなので、そこに関しては少し工夫の余地があるということで、ここが一番悩ましいというのは、答えになっていませんけれども、正直なところでございます。雰囲気だけでも感じていただければ。

○駒村委員 1つだけ。

○神野部会長 手短に。関連して。

○駒村委員 今のところに関連してですけれども、分割で議論するかどうか。でも、今の運用委員会があるから。でも、これは運用の問題とは切り離して、ガバナンスがちょっと問題があるというのは、以前からOECDからも指摘されてきた問題があるわけですよ。だから、ガバナンスはガバナンスで、中に鶏を飼うのかライオンを飼うのかは別問題として、ちゃんとしたガバナンスはつくる。その後にすばらしいものを逃がさないように、外からも手を出されないような檻をつくってから何かをを飼えばいい。檻のなかに入れる動物がどのぐらい凶暴かどうかはわかりませんけれども、僕は余り凶暴過ぎると、日本の企業に対してコーポレートガバナンスにも深刻な影響を与えるような展開になってしまうのではないか。

 ただ、もちろんリスクを一方で抑えなければいけないというためには、運用の多様化をしなければいけないというのはよくわかるのです。僕もその部分は悩ましいところなので、フルに認めるのか、条件つきで認めるのか、それとも部分的に禁止するのかという選択肢があって、事務局は三通りの整理をしている。たしかに今までの議論を振り返ると、三通りぐらいの整理になってしまうのかなと思いまして、この整理しかないのかなと思っていますけれども、先生と問題意識を共有できればなと思っただけです。

○神野部会長 山口委員。

○山口委員 済みません、ありがとうございます。ちょっと時間も余りないので、まとめて意見を申し上げたいと思います。

 私は前回も申し上げたのですが、運用の大原則的なルールとか枠組みについては、法人の外できちんとつくった上で、個別具体の案件は経営委員会で見ていただくとする役割分担が必要ではないかと思っております。そういう意味では、出口さんが今回出されました意見書の考え方に近いのかなと思うのですけれども、少し違う点は、私はきちんと法律レベルで決めておく事項というのはあるのではないかと思っておるということでございます。

 例えば、本日も出ておりますが、インハウス運用の問題ですけれども、現行のGPIF法でもこれまでも出ておりましたが、「年金積立金の運用が市場その他の民間活動に与える影響に留意する」とされているわけですけれども、新しい法人でもこれを否定する正当な根拠がない以上、このような規定は公的年金の運用である限り、必要ではないか、継続していくべきではないかと考えています。

 ただし、私はインハウス運用を全て否定しているということではなくて、パッシブ運用であれば、市場に与える影響も相対的に小さいし、議決権行使につきましても、出口さんが言われますように、信託会社に委託するといった方法も考えられるのではないかと思います。ただ、これは多分、支配的株主でない段階で機能するものだと理解しております。

 しかし、アクティブ運用ということになりますと少し違いまして、政治的な介入を懸念するわけであります。ほかとの比較でも類例を見ないほど、圧倒的な残高規模を有しますGPIFに関しましては、市場や企業経営に与える影響を考えた場合、政治介入の手段、つまりアクティブ・インハウス運用を通じて、特定の銘柄への集中的な投資であるとか、あるいは政治的意図に基づく議決権行使を行うなどが行われないように、これを法律によって封じておくということが極めて重要ではないかと考えるわけであります。

 出口さんが提出された資料の中で引用されておられます、イノベーションによる自由化度の低下という算式、先ほど興味深く拝見していたわけでありますけれども、こういう自由化度が上昇した場合、その中で政治介入の可能性の度合いというのはどうなるのだろうかということを考えていたわけです。通常、自由化は規制緩和でありますから、政治介入も減るのかと最初思ったのですけれども、これまでの議論を振り返ってみますと、GPIFの場合、恐らく自由化度が上がれば政治介入の可能性は上昇していくのだと思います。

 出口委員の資料は、ガバナンスの強化によって政治介入のリスクが排除されているということが大前提だと書かれていますけれども、たしか検討作業班の議論では、専らPKOという形での政治介入の可能性を減らすという観点から、ガバナンスの議論をしてきたと思うわけです。これは、株式への運用比率を増加させて株式市場全体の上昇を図るといったPKOの観点でありますから、専らアセットアロケーションをどうするかといった問題に帰着するものでありまして、その場合、独任制よりも合議制のほうがPKOと思われるような事態が発生する確率をできるだけ減らすことができるので、したがって、それが望ましいということが、この作業班の大方の合意だったと思います。

 しかし、アクティブなインハウス運用が導入された場合、どういう銘柄を購入し、売却するかは、これは全く日常のオペレーションの問題でありますので、経営委員会マターではなくて、執行サイドに任されることになるわけであります。新しい法人のCEOは、厚生労働大臣によって任命されていくわけでありますから、日常執行業務は経営委員会のマターでないとすれば、自由化によって政治介入の懸念はむしろ高まる可能性があるということになります。したがって、現行のインハウスをしていないGPIFを前提とした静態的な枠組みをベースとした議論ではなく、自由化していくことによってガバナンス上の新たな局面、課題が展開していくのではないかと考えたわけであります。

 さらにつけ加えて申し上げますならば、アクティブ運用のパフォーマンスは平均してパッシブ運用を下回っているというのは、これは厳然とした事実でありまして、そういう面では、経済効果の面でもアクティブ運用を積極的に支持する理由はないように考えております。これは、先ほどもインハウス運用の導入によっても、アクティブ、パッシブ比率を変えるわけではないというご説明もあったので、こういう懸念はないのかもしれませんけれども、あえて申し上げておきたいと思います。

 それから、組織内部での人材育成のためにアクティブ運用が必要であるということも論拠になっているわけですけれども、これは私もわからないわけではないのですが、しかし、これは裏を返せば、専門人材も十分いない状態で非常に難易度の高いアクティブ運用をするという話にも受け取れますので、そうだとすれば、これは年金受給者等にとっていい迷惑ということになりかねないわけです。教育訓練という観点からは、運用の手法・方法は違いますがインハウスのパッシブ運用を通じて日常的に市場に向き合いつつ、さらなる実践的な教育については外部化であるとか、外部人材の登用といった形で対応していくという方法をあわせて展開していくことが必要ではないかと思っております。

 もう一つ、私の懸念を申し上げておきたいのですけれども、仮に原則自由ということになった場合に、インハウスで不動産の直接運用ができるといったことも考えられるわけです。私たちは、かつて年金の資金によって保有したグリーンピアとか保養施設などの失敗のにがい歴史を、このときに思い起こすわけです。これらの福祉施設は、RFOという組織をつくって、今、日本年金機構におられます水島さんなどが非常に努力されて、ようやく売却・整理できたというのは、実はほんの数年前のことであります。

 不動産のインハウス運用も年金の運用として行うわけですから、過去の福祉施設をつくる話とは根本的に違うということは、私も十分承知しているのですが、別の手段を講じれば、直接保有しなくても不動産投資はできますので、かつて指摘されたような政治介入の可能性がある不動産直接保有なども、きちんと法律で制限しておくほうが、みずから襟を正す姿勢として私は必要ではないかと思っております。我々も喉元過ぎれば暑さを忘れるということではなくて、過去の失敗に学ぶという姿勢を堅持することが、年金の被保険者とか受給者から求められているのだということを私は痛感しておるということでございます。

 以上です。

○神野部会長 ありがとうございました。

 出口さん。

○出口委員 まず、議決権の点について、これはうろ覚えなのですけれども、たしか東芝の株主総会で外国の公的年金が反対票を投じたという記憶があるのです。私は自信がないのですけれども、そこは後で教えていただきたいと思います。

 議決権については、基本的には今のGPIFが投資原則をおつくりになり、国連の投資原則にサインをされ、スチュワードシップコードもちゃんとサインされている。そうすると、GPIFで決められたこれらの投資原則に従って、この原則に沿って外部委託して、機械的にこの原則に沿ってやっていただくということが一番合理的なのではないだろうか。もちろん、5%とか3%という枠をはっきり決めれば、懸念はより少なくなるのではないだろうか。だから、何も言わないで外部委託するのではなくて、ちゃんとした原則のもとに外部委託するということが一番自然なのではないかと思います。

 それから、おりの議論については、これはそれぞれの見解の違いですけれども、私に言わせれば、ライオンを入れるおりと鶏を入れるおりは、つくり方が初めから違うのではないか。最初から完全なおりはできないので、まず入れてみて、ちょっとずつおりをよくしていくというのが多分実態に合っているのではないかというのが私の考えです。

 それから、アクティブとか不動産については、先ほど駒村先生と性善説と性悪説だねという話をしていたのですけれども、GPIFについても、仮に法律で自由としても、当面の運用方針や投資の考え方はちゃんと議論するわけですから、それは例えば経営委員の選定をする特別部会をつくられるとお聞きしていますから、そこで単に委員の選定だけではなくて、当面の例えば投資の考え方とか運用指針のようなものを決めて、そこでアクティブは当面スタートからはやりません。それを変えるときは、2年3年で見直して、年金部会等で議論するようにしておけば、十分それで足りると思っています。

 それは法律改正でやるということにしてしまうと、多分事務局の手続も大変だし、法律問題になると、かえって政治の介入を招くので、原則とか考え方さえきちんとしておけば問題はないのではないかと思いますが、山口委員のおっしゃったように、本当に大事なことを法律で書いておくということについては別にやぶさかではないので、あくまで原則としては、ここに書きましたように、自由化度が大事でいろいろなことをやりたいというよりは、何が起こるかわからないから鯨のひれを縛ってはいけないと考えるべきだと思います。

 以上です。

○神野部会長 どうもありがとうございました。

 牧原委員。

○牧原委員 この問題を考えるときに、GPIFの運用の原資というのは、厚生年金の被保険者と事業主から強制徴収された保険料の一部から成り立っているということ。それから、積立金の運用に当たっては、国の年金制度上、持続可能性を確保しつつ、年金給付の一部を賄うことを期待されていることを十分自覚して議論すべきではないかなと思います。

 今回のガバナンスの話というのは、そういう資金運用という単純な観点だけではなくて、年金制度、財政上の観点を考えた上で、基本ポートフォリオがどうあるべきかということを議論される中で、今でも株式を運用の対象にしているわけですけれども、基本ポートフォリオがどういうあり方であるべきかということに関して、ガバナンスのあり方を改めて議論するということで、こういう場で議論されていると理解しています。したがって、経営委員会の中でも、基本ポートフォリオが議論の対象になっているということについては、十分理解するものであるし、そこに対して労使もかかわっていきたいということはさんざん申し上げた次第であります。

 かといって、だから株式のインハウス運用まで拡大するというのは、ちょっと議論の行き過ぎのように感じます。先日来、申し上げておりますけれども、市場に対するインパクト、民間の投資行動をゆがめるということ、それから議決権行使による各企業へのインパクト等々、非常に懸念される事項というのが多くあるわけで、先ほどもちょっと水野さんのほうからも御説明ありましたけれども、株式のインハウス運用は、パッシブから始めて、すぐ効果があるかというと、必ずしもそうでもない。

 また、アクティブを前提にしないとなると、人材育成のニーズもうすれるのではないか。さらに、今までの5年10年の中でアクティブ運用というのがどうであったかということを考えると、何のためにこの株式のインハウス運用をしなければならないのかという理由が弱いと思います。ガバナンスが整ったから株式のインハウス運用をすぐやるという議論については、非常に違和感を覚えます。したがって、株式のインハウス運用ということまで踏み込んで、今回議論することについては、強く反対したいと思います。

○神野部会長 ありがとうございます。

 原委員、あと小塩委員。

○原委員 済みません、簡単に。きょうは、いろいろとありがとうございました。私のほうから、現時点でのコメントをさせていただきます。

 まず、今回の中で、目的の中にも1つあったと思うのですけれども、運用に対する国民の信頼を高めるということが重要というのは、本当にそのとおりだと思います。と言いますのも、日本の公的年金制度はそもそも賦課方式をとっていますので、保険料拠出で制度を支えている現役世代の信頼というのが、何よりも重要かと思っております。積立金の運用というのは、賦課方式で言えば、いわば対置されるものになるので、それに関する制度変更によって、その制度を支える現役世代に思わぬ不安を与えるものになってはならないと考えております。

 例えば、まとめの中にもありましたが、その変更が現在持っている積立金に必要とされる運用利回りの確保に必要なものであるとか、あるいはリスク低減やリスク管理体制の強化ということであれば、説明としてわかりやすいのかなと思うのですが、例えば海外の公的年金の運用機関等の専門性が高まっているからとか、人材育成が必要だからとか、効率性を進めるという部分で運用改革を進める必要があるということだけだと、資産運用に対しては必ずしも積極的とはいえない日本社会の意識を鑑みても、そこは慎重にしていかないといけないのかなと思います。

 先ほどもありましたけれども、なぜ今、こういう改革を行うのかという、特に運用については、しっかりと国民に説明して、その目線で納得していただくことが必要ではないかと思います。

 特に、株式のインハウス運用については、今、牧原委員からもありましたけれども、市場や企業への影響、インパクトは強いと思いますので、なぜ今、始めるのかということはきちんと説明すべきかと思います。それはメリットの記載の所にありますとおり、マーケット情報のタイムラグへの対応とかリバランス等の効率性とか手数料とか、いろいろなことがあると思うのですが、今、こういう改革が必要な理由として、間接的にでも公的年金制度の持続性といったことと絡めた説明とか理由づけというものができると、そのあたりを説明していただけると、よいのではないかと思っています。

 まとめていただいた最後のページにあったとおり、これはもっともだなと思うのですが、個人的にはガバナンス改革を主として行っていって、運用については、必要最低限の改革というものを行うという考え方でやっていくのがいいかなと思います。その最低限というのは、先ほど、水野様がおっしゃっていましたけれども、現在の運用実務を通じて強く改善が求められている事項、例えばリスクのぶれ幅を小さくするようないわばツールといったものを使いやすくできるなどかと思います。ただし、これは、リスク管理、リスクヘッジの面からといったことだと思いますけれども。

 そういうことについては、公的年金の積立金という性格を十分に考慮した上で、今回の改革の中で対応を検討していくことも考えられるのではないかと、現時点では思っております。

 以上でございます。ありがとうございました。

○神野部会長 それでは、小塩委員。

○小塩委員 私は、インハウス運用に対してはニュートラルなのですが、パッシブかアクティブかということになると慎重に考えないといけないのではないかと思っております。

 出口委員から、我々はルビコン川を渡ってしまったという御指摘があったのですが、もしアクティブまで含めてインハウス運用を認めることになると、もう一本、ルビコン川を渡らなければならないという気がします。そこで一番考えないといけないのは、マーケットへの影響です。これはほかに前例がありませんので、非常に慎重に考えないといけないと思います。

 一プレーヤーが外部委託からインハウスにする、パッシブからアクティブにするというのとは、ちょっと次元の違う話です。先ほどから議論に出ております議決権の問題がクリアされたとしても、まだ問題が残るのではないかと思います。仮にアクティブを認めるということであれば、我々はガバナンスの議論をもう一回やらないといけないと思います。

 現時点で我々のコンセンサスになっているのは、執行部と経営委員の関係について、代表者を1人入れて、場合によってはもう一人、運用担当の人に議論に参加してもらうということですが、これは海外の運用機関における執行部と経営委員会との関係から見ると、その両者の独立性という観点から見て、ちょっと甘いなという気がします。もしアクティブを認めるのだったら、最低限、グローバルスタンダードはクリアしないといけないと思いますので、ガバナンスの議論をやり直す必要があると思っています。

 以上です。

○神野部会長 どうもありがとうございます。

 宮本委員、どうぞ。

○宮本委員 時間のないところ、ありがとうございます。

 個人的には株の運用をした経験がないので、横文字がたくさんで頭がちょっと混乱するのですが、先ほど駒村先生あるいは山口先生のおっしゃっていることを聞くと、非常にわかりやすい。多分、ほとんど多くの国民というか、被保険者は私とそんなに変わらないと思うのです。日本人は、株式運用の経験が割とない国民ですから。それを踏まえて、先ほど駒村先生もおっしゃったように、GPIFの国内市場に占める株式の保有割合は、今、7.6%、金額にすると約32兆円もある。世界最大の機関投資家という特異な存在である組織が、他の市場参加者の投資行動とか国内市場に与える影響は、ものすごく大きいものがあると思います。

 その点で、GPIFが直接株主になることは、国による民間企業の支配につながるということも懸念されますし、当然ですけれども、株式における株の価格形成とか投資行動へのゆがみ、ひずみといいますか、そういったものが生じる可能性も懸念としてあるのではないかと思います。

 もう一つは、厚生労働大臣の責任の所在の問題ですが、例えば先ほども駒村先生がおっしゃったように、厚生労働大臣というのはいろいろな認可を持っています。例えば医薬品の認可とか、あるいは医療とか介護とか、そういったところの政策判断の最高責任者。その大臣が、一方では年金積立金の管理運用機関のこれまた最終責任者ということを考えると、政治介入の可能性も含めて、市場介入、不公正な投資行動と受けとめられる懸念もこれまたあると思うのです。

 逆に、その懸念を払拭するために、厚生労働大臣の所管する、関係する企業の株式を排除すれば、これはこれで市場の健全性をゆがめることにもなりかねない。こうした意味で考えると、厚生労働大臣が認可する管理運用機関が直接株主になるということは、議決権行使の問題も含めて、私は課題が多過ぎるのではないかと思うのです。したがって、先ほど牧原委員もおっしゃいましたけれども、業務の合理化等、コスト削減がこのインハウスであったとしても、株式のインハウス運用を認めることには反対したいと思います。

 以上です。

○神野部会長 ありがとうございました。

 米澤委員。

○米澤委員 株式運用御法度という極端な議論も出ましたけれども、それで年金財政が回るのですかと逆に聞きたいわけです。賃金上昇率プラス1.7をとっていかなければいけないけれども、今、国債の利回りは幾らですかということです。プラス1.7、国債でとれるのですか。その段階で、百年じゃなくて、その前に年金財政が破綻する。もう一度そこに戻るのですかということ。

 リスクはあるかもしれませんけれども、今の状況で、見直したのが新しいポートフォリオなわけです。収益源で見ていただくと、財政赤字のために発行されている国債に投資するのか、民間企業の利益をベースとした株式に投資するのかということでもって、そこに関して、この日本経済の状況ですから民間企業の利益にも分散して投資したのですよというのが、今回の大きなポートフォリオの変更です。そのぐらい大きな視点から見ていただきたいというのが、私からの本音です。

 最後に1点ですけれども、インハウス云々に関しては、私はアクティブも含めて、1点だけ除けば、ベクトルは全部インハウスでやっていたほうが、ちょっとずつでも大きいと思っています。さっきも申しましたけれども、足すものはそんなに大きくないですが、ベクトル全体としては大きくなる。1点というのは、議決権の問題です。これは、議決権の問題は小さいとは言いません。ただ、ここに関しては幾つか、皆様方が解決の工夫を出していただいたので、ここが解決されれば、全体としてよくなると思います。

 以上でございます。

○神野部会長 ありがとうございます。

 済みません、お待たせしました。山本委員。

○山本委員 皆さんの論調の根底にあることは非常によく理解できました。要するに、これまで示された理由では、2本目のルビコン川を渡ろうというインセンティブが働かないということだと思いますので、今日の議論で、このまま押し切るということについては、時期尚早と感じます。

 今、運用益が予定どおり出ていないから、これを少しでも上げていくことが、運用方法の変更によってできるとか、直近の四半期はかなり運用益が下回っている状況だけども、その前の四半期は良かったというように、通期的な累積の数字等から見ても、これをリカバーしていくためには、どうしてもこの手法が必要であるなどの明確な理由があれば別ですが、そうではないと思います。

 それから、さっきも水野さんに質問しましたが、効率性が上がるという部分がどれぐらいの具体的な数字なのということに対してのお返事はありませんでした。私もこういう時代ですから、極力ポジティブに物を考えなければいけないと思っておりますけれども、それに勝る問題として、国による直接所有の問題があり、皆さんも指摘していらっしゃるような懸念を払拭するだけの、いろいろな理論武装が今の段階では十分ではなく、時期尚早かと思いました。

 ですので、今のシステムの中で、運用を外部委託していますから何もわからないではなく、もっと踏み込んで情報収集し、さらに成果を上げていく方向へ向けての指導力を発揮していくためにパワーアップを図るとか、ブラッシュアップしていく必要もあるのではないかと感じておりますので、2本目のルビコン川を渡ろうかどうかということについては、私としては、今の段階で決断すべきではないという意見でございます。

 以上です。

○神野部会長 平川委員、どうぞ。

○平川委員 私も、なぜ運用の改革をやるのですか、と毎回聞いているのですけれども、率直に言って、全然出てきたためしがないと思っています。ですから、そもそも改革をするのか、その理由が見えないということです。

 説明も、アクティブ前提でパッシブをやるのだと言ってみたり、いや、パッシブだけでも情報をとれると言ってみたり、いや、パッシブだけでは情報をとれないのだと言ってみたり、という状況ではないでしょうか。議事録を精査しますけれども、言っていることがちょっとよくわからないことが結構ありまして、それがまた不信感を招いていると思っています。

 先ほども、運用は上がったり下がったりしている。それをヘッジするためにやるのだということを言っていますけれども、ポートフォリオを見直して、株の割合を低めて、債券はリスクがあるという考え方もあるのでしょうけれども、ポートフォリオの組み合わせを少し見直せば、上下移動はもうちょっと細かくなるのではないかと思ったりしてしまいます。だから、何のためにやるのか、きょうの時点までよくわからないということでありまして、引き続きエビデンスを求めたいと思います。

 あと、公的機関による民間企業の支配は最大の問題でありまして、その懸念も全く払拭できていないと思います。

 以上です。

○神野部会長 出口委員、どうぞ。

○出口委員 僕が聞いた限りでは、インハウスをやれば情報が入ってくるという話は聞きましたけれども、今、平川委員が言われたように、事務局の方もGPIFの方も米澤先生も、パッシブ、アクティブで意見を変えられたような記憶はないので、そこは私も議事録を読んで確認してみます。一番議論されているのは、僕自身は、やるべき理由は明確にわかっていて、比喩になりますけれども、池の中の鯨が、鯨がいいかどうかという議論は僕も、十分あると思うのですよ。だから、基本ポートフォリオが本当にいいのかどうかというのをもう一回議論するという意見はあっても、十分いいと思うのですけれども、運用の多様化を行う理由は、まさに米澤委員がおっしゃったように、リスク量というのは基本的に基本ポートフォリオで決まっているわけで、そこは既にルビコン川を渡ったので、大きくなってしまった鯨をどうやればマーケットにインパクトを与えないで、これは小塩委員もおっしゃっていましたけれども、マーケットにインパクトを与えることは、鯨ですから、ちょっとでも変な動きをしたらみんな小魚は大変なことになるので、そのためにどういうふうにやれば、知恵を絞ってやれるかということを議論しているのです。

 基本ポートフォリオをああいう形で決めた中で、マーケットに与えるインパクトをどういうふうにコントロールし、運用を高度化し、もっと洗練させてマーケットに変な影響を与えないようにするかということを議論しているのです。もっともうけようという話は誰もしていないので、必要性は私は十分理解できたと思っています。確かにエビデンスが十分かどうかはわかりませんが、少なくとも意見を変えられたようなことは私は記憶がないので、もう一回議事録を読んでみようと思います。以上です。

○神野部会長 ほか、いかがでございましょうか。よろしいですか。

 どうぞ。

○平川委員 済みません。しつこくて。

 さっき米澤先生が出された公務員共済ですけれども、これは運用委員会は労働組合側、使用者側、同数でございますので、それを前提で出されているのだなということで受けとめさせていただきます。

○神野部会長 よろしいでしょうか。それでは、本日の議論を終了させていただきます。大変申しわけありません。私の不手際で時間をオーバーしてしまいましたことをお詫びする次第でございますが、最後まで御熱心に議論を頂戴いたしましたことを感謝する次第でございます。

 それで、これまでいただきました議論、運用に関して、またまとめさせていただいて、事務局のほうで整理したものを出させていただいて、それをベースに運用のあり方についての議論の整理を次回以降、行いたいと考えております。そういう運営にさせていただければと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、次回以降の日程について、事務局のほうから。

○総務課長 次回の開催日程につきましては、追って御連絡させていただきますけれども、既に頻繁な開催で、しかも毎回時間をオーバーして申しわけありませんが、もうしばらく御協力のほど、ぜひよろしくお願いいたします。

○神野部会長 それでは、重ね重ねでございますけれども、また御苦労いただくことがふえるかと思いますが、御協力をよろしくお願いいたします。

 それでは、本日の審議はこれにて終了させていただきます。

 最後まで熱心に御議論を頂戴いたしましたことを深く感謝申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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