ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 医政局が実施する検討会等 > 歯科診療情報の標準化に関する検討会 > 歯科診療情報の標準化に関する検討会(第7回)議事録(2015年11月25日)




2015年11月25日 歯科診療情報の標準化に関する検討会(第7回)議事録

医政局 歯科保健課

○日時

平成27年11月25日(火) 13:00〜15:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用21会議室


○議題

(1)歯科診療情報の標準化に関するデータセット(案)について
(2)その他

○議事

○和田課長補佐 

ただいまより、「歯科診療情報の標準化に関する検討会」第 7 回を開催させていただきます。委員の皆様におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日は参考人として、新潟県歯科医師会の松崎様、瀬賀様に御出席いただいております。また、オブザーバーとして警察庁より金平様、五味様に御参加いただいております。

 事務局に異動がありましたので御案内申し上げます。専門官の綿本です。なお、今回の検討会については公開となっておりますが、カメラ撮りについてはここまでとさせていただきます。以降の議事進行は住友座長にお願いいたします。

 

○住友座長 

皆様こんにちは、住友です。本日は議題にありますように、歯科診療情報の標準化に関する実証事業の実施状況等についての御意見を頂きます。本日の資料について、事務局から説明をお願いします。

 

○和田課長補佐 

配布資料の確認をさせていただきます。議事次第、委員名簿、座席表、資料 1 「歯科診療情報の標準化に関する実証事業の経緯と今後の展開について」、参考人から御提出いただいております資料 2 「平成 27 年度モデル事業の進捗状況」はパワーポイント形式の資料です。同じく参考人から御提出いただいております資料 3-1 「身元確認に資する歯科情報(標準データセット)」、資料 3-2 「検索(スクリーニング)のための歯科情報」です。参考資料 1 「歯科診療情報の標準化に関する検討会」設置要綱、参考資料 2 「歯科診療情報の標準化に関する実証事業」仕様書です。参考資料 3 は、前回 9 8 日に行われた「第 6 回歯科診療情報の標準化に関する検討会議事録」です。資料は以上ですが、乱丁、落丁などございましたら、事務局までお知らせください。

 

○住友座長

 議事に入ります。最初の議題は、本年度の事業の経過について説明をお願いします。

 

○綿本専門官

 事務局より、これまでの事業経過について御説明いたします。皆様も十分に御承知のこととは存じますが、改めて今一度本事業及び検討会の経緯を御説明いたします。資料 1 を御覧ください。本事業は 3 11 東日本大震災において、身元不明遺体の歯科所見と、生前歯科診療情報の照合による身元確認の有効性が改めて確認されたことに端を発しています。

 しかし、その中で津波による歯科医療機関の被災により、歯科診療情報の収集に困難をきたしたこと、歯科診療情報の統一化が図られておらず、人海戦術によるデータの再入力等の必要が生じたことなど、重大な問題が浮き彫りとなりました。したがって、これらの問題を解決し、大規模災害時の歯科所見を用いた身元不明遺体のスクリーニング及び身元確認を、大規模かつ効率的に行うことができるよう、平成 25 年度から本事業及び検討会を開始いたしました。

 平成 25 年度では、生前の歯科診療情報としてレセプトデータに着目し、初診時の残存歯数と、被治療歯の状態変化を反映した口腔内の状態と、口腔内をデンタルチャートで記録したものを比較し、約 65.7 %の対象者について、検索リスト上位 1 %に絞り込みが可能であることが示されました。したがって現在、歯科で最も使用されているデジタルデータであるレセプトデータを、生前の歯科情報として使用することは、身元スクリーニングや、身元確認に資するデータであることが示唆されました。

 平成 26 年度では、レセコン(レセプト・コンピューター)で使用する歯科診療情報及び遺体から採取する歯科情報の統一化を図るため、歯科情報標準化の基となるデータセットの検討を行いました。いわゆる標準データセットの初期段階となります。また、先ほど申し上げた、災害による歯科診療所又は病院の倒壊・消失などによる診療録、コンピュータの消失に対応したデータの保存方法についても議論が始まりました。したがって、今まで統一されていなかった歯科診療情報に共通したコードを持たせる標準データセットの策定が検討され始めました。

 引き続き平成 27 年度では、標準データセットの更なる改変が加えられ、本日の資料にあるような詳細なものとなっています。本検討会当初の目的を試みると、このような詳細な分類ではなく、身元スクリーニングに資する項目のみを取り上げればよいということになります。しかし、本検討会は、歯科診療情報の標準化を掲げるものであり、歯科診療情報のほとんどをコード化し、統一し、標準化を図る必要もあります。

 その観点から申しますと、この標準化データセットは歯科診療情報の基盤となるもの、すなわち母集団となります。このデータセットは、将来的に電子カルテでの活用、身元特定、医療 ICT 化なども視野に入れ策定されています。今後、本データセットの活用法については、例えば身元スクリーニングに使用する場合があれば、実績のある 5 分類、若しくは 26 分類に当たる情報を選択するなど、実際の使用用途に応じて、このデータセットから必要なものを抽出し、歯科情報として使用していただくこととなります。詳しいデータセットの内容に関しては、新潟県歯科医師会に説明をお願いしております。

 資料 1 の右上部に示されているシェーマは、各診療所、病院でのレセコンデータを標準化し、そのデータを保存し、身元スクリーニングや特定などに利活用する構図となっています。以上です。

 

○住友座長

 当初は、大規模災害時の歯科所見を用いた身元不明遺体のスクリーニング及び身元確認ということだったのですが、これをいろいろやっているうちに普遍性といいますか、いろいろな所で活用できることが分かってきました。当初の方向性と違うのではないかという御意見をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。流れとして、こういう形で幅広くやっていこうということです。そろそろ何か絞らなければいけないということが本日の議論だと理解しています。今の、事務局からの経過説明について御意見がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。そういうことでの発言がありましたら、その都度お受けいたします。

 今の経過説明に続いて、御提出いただきました資料 2 及び資料 3-1 、資料 3-2 に基づき、事業委託先である新潟県歯科医師会より、平成 27 年度モデル事業の進捗状況及び標準データセットについての説明をお願いいたします。この内容が、本日の論点、そして承認事項となります。また、私を含めてですけれども、ロジック・ツリーに馴染みがないとか、これに苦手意識のある方もいますので、できるだけ分かりやすい説明でお願いいたします。それでは、新潟県歯科医師会からお願いいたします。

 

○(一社)新潟県歯科医師会松崎参考人

 新潟県歯科医師会の松崎です。最初に一言御挨拶させていただきます。新潟県歯科医師会が、本事業を受託してから、本年度で 3 年目になります。その間、東北大学副学長の青木先生、座長の住友先生をはじめ、多くの委員の先生方並びに関係各位の御協力を頂きまして、歯科診療情報の標準化に向け、各事業とも着々と成果を上げてまいりました。ここに改めて感謝申し上げます。

 本年 9 8 日に開催された第 6 回検討会において、本年度事業案が承認されました。また 10 28 日に新潟県で開催した歯科診療情報の標準化に関する実証事業推進委員会第 1 回全体会において、その具体案を検討いたしました。昨年度定義した口腔状態標準データセットは主に身元検索、すなわちスクリーニングが目的でしたが、本年度は、歯科用レセコンから、より多くの身元確認に資する情報を抽出・保存することを目的としたデータセットを拡張いたしました。

 本日資料を提示させていただきましたけれども、青木先生の御努力により、身元確認のための生前の歯科情報、あらゆる分野において定義できるものと、ほぼ完成に近いものができたと思っています。また、歯科情報のデータ管理、バックアップ体制についても検討いたします。詳細の説明については、担当の瀬賀より行います。本日は、なにとぞよろしくお願いいたします。

 

○(一社)新潟県歯科医師会瀬賀参考人

 新潟県歯科医師会の瀬賀です。資料 2 を御覧ください。私ども新潟県歯科医師会が受託いたしました、平成 27 年度のモデル事業の進捗状況について御説明いたします。スライド番号 2 は、これまで検討会において御説明してきたとおりです。先ほど綿本専門官からもお話がありましたが、東日本大震災における身元確認の中で、改めて歯科による身元確認の有効性が実証されました。宮城県を例に取ると、身元確認の手段については、身体特徴や所持品等が約 86 %、歯科が 10 %、 DNA 1 %、指掌紋が約 3 %となっています。そういう身体特徴や所持品等を除いた残り 14 %、そのうちの約 7 割が歯科による身元確認の手段に使われています。

 こういうことがあって、歯による身元確認の有効性が改めて実証されました。先ほども説明がありましたが、これには課題として大きなものが 2 つ挙げられています。 1 つ目の課題は、歯科診療情報の消失です。津波等によって歯科情報が失われる事態が多発しました。平時においても、様々な理由で歯科情報が失われることがあります。よって、歯科情報の保存、バックアップのしくみを早急に整備することが不可欠である。

2 つ目の課題は、行方不明者の口腔状態の推定と検索に係る作業です。東日本大震災では、歯科医療機関から紙媒体の診療録を入手し、多大な労力をかけて解読する必要があった。宮城県では「カルテ起こし」と呼んでいましたが、歯科医院からカルテを借り、それぞれ 1 枚ずつカルテを読みながら推測して情報を作っていった事例があります。対象者の口腔状態の推定と検索データの作成に膨大な時間を費やしました。こういうことを踏まえ、大きな課題が 2 つ挙げられました。

 私ども新潟県歯科医師会が、歯科診療情報の標準化事業を受託し、今年で 3 年目になります。これまでは主に 2 番目の項目、歯による身元確認、身元検索においてどのような歯科情報が必要であるかの検討を行ってまいりました。先ほどもお話がありましたが、検討会において御意見が出ている、 1 番目のバックアップの課題がありますので、本年度はこれを踏まえ、本年度事業案を策定いたしました。

 スライド番号 3 です。 9 8 日に開催された、前回第 6 回検討会の中で、平成 27 年度事業案を御承認いただきました。本年度の事業項目として大きく 4 項目あります。 1 番目はデータセット(階層構造)の拡張です。昨年度定義した「口腔状態標準データセット」が身元の検索(スクリーニング)を目的としています。本年度については、歯科のレセコンや電子カルテ等のシステムから、できるだけ多くの身元確認に資する情報を抽出・保存することを目的としてデータセットを拡張する。 2 番目は、拡張したデータセットのフィジビリティ検証です。このデータセットの表現能力を総合的に検証する。 3 番目は、データバックアップの検討です。歯科情報の保管・バックアップ等についての検討です。 4 番目は歯科レセコンへの実装に向けた検討です。レセコンの実装に向けてデータの仕様を検討する。

 前回の検討会でも御説明いたしましたが、本年度事業はこの 4 項目の中で、一番大きなウエイトを占めるものが 1 番目のデータセットの拡張の部分になります。検討会で御承認いただいた後、すぐにワーキンググループを立ち上げ、急ピッチでデータセットを検討しています。現在、全力を挙げてこの拡張案の検討を行っています。それが、本日配布いたしました資料です。資料については後ほど順を追って御説明いたします。

 スライド番号 4 です。 1 番目の事業項目であるデータセットの拡張の部分です。昨年度策定した階層型のデータセットを用いると、高精度に身元の絞り込みが可能であることは実験により立証しています。しかし先ほどの課題の中で御説明いたしましたが、東日本大震災等もそうなのですが、津波によって歯科医院自体が罹災し、生前の歯科情報がなくなってしまった事例があります。その他にも様々な理由で生前の歯科情報が失われることが考えられます。スクリーニングという観点で捉えると、昨年度策定した階層型の構造による歯科情報でも十分こういうスクリーニングは可能なのですけれども、身元確認の観点で捉えると、更に生前の詳細な歯科情報が必要であると認識しています。

 このように生前の歯科情報自体が津波で流されてしまうようなケースを想定すると、緊急時に備えて、より詳細な歯科情報を保存する。要するにバックアップとして、歯科レセコンや電子カルテ等から、身元確認に資する情報として抽出できるデータは可能な限り取っておこうという考え方に基づきます。昨年度、私どもが御提示いたしました階層構造による歯科データセットは米国歯科医師会( ADA )が策定した法歯学のデンタルデータセット( ADA 仕様 1058 )を参考としています。これを拡張し、 ADA とか、現在 ISO でこういうデータセットも策定中なのですが、 ISO が策定中のデータセットと同程度の分解能を持ち、かつ海外の規格とも整合性を持つようなデータセットを本年度は策定してまいります。

 一番下に書いてありますが、日本には世界に誇るべき、優れた医療保険制度があります。歯科医療についても既にしっかりと体系化されていますし、整理もされています。現在、このデータセットを検討する上でも、国内の医療保険制度を十分に考慮しながら、むしろこういう諸外国、海外と比べても、先進的であろうというデータセットを定義してまいりたいと、そんなことをワーキンググループで検討しています。

 スライド番号 5 です。前回の検討会でも若干触れましたけれども、 ISO についてです。 ISO と身元確認の関連について若干補足で御説明いたします。一般的に ISO というと、機械や規格の国際基準を定義するイメージがあります。いわゆる日本の規格であれば JIS 規格になります。 ISO の規格の中ではいろいろな番号があります。 ISO/TC106 の「 106 」という番号が歯科部門になります。この中で TC (専門委員会) 106 は歯科全体の ISO の部分になるのですが、歯科で使用する機器の国際規格を決めています。

 その中で、更に SC と呼ばれる分科委員会とか、その下に細かいワーキンググループ等もあります。 SC の中で、 SC3 という委員会があり、そこで歯科用語の国際規格を決める委員会があります。身元確認にかかる歯科用語の国際的な規格というものはありません。先の東日本大震災を経て、 2012 年の ISO 総会において、 TC106 の議長から、法歯学的な標準の必要性という意見が出てまいりました。これを受けて 2013 年、一昨年私どもが厚生労働省の標準化事業を受託したのと同じ年になりますけれども、 ISO の仁川会議においてこの検討が開始されました。正式に本年度( 2015 年)に ISO のバンコク会議が行われ、その中で正式に身元確認のワーキンググループが設置され、国際規格、標準規格に向けての検討が ISO でスタートしました。

 この ISO のワーキンググループで策定中のデータセットが、先ほど御説明いたしました ADA のデータセット 1058 を基にしています。私どものデータセットも ADA 1058 を基にしています。 ISO については日本歯科医師会の御指導・御協力を頂きながら、本年度の会議に参加させていただき、意見交換を行うこともできました。改めて日本歯科医師会には感謝申し上げます。

 スライド番号 5 の左側に、現在 ISO で策定中のデータセットを記載しています。 Tooth Status Mouse Status 、その中に幾つか項目があり、歯周、咬合、補綴、硬組織、軟組織、最後にまた Material 、材料のこういうデータセットがあります。 ISO で定義しているデータセットについても、基本的な考え方は私どもと全く一緒です。階層構造を成すものですし、これと同等の考え方に基づいて、我々が今検討中のものがこの右側にある、「身元確認に資する歯科情報(標準データセット)」です。この中については先ほども若干触れましたが、 ISO で検討している TC106 の部分に加え、更に国内の保険診療を加味した、より詳細なデータセット、むしろ ISO より詳細なデータセットになるかもしれませんけれども、保険診療も考慮したデータセットを考えています。当然のことながら、 ISO とのデータ互換についても十分に配慮しています。

 スライド番号 6 です。本日配布いたしました資料 3-1 と併せて御覧ください。1「身元確認に資する歯科情報(標準データセット)」なのですけれども、今回策定したデータセットの概念を御理解いただきます。座長からもお話がありましたが非常にボリュームが増えています。こういうことについても若干御説明いたします。 1 番を見れば分かるのですが、非常にボリュームが増えています。昨年度末に提示した階層型のデータセット、いわゆる Excel で黄色いシートを作りましたけれども、それに比べると非常に量が多くなりました。

 今回このデータセットを検討するに当たり、そもそも歯科医療で用いる情報の中で、身元確認に資する情報としていかなるものが存在するか。全体像を明らかにすることを目的として、多彩な分野の専門家の先生方に、ワーキンググループのメンバーとして御参画いただきました。この中で、身元確認に資する歯科情報を網羅する包括的なデータセットということでこちらを策定してまいりました。この策定に当たっては先ほどの御説明のとおりですけれども、現在 ISO で進行中の国際標準規格の検討に倣い、要するに情報の詳細度の異なる特徴記述子と申しますけれども、こういうものを用いた階層型データセットを採用しています。

 資料 3-1 のページ番号の 1 とページ番号 2 が歯のデータセットです。この歯のデータセットの中で、赤い文字、赤枠で囲われた部分が幾つかありますが、この部分が歯科医院にあるレセコンから抽出可能な歯科情報です。ただ、レセコンですから保険診療の保険請求を目的としたものですので、インプラントなどの自費診療に関わる部分を抽出することは非常に難しいところです。こういう中で、赤い枠の部分について、実際にレセコンからどういう部分が抽出できるのかを詳細に詰めています。

 この中でまだ検討中の部分はありますけれども、このレセコンの中で抽出可能な情報については、既存のレセプト電算コードや MEDIS といった所に出ている歯科病名マスターというものからひも付けられるものを、今はこういう形でリストアップして赤い印でチェックしています。内容は精査中なのですけれども、その他にも赤い印が付く所が増えています。こういう形で十分精査している段階ですので、項目がこれからまだ増えていくということを御理解いただければと思います。

 今お話したとおり、歯のデータセットが1です。2がこちらにあります。簡単に御説明いたします。 1 枚目左から歯のデータセットということで、上から情報の日付、歯の番号、その中で歯の状態、歯の欠損、補綴があり、上からインプラントですとか、ポンティック等の情報が入ってまいります。

2 ページも同じく歯のデータセット 2/2 になります。歯があり、上は修復なし、いわゆる健全歯、全く何も手を付けていない歯です。歯がありの中でも、歯冠修復の種類、部分修復、全部修復。その下で根管の処置、面、付加情報と細かい部分があります。付加情報の中でも、例えば C 0とか、う蝕、二次う蝕というものまで一応網羅しています。これがイメージとして、歯のデータセットです。この中で #1 #2 #3 と出てまいりますが、これはこのデータセットの中で更に貴重な情報。材料の部分もあるのですけれども、そちらとつながるというイメージで捉えていただければ結構です。

3 ページ、 4 ページが、有床義歯、要するに義歯のデータセットです。 1/2 2/2 2 つあります。これも先ほどと同じような解釈で、有床義歯のデータセットということで、当然、上には同じ日付などの情報が入ります。種類、全部床義歯、オーバーデンチャー、このオーバーデンチャーの中には、インプラントだけではなくて残根上義歯も含まれています。その下に部分床義歯、 4 ページで付加情報として顎義歯とか修理の状況までこちらでカバーされています。先ほどと同じ理解で、この赤い部分については、レセコンから抽出可能な歯科情報です。

5 ページは、ブリッジ・連結冠のデータセットです。こちらはほとんど赤いものでカバーされていますけれども、大体こちらの情報についてはレセコンから抽出できるというような理解で対応しています。

6 ページは、矯正装置のデータセットです。矯正装置のほうのデータセットの検討が遅れていて、若干進んでいない部分があるのですが、今はこういう形にできています。矯正装置ですから、保険診療でカバーできない部分が多いです。矯正装置のデータセットということで、可撤式とか固定式という区分を含め、今こういう様々な情報を網羅している段階です。

7 ページは材料のデータセットです。材料のデータセットということで、歯冠部・ポンティック用の材料、根管充填材料、ポスト・コア用材料、人工歯用材料、床(義歯)・矯正装置用材料ということで、この材料はそれぞれの用途に応じて分けています。その中には更に金属色、歯冠色等様々な形で分類しています。先ほども申し上げた中に歯科のデータセットがあって # の番号が付いていました。その # の番号が、この材料のデータセットと結び付くと御理解ください。

8 ページから 13 ページまでが口腔病理のデータセットです。いわゆる軟組織や硬組織等も含めたデータセットです。

1/6 で口腔病理のデータセットです。単純に身元確認という観点で捉えると用途が限られてくる部分もあります。先ほどの御説明のとおり、バックアップの観点、場合によっては身元確認の観点から、レセコンから抽出できるものはとにかく出しておこうということでこちらに全部挙げてあります。歯の発育状態、歯の欠損、歯の形成異常というものがあります。 2/6 も同じく口腔病理のデータセットで、歯の位置異常、歯の変化というものを記載してあります。 3/6 が歯周組織の変化です。歯列弓形態の異常、上下歯列弓関係の異常等、外骨症とあります。このような項目を全部カバーしています。 4/6 には唇裂・顎裂・口蓋裂等がありますけれども、その他骨折に関わる部分まで非常に細かく分類して精査しています。 5/6 は同じく固定装置の部分とか、組織の欠損、硬組織の欠損、軟組織の欠損というものも全部記載してあります。

6/6 は、口腔内の色素沈着・ Tattoos 、ピアスとあるのですけれども、国内だと口腔内の Tattoos 、最近はピアスもあるのかもしれませんけれども、こういうものは余り見る機会がないのかもしれません。実は、 ADA とか ISO のデータセットに、口腔内の Tattoos とかピアスといった情報も網羅されておりますので、そういう部分を踏まえ、互換性もそうですけれども、こういう情報も全部盛り込んであります。

 今説明したものが、今回のデータセットで非常に多岐にわたるのですけれども、項目としては全部で 6 つのデータセットがあります。 1 番目は歯のデータセット、 2 番目が有床義歯のデータセット、 3 番目はブリッジ・連結冠のデータセット、 4 番目は矯正装置のデータセット、 5 番目は材料のデータセット、 6 番目は口腔病理のデータセットの 6 項目からなるデータセットを策定しています。詳細については、パッと見ただけではなかなか難しいと思うのですけれども、網羅できるものは網羅したつもりです。

 今、検討しているのが、この各項目にそれぞれコード番号を振ります。その中でデータとして、必要に応じ、それぞれ関連する項目をひも付けて、該当するコードの記述をすることを想定しています。例えば、歯のデータセットでは、部分修復、インレー・アンレー等、あるいは部分修復の部分は 2 番とすると、 2.1.1.1 でインレーの情報がある。その中でインレーに付随する情報として、先ほど申しました材料の部分に、材料に該当する部分のコード番号が付与されます。そのようにひも付けて連結される、そんなイメージで御理解いただければよろしいかと思います。先ほどから御説明しているとおりなのですけれども、身元確認に資する歯科情報として必要と思われるものをとにかく包括的にまとめたものがこちらのデータセットです。

 スライド番号 6 を御覧ください。身元確認の観点から捉えると、その他にも口腔内写真とか、 X 線等の画像情報、更に模型などもそうですけれども、こういう情報も身元確認の観点から捉えると必要になるかと思います。現在の段階だと、こういうデータセットということでテキスト情報のみとしておりますが、当然これを全てデータとして身元確認に使うということではありませんけれども、この中で赤枠で囲われた部分が、先ほどから申しております保険診療のレセコンから抽出する部分になります。

 全体を通して御覧いただければイメージとして分かるかと思うのです。私どもが作業をしている中でかなり多くの部分がこの赤枠、要するにレセコンから抽出できそうだということが分かっています。今はそんな状況でいるのが、データセットの 1 番の全体像の部分です。

 資料 3-2 を御覧ください。「検索(スクリーニング)のための歯科情報」です。先ほど御説明した部分についてはフルバージョンとして、包括的なデータセットです。実際に身元確認の検索のときにはどうするか。ここから身元確認の検索、スクリーニングに使う情報をピックアップしたものがマル 2 と御理解いただければと思います。マル 2 をめくって歯のデータセット 1/2 2/2 とあります。青い印の付いているのが、昨年度、私どもが策定したデータセットによる歯科情報です。今回はこれに若干項目を加えたものになります。先ほど全体像、フルバージョンをお示しいたしましたが、これに比べると随分コンパクトなイメージになります。その中で身元の検索に必須となる歯科情報 4 分類、この赤い部分です。 1/2 の所から見ると欠損の部分。次のページで言うと、修復なし、部分修復、全部修復。これに、更に情報なしというものを加えると 5 分類になります。これが赤い部分になります。もちろんこの赤い部分だけを使って身元の検索を行うこともできます、全く問題ありません。

 以上が、私どもが現在検討しているデータセットです。これから関係各位に意見聴取を行う中で、もしかしたら若干修正等があるかもしれませんが、標準データセットとしては、ほぼ完成型に近いものができているのかという認識でいます。先ほどから申しておりますとおり、フルバージョンのほうは非常にボリュームが多いのですけれども、とにかく挙げられるものは全て挙げるという形で今回はこういうものを作っています。これが、今私どもが取り組んでいるデータセットです。

 スライド番号 7 を御覧ください。本年度の事業項目の 2 番、 3 番になりますが、ただいまデータセットの策定について御説明いたしましたが、全力を上げてデータセットの策定に取り組んでまいりました。 2 番、 3 番についてはまだ作業が進んでいない段階です。これから 2 番、 3 番については早急に検討に入る段階ですので、詳細については次回検討会で御報告させていただきます。

 スライド番号 8 を御覧ください。冒頭に座長からお話がありましたが、本年度は標準データセットの策定が大きな目的となります。このデータ形式が決まると、いよいよ実際にレセコン等への実装も可能と考えられます。身元確認の支援機能を搭載したレセコンとか、電子カルテへの機能搭載に向けてそのフォーマット、その規格を検討するのが本年度の事業項目の 4 項目目になります。これについても非常に多くの細かい作業が考えられますけれども、ワーキンググループで皆さんの御意見をお聞きしながら早急に検討を進めてまいります。

 スライド番号 9 を御覧ください。今御説明申し上げたものが、本年度の私どもの事業概要です。事業の進捗状況を御説明いたしました。ワーキンググループを設置し、これまでに 3 か月ほど検討しました。延べ回数では 10 回以上重ね、詳細についてデータセットの拡張について検討してまいりました。ワーキンググループには非常に熱意のある先生方がおられて、皆さんで真剣にディスカッションをして、場合によっては議論が深夜に及ぶこともありました。こういう関係の先生方の献身的な御努力により、ようやくこのようにデータセットとして形にすることができました。本日傍聴席におられる東京大学の井田先生、東北大学の富士先生にもワーキンググループに参加していただきましたが、お二方にも非常に御協力を頂いています。こういう関係の皆様方に改めて御礼申し上げます。

 本年度事業は残り数箇月になりますけれども、今後はレセコンへの実装、次年度の事業にあるかと思いますけれども、レセコンへの実装を始め、標準化によって可能になるものの項目を幾つか挙げております。こういうものの実現に向けて、一歩でも近付けるように努力してまいります。検討会の先生方におかれましては、今後とも御指導、御協力を賜りますようお願い申し上げます。以上をもちまして、私どもの本年度のモデル事業の報告を終わらせていただきます。

 

○住友座長

 青木先生、何かございますか。

 

○青木委員

 かなり詳細に説明していただいたので十分なのですが、表紙にお名前が列挙されておりまして、本日、傍聴にもお出でいただいておりますが、このワーキンググループの先生方が大変御苦労されて検討いただいているということです。その中で名前が抜けている方がおられるのですが、うっかりしまして BSN アイネットの松本さんです。グループに加わっていただいて、全ての委員会で頑張っていただいています。松本さんの名前が抜けておりまして、誠に申し訳ありませんでした。

 昨年度の事業は、とりわけ歯科情報の検索絞り込みに関してフォーカスしておりましたが、思い出していただくと分かるのですが、昨年度の検討会で、レセコン、電子カルテ、ほか大学におりますと、各種の歯科医療情報システムに蓄積されているたくさんのデータがありますが、そのレセコン、電子カルテ、ほか、各種の歯科医療情報システムを想定して、それらに蓄積されている多様なデータの中から身元確認に資するできるだけ多くの情報を抽出して、保存、バックアップすることを検討すべきという議論になりました。これは玉川先生も口腔状態のスナップショットとおっしゃっているもので、議事録にもきちんと残っている内容です。

 この目的をもう一度思い出していただきますと、東日本大震災では歯科医療機関の被災によって、非常に多くの診療情報が失われて、当初、身元確認の判明率が上がらずに、大きな支障を来しました。とりわけ宮城県の北部、あるいは岩手県、この比率は瀬賀さんがよく御存じで、 7 割とかそういう診療録がなくなるという地域もありまして、そのようなことで大きく支障を来したということです。もし、レセコンとか電子カルテの内部データから、できるだけ多くの身元確認に資する歯科情報を救い出して、統一フォーマットでバックアップしておくことができますと、その情報を検索、あるいは先ほど出てきた鑑定などに活用することが可能になります。もし、逆にこの情報の定義がいい加減だったり、あるいは手抜きをしたりしますと、その分、情報量が減少してまいりますので、これについては相当の覚悟が要るのではないかということで、ワーキンググループのメンバーがそういう意識で考えてまいったということです。その内容を検討会に精査していただいて、必要な御指示を頂くということかと思います。

 そういう意味では、ワーキンググループの中では、歯科診療情報の中で日常診療も含めて、あるいは大学病院等の診療も含めて、身元確認に資する情報としてどのようなものがあるかということを、それぞれの分野の専門家に知恵を絞っていただき、今回のものはいわゆるマスターなのですが、そういう意味で言うとそんなに規模は大きくないのですが、マスターとして単に列挙するだけではなくて、体系化された、構造化された素案(身元確認に資する歯科情報(標準データセット))として検討会の先生方に御提示しようということになりました。

 実際にレセコンのメーカーがこれを考えるときは、全部をプログラムで実装するということは全くありません。これはあくまで、「こういう用語がございます」、「こういうコードを使うことができます」ということを意味しています。自分のレセコンの中において、こういうコード(用語)を使うことができるのであれば、そこから選び取って、その部分を御使用になるという形かと思います。そういった意味で、検討してまいったということです。

 先ほど瀬賀さんからお話がありましたが、諸外国の関連で、これは特に ADA American Dental Association )ですとか、あるいは ISO (国際標準化機構)の議論を踏襲したデータセットになっております。また、我が国の保険診療制度は既に規格化されておりますので、そういったものが含まれて、きちっと、海外より優れた体系になっていると考えます。実際にこのことは海外の ADA 及び ISO の両方のデータセットの定義を手掛けているケネス・アシュハイム先生という方がおられるのですが、バンコク及び東京でミーティングを行って、非常に高い評価を頂いているということです。バンコクでは東北大学のメンバー及び新潟県歯科医師会のメンバー以外に、日歯の小泉常務もお越しいただいて、 2 日間にわたって議論に加わっていただいております。アシュハイム先生は、日本側の優れた着想をできるだけ取り入れたいということで、今リクエストを頂いているところです。

先ほど瀬賀さんから説明があったとおりなのですが、今回の全体像(身元確認に資する歯科情報(標準データセット))の中で赤い枠で示した所が、 BSN のアイネットの松本さんに、専門的な観点からレセプト電算処理システムの各種マスターおよび医療情報システム開発センター( MEDIS )の病名マスターと対応付けができる(既に対応付けがある)記述子を抽出していただいたものです。もちろん、これら全ての情報が実際の歯科医療機関で、すぐに、例えば普通の歯科医院で用いられているということを言っているのではなくて、マスターに存在するという意味で、一定程度考慮しておく必要があるということです。

 こういった形で、全体像ですが、少し瀬賀さんの話を補足しますと、福島の工藤委員がおられますが、工藤先生が定義された日本歯科医師会のデンタルチャートがあります。これは柳川先生が担当役員のときに策定されたのだと思うのですが、この中では口腔病理のデータセットの中の「歯の位置異常」とか「歯数の異常」とか「形態の異常」、「咬合関係の特徴」などが含まれております。こういったものも配慮して、データセットを想定しているということです。

 それから、小室先生が御指摘されている、検索では警察業務で全部手入力というのは難しいというか、大変だということで、検索という観点で重要になる記述子についてです。今、 4 分類ですが、情報なしを入れると 5 分類の記述子、この実績のある記述子についても、先ほど申し上げた別紙(検索(スクリーニング)のための歯科情報)に記載があります。こういった形で、全体像(身元確認に資する歯科情報(標準データセット))から抜き出して、考えていくといいのではないかということです。

 ひとまず体系的にまとめさせていただいたのですが、実際のレセコンや電子カルテからどのようにしてデータ抽出を行うかということについては、特にこの中でとりわけ重要度が高いという通常診療で使うもの、あるいは大学病院でも使うものがあってもいいと思うのですが、こういう記述子については、その記述子ごとにこのようにしてデータを抽出します、こういう条件に当てはまったらこの記述子が 1 になります、真になりますということで、それを表にまとめて技術者にとって曖昧さがない格好に持っていきたいと考えているところです。もし今回、こういったことでお許しいただけましたら、修正すべき項目、追加すべき項目等、各方面に意見聴取していく必要があるのではないかということで、それをもって東日本大震災で学んだ教訓の社会実装の一端になるのではないかと考えております。以上で補足説明をさせていただきました。

 

○住友座長

 ロジック・ツリーという言い方がいいのか知らないのですが、非常に論理的に分類されていて、これは標準的な教科書のために大変良いのではないか、これが現場と非常に直結しているから、そういうものの考え方も必要なのではないか。それも例えば保存とか補綴とか歯内とか、そういう一つ一つのものではなくて、それをトータルしているのですが、しっかりと分類できていると。素晴らしいものができたと、最初に褒めてしまったらバイアスが掛かって質問しにくいかもしれませんが、問題点もあるかもしれませんので、皆さん方からの御意見も頂ければと思います。お名前を言って質問に入ってください。よろしくお願いします。質問がありませんのでこちらから指名させていただきます。いつもこういうときの困ったときの柳川委員、いかがでしょうか。お願いします。

 

○柳川委員

 御説明ありがとうございました。私でも進んでいるなということがよく分かるような御説明でしたし、座長がおっしゃるように系統立ったまとめ方で、多分、青木先生や玉川先生が入っていらっしゃいますので、医療情報学会的なまとめも、そういう手法も捉えていると理解しています。ただ、細かな技術的な話に私は質問は全くありませんので、 1 点いいですか。

 最後に青木先生がちょっと触れられましたが、抽出する方法などをこれからやっていくという話ですが、こういって標準化が進んでバックアップができるような形になる。各レセコンメーカーの方が同じ形式でバックアップしていくというところまでは理解したのですが、今までこの委員会でも何回か申し上げた、冒頭座長が懸念された点ですが、その後に警察の方とか市町の行政とか県の行政などから身元確認の要請が、しかも少人数ではなくて、ものすごい数の大規模災害が起きたことを想定すると、すごい数のものが歯科診療所に要請があると。そのときに対応できるのかどうなのかということ、当然この委員会の大きな目的だと思うのです。そのときに、また標準化が進んでバックアップができるような形にしてあっても、更に何か新たなシステムとか、もう 1 つは法整備なども必要になってくるのではないかと。平成 28 年以降の話になってしまうかもしれませんが、そういったことを心配しております。そういったことを視野に入れたものでやっていらっしゃるのは分かるのですが、その辺りはいかがでしょうか。

 

○住友座長

 瀬賀委員、いかがですか。

 

○瀬賀参考人

 今の柳川先生からの御質問の部分ですが、今回私どもがデータセットということで提示申し上げたところですが、今この項目にも上がっているバックアップの部分については、いろいろな課題が上がってまいるかと思います。そういった特に法的解釈も含めて、できましたら関口先生ですとか、こういった専門の方々からいろいろ御意見を頂戴しながら、また私どもとしては検討してまいりたいと、そんなイメージを取っております。

 

○住友座長

 柳川委員、よろしいですか。前半の部分というか、使いやすさ等について。

 

○青木委員

 玉川先生に後から補足していただければと思うのですが、現場でこれ(身元確認に資する歯科情報(標準データセット))を持っていって見なければならないのかという印象を抱かれていると思うのですが、実際はコンピュータの中にあるデータの最大限のデータを提示しているだけですので、去年、玉川先生がおっしゃっているのは全くそのとおりで、スナップショット、このデータがあると、当然、口腔内がこういう歯になっていますよというスナップショットで、例えば絵をイメージしていただいて、何番がこういう修復になっていますとか、あるいは何番にこういう特徴所見がありますということが表示されてくると。印刷でもいいと思うのですが。そのようなスナップショットの基になるデータであるというように思い浮かべていただくと、比較的理解しやすいのではないか。それが生前の資料としてはバックアップされていますので、そのスナップショットが鑑定をされる先生方の手元に届くといいますか、入手できる、確実に残ることが第一のポイントです。

 データになっていますので、小室先生がいつもおっしゃっているような 5 分類のデータ、当然それも入っていますから、そういった意味でいうと検索もできるし、そういうスナップショットとしての資料がちゃんと出てくる。そうすると、それで所見上は鑑定ができる。ただ、 X 線画像が大事だということで、法医学の先生方はよく言われるのですが、それについてはまだコストの問題等いろいろ考えなければならないことがありますので、これはそういった X 線像等は入っていないのですが、所見という意味では非常に分かりやすい形で現場にお届けできるのではないかと思います。これが生前側の話です。

 死後のデータは当然、警察の皆さんがきちんと管理されておられる。それも日歯のチャートも定義されていて、そのチャートで管理されているわけです。ただ、それを全部こういう標準データに変換するには、アナログといいますか、手書きのデータですので、これをこの形に落とすのは大変です。いろいろなことが書いてありますので、それを警察官が打ち込むというのは非常に考えにくいということで、警察側では恐らくアナログのペーパー、日歯の標準化されたチャートがありまして、その中で例えば検索に必要な 5 分類のデータを警察業務システムの中で入れて、それを生前情報と検索するところはやると。ただ、鑑定のときは、生前資料については先ほど言ったスナップショットのチャートが出てまいりまして、それから警察の方が取っているアナログのいわゆる手書きの情報が出て、その 2 つで識別をされるという想定かと思います。玉川先生に補足していただくとよいかと思います。

 

○住友座長

 今でよいですか。玉川委員お願いします。

 

○玉川委員

 この検討会が始まったごく最初のほうで、幕の内弁当という話をしました。幕の内弁当ですと、御飯は左側に、フライは右側に、真ん中にはお漬物と、大体物が入っている場所が決まっていますので、後々探すときに、お漬物を探すのは真ん中だけ探しに行けばいいだろうという話をさせていただきました。今回のこのデータは、そういう意味で非常にきっちりとした形の幕の内弁当が出来上がったと思っています。

 先ほど柳川先生が言われた、そのデータをどこに置いておくかというのと、御遺体の情報を入れられたものをどこに探しに行くかというのは、私が答えを持っているわけではありません。電子情報を医療機関以外の所に保存すること自体は認められておりますので、民間になるかもしれませんが、何かそういうことができる組織などから始まってくるのではないかと。この資料の中にもデジタル歯科情報の預かりというのもありますが、聞くところによりますと、生前の情報を自費でお預かりになっている歯科医院もあるということですし、民間ベースのほうが先に来るかもしれないなと、そのように考えております。以上です。

 

○住友座長

 昔はトンネルの中に入ると、箸をどこに持っていっていいか分からないから幕の内弁当は決まっていたのですかね。勉強になりました。ありがとうございました。先ほどのレセコンデータなのですが、これはもうセンターに集められているわけだから、赤い部分は個々の診療室で何かするということはなくて、もちろんレセコン入力は必要ですけれども、あとはセンターでいいわけです。だけど、それプラスこの黒い部分をどうするかという話で。法的な話なのですが、玉川委員も言われたように、例えばレセコンのデータとここでいつも言うように、電子カルテとはかなりまた違うのではないか。レセコンの情報はセンターに集まっているわけだから、外部に無断で持ち出すのはいけないのかもしれないですが、電子カルテとなるとちょっとまた法的な面で話が違うのではないかという思いがあるのです。これはどなたに聞けばいいですか。

 

○玉川委員

 レセコンのデータは基金に送られた後、建前上、一ヶ月とか二ヶ月とか、多分そう長くは保存されていないと思うのです。あるいは歯科医院の中に御自身でお持ちのデータもあろうと思うのですが、今回はそこを区別して考えたほうがいいのではないかと思います。大規模になった場合、先ほどのレポートの最初にもありましたが、歯科医院自体が流されてしまうということもありますので、あるメーカーのレセコンが中央のデータセンターのような所に別途持っておられる所もあります。基金に送った後、そういう所に蓄積しておられる例もあるのですが、多くはそう長い時間のデータを保存しておられるわけではないというように理解しています。

 

○住友座長

 小枝委員にお聞きしたらいいのか分からないのですが、センター制度といいますか、そこに集中して持っておくというような話はないのですか。そうしないと、例えば全部流れていってしまうと、またどのようにしてそれを選び出すかというところが大変難しい話になるのではないでしょうか。どうでしょうか。

 

○小枝委員

 いろいろ議論もあるところだと思いますが、まだそこまで突き詰めて検討しているということではないのですが、いろいろな可能性を持って検討はしているということです。例えば 1 つの考え方として、飛行機事故があったときのブラックボックスのような形で、どんな衝撃があっても、どんな状態になってもデータが取っておけるという状態を各歯科医院に作るほうが早いのではないかというところとか、各歯科医院のデータを、例えば我々歯科医師会という範囲、全国に満遍なくバランスよく配置されているところに、そういったボックスを作って、そこにしっかりデータを管理しておくほうが早いのではないか、という議論はこの間までちょっとしたところです。

 法的な問題や環境面、機能面での問題など、いろいろな制約があって、なかなかもう一歩進みにくいということがあるので、どんな津波があっても、火災があっても大丈夫なように、非会員も含めて個別の歯科医院でデータを一定期間集積して、そこに安全性を持ったボックスを作っておく。そういった方法のほうが本当は一番早いのではないかというように話はしているところです。

 

○青木委員

 住友先生がおっしゃるように、多分いろいろな方法があると思うのです。例えばよく玉川先生がおっしゃっておられるのは、いわゆる地域医療情報ネットワーク、これは私たちの宮城県ですと「 MMWIN みんなのみやぎネット」というのが維持されております。そういった所には医科の情報はバックアップなり、いろいろなことをやっている。病診連携とか、病院間の連携とかバックアップとか、そういった格好でバックアップも含めて存在しているわけですが、そこには当然歯科の先生方のデータがまだ入っておりません。ただ、原理的には歯科の情報が定義されますと、少なくとも今回のデータがもし SS-MIX の中に入ったとしますと、それが地域医療情報ネットワークの中で残るという格好で、緊急時のために残すことは原理的には可能ではないか。

 そのほか、公的な資金が付いているような部分は比較的そういうことでやれると思うのですが、もう少しどこかに集めようとすると、大体は事業費の問題になってくるのではないかと。小枝先生がおっしゃられたように、自分の歯科医院の中で何らかの形で確保しておく、あるいはメディアを、例えば歯科医師会が金庫なり何なりそういう格好で取っておくとか、いろいろな次元のバックアップの仕方があると思います。これについては厚生労働省とも相談しながら、いろいろなパターンを想定していく必要があるのではないかと感じます。

 

○住友座長

 並行してそれも考えなくてはいけなくて、また課題が出てくることになってしまいますが、とりあえず当面は今のこのツリーの議論でいきたいと思います。ただ、今のポイントについて、多貝委員、何か御意見があればお願いします。

 

○多貝委員

 歯科コンピュータ協会の多貝と申します。最初に1の全体像のほうの説明をお聞きして、これは前回に比べてかなり膨らんでいますので、我々保険診療中心のシステムをやっていますと、なじみの薄いような用語もかなり出ていて、この中からレセコンのデータにあるものを選び出して記述するのはかなり大変かなと思っていたのですが、後から出していただいたスクリーニング用の歯科情報というほうに、通常のレセコンにありそうなデータの部分だけを切り出して、検索に必要な部分を挙げていただいていますので、これからコード化は考えていくことになるわけですが、これを基にということであれば取り組んでいけるのかと思います。

 それともう一点、住友先生がおっしゃいましたレセプトのデータですが、病名については部位の情報は電子レセプトとして提出されるのですが、処置の内容については部位の情報がありませんので、基金のほうに提出しているデータからはどこの部位に何の処置をしたかというのが分かる状態のデータはないということを申し上げておきたいと思います。

 

○住友座長

 関口委員、電子カルテとレセプト等の法的なところで、先ほどの意見に対して何かコメントがありましたらお願いします。

 

○関口委員

 当然、レセプトとカルテでは情報のセンシティブさが違いますので、そういう意味でもカルテのほうが、扱いは難しくなるでしょう。レセプトのほうはもともと取得の段階から、保険請求という形での外部で利用することまで一応想定されているわけですが、カルテは基本的にそういうことはしない性質のものですから、そこでも違いが出てきます。いずれにしても個人情報なわけですが、恐らく個人情報の取得の段階では、データを保管しておいて後で身元確認という形で使うことについてまで、同意を取りながら診療に入っていくということは、現実的ではないと思うのです。ですから同意がない形での利用になると思います。バックアップの仕方として具体的な形が出てきていないので、何とも申し上げかねる部分もあるのですが、やり方によっては法的整備が当然必要になってくるのではないかと思っております。

 

○青木委員

 多貝委員のお話で、おっしゃるとおり、大学の医療機関の場合はもうちょっと複雑に取れると思うのですが、通常のレセコンですと、恐らく 5 ページの辺りまでですよね。多分、義歯とブリッジとその前、歯の部分は十分存在していると思います。ただ当然、自費の部分はまた考えないと。取れないときは取れないわけですが、 5 ページの前辺りまでは、かなりの程度のカバレッジがあるのではないでしょうか。これを全部やれというわけではなくて、この中から保持しているもののみということになると思います。ですから後半は、例えばオプショナルという考え方も十分あり得ると思います。そこは実際上、物を作るときの現実に即した格好でやっていくということではないかと、個人的には思います。ただ、玉川先生がおられるような比較的大きい病院ですと、また事情は別だと思います。そういう複数の規模がありますので、そこら辺を想定して、一応全部定義しているという格好かと思います。ここだけは安心していただきたいというのが第 1 点です。

 それから今、関口先生がおっしゃっていた部分で、緊急時に警察が診療録を入手するという格好での運用ですと、今と何も変わらない状態になりますし、法的にも何も変わらない状態なのです。いわゆる緊急時に、院長が保管している所に了解を得て持ってくるというのは、今と変わらない状況です。ただ、それを玉川先生が前に言っていらしたように、スナップショットのような格好で分かりやすく出てくるというのは、非常にいいのではないかと思います。

 どこかにバックアップとして本格的に地域で取っておこうとなったときは、やはり了解を得ていかないといけないのではないかと個人的に思っております。当たり前ですが、患者の了解、医院の了解、それと協議会のようなもの。今、医療分野では作っておりますけれども、協議会に入っていただいて了解を得た部分について、目的を明らかにしてバックアップをしていくのが筋ではないでしょうか。それはもう実際に行われていますので、そういう格好できちんとやっていくと。

 それから先ほど住友先生が、基金等のレセプト電算データを活用するということをおっしゃっていました。震災のときは実際に活用したのですが、これについて本格的にやると、一般論で言うと二次利用、目的外になります。これは請求用のデータなので。警察の緊急時の対応という意味では、利用は可能だと思います。ただ、それをどこかに集めて「この目的です」ということで、大量にどこかで集約するのは目的外になりますから、了解は得られていない状況になる。そういうことで了解の取り方とか、どこに置くのか、誰が主体となって集めるのかによって、きちんと考えていかないといけないと思います。法律違反は絶対にできないのは当然で、そういうことかなと思います。

 

○住友座長

 事務局でこれらのポイントを挙げておくと言いますか、記載をして、今後、 1 1 つ潰していく必要があろうかと思いますのでお願いします。それから、工藤委員は福島だったわけですし、青木委員からお話のあったような対応も何かなされているかもしれないので、御意見があればお願いします。

 

○工藤委員

 福島県では生前資料が得られましたので、歯科を中心とした身元確認のパーセンテージがありました。そこで、生前資料をいかに取っておくかという話になります。うちのほうでもレセプトを遺族と思われる方から出してもらってやったのですが、実は余り使い道がなかったのです。やはり期間が限定されますので、得られた情報はかなり少ないのです。ですから基本的には 5 分類でも何分類でもいいのですけれども、本当はまとまったデータが、生前資料が欲しいなと思っております。

 あと気になったのは、うちのほうはローテクでやったのですが、膨大な量になりますと、コンピュータのパフォーマンスが心配な点です。というのは、将来の話ですけれども、実装段階になってきますとレセコン 32 ビットぐらいの状況で、バックアップするのが精一杯のうちのようなものは、 5 分類で検索機能が付けられるかどうか、あるいは膨大なストックの中からそれを探すにはどうするかという問題が気になっていました。データセンターのような所で一度大きなスクリーニングを掛けてもらって、それを我々のような診療所が絞り込んだ中から選ぶ分には、大した作業ではないのです。うちでも 4,000 人ぐらいのストックがありますので。それをどうするかという問題がこれから出てくるのかなということで、その辺が心配ではあります。

 

○住友座長

 当初の方向とかなり変わって、こういう形のアウトカムができてきた。こういう流れを踏まえて、小室先生のお考えがどういうようになっているかをお聞きしておきたいと思います。

 

○小室委員

 身元確認の観点からしますと、情報がたくさんあったほうがいいというのは確かにそのとおりです。しかし所見が幾らあっても、確認できない方も出てくるわけです。例えば、全て健全歯である方は数パーセントいらっしゃる。全て歯がなくなって総義歯になってしまう方もおられる。総義歯の材料にもいろいろありますが、それは横に置いておいて、総義歯の場合やすべて健全歯の場合は全て所見としては一致してしまうということで、個人の特定には至らないのです。そういう場合にどうするか。先ほど青木先生から、 X 線の情報はまだ考えていないという話がありましたが、このような場合、 X 線情報を見て考えることは重要です。根尖の曲がり具合なども重要ですので、 X 線情報の所見をどう組み込むかは別に置いても、 X 線そのものは保存しておくという方策を取っておかないと、特定までには至らないということが出てきますので、それは是非、別の所で考えてもらいたいと思います。そうでないと身元確認の根底が揺らいでしまいます。

 それと、私たち歯科法医学を専攻している者からしますと、レセコンの情報が参考となって確認できた例があることは、もちろん知っていますが、工藤先生がおっしゃったように、恐らく情報が極めて少ないものから多様なものまであるでしょうから、少ないものについてはなかなか確認しにくくなってくるわけです。私たちの分野から言いますと、どうしてもカルテそのものが保存されたい。将来的に電子カルテになるとすれば、電子カルテそのものを保存する形にしておいて、どこかに集約的に保存されればなおいいわけですが、それができなければ前から申し上げているように、日本全国をブロック制に割り振って保存するなどのように工夫すれば良いのではと思うのです。

 レセコン情報を使って検索しようという趣旨は、私たちの中ではちょっと希薄だったかと思っております。ですから将来的には是非、電子カルテそのものを何とか保存する形にしてもらいたいと思います。法律的なこと云々があるという話もありますが、さほど障壁はないと私は思います。指紋や DNA ですと、国民感情的にも難しいところがあります。しかし診療情報そのものを使わせていただくことについては、国民にはあまり拒絶感はないのではないかと思います。

 あとは細かいことですみません。 2 番のデータセットの中で、「情報なし」というのがどこに入るのかと思うのです。「情報なし」という項目がもし入るとすれば、 1/2 の左側の「歯の状態」の次の辺りに入るのでしょうか。

 

○青木委員

 これには全部コードが付いていて、その単語がその日付で 1 行で送られてくれば、その特徴があるということです。例えば、インレーが入っている場合は当然部分修復ですが、「インレーで部分修復」という単語がその 1 行の中に入っていればあるということになります。しかし、その情報が何もないと。

 

○小室委員

 レセコンでは、情報なしというのは読めないですよ。

 

○青木委員

 いや、「情報なし」というか、その単語がその行に入ってなければ、その状態は「情報なし」ということになる。御遺体のほうは先生も御存じのように、顎がないとか歯牙がない場合に「情報なし」となる。

 

○小室委員

 レセコンですと 7 から 7 において P 病名が記されていた場合は、歯が存在するという状況は分かるのですが、そうすると「情報なし」という項目はないのですね。

 

○青木委員

 ですから、それが全部ないと「情報なし」になります。

 

○小室委員

 たまには、レセコンの中にも必ずしも P という傷病名がなくて、治療した部位のみの場合もあります。その場合、ほとんどの歯については「情報なし」ということになりますよね。

 

○青木委員

 ないということになります。ただ、ある歯牙については FMC とか、細かい面の情報も入っていることは当然あります。

 

○小室委員

 もちろんよく分かります。例えばブリッジが入っていたとして、全部冠にはおよそ支台が入っていますよね。支台を有する全部冠で構成されたブリッジを持っている人となると、相当の人数が選ばれるでしょうし、どのような全部冠かについては、更に右側に進んで見ていきますと、詳細も記録できると。これは確かによく分かりますね。

 

○青木委員

 ただ先生がおっしゃるように、警察の方がそういうものを情報化するという能力は、現場ではなかなか厳しいと思います。

 

○小室委員

 それは歯科医師である私たちのほうがやればいいのです。

 

○青木委員

 そうだと思うのです。

 

○小室委員

 その最終的な情報を警察サイドに投げ掛けて、こういう理由でこうですから、この方ではないですかということを申し上げるだけです。

 

○青木委員

 ですから検索の段階では低い 5 分類と。

 

○小室委員

 警察が判断できる材料を私たちが投げ掛けさえすれば、それで所期の目的は達成しますので、警察のほうで「どうぞ特定してください」ということではありません。

 

○青木委員

 分かりました。もう 1 点、先ほど先生がおっしゃった中で、東日本大震災で診療録の 1 号用紙、 2 号用紙をデジタルというか、打ち出してきたものがあると。レセコンというのは実際にそういう機能を持っていますので、ある程度の治療項目を打ち出して確認するというのは、結構あったのではないかと思います。工藤先生も住友先生もおっしゃっていた話ですが、基金などに行っているいわゆるレセプト電算データそのものは、非常に情報が少ないです。部位と病名がバインドしていないですよね。 1 か月以内に複数の診療をやった場合、治療行為をどの歯でやったかというのが混ざってきますので、そういう意味で言うとレセプト電算データ自体、おっしゃるように非常に使いにくい。私も現場でこれはなかなか使いにくいということでやっておりました。

 ただ、レセコンの内部データですね。先生方が診療をやっているときにスナップショットが出てきますよね。あの情報は内部にありますから、各メーカーで一定程度保持しているということで十分使えます。ですから「レセプトのデータ」と言ったときにレセプト電算のデータなのかレセコンの内部情報なのか、議論を分けたほうが良いのです。レセプト電算データを勝手に二次利用するという議論は、緊急時以外の普段は非常に理解を得にくい。ですから、そういう所よりかはレセコンに機能を追加するとか、そちらのほうが現実的ではないかという気が私はしております。

 

○住友座長

 小枝先生、日本歯科医師会の会員にこういうものが出来ているというか、こういう検討が行われているということは伝えておられると思うのですが、具体的にこうなりますという話までは、まだ会員にいっていないと思うのですが。今までのお話を聞かれて、どういう所をある程度整備して伝えるというか、整備する必要があるかということをまずお聞きしておきたいのです。後で事務局から話があると思うのですが、今回は平成 28 年度にある程度まとめて、普通に考えると平成 29 年度ぐらいからは実際の現場で活用できるという流れになるのですが、どういう所がまだ足りない感じというか、詰めていったほうがいいか、御意見があればお願いしたいと思います。

 

○小枝委員

 警察歯科医会等でのデンタルチャートの訓練には各歯科医師会において、かなり多くの先生方、一般の会員の方が受講されています。それが多くの先生に浸透し、震災に対しての対応としてごく当たり前のように、公益法人としてもやるべきことだという理解は十分に得ていると思っています。ただ、この標準化については、今年も各地区で災害歯科コーディネーターの研修会をやっていますので、災害歯科コーディネーターとなり得る方々には、進捗状況等をいろいろな形でお知らせしているという状況ですが、どういうように実装すればよいかという議論を、各歯科医院の先生にぶつけていくタイミングではまだないなとは思っています。

 しかし先ほども申し上げたように、個別の情報については、各郡市区歯科医師会に集めるのが理想的ではないかと思っております。そういった形で各歯科医院、歯科医師会の先生方にお伝えしていくということは、これからも積極的にやっていかなければいけないと思っています。今日の新潟のお話を聞いて、かなりしっかりここまでやられてきたことですから、できれば早急に実装化に向けて、日本歯科医師会のほうでも、協力して更に進めていきたいと思っております。

 また、幾つか問題があると思うのです。例えば自費と保険との関連です。自費と保険とでは当然、カルテも別にしなければならないと指導されている部分もありますし、デンタルショッピングというか、悪ければ多数の歯科医にまたがってランダムに行くという人たちに対して、どういう対応をしていったらいいかという問題もあります。それから、自費の診療の話に戻りますが、正しく今の日本の歯科というのはもともとのノーマルなもの、平たく言えば白い歯を目指しているわけです。自然感があって、本物の歯と見間違えるようなものを目指して歯科技術は発展しているわけです。その辺の整合性というのを今後は取っていかなければならないと思います。パッと見たときに全部白い歯で、きれいで何も修復されてないということも十分考えられるわけです。その辺のところはなかなか細かい難しい問題もあるのかなと、そのような感想を持ちました。

 

○住友座長

 前回のこの会議で玉川先生が、厚生労働科研の研究の話をされて、最初は突拍子もない話だと思ったけれども、今回のプレゼンに大変関係するということは認識しています。今日示していただいた標準データのデータセットとの関連性について、何かもう 1 回売り込むと言いますか、先生たちが今行っている研究で皆さんに関連性があるとすれば、どういう所でしょうか。前回からかなり進んでいるところもあると思うので、また違った意見もあるかもしれませんが、できればお願いしたいと思います。

 

○玉川委員

 突拍子もない意見がだんだん降りてきたようで、大変有り難いお言葉だと思います。初診のときの患者の口腔内の所見をとり、治療行為が行われて患者の口の中がどのような状態になっているか、最終来院日の状態を「スナップショット」と呼びましょうという提案をさせていただきました。今回、青木先生にまとめていただいたこのデータセットは、ほぼそれに近いものになってきていると思います。ほぼというのはどういう意味かと言いますと、厚労科研のほうでは診療行為と、出来上がった結果の関係のテーブルと言いますか、表や軟組織の部分なども追加をするように考えています。

 もう 1 つは実際の歯科のベンダーが 30 社ぐらいあるのですが、その 30 社で歯科のレセプトを作っておられる所で、初診のときに一体どのような情報を取っておられるのかということを、多貝さんを通じて情報収集をしているところです。それにあってこちらにあるもの、あるいはどちらかにないものを追加していくということを考えております。そうしますと初診のときの情報が大体標準化されて、診療行為は既にあるものが使えて、出来上がった結果については、こういうものが出来上がったというその一連の塊と言いますか、それをデータの用語体系というように考えているのですが、そういうものが出来上がると思っています。それを厚労科研のほうでやらせていただいています。

 

○住友座長

 一応こちらの議論を頭に入れながら、研究を進めているという理解でいいですね。補完できるものであると。

 

○玉川委員

 そうです。

 

○住友座長

 自信を持って言っておられますから、期待をしております。

 

○玉川委員

 はい、自信あります。

 

○住友座長

 それでは、参考人から何か御意見がありましたら。松崎参考人はありますか。

 

○松崎参考人

 特にありませんが、今後は先ほどから出ているバックアップですよね。いろいろな方法が考えられると思うのですが、それを集約していかなければいけないと考えております。また先生方から御意見を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○住友座長

 瀬賀参考人はよろしいですか。それでは警察庁刑事局の方々、何か御意見がありましたら。

 

○警察庁刑事局犯罪鑑識官付金平課長補佐

 特にありません。

 

○住友座長

 ありがとうございました。まだ全体的に質問をお受けする時間がありますので、何か特に発言しておきたい委員がいらっしゃいましたらお願いします。

 

○柳川委員

 バックアップをどうするか、具体的に場所や保管をどうするかというのは、これからの議論だと思うのです。レセプト電算データについては余りなじまない部分があるというのが共通理解で、実際に東日本のときも厚労のほうからだと思いますが、支払基金や保険者に早い時期に情報を提供してくれ、協力してくれという書面が出たと記憶しているので、それは現行法でもできるわけです。

 ただ、今議論があったように、日本中に 6 8,000 か所以上の歯科診療所があって、そこにそれぞれ数千名のデータがあり、そのデータをバックアップするというのは、これまでにないインフラができるということだと思うのです。私も小枝常務がおっしゃるように、当面はそれぞれの歯科医療機関がデータバンクになるような形が実際的だと思います。そういったものが、ひょっとするとデータセンターのような所に集約される可能性もありますし、クラウドのような形もあるでしょう。そういったものが出来てそこに警察から照会があった場合に、アクセスをして取り出す、身元確認に利活用するということは、現行法でも可能なのでしょうか。

 

○歯科保健課長

 関係法令を確認してみないと断言できませんが、恐らく一定の法整備は必要かと考えております。

 

○住友座長

 よろしいですか。まだほかにいらっしゃいますか。一応これをもってこの標準データセット、 3-1 3-2 の承認を頂こうかと思います。先ほどの話によると、まだ少し検討する所があるので、微細な変更は座長と担当者にお任せいただくという形で御承認を頂ければと思います。審議いたします。このデータセット、本日出てきた資料 3-1 3-2 の、マル 1 の「身元確認に資する歯科情報」と、マル 2 の「検索(スクリーニング)のための歯科情報」の 2 つについて、御承認いただける方は挙手をお願いいたします。

                                 (各委員挙手)

 

○住友座長

 全会一致ということで御承認いただきました。誠にありがとうございます。もしこの計画書に変更があって、大幅な変更があるときは、少し委員との情報交換も必要かもしれませんが、微細な変更であれば、座長とその担当者にお任せいただきたいと思います。それでは事務局から、今後に関するお話がありましたらお願いいたします。

 

○綿本専門官

 本日盛んな議論が交わされたデータセットの利活用については、今後も議論を行っていきたいと思っております。具体的には使用・用途に応じたサブデータセットの策定、データセットのレセコンへの実装及び検証、レセコンデータの保存方法などを考えております。サブデータに関してはある程度の提案がなされましたが、最終的な決定には議論が必要だと考えております。レセコンに搭載するデータセットに関しては、より多くのベンダーのレセコンに搭載していただくことが前提となりますので、幅広くベンダーの意見、及び搭載条件などを検討する必要があると思われます。

 レセコンデータの保存に関しては議論が多く交わされました。診療所や病院での保存が個人情報の保護、費用などの観点から考えて有利ではありますが、大規模災害による診療室・病院の焼失などのリスクを考えると、外部にデータを保存すること、それにより日本全国若しくは広範囲地域からの身元スクリーニングが可能になることなどを考慮し、いろいろな方法を考える必要があると考えます。しかしデータの保存方法には様々な利点・欠点や、解決すべき問題点などが多数あり、こうした点を整理するところから始めていきたいと思っております。

 

○住友座長

 先ほどお願いしたように、今日出た意見の論点の取りまとめをお願いしておきます。それはやはり次のステップに大いに関係するでしょう。それから、今日の会議は第 7 回ですが、今年度はどういう予定になっておりますか。これが最終になりますか。

 

○和田課長補佐

 一応年度末に、もう一度検討会を開催する予定にしております。

 

○住友座長

 分かりました。第 8 回ということで年度内ですね。 3 月末までですね。

 

○和田課長補佐

 はい、年度末に予定しています。

 

○住友座長

 日程調整はまた事務局にお願いするということで、第 8 回が 3 月までに開催されます。それでは、これをもちまして第 7 回歯科診療情報の標準化に関する検討会を終了させていただきます。大変御協力いただきましたこと、心からお礼申し上げます。ありがとうございました。


(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 医政局が実施する検討会等 > 歯科診療情報の標準化に関する検討会 > 歯科診療情報の標準化に関する検討会(第7回)議事録(2015年11月25日)

ページの先頭へ戻る