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2015年12月9日 第63回労災保険部会議事録
労働基準局労災管理課
○日時
平成27年12月9日(水)10:00~11:34
○場所
厚生労働省共用第8会議室
○出席者
委員
明石 祐二 (一般社団法人日本経済団体連合会 労働法制本部上席主幹) |
岩村 正彦 (東京大学大学院 法学政治学研究科 教授) |
大前 和幸 (慶応義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学教室 教授) |
桐明 公男 (一般社団法人日本造船工業会 常務理事兼事務局長) |
諏訪 嘉彦 (東急建設株式会社 執行役員住宅事業部長) |
田久 悟 (全国建設労働組合総連合 労働対策部長) |
立川 博行 (全日本海員組合 中央執行委員政策局長) |
田中 恭代 (旭化成アミダス株式会社 代表取締役社長) |
長尾 健男 (新日鐵住金株式会社 人事労政部部長) |
中窪 裕也 (一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授) |
永峰 好美 (読売新聞東京本社 編集委員) |
新居 康昭 (日本通運株式会社 取締役 常務執行役員) |
浜田 紀子 (UAゼンセン 日本介護クラフトユニオン特任中央執行委員) |
平川 純二 (日本化学エネルギー産業労働組合連合会 副会長、石油部会執行委員長) |
村上 陽子 (日本労働組合総連合会 総合労働局長) |
吉村 健吾 (日本基幹産業労働組合連合会 中央執行委員) |
○議題
(1)労働者災害補償保険法施行令の一部を改正する政令案要綱について(諮問)
(2)労働者災害補償保険法施行規則及び炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(3)社会復帰促進等事業に係る平成26年度成果目標の実績評価及び平成27年度成果目標等について
○議事
○岩村部会長 それでは、ただいまから「第63回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会」を開催いたします。はじめに、前回の部会以降、委員の交代及び事務局の人事異動があったということですので、まず事務局の方から御紹介を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○志村労災管理課長 では、御紹介いたします。委員名簿を席上に配布しておりますので、御参照ください。労働者代表として齊藤惠子委員に代わりまして、UAゼンセン日本介護クラフトユニオン特任中央執行委員、浜田紀子委員に御就任いただいております。
○浜田委員 おはようございます。よろしくお願いいたします。
○志村労災管理課長 同じく労働者代表として、黒田正和委員に代わりまして、日本化学エネルギー産業労働組合連合会副会長・石油部会執行委員長、平川純二委員に御就任いただいております。
○平川委員 平川でございます。よろしくお願いします。
○志村労災管理課長 同じく労働者代表として、新谷信幸委員に代わりまして、日本労働組合総連合会総合労働局長、村上陽子委員に御就任いただいております。
○村上委員 村上です。よろしくお願いいたします。
○志村労災管理課長 続きまして、使用者代表として佐藤一郎委員に代わりまして、新日鐵住金株式会社人事労政部部長、長尾健男委員に御就任いただいております。
○長尾委員 長尾でございます。よろしくお願いします。
○志村労災管理課長 また、事務局にも人事異動がありましたので、紹介させていただきます。大臣官房審議官労災・賃金担当の土屋でございます。
○土屋審議官(労災・賃金担当) 土屋でございます。よろしくお願いいたします。
○志村労災管理課長 労災管理課長の志村でございます。よろしくお願いいたします。最後に労災管理課労災保険財政数理室長の野口でございます。
○野口労災保険財政数理室長 野口でございます。よろしくお願いします。
○岩村部会長 ありがとうございました。次に本日の委員の出欠ですが、公益委員の荒木委員、小畑委員が御欠席です。これにより出席者16名になりますが、公益代表、労働者代表、使用者代表それぞれ3分の1以上の出席がありますので、定足数を満たしていることを御報告したいと思います。
それでは早速、本日の議事に入りたいと思います。お手元の議事次第を御覧ください。第1の議題は、「労働者災害補償保険法施行令の一部を改正する政令案要綱について」になっております。本件は厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛ての諮問案件です。
それでは、まず事務局から説明を頂きたいと思いますので、よろしくお願いします。
○志村労災管理課長 まず、政令案要綱について、読み上げた上で内容を御説明させていただきます。
○田上労災管理課長補佐(企画) 労災管理課長補佐の田上でございます。よろしくお願いいたします。
資料1を御覧ください。読み上げさせていただきます。
厚生労働省発基1209第5号、平成27年12月9日
労働政策審議会会長 樋口美雄殿
厚生労働大臣 塩崎恭久
別紙「労働者災害補償保険法施行令の一部を改正する政令案要綱」について、貴会の意見を求める。
別紙
労働者災害補償保険法施行令の一部を改正する政令案要綱
第一 本則
労働者災害補償保険法別表第一第二号の政令で定める率のうち傷病補償年金及び傷病年金に係る率について、〇.八八とすること。
第二 附則
一 この政令は、平成二十八年四月一日から施行すること。(附則第一項関係)
二 この政令の施行に関し、必要な経過措置を定めること。(附則第二項関係)
以上です。
○志村労災管理課長 この政令案については、参考資料がありますので、その説明をさせていただきます。A4の横置きの2ページほどの紙が、参考資料1-1としてあります。労働者災害補償保険法施行令の一部を改正する政令案の概要です。その中の、併給調整制度の概要です。同一の事由について、労災保険の年金給付と厚生年金保険等の年金給付が併給される場合、事業主の費用の二重負担、あるいは損害の重複填補を避けるという観点から、一定の方法により支給額が調整されるという制度になっております。
具体的には、労災保険の年金給付については、調整率を乗じることにより減額して支給し、厚生年金保険等の年金給付については、そのまま全額を支給することになっております。そして、その具体的な調整率についてですが、下記の算定式によって得られた率を下回らない範囲で、政令で定めることとされております。これは1ページ目です。
そして、次のページを御覧ください。その算定式に基づく算定結果が、真ん中の表です。そして、今回の改正内容と関わる所が、黄色の部分で示されております。改正の概要です。労災の傷病補償年金と、障害厚生年金のみ受給している場合の調整率の算定結果は、0.8748となっており、現行の調整率0.86は算定結果を下回っていることから、調整率の改定が必要であります。改定後の調整率は、算定結果を下回らない範囲内である0.88といたします。
これに伴う給付額の影響等です。労災の傷病(補償)年金と障害厚生年金のみ受給している場合の調整率が、現行の0.86から0.88へ改定された場合、平成26年度の実際の労災年金支払額を参考にしますと、調整率の改定によって労災年金支払額に影響が生じるのは55件です。そして、額にしますと、年間で約300万円の支出増が見込まれます。労災保険率への影響は、ほぼないものと考えられます。以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。それでは、ただいま事務局から説明を頂いたところですが、これについて御意見あるいは御質問がありましたら、お出しいただければと思います。いかがでしょうか。特にないということでよろしいでしょうか。そうしますと、諮問のあった件については、当部会としては「妥当と認める」旨を労働条件分科会に報告したいと考えますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○岩村部会長 それでは、そのようにさせていただきます。報告文については、私に御一任いただくということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○岩村部会長 ありがとうございます。
続いて、2番目の議題に移りたいと思います。議事次第にありますが、2番目の議題は「労働者災害補償保険法施行規則及び炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令案要綱について」です。本件もやはり厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛ての諮問案件となっております。
それではまず、事務局から本件について説明を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。
○志村労災管理課長 まず、省令案要綱について、読み上げた上で内容を御説明いたします。
○田上労災管理課長補佐(企画) それでは、資料2を御覧ください。読み上げさせていただきます。
厚生労働省発基1209第6号、平成27年12月9日
労働政策審議会会長 樋口美雄殿
厚生労働大臣 塩崎恭久
別紙「労働者災害補償保険法施行規則及び炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令案要綱」について、貴会の意見を求める。
別紙
労働者災害補償保険法施行規則及び炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令案要綱
第一 介護補償給付及び介護給付の限度額等の引上げ
一 常時介護に係る介護補償給付及び介護給付について、介護に要する費用として支出した費用がその額を超えるときに支給する限度額を、月額十万四千九百五十円(現行十万四千五百七十円)に、介護に要する費用を支出して介護を受けた日がない場合等であって、親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日があるときに支給する額を、月額五万七千三十円(現行五万六千七百九十円)に改めること。
二 随時介護に係る介護補償給付及び介護給付について、介護に要する費用として支出した費用がその額を超えるときに支給する限度額を、月額五万二千四百八十円(現行五万二千二百九十円)に、介護に要する費用を支出して介護を受けた日がない場合等であって、親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日があるときに支給する額を、月額二万八千五百二十円(現行二万八千四百円)に改めること。
第二 介護料の引上げ
炭鉱災害による一酸化炭素中毒症について労働者災害補償保険法に基づく療養補償給付を受けている者であって常時介護を必要とするものに支給する介護料の額を、介護の程度に応じて月額五万七千三十円、四万二千七百七十円又は二万八千五百二十円(現行五万六千七百九十円、四万二千五百九十円又は二万八千四百円)に、介護に要する費用として支給した費用がこれを超えるときに支出する限度額を、介護の程度に応じて月額十万四千九百五十円、七万八千七百十円又は五万二千四百八十円(現行十万四千五百七十円、七万八千四百三十円又は五万二千二百九十円)に改めること。
第三 施行期日等
一 この省令は、平成二十八年四月一日から施行すること。(附則第一項関係)
二 この省令の施行に関し、必要な経過措置を定めること。(附則第二項関係)
以上です。
○志村労災管理課長 ただいま読み上げました省令案要綱につきましては、参考資料2-1、A4の横置きの資料ですが、その資料において要旨を分かりやすく解説し直しておりますので、これも簡単に説明させていただきます。
改正の趣旨ですが、労働者災害補償保険法では、業務上の事由又は通勤による負傷等により一定の障害を負って、介護を要する状態となった労働者に対し、介護に要した費用を介護(補償)給付として支給しております。給付額については、最高限度額と最低保障額を設けました。これについては、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の介護手当というものがあり、この支給限度額との均衡を考慮して設定しております。これらについては、人事院の国家公務員の給与勧告率に合わせて、その額を改定しております。
今般、平成27年度の人事院勧告が0.36%の引上げだったことから、平成28年度より、介護(補償)給付の最高限度額及び最低保障額を見直させていただきたいと思います。また、同様制度ですが、炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法の規定に基づき、経過措置として支給する介護料というものがあります。これについても最高限度額、最低保障額が定められておりますが、同様に見直すものであります。そして、具体額については、労災保険法に基づく介護(補償)給付が、その常時介護を要する者と、随時介護を要する者に分けて、それぞれ最高限度額、最低保障額を御覧の表のとおり定めております。
そして、炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法に基づく介護料についても、省令案要綱のほうで、「介護の程度に応じて」と書いております。これが具体的には3種類に分けられ、常時監視というところは共通ですが、常時介助を要する者、あるいは随時介助を要する者、通常は介助を要しない者として、それぞれ表のように、最高限度額、最低保障額を定めております。そして、これについての施行期日は平成28年4月1日からとさせていただきたいと考えております。以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。ただいま説明を頂きました議題2の関係について、御意見あるいは御質問がありましたら、お出しいただければと思います。
○明石委員 参考までにお聞きしたいのですが、これも給付額と労災本体に与える影響はどれぐらいあるのか、教えていただけますか。
○岩村部会長 では、労災管理課長、お願いいたします。
○志村労災管理課長 お答えさせていただきます。平成26年のデータですが、表でいえば左側のほうですが、労災保険に基づく介護(補償)給付の支給件数が5万4,430件でした。この中に常時介護を要する者、随時介護を要する者という区分がありますが、5万4,430件のうち、常時介護が3万8,841件、随時介護が1万5,589件でした。そして、これに基づく支給額ですが、5万4,000件に対応する数字が67.7億円です。そして常時介護を要する者については、55.9億円、随時介護を要する者については11.8億円ということになっております。
ちなみに、隣の炭鉱災害に関する介護料ですが、これについては平成26年で3区分ありますが、トータルで19人、区分ごとでは上から1人、2人、16人という支給実績になっております。ちなみに額も申し上げますと、炭鉱災害については、総支給額が平成26年度で、684万9,000円でした。3区分のうちのそれぞれが、上から34万、101.9万、549.1万、トータルして700万弱といったような支給実績となっております。これに対する財政影響については、0.36の引上げということですので、ほとんど影響はないと考えております。以上です。
○岩村部会長 明石委員、よろしいでしょうか。その他いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、この諮問のあった件につきまして、当部会としては、「妥当と認める」旨を労働条件分科会に報告したいと考えますが、それでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○岩村部会長 ありがとうございます。そのようにさせていただきます。
次に報告文でありますが、こちらも私に御一任いただくということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○岩村部会長 ありがとうございます。
続きまして、議題3に移りたいと思います。こちらも議事次第にありますが、「社会復帰促進等事業に係る平成26年度成果目標の実績評価及び平成27年度成果目標等について」です。資料を用意していただいておりますので、まず事務局から説明を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○田上労災管理課長補佐(企画) それでは、私から御説明します。資料3-1以降を御覧ください。社会復帰促進等事業の成果目標に関しては、本年夏の労災保険部会でも御報告しました。その際、対象事業89事業のうち16事業を除いて、評価について御報告したところです。残り16事業について、今回まず評価を御報告したいと考えています。
資料3-1に概要の作成をしています。まず1つ目として、今回評価を行う16事業ですが、A評価を受けたものが12事業、B評価を受けたものが1事業、C評価を受けたものが3事業となっています。また、全事業に関する類型を言いますと、A評価を受けたものが71事業、B評価を受けたものが8事業、C評価を受けたものが7事業となっています。
資料3-2を御覧ください。今般、御報告するに当たり、議論のポイントとなるものを3つまとめています。まず、1つ目です。今回評価をしました16事業のうち、目標未達成事業について、B評価及びC評価の事業ですが、原因分析と改善措置について御説明することを考えています。こちらで、平成27年度の新規事業で事業内容が変更になったものもありまして、これも併せて御説明したいと思います。
2つ目の議題です。これらの平成26年度評価について、平成28年度の概算要求への反映状況について御説明したいと考えています。ポイントとしては、全事業の中で、B評価若しくはC評価を受けた事業について、増額要求を行っているものがあります。これらの事業について中心的に御説明したいと考えています。
それから、資料3-2の裏面、議題3として、平成28年度から行う新規の事業について、こちら4事業ありますが、これらの必要性について御審議いただければと考えています。
早速、1つ目の16事業の評価に移ります。資料3-3を御覧ください。先ほど言いましたB評価及びC評価についてまとめたものです。
先に、C評価の事業から御説明します。資料の1ページ、事業番号7-1、独立行政法人労働者健康福祉機構の運営費、このうち、労災病院の運営に関するものです。この事業は、成果の目標であるアウトカム指標を複数定めています。そのうち、患者様の満足度についてのアンケート調査について、労災病院としては5段階の評価でアンケートを頂いていますが、そのうちの上から2つ、「満足」と「やや満足」の割合が80%以上を目標としていたところ、平成26年度は72.3%で目標未達成であったということです。この原因の分析ですが、資料の真ん中の理由の部分を御覧ください。このアンケートですが、実は、平成26年度からアンケートの選択肢を変更しています。これまで、「満足」「やや満足」「どちらでもない」「やや不満」「不満」という5択でアンケートを取っていましたが、この「どちらでもない」という選択肢が選びにくいという患者様からの声がありまして、この選択肢を「普通」という選択肢に変更しました。こうしたところ、アンケートの結果は、全体的に「普通」のほうに寄るという現象が生じて、満足度が下がったということが直接の原因かと考えています。さはさりながら、満足度が下がったということは事実であるので、改善事項として、利用者の視点に立った医療サービスを提供するために、各種改善を講じていこうと考えています。また、アンケートについても、どういったところに不満があったのかについて、もう少し詳しく調べることができないかについても検討しているところです。
2ページ、事業番号7-2、独立行政法人労働者健康福祉機構運営費、医療リハビリセンターの運営です。こちらも、先ほどの労災病院の運営とほぼ同じものです。成果目標としてのアウトカム指標を複数掲げていましたが、患者様の満足度のアンケート調査が今年度達成できなかったということです。こちらの原因も同じでして、同様に選択肢を「どちらでもない」から「普通」に変更したところ、結果が真ん中に寄るという現象が生じたのが直接のものと考えています。改善についても、労災病院と同様に、より患者様に満足いただけるように内容の改善をしていくことと、今後、アンケート調査等の分析の仕方についても検討を進めていこうと考えているところです。
3ページ、事業番号58番、技能実習生に対する事故・疾病防止対策等の実施のための経費です。こちらは、外国人技能実習生に関して、技能実習生の受入企業に対する安全衛生、健康確保に関する助言指導を行うという、事故・疾病防止対策を行う事業です。こちらの成果目標ですが、技能実習生1号、これは、日本に入国されて1年目の方ですが、これらの方々の死傷者年千人率を6.48以下とすることを目標として掲げていましたが、平成26年度は7.56と目標に届かずC評価となりました。この原因分析ですが、平成25年から平成26年にかけて技能実習生の入国数がかなり増えています。技能実習生1号の人数は約6万7,000人から8万3,000人に急増しました。これに対応するだけの効果的・効率的な安全衛生指導・教育のツール・仕組みが不足していたのではないかと考えられます。また、経験が浅く、日本語能力の低い実習生にとって、分かりやすい教材も不足していたのではないかと考えています。
本事業に関しては、先の通常国会で技能実習制度に関する改正の法案を提出しています。この法案が成立した暁には、新たな認可法人において、より効果的な安全対策を実施することを考えているところです。本法案は、先の通常国会では成立せず、現在継続審議となっていますが、この法案が成立し新たな法人が設立された暁には、本事業は廃止をし、新たな事業に対する新規事業に移行する方針としています。新規の事業については、後ほど新規事業の所で御説明します。
4ページ、こちらはB評価の事業です。事業番号は5番、障害者職業能力開発校施設整備費です。こちらの事業は、業務上負傷された方々の早期社会復帰を図るための職業訓練校の施設整備費です。ですので、施設の修繕ですとか、必要な機器の更新などを行う事業となっています。この事業の評価指標として、成果ではなくて執行の指標としてのアウトプット指標、こちらについて、訓練校の定員充足率を80%以上とする目標を掲げていました。そうしたところ、平成26年度は72%であったということで、目標達成せずB評価となりました。この原因です。求職障害者の方の内訳ですが、身体障害の方はもちろんいますが、近年、精神障害者の方、あるいは発達障害者の求職申込件数が急増しています。翻って、訓練学校において、そういう精神障害の方、発達障害の方に対する訓練技法というものは必ずしも十分習得されていないということもあって、そういう方々の受入れに至らないことが目標未達成の原因となったのではないかと考えているところです。
本事業に関しては施設整備でして、これまで執行目標のアウトプットとして掲げていました充足率の指標が、ふさわしいものかどうかという御議論もありました。それも踏まえて、平成27年度からは、この目標については施設整備であるということを念頭に置いて、予定している施設・訓練機器の整備及び整備工事について、予算の範囲内で、かつ予定の工期内に施行されるという目標に、アウトプット指標を変えようと考えています。これが改善のまず1つです。
さはさりながら、訓練校において、精神障害の方等の受入れが進んでいないこともあるので、こちら、改善事項の所に採用していますが、例えば、今年度からですが、精神障害の方、発達障害の方に関しては、最初からフルタイムの訓練を受けるのは難しい方もいますので、こういう方に対して、段階的に訓練時間を引き上げるような導入訓練というものを導入する取組を行っています。精神障害の方、発達障害の方を訓練校にきちんと受け入れられるよう体制の整備を進めていこうと考えています。以上が、今回、評価します16事業のB、C評価のものです。
5ページを御覧ください。こちらは、直接評価をするものではなくて、今回、御報告したいものです。平成27年度、今年度の新規事業として要求をしたものの変更についてです。事業番号は10番、長期にわたる療養が必要な労働者のための復職等支援です。長期間療養が必要な疾病を抱えた方の復職支援を行おうということに当たり、まずモデル的な事業として、委託事業として「復職等支援コーディネーター」の養成と配置を行い、その委託会社で、実際に復職しようとされている方の支援を行いつつ、長期療養が必要な方の復職支援に関して、どういう課題があるのかを明らかにしようということでお願いをしていた事業です。こちらの事業について、委託事業者の選定等を進めていましたが、今年度2回調達を実施して、いずれも応札者なしで不調となりました。その際に、入札の説明会に来ていただいた事業者に、どういったところで応札できなかったのかを聴取したところ、実際に、委託事業者で復職支援コーディネーターを置くモデル事業を行うことは、事業規模が大きく難しいという声が多数ありました。こうしたことから、事業実施に当たり、応札者が出ることを優先して事業内容を変更しようと考えました。
新しい事業内容です。実際にモデル事業を行うという部分をオミットして、復職支援を今、やっている団体さん、あるいは、実際に長期療養から復職された労働者の方、あるいはそういった方を受け入れた企業に対してヒアリング調査を実施し、どういうところに復職のための課題があるのか、どのような支援をしていけばいいのかを調査研究をする事業に変更しようと考えています。変更して、先ほど改めて調達を行ったところ、入札があって、現在事業の実施に向けて進めているところです。こういう事業変更に伴い、平成27年度のアウトカム指標、アウトプット目標についても変更になりましたので、それについてもこの資料で御報告したいと考えました。以上が、まず議論のポイントの1つ目です。
続いて、議論のポイントの2つ目について御説明します。2つ目は、平成26年度の事業評価について、平成28年度概算要求への反映状況の報告です。資料3-4を御覧ください。こちらで、全事業について、平成27年度予算と平成28年度要求についてまとめています。このうち、C評価で増額要求を行っているもの、B評価で増額要求を行っているものについて御説明します。
1ページ、C評価の事業で増額要求を行っているものです。上から3、4行目の所です。事業番号7-1、7-2です。これは、先ほど16事業の評価で言いました、労働者健康福祉機構における労災病院の運営と医療リハビリテーションセンターの運営の部分です。こちらは、平成28年度予算では、およそ99億円と大きく増額をしていますが、来年度から労働者健康福祉機構と労働安全衛生総合研究所が統合することとなっていて、そちらの労働安全衛生総合研究所の予算もこちらに含まれることになったことから、額面上、増額をしているものです。
次に、事業番号15番、労災ケアサポートセンター事業経費です。こちらは、夏に評価については御説明したものです。こちらの事業ですが、予算は据置きとなっていますが、現在、市場化テストの対象事業となっていまして、平成26年から平成28年までの3か年契約で事業を行っているものです。契約の途中ということでして、契約に必要な予算額を要求せざるを得ない面もありまして据置きとしたものです。
事業番号17番、長期家族介護者に対する援護経費です。こちらの事業は、労災によって長期介護を必要としていた方が労災外の要因で亡くなられた場合に、遺族補償の対象にはならないわけですが、そういう遺族の方の生活の激変を緩和するために、100万円の一時金を支給する事業となっています。本件ですが、支給件数は毎年増加をしてきていて、平成26年度は37件の支給がありました。そういう増加の傾向を見て、平成28年度要求はそれに必要なもの、55件ぐらいに増えるのではないかということで、予算要求は55件分、5,500万円としているところです。
2ページ、事業番号18番、労災特別介護施設設置費です。これは、在宅で介護を受けることが難しい高齢の労災の被災者の方に対して、専門的施設で介護サービスを提供するものです。これらの施設の入居者の方の安全を確保するために、施設の改修等の施設整備を行うものです。こちらですが、労災特別介護施設の経年劣化が現在進行していて、入居者の生命・生活に直結しかねないような修繕の案件が多数出てきています。そういう修繕をきちんと行っていくということから、必要な予算額として若干の増額要求をしているところです。
C評価の最後です。事業番号68番、雇用均等行政情報化推進経費です。こちらは、都道府県労働局の均等室のデータベースの管理等の事業です。これまでも、システムの安定稼動のため、雇用均等行政の運営に必要なものとして予算の要求をしていましたが、平成28年度については、セキュリティの対策に必要な経費とか、女性活躍推進法の成立に伴うシステム改修というものが必要になってきます。そういうものに必要な予算として増額要求をしているところです。
3ページの御説明は割愛します。
4ページ、B評価を受けたもので増額要求をしているものです。事業番号5番、障害者職業能力開発校の施設整備費です。先ほど御説明したものの1つです。こちらの事業ですが、障害者の職業能力開発訓練校の老朽化等が相当進んでいます。かなり緊急性の高いものとして、大規模な耐震改修工事とか、消防設備の不備解消というものがあり、消防署から指摘を受けているものなどもあります。そういうものに関しては、もう喫緊にも修繕を行わなければならないということでして、スケジュールの後ろ倒しは困難なことから、それらに必要な予算を要求しています。
次に、事業番号19番、労災特別介護援護経費です。こちらも、先ほどの労災サポートセンターのものと同じでして、現在、市場化テストの対象となっていまして、3か年契約の途中です。若干、僅かながらの増額になっていますが、こちらの契約上必要な予算を計上しているものです。
事業番号40番、若者の「使い捨て」が疑われる企業等への対応強化です。本事業は、調達に時間を要したこと等から、平成26年度アウトプット指標が一部目標を下回ったというものです。若者の「使い捨て」が疑われる企業、いわゆるブラック企業ですが、こういう所に対する対策というのは、政府全体としても喫緊の課題として重点的に取り組まなければならないものですので、より効果的な周知方法を実施していくという観点からも、同規模の予算を要求しているものです。
5ページ、事業番号72-1、過重労働の解消及び仕事と生活の調和の実現に向けた働き方・休み方の見直しです。こちらの事業は、労働時間などの設定改善を進めワーク・ライフ・バランスの実現を図るために、職場意識改善助成金を支給する事業となっています。平成28年度については、より効果的に事業を実施するという観点からも、労働条件分科会における議論等を踏まえ、時間外労働の上限設定を導入する措置を取る中小企業を対象として助成する、時間外労働上限設定コースといった新たなコースの導入などにより、増額要求をしているものです。
最後に、事業番号78番、雇用労働相談センターの設置経費です。こちらの事業ですが、これは、国家戦略特別区域に雇用労働相談センターを設置するものでして、国家戦略特別区域ごとに設置される国家戦略特別区域会議において、どういう所にこのセンターを設置するかを決定していくものです。平成28年度については、国家戦略特別区域諮問会議においてセンターの設置数を増加する動きがあることも踏まえて、それに対応できるだけの予算ということで、増額要求をしているものです。
これまで御説明したものが、平成26年度C評価ないしB評価で、平成28年度の予算要求が増額となっているものです。資料3-4には、ほかの事業についてもまとめていますが、残りについては、B、C評価で減額をしたもの、あるいはA評価を受けていたものですので、説明については割愛します。
資料3-5を御覧ください。今回の議題の3つ目、平成28年度の新規事業です。平成28年度の新規事業ですが、4つの事業を予定しています。1つ目が過労死等援護事業。2つ目が職業病予防対策。これは、東京電力福島第一原発の関係です。3つ目が、外国人技能実習機構に対する交付金。先ほど申し上げた技能実習に関する新法成立後の事業となっています。4つ目が、労働条件・安全衛生確保関係相談業務の外部委託化というものです。順に説明します。
1ページとその裏面の2ページが、事業の1つ目、過労死等援護事業実施経費の資料となっています。こちらの事業ですが、先の通常国会において過労死等防止対策推進法が成立して、それに基づく過労死等の防止のための対策に関する大綱を取りまとめたところであり、この大綱の中で、過労死の防止のための活動を行う民間団体に対して、国として支援をすることが定められたものです。2ページの概念図に詳細が書いてあります。この大綱を受けて、本事業では、例えば、過労死の方の遺児の交流会とか、あるいは、遺族の方のカウンセリングを、外部委託でもって実施することを考えています。そちらの図にあるように、委託で実施をするわけですが、事業の実施に当たっては、実際に今、全国で活動している過労死の方の関係の団体に、準備委員会に参画を頂き、そういう方々の意見も伺いながら、交流会とか、カウンセリングというイベントの計画を作り、実施していくことを考えている事業です。
3、4ページです。こちらは職業病予防対策の推進です。東電福島第一原発の廃炉作業等における被ばく低減対策の強化です。東電福島第一原発の事故に関しては、核燃料のデブリの取り出しという作業とか、汚染水の処理とか、凍土壁の設置工事という、これまで余り多くなかった、高線量・高汚染での作業が今後どんどん増加をしていくことが見込まれているところです。一方で、こうした業務の多くは、被ばく低減措置の経験とか、ノウハウが必ずしも十分でないような業者さんが請け負っているという実態もある現状です。
そこで、4ページの事業の概念図にもあるように、放射線防護対策に関する専門家のチームを組織し、効果的な被ばく低減対策を行う事業を考えているところです。実施に当たっては、実際の現場で作業を請け負っている作業指揮者の方、作業者の方への教育は当然のことながら、その上流である元請事業者ですとか、あるいは、東電本体における発注仕様書の作成、施工計画の作成という段階から、専門家による放射線防護対策に関する周知とか助言を実施する。そうして、発注者、元請、実際の作業現場、全てに対して効果的に被ばく低減対策を実施していこうという形の事業となっています。
5、6ページ、外国人技能実習制度の適正かつ円滑な推進に関する経費です。先ほど、評価の俎上に載りましたが、技能実習生への安全対策に関するものの後継事業という形になります。先ほど御説明したとおり、先の通常国会に、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案を提出していまして、現在、継続審議となっています。この法案が成立した暁には、新たな認可法人を設立して、その法人において、各種教材の母国語への翻訳や、動画教材の作成といった、安全対策のための教材作りというようなことから、技能実習生に対する直接的、集約的な情報を踏まえた効果的・効率的な助言指導の展開という実際の安全指導まで、一体的に行っていくこととしています。これに必要な費用として、その新法人の運営のための交付金をこちらの事業に積んでいます。
こちらの事業ですが、仕立てとして、概算要求の予算上は、先ほど説明した、現在行っている事業を廃止して、今、出している法案の施行は4月1日ですから、来年度以降は、この新たな法人で事業をするとしています。ですので、概算要求上は、現在行っている事業を廃止して、この新規事業を新規年度から始める形となっています。しかしながら、法案が継続審議となっている関係もあって、今後、施行日等に関しては、国会における修正がある可能性があります。そういう場合には、現在行っている事業と、この新規事業の移行のタイミングが変わることになるので、その場合には、予算案の変更はあり得べしものと御承知置きいただければと思います。
7、8ページ、労働条件・労働安全衛生関係相談業務の外部委託化経費です。こちらの事業ですが、現在、「「日本再興戦略」改訂2014」において、監督署における監督指導の徹底を求めることが盛り込まれたところですし、また、それの「改訂2015」においては、月100時間を超える時間外労働を把握した全ての事業場に対する監督指導を徹底することが盛り込まれています。このように、監督署における体制強化は喫緊の課題となっています。 一方で、現在の監督署には非常に多くの電話相談が寄せられています。こうした電話相談には、個別の指導をしなければならない重大なものから、軽易な、一般的な質問まで様々なものがあります。現行、監督署の職員がそういう電話相談1つ1つに対応しなければならない状況にあるという現状があります。
こうした状況から、監督官には、なるべく現場で監督をする方向にソースを移していただきたいということもあって、監督署に関する一般的な問合せとか、法令制度に関する一般的な問合せ、あるいは苦情、御意見というものの取次ぎを一元的に行うコールセンターを設置して、業務の効率化を図ることを考えています。そのために、まず電話相談の多い、東京、大阪の労働局に関して、コールセンターを設置して、そこで一元的に電話を受け付けるというものです。そのためのコールセンターの設置費用として、今回新規事業としてお願いしたというものです。社会復帰促進等事業に関する論点については以上です。
○岩村部会長 ただいま事務局から御説明いただきました事項について、御意見、御質問がありましたらお出しいただきたいと思います。
○吉村委員 質問いたします。資料3-3の3ページ、技能実習生に対する事業に関してです。平成26年度の実績では技能実習1号の死傷者年千人率が7.56です。現在期中ですが、いろいろ入国者も増えているといった状況があると聞いておりますが、率はやはり下げなくてはならないと思っています。今年度の状況についての見解を伺っておきたいと思います。よろしくお願いします。
○岩村部会長 担当部局からお願いいたします。
○事務局 職業能力開発局海外協力課でございます。ただいまの御質問は今年度における取組状況についてということで承知しました。今年度において、平成25年度から平成26年度にかけて被災者が増えた業種が、金属製品製造業や農業、漁業関係などであると承知しておりまして、そういったことを踏まえて、近年に作成した金属製品製造業や農業関係の安全衛生対策マニュアルの周知徹底を図っているところです。その他、巡回指導などは引き続き行っている状況です。
○岩村部会長 吉村委員、いかがでしょうか。
○吉村委員 資料3-5の5ページですが、平成28年度新規事業の中で、先ほどの質問にも関連する事業ということで、「外国人技能実習制度の適正かつ円滑な推進に関する経費」が記載されています。先ほど申しましたけれども、やはり率が悪化しているということと、技能実習生の数が増えている、そういった予測もいろいろやっていきながら取り組まなければいけないと思っておりますが、この技能実習法案を踏まえ、意欲的な目標設定がなされるように要望しておきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○岩村部会長 ほかにはいかがでしょうか。
○長尾委員 些末なことですけれど、ちょっと分かってないので教えていただきたいのですが。資料3-3の1、2ページ目に書かれている理由の所ですが、「どちらでもない」から「普通」に変更した結果、「やや満足」と回答された方が「普通」へ移行したと書かれています。これは事実なのか推定なのかどちらですか。
○岩村部会長 事務局、お願いいたします。
○事務局 労働基準局労災管理課でございます。これはアンケートを実際に取りまして、それで対前年と比較したものです。平成25年度と平成26年度を比較して、平成26年度が約11.2ポイント中心に寄ったということを説明して書いたものです。
○岩村部会長 長尾委員、いかがでしょうか。
○長尾委員 分かりました。「やや不満足」の方も「普通」に、中心に寄ってきたという傾向があるのでしょうか。
○事務局 はい、そうです。「やや不満足」も「普通」のほうへ移行したと。
○長尾委員 分かりました、ありがとうございます。
○岩村部会長 他はいかがでしょうか。
○立川委員 何点か御質問したいと思います。まず、資料3-3の5ページの、「長期にわたる療養が必要な労働者のための復職等支援事業」について、前回の第62回労災保険部会では、本事業をモデル事業として行う旨の答弁が事務局より行われております。そして今回、当初の予定を変更し、本年度はヒアリング調査及び検討会を開催するということです。事業内容の変更理由につきましては、業務内容が多岐で事業規模が大きく実施できないとの回答が応札業者からあったということで、モデル事業を行わずにヒアリング調査を行うということですが、ヒアリング調査の内容についても多岐にわたることが考えられると私は考えています。そしてその目標設定の理由及びその水準の考え方においては、復職等支援の課題及びその解消方法について取りまとめた報告書を作成して、今後の復職支援に活用できる報告書を作成するということです。これは平成28年度以降の、長期にわたる療養が必要となる労働者のための復職支援事業の基本となるべき報告書の作成と考えられますので、多くのヒアリング調査を行った上で検討会において、今後の復職支援に資する報告書となるよう、慎重な審議の上で報告書の取りまとめを行っていただきたいと思うところです。つきましては、報告書作成に向けた検討委員会の論議に資するヒアリング調査の内容の概要、対象としては先ほどの3点、受け入れた事業者、やっておられる事業者、それから復職の対象となる方というような3点ほどお伺いをしているわけですが、もう少し具体的な内容としては、どのようなものでしょうか。その辺を教えていただければと思います。
それからアウトカム指標の基本となっていますヒアリング調査の対象の数は、どのくらいの数を予定されているのでしょうか。この辺についてお伺いしておきたいと思うところです。
そして平成28年度以降の本事業の実施について、厚生労働省の見解、本年度の事業を受けた今後の事業展開というものを確認させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○田上労災管理課長補佐(企画) ただいま立川委員から御指摘のあった件ですが、現状を申し上げますと、つい前月の末頃に新しく変更した事業に関する事業者が決まったというところです。現在、ヒアリング対象数とかあるいは具体的にどこの団体、どういった方にヒアリングに行くかに関しまして、私どもと委託事業者で調整をし相談をしているところでして、現時点で具体的にどこに何件行くということに関しては、まだお答えできるものができていないという状況であることを御了解いただければと思います。
今後の展開ですが、今回この事業において、長期療養が必要な方がどういった課題を抱えているのかをまとめるということになりますが、それを踏まえて、また私ども省内でも検討させていただきまして、それ以降の社会復帰支援事業等に活かして、新たな事業をつくるか、あるいは既存の事業のどういったところを手直しをするかを検討させていただければと考えているところです。
○岩村部会長 立川委員、いかがでしょうか。
○立川委員 新規の事業として展開をされるという御提案をされるについては、少し内容が抽象的すぎるのではないかなと感じているところです。と言いますのは、対象は調整中であると言いながら、目標はその中で有効であるということを80%以上取りたいとアウトカムに掲げておられるということで、どういう意味での80%、どこから出てきた80%なのかなというような感じもいたしますし、将来的な目標として平成28年度以降の長期療養からの復帰ということについて、まだもう少し具体的なお話を聞ければと思います。もし今お答えができないのであれば、平成28年度以降、この報告書を踏まえて、是非有効な政策を行っていただきたいというのが要望です。よろしくお願いいたします。
○志村労災管理課長 先ほど補佐から申し上げましたが、今は事業者の選定というものを行っているわけです。その中でこの長期療養といっても大きく分けて2つ、メンタルヘルスの関係と、五大がんを患われた方を対象にアプローチしていこうというような論点が1つあります。
そして、この事業が非常に多岐にわたるというようなところで、少し事業規模を縮小しているという背景もあるのかと思うのですが、なかなか好事例というか、母数がなかなか取れないというところもあります。本来なら若くしてそのように罹患された方とか、あるいはもう少しミドルの方で罹患された方というように分けて、調査できればいいのですがなかなか難しいところもあります。共通で聞くような好事例、事業者間、複数事業者間でヒアリングしていても同じようなモデルケースで言ってこられるような場合も結構ありまして、なかなか。それはもう役員にまでなられたような、割と非常にハイレベルの雇用者に関しての話であったこともあって。いずれにしても、どの程度多様なものを調査し、その調査の結果が、実際に企業の人事管理に参考となるようなものになりますので、そこがどれだけ共感を呼べるようなものになるかということで、大枠考えております。
そうした中でこの80%というところのエビデンスは、なかなか申し上げられないですけれども、やはり80%という数字が共感のマジョリティとして得られたというようなことで取り組んでいきたいと考えています。ただ、こういう長期療養から円滑に復帰していくのは、中長期を見ても非常に重要な施策、取組テーマだと考えております。またこの事業の予算のカテゴリーの中でやっていくかどうかはともかくとしまして、ほかに産業保険とか政策運営資源、関連行政として、この労災保険行政、安全衛生行政とありますので、そうしたところとも成果をフィードバックしながらしっかり進めてまいりたいと、担当課としては考えております。
○岩村部会長 立川委員、いかがでしょうか。
○立川委員 課長、どうもありがとうございました。労働者としましては、長期療養から復帰して、通常の生活に戻ることへの支援ですので、是非広範囲な調査をしていただく中で、有効な施策を立てていただく。その中で、平成28年度以降、それの実施に向けて御尽力をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○岩村部会長 この問題は多分、現代的に非常に重要な問題であると思いますが、先ほどの御説明だと、途中で事業変更がされて、今やっと事業者が決まって、これから設計をしていくというようなことで、残り年度内の期間が非常に短い中でどれだけの充実した調査ができるかというところが、1つ非常に危惧をされますので、場合によっては来年度より一層力を注いだ形にするとか、そのようなことも含めて精力的にやっていただければと個人的に私は思います。
他にはいかがでしょうか。
○諏訪委員 1つ質問ではなく意見として受けていただければと思います。資料3-5の4、相談業務に関する外部委託についてですが、私は以前に安全を担当していた時期に、特に東京労働局の各監督署を頻繁に訪問していたのですが、正にこれは実態でして、本来すぐ対処すべき、例えば賃金不払の事案等に、なかなか基準監督官の方が時間を割けないということがありまして、是非やっていただきたいのです。一方で、コールセンターの受皿の方の質、労働基準監督官とまでは申さないまでも、必要な法的な知識であるとか、ある一定線の経験を有した方がまず一義的に相談を受けて、それで監督署に引き継ぐ等の人材の確保と体制ができた民間業者に是非委託していただくようにお願いをしたいと思います。
○岩村部会長 では、事務局、お願いします。
○田上労災管理課長補佐(企画) 御指摘を踏まえまして、事業を進めさせていただきたいと考えております。
○岩村部会長 よろしくお願いいたします。ほかはいかがでしょうか。
○田中委員 1つお尋ねしたいのですが、資料3-4の雇用均等行政情報化推進経費、こうした経費をダイレクトに労災等に関わらないところ、予防措置や安全確保措置だと思いますが、この勘定で見ることが多々あって、いろいろな議論をさせていただいてきているわけです。今日ちょっとお尋ねしておきたいのは、今回増額予算で平成28年度要求をされるのですが、確か平成27年度の予算を拝見しますと、雇用勘定が7,000万円ぐらいで、こちらの労災勘定で5,700万円だったと思うのですが、今回の平成28年度の要求ベースはこれも随分、大きくなって1億が労災勘定。雇用勘定の負担はどのぐらいになっているかを教えていただけますでしょうか。
○岩村部会長 担当部局で応対を頂ければと思います。
○事務局 雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課でございます。予算の経費ですが、原則、労災勘定と雇用勘定折半でさせていただいております。総額としまして、労災勘定が今般5,700万円から1億300万円、雇用勘定が1億1,600万円という形になっております。これは社会復帰促進等事業に関する検討会でも御説明申し上げたと思いますが、雇用勘定での非常勤職員が多少多いということで、雇用のほうが少し多い形の、労災4、雇用6の割合で計上しており、その関係上、このような予算額になっております。
○岩村部会長 田中委員、いかがでしょうか。よろしいですか。
○田中委員 はい。
○岩村部会長 ほかにはいかがでしょうか。
○浜田委員 ただいまの事務局からの説明では割愛されてしまった部分になるのですが、資料3-4の減額になってしまった事業で、6ページになります。幾つかありますけれども、事業番号72-2、テレワークの普及促進対策ということで、「労働時間等の設定改善の促進等を通じた仕事と生活の調和対策の推進」ですが、まず事業概要には、2020年にはテレワーク導入企業を2012年比で3倍、週1回以上終日在宅就業する雇用型在宅型テレワーカー数を全労働者の10%以上にする等の政府目標があります。平成27年度においてどのような進捗状況なのかが分かれば教えていただきたいのと、この中長期的な目標達成に向けた厚労省の見解を聞かせていただければお願いしたいと思います。
○岩村部会長 担当部局からお願いいたします。
○事務局 労働基準局勤労者生活課でございます。テレワーク担当が労働条件政策課から勤労者生活課に10月に移っております。私から説明させていただきますと、減額になった原因は、助成金の支出が非常に少ないということで、来年度は減額させてもらっております。それからテレワークの導入の現状ですが、テレワークのワーカー数が10%と政府目標を掲げていますけれども、今現在3.9%です。以上が現状ですけれども、今後、テレワークを普及促進して10%に近づけていきたいと思っております。
○岩村部会長 浜田委員、いかがでしょうか。
○浜田委員 10%にどうやったら到達するのかが今一つ見えないところでしたけれども、ワーク・ライフ・バランスを考えると非常に重要な事業だと思いますので、是非積極的に取り組んでいただきたいと思います。
○事務局 テレワーカーの3.9%という数字ですが、終日、週に1回働く人の割合ですが、御存じのとおりモバイルワークでかなり民間企業の方、我々公務員もテレワークをやっている現状があります。セミナーなどで300社ぐらいからテレワークの導入の実態を取りましたら、大体46%ぐらいでしたので、かなり進んでおります。けれども、この政府目標では、「終日」ということが足かせになっており、3.9%ということですので、終日型のテレワーク人口を増やしていきたいと思っております。
○岩村部会長 よろしいでしょうか。
○浜田委員 はい。
○岩村部会長 他にいかがでしょうか。
○平川委員 平川でございます。2点ほどお聞きしたいと思います。資料3-4の4ページ、事業番号5、障害者職業能力開発校施設整備費について、施設の老朽化で予算増になるということで、安全面からこれは必要な措置ではあると思いますけれど、この老朽化の対策、予算増が今後どの程度続いていくのか、どういう形になれば施設の整備というものになるのか、その見通しがあればお聞きしたいことと、これにより平成27年度のアウトプット指標も予算の範囲内でかつ予定工期内に施行ということに変更になっています。本来であれば、ここの説明にもありますとおり、受入促進をしていきたいという事業の目標もありますので、この受入促進の結果の推移も見たいと思いますので、このアウトプット指標だけではなくて、受入促進の結果についても報告が今後なされることを要望いたします。
それから2つ目です。同じ資料の5ページ、事業番号72-1、過重労働の解消及び仕事と生活の調和の実現に向けた働き方・休み方の見直しです。この中の「平成28年度概算要求においての見直し内容」のちょうど中段に、「時間外労働上限設定コース(仮称)を新設するための概算要求を行った」とありますけれども、具体的にはこの新設する上限設定コースというのは、どのような要件で助成するのかを確認させていただきたいと思います。また併せて、現在進められている事業の職場意識改善助成金のアウトプット指標の目標が達成できるように、当該事業者への働きかけをお願いするとともに、今申し上げました新設の時間外労働上限設定コースのアウトプット指標の目標とは、現段階でどのようなものを考えているのかをお聞きしたいと思います。
○岩村部会長 2点にわたりまして、それぞれの担当部局からお願いいたします。
○事務局 職業能力開発局能力開発課でございます。障害者職業能力開発校施設整備費についての御質問ですが、今回、増額要求をさせていただいておりまして、特に緊急性を要するものに絞って要求をさせていただいています。特に増額の主な要因としましては、東京障害者校に関してはいろいろ材料費の高騰等の関係で増額をさせていただいています。アウトプット指標のところを変更させていただいていますけれども、今年度調達を行うことになっています訓練機器等については全て調達済みになっており、また今年度完了することになっています工事施行のうち、既に完了している大阪障害者校の外壁タイルの剥落防止の工事等をはじめ、他の工事施行も既に業者の選定とか契約手続きも終えており、いずれも予定どおり今年度、工事施行を完了させる予定です。
将来的にどこまで続くのかという御質問がありましたが、当面は、緊急性のあるものに絞って把握して予算要求をしておりますので、今後につきましてはその辺も適切に把握させていただきまして、対処させていただきたいと考えております。
あとは定員充足の関係ですが、精神障害者の方が増えている中で、一方で障害者校にその受入れのためのノウハウがまだないということがあります。24年度にモデル事業を検証してまいりましたので、25年度以降は、粛々とですが、引き続き関係する障害者の受入れに関して、精力的にノウハウを普及させていき、受講者の確保に努めてまいりたいと考えております。
○岩村部会長 取りあえず、まず平川委員、1点目についてはいかがでしょうか。
○平川委員 はい、分かりました。
○岩村部会長 よろしいでしょうか。それでは2点目のほうをお願いします。
○事務局 労働基準局労働条件政策課でございます。よろしくお願いします。時間外労働上限設定コースですが、具体的な内容につきましては、またこれから予算等も通った後に考えたいと思いますけれども、昨年の労働政策審議会の中で、インターバルとか上限といった労働時間全体の枠をということがありましたので、それらを踏まえた内容にしたいと思っております。それについては今後詰めたいと考えております。
また、既存の職場意識改善助成金について、既存の働きかけですけれども、第2四半期を中心として、いろいろな団体等に回り、周知をお願いし、いろいろな団体の広報誌等に掲載いただいたりしたところです。新設するコースの目標については、まだ予算等通っていませんのでこれから考えたいと思いますけれども、他の助成金等の目標も踏まえて、検討したいと思っております。
○岩村部会長 平川委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○平川委員 はい。
○岩村部会長 他にはいかがでしょうか。
○村上委員 3点ほど意見、要望を申し上げたいと思います。1点目は資料3-4の4ページの、事業番号40番、若者の「使い捨て」が疑われる企業への対応強化です。平成28年度の概算要求においては、広報等の充実強化を図っていくことが示されていますが、具体的にどのようなことを考えていらっしゃるのかを伺いたいと思います。
またこの事業に関しては精力的に大学などでのセミナーなどをやられていることは承知しており、これは引き続きやっていただく必要はあると思っているのですが、若者の「使い捨て」が疑われる企業への対応ということであれば、労働者だけではなくて、企業への対策も必要ではないかと思っております。労働基準法違反に関しては労働基準監督署の仕事であるとは思いますけれども、中小零細企業では、労働法規もまだきちんと分かっていらっしゃらない方もいらっしゃるかと思いますので、そういう方を対象に、どうやって理解していただくのかということも、この事業の対象として是非御検討いただきたいと思っております。
次に資料3-5の1ページの過労死等援護事業実施経費です。こうした事業はやっていく必要がありますが、同時に過労死防止の対策が重要だと思っております。今年度やられたシンポジウムに参加した人の声を聞くと、大変スムーズな運営で、いいシンポジウムであったと聞いているのですが、それをどのようにして広げていくのかも大事であると思っておりますので、その点の充実、もう1歩前進した対策ということも是非御検討いただきたいと思います。
それから最後に、7ページの4の、先ほど諏訪委員が御指摘されたコールセンターの点です。私も同様の危惧と言いますか、懸念を持っておりまして、実際に電話を受けていただく方の資質と、どこまでお任せするかということのバランスだと思うのですが、変な言い方になりますが、相談がたらい回しにはならないようにしていただきたいということと、しっかりした知識を持っている方々を配置していただきたいということです。さらに、労働基準監督署に対する苦情、意見や個別事案についても、いろいろなサインを見逃さないような対策を是非、取っていただきたいと思います。監督官が聞いていれば重大な事案だと気付いていた相談をコールセンターでは聞き逃してしまったというようなことがないように、是非そこの運営はしっかりやっていただきたいという要望です。
○岩村部会長 御要望が主だったと思いますが、担当部かどこか説明等を要望されるところがあればと思いますけれども。1点目ですか、お願いいたします。
○事務局 労働基準局監督課でございます。よろしくお願いいたします。1点目の、若者の「使い捨て」が疑われる企業等への対応強化ということで、まず、広報の充実強化というところですけれども、これについてはポスターあるいはリーフレット等を作成しまして、広く地方公共団体あるいは公共交通機関等に配布等をいたしまして、その周知に努めてまいりたいと思っております。また、労働基準監督署等を通じての、あるいは職業安定所を通じての周知にも努めてまいりたいと思っております。
続いて、企業、使用者側への対応というところですけれども、現在行っています労働条件のほっとラインあるいはポータルサイトにおきましては、労働者だけではなく、使用者側からの相談への対応、あるいは使用者側への情報提供等も行っているところです。これについてもその内容の充実について、引き続き努めてまいりたいと思っております。
○岩村部会長 村上委員、いかがですか、よろしいでしょうか。
○村上委員 はい。
○岩村部会長 他にありますか。
○田久委員 要望と言いますか、今後、概算要求を出された中での事業の徹底も含めてですが、資料3-4のA評価、12ページの建設産業に関する防止の所で増額と、これはオリンピック・パラリンピックを中心にということで増額をされている、安全対策の強化をするという中身になっていると思うのですが、事業概要の中の人材不足ということに関しますと、先ほど来出ている技能実習制度にも少し絡みまして、外国人等が今後もそういったところ、建設産業でも増えてくる可能性があると今は言われています。現に、今は3年から5年になった特別業務の形での外国人受入事業というのも始まっている関係から、こういったところからも先ほど言われたように、建設では事故は多くないということもありましたが、今後はそうした部分でも懸念をされる、増えてくる可能性が十分考えられます。ですので、そういった意味ではこの新規事業やこうした技能実習生に対する業務、また全体的に考えると外国人労働者に対する安全対策というものを、やはりオリンピックを成功させるという意味では重要だと思っていますので、そういうところはしっかり対策とかその事業内容等を検討して進めていただきたいと思っているところです。よろしくお願いいたします。
○岩村部会長 その他いかがでしょうか。
○吉村委員 資料3-4の5ページ、評価番号78番の雇用労働相談センター設置経費について質問したいと思います。センター設置の根拠の規定となります国家戦略特区法第37条では、「個別労働関係紛争を未然に防止すること等により、産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成に資する事業の円滑な展開を図るため、国家戦略特別区域内において新たに事業所を設置して、新たに労働者を雇い入れる外国会社その他事業主に対する情報の提供、相談、助言その他の援助を行うものとする」としております。すなわち、高度人材を中心とした外国人が来日して起業をして、その結果、労働市場が活性化し、日本の雇用によい影響を与えるということが政策目標であると認識しているところです。今後更にセンターを増設するということであれば、アウトプット指標には単なるセミナーの集客数ではなくて、適切な目的設定が必要ではないかと思うところです。本来の目的であるセンターでの相談を通じた新規事業の開業数や、増加した労働者数を目標設定に盛り込むべきではないかと思いますので、そういったことを御検討いただきたいと思います。
○岩村部会長 担当部局からお願いいたします。
○事務局 労働基準局労働条件政策課でございます。今、御意見いただいたことを踏まえて、検討してまいりたいと思います。
○岩村部会長 よろしくお願いをいたします。ほかにいかがでしょうか。
○永峰委員 外国人労働者、外国人技能実習制度のことで1つ質問というより要望です。この制度自体についてはやはりまだまだ問題点があって、新しい法律ができても不安感を持っている人がとても多い、これは使用者側にも労働者側にもたくさんいらっしゃるのではないかと思います。まず、外国人技能実習機構が新設されるわけですが、そこで今、何が求められているのか。外国人技能実習生の受入団体の人権侵害が現在非常に問題になっていて、それが増加傾向にあるわけです。この実習機構がどのくらい立入調査をして、しっかり調査報告ができるか。それから実習機構の人的配置の問題もあります。人材を確保し、しっかりその人たちの教育をやっていくことが必要と思われます。その点を十分に配慮していただきながらしっかりやっていただければと思います。要望です。
○岩村部会長 担当部局からお願いいたします。
○事務局 職業能力開発局海外協力課でございます。御指摘については正に、しっかりした体制で望んでいきたいと考えておりますが、御参考までに、機構の予定している体制についてですが、機構の本部80名程度、地方事務所250名程度、合計330名程度で、しっかり実地検査などができる体制を考えていきたいと思っています。どれぐらい回るのかというところについても、しっかり対応を考えておりまして、現在、監理団体が約2,000、実習実施機関が約3万という中で、監理団体に対しては、毎年網羅的に行けるようにしたいと考えています。実習実施機関に対しては、3年間で全数、網羅できるようにしていきたいというような分量感で考えております。いずれにしましても御指摘を踏まえて、しっかりした体制強化を考えていきたいと思います。
○岩村部会長 永峰委員、いかがでしょうか。
○永峰委員 はい、お願いします。
○岩村部会長 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか、ありがとうございました。それでは、本件につきましてはここまでとさせていただきたいと思います。今日委員の皆様から様々な御意見、御要望等もありましたので、関係各部局におかれましては、本日の議論を踏まえて、適切に御対応を頂ければと思いますので、お願いをしておきたいと思います。本日の部会はここまでとさせていただきます。
○村上委員 すみません、議題にはないのですが、1点、せっかくの機会なのでちょっと質問させていただければと思いますが、よろしいでしょうか。行政不服審査法の改正に伴う、労災保険審査の見直しについて、施行が来年4月1日となっていますが、それに伴って、省令や規則などの改正があるのかどうか、ある場合はこの部会で議論になるのかどうかの点の確認。それと、実際に審査官の裁決に不服があった場合は、再審査請求だけではなくて、直接訴訟にもいけるということに伴って、様々な運用も変わってくるのではないかと考えているのですが、それに関しては何か決まった場合に、御報告などいただけるのかどうかの点について質問したいと思います。
○岩村部会長 労災管理課からお願いしてよろしいですか。
○田上労災管理課長補佐(企画) 行政不服審査法の関連ですが、関係の政令に関しては既に公布済みとなっております。省令に関しては現在作業中でして、ただ、この行政不服審査法の関連ということで、労災のもののみならず、他部局のものとまとめまして、省令という形で公布をする形になります。したがいまして、手続上は、この部会に報告するということはないのですが、いずれにしても、この行政不服審査法の関係は、法律の段階で内容の大部分は決まっておりまして、政令、省令に関してはそれに基づく整備というレベルのものになろうかと考えているところです。
○岩村部会長 村上委員、よろしいでしょうか。少なくとも私の理解しているところでは、一番大きいのは再審査請求が前置ではなくなったというところであって、それ以外はそれほど大きな影響を受けるものではないのではないかと思っています。ただ、運用上の問題は当然あると思いますし、また審査官のところの裁決から直接どのくらい訴訟にいくのかというような問題とかは、いろいろ出てくるかとは思いますけれども。多分法令整備上はそれほど大きな問題はないのかなと思っているところですが、いずれにしろ、またその点、必要があれば事後的にでも御報告いただくとか、そうした対応は考えさせていただきたいと思います。
ほかにはいかがですか、よろしいでしょうか。それでは本日の部会はここまでとさせていただきます。
最後に、本日の議事録の署名委員として、労働者代表は吉村委員に、使用者代表につきましては新居委員にそれぞれお願いいたします。皆さま本日はお忙しい中、大変ありがとうございました。
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